明治大学法学部から映画の道へ、助監督を経て31歳のときに分岐点を迎え、以来映画監督として数々の作品を撮ってきた篠原哲雄さん。最新作の『起終点駅 ターミナル』を11月7日に公開した監督に、その仕事論について伺った。――篠原監督は、大学時代は法学部専攻で、卒論は映画論だったとお聞きしました本当に私的な映画論でした。僕は法学部と言っても、専攻していたのが法文化論、法社会学だったので、法の周縁にあるもの、文化的な側面すべてをひっくるめて論文の対象にできたということもあり、あえて「極私的映画論」を書きました。担当教授の栗本慎一郎氏に映画で論文を書きたいと相談したら、映画の為の映画論ではなく、社会の為の映画なら書く意味があるかもと言われましたが、書いているうちに自分にとって何故映画なのかということを問いながら書いてしまった。個人的こだわりこそが普遍的なものにつながることを願いながらでしょうか。――実際には、どんな論文だったんですか?屁理屈こいてたんじゃないですか(笑)。当時の僕は、助監督をやったり、自主制作をかじったりしていました。でも、映画に目覚めるのは遅かったんですね。10代後半に面白いなと思い始めたので。だから、映画の為の映画論には興味がなかったので、自分がなぜ映画をやっていきたいかとか、自分で作った自主映画について、なぜこんな映画を作ったのか、ひょっとしたら世間には簡単に受け入れられないけど、そこにこそオリジナリティがあるのでは? という問いかけがあり、社会に対するアピールにもならないかと自問自答しながら書いていたと思います。でも映画っていうのは、光とか音とか構成要素があって、それによってできている。もし原作があったとしても、演出の仕方や、役者の表現によって、変わっていきます。だから、「映画というのは、人間を表現できる媒体だ」ということを、最終的には言っていたように思います。――映画というと、テレビで二時間のドラマを見るのと、映画館で二時間を過ごすのとは、違う感覚があるのですが、それは何なのかということも気になります映画は映画館に観客を縛るものだけど、テレビは途中退場してその間見ていなくても、すぐにその世界に戻れるようなところがないといけないかもしれません。映画は、ほかのことをすべて忘れて集中する時間を与えてあげないといけないと思うので、そこは意識してやっているつもりではあります。それが成功しているかは、観客の人が判断するんですけど。最新作の『起終点駅 ターミナル』でも、佐藤浩市さん演じる鷲田完治という男が法では裁けない罪を背負い自分に罰を与えながら、北海道の果ての地、釧路にやってきて、静かに密かに生きていく。25年の年月を経て本田翼演じる敦子という女性と出会い、彼は自分の過去を想起することになる。そして敦子の人生の痛みを知り事となり、敦子は完治によって彼女の起点へと導かれていく。そして完治も変わっていく。すなわち終点駅から起点として出発していく様をどう描くかがテーマでした。○監督の判断がすべてを左右していく――大学時代に、助監督と自主制作をしたというのは、どういう経緯だったんですか?僕らの時代ですと、プロになるためには、ぴあフィルムフェスティバルに応募して受賞する道がポピュラーになりつつありましたが、一方で、助監督という経験を積んで監督になる道もありました。僕の場合は、学生時代に映画サークルに入っていたわけでもないし、映画を基礎から学んだこともなかったので、修行が必要だと思ったんです。それで、あるシナリオスクールで出会った人が、実際に助監督をされていたので、その人にお願いして自分も助監督になったんです。その出会いがひとつの運命ですね。――助監督というのはどんなことをしていたんですか?最初は見習い助監督だったので、半分は衣装部だったり、小道具もやったりしていました。だから、エキストラに演技をつけたりしていると、照明さんに「なんで演技をつけてるんだ?」と聞かれて、「いや僕、助監督なんですよ」なんてやりとりをしたりもしていました。でも、この助監督の経験があったことで、映画というのは技術に基づいて作っていくもので、自分の観念だけではどうすることもできない、総合的な芸術なんだとわかりました。それに、監督というのは、ひとつひとつをジャッジする存在です。監督の判断が間違えば、その映画は間違っていくと思うし。助監督をしながらも、映画監督になるためには、自分なりのアプローチを磨いていかないといけないといけないなと思っていました。――そして、助監督から映画監督になるわけですが、その決断をするときに、戸惑いはありませんでしたか?助監督でそれなりに仕事ができる人は、仕事が途切れなくなるから、自分でそろそろつくるべきだという決断をしなければと思っていました。僕は自主映画として撮った『草の上の仕事』という作品がある映画祭で評価されたので、ここをひとつのステップにしようという気持ちが芽生えました。そのころ、助監督時代の先輩が新作を撮るということで、助監督をしてくれないかと頼まれたんですけど「モントリオール映画祭に行くのですみません」と断ったら、それが一つの宣言になった。あいつはもう助監督をやらないんだという認識になったんですね。31歳のときのことでしたけど、それが分岐点になりました。――それからは、自分の映画で生きていかないといけないわけですね映画会社に企画を持ち込んで、いいところまでいったのですが、それは実現せず、その代わりに別の企画を打診されました。それが『月とキャベツ』という作品になっていくのですね。『草の上の仕事』からだいたい三年経っていたんですが、その間も大変でしたけど、何かきっかけはあるだろうと、怖いもの知らずなところはあったかもしれないですね。○人の評価を受けて自分も変わっていくもの――監督は、『月とキャベツ』のようなスタイルの作品を自分が撮ると考えていましたか?僕はもともとロバート・デニーロの『タクシードライバー』が好きだったんで、ハードな社会的なメッセージの強い作品が好みだったんですね。でも、最初の作品のイメージというのはその後も影響しますよね。ファンタジックなラブストーリーが得意というイメージがついていきました。その後も『はつ恋』とか『天国の本屋』とか、人間の小さな機微を大切にする作品をふられることが多くなってきて、そんな作品をやっていくうちに、そういうスタイルの作品が自分の領域だったのではないかと思えてきたんですよ。でも、『タクシードライバー』も、ひとりの人間が事件に遭遇して、正義を見出していく物語です。その間に女の子を助けることになったりして。考えてみると、一番新しい『起終点駅 ターミナル』と言う映画も、釧路で鬱屈して生きている佐藤浩市さん演じるひとりの男が、本田翼さん演じる女性に出会う。人間のくすぶりを開放していく物語を、アクティブに描くか、内省的に描くかの違いであって、この二作品ってけっこう根本は同じなんだなと。大学時代の論文の、「映画というのは、人間を表現できる媒体だ」ということと、つながっているんじゃないかと思いました。――お話を伺っていると、作家性というものができていく過程が見えた気がしますねそうですね。作家性というものも、自分自身で決めていくのではなく、人がどう評価するか、観客がどう受け入れたかで変わっていくもので、それがあるから、今の僕がいるんだなと。いろんなことを経験した延長線上で、新たな映画も存在していくんだと思いますね。『起終点駅 ターミナル』■出演:佐藤浩市 本田翼中村獅童 和田正人 音尾琢真 泉谷しげる 尾野真千子■原作:桜木紫乃「起終点駅ターミナル」(小学館刊)■脚本:長谷川康夫■監督:篠原哲雄■主題歌/「ターミナル」My Little Lover(TOYSFACTORY)■配給:東映(C) 2015桜木紫乃・小学館/「起終点駅 ターミナル」製作委員会11月7日(土)全国ロードショー西森路代ライター。地方のOLを経て上京。派遣社員、編集プロダクション勤務を経てフリーに。香港、台湾、韓国、日本などアジアのエンターテイメントと、女性の生き方について執筆中。現在、TBS RADIO「文化系トーラジオLIFE」にも出演中。著書に『K-POPがアジアを制覇する』(原書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。
2015年11月09日映画『起終点駅 ターミナル』が11月7日(土)に公開を迎え、佐藤浩市、本田翼、尾野真千子らが舞台挨拶に登壇。本田さんがサプライズで、劇中にも登場するザンギ(=唐揚げ)を佐藤さんのためにふるまった。直木賞作家・桜木紫乃の人気小説の映画化。ある事件を胸に、自らを罰するかのように北の大地にその身を留め置く男と、彼に大きく運命を変えられてしまう2人の女性のドラマを描く。佐藤さんは、映画を見終えたばかりの観客を前に「セリフうは多くないですが、演者の表情や居ずまい、監督が心象を切り取ったカットの中で、思いを推し量っていただきたい映画です」と呼びかける。映画後半の法廷でのシーンでは、当初は撮影初日に、時系列を無視してまとめて撮影する予定だったが、佐藤さんは本田さんのために、プロデューサーにそのシーンを最後に撮影することを提案ししたという。佐藤さんはこれについて「さすがに初日での撮影はかわいそう。偉そうですが、できれば北海道ロケが終わったからにしてもらえないかと僭越ながら提案しました」と振り返る。本田さんは、この佐藤さんの気遣いについて「優しさを感じました!」と感激しつつ「最終日になったことで逆に、ここでいいお芝居ができないと、佐藤さんに顔向けできない!」とプレッシャーも感じたと述懐。これに佐藤さんが「ということは、いいお芝居したということ(笑)?」とまぜっかえすと、本田さんは困惑しつつも「多分…(苦笑)」と照れながらもうなずいていた。また、尾野さんと佐藤さんは、本格的な共演は本作が初めてとなったが、こちらはこちらで2人でのシーンの初日に、いきなりラブシーンがあったという。尾野さんは「ちょっと気マズイ!」と本音を吐露。佐藤さんは「会って、いきなり『おはようございます。じゃあ…』という感じで…本当に恥ずかしかったです。ラブシーンは何とも言えず苦手でして…」と百戦錬磨の名優らしからぬ一面をのぞかせていた。映画の中で、佐藤さん演じる完治がザンギ(=北海道のから揚げ)を調理するシーンがあり、その時、実際に佐藤さんの手作りザンギを食べた本田さんが、この日はお返しにとサプライズで料理!佐藤さんは当初、本田さんが自分で料理したということ自体を疑っていたようだが、調理中の写真を見せられて納得。さらに、隠し味として肉を塩麹につけて、二度揚げしたというザンギを食べると「おいしい!冷めててこれだけおいしいのは、二度揚げのたまものですね!」と絶賛し本田さんもホッとした様子だった。佐藤さんは“起終点駅”というタイトルに触れつつ、35年前にこの日の会場と同じ映画館(丸の内Toei)でデビュー作『青春の門』の舞台挨拶を行なったことを述懐。「あの時は菅原文太さんや松坂慶子さんがいらっしゃって、自分は末席にチョコンといました」と時の流れにしみじみと思いをはせつつ「まだまだこれからも映画に携わっていきたい」と力強く語り、会場は温かい拍手に包まれた。