若手演技派女優、なんて肩書は窮屈に見える。もっと複雑で、もっと清々しく、もっと静謐。独特の空気感と、不思議な存在感を放つ女優・門脇麦さんは、クールなようで、じつは素直で可愛い人でした。静と動。穏やかさと強さ。冷静さと熱っぽさ。ふわふわとした女の子らしさと、凛とした少年ぽさ。映像で舞台で、その姿に思わず惹きつけられてしまうのは、そんな真逆とも思われる魅力をどちらも持ち合わせているからだろう。“○○系”なんて簡単な言葉で括れない、門脇麦さんを知りたくて―。――9月に開幕するNODA・MAPの舞台『贋作 桜の森の満開の下』に出演されます。野田秀樹さんといえば、いま日本の演劇のトップランナー。ご一緒するのは、どんなお気持ちですか。門脇:純粋に楽しみです。野田さんの舞台を観ると、役者さんがみなさん楽しそうなんですよね。あと、信頼しているいろんな方から、「麦ちゃんは、いつか野田さんとやったらいいよ」と言われていたので、ずっと興味がありました。野田さんの作品は、ものすごい情報量の中に観終わった後じわっとくるものが隠されている、という印象があります。今回の作品も、筋だけを追うと難解ではないけれど、そこに描かれているものをちゃんと拾おうと追っていくと複雑で難解。ただ、それを全部は理解できなくても、お客さんそれぞれにキャッチできるものがある。人によっていろんな受け取り方ができるところがいいなと思います。――稽古はこれからですけれど、野田さんのワークショップにはすでに参加されているとか。門脇:稽古は仕事のための準備の時間ですが、ワークショップって、それが直接作品になるわけじゃないので、仕事というには不確かな時間なんですよね。これまで何度かワークショップを経験しているけれど、野田さんのは、この先の公演に向けて、いろんな方法を模索する場のように感じました。こんなに効率がいいものは初めて。ワークショップは好きな人と苦手な人がいると思うんですが…。――門脇さんはどっちですか?門脇:私は好きな人です。みんなでアイデアを出し合って何かをするのが昔から好きで…。子どもの頃、春休みや夏休みにいとこが7~8人くらい集まると、私が台本を書いて、劇を練習をしたり、振り付けを考えてみんなでダンスの練習をしたりして、親戚一同の前で発表してました。そんなものとは比較対象にもなりませんし、次元が違う話ですが、でも少しその感覚に近いです。――コンスタントに舞台に出演されていますが、門脇さんにとって舞台はどんな位置づけですか。門脇:自分の実力のなさをきちんと認識できる大切な場所だと思っています。映像は、編集でいい部分を切り取ってくださるけれど、体ひとつで勝負する舞台は、下手は下手のまま提示されてしまう。怖い場所ではあるけれど、反省して次の日にダイレクトに活かせるので、筋力がつく気がします。――周りから実力派女優という評価を受けていますけれど。門脇:言っていただけるのはありがたいんですけれど、やっている作品がコアな感じのものが多いので、そう見えるんだと思うんです。この仕事を始める前に演技を勉強していたこともないし、そう言われるのは本当に…。去年、初めて舞台で古典の作品をやったんですけれど、日常とかけ離れたリアルな言葉じゃないセリフが、なかなか体の底に染み付かず、いくらしゃべってもツルツルと流れていってしまうような感覚がありました。本番が始まってもどうにもできず、結局、セリフが自分の中に落ちて、言葉の意味がちゃんとお客さんに伝わったと思えたのは公演半ば頃からでした。――古典劇は確かに苦労されたかもしれませんが、門脇さんのお芝居を拝見していると、何気ない表情や動きのなかに、すごく繊細な心情を表現されているなと思います。表現力もですが、台本の読み込みが深いんだろうと…。門脇:私、本当に台本を読み込めなくて。一生懸命読んでるつもりですが、撮影中に、このシーンってこういう意味だったのかって思うこともあるし、完成した作品を観て、意図に気づくことも多くて。台本もいつも真っ白です。野田さんの戯曲も難しくて、正直、読みながら何度かくじけそうになりました。――まさか…意外です。門脇:わかっているように見える顔なんだと思います(笑)。――一筋縄ではいかない変わった役を演じることが多い印象がありますが、王道の恋愛モノを演じてみたい願望はないですか?門脇:やりたいですね。少女漫画を読むのも好きですし。でも…意外とキラキラしたヒロインもやっているんですよ。インパクトが強い役の方が印象に残りやすいだけで。ちなみに私のなかでは、ドラマ『トドメの接吻』での役(キスをすると相手が死んでしまうヒロイン・佐藤宰子)もキラキラヒロインです。そう思うと、どんな役でも、私にとってはキラキラヒロインかもしれない。みなさんが変わっていると思う役も、身につけている鎧というか、ついている形容詞がちょっと変わっているだけで、中身は普通だったりするんですよね。どんなに癖がある役でも、私は、どうやれば普通の女の子に見えるのか意識して演じている気はします。ただ、変わった役は、キャラクターの色がつけやすいし、いろんなやり方ができるのでありがたい存在。正攻法のピュアなヒロインの方が、難しいんじゃないかな。――ただ、濡れ場があったり、キスをしまくったりって、女優としての覚悟の表れではあるかもしれませんが、女の子の部分ではやっぱり抵抗があると思うんです。門脇:そうですね。(しばしの間考えて)もうやると決まったら、しんどいと思いながらやるのはしんどいので、仕事だと割り切って、そこに対するナーバスな感情は排除して演じています。何も感じなくなっちゃいました、って言ってる姿勢の方がやりやすいんですよ。…でもやっぱり、前日はナーバスになりますし、終わってからも落ちます。そこの切り替えは、昔に比べて早くなったし、作品を成立させるために必要だと思えば、やるんですけどね。――もともと目指していたバレエの道への未練はないですか。門脇:結構頑張って、やるべきことはやり尽くしたので、いまは一切ないです。思えば、子どもの頃に劇を披露していたりとか、潜在的にそういうことが好きだったんだと思います。小学生の時から学芸会が好きで、目立ちたくないと言いつつ、最終的にいい役をやったりしていました。本当は目立ちたい願望があったんだと思います。私は覚えていないんですが、バレエをやめる時も、先生に「劇団に入ります」って言ったみたいですし、いま思うとそっちに舵を切るきっかけを探していたのかなと。――バレエをやめたのは?門脇:努力してもどうにもならないことってあって、バレエをやってて、子どもの頃にそのことを体で覚えました。例えば、つま先を伸ばした時に足の甲が出るか出ないかって、もって生まれた骨格の問題です。努力で1cmは出るかもしれないけれど、もともと5cm出る人には勝てない。私は昔から体が硬かったので、開脚しながら勉強したり、いろんな努力はしたけれど、結果的に体を傷めてしまい、整体に通わないと続けられないほどでした。夢は諦めなければ叶う…というわけではないことを、10代で学べて感じた体験は良かったです。人は、生まれながらにいるべき場所、なすべきものっていうのがあって、私にとってはそれがバレエじゃなかった。でも、あの時間がなかったら、いまこの仕事をしていなかったのかなとも思うんです。――女優という道に来るための挫折だったのかもしれません。門脇:そうだとしたら素敵ですよね。でも、もしかしたら、この先にさらに何かあって、この時間もそのためのものかもしれない(笑)。何があるかわからないです。――いまのお仕事への執着みたいなものってないですか?門脇:うーん…これが私の生きるべき道、みたいな強い気持ちは、あんまりないかも…です。――年齢のわりに落ち着いている印象がありますが、テンションが上がってはしゃぐことって?門脇:ありますよ。はしゃぐ時は全然はしゃぎます。――ガールズトーク、とか?門脇:それはあまりないかも(笑)。でも、美味しいごはんにはテンションが上がります。スーパーに行くのが好きなので、すごくいい食材が売られていたりする時とか。人といると気を使ってしまうので、ガールズトークより、スーパーの方が発散してるかもしれない。――最近の掘り出し物は?門脇:家の近所のスーパーがすごく良くて、魚のアラがとにかく安いんです。それが売られていたら、大量に購入して冷凍する。その時は、すごくテンション上がります。――結婚したら、仕事を辞めて専業主婦になりたい、みたいな気持ちはあったりしますか?門脇:そういう気持ちもありますし、同時に仕事に邁進したい気持ちもあります。もともとのベースの性格は、負けず嫌いで貪欲で、執着心も強いんです。でも、25年生きてきた環境から培われたものは、それとは真逆の部分。人はみんなそうだと思いますが、冷静な部分と熱い部分と…いろんな面が自分の中にあることを感じます。かどわき・むぎ1992年8月10日生まれ、東京都出身。‘11年にデビュー後、映画『愛の渦』(‘14 )やドラマ『まれ』(‘15)で注目され、数々の映画やドラマで活躍。今秋には出演映画『止められるか、俺たちを』『ここは退屈迎えに来て』が相次いで公開に。来年には『さよならくちびる』『チワワちゃん』など主演映画の公開も控える。ワンピース¥110,000(ENFOLD/バロックジャパンリミテッドTEL:03・6730・9191)門脇さんの出演するNODA・MAPの舞台『贋作 桜の森の満開の下』(野田秀樹作・演出)は、9月1日~12日まで池袋・東京芸術劇場プレイハウスにて上演。その後、パリ公演を経て大阪、北九州を回り、11月に再び東京に凱旋。1989年に劇団 夢の遊眠社で初演され、観客の心を鷲掴みにした傑作。7月28日からチケット一般発売開始。NODA・MAPTEL:03・6802・6681※『anan』2018年8月1日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・岡本純子インタビュー、文・望月リサ
2018年08月04日俳優・中村倫也(31)が1日、ブログを更新。自身初の著書「中村倫也 最初の本『童詩(わらべうた)』」発売当日に、書籍化について「物創りの身としてこの上ない幸せです」と心境を明かした。「童詩」と題した投稿で、「記念すべき〝最初の本〟発売日。」と書き出し、「いくつになっても童心を忘れず、楽しみながら詩を歌いたい。それをみんなに届け、手渡し、記憶の中で旋律が続くように、歌い継がれるように。心踊る瞬間に出会えるように。そんな人間に、役者に、僕はなりたい」と、タイトル『童詩』に込めた思いに言及。「この造語はただのタイトルではなく、生き様の宣言になるような言葉を選んでつけました。僕らしく、一筋縄ではいかない、めんどくさいタイトル、心底気に入っております。笑」と明かした。同書は、雑誌『プラスアクト』が約5年にわたり追いかけてきた軌跡を1冊の本にまとめたもの。「なんだかんだと、あれよあれよと言う間に5年も続き、まさか一冊の作品群になるとは。しかも沢山の方々に手にとっていただけるとは。物創りの身としてこの上ない幸せです」と書籍化を喜び、「しかもまあ~ずっしりと重量級な本を。笑 完成した本を持って、マネージャーが『百科事典』と呼んでいました。なるほど、この分厚さに15万字という文字数を見れば、確かに中村倫也の解体新書なのかもしれません」とコメントした。さらに、「なにはともあれ一歩も外に出たくなくなるような連日の猛暑に、家でゆっくりとそうめんでもすすりながらヒラリハラリとページをめくってください。きっと色んな旅ができるはず」とファンに呼びかけ、「この作品が、少しでも皆さんの人生の栄養になり、童のような気持ちで明日を迎えられたら、僕は幸せです。じゃ、シーユー。」と締めくくった。
2018年08月02日心温まる優しいハーモニーが魅力的な夫婦デュオ、ハンバート ハンバートのお二人。公私にわたって良き関係性を築く秘訣とは。「時間をかけて相性を深めてきたと思います」――デュオを組むことになったのは、どんな経緯でしたか?佐野:もともとは大学生の頃に良成が始めたバンドで、メンバーは6人くらいいたんです。最初はデュオとしてやっていくつもりは全然なくて。佐藤:当初は自分だけで歌っていたんですけど、もっと大所帯の華やかなバンドにするために、女性コーラスを3人くらい入れようという話になって。佐野:その1人目でした(笑)。――佐藤さんは、なぜ佐野さんに声を掛けようと?佐藤:友達の友達だったんですけど、バンドのベーシストが「このあいだ、遊穂とカラオケに行ったら、めっちゃ歌うまかったよ」って。じゃあ、誘ってみるか、と。――そこからなぜ、遊穂さんがメインで歌う今のスタイルに?佐藤:スタジオに入って練習をしているうちに、「お前じゃなくて遊穂が歌ったほうがいいんじゃないの?」という話になって。佐野:それで、曲によっては私がメインで歌うようになり、だんだん歌うバランスが同じになってきて、いつの間にか逆転して…という感じでしたね。そうこうしているうちに他のメンバーが就職活動で抜けて、人数も2人だけに。――その後、お二人はプライベートでもパートナーになられたわけですが、距離が近くなればなるほど、お互いの才能に嫉妬のような感情を抱くことはありませんか?佐藤:たぶんお互いに曲を作っていたら自分にない才能を感じたりするのかもしれないですけど…。佐野:曲を作るのは良成なので、同じハンバート ハンバートの中でも役割は全然違うんです。だからなのか、そういうのを感じたことはまったくなくて。私は、“作ってない係”なんですけど…(笑)。佐藤:味見係だよね(笑)。佐野:ゆるキャラ係とかね(笑)。――制作を進めていく中で、衝突したりすることはありませんか?佐野:詰めてやるときはぶつかることもあるんですけど、あまりぶつかっていると作業が進まないので…。それで意識的に気持ちを切り替えることはありますね。良成はすごく短気なんですよ(笑)。佐藤:そうですね(笑)。佐野:私はあまり言い返したりしないので、受け流してます(笑)。――上手に受け流すことも、いい関係性を作る秘訣ですよね(笑)。佐藤:確かに、喧嘩している場合じゃないことが多いんですよね。結局協力しないと仕事も進まないし、いいライブもできないですから。家事も同じで、二人とも仕事をしているので一緒にやらないとなかなか終わらないんです。佐野:よく「仕事でも家庭でも一緒で喧嘩にならないんですか?」って聞かれるんですけど、いつも一緒にいるからこそ、スケジュールが頭の中で共有されているので、今は喧嘩してる場合じゃないなってことがよくわかるんですよね。佐藤:それはそうだね。佐野:気持ちも状況も把握できているし、お互い大変そうなところを見ているからこそ、そんなときに無理な要求はしないし、逆にそんな中で何かをしてくれたら素直に感謝の気持ちも持てるんです。――その境地に達するまでには、やはり時間がかかりましたか?佐野:そうですね。佐藤:もう20年も一緒にやっているので、最初からバランスがうまくとれていたというよりは、時間とともに相性が合ってきた感じです。音楽もプライベートも。特に歩み寄ったつもりもないんですけど、長い時間一緒にいると、お互いの得意不得意が言わなくてもわかるようになってきて、パズルの凹凸のようなものが自然とうまくハマってくるんです。靴が足の形に馴染んでくる感覚に似ているかもしれません。音もそんな感じなんですよね。始めた頃は曲によってどちらかがメイン、どちらかがコーラスになっていたので、ハモっているんだか、ハモっていないんだかよくわからないものもあったりして。それが10年前くらいから、いい感じに声を合わせられるようになってきて。僕らのファンの方が思う“ハンバートの響き”みたいなものなんですけど、目指す響きを見つけられたり、練習中にアレンジが決まったりするとすごく気持ちが良くて。