第88回アカデミー賞授賞式が2月29日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『レヴェナント:蘇えりし者』でノミネートされているレオナルド・ディカプリオと『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレットが、レッドカーペットに2人揃って登場し、ファンを熱狂させた。『タイタニック』(’97)、『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(’08)で共演した2人。レオナルドは今回、『レヴェナント:蘇えりし者』で主演男優賞にノミネートされ、悲願の受賞となるか全世界が注目している。一方のケイトは『スティーブ・ジョブズ』で「ジョブズに一番上手に立ち向かった社員賞」に選ばれたというジョアンナ・ホフマンを熱演し「助演女優賞」にノミネート。そんな2人はレッドカーペットに揃って登場し、フォトコールに応じた。ファンはまさかの2ショットに歓喜。『タイタニック』で共演した以来プライベートでも親しみのある2人は、今回W受賞となるか。期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2016年02月29日ついに黄金に輝くオスカー像を手にすることができるのか?第88回アカデミー賞で最多12部門にノミネートされている『レヴェナント:蘇えりし者』(アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督)で、レオナルド・ディカプリオが4度目となる主演男優賞候補に名を連ねている。現在、ディカプリオはアカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデングローブ賞(ドラマ部門)、放送映画批評家協会(BFCA)、全米俳優組合(SAG)賞の主演男優賞に輝いており、念願の主演男優賞に“王手”をかけた状況にいる。それでも、ディカプリオ本人は発表の瞬間まで、どっしりと構えてはいられないだろう。長年、「その気にさせて、受賞はおあずけ」というアカデミー協会のツンデレな姿勢に、振り回されてきたからだ。これまで『ウルフ・オブ・ウォールストリート』をはじめ、『ブラッド・ダイヤモンド』、『アビエイター』で主演男優賞の候補に挙がり、ジョニー・デップと共演した『ギルバード・グレイプ』での助演男優賞ノミネートを合わせると5度にわたってオスカー候補になったディカプリオだが、そのすべてで受賞を逃す結果に。いつしか「保守的なアカデミー会員の老人たちが若くして、富と名声を極めたレオを嫌っている」と揶揄されるようになった。確かにそれも一理あるかもしれないが、主演男優賞に与えられるオスカー像が1つしかないことを忘れてはいけない。過去にディカプリオを蹴散らした受賞者たちが、マシュー・マコノヒー(『ダラス・バイヤーズクラブ』)、フォレスト・ウィテカー(『ラストキング・オブ・スコットランド』)、ジェイミー・フォックス(『Ray/レイ』)と皆、その年の“大本命”だったことを考慮すると、「運がなかった」「相手が悪かった」だけかもしれない。ちなみに今年のライバルは、ブライアン・クランストン(『Trumbo(原題)』)、マット・デイモン(『オデッセイ』)、マイケル・ファスベンダー(『スティーブ・ジョブズ』)、エディ・レッドメイン(『リリーのすべて』)。すでに候補作5本を鑑賞したが、率直な感想として「ディカプリオが抜きん出ている」と断言できる。ほとんどセリフがない状態で、愛するものすべてを奪われた男の復讐心と“生への渇望”を神々しいまでに表現する演技は、一瞬たりとも目が離せないのだ。懸念があるとすれば、このタイミングで有力候補に急浮上した『Trumbo』のクランストンで、役柄・演技とも実にオスカー会員好み。また、ディカプリオに関してはしばしば「賞が欲し過ぎて、演技が力み過ぎ」と過小評価されることもあり(例えば『J・エドガー』)、「バイソンの生レバーを食べた」「格闘シーンで鼻の骨を折った」といった渾身の役作りに話題が集まる『レヴェナント:蘇えりし者』が、同様の憂き目にあわないとは限らない。果たして、勝利の女神はディカプリオに微笑むのか…。今年のアカデミー賞において、間違いなく最大のクライマックスである主演男優賞の行方に熱い視線を注ぎたい。『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。(text:Ryo Uchida)
2016年02月16日2016年英国アカデミー賞(BAFTA)の受賞式が現地時間14日、ロンドンのロイヤル・オペラハウスで開催され、『レヴェナント:蘇えりし者』が最多5冠に輝いた。『レヴェナント:蘇えりし者』は、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞を獲得したのをはじめ、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の監督賞、最高賞となる作品賞、音響賞、撮影技法賞を受賞した。また、『マッドマックス怒りのデス・ロード』も編集賞、プロダクション・デザイン賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアー賞など、技術部門で同じく5部門に輝いている。一方で、主演女優賞には『ルーム』のブリー・ラーソン、助演女優賞には『スティーブ・ジョブズ』のケイト・ウィンスレット、助演男優賞には『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが選ばれた。唯一の一般投票で、新人俳優に送られるEEライジング・スター賞には、タロン・エガートンやダコタ・ジョンソン、ベル・ポウリー、ブリー・ラーソンら他のノミネート者を破り、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ボイエガが見事受賞を果たした。2016年度英国アカデミー賞受賞リスト作品賞:『レヴェナント:蘇えりし者』監督賞:アレハンドロ・G・イニャリトゥ『レヴェナント:蘇えりし者』主演女優賞:ブリー・ラーソン『ルーム』主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』助演女優賞:ケイト・ウィンスレット『スティーブ・ジョブズ』助演男優賞:マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』EEライジング・スター賞:ジョン・ボイエガ特別視覚賞:『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』音響賞:『レヴェナント:蘇えりし者』編集賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』プロダクション・デザイン賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』コスチューム・デザイン賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』脚本賞:『スポットライト世紀のスクープ』撮影技法賞:『レヴェナント:蘇えりし者』音楽賞:『ザ・ヘイトフル・エイト』メイクアップ&ヘアー賞:『マッドマックス怒りのデス・ロード』長編アニメ賞:『インサイド・ヘッド』脚色賞:『マネー・ショート 華麗なる大逆転』ドキュメンタリー賞:『エイミー』(C)BANG Media International
2016年02月16日パソコンか携帯電話さえあれば、指1本動かすだけで、いつでもどこでも世界中とつながることができる――。現代では当たり前となったライフスタイルを生み出した1人である“カリスマ”の姿を、斬新な切り口で描いた『スティーブ・ジョブズ』。このほど、マイケル・ファスベンダー演じるジョブズと、セス・ローゲン演じるアップル社の共同創業者で親友のウォズニアックとの関係性がよく分かる本編シーンが、シネマカフェに到着した。“時代を変えた”といっても過言ではない3大製品、1984年発表のMacintosh、アップルを追われた1988年のNeXT Cube、アップルに復帰して発表した1998年のiMacの3つのプレゼンテーション“直前40分の舞台裏”を描くことで、ジョブズの人生に迫る本作。『ソーシャル・ネットワーク』のアーロン・ソーキンが手がけ、ゴールデン・グローブ賞を獲得した脚本は、見応えある会話劇であることも話題を呼んでいる。今回解禁されたのは、Macintoshの売上不振から退社に追い込まれたジョブズが、新たに立ち上げた「ネクスト」の発表会の舞台裏。アップル社の共同創業者であり親友でもあったウォズニアック(ウォズ)が懇願しているにも関わらず、ジョブズはプレゼンでのAppleIIチームへの謝辞を決して認めない、というシーンだ。相変わらず“上から目線”の態度のジョブズに、ウォズは「マシンを創り出したのは自分なのに、何もしていないジョブズがなぜ天才と言われるのか、君が何をしたのか」と憤慨。その言葉に対し、ジョブズは「オーケストラの演奏さ。君は音楽家としては一流だ」と言い放つが、そんなジョブズに絶望した様子を見せながら、ウォズはひと言、「今回の主役のNeXT Cubeはパソコン史上最大の失敗作だ」と告げるのだ。ウォズを演じたセス・ローゲンはこのときのやりとりを、「ウォズが背負った十字架」と呼ぶようになったと言う。「(大ヒット商品となった)iMacが出るまでのアップルでいちばん成功した製品はAppleIIで、僕のキャラクターが手塩にかけたマシンだ。ただ、徹底したコントロールはできなくて、Appleブランドではないハードウェアをいろいろ積めばよく動いたんだけど、スティーブは自分のコンピューターは“徹底したコントロールができなければだめだ”と言い張った。脚本では、『でも、消費者はこういうのを待ち望んでるんだ!』みたいなことをウォズは常に言う。でも、スティーブはその時点で、いくら稼ぎ頭でもAppleIIを忌み嫌ったのさ」と、当時のそれぞれの思いを説明する。「純血種でないこのコンピューターというのは、スティーブのビジョンと相容れないわけだし、彼はそんなことでプレゼンを骨抜きにしたくないわけだ。だから、『頼むやってくれないか?』『だめだ』『いいから、黙ってやればいいんだ』というのが、彼の要求の定番になってしまう。ウォズの背負った十字架だね。それが、アーロンとダニー(・ボイル監督)の手にかかると、この2人と2人の関係がどんなものかが、あの瞬間にバシッと出てくるんだよ」と、脚本と監督の手腕を絶賛する。かつて共にアップル社を始めたはずの、ウォズとジョブズの間に生じた亀裂の一片が垣間見られる本シーンに注目してみて。『スティーブ・ジョブズ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2016年02月15日『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が、第88回アカデミー賞で「作品賞」「監督賞」など10部門にノミネートされ、日本でも各映画賞を総ナメにしていることから“復活”上映されることになり、再び熱狂を呼んでいる。本作は、石油も水も尽きかけた世界を舞台に、孤高の男マックス(トム・ハーディ)がフュリオサ(シャーリーズ・セロン)率いる美女たちとともに、砂漠の支配者イモータン・ジョーに反逆し、“不屈の精神”で自由のために爆闘する物語。ほかにも、2016年は冒頭から、トム・ハンクスが東西冷戦の影で知られざる活躍をした実在の弁護士に扮した『ブリッジ・オブ・スパイ』、巨大鯨のみならず広大な海との闘いを生き抜いた男たちの『白鯨との闘い』、無謀といわれても自らの夢を追いかけた男の実話『ザ・ウォーク』など、“不屈の精神”を抱き続けた男たちが大活躍。また、現在大ヒット中の日本映画『信長協奏曲』でも、小栗旬が自らの運命を知ってもなお、その信念のため、愛する人のため、仲間のために葛藤しながら、前を向く“信長”を好演している。そんな“不屈の精神”を持つ男たちが、これからもスクリーン上には続々と登場する。まず、アンジェリーナ・ジョリー監督作、文字どおりの『不屈の男アンブロークン』(公開中)では、素行の悪かった移民の少年がオリンピック陸上選手となり、第二次世界大戦中には47日間におよぶ太平洋での漂流を耐え抜き、日本軍の捕虜収容所で渡辺伍長(MIYAVI)から執拗な虐待を受けても、決して希望を捨てなかったルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)が主人公となる。