『起終点駅 ターミナル』は公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年11月07日俳優の生田斗真が11月7日(土)、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われた主演作『グラスホッパー』(原作:伊坂幸太郎)の初日舞台挨拶に、共演する浅野忠信、山田涼介、麻生久美子、菜々緒、村上淳、佐津川愛美、瀧本智行監督とともに登壇した。同日、有楽町エリアでは本作に加えて、西島秀俊主演の『劇場版 MOZU』、佐藤浩市主演の『起終点駅 ターミナル』の初日舞台挨拶も実施されており、生田さんは「たくさんの映画の中から選んでいただき、ありがとうございます」とファンに感謝の意。「40代代表の西島さん、50代代表の佐藤さんと同じように、僕が30代を代表する俳優として、ここに立たせてもらえているならうれしい」と同日公開される作品にも言及し、ライバルに塩をおくった。ハロウィンの夜、渋谷で発生した交通事故で恋人を失った鈴木(生田さん)は、事故が意図的に仕組まれたものだと知り、復讐のため裏社会の組織に潜入するが…。生田さんが瀧本智行監督とタッグを組むのは『脳男』以来。人の意識を暗黒に導く力を宿す「自殺専門」の殺し屋・鯨(浅野さん)や、鯨を追う驚異的な身体能力を持った殺し屋・蝉(山田さん)ら個性的なキャラクターが勢ぞろいしている。この日は何も聞かされていない生田さんがたった1人でステージに登場。その様子をひと足先に会場入りした浅野さんら他の登壇者が、客席から見守るというサプライズ演出が行われ、まんまとだまされた生田さんは思わず苦笑い…。「リアクションがめちゃくちゃ面白い!」(浅野さん)、「先輩がちょっと平静を保とうとした顔が見れて…」(山田さん)、「ちょっと、あとで楽屋来い!」(生田さん)と丁々発止のやりとりで、会場を盛り上げた。『グラスホッパー』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:グラスホッパー 2015年11月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015「グラスホッパー」製作委員会
2015年11月07日佐藤浩市と本田翼が初共演を果たすことで話題の映画『起終点駅 ターミナル』。今週の公開を目前に控え、主人公・完治のかつての恋人、冴子を演じる尾野真千子からコメントが届いた。「ホテルローヤル」にて「第149回直木賞」を受賞し話題を集めた北海道在住の作家、桜木紫乃の同名最高傑作小説が、桜木作品初の映画化となった本作。愛する女性の死をきっかけに、北海道は釧路で25年間自らを罰するかのように全てを捨て生きてきた国選弁護人・鷲田完治(佐藤浩市)。完治は、家族から見放された孤独な椎名敦子(本田翼)の弁護を担当したことから、孤独を分かち合い、お互いが新たな一歩を踏み出していく姿を描いた感動のヒューマンドラマ。今回主人公・完治のかつての恋人役・冴子を演じている、連続テレビ小説「カーネーション」をはじめ、『殯の森』や『そして父になる』など映画に出演し、美しさだけではなく、その高い演技力で人気を集める実力派女優・尾野さんが、本作では儚さを感じさせる難しい役柄でありながら、彼女自身の魅力と重ねあわせ、女性としての美しさを見事に表現している。冴子は、完治の学生時代の恋人。共に暮らしていたものの、完治の司法試験合格と同時に姿を消してしまう。10年の時を経て、北海道の地で裁判官と被告人として再会し、逢瀬を重ねる2人。しかし、完治が冴子と共に新しい生活を歩もうと、旅立とうとしたしたその日に、彼女は目の前で自ら命を絶ってしまうのだ。そんな難しい役どころを演じた尾野さんは、「台本を読んだときに、分かりやすいものが多い世の中で、そうではない色々なことを考えさせてくれて、これが本来の映画だなと思い出させてくれてすごく嬉しかったです」とふり返り、本作に参加できた喜びを語った。また、「初めて脚本を読んだときに、心から演じることができそうだなと感じました。冴子という人物は孤独だったのか、幸せだったんだろうか…などと色々なことを考えながら演じていました。佐藤浩市さんと演じるのもわくわくしていましたし、終わってみてあらためて心からにじみ出るような芝居ができたなと、私の中に風が吹いた感じがしました」と明かし、難しい想いを抱える役柄でありながら、冴子を深く理解し、本作でも素晴らしい演技を魅せている。『起終点駅 ターミナル』は11月7日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年11月06日俳優・佐藤浩市と女優・本田翼が初共演する映画『起終点駅 ターミナル』が7日に全国公開されることに先駆け、冒頭18分の本編映像がYouTubeとFacebookにアップされた(7日23:59までの期間限定)。原作は、直木賞作家・桜木紫乃氏が2012年に発表した短編集の同名表題作。人生の終わりに向かっていたはずの男と女が北海道・釧路で出会い、孤独を分かち合いながら再びそれぞれの人生を歩みはじめる姿を描く。『はつ恋』(2000年)や『深呼吸の必要』(2004年)などで知られる篠原哲雄監督がメガホンを取り、第28回東京国際映画祭ではクロージング作品に選ばれた。司法では罰せられぬ罪を背負い、すべてを捨てて生きることを選んだ弁護士・鷲田完治を佐藤、完治と出会ったことで新たな希望を見いだしていく椎名敦子を本田が演じる。冒頭18分で明かされるのは、完治が自ら罰する理由となる切なくも鮮烈な過去。完治は、学生時代に生活を共にしながら突然姿を消した篠田冴子(尾野真千子)と10年ぶりに再会し、妻子ある身でありながら冴子と再び交際することを決意するが、その旅立ちの時の悲劇で運命が暗転する。25年前に完治が犯した罪とは。釧路の街に流れ着き、息を潜めるように生きることを選んだ理由、そして、完治と敦子の物語が生まれるための重く痛々しい過去が今回の映像で浮かび上がる。(C)2015 桜木紫乃・小学館/「起終点駅 ターミナル」製作委員会
2015年11月03日日本を代表する実力派・佐藤浩市と先の月9ドラマ「恋仲」でもその魅力を見せつけた本田翼が初共演する映画『起終点駅 ターミナル』。このほど、11月7日(土)に迫った公開を前に、これまで明らかにされていなかった佐藤さん演じる主人公と尾野真千子演じる女性との“過去”が明らかになる18分間もの冒頭映像が、限定5日間、公式Youtubeおよび公式Faecbookにて解禁されることが分かった。司法では罰せられぬ罪を背負い、すべてを捨てて生きることを選んだ弁護士・鷲田完治(佐藤さん)。完治と出会い、ふれ合いの中で、新たな人生への希望を見出していく椎名敦子(本田さん)。本作は、果ての街・釧路で人生の終わりへと向かっていたはずの男と女が出会い、孤独を分かち合い、そして再びそれぞれの人生の一歩を歩きはじめる感動の物語。今回、解禁となった異例ともいえる18分にも及ぶ冒頭映像では、これまでの予告編映像や会見などでは触れられてこなかった、佐藤さん演じる完治が自らを罰する理由となる、尾野さんとの切なくも、壮絶な過去の出来事が描かれている。学生時代、完治と生活を共にしながら、突然姿を消した篠田冴子(尾野さん)。10年のときを経て、彼らは北海道で運命の再会を果たす。妻子ある身でありながら、完治は冴子と再び逢瀬を重ねるようになり、彼女との新たな生活を決意。しかし、その旅立ちのときに冴子は…。25年前、完治が犯した罪とは何なのか。なぜ彼は、釧路の街に流れ着き、息を潜めるように生きることを選んだのか。やがて、完治と、本田さん演じる敦子の物語が生まれるための重く、痛々しい過去が、いま、明らかにされる。『起終点駅 ターミナル』は11月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月03日「第28回東京国際映画祭」が10月31日(土)に閉幕を迎え、クロージング作品『起終点駅 ターミナル』の佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、篠原哲雄監督がクロージングセレモニーの最後に舞台挨拶に臨んだ。直木賞作家・桜木紫乃の小説の映画化で、法では償えない“罪”を背負い、自らに罰を課した男と、そんな彼に人生を変えられた2人の女のドラマが、雪深い北の街で紡ぎ出される。グランプリの結果発表を含む授賞式直後の登壇となったが、佐藤さんは「おめでとうございます」と受賞者たちを祝福。自身、東京国際映画祭への参加は6回目となり、特に第18回東京国際映画祭に『雪に願うこと』で参加した際は、作品は最高賞のグランプリを含む4冠に輝き、自らも最優秀主演男優賞を受賞した。佐藤さんは改めて映画祭への参加について「参加するたびに映画祭が華やかになっていくのを感じます。映画が話題の中心にあり、その輪が大きくなっていくことほど嬉しいことはありません。今回、日本映画らしい映画を持ってこれて、光栄に思います」と語った。佐藤さん演じる完治によって、人生を大きく左右される女性を演じた本田さんと尾野さん。佐藤さんとの共演について本田さんは「ほとんど2人での芝居で毎日緊張しましたが、浩市さんの仕事への姿勢を目の前で見られて充実の日々でした」と述懐。尾野さんは「映画と同じように、人生を変えていただいたのではないかと思います(笑)」と意味深に(?)語っていた。また、完治という男性についての個人的な見解を尋ねると本田さんは「静かに物事を捉え、ただひとつ、料理に熱中してますが、ひとつのことに集中する姿はステキです」と語る。尾野さんは「ひとりの人を長く想う、そういう男性が世の中には多いのではないでしょうか?私の周りには多いです」とニッコリ。演じた佐藤さん自身は会場を見渡し「ここにいる男性の全員が、男の愚かさ、優しさのはき違えがどういうところにあるか、(本作を見て)分かってもらえると思います」と“男”の目線で語っていた。篠原監督は海外のメディア、映画人を含め、これから映画を見る観客へのメッセージを求められ「人はもう一度、生き直すことができるということをしみじみと描いたつもりです」と呼びかけた。『起終点駅 ターミナル』は年11月7日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年11月01日第28回東京国際映画祭の最終日となった31日、東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにてクロージング作品『起終点駅 ターミナル』の舞台挨拶が行われ、佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、篠原哲雄監督が登壇した。桜木紫乃氏の同名小説を原作とする『起終点駅 ターミナル』は、北海道・釧路を舞台に、人生の終わりへと向かっていたはずの男女が、再び新たな人生へと踏み出す物語。主演の佐藤は「日本的な日本映画らしい日本映画をもって来られて光栄」と語り、6回目の参加となる同映画祭について「そのたびに華やかになっていく。人が集って映画を語り合い、見てくれるという輪が大きくなってくると実感する…これぐらいうれしいことはありません」と喜んだ。そして、「男の愚かさと優しさのはき違えを重々わかっていただけると思います。罪というのは必ず自分の心の中にあり、人はそれをどう抱えて生きるんだろうと考えながら演じました」と伝えた。本田は「原作と自分の設定がちがったので、自分がどういう風にすればいいかを考えました」と説明。「浩市さんの仕事に対する姿勢などを目の前で見ることができ、充実した日々でした」と撮影を振り返り、佐藤演じる主人公の鷲田完治について「完治さんという人は、ただひとつ料理に熱中している。一つのことに集中できる方はすてき」と語った。結婚後初の公の場となった尾野は「久しぶりにたくさんのフラッシュを浴びて、今とても緊張しています」と言うも、「とてもいい作品に出会えたこと、この作品でこの場に立てることを幸せに思っています」と笑顔。佐藤との共演について「この映画の通り、人生を変えていただいたのではないかと思います」と感謝し、完治のような男性の印象を聞かれると「一人の人を長く思う、そういう男性がこの世の中多いのではないかと。私の周りでは多いです」と幸せそうに話した。
