学校で起こるいじめは、被害者生徒の心身を深く傷付ける重大な問題。しかし、例え学校が問題解決に積極的であっても、さまざまな要因が重なって簡単には解決しないこともあります。3児の母親である、きむおかん(kimukimuokan)さんは、長男がいじめに遭ったエピソードをInstagramに公開。重度の牛乳アレルギーである長男は、中学2年生の時に学校でクラスメイトからゾッとする言葉を浴びせられて…。『ぼくが学校を捨てようと思った理由』※『画像を見る』をクリック後、右の矢印を押して続きのページをご覧ください。長男に対して失言を謝罪したものの、まったく反省をしていなかったクラスメイト。長男に粘着し、明確にいじめのターゲットにしてしまいました。もしかしたらアレルギーの認識が甘く、「冗談が大事になった」という逆恨みもあったのかもしれません。それから不登校になった長男は、『適応指導教室』に通いながら復学を目指すことに。なぜなら、教室にはいじめの加害者だけでなく、長男のことを想ってくれる友達もいたからなのでした。この後、転校か復学か心が揺れ動く出来事もありましたが、多くの人に支えられた長男は復学を希望。中学3年生となり、塾の宿題と学校の宿題に手こずりながらも日々を過ごしています。ドラマのように何事もすんなりとは解決せず、終わりの見えない苦しみに心折れるような思いをしている人もいるかもしれません。ですが、一歩ずつ前進していけば、いつかきっと出口が見えてくるでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年05月23日昨年4月に年少として入園した早生まれの息子。不安と期待を胸いっぱいに、幼稚園という小さな社会生活をスタートしました。何とか楽しそうに通ってくれていると安心したのも束の間、ある日息子が、「幼稚園で大嫌いって言われた」とポツリ…。あれから、ちょうど1年。これまでを振り返り、私の母としての反省を紹介したいと思います。幼稚園という初めての小さな社会の洗礼同じクラスには、満3歳クラスから進級してきたお友達や兄姉がいるお友達も多く、よい意味で揉まれてきている子たちとの新生活は、とても刺激的なようで息子は毎日楽しそうに通っていました。少し慣れたかなと思い始めたある日、夜寝る前にポツリと「幼稚園で大嫌いって言われた」と息子が言ってきました。「なにっ!?なんで?何かしたの?誰がそんなこと言ったの!?」と食いつきたいのを必死に抑え、その日は「そっかー、そんな日もあるよね」と返すので精いっぱいだった私。すぐに眠りに落ちた息子を見つめながら、「大嫌いって、大嫌いって…。何かしたのかな?いじめられてるのかな」と頭の中はパニック状態でした。まるで自分が、誰かに面と向かって「大嫌い」と言われたかのような、胸が張り裂けそうな瞬間でした。子ども同士のこととは思っていても、自分の子には言ってほしくないその後も、「もう遊ばないって言われた」「今日も大嫌いって言われた」と、私に報告してくる息子。「言われた時にどんな気持ちだった?」「それは悲しいね」と気持ちを共有し、「その子はなんでそんなこと言ったのかな?」「ママはあなたがそういう事をお友達に言ったら悲しいな」と伝えました。息子は、わかったようなわかっていないようなぼんやりとした反応ばかり。私は、とにかく自分の息子には、ほかの子ども達に同じようなことを言ってほしくないという一心でした。気持ちは寄り添いながらも冷静にこれは先生に相談すべきなのか…と、悶々とする親の私をさておき、マイナスなことを口にする割に、幼稚園は楽しそうに通っている息子。先生からも、「〇〇くんは、お友達と遊ぶのが上手ですね」と言われたり、お迎えに行くとお友達とキャッキャとはしゃいでいたり。どうも本人から聞く言葉がすべてではないような気がしてきました。また、最初の発言から2~3週間、様子を見ているうちに、どうやら話の一部分だけを切り取って私に話しているのだな、ということもわかってきました。例えば、息子の方がしつこくして、「もうやめて!一緒に遊ばない!」と言われた時も、息子が私に伝えるときは「〇〇くんが一緒に遊ばないって言った」という部分だけを伝えてきていたこともあったようです。起承転結でしっかり話すことは大人でも難しいのに、つい息子の発する一言だけに反応しすぎてしまっていたなと反省しました。ママたちと話して分かった新事実5月のある行事の後、同じクラスのママたちと話していたら、子ども達がそれぞれの家で同じようなことを言っている様子が見えてきました。どうやら、クラス内で「一緒に遊ばないよ」「大嫌い」と言うことが流行っているようでした。特に第1子で年少4月からの入園のママたちは、そんなわが子の発言を聞きながら、同じように家でモヤモヤしていたそう。この日、「うちだけではなかった!」となんだかとても安心したのを覚えています。あれから1年たって振り返ってみると、親子ともども幼稚園に慣れていなかった部分と、親として幼いわが子の伝える力を過信していたなと思います。これから先、お友達とのトラブルはどんどん増えてくると思います。今度は、本当に「大嫌い」と言われる日が来るかもしれません。そんな時は息子と一緒に動揺して心を乱すのではなく、母として冷静に見守り、寄り添う姿勢を忘れないようにしたいなと思っています。<文・写真:ライターさつき>
2020年05月15日2020年3月12日、アメリカの映画俳優、トム・ハンクスが自身のInstagramで新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の陽性反応が出たことを公表しました。その後、同月17日に無事退院しています。オーストラリアのニュースメディア『7NEWS』は、トム・ハンクスがコロナウイルスに感染したことをきっかけに、ある男の子と手紙のやり取りをしていたことを報じました。トム・ハンクス、8歳の男の子に神対応トム・ハンクスを心配して手紙を送ったのは、8歳のオーストラリアのゴールドコーストに住むコロナ・デブリースくん。同年4月6日に、トム・ハンクスへこのような手紙を書いたといいます。ニュースであなたとあなたの妻がコロナウイルスに感染したと聞きました。大丈夫ですか?自分の名前は好きだけど、学校では「コロナウイルス」と呼ばれます。そう呼ばれるととても悲しくて腹が立つ。7newsーより引用(和訳)コロナくんは、太陽の大気層を指す『コロナ』にちなんで名付けられました。しかし、学校では「コロナウイルス」と呼ばれていじめられているというのです。トム・ハンクスはコロナくんに対して、このような返信をしました。あなたの手紙は、私と妻をとても素晴らしい気分にさせてくれました。友達は、落ち込んでいる時には、元気にさせてくれるものです。私はもうアメリカに帰っていたので、テレビであなたのことを見ました。もう病気ではありませんでしたが、あなたの手紙をもらって、私はさらに気分がよくなりました。私が知る中で、あなたは太陽の周りの光冠のような『コロナ』という名前を持つ唯一の人です。このタイプライターは、あなたにお似合いだと思います。私はゴールドコーストに持って行っていたのですが、今はあなたのところへ戻ってきています。使い方は大人に聞いてみてください。それを使って私に返事を書いてください。7newsーより引用(和訳)返信とともに、トム・ハンクスは入院中に使用していたタイプライターを寄贈したといいます。 この投稿をInstagramで見る Tom Hanks(@tomhanks)がシェアした投稿 - 2020年 3月月17日午後2時19分PDTトム・ハンクスの神対応に、称賛の声が相次ぎました。・本当に素晴らしい人だな…。器が大きくて素敵すぎる。・さすがトム・ハンクス。男の子が救われるといいな…。・かっこいい!いじめは無くなってほしい。追伸には、自身が声優を務めたディズニー映画『トイ・ストーリー』の劇中歌、『You’ve got a friend in me!(君は友だち)』が直筆で書かれていました。いじめによって傷付いたコロナくんの心が、少しでもトム・ハンクスの優しさによって癒えるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月25日子どもの行動や交友関係を親が認識しやすい幼稚園時代。それに比べ、小学校に入学すると、クラスの友達や保護者と直接面識がないなど、今までとは違うことが増えます。あんふぁんWebのアンケートで「小学1年生の子ども同士のトラブル」について聞いたところ、友達関係や遊び方など、「幼稚園時代とは違うと感じた」という声が寄せられました。今回は5つの事例とそれぞれの対応を紹介します。ランドセルの色が違うから一緒に帰れない!?・どんなトラブル?娘が家の方向が同じ友達に、「一緒に帰ろう」と声をかけると、「〇〇ちゃんはランドセルの色が違うからダメ」と断られたそう。友達3人はたまたま同じキャメルのランドセルで、娘は赤いランドセルでした。一人で泣きながら帰ってきたので、事情を聞いたら、話してくれました。・どう対応しましたか?自分も子どものころ、友達同士で共通点を見つけるとうれしくなり、仲間意識が芽生えたことがよくありました。その友達も、娘を仲間外れにしたかったのではなく、同じ色のランドセルという共通点がうれしくて、そんな発言をしたのだと思います。その旨を分かりやすく、娘に伝えたうえで、「あなたは何も悪くない」「悲しかったけれど、しかえしをしてやろうなどと思わないこと」を話して聞かせました。担任の先生にも「こんなことがありました~」程度に伝えたところ、「どんなことが仲間外れになるのか」「一人で下校するのは危ないこと」という話をクラス全体にしてくださいました。その後は、みんなで仲良く下校してくるようになりました。・親として感じたことはわが子が悲しい思いをしていたら、親としては解決してあげたいし、泣かせた友達を叱りたい気持ちにもなります。でも子どもがいくつになってもそうやって親がトラブルを解決してあげるわけにはいきません。その悲しみがどんなに理不尽なことが原因だったとしても、成長していくうえで必要な経験です。また子どもには子どもの世界があるため、よほどのことでない限り、親がなんでもかんでも介入するのはご法度だと思います。大事なのは、子どもの話を聞いてあげること。そして共感してあげることだと思いました。(あささん/28歳)最初の友達づくりがうまくいかず…・どんなトラブル?いろいろな幼稚園や保育園から集まってくる小学校。最初の友達づくりがうまくいかず、なかなか友達の輪に入れなかったようです。特に幼稚園が同じで仲が良かった子から、仲間外れにされたことが本人は一番ショックだったらしく、少しの間「小学校に行きたくない」と言うようになりました。・どう対応しましたか?子どもの気持ちを尊重しながら、ゆっくりと話を聞いて、まずは一緒にどうすればよいかを考えました。ムリにがんばらなくても自分から話したいと思う子とゆっくり仲良くなればいいと決めて、あまり深く悩まずに過ごすようにしました。するとしばらくして、子どもから学校であったことや友達ができたことなどを楽しく話してくれるようになり、不安が解消されました。・親として感じたことは感受性が豊かな子どもは、些細な事でも深く考えてしまったり、落ち込んでしまったりします。その都度親が気にかけて、ゆっくり話を聞いてあげることが大切だと感じました。(みるきさん/28歳)集中攻撃などのいじわるが遊びに・どんなトラブル?小学校に上がると、仲良しの子とクラスが分かれたら遊ばなくなったり、3人など奇数で遊ぶと仲間外れにされたり、ドッヂボールなどの遊びで1人だけに集中攻撃したり…。いじわるが遊びになっている感じです。その子たちの親は「自分の子どもは悪くない」と言うし、解決策がなかなか見つかりません。・どう対応しましたか?担任の先生に任せました。親が介入するより、子ども同士で話し合って、いじめについて学ぶ時間を作ってもらうのがいいと思ったので。担任の先生に見守ってもらいながら、その場で「今のはいじめになるんだ」ということを教えてもらうのが一番いいと思います。・親として感じたことは?幼稚園時代より子ども同士のトラブルが増えてきます。今は昔と違い、ゲームやタブレット、スマホがないと仲間外れにされたり、ネット上でのいじめが増えたりとひどくなっているのが心配。人の気持ちをもっと考えたり感じたりする体験が必要だと思います。(MEIちゃんさん/39歳)子どもの個性で合う合わないが出てくる・どんなトラブル?息子の不在時をねらって、わが家に訪ねてきた同級生の男の子3人。「最近〇〇くん(息子)の態度が気に入らないので、叱ってほしい」とのこと。息子にきいたところ、気が合わない友達のようで、いつも言い合いになってしまうとのこと。この子たちにいじめられているのではないかと心配になりました。・どう対応しましたか?そっくりそのまま先生へ報告。それぞれの言い分を第三者の先生に聞いてもらい、お互いによくなかった点を謝って、手打ちになりました。・親として感じたことは?幼稚園のときはあまり気にならなかったのですが、年齢が上がってくるにつれて、子どもの個性がかなり出てきます。得意なこと、不得意なこと、おとなしい子、活発な子、家庭環境などいろいろな要因で「気が合わない子」「苦手な子」が出てきて、誰とでも仲良しではいられなくなるよう。どう解決していくか…課題です。(めいさん/42歳)どこまで一人で行動させるかが家庭次第・どんなトラブル?小学生になり、子どもだけで遊びに出かけることが増えました。子どもだけの行動範囲をどこまでOKとするかが各家庭によってさまざま。1年生だと、子ども同士の約束もあいまいだったりするので、「え?そんな遠くまで行くの?」「そんなに家が遠いのにこ、ここから1人で帰れるの?」など、毎日子どもの約束に振り回されました。・どう対応しましたか?私は娘を迎えに行ったけど、相手の親は来ていない。でも、そのお友達を1人で帰るのはなんだか心配…となり、結局自宅付近まで送る(ついていく)ことに。夕方、眠くてぐずる下の子を連れての移動はなかなかのストレスでした。・親として感じたことは1年生の子どもをどこまで1人で行動させるか、とても悩みました。まわりの保護者の判断も気になるところですか、「うちはうち」という気持ちをしっかり持って、子どもに伝えていかないといけないと思いました。(かんなママさん/41歳)<あんふぁんWeb編集部>※2019年12月25日~2020年1月15日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:150件
2020年03月30日人気イラストレーターのしばたまさんが、フォロワーのみなさんから募集した実話のエピソードを漫画化!今回は…「スカッとするお話」です!みんなエライ!!!byしばたま▼前回の記事を見る【ほっこりする話】夫に教えてあげたい! 混雑の優先エレベーターで出会ったのは…【スカッとする話】「無痛分娩?あり得ない!」無痛で産む私におばさんが激怒。すると…【感動する話】新幹線で騒ぐ我が子…冷たい視線に耐え切れず席を立った、その時!\おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月11日あんふぁんWebのアンケートに寄せられた「友達とのトラブルエピソード」。あなたは、わが子が「仲間外れになっている」と話したとき、「いじめられている?」と感じたときに、親としてどう対応しますか?今回は、未就学児の保護者から寄せられた6ケースのトラブルの内容、その時の対応や感じたことを紹介します。みなさん、まずはわが子の話をよく聞き、気持ちに寄り添うことや共感することを大切にしています。息子だけ遊びに呼ばれなくなって・どんなトラブル?息子は、いつも4人グループで仲良くしていました。よく遊んでいたのに、誘われなくなり、仲間外れに。その中の1人の家で遊ぶことになったときも「〇〇くん(息子)は呼ばない」と直接言われて傷ついていました。本人が話してくれて知りました。・どう対応しましたか?「ほかの子とも遊んでみたら?」と息子に提案しましたが、やはりその友達グループと遊びたいようでした。気まずい思いをすることも多々ありましたが、卒園するまでは、おつき合いを続けました。・親として感じたことは自分の子どもの言うことだけを信じるわけではありませんが、子どもの世界に親がどこまで出て行っていいのか分からず、モヤモヤしたものがありました。親同士は無理してまでつき合うものではないとも思いました。(チーター/子ども4歳)仲良しの友達2人から仲間外れに・どんなトラブル?娘が仲良くしていた友達2人から仲間外れにされるようになりました。声をかけても返事をしてくれなかったりしたようです。「もう幼稚園に行きたくない」と言うようになったときに、気がつきました。じっくり話を聞いたら、泣きながら話をしてくれました。・どう対応しましたか?できるだけ娘と過ごす時間を増やし、ゆっくり話を聞いたり、遊んだりするようにしました。今では仲直りできて、以前のように楽しく園に通っています。・親として感じたことはもう少し娘のことを知る努力が必要だと思いました。(ふーみん/子ども5歳)何度も「ばか、キライ」とたたかれる・どんなトラブル?同じクラスの女の子に、「ばか、キライ」と言われてたたかれていたようです。一度だけでなく何度も。夜に寝かしつけていると、急に涙ぐんで「明日、幼稚園行くの?」と聞いてきて。「幼稚園で嫌なことがあったの?」と尋ねたら、話してくれました。・どう対応しましたか?担任の先生にお話ししました。先生が2人に話を聞いて、間をとりもってくれて、相手の子が謝ってくれたので、一応仲直りの形になりました。・親として感じたことは?暴力的だったり、暴言を吐く子には、家庭の事情も関係していると感じました。トラブルになった子も淋しさがあるのかなと思いました。(はりせんぼん/子ども3歳)バスで隣に座らせてくれない・どんなトラブル?朝の登園のバスで、隣に座ろうとすると、手でバツを作り、「ここは座れない」と言われ、ションボリしながら、ほかの子と座っていました。毎朝見送るときにされているのを見て気づきました。・どう対応しましたか?先生に相談しました。・親として感じたことは毎朝、バスに乗りたくないというので、バスの席は先生が決めてくれたらいいなぁと思います。バス内のトラブルは、担任の先生が乗車しているわけではないので、いろいろあって。見てないときにたたかれたりしていることも多いんですよね。(ともたん/子ども5歳)腕をかまれて歯形がクッキリ…・どんなトラブル?園にお迎えにいったところ、子どもの腕に歯形がクッキリ。先生は、相手の名前は伏せて報告してくれましたが、子どもはハッキリと名前を伝えてきました。同じ子に何度も噛まれているようなので、気になりますが、それだけ近くで同じ遊びを楽しんでいるようでもあり…。まだ幼いので、気をつけるようにと言うのもなんだか違うしなと悩みました。・どう対応しましたか?少なくともわが子が、「やられたからやり返す」ということのないように、「友達を噛まないように」と伝えました。またよく話を聞くと、その子が遊んでいるおもちゃをとったりと、こちらにも非があるようなので、「きちんとお口で言おうね」などと話をしました。・親として感じたことはお互い様の気持ちで、構えることにしました。(むこむこ/子ども3歳未満)友達に「あなたは100番目」と言われてショック・どんなトラブル?夏休み前に、園の席グループが一緒の友達に「〇〇(娘の名前)は100番目」と言われたことが、ずっと胸の内にあったようです。思い返してみれば夏休みが始まってすぐのイベントなどで友達に会ったときの子どもの様子がいつもと違いました。夏休みが終わるころ、夜寝る前に不意に話し始めました。ショックで、なかなか話せずにいたようでした。・どう対応しましたか?その友達は娘によくお手紙を書いてくれたりしていたし、今までと様子も変わらなかったので、悪気があって言ったわけではないのではないかと思いました。そこで、娘のショックな気持ちを受け止め、共感したあと、その友達のよい面やキライで言ったのではないと思うことなどを話しました。娘も理解し、夏休み後も元気に園へ行きました。・親として感じたことは?子ども同士の言葉足らずが原因で、伝わり方が違ったときには、親が助言できたらよいなと思います。ただ、基本的にぶつかるところはぶつかって学ぶと思うので、子どもがヘルプを出してきたときに、でしゃばり過ぎずに解決していきたいです。そのためにまずはわが子との信頼関係をつくり、コミュニケーションを円滑にして、子どもが困ったときにに話しやすい家庭を築いていきたいです。(あられ/子ども4歳)<あんふぁんWeb編集部>※2019年12月25日~2020年1月15日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:150件
