「ウィレム・デフォー」について知りたいことや今話題の「ウィレム・デフォー」についての記事をチェック! (2/4)
映画界には、何十年かに一度、世界がひれ伏す俳優が現れる。ジェームズ・ディーン、オードリー・ヘプバーン、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオ…狂おしいほど美しく、ときに儚く、しかしその存在はまばゆく――。街も空も緑も、共演者さえ、スクリーンに映る全てが彼/彼女を引き立てる装置になる。今現在、その“最旬”にいるのがティモシー・シャラメだ。唯一無二の表情、演技力、オーラを持つ“奇跡”の存在フランス人の父とアメリカ人の母を持つ彼は、現在23歳(ちなみに『ベイビー・ドライバー』のアンセル・エルゴートは高校の同級生)。子役として数々のCMやドラマに出演し、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』(’14)で注目を浴びる。その後『マイ・ビューティフル・デイズ』(’16)などを経て、『君の名前で僕を呼んで』(’17)で大ブレイク。21歳にしてアカデミー賞主演男優賞候補入りを果たした。彫刻のように整った顔立ち、あどけなさと成熟さを併せ持つ表情、憂いを帯びた瞳、そして隠し切れないくらいに無垢で清純な色気。揺れる心情をミリ単位で体現する演技力の高さはもちろんだが、何と言ってもスクリーンの中の彼は、息づかいが聞こえるほどに「生きて」いる。奇跡という概念が擬人化したら、きっとこんな姿かたちをしているのだろう――。恥ずかしげもなくそう言い切ってしまえる逸材だ。続く『レディ・バード』(’17)で、人気を確固たるものとしたシャラメ。2019年には、日本公開作がなんと6本にも及んだ。ブレイク前夜に出演したSF『シークレット・チルドレン禁じられた力』(’15)、ドラッグ依存症の青年役に挑んだ『ビューティフル・ボーイ』(’18)、ナイーブな青年がドラッグの密売人へと脱皮を遂げる姿を熱演した『HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ』(’17)、クリスチャン・ベールと共演した西部劇『荒野の誓い』(’17)、Netflixの歴史大作『キング』(’19)、教師に恋心を抱く高校生をみずみずしく表現した『マイ・ビューティフル・デイズ』(’16)。出演順は前後しているのだが、彼の演技のクオリティが非常に安定しているため、過去の作品であっても「粗さ」や「硬さ」は感じられない。それもまた、シャラメの大きな特長といえよう。Instagramのフォロワーは450万人を突破し、世界的な知名度も急上昇中。この先の公開待機作では、さらなる躍進が決まっている。今後の出演作に要注目まずは、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督、プライベートでも仲の良いシアーシャ・ローナンと再タッグを組む『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』。名作小説「若草物語」の再映画化で、エマ・ワトソン、『ミッドサマー』(’19)のフローレンス・ピュー、ローラ・ダーン、メリル・ストリープといった実力派の女優陣と共演を果たした。本作では、四姉妹と交流する御曹司に扮している。そして『メッセージ』(’16)のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が“いわくつきの大作”に取り組んだ『Dune』(原題)。アレハンドロ・ホドロフスキー、デヴィッド・リンチ、リドリー・スコットといった鬼才たちをもってしても満足な形で映像化できなかったSF長編『デューン』に、主演として挑む。『ドクター・スリープ』(’19)の怪演が記憶に新しいレベッカ・ファーガソン、ジェイソン・モモア、ゼンデイヤ、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ハビエル・バルデム、シャーロット・ランプリングが出演予定だ。さらに、『グランド・ブダペスト・ホテル』(’14)のウェス・アンダーソン監督の新作『The French Dispatch』(原題)。20世紀のフランスを舞台にした物語のようだ。本作にも、驚異的な豪華キャストが集結。レア・セドゥ、シアーシャ・ローナン、ケイト・ウィンスレット、ティルダ・スウィントン、ビル・マーレイ、ウィレム・デフォー、クリストフ・ワルツ、ベニチオ・デル・トロ、エイドリアン・ブロディ、フランシス・マクドーマンド…シャラメは、彼らとどんな化学変化を起こすのだろうか。この3本だけでも十二分にすさまじいのだが、その後に『君の名前で僕を呼んで』の続編が控えている。その全てで主役、ないし重要な役どころを演じているのも驚異的だ。名だたる役者たちと渡り合う実力だけでなく、さらに上に行く「魅力」を備えているシャラメ。規格外の速度で成長を続ける彼が、この先どこまで駆け上がっていくのか、正直全く予想がつかない。ただ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(’16)や『スパイダーマン』に落選してしまうなど、これまでのキャリアは決して成功一色ではなかった。しかしだからこそ、悔しさを乗り越えたシャラメの視界は今、かつてないまでに良好だ。夢を体現する者を「スター」と呼ぶなら、彼ほどその称号がふさわしい者はいないだろう。ティモシー・シャラメの伝説は、まだ始まったばかりだ。(SYO)
2019年12月24日先日発表された本年度ゴールデン・グローブ賞の作曲賞にノミネートし、さらに注目を集める映画『マザーレス・ブルックリン』から、エドワード・ノートン演じる主人公とウィレム・デフォー演じる謎を知る男が会話をする本編映像が到着した。ボスのフランク(ブルース・ウィリス)が、死の直前に関わっていた事件の捜査を引き継いだエドワード演じるライオネル。大規模な開発計画に対する公聴会の場で、ウィレム演じるポールと出会ったライオネルは、どこか訳有りなポールに話を聞くことになり、2人でダイナーを訪れることに。そしてポールは、ダイナーに入ると早々にチーズケーキを頼み、ライオネルに「何でも好き放題」と街を牛耳る“BA(区監督局)”の話をし始めるのだが、新聞記者と偽っているライオネルは“BA”が分からずに訊ね、ポールから叱責されたことで発作が出てしまう。続けて、ポールは思想家・哲学者エマソンの言葉を引用し、区監督局の実力者で権力を持つモーゼスの支配ぶりを明かすのだ。今回、一風変わったキャラクターを演じ、初めてシナリオに挑戦、約20年ぶりにメガホンをとるなど1人4役をこなしているエドワードは、撮影が行われたこのダイナーについて「ウィレムと私の自宅の中間にあります(笑)」と2人の地元で撮影されていたという裏話を告白している。『マザーレス・ブルックリン』は2020年1月10日(金)より新宿ピカデリーほかにて公開。(cinemacafe.net)
2019年12月19日アレキサンダー・スカルスガルドとビル・スカルスガルドが『The Northman』で共演することになった。10世紀のアイスランドを舞台にしたバイキングのリベンジ物で、監督は『ウィッチ』のロバート・エガース。『ウィッチ』に主演したアニヤ・テイラー=ジョイ、エガースの最新作『The Lighthouse』に出演したウィレム・デフォー、またニコール・キッドマン、クレス・バンクも出演が決まっているようだ。アレキサンダーとビルは、スウェーデンの名優ステラン・スカルスガルドの息子。アレキサンダーは1月日本公開の『ロングショット 僕と彼女のありえない関係』、ビルはこの秋のヒット作『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり』に出演している。文=猿渡由紀
2019年12月19日ハリウッドを代表する演技派俳優エドワード・ノートンが監督・脚本・製作・主演の“1人4役”を務めた『マザーレス・ブルックリン』。この度、物語の舞台でもある1950年代のフィルム・ノワールを彷彿とさせる予告編と場面写真が解禁された。「僕は少し壊れてる」と、持病の発作に悩まされる主人公ライオネルをエドワード・ノートンが熱演する様子から始まる予告編。そんなライオネルに優しい笑顔で話しかけるブルース・ウィリスが演じるボスのフランクは、私立探偵の雇い主であり、居場所を与えてくれた恩人だ。やがてフランクがある事件に巻き込まれて殺されてしまい、ライオネルは「犯人を必ず見つけ出す」と真相を調べることに。捜査の途中で、ググ・バサ=ロー演じる鍵を握る女ローラ、アレック・ボールドウィン演じる権力を持つ男モーゼス、ウィレム・デフォー演じる謎を知る男ポールなどと出会い、ライオネルが50年代のニューヨークの危険な闇に引き込まれていく様が描かれていく。映像冒頭から流れるのは、「レディオヘッド」のトム・ヨークが本作のために書き下ろした「デイリー・バトルズ」。かつてのフィルム・ノワールを意識しながらも現代的な演出をさらに彩る。同時に解禁された場面写真は、ライオネルと関わっていく人々とのやり取りがよりクローズアップされており、本編でも見逃せないシーンが写し出されている。『マザーレス・ブルックリン』は2020年1月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月29日インディペンデント・スピリット賞のノミネーションが発表された。作品部門の候補は『名もなき生涯』『マリッジ・ストーリー』『The Farewell』『Clemency』『Uncut Gems』。監督部門はアルマ・ハレル(『Honey Boy 』)、ローリーン・スカファリア(『ハスラーズ』)、ジュリアス・オナー(『Luce』)、ロバート・エガース(『The Lighthouse』)、ベニー&ジョシュ・サフディ(『Uncut Gems』)。主演男優部門はロバート・パティンソン(『The Lighthouse』)、アダム・サンドラー(『Uncut Gems』)、クリス・ギャラスト(『Give Me Liberty』)、ケルヴィン・ハリソン・Jr. (『Luce』)、マティアス・スーナールツ(『The Mustang』)。主演女優部門はレネ・ゼルウェガー(『ジュディ 虹の彼方に』)、エリザベス・モス(『Her Smell』)、ホン・チャウ(『Driveways』)、アルフレ・ウッダード(『Clemency』)、カレン・アレン(『Colewell』)、メアリー・ケイ・プレイス(『Diane』)。助演男優部門はウィレム・デフォー(『The Lighthouse』)、シャイア・ラブーフ(『Honey Boy』)、ノア・ジュープ(『Honey Boy』)、ジョナサン・メジャーズ(『The Last Black Man in San Francisco』)、ウェンデル・ピアース(『Burning Cane』)。助演女優部門はジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)、オクタヴィア・スペンサー(『Luce』)、テイラー・ラッセル(『Waves』)、ザオ・シュゼン(『The Farewell』)、ローレン・“ロロ”・スペンサー(『Give Me Liberty』)。授賞式は来年2月8日。文=猿渡由紀
2019年11月22日映画『マザーレス・ブルックリン』が、2020年1月10日(金)より、新宿ピカデリー他でロードショー。エドワード・ノートンが、監督・脚本・製作・主演を務める。NY舞台、ボスの殺害事件を巡るサスペンス映画映画『マザーレス・ブルックリン』は、1957年のニューヨークが舞台。障害を抱えながらも、驚異の記憶力を持つ私立探偵のライオネル・エスログが、人生の恩人であり唯一の友であるボスの“殺害事件”の真相を巡って、大都会に隠された闇に迫るサスペンス作品だ。“1人4役”を務めたエドワード・ノートン本作において、監督・脚本・製作・主演の4役を務めたエドワード・ノートンは、本来ハリウッドを代表する演技派俳優。『アメリカン・ヒストリーX』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などで、複数回アカデミー賞にノミネートされた経験を持つ彼が、今回は自分のボスを殺した犯人を探し出す名探偵・ライオネルを熱演。それと同時に、初めてシナリオにも挑戦し、20年ぶりのメガホンも握る。脇を固めるキャストまた主人公を取り巻くキャラクターたちにも、実力派俳優が勢ぞろい。主人公・ライオネルに“居場所”を与えてくれたボスのフランク・ミナ役に『ダイ・ハード』シリーズのブルース・ウィリス、ブルックリンを牛耳る“最凶の男”モーセズ・ランドルフ役に『スパイダー マン』シリーズや『永遠の門 ゴッホの見た未来』のウィレム・デフォーが抜擢。また『美女と野獣』のググ・バサ=ロー、『ミッション:インポッシブル』シリーズのアレック・ボールドウィンといった豪華メンバーが脇を固める。50年代へと時代変更、“レッチリ”のフリーなどが音楽に参加なお映画の時代設定は、1999年を舞台にしたジョナサン・レセム作の原作から、1957年へと変更。グラミー賞を受賞したレディオヘッドのトム・ヨークや、ロック界の帝王レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、ジャズ界の大御所ウィントン・マルサリスらが参加し、50年代を意識した音楽で物語に深みを与えていく。詳細映画『マザーレス・ブルックリン』公開日:2020年1月10日(金)監督・脚本・製作:エドワード・ノートン原作:ジョナサン・レセム「マザーレス・ブルックリン」/オリジナル・ソング:トム・ヨーク「デイリー・バトルズ」キャスト:エドワード・ノートン、ブルース・ウィリス、ググ・バサ=ロー、アレック・ボールドウィン、ウィレム・デフォー配給:ワーナー・ブラザース映画<あらすじ>1957年、ニューヨーク。障害を抱えながらも驚異の記憶力を持つ私立探偵のライオネル・エスログは、人生の恩人であり唯一の友人でもあるボスのフランク・ミナが殺害された事件の真相を追い始める。ウイスキーの香りが漂うハーレムのジャズ・クラブからマイノリティの人々が集うブルックリンのスラム街まで、僅かな手掛かりと天性の勘と行動力を頼りに大都会の堅く閉ざされた闇に迫っていく。やがて、腐敗した街で最も危険な黒幕に辿り着くが…。