2015年11月01日第28回東京国際映画祭は10月31日に、メイン会場であるTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われたクロージングセレモニーで各賞を発表し、閉幕した。コンペティション部門ではブラジル映画『ニーゼ』(ホベルト・ベリネール監督)が最高賞にあたる東京グランプリを受賞。出演者のグロリア・ピレスが最優秀女優賞を獲得し、2冠を達成した。今年は『残穢〈ざんえ〉-住んではいけない部屋-』『FOUJITA』『さようなら』の日本映画3本がコンペティション部門に出品されたが、いずれも受賞は逃した。受賞式の模様/受賞作品『ニーゼ』は非人道的なショック療法が横行する精神病院に着任した女医のニーゼが、男社会の厚い壁を前に、ユング理論を実践した芸術療法で改革を進めようとする姿を描いた、実在のヒューマンドラマ。ドキュメンタリー作家として知られ、本作が2本目の劇映画となったベリネール監督は、「脚本の執筆を含めると、完成までに13年もの歳月がかかりました。主人公のニーゼという偉大な革命家は、あまり知られておらず、それだけに彼女の存在を世に知らしめることが私の責務でした」とトロフィーを手に、感無量の面持ちだった。コンペティション部門の審査委員長を務めたブライアン・シンガー監督は、「実話であれ、フィクションであれ、観客が『これは本物だ』と思えることが大切。『ニーゼ』もそんな作品であり、生きる上での寂しさやユーモア、そして勝利を描いている。満場一致で決まった」と選出理由を説明。また、ニーゼ役で最優秀女優賞に輝いたクロリア・ペレスについては、「審議を始めて、5分で決まった」と明かした。ペレスは子役から40年以上のキャリアを誇る、ブラジルを代表する女優のひとり。クロージングセレモニーでは各賞の発表に加えて、今年新設された『ARIGATO(ありがとう)賞』授賞式が行われ、映画界への目覚ましい貢献者として樹木希林、日野晃博、広瀬すず、細田守、リリー・フランキーが同賞を受賞。クロージング作品として、佐藤浩市と本田翼が共演する『起終点駅 ターミナル』(篠原哲雄監督)が公式上映された。第28回東京国際映画祭の主な受賞結東京グランプリ:『ニーゼ』(ホベルト・ベリネール監督)最優秀監督賞:ムスタファ・カラ監督(『カランダールの雪』)審査員特別賞:『スリー・オブ・アス』(ケイロン監督)最優秀女優賞:グロリア・ピレス(『ニーゼ』)最優秀男優賞:ローラン・モラー&ルイス・ホフマン(『地雷と少年兵』)最優秀芸術貢献賞:『家族の映画』(オルモ・オメルズ監督)観客賞:『神様の思し召し』(エドアルド・ファルコーネ監督)WOWOW賞:『カランダールの雪』(ムスタファ・カラ監督)アジアの未来作品賞:『孤島の葬列』(監督:ピムパカー・トーウィラ監督)日本映画スプラッシュ作品賞:『ケンとカズ』(小路紘史監督)取材・文・写真:内田 涼
2015年10月31日第28回東京国際映画祭(TIFF)が22日、開幕した。東京・六本木ヒルズアリーナで行われたレッドカーペットには、上映作品の監督・出演者をはじめとする約440人のゲストが登場し、華やかな幕開けとなった。先陣を切ったのは、フェスティバルナビゲーターを務めるモデルの季葉とラジオDJ・翻訳家の野村雅夫。ステージに登壇し、ロボットのPepperと共に「第28回東京国際映画祭レッドカーペット、スタート!」と開幕を宣言した。その後、続々と豪華ゲストが登場し、『シーズンズ2万年の地球旅行』からは、日本版ナレーターを務める木村文乃、笑福亭鶴瓶、ジャック・クルーゾ監督が参加し、『劇場版 媚空ーびくうー』からは、秋元才加、須賀健太らが参加。『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』のPefumeが現れると、ひと際大きな歓声が沸き起こり、『劇場霊』で主演を務めたAKB48の島崎遥香にも、「ぱるる~!」という熱い声援が送られた。コンペティション部門に出品される日本映画3作品の監督・出演者も集結。『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』の竹内結子、橋本愛、中村義洋監督、『FOUJITA』のオダギリジョー、中谷美紀、小栗康平監督ら、『さようなら』の深田晃司監督、ブライアリー・ロング、新井浩文らが参加した。また、『の・ようなもの のようなもの』からは、松山ケンイチ、北川景子らが登場。北川は、背中がセクシーな黒いドレス姿を披露し、「景子ちゃん!」「北川さん!」と熱烈な声援を送るファンに近づき、気軽にサインをして喜ばせた。終盤では、クロージング作品の『起終点駅 ターミナル』から、佐藤浩市、本田翼、篠原哲雄監督が登場。本田はあでやかな着物姿を披露し、タキシード姿の佐藤浩市にエスコートされて歩いた。『映画 Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!』からは、声優陣やキュアフローラ、キュアマーメイド、キュアトゥインクル、キュアスカーレットとともに、主題歌を歌うEvery Little Thingが登場。特集上映「ガンダムとその世界」からは、富野由悠季総監督をはじめ、古谷徹、池田秀一、潘めぐみ、主題歌を担当するGACKTらがそろった。海外からも多数のゲストが参加し、オスカー女優のヒラリー・スワンクとヘレン・ミレンが圧倒的な存在感を披露。『サヨナラの代わりに』に出演するヒラリー・スワンクは白いロングドレス、『黄金のアデーレ 名画の帰還』のヘレン・ミレンは華やかなピンクのドレスでカーペットを歩き、日本のファンの声援に笑顔を振りまいた。第28回東京国際映画祭は、10月22日~31日の10日間にわたって開催。従来の六本木を中心に、今年は新宿にもエリアを広げて展開する。上映本数は205本(昨年:200本)で、オープニング作品は『ザ・ウォーク』、クロージング作品は『起終点駅 ターミナル』。出演者による舞台あいさつなどイベントも連日行われる。撮影:蔦野裕
2015年10月23日第28回東京国際映画祭(TIFF)が22日に開幕し、東京・六本木ヒルズアリーナで15時よりレッドカーペットがスタートした。はじめに、高性能ロボットのPepperが登場し、「東京国際映画祭のレッドカーペットへようこそ! 日本が世界に誇る高性能ロボットペッパーと申します」とあいさつ。フェスティバルナビゲーターを務めるモデルの季葉と、ラジオDJ・翻訳家の野村雅夫を迎え入れ、3人で協力して「第28回東京国際映画祭レッドカーペット、スタート!」と開幕を宣言した。第28回東京国際映画祭は、10月22日~31日の10日間にわたって開催。従来の六本木を中心に、今年は新宿にもエリアを広げて展開する。上映本数は205本(昨年:200本)、オープニング作品は『ザ・ウォーク』、クロージング作品は『起終点駅 ターミナル』。出演者による舞台あいさつのほか、今年で2回目の開催となる「歌舞伎座スペシャルナイト」や、日本を代表するシェフたちによる特別メニューが味わえる食の祭典「東京映画食堂」、映画を愛するミュージシャンが集結する音楽イベント「CINEMA MUSIC JAM」など、連日イベントも行われる。レッドカーペットには、上映作品の監督・出演者が続々と登場。映画祭の顔となるコンペティション部門に出品される『残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―』の竹内結子、橋本愛、『FOUJITA』のオダギリジョー、中谷美紀、『さようなら』の深田晃司監督、ブライアリー・ロング、また、『WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』のPerfume、『劇場霊』の島崎遥香、『起終点駅 ターミナル』の佐藤浩市、本田翼らが登場する。
