絵本の読み聞かせは、赤ちゃんとのコミュニケーションやスキンシップなど大切な役割を果たします。でも、赤ちゃんが低月齢のころは絵本を読んであげても意味がわからないので、効果がないと思っている人もいるかもしれません。そこで今回は読み聞かせを開始する時期やコツについて解説します。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせするのはいつから?個人差はあるものの、赤ちゃんが言葉を覚え出すのは1歳前後とされています。このころから、赤ちゃんは短い単語を使って感情表現をするようになり、1歳半ごろから赤ちゃんは語彙を増やしていき、短い文章を作って話し始めるのが一般的です。そうなると簡単な絵本の内容も理解できるようになります。「言葉を覚えさせる」「お話を楽しんでもらう」という意味では、1歳半を目安にして読み聞かせをするのが効果的です。 ただし、「1歳半にならないと読み聞かせは無意味」というわけではありません。読み聞かせには学習以外の効果も多くあります。たとえば、読み聞かせは赤ちゃんと親のコミュニケーションの場です。親からやさしく語りかけることで赤ちゃんは安らぎを覚えます。また、親も赤ちゃんへの愛情を確認できる時間となります。また、本を身近な存在として認識させることで、将来的な読書への抵抗感を少なくすることもできます。言葉がわかるようになっても、絵本そのものを嫌いでは読み聞かせはおこなえません。赤ちゃんが絵本の内容をわからない時期でも、読み聞かせは積極的におこないましょう。 読み聞かせを始める時期には特に「いつから」という制限はありません。0歳児に対しても、簡単な内容の絵本を読み聞かせる意味はあります。また、0歳児は言葉や物語は追えなくても絵の印象だけなら楽しむことができます。絵本にはユニークな表現もたくさんあるので、音で絵本を記憶していく赤ちゃんも少なくありません。親と一緒にいろいろな絵が移り変わる時間を過ごすのは、大切なスキンシップになります。まずは図書館や本屋に一緒に行って、赤ちゃんが好きそうなものを探してみると良いでしょう。 赤ちゃんに絵本を読み聞かせする効果は?絵本の読み聞かせのメリットとしてはまず、「情緒の安定」が挙げられます。赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても親が読む声をずっと聞いていて、感覚的に気持ちのいい時間を過ごせます。優れた絵本は優れた文章で書かれているため、親の読む声も耳触りがよくなります。安心感のある時間をたくさん持つことで赤ちゃんの情緒は安定していきます。また、成長したときに感情表現が豊かで、他者への共感能力が高くなりやすいでしょう。 次に、「好奇心の芽生え」も重要なポイントです。家族に囲まれた日常ではなく、まったく知らない世界を赤ちゃんは絵本でのぞきます。その結果、赤ちゃんは好奇心が刺激され、キャラクターや世界観などを「もっと知りたい」と思うようになります。こうした感情は、成長したときの学習意欲や向上心へとつながり、芸術的な視点を養ううえでも大切な機会となります。 そして、「親子のきずなの再確認」も読み聞かせでできます。絵本は親から子に物語を読み聞かせることで、テレビではできないコミュニケーションが生まれます。同じ物語でも、親が工夫して読み上げれば、そのたびに赤ちゃんは違う感想をもつはずです。赤ちゃんは絵本の内容こそ覚えていなくても親から愛情を注がれた記憶は残っていくので、良好な親子関係を築く礎ができていきます。 赤ちゃんの絵本の読み聞かせ方のポイント読み聞かせするうえでのポイントは、赤ちゃんに「感想を求めない」ことです。赤ちゃんは絵本を読んでいる間、素直に楽しんでくれているはずです。しかし、感想を聞くのは意見の強要になってしまう恐れがあり、赤ちゃんはストレスを覚えてしまいがちです。場合によっては、絵本そのものへの嫌悪感につながりかねません。 読み聞かせが終わったら、「おもしろかったね」と声をかける程度で十分です。もしも赤ちゃんが気に入ってくれたなら、感想を求めなくても笑顔になったり、繰り返し読んでほしがったりといった反応があるでしょう。 「赤ちゃんと触れ合いながら読む」ことも大切です。読み聞かせはスキンシップの時間でもあるので、ひざに乗せたり、隣に寝たりしておこなうのが理想的です。こうした習慣を続けると、赤ちゃんは絵本の内容がわかっていなくても「お母さんやお父さんと触れ合える時間」だと思ってくれるようになります。そして、読み聞かせの時間が好きになり、将来的には本そのものに興味を持ってくれます。また、親子が仲良くなるためにも欠かせない時間になるでしょう。 月齢別のおすすめ絵本生後10カ月ほどで、赤ちゃんは絵本を玩具のように捉えて楽しむことができるようになります。しかし、この時点ではまだ物語までは追えません。赤ちゃんにとって身近なものをモチーフにしたシンプルな絵本を読み聞かせるのがぴったりです。 たとえば、野菜や果物などの「食べ物」の絵本は、赤ちゃんが見たことがある絵が多く、親しみをもって見ることができます。また、乗り物の絵本も愛されやすいジャンルです。電車や車を絵本で知った赤ちゃんは、実際に自分が乗る立場になったときに感動を覚えてくれます。知的好奇心を育むうえでも、適した絵本といえるでしょう。 1歳を超えたあたりから、赤ちゃんは簡単な物語にも反応できるようになっていきます。身近なテーマを好むのは変わらないものの、リズム感やユーモアをともなったフレーズが載っている絵本をおもしろがってくれるでしょう。さらに、音が流れる仕様になっていたり、歌が出てきたりする絵本も人気です。これらの絵本はリラックス効果があるだけではなく、音感を養うこともできます。そして、1歳半ごろからは知育絵本を取り入れるのも効果的です。ごはんや着替えといった生活習慣を楽しみながら学べる絵本によってマナーを教えてあげるのもいいですね。 注意点としては、絵本選びが親の自己満足にならないことです。優先するべきは赤ちゃんの好みであり、苦手な本を無理に読まされても赤ちゃんは心から楽しめず、読み聞かせという行為そのものが苦痛に変わっていくかもしれません。赤ちゃんの好きなジャンルを意識して本を選びましょう。 まとめスキンシップとしても、教育としても絵本の読み聞かせには効果があります。10カ月経ったころから赤ちゃんは言葉を習得し始めるので、そのあたりを目安に読み聞かせを始めてみましょう。また、赤ちゃんが読んでいて共感できる内容は時期によって変わっていきます。最初は身近なモチーフの絵本から入り、徐々に物語のある絵本に変えていくといいでしょう。 ■参考・厚生労働省「お母さんと子どものコミュニケーションのために」・文部科学省「絵本で子育てを楽しく」 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医
2019年10月08日書店に行くと、赤ちゃん向けの絵本がたくさん並んでいます。なかには帯に“0歳から”と書かれている絵本も。当時、息子はまだおしゃべりもできなかったので、本当に赤ちゃんにわかるのかな? と思っていました。実際に読んでみると、母子ともにとても楽しむことができました! 本が読みたいけど、ひとりの時間がない!読書が趣味の私にとって、昼夜赤ちゃんの世話に追われている生活のなかで、一番のストレスは本を読めないことでした。書店には魅力的な本がいっぱい……。そんなときに絵本のコーナーで見つけた、“0歳から”の文字。 わが子に本は早いのでは? と半信半疑でしたが、とにかく本を読みたかった私は、カラフルな絵が描かれている絵本を購入しました。息子は生後7カ月、ちょうどおすわりができるようになってきたころでした。 “目で追う”→“指をさす”へと成長絵本を初めて読んだとき、私の顔と絵をさす指を交互に見ながら、絵へと息子の視線が移っていくのがわかりました。初めての絵本の世界にゆっくりと入り込んでいくようでした。 最初は目で追うだけだったのが、月齢がすすむにつれて自分の掌で絵にタッチしたり、さらに月齢がすすむと絵本に書かれている簡単な擬音をマネしてしゃべったりするように。絵本を通して成長が感じられるのはうれしい体験でした。 わが家の絵本の選び方赤ちゃんと読む絵本は、どうしても破れたり汚れたりしてしまいます。よだれの付いた手で触るし、力いっぱい引っ張ってしまうことも……。わが家の男子2人に読まれた絵本もくたびれています。とはいえ、本の心配ばかりしていると、ママも心から絵本を一緒に楽しめません。 わが家では0~1歳の間は、全ページ厚紙の絵本を選んで購入していました。そういう絵本はラミネート加工されているものが多いので、少しの汚れなら拭いてきれいになります。また息子は、カラフルな色で登場人物が描かれているものやストーリーではなく擬音で楽しめるものを喜んで見ていました。 私が子育てを楽しめるようになったターニングポイントは、「一緒に楽しむ」ことができるようになったときでした。一緒に絵本を読んで笑うと、心が通い合ったのを感じることができて孤独感がスッとラクになりました。自分が子どものころに読んでいた本が今でもベストセラーだったりすると、同じ時代を生きているんだなと感じることも。子どもと向き合う時間が多い育児のなかで、同じ方向を向いて絵本を読む時間は、親子ともにオアシスとなっています。 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年10月03日子どもへの読み聞かせは、いつ頃まで続ければよいのでしょうか。読み聞かせによって得られる効果をチェックして、読み聞かせを続ける期間を考えるヒントにしましょう。上手な読み聞かせのコツや、おすすめの本についても紹介します!読み聞かせで期待できる効果読み聞かせは、子どもにさまざまなよい影響をもたらすものといわれています。しかし、日々読み聞かせを実践しているママの中には、その具体的な効果についてよく分からないという人が少なくありません。読み聞かせの効果をより高めるためにも、まずは読み聞かせで期待できる効果についてしっかりと確認していきましょう!自然な学力の向上読み聞かせには、子どもの学力を自然な形で向上させる効果があるとされています。絵本を通じ、子どもはたくさんの新しい言葉を覚えます。語彙力の向上は読解力の向上につながるため、国語力はもちろんのこと、さまざまな教科で学ぶ上で役立つ基礎学力も鍛えられるでしょう。また、人の脳には、多角的に情報を取り込むことで、その内容をより強く記憶するという特徴があります。『文字』『絵』『読んでもらう声』など、複数の感覚を同時に刺激できる読み聞かせは、子どもの『学び』のベース作りに大きく役立ってくれるでしょう。想像力・感性が豊かに読み聞かせを続けることで期待できる効果の1つに、『子どもの想像力・感性を豊かにする』というものがあります。絵本を読み聞かせてもらう中で、子どもはその場面を頭の中で想像し、まるで自分がその世界の住人であるかのようにたくさんの感情を味わいます。日常生活ではあまり感じる機会のないさまざまな感情に触れることで、子どもの感性は強く刺激され、豊かな内面が育まれていくのです。「人の痛みの分かる、思いやりのある子になってほしい」そう考える親にとって、絵本の読み聞かせはぜひ実践したい習慣といえそうですね!親子間のコミュニケーションにも何かと忙しい日々の中で、思うように子どもと触れ合えないことに焦りや不安を感じているママは少なくないのではないでしょうか。絵本の読み聞かせは、そんな親子のコミュニケーションを充実させるツールとしても役立ちます。子どもにとって、読み聞かせの時間は、ただ絵本を読んでもらうだけの時間ではありません。大好きなママを独占し、愛されていることを実感できる『心を満たすための時間』でもあるのです。なかなかゆっくり向き合う時間の取れない親子こそ、コミュニケーションの手段としてぜひ積極的に読み聞かせを取り入れていきましょう!いつからいつまでするものなの?子どもが少しずつ文字を理解できるようになってくると、「読み聞かせはいつまで続けるものなんだろう?」という疑問が自然に湧いてくるものです。読み聞かせに適した時期を改めて確認していきましょう!赤ちゃんの頃からスタートしてもOK読み聞かせを始めるのに適した時期には諸説ありますが、基本的には赤ちゃんの頃からスタートしてOKです。ママ・パパの中には、「まだ言葉の意味も分からない、目もよく見えない赤ちゃんに読み聞かせをしてもあまり意味がないのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、たとえ言葉の意味が分からず、絵もよく見えていなかったとしても、赤ちゃんの耳には読み聞かせをしてくれる優しいママ・パパの声が届いています。赤ちゃんの頃はコミュニケーション手段として、やがてコミュニケーション+学力や内面の豊かさを育む手段として、そのときどきによって得られるものが変わるのも読み聞かせならではのメリットなのかもしれませんね。卒業は1人読みを始めてから読み聞かせを卒業する時期は、子どもが1人読みを始めたタイミングを目安にするのがおすすめです。ただし、子どもが1人読みを始めたからといって、一方的に読み聞かせをやめてしまうのはおすすめできません。子どもが読み聞かせに求めるものは、『朗読者』ではなく『親とのコミュニケーション』です。子ども自身が求めてこなくなるまでは、ぜひ前向きに続けてあげたいものですね!楽しんでもらえる読み方のコツとは「子どもに読み聞かせを楽しんでもらいたいけれど、上手に読むコツが分からない…」そんな悩みを持つ人もいるでしょう。読み聞かせの時間をより充実したものにできるよう、子どもに楽しんでもらえる読み方のコツを2つ紹介します!控えめな抑揚と間を大切に子どもへ読み聞かせをする際は、『控えめな抑揚』と『間』を意識しましょう。よくある誤解として『抑揚を付ければ付けるほどよい』というものがありますが、実はこれは正しくありません。読み聞かせを通じて、子どもは驚くほどの想像力を働かせています。大人による意識的な抑揚は、そんな子どもの想像力を妨げる障害となってしまう可能性があるのです。たとえ抑揚は控えめでも、文節やページをめくる際の『間』を意識することで、子どもをワクワクさせたり、好奇心を刺激したりすることは十分可能です。『控えめな抑揚』と『間』を上手に組み合わせながら、どこまでも自由で刺激的な想像の世界を子どもにプレゼントしてあげましょう!オーバーな表現・アドリブは基本的にNG読み聞かせをする際に、ついつい声色や身振りでオーバーな表現をしたり、アドリブを加えたりしてしまうという人は多いのではないでしょうか。しかし、こうした行為は基本的にNGです。子どもへのサービス精神からとはいえ、親のアクションが際立ってしまうと、子どもはそちらに気を取られてしまい、本の内容に集中できません。また、本というのは、プロの作家が推敲に推敲を重ねた文章の集合体です。そんな言葉の結晶ともいうべき物語を子どもにじっくり味わってもらうためにも、オーバーな表現やアドリブはできる限り控えてあげたいものですね。昔話? 童話? 読み聞かせにおすすめの絵本では、実際におすすめの絵本にはどのような物があるのでしょうか。たくさんの親子に愛読されている人気作品を3つ紹介します!いない いない ばあベストセラーとして知られる『いない いない ばあ』は、かわいいキャラクターとのいないいないばあ遊びを楽しめることで子どもに大人気の絵本です。絵と言葉のリズムがメインのため、生まれて初めての読み聞かせ用としてもおすすめですよ!まだ言葉の分からない小さな赤ちゃんとのコミュニケーションにピッタリの絵本といえるでしょう。商品名: いない いない ばあ価格: \756(税込) いない いない ばあ 詳細はこちら 公式HP: 商品ページ 三びきのやぎのがらがらどん物語に対する理解力が身に付いてきた4歳ごろからの読み聞かせには、ノルウェーの昔話をもとにした『三びきのやぎのがらがらどん』がおすすめです。絵本内に登場する化け物『トロル』は、子どもにとって恐怖心をかきたてられるキャラクターですが、そんなトロルに立ち向かうヤギの勇気と驚きの結末は、好奇心旺盛な子ども心を鷲づかみにしてくれますよ!子どもの表情の変化を楽しみながら、何度も読み聞かせてあげたい絵本といえるでしょう。商品名: 三びきのやぎのがらがらどん価格: \1,296(税込) 三びきのやぎのがらがらどん 詳細はこちら 公式HP: 商品ページ しろくまちゃんのほっとけーき『しろくまちゃんのほっとけーき』は、カラフルな色彩と、ホットケーキが焼けていく過程の詳しい描写が特徴的な人気の絵本です。『しろくまちゃんがお母さんと一緒にホットケーキを作り、こぐまちゃんと食べて、片付けをする』というシンプルなストーリー展開で、文字の読めない時期の子どももスムーズに物語の世界に入っていけますよ。読み聞かせの後、絵本を真似て子どもと一緒にホットケーキを作ってみるのもおすすめです!商品名: しろくまちゃんのほっとけーき価格: \864(税込) しろくまちゃんのほっとけーき 詳細はこちら 公式HP: 商品ページ 読み聞かせの時間を大切にしてみよう子どもへの本の読み聞かせには、『自然な学力の向上』『想像力・感性が豊かになる』『親子間のコミュニケーションが深まる』などの効果があるといわれています。子どもの想像力を引き出すような読み聞かせ方を意識することで、より一層子どもを楽しませられる読み聞かせができるでしょう。読み聞かせを卒業するタイミングは、『1人読みができるようになったら』が基本ですが、これはあくまでも目安です。読み聞かせは、子どもにとって大好きなママ・パパと触れ合える特別な時間です。たとえ十分に1人読みができるようになったとしても、子ども自身が望む限り続けてあげられるとよいですね。子どもの学力や情緒を育てながら親子のきずなも深められる…そんな読み聞かせの時間をぜひ大切にしていきましょう!
