1作目の『ジュマンジ』から22年。続編の『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』が完成し、主演のドウェイン・ジョンソンが本作への思いを「Press Association」に語った。前作は2014年に亡くなったロビン・ウィリアムズが主演したことから、「俺たちはロビンに敬意と大きな愛を持ってこの作品を作りたかったんだ。だって、ロビンがいなかったら俺たちはこの作品に出られなかったんだからね」と感謝を表したドウェイン。「ロビンが『ジュマンジ』のマジカルな世界を創りあげた。その世界観を壊さないよう極めて慎重に、おもしろくて新しい、前作とはちょっと違う『ジュマンジ』の精神を表現しようとした。それをいまの世代の観客に届けたくてね」。『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は前作から20年後が舞台。学校で居残りをさせらていた高校生4人がビデオゲーム「ジュマンジ」の世界に閉じ込められ、現実世界に帰るために「ゲームクリア」を目指すというアクション・コメディ。4人はゲームで選んだアバターの姿でジャングルに放り出されるのだが、中でも注目はジャック・ブラックが演じる「SNS中毒の女子」。見た目は“ぽっちゃりオジサン”ながら、中身は女子高生という難役を見事にこなし、ドウェインが「アレはすごすぎる」と絶賛している。(Hiromi Kaku)
2017年12月19日検索サイト「Google」が2017年、最も検索されたもののランキングを発表、すべての地域を対象にした俳優部門では昨年に続いて、英王室ヘンリー王子と婚約したメーガン・マークルが1位になった。昨年、ヘンリー王子との交際が発覚したことから1位になったメーガンは、11月に婚約を発表したことで、さらに世間の関心度がアップしたようだ。3位には『ワンダーウーマン』のガル・ガドット、5位には『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のビル・スカルスガルドと、出演映画の大ヒットとともにブレイクした2人がトップ5入りを果たした。ちなみに2位のケヴィン・スペイシー、4位のルイス・C・Kはともに今年後半のハリウッドを震撼させたセクハラ騒動で、被害者たちから告発された2人。6位にはNetflixのドラマ「ストレンジャー・シングス未知の世界」のイレブン役のミリー・ボビー・ブラウン、7位は『スパイダーマンホームカミング』のトム・ホランド、8位はドラマ「ビッグバンセオリー/ギークなボクらの恋愛法則」のケイリー・クオコ、9位は最新作『Lady Bird』(原題)が各映画賞で絶賛され、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)候補にもなっているシアーシャ・ローナン、10位は「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズや『ジャスティス・リーグ』で活躍を見せたジェイソン・モモア。映画部門で1位になったのは『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』。『ワンダーウーマン』が続き、3位は『美女と野獣』。4位にヒュー・ジャックマン主演の『LOGAN/ローガン』、5位に『ジャスティス・リーグ』が入った。ちなみにアメリカ合衆国のランキングでは2位と3位の順位が入れ替わり、4位にはジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』が入っている。ドラマ部門の1位は「ストレンジャー・シングス未知の世界」、2位は「13の理由」とNetflixのドラマが独占。アメリカ合衆国のランキングでは、女子高生の自殺に隠された理由を描いた後者が1位になっている。3位はブラジルのリアリティ番組「Big Brother Brasil」で、シーズン7が放送された「ゲーム・オブ・スローンズ」は4位。5位もNetflixのドラマ「アイアン・フィスト」だった。ミュージシャン&バンド部門では、5月に英マンチェスターの公演中に爆破テロが発生、その後にチャリティ・ライブを行ったアリアナ・グランデが1位になった。2位はボーカルのチェスター・ベニントンが自ら命を絶つという衝撃のニュースが飛び込んだリンキン・パーク、3位は線維筋痛症であることを公表し、活動を休止したレディー・ガガ、手術で大幅減量したマライア・キャリーが4位、自転車事故で右腕骨折してしまったエド・シーランが5位、と心配なニュースを気にしたファンたちの検索結果が如実に表れた。ちなみにメーガン・マークルは俳優部門に限らず、「最も検索された人物」リストでは2位にランクインしたが、こちらにリストアップされたのは、1位の米NBCの看板キャスター、マット・ロウアーをはじめ、ハーヴェイ・ワインスタインや前述のスペイシーといった積年のセクハラ行為で告発された面々が名を連ねた。(text:Yuki Tominaga)
2017年12月15日2018年1月21日(現地時間)に開催される第24回全米映画俳優組合賞のノミネーションが発表された。テレビ部門で目を引くのは、候補者5人が2つの作品に集中しているテレビ女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)。また、昨年わずか12歳で女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた「ストレンジャー・シングス」のミリー・ボビー・ブラウンが今年もノミネートを果たし、13歳で受賞となるかにも要注目だ。【テレビ部門】男優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)ベネディクト・カンバーバッチ「シャーロック」ジェフ・ダニエルズ「ゴッドレス -神の消えた町-」ロバート・デ・ニーロ「The Wizard of Lies」ジェフリー・ラッシュ「ジーニアス:世紀の天才 アインシュタイン」アレクサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」女優賞(テレビ映画/ミニシリーズ部門)ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」ニコール・キッドマン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」ジェシカ・ラング「Feud: Bette & Joan」スーザン・サランドン「Feud: Bette & Joan」リース・ウィザースプーン「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」男優賞(ドラマ部門)ジェイソン・ベイトマン「オザークへようこそ」スターリング・K・ブラウン「THIS IS US 36歳、これから」ピーター・ディンクレイジ「ゲーム・オブ・スローンズ」デヴィッド・ハーバー「ストレンジャー・シングス」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」女優賞(ドラマ部門)ミリー・ボビー・ブラウン「ストレンジャー・シングス」クレア・フォイ「ザ・クラウン」ローラ・リニー 「オザークへようこそ」エリザベス・モス「The Handmaid’s Tale」ロビン・ライト「ハウス・オブ・カード 野望の階段」男優賞(コメディ部門)アンソニー・アンダーソン「Black-ish」アジズ・アンサリ 「マスター・オブ・ゼロ」ラリー・デヴィッド「ラリーのミッドライフ★クライシス」ショーン・ヘイズ「ふたりは友達? ウィル&グレイス」ウィリアム・H・メイシー「シェイムレス 俺たちに恥はない」マーク・マロン 「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」男優賞(コメディ部門)ウゾ・アドゥバ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」アリソン・ブリー「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」ジェーン・フォンダ「グレイス&フランキー」ジュリア・ルイス=ドレイファス「Veep/ヴィープ」リリー・トムリン「グレイス&フランキー」アンサンブル賞(ドラマ部門)「ザ・クラウン」「ゲーム・オブ・スローンズ」「The Handmaid’s Tale」「ストレンジャー・シングス」「THIS IS US 36歳、これから」アンサンブル賞(コメディ部門)「Black-ish」「ラリーのミッドライフ★クライシス」「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」「Veep/ヴィープ」スタント・アンサンブル賞「ゲーム・オブ・スローンズ」「GLOW:ゴージャス・レディ・ オブ・レスリング」「Homeland/ホームランド」「ストレンジャー・シングス」「ウォーキング・デッド」(Hiromi Kaku)
2017年12月14日2017年も残すところあとわずかということで、“2017年に日本初上陸を果たしたオススメ海外ドラマ10選”をお届け。放送・配信など視聴方法は問わず、新旧も問わず、連続ドラマかリミテッドシリーズかといった作品形態も問わず。シリーズの第1話が日本で初めて観られるようになった作品の中から、10本のオススメを順不同でご紹介します。【LINE UP】1.「ヤング・ポープ 美しき異端児」主演:ジュード・ロウ2.「グッド・プレイス」主演:クリステン・ベル3.「ビッグ・リトル・ライズ」主演:N・キッドマン&R・ウィザースプーン4.「ブルックリン・ナイン-ナイン」主演:アンディ・サムバーグ5.「THIS IS US 36歳、これから」主演:ジャスティン・ハートリー(日本語吹き替え:高橋一生)6.「ゴッドレス -神の消えた町-」主演:ジェフ・ダニエルズ7.「レギオン」主演:ダン・スティーヴンス8.「マインドハンター」主演:ジョナサン・グロフ9.「iゾンビ」主演:ローズ・マクアイヴァー10.「13の理由」主演:ディラン・ミネット1.「ヤング・ポープ 美しき異端児」Huluほか配信中ジュード・ロウが米国人初のローマ教皇ピウス13世(架空の人物)を好演。複雑な内面と自他共に認める外見の美しさで周囲を翻弄する様が芸術的で、こんなジュードが見たかった!というより、彼にしか演じられない役。パオロ・ソレンティーノが全話を監督。2.「グッド・プレイス」Netflixにて配信中性悪な主人公エレノアが死んで地獄行き…と思いきや、手違いで天国のような“グッド・プレイス”へ。自身と向き合いながら、“バッド・プレイス”行きを免れようとするコメディ。ポップな映像世界、さり気なく心を揺さぶる展開、本音全開の登場人物たちが最高。3.「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」Hulu、Amazonビデオほか配信中西海岸の高級住宅地で起きた死亡事件に前後し、住民たちの事情が明かされていくヒューマンミステリー。体当たりのニコール・キッドマンからDV夫役アレクサンダー・スカルスガルドまでキャストが超豪華。全話を監督したジャン=マルク・ヴァレの画作りが秀逸。4.「ブルックリン・ナイン-ナイン」Netflixにて配信中ブルックリン99分署の刑事たちが気合十分で捜査に励んだり、署内の仲間たちとハチャメチャな日常を送ったり。2014年度ゴールデン・グローブ賞作品賞受賞コメディが、シーズン3までようやく上陸。登場人物たちが素敵過ぎて、観れば必ず99分署に勤務したくなる。5.「THIS IS US 36歳、これから」毎週日曜23:00~NHK総合にて放送中キャリアに行き詰まったイケメン俳優、自信を失いがちな肥満女性、生真面目なエリートサラリーマンら、悩める36歳の人生の物語が展開。ストレートな人間ドラマでありながら詳細に触れるとネタばれになる…という巧みな構成と、号泣必至のストーリーが胸を打つ。6.「ゴッドレス -神の消えた町-」Netflixにて配信中大悪党の支配下を逃れたガンマンが、鉱山事故で男性の大半が死亡した町に行き着く西部劇。『LOGAN/ローガン』の脚本家スコット・フランクが全話の監督&脚本を手掛け、いま最も大画面で観たいドラマ世界を構築。ガンマン役ジャック・オコンネルの魅力も炸裂。7.「レギオン」デジタル配信中『X-MEN』シリーズに登場するプロフェッサーXの息子が、自身のルーツを巡る戦いを開始。シュールでお茶目でスパイシーなストーリーといちいちスタイリッシュな映像に中毒性あり。主人公デヴィッドを演じるのは「ダウントン・アビー」のダン・スティーヴンス。8.「マインドハンター」Netflixにて配信中犯罪プロファイリングが確立していない1970年代に、連続殺人犯の心理を探ろうとするFBI捜査官たちが奮闘。計算され尽くした会話劇とデヴィッド・フィンチャーらしい低温の映像世界が絡み合う中、純粋ゆえに危うい主人公の捜査官をジョナサン・グロフが好演する。9.「iゾンビ」Netflixにて配信中ゾンビになってしまった検視官リヴが、遺体の脳ミソを食べて被害者の記憶を探りながら事件を捜査。全米ではシーズン3まで放送済みのゾンビドラマが、シーズン1のみようやく日本上陸。スリリングなゾンビドラマでありながら、恋あり、青春あり、ユーモアあり。10.「13の理由」Netflixにて配信中自殺した女子高生に想いを寄せていた少年が、彼女が生前に残したメッセージから“13の理由”をたどっていく青春ドラマ。思春期のきらめきが残酷な武器へと変わる青春描写とミステリータッチの構成で話題沸騰。2017年度最も胸をえぐってきたシリーズの1つ。皆さんの2017年を彩った海外ドラマは何でしょうか?2018年も素敵な作品にたくさん出会えることを期待しつつ…、海外ドラマと共によいお年を!(text:Hikaru Watanabe)