2015年10月22日彼氏・彼女に求める条件は人それぞれ。優しさ、面白さなど内面を重視する人もいれば、ズバリ外見を気にする人もいるでしょう。そこで今回は、ルックスの良さを判断する基準「顔面偏差値」について、一般の男女にアンケートを実施。「付き合いたい異性の顔面偏差値は?」「芸能人で言うと誰にあたりますか?」と質問したところ、こんな結果になりました。≪やっぱり美男美女が好き!≫まずはビジュアルを重視する方々の意見から。ドラマや映画で活躍する俳優さん、女優さんの名前が挙りました。こんな恋人がいたら、友達にも自慢できちゃいそう!?◆「偏差値80。国公立大医学部レベルかな(笑)。速水もこみちさん・玉木宏さん。見てるだけで十分お腹いっぱいになって幸せな気分になれる」(40代 女性)◆「偏差値60。広瀬すずです。清楚だけどしっかり意思を持っている人が良いと思います」(20代 男性)◆「偏差値75。鈴木亮平さんは役にもよりますがとてもカッコイイと思います。身長も高いし守ってくれそうな感じがたまらないです。友達全員に自慢しまくります」(30代 女性)国公立大医学部レベルって表現が面白い。まるでリアル『イケメンパラダイス』ですね。そんな美男だらけの学校があったら、ぜひ文化祭に行ってみたい!≪顔よりも雰囲気重視≫雰囲気イケメン、雰囲気美人という言葉があるように、回答の中には感じの良さを大切にする声がありました。美しすぎる相手だと、一緒にいて疲れるとの意見も。◆「偏差値60。山崎まさよし、大泉洋。男前は好きになれない。独特な雰囲気をもった穏やかな感じが好みです。あと尊敬できる人がいいです」(40代 女性)◆「偏差値50 。水原希子くらいのレベルで十分です。美人すぎても疲れそうで気が休まりません」(40代 男性)◆「偏差値50。 佐藤浩市さんです。男らしい顔つきが好きです。顔と言うより、全体的な雰囲気がとても素敵」(50代 女性)佐藤浩市さんや水原希子さんを「偏差値50」と言うなんて、相当理想が高いんじゃないかという気もしますが…。さておき雰囲気は大事ですよね。話し方や佇まい、包容力などひっくるめて。≪普通が一番 !≫ルックスは普通でいい、という回答も見られました。長くお付き合いをしていくことを考えると、顔よりも内面が大切ってこと?◆「偏差値50。特にこだわりはありません。好きになるのは顔よりその人の性格とか雰囲気など全て総合したものですから」(50代 男性)◆「偏差値50。ザキヤマ。イケメンは1回付き合ってみたいけど、現実的には普通か、超ブサイクでも十分です。愛嬌があるのが好き」(30代 女性)ご馳走はたまに食べるからおいしいのと同じで、交際相手も普段のお惣菜のような、地味だけど味わい深い人のほうがホッとできて良い。そんな感じでしょうか?そういえばザキヤマさん、結婚されましたね。彼と一緒にいたら毎日が楽しそう。≪ 偏差値は不問≫一方、偏差値は必要ない&つけられないとの意見も。◆「偏差値が高いと浮気が心配なので、低めです。笑顔が素敵な人」(30代 女性)◆「合格ラインさえ越えてくれれば、数字は気にしないです。最近付き合いたいと思った人は、BSでやっているワールドスポーツMLBのキャスターの深津瑠美さんです。美人なのにかわいくて柔らかいところが好き」(40代 男性)◆「理想は嵐の櫻井さん。あのぱっちり二重+リスみたいな顔がいい。ずっと見ていられます。おこがましくて偏差値なんかつけられません。個人的には100点なんですけど」(20代 女性)人それぞれで顔のタイプも違うため、偏差値をつけるのは難しいのかもしれません。中には、偏差値をつけることに嫌悪感を示す人もいました。≪なんだかんだ見た目は大事?≫相手のルックスを全く気にしないという人もいますが、やはり男性の多くは、第一印象で女性を判断するのが現実。生物学的に、男性の脳には、健康な子どもを産めそうかどうかで女性を選ぶプログラムが組み込まれている、なんてことも言われていますし…。出会った段階で恋愛対象から外されてしまうのはあまりにもったいないので、ある程度メイクやダイエットで自分磨きをして、キレイに見せることは大事かもしれません。とはいえ、本当に大事なのは中身のはず。美しい内面がにじみ出るようなオーラ美人を目指したいものですね。(文=椎名恵麻)あの人があなたに抱いた第一印象【無料占い】
2015年10月11日大ヒット中の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に『キングスマン』、さらに『コードネーム U.N.C.L.E.』(11月14日公開)、そして『007 スペクター』(12月4日公開)と、2015年はスパイ映画が目白押し。その一方、日本映画は、東出昌大主演『GONIN サーガ』、西島秀俊のハマり役『劇場版MOZU』、生田斗真×浅野忠信×山田涼介の『グラスホッパー』と、イケメン俳優たちが見せるバイオレンス・アクションが相次いで公開される。たっぷりすぎる男の色気とともに送る、硬派でハードボイルドな作品に迫った。まず、先日、連続ドラマの「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~」がドラマ界の栄誉ある賞「国際エミー賞」にノミネートされたばかり、シリーズ完結編となる『劇場版MOZU』(11月7日公開)。西島さんは、シリーズを通じて妻の死や国家ぐるみの犯罪の裏に隠された真実を追う主人公・倉木役を好演。スタートしたばかりのドラマ「無痛~診える眼~」では、犯罪者を見抜くことができる“眼”を持つ医師の役ながら、早くも、おにぎりをほおばる姿などに“萌える”人が続出中だが、本作では徹底的に身体を作り込み、常にたばこを燻らしながら、ストイックに目的を果たそうとするアツい男を演じている。そのほか、刑事・大杉役の香川照之、女性公安警官・美希役の真木よう子に加え、長谷川博己が異様な雰囲気で倉木の行く手を阻む元公安の東として、また、ドラマシリーズのラストで生死不明となっていた殺し屋“百舌”こと新谷役の池松荘亮らが、クセの強い役柄を引き続き熱演。その“温度”は、放送当時から連続ドラマの枠を凌駕しているといわれていたが、ついに劇場版が公開。劇場版から参加する松坂桃李は、感情すら感じさせない残虐非道な暗殺者となり、池松さん演じる新谷とのスピード感あるバトルを披露する模様。さらに、犯罪ブレーンとして暗躍する伊勢谷友介や、“ダルマ”役のビートたけしの存在感も見逃せない。それぞれが体を張ったアクションを惜しみなく見せる本作は、これまでのストーリーやキャラクターの関係性をふり返ることができる特別版が予定されているというから要チェックだ。また、伝説的バイオレンス・アクションの続編『GONIN サーガ』(公開中)で、男気たっぷりのハードボイルドに挑戦しているのが、東出さん。先日は、初参戦となったカナダ・バンクーバー国際映画祭の興奮も冷めやらぬ中、杏さんと東京・愛宕神社で挙式したことが報じられたばかり。夫婦揃ってお酒をたしなむのが好きといわれているが、自身初のアルコールCMとなるサントリーウイスキー「トリス <クラシック>」で、名実ともに大人の俳優へと変身しつつある。今回、『GONIN』の石井隆監督が再びメガホンをとった本作は、前作から19年後、佐藤浩市、竹中直人ら死闘を繰り広げた男たちの“子ども世代”が、それぞれの思いを胸に復讐に身を投じていくことになる。東出さんが演じるのは、前作で命を落とした五誠会系大越組の若頭・久松の息子で主人公・久松勇人。父を失いながらも誠実に生きようとする青年から一転、復讐の鬼と化していく。勇人と同じ目的を持った、桐谷健太演じる大越組長の遺児・大輔、土屋アンナ演じる秘密を抱えた元アイドル・麻美、柄本佑演じる19年前の事件を追うルポライター・森澤という4人の前に立ちはだかるのは、久々の映画出演で圧倒的な大人の色気(と情けなさ)を見せつける、安藤政信演じる五誠会3代目・誠司だ。しかも、東出さん演じる勇人たちに“GONIN”(5人)目として加わるのは、前作の襲撃事件で生死の境をさまよった元刑事・氷頭。演じたのは、2010年に俳優引退宣言をしたものの、石井組常連という縁から本作かぎりの復帰を果たした名優・根津甚八。東出さん自身も、そんな根津さんとのやりとりには込み上げるものがあったと明かしているだけに、激しい夜の雨の中で繰り広げられる激闘では、そんな東出さんたちの情念が乗った熱演を目にすることができる。復讐劇といえば、伊坂幸太郎原作120万部突破のベストセラーの映画化『グラスホッパー』(11月7日公開)。主演の生田さんが『脳男』の監督・瀧本智行との再タッグで描くのは、世界有数の人口過密都市・東京で凶暴化した人間たちの中に身を置く、「元中学校教師」鈴木の物語。彼は殺された婚約者・百合子(波瑠)の復讐の相手、“裏社会のドン”の息子・寺原Jr.に近づくが、寺原Jr.が“押し屋”と呼ばれる殺し屋・槿(吉岡秀隆)に始末されたことから、事態は一変。鈴木が槿を追う一方、浅野さん演じる相手を自殺に追い込む「憂える自殺屋」鯨、山田さん演じるナイフ使いの「若き殺し屋」蝉と、それぞれの運命が交錯していくことに。『脳男』の最強ぶりとはまるで真逆、生田さん演じる気弱で心優しい、凡人の草食男・鈴木が最も“らしくないこと”に挑む中、彼をそこまで震え立たせた愛には胸アツに!加えて、浅野さんの鯨と山田さんの蝉との、これまた体格も戦法も対極的な者同士のクールなアクションにはため息必至。この2人を突き動かすものは何なのかにも、ぜひ注目してほしい。さらに特筆すべきは、それぞれの作品で、男性陣のために堪え忍ぶどころか、むしろ共闘する紅一点の美しき女性たち。『劇場版MOZU』の真木さんの信念の強さ、『GONIN サーガ』の土屋さんの覚悟と達観はもちろん、裏社会の女ヤンキーセレブで妖艶すぎる狂気を見せた『グラスホッパー』の菜々緒のハマりっぶりもまた必見だ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会劇場版 MOZU 2015年11月7日より全国東宝系にて公開(C) 2015劇場版「MOZU」製作委員会 (C) 逢坂剛/集英社グラスホッパー 2015年11月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015「グラスホッパー」製作委員会
2015年10月09日11月7日公開の映画『起終点駅 ターミナル』の完成会見が8日、都内で行われ、佐藤浩市、本田翼、中村獅童、和田正人、篠原哲雄監督が出席した。2013年に『ホテルローヤル』で直木賞を受賞した桜木紫乃の同名小説を、『洗濯機は俺にまかせろ』(1999年)や『真夏のオリオン』(2009年)などを手掛けた篠原哲雄監督が映画化した本作。果ての街・北海道・釧路を舞台に、人生の終わりへとむかっていたはずの弁護士・主人公の鷲田完治(佐藤浩市)とヒロイン・椎名敦子(本田翼)が出会い、孤独を分かち合ってそれぞれの人生の一歩を歩き始める、というストーリーだ。また、本作は第28回東京国際映画祭のクロージング作品となっている。主演の佐藤は「人というのは、自分勝手な思いの中で生きながら傷つき、また人に救われるという繰り返し。そういうことを描いた作品です」と作品について説明。影のあるヒロイン役に本田が決まった時の心境を「ヤバイなと(笑)。これ大丈夫かい? と思いましたね。本田さんとは以前ドラマのワンシーンでご一緒しましたが、その後やられてきた作品は概ね等身大でご自身に近い役。今回は影のある役で一抹の不安を感じました」と話しつつ、「ちゃんと稽古で役を吸収していたので、この子で良かったなと思いましたね」と絶賛。これを聞いた本田は「安心しました(笑)」と胸をなでおろしながら「私自身、佐藤さんと二人芝居をやるのは今回が初めてだったので緊張もありましたが、逆にこの歳で佐藤さんと出来るチャンスをもらえたうれしさもありました」と笑顔を見せた。続けて「孤独を抱える役は初めてだったので、女優としてすごく重要だったと思います。佐藤さんとの二人芝居も大きかったと思いますね」と振り返った。会見日の朝、佐藤と共演したことのある北川景子がDAIGOと来年1月に結婚するとの報道があったが、それについて聞かれた佐藤は「それは幸せになっていただきたいと言うしか言いようがないですね」と困惑気味も「いいことじゃないですか! お幸せになってもらいたいですね」と祝福。また、同じ時間に藤原紀香と来年以降に結婚するという報道があった片岡愛之助の質問を向けられた同じ歌舞伎役者の中村獅童は「俺に聞かれても困るんですよね(笑)。プライベートの話はしないですから。記事が出ただけで迂闊なことは言えないな。見出しにならなくてごめんなさい…」と話すにとどめていた。映画『起終点駅 ターミナル』は、11月7日より全国公開。