2019年09月26日絵本の読み聞かせには、子どもの心に安らぎを与え、言葉や知識を身に付けるのに役立つなどさまざまなメリットが期待できます。月齢の低い赤ちゃんにもおすすめなのが『布絵本』です。そのメリットや選び方のポイントについて、詳しく見ていきましょう!布絵本とは?一般的な絵本は紙でできている物がほとんどですが、布絵本は布で作られています。紙の絵本だと赤ちゃんが舐めたり噛んだりしてボロボロになりやすいですが、布絵本は丈夫で水やダメージにも強いです。小さい子どもにも安心して与えられる布絵本の特徴と、その種類について紹介していきます。紙ではなく布でできた絵本布絵本とは、コットンやポリエステル・フェルトといった布で作られている絵本全般を指します。布絵本は、描かれている絵やお話を見て楽しむだけでなく、赤ちゃんが触って楽しめるように作られているのが特徴です。紙の絵本の場合、紙に書かれている文字を読み聞かせることが中心となるため、赤ちゃんにはハードルが高いでしょう。布の絵本は文字よりも絵が中心の構成で、赤ちゃんの想像力をかきたてたり、絵に合わせてオリジナルストーリーを作成したりと、五感を刺激できるようになっています。また、紙のように破れることも少なく、水にぬれたり汚れたりしても洗えるので清潔に保てるのもメリットです。音や仕掛けが付いている物も赤ちゃんが喜んでくれるような仕掛けがある布絵本もあります。引っ張ったり触ったりすると音が出たり、絵本の中の登場人物や生き物が動いたりするので、『月齢の低い赤ちゃん』でも楽しめるのです。出産祝いとしても人気があるので、出産した友人や知り合いに贈ると喜ばれるかもしれません。選ぶときのポイントはある?布絵本を試してみたいと思ってお店やネットショップをチェックしてみると、思っていた以上に種類が豊富で、どの絵本を選ぶかで迷ってしまうでしょう。布絵本を選ぶときのポイントを押さえておくと、選択に困ったときに役立つかもしれません。月齢・年齢に適した物を子どもが絵本に興味を持ってくれる・喜んでくれる布絵本を選ぶことが大事です。布絵本の内容や仕掛けなどが本によって異なるので、与える子どもの月齢・年齢に合った物を選びましょう。生後間もない赤ちゃんに与える布絵本は、『カラフル』な色が使われているか、音が出るタイプがおすすめです。この時期の赤ちゃんは、ストーリーを読み聞かせるよりも、視覚や聴覚に働きかけた方が、絵本に興味を示してくれるのです。また、歯が生え始める生後5カ月ごろは何でも口の中に入れたがる時期なので、歯固めのような仕掛けが付いていると重宝するでしょう。楽しい仕掛けで選ぶ布絵本にはさまざまな仕掛けが施されているので、仕掛けの種類で絵本を選ぶこともできるでしょう。赤ちゃんが触れると音が出たり絵本の一部をめくると動物や人が出てきたりと、いろいろな工夫が凝らされていて赤ちゃんを楽しませてくれます。また、布絵本は紙絵本と違って立体感が出るのが特徴の1つで、赤ちゃんもつい絵本に触れたくなるのです。赤ちゃんが指先をたくさん使うことで神経に働きかけるので、『手先の発達』を促してくれますよ!物語を想像しやすい物紙の絵本と比べてみて、布絵本は文字数が少ないかもしくは全くない物が多くあります。決まったストーリーがないので、子どもの『想像力』を広げるきっかけ作りにもできるのが魅力です。そこで、物語の作りやすさで絵本を選ぶのもおすすめです。月齢が低いうちは、布絵本の仕掛けや立体的な物に触れて遊ぶことがメインになってしまうかもしれません。ママやパパが自ら物語を考えて赤ちゃんに読み聞かせをしてあげると、また違った楽しみを体験できるのです。物語を作るのが苦手な人は、誰もが知っているような有名な絵本やキャラクターを扱っている布絵本を選ぶと、ストーリーを作りやすくなるでしょう。おすすめの人気布絵本3選布絵本選びで迷ったときは、人気商品の中から選ぶのも手段の1つです。まずはどんなものなのか試してみたい、子どもの反応を見てみたいときは、定番の物を選ぶと安心感があります。そこで、おすすめ度の高い布絵本を3つ紹介していきます。はらぺこあおむし『はらぺこあおむし』といえば園児にも大人気のお話で、紙製の絵本にも仕掛けがしてあります。あおむしがいろいろな物を食べながら成長していくストーリーで、歌に合わせて物語を読み進めていくと、子どもはとても喜びます。布製絵本は、赤ちゃんの興味を惹き付けるようなカラフルな色がふんだんに使われているので、月齢の低い赤ちゃんにもおすすめです。絵本には異なる種類の生地が使われているので、赤ちゃんがいろいろな感触を体験し指先の運動能力を発達させるのに役立ちます。また、赤ちゃんが喜ぶミラーや、イチゴの歯固めといった仕掛けも付いています。ベビーカーに取り付けることもできるので、赤ちゃんがぐずったときにも重宝するでしょう。商品名: はらぺこあおむし どこでもソフトブック価格: ¥2,160(税込) はらぺこあおむし どこでもソフトブック 詳細はこちら しかけいーっぱい!布えほん子どもが大好きなあのキャラクターの布絵本です。赤ちゃんの興味を惹き付けるカラフルな色使いが特徴的で、成長に合わせて長く遊べるように作られています。それぞれの月齢に合った模様が描かれていて、赤ちゃんの五感を刺激してくれます。生後1カ月ごろから楽しめるようになっていて、まだ視力が発達していない時期でも顔を認識できるように作られているのです。いろいろな物に興味を示す月齢になってくると、たくさんの仕掛けで子どもを楽しませてくれます。商品名: しかけいーっぱい! 布えほん価格: ¥2,341(税込) しかけいーっぱい! 布えほん 詳細はこちら フィッシャープライス シグニチャーシリーズフィッシャープライスは、1930年にアメリカで誕生した老舗のベビーブランドです。カラフルな色使いでありながら、おしゃれさも感じさせてくれる布絵本が『シグニチャーシリーズ』です。視力が発達していない月齢でも確認しやすい色を使い、ミラーや歯固めといった仕掛けがいっぱいで、赤ちゃんを飽きさせない工夫が施されています。商品名: フィッシャープライス シグニチャーシリーズ おでかけ布えほん価格: ¥811(税込) フィッシャープライス シグニチャーシリーズ おでかけ布えほん 詳細はこちら 自信があるなら手作りにもチャレンジハンドメイドが得意なママは、布絵本作りにチャレンジしてみましょう!一見ハードルが高そうに感じられますが、家にある材料やお手頃に購入できる物で作れることがほとんどです。布絵本をハンドメイドするときのコツについて、見ていきましょう!布絵本の作り方赤ちゃんが喜ぶカラフルな色を表現するのに、『フェルト』が役立ちますよ。フェルトは求めやすい価格帯、カラーバリエーションが豊富で、布絵本を作るのに適した素材の1つです。肌障りもソフトで気軽に洗濯もできるので、汚れてしまっても清潔に保てるのが魅力です。作り方は、絵本の土台となる布に、食べ物や動物型に切り抜いたフェルト布を縫い付けていきます。縫い付けで使用する糸は、刺繍糸と透明糸を部分的に使い分けると、きれいに仕上がりますよ!ファスナー・ボタンで仕掛け絵本のアイデア布絵本に立体感や仕掛けを作るときには、ファスナーやボタンを使うと便利です。動物や人間の口の部分にファスナーを取り付けて、ファスナーを開けると口の中が見えたり、食べ物を食べさせたりできるような仕掛けを作ってみましょう。ファスナーの開閉を喜ぶ赤ちゃんは多いので、何度も開け閉めするようになります。指先の発達を促してくれるだけでなく、ファスナーの開閉の練習にもなるのでおすすめです。ボタンは、月齢の低い赤ちゃんでも扱いやすい『スナップボタン』を取り入れてみましょう。小物をスナップボタンで付けて、取り外しやほかの場所に移動できるようにしておくと、赤ちゃんが喜んでくれます。お気に入りのお話を布絵本で読み聞かせ布絵本は月齢の低い赤ちゃんも喜んで見てくれる、布で作られた絵本です。文字が少ないので、オリジナルストーリーを考えたり、赤ちゃんの想像力を広げたりするのに役立ちます。また、手で触れて楽しめる仕掛けも多いので、赤ちゃんの手先を発達させるのにも役立つでしょう。布絵本のおすすめ商品から選んでもよいですし、手作りでオリジナル布絵本を作ることもできます。お気に入りのお話を題材にした布絵本で、赤ちゃんに読み聞かせをしてあげましょう!
2019年09月23日絵本の魅力に浸れる絵本カフェが増えています。子どものための本というイメージがありますが、大人でも楽しめる絵本がいっぱいあります。絵本を読みながらゆったり過ごせる日本各地のカフェを紹介します。家の近くにないかチェックしてみましょう。絵本カフェとは絵本カフェを知っていますか?名前を聞いたことがあっても、どのような場所なのか分からないという人も多いでしょう。まずは、絵本カフェの特徴を紹介します。子どもはもちろん大人も楽しめる絵本カフェは、絵本をじっくりと読むための空間で、食事を食べたりコーヒーを飲んだりしながらゆっくりと過ごせます。店内にはたくさんの絵本が置かれており、1冊手に取ればたちまち童心にかえってノスタルジックな気分になるでしょう。小さい頃に夢中になった絵本と出会えるかもしれません。また、子どもと一緒に利用できるカフェも多く、親子で絵本の世界を満喫できますよ。絵本にちなんだメニューがある店舗も絵本の中の世界を再現したメニューが楽しめるお店もあります。かわいい顔の付いたホットサンドや、キャラクターのクッキーが乗ったパフェなど工夫がたっぷりです。キレイなうろこを持った魚の話にちなんで、氷がキラキラ光るドリンクを提供しているお店もあります。中には、自分たちでお菓子の家を作れるカフェもあり、子どもや友達と行ってワイワイ楽しむのもよいですね。1度は行ってみたい東京・大阪・京都東京・大阪・京都にある絵本カフェを厳選して紹介します。1度は行ってみたいと思うお店がきっと見つかるでしょう。東京渋谷 ブックカフェデイズ東京の渋谷駅から徒歩6分、閑静な住宅街にある『ブックカフェデイズ』は隠れ家的な絵本カフェです。白壁と木のコントラストが美しい店内はとても落ち着いていて、本好きのオーナーが全国で集めた本ばかりが置かれています。中古の絵本や小説・雑誌などの児童書を自由に読めますよ。気に入った本は安価で購入可能です。フードも全て手作りなのがうれしいですね。カレーやパスタ・オムライスなど、メニューは10種類以上に及びます。スイーツも自家製です。中でも『とろとろのカスタードプリン』はミルク感たっぷりで人気を集めています。子どもにもおすすめですよ。 Bookcafe days(ブックカフェデイズ) 東京都渋谷区鶯谷町15-10 ロイヤルパレス渋谷1Ftel:03-3461-1554open.12:00~21:00(月曜は18:00まで)不定休(年末年始ほか)JR・地下鉄渋谷駅より徒歩約6分京都 めばえ京都の北区にある『めばえ』は、町屋風の外観がとても目を引きます。京都市内にいくつもの書店を構える『ふたば書房』が運営する絵本カフェです。本棚には常時約600タイトルの絵本がずらりと並びます。大人も楽しめるように『仕事・結婚・怒り・別れ』といったテーマの絵本もそろっているのが驚きですね。絵本専門士の資格を持つスペシャリストが選書しています。このカフェでぜひ味わいたいのが『はらぺこあおむしのクロックムッシュプレート』でしょう。とろっと香ばしいクロックムッシュと、プチトマトと枝豆を組み合わせた小さなあおむしがとてもキュートですよ。小さな子どももきっと大喜びするでしょう。 絵本カフェ Mebae(めばえ) 京都府京都市北区紫野下門前町5-5tel.075-493-5528open.11:00~16:00日~火曜定休地下鉄北大路駅より徒歩約8分地方でも楽しめる宮城・岡山・大分宮城・岡山・大分にも絵本カフェがあります。地方都市でもステキな空間をたっぷり楽しみましょう。宮城 おひさまの国宮城にある『おひさまの国』は、木の温もりが優しい明るい雰囲気の絵本カフェです。店内に入ると、本棚にずらっと並んだ約400冊の絵本に目を奪われるでしょう。懐かしい絵本もたくさんあり、親子3代で通うファミリーも少なくありません。お店の奥にはおもちゃも用意されていて、子どもがくつろげる空間となっています。注目のフードメニューが『おひさまパンケーキ』です。スキレットからあふれんばかりのパンケーキはふんわり柔らかく、優しい味わいですよ。子どももパクパク食べられます。ワンプレートの料理にスープが付いた平日限定の『おひさまランチ』も人気ですよ(予約制)。 えほんカフェ おひさまの国 宮城県登米市迫町佐沼字中江5-11-8 中江開発ビル1Ftel.0220-23-8766open.11:00~14:00(土・日曜、祝日は~15:00)不定休三陸自動車道登米ICより車で約15分岡山 Lasten aika岡山駅から徒歩5分ほどの場所にある『Lasten aika(ラステン アイカ)』は、ブルーのひさしと木のドアがおしゃれなカフェです。ドアを開けると、600冊を超える蔵書がお出迎えしてくれます。店内はカラフルな北欧インテリアが印象的で、まるで子ども部屋のような雰囲気ですよ。絵本に出てくるスイーツや食べ物にちなんだメニューが名物となっています。ムーミンやぐりとぐら・11ぴきのねこなど、絵本の中に出てくる料理を再現しており、「あの料理が食べられるなんて!」と感激してしまうのではないでしょうか。小さな子ども向けのスペースでは、お絵かきや折り紙をして遊べますよ。 Lasten aika 岡山県岡山市北区奉還町1-4-10tel.086-728-0085open.10:00~19:00日・月曜定休JR岡山駅より徒歩約5分大分 みちくさ大分市の『みちくさ』は、レンガの外観が印象深い隠れ家的カフェです。店内の各所に本棚が置かれ、約1,000冊の絵本が並んでいます。アンティーク調の店内はレトロな雰囲気が漂い、落ち着いた印象です。絵本からヒントを得たメニューも好評ですよ。『ぐりとぐらのカステラセット』は、絵本の世界に引き込んでくれる1品です。ふんわりとしたカステラとバニラアイスがセットになっています。ぐりとぐらがかぶっている帽子もトレーにちょこんと乗っていてかわいらしいですよ。 絵本カフェみちくさ 大分県大分市府内町3-7-28tel.097-536-0907open.12:00~18:30不定休JR大分駅より徒歩約11分優しい世界をカフェで楽しんでみて大人になると、絵本を読むこともなくなってしまうものです。子どもの頃に夢中になった絵本を読み返してみると、懐かしい思い出が一気にあふれ出してくるでしょう。新たな発見があるもしれませんね。絵本カフェの中には、子どもと一緒に楽しめるところもたくさんありますよ。たまには童心にかえって、絵本の優しい世界に浸ってみてはいかがでしょうか?
2019年09月20日0歳の赤ちゃんに読み聞かせをするべきかどうか、ためらっている人は多いのではないでしょうか。0歳児に読み聞かせをするメリットや実践する際のポイントを知り、読み聞かせの必要性を考えるヒントにしましょう。おすすめの絵本の選び方も紹介します!0歳の赤ちゃんにも読み聞かせは必要?0歳の赤ちゃんというと、字が読めないのはもちろんのこと、多くの場合言葉や絵の意味も理解できませんよね。しかし、たとえ絵本の内容そのものは理解できなかったとしても、0歳児に絵本を読み聞かせるのは決して無意味なことではありません。まずは、0歳の赤ちゃんに絵本を読み聞かせることで期待できるメリットから確認していきましょう!見るより聞くことがポイント0歳の赤ちゃんの場合、読み聞かせは『見る』よりも『聞く』ことがポイントです。生まれて間もない0歳児は、絵本に描かれた絵や言葉の意味を理解できません。絵本そのものを見て楽しむというよりは、読み聞かせをしてくれる人の『声』を聞くことがメインになります。この時期の赤ちゃんは、まるで音楽を聞くかのように読み聞かせの声の『大きさ』『抑揚』『高さ』『速さ』を楽しんでいます。無理に絵本の内容を理解させようとするのではなく、子守歌を歌うようなスタンスで赤ちゃんと一緒に楽しめるとよいですね!親子の時間を大切にできる0歳の赤ちゃんへの読み聞かせには、『親子の時間を大切にできる』というメリットもあります。言葉や文字の意味を理解できない0歳の赤ちゃんにとって、読み聞かせは『お話を読んでもらう時間』ではありません。『好きな人の声や体温を感じながら、触れ合いを楽しむ時間』なのです。乳児から幼児にかけての時期に親との親密な関係を築いていた人は、思春期以降の共感性や社会性が高い傾向にあるといわれています。読み聞かせを通じ、親子の絆を深めていけるとよいですね!読み聞かせ方のポイント赤ちゃんに読み聞かせをする際は、どのような点に注意をすればよいのでしょうか。具体的なポイントを3つ紹介します!赤ちゃんの反応を見ながら読む赤ちゃんに読み聞かせをするにあたり、まず意識したいのが『赤ちゃんの反応を見ながら読む』という点です。0歳の赤ちゃんは、そもそも絵本がどのような物なのかを知りません。当然ながら、『前から読む』『1ページずつ順番にめくる』といった基本的なルールも理解していないのです。そんな赤ちゃんに、「お話を最初から最後までしっかり聞かせてあげよう」と考えても、残念ながらなかなかうまくいかないでしょう。正しい読み方にこだわらず、赤ちゃんが笑ったり、声をあげたりしたポイントに注目しながら「○○だね」「きれいだね」など声をかけてみましょう。たとえ順番がバラバラでも、最後まで読み切れなくても、赤ちゃんのペースに合わせてあげることが大切ですよ!読むときの姿勢も意識して赤ちゃんに絵本の読み聞かせをするときは、赤ちゃんと触れ合える『姿勢』も意識するとよいでしょう。先述の通り、赤ちゃんにとって読み聞かせは『好きな人の声や体温を感じながら、触れ合いを楽しむ時間』です。より濃密な触れ合いを体感できるよう、『ねんね』の赤ちゃんなら隣で横になって、『お座り』の赤ちゃんなら膝に乗せるなど、赤ちゃんの月齢に合わせて密着できる姿勢を選ぶのがおすすめです。絵本を読み聞かせながら、同時に守られている安心感を赤ちゃんに与えてあげられるとよいですね!絵本をおもちゃにしても焦らない『絵本をおもちゃにしても焦らない』というのも、0歳の赤ちゃんに絵本を読み聞かせる際のポイントです。好奇心旺盛な赤ちゃんは、興味を引かれた物があると何でも手を出したくなるものです。それが絵本の場合、読み手にお構いなしにページをめくろうとしたり、破ってしまったりといったこともあるでしょう。親としてはつい止めたくなりますが、ここで焦る必要はありません。知らない物に興味を抱き、触れたいと感じるのは赤ちゃんの成長に必要な過程です。ある程度の汚れや破損は仕方ないと割り切って、赤ちゃんの好奇心に付き合ってあげられるとよいですね!夢中になれる絵本の選び方では、赤ちゃんが興味を持つ絵本はどのように選べばよいのでしょうか。特に覚えておきたい選び方のコツをチェックしていきましょう!カラフルな色使いとはっきりしたデザイン赤ちゃんに読み聞かせる絵本を選ぶなら、『カラフルな色使い』『はっきりしたデザイン』を重視するとよいでしょう。生まれた直後の赤ちゃんの視力は、一般的に0.01~0.02程度といわれています。その後、生後6カ月で0.1程度、1歳でようやく0.2程度になるのです。そんな赤ちゃんの視力を考慮すると、絵本はやはり目に留まりやすいカラフルなデザインが必要です。たくさんの絵本の中でも、一際目立つタイプの物を選ぶようにすると赤ちゃんにも興味を持ってもらいやすくなるでしょう。商品名: しましまぐるぐる (いっしょにあそぼ) 0~2歳児向け 絵本価格: ¥950(税込) しましまぐるぐる (いっしょにあそぼ) 詳細はこちら 音が出る物、言葉のリズム『音が出る物』『言葉のリズム』など、耳に入る刺激に注目するのも赤ちゃんへの絵本選びのポイントです。『聞く』ことを重視する時期の赤ちゃんは、音が鳴る仕掛けがされている絵本や、文章に擬音語が多く使われている絵本を好む傾向にあります。物語の内容というよりも、音の楽しさや口に出したときの文章のリズムを重視するのがおすすめですよ!商品名: 脳科学からうまれた あなぽこえほん (音のでる知育絵本)価格: ¥1,674(税込) 脳科学からうまれた あなぽこえほん 詳細はこちら 布絵本など安全な物を0歳の赤ちゃんに絵本を選ぶなら、『安全性』についても忘れずにチェックしておきましょう。この時期の赤ちゃんが絵本の読み聞かせをされる際に見られがちな行動として、『舐める』『破る』『落とす』があります。これらの行動は、絵本の材質によっては重大な事故を招いてしまいかねないものです。万が一の事態を考慮して、布製の絵本など、安心して遊べる絵本を用意してあげましょう。商品名: エリック・カール はらぺこあおむし どこでもソフトブック価格: ¥2,160(税込) はらぺこあおむし どこでもソフトブック 詳細はこちら ママもカラフルな絵本の世界を楽しんで「言葉も知らない赤ちゃんに読み聞かせをしても…」そう考える人は多いでしょうが、だからといって、決して早すぎるということはありません。たとえ言葉や文字の意味が分からなかったとしても、大好きなママ・パパの体温と声に包まれる読み聞かせは、赤ちゃんにとってとても楽しい時間です。無理に物語を理解させようとするのではなく、親子の触れ合いの一種として気軽に日常に取り入れましょう。デザインや音・リズムなど、赤ちゃんが興味を持ちやすいポイントもチェックして、カラフルな絵本の世界を親子一緒に楽しめるとよいですね!
