アイドルグループ・King & Princeの永瀬廉が、映画『うちの執事が言うことには』(2019年公開)の主演を務めることが18日、明らかになった。同グループの神宮寺勇太が共演する。同作は、高里椎奈による同名小説を実写映画化。シリーズ累計35万部を売り上げ、コミックス化もされている。英国帰りのメガネ男子で、社交界の名門・烏丸家第27代当主となる主人公・烏丸花穎(永瀬)が、青年執事・衣更月蒼馬とともに、烏丸家を襲うピンチに立ち向かう。また、神宮寺は名門・赤目家の御曹司で、大学生ながらスイーツ店のオーナーも務める赤目刻弥を演じる。出演者陣は、日本バトラー&コンシェルジュ代表の新井直之に所作指導を受け、セレブにふさわしく、優雅に振る舞う演技に挑戦。東映 取締役企画調整部長 村松秀信氏は、「今最も話題の『King & Prince』。そのメンバーである永瀬廉さんは、誰もが認める端正なルックスと誰からも愛される柔らかで朗らかな好青年。そのキャラクターが、本作品の戸惑い・悩みながらも名家の当主に成長していく主人公・花穎に重なり、来年成人を迎え、今回映画初主演になる永瀬廉さんにお願いしました」と起用理由を語った。監督はWEBドラマ『火花』、映画『増山超能力師事務所激情版は恋の味』などの作品で知られる久万真路。「永瀬君が持っている透明感と人懐っこさは、イノセントな花穎のイメージにピッタリです」「物語のキーパーソンとなる赤目刻弥は、明るさの中に秘めたものがある役なので、神宮寺君が演じることでより深みを与えて魅力的なキャラクターにしてくれる」と期待を寄せる。脚本は故・高倉健さんの遺作となった『あなたへ』で第36回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞した青島武が務める。原作の高里も「威厳を持ちたいけれど自信のない新米当主が永瀬廉さんによってどんな表情を持つ主人公になるのか、 一筋縄ではいかない人々と彼らの世界が再構築され、拝見できる日を楽しみにしております」とエールを送った。制作は5月中旬から6月下旬を予定している。○永瀬廉コメントこの話を頂いたときはビックリしましたが、とても嬉しかったです。初主演という事で不安もありますが、脚本を何度も読み込んでいるうちに楽しみという気持ちが日に日に大きくなっていき、撮影するのが待ち遠しいです。今回、僕が演じさせて頂く花穎という人物は、一見わがままのようでいて、とても優しい人間です。また、色彩感知能力が高いという少し変わった能力を持ち合わせています。父親の命で突然当主となり、初めは息の合わない執事ともいくつものトラブルを解決しながら人として成長していき、優しさや温かい部分もしっかり表現出来たらと思います。久万監督としっかりコミュニケーションをとらせて頂く中で、監督が求めるものに応えていけるよう1シーン1カット、全力で挑んでいきたいと思います。共演者の皆様からもたくさんの事を吸収し、この作品を通して花穎と共に自分も成長していけるよう頑張ります。○神宮寺勇太コメント今回、出演のお話を頂いて、僕は映画が初めてだったので、とても嬉しかったです。僕が演じる赤目刻弥という役は、主人公の花穎に親しみを持って近づいていくお兄ちゃん的存在でありながら、実はミステリアスで謎が多いキャラクターです。また、花穎役がメンバーの永瀬廉なので、普段から本人に優しく接してみたり、冷たく接してみたりして、役づくりをしています。映画出演が初めてなので不慣れなことも多いですが、考えて考えて考え抜き、この赤目という役を演じていきたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてほしいです。
2018年05月18日高里椎奈・原作の“上流階級ミステリー”「うちの執事が言うことには」(角川文庫刊)の実写映画化が決定し、主演を「King & Prince」の永瀬廉が務めることが明らかになった。併せて神宮寺勇太の出演も発表された。■あらすじ名門・烏丸(からすま)家の御曹司、花穎(かえい)。留学先の英国から帰国した彼を待っていたのは、全幅の信頼を寄せる老執事の鳳(おおとり)ではなく、仏頂面の見知らぬ青年・衣更月(きさらぎ)だった。行方をくらました花穎の父・真一郎が遺した突然の発令により、不本意ながらも衣更月と主従関係を結ぶ羽目になった花穎。新たに執事として仕える衣更月との関係も、ビミョーな空気が流れる。そんななか、花穎は、降りかかる上流階級の陰謀に、当主として烏丸家を守り抜くことが出来るのか!?■原作は様々な媒体で繰り広げられるヒットシリーズ原作は、2014年3月に角川文庫にて刊行されるや、瞬く間に9巻までシリーズ化された人気小説。その個性豊かで魅力的なキャラクターたちが織りなす独特の世界観が支持され、累計35万部という数字もたたき出している。また、2015年11月からはコミックス化(あすかコミックスDX1~8巻)もされ、さらには2017年3月から新シリーズ「うちの執事に願ったならば」(1~4巻)もスタートするなど、勢いが止まらないシリーズ作だ。■人気爆走中「King & Prince」永瀬廉・初主演作!本作で主演を務める永瀬さんは、過去にドラマ「信長のシェフ」(13年)や映画『忍ジャニ参上!未来への戦い』(14年)などに出演してきたが、今回が映画初主演。英国帰りのメガネ男子で、社交界の名門・烏丸家第27代当主となる主人公・烏丸花穎を演じる。誰もが認める端正なルックスと、愛される柔らかで朗らかな好青年である永瀬さんは、本作品の戸惑い・悩みながらも名家の当主に成長していく花穎にはまり役といえる。永瀬さんは「この話を頂いたときはビックリしましたが、とても嬉しかったです。初主演ということで不安もありますが、脚本を何度も読み込んでいるうちに楽しみという気持ちが日に日に大きくなっていき、撮影するのが待ち遠しいです」と期待のコメントを寄せた。さらに名門・赤目家の御曹司で、大学生ながらスイーツ店のオーナーも務める赤目刻弥(あかめときや)役で銀幕デビューとなる神宮寺さんは「今回、出演のお話を頂いて、僕は映画が初めてだったので、とても嬉しかったです。僕が演じる赤目刻弥という役は、主人公の花穎に親しみを持って近づいていくお兄ちゃん的存在でありながら、実はミステリアスで謎が多いキャラクターです。また、花穎役がメンバーの永瀬廉なので、普段から本人に優しく接してみたり、冷たく接してみたりして、役づくりをしています。映画出演が初めてなので不慣れなことも多いですが、考えて考えて考え抜き、この赤目という役を演じていきたいと思っていますので、ぜひ楽しみにしていてほしいです」と意気込みを語っている。監督には数多くの助監督経験を積み、映画『白鳥麗子でございます!THEMOVIE』(16年)やNetflixオリジナルドラマ「火花」(16年)でメガホンをとった久万真路が担当。また、今回は上流階級という設定のため、出演者は「日本バトラー&コンシェルジュ」代表の新井直之に所作指導を受け、セレブにふさわしく、優雅に振る舞う演技を追求していくという。社交界、御曹司と執事、メガネ男子――“萌え”要素満載の人気キャラクターだけに、いままさに“旬”と注目される永瀬さんがどのような花穎を演じるのか、そして極上の上流階級ミステリーの誕生に期待したい。『うちの執事が言うことには』は、2019年より全国公開。(text:cinemacafe.net)
2018年05月18日映画『Vision』の完成披露試写会が18日、都内で行われ、永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典、美波、森山未來、河瀬直美監督が出席した。同作は、世界中で高い評価を受ける河瀨監督が、生まれ故郷の奈良県を舞台に、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと、俳優・永瀬正敏をW主演に制作する。フランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ピノシュ)が訪れた奈良・吉野を訪れ、山守の男・智(永瀬)は、ジャンヌと次第に心を通わせていく。完成した同作について、河瀬監督は「神話、ファンタジーとかのようなことだよね、と言うこともいる」と説明し、「主演の永瀬君でさえ、『えっ』と言ってたから、何が届くのかわからない作品でもあります」と明かした。「森に入っていくということは、旅の途中で何かがあって何を得るのかはわからないけど、帰ってきたときには違う自分がいるのではないかと思う。みなさんの変化を楽しんでほしいです」と観客に語りかけた。初めて見たときは興奮して眠れなかった、という永瀬は「また興奮して寝れないかもしれないですね。みなさんそうだと思うんですけど、驚いたんですよね。監督は多分異次元からいらしてる」と紹介。また、1000年生きているという女性・アキを演じた夏木は「もう山と一体化。もう、山です」と自分の役について表し、観客を笑わせる。フランスと日本を行き来している美波は、フランスでの河瀬作品人気について「侘び寂びが伝わってるんだなという実感は、目の当たりにして感じました」と明かした。撮影で特殊伐採に挑んだ岩田は「特殊伐採という……特殊な伐採なんですけど」と天然発言で会場の笑いを誘う。「意外と上達が早くて、1日2日くらいで馴染んでくる。意外とと向いてるのかな。もし転職するなら次は山守になりたいなという新しい発見がありました」と語った。主演のジュリエット・ビノシュは今回来日していないが、河瀬は男性陣に「ジュリエットは"ジャンヌ"として生きてたんです。ジャンヌに、惹かれた理由を役柄として答えて」と急な無茶振り。最初に指名された森山は動揺しながらも、「獣同士ってイメージがありました」と答え、河瀬から「匂い?」とさらに確認される。岩田は「シーンの中で目が会うと、不思議と、僕もビノシュさんも初めて会った気がしない感覚があった」と振り返り、「ビノシュさんからもそういう連絡をもらったり、そう思って生きていたので。目に惹かれましたね」と語る。永瀬は「ハートの先を見られてる。いろいろなものを抱えている智なので、それを最初から見てくれた、寄り添ってくれた」と、智がジャンヌに惹かれた理由を分析した。河瀬監督は「これらはきっとこの男性陣の惹かれる女性像かもしれません」とニヤリ。さらに「まぐわいがないと命をつないでいけないんだけど、"まぐわい"って、目が会うというのが語源。目が合えば、まぐわうんです」とたたみ掛ける。その言葉に永瀬が「岩田くんが正解だな」と言うと、岩田は右手を掲げてガッツポーズ。河瀬監督は改めて「映画の中でのそれぞれの役割として、目、心、匂い、そういうもので表現しました。彼らは存分にまぐわっていた」と出演者陣を称えた。
2018年05月17日『あん』『光』に次ぐ河瀬直美監督の最新作『Vision』完成披露イベントが5月17日(木)、丸の内ピカデリーにて行われ、河瀬監督のほか、出演する永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典、美波、森山未來が登壇した。『Vision』は、奈良・吉野にある山深い神秘的な森とともに生きる智(永瀬さん)が、紀行文を執筆しているフランスのエッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と出会い、心を通わせていく様子を描く。夏木さんは森に住む女アキを、岩田さんは智が山で出会う青年・鈴を演じた。岩田剛典「僕もビノシュさんも初めて会った気がしない」劇中、ジャンヌに惹かれる様子も見受けられるとのことで、役として「ジャンヌのどこに惹かれたか、男性陣に理由を聞きたい」と河瀬監督が思いつきで質問をぶっこんだ。森山さんは、「う~ん」と悩んだ末、「理由があって惹かれたというより、獣動というか、理性も働くけど本能的に惹きつけられて出会うべくして出会うと思う」と答え、永瀬さんは、「ここ(ハート)の先を見られているようなところ。ちゃんと最初から見てくれた心です」と役どころに沿った答えを出す。そして、岩田さんは「シーンの中で目が合うと、僕もビノシュさん(ジャンヌ)も初めて会った気がしないというか。撮影期間中に不思議な感覚があった」と伝え、「クランクアップをした後、ビノシュさんからもそういう連絡をもらいました。そういう経験はあまりない。だから目ですね」と意外なやり取りも明かした。全員の答えを聞いた河瀬監督は「それは、惹かれる女性像かもしれませんね」と、ほくそ笑み、場内からは興奮気味とも取れるが、納得のような、何とも呼べない息が漏れた。「人生でもう一度会いたい大切な人は誰?」の答えは…本作は大切な人に会いたくなる愛と絆の物語でもある。内容にかけて「人生でもう一度会いたい大切な人は誰?」と聞かれた登壇陣。夏木さんは、「相当遠い先祖にルンがいて、ルンに会いたい。あと、ジュリエット・ビノシュさんに会いたい。河瀬組は現場で私語厳禁なんです。おはようございます、もない。大女優と日常会話してみたい!」と希望を語った。そのほか、キャスト陣の回答は「ひいおじいちゃん」(森山さん)、「あえて会うなら過去の自分」(美波さん)、「おじいちゃん」(岩田さん)、「弟とおじいちゃん」(永瀬さん)、だった。『Vision』は6月8日(金)より全国にて公開。(cinamacafe.net)■関連作品:Vision 2018年6月8日より全国にて公開(C)2018『Vision』LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.