2020年02月29日日々流れるニュースのなかでも頻繁に目にするのは、子どもたちに対するいじめや虐待、貧困に関する悲惨な出来事。もはや見過ごすことができない現代のなかで誕生したのが、子どもたちを取り巻く闇を描いた映画『子どもたちをよろしく』。そこで、本作に出演を果たしたこちらの方にお話をうかがってきました。写真・大嶋千尋(鎌滝えり)主演を務めた鎌滝えりさん!【映画、ときどき私】 vol. 296劇中で義理の父親から性的虐待を受けたことをきっかけに、風俗産業で働く優樹菜を演じた鎌滝さん。園子温監督のNetflixオリジナル映画『愛なき森で叫べ』では、約3000人のオーディションから抜擢され、大胆な演技を披露して話題となった大注目の若手女優のひとりです。今回は、劇場公開映画初主演となった現場で感じたことや悩みを抱える人たちに届けたい思いについて語ってもらいました。―最初に脚本を読んだときから、この作品に参加したいと強く思われていたそうですが、どのあたりに惹かれたのでしょうか。鎌滝さん私が演じた優樹菜は最後にある決断をするのですが、ああいう環境で生きてきた女性なら、こういう選択をするだろうなとリアルに感じられたので、そのシーンを読んだときに「絶対に自分が演じたい」という思いが強くなりました。観た方のなかには、「えっ!?」と驚く人と「よくやった!」という2つにわかれているそうですが、私は後者のほう。彼女がそれによって幸せになるかはわからないですが、あの家庭にいたら、そういう道を選ぶんじゃないかなと思いました。―デリヘルで働いている女性の役でもありましたが、その設定はすんなりと受け入れられましたか?鎌滝さん彼女のそういう状況こそが映画の核になっている部分でもありましたし、デリヘルで働いているのにも理由があったので、私自身はまったく抵抗ありませんでした。戦う姿と精神性に強い共感を覚えた―厳しい状況のなかでも、優樹菜の持つ強さを感じました。ご自身が共感したところはありましたか?鎌滝さん今回、そういう部分はすごく多かったですね。特に、優樹菜は自分がいる家庭環境を何とかして変えようとがんばっていたので、現状に向かって戦う姿や精神性には強い共感を覚えました。―役作りにおいて意識したことがあれば、教えてください。鎌滝さん現場では、義理の父親役の村上淳さんと実の母親役の有森也実さんが家族としての空間を作り、ひっぱってくださいました。なので、事前に打ち合わせたりすることもなく、いきなり撮影に入り、そこでそれぞれが考えてきたことをぶつけ合っていくような感じだったと思います。―確かに、村上さんと有森さんの醸し出す空気感は、非常に生々しいものがありました。鎌滝さん本当に、すばらしかったです。この作品は私にとって初めての映画の現場だったので、そわそわしているときもありました。でも、初日に村上さんが「どんな球を投げてきてもいいよ、僕が全部拾うから。ただ、僕と目を合わせて話してくれたら大丈夫だよ」と声を掛けてくださったんです。そんなふうに全部を受け止めてくださったおかげで、村上さんとのシーンも雰囲気を出すことができたと思っています。恵まれた環境のなかで演じることができた―すべてを委ねることができる環境だったんですね。有森さんからもアドバイスを受けたそうですが、同じ女優として学んだことも多かったのでは?鎌滝さんたくさんありましたが、役に関してだと、私たち母娘はこれまでにこういう人生を一緒に生きてきたよね、といったお話を聞かせてくださったりしました。話をしていないときでもつねにこちらの存在を認識してくださる空気が伝わってきたので、それもすごく居心地よくて。本当のお母さんと一緒にいるような感覚がありました。そのほかにも、私が感情を爆発させなければいけないシーンではずっと肩を抱いてくださったり、衣装が乱れたらそっと直してくださったりして、「なんて美しい女性なんだろう」といま思い出しても胸がいっぱいになることばかりです。今回、村上さんや有森さんのような方々とご一緒できて、本当に恵まれていると思いました。―とはいえ、劇場公開初めての映画で主演ということに、かなりプレッシャーを感じていたのではないかと思います。振り返ってみていかがですか?鎌滝さん正直言ってプレッシャーはあったと思いますが、こういった題材の作品は以前からやりたいという気持ちが強かったので、まずは参加できるだけでうれしかったです。ただ、どうしたらその思いをちゃんと伝えられるかということは、撮影前からずっと考えていました。そういったこともあって、すごく緊張して現場に入りましたが、周りのみなさんがフォローしてくださったので、素晴らしい環境のなかでこの作品に取り組むことができたと思います。だからこそ、完成した作品を観たときには、「伝えるべきことはスクリーンのなかに全部映っている」と感じました。―本作では、子どもたちのいじめや貧困、虐待について考えさせられる部分が多かったですが、作品に入る前に調べたこともありましたか?鎌滝さんもちろんリサーチもしましたが、撮影中にもテレビをつければそういうニュースがいくつも流れていましたし、生活しているだけでも目に入ってくるので、胸が苦しくなることはありました。でも、こういう時代だからこそ、こういったテーマに関わることには意味があると思っています。役者の自分にしかできない責任を感じた―この作品を経て、ニュースの見方や思いに変化もあったのでは?鎌滝さんもともと関心があって、自分なりに考えていたことなので、そこで変わったというのはありませんでした。いじめや虐待といったものをなくすのは簡単な話ではありませんが、そういった状況から脱出して強く生きていこうとしている人はたくさんいますから。でも、そういう役を演じる立場にいるのであれば、役者の自分にしかできないことに責任を持ちたいという意識は、この作品に関わったことで、より強くなったと思います。―それによって、役者になった理由もより明確になったということでしょうか。鎌滝さんそうですね、すごく明確になりました。自分の役者人生において、早い段階でこういった役を演じることができたのは、すごく意味のあることだと改めて感じています。実際にこういうことはたくさん起きていることだと思うので、若い人や同じような思いをしている方が観てくださったらうれしいですし、この作品が持っているメッセージを多くの方に伝えたいです。自分が好きなことを追求していきたい―ご自身は小学校と中学校で不登校を経験されたとのことですが、何かきっかけがありましたか?鎌滝さんいじめがあったとかではなく、些細な出来事が理由だったり、幼くて自分の感情がうまくコントロールできなかったり、ということがきっかけだったと思います。そのときに私は無理に学校に行かなくても、自分が好きなことを追求できればいいと考えていたんですよね。今回のテーマに直接つながっているわけではないですが、そういった経験があったからこそ、この作品で私にできることがあるんじゃないかと感じていました。―その後、高校に行くことで克服されたそうですが、そこで心境の変化があったのですか?鎌滝さん勉強をしていない時期があったので、学びたいという気持ちが強くなったからだと思います。しかも、役者というのはつねに学んでいかないといけない職業なので、もっといろいろなことを吸収したいとか、世の中で何が起きているのか知りたいという欲求がこの仕事に出会ったことで爆発したのかもしれません。きっかけがあれば人はいくらでも変われる―もし同じような思いを抱えて学校に行けない子たちに、鎌滝さんが声をかけるとすれば、どんなことを伝えたい?鎌滝さん社会的に「学生はこうしなければいけない」とか「家庭はこうあるべきだ」ということがあったとしても、私は自由に生きていいと思っています。もちろん勉強はしたほうがいいとは思うので、学校に行かなくていいとは言いませんが、自分がどうしてもやりたいことを見つけたのであれば、学校に行かないことに罪悪感を抱くよりも、自分で責任を背負ったうえで好きなように生きるべき。「自由でいいんだよ」ということは、同じ思いを抱えている人には伝えたいですね。私が勇気づけるとまでは言いませんが、役者としてがんばっている姿を見せることで、「こういう人もいるんだ」と思ってもらえたらうれしいなと思います。―ご自身が変われた転機をあげるとすれば?鎌滝さんたとえば、いまこうして役者のお仕事をしていることは、不登校のときからは考えられないこと。昔は、「私が人前に立つなんて絶対に無理!」と思っていましたが、きっかけがあれば人はいくらでも変われるんだと思いました。それは、いろいろな方からもらった言葉とか、この仕事と出会ったことによるものですが、本当に小さなことの積み重ね。ありえないと思っていたことも、ありえるようになるんですよね。そんなふうに、変わることができるんだというのを私が証明できるようにがんばりたいです。感性を磨きながら冒険もしたい―役者さんは自分の人生が反映されるところもあると思うので、ご自身が目指す女性像や今後挑戦したいことを教えてください。鎌滝さん私は強さと柔らかさの両方を持っている人に憧れているので、キャリアウーマンになりたいですね(笑)。あとは、以前よりもいろんなことにチャレンジしたいと思うようになったので、英語の勉強を始めました。というのも、Netflixの作品に出演したとき、海外の方からコメントをいただくことが多かったんですが、言葉がわからないという理由で世界が狭まってしまうのはよくないなと感じたからです。しかも、最近は海外の言語が話せないと参加できないオーディションもたくさんあるので、将来的に海外の作品を見据えていくためにも、英語を話せるようになりたいと思っています。あとは、自分がいままで見たことのない世界をもっと見たいですし、いろいろなことに興味があるので、プライベートでは感性を磨きつつ、冒険もしたいです。インタビューを終えてみて……。透明感があって穏やかで、繊細な雰囲気を漂わせつつ、芯の強さを感じさせるまっすぐな瞳が印象的な鎌滝さん。すでに振り幅の大きさを発揮している女優さんなので、今後ますますのご活躍を楽しみにしたいと思います。現実の裏側にある真実があぶりだされる!思わず目を背けたくなるような現代社会が抱える闇に深く切り込んだ本作。声にならない子どもたちの叫び、苦しみ、そしてそれぞれの決断を目の当たりにしたとき、いまの私たちが向き合うべき問題が見えてくるはずです。ストーリー家族に秘密でデリヘル嬢として働く優樹菜は、実の母親・妙子と義父の辰郎、そして辰郎の連れ子である稔と4人で暮らし。しかし、辰郎は酒に酔うと、妙子に暴力を振るい、優樹菜には性暴力を繰り返していた。稔は父と母に不満を感じるいっぽうで、優樹菜には淡い思いを抱いていたが、ある日姉の職業を疑うようになる。学校では稔の同級生である洋一がいじめの標的とされていたが、稔も自分がいじめられる側になるのではないかと、怯えるようになるのだった。居場所をなくした彼らが下した決断とは……。胸をえぐる予告編はこちら!作品情報『子どもたちをよろしく』2月29日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開配給:太秦©子どもたちをよろしく製作運動体スタイリスト:阪上秀平ヘアメイク:綾波麗
2020年02月28日こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。今回は、 「『夏休み明け不登校』子どもが発するSOS、原因、対処法」 という記事に寄せられたお悩みです。記事では、長期休暇期間と登校期間の生活時間配分などに気をつけながら様子を見ていきましょうとお話ししましたが、今回寄せられたのが、「先生が原因で子供が不登校ぎみになっている場合」に対するご相談です。■質問:先生と合わない我が子「我慢しなさい」と言うしかないのか…小学5年の子どもをもつ母です。4年生までは、なんの問題もなく通っていた学校に、5年生に上がってから登校をグズるようになりました。進級と同時に担任が変わり、子どもにかけるような言葉ではない発言をされる先生で悩んでます。学校にも何度か相談しましたが改善しません。これからどうしていけばいいでしょうか? 子どもに「我慢しなさい」と言いきかせるほかはないのでしょうか? ■回答:まずは子どもの気持ちを受け止め「あなたの味方だよ」と伝える子どもの登校しぶりの原因が、担任の先生にありそうなことはわかっているのですね。では、もし子どもが学校を休みたいと言うならば、一旦気持ちを立て直す意味でも、お休みさせてよいと私は思います。親としては当然心配ですし、不安になる気持ちもあると思います。しかし、まずは「先生が何と言おうと、親は絶対にあなたの味方」ということを子どもに話し、安心させてあげることが先決です。おそらく、子どもは先生の心ない言葉で自信をなくしたり、傷ついているのでしょう。その気持ちを受けとめ癒してあげるほうが、無理して登校させるより大切だと感じます。そして、お母さん自身も一緒にゆっくり休んで元気を取り戻しましょう。■「先生だからといって絶対正しいわけではない」ことを話すでは、これからどうしていけばいいのでしょうか。子どもに「我慢しなさい」と言い聞かせることは、私はあまりおすすめしません。「先生の言葉に納得できないかもしれないけれど、あなた自身が学校で面倒な存在になってしまうから、無理にでも納得すべき」と子どもに我慢を強いてしまうと、「親は自分の味方にはなってくれない」と子どもに不信感を抱かせてしまうからです。子どもには「先生の言うことが、いつも絶対正しいわけではない。だからと言って、間違っているわけでもない。正誤ではなく、それがこの先生の考え方というだけ」と伝えるのはいかがでしょうか。例えば、先生が「男子のくせに、こんなこんなこともできないのか?」と発言したとします。しかし、それは真実でも正しいことでもなく、その先生が「男子=できて当然」と思っているだけ。世界中の人みんなが同じ考えではないのですから、「自分はダメだ」などと落ち込む必要はないのです。この先生が実際はどのような言葉をかけているのかはわかりませんが、おかしいと感じた時「どういうことですか?」「では、どうすればいいか教えてください」と子どもから聞き返すように促してもいいかもしれません。ただし、これは子どもの性格によってできる・できないがあるでしょう。先生の言葉があまりにも感情的な内容であれば、「真に受けなくていいよ」と聞き流すようにアドバイスするのもいいでしょう。本来、「先生」とは人格が優れ、周りのお手本となる存在であってほしいものですが、必ずしもそういう人ばかりが教職を選ぶわけではないのがとても残念ですよね。同じように感じている保護者がほかにもいるかもしれません。目に余る発言が続くようなら、ほかの保護者にも働きかけるなどして、学校へのアプローチは続けたほうがいいと思います。■不登校を防ぐ「反面教師からの学び」と「学校内の逃げ場」かつては、親や先生、上司の言うことを何も考えずに「はい、はい」と聞いていれば一生安泰で、穏やかな老後が待っていると大多数の人が考えていましたし、実際その通りの場合も多かったでしょう。しかし、現在は全く違う世界になりつつありますよね。変化の早い今の時代を生きていくためにも、子どもの頃から自分の頭で考え、行動する力が求められています。そういった力を養う意味で、この先生の言動を教材としてみてもいいのではないかと思います。子どもには「先生にどんなことを言われ、どんな風に嫌だったかをママに話してね」と伝えておき、子どもの言葉にきちんと耳を傾けましょう。子どもが先生の言葉をどうとらえ、それに対しどのような判断を持ったか、自分ならどのように相手に伝えようと思うかなどを聞きます。その子どもの考えを親が認めてあげたり、違う視点を提供したりすることで、子ども自身に自分で考え対応する力がついてくると思います。また、担任以外で、子どもの気持ちに寄り添ってくれる先生を学校内で見つけておくというのもいいでしょう。担任に何を言われても、気持ちをわかってくれる先生がほかにいるという「逃げ場」が学校にあると思えば、子どもも少し気が楽になるのではないでしょうか。今はつらいかもしれませんが、親が笑顔で子どもに「絶対に味方でいるから、あなたは何があっても大丈夫」と伝えてあげれば、子どもも少しずつ自信を取り戻すでしょう。先生より誰より、ママに信頼されていることが子どもにとっては一番励みになりますからね。これからも皆さんのお悩みに答えていきたいと思います。お気軽に、下の読者アンケートにお寄せください。お待ちしております。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2020年02月20日あんふぁんWebのアンケートで「子ども同士のトラブル」について聞いたところ、多かったのが「たたく、噛みつく、ひっかく」などのトラブル。特に3歳〜6歳の園児同士に多いようです。「園でのできごとだと、直接その様子を見ていないため状況が分かりにくい」「幼い子どもたちのトラブルに、どこまで親が関与すべきかがわからない」という声とともに、「トラブルがあったときに相手の保護者ときちんと話ができると解決するのが早い」という声も。子どもの話に耳を傾けて寄り添いつつ、園の先生や相手の保護者とどう連携をとるかが重要ですね。今回は7つのトラブルとそれぞれの対応を紹介します。毎日たたかれ、押されて、泣いていた・どんなトラブル?息子が年少のころ、3月生まれで体が小さかったためにターゲットにされていたのか、まだ言葉があまり出ない友達に、毎日のようにたたかれたり、ひっかかれたり、押されたりしていました。園では毎日泣いていたようです。・どう対応しましたか?毎日、幼稚園の先生から連絡があり、どのようなことがあったのか報告を受けていました。園全体で問題を認識し、対応してくださっていたので、夫と話し合い、園にお任せするということを決めました。相手の園児の名前は明かされませんでした。・親として感じたことはトラブルが起こって、自分の子どもが一方的に傷をつくって帰ってきたときに、親としてどう対応することが正しいのかわからず、すごく悩みました。幼稚園の先生方は、本当に真摯に対応してくださっていたので、とても助かりました。結局、時間がたって、ターゲットが変わったり、年中になって、その子自身が言葉をしっかり話せるようになると問題行動はなくなりました。(ちい/子ども3歳)お昼寝のときにいつも顔をたたかれる・どんなトラブル?幼稚園に入って間もないころ、いつも楽しそうに帰宅していたのに、ある日からすごくションボリしだしました。粘り強く、ワケを聞き出してみると、友達がお昼寝の時に近寄ってきて、毎回、顔をたたかれていたそうです。・どう対応しましたか?担任の先生に、息子が話してくれたことを相談しました。先生は「今後は2人のお昼寝の場所を離して、そのようなことが起こっていないか注意深く見守ります」と言ってくださいました。それからしばらくは補助の先生が息子の隣についてくださったので、安心して通えるようになりました。・親として感じたことはいろいろな性格の子どもがいるので、日々トラブルがあるのは仕方がないと思います。自分の子どもの様子に気づいてあげられるようにしないとなと思いました。(ぽこぽこ/子ども3歳)何度もほおに噛みつかれた・どんなトラブル?物を拾ってあげようとした息子。取られたと勘違いした子が、息子のほおに噛みついたようです。次の日も同じことが。乱暴な子どもなので、先生も手におえず。その子のお母さんも困っているようだったので、とりあえずは子どもたちの様子を見守ることにしました。・どう対応しましたか?何度もやられていましたが、楽しいから一緒にいてケンカになることが分かり、今はあまり口出ししたり、心配しないようにしています。男の子なのでということもありますが。・親として感じたことは?子ども同士でなんとかできる場合は多くないけれど、本人が気持ちの整理ができていれば、母親ほど尾を引く話ではないんだなと思いました。(あい/子ども4歳)年上の子から理由なく叩かれる・どんなトラブル?年少の夏休みのこと。預かり保育中に、毎日、年長さんから、理由なくたたかれたり、仲間外れにされることがありました。本人が朝から「今日は幼稚園に行きたくない」というので、話を聞いて知りました。・どう対応しましたか?預かり保育担当の先生にその件を話して、気をつけて娘の様子を見てほしいと伝えました。そして、その年長さんに先生から注意をしてもらいましたが、一向に状況が変わらないので、直接その子のママを待ち伏せしてお話ししました。そのママは理解のある人でしたので、すぐ対処してくれて和解。今はその子が卒園しても、そのママとラインをしたり遊んだりするくらい仲良くなりました。・親として感じたことは?親同士が仲が良いと、こういったトラブルは少ないのかなと思いました。(とど/子ども3歳)ラグビーごっこでタックルされ、壁に激突・どんなトラブル?ラグビーが流行っていたときのこと。友達に後ろからタックルされて、壁に激突。息子の額が紫になって帰ってきました。・どう対応しましたか?担任の先生から電話がきて、状況を聞きました。しかし後日、タックルした子のお母さんに会っても何も言われず、モヤモヤしたままです。・親として感じたことは子ども同士はすぐ仲直りしますが、親がどこまで介入するか、いつも悩みます。(杏奏ママ/子ども6歳)ちょっかいを出されるのがイヤで登園を渋る・どんなトラブル?同じクラスの男の子にちょっかいを出され、それがイヤで幼稚園を休むようになりました。その子はほかの子にも同じようなことをしていたようです。本人が「〇〇くんにたたかれた」「髪の毛を引っ張られた」と言ったので、その詳しく話を聞いて分かりました。・どう対応しましたか?クラス担任の先生に相談して、子どものことをもっと見てほしいと伝えました。子どもにも「イヤなことがあったり、イヤなことをされたら先生が助けてくれるから大丈夫だよ」と伝えました。今でもその子はちょっかいを出してくると言っていますが、子ども自身も対処の仕方を学んでいるようで、登園してくれています。・親として感じたことはまだ年少なので、いやがらせやいじめのようなものではないと思っています。親がどこまで首を突っ込んでいいのか、線引きが難しいなと感じました。(める/子ども5歳)ひっかいたり、暴言を吐かれる・どんなトラブル?クラスで意地悪をする女の子が1人います。娘だけではないのですが、いろいろな子に対して、いきなりひっかいたり、暴言を吐いたりすることが多々あるようです。娘が「〇〇ちゃんからこんなことされた」と報告してくることが多くなり、気にしているようでした。・どう対応しましたか?担任の先生に状況を伝えると、ほかの保護者からも同じような意見やクレームがあると言われました。先生も状況は把握しているので、その都度見守ったり、中に入って対処しているとのことで安心しました。娘に対しては「〇〇ちゃんは、お友達に優しくする方法がまだわからないんだって。あなたは悪くないから、気にしなくていいよ。何かあったら先生にすぐ言ってね」と話しました。今でも意地悪されることはありますが、娘も対処方法を身につけつつあり、それほど気にしないようになりました。・親として感じたことは園でのトラブルに親が介入するのは難しいので、まずは先生に相談して、一緒に対処方法を考えるのがよいと思いました。そのうえで、娘にも状況や対処方法をきちんと説明すれば、落ち着いて対応できるようになるということを学びました。(める/子ども5歳)<あんふぁんWeb編集部>※2019年12月25日~2020年1月15日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:150件
2020年02月18日あんふぁんWebのアンケートで「子ども同士のトラブル」について聞いたところ、150件の回答が寄せられました。今回は3歳〜中高生までの中で一番書き込みが多かった、小学1年生の子ども同士のトラブルとそれに対する親の対応の6つのケースを紹介します。小学1年生は卒園してまだ1年。子どもの様子をみて話を聞きだしたり、先生へ相談したり、親がどう行動するかが大切ですね。※2019年12月25日~2020年1月15日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:150件いじめ?悪ふざけ?カサが壊れていた・どんなトラブル?カサを1週間で3回も壊してきたことがありました。破けて使えないほどで、さすがに悪ふざけで遊んでいたにしてもケガにつながると思いました。・どう対応しましたか?担任の先生に相談しました。双方の意見(子ども、親の見解)も食い違ってすごく疲れました。本人たちに聞いても、悪ふざけなのかそれともいじめの領域なのかが分からず。そして上級生も一緒だったりしたので、相手の親が先輩ママさんでもあり、すごく精神的に疲れました。・親として感じたことは学校に報告や相談をすることが大事だなと、つくづく思いました。(たか、44歳)荷物を持たされて帰宅した・どんなトラブル?子どもが同じマンションの子に、学校の帰りに荷物を持たされたと言って帰ってきました。いじめではないかと心配しました。・どう対応しましたか?本人がイヤだったと話をしたので、担任の先生に報告しました。本人にもまたされたら言うようにと伝えました。それからはなかったようなので安心しました。・親として感じたことは?イヤなことはイヤだと言うように伝えるのが大事。解決できなければ大人が中にしっかり入りたいと思いました。(みい、40歳)仲間外れにされ、悪口を言われるように・どんなトラブル?同じグループの同級生数人から、突然仲間外れにされたり、悪口を言われるようになった。本人が「学校に行きたくない」と言ってきたので理由を聞いて知った。・どう対応しましたか?担任の先生に連絡帳を通して相談。その日のうちに、本人と同級生を集めて「なぜいじめるのか」を聞きだしてくれたらしく、夕方には担任から電話連絡があった。同級生はいじめというより遊びの延長でからかっている認識だったようだが、それはダメだとしっかり言い聞かせてくれ、問題はなくなった。・親として感じたことは?異変に気づいたら、とにかくすぐ担任の先生に相談すること。悩む時間がムダと思えるほど、早く解決できた。一度相談しておくと、先生も様子を気にしてくださるので、安心できる。(マッキー、41歳)「〇〇ちゃんの方が大事」と言われて・どんなトラブル?「明日友達と遊ぶ約束をした」とうれしそうに話をしていて、翌朝も「今日遊ぶんだ~」と張り切って登校したのですが、泣きながら帰ってきました。しばらく泣きじゃくって落ち着いてから聞くと、「今日は〇〇ちゃんと遊ぶ、〇〇ちゃんの方が大事だから」と言われたそう。・どう対応しましたか?その子と〇〇ちゃんは同じ幼稚園で、以前から仲良しだったよう。娘だけ違う幼稚園だったため「仕方ないよ、幼稚園からのお友達なんだし、あなたもこれから一緒に仲良くなっていけば大丈夫」となぐさめました。 次の日には元気に登校し、その子とも今では他の子も交えて公園で仲良く遊んでいます。・親として感じたことはまだ小学1年生だったので、すぐ立ち直ってよかったです。親が思うより子ども同士で解決することもあるので、見守ることも大事だと思いました。ただ高学年になると簡単には解決できないことも増えるので、親としての見極めを誤らないよう気をつけていきたいと思います。(あゆママ、45歳)違うルートで下校しようと誘われる・どんなトラブル?帰りが遅いので理由を聞いたところ、新しく友達になった子が、「登下校コースではない道を帰ろう」と言っていたみたいで、知らない人の敷地にも勝手に入っていたことが分かりました。わが子には「それはダメだよ」と言い聞かせたのですが、友達は聞く耳を持ってくれないようで、何度か私が途中まで迎えに行って、ダメな理由を説明しにいったことがありました。・どう対応しましたか?私もお迎えに行ったりしましたが、なかなか話を聞いてくれないので担任の先生に相談しました。相手のお母さんにもお伝えしてもらうことにしました。・親として感じたことは幼稚園では顔見知りの子がほとんどなので、親もなんとなくわかるけれど、小学校に入ると知らない子も多く、情報が少なくていろいろ大変だなと思いました。(おまみ、33歳)娘とだけ仲良くしないように、まわりに言う・どんなトラブル?仲良くしていた3人組の中、1人だけ仲間外れに。中心の1人が「〇〇ちゃん(娘)と仲良くしたら許さないからね」と言っていたらしく、無視されたりしたようです。・どう対応しましたか?娘本人が担任の先生に相談し、間に入って話をしてもらいました。謝罪されたそうで、一応仲直りはしましたが、2年生になり別のクラスになったこともあり、ほとんど交流はなくなったようです。・親として感じたことは一方的に解決しようとせず、担任の先生に任せた方がいいと思います。性格的に合わない場合などは、自然に離れていくので(似た性格の子で集まりだすので)あまり心配する必要はないのかなと思います。(マム、39歳)<あんふぁんWeb編集部>