2019年09月19日私の子育てバイブルは絵本でした子どもが生まれて絵本を知って、そこからもっと絵本を極めたいと絵本の資格を取ったりと、どっぷりと絵本にハマった私。私の子育ては絵本とともにありました。働きながら、2歳違いの3人を育てる私の毎日は、記憶が飛ぶほどに忙しく、泣きたくなったり、イライラしたり、ため息をついたり…。そんな日々をなんとかやってこられたのは、支えてくれた絵本があったから。今回は、「この本があったから、私はやってこられた!」というものを紹介したいと思います。子育てしている中で、大変だな、泣いてしまいそう、そんな時に手にとってもらえたらうれしいです。子どものための絵本は親にとっても子育てをラクにする1冊これでイヤイヤ期も乗り超えられた!【パンツのはきかた】「パンツのはきかた」作:岸田今日子、絵:佐野洋子、出版社:福音館書店【概要】ピンクのこぶたちゃんがパンツを履こうと奮闘します。「はじめに片足いれるでしょ」と、ひとつひとつ段取りの説明とともに、こぶたちゃんがパンツをはいていきます。全編歌になっていて、楽譜もついています。この絵本に私が出合ったのは、まさにわが子が2歳か3歳くらい、オムツがとれるかとれないか、そんな時期でした。しかも暑い暑い季節で汗だく。子どもはパンツを脱ぐのも一苦労、脱ぐ時にくるくるっとなってしまい、履こうと思ったらうまく履けない…。私はこの絵本を読んで、小さな子どもは「はじめに片足入れるでしょ。それから…」とひとつひとつ教えてあげないとわからないんだということを知ったのです。それから、「私の当たり前」は「この子の当たり前」ではないと思えるようになり、子どもの「できない」にもあまりイライラしなくなりました。そして、イヤイヤ期や、なんでも「自分で」の頃、ちょっとイラ~っときたときには、この歌が頭の中に流れ、少し自分を落ち着かせることができました。寝かしつけが大変な時の救いの1冊【おやすみなさいコッコさん】「おやすみなさいコッコさん」作・絵:片山健、出版社:福音館書店【概要】いつまでも寝たくない、とがんばって起きていようとするコッコさん。やさしい月の語り掛けにやっぱり眠たくなってきます。「コッコはねむらないもん」と言いながら、眠りにつきます。子どもが小さい頃、寝る前によく読んでいました。また、子どもが眠たくなったら、「コッコさん読んで」とリクエストがかかる絵本でした。寝る前の絵本、子どもが3人いるとそれぞれ読んでほしい絵本を持ってくるだけですごい量です。「この絵本で最後ね」と言っても「えー!」とブーイング。そんな時、「最後はコッコさんね」と締めの1冊として読むと納得してくれていました。子どもたちも「おやすみなさいコッコさん」のフレーズを聞くと「もう寝る時間」という体制に入っていたのだと思います。ママの気負いを軽くしてくれた【たぶんほんと】「マッシュノートのおしゃれ絵本たぶんほんと」文:間部香代、絵:ナタリー・レテ、出版社:マッシュノート【概要】「たぶんほんと」のこと、と言われて納得の事柄が、おしゃれな絵とともに次々に出てきます。最後の締めくくりは、「ママをつくったひとってだれ?」その答えは?「おしゃれえほん」というだけあって、とっても美しく、飾りたくなるような絵本です。最後に「きみたちがうまれたそのひからママはすこしずつママになっているんだよ」という文章があります。私はそこにグッときました。私自身母親になり、「お母さんだから、子どものためにやってあげないと」という、責任感と少し上から目線な思いがどこかにあった気がしますが、この文章で、「お母さんも、子どもの年齢と同じだけのキャリアしかないのだから、一緒に成長していけばいいんだ」と、気負いが少なくなりました。私が一番大変な時に求めていたのはこの言葉【やすんでいいよ】「やすんでいいよ」作:おくはらゆめ、出版社:白泉社【概要】きつねがとんぼ、ちょうちょ、りすに「やすんでいいよ」と声をかけ、自分の体を貸してあげます。そんなきつねに、くまは「やすんでいいよ」と自分の体で休ませてあげます。みんなで気持ちよさそうなのんびりタイムが、なんともしあわせそう。私がはじめてこの絵本に出合ったのは、保育園の送迎だけでもいっぱいいっぱいで心身ともにつらかった時期を過ぎて、しばらくたった頃。読んだ途端、涙してしまいました。なぜなら、あの時代、私が言ってほしかった言葉はこれだったんだ、と気づいたから。誰かに「やすんでいいよ」と言ってもらえたら、きっと気持ちがすごくラクになっていただろうなと思ったのです。だから今、あの頃の私のようなママを見たら、この絵本を差し出して、言ってあげたいです「やすんでいいよ」と。これ、まさに私!という共感で涙した【今日】「今日」訳:伊藤比呂美、画:下田昌克、出版社:福音館書店【概要】ニュージーランドなどを中心に伝わる、赤ちゃんを育てるお母さんたちにエールを送る詩です。子どもの世話ばかりで、「私、今日何してたんだろ」そんなふうに思うお母さんへの、やさしいメッセージです。仕事と子どものことで手一杯で、家の片づけにまで手がまわらず、わが家はぐっちゃぐちゃ。そんな中、毎日「はぁー」とため息をついていた時に出合いました。ダメなところやできないことを見るのではなくて、その分私は子どもに向き合った、というふうに目を向けることが大切だと、この本に教えられた気がします。おかげで「私はこれでいい」と少しは自信がもてるようになりました。みなさんも、つらい場面を乗り越えるヒントをもらえたり、子育てのバイブルになるような絵本を、ぜひ見つけてください。<文・写真:ライター鳥山由紀>
2019年08月12日絵本は何冊も揃えるとお金がかかったり、読まなくなってしまったりする本もあります。「子どもに絵本をたくさん読んであげたい」と思っていたときに、ダイソーの絵本を知りました。赤ちゃん向けに作られているので、サイズや質感も良く、絵もかわいい物ばかり。今回はそんなダイソーの赤ちゃん絵本をご紹介します。 ダイソーの赤ちゃん絵本とはダイソーは絵本の種類が豊富で、なかでも赤ちゃん向けに作られている物があります。私は子どもが生後6カ月のころに『わんわんにゃんにゃん』を購入しましたが、赤や黄色などカラフルなページを何度も見ていて、1冊100円なのにこれはいいな! と思いました。 0歳からでもママと一緒に読めるようにと、シンプルな絵柄と文字で見開き5ページほどの構成です。赤ちゃんが目を引くように、カラフルな色使いでとてもかわいらしく、わんわんやぶーぶーなど赤ちゃんが興味を示しやすい絵を使った内容になっています。 サイズや質感も赤ちゃん向け サイズは大人の手のひらほどで、角は丸く作られています。絵本としては小さめのサイズなので、おでかけの際には持ち運びも便利です。表紙だけでなく中のページもすべて厚紙でできており、濡れても拭けば大丈夫なくらいしっかりとしています。 本が小さいので、赤ちゃんが自分で持ち運びしたりページをめくったりでき、子どもが歩けるようになったわが家では、自分で絵本を選んで持ってくることができています。 種類が豊富で内容も充実しているダイソーの赤ちゃん絵本は全部で8種類あります。赤ちゃんが言葉を発しやすい“わんわん”、あいさつの“こんにちは”、野菜や果物が載っている絵本もあり、言葉や色や形を学習することもできます。わが家の子どもがわんわんやぶーぶーといった、言葉を発するきっかけになったのもダイソーの絵本です。 最初は絵を見ているだけだったのが指差しするようになり、言葉を発するようになりました。動物が眠るという内容の絵本もあり、寝かしつけの睡眠導入アイテムとしても使っています。このように、1冊100円なのに内容もクオリティが高く、子育てにとても役立っています。 子どもに読む絵本の購入に迷っていたときにダイソーの絵本を知り、実際に購入するとサイズや質感も良くクオリティが高くてびっくりしました。カラフルなページで子どももとても興味を示したので、続いてどんどん購入し、現在は全部で5冊持っています。今では1歳8カ月になった子どもが、自分で「絵本を読んでほしい」と持ってくるようになりました。100円の絵本なのに子育てに大活躍! と感じています。 著者:西口くるみ1歳児の男の子ママ。息子や夫と美味しいものを食べることが好き。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は公開時に確認した情報のため、商品によっては変更となっている場合があります。
2019年08月06日こんにちは、もつです!私は絵本が大好きで、子どもたちにも良く読み聞かせているんですが、今回は我が家で人気だったおススメ絵本を紹介します。目次 1 0歳6ヶ月1.1 ちっちゃなおさかなちゃんシリーズ1.2 はらぺこあおむし1.3 あおいよるのゆめ2 3 1歳3.1 きんぎょがにげた3.2 いないないばあ3.3 がたんごとん4 2歳4.1 いないないばあ4.2 だいすきぎゅっぎゅ5 3歳5.1 はらぺこあおむし5.2 たからもののあなた0歳6ヶ月●ちっちゃなおさかなちゃんシリーズ●はらぺこあおむし●あおいよるのゆめハードタイプの絵本がおススメです舐めたり荒く扱っても大丈夫なのも安心なポイント。色とりどりで仕掛けがある絵本は無心で触り続けたり大喜びでした!1歳●きんぎょがにげた●いないないばあ●がたんごとん単調で、同じ言葉が何度も出てくる絵本がお気に入りでした!きんぎょがにげた は、初めはただ聞いているだけだったのがだんだんときんぎょをみつけられるようになるので感動します!2歳●いないないばあこの絵本を読んで、いないないばあ、としゃべれるように! まだしゃべれる言葉も少ない頃だったので読んでよかったなぁと思ったのを覚えています。●だいすきぎゅっぎゅ絵本に合わせてぎゅっぎゅとしたら喜びました!甘えたい時や、ぎゅっとして欲しい時にこの本を持ってきたりしてました。本を読みながらスキンシップもとれて私も大好きな絵本です。3歳●はらぺこあおむしこの絵本の歌があって、その歌がお気に入りのようで子守唄として歌っていました。するとある日、自分でこの絵本を開いて、歌に合わせて自分で読めるようになっていて驚きました…!内容も、曜日や数字がわかるようになっていて登園生活が始まるにあたり、平日の概念を説明するのにとても役に立ちました。●たからもののあなた幼稚園に通う女の子のお話なんですが、幼稚園に行く主人公を自分に重ねて見ていました。いっちゃんもママがいいけど幼稚園頑張るの…なんて聞けた日には、小さいながら頑張っているんだな…と心にグッときました。いかがでしたか? 数ある絵本の中で数点お勧めをピックアップしてみました!ご参考になればうれしいです!●ライター/もつ
2019年08月05日「戦争はどうしてするの?」、「平和ってなに?」と子どもに聞かれたら、どう答えますか?知っているようで知らない、説明できるようで、きちんとした説明ができない難しい問題。夏休みは終戦記念日があり、広島と長崎の平和セレモニーが行われるなど、“平和”について考えるよいチャンス。この機会に親子で“平和と戦争”がテーマの絵本を開いてみませんか。平和と戦争、何が違うのだろう?「へいわとせんそう」たにかわしゅんたろうぶんNoritake え(ブロンズ新社)導入は、まずこの1冊から。谷川俊太郎さんの短い文章に、Noritakeさんのモノクロのシンプルな絵。「へいわのボク、せんそうのボク」、「へいわのかぞく、せんそうのかぞく」、見開きに対比の絵が描かれています。文と絵のシンプルさゆえに、何度か読み返すうちにおのずと違いはどこだろう? と意識しはじめます。後半の「みかたのかお、てきのかお」、「みかたのあさ、てきのあさ」、「みかたのあかちゃん、てきのあかちゃん」はどちらも同じ絵です。人はみな同じ世界に生きている、敵も味方も本来は同じ人間だよと教えてくれる絵本でした。戦争って、具体的にどんなこと?わたしの「やめて」文・自由と平和のための京大有志の会声明書【こども語訳】絵・塚本 やすし(朝日新聞出版)戦争って何だろう?を考えるきっかけに、この本はいかがでしょう。『せんそうは「ぼくがころされないようにさきにころすんだ」というだれかのいいわけではじまります』この文章にドキッとした私。日頃、あえて触れない部分をはっきりと表現しています。戦争は人間の体だけではなく、精神にも深い傷を負わせること、また生きる場所や考える自由まで奪ってしまうことが分かりやすく、鋭く伝わってきます。『せんそうははじまるとだれにもとめられません』という衝撃的なフレーズや、最後に描かれた子どもたちが『やめて』と叫ぶ絵からも、“戦争は絶対にダメ”という強いメッセージが。最初の青い地球の絵と、最後の子どもたちの絵は、どちらも守らなければならない大切なもの。私たち大人が日頃からしっかりと考え、ダメなことはダメと伝えることも大切だと考えさせられる本でした。忘れてはならない、原爆投下のことも「ピカドンたけやぶ」はらみちを作・絵(岩崎書店)地元の図書館で見つけた、少し古びた絵本。出版されたのは1983年と書いてあります。もしかすると娘たちは“ピカドン”が何のことか分からないかもしれないと思い、手に取りました。実話を元に描かれた本で、竹やぶに残った防空壕からお話が始まります。戦争を経験した竹やぶが擬人化され、原爆投下後に防空壕に逃げた人々、死んでいく人々、生き残った人々の様子を、お母さんのように包み込みながら見ています。『たけやぶはかなしくてかなしくてこえをふりしぼりなきつづけました。そのなみだがまっくろいあめになりました』竹やぶの涙が黒い雨で表現され、見ていると大きくて深い悲しみがあふれてきます。最近は戦争のリアルな表現が避けられがちですが、この本はリアルさも残しながら表現はやさしい。しっかりと子どもに伝わる内容になっています。出版社によると売り切れで再販の予定はないようですが、図書館で検索すれば見つかるかもしれません。平和ってどんなことだろう?イメージしてみよう「へいわってどんなこと?」浜田桂子(童心社)「おなかが空いたらご飯が食べられ、みんなと一緒に勉強ができ、みんなの前で大好きな歌を歌える、思いきり遊べて、ぐっすり眠れる」今の私たちには当たり前すぎて、そうでないことをイメージすることすらできないかもしれません。実際に戦争や紛争の渦中にいる人たちは、この普通の生活がままならない。絵本を見てから、娘たちに「キャンプで水や電気を使わないこととは違うんだよ。家族が殺され、毎日の生活が不安と恐怖でいっぱいなんだよ」と話し、親子でイメージしてみることにしました。ちょうど少し前にテレビ番組で、レバノンの難民の生活を見たり、祖父から疎開の話しを聞いたことがあったので、「同じ子どもなのに、かわいそう…」と小2の娘。イメージしてみることも大切だなと思いました。最後に書かれた「ぼくがうまれてよかったっていうこと」「きみがうまれてよかったっていうこと」「そしてね、きみとぼくは友だちになれるっていうこと」というメッセージが胸に響きます。祖父から学童疎開について話を聞いている子どもたち私たちにできること、それは戦争を知り、平和とはどういうことかを知ること。同じ地球にある他の国や他民族の人たちを知り、友達になること。それが戦争をしない道に繋がっていくのです。戦争経験者世代が少なくなった今、今度は私たち親世代が伝える番です。親も子どもと一緒に学び、各家庭で平和を考えることからスタートしたいですね。<文・写真:ライター林未香>=======読者限定RIZAPトライアルモニター募集中!「シェイプアッププログラム」を4万9800円(4回・税別)でお試し。さらにモニター謝礼として1万円のキャッシュバック!さらにモニター終了者から抽選でクオカード3000円分を100人にプレゼント。さらに本コースへの入会金5万円無料。店舗により受け入れ制限がかかる場合が想定されますのでお早めにお申し込みください。申し込みはこちら ⇒申し込み〆切:2019年8月31日(土)・
