「乳がんは近年、よく治るようになりました。私の患者さんのなかには再発・転移をしても、治療を受けてその後、十数年がんが出てこない人、治療を終えてから出産する人も珍しくはなくなりました」そう話すのは、国際医療福祉大学三田病院乳腺センター長などを歴任、現在はよしもとブレストクリニックを開業し、数千人の乳がん女性と向き合ってきた吉本賢隆先生。発見され、数カ月で命を落としてしまう人もいる一方、再発・転移しても結果的に生還する人がいる。がんは部位やケースによって、まったく違う病気のようだ。「統計精度の問題はあるが、がん全体の生存率は7~8年前と比較すると、おそらく上昇しているといえると思います」こう語るのは、国立がん研究センターがん対策情報センターがん登録センター長の東尚弘先生。そこで本誌は、国立がん研究センターがん対策情報センターで8月に公表された、「がんの部位別・5年生存率」をもとに、がんの部位別に専門医から傾向と対策を聞いた。【乳がん】いまや日本女性の11人に1人が罹患する乳がんであるが、全ステージで5年生存率が92.5%、ステージ1だと99.8%と、実は治りやすいがんの代表格である。「薬物療法の進展が、がん医療を劇的に進化させたことはいうまでもありません。特に乳がんでは日本で’01年に認可された“がん細胞を狙い撃ちにする”『分子標的薬』である『ハーセプチン』の登場が、乳がんのなかでも、比較的悪性度の高かったタイプの治療に、大きく貢献しています。一方、乳がんでも、ホルモン療法も、ハーセプチンも効かない『トリプルネガティブ』のタイプは治療が確立されていませんが、このほど免疫細胞を再活性化する免疫療法『アテゾリズマブ』が、わが国でも承認になり、生存率の上昇がさらに期待できるかもしれません」(吉本先生)【大腸がん】大腸がんは日本人女性の死因1位(人口動態統計 によるがん死亡データ・’17年)である。しかし、全ステージでは5年生存率72.9%で、極端に低い数字ではない。これは実は、ステージ1期で発見できれば、5年生存率は95.4%であり、早期であれば「治りやすいがん」でもあるからだ。だからこそ、早期発見が重要である。「大腸がんの便潜血検査は厚労省推奨で、死亡率減少に有効です。便潜血検査自体は体に負担のない検査なので多くの人が受けますが、残念なことに、陽性という判定結果が出ても、その後の精密検査(内視鏡)を受けない人が多いのです。せっかくの早期発見の機会を逃すので、必ず精密検査とセットで受けることが肝心です」(東先生)また、進行した大腸がんについても、近年劇的に、薬物治療が進化している。日本ではまだ数少ないオンコロジスト(腫瘍内科医)で、抗がん剤のエキスパートである武蔵野徳洲会病院の佐々木康綱先生によると、「EGFR(上皮成長因子受容体)ががん細胞膜上に発現している大腸がんには、10年ほど前に抗体薬が登場して治療成績がかなり向上しました」この先、大腸がんはますます「治りやすいがん」となりそうだ。
2019年11月14日「乳がんは初期に治療できれば治せる病気です。しかし、進行してしまうとがん細胞が多様化したり、薬剤耐性などの問題が起こったりする可能性が高まります。検診を受けることと、乳房に変化を感じたらすぐに病院を受診することが大切です」そう早期検診の重要性を力説するのは、静岡県立静岡がんセンターの西村誠一郎乳腺外科部長。美智子さまの乳がん手術の治療方針を決定する会議・キャンサーボードに参加した医師の一人だ。8月、美智子さまの左胸に乳がんが見つかったと宮内庁が発表し、日本中に衝撃が走った。しかし、幸いなことに腫瘍はステージIの早期乳がんだった。美智子さまも「早い段階で見つけていただき、ありがたい」と話されていた。「9月8日に摘出手術を受けられた美智子さまですが、術後の経過は良好だそうです。がんは完全に切除され、再発リスクは非常に低いという診断でした。現時点では放射線治療を行う必要性はないと判断され、現在はホルモン治療を継続されています」(皇室担当記者)手術が行われたのは東大病院だったが、乳がん発見から手術まで大きな役割を果たしたのは、静岡県立静岡がんセンターの医師たちだった。執刀医の1人だった高橋かおる乳腺センター長は、’07年に宮内庁から依頼を受け、毎年乳がん検診を担当してきた。美智子さまが乳房超音波検査を受け、MRI検査でも乳がんの疑いありと診断されたのは今年7月。そして「針生検」と呼ばれる精密検査を担当したのは植松孝悦医師だった。本誌は植松医師と前出の西村医師に、乳がん“早期発見の極意”を聞いたーー。植松医師はマンモグラフィー(乳房のX線写真)などの乳房画像診断と乳腺インターベンション(超音波などで確認しながらの針生検)の両方が専門。静岡がんセンターにしかない乳腺画像診断科の部長を務める。「画像診断で病変が見つかっても、実際には乳がんではないという場合がかなり多いのです。そこで、発見した病変が乳がんなのか一部を採取して判別し、どのような治療法が有効なのかも決めるために行うのが針生検です。超音波でリアルタイムに病変の位置を確認しながら直接、針を刺して組織を取ります。小さい病変であっても正確に診断できます。慣れた医師であれば10分もかかりません。患者さんの負担も小さい検査です」(植松医師)植松医師の針生検と、東大病院の病理診断、静岡がんセンターの病理検査により、美智子さまの腫瘍は乳がんと診断された。続いて、この検査結果をもとに静岡がんセンターキャンサーボードが開催され、治療内容が検討された。西村医師にキャンサーボードの役割を聞いた。「医師が独りよがりの治療をすることを避けるため、多職種を集めたチームで多角的な視点から治療の方針を決定します。患者さんがどんな生活を望んでいるのか、抗がん剤の使用を望んでいるのか、さらには年齢や収入などさまざまな要素から検討します」ただ、治療法の決定は最終的には患者自身に任せられる。西村医師は、その判断にあたって注意してほしいことがあるという。「たとえば乳がん患者によるブログには、乳がん当事者の心の隙間を埋める言葉がいくつも掲載されています。それらに共感するあまり、ブログの執筆者と自分の状態が違うのに部分手術にこだわったり、医学的根拠がない民間療法に頼ったりする方も少なくありません。ただ、ほかの乳がん患者の経験を実際に聞くことは有益です。体験者から具体的な話を聞くことができる患者会をおすすめします」乳がん検診といえば、近年普及したのがマンモグラフィー検査だ。だが、この検査も決して万能ではないという。「乳がん検診は“対策型検診”と自主的な“任意型検診”に分けることができます。対策型検診は市区町村が実施している、40歳以上の女性を対象とした2年に1度のマンモグラフィー検査です。検診マンモグラフィーによる死亡率の減少という利益は証明されています。しかし、乳がんがあるのに発見できない“偽陰性”や乳がんでないのに要精査となる“偽陽性”など、検診マンモグラフィーによる不利益もあります。マンモグラフィー検査を含めて、100%すべての乳がんが見つかる検査はありません」(植松医師)美智子さまもマンモグラフィー検査を継続的に受けてこられたが、左胸の病変が発見されたのは今年7月の超音波検査でのことだった。西村医師は、マンモグラフィー検査と超音波検査を組み合わせることもすすめている。「今は2年に1度行われている対策型乳がん検診ですが、発見のタイミングを逸してしまうケースも見受けられます。増殖が速いタイプの乳がんであれば、発見できないほど小さな病変が、2年間で2〜3センチの腫瘍にまで大きくなることもあります。心配な方は2年に1度のマンモグラフィー検査の間に超音波検査を任意型検診として受けることもよいかもしれません。治療に不利な状態になる前に発見できる可能性が高まります」進行してしまった乳がんの治療は、医師の立場からも難しく、患者にとっても負担が大きいという。「抗がん剤による脱毛といった副作用、乳房の切除や再建手術の負担、さらに末期がんでのモルヒネでは消せないほどの治療の痛み……。闘病の苦しみをがんになる前から想定できている方はほとんどいないのが実情です。しかし、発見が早ければ治療もスムーズです。そういう意味で上皇后陛下のケースは理想的でした。一般の方が上皇后陛下と同じ水準の検査や治療をすることは難しいですが、まずは一人でも多くの方に検診を受けてもらい、検診率を100%に近づけていくことが大切だと思っています」(西村医師)美智子さまに学び、読者の皆さんもぜひ、早期発見のための乳がん検診を!
2019年11月11日エスティ ローダー グループは、毎年10月を「乳がんキャンペーン」月間と定め、世界の人々に連帯を促し、乳がんのない世界を作るための意識向上を図る活動を行っています。当キャンペーン27年目となる今年も、東京スカイツリー(R)や清水寺などをピンク色にライトアップするグローバル ランドマーク イルミネーション、8ブランドでの支援製品発売、オンライン キャンペーン、社員ボランティア活動等を実施。メッセージの発信や、支援製品の収益金による寄付活動を通じて医療研究や患者団体などをサポートします。本キャンキャンペーンの一環としてオープンする“丸の内 ピンク リボン ガーデン”オープニングセレモニーには、ELCジャパン株式会社 代表取締役社長のスー フォックスさんが登場し、思いを語りました。私たちが今すぐできる支援を通して、「乳がんのない世界」を目指すお手伝いをしませんか。エスティ ローダー グループ 2019 乳がんキャンペーン「治癒への希望が私たちをつなぐ。#乳がんのない世界へ」撮影:GODMake.1992年に、故エヴリン ローダー(元エスティ ローダー グループ シニア コーポレート ヴァイス プレジデント)が設立した「ピンクリボンキャンペーン」。今では世界70か国以上で展開される活動となり、現在までに寄付金総額7,900万ドル、そのうち6,500万ドルが「米国乳がん研究基金(BCRF)」を通じて、260の医療プロジェクトに活用されています。そんなキャンペーン27年目となる今年も、エスティ ローダー グループは「乳がんキャンペーン」月間と定めた10月に、東京スカイツリー(R)や清水寺などをピンク色にライトアップするグローバル ランドマーク イルミネーション、8ブランドでの支援製品発売、オンライン キャンペーン、社員ボランティア活動等を実施。エスティ ローダー グループが日本本社を置き、働く女性が多く集まる丸の内エリアに位置する“丸の内 ピンク リボン ガーデン”のオープニングセレモニーには、ELCジャパン株式会社 代表取締役社長のスー フォックスさんが登場し、「世界中の人に乳がん知識を広め、乳がんのない世界を目指したい。皆で団結しましょう」と、力強いメッセージを日本語でくださいました。私たちができる「ピンクリボン」とは撮影:GODMake.①何よりも正しい知識を持ち、それを広めることでは、「乳がんのない世界」を目指すために、私たちができることには何があるのでしょうか。国立国際医療研究センター病院 乳腺・腫瘍内科/一般社団法人JBCRG(乳がんのない世界をめざして、乳がんの研究をおこなう非営利の研究団体)理事の清水千佳子さんは、とにかく「乳がんについて勉強し、正しい知識を持つことが大切である」と話します。乳がんは、主に更年期以降の50歳前後の女性がなりやすいとされ、10~11人に1人がかかると言われている病気。しかも、世界中で15秒に1人は「乳がん」と診断されているほど身近な病であるにも関わらず、その後の治療方法や病気の進行について、あまり知られていないという問題があります。私たち1人1人が「ピンクリボンキャンペーン」を通して関心を持ち、当事者になった際のことや、友人や家族が発症してしまった場合に必要となる知識を、きちんと身に着ける必要があります。そして、その知識や本キャンペーンの存在を、より多くの人に広めることで、関心の輪を広げましょう。②研究への支援が、早期発見・発展した治療へと繋がるまた「研究により乳がんは良くなるので、その必要性を知り、支援もして頂きたい」と清水さん。乳がんは、早期発見により治る確率がぐんとあがります。また、もし進行してから発見されたとしても、正しい治療で生存率は上がるのです。そして、この確率をこれまで以上にあげるために必要なのが「研究」。研究に必要な支援を私たち1人1人が行うことで、将来的に「乳がんのない世界」を実現することは可能です。具体的な行動は『エスティ ローダー グループ 2019 乳がんキャンペーン』でできるピンク リボン ガーデン等を訪れ写真を広め、支援商品の購入で協力を撮影:GODMake.「正しい知識を持ち広める」「支援をする」その2つをすべきとわかったけれど、何から始めたら良いかわからないという方は、ぜひ、『エスティ ローダー グループ 2019 乳がんキャンペーン』への参加をしてください。“丸の内 ピンク リボン ガーデン”をはじめとする場所を訪れ、そこに込められたメッセージを読み取り「#乳がんのない世界へ」という願いと向き合いながら、お友達同士で乳がんについて深い話をするのも良いでしょう。また、そこで撮影した写真をSNSへアップすることは、ピンクリボンキャンペーンを広めることへと繋がります。エスティ ローダーグループでは、SNSを通じた拡散を目指し、エスティ ローダー グループの人気製品の詰め合わせが当たるInstagram投稿キャンペーンや、購入することで支援へと繋がる製品を発売。誰でも気軽に参加できる、「ピンクリボン」の機会を提供しています。エスティ ローダー グループの人気製品が当たる!Instagram 投稿キャンペーン撮影:GODMake.「乳がんキャンペーン」の一環として、Instagramハッシュタグキャンペーンを実施。「あなたの周りの身近な乳がんのない世界を創るための活動」等の写真を撮影し、ハッシュタグ「#乳がんのない世界へ」を付けてInstagramに投稿すると、抽選で5名様にエスティ ローダー グループの人気製品を詰め合わせてプレゼント。期間:2019年10月1日(火)~10月31日(木)商品:抽選で5名様に、エスティー ローダー グループの豪華な化粧品セットをプレゼント応募方法:1. 下記いずれかの写真を撮る。あなたの周りの身近な乳がんのない世界を創るための活動(キャンペーンイベントも含む)京都 清水寺・東京スカイツリー(R)のピンクライトアップ丸の内ブリックスクエアのインスタレーションイベント2. ハッシュタグ「#乳がんのない世界へ」をつけて投稿。3. 当選された方には事務局からダイレクトメッセージでご連絡します。乳がんキャンペーン支援製品撮影:GODMake.エスティ ローダー グループの8つのブランドで、10月1日よりキャンペーン支援製品を発売。(一部ブランドを除く)収益の一部は、米国乳がん研究基金(BCRF)やJBCRG(Japan Breast Cancer Research Group)等を通じて、医療研究に役立てられます。大好きなブランドコスメを購入することが支援に繋がるなんて、これ以上ないことですよね。※一部数量限定につき、無くなり次第終了いたします。※エスティ ローダーの支援製品のみ、10月6日より順次発売予定となります。一部店舗により発売日が異なりますのでご注意ください。※エスティ ローダーの支援製品のみ、公式オンラインショップでの発売は10月14日からとなります。ラボ シリーズ エイジ RE7,000円ボビイ ブラウン ブラウド トゥ ビー ピンク リップ カラー デュオ5,800円アヴェダ【ピンク リボン2019】チェリー アーモンド CA ハンドクリーム3,600円ドゥ・ラ・メール クレーム ドゥ・ラ・メール ザ・モイスチャライジング クリーム10,000円ジョー マローン ロンドン レッド ローズ コロン16,000円クリニーク「ドラマティカリー ディファレント」シリーズ6,500円エスティ ローダー ピンク パーフェクション リップスティック セット7,000円トム フォード ビューティ リップ カラー6,000円※すべて税抜き表記です。