2017年12月13日夢と愛に生きた伝説のエンターテイナーのロマンティックで一途な愛と、ドラマティックなその人生を描き、ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門3部門(作品賞・主演男優賞・主題歌賞)にノミネートされた『グレイテスト・ショーマン』。12月8日(現地時間)、ニューヨーク・ワールドプレミアが開催された。実在の人物P.T.バーナムの野心と想像力にインスパイアされた本作は、バーナムが何もないところからアイデアと野心でショービジネスを立ち上げるさまを描くミュージカル・エンタテイメント。そのバーナムが、ニューヨークとイギリス間をキュナード客船を利用して幾度となく航海したことにちなみ、ワールドプレミアは最高峰のオーシャンライナー、クイーン・メリー2にて行われた。主人公P.T.バーナムを演じたヒュー・ジャックマンをはじめ、上流階級出身でバーナムの相棒となるフィリップを演じたザック・エフロン、空中ブランコのパフォーマーでフィリップと惹かれあうアンを演じたゼンデイヤ、バーナムによって世界的な名声を手にしたスウェーデン人のソプラノ歌手ジェニー・リンドを演じたレベッカ・ファーガソン、バーナムの一座でスポットを浴びることで「This Is Me」(これが私)と主張できる自分を獲得していくレティを演じたるキアラ・セトルほかキャスト陣や、日本の人気漫画「NARUTO -ナルト-」のハリウッド実写版監督にも起用されている新鋭マイケル・グレイシー監督、本作の音楽を担当した『ラ・ラ・ランド』のアカデミー賞コンビ、ベンジ・パセックとジャスティン・ポールたちが船上に駆けつけた。ザック・エフロン、歌うことは「初恋のようなもの」映画史に残る、ゴージャスなオリジナル・ミュージカルとなる本作らしく、花火も上がり、華やかなプレミアとなった今回。『レ・ミゼラブル』以来の歌声を披露し、ゴールデン・グローブ賞ミュージカル・コメディ部門主演男優賞にノミネートされたヒューは、「本作は思いやりに満ちた、感動を呼ぶ、楽しい作品で、人を笑顔にする。人はこの音楽を覚えてしまって、頭から離れなくなるだろう。音楽は並外れてすばらしい。それに多様性の受け入れとか、忍耐とかすばらしいメッセージもあるし、完璧な要素をそろえた作品だ」と言葉に力を込める。「ミュージカル映画は以前からやりたかった」そうで、「オリジナルのミュージカル映画を作ろうというガッツのあるスタジオで仕事をするのは楽しかった。なんといっても、23年ぶりのことだ。とてもエキサイティングだ」と語り、「この世に生まれたことを誇りに思えるような映画」と手応えを覗かせる。また、「ハイスクール・ミュージカル」で世に出たザックも、「歌うこと、真実の愛を歌うことには気持ちを最高にさせるような魅力がある。映画の中だけではなくて現実でもね。とても突き抜けた感じのもの。それに、これは僕が子どものときに経験したルーツに戻るものだ。若いときに楽しんだものにね。…初恋のようなものだ」と明かす。そして、本作の見どころとして、「P.T.バーナムはユニークなところがあって、さまざまな人種や容貌の人たちに自由にしていい勇気を与え、スポットライトを浴びることを楽しみ、個人として本当のありのままの自分を受け入れる機会を与えたんだ。これはいまの人たちにとって、大切なメッセージだと思う」と語った。さらに、ゼンデイヤは「映画を観て、とにかく、楽しいと思った。それが私の頭に最初に浮かんだ言葉よ。皆さんには、映画を観終わって笑顔になってほしいと思っているわ。それに『愛』ね。これは受け入れる気持ちを描いた作品」と本作の魅力に言及。イギリス女王の前で歌う人気歌手ジェニー・リンドを演じたレベッカも「完成した映画を観てとても楽しんだ。だから、本作を観た人には私が経験したのと同じように楽しんでもらいたいと思っている。本当に圧倒されたの」と、まるでショーの観客の1人であるかのように、その感動を語っていた。『グレイテスト・ショーマン』は2018年2月16日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月12日アカデミー賞の行方を占う前哨戦の目玉の1つ、ゴールデン・グローブ賞のノミネーションが12月11日(現地時間)に発表され、第75回となる今回は『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多7部門でノミネートされた。次いで『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『スリー・ビルボード』が6部門でノミネートされた。ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)の投票によって、ドラマ部門とミュージカル・コメディ部門に分けて、作品賞と主演俳優賞、両部門から助演俳優賞が選出される。授賞式は来年1月7日(現地時間)に開催され、セス・マイヤーズが司会を務める。映画部門のノミネートは以下の通り。映画の部映画の部/ドラマ部門作品賞『Call Me by Your Name』(原題)『ダンケルク』『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主演女優賞ジェシカ・チャステイン(『Molly’s Game』原題)サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)メリル・ストリープ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)ミシェル・ウィリアムズ(『All the Money in the World』原題)主演男優賞ティモシー・シャラメ(『Call Me by Your Name』原題)ダニエル・デイ・ルイス(『Phantom Thread』原題)トム・ハンクス(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)デンゼル・ワシントン(『Roman J. Israel, Esq』原題)【ミュージカル・コメディ部門】作品賞『The Disaster Artist』(原題)『ゲット・アウト』『グレイテスト・ショーマン』『I, Tonya』(原題)『Lady Bird』(原題)主演女優賞ジュディ・デンチ(『Victoria&Abdul』原題)ヘレン・ミレン(『ロング, ロングバケーション』)マーゴット・ロビー(『I, Tonya』原題)シアーシャ・ローナン(『Lady Bird』原題)エマ・ストーン(『Battle of the Sexes』原題)主演男優賞スティーヴ・カレル(『Battle of the Sexes』原題)アンセル・エルゴート(『ベイビー・ドライバー』)ジェームズ・フランコ(『The Disaster Artist』原題)ヒュー・ジャックマン(『グレイテスト・ショーマン』)ダニエル・カルーヤ(『ゲット・アウト』)助演女優賞メアリー・J・ブライジ(『マッドバウンド 哀しき友情』)ホン・チャウ(『ダウンサイズ』)アリソン・ジャネイ(『I, Tonya』原題)ローリー・メトカーフ(『Lady Bird』原題)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)助演男優賞ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)アーミー・ハマー(『Call Me by Your Name』原題)リチャード・ジェンキンズ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)外国語映画賞『ナチュラルウーマン』『最初に父が殺された』『女は二度決断する』『ラブレス』『The Square』(原題)監督賞ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)マーティン・マクドノー(『スリー・ビルボード』)クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)リドリー・スコット(『All the Money in the World』原題)スティーヴン・スピルバーグ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』)脚本賞『Lady Bird』(原題)『Molly’s Game』(原題)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』作曲賞『ダンケルク』『Phantom Thread』(原題)『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主題歌賞「リメンバー・ミー」(『リメンバー・ミー』)「This Is Me」(『グレイテイスト・ショーマン』)「Mighty River」(『マッドバウンド 哀しき友情』)「Home」(『Ferdinand』原題)「The Star,」(『The Star』原題)アニメ映画賞『ボス・ベイビー』『The Breadwinner』(原題)『リメンバー・ミー』『Ferdinand』(原題)『ゴッホ最期の手紙』(text:Yuki Tominaga)
2017年12月11日2017年のクリスマスイヴは日曜日。相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら買ったプレゼントを渡す人もいれば、1年の中で一番輝く街を楽しむためにお洒落をしてお気に入りの靴を履いて出かける人もいるだろうし、暖かいお家でオードブルやケーキをつつきながらまったり過ごす人もいる。もちろん仕事でそれどころじゃないという人だって。思い切りロマンチックにしたい、せめてクリスマス気分を味わいたい…思い思いのクリスマスを過ごす貴方へ、シネマカフェライターがクリスマスに観たい極上の1本を紹介します!クリスマスに女友だちと盛り上がりたい!『ミーン・ガールズ』…賀来比呂美あらすじ全米公開から13年経ついまもなおカルト的人気を誇る『ミーン・ガールズ』。のどかなアフリカから帰国し、生まれて初めて学校に通い出したケイディ(リンジー・ローハン)は、カリスマ的女王として君臨する美しいレジーナ(レイチェル・マクアダムス)率いる“ミーン”(いじわる)な女子3人組の“プラスチックス”と出会う。ケイディは彼女たちからはみ出し者扱いを受けるジャニス(リジー・キャプラン)の依頼により、スパイとして3人に近付くが、彼女たちに染まってすっかりレジーナのクローン状態に…。ここがポイント!リンジーが素朴な少女から狡猾な女王蜂へと変化していくケイディを好演。ブレイク前のR・マクアダムスとA・セイフライドも“いじわる女子”を生き生きと演じている。4人がセクシーでキュートなサンタのコスプレで歌って踊る学芸会も一波乱あり、見もの!いつの時代にも女子を悩ますスクールカーストやいじめ、恋の三角関係などを取り上げながらも、おしゃれでポップに描いた本作。クリスマスに女友だちと盛り上がれる作品だ。悪夢の国の住人からの素敵なメッセージ『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』…牧口じゅんあらすじ人を怖がらせることが大好きな“ハロウィン・タウン”の住人たち。毎年、人々を悪夢と恐怖で震え上がらせては盛り上がっていた。ところが、パンプキン・キングのジャックだけは、ハロウィンに食傷気味。ひょんなことから、陽気で明るく幸せいっぱいの“クリスマス・タウン”を見つけ夢中に。仲間たちと“クリスマス”を作り出そうとするけれど…。ティム・バートン原案・原作によるストップモーションアニメのミュージカル。ホラーとファンタジーを融合した独自世界、個性的なストーリー、美しい音楽、キモかわいいヴィジュアルなど、見所だらけの一作。ここがポイント!本作に登場するのは、お祝いムードに似つかわしくない悪夢の国の住人たち。彼らが作り出そうとするクリスマスは、恐怖がベースなので、何をやってもとことんズレまくるキャラクターたちが愛らしくも切ない。でも、見ているうちに幸せな気分になれるのは、人の幸せが気になりがちなこの時期に、“自分の幸せを大切に”というポジティブなメッセージが心に染みてくるから。ロマンチックな夜に運命を信じてみて『セレンディピティ』…新谷里映あらすじクリスマス直前の百貨店で、偶然に同じ手袋を手にしたことで出会うジョナサン(ジョン・キューザック)とサラ(ケイト・ベッキンセール)。その出会いをお互い“運命”なんじゃないか…と感じたからこそ、2人はセレンディピティというカフェで話をしてデートをするわけですが、その後、2人が選択する別れ方が運命的でロマンチック!本当の運命の相手なら必ずもういちど“出逢える”はずだと、ジョナサンは5ドル札に、サラは持っていた本に、お互いの連絡先を書き手放す──。