その気持ちよさを二人で共有しているからこそ、喧嘩をしたり大変なことがあっても、どうでもよくなってしまうんです。ハンバート ハンバート1998年結成。佐野遊穂(左)がメインボーカルを、佐藤良成(右)がボーカル&ギターを務める。夫婦でもあり、現在は3児を育てる5人家族。7/25に結成20周年記念盤『FOLK 2』を発売。8月16日より、全国10都市を回る記念ツアー「FOLK IS MY LIFE 2018」を行う。さとう・りょうせい1978年生まれ、神奈川県出身。早稲田大学卒。ボーカル、ギター、フィドル、ピアノほか、作詞、作曲担当。さの・ゆうほ1976年生まれ、東京都出身。和光大学卒。ボーカル、ハーモニカ担当。「ゆるキャラ係」※『anan』2018年8月1日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年07月26日圧倒的な存在感、演技力、そして迫力を持つ男、香川照之さん。しかしここ数年、俳優としてではなく、なぜか“おもしろ昆虫おじさん”としての側面が妙にクローズアップされており…。今回のインタビューも、虫の話で盛り上がりました。――すっかり昆虫マニアのイメージが定着しましたが、ご本人としてはそのあたり、どう思ってらっしゃるんですか?香川:嬉しいですよ(笑)。昆虫に関しては、本当に好きだし、なんの苦もなく話もできるので、キャラを作る必要もありません。そもそも、堂々と虫捕りできるってこと自体がありがたいじゃないですか。だって、いい大人が一人で公園で網振り回していたら、怪しさしかないですから。なので、番組で久しぶりに網振りをやらせてもらったときには、「うわぁ、やっぱり虫捕りって楽しいな!」って盛り上がっちゃいました。――大人世代は、ドラマや映画、舞台で活躍する香川さんを存じていますけれども、昆虫のテレビ番組でしか見ていない子どもにとっては、“カマキリ先生”でしかなかったりもしますよね?香川:そうみたいですね(笑)。友達が、ドラマに出ている僕のことを、「ほら、カマキリ先生だよ」って子どもに教えたらしいんだけど、泣いて否定したらしいんです。「違う、この人はカマキリ先生じゃない!!」って(笑)。結局、別人ってことで片付けたみたいですけどね。――もう本当に何度も聞かれていることと思うのですが、そもそもなぜ昆虫、しかもカマキリに、そこまで夢中になられたのですか?きっかけなどを教えていただけると…。香川:子どものときは、他の子よりちょっと虫が好き、という程度だったと思うんですよ。でも僕の世代だと、みんな普通に虫捕りとかしてましたから、特別にどうってこともなかったと思うんですけれど。でも言われてみれば、確かに夏休みとか、虫捕りしかしてなかったかもな…。――昆虫を捕るのが好きだったんですか?それとも飼うのが好きだったのでしょうか?香川:まず、捕まえるのが好きでした。今まで自由に飛んでたり、歩いていたりする昆虫を、瞬時に捕まえるあの快感を味わうのが好きです。網の中に虫が入ったときのあの羽音とか、たまらないんですよ。で、そのあと、そのボディをちゃんと手に取って、じっと眺めるのも好きでした。その感じって、僕が好きなカマキリの生態にも通じるところがあって。――とは?香川:カマキリって、昆虫の世界では、圧倒的なパワーがあるんです。さっきまでカマキリの前にいたはずのバッタとかを、ガッツリ手で掴んでバクバク食べていく。その、勝者と敗者の違いを見るのが好きだったんですよね。顔がなくなって、脚がなくなって、体がなくなって。最後は触覚と羽と、脚の先っぽくらいしか残らない。しかもバリバリとかバキッとか、獰猛な音もする。それを見て、“これが生命をひとつつなぐために生命をひとつ殺すことなんだな”って感慨深くなったりしたものです。――捕まえたカマキリを水槽などに入れて、観察されていたってことですか?香川:正確に言うと、飼うことには興味はないんです。生態は見たいんですけど、本能的に暮らしている生態が見たいので、カゴとかに閉じ込めるってことは、昆虫側には“逃げられない”というストレスがかかってしまう。それって昆虫の精神状態を戦時下に置くのと同じになってしまい、普通の行動はとれなくなるんです。でもこっちは、ごく普通の一日を見たいわけだから、飼うのはちょっと違う。だから小さい頃は、庭に5か所くらいポイントを作って、カマキリを放し飼いにして、毎日餌をやりながら、動向を見てました。“お前は見られてないと思っているかもしれないけど、僕は見てるぞ…”みたいな、遠くからのぞき見する感じですね。でも、人だってそうでしょ?誰かに見られてるって思うと若干視線を意識した行動をとるけれど、完全に一人だと、変な癖が出たりするじゃないですか?!それを遠くから望遠鏡で見る、みたいな感じですよ。それが、おもしろいんです。――対象物から距離をおいて、観察することが好きなんですね。香川:昔から“本当が知りたい”ってすごく思うんですよ。自分の眼力と心の力で見つけ出す“本当はこうなんだ”っていうのを掘り下げていくのが好きですね。それは昆虫だけではなく、あらゆることに対して、そうかもしれません。――ちなみに、先ほどのカマキリの観察は、おいくつくらいまでやってたんですか?香川:二十歳過ぎまで、普通にやってましたよ?かがわ・てるゆき1965年生まれ、東京都出身。’89年、NHK大河ドラマ『春日局』の小早川秀秋役で俳優デビュー。その後ドラマ、’90年代後半から映画でも活躍し、実力派俳優として高い評価を得る中、’13年にドラマ『半沢直樹』の大和田常務役を好演。昆虫に造詣が深く、『香川照之の昆虫すごいぜ!』(NHK Eテレ)も人気。7月13日~10月8日、国立科学博物館で開催される特別展「昆虫」のオフィシャルサポーターを香川さんが務める。世界で1点しかない貴重な標本から、この展覧会のために発見された新種の昆虫など、なかなか見られない標本や映像を展示。なかには、宝石のように美しい色みや、想像を絶する驚きの形の昆虫もいて、思わずうっとりすること間違いなし。ジャケット¥59,000(CIRCORO 1901)シャツ¥23,000(Giannetto)ベスト¥28,000(L.B.M. 1911)以上トヨダトレーディング プレスルーム TEL:03・5350・5567その他はスタイリスト私物※『anan』2018年7月18日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・藤井享子(by anan編集部)
2018年07月11日8月31日公開の映画『アントマン&ワスプ』の公開記念イベントが8日、都内で行われ、本作で日本語吹き替え版キャストを務めた内田有紀、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)が出席した。マーベル・スタジオの最新作となる本作は、2015年に公開されて大ヒットを記録した映画『アントマン』の続編となるもの。身長1.5cmの最強ヒーロー・アントマンと、彼を支える最強ヒロイン・ワスプの活躍を描く。前作『アントマン』に引き続き、内田有紀と小杉竜一が日本語吹き替え版キャストに。内田がホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ役、小杉がアントマンを支える友人のルイス役の日本語を担当している。そんな本作のイベントに、内田と小杉が登壇。エヴァンジェリン・リリー扮するホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ役を担当した内田は「前作とまったく違う声を入れさせていただきました。テンションも異なりましたね。今回はアクションが多かったので暴れまくってアフレコも色々と大変でしたが、すごく楽しくできました」と満足げ。一方の小杉は、前回の泥棒役から社長役という出世を遂げたが、「まさか泥棒から社長になるとは思いませんでした」と信じられない様子で、イベント中にはアントマン役のポール・ラッドが小杉のネタでもある「ヒーハー!」を披露した映像を流された小杉は「俺のヒーハー! 本家の『ヒーハー』すごいな!」とハリウッドスターの思わぬモノマネに驚いた表情を見せ、内田も「最高じゃないですか!」と賞賛した。イベント中には、小杉から内田へ歌のプレゼントを贈ることになり、小杉が「内田さんのワスプは、とても最高! ワスプをやるのは内田さんしかいない。だからタイトルを変えませんか? アルトマン&内田に~」と内田の前で熱唱。それを間近で聴き入った内田は「すごい! ちょっと泣きそうになりました。本当に感動しました! ありがとうございます。声が出るって得ですよね。すごい声が響きました」と恐縮しきりだった。映画『アントマン&ワスプ』は、8月31日より全国公開。
2018年07月09日『友だちを殺してまで。』という衝撃的なアルバムとともに、世の中に知られることとなったロックバンド、神聖かまってちゃん。アルバムには「23才の夏休み」という名曲があったが、その曲が作られてから10年、今度は「33才の夏休み」という名の曲を収録した10周年記念アルバム『ツン×デレ』をリリースする。バンドは弱火でじっくりやれば長く続けられるんです。「今年メンバーが揃って33才になるんです。『23才の~』には33才になっちまうさ、という歌詞があったんですが、この10年は早かったですね。人間て成長しながらも劣化していく、ということが確実にあると思うけど、そんなことも普通に歌詞に出ています。でもネガティブさだけでもない。このアルバムは両面があると思う」(の子)「以前のの子の歌詞は、子供の頃のこととか、昔のことしか歌ってなかったんですよ。でもこのアルバムは、この先のことも歌詞にしているので、ずいぶん変わったなと思いました」(ちばぎん)「ネタ切れということもある(笑)。今になって分かることもあるし、今ぶち当たっていることや葛藤を歌詞にしているからね」(の子)「10周年のタイミングで、こんないい曲が出てくるなんて、の子さんの才能は枯れてないなーって。実は5年前からあたためていたかもしれないけど(笑)、それぐらいいい曲、素敵なメロディです」(みさこ)結成以来、常に「解散するのでは」という危機感を抱えていたバンドだと言う。しかしアルバムを発表する度に、新しいサウンドを提示し、尽きることのない衝動を見せ続けている。彼らのロックンロールは、まだまだ鳴りやまないのだ。「本当に10年間、いろんなことがあって、人間的にも成長していると思う。の子がいちばん変わったのかな。昔は唯我独尊というか周りは何も関係ない感じだったけど、今は多少僕らを見てくれるようになったので、心地いいんですよね」(ちばぎん)「昔は歌詞もサウンドも一切触れてくれるな、というオーラが出てたから、メンバーはの子がやりたいことを形にしていたけど、今は4人でいいものを作ろうという気持ちが高まっていると思う」(mono)「の子さんから渡されたデモテープを基に、バンドでやってみようとなって録音すると、あれこんなにいい曲だったのかと、再認識することがすごく多くなってきた気がします。10年一緒にやってると、単純に演奏がうまくなっただけでなく、バンドサウンドに謎のグルーヴが生まれている感覚がすごいある」(みさこ)「まぁ、歌詞はパーソナルなものなので、そこを突っ込まれてもうるせーよ、ということですよ。逆にメンバーのパーソナルなことは僕も分からない。酒飲んで心から語り合おうというバンドじゃないし、そういうことすると解散するとマジで思っている。バンドは弱火でじっくりやるのが、いちばんいいし、長く続くってことでしょう」(の子)昨年、大ヒットアニメ『進撃の巨人Season2』のエンディング曲を担当したことに続き、今年は映画『恋は雨上がりのように』の主題歌に、彼らの代表曲「フロントメモリー」のカバーバージョンが使用された。の子さんは「恋愛映画にかまってちゃんだとイメージが悪いので、カバーになったのではないか」と自虐気味に話すが、もともと原作に彼らの楽曲が登場し、原作者のたっての希望で採用。の子&monoさんはこの映画の劇伴にも曲を提供している。「10年間の時を経て、かまってちゃんファンが権力を持ち始めたんだね(笑)」(ちばぎん)「そうそう、監督さんや原作者の方が、関係者の事情をかき分けて、主題歌はかまってちゃんがいいと説得してくれたんだろうね。才能のある方々に愛されるバンドということは、うれしいことですよ」(の子)9th Album『ツン×デレ』¥2,900 先行配信リリースされた「秋空サイダーfeat.たかはしほのか」や「33才の夏休み」など10曲を収録。(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)しんせいかまってちゃんみさこ(D)、mono(Key)、の子(V&G)、ちばぎん(B)。2010年『友だちを殺してまで。』でCDデビュー。8/18から「33才の夏休みツアー」後半がスタート。※『anan』2018年7月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)文・北條尚子(by anan編集部)
2018年07月08日チャットモンチーが7月に活動を《完結》する。昨年11月にふたりからのメッセージが発表されると、困惑と悲しみの声が巻き起こったが…。「いままでは次のアルバムはどうしようか、と考えてきたけれど、次の目標はチャットモンチーを終わらせる、完結させるという言葉が、さらりと出てきたんです」(橋本絵莉子)「えっちゃんからそう聞いたとき、なるほどと思いました。いい形で終わらせることができる気がして、すごく前向きになりました」(福岡晃子)11月の段階ではどんな完結になるか白紙だったそう。しかし、ふたりは最後に素晴らしいアルバム『誕生』を完成させた。しかもいかにもラストという“最終章”“集大成”という内容ではなく、新たな試みに溢れたポジティブな作品でもある。「ラストということをテーマにしてアルバムを作るのは難しかったので、いま私たちが一番興味のあるテーマで制作しました。それが生楽器をほとんど使わない、全編打ち込みというサウンド作りでした。最後に新しいことに挑戦するのもチャットらしい、という気持ちもあり、前進しながら作ったアルバムです」(福岡)主にトラックメイキングは福岡さんが手掛けたが、「打ち込み初心者なので、先輩のPOLYSICSのハヤシさんなどに、電話やメールをしまくって(笑)、あれこれ教えてもらいながら作り上げました」。そして完成した作品は、作り方は変わっても、まさしくチャットモンチーにしか奏でられないサウンドだ。「歌詞についても、こんなふうに思われるかな、ということをいつもより気にしないで書きました。リード曲の『たったさっきから3000年までの話』は、実家の父の姿と息子の姿を重ね合わせて、世代交代をしていく感じを詞にしました」(橋本)福岡さんが書いた「裸足の街のスター」は、そのままチャットモンチーのことをテーマにしている。「最後の歌詞になるから、いままでのことを書けたらな、と思って。裸足というのは、徳島のスタジオが靴を脱いで演奏するところだったので。昔のライブは靴下でやっていたんですよー!(笑)」(福岡)また「砂鉄」という曲は、元メンバーの高橋久美子さんが歌詞を提供している。3人の関係をストレートな言葉で綴る美しい曲だ。「3人で作ったもののCD化していない良い曲があったので、それを入れようと思っていたら、デモテープが見つからなくてメロディが思い出せなかったんです。それで、久美子にイチから新しい歌詞をお願いしてみました」(橋本)あまり語られない家族のこと、メンバーのことを彷彿とさせる歌が聴けるのも、嬉しいポイントだ。『誕生』リリース後は、武道館のラストワンマンと徳島のイベントで、いよいよチャットモンチーは完結する。完結後のことを聞いてみると、橋本さんは「分からないです。いまはまったく想像できない」、福岡さんは「決まっていません。転職してもいいかな(笑)」。ショックを受けるファンがいるかもしれないけど、「趣味になっても音楽は続けていくと思う」とも。どんな形であれ、またいつかふたりが奏でる素晴らしい音楽を聴ける日が来るだろう。写真左・福岡晃子(B&D&KEY)右・橋本絵莉子(V&G)7/4にラストワンマンを日本武道館で行う。7/21・22は地元・徳島で「チャットモンチーのこなそんフェス2018」を主催し、結成から18年の活動を完結させる。Last Album『誕生』【初回生産限定盤】¥3,000【通常盤CD】¥2,400全編打ち込みで制作された7枚目のオリジナルアルバム。全7曲。『誕生』と同日発売の6th Album『共鳴』【Forever Edition 2CD】¥3,4006thアルバムのリマスター盤。DISC2は『共鳴』の全曲の、2015~2016年に演奏されたライブテイクを収録したCD。(Ki/oon Music)※『anan』2018年7月4日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)文・北條尚子(by anan編集部)