2019年10月04日昨年10月、本誌が紹介し反響を呼んだ、乳がん検診の最新技術。ついにその技術が、全国的な実用化に向けて第一歩を踏み出した。“乳がん死亡者ゼロ”の未来は近い!?「痛みや被ばくの危険性がない乳がん画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の実用化に向けて、私たちはプロトタイプとなる機器を開発しました。これからいよいよ医療機関で治験がスタートし、早ければ’21年の冬以降、全国の病院に設置することを目指します」こう語るのは、世界初の画像化システム『マイクロ波マンモグラフィ』の開発者である神戸大学数理データサイエンスセンターの木村建次郎教授(40)。9月13日、神戸大学で行われたプロトタイプ機の研究成果発表には、実用化と普及促進に協力する企業関係者らが出席。新聞、テレビなどメディアも多数訪れ、大きな注目を集めていた――。厚生労働省が40歳以上の女性を対象に、2年に1回乳がん検診を受けるよう呼びかけているにもかかわらず、’16年に同省が実施した国民生活基礎調査によると、受診率は全国で44.9%。半数にも達していないのが現状だ。それほどまでに乳がん検診が敬遠されるのには、X線マンモグラフィが持つ撮影における痛み、X線による人体への影響のリスクが背景としてある。そんな乳がん検診の難点を解消したのが、この「マイクロ波マンモグラフィ」という技術だ。「微弱な電波を出すアンテナを使い、乳房の表面を軽くなぞるようにスキャンし、我々が導き出した世界初の計算理論を用いて、乳房内の構造を立体的な画像で写し出します。表面をなぞるだけで、痛みはない。さらに、機器が発するマイクロ波は、携帯電話の1,000分の1以下の微量の電波なので、身体に与える影響もほとんどないと考えられます」(木村教授・以下同)昨年10月、本誌はまだ研究段階であったマイクロ波マンモグラフィを木村教授の解説とともに紹介。掲載後、教授が所属する神戸大学には「臨床研究に協力したい」という女性の声が、全国各地から寄せられたという。今回発表されたプロトタイプ機は、これまで臨床研究で使用していた装置よりも、さらに高い解像度を有している。「これまでにも臨床研究を重ね、精度を検証してきました。来年からはじまる治験は、関西、関東の複数の病院で行われる予定です」その後、国内に4,000台、アメリカに8,000台、EUに1万6,000台、その他の地域に約1万台を設置することを目標にしているという。早期発見で9割以上が治る、といわれる乳がん。しかし、発見の難しさもあり、日本では1万4,000人以上が亡くなっている。「マイクロ波マンモグラフィが世界中に導入されたら、早期発見が可能と考えられます。10年後には、先進国において、乳がんで死亡する人は激減するでしょう。そして近い将来、乳がんで亡くなる人がゼロになると信じています」“痛くない”、“被ばくしない”、そして“見落としなし”の乳がん検診が、全国の病院で受けられる日はすぐそこまで来ている。
2019年09月25日歌手の太田裕美(64)が9月18日、乳がんを公表した。治療をしながらも「歌っていく」と明かし、ネットではエールが上がっている。同日、ブログを更新した太田は「突然で驚かれると思い、なかなか公表出来ませんでした」と切り出し「乳癌に罹患しました。すでに7月の京都のコンサート後に手術をし、8月から抗癌剤治療に入っています」と報告。しかし来春までのスケジュールが決まっていることや11月に開催されるデビュー45周年を祝うイベントを控えていることを理由に、「あえて、治療しながら歌っていく、ということを選択しました」と明かした。太田は「病気になって初めて知る“気づき”がたくさんあります」とつづり、「神様はまた新たな試練を与えて下さってるんだ、と現実をしっかりと受け止め」家事などの日々の営みを大事に続けていくと述べた。そして、こう結んだ。「これからもまごころ込めて歌っていきます。今までと変わらず、太田裕美の音楽を愛し、応援していただけることを心から願っています」太田の発表は話題を呼び、Twitterでは「太田裕美」がトレンド入りを果たした。さらにエールが上がっている。《大変驚きました。裕美さんの想いお察し致しました。大丈夫です、頑張りましょう》《裕美さんの強いプロ意識に感銘を受けました。裕美さんの歌手活動と、治療も応援させていただきます。》《私達の願いは1日でも長く裕美さんの歌声を聞いていられること、どうぞ最善の選択を》治療を受けながらも歌い続けると発表した太田。04年、本誌に登場した際には育児中にも歌手活動を続けていたことについて語っていた。太田は育児と家事が大変だったと明かしながらも、その分「1年に3~4回の仕事が楽しかった」と回想。さらに「無理をしない」「あきらめない」「心に正直に生きる」という3カ条を心掛けていると告白し、こう語った。「自分の好きなものをあきらめる必要はないんです。私の場合はそれが『歌』だった。いちばん私の好きなことだし、天職だと思っています」
2019年09月19日“お胸の健康”と聞いて、真っ先に乳がんのことを思い浮かべる人は多いはず。検診はどんな人が対象になっているのかなど、まずは乳がん検診について再確認。Q.乳がん検診は受けたほうがいいと思いますか?YES…93%、NO…7%anan読者世代の20~30代の女性100人にアンケート。乳がん検診は、若いうちからほとんどの人が、かなり意識しているよう。ところが!「どんな人でも必ず毎年受けなきゃ!」というその認識、実は間違っているかも!?アンケートには「若い女性が乳がんになったという報道を見た」など不安の声がさまざま。それに加えて“乳がん検診を受けましょう”という運動を目にする機会も多いようで、「私も行かなきゃ」との意識が働く模様だけれど…。「厚生労働省が科学的根拠をもとに推進しているように、乳がん検診が必要なのは、基本的には40歳以上。20~30代の人は、あまり意識しなくていいんです。乳がん啓発運動で知られる『ピンクリボン』が行っている検診への呼びかけも、40歳以上の人に向けられています」(医学博士・福田護先生)とはいえ、やっぱりなんとなく心配という場合は、20~30 代でも検診を受けるのはアリ?「若いうちからの闇雲な検診は、デメリットも伴います。それを理解したうえで、受けるか否か判断するのが賢明です」(医療ジャーナリスト・増田美加さん)検診を考える前に知っておきたい6つのこと。【1】乳がん検診が本格的に必要になるのは40代から。乳がんは、日本人の女性の11人に1人が発症するといわれていて、女性のがんの中でも罹患率は1位だという統計がある。「ただし、その多くが40歳以上で、乳がんは若い人には非常に少ない病気です。とくに20代の人が検診を受けても、ほぼ『異常なし』となります。にもかかわらず、検診方法の一つであるマンモグラフィは、X線撮影を行うため、少量ではありますが放射線を浴びるなど、若い頃から継続すれば体にとって負担に。ほかにも時間や費用がかかることを考えると、20代では一部の例外を除き、検診の必要はないでしょう。乳がんは30代後半から増えてくるので、その頃から考え始め、40代からはすべての女性に必要となります」(福田先生)【2】近親者で乳がんを発症した人がいたら20代でも注意。乳がん検診は、「40代から必須」とのことだが、20~30代の人も気をつけたほうがいい場合がある。「近親者の中に乳がんや卵巣がんになった人が複数いたら、注意が必要です。自分も乳がんや卵巣がんになりやすい遺伝子変異がある可能性があり、それがあるとほかの人と比べて10倍ほど乳がんになる確率が上がります。20~30代のうちに、一度、検診をしておくと安心でしょう」(福田先生)さらに、30代後半からは家族歴以外に、乳がんの“リスク因子”も考慮することが大切に。「乳がんの原因は、女性ホルモンの影響や、都市型の生活が関係しているともいわれています。初経が早く、妊娠や授乳をする機会が少ない人や、栄養過多な生活をしている人は、その蓄積で乳がんを発症するリスクが高まる可能性がある。30代後半はこうした影響が出始める年頃なので、家族歴がなくても、リスク因子に心当たりがあれば、検診をおすすめします」【3】一度受けて問題がなければ毎年は受けなくてOK。アンケートでは「会社の検診でなんとなく毎年受けている」という20代の女性もいたが、受け身の意識は見直したほうがよさそう。「もしも家族歴がなく20代のうちに検診を受ける機会があって、異常なしという結果が出たら、次の検診は5年後でも大丈夫。検診が必須の40代以降でも、毎年受ける必要はありません。マンモグラフィの検診で異常なしであれば、次は2年後に検診を受けてください。あまりナーバスにならないようにしましょう」(福田先生)【4】検診以上にお胸のセルフチェックを習慣にするほうが大事。家族歴やリスク因子のない20~30代は、検診をあまり意識する必要がないからといって、胸の健康に無関心でいいわけではない。「20歳以上の女性は、月に1回、胸のセルフチェックを習慣にしましょう。タイミングは生理初日から約1週間後。乳房のハリや痛みがなくなって、柔らかい状態の時に行いましょう」(福田先生)「乳がんは、皮膚の表面に近い部分にできることが多いため、自己検診で見つけられる可能性が高いんです。よく『しこりがわからない』という声を聞きますが、毎月同じタイミングで触っていれば、変化があった時には気づけるようになります。腋や鎖骨まわりのリンパ節に転移することもあるので、そこもチェックを」(増田さん)月に1回行おう!セルフチェック法まずは見た目をチェック。腕を頭の後ろで組んで、乳房の左右差、腫れ、くぼみ、ひきつれ、皮膚の色の変化がないかを観察する。また、乳首のへこみ、変色がないかもしっかり確認しよう。チェックする乳房の側の腕を上げ、反対側の手の人差し指から小指で小さな“の”の字を描きつつ、乳首の周りを1周させる。指が肋骨にあたるくらいの強さで、乳房全体を確認しよう。次に乳首をチェック。乳首を指先でつまんで、乳首から分泌物が出ないか、前の月に触った時と比べて違和感はないかなどをつぶさに調べる。痛くならない程度の力で行おう。鎖骨まわりや腋の下のリンパ節も確認。しこりや、膨らみ、腫れがないかを調べよう。片方が終わったら、もう片方も同様に確認を。「鏡でチェック」以外は、仰向けで行ってもOK。【5】死亡率減少効果を証明する乳がん検診はマンモグラフィだけ。そもそもなぜ乳がん検診を受けるのかというと、がんがあった時に早期発見をしたいから。「乳がん検診の方法には、大きくマンモグラフィと超音波の2種類がありますが、実は検診をすることで早期発見につながり、死亡率減少効果が見られるというデータがあるのは、マンモグラフィだけです。これは40歳以上の人を対象とした世界的なデータで、具体的には15~20%減。一方、残念ながら超音波は、どの国でも死亡率減少効果が証明されていません。マンモグラフィは痛いからと避ける人もいますが、早期発見を考えるなら、マンモグラフィでの検診が有効です」(福田先生)【6】検診の良し悪しを知ったうえで、必要な人は受けに行こう!乳がん検診は、マンモグラフィで行うことで早期発見ができるというメリットがわかったが、一方で、若い人にとっては高濃度乳房でしこりが写りにくかったり、被ばくをしたりとデメリットもある。「それに検診をすると何かしらしこりが見つかることが多く、再検査になりますが、若年層の場合は大概良性です。そのための心的ストレスや、時間、費用の負担、さらに数か月おきの経過観察など闇雲な検診はデメリットが上回るとのデータもあります」(増田さん)こうした事情を理解したうえで、やっぱり40歳前でも念のため検診をしたいなど、考え方は人それぞれ。自分に合った選択をしよう。福田 護先生医学博士。聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長。『改訂版 ピンクリボンと乳がん まなびBOOK』(主婦の友社)編著など乳がん治療の権威。増田美加さん医療ジャーナリスト。エビデンスに基づいた健康情報や患者視点に立った医療情報について執筆、講演を行う。自身も乳がん経験者でがんの啓発活動に尽力。著書は『乳がんの早期発見と治療』(小学館)など。※『anan』2019年9月18日号より。イラスト・HONGAMA構成、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2019年09月16日不妊治療をしている上で大切なもの、それは「お金」と「時間」「お金」は、助成金を受けられると言っても額は決まっている上、後日給付なので一度は支払いをしなければなりませんし、長引けば長引くほどその金額は大きくなっていきます。そして「時間」、排卵日とホルモンの状態を、血液検査と内診で医師が予測しながら治療を進めていく為、どうしても急な診察や連日の病院通いがある上に、予約制ながらも待ち時間はかなりのものです。1回の診察で文庫本1冊読みきれます。(しかも病院によっては椅子が足りなかったりしてかなりしんどい)時は金なりという言葉にもある通り、時間を失うとそれだけお金を稼ぐ機会が減る訳で、この2つのバランスを取るのが非常に難しかったです。私はたまたま退職する機会とも重なったので、正社員から、比較的休みを取りやすいオフィスワークのパートに転職しました。最初に不妊治療中という事を知ってもらえていれば気持ちも楽かもと、求職中、いくつかの会社には面接で「不妊治療中です」と伝えてみたら見事に全部不採用でした。パートは日曜定休で週4の9時~17時のシフト制でしたが、休みをスムーズにとる為にしていたのは「他の人が急に休みを取る事になった時は進んで自分が代わりに出勤する事」。時給制だったのでシフトに入ればお金も稼げるし、急に通院の予定が入った時も普段から代わりに出勤していれば罪悪感も多少減るし、上司も快くお休みをくれるという打算的な理由で… 本当ならこんな気を使ったりせず、どの会社でも、どんな理由でも「お休みもらいますー」「どうぞー」っていう世の中になってほしいですが。そして助成金ももっと幅広くしてほしいですが。連日の通院で仕事の日程の調整を何度も余儀なくされ、もう働きたくない! と思った事もありましたが、やはり治療自体にかなりのお金がかかるので働き続けなければなりませんでした。心と体に影響の多い不妊治療中に、仕事と治療の調整でストレスを溜める事はできるだけ避けたいですよね。