2020年01月26日筆者は、ライターとして教育記事を手掛けることが多いのですが、とりわけ特別支援教育に関心があります。なぜなら、私には広汎性発達障害の診断を受けた息子がいるからです。彼は、小学校の低学年の時に支援学級(通級)に通い、適切な特別支援を受けることができました。そのおかげで、今は通常学級のみの在籍で楽しそうに学校に通ってます。》 「「うちの子、発達障害かも!?」と思ったら」 発達障害の子、LGBTQの子、外国にルーツのある子など、教室のなかには多様な子どもたちがいます。それぞれの子のニーズに合った支援の必要性が、ようやく認知されるようになってきました。そういう意味で、最近の教育現場では、「多様性」がキーワードのひとつになっています。【LGBTQとは】L(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシュアル)、T(トランスジェンダー)。そして「Q」はQuestioning(自分の性別がわからない、もしくは意図的に決めていない人)、Queer(セクシュアルマイノリティの総称、枠組みに囚われない人)として使われています。■クラスの中にLGBTQの子どもたちはいる筆者は、ある教育雑誌の記事に「13人に1人がLGBT。この数字は日本の左利きの人口とほぼ一緒です」というフレーズを書きました。割合から推測すれば、LGBTQの子どもたちはクラスに2~3人はいるのかもしれません。そんな子どもたちが安心して過ごすために、大人ができることは? パナソニックセンター東京で行われた、教育関係者を中心とした『LGBTQ』のワークショップに参加してきました。私が参加したワークショップグループのメンバーは、「養護教諭」、「ユニバーサルデザインに関心がある建築家」、「企業のダイバーシティ推進室所属の会社員」、「当事者の発信者」、そして教育ライターの私の5人です。さまざまな立場の人が、それぞれの立脚点から、このトピックに関心を寄せていることがわかります。質問に対して、グループのみんなで話し合い、その後、登壇者の方たちも、同じ質問に回答をするという形式で進められました。 ■LGBTQの子どもたちの苦しみとは最初の質問は、「映画を見た感想を語り合いましょう」。オーストラリアの映像作品でトランスジェンダーの少女(出生時男性→女性)が主人公の映画『新入生』(原題:First Day)を見たあと、グループに分かれてワークショップを行いました。【映画『新入生』とは…】トランスジェンダーの少女ハナーは小学生の時、男の子として過ごしていました。進学は本当の自分になるチャンスです。ところが、入学初日が近づくにつれて、ハナーは不安になっていきます。トランスジェンダーだということが他の生徒に知られてしまったらどうしよう?登壇したそれぞれの方の「背景」が垣間見えたので、それを含めてご紹介します。小林 りょう子(こばやし りょうこ)さん子どもからカミングアウトを受け、性的マイノリティの子の親として、LGBT当事者や家族の支援活動を行っている。小林さんの38歳になる息子さんは、出生時の性は女性でした。小林さんが映画の中で最もグッときたのは、ハナーちゃんが制服を着た時の表情だったそうです。息子さんに、「男性の制服を着せてあげたかった」と、涙ぐんでいらっしゃったのが印象に残りました。浅沼 智也(あさぬま ともや)さんトランス男性(出生時女性→男性)。看護師。LGBTQであり、精神疾患や発達障害、依存症などの複合的な問題を抱える当事者のぴあサポートをしている団体カラフル@はーと代表。浅沼さんは、「自分は何も悪いことをしていないのに、トランスジェンダーということは隠し通さなければいけないと感じてしまう、その苦しさを思い出した」と。浦田 幸奈(うらた ゆきな)さんトランス女性(出生時男性→女性)。 愛知県の中学校教諭。2017年、学級・学年・職員に性同一性障害をカミングアウト。2018年度より女性名・女性の装いで教壇に立つ。特定非営利活動法人ASTA所属。浦田さんは、映画の中での、いわゆる「誰でもトイレ」の話に言及。「『男子トイレ(たくさん)』『誰でもトイレ(ひとつ)』『「女子トイレ(たくさん)』。 この『たくさん・ひとつ・たくさん』とあった時の、『ひとつ』を使うということは、隅に追いやられている感じがして、思った以上に孤独感を味わう」と。「映画の中では、ハナーの事情を知らない同級生が、『今度私もそこに行きたい!』言うのですが、その発言に歩み寄るというか寄り添う感じがした」とも。知花 梨花(ちばな りか)さんトランス女性(出生時男性→女性)。ジェンダークリニックで看護師をしながら女優として活動。ジェンダークリニックで性に違和感を抱える方のケアをされている実感として、「性別を移行するということは、世間体、家族、会社などとの関係性もあり、長い時間を要します。現実として、『女性ホルモン(男性ホルモン)を打てれば幸せなんです』と、外見の見た目は変わらないという人も多いです」と。■「無知」が多様な性を阻害している次の質問は、「多様な性を阻害しているものは、何だと思いますか?」。私たちのグループから出た意見は、「無知」「世間体」「旧態依然とした制度」の3つでした。登壇者の方からの意見も大別すれば、この3つのどれかに含まるのでは? と、感じました。小林さんからは、「無知である」ということを象徴する具体的なエピソードとして、「文部科学省から2016年4月1日に教員向けの手引書が出されているのに、現場の先生に浸透していない」という問題が指摘されました。手引書は、ネットで誰でも見ることができるので、ぜひご覧ください。教育現場のLGBTQの子どもたちへの対応については、情報インフラがまったく整っていないと感じます。私が取材を通じて遭遇した教育現場の現実をいくつかご紹介しましょう。■共生社会をつくるには「多様性を目指す教員の会」の勉強会に参加したときのこと。多様な性に関する教育現場などでの発信をされている中島潤(なかじまじゅん)さんのお名刺に、「生まれた命が、生き抜ける社会を」と印刷されていました。中島さんは、「今年から、この文言を印刷しました」とおっしゃっていました。どんな現実があるのか、ぜひ今後、ウーマンエキサイトでもご紹介していきたいと考えています。▼性を揶揄する言葉が教室内で使われている当事者の子どもたちは、性を揶揄(やゆ)する言葉で傷つくことが多々あるそうです。そうした言動を、先生方が見て見ぬふりをしているというのは、LGBTQの子どもたちや保護者の集まりで必ず話題になる事柄だそうです。▼性に対しての配慮と合理的配慮の混同LGBTQの子への配慮が合理的配慮と混同され、診断書の提出を求められることが多いことも教育現場の混乱のひとつでしょう。合理的配慮を受ける場合は、たしかに診断書が必要です。ただ、性に対しての配慮は、合理的配慮とは別物です。たとえば、「名前シールで、赤・青といった性別二元論ではない対応をして欲しい」というのは、けっしして「わがまま」という範疇の話ではないのです。■すべての子がありのままの自分でいられるためにこうした教育現場の現実を踏まえ、最後の質問に突入します。「すべての子どもがありのままの自分でいられる社会を実現するために必要なことは?」私たちのグループから出た意見は「まずは、知ることなのでは?」ということでした。私は今年に入ってから多様な性に関する記事を書くようになりましたが、正直なところ、いまだ「手探りで書いている」という状態です。2019年現在、多様な性を知るための情報が、圧倒的に少なすぎる…。浦田さんは、「知ることで、できることが見えてくる。多様性を知ることを楽しみつつ、その人たちが笑顔になるために自分ができることを考える人が増えたらうれしい」と、おっしゃっていました。ワークショップのチラシには、「目に見える違い、見えない違い、それぞれの人が『人と人との違い』にさまざまな思いを持ちながら過ごしています」と、書いてありました。「知らないこと」に対しては、誰だって身構えてしまいます。そんな自分を、「だから悪いんだ」と思うのではなく、「何に対して自分は身構えているのだろう?」 そういったことから、ゆっくりと自分と対話を始めてみようと思いました。知花さんが、「今日感じたことを、まずは、みなさんの言葉で伝えて、広げていって欲しい」と、おっしゃっていました。私が感じたことの何かひとつでも、皆さんの心に届くとうれしいです。<参考サイト>●文部科学省: 「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、 児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」 (教職員向け)[pdf]●多様性を目指す教員の会: 公式HP DIVERSITY&INCLUSIONイベント第6弾『LGBTQ』~すべての子どもがありのままの自分でいられる社会を目指して~
2019年12月01日教員による教員への“いじめ問題”が発覚した神戸市立東須磨小学校。各メディアによると同校は10月16日、保護者向けに説明会を開催。給食でカレーを提供することを一時中止すると発表した。加害教員が被害教員に対し、激辛カレーを強制的に食べさせられる動画が話題となったこの問題。ショックを受けたであろう児童たちへの対応策としているという。Twitterでは「カレー中止」について賛否が分かれている。賛成する声は、こう理解を示している。《俺が生徒なら給食でカレーが出ると事件を思い出して嫌だし、小学生だから悪ふざけをする可能性もあるし、中止の措置は間違ってないと思うけどな》《児童がカレーで例の動画を連想して気分が悪くなってしまう子が複数人いたからってテレビで言ってたので一概にバカバカしい対応だとは思わない》《子どもってストレスに触れると、弱る方向にいかずに、急に粗暴になったりして対応しようとする子もいるから、とりあえずカレーを出さないのはすべての生徒に対して当たり前の対応だと思うよ。繊細さって発露の仕方が違う》いっぽう「食育」や「教育」という観点から、こんな否定的な声が上がっている。《給食は単に食事ということでなく食育。だからこそカレーを排除ではなく美味しく素晴らしいことを食を通して伝え、悪いのはあの暴力的行為であることを伝えるべきで》《小学校の給食にカレーが出るのは「食育」。それをやめてしまうのは「オトナの一方的な勝手都合」。何が一番「ためにならないか」を実践してどうするよ》《給食のカレー中止問題、給食は子どもたちにとってただの腹を満たす食事ではなく食育的な側面もあると思うんだ とことん教育って意識が低い学校に思える》そんななか、全国のインド料理屋からは「カレーに罪はない」といった声が上がっている。17日、静岡県にあるインド料理屋はTwitterで《給食のカレーに罪はありません》とつづり、従業員と思しき4名が笑顔で手を合わせる写真をアップ。すると1日たらずで5.2万件のリツイートと15.2万件もの“いいね”を記録した。また他のインド料理屋からも《給食のカレーを助けてあげてください》《給食のカレーに罪はありません》《給食のカレーは許してあげてください》との声が上がっている。さらにハッシュタグ「#カレーに罪はない」がトレンド入りを果たし、《カレーに罪はない。軽い冤罪》《なかば強引に共犯にされたカレーさんですら辞めるのに教諭たちはなに自宅療養してんの?》とカレーを擁護する声が相次いでいる。
2019年10月18日神戸市立東須磨小学校の教員による教員への“いじめ問題”について、加害教員4人それぞれの謝罪コメントが10月16日に公開された。しかし、主犯格とされる女性教員のコメントに非難の声が止まない。神戸新聞によると30代男性教員の3人はそれぞれのコメントで「ここまで被害教員を大切に育ててこられたご家族の皆さま、このたびはこのようなあってはならない事態を引き起こしてしまい、大変申し訳ありません」「東須磨小の子どもたちや保護者の皆さんには、申し訳ない気持ちです」「東須磨小の子どもたちは、素直な明るい子どもたちなので、そこを伸ばしてほしいと願っています。ただ、私の行為はその成長の邪魔をしてしまったと思っています」などと被害を受けた教員や同校の子供達に向けて謝罪や反省の意をつづっている。いっぽう主犯格とされる40代女性教員はコメントでまず「子どもたちに対しては、こんな形になって申し訳ないです。子どもたちを精いっぱい愛してきたつもりですが、他の職員を傷つけることになり、子どもたちの前に出られなくなり、申し訳ありません」と切り出した。そして「被害教員に対しては、ただ申し訳ないというしかありません」とつづりながらも、こう明かした。「本当にそれまでは、被害教員には自分の思いがあって接していたつもりです。自分の行動が間違っていることに気付かず、彼が苦しんでいる姿を見ることは、かわいがってきただけに本当につらいです」そして、「どうなっているのかと、ずっと思っています」と結んでいる。その謝罪の順番や内容、「可愛がってきた」などの文言がTwitterで注目を集め「女性教員」がトレンド入り。そして、非難の声が殺到している。《40代女性教員の「かわいがってきただけに」という件が恐いな。DVとかする人の発言に似てる》《かわいがってたのに苦しんでてつらいみたいな事言っててまるで他人事だし。誰のせいで苦しんでるのか理解できてなさそう》《というか女性教員謝ってないな……ひたすら「私なりにかわいがったつもりだったけど違ったのね」しか言ってないな》《私が被害者なら、この40代女性加害者には「いえ。もう勝手に私のことを想うことも止めて下さい。念を送られてるようで怖いです。」って言うと思う》10日の神戸新聞によると被害教員は子供達に「いつか、みんなの前でまた元気になった姿を必ず見せに行きます。その日を夢見て先生も頑張ります」とつづり、保護者たちには「僕が作った学級通信や子供への手紙を宝物だと言ってくださった経験が今の僕の宝物です」「たくさんご心配やご迷惑をお掛けしてすみません」とのメッセージを送ったという。
2019年10月17日子どもたちが保育園や幼稚園、学校などにスムーズに通えることが、あたり前と思う人もいるかもしれません。でもときに子どもから「行きたくない」と言われ、頭を悩ませた経験がある人もいるでしょう。今回は、子どもたちが「園や学校に行きたくない」と言ったときの対処法について、アンケートをもとに考えてみたいと思います。■6割以上の親が「行きたくない」を経験アンケートでは、「園や学校に行きたくない」と言われたことがあるかどうか聞きました。その結果、「よくある」、「時々ある」、「数回だけある」と答えた人が合わせて63.3%となり、6割以上のパパやママたちが「ある」と答えたことがわかりました。一方で、「ほとんどない」、「ない」と答えたのはあわせて35.6%で、「園や学校に行きたくない」と言われたことのある人の方が多い結果になりましたQ.「園や学校行きたくない」と言われたことある?よくある 16.8%時々ある 17.5%数回だけある 29.0%ほとんどない 19.1%ない 16.5%その他 1.0%■行きたくない理由1、「お母さんといっしょにいたい」アンケートに寄せられたコメントからは、子どもたちが園や学校に行きたくない理由は複数あることがわかります。それぞれの理由について、具体的なエピソードをみていきたいと思います。「息子が保育園の時によく言っていました。サービス業の私は日曜日仕事のことが多く、一緒にいたかったみたいです」(新潟県 40代女性)「保育園時代は毎日泣いていました。泣きすぎておう吐してしまうほど。仕事に行くのが、本当につらかったです」(福島県 30代女性)「小学1年になって間もなく、ある日突然『行かない!』と。スクールカウンセラーの先生に相談したところ、『赤ちゃんがえり』だと言われました」(鳥取県 40代女性)園児や小学校低学年の子どもたちの親を中心に、「親と離れたくない」という理由から登園や登校を嫌がるエピソードが多く寄せられました。嫌がる子どもを前に、後ろ髪を引かれる親たちの様子が目に浮かびます。筆者自身も、2歳で幼稚園に通い始めて、毎朝号泣する長男を泣く泣く園のバスに乗せていました。幼稚園や保育園での生活は、初めて親と離れて過ごす第一歩。「離れたくない」という思いは、成長の証とも言えそうです。■行きたくない理由2、「いじめがつらくて教室に入れない」学校生活を送る子どもたちの親から寄せられたのは、学校でのいじめや友人との人間関係に悩んだ子どもたちから発せられた「行きたくない」の声です。「小学生のとき、長い間いじめられていて、『行きたくない』と言いました。先生を信じて話したら否定されたときには、『もう学校やめたい』と」(神奈川県 40代女性)「長男が1年生のときから意地悪されて、『行きたくない』と言っています。学童では、うちの子がやり返さずに泣いてしまうから面白がって集団で意地悪された。学童に行かないで済むならそうしたい」(静岡県 40代女性)「長女は中2のときにクラスのグループメールのやりとりでトラブルになり、教室に入れなくなった。本人の気持ちとしては、学校には行きたいけど、どうしても教室には入れない、苦しかったと思う」(神奈川県 40代女性)どのコメントも、胸が痛くなるような子どもたちのエピソードがつづられています。学校に通い始めると、子ども同士だけのやり取りや関係性が深くなっていき、親がをすべて把握するのは難しくなっていきます。しかし多くの親は、子どもたちの「行きたくない」理由がいじめによっているのであれば、その事実を把握したいと思っていることでしょう。■行きたくない理由3、「先生が怖い…」また、子ども同士ではなく、先生との関係性に苦しんでいるという声も多く寄せられていました。「幼稚園のとき、突然『園バスに乗らない。行きたくない』と泣きだし、これが何日も続きました。そのうち本格的に登園拒否が始まり、しばらくして、原因は担任の先生が意地悪だからとわかりました」(神奈川県 50代女性)「担任の先生に陰険なことをされたり、怒ってばかりで先生が怖かったりで、学校に行きたがらなくなりました」(和歌山県 40代女性)「原因は校長でした。何かうまくできないことがあると、『そんな事もできないのか? 学校来なくていいから』と言われたり、1人だけ休み時間に個室に入れられて勉強させられたこともありました」(島根県 20代女性)園や学校では、担任の先生といっしょに過ごす時間が長いため、うまく関係が築けないと子どもにとっては大きなストレスになってしまいます。もしかしたら本当に先生の方に原因がある場合もあるかもしれません。しかし、人間同士でのやりとりには相性の良し悪しが出てしまうことも事実としてあるように思えます。コメントのなかには、「娘が男性の担任を嫌がり、学校に行きたくないと言った」というものもあり、担任の先生との付き合い方の難しさを実感させられます。■行きたくない理由4、「集団生活が合わない」また、そもそも『集団生活が合わない』という声も寄せられていました。「現在小1男児ですが、行きたくない時期に波があり、変化の時期はつらい様子。小学生になってからは、あきらかに精神的な腹痛が毎日のようになり、保健室登校をしています」(神奈川県 40代女性)「下の子は人見知りが激しい性格のため、集団行動、団体生活になじめないようで、幼稚園から5年生になった今でも毎朝、『気持ち悪い、おなかが痛い』と嫌々登校していきます」(千葉県 30代女性)「『HSC』をご存じでしょうか? とても敏感に感じてしまう特性です。 新しい環境、騒がしい教室、ちょとした言葉で傷つくなど普通の子にはなんてことはないことに、ストレスを感じ悩まされてるのです。わが子は騒がしい教室、先生が他の子をしかる声に、家で体を震わせていました」(神奈川県 40代女性)人一倍敏感な気質の子どもを表す「ハイリー・センシティブ・チャイルド(HSC)」についてのコメントも寄せられていました。集団生活が合わないという子どものなかには、かなり深刻な理由を抱えている子もいて、それに悩む親子の様子がうかがえます。■行きたくない理由5、「通学がつらい」などさまざまな意見園や学校に行きたくない理由は、本当にさまざまなようです。ここからはそのほかに寄せられたコメントをいくつかご紹介します。●通学がつらい●偏食のため給食を食べることが苦痛●保育園で昼寝が嫌さらに、「理由がわからない」という声も寄せられていて、園や学校に行けない理由が単純なものではないことが伝わってきます。■「学校が好きでたまらない!」一方で、3割以上の親は、子どもが「園や学校に行きたくない」と言ったことは「ない」、もしくは「ほとんどない」とと答えています。「園についたら一回ハグを求められて、後は振り向きもせず園庭に駆けていく。頼もしいけどちょっとさみしい」(広島県 30代女性)「いつ言われるかと心の準備だけはしてきましたが、高校卒業まであと半年。心配は、取り越し苦労に終わりそうです。いまは中学高校通算6年間、皆勤賞を狙っているようです」(神奈川県 50代女性)「学校が好きでたまらないのか、登校指定時間の15分以上も早く学校に行ってます。