不屈の男の驚愕の半生に目を奪われるとともに、敵も味方も関係ない、“赦し”の物語であることを目の当たりにするはずだ。『オデッセイ』(公開中)でマット・デイモンが熱演する “火星にひとりぼっち”で取り残された男もまた、決してあきらめを知らない男だ。希望を捨てること=死を意味する火星にいながら、彼は持ち前のユーモアとスーパーポジティブな精神、植物学や科学の知識・技術を余すところなく発揮していく。そんな彼の“不屈の精神”を象徴するかのような(?)往年のディスコ・ミュージックも、一歩間違えば絶望的状況に陥る“長き旅”を盛り上げる。絶望的状況といえば、大戦中のアウシュヴィッツ=ビルケナウ収容所を舞台に、ハンガリー系ユダヤ人のサウルが偶然見つけた息子を“弔う”ために奔走する『サウルの息子』(公開中)。同胞の屍体処理に従事する特殊部隊“ゾンダーコマンド”であるサウルは、ユダヤ教の教義に則って、ラビ(聖職者)のもと火葬ではなく埋葬をするべく、収容所内で分業によって淡々と進められる非人道的な行為を背景に、ただ、息子が人間らしくあるために歩みを進めていく。また、2月12日(金)から公開中の、Apple社のカリスマ的創業者を描いた『スティーブ・ジョブズ』では、彼にしか見えないヴィジョンで世界を変えた男が、実娘リサと接するときには戸惑いを隠せず、持て余す様子が描かれる。そんな父親としてのジョブズの姿が、3つの有名なプレゼンテーションから描き出されていく切り口は独特。指1本動かすだけで、いつでもどこでも世界中とつながることができる現代のライフスタイルを生み出した男の、ひとりの人間としての姿をも浮き彫りにさせている。カリスマといえば、クリスチャン・ベイル、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズリング、ブラッド・ピットという豪華スター俳優たちが華やかさを封印し、ウォール街を出し抜いたアウトサイダーを演じる『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(3月4日公開)も注目だ。世界中を混乱させたリーマンショック前夜、いち早く経済破綻を予測し、バブリーなウォール街の常識や権威を敵に回した男たちもまた、あきらめることを知らず、自分自身の“嗅覚”と直感を信じていた。直感といえば、あの名推理でおなじみの“不屈の探偵”も忘れてはならない。『Mr.ホームズ名探偵最後の事件』(3月18日公開)では、今年76歳のイアン・マッケランが90歳を過ぎたシャーロック・ホームズを演じ、30年前に自身が引退するきっかけになった事件に再び挑む。その姿は、“不屈の精神”を持ちながらも、ベネディクト・カンバーバッチやロバート・ダウニー・Jr.が演じてきたホームズのイメージとはまるで違う、リアルな人間味を持つ。さらに、岡田准一と阿部寛が共演を果たす日本映画『エヴェレスト 神々の山嶺』(3月12日公開)では、標高8.848m、氷点下50度、最大風速は50m以上という極限の世界に魅せられた不屈のクライマーたちが描かれる。「孤高の天才」と呼ばれる者、その生き様にどうしようもなく惹かれていく者、それとは別の生き方を選ぶ者…。さまざまな思いが、世界最高峰の山嶺を前に交錯する。最高峰といえば、カトリック教会という世界的な“巨大組織”を前に、屈することなくタブーに切り込んだジャーナリストたちを描いた『スポットライト 世紀のスクープ』(4月15日公開)。マーク・ラファロ、マイケル・キートン、リーヴ・シュレイバーらに紅一点レイチェル・マクアダムスという面々が、性的虐待の被害者たちの声なき声を世に知らしめるために奔走する姿には、胸アツになること必至。そして、“今度こそ”悲願のアカデミー賞獲得かといわれているレオナルド・ディカプリオ主演、アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の『レヴェナント:蘇えりし者』(4月22日)も控えている。レオが「これぞ渾身の演技」で体現するのが、19世紀、熊にのどを裂かれ、瀕死の重傷を負いながらも死の淵から蘇った実在のハンター、ヒュー・グラス。彼の原動力となるのは、怒りと復讐心、何よりこの世にいない息子への愛にほかならない。スクリーンから放たれる彼らの“不屈の精神”は、できるだけ“最短の道”を選び、堅実で欲がなく、高望みをしない、“さとり世代”ともいわれたりする現代人の心にも、何かを灯すことになりそうだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal PicturesMr.ホームズ名探偵最後の事件 2016年3月18日よりTOHO シネマズシャンテほか全国にて公開(C) Agatha A Nitecka / SLIGHT TRICK PRODUCTIONS
2016年02月13日マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールを迎え、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲を映画化する『マクベス』。吉本興業が初の洋画配給を手がけることでも話題となった本作からこの度、ポスタービジュアルが解禁された。舞台は中世スコットランド。仁徳が高く慈悲深いダンカン王に仕える将軍・マクベスは、反乱軍との激しい戦闘の末、勝利を収める。その岐路、謎めいた魔女が現れ、“マクベスは領主になり、そして王になるだろう”という不可解な予言を囁く。ともに行動していた将軍・バンクォーには、“子孫が王になる”と告げた。謎めいた予言を残し霧のように消えた魔女にとまどうマクベスたちの元に、王の使いが到着。なんとコーダの領主が死亡し、マクベスが領主となるよう勅命が下ったのだ。魔女の囁きによって、忠誠心とは裏腹に王座への野望という炎を心に灯してしまったマクベスを、言葉巧みにマクベス夫人が夫の良心を消し去ろうと画策する。そんなとき、ダンカン王がマクベスの城に宿泊する日がやってきたのだが――。人類史上最も偉大な作家・シェイクスピアが没後400年にあたる2016年初夏公開される本作。何世紀もの時を超えて現代人の心を激しく揺さぶり続け、「ハムレット」「オセロー」「リア王」と並ぶシェイクスピアの四大悲劇の1つで、王座をめぐり野心に取り憑かれた将軍・マクベスと、夫の野心を操る妻の心理をリアルに探究しされ、手を血に染め野心と欲望に苛まれながら次第に狂気に満ちていくマクベス夫婦の姿が、まざまざと描かれている。『スティーブ・ジョブズ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、その卓越した演技力が注目を集めているマイケルと、『エディット・ピアフ~愛の賛歌~』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたマリオンが、マクベス夫妻の狂気にも似た愛の形を鮮烈に体現。そして監督には、オーストラリア出身のアーティスティックな映像に定評のある気鋭ジャスティン・カーゼルが務めている。今回解禁されたポスタービジュアルは、マイケル演じるマクベスの前に、マリオン演じるマクベス夫人が跪いて顔に手を添えるポスター。夫婦の“地獄に近い愛”と、濃密な関係性を的確に表現する仕上がりとなっており、また「夫が王になった時、2人の運命が狂い出す。」という強烈なストーリー性を感じさせるコピーが、さらに物語の想像掻き立てる一枚となっている。世界中のクリエーターに多大な影響を与え、黒澤明、手塚治虫、蜷川幸雄らも翻案作品を発表してきた至高の名作を映画化した本作。迫真の演技と破格の映像美に彩られ、まさに誰も観たことのない21世紀の『マクベス』に注目が集まる。『マクベス』は初夏、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2016年02月12日女優のケイト・ウィンスレットは、友人であるレオナルド・ディカプリオが受賞する姿を目にしたいため、アカデミー賞をボイコットするつもりはないそうだ。ノミネート者における多様化の欠如を理由にウィルとジェイダ・ピンケット・スミス夫妻をはじめ、数多くのスターたちがすでに式典へ出席しない意向を明らかにしている中で、『スティーブ・ジョブズ』で助演女優賞にノミネートされているケイトは、ディカプリオが『レヴェナント: 蘇えりし者』で主演男優賞を受賞すると信じているため出席するのだという。BBCのインタビューでケイトは「正直言って、女性にとって素晴らしい年だったと思うから私が行かなかったら私側の立場をがっかりさせることになると思うの。それにレオの年になるんじゃないかってことを強く感じているのよ。彼は世界一親しい私の友達だし、その彼を応援しに行かないなんて考えられないの」と話した。『タイタニック』で共演したディカプリオのことをケイトは先日も絶賛しており、「彼はしっかりしていて忠実心のある人よ。ずっと最高の友達だし、それは私にとってというだけでなく、彼の周りにいる人みんなにとってよ。彼は『タイタニック』を作った時代の友達といまだに友達だしね。色んな意味で彼は変わっていないけど、ある意味ではとても変わったわ」「今までになく力強い俳優になっていると思うわ。それに今までになくハンサムだしね。それに私は彼がこれまでにないほど自分という人間に落ち着いていると感じるの。周囲で色んなことが起こっているところなのにそんな風に感じるのはおかしいかもしれないけどね。でもとても冷静で落ち着いているの。20年前とは違ったかたちでね」と語っていた。(C)BANG Media International
2016年02月12日マイケル・ファスベンダーが本年度アカデミー賞「主演男優賞」にノミネートされている『スティーブ・ジョブズ』。このほど、ジョブズ役のファスベンダーをはじめ、同「助演女優賞」にノミネートされているケイト・ウィンスレットやダニー・ボイル監督ら豪華な面々が、それぞれ “スティーブ・ジョブズ”の人物像について熱弁を振るう特別映像が到着した。1984年、スティーブ・ジョブズは激怒していた。Macintosh発表会の40分前、「ハロー」と挨拶するはずのマシンが黙ったままなのだ。だが、「ハロー」はカットしようというスタッフたちの意見に絶対に折れないジョブズ。そこへ元恋人が、ジョブズが認知を拒む娘のリサを連れて現れる。混乱のなか、今度は突然胸ポケット付きの白いシャツを用意しろと指示するジョブズ。次々と繰り出す彼の不可解で強硬な要求に周りは振り回されるが、そのすべてには理由があった――。現代人のデジタルライフを変えた人物の1人であり、“カリスマ”と呼ばれた男、スティーブ・ジョブズ。今回到着したのは、ボイル監督と脚本のアーロン・ソーキン、主演のファスベンダー、アップル社のマーケティング担当ジョアンナ役のウィンスレット、同共同創業者ウォズニアック役のセス・ローゲン、同CEOスカリー役のジェフ・ダニエルズ、海外の映画評論家エルヴィス・ミッチェルの7名がディスカッションを交わす様子をとらえた映像。ジョブズの人生を、伝説的な3つのプレゼン“直前の40分間”に焦点を当てて描くという脚本でゴールデン・グローブ賞に輝いたソーキンは、「彼は“ディスクスロットが笑顔にみえる”と言っていた。人の製品に対する愛着を彼はよく理解していた」とその感性について考察。「いろんな意味でアーティストだ」(セス・ローゲン)、「想像力豊かな天才」(ジェフ・ダニエルズ)、「彼は周りの人々に言った。『君は何者?』『得意分野は何?』。彼のそういう面には感銘を受ける」(ケイト・ウィンスレット)と、俳優陣もそれぞれが思う“ジョブズ”像を次々と明かしていく。さらに「意思疎通の方法に革命をもたらした。偉大な業績だ」と話すボイル監督の言葉を静かに聞いていたファスベンダーは、自らが演じたジョブズについて「他の者に見えないことが彼には見えたんだ。世界を変えた者は多いが、彼の動機は金じゃない。革新そのものだった」と話し、しばし考えてから「すばらしい男だよ」と、ひと言つぶやく姿が印象的。名立たるキャスト、スタッフたちがそれぞれに魅せられ、深く考察させられた様子がよく分かる映像となっている。『スティーブ・ジョブズ』は2月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2016年02月09日アップル社の共同設立者であり、現代のデジタルライフをガラリと変えてしまった最も有名なカリスマを斬新な視点から描く映画『スティーブ・ジョブス』。本作でケイト・ウィンスレットが演じる、「ジョブズに一番上手に立ち向かった社員賞」に選ばれたというジョアンナ・ホフマンの本編映像がシネマカフェに到着した。