夫の清志氏が詐欺容疑で刑事告訴され、周辺が騒がしい国際政治学者の三浦瑠麗(42)。そんな三浦の“まさかの姿”を本誌は目撃した。2月上旬、三浦は飲食店で待ち合わせた男性と、深夜1時ごろまで3軒ほど居酒屋をハシゴ。1軒目を出て後は男性と腕を組んで密着し、甘えるような姿も。翌日の夕方も、別の男性とホテルのバーで合流。この日も店を出た後は男性と腕を組んで、さらに乗り込んだタクシーの中では、男性の肩に頭を乗せてしなだれかかる姿を見せていた。本誌の取材に対して、三浦が社長を務める会社は「いずれの男性も仕事関係の10年来の友人です。個人情報については控えさせていただきます」と回答。14日17時時点で、SNSや会社HPでも報道に対する本人のコメントもない。しかし、清志氏が代表を務める会社が投資トラブルによって家宅捜索を受け、刑事告訴されている渦中に、堂々と“密着デート”を楽しんだ三浦に対しては、ネット上から“メンタル強すぎ”といった驚きの声が相次いだ。そんな三浦だが、’21年5月に、「第13回ベストマザー賞2021」を受賞している。受賞に際して、「わたしは最高の母親になれているとは思いませんが、これからも毎日『大好きだよ』と伝えたいと思っています。そして、愛されるだけでなく、愛するって素晴らしいことなんだ、ということを伝えていけたら」と、コメントを発表していた。実は、同年のベストマザー受賞者には、もう一人“醜聞”が最近話題を呼んでいる人が……。元AKB48の篠田麻里子(36)だ。昨年8月、篠田の不倫を疑った夫が長女を連れて別居していると報じられて以降、篠田と不倫関係にあると報じられる男性とのLINEのやり取りや、T氏との修羅場音声が飛び出すことに。篠田の親族が、夫のモラハラを告発するなど夫婦トラブルは泥沼化の様相を呈している。2019年2月に結婚、20年4月に長女を出産し、21年5月にベストマザーを受賞した篠田。その際、「私自身が1番びっくりしています」とした上で、「子育てを1人でやっていると不安になったりすることもある。個人的にはママとしてはまだまだですが、ベストを尽くして子育ても楽しんでいきたいと思います」とコメントしていた。主催する日本マザーズ協会が「選ばれたベストマザーの方達の生き方や考え方が、少しでもママ達の幸せのヒントになれれば」と、子育て支援・母親支援を啓発する活動の一環として、ママ達の投票によって選出されているベストマザー賞。同じ受賞経歴をもつ女性有名人に“醜聞”が相次いだことに、ネット上では呆れる声が。《ベストマザー賞って、この三浦さんとか篠田さんが受賞されてますね。 どの辺がベストマザーなのか審査員に説明してほしいわ…もっと母として素晴らしい人っていっぱいいると思うけど、どういうこと? 》《まあよくも「ベストマザー」に選出された方々が醜聞をまき散らしたものです》《これで2021年にはベストマザー賞を受賞してんのかぁ 》《コレが…『ベストマザー』か…世も末だな… 》
2023年02月14日ときは文化12年、町人文化が花開くころ。江戸木挽町の芝居小屋のそばで、ある惨劇が起きる。雪が降る夜、女に扮した若衆・菊之助が仇討ちを成し遂げて宵闇に消えたのだ。それから2年後、菊之助の縁者だと名乗る侍が〈森田座〉の関係者を訪ね歩く形で、物語は進む。永井紗耶子さんの『木挽町のあだ討ち』は、時代ミステリー×人情ドラマの極上エンターテインメントだ。新作歌舞伎にしてほしい!艶やかな仇討ちエンターテインメント。「歌舞伎を土台にしたミステリーは役者を中心に描かれることが多いのですが、私はずっと舞台裏の話を書いてみたいと思っていました。それが、本書の仕掛けにもうまくハマると思ったんですよね」語りを務めるのは、仇討ちの一部始終を目撃したという面々だ。木戸芸者の一八(いっぱち)、立師(たてし)の与三郎、衣装係で女形のほたる、小道具職人の久蔵と妻のおよね、戯作者の篠田金治…、エピソードの数々をリレー形式で聞くうちに、読者の中では次第にある疑問が膨れ上がる。菊之助は、心の底では仇討ちを望んでいなかったのではないか。その理由は何か。にもかかわらず、決行したのはなぜか。「事件をめぐり、それぞれがどう関わり、何をどのぐらい明かしていくかについてはバランスを見ながら考えました。ただ、彼らの半生については、私も、しゃべらせてみて初めてわかった部分もありましたね。たとえば一八は、吉原の中で生まれた男です。吉原に生きる女の生きづらさとも違う苦悩があるのだなと。小道具職人の久蔵とおよねの夫婦は、夫があんなに無口だとは思わず、話し好きな妻にしゃべってもらえてやっと詳細が見えてきたり」薄衣に包まれていた真相が明かされたときの驚きもさることながら、「悪所」とされた吉原や芝居小屋で懸命に生きてきた彼らが訥々と語る人生模様が胸を打つ。そこには、身分や職業、女性やジェンダーをめぐる差別の問題があるからだ。時代小説ではあるが、現代にも通じる温かなメッセージが内包されている。「私は辛い話を現代小説で読むと、過剰に感情移入してしまうので、少し現実と距離がある時代小説の方が気楽に想像して楽しめるんです。でも、江戸の社会システムは、調べれば調べるほど今に似ているところもある。そこで生きた人々の物語を考えるのは、今を考えることにも通じて、面白いです」『木挽町のあだ討ち』大叔母の影響で立ち回りをワークショップに参加し学ぶこともあるほど歌舞伎ファン。落語や能も愛する永井さんの古典芸能知識も活きている。新潮社1870円ながい・さやこ1977年、神奈川県生まれ。2010年「絡繰り心中」で小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。2020年刊行の『商う狼―江戸商人 杉本茂十郎―』は細谷正充賞や新田次郎文学賞ほかを受賞。※『anan』2023年2月15日号より。写真・土佐麻理子(永井さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年02月12日夫である三浦清志氏の“太陽光詐欺疑惑”で、渦中の人となった三浦瑠麗氏(42)。報道以来、沈黙を貫いてきた瑠麗氏だが、2月6日に釈明コメントを発表した。しかし、納得が得られたとは言い難いようだ。清志氏は1月19日、自身が代表を務める投資会社「トライベイキャピタル」が建設見込みのない太陽光発電の建設計画を別会社の代表に持ちかけ、出資金として約10億円をだまし取ったという疑惑で刑事告訴されることに。合わせて、トライベイキャピタルと自宅が東京地検特捜部によって家宅捜査を受けたことも報じられた。これに対し妻の瑠麗氏は20日、自身が代表を務める「山猫総合研究所」の公式サイトで報道は《事実です》と認めた。《私としてはまったく夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ないことではございますが、捜査に全面的に協力する所存です》とも述べ、それ以降、レギュラー番組への出演を見合わせることに。さらに毎日のように更新していたTwitterを最後に23日で更新が途絶えていた。そんななか25日、清志氏の弁護人を旧統一教会の顧問弁護士でもある福本修也弁護士が務めていると「現代ビジネス」が報じた。福本弁護士といえば’22年9月、旧統一教会の会見に教団の出席し、声を荒げた上に記者の質疑を終了させようとした姿が話題になった人物だ。また教団の現役信者であるとも報じられている。すると2月6日、瑠麗氏は「山猫総合研究所」の公式サイトを更新し、こう綴った。《一部報道におきまして、夫のビジネスに関わる訴訟を担当している弁護士の方が旧統一教会関係者であるとの記述があり、夫に選任の経緯を確認しました。元検事の優秀な先生ということで5年前に取引先の業者にご紹介いただき、継続的に訴訟を担当していただいていたとのことでした。訴訟については、別の弁護士に担当を変わっていただくとのことです。正直、報道を見て驚いております。私としましては、旧統一教会による霊感商法等の活動を一切容認するものではありません》■「よく言えるよ」「後ろめたいことがあるのですか?」しかし、ネットでは瑠麗氏の釈明に異論が噴出している。’22年11月、瑠麗氏は日経とテレビ東京がつくるYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」に出演し、安倍晋三元首相(享年67)を撃った山上徹也容疑者について言及。そして山上容疑者の家庭が旧統一教会に高額の献金を行い、財産を失ったことついて「これはそんなに同情すべきか、ってのはあって」といい、「みんな1億円の資産ある人なんていないですから、そんなに。競馬でスッたって同じ」と宗教2世問題とギャンブルを並べて、持論を展開していた。また、’22年10月には、Twitterに《政治と統一協会との関係調査に対する食傷感。過去調査は政党が勝手にやればいいけど、有権者はずーっとこのニュースを聴いていたいかといえば、そんなことないんじゃないかという話》とも呟いており、そういった姿勢に対して「旧統一教会を擁護している」という指摘も一部であがっていた。そのため「旧統一教会による霊感商法等の活動を一切容認するものではありません」という瑠麗氏に対して、SNSでは厳しい声がこう上がっている。《旧統一教会の霊感商法活動は一切、容認するものではないって?競馬ですったのと同じって言ってたの忘れたのか?》《統一教会被害を「競馬ですったようなもの」と言っていた人がよく言えるよ》《お前「献金で財産失ったのは競馬でスッたのと同じ」って言うてたじゃん》また瑠麗氏によると、福本弁護士は優秀で清志氏とは5年も付き合いがあるものの、《別の弁護士に担当を変わっていただく》という。そのため“弁護士チェンジ”を疑問視する声も、こう上がっている。《優秀な方だと認識しているなら、変える必要はないのではないですか?後ろめたいことがあるのですか?》《優秀なら変える必要なかったのでは》《うーん、なんで担当を変えるんですかね?変える理由てなんなんでしょうか?》
2023年02月07日著名なミステリー文学賞に応募して大賞を受賞。『元彼の遺言状』は刊行されるや否やベストセラーに。その後も、新刊を出すたびに話題となり、いまもっとも目が離せない作家のひとりです。デビューしてまだ3年目に入ったばかりのフレッシュなキャリアと、存在感の大きさのギャップに瞠目。2年間の生活の変化や、今後の抱負など、快進撃を続ける新川帆立さんの現在の心境はいかに。――単行本デビューしてすぐに退職されたそうですね。思い切った決断ですよね。新川帆立(以下、新川):実はデビューする前からそう決めていました。2020年に受賞が決まり、退職は単行本が出た’21年の1月末ですね。辞めた翌朝、「きょうからはもう会社に行かなくていいんだ!」とすごい幸せな気持ちになって、この幸せを手放したくないと(笑)。たまたまデビュー作が売れましたが、売れる売れないにかかわらず、最初の3年くらいは執筆に全集中しないと作家として生き残れないかもしれないと必死だったので、むしろ兼業は考えませんでした。――作家という仕事についてなんとなくのイメージがあったと思いますが、いまのような劇的な変化を迎えてみていかがですか。新川:想像していた世界と大きな違いはなかったですね。いざやってみたら、始業時間でも何でも自分で決められるのがいい。私は、人と会わなくても孤独を感じたりしない方なので、結構、性に合っていました。プロットを立てるのが苦手だったり、初稿時に漢字の変換ミスや人名間違えとかが壊滅的に多かったり、自分でも「作家としてどうなのか」と思うところもありますが、調べものや取材は好きですし、何より書くことがいちばん楽しいんです。――プロットを立てるのが苦手というのは、さまざまなインタビューでも言われてますね。けれど、これだけバラエティに富んだストーリーを発表していらっしゃるので、意外です。新川:たとえば、ある場面で、AさんとBさんが会話しているとします。そのAさんが発したひとことでBさんの気持ちが変わり、それを踏まえてBさんの次の行動も決まってくるというのがあるんですよ。書き進めることで初めて、そのときのAさんやBさんの心情も具体的になるというか。肝心のひとことがプロットだけでは想像できないんですね。私自身も実際に文章にして「あー、わかった」と腑に落ちるところがあります。打ち合わせのときに、ある程度のあらすじをくださいと言われることが多いので一応は出すのですが、実際の物語は、アイデア通りにはなかなか展開しませんね。現実にいそうと思えるリアルな女性を書きたい。――新川さんの小説の女性主人公は、それぞれ個性的ですよね。「元彼の遺言状」シリーズの弁護士・剣持麗子をはじめ、最新刊『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』でも、一見おとなしそうに見える木村琴美(「動物裁判」)や、勝ち組に見えてとあるコンプレックスに悩む寺田万里子(「自家醸造の女」)、意地とプライドで火花を散らす女性雀士の塔子と由香里(「接待麻雀士」)など、みな強いけれど欠点もあって、等身大で感情移入できるキャラクターです。女性を描くときに意識されていることは。新川:私自身、一部の小説での女性の描かれ方に不満があったんですよね。「こんなに都合のいい女性はいないでしょ」と感じる登場人物が出てくると興醒めしてしまう。読者の気持ちに立ってみると、何よりリアリティが大事だなと。一方で、私の作品が“キャラ立ちしている”と評されることがあって、実はそれが少し不満なんですね。キャラ立ちというと、現実より濃いめに味つけしているというか、強烈にデフォルメしたようなキャラクターに捉えられているのかなと思って、忸怩たる思いになる。私自身は、「どこかにいそう」と自分でも信じられるような人物だけを書いているつもりなんです。たとえば、一緒にドラッグストアに行ったら、あのキャラクターなら「この化粧品を買いそうだな」とか「絶対にドラッグストアコスメを使わなそう」とか。Netflixでは何を見るか、どんなファッションが好きか。いちいち作中では書きませんけれど、自分の中ではそれが何となくわかるくらいの距離感で捉えているんです。実際、そのくらいしっくりきたキャラクターでないと続きを書けない。ミステリーは謎が大事で人物は人形的、記号的でもいいという読者さんもいるでしょうが、私はどうにか人間味も足して両立させたいと思っているんです。