ここがポイント!自分たちの感じた運命が本物かどうかを試そうとすることは、ある意味とても大きな賭ですが、また出会えるかもしれない可能性を信じて過ごす日々は、ずっと片思いをしているようでもあって、会えない時間が愛を育てるわけです。何度も観ていますが、あるとき、サラの持っている本がG・ガルシア・マルケスの「コレラの時代の愛」であることにも意味があると気づきました。夫婦の物語であると同時にひとりの女性を想い続けた男の話でもある。現代は簡単に人と人が繋がる時代ですが、この『セレンディピティ』を観ると、運命に身を任せることもありじゃないかとロマンチックになれるのです。見るのも、聴くのも楽しい! ほっこりコメディ『ホームアローン2』…編集長・高島康彰あらすじマカリスター家の息子ケビン(マコーレー・カルキン)の愛らしさと、大人たちを翻弄する様をコミカルに描く、ハートフル・コメディの続編。前作に続き、恒例?の家族行事となったクリスマス旅行に出かける一家。今回の旅は、マイアミへ…。のはずが、空港で家族とはぐれ、ケビンはひとりニューヨークへ。温暖でクリスマスツリーのないマイアミに行くことが楽しみでなかったケビンは、この状況に少しさみしさはありながらも観光を楽しむ事に。だが、子どもひとりでは危険がいっぱいの大都会。合間に立ち寄ったダンカンのおもちゃ屋で、前作にも登場し刑務所から脱走中の泥棒ハリーとマーヴに出会ってしまい──。ここがポイント!劇場公開から25年、ケビンの愛らしさやストーリーに散りばめられたコメディも絶品な色褪せない傑作。アメリカ合衆国大統領(2017年現在)のドナルド・トランプ氏もカメオ出演しているなど小ネタも話題。でも、本当におすすめしたいのは作品を彩るサウンドトラック。中でもトラック内のリード曲、ダーレン・ラブ「オール・アローン・オン・クリスマス」(MVではカルキン坊やも出演)とボビー・へルムズ「ジングルベル・ロック」は最高。クリスマスムードを盛り上げてくれること間違いなしです。さらに全体の音楽担当は、「スター・ウォーズ」シリーズを手掛ける名士ジョン・ウィリアムズと、見るだけでなく、聴いて楽しむことも出来るクリスマス映画なんです。ケビンのセリフ「1人になりたいと思っても、やっぱりひとりじゃつまらない。」が語るように、家族や大切な人とのほっこりしたクリスマスを映画とともに過ごすのはどうでしょうか。Darlene Love - All Alone On Christmas(text:cinemacafe.net)
2017年12月08日パキスタン出身のアメリカ人コメディアン、クメイル・ナンジアニの実話を描いた、本年度アカデミー賞大本命作『THE BIG SICK』(原題)が、『ビッグ・シック』の邦題で2018年2月23日(金)より日本でも公開されることが決定した。■あらすじパキスタンで生まれシカゴに移住したコメディアンのクメイルは、アメリカ人大学院生のエミリーと付き合っている。ある日、同郷の花嫁しか認めない厳格な母親に言われるまま、見合いをしていたことがエミリーにバレて、2人は破局を迎える。ところが数日後、エミリーは原因不明の病で昏睡状態に。病院へ駆けつけたクメイルは、彼がエミリーを傷つけたことに腹を立てている両親テリーとベスに出会う。最初はクメイルへの敵意をあらわにしていたベスが、気分転換に訪れたコメディクラブで、クメイルに人種差別的なヤジを飛ばす観客と毅然と闘ったことから、3人は心を通わせ始める。彼らのエミリーへの深い愛に心を動かされ、自分にとってもエミリーがいかに大切な存在かに気付いていくクメイル。果たして、エミリーは目覚めるのか?そのとき、2人の未来の行方は――?■早くもアカデミー賞最有力!本作は、パキスタン出身のアメリカ人コメディアン、クメイルが“異文化結婚”の前に立ちはだかる数々のトラブルと騒動を愛と笑いで乗り越えた実話を、本人たちが共同で脚本執筆、クメイルを主役に抜擢して映画化。『はじまりのうた』のプロデューサーが製作を担い、『ドリスの恋愛妄想適齢期』のマイケル・ショウォルターがメガホンをとった。出演にはクメイルのほかにも、「恋するベーカリー」「ルビー・スパークス」のゾーイ・カザン、『アイス・エイジ』シリーズのレイ・ロマノ、『ピアノ・レッスン』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のホリー・ハンター、インド出身のアヌパム・カーが名を連ねた。全米でたった5スクリーンからスタートした本作だが、人種問題がさく裂するトランプ政権下、口コミにより2,600スクリーンにまで拡大し大ヒットを記録。さらに、近年注目を集める映画祭「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)」で観客賞を受賞するほか、「ロカルノ国際映画祭」「ナンタケット映画祭」で観客賞受賞。「デトロイト映画批評家協会賞」「LAオンライン映画批評家協会賞」にはノミネート、そのほかにも次々と映画賞を受賞・ノミネートした。そして、12月11日(月)に開催される「ゴールデン・グローブ賞」ノミネート(コメディ・ミュージカル部門)への期待も高まっており、早くもアカデミー賞最有力との呼び名も高くなっている。『ビッグ・シック』は2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2017年12月08日知英が映画初主演を務める『レオン』の公開日が、2018年2月24日(土)に決定。併せて、ハチャメチャで痛快な“入れ替わり”コメディのメイン写真が公開となった。本作は、スマホマガジン「Hot-DogPress」で連載され、絶大な人気を誇ったオリジナル漫画を笑いたっぷりに映画化。地味なナイスバディの派遣OLと年商500億の女好きワンマン社長の心が入れ替わってしまう、痛快“スイッチング”エンターテインメント。元「KARA」のメンバーで、2014年に活躍の場を日本へ移し、歌手JYとしても活動する知英さんが劇場映画初主演。見た目は美人OLだが、中身は女好き社長という難しい役柄を演じるにあたり、完璧な日本語を習得し、弾けきった見事なエロオヤジっぷりを披露する。そんな知英さん扮する小鳥遊玲音と入れ替わってしまう、ワンマン社長・朝比奈玲男を演じるのは、日本随一の個性派・竹中直人。地味でナヨナヨの乙女OLになりきる、芸達者な竹中さんの演じっぷりには抱腹絶倒間違いなし!さらに、2人を取り巻く共演者には、大政絢、吉沢亮、斉藤慎二(ジャングルポケット)、ミッツ・マングローブ、山崎育三郎など、いまをときめく人気キャストが揃った。公開日決定と合わせて、今回解禁となった映画のメイン写真は、賑やかな背景をバックに、困惑した表情を浮かべる、知英さん扮する小鳥遊玲音と、いまにも顎がはずれそうな驚きの表情を浮かべる、竹中さん扮する朝比奈玲男のギャップが笑いを誘う1枚。本作のハチャメチャで破天荒な展開を期待させるビジュアルとなっている。■ストーリー年商500億を越える老舗の食品会社朝比奈フーズに務める、地味な派遣OL・小鳥遊玲音(28)。美人でナイスボディの持ち主なのだが、根っからのネガティブ思考でイケてない存在。一方、朝比奈フーズを引っ張る、やり手のワンマン社長・朝比奈玲男(55)は、誰の意見にも耳を貸さない超ワンマンだが、仕事は一流。しかし、女子社員へのセクハラまがいの行為が激しい迷惑社長。ある日偶然、2人は同じ車の事故に巻き込まれる。目が覚めると、玲男の体にはある異変が…!なんと、心は玲男のままだが、体が遊玲音になっていたのだ。性別も地位も性格も、何もかも反対の2人が入れ替わったから、さぁ大変!? 「俺の人生、どうなるの?」「わたしの人生どうなるのかしら?」『レオン』は2018年2月24日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年12月01日横浜駅東口のショッピングモール「横浜ベイクォーター」にて、サンタクロースの故郷である北欧・フィンランドの“クリスマスヴィレッジ”をイメージしたプロモーションを12月25日(月)まで開催。期間中12月16日(土)&17日(日)には、クリスマスをテーマにした映画『ポーラー・エクスプレス』『ノッティングヒルの恋人』の野外上映が3Fメイン広場にて開催されることが決定した。2夜連続の「クリスマス村の野外上映会」にて上映されるのは、少年がイブの夜に体験する不思議な出来事を描いたCGアニメ『ポーラー・エクスプレス』と、ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントの2大スターが共演するロマンチック・コメディの傑作『ノッティングヒルの恋人』。どちらもクリスマスにピッタリな作品。当日は横浜ベイエリアの夜景とイルミネーションをバックに、電飾数約15,000球、高さ8メートルのもみの木の“クリスマスツリー”が立つ広場にて屋外上映される。イベント会場には、トロトロ熱々のマシュマロと全粒粉パンで作った「MicHi」のスイーツドッグや、横浜の新鮮野菜を使った「コマデリ」のお弁当とスープなど、からだもほっと温まるフード&ドリンクが提供される。野外上映のほかにも、フィンランドの伝統的なオーナメント「ヒンメリ」を作るワークショップやクリスマスまで毎日プチギフトがもらえる「アドベントカレンダー」など多彩なイベントが「横浜ベイクォーター」にて開催予定。■「クリスマス村の上映会」日程:12月16日(土)17:00~『ポーラー・エクスプレス』12月17日(日)17:00~ 『ノッティングヒルの恋人』場所:「横浜ベイクォーター」 3Fメイン広場※雨天中止※ほかのワークショップについては「横浜ベイクォーター」公式サイトをチェック(text:cinemacafe.net)
2017年11月29日横浜ベイクォーターで「クリスマス村の野外上映会」が、2017年12月16日(土)・17日(日)に開催される。サンタクロースの故郷である北欧フィンランドの“クリスマスヴィレッジ”をイメージした空間で、クリスマスらしい映画を上映する本イベント。当日は高さ8mの本物のもみの木のツリーが立つ屋外広場で作品を堪能できる。上映されるのは、少年がイブの夜に体験する不思議な出来事を描いたCGアニメ『ポーラー・エクスプレス』と、ヒュー・グラントが演じる本屋の主人とジュリア・ロバーツ扮するハリウッドスターが恋に落ちる、ロマンチック・コメディの傑作『ノッティングヒルの恋人』だ。当日は映画を見ながら食べたい、ほっと温まるフード&ドリンクを用意。全粒粉パンに熱々のマシュマロを合わせた“スイーツドッグ”や、新鮮野菜を使った「コマデリ」のお弁当やスープなどが味わえる。他にも会場の横浜ベイクォーターでは、フィンランドの伝統的なオーナメント「ヒンメリ」を作るワークショップや、サンタクロースの来館イベントなど、クリスマスを盛り上げる企画が目白押しだ。是非足を運んでみては。【詳細】横浜ベイクォーター「クリスマス村の野外上映会」開催日時:・2017年12月16日(土)17:00〜 上映作品『ポーラー・エクスプレス』・12月17日(日)17:00〜 上映作品『ノッティングヒルの恋人』場所:横浜ベイクォーター 3Fメイン広場住所:横浜市神奈川区金港町1-10※雨天中止
2017年11月25日2018年4月に上演されるミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』の製作発表会見が、東京・スウェーデン大使館で行われ、主演の大竹しのぶ、風間杜夫、蓮佛美沙子、ウエンツ瑛士が登壇した。ミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』チケット情報愛を求める男女が滑稽にすれ違い、愛し合う一夜が描かれるミュージカル・ラブ・コメディ。作詞・作曲はスティーブン・ソンドハイム、脚本はヒュー・ホイラーが手がけ、初演以来トニー賞7部門、グラミー賞2部門を受賞した。日本では19年ぶりの上演となり、演出はマリア・フリードマンが初来日して手掛ける。作品の魅力を伝えるため(!?)に、大竹&風間・蓮佛&ウエンツの2組でベッドに入り開かれた会見。とはいえ関係性は、風間演じるフレデリックと蓮佛演じるアンが年の差新婚夫婦、ウエンツ演じるヘンリックはフレデリックの息子ながら義母のアンに恋する青年、そして大竹演じる主人公・デジレはフレデリックのかつての恋人という複雑なもの。大竹は「なんだか奇妙なシチュエーション」と笑いつつ、「歌はもともと好きだったのですが、本格的なミュージカルはこの作品と同じソンドハイム(作詞・作曲)の『スウィーニー・トッド』で。一つひとつの音が重なりあって、台詞があって、歌があって、ミュージカルってなんて素晴らしいんだと思った作品です。それに今回、マリア・フリードマンさんという素晴らしい演出家の方が日本で初めて演出をしてくださる。歌と芝居が分かれるのではない、『これぞミュージカルだ』と思うものができたらいいなと思っています」と語った。初めてミュージカルに挑戦する風間は「恩師のつかこうへいに『日本で一番踊ってはいけない役者』だと言われ続けてきたので。今回、ミュージカルだけど踊るシーンはないということでお引き受けしました」と笑いを誘いつつ、「しのぶちゃんとは古い間柄なんですけど、舞台で共演するのは初めてで嬉しい」と笑顔を見せた。これが舞台初挑戦となる蓮佛は、今回の挑戦を「大竹しのぶさんといつかご一緒できたらと思っていました。お芝居をつくっていく過程を含めそばで見させていただける…それだけで『やりたい』と言いました」と明かした。ウエンツは自身の役柄について「おない年といえど義理の母親に恋をする役柄で。恋敵が自分の父親というところで苦悩する部分だったりとか、いろんなものを失うかもしれなくても手に入れたい愛が、どれだけ素晴らしいものかを表現できたら」と語った。大竹が「一生のうちで“忘れられない一夜”というのがあると思うんですけど、それを舞台の上で毎日できるのがすごく嬉しい」という公演は、2018年4月8日(日)から30日(月・祝)まで東京・日生劇場にて。チケット一般発売は12月9日(土)午前10時より。取材・文:中川實穗