ジョブズの生涯の最も波乱に満ちた時期の3大製品──1984年のMacintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰して発表した1998年のiMacという3つの伝説的プレゼンテーションの“直前40分の舞台裏”にクローズアップし、単なる伝記映画やサクセスストーリーとは一線を画す本作。そのジョブズに唯一、社内で立ち向かうことができたといわれるマーケティング担当のジョアンナ・ホフマンを演じているのがケイトだ。劇中では上司と部下としてのみならず、1人の人間としてジョブズにぶつかり、これまであまり注目されてこなかったカリスマの人間らしい部分を引き出しており、今回到着した本編映像も、そんな2人の特別な関係性が見て取れるものとなっている。成長した娘リサとの関係に問題を抱えるジョブズ(マイケル・ファスベンダー)。リサの母親も絡んだ複雑な関係に葛藤を抱える彼は、相手が娘でも譲歩する姿勢は見せない。そんな彼に対し、ケイト演じるジョアンナは感情を露わにし、「(娘のもとに)行かなきゃ辞める」とまで言い放ち、リサとの和解を求めるのだ。「ただ見ているだけ。私も共犯者よ」と、それまで、近くにいながらも2人の関係を修復できずにいたことへの後悔の念を告白し、彼が作ってきたどんなマシンよりも「父であること、それが最良の成果よ」とジョブズに訴えるジョアンナ。この言葉に、決して人の助言を聞くようなタイプではなかったジョブズも、考え込むような表情を見せている。実は、社内で密かに行なわれていた「ジョブズに一番上手に立ち向かった社員賞」に連続で選ばれたというエピソードも持つ、ジョアンナ。本作において、この重要な役を演じたケイトは、見事ゴールデン・グローブ賞に輝いたほか、アカデミー賞にもノミネートされている。実際に本人に会い、当時の映像を見るチャンスに恵まれたというケイトは、ジョアンナの印象について「身長は160cmぐらいの、肉体的には比較的小柄な人であっても、精神的にはかなり大きな人だったんだと思う。こういう大きなジェスチャーとか、信じられないくらいの温かみと熱血を感じたわ」と語る。さらに、本作でのジョアンナは、ただ単に当時の彼女の姿として描かれたのではなく、アップルで働いていた女性たちの象徴として描かれていると指摘。「本当のところ、強くて有能な女性はたくさんいて、みんな力を合わせてプロとしての役目を果たしていたのであって、アーロンはそういう女性たちの合成という形で、このキャラクターを使ったの」と明かしている。本作のダニー・ボイル監督は、そんなケイトに対し「ジョアンナ・ホフマンはこのありえない人物を立て直そうとする門番的な存在であり、癒しの存在で、ケイトはすべてのディテールにおいてあの役を生きていた。セットにおいても、ストーリーの中においてもね」と絶賛。そして、「スティーブとリサの関係をつなぎとめられなかったことに、最終的には深い悔悟の念を持つんだ。そこがこの脚本の、そしてケイトのすばらしい演技の感動的な部分だね。そのへんの複雑な思いが彼女独自のリアルさで伝わってくる」と語っている。また、ジョブズとジョアンナの特別な関係性は、演じたマイケルも認めるところで、「間違いなくジョブズの中にある人間的部分をすべて引き出せるのは彼女だけで、ケイトの演技はそこをよく掴んでいると思う」と明言する。演技派ケイトが熱演するカリスマを支えた女性の姿を、この映像からも確かめてみて。『スティーブ・ジョブズ』は2月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2016年02月08日アカデミー賞最有力との呼び声も高い映画『スティーブ・ジョブズ』。 公開を直前に控えた2月4日(木)、女子サッカー界のレジェンド・澤穂希が都内でトークショーを開催した。アップル社の共同設立者であり、デジタルテクノロジーの常識を変えたスティーブ・ジョブズの映画を鑑賞した澤さんは、ジョブズとの共通点について「日頃から全力で物事に取り組むところ」だと言い、「リーダーとは言葉だけでなく、背中で結果を見せることが大切」と話した。この日、トークショーに招かれたのは大学生約60人。映画を鑑賞したばかりの学生から多くの質問が投げかけられた。「困難にぶつかったときにどうしますか?」との質問には、「壁にぶつかったとき、まず受け入れます。長さは人によって違うと思いますが、必ず出口があるので、時間が解決してくれると思います。私の場合は、自分の中に閉じ込めすぎずに、周りに相談をしていました。嘘をつかない人は大切にした方がいいと思います」とアドバイス。また、「結婚の決め手は?」というプライベートな質問に対しても、「友人関係だったときの主人にもいろいろと相談をしていたんですけど、彼は、白黒はっきりしていてグレーがなく、本当に私のことを思って言ってくれる人だったんです。ときには傷つくこともあるんですけどね」と笑顔を見せた。そのほかにも、「度胸をつけるためには、経験に勝るものはないと思う。プレッシャーが大きいほどやってやるぞ、という気になる」「迷ったときは必ず挑戦する。やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がいい」「成功者の共通点は日頃の努力、こだわりが強いこと、オンオフはっきりしていること」と、書き残したくなるような言葉で次々と回答。学生から投げかけられる、全ての質問に真摯に向き合い、素直な言葉で受け答えをする姿は、まさに頼れるリーダーの姿だった。最後に自身が一番大切にしている言葉「夢はみるものではなく叶えるもの」を、打ち間違えをしながらも一生懸命Mac Bookに打ち込み、紹介。「この言葉を聞くと頑張ろうと思える言葉」だと語った。「マダム・タッソー東京」より貸し出されたスティーブ・ジョブズの等身大フィギュアとの撮影では、「今日は、デニムに黒色のセーターという装いで、ジョブズさんに合わせてきました」と笑顔を見せ、同じポーズをしてみせるなど、お茶目な一面も見せた。『スティーブ・ジョブズ』は、2月12日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2016年02月04日『絶望は神さまからの贈りもの』(ひすいこたろう、柴田エリー著、SBクリエイティブ)の著者は、「不幸」は「幸せ」の前触れだと断言しています。だから、あらゆる「ピンチ」は「チャンス」に変わるとも。人生には、悩み、落ち込み、どうすればいいのかわからなくなるときがあるもの。でも、それこそがチャンスなのだということです。■状況が変えられないなら心を変えるべし!人の気持ちや行動は、次のような流れのなかで生じていくのだそうです。(1)「出来事」→(2)「意味づけ」→(3)「感情」→(4)「行動」の順。「ピンチはチャンスである」という意味づけができたら、そのあとに生まれる「感情」も「行動」も変わり、人生は確実に変わっていくということ。それは、(1)「ピンチ(出来事)」→(2)「困った(意味づけ)」→(3)「ヤダな(感情)」→(4)「逃げよう(行動)」という流れから、(1)「ピンチ」→(2)「これはなんのチャンスだろう?」→(3)「このときを待っていたんだ」→(4)「俺の出番だ」というように、気持ちも行動も全く変わるということ。人は、外側(状況)を変えられないときに絶望するものです。しかし、外側を変えられないときこそ、本当の意味でのチャンス。なぜならそういう場合には、外側ではなく、自分の内側(心)を変えざるを得ないから。私たちの生きる真の目的は、内側(心)に変容を起こすことだという考え方です。内側の変化こそ、本質的な変容(トランジッション)をもたらすもの。たとえばそれは、過去の偉人たちも同じ。そこで本書では、彼らが絶望からどう復活したのかを明らかにしているのです。■本田宗一郎は99%の失敗をして成功した「私のやったことの99%は失敗だが、1%の成功のおかげで、いまの私がある」これは、世界のHONDA(本田技研工業)の創設者である本田宗一郎の言葉。「世界一でなければ日本一じゃない」と、宗一郎が率いるHONDAが世界を目指したのは、日本に不景気の波が押し寄せていた1954年のこと。たった1台のバイクを輸出しはじめたばかりの段階であったにもかかわらず、世界一のバイクレースとして知られる、イギリスのマン島TT(ツーリスト・トロフィ)レースに出場すると宣言したのです。このとき、宗一郎は47歳。本田技術研究所として操業して8年目のこと。世界のトップメーカーが出場するこのレースに優勝することは、世界一のバイクメーカーであることの証明になります。小さな会社だったHONDAには無茶な挑戦でしたが、宗一郎の頭のなかにあるのは、「世界一こそ日本一」だという考え方。ただ、TTレースは予想以上にハードルが高く、宗一郎は「これは考えたこともないレベルだ」と弱音を吐いたのだとか。とはいえ、「できない」「ムリ」「不可能」といわれると、逆にワクワクしてしまう彼に、「あきらめる」という選択肢はなかったといいます。ところがレース出場までの道は予想以上に険しく、1年目も2年目も、3年目も4年目もダメ。そして5年目にようやくレース出場を果たすことに。■日本一を目指すなら世界一を目指すべし!しかし注目すべきは、世界一を目指すその間に、いつの間にかHONDAはバイクの生産台数日本一に輝いていたという事実。世界一を目指していたら、あっさり日本一になってしまったわけです。そしてTTレースでも、出場から2年目で優勝を果たすことに。海外のマスコミからは、「東洋の奇跡」と絶賛されたのだそうです。これこそが夢の力。夢に向かって進むときには、トラブルなどトラブルではなくなるということです。経営不振だろうが、あらゆる難関は、燃え上がる炎にくべる巻きになるという考え方。「日本一を目指したいのなら、世界一を目指せばいい」夢をいつかたどり着きたい最終地点にするのではなく、通過点にしてしまえば、夢は一気に加速するもの。HONDAのエピソードは、そんなことを教えてくれるのです。「新しいことをやれば、必ず、しくじる。腹が立つ。だから、寝る時間、食う時間を削って、何度も何度もやる」本田宗一郎のこの言葉は、すべての人の人生にあてはまるものではないでしょうか?*自分のつくった会社から追放されたアップルのスティーブ・ジョブズ、ツイてないことばかり起きる男だった坂本龍馬、自殺未遂をした過去を持つ「世界のクロサワ」こと黒澤明監督など、他にもピンチを乗り越えてきた多くの偉人のエピソードが掲載されています。力を与えてくれる話ばかりなので、逆境から立ち直りたいという方はぜひ手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※ひすいこたろう・柴田エリー(2015)『絶望は神さまからの贈りもの』SBクリエイティブ
2016年02月02日マイナビ出版は1月29日、Apple専門誌『Mac Fan』3月号を発売した。第1特集は、「Adobeの今とクリエイティブ、そのすべて。」と題して、アドビの驚異的な売上やイノベーションの秘密、Adobe×Macで生まれる作品、モバイルアプリから始まる最先端ワークフロー、はじめてのAdobe CC入門など、Adobeとクリエイティブをキーワードにあらゆる角度からAdobeについて奥深く迫っている。"デザイン"がクリエイターだけのものではなくなり、"誰もがデザイナー"である今日、現在のAdobeの地平やモバイル&クラウドから始まる新しい形の創造を読み解いた記事は、多くの人にとって参考となるはずだ。また、第2特集では「El Capitan Custom Hack!」と題して、OS X El Capitanの使いにくい!を改善する最強カスタム術を紹介。FinderやSafari、ターミナル技など、さまざまな方法を使って自分だけのOS Xにチューンアップしたい人には最適だ。そのほか、3月号では2月12日から公開されるダニー・ボイル監督の映画「スティーブ・ジョブズ」の予習スペシャル、Appleユーザのための4カ月で基本と応用をマスターできる集中講座「Mac Fan Study ー3Dプリント」、「乃木坂46」の若月佑美さんの連載「Wakatsuki Works World」、USB-CやThunderbolt 3の最新情報など、Appleファンが見逃せない情報が満載だ。Mac Fan最新号ならびに、ムック本の詳細は、マイナビBooksから確認できる。