2019年11月18日『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のエドワード・ノートンが監督、脚本、製作、そして主演までも務める映画『Motherless Brooklyn』(原題)が、『マザーレス・ブルックリン』の邦題で日本公開されることが決定。ポスタービジュアルも到着した。舞台は1957年のニューヨーク。障害を抱えながらも驚異の記憶力を持つ私立探偵ライオネル・エスログは、人生の恩人であり唯一の友人でもあるボスのフランク・ミナが殺害された事件の真相を追い始める。僅かな手掛かりと天性の勘と行動力を頼りに、大都会の堅く閉ざされた闇に迫っていくが、やがて腐敗した街で最も危険な黒幕に辿り着く…というのが本作のストーリー。トロント国際映画祭を始め、ローマ映画祭、テルライド映画祭、ニューヨーク映画祭などで高く評価され、当時の犯罪映画を彷彿とさせる古典的なスタイルで、現代にも繋がる社会的なテーマを描いている。アカデミー賞ノミネート経験もあるハリウッドを代表する演技派俳優のエドワードが本作で演じるのは、一風変わったキャラクターの主人公ライオネル。今作では、主演だけでなく、初めてシナリオに挑戦し、約20年ぶりにメガホンも取るなど、プロデュースも含めて1人4役を兼任。そして、ブルース・ウィリス(フランク役)やウィレム・デフォー(ポール役)、『美女と野獣』のググ・バサ=ロー(ローラ役)、『ミッション:インポッシブル』シリーズのアレック・ボールドウィン(モーゼス役)といった実力派俳優陣も出演している。日本公開決定と合わせて到着したポスタービジュアルでは、ブルックリン・ブリッジに立つライオネルが写し出され、ポスター上部には彼を取り巻くフランク、ローラ、モーゼス、ポールの姿も。50年代のフィルム・ノワールの雰囲気をまとう、重厚感溢れる一枚となっている。本作は、ジョナサン・レセムの同名小説が原作となっているが、今作では1999年の時代設定を1957年に変更。また、オリジナル・ソングとしてグラミー賞を受賞した「レディオヘッド」のトム・ヨークが「デイリー・バトルズ」を提供。ロック界の帝王「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のフリーや、ジャズ界の大御所ウィントン・マルサリスも参加している。『マザーレス・ブルックリン』は2020年1月10日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年11月15日ある人は、コワモテの犯罪捜査官や殺し屋を思い浮かべるかもしれない。ある人は、お茶目な挙動を見せる彼を思い浮かべるかもしれない。はたまた、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』の中で優しさと無力を行き交う姿が記憶に新しい人も?ウィレム・デフォーは長いキャリアにおいて、様々な役と化してきた。目の前にいる彼は、透き通った瞳を持つ朗らかな人。『永遠の門ゴッホの見た未来』のジュリアン・シュナーベル監督が、フィンセント・ファン・ゴッホの純粋な魂を彼に託そうとしたのも頷ける。画家でもある監督から1対1でのレッスンとは言え、あまりにも有名な画家ゴッホは謎めいた人物でもあり、彼に関する逸話それぞれに諸説がある。そんな人物を演じるうえで大切にしたものは何か。「やはり、彼と絵画の関係性だね。人生の中心に、なぜ絵画があったのか。ゴッホは自分こそが絵画であると捉え、絵を描く行為に共感しきっていた。絵を描いている瞬間の彼は幸せで、完全だったんだ。気持ちが乱れたときは、自然の中で絵を描いた。様々な不安を抱えてはいたけれど、そうすることで解き放たれていたんだ」。「演じる以上、僕自身もそうなる必要があった」と述懐。「役に取り組むプロセスは作品によって異なる。けれど、共通点もあるんだ。それは、行動しなくてはならないということ。インスピレーションは待っていても来ない。役の原動力が何かを考え、見つけ出そうとしなければ、何も得られないだろうね」とも語る彼にとって、ゴッホになるための「行動」は、シュナーベル監督の絵画レッスンだったという。画家でもある監督から、1対1でのレッスンを受けた。「最も重要な時間だった。それにより、物の見方が変わったんだ。すると、いままでは気づかなかったことに気づけるし、書簡などでゴッホが遺した言葉の意味が見えてきたりもする。滑稽な言い方をするなら、僕の一部がゴッホになることで、彼との対話を始められたんだ。そうなれば、あとは自分の中の彼が前に出るよう、残りの僕が背中を押せばいい。もちろん、衣装やセットなど、周りの助けも必要だ。『君こそがフィンセントだ!』というおだてもね(笑)。自分自身を置き、役になる。それこそが、僕には美しい瞬間なんだ」。惹かれやってきた結果「役者と言ってもらえるように」ゴッホと絵画、ウィレム・デフォーと芝居。どちらも、美しい関係で結ばれている。「その通りだと言いたいところだけどね。ただ、少し複雑なのは、そう言ってしまうと自分を評価することになりかねない。それは決して、健全ではないように思うんだ」。「僕は演劇学校に通い詰めて役者になったわけじゃなく、ダンサー、アーティスト、建築家らが集うグループに所属し、プロとしての道を歩み始めた。人が夢を語るとき、それがモチベーションになるのは理解できる。でも、僕の場合は『役者になりたい!』と口にするよりも、人に惹かれ、状況に惹かれてここまで来た。その結果、役者と言ってもらえるようになった」。「とは言え、いまの僕は64歳で、かれこれ45年ほど芝居を続けてきた。なのに、芝居と美しい関係を結べていなかったら悲劇だね!こんなにも時間をかけてやってきたのに、間違った道だったとしたら最悪だ(笑)」。失敗を恐れず「行動すること」が後の評価に繋がる生前のゴッホは評価を得られなかった。一方、ウィレム・デフォーは愛され、尊敬されている。本作ではヴェネチア映画祭男優賞を受賞。アカデミー賞主演男優賞候補にもなった。「いい役者になるには、いい人間にならなくてはならない。皮肉なことにね。芝居をすることは、行動すること。そして、学び、思いやり、自分の感覚に挑戦を突きつけること。それがすべてだ」と語る彼の俳優人生は、ゴッホすら羨むものかもしれない。「生活のために役を選ぶこともあるけどね(笑)。でも、そこもやはり、“人”と“状況”。興味を持てる相手となら、挑戦を突きつけてくる相手となら飛び込む価値はあるし、それを求める俳優人生だとも思う」。「僕は冒険が好きだ。冒険には情熱的な人、聡明な人、謎めいた人と出掛けたい。それさえ叶えば、たとえ作品が失敗しても大丈夫。興味深い体験はできたのだから。糧となるものは、進みたい道とは逆の方向にあったりもするしね。キャリアは後からついてくるものだと思う」。映画鑑賞は「思うほど受け身の行為ではない」もちろん、そこには大前提として映画への愛がある。「ノスタルジックな人間だと思われたくはないけど、知らない人たちと暗い映画館で体験を分かち合うのが好きだ。映画は、スクリーンに光が当たっているだけのもの。よくよく考えると、クレイジーだと思わないかい?でも、そのクレイジーなもののために人は集まる。すごく人間的なことだ。一緒に並んで座り、3人だけかもしれないけど(笑)、考えもしなかったことに驚かされ、心を深く動かされ、忘れていたものを思い出す。それが映画の力であり、観客は体験を共有することでつながる。ただし、力の恩恵を受ける努力は観客がしなくてはならない。映画館での鑑賞は、思うほど受け身の行為ではないと思う」。出演作にまつわるとっておきのエピソードもお気に入りの映画を挙げてもらおうとすると、「1本に絞るのは得意じゃなくて」と申し訳なさそうな顔に。「その代わり、とっておきの話をしよう」と言い、こんなエピソードを聞かせてくれた。「新作の『ザ・ライトハウス(原題)』が来月から全米で公開されるのだけど(※インタビュー実施は9月)、出演した理由は、映画館で上映されていた1本の作品にどうしようもなく惹かれたから。映画館の前を歩いているとき、全く知らない作品になぜか興味が湧き、翌日に戻ってきて観たんだ。それがロバート・エガースの『ウィッチ』。観終わった後、僕は『監督に会わなくては!』と思い、連絡を取り、意気投合し、一緒に作品を撮ることになった。これぞ、映画の力だね。ちょっといい話だろう?(笑)」。(text:Hikaru Watanabe/photo:You Ishii)■関連作品:永遠の門ゴッホの見た未来 2019年11月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© Walk Home Productions LLC 2018
2019年11月06日名優ウィレム・デフォーが映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』で主演を務め、画家フィンセント・ファン・ゴッホを演じている。本作はゴッホの晩年を描いた作品だが、デフォーは「この映画はゴッホの伝記映画ではない」と言い切る。その言葉には彼と製作陣のゴッホへの、芸術家への深い敬意があるようだ。本作でデフォーが演じるフィンセント・ファン・ゴッホは、パリでまったく評価されていない画家で、知り合った画家ゴーギャンにすすめられて南仏のアルルにやってくる。“新しい光を見つけたい”と願うゴッホは自然の中を歩き、美を見つけ出し、それらを描いていくが、彼の作品に目を向ける人は少ない。生活は苦しくなり、トラブルは続くが彼は描くことをやめない。本作の脚本と監督を務めたジュリアン・シュナーベルは画家として圧倒的な成功をおさめた後に映画監督になった人物だ。昔からの友人だったシュナーベル監督とタッグを組んだデフォーは、ゴッホについて書かれた書籍や彼が遺した絵画、書簡を読み込むだけでなく、シュナーベル監督の指導を受けて、実際に自分で絵を描くことを学んだという。「この映画をつくる上で、物事をこれまでとは違った見方で捉えることが大事でした。自分で筆を手にして絵を描くことをジュリアンから教わって、映画の中でも実際に何枚も絵を描きましたから、そうすることでゴッホの書簡に書かれた内容が“なるほど。こういうことを言いたいのだな”とわかったりもしたんですよ」しかし、彼らは最初からゴッホの伝記映画をつくる気も、多くの人がイメージするゴッホ像を再現する気もなかったようだ。「苦労した画家とか、生きている間は認められることがなかったみじな人生だったとか……そういう“お決まりのイメージ”を尊重するつもりはまったくなかったですし、触れてはいけない部分があるとも思いませんでした。私たちはゴッホについてさまざまなことを調べ、考え、思慮深く捉え、実際に筆をもって絵を描き、自然の中に身を置いて、そこで経験したことを作品に反映していきました。私たちはある意味でゴッホの存在を“乗り物”のように扱ったのかもしれませんが、結果的に私たちは彼に敬意を払ったのだと思っています。私たちはゴッホのイメージを限定して決めつけるようなことはしていないし、できるとも思っていません。私たちは彼について考え、想像することしかできないわけですから」確かに本作で描かれるゴッホは単純な苦労人でも、天才でも、狂人でもない。デフォーは自分の目で光を捉え、自然の中に身を置き、実際に絵を描くことで“とてつもない孤独”を経験したという。「意図したわけではなく、僕が経験したのは“とてつもない孤独”でした。晩年のゴッホは多作でした。書簡を読むとよくわかるのですが、彼は絵を描いている時に恍惚感があり、明晰な喜びを感じていたのだと思います。そして彼はそれを周囲と分かち合いたかったわけです。彼はエゴイストではなくて、自分の身を何かに捧げて、そこで得たものや、物事の見方を周囲の人々と分かち合いたいと思った。でも彼はどうやって分かち合っていいのかがわからなかった。それに絵を描ている時に感じる歓喜の時間と、何も起こらない日常との折り合いをうまくつけることができなくて葛藤していたのだと思います」デフォーが語る通り、本作で描かれるゴッホはストイックな求道者や名声を得られずにもがく男ではない。彼は自分の見つけた“美”を周囲と分かち合おうとする男として描かれる。「このような描写になったのは、(監督の)ジュリアン自身が画家でありアーティストだというのが大きいと思います。彼はアーティストとして圧倒的な成功をおさめているのですが、“自分の絵が何枚売れたのか?”を成功の物差しにしている人ではなく、描くことの純粋な喜びを知っている男です。ゴッホについてまわる“苦悩し、周囲の無理解に苦しめられた”というイメージは、人々の“間違った成功の物差し”が原因だと思うのです。そんな固定概念から自由になることができたら、ゴッホの苦しみは別の場所からやってきているのだとわかります」絵が売れるとか売れないとか、評価されるとかされないとかよりも重要なことが本作では描かれている。人生の最後の最後まで自分にしか見つけられない光や美しさを求め、それを周囲と分かち合おうとした男の姿だ。彼を演じるためにデフォーは長い時間をかけて献身的に取り組んだが、本人は「私は演じることで自由になりたいだけなんですよ!」と豪快に笑う。「私たちの多くが悩んでいることや不安は“自分とはこういう人間である”という根拠のない感覚を守ろうとして生まれていることが多いと思うのです。でも、演じることで自分以外の考えやクセの中に身を置き、自分の身についてしまった考えの型やクセのようなものを“荷下ろし”することができます。そうすることで自分に余裕ができて、ハートも大きくなって、他人にも思いやりを持つことができると思うのです。もしかしたら私の言っていることは少し奇妙に思われるかもしれません。なんと言っても僕がいるのは映画の世界。スター俳優だとか莫大な予算だとか、興行収入やらギャラがどうしたとか……そういう世界にいながら、僕はそんなことを考えて俳優をやっているわけですからね(笑)。だから僕はこの世界に裏口からこっそり入って、裏口からこっそり出ていくようにしています(笑)」この言葉がウソでないと直感的に信じられるほど、ウィレム・デフォーは穏やかで、真摯で、周囲に親切で、良い意味で“スター感”のない人物だ。彼の成功の物差しは、名声だけを求めるスター俳優のそれとは違う場所にある。「演技をすること得る体験や、創作する行為を通じて自分自身が変化できるのだと私は思っています。まぁ中には……そうでもない映画もあったりはしますが(笑)、この作品はとても強い体験でした。『永遠の門…』で得ることができた物事の見方の変化を、この先もずっと忘れないで持ち続けたいと思っています」『永遠の門 ゴッホの見た未来』11月8日(金)新宿ピカデリーほか全国順次ロードショー