2017年11月22日全米で『美女と野獣』を抑えて2週連続第1位を獲得、全世界でも大ヒットを記録した『ボス・ベイビー』。このほど、本作の日本語吹き替えキャストに吹き替え初チャレンジとなるムロツヨシと芳根京子、さらに宮野真守、山寺宏一といった人気実力派声優が決定。合わせて吹き替え版の本編抜粋映像も公開された。黒いスーツに白いシャツ、ネクタイをビシッと締め、チャキチャキと歩き、大人よりも弁が立つ赤ちゃん“ボス・ベイビー”。本国版では『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』や、トランプ大統領のものまねでエミー賞を獲得したベテラン俳優アレック・ボールドウィンが務め、赤ちゃんなのに声は渋い大人の男…というギャップでユーモア溢れる演技を披露する。そして、日本語吹き替えを担当するムロさんは、大河ドラマ「おんな城主 直虎」から、福田雄一監督の『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』など100本以上のドラマ・映画に出演し、幅広い役柄をこなしてきた。コメディからシリアスな役柄まで演じ分けることのできるムロさんだからこそ、今回ボス・ベイビーという特異なキャラクターを演じられるはず(?)と起用に至ったという。ボス・ベイビーに振り回される兄のティム役には、芳根さん。NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロイン・すみれを演じて話題となり、来年1月スタートの月9ドラマ「海月姫」での主演に抜擢された。ティムは7歳の男の子という心情の変化がある難しいキャラクターだからこそ、様々な役柄をこなせる芳根さんなら演じられるはずと起用に至ったとか。芳根さんの純粋で、芯の強いキャラクターはティムにピッタリだ。さらに、『怪盗グルー』シリーズ、『ペット』『SING/シング』などユニバーサル作品ではお馴染みの人気声優・宮野さんが大人になったティム役で出演が決定。山寺さんはティム兄弟の両親が務める会社のCEO、フランシス・フランシス役を務める。■ムロさん&芳根さんの吹き替え版本編抜粋映像も到着!そのシーンでは、部屋の中から赤ちゃんらしからぬ声が聞こえる…。その正体を探るため、ティム(芳根さん)は抜き足差し足で部屋へと近づき、ドアを開けると、そこにいたのは自分の弟としてやってきたはずの赤ちゃん(ムロさん)だった!最初は動揺するものの、バレたら仕方ないとばかりに開きなおったその赤ちゃんは「俺は、ボス」と正体を明かすのだった…。果たして、この赤ちゃん“ボス・ベイビー”はいったい何者なのか!?赤ちゃんなのに中身はおっさんという特異なキャラクターを、ムロさんがユーモアたっぷりに演じており、7歳の少年に分した芳根さんとの掛け合いも見どころとなっている。■キャスト陣からコメント到着!宮野真守、“ボス・ベイビー”とは「どういうことだ!?」まず、「吹き替えの仕事はいつかしたいと思っていた」というムロさん。まさかの赤ちゃん役に「嬉しくて飛び上がりましたね」と明かす。「『赤ちゃんだけど、おっさん』の時と『おっさんだけど、赤ちゃん』の時の2つが交互に来たり、ところどころ出たりするお芝居はやりがいがあると思いました。見た目(赤ちゃん)でのお芝居は出来ないですから、見た目をお借りして、新しい自分の芝居ができる、楽しくやれるというところがいい」と、新たな挑戦も楽しんだ様子。芳根さんも「(普段は)7歳の男の子の役をできる機会はないので、すごく新鮮でしたし、こういうチャンスをいただけて嬉しく思っています」とコメント。「実際にアフレコしているときは、自然に手が動いたりしていました。声だけで表現すると言っても、身体って動いちゃうものなんだなと今回改めて感じたので、全身を使ってティムという男の子を演じていきたい」と語り、ムロさん演じるボス・ベイビーは「すごく愛おしく感じられます」と太鼓判。さらに、これまで数々の作品に参加してきた宮野さんは「まずタイトルをお聞きして、『どういうことだ!?』と、とても興味を惹かれました(笑)。そして、内容を知り、あまりにも斬新すぎる設定に驚きを隠せませんでした」とコメント。そんなボス・ベイビーについて「めちゃめちゃ可愛いのに、渋くてカッコよすぎる!」と語り、「“家族の愛”のかけがえのなさに触れ、誰かを抱きしめたくなる映画、誰かに抱きしめられたくなる映画です」と本作を紹介する。山寺さんも「なんたって、可愛い赤ちゃんの中身がオッサンなんですから、ギャップがたまりません!何から何まで、いちいち面白い!笑えて、オシャレで、ちょっぴり毒もあるけど感動しちゃう!」とコメント、「さんざん笑って、ホッコリして、新陳代謝が良くなる映画です。“心冷え性”の方にオススメします!少子化対策にもなるかも」とアピールしている。『ボス・ベイビー』は2018年3月21日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月22日旅とグルメをテーマにした日本テレビ系バラエティ「火曜サプライズ」が11月14日(火)今夜オンエア。今夜は『泥棒役者』で映画初主演を務める「関ジャニ∞」丸山隆平と共演のユースケ・サンタマリアが番組おなじみ“アポなし旅”に挑戦する。「関西ジャニーズJr.」から誕生した「関ジャニ∞」のベース担当として2004年「浪花いろは節」でCDデビューを飾ると「関風ファイティング」や「ズッコケ男道」など独自のカラーを打ち出し、2012年には「NHK紅白歌合戦」出場を果たすなどグループとして成功する一方で、最近では俳優としても「O-PARTS~オーパーツ~」「ボーイズ・オン・ザ・ラン」「地獄先生ぬ~べ~」などのドラマに主演するほか、朝の情報番組「サタデープラス」のメインキャスターも担当、幅広い活躍をみせる丸山さん。バラエティでみせるキャラクターの一方で「踊る大捜査線」シリーズの真下正義役をはじめ「アルジャーノンに花束を」や『UDON』などで俳優としてもその個性を存分に発揮。最近では『バンクーバーの朝日』『映画 ST 赤と白の捜査ファイル』『エイプリルフールズ』などで名バイプレーヤーとしても活躍するユースケさん。11月18日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開される『泥棒役者』で共演する2人が今回アポなし旅で向かったのは「広尾」。ユースケさん行きつけの健康(秘)ジュース店や行列グルメなどで丸山さん、ユースケさんという個性的な2人がみせるトークにも注目。また今回はキャスターでタレントの宮根誠司が番組を“ジャック”するほか、先日「AKB48」を卒業した渡辺麻友とその“盟友”柏木由紀も登場。渡辺さんと柏木さんは11月25日(土)より新宿武蔵野館、有楽町スバル座ほか全国にて公開される映画『光』に出演している女優でタレントの橋本マナミを“おもてなし”するという。丸山さんとユースケさんが出演する『泥棒役者』は、今作が映画初主演となる丸山さんがある豪邸で出会う人から「豪邸の主人」「絵本作家」「編集者」と間違われ「泥棒」であることを隠すためにその「役」を必死に演じるハメになる元泥棒役を演じるコメディ。市村正親、高畑充希、ユースケさん、石橋杏奈、宮川大輔、片桐仁、峯村リエらも出演する。橋本さん出演の『光』は井浦新主演、瑛太、長谷川京子、橋本さん、南果歩、平田満の共演で、恋人を救うため殺人を犯した主人公と、その主人公を慕う虐待を受けていた2人の少年が、津波に巻き込まれたことを機に、住んでいた島を離れバラバラになるが、25年後再び再会する…という物語。「舟を編む」で本屋大賞を受賞した三浦しをんの小説を『まほろ駅前』シリーズの大森立嗣監督が映画化する。「火曜サプライズ」は11月14日(火)19時~日本テレビ系にて放送。(笠緒)■関連作品:泥棒役者 2017年11月、TOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開(C) 2017「泥棒役者」製作委員会
2017年11月14日ドリュー・バリモアとアダム・サンドラーがハワイを舞台に共演したロマンティック・コメディを原案に、山田孝之と長澤まさみが10年ぶりに共演を果たす映画『50回目のファーストキス』が、2018年6月1日(金)に公開されることが決定。『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』などの福田雄一監督が、初めて王道ラブストーリーに挑む。■あらすじハワイのオアフ島。ツアーガイドのバイトをしているプレイボーイの大輔は、ある日、カフェで瑠依という明るくて魅力的な地元の女性と出会う。2人はたちまち意気投合し、次の日も会うことに。でも、翌朝会った瑠依は、大輔のことをまるで覚えていない。瑠依はかつて事故に遭い、新しい記憶がひと晩でリセットされてしまうという後遺症を抱えていた。そんな彼女に本気になった大輔は、毎日、“初対面”の瑠依をあの手この手で口説き落とす。2人は毎日恋に落ち、毎日ファーストキスをくりかえすことになるのだが…。■“セカチュー”ブームを巻き起こした山田孝之&長澤まさみが恋人役に原案は、いまも熱狂的なファンをもつロマンティック・コメディの傑作『50回目のファースト・キス』(2004/ピーター・シーガル監督)。本作で、毎日恋におちる大輔と瑠依を演じるのは、いずれも日本映画界には欠かせない存在である山田さんと長澤さん。映画での共演は『そのときは彼によろしく』(’07)以来、実に10年ぶり。かつて、山田さんはTV版、長澤さんは映画版の『世界の中心で、愛をさけぶ』に出演し、「セカチュー」ブームを巻き起こした2人が、恋人役でタッグを組む。「勇者ヨシヒコ」『闇金ウシジマくん』シリーズなど多数の代表作をもち、俳優として特異なスタンスを築いてきた山田さんは、今回満を持して“王道ラブストーリー”に帰還!山田さんが演じる大輔は、ハワイでツアーガイドのアルバイトをしながら天文学の研究をしているという設定。あとクサれのない恋愛が信条のプレイボーイだが、瑠依にひと目惚れし、実は一途で真面目な一面を見せていく。“男が惚れる・山田孝之”が、本作ではユーモアと大人の色気を炸裂させながら、優しい包容力で全女性の心を虜にするに違いない。また、日本アカデミー賞5度の受賞を埃、演技派女優としてますます磨きがかかる長澤さんが演じる瑠依は、記憶障害を抱えながらもそのことさえも覚えていられず、明るくけなげに生きているチャーミングな女性。『銀魂』での弾けっぷりも記憶に新しいところだが、本作で見せる破壊的な可愛さは『モテキ』以来!?あの“笑顔”に、またしても全国民が恋をする!さらに、秘められた悲哀の繊細な表現には、涙を誘われるはず。脚本・監督を務めるのは、今年も映画『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』の2本が公開、見事2017年「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた福田監督。コメディ街道をひた走ってきた“コメディの王者”が、本作で初めて渾身の“ラブストーリー”に挑む。福田監督は、長年の盟友・山田さん、そして『銀魂』で初顔合わせとなった長澤さんとともに、オリジナル映画の舞台でもあるハワイでオールロケを敢行。最高にロマンティックなロケーションで繰り広げられる、数々のキスシーンも見どころとなりそうだ。■キャスト&監督コメント山田さんは「脚本を読む度に、こんなに笑って、こんなに泣いたのは初めてではないだろうか。ラブストーリーとして素晴らしく感動的で、コメディとして素晴らしく面白い」と福田監督の脚色を絶賛、「完成作を見たときも涙が止まらないことが想像できる。そして劇場を後にする際、我々は思うだろう。『福田雄一に泣かされたことが少し納得いかない』と」と、盟友らしいコメントを寄せる。また、長澤さんは、「福田監督には『銀魂』でお世話になりましたが、真面目にコメディがやれたら楽しそうだなと思っていたので、願ったり叶ったり」とコメント。「山田さんとは10年前に映画でご一緒させていただいてから共演する機会がほぼなかったので、再共演できる事がとても嬉しい気持ちでいっぱいでした」と語り、「絶対に面白くなるであろう作品に出会えたことが嬉しく、撮影が終わって早くたくさんの人に見て欲しいという思いが募る一方です」と期待を込めている。そんな2人に、福田監督は「気心知れた山田くんと長澤まさみちゃんはまさにイメージ通り」と太鼓判。「ハワイでの撮影は丸々1か月でしたが、あっという間でした」とふり返る。初めてのラブストーリー挑戦となるが、「あの(コメディ映画『裸の銃を持つ男』の)ザッカー兄弟が『ゴースト/ニューヨークの幻』をやっているように、ギャグコメディばかりやってきたこのチームでラブストーリーやってるだけで新鮮で楽しくて仕方ない」と手応えを感じている様子。「ちなみに僕、初めて撮影中、モニター観ながら泣きましたし、編集してまた泣きました」とも明かしている。『50回目のファーストキス』は2018年6月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:50回目のファーストキス 2018年6月1日より全国にて公開© 2018 『50回目のファーストキス』製作委員会