2018年07月01日最新映画を様々な角度からディープに切り取り、発信する情報バラエティ番組『ムビふぁぼ』。MCを務めるのは、人気声優の内田真礼さんと、注目の若手俳優、健太郎さん。仕事帰りにふとテレビをつけた時、気楽に見られる楽しい番組にしたい。――二人のMCは笑いが多くて楽しそうです。初対面だったんですか?内田:そうなんです。お会いするまでは硬派な方だと思って緊張していたんですが、話し始めたらこんなにイケメンなのにノリがよくて。私のコメントにもちゃんと突っ込んでくれるので、これはいける!と最初から攻めていきました(笑)。健太郎:実は僕、人見知りなんですが、内田さんが初対面の時にものすごい笑顔で登場されたので、すっと心が開けたんです。――MC経験は豊富ですか?内田:MCの経験は少ないですね、普段は声優同士の仕事が多いので、俳優さんと話す機会も少ないんです。今回、新しいチャレンジに飛び込んでみました。健太郎:僕は物心ついた時から、しょっちゅう映画が流れている環境にいて映画好きになったので、オファーをもらった時はうれしかったですね。アニメも大好きだから、声優さんとご一緒できるのも楽しみで。内田さんは声が本当にキレイ。タイトルコールの「ムビふぁぼ」も内田さんの声なんですよ。内田:声優としてお芝居をしている時は気持ちをぶつけて戦っていくような感覚なんですが、この番組のMCはラフにできてすごく心地いい。映画の新情報まで知れるし、私自身どんどん映画が好きになってます。前回の収録のあと、23時ぐらいからレイトショー観に行っちゃいました。健太郎:そうそう、僕たちがワイプに映っている時にも、実は音声を拾って流しているのを後で知りまして。内田:そう、オンエア見て、声入ってる!って。それで2回目からはワイプ中でしゃべりだしてね(笑)。健太郎:そんなラフな感じもまた気持ちがいいんです。視聴者のみなさんにとっても、仕事から帰ってきてふとテレビをつけた時にラクな気持ちで見られる番組になるといいです。内田:あともう1つ、健太郎さんが出演する映画も取り上げるので、健太郎さんの役者の顔とMCの素の顔、Wの魅力を堪能できると思います!健太郎:これ、見出しにしてください!(笑)うちだ・まあや1989年12月27日生まれ、声優、女優、歌手。2012年に放送された『中二病でも恋がしたい!』の小鳥遊六花役でブレイク。以降、人気声優として活躍する。現在「Magic Number」ツアー2018の真っ最中。けんたろう1997年6月30日生まれ、俳優。ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』で役者デビュー。9月公開予定の映画『コーヒーが冷めないうちに』に出演。8月1~8日に「GALLERY BY PARCO」にて写真集『G 健太郎』写真展が開催決定。最新映画の魅力を、内田真礼さん、健太郎さんの明るく軽快なトークで掘り下げる『ムビふぁぼ』は、毎月1回TBSにて放送中。次回は7月16日(月)24:58~25:28。民放公式テレビポータルアプリTVerでも配信。※『anan』2018年6月27日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・陶山沙織(内田さん)Yoppy(Juice/健太郎さん)ヘア&メイク・井原結衣(フリンジ/内田さん)島 徹郎(Juice/健太郎さん)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2018年06月23日“反則タックル”を指示したとして日本中から非難を浴びている日本大学アメリカンフットボール部の内田正人前監督(62)だが、彼が支配しているのはアメフト部だけではない。会見に出席した記者はいう。 「井上奨コーチは一貫して、一連のタックルを行った選手への発言は内田氏からの指示ではなく、自分の判断だと言い張りました。日大の職員でもある井上コーチが、大学の常務理事である内田氏を守ろうとしているのが見え見えでしたね」 日本大学の理事長は、相撲部の総監督であり、元学生横綱でもある田中英寿理氏(71)だ。内田前監督は理事長の右腕だといわれている。バルセロナ五輪の柔道銀メダリストで、日本女子大学体育学部の溝口紀子教授は、日本大学の体質をこう評する。 「クラブの顧問が内田前監督のように大学の常務理事になれるということはまずありえません。しかし日大の場合は田中理事長の場合もそうですが、クラブで実績を上げると評価され上層部に引き上げられます。だから、日大の執行部は上意下達の体育会系気質をそのまま持っている。統治システムが働かず、理事長意外は誰もナンバー2の内田前監督にものを言えないから、真相も究明できないし、対応が後手後手になり、学生を守れない」 人事担当の常任理事である内田氏は職員に対しても、絶対的な権力を持っているという。日大の職員は怒りを込めてこう語った。 「人事権を持つ彼に逆らえる人は、学内には誰もいません。日本大学では田中理事長が総監督を務める相撲部OBと、アメフト部OBが幅を利かしています。内田さんが取締役を務める日大の関連会社には、複数のアメフト部員や相撲部員が採用されていますが、ここに務めたのち、日大本体の職員に採用するというのが内田さんと田中理事長が作ったルート。井上コーチもこの道を使って、日大の職員となりました」 部外でも内田前監督のパワハラ体質は変わらないようだ。日本大学ユニオン準備会代表の志田慎さんはこう明かす。 「いま、大学では非常勤講師の“雇い止め”が進んでいます。今年3月、把握しているだけで約20人が解雇。数年かけて、3千600人の非常勤講師を雇い止めするつもりです。何度も大学側と団体交渉してきましたが、人事担当の理事でありながら、内田氏は一度も出てこず、逃げ続けた。先日の会見を見て、“あぁ、やっぱり”と思いました。コーチや学生にすべて責任を押し付けて自分だけ逃げきろうとしているんですから」 日大アメフト部の監督を辞任した内田氏。だが、彼が日大の常務理事にいる限り、アメフト部と学内の“パワハラ体質”の本質的な改善は難しいかもしれない。
2018年05月30日シネマカフェが中村倫也を“ネクストブレイク男子”の1人に選んだのは、2016年初頭のこと。大ヒットドラマ「下町ロケット」を経て「お義父さんと呼ばせて」にレギュラー出演、主演映画『星ガ丘ワンダーランド』も控えていたことから、「次に来る“塩顔系”の若手演技派」として紹介した。そして2018年5月、いまや最新映画、NHK連続テレビ小説、民放連続ドラマ、世界Hulu配信ドラマと4本の作品に出演!その観る者を翻弄する役ヘのなりきりぶりで“カメレオン俳優”の名をほしいままにし、その都度、SNSを沸かせている。そんな中村さんの現在、目にすることができる“4つの顔”に迫った。■スカウトでデビューし、舞台で演技力が開花1986年12月24日生まれ、東京都出身の中村さん。高校1年のとき、松坂桃李、菅田将暉などを要する所属事務所にスカウトされ、養成所で演技を学び、ダンカンが監督・脚本を務めた2005年の映画『七人の弔』でデビュー。同年の村川絵梨がヒロインを務めたNHK連続テレビ小説「風のハルカ」にも出演した。吉高由里子、賀来賢人ら生徒役が超豪華な「太陽と海の教室」(2008年)では岡田将生をパシリ扱いする御曹司役を務め、大河ドラマ「天地人」(2009年)は終盤で豊臣秀頼役を演じるなど、ドラマのゲスト出演を数多くこなしていたが、主戦場は舞台だった。やがて、2012年にブロードウェイミュージカルの日本版「RENT」で主要キャストに抜擢され、芸能生活10周年の2014年に初座長を務めた「ヒストリーボーイズ」で「第22回読売演劇大賞」優秀男優賞を受賞したあたりから、ジワジワと注目を集め始める。是枝裕和監督の『そして父になる』(2013)、映画版『海月姫』(2014)、大河ドラマ「軍師官兵衛」などに出演。2015年は『マエストロ!』『ピース オブ ケイク』ほか出演映画が5本も公開され、舞台版「ライチ☆光クラブ」では、映画で古川雄輝が演じた“絶対君主”ゼラを演じ切った。ふり返れば、確かに2016年はターニングポイントの1つだったかもしれない。「お義父さんと呼ばせて」では渡部篤郎の息子で蓮仏美沙子の兄・葉理男を演じたが、彼には“女装”というヒミツの趣味があることが発覚。中村さんの女装姿は反響を呼び、ドラマ最終回を前に中村さん自身も葉理男ならぬ“ハリコ”の画像を投下するほど。さらに、「闇金ウシジマくん Season3」“洗脳くん編”での怪演ぶりも大きな話題となった。■昨年は映画5本&ドラマ8本をこなし、今年は「ホリデイラブ」が話題に2017年は、ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門で正式上映された『愚行録』や、『3月のライオン』『笑う招き猫』『あさひなぐ』『先生!、、、好きになってもいいですか?』と5作の映画に出演。ドラマでは、「スーパーサラリーマン左江内氏」でムロツヨシ、「新宿セブン」で上田竜也(KAT-TUN)の“バディ”として印象を残し、「伊藤くん A to E」では夏帆に思いを寄せる脚本家“クズケン”を好演した。そうかと思えば、この3月まで放送されていた、あの「ホリデイラブ」だ!中村さん演じる妻に浮気をされた“サレ夫”・井筒渡が相手に反論の余地も与えないほど一方的にまくしたて、キレまくる、ドS男子どころではない鬼畜ぶり。その独壇場は“渡劇場”と称され、「わたるん」というカワイすぎる(?)呼び名も定着し、何度もトレンド入り。浮気をした妻(松本まりか)もかなりしたたかだったので、どっちもどっちな夫婦ではあったが、同クールに登場した「きみが心に棲みついた」の向井理や「トドメの接吻」の新田真剣佑と並んで“狂気的男子”とも呼ばれた。そんな中村さんがいま、「わたるん」とはとても同一人物には思えないほどの振り幅で、さまざまなキャラの男子を演じ分けている。■ゆるふわなモテ男子・朝井正人連続テレビ小説「半分、青い。」自ら「マシュマロ男子」と呼ぶ、ゆ~るくて、ふわふわした雰囲気のモテキャラを演じているのが、「半分、青い。」。現在、舞台は東京に移り、少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)に弟子入りしたヒロイン・鈴愛(永野芽)と大学生になった幼なじみ・律(佐藤健)はそれぞれ新生活がスタートしたが、5月12日(土)放送回に愛猫とともに初登場して以来、ちょっとした事件となっているのが、中村さんが演じる“マアくん”こと朝井正人の存在。律の大学の同級生で、アパートの隣人。複数の女性にモテながらも「別れ際はよく切れるナイフでスパッと。これ鉄則」とちょっぴり残酷なところも見せつつ、北海道訛りを隠すために“一文節ずつしか喋らない”という奇特キャラ。しかも、律とは因縁めいた過去があり、すっかり意気投合。「毎日かわいいマアくんが見られるなんてしあわせ」という声が聞こえる中、律とともに弓道部に入ったため、胴着姿も披露する。今週の予告映像には「鈴愛ちゃんの彼氏の正人」と自己紹介するシーンがあり、目が離せない展開が待ち受けていそうだ。■職人ツンデレ男子・江口竜二ドラマ「崖っぷちホテル!」また、4月からスタートした日本テレビ系日曜ドラマ「崖っぷちホテル!」では、“ホテル界の風雲児”・宇海直哉(岩田剛典)が立て直そうとする、崖っぷち老舗ホテルの競艇狂いの総料理長・江口を務めている。だが、宇海が下した早速の人事異動で総料理長を降格させられ、代わって新人パティシエのハル(浜辺美波)が務めることに!本作では、朝ドラのゆるふわな“マアくん”正人とは、テンションが真逆ともいえる。普段は競艇新聞ばかり見ており、底抜けに明るく天然なハルのツッコミ係だ。とはいえ、料理のこととなれば真剣そのもので、たとえ総料理長ではなくとも「料理ができればいい」「(お客に)おいしいと言ってもらいたい」という職人魂が、江口から透けて見えるようになってきた。最初は宇海を快く思っていない様子だったが、謎多き宇海の懐に入り込めるのは、もしかしたら江口だけかも。チームワークの良さが番組公式SNSからも伝わってくるが、ハルとの名(迷)コンビの行方と宇海の“荒療治”に興味は尽きない。後3時間#中村倫也 #クシャ感 #たまらないです #崖っぷちホテル #崖ホテ【公式】崖っぷちホテル!さん(@gakehote_ntv)がシェアした投稿 - 2018年 5月月13日午前3時36分PDT■ギラつく“狂犬”男子・永川恭二映画『孤狼の血』そんな中、役所広司をはじめ、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介など豪華キャストが集結し、2018年の映画界を代表する“事件”となりそうな『孤狼の血』(白石和彌監督)にも中村さんは出演している。<警察小説×『仁義なき戦い』>と評された柚月裕子の原作を映画化した本作は、近ごろの日本映画ではあまり見られない熱さとバイオレンス描写が話題となっており、週末興行ランキングでは初登場3位と好スタート。中村さんが演じるのは、尾谷組の一之瀬(江口さん)の元で働く若きヤクザ・永川恭二。白石監督が言うように、まさに「狂犬」そのものの血の気の多い若者で、刑事の大上(役所さん)に対しても、敵対する組員たちにもにらみを効かせ、ついにはある行動を起こす重要なキャラクターの1人だ。ちなみに、単なる偶然…ではないと思うが、本作のキャッチコピー「血湧き肉躍る」が「半分、青い。」のナレーションで言及されていたこともあった。■キレ者(?)刑事男子・柴田達也「ミス・シャーロック/Miss Sherlock」そして、上記の3作とも、「左江内氏」の腰巾着お巡りさんとも異なる、段違いにしっかりとしたキャラクターなのが本作。警視庁捜査一課の柴田巡査部長を演じており、礼紋警部(滝藤賢一)が何かと警察部外者のシャーロック(竹内結子)を頼りにするのが面白くない。BBC版「シャーロック」でいえば、ロンドン警視庁のサリーや鑑識のアンダーソンのような立場ではあるが、日本オリジナルのキャラクターとなっている。「カットがかかっても永遠にアドリブで続けられる」と滝藤さんがコメントするように、この2人のコンビや、シャーロックと和都(貫地谷しほり)も加わった4人の会話シーンは、奇怪な事件を扱いながらもコミカルで見逃せない。本作は、Hulu×HBO Asia共同製作であり、世界19か国で配信されることにも注目だ。なお、WEBショートムービー「言えなかった男篇」(AGC旭硝子)では、『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』などの吉田大八監督と初タッグで、ミュージカルで培った圧巻の歌声とパフォーマンスを披露している。その歌声や身のこなしの素晴らしさは、映画やドラマで引っ張りだことなっても、舞台俳優・中村倫也の魅力を改めて思い起こさせてくれる。今後は秋公開の『オズランド笑顔の魔法おしえます。』、2019年公開の『美人が婚活してみたら』なども控えている中村さん。朝の顔となって、さらなる層にファンを広げた後はどんな“男子”を演じてくれるのだろうか?(text:Reiko Uehara)■関連作品:孤狼の血 2018年5月12日より全国にて公開ⓒ 2018「孤狼の血」製作委員会