2015年10月08日直木賞作家・桜木紫乃氏の小説を映画化した『起終点駅 ターミナル』の完成報告会見が10月8日(木)、都内で行われ、初共演を果たした佐藤浩市と本田翼、中村獅童、和田正人、篠原哲雄監督が出席した。愛する女性の死をきっかけに北海道・釧路で25年間、自らを罰するかのように生きてきた国選弁護士・鷲田完治(佐藤さん)が、家族から見放された孤独な敦子(本田さん)の弁護を担当したことから、互いが新たな一歩を踏み出していく姿を描いたヒューマンドラマ。佐藤さんは「敦子は暗い影を背負った女の子。本田さんが演じると聞いて、正直、『おいおい、大丈夫か』と一抹の不安がありました。いままで等身大な役柄を演じてきたイメージがありましたから」と撮影前の本音と告白。それでも「皆さん、安心してください。本田さんは役柄を自分の中で咀嚼し吸収し、見事に演じきった。いまは『この子で良かった』と思いますね」と太鼓判を押していた。大先輩の言葉に、本田さんは「そう聞いて、安心しました」とホッとした表情。「確かにいままでは、明るく前向きな役が多かっただけに、この作品との出会いは女優として、とても重要なものになりました。何より佐藤さんと共演できるチャンスをいただき、うれしかった」と感無量の面持ちだった。そんなふたりに対し、篠原監督は「本田さんの物怖じしない、天真爛漫な一面に、佐藤さんも触発されていた」と絶妙なコンビネーションに強い手応え。「地味な作品ですが、そこが役者としてやりがいがあった。古き良き日本映画の香りがする」(中村さん)、「僕にとって、俳優として始発駅になる作品」(和田さん)と共演陣も本作への思い入れは格別の様子だった。『起終点駅 ターミナル』は11月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年10月08日1995年、佐藤浩市や根津甚八、本木雅弘、ビートたけしなどが出演し、「日本のフィルム・ノワール最高峰」「バイオレンスアクションの傑作」として国内外から高い評価を受けた『GONIN』。その続編として、9月26日(土)より全国公開された『GONIN サーガ』が、第34回バンクーバー国際映画祭にて9月30日(現地時間)に上映。主演の東出昌大が石井隆監督とともに舞台挨拶に登壇し、初の海外映画参戦に興奮気味に英語でスピーチを披露した。バンクーバー国際映画祭といえば、昨年は石井裕也監督の『バンクーバーの朝日』が「観客賞」を受賞したことでも話題になった北米最大級の映画祭のひとつ。今回、前作『GONIN』が95年に、『GONIN 2』が96年にそれぞれ上映されていることもあり、映画祭側からの熱烈なオファーを受けて上映が実現した。9月30日(現地時間)に行われた上映では、会場となったINTERNATIONAL VILLAGE THEATREには400人の観客が押し寄せ、海外ジャーナリストやカナダ人、カナダ在住の日本人など多くの観客で満員御礼。上映終了後の劇場に、本映画祭には初参加の石井監督、そして自身初となる海外映画祭参加の東出さんが登場すると、会場は大きな歓声に包まれた。バンクーバー在住の日本人も多く詰めかけた会場を見て、「不慣れな英語を話さなくてもいいんじゃないか、と思った(笑)」と言いながらも、司会者に「英語話せるんですよね?」とムチャぶりされて苦笑い。だが、東出さんは「たくさんの国の方がいらっしゃる会場で、日本語だけでは不公平だから」と、彼らしい気遣いを見せ、この日のために用意し、練習してきたという丁寧な英語のスピーチを披露。その姿に、会場のファンから温かい拍手が贈られました。拍手と歓声はそのままに、熱い質問が飛び交うQ&Aに移ると、早くも続編に関する質問も。「GONIN」そして石井隆監督の、海外での高い人気を伺わせる舞台挨拶となった。さらに、劇場の外に設置されたレッドカーペットには、劇場に入れなかったファンおよそ100人が詰めかけ、東出さんが登場すると会場は一気にヒートアップ。現地媒体のインタビュー取材に応じた後は、もみくちゃになりながらも多くのサインや握手に応じるなどファンサービスを行い、映画祭ならではの観客との距離を存分に堪能した様子。1泊3日という超過密スケジュールでの参加ながら、初の海外映画祭を肌で感じた東出さんは、「もう少しいたかった!」と本音を漏らす一幕も。また、観客の反応に大いに刺激を受けたようで、「観ているものは同じなのに、ここで笑うのか、とか、こんな見方もあったのか!と思うほど新鮮だった」と述懐。「映画に携わる人間として、これからも海外の人にも自信を持って贈りだせる作品を作っていかなければならないと思った」と、気持ちを新たにしていた。また、映画祭のプログラマーのトニー・レインズ氏からは、「この凶暴な新作『GONIN SAGA』に驚きながら、石井隆については二つのことが明らかだ。一つ目は、この20年間の社会的経済的な変化の中でも彼が最先端であり続け、数少ない監督にのみ可能なことだが、いまについて正確につかんでいるということだ。二つ目は、日本ネオ・ノワールの、比類なきマスターであるということだ」と、惜しみない賛辞の言葉が寄せられていた。また、海外映画祭初参加にあたって東出さんからコメントが届いた。■東出昌大多くの邦画ファンからカルト的な人気を集めている石井隆監督の激流のような撮影現場に参加させていただいたことは、私にとって栄誉であり、かけがえのない財産になりました。その作品で、自身初の国際映画祭に参加できることは呆然とするような、急に叫び出したくなるような言葉にできない思いでいっぱいです。撮影現場で苦楽をともにした、キャスト、スタッフ皆様の思いと日本人であることの誇りを背負って、胸を張って登壇できればと思います。『GONIN サーガ』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年10月02日映画『GONIN サーガ』の初日舞台あいさつが26日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、キャストの東出昌大、桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人と石井隆監督が出席した。全国公開中の本作は、1995年公開の映画『GONIN』の続編となるバイオレンスアクション作品。19年前の襲撃事件で父親を殺された久松勇人(東出)と大越大輔(桐谷)は、3代目・誠司(安藤)が率いる五誠会との闘いに身を投じていく――というストーリーで、前作に出演した竹中ほか、佐藤浩市、鶴見辰吾も出演している。主演の東出は、「こんな邦画は近年ない。『GONIN』の世界に踏み入ってほしい」と胸を張り、第34回バンクーバー国際映画祭への出品を受け、「海外にもファンがたくさんいる。老若男女、国内外問わず、公の場に公開できて万感の想いです」と満面の笑み。また、石井監督が、「撮影中の恨みつらみもなく、みなさんへ感謝の気持ちしかない」とあいさつすると、25年来の付き合いだという竹中は、「初めて会った時からイジけてて、抱きしめたくなる大好きなおじさん。石井監督、本当におめでとう」と祝福した。本作には、5年前に俳優を引退した根津甚八が、1度限りの復活で出演。会場に届いた根津からの手紙を代読した東出は、胸いっぱいの様子でしばらく言葉が出ず。「僕は根津甚八という役者さんが大好きだし、映画の中の根津さんは考えられないくらい魅力的だった。本当にありがとうございました」と涙を溜めながら声を絞り出し、「石井監督も根津さんも、映画を1本撮るのに人生を賭して撮ってるんです。僕らも心血を注いで映画を撮り続けていくので、みなさんも邦画を見続けてほしい」と呼び掛けると、会場からは温かい拍手が送られた。
2015年09月27日映画『GONIN サーガ』が9月26日(土)公開初日を迎え、主演の東出昌大、共演の桐谷健太、土屋アンナ、柄本佑、安藤政信、福島リラ、竹中直人、石井隆監督が都内劇場で舞台挨拶を行った。佐藤浩市、本木雅弘ら豪華キャスト出演の傑作ハードボイルド映画『GONIN』(1995)、約19年ぶりの続編。前作で死に絶えた男たちの遺児が、宿命的再会によって血で血を洗う抗争に身を捧げていく様を“石井ワールド”全開で描き出す。前作で元刑事・氷頭役を務めた根津甚八が、病を押して同役で約11年ぶりにスクリーン復帰した事も話題になった。壇上では、この日の舞台挨拶への出席は叶わなかった根津さんから、キャストへのサプライズの手紙が届いた。「タスキを受け取ったと言ってくれた東出くん、その言葉で、演じたいのに演じる事のできない無念を断ち切ることができました」「若い俳優たちの姿を見て、自分の思いを次の世代が背負ってくれる、自分はできる精一杯をしたんだという気持ちで俳優人生を締めくくることができました」などの根津さんの思いを代読した東出さんは「僕は根津甚八さんという役者さんが好きだし、映画の中の根津さんは考えられないくらい魅力的。今後も心血を注いで僕らも映画を撮り続けて、役者を頑張っていきたい」と目を真っ赤に腫らしながら決意を新たにしていた。桐谷さんも「お体を悪くされた根津さんが、石井作品だったらという事でその姿を見せて芝居をする役者魂に震えた。僕がいる世界は、現実を超える瞬間がある。本当に素晴らし世界にいることを嬉しく思うし、先輩方のタスキを受け取って、全身全霊でいい作品を作っていきたい」とシミジミ。何作もの石井監督作で根津さんと共演した竹中さんは「根津さんには全然敵わない色気があって、たまらなく素敵な人。尊敬すべき俳優だと思った」と気持ちを込めた。一方、前作の大ファンで劇場に3度足を運んだという安藤さんは念願の封切りに「やっとクランクアップしたような気分」と語り出すも、声が小さすぎて柄本さんから「マイク!マイク!」とのツッコミが。安藤さんは「シラフじゃ来られないと思って、朝3時くらいまで飲んでいました。でも酒飲んでいると上手く喋れないなぁ」と苦笑い。さらに「石井監督、この映画に誘ってくれてありがとうございます。僕が言うのは、これだけでいいです」と緊張を隠さず「今日は4回も舞台挨拶があって……。大好きな作品なんだけど、4回は多い。1回で帰りたい」と自由奔放にぶっちゃけていた。『GONIN サーガ』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GONIN サーガ 2015年9月26日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015『GONIN サーガ』製作委員会