2019年08月01日碁盤に白と黒の碁石を置き、囲った陣地の広さを争う競技、「囲碁」。「囲碁は思考力や集中力、判断力を養うのにいい…」なんて耳にすることはあっても、「ルールが複雑で難しそう…」というイメージから、気軽に始めるには敷居の高さを感じる方も多いかもしれませんね。しかし、そんな囲碁の難解なイメージを一新し、その魅力と面白さを子どもたちにわかりやすく伝えてくれるのが、現役の囲碁棋士によって手がけられた絵本 『いごってなあに?』 (ぶんしん社)。本書は、女流棋士、 小林泉美六段 が内容を、そしてウーマンエキサイトでもおなじみのコミックライター 荻並トシコさん が作画を担当し、さらに小林六段の夫であり現「名人」の 張栩(ちょう う)九段 の全面協力のもと制作された1冊です!ママ友同士である小林六段と荻並トシコさんの何気ない会話から生まれたという本書の内容ともに、母親の立場から語られる、親子で楽しむ囲碁の魅力についてを紹介します。■ママ友同士のつながりが生んだ! 「いごってなあに?」誕生秘話コミックライターである荻並さんが、そもそもなぜ囲碁棋士である小林六段と本書を手がけるに至ったのか?その答えの根本には、荻並さんより先に囲碁にハマっていた息子さんの存在があったといいます。息子さんと一緒に、囲碁を覚えようとしていた荻並さんですが、初歩のルールを覚えるのに、やはりそれなりに苦戦をしたそう。しかし、一度ルールを理解してしまえば「なーんだ、そんなことか」「あ、なるほど、面白いかも!!」と最終的には、囲碁の持つ奥深さに魅力を感じたと言います。そんなエピソードをご近所のママ友である小林六段に話してみたところ、「絵本とか、わらべ歌とか…自然に囲碁が分かるツールが何かあったらいいね」という話になり、このやりとりが本書誕生のきっかけに!お互いに育児と仕事の隙間時間を見つけて3年近くやりとりをしていくうちに、ちょっとずつ絵本として形になり、ようやく完成したのが本書「いごってなあに?」なのです。■3歳から楽しめる! 囲碁の面白さに触れられる絵本の世界イラストや漫画を用いて囲碁の魅力やルールをわかりやすく伝えてくれる本書の魅力のひとつといえば、荻並さんが描くゆるくてかわいい猫のイラスト。囲碁のルールがまだ理解できない小さなお子さんであっても、猫たちの愛らしい姿に心奪われ、ページを開くのがワクワクするような1冊に仕上がっています。さらに猫をモチーフに碁石を描くという表現方法は、囲碁が持つ堅いイメージを一新し、囲碁の世界をより親しみやすいものに感じさせてくれます!この碁石を猫で表現するというアイデアは、そもそも小林六段から生まれたもので、絵本の主人公であるシマシマの猫ちゃんも、実際に小林六段が飼っていた猫をモデルに描かれたものなのだそう。温もりを感じるイラストに添えられた文章も軽快でリズムよく、まるで歌うように楽しく読み聞かせができるのもポイントです!■ルールをわかりやすく解説! 子どもの“面白そう”を引き出す本書には、囲碁の基本を子どもたちによりわかりやすく伝えられるよう、囲碁の道具のイラストやルールを解説した4コマ漫画が収録されています。さまざまな碁盤の種類や黒白それぞれの碁石の数、碁盤のつくりなど、道具の基礎知識を身につけることができたり…囲碁の基本ルールを解説する四コマ漫画では、囲碁の基本的な考え方から碁石の置き方などのルールを猫ならではの目線を織り交ぜながら、楽しくわかりやすく解説してくれます。子どもの時から本書で囲碁に触れることで、「難しそう」という囲碁のイメージにとらわれず、「これなら僕も私もやってみたい!」と囲碁に対するポジティブな気持ちを引き出せるのも魅力の一つと言えるでしょう。■親として完璧でなくていい! 囲碁を通して学んだ親子関係先に囲碁にハマっていた息子さんの影響で、自身も囲碁に興味を持った荻並さん。今回、親子で楽しむ囲碁の魅力を聞いてみたところ、そこには親子関係を見直す考え方のヒントがあったと言います。そのきっかけとなったのが、囲碁をともに楽しむことで「親と子という縦のつながりだけではなく、同じ競技を楽しむ横のつながりができたこと」でした。子育て中、つい子どもに対して上から目線の接し方になってしまいがちななかで、囲碁を通して「これはどうすればいいのだろう?」と子どもと同じ目線、同じ立場に立って一緒に考える機会が持てるようになったことが大きかったと言います。そして囲碁という新しい体験を通して、萩並さんも「自分もまだまだ伸びしろがあるなぁ」と感じられ、「これから学んでいけばいいんだ、親として完成品の完璧な人間ではなくてもいい」と、子育てに対しても気持ちの余裕が持てるようになったのだそう。親子で囲碁を学ぶことは、ある意味子ども自身の成長だけでなく、親自身も不完全な自分を認めながらも、人としての成長を楽しめる貴重な機会になるのかもしれませんね!■作画担当 荻並トシコさんのスペシャルメッセージ!最後に「いごってなあに?」の作画を担当された荻並トシコさんから本書に込めた想いをお伺いしました!最初はよくわからないけど、1度覚えれば面白くて、一生使える囲碁!私がふだん連載している育児漫画とは少し違うジャンルですが、囲碁を知らない子どもたちにも興味を持ってもらい、囲碁のルールを知ってもらえるよう、育児の経験を生かしながらエネルギーを注ぎました!囲碁は、考える力を養う教材とも言われていますので、大人から子どもまで幅広い世代に親しんでもらいたいと考えています。ぜひご一読いただき、囲碁の世界の入り口に立つきっかけにしていただけたらうれしいです!<絵本『いごってなあに?』出版記念イベント>本書の出版を記念し、作者の小林泉美六段を講師に迎え、囲碁未経験の小学生と保護者の方向けの体験イベント「夏休み!プロに学ぶ楽しい囲碁 〜考える力を身につけよう!〜」が開催がされます! 詳細は コチラ 日時:8月4日(日)10:00〜12:00会場: 三鷹ネットワーク大学 対象及び定員:囲碁未経験の小学生とその保護者30組(先着制)受講料:2,500円(絵本『いごってなあに?』1冊付き)※お申込み1 組「お子さま1 名+保護者1 名」での価格です 『いごってなあに?』 作:小林泉美 画:荻並トシコ 協力:張 栩(ぶんしん出版)1,400円(税抜) 思考力、集中力、記憶力、忍耐力、大局観などを養うのに最適な囲碁の魅力を子どもたちに伝える一冊! ネコをモチーフにした碁石が、つながったり、かこんだり、とられたり…囲碁のルールをかわいらしいイラストでわかりやすく解説。親子で楽しめる囲碁入門者にぴったりの絵本です。
2019年07月30日「14ひきのシリーズ」(童心社)でおなじみの、人気絵本作家のいわむらかずおさん。いわむらさんが、子どもたちに「絵本」と「自然」を同時に楽しんでもらいたいという想いで開設した「いわむらかずお絵本の丘美術館」を知っていますか?栃木県那須郡那珂川町の雄大な自然の中に佇む美術館で、その周辺には作品の舞台となる里山の自然が楽しめるフィールドが広がっています。その名も「えほんの丘」。今回は、えほんの丘に込めた想いを、美術館館長・絵本作家のいわむらかずおさんにうかがいました。自然の中で暮らす生きものたちを描く私は1970年に絵本作家として仕事を始めました。その5年後の1975年に、東京を引き払うことにしたんです。「14ひきのシリーズ」のような、自然の中で暮らす生きものたちが主人公の絵本を作ろうという発想が生まれたんですね。そのためには、作者である私自身も、主人公たちと同じように家族と自然の中で生活しながら、描いていこうと考えたんです。そこで栃木県の益子町に移り住み、雑木林の中に家を建てて、家族と暮らしながら創作をしてきました。作品を見ればわかるように、周りの自然をよく見ながら描いていく、そういう仕事をしてきたわけなんですね。「絵本・自然・こども」がテーマの美術館ここで創作を始めた当初は、雑木林で子どもたちが遊んでいる姿がよく見られました。でも、1980年代後半から1990年代にかけて、自然の中から子どもの姿がだんだん消えていったんです。子どもたちが自然体験から離れていくことが心配になり、家族と話をしているうちに、自然の中に美術館を作ろう、と考えるようになりました。街ではなくて、自然の中にある美術館。キーワードは「絵本・自然・こども」。そんな、広いフィールドや農場のある絵本美術館を作ることにしたわけです。1993年に計画を立て始め、5年の準備期間を経て、1998年に「いわむらかずお絵本の丘美術館」が開館しました。絵本作家として、今までは栃木県益子町の住まいの周りをイメージしながら描いてきましたけれども、今度はそのフィールドを北に40kmくらい広げて、美術館の周りの自然を舞台にしながら、さらに創作を続けようと考えたわけです。「えほんの丘」のフィールドから生まれた作品たち読み物が主体となる『ゆうひの丘のなかま』(理論社)のシリーズは、物語の舞台が、えほんの丘のフィールドの中に具体的にあるんです。例えば、うさぎと野ネズミが会って話した場所はあの坂を登った上だよ、というのが、全部あるんですね。『ふうとはな』(童心社)も、美術館周辺で野うさぎの赤ちゃんと出会ったことがきっかけで、イメージが広がったシリーズです。「14ひきのシリーズ」(童心社)に出てくるとっくんのトラックをモチーフに描いている『とっくんトラック』(ひさかたチャイルド)も、えほんの丘で生まれた作品ですね。こんなふうに、えほんの丘をフィールドとして、そこから生まれてきた絵本はたくさんあります。えほんの丘は、遊具もなく、草はらと雑木林と農場が広がっているだけの場所。そこに興味がわかない人には、おもしろくもなんともないかもしれません。でも、私の作品と一緒に周りの自然を歩くことで、伝わるものがあるんじゃないでしょうか。自然に絵本の世界を重ねることでイメージが広がる作品の舞台となる場所を訪れ、作品に描かれていることを体験することで、絵本の世界がふくらむでしょう。フィールドの自然に、物語が重なってくることで、イメージが広がりますね。すごくふくよかな、奥行きのある自然に感じられるはずです。『14ひきのとんぼいけ』(童心社)の舞台となったとんぼ池も、ただのため池があるわけではないんです。もちろん、ただのため池が存在するだけでも価値はあるんですけれども(笑)。ため池に絵本のお話を重ねることで、作品の主人公であるねずみの子どもたちが、いかだで漕ぎ出していった様子が、ありありとイメージできるようになるんですね。フィールドの自然と絵本を味わう「朗読とおはなし会」美術館では、毎月2回「朗読とおはなし会」を行なっています。おはなし会では、季節の自然の中での植物の営みや生きものたちの様子について話をしています。その日の午前中、えほんの丘を自分で歩いて、いろんなものを見つけてくるんです。例えば、今の時期は外をちょっと回っただけでも10種類以上の木の実が見つかりますから、それを少し取ってきて、ひとつひとつ見せるだけで、おもしろい話ができます。その後、木の実が出てくる絵本を読むんです。カエルの卵を見せたあと、それが登場する『14ひきのぴくにっく』(童心社)を読んだこともありますね。こんなふうに、まずフィールドの話をして、それとつながるような作品を読む、ということを主にやっています。その季節のフィールドの話をすれば、何かの絵本とつながりますからね。そうすると、絵本と自然が結びつくでしょ。絵本の舞台になった場所があり、絵本が生まれた背景を作者の肉声で聞くことができる。読み手と聞き手の間に、特別な関係が生まれてくる。それは価値のあることだと思います。自分で言うのは変だけれども、今なら作者が生きていて、来てくだされば会えますからね(笑)。たくさんの生きものと出会う体験をしてほしい「14ひきのシリーズ」は1983年から描き始めたから、もう35年になります。35年もたつと、描きはじめた頃に読んでくれた子どもたちの多くは、お母さん、お父さんになっているんです。最近は美術館を訪れる人たちの中にもそういう読者がたくさんいて、作者としては本当に嬉しいことです。子どもを連れてきたお母さんが「小さいときに大好きだったんです」と言って、ところどころ破れ、カバーもなくなった、ボロボロの絵本を大事に持ってきて見せてくれることもあって。子どもが主たる読者である、絵本ならではのことですよね。こんな田舎に、たくさんの方々が来てくださること自体が、すごいことなんです。本当に読者の方たちに支えられて、ここまでこれました。そんな読者の皆さんに、せめて少しはお返しができたら、という思いで、活動を続けています。子どもたちには、もっともっと、自然体験をしてほしいですね。フィールドの自然の中で、たくさんの生きものたちと出会ってほしい。そう願っています。【プロフィール】いわむら かずお1939年東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒。主な作品に『14ひきのあさごはん』(絵本にっぽん賞)など「14ひき」シリーズ、エリック・カールとの合作絵本『どこへいくの?To See My Friend!』(童心社)、『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』(偕成社/サンケイ児童出版文化賞)、『かんがえるカエルくん』(福音館書店/講談社出版文化賞絵本賞)、「トガリ山のぼうけん」シリーズ、「ゆうひの丘のなかま」シリーズ(理論社)などがある。98年栃木県馬頭町(現・那珂川町)に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館、絵本・自然・こどもをテーマに活動を続けている。
2019年07月25日世界中で1,500万部を超えるロングセラー絵本「14ひきのシリーズ」(童心社)を知っていますか?緑豊かな里山で暮らす、野ねずみの家族の幸せな日常が描かれた全12冊の絵本です。誕生35周年を迎え、世代を超えて愛され続ける本シリーズを、一度は手に取ったことのある方も多いのではないでしょうか。その作者であるいわむらかずおさんの作品には、大自然を舞台にした物語がたくさん!今回は人気絵本作家のいわむらかずおさんに、自然が丁寧に描かれたいわむらさんの絵本の楽しみ方と、親子の読み聞かせの意義についてお話をうかがいました。絵本が自然体験の入り口になるように絵本が自然体験の入り口になっているといいな、と思うんです。自然の体験というのは、自ら進んでやる行動の中で、いろんな発見が生まれてくるものですね。草むらや雑木林をゆっくり歩いたり、池の水をすくってみたりすることで、自分でいろいろなことに気づきます。絵本「14ひきのシリーズ」でやっていることも、じつは同じ。ページをめくれば、はじっこにいる小さなアリやクモが目にとまる。草の陰にてんとう虫が見える。こんなふうに、絵を見ていると、いろいろな発見があるでしょう。それは実際に自然の中を歩いて、さまざまな生きものたちに出会ったり、何か新しいものを見つけたりするのと、同じことですよね。自然の中で「自ら発見する」経験がとても大事だと思っているので、それができるように、自然の様子を細かく描いているんです。もちろん、あくまでも疑似体験だけれども、それでも絵本が自然体験に興味を持つきっかけになるといいですよね。絵の細部にまで目を向けて、発見してほしい『14ひきのひっこし』と『14ひきのあさごはん』(童心社)には、「……はだれ?」「……はなに?」という問いかけを入れています。絵の細部にまで目を向けて、発見することを楽しんでほしい、という思いを伝えるためにわざと、そういう問いかけをしているんです。じつは絵本を作っているとき、「こんなのないほうがいいんじゃないか」という意見もあったんです。でも、この本の意図がよく伝わるように、最初の何冊かには入れたほうがいいと思って、私の意思で入れました。問いかけがあると、お子さんは一生懸命探して答えますよね。それも含めて楽しんで読んでもらえたら嬉しいですね。じっくり、ゆったり。絵本には読者の意思が働く余地がある絵本を読み聞かせるとき、お母さんがページをめくろうとすると、「まだダメ!」「もっと見る!」と、子どもが主張することがありますね。このように、絵本には、読者の意思が働く余地があるんです。テレビのような映像だと、なかなかそうはいきませんね。生放送の番組を「ちょっと止めて」なんて、難しいでしょう。今のメディアは、流す側の意思で、一方的にすーっと流れてきます。それを受け取る側はただ、流れていくのをぼんやりと見ることしかできません。でも絵本はそれと違って、機械的に進むものではないですよね。受け取る側が主体的に味わうことができるんです。ページをめくる手を止めて、何かをじっくり探したり、お母さんとの会話をゆったり楽しんだりする。子どもが自分の意思で読み進めていく。とても大事なことだと思います。読み聞かせは、読み手と聞き手の強い人間関係を生む読み聞かせは、読み手になる大人と、聞き手になる子どもとの間に、強い人間関係を生むと思うんです。例えば、子どものときに、お母さんなり、お父さんなりに絵本を読んでもらう。そして、大人になったときに、昔お母さんに何度も読んでもらったな、と思い出す。その絵本を手にしたら、たとえお母さんはもうそこにいなかったとしても、お母さんの声が聞こえてくる。あるいは、お母さんの膝の上に乗って読み聞かせをしてもらう。すると、お母さんの体温が伝わってくる。その絵本と一緒に、お母さんの温もりにふわっと包まれる感覚を覚えていて、ずっと後になっても、ふとあの温かさを思い出す。そんなこともありますね。これは、すごく大事なことだと思うんです。もちろん、読んでもらう子どもにとって大きな影響を与えるだけでなく、読む側の大人にとっても宝物のような時間になるでしょう。読み聞かせには、そういう両者の強い関係を生む力があるんですね。【プロフィール】いわむら かずお1939年東京生まれ。東京芸術大学工芸科卒。主な作品に『14ひきのあさごはん』(絵本にっぽん賞)など「14ひき」シリーズ、エリック・カールとの合作絵本『どこへいくの?To See My Friend!』(童心社)、『ひとりぼっちのさいしゅうれっしゃ』(偕成社/サンケイ児童出版文化賞)、『かんがえるカエルくん』(福音館書店/講談社出版文化賞絵本賞)、「トガリ山のぼうけん」シリーズ、「ゆうひの丘のなかま」シリーズ(理論社)などがある。98年栃木県馬頭町(現・那珂川町)に「いわむらかずお絵本の丘美術館」を開館、絵本・自然・こどもをテーマに活動を続けている。