2018年05月17日生の開始(誕生)も終わり(死)も、私たちにとってわからないもの。私たちが体験できる「人生」とは、生まれてから死を迎える間際まで。終わりを迎えるそのときまで、どう生きていたいか、大切な人とどう過ごしたいかというのは、大きなテーマではないでしょうか。ある女性小説家の人生最終章を描いた映画『蝶の眠り』は、肉体を蝕む病と向き合いながら、愛する人とどう関わって生きるかを考えさせてくれる作品です。5月12日より全国ロードショーとなる本作の主人公・松村涼子役を演じる中山美穂さん、韓国人留学生・チャネ役を演じるキム・ジェウクさんにお話を伺いました。■『蝶の眠り』あらすじ中山さん演じる涼子は50代の人気小説家。恋愛や結婚、離婚など、私生活での体験を一部ベースにした小説は、文学的な価値の高さを評価され、涼子は作家としての成功を手にしています。容姿端麗で知的、そんな涼子には若い世代のファンも多く、新たな作品が望まれてやまない存在。自らの努力で勝ち取った素敵な人生を送っていた涼子でしたが、遺伝性アルツハイマー病に侵されていることが判明した後、最後の小説を書き上げようと奮闘します。それでも病の進行は待ってはくれません。外出先で自分が今どこにいるのか、何をしているのかわからなくなるなど、自分をコントロールできなくなり、戸惑うことも増えていきます。そんな涼子を最後まで支えようとする韓国人留学生のチャネ。二回りほどの年齢差など関係なく、恋人のように惹かれ合うふたりでしたが、次第に涼子はチャネを遠ざけるようになります。「涼子のやり方は唐突感がありますが、そういう性格なんですよね。もし私が涼子の立場だったとしたら……お互い距離を置くかどうか、お相手と話し合った上で決めるかなぁと思います」と話すのは中山さん。「僕が涼子さんと同じ状況だったら、彼女と同じ行動をとるでしょうね。死に近づいていく自分を見せたくない、というよりも、相手を悲しませたり苦労させたりしたくない気持ちが大きくて」とはジェウクさん。愛する人を悲しませないよう、自ら離れていくのが愛なのか、それとも最期までそばで見守ってもらうのが愛なのか――さまざまなことを考えさせられる作品です。■「美穂さんは現場を和やかにしてくれる」(ジェウク)「本作にかかわるまで、遺伝性アルツハイマー病という病気を私自身、実感したことがありませんでした。簡単に演じられる役柄ではないな、と思いながら台本を読みましたね」(中山さん)監督は中山さんと同世代のチョン・ジェウンさん。涼子役を演じられるのは中山さんしかいないと感じ、オファーに至ったのだそう。中山さん自身、「当て書き(役を演じる俳優をあらかじめ決めてから脚本を書く)をされたわけではないと思いますが、私が役を演じることをある程度イメージして、書いてくださったのかなと感じました」と振り返ります。1995年に中山さん、豊川悦司さん主演で公開された『Love Letter』は、1999年には韓国でも公開され、日韓で大ヒットを記録。ジェウン監督にとって、記憶を探し求める女性を演じた同作の印象や、恋愛をテーマにした作品で高い評価を受ける中山さんは、涼子役に最適だったというわけです。涼子という、自立した強い女性を演じる中山さんと初共演したジェウクさんは、中山さんの印象をこう話します。「美穂さんは日本を代表する女優のひとりです。だから正直なところ、共演すると決まっても現実感がなかったくらい(笑)。中山美穂さんとお芝居するのか〜、と不思議な気持ちでいたこともありました。実際にお会いして撮影が始まってからは、僕自身、緊張したり、無理に気を使ったりすることはなかったです。すごい女優さんなのに、ナチュラルでいられましたし、現場を和やかにしてくれる素敵な方。いい仕事をご一緒できたなぁと思っています」(ジェウクさん)■ふたりのナチュラルな空気感、雰囲気に心が温かくなるそんなジェウクさんはジェウン監督のファンだともいいます。憧れの監督と全員が日本人のスタッフと役者、台詞もすべて日本語、という設定のもとで、日本で撮影をする経験は「やらない理由がなかった」と、当時の気持ちを振り返ります。韓国・ソウル出身のジェウクさんは、父の仕事の都合で幼少期を日本で過ごした時期もあり、日本語が堪能。韓国人留学生を演じる上で、流暢な日本語は封印することも予想されましたが、監督と話した上で「自然体でいこう」となったのだとか。ジェウクさんが演じる素直で優しいチャネの言葉にも注目です。自然体といえば、自由な雰囲気も本作の特徴かもしれません。涼子の自宅は、建築家の阿部勤さんの邸宅。緑が見える部屋にある大きな窓から、心地よい風が入ってくるのを、作品を通して感じるくらい素敵な舞台です。そこで限られた時間を共有するふたりの空気感は、見ているこちらの心までも温かくしてくれます。「あのおうちがあって、あの空気があって、そのなかで生まれる感情や思いを活かして、組み立てていった感覚があります」(中山さん)もともと決まっている台詞や設定にとらわれすぎるのではなく、現場で生まれる表情や空気を活かし、都度コントロールしていくことで、観る者に自然体な印象を与えることになったのでしょう。映画『蝶の眠り』は5月12日公開。重たいテーマを扱いながらもどこかかろやかで、美しい情景が描かれる本作、劇場へ観にいかれてはいかがでしょうか。■公開情報『蝶の眠り』5月12日(土)より、角川シネマ新宿ほか全国ロードショー出演:中山美穂、キム・ジェウク、石橋杏奈、勝村政信、菅田俊、眞島秀和、澁谷麻美、永瀬正敏監督・脚本・原案:チョン・ジェウンストーリー・劇中小説:藤井清美企画・製作:山上徹二郎、坂本敏明、イ・ウンギョンプロデューサー:山上徹二郎、イ・ウンギョン、山口幸彦製作:シグロ、キングレコード、ZOA FILMS制作プロダクション:シグロ配給:KADOKAWA(c)2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS/池田園子
2018年05月11日町田康の傑作小説が主演・綾野剛、脚本・宮藤官九郎、監督・石井岳龍という最強の布陣で実写映画化される『パンク侍、斬られて候』。その追加キャストに永瀬正敏が出演していることが分かった。併せて、主題歌には邦画では初となる「セックス・ピストルズ」の楽曲起用が決定した。■あの猿将軍役の正体は永瀬正敏!このたび、本作の新たなる特報映像が公開。これまでの超豪華なキャスト発表でも謎のベールに包まれていた、物語のカギを握る将軍の格好をした猿・“大臼延珍(デウス ノブウズ)”役を永瀬正敏が務めることが明らかにされた。永瀬さんといえば、デビュー以来、国内外問わず100本近くの映画に出演し、カンヌ国際映画祭をはじめ世界各国の映画賞を受賞する作品への出演経験がある、日本を代表する俳優界のトップランナー。近年では、河瀬直美監督の『あん』に『光』、ジム・ジャームッシュ監督の『パターソン』と、出演作が3年連続でカンヌ・コンペ部門に出品された日本初の俳優となるなど、その実力はまさに折り紙つき。本作への出演に関して、「僕は石井監督の作品4回目なんですけど、呼んでいただけるたびにとても嬉しいです。今回は町田康さんの原作ですし、世の中驚いちゃうんじゃないですかね。カテゴライズできない映画。ニューシネマができるんだと思います」とコメントを寄せている。■イギリスの伝説的パンク・ロックバンド「セックス・ピストルズ」の楽曲が主題歌!さらに、映画の主題歌にはイギリスを代表する伝説的パンク・ロックバンド「セックス・ピストルズ」による「アナーキー・イン・ザ・U.K.」が決定。「セックス・ピストルズ」の様々な伝記映画など、彼らの音楽が使用された映像作品は多いが、日本映画の主題歌に楽曲が公式に使用されるのは今回が初めてのこととなる。1970年半ばに発表された同楽曲をはじめ、「セックス・ピストルズ」に影響を受けたバンドやミュージシャンは後を絶たず、いまもなお、伝説以上に音楽界の血肉となっていることは言うまでもない。石井監督は、音楽の常識を塗り替えた歴史的楽曲を主題歌に起用したことについて「今回はこれしかない。あなーきー・いんざ・行けー!!」と楽曲になぞらえコメント。石井監督のパンクな作風に、文字通りの“型破り”な主題歌が付くことで、どんな化学反応を見せるのか、期待が高まる。『パンク侍、斬られて候』は6月30日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:パンク侍、斬られて候 2018年6月30日より全国にて公開ⓒ エイベックス通信放送
2018年05月09日河瀬直美監督が生まれ故郷の奈良県を舞台に、フランスの名女優ジュリエット・ビノシュと永瀬正敏をW主演に迎えた最新作『Vision』の完成報告会見が4月26日(木)に行われ、永瀬さんをはじめ、夏木マリ、「EXILE/三代目J Soul Brothers」岩田剛典、美波、そして河瀬監督らが登壇した。昨日、今作が誕生したと明かす永瀬さんは、「毎回河瀬監督とご一緒すると見た後すぐに立ち上がれなかったり、樹木希林さんや監督を抱きしめたりということがあったのですが、今回は帰ってから心がドンと震えてきてしまってと、結局寝れず、ここまで来てしまいました」と感想を語り、また夏木さんも、「永瀬さんもおっしゃった通り、昨日初めて観まして、ストーリーがめちゃくちゃ新鮮でございました。台本と全く違っておりましたので(笑)」と打ち明けた。今作で記念すべき劇場映画10本目となった河瀬監督は、「千年は生きていないのですが、10本も長編映画を撮ってきた30年の歴史の中で、この時代にこの映画を誕生させたことを誇りに思っています。そしてこの映画ができあがり、今日みんなとここでもう一度会えたそのことが、私にとっての宝物です。この映画をみなさんと共に運んでいきたいと思っております」と挨拶。そして、『あん』『光』と続いて今回3作品目のタッグとなった永瀬さんは、「毎回違います。たぶん異次元からいらっしゃったんだと思います」と監督について明かし、「本当に毎回違うので、新しい発見があり、新しい宝物を頂いている気がします」と参加できる喜びを語っていた。また、森の中での生活について「河瀬組のメソッドといいますか、実際に撮影で出てくる家にクランクインの2週間くらい前から、可愛い犬のコウと一緒に暮らして。智として血液を入れ替える、心を入れ替える作業を丁寧にやらせて頂く、その過程で山守の方にチェーンソーの使い方などを教えて頂いたり、彼(岩田さん)は特殊伐採の工具を使いこなし、スルスルスルっとカッコよく木を登って行って、あっと言う間に2日くらいでやっていましたね」とエピソードも披露。すると、監督は「芸能人辞めたら、山守になったらいいじゃん」とすかさずツッコむも、「すごく筋肉痛でしたよ」と岩田さん。鋭い感覚を持つ女アキを演じた夏木さんも、アキとして約2週間吉野の山で過ごしたそうで、「智がヨモギ団子を食べているというシーンが劇中にあるんですが、ヨモギ団子のディテールは映っていないのですが、みなさん、聞いてください!そのヨモギ団子、ヨモギを摘むところから始まります」と言いながらその工程を説明。続けて「私は監督から色々決まりを頂きまして、ノルマを頂きまして、そのアキの住んでいるお家から1時間かけて、毎日お地蔵さんの花と水をかえるようにということで、撮影がない日もお地蔵さんのところに行って、暮らして、薪でおかゆを作って、全部1週間やらせて頂いて、山で少し暮らせるような感じになったんです。だから本当に演じるというより暮らしていた感じです」とも。また「2週間、i-phoneを取り上げられ、SNSも止めて、もう商売あがったりでした」とジョークを飛ばしつつ、「でもすごくいい経験」とふり返った。一方、謎の青年役として河瀬監督作品に初参加を果たした岩田さんは、「撮影の中で色んな洗礼を受けました。鈴として森の中で演じるのではなく、生きるということを監督から教えて頂きました。とても美しい映画になっています。観ている方が森の中に迷い込んだような錯覚に陥るくらい臨場感のある自然の描写だったり、深く美しい作品に参加できたこと、誇りに思います」と思いを語る。また、河瀬組独特の撮影方法についても語った岩田さん。「演じるではなくて生きる、暮らすということで、衣装合わせのときから会場に夏木さんや森山さんがいらっしゃってもご挨拶にいけないんです。役の中でお会いする機会がない方とは一切口も聞くな、眼も合わせてはいけない、という取り組み方は初めてでした」と言い、「自分は自分の出ているシーンしか知らないですし、ジュリエット・ビノシュさんと永瀬さんとしかお会いしていないので、昨日初号で初めてお会いしたんですよ。作品に対する監督の徹底したこだわりとか、ほかの組に絶対ないものでしたし、演じるのではなくて、その地に根付いて暮らしているところを切り取って撮影するというのは、神秘的な瞬間でしたね」とふり返った。さらに岩田さんもクランクインする1か月くらい前から森に住んでとお願いされていたそうだが、ツアー中だったため断念。しかし、「劇中に出てくるジュリエット・ビノシュさんも暮らしている設定の納屋に住ませていただき、寝起きと共に、顔にカメムシが3匹ほどついているような、虫と共存してましたね」と明かし、撮影終了後、グループのメンバーに心配されたようで、「大丈夫?って言われましたね。顔つきが違ったみたいで。本当に森の人になっているよ。と言われました」といったエピソードも披露していた。『Vision』は6月8日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:Vision 2018年6月8日より全国にて公開(C)2018『Vision』LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.