2017年11月07日2019年7月19日に全米公開予定の実写版『ライオン・キング』の主要声優キャストが明らかになった。ディズニーが公式ツイッターアカウントで正式に発表している。主人公シンバを演じるのはダニエル・グローヴァー。シンバの幼なじみナラをビヨンセが演じることになった。ビヨンセがナラに…という話は数か月前からささやかれていたが、双子を妊娠中だったこともあり、ビヨンセが契約書にサインするかどうかに注目が集まっていた。シンバの父ムファサ役には、1994年製作のオリジナルアニメ版で同役を演じたジェームズ・アール・ジョーンズがカムバックする。シンバの母サラビは「ルーク・ケイジ」のアルフレ・ウッダード、ムファサの弟で悪役のスカーは『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォーが演じる。そのほか、プンバァ役にセス・ローゲン、ザズー役にジョン・オリバー、ティモン役にビリー・アイヒナーとコメディセンスを持つ3人に決定。「Digital Spy」によると、監督はアニメ映画から実写映画にリメイクした『ジャングル・ブック』を大ヒットに導いたジョン・ファヴロー。音楽はオリジナル版でアカデミー賞の作曲賞を受賞したハンス・ジマーが再び手掛けるという。(Hiromi Kaku)
2017年11月02日●事故後『キッズ・リターン』の色に変化映画『アウトレイジ 最終章』(公開中)に携わるスタッフたちの言葉を記録し、「アウトレイジ」シリーズ、及び北野武監督率いる北野組の魅力を探る短期集中連載「暴走の黒幕」(第1回:北野武第2回:森昌行プロデューサー第3回:音楽・鈴木慶一)。第4回は『みんな~やってるか!』(95)以降、北野映画の世界観を担ってきた美術・磯田典宏氏。セリフや編集、音楽に対する「引き算」的思考。徹底して無駄を省く中でメッセージ性を際立たせる北野イズムは、『アウトレイジ』(10)、『アウトレイジ ビヨンド』(12)に続いて完結する3部作の美術にどのように落とし込まれているのか。監督を"異業種"時代から支え続け、『BROTHER』(01)では異国の架け橋にもなって「引き算」を貫いた磯田氏。「まぁ、いいか」の逃げ道を選ばず、「片目つぶって、やっちゃえ」の覚悟には美術部の矜持が光る。○キアヌ・リーブス共演『JM』で「これでいいのか?」――北野監督作は『みんな~やってるか!』から参加されたそうですね。そうです。その前に、監督が出演した『教祖誕生』(93)を担当したことがきっかけです。『みんな~やってるか!』はシチュエーションがとにかく多かったので、助手さんをシーンごとに担当を割り当てて、その全体を統括するのが私の役目でした。「時代劇とSFはこの人で、ハエ男はこの人」みたいに。――「監督から具体的なオーダーはない」ということが複数の方の取材から分かりました。当時はいかがでしたか?『みんな~やってるか!』の撮影中、『JM』(95)というキアヌ・リーブス主演のハリウッド映画に出演されるため監督が一度抜けたことがありました。帰ってきて、美術に関して若干のイメージ変更があったのは、ハリウッドの影響を多少受けた部分もあったのではないかと思います。『JM』はほとんどがスタジオセット。日本の貧相なセットと比較すると「これでいいのか?」と思われたんでしょう。そのような経緯でイメージ変更していったような記憶があります。当時、監督は「自分は異業種」と感じていらっしゃった頃ではないかと。監督以外のメインスタッフは、映画でそれなりに実績があるスタッフばかり。そういう人たちが用意してくれたものに対して、「文句を言うべきではない」という思いもあったのではないかと。あれだけギャグ満載の映画なので、作り込んでいくのは相当な時間がかかります。コメディ要素が強いからこそセットは中途半端なものではなくて、よりリアルに作り込まないと面白くなりません。ハエ男は当時の特撮技術でどれだけのことができるのかも踏まえて、こだわり抜きました。――これまで14作を共にされていますが、どのあたりから監督が「異業種」ではなくなったと感じていらっしゃいますか?『みんな~やってるか!』が終わって、監督は事故に遭ってしまいました。その時のリハビリで絵を描きはじめて、イラストからはじまってどんどん大きいサイズになっていって。そうやって絵を描き続けていくと、「色」にこだわりが出てくる。『みんな~やってるか!』の時は完全にわれわれにお任せというか、相談ではなくて「これでいきます」という報告みたいなやりとりでした。事故後、『キッズ・リターン』(96)は「色」へのこだわりが出た作品です。「こういう色を使いたい」みたいな、具体的な注文もありました。――北野映画には、そうしたご自身の体験が映し出されているわけですね。その後も数々の作品を経て、『アウトレイジ』ではどのようなオーダーがあったのでしょうか。もう7年も前ですからね(笑)。登場人物たちは黒系統の衣裳なので、寄り画の時に違いが出るように気をつけました。北野映画にはたくさんのヤクザが登場しますが、必ずその事務所も出てきます。組長のデスクがあれば、その背景には代紋があって。飾りも含めて、過去の映画作品などを徹底的に調べ上げて、「これまでにないもの」を目指しました。監督と美術の関係は監督からの一方的な指示ではなく、美術パートが美術設定をしていきます。関西と関東で衣裳のトーンを変えて、それにともなってバックグラウンドをどれぐらいの色に持っていこうとか。例えば寄りの画でも、「花菱会のヤクザ」というのが伝わらないといけない。すべてセットでまかないきれないので、ロケセットで内部を加工することも想定したりするので衣裳合わせのやりとりもとても重要です。○たけし絵画をすべて使った『アキレスと亀』――『ビヨンド』『最終章』で登場する張会長(金田時男)の大豪邸。彼の権力の象徴しているような画力がありました。あれ、結婚式場なんです。――えっ!? そうなんですか。張会長が韓国のフィクサーでそれなりの権力を持っているとなると、相当な広い空間を贅沢に使うというのが課題になりました。それをセットで作るとなると難しいので、撮影が可能な大豪邸、並行して結婚式場のような施設も相当な数を見ました。あの長いテーブルと細長い部屋で会長の権力を象徴的に見せたかったんです。●"引き算"の許可が必要だった『BROTHER』――北野監督はどのタイミングで現場を確認されるんですか?事前に監督と製作部が話し合って、各担当はその監督イメージをもとに候補案を上げます。監督抜きのメインスタッフで話し合ってから、ロケハンに。大豪邸で芝居に使えそうなのがどこなのか。美術のアイデアを固めたら、監督抜きで撮影や照明も含めて見に行って、最終的には「A案、B案のどちらか」みたいに絞り込み、それから監督とのロケハン。監督には私が用意したイメージスケッチを片手に現場に立ってもらいます。一連の流れは結構時間をかけてますね。披露宴会場だけを見せるわけにもいかないですから。イメージスケッチを元にそこで監督のやりたい芝居も何となく見えてきます。これまでの14本の中で印象的だったのは『アキレスと亀』(08)。監督自身が描いた絵を全部使ってあるんですよ。少年期から年代ごとに3つの画廊が出てくるんですが、監督からは「各時代の違いを出したい」というお話があって、全部任せてくださいました。各時代に合った絵の額縁を業者さんに相談して、監督からもその都度リクエストが出て。もっとも効果的なものが何なのかをじっくり監督と話し合えたのは面白かったです。それから、監督が描かれた完成形の絵とは別に途中経過の絵も用意する必要がありました。監督は自分で描くとおっしゃっていたんですが、当然作る時間がない。最終的には美術部で用意することになりました。あの作品は美術装飾的にも面白い仕事でしたね。――北野組の現場では、監督のインスピレーション次第で変更になることもあると聞きました。美術周りでそのようなことはありましたか?急きょ変更になったことで思い出されるのは、『みんな~やってるか!』の銀行強盗。銀行の中で全員警察官のシーンがありますよね。あれ、当初は予定されてなかったんです。たしか、撮影当日だったかな。監督から「全員を警察官にしたい」というアイデアがあって、警察の衣裳装具が間に合うかの勝負でした。そういう、突然のひらめき。「すぐに撮りたい」ということではなくて、「こういうことをやりたいけど、今日中に間に合うならばやりたい」みたいに気を使っていただいています。――「アウトレイジ」では?比較的スムーズでした。『ビヨンド』の花菱会は神戸でロケをやっていて、実際の建物を使っています。『最終章』の事務所はすべてセット。セットを組んだ後、芝居の都合によっての変更案は監督からいくつかありました。――大友がマシンガンで蜂の巣にするシーンがありますが、あれもセットですか?あれは実際にあるホテルです。本当はスタジオで撮った方がもっといろいろなことができるんです。消え物といわれるテーブルの上のオードブルは床に落ちるとシミになるので水っぽいものは使えません。ロケセットでは、そういう制約も出てきます。○ハリウッドスタッフ「なぜ省くのか?」――音楽の鈴木慶一さんは監督との仕事の中で「引き算」を学んだとおっしゃっていました。不自然なもの、無駄を省いていくのは今回のシリーズでも踏襲されていると思うのですが、美術において「引き算」的なやりとりはありましたか?『HANA-BI』(98)は、たしかにどんどん引いていきましたね。引き算の美術。キャラクターの個性を出すには、いろいろなものを飾っていく、つまり足していくと出やすくなるし、引いていくことによって出にくくなる。引いていった場合、個性として見せたいポイントに何を置くのかが重要になるわけです。『BROTHER』もそうです。逆に『龍三と七人の子分たち』(15)はコテコテ(笑)。龍三のキャラクターを強く出すためには必要だったんです。それぞれの世界観にもよりますが、やっぱり全体的に見ても「引き算」的なやり方だと思います。必要以上に物を飾らない。『BROTHER』の時、ハリウッドで向こうのデコレーターに「とりあえず飾ってくれ」とお願いをしましたが、加えて「引き算」があることはあらかじめ言っておかないと対応してくれません。「なぜ省くのか?」となるわけです。つまり、置かれた物をいじる許可が必要なんです。――日米合作では、そういう違いもあるんですね。そうですね。プロダクションデザイナーという肩書きで現場に立つ以上、責任もあるし権利もある。私の一言ですべてが変わることもあるんですが、向こうは各ポジションでの責任がある。「飾り終えたもの」を確認してOKだったら、もうそれは動かせないんですよ。撮影中にやむを得ず動かさなきゃいけないとなった時に、そこに置いた人から「動かす」許可をもらうことが必要なんです。でもその人は現場にいない。僕らは触れられないから、現場担当者からデコレーターに電話してもらいます。「なぜ動かすのか?」「前もって決めてたじゃないか?」みたいにこじれるわけですが(笑)。ハリウッドは、そういうシステムみたいです。最終的には北野組のやり方に従っていただきましたけどね。「もう、しょうがないね」ということなんでしょうね。●「歩いたら終わり」「やっちゃえ」の境界線――どのような流れで日米のスタッフが結集したんですか?まずは、ユニオン(ハリウッドにおける俳優やスタッフなどの労働組合)を通して助手さんを手配します。美術部は面接をして、アートディレクターとセットデザイナーを何人か。合作映画は注目度が高いから、みんな参加したがるわけですよ。そうやってみなさん実績を作って、後の仕事をとっていく。1999年当時、北野組はヨーロッパの方では有名でしたが、ハリウッドではそこまでじゃなかったと思います。面接で対象となるのは、最低でも5人。こちらからお願いしていたのは「日本人を2人、残りを外国人」だったんですが、これは通訳的な人材も必要だったから。ところが、現地スタッフは「仕事に集中したい」「私は通訳じゃない」と言うわけです。そういう流れで、全員外国人のスタッフを起用することになりました。ユニオンには各作品の撮影案内が貼り出されています。各スタッフは、それを見て自分が参加したい作品に応募します。面接は、1人につきだいたい1時間。『GODZILLA』、『スターウォーズ』、『ターミネーター』など、有名作品を手掛けてきたスタッフもいました。その中で、2人が『キッズ・リターン』を観てきて、きちんと分析していたんですよね。赤と青のジャージを着ているけど、それはどういう意味なのかとか、すごく熱心に質問されました。ただし、プライベートな質問は一切禁じられています。――それだけの文化の違いがあるわけですが、また合作映画をやりたいというお気持ちは?やりたいですね。しがらみが一切なくて、本人が自ら選んで来ているわけですから。逆にプロデューサーからは「できなかったらクビにして構わない」と。一方で、仕事ができなかったら僕のこともクビにすると宣告されていました。たしか……美術予算をオーバーしたら即クビだったかな? セットデザイナーとの打ち合わせで僕のプランを伝えて、大道具さんも決まっているからそのまま予算内にできるのかを調整してもらいます。