2016年01月29日正体不明のストリートアーティスト、バンクシー(BANKSY)の狂乱の1ヶ月を追ったドキュメンタリー映画『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』が、3月26日より渋谷シネクイント他にて公開。これに合わせて、チラシビジュアルと予告編も公開された。バンクシーは、世界各国でゲリラ的に作品を描くことで知られる正体不明のストリートアーティスト。壁や路上に“違法”に描いたグラフィティは世界的な注目を浴びており、ブラッド・ピットやアンジェリーナ・ジョリー、キアヌ・リーブスなどセレブのファンも多い。これまでに、自身の作品をMoMA、メトロポリタン美術館、大英博物館などに無断展示したり、フランス・カレーの難民キャンプにシリア移民の父を持つスティーブ・ジョブズを描くなど、アートの在り方を問うとともに社会問題を提起してきた。そんなバンクシーが13年10月1日、予告もなく突然ニューヨークにて展示をスタートした。バンクシーはニューヨーク各地の路上に毎日1点ずつ作品を残し、場所を明かさずに公式サイトに投稿。人々はその作品を求めてニューヨーク中を駆け回るというストリートとインターネット上の“宝探し戦争”が勃発した。作品を上書きするグラフィティライターや、アクリル板で保護するビルオーナー、即作品を売買するギャラリーオーナーなども現れた、バンクシーの狂乱の1ヶ月が映画に収められた。動画引用元:(UPLINKオフィシャルYouTube:
2016年01月22日スマホ・パソコン・テレビ…。情報を得るためのツールが発達したことにより、私たちの頭は、つねにフル回転している状態といって過言ではありません。考えることが多すぎて、ときどきなにがなんだかわからなくなることも。そんな方にオススメなのが、瞑想です。以前は、「瞑想ってなに? 修行のこと?」ともいわれていた瞑想。スティーブ・ジョブズなどの経営者もやっていたことから、広く知られるようになったそうです。瞑想には、どんな効果があるのでしょうか。■有名企業の社内研修にも用いられているスティーブ・ジョブズのほか、ビル・ゲイツやイチロー、マドンナ、稲盛和夫などの多くの経営者、成功者が瞑想をおこなっています。また、Google社やIntel社など有名な企業も社内研修に取りいれているようです。日々大きな決断をせまられる経営者や世間から注目を浴びている成功者だからこそ、自分の内外を見つめる必要があります。感情や思考の整理をすることで直感力が発揮しやすくなり、すばやい決断につながります。忙しい人物ほど、瞑想の時間はしっかり確保して集中力を高めているようです。■瞑想すると、どうなるの?瞑想は、心身へのいい影響をもたらすといわれています。主な3つの変化を紹介します。・心が強くなる仕事や家庭などで、ストレスを抱えやすい私たちの心。先のことばかりに目を向けて焦る心を「いま」に戻すことができます。「いま」に目を向けることで、心が強くなります。・心身をリラックスさせる瞑想は脳波からアルファ波をだします。アルファ波のCDも売られていますよね。それと同じ効果があります。心身がリラックスでき、集中力が高まります。・頭のなかを整理できる頭のなかはたくさんの情報であふれています。瞑想をおこなうことで頭のなかが整理され、アイデアが湧きやすくなります。■瞑想のやり方瞑想にはさまざまなやり方がありますが、こうしなければいけないという決まりはありません。自分がやりやすい方法で続けるのが一番です。ここでは私が習った2つのやり方を紹介します。・座った状態で目を閉じて呼吸を意識する「ごはんはなにをたべよう」「あれはどうしようかな」など、瞑想をはじめると頭のなかにはいろいろなことが浮かんできます。ここで、頭のなかにゴミ箱をイメージしてください。頭のなかに浮かんできたことをゴミ箱に捨てたら、呼吸に意識を向けていきましょう。・座禅スタイルで瞑想瞑想をすると「いつの間にか寝てしまう」という人にもオススメのやり方です。目を開いたまま、下向きに斜め45度を見つめます。この方法だと途中で寝てしまう心配がありません。それから、吐く息を長めにしましょう。呼吸に意識を向けることで集中しやすくなります。ほかにも音楽を聞きながらおこなうこともあります。CDも売られているので、集中するのがむずかしい人は探してみるのもよいでしょう。自分にあった瞑想法を見つけてみてください。
2016年01月19日2016年公開の注目作、『X-MEN』シリーズの最新作『X-MEN:アポカリプス』。『X-メン』(2000年)、『X-MEN2』(2003年)、そして、前作『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)で返り咲いたブライアン・シンガー監督が、本作でも引き続きメガホンをとる。今回描かれるのは、不死に近いパワーを持つ最古のミュータント、アポカリプスとの死闘。いまだ謎に包まれたままの本作の概要や撮影秘話を、ブライアン・シンガー監督に聞いた。――はじめに、『X-MEN:アポカリプス』の舞台を教えてください。アメリカのニューヨークとエジプトのカイロが主な舞台ですが、世界中を回ります。世界が破壊されてしまうので。時代のメインとなるのは1983年です。――アポカリプスは、原作のコミックにも登場しますが、原作に忠実に描かれるのでしょうか?いいえ、まったくのオリジナルです。デザインやイメージはそのままとりましたが、ストーリーは新しいものになっています。――今回、アポカリプスを悪役にした映画にしようと思った理由は?名前がいい! アポカリプス! そして、世界の黙示録ですから。彼は、ほかのX-MENなんかに興味はなく、これまで問題になってきた人間とミュータントの戦いも関係ない。彼にとって一番大事なのは、自分が全世界の秩序を正して、自分が神としてあがめられること。世界で一番すばらしいのは「俺だ!」ということを証明したいわけなんです。――アポカリプスへの興味から、彼を復活させるストーリーにしようと思われたんですね。そうなんです。彼は人間に裏切られ、エジプトに4500年もの間眠らされ、その間ずっと活躍できなかった。そして、目覚めてみたら世の中はまったく変わってしまっていて、彼は秩序たる世界に戻さないといけないと思うのです。それこそが自分の責任だと信じ、人間とミュータントに対して戦いを挑み、昔の栄光を取り戻そうとする。――2015年夏に開催された「コミコン・インターナショナル」にて上映されたフッテージ映像で、アポカリプス側にマグニートーがいましたが、アポカリプスが配下に置く"フォー・ホースメン(黙示録の四騎士)"の一人ということですか?その通りです。黙示録の四騎士の一人を、どうしてもマイケル・ファスベンダーにやってもらくて、彼をくどいたんです。――そうだったんですね! 実際に撮影されていかがでしたか?ファスベンダーは、映画『スティーブ・ジョブズ』でジョブズ役に抜てきされるほどすごい役者ですが、アポカリプスに「俺の方に来い」と言われて行くシーンは、本当にすばらしい演技で涙が出るほどでした。森の中で撮影したんですが、「あぁ~いいなぁ」と感動したら、自分がやらないといけないことをすっかり忘れてしまって、「悪い悪い、すごいよかった」って抱き合ったあとに、「申し訳ない! もう一度撮らせて!」って(笑)。それくらい、ファスベンダーは最高の演技をしています。――そのシーンは特に必見ですね。監督にとって大きな挑戦だったことはありますか?超人的なスピードで動き回るクイックシルバーのシーン! ものすごく高性能なカメラを使って、2分間を1.5カ月かけて撮影しました。楽しかったけど、大変だった。でも、すごいかっこいいシーンになったと思います。――ミスティーク役のジェニファー・ローレンスさんが本作を最後にシリーズを卒業すると言われており、その点も注目されています。今回彼女は、助けないといけない人や苦労しているミュータントがまだまだたくさんいるという現実に、自分自身で立ち向かうという役どころです。最後になるというのも、青色になるのは嫌だと言っていたけど、一緒に仕事はしたいと言っていたので、どうなるかわかりませんよ! 青にはならずに登場するかもしれません。――ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンさんも、本作と、2017年公開のスピンオフ『ウルヴァリン』新作で、同役を務めるのは最後になると示唆するコメントをされています。そんなウルヴァリンですが、フッテージ映像には姿がありませんでした。なぜですか?この映画にウルヴァリンが登場するのか、また、次回作に登場するのかどうかも知りません!――えっ! 本作には登場しますよね?登場するとは言ってませんよ! でも、2月にも再撮影がありますし、世の中何が起こるかわかりませんからね(笑)――今後の展開に期待します(笑)。最後に、楽しみにしているファンにメッセージをお願いします。ものすごい映像になっていると思います。そして、先ほど話したマイケル・ファスベンダーやジェニファー・ローレンスだけでなく、アポカリプス役のオスカー・アイザックの演技がものすごくいい!楽しみにしていてください。■プロフィールブライアン・シンガー1965年9月17日、アメリカ・ニューヨーク出身。1995年の映画『ユージュアル・サスペクツ』で注目を集め、『X-メン』(00)の監督に抜てき。その後、『X-MEN』シリーズは、『X-MEN2』(03)で監督、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(11)で製作を務め、『X-MEN: フューチャー&パスト』(14)で再び監督。続く『X-MEN:アポカリプス』(16)もメガホンをとる。そのほかの監督作に、『スーパーマン リターンズ』(06)や『ワルキューレ』(08)など
2016年01月17日『答えを探さない覚悟』(山元賢治著、総合法令出版)の著者は、日本IBM、日本オラクルなどで実績を積み上げた結果、スティーブ・ジョブズから「日本を元気にしてほしい」との命を受けたという人物。かくしてアップル・ジャパン株式会社代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社セールス担当バイスプレジデントに就任し、iPodビジネスの立ち上げからiPhoneを市場に送り出すまで、国内の最高責任者としてアップルの復活に貢献したというのです。50歳を機に同社を退社してからは、株式会社コミュニカを立ち上げ、21世紀の坂本龍馬を育てる「山元塾」を主宰されているそうです。つまり本書においても、豊富な経験を軸として、人生に迷っている人に向けたメッセージを投げかけているわけです。■アップルは日本で売れて当たり前と思われたそんな著者は、ビジネスは「がんばります」だけでは通用しない世界だと指摘しています。その証拠にアップル時代は、数字が多くを左右する「算数の世界」だったのだとか。著者が日本市場のセールスを統括するようになった当時のアップルは、まだ量販店での評判がよくなかった時期。製品の利益率があまり高くなく、「売ってもあまり儲からない」と考えられていたからだそうです。また新製品の予告も日程の約束もしないため、急に製品が発表され、仕入れておいた付属品が全部破棄になるといった事態も。営業担当者も少なく、世界で日本の売上貢献度は高くなかったといいます。しかしそれでもアメリカの本社からは、「世界中で売れているのだから、日本で売れて当たり前」と思われていたのだとか。アップル・ジャパンのオフィス内にも問題が山積し、著者が日本を任されてから半年間は、状況が好転しなかったのだそうです。風向きが変わったのは、着任1年後あたりから。アップル製品は値引きをしないことで有名ですが、そんなアップル製品の販売でも利益を出してもらえるという数式をつくり、それを提示していったのだそうです。その結果、それまでは店舗の奥にあったアップル製品の売り場が、徐々に前に出てくることに。最初は嫌味ばかりいわれていたといいますが、数字で提案できれば理解してもらえるもの。「すべて数字のなせるワザ」だと著者は記しています。■すべての数字は「変数の組み合わせ」であるちなみに、毎週朝5時から2時間連続で行われる電話での販売会議にも、必ず出席していたのだそうです。毎週、「翌週には全国何百店舗でなにが何台売れる」というシミュレーションを高い精度で行っていたというのです。「3年前のシミュレーションだと13.8%売上が上がる週だから」といったことをすべて数字で提示するわけです。すべての数字は、絶対に変えられないベースと仮説、つまり変数の組み合わせだと著者はいいます。なぜなら、もし数字を間違えて在庫が足りなくなったりしたら、量販店の売り場は一晩で他のメーカーの売り場に変わってしまうから。逆に強気の販売予測をして在庫が余ったら、すぐにアメリカ本社の信頼を失うことになります。だからあまりの緊張感に、著者は1年365日のうち300日は仕事の夢を見ていたといいます。■どんなことも数値化するクセをつけるといいそんな経験があるからこそ、著者はビジネスにおける数字の存在を強調しています。ビジネスにおける説得材料は、基本的には数字だけだともいい切っているのです。ビジネスの現場においては、「たくさん顧客訪問をする」といういいかたは無意味だとも。「1年で180回訪問します」といった数値と、その根拠を提示しなければ、評価する方もされる方もハッピーな結果にはたどり着けないという考え方です。だからこそ、日常生活で目標を決めるときも、無理やりでもいいので数値化するクセをつけることが大切だといいます。なぜなら人間は、本来怠惰なものだから。そこで、弱い自分を駆り立てるためにも、「がんばって歩く」のではなく、「2キロ歩く」と定めることが大切だという考え方。そして数字にするだけでゴールが明確になり、心持ちも変わってくるだろうと結論づけています。*過酷なビジネス環境で戦ってきたからこそ、著者の数字に対する考え方には強い説得力があります。そして緻密なバックグラウンドがあれば、どんなに困難な状況も乗り越えられるということを、本書は実感させてくれるでしょう。(文/書評家・印南敦史)【参考】※山元賢治(2105)『答えを探さない覚悟』総合法令出版