2018年04月26日6月8日公開の映画『Vision』の完成報告会見が26日、都内で行われ、永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典、美波、河瀬直美監督、小曽根真が出席した。後列左から永瀬正敏、河瀬直美監督、夏木マリ、小曽根真、前列左から美波、岩田剛典河瀬直美監督の最新作となる本作は、生まれ故郷でもある奈良県を舞台にした長編10作目となる記念すべき作品。フランスの名女優ジュリエット・ビノシュ、そして『あん』(2015年公開)や『光』(2017年公開)と河瀬監督作品に2作連続で主演を務めた永瀬正敏のダブル主演。幻の薬草"Vision"を探し求めるフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)が、吉野の山間で生活をする山守の智(永瀬)と出会い、言葉や文化の壁を越えて心を通わせていく命の物語となっている。ジュリエット・ビノシュと永瀬のほか、永瀬演じる山守・智の目の前に突然現れる山守・鈴に岩田剛典、ジャンヌのアシスタントに美波、自然と共存しながら森で暮らす女・アキに夏木マリが演じている。会見が行われたこの日は、主演の永瀬らキャスト陣と河瀬監督が登壇。前日の試写で本作を初めて見たという永瀬は「帰ってから心が震えてしまって、結局寝ずに徹夜でここに来ました」と興奮が冷めやらぬようで、3回目のタッグとなった河瀬監督との撮影は「毎回違います。多分、異次元からいらっしゃったんだと思います」と独特の表現で絶賛。「脚本を読んで役を積んでいく過程で最後の最後まで監督と見ている到達点は一緒だと思いますが、昨日見たら遙かに深く遙かに遠くから見ていらっしゃった監督の目線が作品になっていました。これはまだまだだなと思いましたし、もっと頑張らなければと思いましたね」とキャリアの長い永瀬にとっても河瀬監督との仕事は毎回刺激を受けるようだった。永瀬扮する智のもとにやってきた謎の男・鈴を演じたのが岩田剛典。岩田にとって、本作が河瀬組初参加となる。河瀬監督から「芸能人辞めればいいのに」と毒のある言い回しで褒めれるなど、役として森林の特殊採伐が上手だったようだが、河瀬監督との仕事では「洗礼をたくさん受けました。演じるのではなく、生きるというところで、役の中でお会いする機会のない方とは一切口を聞くなと(笑)。永瀬さんにご挨拶したかったんですが、本番が回っているところで最初の初対面を撮りたいという監督の思いもあって、そういう部分を大事にされる監督さんだと思いました」とコメント。また、河瀬監督から「クランクイン前の1カ月前から森に住んで」とという要求があったそうだが、それには「ツアー中だったので物理的に難しかったですね」と苦笑いだった。映画『Vision』は、6月8日より全国公開。
2018年04月26日『2つ目の窓』『光』など、国内だけでなくカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されるなど、海外からも高い評価を得る河瀬直美監督。この度、監督待望の新作『Vision』から予告編とメインビジュアルが解禁された。奈良県吉野にて全編ロケを敢行し、圧巻の映像美で描く神秘的な森を舞台に描かれた今作。この度解禁された本予告では、苦悶の表情を浮かべながら涙する鈴(岩田剛典)に「なんでだよ?答えろよ…」と智(永瀬正敏)が必死に問いかける意味深なシーンから始まる。森の異変を感じ取っていた山守の智のもとに、フランスから幻の薬草「Vision」を探しにやってきたジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と、智のいる森に迷い込んできた青年・鈴。さらにジャンヌの前に現れるアキ(夏木マリ)は「やっと会えたな…」と、以前から彼女を知っていたかのように、優しく語りかける。その包み込むような語りかけに呼応するようにジャンヌが流す一涙の意味とは…。予告のラストでは、炎に包まれながら得も言えぬ表情を浮かべる鈴の姿を見ることができる。あわせて公開されたメインビジュアルでは、神秘的な吉野の森の中にそびえ立つ1本の大木に寄り添うように、ジャンヌ、智、鈴、アキが連なり、自然と共存する様と命の連鎖を想像させてくれる、壮大なものとなっている。彼らはなぜこの森で出逢ったのか?様々な感情を様々抱えながら神秘の森に集ってきた彼らが繋ぐ、サスペンスフルかつ心揺さぶる壮大なストーリーに注目したい。『Vision』は6月8日(金)全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Vision 2018年6月8日より全国にて公開(C)2018『Vision』LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.
2018年04月26日中山美穂の約5年ぶりの主演作となった映画『蝶の眠り』のプレミア試写会が4月12日(木)に行われ、主演の中山さんをはじめ石橋杏奈、勝村政信、永瀬正敏、チョン・ジェウン監督、そして音楽監督を務めた新垣隆が登壇した。■中山美穂、5年ぶりの映画主演! 決め手は監督からの“ラブレター”今作が実に5年ぶりの映画主演作となった中山さんが演じるのは、遺伝性アルツハイマーを患う50代の女性小説家・松村涼子。中山さんは「チョン・ジェウン監督が“ラブレター”をくれたんです。どうして私をキャスティングしたのか、どれほど『Love Letter』という映画が好きかという熱いメッセージがすべて日本語で書かれていて、とても感動したんです。そうしてこの役を引き受ける決心をしました」と監督から熱烈なラブコールがあったことを告白。『子猫をお願い』で知られる本作の監督チョン・ジェウンは、「韓国では日本の映画といって1番に名前が出てくるのは『Love Letter』、そして日本の女優といって1番に名前が挙がるのも中山美穂さんです。人気はもちろんですが、女性としての力や意味のある演技をできる実力も兼ね備えた女優は彼女しかいないと思いオファーをさせていただきました」と出演依頼の経緯を明かしている。■実力派の永瀬正敏&勝村政信、注目女優・石橋杏奈も参加また、キム・ジェウクが演じるチャネのバイト先の居酒屋店長役で友情出演した永瀬さんは、「本当にちょっとしか出ていないんですけど、瞬きをせずに見ていただけたら」とアピール。主演の中山さんとは30年来の友人だそうで、中山さんは永瀬さんの出演を知った際、「あ!永瀬くんだ!と思って連絡したら『美穂が出るからやることにしたんだよ』と言ってくれて有難いなぁって思いました」と嬉しそうに話すと、「普段は永瀬“くん”なんて呼ばないくせに(笑)」と永瀬さんからツッコミを入れるなど、仲の良さが垣間見える一幕が。そして、涼子の同僚である大学教授・石井役の勝村さんは、本作の撮影に入る前にも中山さんと舞台で共演していたそう。その際は全く違う役柄だったと言うが、「でも撮影現場で会ったときにしっかりと涼子になりきっていたので、すごい女優さんだなぁと。とても不思議な役者さんで、同じ目なのに同じ目に見えない演技ができる女優さんですね」と中山さんの印象を明かす。さらに、大学で涼子の授業を受ける生徒・アンナ役の石橋さんは、「初めて同じ名前の役を演じることができて嬉しかったです!チャネと仲の良いアンナを演じるにあたり、ジェウクさんといろいろ話し合ってから演技プランを立てました。2人で練習してから本番に挑むという経験はこれまであまりなかったので、とても新鮮に感じました」と撮影をふり返り、中山さんと実は同い年だという新垣さんは、自身初となる映画音楽を手掛けたことについて、「映画や映像に音楽をつける仕事に若いときから憧れていたので、今回このお仕事の依頼をいただけてとても光栄です」と挨拶。■キーワード“お久しぶりです!”が現場でも流行!?公開中の予告編でも登場する映画の中のキーワードとなる「お久しぶりです!」というセリフが撮影現場で流行し、スタッフみんなが挨拶代わりに使っていたそう。チョン・ジェウン監督は、『Love Letter』の「お元気ですか?」というセリフが韓国で一世を風靡したことにあやかり、「ぜひこのセリフを日本でも流行らせたい」とコメント。観客と登壇者とでコール&レスポンスも行われていた。そして最後に中山さんは、「とても静かで小説のように流れていく物語です。終わった後に自分の人生を少し考えてしまうはず。美しい映像と音楽も素敵ですし、気に入っていただけたらぜひお友だちにすすめていただきたいです」と締めくくった。『蝶の眠り』は5月12日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:蝶の眠り 2018年5月12日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS
2018年04月13日5月12日公開の映画『蝶の眠り』の舞台あいさつ付きプレミア試写会が12日、東京・新宿の角川シネマ新宿で行われ、主演の中山美穂をはじめ、石橋杏奈、勝村政信、永瀬正敏、新垣隆、チョン・ジェウン監督が出席した。韓国の映像作家チョン・ジェウン監督の最新作となる本作は、自らオファーを出した中山美穂の5年ぶりとなる主演作。遺伝性のアルツハイマーを患って自らの余命を知った女性小説家・松村涼子を中山が熱演しており、最後に自分の尊厳を守って残される人たちに美しい記憶を残そうとする涼子が、作家を目指す韓国人の留学生チャネ(キム・ジェウク)との出会いによって年齢の壁を越えた究極の愛を描く。チョン・ジェウン監督からもらった手紙で出演オファーを受けたという中山は「どうしてこの私を選んだのか、『Love Letter』(中山が出演した1995年公開の映画)がどれだけ好きなのかとか、とにかく熱い思いが日本語で書かれていたんです。それにとても感動してお引き受けしようと思いました」とチョン監督からの熱い"Love Letter"に心が揺さぶられたという。その中山が演じた涼子は、実年齢よりも一回り年上の女性だが、「年齢はそんなに意識せず、チャネ君が若いので一緒に歩くだけで年齢差はあると思いました。アルツハイマーを患った役でしたが、扱うのが難しいなとは思いましたけど、チョン監督の細かい演出で美しい仕上がりになっていると思います」と自信を見せた。そんな中山を30年来知っているという永瀬は「随分昔から知っている仲間の内の一人なので、彼女が主役ということで是非にとお受けしました」と話し「若い時は会っていましたが、しばらくご無沙汰になってしまい、お互い大人になっていましたね」と時の流れを感じた様子。これに中山は「私は親友と思っています」と応えた。また、初対面の中山と同じ年齢の新垣は、勝村の気遣いで隣同士となり、恥ずかしいのか中山に視線を向けらない状態に。「多分口を利いてもらえないと思うんですけど。デビューされた頃からみんなのアイドルでいらっしゃる中山さんですので」としどろもどろで客席から笑い声が聞かれる中、そ中山が「今度音楽の方でも、バンドの方で(ボーカルで)参加させていただきます!」と宣言すると、新垣は「本当ですか? 美穂さんとユニットを組みます!」と目を輝かせていた。映画『蝶の眠り』は、5月12日より全国公開。
2018年04月13日河瀬直美監督の最新作『Vision』(6月8日公開)のティザーポスターが16日、公開された。同作は、世界中で高い評価を受ける河瀨監督が、生まれ故郷の奈良県を舞台に、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと、俳優・永瀬正敏をW主演に制作する。フランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ピノシュ)が訪れた奈良・吉野を訪れ、山守の男・智(永瀬)は、ジャンヌと次第に心を通わせていく。今回公開されたポスターは、木漏れ日の中、ビノシュ演じるジ ャンヌを中心に、永瀬演じる智と、岩田剛典が演じる山守・ 鈴の姿が両サイドに並んだビジュアルとなっている。また「未来(ビジョン)が、いま、うまれる」という意味深なキャッチコピーや、 「山を守る男は、未来を紡ぐ女と出会い 過去から迷い込んだ少年を抱きしめた。」という一文は、奈良吉野の奥深い森で出会ったジャンヌ、智、鈴、それぞれの運命を思わせる内容となっている。
