安倍政権になって、最初に始めた議論は、大学入試改革、道徳や英語の教科化、そして幼児教育の無償化でした。幼児教育の無償化は、幼児期の義務教育化が期待されていましたが、現在は財源の関係で、年収要件を付けた経済的支援という形になっています。教育というよりは子育て支援の一つと考えた方が正しいでしょう。最近になって、「教育の無償化」として、高校や大学まで、希望する人すべてが進学できるように、義務教育の後も無償化すべきという意見も聞かれるようになりました。ただ、幼児教育を無償化する財源の8000億円ですらなかったのですから、全ての教育を無償化するために必要な5兆円を国が配分するとは思えず、これはあまり期待しない方がよいと思います。そして、子どもに習わせたいお稽古ごとの上位に入る「英語」。これは、3年後に5、6年生で教科化されることになりました。教科になるというのは、成績もつくということです。そなると、「中学受験でも英語が必要?」と不安になりますよね。これは基本的に受け入れる側の中学の判断になりますから、これからは中学受験のための英語を勉強しなくてはならないこともあるかもしれません。ただ、大学受験のための英語がそうであるように、「受験のための英語」を学ぶことは、将来、実践としてはほとんど役に立ちませんから、本当に必要なことなのかどうか、学校側も、また親もしっかりと判断することが必要です。また、今5、6年生が「外国語活動」として行っているものを、3,4年生に前倒しします。つまり早期に始めることで、より「使える英語」にするということを目指しています。道徳の教科化については、いじめ問題への対応として始まったものでした。これも英語と同じタイミングで教科になり、やはり成績もつくようになります。とはいえ、なかなか数値での評価は難しいので、記述式での評価になる予定。今、道徳の授業といえば、年間35時間は教えることになっているものの、運動会などの練習に振り替えられたり、お話を読んで考えるという授業方法から、国語との違いがわからないなど、真剣に取り扱われていない実態があります。教科にすることによって、物事の善悪を考えたり、思いやりの心を育てたりなどいう本来の道徳の教育がきちんと行われるようになることが、期待されています。大学入試は、4年後に大学生になる今の中学2年生が受験をするときから、新しい制度になる予定です。数年間の試行期間を経て、本格的に変わるのは、そのあとになるので、今の段階では、まだまだどうなるのか不透明。でも方向性としては、1回きりの試験から、通年で機会がある、マークシートだけでなく記述問題も出るなど、少しずつ固まりつつあります。講義式の一方通行の授業から、自分たちで課題を見つけ考える「アクティブラーニング」、コンピューターに早くから慣れ親しむためのICT教育など、小学校では3年後、中学校では4年後の本格実施に向け、今、様々な準備が進められています。ちょうど、子供がこの時期に差し掛かるという世代が多いみなさんにとっては、不安もことさら大きいことでしょう。今の教育も、ましてや自分たちが受けてきた教育は、全く参考にならないのではとも思ってしまいますね。親として、こんなにたくさんある変化を、どう受け止めればよいのか。私は、まず親が、自分の子どもが生きていく将来の社会の姿を、一生懸命想像し、考えることだと思っています。科学の進歩は目覚ましく、今、小学生の子どもたちが将来就く仕事の6割は、今ない職業だとも言われています。今の小学生が社会人になるのは、あと10年ちょっとのことです。進歩や変化は早いので、なかなか想像するもの難しいと思いますが、とにかく頑張って、一生懸命考えるのです。そしてその将来の社会で、どんな能力が必要になるのか、それをさかのぼって考えていくことで、今、子供に必要な教育も見えてくるはずです。また一方で、社会がどう変わろうとも、「人」として必要なことは、どの時代も大きく変わるものではありません。例えば、人の気持ちを考えることができる、約束を守るなど人間としての基本は普遍的なものです。親としての責任は、子どもの将来に責任を持つことができるかということに尽きると私は思っています。今、親である自分自身が持っている最大の力を尽くして、一生懸命考え、想像し、責任を持って子供たちを、将来へ導いていきましょう。春は別れと出会いの季節。進級や進学を控える子どもにとっては、一年間の締めくくりです。それを見守る親としても、なかなか感慨深い日々が続きます。新しい環境のスタートである4月の新学期よりも、親にとっては、「3学期の終わり」にこそ、子どもの成長を実感するように思うのです。そして私自身も、今年、小学校を卒業する子どもに、成長への感慨深さと共に、何だか整理できない寂しさも感じています。ランドセル姿を見るのもあと10日。そんな進学や進級を控えた「別れと出会いの季節」に、これからの子どもたちの教育や、生きていく社会はどのようになるのかを、改めて考えてみるのもいい機会です。
2017年03月10日子どもは知的好奇心が旺盛です。知らないことを覚え、自分の知識を増やしていくことは「僕(私)はこんなことを知ってるよ!」という自信をつけさせることにもつながります。知ること、分かることの喜びをたくさん経験させてあげたいなら図鑑がおすすめ! そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、探究心を刺激する「おもしろ図鑑」を選んでみました。わくせいキャベジ動物図鑑作・絵:ツペラ ツペラ(tupera tupera)/出版社:アリス館 「わくせいキャベジ動物図鑑」(絵本ナビ紹介ページ) 山や森、草原や湖など地球とよく似た環境の星「わくせいキャベジ」。どこからどう見てもキャベツですが、リンゴリラ、ハクサイ、ナスクジラなど住んでいる不思議な野菜生物たちのおかげか、まるで本当に存在する星のように思えてきます。分布、体長、体重と細かく描かれた図鑑スタイルがおもしろさに拍車をかけています。仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界著:ギヨーム・デュプラ/訳:渡辺 滋人/出版社:創元社 「仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界」(絵本ナビ紹介ページ) 大きく、つぶらな瞳を持つネコ。でも実はネコはひどい近眼! ネコの目に私たちの姿はぼんやりとしか映っていないそうです。「ミツバチが見ているのはモザイク世界」「牛と馬は真正面がよく見えない」「ヘビは動きを察知する目を持つ」など動物の目から見る世界を体験させてくれるのがこちらの大判絵本。紹介される動物は哺乳類、鳥、爬虫類両生類、昆虫まで20種類! めくれる仕掛けも楽しいですね。おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典監修:今泉 忠明/イラスト:下間 文恵 徳永明子 かわむら ふゆみ/出版社:高橋書店 「おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典」(絵本ナビ紹介ページ) 「ざんねんないきもの」に注目して笑いを誘うこちらの絵本は、驚異的な能力を持つ生物が多くいる中 「どうしてそうなった!?」 とつっこみたくなる生き物の存在を教えてくれます。「だまされて子育てするオオヨシキリ」「自分のにおいに気絶するカメムシ」「「だちょうの脳は目玉より小さい」といった内容に「あえて残念なところが愛しく思えます」「かんぺきじゃないから親しみやすい」という口コミも多く寄せられ、生き物の生態の多様さを実感できる絵本となっています。地球のかたちを哲学する文・絵:ギヨーム・デュプラ/訳:博多かおる/出版社:西村書店 「地球のかたちを哲学する」(絵本ナビ紹介ページ) 昔の人は地球はどんなものだと思っていたのでしょうか。今でこそ「地球は丸い」のが当たり前ですが、世界中の人びとはいろんな想像をしていたようです。例えば「下から順に巨大な魚、大きな卵、巨大な水牛と続き、いちばん上に大地があった」「箱に入っている」「裏返したお椀のような形」「三角形」などなど…。実にさまざまなイメージを持っていたようですね。本当の地球を知りたい、調べたいと願う人類の思いが科学の進歩の原動力となったことを改めて感じさせてくれる科学絵本です。くだものと木の実いっぱい絵本作:ほりかわりまこ/監修:三輪 正幸/出版社:あすなろ書房 「くだものと木の実いっぱい絵本」(絵本ナビ紹介ページ) 170種の果物と木の実をとりあげたこちらの絵本にはどんな花や葉、実をいつつけるのか、名前の語源、どんな効能があるか、植え方や料理レシピなど読み応えたっぷり! すべてイラストで描かれているので親しみやすく「小学生の調べ学習にもよさそう」というママもいます。お子さんが小さいうちは絵本の果物を食べるふりをするなど、遊び読みするのも楽しそうですね! ぜひ、果物が大好きなお子さんと一緒に読んでみてください。図鑑は解説を読むことで語彙力アップになります。また、一度読んだだけで理解できるよう分かりやすくまとまられた文章を目にすることで、文章を書く能力も身に付きますね。知育本としての機能をしっかり果たすおもしろ絵本! ぜひ一度、手にとってみてはいかがでしょうか。データ協力: 絵本ナビ