2019年09月05日我が家のママンは4年前に乳がんを患い、無事手術を終えた現在も再発のリスクを下げるため治療を続けています。ただ、この治療には副作用がありまして…。そんな時、娘のアリッサがママンにとった行動とは?毎日錠剤を飲むことで、ホルモン依存性の乳がんの増殖を促す女性ホルモン(エストロゲン)をおさえているのです。ママンの場合は錠剤だけでは足りず、3ヶ月に1度リュープリン注射という強い薬を打たなければなりません。この薬は女性ホルモンに強く作用するので、副作用として更年期障害に似た副作用が出てしまいます。倦怠感、ホットフラッシュ、頭痛、気分が落ち込み、等など…。体調によりますが、2〜3日は家事もままならない状態になるのです。そんな時、ママンに小さな救いの手が差し伸べられました。感情で涙を流す動物は人間だけと言われています。涙を流すことはストレス発散にも繋がり、精神のバランスを保つのだそう。感情を押し殺して、なかなか人に弱いところを見せないママンですが、この日はアリッサの一言に救われました。最近は子供の成長とともに、逆に私達が救われることが増えた気がします。そして我々は年齢とともに、涙腺がゆるみがちです(笑)。
2019年08月30日アメーバブログ女芸人部門でアクセス数ダントツ1位を更新中のだいたひかる(44)。’16年2月に乳がん治療のため右胸全摘手術を受けたときのことや、その後の経過をユーモラスにつづっている。本誌でも、7月に掲載した当企画前編で、今年の3月にがんが再発したことを報告してくれた。乳房を全摘している右側にまさかの再発……。夫の小泉貴之さん(42)と一緒に取材に応える様子は相変わらず仲がよく、夫婦漫才のようだったが、当時は転移の有無がはっきりしない状況だった。今回は最終の検査結果と共に、だいた流“がん患者あるある”をご紹介!ポジティブに乗り切る“だいたあるある”も語っていただこう。【がん患者あるある】夫婦のどちらが先に死ぬかシミュレーションするだいた「前回は再発しているがんが転移していないか、調べている途中でお話ししていたんですよね。PET検査の結果は出ていて、その画像で腰の骨あたりに転移の可能性があるかも……っていうときでした。あの後にMRIで検査をして、転移なしってようやくわかって、安心しました」小泉「あのとき明るく話していましたが、正直、ナーバスな心境でした(笑)。とにかくオールOKとなるまでが長いんですよね」健康な夫婦でも、どちらが先に死ぬかは話題に上るもの。どちらの場合もシミュレーションをしておいたほうがいい?だいた「私のほうが年上なので、そのぶん先に死ぬのが自然。そう思ってますし、言ってます(笑)。棺おけに入れてほしい私のモノを選んでますもん。花じゃなくて、自分がすごく気に入って、ときめいていたモノだけでいい」小泉「そうですね、まあ90歳くらい、せめて80代とかでも、なるべく2人が似たようなタイミングでこの世からスッとね。あんまり考えないようにしてますけど(笑)」【だいたひかるあるある】がんをネタにする「どうでもいいですよ」で始まるだいたのネタのように、どこかひょうひょうとがんを受け流しているように見える彼女だが、治療姿勢はじつに熱い。小泉さんも、仕事の合間を縫うように一緒に立ち向かっている。食事も運動も手を抜かず、夫婦二人三脚で一つ一つ乗り越えてきた。そんな2人の、今後の目標は?小泉「今後、子どもを持つことを諦めているわけじゃないんです。全摘して再発して、抗がん剤と放射線やったけど、その後に不妊治療成功した唯一の例っていうのも目指してやってるんで。それで年齢とか全部無視して、やれることは2人で全部やりつくすっていうのは昔から変わらないです」だいた「再発したのは残念だったんですけど、再発してすごい長生きした人っていうのに挑戦もできるなって。何度再発しても長生きして、起き上がりこぼしじゃないですけど、ダメそうだったんだけどまた起き上がるみたいな。自分がそういう事案っていうか、前例になったらいいかなと思って。ネタに使えるくらいに(笑)」
2019年08月26日アメーバブログ女芸人部門でアクセス数ダントツ1位を更新中のだいたひかる(44)。’16年2月に乳がん治療のため右胸全摘手術を受けたときのことや、その後の経過をユーモラスにつづっている。本誌でも、7月に掲載した当企画前編で、今年の3月にがんが再発したことを報告してくれた。乳房を全摘している右側にまさかの再発……。夫の小泉貴之さん(42)と一緒に取材に応える様子は相変わらず仲がよく、夫婦漫才のようだったが、当時は転移の有無がはっきりしない状況だった。今回は最終の検査結果と共に、だいた流“がん患者あるある”をご紹介!【がん患者あるある】友達も断捨離だいた「前回は再発しているがんが転移していないか、調べている途中でお話ししていたんですよね。PET検査の結果は出ていて、その画像で腰の骨あたりに転移の可能性があるかも……っていうときでした。あの後にMRIで検査をして、転移なしってようやくわかって、安心しました」小泉「あのとき明るく話していましたが、正直、ナーバスな心境でした(笑)。とにかくオールOKとなるまでが長いんですよね」文具やファンシー小物のコレクターでもあるだいたが、がんになってから断捨離を敢行中。だいた「私はがんになって、もしかしたら死ぬかも?って、“死”と初めて対面しました。大きな病気をしたことない人ががんになったら、たいていそうなると思いますよ。それでどういう死に方するのかなとか、どれくらい生きられるのかなとか、まあ考えるんですけど……。自分のモノのなかで変な日記とか、他人に見せない前提のモノってあるじゃないですか。これを片づける人は誰か?って考えたときに、捨てとかなきゃ!って思いますね。思い出より未来のほうが大切になってくるものなんですよ。モノだけじゃなくて友達でも、理解がないなっていう人とは、やっぱり付き合いづらくなるというか……。がんにならなくても人間必ず死にますけど、限られた時間を大事な人たちと過ごそうと思うようになると思います。そういう意味で身軽にしようとしますよね」【がん患者あるある】SNSで励まし合うだいたのブログのコメント欄には、がんに関するQ&Aが書かれている。治療費、薬の名前、検査の内容などを「自分の場合は」と細かく回答していることもあり、アクセス数が右肩上がりだ。だいた「身近な人に言いづらいことでも、SNS上だとみんなで情報を共有できるんですよね。ステージ4だけどまるまる太って元気ですとか、私みたいに治療で痩せなくて腹立つとか、いろんな事例が飛び交ってます。病院でお会計だけで1時間くらい待つようなときに、私は普通に待っていたんですけど、『まとめ払いができますよ』って読者の方に教えてもらったことも。同じ病気の読者同士で教え合えるって実用的ですよね。世代によりますけど、情報取り入れるためにSNSやる人多いと思いますよ。がんになったのがSNS全盛のこの時代でよかったなって思ってます」
2019年08月25日アメーバブログ女芸人部門でアクセス数ダントツ1位を更新中のだいたひかる(44)。’16年2月に乳がん治療のため右胸全摘手術を受けたときのことや、その後の経過をユーモラスにつづっている。本誌でも、7月に掲載した当企画前編で、今年の3月にがんが再発したことを報告してくれた。乳房を全摘している右側にまさかの再発……。夫の小泉貴之さん(42)と一緒に取材に応える様子は相変わらず仲がよく、夫婦漫才のようだったが、当時は転移の有無がはっきりしない状況だった。今回は最終の検査結果と共に、だいた流“がん患者あるある”をご紹介!【がん患者あるある】結果待ちの間に疑心暗鬼にだいた「前回は再発しているがんが転移していないか、調べている途中でお話ししていたんですよね。PET検査の結果は出ていて、その画像で腰の骨あたりに転移の可能性があるかも……っていうときでした。あの後にMRIで検査をして、転移なしってようやくわかって、安心しました」小泉「あのとき明るく話していましたが、正直、ナーバスな心境でした(笑)。とにかくオールOKとなるまでが長いんですよね」だいた「PET検査は最終の精密検査ってイメージがあったので、これでわからないって、いったい……って感じ」小泉「待っている間にやっぱりいろいろ調べちゃうんですよね。再発かどうかわからなかった時期には、医者に言われたこと、がん経験者の方のブログコメント、ネットの情報などのどれが正しいんだろう?と疑心暗鬼になりました」だいた「先生からは全摘したほうの胸にがんが再発する確率はすごく低いと聞いたけど……」小泉「調べたことによる体感としてですが、もっと確率が高いんじゃないか?って考えたりしました。検査や治療法も納得できるまでネット検索したりと、誰でもやってしまうと思いますね」【がん患者あるある】検査中の妄想が止まらないだいた「検査魔になりがちというのは、がんあるあるの代表格だと思いますが、妄想力が豊かになる人も多いと思います。CTスキャンとMRIは、台に横たわった後に機械がスライドして筒の中に入れられるんですね。初めてのときは、ベルトコンベヤーみたいって思いましたよ(笑)」小泉「ちくわの中のきゅうりの気持ちがわかったでしょ?」だいた「うん(笑)。ドラえもんの空き地の土管を想像したり、閉所恐怖症の人はどうなっちゃうんだろう?って思ったり。MRIのごう音は、『工事現場?』って感じだし、太ってる人は入れないんじゃないか?って余計な心配まで(笑)。気を紛らわせようということではなく、初めて見る機械や、初めて受ける検査に今まで想像もしてこなかった思考が頭に浮かぶのかもしれません」【がん患者あるある】仕事しづらくなる検査の繰り返しと長期にわたる治療で不安な生活のなか、仕事の面でもがん患者の皆さんはつらい思いを……。だいた「がんになると、働きづらくなるのは、すごく感じますね。今元気でも、またいつぶり返すかわからないじゃないですか。休みと復帰を繰り返すこともあるので、不安定な人と思われますよね。でも、働けるんですよね、がんでも。なんだったら抗がん剤のときとか、仕事があったほうが忘れられるんですよ、痛さとかだるさとか。仕事に集中するから。がんの人のほうが仕事を頑張ると思いますよ、ほんとに。治療費も稼がなきゃいけないですし、サボらないと思うんですよ。まだまだ誤解が多いなと思います。すごく末期の状態以外は働けるんです。がん患者イコール使い物にならないと思わないでほしいなぁって思いますね」小泉「もうちょっと余裕を持って病気の人に接することができる、柔らかい丸い社会になってくれたらいいなとは思いますね」
2019年08月24日希望しているのにもかかわらず、なかなか妊娠しない場合は、早めに対策を取ることも大切です。今回は、不妊症や男女の不妊の原因、不妊の検査や治療について解説します。 不妊症とは不妊症とは「妊娠を望む健康な男女が避妊せずに性交しても1年以上妊娠しないこと」と定義されています。(※) 不妊症は、男性側または女性側に原因がある場合と、両方に原因がある場合、原因がわからない場合があります。これまでは一方的に女性が原因と思われることが多くありましたが、男性や女性に原因がある割合は、ほぼ半々とされています。 ※参考:日本産科婦人科学会「不妊症」 女性の不妊の原因女性にみられる不妊の原因には、次のようなものがあります。■排卵に問題がある場合ホルモンバランスに問題があり、卵胞が育たなかったり排卵が起こらなかったりする場合があります。特にホルモンバランスの乱れによる月経不順では、月経時に出血があっても排卵が伴わないことがあります。月経不順の方は排卵障害の可能性がありますので、なかなか妊娠できない場合は病院へ受診してみましょう。<ホルモンバランスの乱れの原因となる疾患>・甲状腺疾患・高プロラクチン血症・多嚢胞性卵巣症候群・早発卵巣不全・精神的ストレス・極度の肥満、ダイエットによる月経不順■卵管に問題がある場合細菌感染や炎症などによって卵管がふさがったり、くっついたりすると精子が卵子に到達できなくなり、妊娠の確率は低くなります。<原因となる疾患>・卵管閉塞・卵管狭窄・性器クラミジア感染症・子宮内膜症■子宮に問題がある場合子宮筋腫や子宮の形に異常がある場合、受精卵が着床できないことがあります。<原因となる疾患>・子宮奇形・子宮筋腫・子宮内膜ポリープ・子宮粘膜化筋腫・アッシャーマン症候群(子宮内膜の細胞の層の一部が欠けてしまい、くっついてしまう病気)■子宮頸管に問題がある場合子宮頸管を満たす粘液量が少なかったり、精子が侵入しにくい形をしていると、不妊症の原因になることがあります。<原因となる疾患>・子宮の奇形や子宮頸部の手術後・子宮頸部の炎症・頸管粘液の異常■免疫に問題がある場合免疫異常で抗精子抗体(精子を障害する抗体)を持つ女性の場合、精子の動きが悪くなるため、精子が卵子に到達することができません。 男性の不妊の原因男性にみられる不妊の原因には、次のものがあります。■精子の形成に問題がある場合精子の数が少なかったり、精子の運動性が悪かったりすると、不妊症の原因になります。<原因となる疾患>・精索静脈瘤(精巣周辺の陰嚢部に発達した静脈のこぶ)・染色体異常・停留睾丸(陰嚢の中に睾丸が入ってない状態)■射精に問題がある場合過去の炎症(精巣上体炎)などにより精子が通る管が詰まっている場合があります。精子がペニスの先端まで通る道が詰まっていると、射精しても精子が排出できません。■男性の性機能に問題がある場合ストレス、動脈硬化や糖尿病の疾患の原因などなんらかの原因でペニスの勃起に問題が生じることを性行為がうまくいかなくなることがあります(ED:勃起障害)。■加齢による影響男性は35歳ごろから、精子の質の低下が起こります。 不妊症検査の内容と費用日本生殖医学会では、不妊期間を1年として不妊症と診断し、検査と治療を開始したほうが良いとしています。■女性に対する検査産婦人科の不妊外来を受診した際に、問診により、既往歴、月経周期、喫煙、飲酒などの生活習慣などが質問されます。その後、診察して以下のような検査がおこなわれます。・内診・経膣超音波検査超音波プローブを腟に挿入して、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣のう腫などの病気の検査をおこないます。病気の疑いがある場合は、さらにMRI検査や腹腔鏡検査をおこなうことも。・子宮卵管造影検査子宮の入り口から造影剤を注入し、子宮の形に異常がないか、卵管の詰まりがないかを調べる検査です。子宮卵管造影により治療的な効果もあり、卵管の通りがよくなることもあります。・ホルモン検査血液検査では、女性ホルモンの分泌や甲状腺の機能などを調べます。月経周期にあわせて検査がおこなわれます。・AMHアンチミュラー菅ホルモン検査卵巣の予備能力や卵がどれくらいあるのか予測でき、卵巣年齢を知る検査です。・性交後試験・フーナーテスト性交渉をおこなった翌日に受診し、女性の子宮頸管粘液を採取して、その中に運動している精子が進入しているか、精子の数や運動率を調べます。体調によっても精子の状態は変化しますので、数回だけの検査することもあります。