2018年03月16日河瀨直美による映画『Vision』が2018年6月8日(金)に全国で公開される。河瀨直美が奈良・吉野を舞台に描く河瀨直美が初めて手がけた映画『萌の朱雀』が、最年少でカンヌ映画祭の新人監督賞にあたるカメラ・ドールに選ばれたのが1997年。そこから約20年をへて、生まれ故郷である奈良県を舞台に映画を制作する。そのタイトルは『Vision』。2016年5月に開催されたカンヌ映画祭のディナーで、プロデューサーであるマリアン・スロットとたまたま河瀨と席を同じくし、“映画への愛"を共通語に話が盛り上がったそう。そのスロットが河瀨にジュリエット・ビノシュを引き合わせた。二人は意気投合し、ビノシュは出演に意欲を見せ、映画の出演が決定した。そこから河瀨は奈良・吉野を舞台にオリジナル脚本を執筆していく。杉、檜の植林地として500年の歴史を誇る土地だ。あらすじ『Vision』世界を旅しながら紀行文を執筆するフランス人の女性エッセイスト、ジャンヌ。彼女はアシスタントの花と共に奈良の吉野を訪れる。とあるリサーチが目的だ。杉の木立が連立する山間で生活をする山守の男・智(とも)は、ジャンヌと出会い、文化の壁を超え、次第に心を通わせていく。智と同様、山守の鈴(りん)、猟師である岳(がく)、源(げん)もまた、山に生き、山を守る。それぞれの運命は思いもよらぬ形で交錯していく。ジャンヌはなぜ自然豊かな神秘の地を訪れたのか。山とともに生きる智が見た未来とは…。主演ジュリエット・ビノシュ×永瀬正敏主人公はフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ。彼女は、とあるリサーチのために吉野を訪れる。物語はここから始まる。ジャンヌを演じるのはジュリエット・ビノシュ。カンヌ、ヴェネツィア、ベルリンと世界三大映画祭のすべての女優賞を受賞したフランスの名女優だ。もう1人の主人公は、吉野の山間で生活している山守・智。杉の木立が連立する山間で生活をする。永瀬正敏が演じる。有名なのはジャームッシュ監督の『ミステリー・トレイン』だが、以降、役30年にわたって映画の重要なパートを担ってきた。主演2人に加え、劇中の登場人物には、豪華俳優勢の顔ぶれが揃う。鈴(リン)役‐岩田剛典岩田剛典が演じる鈴(リン)は、永瀬演じる智と同じ“山守"として山で生きている人。実際にケヤキの木に登るなど、危険な撮影にも自ら挑んだという。岩田はエグザイル/三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEで活躍しながらも。2016年公開の出演した『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』がヒットし、日本アカデミー新人賞までもを受賞。その後も映画、テレビドラマ、舞台と幅広い活動を続けている。河瀨監督作品に出演するのは初めて。撮影について次のように話す。「撮影期間中は、ずっと奈良・吉野の大自然に囲まれて住み込みで生活していたのですが、一度もホテルや民宿には泊まらず、撮影現場で寝泊まりしたり、民家の一部屋をお貸し頂いたりして過ごす経験は初めてでした。」花役- 美波美波が演じる花は、ジュリエット・ビノシュ演じるフランス人エッセイストのアシスタント。深作欣二監督作『バトルロワイヤル』デビューし、現在はフランスに拠点を置きながら、映画、テレビドラマ、舞台などで活躍。『Vision』では得意のフランス語も披露している。岳(ガク)役 - 森山未來森山未來が演じる岳(ガク)は猟師。山守とは違う形ながら彼もまた、山に生き、山を守る。森山未來は、2016年公開の『怒り』で日本アカデミー優秀助演男優賞を受賞。ダンサーとしての活動も幅広く、舞台「プルートゥ PLUTO」で主演を務めている。源(ゲン)役 - 田中泯田中泯が演じるのは猟師の源(ゲン)。田中泯はもともと舞踊家として活躍していたが、山田洋二の『たそがれ清兵衛』(2002年)に俳優として映画に出演したことがきっけで現在では映画&ドラマで大活躍。日本を代表する舞踊家の新たな挑戦は、期待せずにはいられない。作品詳細監督・脚本:河瀨直美エグゼクティブプロデューサー:EXILE HIROプロデューサー:マリアン・スロット宮崎聡河瀨直美出演:ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、岩田剛典、美波、森山未來、田中泯、夏木マリ公開:2018年6月8日(金) 全国ロードショー配給:LDH PICTURES
2018年02月24日資生堂グループのハイプレステージブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」は、3月2日(金)より3日間、映画作家の河瀨直美さん、 フラワーアーティストの垂見圭竹さんなど、輝きのある生きいきとした美しさで、周囲を魅了し続ける女性たちの横顔を捉えたポートレート写真展【Another Side of Radiance クレ・ド・ポー ボーテ 6 人の女性たち】を、GINZA SIX にて開催。生きいきと輝く人生を送っている女性たちは、年齢や経験を重ねるごとに魅力が増し、つねに美しい印象を残します。誰に向けるでもない、ふとした横顔でさえ、経験に裏打ちされた自信やその人らしさで、周囲を魅了し続けるもの。今回の写真展は、自分らしい人生を積極的にデザインし、輝いている、6人の女性たちの「美しい横顔」にフォーカス。 Another Side of Radiance自分らしい人生を積極的にデザインすることで輝き続ける『クレ・ド・ポー ボーテ』は、自分らしい人生を積極的にデザインすることで、肌も人生も輝き続ける「エイジングデザイン」という考えを提案。その思いを、実際に輝きを放つ6 人の女性たちの美しい横顔を通じて伝えるのが、本写真展です。固定観念にとらわれず、自分らしい人生、自分らしい美しさを追求し、輝き続ける――6人の女性たちは、活躍のフィールドはそれぞれですが、揺るぎない情熱で自身の道を究め、つねに新しいものを生み出そうと挑戦しています。無心に何 かに集中している横顔は、その真剣さゆえ、女性たちの魅力をさらに引き立て、視線を捉えて離しません。写真展では横顔のポー トレートとともに、書道家が筆を走らせる瞬間や、フラワーアーティストが花を生ける瞬間など、彼女たちがもっとも輝く瞬間の横顔も展示。美しくはりのある生き方を映し出す横顔を通じて、『クレ・ド・ポー ボーテ』の考える「エイジングデザイン」が表現されており、同じ女性として感銘を受けるばかり。写真展 概要イベント名 : Another Side of Radianceイベント名 : クレ・ド・ポー ボーテ 6 人の女性たち会場 : 銀座 蔦屋書店 EVENT SPACE会場 : 東京都中央区銀座 6-10-1 GINZA SIX 6F開催期間 : 2018 年 3 月 2 日(金)~4 日(日)オープン時間 : 11:00 – 20:00 ※最終日のみ、19:00 終了オープン時間 : ※入場無料モデル略歴(50 音順、敬称略)秋元さくら Sakura Akimoto(シェフ)国際線 CAとして世界各地を訪問。さまざまな食文化を体験するうちに料理への興味が高まり、シェフに転 身。木下威征シェフに師事し腕を磨き、2009年フランス家庭料理「モルソー」をオープンする。JRリゾート列車の料理監修やレシピ本の出版、NHK「あさイチ」レギュラー出演など、豊かな感性と飾らない性格が評判 を呼び多方面で活躍中。河瀨直美 Naomi Kawase(映画作家)生まれ育った奈良で映画を創り続ける。1997年初の劇映画『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラド−ル (新人監督賞)を史上最年少受賞。2007年『殯の森』ではグランプリを受賞。故郷奈良を拠点に活動 し、2010年から「なら国際映画祭」を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。2018年、最新作『Vision』 (主演:ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏)は 6月8日より全国公開。また、11月23日よりパリ・ポンピ ドゥセンターにて、大々的な河瀨直美展が開催される。荒神明香 Haruka Kojin(美術作家)2009年東京藝術大学先端芸術表現科大学院修了。幼少期の体験、日々の観察や発見などから、鑑 賞者の意識を変容させる立体的な仕掛けを創出。空間全体を異化するインスタレーション作品を発表して いる。近年では、wah document らとともに、グループ目【め】として活動し、「たよりない現実、この世界の 在りか」(資生堂ギャラリー)、「おじさんの顔が空に浮かぶ日」(宇都宮美術館館外プロジェクト)、 「Elemental Detection」(さいたまトリエンナーレ)等を発表。作品「reflectwo」は、現美新幹線(JR 上越新幹線車両内)にて展示されている。白石雪妃 Setsuhi Shiraishi(書道家)伝統的な書の世界をベースに、生演奏との融合から生まれる独特のライブパフォーマンスなど、書道を総合芸術として昇華させる世界観が高く評価されている。2014年FIFA ワールドカップサッカー日本代表新ユニフォームのコンセプト「円陣」を揮毫。日本橋三越本店などでもパフォーマンスを実施している。持続可能なコ ラボレーションを追求する「二人展」主宰。垂見圭竹 Keichiku Tarumi(フラワーアーティスト)(株)竹中工務店設計部を経て、1998 年 LADAKH flower studio を設立。「花と空間の調和」を軸に、ハリーウィンストンやカルティエ、レクサス、カッシーナ・イクスシー、三越伊勢丹など、世界を代表する企業やトップメゾンのフラワーワーク・グリーンコーディネートなどを幅広く手掛ける。「花のおもてなし教室」(東京・ 南青山、名古屋)主宰。茶道・華道において師範を取得。廣川玉枝 Tamae Hirokawa(ファッションデザイナー)ファッション、グラフィック、サウンド、ビジュアルデザインを手掛ける「SOMA DESIGN」を設立。同時にブランド 「SOMARTA」を立ち上げ東京コレクションに参加。第25回毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞受賞 。 単独個展 「 廣川玉枝展身 体の系譜」 の他 Canon 「 NEOREAL 」 展 / TOYOTA 「iQ×SOMARTA MICROCOSMOS」展/ YAMAHA MOTOR DESIGN 「02Gen-Taurs」など企業コラボレーション作品を多数手がける。2017年 SOMARTA のシグニチャーアイテム「Skin Series」が MoMA に収蔵され話題を呼ぶ。カメラマン宮崎裕介 Yusuke Miyazaki2005年六本木スタジオ入社。2007年に渡英し、2008年より Mari Sarai 氏に従事。2011年に独立して 2013年に帰国。Harper’s BAZAR、VOGUE などのファッション雑誌をはじめ、ISSEY MIYAKE や BARNEYS NEW YORK など、世界に名だたるブランドの広告写真を中心に幅広く撮影するクレ・ド・ポー ボーテ「クレ・ド・ポー ボーテ」は、1982年発売の「クレ・ド・ポー」を前身として、1996年に誕生。長年にわたる肌細胞研究の結果たどりついた“肌はもうひとつの脳である”という独自の視点による「ブレインスキン理論」をベースに、クラフトマンシップに支えられた肌効果と使い心地によって、内側から輝きを放つ肌の実現を追求。最先端の肌サイエンスと日本の美意識、フランスのモダンなエレガンスを取り入れ、進化し続けるスキンケア・メーキャップブランドです。フランス語で「肌の鍵」という意 味を持つその名前には、「未知の美しさへの扉を開ける」という思いが込められています。エイジングをデザインする。4D はり美容液、登場。はりのスペシャリストとして、4Dはり美容液「セラムラフェルミサンS」 (医薬部外品)を 2018年2月21日(水)に発売。はりのある肌の見え方に着目し、すっきりと引きしまった印象の肌に整えるだけでなく、はり印象をそこなう肌表面の影にアプローチ。満たされた肌で表情を磨きあげ、生きいきと前を向く自信を引き出す美容液です。
2018年02月21日『あん』『光』の河瀬直美監督が、生まれ故郷である奈良県を舞台に描く『Vision』。フランスの名女優ジュリエット・ビノシュと永瀬正敏をW主演に迎えた本作から、この度特報映像が初解禁された。全編奈良で撮影を敢行する本作は、世界中を旅して紀行文エッセイを執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌと、自然豊かな神秘の地・吉野の山々を守る山守の男・智が出会い、言葉や文化の壁を超え、心を通わせていく物語。到着した特報では、木立の狭間から差し込む光と水のせせらぎ、美しい自然が映し出されたかと思えば、突如銃声が響き渡る。そしてスリリングな旋律と共に、エッセイスト・ジャンヌ役のジュリエット、山守の男・智役の永瀬さんをはじめ、同じく山守の鈴役の岩田剛典、ジャンヌのアシスタント役の美波、猟師役の森山未來と田中泯、老女役の夏木マリと、各キャストの劇中での姿が確認出来る。『Vision』は6月8日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月21日女優・中山美穂が、アルツハイマーを患う女流作家役で実に5年ぶりの映画主演を務める『蝶の眠り』。この度、本作のポスタービジュアルと新たに追加キャストが発表された。本作は、フランス現代文学の代表的女流作家マルグリット・デュラスの晩年の恋を描いた『デュラス 愛の最終章』に着想を得て、『子猫をお願い』のチョン・ジェウン監督が製作した珠玉のラブストーリー。今回新たに出演が明らかになったのは、『22年目の告白―私が殺人犯です―』や現在放送中の「きみが心に棲みついた」に出演する石橋杏奈、「ドクターX~外科医・大門未知子~」『だれかの木琴』など数々の作品に参加する勝村政信、『ラストサムライ』『沈黙 -サイレンス-』と海外作品にも多数出演する菅田俊、「隣の家族は青く見える」に出演中の眞島秀和、そして『螺旋銀河』『AMY SAID エイミー・セッド』の澁谷麻美といった個性豊かな面々。さらに、中山さんとは30年来の仲となる永瀬正敏も物語を支えるキーパーソン役として友情出演、物語をさらに盛り上げる。完成したポスタービジュアルには、「あなたが大切な人に残したい“記憶”は何ですか?」というコピーが書かれ、中山さん演じる涼子とキム・ジェウク演じる韓国人留学生・チャネ、2人の美しくも儚い愛と記憶をイメージさせる一枚となっている。『蝶の眠り』は5月12日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:蝶の眠り 2018年5月12日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開© 2017 SIGLO, KING RECORDS, ZOA FILMS