――最新刊には、リーガルSFと銘打ったユニークな6編が収録されています。令和が〈礼和〉や〈零和〉などになって、それぞれ動物に人間と同じ権利を認める〈動物福祉法〉や、現金を廃止する〈電子通貨法〉など架空の法律がある社会が舞台。スラップスティック的だったり、痛快だったり、ブラックだったり、読後感もバラエティがありますね。新川:『令和その他の~』に収録した「接待麻雀士」という短編を書いたときに、その架空法律の部分が面白いと編集さんが言ってくださったんですね。――健全な麻雀賭博を奨める〈健雀法〉が制定されて賭け麻雀が合法化されたけれど、それを悪用して賄賂を贈る違法麻雀接待がはびこるようになって…という設定、いつか本当にそうなりそうです。新川:そうした“もしも”を織り込んだ法律とオムニバスドラマの『世にも奇妙な物語』のようなズレたパラレルワールドを合わせて見せることで、現実の解像度がクリアになったりするといいなと思い、あえて現実からほんのちょっとだけ狂った設定を並べてみました。――法律だけでなく、各編の背景になっている題材もユニークでそそられました。どんなふうに決めていったのですか。新川:いまっぽいトピックを編集者さんにお題として挙げてもらい、そこから連想していきました。SFって一般的には自然科学だと思われていますけれど、法学みたいな社会科学だってサイエンスなんですよ。自分が法学を学んでいたからよけいそう思うのかもしれませんが、新しい技術が生まれれば、世の中の人の考え方が変わっていくように、新しい法律が制定されたら、新しい常識ができてくる。すると、それに振り回される人も現実に出てくると思うんですね。その悲喜劇を描いていると、やっぱり社会の課題や矛盾みたいなものも引っ張ってくることになるんですよね。――そういう意味で、新川さんの書く作品って社会派でもあるのかなと思ったりします。新川:やはり切実なテーマじゃないと、読者も時間を割いてまで読みたいと思わないんじゃないかなーと。なので、自分にとっても切実で、世の中の人もきっと切実に悩んでいるだろうという状況や心理を書いていこうとは思っています。たださすがに社会派と言われたことはないですね。強いて言えば人間派ということで(笑)。デビューからわずか2年で短編集や長編など8作品を出版。アニマルライツ、メタバース、バーチャルリアリティ、安楽死問題、キャッシュレス社会など、イマドキの話題を織り込んだ『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』(集英社)は、興味深い短編揃い。連載していた離婚弁護士ものを、春ごろに刊行予定。しんかわ・ほたて1991年、アメリカ合衆国テキサス州ダラス生まれ、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒、同法科大学院修了後に弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に受賞作『元彼の遺言状』でデビュー。同シリーズほか、「競争の番人」シリーズ、『先祖探偵』など著書多数。現在、イギリス在住。※『anan』2023年2月8日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年02月04日政治学者・三浦瑠麗氏(42)の夫・三浦清志氏が抱える10億円の投資トラブルによって三浦氏本人にも影響が出始めている。三浦氏が木曜レギュラーを務める情報番組『めざまし8』(フジテレビ系)は当面の間出演見合わせに。また、Twitterでも8万件を超えるツイート数で「三浦瑠麗」が一時トレンドに上がるなどネットでも注目を集めている。10億円の投資トラブルとは、三浦氏の夫・清志氏が太陽光発電事業の名目で約10億円をだまし取ったとして詐欺容疑で刑事告訴されたというもの。東京地検特捜部は20日、清志氏の会社と自宅を家宅捜索した。三浦氏は一連の事態を受けて20日、自身が代表のシンクタンクのホームページで「全く関与していない」とのコメントを出している。しかし、夫婦は別人格であるとはいえ、批判の声は大きい。「三浦氏は、政府の成長戦略会議や過去に出演したテレビ番組でも、太陽光発電を推奨するような発言があったということで、“利益誘導”や“詐欺の広告塔”の疑いなどが報じられています。また、夫の投資トラブルに関連する民事裁判で、夫が代理人に立てていたのが、旧統一教会の顧問弁護士で現役信者という報道も出たため、余計に注目が集まっているのでしょう」(全国紙記者)そんな中でネットでは今、三浦氏の過去のある論文に注目が集まっている。それは自民党が主催する「国際政治・外交論文コンテスト」で2004年に三浦氏が最優秀賞である「自由民主党総裁賞」を受賞した論文だ。同コンテストは04年から22年まで毎年行われており、第1回目の初代最優秀賞受賞者が三浦氏なのだ。「このとき三浦さんはまだ東京大学農学部の学生で23歳でした。ここから三浦さんの華々しいキャリアが始まったと言えるでしょう」(前出の記者)この論文についてネットでは、《よくテレビでお見かけする三浦瑠麗さんが東京大学農学部4年のときに自民党総裁賞を受賞した「論文」があるんだけど、わたしはあれを読んで彼女を見る目が一気に変わった。よくない方へ。あといまの自民党は相当やばいなと思った。興味あれば見てみてほしい》《これ、出来レースで「とりあえずなんか書いてよ」とオファーされたんじゃないのか?誤字が3か所もあったし1、2時間で知っていることさらりと適当に書いて提出した感がすごい。箔付のためにこのコンテストが用意された気すらする》《論文コンクール第一回の受賞者だったかと。父親の人脈などから自民党に一本釣りされたのだろうと思いました。杉田水脈議員に近く、でももう少しアカデミック受け?する人材というつもりだったのでは》■《我々日本人は国際社会においては、ジャパニーズ・ドリームの体現者だとまず自覚を》ここまで言われる論文とはどのような内容なのか。一部抜粋する。テーマは「日本の国際貢献のあり方を考える」で、冒頭は《国際貢献とは日本の生き様を示す舞台でなければならない》という見出しから始まる。《国際貢献の究極の目的は、国際社会の住人としてその責任を果たすことであり、日本の信じる正義を実現することである》《日本は、世界一の長寿国であり、世界一安全な国である。世界に誇れる独特の伝統を保持しつつ、世界にも例を見ない美しい国土を持った国である。我々日本人は、国際社会においては、まさにジャパニーズ・ドリームの体現者であることをまず自覚すべきである。その上で、どのように具体的な国際貢献をなし得るか考えてみるべきであり、国際貢献とは、日本の生き様を国際社会に示す舞台でなければならない》《日本の理想を掲げることは、他国に対して優越的な地位を主張したり、威張ったりすることではない。むしろ、日本と言う類い稀な国に生まれた我々の、世界とアジアに対する特別の責任を自覚した覚悟の必要な姿勢である。日本の国際貢献のあるべき姿は日本の理想を高く掲げることであると考えるが、それは、日本人自身の生き様を世界に対してしめしていくことに他ならない》この論文については著名人・識者からも辛口コメントが続出。映画評論家の町山智浩氏はツイッターで20日、次のように指摘した。《このたった4Pの論文だけで今の国際政治学者としての地位を築いたのか。参考文献も論拠となるデータも実証的な論拠もなく、ただ自分の気持ちだけを書き連ねている。これは論文ではない。作文だ》麗澤大学客員教授の飯山陽氏も21日に配信した自身のYouTubeチャンネルで三浦氏の論文を採点して「及第点はあげられない」「感想文としてもダメ。中身は一層意味不明」と酷評。昨年の同コンテストでは、10代~90歳まで86名の応募があり、授賞式には岸田文雄首相(65)や茂木敏充幹事長(67)らも出席したことを、審査委員を務めた井上信治議員(53)がブログで明かしているが、一体どのような論文コンテストなのか。過去の審査員の1人である、青山学院大学の袴田茂樹名誉教授に聞いた。■「評価がバラバラになることもあります」「三浦さんが受賞した第1回目は私が審査員になる前のことだと思います。一昨年の第18回まで10回前後は審査員を務めましたので、私が責任を持って言えるのはその期間のことだけです。選考の手順は、まず自民党国際局の方で下選びをして、入賞件数の2?3倍ほどの論文を選出。それを7?8名ほどの外部の審査員が採点して、採点の合計が高い順に賞を取るというシステムです。各人がそれぞれの評価をしますから、評価がバラバラになることもありますし、皆さんの評価が同じようなときもありましたし、それは年によってさまざまでした」それではどういう人物が審査員に招かれるのだろうか。「審査員には、政治学者や出版社の編集長、マスコミで論説するような人などがいました。識者が必ずしも中立と言えるかどうか私にはわかりませんが、櫻井よしこさんや百田尚樹さんのような保守論客が常連メンバーということはありません(笑)。とはいえ、自民党に招かれているので、自民党の対外政策を真っ向から批判し続ける人ではないとは思いますが、私は自民党の党員でもありませんし、当時の安倍政権の対露政策に対しては公にかなり批判していましたので、そういう意味で、時の政権を全面的に支持する論文が選ばれるようなシステムになっているとは限らないです。少なくとも私に関しては、自信を持って公正な立場で選考にあたってきました」三浦氏の論文が論文の体裁をしてないとの指摘がある件については、袴田名誉教授は次のように解説する。「引用文献等をきちんと書いた学術形式になっているものと、自分の意見を独自に述べるものと結構バラバラでした。色んな人の意見を引用しながらではなく、自分の独自の意見を述べるという論文も私はここではいいと思います。学生、学者、あるいはもっと年配の人たちの論文など色々ある中で、私が読んだ中で一番年齢が低かったのは中学生の論文でした。非常にいい論文でした。決して学術的なスタイルではありませんが、むしろ下手な学者の論文より言うべきことを自覚した内容で、よく中学生でこれだけのものを書けたなと驚いたくらいです。なので、学術的な論文の体を成しているかは評価には関係なく、中学生が自分の体験を元に書いた論文でも、非常に強い印象を受けて評価した論文もあるということは言っておきます」三浦氏が再び『めざまし8』に登場する日は来るのだろうか。
2023年01月28日怒髪天ロックバンド・怒髪天が、本日Zepp Hanedaにて行われた新春公演にて、3月22日(水)にニューアルバム「more-AA-janaica」(ヨミ:モウエエジャナイカ)の発売と、5月10日(水)より開催する全国ツアーを発表した。作品の詳細はまだ未発表ながらも、バンドからこんなメッセージが届いている。右手に怒りを、背中に哀愁をたずさえて・・・。壮年満作 “OSSAN STRIKES BACK”収録楽曲は6曲を予定しており、全方向にベクトルが向いた聴きごたえ200%の「問題作にして最高傑作」となることは間違なさそうだ。尚、初回生産限定盤には今作の歌詞からインスパイアしたアート、モード、そしてシュールな完全撮り下ろしの写真集を付属。こちらもこれまでの、怒髪天の写真集の概念を覆す「問題作」となりそうだ。写真集からのビジュアルを使用した、“特製プロマイドセット”がもらえる、アルバムの先行予約キャンペーンもスタート。ぜひチェックしてほしい。■ライブ情報more-AA-janaica TOUR 〜もうええじゃないか、もう〜5/10(水)千葉 LOOK5/13(土)水戸 LIGHT HOUSE5/19(金)金沢 AZ5/20(土)岐阜 Yanagase ants5/27(土)広島 セカンド・クラッチ5/28(日)高松 DIME5/30(火)奈良 EVANS CASTLE HALL6/01(木)岡山 YEBISU YA PRO6/03(土)小倉 FUSE6/04(日)福岡 LIVE HOUSE CB6/06(火)滋賀 U☆STONE6/10(土)松本 ALECX6/11(日)新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE6/17(土)仙台 Rensa6/18(日)郡山 HIPSHOT JAPAN6/24(土)名古屋 CLUB QUATTRO7/01(土)大阪 umeda TRAD7/07(金)札幌 ペニーレーン247/14(金)新宿 BLAZE【リリース情報】アーティスト:怒髪天タイトル:more-AA-janaica(ヨミ:モウエエジャナイカ)発売日:2022年3月22日(水)商品形態:初回生産限定盤(CD+写真集) / TECI-1802 / ¥6,050(税込)通常盤(CDのみ) / TECI-1806 / ¥2,750(税込)CD収録内容:6曲入りCD写真集内容:完全撮り下ろし。今作の歌詞からインスパイアしたアート、モード、そしてシュールな完全撮り下ろしの「問題作」。怒髪天オフィシャルウェブサイト : 怒髪天 / IMPERIAL RECORDS : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年01月15日“キングカズ”こと三浦知良の長男で俳優の三浦りょう太(りょう=けものへんに寮のうかんむりなし)が14日、静岡県静岡市のツインメッセ静岡 北館で開催された「SDGs推進 TGC しずおか 2023 by TOKYO GIRLS COLLECTION」に出演した。TGC初登場の三浦は、オープニングのファッションショー「TGC SHIZUOKA SPECIAL COLLECTION」に出演。スタイリスト・沢田結衣氏が手掛けた同ショーでは、地球に優しくサステナブルでエシカルなアイテムが多数採用され、三浦はリメイクされたコートを羽織ってクールな表情でランウェイを歩いた。2019年より2年連続で開催し、SDGsの推進に取り組んできた「SDGs推進 TGC しずおか」が3年ぶりに開催。今回は「輪-WA-」をテーマにファッションショーやアーティストライブを展開。手を取り合い、SDGs達成に向けて行動し連携していく“輪”を広げたいという思いが込められている。撮影:加藤千雅