2019年11月05日おとな向け映画ガイド今週のオススメはこの4作品。ぴあ編集部 坂口英明19/11/4(月)イラストレーション:高松啓二この週末に公開の作品は21本(ライブビューイングを除く)。全国100スクリーン以上で拡大上映されるのは『ターミネーター:ニュー・フェイト』『ひとよ』の2本。ミニシアターや一部シネコンなどで上映される作品が19本です。この中から厳選して、おとなの映画ファンにオススメしたい4作をご紹介します。『永遠の門 ゴッホの見た未来』これまでの映画のように狂気が前面にでた感じでなく、世の中の無理解からも達観した求道者のようなゴッホです。最後の数年間、ゴッホは何を見て、どう考え、どう生きたかを、できるだけ、彼自身の視点で描こうとしています。そこが新鮮です。自撮りをしたかのようなアングルや、ドキュメンタリーのような映像が多く使われています。冬はアルルのアトリエに吹き込む木枯らしの音、夏は田園の虫の声、自然の音も印象的です。手を広げ、風のなかに身を委ねるゴッホ。精神病院に入院中、あんたは何を描くのだ、と問われ、「太陽の光」と即答します。漂泊の芸術家の数少ない理解者だったゴーギャンがパリに去ると、ゴッホは発作的に自分の耳を切り落とすという事件を起こします。そして長い入院生活。いわゆる閉鎖病棟で、退院には医者と牧師の許可が必要です。病がほぼ癒えたゴッホと牧師とのやりとりが意味深です。63歳のウィレム・デフォーが37歳のゴッホを演じています。年輪とキャリアがあってこその演技。この作品でヴェネチア映画祭最優秀男優賞を受賞、アカデミー賞にもノミネートされています。牧師役でデンマークの人気俳優マッツ・ミケルセンが出演しています。監督は自身が画家でもあり、『バスキア』がデビュー作のジュリアン・シュナーベルです。『ターミネーター:ニュー・フェイト』正統な『ターミネーター2』の続編、です。1と2を監督したジェームズ・キャメロンが製作者として復帰、アーノルド・シュワルツェネッガーとリンダ・ハミルトンも出演しています。1997年の「審判の日」は回避されたか? 未来社会の救世主、ジョン・コナーとその母、サラ・コナーはその後どうなったか???人類滅亡の危機は、まだ終わっていなかった……のです。今回は、未来に重要な役割を持つとされるメキシコ人女性ダニー、未来から送り込まれた「強化型女性兵士」のグレース、そしてサラ・コナー、この3人の女性が映画の中心です。もちろん、シュワちゃんもT-800型ターミネーターで元気なところを見せてくれます。そして新たな敵は、最新型ターミネーターREV-9。これが最強!なかでもサラ・コナーの登場シーンは、ただひたすらカッコいいんです。髪は銀色、鍛えられた身体、鋭い眼光、沈着冷静で滅法強い。演じるリンダ・ハミルトンは63歳。シュワルツェネッガー自身の72歳という実年齢もうまく活かしたストーリー展開は見事です。SFXやCG技術の進歩も第一作から35年、すさまじいものがあります。何よりも進んだのはコンピュータとAIが当たり前になった私達の意識かも知れません。『グレタ GRETA』NYの地下鉄で、身なりもきちんとした中年女性がハンドバックを忘れる。それを見つけた若い女性フランシスが、後日、家まで届けます。ふたりは仲良くなり、まるで親子のような付き合いが始まります。美しくて気品がある、孤独だが、生活には困っていない、60代の未亡人。愛する母を最近亡くしたばかりのフランシスにとって、放っておけない、少し甘えたい、そんな存在でした。その瀟洒な家に通ううちに、彼女はとんでもないものを見つけるのです。イザベル・ユペールとクロエ・グレース・モッツのサイコスリラー。思わぬ展開にぐいぐい引き込まれます。孤独のなかに狂気をはらんだマダム、イザベル・ユペールが、まじ怖いです。『国家が破産する日』このところ、史実に基づいた韓国現代史の暗部を暴く映画が続きます。『タクシー運転手〜約束は海を越えて〜』は光州事件を、『1987、ある闘いの真実』は韓国民主化闘争を描き、『工作 黒金星と呼ばれた男』は北朝鮮に潜入した韓国大物スパイを扱っていました。いずれも力作、問題作です。そして今回は、1997年の韓国経済危機をテーマにした経済サスペンスです。好景気の真っ只中だと国民が信じていたこの年。アジアの通貨危機が飛び火し、国家経済が破綻、韓国政府がIMF(国際通貨基金)に金融支援をもとめるまでにいたってしまったのはなぜか?その「国家破産」の危機に直面した政府内のごたごたと、現実は現実としてIMF交渉でなんとか韓国の国益を守ろうとする韓国側の特別チームの活躍を描いています。この手のドラマではありがちですが、危機が直撃する国内の中小企業の悲劇、逆にこれをチャンスとして富を得ようとする集団の物語も同時進行していきます。制作スタッフによれば「IMF経済危機は全国民の傷。それはまだ癒えていない」といいます。金利の高騰、倒産率の急上昇、解雇や雇用形態の悪化など、その後の韓国が直面した現実は厳しいものがあったのです。映画は歴史は繰り返される、と暗示して終わります。東京は11/8(金)からシネマート新宿ほかで公開。名古屋は11/9(土)からセンチュリーシネマで公開。関西は11/8(金)からシネマート心斎橋で公開。
2019年11月04日ニコラス・ケイジが『Wally’s Wonderland』に主演することになった。インディーズのB級スリラー映画で、ケイジはプロデューサーも兼任する。彼の役は清掃員。ある夜、遊園地で一夜を過ごすことになった彼が、そこで恐ろしい体験をするという物語だそうだ。撮影は年明けにスタートの予定。ケイジは、最近、ウィレム・デフォーと共演する『Siberia』、アクションファンタジー『Jiu Jitsu』、アクションホラー『Prisoners of the Ghostland』などを撮り終えている。いずれもインディーズで、公開日は決まっていない。文=猿渡由紀
2019年10月31日美術史において最も偉大な画家のひとりとされるフィンセント・ファン・ゴッホ。現代でこそ有名なゴッホだが、生前には絵がまったく売れず、自分で左耳を切り落とした“耳切り事件”や、若くして拳銃で自らを撃ち命を絶ったことでも知られる。そんな短くも激動の人生を歩んだゴッホを題材にした映画はこれまでにも数多く作られてきたが、この秋にもゴッホを題材にした映画が立て続けに公開され、東京・上野の森美術館では「ゴッホ展」が開催中。そこで、それぞれ全く別の視点からゴッホに迫り、ゴッホの新たな一面を描くおすすめゴッホ映画4作品をピックアップした。ゴッホを世界に知らしめた女性『ゴッホとヘレーネの森クレラー=ミュラー美術館の至宝』ゴッホの世界最大の個人コレクター、ヘレーネ・クレラー=ミュラー夫人の目を通して、全く新しい視点でゴッホを描いたアート・ドキュメンタリー。1890年に自ら命を絶ったゴッホ。生前は作品が評価される機会も少なく、死後は遺族がほとんどの作品を所有していたため、無名の存在に近かった。そんなゴッホの作品と出会い、個人収集家としては最大規模の300点(うち油彩は85点)を収集したのが、ヘレーネ・クレラー=ミュラー。オランダ有数の資産家であり、4人の子の母でもあった彼女は、1906年ごろから絵画のコレクションを始めた。彼女の興味はゴッホが影響を受けた画家たちにも広がり、一大コレクションは1938年にクレラー=ミュラー美術館として結実。彼の作品を収集し美術館まで設立したある人物を通して、ゴッホの人物象と作品に迫る。10月25日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて公開。ウィレム・デフォーがゴッホを熱演『永遠の門 ゴッホの見た未来』幼いころから精神に病を抱え、まともな人間関係が築けず、常に孤独だったフィンセント・ファン・ゴッホ。才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活も、ゴッホの衝撃的な事件で幕を閉じることに。作品が世に理解されずとも筆を握り続けた不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家の人生に改めて迫る。『バスキア』『潜水服は蝶の夢を見る』のジュリアン・シュナーベル監督から、「この役は彼しか考えられなかった」と言わしめたウィレム・デフォーは、第75回ヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞に輝き、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた。11月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。全編が油絵風の異色アニメーション『ゴッホ最期の手紙』(2017年)ゴッホの謎に包まれた死の真相をたどる異色のアート・サスペンスアニメーション。俳優が演じた実写映像をもとに約6万5,000枚におよぶ油絵がゴッホのタッチで描かれ、全編をアニメーション化。アカデミー賞長編アニメーション賞などにノミネートされた。郵便配達人の息子アルマン(ダグラス・ブース/日本語吹替:山田孝之)は、父からいまは亡きゴッホが弟のテオに宛てた手紙を託される。テオに手紙を届けにパリへと向かうが、すでにテオも亡くなっていた。ゴッホの死に疑問を抱いたアルマンはゴッホの足跡をたどり、その死の真相を求めゴッホと関わりを持っていた人々を尋ねる。ゴッホが最期に見たものとはーー。複製画家が“本物”に会いに行くドキュメンタリー『世界で一番ゴッホを描いた男』(2016年)中国の大芬でゴッホの複製画を20年描き続けている“世界で一番ゴッホを描いた男”を追ったドキュメンタリー。出稼ぎで街にやって来た趙小勇(チャオ・シャオヨン)は独学で油絵を学び、20年間ゴッホの複製画を描き続ける生活を送るうち、いつしか本物のゴッホの絵画を観たいと願うようになる。その夢を叶え、アムステルダムでゴッホの絵画と対面した彼は、強い衝撃を受ける――。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ゴッホ~最期の手紙~ 2017年11月3日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.永遠の門ゴッホの見た未来 2019年11月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© Walk Home Productions LLC 2018ゴッホとヘレーネの森クレラー・ミュラー美術館の至宝 2019年10月25日より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開©2018- 3D Produzioni and Nexo Digital – All rights reserved
2019年10月23日主演作『ジョーカー』が、第76回ヴェネチア国際映画祭にて最高賞の金獅子賞を獲得。続く第44回トロント国際映画祭では、今年から新設された俳優に対する功労賞「トリビュート・アクター・アワード(TIFF Tribute Actor Award)」をメリル・ストリープとともに初受賞したホアキン・フェニックス。彼が『ジョーカー』で演じたのは、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーなど名優たちが演じてきた不気味で極悪非道なジョーカー像とは少し異なる。生きづらさを抱えた孤独な男が“悪のカリスマ”ジョーカーへと変貌していく物語を、“独壇場”ともいえる形で演じ切った彼は、いまアカデミー賞に最も近い俳優のひとりだ。3度の同賞ノミネートを誇る壮絶な演技派ホアキンのキャリア史上最高と呼ぶにふさわしい、『ジョーカー』までの道のりをふり返った。転機となった亡き兄リヴァーとの秘話を告白『グラディエーター』で傲慢で嫉妬深いローマ皇帝を怪演し、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』では吹き替えなしで歌やギターを披露、『ザ・マスター』ではカリスマ教祖に見せられる元海兵隊員を演じて、助演と主演で計3度もアカデミー賞にノミネートされたホアキン。1974年10月28日、プエルトリコ生まれ。23歳の若さで急逝した俳優リヴァー・フェニックスを兄に持ち、姉のレイン、妹のサマーも女優として活動していた役者一家。母親は米TV局NBCの職員であり、8歳からホアキンも演技の道へ。1986年、12歳のとき“リーフ・フェニックス”の名義で『スペース・キャンプ』で映画デビュー。キアヌ・リーヴスも出演していたロン・ハワード監督『バックマン家の人々』(’89)で注目を浴びたが、その後活動を休止する。そんな彼が図らずも、再び世間の目を集めることになったのが、1993年の“ハロウィーン”10月31日だった。当時ジョニー・デップが共同所有していたナイトクラブ「ザ・ヴァイパー・ルーム」で兄リヴァーが薬物の過剰摂取により急死、一緒にいたホアキンが救急車を呼んだといわれる。19歳の誕生日の直後の出来事だった。先日、トロントでの「トリビュート・アクター・アワード」授賞式では、ウィレム・デフォーがまだ紹介している最中に登場して笑いを誘っていたが、スピーチでは母親や家族らに対して、とりわけ兄リヴァーについて語った言葉が多くの映画ファンを涙させることになった。それはホアキンが15、16歳ごろのこと。『ジョーカー』でも共演するロバート・デ・ニーロ主演、マーティン・スコセッシ監督の『レイジング・ブル』(’80)のVHSテープを持って帰宅したリヴァーは、ホアキンに映画を見せ、翌朝起きてからもまた見せたのだという。「お前はもう一度演技をやるんだ。これがお前のやるべきことなんだよ」、そうホアキンに話したことを明かし、リヴァーのおかげで「演技が素晴らしい人生を与えてくれた」ことに涙を浮かべながら感謝を述べていた。ハリウッドで将来を期待されながら亡くなった兄リヴァーへの想いを、ホアキンがこうした場で語るのはおそらく初めてのこと。兄に背中を押されて再び歩んだ俳優人生の過渡期に出会った象徴的なキャラクターに、悩みながらも全身全霊で挑んだ自信をも覗かせていた。名匠、鬼才に愛される演技派へと真っすぐに成長…とは行かず!?1995年になって、兄リヴァーを『マイ・プライベート・アイダホ』に起用していたガス・ヴァン・サント監督のもと、ホアキン・フェニックスとして『誘う女』で俳優復帰。オリバー・ストーン監督の『Uターン』などをへて、ニコラス・ケイジと共演したジョエル・シュマッカー監督作『8mm』(’99)では放送映画批評家協会賞助演男優賞を受賞、2000年にリドリー・スコット監督『グラディエーター』と出会い、M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』『ヴィレッジ』から、新米消防士を演じた『炎のメモリアル』のように若手スター俳優らしい作品や実際の大虐殺を描いた『ホテル・ルワンダ』など話題作に次々と出演した。だが、2008年10月、突如ホアキンは俳優業を引退してラッパーになると宣言!激太りに伸ばしっぱなしのヒゲと髪、相次ぐ奇行などで大騒ぎとなったが、実はそれはすべて前代未聞の壮大なドッキリ、ケイシー・アフレック(妹サマーの当時の夫)が監督したモキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』のために仕組まれたものだった。約2年間、「ヤラセではないか」と言われながらも、実際に俳優のオファーをすべてキャンセルし、私財を投げ打って“ラッパーになりたいホアキン・フェニックス”を演じ切ったホアキン。しかし、すべてフェイクだったという事の顛末にはマスコミや同業者、ファンまでが激おこに…。結果的に干されることになってしまった。それでも2012年、ポール・トーマス・アンダーソン監督『ザ・マスター』にて完全復活。体重を絞って臨んだ彼の演技も高く評価され、第69回ヴェネチア国際映画祭では“教祖”役のフィリップ・シーモア・ホフマンと男優賞を分け合い、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされることになった。アンダーソン監督とはその後、『インヒアレント・ヴァイス』(’14)でも再タッグを組んでいる。ニコール・キッドマンに愛されたかっただけなのに…『誘う女』(1995)もしも現在なら、SNSで話題騒然となっていただろうイケメンぶりを見せる、“ホアキン・フェニックス”が世に知られることになったガス・ヴァン・サント監督作。“TVに映らなければ生きている意味がない”という自意識過剰で自己中心的な、お天気キャスターのスーザン・マレットに、ある目的のために利用される高校生のジェームズを演じた。とてつもない野心と腹黒さを持った大人の女性にセックスによって翻弄されていく、若きホアキンの熱演は必見。ラッセル・クロウが憎くてたまらない皇帝に…『グラディエーター』(2000)古代ローマ帝国を舞台にしたリドリー・スコット監督による超大作。父である皇帝から信頼の厚い騎士マキシマス(ラッセル・クロウ)に激しい嫉妬の炎を燃やし、彼を陥れ、父を暗殺して皇帝の座についたコモドゥスを演じた。ヴィラン的な役回りながら、どこか寂しげでセクシーなのがさらに罪深い。半裸で勇ましく剣を振るうシーンもあり、24キロも減量したというジョーカーとの体格差を比べてみてほしい。兄への想いが重なる…『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005)1950年代にプレスリーらと共に人気を博した伝説的カントリー・ミュージシャン、ジョニー・キャッシュを、同じくシンガーのジューン・カーターを演じたリース・ウィザースプーンとともに、歌もギターも吹き替えなしで演じ切った。父親との確執と、音楽を教えてくれた兄の死に責任と痛みを感じているジョニーの姿が、ついホアキンと重なってしまう。ゴールデン・グローブ賞に加えて、グラミー賞も受賞した。