2017年02月02日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日来年6月30日をもって芸能界を引退することを発表した"ももち"こと嗣永桃子が17日、日本テレビ系情報番組『PON!』(毎週月~木曜10:25~11:30)に生出演し、長いアイドル生活を振り返った。ももちは「ちょうど来年6月30日でアイドル生活15年。節目ということもあり決断しました」とあらためて引退について報告。すでに幼児教育の道に進むことを明かしているが、「子供に興味があったので幼児教育の分野をさらに勉強したい」と話した。そして、教育実習に行った時の写真を公開しながら「子供たちからも大人気で。最終日には『ももち大好き』って言ってくれて、涙ながらの感動的な感じだった」と振り返り、「教えるって楽しいなってあらためて思った」とコメント。なお、幼稚園と小学校の教員免許をとっているという。残りのアイドル生活については、「約8カ月間さらに輝いていきたいと思いまーす!」と宣言。自身にとってアイドルとは「青春のすべて」だと言い、「小学校5年生のときからやっていた。人生の半分以上アイドルなので、切っても切れない」と話した。また、芸能生活での一番の失敗を聞かれると、「思ったよりも人気が出なかった」と自虐。さらに、もし1万円もらえたら何を買うかとの質問に「好感度」と答え、笑いを誘った。
2016年11月17日毎日一緒に美味しく食べたい!親子で楽しむ幼児食離乳食レシピコラムも完了期を終え、次は幼児食!1さじのお粥から始まり、赤ちゃんはたった1年ほどでほとんど大人と同じものを食べられるようになります。離乳食から幼児食へすすめていく時期は、個人差がありますが1才6ヶ月頃。卒乳をして母乳やミルクで栄養を補うことがなくなるので、成長に必要な栄養バランスのとれたメニューを!と頭を悩ませるママも多いのでは?しかも、この頃は遊び食べや食べムラがピークに達していく時期なので食事の悩みが尽きない…という話をよく聞きます。我が家も頑張って作ったごはんを断固拒否!されたり、遊び食べで食卓がめちゃくちゃになったり(汗)。そんな中、息子が「おいしー!」と喜んで食べてくれたときは踊りだしたいくらい嬉しいものです。食材選びや調味料の使い方は息子に合わせつつ、幼児食にしてからは基本大人と同じメニューの我が家の食事。日々の献立の中から息子に好評だったメニューや食事作りのコツなどをご紹介していきたいと思います。1品で栄養満点オムライスのレシピアイデア♪大人もこどもも大好きなオムライス!黄色い玉子で包むだけで何故にこんなにテンションが上がっちゃうんでしょ笑。息子もオムライスが大好き♪具やソースのひと工夫で、いろんなアレンジができて栄養満点な1品に!スプーンで食べる練習にもGOODですね◎■ 定番!トマトソースオムライス〈基本のトマトソース〉トマト缶 1缶水トマト缶の半量玉ねぎ1/2玉にんにく小さめ1片きび砂糖小さじ1塩小さじ1/4程バルサミコ酢小さじ1(味にコクがでます。省いてもOK)オリーブオイル大さじ1《作り方》① フライパンにオリーブオイルとみじん切りにしたにんにくを入れてから火をつけて弱火でじっくり香りを出す② みじん切りや薄切りお好みの方法で切った玉ねぎを加えて弱火〜中火で焦がさないようにじっくり炒める③ 玉ねぎが透明になったらトマト缶と水、バルサミコ酢を加えて一度煮立たせ、火を弱めてとろみが出るまで15分ほど煮込む※ トマトは煮込むことで甘みが増し旨みが引き出されます。少しお水を加えてから時間をかけてじっくり煮込むといつもとひと味違うトマトソースになりますよ!時間が許すなら15分といわずに更にコトコトと煮込んでください♪④ きび砂糖・塩を加えて更に3分くらい煮込む。きのこ類、セロリ、パプリカ、ほうれん草など、冷蔵庫で余っている野菜を入れたり、ツナやベーコンを加えるとご馳走ソースになりますね!写真のソースはツナとアスパラ入り。中身のご飯は、かぶの葉と冷凍コーンをバター醤油で炒めたものです。玉子には1個につき牛乳(または豆乳)を大さじ1程度加えると、玉子のノビが良くなり滑らかで包みやすくなると思います。半熟で仕上げたいところですが幼児にはまだ早い…薄めに全体に火が通るように弱火で焼きます。このオムライス1品で5種類の野菜が食べられます◎ご飯がチキンライスじゃなくてもご馳走ソースで大満足な一品に!■ 和風きのこあんかけオムライス〈きのこあんかけソース〉舞茸・えのき・しめじなど、きのこ類1株分生姜小さじ1/2(すりおろしたもの)出汁300cc程酒小さじ1みりん小さじ1薄口醤油小さじ1/2〜小1片栗粉大さじ1(同量の水で溶いておく)《作り方》① 出汁に生姜・酒・みりん・薄口醤油を入れて煮立たせ、食べやすい大きさに切ったきのこ類を加えて柔らかくなるまで煮る※ ここでほんの少しお酢を加えると味がまとまって美味しくなります。お酢の量は小さじ1/5程度。ごく少量です!② 一旦火を止めて、水溶き片栗粉を加えて混ぜる③ 再び火にかけてとろみが出るまで加熱※写真のあんかけソースは塩茹でブロッコリーを加えています。中身のご飯は、納豆・玉ねぎ・シラスの炒めご飯。味付けは少量のお醤油のみ。あんかけは喉ごしがよいので、食べ進みが良いですね。他にも、余ったひじき煮とご飯を合わせてひじきオムライスや、残ったカレーとご飯をドライカレー風に炒めてカレーオムライスなどなど…残りものアレンジもいろいろできてママ助かる&こども喜ぶオムライス、、、やっぱり大好きです!!時間がないときはコレ!超簡単パスタ!!お仕事をされているママはもちろん、おうちでお子さんと一緒に過ごしているママも外遊びにお出掛けに…時間に追われる忙しい毎日ですよね。でも、お腹を空かせたこども達に待ったはナシです笑。「お腹へった〜!」の声にすぐにこたえられる簡単パスタレシピ♪■ シラスと大葉の冷製パスタ(材料ママと2人分)パスタ 150g程度(1.4mm以下の細いタイプが冷製向き&茹で時間が短くオススメ)シラス大さじ2程度大葉2〜3枚粉末だし我が家は茅乃舎減塩だし使用で小さじ2かぼす・すだち・レモン等の柑橘絞り汁大さじ1薄口醤油小さじ1《作り方》① たっぷりのお湯を沸騰させ塩(分量外)を加えてパスタを茹でる② 大葉以外の材料とパスタの茹で汁100ccほどを合わせて混ぜておく③ パスタが茹で上がったら冷水でしめて水気をきり、②と絡める④ 千切りにした大葉をトッピングして出来上がり!調理時間約10分のスピードメニュー!■ 和風バター醤油パスタ(材料ママと2人分)パスタ150g程度玉ねぎ1/2個しめじ1/2株ツナ1/2缶かつお節1袋にんにく小さめ1片バター10g醤油小さじ1《作り方》① パスタを茹でているお鍋に薄切りにした玉ねぎ・ほぐしたしめじを入れて一緒に茹でる② フライパンにバターとみじん切りにしたにんにくを入れ弱火で香りをだすように炒めておく③ パスタの茹で汁を100ccほど取っておき、茹で上がったパスタと玉ねぎ・しめじをザルにあげ②に投入④ ツナ、かつお節、取っておいた茹で汁、醤油を加えてザッと炒めて出来上がり!⑤ 大葉・青のり・海苔などをトッピングして風味アップ◎調理時間約15分!!こどもはみんな麺類大好き!我が家では時間に追われるお昼ごはんに、パスタがよく登場します。以前は半分に折って茹でていたパスタですが、2才になった今はそのままの長さをズルズルと器用に食べています。大人の真似をして、フォークで一生懸命クルクルしている姿は何とも愛らしい!毎日のごはん時間は五感を刺激する成長の場◎息子は今2才2ヶ月。食事中のお喋りでは、今日の献立や使っている食材の名前、どんな味付けをしているか…などを一通り話します。息子はまだ理解できていないだろうけど「うんうん、ふーん」と聞いていて、美味しい・好き・嫌いに加えて、自分なりに甘い・辛い・酸っぱい・にがいを一生懸命伝えてくれます。絵本でみたもの・スーパーで目にするもの・おもちゃの野菜や魚などと、自分が実際に食べているものとが繋がって「あ!」と発見する様子が見て取れる。ごはんの時間は五感を刺激する大切な時間なんだなぁと、月齢を重ねていくごとにひしひしと感じます。遊び食べや食べムラでキーッとなることもあるし、ダメなことはダメ!ときちんとした躾も大事。だけど、「美味しいね〜!」と笑いあって楽しく美味しく食べることが一番大切なことだと、息子とのごはん時間を通して教えてもらっている毎日です。