2023年01月15日中学1年生の鴻田新(こうだ・あらた)が、限りなく鳥に見える奇妙な生き物・クジマに出会うところから物語が始まる、紺野アキラさんの『クジマ歌えば家ほろろ』。「クジマが可愛い」「ゆるくて癒される」等々、SNSなどでも熱いエールが送られている、大注目のコミックだ。ボーイ・ミーツ・バードに、幸あれ。浸っていたくなる異文化交流コミック。「もともと、ヒト型の細長い謎の生き物と出会う話を考えていました。冬にバイトに行く途中の川に鴨が集まるのを見て、“渡り鳥”という設定が浮かんだので追加。結果、ああいう見た目の生き物になりました。日本食好きやロシア語堪能などのクジマの特性は、ほとんど思いつきですね(笑)。担当編集さんに『家族ものにしたらどうか』と提案されて、謎の生き物によって変化していく家族を描いてみようと、いまの枠組みが決まった感じです」1巻では、マイペースで優しいけれど意外なポイントでキレたりするクジマのキャラや、居候先である鴻田家のおおらかな雰囲気などが紹介されていた。2巻では、日本の行事を楽しむクジマや新たちの交流が中心に。浪人生である長男・英(すぐる)は終始ピリピリしているのだが、なぜか憎めない。笑えて、ハラハラして、ほっこりするエピソードが満載。「クリスマスや正月、こたつなど、日本の文化や初めての経験を、クジマならどう過ごすのかなと、大喜利のような感覚で考えています」本書では、新の両親のみならず、田舎の祖父母までもが正体不明のクジマをすんなり受け入れる。自分と違うものや理解できないものに対して狭量で、何でも排除したがる時代だからこそ、偏見を持たずに共生する彼らに、拍手を送りたくなる。「クジマはたまたま受け入れてくれる人たちに出会っただけかもしれませんが、幸運でしたね」読めばわかるが、本書の最大の魅力はクジマの愛らしさ。クジマがどんなときにどんな表情をするのかを描くのは、まったくの架空の生物なだけに、難しそうだけれど。「クジマの表情の変化は目だけでしか表せないため、できない表情がたくさんあって困ることもありますが、それが『何を考えてるかわからない生き物らしさ』を出す上では、利点でもあるのではないかと思っています。カラーはデジタルで、他はすべてアナログで描いていて、絵としてこだわっているのは背景ですね。陽の光や空気感が伝わればいいなと思いながら描いています」ちなみに、クジマが鴻田家に住むのは、〈ロシアに帰る春まで〉。「春になったらちゃんと帰ります」と紺野さん。それまでは、クジマたちの楽しげな日常を見守りたい。紺野アキラ『クジマ歌えば家ほろろ』21巻ではクジマを仇敵扱いしていた英の態度も軟化。クジマと周囲の人々が、ますます賑やかに、打ち解け合っていくさまがいい。3巻は春に刊行予定。小学館715円©紺野アキラ/小学館 ゲッサンこんの・あきらマンガ家。1997年生まれ。17歳のとき、ゲッサン新人賞で最終選考に残る。20歳で新人コミック大賞入選作「知らない海の底」でデビュー。※『anan』2023年1月11日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2023年01月09日今年3月、長男・三浦祐太朗(38)に第一子が誕生し、初孫ができた三浦百恵さん(63)。`80年に芸能活動から引退、三浦友和と結婚した彼女だが、今なお注目を集め続けている。このたび本誌は、彼女の担当マネージャーを`74~`75年に務めた長谷川和正氏にインタビュー。女優・山口百恵の仕事ぶりと、三浦友和の秘話を語ってもらった。(以下、カギカッコ内は長谷川氏)「百恵で最初に思い出すのは、“赤いシリーズ”と呼ばれたドラマの第一作『赤い迷路』(’74年)に出演したときのこと。撮影が始まったある日、彼女が俺に『ちょっと……』なんて呼んできた。何かと思えば台本を取り出して『このシーン、どう思います?』って俺に聞くから『百恵が泣く場面だよな』と答えたら、百恵は『(この台本で)本当に泣ける!?』って。まだデビュー2年目の新人なのにすごいなって驚いたのを覚えているよ。一方で、そのドラマには松田優作も出ていたんだけど、たびたび演出家とぶつかって大声をあげていたんだよ。百恵はそれを見て俺に『あんなに言わなくてもいいのにね』なんてよく言っていたよ。とにかく、まだ高校生だったのに大人びていたよね」仕事で手を抜くことは決してなかったという百恵さんだが、のちに夫となる三浦友和の百恵さんに対する第一印象は「決して良くなかった」と長谷川氏は言う。「2人が共演した映画『潮騒』(’75年)のロケが三重県の神島で行われたときのこと。友和は先に撮影に入っていて、あとから百恵も現場入りした。到着した日の晩に、友和や共演者たちと飲んでいると、友和が百恵のことをよく言わないんだよ。俺がなんで?って聞くと『アイドルは嘘つきだから』なんて言う。友和は役者という意識が強かったからか、上辺を取りつくろっているように見えるアイドルが苦手だったようなんだ。『島に来たばかりで、“街の人はあったかい”とか言うけど、街の人の人情なんか分かるはずないだろう』と。酔っぱらっていたからだろうけど、俺に言うなよって思ったね(笑)」しかし、その後の2人はご存じの通り結婚し、芸能界でも“理想の夫婦”と呼ばれて久しい。「俺が担当していた頃の百恵が憧れていたのは(西城)秀樹だったんだよ。実際に仲も良かったしね。どのようにして百恵と友和が交際するようになったのかは見てないけれど、友和はとっても真面目な男だから、百恵にとっても良かったよな。もし友和と会ったら、神島での夜のことを問い詰めたいよ(笑)」
2022年12月12日女性たちの本音を代弁、考察し、鼓舞する小説を書き続ける柚木麻子さん。『きょうの料理ビギナーズ』などでの連載をまとめた、単著での初エッセイ集『とりあえずお湯わかせ』も、必ずや共感を呼ぶだろう一冊だ。タイトルの由来は、お母さまの口癖。重い腰を上げるとっかかりとして、家訓のように柚木さんにも引き継がれているという。人気作家の初めてのエッセイ集は、元気を取り戻すためのカンフル剤。「連載の最初にそう書いたのですが、すぐに、実は母が桐島洋子さんのベストセラー『聡明な女は料理がうまい』から、ある部分のエッセンスをとったものだとわかって。小耳に挟んだところでは、料理家の故・小林カツ代さんも『お湯わかせ』と言っていたらしいです。’80年代から女性たちをエンパワーメントしてきた彼女たちの核にもなった名言であり、コンビニもSNSも時短アイデアも便利家電もいまほどないとき、まずはお湯というのは、家事を担っていた人にとってのライフハックでもあったのだなと。それを聞いて読んで育った私も、見習っています」エッセイのテーマは広く、料理やワンオペ育児のこと、小さなイベント、コロナ禍、思い出、フェミニズム…。どれも、むちうちが心配になるほど首肯してしまう。「私の理想のエッセイとは何かと考えてみたら、妄想が暴走するものなんです。私自身が、うっかり『良さそうなこと』に飛びついて、実行してしまうタイプですし」連載中に、女子教育に貢献した河井道の半生を軸にした長編小説『らんたん』を執筆。資料として、戦時中の婦人雑誌などを読み込んだ。「戦争の苦しい状況を楽しくする工夫とかが面白くて。それによかれと飛びついて、後悔することになってもいい。大切なのは声を上げること、連帯することだと言いたいですね」読むと、この4年ほどに日本で何が起きたかが、ありありとわかる。「子どもに野菜を食べさせなきゃとか、ものすごい工夫していましたね、私。子どもは『野菜は大人になったら食べる。いまはまだそのときじゃない』と理屈で抵抗できるくらいに成長していますが(笑)。ただ、私だけでなく社会もメディアも変わった。私への仕事のオーダーも、ジェンダーに関するものが増えました」現在もエッセイは連載中。柚木さんの書く“いま”には、読者の“いま”を見つめるヒントもてんこ盛り。『とりあえずお湯わかせ』連載エッセイ(2018年~’22年3月)、他誌に書いたもの、書き下ろし(章ごとに「後日談」、各編にセルフコメント)を合わせた59編。NHK出版1650円ゆずき・あさこ1981年、東京都生まれ。2010年にデビュー短編集『終点のあの子』を刊行。’15年、『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞を受賞。『BUTTER』など著書多数。※『anan』2022年11月16日号より。写真・土佐麻理子(柚木さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年11月14日10月下旬、東京都内の駅で目撃されたのは三浦翔平(34)。この日、三浦は大阪でのイベントに出演し、マネージャーとおぼしき男性と新幹線で帰京したばかりだった。全身黒系のアイテムでコーディネートしていたが、スタイルの良さと長身のため、混雑した駅内でも彼の姿は目立つ。改札を出たあたりで、三浦に近づいて行ったのは3人組の男子高校生。握手やサインを求めていたが、同行のマネージャーが「移動中で、時間がありませんから」と、丁重に断っていた。だが、そこで動いたのが三浦翔平本人。高校生たちの熱意にほだされたのか、彼らの誘導を始めたのだ。「男の子たちを、通勤客たちが歩いていないスペースまで連れていき、それぞれと写真撮影をしていたのです。時間にすれば1〜2分の出来事だったと思いますが、通行の邪魔にならないように配慮していたことにも感心しました」(現場に居合わせた会社員)三浦は18年に桐谷美玲と結婚し、20年7月には長男が誕生している。「彼はサーフィンが趣味なので、『いつか子供と波に乗りたい』と言っていました」(三浦の仕事関係者)また芸能関係者によれば、「夫妻のインスタグラムによれば、最近は2人で『東京ラーメンフェスタ2022』に行ったようです。子供が生まれても夫婦の時間も大切にしていることが伝わってきました」通行人も驚いていたファンへの神対応。三浦の家庭人としての成長が、彼の包容力も育てたのだろうか。
2022年11月11日彼の気持ちや自分のこと、恋愛そのものがわからない…。そんな、anan読者から寄せられたリアルな恋の悩みに、凪良ゆうさん、早見和真さん、人生経験豊富な小説家のお二人に答えていただきました。生き方の指針にも!必読です。お悩み1:彼の本心を確認すべき…?幼いころから仲良しな男友だちと、最近毎日のように電話で話していて、「お互い35歳になっても相手がいなかったら結婚しよう!」みたいな話になりました(いまは二人ともフリーです)。でもこれって、ノリなのか本気なのか?この友だちは、どういう気持ちでこの話をしたのかよくわからないのですが、それから少し彼を意識するようになってしまいました。気持ちを確認したらいまのいい関係も終わってしまいそうで、聞かない方がいいのでしょうか?男の気持ちってよくわからないです。(29歳・保険)Nagira’s advice「あなたが結婚したいなら、いまから恋愛の道筋を整えて」相談者さんのことを、彼は友人としてとても信用してはいるし、憎からず思っているのは確かだと思います。ただ、おそらく彼にとってはそのときのノリでしかなく、真面目に悩むほどの言葉ではないというか。もし彼が本気なら35歳などという猶予を持たせないはずで、いまプロポーズするでしょうね。それが一般的な男性心理です。それを踏まえて、私が気になるのは、彼の気持ちより相談者さん自身の気持ちなんですね。「自分は彼と結婚したいのか」について、相談者さんが真剣に考えるのが先だと思うんです。もし本気で彼と結婚したいのだとしたら、35歳に向けて、いまから友達というポジションから異性として見てもらうようポジションチェンジをしていく努力が必要なのかな、と思います。Hayami’s advice「いちばん大切なのは、後悔しない決断をすること」僕の周りにもこの手の話は結構ありましたね。基本的に男側から持ちかけていると思うのだけれど、実際にそれが成就したカップルを僕は見たことがないです。正直、男が覚悟を持って言ったわけでもないであろう言葉を、ここまで真剣に捉えて悩む必要はないと思います。独身のまま35歳になって「あのとき責任取るって言ってくれたじゃない」と確認しても、たぶん男は忘れていますよ。これは恋愛の悩みすべてに通じる話だと思うのですが、いちばん大事なのは「あのときあなたがこう言った」と、誰かのせいにしないことじゃないかと。後悔しないためにね。振り回されずに、「自分の幸せを第一に、自分の人生を自分の足で生きるのが正しいよ」と、そう背中を押したいですね。お悩み2:好きだけど、家族とは…。彼のことは好きでも、家族ぐるみのつきあいは、めんどくさそうと感じてしまいます。でも、彼は家族思いで私にも家族ぐるみのつきあいをしてほしいと思っています。そんな彼に、本心は言えません。価値観が違うと言ってしまえばそうなんでしょうが、自分の中で、好きという気持ちとうまく折り合いをつけられません。(30歳・マスコミ)Nagira’s advice「女性だけが我慢する必要なし。価値観のすり合わせが大事です」家族をめぐる気持ちの温度差は、おつきあいしているだけならそう問題になりませんが、もし結婚を視野に入れているのであれば、十分に話し合わないと、のちのち絶対にケンカの種になります。個人的に気になったのは〈好きという気持ちと折り合いをつける〉という表現です。女性が譲歩するのが前提になっている気がして、「なぜいつも女性側が我慢するのだろう、彼にも譲歩してもらえばいいのに」と思ってしまったからです。いずれにしても、大人同士ですから、率直に話し合いをして、価値観をすり合わせていくしかないでしょう。もしかすると彼が相談者さんの気持ちを理解して、寄り添ってくれるかもしれませんよね。Hayami’s advice「もし価値観のズレがあるなら、曖昧なままではダメな重要課題」結婚における家族ぐるみのつきあいって、セックスレス問題と近いと思う。片方が望むのにもう片方が乗り気でないのが不幸なわけで、どっちも同じ気持ちならそもそも問題になりません。結婚とは相手の家族とするものとはよくいわれるし、ある意味本当です。だからこそ、「夫婦優先」という価値観を二人で共有しておく必要があるというか、結婚しようという相手との間では、絶対に譲ってはいけないラインを決めておくことが重要です。でも、軽い気持ちで相談しても、案外男は「気にしなくていいよ」と答えることが多いと思う。