2016年01月14日第73回ゴールデン・グローブ賞が10日(現地時間)、ロサンゼルスのビヴァリーヒルトン・ホテルで発表され、『レヴェナント:蘇えりし者』が作品賞、監督賞、主演男優賞の三冠受賞した。ゴールデン・グローブ賞はハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)会員の投票によって決定するもので、最多3部門を受賞した『レヴェナント:蘇えりし者』は、荒野で狩猟中にクマに襲われ、重傷を負ったハンターの壮絶なサバイバルを描く作品。同作でドラマ部門男優賞を受賞したレオナルド・ディカプリオはこれが3度目のゴールデン・グローブ賞受賞だが、スタンディング・オベーションと鳴り止まない拍手に感極まった表情を見せていた。今回の受賞は悲願のアカデミー賞主演男優賞への追い風となりそうなだけに、2月28日(現地時間)のオスカー候補発表が楽しみだ。監督賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥはスピーチで「映画作りはどれも大変だけど、今回は本当に大変だった」と苦難が続いた撮影をふり返りつつ、主演のレオとの仕事を「最高の経験だった」と語った。今年はノミネーションの段階から大本命作がなく、各部門で授賞はばらけたが、ドラマ部門は『レヴェナント:蘇えりし者』、ミュージカル/コメディ部門は作品賞と男優賞(マット・デイモン)が受賞した『オデッセイ』と2作が各部門を代表する受賞結果となった。ほかに、『スティーブ・ジョブズ』が助演女優賞(ケイト・ウィンスレット)、脚本賞(アーロン・ソーキン)を受賞。最多4部門5つのノミネーションを受けた『キャロル』は無冠に終わった。今期の賞レースで唯一、無敵の強さを誇っている『ルーム』のブリー・ラーソンがやはりドラマ部門女優賞に輝き、圧倒的な勢いを見せつけた。ミュージカル/コメディ部門で女優賞を受賞したのは『JOY』(原題)のジェニファー・ローレンス。『世界でひとつのプレイブック』(ミュージカル/コメディ部門主演女優賞)、『アメリカン・ハッスル』(助演女優賞)で受賞してきたジェニファーは「ここに上がれるのは、いつもあなたのおかげよ」とデヴィッド・O・ラッセル監督に感謝した。ミュージカル/コメディ部門男優賞はマット・デイモン、助演男優賞は『クリード チャンプを継ぐ男』で、伝説のロッキー・バルボアを演じたシルベスター・スタローンに輝いた。脇に回ることなどほとんどないスタローンだが、実質主役と言ってもいい存在感で物語を牽引して見事受賞。「ロッキー・バルボアは最高の“見えない親友”だ」とスピーチで語った。助演女優賞はケイト・ウィンスレット、そしてTV部門のリミテッドシリーズ/TVムービー部門の女優賞をレディー・ガガ(「AMERICAN HORROR STORY: HOTEL」原題)が受賞するなど、スターという肩書きにふさわしい大物の受賞が印象に残る結果となった。授賞結果は以下の通り。映画部門ドラマ部門作品賞:『レヴェナント:蘇えりし者』男優賞:レオナルド・ディカプリオ(『レヴェナント:蘇えりし者』)女優賞:ブリー・ラーソン(『ルーム』)ミュージカル/コメディ部門作品賞:『オデッセイ』男優賞:マット・デイモン(『オデッセイ』)女優賞:ジェニファー・ローレンス(『JOY』原題)助演男優賞:シルベスター・スタローン(『クリードチャンプを継ぐ男』)助演女優賞:ケイト・ウィンスレット(『スティーブ・ジョブズ』)監督賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『レヴェナント:蘇えりし者』)脚本賞:アーロン・ソーキン(『スティーブ・ジョブズ』)作曲賞:エンリオ・モリコーネ(『ヘイトフル・エイト』)アニメ作品賞:『インサイド・ヘッド』外国語映画賞:『サウルの息子』(ハンガリー)主題歌:「ライティングズ・オン・ザ・ウォール」(『007スペクター』)TV部門ドラマ部門作品賞:「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」男優賞:ジョン・ハム(「MAD MEN マッドメン」)女優賞:タラジ・P・ヘンソン(「Empire 成功の代償」)ミュージカル/コメディ部門作品賞:「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」男優賞:ガエル・ガルシア・ベルナル(「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」)女優賞:レイチェル・ブルーム(「CRAZY EX-GIRLFRIEND」原題)リミテッドシリーズ/TVムービー部門作品賞:「ウルフ・ホール」男優賞:オスカー・アイザック(「SHOW ME A HERO」原題)女優賞:レディー・ガガ(「AMERICAN HORROR STORY: HOTEL」原題)助演男優賞:クリスチャン・スレイター(「MR.ROBOT/ミスター・ロボット」)助演女優賞:モーラ・ティアニー(「アフェア~情事の行方~」)(text:Yuki Tominaga)
2016年01月11日トーマス・エジソンは「寝るのはバカだ。みんな寝すぎだ。私は死んだ後にたくさん寝る」という言葉を残しました。この言葉だけを読むと、過去の偉人にとって睡眠は、人生における無駄なものだったという印象を受けますが、実際にはそんなことはないようです。睡眠時間を削って…iPhoneを創った男、スティーブ・ジョブズは、あるスピーチで「人生は有限で、一生懸命取り組めることは2つか3つだ」と述べたそうです。人生には限りがあると知っているからこそ、偉人たちは時間と命を削り、その集大成として何かを私たちに残し、この世を去っていくのでしょう。何かを成し遂げる人には睡眠時間が短いショートスリーパーが多いと言われています。毎日2、3時間しか眠らないという人もいるそうですが、誰もが真似できることではありませんよね。また、必要な睡眠時間は人によって差があると言われているので、「私も今日から2時間睡眠に」と気軽に実行するのはやめましょう。体を壊す恐れがあります。仕事中の眠気から発明が生まれる!?さて、今回の本題は「ショートスリーパーになって何かを成し遂げよう!」ということではありません。むしろ、その逆で仕事中の眠気から何かが生まれるということを紹介したいと思います。その一番の例がアインシュタインで、彼は夢の中で相対性理論を編み出したと言われています。そんなアインシュタインは「夢を見る能力は才能以上に重要だ」と語ったのだとか。ほかにも、元素の周期表をつくったメンデレーエフは常に周期表のことを考えていて、うたた寝をしたときに夢のなかで周期表が鮮明に見えたそうです。彼らに共通するのは、ただボーッとしていて居眠りをしたのではなく、ある対象のことをずっと考え続けていて、それがたまたま眠ったときに解明したということ。常に考え続けているというのがポイントです。睡眠中に脳は活性化するなぜ、アインシュタインやメンデレーエフは睡眠中に答えを見つけることができたのでしょうか? 彼らが圧倒的に優れているからでしょうか? もちろん、それはあるかもしれませんが、睡眠が脳に与える影響にもヒントがありそうです。実は、私たちの脳は睡眠中に血液量が増加し、その働きが活性化すると言われているのです。記憶を整理したり、関連づけたりと眠っている間に脳は高速回転をしているというわけです。もしいくら考えても答えが見つからないことがあったら、起きて考え続けるのではなく、一度眠りに入り、活性化している脳に任せしてしまうほうがよいのかもしれません。photo by acworks
2015年12月29日『未来に先回りする思考法』(佐藤航陽著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、株式会社メタップス代表。大学在学中の2007年に同社を設立し、2011年には人工知能を活用したアプリ収益化プラットフォーム『metaps』をスタート。これまでに累計57億円の資金調達を実施し、東京、シンガポール、香港、台湾、上海、サンフランシスコ、ソウル、ロンドンの世界8拠点で事業を展開しているのだそうです。そんな著者が本書で明らかにしているのは、「どんな状況にあっても未来を見通せる汎用的な思考体系」です。いきなりこう聞いただけでは、具体的なことをイメージできないですよね。しかし、まず認知すべきは、「99.9%の人が未来を見誤る」という事実だと主張しています。■飛行機も宇宙船も実現不可能?「飛行機の実現までには百万年から一万年かかるだろう」ニューヨーク・タイムズがこのような記事を掲載してからわずか数週間後に、ライト兄弟は人類で初めて空を飛んだのだそうです。この話を当時の人々は笑ったといいますが、しかし彼らとてジャーナリストより賢かったわけではありません。なぜなら野心に満ちあふれた人々が宇宙船の開発に取り掛かると宣言したとき、99.9%の人は「宇宙船なんて夢のまた夢だ」と切り捨てたというのですから。そして未来を見誤るという意味では、現代を生きる私たちも過去の人々を笑えないと著者は指摘します。たとえば、現在の日本では2,000万以上のユーザーが存在するFacebookが日本に進出したとき、多くの人たちが「日本人には実名で登録するSNSは流行らない」と否定したものです(おぼえている方も多いのではないでしょうか?)。また、いまや多くの人が愛用しているiPhoneにしても、その発売当初には「おサイフケータイが使えない」「赤外線がないなんてありえない」といわれたものです。■未来予測がだいたい外れる理由では、なぜ私たち人間はこうも繰り返し未来を見誤るのでしょうか?著者によればその原因は、人々の「思考法」にあるのだとか。つまり人は、「いま目の前で起きていること」からしか将来のことを考えることができないということ。ところが、現在の景色という「点」を見て考える未来予測は、だいたいにおいて外れるものだといいます。FacebookやiPhoneの普及を多くの人が予測できなかったことが、その証拠。なぜなら、現実は人間が認知できないほどの膨大な要素にあふれ、しかもそれらが複雑に影響し合うことによって社会を進化させているから。それをすべて把握することは、人間の脳では不可能だといいます。しかし、わずかながら驚異的な先見性を発揮して大きな成果を上げる人がいるのもまた事実。たとえば、30代だった1980年代の時点で、個人がスマートフォンを持つ未来を予言し、それを実現させて見せたスティーブ・ジョブズがいい例です。つまり彼は現在という「点」を見て考えるのではなく、長い時間軸から社会の進化のパターンを捉え、それを「線」としてつなげて意思決定をしているわけです。いわば、未来へ先回りしていたということ。■テクノロジーが時代を牽引する未来に先回りできる0.1%の人たちを調べていくと、99.9%の人とはまったく違った思考法を用いて未来を見通していることがわかったのだそうです。両者を分けているものとは、「パターンを認識する能力」。なお、パターンを認識するにあたり、もっとも重要な要素となるのがテクノロジーだと著者はいいます。なぜなら社会の進化は、いつの時代においてもテクノロジーが牽引してきたから。テクノロジーと聞くと特別なもののように思えるかもしれませんが、たとえば古代人が使った石器も、数百年前の社会を根底からつくり変えた革命的なテクノロジー。同じように貨幣も電気も、私たちの生活はいつでもテクノロジーの誕生によって書き換えられてきたというわけです。そして、インターネットという新しいテクノロジーが、現在進行形で社会をデザインしなおしているのが現代。インターネットの誕生からは20年が経過しましたが、いまはちょうど「変化への準備」が整った段階だというのです。だから、インターネットが本当の意味で私たちの生活を変えていくのは、実はこれからだと著者は推測しています。