2018年02月07日世界でも高い評価を受ける河瀬直美監督が、生まれ故郷の奈良県を舞台に、ジュリエット・ビノシュと永瀬正敏をW主演に迎えた映画『Vision』。この度、本作に岩田剛典、美波、森山未來、田中泯(特別出演)、そして夏木マリが出演していることが分かった。■岩田剛典、スタントなしの木登りや英語での芝居も「EXILE/三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」のパフォーマーで、映画初主演作『植物図鑑運命の恋、ひろいました』では第41回報知映画賞や第40回日本アカデミー賞で新人賞を受賞し、今後も『パーフェクトワールド』『去年の冬、きみと別れ』と主演作の公開を控えるなど俳優としての活動も目覚ましい岩田さん。河瀬監督作品初参加となる今作では、鈴(リン)という青年役で出演。永瀬さん演じる智と同じ“山守”として山で生きているという役どころで、撮影時にはスタントなしでケヤキの木に登るなど、果敢に撮影に挑んだ。岩田さんは、「国際的な作品に出演できる機会はそうそうあるチャンスではないので、作品の中での自分の役割を果たせるように覚悟して現場に臨みました」と話し、実際に参加して、河瀬組は役者にリアルを追求する現場だったと印象を語る。また「英語で芝居をするのも初めての経験でした。撮影現場でアドリブの芝居を求められることが多かったのもとても印象深いです。また撮影期間中は自分の撮影が無い日も東京に戻らずずっと奈良・吉野の大自然に囲まれて住み込みで生活していたのですが、一度もホテルや民宿には泊まらず、撮影現場で寝泊まりしたり、民家の一部屋をお貸し頂いたりして過ごす経験は初めてでした。監督の撮影期間中は役者に役柄から離れて貰いたくないという思いもあり撮影期間中はカメラが回っていないときもずっと役柄のまま生活していました。毎日、役に入る時間とかもなく朝起きてそのまま撮影が始まるような、河瀬組のリアルを追求する撮影手法がとても刺激的でした」とふり返り、「国際的な視点を持って取り組むことで、俳優として視野が広がりました」とコメントしている。■美波、劇中でフランス語も披露『バトル・ロワイアル』(深作欣二監督)で鮮烈デビューを果たし、現在はフランスに拠点を置きながら、映画、テレビドラマ、舞台などで活躍する美波さんが演じるのは、ジュリエット演じるフランス人エッセイストのアシスタント花。本作では流暢なフランス語も披露している。「河瀬監督の世界の一部になれたこと、長年の憧れの存在であるジュリエット・ビノシュと共演ができ、本当に嬉しい」と参加したことへの喜びを表現する美波さん。「撮影は即興が多く、吉野の森の中、物語の中へ深く潜り込んでいくようで、感覚に大変敏感な河瀬監督の演出は、不要になって錆びた表皮を一枚一枚剥がし取っていくようでした。そして、最後に残った真珠を大切に温める。自分自身と花役を重ね合わせることで一番大事なことは何なのか、気づかされる貴重な体験になりました」と撮影の日々を語った。■森山未來、見どころは「幻想的な映像世界」『怒り』で第40回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞し、また第10回日本ダンスフォーラム賞を受賞するなど、ダンサーとしての活動も幅広い森山さんが演じるのは、岳(ガク)という猟師。山守とは違う形ながら彼もまた、山に生き、山を守るキャラクターだ。「期間としては短いものでしたが、密度の濃い吉野の山に触れることができ、そのまま野に還りたいほどでした」と濃密な撮影であったことを明かし、「永瀬さんとは現場ではご一緒させていただくことはなかったのですが、ジュリエット・ビノシュさんや田中泯さんと吉野の風景の中に一緒にいるということ自体がファンタジーでした。河瀬さんの、山や森や人とのセッションの中で生まれていった幻想的な映像世界に注目していただければと思います」と見どころも説明している。■田中泯、「私にとって初めての体験」映像界に欠かせない存在として輝きを増す田中さんは、今回特別出演という形で出演。河瀬監督作品初参加となる田中さんは、岳と同様、猟師の源(ゲン)を演じる。田中さんは、「映像の仕事の中で、嗅ぎとり感じとるべき表現が現場にあるというのは、私にとって初めての体験でした」と新鮮な現場だったと語り、共演者について「永瀬正敏さんではない智という人と出会っていた、源であった僕はそこで時間を過ごした。共演なんて言葉自体が意外に思えます」とコメントしている。■夏木マリ、「死ぬかと思った」不思議な力を持つ老女役に女優として数々の作品に出演し、『モアナと伝説の海』『フェリシーと夢のトウシューズ』などでは吹き替えにも参加、最近ではライブ活動も精力的に続ける夏木さん。今作で夏木さんが演じるのは、山で生き、古くから伝わる薬草を作り、自然と共存しながら静かに暮らしている老女・アキ。「雨が来る」と天気の変化を言い当てる不思議な力を持ち、エッセイスト・ジャンヌが山に入ってくることを予言し、智とジャンヌの運命を導く。夏木さんもまた河瀬作品初出演となり、初共演のジュリエットは、夏木さんとの共演シーン、ファーストカットの際「あのマリという人はどんな俳優なの?」とスタッフに尋ね、自らの携帯で夏木さんの情報を検索するなど一目を置く存在だったという。夏木さんは、撮影は「河瀬流のエモーショナルな現場でびっくりすることが多かった」と言い、「日を追うごとに出来上がりが楽しみだなと思いました。永瀬さんは河瀬組3回目で、河瀬メソッドが身に付いていらっしゃるので、本当に住んでいるキコリのようでしたし、ビノシュの自然な演技を近くで拝観して興味深かったです」とコメント。また「死ぬかと思ったこともありましたが」とも吐露しつつ、仕上がりがとても楽しみと語っている。神秘の森、奈良・吉野にて、昨年9月の撮影開始から夏パートの前半、秋パートの後半に分けて撮影を敢行し、12月初旬に全編奈良でのオールロケ撮影は無事クランクアップ。本作は現在、編集作業に取り掛かっているという。『Vision』は2018年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年01月18日河瀬直美監督の最新作『Vision』(2018年公開)に、岩田剛典、美波、森山未來、田中泯(特別出演)、夏木マリが出演することが18日、わかった。同作は、世界中で高い評価を受ける河瀨監督が、生まれ故郷の奈良県を舞台に、世界三大映画祭すべてで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと、俳優・永瀬正敏をW主演に制作する。フランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ピノシュ)が訪れた奈良・吉野を訪れ、山守の男・智(永瀬)は、ジャンヌと次第に心を通わせていく。EXILE/三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEのパフォーマーであり、俳優としても活躍する岩田が演じるのは、鈴(リン)という青年。“山守”として山で生きているという設定で、撮影時にはスタントなしで実際にケヤキの木に登るなど、果敢に撮影に挑んだ。その佇まいに、河瀬監督も「鈴は、ずっと鈴で、はかなくて、せつなくて、ジャンヌジュリエットと一緒に鈴を抱きしめていたいと願っていました」と語る。現在フランスに拠点を置いている美波は、ジャンヌのアシスタント役・花を務め、流暢なフランス語も披露。森山は猟師の岳、田中は猟師の源を演じる。また、夏木は山で生き不思議な力を持つ女・アキを演じ、主演のビノシュも、夏木との共演シーンのファーストカットの際「あのマリという人はどんな俳優なの?」とスタッフに尋ね、自らの携帯で夏木の情報を検索していたという。実力派が揃った出演者陣に、河瀬監督も「この蒼々たる俳優の……ひとりひとりの無垢な魂が現場で『ひょい』と顔を出す瞬間、モニターを見ずとも、そこに確実な時間がきちんと流れている事を確認し、それが記録されていることに、『ふと』心が震え、涙することがありました」と振り返る。「カットをかけても、まだ、その時間が俳優たちの中に流れ続けていて、その人個人の感情が戻ってこない……そんなとき、ああ、これは、彼らがこの吉野で生きた証だ……と感じ入るのでした」と語った。○岩田剛典コメント河瀬監督とは昨年の夏に映画祭で初めてご挨拶させて頂いた際に『監督といつかご一緒したいです』と話したのですが、まさか本当に、しかもこんなにも早く作品に呼んで頂けるなんて想像もしておらず、お話をいただいた時は心から嬉しかったです。国際的な作品に出演できる機会はそうそうあるチャンスではないので、作品の中での自分の役割を果たせるように覚悟して現場に臨みました。河瀨組は役者にリアルを追求する現場だったように思います。英語で芝居をするのも初めての経験でした。撮影現場でアドリブの芝居を求められることが多かったのもとても印象深いです。また撮影期間中は自分の撮影が無い日も東京に戻らずずっと奈良・吉野の大自然に囲まれて住み込みで生活していたのですが、一度もホテルや民宿には泊まらず、撮影現場で寝泊まりしたり、民家の一部屋をお貸し頂いたりして過ごす経験は初めてでした。監督の撮影期間中は役者に役柄から離れて貰いたくないという思いもあり撮影期間中はカメラが回っていないときもずっと役柄のまま生活していました。毎日、役に入る時間とかもなく朝起きてそのまま撮影が始まるような、河瀬組のリアルを追求する撮影手法がとても刺激的でした。ジュリエット・ビノシュさん、永瀬正敏さん、お2人とも初対面は撮影現場だったのですが、素晴らしいお2人と作品でご一緒させて頂ける日が来るなんて想像もしていなかったので、お会いした時はとても緊張したのを覚えています。自分は役柄的にお2人と一緒のシーンが多かったのですが、ジュリエット・ビノシュさんは現場でとても通じ合えた気がしました。永瀬さんは河瀬組が3作目だということで、初めて参加した自分に現場について分からないことなども色々と優しく教えてくださり、本当に助けて頂きました。日本の奈良・吉野を舞台に、様々な愛の形や命のあり方がテーマになっている作品になっていると思います。日本国内だけでなく国外にも日本古来の伝統や、歴史が詰まった大自然の神秘さや美しさが伝わるといいなと思います。今回『Vision』に参加させて頂き、表現者として大きな経験を積ませて頂きました。国際的な視点を持って取り組むことで、俳優として視野が広がりました。○美波コメント河瀬監督の世界の一部になれたこと、長年の憧れの存在であるジュリエット・ビノシュと共演ができ、本当に嬉しいです。撮影は即興が多く、吉野の森の中、物語の中へ深く潜り込んでいくようで、感覚に大変敏感な河瀬監督の演出は、不要になって錆びた表皮を一枚一枚剥がし取っていくようでした。そして、最後に残った真珠を大切に温める。自分自身と花役を重ね合わせることで一番大事なことは何なのか、気づかされる貴重な体験になりました。繊細なセリフや感情をその場で日本語とフランス語に訳すのには苦労しましたが、大切な役割を担えたことを光栄に思います。○森山未來コメント河瀨監督と何年か前に奈良で初めてお会いした時に、いつかやりましょうとお話しさせていただいていたので、今回ご一緒させてもらえると決まった時には素直にわくわくしました。河瀨監督を中心としたスタッフの結束力の強さ、役者や現場へのケアの細やかさは何かに取り憑かれているようで。とても美しい組だと感じました。期間としては短いものでしたが、密度の濃い吉野の山に触れることができ、そのまま野に還りたいほどでした。永瀬さんとは現場ではご一緒させていただくことはなかったのですが、ジュリエット・ビノシュさんや田中泯さんと吉野の風景の中に一緒にいるということ自体がファンタジーでした。河瀨さんの、山や森や人とのセッションの中で生まれていった幻想的な映像世界に注目していただければと思います。(自分にとって本作は)朝の光を浴びて、起きようとする一歩手前の浅い眠りの中でふっと陥ってしまう一瞬の、でもずっと見ていたくなる夢、のような時間でした。○田中泯(特別出演)(本作出演の)お話を頂いた時、あまりにも急だったので戸惑いましたが、参加してみたいという気持ちが優先しました。映像の仕事の中で、嗅ぎとり感じとるべき表現が現場にあるというのは、私にとって初めての体験でした。(共演者について)永瀬正敏さんではない智という人と出会っていた、源であった僕はそこで時間を過ごした。共演なんて言葉自体が意外に思えます。○夏木マリ以前に一度お声掛け頂いた時、スケジュールの都合でご一緒できなかったので、今回はスケジュールがピタッとはまり良かったです。河瀨流のエモーショナルな現場でびっくりすることが多かったけれど、日を追うごとに出来上がりが楽しみだなと思いました。永瀬さんは河瀨組3回目で、河瀨メソッドが身に付いていらっしゃるので、本当に住んでいるキコリのようでしたし、ビノシュの自然な演技を近くで拝観して興味深かったです。死ぬかと思ったこともありましたが、仕上がりがとても楽しみです。
2018年01月18日『あん』『光』などを手掛け、世界で高い評価を受ける河瀬直美監督が、生まれ故郷である奈良県を舞台に、世界三大映画祭全てで女優賞を獲得したフランスの名女優ジュリエット・ビノシュと、日本が世界に誇る俳優・永瀬正敏をW主演に迎え、新作映画『Vision』を製作することが決定した。世界中を旅しながら紀行文エッセイを執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ジュリエット・ビノシュ)。とあるリサーチのため、アシスタントと共に奈良の吉野を訪れ、杉の木立が連立する山間で生活をしている山守の男・智(とも)と出会う。2人は言葉や文化の壁を超え、次第に心を通わせていく。ジャンヌはなぜ自然豊かな神秘の地を訪れたのか。山とともに生きる智が見た未来とは――。全編奈良で撮影を敢行する本作は、世界中を旅して紀行文エッセイを執筆しているフランスの女性エッセイスト・ジャンヌと、自然豊かな神秘の地・吉野の山々を守る山守の男・智が出会い、言葉や文化の壁を超え、心を通わせていく物語。本作製作の発端となったのは、ジュリエット、永瀬さん、河瀬監督、映画への愛で長年トップを走り続けるランナーたちが、今年5月の「第70回カンヌ国際映画祭」で運命的な出会いを果たしたことに始まったという。河瀬監督は、「今年のカンヌでジュリエット・ビノシュに出逢い、彼女とともに『映画』を創りたいと思った瞬間から、全ての準備がパズルのピースように次々と奇跡的にはまっていき、カンヌから帰国して3か月ほどで、ゼロからの企画がこうして立ち上がりました」と話し、「ジュリエットの映画に対する姿勢とフレームの中の存在感は圧倒的です。彼女もやらなければいけない映画という使命と運命を感じてくれていて、日本の奥深い森に来るのは永年の夢だったと聞きました。これからの撮影が楽しみです」とコメントしている。今回W主演を務める1人、ジュリエットは1994年に日本公開された『トリコロール/青の愛』で「第50回ヴェネチア国際映画祭」で女優賞を受賞、1997年日本公開の『イングリッシュペイシェント』で「第47回ベルリン国際映画祭」女優賞、2011年日本公開『トスカーナの贋作』での「第63回カンヌ国際映画祭」女優賞受賞など、世界三大映画祭全てで女優賞を受賞。フランスのレオス・カラックス監督やイギリスのアンソニー・ミンゲラ監督、また、イランのアッバス・キアロスタミ監督といった各国を代表する名監督らと名作を世に輩出するフランスの名女優。