だけど、相手の家族を本気で大事にするのって思っているよりも大変なことだぞと、ちゃんと認識させておくことが大事です。お悩み3:失恋して心が空っぽです…。最近彼氏にフラれてから、心が空っぽになって人の幸せを心から祝福できません。大好きだったカップルYouTuberの動画も見るのが辛くなりました。どうしたらまた人のことを好きになったり、人の幸せを祝福できるようになれるでしょうか?(23歳・事務)Nagira’s advice「誰でも失恋直後は虚無を味わう。いちばん効くのは、“ときぐすり”」相談者さんの「フラれて虚無感に囚われていて、人の幸せを喜べない。また恋愛できる気がしない」という気持ちに、とても共感します。私も、離婚した後5年くらい立ち直れなかった時期がありました。それでもいまは好きな人もいるし、とても幸せです。相談者さんはそれだけ一生懸命その彼のことを愛してたのですよね。そういう恋愛をした人なら、またすばらしい恋ができると思います。昔から言われているけれど、失恋を癒すには“ときぐすり(時薬)”しかありません。いつかはその恋愛も相談者さんの血肉になり、いい思い出に変わるはず。いまは自分の傷を癒すため、自分が心地いいと思うことを最優先に、時間もエネルギーも使ってください。Hayami’s advice「いまは人を祝福できなくても自分を責めないで。自然な反応です」大学生のころ、本当に貧乏で住む家がなくて、失恋した友だちの家を転々と渡り歩いていたことがありました。「そんなに落ち込むほど好きになれてよかったね」と友だちを慰めていたけれど、実は、手の中にあったものが突然なくなって心がぼうっとしてるだけで、そう傷は深くないケースが多かったです。その経験を踏まえて言うと、ボロボロに思えても、早晩立ち直って、また誰かを好きになれます。これはもう絶対に。他の人の幸せを祝福できないと言うけれど、それならそれでいいですよ。いまはただ、自分の心が求めてるものに対して素直になればいい。小説家として言わせてもらうなら、そういうときこそ物語の力を信じて、本に救いを求めてほしいなと思います。お悩み4:夫のことは失いたくない…。でも、まだモテたい。10歳年上の男性と結婚して3年経ちます。夫のことは世界でいちばん愛しているし、彼もまた私に対して同じ気持ちという信頼関係は確かなのですが、正直まだモテたいという気持ちが拭えず、夫に内緒で男性と二人で会ったり、関係を持ったりしてしまうこともあります。最近では、10代のころに好きだったけれど音信不通になってしまった人が週1で夢に出てきたり、出会ったばかりの20歳の男性が気になって連絡を取ってしまったり…。いままで好きになるのは、かなり年上ばかりで、初めて年下に対して、可愛いとか好きという感情を覚えて、それも自分の中では新鮮で楽しいのかもと思っています。でも、夫のことは失いたくないので、このままでいいとは思えないのですが、自分の好奇心や欲求に逆らえません。どうしたらよいでしょうか。(27歳・広告)Nagira’s advice「夫を死ぬほど傷つけてまで、よそ見を続ける覚悟はあるか」結婚していても心が動くことも人間にはあると思うんです。だから、夫以外の人に惹かれて揺れたりすること自体は、まったく不思議なことでもダメなことでもないと思っています。しかも相談者さんは、「まだモテたい」とか「好奇心を抑えられない」とか、これまで登場した相談者さんよりずっと自分をわかっていて正直です。それはすごいと思いました。この悩みで真正面から考えなくてはいけないのは、自分の欲望と、大好きな旦那さんとの暮らしを天秤にかけて、どちらが重いのかを決めることなのです。旦那さんにバレたときには、世界でいちばん大事な旦那さんを死ぬほど傷つけることになりますし、離婚されるかもしれない。その覚悟はあるのでしょうか。それを踏まえてなお、うまくゆらゆらとバランスをとったままでいられるのであれば、旦那さんにバレないようにがんばってください。Hayami’s advice「許してもらえるかもという期待はしないでください」いつかすべてが露呈すると思っていてください。そのときに、話せばわかってもらえるとか、いまだけの火遊びだからといった言い訳は受け入れてもらえないと思っておきましょう。これがもし結婚前に「私はあなたのことは大好きだけれど、違う男の人と関係を持つことで自分を満たしてしまうときが来るかもしれない」と、夫さんにちゃんと話していたのならフェアかもしれないですが、まさかそんな話はしていませんよね?その上で、なお浮気を続けるなら、これはもう答えは明白。夫さんがすべてを知ったら、間違いなく愛想を尽かされると思うけれど、その覚悟を持った上でご自由に、です。ただ、自分の心が簡単に満たされる年下の彼と会っているときも、これは忘れてほしくないです。「いま世界でいちばん愛してる夫さんのことを世界でいちばん傷つけてるのは、ほかならぬ自分なんだ」ということを。お悩み5:恋愛って何のためにするの。恋愛はしていますが、結婚に対しては意欲的になれません。もともと結婚願望もそれほどないのですが、将来、結婚できる気もしません。周りは恋愛の先に結婚を意識している人が多いですが、自分はそうじゃないし、でも、じゃあ何のために恋愛しているの?って友人に聞かれて答えに困ってしまいました。恋愛って、何のためにするのでしょう?教えてください。(26歳・広告)Nagira’s advice「結婚や恋愛の前に、まず自立を目指しては」いくつか気になったことがあるんです。〈何のために恋愛しているの?〉とありますが、何のためにもなにも、好きになってしまったら終わり。何のためにもならなくてもしてしまうのが恋愛です。『anan』の読者アンケートで、若い世代、20代とかに「結婚を意識してつきあっている」人の割合がすごく多いことは知りましたが、恋愛の先に結婚があるかないかは、また別の話だと思うんです。同様に、結婚するために恋愛をするというのは本末転倒というか。それでいて、相談者さん自身は結婚願望もないんですよね。答えになっていないかもしれませんが、まず自分の足で立つ、つまり仕事をして自分で自分を食べさせていける人間になることが大事です。小説でも私はそういう女性を書きます。周囲から結婚の圧力を受けているのかもしれませんが、自立できれば、焦って結婚しなくちゃとか考えない気がするんですよね。Hayami’s advice「結婚より独身が幸せだった人生もあったかも」恋愛や結婚をしなければいけないと考えること自体、社会通念に翻弄されてるだけではないのかな、と僕は感じます。恋愛の先に結婚を意識するのも固定観念だし、そんな世間のものさしに縛られる必要なんてないですよね。僕はまったく相談者さんと同じで、ずっと結婚願望ゼロで、周りからもずっと独身だろうと思われていました。なのに、結果的には周りよりちょっと早いぐらいに結婚したんです。家庭を持っている自分の人生を想像したことがなかったからこそ、逆に「ひょっとしたら楽しいかもしれない」と思えて踏み出した。とはいえ、じゃあ、結婚したいまが最高に幸せかといえば、独り身でいた自分の方がひょっとしたら幸せだったかもな、とイフ(if)の人生を想像する気持ちは消えないです。だって正解はわからないから。心から結婚したいという願望や意思がある人のみ、結婚に対して意欲的になればいいのであって、結婚も面白そうと思うようになるまではそのままでいいですよ。なぎら・ゆう京都府在住。2006年にBL作品でデビュー。’19年刊行の『流浪の月』で’20年の本屋大賞を受賞。同作は映画化もされた。2年ぶりの長編となる『汝、星のごとく』は、孤独を抱えた人々が描かれ、感涙必至。はやみ・かずまさ1977年、神奈川県生まれ。2008年『ひゃくはち』でデビュー。’20年『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞、JRA賞馬事文化賞を受賞。最新刊『新! 店長がバカすぎて』は、前作に続き抱腹絶倒。※『anan』2022年11月2日号より。写真提供・講談社(凪良さん)新潮社(早見さん)イラスト・吉田トキオ取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年10月27日父親の遺骨を抱えて海辺の自宅に戻ってきた、女子高校生の波間帳(はま・とばり)。母はすでに亡い。死の誘惑に誘われるように波際までやって来たとき、帳は発光する青年を見つける。放ってもおけずに連れ帰った翌朝、青年がした自己紹介は、ヨルという名の宇宙人で、とある星の〈王子〉らしい…。そんな不思議な出会いから幕を開ける有海とよこさんの『波間の子どもたち』。物語の余韻にいつまでも浸っていたくなるコミックだ。かぐや姫を発光王子に、換骨奪胎。ボーイ・ミーツ・ガールストーリー。「夜の海で女子高校生が落ちている男の人を拾うという発想の出発点は『かぐや姫』。発光する人物というアイデアもそこから採りました(笑)。最初はもっと、帳とヨルとがストレートにモノを言い合うような関係性を考えていたんです。けれど、落ち込んでいるときにあれこれアドバイスされても、自分で納得できなければ立ち直ることもできない。私自身のそういう想いもあって、ヨルには、帳自身が自分と向き合えるように導く神様的な存在として、見守る関わり方をしてもらおうと」読者の心を浮き立たせるヨルの無防備な笑顔と、ケセラセラな優しさ。彼に感化され、生と死の境界で揺れていた帳もいつしか変わっていく。「帳は内に抱え込んで自問自答するタイプです。極力セリフを削り、できるだけ絵だけで感情や情動を伝えていけたら…というのは、私自身の課題でもありました」その表出に大きく関わっているのが、海や波の表現だ。「最初からずっと、陸と波とが生と死のモチーフだったので、帳がその境界をどんな気持ちで行ったり来たりするのかを表さなくては、と思っていました。海や波は一瞬たりとも同じ模様を描かないわけで、描き分けは大変だったんですが、他のマンガ家さんは海の風景をどんなふうに描くのかなとマンガをたくさん読んで研究したり。面白い挑戦でした」病弱で生きることに臆病だった帳の幼なじみ・錦(にしき)や、コンプレックスの強かったクラスメイトの宝(たから)らも、帳の変化によって化学変化を起こし、前を向くきっかけを掴む。その連鎖がまた美しい。「人間誰しも、何か持って生まれてくるより、何も持たないで生まれてくる方がずっと多い。その上で人はどうやって変わっていけるのかを描きたいと思っているんです。そのときに大事なのが、出会いなのかなと」有海さん自身、吉本ばななさんや入江亜季さんの作品などに影響され、励まされてきたという。「12月からは、音楽を題材にした連載が始まります。つらいときも、読んだら少し元気になれるような作品を描いていきたいですね」『波間の子どもたち』足が速く、走ることに少しずつ傾倒していく帳。地に足を着けて生きるという彼女の決意とうまく重なっており、キャラクター造形の奥深さも圧巻。全1巻KADOKAWA792円©有海とよこ/KADOKAWAありうみ・とよこ1994年、埼玉県生まれ。幼いときから絵を描くのが好きで、独学でマンガ創作を始める。同人誌活動を経て、本作が初単行本。※『anan』2022年10月22日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年10月24日高瀬隼子さんの芥川賞受賞作『おいしいごはんが食べられますように』に描かれているのは、食べるという行為をめぐる三者三様の向き合い方だ。だが、読んでいるうちに、食は恋愛や働き方、生き方にも通じるものがあるかもしれないと思えてくる。「最初の構想ではごはんのことを書く予定はなかったんです。恋愛と絡めてというのも、あまり意識していませんでした。“好きなもの”より“正解だと思うもの”を選ぶ男性がいて、その二谷みたいな人がつき合うならこういう女性だろうと、頼りなげな芦川さんのイメージが浮かんだんです。もう少し日常生活に寄って立体的にしてみたら、食の好みやライフスタイル的な部分がはっきり見えてきて、このような作品になりました」仕事を要領よくこなすが、食には無頓着な男性社員の二谷。芦川の1つ年下でがんばり屋の女性社員・押尾は、普通にグルメ好きだが、気を遣う食事は苦手。芦川は、片頭痛などで頻繁に早退したり、仕事のミスすら責任を取らないので、普通なら会社のお荷物なはずなのに、職場に手作りお菓子を差し入れたりするため、庇護されるポジションにいる。依存体質の芦川を快く思っていない押尾は、彼女を表立って非難する代わりに、〈二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか〉と持ちかける。やがて、芦川が配った差し入れにまつわる、ある事件が起きる。美味しいと思えるかは、関係のリトマス試験紙。作中では、持参したお弁当やカップ麺を食べるランチタイムや、二谷と押尾が会社帰りに誘い合わせておでん屋に寄ったりする場面が登場。ありふれた食の光景が描かれながら、ほとんど和気あいあいとならないのが面白い。「特に押尾に関しては、職場の会食など“人と食べるごはんは美味しくない”と思っているキャラとして書いてしまって、すごく反感を買いそうだと不安だったんです。ところがSNSに上がった感想などを見ていると、押尾に共感してくれる人が結構いたので、むしろ私自身が驚きました」二谷は、食べることすら面倒に思っているふしがある。しかし、芦川とつき合い始めて、それほど望んでもいない手料理を一緒に食べなくてはいけない羽目に。「美味しいね」と言い合うコミュニケーションも含めて、人と食べることも大事だという刷り込みは根強く、それをだんだんと重荷に感じていく変化もリアルだ。「日常的に料理をするのが苦ではない芦川さんは、職場ではきちんとした家庭的な人と思われています。私も彼女と同僚なら、『偉いね』とか言ってしまいそう。食生活を見て、『この人はこういう人だ』と判断してしまうことは、結構あると思うんですよね。私も学生時代に、ぬか床まで持っている料理上手な友人がいて、よくみんなで彼女の家に押しかけ、ごはんを食べさせてもらいました。彼女の恋愛観とか全然聞いたこともないのに、『結婚早そうだな』とか勝手な偏見を持っていたのを反省しています。“ちゃんとした”食事への強迫観念もあるのでしょうか」また、最近の悩みは「この小説を書いたせいか、にわかにごはんに誘われなくなった」ことだとか。