2016年10月04日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日【ママからのご相談】こんにちは!うちの娘はまだ1歳半なのですが、住んでいるところが比較的高級住宅地なので、近所のお子さんの大半が幼児教室に通っています(ちなみにうちはお金持ちではないです……)。ある熱心なママさんに「1歳半から始めるなんて、遅い方だから」と言われてしまい、ちょっとモヤモヤしています。主人は幼児教室に通うことには賛成なのですが、周りのママさんたちがエリート意識が高すぎるというか、私がついていけない気もしていて、踏み出せないでいます。とりあえず、重い足を引きずって体験教室にいってみようと思うのですが、ちょっと背中を押していただけませんか(笑)?●A. そもそも本当に必要? “早期教育”の是非を考えてみましょう。こんにちは!ライターの月極姫です。確かに、0~3歳は脳神経回路が目覚ましい発達を遂げる黄金期 。この時期に適切な刺激を受けることによって、子どもの知性や五感が豊かな発達を遂げるという理論はよく知られています。しかし、「1歳半から始めるなんて、遅い方だから」。これがご相談者様へのイヤミだとしたら、残念ながらそのママさんは、純粋にお子さんのために幼児教室に通わせているわけではなさそうですね。「子どものため」と言いつつ、いつの間にか自身の見栄やプライド、競争心を満たすことが目的になってしまっている。教育熱心な親御さんが、ハマりやすい落とし穴といえるでしょう。とはいえ、筆者は早期教育肯定派です。『就学前教育の有無が教育的、経済的な差を生み出す』これは、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマンの言葉です。ヘックマンは40年以上に渡る追跡調査で、幼児期の適切な教育が個人の能力や経済力に大きな影響を及ぼす という調査結果を導き出しました。一方で、・偏った早期教育が子どもの人格を破壊する・早期教育が過ぎると、親の顔色をうかがう自発性の低い子に育つ・幼児期に脳に単調な刺激を与えすぎると、その後の学習能力に悪影響を及ぼすなど、ネガティブな情報も少なくありません。まず、“早期教育に力を入れなければ、絶対に高い能力や人格が身につかない”ということはありません。たくさんの偉人が輩出されてきた過去の時代に、イマドキの幼児教室のような存在はありませんでした。ただ、優秀な方や偉人が育つ背景にはそれなりの家庭教育、学習環境があります。しかし、私たち皆が、優秀な人たちが育った家庭教育を再現できるか?といったら無理がありますよね。脳科学や早期教育に詳しくない、ごく一般的な親子に広く門戸を開いているのが幼児教室です。だからこそ、子どもだけでなく、親御さんも一緒に学ぶスタイルの教室が多いのです。通うも通わないも親御さんの力量や価値観次第。それで他者批判をするのは間違っています 。極端な意見は軽く聞き流し、まずご自分の目で見て確かめることです。通う、通わないは人それぞれ、決めるのはお子さんとあなたです。体験レッスンでは、お子さんがリラックスしていきいきと学んでいるか、楽しそうにしているか、という点が大切ですが、たとえ楽しそうであっても「ただ物珍しいだけではないか?」「仲の良いお友達と一緒だから楽しめているだけではないのか?」といったシビアな見方もアリです。決して安くないお月謝を払って通わせるわけですから、親の目線でも慎重にジャッジを下しましょう 。さて、それでは各早期教育の特徴と、ユーザーのポジティブな声、ネガティブな声の両方を見てみましょう。全国どこででも受講しやすい大手の教室・講座にしぼってご紹介します。●長い歴史と信頼の実績。子どもの発達に合わせて学ぶ“老舗”タイプ●ベビーくもん公文と言えば「毎日大量のプリントをやるのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、それは小学生以降の学習スタイルです。0歳から学べるベビーくもんは、かわいらしい絵本と知育玩具、CDやDVDなどで月齢に合わせた取り組みを行います。また、単なる通信教育ではなく、月に一度の“通室”で、母子ともに刺激を受けられるのが特徴です。【ユーザーの声】『月に一度のスクーリングというのが、0歳児にはちょうどいい 。早期教育を頑張り過ぎるのも嫌なので、ウチにはこれが合っています』(30代2児ママ)『教材が可もなく不可もなく、特徴がとくにないように感じた。お値段が安いので、もう少し続けてみようとは思っています』(40代1児ママ)●めばえ教室1979年創業の老舗です。『知能教育コース』『英会話コース』『グリムコース(国語力を高めるコース)』があり、1歳から母子で受講できて、2歳ごろから段階的にママと離れてレッスンを受けます。詰め込み型の教育ではなく、好奇心を刺激し自ら考える力を育てるプログラムが特徴。一見遊びを通した楽しい取り組みですが、知能判断テストの結果をグラフ化するなど、成果が客観的に見える工夫もうれしい ところです。【ユーザーの声】『上の子が甘えん坊で困ったことがあったので、下の子は早めに母子分離させようと通わせていました。2歳でも、意外とレッスンをきちんと受けられる姿に驚いた記憶があります。集中力がついたのは、めばえのおかげかも』(30代2児ママ)『英語の方に通わせていて、5歳のころには親もびっくりするような発音になりガッツポーズでした。でも、そのあと他の習い事を始めるとあの発音も忘れてしまったみたい(笑)。やっぱり、続けなきゃダメなんですよね』(30代3児ママ)●あの天才子役も出身者! 従来の教室と一線を画す“全脳教育”タイプ●七田式右脳教育子役でスケート選手の本田望結さんが通っていたということで、最近さらに知名度を増しましたね。3歳までの時期に右脳を開発することによって、ひらめきや直感力、イメージ力、絶対音感なども身に着けるというものです。従来の、理論的思考に偏った“左脳教育”とは一線を画するもので、いわゆる天才肌の人材を育成しようという性質が強い教育法 です。0歳からの幼児教室に加え、七田式の講習をクリアしたネイティブ講師による英語教室、家庭で行える通信教育も行っています。大量の絵カードや、ドーマン式のドッツカード(丸いシールを大量に貼り付けた数のカード)を、素早くめくって見せるフラッシュカードも特徴的です。【ユーザーの声】『3人とも0歳から七田の幼児教室に通い、年少からは七田の幼稚舎に。今長男が中2ですが、受験についてもあまり心配はなく、音楽、スポーツにも意欲的なのは右脳開発の賜物だと思っています』(50代3児ママ)『教室に通ってみたけど、お金持ちのママさんの自慢大会みたいな雰囲気が嫌で辞めました。私が気乗りしなかったせいで、子どもの反応もイマイチだったのかもしれないけど(笑)』(40代2児ママ)●子ども心をガッチリつかむ! 楽しく学べる“人気キャラ”タイプ●ベネッセ・こどもチャレンジ通信教育の他に英語教室やサイエンス教室、作文教室なども展開しており、年齢と発達段階に合わせた豊富な教材、挨拶や礼儀作法、コミュニケーションスキルなど社会性の発達にも力を入れた取り組み内容 が特徴的です。就学後は教科書に即した内容のワークが増えていきますが、未就学児のワークはカラフルで楽しく、学習能力の基礎となる知育遊びをメインとしつつ、鉛筆の持ち方や書き方なども学べるようになっています。【ユーザーの声】『しまじろうがかわいくてテレビ番組まであるので、子どもが引き込まれるように取り組んでくれて親はラクでした。付録のDVDは繰り返し見るほど好きでした』(40代2児ママ)『教材が多すぎて使いこなせず、親が相手をするものも結構多くて大変。入学前にやめました』(30代1児ママ)●ドラキッズ何といってもドラえもんが子ども心を引き付けて離さず、体験教室などでも「子どもの食いつきが違う」 と評判の教室です。総合教育コースは満1歳から入会でき、小学校準備コースまで年齢によって分かれています。絵本や知育玩具にはもちろんイメージキャラクターのドラえもんがついています。最初はごっこ遊びやゲーム的な取り組みを親子で楽しむところから始め、無理なく知能を高めていくプログラムになっています。【ユーザーの声】『いろいろな習い事をさせてきたけど、一番楽しそうに通っていたのが入学前までのドラキッズ。ドラえもんおそるべしです』(30代1児ママ)『最初の食いつきがすごかったけど、うちの子の場合は意外とすぐ飽きちゃったかな。女の子はませてるので、ずっとドラえもんが楽しいとも限らない。年中で辞めて他社の地味な通信教育に切り替えたけど、その方が合っている様子』(40代2児ママ)●ネット上の情報には裏がある!? 鵜呑みにせず体験教室へGO!幼児教室を選ぶ際に、もう1つ注意しなければならないことがあります。それは、ネットの幼児教室ランキングなどをやたらと信用し過ぎない ことです。“通室者数”や“年商”といった客観的なデータによるランキングを掲載しているサイトは良心的ですが、一部のアフィリエイトサイトの中には、主観的でアバウトなランキングを掲載しているものもあります。また、良心的なサイトで人気ランキング上位だからといって、お子さんの個性に合っているか否かはまた別問題なのです。ネットの情報にも、お友達からの情報にも、振り回されないことが肝心です。日ごろから、また体験教室の場などでも、まずはわが子の様子をよく見ること。そして教室の方針やメソッドについての疑問は遠慮なく解消し、納得の上で通室することをお勧めします。また蛇足ではありますが、幼児教室への通室が軌道に乗っても、お家でのんびりしたり、お友達と自由に遊ぶ時間は必ず確保してあげてください。いつの時代も、自由に使える空白の時間 があってこそ、子どもの内面世界は豊かなものになっていくと思います。【参考文献】・『幼児教育の経済学』ジェームズ・J・ヘックマン(著)/古草秀子(訳)●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年06月16日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日小学校受験とまではいかなくても、入学前から勉強の習慣を身につけておくことは悪いことではありません。幼児の内に習慣がついていれば、入学してからの勉強もスムーズに取り組めるかもしれません。学習教室に通わずとも、今は自宅で取り組める教材が色々あります。幼児の勉強はどんなことに気を付ければよいのか、どんなものがあるのかを知っておきましょう。人気の自宅学習教材自宅で学べる幼児向けの通信講座は色々な種類があり充実しています。