2018年05月17日ちょっとうさんくささ漂う(!?)この方の名は前野健太、シンガーソングライター。4年半ぶりのオリジナルアルバム『サクラ』は、大人の男の色香エキスたっぷりのロマンティックなアルバムだ。この夏、女子をメロメロにしそうな名曲が並ぶ。心にたまったものを書かないと具合が悪くなるんです。「前作を出してから、かなり自堕落な生活をしていたところ、映画に出ることになったり、舞台をやらせていただいたり、音楽以外の活動が続いたんです。そしてふと、あれ、オレは歌の人だよね、そろそろ作らないとね、ってメラメラと歌作りに燃えてきました。やるからには誰も聴いたことのない“ニュー歌謡曲”を作ろうと思っていました」アルバムは出していなくても、肌身離さず持っているノートには、心に浮かんだ言葉や、フレーズを書きためている。ノートをのぞかせてもらうと〈ふたりは臆病だったのかもしれない……〉など、グッとくる言葉がびっしりと。「書き留めた言葉が歌詞になったり、小説になったり。心の中にたまったものを書かないと具合が悪くなるんです(笑)。歌詞とメロディができたら、今回は新しい試みというか、最新の音楽をやっているクリエイターの方に、プロデュースをお願いし、僕の声がどうサウンドに響いていくかを大事にしながら作っていきました」1曲目の「山に囲まれても」はceroの荒内佑さんがプロデュース。センチメンタルで切ない心情を、前野さんに歌わせている。「できあがってみて驚いたのは、プロデューサー陣が、歌詞の生まれた景色を見事にサウンドで表現していること。山でカエルを見たのはオレなのに、なんでオレよりこの風景を知ってんの!って、僕より深く歌詞を読み取るすごさに驚きました」13の収録曲は昔から馴染んだ曲にも思えるし、初めて聴く音楽にも聞こえてくる。それに何といっても前野さんの声がいい。良すぎる!「まぁ相変わらず酒を飲んでは失敗し、気づいたら昔の家の前で寝てた、なんてことをしでかしてますが、その後ろめたさとかだらしなさも、歌に味を出すんですよ(笑)。割と重要ですね、そう信じています」まえの・けんた2007年、自己のレ-ベルより『ロマンスカー』でデビュー。一昨年みうらじゅん原作、安斎肇監督の『変態だ』に主演し、俳優としても注目の存在に。5/20のShibuya WWW Xを皮切りに5都市をツアー。6th Album『サクラ』¥2,500アルバムのキャッチコピーは“平成よ、ありがとう。愛があって、歌があった”。「嵐~星での暮らし~」など、平成最後の年を飾る新しい歌謡曲が13曲。(felicity)※『anan』2018年5月16日号より。写真・内田紘倫(The VOIVE)文・北條尚子(by anan編集部)
2018年05月13日女性用使い捨てカミソリ国内トップシェアの貝印株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:遠藤 宏治)は、KAIビューティーアンバサダーである内田理央さんによるオリジナルセレクトセットを3月23日(金)より数量限定で発売中。内田理央オリジナルコスメポーチ付き スペシャルセレクトセット2種数量限定発売中提供:貝印現在数量限定で発売中のこちらは、内田さんが貝印のビューティーツールからお気に入りを厳選した「ピュア肌ベースメイクセット」と「ワザありアイメイクセット」の2種類に、内田理央さん考案デザインのオリジナルコスメポーチ付きのスペシャルセット。セット内容の確かな使い心地はもちろんのこと、キュートな絵柄のポーチは、持っているだけで美意識がアップすること間違いなし。いつものメイクをより楽しく、さらに魅力的にするセット内容ピュア肌ベースメイクセット(オリジナルポーチ付) 価格:3,200円(税抜)とにかく肌を綺麗に見せたい!という方にはこちらがオススメ。ファンデーション選びだけに力を入れず、うぶ毛のお手入れや、艶肌ファンデーションブラシを使用することで、より理想的なピュア肌に近づくことができるかも。bi-hada ompa提供:貝印うぶ毛のケアに着目し、1秒間に約100回の音波振動で刃が肌に与える抵抗を軽減した世界初の音波振動カミソリ。艶肌ファンデーションブラシ提供:貝印リキッド・クリームなど使える種類を選ばないオールファンデーション対応のファンデーションブラシ。cosmeup リップブラシ(平)提供:貝印ベタ塗りに適した平の形状。軟らかいPBT毛を使用。ポーチ提供:貝印明るいピンク地とさくらんぼ柄が可愛いポーチ。ワザありアイメイクセット(オリジナルポーチ付)価格:3,200円(税抜)至近距離でアイメイクを見られても、動じることのない仕上がりにしたい方にはこちらがオススメ。まつ毛や目のキワのアイシャドウを綺麗に見せることができるセットです。ホットアイラッシュカーラー グラマラスレッド提供:貝印新発想のヒートパネルで、自然な放射状のまつ毛を作ることができる、こだわりのホットアイラッシュカーラー。cosmeup アイシャドーブラシS提供:貝印目のキワにアイシャドウを綺麗にのせられるアイシャドウブラシ。cosmeup アイシャドーブラシM提供:貝印アイホールと目のキワのグラデーションを綺麗に整えるアイシャドウブラシ。ポーチ提供:貝印大人可愛いバラ柄が特徴のポーチ。オリジナルポーチについて内田理央さんからコメント提供:貝印今回特別に内田理央さんが考案したオリジナルポーチは、さくらんぼ柄のキュートなデザインと、バラ柄の女性らしいデザインの2種類。デザインのポイントについて内田さんは、「キャンパス地に、それぞれさくらんぼとバラをちりばめた、とても女の子らしいデザインに仕上がったと思います。茎の緑色が差し色になっているところもお気に入りです」とコメント。「ぜひ新生活の始まりや、気分をあげたい時などに使ってほしい。2種類あるので、用途や気分に合わせて使い分けていただくのも良いですね」と期待をのぞかせました。内田理央 Profile提供:貝印■生年月日:1991年9月27日■出身地:東京都■血液型:O型■職業:女優、モデル■趣味:漫画を読むこと、イラスト■特技:自撮りを可愛くとること■好きな食べ物:赤身のお肉、麦ご飯■好きな場所:お布団のなか■美の秘訣:頑張りすぎず、ゆっくりでもいいから自分にあった物や方法を見つける事が大事だと思います。スペシャルセレクトセット詳細全2種/各3,200円(税抜)/数量限定発売中ピュア肌ベースメイクセット(オリジナルポーチ付)bi-hada ompa艶肌ファンデーションブラシcosmeup リップブラシ(平)ワザありアイメイクセット(オリジナルポーチ付)ホットアイラッシュカーラー グラマラスレッドcosmeup アイシャドーブラシ(S)cosmeup アイシャドーブラシ(M)イガリシノブさんのメイク術も公開中
2018年04月25日“月9”ドラマに久々に主演する長澤まさみさん。今回演じる役どころや、撮影の裏側について聞きました。ある時は会員制クラブの妖艶な女性オーナーに、またある時は颯爽と空を飛び回る客室乗務員になりすまし、欲望にまみれた人間たちから大金を騙し取る―。ドラマ『コンフィデンスマンJP』で、女信用詐欺師のダー子を演じる長澤まさみさん。いわゆる“月9”で長澤さんが主演を務めるのは、2007年放送の『プロポーズ大作戦』以来、約11年ぶりのこと。「まさか、また月9ドラマに出演させていただけるとは思っていなかったので、驚きました。詐欺師を演じるのは、この作品が初めて。詐欺師という一つの役でいろいろなキャラクターに扮するのには、難しさもあるけれど、“誰かになりきって”人を騙していくこと自体は、俳優とい仕事とそこまでかけ離れていないのかな、と思います。そういう意味でも演じがいのある、自分らしさを存分に出すことができる役です」長澤さんがドラマの中で挑戦したコスプレは、なんと20種類以上。特に思い入れのあるものを聞いてみると、少し意外な回答が。「あるエピソードで登場する、山形出身の40代の女性農家のキャラクターですね(笑)。方言が醸し出す魅力には、見た目以上の面白さがあると思いました。逆に、いちばん演じにくかったのは、やはり素のダー子です。第三者に扮しているあいだはそのキャラが立っているぶん、実は彼女のバックボーンに関してはあまり語られることがありません。スキがなくてどこかつかみどころのない、ダー子という人格にどう筋道をつけていくか。そんなことを常に考えながら撮影に臨んでいました」謎めいた女性・ダー子とタッグを組むのは、小心者でお人好しなボクちゃん(東出昌大)と、百戦錬磨のリチャード(小日向文世)。3人の個性豊かな信用詐欺師のチームワークもこのドラマの注目ポイントだ。ちなみに撮影中は、年長の小日向さんがムードメーカーとなって現場を盛り上げてくれたそう。「不思議な3人組でしたね。みんなで受ける取材の時は、だいたい小日向さんが暴走してしゃべりすぎて、終わってから裏ですごく反省していました(笑)。撮影の合間も私たちをたくさん笑わせてくれるのですが、本番ではスッと切り替えて、ばっちり決めてしまう。東出くんはそれに引っ張られないように、あえて聞いていないふりをしたり、必死で堪えていたと思いますよ」楽しげな撮影エピソードからは和気あいあいとした雰囲気が伝わってくる。その一方、作中では時として、お互いがお互いを騙し合うというスリリングな展開も待ち受ける。「とにかく見ている人が笑って、そして気持ちよく騙されてくれたらいいなと思って全力で演じました。目の前で繰り広げられる激しい騙し合いの世界に、ぜひどっぷり浸っていただければと思います」『コンフィデンスマンJP』3人の信用詐欺師たちが、毎回さまざまな業界を舞台に、奇想天外な計画で大金を手に入れる。『リーガルハイ』の古沢良太氏が脚本を手掛ける痛快エンターテインメントコメディ。毎週月曜21:00~、フジテレビ系で放送中。ながさわ・まさみ1987年6月3 日生まれ、静岡県出身。山田孝之さんとW主演を務める映画『50回目のファーストキス』が6月1日に公開。11月初旬より劇団☆新感線の舞台『メタルマクベス disc3』にも出演予定。ワンピース¥71,000(SEYA/SUPER AMARKETTEL:03・3423・8428)イヤリング¥71,000(CHARLOTTE CHESNAIS/EDSTRoM OFFICETEL:03・6427・5901)※『anan』2018年4月25日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・影山蓉子(eight peace)メイク・河北裕介インタビュー、文・瀬尾麻美
2018年04月23日一大ブームを巻き起こし、今なお愛され続ける名作ドラマ『花より男子』。その新章となる『花のち晴れ~花男 Next Season~』が、4月17日から放送される。主人公の江戸川音(えどがわおと)を演じるのは、連続ドラマ初主演となる杉咲花さん。「前作の『花より男子』は、毎週ワクワクしながら見ていました。なので、役とはいえ、牧野つくしさんと同じ制服を着たり、同じ学校に通うことができるのは感慨深いです。初めて衣裳を着たときには、鳥肌が立ちました。それに、これまで青春ラブストーリーのような物語に出演したことがなかったので、その経験もとても新鮮です。こうして新しいものに挑戦できるのは幸せですね」最初に脚本を読んだときから、音のキャラクターに心惹かれたという。「音ちゃんは、素直だけど、ちょっと不器用。でも、その性格ゆえにもがいている姿にこそ、共感できるし、応援したいという気持ちになるんです。芯の強さだけではなく、ふんわりとした可愛らしさを持ち合わせているところも魅力的。そんな、音ちゃんの素敵な部分をちゃんと表現できるかと不安になったこともありました。でも、今は私という生身の肉体を通して、新しく生まれてくる表現ができればいいなと思っています。髪も、原作の音ちゃんのイラストを美容師さんに見せて切ってもらいました。少しでも役に近づけたら嬉しいなと思っています」社長令嬢だった音は、父の経営する会社が倒産して貧乏暮らしを強いられるも、たくましく生きていく。「逆境に強いところは音ちゃんに似ています。悔しいし苦しくても、そういう環境に置かれることは好きです。内心、喜んでいることもあるくらい(笑)。周りに流されない姿も親近感を覚えますね。私も高校生の頃から流行を気にするのをやめて、自分が好きだと思うものに自信を持てるようになりました。それは、このお仕事を始めてから好きなことを貫いている人に出会い、刺激を受けたから。それが、自分らしくいられる一つの要因なのかもしれません」今作では、神楽木晴(かぐらぎはると)を演じる平野紫耀さんや馳天馬(はせてんま)役の中川大志さんなど、同世代の役者たちが揃い踏み。「初回の本読みの日に、一緒にゲームをすれば距離が縮まるかなと思って、みんなで人狼ゲームをしました。平野さんはとにかく天然で面白い、いつも現場を明るくしてくれるムードメーカーです。大志くんは5年前にも共演したことがあって、すごく話しやすい。ほかの共演者の方々も、みなさん本当にフレンドリーです」今作は、「学生時代を思い出しながら楽しめる作品」と杉咲さん。「学生ならではの変化しやすい感情や、それを自分でもコントロールできずにいる登場人物たちの姿は、“こんなときもあったな”と、大人の方の目には可愛らしく映ると思います。きっと、応援したくなるキャラクターが見つかるのではないでしょうか。気軽に見られるけれど、シーンによっては引き込まれる瞬間も。いろいろな楽しみ方ができる作品に仕上がっていると思います」すぎさき・はな1997年10月2日生まれ。東京都出身。映画『BLEACH』が7月20日、『パーフェクトワールド』が10月5日公開。写真集『ユートピア』(東京ニュース通信社)が発売中。実家が倒産して貧乏になった江戸川音は、超名門高校である英徳学園の品位を保つために“庶民狩り”を行うC5にバレないよう、“隠れ庶民”として学園に通うが…。4/17スタート。毎週火曜22:00~、TBS系にて放送。※『anan』2018年4月11日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・井伊百合子ヘア&メイク・奥平正芳インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年04月09日モデルで女優の内田理央とお笑いトリオ・ダチョウ倶楽部が29日、都内で行われた「スリムビューティハウス 新イメージモデル発表会」に出席した。内田とダチョウ倶楽部は今回が初の共演。イベントでは上島竜兵が女装姿で登場し、肥後克広と寺門ジモンは「内田さんよりも上島の方が美しい」と内田をライバル視する。そんな上島の美の秘密は“熱々おでん”とのことで、会場にはおでんが登場した。食べるのを渋る上島に、肥後と寺門、内田が「じゃあ、やります」と挙手し、最後に上島が「俺がやります」と手を上げると、「どうぞどうぞ」となるお決まりの芸を披露。ダチョウ倶楽部の3人が“おでん芸”で笑いを誘った後、内田も人生初となる“おでん芸”に挑戦した。これに対して上島が「なんであんたがやるんだよ! ちょっとかわいいからって」と内田に怒りながら近づきキスを詰め寄るも、内田が「近くで見るとけっこうきれいですね」と上島を褒め、寸前でキスを防いでいた。肥後から「一瞬、(キスを)受け入れた?」と聞かれた内田は、「でも、(キスは)無理だって思いました」と本音を明かした。また内田にとっては初めての“キス芸”だったが、「キスを拒む間が絶妙だったよ」と上島から絶賛されていた。またイベント終了後の囲み取材にて、記者からの「今日をきっかけに、竜兵会に入りたいという思いは?」と質問に、「憧れの竜兵会ですけど、レジェンド感が強すぎてちょっと緊張しますよね」と内田。しかし肥後は「内田さんは竜兵会合わないともうな、野呂(佳代)でギリギリだな」と返し、上島も「悪いけどちょっとお断りします」と話し、笑いを誘っていた。