・クラミジア抗体検査性感染症の原因でもあるクラミジアは卵管をくっつけてしまうため、血液検査によって感染の有無を調べます。・子宮がん検査子宮頸部の細胞を採取し、がん細胞の検査をおこないます。■男性に対する検査・精液検査プライバシーに配慮された個室に案内され、マスターベーションで採取した精液を検査します。もしくは自宅で採取した精子を2時間以内に病院に持参したものを検査します。精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを調べます。検査結果に異常がある場合、精密検査がおこなわれます。・泌尿器科的検査精液検査で異常があった場合におこないます。不妊症に関する病気の既往歴の有無、勃起や射精などの性生活など問診をおこないます。精巣などの外陰部の診察、精巣サイズの測定、精索静脈瘤の有無などを触診でチェックします。■検査費用について不妊検査は、保険適用になる分と自己負担になる分がありますので、初診では2~3万円は準備しましょう。初診は、問診、内診、超音波検査、血液検査などがおこなわれ、一般的に内診と血液検査だと5,000円で健康保険適用内になります。精密検査が必要になれば、数十万円の費用がかかる可能性もあります。病院によって不妊検査の費用が異なりますので、あらかじめ費用の目安についても確認しておくとよいでしょう。 ※参考:日本生殖医学会「一般のみなさまへ 不妊症Q&A」 不妊治療の内容と費用不妊治療のステップとして、タイミング法など自然妊娠をサポートするものから、排卵誘発や体外受精など人工的な授精が段階的におこなわれます。●治療内容について・タイミング法排卵日の2日前から排卵日までに、夫婦の性生活をもつタイミングの指導がおこなわれます。排卵予定日数日前に経腟超音波検査で、卵巣内の卵胞の大きさを測定することで、排卵日を推定します。また、ホルモンの分泌状態から排卵日を予測します。・排卵誘発法内服薬や注射で卵巣を刺激して排卵を促す方法です。排卵のない女性に使用されますが、人工授精や体外受精などにも使用されることがあります。・人工授精手を使って採取した精液から運動している成熟精子を回収して、子宮の中に注入する方法です。妊娠に至らない場合は体外受精へ進みます。・体外受精腟から細い針を穿刺して卵巣から卵子を取り出し、体外で精子と受精させます。受精に成功した受精卵は、培養して分割させ、子宮の中へ移植します。1回の体外受精で複数の受精卵が得られた場合、残った受精卵は凍結します。・顕微授精体外受精で精子と卵子が自然に受精しない場合に、細い針で精子を卵子の中に注入して受精させる方法です。●費用について不妊治療でも気になる人が多いのが、治療にかかる費用です。不妊治療にかかる費用の目安は以下のようになります。【健康保険適用内】タイミング法 1~2万円【健康保険適用外】人工授精 1~4万円体外受精 20~60万円顕微授精 30~70万円 まとめ不妊治療がうまくいかないと、気分も落ち込むことも多いと思います。不妊治療をきっかけに夫婦が険悪な雰囲気になってしまうケースも少なくありません。そのため、不妊治療は高額で長期間に及ぶこともあるので、夫婦でコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。不妊で悩んでいる場合は、まずは原因を明らかにするために医療機関に相談してみましょう。 ※参考:・日本生殖医学会「一般のみなさまへ 不妊症Q&A」・日本産科婦人科学会「不妊症」・一橋大学 国際・公共政策大学院「コンサルティングプロジェクト最終報告書『不妊治療をめぐる現状と課題』」・日本産科婦人科学会・Reason for your choice「生殖補助医療(assisted reproductive technology: ART)の実際」 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
2019年08月03日’16年2月、乳がんの治療で胸を全摘する手術を受けた女芸人だいたひかる(44)。抗がん剤治療を経て、現在はホルモン治療中。術後から丸3年が経過し、治療モードから通常モードに切り替えられる日が近づいていたのだが……。今年3月に本人のブログで再発を報告する記事がアップされた。’16年当時、本誌に初告白してくれた闘病の様子は、笑える“ネタ”満載で、さすが芸人と思わせてくれるものだった。一方、夫である小泉貴之さん(41)とのエピソードは、笑いの中にもじわりと感動して涙があふれてくるような、あたたかい“ネタ”ばかり。文字どおりの二人三脚で治療に取り組んでいた。再発という事実を受け、今、2人は何を思い、どう過ごしているのだろうか?■全摘した右胸に、がんが再発【2月13日】しこり発見だいた「1年に1回、精密検査をするんです。最初がいちばん緊張した’17年で、2回目が’18年。CTと、エコーとマンモグラフィーなどをやるんですが、3回目の今回、全摘したほうの右胸の肋骨と肋骨の間に4ミリのしこりがあるって言われました。細胞診とMRIでさらに詳しく検査しましょうって」小泉「再検査というのは嫌なものですから、『あれから3年たってるし、たとえ何もないと言われたとしても精密検査をリクエストしようと思ってたくらいだよ』って言いました。僕は落ち込んでいないということも伝えたかったので」【2月27日】検査結果は判別不能だいた「検査結果を聞きにいったら、5段階中3と言われました。五分五分で良性という意味なんですけど、良性だとしても、気持ち悪いじゃないですか。イボができたら取る感覚で、しこりも取ったほうがいいと思いました。すず(小泉さんのこと)は『歯石を取るようなもんだよ』って(笑)」■中落ち削られるマグロの気分だいた「切ることに、もはや抵抗はないですね。雑草と同じで、よくないもんが生えてきたらむしり取らないと」小泉「やっぱり1回目に全摘したことがよかったんだと思います。そう思えてるから、心配の種はまた手術で切り取ればいいと思えるんですよね」【3月6日】しこり切除手術だいた「日帰り手術なので、美容院感覚で切りにいってきました。全摘してるし、取るところなんかなさそうですよね。骨と骨の間の身をこそげ落として、中落ちにするみたいな手術ですよ。マグロの気持ちが初めてわかりました」小泉「しこりの周りの部分もちょっと多めに取りましたと先生に言われて、これで悪いところは全部ない、今自分たちの懸念点は全部ないはずだって思えました。あとは、しこり本体の病理検査結果を待つだけという状態でした」だいた「これ取りますんで、もう少し長生きさせてもらっていいですか、みたいな感覚。胸と引き換えに人生の飛距離を伸ばしてるっていうか(笑)。心配事を取り除けば、体はこの生活に慣れてくるので不自由はないです」【3月20日】検査結果が出るだいた「とにかく健康に気を使ってきたので、この3回目の検査がクリアできたらやりたいことがたくさんありました。1回目、2回目とクリアして、なんだかこのままイケる!という気がしていて……。『今年も検査、やっぱりやったほうがいいんですよね?』って先生に聞くくらい自覚症状がなかったので、本当に検査を飛ばしてたら危ないとこでした。抗がん剤をやっていたときでさえ、持ち前のやる気のなさが功を奏して、副作用のダルさをあまり感じなかったし(笑)。痛みもないし、具合の悪いことが一つもなくて元気そのものでしたからね。なので、しこりが見つかったときは……残念でしたね。さらに、切除したものの病理検査の結果は悪性で、それもやはり残念でした。全摘した側で再発する確率を聞いたら、10%以下だと言われました」小泉「言い方はちょっとあれですが、もしかしたら前回の手術で取り除けてなかったんじゃないか?という考えもあるかもしれません。全摘した右側に再発?って、多少疑問が生まれますよね。でも、後ろを振り返りたくないんですよね。今まで最善のことをやってきたという自信を糧に、次の治療にも向き合っていきたいんです」だいた「ほんとそう。治療方針が決まればそれに向かっていけばいい。腹はくくれているだけに、検査結果待ちの時間は苦痛でした」小泉「そうだね。検査、結果待ち、診察待ち、再検査、結果待ちって、それなりに日数がかかる。その間に病状悪化しちゃうんじゃ?と思うのは嫌な時間でした。あのタイムラグが今後短縮されていくといいなと思います」■放射線治療は、日サロ感覚腫瘍を摘出しているため、検査結果後は放射線治療を行うことに。彼女の場合は25回、手術した場所に放射線を当てて、がん細胞をたたくということになった。だいた「放射線治療は未経験だったので、ブログ読者の方のコメントにすごく勇気づけられました。すずに治療の解説をしてもらって、私としては焼き畑農業みたいなもんかなと理解したんですね。そしたら日焼けサロンみたいなものとコメントをくれた読者の方がいて。『日サロお疲れさまです』みたいな(笑)。たしかに吐き気もないし、とても楽な治療で、5月16日に修了しました」小泉「いちばんリスキーな術後3年間に何も問題がなければ、中断している不妊治療を始められるかもしれないと話していたんですね。本人も期待していたと思うんです。でも、通院を日サロだと言ったり、こうして強気で明るくいてくれるというところに、助けられている部分がすごくあります」
2019年07月20日「2015年社会保障・人口問題基本調査」 によると、5.5組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を受けたことがあるそうです。わが家もそのうちの1組で、筆者が27歳、夫が33歳のときに不妊治療を始め、約1年の治療期間を経て第一子を授かりました。今回は筆者と夫が不妊治療を始めたきっかけについてお伝えします。 今赤ちゃんができたら困る筆者が結婚したのは25歳のときで、就職して3年目の仕事もまだまだ半人前のころ。6歳年上の夫は早めに子どもが欲しかったようですが、筆者は 「まだ仕事がきちんとできないのに、今赤ちゃんができたら困るな……。あと2年くらい子どもは欲しくない」 と考えていました。 夫も筆者の考えを尊重してくれて、その間は妊娠しないようにしていましたが、そのころは 「子どもが欲しくなればいつでも妊娠できるだろう」 と軽く考えていました。 そろそろ赤ちゃんが欲しいと思ったら結婚して2年が経ったころ、筆者が仕事に少し慣れたこともあり 「そろそろ赤ちゃんが欲しいな……」 と思うようになりました。職場には妊娠して出産する女性もたくさんいたし、妊活を始めればすぐに子どもを授かるだろうと考えていたのです。 ところが、基礎体温をつけてタイミングを図ってもなかなか妊娠せず……。数カ月しても妊娠しなかったため、不妊治療のできる病院を調べて診察を受けることにしました。 自然妊娠する確率はゼロに等しいと言われてしまう生殖医療婦人科を受診し、血液検査や卵管造影などの検査を進めながらタイミング法での治療を始めました。しかしタイミング法を3度おこなっても妊娠しなかったため、人工授精での治療をおこなうことに。ところが、人工授精をするために精液を提出したところ、 「この数値だと自然妊娠する確率はゼロに等しいです。顕微授精でないと難しいでしょう」 と先生に言われたのです。 夫婦で治療の進め方を話し合った結果、顕微授精は高額になるということもあり、まずは人工授精に10回程度までチャレンジしてそれでもだめならば顕微授精にステップアップしようということになりました。 結局第一子は人工授精3回目で授かることができましたが、まさか自分たちが不妊治療をしないと子どもを授かることが難しいとは想像もしていませんでした。赤ちゃんが欲しいと思ってから早いうちに検査や治療を受けたことで、必要な治療が受けられたのはよかったと思っています。著者:沢田真紀子自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月25日お笑い芸人のだいたひかる(43)が3月20日、自身のブログを更新。年に1度の精密検査で’16年に全摘手術を受けた右胸に4ミリのしこりが見つかり、乳がんが再発したことを報告した。2月のブログで4ミリのしこりが発見され、再検査になったことを明かしていた。この日は『検査結果』と題した記事で「検査結果は再発でした。全摘しても再発するのか……と皆さんの不安を煽りそうで嫌なのですが、全摘して再発する人はごく稀なケースなので、全摘した皆様ご心配なくです」と、読者を気遣いながら検査結果を明かした。今後は放射線治療などを行う予定だといい、「夫に説明してもらった結果……私が、『焼畑農業みたいなものかな?』と言ったら、夫が、『そう!』と言ったので……胸で焼畑農業をする予定が出来たという報告です」と夫とのやりとりをつづった。本誌が’18年6月にインタビューを行った際も、抗がん剤治療の副作用で髪の毛が抜け始めた当時を振り返り、「未練があるとウジウジしてしまうから、抜けそうな毛は自分で引き抜いていました。それよりも6カ月ほどして、うぶ毛のような髪の毛が生えてきたのを見た旦那が『地球の始まりみたいだ』と感動。いいものを見せられましたね(笑)」と語っていた。夫の存在がだいたの大きな支えになっているようだ。ブログの終わりには「1年に1回の細かい検査で4ミリという、小さい時点で見つけられた事を喜びとして、(今回見逃して1年後にどれ位になるか考えるとゾッとします)ガンはしつこいですが、ガンよりしつこく治療していこうと思います」と前向きな姿勢を見せている。読者からは「応援してます」「お互いに頑張りましょう」「負けないでください」「勇気をもらいます!」と応援のコメントが寄せられている。