2019年07月23日イチコ5歳、最近ひらがなの読み書きができるようになりました。早い子は3歳くらいから読み始めますよね。ただ私としては焦る気持ちはなく、「小学校までにそれなりに読めたらいいか」くらいの気持ちでいました。■ひらがなマスターの道<序章>プレゼントで遊べないしかし、イチコ4歳、年中組のときの幼稚園のクリスマス会で…。なんということでしょう。ひらがなが読めないので遊べません。このとき読めるひらがなは1割くらい。じゃあかるたで遊べるように、ひらがなの勉強をがんばってみよう!とりあえず教材に手を出してみることにしました。■ひらがなマスターの道その1、ひらがなドリルやってみたということで、書きながら読んで覚えます。…と、サラッと書きましたが、1回書くだけじゃ覚えられないし読めません。そらそうや。私が読み方を教えて、イチコに書かせて、書き終わったらまた読んで…の繰り返し。間違いがあれば機嫌を損ねないよう細心の注意を払いながら間違いを訂正して褒めて…し、しんどい!が、その甲斐あってかグンと読めるようになりました! ここでやっと7割読めるようになったくらい。ちなみにドリルはネットで無料公開されているものを使いました。ぐちゃぐちゃにされても、途中でやめてもイライラは最小限。その後親子でドリルに飽きて(笑)、ドリルはお休み。■ひらがなマスターの道その2、絵本を自分で読んでみた読める文字が増えたので、イチコは絵本を読むようになりました。もちろんたどたどしいですし、私に聞きながらです。そしたら…なんとすべてのひらがなを読めるようになりました!絵本を読むようになってからここまでがめっちゃ早かった!1週間もかからなかったのでは…?おそらくですが、7割ひらがなを覚えたら、わからない文字があっても前の流れで予想できるようになるんですよね。(「してい○す」だったら○は「ま」だろうな、という風に)そしてイチコは赤ちゃんのときから絵本が好きだったので、絵本の読み聞かせで、ひらがなは読めなくても形として区別がついていたのかもしれません。そんなこんなでひらがなを読めるようになりました。そして肝心のかるたですが…ドリルをしている途中くらいでこの事実に気づきました…。必死にドリルせんで良かったやん(と言いつつやり始めたら引っ込みつかなくなった親子)。さて書く方は…長くなったので次回に続きます。次回は、「私の文字、間違ってる…~5歳、ひらがなマスターの道:書き方編〜」です。
2019年07月08日わが家の2歳になる男児は絵本が大好きで、お話がとってもじょうずだとよく褒められます。おそらくこんな風に育ってくれたのは、出産祝いにたくさんの絵本をプレゼントしてくれた友人たちのおかげです。今回は「誰かの出産祝いには、同じように絵本をプレゼントしよう」と思った私の体験談をご紹介します。 友人たちがくれたたくさんの絵本大学時代は国語教育に関する学部に所属していたので、私は本が大好きな友人に恵まれていました。そのためか、友人からの出産祝いのほとんどが絵本でした。とてもうれしかったのですが、「絵本はまだまだ先かな」と思っていたので友人たちのチョイスにちょっとびっくり。 なかには長いうえに内容が難しい絵本もあり、友人たちはまだ結婚も出産もしていなかったので、正直なところ赤ちゃんのことよくわかっていないのだなと失礼なことを思っていました。 最初は虚しかった読み聞かせも…赤ちゃんにとって絵本の読み聞かせは良いものだと聞いていたので、生後1週間ほどから毎日絵本を読み聞かせすることにしました。しかし、最初のうちは赤ちゃんからの反応は薄く、虚しい気持ちに……。 でも、あるときから絵本の読み聞かせが楽しくなりました。機関車の絵本を読んでいるときに、赤ちゃんを膝の上に乗せて「ガタンゴトン」のリズムに合わせて膝を揺らしたら、赤ちゃんが今までにないくらい楽しそうに笑ったのです。 それから赤ちゃんは毎日絵本を求めるようになり、さらにたくさんの絵本を読むようになりました。 絵本のおかげでお話が大好きに今、わが子は2歳なのですが、相変わらず絵本が大好きです。友人からもらった長くて難しい内容の絵本も飽きずに最後まで聞いています。そして、そのような難しい絵本も読んでいるからか、わが子はとてもお話がじょうず。たとえば、「家にみかんがないから、スーパーに買いに行こう」という長い文もスラスラと話せます。 友人たちが絵本をプレゼントしてくれなかったら、きっとこんなにじょうずに話せるようになっていなかったでしょう。本当に絵本をくれた友人たちには一生頭が上がりません。 出産祝いといえばタオルやお洋服もうれしいですが、赤ちゃんの成長を考えると、成長したころに喜ぶ絵本も良いなと今では思っています。私も誰かの出産祝いには絵本をたくさん贈ってあげたいと感じられた体験でした。著者:鏡 環2歳の息子の母。現在第二子妊娠中。元高校教員。うつ病と闘いながら夫と二人三脚で育児に励む。
2019年07月03日「子どもに英語で絵本を読んであげたいけど、私が英語がわからなくて…」、「どんな本を選んだらいいですか?」私は2歳~小学生が通う英語教室を主宰していますが、教室に通う子どもの保護者から、子ども向けの英語の絵本についての相談をよく受けます。確かに幼児期の絵本選び、それが英語ともなると親の英語力も問われるため、悩みますよね。そんなパパやママに私の教室で大人気の「笑える!楽しい!飽きない!」と3拍子そろった絵本を紹介します。その絵本の名前は…Brand New Readers(ブランド・ニュー・リーダーズ、以下、BNR)シリーズです。1冊8ページのショートストーリーが、10冊で1セットになってボックスに入っています。息子は2歳の時にお友達からBNRシリーズのブルーセットをプレゼントされました。カラフルなイラストがひとめで気に入り、ボックスを引っ張り出してきては、私に「よんでー」とリクエストしていました。ストーリーが単純明快!BRNシリーズのすべての絵本は、とにかくカラフルでキャラクターがかわいく、そして、ストーリーが単純明快。最後に必ずくすっと笑えるオチがあり、そのオチがイラストと読み手の声のトーンだけでも理解できるので、英語がわからない子どもでも楽しめます。2歳児クラスや3歳~4歳児クラス、4歳~6歳児クラスの子どもはレッスン中すぐに飽きてしまうことも多いもの。でも、この絵本を取り出すと、さっと集まってきて、絵本の前の場所取りがはじまります。実は未就学児のクラスだけでなく、小学生低学年クラスの子どもたちもこの絵本が大好き。オチが楽しいのか、みんな同じリアクションでケタケタ笑いながら、楽しんでくれています。シンプルなセンテンスが繰り返される文章は1ページに1文のみのシンプルな構成。同じ単語が繰り返し使われることも多く、リズミカルで韻(いん)をふんでいるものもあり、耳にすっと入ってくるのもポイントです。難しい単語が使われることもないので、英語に自信がないパパやママも気負うことなく、子どもに読み聞かせをすることができます。読み聞かせからひとり読みまで長く使える!単純なストーリーを毎日1冊ずつ、繰り返し読み聞かせていると、子どもたちはあっという間に文章を覚えてしまいます。そして、アルファベットやフォニックスがわかるようになると、自分で文章を読めるようになります。息子の例を挙げると、毎日読み聞かせていたこともあり、小学校1年生の終わりごろには、ほとんどのストーリーを自分で読めるようになりました。小学校4年生になる今でも、たまに引っ張り出してきては、懐かしそうにページをめくっています。ちなみにセットには読み終えたらシールを貼ることができるポスターと10冊分のシール、10冊すべてを読み終えたときの修了書、自分でも絵本を書くことができる真っ白の冊子が入っていて、子どものやる気を応援する仕組みも。息子が約8年間、この絵本シリーズに親しんできているように、幼児期から長く使えるのも魅力です。失敗から学ぶ英語の絵本を選ぶ2つのポイントわが家には私の趣味で選んだたくさんの英語の絵本がありますが、どんなにステキな絵本でもストーリーが長いと、英語初心者の子どものアンテナには引っかかりません。英語の絵本を選ぶ第1のポイントはストーリーが短く、イラストが多めでとにかくわかりやすいこと。第2のポイントは子どもの「好き」に関連した絵本を選ぶこと。その点でもBRNシリーズは1ボックスに10冊入っているので、子どもに「これ!」と思わせるタイトルが必ず見つかるはずです。教室に子どもを通わせる保護者からは「英語好きの主人がはまって読み聞かせしている」「子どもにリクエストされて全シリーズ購入してしまった」なんて話も。大人も子どもも最後にくすっと笑えるBRNシリーズ、おすすめです。<参考商品><文・写真:ライター稲井華子>
2019年06月26日恋愛観や結婚観、ジェンダー観が大きく変化する現代の感覚に合った恋のお話を。そんなコンセプトの〈恋の絵本〉シリーズが創刊。これがはじめての絵本制作となる著者のお二人、辻村深月さんと桜庭一樹さんにお話をうかがいました。辻村:最初お話をいただいた時、「私でいいのかな」と思ったんです。小説を書く才能と絵本や児童書を書く才能はまったく別物だと思ったので。ただ、同じ出版社から出ている、宮部みゆきさんや恩田陸さんの〈怪談えほん〉シリーズが大好きだったので、憧れはありました。桜庭:私は一回絵本を作ってみたかったんです。長いお話が一冊に入っている絵本が好きだったし、『GOSICK』というシリーズを挿絵付きで書いていた時、文と絵があってはじめて作品が完成する感覚があって、それは素晴らしい体験だったので、またやってみたかった。辻村:恋というテーマについては、自分が子どもの頃に抱いていた違和感と向き合うことになりました。桜庭:辻村さんの『すきって いわなきゃ だめ?』は、小学生のお話ですよね。違和感というのは?辻村:小学生の頃、女の子が集まると必ず恋の話になりませんでした?好きな人がいなくても誰が好きか言わなきゃいけない空気があって、言うと「協力する」とか言われて。桜庭:分かるー。辻村:いたとしても公にしたいわけじゃないし、つきあうことだけがゴールじゃなくてもいいのに、という気がしていて。当時言語化できなかったその気持ちを絵本にしました。桜庭:読んで、最後のところでびっくりした!さすがミステリ作家。辻村:嬉しい(笑)。「どんな恋でも大事にしていい」と分かっていても、人はいろんな思い込みの中で生きているから、最後まで読んだ時により広いところに届くようにと考えました。桜庭さんの『すきなひと』は、街角でもう一人の自分と出会うところから始まって、すごく大きなお話になっていくのがすごい。桜庭:生きることへの思いや、一人で過ごす時間、神様みたいなものへの思いも“恋”だなという気持ちがありました。きっかけは、体調が悪くて休んでいる時にLINEカメラでお絵描きをしていて…(笑)。辻村:えっ?(笑)桜庭:スタンプだと、人物がみんな同じ顔になるので「自分と自分がすれ違う」というイメージが浮かんで、「あ、絵本の話、このシーンから始められる」と気づいてラストまで一気に考えました。辻村:すごいなと思ったのは、「あさがきて」「よるになって」という文章で、絵ではとてつもない時間が流れているところ。桜庭:誰に絵を頼むか編集者たちと相談していた時、嶽まいこさんの絵を見て、この人は不思議な絵を描ける!とピンときて。今は、嶽さんに絵を描いてもらってゴールできたという爽快感があります。辻村:私は、自分の書いた感覚を的確に描ける人は今日マチ子さんしか考えられなくて。実際、心象風景が天気で表されていたり、いろんな奥行きがあったり、ランドセルの色に至るまでその子を正確に分かって描いていて、震えるほど感動しました。桜庭:水たまりに相手の子の顔が映る絵だけで、視点人物がうつむいているって伝わるところとかも巧い。辻村:思ったのは、2冊とも「同調圧力に従うことはないんだよ」っていう話だなと思って。桜庭:ああ、確かに。辻村:どちらも恋は自分の中で耕していい、その豊かな時間は自分だけのものだって言っている感じがして、それがすごく嬉しい。桜庭:うん。大人は「子どもには難しいのでは」と言うかもしれないけれど、自分が子どもの頃って、ちゃんと分かって読んでいましたよね。辻村:そう。子どもは、作り手が子どもを軽んじているかどうか分かる。桜庭:だから、私も子どもを信じて作りました。辻村:この2冊も、それぞれの心に何かが残るものになってくれたら嬉しい。このシリーズから今後どんな絵本が出てくるのかも楽しみです。さくらば・かずき(左)1999年に『AD2015 隔離都市ロンリネス・ガーディアン』でデビュー。’07年『赤朽葉家の伝説』で推協賞、’08年『私の男』で直木賞受賞。近著に『小説という毒を浴びる』。つじむら・みづき(右)2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞しデビュー。’12年『鍵のない夢を見る』で直木賞、’18年『かがみの孤城』で本屋大賞受賞。近著に『傲慢と善良』。『恋の絵本(1)すきなひと』(左)桜庭一樹(作)、嶽まいこ(絵)、瀧井朝世(編)薄暗い街角で、もう一人の自分とすれ違った「わたし」。その子を追いかけ、捜して体験する夢のような時間とは。悠久の時と、深遠なテーマが濃縮された一冊。岩崎書店1500円『恋の絵本(2)すきって いわなきゃ だめ?』(右)辻村深月(作)、今日マチ子(絵)、瀧井朝世(編)学校で告白が流行中。「すきなひといないの?」って聞かれて、本当はこうくんが好きだけど、でも…。同調圧力を背景に、誰かに惹かれる思いを繊細に描く。岩崎書店1500円※『anan』2019年6月19日号より。写真・小笠原真紀中島慶子(本)取材、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年06月14日「この絵本は、うちの子が好きそうだな」と思って購入したものの、実際に読み聞かせをしてみるといまいち反応がよくないときってありますよね。それどころか読んでいる途中で、嫌になってそっぽを向かれてしまう……なんてことも。そこで今回は、うちの子が実際に読み聞かせをしてみて反応のよかった大好き絵本を3冊ご紹介します。 『あかまる どれかな?』(ポプラ社) 『あかまる どれかな?』は、「あかいろはどれかな?」「おおきいのはどっち?」など、質問をしながら、子どもが「これ!」と指差しをして遊べる絵本です。いろいろな色や形が出てくるので、わが子は最後まで飽きることなく楽しんで見てくれます。 うちの子はまだ生後8カ月なので指差し遊びはできないのですが、子どもの手を握って一緒に指差しをして楽しんでいます。続けていると、人差し指を出せるようになってきました。 『へんなかお』(白泉社) 『へんなかお』は、いろいろな動物が出てきて「へんなかお」をする絵本です。動物たちのへんなかおを見ると、わが子も声を出して笑ってくれるので読んでいる私も癒されます! 最後のページにはミラーシートがついていて、自分たちも変な顔をして楽しむことができます。親子で笑顔いっぱいになれますよ! 絵が大きくてはっきりしているので低月齢の子どもも見やすい1冊です。 『つないで つないで』(福音館書店) 『つないで つないで』は、いろいろなネコが出会って手をつないでいくという、簡単な内容の絵本です。書店で子どもが自分から手を伸ばして取ったので、購入してみました。ネコの縁取りが大きく、絵がはっきりしています。 手をつなぐってとっても素敵なことだな。いつかは手をつながなくなってしまう子どもの手をつなげる間はしっかりつないでおこうと思えるほっこりする1冊です。こちらは定期購読の月刊誌なので、単品注文の場合は書店に問い合わせみてくださいね。 わが子は、形に顔がついていたり、色彩や絵がはっきりしている絵本を読むと喜んで見てくれます。わが子が喜んでくれる絵本を選ぶのは難しいとは思いますが、だんだんと子どもが喜ぶ絵本が分かってきますよ!著者:春野心花子育て中のママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2019年06月14日今月の人。Illustration:Hidemi Ito作家・マンガ家小林エリカさん1978年、東京都生まれ。2014年、長編小説『マダム・キュリーと朝食を』(集英社刊)で第27回三島由紀夫賞候補、第151回芥川龍之介賞候補。その他の著書に、アンネ・フランクと実父の日記をモチーフにしたノンフィクション『親愛なるキティーたちへ』(リトルモア刊)、作品集『忘れられないの』(青土社刊)、“放射能”の歴史をめぐるコミック『光の子ども1、2』(リトルモア刊)、短編小説集『彼女は鏡の中を覗きこむ』(集英社刊)など。主な展覧会は個展に『野鳥の森1F』(2019、Yutaka Kikutake Gallery、東京)、グループ展に『更級日記考—女性たちの、想像の部屋』(2019年4月6日~7月15日、市原湖畔美術館、千葉)、『六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声』(2016年、森美術館、東京)など。2019年8月28日~11月11日に東京・国立新美術館にて開催予定の6人のグループ展『話しているのは誰?現代美術に潜む文学』に参加。2019年9月5日よりロンドン、Yamamoto Keiko Rochaixにて個展『父たちの冒険 Adventures of fathers』開催予定。種というミクロな世界が広大な世界につながる感動親子ともに大好きな絵本『わたしたちのたねまき―たねをめぐる いのちたちのおはなし―』作:キャスリン・O・ガルブレイス絵:ウェンディ・アンダスン・ハルパリン訳:梨木香歩¥1600/のら書店強い風はさまざまな植物の種を遠くへ飛ばします。太陽の光は植物のさやを温め、乾かし、種を弾け飛ばします。雨つぶは種を別の場所へと洗い流していきます。太陽、風、雨、川の流れ、鳥、動物、そして人間……私たちはともに広くて大きな庭にたくさんの種をまいてきました。繰り返し、繰り返し、命がつながり、地球という大きな庭が作られていく様子を描いた美しい絵本。翻訳を手がけた作家の梨木香歩さんによるあとがきも必読です。「アスファルトの道路の隅に咲いている花とか、人間が植えたはずのない植物があちこちから生えているのはなぜなのか。本当にさまざまな方法で種まきが繰り返されてきたことに気づいた瞬間、自分の今いる“ここ”と、ずっと遠くにあった植物の生がつながっていることを実感して、とても感動しました。絵もすごく丁寧で繊細で、ちょっとマンガ調にコマ割りされているのも素敵。これからの名作になっていく、読み継がれる絵本だと思います」目の前にある日常の中での気づき抒情と科学のバランスに惹かれるマンガ、小説、アート活動など、ジャンルの枠を軽々と超えて、自由な表現活動を続けている小林エリカさん。