家から5分とかからない場所ですが、『あと20分遅く出ればパパと一緒に出られるのに』と思ってしまいますね」(東京都 50代男性)「学校に行きたくないと言われたことはなく、むしろ大事をとり休ませたくても休んでくれなくて困ったことはありました。意地悪を言われたり嫌なこともあるみたいですが、学校を休む事自体がそもそも嫌みたいです」(神奈川県 40代女性)寄せられた声からは、園や学校が大好きだという無邪気な姿と、真面目にがんばる姿の両方が目に浮かびます。「親としてはちょっと寂しい」という意見もありましたが、子どもたちにとっての居場所があるということには、親として安心できますよね。ただ、「体調を崩していても行きたい」という子どもたちの姿勢には、心配する声も寄せられていて、時にはストップをかけてあげるのも親の役目かもしれません。■「行きたくない」と言われたら……それでは、「園や学校に行きたくない」と子どもから言われたとき、親としてはどのように対応すればいいのでしょうか。コメントからヒントを探してみたいと思います。<その1、友だちや人の手を借りる>●下の子が年少の時、行きたくないと泣いていましたが、仲良くしてくれる友だちができて、無事に行けるように。友達の力は大きい●学校で嫌がらせされていましたが、仲の良い友だちがかばってくれて改善した●1年生の頃は集団登校が嫌で学校に行きたくないと泣いていた。ある日、事情を知った近所のおばさんが娘の登校時間に合わせて犬の散歩をしてくれて、登校できるようになりました<その2、必要に応じて親が介入する >●イジメが原因だったので、担任に手紙を書き、道徳の授業でイジメに関して授業をしてもらいました●子どもたちの「行きたくない」はしょっちゅうです。そのなかで、本当にSOSを出しているものを見抜くのは親の役目。私がイジメにすぐ気づいて、担任に対処してもらい、解決したことがありました<その3、行きたくない気持ちを受け止める>●元気がないときは「何かあった?」と声をかける。少し間を置いたときは、次の言葉が核心である可能性が高いので、子どもの気持ちを受け止めて、どうしたいか、どうできるかをいっしょに考えてあげる●「なんで行きたくないの」と子どもを問い詰めるのは逆効果。「そうだね、行きたくないよね」と同調してあげると気分が落ち着いたようだった●初めて幼稚園に行くときから数日は全身で拒否されましたが、成長と共に必ず通る道。私と家が最高の避難場所になってあげることが大事だなと思います<その4、一時的に休ませる>●年長の時に「行きたくない」って言われたので「行かなくていいよ!」と話して、丸1日ズル休みをして遊びに行ったら「次の日にはやっぱり行く!」って言いました。つらい時はちょっと回り道するのもアリですよね●幼稚園の時に小児科で「休ませるなら期間を決めること。両親でよく考えて決めること。決めたならそこからブレない事」と言われて、結局1週間休ませました●「本当にだめそうかな?」って時は休ませて悩みを聞く。そうすると、本人もすっきりするみたいで次の日からは普通に行きます<その5、園や学校をやめる、長く休む>●娘が高校で不登校になり、通信制高校に転校。いい同級生に囲まれて、1年遅れで無事に高校を卒業しました●長女は学校に行っていません。でも毎日元気に過ごしています●中2の夏休みから長い休みをとりました。今では、高校は毎日行けるようになり、建築の勉強が楽しいみたいですどのコメントからも、子どもへの愛情が垣間見え、親として何がしてあげられるか考え、行動していることがわかります。きっとどんなパパもママも、子どもの「行きたくない」という言葉を聞いたら、最初は戸惑ってしまったのではないでしょうか。それでも、子どもがどんな対応を求めているのか、親である自身には何ができるのか考えて行動したパパとママたちからのコメントは、大きなヒントとなります。最後に、こんなコメントもご紹介します。「長男が保育園登園をぐずり途方にくれていた時、先生に『保育園に行きたくないというのは、おうちでお母さんとの関係がとてもいいという証拠ですよ』と言われ、気持ちが楽になりました」(茨城県 40代女性)「勉強できてもできなくても、運動できてもできなくても、『行きたくない』ってことはある。大人だって仕事に行きたくないってことあるんだから!」(山口県 40代女性)「子どもの言葉を優先し、休ませると休み癖をつけてしまうのではないか? 子どもの気持ちを励まし、登校させてつらい思いを増やしてしまうのではないか? 命より大事なモノなどありませんが、欠席か登校させるかの判断は、やはり日々ともに過ごし、当人の顔を見ている家族のみんなで判断するしかないですよね」(神奈川県 50代女性)子どもの「園や学校に行きたくない」という声は、転じて「家にいたい」というメッセージを発している場合もあるようです。家族との関係がうまくいっているからこそ、子どもがSOSを出せているということを聞くと、親としても少し落ち着いた判断ができる気がします。嫌がる子どもを前に、最終的に園や学校に行かせるか休ませるか、親としては判断を迫られることもあるでしょう。「一度休ませたら、ずっと行けなくなってしまう」と思うと、なかなか休ませてあげられないと感じる人は多いと思います。また、筆者自身もそうですが、「仕事があるから、行ってもらわないと困る」という切実な思いがあることも確かです。そうした働くパパやママたちの思いを子どもももしかしたら敏感に感じ取っているかもしれません。ただ、子どもたちが本当に深刻な状況になる前に、「園や学校に行きたくない」というSOSを出してきたら、そのときにできるだけ子どもに向きあって、いっしょにどうすればいいか考えてあげることが大切でしょう。忙しい日々の中でも、子どもの気持ちに寄り添う時間は少しでも作り、何か変わった様子がないか気にかける、そうした日々の積み重ねが、子どもたちの助けになると信じたいと思います。Q.「園や学校行きたくない」と言われたことある?アンケート回答数:4482件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年10月06日いじめやいじめによる自殺が後を絶たない。被害者側が「学校が対応してくれなかった」と訴える姿もよく目にする。そんななか「いじめ保険」が登場し、話題を呼んでいる。そこで、経済ジャーナリストの荻原博子さんが「いじめ保険」について解説してくれた――。■弁護士に依頼する費用が補償される「いじめ保険」いじめ保険は、いじめが起きた際、弁護士に相談し介入してもらうことを前提に、弁護士費用の一部を補償する保険です。いじめが起きたら即、保険金がおりる、というものではありません。今年5月にエール少額短期保険から発売され、正式名称は「弁護士保険コモン」といいます。どんなものなのか、見ていきましょう。補償は大きく分けて2種類です。1つ目は「法律相談料」の実費補償です。いじめが起きた際、弁護士に相談するには、相談料がかかります。相談料は弁護士によりますが、30分ごとに5,000円かかるのが一般的。その費用が保険でまかなえます(事案ごとに上限あり)。また、誰に相談していいのかわからない方は「弁護士検索サポート」を利用し、3,000人の登録弁護士の中から、トラブルに見合った弁護士を選ぶこともできます。2つ目は「法務費用」の補償です。弁護士に介入を依頼すると、着手金や手数料・日当などの法務費用が必要です。弁護士保険コモンでは最大70%を補償します。また、いじめなど子どもの問題だけでなく、ご近所トラブルや職場でのパワハラやセクハラなど契約者のトラブルもカバーできます。保険料は、補償額に応じて変わります。弁護士保険コモンは月2,640円〜で、補償額の低い「弁護士保険コモンライト」なら月1,180円。保険は1年契約で、自動車保険のような等級制です。前年に保険を使わなければ、翌年は等級が上がり、保険料が安くなります。いじめは人ごとではなく、「子どものために」と検討する方もいるでしょう。ですが、3つの注意点もよく確認してください。【1】加入前から続くいじめは対象外現在すでにいじめを受けている方は、加入できない場合も。加入できたとしても、加入前に始まったいじめは補償されません。【2】加入から3カ月は待機期間待機期間中にいじめが始まっても、補償の対象外です。【3】補償は弁護士費用全額ではない弁護士保険コモンで補償される法務費用は最大70%。残り30%は自腹ですし、弁護士の交通費など補償に含まれない費用もあります。最後に、こうした保険以外にも、弁護士に無料で相談できる方法があることを知っておきましょう。自治体では、定期的に法律相談を実施しています。国は「法テラス」を設置し、無料相談や弁護士費用の立て替えなども行っています。さらに「弁護士ドットコム」という法律相談サイトでも、無料のメール相談や弁護士検索などができます。いじめは深刻な問題です。家庭や学校の対応だけで解決できない場合は、弁護士に頼るという選択肢があることを覚えておいてください。
2019年09月13日子どもが学校に通い始めると、今までとは異なる学習・生活環境にわが子が適応できているのか、楽しく過ごせているのか、と心配になりますよね。特に第1子の場合、子どもはもちろん、親にとってもすべてが初めて尽くし。私も少し緊張感のある毎日を送っていました。そんなある日、「もしかして娘がいじめられているのでは!?」と、私自身が冷静さを失うできごとが起きました。今回の記事では、その時の私がとった行動と、そこから学んだ教訓をお伝えします。小学校に入学して初めて娘が泣いた日長女は、小学校に入学してから毎日帰宅後に「今日も学校楽しかったよ!」と笑顔いっぱいで報告してくれていました。しかし、入学から数か月が経過したある日、とても暗い表情で帰宅。気になって「どうしたの?」とたずねたところ、ポロポロと泣き始めました。娘が絞り出した言葉は、「怖かった」のひとことのみ。しばらく時間をおいて再度理由をたずねたところ、教室で1人ひとりが自分のイスを持って整列している時に、後ろに並んでいる男の子が、何かをきっかけにして怒り出し、イスを娘に投げつけようとしたとのことです。娘いわく、「自分は何もしていないのに、そのような態度を取られてとても怖かった。先生もその時の状況を見ていなかった」と。この話を聞いたとき、私は怒りに震えあがりました。大事に育ててきた娘が、楽しく通っていた学校で初めて怖い思いをしたと聞いて、冷静でいられなくなったのです。「ウチの子は何もしていないのに、なんでそんな怖い目に遭わされなきゃいけないの!その男の子の親はどんな教育をしているの!」まず私は「その男の子の家に文句を言いに行かねば」と思いました(娘と学童が一緒だったので、その子の家の場所もわかっていました)。ただし、私ひとりでは心細かったので、夫が帰ってくるのを一旦待つことに。怒りに震える私が冷静さを取り戻すまで夫が帰ってきて事情を話すと、夫は意外なまでに冷静でした。「娘は自分に非はないと言っているけど、もしかしたらそうじゃないかもしれない。まずは担任の先生に相談してみよう。先輩ママにもこういうときどうしたらよいか、聞いてみたら?」夫に諭されたこともあり、まずは連絡帳に娘から聞いたその日のできごとを記載し、先生からのコメントを待ちました。また、先輩ママたち数人にもすぐ連絡を取り、アドバイスをもらうことにしました。先輩ママたちからは、・決して男の子の親に直接話に行くべきではない(相手も突然のことで冷静さを失う可能性が高い)・まずは教育のプロである先生にフォローをお願いする、それでも解決できない場合は学年主任、校長先生、教育委員会、外部機関など、順を追って対応していくとよいと助言をもらいました。特に、先輩ママのひとりには、「その男の子も、小学校に入学して環境が変わり、少し心に余裕がなくなっただけかもしれない。この行動がどんどんエスカレートするのか、落ち着きを取り戻すのか、経過を見守ってあげたら?」とのアドバイスが。その言葉を聞き、自分の子どもを心配するあまり、視野が狭まっていたこと、まわりの子に気配りする(見守る)余裕がなくなっていたことに気づきました。翌日、担任の先生からは、(列の先頭に立っていたため)その状況を見ていなかったことに対するお詫びと、・男の子と娘、双方の言い分を聞き、今回の場合は男の子に非があった・男の子から謝罪させ、娘もそれを受け入れたと連絡があったこともあり、私の心も落ち着きを取り戻したのでした。トラブルに冷静に対処できるよう、第三者の助言を求める意識を持とうこのできごとの後、先輩ママからの助言を自分なりにかみ砕いた結果、その男の子に学校や学童で会った時には、必ず笑顔で話しかけるようにしました。また、男の子の両親とも積極的にコミュニケーションを取るようにしました。その後、娘はその男の子とも仲良く遊ぶ仲になったので、あの時見た娘の悲しい顔を再度見ることはなく、今はとても安心しています。幼稚園や保育園とは異なり、小学校以降はどんどん子どもが親の手から離れていきます。友人同士のトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。だれでも、最初のトラブルには気が動転してしまうもの。そんな時は、自分ひとりでどうにかしようとするのではなく、子どもに寄り添いながら、家族で対応を話し合う、学校に相談する、先輩パパママにアドバイスをもらうなど、第三者の視点を踏まえて、最適な解決策を導くのが大切だと実感するできごとでした。<文・写真:ライターnanahi>
2019年09月09日いじめに遭い、不登校になる子どもたち。なかには自ら命を絶ってしまう子も……。私たち大人には何ができるのだろう?中川翔子(34)が実体験を踏まえて語る。「『死ぬんじゃねーぞ!!』は私がライブ中にも叫ぶメッセージ。いじめに遭い、私と同じような思いをしている子どもたちに、“どうか生き延びて”と伝えたくて」そんな願いを込め、中川翔子が自身のいじめ体験を文章とイラストでつづった『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)がベストセラーとなっている。子どものころからマンガやアニメ、ゲームが好きだった中川だが、私立中学に入学直後から、1人で絵を描いていることで「キモい」「オタク」とレッテルを貼られ、いじめが始まった。「誰からも話しかけられず孤立して、5分、10分の休み時間をどう過ごしていいか、わからなかった」絶えず誰かに悪口を言われ笑われている気がして、吐き気をこらえながらも、何とか学校へ通う日々。「週末に、母と一緒にマンガを読んでダラッと過ごしたり笑ったりしているときが救いでした」大人はよく「つらいのは今だけ」「卒業したら楽になる」と、助け船のつもりで言葉にするが……。「いじめで苦しんでいる子どもの耳には入りません。私は、死にたくなるくらいなら、学校には行かなくていいと思う。不登校は“逃げる”ことじゃない。自分の人生に合う道を探すことなんです」中川の母は娘のために、通信制高校を見つけてきた。「通学も自分のペースでいい。ひきこもりの人やヤンキーもいる。世代もさまざま。いろんな人がいて、それぞれよかった」教室で絵を描いていると「めっちゃうまいじゃん。Ayu(浜崎あゆみ)の絵を描いて」と、声をかけられたことも。「うれしかった。その同級生とは今でも友達です。母が違う選択肢を示し、味方でいてくれた。これが何よりサポートになりました」中川の母は、毎年貯金をはたいて、旅行にも連れていってくれた。「小学校3年のときに父が亡くなってからは、母が1人で働いて育ててくれました。決して裕福ではないなか、16歳のときには、フロリダのディズニーワールドへ連れていってくれて……。それから10年後、ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』(’11年公開)で、私がラプンツェルの声を担当したときは、母も大喜びしてくれました。『生きててよかった〜』と思いましたね」そう思ったのには理由がある。「じつは17歳のとき、『死にたい』という衝撃が襲ってきて、リストカットしてしまったんです。母は『バカ!なんでこんなことするのよ』と、涙を流しながら私を叱りました。父が亡くなったとき以来、初めて見た母の涙……。今も忘れられません」その後、再び「死にたい衝動」に襲われたという中川。そのときは飼っていた猫が甘えてきて、さすっているうちに収まったという。「『死にたい衝動』が起きたときは、まずいったん寝て、好きなものを食べたり、好きなことをしたりして、気持ちをそらしてほしい。それを繰り返して、少しずつ毎日を生き延びてほしいです」好きなことをする――中川の場合はマンガ、アニメ、ゲームと、“明るい遺書”のつもりで始めたブログだった。「“好きなこと縛り”で発信していたら、そこに共感の声が届くようになり、自分の居場所になって、夢や未来をつくり出す場所にもなっていきました。私がそうだったように、つらい時代は『未来の種を見つける“さなぎの時間”』。いじめで苦しんでいる子どもには、そう伝えたい。お母さんには、そんな子どもに“隣って”あげてほしいんです」“隣る人”とは、絶妙な距離感で子どもを見守り、寄り添い続ける人。ある児童養護施設の保育士と子どもを描いた映画のタイトルだったという。「ただ隣に、そばにいる人。でも、いじめで傷ついた子どもの絶対的な味方。いじめはなくならないかもしれない。でもいじめで亡くなる子は、なくしたい。そのためにも“隣ってくれる”大人が必要なんです」最後に、10代の自分に今、かけたい言葉を聞いてみると。「大丈夫。生きているといいことあって、幸せを感じられる。つらい日々も上書きできる。30代、友達もいるよ、約束する!」いつも“隣って”くれた母にも「ありがとう」と伝えたい――そう笑顔で答えた。
2019年09月09日「『死ぬんじゃねーぞ!!』は私がライブ中にも叫ぶメッセージ。いじめに遭い、私と同じような思いをしている子どもたちに、“どうか生き延びて”と伝えたくて」そんな願いを込め、中川翔子(34)が自身のいじめ体験を文章とイラストでつづった『「死ぬんじゃねーぞ!!」いじめられている君はゼッタイ悪くない』(文藝春秋)がベストセラーとなっている。子どものころからマンガやアニメ、ゲームが好きだった中川だが、私立中学に入学直後から、1人で絵を描いていることで「キモい」「オタク」とレッテルを貼られ、いじめが始まった。「誰からも話しかけられず孤立して、5分、10分の休み時間をどう過ごしていいか、わからなかった」絶えず誰かに悪口を言われ笑われている気がして、吐き気をこらえながらも、何とか学校へ通う日々。「週末に、母と一緒にマンガを読んでダラッと過ごしたり笑ったりしているときが救いでした」だがある日、中川の心をさらに追い込む事件が起こる。「下校しようとしたら、私の靴箱が不自然にへこんでいたんです。ショックでした。何日かして犯人らしき子がクスクス笑っているのを見て、『泣き寝入りはイヤ』と、その子の靴箱をへこませました」すると翌日には、中川の靴箱がさらにボコボコにされていた。「自分が殴られたかのように傷つきました。そしてとうとうある日、靴箱から靴がなくなって。そんな“べたないじめ”に自分が遭うなんて認めたくない。でも靴はない。パニックになって必死で捜したけど見つからなかった」靴がないと帰宅できない。もう先生に言うしかなかった。「靴が盗まれるまでのいきさつを説明しているうちに、悔しさと悲しさで涙が止まらなくなって、先生は『じゃあこれを履いて帰りなさい』と、新品のローファーを手渡してくれました」これでいじめっ子に先生が注意してくれるかもしれない。そう思ったのもつかの間、その先生に職員室に呼ばれ、こう告げられた。「『中川、こないだのローファー代、早く払ってくれないかな』と。意味がまったくわからない。『盗まれた被害者がなんで?加害者が払うべきじゃないですか!』」すると先生は「そうかもしれないけど、ローファーは学校のものだからお金を払ってもらわないと困る」と答えたという。「先生が気にしているのは、いじめじゃなくて経費だ。私へのいじめも、見て見ぬふりをしている。もう、ダメ。大人も信用できない。みんな、大嫌い……。1人で耐えてきた私の心が壊れる“とどめの一撃”でした」帰宅して「学校に行きたくない」と部屋に鍵をかけてこもった中川。「義務教育だし、卒業もあと少しだし、行きなさい!」という母と、大ゲンカになったと振り返る。「母は私の部屋のドアを蹴破って、入ってきました(笑)。今回の本の原稿を読んだ母は『こんなに悩んでいたなんて知らなかった。知っていたら学校に文句を言いにいっていたのに』と」大人はよく「つらいのは今だけ」「卒業したら楽になる」と、助け船のつもりで言葉にするが……。「いじめで苦しんでいる子どもの耳には入りません。私は、死にたくなるくらいなら、学校には行かなくていいと思う。不登校は“逃げる”ことじゃない。自分の人生に合う道を探すことなんです」