「今度帰省する予定があるのですが、久しぶりに地元の友人に会おうよと連絡したら、『ごはんじゃなくていいよ』『ごはん以外がいい?』という返信が来たり(笑)。『ううん、ごはん行こう!』と必死に返しています。ただ、夫はともかく、親しい友達でも、遊ぼう、会おうはイコールごはんに行こうという意味ですよね。だって、ごはんを禁止にしたら、どういうふうに会えばいいのか。公園のベンチで延々話ってできるかな、ハードル高いなと思ってしまいます」ところで、高瀬さん自身の食に対するスタンスはどうなのだろう。「昼間は、事務職をしているんですね。私の中にも『しっかり食べなきゃ』というような、ごはんに対する義務感があるので、仕事が忙しい時期は、二谷みたいにお腹が満たされればいいという気持ちにもなります。エネルギーゼリーで1食クリアするのも嫌いじゃないです。反対に、押尾のように、美味しいお店を探して食べに出かけるのも好きです。コロナ禍前、仕事が忙しくない時期の、18時、19時に退社できるような日には、ひとりで気軽に居酒屋にも行きましたし、よく友達と食事もしていました」美味しく食べられるかは、人間関係のリトマス試験紙のようだ、と高瀬さん。「あまり好きじゃない人と食べると噛んでも飲み込めないし、味がしません。水やお酒で流し込んで、なんとか自分のお皿を空にすることが目的になってしまうので、つらいですよね。とはいえ、そういう人とでも一緒に食事をする時間を持つというのであれば、何らかの関係を持ち、その関係性を維持したいと思っているということでもあると思います。だから、苦手な人でも食事中は態度に出さないでしょうし、相手の話を聞いてニコニコしたり相づちを打ったり、その場をうまくやり過ごすための体裁を整える方にエネルギーを使ってしまうのかも。食べたり味わったりすることに使うエネルギーを残すのが下手なのかもしれないと、いま話しながら思いました」それだけ、一緒に食べて美味しいと思える関係、食べながら「自分はいまリラックスしているな」と感じられる相手は、貴重。「思うんですが、夫とか、本当に親しい誰かとふたり、向かい合わせでちょっと高級なフランス料理などを食べに行くと、美味しくてテンションが上がって、定食屋やうどん屋で食べているときと話す内容も、明らかに変わる気がするんですね」定食屋では「毎日だるいな」「スーパーでトマト買って帰りたい」とか卑近な話しか出てこないかもしれない。おでん屋や居酒屋は、溜めていた本音を吐き出すのが似合うから、つい愚痴が多くなる。「けれど、ちょっとお金をかけて美味しいものを食べに行くときは、『小説を今後も頑張っていきたい』みたいな、いつもと違う未来形の話ができる気がします。そういう意味で、自分の目の前にあるごはんで自分の意識が少し変わって、結果として自分はこんなこと考えてたのかとか、逆に相手からも普段聞けない話が聞けたとか、味覚以外の恩恵も受けるのかなと。美味しいごはんというのは、いろいろな意味で、自分の中に潜む何かを発見するための媒介になるのかもしれませんね」『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子著ラベル制作会社に勤務する二谷と押尾の視点で進む。食べる、作るという本来自由で楽しい行為が、同調圧力ともなり、他者をコントロールする術となり、弱いはずの芦川さんだけが、職場でも二谷との交際でも居場所を広げていく。奇妙な人間関係の結末は。講談社1540円たかせ・じゅんこ1988年、愛媛県生まれ。作家。2019年、「犬のかたちをしているもの」ですばる文学賞を受賞。’22年、「おいしいごはんが食べられますように」で芥川賞受賞。※『anan』2022年10月19日号より。写真・山越翔太郎(TRON)取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年10月18日テレビや雑誌に引っ張りだこの国際政治学者・三浦瑠麗氏(42)。何かと舌禍を招くこともある三浦氏だが、今度は自身の職業にまつわる発言が波紋を呼んでいるようで……。発端となったのは、10月12日深夜放送の『紙とさまぁ~ず』(テレビ東京系)。さまぁ~ずの2人が、ゲスト本人が不在の状態で、依頼したアンケート回答をもとに進める異色のトーク番組だ。この日の放送で、三浦氏がゲストを務めることが発表されると、三村マサカズ(55)は「なかなか偏差値ゼロの番組出ないよね」と冗談めかしながらバラエティ番組出演に驚いた様子。「世間では◯◯だと思われてるけど実際は××ですよ」という事を問われた最初の質問に対して、三浦氏は「世間ではあまりそういう風に思われていないと思いますが、実際は人見知りです」と回答。続けて「国際政治学者とはどんなお仕事ですか?小学生でも、さまぁ~ずでも分かるように一行くらいの説明で教えてもらえますか」という質問に対して、三浦氏が出した答えはーー。「世の中がどうなっていくかを世界規模で大胆に言う職業」この回答が発表された瞬間、さまぁ~ずの2人はのけぞりながら爆笑。大竹一樹(54)は大胆に何を言うのかもうちょっと知りたいとコメントしていた。保守派の論客として活躍する三浦氏だが、その発言が疑問視されることも少なくない。安倍晋三元首相(享年67)の国葬についての議論で、7月31日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で天皇と上皇の国葬である「大喪(たいそう)の礼」を「たいものれい」と言い間違えたことで、ネット上では「本当に国際政治学者?」と批判が殺到。9月20日には、イギリスのエリザベス女王に触れ、Twitterで《女王が亡くなったときの国葬と、国に功績があった方の国葬では、英国でも国内の受け止めや儀式の厳かさは当然違う。そんなことは当たり前だが、戦後日本は国として人を悼むことを考えてこなかったので参照地点を海外に求めがち》と投稿。安倍元首相の国葬とエリザベス女王の国葬を比較したこの内容にも、疑問が巻き起こっていた。そんな三浦氏だけに自身が示した“世界がどうなるかを大胆に言う職業”という国際政治学者の定義についても、ネットでは波紋が広がることに。一部では《そんなに噛みつく答えでも無い》《これで炎上は、可哀想》といった擁護の声もあるものの、疑問視する反応が相次いでいる。《政治学者は単なる「予想屋」であってはならないと思います。 多角的な視点から、今ある現象を読み解くことこそ「学者」がすべきことなのだろうと思います》《世の中がどうなっていくかを世界規模で大胆に言う職業は、「預言者」(予言者)です。「国際政治学者」では無いと思います》《もちろん「預言者かよ!」って、三村さん突っ込んだんですよね?》連日のように波紋を呼ぶ三浦氏。次の“大胆”発言は果たしてーー。
2022年10月14日真打とは落語や講談などで秀でた技量を持つ最高位をいう。『あかね噺』は、その真打を目指す桜咲朱音(おうさき・あかね)の奮闘を追う芸道マンガ。17歳にしてすでに6年修業を積んでいる朱音は、未熟なところもありつつ努力家で、今後どんなふうに才能を花開かせていくのかが楽しみだ。「女の子が落語家を目指すという設定は一見異色かもしれませんが、友情や師弟愛、努力や才能を武器に頂点へ駆け上がるのは『少年ジャンプ』的には王道。落語をめちゃくちゃカッコよく描きたいという気持ちがあったので、朱音も、りりしい表情の似合う感じにしよう、前髪やピアスで左右非対称にして落語をする時どちらを向いているか分かりやすくなるようにしよう、と決まっていきました」(作画・馬上鷹将さん)「メインテーマは、落語に魅せられた少女が真打という高みを目指す成長譚。最初は、ズバズバものを言う今より勝ち気な性格で構想していましたが、礼節を重んじる落語というジャンルの空気感を損なわないよう調整し、今のようなキャラクターになりました」(原作・末永裕樹さん)主人公の朱音はもちろん、彼女を取り巻く師匠や弟子たちそれぞれの個性が立っているのが、本作の面白さに大きく貢献している。「落語は、演者の人となりが芸に色濃く出る側面もあります。キャラクターを練る際は、それぞれのキャラなりの哲学や行動原理は何かなど、核になる部分を意識して作っていきます。キャラクターの言動や考え方については、実在する落語家の方のエッセンスを取り入れている部分もありますが、作画の馬上先生にキャラクターデザインそのもので『誰々っぽくしてほしい』と要望したことはありません。とはいえ、落語好きな方なら、誰がモデルなのかを予想しながら読むのも楽しいと思いますね」(末永さん)ちなみに、好きな噺家に、末永さんは春風亭一之輔や柳家花緑、馬上さんは三遊亭歌武蔵を挙げた。高座の場面がちょくちょく出てくるが、声と身振りの芸事をマンガで見事に表現しているのも読みどころ。寄席にいるような臨場感がある。「画(え)では勢いや緩急、表情の面白さを意識しますね。キャラクターの心情が伝わるように、フキダシの形や描き文字も、見やすさと迫力のバランスを工夫しています」(馬上さん)2巻では、朱音の「学生落語選手権大会」への挑戦が始まる。「朱音には一つの一門に縛られず広い世界を知って成長してほしいと願っています。今後も、歴史から現代の落語家たちがどんな活動をしているのかについてまでどんどん発信したいです」(末永さん)また、朱音の父親が破門された理由も大きな謎としてストーリーを牽引する。3巻以降に乞うご期待。末永裕樹 原作馬上鷹将 作画『あかね噺』2二ツ目だった朱音の父親は、理由も明かされずに師匠の兄弟子・阿良川一生に破門された。朱音は父の悲願だった真打になれるのか。待望の3巻は、10/4発売予定。集英社484円©末永裕樹・馬上鷹将/集英社すえなが・ゆうき1990年、熊本県生まれ。26歳で『週刊少年ジャンプ』原作者向け漫画賞「ストキンPro」に応募、準キングに。以後、原作者として活躍。もうえ・たかまさ1991年、東京都生まれ。2016年『週刊少年ジャンプ』にて「オレゴラッソ」で連載デビュー。’21年に同誌の読切作で末永氏と初タッグ。※『anan』2022年9月28日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年09月27日真相がわかったあとも読者の胸中で物語が続く。涙を誘うミステリー。芦沢 央さんによる『夜の道標(どうひょう)』をご紹介します。神奈川県警の巡査部長・平良正太郎は、2年前に起きた殺人事件をいまも追っていた。知的障害や情緒障害を持つ子や不登校の子などの学習支援をする塾の経営者・戸川勝弘が殺され、目撃情報からすぐに、元塾生の阿久津弦が容疑者として浮上。ところが阿久津の足取りは途絶えたままだ。その彼と、惣菜屋で働く長尾豊子やバスケットボールに熱中する小学生の仲村桜介、桜介と同い年の練習仲間でバスケの才能にあふれた橋本波留らが関わり、予想し得ない方向へ事態が動いていく。忘れがたい余韻を残すミステリー『夜の道標』の出発点は、匿う人と匿われる人の関係性を考えてみることだった、と芦沢央さん。「匿う豊子と匿われる阿久津。けれど、もし匿われている側が、ずっと隠れていなきゃとか、別の誰かと関わってはダメだとか、考えていないとしたら。もうひとり誰かが加わって状況が変化したら。その力関係はどうなっていくのだろうと」実は、波留の母親は出奔。父親は半ば息子をネグレクトしており、夏休みは食事に事欠く状態だ。しかも、波留は父親から当たり屋を強要されていて、犯罪の一端を担う少年は周囲の大人にも相談できない苦境に立っている。そんな波留と阿久津との接点が物語のギアを上げる。「これまでも長編は書いたことがありますが、本作はいろいろ初めてずくめでした。たとえば、男が半地下の窓から少年に食べものを渡すシーンや少年と殺人犯が車でどこかへ向かっている様子など、書き始める前にたくさん映像が浮かんだこと。それらを絵コンテにして床に並べ、心理や背景などを探りながら展開を組み立てていったこと。自分が物語を作っているというより、既にある物語を掘り出していくような感覚も初めてでした」作家としてさらに高みに到達したと称賛される完成度。「ホワイダニット(なぜやったのか)をめぐる物語ですが、真相に辿り着くことよりも、その先にある光景を見つめることを目指した作品です」動機がわかったときに起きる大きな反転。その後のクライマックスが呼び起こす余韻。やるせなさと切なさ、あえて赤裸々には書き込まなかったという“登場人物の声なき声”が読者に突きつけてくるものとは。それが本書の本当のテーマだ。『夜の道標』殺人事件の真相には、1996年という年が大きな意味を持つ。新聞連載を加筆修正して出版した、芦沢さんの作家生活10周年記念作品。中央公論新社1815円あしざわ・よう1984年、東京都生まれ。2012年、「罪の余白」で野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。『火のないところに煙は』で静岡書店大賞受賞。『神の悪手』など著書多数。写真:藤岡雅樹※『anan』2022年9月21日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年09月20日女優の上戸彩が出演する、丸亀製麺「タル鶏天ぶっかけうどん」シリーズの新CM「待ちきれません!タル鶏天ぶっかけ」予告編が28日、29日の2日間、「待ってました!タル鶏天ぶっかけ」編が30日より放送される。「待ってました!タル鶏天ぶっかけ」編には、丸亀製麺の店舗で「タル鶏天ぶっかけうどん」を前にした上戸が登場。「待ってました! 丸亀製麺のタル鶏天ぶっかけ!」と腕まくりをして気合を入れる。そしてタルタルソースとだしが絡んだ鶏天を箸で持ちあげ、口へ運ぶと、思わずぱくり。うどんも口にし、 「うーん。うまっ! うどんに合うなぁ! タル鶏たまらん!」と満面の笑みを見せる。最後は「辛タルもたまらん!」というナレーションと至福の表情で締めくくる。○■上戸彩コメント今回のCM撮影で、初めて「タル鶏天ぶっかけうどん」を食べたのですが、鶏天のさくさくの食感とジューシーさ、 だしとタルタルソースの味わいが絶妙で、本当に箸が止まりませんでした! 丸亀製麺のもちもち食感のうどんとの相性も抜群で、できたてを提供しているからこそのおいしさに驚きました。毎日食べたくなるようなたまらない味わいなので、まだ食べたことのない方はぜひ一度食べてみて欲しいです!