そして、もう1人本作の主演を務めるのが、アメリカ、イギリス、台湾など、世界中の監督からも愛され続け、海外作品を含め90作品以上の映画に出演、まもなく出演数は3桁に達しようとしている日本が世界に誇る俳優・永瀬さん。2014年に公開された台湾映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』では、中華圏以外の俳優では史上初となる「金馬奨最優秀男優賞」にノミネート、また『あん』『パターソン』『光』での「カンヌ国際映画祭」で3年連続上映は、日本人俳優として史上初となり、大きな話題になった。ジュリエットは「フランスで河瀬監督の作品は非常にリスペクトされていて、彼女が紡ぐ表現方法などとても独特で素晴らしいと感じていました。私は昔から、日本の、特に地方を訪れてみたいと思っていました。その土地に住んで、その地域の人たちの生活に触れてみることを夢見ていましたが、今回、その夢が叶いましたね」と念願の撮影だと言い、「今作の撮影で、実はハリウッド映画の撮影に入っていたのですが、自然のタイミングに合わせスケジュールを調整しました」と告白。一方、永瀬さんは「今年のカンヌ国際映画祭で偶然にも出逢った3人が、僅か3か月後同じゴールを目指し未来へ向かっている…。日本を代表する、フランスを代表する、と言う肩書きにはもはや収まらない河瀬直美監督とジュリエット・ビノシュさんと共に、しっかりとその未来を見つめたいと思っています」と意気込みを語っている。『Vision』は2018年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2017年09月08日イオンシネマでは、“知らなかった良作をスクリーンで”をテーマに企画した特別上映イベント「シネフィルセレクション」を開催。そのスペシャルサポーターに、『光』『パターソン』の俳優・永瀬正敏が就任することが決定し、あわせて永瀬さんがナレーションに参加したPR映像が解禁された。全国で最大のスクリーン数を誇るシネマコンプレックス・イオンシネマで、大作映画やファミリー映画ではなく、国や年代を問わず名作・良作といわれるジャンルの作品を39劇場で公開する「シネフィルセレクション」。本企画を担当した編成部・小川氏は、「普段はなかなかシネコンで上映される機会が少ない作品を選定し、映画館の大きなスクリーンで映画を鑑賞するという体験をより多くの方に味わっていただく新たな機会を創出できればと考え、趣旨をご理解いただいた配給各社のご協力のもと、本企画を実施する運びとなりました」と今回の企画意図についてコメント。上映が予定されている作品は、1995年公開当時、ロングラン記録を打ち立てたハーヴェイ・カイテル主演の名作『SMOKE』や、20世紀ベスト10に入る傑作と呼ばれる『アンダーグラウンド』、ジョン・ファヴロー監督&主演の“お腹がすく”映画『シェフ三ツ星フードトラックはじめました』、妻夫木聡と池松壮亮が兄弟を演じた『ぼくたちの家族』など、年代を問わず良質な作品が上映され、2018年2月までさまざま作品をお届けする。永瀬さんからは、「微力ですが、素晴らしい作品を少しでも多くの皆さんにご覧いただく機会に、何かしらの形で立ち会えることは幸せなことです」とのコメントも到着。永瀬さんは今後もPRイベント等で「シネフィルセレクション」をサポートしていくという。「シネフィルセレクション」は全国39のイオンシネマで9月30日(土)から2018年2月まで開催予定。全10作品を上映予定。<上映作品>■『シェフ三ツ星フードトラック始めました』■『ぼくの伯父さん』■『ショート・ターム』■『アンダーグラウンド』■『ぼくたちの家族』■『SMOKE』※追加作品は追って決定(text:cinemacafe.net)
2017年09月07日今年5月、世界で初めて3年連続カンヌ国際映画祭に出演作が出品された俳優・永瀬正敏。7月2日(日)今夜放送の「情熱大陸」では近年写真家としても作品を発表、その表現活動の幅を広げ続ける永瀬さんの“今”に密着する。1966年宮崎県に生まれた永瀬さんは、1983年に相米慎二監督作品『ションベン・ライダー』で映画主役デビュー。その後はTVドラマなどで活躍し、1989年にジム・ジャームッシュ監督の『MISTERY TRAIN』に出演。同作で国際的な評価を得海外で活躍する若手俳優として日本でも注目を浴びた。1991年には山田洋次監督の『息子』で日本アカデミー賞助演男優賞ほか各賞を受賞するとフレデリック・フリドリクソン監督『Cold Fever』など海外作品にも積極的に出演し国内外を問わず活動するように。「20代、30代はまず俺が走ろう。攻めて攻めてと思っていた」という永瀬さんは、企画を気に入れば規模や国に関わらずどんな作品にも挑戦。その姿勢は浅野忠信ら、海外で活動する若手日本人俳優の先駆けとなった。河瀬直美監督と2度目のタッグを組んだ映画『光』で、視力を失っていく天才カメラマンを演じた永瀬さん。同作について「僕のすべてを置いてきた」と振り返る永瀬さんは、カンヌ国際映画祭上映後、鳴り止まぬスタンディングオベーションを受けて人前では決して見せることのなかった涙を見せる。その涙に込められた意味とは!?また、最近は写真家としても作品を発表。2012年からは独自の視点と感性で日本の47都道府県を47冊の写真集に写し出すビックプロジェクト「Jの記憶」をライフワークとして行っている永瀬さん。「写真と俳優には共通点がある」と語り、被写体の意外な一面を引き出すことにかけて定評がある永瀬さんがいま最も撮りたい「ある人物」とは?番組では永瀬さんの“今”に迫るべく、これまで20回以上の写真展を開き6冊の写真集を世に送り出した「写真家」としての彼にフォーカスを当て、来年の大規模な個展に向けて活動を始めた永瀬さんの緊張感みなぎるポートレート撮影現場にも密着。永瀬さんが生み出す“写真家のまなざし”を追う。永瀬さんに密着した「情熱大陸」は7月2日(日)23時~TBS系にて放送。(笠緒)
2017年07月02日2015年の『あん』に続き、河瀬直美監督と永瀬正敏さんが再びタッグを組んだ映画『光』が5月末に公開されました。弱視のカメラマンと、映画の音声ガイドを制作する女性によって織り成されるストーリーに、生きることの意味を深く考えさせられる…そんなメッセージ性に溢れた作品です。生きていく中で失ったものを忘れられず、執着し続けてきた人々はどのように喪失を乗り越えていくのでしょうか?◆前回のまとめ前回は、自律と自立の違い、手助けと甘やかしの違いについて解説しました。他人の助けを借りずに自分の決めたルール通りにこなしていくこと=「自律」自己アイデンティティを自分ひとりで確立すること=「自立」でしたね。その上で「自律」や「自立」をする努力もせず、他人任せにするのは「たよりにしている」のではなく「甘えている」だけだ、と説明しました。今回はこの「甘え」を掘り下げながら、愛情と愛憎の境界線はどこにあるのかをお話しします。◆自分で解決しない女性たち私は以前、とあるSNSの恋愛相談コミュニティーを管理運営していました。年間2千人以上におよぶ方々の恋愛相談を承っていたのですが、そこには本当に多くの「束縛をしてしまう女性」がお悩み相談に訪れていたんです。彼女たちが言うには、自分と一緒でない時間に浮気されるんじゃないか、という不安がどうしても拭えない。だから、それこそしょっちゅうメールをして何をしているのか把握していたい、なんなら他の女性の連絡先は全部削除してほしい、と。彼女たちに共通しているのは、「不安状態」の緩和を求めているだけで、「不安の根本原因」の改善には目を向けない、ということ。なぜなら、それをすると、自分の心の深い闇に向き合わなければいけないからです。相手の愛情を信じられないのは、結局、自分は愛されるに足る人間だと思えないということです。自己評価が低い理由は、人によって様々。親にちゃんと愛されなかった、過去にいじめを受けたなど、何かしら原因があってのことでしょう。原因を見つけ出し、自分は愛される人間なのだと思えるように、自己承認を積み重ねていく努力が必要となってきます。でも彼女たちはそういった努力ではなく、恋人の努力によって代替的に解決しようと試みるんですね。◆愛憎と愛情の違い自分が解決すべき問題や責任を、伴侶や恋人の存在や対応によって収めようとした場合、上手くいったら常習的な甘え(特に退行)を生みます。そして上手くいかなかったとき、伴侶や恋人に責任転嫁して憎悪したり攻撃したりといった事態を招くのです。例えば、恋人が仕事中でメールできず、返信がないことへの不安と寂しさから、自傷行為をしたり自分が浮気に走ったりする。「あなたが私を寂しがらせるからいけないのよ」と、相手のせいにして責め立てるんですね。このように退行あるいは依存する自分を相手に救ってもらいたいという欲求が、期待通りの結果にならなかった際に、「愛憎」へと変換されてしまいます。相手は、欠点や弱点を持つ一人の人間であり、なんでもしてくれる理想の親ではありません。等身大の相手を受け入れ、一方的に支えてもらうのではなく共に支え合いながら、手を取り合って生きていこうとする想い、それこそが「愛情」です。「愛憎」と「愛情」の違いはこのように、自分しか見えてないのか、あるいは自分と相手を見据えているのか、という点にあります。◆まとめ愛憎と愛情の境界線、ご理解いただけましたでしょうか。自立するための努力は、とてもつらいと思います。見たくないもの、思い出したくない出来事、知らずにいたかったこと、それらを頭だけでなく心から受け入れるという過程を通して、初めて必要な自己啓発が見えてくるでしょう。等身大の自分を認めてこそ、等身大の相手を認めることができる。それは、対等な立場で恋愛をする大人の女性になるために、必要な一歩なのです。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。黒木 蜜~中今の詩~
2017年07月01日河瀬直美監督の最新作『光』をご存知ですか?2017年5月に公開されたこちらの映画は、カンヌ国際映画祭でエキュメニカル審査員賞を受賞しました。水崎綾女さん演じるヒロイン・美佐子の仕事は、視覚障害者向け音声ガイドの作成です。彼女の未熟な仕事ぶりを手厳しく批判する弱視の元カメラマン・雅哉を永瀬正敏さんが演じています。二人はぶつかり合いながら互いの過去を紐解き、だんだんと心惹かれていく…というストーリーです。◆バトルする人々この映画には、様々な「喪失」を体験した人々が出てきます。認知症で記憶を失った美佐子の母。幼い頃に父が失踪し、父親という存在を知らないまま育った美佐子。そして、視力を失いつつある元カメラマンの雅哉。彼らは「喪失」という現実を前にして、ままならない現実にもがき、苦しみながら、それでも「光」を見出そうとしています。戦い続ける美佐子と雅哉は、やがて恋に落ちるのです。そこまで壮絶な「喪失」を経験していなくとも、人は日々、何かと戦っています。忍び寄る老いに抵抗し、人間関係の狭間で神経をすり減らし、恋人とわかり合うために言葉と時間を費やす。それらも立派な「戦い」といえるでしょう。奮闘しながら、人は「自律」と「自立」の意味を学んでいきます。◆自律と自立誰の助けも借りずに自分のことは自分で行うのが「自律」、社会生活の中で他者と調和しながら自分のアイデンティティを確立するのが「自立」です。恋愛においては、精神的に幼い男性は「自律」をしようとしない傾向があり、心が未熟な女性は「自立」できないケースが多々あります。例えば、彼女のアパートに転がりこんで、定職に就くでもなくブラブラして自堕落に過ごす。いわゆる「ヒモ」状態の男性は「自律」できていません。また、彼が常に自分のそばにいてくれないと不安で、束縛しないと気がすまない。そういう女性は「自立」しているとはいえないでしょう。自分が決めた規範に従って自らを管理するのも、精神的に独行するのも、結局は「自分の弱さ」ときちんと向き合っているかどうか次第。己から逃げずに戦った人が、「自律」あるいは「自立」できるのです。◆手助けと甘やかしとはいえ、人には得手不得手があるし、時間の経過と共に今までやれたことができなくなることだってありますから、すべてを独力でなんとかするのは無理です。だから、能力・努力・適性ではどうにもならないことで、他人の協力を仰ぐのは悪いことではありません。むしろお互いが得意とすることを「交換」(パーター)することで、より絆が深まります。このような理想的な二人三脚を生み出す「手助け」は、どんどん行ったほうがいいでしょう。ただ、やろうとしたらできることを相手任せにしたり、相手がいなければ自分を保てないほど依存したり。これらは「協力」ではなく「甘やかし」です。相手が好きだから頼りたいのではなく、単に苦労したくない自分の弱さと向き合いたくないだけ。なんのことはない、身勝手さを相手に押し付けているだけなのです。◆まとめどこまでが手助けでどこまでが甘やかしか、その線引きのルール、ご理解いただけましたでしょうか。「愛していればこうしてくれるはず」「本当に好きなら受け入れてくれるはず」と、愛情をタテに自分だけの「思い込み」を相手に押し付け、過剰な要求をしていると自覚できていない人って多いんです。言っていることは、自分に構ってほしくてイタズラをして親の愛情を試そうとする幼児と同じ。このような「退行」は、関係を良くするどころか破壊しかねません。相手任せの恋愛をしている人は、自分の言動に「退行」が見られないか分析してみてください。その上で「自律」や「自立」ができていないようであれば、甘えを許さない強さを持ちましょう。それが、「光」ある恋愛を創り出していくのです。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2017年06月24日第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、大絶賛を受けたジム・ジャームッシュ監督の最新作『パターソン』の公開が、8月26日(土)に決定。主演のアダム・ドライバーと“パルム・ドッグ”を受賞した名犬とともに、28年ぶりにジャームッシュ監督作品に出演した永瀬正敏も登場する日本版予告編が解禁となった。ニュージャージー州パターソンに住む、バスの運転手パターソン。彼の1日は、朝、隣に眠る妻ローラにキスをしてから始まる。いつものように仕事に出かけ、乗務をこなす中で、心に浮かんだ詩を秘密のノートに書きとめていく。