2019年09月09日子どもが成長するに従い、子どもたちだけの社会が形成されていきます。そういったなかで、残念ながら時としていじめが起きてしまうことも。わが子には被害者にも加害者にもなってほしくないいじめ問題。今回はパパやママたちの体験談をもとに、親にできることを考えてみます。■3割以上が「いじめの被害者になったことがある」アンケートで、子どもがいじめに巻き込まれたことがあるかどうか聞いたところ、「被害者になったことがある」と答えた人が3割を超えて、もっとも多い結果となりました。また、「両方ある」、「傍観者または加害者になったことがある」とあわせると47.5%となり、約半数の親が子どもの何らかのいじめを経験したことがあるようです。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?いじめの被害者になったことがある 32.8%ない 29.8%わからない 20.6%両方ある 7.2%傍観者になったことがある 4.1%いじめの加害者になったことがある 3.4%その他 2.2%■幼稚園や学校で…いじめの実態全体の3割以上が「いじめの被害を受けたことがある」と回答したアンケートには、具体的ないじめのエピソードがたくさん集まっていました。まずは、どのようないじめが起きているのか見ていきます。「小さい頃から仲良く遊んでいたお友だちが、幼稚園に入った途端にグループでうちの子をたたいているのを見たときは凍りつきました。その後幼稚園に行きたくないと言うようになり、夫が相手の家に話をしに行ったら、『いじめられる方が悪い』とピシャリ」(滋賀県 40代女性)「2年生のときに6年生にいじめられていました。学校に相談に行き、なるべく先生や支援員さんがいてくれる環境で対処してくれました。今年になって、息子は1年生をいじめています。やめるように言ってもなかなかやめません。今はどうしたら止められるのか試行錯誤しているところです」(静岡県 30代女性)「4月に小学校に入学したばかりですが、さっそくいじめのターゲットにされてしまいました。最初は様子見していましたが、階段で押されたり足を後ろから踏まれたり危険を伴ってきたので、担任に話していまは解決済みです。低学年でもいじめがあるという現実に驚がくしました」(三重県 40代女性)「娘が高校1年の時、部活でいじめにあいました。先輩や同級生から暴言、目配せして笑われる、仲間外れにされる。先生に相談しても『弱いおまえが悪いんや』って怒鳴られた。ようやく退部できて落ち着いたが、我が子がいじめにあうなど考えてもいなかったし、私が進めてしまった高校だったので責任を感じた」(埼玉県 40代女性)そのほかにも、「小学2年でいじめを受けた息子は精神的にダメージを受け、中学生になったいまでも通院治療中。心の傷は長期の戦い」とか、「子どもが『悪口ノート』を作られた」など、つらいいじめの告白が集まっていました。幼稚園や小学校低学年でもいじめがあるとは聞いていましたが、現実的にそこまでいじめの低年齢化が進んでいるのかと驚きです。また、いじめの連鎖やいじめの後も続く心のケアについて訴える声もあり、いじめの深刻さがより身近に伝わってきます。■いじめと遊びの境目とはいじめ問題の難しいところは、何をもって「いじめ」とするかというところ。コメントでも、その難しさについての悩みの声が寄せられていました。「いじめといじりは紙一重。長男はすごく体が小さかったので、担いで女子トイレや更衣室に投げ込まれたりして、先生からは『いじられキャラです』と説明されました。しかし家では、『つらい』と泣いてました」(大阪府 40代女性)「小3の息子が、よく消しゴムを粉々にされたり、鉛筆を折られたり、ノートや筆箱に落書きされたりして帰ってきます。相手はふざけてやっているのか、いじめや嫌がらせの分類なのか、難しいところ」(福島県 30代女性)「いじめまで発展してはいませんが、小3の息子がちょくちょく同じ子からちょっかいをかけられているみたいです」(岩手県 30代女性)「いじられキャラ」や「嫌がらせ」、「ちょっかい」などというキーワードからは、「いじめ」との明確な違いを見つけることの難しさを実感させられます。また、している方とされている方との間に、意識の違いが生じている場合もありそうで、「いじめ」の判定が簡単ではないことがよくわかります。■勇気ある行動に出る子どもたち親たちから寄せられたエピソードのなかには、いじめをみずから解決したり、仲裁したりという子どもたちの勇気ある行動がいくつも集まっていました。「中2の息子は平和主義で、いわゆる『いじめ』を嫌います。性格的にも、男女を問わず嫌がらせを受けている友人を無視することができず、『やめとけ!』と言えるような子です。親としては、『ターゲットが息子に向けられるのでは?』と心配もしましたが、『放っておけばいいから! オレは大丈夫!』と、強く逞しい内心を聞き安堵(あんど)しました」(広島県 40代女性)「いじめられている子、いじめている子、分け隔てなく仲良くしていたら 『あいつと仲良くするんだったら仲間はずれにする』と言われた。無視されたりしながら、それでも『どんな子でも差別したくない』と、どちらとも変わらず接することをやめなかった」(北海道 30代女性)「小学生のときに、『1つ解決しても、また違う子からいじめにあう』と言ってきたことがありました。その場で相手に、『なんでそんなことするのか聞いてみなさい』と言ったら、娘はそのとおりに加害者の子に直接聞いてこれまで解決してきました。いまでは、誰かがいじめていたら『そんなことはしちゃいけない!』と言える子になりました」(茨城県 30代女性)大人でもなかなかできないような勇気ある行動の数々に、子どもたちの持つ力の大きさを感じます。ただいじめの仲裁に入ることでみずからが標的になってしまうこともあるため、親としてはどのように伝えればいいのか、本当に実行して大丈夫なのか悩みどころではあります。でも子どもたちが勇気を持ってみずから起こした勇気ある行動には称賛を送ってあげたいですよね。■加害者がわずか「3.4%」に疑問の声もアンケートによると、「いじめの加害者になったことがある」のはわずか3.4%。いじめは1対多数となることが多いことが考えられ、本来は被害者の数よりも多くなるはず。この結果からはどのようなことが読み解けるのでしょうか。「被害者率が高いが、加害者側はただ知らないだけなんじゃないかって思うほど、子どもの世界を親は知らないものです」(滋賀県 30代女性)「加害者が少ないことにビックリ。わが子が学校でどうなのか、親子での話し合いをしてる家庭が少ないのかなって感じました」(茨城県 40代女性)「加害者にも被害者にもなってもらいたくないし、いままでもいじめはないとは思う。でも本当に『ない』とは言いきれない。他人がさ細なことだと感じるようなことでも当事者が『いじめ』だと受け止めれば、それは『いじめ』。『ない』と自信を持って答えている方々、大丈夫ですか?」(神奈川県 40代女性)たしかに、被害者だけではなく、子どもが「いじめの加害者になっている」ことにも、親としては気づきにくい現状があるかもしれません。アンケートでも「わからない」と答えた人が2割以上いることから、子どもたちのなかで、どのようなやり取りがあったのか、どんな関係性なのか、すべてを把握するのは至難の業です。筆者の小学1年生の長男も、最近友だちと帰宅中にもう一人の友だちを走って置き去りにしてきたことがありました。本人が帰宅後、「逃げてきた!」とうれしそうに言ってきたことで発覚。親同士も仲が良かったのですぐに謝罪して事なきを得ましたが、悪気のなかった長男の態度に驚き、反省させられました。その後、あらためて「なぜしてはいけないのか」「されたらどんな気持ちになるか」について、親子で話し合い、長男自身も涙目になって反省しましたが、「いじめの加害者」と相手には映った可能性もあった出来事でした。こうしたことは日常で頻繁に起こっているのかもしれません。そうだとすると、だれもがいじめの被害者にも加害者にもなりえるといえそうです。ではそんなとき、親としてはどのようなことができるのでしょうか。■子どもが加害者にならないためにいじめの加害者にどうしてなってしまうのでしょうか?「家では良い子の親こそ、学校ではおとなしい下級生に対して弱い者いじめをしているのに、『わが子は優等生だ』と思っている気がする。圧力を親からかけられてる子どもは外で弱い者に圧力をかけるのでは? ある意味子どもも犠牲者」(三重県 40代女性)「いじめをしてしまう子は、家庭で精神的な問題があるのだと思う。発見した場合は、いじめる側の子の心の問題も見つけてあげないと、ずっと変わらないのではないかと思います」(三重県 30代女性)たとえば家庭や習い事、そして学校などで、別の問題を抱え、そのストレスによっていじめを始めてしまう…、コメントにもあるように、こういったストレスなどがいじめる側が抱えている可能性はあるかもしれません。でもだからと言って、いじめはけっして許される行為ではありません。ただ家庭の対応が無力だとも思いたくない。もし家庭でそのストレスを少しでも受け止められれば、いじめの加害者が一人でも減らせるのではないか? そう信じたいものです。それでは、そのとき親は子どもにどのようなメッセージを伝えればいいのでしょうか。「『やられたらやり返せ』という教育はダメだと思う。人にやられて嫌だったことは誰かに対してもやっちゃいけないと教えるべき。我慢できないストレスを受けたら、やり返す以外の対処法を教えるべき」(千葉県 30代女性)「相手が嫌だと思ったらその相手にはそれをしないことを心がけることだと思います。言葉や行動で誰しも相手を陥れることがあることを、大人も子どももしっかり認識すべきだと思います」(神奈川県 30代女性)「どんな場合でも、大勢対一人は卑怯(ひきょう)。大勢で一人をいじめるのは絶対あってはならないことだと、親は厳しく教えていかなきゃいけないと思います」(佐賀県 40代女性)たしかに、「相手が嫌がること」を想像できたなら、「相手が嫌がることをしない」と子どもたちが立ち止まって考えられるかもしれません。さらに、あたり前のことではありますが、「大勢対一人」という構図は絶対にダメだということを伝え続けることも重要なポイントになりそうです。■子どもをいじめの被害者にさせない最後に、子どもがいじめの被害者にならないためにすべきこと、また、いじめの被害者になってしまったら親としてどう対処すればいいか、考えてみたいと思います。●子どもの出すSOSを見逃さない「いじめの被害者になったとき、子どもの目に覇気を感じなかったので問いかけました。自分から言えない子どもが多いので、『わが子は大丈夫』じゃなく、基本的に信じるべきですが、疑うべきでもあります」(徳島県 40代男性)「何でも話しやすいように小言はぐっと我慢して、子どもの学校の話を聞いてます。子どもも自分からいじめの話をしたくないんですよね。ふさぎ込んでたり、変なテンションだったりしないか、いつも気にかけます」(東京都 40代女性)●子どもに寄り添い守ってあげる「いじめまでとは言わないけれど、仲良くしていた子とギクシャクしていた。大切にしていたお友だちだったので、メンタルが心配でしたが、できるだけ寄り添って話を聞いてあげました」(岩手県 40代女性)「息子が幼稚園の頃、毎日のように意地悪されていた。幼稚園も学校も、先生がいるとは言え、大人の目が届きにくい子どもたちだけの社会。自分の子どもの声を拾い、子どもを守るのは自分しかいないのだと親は認識すべきでしょうね」(東京都 50代女性)●子どもを見守る「息子が一度いじめられてると話してきました。びっくりしましたが、本人は『自分で解決する!』と勇気ある一言。息子には『どうしてもうまくいかないときは相談してね』と伝えました。今では人の気持ちをくみとれる優しい息子になっています」(石川県 40代女性)●相手や学校に相談して連携する「深刻なからかいではなくふざけ合いの延長みたいな感じでしたが、どうしても許せないことは、話を聞いた上で相手の子に話をしました。学校の先生には恵まれたので、よく相談もして、学校、家庭、本人の連携で問題は乗り切っていたと思います」(山梨県 50代女性)●学校をやめることも視野に入れる「いじめられている友だちを助けて娘が標的に。下駄箱の上履きに画びょう、クラスに机がない、物がなくなるなど散々でした…。その後、学校を転校しました」(千葉県 50代女性)ここまで、子どものいじめについて、加害者、被害者どちらにもならないための方法について考えてきました。最後にこのようなコメントも紹介したいと思います。「いじめに関わらない人間なんていないと思うんです。見て見ぬふりもいじめだと思います。いじめられてつらい思いをしても、今度はいじめる側。大人になってもいじめはなくなりません。もっと相手を思いやる気持ちを持たないといけないですよね」(福島県 40代女性)「いじめがニュースになる度に、子どもに『あなたはどう?』といじめについての話し合いをして『傍観者になるな』って言っています」(茨城県 40代女性)もしかしたら、「傍観者になる」人たちが一番多いのかもしれませんね。いじめられるのが怖くて、見て見ぬふりをしてしまうということは、親の私たちにも身に覚えがある人は多いでしょう。いじめていた子が、次の日にはいじめられる側になるかもしれない。どんなときにも、「相手を思いやる気持ち」が必要だと感じます。「あなたは大切な存在」と親が子どもに伝え、子ども自身もそう思えたら、自分のことも相手のことも大切にしていこうという気持ちが芽生えるのかもしれません。そのことだけは、できる限り親から子どもに、言葉だけではなく行動でも示していきたいなと思います。「大人になってもいじめはある」というコメントも多く目にしました。実際に、いじめ問題は子どものものだけでなく、大人間でも問題となることがたびたびあります。親である自分たちが、お手本となれるように、相手に思いやりを持ち、普段から「いじめは絶対にしてはいけないことだ」と行動で示していきたいものですね。Q.子どもがいじめに巻き込まれたことある?アンケート回答数:5222件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年09月01日「死なないで、ね……どうか、生きてください……」亡くなる2週間前にこんな言葉を残したのは、昨年2018年9月に亡くなった女優の樹木希林さん。樹木さんは、学校に行けなくてつらい思いをしている子どもたちにメッセージを贈っていました。樹木さんが不登校などについて生前語った言葉と、その娘である内田也哉子さんがその思いを受けて語った内容がつづられた書籍 『9月1日 母からのバトン』 が発売されました。樹木さんに取材経験があり、書籍内で内田さんとも対談されている不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長とともに、不登校で悩む親子に対する樹木さんからのメッセージを読み解きたいと思います。お話をうかがったのは…●石井志昂(いしい・しこう)さん1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。●不登校新聞とは1998年に創刊された不登校に関する専門誌。当事者の視点を大切に、不登校についての情報を発信し続けている。■樹木希林さんの言葉が持つ力「死なないで、ね……どうか、生きてください……」去年の9月1日、母は入院していた病室の窓の外に向かって、涙をこらえながら、繰り返し何かに語りかけていました。あまりの突然の出来事に、私は母の気が触れてしまったのかと動揺しました。それから、なぜそんなことをしているのか問いただすと、「今日は、学校に行けない子どもたちが大勢、自殺してしまう日なの」「もったいない、あまりに命がもったいない……」と、ひと言ひと言を絞り出すように教えてくれました。この2週間後に、母は75年の生涯に幕を閉じました。出典: 『9月1日 母からのバトン』 より夏休み明けの9月1日は、子どもの自殺が最も多くなる日。内閣府の調査でも明らかになったこの数字(※1)。書籍の冒頭で、亡くなる直前に病床で語られた樹木さんが語られた言葉は胸に迫るものがあります。書籍には、生前語られた樹木さんの言葉がつづられています。そして樹木さんのメッセージは、子どもたちからの切実なSOSの代弁にも感じられ、さらに親に対する思いも込められていました。■樹木希林さんは、なぜ不登校の子どもに思いをよせたのか?石井さんが初めて樹木さんと会ったのは、2014年7月。不登校新聞の取材に、樹木さんが答えたときのことでした。「こちらは不登校について話を聞く。樹木さんは自分が人生で得たものについて答える。お互いに生きざまのぶつけ合いのような取材でした。直接的な答えがなかったとしても、希林節の言葉が不思議と心に響く。信じられないくらいおもしろい取材ができました」と石井さんは振り返ります。その後、2015年に再び樹木さんに会った石井さんは、「毎年9月1日前後に、18歳までの若い人たちがたくさん自殺している現状」を伝えます。そのとき「自殺するよりはもうちょっと待って、世の中を見ててほしい」と語った樹木さんが、この日のことをその後もずっと覚えてくれていたのだと、娘の内田さんからの連絡で知ります。「樹木さんが、自分と同じ気持ちでいてくれたことを知り、感動で震えました。闘っているのは自分だけじゃないんだと思えましたね」(石井さん)■樹木希林さんの「親としての価値観」とは書籍では、樹木さんの娘である内田さんが、さまざまな立場の人たちと対談しながら、樹木さんの思いをたどっていきます。樹木さんは母親としてどのような考えだったのか、書籍からみえてきたことは、「親の価値観」の持ち方を重視していたということです。子どもには子どもの社会があるんですよね。大人から見て「そんなの!」って言ったってだめだから。そういうときはもう、寄り添ってやるしかないかなと思っています。(中略)不登校の子どもよりも、私は親の価値観(の問題)なんだと思うんです。もっと、何かと比べるとかはなしでいいじゃないですか。違っててもいい。出典: 『9月1日 母からのバトン』 より親にとっては、子どもが不登校になるのは人生の一大事で、どうしても学校に行けるほかの子どもと比べてしまいがちです。でも樹木さんの言葉からは、そういった状況のなかでも「親の価値観」をしっかりと持ち、子どもの個性を「違っていてもいい」と認めてあげることのほうが大切だという考えが伝わってきます。■苦しみは「わかってもらえなくてあたり前」という考え自身も不登校の経験があり、「不登校新聞」の取材で多くの不登校の子どもたち、親と話す機会がある石井さんによると、親とくに母親は、子どもが不登校になると、深く傷つくのだそうです。「『私がダメな母親だから、子どもが不登校になった』という加害意識と、『でもだれも助けてくれなかった』という被害意識が堂々巡りして、母親は、孤独な状態に追い込まれていきます」(石井さん)そんな母親たちにとって、同じ立場の人と出会い、自分が置かれている大変な状況を認識して、「自分自身も救われていいんだ」と思えることが、大切なのだそう。そうした傷つき、孤独な親の気持ちにも、樹木さんは思いを寄せていました。みんなそれぞれの苦しみを抱えてられていることがわかったんだけど、それを「わかってくれ」って、「わかってくれない」って、嘆いてもはじまらないの。わからないの、人の苦しみは。(中略)「わかってもらえなくて当たり前なんだ」と思ったときに、もっと楽になっていくんじゃないかな、というふうに思いました。出典: 『9月1日 母からのバトン』 より「自分の苦しみはわかってもらえなくて当然」という樹木さんの言葉は、一見突き放したようにも思えます。ただ、樹木さんは苦しみから救われるために、「自分でも不幸な思いをした人が、不幸な思いで苦しんでいる人に会ったときに、すごく気持ちをわかってあげられることがある。それが”寄り添う”こと」とも語り、同じ立場の者同士が寄り添い、理解し合うことをすすめています。「子どもの気持ちを理解したいのに、わからない」とか「だれもこの苦しみをわかってくれない」とつらい状況にいる親の気持ちに寄り添ったうえで、親をその苦しみから解放してあげる術を樹木さんは考えていたのかもしれません。また「同じ悩みを持つ人同士が話し合う」という方法については、石井さんも「不登校の子どもやその親にも当てはまる。私自身、不登校になって初めてフリースクールに行ったときは、”自分だけじゃないんだ”と体に入ってくる安心感がありました。親も同じで、同じ立場の人と出会うだけですごく安心できるんです」と、同調しました。■子どもの最後の命綱を握れたという信頼関係9月1日に寄せた樹木さんからのメッセージ。一体私たちはどのように受け止めればいいのでしょうか。石井さんは、不登校の子どもをもつ親に対して、「どうか自分を責めすぎないでほしい」とメッセージを送ります。不登校になったきっかけについて、文部科学省の調査によると、小学生では「家庭生活が起因する」とする答えた人が54.1%ともっとも多くなります。そして中学生では「学校生活に起因する」の割合がもっとも高くなります(※2)。石井さんは、こうした不登校理由の1位が「家庭」となることもあって、責任を感じすぎてしまう親が多いと言います。しかし、「『不登校になって、家で引きこもることで苦しさを出せた』ということは、それだけ親を信頼していることの表れ」だとも話します。「『あなたの子育ては間違いじゃなかった』ということをぜひ親御さんには伝えたいです。不登校になった子が命綱を親に差し出し、その命綱を親が握ることができたこと。そういう信頼関係を築けたことを親は誇りにしてもらいたいんです」(石井さん)さて、ここまで樹木さんの言葉を石井さんといっしょにひもとき、不登校への親の対応や意識の持ち方について考えてきました。樹木さんならではの言葉はどのように胸に響いたでしょうか。次回は、「学校に行くことって当たり前?」というテーマで、より具体的な対策について引き続き石井さんとともに考えていきたいと思います。■樹木 希林さん、内田 也哉子さんの著書 『9月1日 母からのバトン』 (ポプラ社 ¥1,620(税込み))女優・樹木希林さんが生前、不登校の子どもたちへの思いを語った言葉などをもとに、娘の内田也哉子さんがさまざまな立場の人たちと対談しながら、その考えをたどる様子を記録した書籍。今回取材した不登校新聞の石井編集長が樹木さんを取材した記録や内田さんと対談した様子も収録されています。<参考サイト>※1、内閣府: 「学生・生徒等の自殺をめぐる状況」 ※2、文部科学省: 「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」 (PDF:3006KB)
2019年08月25日子どもが大きくなってくると、少しずつ社会性を身に付けていって子ども同士の関わりが増えていきます。その関わり合いのなかで、ときには子ども同士が喧嘩することもあるでしょう。そんなとき、親としては関与すべきかどうか、するとしてもどこまで関与すればいいのか、悩ましいところです。今回は、子ども同士の喧嘩について考えてみたいと思います。■子どもの同士の喧嘩。「親子で話し合う」が6割アンケートでは、子ども同士の喧嘩にどこまで関与するか聞きました。その結果、「子どもと話し合う」と答えた人が6割となり、子どもと話し合って解決を促している親が多いとがわかりました。また、「学校・園の先生などに話を聞く」、「相手のお子さまや相手の親と話し合う」と答えた人も2割を超えていて、親以外が介入する場合もあるようです。Q.お子さま同士の喧嘩…どこまで関与する?お子さまと話し合う 60.0%学校・園の先生などに話を聞く 22.4%関与しない 8.0%相手のお子さまや相手の親と話し合う 5.4%その他・わからない 4.2%一方、「関与しない」や「その他・わからない」と答えた人はあわせて約12%にとどまり、9割近くの親が何らかの形で子ども同士の喧嘩に関わっているようです。■「まずはわが子の話を聞く」その裏にある親の思いは?6割の親は、まずは子どもと話し合うと回答しました。その思いはどんなところにあるのでしょうか。「口を挟まず、まずはわが子の話をじっくりと聞きます。そして信じてあげること。親子の信頼関係がちゃんと築けていると、子どもは悪い事も含め正直に話してくれます」(千葉県 40代女性)「話を聞くことは大切。ただ、言い分を100%信じたり偏った見方をしたりはしないように心がけています」(千葉県 40代男性)「普段からの子どもの様子を見て少しおかしかったら話しかける。または向こうから話しかけてきたらじっくり聞いてあげる」(茨城県 40代女性)親がまずしていることは、「子どもから事情を聞く」ということ。とくに小さいうちは、「親に自分の気持ちをわかってほしい」という気持ちも強いように感じます。だから気持ちに共感したり、ただ話を聞いてほしいだけということも多いかもしれません。このほか、「“おはよう、ごめんねをセットにすると素直に謝れるよ”などとアドバイスする」、「子ども同士で解決できそうなら首を突っ込まない」という意見もありました。もちろんそれでは解決しないこともあるでしょう。親としては、その話の内容を踏まえて、その次にとる対処の仕方を決めているようです。子どもの話だけを聞くと、「うちの大切な子が…」と、つい守りたくなってしまう気持ちが沸きあがるのはどの親も同じ。ただ、そうなると喧嘩の本質や解決は難しくなってしまうときもありそうです。子どもの話だけを無条件に信じるのではなく、客観的な視点をもつことも親には求められているように思います。ただ、子どもの年齢や性格によっては、子どもから喧嘩の内容を話してくれないことも。普段と様子が違っていたら声をかけるなど、子どもだからと言って無遠慮に聞くのではなく配慮も必要となってくるようです。■「学校に中に入って欲しい」親が期待していること喧嘩になったら、子ども以外に話を聞ける相手として、子どもの通う保育園や幼稚園、そして学校の先生たちがまず頭に浮かびますよね。さらには、当事者である相手の子どもや親と話し合いをするという人もいるようです。まずは喧嘩について園や学校に話を聞くという親たちの声を聞いてみましょう。「子どもの喧嘩に親が入ると、親同士でこじれる。子どもの受け止め方や相手の意見も聞くため先生に中に入ってもらいました。子どもの言い分と相手の言い分は違うことが多いので」(宮崎県 50代女性)「わが子はやられる方で、帰り道にカバンを引っ張られることが続いたので、学校の担任へ連絡をしました。