小説『マダム・キュリーと朝食を』で放射性物質を研究したキュリー夫人を扱い、コミック作品『光の子ども』では放射能と人類の関わりの歴史を描くなど、科学的なものを大切なテーマのひとつにしている彼女が、今、3歳の娘とともに夢中になっている絵本が『わたしたちのたねまき ‐たねをめぐる いのちたちのおはなし‐』だ。「最初は図書館の新入荷で手に取ったんです。読んでみたら、本当にすばらしい内容だったので、即、買って。あまりにもいいから『みんな読んで!』みたいな感じで、まわりの人にもどんどんプレゼントしています(笑)」したたかに子孫を増やすべく、より遠く、条件のいい場所へ向かうための工夫がギュッとつまっている植物の小さな種。植物も、私たち人間を含む動物も、互いに協力し合いながら、この地球という生命体を作っていることに気づかせてくれる絵本である。「そういえば、子どもの頃、オナモミの果実がいつの間にか服についていたなぁとか、懐かしい記憶もよみがえってきて。娘は2歳のはじめの頃、言葉もあんまり分からないうちから、この絵本が大好きでした。ウサギがピョンと跳んでいく場面を楽しんだり、外でどんぐりを見ると『リスがうめていったのかなぁ』と言ったり。ちょっと年齢が上がると、オウゴンヒワが出てくるページで “ピーチクリー!パーチクリー!” という鳴き声のフレーズを繰り返すようになったりして。ディテールをどんどん読み込んでいける本ですね。Illustration:Kashiwai描かれている植物や動物の絵も、すごく正確なんだけど、単に写実的というわけじゃない。科学的であると同時に、ドラマティックで抒情的でもあるんです。ワクワクするような楽しさと、科学的な正確さの絶妙なバランス。抒情と科学!そういうのが私、好きなんだなぁと、絵本が気づかせてくれました。やっぱり、どこかに分析的な目がないと、日常も流れちゃうから。そのバランスが大事なのかもしれないですね」これが大好き!というピュアな想いこそが胸を打つシャーロック・ホームズ研究家として知られた精神科医、小林司氏を父に、同じくシャーロキアン(シャーロック・ホームズの熱狂的なファン)として、東山あかねという筆名で活動していた母を両親にもつ小林さん。シャーロック・ホームズ関連の共著や翻訳本を数十冊も刊行する両親と4人姉妹が暮らす家の中は、まさに本の山。本棚だけではおさまりきらず、階段やテーブルにまで本がうずたかく積まれていた。「父と母が本好きだったから、家族全員、本がない生活は考えられないというか。本にかこまれて育ちました。もうあらゆるジャンルの本が何の分けへだてもなく、それこそポルノ雑誌も転がっているみたいな状況で(笑)。私は4人姉妹の末っ子で、長女の姉とは18歳、3番目の姉とも12歳離れていたので、姉たちの本もたくさんあって。私が幼い頃から、姉たちそれぞれが好きな本を勧めてくれて、絵本を読んでくれるという環境でした。両親から『こういう本を読みなさい』と言われたことは特になかったですね。二人とも大人なのに、それこそ『ひとまねこざる』シリーズのジョージみたいに、好奇心のおもむくままに生きていて、常に自分たち自身がおもしろいことを学んでいるっていう感じでしたから。あ、でも、シャーロック・ホームズだけは子どもたち全員、強制的に読まされていました。バイブル的に。だから私、“練馬区ヴィクトリア朝育ち” って言っているんです(笑)」「自分はこれが大好き!」という情熱は、純粋でエネルギーが強いぶん、他の人に伝わりやすい。小林さんの両親は、本のおもしろさを教育の一環として子どもに教えるというより、本を通して自分たちが感じる幸せを全身で体現している人たちだった。子どもの頃に読んだ絵本が今の自分を形成してくれた「科学にしても、好奇心や探求心にしても、『世界を知るって、こんなにも楽しくて、エキサイティングなんだ!』っていうことを、子どもの頃に読んだ絵本に教えてもらっていたんだと、最近気づきました。こざるのジョージの『失敗を恐れなくていい』っていう気持ちとか、かこさとしさんの科学的なことをベースにした絵本の楽しさとか、小さい頃に読んだものがいまだに深く根づいていて、今の自分を形作っているんだと思います」小林さんが作家になりたいと思ったのは、もう少し大きくなってから『アンネの日記』を読んだことがきっかけ。子ども時代に出会った本は、ときに後の人生を左右するほどの影響力を持つこともある。「そこまで自分に深い影響を与えてくれていた存在が実際には会ったこともない他人だった。しかも、すでに亡くなっている人だったりするわけで。そういう人たちが私の人生を変えてくれていると思ったら、胸を打たれて、泣けてきました。と同時に、子育てもすごく気が楽になったというか。なにも血縁とか家族だけが子どもに影響を与えるわけじゃない。私にとっては、本から受けた影響も、家族から受けたそれと同じくらいある。親だからって『自分だけががんばらなきゃ!』と気負う必要はないのかなって。世の中には、すばらしい本がいっぱいあるんだと思うと、それだけでなんだか安心します」小林さんの両親が、何より自分たち自身が好きな本に夢中になっていたように、母となった小林さんもまた、今は再び絵本の魅力にとりつかれている。「とにかく自分が読みたい!っていう(笑)。子どもがいなかったときは、読書といえば、自分の好きな本しか選んでこなかったんです。でも、子どもは、どんな絵柄が好きかも、どういう話が好きかも分からないから、はじめの頃は、それこそ図書館に行って、片っぱしから借りるというのをやっていて。最近だと子どもも大きくなったので、本人が持ってくる絵本はそのまま借りますし。ロングセラーだけじゃなく、新しく出版されたおもしろい絵本に出会えることも多いから、自分が楽しくて、絵本をいっぱい買っちゃっています(笑)。自分だけが読むなら選ばなかったような絵本も、読んでみたら、すごくおもしろくて、子どもも大喜びしたりする。思いもよらなかったおもしろさを発見できるのが、すごく新鮮!子育てを機に、新しい絵本をいっぱい読めることが、今、嬉しくてしょうがないです」【小林エリカさん、これもオススメ】「虫が好き!」という愛情が力強い絵と言葉からあふれている『てんてんむし』作・絵:あべ弘士¥1400/童心社体に丸いテンテンのある虫、しましまの虫、ハートやダイヤ、スペードなどのトランプ模様、三角、ひし形、漢字、アルファベット、さらには人の顔に見える模様まで……不思議な虫たちが大集合!虫は体にさまざまな模様を持っています。虫の模様はすなわち “虫の言葉” 。虫はこの言葉を使って、ずっと昔から私たちに話しかけてきたのです。虫好きな子はもちろん、それまで虫に興味がなかった子も、きっと虫が大好きになってしまう一冊。「あべ弘士さんが描く虫の絵は、ラフに見えて、繊細に正確に描かれているところがいいですね。虫を見つめる視線が優しくて、虫へのあふれんばかりの愛情が伝わってきます。うちの子は特に、人の顔に見える模様のページがお気に入り。『かわいいね』とか『こわいね』ってちっちゃく書いてあるところも好き。絵だけでなく、色や図形にこだわって読んだり、虫の名前に注目したり、年齢によって読み方が変わってくる楽しさもあります」素敵な絵とともに詩を味わう絵本を開くたびに優しい気持ちに『くまさん』絵:手島圭三郎文:藤村久和¥1500/絵本塾出版自然に口ずさみたくなる、まど・みちおさんの優しい詩に、ましませつこさんが心をこめて描いた絵。「はるがきてめがさめてくまさんぼんやりかんがえたさいているのはたんぽぽだがええとぼくはだれだっけだれだっけ……」春の暖かさに誘われて、冬ごもりの穴から出てきたこぐま。まだ覚めない頭で「ぼくはだれだっけ」と考えますが……。草木が芽吹く春の喜び、こぐまの生きている嬉しさが伝わってきます。「私が出産したとき、ましませつこさんとお友達のアーティストの山田愛子さんがプレゼントしてくださった絵本です。『くまさん』は小学校の教科書にも載っている有名な詩ですが、こうしてページごとに一語一語、味わいながらじっくり読んでいくと、一語一語に新しい発見がある。詩だけサラッと読むのとは、また全然違う読み方ができるんです。ゆったりしたテンポと、かわいい絵のバランスも絶妙。読み聞かせにもすごくおすすめです」好奇心を恐れない気持ちは幼い頃ジョージに出会ったおかげ『ひとまねこざるびょういんへいく』文:マーガレット・レイ絵:H.A.レイ訳:光吉夏弥大型絵本版¥1400/岩波書店※この本には2種類の判型があり、岩波の子どもの本版は¥800ですパズルのかけらをキャンディと間違えて飲み込んでしまったこざるのジョージは、具合が悪くなり、さあ大変!病院でレントゲン写真を撮ったジョージは、急きょ入院することに。無事、手術でかけらを取り出してもらったら、すっかり元気になって、たくさんいたずらをします。ジョージのいたずらが、ただ騒ぎを巻き起こすだけでなく、入院中の他の子どもたちを元気にしてくれたように、失敗にも力が秘められているのだと教えてくれる名作。「私自身、好奇心が旺盛で、おっちょこちょいだから、まわりに迷惑をかけちゃうことも多いんですが、そこで『おもしろいね』って笑ってくれる人がいるんだと思うと、すごく安心して、勇気がわいて、好きなことを追求して生きられる。そう思えるようになった“原点”がジョージです。また、親にとって子どもの入院は、考えただけで心配で胸がいっぱいになるもの。親も子も不安なとき、この絵本があったら、すごくいいなぁと思います」Illustration:Hidemi Ito/KashiwaiText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年05月31日こんにちは、ユキミです。3歳の息子ユキタと、息子に日々振り回されている母の日常をお送りしています。皆さんは我が子へ絵本の読み聞かせってしていますか?読み聞かせっていっても、大体いつ頃から始めればいいの?なんて疑問も多いことかと思います。ちなみに我が家、息子がとにかく…・寝ない・抱っこしていないと(肌が触れていないと)泣く・床に置けないの3拍子だったので、昼夜問わずとにかく抱っこしかすることがありませんでした…。抱っこで部屋中をウロウロ。息子との生活も段々日常になってきた産後2か月頃 部屋の徘徊にもほとほと飽きがきたなぁ…ふと思い立って絵本を読んでみました。息子に初めて読んだ本は松谷みよ子さんの「いないいないばあ」 以外にもジッと絵を見つめて好反応。息子の反応が嬉しかった&抱っこ以外に仕事ができた私は、この時期からとにかく絵本を読みまくりました。ノンタンシリーズや、14匹シリーズなどなど 私自身も絵本が大好きだったので、自分が小さい頃読んでいた絵本をちょくちょく本屋さんに行って買い集める日々。息子に読んでいると、幼い頃に口ずさん台詞や大好きだった場面、私も懐かしい気持ちになりとても楽しかったです。しかし、そんな親子の楽しい絵本ライフも息子が1歳前になった時、ある問題が…!!息子が絵本を…かじる!!そして、やぶく…!!や、やめてぇぇぇぇぇ!!! と絵本を救出するも、もちろん本人に悪いことをしている自覚は全くなく…。息子に何度も 「本はかじらない」 「本はやぶかない」 と言い聞かせるも、全く効果なし…。絵本を修復する我が家のセロテープの消費量だけうなぎ上りでした。この頃はとにかく何でも口に入れていましたし、まだ手指の力のコントロールが上手くなかったことを覚えています…。(離乳食のパンとか握りつぶされてました)そこで!これなら多少口に入れてもなんとか形は保たれてるし、紙が分厚いのでやぶくこともない。それに子供が紙で手を切ってしまう心配もなし!1歳前後は 「紙が分厚い」 ことを優先に、図鑑やちょっとした仕掛け絵本などを選んで読んでいました。そしてこの頃から時々自分で本を出して読む(主に図鑑)という習慣が見られるようになりました!そして3歳現在今はまだ、ほとんどの絵本を私が選んで買うことが多いのですが、いつか息子が自分で選んだ本を母に進めてくれる日が来るのかなぁ。そんな日を楽しみに今日も親子で絵本を読みます♡●ライター/ユキミ(イラストライター)
2019年05月31日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、ポーランド発の育児がラクになるアイデア本の紹介です。 赤ちゃんとの生活はハッピーで楽しいけど、時に大変なこともあります。そんな日々のピンチをユニークアイデアで乗り越えたパパ・ママの知恵が集まった『毎日が楽しくなる子育てハック』(フォレスト出版)をご紹介します。 世界は広くても子育てに国境はなし! これを読めば毎日の育児が楽しくなるはずです。 「子育てハック」とは?「子育てハック」とは、日々の子育てで直面するピンチに対する独創的で意外な解決策のことです。それは賢い応急処置、インスピレーションで沸いた時短術、手っ取り早い手段などなど。 このアイデアたちが育児の流れをガラリと変えてくれて、毎日の子育てを楽しくしてくれるスパイスになります。 子育てコミュニティから生まれたアイデアこの本は、全米のママに支持されてきた子育てコミュニティ「ParentHacks.com」に集まったアイデアから122の選りすぐりの裏ワザをまとめたもの。著者のアーシャ・ドーンフェストは、私自身が新米ママだったころにどうしても知りたかったことをきっかけにこの子育てコミュニティをつくりました。 世界中のママたちに支持されてきた、妊娠後期、出産、育児初期に役立つヒントをこの本では紹介しています。おうちの整理整頓から子どもたちの食事や着替え、外出や旅行をスムーズにするコツなど、いろんなアイデアを読みやすいイラストと一緒にお伝えします。 ちょっとしたテクでラクになる裏ワザがいっぱいトイレットペーパーの無駄遣いを減らすテク こんなふうに軽く潰して芯を楕円にするだけで、トイトレ中の子どもが大量にトイレットペーパーを使うのを防ぐことができるとは! これなら0円でできて効果もありそうです。 左右は絵合わせで覚えよう! 子どもの靴は左右を見分けるのが大人でも難しいものもあります。そんなときにはこのアイデアがおすすめ! 大きめのシールを半分にカットして中敷に敷くだけで、子どもでもパッと見て左右がわかるようになります。 こんなユニークで楽しいアイデアが122も詰まった『毎日が楽しくなる子育てハック』。購入者プレゼントとして、「お誕生日・特別イベントのハック」(pdfファイル)のダウンロードもあるので、ハーフバースデーや1歳のお誕生日に合わせて買うのもいいですね。 著者:ライター サトウヨシコ大学卒業後、大手食品会社に勤務。未経験から編集者を目指し転職。その後、結婚と出産を経て妊娠・育児雑誌のディレクターに。WEBメディアの新規事業立ち上げをし、2017年に株式会社フラミンゴミンゴを設立し、現在は数々のメディアに携わっている。
2019年05月22日本を読むことは知識を蓄えるだけでなく、相手の気持ちになったり、想像力を膨らませることができたりと、成長過程の子どもにとって多くのメリットがあります。多くの親が「我が子は本好きになってほしい」と願うのではないでしょうか?今回は現役保育士に聞いた、本好きな子どもを育てる工夫を3つお伝えします。リビングに絵本を配置する子どもが小さい場合、一般的に遊ぶ時間の長いのはリビングですよね。一番過ごす時間の長い部屋に、絵本を配置するといいようです。はじめは興味を示さないかもしれませんが、近くにあるだけで絵本を手に取るきっかけを作ることになるとのこと。いつでも触れられる場所に絵本があることが大切です。無理に読ませようとする必要はなく、無理強いはかえって本離れを加速させる危険性があるんだとか。「リビングに本棚を置くスペースなんてない…」という方は、おもちゃ箱と一体になっているものや、壁収納を利用してみてはいかがでしょうか?本棚には大人が読む本を一緒に置く子どもは大人がもっているものに興味津々。うちの子も親が読むような本を引っ張りだして、「これ読んで」とせがみます。本気で読むと、絵がなく内容も難しいので、飽きて別の遊びをしだすのですが、私はそのあとその本を黙々と読んだりします。その姿を子どもに見せるのも効果的だそうです。読書に限らず、親が楽しそうにしている姿を見せるだけで子どもは興味をもつようになるんだとか。大人の本を置くこと、楽しそうに読む姿を見せることで、本への意識を変えることができるようですよ!図書館に足を運ぶ日常生活の中に本との出合いの機会を設けるのもおすすめ、とのこと。例えば週に一度、子どもと一緒に図書館に足を運んでみる日を作ってみるといいでしょう。本に興味のない子どもに対しては、身近に本を感じられる空間があればいいだけなので、やはり無理に読んだり借りたりしなくもいいそうです。帰り道に一緒にお菓子を食べながら帰るなど、ポイントは“図書館に行くこと=楽しい”と思えることなんだとか。もう一つのポイントとしては、時期相応だと思わないときに習慣化しないこと。「滞在時間は長い必要はないのですが、短時間でも騒いだり走り回ったりしてしまう場合はまだ時期として早いのかもしれません。そういった子どもには習慣にせず、時々訪れて様子を見てみるといいでしょう。周りに迷惑をかけるからと、そこで怒ったり行くのをやめるのは逆効果です」焦らずに、子どもの成長に合わせて習慣化できるといいですね。本好きな子どもを育てるために大事なのは、子どもの生活の身近なところに本があることということですね。ぜひ参考にしてみてください!<文・写真:フリーランス記者沖田かへ>