2022年08月26日高校生・葵ハルの元気のもとは、人気モデルの月夜(つきや)ノア。母の再婚によって、ふたりは兄妹となり、推しと一つ屋根の下で暮らすことに…。そんな夢のようなシチュエーションで描かれるホットなラブコメが『推しが兄になりました』。その著者が、隈浪さえさん。「最初はクラスメイトのイケメン男子が兄になるストーリーを考えていたのですが、『カッコいい男の子の最たるものは“推し”では?』と思い、いまの設定になりました」世界でいちばんステキだと思っている異性にだらしないと思われたくないし、塩対応で有名なノアにウザがられたらどうしようと、ハルの不安は尽きない。ところが、当のノアはそんなハルの気持ちには鈍感で、むしろ兄らしくしようと、実の兄以上のナイト魂を発揮してしまう。こうしたボタンの掛け違い感が、笑いと共感のツボだ。「少しドジっ子のハルですが、母親やノアなど誰かのために行動できるキャラなので、彼女も読者に愛されてほしいなと思っています。推しのノアに対して、大袈裟な反応をするハルを描くときが一番楽しいですね。推しがいる読者に共感してもらえるように意識しています。ノアについては、兄妹になってもなかなか本心が見えないミステリアスさを大事にしたい半面、人間らしさを失ってもいけないので、表情の変化を繊細に描きたいと思っています」2巻に入り、ハルの推し活がノア本人にバレたり、ノアを狙うライバルでモデルの桐島アカトが、ハルやノアにじわじわ接近。アカトは、隈浪さん自身の個人的趣味でもある捻くれた“ツンデレ”を体現するキャラだという。3人がからむことで不穏な出来事が起きそうな場面もあるのだが、ハルの持ち前の優しさに、アカトは調子を狂わせられっぱなし。キャラそれぞれに萌えギャップがあるのがいい。もちろん、全編を通して、美形を愛でる楽しさがふんだんに。「金髪長髪、長い睫毛、高身長等々、個人的に思う“イケメンの王道的要素”を詰め込んでできあがったのがノアです。美形を描く上でこだわって描いているところは睫毛。ノアやアカトのポージングに関しては、いわゆる乙女ゲームのスチルが萌えだなと思うことが何度もあったので、マンガというよりも“一枚絵”でいかに萌えてもらうかを大事にしています。ページをめくったところに、バン!と良い絵が来るようにネームを切ろうと心がけていますね」今秋発売予定の3巻ではノアのイメチェン計画が勃発!?続きが待ち遠しい。『推しが兄になりました』2ファン心を懸命に押し殺して妹になろうとするハルだが、ノアの無防備な優しさに鼻血を出すことしきり。ピュアすぎるハルを応援したくなる。スクウェア・エニックス790円©Sae Kumanami/SQUARE ENIXくまなみ・さえSNSを中心に活動。Twitterやpixivに作品を発表していく中で、出版社からのスカウトでデビュー。『殺し屋だって見守りたい』ほか。※『anan』2022年8月10日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年08月09日村田沙耶香さんが海外の文芸誌などからの依頼を受けて書いた短編やエッセイを中心に、まとめられた本書『信仰』。表題作の「信仰」は、自分にとって信じたいものを意識的/無意識的に肯定してしまう、人間の危うさやままならなさを描いた、意欲作だ。「その人にとっては、価値があるものを大切に生きているだけなのに、これはよくてこれは怪しいと他人を勝手にジャッジしたりする。その人を勧誘していま幸せにしてあげている何かに対して、こちらが正しいんだからと強引に自分の側に引き込もうとするのって暴力的だなと。依頼された当時、私自身が考えていたことをテーマにしました」元同級生の石毛から強引にお茶に誘われ、〈マルチか宗教か(略)これはきっと勧誘だ〉と直感した〈私〉こと永岡ミキ。ところが石毛の目的はさらに怪しく、かつてネットワークビジネスに関わっていた斉川さんを巻き込んで、カルトビジネスを始めようというものだった。鼻で笑っていたミキだが、友人のアサミたちや斉川とのやりとり、妹の言葉を受けて、〈原価〉にこだわりすぎる自分の価値観が揺らぎ始める。「私自身、なんで小説なんか書くのと聞かれたら、時給にしたらひどいかもしれず、好きだから以外の理由がないんです(笑)。信じているものの果てにカルトがあるとしたら、どこにでもカルトの要素はある。ミキは割にリアリストなので、書く前は信頼できる語り手かなと思ってたんですが…。わからない感じをわからないままに書いた気がします」そのほか、生き延びるために生存率を上げる努力の意味を問う「生存」、均一な事象や価値観が蔓延し切った世界に住む少年の物語「カルチャーショック」、村田さんの支えだった〈イマジナリー宇宙人〉について書いた「彼らの惑星へ帰っていくこと」など、現実を意外な角度から突き崩し固定観念の歪さを可視化する短編と、小説のようにも読めるエッセイが並ぶ。ラストを飾るのは、美術展の図録のために書き下ろしたという「最後の展覧会」。「同時代の著名な美術コレクターである2人の男性。生前は出会ったことのなかった彼らが、宇宙人Kとロボットとして出会ったら…という設定で自由に書かせてもらいました」芸術と永遠とを讃える祈りのような、珠玉の一編だ。『信仰』「気持ちよさという罪」は、押しつけられる個性や多様性の大切さをめぐる欺瞞や居心地の悪さにも触れていく。舌鋒鋭いエッセイも必読だ。文藝春秋1320円むらた・さやか1979年、千葉県生まれ。2003年「授乳」で群像新人文学賞優秀作、’16年「コンビニ人間」で芥川賞に輝くなど受賞作多数。海外に翻訳されている作品も多く、世界各国で注目を集めている。※『anan』2022年8月10日号より。写真・土佐麻理子(村田さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年08月09日誰もが知っている日本の昔話や西洋の童話を、本格ミステリーへと大胆に変貌させたシリーズで人気沸騰。その青柳碧人さんが『ナゾトキ・ジパング』で選んだ題材は、桜やすき焼きなど、いわば「ザ・日本の文化」だ。興味津々。日本文化にちなんだ不可解な事件を、留年生と留学生の凸凹コンビが解決。「日本文化に詳しい外国人が探偵役というのは面白いかなと、まず決めました。あと、エラリー・クイーンの国名シリーズみたいなものを僕も日本の明治以前の国名、つまり藩でやってみたいなと思っていたんですね。伊勢海老とか紀州梅とか地名と名産物が結びついているものが結構あるから。ところが『薩摩芋』で書き始めてみたら、いくらなんでもマニアックすぎた。そこで日本文化にフォーカスすることにしたんです」主人公の長瀬秀次は、やや不出来な留年生だが、男子寮の代表になるほど人望がある。寮で秀次と同室となったもうひとりの主人公ケビンは、日本かぶれと言っていいほどの日本大好きオタク。〈ミョーデス〉と言いながら、深い洞察で数々の難問を解いていく。第1話「SAKURA」は、大学の旧学生会館でOBの遺体が発見され、秀次の後輩が容疑者に。桜に託されたダイイング・メッセージがカギになるミステリー。「この最初の話で、短編で取り上げる題材と結びつく海外の名文などをエピグラフとして提示するという形式にしてしまったので、それを探すのが結構ハードルが高いぞと(笑)、あとから気づきました」収録されているどの短編も、密室やアリバイ等、いくつもの謎とトリックが絡み合って二転三転。そんな本格ミステリーの流儀を踏襲しつつ、文体はポップで軽妙、日本人でも膝を打つような日本文化の再発見ができるのも魅力だ。「コロナ禍に連載していたため、取材などはなかなか進まなかったのですが、第3話に出てくる茶道は、浅草で体験してきました。茶室のにじり口ってトリックに使えるかなあと考えておいたことを確認できたり、それまでぼんやりとした知識しかなかった掛け軸のことや茶道具の棗のことなど、体験したからこそ参考になることも多かったです」事件が解決しても、手放しで喜べない切なさが残る作品が多いのは、青柳さんのミステリーの特徴だが、本作でもその味わいはたっぷり。『ナゾトキ・ジパング』2度目の大学3年生というトホホな長瀬秀次とニッポンが大好きなアメリカ人留学生のケビン・マクリーガルが、コンビで事件の謎に挑む5編。小学館1650円あおやぎ・あいと1980年、千葉県生まれ。早稲田大学卒。2009年、『浜村渚の計算ノート』で講談社「Birth」小説部門を受賞し、デビュー。小説のほか、マンガ原作も手がける。※『anan』2022年8月3日号より。写真・土佐麻理子(青柳さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年08月02日舞台『漆黒天 -始の語り-』が8月5日(金)に開幕する。『漆黒天』は、映画と舞台を完全連動させるプロジェクト【ムビ×ステ】の第三弾の作品で、この舞台『漆黒天 -始の語り-』(作・演出:末満健一)は、6月24日に公開された映画『漆黒天 -終の語り-』(脚本:末満健一、監督・アクション監督:坂本浩一)の前日譚となる。映画に引き続き主演を荒木宏文が務め、松田凌、長妻怜央(7ORDER)、梅津瑞樹、小島藤子、橋本祥平、松本寛也、小澤雄太、鈴木裕樹が映画と同じ役で出演。舞台から加藤大悟、安田桃太郎が参加する。稽古が始まったばかりのタイミングで、本作で主人公を演じる荒木宏文と、脚本・演出を手掛ける末満健一に話を聞いた。――お稽古が始まっていかがですか?末満まだ序盤なんですけど、映画からの続投組が多いのもあって、新作の立ち上げの重たさがなくて軽やかです。内容の重たい芝居なんですけど、活気にあふれている、不思議な感じです。荒木稽古、楽しいです。末満不思議だよね。暗くて重たい芝居なのに、楽しいね。――どんなところが楽しいですか。荒木みんなの「芝居しよう!」って感じがすごくて。まだ稽古は、立ち位置や出ハケを確認している段階で、お芝居に入っていないんですけれども、みんな「芝居やりたいモード」がすごくて。その空気でいられるのはやっぱり面白いんですよね。それだけ「お芝居やろう」と思わせてくださる脚本です。プレッシャーもありつつですが、そういう活気が漂っているから、稽古場に来るのも楽しいです。――舞台は映画『漆黒天 -終の語り-』(6月24日公開)の前日譚となりますが、ネタバレも多いので……。末満いえ、お客さんも「どうせ話がひっくり返るだろう」と思っているはずなので、そこのところは武器にはなりませんよね(笑)。だからこそ、中身の俳優の演技というのをいかに練り込むかというところでこの作品をつくっていかないといけない。荒木きっとお客さんももう予想していますよね(笑)。ただおそらく、何転するかは観たお客さんによると思います。だって最初に観るのが映画なのか舞台なのかでも印象は変わるし。考察をしたときにひっくり返す回数はきっとお客さんによって違うけど、その「こうなんじゃないか」が自由に想像できる作品だなと思います。全部が正解になると思うし。だから観れば観るほど楽しめる作品なんじゃないかなと思います。――演じるうえではいかがですか?荒木楽しいです。僕が「悪役」や「敵役」を演じるときに基本的に持っている心情としては、本人は「正義」だと思ってやっている、ということなんです。その人なりの正義があってその選択をしている、ということを考えて演じている。今回の役もまさにそれです。宇内陽之介と旭太郎の二役を演じるのですが、どっちもその人なりの正義を持って演じています。お客さんのコンディションによって答えが違っていい――ムビ×ステという企画で、映画が公開されてから舞台が上演されるという流れで、末満さんはどうしてこういう脚本を書かれたのですか?末満そもそも映画と舞台の連動ってなんなんだろうと思って。文字面だけ見たら、「映画」と「舞台」が「×」を挟んで並んでいるんだけれども、そこにどういう意味があるんだろうということはすごく考えました。ストーリー的に「映画と映画でいいじゃん」とか「舞台と舞台でいいじゃん」と思われたら意味がないなって。映画と舞台の作品がただ横に並んでいるだけ、縦に並んでいるだけでは「連動」とは言わないだろうと思って、自分なりにすごく悩んで突き詰めた結果ですね。それが今回のドラマにも反映されています。――ただの前日譚じゃないということですね。