次の日、担任からその子へ注意してくれておさまりました。まだ1年生なので、小さい事でも耳を傾け対処できることはしています」(北海道 40代女性)「息子が幼稚園のとき、3~4人のグループからいじめられていました。ある日顔に大きな傷をして帰ってきました。そこで幼稚園の先生に、『息子も含めて園児たちの行動を良く見てほしい』とお願いに行きました」(千葉県 50代男性)「子どもの話を聞いて、場合によっては先生に報告します。嫌なことを言われてからかわれたのが、本人にとってはとてもつらかったようです。先生方も、すぐに対処してくれて本当に感謝の気持ちで一杯でした」(福島県 40代女性)どの親も、いきなり園や学校へというよりも、事実を把握したあとで学校に事情を聞き、関与の必要があればお願いするという対応をとっているようです。「親が介入することで問題を大きくしてしまうのではないか」、「でも子どもだけでは解決は難しい」といった揺れる思いを抱えた親たちが、園や学校に対応を希望しているという状況がわかります。そのほか、「子どもの話は聞くが、自分に都合の悪いことは言わないし、話も曖昧(あいまい)なので、学校や園に状況を聞く」という声もありました。子どもがまだ幼い場合や、本当のことを言っているかわからない場合に、先生たちの助けを得たいと考える親は多いようです。実際に筆者の小学1年生の長男が、弟と兄弟喧嘩をしたときに自分に都合のいいように嘘をつくことが最近あります。それも成長の証、そうした知恵がついてきたのだなと思います。しかし反面、友だちと喧嘩になったときには注意して様子を見なければと思いました。自分の子どもの言葉を信じたい気持ちはもちろんありますが、「一度先生の意見を聞いてみる」もモヤモヤを抱えたままよりは、ひとつの策として有効かもしれません。■喧嘩した相手の子や親との話し合いで解決するためにはまた、なかには喧嘩相手の子どもやその親と直接話をしたという方もいました。「喧嘩した子同士に話を聞いてから、親としてアドバイスを出してあげる。解決しないときは、お互いに謝らせる」(北海道 40代女性)「子どもは嘘をつくものです、そして素直です。基本的に“喧嘩は両成敗”と思っているので、相手と相手の親も交えてみんなで話をするべきだと思います。 親なら『自分の子どもがされたこと』だけでなく、『してしまったこと』も知っておくべきだと思います」(徳島県 30代女性)「親がすぐに出て行ってもわからないことばかりなので、両方の話を聞いてから考えます! 子ども同士の話し合いも大切だと思うし、仲直りがしたければ話し合いのなかで、素直に“ごめんなさい”と言う言葉が出ると思います。だから見守る気持ちも大事だと思います」(神奈川県 30代女性)多かったのは、「自分の子どもと相手の子どもの両方の意見を聞いて、解決に導く」という声でした。相手の親子との関係によってはそれができない場合もありますが、普段から交流があれば、そうした機会を持つのもひとつの選択肢ですよね。お互いに言い分は違っていても、意見をすりあわせることができていけば、仲直りに向かう道しるべとなるかもしれません。■「子どもの喧嘩は子ども同士で解決」関与しない親たちの思いとは一方、子ども同士の喧嘩には関与しないという親の声も寄せらました。「木の上から立って見ると書いて“親”です。のこのこ木の上から降りて手をかけるような真似はしません。話くらいは聞いてあげます」(埼玉県 40代男性)「子ども同士の喧嘩は、子ども同士で解決させる。それも勉強です。何でもかんでも親がしゃしゃり出て解決しないと困るようじゃ、情けない」(北海道 40代女性)「基本子どもの揉め事には関与しません。『手を出されても、自分から出すことは絶対しない』ということだけ徹底しています」(鹿児島県 30代女性)「子ども同士の喧嘩は、自分たちで解決するようにさせています。大人が関わると話が大きくなったり揉めたりするし、大人にばかり頼ってしまうと困るので。自分で考え解決できる力を身につけてほしいです。その後のフォローはきちんとします」(石川県 40代女性)関与しないという親も、その多くが子どもたちのために、「あえて喧嘩に介入しない」と決めていることがわかります。また、基本的には関与しないが、「内容や年齢、怪我の度合いや相手の親による」という声もありました。けがをしたり、させてしまった場合、相手の親が介入してきた場合などは、対処法を考えるという親もいるようです。また、「子どもの社会が構築されているところに親が出ていくと、子どもが迷惑する」という声も寄せられていて、子ども自身の生きていく道をあえて邪魔しないという考えをもとに、喧嘩の行く末を見守る親の愛情が感じられます。■「いじめ」と「喧嘩」の違いは? 親はどう関わればいいのかさまざまな意見が寄せられた、子どもの喧嘩にどこまで親が介入するかという今回のテーマ、正解はあるのでしょうか。「いじめと喧嘩は別物です。喧嘩や子ども同士のトラブルだったら、まずはわが子の話を聞いて、その上で学校担任へその日のうちに電話して、相手の子にも事情を聞いてくれるようお願いします。いじめだったら逆に最初から親が入らないと解決しません。ただ、いずれにせよ冷静に対応しないと。わが子を信じることも大事ですが、相手の子の話も聞かないで自分の言い分ばかり押し付けてはいけないと思います」(山形県 40代女性)「基本は子どもの話を聞きながら、そっと怒りを鎮めたりアドバイスをしたりして、極力本人が解決できるように後押しですね。話を聞くだけだと、“自分が100%正しくて間違っていなかった”と、思い込んでしまうからです。また、親同士は、普段から話しやすいように顔を合わせたら挨拶をして、雑談できるくらいに心掛けています。これも何かあったときに相談や話し合いをしやすくするためです」(神奈川県 40代女性)「子ども同士の問題は、子ども同士で解決できるようになるのが一番いいと思います。ただ、トラブルがあったときには、わが子以外からも情報を集められるように注意しています。普段から、子どもの友だちや、お母さんたちとも気軽に話せる関係をつくっておくこと、わが子がほかの子に何かしてしまったときには、些細なことでも早めに相手に連絡を取っておくように心がけています。『こんな事があったみたいなんだけど、聞いてる~?』などの事実確認をすることで、双方の情報を共有できたり親同士で子ども同士のやりとりを見守ることができると思います」(北海道 40代女性)ここまで、子どもの喧嘩への親の関わり方について考えてきました。さまざまな声が寄せられていて、同じ親とはいえ、いろいろな価値観が存在しているのだと実感させられます。まずはそうした価値観の多様性を認めたうえで、子ども同士の喧嘩をどう受け止めてあげればいいのか考える必要性がありそうです。また、喧嘩に関与する場合には、「喧嘩の当事者はあくまでも子どもたち」というスタンスを持つことが必要ということがアンケートのコメントから伺えます。子どもがどう解決してほしいと願っているのか、また親が出る場面なのかなどは、慎重に見定めることも大切な要素なのかもしれません。ただし、喧嘩といじめはあくまで別物。いじめだったときは、さらに慎重に、でもできるだけ早く、子どもが親の助けを必要としているかどうか、学校に相談に行くかなど見極めないといけないでしょう。子どもたちが今後社会に出ていくとき、意見が異なる人、嫌なことをする人にはきっと出会うでしょう。そんなときにどう解決すればいいのかを子ども時代で学べていることも、大人になって対処するときに役立つと思います。スルーしてやりすごす力、自分の気持ちを言う力など、対応は子どもの個性によっても異なるでしょう。社会に子どもを送り出すために何ができるかは、親としても大事な課題となりそうですね。どのレベルであれば親は関与した方がいい、もしくはそもそも介入するべきなのかは、はっきりとした答えは導き出せないのだろうと思います。でも喧嘩になる、ならないといった状態の前から、子どもに寄り添うこと、何かあったときは相談体制が取れるということを感じていてもらうことが、普段から親にできることなのかもしれませんね。Q.お子さま同士の喧嘩…どこまで関与する?アンケート回答数: 10932件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年04月28日ウーマンエキサイトで連載中のちゅいママさんの記事 「小4長男が考えた、悪口を言われても傷つかない方法」 で、“スルースキル”に関するアンケートを実施しました。ちゅいママさんによれば、“スルースキル”とは、人間関係のトラブルが起きた際、「相手は変えられないものだ」と受け流して、自分の心を乱さないようにする力のこと。ちゅいママさんの長男くんは、友だちから心ない言葉を言われ嫌な思いをした経験から、こうして受け流すスキルを身に着けていったそうです。そんな息子を母親は「たくましくなった」と思う一方で、父親であるご主人は「なんでもスルーすればいいってもんじゃない。反骨精神も必要なのでは?」と疑問を投げ掛けます。子どもにとって“スルースキル”は必要なのでしょうか? “スルースキル”について、ママ、パパの考えを探ります。■98%がスルースキルを“必要”と回答アンケートで「子どもにスルースキルは必要だと思いますか?」という質問を投げかけたところ、圧倒的に「必要」との声が集まりました。Q.子どもにスルースキルは必要だと思いますか?ある程度必要だと思う 71%とても必要だと思う 27%あまり必要ではないと思う 1%全く必要ではないと思う 0.5%その他 0.5%「ある程度必要だと思う」71%、「とても必要だと思う」27%を合わせると、「必要」と思う人が98%にもののぼりました。仕事の人間関係など、大人が使うイメージのスルースキル。なぜいま、子どもにも必要と思われているのでしょうか。■スルーする“強さ”があれば、いじめは減る?今回のアンケート結果を最初に見たとき、じつは筆者は少し違和感を覚えました。というのも、「スルースキルは必要」と答えた人が圧倒的に多いにも関わらず、コメントでは「●●の場合はアリ」などのように、“条件付き”の支持コメントが多く、手放しで「スルースキルに賛成」という人が極端に少なかったからです。この結果が示しているものは何なのでしょうか。まずは、ママたちがスルースキルにどんなプラス面があると考えているのか、見ていきましょう。スルー力、とてもいいと思います! 身につけておくといじめの数も減りそうな気がします。嫌なこと言う人と無理に仲良くなる必要もないし、ケンカする必要もないと思います!反骨精神なんて、誰もが持てるわけではない。持ちたくても持てない人もたくさんいる。クヨクヨするくらいなら、スルーできる方が良い。スルーできるのも強さの一つだと思う。ネット社会があたり前のいまを生きていく子どもたちには、必要な力だと思います。目に見えない相手に対してすべて真っ向から立ち向かうなんて無理だし、大人になればなるほどスルースキルって必要に感じます…。でないと身が持たない。笑相手に嫌なことを言われて反発できる子もいれば、できない子もいる。そんな子が、自己防衛のひとつとして“スルースキル”を持っていれば、最悪の事態を防ぐことができると考える人が多いようです。現に、かつての自分を思い出し、「子どもの頃、このスルースキルがあれば傷つかずに済んだかも…」というママの切ないコメントも。私自身はスルーできず、気にしすぎて落ち込む方です。でも、気にせず堂々としていれば、いじめにも合わずにすんだ気がします。傷ついて泣いたりすると、またからかわれ、もっとひどくなります。息子には、自分と同じようにならないで欲しい。そうならないためにも、しっかり心の居場所になってあげたいと思います。■スルースキルで起こる弊害もある一方で、子どもがスルースキルを使うことに対して、難色を示す意見がありました。そのなかには、「スルースキルは必要」と答えた方もいます。現代の社会において、「スルーすること」はたしかに大切だと思います。さまざまな価値観、考え方があるなか、相手のことを尊重できない人たちからの攻撃は、スルーが一番のような気がします。しかし、こちらが嫌な思いをしていることが相手には一向にわかってもらえないといった、「スルーすることでつきまとう弊害」があることも事実だと思います。しつこく絡んでくる人(子どもも)が、いますから。子どものうちは、「嫌なことは嫌!」と言える術を身につけるべきではないかと思います。相手もまだ子ども。悪気がなく友だちを傷つけます。スルーしてしまうと、「自分の言動が他者を傷つけた」ということを気がつかないままとなるのでは。そしてスルーし続けた子どもは、我慢ばかりの人生になりそうです。ときには自己主張を!スルーばかりしていると人の意見を取り入れない人間になってしまうのではないか、「悔しい!」と思う気持ちがなくなってしまうのではないか、そんな懸念も寄せられました。またスルーされた人は、自分の行動を見直すチャンスがなくなってしまうことも。こういった心配ごとが、スルースキルを“完全に支持”できない理由になっているようです。■「スルーする、しない」を判断する力も必要では、スルースキルはどんなときに使い、どんなときに使わないほうがいいのか。そんな“条件付き”でスルースキルを必要と答えたコメントをご紹介します。●相手によって決める自分に関係のないその他大勢の意見はスルーしてもいいと思うけど、身近で大切な人の意見はちゃんと向き合っていかないといけないと思う。そこをはき違えている人も多い気がする。大切な人とはぶつかり合ってもスルーしてはいけないと思う。●自分で変えられること、変えられないことで判断する「自分では変えようとしても変えられないこと(生まれた環境とか肉体的なこととか)」はスルーできる力がある方がいいと思います。「努力して変えられること」はスルーでなく、自分の力に変えられるといいな。それを決めるのも本人がきちんと考えられるといいな、と思います。●指摘された内容、事柄で判断する何でもスルーすればいいとは思いません。自分のなかで「スルーすべきか、聞き入れるべきかを判断する力」をつける必要があると思います。実際、一緒に働いていた方ですべてスルーする癖がついていて、仕事場でも人の意見が聞けないという人がいました。ある程度スルーするスキルは必要ですが、そこをうまく選別できる能力が必要だと思います。■「心が折れない子」を育てるためにスルースキルも必要?深い心のダメージを受けるくらいならスルースキルで回避してほしい。でも、なんでもスルーしたら子どもの成長にならない。そんな相反する複雑な思いを抱く人が多かったからこそ、冒頭の「子どもにスルースキルは必要だと思いますか?」で、71%もの人が「ある程度必要だと思う」と答えたのではないでしょうか。しかし、コメントのなかにはこんな体験談もありました。私は、子どもの頃はいろいろ思っても、我慢したり気にしたりしないようにする力を覚えました。しかし、家族ができて子どもが生まれて、変わりました。自分のことはスルーできても、大事な家族を泣かせる人が現れたとき、スルーできませんでした。「守ろうとする力」が生まれました。きっと、私のベースには愛情を受けて育ってきたというものがあったからだと思います。だからいまは、家族の愛情をたくさん知ることの方が大事だと思います。困難にぶつかること、失敗することは、これから生きていくうえで避けて通ることはできません。そんなとき前に進めなくならないように、「心が折れない子」を育てていきたいと親は望むでしょう。「スルースキル」は、生き抜くためのひとつの力となるかもしれません。でもそのスルースキルを使うべきか、立ち向かうべきかは、子どもが日々の生活のなかで学び、培っていくのではないかと思います。その過程では、つらい思いをしたり、失敗することもあるでしょう。そんなとき、ちゅいママさんが言う「自分の居場所」や「自分を絶対的に愛してくれる人がいる」という安心感が子どもにあれば、悪い方向にはいかないと信じたいです。Q.子どもにスルースキルは必要だと思いますか?回答数:1,273Q.スルースキルについて、エピソードやご意見があれば教えてください。回答数:164アンケート集計期間:2018/10/11~10/22
2018年10月26日トップライター:シラヤナギ リカ新学期が始まるときや、連休明けなど「学校に行きたくない」と感じる子が多いとよく聞きます。わたしも、ふだんから娘(小6)が「学校に行きたくない」と言ってきたらどうしよう、とドキドキしてしまいます。もし言ってきたら、学校に行きたくないくらいに辛い思いを娘がしていると知ることになり、親としてとても悲しいし、ショックだと思います。でも、きっとわたしは「じゃあ行かなくてもいいよ」と言うでしょう。一方で、「学校に行きたくないこと」を大人になかなか言い出せない子どももいることを、自身の苦い経験から感じています。言葉にできないけれど、気づいてもらいたい今から数十年前、小4のころだったでしょうか、わたしは学校に行きたくない時期がありました。理由は、クラスでいじめられていたからです。当時、わたしのクラスには、貧困家庭のクラスメイトがいました。今と違って100円ショップや、ファストファッションのお店はありません。昭和の貧困はひと目でわかるほど、はっきりとしていました。もちろん子どもだったので、そのクラスメイトの経済状況をはっきり理解していたわけではありません。でも、古びた半袖の体操服で、春も夏も秋も冬も登校してくる彼女は常にどことなく汚れていて、コンパスや習字道具などの文房具も学校から貸し出されるものを使っていました。成績もおそらくよくはなかったはずです。クラスメイトや先生が話しかけても声に出して返事をせず、曖昧に笑うだけの彼女は、中学年になるとクラスの中心となっている子たちから、避けられるようになりました。彼女が入ったあとのトイレには入らない、彼女が使った水道から水を飲まない、なぜなら菌が移るから。そんないじめがじわじわとクラスや学校に広がっていきました。わたしは、そういったナンセンスないじめを不快だと感じていました。そして、「正しいことは正しい!」という子どもっぽい正義感に満ちあふれていました。ある日、ついに菌が移る説を積極的に唱えていたリーダーの女子に向かって「そういうの、くだらないじゃん!菌なんてないし!」と言ってしまったのです。リーダーに意見した日から、廊下を歩いていると反対側から来る生徒が次々とぶつかって来たり、すれ違うときに小声で「バーカ」と言われたり、体育の時間、組んでくれる子がいなかったりするようになったのは、かなり辛いことでした。もともと人気者派閥ではなかったわたしに加勢してくれる子はおらず、わたしはぶつかってくる子をにらんでみたり、「バカって言う方がバカなんだよ!」と、言い返したりするのが精一杯でした。そんな毎日がどれくらい続いたのかはっきり憶えていませんが、しばらくたったころ、いじめに気がついた担任の先生に呼び出されました。そのときの会話は、なぜかまったく記憶になく、そこが誰もいない階段の踊り場だったこと、「これでいじめが終わる」と心底ほっとしたことを憶えています。期待した通り、その日を境にいじめは終わりました。どうやって収束させたのか、わたしにはわかりませんが、学校で悪口を言われることもなくなり、体育でペアを作れるようになりました。担任の先生は一度、家にも来て何やら母と話して帰りました。大人は子どものころの気持ちを忘れてしまう先生が臨時で家庭訪問したあと、母からは「なぜ、言わなかったの?」と問い詰められ、同時に「気がつかなくてごめん」とも言われました。もっと幼いころならすぐに言っていたのかもしれませんし、もう少し大きかったら親以外の誰かに相談したのかもしれません。ただ、そのころの自分を思い出してみると、わたしは「先生に言いつけるのは、告げ口だからずるいのでしたくない」と思っていたこと。そして「自分では言いたくないけれど、誰かが気づいて、解決してくれればいいのに」も思っていました。さらに言えば、いじめられていても、わたしはそのリーダーの子が大人や先生に怒られればいいとは思わなかったし、「また仲良くできればいいのにな」と考えていました。いくら「子どものときの気持ちをぜったいに忘れないようにしよう!」と思っていても、大人になると忘れてしまうもの。大人が子どものSOSに気づくことは本当に難しいことだと思います。元気よく学校へ出かけ、帰って来てもテレビを見ながら笑っている娘も、大人には言えない複雑な思いを抱えているかもしれません。もちろん娘だけでなく、今、困っている子どもはどこかにいて、かつてのわたしのように「誰か気がついてくれないかな」と思っているでしょう。かつて子どもだった大人が、「大人は子どもの気持ちに気づけないことがある」と、肝に銘じ、身近にいる子どもたちや、みんなの小さなSOSを見逃さないようにできたらいいのに……と思います。いじめられている子どもの揺れる思いを描いた短編集『ナイフ』いじめられている子どもの揺れる思い、また子どもがいじめられたときに感じる親の不甲斐ない、そして切ない気持ちに気づかせてくれる小説に、重松清さんの『ナイフ』という短編集があります。どの作品もいじめがテーマになっており身につまされる話ばかりです。テーマの重さに昔のつらい記憶を呼び起こされる方もいるでしょう。けれどもどのお話も結末には救いを感じさせます。また、いじめをめぐる微妙な、時に残酷なバランスのなかで生きる子どもたちの気持ちに大人が気づくきっかけになるかもしれません。ぜひ読んでみてくださいね。中学生のお子さんにもおすすめです。『ナイフ』(重松 清新潮文庫刊)『ナイフ』(著:重松 清新潮文庫刊)私はナイフを持っている。これで息子を守ってやる……。小さな幸福に包まれた家族の喉元に突きつけられる「いじめ」という名の鋭利なナイフ。日常の中のゆがみと救いをビタースイートに描き出す出色の短編集。第14回 坪田譲治文学賞受賞を受賞した秀作。シラヤナギリカ(しらやなぎりか)神戸に住んで6年目のエディター・ライターで、小学生の女の子の母。子育てフリーペーパー「リトルフロッグス」を不定期で発行しています。