仕事の後は妻と夕食をとり、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅し、また妻の隣で眠りにつく――。そんな代わり映えのしないパターソンの日々を、ユニークな人々との交流と、思いがけない出会いとともに描きだす7日間の物語。カイロ・レン役を続投する『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』はもちろん、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』でも強烈な印象を放つアダムが、主人公パターソンに。その妻ローラを演じるのは、「世界で最も美しい顔」4位に選ばれた美貌を持ち、イランの巨匠アスガー・ファルハディ監督の『彼女が消えた浜辺』(’09)では主演を務め、『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』にも出演するゴルシフテ・ファラハニ。また、今年のカンヌ国際映画祭での『光』の高評価も記憶に新しい永瀬さんが、『ミステリー・トレイン』以来、28年ぶりにジャームッシュ監督作品に出演している。予告編映像では、パターソンという名の街に住み、パターソン行きのバスを運転するパターソンという男(アダム・ドライバー)が、ノートに詩を書きとめ、妻と夕食をとり、愛犬と散歩し、行きつけのバーに立ち寄る。そんな何気ない毎日が、ジャームッシュ監督らしいユーモアと飄々とした語り口の中に描かれていく。幻想的に登場する双子たちや、バーや街角での登場人物たちとのやりとり、そして映像のラストには永瀬さんが登場し、アダム扮するパターソンと絶妙なやりとりを見せる様子は必見。また、パターソンを振り回し、愛嬌たっぷりの名演を見せる、昨年のカンヌで“パルム・ドッグ”賞に輝いたマーヴィン役のブルドッグ、ネリーにも目が釘付けになること間違いなし。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』などの初期の作風を彷彿とさせながらも、『コーヒー&シガレッツ』『ブロークン・フラワーズ』といった作品を経て、その映像表現と独特の世界観がいっそう研ぎ澄まされた本作は、ジャームッシュの集大成的作品としてカンヌをはじめ世界で絶賛。そのジャームッシュが、『スター・ウォーズ』から、スコセッシ、コーエン兄弟、テリー・ギリアム、スティーブン・ソダーバーグといった名だたる巨匠作品、ノア・バームバック、レナ・ダナムら“ニューヨーク派”までを網羅するアダムと組んだことも大きな話題を集めている。合わせて解禁となったポスタービジュアルは、パターソンが最愛の妻ローラと眠る毎朝の1コマが連なるデザイン。一見、同じように見えても、彼らの姿勢やベッド脇の本、木漏れ日などが少しずつ異なり、毎日が少しずつ違っていることを気づかせてくれるもので、「毎日が、新しい」パターソンの日々を表現した、優しく、美しい仕上がりとなっている。『パターソン』は8月26日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年06月16日映画『光』の初日舞台挨拶が5月27日(土)、都内にて開催され、水崎綾女、藤竜也、神野三鈴、樹木希林が登壇し、フランスにて開催中の第70回カンヌ国際映画祭(5月17日~28日)に参加中の河瀬直美監督、永瀬正敏とスカイプで中継を繋ぎ、カンヌでの興奮を語った。同作は、視覚障碍者のために映画の登場人物の動きや情景を言葉で伝える音声ガイドに従事する女性・美佐子(水崎さん)が徐々に視力を失っていく天才カメラマン・雅哉(永瀬さん)と出会うことから始まる物語。カンヌ国際映画祭ではコンペティション部門正式出品作品として上映され絶賛を浴びた。カンヌでの公式上映には、河瀬監督、永瀬さん、水崎さん、藤さん、神野さんが参加し、上映後に感無量の様子で抱き合う様子が大きく伝えられている。各賞の発表は、最終日の28日に行われる。現地に滞在中の河瀬監督は、街を歩いていても「すごくよかったです。すごく温かい気持ちになりました」などと声を掛けられているエピソードを紹介。「この映画を作って、(上映中のホールの)暗闇の中で映画を観終わった人たちと一体になれる瞬間、それがすごく嬉しいです。映画というのは一体感なのですよ。人と人が繋がっていく瞬間の出会いを作ってくれるもので、エンターテインメントの要素がすごくあるのですが、私たちが生きるうえでの力になるという要素もあります」と語った。「あの一体感、すごかったですよね!」と興奮した様子で、ひと足先に帰国し舞台挨拶に参加した藤さんらに呼び掛けた。さらに、「永瀬君が立てなくて!」と永瀬さんの当時の様子を紹介する一幕も。河瀬監督は、「(進化を止めないカンヌは)人類への新しいメッセージを投げると思います」といい、「その最終のコンペティションの19本の中の1本にして頂いて、この瞬間を迎えられたことはとても嬉しいと思いますし、映画がまた好きになったなと思います」と心境を語った。永瀬さんは、公式上映と、それに続くマスコミ試写の後に「インターナショナルの取材がいきなり、ものすごく増えました」と現地での反響の大きさを紹介。「人種は違うのですが、ものすごく深く理解されている。例えば、『この映画はすべての人々に対してのラブレターだ』と言ったスペインの記者の方がいらっしゃいました。そういう意見をいっぱい頂いています」と伝えた。カンヌ国際映画祭には4回参加したという藤さんは、エンドロールの段階から拍手が沸き起こった場所に立ち会ったのは今回の『光』が初めてだそう。エンドロールが終わり会場に明かりがついた瞬間に、拍手や歓声が爆発し、「あれでね、監督、永瀬さん、みんな、きちゃったの」と述懐。「映画は観た人間の数だけあるのです。100万人が観たら100万人の数だけ映画があると思います。あそこで2千数百人の数の人の胸の中で映画を作れたことを目の当たりにしました」と実感を込めて言葉にした。現地滞在中の河瀬監督と永瀬さんには、「(各賞が発表される)明日ですが、もういっぺん、あの上映後に見せた、いや、あれよりもさらに大きな笑顔と涙を見られることを期待しています。がんばってください」とエールを贈った。初めてカンヌ国際映画祭に参加した水崎さんは「圧倒されっぱなしでした」というも、「観終わったあとに外国の方から、『美佐子の目の感情がすごく表れていてよかったよ』という言葉をたくさん頂けたので、安心しました」とと声を弾ませた。神野さんは、カンヌ国際映画祭の関係者から、「直美は直美の唯一無二の世界をずっと出し続けていく。それはどれだけこの世界では怖くて、みんなと一緒じゃないと理解されないという恐怖と戦うことはどれだけたいへんなことか分からない。それに立ち向かっている彼女は同志だ」と河瀬監督を絶賛する声を聞いたエピソードを紹介した。樹木さんが「なんでこんなにカンヌに可愛がられるの?」と問いかけると、河瀬監督は、「映画が好きな人がカンヌの中にいます。その人たちが、私が真っすぐに作っていることを大事にしてくれます。自分たちが見たことのない日本の風景やそこで生きている人たちの心や心模様を抱きしめようとしてくれている。デコボコしている作品でも、次の先をもっと見つめたいと思ってくれているような気がします」と応えていた。映画『光』は公開中。(竹内みちまろ)■関連作品:光 2017年5月27日より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国にて公開(C) 2017“RADIANCE”FILMPARTNERS/KINOSHITA、COMMEDESCINEMAS、KUMIE
2017年05月28日公開初日を迎えた映画『光』の舞台あいさつが27日、東京・新宿バルト9で行われ、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也、樹木希林が出席した。28日まで開催されている第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品された河瀬直美監督の最新作となる本作。カンヌでは現地時間28日に各部門の発表が行われるが、すでにカンヌで上映された本作はカンヌの観客や世界中のプレスからも上々の評価で、同映画祭の最高賞となるパルムドール賞の受賞に期待が高まっている。そんな本作の公開初日に、ヒロインの水崎らキャスト陣が登壇し、カンヌで結果発表を待つ河瀬監督と永瀬正敏の2人とネット電話でやり取り。藤が「明日ですが、もう一回上映後に見せた大きな笑顔と涙を見られることを期待しています」とエールを送り、樹木希林は「私はどっちでも良いと思っている。日本にとってはもらえた方がいいと思うけど、受賞したら(水崎が)変わりそうなので」と会場の笑いを誘う場面も。思わず苦笑いの河瀬監督だったが、気を取り直して「こちらでは受賞のことを言われますが、私は暗闇の中で映画を見終わった人たちと一体になれた瞬間がすごく嬉しかったです」と上映後の反応や感じたことを明かしながら「私たち映画人はその思いを繋ぎながら日本としても自分としてこれから真摯に作り続けていく先にあの『光』があると実感できました。日本の皆さんも世界に出てあの体験をし、何かを持ち帰り、いい『光』を伝染してください」とメッセージを送った。本作に加え、1997年に『萌の朱雀』でカメラ・ドール(新人監督賞)、2007年に『殯の森』でグランプリを獲得するなど、カンヌ国際映画祭になじみのある河瀬監督。樹木が「何でこんなにカンヌに可愛がられるの?」と質問を投げ掛けると「映画が好きな人がいます。その人たちが真っ直ぐに作っていることを大事にしてくれますし、自分たちが見たことのない日本の風景とか心模様を抱きしめようとしてくれます。凸凹している作品でも次の先も見つめたいと思ってくれる気がしますね」と回答。また、舞台あいさつ後に行われた会見で、カンヌにいる河瀬監督と永瀬を昔から知る樹木は「2人とも成熟したわね。また一段上がったわ」と絶賛していた。
2017年05月27日永瀬正敏の大きな、日に焼けた手が、水崎綾女の頬を、鼻を、唇をなでる。ゆっくりと、何かを確かめるように。すがるように――。ただ、それだけの動作が、2人が実際に唇を交わすシーンよりもずっと官能的に映る。河瀬直美監督はこう語る。「まるでセックスをしているかのような、深いところで互いを感じ合っているように撮れたらと思いました。その後のキスシーンはどちらかというと勢いでそうなっています。本来、それは逆なのかもしれないけど、唇を重ねるよりも官能的なものが、あの顔に触れる行為の中にあるんじゃないか?心の奥底で触れ合うような…。2人とも、キスをしているときよりも、顔に触れているときの方がずっと胸が高鳴っていると思うんです」。映画『光』は、視覚障碍者のために、映画の登場人物の動きや情景を言葉で伝える音声ガイドに従事する女性・美佐子(水崎綾女)と徐々に視力を失っていく天才カメラマン・雅哉(永瀬正敏)の2人を中心に展開する。河瀬監督は、前作『あん』制作時に、この映画の音声ガイドの存在を初めて知り、映画として描くことを決めたという。「彼ら(=音声ガイドの制作に従事する人々)の映画への愛――目が見えない人にまで見せる、見られない人がいるのは嫌だという思い。それはこれまで、映画を作ってきた私たちになかった感覚でした。そうした感覚を持っている人たち、しかも映画に携わっている人たちということで、興味を惹かれました。この人たちの姿を映画化することができたなら、私の映画論、私が映画において何を良しとしているのかを伝えることができるだろうと思ったんです」。いかにして映像を見ることができない人間に、映画を伝えるか?悪戦苦闘する美佐子に、容赦なく厳しい言葉を投げかける雅哉。たまらず美佐子も「あなたの想像力が足りないんじゃないか?」と言い返す。そんなやりとりに、思わずドキリとさせられる。口に出すかどうかは別として、自分の思いをわかってもらえないとき、つい相手の想像力の欠如を責めたくなることは日常の中で誰しもあるだろう。映画を観ていると「想像力ってなんなのか?」と考えさせられる。「私たち晴眼者(=視覚障碍者の対義語で、視覚に障害のない者のこと)は、見えることでイマジネーションを働かせてないことがあるんじゃないか?でも、視覚障碍者は見えないからこそ、ものすごく想像力を働かせている。で、あるなら、彼らの方が、深く映画に入り込んでると言えるんじゃないか?とこの映画を作っている最中に思いました」。従来より、河瀬監督の作品は“余白”といわれる部分が多く、見る者の想像力に委ねることが多い作品だと言われるが…。「そうかもしれません。ただ、これまでの作品でいうと、ポンッと観客の想像力に委ねていましたが、今回の映画では登場人物たちが互いにそれを委ね、キャッチしています。観客にとっては、そこが明快だと思います」。キャスティングも興味深い。ヒロインの美佐子に、河瀬作品初参加の水崎さん。永瀬さんは『あん』に続く出演で、光を失いつつあり葛藤するカメラマンの雅哉を演じる。ほかに、美佐子を導く上司・智子を神野三鈴、その夫で視覚障碍者の男性に小市慢太郎、美佐子が携わる映画の監督をする北林を藤竜也、そして終盤のある重要なポイントで、河瀬作品の常連となった樹木希林が参加している。映画を観ると、“声”に非常に強い個性を持つ俳優陣がキャスティングされているように思えるが、この点は監督自身、最初の段階で意識していたのだろうか?「いえ、いま言われて初めて気づきましたね(笑)。ただ、希林さんに関しては、ありました。声だけの出演になるので、独特だけど、ずっしりとくるあの声がいい。永瀬くんにあの声を聴かせてあげたいって思いました」。その永瀬さんに関しては、河瀬監督は2015年に『あん』でカンヌ国際映画祭に赴いた際に『次、また一緒にやりたいね』と声を掛けていたという。本作の脚本執筆の段階で、最初から雅哉役は永瀬さんをイメージして書き進めていった。「今回、永瀬くんの中にある資質を思う存分に活用したいと思ってて、そう考えたとき、雅哉はカメラマンであるべきだと思いました。目が見えなくなることで奪われてしまうものがすごく大きい。でも、そこからどう這い上がっていくのか?光を見つけるのか?それだけで物語ができる。いや、永瀬くんが持っているものがすでにストーリーになっていて、それを映画の中に入れさせてもらうような感覚でした」。なぜ、そこまで永瀬正敏という俳優に惹かれたのか?