2019年03月20日ある程度進行したがんに、威力を発揮している治療法がある。放射線治療の効果をより増す方法だ。転移もあった乳がんを患っていた作家が、「命を救われた」13年前の体験を語る。「59歳の冬、右の乳房のしこりに気づきました。夏から疲れやすく、肩こりもひどかったのですが、受診した産婦人科では触診のみで『乳腺炎でしょう』と。でもエコーとマンモグラフィーで『2センチのがん』とわかりました。セカンドオピニオンなどで検査針を刺しているうちにしこりは3センチほどに大きくなりました。医師に『命はどれくらいですか?』と聞いたとき、無言で笑ったのを見て『ああ、言えないくらいひどいんだ』と思ってがくぜんとしたんです」13年前に乳がんと診断された当時を振り返るのは、歴史時代作家クラブ賞を受賞した、時代小説家の藤原緋沙子さん(72)。だが、「ついに切除」という前夜、突然かかってきた電話で、「乳房温存」に希望が持てるように。「当時、高知大学医学部教授だった小川恭弘先生(現・同名誉教授、高知総合リハビリテーション病院院長)からの着信でした。知人の紹介で『私が開発した新しい治療法がありますので、やってみませんか?』とのお電話をくださった。そこに私は望みを託したんです」小川さんのいた高知大での検査時点で、さらに大きくなったがんは、5センチ大にもなっていたという。「すでにリンパ節への転移も2カ所あり、ステージ3Bの状態でしたので、小川先生の所見では『余命3年』でした。’07年1月に検査を始め、3月から新治療にチャレンジしたんです」その新治療「コータック(KORTUC)」を開始すると、がんは瞬く間に小さくなった。「3月中旬の3回目の注射で、5センチ大からわずか19ミリにまで縮小したんです。さらに1カ月後の4月には、腫瘍マーカーは健康な人と同じ数値に。そして5月30日の検査ではとうとう、リンパ節のものもすべて『消失しています』と。骨や肺に転移する前に、がんをゼロにできたことに、感謝以外ありませんでした」その後、10年以上たったいまも、藤原さんは「再発なし」で、精力的に執筆に励む毎日。転移がんをこれほど劇的に退治した新療法とは、どんな仕組みなのだろうか。小川さんが解説してくれた。「手術でがんを切除するのに比べて、放射線治療の効き目は『イマイチ』と思われていることに、40年前から疑問を持っていました。『放射線治療の効き目を高める(=増感)薬を開発しなければ』との思いで、マウス実験などで研究を重ね、がん細胞中で放射線を防御する『よろい』となっている『抗酸化酵素』を失活させる方法を発見したのが、’06年でした」小川さんが高知大学医学部教授時代に、研究に研究を重ね開発した「コータック」の作用のメカニズムは、次のようになる。「がん(=がん細胞の集団)が大きくなると、個々の細胞中の酸素が減って抗酸化酵素が増え、放射線治療効果は3分の1まで低下してしまいます。その抗酸化酵素を失活させ『よろい』を解くためには『過酸化水素』が必要で、かつ、その効果を持続させると同時に、注射の痛さを半減させるには『ヒアルロン酸』を混ぜるとよい。この増感剤(過酸化水素+ヒアルロン酸のコンビ)が放射線治療をフル(=3倍)にするのです」効果は大きいのに、とてもシンプルな構造の新治療法だ。だが日本もそうだが世界でもまだ、保険適用がされておらず、薬も商品化されていないという。しかし、今日現在で、日本でもコータック治療を受けられる病院や医療機関が、全国にあると小川さんは話す。「長崎県島原病院や、私の出身の高知大学、大阪医科大学、名古屋市立大学、東京放射線クリニックなど、すでに700症例以上で実施されています。コータックは、内視鏡やCTガイドなどを使用する注射方法で、あらゆる固形がん(かたまりをつくるがん)消滅に応用・適用が可能なんです。大学病院などは臨床試験として、コータックの部分は無償で行っているところもありますので、費用などは、問い合わせしてみてください」(小川さん)売れっ子作家の命を救った放射線増感療法、いざというときのために記憶しておこう。
2019年02月23日「関節リウマチ」と聞いて、「治療が極めて難しい病気」と思っている人も多いはず。しかし今、症状の重さに差はあるが、早期発見できれば、怖い病気ではないという――。「現在、関節リウマチの患者数はわが国で70万~100万人と考えられています。いわゆる“お年寄りの病気”と思い込んでいる人も多いのですが、患者数は40~50代が山。全体の8割は女性なんです」そう語るのは、関節リウマチ治療の第一人者で、東京女子医科大学医学部膠原病リウマチ内科学の山中寿教授。手足など全身の関節の中にある薄い膜「滑膜」が炎症を起こし、痛みや腫れが生じる関節リウマチ。山中教授が病気のしくみと危険性について解説する。「本来なら自分の体を守るはずの免疫が誤って、自分の『滑膜』を攻撃してしまう“免疫異常”による病気です。進行すると『関節破壊』を起こし、骨や軟骨が壊れていく。その症状が火事のように体の中に広がっていって、手足の指が変形したり、場合によっては歩行困難を招くことも。さらに心臓、肺、腎臓、神経など全身に炎症が起こり、生命にかかわるケースもあります」徐々に進行することが多いため、症状がひどくなってから治療を受ける人もいるという。「症状の強さや進み方には個人差があり、発症前と同じような生活を送ることが難しいケースもありますが、それは10%ほど。知っておいてほしいのは、早期発見と適切な治療ができれば、日常生活を送ることはじゅうぶんに望めるということです」身近な“難病”ともいえる関節リウマチだが、21世紀になって、治療においては劇的な進化を見せている。「東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター」の患者調査によると、ほぼ進行を停止でき、寛解した患者は’01年の8%から、’17年には58%に急増!この数字の背景には、薬物治療の進歩があげられる。「かつて、関節リウマチの治療といえば、鎮痛剤で痛みを和らげることしかできませんでした。しかし、現在では炎症を引き起こす免疫の働きを抑えるメトトレキサートや、炎症を引き起こすサイトカインという物質に狙いを定めた生物学的製剤と呼ばれる特効薬が治療現場で使われ、いまでも関節リウマチの新薬は続々登場しています。症状を緩和するだけの薬物治療から、関節破壊の進行自体を抑える治療にシフトチェンジしているのです」もうひとつは、検査方法の進歩。高い確率での、早期発見が可能になった。「従来は、血液検査のほかに、骨の一部が欠けたり、骨びらん(骨の表面の細かな損傷)の有無、関節の変形が起きているかどうかを確認するエックス線検査が行われていました。それが、数年前から、エックス線検査よりも早い段階で異常を見つけられる関節超音波検査が全国の専門医療機関で一般的に使用されるようになりました。滑膜の炎症そのものを観察できるため、初期症状で発見することが可能になっているのです」それでは、関節リウマチを予防する方法はあるのだろうか。「今のところ、関節リウマチの予防に有効な手立てはない」と山中教授は語るが、医学の進歩により、この病気の謎は解明されつつあると付け加える。「最近の研究では、発症に関する遺伝子がいくつも見つかっているので、予防医療が進んでいくと思われます。現在、明らかになっている危険要因は喫煙。関節リウマチは遺伝性の病気ではありませんが、両親が患者だった場合は遺伝的要因を持っている可能性があり、そんな人が喫煙すると、発症リスクが約20倍も高くなることが明らかになっています。また、歯周病も原因のひとつとして指摘されています。歯の衛生も心がけるようにしましょう」予防医療も期待される関節リウマチ。“治らない病気”と怖がらず、症状を感じたら早期に医師の診断を仰ごう。
2019年01月06日乳がん闘病中の元SKE48・矢方美紀が11日、都内で行われた乳がんセミナー「Know your Lemons」出演前に取材に応じ、乳がんと診断を受けたときの心境や現在の体調について語った。4月に乳がんのため左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けたことを告白した矢方は、「しこりを見つけたのはセルフチェックがきっかけ。ぽっこり凹凸があるなと思った」と説明。「乳がんのことをテレビでやっていたときに、20代だったので年齢的には検診対象ではないと思っていたんですけど、他人事ではない病気だなと感じたのでセルフチェックをやってみたら今までなかったしこりを見つけた」と言い、「日々のチェックが大事だなと思いました」と語った。しこりを見つけても「良性のものが多いと聞いていたので、私もたぶん悪いものではないなと思っていた」という矢方だが、「乳がんという診断だったのでびっくりしました」と診断に驚いたという。「自分ががんになると思っていなかったので、20代だったんですけど年齢関係なく病気になってしまうんだなと思いました。ショックというより驚きというか、どうやって病気に向き合えばいいんだろうという不安がよぎりました」と振り返った。また、家族の反応について「驚いていたなという印象はあるんですが、驚きつつも日々の生活や病気に対しては今までと変わらない感じだった」と明かし、「それが逆に家族に素でいれるというか、変に気を遣ったりしてくれないのが自然でよかったです」と語った。そして、「今、放射線治療に入り、放射線治療に午前中行って、お仕事に行ったりプライベートをやったりという感じなんですが、今は副作用とか具合が悪くなることもないので過ごしやすくしています」と現在の治療と体調について説明。今の生活について「お仕事はできないと思っていたんですが、こうやって両立できていることが充実しているなと思います」と話した。囲み取材には、日本において乳がんの啓発活動を推進している「NPO法人ラン・フォー・ザ・キュア・ファンデーション(RFTC Japan:乳がん早期発見啓発活動推進協議会)」の鈴木咲子マリア氏も同席した。
2018年10月11日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)が9月24日より、乳がん意識向上キャンペーンをスタート。キャンペーンに伴い、限定ランジェリーセットを発売する。今年で5回目を迎える同キャンペーンは、10月の乳がん啓発月間に合わせて、乳がんへの注意を喚起するとともに、女性たちに健康維持と定期的な検診を呼びかけるリマインダーとしての役割を果たしている。これまでに、ケイト・モス(Kate Moss)、カーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)、チェルシー・ハンドラー(Chelsea Handler)、アリシア・キーズ(Alicia Keys)が同キャンペーンをサポートしており、今年は女優のソフィア・ベルガラ(Sofía Vergara)がイニシアティブとして参加。ブランドの公式サイト(www.stellamccartney.com)ではメッセージフィルムも公開されている。キャンペーンでソフィア・ベルガラが着用しているのは、2018年秋冬ランジェリーコレクションの一部としてステラ・マッカートニーがデザインした「ローズ ロマンシング (恋するローズ)」と名付けられた限定ランジェリーセット。フェミニンかつ洗練されたペールローズカラーのソフトカップトライアングルブラ(2万円)とビキニブリーフ(1万4,000円)は、自然体でありながらも自信に満ちた、ブランドのランジェリーに対するアプローチを反映したエフォートレスでセクシーなデザイン。10月1日より公式オンラインストアにて発売、10月中旬よりステラ マッカートニー青山店と六本木ヒルズ店にて展開を予定している。なお、限定ランジェリーセットの売り上げの一部は、最先端の早期発見プログラムと乳がん患者向けの治療を提供する活動を支援するため、英リバプールのリンダ・マッカートニー・センター(Linda McCartney Centre)やロンドンのハロー・ビューティフル基金(Hello Beautiful Foundation)、アメリカのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンター(Memorial Sloan Kettering)といった世界的なチャリティーやサポートセンターに寄付される。
2018年10月04日「エスティ ローダー グループ」は26年にわたり、「乳がんキャンペーン」を実施しています。2018年はキャンペーンの一貫として、10月2日(火)~8日(月・祝)まで東京・南青山に「ピンクリボン フラワー カフェ」をオープン。そのオープンにあたり、2018年10月2日(火)【エスティ ローダー グループ「2018 乳がんキャンペーン」】プレス発表会を実施し、ルトロン編集部が参加してきました。その様子をご紹介します。開会挨拶「エスティ ローダー グループ」の亀田さんより、開会の挨拶・【エスティ ローダー グループ「2018 乳がんキャンペーン」】の概要・イベントプログラムの説明がありました。故「エヴリン・H. ローダー」の想いが込められた映像を見て“なぜ「エスティ ローダー グループ」が「乳がんキャンペーン」を展開するのか”を知ることができました。故「エヴリン・H. ローダー」の想い世界のどこかで19秒にひとり、“乳がん”と診断されていることをご存知でしょうか。故「エヴリン・H. ローダー」は、「乳がんのない世界へ」をビジョンとして26年前に「ピンクリボン」を共同で開発し、キャンペーンを開始しました。現在ではさまざまな著名人や多くの方に賛同が広がり、活動が広がっています。集まった資金は研究活動への支援に「乳がんキャンペーン」を通して、「エスティ ローダー グループ」では世界中で7,600万ドル以上を集めました。その資金は「乳がん研究基金」を通して命を救うための研究に提供しています。「エスティ ローダー グループ」の世界中で働く社員の内、現在までに4万6千人以上を「乳がんキャンペーン」に動員したそう。社内外にも理解が広がっています。キャンペーンの目的・概要プレス発表会には「エスティ ローダー グループ/ELGC 株式会社」代表取締役社長の「スー フォックス」氏も登場。故「エヴリン・H. ローダー」のストーリーと共に、「乳がんキャンペーン」に込める想いが伝わりました。乳がんのない世界に1992年、故「エヴリン・H. ローダー」が「乳がんのない世界を創ること」を目的として「乳がんキャンペーン」を開始し、その翌年には「乳がん研究基金」を立ち上げました。「エスティ ローダー グループ」では「エヴリン・H. ローダー」が亡くなった後も、「乳がんキャンペーン」を継続。2018年のテーマは「Time To End Breast Cancer (タイム トゥ エンド ブレストゥ キャンサー)#乳がんのない世界へ ~伝えたいメッセージを花に託して~」です。フラワーアーティスト「ニコライ バーグマン」とコラボ2018年はデンマーク出身のフラワーアーティスト「ニコライ バーグマン」氏率いる「ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン」とコラボレーション。“美しい花をきっかけに、大切な人と乳がんについて会話してほしい”という思いが込められています。期間限定!「ピンクリボン フラワー カフェ」オープン東京・南青山にある「Nicolai Bergmann Flowers & Design Flagship Store(ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア)」を、「ピンクリボン フワラーカフェ」として期間限定でオープンします。ピンク色の花でディスプレイされた店内は、幸せに包まれる空間に仕上がっています。外観内観期間2018年10月2日(火)~8日(月・祝)メニュー概要・オリジナル ドリンク「Juice of Hope」発売(価格:750円(税抜)<1日15杯限定 オリジナルフラワーシール付>)・オリジナルフォトスポット・乳がんの知識を深めていただけるコンテンツ日本における乳がんの傾向「国立国際医療研究センター 乳腺腫瘍内科/一般社団法人 JBCRG」の清水千佳子先生から「日本における乳がんの傾向について」トークセッションがありました。毎年増加傾向清水先生によると日本では乳がんにかかる女性が毎年増加傾向にあるのだそう。年間8万人が乳がんと診断されていて、年間約1万5千人の方が亡くなっています。日本では「12人にひとり」の確率で乳がんと診断されており、まさにオトナ女子にとって他人事ではない病気です。乳がんは“早期発見”が大切乳がんを早期発見できた場合“5年の生存率”が「95%」あり、診断された後も生存する確率が高まっています。