2019年05月19日読み聞かせは子育てに必須…でしょうか?「絵本の読み聞かせをしましょう」「親子で絵本を開く習慣をつけましょう」など、“絵本の読み聞かせは、子育てに必須”といろんな場面で聞きますね。私は絵本専門士。絵本を多くの人に楽しんでもらいたい、絵本のよさを知ってもらいたい、そんな思いでいつも絵本を紹介しています。でも、子育て中のママ・パパの中には、「毎日の読み聞かせが大変」という人もいるのでは?そこで、今日は「絵本の読み聞かせ、しなくていいよ!」という観点で話をすすめていきたいと思います。親子で絵本を開く時間も大切ですが、絵本は単なるツールでしかありません「絵本」は単なるツール!「親子で絵本を開く時間が大切ですよ」、というその真意は、「親子で一緒に過ごす時間が大事だよ」ということだと私は思っています。そう、絵本があれば手っ取り早く、親子で共通の空間・時間ができる、そのための近道だということ。つまり、ほかに手段があれば、絵本の読み聞かせにこだわる必要はない、ということです。「絵本」じゃないツールを探してみて!私が、絵本専門士という資格を取り、絵本のよさをみなさんに伝えたい、知ってほしいと思ったのは、自分の子育ての中で親子の時間を作るのに、「絵本」が便利だったからです。だから私は「絵本、いいよ!」と言いますが、別のママにとっては、それが「ブロック」かもしれないし、「お絵描き」かもしれません。ぜひ、自分の得意なこと・好きなことの中から、子どもと一緒に楽しめることを見つけてください。でも、絵本を読んで安心したい…という気持ちもでも、世の中的に「子育てに絵本は必須」という雰囲気の中で、子どもに絵本を読んでいないことが、ちょっと不安になってしまうママもいるかもしれませんね。絵本を読むのは苦手、好きじゃない…、でも絵本を読んであげたい。もしくは、「絵本がいいよ」と言われるから読みたいけれど、そもそも子どもが絵本好きじゃないし…。そんな時には、しかけ絵本や歌う絵本、ふれあい絵本はいかがでしょう?「しあわせならてをたたこう」作:デビッド・A・カーター、訳:きたむらまさお大日本絵画【概要】だれもが知っている「しあわせならてをたたこう」の歌にあわせて、手をたたいたり、しっぽを動かしたり、というしかけが登場。【おすすめポイント】絵本のしかけと歌で、思わず踊り出しそうになるお子さんもいるかも。一緒に歌って、楽しく親子の時間を紡ぎだせるのではないでしょうか。「くっついた」作・絵: 三浦 太郎こぐま社【概要】「くっついた」という呼び声とともに、きんぎょさんが、ぞうさんが、おさるさんが、いろいろな方法でくっつきます。そして、最後は、誰とくっつくのかな?【おすすめポイント】最後はぜひ親子で「くっついた」をしてみてくださいね。ママと子だけでなく、パパも一緒に「くっついた!」絵本というよりも、ふれあい遊びと言った方がいいのかもと思える内容です。絵本には見向きもしない、という子どもでも、親子での絵本を通したふれあい遊びならきっと楽しんでくれますよ。気持ちをラクに、ツールとして活用してみて!今はとても絵本人気が高く、子育てにはなくてはならない、読まねばならない、そんなふうに思ってしまっているママも、絵本は子育ての中で、便利に使えるツールだと思えば、ちょっとは気がラクになるのでは?絵本を読んでもいいし、読まなくてもいいし、使いたい人は存分に便利に使ったらいいと思います。そして絵本以外にもいろんなツールがあるので、自分にぴったりのものを見つけてくださいね。<文・写真:フリーランス記者鳥山由紀>
2019年04月09日今月の人。Illustration:Hidemi Ito憲法学者木村草太さん1980年神奈川県生まれ。2003年、東京大学法学部卒業、同年、同大学大学院法学政治学研究科助手に就任。現在、首都大学東京法学部教授。専門は憲法学。首都大学東京の法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所――権利論を組み立てる』(羽鳥書店)は「東大生協で最も売れている本」と話題を集めた。立憲主義を重視する立場から、各種メディアで積極的に発言を続ける。著書に『自衛隊と憲法―これからの改憲論議のために』(晶文社)、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『AI時代の憲法論人工知能に人権はあるか』(毎日新聞出版)など。子どもを決してなめない、という作者の姿勢がうれしかった色彩豊かなファンタジーの世界『クレヨン王国の十二か月』作:福永令三絵:三木由記子¥650/講談社大みそかの夜、ユカが目を覚ますと、12本のクレヨンたちが会議を開いていました。クレヨン王国の王様が「王妃の悪いくせがなおるまでは帰らない」と言って、ゆくえをくらましてしまったのです。おどろいた王妃はユカと一緒に、王様を探す不思議な旅に出かけます――。続編が47冊を超えるベストセラー人気シリーズの第1作。1997〜99年にはシリーズのうち数作を原作として『夢のクレヨン王国』のタイトルでテレビアニメ版も放送された。「子どもの頃に好きだった、講談社青い鳥文庫から出ている『クレヨン王国』シリーズ。今は娘も読んでいます。このシリーズの特徴は、作者が子どもをなめていないというところですね。ワクワクするファンタジーでありながら、意外と凄惨な場面もけっこう出てきますから。でもそれは、読んだ子どもたちはちゃんと理解してくれるはずだ、と作者が信じて書いているということ。自分が子どもの頃に読んでいて、嬉しかった記憶がありますね」おもしろいシリーズを見つけたら1巻から順にどんどん読んでいくお母様が図書館司書だったということもあり、「字を覚えたての幼い頃から、近所の図書館に通っては、気になる本を片っぱしから読んでいった」と振り返る憲法学者の木村草太さん。そんな木村さんに似たのか、現在小学5年生の娘さんも “本の虫” で、絵本は早々に卒業し、保育園に入るころにはすでに児童書を夢中になって読んでいたという。この本はまだこの年齢の子どもには難しいのでは……などと大人はつい考えてしまいがちだが、木村さんは「子どもをなめないということが大事だと思います」と話す。それを子どもの頃に実感させてくれた本が『クレヨン王国』シリーズだった。作者は1956年に文藝春秋のオール新人杯(現 讀物新人賞)を受賞し、成人向け小説の作家として活躍していた福永令三さん。児童文学である本シリーズも上質なエンターテインメント性に満ちている。Illustration:Kashiwai「心に残る印象的な場面がたくさんあります。たとえば、『クレヨン王国月のたまごPART4』で登場人物のカメレオン総理が暗殺されそうになるエピソード。総理が乗るヘリコプターに爆弾を仕掛けられて、パラシュートで脱出するんですけど、そのとき、総理が操縦士に『君のパラシュートと交換しよう』と言って交換するんですよ。で、その後、操縦士のパラシュートが開かないという……。すごい描写だなと思いました。子どもにしてみたら、ギョッとしますよね。でも、確かに暗殺者なら、そこまでやるなと思って。これが政治的暗殺なんだと。その場面を読んだとき、作者が読者である子どもたちのことを信頼してくれていると感じました」アラン・リーの美しい挿画が物語の情景を浮かび上がらせる外国作品で、木村さんが小学生のときに熱中して読んでいた本といえば、J.R.R.トールキンの壮大なファンタジー『指輪物語』。映画化された『ロード・オブ・ザ・リング』3部作も大ヒットし、刊行から60年以上経った今なお、世界中で愛されている名作だ。「『指輪物語』は、いろいろなバージョンの本が出ていますが、全3巻のカラー版は表紙装画だけでなく、中にもアラン・リーさんの挿画がたくさん入っているんです。このアランさんの絵が本当にすばらしい。以前、ニューヨークに旅行したときに、バーンズ・アンド・ノーブルという書店で、箱入りのカラー版を見つけて、衝動的に大人買いしてしまいました(笑)。この絵だけでも、子どもに見せたいと思うくらい気に入りましたね。実は映画化されると聞いたときは、アランさんが描いた世界がどこまで実写化できるのかなぁと、大変懐疑的だったんですよ。でも、監督はアランさんを映画のコンセプト・アート・デザイナーとして招請しましたよね。映画を観たら、挿画のイメージどおりだったので驚きました」スリリングなストーリー、描写の細密さなど、多くの魅力がある『指輪物語』の中でも、特に木村さんが惹かれるのは “多様性” というテーマ。「人間はデコボコである、ということですね。『指輪物語』は登場人物全員が何かしらの欠点を持っていて、さまざまな種族、キャラクターたちが、それぞれの欠点と長所を生かして協力していくという姿が描かれている。そこが大変すばらしいなと思って読んでいます。なので、この解釈が正しいかどうかは微妙なんですが……私自身はこの本を通して、人間には欠点があっても、長所がしっかりしていればいいんだ、というふうに理解しました。大人になっても繰り返し読んでいて、そのたびに、常にそこに戻ってくる感じがします」この本を読みたい!と子どもが思うタイミングが訪れるのを待つことわが子を本好きにしたい、と思っている親は多いだろう。そのために、読み聞かせをたくさんしたり、子どもの視線に入るように本棚に絵本をたくさん揃えてみたり……。しかし、それでも子どもがなかなか本に興味を示さなかった場合は、どうすればよいのだろうか?「本が好きになるかどうかというのは、本人の資質だと思いますよ。好きになる本も子どもによって違いますし、たとえ名著でも合わないものは合わないし。娘は小さい頃から、時間があれば本ばかり読んでいて、母親に『もうやめなさい』って叱られるくらいの本好きですが、現在、年長の下の息子は、去年くらいまでは本に全然興味を示さなかったんです。本人が読みたがらなかったから、絵本の読み聞かせも娘に比べると少なかったですね。でも、そんな息子も、ひらがなが読めるようになったとたんに本をたくさん読むようになりました。今は絵本というより、『小さなおばけ』シリーズなどの児童書をよく読んでいます。『読みたくない』という子に無理やり読ませようとしても、本は読めないと思うんですよね。本は降ってくるものなので。なんかこう無性に『今日はたこ焼きが食べたいなぁ』みたいな気分と一緒なんです(笑)。子ども本人が『この本を読みたい』って思う、ベストなタイミングが来るはず。で、親はそれを待つということが大事だと思います」しいて言えば、親ができるのは “そのタイミング” が来たときを見逃さず、その瞬間、即、子どもが本にアクセスできるように準備しておくこと。「地元のどこに大きな図書館があるのかを確認して、本を読みたくなったときに、ここに来れば本を探せるということを伝えておく。そして、子どもが『これを読みたい!』と言ったときに連れて行ってあげる。あとは、子どもがたまたま読んでおもしろかった本がシリーズものだったら、お父さん、お母さんが調べて、1作目から揃えてあげるとか。シリーズものは、子どもが芋づる式にどんどん本を読むきっかけになりますよ。うちの息子のように、これまで読んでいなくても、急に本好きになることはよくあるので。あとはもう本当に、親がその子を信じるしかない、と思いますね」【 木村草太さん、これもオススメ 】魅力的なキャラクターが活躍する大人気ロングセラー・シリーズ『スパゲッティがたべたいようアッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ1』絵作:角野栄子絵:佐々木洋子¥900/ポプラ社アッチはレストランの屋根裏に住んでいる小さなおばけの男の子。“レストランヒバリ” のコックさんを務める食いしんぼうの彼は、ちょっと変わっているけれど、とびきりおいしい料理を作って、お客さんに提供しています。2018年に国際アンデルセン賞・作家賞を受賞した角野栄子さんのライフワークとして、毎年新刊が発表される『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ』シリーズ。今年は40周年記念の各種イベントも予定されている。Illustration:Kashiwai「下の息子がすごく好きなシリーズです。1作目からダーッと読んでいって、今出ている本はぜんぶ読み終わっています。『おばけのソッチラーメンをどうぞ』や『おばけのアッチのゲームのえほん』も印象に残っていますね。シリーズを通して主人公のアッチがいつも一生懸命なところがいいんでしょうね。角野栄子さんらしい自由な発想で、ストーリーの展開が読めないのも魅力。あと、アッチはおばけですから、“いもむしグラタン” とか、名前だけ聞くと、それどうなんだろう!?って思うようなユニークなメニューがたくさん出てくるのもおもしろいですね(笑)」フィクション世界がリアルになる『指輪物語』ファンのための地図『指輪物語 フロドの旅――「旅の仲間」のたどった道』著:バーバラ・ストレイチー訳:伊藤盡¥1800/評論社『指輪物語』著:J.R.R.トールキン訳:瀬田貞二/田中明子装画&挿画:アラン・リーカラー版全3巻各¥7800/評論社(『指輪物語』は他に、A5新装版 全7巻 各¥2200、 文庫版 全10巻 1~9巻各¥700、10巻¥900があります)『指輪物語』に登場する9人の旅の仲間がたどった道筋を、詳細な地図で再現した副読本。熱烈な『指輪物語』のファンだったバーバラ・ストレイチーが、作者トールキンの手になる地図とは別に、より詳しい地図作りに挑戦した。地図には、フロドたちが敵から身を隠した場所、食事をした場所、野宿をした場所にいたるまでを記載。日本語版では巻末に地図索引があるほか、訳者によって、旅の行程についても日を追って詳しく解説されている。「私はフィクションの世界の地図がすごく好きで、小説に地図がついていると、それだけで嬉しくなっちゃうところがあります(笑)。『指輪物語』は本編にも地図がたくさん載っているのですが、この本の地図は登場人物たちがどう歩いて行ったのかが明確に分かるほど、きちんと描かれているんですね。彼らがどこに、どうやって行って、そこで何が起きたかを、さらに具体的に想像することができる。物語の世界が非常に生き生きとするんです」Illustration:Hidemi Ito/KashiwaiText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年03月11日これから入園・入学を迎える子どもたちは不安もいっぱいこの春に入園・入学を控えた子どもたちは、新しい世界を楽しみにしています。とはいえ、これまでとは違う環境に行くというのは、小さい子どもなりに緊張や不安も感じているはず。そこで、今こそ親子でゆっくり絵本を楽しむ時間を作ってみませんか。絵本を通して、時間や思いを共有することで、小さな不安が大きな期待に変化してくれるかもしれません。知ることで不安も軽減!親子で予習してみましょう小学校ってどんなところ?幼稚園ってどんなところ?どんなところかわからないから不安なんですよね。じゃあ、どんなところで、どんなことをしているのかを親子で予習してみましょう。「1ねん1くみの1にち」写真/文・川島敏生、アリス館【概要】1年生の教室の1日が時系列で示され、子どもたちが1日どんなふうに過ごしているのかがよくわかる写真絵本です。【おすすめポイント】読み聞かせというよりも、親子で絵本を真ん中にして、「小学校ってどんなところかな?」と一緒にのぞいてみて、幼稚園・保育園との違いを見つけてみましょう。未知の「小学校」というものに少しずつでも触れることで、具体的に「小学校で何するの?」ということがわかり、安心材料になるかもしれません。……「ようちえんのいちにち」作/おかしゅうぞう、絵/ふじた ひおこ、佼成出版社【概要】幼稚園で1日どんなことをするのか、歌、工作、外遊び、誕生日会、お弁当の時間。やさしい先生のまなざしに見守られ、楽しそうな子どもたちが描かれています。【おすすめポイント】幼稚園でどんなに楽しいことがあるのかが見てとれるので、心配事も少なくなるのではないでしょうか。また、生まれたばかりの弟の退院を心待ちにするお姉ちゃんの姿も見られます。弟・妹が生まれたばかりの新米お兄ちゃん・お姉ちゃんに読んであげてもいいかもしれません。シリーズで、「ほいくえんのいちにち」「いちねんせいのいちにち」もあります。実はドキドキしているのは子どもたちだけじゃない!?小学校や幼稚園がどんなところで、どんなことをしているのかはわかった!でもまだドキドキしているのならこの本を。ドキドキしているのは子どもたちだけじゃないみたいですよ。「がっこうだって どきどきしてる」文/アダム・レックス、絵/クリスチャン・ロビンソン、訳/なかがわ ちひろ、WAVE出版【概要】新しく建てられた学校。自分がどんな役割なのかどきどきしていると、学校というものらしい。でも、学校って何?いろんな子どもたちがいて、学校では毎日いろんなことが起こります。子どもたちが、勉強して、遊んで、笑って、泣いて、怒って…。学校で起こるちいさな事件を見ながら、学校っていいなと「学校」は思い始めるのです。【おすすめポイント】ドキドキしているのは私だけじゃないってことがわかったら、少しは緊張も和らぐかもしれませんね。牛乳を鼻から出してしまう子に思わず笑ってしまった「学校」のように、読みながら思わず笑って、学校って楽しいところかもという気にさせられます。「しゅくだい」っていうのがあるんだよ「しゅくだい」って何?聞いたことあるけれど…。どんなことをするのかな?子どもと親の心を優しくほぐしてくれる「しゅくだい」とは?「しゅくだい」文・絵/いもとようこ、原案/宗正美子、岩崎書店【概要】やぎのめえこ先生が、生徒のみんなにいいました。「みなさん、きょうのしゅくだいは“だっこ”です」。もぐらのもぐくんは、お母さんに宿題のことを話そうとするのですが、忙しいお母さんになかなか言い出せません。夕飯の後、「だっこ」の宿題のことを話すと、お母さんお父さんおばあちゃんも、やさしくぎゅーっとだっこしてくれました。【おすすめポイント】「学校(幼稚園)に行ったらね、宿題っていうのがあるんだよ。毎日ぎゅーってしないとダメなの。毎日ちゃんと宿題しようね」と、入園・入学までもぜひ「宿題の練習」として、ぎゅーっとしてあげてください。入園・入学、親も子も不安から楽しみに!新しいことが始まる前には、大人だってドキドキしたり不安になったりするものです。経験の少ない子どもたちならなおさら。そしてまたそんなわが子を見て、親の方はさらにドキドキ!親子で一緒の絵本を読むことで、いろいろな気持ちを共有できたらいいですね。ママ・パパが同じ気持ちでいる、いつだって見守っていてくれている、そう思えたら、“楽しみ”という気持ちがより大きくなる気がします。<文・写真:フリーランス記者鳥山由紀>