注目すべきは、テクノロジーが社会に与える影響力は、時間が経つほどに高まっていくということ。だとすれば、進化のスピードが急速に上がった現代においては、テクノロジーに焦点を当てることが、社会の構造を理解するための近道であるはず。そこで本書では、「もしも社会が進化するパターンを見抜いていれば、たとえ状況が変わっても未来を見通すことが可能になる」と考え、そのための汎用的な思考体系を明らかにしているわけです。*その視野は、テクノロジーの可能性やイノベーションのあり方はもちろんのこと、国家、政治、資本主義などさまざまな方向へと広がっていきます。だからこそ、ここで明らかにされている思考法とその周辺の環境は、私たちが未来とつながっていることを実感させてくれるでしょう。(文/書評家・印南敦史)【参考】※佐藤航陽(2015)『未来に先回りする思考法』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年12月21日映画俳優組合(SAG)賞のノミネーションが発表になった。俳優の演技に焦点を当てるSAGにおいて、いわゆる“作品賞”的位置付けとなるアンサンブル部門に候補入りしたのは、『ストレイト・アウタ・コンプトン』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『スポットライト(原題)』『ビースト・オブ・ノー・ネーション』『トランボ(原題)』の5作品。ノミネート作品その他のニュース&画像『スポットライト(原題)』はすでにオスカー候補入り間違いなしと思われている作品だが、ほかの4作品は、このノミネーションで大きなはずみをつけた。SAGのアンサンブル賞受賞作は、過去20年間の間に10回、オスカーの作品賞を受賞しており、確実ではないもののオスカー予測の上で欠かせない材料となっている。主要部門のノミネーションは以下のとおり。アンサンブル部門『ストレイト・アウタ・コンプトン』『マネー・ショート 華麗なる大逆転』『スポットライト(原題)』『ビースト・オブ・ノー・ネーション』『トランボ(原題)』主演男優部門ジョニー・デップ『ブラック・スキャンダル』エディ・レッドメイン『リリーのすべて』レオナルド・ディカプリオ『レヴェナント:蘇えりし者』マイケル・ファスベンダー『スティーブ・ジョブズ』ブライアン・クランストン『トランボ(原題)』主演女優部門ケイト・ブランシェット『キャロル』シアーシャ・ローナン『ブルックリン(原題)』ヘレン・ミレン『黄金のアデーレ名画の帰還』ブリー・ラーソン『ルーム(原題)』サラ・シルバーマン『I Smile Back』助演男優部門クリスチャン・ベール『マネー・ショート 華麗なる大逆転』イドリス・エルバ『ビースト・オブ・ノー・ネーション』マーク・ライランス『ブリッジ・オブ・スパイ』マイケル・シャノン『ドリーム ホーム99%を操る男たち』ジェイコブ・トレンブレイ『ルーム(原題)』助演女優部門ケイト・ウィンスレット『スティーブ・ジョブズ』アリシア・ヴィキャンデル『リリーのすべて』ルーニー・マーラ『キャロル』ヘレン・ミレン『トランボ(原題)』レイチェル・マクアダムス『スポットライト(原題)』『ストレイト・アウタ・コンプトン』12月19日(土)渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国順次公開文:猿渡由紀
2015年12月10日マイケル・ファスベンダーが、アップル社の共同設立者であり、iPhoneやMacなどでデジタルテクノロジーの常識を変えた、世界で最も有名なカリスマを演じる人間ドラマ『スティーブ・ジョブズ』。このほど、ジョブズと愛娘リサとの関係と父親としての知られざる顔が垣間見える、30秒の新予告がシネマカフェに到着した。パソコンか携帯電話さえあれば、指1本動かすだけで、いつでもどこでも世界中とつながることができる。現代では当たり前のライフスタイルも、この男がいなければ、きっとまだ実現していなかった…。ジョブズの生涯で、最も波乱に満ちた時期の3大製品──1984年のMacintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰後に発表した1998年のiMacという重要な3つのフェーズで、人々の心を鷲掴みにしたジョブズの伝説のプレゼンテーション “直前40分の舞台裏”を描き出していく本作。『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督、『ソーシャル・ネットワーク』の脚本を手がけたアーロン・ソーキンがタッグを組み、主演を務めたファスベンダーは先日、LA映画批評家協会賞「主演男優賞」を受賞、アカデミー賞のゆくえを占うサテライト賞にもノミネートされている。今回の新予告映像の冒頭には、「誰もがコンピューターを持てたら」という言葉とともに見つめ合う男と少女が映る。コンピューターを操作する少女に優しく手を添え、やさしく見守る男こそ、スティーブ・ジョブズ。時代の寵児として波乱に満ちた人生を送ってきた彼にとって、常に娘リサの存在は大きかったという。「会社で上げる功績より、父親としてのあなたを見せて」とジョブズに語りかける部下ジョアンナ(ケイト・ウィンスレット)の言葉の通り、映像には父と娘の姿が次々と映し出されていく。そして、幼き日のリサに抱きつかれ、「頑張って」という言葉に目を閉じるジョブズ。誰もが知るカリスマの彼は、いったいどんな父だったのか?確執があったとされる父と娘の間に本当は何があったのか!?そんな彼の知られざる一面に迫り、1人の父親として人間味あふれるジョブズの姿を期待させる予告映像を、まずはこちらから確かめてみて。『スティーブ・ジョブズ』は2016年2月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2015年12月08日L.A.映画批評家協会賞が発表された。作品賞は『スポットライト』。教会で長年密かに行われていた子供への性的虐待を暴いたボストン・グローブ紙のジャーナリストたちを描くドラマだ。監督はトム・マッカーシー。その他の情報次点は『マッドマックス怒りのデス・ロード』。監督賞、撮影賞、美術賞も『マッドマックス』が受賞した。同作は、ナショナル・ボード・オブ・レビューから最優秀作品に選ばれており、急速に勢いを増している形だ。主演男優賞は『スティーブ・ジョブズ』のマイケル・ファスベンダー、主演女優賞は『45 Years』のシャーロット・ランプリング。助演男優賞は『99 Homes』のマイケル・シャノン、助演女優賞は『リリーのすべて』のアリシア・ヴィキャンデルが受賞した。ニュー・ジェネレーション賞は『クリードチャンプを継ぐ男』のライアン・クーグラーが受賞している。文:猿渡由紀
2015年12月07日シネマカフェがおすすめするサウンドトラック入門。7回目の今回は、毎度洒落た音楽使いに定評があるイギリス監督の新作と、普及の名作を最新アニメーションで描いた話題の作品の映画音楽をご紹介。■『コードネームU.N.C.L.E』60年代に放送されたTVシリーズ「ナポレオン・ソロ」を、『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』や『スナッチ』で知られるガイ・リッチーがリメイクした『コードネームU.N.C.L.E.』。いかにもなスパイルックのヘンリー・カヴィルのスーツ姿といい、ヒロインのアリシア・ヴィキャンデルや敵役のエリザベス・デビッキたちが装う60’s感溢れるファッションなど、作品全体に洒落た印象を受ける本作においても、ガイ・リッチー的なアクセントの効いた音楽がちりばめられている。これまでロンドンのならず者たちのサウンドトラックとしてさまざまな楽曲を使用してきたガイ・リッチーだが、前作、前々作にあたる『シャーロック・ホームズ』『シャーロック・ホームズ/シャドウ・ゲーム』においてはサントラ界の重鎮ハンス・ジマーを起用し、ガイ・リッチー的な遊びも盛り込みつつ、大作然としたかなり気合の入った作りではあった。本作においては、リドリー・スコット『悪の法則』や『カムバック!』などを手がけるダニエル・ペンバートンを抜擢。彼は来年1月公開のアカデミー賞有力作『スティーブ・ジョブズ』の音楽も手掛けており、今後さらなる注目を集めるであろう作曲家のひとりだ。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に『キングスマン』、さらには『007スペクター』の公開を控え、スパイ映画隆盛を極める今年。スパイ映画といえば印象的なテーマ曲は不可欠だが、本作における「His Name Is Napoleon Solo」や「Escape from the Berlin」は、耳に残る楽曲として作品全体の統一感のあるデザイン性に大きく寄与している。ほかにも、“カウボーイ”とイリヤから茶化されるナポレオンをネタ化したような楽曲や、イタリアを舞台に繰り広げられるシーンのバックグラウンドには、巨匠エンニオ・モリコーネへのオマージュが感じられる楽曲が使用されており、かなり映画音楽的な満腹感がある。ほかにも、映画冒頭から流れる「やさしく歌って(Killing Me Softly with his Song)」で知られるロバータ・フラックの「Compared to What」や、パジャマ姿で踊るアリシアが最高にキュートなシーンでかかるソロモン・バークの「Cry to Me」、エンディングのニーナ・シモン「Take Care of Buisiness」、さらには芸人ヒロシのネタBGMとして知られるカンツォーネの楽曲「Che Vuole Questa Musica Stasera」なども色を添え、60年代感とガイ・リッチーによるモダンな解釈が感じられる粋な一枚としておすすめだ。■『リトルプリンス星の王子さまと私』大ヒットも報じられたサン・テグジュペリの不朽の名作「星の王子さま」のその後の世界を描く『リトルプリンス星の王子さまと私』。監督を務めるマーク・オズボーンの前作『カンフーパンダ』に引き続き、音楽はハンス・ジマーが担当している。本コラムにおいては、以前ニール・ブロムカンプ監督作『チャッピー』のサントラにおいてハンス・ジマーの作品に触れたが、本年度はこれらの以外にも公開中の『黄金のアデーレ名画の帰還』や『サン・オブ・ゴッド』、『ターミネーター:新起動ジェニシス』で音楽総指揮を務め、来年も既に『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』を手がけることも決定しており、相変わらず引っ張りだこの状態のようだ。本作においては、アカデミー賞ノミネートの『インターステラー』にて指揮を担当したリチャード・ハーヴェイと連名でクレジットされおり、安定のクオリティを感じることができる充実の一枚。作品ごとに見事にサウンドを変化させるハンス・ジマーだが、本作においては王道的なオーケストラサウンドと繊細なピアノの旋律とヴァイオリンが美しい、感動的な内容に仕上がっている。3DCGとストップモーションというによるハイブリッドアニメーションという体裁をとる本作において、さまざまな感情の機微を情感豊かな楽曲でドラマチックに彩っている。そして何より本作の大きな特徴は、映画冒頭から心地よく響くフランス人歌手のカミーユとのコラボレーション楽曲が随所に使用されているところだろう。彼女のハミングがオーケストラに溶け込む楽曲や、彼女の歌が中心となった楽曲に豊かなアレンジが加えられたりと、インストゥルメンタルに馴染みがない人にとっても、とても耳馴染みがよく心地い良い一枚だ。フレンチポップ好きにもぜひおすすめしたい。(Text:Toshihiro Horiai)■関連作品:コードネーム U.N.C.L.E. 2015年11月14日より全国にて公開(C) 2015 Warner Bros. Ent. All Rights Reservedリトルプリンス 星の王子さまと私 2015年11月21日より全国にて公開2015 LPPTV – LITTLE PRINCESS – ON ENT – ORANGE STUDIO - M6 FILMS – LUCKY RED