毎月届くので進めることに達成感がありますし、次の教材が届く前に終わらせようという気持ちにもなりますね。人気が高いものとしては、ベネッセのしまじろう、Z会、ドラゼミ、幼児ポピーなどがあります。無料体験を送付してくれるところがほとんどですので、一度頼んでみて子どもの反応を見てみるのもいいですね。習慣をつけることが大事毎日10分でよいので、机に向かう時間を作りましょう。大切なのは机に“長く”向かうことではありません。むしろ集中力が切れないように短い時間にしておきましょう。そして何より大切なことは、できたら褒めることです。何か問題が解けた時だけではなく、机に向かったその姿勢を褒めてもよいのです。褒められると「自分はできるんだ」という自己肯定感が芽生え、自信につながります。親の背中を見せる本人が1人で取り組んでいても、放っておくことは厳禁です。普段からも親がダラダラしたりスマホをいじったり…ということでは説得力に欠けてしまいます。一緒に勉強に取り組むことが一番ですが、親自身も勉強をしたり本を読むことなどを普段から意識しましょう。口で色々言うよりも、背中を見せることが一番説得力があり、子どもが自然と真似することへとつながっていきます。高学歴者の学習法を参考に高学歴タレントとして有名なロザンの宇治原さんは、リビングで宿題を行うお姉さんの真似をしたがったところ、お母さんが簡単な漢字や計算問題を作って宇治原さんに解かせていたそうです。母親お手製の問題を遊び感覚で解くことで、幼児の内から勉強する習慣がついたのですね。塾講師で人気の林修さんは、家族が読んでくれる紙芝居を真似して読み、幼児のうちに図鑑を読むようにまでなり、そこで基礎的な日本語力を身につけたとのことでした。どちらのケースも、無理やり勉強をさせているのではなく、家庭内で勉強や読書を取り入れることで自然と真似をしたくなり学習習慣へと結びつけています。私の息子は現在年中です。書くことは比較的好きな方ですが、特に楽しいと言っていた“めいろ”の本を買ったところ、登園前に自分で取り組んでいて驚きました。書店などで“ひらがな”、“数字”など以外でも“てんつなぎ”、“とけい”など遊び要素が多い本もたくさんあります。本人が興味を持てるものだけを取り組むのでも全く問題ないでしょう。極力一緒に取り組みますが、取り組めない時でも終わったワークをチェックして声をかけるようにしています。「ちゃんと見てくれている」「褒められた」ということが自信になり、次も自主的に取り組めるのだと思います。無理強いせず親も一緒に取り組むことが、「楽しい」と感じ自主的に机に向かうことへつながります。勉強だと感じさせないように勉強を自然に取り入れる工夫をしてみましょう。
2016年06月16日音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日どうもこんにちは、イラストレーターの栗生です。 いま1歳くらいのお子さんをお持ちの方、「赤ちゃんが幼児に進化した!」と感じるときはありますか?わが家の1歳児はまさに今、幼児期の階段を登っている最中。歩くことはまだおぼつかないけれど、ハイハイはだいぶレベルアップし、方向転換のキレや加速の良さに日夜磨きがかかってきました。また、食事や歯磨き、着替えの際の強烈なローリングイヤイヤの発動には、「自我が芽生えてきたな~、これ幼児期入っちゃったな~」との思いがよぎります。それから、表情。0歳の頃よりも随分豊かに、めまぐるしく変わるようになってきました。赤ちゃんって意外と真顔でいることが多いですよね。生後1~2ヶ月の頃、授乳中に膝の上で寝たのでそのまま仕事をしていたのですが、気がつくと真顔でじっとこちらを見ており、飲んでいたお茶をリアルに噴いたことがあります。そんなに私を見て、一体何を考えているんだ、君は…。でも、そんなクールな赤子が好き…。おとなしく抱っこされ、こちらをじっと見ていた赤ちゃんの時代はもう過ぎ去ってしまったと思うと一抹の寂しさがありますが、寂しさを感じている間は、まだ余裕があるということなのかもしれません。来たる怒涛のイヤイヤ期の予感に怯えるこの頃です。今日のカルタ「真顔でこっちを見る」
2016年05月11日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日最近、娘が通うインターナショナルスクールで知り合った日本人の親御さんから「外国人のお友だちが家に遊びに来るのですが、海外では他人の家の冷蔵庫を開けてもいいことになっているのでしょうか?」と聞かれました。よく話を聞いてみると、遊びに来る欧米系の1人の女の子が、勝手に家の冷蔵庫を開けて飲み物や食べ物を食べてしまうのだとか…。他人の家の冷蔵庫を開けることは日本ではもちろん非常識なのですが、文化が異なる海外ではもしかしたら常識なのかもしれない。さらには、どうやってその子どもに「他人の家の冷蔵庫を開けてはいけない」ということを説明すればよいのか。こうしたことについてとても悩んでいらっしゃいました。冷蔵庫のマナーについては、実際私たちも国によってどうなっているのかわかりませんよね。今回は、海外での冷蔵庫マナーについてご紹介します。どこの国でも、よその家の冷蔵庫を勝手に開けるのは基本的にタブーアメリカのドラマなどで、他人の家の冷蔵庫を開けて勝手に飲み物を飲んでいるシーンを観たことのある人はいませんか? それを知ってか「アメリカは寛大で、よその家の冷蔵庫を勝手に開けて飲み食いしても良い」と言う人もいますが、実際は、訪れた家とどれぐらいのおつき合いがあるかによって異なるようです。もしくは、訪れた家の人から「自分の家のように勝手に冷蔵庫にある物食べたり飲んだりしてね」と前置があった場合にのみ冷蔵庫を開けて良いということでした。これは日本でも同じことですね。イギリスやヨーロッパ諸国、インド、タイなどの東南アジアでも冷蔵庫を勝手に開ける事は、日本同様に非常識な行為だそうです。勝手に冷蔵庫を開けてしまう子どもへの対処方法とはいっても子どもで、しかも国籍が異なり文化も異なる場合、何と言って注意したらよいか、わからない方も多いでしょう。おすすめの方法は、「うちでは冷蔵庫を勝手に開けてはいけないことになっているの」と、その子どもに伝えること。「ここではこういうルールになっている」と言えば、それに従ってくれるはずです。小学生以上の子どもであれば、親から伝えるのでではなく、自分の子どもにそのことを伝えてもらうのもよいでしょう。やんわりとした言い方であれば、言われた側の子どもも悪い気持ちにはならないはずです。一般的に、「よその家の冷蔵庫を開けることは、世界各国共通のタブー」ということでした。国籍や年齢に関わらず、このような行為をされた場合は、本人にきちんと「それはやってはいけないことだ」と伝えましょう。そして同時に、自分の子どもにも、冷蔵庫のマナーについてきちんと教えておきましょう。
2016年03月31日「最近の若者には、指示がなければ何もしない『指示待ち族』が多い」と揶揄されることもあります。わが子を指示待ち族にしないために大切なのは「思考力=自分で考える力」です。思考力を育てるのに最高なのがオープンクエスチョン。そのオープンクエスチョンの上手な行い方を紹介します。オープンクエスチョンって何?オープンクエスチョンの反対語は、クローズドクエスチョンです。これらは、どのように違うのでしょう。簡単に言えば、クローズドクエスチョンは、「はい」と「いいえ」で答えられる質問。オープンクエスチョンは、聞かれた相手が答えを自由に選べる質問です。オープンクエスチョンでは、自分を省みて質問に対する答えを探し、それを言葉にすることが求められます。相手が子どもであれば、親がその答えを受け取り、意を組んでさらに膨らませることができれば会話は盛り上がり、子どもは「もっと話したい」「もっと聞いて欲しい」という気持ちを持ちます。すると、子どもはこれまでに培ってきた語彙を最大限に駆使し、頭の中にあることを精一杯伝えようとするのです。子どもの言葉を待ちましょう子どもは大人に比べて語彙数が少ないため、その分、考えをまとめづらいものです。ですからオープンクエスチョンに対して、パパッと簡単に答えることができません。ただし、答えたいという気持ちは大人と同様に持っています。ですから、大人は子どもの言葉が出てくるまで待ちましょう。「大丈夫だよ」という思いを込めてその子のことを見つめながら、じっと質問の答えを待つのです。間違ってもスマホなんていじってはいけませんよ。子どもが心を開き、自分の気持ちを言葉にしようと頑張っているのですから、大人もそれを受け止める準備をしましょう。オープンクエスチョンを何度も繰り返すことで語彙力が強化されるオープンクエスチョンは一度では足りません。何度も何度も重ねることによって、自然と考える力が身につき、豊富なバリエーションで答えを返してくれるようになります。そして、それはいつ始めればベストだというものでもありません。これまで子どもに対してオープンクエスチョンでの質問をしてこなかったという家庭でも、今から始めれば大丈夫。子どもというのはいつの時点からでも伸びるものです。しかも、さまざまな場所で言葉のシャワーだけは常に浴びているので、自分の中には語彙がたまっている子も多くいます。語彙力がつくかどうかは、それを吐き出せる力があるかどうかにかかっています。オープンクエスチョンを繰り返すことによって、語彙力を強化し、自分で考える思考力を身につけさせていきましょう。(ふじなみまき<フォークラス>)