末満映画と舞台のお話が相互に作用して、映画があることで舞台も単体で観たときとは違う感触があるし、映画も舞台をふまえるとまた違う感触があるものになればいいなと思っていますし、そうなるんじゃないかな。舞台を観たらもう一度、映画を観返したくなるだろうし、そうやって映画を観たらまた舞台で確認したくなる、というメビウスの輪みたいな……(笑)。――荒木さんはどう思われましたか?荒木映画も舞台も、お客さんのコンディションによって出す答えが違うものになると思うんです。ハッピーエンドに思えたり、バッドエンドに思えたりすることもあって。そこは自由であっていいと僕は思っています。さらに舞台は、僕たちのその日のコンディションによっても見え方は少しずつ変わってくるはずで。だから観た公演によって出す答えも変わってくるんじゃないかな。それが生ものの面白さだと思うし、結果的に何度も観たくなるんじゃないかなと思います。末満コンディションによって答えが違うというのは、僕もそうあるべきだなと思います。一方でこの作品はなにかしらの答えを提示するというようなドラマではなくて、抽象画のように書いていて。観る方によってはダークにも捉えられるし、僕はこれをヒーリングドラマとして捉える方も出てきてほしいなって。――ヒーリングって癒しってことですよね?末満そうです。僕の個人的な趣味で言うとすごくヒーリングだなって(笑)。薄気味悪くて居心地の悪いドラマではあるけれども、不思議な心地よさを感じています。今日の稽古で荒木くんの芝居を見ていてそういう感覚を受けたので、そういう捉え方もしてもらえるような、だけど東映さんの作品でもあるのでちゃんとエンタメ性の高いものにもしていきたいなと思っています。――荒木さんもヒーリングを感じますか?荒木映画の時から感じています。自分が社会で生きていくうえで感じているモヤッとした部分が浄化されるような感覚があって、僕はスッキリします。この作品が世に出ることに対して僕が感じているのは、安心感かもしれないです。映画『漆黒天』の答え合わせができるけど・・・――殺陣の稽古もこれから始まるそうですね。末満殺陣に関してはいろいろと考えるところもあります。個人的には、ただかっこいいからという理由でチャンチャンバラバラ人が人を斬り殺す場面を見せる、ということへのストレスが年々大きくなっていたんですね。そこにウクライナ侵攻が始まって。自分の要求を暴力行為で押し通す、解決しようとする手段を見て、それはないなと思いましたし、僕自身そういう作品が多くて、顧みるところがありました。殺陣をやるにしても、俳優たちのスキルがバラバラな中で、カッコよさの追求を第一とすることにもクオリティ面や怪我のリスクなど、さまざまな問題をはらんでいる。今回は、そういう思惑や問題意識をふまえたうえでどうしていくか、というところを、アクション監督の栗田(政明)さんとキャスト陣と考えていきたいです。もちろん、やるからにはいいものはつくりたいですが、いま自分の中で浮き上がっている問題から目を背けながらつくることもできない。主に栗田さんに相談しながらですが、今後殺陣というものを考えるうえで、この作品がなにかしらひとつ大きな参考事例となればいいなというところはあります。ちゃんと向き合って、「殺陣」という表現をエンターテインメントとしてどう扱うかを考えたいです。――最後に、お客様に楽しみにしていてほしいことを教えてください。荒木映画の答え合わせをできる、ということは楽しみにしていてほしいです。映画が公開されたのは6月下旬なので、舞台の開幕まで、長い人で約1カ月ちょっとも待ってくださったと思います。そんな中でやっと舞台の結末を知ることができるのは、とてもスッキリするんじゃないかなと思います。そこはぜひ、楽しみにしていてください。末満いま荒木くんが言ってくれたこともそうですし、またその答え合わせしたものが混沌の中に巻き込まれてしまうだろうなってところもある。荒木ははは!末満そういう思考の迷宮に迷い込みに来てください。内容はどんよりしていますが、稽古場は青春ぽくなりそうなので、いきいきと、どんよりとしたお芝居をつくります(笑)。取材・文=中川實穗撮影=源賀津己■ムビ×ステ舞台『漆黒天』チケット情報
2022年07月21日総合格闘家の三浦孝太選手(20)といえば、父親は日本サッカー界のレジェンドの三浦知良選手(55)ということもあり、2021年の大みそかに行われた『RIZIN.33』でのプロ格闘家デビュー戦は多くの注目を浴びました。RIZINを見た視聴者からは「イケメン」と話題になり、人気急上昇中の格闘家。先日は豪華ショットを投稿し、反響を呼んでいました。早速チェックしてみましょう!父、キングカズとネイマール選手との豪華3ショットにファン歓喜 この投稿をInstagramで見る 三浦孝太(@kota_miura_official)がシェアした投稿 「obrigado!」と自身のインスタグラムを投稿した孝太選手。obrigadoとはポルトガル語で「ありがとう」という意味で、ネイマール選手へ向けた言葉だと思われます。サッカー界のレジェンド、キングカズとブラジル代表のネイマール選手との豪華ショットにフォロワーはくぎ付けに。コメント欄には「顔面偏差値えぐ」「素敵すぎて最高すぎて♡意味がわからないクラス〜最強3ショット」「このスリーショットは凄すぎる」と豪華メンバーに歓喜のコメントが相次いで寄せられておりました。また、日本のみならず外国の方からのコメントも多く見られ反響の大きさが伺えます。7月31日(日)の『RIZIN.37』に参戦決定した孝太選手。5月に開催された『RIZIN LANDMARK vol.3』に参戦予定でしたが、練習中に首を痛めた為無念の欠場。早く2戦目を見たいと待ち望むファンは多いようです。孝太選手がサッカーボールキックで勝利する姿が見たいですね!あわせて読みたい🌈悩殺級の桃尻!渋谷ゆりさん“令和の峰不二子”美ボディ動画にファン悶絶
2022年07月21日陸上を、ケガで断念した浜仲健斗。挫折を抱えて進学した男子校で、部昇格を狙う手芸同好会の先輩2人から、勧誘を受けた。〈男が手芸なんて変だし〉と偏見に囚われていたが、〈編み物王子〉と呼ばれる黒葉類(くろばるい)との出会いを機に、編み物の楽しさに目覚めていく。この胸熱な青春群像コミック『ニッターズハイ!』の著者が、猫田ゆかりさん。「洋服を縫ったり刺繍をしたり、手芸は好きなのですが、編み物だけは難しそうだと敬遠していたんです。ところが3年くらい前に、私自身が帯状疱疹ですごくつらい思いをして。マンガも描けないし寝るのさえ苦痛。思い切って編み物に挑戦してみたら、痛みを忘れられるほど集中してしまうことに気づいたんです」ニットセラピーという言葉もあるくらい、欧米では心身への良い効果が認められているという。「自分と向き合える時間が持てるのが編み物のいいところ。編んでいるうちにモヤモヤが吹っ切れたり、頭を切り替えられたりするんです。健斗や類だけでなく、コスプレ好きで衣装作りが得意な金子天馬(てんま)やお菓子名人の織武蓮(おりむれん)、先輩たちにもみな悩みを背負ってもらって、手芸を通して変わるきっかけをつかむ。そういう物語にしていきたいですね」2巻に入り、手芸部には顧問がつく。マッチョ体型の数学教師・大同(だいどう)は、〈あみぐるまーパピ〉としてこっそり動画投稿しているような手芸好き。手芸部員たちと触れ合い、素直に行動してみようと決める。「部員は全員若いので、大同先生には、大人ならではの考え方や大人だからこその悩みみたいなものを語ってもらいたいなと思ったんです」実際、健斗は最初、自分の不器用さに辟易しているのだが、バス待ちのベンチでまだ正体のわからなかった大同から〈不器用はいいことだ/できなかったことができるようになる喜びは格別だ/それを人よりたくさん味わえる〉と語りかけられ、大きく背中を押されることになる。「周りに編み物を勧めると、ちょっとやって『不器用だから無理』と拒否されることが多いんです。でも、どんなことでも、最初から失敗せずにできると思うのが変でしょう。名言みたいに聞こえるかもしれませんが、『失敗を怖がらずに何でもやった方がいいよ』と逃げ道を塞ぐ気持ちで考えたセリフです(笑)」読んだら、マンガだけでなく、編み物にもハマるかも!?巻末には、編み図のおまけ付き。猫田ゆかり『ニッターズハイ!』2 2023年刊行予定の3巻では、陸上への思いを再燃させた健斗がニット愛を深めた今、どう向き合うのかを軸に描かれるそう。部員らの変化にも期待。KADOKAWA704円©Yukari Nekota 2022ねこた・ゆかり1984年、愛知県生まれ。2013年にちばてつや賞に入選。同作で商業誌デビューし、その7年後を描いた『SAKURA TABOO』で初連載。※『anan』2022年7月20日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年07月19日柴田咲歩は、かつて通っていた小説講座の人気講師・月島光一から性暴力を受けた。7年経ってその被害を週刊誌に告発。記事をきっかけに、当時者はもちろん、その配偶者や家族、仕事関係者、元/現講座生などが、事件をめぐり、さまざまな感情や価値観を吐露していく。さらに、世間の反応なども噴出して…。井上荒野さんが『生皮』で描き出すのは、性暴力をめぐるリアルだ。あるセクハラ告発が立てたさざなみ。心を、関係を、社会を動かしていく。「着想を得たのは数年前、著名な国際ジャーナリストが性暴力で告発されたときですね。人権問題のプロフェッショナルとして知られていたのに、長年にわたって、女性たちの人権を踏みにじる行為を続けていた。その極端さに、『この人はどんなふうに自分で整合性をとっていたのか』と不思議でした。本作でも、月島が見せる小説愛や教え子を育てる熱意に嘘はないと思います。ただ意図的にか無意識的にか、そこに性欲や支配欲みたいなものを混同させてしまい、自分自身でもわからなくなっていくんですよね」セクハラ被害に遭うのは咲歩だけではない。本当はイヤだったと後から気づく者、大したことではないと思い込む者、自分もかつて被害者だったのに、性接待のような状況を進んで作り出してしまう者…。癒えない傷の深さを見せつける。「なるべく傷つかないように生きていきたいのが人。だから被害者は自分を欺き、加害者は正当化する。けれど被害者はどうしても己を騙しきれなくて、それこそ生皮を剥がれたように、何年も何十年も血を流しながら生きているんだと思います」本書で描かれるのは、セクハラやレイプが明るみになったときに、メディアやSNS等を通じて、よく見聞きする光景や言葉だ。ある意味、既視感がありすぎて恐ろしい。「加害者の家族や友人たちは、信頼し続けるのか。まったく部外者なのに中傷する人たちは、何を得るのか。たくさんの疑問が浮かびました。私にとっては『なぜ』が創作のモチベーションなんです。ある出来事をめぐる謎を解きたいと思って書き始める。もちろんそれで答えが明確になるわけではありませんが、少しは近づける。『こんなふうに考える人がいるのだ』と小説内の人物が、生身の人間のように立ち上がってきたとき、たまらなく楽しいんです」『生皮あるセクシャルハラスメントの光景』性暴力問題がメディアやSNSで騒がれるようになり、誰もが無関心ではいられない重いテーマ。私たちと地続きにいる、ごく普通の人が状況によって加害してしまう実相に迫った意欲作だ。朝日新聞出版1980円いのうえ・あれの1961年生まれ。’89年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2008年『切羽へ』で直木賞、’18年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞など、著作、受賞歴多数。※『anan』2022年7月6日号より。写真・土佐麻理子(井上さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年07月04日猛暑の季節になると、焼き付けるような太陽の光が屋外を照らしています。天気がいい日は、洗濯物が数時間ほどで乾いてしまうほど、暑いですよね。洗濯物以外だと、普段はなかなか干せない布団を天日干しする人もいるでしょう。ぺと(@petopetoaomushi)さんは、炎天下であるものの天日干しを行い、ダニの駆除をしました。Twitterで流れてきた炎天下でビニールにぬいぐるみ入れて置いておく方法で、ダニとさよならしてる(˘ω˘ ≡ ˘ω˘) pic.twitter.com/hsbXACJlES — ぺと (@petopetoaomushi) July 2, 2022 屋外に置かれた、2つの袋。中に入っているのは、ぬいぐるみです!ぬいぐるみをビニール袋に入れて天日干しをすると、袋の中の温度は、ダニが死滅するほど上昇。一般的には、30分以上天日干しをした後は、掃除機をかけてダニを吸い取り、ブラッシングをすれば駆除が完了するといわれています。ただし、電池が内蔵されているものや革で作られているぬいぐるみだと、傷みや故障の原因につながるため、注意が必要です。ぺとさんがTwitterに、ぬいぐるみを天日干ししている様子を投稿したところ、多くの人が「これは知らなかった」と驚いています。・ぬいぐるみにとってはもはやサウナ状態なんだろうけど、これはいいな!・暑い時期だからこそできることだね。・こんな方法があったなんて…!今度やってみよう。猛暑を有効活用して、普段はできないダニの駆除を行ってみてはいかがですか。[文・構成/grape編集部]