映画のためにプロダクションの1フロアーが貸し切ってあって、撮影が進むにつれて予算が膨らんでいくと呼ばれてチェックされます。美術はお金かかりますからね。考え方次第で結果が違うのはよくある話なんですけど。全部が全部100%の力でやるとお金が足りなくなるのは日本でも同じこと。ただし、「ここぞ」という時には装飾、美術にお金をかけるタイミングが絶対に来る。片目つぶって、やっちゃえみたいな(笑)。○「監督が歩いたら終わり」の緊張感――「アウトレイジ」シリーズでもそんな場面はありましたか?張会長の長テーブルでしょうね。僕が最初に考えていた長さに、さらに2メートル足しましたから(笑)。最初は「これでなんとか行けるだろう」からスタートするんですよね。大道具との打ち合わせでも常に考えていて、何度も下見をする。「予算オーバーするかもしれない」という危機感があっても、ここで2メートル足すことによって効果的になるのであれば思い切りも必要。椅子と床の敷物を増やしたりとか、別の問題も出てくるんですけどね。ただ、ここでの「まぁ、いいか」は後々自分が後悔することになる。後悔するくらいだったら、別のセットで節約したり、調整すればいいわけです。大切なのは、「張会長をどれだけ大きく見せられるか」「空間をどのように切り取るか」です。――決められた予算内でやりくりするのは、日米問わず同じということですね。ただ、美術的には「ここはこだわらないと」というポイントが必ずある。「お金がないからしょうがない」で諦めてしまうこともありますが、結果的に映画を観た時に残念な気持ちになる。もうちょっと考えられることがあったんじゃないかな、と。美術はいちばんお金を使うところでもありますから、「金食い虫」なんて言われることもありますけどね(笑)。――監督はあまり感想や評価などを口にしないとも聞きましたが、美術に対してはいかがですか?たしかにありません(笑)。昔、監督と一緒にロケハンした時のことなんですが、車から降りた時に「ここですよ」と案内した時の反応。それがヒントでした。監督がどんどん歩いていくと画角を狭くしているということなので、監督の中では納得していない。当然、われわれは納得してもらえる場所を探すつもりではあるんですが、監督はそこで何とかしようと整理する。一時期言われていたのは、「監督が歩いたら終わり」でした(笑)。――車から降りた時が運命の瞬間なわけですね。そうそう。「監督、違う方を見てます!」とかハラハラしたのを覚えています(笑)。■プロフィール磯田典宏北野武監督作品には『みんな~やってるか!』(94)以降、14作目の参加。『のぼうの城』(11/監督:犬童一心、樋口真嗣)で日本アカデミー賞最優秀美術賞、『Dolls [ドールズ]』(02)、『座頭市』(03)で同賞優秀美術賞を受賞。近作は、『想いのこし』(14/監督:平川雄一朗)、『おかあさんの木』(15/監督:磯村一路)、『四月は君の嘘』(16/監督:新城毅彦)、『ReLIFE リライフ』(17/監督:古澤健)、『ピーチガール』(17/監督:神徳幸治)など。(C)2017『アウトレイジ 最終章』製作委員会
2017年10月27日福田雄一監督率いる“福田組”には多数の常連俳優がいる。「福田組の風神・雷神」と自他ともに認めるムロツヨシ&佐藤二朗は代表的存在だが、俳優・賀来賢人も、舞台・ドラマ・映画と幅広いジャンルの福田監督作品に出演し、強い個性を発揮している一人だ。特に最新作『斉木楠雄のΨ難』で演じた、硬派なヤンキーながらその事実をひた隠しにしている高校生・窪谷須亜蓮は劇中、強烈な爪痕を残すほどのインパクトを与えた。スマートで端正なマスクを備えたイケメン俳優が果敢に挑む「コメディ」という表現──そこには彼の熱い思いがあるようだ。■思い描いていたものと全然違った俳優人生俳優業をはじめてから約10年の歳月が流れたが「最初に思い描いていた現実とは、全然違いますね。いまごろは土地4個ぐらい持っているつもりでしたから(笑)」と爽やかな表情で語った賀来さん。それでも「良い出会いに恵まれて地道にやってきた印象はあります。そのなかでコメディというやりたいジャンルも明確になってきたし、苦手分野も減ってきて、ちょっとずついろいろな筋肉がついてきた実感はあります」と現在の状況を冷静に分析する。賀来さんが“やりたい”と感じたコメディ。笑いがあるからこそ、そのほかのヒューマンな感情が生きる。理想はアダム・サンドラーやジム・キャリーのようにコメディを演じつつも、感情に訴える演技に深みがある俳優だという。その意味では、福田監督作品への出演は、賀来さんにとって非常に大きな出来事だった。「コメディにこだわりを持たれている方ですし、福田監督は『もっともっと』という欲が強いので、どうにかして現場では監督を笑わせようという気持ちが強くなります。監督が笑ってくれれば合格という思いで臨むのですが、ご一緒する回数を重ねるごとにハードルは上がるので、恐怖心は増します」と常に向上心を持って臨まなければいけない現場が、賀来さんのコメディ俳優としての筋肉を増大させているという。■最初からバケモノばかりの現場こうした恐怖心は最初の出会いからあったようだ。「初めてご一緒したのが『スマートモテリーマン講座』という舞台だったのですが、いきなりヤスケン(安田顕)さんとの共演で、そのあとの『モンティ・パイソンのスパマロット』でも、ユースケ(・サンタマリア)さんや、池田成志さん、皆川猿時さんら“演劇モンスター”の方々との芝居だったんです。そんなバケモノたちと一緒にやるにも関わらず、自分のなかでは胸を借りるのではなく、同列でやるんだという意気込みもあったので、恐怖心とプレッシャーはすごかったんです」。厳しいプレッシャーのなか場数を踏むことにより、賀来さんのコメディ適性は開花し、数々の作品で印象に残る演技を披露していく。ドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」で演じた池杉、通称“ウィケ杉”は、視聴者に強烈なインパクトを与えた。「これまでもコメディをずっとやって来たのですが、舞台だけではなく、映像でもしっかり表現できたのは自分のなかでも大きかったです」と“賀来=コメディができる俳優”という認識を多くの人に広めた。■負けたくない――貪欲に笑いを追求する姿勢そんななか、前述したように映画『斉木楠雄のΨ難』では、賀来さん演じる窪谷須亜蓮は、圧倒的な存在感を示す。「福田監督からは『ヤンキーと普通の人とのギャップをうまく作りたい』という話をされていたので、最初に怒っているときの顔をやってみたんです。そうしたら採用してくださったので、そこをベースに誇張していきました」とキャラクター造形について語った賀来さん。また、強烈なキャラクターを作り出した背景には、共演者たちの存在も大きかったという。「基本的に共演者はみんな仲間ですが、モチベーション的には“誰よりも自分がおもしろくやってやる!”という気持ちで作品に臨んでいるので負けたくないですね」と貪欲に笑いを追求する姿勢をみせつつも、初の福田組となる主演の山崎賢人に対しては「すごく朴訥とした俳優さんです。良い意味で癖がなく、真面目で作品に対して熱い思いがある。彼のこと嫌いな人はいないだろうなと思うぐらい、好青年でみんな好きになっちゃいますよね」と絶賛するなど、ほかの俳優へのリスペクトは忘れない。■橋本環奈はずっと見続けたい女優さんさらに、福田組2度目の参戦となった橋本環奈については「実は福田監督から『橋本環奈というとんでもなくヤバい逸材を見つけたらから、賢人も見てくれ』と言われていたんです。監督は普段そういうことをあまり言わない人なので、すごく楽しみだったのですが、出来上がった作品を観て『あそこまでしっかりコメディを成立させられるのはすごいな』と思いました。今後も福田作品で見続けたい女優さんですね」と刺激になったことを明かす。「ノンストップで笑いが起きて、しかもそれを90分にまとめ1本の話に成立させているという、他に類をみない作品が出来上がりました」と賀来さんは本作の見どころを語ると「コメディって映像で表現すると監督によっておもしろさの種類がまったく変わってくると思うのですが、その意味で僕は福田監督には絶対的な信頼があるので、これからもご一緒させてもらえるようにしっかり頑張っていきたいです」と気を引き締めていた。(text: Masakazu Isobe/photo:You Ishii)
2017年10月23日俳優の山崎賢人と女優の橋本環奈が10月21日(土)、都内で行われた映画『斉木楠雄のΨ難』の公開初日舞台挨拶に参加した。「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中の漫画家・麻生周一による原作コミックを、脱力系コメディ・シリーズ「勇者ヨシヒコ」や大ヒット映画『銀魂』で知られる笑いの鬼才・福田雄一監督がまさかの実写映画化。妄想を炸裂させるヒロインを演じた橋本さんだが「実は本編をまだ見ていなくて…チェックさせてもらえていない」と驚きのカミングアウト。福田監督からは「(今回の橋本さんには)コメディエンヌぶりを超えた何かがある。観客のみんなもびっくりしたと思う。口を大きく開けた後の顔の揺れが凄い。しかも白目。知り合いから“女の人の口の奥をあそこまで見たのは初めて”と言われた」と熱演大絶賛で、当の橋本さんも「関節を揺らすことが大事なんです」と嬉しそうだった。ところが福田監督は「まあ、CGで消すところは消したけどね!」とネガティブ暴露で、橋本さんは「そういうこと言わないで!すぐにTwitterで書かれるから!」と喜び一転、大慌て。さらに福田監督は映画『銀魂』の際に橋本さんが言ったという「自分に鼻毛があることを初めて知った」という発言を引き合いに出して「鼻毛も生えてるだろうが!どこまでアイドル発言なんだ、バカ!」と口撃。それに賀来賢人が「(橋本さんは)生えてないんだよ!」と謎の助け舟を出すと、橋本さんも「ないです!」と高らかに宣言し、「はい、次に行きましょう!」と福田監督からのイジリを見事交わしていた。この日の舞台挨拶には、新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸、ムロツヨシも参加。コメディ初挑戦の山崎さんは「撮影中は本当にやばかったですね。ムロさんのシーンは…」というと、名前の挙がったムロさんは「一番に俺がきたね!みんな、耳を澄ませて!その中身は何?」と大興奮。その第一声に注目の集まった山崎さんだったが「…笑いました」とポツリと天然一言で、登壇者全員をずっこけさせていた。そんな山崎さんは、福田監督から「地球最後に食べたいものを聞いたら“イナゴ”と答えた。彼は笑いの天才」と素質を認められていた。『斉木楠雄のΨ難』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2017年10月21日『8人の女たち』『スイミング・プール』のフランソワ・オゾン監督による最新作『婚約者の友人』。日本での公開に合わせ、『イヴ・サンローラン』で注目を集め、本作の主演に抜擢されたピエール・ニネのインタビューがシネマカフェに到着した。映画作家としての円熟期を迎えつつあるフランスの若き名匠フランソワ・オゾン監督。その最新作は、モノクロ×カラーの映像美が仕掛ける、頭脳と心を揺さぶる極上ミステリーであり、切ないラブストーリー。各メディアから「偉大な作品」「我々を完全に魅了した」と最高峰の賛辞を贈られ、フランス国内で大ヒットを記録、彼のフィルモグラフィーのなかでも最高傑作との呼び声が高い。そんな本作で、タイトルロールである婚約者の友人役アドリアンを演じたのが、フランスの実力派若手俳優の1人、ピエール・ニネ。21歳で、パリの国立劇団「コメディ・フランセーズ」史上最年少の準座員となり、日本では2014年に公開された映画『イヴ・サンローラン』で、サンローランの生き写しと絶賛され、その美しくエレガントなルックスで一躍その名を広めた。ニネは、本作の脚本を読み「予想外の方向に展開するすべての嘘に引き込まれた」と語る。「登場人物がお互いにずっと嘘をつき続けるのと同じように、脚本も観客に嘘をついている。こういう話がフランソワ・オゾン監督から出てくるとは思わなかったから、さらに驚いた」という。初タッグを組んだオゾン監督とは「お互い何でも言い合えた」そうで、「監督は独自の視点を持っているが、何がよくて何が悪いか明確に把握している。監督のやり方は、自分に合っていた」とニネ。「役者に対する気遣いが素晴らしい。決断が早いし、演技を磨くための時間を残してくれるから、役者にとってはうれしいし、お返しにさらに頑張ろうと思える。シーンの間に、僕らと一緒にいてくれるのもよかった。カメラが回っている間、僕たちを見ながらこうした方がいいと小声で提案してくれる。『目を閉じて』『彼女を見て』とかね。まるですべてが自由で、何でもできる劇場でリハーサルしているように思えることがあったね」とふり返り、役者の印象や好みに寄り添いながら緻密な肉付けを重ねていくオゾンの演出手法に魅了されたよう。一方、オゾン監督はニネについて、「コメディ・フランセーズの舞台も印象的だったし、『イヴ・サンローラン』の主演での演技もすばらしかった。ピエールはどんな役でもできる個性派俳優だ。コメディのセンスは天性のもので、間の取り方がうまい。だが、アドリアン役にとって肝になる、シリアスで苦しみを抱えた役を演じても違和感がない」と大絶賛。「彼の年齢にしては、とても貴重なものを持っていると思う。それは女性的な一面やもろさ、欠点などを声色や動きによって表現することを恐れないことだ」と、ニネの魅力を明かしている。