2015年09月26日開催まで残すところ1か月余りとなった第28回東京国際映画祭。このほど、今年の特別招待作品のラインナップが発表され、19日(土)より劇場で上映される本映画祭の予告編が解禁となった。10月22日(木)~10月31日(土)に開催される第28回東京国際映画祭。今回、9月29日(火)のラインナップ発表会に先立って発表された特別招待作品は、オープニングおよびクロージング作品を中心に、日本公開を控える話題作が勢ぞろいしている。先日すでに発表となっていたオープニングには、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや『フライト』のロバート・ゼメキス監督最新作『ザ・ウォーク』を上映。NYツインタワーをワイヤーロープでつなぎ、命綱なしで渡ったフィリップ・プティの実話を、ジョセフ・ゴードン=レヴィット主演で描く。他には、過酷なエベレスト登頂を描くジェイク・ギレンホール主演の『エベレスト3D』、グスタフ・クリムトの絵画をめぐる実話をヘレン・ミレン主演で映画化した『黄金のアデーレ名画の帰還』、デイン・デハーンがジェームズ・ディーンに扮する『ディーン、君がいた瞬間』、『オーシャンズ』のジャック・ぺラン&ジャック・クルーゾのドキュメンタリー『シーズンズ2万年の地球旅行』、難病ALSの女性を『ミリオンダラー・ベイビー』のヒラリー・スワンクが演じる『サヨナラの代わりに』、西島秀俊主演の人気ドラマの映画化『劇場版MOZU』、そしてすでに発表となっていたクロージング作品として、佐藤浩市&本田翼主演の直木賞作家による原作小説の映画化『起終点駅 ターミナル』が上映される。さらに、オフィシャルサイトにて、19日(土)より劇場で上映される本映画祭の予告編が公開。発表となった特別招待作品の本編映像に加え、先日邦画3作品の出品が発表され話題をよんだコンペティション部門や歌舞伎座スペシャルナイトのほか、アニメやJホラー、クラシックなどの特集上映、東京映画食堂によるフード出展や音楽ライブなど、東京国際映画祭の魅力を十分に伝える映像に仕上がっている。今後来日ゲスト情報などが順次解禁となり、今年も大きな盛り上がりを見せるであろう東京国際映画祭。続報を楽しみに待ちたい。第28回東京国際映画祭は10月22日(木)~10月31日(土)開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月20日鬼才・石井隆監督による映画『GONIN サーガ』の完成披露試写会が17日(木)都内で行われ、主演の東出昌大、共演の桐谷健太、柄本佑、土屋アンナ、安藤政信、福島リラ、そして石井監督が舞台挨拶に立った。佐藤浩市、本木雅弘らオールスターキャスト出演のハードボイルド映画『GONIN』、19年ぶりの続編。指定暴力団五誠会系大越組襲撃から19年後を舞台に、襲撃事件で殺された大越組の若頭・久松の遺児・勇人(東出さん)、その幼馴染で大越組長の遺児・大輔(桐谷さん)、襲撃事件を追う富田と名乗るルポライター(柄本さん)、そして五誠会に囲われる元アイドルの麻美(土屋さん)らが、尊厳と復讐のために血の雨を降らせる。劇中で東出さんから“ジュニア”と呼ばれていた桐谷さんは「現場では“勇人”“ジュニア”と呼び合っていたので、撮影後の番宣では(東出さんから)“クンかサンのどちらで呼べばいいですか?”と言われた」と東出さんの礼儀正しい性格を明かしながら「相変わらず優しくてチャーミング。身長が高いだけじゃないぞー」といじりつつ褒め称えていた。また前作から19年後が映画の舞台になっていることにちなみ、19年前の自分自身の様子を聞かれた桐谷さんは「16、17歳くらいで、役者になってやるという意識が強かった。目立とうと思って、スカートをはいていましたね。シースルーのスケスケシャツを素肌の上に着て、学校にも行っていた」と斬新すぎる当時のファッション・センスを回想。さらに「なんで自分が雑誌の表紙にならないんだ?と思って、自分で雑誌の表紙を作ったり、ラジオも友達と作っていました」と若気の至りを明かしていた。また石井監督映画の大ファンという安藤さんは「オファーが来たときはフリーで事務所に入らずにブラブラしている時で」と話し始めると、石井監督が「南極にいたんでしょ?」と不可解なツッコミをしてニヤリ。石井監督が安藤さんをウィキペディアで調べた際に、“南極にいる”と書かれていたそうだが、安藤さんは「監督はそれを鵜呑みにしたらしいけれど、俺は普通に自宅にいた」と苦笑い。すかさず柄本さんが「安藤さんは南極に行ったことはあるんですか?」と聞くと、「ない、ない(どうして書かれたのか)俺の方が聞きたいよ」とウィキペディア情報を否定していた。映画『GONIN サーガ』は、9月26日より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月17日篠原涼子が9月17日(木)、10年間続いた人気シリーズの最終章『アンフェア the end』のヒット御礼舞台挨拶に佐藤嗣麻子監督と共に登壇。最後となるこの舞台挨拶でついに涙を見せ、シリーズ終結の寂しさを口にした。2006年に連続ドラマとして放送が開始され、スペシャルドラマ、本作を含め計3本の映画が公開となった。本作は公開13日で既に興行収入10億円を突破し、観客動員数も75万人を超えた。これが正真正銘、最後のイベントということで、篠原さんは雪平夏見の衣裳として実際に着用した黒い細身のスーツで登壇。「今日で着納めです」と語り「寂しいです…」と胸の内を吐露。高ぶる感情をこらえきれず、舞台挨拶開始わずか数分で涙をこぼしたが、誰よりも篠原さん自身が驚いたようでもあった。この日は、事前に寄せられた質問に篠原さんと監督が直接回答した。「ドラマシリーズの安藤(瑛太)、佐藤(香川照之)、映画で登場した一条(佐藤浩市)ら数々の男性陣の中で、雪平が最も想いを寄せたのは誰か?」という質問に篠原さんは「それぞれに対する目線は熱烈でしたが、私の中ではドラマの安藤。見返してもホロッとくるし、安藤自身からもビデオメッセージで雪平のことを思っていたことが描かれていると思います」と回答を示した。またこの10年での自身の変化として「プライベートで充実した生活を送らせていただいていることが一番大きい」と直接的な言葉ではないものの、市村正親との結婚や出産といった私生活での幸せに言及。「『アンフェア』に出合わなかったら、ここに立っていなかったし、『アンフェア』が私を変えてくれた」と本シリーズとの出合いがもたらしたものの大きさについて語った。また、この日は共演陣からのビデオメッセージが到着。「篠原さんと再共演するならどんな関係性がいいか?」という問いには「泥棒」(阿部サダヲ)、「強盗」(永山絢斗)という刑事とは正反対のものから「夫婦」(寺島進&加藤雅也)という希望や「訳アリの兄弟。後ろめたい感じの(笑)」(佐藤浩市)といった回答が寄せられた。またひとりひとりからのこの10年を労うメッセージが流寄せられると、篠原さんは再び、涙で瞳を濡らした。「達成感と寂しさがあります…寂しいですね、これで終わっちゃうのは…」とこれまでこらえ続けてきた感情を最後の最後で爆発させ、10年の重みをうかがわせた。『アンフェア the end』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンフェア the end 2015年9月5日より全国東宝系にて公開(C) 2015 関西テレビ放送/フジテレビジョン/ジャパン・ミュージックエンターテインメント/東宝/共同テレビジョン
2015年09月17日映画『アンフェア the end』の初日舞台あいさつが5日、東京・TOHOシネマズスカラ座で行われ、キャストの篠原涼子、佐藤浩市、永山絢斗、阿部サダヲ、加藤雅也、寺島進、AKIRA、向井地美音、佐藤嗣麻子監督が出席した。本作は、2006年にフジテレビ系で連続ドラマ化、その後はスペシャルドラマや劇場版が公開された『アンフェア』シリーズの完結版。父の死の真相を追い続ける刑事・雪平夏見(篠原)は、ついに警察内で暗躍する闇を暴き、驚愕の真実にたどり着く――というストーリーで、これまでの謎が明かされる内容となっている。胸元が大きく開いたセクシーなロングドレスで登場した主演の篠原は「10年間の集大成となる作品。愛を込めて作ったので、みなさんに届けられて良かった。初日を迎えることができて感謝してます」と感慨深げにあいさつ。10年前のドラマオファー時を、「小生意気な32歳の私は、『ハードなキャラはやりたくない』と言ってた」とも明かした篠原は、10年来の付き合いとなった佐藤監督に、「柔らかく受け入れてくれて、支えてくれました」と感謝して熱い抱擁を交わした。また、前作から4年が経っている本作だが、篠原の元恋人役を演じた佐藤は、「4年経ってもお美しさは変わりなく、いつも素敵な笑顔を振りまいていました」と篠原を大絶賛。一方、寺島からも、「メイクしてもすっぴんも良し。脱いでもお酒を飲んでも良し。こんな完璧な女性がいるのかと、本当に大好きなの。惚れ惚れして眺めちゃう」とベタ褒めされた篠原は、「いつも寺さんはそう言ってくれる。違う仕事の時も言って!」と茶目っ気たっぷりの笑顔を見せた。イベント最後は、豪華なシャンパンタワーに、10年物のシャンパンをタワーに注いで初日を祝福する一幕も。佐藤ら共演陣と乾杯した篠原は、「味わい深い。とっても美味しいです」とにっこり。報道陣の写真撮影のため、スタッフによってシャンパングラスが回収されてしまうと、「こんな一口で終わり?」と名残惜しそうな表情を浮かべて、観客の笑いを誘いつつ、「10年間支えてくれてありがとうございました!ここまで来れたのはみなさんのおかげです」と笑顔で初日を締めくくった。
2015年09月06日大人気シリーズの完結編となる映画『アンフェア the end』が9月5日に公開を迎え、主演の篠原涼子をはじめ、佐藤浩市、永山絢斗、AKIRA、加藤雅也、阿部サダヲ、寺島進、向井地美音、佐藤嗣麻子監督が舞台あいさつに登壇。作品の船出を祝うと共に10年続いたシリーズ完結への思いを口にした。舞台あいさつ/その他の写真2006年の連続ドラマ放送開始以来、スペシャルドラマ、2作の映画が製作されてきたが、今回、ついに雪平の父親を殺した真犯人が明らかになる。篠原は映画を観終えたばかりの観客を前に「10年間の集大成として愛をこめて作った作品です」と語り、これだけ多くのファンが公開を待ちわびたことに「幸せすぎます」と改めて感謝の思いを口にした。TVシリーズから共演してきた阿部、加藤、寺島もそれぞれに特別な思いがあるよう。寺島は篠原との共演について「ドキドキしますね。メイクしてよし、すっぴんよし、脱いでよし、酒飲んでよし、コメディもよし!こんな完璧な女性いるのかとほれぼれと眺めちゃう!」と大絶賛。篠原は「寺さんがいつもそう言ってくれて、10年間、木に登りっぱなしでした!」と嬉しそうに語った。今回の映画から参戦となった永山とAKIRAは、共にドラマシリーズから本作の大ファンだったそうで永山は、雪平の相棒としての出演について「言葉にならないです」と語る。AKIRAはクランクアップの際に感極まって瞳を濡らしたと指摘されると「そうでしたか?」ととぼけたが、佐藤監督に「泣いてましたよ」と指摘されると「昔からファンだったので」と照れくさそうに話した。佐藤監督は改めて篠原に「本当におつかれさまでした。10年間ありがとう。涼子ちゃんあっての『アンフェア』であり、現場を引っ張っってくれました。涼子ちゃんの現場での気遣いに助けられて、この作品も完成しました」と労いの言葉を掛ける。篠原は「なに改まっちゃって…恥ずかしい」と照れつつ「10年前、最初に言われたのは『ハードな雪平でお願いします』ということ。『そんなの嫌だ! 冷血な感じでやりたい』と小生意気な32歳の私は言ってたんですが、そんな私が今もこうしてここに立てているのはスタッフのみなさんのおかげです。嗣麻子さんは柔らかく私を支えてくれました。これからの10年間もまた支えてください!」と10年分の感謝を語り、会場は温かい拍手に包まれた。『アンフェア the end』公開中