2015年11月30日実力派俳優マイケル・ファスベンダーが、アップル社の共同設立者であり、現代人のライフスタイルとデジタルテクノロジーの常識を変えたカリスマを演じた『スティーブ・ジョブズ』の日本公開日が、2016年2月12日(金)に決定。併せて、彼が生み出したMacやiPhoneのようにシンプルだが、信念と主張を感じさせるポスタービジュアルが解禁となった。パソコンか携帯電話さえあれば、指1本動かすだけで、いつでもどこでも世界中とつながることができる――。現代では当たり前となったライフスタイルは、この男がいなければ、きっとまだ実現していなかった。そんな世界で最も有名なカリスマ、ジョブズの生涯の最も波乱に満ちた人生を追った本作。これまでの伝記映画とは一線を画すように、ジョブズが生み出した3大製品──1984年のMacintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰して発表した1998年のiMacという重要な3つのフェーズで、彼が人々の心を鷲掴みにした伝説のプレゼンテーションの舞台裏を細やかに描き出し、話題を呼んでいる。今回解禁されるポスタービジュアルは、真っ白な背景に、マイケル扮するジョブズが、彼の最もよく知られたスタイルである黒のタートルネック+ジーンズという姿で、顎に手をあて何かを考え込む姿を映し出している。まさに、余計なものを排除した“シンプルさ”こそが最も美しいと考えていたジョブズの理念を、見事に表現したビジュアルだ。そのジョブズの横に添えられているのは、「口先ひとつで、世界を変えた男。」との言葉。これまで、その神がかり的なプレゼンテーションで世に送り出してきた数々の商品が現代人の生活をガラリと変えてしまったように、一貫したメッセージを人々に伝え、言葉で未来を創り、信念を貫いてきた姿を想像できるコピーで、彼のカリスマ性を見事に表現。また、作品タイトル横には、パソコンで文字を打つ際に表示される“キャレット”(カーソルのこと)をイメージしたラインが配置され、デジタル製品の概念を変えた男の物語にぴったりのビジュアルとなっている。『スティーブ・ジョブズ』は2016年2月12日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月12日より全国にて公開(C) Universal Pictures
2015年11月26日あの『ベイマックス』を超えて全米1位を獲得し、ついに日本でも先週末より公開となったジム・キャリーの最新作『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』。このほど、本作より遡ること20年前に公開され、熱狂的ファンを獲得したオリジナル作『ジム・キャリーはMr.ダマー』の場面写真をシネマカフェが独占入手。本作には、オリジナルファンにも嬉しいさまざまな仕掛けが至るところに用意されていることが分かった。20年もの間、精神病院に入院していたロイド。彼を見舞うハリーが腎臓病を患ったことを打ち明けると、これまで一切反応を示さなかったロイドは突然飛び起き、「病気のふりをしていただけ」とハリーをだましていたことをばらす。ハリーはしてやられたと、笑い転げ、再びコンビとなった2人は、ハリーの腎臓病を治すため提供者を探す旅に出る!?主人公ロイド役には、 『マスク』の記録的大ヒットでコメディ俳優としての地位を確立し、『トゥルーマン・ショー』『マン・オン・ザ・ムーン』でゴールデングローブ賞を受賞するなど、その演技力が高く評価されているコメディ界の天才俳優ジム・キャリー。そして相棒のハリーには、海外ドラマ「ニュースルーム」でゴールデングローブ賞ドラマ部門「主演男優賞」にノミネートされ、2016年2月公開の『オデッセイ』『スティーブ・ジョブズ』も控えるジェフ・ダニエルズ。さらにボビー&ピーター・ファレリー兄弟が監督を務め、オリジナルのキャスト・スタッフが“帰ってきた”本作は、日本を含む全世界興収2億5,000万ドルを上げるスマッシュヒットを記録した『ジム・キャリーはMr.ダマー』の実に20年ぶりの続編。あらゆるところに、オリジナルを彷彿とさせる仕掛けが満載だ。1)ポスタービジュアルにも入っている「ワンワンカー」前作では、移動に大活躍だった “ワンワンカー”が、本作でも突然、ど派手に登場!アングルもほぼ同じカットとなっている。2)Facebookで当時の出演者を発見ロイド&ハリーと同じアパートに住む、鳥が大好きな盲目の少年(ブレイディ・ブルーム)が再び出演!監督が必死に探し、Facebookを通じてコンタクトでき、出演が叶ったという。3)長旅前作では偶然出会った美女を探しにコロラド州へ。今回は娘を探しにメキシコとの国境の町エル・パソへと、いつだって2人は長距離旅がお好き。4)マウススプレーを口に向けて…じゃなく外に向けてシュッ!前作でも今回も、ロイドは美女に出会うためにマウススプレーをして「イイコトしよう」とマウススプレーをするものの、いつでも口の中ではなく外に向けてシュッ!そっちじゃないから!5)悪者が途中参加前作も今回も、大富豪の金やお宝を預かったロイド&ハリーを、悪いやつらが追いかける!車中に3人といえば、ロイド、ハリー、“悪いやつ”なのだ。6)コスプレして潜入前作では紳士風(?)にコスプレ。今回は、インテリが集まるシンポジウムに潜入するべく、なぜか卒業ガウンを着て潜入。20年前と今回、ほぼ同じカットとはいえ、やはり刻まれたシワの数が年月を物語る!?20年前の写真と比べると、2人が年齢を重ねたことは一目瞭然とはいえ、ロイドとハリーの中身は前作のまま!?20年たってもまったく変わっていない2人のおバカっぷりを、楽しんでみて。『帰ってきたMr.ダマー バカMAX!』はTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開中。『ジム・キャリーはMr.ダマー』DVDは発売中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:帰ってきたMr.ダマー バカMAX! 2015年11月20日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014 DD To Finance, LLC
2015年11月26日東京都現代美術館、読売新聞社、TBSは、『トイ・ストーリー』シリーズなど多くのアニメーション作品を生み出すピクサー・アニメーション・スタジオの30周年記念展「スタジオ設立30周年記念ピクサー展」を開催する。会期は3月5日~5月29日(月曜日および3月22日は休館、ただし月曜であっても3月21日、5月2日、5月23日は開館)。開館時間は10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)。会場は東京都現代美術館。観覧料は一般1,500円、高校・大学生1,000円、小・中学生500円。未就学児は無料。同展は、『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』、2015年公開の『インサイド・ヘッド』、そしてこれから公開となる最新作『アーロと少年』など、数々のアニメーション作品を世界に送り出している「ピクサー・アニメーション・スタジオ」(以下、ピクサー)の設立30周年を記念して行われるもの。また、同展は2005年にニューヨーク近代美術館でスタートし、世界各国で好評を博した世界巡回展で、今回新たな作品群を加え日本に上陸する。1986年、アメリカのカリフォルニアで、ジョン・ラセター、エド・キャットムル、スティーブ・ジョブズらが集って設立された「ピクサー」。同スタジオの生み出すアニメーション作品は、日本やアメリカだけでなく世界中で上映され、多くのファンに愛され続けているが、「ピクサー」には最終的に人々の目に触れるCGアニメーションを形にする技術スタッフと同じくらい多くのアーティストやデザイナーたちが在籍しており、彼らはストーリーや映画のビジュアルなどを考える企画の構想段階で、手描きのドローイングや、パステル画、彫刻などを生みだしている。同展では、そうした同スタジオ内での創作活動にスポットライトをあて、ピクサーに所属するアーティストたちが創り出したドローイング、カラースクリプト、マケット(キャラクター模型)など、多種多様なアートワークの数々を紹介。フルCGアニメーション映画『トイ・ストーリー』(1996年日本公開)から最新作『アーロと少年』まで、 映画制作の源となったアートワーク約500点を一挙公開するほか、 アニメーションの原理を体感できる「トイ・ストーリー ゾートロープ」、平面のアートワークをデジタル技術で3Dに変換して大型スクリーンに投影する「アートスケープ」といったふたつのインスタレーションも登場するということだ。ちなみに、マイナビニュースではピクサーで『トイ・ストーリー3』等の作品でアートディレクターを務めた日本人クリエイター・堤大介氏のインタビューを掲載している。
2015年11月19日●変わりゆく世界と日本2015年を振り返ると、世界を大きく揺るがすニュースが数多く報道された。めまぐるしく変化していく世界。その中で、これから日本はどのように生き抜いていくべきなのか、変わるために今必要な覚悟とは何か。ジャーナリストの池上彰氏が「cybozu.comカンファレンス2015」で語った。○なぜ、ヨーロッパへ難民が押し寄せているのか?現在ヨーロッパへ押し寄せる大勢の難民たち。なぜこのような事態になっているのか。「ニュースではこの夏以降、"大勢の難民たちがヨーロッパへ押しかけるようになった"という報道があるだけ。なぜかということについては報道されていない」と池上氏は語る。そして、池上氏は自身が続けてきた難民取材によって「はっきりとわかったこと」があるという。「この夏以降のヨーロッパへの難民たちによる奔流は、スマホが普及したからだ。2年前にシリア難民を取材した時には、一部の人が携帯電話を持って、国外に逃げた家族と連絡を取り合っているような状況だったが、今では皆がスマホを持っている。これによって何が起きているのかというと、一昨年や昨年に逃げている人々が、『ドイツに行って難民申請をすると、アパートの世話をしてくれるし、生活費も出される。6カ月たつと働く場所も用意してくれて、ドイツはいいぞ』とスマホで連絡してくるようになり、残っていた人々は、『それならヨーロッパへいこう』と目指すようになった」(池上氏)現在、難民支援を行っているボランティアの人々は、スマートフォンの充電ステーションを設置し、難民たちに提供している。そのため、スマートフォンが充電切れする心配はないという。また、スマートフォンにはGPS機能がついているため、難民たちは道に迷うこともなく、目的地へ向かっていける。「スマホを持つことによって、難民たちはヨーロッパへ押し寄せるようになった。これは、大勢のイスラム教徒が、キリスト教であるヨーロッパへと押し寄せているということ。かつて、ゲルマン民族の大移動によって、西ローマ帝国は滅び、今のヨーロッパがつくられた歴史がある。ヨーロッパは今、民族だけでなく、言葉や宗教も異なるアラブ民族をどのように受け入れればよいのか、ヨーロッパの覚悟を問われている」(池上氏)現在、ヨーロッパでは難民受け入れができなくなっており、先進国が手分けをして受け入れていこうということになると、日本も関係のない話ではなくなってくる。その時、日本社会はどのような対応をとるのだろうか。●メディアが歴史に及ぼしてきた影響「メディアや技術開発が進むことによって、思わぬかたちで世の中は動いていく」(池上氏)これまでの歴史を振り返ると、メディアの変化によって、「思いもよらないことが起きてきた」という。池上氏は、活版印刷の登場から、歴史を振り返った。○活版印刷によって宗教改革「活版印刷ができるまでは、聖書はラテン語で書かれていたため、市民は聖書を読むことができず、神父さんの教えを聞くしかなかった。当時カトリックでは、贖宥状(免罪符)が発行されており、"協会に寄付をすることによって、罪が免除される"という教えを広めていた。これに対してマルティン・ルターが激しく批判をする文書を発行する。それまでは、この文書を市民に広げることができなかったが、活版印刷によって、ヨーロッパ中に広がっていくことになった。また、聖書もドイツ語やフランス語など各国語に翻訳され、多くの信者たちが読めるようになり、市民は何が書かれているのかを知ることができるようになった。これにより、『これまで神父さんが伝えていたことは間違っているのではないか』という疑問が生まれ、宗教改革が広がっていた。このように、活版印刷という新しいメディアによって、プロテスタントが生まれたのである」(池上氏)その後、ラジオやテレビの登場によっても、歴史に大きな影響を与えている。「第二次世界大戦中、ルーズベルト大統領はラジオを通して、アメリカの国民に団結を呼びかけた。これによって、多くのアメリカ人が励まされ、団結して戦うエネルギーとなった。その後、テレビの登場によって、これまでラジオで行われていた大統領選挙の公開討論がテレビで開かれるようになった。当時、ジョン・F・ケネディの陣営は、テレビをよく理解していたことから、白黒映像でパワフルに見える服装や汗をかかないようにドーランを塗るなどして、大統領の座を勝ち取った。