2018年03月29日料理の腕が瞬時に上がる。かけるだけでご馳走! な調味料。最小限の材料でひと工夫あり、が決め手に。いつもの料理に加えるだけで味のバリエーションがぐっと広がる「ちょい足し調味料」は、「味噌や醤油などベーシックな調味料に、プラスαがあるものを選ぶと失敗しません」と、『FOOD&COMPANY』のスタッフ・佐藤美智子さん。「良質な材料にこだわってシンプルに作られたものがおすすめ。食材の味を邪魔しないので、さまざまな料理に応用がききます」ごはんに合う食材を中心に全国のおいしいものを提案する『AKOMEYA TOKYO』の食品バイヤー・有坂兼司さんは、「商品が生まれたきっかけなど、背景の物語にも注目を。よりおいしく感じられるし、使い方のヒントが見つかることも多いです」さっそくお二人オススメの調味料と、その調味料を使ったアレンジレシピをご紹介します!ごぼう味噌(津乃吉)うまみ食材たっぷりの味噌は、ありそうでなかった万能調味料。米味噌にごぼうとしめじ、丹波黒鶏のスープを贅沢に使った、うまみいっぱいのおかず味噌。「白だしとお湯で即席の味噌汁になり、忙しいときに重宝」(佐藤さん)。もちろんそのままごはんにのせても。「飲んべえのスタッフの間ではお酒のアテとしても人気」140g ¥589(FOOD&COMPANY TEL:03・6303・4216)かつお節などを混ぜた「かつお味噌」も評判。【アレンジレシピ:たまごかけごはん】熱々ごはんに卵と一緒にのせ、味噌卵かけごはんに。甘めの味噌と卵がよく合い、そこにごぼうやしめじの食感&風味が加わって、シンプルな卵かけごはんがごちそうに!のせのせバターしょうゆ(IZA)バター+醤油+にんにく。炭水化物に合う禁断の調味料。「バターと醤油は不動のマリアージュですが、そこににんにくと玉ねぎも加わり、より魅惑的な味わいに」(有坂さん)。ごはんに混ぜれば即席ガーリックライスの出来上がり。「パスタやラーメンなどに途中で加えて、“味変え”するのにもぴったりです」開店以来のベストセラーは、まとめ買いしていく女性も多い。100g ¥475(AKOMEYA TOKYO TEL:03・6758・0270)【アレンジレシピ:きのこソテー】炭水化物だけでなく、「炒めた野菜やきのこに絡めてもおいしい。味がしっかりしているので、淡泊な食材だけでなく、焼いた肉などにもよく合います」(有坂さん)。紀州 梅昆布茶(JA紀南)昔ながらの飲み物が、新たな調味料として大活躍。本来はお湯で溶いて飲むものだけれど、ごはんのおともや調味料として最近人気なのがこちら。「昆布のうまみで梅干しの酸が和らぎ、使いやすい。魚のフライに添えたり、そうめんのつゆに加えても。個人的には納豆に入れて食べるのが好きです」(有坂さん)紀州産の完熟南高梅の梅肉をベースに、利尻産の昆布をたっぷりとプラス。200g ¥1,051(AKOMEYA TOKYO)【アレンジレシピ:きゅうりとささみの梅和え】梅干しと昆布のコンビは、淡泊な肉や野菜と好相性。麺棒で叩いたきゅうりを、さっとゆでた鶏ささみと梅昆布茶とともにポリ袋に入れてシェイク。副菜にぴったりの一品に。佐藤美智子さんオーガニック食材を主に扱う『FOOD&COMPANY』スタッフ。作り手へのインタビューから学んだ商品のアレンジレシピをこっそり教えてくれることも。有坂兼司さん『AKOMEYA TOKYO』食品バイヤー。おいしいものを求め全国を行脚。最近の注目は、「燻製醤油や燻製塩。今年は“燻製”がキーワードです」。※『anan』2018年3月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)料理作製、スタイリング・梅澤由佳取材、文・新田草子(by anan編集部)
2018年03月20日昨年、登美丘高校ダンス部から火がついた、『ダンシング・ヒーロー』のリバイバルブーム。’80年代にその曲を歌っていたのが荻野目洋子さん。時を超えて今再び輝く、魅力の秘密に迫ります。――自分にとって大事な曲が、バラエティ的な“ネタ”になることに抵抗はないのですか?荻野目:抵抗感?全然ないです(笑)。――なんとおおらかな…。荻野目:もちろん私自身は真面目にやってるんですよ。でも、どうしてだかネタにされやすいんですよね(笑)。当時もとんねるずさんが番組のコントで使ってくださいましたし、ナインティナインの岡村さんが『めちゃイケ』で、「俺はダンシング・ヒーローになりたいんや!」とか叫んで下さったり。なんでしょう、いじりやすいんですかね。でも基本的には、楽しければいいんじゃないかと思うんです。――エンターテインメントになっていればいいということですか?荻野目:そうですね。私の中では、エンターテインメントって、楽しいものなんです。演る側はもちろん、見ている方に楽しんでもらうのが基本だと思っていて。そういう意味で言うと、人を笑わせることができる芸人さんという仕事は、本当にすごいですよね。そんななかで、人を楽しませる材料の一つとしてこの曲を取り上げてくれたのは、本当に嬉しかったんですよ。登美丘高校と共有し合えた、“熱い部活魂”とは。――登美丘高校ダンス部の生徒さんたちは、荻野目さんのお嬢さんと同世代くらいかと思うんですが、共演はいかがでしたか?荻野目:パフォーマンスはもう、プロ顔負け…というか、プロも見惚れる。年末にレコード大賞で共演したんですが、大勢のタレントさんから「一緒に写真を」と言われてて、それを見て、「分かる、分かる!」って思ってました。――年齢を超えた共通点的なものはありましたか?荻野目:あの部活は、OBのakaneコーチという方が指導をされているんですが、それはそれは厳しいんです。ただ、だからこそのあの高いパフォーマンスが完成するわけで。コーチと生徒の間には、大きな信頼があるのを感じます。今の学生に、こんな熱い気持ちの人たちがいることには、すごく驚かされました。実は私は中学のときに卓球部で、そこのコーチも、それはそれは厳しい人だったので、akaneコーチのビシバシ言うあの感じ、すごく分かるんです(笑)。“これこれ~!私もそういうなかで卓球やってた~!”って、部活魂に火がついてしまった。――そんな熱い部活魂に囲まれてパフォーマンスするのは…。荻野目:全然違和感なく(笑)。懐かしくて嬉しくて。本当に楽しかった。うちの娘も部活をやってるんですが、ああいう気持ちを持ってくれないかなぁって思いました。おぎのめ・ようこ1968年生まれ、千葉県出身。小学生時代に素人のど自慢番組に出演し、それをきっかけにスカウトされ、芸能界に。’84年にソロ歌手としてデビュー。翌年7枚目のシングルとしてリリースした『ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)』が大ヒット。’01年に高校時代の同級生、元プロテニスプレーヤーの辻野隆三氏と結婚。3女の母。※『anan』2018年3月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)ヘア&メイク・くや ちひろ(SAYA LABO)(by anan編集部)
2018年03月15日暮らしがどんなに進化しても、生活の基本である「食」は大切にしたいもの。そこで、ひと匙たらすだけでおいしさがアップする最新の調味料&アレンジを、話題のフードセレクトショップの方々が伝授。手間をかけずにおいしいものを、が今の気分です。教えてくれたのは、『FOOD&COMPANY』のスタッフ・佐藤美智子さんと『AKOMEYA TOKYO』の食品バイヤー・有坂兼司さんです。七味ガラム・マサラ(根元 八幡屋礒五郎)“ちょいかけ”で、いつものおかずがエキゾティックな一皿に。七味唐辛子にクミンやコリアンダーなどをミックス。「日本の伝統的な焙煎技術を生かして作られていて、辛みも香りも秀逸。カレーの辛さアップのほか、唐揚げなどに振るのもおすすめ。ナッツにまぶせばエスニックなおつまみが簡単に作れます」(有坂さん)長野で280年以上続く、老舗の七味唐辛子メーカーの商品。他にびん入りもあり。8g ¥300(AKOMEYA TOKYO)【アレンジレシピ:じゃがいもそぼろ煮】唐辛子ベースなので、和のおかずにも足しやすい。みりんと醤油で味付けした定番のじゃがいものそぼろ煮も、仕上げにこれを加えれば、なんちゃってキーマカレーに変身。LOVEパクチーSAUCE ナチュラル(JOHN’S OFFICE)新登場のエスニックソースで、人気のパクチーをよりおいしく。空前のブームを超え、すっかり市民権を得たパクチー。そのパクチーに合うソースは、「他の料理にも活躍度大。マヨネーズを加えてディップにして野菜に添えたり、汁物に加えても。トムヤムクンのような風味ですが、唐辛子は控えめで汎用性が高いです」(有坂さん)。レモングラスやしょうが、にんにくの風味が効いた、エスニックソース。250g ¥1,300(AKOMEYA TOKYO)【アレンジレシピ:ツナパクチーサラダ】ずばり、パクチーを和えて。食材をプラスするなら、ツナなど淡泊な味わいのものが向く。そうめんにかけてパクチーをのせたり、蒸した白身魚&パクチーに添えても。ヤミー・ザ・パクチー・ソイソース(TAMARIBA)パクチー入りの話題の調味料。餃子が止まらなくなる一本。こちらはパクチーそのものが入った調味料。「店舗では取り扱いがないのですが、個人的に好きな調味料として推薦します」と、佐藤さん。「醤油とパクチーにごま油と酢、にんにく入り。お豆腐にかけるだけでもおいしいですが、やはり餃子にたっぷり、が一番です」ポップなパッケージと裏腹に製造元は愛媛県の老舗醤油醸造所。120ml ¥680【アレンジレシピ:餃子】ごま油入りで、中華なひと皿とは相性抜群。鉄板の組み合わせである餃子は、焼き餃子でも水餃子でも。和食にもよく合い、豆腐や刺し身にかけるだけでいつもと違うおいしさに。ごまスコ(山田製油)ごまと酢と辛みの三重奏がたまらない、和製タバスコ。「あらゆる料理の辛みスパイスとして大活躍です」と佐藤さんがいち押しするのがこちら。「ごま&酢&胡椒(唐辛子)でごまスコ。タバスコ代わりにはもちろん、わさびやからしの代わりにも。ごまのコクと上品な辛みが加わり、少量でも贅沢な味わいになりますよ」昔ながらの製法でごま油を作り続ける、京都のごま油メーカーが開発。60g ¥470(FOOD&COMPANY)【アレンジレシピ:ラーメン】「酸っぱ辛い酸辣湯麺が食べたくなったときは、普通のラーメンにこれを数滴足します」と、佐藤さん。「さっぱり味の鍋のシメを麺で、というときにもいいアクセントに」佐藤美智子さんオーガニック食材を主に扱う『FOOD&COMPANY』スタッフ。作り手へのインタビューから学んだ商品のアレンジレシピをこっそり教えてくれることも。有坂兼司さん『AKOMEYA TOKYO』食品バイヤー。おいしいものを求め全国を行脚。最近の注目は、「燻製醤油や燻製塩。今年は“燻製”がキーワードです」。※『anan』2018年3月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)料理作製、スタイリング・梅澤由佳取材、文・新田草子(by anan編集部)
2018年03月14日独演会には老若男女が訪れ、チケットは入手困難。そんな大人気の実力派落語家・春風亭一之輔さんが、初のエッセイ集、『いちのすけのまくら』を上梓。落語が一級品なら、文章を書かせても一級品でした。子どもが僕に、「このまま伸びていってもらいたい」と言うんです。――2男、1女のお父さんでもいらっしゃいますよね。お子さんたちもエッセイを読みますか。一之輔 :いま、小学6年、3年、1年です。上の子なんか「へえ」とか言いながら読んでますね。たまに「ここウソじゃん」とかツッコむんですよ。いいだろ、そのまま書いたら面白くないんだ、脚色はあっていいんだって言い張ってます。――お子さんたちに、高座を見せたりもするんですか。一之輔:たまに連れていきます。感想を聞くと、「いいんじゃないですかねぇ、まっすぐ伸びていってもらいたいです」って言う(笑)。――お子さんが、飄々としていて頼もしいですよね。一之輔さんがうっかり準備し忘れていた年賀状の文面を、しらっと息子さんに書かせた「年賀状」の回は、読んで噴き出してしまいました。一之輔:息子が〈ことしもいちのすけをよろしくおねがいします〉って書き添えた話ね。あれは楽でした。でも、早く大きくなってもらいたい。「可愛さ」と「手が掛かる」を天秤にかけると、まだまだ大変ですからね。――一之輔さんの「初天神」を見たことがあるんです。何も買わないよと出かけたお祭りで、息子の金坊がお父っつぁんに、あの手この手でおねだりする話ですね。あの噺の中で、一之輔さんがやる金坊の表情がすごくイキイキしていたというか。お子さんたちの表情を参考にしたりするんですか。一之輔:こういう顔をするのか、と観察はしますね。子どもっていつもテンション高いかといえば、そうでもない。意外と冷めていたり。子どもの表情は間口が広いです。実際、表情とかを鏡を見て練習したりは僕はしないですからね。セリフの調子に、自然と表情もついていけばいいかなと思ってます。――落語は声の芸でもあります。一之輔:声の良さ、抑揚、ハリ、艶、リズム感とか、稽古でプラスアルファも出せるけれど、やっぱりアスリートみたいに、持って生まれたものは大きいです。――単純計算で休みなしに1日2.5回高座に上がっている計算なんですが、ご自身でも、最近ノッてるなあ、なんかスランプだなあとかあるんですか。一之輔:調子がいい悪いはありますよ、多少は。サイコーって日はないけど、お客さんに乗せられるときもあるし、30分なら30分、やりながら調整していく感じです。――そういうところもスポーツみたいですね。一之輔:僕は最初はテンション低いんです。だらーっと入っていくんです。いつも通りの感じで高座にも上がって、そのまましゃべり始めますね。落語って、おしゃべりですから。芝居の発表会みたいに、稽古してきたものをどーんと観客にぶつけるというより、「どうだい?」ってふつうの会話みたいに話しかける。で、自然に古典のネタに入っていくというのがいちばんいいのかなと。しゅんぷうてい・いちのすけ1978年1月28日生まれ、千葉県野田市出身。2001年、日本大学藝術学部卒業後、春風亭一朝に入門。NHK新人演芸大賞、文化庁芸術祭新人賞、国立演芸場花形演芸大賞など数々の受賞歴あり。