2015年09月05日10年に及ぶ大人気シリーズの完結編となる『アンフェア the end』が9月5日(土)に公開。主演の篠原涼子をはじめ、佐藤浩市、永山絢斗、AKIRA、加藤雅也、阿部サダヲ、寺島進、向井地美音、佐藤嗣麻子監督が揃って舞台挨拶に登壇した。2006年に連続ドラマとして放送され話題を呼び、スペシャルドラマに劇場版と10年に渡って敏腕刑事・雪平夏見の戦いを描いてきた本シリーズ。ついに、シリーズ開始時からの謎であった雪平の父親を殺害した犯人の存在が明らかになる。すっかりおなじみとなった“黒”で統一された衣装で登場した登壇陣。篠原さんは観客の拍手に万感の思いをにじませ「10年間の集大成として愛を込めた作品をお届け出来てよかったです」と語り、多くのファンの支えについても「幸せすぎます」と笑顔を見せた。ちなみに本作、雪平のシャワーシーンで幕を開けるが、佐藤監督は「あれは脚本にはなかったシーンで篠原さんから提案があった」と明かす。篠原さんは、自らの提案の真意について「『アンフェア』は、ドラマを見ていた方ならわかると思いますが、裸で始まるので、裸で終わらないとらしくないと思いました。あそこまでドーンと来るとは思わずに驚きましたが、監督ならステキに撮ってくれるだろうと委ねました」と堂々と語る。そんな篠原さんに対し、“上司”の立場で10年間、支え、見守ってきた寺島さんは「メイクして良し、スッピンで良し、脱いで良し、酒飲んで良し、コメディも良し、こんな完璧な女性がいるのかと、惚れ惚れと眺めちゃいます」と賛辞を惜しまない。篠原さんは「寺さんがいつもそう言ってくれるので、私は10年間、木に登りっぱなしで降りられなくなってます。(寺島さんの)言葉でスイッチが入っちゃう」とニッコリ。寺島さんは「涼子、キレイだよ!」と絶叫し会場を笑いに包んだ。佐藤監督は改めて「本当におつかれさまでした。10年間ありがとう。涼子ちゃんあっての『アンフェア』で、ずっと現場を引っ張ってくれました」と篠原さんへの感謝の言葉を口にする。篠原さんは「改まっちゃって…恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべ、10年前を述懐。当初、提示されたハードな雪平像に「小生意気な32歳だった(笑)」篠原さんはもっとクールで冷徹なイメージの方がよいと反論したという。「そんな私がこうしてここに立っていられるのはスタッフのみなさんのおかげ。嗣麻子さんは柔らかく私を支えてくれました。これからの10年もまた支えてください!」と感謝の弁と共に、本シリーズは終わっても、また佐藤監督とのコンビで新たな作品を作り上げていくことへの意欲を口にした。最後は篠原さんの音頭で、10年物のワインで乾杯!完結作が自分の手を離れていくのを見守った。『アンフェア the end』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:アンフェア the end 2015年9月5日より全国東宝系にて公開(C) 2015 関西テレビ放送/フジテレビジョン/ジャパン・ミュージックエンターテインメント/東宝/共同テレビジョン
2015年09月05日直木賞作家・桜木紫乃の作品を原作に、佐藤浩市と本田翼をメインキャストに迎えた『起終点駅 ターミナル』。先日「My Little Lover」による楽曲の提供が明らかになり注目を集めたばかりだが、このほど、その主題歌「ターミナル」が流れる新たな予告映像が解禁された。25年前の、とある出来事から時間を止め、息を潜めるように生きている弁護士・鷲田完治(佐藤浩市)と、被告人・椎名敦子(本田翼)。それぞれに過去を背負ったふたりと、それを取り巻く人々の様々な人間模様を温かな視線で描く本作は、誰もが経験する”過去”からの旅立ちを描く人間ドラマ。中村獅童、和田正人、音尾琢真、泉谷しげる、尾野真千子ら実力派俳優が勢ぞろいしていることでも話題を呼んでいる。先日主題歌として起用されることが明らかになった「ターミナル」は、本作の音楽を担当している小林武史の書き下ろしであり、「My Little Lover」の手掛ける映画主題歌としては実に11年ぶりとなる曲。解禁された予告編でも、一段と映像を盛り上げており、切ない音色、akkoの凛とした歌声が、終わりとはじまり=“起終点駅”へと歩みだす完治と敦子の姿と重なり、見応えたっぷりの映像となっている。また、目を潤ませながら、イクラご飯をかっこむ佐藤さんの姿も渋く、切ない。さらに、佐藤さんが絞り出すように発する「生きてさえいればいい、生きていてくれさえすれば」、泉谷さんがしみじみとつぶやく「ひとつやふたつ、あの世に持っていかなきゃいけないこともあるんだよ。人はそれを背負って生きていくんだ」など、本作には、見る者の胸を打つ印象的な言葉がたくさん登場する。まずこちらから、その厳しくもあたたかな人間ドラマの一片を目にしてみて。『起終点駅 ターミナル』は11月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月04日おそらくいま、日本で最も多忙な俳優の1人、綾野剛。あるときは、SAT(警視庁特殊部隊)のスゴ腕スナイパー、あるときは、人のよいレンタルビデオ店のヒゲ店長、そしてまたあるときは、巨大ヘリと原発を狙うテロリスト…。さらにこの10月からは、初の単独主演ドラマ「コウノドリ」(TBS)で産科医でありながら天才ピアニストという難役にも挑む。2015年、出演映画は5本。来年には、佐藤浩市主演の『64-ロクヨン-』、渡辺謙主演の『怒り』への参加が発表されている。さまざまな役柄を演じ分け、その勢いをますます加速させる、遅咲きの“カメレオン俳優”に迫った。佐藤健、福士蒼汰ら、数多くの人気俳優を輩出し、若手の登竜門といわれる平成仮面ライダーシリーズにおいて、「仮面ライダー555」の“怪人”(の人間体)役という、いわば異色ともいえる形のデビューだった綾野さん。その後、バンド活動やインディペンデント系作品に参加をしながら、小栗旬×山田孝之共演の『クローズZERO II』(’09)、さらに『GANTZ』シリーズ(’11)に出演し、注目を浴びた。学生時代、陸上に打ち込んだ抜群の運動センスもあって、キレキレのアクションで魅せる一方、クールでアンニュイ、どこか陰のある“尖った”イメージで強い印象を残した。2010年、ドラマ「Mother」で芦田愛菜が演じる女の子を虐待する、“母”・尾野真千子の恋人を演じていたのも、綾野さんだ。だが、そんなイメージを覆すかのように、2011年、30歳にして出演したNHK朝ドラ「カーネーション」で心優しい職人・周防龍一を好演。尾野さん演じる戦争未亡人のヒロインとのプラトニックな禁断の恋と、「好いとった(好きだった)」という長崎弁の告白で、全世代の女性たちから支持を集めて一気にブレイクした。それからの大活躍は周知のとおりで、大河ドラマ「八重の桜」でさらにファン層を広げ、ドラマ「最高の離婚」「空飛ぶ広報室」でも活躍し、映画も『ガッチャマン』から『シャニダールの花』『夏の終り』『横道世之介』と娯楽作から文芸作品、異色ファンタジーまで、ジャンルの垣根を越えて話題作に相次いで出演。2014年には、主演を務めた『そこのみにて光輝く』が作品ととも高い評価を受け、内外にその実力を示した。今年は、園子温監督『新宿スワン』で主人公の歌舞伎町のスカウトマンを金髪姿で演じていたことも記憶に新しいが、現在公開中の『S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE』では一転、熱血な主人公・一號(向井理)のライバル、蘇我をクールに演じ切る。また、9月5日(土)に公開が控える『ピース オブ ケイク』では、ヒロインの志乃(多部未華子)が恋に落ちる“ヒゲ店”こと、ヒゲの店長・京志郎を軽妙に演じ、9月12日(土)公開の『天空の蜂』では、主人公・湯原(江口洋介)が設計した巨大ヘリを遠隔操縦でハイジャックする謎の男に扮している。いまや、作り手がこぞって“オファーしたい”俳優に躍り出た綾野さん。実は、デビュー作「仮面ライダー555」では、わずか数十秒の初日ファーストカットに23テイクもの撮り直しがあったという。だが、そのときの経験が腹を据えて役者をやっていくきっかけとなったこと、鍛えてくれたその現場、特に石田秀範監督には現在も感謝の思いがあることを明かしている。実に、恩義を大事にする男なのだ。また、プライベートでも親交の深い小栗さん、山田さんら同年代の実力派俳優からの信頼は絶大で、小栗さんに「俺と心中してくんね?」と“口説かれた”ことから事務所を移籍した、という逸話もある。『新宿スワン』で共演した伊勢谷友介は、人の心をつかむ“人たらし”だと表現する。『ピース オブ ケイク』の田口トモロヲ監督も、綾野さんがこれまでに見せたことのない役だからこそ、等身大のリアル・ラブストーリーに彼を選んだと言う。人なつっこい笑顔がよく似合い、前の彼女を断ち切ることのできない優しさを持ち、「全部ひっくるめて俺を愛してろ!」と告白できる1本筋の通った“ヒゲ店”のキャラ、何より多部さんとの自然体のコンビネーションには、監督も太鼓判を押すほど。まさに変幻自在に役に徹するストイックさは綾野さんの大きな魅力だが、共演者やスタッフへの確固とした信頼があるからこそ、“役者”としてニュートラルな状態で、あるがままで現場に立つことで、その作品の世界観に自らを染めているようにも思える。さらに、もしかしたら、彼自身から周囲を本気モードにさせてしまう熱波のような何かが、常に発せられているのかもしれない。そんな強みを持つ綾野さんは、これからも日本映画界に圧倒的な存在感を発揮し続けるに違いない。(text:cinemacafe.net)■関連作品:天空の蜂 2015年9月12日より全国にて公開(C) 2015「天空の蜂」製作委員会ピース オブ ケイク 2015年9月5日より全国にて公開(C) 2015ジョージ朝倉/祥伝社 /「ピース オブ ケイク」製作委員会S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE 2015年8月29日より全国東宝系にて公開(C) 2015「S-最後の警官- 奪還 RECOVERY OF OUR FUTURE」製作委員会 (C) 小森陽一、藤堂 裕/小学館