2016年03月31日いまは小さくてかわいいわが子も、いつかは大人になり自立します。社会に出てから大きな壁にぶつかったとき、くじけず自分の力で越えていける力を育んであげたいですね。子どもの「本当の強さを育てる方法」について提案します。「あなたには無理」はNGたとえば、引っこみ思案な子どもが学級委員長に立候補するなど、何かにチャレンジしようとしたら、つい「あなたには無理なんじゃない? やめておけば?」と、否定的な声かけをしていませんか? 子どもが失敗したらかわいそう、とつい口出ししたくなるのですが、この「あなたには無理」という一言は子育てのNGワードです。「ラべリング理論」をご存じでしょうか。「あなたって臆病だよね」と決めつけるような言葉をかけると、その人がだんだんビクビクした行動を取るようになるという理論です。言葉の力は想像以上に大きいもの。それが大好きな親からの言葉であればなおさらです。「自分には学級委員長は無理」とラべリングされた子どもは、次第に大きなことへの挑戦ができにくくなります。挫折しらずで育てるよりも、失敗から立ち直る体験をさせたほうが子どもは成長するもの。失敗を未然に防ぐより、失敗をした後の立ち直りに力を注ぎましょう。もしその挑戦が成功したら、ラッキー。大きな自信になる貴重な経験となり、その後の子どもの心をしっかりと支えてくれます。褒めるときは具体的に「褒めて伸ばす」という子どもの自己肯定感を育てる育児法のことは最近よく聞かれるようになりましたね。しかし、褒めかたにもコツがあることをご存じですか?子どもをただ漠然と「すごいね」と褒めていると、自分の力を過信するようになる危険があります。自分を過大評価した子どもがいざ、社会に出て厳しい現実に直面したとき、思ったよりできない自分に落胆し、心が折れてしまうかもしれません。子どもを褒めるときは、良かった点を具体的に示しつつ褒めることをおすすめします。「テストで悪い点を取っても、ふてくされずに毎日の勉強をやめなかったから成績が上がったんだね」と言われたら、粘り強く頑張れば力がつくことを学べます。「いつも何も言わなくてもお手伝いしてくれて嬉しいよ」であれば、自主的に行動すると喜ばれるんだな、と理解できます。ほめられて嬉しい気持ちになるだけでなく、「また頑張ろう」という前向きな気持ちになりやすいものです。上手くいかなくてもほめる「褒めて育てる子育て」は自己肯定感を育てる、と書きました。自己肯定感は、将来壁にぶちあたったときに「自分には乗り越える力がある」と自分を信じて頑張るパワーの源になります。「ほめる子育て」は、折れない子どもを育てる効果的な方法です。しかし、スポーツの試合に勝つなどいい結果だったときは褒めやすいのですが、問題は悪い結果に終わったとき。くれぐれも「やっぱりダメだったわね」とは言わないでください。「自分はダメなんだ」というマイナスのラべリングとなり、頑張れない人間になってしまいます。結果が悪かったときは、経過をほめましょう。「朝の走り込みを1日も休まなかったよね。眠いときもあっただろうに、よく続けたね」「前より動きが良くなってたよ。練習の成果だね」など、良かった点を見つけて褒めれば、努力がまったくの無駄ではなかったことが伝わります。子どもは誰でもすごい力を秘めています。親がそれを信じて応援することが、子どもを「折れない、本当の強さを持つ人間」に育てる一番の秘訣です。(あとりゆうか<フォークラス>)
2016年03月28日ドリルだけやっていても前頭前野は発達しない、キーポイントは「遊び」 前編 でもご紹介したように、たしかにドリル的な勉強は、子どもの脳の前頭前野を活性化させてくれます。でも、ただひたすらドリル学習をしていけば前頭前野がぐんぐんと発達していくかというと、それは違います。ポイントとして押さえておきたいことは「遊び」です。このことは、運動になぞらえて考えてみるとよくわかります。筋肉は、一定の負荷をかけた後、適宜休ませることで、負荷をかける前よりも筋肉が強くなるということが知られています。ですから、運動をするときにはずっと動き続けているのではなく、適当に休憩を取り入れているのです。考えてみれば脳だって体の一部分です。ですから、基本的には運動をするときと同じように訓練していけばよいのです。つまり、「遊び」を適宜取り入れながらやっていくということ。前頭前野を鍛えるためにドリル学習などの勉強をしますね。そうしたら、少し前頭前野が休まるような行動を取り入れればよいのです。ゲームは決して悪者じゃない、バランスよくやれば味方になる前回、「テレビゲームは頭を使うようでいて、前頭前野を働かせるような効果はあまりない」という研究報告があるとお伝えしました。何かと悪者になりがちなゲームですが、前頭前野を働かせる効果がない分、勉強の合間の遊びとしては適しているのです。ほかにも、漫画を読むこと、テレビを見ることなどもよいでしょう。これらも子どもに好かれることでありつつ、前頭前野を成長させる刺激にはあまりならないものだからです。でも、「今まで『テレビばっかり見てないで!』『またゲームしているの!?』と怒ってきたけど、やらせていいのね。楽になったわ~」なんて言わないでくださいね。子どもたちがこれらの前頭前野をあまり使わない遊びに夢中になり、他のことが手につかないということは、非常によくあることですよね? 子どもたちが自らを律して勉強と遊びを両立するのは難しいのです。つまりは、親のほうで勉強と遊びのバランスをとるように誘導してあげなければならないということです。たとえば、30分間勉強を頑張ったら、その後10分間はテレビや漫画・ゲームOKとする、とか。こうすることで、子どもが勉強の中に効果的に遊びを組み込んでいけるよう、引っ張っていってあげるのです。もちろん、子どもが中学生や高校生になってまでやってあげなければならないこととは言いませんが、少なくとも小学校低学年くらいまでは必要です。親が子どもの勉強にリズムを作ってあげることで、いつかは親に言われなくても、上手に勉強と遊びのバランスがとれた方法を実践していくことができるでしょう。
2016年03月27日「うちの子は遊んでばかりで全然勉強しないのよ…」そんな悩みはよく聞かれます。確かに遊んでばかりでは脳を鍛えることはできませんが、だからと言って勉強ばかりしていても効果的なやり方とは言えません。勉強と遊び、その取り入れ方をどう考えていけばよいのでしょうか。頭の良い子が育つのは遺伝ではなく環境よく、「あそこのうちは、両親がいい大学を出ているから、子どもも賢いのよね」なんていう話を聞きませんか? 勉強ができるかどうかは、遺伝性があるのでしょうか。答えはノーです。頭の良い子を育てるのは、生まれてからの環境や教育でしかありません。では、わが子を賢く育てたいと思ったら、親はどのような働きかけをしたらよいのでしょう。それは、子どもの脳の前頭前野と呼ばれる部分を訓練してあげることです。前頭前野が反応するという程度ではなく、活動的になるように行動させましょう。子どもたちの大好きなテレビゲーム。やっているときの子どもたちは頭脳を使い、非常に集中しているように見えますが、前頭前野の働きを調べてみると、ゲーム中の前頭前野はほぼ100%活動していなかったという研究報告があります。つまり、賢い脳を育てるための手段として、テレビゲームは適切とは考えにくいと言えます(無論すべてのゲームを調べたわけではないでしょうから、ゲームがすべてダメというわけではなく、ゲームによってケースバイケースではあるかと思います)。前頭前野を訓練するのは音読や計算問題では、前頭前野を訓練するには、どのような活動が適しているのでしょう。友だち同士での(テレビゲームではない)遊びを通しても、前頭前野を活動させることができるのですが、ほかにも前頭前野にとって良いと言えるものがあります。それは、音読や計算問題といったドリル勉強です。学校などの集団の中に、落ち着いて活動に取り組めない子どもがいます。授業中立ち歩いたり、静かに話を聞けなかったり…。このように集団行動になじめない子どもは、前頭前野の発達が未熟であると考えられています。そんな子どもたちに、授業前、音読や単純な計算プリントなどをさせると、その後の授業への取り組みがとても落ち着いたものとなったのです。ですから、「うちの子はどうも落ち着きがないようだ」とお悩みであれば、自宅での勉強タイムに読書の時間をたっぷりととったり、単純な計算問題や数を数えるような問題をやらせてみたりしましょう。そしてそれは、ぜひ親であるあなたも一緒に取り組んでください。見違えるほど、子どもの集中力がアップする可能性大です。ちょっと信じられないくらいの効果をもたらしてくれる報告もあがっています。< 後編 に続く>