ある日突然現れた「婚約者の友人」であるアドリアンの正体とは?彼の正体が明かされたとき、新たな謎の扉が開く――。戦争の傷跡に苦しむドイツを舞台にした、めくるめく極上のミステリーを、スクリーンで堪能してみて。『婚約者の友人』は10月21日(土)シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年10月20日「『そういうのウケないよ』って言われると、やりたくなるんですよね(笑)」――。ドラマ「リーガルハイ」シリーズに「デート~恋とはどんなものかしら~」、映画では『ALWAYS 三丁目の夕日』、『探偵はBARにいる』といずれも第3弾まで制作されるほどの人気シリーズの脚本を担当。現在の日本のドラマ、映画界で「この人の本なら見たい」と思わせる数少ない、名前で客を呼べる脚本家である古沢良太(こさわ・りょうた)は、“逆マーケティング”の男を自負する。そんな彼が最新映画『ミックス。』で題材にしたのは、卓球の男女混合(ミックス)ダブルス。新垣結衣、瑛太らを迎え、それぞれに心に傷を抱え、街の小さな卓球クラブに集った者たちが、卓球を通じて再生していく姿を描き出す。古沢さん自身、以前より卓球が好きだったそう。「男女とも一流選手でも見た目が筋骨隆々ってわけでもなく、俳優さんも扮しやすい。屋内競技なので撮影にも向いているし、モチーフとしてやってみたいとかねがね思っていた」という。卓球をテーマにした作品と言えば松本大洋の漫画を原作に宮藤官九郎脚本、窪塚洋介、ARATA(現・井浦新)らが出演し、ムーブメントを巻き起こした『ピンポン』が真っ先に思い浮かぶが「あの作品がすごくよかったので、やるならほかの切り口がないと意味がない。そんなとき、男女混合ダブルスを見て、これはラブコメのための競技だ! 『ラブコメにしてください』と言われているような気がした」と天の啓示(?)を受けて、映画のモチーフにすることに。「リーガルハイ」にも出演している、いまをときめく新垣結衣の出演も早い段階で決まった。余談だが、新垣さんの出演が決まったのは社会現象を起こしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の放送以前のこと。卓球も近年、トップ選手の活躍もあり、人気が高まっているが、本作の企画が動き出したのは、そんなブームよりずっと前のこと。「『逃げ恥』があり、卓球もメダルを獲ったり(※2016年のリオ五輪で水谷隼が個人銅メダル、男子団体で銀、女子団体で銅メダル、2017年の世界選手権では、石川佳純&吉村真晴ペアが男女混合ダブルスで48年ぶり金メダルを獲得!)、ブームに乗った感、勝ち馬に乗った感が満載ですけど、先にやってると言いたい(苦笑)!まあ、ありがたいですけどね(笑)。取材で中国選手が『チョレイ』って掛け声を口にするのを聞いて、これは面白い!流行らせようと思ったら(張本智和選手が口にすることで多くの人に知られ)、とっくに流行ってて…(笑)」。物語は人気卓球選手と交際するも浮気され、傷心で田舎に戻った多満子と元ボクサーだが妻と娘に見捨てられた萩原の恋を軸に展開。“ロマンティック・コメディ”と銘打つが、少女漫画原作でもなく、オリジナル脚本による30代の女優、俳優をメインに据えたロマコメという時点で、いまの日本映画にはなかなかない企画である。「僕自身は、自分がとにかく作ってみたいものを面白いと思う気持ちに忠実に描くことを大事にしてるし、あまり『いまの映画界で…』ということは考えてない。でも、こういうタイプのロマンティック・コメディがいま、あまりないのは確かですね。だからやりたくなるのかな(笑)?僕はだいたい、“逆マーケティング”なんですよ。『そんなのウケない』って言われると、やりたくなる(笑)」。本作を執筆する上で念頭にあった作品、影響を受けた作品として挙げたのは『恋人たちの予感』『ブリジット・ジョーンズの日記』、そして『ロッキー』。「やっぱり時代じゃなく、普遍的に誰もが好きなものを作りたい。だからそういう作品に影響を受けてるんですね」。“コメディ”を謳う以上、笑いは必須であるわけだが、古沢さん自身は「笑いは基本的にそこまで意識していない」とのこと。「会話のやりとりの中でクスッとできれば一番いい。まず多満子と萩原という、心にちょっと傷を負った2人がペアを組んで目標に向かう中で再生していく――そこが感動的になれば…ということを一番大事にして書きました。特に今回は普通の人々の話。普通の人が生活をしていて、真剣にやり合う姿ややりとりがちょっとクスッとできたらいい。自然にセリフを書きつつ『自然と筆が滑る』くらいの感じでクスッと笑いが生まれるのがいい」。この「思わずクスリ」を支えているのが豪華すぎる個性派の脇役の存在!広末涼子、瀬戸康史、永野芽郁といった物語に深く関わるメインどころの俳優陣は言うに及ばず「え?このシーンのためだけにこの人を!?」と驚くようなキャスティングが施されている。「プロデューサーがどんどんすごいキャストをはめ始めて…。『このキャラ、もうちょっと見せ場があると、○○さんが出演いけそうなんだけど』って(笑)」。もうひとつ余談を。多満子らの行きつけの中華料理屋の中国人の店員を蒼井優、料理人を森崎博之が演じているが、この2人は古沢さんの設定によると夫婦ではない(公式サイトの紹介でも苗字が異なる!)。だが、森崎さんは撮影中、ずっと夫婦だと思い込んでおり、撮影が終わって真相(?)を知り、ショックを受けていたとか…。「あの2人を(完成した映画で)観たときはやっぱり面白かったです。あの役を蒼井優が『やりたい』と言っていると聞いて『マジすか!?』って。『蒼井優がこんなのやるの?』と思いました。ただの中華屋の店員を…。それで、ちょっとセリフを増やしたりもしたんですが、想像以上というか、こんな役にこんなに作りこんでくるのか!さすが蒼井優!スゲーなって。ものすごい爪痕を残してました(笑)」。「笑いあり、感動あり」という聞きなれた言葉が、決して大げさではなく、ドラマ、キャラクター、笑いがまさにミックスされ、極上のエンターテインメントとなっている本作。ゼロから本作を書き上げた、稀代の人気脚本家に、自身の脚本家としての強みを尋ねると「周りの方は『セリフのやり取りがうまい』とか言ってくださりますが、自分ではあまりそこを考えたことがなくて…」と先ほどの笑いについての問答と同じ、そっけない言葉が返ってきた。「ただ、書くのが好きで、脚本のことを考えて頭の中で『こんなやりとりがあったら面白いな…』とかつらつらと妄想するのが好きなんです。その時間をいくらでも持てるし、それが好きでこの仕事をしている、それが一番の強みじゃないかと。たくさん書いて、いろんな意見をもらって書き直して…それが楽しいんです」。原点にあるのは最初に担当した連続ドラマ。「プロデューサーがとにかく厳しくて、何度も手直しが入った。そこに耐えて強くなりました(笑)。その後、あれほどつらい現場はまだ出会ってないので、楽な精神状態でいられるんですかね。あとは『みんなに楽しんでほしい』って気持ちが強いんですよ。ひとりでも『わかんない』『つまんない』と思う人がいるなら、そこは何とか修正しようって思う。そこは性格ですね」。元々、漫画家志望だったということもあってか、脚本執筆の際には「映像をイメージして、スケッチブックに画を描く」とのこと。あくまでそれは自身の脚本のためのもので「誰にも見せない」というが、そこまで映像をイメージするのであれば、脚本のみならず、監督・演出をしてみたいという気持ちもあるのでは?そう問うと「以前より、そういう気持ちは芽生えてるけど、まだ『やろう』と思えないですね。まだ脚本家でやれることがあるはず」と語った。これは単なる謙虚さで発せられた言葉ではない。「オリジナル脚本で僕が書くということで集まってくれる人たちがいて、背負うべきものが重くなってる部分も感じます。脚本家として、もうちょっと役割、受け持つものを広げていきたいと模索中です。もう少し、企画全体に責任を持つやり方があるんじゃないか?どういう形になるのかわかんないけど、物語をゼロから生み出した人間としての責任を模索していきたい。以前は映画とかドラマ、雑誌など“メディア”が強大な力を持っていて、その中で仕事をしてきたけど、そうしたメディアの力が分散、縮小していく中で、クリエイターの力が大切になってくるんじゃないかと。クリエイターが主導して、何かを生み出すことが必要になるんじゃないかと思っています」。「いまのTVでは、規制などでできないことも増えているのでは?」との問いに「そんなの何もないですよ。ただ、やる力がないだけです」と笑う。流行を追うのではなく、時代に逆らう発想が、新たな時代の物語を切り拓いていく。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:ミックス。 2017年秋 全国東宝系にて公開(C) 2017 フジテレビジョン
2017年10月19日10月16日(月)今夜オンエアされる「人生が変わる1分間の深イイ話/しゃべくり007」。その「しゃべくり007」パートに、数々の映画、ドラマで活躍し『斉木楠雄のΨ難』の公開も控える俳優のムロツヨシがゲスト出演。また桑田真澄の次男でモデルのMattも初登場する。今年だけでも「スーパーサラリーマン左江内氏」をはじめ「ハロー張りネズミ」、大河ドラマ「おんな城主 直虎」、この夏話題となった『銀魂』といった作品でその独特の演技と個性を発揮し続けるムロさん。そんなムロさんが今回「しゃべくり」で展開するトークは結婚願望や意外な恋愛観など。スタジオではしゃべくりメンバーを相手に女性とのやり取りを再現するという。またムロさんが一番会いたかった人がスタジオに登場!?さらに今夜が初登場となるMattさんは父・桑田さんが「芸能活動をどう思っているか」など、父とのエピソードを語るほか、Matt流メイク術を披露。「深イイ話」パートでは卓球選手・平野美宇の母、平野真理子、亀田和毅の超美人妻・シルセ、アメリカ・マイアミ出身の歌手兼モデル、セリーヌ・ファラクらに密着する。今夜のゲストであるムロさんが出演している映画『斉木楠雄のΨ難』は、10月21日(土)より全国にて公開。本作は「週刊少年ジャンプ」で大人気連載中の麻生周一による同名コミックを原作に、主演にはコメディ初主演となる山崎賢人を迎え、「勇者ヨシヒコ」シリーズや『銀魂』の福田雄一が脚本・監督を手がけ実写化。生まれながらに与えられたとんでもない超能力を隠して高校生活を送る、斉木楠雄。毎年恒例の一大イベント、文化祭で、なぜか斉木に想いを寄せる妄想しまくり美女や、ワケありのクラスメイトたちがムダにカラんで、災難が次から次へとふりかかりまくる。やっかいな恋と友情、ただ普通に生きたいだけなのに、まさかの地球滅亡の危機が!?斉木は地球滅亡の危機を乗り越えることが出来るのか…。斉木に想いを寄せる照橋心美には橋本環奈、斉木の相棒を自称するバカ・燃堂力には新井浩文、さらに吉沢亮、笠原秀幸、賀来賢人、ムロさん、佐藤二朗ら豪華キャストが競演する。「人生が変わる1分間の深イイ話/しゃべくり007」は10月16日(月)21時~日本テレビ系にて放送。(笠緒)
2017年10月16日阿部サダヲと吉岡里帆が主演を務めるオリジナル映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』が、2018年10月12日(金)に全国の劇場で公開される。「時効警察」シリーズの三木聡が監督&脚本本作の原案・脚本・監督を手掛けるのは、「時効警察」シリーズなどで知られる三木聡。『俺俺』『インスタント沼』『転々』など、独自のコメディセンスを持つ監督が、現代社会に“歌”と“笑い”の力で風穴を開ける、ハイテンションロックコメディを作り上げる。ストーリーリミット迫る“声の争奪戦”が今、はじまる!!!爆音!爆上げ!ハイテンション・ロック・コメディ!!驚異の歌声をもつ世界的ロックスター・シン(阿部サダヲ)と、声が小さすぎるストリートミュージシャン・ふうか(吉岡里帆)。正反対の2人は偶然出会い、ふうかはシンの歌声が“声帯ドーピング”によるものという秘密を知ってしまう! しかもシンの喉は“声帯ドーピング”のやりすぎで崩壊寸前!やがて、シンの最後の歌声をめぐって、2人は謎の組織から追われるはめに。リミット迫る“声の争奪戦”が今、はじまる!!!マリリン・マンソンをイメージしたロックスター・シン役に阿部サダヲ主演のシンを演じるのは、『舞妓Haaaan!!!』『謝罪の王様』『殿、利息でござる!』などに主演し、人気・実力を兼ね備えた個性派俳優・阿部サダヲ。紅白歌合戦出場も果たした人気バンド「グループ魂」のボーカル≪破壊≫も務める彼が、驚愕の歌唱力で一躍スターダムにのし上がったカリスマロックスターを演じる。破滅的なロックスター・シンのキャラクターを創り上げるにあたり、製作サイドが参考にしたのは、その常軌を逸したパフォーマンスで世界中を驚かせてきたマリリン・マンソン。奇抜で衝撃的なメイク姿の阿部サダヲの姿は、本作の見どころの1つだろう。ヒロイン・ふうか役に吉岡里帆ヒロイン・ふうか役には、「ゆとりですがなにか」、「カルテット」、「ごめん、愛してる」など続々とドラマに出演し、今最も注目を浴びている女優の一人・吉岡里帆。2019年には、『パラレルワールド・ラブストーリー』の公開も控えている。そんな彼女は、ストリートミュージシャンとして活動するも、声が異様に小さく歌声が聞こえないという弱点を持つ難役に挑む。さらに本作で、映画・ドラマでは一度も披露した事のない歌声を初お披露目。撮影に向けて特訓中であるギター演奏とともに奏でられる彼女の歌声と、豪華アーティスト達の提供による映画オリジナル曲にも要注目だ。