2018年10月11日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「他人に迷惑しかかけていない人生。自分に価値がないと感じてしまう」という、かなさん(25歳・フリーター)に、心屋塾上級認定講師のはしぐちのりこさんからアドバイスをいただきました。■かなさんのお悩み私は親の期待を裏切り、実家でフリーターをしています。よくしていただいた会社も、二度裏切るような形で退職しました。他人に迷惑しかかけていない人生です。子どもの頃の家族の言動や兄の友人から受けたいじめが原因なのか、自分に対する無価値観がぬぐえません。「生きていくだけで迷惑をかけ続ける存在」だと思ってしまいます。私はどうすれば変われるのでしょうか。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師のはしぐちのりこさんよりかなさん、ご質問ありがとうございます。「私はどうすれば変われるのでしょうか」という文章でご相談がしめくくられています。つまり今、かなさんは「こんな自分はいけない」と思っているのですね。でも、私はこの文面を何度読んでも、かなさんが「いけない人」だとはまったく思いませんでした。むしろ自分に正直に生きている方だなと感じました。もちろん、かなさんご自身が苦しんでいらっしゃる様子はよく伝わってきました。「こんな自分はダメ、あんな自分はダメ」と自分を否定してしまう。かなさんの中にある“理想の自分”と“現実の自分”が大きく隔たっているので、苦しさを感じてしまうのでしょう。「どうすれば変われるのでしょうか」という問いかけは、つまるところ「どうすれば理想の自分になれますか?」ということになるかと思います。結論を先に申し上げますね。かなさんは変わる必要はありません。ただ、気づいていただきたいことがいくつかあります。かなさんはご自身のことを「生きていくだけで迷惑をかけ続ける存在」と書いています。でも、ぜひ考えてみてください。「ただ生きていく」という純粋な行為だけを考えてみても、人に迷惑をかけずに生きられる人はいません。どんな人も家族や周囲の人、赤の他人にも、多かれ少なかれ迷惑をかけながら生きています。食事だって、誰かが育ててくれた作物をいただいています。排泄(はいせつ)だって、誰かが水の処理をしてくれているから問題なく清潔に行えているのです。誰の手も借りず、迷惑もかけず、ひとりですべてをこなしながら生きていくのは、この現代社会で不可能です。むしろ、そのように人に迷惑をかけながら生きていくのが、人間らしい生き方ではないでしょうか。こう書くと、かなさんは「いやいや、私は迷惑をかけているだけで、誰の役にも立っていない」とおっしゃるかもしれません。でも「迷惑をかける」ことは、同時に誰かの役に立っていることも多くあります。例えば、誰かが育ててくれた作物をいただくことにしても、作物を育てた方にとっては「収入」や「自分が作った野菜や果物を消費してくれた喜び」につながってもいます。人が生きていくことは、それだけで誰かに迷惑がかかっているし、役にも立っています。一方的に誰かに迷惑をかけるだけの人、誰かの役に立っているだけの人というのは、この世の中にいないのです。「そうか、私、生きているだけでいいんだ」「そうか、私、生きているだけで役に立っているんだ」ぜひ上記の言葉を、口に出してつぶやいてみてください。かなさんはなにも変わらなくていいし、変わる必要はありません。かなさんは「役に立つ」イコール「親や周りが期待するような人でなければいけない」と感じているのかもしれませんね。ご相談にも「裏切る」という言葉が二度出てきました。でも、そうできないことは、本当に「裏切り」なのでしょうか。誰かの期待するような人になりたいけれどできない、そんな自分に従った結果、退職してフリーターという立場になりました。その選択は、なによりもご自身にとって正直な選択だったのではないでしょうか。もしそうなのであれば、「周囲のの期待どおりにできない自分」をどうか認めてあげてください。自分は親や周りが期待するような人間ではないし、そうなろうとすることもあきらめてしまいましょう。自分を偽って、できる自分になろうとしない。それは苦しいだけです。今のままの自分を認めて、「楽しいと思えること」「やりたいと思うこと」を大切にして生きていくほうが、よっぽど正直で素直な生き方です。子どもの頃の経験は、とてもつらかっただろうと思います。怖かったでしょうし、長年しんどかっただろうと思います。たまたま、かなさんはそんな目にあって、誰かの気持ちのはけ口にされてしまいました。でも、かなさんに価値がないからそんな目にあった…というわけではありません。「あんな経験をしたから、自分は価値がないんだ」と思ってしまったのであれば、それは後づけです。かなさんは価値のある人です。ほかの皆と同じく、生きているだけで、すでに誰かの役に立っているし、迷惑もかけています。そうだとするならば、どんな人生を歩んでいきたいですか? 自分のために、どんなことをしてみたいですか? 小さなことでも大きいことでもいいので、ぜひ考えてみてください。そして、それをできるところから実行していく勇気も、ぜひ持ってみてください。かなさんのこれからを応援しています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年10月11日子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、親はどのように対応すればいいのでしょうか。一度学校を休ませると不登校になってしまうのではと心配してしまうママも少なくないと思います。小学生の不登校の実情について伺った前回に引き続き、今回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、不登校新聞の石井志昂編集長に話を聞きました。 「学校行きたくない」と言われたら(前編):子どもが追い込まれる危険日は夏休み明け の続きです。■不登校の原因特定より大切なことがある――前回、不登校の理由は複数あり、子ども自身もはっきりわからないことがあるとお聞きしました。親としては、ついその理由を特定させて学校に戻してあげたいと思ってしまうのですが…気持ちはよくわかるのですが、子ども自身も自分が学校に行けない理由がはっきりわかっていないのに、そこで「なぜ行きたくないの?」ときつく問われると、ますます追い込まれてしまいます。当事者のなかには、不登校の理由は不問でもいいのではないかという声もあるくらいなのです。――それでは、親にはまず何ができるのでしょうか。原因を特定させることよりも、まずは子どもを甘えさせてあげることが大切だと言われています。不登校というのは、よく子どもの甘えだと言われがちですが、親に甘え足りないからなるのだという専門家の意見もあるくらいなのです。親は子どもたちが頼れる心の安心基地でもあるのですが、ここが揺らいでしまうと、その先子どもが進んでいく道のなかで、いつかもっと大きな問題になってしまうこともあります。小学生のうちに甘えさせてあげれば、傷が深くないうちに子ども自身が満足して、成長につながるとも言えます。■「学校に行きたくない」サインを見抜くには――子どもが「学校に行きたくない」と言い始める前に、そうなりそうなサインというのはあるのでしょうか。小学生くらいの子どもの場合、必ず何かしらのサインを出していると思います。不登校の子をもつお母さんたちも、「そういえばあのときは…」と、あとから何かしらのサインを出していたことに気づく人が多いようです。不登校というのは、不登校になってからが問題なのではなくて、その前に子どもたちはすでに追い込まれて危険な状態になっているんですよね。だれにも言えない苦しみを、複数抱え込んでしまっている。そして、原因となっている学校から離れたいと、SOSを出して不登校になるんです。――具体的に、どのようなサインを出す子が多いのですか。「今日は学校やだな」とか、「もう無理」とか、何かしらの言葉を発している子もいます。また、落ち込んでいる表情をしている子も多いようで、学校が始まる月曜日と、休みの日の表情を比べると顔つきが全然違うというようなこともあります。――そのサインに気づいたら、どのように対応すればいいのでしょうか。まずは、「どうしたの?」と率直に聞いてあげることが大切です。その聞き方が重要で、親が子どもをなんとか学校に行かせようとコントロールしようという気持ちが働くと、子どもたちはそれを敏感に感じ取って、返事をしてくれないことが多いのです。親としては、まずは子どもを心配して「心配だな」と思いますよね。そしてその次に、「待てよ、この子不登校になってしまうのでは」と不安になり、先を見越して何とかそうならないようにと打算が働いてしまいます。その親の心の動きを子どもたちはすごく敏感に読み取ってしまいます。自分の心配する気持ちのままに、子どもたちに尋ねてみてください。■「学校に行きたくない」と言われたとき――では、子どもに「学校に行きたくない」と言われたときは、どのように子どもに声をかければいいのでしょうか。さきほどのサインが見られたときと同じで、心配して、「どうしたの」と聞いてあげましょう。そして、本人からつらいことを伝えてきたら、いっしょに悲しんであげましょう。じつはこれだけで十分なのです。――何か行動するというわけではなく、いっしょに悲しむだけでいいのですね。これは、子どもの気持ちの前に出てはいけないという鉄則に基づいています。「子どもの気持ちは今こうだろう」、「こうアドバイスしてこうさせよう」とすると、子どもたちは自分の気持ちをますます言えなくなってしまいます。不登校になる子どもたちは心が傷ついた状態なので、まずはその心が救われないといけません。いっしょに悲しんでくれる人がいて、それも自分の心の拠りどころである親がそうしてくれるということが大切です。――その先はどうしていけばいいのでしょうか。あとは、本人が必ず自分の幸せな道はどこにあるかと考えて、提案を出してきます。その提案を親は支えてあげて、いっしょに歩んでいってもらいたいですね。その道はおそらく紆余曲折あり、大変なこともありますが、子どもが自分で決めたことなので、しっかり進んでいけると思います。 ■「学校に行く」「行かない」どちらが正しい?――学校に行かせる、行かせない、どちらが正しいのでしょうか。ついこの2択で考えてしまいますが、じつは選択肢はいろいろあります。そして、子どもたちが自分で決めることが大切です。不登校の子も、中学校卒業と同時に、85%の子が高校に行くのです。私が知っている子で、小学校、中学校とずっと不登校だったけれど、フリースクールでできた友達が高校に行くから自分も行くと決めた子がいます。そんな単純な理由だけで、学校に戻ろうとする子もいます。ですから、学校に行く、行かないということにはそこまでこだわる必要はないのではないかと思っています。――文部科学省でも学校復帰にのみこだわらない対応の必要性にもとづいて、これまでの方針を見直す動きがありますね。そうなんです、教育支援センターやフリースクールへの通所は、これまであくまで学校復帰を目的としたものだとされてきました。それにより、学校の先生や親は子どもたちを学校に何とか戻そうとする、そして学校以外の受け入れ先は見つけにくいという不登校の子たちにとってつらい状況が続いてきたのです。これを見直して、学校復帰のみにこだわらない不登校対応を行っていこうという方針が決まったのは、とても重要なことです。学校に行かせないという選択肢がもっと普通のものとなっていけば、楽になる子どもたちもいるのではないかと思っています。――とくに夏休み明けは、子どもたちが学校へ行きづらくなる時期です。子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、どのようにすればいいですか。これまでにお話したとおり、まずは心配して聞いてあげる。そして緊急性が高いと思ったら、思い切ってその日は休ませて、子どもといっしょにいてあげてもいいと思います。夏休み明けは、統計的にも突出して18歳以下の子が自殺する可能性が高く、子どもが追い込まれる危険な日だと言えるので。不登校になる前には、夏休みの宿題にも手がつかないということが多いそうです。言いづらいとは思いますが、親が「もういいんじゃない」と言ってあげてもいいのではないかと思うんです。そして、どうしても苦しそうだったら、先生に連絡して相談するのもひとつです。親はできるだけ子どもを追い込まないであげてほしいと考えています。■担任よりも適した親が相談できる場所がある――子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親が相談できる場所はありますか?担任の先生に相談する親が多いのですが、不登校の子に対応した経験が少ないことも多く、あまりおすすめとは言えません。不登校については、フリースクールに聞くのが一番いいと思います。不登校の子どもたちをたくさん見てきた経験をもとに、相談に乗ってくれるはずです。また、不登校の子の親が集まる場に行くと、客観的に自らの状況が整理できますよ。あとは、信頼できる医師やカウンセラーに相談するのもいいと思います。――親たちに伝えたいことはありますか。不登校になることに対して、不安を感じている親も多いと思います。そして、実際になってしまって困っている人もいるでしょう。不登校は、子どもが弱い、怠けているなどと言われがちですが、そうではないのです。説明できなくても、本人にとっては学校に行けない理由があり、どうしても自分にとって曲げられない大切なことであります。不登校になると、本人も心に傷がつくが、それが癒えていく過程でたくさんのことを学びます。不登校は子どもの成長過程のひとつでもあるのです。その日々もたった一度きりのものなので、親と子どもで有意義に過ごしていってもらいたいと思っています。●相談先一覧 ・フリースクール全国ネットワーク ・NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク ■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。 【同じテーマの連載はこちら】 樹木希林からの命のバトン この連載の全話を見る >>
2018年08月27日まもなく9月、小学生ママたちにとっては長い夏休みが終わりますが、一方で子どもたちは、楽しかった毎日が終わってしまうと嘆いている子もいるかもしれません。そしてなかには、夏休み明けの学校生活に対して憂鬱(ゆううつ)な気持ちを抱えている子もいるのではないでしょうか。夏休み明けは、子どもたちが学校に行くハードルが上がり、不登校になりやすい時期だと言えます。今回は、小学生の不登校の実情について不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長に話を聞きました。不登校新聞とは1998年に創刊された不登校に関する専門誌。当事者の視点を大切に、不登校についての情報を発信し続けている。不登校とは文部科学省は、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による事案を除いたもの」と定義している。■小学生での不登校になる、不登校の実情とは――小学生で不登校となる子はどれくらいいるのですか。2017年に文部科学省が発表した調査結果によると、小学生の不登校者は31,151人いて、割合としては0.4%、208人に1人だということがわかっています。学校に1ケタという数字で、けっして多いとは言えません。ですが、これまで20年ほど取材を続けてきて感じるのは、小学生の不登校というのは人数が少ないからこそ、親が孤立しやすく、なかなか対策が講じられないという問題があると感じています。――不登校の小学生数は、年々どのように変化しているのでしょうか。しばらく0.3%台を維持してきたのですが、この数年で0.4%台に増えてきています。20年前は0.24%だったことから比べると、かなり増えてきている印象ですね。■小学生が不登校になる原因――なぜ、小学生で不登校になってしまうのでしょうか。私は、その主な原因には5つあると考えています。それは、「いじめ」、「発達障害」「集団生活が合わない」、「人一倍敏感な気質」、「学校の管理の厳しさ」です。▼いじめ――小学校でのいじめとは、どういった内容なのでしょうか。驚かれるかもしれませんが、小学校1年生でもいじめは起こります。小学校低学年でも、腕力が支配しているような旧時代のいじめは起きていて、子どもたちの見た目から想像するような平和な世界ではないのです。ただ、子どもに「いじめを受けたか」と聞くと、クラスの半分くらいが受けたと言ったという話もあって、まだ意地悪といじめの区別はついていないように思います。――学年によって、いじめの質も変わるのですか。そうですね、小学校3~4年生くらいからは、現代的ないじめに切り替わってきます。クラスカーストがあって、女の子を中心にコミュニケーション操作が行われ、特定の子が孤立させられていくようないじめです。大人からはけっして見えない高度ないじめが行われている場合もあり、いじめられた子どもにとってはつらい経験になります。そうして、小学校から学校に行けなくなった、行かなくなったという話はよく耳にします。▼発達障害――発達障害があると、支援学級などでケアがあるのではないでしょうか。たとえば、発達障害があってもグレーゾーンと言われる状態で、支援学級に行くほどではない子も多くいます。その場合、ケアは十分に受けられるとはいえず、集団生活になじめないということがあるのです。――たとえばどのようなことが起きてしまうのでしょうか。私が聞いた事例では、ある発達障害のグレーゾーンだった子が、消しゴムの使い方がわからなかったんですね。その子は空気を読んで周りの子の使い方をまねすることが苦手でした。書いたところを消せないので、二重線で消していたら、先生に怒られてしまった。しかし、消しゴムの使い方はわからないままなので、何度も繰り返して…。先生の怒りがどんどん膨らんでしまったのです。そしてパニックを起こしてしまい、学校に行けなくなってしまった。こうした事例もよく見られます。学校がそうした子への関わり方を工夫できたらいいのですが、その受け皿ができていないのです。▼集団生活が合わない――集団生活が合わないとは、発達障害などの「合わせらない」こととは違うのですか。小学生でも大人びている子がいて、その中でも集団生活がばからしく感じてしまうという子がいます。お遊戯をさせられたりするのが屈辱でたまらないと感じ、学校から離れて行ってしまうことがあります。▼人一倍敏感な気質――敏感な気質で学校に行けないということもあるのですね。人一倍敏感な気質の子どもを、「ハイリー・センシティブ・チャイルド」という言葉で表します。略して「HSC」と言われることもあるのですが、ここ近年、こうした子どもたちの存在がわかってきて、私たちも何度か取材して記事にしてきました。すると、「やっと言葉にしてくれた。自分はHSCだったんだ」という反響があったのです。――「HSC」とは、たとえばどのようなことに敏感になるのでしょうか。典型的によく見られるのは、音に敏感になる子です。先生がだれかに大きな声で怒っていると、まるで自分が怒られているような感覚になって体が動かなくなってしまう、教室のザワザワした音が苦痛に感じるといいます。研究者の中では、5人に1人がこうした気質を持っているとされていて、病気や障害ではないのですが、本人たちにとってはかなり大きなダメージを受けると聞いています。そのほかにも臭いや気圧など、それぞれに敏感になる対象が違い、それが原因で学校生活が送れないという子がいるのです。そういう子は、虚弱体質だとか、臆病だとか言われがちなのですが、そうではなくて、変えることのできない気質なのだと、ぜひ周りが理解してあげたいところですね。▼学校の管理の厳しさ――学校の管理というのは、校則や決まりといったことでしょうか。取材を通じて、小学生に守らせる決まり、日々の細かい指導が近頃どんどん厳しくなっているんではないかと思っています。子どもたちの管理体制が厳しくなっているように感じ、それに対して子どもたちは合わせることが難しく、双方の亀裂が大きくなっているように思います。学校側が子どもたち1人ひとりに合わせて指導する余裕がなくなっていて、ある種の慢性的なパニック状態になっていると言えるかもしれません。 ■夏休み明けは一番注意が必要!――1年をとおして、不登校になりやすい時期というのはありますか。厚生労働省が発表している「自殺対策白書」によると、9月1日に18歳以下の日別自殺者数は突出して高くなっています。「自殺」というと大げさだと感じるかもしれませんが、これまで数多くの不登校の人たちと出会ってきて、この時期というのは不登校が始まる時期に限りなくイコールだと思っています。――この統計では、夏休みやゴールデンウィーク、冬休みなどが明ける時期に、自殺者が多くなっていますよね。不登校が始まるのも、休み明けの時期が多いということですか。そうですね、とくに夏休み明けは注意してあげてもらいたいです。■不登校になる理由はひとつじゃない――なぜ子どもたちは「学校に行きたくない」というのか、その理由は特定できるものなのでしょうか。それは難しいと思います。なぜなら、子どもたちが不登校になる理由はひとつだけではなく、3つくらいの理由が重なり合っているからです。子どもたち自身が、学校に行きたくない理由を説明するのが難しいと同時に、いじめられている場合は親に言いたくないと感じるものです。ですから、子どもの不登校の理由を見つけるのはなかなか容易なことではありません。――子ども自身も理由がわからないということがあるのですね。私が取材したなかで、小学生から不登校だった子がいるのですが、その人は話を聞くたびに不登校だった理由が変わったんです。約5年おきに取材をしていたのですが、初めは「雷が怖かったから」、次は「いじめられていたから」と話していて、いじめられていたと言いにくかったのだなと思っていました。しかし、その後「やっぱり雷が怖かった」と言っていて、よく話を聞くと彼はいわゆる「HSC」で、雷の音に敏感に反応していてパニックを起こし、それが理由でいじめにも遭っていたことがわかったのです。このように、子どもたちが学校に行けない理由は複数ある可能性があります。まずはそのことを知ってあげることが大切ですね。次回は、子どもの不登校に対して親ができることについて、引き続き石井編集長にお話をお伺いします。具体的な子どもとの向き合い方についても、ご紹介します。■石井志昂(いしい・しこう)さんプロフィール1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からは創刊号から関わってきた『不登校新聞』のスタッフ。2006年から『不登校新聞』編集長。これまで、不登校の子どもや若者、親など300名以上に取材を行ってきた。【参考サイト】・文部科学省: 平成28年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」 ・厚生労働省: 平成26年度自殺対策白書 [PDF:234KB] 【同じテーマの連載はこちら】 樹木希林からの命のバトン この連載の全話を見る >>