2022年07月03日俳優の荒木宏文が主演を務める、【ムビ×ステ】映画『漆黒天 -終の語り-』(6月24日公開)、舞台『漆黒天 -始の語り-』(2022年8月上演)の入場者限定プレゼント、および著名人コメントが22日に届いた。同作は記憶をなくした流浪の男の物語を描いたオリジナル作。男が記憶を追い求める中で次々と刺客が襲い掛かり、何故記憶がないのか、何故狙われるのか、謎多き男をめぐるハードなミステリー時代劇となる。入場者プレゼントは出演者それぞれの場面カットのブロマイドとなり、新宿バルト9ほかの上映劇場全館にて、数量限定でランダム1枚をプレゼントする。主人公・名無し(荒木宏文)、ヒロイン・喜多(小宮有紗)、ごろつきの邑麻兄弟の兄・二郎太(松田凌)、弟・三郎太(長妻怜央)、与力の玖良間士道(鈴木裕樹)、皿月壬午(小澤雄太)や嘉田蔵近(梅津瑞樹)が劇中でシリアスな表情を浮かべるシーンを切り取ったポストカードで、シークレットブロマイドも入っているという。また主演・荒木宏文と親交の深い瀬戸康史、本作の脚本家・末満健一が脚本を手掛ける舞台に出演歴のある七海ひろき、美弥るりか、そしてムビ×ステ第4弾に出演する安井謙太郎(7ORDER)と小林亮太や、過去にムビ×ステに出演した矢崎広、さらに末満健一の代表作『TRUMP』のコミカライズを手掛ける漫画家のはまぐり、同シリーズ舞台の共同脚本を務めたことのある降田天、中屋敷法仁が、今作に熱いコメントを寄せた。○瀬戸康史 コメント自分自身を見失うことは、人生で何度かは経験することだと思う。そんな時何を信じて、どう行動すればいいのかわからなくなるし、これを幾度も乗り越えて人は大きくなっていくのだと思います。切ない物語でしたが、僕はどこか希望を感じました。そして、荒木さんのゾクっとする殺陣。素晴らしかったです。○七海ひろき コメント最後まで観た感想は、「もう一度観たい」です。名無しの素性を追いかけていくと、次から次へと思いもよらぬ展開があり、瞬きを忘れてしまうほどでした。このドキドキを是非味わっていただきたい。そして、連動している舞台では何が語られるのか...気になって仕方ありません!!○美弥るりか コメント悲しい真実と連続する衝撃、後半に増すスピード感。末満さんの緻密に計算された深い世界観。舞台『漆黒天 -始の語り-』への期待値が増すばかりでした。○矢崎広 コメント1人の記憶を無くした男。彼を取り巻く大きな謎が、物語をゆっくりと孤独という漆黒で飲み込んでいくような感覚でした。先の読めない物語の中にある謎や違和感が、どんどん一つに繋がっていき、後半は終始息を呑みながら観てしまいました。ぜひ多くの方にこの作品の「漆黒」を体感していただきたいです。○安井謙太郎(7ORDER) コメント一足早く観させて頂きました。スピード感、ヒリヒリ感半端じゃないです。荒木さん演じる名無しの謎が物語の後半から一気に明かされている感じ、痺れました。個人的には鳥肌が立つタイプのラストシーンが好みなので、堪らなかったです。迫力の殺陣シーン是非劇場で。○小林亮太 コメント哀しい戦いでした。日々、僕らが目にする衝突にも、第三者が簡単に分かり得ない正義がそれぞれにあるのだと、突きつけられた気がします。映画だから描ける衝突の在り方が好きでした。『漆黒天』皆さまもぜひ劇場で。○はまぐり(漫画家) コメント駆け抜けるようなストーリーと、ラストの彼の表情が印象的でした。彼が何者であるのか。是非皆さんも見定めてください。○降田天(小説家・推理作家) コメント時代劇で育ち、東映特撮オタクとなり、末満ファンでもある自分にとって、待っていました! という映画。坂本アクション×末満脚本×和田ミュージック! 最高か!時代劇のおもしろさを再確認するとともに、新たな可能性も感じました。漆黒の結末をぜひ劇場で見届けてほしいです。○中屋敷法仁(演出家・劇作家・劇団「柿喰う客」代表) コメント舞台の緊迫感と映画のド派手さが融合した、まさにエンタメのフルコース!俳優が!物語が!アクションが!どこをとってもボリューム満点!爽快感あふれる劇体験、ぜひ映画館で味わってください!僕の個人的な推しは「邑麻兄弟」です(笑)!!
2022年06月22日創業60年の〈こいの湯〉で、かれこれ10年、住み込みでアルバイトをしている森蘭丸。色白で超イケメンの彼は、あろうことか御年450歳の吸血鬼!『ババンババンバンバンパイア』は、そんな破天荒な設定で読者の心を鷲掴みにする。その著者が、奥嶋ひろまささん。「2年ほど前に『入浴ヤンキース』という作品を描いたんです。それは、ケンカしていた不良同士が、お風呂に入って仲直りするという1話読み切りのスタイル。かなり取材もしたので、そのテンプレに組み込めない面白いこぼれ話がたくさん集まってしまって。特に、浴場の奥に居住スペースや三助(銭湯の従業員)部屋がある銭湯を見たときに、昭和の銭湯の風情にハマって。いずれここを舞台に、裏側までしっかり描いてみたいと刺激されたんですね。銭湯自体もひとつのキャラクターになってくれたらいいなと思っています」そこに、奥嶋さんにとって前々から興味があった吸血鬼という存在と、さらに蘭丸は「本能寺の変」など歴史上の重要事件に立ち会っているというアイデアをプラス。それらが型破りな笑いを誘う。実は、蘭丸には邪(よこしま)な目的が。こいの湯4代目の15歳・立野李仁(たつの・りひと)の童貞を守り通し、18になったら文字通りの「純血」をいただこうと目論んでいるのだ。ところが、李仁が高校生活開始早々、同じ学校の女の子に恋してしまい、童貞死守に暗雲がかかる。蘭丸は野望を果たせるのか。「李仁のモデルは息子です。彼の目線がとても生きている気がします。蘭丸が童貞に萌えるのは、僕の本音で。僕自身も高校生のころは『早く卒業しなきゃ』と焦っていましたけれど、息子の成長を見るにつけ、実際はその穢れのなさが尊いし、もう少し大事にしてもいいのかなと思うようになったんですよね(笑)」銭湯が舞台ゆえ、男性の肉体美のシーンが頻出する。「人間と吸血鬼、少年と青年というような肉体の違いを肌の質感や筋肉の感じなどで表現したいなと思っています。立野一家の食卓のシーンでは、2代目の長次郎や3代目の春彦などキャラそれぞれの個性が立ってみんなに目が行くようにしたいですし。また、僕にとっては女性を描くほうが難しくて、李仁の同級生・葵の可愛らしさをどう見せるかは試行錯誤です」1巻の終わりで、蘭丸、李仁、葵が相まみえる大事件が勃発。この先が楽しみだ。奥嶋ひろまさ『ババンババンバンバンパイア』1〈こいの湯〉は、東京都練馬区石神井台にある「たつの湯」がモデル。宮造り風の建物やペンキ絵など、建築当時の佇まいが残る。2巻は7月刊行予定。秋田書店693円©奥嶋ひろまさ(秋田書店)2022おくじま・ひろまさ1982年、兵庫県生まれ。2007年に『SHOUT!』でデビュー。近著にタイの人気ドラマ『2gether』のコミカライズなどがある。※『anan』2022年6月22日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年06月19日歌手の三浦大知が、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に再登場している。アーティストの一発撮りパフォーマンスを切り取った動画で人気を集める『THE FIRST TAKE』。音楽ジャンルのYouTubeチャンネルでは最速で登録者数600万人超えを達成した。8日に公開された第223回には三浦大知が登場し、連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)主題歌として話題の楽曲「燦燦」を、バンド・ストリングス総勢13名の音色に乗せて披露。撮影を終え、三浦は「思いっきり歌えたんじゃないかなと思います」と振り返っている。
2022年06月09日ミステリアスな美青年とイケおじが織りなす温かく切ない疑似家族物語。福田星良さんによる、コミック『ホテル・メッツァペウラへようこそ』。舞台は、フィンランドの最北部ラップランド地方にある小さなホテル「メッツァペウラ」。ホテルマンのアードルフとシェフのクスタで切り盛りしていたホテルに、身元不詳の青年ジュンが現れる。所持品も所持金も乏しく、背中の和彫りの入れ墨が何やら訳あり。日本とフィンランドのミックスである17歳を、ふたりの老紳士は事情も聞かずに受け入れ、関係を育んでいく。各話で、北欧の厳しい冬の寒さを溶かしてしまいそうな、温かなふれあいが描かれるコミック『ホテル・メッツァペウラへようこそ』が面白い!その著者が、福田星良さん。「ヨーロッパのイケおじのマンガが描きたい、というのが最初でした」さらに、打ち合わせ段階で、タトゥーを入れた青年のスケッチが好評だったことから、ジュンが生まれた。来歴ゆえか、遠慮深く、謝るときは土下座しがちという風変わりなクセがあるが、素直でがんばり屋。応援したくなる愛されキャラだ。「『タトゥーより和彫りがいい』『ジュンが疑似家族の中で成長する物語にする』等々、試行錯誤していくうちに、さまざまな人が出入りするホテルの設定になりました」老紳士ふたりは実は往年のホラー映画の大御所俳優がモデルだそう。「アードルフはピーター・カッシング、クスタは私が大好きなヴィンセント・プライス。特にクスタには思い入れがあって、ビジュアルをかなり忠実にプライスに寄せています」本作には、フィンランドの自然や文化を身近に感じるエピソードがいっぱい。たとえば、2巻第7話に登場する古い風習「椅子を贈ることが居場所を用意するという意味」もそのひとつだ。国民性を感じる余話が物語に溶け込んでいて、胸を打つ。「マンガのネタが枯渇してきたらまた取材旅行すればいいやくらいの気持ちでいたのに叶わなくなって、今はひたすら関係書籍やYouTubeなどを片っ端から参考にしています。担当編集さんのアドバイスの『このホテルが実在するかのように思わせてください』というのが心に残っていて、自然も場所もいかに臨場感を出すかは意識しています」和気あいあいとした時間の後でひとり物思いにふける静かなさまを描くのがお気に入りだそうだが、ジュンが贈られたカードをひとり読む第10話には、福田さん渾身の場面がある。また、ジュンが命を助けたティム・バーナネンの弟アキがホテルにやってくるなど、温かな人の輪が広がっていくのも本作の魅力だ。ジュンと母親の問題、滞在ビザの問題など、先が気になる伏線がてんこ盛り。3巻が待ち遠しい。『ホテル・メッツァペウラへようこそ』2フィンランドの豊かな森や雪の風景、さらには料理や小物、筋肉や服…すべてフルアナログで描いているというから驚く。線の細やかさや美しさは圧巻だ。KADOKAWA748円©福田星良/KADOKAWAふくた・せいら愛知県出身。東京藝術大学卒。専攻は日本画。2016年、漫画誌『ハルタ』35号でデビュー。本作が初連載となり、同誌上で連載中。※『anan』2022年6月8日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2022年06月07日