2015年09月04日いま、有名人の三世に注目が集まっています。三世と言えば、『24時間テレビ38 愛は地球を救う』でチャリティーマラソンランナーとして100kmを走り抜いたDAIGOがすぐ頭に浮かぶと思います。彼は言わずと知れた、元竹下総理大臣の孫。でも、元首相の孫はDAIGOだけじゃないのです!■最近では二世よりも三世が新しい!今春、芸能界に入った宮澤エマは、元宮澤喜一総理大臣の孫。母親が元宮澤総理の長女、父親がアメリカ人の元駐日代理大使だそうで、掘りが深い顔立ちの美少女。バラク・オバマ大統領も通ったオクシデンタル大学を卒業している才色兼備です。彼女は、『笑っていいとも!』や『踊る!さんま御殿!!』など人気バラエティ番組に出演し、ネットニュースで何度も取り上げられています。『ネプリーグ』でDAIGOと孫タレ枠に入れられてから、じわじわとテレビやラジオでの露出が増えている様子。もちろん、元首相の孫以外の三世も話題沸騰中。他には、デヴィ夫人の孫・キラン君も「イケメンすぎる」と、『NAVERまとめ』や『ツイナビ』などで盛り上がっています。あとは、森英恵の孫・森泉や森星、松田聖子、神田正輝の娘で旭輝子の孫・神田沙也加も活躍していますよね。今まで、二世タレントは当たり前で、二世タレントのコーナーがよくテレビ番組で企画されてきました。例えば、明石家さんまと大竹しのぶの娘・IMALU、蟹江敬三の息子・蟹江一平、平尾昌晃の息子・平尾勇気、坂口良子の娘・坂口杏里などは成功している二世でしょう。ただ、高橋英樹の娘・高橋真麻はフジテレビに入社した時、世間知らずや親の七光と陰口を叩かれ、それなりに二世も肩の狭い思いはしています。しかし、そんなことを言われても、着実に実績を積み、実力を発揮した二世もたくさんいます。中井貴一、佐藤浩市、緒形直人、坂口憲二、香川照之、宇多田ヒカル、中川翔子など、数え上げたらきりがありません。芸能界といえども、甘くはない世界です。実力がなければ一度は話題になったとしても、そのあとは続きません。二世も三世も、何倍も努力をして、芸能界を生き抜いているようです。とくに三世は、愛らしく、どことなく憎めないキャラをしていて、人を惹きつける魅力があるところが共通点。DAIGOも森姉妹もぶっ飛んだキャラでありながら、許せてしまう羨ましいお得なキャラですよね。そこには、ガツガツしたハングリー精神はほとんど見られず、生まれてから余裕のある生活環境で育ったゆとりが感じられて、他人と比較せず“自分は自分”という生き方が愛される理由のひとつでしょう。■海外では誰からも愛される三世が実は三世は、日本だけではありません。海外では、オードリー・ヘップバーンの孫エマ・ファーラーがモデルデビューして、大勢の人を魅了しています。オードリーといえば、世界中から愛された女性としてトップに名前があがる名女優。亡くなった現在でも、世界中の人から愛されて、人気は絶大。その孫のエマは20歳でありながら、目鼻立ちのはっきりとした顔立ちがオードリーを彷彿させる存在感があり、着実にファンを増やしています。女性なら、「いつまでも美しくありたい」そう願いますよね。オードリーは、まさにその女性の憧れの人生を歩んだ人物。エマは、そのオードリーをそのままを受け継いだ美貌と容姿を兼ね備え、これからの時代において女性の憧れの的となるにふさわしい人物であることは間違いないでしょう。そんなエマは、KOSEの新たなスキンケア商品『INFINITY』がモデルとして起用され、日本でも“今をときめく三世”と話題になっています。『INFINITY』は、無限の美しさという意味がコンセプトなので、オードリーの美しさを引き継いでいるエマにピッタリ。オードリーの面影がある美人顔なので、一度見てみては?(文/Jeana)【参考】※呼び覚ます、無限の美しさ。INFINITY インフィニティ
2015年09月01日佐藤浩市と本田翼の“30歳差”共演が話題を呼んでいる映画『起終点駅ターミナル』。11月に公開決定している本作だが、この度主題歌を「My Little Lover」が担当することが明らかとなった。なお、「My Little Lover」は『深呼吸の必要』以来11年ぶりの映画主題歌提供となる。北海道・釧路でひっそりと孤独に生きる弁護士の完治、とある事件の被告人として完治の前に現れた敦子。過去に複雑な事情を抱えた2人が出会いそれぞれ止まっていた時が動き出すように、お互いに心を許しはじめるのだが…。2013年「ホテルローヤル」にて第149回直木賞を受賞した、北海道在住の作家・桜木紫乃の最高傑作を待望の初映画化された本作。主人公・鷲田完治を演じるのは『HERO』『アンフェア the end』など数々の話題作に出演する名優佐藤浩市。ヒロイン・椎名敦子には、放映中のフジテレビ月9ドラマ「恋仲」でみずみずしい演技を披露している本田翼。監督には、温かな視線で人間を描き続ける篠原哲雄が務める。今回発表された主題歌は「My Little Lover」の「ターミナル」。本作の音楽担当小林武史が本作のために書き下ろした20周年プロジェクトのリードシングル。主人公・完治の前から、何も語ることなく人生の一歩を踏み出していく敦子がその胸に秘めた想いを見事に歌い上げている。この楽曲について「My Little Lover」のakkoさんは「絶望的なことが起こるのに、心の中の小さな灯火がずっと温かい。重苦しいのに、なぜか瑞々しさのようなものを感じる。それはそれぞれの終わりと始まりが、これからもずっと続いていく予感がしたからかもしれません。私はこの世界に凛とした姿で寄り添いたい、そんな想いで主題歌を歌いました。この映画にとって、よき脇役となれますように」とコメントを寄せている。さらに、本作の監督・篠原さんは「ずっと心を閉ざしてきた男とたったひとりで生きてきた女が出逢い、最果ての地からそれぞれ旅立っていく。My Litle Loverの楽曲、akkoさんの透き通った歌声が、必死で生きてきた彼らとその未来に優しくエールを送ってくれました。『深呼吸の必要』以来、二度目の奇蹟に感謝致します」と語っている。話題の2人の年の差初共演。主題歌決定とともにさらに映画にも期待が高まる。『起終点駅ターミナル』は11月7日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2015年09月01日佐藤浩市や本木雅弘、ビートたけしらが出演したバイオレンスアクションの傑作『GONIN』が、19年のときを経て東出昌大主演で蘇る映画『GONIN サーガ』。先日行われた本作の完成報告会見で久しぶりにメディアの前に登場し、ネット上で「相変わらずイケメン!」「全く年を取っていない!!」といった声を集めたのが、今年で40歳になる安藤政信だ。このほど、安藤さんの大人な男の色気全開の場面写真が、シネマカフェに一挙に到着した。日本のフィルム・ノワール最高峰として、国内のみならず海外からの評価も高い前作のサーガ(伝説)を、2015年のいま、新たに紡ぐ本作。安藤さんが演じているのは、表向きは芸能事務所社長、内実は父・隆誠(テリー伊藤)の跡目を継ぐ五誠会の次期三代目、式根誠司。19年前の襲撃事件で殺された久松の遺児・勇人(東出昌大)や、五誠会に囲われながらも深い恨みを宿す麻美(土屋アンナ)と敵対する相手だ。安藤さんが演じる誠司は、裏と表の顔を持ち、芸能事務所社長として表に出るときは、結婚披露宴を間近に控えたフィアンセのことを第一に考える優しい男性。物腰も優しく、温厚な姿からは裏の顔は想像もつかないほど。だが、五誠会三代目という本当の姿を現した瞬間、まるで別人のように豹変する。三代目として勢力を拡大し続ける誠司は、冷酷かつ残酷で、自分の利益のためなら手段を選ばない非情な男。安藤さんは、この両極端なキャラクターを、色気全開で熱演する。自身の役について安藤さんは、「『三代目』というのを聞いたときに、世襲が続いている組社会で三代目にもなってくると、一代目や二代目が築いてきた最初のころの想いというか、“任侠道”みたいなものから外れてしまったような男なんじゃないかと。自分に甘く、劣等感があって、組の中にいても怯えていて、震えてるんだけど虚勢を張っていて、わざと強がっているような感じなんじゃないかなと、そんな人間性の男だろと考えながら演じていました」とふり返って語る。安藤さんは自らそう明かすように、自信に満ちつつも、父親からのプレシャーや命を狙われる恐怖に怯える、細かな心理描写を見事に表現。そして劇中では、大人な男の色気を感じずにはいられない、さまざまな姿を披露する。ビシッと着こなしたスーツ姿から、胸元をチラリとのぞかせたシャツ姿で狂気を炸裂させたかと思えば、真っ白なタキシードを着こなし、フィアンセとダンスを踊る優しい表情のギャップには目を奪われること間違いなし。さらに、安藤さんの全身ずぶ濡れ姿からも色気がダダ漏れ。近年、佐々木蔵之介や福山雅治、竹野内豊を筆頭に、アラフォー独身俳優の活躍が大きな注目を集めている。安藤さんも今年で40歳。ますます俳優としての深み、そして男性として渋みが増した彼の姿を、届いた場面写真から確かめてみて。『GONIN サーガ』は9月26日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月21日SMAPの木村拓哉や女優の北川景子らが出演する映画『HERO』が、7月18日に公開されて以来、1カ月となる18日までに観客動員数300万人、興行収入約39億円を突破したことがわかった。『HERO』シリーズは、2001年1月にTVドラマとして放送されスタート。平均視聴率が30%を超す大ヒットを記録し、人気を博した。その後、スペシャルドラマや2007年に映画化もされ、2014年7月には第2期として再びTVドラマが公開。そして、先月2度目となる映画の上映が開始された。スーツを着ない型破りな検事・久利生公平(木村)を中心に、麻木千佳(北川)をはじめ、第2期ドラマのレギュラーメンバーはそのままに、かつて久利生の事務官を務めていた雨宮舞子(松たか子)が検事として復活し、久利生の前に立ちはだかる外務官僚役で佐藤浩市が登場。大使館という、侵してはならない"絶対領域"を前に、久利生が伝える"正義とは何か"を描く。これまで、映画史上初の法務省での会見実施、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとの期間限定コラボレーション、渋谷駅前ジャック、レギュラーメンバーぞろいの初日舞台あいさつ、そして"初代相棒"の松たか子を迎えた大阪・名古屋での舞台あいさつと話題を集めてきた『HERO』。8月15・16日の成績も興収前週比102.8%を記録しており、7月18日に公開されて以来、18日まで全国443の劇場で上映され、304万1,517人を動員、38億9,924万2800円の興行収入を記録している。
2015年08月19日