2016年03月27日子どもの登園や登校の準備、さらに食事の支度や洗濯、自分の身支度までやらなければならないママ(もしくはパパ)にとって、朝は特にバタバタなもの。そのため、子どもに対して「急いで」「なんでできないの?」とつい、イライラすることがあります。そんなイライラを解消に導くヒントになる、子どもへの声かけの工夫を紹介します。伝え方次第で子どもの受け取り方も変わるイライラしていると、言葉にもそのイライラな気持ちが反映されてしまい、言われたほうも反抗したり悲しい気持ちになったりすることがあります。そこでオススメなのが、声かけの工夫。同じ内容でも伝え方次第で子どもの受け取り方が変わり、自発的な行動が期待できます。たとえば、食前におおまかな食事の終了時間を伝えておきます。「時計の針が○のところになるまでに食べようね」「このテレビ番組が終わるころには食べ終わっていてね」など、その子の年齢に応じたわかりやすい目安で伝えてみましょう。そのほかにも…「なんで○○できないの?」→「どうしたらできるかな」「○○しなさい!」→「今なにをしなきゃいけないかな」「次は○○しようね」といった、子ども主体に受け取れる伝え方を心がけてみましょう。子ども自身が「そうだ!」と気づき、少しずつ自分から行動できるように、「急かす」のではなく、「気づく」機会を与えてあげてください。まずは1日1回でもいいので心がけてみてく。慣れてくると徐々に、工夫した声かけが自然とできてくるものです。わが家の3兄弟の場合・小学校高学年の長男の場合性格からなのか、家を出る時間もわかっているのに、なぜかのんびりしています。そんな長男には「どうしたら時間通りに家を出られるかな?」と言葉を投げかけてみたところ、長男なりに食事終了時間や着替えの時間を自分で決めるようになりました。それでもやはりのんびりしてしまう長男。思わず「早く!」と言いたくなりますが、その気持ちをぐっとおさえて、「あっ! もう○分だ!」「ママももう着替えなきゃ!」と、ひとりごとのように伝えています。すると、長男も気づいて時間通りに行動しようと気づくようです。。・小学校低学年の次男の場合最近、算数で時計の学習をしているので、時計に興味がある点を活用しています。「今、何時?」「長い針が4にいくまでに食べ終えるにはあと何分?」などと声をかけています。・保育園の三男の場合三男はお兄ちゃん大好きなので、お兄ちゃんを基準にして物事を伝えます。「お兄ちゃんが食べ終わるときに、一緒に食べ終わるといいね」というように。お兄ちゃんに「あと少しで食べ終わりそうだね」と声かけすると、三男も「ぼくももう食べ終わるよ!」とはりきって食べてくれます。最近では着替えや家を出るのも、お兄ちゃんを意識しながら自分から行動するようになりました。イライラしたときこそ深呼吸してみよう私自身そうでしたが、「朝バタバタしてイライラして、子どもにきつい言い方をしてしまった…」と反省しているママはたくさんいます。そんなときは深呼吸して、ありのままの自分を受け入れてみましょう。朝起きてごはんをつくり、洗濯をして、子どもの世話も自分の身支度もする。ママが日々当たり前にこなしていることは、本当はすごいことなのです。働いているママなら、毎日子どもと共に元気に家を出る、というだけでも十分です。子育てを頑張るママにとって、朝の時間は想像以上に大変なもの。だからこそ、が「言われてからやる」という状況から、子ども自身が考えて行動できる状況に変えていきましょう。ほんの少しの工夫で、子どもだけでなくママにとってもプラスになるはず。イライラする時間を少しでも減らして、毎日の生活を楽しめるとよいですね。(谷本まゆみ<フォークラス>)
2016年03月27日前編 では、不規則な生活が子どもに与える悪影響について解説しました。後編ではそれを受けて、そうならないためにはどのようにしていけばよいのか、具体案をご紹介します。平日も休日も、生活リズムを守る規則正しい生活を送ることが、子どもの脳や健康、将来の生活を守ってくれます。具体的にどのようにすればよいかをご説明しましょう。以下に、小学生の場合の生活リズムの例を紹介します。まずは朝、遅くとも7時には起床しましょう。その後、朝食をきちんととり、着替えや身支度を整えて、余裕を持って登校します。夕食は遅い時間にならないようにし、低学年の場合は21時、遅くとも22時には就寝します。そして、このリズムを休日も守るようにするのです。「平日は学校があるから仕方ないけど、休日まで!?」と思う気持ちもわかります。いつも忙しい毎日を送っているのですから、親も休日くらい休みたいですよね。でも、これは一生続くことではありません。わが子が親の手助けを必要としている時期だけは、何とか頑張って、規則正しい毎日を送るように頑張ってほしいのです。それがもっとも大切なことです。子どもが集団生活に入る時期は、特に大切特に大切なのは、幼稚園や学校といった集団生活に入る時期です。最初からしっかりと正しい生活習慣をつけてあげることが、親としてもっとも重要な仕事と言っても過言ではありません。このことは、決して簡単なこととは言えないでしょう。何しろ毎日続くことですから…。これは父親だけでもできないし、母親だけでもまた、難しいことなのです。夫婦がしっかりと規則正しい生活の大切さを理解し、それを一緒に実行していかなければなりません。たとえ父親が休日の朝、いつまでたっても起きてこなかったとしたら、そこは「疲れているからかな」なんて言わずに起こしましょう。そして、休日でもなるべく決まった時間に、家族みんなで朝食をとるのです。平日の仕事の疲れが残っているのなら、後で昼寝をしてもよいでしょう。子どもがまだ小さいうちは、夫婦で一致団結して、何よりもまず子どもの生活を規則正しいものにする努力をしていきましょう。やっていくうちにわかることですが、子どものためと思ってしてきたことが、結果的に親たちの健康にもつながっていくのです。家族みんなで規則正しい生活を送ると、そんなメリットもあるのです。
2016年03月26日現代人は不規則な生活を送りがちです。残業で夕飯の時間も就寝の時間も遅くなり、外食をしがちになり…。そんな生活を送り続けているため、生活習慣病になってしまったり、ストレスがたまって精神的にも病んでしまったりするのです。しかし、それは大人の世界だけの話だと思っていませんか? 夜更かしや朝食抜きの生活は、子どもたちにも増えてきているのです。「でも、病気になっているわけではないし、そんなに気にしなくてもいいのでは?」と思わないでくださいね。子どもの将来にも大きな影響を与える問題なのです。引きこもりを作る要因は生活習慣の乱れにもある規則正しい生活を送っていないと、子どもの体と心はいろいろな影響を受けてしまいます。夜更かしをして朝寝坊をし、朝食を食べずに慌てて学校へ行くため、便秘がちになる。睡眠不足で授業に集中できない。そんな話をよく聞きます。もっとショッキングなことに、子どものうちから規則正しい生活をしておかないと、将来引きこもりになるかもしれないという研究結果があります。もちろんほかにも、家庭に問題があったり、その人のコミュニケーション能力に問題があったりして、原因が複雑ではありますが、原因のひとつとして生活習慣の乱れも考えられるというのです。不規則な生活を続けていると、子どもの体はいつも疲れを感じるようになり、朝起きるのが非常につらくなって、体を動かすことさえうまくいかなくなります。さらに、免疫システムもうまく働かなくなって、病気にかかりやすくなってしまうのです。つまり、不規則な生活は子どもの体全体に悪影響を与えているということなのです。学校に行こうと思うのに、体が動かなくなるあるとき急に、「学校に行かなければと思うのに体が動かない」と、引きこもりになった子どもたちがたくさんいます。その中には、家族とも、友だちや先生ともトラブルがなく、理由がわからない、というケースがあります。その子たちの共通点となるのが、「不規則な生活を送っていた」ということなのです。塾通いなどのために夕食の時間が夜中になったり、その後もなんとなくだらだらと夜更かししてしまったり…。平日はきちんとしていたのに、休日に夜更かしや朝寝坊をしていたことが、引きこもりの原因となってしまったという子どももいるのです。「単なる朝寝坊や夜更かしが、引きこもりにまで発展する?」と疑っている方もいるかもしれませんが、これらの現象は実際に起こっていることです。大人ならよくあることかもしれませんが、子どもの脳には確実に悪影響を与えるということを肝に銘じて、自分の子どもの生活を正しい方向に導いてもらいたいのです。< 後編 に続く>
2016年03月26日みなさん旅は好きだろうか? 実は、こどもができるまでのわたしは、女ひとりであっちこっち国内外を放浪していたほど根っからの旅好き。これまで20カ国以上を旅して、特に好きな国はラオスとメキシコと、思えばローカルな場所で結構ハードな旅ばかりしてきた。夫と結婚する前に、メキシコ、グアテマラ、ペルー、ボリビア、アルゼンチンまで半年にわたる留学を兼ねた旅を最後に、もうこれからはひとり旅でなく、誰かと共に旅しよう。この感動を誰かと共有したい。そう心に決めて帰国した。それもあって、こどもが産まれても旅したい熱は冷める事なくふつふつと湧いて来る。わたしは息子におっぱいをあげながら「あぁ~旅がしたい」とこぼし、ある日は、息子を寝かしつけながら「あぁ~旅したいな~」と、ぼんやり考えていた。世間では、「母になったらすべてをこどもにために注ぐべし! 旅行!? 乳児を連れて? 病気になったらどうするの? どうせ覚えていないんだから、止めておけば?」という人も少なくないと思う。申し訳ないが、旅はわたしの人生において、とてつもなく重要なポジションにある。仕事上、絶対的に必要なのだ。創作に旅の刺激は大きく影響する!息子よ、ごめん。母さん、旅が好きなんだ…!もうすぐ息子も生後6ヶ月になることだし、お祝いも兼ねて、初めて家族で旅行に出かけることにした。まだ離乳食もスタート前だし、1日おっぱいだけで済むのも今のうち。そうとすれば、出かけてみようじゃないの!ちょうど紅葉の綺麗な秋。今回は3泊4日、友達がいる大阪、京都の旅へ出かける事にした。子連れの旅は初めてだから、何かと荷物が多くなる。1つのスーツケースに荷物を詰め込む。