警察一家の爪弾き者に…『アンダーカヴァー』(2007)『アド・アストラ』のジェームズ・グレイ監督とは『裏切り者』(’00)、本作『アンダーカヴァー』、『エヴァの告白』(’13)など4作品で組んでいる。マーク・ウォールバーグとともに製作総指揮にも名を連ね、マークが警察一家の優秀な兄、ホアキンがそんな兄にコンプレックスを抱えて夜の世界で働く弟を演じた。タイトルは「潜入捜査」の意味だが、むしろ家族愛と正義という名の復讐の物語。1988年のニューヨーク・ブルックリンが舞台で『ジョーカー』の世界と近しい空気感がある。ホアキンの繊細な演技はもちろん、エヴァ・メンデス(現在はライアン・ゴズリング夫人)とのラブシーンにも注目。ルーニーに振られ、スカヨハのAIに恋…『her/世界でひとつの彼女』(2013)ホアキン演じる主人公セオドアが、自身に最適化された最新AI型OS“サマンサ”を利用するうちに恋に落ちてしまう設定と、その声の主をスカーレット・ヨハンソンが演じたことで話題に。スパイク・ジョーンズ監督が自ら手がけた脚本はアカデミー賞に輝いた。婚約者のルーニー・マーラとの初共演作だが、演じたのは離婚調停中の妻…。彼女への想いを引きずりながら、AIに恋していく孤独な男をとてもナチュラルに演じたホアキンがキュート。肉体からキャラクターを表現する…『ビューティフル・デイ』(2017)『少年は残酷な弓を射る』のリン・ラムジー監督のもとトラウマを抱えた退役軍人の殺し屋を演じ、第70回カンヌ国際映画祭男優賞に選ばれ、ラムジーも脚本賞を受賞した。その男は行方不明の少女たちを捜し出し、ハンマーを手に関係者はすべて消すのが仕事。だが、時折フラッシュバックで戦地での壮絶な体験や、幼児期の記憶が…。年老いた母の世話をしながらのつつましい暮らしや、全身傷だらけで筋肉のたるみ方がリアルな肉体が表現する人物像は『ジョーカー』を思わせる(体格は全く違うけど)。2019年は公開作続々の“ホアキンYear”ガス・ヴァン・サント監督最新作で、ルーニーとの共演作『ドント・ウォーリー』(順次公開中)では車いすの風刺漫画家ジョン・キャラハンに。自暴自棄になっても、周囲の人々の優しさと風刺漫画によって前向きになることができたキャラハン。辛辣なユーモアで知られたキャラハンだが、コメディアンを夢見る『ジョーカー』のアーサーはいかに!?同じくルーニー共演『マグダラのマリア』(配信中)は、長らく罪人扱いだったマグダラのマリアをイエス・キリストの使徒のひとり、そして復活の証人として初めて描いた作品。マリアをルーニー、イエスをホアキンが演じて恋に落ちてしまったのだから、これはもう運命というほかない。さらに『ゴールデン・リバー』(順次公開中)では、ジョン・C・ライリーと悪名高いシスターズ兄弟に。粗暴でありながら、どこか間の抜けたところもある人間くさい殺し屋役は真骨頂だ。フランスのジャック・オーディアール監督による西部劇は、本流の西部劇とはひと味違うところも魅力。そして『ジョーカー』が、10月4日(金)に日米同時公開を迎える。アメコミ史上最も有名で凶悪なヴィランの誕生物語で、ホアキンは一体どんな衝撃を与えてくれるのか。ただ、本作ではバットマンとの宿命は匂わされているものの、アメコミ作品であることをあまり感じさせない点が特徴的。あくまでも社会から爪弾きにされた、“笑顔でいる”ことしかできない、愛を求める男の凋落人生と考えれば、ホアキンにとって最高のハマり役といえるのだ。(text:Reiko Uehara)■関連作品:ジョーカー 2019年10月4日より全国にて公開© 2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics”
2019年10月01日〆切り:10月21日(月)日時:10月30日(水)18:00 開場/18:30 開映場所:よみうりホール(東京都千代田区有楽町1-11-1 読売会館7階)ウィレム・デフォーが孤高の画家フィンセント・ファン・ゴッホを演じ、ヴェネチア国際映画祭男優賞に輝き、アカデミー賞に初ノミネートされた『永遠の門ゴッホの見た未来』が11月8日(金)より全国にて公開される。『潜水服は蝶の夢を見る』(07)で話題を呼んだジュリアン・シュナーベル監督最新作となる本作。主演は、シュナーベル監督に「この役は彼しか考えられなかった」と言わしめたウィレム・デフォー。共演にルパート・フレンド、マッツ・ミケルセン、オスカー・アイザック、マチュー・アマルリック、エマニュエル・セニエら豪華キャストが集結している。こちらの公開に先駆けて、『永遠の門ゴッホの見た未来』試写会に10組20名様をご招待。※当選権利の譲渡およびインターネットオークションなどへの売買行為は禁止されています。※当選者の方は、試写会鑑賞後、作品の感想をお持ちのSNSアカウント(TwitterやInstagram、Facebookなど)やブログなどにご投稿いただきますようお願い申し上げます。応募する(text:cinemacafe.net)■関連作品:永遠の門ゴッホの見た未来 2019年11月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© Walk Home Productions LLC 2018
2019年10月01日ウィレム・デフォーが孤高の画家ゴッホを演じた『永遠の門ゴッホの見た未来』。この度、本作の演技によりアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされたウィレムと、監督のジュリアン・シュナーベルの来日が決定した。シュナーベル監督に「この役は、彼しか考えられなかった」と言わしめた主人公フィンセント・ファン・ゴッホを演じたのが、ウィレム・デフォー。これまでに『プラトーン』(’86)、『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』(’00)、『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』(’17)でアカデミー賞助演男優賞に3度ノミネートされたことのある演技派は、本作で第75回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞に輝き、さらにアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートを果たして大変な注目を集めた。なんと今回は、2002年に『スパイダーマン』のプロモーションで来日して以来、17年ぶり5度目の来日となる。また、ジュリアン・シュナーベル監督は、80年代にニューヨークで共に活動し、27歳の若さで亡くなった画家ジャン=ミシェル・バスキアを描いた映画監督デビュー作『バスキア』(’96)、キューバ出身の亡命作家レイナルド・アレナスを描いた『夜になるまえに』(’00)で評価を高め、『潜水服は蝶の夢を見る』(’07)ではカンヌ国際映画祭監督賞、ゴールデン・グローブ賞監督賞と外国語映画賞をW受賞した鬼才。2人は9月下旬に行われるジャパンプレミアにも参加する予定という。『永遠の門ゴッホの見た未来』は11月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:永遠の門ゴッホの見た未来 2019年11月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© Walk Home Productions LLC 2018
2019年08月30日ウィレム・デフォーが孤高の画家フィンセント・ファン・ゴッホを演じ、ヴェネチア国際映画祭男優賞に輝き、アカデミー賞に初ノミネートされた『永遠の門ゴッホの見た未来』。この度、マッツ・ミケルセンやオスカー・アイザックら豪華キャストも登場する本予告が解禁となった。『潜水服は蝶の夢を見る』(07)で話題を呼んだジュリアン・シュナーベル監督最新作となる本作。監督から「この役は、彼しか考えられなかった」と言わしめた主人公ゴッホを演じたウィレム・デフォーは、本作で第75回ヴェネチア国際映画祭で最優秀男優賞に輝き、さらにアカデミー賞主演男優賞に初ノミネートされて注目を集めた。解禁となった本予告では、いまでこそ作品が高額で取引されているゴッホが「あんたの絵など売れん、捨てろ!」「なんだこれ、変なの」と周囲から認められず孤立している様子から幕を開ける。そんな彼に「一緒に美術革命を起こそう」と言うのは、オスカー・アイザック演じるポール・ゴーギャン。その出会いの後は、晴れ晴れと穏やかな瞳で「僕は思いのまま描く。僕にしか見えないものを人々にも見てもらいたい」と語るゴッホがカンバスと自然にひたすら向き合う姿が切り取られ、あの名作「ひまわり」も登場。「兄さんは偉大な画家だよ」と弟のテオ(ルパート・フレンド)に励まされ、牧師(マッツ・ミケルセン)からは「なぜ画家の仕事を?」と投げかけられつつも、「描かずにいられない。美しい世界を永遠に残すんだ」というゴッホの信念が、どこまでも続く大地、風になびく麦の穂や、沈みゆく太陽とともに鮮やかに描き出され、その圧倒的な映像美が観る者を惹きつける。ゴッホを熱演したウィレム・デフォーは、アカデミー賞、ヴェネチア映画祭以外にも、サテライト賞最優秀主演男優賞(ドラマ部門)に輝き、第76回ゴールデン・グローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)、放送批評家協会賞主演男優賞、フロリダ映画批評家協会賞主演男優賞ほか数々の賞にノミネートされ、世界で高い評価を獲得している。『永遠の門ゴッホの見た未来』は11月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:永遠の門ゴッホの見た未来 2019年11月8日より新宿ピカデリーほか全国にて順次公開© Walk Home Productions LLC 2018
2019年07月18日「第91回アカデミー賞」の授賞式が25日(現地時間24日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックが主演男優賞を受賞した。同作で、クイーンのボーカルであるフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが受賞。スピーチでは「信じられない。みなさん大好きです。すべてに感謝です」と喜びを爆発させた。主演男優賞は、ラミ・マレックのほか、『バイス』のクリスチャン・ベイル、『アリー/スター誕生』のブラッドリー・クーパー、『永遠の門 ゴッホの見た未来』のウィレム・デフォー、『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセンがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月25日21時から「第91回アカデミー賞」授賞式の字幕版を放送。(C)2018 Twentieth Century Fox
2019年02月25日いよいよ来週に迫ったアカデミー賞授賞式。主要5部門の中で作品部門賞の次に注目されていると言ってもよい主演男優賞の行方を分析してみた。最初は優勢だったこの男優だけど…『アリー/ スター誕生』がヴェネチア映画祭で豪華デビューを飾った時点でのブラッドリー・クーパーは飛ぶ鳥をも落とす勢いだった。だが、その時期にPRの一環として行われたNYタイムズ紙のインタビューでレポーターに高飛車な態度をとったことから彼女の逆鱗に触れ、その一部始終が公になった頃からブラッドリーの株が急下降し始めた。アカデミー賞を受賞できるか否かは、PR合戦の占める部分も大きいと言われているので、大切な時期におけるブラッドリーのこの態度は大きく裏目に出てしまったようだ。また、作品公開のタイミングが早めで、アカデミー投票期間までには投票者たちの熱も冷めてしまったという部分もある。これらのことを踏まえてみると、今回ブラッドリーが主演男優賞を受賞する確率は、かなり低いと言われている。PRの予算とアカデミー賞の関係PRが要のアカデミー賞において大きく遅れを取ってしまっているのが『永遠の門ゴッホの見た未来』のウィレム・デフォー。低予算の秀作というのは、なかなか宣伝費までは手が回らない場合が多く、この作品もその典型のようだ。いくら良い作品でもアカデミー有権者に見てもらえなければ意味がない。この点については『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセンも似ている。映画の評判の良さは口コミで伝わり、ヴィゴの好演についてもノミネーションを受けるまでに広まっているのだが、ノミネーションからのラストスパートにおける予算のかけ方が『ボヘミアン・ラプソディ』と比べると比較にならない。演技の良さとPR作戦の完全融合『バイス』に関しては、政治がエンタメ化しているアメリカで、悪名高き元副大統領チェイニーを、あのバットマンことクリスチャン・ベイルがまるでチェイニーの分身になったかのように演じあげていると大評判になった。実在の大物を演じているという点では全く互角の立ち位置なのが、クイーン伝説のボーカリストだったフレディ・マーキュリーを演じて主演男優賞候補となったラミ・マレックだ。彼の変貌度もハンパではなく、役者魂の熱さが感じられる。アカデミー賞候補になってからの『ボヘミアン・ラプソディ』にかけられたマーケティング費用はその露出度から察するにかなりの額になっているだろう。ただ、本作の監督ブライアン・シンガーのセクハラ問題などの悪評がどれだけラミの受賞に影を投げかけるかが懸念される。しかしながら作品部門の受賞はともかく、主演男優としてのラミの功績は監督の愚行には影響されないのではと筆者は踏んでいる。この前哨戦映画賞を見れば受賞者がわかる?先日発表されたSAGアワード(全米映画俳優組合賞)の結果は、アカデミー賞と非常に密接な関係にあると言われている。アカデミー賞の投票権を有するアカデミー会員の絶対数は俳優たちが占めているからである。主演女優賞においては7年連続でSAG主演女優部門の受賞者と一致しているし、主演男優賞においては過去15回中14回一致という的中率。今年のSAG主演男優賞受賞者はラミ・マレックだった。アカデミー賞でもラミが栄冠を手にすることが出来るだろうか。結果は2月24日(日本時間25日)に発表だ。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)■関連作品:アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLCボヘミアン・ラプソディ 2018年11月9日より全国にて公開© 2018 Twentieth Century Foxグリーンブック 2019年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC. All Rights Reserved.バイス 2019年4月5日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開© 2018 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.永遠の門ゴッホの見た未来 2019年、全国にて公開予定© Walk Home Productions LLC 2018