また女性が気になる乳房に関しても、しこり周辺のみの除去だけで済んだり、乳房そのものの再建もできるようになりました。近年多くの治療薬が開発されており、ますます乳がんに対して有効な薬が開発されることでしょう。だからこそ早期発見が大切です。ニコライ氏とスー氏のトークショーフラワーアーティスト・ニコライ氏とスー氏によるトークセッションも。「乳がんキャンペーン」に込めた2人の熱い想いを聴くことができました。乳がんについて話しやすい空間作り2人はもともと親交があり以前にもコラボレーションしたことがあるそう。スー氏はニコライ氏の作品を“息を飲むほど美しい”と絶賛。美しい作品は長く人々の記憶に残りますよね。メッセージを伝える今回のキャンペーンにぴったりだったそう。またピンクのお花に包まれると幸せな気持ちになる人も多いのでは。その“幸せな気持ち”のなかで乳がんについて話してほしいとのスー氏の想いがあります。ニコライ氏の想い「乳がん・がん」はふだん会話しにくいテーマですよね。作品には“花を通じて、乳がんやがんの会話をするきっかけづくりになってほしい”とのニコライ氏の想いが込められています。「清水寺」でのインスタレーションニコライ氏は、キービジュアルや京都「清水寺」で2018年10月1日(月)まで開催された「グローバル ランドマーク イルミネーション」でのインスタレーション展示も手がけました。ピンクのお花・ピンクリボンで装飾した球体のインスタレーションは存在感抜群だったとのこと。訪れた方に「乳がんキャンペーン」に関心を持ってもらえるように参加型の体験も実施。約400本もの竹が並ぶ空間があり、来場者がピンクリボンにメッセージを書き、そのピンクリボンを竹に結びました。ライトアップやインスタレーションを通して、多くの方が乳がんについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。レセプションパーティートークショーが終わった後の歓談タイムでは、ピンク色のかわいいスイーツを堪能。パステルカラーのスイーツに乙女心をくすぐられました。ピンク色の見た目がかわいいドリンクは、オリジナルドリンク「Juice of Hope」です。ハッシュタグ投稿キャンペーン【エスティ ローダー グループ「2018 乳がんキャンペーン」】の一貫としてInstagram(インスタグラム)を使った「ハッシュタグ投稿キャンペーン」を実施しています。「ピンク色の花」または「ピンクリボン フラワー カフェ」にある「フラワーインスタレーション」を撮影し、「#乳がんのない世界へ」を付けて投稿しましょう。抽選で5名にピンクリボン限定の「オリジナルフラワーボックス」をプレゼントしてくれるそうですよ。期間:2018年9月18日(火)~10月31日(水)キャンペーン支援製品「エスティ ローダー グループ」の8つのブランドでは、【エスティ ローダー グループ「2018 乳がんキャンペーン」】のキャンペーン支援製品としてハンドクリーム・リップ・コロンなどを販売。収益の一部を乳がん撲滅のための研究資金として利用されます。数量限定で販売されるので気になる方は、ぜひ店頭で手にとってみてはいかがでしょうか。イベント情報イベント名:ピンクリボン フラワー カフェ催行期間:2018年10月02日 〜 2018年10月08日住所:東京都港区南青山5-7-2 「Nicolai Bergmann Flowers & Design Flagship Store」
2018年10月04日乳がん闘病中の元SKE48・矢方美紀(26)が9月26日、自身のブログを更新。約4カ月間にわたった抗がん剤治療が終了したと報告した。「最初は長いなぁー、、と思ってましたが、気付けばあっという間でした。。」と感想を述べた矢方。いっぽうで「私は治療を通して経験したこと、プラスに考える事が沢山あったから結果良かったと思ってます」と明かしている。「昨年12月に胸のしこりに気づき、乳がんだと判明した矢方さん。アイドル時代は健康自慢だったために、やはりショックは隠しきれなかったそうです。退職も覚悟していましたが、『仕事を辞める必要はない』という医師の言葉が救いに。それを頼りに、治療を頑張ろうと決意したといいます」(医療関係者)女性自身6月5日号では、矢方へのインタビュー記事を掲載。治療のため4月に左乳房を全摘出している彼女だが、摘出を提案された当初の心境について「“全部なくなるのは嫌だ!”という気持ちがありました」と明かしている。それでも心境が変わった理由について、彼女はこう続けている。「“全摘”を決断したのは、取っても“再建”できることを知ったのと、“全摘”しても多くの方が前向きにされていることを知ったから。私は今後の人生のほうが長いので、リンパ節を含む悪い部分を“取ってから作る”ほうが納得できると思いました」4時間にもわたる手術を終えた矢方は、イメージよりも傷が大きかったことにショックを受ける。術後の痛みもあり、さらに落ち込む日々を送っていたが――。しかし転機が起こる。「病室から楽しそうにお花見している人たちを見ていたら、“普通って素敵だな”と思いました。また、入院しているみなさんが、生きるために本当に一生懸命に立ち向かっている。その姿を見ていて、私は胸がなくなったけど“生きる”という大きな目標へ前向きに頑張れる!と思えたんです」抗がん剤治療を終えた矢方だが、ブログでは「10月からは放射線治療とホルモン治療が始まります!」と報告している。不安はまだまだ続くようだが、引き続き頑張ってほしい!
2018年09月27日10月1日は「乳がん検診の日」。実は年々乳がんにかかる人は増加傾向にあるんです。育児に追われてつい、自分のことは後回しになってしまっているママも多いのでは? そこで今回は「乳がん」に関する意識調査を実施しました。ほとんどのママが乳がんには関心があるものの、その実態を知らないママが多かったよう。乳がんへの関心度や、実際に検診を受けたかなどを発表します。 約9割が乳がんに関心あり! 「乳がんについて関心がありますか?」という問いに対し、全体の95.1%にのぼる1,427名が「とて も関心がある」「まあ関心がある」と回答し、乳がんに対する関心が非常に高いことが判明しました。 現在、生活の変化に伴い乳がんにかかる人は国内で年々増加傾向にあり、生涯で11人に1人という高い確率で乳がんにかかる可能性がある*といわれています。しかし、この事実を知っている人の割合は4割に留まっており、乳がんに対する関心が高い一方、がんリスクの高さに対する認識は低いことが伺えます。*国立がん研究センターがん対策情報センター 最新がん統計より 妊娠判明前に乳がん検診を受診したママは約4割に留まる 妊娠判明前後の乳がん検診の受診率を調査したところ、全体の44.6%が妊娠判明前に「乳がん検診を 受けたことがある」と回答しました。妊娠判明前に検診を受けたことがある方へ、出産後も継続して検診を受けているか質問したところ、77.1%が「妊娠・出産後にも継続して検診を受けている」「今後受 診を予定している」と回答し、すでに一度乳がん検診を受けている方の定期健診の意識の高さが伺えました。 忙しいしお金もかかる……約4割のママが乳がん検診に消極的! 妊娠前に検診を受けたことがなく、妊娠・出産後も検診を受ける予定がないと回答した方へその理由を尋ねると、多忙なことや金銭的な負担が主な理由として挙げられました。乳がんは、30~64歳の女性のがん死亡原因の第1位であり、30代から乳がんと診断される人が増え始める*といわれていますが、その年代に差し掛かっても子育てが忙しく、検診を受けることができないというママたちの現状があるようです。*国立がん研究センターがん対策情報センター 最新がん統計より 自身のことは後回し……ママが健康管理できない理由 自身の健康への関心が妊娠・出産前より気を使わなくなったと回答した方へその理由を尋ねたところ、 多忙から自身の健康管理の優先順位が下がってしまったとの意見が多く寄せられました。家事や子育てに日々奮闘しているママですが、家族の太陽であるママにはいつでも元気でいてほしいと家族みんなが願っているはず。愛する家族の笑顔を守るためにも、まずママが自分自身の体をいたわってあげられるような家族のサポートや環境づくりも大切といえそうです。 子ども優先の生活で、自分のことは気にかける余裕がない時期。「乳がん」検査には関心があるけど、乳がんにかかる割合がいかに高いかまで知らなかったママも多かったよう。ママが病気になってしまったら、子どもを守ることができません。受ける予定がなかったママも、ぜひ、これきっかけに検診を受けてくださいね。<調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方調査期間:2018年9月6日~9月7日 調査件数:1,501件
2018年09月21日エスティ ローダー グループは、活動26年目を迎える今年も、乳がんのない世界を創ることを目的とした「乳がんキャンペーン」を実施。2018年の乳がんキャンペーンのテーマは、「Time To End Breast Cancer #乳がんのない世界へ ~伝えたいメッセージを花に託して~」。アーティストのニコライ バーグマン氏率いるニコライバーグマン フラワーズ & デザインとコラボレーション!提供:エスティ ローダーコラボが実現したアーティストのニコライ バーグマン氏率いるニコライバーグマン フラワーズ & デザインとのキャンペーンには、美しい花をきっかけに、大切な人と乳がんについて会話してほしいという思いが込められているんです。ピンクのフラワーデザインが魅力の期間限定カフェ「ピンクリボン フラワー カフェ」2018年10月2日(火)から8日(月・祝)まで、「Nicolai Bergmann Flowers & Design Flagship Store(ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン フラッグシップ ストア)」内をピンク色の花でディスプレイ。また、期間限定カフェ「ピンクリボン フラワー カフェ」がオープンします。提供:エスティ ローダーキービジュアルのピンクのフラワーデザインでディスプレイされたカフェやフラワーショップは、存在感を出しながらもお洒落でつい足を踏み入れたくなる空間。提供:エスティ ローダーこのカフェだけで楽しめるオリジナル ドリンク「Juice of Hope」もあります。そしてキャンペーン期間中、ストアでは、「ピンクリボン限定 オリジナル フラワーボックス」が数量限定で販売されます。売上の一部は JBCRG(Japan Breast Cancer Research Group)へ寄付されるそうですよ。フレッシュフラワーボックス提供:エスティ ローダープリザーブドフラワーボックス提供:エスティ ローダー発売期間2018年10月2日(火)~なくなり次第終了価格:フレッシュフラワーボックス Sサイズ 4,000 円(税抜)、プリザーブドフラワーボックス Sサイズ 9,000 円(税抜)住所:東京都港区南青山5-7-2ニコライ バーグマン フラワーズ & デザイン コラボレーション詳細<ピンクリボン フラワー カフェ>実施時期:2018年10月2日(火)~8日(月・祝)住所:東京都港区南青山5-7-2営業時間:10:00-20:00 ※10月2日(火)は13:00から営業予定※最新情報は特設サイトをご確認ください。特設サイト概要:オリジナル ドリンク「Juice of Hope」発売(価格:750 円(税抜)<1日15杯限定 オリジナルフラワーシール付>)オリジナルフォトスポット乳がんの知識を深めていただけるコンテンツオープン当日の2日は、プレス向けパーティが実施予定。ニコライ バーグマン氏も登壇し、コラボレーションに込めた思いを聞くことができます。Instagram ハッシュタグ投稿キャンペーン「大切な人に伝えたいメッセージを花に託して」キャンペーンの一環として、Instagram ハッシュタグ投稿キャンペーンも実施。ピンク色の花の写真にハッシュタグ「#乳がんのない世界へ」を付けて投稿すると、抽選で5名様にピンクリボン限定 オリジナル フラワーボックスのプレゼントが!Instagram ハッシュタグ投稿キャンペーン概要期間:9月18日(火)~10月31日(水)応募方法:「ピンク色の花の写真」に「#乳がんのない世界へ」をつけてInstagramにご投稿ください。賞品:ニコライ バーグマン ピンクリボン限定 フラワーボックス(抽選で5名様)※詳細は特設サイトをご確認ください。※当選の場合は、Instagramキャンペーンアカウント(ELGC BCC 事務局:@ELGCBCC_CP2018)より当選者へ直接ご連絡いたします。特設サイト京都 清水寺、東京スカイツリーがピンク色になる!?提供:エスティ ローダーエスティ ローダーは、「乳がんキャンペーン」の認知度向上を目的として、毎年10月に世界の主要建造物をピンク色にライトアップする「グローバル ランドマーク イルミネーション」を実施しています。今年は京都 清水寺<仁王門、西門、三重塔、観音慈光>(京都府京都市)や、東京スカイツリー(東京都墨田区)といった各地のランドマークがピンク色にライトアップ。グローバル ランドマーク イルミネーション 詳細京都 清水寺 <仁王門、西門、三重塔、観音慈光>実施時期:2018年9月28日(金)~10月28日(日) ※10月20日(土)は通常ライト色住所:京都府京都市東山区清水1丁目294点灯時間:19:00-22:00※9月29日(土)は18:30~21:00(受付終了/21:30 閉門)、夜間特別拝観無料(通常大人 400円)<東京スカイツリー>実施時期:2018年10月1日(月)住所:東京都墨田区押上1丁目1-2点灯時間:18:30-22:00提供:エスティ ローダーまた、10月1日(月)よりキャンペーン支援製品が数量限定で発売。その収益の一部は、乳がん撲滅への研究資金へ。「乳がんキャンペーン」を実施しているエスティ ローダー グループはこのような活動を26年続けているんです。普段、乳がんについて考える機会がないという方も、見つめ直すいい機会になるのではないでしょうか?今回のコラボレーションでもある、美しい花をきっかけに、ぜひ大切な人と乳がんについて話してみてくださいね。