年間900席を超える高座に出ている。『週刊朝日』で連載中のコラムが書籍化。執筆ツールは、現在、ガラケーから自慢のガラホに移行。連載から選りすぐった100本のコラムを、テーマ別にカテゴライズ。最終章には、落語好きで知られる俳優・東出昌大さんとの対談も収録されている。読むマクラともいえる味わい深さを体験して。『いちのすけのまくら』朝日新聞出版1500円※『anan』2018年3月14日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年03月11日御年95歳の作家・瀬戸内寂聴先生と、その秘書を務める66歳年下の瀬尾まなほさん。「もう一度生まれ変わっても女がいい」と語る寂聴先生が、今を生きるanan世代の女性たちに伝えたいこととは?御年95歳でありながら、現役作家として活躍する瀬戸内寂聴先生。ここ数年、その傍らに優しく寄り添うある一人の女性がいるのをご存じだろうか?寂聴先生の秘書を7年前から務める瀬尾まなほさんは、アンアン読者世代と同じ、30歳。寂聴先生にその文才を認められ、初めて綴ったエッセイ本『おちゃめに100歳! 寂聴さん』(光文社)が話題に。66歳も年齢の離れた二人の人生に共通する、ある運命的な出来事とは?まるで漫才コンビのような二人の軽快なトークから、女の生き方のヒントを読み解きます。――二人の出会いは7年前、就職先を探していた瀬尾さんが、お友達の紹介で京都の寂庵に面接に来たことからはじまったと聞きますが。瀬尾まなほさん(以下、瀬尾):私が大学を卒業する直前だったので、22歳の時です。その時は、恥ずかしながら瀬戸内寂聴先生が小説家であるということも知りませんでした。瀬戸内寂聴さん(以下、寂聴):この子、本当に何も知らなかったの!本も読んでいなければ、文学少女でもなかったから、私は一目で「この子に決めよう」と思って。そのほうがかえって気が楽だと思ったのね。――働きはじめた当初から、瀬尾さんは自分でいつか本を出版したいと思っていたのですか?瀬尾:小説家志望で入ったわけではないので、まさかそんなこと、考えつきもしませんでした。寂聴:ただ時々、この子から手紙が届くんです。一緒に暮らしていたら、面と向かって言えないことも増えてくるじゃないですか。ある時、机の上に手紙が置いてあって、それを読んだら「この子は文才があるかもしれない」と思って。あまりに内容と文章が素直で良かったから、自分の小説にもそのまま引用したくらい。――そこから、瀬尾さんの人生が少しずつ動きだしたわけですね。ちなみに、寂聴先生が22~23歳だった頃はというと…?寂聴:結婚して子供を産んで、不倫して…いちばん濃い時だったかもしれません。21歳で結婚した夫は古代中国音楽史の学者だったので、「これで学者の妻になるんだ。これからは夫の才能を私が高めよう」とはり切っていたんですが。瀬尾:その先生が文学を志すようになったのは、23歳の時?寂聴:最初は「小説家になりたい」なんて口では言っていたけれど、タダでなれるとは思っていなかったの。当時は夫との家を出て、お金もなくて、困っていた時。でもある日、三島由紀夫先生にファンレターを書いてみたら、返事が来たんです。彼は誰にも返事を出さないことで知られているんだけど、「あなたの手紙はあまりにも面白いから」って。そこから文通がはじまった。――寂聴先生が瀬尾さんの才能を引き上げたのと同じで、当時の三島先生も、寂聴先生の文才を見抜いていたのですね。寂聴:ただ、いざ小説を書いて送ってみたら「あなたは手紙はあんなに上手いのに、小説は普通だ」と言われましたけど(笑)。でも、人は誰でもその人にしかない才能を持って生まれているんですよ。だけど、自分ではなかなか気づけないものだから、誰かに発見してもらうことがすごく大事になってくるの。それが、この人(瀬尾さん)のように早く発揮できればとても良かったと思うけれど、おばあちゃんになってから芥川賞をとるような人もいますから。だからいくつになっても諦めることはないと思う。――22歳の時に寂聴先生と出会ったことで、瀬尾さんの人生は大きく加速したわけですが、同時に先生ご自身にも変化の実感はありましたか。寂聴:二人が出会って、どちらかといえば変わったのは私なんですよ。瀬尾:いや先生、私のほうが変わりました!寂聴:まなほが来てくれて、着るものも、食べるものも、すべてが変わりました。今まで、仕事で付き合う人にもここまで若い人はいなかったから、この人といると、毎日が面白くてしかたがないの。瀬尾:先生、今朝もお味噌汁を噴き出して笑っていましたもんね(笑)。――逆に瀬尾さんは、先生と出会ってどんな変化の実感がありますか?瀬尾:先生に出会って、好きなように生きる大切さを私は学びました。95歳になっても、新しいことをどんどん取り入れている人を間近で見ていると、安定志向に入っていては駄目だと思いますし、今までの出会いを大切に、これからの自分の人生を走り続けたいと思うようになりました。だから、人生が大きく変わったのは私のほうだと思います。寂聴:まあ、私があなたの今の年齢の時は、ひととおりの女の人生をやっていましたよ。だから、まなほは何をやっているんだと思って。もっとたくさん恋愛して、楽しまないともったいないじゃない。瀬尾:いいんです、私は先生の元で働けて今は幸せなんですから!(笑)恋愛、結婚と仕事、人間関係、女友達など…多くの人が20代や30代にかけて直面する“女の悩み”。どうすれば今の自分を肯定し、人生をより豊かに楽しむことができるのか。迷える読者のお悩みを、年齢差66歳の二人にぶつけてみました。女の幸せ=結婚?出産?「今の会社に転職して5年、一人で任される仕事も多くなり、毎日に充実感があります。交際2年になる優しい彼もいて、最近、生まれて初めて、今が楽しいと心から思えます。ただ、彼から結婚の話をされると不安になり逃げたくなってしまうのです。正直、結婚して子供を産みたい、という気持ちがわきません。なぜ、私はそう思えないのか、どこか冷たい人間なのでしょうか。今の自分を、いつか後悔する日が来るのでしょうか?」(34歳・PR)寂聴:このくらいの年頃の女性であれば、結婚して好きな人の子供を産みたいと思うのが自然なこと。健康な若い女性で、その気持ちが全然わからないって、この人ちょっと変わっていると思う。瀬尾:でも、女性の未婚率は年々高くなっていますし、“結婚できない”のではなく、あえて“結婚しない”人生を選ぶ人も増えていますよね。寂聴:私が思うに、そういう人は無理に自分に言い聞かそうとしているだけ。例えば、本やなんかの影響でね。でも、一般的な女性なら、誰だって年頃になれば子供は産みたいと思うものなの。たとえ、相手が家庭を持っていたとしても。瀬尾:もちろん、私もいつか子供は欲しいと思います。とはいえ、今すぐ子供ができたとなったら、ちょっと恐ろしいなと感じる部分もあるんですよ。仕事ができなくなるとか、先生の元から離れないといけないとか、復帰できないかもしれない、とか…。この相談者の方も、彼がいてすごく幸せなんだけど、今すぐ結婚して子供を産むには、きっと心の準備ができていないはず。その気持ち自体は、わからなくもないですね。寂聴:ただ、好きな男性があなたに子供を産んでもらいたいと思ってくれるのは、すごく幸せなことなのよ。相手の気持ちをそんなふうに考えられたら、少しは前向きになれると思います。瀬尾:そうですね。それに、この方にもいつか「子供が欲しい」と思うタイミングが来るかもしれません。今は無理に決めなくても、流れに身を任せていいんじゃないでしょうか。仕事が大事な気持ちもわかりますし、子供ができたら自分でも驚くほど、子供が好きになったという人もいるくらい。どちらに転んでも、幸せになれないことなんてないと思います。せとうち・じゃくちょう1922年5月15日生まれ。徳島県出身。小説家であり、僧侶。’97年に文化功労者、’06年文化勲章を受章。これまでに発表した著書は400冊以上。せお・まなほ1988年2月22日生まれ。兵庫県出身。大学卒業後、瀬戸内寂聴先生の秘書となる。困難を抱えた若い女性や少女を支援する「若草プロジェクト」理事も務める。『いのち』瀬戸内寂聴講談社1400円ガンの摘出手術と長い入院生活を終えた作家の「私」。脳裏に甦るのは、これまでの人生で出会った男たち、そして筆を競った友の「死に様」だった。瀬戸内さんが95歳の命を燃やして書き上げた、“最後の長編小説”。『おちゃめに100歳! 寂聴さん』瀬尾まなほ光文社1300円秘書として7年間、瀬戸内寂聴先生の傍らにいる瀬尾さんが、先生の「おちゃめな素顔」と「愛あふれる本音」を赤裸々に綴った初めてのエッセイ本。貴重なプライベート写真と本人直筆食卓レシピイラストも初公開。※『anan』2018年3月7日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・瀬尾麻美(by anan編集部)
2018年03月03日「あさイチ」(NHK総合)に2月16日、内田有紀(42)が出演。番組では内田と25年来の関係という、女優の加賀まりこ(74)がVTR出演した。 2人の出会いは、内田がデビュー間もないころに出演したバラエティ番組。司会を努めていた加賀に「お芝居の勉強がしたいんです」と内田が相談したことで交流が始まったという。加賀は当時を回想した。 「初めて会った時に(内田を)好きって思ったの。それはもう理屈じゃなくて」 内田といえば、02年に結婚と同時に芸能界を“引退”。しかし05年に離婚し、06年7月期放送のドラマ「誰よりもママを愛す」(TBS系)で“復帰”を果たした。加賀は “復帰”に揺れていた内田をそばで見守っていたことも明かした。 「自分がもう一度、この女優という仕事をやっていけるだろうかっていうものすごく不安な彼女がそばにいたから、今とってもいい仕事をしている彼女を見ると、とってもうれしいです」 さらに加賀は内田との関係性について問われると「まあ、(芸能界の)お母さんよね」と返答。実は内田が現在放送中の大河ドラマ「西郷どん」(同局)に出演することが決まった際にも、加賀は“お母さん”ぶりを発揮したという。自らNHKの衣装担当に電話し、「今度内田有紀が行きますけど、(時代劇について)わかってないかもしれないから頼みます」と挨拶したそうだ。 VTRが明けると、内田も“復帰”当時について言及。「やるからには、本当に覚悟してやりなさい」と加賀に激励されたことを明かし、涙ながらに感謝した。そして内田は“加賀まりこ”という存在について、こう語った。 「ずっと『お母さん』なんて言うと失礼だから『お姉ちゃん』と思っていたんですけど、ああやって言ってくださると、ああ、お母さんみたいだなって……」 15年12月、スポーツ紙のインタビューでも内田は加賀について「これ(=女優業)に懸けてるなってのがわかる」と、その姿勢に感銘を受けていることを明かしていた。17歳で女優デビューし、一度芸能界から離れているという共通点もある2人。“親子”共演にも期待したい。
2018年02月16日三国志オタクが大活躍した月912日に放送された月9ドラマ『海月姫』(フジテレビ系)第5話にて、「まやや」こと内田理央のドレス姿が話題を呼んでいる。オタク女子が集まったシェアハウス「天水館」を買収の手から救うため、クラゲオタクの月海(芳根京子)や女装男子の蔵之介(瀬戸康史)がファッションブランドを立ち上げ、新しい自分と出会っていくストーリー。個性的なキャラクターが数多く登場する同作の中でもとりわけ「ぶっとびキャラ」として目立っているのが、三国志オタクのまややだ。まややは常に身振り手振りがオーバーで、高い声で叫ぶように喋るのが特徴。前髪を長く垂らして顔を隠しているせいもあり、彼女を演じているのが注目の女優・内田理央だと気付かない視聴者も多かっただろう。息をのむような美しさで視聴者騒然第5話ではそのまややが、モデルとなってランウェイに立つシーンが描かれた。普段はトップスをインした赤ジャージがお決まりのまややだが、ショーでは美しい脚とデコルテを露出し、凜としたオーラをまとって登場した。ウォーキング姿も美しく、モデルとしても評価の高い内田理央の底力を見せつけるシーンとなった。このシーンについて、原作者の東村アキコも「あああまやや様とゆーか内田理央様ああああだーりお様おおおおお最高やあああつーかめっちゃ綺麗じゃない?(真顔)(Twitterより引用)」と大絶賛。視聴者からも、まややのギャップを見事に表現した内田を評価する声が相次いでいる。これまでの月9にはなかったコメディー路線でありながら、瀬戸の女装メイクやまややの覚醒ぶりなど、「美」に関する注目ポイントも多い『海月姫』。今後も目が離せない作品だ。(画像は『海月姫』公式サイトより)【参考】※『海月姫』公式サイト※東村アキコTwitter
2018年02月16日いまのプロレス人気を牽引するのが、個性溢れるレスラーがひしめく新日本プロレス。その一年で最大の大会が、東京ドームで1月4日(通称イッテンヨン)に行われる「レッスルキングダム」だ。世界中のプロレスファンが注目する、その「新日本プロレス WRESTLE KINGDOM 12 in 東京ドーム」で、’18年最初のメインイベントに立ち、新日本最高峰のベルト“IWGPヘビー級王座”に挑戦するのが、いま熱狂的人気を博す内藤哲也選手。「中学3年生の時に立てた目標のひとつが、東京ドームのメインの花道を歩くことでした。ようやく見られる夢の景色にワクワクしていますし、目標がすべて叶ったあと、次に一体何が見えてくるのか、また楽しみなんですよね」対戦相手は、現在IWGPヘビー級のベルト最長保持記録を更新中の王者、オカダ・カズチカ選手。「素晴らしい選手ですし、実績も運動能力も、彼には敵わないかもしれない。でも、レスラーにとっての一番の武器であり最も重要な、『観客の共感』という部分に関しては、自分が上回っていると断言できます。不本意ではあったけれど…内藤哲也という選手は、ものすごく浮き沈みがありましたからね。沈んでいた時期を知っているから、お客様はいまの自分に感情移入してくださっているんだと僕は分析しています」4年前、試合内容も成績も高く評価されながら、観客の支持を得られずブーイングにさらされていた内藤選手。そしてドームのメインに立つ夢が叶うと思われた直前、ファン投票によって試合順が降格となった。「あの時の悔しさは忘れないし、俺にNOを突きつけた人たちに対して『どうだ』という気持ちもあります」その時の対戦相手もオカダ選手だ。「当時、沈んでいく自分とは逆に上がっていくオカダに焦っていました。でも、巨大に見えたオカダがいまは小さく見えるんです。ドームでは、かつてのようにオカダが僕を焦らせてくれるのを期待していますよ」そんな内藤選手に、プロレス初心者からの質問を投げかけてみました!Q. プロレスのルールをよく知らないのですが、楽しめますか?A. 「入場や映像など、楽しみどころは満載ですよ」ファン時代、試合と同じくらい楽しみだったのが選手の入場シーン。とくにイッテンヨンでは一年で最も派手な演出がされますから、試合以上に熱狂する瞬間もあるくらいです。Q. プロレスの一番の魅力って、何?A. 「お客様とリング上の選手たち、ふたつが織りなす一体感ですね」お客様とリングの一体感が生み出す熱だと思います。まだ観たことのない方、ここを読んだこともDestino(運命)ですよ。ぜひ自分の目と耳で確認し、魅力を味わってください。Q. プロレス会場って、すごく怖そう…。A. 「ひと昔前とは一変して、女性やお子さんもいっぱいですよ」テレビやWebで試合を観ていただけば、かつてのプロレス会場の雰囲気と全然違うのが分かると思います。いま新日本プロレスの会場には、女性や子供のお客様も多いですよ。