着替えに、防寒着、大量のオムツ、タオル類に、ベビーソープ、哺乳瓶にミルク…。スーツケースの半分がこども用品になってしまった。早朝、自宅から羽田空港へ。今回は関空を利用した。夫にスーツケースを持ってもらい、わたしは息子を抱っこする。機内でも息子はほとんど眠っていて、一安心。1時間半のフライトはなんてことなかった。想像していたよりも乳児を連れて旅する事はそんなに大変じゃなさそうだ。 大阪に着くなり、ホテル阪急エキスポパークへチェックイン。子連れには広々としていて治安も良いし、ゆっくり過ごせる良いホテルだ。荷物を置いて、外へ。さっそく、高校からの親友と合流。せっかく大阪に来たのだからと、親友が新世界にある串揚げの美味しい店に連れて行ってくれた。新世界か~!レトロな町並みを歩くだけで、良い気分転換になる。旅行とはなんて素晴らしいのだろう! 意外と子連れでもなんなく楽しめる場所だった。久しぶりの再会に心は踊り、お互い母になってからゆっくり話すのは初めてだったので話に花が咲く。親友には3歳の娘がいる。東京から大阪へ、旦那が家業を継ぐために家族みんなで引っ越した。慣れない土地での子育ては容易ではない様子。旦那は仕事で忙しい。わたしは育児と仕事を両立しなくてはならない悩みを抱えているけれど、専業主婦の彼女は彼女で、いつもこどもと二人っきりで気分転換をする時間もなく、行き詰まる事もあるという。育児が始まると、何もかもノンストップだから慌ただしい。わたしだって、たまには仕事をほっぽりだして、育児だけに徹したい。休みたいなぁ、そんな思いを巡らせた事だってある。その一方で、仕事をしたいママもいるだろう。わたしも、ついつい違う立場にいる人を羨ましく思う事がある。「あの人はいいなぁ」。でも、そんな気持ちはどこかへ閉まっておいたほうがいいんだ。誰かと比べても、結局わたしのこどもは一人しかいない。愛すべき、かけがえのないわが子。同じこどもは世界にどこにもいないのだから。愛情さえ持つ事ができるなら、どんなことだってきっと乗り越えられる。みんな立派なお母さんになれるはずだ。自分もそう信じたい。お互いのこどもを抱いて串カツを食べながら、わたしたちは「母業、お互い頑張ろうねぇ」と励まし合うのだった。つづく次回は、vol.25「ハーフバースデーの子連れ旅 IN ディープな関西 京都編」をお届けします。
2016年03月24日幼稚園・保育園を卒業し、この春から新1年生となるお子さんをお持ちの人は入学準備にいそしんでいるころではないでしょうか。わが息子も家の中で購入済みのランドセルを開け閉めしたり、背負ったりしてわくわくが抑えきれない様子です。ところで今どきのランドセルは「ない色がない」というくらいカラーが豊富ですよね。子どもたちの間ではどんな色が人気なのか、またどんな価格帯のランドセルを購入する人が多いのでしょう? そんなランドセル事情がわかる、興味深いアンケート調査が行われたのでご紹介します。ランドセル人気ナンバーワンカラーは黒とピンク!国内最大級の子どもとおでかけ情報サイト『いこーよ』が新小学1年生~新小学6年生の子どもを持つ親を対象に行った「 2016年度ランドセルの人気カラーランキング 」によると、男の子は「黒」、女の子は「ピンク」が人気カラーであることが判明しました。男の子の場合、1位の黒は63%、2位の紺・青は20%、3位の茶は7%と続きます。女の子の場合は1位のピンクが33%、2位が赤で22%、3位が茶で21%という結果となっています。男の子の数値は7%と低いものの、茶色は男女共通の人気カラーのよう。小学生の子どもがいる友人に聞いてみたところ、中には紫やシルバーといったランドセルの子もいるようです。たくさんの色の中からお気に入りの1色が選べるのは、子どももうれしいですね。祖父母から進学祝いのプレゼントが6割「ランドセル購入費用は誰が支払いましたか?」という質問では「全額祖父母が払った」という人が62%と半分以上を占めています。対して「全額親が払った」という人は32%。「親と祖父母両方で負担した」という人も6%いました。普段あまり孫と関わる機会のない祖父母であればなおさら「進学祝い」として費用を負担し、孫に喜んでもらいたいという人が多いのかもしれません。わが家でも例にもれず、祖父母と一緒にデパートに行き、子どもが欲しいといったランドセルを買ってもらいました。季節は夏休みでしたが、すでに各社ランドセルが売り場にずらっと並んでいて「もうこんなにあるの!?」と驚いた記憶があります。ランドセルは高額商品! 5万円以上が半数「ランドセルの購入費用はいくらでしたか?」という質問では「5万円~6万円台」という人が最も多く39%。次いで「3万円~4万円台」という人が30%となりました。「3万円未満」という人も20%いますが、中には10万円以上という人も2%いるようです。私が実際にランドセル売り場をのぞいたときには4万円以下のランドセルが見当たらず「ランドセルってこんなに高価だったっけ?」と尻込み…。祖父母の費用援助のありがたさが身にしみました。購入時にお店の店員さんに各ランドセルの特徴を聞いてみたところ、背負ったときに肩に絶妙にフィットして軽い、肩ベルトが動くので成長して体が大きくなっても痛みなどが生じにくい、背あてのクッションの凹凸が通気性を良くしているなど、ランドセルは高い機能性を備えていることがわかりました。牛革、コードバン、人工皮革など素材によっても使い心地が変わってくるようなので、こだわりの逸品を求める人も少なくないのかもしれません。新しい教室、新しい顔ぶれ、新しい先生。春は出会いの季節と言いますが、子どもたちにとっても胸ふくらむ季節ですよね。少しの不安や心配を抱えても、優しくそっと後押しできるように、親である私たちもまた気遣いの準備をしておきたいですね。
2016年03月24日皆さんの親世代は、住宅ローンの額や年収といったお金にまつわる話題全般を、子どもと話すことはめったになかったと思います。でも、たとえ金融に詳しくない方でも2008年の金融危機、いわゆる「リーマンショック」は耳にしたことがあるでしょう。その経験から、今世界中で、子どもへの早い時期からの「金融教育」が注目されています。「うちの子は幼稚園児だからまだ早いわ」と思っていませんか? そうでもないかもしれませんよ。金融教育が進んでいる英国英国は、先進国の中ではもっとも積極的に国を挙げて金融教育を推進していると言えるかもしれません。1990年代に個人年金の販売がトラブルになり、その後始末のために政府として多額の出費をした苦い経験から、金融教育の普及を進めています。また、NPO(非営利団体)も積極的に金融教育の普及を政府に働きかけています。その結果、2014年9月から、一般的な教育カリキュラムの中の「数学」と「シチズンシップ教育(日本における「公民」でしょうか)」のなかに、「金融教育」が必須科目として組み込まれています。「数学」では、「債券の利回り」とは何かとか、商品の「単位」「価格」とは何か、といった授業があります。「シチズンシップ」では、たとえば11歳~14歳向けは金融の勉強の狙いとして、「生徒が自分のお金をうまく管理できるようにするとともに、将来必要になるお金を計画できるようにすること」と書かれています。さらに学習が進んで14歳~16歳になると、収入/支出、クレジット、借金、貯蓄、金融商品と金融サービスさらには税金がどのように使われているかということも勉強します。NPOで代表的なのはPersonal Finance Education Group、通称 “pfeg” と呼ばれる団体です。ホームページ(※1)で3歳から19歳までの子ども向け金融教育について幅広くサポートしています。3歳からというのはちょっとびっくりですよね。(※1) pfeg.org | Providing lesson plans and teaching resources on money management to help teachers of financial capability 企業やNPOが幅広く金融教育を支援する米国米国では、全米に共通する教育プログラムはありません。でもその一方で自主的に、企業や学校、各種NPOが積極的に取り組んでいます。企業の活動例としておもしろいところでは、アメフトやサッカーのゲーム形式(※2)でお金に関する質問にチャレンジするサイトを運営しています。また米国のフィデリティでは、子を持つ親に向けて、子ども向けの金融教育についてアドバイスしています。(※2) Games|Practical Money Skills puts the fun in financial literacy with online educational games for students and adults. 子どもがお金と賢く付き合えるかどうかは、親次第「人はお金の価値を親から教わるものです。ですから子どもに早い年齢から、例をあげながらお金にまつわる話をすることはとても重要です。もし子どもに何のために使うのかを示さずにお金を渡していると、子どものお金に対する理解が進まないおそれがあります」とアドバイスでは指摘しています。また、子どもの年齢別のアプローチも示しています。特に3歳から6歳の時期には、おもちゃを買うとか、小さくてもいいのではっきりとしたゴールを決めて、そこに向けてお金を貯めていくように促し、一方でお小遣いをどのように貯めるか使うか、ほんの少しでも「自由裁量」の余地を子どもに与えるのが重要だとも指摘しています。そして貯める教育には、達成度が目に見えるように、「透明なガラスの貯金箱」を使用するのがおすすめだとか!先に見た英国のNPO法人pfegのWebサイトでは、「子どもが7歳のときまでに醸成された金銭感覚は一生涯続く」と紹介しています。英国で子どもが初めてオンラインショッピングをする平均年齢はいくつだと思いますか? 答えは10歳です。早いと感じる方も多いかもしれませんが、幼少期からの金融教育がそれを可能にしているのではないでしょうか。日本では英国や米国と比べまだ子ども向け金融教育は普及していませんが、お子さんが将来自然体でお金と賢く付き合うために、他国での教育を参考に、ママがおうちでできることを試してみませんか。