2019年02月22日第91回アカデミー賞の各賞ノミネーションが22日午前5時(現地時間)に発表され、日本映画2本も候補となった。是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画部門、細田守監督の『未来のミライ』がアニメ長編映画部門にノミネートされた。今年の作品賞候補は例年より少ない8本。Netflix配信のアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』が作品、監督、主演女優、助演女優ほか最多10部門でノミネートされ、『女王陛下のお気に入り』が9部門10ノミネートを果たした。『ROMA/ローマ』は昨年9月にヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞。モノクロ映像でキャストも無名ながら、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞ほか、前哨戦で健闘。レディー・ガガの初主演作『アリー/スター誕生』は作品賞や主演女優賞、歌曲賞ほか8部門、ジョージ・W・ブッシュ政権のディック・チェイニー副大統領を描く『バイス』も作品、監督、主演男優、助演男優、助演女優ほか8部門でノミネートを獲得した。毎年、ノミネーションにはサプライズがつきものだが、今年は『ブラックパンサー』がアメコミ原作のヒーロー映画として初めて作品賞候補となったのもその1つだ。本作は7部門でノミネートされ、スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』が6部門ノミネートで続き、『ボヘミアン・ラプソディ』が作品賞、主演男優賞など5部門、『グリーンブック』も同じく5部門で候補になった。以下、各賞ノミネート一覧【作品賞】『ブラックパンサー』『ブラック・クランズマン』『ボヘミアン・ラプソディ』『女王陛下のお気に入り』『グリーンブック』『ROMA/ローマ』『アリー/スター誕生』『バイス』【監督賞】ヨルゴス・ランティモス(『女王陛下のお気に入り』)アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)スパイク・リー(『ブラック・クランズマン』)アダム・マッケイ(『バイス』)パヴェル・パヴリコフスキ(『COLD WAR あの歌、2つの心』)【主演男優賞】クリスチャン・ベイル(『バイス』)ブラッドリー・クーパー(『アリー/スター誕生』)ウィレム・デフォー(『At Eternity Gate』原題)ラミ・マレック(『ボヘミアン・ラプソディ』)ヴィゴ・モーテンセン(『グリーンブック』)【主演女優賞】ヤリツァ・アパリシオ(『ROMA/ローマ』)グレン・クローズ(『天才作家の妻40年目の真実』)オリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)レディー・ガガ(『アリー/スター誕生』)メリッサ・マッカーシー(『Can You Ever Forgive Me?』原題)【助演男優賞】マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』)アダム・ドライヴァー(『ブラック・クランズマン』)サム・エリオット(『アリー/スター誕生』)リチャード・E・グラント(『Can You Ever Forgive Me?』原題)サム・ロックウェル(『バイス』)【助演女優賞】エイミー・アダムス(『バイス』)マリーナ・デ・タビラ(『ROMA/ローマ』)レジーナ・キング(『ビール・ストリートの恋人たち』)エマ・ストーン(『女王陛下のお気に入り』)レイチェル・ワイズ(『女王陛下のお気に入り』)【脚色賞】ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン(『バスターのバラード』)バリー・ジェンキンス(『ビール・ストリートの恋人たち』)ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ、エリック・ロス(『アリー/スター誕生』)ニコール・ホロフスナー、ジェフ・ウィッティ(『Can You Ever Forgive Me?』原題)スパイク・リー、デヴィッド・ラビノウィッツ、チャーリー・ウォッチェル、ケヴィン・ウィルモット(『ブラック・クランズマン』)【オリジナル脚本賞】デボラ・デイヴィス、トニー・マクナマラ(『女王陛下のお気に入り』)ポール・シュレイダー(『魂のゆくえ』)ブライアン・ヘイズ・カリー、ピーター・ファレリー、ニック・ヴァレロンガ(『グリーンブック』)アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)アダム・マッケイ(『バイス』)【長編アニメーション映画賞】『インクレディブル・ファミリー』『犬ヶ島』『未来のミライ』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』【外国語映画賞】『Capernaum』(原題/レバノン)『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド)『Never Look Away』(英題/ドイツ)『ROMA/ローマ』(メキシコ)『万引き家族』(日本)【編集賞】『ブラック・クランズマン』(バリー・アレクサンダー・ブラウン)『ボヘミアン・ラプソディ』(ジョン・オットマン)『女王陛下のお気に入り』(ヨルゴス・ランティモス)『グリーンブック』(パトリック・J・ドン・ヴィト)『バイス』(ハンク・コーウィン)【撮影賞】ルーカス・ザル(『COLD WAR あの歌、2つの心』)ロビー・ライアン(『女王陛下のお気に入り』)カレブ・デシャネル(『Never Look Away』原題)アルフォンソ・キュアロン(『ROMA/ローマ』)マシュー・リバティーク(『アリー/スター誕生』)【美術賞】『ブラックパンサー』『女王陛下のお気に入り』『ファースト・マン』『メリー・ポピンズリターンズ』『ROMA/ローマ』【衣装デザイン賞】『バスターのバラード』『ブラックパンサー』『女王陛下のお気に入り』『メリー・ポピンズリターンズ』『ふたりの女王メアリーとエリザベス』【作曲賞】『ブラックパンサー』(ルドウィグ・ゴランソン)『ブラック・クランズマン』(テレンス・ブランチャード)『ビール・ストリートの恋人たち』(ニコラス・ブリテル)『犬ヶ島』(アレクサンドル・デスプラ)『メリー・ポピンズ リターンズ』(マーク・シャイマン)【歌曲賞】All the Stars(『ブラックパンサー』)I’ll Fight(『RBG』原題)The Place Where Lost Things Go(『メリー・ポピンズ』)Shallow(『アリー/スター誕生』)When a Cowboy Trades His Spurs for Wings(『バスターのバラード』)【音響編集賞】『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』『ファースト・マン』『クワイエット・プレイス』『ROMA/ローマ』【録音賞】『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』『ファースト・マン』『ROMA/ローマ』『アリー/スター誕生』【メイクアップ&ヘアスタイリング賞】『Border』(原題)『ふたりの女王メアリーとエリザベス』『バイス』【視覚効果賞】『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』『プーと大人になった僕』『ファースト・マン』『レディ・プレイヤー1』『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』【短編アニメーション映画賞】『Animal Behaviour』(原題)『Bao』『Late Afternoon』(原題)『One Small Step』(原題)『Weekends』(原題)【短編実写賞】『Detainment』(原題)『Fauve』(原題)『Marguerite』(原題)『Mother』(原題)『Skin』(原題)【長編ドキュメンタリー賞】『Free Solo』(原題)『Hale County This morning, This evening』(原題)『Minding the Gap』(原題)『Of fathers and sons』(原題)『RBG』(原題)(text:Yuki Tominaga)■関連作品:Netflixオリジナル映画「ROMA/ローマ」 2018年12月14日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始
2019年01月23日アカデミー賞の行方を占う前哨戦の1つ、第76回ゴールデン・グローブ賞のノミネート作品が現地時間12月6日に発表され、外国語映画賞に是枝裕和監督の『万引き家族』、アニメーション映画賞に細田守監督の『未来のミライ』がノミネートされた。■日本映画から2作品がノミネート!ハリウッドの外国人映画記者協会(HFPA)によって選ばれるゴールデン・グローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦としても知られる栄誉ある賞。外国語映画賞には、今年カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを獲得した『万引き家族』が選出。日本映画では2013年宮崎駿監督の『風立ちぬ』以来のノミネート。なお、実写映画としてノミネートされるのは第48回(1990年度)の『夢』(黒澤明監督)以来、28年ぶり。もし、受賞すれば第17回(1959年度)で外国語映画賞を受賞した市川崑監督の『鍵』以来、実に半世紀以上ぶりのゴールデン・グローブ賞獲得となる(日米合作作品としてはクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』が第64回外国語映画賞を受賞)。同作は、第91回アカデミー賞外国語映画賞部門の“日本代表作品”としても出品されている。そのほか、同賞には『ゼロ・グラビティ』などのアルフォンソ・キュアロン監督が手がけ、東京国際映画祭でも上映された『ROMA/ローマ』も選ばれた。また、アニメーション映画賞には『インクレディブル・ファミリー』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン・スパイダーバース』とともに、日本の架空都市を舞台にしたストップモーションアニメ『犬ヶ島』、そして『未来のミライ』がノミネート。同作は“アニメ界のアカデミー賞”と呼ばれるアニー賞にもノミネートされており、アカデミー賞長編アニメ部門のエントリー作品にも選ばれている。■『アリー』5部門ノミネート!最多はクリスチャン・ベールの『バイス』映画の部・ドラマ部門にはクリスチャン・ベールが約20キロ体重を増やす大変身をし、ジョージ・W・ブッシュ政権下の副大統領、ディック・チェイニーを演じた『バイス』(VICE)が作品賞・監督賞・主演男優賞ほか最多6部門にノミネート。レディー・ガガが主演女優賞にノミネートされた『アリー/ スター誕生』は計5部門、『グリーンブック』が5部門、『女王陛下のお気に入り』が4部門5ノミネートとなっている。また、日本でも驚異的ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』がドラマ部門作品賞・主演男優賞(ラミ・マレック)に、マーベル映画『ブラックパンサー』も作品賞候補に入った。授賞式は現地時間2019年1月6日、日本時間1月7日に開催。なお、ゴールデングローブ・アンバサダーは俳優イドリス・エルバの娘イサン・エルバが務め、司会は「グレイズ・アナトミー」「キリング・イヴ」の女優サンドラ・オーと「ブルックリン・ナイン-ナイン」の俳優アンディ・サムバーグが務める。【第76回ゴールデン・グローブ賞主要ノミネート作品】映画の部<ドラマ部門>■作品賞『ブラック・クランズマン』『ブラックパンサー』『ボヘミアン・ラプソディ』『ビール・ストリートの恋人たち』『アリー/ スター誕生』■主演女優賞グレン・クローズ『天才作家の妻-40年目の真実-』レディー・ガガ『アリー/スター誕生』ニコール・キッドマン『Destroyer』(原題)メリッサ・マッカーシー『Can You Ever Forgive Me?』(原題)ロザムンド・パイク『A Private War』(原題)■主演男優賞ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生』ウィレム・デフォー『永遠の門ゴッホの見た未来』ルーカス・ヘッジズ『Boy Erased』(原題)ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ』ジョン・デヴィッド・ワシントン『ブラック・クランズマン』<ミュージカル/コメディ部門>■作品賞『クレイジー・リッチ!』『女王陛下のお気に入り』『グリーンブック』『メリー・ポピンズリターンズ』『バイス』■主演女優賞エミリー・ブラント『メリー・ポピンズリターンズ』オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』エルシー・フィッシャー『Eighth Grade』(原題)シャーリーズ・セロン『タリーと私の秘密の時間』コンスタンス・ウー『クレイジー・リッチ!』■主演男優賞クリスチャン・ベイル『バイス』リン=マヌエル・ミランダ『メリー・ポピンズリターンズ』ヴィゴ・モーテンセン『グリーンブック』ロバート・レッドフォード『THE OLD MAN & THE GUN』(原題)ジョン・C・ライリー『Stan & Ollie』(原題)■助演女優賞エイミー・アダムス『バイス』クレア・フォイ『ファースト・マン』レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』エマ・ストーン『女王陛下のお気に入り』レイチェル・ワイズ『女王陛下のお気に入り』■助演男優賞マハーシャラ・アリ『グリーンブック』ティモシー・シャラメ『Beautiful Boy』(原題)アダム・ドライバー『ブラック・クランズマン』リチャード・E・グラント『Can You Ever Forgive Me?』