Q. 内藤選手の試合の見どころは?A. 「ドームの一番後ろでも手に汗握る試合をします」全部(笑)。ただ、僕自身、ファン時代に一番安い席で試合を観ていただけに、いまも試合前に会場の一番後ろの席を確認し、そこまで届く試合をしようと思っています。ないとう・てつや1982年6月22日生まれ、東京都出身。’05 年に新日本プロレスに入門、’06年デビュー。’15 年にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成し大ブレイクを果たした。2018年1月4日(木)17:00試合開始水道橋・東京ドームロイヤルシート5万円、アリーナA席2万2500円(2万3000円)、アリーナB席1万2500円(1万3000円)、1Fスタンド席9500円(1万円)、2FスタンドA席7500円(8000円)、2FスタンドB席4500円(5000円)※( )は当日券。ロイヤルシート、アリーナA席は完売。※『anan』2018年1月3・10日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年12月31日今までたくさんのAKB48卒業生を見送ってきた渡辺麻友さん。今度は自身が見送られる番だ。12月31日の卒業を目前にして、AKB48にいた11年間のこと、これからのことを伺いました。卒業コンサートが開かれたのは、このインタビューの前日のこと。「最後は地元の埼玉でやりたかった」という渡辺麻友さんの願いが叶い、さいたまスーパーアリーナのラストステージは、卒業を惜しむ涙と、あたたかい歓声に包まれながら幕を下ろした。渡辺さんといえば、前田敦子さん、大島優子さん、篠田麻里子さん、高橋みなみさん、小嶋陽菜さん、板野友美さんとともに元祖神7と呼ばれ、絶対的アイドルとして認められてきた存在。今もアイドル界をリードし続けているAKB48に11年間在籍し、駆け出しの時期も全盛期も、持ち前の努力の精神で駆け抜けた。12月31日をもってAKB48を卒業し、女優の道へと進むことを決めた渡辺さん。これまでのアイドル人生の軌跡、そしてこれからの夢についてなどを語っていただきました。――昨日の卒業コンサート、おつかれさまでした。一夜明けて、今どんなお気持ちですか?渡辺:今年の夏に卒業を発表してからは、この卒コンを成功させるために大忙しでした。死ぬ気で頑張って全力を出し切る覚悟で臨んだので、正直、凄まじく疲労困憊です。でも、思い描いていたようなあったかいコンサートになり、無事に終えられてホッとしています。昨日は家に着いたら、家族がケーキやお酒を用意して待っていてくれて、深夜に乾杯しました。――純白のドレス姿で登場した1曲目、オーケストラの演奏をバックにソロで歌いあげたのは、かっこよかったです。渡辺:もう、あの時は生きた心地がしていませんでした。さんざんコンサートをやってきたけど、いつもの緊張とは全く違う、夢の中にいるみたいな、よくわからない感覚のまま開演時間になってしまって。幕が開いたら、いつもの会場の空気感とはまったく違っていたので、一気に涙が止まらなくなっちゃったんです。でも最後のステージだしちゃんと歌いたかったから、喉をつまらせながらも歌ったら、歌が下手な人、みたいになってしまって(笑)、ヤバイ!って。テンパってるのに、どこかで冷静に考えられる自分もいて、へんな感覚でした。――いやいや、涙をこらえながら歌う姿にはグッとくるものがありました。その後も、AKB48らしさ全開のひらひらで可愛い衣装の数々、クラシカルなお城をイメージした舞台セットなど、渡辺さんのガーリーな世界観がつまっていて、こだわりも感じられました。渡辺:ありがとうございます。衣装は、昔からAKB48の衣装を担当してくれている(茅野)しのぶさんで、私の好みもよく知っているし、ほとんどお任せしました。でもそれ以外は、みんなによろこんでもらえるようなグッズを考えたり、私らしいセットリストを組んだり、舞台セットは私の好きなテイストの写真とかをスマホで見せながら、具体的なところまで、自分で決めていきました。昔から、何事も中途半端に投げ出すのが好きじゃなくて。とくに卒コンは、自分のアイドル人生の集大成だったから、絶対に妥協はしたくなかった。後悔なくやり切ったと思います。――卒コンは、ご自身が主役でありながら、まだあまり前に出ていない後輩たちが目立っているように感じました。「渡辺麻友 卒業コンサート~みんなの夢が叶いますように~」というタイトルに象徴されているように、後輩たちの夢を叶えるべく、なるべくたくさんステージで目立たせたいという目的もあったのでしょうか。渡辺:はい、そうなんです。とくに、この日サプライズで結成した“埼玉選抜 (渡辺麻友、向井地美音、荻野由佳、髙橋彩音など10名)”は、握手会の時にファンの方から「埼玉選抜が観たい」と言われて、面白いかもと思って実現させました。声をかけた埼玉県出身の後輩たちの中には、普段、少人数でステージ中央で歌う機会がないメンバーもいたので、すごくよろこんでくれました。――後輩思いなんですね!渡辺:そうとらえていただけるのはうれしいですが、でも後輩の相談にのったり、アドバイスをするのがすごく苦手です。だから、ダイレクトに伝えることはできないけど、私の行動を見て学んでくれたらな、という思いでこの11年間やってきました。背中で見せる、じゃないですけど。伝わる子には伝わるはずだ、と信じてやってきました。――コンサートの中で、「11年間信じて歩んできた道は間違ってなかった」と涙ながらに語っていましたが、12歳で3期生としてAKB48に入ってからの11年間は、どんなものでしたか?渡辺:言葉で言い表せないほど、すごくいろんなことがあったし、人生が劇的に変わったのも確か。たぶん、この先の私の人生でも、これほど濃い時間はもうないと言い切れると思います。もちろん、悩んだり迷ったことは数え切れないぐらいありました。でもその度に、ファンや周りのメンバーに支えられては、また歩み出すことができた。昨日も、ステージからファンのみんなを見渡したらあたたかく見守ってくれているのがわかって、私は最終的にこんなにたくさんの愛に包まれているんだ、と実感できました。それで、「11年間信じて歩んできた道は間違ってなかった」と確信したんです。――長い間、頑張り続けられた理由はどんなことだと思いますか?渡辺:まず、アイドルとして存在することと、AKB48というグループが好きだったからかな。卒業に後悔はないけど、もう最後なんだと思うととてつもなく寂しくなります。いつもみんなとくだらない遊びばかりして賑やかだった楽屋も、これからは一人になるんだなぁと考えると、メンバーの存在のありがたみを改めて感じます。――AKB48としては最後のシングル、『11月のアンクレット』はさわやかで素敵な曲ですね。MVがまた、渡辺さんの素顔が垣間見られるような自然な雰囲気で撮影されていて、とてもよかったです。渡辺:わ、うれしいです。平野(文子)監督がそれを引き出してくれたし、私も監督の要求に全力で応えたくてやっていたら、今まで見せたことのないような表情が出せた気がします。同じ女性からも共感してもらえるようなMVを作ろうと、取り組みました。――まんまとハマってしまいました(笑)。カップリングの卒業ソング「サヨナラで終わるわけじゃない」が秋元康さんから届いた時、どう感じましたか。渡辺:何を話したわけでもないのに、ある日秋元さんからこの曲が上がってきたんですが、私のリアルな思いが代弁されていて、さすがだなと思いました。歌っていてどこにも違和感がないんです。最後に、こんなに大人っぽくて素敵な曲をいただけてありがたいです。わたなべ・まゆ1994年3月26日生まれ。AKB48の3期生でチームBに在籍、主要メンバーとして人気を集める。CDリリース、バラエティ番組などの出演、ライブやコンサートの開催などアイドルとして活動しながらも、ここ数年はドラマにも度々出演し、『サヨナラ、えなりくん』(テレ朝)では主演を務めるなど、女優としても活躍。AKB48の50thシングルで、渡辺さんのAKB48ラストシングル『11月のアンクレット』が発売中。カップリングは、卒業ソング「サヨナラで終わるわけじゃない」。【初回限定盤・通常盤共通】AKB48グループリクエストアワーセットリストベスト100、2018楽曲投票券1枚封入、【初回限定盤のみ】イベント参加券封入、【通常盤のみ】生写真1種ランダム封入 各¥1,646(税込み)レースワンピース¥16,000(DRWCYSTEL:03・3470・6511)靴はスタイリスト私物※『anan』2017年12月13日号より。写真・内田紘倫(the VOICE)スタイリスト・蜂谷優子ヘア&メイク・オサレカンパニーインタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2017年12月06日本誌で好評だったシンガーソングライター・加藤ミリヤさんの連載「28」が単行本としてついに刊行!発売を記念して、ミリヤさんと同い年の浅田舞さんとのスペシャル対談が実現しました!悩みはあるけど明るく前向きに解決する、それがガールズパワー。加藤:はじめまして、加藤ミリヤです。浅田:浅田舞です、よろしくお願いします。妹の(浅田)真央が、夏に村上佳菜子ちゃんと一緒にアイスショーに出た時、ミリヤさんの「旅人」という曲を使わせてもらったり、ライブにもお邪魔しているんですが、私はちらっとテレビ局でお見かけしたぐらいで…。加藤:そうなんですね。今回、私の小説にちなんで同世代の方とぜひお話ししたくて、舞さんをリクエストさせていただいたんです。浅田:うれしいです。小説、読ませていただきました。加藤:ありがとうございます!浅田:登場人物の5人と私は違うタイプだけど、生活スタイルやそれぞれの悩みがすごくリアルに描かれていて、わかる、わかる!って一気に読んじゃいました。加藤:わー、うれしいです。浅田:この悩みって自分だけじゃないんだ、って前向きになれたし。このような物語を書こうと思ったきっかけは何ですか?加藤:私が28歳になった時、27歳の時とは周りが変わったのを感じたんです。たとえば、結婚する子が途端に増えたりして。浅田:そうそう!SNSを開けば、婚約、結婚、妊娠、出産のラッシュで…、だからそっと静かに画面を閉じる、みたいな(笑)。加藤:あははは(笑)。それで28歳って変化する年なのかな、って思ったんです。大学を卒業して社会に出て、仕事を頑張ってきたところで一区切り、ちょうど変化を求めたくなる時期というか。浅田:なるほど。私の場合は、結婚って遠くにあった話だったのに、気づいたら現実的に考える年なんだ、って実感しました。加藤:そうなんですよね。で、それがまず一つあったのと、小説の出版はこれで5作品目なんですが、これまでは自分の内側の話ばかりで、私にはそれしか書けないと思っていたんですね。でも一方で、今の時代だからこそ、女性のエンぁと思って。そこから生まれたのが、裕福な専業主婦の夢、同性の恋人がいる渚、ファッション誌の編集者の愛、1児の母となった円、快楽主義を貫くさくらの5人。同じ28歳でも、置かれた立場や環境は違うし、それぞれに悩みを持っているんだけど、結局は自分の力で、そして同世代のガールズパワーで解決して、みんなが幸せになればいいなっていうような。浅田:それにしても、5人のキャラがリアルすぎるんですが…。どうやって書いているんですか?加藤:いろんなSNSを見ながら、ほとんど想像で作りました。もともと人をよく観察するタイプで、空想癖もあるので…。曲の歌詞は家、新幹線、飛行機で書くと決めていて、小説は若者のいなさそうな喫茶店で書いてます(笑)。“結婚、出産をすれば偉い”ではないんですよね。浅田:5人それぞれの悩みも、すごくよくわかりますが、とくに私が共感したのは、お母さんとの確執を抱えていた愛ちゃんです。私、小さい頃からずっとフィギュアスケートしかやってこなかったし、家族の生活もフィギュアがメイン。長女の私は、母の前では常にいい子でいないと、という気持ちがあって、思春期の頃は、自分の思っていることを母に何も言えなかったんです。加藤:そうなんだ…。浅田:母は6年前に他界してしまったんですが、元気な時にちゃんと私の思っていることを伝えられたのかな、って考えると後悔しかなくて…。だからケースは違うんだけど、愛ちゃんの、お母さんに対する思いとか確執みたいなものから生まれる感情が何となくわかるんです。それから、人気インスタグラマーの主婦・夢ちゃんにも共感するところがあって。加藤:へえ〜!浅田:みんなに憧れられるようなセレブな生活をしていながら、人に話せない悩みを持っている夢ちゃんを見ていると、“結婚することが偉いわけじゃないし、幸せそうに見えていても誰にも言えない悩みがあるんだなあ”とも思って。私も、最近「今すごくいいね」って褒めていただくことが増えたんですね。でも、華やかそうに見えているかもしれないけれど、秘めた悩みもあるわけで。加藤:よくわかります。そんな中、28歳の終わりに、結局、みんな誰かを羨ましいと思っているんだけど、その人になりたいか、というとまた別で、これが自分の人生だよねってところに腹が落ちるもんじゃないかな、とも思ったんですよね。浅田:そうなんですよ。私は最近、フィギュアの仕事以外にもこうやって対談をさせてもらったり、バラエティ番組に出たりといろんなことにチャレンジできているんだから、もっと仕事の幅を広げて楽しみたいなって思いました。よく、「もうアラサーだから」なんて言う人もいるんだけど、これから学べることがたくさんあると思っているので、どんどん走り続けていきたいな。ただ、結婚に焦りがないって言っちゃうと、どんどん婚期が遠のきそうだから、大声では言えないけど…。加藤:あははは(笑)。私がこの小説を通して伝えたいのは、ひとことで言えば、ありきたりだけど“Enjoy my life”なんですよね。20代前半は、自分には何ができるんだろうとか、仕事どうしようって考えすぎている気がして。それが28歳ぐらいでスパークして、人生って色々あるけど、これからもっと楽しみたいな、ってシンプルに思える日がくるし、頑張っている女性にこそ、そう思ってほしい。だから、舞さんからどんどん走り続けたいなんて聞くと、すごい救われます。今日、最高の対談だった!ありがとう。浅田:こちらこそ!結婚している28歳も、結婚したくない28歳も、私のようにいずれ結婚したいけど今は仕事が楽しいという28歳も、誰が読んでも共感できる作品だと思います。加藤:単行本では、連載であまりフォーカスされなかった円やさくらのその後を描いているので、ぜひこちらも読み比べてもらえたら嬉しいです。女性のエンパワーメントを一つのキーワードにしたかった本誌にて連載された、ミリヤさん渾身のガールズ小説が単行本に。連載では描かれなかった円やさくらのエピソードなども加わり、読みごたえアップ。ポプラ社1200円あさだ・まい1988年7月17日生まれ。元フィギュアスケート選手。引退後は、スポーツキャスターやタレント、女優として幅広く活動中。最新情報は公式HPをチェック。ニット¥15,000(レイ ビームス)スカート¥16,000(ビームス ライツ)ブレスレット¥13,000(メゾン ボワネ)イヤリング¥6,500(ジュールクチュール) 以上ビームス 新丸の内TEL:03・5288・7670かとう・みりや1988年生まれ。シンガーソングライターとして16歳でデビュー。本小説にインスパイアされた新曲『新約ディアロンリーガール feat.ECD』が12/6発売。※『anan』2017年12月6日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)スタイリスト・武政(浅田さん)ヘア&メイク・遠藤郁子(SHISEIDO/加藤さん)momo(浅田さん)取材、文・若山あや(by anan編集部)