そもそも、前作『あん』におけるどら焼き屋の雇われ店長の千太郎役に永瀬さんをキャスティングしたこと自体、新鮮な驚きがあったが…。「『あん』に関していうと、最初に原作を読んだとき、これは(原作者の)ドリアン助川さんご本人だって思ったんです。だけど、ハマり過ぎてて(笑)。千太郎は店長になる前にいろいろあって、社会から排除される立場にある人間で、そういう人はもう少しワイルドでぶっきらぼうな感じかな…?と。そうすると、ドリアンさんだとちょっと包容力があり過ぎて(笑)。じゃあ、その境地に行き着くまでの千太郎は誰か?日本映画界を見渡して、永瀬くんだって思ったんです。それまで、全然知らなくて、Facebookで『出ていただけませんか?』ってメッセージを送ったんです(笑)」。優しく、真面目で、それゆえに葛藤を抱える男――そんな雅哉のイメージが永瀬さんにぴったりと重なったという。「雅哉のようなタイプの人は本来、優しく真面目なんですけど、だからこそ、視力を失っていく段階で執着してしまうんですよね。過去であったり、もしも見えていたならば伸ばせていたであろうキャリアに…。そして、自暴自棄になってしまう。これは、私自身、取材を進めていく上で知ったんですが、男性で特に、見えなくなっていく過程で周囲に攻撃的になってしまったり、自分はダメだとあきらめてしまう人が多いということなんです。なんで初対面の美佐子にあんなに厳しい言葉を投げかけるのか?そこには見えなくなっていくことへの焦りがあるんだと思います」。永瀬くんは、すごく真面目できちんとしてるんです。『あん』のどら焼き屋さんの片付けを、いつもものすごくしっかりしてたんです。ご自分の事務所もすごくキレイで、いろんなものがきちんと整理して配置されてるんです。これは、部屋をきちんと整頓して、モニター会にもスーツを着ていく雅哉のキャラクターそのものだなって思いました」。いろんな部分で、前作『あん』があってこそ今回の『光』が生まれたと言える。河瀬監督自身、映画の作り方、臨み方において、『あん』という従来の作品とはやや異なる作風で、最大のヒットとなった作品を経たことで、生まれた変化、感じる違いなどはあるのだろうか?「『あん』が大きなポイントとなった部分ももちろんあると思いますが、やはり1作1作に大きな意味があり、その後の作品に影響を及ぼしているんだと思います。『2つ目の窓』と『あん』、今回の『光』は、ほぼ立て続けに撮っているんです。その中で『あん』のようなわかりやすさを詰め込んだ部分もあるし、でも作品そのものの“希望”は、ずっと前から自分の作品の中にあったものだとも思います。今回は、構造として“映画”を描くという難しい題材で、映画監督という存在が物語の中に出てくるのも、自分にとっては大きなチャレンジでしたが、それをやり遂げたという感覚も持っています」。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:光 2017年5月27日より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国にて公開(C) 2017“RADIANCE”FILMPARTNERS/KINOSHITA、COMMEDESCINEMAS、KUMIE
2017年05月26日河瀬直美監督がオリジナル脚本で挑むラブストーリー『光』。日本公開を前に、第70回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に選出された本作は、5月23日(現地時間)に公式記者会見が実施され、その日の夜には、永瀬正敏、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也、河瀬監督、音楽のイブラヒム・マーロフがレッドカーペットを闊歩し、公式上映にも参加。河瀬監督は2,300人が一体となった10分ものスタンディングオベーションに涙を見せ、主演の永瀬さんも藤さんと抱き合い、男泣きを見せたことが分かった。本作は、視覚障がい者向けの映画の音声ガイドの制作にたずさわる美佐子と、弱視のカメラマン・雅哉が、音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返しながら、互いの心をゆっくりと通わせていくラブストーリー。日本人監督として最多のカンヌ出品(本作で8度目)を誇る河瀬監督の最新作として、先立って行われたプレス試写ではすでに大喝采が起こっていたという本作。世界25か国以上での配給も決定する中、公式記者会見とフォトコールは、河瀬監督や永瀬さんらキャストたちがそろって臨んだ。まず、劇中で視力を失いつつあるカメラマンが主人公であることに重ねて、映画監督にとって目が見えなくなることは悪夢では?と問われた河瀬監督は、「そのとおりです。その最悪の暗闇の中に指す一筋の光を表現しようと決意しました」と応じ、本作に込めた思いをコメント。『光』とは「とても勇気のいるタイトルでした」と明かし、「どこにでもあって、どこにでもみんなを照らしていて、だからこそ見えない、認識されない存在でもある」と説明。過日、カンヌの地で亡くなった釜山国際映画祭のキム・ジソク氏の名を挙げながら、「映画で、本気で戦争をなくしたり、地球を豊かにしたいと思っている人がたくさんいると思っています。でも、この世界から戦争はなくならないし、私たちは必ずこの世界からいなくなる。でも、作った映画は永遠に残り続けると信じたい。私は魂を捧げました。その魂はこの俳優たちと共に、映画『光』に刻まれています。世界中の映画を愛する人たちに、『光』というタイトルで捧げたい」と熱く語っていた。また、ヒロインを務めた水崎さんが、「いま、ここに私がいることが信じられない。誰よりも経験が浅く、知識もなく、空っぽな状態の私をヒロインに選んでくださって、命を吹き込んでくださって、光をあててくださった監督です」と、監督に感謝を述べていたことも印象的だった。続いて、同日・現地時間22時ごろからは、メイン会場のパレ前のレッドカーペットを監督やキャストたちが闊歩し、グランドシアター リュミエールにて公式上映が実施された。レッドカーペットには各国の100台上のカメラが集結、2,300席のチケットは完売と、カンヌに愛される河瀬監督の人気ぶりを改めて見せつけた。監督は“風を受けて光を放つイメージ”という「TAE ASHIDA」によるドレスに「ブルガリ(BVLGARI)」のアクセサリーで登場。3年連続で出演作がカンヌ出品という快挙となった永瀬さんと、1976年に主演作『愛のコリーダ』がカンヌで上映され、今年はクラシック部門で再上映された“レジェンド”藤さんが、監督の両隣に立ち、さらに水崎さんと神野さん、そして中東レバノンの新世代ジャズの旗手マーロフの計6名がレッドカーペットに集結。一斉にフラッシュがたかれる中、一同は笑顔で歓声に応じていた。公式上映のラスト、『光』のタイトルがスクリーンに現れた瞬間から拍手喝采が鳴り止まず、エンドロールの最中も続き、場内が明るくなるや一斉にスタンディングオベーション!およそ10分間、拍手と歓声が続き、河瀬監督をはじめキャスト陣の目にも涙が。永瀬さんの号泣する姿がスクリーンにも映し出され、劇中、弱視のカメラマン役を演じる上で使用し、“心臓”と呼んでいたカメラ「ローライ・フレックス」を抱きしめ、監督や藤さんらとも熱い抱擁を見せるその姿は、会場の涙を誘っていた。その後の囲み取材で、河瀬監督は「もしかしたら、この映画は言葉にならないものを人々に届ける、そんな力を持っているのかなと。映画は作ったものですが、生き物なんだなと思えたときに、込み上げるものがありました。会場の一体感に、同じ世界に自分たちが存在している喜びを感じたのかもしれません」と感慨深げ。「混沌とした時代で、表現をするときも混沌としたものを描いてしまう時代。そんな中で必死に“光”を見つけられる映画を作れた」と手応えをのぞかせていた。永瀬さんは同じく「言葉にならない」としながらも、「エンドロールが終わって立ち上がるときは格好よく立ち上がろうと思っていたのですが、ダメでした。あんなに温かい拍手は初めていただいたと思います。ありがとうございます」と興奮の面持ち。藤さんも、「初号(試写)でも込み上げてきてどうしようもなかったけれど、外国の方も文化の壁を超えて、日本人と同じく感動してくれたというのが、感動しました」と語っていた。なお、「コンペティション部門」授賞式は最終日5月28日(日本時間では29日)に実施。20年ぶりとなる日本史上5度目、世界の女性監督としても史上2人目の、パルムドールへの期待が寄せられている。『光』は5月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:光 2017年5月27日より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国にて公開(C) 2017“RADIANCE”FILMPARTNERS/KINOSHITA、COMMEDESCINEMAS、KUMIE
2017年05月24日第70回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に正式出品されることが決定した『光』の完成披露試写会が4月27日(木)、都内で行われ、主演の永瀬正敏をはじめ、水崎綾女、神野三鈴、藤竜也、河瀬直美監督が出席した。河瀬監督にとって、カンヌ映画祭への選出は永瀬さんと初タッグを組んだ一昨年の『あん』に続く8度目。また、永瀬さんは日本人俳優として、初めて出演作が3年連続で招待を受けることになり、客席は祝福ムード。この日、登壇した5名全員が、現地入りすることも明らかになり、「いってらっしゃい」の声もあがった。河瀬監督は「明け方、フランスから電話で一報を聞いたら、自宅のリビングから太陽がのぼるのが見えて、“光”がさしました。光は世界をめぐるんだと思うと、その瞬間号泣してしまった」としみじみ回想。本作は「特に難産だった」といい、「河瀬といえばカンヌというイメージもあるかもしれませんが、そんな簡単な場所じゃない。しかも栄えある第70回のレッドカーペットを歩くと想像したら、涙が止まりませんでした」と感無量の面持ちだった。そんな河瀬監督から電話で吉報を受け取ったという永瀬さん。「朝方にお電話をいただいて、もう『ありがとうございます』と『おめでとうございます』ばかり繰り返していた」そうで、「受話器越しに監督の思いが伝わって、僕も朝から号泣しました」とふり返った。ちなみに、河瀬監督によると「電話したのが朝6時だったのに、ワンコールで出てくれた」のだとか。水崎さんも「河瀬監督が愛を注いだ作品を、世界の皆さんに見てもらうと思うと…」と言葉に詰まるほど感激した様子。共演陣も「私自身が『光』の細胞の1つになれて、現場にいても、映画を観ても救われた。監督が“出産”なさった『光』が世界に届けばと祈っている」(神野さん)、「もう(カンヌには)3度行かせてもらって、もう行くことはないと思っていた。カンヌは、こつ然と映画の王国が現れて、やがて消えるファンタジックな香りがある場所。本当に幸せだし、長生きするもんですね」(藤さん)とカンヌ入りに期待を寄せていた。“映画”の音声ガイドの制作にたずさわる美佐子(水崎さん)はある日、視覚障碍者向け映画のモニター会で弱視のカメラマン、雅哉(永瀬さん)と出逢う。映画の光に導かれるように、2人は音声ガイドの製作過程で衝突を繰り返しながらも、互いの心をゆっくりと通わせていくが――。今年のカンヌ国際映画祭は5月17日(現地時間)より幕開け、「コンペティション部門」受賞結果は、映画祭最終日の5月28日に発表される。『光』は5月27日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:光 2017年5月27日より新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国にて公開(C) 2017“RADIANCE”FILMPARTNERS/KINOSHITA、COMMEDESCINEMAS、KUMIE
2017年04月27日ジム・ジャームッシュ監督による最新作で音楽ドキュメンタリー映画『ギミー・デンジャー』が、2017年9月2日(土)より、新宿シネマカリテほか順次全国で公開される。『ギミー・デンジャー』は、ジャームッシュにとって『イヤー・オブ・ザ・ホース』以来の音楽ドキュメンタリー。ボーカルのイギー・ポップ率いる伝説のバンド「ザ・ストゥージズ(The Stooges)」に迫った全ロックファン必見の映画だ。メンバーと近しい関係者のみに取材する方法で作られた本作では、ストゥージズの華々しくも混乱に満ちた日々や、イギーとデヴィッド・ボウイが築いたロック史に残る友情、たった3枚のアルバムしか残さず迎えたグループの解散、そして30年後の奇跡の再結成と永遠の別れまで、バンドが歩んだ波乱万丈のストーリーが語られる。なお、ジャームッシュ監督とイギー・ポップとの深い友情から誕生した作品について、監督は「この映画は、ロック史上最高のバンドへのラブレターだ」とコメント。2016年カンヌ国際映画祭で『パターソン』とともに2作品が同時に出品し、周囲を驚かせた巨匠ジム・ジャームッシュ。一緒に出品された『パターソン』も8月26日(土)より日本で公開される。また、日本版のナレーションは、『パターソン』にも出演し、ストゥージズのファンでもある俳優の永瀬正敏が担当する。■ストゥージズとはストゥージズは1967年、ボーカルのイギー・ポップ(Iggy Pop)を中心にギターのロン・アシュトン、ドラムのスコット・アシュトン、ベースのデイヴ・アレクサンダーで結成。セックス・ピストルズやラモーンズ、ニルヴァーナ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、デヴィッド・ボウイなど、他のミュージシャンへの影響も大きく、パンクバンドの代表的な存在となる。その後、解散などを経て、現在のメンバーはイギー・ポップ、ジェームズ・ウィリアムソン、スティーヴ・マッケイ、マイク・ワットの4人となっている。【作品詳細】『ギミー・デンジャー』原題:GIMME DANGER監督:ジム・ジャームッシュ 出演:イギー・ポップ、ロン・アシュトン、スコット・アシュトン、ジェームズ・ウィリアムスンほか公開:2017年9月2日(土)*新宿シネマカリテほか全国順次公開日本語字幕:齋藤敦子© 2016 Low Mind Films In
2017年04月17日