2018年08月26日昨今「職場いじめ」が問題になっています。「いい大人が何をしているんだ」と思ってしまいますが、幼稚な思考を持つ人間が存在しています。また、「辞めさせる」ためにわざといじめてくるケースもあるようです。学生のいじめも問題ですが、大人のそれも厄介。仮に自分がそのような状況に陥ってしまった場合、どのように対処するべきなのでしょうか?法律事務所あすかの冨本和男弁護士に、今回の処分について見解をお伺いしました。Q.職場いじめを受けた場合、どのように対処すればいい? A.上司や弁護士、都道府県の労働局に相談しましょう冨本弁護士:「まず、職場で受けたいじめの内容(加害者の具体的な言動)について、時系列に沿って整理し、可能であれば録音したり、証言者を得たりして証拠を確保します。その上で上司に相談して解決されそうであれば上司に相談してみましょう。また、ある程度大きな会社でそうした相談の担当部署があるようであれば、そちらに相談してみてもいいでしょう。会社内で頼れる人・部署がないような場合、弁護士や都道府県の労働局に相談することも考えられます。企業が従業員から職場でのいじめの相談を受けた場合、いじめを受けた従業員からよく話を聞くのは当然ですが、いじめを行った者や周辺の者にも事情を確認する等の調査を行って、いじめが事実であると判断するのであれば、いじめを行った者にいじめを受けた従業員への謝罪を促したり、いじめの内容がひどくいじめを行った者に反省の色も認められないようであれば相応の処分を行うことも検討した方が良いでしょう。また、調査の結果いじめが事実であるとの判断に至らない場合でも、いじめを受けたと主張する従業員に対し、どういった調査を行って、どういう理由でいじめの事実を認めなかったかについて可能な範囲で説明を行うことも考えられます」職場でいじめ被害を受けた場合、1人の力では如何ともし難いものがあります。証拠を確保したうえで、上司や部署、そして弁護士や都道府県の労働局に相談しましょう。 *取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 身近に潜む「職場いじめ被害」のリスク被害を受けた場合の対処法を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。身近に潜む「職場いじめ被害」のリスク被害を受けた場合の対処法を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月13日大変残念なことに、いつの時代も、どこの環境でも多かれ少なかれいじめの話は耳にします。日本人の国民性か? それとも、日本の風土や気質がもたらすものなのか?もしも、あなたやあなたの子どもがいじめにあったら、その時どうふるまうのが正解なのか? 様々な識者の意見を参考に、いざという時の知識を身につけましょう。その1 妻による夫いじめに解決の余地はあるのか愛していた夫に対して愛情が薄れるばかりか、憎さが勝り、いじめてしまうという妻もいるそうです。いったいどうしてこういった夫婦の構造になってしまうのか、そこには、夫が妻のフラストレーションに向き合っていない可能性もあるそうです。▼続きはコチラ▼その2いじめられやすい人にも特徴があるいい人で人あたりもいいのに、なぜかいじめのターゲットになりやすいという人は存在するもの。いったい、いじめにあいやすい人とそうでない人は何が違うのか、その違いを心理カウンセラーの那賀まきさんにお聞きしました。▼続きはコチラ▼その3 もしも職場でいじめにあったらやってはいけないこともしもわが子がいじめにあったら、親はどういった行動を起こすべきなのか? 心理カウンセラーの那賀まきさんが教えてくれた、「わが子が職場でいじめにあった際」の対処法は、学校に通う子どもにも役立つものがあります。▼続きはコチラ▼その4そもそもいじめられにくい子どもにすることはできるもの?親としては、できれば我が子にはいじめの被害にあわずに、まっすぐとすくすく育ってほしいもの。ならば、いじめられにくい子どもに育てることはできるもの? 心理カウンセラーの那賀まきさんは、親がすべき5カ条を教えてくれました。▼続きはコチラ▼その5我が子がいじめにあったら頑張れはNGもしもわが子がいじめにあったとしても、頑張れというのはNG。嫌なことを嫌と言えない状況に陥っている子どもに頑張れというと、苦しい環境に身を置き続けてしまうことになるからです。▼続きはコチラ▼その6親には何でもする覚悟が必要もしもわが子がいじめられたら、親に必要なのは、子を守るために何でもする覚悟だと心理カウンセラーの椎名あつ子さんは話します。椎名さんは、いじめが解決しなかった場合の思考法についてもhなしてくれました。▼続きはコチラ▼
2018年04月06日ウーマンエキサイトで人気連載中のちゅいママさんの記事 「子どもの世界の悩みは大人が思っているより大きい…親はどう寄り添う?」 で実施したアンケートから見えてきたのは、子どもの悩みに親も一緒に悩んでいる姿でした。■子どもに悩みを相談されたことある?ウーマンエキサイトで実施した「子どもに悩みを相談されたことはありますか?」というアンケートでは次のような結果となりました。Q.子どもに悩みを相談されたことはありますか?ある 36%ない 2%(子どもが小さいので)まだない 62%子どもから相談されたことがある人が、36%。子どもが小さいためにまだ相談されたことがないという人が62%といました。以前、筆者の友人から「子どもが小さいうちは子どもだけの心配をしていればよかった。体調のこと、成長具合のこと。そのときはそれがとても大きな問題に思えていたけれど、大きくなると悩みが変わってくる。友だちづきあいが始まることで、悩みの質が変わり、親も解決ができなくなってくる」と話されたことを覚えています。子どもも大きくなってくると、自分と親だけの世界から友だちも含めた世界へと広がっていきます。そしてそこには自分の感情だけではどうしようもできない問題も生まれてきます。そんな子どもの悩み、親はどうすればいいのでしょうか?■親も我慢してきたから子どもにも我慢させてしまうちゅいママさんは、長男に友人のことで相談されて「ねぇ~、お母さんなんとかしてよ~!!」と泣きつかれてしまったそう。でもちゅいママさん自身は大きなけんかをした経験がなく、どうしたらいいのかわからなくなってしまったといいます。「子どもが悩んでいることについて親としてどのように対処したか、教えてください」というアンケートからも「親が悩んでしまった」という回答がありました。子どもは小2女子です。現在進行形でキツい言葉を言う友達に悩んでいます。泣きながら帰宅することもあるため、とにかく話を聞き同意すること(同情ではなく)をしていますが、相手の子には本当に腹が立って…。「嫌だということは伝えた方がいい」と言うと、逆に「自分が言われたら嫌だから言えない」と娘。「その子が今後困らないようにするために、伝えることも優しさだ」と、つい先程話しました(^_^;)。とは言えそんな嫌な役回りを娘に背負わせるのもなぁ…と、心の声もついつい娘に言ってしまう、ハッキリしない親です…なんでも正面から受けてしまい、流すという事がなかなかできない子どもで、何かあると毎晩布団の中で1時間以上言い続けます。私も最初は、「あーしたらいい」「こーしたらいいんじゃないか」とアドバイスをしていましたが、それで解決したと思うことはありませんでした。共感が大事と読んだり聞いたりして、いまはただひたすら聞いていますが、それで本人はスッキリしているのかどうかははっきり言ってわかりません。ただ子どものためと思っても何日も続くと、私の方もいい加減しんどくなり、悩みにうまく対処できない。自分はダメ親だなと思ってしまい、つらいです。「自分が我慢して合わせてしまうタイプなので、子どもにも我慢させてしまう」と親自身が苦しんできたことを、子どもにも強いてしまっているように感じて苦しんでいる人もいました。また「4月から娘が幼稚園に入ります。私自身が社交下手なので、『こうしたら?』っていう提案もできるのかしら?といまからガクブルです」という方も。4月から入園、入学を迎えるママたちは、新しい環境下での子どもの友人問題は、もっとも心配していることかもしれません。■相談されたときは「聞く」ではなく「聴く」ちゅいママさんは、ある日出会った先生によって反省をしたといいます。それは、大人からしたら「そんなこと」と思えることで泣いていた女の子に、先生は話を聞いてあげるだけだったのに、女の子は涙をふいて登校したという出来事。「私が長男にしてあげるべきだったのは、解決の方法や言葉ではなくて、聞いてあげる姿勢だったんだな」と考え直したそうです。アンケートからも「子どもの話を聞く」という意見が一番多く集まりました。また話を聞く際に、子どもが小さい場合には背中やおなかをさすりながらだったり、聞いた後にギュッと抱きしめているという声も聞かれました。話をよく聞く、気持ちを理解した上で私は自分の失敗談や経験したこと、小学校の思い出なんかを話します。娘は目を輝かせて「ママもそんなことあったの!?」と普通に話すよりも数段テンション高めで食いついてきます(笑)。そうこうしてると、娘はスッキリするのか悩みが飛んでいくみたいで顔が明るくなってます。女性は話す行為でストレスを発散させるというので、ウチではもっぱら悩むと親子でワイワイ話して発散してます!“思い込み”という可能性もあるので、悩みを聞いて、少し様子を見ました。ただ、 「先生に話そうか?」と聞いて、「もうちょっとがんばってみる」と言われたら、「わかった。でも、ママは悲しむ姿は見たくないから、つらかったら我慢しないで言ってね」とも伝えました。またちゅいママさんの出来事ではありませんが、現役の先生からも意見が届きました。私自身の子どもはまだ3歳なのですが、小学校の教員をしているので、そのようなことは多々あります。放課後の遊びのことで相談されることももちろん多いです。ときには公園まで様子を見に行くこともあります。相談されたときはまずはそれぞれに話を聴きます。話を「聞く」ではなく、「聴く」です。耳を傾けてしっかり話を聴きます。「傾聴」とも言います。やっぱり適当にあしらってると、子どももわかるので、気をつけています。ちなみに、言葉が乱暴な子というのは、語彙が少ないことが多いです。毎日が忙しく、話を聞いているつもりでも、つい夕食を作りながらなど、「ながら」作業で聞いてしまうことがあります。聞いても流してしまっていてはダメなんですよね。きちんと子どもの気持ちをくみ取りつつ聴くことが必要なのでしょうね。そして「言葉が乱暴な子は語彙が少ない」という意見に「そうだったのか」と納得。自分の気持ちをうまく伝える術(語彙)がないから、力に頼ってしまうのかも。たとえば「●●君は、どうして怒ったんだと思う?」「もしかしたらサッカーで負けてくやしかったのかな」と相手の感情をママが代弁してあげると、子どもも相手の気持ちを考えるようになるかもしれませんね。■子どもの悩みにジャッジしてしまうただなかには「話を聞く」ことに失敗したという人もいました。はじめは「そんなこと言われて嫌だったねー」と共感して聞くのですが、子どものお友だちから「○ちゃん(子どものこと)がこんなことした、あんなことしたーー」といろいろ聞かされると、つい自分の子どもの言い分ばかり聞いていられず、「お前がこうだから、お友だちに嫌われるんでしょ!」と言ったりしちゃいました。子どもからの相談は、「受け止めてあげなきゃ」と思いながらもつい余計なアドバイスをしたり、ジャッジをしたり子どもに「●●なところを直せば?」と言っちゃいます。でもどうしても嫌なら学校行かなくてもいいし、学校変えてもいいよとは伝えてますまずは話を聞いて、気持ちに寄り添う。そんなことわかってます。それでも「ママ何とかしてー」が続くと「自分で何とかせいー!」ってなっちゃう(笑)彼にしたらとても大きな悩みなんですね。私も今後その視点を大事にしていきたいです。親の「自分で何とかせい」が続くと、相談もされなくなり、いじめで命を絶ってしまったり…につながるのかなとちょっと怖くなりました。自分だって夫に話聞いて欲しいときは、解決策じゃなくて共感して欲しいだけってことが多い。これは“めんどくさいときの私”だと思って対処していきたいです。いつだって子どもの味方でいること。そう思いながらも、いつまでも続くグズグズした言葉に、ついついキレそうになることもあります。「話を聞くだけ」こんなことすらも、忙しいとできなくなってしまう。子どもに共感するためには、親自身の体調や感情がばっちりで、ときには忍耐が必要となることもあるんですよね。■解決策を親はどう示すべきか?まずは話を聞き、そのあとどうすればいいのか? 親が聞いたら子どもが満足すればいいのですが、それだけではまだ心が晴れない場合には次のステップを考える必要が出てきます。まずは聞く。2年生の女の子だから、説明も自分の気持ちを話すのも、わりと上手です。それから、「嫌だったね」と受け止め、その上で、「みんなと仲良くできたら1番だけど、あわない子も絶対いる。あわない子より、あう子との時間を大切にしたらいいよ。あわない子は、『あらあらこんな子もいるんだな』程度に思っていればよいよ」と話してます。すべてが解決できることではなくなって来てるので。性格や育った環境の違いなどで。「関わらない」、「気にしない」、「自分とは違う人間なんだな」という考えも必要かなと。「嫌なことをされたら、きちんと言葉にして『嫌だ』と伝えないと相手はわからないよ?」と言っています。それが言えないならばその場から離れる。それでもダメなら先生に話す。「ママは学校でずっと一緒にいてあげられないから話を聞いてアドバイスしかしてあげれない。自分が悩んでる間、相手はなんとも思ってないことが多い。だからこそ嫌なことがあったら、その場で言わないと相手も冗談のつもりだったことを反省したり考えたりできる」と、励まして声かけしました。友だちがしていることを正面から受け止めて、そして悩んでしまうという子も多いよう。相手がどこまで「いじわるでしていること」なのか、それとも「冗談なのか」の距離感がつかめずに苦しむこともあるようです。■学校に相談するときの線引きは?「話を聞く」に次いで多かった対処法としては、「学校に相談する」でした。しかしこの段階で親が悩んでいることもわかってきました。それは「学校に相談するときの線引きはどこか?」というもの。いまの時代、何かを学校に伝えてしまったときに「モンスターペアレント」と思われるのではという恐怖もあります。それでなくても先生は忙しいと言われていて、子どものささいなことかもしれない感情を伝えてもよいものか悩むところです。そこで学校に相談する際の線引きをココと決めている方の意見を紹介いたします。<親が考える学校に相談するときの線引き>●学校のことで悩んでいて、「学校に行きたくない」というレベルまで行ったら●上級生が関わっているなど、子どもだけで解決できそうにないなという場合●「1(こちら側)対 多数(相手)」の場合で、子どもだけで解決が困難と判断した場合●その子と話をして、それでもやめないならその子の親、そして担任に相談●「ママが言ってやろうか?」と聞くと必ず「そこまでは大丈夫だよ」と言っていた子がある日泣いて帰ってきて「ママ、もうママが言ってー」と言われたとき相手の親に伝える、伝えないについては、意見が分かれていました。「相手の親に伝えると、余計に修復が難しくなる気がします」というように、もし自分の子どもが加害者と言われてしまうと親としてもカッとなってしまうこともあり、その関係性には確実にひびが入りそうです。しかし「子どもの悩み」というレベルではなく「いじめ」にまで発展してしまった場合には、親も覚悟が必要となってくるかもしれません。親子でじたばたしました(笑)。いじめ的なハードなものだったので…。「いじめ110」的な専門家に相談したり、学校の先生にも相談しました! ただ相手の子や親御さんには直接抗議するようなことはせずに、対処法と先生には見守りをお願いしました。あとは子どもとたくさん話して、現状を把握して「あなたの味方はたくさんいるよ! だから大丈夫!」といってました!うちの息子の場合は、ある1人の友達(A君)から「一緒に遊ばなければ友だちをやめる」と言われたことから始まり、欲しいものを持ってくるように要求されるまでエスカレートしていきました。ほかにも息子のように困っている子がいると聞いたので、連絡帳経由で担任の先生に相談しました。 先生から子どもたちに話をしてくださり、解決にいたりました。A君の親とは面識がありませんでしたが、たとえ親同士が仲良くても、子どものこととなるとちょっとしたことでその関係が崩れてしまいそうで、安易に直接介入できない難しさをいつも感じています。いじめへと発展させないためには、どう行動すべきか。これは本当に難しい問題です。親にできるのは、子どもにとっての安全地帯(家など)と心の居場所を用意してあげることぐらいかもしれません。そしていざというとき、子どものためには「学校には行かなくてもいい」と決断する力も持っておきたいものです。■「自分で解決する力」を育てるには親の本音としては、「悩みを親が聞いたあとは、自分で解決してほしい」ですよね。これから子どもが生きていくうえで、親が常に危険を取り除き、問題を解決してあげることはできませんから。話をしっかり聞いて、受け止めることを心がけてます。いじめにあっても、悲しいつらい気持ちだけでいることはせず、それをみんなが笑えるネタにする力と跳ね返す力を身につけることを話してます。自分がいま何に悩んで、何でつらいのかを確認して、どうすべきかを考えてもらってます。たとえば「発表の失敗をした→からかわれた→泣いた」では、小さい子ならまだしも11歳になればちょっと幼稚かな? と。自分のやったことを確認できて、どうしたら楽しい人生だったか? と自分なりに答えを探します。つらい苦しい人生だけじゃもったいない。できるだけ結論は自分で見つけた方が納得すると思うので、ヒントになりそうな話しかけから「●●ならどうしたいの?」と言って聞くようにしてます。が、まだ幼稚園児なので難しいことは子ども同士もわからないから、私だけで抱え込まずに夫にもそれとなく相談して回答を求めたりします。「自分で解決しろ!」と突き放すのではなく、まずは子どもに寄り添う。そして「あなたはどうしたいの?」と子ども自身の課題であることを伝えてみることも大切かもしれません。もし子どもが家族全員にも悩みを打ち明けることに同意してくれたら、みんなで話しあってみると、いろいろなアドバイスがもらえるかもしれませんね。ただ注意したいのは、親が考える正解が思い浮かんでしまっても、それを押し付けてしまうと、子どもには「親って結局、何にもわかってない」と思われてしまうことに。ママだって「ただ愚痴が言いたかっただけ」な日があるように、子どもだって言ったことをただ受け止めてもらえるだけで、スッキリすることもあるはずです。でも相談した内容を「くだらない」「何をそんなことで悩んでいるの」と親に一蹴されてしまったら。もう二度と子どもは、親に相談をしなくなるかも。「子どもの悩み」は、どこから直接介入するべきなのか、対処法をアドバイスするのも違うかも…?とモヤモヤすることも多い「親の修行のひとつ」だとは思いますが、まずは子どもの気持ちを受け止める場を作ることを大切にしたいですね。もし悩みがすぐに解決しなかったとしても、「親がきちんと自分を見ていてくれている」という安心感があれば、時間がかかったとしても子どもの中では解消していくのではないかと思います。Q.子どもに悩みを相談されたことはありますか?アンケート回答数:419Q.子どもが悩んでいることについて親としてどのように対処したか、教えてくださいアンケート回答数:105(アンケート集計期間:2018/3/1~2018/3/5)
2018年03月08日おかしいな、と感じたのは中学生の頃。ちょうどいじめに遭っているときでした。摂食障害という言葉を知らないまま、拒食症と過食嘔吐を繰り返すように。あれから約15年、私はいまだに最重度の拒食症体重です。文・七海摂食障害なんて知らなかった。だけど、食べる意味がわからなくなったもともとよく食べるほうでしたが、太りにくい体質でした。幼い頃から「痩せの大食いだね」と言われることがよくありました。”痩せている=良いこと” という図式はいつからできあがったのでしょうか。私は、痩せていることをよく褒められ、うらやましがられました。食欲に変化が出てきたのは15年ほど前。中学校2年生、いじめられていた頃です。言葉の暴力もあり、容姿を酷く罵られました。学校から帰って鏡を見て、顔を引っ掻きながら泣きました。髪の毛を抜きながら泣きました。体中を殴りながら泣きました。誰かから蹴られた痛みなのか、自分でつけた痛みなのか、心の痛みなのか、もうわからなくなっていたのです。ひたすら泣いて、泣き枯れて、また泣いて。それを繰り返していたら、悪夢の朝が始まっていました。希死念慮や自殺願望が強くなってきた頃です。あるとき思いました。「私はなぜ食べているのだろう」と。生きるために食べているという行為が、よくわからなくなってしまったのです。太ることへの恐怖感が、食欲の変動を増長させた食べる意味がわからなくなってから、食欲が落ちてきました。食欲が落ちると、食べなくなります。食べなくなると、当然痩せます。もともと痩せ形でしたが、さらに痩せていきました。お風呂で鏡に写る私は、細くてきれいに見えました。お風呂から上がると体重計に乗り、だんだん減っていく体重に快感を覚えました。幼い頃褒められ、羨ましがられた ”痩せている体型” が、もっと痩せていっていたからです。容姿を罵られる毎日のなか、細い体と体重計の針だけが心の支えのように感じました。痩せていくことが自己肯定感へとつながってしまったのです。やがて、毎日体重計に乗り、0.01kgの増減に一喜一憂するようになりました。0.01kgでも増えていると、自分を責めるようになりました。痩せられない自分が許せませんでした。でも、この当時すでに最重度の拒食症体重だったのです。栄養失調と脱水症状で倒れて、救急車で運ばれることもありました。きっかけは思い出せませんが、食べられない期間が続いた後で、物凄い食欲に襲われる期間がくるようになりました。衝動的な食欲を抑えることができず、必要以上にものを食べました。親に見つからないようスーパーで買い込んだり、ひとりで食べ放題の店に行ったりしました。食欲が満たされると、次は強い罪悪感が襲ってきます。体重も増えます。太っていく恐怖感に抗えなくなったとき、私は初めて吐きました。トイレで無理矢理、吐きました。なぜか涙が止まらなかったけれど、胃液が出るまで吐きました。いじめから何年も経ったけれど。摂食障害とは戦い続けている食べない、食べては吐く、を繰り返すのが日常になってから何年も後のこと。摂食障害の存在を知りました。拒食症と過食嘔吐を繰り返す人もいるのだと知りました。私は十二分に痩せていたし、”痩せたい” の認識が違うのだな、と思いました。摂食障害を知り、私が痩せすぎていることを知っても、なかなか認識を変えることができません。私は今でも、最重度の拒食症体重です。もう、いじめられていません。もう、暴力に怯える日々ではありません。それなのに、「太るのが怖い」んです。「痩せすぎだから太りなさい」と言われるようになりました。だけど、体重を増やすことが、たったひとつの自己肯定感を否定することになりそうで、怖いんです。私は今でも食べられなくなります。衝動的に食べて、衝動的に吐いてしまいます。食べられないことにも、食べすぎることにも、吐いてしまうことにも、罪悪感を覚えます。けれど、体重を増やすことへの ”罪悪感” がより強く残ってしまうのです。”贅沢病” だと揶揄されることを知りながらも、食べること、太ることと向き合えない自分が悲しくなります。だけどいつか、私自身の認識が変わるように。食べられないときでもひと口だけ食べたり、たくさん食べたくなったときには財布を持たないようにしたり、吐きたくなったときは寝るようにしてみたりと、少しかもしれませんが、努力をしているつもりです。” 痩せている=良いこと” という図式はいつからできあがったのでしょうか。今でこそ、健康美が推進されています。それにもかかわらず、「ダイエットしたい」という声をよく耳にします。摂食障害のきっかけは人それぞれ。無理なダイエットが引き金になることもあります。一度摂食障害になるとなかなか治せないということも、私自身が実感しています。海外から ”ボディ・シェイミング” という言葉を聞くようになりました。他の人と比べて自分の体型を恥じることを指しますが、他人の体型を非難する場面でよく使われます。健康を損なうような体型は改善したほうが良いと思いますが、そうでなければ、自分の体に誇りを持てる社会になるよう願います。きっとそれが、摂食障害患者を減らすのではないかと思うからです。私はまだ、摂食障害と戦っています。体重が軽すぎて体力がなく、倒れてしまうこともあるからです。当事者の方も、一歩一歩前に進めると良いなと思っています。そして、新たな患者が増えないよう切に願っています。(C)Alesse/Gettyimages(C)KatarzynaBialasiewicz/Gettyimages(C)KatarzynaBialasiewicz/Gettyimages
2018年01月13日