(原題)サム・ロックウェル『バイス』■監督賞ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生』アルフォンソ・キュアロン『ROMA/ローマ』ピーター・ファレリー『グリーンブック』スパイク・リー『ブラック・クランズマン』アダム・マッケイ『バイス』■歌曲賞「オール・ザ・スターズ」『ブラックパンサー』「Revelation」『Boy Erased』(原題「Girl in the Movies」『Dumplin’』(原題)「Shallow」『アリー/ スター誕生』「Requiem For A Private War」『A Private War』(原題)■外国語映画賞『Capernaum』(原題)レバノン『Girl』(原題)ベルギー『Never Look Away』(英題)ドイツ『ROMA/ローマ』メキシコ『万引き家族』日本■アニメーション映画賞『インクレディブル・ファミリー』『犬ヶ島』『未来のミライ』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』テレビの部<ドラマ部門>■作品賞「ジ・アメリカンズ」「ボディガードー守るべきものー」「Homecoming」(原題)「KILLING EVE(キリング・イヴ)」「POSE」(原題)■主演女優賞カトリーナ・バルフ「アウトランダー」エリザベス・モス「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」サンドラ・オー 「KILLING EVE(キリング・イヴ)」ジュリア・ロバーツ「Homecoming」(原題)ケリー・ラッセル「ジ・アメリカンズ」■主演男優賞ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」ステファン・ジェームズ「Homecoming」(原題)リチャード・マッデン「ボディガード -守るべきもの- 」ビリー・ポーター「POSE」(原題)マシュー・リス「ジ・アメリカンズ」<ミュージカル/コメディ部門>■作品賞「バリー」「グッド・プレイス」「KIDDING」(原題)「コミンスキー・メソッド」「マーベラス・ミセス・メイゼル」■主演女優賞クリステン・ベル「グッド・プレイス」キャンディス・バーゲン「TVキャスター マーフィー・ブラウン」アリソン・ブリー「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」デブラ・メッシング「ふたりは友達? ウィル&グレイス」■主演男優賞サシャ・バロン・コーエン「WHO IS AMERICA」(原題)ジム・キャリー「KIDDING」(原題)マイケル・ダグラス「コミンスキー・メソッド」ドナルド・グローヴァー「アトランタ」ビル・ヘイダー「バリー」<リミテッドシリーズ/テレビ映画部門>■作品賞「エイリアニスト」「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」「Escape at Dannemora」(原題)「KIZU-傷-」「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」■主演女優賞エイミー・アダムス「KIZU-傷-」パトリシア・アークエット「Escape at Dannemora」(原題)コニー・ブリットン「Dirty John」(原題)ローラ・ダーン「ジェニーの記憶」レジーナ・キング「運命の7秒/Seven Seconds」■主演男優賞アントニオ・バンデラス「ジーニアス:ピカソ」ダニエル・ブリュール「エイリアニスト」ダレン・クリス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」ベネディクト・カンバーバッチ「パトリック・メルローズ」ヒュー・グラント「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」■助演女優賞アレックス・ボースタイン「マーベラス・ミセス・メイゼル」パトリシア・クラークソン「KIZU-傷-」ペネロペ・クルス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」タンディ・ニュートン「ウエストワールド」イヴォンヌ・ストラホフスキー「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」■助演男優賞アラン・アーキン「コミンスキー・メソッド」キーラン・カルキン「キング・オブ・メディア」エドガー・ラミレス「アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺」ベン・ウィショー「英国スキャンダル~セックスと陰謀のソープ事件」ヘンリー・ウィンクラー「バリー」(text:Reiko Uehara)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年12月06日映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』が、2019年11月8日(金)より、全国の劇場で順次公開される。“生涯孤独”の天才芸術家・ゴッホの人生を描く『永遠の門 ゴッホの見た未来』は、精神に病を抱え、近しい芸術家たちとも真っ当な人間関係を築けず、常に孤独の中に生きたフィンセント・ファン・ゴッホを描いた作品。唯一才能を認め合い、心の内をさらけ出すことのできたゴーギャンとの出会いから、いまだ多くの謎が残る死まで。不器用にも芸術と向き合い、生きているうちにはほぼその絵が売れたことのなかった孤高の画家が、自らの人生を通して何を見つめていたのかを描きだす。監督は画家としても活躍するジュリアン・シュナーベル監督はジュリアン・シュナーベル。『潜水服は蝶の夢を見る』や『夜になるまえに』を監督したことで有名だが、彼は映画の制作をする前から今日まで画家として活躍している。ゴッホをどのように描くかに注目が集まる。キャストウィレム・デフォーがゴッホを演じる主演は、『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』出演のウィレム・デフォー。シュナーベルに「この役は、彼しか考えられなかった」と言わしめた彼の演技は、第75 回ヴェネチア国際映画 祭で最優秀男優賞を受賞。さらに「第91回アカデミー賞」主演男優賞、「第76回ゴールデングローブ賞」最優秀男優賞において初のノミネートを果たしている。ゴッホの人生に影響を与えたキーパーソンゴッホの“画家人生”のターニングポイントに登場するキーパーソンたちにも注目。画家としてパリで全く評価されなかったゴッホに、「南に行け」とアドバイスを与えた男であり、のちに暮らしを共にすることになるゴーギャン役は、オスカー・アイザック。ゴーギャンの助言通り、南仏へと渡ったゴッホに、“黄色い家”を紹介するカフェのオーナー・ジヌー夫人役は、エマニュエル・セニエが抜擢。また地元の人々とトラブルを起こし、強制的に病院に送還されてしまったゴッホのもとに駆け付ける実弟・テオ役は、ルパート・フレンドが演じる。さらにゴッホの最期を看取ることになるガシェ医師役は、マチュー・アマルリックが担当。公開された本へ映像には、「芸術家とは何かー」という大きなテーマに向き合うゴッホが、「今は自分と永遠との関係しかない」という答えに行きつい たことをガシェ医師に吐露し、悲しい影を宿しながらも、何かを悟ったようなスッキリした表情を見せている。ストーリー幼いころから精神に病を抱え、まともな人間関係が築けず、常に孤独だったフィンセント・ファン・ゴッホ。才能を認め合ったゴーギャンとの共同生活も、ゴッホの衝撃的な事件で幕を閉じることに。あまりに偉大な名画を残した天才は、その人生に何をみていたのか――。作品情報映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』原題:At Eternity’s Gate公開日:2019年11月8日(金) 新宿ピカデリー他 全国順次ロードショー監督:ジュリアン・シュナーベル出演:ウィレム・デフォー、オスカー・アイザック、マッツ・ミケルセン、マチュー・アマルリック配給:ギャガ、松竹
2018年09月25日DC映画シリーズ最新作『アクアマン』が、2019年2月8日(金)に全国で公開される。『ジャスティス・リーグ』に登場した“アクアマン”の単独映画元祖アメコミ界のスーパーヒーローチーム「ジャスティス・リーグ」の活躍を描いた映画『ジャスティス・リーグ』にも登場したアクアマンが、単独映画となってスクリーンにやってくる。海の生物を操り戦う、見た目はオレ様ワイルド系、ぶっきらぼうだが人情派な性格…と、前代未聞で規格外の主人公アクアマンと、地上を超えるテクノロジーで侵略を目論む未知の帝国「アトランティス」の戦いが描かれる。ストーリー人間として育てられた、海底王国アトランティスの末裔にして、サメをはじめ海の生物すべてを従えて戦うことができる男、アクアマン。地上を超える未知の文明をもったアトランティス帝国が、人類の支配を狙い侵略を始めたとき、彼が守るのは地上か、それとも海か。アクアマン役にジェイソン・モモアアクアマンことアーサー・カリー役を演じるのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』で一躍時の人となったハワイ出身の俳優ジェイソン・モモア。そのほか、アクアマンの妻であり、彼と同様に水や海洋生物を操ることの出来るメラ役としてアンバー・ハード、アトランティスを治めていた前女王にしてアクアマンの母親であるアトランナ女王役としてニコール・キッドマンらが出演している。『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェームズ・ワンが監督監督を務めるのは、『ワイルド・スピード SKY MISSION』などで知られる気鋭監督のジェームズ・ワン。スタントチームに『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のスタッフを迎え、人類未体験の海中バトルエンターテインメントを創り出した。コールドストーンとのコラボアイス&シェイク発売コールド・ストーン・クリーマリーとコラボレーションしたアイス&シェイクも登場。「アクアマン ブルー ベルベット ブラウニー」「アクアマン ブルー ベルベット シェイク」が、1月21日(月)より全国で発売される。アイス&シェイクには、映画『アクアマン』の海の世界をイメージしたブルーカラーの新作「ブルーベルベットケーキアイスクリーム」を使用。コラボレーションのために開発した特別なアイスクリームとなっており、製造時にスポンジケーキとチョコケーキを混ぜ込むことで、"もふっ"とした不思議な食感に仕上げている。「アクアマン ブルー ベルベット ブラウニー」は、ブルーベルベットケーキアイスクリームにブラウニー、チョコチップをミックスし、金粉をトッピング。ゴツゴツとした食感で、海底をイメージした。「アクアマン ブルー ベルベット シェイク」は、ブルーベルベットケーキアイスクリームを使用したシェイクに、ホイップクリーム、金粉を飾り、煌めく海を表現した。作品情報『アクアマン』公開日:2019年2月8日(金)監督:ジェームズ・ワン出演:ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、ニコール・キッドマン、パトリック・ウィルソン、ウィレム・デフォー、ルディ・リン、テムエラ・モリソン、ドルフ・ラングレンほか■コールド・ストーン・クリーマリー コラボレーションアイス&シェイク発売日:1月21日(月)販売店舗:全国のコールドストーン店舗・アクアマン ブルー ベルベット ブラウニー(ワンサイズ) 650円(税込)※ワッフルボール付き・アクアマン ブルー ベルベット シェイク(ワンサイズ) 550円(税込)※注文した人に先着でアクアマンのポストカードをプレゼント。
2018年09月10日8月29日から開催していた第75回ヴェネチア映画祭が8日に閉幕。最終日の授賞式で、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA』(原題)が最高賞の金獅子賞を受賞した。同作は1970年代のメキシコシティを舞台に、ある中流家庭とそこで住み込みで働く家政婦に焦点を当てた物語。言語はスペイン語で、白黒の映像で綴られている。メキシコシティで育ったキュアロン監督の思い出を反映させた内容だという。「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、金獅子賞を受賞したキュアロン監督は、この賞が同作のモデルとなった家政婦のリボさんへの「誕生日プレゼントだ」と喜びを語り、キャストたちには「私を育ててくれた女性たちを演じてくれてありがとう」と感謝を述べた。今年の審査員長のギレルモ・デル・トロ監督とキュアロン監督は、ともにメキシコ出身で大の仲良し。デル・トロ監督は金獅子賞の受賞者を読み上げるときに、「さぁどれどれ…僕は受賞者の名前をちゃんと発音できるかな?」というジョークが飛び出したそうだ。そのほかの受賞者・作品は以下の通り。銀獅子賞(審査員大賞)ヨルゴス・ランティモス監督 「The Favourite」(原題)銀獅子賞(監督賞)ジャック・オディアール監督「The Sisters Brothers」(原題)女優賞オリヴィア・コールマン「The Favourite」(原題)男優賞ウィレム・デフォー「At Eternity’s Gate」(原題)脚本賞ジョエル&イーサン・コーエン「The Ballad of Buster Scruggs」(原題)審査員特別賞ジェニファー・ケント監督「The Nightingale」(原題)(Hiromi Kaku)
2018年09月10日◼︎気鋭の監督の最新作は、ディズニー・ワールドそばの安モーテルが舞台今回みなさんにご紹介したいのは、『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』。全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』(2015)がサンダンス映画祭でプレミア上映され話題を呼んだショーン・ベイカー監督の最新作です。この物語の舞台は、「世界で最もマジカルな場所」と呼ばれる”ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート”のあるオーランドのすぐ外側。高速道路に沿って並ぶ安モーテルです。住まいを確保できないアメリカの人たちにとって、安モーテルは最後の避難所。そんな「隠れホームレス」の約4割が家族連れで、週ごとに賃貸契約を結び、家賃を必死に捻出しているのです。本作の主人公は、そんな安モーテルでその日暮らしの生活を送っている6歳のムーニーと若い母親ヘイリー。ふたりを待ち受ける、胸が張り裂けるほどに切なく、愛おしいクライマックスは必見です!◼︎『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』のストーリー大好きなママのヘイリー(ブリア・ヴィネイト)と、フロリダのディズニー・ワールドのすぐ外側にある、安モーテル”マジック・キャッスル”で暮らしている6歳のムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)は、元気いっぱいのいたずらっ子。ディズニー・ワールドに入るチケットはなくても、同じモーテルに暮らす仲良しの男の子スクーティや、隣のモーテルに越してきた同い年ぐらいの女の子ジャンシーと遊ぶ日々は、楽しいことで溢れていた。だが、シングルマザーのヘイリーは、ちょうど仕事を失ったばかりで、なかなか次の職を見つけることができない。ダイナー(北アメリカに特有のプレハブ式レストラン)で働くスクーティの母親・アシュリーからワッフルを提供してもらったり、リゾートホテルの間で偽物の香水を売ったりしながら、なんとか日々のモーテル代を工面していた。だが、ある出来事をきっかけに、アシュリーは息子のスクーティにムーニーと遊ぶことを禁じてしまう。ワッフルの提供も拒否され、香水売りの仕事も取り締まられと、徐々に追い詰められていったヘイリーは、愛するムーニーとの暮らしを続けるために、ある決意をして……。◼︎注目は、モテールの管理人ボビーを演じたウィレム・デフォー本作で、脇役ながら見事な演技を見せ、アカデミー助演男優賞にもノミネートされたのは、モーテルの管理人・ボビーを演じたウィレム・デフォーです。いたずらを繰り返すムーニーたちに「次は出て行ってもらうぞ」などと口うるさく叱りつけるボビーですが、一方でモーテルの側をうろつく不審者などの危険から子どもたちを守ろうとします。これまでに100本以上の映画に出演し、本作で三度目のオスカーノミネートとなったベテラン俳優ウィレム・デフォーが、哀愁たっぷりに演じたボビーは、本作の見どころのひとつと言えるでしょう。◼︎インスタグラム出身の新星ブリア・ヴィネイトが可愛い!本作で、水色の髪のシングルマザー・ヘイリーを演じるのはリトアニア共和国生まれの新星ブリア・ヴィネイトです。6歳でNYに移住したブリアは、19歳で復職デザインを始め、商品のほとんどを彼女自身が手作りして販売する「ChroniCal NYC」を立ち上げました。そんなブリアを、本作の監督ショーン・ベイカーは、なんとインスタグラムから見つけ出し、ヘイリー役をオファー!演技未経験とは思えない演技力で、「はすっぱ女」のヘイリーを魅力たっぷりに表現していきます。モーテルのパープルやピンクに、鮮やかなブルーの空、そして空にかかった虹。どこか現実離れしたパステルカラーに彩られ描かれるのは、目を背けたくなるような、過酷な現実です。楽観視できない現状の中でも、ユーモアや笑顔を忘れずに、頼もしく生きる登場人物たちに、あなたもきっとかけがえのない日常の愛しさを痛感することでしょう。観る人の心に深く残る『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』は5月12日(土)公開予定です。◼︎『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』公開情報『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』5月12日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー監督・脚本・編集:ショーン・ベイカー『タンジェリン』出演:ブルックリン・キンバリー・プリンス、ウィレム・デフォー、ブリア・ヴィネイト配給:クロックワークス上映時間:112分公式サイト:floridaproject.net(C)2017 Florida Project 2016, LLC.