2019年03月11日「死んだらどうなるの? ばあちゃんにもう会えないの?」私の祖母(娘たちにとっては曾祖母)の葬儀のときに、6歳の三女が口にした言葉でした。何をどのように説明したらいいのか分からなかった私は、子どもと一緒に読める絵本を探すことにしました。もう会えないけれど、心や記憶に残された大切なもの「わすれられないおくりもの」スーザン・バーレイさく・え小川仁央やく(評論社)誰もが一度は目にしたことがあるであろう、この表紙。長く読み継がれている絵本です。動物たちに慕われていたアナグマに死が訪れます。彼の死を悲しむモグラやカエルの仲間たち。時間が経ち春がきて、動物たちがアナグマに習った知恵や工夫、それぞれのあたたかい記憶を思い出すお話です。私も娘たちと亡くなった祖母の思い出を振り返りました。帰省したときに作ってくれた料理、一緒に花火をしたことや温泉に行った思い出など…。特に高校生まで一緒に住んでいた私は、昔、祖母から聞いた話を思い出し、今になってその意味やありがたさを知ることができました。大切な誰かを亡くすことは悲しく寂しいことですが、その人が私たちに残してくれたものを改めて思い返すと、あたたかく豊かな気持ちになれるものです。「チャーちゃん」保坂和志作小沢さかえ画(福音館書店)「ぼくチャーちゃん、はっきり言っていま死んでいます。てか、踊っています」から始まる、死んだネコが主人公の絵本。死んだあといろいろなところで楽しく踊っているチャーちゃん。“踊っている”という表現に、天国でも楽しく過ごしてくれているんだろうなと、残された家族がホッとする内容です。愛するネコを亡くしたときにこの本を読んだ友人は、心が少し軽くなったのだとか。また「子どもたちが猫の死で悲しんで打ちひしがれてしまったらどうしよう…という不安も軽くしてくれたの」と話してくれました。今でも「天国でもごはんを探して、今日もいっぱい食べてるだろうね」と食いしん坊だったネコのことを思い出すそうです。命はめぐる。死ぬことは、変化のひとつ「葉っぱのフレディ―いのちの旅―」レオ・バスカーリア作みらいなな訳(童話屋)こちらは“葉の一生”を春夏秋冬を通して表現した絵本。春に芽吹き、夏には青々と茂っていた葉が、秋には枝から次々と落ちていきます。最後に枝に残った葉っぱのフレディとダニエル。「ぼく死ぬのがこわいよ」と言うフレディに、「死は変わることのひとつなんだよ」と答えるダニエル。葉っぱが緑から赤に変わることも、枝から落ちることも変化のひとつで、自然なことだという考え方が新鮮でした。“死”は終わりではなく次の“生”につながる、めぐりめぐる命の循環であること。そして私たち一人ひとりも連鎖の一部であり、自分にも役割があり、意味があるという大切なことも教えてくれます。今、生きている私たちにできる一番大切なことは…「ずーっとずっとだいすきだよ」ハンス・ウィルヘルムえとぶん久山太市やく(評論社)主人公の男の子と一緒に大きくなった犬のエルフィー。犬なので人間よりも早く年老いていきます。ある朝、エルフィーが亡くなっていました。家族みんながエルフィーの死を悲しみますが、主人公の男の子は、悲しみだけではない感情を抱きます。それは毎晩「ずーっとずっとだいすきだよ」と、エルフィーに気持ちを伝えていてよかったという気持ちでした。小学校1年生の教科書にも採用されているこの本は、三女が何度も繰り返し読み、暗唱してしまうくらいお気に入り。娘の音読で私の心に響くのは、「すきならすきっていってやればよかったのに…」というフレーズです。毎日何気なく生活をしていますが、大切な子どもたちや家族、ペットにも“愛しているよ”と、気持ちをしっかり伝えておかねばと、聞くたびに思うのでした。これらの絵本を読み返し、“死”について知ることは、今を大切に生きることにつながり、また今を生きる私たちにできる大切なことは、愛する人に“愛”を伝えることなのかも、と改めて考えさせられました。みなさんもぜひ手に取って読んでみてください。<文・写真:フリーランス記者林未香>
2019年02月19日息子が通うのは、のびのび系でお勉強が一切ない幼稚園。本格的なお勉強は小学校からでいいかなとママの私がのんびり構えていました。けれど、同じ年中クラスの友達がひらがなとカタカナをスラスラと書くのを見て、ひらがなとカタカナくらいは、そろそろ教えておいた方がいいのかも…と、自宅で教えてみることにしました。ドリルをやってみるもののすぐに挫折…さっそく、本屋で一番簡単なひらがなのドリルを購入してやらせてみたのですが、今まで勉強というものをしたことがない息子。鉛筆の持ち方も筆圧も安定しないので、ひらがな以前に書くこと自体が上手にできない状態。息子が嫌がりあっという間に挫折してしまいました。子どもは、楽しいとすぐ覚える!それなら、まずは読み方を教えようと、簡単な絵本を一緒に読みながら読み方を教えてみることに。すると、読むことの楽しさを覚え、あっという間にひらがなとカタカナをマスターしてしまいました。興味を持つと子どもって早い!息子が特に興味を持ち、役に立った絵本は以下の3冊でした。・「あっちゃんあがつく―たべものあいうえお」原案:みねよう、作:さいとうしのぶリーブル子どもが知っていそうな食べ物をあいうえお順に51個紹介している絵本。幼稚園にも置いてあるので子どももなじみがあったようでした。どの食べ物もおいしそうだし、擬人化された食べ物の様子をみて、アレコレ話すだけでも楽しい1冊です。作者さいとうしのぶさんの作品「しりとりしましょ!―たべものあいうえお」も、食べ物のしりとりが続く絵本なので、あわせて読むと喜んでいました。・「ノラネコぐんだん おすしやさん」作:工藤ノリコ白泉社大人気絵本の「ノラネコぐんだん」シリーズ。現在絵本は6冊発売されています。息子は、毎度毎度悪だくみを働くノラネコぐんだんに共感を覚えるのか、しつこいほど読み返しています。「ニャーニャー」や「ドッカーン」など、いつも登場するおなじみのフレーズがあるほか、あいうえお別にたくさんの言葉を紹介している「ノラネコぐんだん あいうえお」や、「ノラネコぐんだん かるた」なども発売されており、息子はこれでカタカナを覚えたと言っても過言ではないほど。作者に足を向けて寝れないほど感謝している絵本です。・「おしりたんてい いせきからのSOS」作・絵:トロルポプラ社NHKの人気アニメ「おしりたんてい」シリーズ。息子も大好きで、毎週食い入るように見ています。絵本のストーリーは少し長めなのですが、絵の中に隠れているおしりを探すページなどがあり、子どもが飽きない工夫がされているので、長い話に挑戦したい時に便利でした。文字が多く絵が少ないシリーズも刊行されているので、小学校になっても楽しめそうです。ひらがなとカタカナを覚えて変わったことひらがなとカタカナをすっかり読めるようになった息子は、本を自分で読んで理解できる楽しさに気づいたようで、ひとりで絵本を読む時間が増えました。また、幼稚園でもかるたで遊ぶグループに混ざったりするようになり、遊びの幅も広がったようです。自宅でも家族でかるたをして遊ぶことが増えました。さらに、しりとりにすっかりハマってしまい、ヒマさえあれば「しりとりをしよう!」と言うので、知っている言葉もとても増えました。そして、読み方をマスターしたことで、嫌がっていたドリルも自ら取り組むように。勉強に関しては息子が興味を持った時にやらせればと思っていましたが、ひらがなとカタカナを覚えたことで絵本を自ら楽しむ息子の姿を見ると、ときには親からやらせてみるのも必要なのかもと、親としても勉強になりました。小学校になって、息子の宿題も見てあげなければいけないことを考えると、やる気を引き出す方法などを、今のうちに探っておくのもいいのかもと考えています。<文・写真:フリーランスライター芳賀千歳>
2019年02月12日以前から、子どもの絵本の整理は悩みの種でした。リビングダイニングに絵本用の本棚を作ったのですが、それは子どもが自ら絵本を手に取れるようにしたかったからです。子どもが成長するにつれて、自分で絵本を選び片付けてくれるようになったのはいいのですが、同時に収納の悩みも発生しました。そこで、イケアのマガジンファイル「FLUNS(フルンス)」を使って解決することにしました。その方法をご紹介いたします。■ 理想は子どもでも出し入れしやすい絵本棚以前は、とある収納名人がオススメしていた「ボックス型のファイルボックス」に絵本を立てていました。しかし、すぐに我が家には合わないとわかります。なぜかというと、絵本を一度上に引っ張り上げて取り出さないといけないんですね。しかも両手を使わないとダメ。子どもには絵本ってまだ重いのです。そうすると、複数冊絵本を持ち出したい時なんかモタモタしちゃうんですよね。ということで、ボックス型のファイルボックスは諦めて、ただただ並べることにしました。スッキリしていい感じです。でも、これだと皆さんも経験済みだと思いますが、ぐちゃーと雪崩が起きてしまいます。雪崩が起きると、子どもの力では絵本を起こして立てることが難しく、上にどんどん重ねていくようになるんです。こうなると、あとは悪循環しかありません。子どもでも大人でも同じですが、上に絵本が積み重なると下に立ててある絵本は選ばなくなります。いつもいつも同じ絵本を持ってくるようになりました。これではいかん!ということで「雪崩を起こさない」かつ「取り出しやすい」絵本棚収納を考えました。■ イケアの「FLUNS(フルンス)」が使いやすいブックエンドに早変わり!家にあるもので何か作れないかと探してみると、イケアのマガジンファイル「FLUNS(フルンス)」が何パックが余っているのを見つけました。「FLUNS(フルンス)」は4ピース1セットになっていて、はっきりとした価格は覚えていませんが、とても安かったのだけは覚えています。今だとセールだそうで149円で売られていますよ(1月27日まで)。さて、このまま使うとなると横長の絵本が入りません。手前に立ち上がりがあってつっかえるので、絵本を上に引き上げないと取り出せない=両手で取り出さないといけない。ということで、フロント部分をハサミでチョキチョキ取り除きました。紙製だからできることですよね。こうすることで、手前にも引き出しやすく、雪崩防止にもなりました。横長の本もちゃんと収まりますよ。今回、筆者はイケアの「FLUNS(フルンス)」を使ったので、だいたい500円以内で作れました。この「FLUNS(フルンス)」はハサミで簡単に加工できるので、他にも冷蔵庫や冷凍庫の収納にも使っています。紙製なので汚れたり、くたびれたりしても普通ゴミとして処分できるのもいいところ。簡単に、お安く絵本収納できて満足してます!
2019年01月15日こんにちは、5歳の双子と1歳の末っ子、三姉妹の母、田仲ぱんだです。これは、まだ双子が1歳だったときのお話。よく双子を連れ立って図書館に行っていたときのエピソードです。 ■うっかり! 絵本を忘れてきてしまったいつも図書館で借りた本はまとめて決まったところに置いておくのですが、そのときは子どもたちが別の場所に置いてしまい、ついつい忘れてしまいました。その図書館は、1人10冊まで本を借りることができ、私は毎回、自分用の雑誌と子どもたち用の絵本を数冊借りていました。とくに1歳むけの絵本コーナーからまとめて、適当に借りていくことが多かったです。なので、なんの本を忘れてしまったのかわからず、私は司書さんに聞きました。 ■軽い気持ちでタイトルを聞いたら…すると司書の若いお兄さんは思わず「えっ!」と驚いた顔。お兄さんが思わず赤面してしまうその衝撃の絵本のタイトルとは… こちょこちょと…お、お、おっぱいいい!!?なんでよりにもよって、こんなタイトルの名前の本を忘れてきてしまったんでしょう!? なんでタイトルをお兄さんに言わせてしまったのでしょう!?まだ女性の司書さんなら、こんな恥ずかしい思いをさせずにすんだんじゃないか!? なんで、よりにもよって男性司書さんのカウンターに来てしまったのぉ? 私!?もちろん、私の名誉のためにも言っておきますが、お兄さんに「おっぱい」と言わせたいがために、わざと忘れてきたわけではありません! なんか1歳むけの絵本って、やっぱり赤ちゃんむけだから、こういう直接的なタイトル…多くありません?お兄さん、申し訳ない…心の底から申し訳ないっ!!!そう思いつつも「こちょこちょと、おっぱいって…おっぱいって…!」と、つい思い出し笑いをしながら帰路につく私なのでした。
2018年12月24日クリスマスのプレゼントにほしいものを聞かれたらクリスマスプレゼントはサンタさんから。でもじいじやばあばからも「クリスマスに何かプレゼントしたいんだけど…」と言われることも多いのでは?じいじやばあばも、かわいい孫たちに何をあげたらいいのか、悩んでいる人も多いようです。おもちゃをあげても、親(娘・息子)に「こんなの買ってきて!」と怒られる、といった心配もあるようですね。そんな時、絵本のプレゼントをお願いしてみてはいかがでしょう。じいじ・ばあばからプレゼントしてほしい絵本って?普段、親としては子どもに買い与えないけれど、プレゼントしてもらってうれしい絵本ってどんなものでしょう?しかけ絵本は、小さい子どもたちにはなかなか与えにくいものです。すぐに壊されると思うと買うのはためらってしまいますね。でもプレゼントなら子どもたちも大事にしてくれるかもしれませんよ。「ホワイトクリスマス」デビッド・ペルハム作、きたむらまさお訳、大日本絵画【概要】小さなてのひらサイズのしかけ絵本です。開くと、光の加減で影までも美しく見えます。【おすすめポイント】子どもにはもったいない気もするおしゃれなしかけ絵本。ツリーのそばに開いて飾っておくのもいいかもしれません。小さい子どもでも、「これは大事に扱わないといけないもの」ということが、ちゃんとわかって、そーっと丁寧に扱ってくれる様子を見るのもなんだかうれしいものです。いつも子育てをがんばっているママやパパも癒されますよ。1冊は手元にほしい定番クリスマス絵本「クリスマスのまえのばん」クレメント・クラーク・ムーア詩、リスベート・ツヴェルガー絵、江國香織訳、BL出版【概要】語り継がれてきた名作です。クリスマスの定番ともいえるお話で、いろいろな種類が出ていますが、美しい絵とやさしく語りかけるような訳文がとてもきれいです。【おすすめポイント】クリスマスの定番のおはなしとして、1冊は手元においておきたいクレメント・ムーアの「クリスマスのまえのばん」。その中でも大判で少しお値段も高めのこちらは、大人になってもずっと大切に持っておきたい1冊。じいじばあばからのプレゼントにぴったりです。今年出たばかりの絵本なら、かぶりの心配無用絵本はたくさん持っていそうだし、かといってプレゼントに何がほしいか事前に聞くのもちょっと…、というじいじばあばもいるかもしれません。何を持っているかわからないので、かぶる可能性もあると思うと少し不安ですね。それならば、今年発売されたばかりの絵本なら持っていない可能性大です!さりげなく、ママから「新しく出たクリスマス絵本がほしいな」なんてヒントをあげるのもいいかもしれません。「いち・にい・サンタ!」作:ひらぎみつえほるぷ出版【概要】サンタが元気に体操をします。陽気なサンタさんの掛け声が聞こえてきそうで、ついつい一緒に体を動かしたくなってしまいます。【おすすめポイント】指でキュキュッとサンタを動かしてみましょう。赤ちゃんにもわかりやすいはっきりとした色としかけが楽しい、元気がでる1冊です。じいじばあばからプレゼントしたなら、ぜひじいじばあばの読み聞かせで一緒に楽しみたいですね。一緒についつい笑顔になってしまいますよ!……もう1冊、大人気「ねこのピート」シリーズのクリスマスバージョンが登場しました!「ねこのピートクリスマスをとどけよう」作/エリック・リトウィン絵/ジェームス・ディーン訳/大友剛文字画/長谷川義史ひさかたチャイルド【概要】人気の「ねこのピートシリーズ」の第5作。今回は大事なクリスマスイブに、風邪をひいて寝込んでしまったサンタに代わって、ピートがサンタクロースになって大活躍します。【おすすめポイント】大人気のシリーズ最新刊に、喜んでくれること間違いなし!陽気でポジティブなピートの歌声にのせて、楽しく読めるよう、プレゼントする側も事前に下読みしておくといいかもしれませんね。「もらった絵本、気に入って何回も読んでって持ってくるよ」と伝えてみてかさばらずお値段も手ごろな絵本は、プレゼントに最適です。でもたくさんの絵本の中から何をプレゼントするかは、あげる方にとっては悩ましいものです。もらった後で、「おばあちゃんがプレゼントしてくれたあの絵本、気に入って何度も何度も読んでって持ってくるよ」と伝えたら、きっと喜んでくれるはず。事前に今、子どもが好きなことや最近読んでいる絵本などをさりげなく(笑)話しておくのもいいですね。また、絵本専門店に行くとおすすめの絵本をチョイスしてくれるので、「お店の人と仲良くなるといいよ」と教えても。じいじばあばの株が上がる1冊が見つかりますように。<文・写真:フリーランス記者鳥山由紀>
2018年12月09日