2017年12月04日人気劇団、城山羊の会の1年ぶりの公演『相談者たち』。出演者の吹越満さんと、橋本淳さん、作・演出の山内ケンジさんの鼎談を行いました!普通に見えるのにどこかが変!?シュールでユーモラスなセリフ劇。男と女の理性という建前と本音の部分(主に下半身)とを、時にシュールに、時にバカバカしくユーモラスに描き出す城山羊の会。人気劇団の1年ぶりの公演は男と女の“別れ”がテーマ。橋本:山内さんの作品は、予想だにしない斜め上を行く展開だったり演出だったり、毎日この先どうなるかがわからない面白さがありますよね。吹越:うん。稽古していても、どこかに爆弾が埋まっているような感じがあるんですよね。今回も、なんかなさそうなのに…ある、じゃない?橋本:(笑)。ありますね。吹越:気づかないくらい微弱の不条理な電流が要所要所に流れていて、一見普通なのに、すごく変っていう。山内:今回はとくにミニマリズムを目指して、余計なドラマティックなことはなるべく削っております。普通なんだけど微妙に変っていう会話が、だらだら続くのを面白くすることに挑戦しているわけでございます。橋本:…まあ、いまは面白くなりそうな予感はあるんですが、互いの絶妙な空気感で笑いになっていくものなんで、ここから全員で微調整しながら作っていくことになるんだとは思うんですが…ねぇ、吹越さん。吹越:僕が以前に出演した2作に比べると、家庭によくあるささやかなエピソードなんですよね。これまでは明らかに変な人だったのが、今回そんな変じゃない。いまのところは。橋本:でも、途中で予想もしていない展開になることありますからね。吹越:ただ今回、お父さんが娘に言うセリフとかも普通でねぇ…。昨日、その普通な感じが難しいっていう話をしていたんだよね。橋本:はい。普通に娘のことを心配しているお父さんですもんね。山内:僕は毎回、そんなに書きたいことがあるわけじゃないんです。劇場を決めて、キャスティングして、タイトルを決めてからお話を考える。そのモチベーションになるのはいつも役者さんで、ある意味、どうしたらこの人の意外な面が出せるかっていうだけで書いていたりします。吹越:役者にとって怖いのは、山内さんのダメ出しだよね。同じことを言うにしても山内さんのタイミングとか言葉の選び方が面白いんだから。橋本:僕、前回の稽古の時に言われた「あっちゃんのそのセリフは、翻訳劇だと思うのは僕だけでしょうか」ってダメ出しは、効きましたねぇ。いまも時折思い出すくらいです。山内:フフフフ…(笑)。今回は初めてご一緒する方が多くて、物語の重要度が低くなり、ナチュラルにお芝居で見せていく作品になっておりまして、その派手ではない感じが、僕にはすごく新鮮…です。まあ、その前提にあるのは、キャストの皆さんの魅力なわけですけれど。吹越:ではその魅力を…最大限に出そうとしなくても、自然に漏れ出ちゃうようにできればと思います。橋本:騙されたと思って一度劇場に足を運んでくだされば、きっとその面白さをわかっていただけるはずなので、ぜひいらしてほしいですね。ふきこし・みつる1965年生まれ。城山羊の会へは今回が3作目の参加となるほか、山内さんの監督作、映画『友だちのパパが好き』にも出演。来年1月からは舞台『プルートゥPLUTO』への出演が控えている。はしもと・あつし1987年生まれ。城山羊の会へは、’14年の舞台『トロワグロ』で初参加。それを映画化した『At the terrace テラスにて』にも出演。現在放送中のドラマ『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)に出演。11月30日(木)~12月10日(日)三鷹市芸術文化センター 星のホール作・演出/山内ケンジ出演/吹越満、安澤千草、橋本淳、村上穂乃佳、鄭亜美、折原アキラ前売り3800円当日4000円(全席自由・共に税込み)三鷹市芸術文化センターTEL:0422・47・5122※『anan』2017年12月6日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年12月02日“楽器を持たないパンクバンド”として、’16年5月にメジャーデビューしたBiSH。パンキッシュな楽曲と迫力あるパフォーマンスを武器に、わずか1年で幕張メッセイベントホール公演を即完売させるなど、破竹の勢いで突き進んでいる。「ライブの熱量は誰にも負けません。本物のパンクバンドのように命をむき出しにしてやってます」(チッチ)「客席の煽り方も独特だと思います。“お前らの喉ちんこ焼き殺してやるからな!”とか(笑)」(アイナ)「メンバー全員、作詞ができるのも私たちの強みです」(アツコ)リリースされたばかりのメジャーセカンドアルバム『THE GUERRiLLA BiSH』でも、メンバー全員が作詞に参加している。「デモを聴いて各自、詞を書くんですけど、採用されないことも多くて。今回のアルバムで初めて全員採用されました(笑)。いつも採用されるのはリンリンとモモコ」(アイナ)「昔から書くことを仕事にしたいと思っていたので、作詞できることがすごく嬉しい。いつもノートを持ち歩いて書き留めてます」(モモコ)「私が書くのは、すべて自分の実体験。だから、デモを聴いたときに自分が病んでたら、病んでることしか書けないんです」(リンリン)楽曲の振り付けを担当しているのは、メンバーのアイナさん。「4歳から18歳までダンスを習っていたので、曲を聴くと自然に振りが浮かんでくるんです」(アイナ)「浣腸のポーズがあったり、アイナの振り付けは私たちの個性を引き立ててくれるところが好き」(アユニ)メンバー全員が口を揃えて、「今までで一番かっこいいアルバム」と語る本作の中でも、とくに6人が推すのは2曲目の「SHARR」。「とにかくずっと叫んだり、シャウトしています。初めて聴いたときは私たちも衝撃で(笑)」(モモコ)「ライブで盛り上がるか、ドン引きされるかのどっちかですね(笑)。でもすごくいい感じになってるので、ぜひ聴いてほしいです」(アイナ)リード曲「My landscape」のMV撮影では、初めて海を渡ってロサンゼルスへ。「みんなパスポートを持ってなくて、直前に取ったんですよ。この期限が切れないうちに、いつか海外でもライブをしてみたいです」(チッチ)「でもまさか、憧れのアンアンさんに出していただけるとは。最初は脱ぐんかなって思って(笑)。準備万端だったんですけど」(アイナ)ビッシュ左上から時計回りに、アイナ・ジ・エンド、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、モモコグミカンパニー、アユニ・D、セントチヒロ・チッチ。来年1月から全国12か所、16公演のワンマンツアーも決定!グループの進化を象徴する全13曲収録。Major 2nd ALBUM『THE GUERRiLLA BiSH』【初回生産限定盤CD+Blu-ray+PHOTO BOOK】¥10,000【LIVE盤CD+DVD】¥5,800【通常盤CD】¥3,00011月29 日発売(avex trax)※『anan』2017年12月6日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)文・菅野綾子(by anan編集部)
2017年11月29日ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんこと、haderuさんが中心のビジュアル系バンド「jealkb」。芸人の企画バンドでしょ?そんな誤解も、一度曲を聴けば完全に払拭!ガチさが伝わります。「誤解の多いバンドだけどライブでは必ず楽しませるんで」haderu(以下、ha):アンアンの爽やかなページの後に急に僕らを目にして、読者のみなさんが胸やけしないか、心配ですけど。急に油ものがきたみたいな。芸人というバックボーンがあるゆえに、誤解の多いバンドなんでね(笑)。――大丈夫です(笑)。バンドが10年以上も続いている理由は?ha:単純に楽しいから。僕、楽しくなかったらすぐ辞めちゃうんで。特にライブですね。お客さんが楽しい顔して帰っていって、メンバーで「いいライブだったね」って楽屋で話すときがいちばん楽しい。――ライブはどんな雰囲気ですか?ha:僕とhidekiがお客さんに絡んで、ノれてない人の気持ちを解きほぐします。物販にも必ず立つんですが、「普段、ライブであまりノらないけど、気づいたら暴れてた」って声も。EXILEがかっこいい、アイドルがかわいい、というのとは違う、楽しさがあります。hideki(以下、hi):自分も観客だとやりがちなんだけど、腕組んで観るんじゃなくて、もう一歩踏み込んでほしくて。――新曲『R‐P‐S』について教えてください。ha:タイトルは英語のじゃんけん、Rock、Paper、Scissorsの頭文字。ライブではいつも観客を巻き込んだじゃんけん大会をやっていて、そのために作りました。sapoto:作曲は僕とelsaさん、作詞はhaderuさんです。hi:ジャケットデザインはedieeさん。彼、多才なんですよ。――これだけ長く続いていると、メンバー同士の衝突などは?ha:僕とdunchが喧嘩するくらいですね。「ライブ直前に肉まん食うな」みたいなくだらないやつ。あの時は、僕が靴ぶん投げて「もう出ない!」って言ったんです。ediee:さすがに5分前はね…。本番後に食えばいい話だし。dunch:というedieeは、30秒前くらいに舞台袖で弁当食っても、なぜかおとがめなしで…。ediee:肉まんは匂うから。――(笑)。その時、他のメンバーはどうしてるんですか?ha:elsaはリーダーとして見守り、hidekiとedieeは後輩だから見守り、sapotoは後から加入したから見守ります(笑)。――ところでhaderuさんはお笑いやバンド活動に並行して行っている、大学受験も話題です。ha:今日も英単語帳持参です。この前は現代文で満点取りましたよ。手応えは十分!すべて全力でやってくから、読者の方も騙されたと思っての楽しさでは、他には絶対負けませんから。ライブに来てほしい!ライブの楽しさでは、他には絶対負けませんから。ニューシングル『R‐P‐S』。じゃんけんを耽美的に、激しく歌い上げる。「ライブでの盛り上がりを想定して作りました」(ha)。カップリングの「silver」は強い社会的メッセージが突き刺さる。11月22日発売。¥926(jealize)ジュアルケービー2005年、結成。本人たちの“20歳下の弟”という設定で、芸人活動とは一線を引き、本気でバンドに取り組む。ファンの総称は、ジュアラー。12月22日、Zepp Diver Cityでライブ開催。※『anan』2017年11月29日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・小泉咲子(by anan編集部)
2017年11月26日映像へ出始めた当初はエキセントリックな役柄が多かった阿部サダヲさん。いまやその演技力は誰もが知るところとなり、幅広い役柄をこなす個性派に。取材日はあいにくの雨。しかも、撮影が始まった途端、雨脚が強くなる。しかし、そんな状況に躊躇も戸惑う様子もなく、傘を手に軽快な足取りで歩き出した阿部サダヲさん。道すがら、一風変わったファサードの家を興味深く眺めたり、後ろから来た車のためにぴょこんと跳んで道の端によけてみたり。大人の男特集にもかかわらず、その仕草、何だか可愛すぎやしませんか?――最新映画『彼女がその名を知らない鳥たち』を拝見しました。阿部さん演じる陣治は、罵倒され足蹴にされながらもなお、十和子(蒼井優)に執着し、彼女の世話を続ける男です。観ていて痛々しい役でしたが…。阿部:最初に台本を読んだ時は、こんな人たち実際にはいないだろうって思っていたんです。でも、沼田まほかるさんの原作を読んだら、陣治と十和子の関係性がすごくリアルに描写されていて、なんというか…信じられたんですよね。――まさに、映画の中で阿部さんと蒼井さんの存在感にはリアルな生っぽさを感じました。阿部:現場の雰囲気も良かったんだと思います。実際にある団地の空き家を何部屋かお借りして撮影したんです。その街の空気感もそうですし、ベランダでタバコを吸っている時に見える景色とか、部屋のソファの小ささとか、妙にリアリティがあったんです。しかも陣治は格好も汚いから、撮影の合間に近所を散歩していても妙に馴染んでいたみたいで。全然誰からも声をかけられなかったです。――陣治は、お金もなく不潔で不作法な男ですが、演じるのに抵抗はなかったですか?阿部:逆に面白かったです。地べたに座ったり、汚く食べたり、人が不快に感じることをあえてやるということは、まずない経験なので、撮影中、どんなに汚い食べ方をしても「いいですね」と言われるのが妙に楽しかったです。――松尾スズキさん率いる大人計画に入ったのはどういったいきさつで?阿部:たまたま大人計画の舞台を観に行って、その後オーディションを受けました。全く知らない世界に足を踏み入れたかったのもあるかもしれません。一回失敗してみたい、というか。あの時に大人計画のオーディションを受けていなかったら、今頃何をしてたんでしょうね。選んでくれた松尾さんに感謝です。――入団当初から、お芝居は楽しかったんですか?阿部:僕が入った頃、若手がどんどん自主公演を打ってもいいよっていう時期だったので、入団間もない僕もいろんな役を頂きました。舞台経験を積んでいくうちに、全く知らないお客さんの前で芝居するっていうことに、徐々に気持ちよさを感じられるようになっていったんです。あれがもし研修期間とかがあるような劇団だったら、すぐに辞めてたかもしれませんね。あべ・さだを1970年4月23日生まれ。’92年より大人計画に参加。主演映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は、現在公開中。’19年には、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の主演を務めることが決定している。※『anan』2017年11月15日号より。写真・内田紘倫スタイリスト・チヨ(コラソン)ヘア&メイク・中山知美(R.I.S E)インタビュー、文・望月リサ衣装協力・zinze(by anan編集部)
2017年11月12日女優でモデルの内田理央(26)が10月31日、自身のブログを更新。昨年のハロウィンで仮装した"黒天使"姿の写真を公開し、ファンから反響を呼んでいる。「ハロウィン、、?」と題して更新したブログでは、「今年はなんも仮装してないや。ヤンジャンでやらせて頂いた楊端和さまで 私の今年のコスプレ欲求が全て満たされたのかもしれません」と今年はハロウィンコスプレをしなかったという。そして、「皆さんはなにかハロウィンらしいことしましたか?」とファンに問いかけ、「去年の一人ハロウィン、、クレアーズでセールになっていたお花と羽を買って、家にあったお洋服で一人でコスプレして終わったさみしい思い出です(笑)」と昨年の"黒天使"コスプレ姿を披露。「お部屋で自撮り棒で撮る悲しさ」と振り返った。公開された"黒天使"姿に、ファンから「今年見たハロウィン写真でぶっちぎりの美しさ」「とっても可愛い」「どんな衣装もお似合い完璧」「自前コスプレショットとっても可愛い」「天下一品」「黒天使可愛い」「とてもお美しい」「コスプレ凄く格好いい」「めっちゃ似合ってます」「自撮りつっても、クオリティー高い。(笑)」と絶賛の声が寄せられている。
2017年11月01日