2018年05月11日先週木曜日の夜11時頃(現地時間)、ニューヨークの『Motherless Brooklyn』(原題)の撮影現場で火災が発生。37歳の若き消防士マイケル・R・デヴィッドソンさんが亡くなり、複数のけが人も出るほどの大きな火事だったようだ。この火事をめぐって、火災現場となったハーレムのビルの住民が同作の製作を担っていたエドワード・ノートンの製作会社「Class 5 Films」に対し、約7億4千万円の損害賠償を求めている。また、金額は不明であるが住民だけでなくビルのオーナーも損害賠償を求めているという。「Variety」誌などが報じた。住民がニューヨークの裁判所に提出した訴状によれば、「Class 5 Films」は「火事はビルに燃えやすいものを持ち込んでも気に掛けず、注意も払わず、怠慢な扱いをしたことで起きた」とし、「火事が起きても住民に警告しなかった。それどころか、『火は消えた』とうそをついて住民に信じさせようとした」とのこと。『Motherless Brooklyn』は、エドワードが脚本を手掛け、監督と出演もしている作品。ブルース・ウィリスやウィレム・デフォーもキャストに名を連ねている。同作のプロデューサーたちは、火災後に命を落とした消防士マイケルさんと家族、消火活動を行った消防士たちにお悔やみと感謝のコメントを送った。(Hiromi Kaku)
2018年03月29日第90回アカデミー賞の授賞式が5日(現地時間4日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルが助演男優賞を受賞した。『スリー・ビルボード』ポスターサム・ロックウェルは「ありがとうございます。アカデミーに感謝です」と感激。「父と母が映画が好きだったので、映画への愛はそこから生まれました」と明かし、同作で主演を務めたフランシス・マクドーマンドやマーティン・マクドナー監督、助演男優賞にWノミネートされていたウッディ・ハレルソンをはじめとするキャストやスタッフ、関係者への感謝の言葉を語った。同作は、女優フランシス・マクドーマンドが主演するクライム・ドラマ。アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町で娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、依然解決しない事件への抗議のために町はずれに巨大な広告看板を設置し、それを快く思わない警察官や住民とミルドレッドの間のいさかいは日増しにエスカレートするも、事態は思わぬ展開を見せていく。サム・ロックウェルは、警察官ディクソンを演じた。助演男優賞には、サム・ロックウェルのほか、『The Florida Project(原題)』のウィレム・デフォー、『スリー・ビルボード』のウッディ・ハレルソン、『シェイプ・オブ・ウォーター』のリチャード・ジェンキンス、『All The Money In The World(原題)』のクリストファー・プラマーがノミネートされていた。(C)2017 Twentieth Century Fox
2018年03月05日全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』で世界中を驚愕させたショーン・ベイカー監督が、今度は全編35mmで撮影した映画『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』が5月12日(土)より公開。この度、第90回アカデミー賞助演男優賞(ウィレム・デフォー)にノミネートされ話題となっている本作からティーザー予告が公開された。第70回カンヌ国際映画祭でプレミア上映されるや、観客総立ちで拍手喝采を浴び、世界中のジャーナリストたちに「最高傑作」(LAタイムズ/ローリング・ストーン)「歴史に残ることが運命付けられた作品」(アイリッシュタイムズ)「この映画は、ディズニー・ワールドよりマジカルだ!」(アリゾナ・リパブリック)と絶賛され、全世界で96ノミネート、56受賞している本作(2/7時点、IMDB調べ)。舞台は、“世界で最もマジカルな場所”といわれるフロリダのディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテル。どこか現実離れしたパステルカラーに彩られた世界で、夢に満ちた毎日を生きる幼いムーニー、変えられない現実に抗う母ヘイリー、そして同じく社会の片隅で生きる人々の日常を、眩いほどの映像美でカラフルにそしてリアルに描き出す。主人公ムーニー役を演じたのは、本作で数々のブレイクスルー賞を受賞した天才子役ブルックリン・キンバリー・プリンス。またヘイリー役には、監督自身がインスタグラムで発掘した演技未経験のブリア・ヴィネイト。さらに、モーテルの管理人ボビーを演じるウィレム・デフォーは、本作でアカデミー賞助演男優賞にノミネート、受賞大本命との呼び声も高い。到着したティーザー予告では、眩しいほどに真っ青なフロリダの夏空やパステルカラーのモーテルとともに、真夏の冒険を楽しむ無邪気で可愛い子どもたちの様子が描かれる。そして一方で、周りの大人たちがなんとか家賃を払いモーテル暮らしをしている厳しい現実も見え隠れ…。ラストは「よし行こう」と、友達と虹に向かって走り出すムーニーが映し出されている。『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』は5月12日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2018年02月23日映画『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』が、2018年5月12日(土)より全国公開される。第90回アカデミー賞&第75回ゴールデン・グローブ賞をはじめ、107の映画賞にノミネート57受賞されている話題作。メガホンをとるのは、全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』(’15)が記憶に新しい“鬼才”ショーン・ベイカー監督だ。世界最大の夢の国「ディズニー・ワールド」その隣には職なし・家なしの家族が住んでいた物語の舞台は、世界屈指の観光地「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」があるアメリカ・フロリダ。鮮やかなブルーの空、カラフルなギフトショップ。どこか現実離れした “夢の国”の近くには、その煌びやかさとは裏腹に、普通のアパートに入居することができない人々が暮らす安モーテル街があった。主人公は、その日暮らしを送る6歳の少女・ムーニーとシングルマザーのヘイリー。一泊約40米ドルで宿泊可能な安モーテルは、永住の住まいを確保できない彼女たちにとって避難所のような存在だ。職なし、家なしの状態で必死に生きる“たった2人の家族”を中心に、ひと夏の物語が描かれる。社会の片隅で生きる人々をカラフルに描く、ショーン・ベイカー監督監督・脚本はショーン・ベイカー。トランスジェンダーの女性たちを全編iPhoneで撮影した『タンジェリン』で、サンフランシスコ映画批評家協会賞・脚本賞をはじめ、22受賞33ノミネートを果たした才能あふれるクリエーターだ。ショーンがデビュー当時から据えるのは、社会の片隅で生きる人々。過去には、違法移民の中国人、路上でブランドのコピー商品を売って生活している人物なども、題材として取り上げている。彼の作品の面白さは、ユニークな映画の作り方にある。「僕らはいつも同じやり方で映画を始めるんだ。この企画に参加したいかどうかを地元の人たちに尋ねるんだよ。」と話す通り、物語の舞台=つまり現場をリサーチするところから始める。『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』は約3年に渡ってリサーチ旅行を繰り返し、実際にモーテルにも何度も宿泊して構成を完成させた。キャスティングも実験的なことが多く、ストリートキャスティング、ソーシャルメディアを使ったスカウトなども実施。映画『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』では、シングルマザー・ヘイリー役のブリア・ヴィネイトをインスタグラムで発掘。また、主人公ムーニーの友人役を、撮影現場近くの量販店で声をかけてオーディションに呼んだという。ショーン・ベイカー監督にインタビュー日本公開に先駆け、ショーン・ベイカー監督が来日。“斬新なストリーテーラー”との異名を持つほど、リアルな現実をドラマティックに描く彼に、作品製作のこだわりについて話を聞いた。“夢の国”の近くの安モーテルを舞台に選んだ理由は何ですか。“皮肉な場所”ですよね。子供たちにとって、マジカルで幸せな場所といわれているテーマパークの真隣には、貧困で住む家がなく、モーテルに住まざるおえない子供たちがいる。“最高の夢の国”の近くで、子どもたちがカツカツの生活をさせられているという悲しい皮肉。これが同居しているところが印象的だったんです。初めてこのエリアのことを知ったのは、共同で脚本を執筆し、製作を担当しているクリス・バゴーシュに、安モーテルに関する新聞記事を教えてもらってから。その後、彼からテーマパーク近くのハイウェイ脇で子どもたちがいたという話を聞いたんです。そこからリサーチを始めたのでしょうか。リサーチ旅行は、フロリダ州キシミーを中心にスタートさせました。そこで初めて、「隠れたホームレス」というアメリカの現実に触れました。永住できない人たちにとって安モーテルが最後の避難所となっている。これは、アメリカ全土で起きていると言われているのですけど、私自身は、ここで初めて触れたのを覚えています。リサーチ旅行を通して様々な人に出会ったと思いますが、その中で母子家庭を中心キャラクターに決めた理由は?色々な家庭の方にお会いして、まず「隠れホームレス」の中の41%が家族連れであることを知りました。そして、シングルファミリーとなると、そのほとんどが母親とその子供という家庭であることに気付いたんです。もちろん世界的に考えても、シングルファミリーといえばシングルマザーというイメージが強いと思うのですが、アメリカでは片親しかいない場合、75%がシングルマザーなんです。それを無視できないなと思いました。また、作品の舞台が「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」の近くってことを考えたときに、ディズニー作品は母親が不在であったり亡くなっていたり…そういう設定が多いなって。主人公がパーフェクトじゃない母親像というところも立地とリンクして、今回は母子家庭を物語に中心にしました。監督がここで撮りたい、この人を撮りたいと思う決め手は何ですか。ダイナミックなものがないといけない。キャラクターであれ、ロケーションであれ、何でも。もちろん映画は、作品によって入口が変わってくるので、そのダイナミックさのポイントは異なります。前作の『タンジェリン』は、「ドーナツタイム」というドーナツ屋とロサンゼルスの交差点でどうしても撮影したいという気持ちがありました。今回は、ニュース記事から全てがスタートしていたので、記事で書かれたこのスポットでなくてはいけなかった。ロケーションもキャラクターも何か強いものがないとダメですね。それが演劇と映画との違いだと思います。白い壁に役者さんが立っているだけでは、映画としては50%の完成度にしかなりませんから。絶対ここで撮りたいと思わせた、フロリダ州キシミーの魅力は?ビジュアル的にカラフルで面白い。作品に度々登場する国道・192号線は、すべてのお店がテーマパークのお客さんをターゲットに商売をしている。だからディズニー的なデザイン要素、色彩を取り入れているんです。なので、撮影現場とするには、視覚的にもユニークなスポットでした。最高の撮影スポットを見つけ、3年ものリサーチ旅行を繰り返して、時間と手間をかけているのに、なぜドキュメンタリー作品として撮らず、さらに手間を加えたストーリータッチで作品を描くのでしょうか。僕は、元々劇作家からスタートしているので、作品作りをする上で、物語を綴っていきたいという気持ちを大切にしています。フィクションで描くからこそ、より多くの人に届くと考える部分もあると思うので。物語性を持たせることで、映画にどんなものが生まれるのでしょうか。映画は、観客にとって逃避させてくれる娯楽であると思うんです。僕は、社会問題に焦点を当てながらも娯楽としてのバランスを取りながら、映画を作りたいと考えています。僕が見る立場であっても、見終わった後に何かを考えさせてくれたり、ディスカッションしたくなるような作品が好きなので。観ていただいた方には、映画『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』を通じて色々感じて欲しいけれども。個人的には「隠れたホームレス」という社会問題に光を当てたいという気持ちがあったので、物語を通して、そういうのが届いていればいいなって思っています。娯楽的な側面がみなさんの心を捉えて、でも映画が終わった時には、色々と考えているようなそういう作品になっていたらいいなって。作品に思いを込めて、きちんと物語を構成しているのに、なぜ素人をキャスティングするのですか。経験ある俳優に任せた方が、自分の作りたい形が出来上がるのではないでしょうか。正直な話をすると、僕がフレッシュな顔ぶれを大きなスクリーンで観たい気持ちが一番大きいんだと思います。例えば、貧困家庭のシングルマザーのようにキャラクターの濃い役。これをベテラン俳優や他の作品に出ている役者が演じると、どうしても過去の役柄と重なってしまう。観客はその役にすんなり入っていけない可能性がありますし、場合によっては「この人がこの役…?」