2018年09月14日エスティローダーグループは、活動26年目を迎える今年も、乳がんのない世界を創ることを目的とした乳がんキャンペーン「Time To End Breast Cancer #乳がんのない世界へ」を展開。合わせて、フラワーアーティストとの期間限定コラボカフェや、Instagramハッシュタグ投稿キャンペーン、イルミネーションイベント等を実施する。テーマは「伝えたいメッセージを花に託して」エスティローダーグループが実施する「Time To End Breast Cancer #乳がんのない世界へ ~伝えたいメッセージを花に託して~」では、フラワーアーティストのニコライ バーグマン氏率いる「ニコライ バーグマン フラワーズ&デザイン」とコラボレーション。美しい花をきっかけに、大切な人と乳がんについて会話してほしいという思いを込めたキャンペーンを実施する。コラボレーションの一環として、2018年10月2日(火)から8 日(月・祝)まで、「Nicolai Bergmann Flowers & Design Flagship Store(ニコライ バーグマン フラワーズ&デザイン フラッグシップストア)」(東京都港区南青山)の店内をピンク色の花でディスプレイ。期間限定カフェ「ピンクリボン フラワーカフェ」をオープンする。Instagramハッシュタグ投稿キャンペーンで「ピンクリボン限定フラワーボックス」をプレゼントまた、9月18日(火)~10月31日(水)の期間限定で、Instagramハッシュタグ投稿キャンペーンも実施。ピンク色の花の写真にハッシュタグ「#乳がんのない世界へ」を付けて投稿すると、抽選で5名様にピンクリボン限定オリジナルフラワーボックスをプレゼント!◆Instagramハッシュタグ投稿キャンペーン概要期間:9月18日(火)~10月31日(水)応募方法:「ピンク色の花の写真」に「#乳がんのない世界へ」をつけてInstagramにご投稿ください。賞品:ニコライ バーグマン ピンクリボン限定フラワーボックス(抽選で5名様)※詳細は特設URLからご確認ください。※当選の場合は、Instagramキャンペーンアカウント(ELGC BC事務局:@ELGCBCC_CP2018)より当選者へ直接ご連絡いたします。今回のキャンペーンではこのほか、世界の主要建造物をピンク色にライトアップする「グローバル ランドマーク イルミネーション」も実施。京都の清水寺や、東京スカイツリー®が美しいピンク色にライトアップされる光景は圧巻だ。自分だけでなく大切な人の乳がんへの意識を高めるためにも、家族やパートナーと一緒に足を運んでみてはいかがだろうか。【参考】※「Time To End Breast Cancer #乳がんのない世界へ」
2018年09月13日痛くないのにしっかり治療医療法人社団シーズ・メディカルグループ シロノクリニックは、2018年5月1日より、痛みを伴わないシワ治療「メソリフト」の提供を開始した。「メソリフト」はドイツの最新技術であり、針を使わないため無痛での施術が可能だ。難易度が高いと言われる首や手の甲のシワ改善にも効果が期待できる。痛みがないので、複数回の施術でも続けやすいというメリットもある。「メソリフト」について「メソリフト」はドイツで開発された技術で、針を使わずに有効成分を皮膚の深層部へと注入できるシステムだ。施術はプログラム化され、顔をはじめ、手や太もも、お尻など様々な部位への施術に対応が可能。また、「ドライスキンモード」を使って施術すれば、乾燥肌の人にも対応ができる。幅広い効果を期待「メソリフト」での施術によって、顔のシワやニキビ、シミやアトピーの他、目元や口元のシミやシワ、ハリや潤いなどにも効果が期待できる。さらに、年齢の出やすい首や手の甲などのシミやシワ効果、お尻のハリや潤いにも効果を発揮するとされ、幅広い悩みに対応できる施術法となっている。年齢と共に気になってくるシミやシワ、ハリのなさなど、悩みに応じた施術が可能となる「メソリフト」は、キレイを保ちたい人にとって心強い技術と言えるだろう。(画像はプレスリリースより)
2018年05月23日「48歳のときに脳梗塞、50歳目前で今度は乳がんが見つかって。思いもしない大病を患ったことが、生き方を見つめ直すきっかけでした」 こう語るのは、タレントの麻木久仁子(55)。乳がんの手術を受けたのは’12年のこと。それから5年がたった昨年10月、治療に一区切りついたことを発表した。がん罹患の2年前には、脳梗塞を発症していたことも明かしている。 麻木といえば、知性派のイメージと親しみやすいキャラクターを兼ね備え、これまでクイズやバラエティ番組で活躍してきた。加えて近年は、講演会を中心に、自身の闘病経験や検診の大切さを伝える活動を行い、予後について語る機会も多い。初の料理エッセイ本『ゆらいだら、薬膳』(光文社)では、毎日作りやすい薬膳レシピのほか、導き出した“生きやすい生き方”についても紹介している。 「もともと血圧は低い、コレステロール値も低い。健康にはそこそこ自信があったんです。特別、気をつかうこともなかった。それが大病を重ねたことで、食生活だけでも見直そうと思い始めて」(麻木・以下同) とりあえず料理教室にでも通うか、と考えているときに、偶然目に留まったのが「薬膳」の文字だった。 「薬膳って、薬という文字が入っているせいか、苦い、味は二の次、と思われがちだけれど、漢方薬とは違うわけで。むしろ折々で、本当に自分にふさわしい、本当においしい料理があるんだと知りました。私の薬膳の先生は、『おいしくなきゃ滋養にならないわよ』とおっしゃるくらい」 とはいえ、食材の入手が難しそう、細かいルールがありそう、専門の料理人が調理するもの、というイメージがまだまだ一般的に思える。 「それは、たとえるなら“F1ドライバーの薬膳”ですよね。一方で、普通免許証の薬膳もあるわけです。そもそも薬膳というのは食養生なので、ご飯を食べて体を健康にすることが目的でしょう?それが、高いお金を払って年に1回しか食べられないんだったら、体をつくれないじゃないですか。毎日食べなきゃ、身にならないもの」 がん治療を続けながら薬膳の世界にのめり込み、’16年には、国際薬膳師の資格を取得するまでに。現在はタレント活動のかたわら、クッキングセミナーにて薬膳講座の講師も務めている。 「私の乳がんの原因が何だったのか、本当のところは誰もわからない。遺伝子かもしれないし、それまで褒められた食生活じゃなかったから、食事の問題かもしれない。運動も嫌いだしね。でも、世の中には、たばこを吸わないのに肺がんになる人もいれば、健康の秘訣は喫煙だと話すご長寿さんもいる。だから、しょせん理不尽なんですよ。こういうものを食べていれば治るよ、と言う気はさらさらないけれど、でも、よりよく生きていこう、自分の人生を大事に生きていきたいという気持ちがあるなら、おいしいものをおいしく食べる、という選択肢は、誰にでも等しくあると思うんです。一回一回のご飯がおいしかったって思えることが、すごく大事なんじゃないのかなって」 薬膳には、食べてはいけない食材がないという。そして、〝体にいいもの〟は季節や体調によって変わる。 「『今日は寒かったかな』という日に、おかゆの中にしょうがを刻んで入れれば、それだけで薬膳。いつもの紅茶に、体を温めるみかんの皮を加えてみれば、それも薬膳。食材1個。ちょい足しでいいんです。つねに自分の体の状態を意識して、必要な食材をおいしくいただくことで、心身ともに調子のいい日が増えました。腹も立たなくなったし、くよくよしなくなったし、55代の今がいちばん健やかです」
2018年02月25日薄毛に対する有効な治療法とされる植毛ですが、一方で治療費が高額になるイメージもあります。実際に植毛を行うとした場合、どのくらいの値段になるのでしょうか。また、植毛はどのように行われるのか、副作用の心配はないのか、仮に手術を受けた場合に術後の日常生活にはどのような制約が出てくるのかといった植毛の疑問について解説します。そもそも、「植毛」と言っても1つの治療法だけではありません。まずは植毛の種類について簡単にご紹介します。植毛とは植毛は、文字通り薄毛の部分に髪の毛を移植する薄毛の治療です。植毛には2種類があります。自毛植毛人工毛植毛まずは、それぞれの特徴を簡単に解説しましょう。自毛植毛とは自毛植毛とは、自分の髪の毛を移植する植毛方法です。男性型の薄毛の場合、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなっても、側頭部や後頭部の毛髪は残っている傾向があります。その側頭部や後頭部の髪の毛を採取し、移植するのが自毛植毛です。移植する髪の毛は毛根から採取して移植するため、もともとの髪の毛と同じく伸びます。人工毛植毛とは人工毛植毛とは、人工的に作られた毛髪を薄毛の部分に移植する施術です。人工毛は合成繊維でできています。髪の毛が薄くなっている部分に希望の本数だけ人工毛の移植が可能です。増毛と植毛の違いとは植毛は自分の髪の毛もしくは人工の髪の毛を移植することで薄毛を改善する方法ですが、同じく薄毛を改善する方法として「増毛」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。増毛と植毛は、何が違うのでしょうか。増毛とは、育毛や発毛に近い治療と言えます。髪の毛の成長サイクルを正常な状態に近づけることで、薄毛となっている部分にある毛母細胞から新しい髪の毛が成長しやすくする治療です。植毛は外科的治療となりますが、増毛は塗り薬や飲み薬をメインに行われます。男性型脱毛症(AGA)は、進行すると毛母細胞が死滅してしまい、薬による治療が難しくなります。そのような場合でも可能な治療法が植毛なのです。自毛植毛と人工毛植毛のメリット・デメリット自毛植毛と人工毛植毛には、それぞれメリットもデメリットもあります。それぞれについて解説しましょう。自毛植毛自毛植毛のメリット・デメリットとして以下のことがあげられます。自毛植毛のメリット自分の組織を移植することから頭皮への悪影響が少ない、一度定着すれば普通の髪の毛と同じくまた生える可能性がある。自毛植毛のデメリットAGAの進行をおさえる治療は続ける必要がある、生えそろうまでにある程度の期間が必要となる(8〜10か月程度)。AGAの場合、自毛植毛を行って髪の毛が定着後であってもAGAの進行を抑えるため、薬による治療は継続する必要があります。しかし、もともと自分の組織であることから、身体が異物として認識して拒絶反応を起こすことは少ないと言えるでしょう。人工毛植毛次に、人工毛植毛のメリットとデメリットを解説します。人工毛植毛のメリットある程度長い毛を移植することから変化をすぐに実感できる人工毛植毛のデメリット人間の身体が人工毛を異物とみなして拒絶反応が起こる可能性が非常に高い(炎症や化膿の発生)、運良く拒絶反応をまぬがれても、経年劣化によるメンテナンスが必要な場合もあるなお、アメリカの「アメリカ食品医薬品局(FDA)」では、この人工毛そのものが「有害器具」に指定されており、多くの州で人工毛の使用が禁止されています。また、日本でも人工毛による治療は「日本皮膚科学会」が発表している「男性型脱毛症の診療ガイドライン」で「行わないよう勧められる」の意味のD評価となっています。植毛の治療法とは同じ自毛植毛の中でも、メスを使用する方法やメスを使用しない治療法など、いくつかの方法があります。どのような治療法があるかについて、簡単に解説します。自毛植毛自毛植毛は、以下の方法があります。FUSS法(ストリップ法)メスで頭皮を部分的に切り取り、細かい株にわけて薄毛部分に一つひとつ移植します。皮膚を大きく切ることから、術後の傷跡や1回の手術で移植できる株の数といった部分にデメリットがあります。FUE法移植する髪の毛を毛穴ごとにパンチを用いてくりぬき、移植する方法です。FUSS法より傷跡が小さく、痛みも軽減される傾向があるとされています。このほか、頭皮の一部を残して移植部分を切り取り、皮膚を縫い付けて移植する方法や、薄毛部分の頭皮を切り取って周囲の皮膚と縫い合わせる縮小術といった方法もあります。しかし、これらはほとんどの場合ごく小範囲の治療にしか適応できず、また身体への負担の大きさから減少傾向にあります。人工毛植毛人工毛植毛は、合成繊維でできた人工毛を体内に挿入する方法で、自毛植毛のような術式の違いはありません。なお、埋め込むだけとはいえ医療行為となります。植毛は失敗しないの?自毛植毛の場合、治療によって治療前よりも状態が悪化したという報告はなく、そういった意味での失敗はほぼ心配ないといわれています。ただし、移植した部分に髪の毛が生着せずに十分に見た目の変化を得られないという可能性はあります。これは、手術方法や医師の技術、アフターケアなどによっても異なります。一方、人工毛植毛の場合は、拒絶反応やアレルギー反応などによって炎症や化膿を起こす可能性が非常に高く、毛穴という毛穴が炎症と感染を起こし、頭皮全体がただれてしまった例などがあります。植毛の値段の相場とは植毛にかかる費用は、自毛植毛か人工毛植毛か、また、どのような術式で行われるかなどによって異なります。おおよその値段の相場をご紹介します。植毛は保険適用外植毛は、保険が適用されない自由診療の治療です。保険診療と自由診療の違いについて、簡単におさらいしましょう。保険診療とは、治療内容が同じであればどのクリニックでも値段が同じ治療です。また、患者の負担は治療費の3割負担が基本となっています。一方、自由診療は同じ治療内容や素材でも、クリニックが独自に費用を設定しています。また、治療費は全額、患者負担となります。そのため、自由診療のほうが患者の費用負担が大きくなりやすい傾向があります。自毛植毛にかかる値段とは自毛移植の費用は、基本的に「固定の基本費用」と「株数に応じた植毛費用」の合計で設定されています。ここで言う「株」とは、毛穴のことを指します。1つの毛穴からは1本だけ髪の毛が映えている場合もあれば、2本から4本ほど生えている毛穴もあります。そのため、1つの毛穴を1株とし、移植する株数に応じた金額が設定されているクリニックが多いようです。また、基本費用も術式によって異なるのが一般的です。移植する面積や株数によっては、値段の合計が100万円を大きく超える場合もあります。人工毛植毛にかかる値段とは人工毛植毛の場合、移植する本数によって値段を定めているクリニックが多いようです。そのため、費用に関しては一概に言えませんが、3000本の植毛では100万円を下回るくらいの費用設定をしているクリニックが多いようです。しかし、拒絶反応や感染のリスクの高さを考えると、安いから受けやすい治療とは一概には言い切れない可能性もあるので熟考が必要です。植毛による副作用人工毛植毛と比べれば安全性が高いと考えられる自毛植毛にも副作用が起きる可能性はあります。ここでは、主に自毛植毛で起きる可能性のある副作用を簡単にご紹介します。出血・痛み・かさぶた手術を行った翌日から2日目くらいまでに、まれににじむ程度の出血が見られることがあります。ほとんどの場合、ティッシュなどで数分間圧迫すれば出血は止まります。また、毛髪を採取した部分に軽いつっぱり感が出ることもあります。クリニックによっては、痛みが強いときに服用する鎮痛薬を処方してくれるでしょう。また、移植した部分にかさぶたができます。これは10日ほどで取れますが、かゆみを感じることがあってもゴシゴシとこすったり、かいたりしないよう気をつけましょう。おでこや目の周囲の腫れ手術による影響で術後5日目くらいまではおでこや目のまわりが少しむくんだように腫れる場合があります。ただし、1週間ほどで自然に改善することがほとんどです。ショックロス自毛植毛を行った患者の20%ほどに現れるといわれている副作用として、「ショックロス」というものがあります。ショックロスとは、主に手術の1か月後から2か月後くらいに現れる、植毛した部分の周囲にもともと生えていた毛が脱毛する現象のことです。弱っていた髪の毛にショックロスが出やすいものの、その程度には個人差があります。ショックロスが現れる原因は、植毛時の小さな傷や、植毛によって血流が変化することなどではないかといわれていますが、正確にはわかっていません。なお、植毛後の脱毛としては、移植した毛髪が生着せずに脱毛している場合と、毛髪の成長サイクルによって自然に抜け落ちる一時的脱落が考えられます。術後1日ほどで抜け落ちたものは生着しなかった髪の毛であり、治療後数日してから抜け落ちる場合は一時的脱毛である可能性が高いと考えられます。植毛後に日常生活で気をつけること植毛は、基本的に日帰りで行われます。植毛を行った当日以降、日常生活で気をつけたいポイントとして以下のものがあげられます。植毛当日は髪を洗わない植毛翌日以降も、移植した部分にシャワーを直接当てないようにしながらシャンプーをする頭皮への刺激が強いシャンプーを避ける頭皮を強くこすらない過度な運動は術後しばらく控える喫煙も術後しばらく控える植毛をしてから2週間ほどすれば、日常生活における制限はかなり少なくなるでしょう。ただし、移植した髪の生着率を高めるためにも、日常生活における注意点は担当医師に確認するようにしてください。まとめ植毛の値段はクリニックや選択する治療法、植毛する本数や面積などによって異なりますが、決して安いとは言えません。しかし、進行したAGAなどにも適用できることから、植毛は特にAGAの最終手段ともいえる治療です。薄毛の悩みが気になる場合は、選択肢のひとつとして考えるのもよいでしょう。植毛にかかる値段のほかにも、どのような術式を受けるか、どのくらいの面積に植毛を行うかなど、選択することは多くあります。薄毛の悩みに応えているクリニックの中には、無料のカウンセリングを行っているクリニックも多いため、悩んだ場合はクリニックで相談してみることをおすすめします。監修:小野 健太郎