この時、ラジオだけで討論を聞いていた人々は、ケネディではなく、ニクソンが勝ったと判断し、テレビを見ていた人々はケネディが勝ったと判断している。ケネディ陣は、テレビをうまく政治に利用したのである」(池上氏)また、政治だけでなく、戦争の局面でも、テレビは影響を与えてきた。「自由な報道が許されていたベトナム戦争では、悲惨な戦争の様子が報道されていた。死体が散乱する様子、アメリカ人がベトナム人を残虐に扱う様子、アメリカ人の兵士が負傷して苦しんでいる様子など、悲惨な状況がテレビで流された。これによって、アメリカ国内でベトナム戦争に対する反対運動が広がっていった。結果、この世論に押されて、アメリカはベトナムから撤退することになった。このように、メディアの持つパワーに政治がついていかなったケースもある」(池上氏)アラブの春のきっかけは、FacebookやTwitterだったという。「2010年12月にチュニジアで、家族を養うために路上で野菜を売っていた青年が、『許可がない』と警官に没収され、殴られる事件があった。その後、青年は市役所に行って『野菜を返してほしい』と訴えたが相手にされず、青年は絶望して焼身自殺をして抗議する。この時、青年は友人に、自殺する瞬間を撮影してもらい、その映像がFacebookに流れたことがアラブの春のきっかけとなった」(池上氏)その後、内戦状態となったシリアで、スマートフォンが使われるようになり、今日のヨーロッパへの難民問題につながっている。「アラブ世界だけの話だと思っていたものが、いまやヨーロッパが難民危機のような状態となってしまった。こんなことは誰も予想していなかった。グーテンベルクも活版印刷によって、宗教改革が起こるとは思っていなかったし、テレビによって大統領選挙が変わり、ベトナム戦争が終わるとは考えていなかった。スマートフォンもそう。それが今、世界を大きくゆるがしている。開発者の意図とは関係のないかたちで、世界が大きく変わろうとしている」(池上氏)●これから必要な覚悟それでは、今後どのようなメディア・技術が生まれてくるのだろうか。その問いに対して、池上氏は「わからない」と述べたうえで、自身の見解を示した。○変わりゆく時代を生きていくには「開発者が陥りがちなのが、『今ある技術の中の延長線上に、どのような技術があるのか』ということを考えてしまうことだ。しかし、そういったことを考えていたのではうまくいかない。スティーブ・ジョブズのような、とんでもない発想をする、異質な存在が出てきて、初めて世の中が大きく変わるのではないか。これまでの既存の発想にはとらわれないような考え方、働き方を認めることで、可能性が生まれてくるのではないだろうか」(池上氏)講演の最後には、サイボウズ 代表取締役社長の青野慶久氏も登場。青野氏も、自社製品の使われ方の変化に驚いているという。「これまで、会社の中の情報共有ソフトを作り続けてきたが、クラウドによって、情報共有のされ方が、会社内だけでなくなり、外からアクセスできることから働き方も変わってきた。会社を超えた変化が起きていることに驚いている」(青野氏)加速度を増していく、テクノロジーの変化。どんどん変化していく時代に対して、池上氏は次のように語った。「これからは、どれくらい柔軟に考えられるかが重要。最初から拒否するのではなく、一見ばかばかしい提案も、柔軟に受け入れるやわらかさが大切。このやわらかさはゆとりがあるからこそできること。ゆとりのある働き方によって、柔軟な発想ができる。ダーウィンの進化論もそう。突然変異した中で、環境が変化した時に、適応できるものが残ってきた。環境の変化に合わせて変化してきたわけではない。たまたま適応したものが残ってきた。将来は予測できからこそ、突然変異ができるような組織が、変化に対応していけるのではないか」(池上氏)
2015年11月13日マイケル・ファスベンダーがアップルの創始者の故スティーブ・ジョブズを演じることで話題の映画『スティーブ・ジョブズ』。この度、本作の初映像となるファースト・トレーラーが解禁された。アップル社の共同設立者であり、デジタルテクノロジーの常識を変えた世界でも有名なカリスマ、ジョブズ。パソコンか携帯電話さえあれば、指1本動かすだけで、いつでもどこでも世界中とつながることができる現代のライフスタイルを生み出したと言っても過言ではない彼の、生涯の最も波乱に満ちた時期の3大製品――1984年のMacintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰して発表した1998年のiMacという重要な3つのフェーズで、ジョブズが人々の心をわし掴みにした伝説のプレゼンテーション“直前40分の舞台裏”を描き出し、ただ単に人生を追うだけの伝記映画とは一線を画す仕上がりとなっている本作。原案は、ジョブズ本人や家族、関係者への約3年にわたるインタビューなどを基に執筆された唯一無二の記録本であり、ジョブズ自身が伝記作家ウォルター・アイザックソンに頼み込んで完成し、日本でも上下巻合わせ100万部を越えるベストセラーとなった同名著作だ。メガホンを取るのは、『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督。彼が『ソーシャル・ネットワーク』の脚本を手がけたアーロン・ソーキンとタッグを組み、『それでも夜は明ける』の高い演技力が世界中で評価されたマイケル・ファスベンダーがジョブズを熱演。共演には『タイタニック』や公開中の『ダイバージェントNEO』に出演しているケイト・ウィンスレットが名を連ねるなど、アカデミー賞常連の錚々たる面々が一挙集結した。今回解禁された映像は、「もしパソコンが美しく誰もが欲しがったら?そしてもし誰もが手に入れる事が出来たら?」というジョブズの問いから始まる。天才であり、変人であり、そして父親であるジョブズの様々な表情を映し出される。株価4億ドルという大企業のトップであった時代、天才でありながら誰にも理解されなかった時代、アップル社からの解雇、そして復帰…ジョブズの波乱に満ちた時代が次々に展開していくが、その背景に常にあるのは、娘であるリサの存在。時代のカリスマであったジョブズは、いくつの顔を持っていたのか。そしてその素顔とはなんだったのか。印象的でスタイリッシュな音楽と共に、ジョブズの人生がスピーディに描かれている映像となっている。『スティーブ・ジョブズ』は2016年2月より全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:スティーブ・ジョブズ 2016年2月、全国にて公開(C) Universal Pictures
2015年11月06日アップル社の共同設立者、スティーブ・ジョブズの生き様を描いた映画『スティーブ・ジョブズ』の予告編が初公開された。数々のアイテムを世に送り出してきた彼は映像の中で力強く語る。「ガレージで“未来”を発明できた」と。『スティーブ・ジョブズ』予告映像ジョブズは1976年にアップル社を創業し、誰もが持てるパーソナルコンピュータMacintoshを発表。その後も、iMac、iPhoneなど数多くの革新的なアイテムを発売しては人々をわかせ、多くの人のライフスタイルに多大な影響を与えてきた。このほど公開された映像では、ジョブズが強い意思と明確なビジョンをもって会社を拡大し、仲間を増やし、新商品を世に送り出す過程が、多くの人が目撃した“ジョブズのプレゼン”の裏側と共に描かれる。ジョブズ役のマイケル・ファスベンダーは若き日の彼から、晩年のジョブズまでをメイク、服装、喋り方を見事にコントロールして演じていく。熱意、カリスマ性、威圧感……何度も記録映像で観てきたジョブズがスクリーンに甦る。ジョブズは多くの人から賞賛を集める革命児である一方で、“問題児”とも呼ばれてきた。予告編でも彼は株価4億円の大企業のトップでありながら、仲間から非難され、拒否され、会社を追われる場面が描かれる。私生活も順調ではなく、生まれてきた子を自分の娘ではないと叫ぶ場面や、家族と言い争う場面も登場。かつて共に“未来”を追いかけた仲間から裏切られるジョブズの表情は苦悩に満ちている。本作は、『スラムドッグ$ミリオネア』のダニー・ボイル監督、『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家アーロン・ソーキンがタッグを組み、栄光、賞賛、裏切り、苦悩が入り混じったジョブズの複雑で波乱に満ちた人生を巧みな構成で描き出す作品で、彼が生涯をかけて追い続けてきた“未来”の姿が垣間見える作品になりそうだ。『スティーブ・ジョブズ』2016年2月公開
2015年11月06日「超低価格+高スペック+洗練されたデザイン」のスマートフォンによって、マーケットに衝撃を与えたシャオミ。リアル店舗は持たない、自社工場は持たない、役職はつくらない、ハードウェアでは稼がないなど、従来の常識を一蹴する戦略を持つ中国のメーカーです。『シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略』(陳潤著、永井麻生子訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、そんなシャオミが創設以来たどってきたプロセス、創設者である雷軍(レイジュン)の経営戦略などを解説した書籍。■雷軍は「中国のスティーブ・ジョブズ」2010年4月に設立されたシャオミの、2011年10月の時点での企業価値はすでに10億ドルを記録していたといいます。Googleが7年、Facebookが6年かけて成し遂げた偉業を、1年半で達成したということ。そんなこともあり、「中国のスティーブ・ジョブズ」と呼ばれる雷軍が打ち出す「インターネット思想」というコンセプト、「シャオミ方式」と呼ばれる戦略、ユーザーを囲い込む「参加型」の秘密は各方面から注目されているそうです。そんなシャオミの独自性が浮き彫りになっている本書から、きょうは人材探しに関する考え方をご紹介したいと思います。■敏腕エンジニアを12時間もかけて説得雷軍は人材探しについて、「人材発掘はこの世の中でいちばん難しい作業だ」と語ったことがあるそうです。起業当初には、週に5日、毎日10時間以上もかけて、あるグローバル企業の幹部を口説いたのだとか。また、面接を受けに来たもののシャオミの前途にも懐疑的だったベテランのハードウェアエンジニアに対しては、数人がかりで12時間もかけて説得し、最後には相手を「屈服」させたのだといいます。「いい人材が来ないというなら、それは、注いだ精力が足りない、ということだ。私は一日の半分以上の時間を人材の募集に費やした。最初の100人のスタッフは、皆私が自ら会ってコミュニケーションをとったものばかりだ」(36ページより)■人材探しには70%以上の時間を割こう人材を長時間にわたって囲い込んでまで説得するとは恐ろしい気もしますが、そこには明確な持論があるようです。「(前略)どんな企業でも優秀な人を見つけるのは大変難しい。この問題を解決する方法はふたつしかない。ひとつは、充分な時間をかけること。少なくとも仕事時間のうちの70%は人探しに割かなければならない。もうひとつは、人が自ら集まってくるようにすること。(中略)将来の伸びしろや発展のチャンスを見せつければ、自ずと人はやってくる」(37ページより)現在、シャオミの従業員の半分以上はGoogle、マイクロソフト、金山(中国最大のソフトメーカー)から来ており、平均年齢は32歳で、大部分が大学卒業後10年か大学院修了後7年の経験豊かな人材なのだとか。情熱を持ち、気力も充実している年代ですが、だからこそ彼らには、必ず有利な待遇も与えなければならないと雷軍は主張しています。ただし「ふさわしい報酬」は必ずしも大金、高給を意味するわけではなく、どんな人材を招聘した場合も、3つの選択肢を出すのだといいます。「1つ目はグローバル企業と同じ報酬。2つ目は3分の2を報酬でもらい、3分の1を株で受け取る。3つ目は3分の1を報酬でもらい、より多くを株で受け取るというやり方だ」企業を成長させるには、人材の重要性を理解し、社内での社員育成とレベルアップを重視する必要があります。いわば、これはそのために導き出された方法のひとつ。そこにも、他の企業にはない圧倒的なオリジナリティーが現れているといえます。*エピソードの数々はどれも新鮮で、読んでいるだけでも知的好奇心を大きく刺激されるはず。ビジネスモデルのあり方について考える際は、ぜひ参考にしたい一冊です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※陳潤(2015)『シャオミ(Xiaomi) 世界最速1兆円IT企業の戦略』ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015年10月30日