って信じられないかもしれない。でも、フレッシュな人が演じるとそれはない。観客はスッと登場人物に入っていけますし、作品自体も多面的になるメリットを感じます。他の人の作品を見るときも、フレッシュなキャスティングに好感を持ちますか。もちろん。スーパーヒーローものなどいわゆる「商業作品」と呼ばれる映画に出演する役者さんは、もちろん素晴らしい演技を観せてくれるとは思うのですが、ワクワクはしないんですよね。実は、本作では6人の映画役者が並んだ映画用ビルボードを劇中で登場させて、僕のキャスティングに対するこういった意見を反映させているんです。そんな中でも、名優のウィレム・デフォーを迎えています。彼は本作でアカデミー賞にノミネートされました。ウィレムは、モーテルの管理人役。住む人々を見守る存在なのですが、彼が登場するシーンの多くは、演技経験のない俳優が相手。その中で、彼は自分を変身させることができるから、皆が作る空気感に見事はまってくれた。色々な役者をミックスしてキャスティングしたからこそ、生まれた面白さだと思います。ウィレムと仕事ができたのは、本当に幸運でした。映画作りでショーン監督にとって重要なことは?初めから終わりまで「新しい」という感覚。僕は革新的な作品、フレッシュなものの見方をしている作品が好き。作品を作るために、他の作品をコピーすることに全く興味がないので、いわゆる“雇われ監督”と呼ばれるような大型の商業作品を撮る映画監督とは、感覚がちょっと違うんだと思います。子どもの視点で捉えた冒険ストーリー住んでいるところは安モーテル、遊び場所は寂れたギフトショップの周辺。モーテルの家賃を捻出するのにいっぱいいっぱいの母親。作品の中には厳しい現実がたくさん転がっているが、すべて6歳の少女・ムーニーの視点から切り取られているため、作品全体にはワクワクとさせるムードが広がっている。また、ショーン監督の名前を愛称にした「ベイカー・レインボー」と呼ばれる独特の色彩感覚。フロリダの青空、モーテルのピンクやパープルなど、35mmフィルムを使って捉えられた色鮮やかな世界も、本作の魅力となっている。“第2のダコタ・ファニング”天才子役の誕生主人公ムーニー役には、“第2のダコタ・ファニング”と評される子役、ブルックリン・キンバリー・プリンス。「ブルックリンは、僕がこれまで会ったあらゆる年齢層の俳優の中も、最も優れた一人だね」とショーン監督が評した彼女は、既に『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』で数々のブレイクスルー賞を受賞している。ムーニーの母親ヘイリー役には、映画初出演となるブリア・ヴィネイト。何千ものインスタグラマーから探し出してスカウトした人物に「僕らがヘイリーというキャラクターに思い描いていた特徴をすべて兼ね備えていたんだ。」とショーン監督はコメント。テンションが高くて気楽で面白いという、彼女のパーソナリティが生き生きと作品に反映されている。そしてムーニーやモーテルで暮らすみんなの父親のような存在である管理人ボビーは、『スパイダーマン』シリーズ1作目のグリーン・ゴブリン役や『セブン・シスターズ』のウィレム・デフォーが担当。ムーニーの親友ジャンシーには、撮影現場近くの量販店でショーン監督が見つけ、オーディションに招いたヴァレリア・コット。そして、実際に192号線のモーテルに家族と住んでいた少年クリストファー・リヴェラも、ムーニーの友人・スクーティに抜擢されている。『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』あらすじ6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく―。詳細『フロリダ・プロジェクト真夏の魔法』公開日: 2018年5月12日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー出演:ブルックリン・キンバリー・プリンス、ブリア・ヴィネイト、ウィレム・デフォー他監督・共同脚本・編集:ショーン・ベイカー配給:クロックワークス
2018年01月27日3月4日(現地時間)に開催される第90回アカデミー賞のノミネートが22日(現地時間)に発表。『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多13部門で候補に選出された。長編アニメーション部門には日本から5作が候補対象作になっていたが、残念ながら最終候補5作には残れなかった。また、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で主演のゲイリー・オールドマンの特殊メイクを担当した日本人アーティスト、辻一弘がメイクアップ部門で候補になった。授賞式は3月4日(現地時間)、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。主要部門候補は以下の通り作品賞『君の名前で僕を呼んで』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『ダンケルク』『ゲット・アウト』『レディ・バード』『ファントム・スレッド』『ペンタゴン・ペーパー /最高機密文書『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主演男優賞ティモシー・シャラメ(『君の名前で僕を呼んで』)ダニエル・デイ・ルイス(『ファントム・スレッド』)ダニエル・カルーヤ(『ゲット・アウト』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)デンゼル・ワシントン(『Roman J. Israel, Esq.』原題)主演女優賞サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)マーゴット・ロビー(『アイ, トーニャ史上最大のスキャンダル』)シアーシャ・ローナン(『レディ・バード』)メリル・ストリープ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』助演男優賞ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)ウディ・ハレルソン(『スリー・ビルボード』)リチャード・ジェンキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)助演女優賞メアリー・J・ブライジ(『マッドバウンド哀しき友情』)アリソン・ジャネイ(『アイ, トーニャ史上最大のスキャンダル』)レスリー・マンヴィル(『ファントム・スレッド』)ローリー・メトカーフ(『レディ・バード』)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)監督賞クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』)グレタ・ガーウィグ(『レディ・バード』)ポール・トーマス・アンダーソン(『ファントム・スレッド』)ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー『The Disaster Artist』(原題)スコット・ニュースタドター、マイケル・H・ウェバー『ローガン』スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド、マイケル・グリーン『モリーズ・ゲーム』アーロン・ソーキン『マッドバウンド哀しき友情』(原題)オリジナル脚本賞『ビッグ・シック』エミリー・V・ゴードン、クマイル・ナンジアーニ『ゲット・アウト』ジョーダン・ピール『レディ・バード』グレタ・ガーウィグ『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー撮影賞『ブレードランナー 2049』ロジャー・ディーキンス『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ブルーノ・デルボネル『ダンケルク』ホイテ・ヴァン・ホイテマ『マッドバウンド哀しき友情』レイチェル・モリソン『シェイプ・オブ・ウォーター』ダン・ラウス作曲賞『ダンケルク』ハンス・ジマー『ファントム・スレッド』ジョニー・グリーンウッド『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ジョン・ウィリアムズ『スリー・ビルボード』カーター・バーウェル主題歌賞「Mighty River」(『マッド・バウンド哀しき友情』)「Mystery of Love」(『君の名前で僕を呼んで』)「Remember Me」(『リメンバー・ミー』)「Stand Up for Something」(『Marshall』原題)「This Is Me」(『グレイテスト・ショーマン』)長編アニメーション映画賞『ボス・ベイビー』『The Breadwinner』(原題)『リメンバー・ミー』『Ferdinand』(原題)『ゴッホ最期の手紙』外国語映画賞『ナチュラル・ウーマン』(チリ)『The Insult』(原題)(レバノン)『心と体と』(原題)(ハンガリー)『ザ・スクエア思いやりの聖域』(スウェーデン)『ラブレス』(ロシア)(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ダンケルク 2017年9月9日より全国にて公開(C) 2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
2018年01月23日第71回英国アカデミー(BAFTA)賞のノミネーションが9日(現地時間)、発表され、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多12部門にノミネートされた。ゴールデン・グローブ賞ドラマ部門でゲイリー・オールドマンが主演男優賞を受賞した『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は作品賞、主演男優賞など9部門に。ゴールデン・グローブ賞で最多4部門を受賞した『スリー・ビルボード』は作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞など8部門9ノミネート、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』も作品賞、監督賞ほか8部門で候補になった。英国映画の『パディントン2』、『Film Stars Don’t Die in Liverpool』(原題)は3部門、『The Death of Stalin』(原題)は2部門でノミネート。スティーヴン・スピルバーグ監督の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』が完全無視される一方、興行面では苦戦した『ブレードランナー2049』は監督賞、作曲賞ほか8部門で候補になるなど、アメリカの映画賞とは異なる姿勢がはっきり表れた。英国アカデミー賞授賞式は2月18日(現地時間)、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催される。主なノミネーションは以下の通り。■最優秀作品賞『君の名前でぼくを呼んで』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『ダンケルク』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』■英国映画賞『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『The Death of Stalin』『God’s Own Country』『Lady Macbeth』『パディントン2』『スリー・ビルボード』■最優秀男優賞ダニエル・デイ=ルイス(『ファントム・スレッド』)ダニエル・カルーヤ(『ゲットアウト』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)ジェイミー・ベル(『Film Stars Don’t Die in Liverpool』原題)ティモシー・シャラメ(『君の名前で僕を呼んで』)■最優秀女優賞アネット・ベニング(『Film Stars Don’t Die in Liverpool』原題)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)マーゴット・ロビー(『I, Tonya』原題)サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)シアーシャ・ローナン(『レディ・バード』)■助演男優賞クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)ヒュー・グラント(『パディントン2』)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)ウディ・ハレルソン(『スリー・ビルボード』)■助演女優賞アリソン・ジャニー(『I, Tonya』原題)クリスティン・スコット・トーマス(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)ローリー・メトカーフ(『レディ・バード』)レスリー・マンヴィル(『ファントム・スレッド』)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)■最優秀監督賞ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『ブレードランナー2049』)ルカ・グァダニーノ(『君の名前で僕を呼んで』)クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)マーティン・マクドナー(『スリー・ビルボード』)■最優秀オリジナル脚本賞『ゲットアウト』ジョーダン・ピール『I, Tonya』(原題)スティーヴン・ロジャース『レディ・バード』グレタ・ガーウィグ『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■最優秀脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー『The Death of Stalin』(原題)アーマンド・イアヌッチ、イアン・マーティン、デヴィッド・シュナイダー『Film Stars Don’t Die in Liverpool』(原題)マット・グリーンハイ『Molly’s Game』(原題)アーロン・ソーキン『パディントン2』サイモン・ファーナビー、ポール・キング■最優秀外国語映画賞『エル ELLE』(フランス/ドイツ/ベルギー)『最初に父が殺された』(カンボジア)『お嬢さん』(韓国)『ラブレス』(ロシア)『セールスマン』(イラン)■最優秀作曲賞『ブレードランナー2049』ハンス・ジマー『ウィンストン・チャーチル』ダリオ・マリアネッリ『ダンケルク』ハンス・ジマー『ファントム・スレッド』ジョニー・グリーンウッド『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ■最優秀アニメ映画賞『リメンバー・ミー』『ゴッホ最期の手紙』『ぼくの名前はズッキーニ』(text:Yuki Tominaga)
2018年01月09日