2016年03月21日私には6歳になる息子がいますが、子どもと遊ぶのがとても苦手でした。そのことで「私は子どもにとって、いい母親じゃない」と思っていましたが、子育てするうちに「相手をしようと思っていなくても大丈夫なんだ」ということに気づきました。私と同じように「子どもと遊ぶのが苦手」と感じ、申し訳なさを感じている人に伝えたい3つのことをお伝えします。「遊ぶ」以外の方法で関わってもいい(お願いする、会話する、一緒に寝る)あるとき、子どもが図鑑を持ってきて「読んで」というので「ママ知らないことが多いから読んで聞かせて」と応じたら、はりきって教えてくれたことがありました。私は「へえ~」「知らなかったな~」と答えるだけでしたが、密度の濃い時間を過ごすことができました。また、「今日の夜ごはん、何にしようかな」「僕は魚がいいと思うよ」「魚おいしいよね~」などと会話するだけでも子どもはうれしそうな表情をします。子どもは必ずしも「遊んでもらう」ことだけに執着しているわけではないようです。一緒に寝転がりながら鼻歌を口ずさんだり、昼寝につきあって一緒に寝転んだりするだけでも子どもは満足そうな、いい笑顔をたくさん見せてくれているのです。ママがしたいことをしてもいい当時、産後太りを解消するために何か家でできる運動をしたいなぁと思っていた私はダイエットDVDを購入しました。そのDVDは比較的動きがゆるやかで、リズムにのって踊るもの。子どもの目にも楽しく映ったようです。気づけば息子も隣で一緒に踊っていました。ダイエットのために運動する時間があるなら遊んであげたほうがいいかな…と思う人もいるかもしれません。でも、ママがしたいことの中にも子どもが喜ぶことはあります。ママがしていることが子どもの興味を惹きつけることもあるのです。「遊んであげなきゃ」と思わない「子どもの相手をしなければ」「遊んであげなければ」と頭で考えていると、それが母親の仕事であるかのように、プレッシャーを感じてしまうことも。よく「1日30分でも子どもだけに向き合う時間をつくったほうがいい」という話を耳にしますが、私はそこまで子どもと遊ぶ時間について意識することはないのでは、と思います。子どもはママと一緒にいるだけで笑顔を見せてくれます。それに気づくことで後ろめたさから解放され、子どもとの関わりにプレッシャーを感じなくなり、自然なつき合い方ができるという良い循環につながるのではないでしょうか。最近では自宅でお酒を飲んでほろ酔い気分の私の相手をしてもらうこともあります。しつこくちょっかいを出されることがうれしいのか、息子は「やめろ!」といいながらも楽しそうです。日々の暮らしの中で「普通に子どもと接する」だけで子どもは意外と楽しんでいるものかもしれませんね。
2016年03月20日小学生の宿題の定番、音読。お母さんに読み聞かせて、ハンコやサインをもらうことになっているケースが多いですが、子どもにとっては面倒ですし、親にとっても忙しいなか、ゆっくり聞いてあげる時間がなかなか取れず、多くの家庭がぞんざいにしているかもしれません。しかし。この音読の宿題、意外とバカにできないようです。今回は音読の宿題をする上で、親が注意しておきたいポイントをまとめました。読解力が身につくので、毎日やる「読む」力は国語力の基本。国語力がないと、どんな教科でも問題を読み解くことができず、子どものその後の学力を大きく左右してしまうとも言われています。音読をすると必然的に文章を読む力が身につきます。音読の宿題は必ずしも毎日出るとは限りませんが、できるだけ毎日やるのがよいでしょう。同じ物語でも何度も何度も読むことで理解が深まります。また、毎日一緒に宿題に取り組むことで、子どもとコミュニケーションを取ることができます。子どもは忘れていたり、サボりたくなったりするので、親のほうから「今日は音読の宿題ないの?」と声をかけてあげましょう。それに、毎日やることで「毎日、勉強をする」習慣がつくようになり、自分から進んで勉強をするようにもなっていくでしょう。子どもが音読している間、親は手を止めるついつい食事の支度をしながらなど、「ながら聞き」をしてしまいがちですが、ぜひ手を止めて、注意して聞いてあげましょう。そして、句点、読点など最初のうちはきちんと読めないこともありますが、そんなときはきちんと指摘してあげましょう。「ながら聞き」だと読めていないところに気がつきにくく、直してあげることができません。学校の授業の中、音読を当てられたときにすらすら読めるよう、注意して聞くことが大切です。読んだ後、内容について一緒に考えると、なお良し音読の題材には『ごんぎつね』など、親世代もよく知っている物語も多いものです。そんなときは登場人物がどんな気持ちだったのか、これは一体どんな状況なのかなど、子どもと一緒に話してみるのもよいでしょう。ただ「読む」だけではなく、一緒に「考えてみる」ことで、より理解が深まり、国語力アップにもつながります。特に人物の気持ちはテストにも出るので、対策にもなります。内容を考えながら読むことで、子ども自身がより楽しみながら宿題に向かうことができるようになりますし、親にとっては子ども時代に気がつけなかった新たな発見があるかもしれません。最初にも言いましたが、国語力は国語の成績だけでなく、すべての勉強の成績の基礎となります。一度遅れてしまうと追いつくのはとても大変。国語ができないとほかの科目も遅れがちになってしまいます。ついつい面倒くさくなりますが、小学生のときこそぜひ親がサポートし、勉強の基礎をつくっていけるとよいですね。(Monokoguma01<フォークラス>)
2016年03月18日玄関を開けた瞬間、脳内にかけめぐる夕食の調理手順。子どもに「宿題しなさいよ」と声をかけ、洗濯物をやっつける。「ああ、せめて私がもうひとりいてくれたらいいのに~」この思い、子どものいるワーキングマザーの共通の悩みではないでしょうか。いつも何かに追われている、そんな状態ではストレスがたまる一方です。たまったストレスを子どもにぶつけるくらいなら、もういっそのこと子どもと同い年になって、ストレスを解消してみるのもひとつの手です。子どもが保育園なら、おんなじウサギ組のお友だち。小学生ならクラスメイトです。そんな「家事」も「育児」も存在しない、子どもと「同級生の日」をつくることを提案します。同級生になる日を作る「じゃ、帰ったらあの公園で待ち合わせね」下校時間にこんな約束を、仲良しの友だちとした記憶があるでしょう。大人が子どもと同級生になるには、約束を必ず守ることがとても大切になってきます。「同級生の日」に設定するのは休日。子どもとの予定を調整し、楽しみに待ちましょう。「同級生の日」にするにはパートナーや家族の協力も欠かせません。夫には「今日、私は子どもだから」と宣言し、自分のことは自分でしてもらいます。また、携帯電話の電源もオフに。突然の来客も、この日だけはお断りしましょう。子どもと同級生になるということは、その瞬間、大人のあなたはそこには存在しないということ。ですから、アポなし訪問のチャイムにも反応はできません。電話が鳴っても、応答はできないのです。その日、あなたがすることは、子どもと一緒にごはんを食べて遊ぶこと。これだけです。同級生の日~準備~何食べる?「同級生の日」に何を食べる? これは事前に決めておきたい事柄です。家で遊ぶ場合、多少の危険がともないます。なぜなら、お昼ごはんなどはつい手作りしてしまうからです。それでは困ります。大人でいられる間に作り置きしておくか、子どもと一緒にランチに出かけましょう。近くのコンビニにお昼を買いに出たら、必ずおやつも買いましょう。仲良しのお友だちと一緒に過ごす楽しいおやつタイムを疑似体験してください。同級生の日~準備~どこで何して遊ぶ?続いて決めておきたいのは、子どもと一緒に遊ぶ場所です。実は、どこで遊んだとしてもその日、どう感じたかということの方がはるかに重要なのです。家、近所の公園、少し遠い広場、商業施設など、住む場所により遊び場はさまざま。あなたのお子さんは、普段どんな遊びが好きですか? 屋内で座って遊ぶこと? それとも外で体を動かして? お子さんの好みにより、おのずとどこで遊ぶかが決まってきます。そして親に連れて行ってもらった。遊んでもらったという記憶ではなく、同級生と遊んだという記憶を残してあげたいと思います。「同級生の日」はお互いに対等です。嫌だと思ったことは話しあい、すごいと思ったことはそのまま口にしましょう。母と子の立場のままでは、決して味わえない時間となるでしょう。何もしない、ただ一緒に遊ぶだけの「同級生の日」。大人になったお子さんが卒業アルバムを開いたとき、クラスメイトのあなたをみつける。そんな思い出をつくってあげてください。(舘山由里<フォークラス>)
2016年03月18日