2017年12月20日温泉利用型健康増進施設「神戸みなと温泉 蓮」(兵庫県神戸市)は12月7日、乳がんリハビリヨガインストラクターを講師に迎えて行う「乳がんリハビリヨガ ~乳がん経験者のためのヨガ~」を開催する。同イベントは、乳がんを経験した人を対象として行う1日限定のヨガレッスン。講師は、長年の看護師経験とその専門知識を生かし、乳がんリハビリヨガインストラクターとして活躍する天井紀代美氏が務める。60分のレッスン時間中、天井氏は乳がんを経験した人の心と体をゆっくりとていねいにサポートするという。レッスン後は、同施設の展望大浴場で入浴できる。この展望大浴場は通常宿泊者限定で利用できるものだが、今回は参加者限定で特別に貸し切りになるとのこと。時間は10時~12時15分(10時~11時がスタジオヨガ、11時15分~12時15分が展望大浴場での入浴)。料金は3,000円(税別)。定員は8名で、先着順に受け付ける。
2017年11月22日●乳がん検診を受けるための3パターン日本人女性に多くみられる乳がんを予防するため、日本では40歳以上の女性に対して2年に1度の乳がん検診が推奨されている。だが、毎日の仕事や家事・育児に追われて行く機会を逸したり、「痛そう」などの不安から検診を自粛したりする女性も少なくないだろう。それでも、定期的な検査によってリスクの芽を早めに摘み取れるのは自明の理。他の誰でもない自分の命に直結しかねない検診なので、その内容やメリット・デメリットをきちんと把握しておきたいところだ。今回は胸部・乳腺外科の法村尚子医師に「乳がん検診のいろは」についてうかがった。――一般的な乳がん検診ではどのような検査をするのでしょうか。乳がん検診を受けるには、主に「住民健診」「職場検診」「個人検診」の3通りの方法があります。住民健診は各自治体が住民を対象に実施する検診、職場検診は勤務先の健康保険組合または事業所(会社など)で行っている健康診断、個人検診は自分で自由に施設や検診内容を選んで受ける検診です。最も一般的である住民健診では、基本的に40歳以上の方に2年に1度のマンモグラフィによる検診を行っているところが多いです。マンモグラフィは乳房のレントゲン検査で、板で乳房をはさみ圧迫して撮影します。マンモグラフィ検査では、しこりとして触れることができる前の早期乳がんを発見できる可能性があります。以前は必須であった視触診ですが、早期の乳がんを発見できる可能性は低く、現在は任意となっています。基本的に乳がん検診ではマンモグラフィを行うことが多いですが、自治体や職場によってはエコー検査を追加しているところもあります。また検診内容を自由に決められる個人検診では、マンモグラフィとエコー検査の両方、またはどちらかを選べます。――若年での乳がん発病もリスクとして考えられますが、検診は希望すれば10代や20代でも検査可能なのでしょうか。個人検診であれば、年齢に関わらずどなたでも検査を受けられます。住民健診、職場検診では費用の補助があるのに対し全額自己負担ですが、検診内容や受けたい施設を自由に選ぶことができます。――マンモグラフィのメリット・デメリットを教えてください。メリットは「がんの疑いがある小さな石灰化も検出できるため、乳がんの早期発見につながる」という点ですね。逆にデメリットは「乳腺濃度の高いデンスブレストでは、しこりを見つけにくい」「微量ながら被爆がある」「乳房を圧迫するため、痛いこともある」などです。●日本人女性はマンモグラフィでは乳がんを見つけにくい!?――日本人女性にはデンスブレストの女性が多いと聞いたことがあります。デンスブレストについて詳しく教えてください。一般的に女性の乳房は、年齢が若い頃には乳腺が発達しており、年齢を重ねるととともに乳腺が脂肪に置き換わっていきます。マンモグラフィで撮影した乳房の構成は「脂肪性」「乳腺散在」「不均一高濃度」「高濃度」の4つに分類されます。乳腺が発達しているほどマンモグラフィでは白く写り、脂肪が多くなると黒く写ります。デンスブレストとは、乳腺が発達して白く写る高濃度乳腺のことです。マンモグラフィ撮影では乳腺も乳がんも白く写ります。脂肪性乳房で黒っぽく写っている中に白く写る乳がんを探すのは見つけやすいですが、デンスブレストでは全体が白く写っている乳房の中に白く写る乳がんを探すため、見つけにくいケースがあります。若い人の方が乳腺が発達している場合が多いですが、乳腺の量には個人差があります。また、アジア人にはデンスブレストが多いと言われています。――ではデンスブレストの場合、エコー検査をする重要性が増してくるということでしょうか。そうですね。エコー検査では乳腺は白く、大半の乳がんは黒く写ります。白い中に黒いものを見つけるので比較的発見しやすく、デンスブレストの方はマンモグラフィにエコー検査も加えると、より乳がんを見つけやすくなります。エコー検査には、乳腺濃度の高いデンスブレストでも乳がんを見つけやすいというメリットがある一方で、「小さな石灰化は見えない」「技師の技量で検査の精度が左右される」というデメリットもあります。このようにマンモグラフィとエコーには、どちらもメリット・デメリットがあるため、どちらの検査が優れているということはありません。「どちらも受けることで、より乳がんを見つけやすくなる」という認識を持ってもらえればと思います。※写真と本文は関係ありません○取材協力: 法村尚子(ノリムラ・ショウコ)胸部・乳腺外科2005年香川大学医学部医学科卒。現在、高松赤十字病院胸部・乳腺外科副部長。乳腺外科を中心に女性が安心して受けられる医療を提供。また、En女医会に所属し、ボランティア活動や各種メディアにて医療情報を発信している。資格乳腺専門医、外科専門医、がん治療認定医などEn女医会とは150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。
2017年10月26日●月経の期間が長い人は注意毎年10月は、乳がんの早期発見・早期治療を世界規模で啓発する「ピンクリボン月間」として広く知られている。国立がん研究センター がん対策情報センター がん情報サービス の最新がん統計「がんに罹患する確率~累積罹患リスク」(2013年データに基づく)によると、女性の11人に1人は乳がんに罹患するリスクがあるという。この数値は看過できるものではない。今回は乳がんの基本の「き」について学ぶべく、胸部・乳腺外科の法村尚子医師に乳がんの自覚症状や罹患しやすい人の特徴、治療法などについてうかがった。――まずは乳がん発病の仕組みと自覚症状を教えてもらえますか。乳房は主に「乳腺」と呼ばれる腺組織と脂肪組織から成り立っています。乳腺は乳汁を分泌する器官で周囲を脂肪が包んでいます。乳腺は乳房全体に張りめぐらされており、乳がんはこの乳腺に発生します。乳がんの自覚できる症状としては「乳房やわきの下に『しこり』を感じる」「乳房に『えくぼ』『ひきつれ』がある」「乳首からの赤い液(血液)がでる」「乳首がただれている」「乳房全体が赤く腫れたり、乳房に潰瘍ができたりして治らない」などがあります。ただし初期には自覚できる症状が乏しく、触れてわかるくらいの大きさになると、すでに進行している場合もあります。また、乳がんは痛みがないケースが多く、「しこりはあるけど痛くないから」などと放置しているとだんだんと進行してしまいます。症状がなくても検診を受けて、初期の乳がんを発見することが大切です。――国立がん研究センター がん対策情報センターによると、女性の生涯乳がん罹患率は9%と非常に高い数値になっていますが、乳がんになりやすい人の特徴はあるのでしょうか。多くの乳がんは、エストロゲンという女性ホルモンの影響で増殖します。そのため、長い間このエストロゲンの影響を受けている人は乳がんになりやすいと考えられます。月経時はエストロゲンにさらされるため、月経が長い期間におよぶと女性ホルモンの影響を受ける時間も増えることになります。■早い初経(特に11歳以下)■遅い閉経(特に55歳以上)■出産、授乳経験がない■閉経後に肥満になった■経口避妊薬を常用しているこれらの特徴を持つ人は乳がんになりやすいと言われており、女性の社会進出に伴い、出産の高齢化、少子化が進んだことも罹患率に影響しています。閉経後は、卵巣で作られるエストロゲンが減少し、代わりに体の脂肪組織でエストロゲンが作られるようになるため、閉経後の肥満はエストロゲンを増やすことになります。また、経口避妊薬にはエストロゲンと、同じく女性ホルモンのプロゲステロンが入っているため、長期間の服用は乳がんのリスクを高めます。一方で女性ホルモン以外の乳がん罹患リスクを高める危険因子や特徴は、以下の通りです。■遺伝(母、姉妹などの血のつながった家族に複数名乳がんになった人がいる、若くして乳がんになった人がいる)■糖尿病を患っている■アルコールを定期的に摂取している■喫煙しているアルコールやたばこを控え、運動して体重管理することが乳がん予防につながります。●乳がん治療の種類――危険因子のたばこや飲酒を控え、定期的な運動をすれば罹患リスクを低減させられそうですね。それでも罹患してしまった場合、どのような治療をするのでしょうか。治療方針を決めるためには、どんなタイプの乳がんかを診断することが重要です。「非浸潤がんなのか、浸潤がんなのか」「ホルモン受容体やHER2(細胞の増殖に関与するとされるたんぱく)の状況、がんの悪性度はどうなのか」「わきのリンパ節転移はあるのか」「ステージはどの段階なのか」などを診断します。さらに年齢などからみた全身状態や患者さん自身の治療に関する希望なども考慮して以下の治療を組み合わせ、方針を決めていきます。○手術療法乳がん治療の基本は手術です。標準術式は乳房温存術(乳房を部分的に切除する方法)と胸筋温存乳房切除術(乳房をすべて切除する方法)です。わきのリンパ節に転移がある場合は、リンパ節を一緒に取る必要があります。乳房再建術は患者さんの体の一部(腹部、背中)を移植する方法や、シリコン製の人工乳房を挿入する方法があり、保険適応にもなっています。○内分泌療法(ホルモン療法)乳がんの細胞内に「ホルモンを取り入れる受け皿」であるホルモン受容体(エストロゲン受容体)を持っている場合はホルモン剤を投与します。ホルモン剤によってエストロゲンをさえぎり、取り入れられないようにしてがんの増殖を抑えます。主に飲み薬による治療です。○化学療法(抗がん剤治療)手術の前に腫瘍を小さくしたり、手術の後に再発率・死亡率を低下させたりするために行います。薬をいくつか組み合わせて使用し、点滴で行うことが多いです。また、転移のある乳がんでは、進行を抑えることで延命効果を得たり、症状を緩和させたりします。○分子標的治療抗がん剤はがん細胞も正常細胞も無差別に攻撃しますが、 分子標的薬はがん細胞に的を絞って攻撃します。そのため、抗がん剤に比べ副作用が少ないです。近年の分子標的治療薬の進歩はめざましく、予後が悪いとされていたタイプの乳がんも予後の改善が期待できるようになりました。○放射線療法手術後の乳房に放射線を照射して、がん細胞をたたきます。乳房温存術の方は基本的に全員、乳房切除術の方も一部の方は必要です。――治療にも非常に多くの選択肢があるのですね。治療をするにあたり、がんの転移や再発、生存率は患者にとって非常に気になる要素だと思いますが、乳がんのケースではどのようになっているのでしょうか。最初に言葉の意味をきちんと把握しておきましょう。転移とは、がん細胞がリンパ液や血液の流れにのって別の臓器に移動して骨や肺、肝臓、脳などの乳房から離れた場所に発生することです。再発とは、乳がんの治療を始めた際、すでに目に見えないくらい小さな転移という形で潜んでいたものが、再発を予防するための術後の治療もすり抜けて(生き延びて)、何年か後にそれが目にみえるぐらいに大きくなってみつかることを意味します。乳がんの再発は手術後2~3年以内に起こることが多いですが、10年後や20年後に現れるケースもあります。再発の時期は最初の乳がんの進行度のみでなく、乳がんのタイプによっても大きく異なります。転移再発乳がんは「完全な治癒」が困難であり、抗がん剤などの治療を行っても10年生存率は5%程度です。治療の目的は、がんと共存し生活の質(QOL)を改善して長生きすることとなります。腫瘍の特性(ER,PgR,HER2など)やどこの臓器に転移しているか、再発までの期間、今までの治療歴、症状、患者さんの希望などをもとに治療法を決定します。最後になりましたが、乳がんは定期的に自分の胸を鏡でチェックしたり、触ったりすることで早期発見につなげられる可能性があります。少しでも違和感を覚えたら、病院を訪れるようにしてみてください。※写真と本文は関係ありません○取材協力: 法村尚子(ノリムラ・ショウコ)胸部・乳腺外科2005年香川大学医学部医学科卒。現在、高松赤十字病院胸部・乳腺外科副部長。乳腺外科を中心に女性が安心して受けられる医療を提供。また、En女医会に所属し、ボランティア活動や各種メディアにて医療情報を発信している。資格乳腺専門医、外科専門医、がん治療認定医などEn女医会とは150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。
2017年10月24日