阿部サダヲ×吉岡里帆にインタビュー本作で主演を演じた阿部サダヲと吉岡里帆にインタビューを実施。独自のセンスに溢れる三木監督との現場風景について触れながら、2人が演じたキャラクターの役作りなどについて話しを伺った。ハイテンション・ロック・コメディというユーモア溢れるジャンルの作品ですが、三木監督の台本を初めてご覧になった際のご感想を率直に教えてください。阿部:正直わけの分からないところが沢山ありました(笑)撮影前の立ち稽古の場で、初めて吉岡さんにお会いできた際、「やっぱり、この台本の内容分からないよね!」って、お互いにこの感情を共有できた時は妙にホッとしましたね(笑)吉岡:私も、阿部さんが自分と同じ気持ちだと知った時は、素直に嬉しかったです(笑)これまで数々のコメディ作品をこなしてきた阿部さんは、てっきり台本を理解しつくしたうえで、立ち稽古に臨まれるんだろうなと思っていたので…。実際に現場に入ってから、台本の“謎”は解消されたのでしょうか。阿部:はい。三木監督が丁寧に説明してくれて、何から何まで全て計算し尽くされた台本なのだと気付かされました。この作品を観た人からは「あれはどこからアドリブなの?」とよく尋ねられる程、劇中には突拍子もない台詞が溢れかえっているのですが、それも全て三木監督が台本に事細かに書かれていること。僕たち俳優が、何か追加で足すような要素など何1つありませんでした。吉岡:私は演技にはいることで、徐々に台本に描かれた意味や内容を自分の中に落とし込むことができました。三木監督が7年かけて構想したオリジナル脚本なので、その細部にまでかけた拘りも並々ではなくて。台詞の1つ1つにも、実は監督の愛やメッセージが詰め込まれていたりするんです。例えばどんな台詞でしょうか?吉岡:音楽の道を諦めようとしているふうかに対して、シンが「やらない理由ばっか見つけてんじゃねえ!」と言い放つ台詞。この言葉は、実は三木監督が、ご自身の娘さんに対して伝えたいメッセージでもあるらしくて。ロックな感じにも聞こえますけど、本当は愛情に満ち溢れた言葉なんです。“好きなことをやり抜いてほしい”というエールに、私も撮影中勇気づけられていました。これまでの人生を振り返って、「やらない理由ばっか見つけてんじゃねえ!」という台詞が胸に突き刺さるようなご経験はありますか?阿部:僕の場合は、高校時代の部活。野球部に所属していたのですが、どうしても素振りが嫌いで…。素振りをしない理由だけは、誰にも負けなかった。(笑) 「左打ちになるかもしれない」とかどうしようもない言い訳を考えて、いつも逃げていましたね。それでも芝居に関していうと、何故かそういう“素振りをやめる理由”を探すようなことは不思議とない。どんな役でも、断ったことがないんです。役者を始めた時から、“僕芝居知ってますよ”みたいなテンションで乗り越えてきました。どんな役でも引き受けてきた阿部さんですが、本作で演じたシン役では、かなりきついシーンがあったとか?阿部:忘れもしない、撮影初日の大量の水が降ってくるシーンです。ふうかとシンが初めて出会う重要な場面でもあるのですが、これはもう本当に言葉にすることが出来ないくらい、体力的に限界を感じたシーンでして…(笑)吉岡:あの日はすごく気温が低い日だったんですよね。その中で撮影に使用された雨のセットは、消防車から出る大量の放水。その冷たい水を阿部さんは、半裸で浴びながら演技をされていたんですよ。しかもその演技が本当に面白いっていう。生死をさまよいながら、それを笑いに変えるっていうのは、本当にすごい!阿部:面白かったでしょ?僕も自分じゃなかったら、腹抱えて笑いますもん (笑)でも現実は、路上にいながら、溺れそうになっていたという…。これまで破天荒なシーンを沢山撮影してきましたが、あそこまで死にそうになりながら演技をしたのは、僕の役者人生の中でも初めての出来事でして。今ではこの作品の撮影によって、大量の水が怖い!ていうトラウマができてしまったほどです(笑)初日からそんな過酷な現場を目の当たりにして、率直にどのように感じられましたか?吉岡:スタートを切る上で、私にとって、とてつもなく大きな刺激となりました。作品の為に、全エネルギーを注ぐ阿部さんの役者魂を初日から間近でみさせていただいて、“これがプロの演技なのだ”と一気に身が引き締まって。阿部さんの横に立つためには、私も全力の演技を出し切らなければいけない、と改めて気合を入れ直すことができました。阿部:たしかに初日にあれだけ一番きついシーンがあったからこそ、吉岡さんや周りのスタッフの方と、これから共に頑張ろう!という共通意識のような絆が自然と芽生えたように感じます。(笑)その次に繋がる場面というのも、自然とスムーズに進めることができましたね。本格的に撮影が始まってから、演技の面で難しさを感じることはありましたか?阿部:もちろんです。長期間かけて練ったストーリーを、急に完璧に理解して演技に移せるほど、“演じる”ということは簡単なものではありません。けれど、だからこそ僕は、この作品に俳優としての“やりがい“を感じていました。全力の演技で三木監督が爆笑してくれた時は、やはり嬉しい!“あ、この演技が今、監督の頭の中とマッチしているんだ”と、手応えのような感覚を掴みながら、演技に臨んでいました。吉岡:明確なゴールがある作品だったので、それを演技で完璧に表現することはやはり難しかったですね。台詞や演技の“間”に対しても強い拘りを持たれていて、何か食い違いがある度に、はっきりとNGの指示がある。映像に関しても、私の喉にカメラを突っ込んで撮影を進めたりと、全てに対してストイックな姿勢で、ついていくことに精一杯な時もあったのですが。けれど撮影が進むにつれて、私は三木監督の頭の中で描いていることに少しでも近づきたい!という使命感のようなものが芽生えていました。誰も観たことがないような映画を、三木監督と作り上げよう!と。お2人が演じたシンとふうかは、極端なキャラクター設定でしたが、役作りの上で工夫されたことは?阿部:役作りについて、よくインタビューされるんですけど、未だになんて答えていいのか分からないんです。どう答えたら、“この阿部サダヲの答えはシメたぞ!”て思ってくれるんだろう…(笑)ただこの作品に関していえば、世界観がしっかりとあったので、何か自主的に“こういうキャラクターにしよう”と考えて、取り組んだことは本当にないですね。細かいことにも気を使って頂き、衣装に関しても、僕が実際に組んでいるバンドとイメージが被らないように、革ジャンではなく、敢えてジャージを用意して頂いたりしていました。僕の普段の活動にまで配慮をして下さっていたので、役にも自然にすっと入り込むことが出来ました。吉岡:私は敢えてマイペースを貫くことに徹していました。共演しているキャストの皆さんのキャラクターがとにかく濃すぎたので、同じようなテンションでいると、自分のペースを見失ってしまうなと。周りの普通じゃないキャラクターを、あたかも普通のように冷静に受け止めて、自分の演技に集中するという感覚です。阿部:あ、その答えが正解ですね!(笑)癖の強いキャラクターばかりだから、逆にこちらは“役作らない”みたいなテンション。それぞれのキャラクターを演じる上で、難しかったことは?吉岡:私の場合、“大声を出してはいけない”キャラクターだったので、大きい声だからこそ伝わる言葉を、どのように表現するかということが一番の難問でした。例えば、ふうかが「私は気持ちを大事にしたいんです!」と、自分の熱い想いを打ち明けるシーン。これは大声で言う方が、観客の方にもストレートに伝わりやすいと思うのですが、私の場合、小さな声でダイナミックに表現しなければいけなくて。これが慣れるまでは本当に悪戦苦闘しました。阿部:僕は、キャラクターのシンとして歌うという場面は、本来なら難しかったと思います。どうしても僕の普段のバンド活動を意識してしまうので。けれど、幸いなことに、このシーンは、全ての場面を撮り終えた後撮影最終日に行われたんです。その為、作品を通して、僕はあの最後の瞬間シンとしてステージに立てることができたというか。自然にキャラクターに入り込んで、思い切り歌うことが出来ました。お2人の俳優業における強みを教えてください。阿部:俳優業に就く前に、いろんな仕事を経験していたことは、演技において強みかもしれません。色んな人の職業を経験しているから、その感情や動作を演技の上で活かすことができる。あとこれは少し変な話ですけど、ものすごく平均的な家庭で生まれ育った自分の生い立ちも最近は気に入ってます。昔は何故か複雑な家庭で育った俳優の方の方が、人生にある“深み”のようなものがあると感じていて。自分の平凡な生い立ちに対して、妙なコンプレックスを抱いていた時もあったんですよ。“どうしてうちは離婚していないんだ!”なんて変に親を逆恨みしたときもあったくらい。(笑)けれど今は、“普通”な僕だからこそ、届けられる演技もあるのかなって感じています。吉岡:私は関わった作品や共演者の方に対して、感謝の気持ちを忘れないこと。誰が何と言おうと、胸を張って全てが最高だったと誇ることができますし、それが次の作品に対する活力にも繋がっています。主演を囲む豪華キャスト勢ロックスター・シンのマネージャー坂口を演じるのは、映画『亜人』などヒット作の出演が続く千葉雄大。「尊敬する阿部サダヲ先輩とまたご一緒できたのも嬉しかったです。真剣に遊ぶ現場でした。」と阿部との思い出について語っている。また、「時効警察」をはじめ三木聡監督作品に多数出演する麻生久美子は、謎めいた女医に。ふうかの親戚・デビルおばさん役にはふせえり、シンの所属事務所社長役には田中哲司、ザッパおじさん役には松尾スズキと実力派俳優の登場も決まっている。主演2人の主題歌をHYDEとあいみょんがそれぞれ製作主演の2人それぞれが歌う主題歌にも注目。阿部サダヲ演じるロックスター・シンが歌う「人類滅亡の歓び」の作曲を、L’Arc~en~Cielやソロとして世界で活躍するHYDEが、同曲の作詞を、作詞家・音楽プロデューサー・作家として活躍するいしわたり淳治が担当。バックバンドとして、サウンドプロデュースなどで活躍するPABLOやRIZEをはじめ多数のバンドで活躍するKenKen、ロックバンド「FUZZY CONTROL」のSATOKOが、演奏と出演の両面から盛り上げる。吉岡里帆演じるふうかの歌う主題歌「体の芯からまだ燃えているんだ」の作詞・作曲は、新星シンガーソングライター・あいみょんが手掛けた。その他にも、「never young beach」の安部勇磨や、「チャットモンチー」の橋本絵莉子、「グループ魂」のギター“遅刻”としても活躍する富澤タクなどが挿入歌の作詞・作曲を手掛けるなど、豪華なアーティスト達が本作のサウンドを彩る。作品情報映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』公開日:2018年10月12日(金)出演:阿部サダヲ、吉岡里帆、千葉雄大、 麻生久美子、小峠英二(バイきんぐ)、片山友希、中村優子、池津祥子、森下能幸、岩松了、ふせえり、田中哲司、松尾スズキ監督・脚本:三木聡(『俺俺』、「時効警察」シリーズ)主題歌:SIN+EX MACHiNA「人類滅亡の歓び」(作詞:いしわたり淳治作曲:HYDE)/ふうか「体の芯からまだ燃えているんだ」(作詞・作曲:あいみょん)製作:映画「音量を上げろタコ!」製作委員会制作プロダクション:パイプライン配給・制作:アスミック・エース
2017年10月13日2015年に日本に初登場し好評を博したミュージカル『タイタニック』が、2018年10月に東京・日本青年館ホール、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで再演される。本作は豪華客船タイタニック号沈没事故をもとにした物語で、1997年にブロードウェイで初演。『NINE』『グランドホテル』『ファントム』など、数々のヒットミュージカルを手がけたモーリー・イェストンの楽曲と、ピーター・ストーンの緻密なドラマが高い評価を得て、同年度のトニー賞で最優秀ミュージカル作品賞、最優秀ミュージカル脚本賞、最優秀作詞作曲賞、最優秀ミュージカル装置デザイン賞、最優秀編曲賞の5部門に輝いた傑作だ。日本人キャストをそろえて上演された日本版『タイタニック』は、『パジャマゲーム』や『グランドホテル』などの名作を手がけてきた気鋭の演出家トム・サザーランドが初めて日本で演出した作品。本作で登場するのは、設計士・アンドリュースをはじめ、乗船していた実在の人物たち。彼らが胸に抱いていた夢や希望をテーマに、それぞれの“人生”に着目した物語が描かれる。今回、加藤和樹、鈴木壮麻、藤岡正明、戸井勝海らが初演より続投するほか、石川禅、相葉裕樹、霧矢大夢ら実力派の新キャストが集結。また、現在絶賛上演中のミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』会場では、同公演のアンケートにご協力いただいた方に、ミュージカル『タイタニック』の特別先行受付のご案内を送付。初演で大きな話題となった本公演、さらにブラッシュアップされたステージに期待しつつ、いち早く先行情報の入手を!
2017年10月11日10月31日(火)より配信スタートする「東京03」×「三代目J Soul Brothers」山下健二郎×山本舞香出演のシットコム(シチュエーション・コメディ)ドラマ「漫画みたいにいかない。」に、シットコムドラマ初挑戦となる高岡早紀、白洲迅、玉井詩織(ももいろクローバーZ)がゲスト出演することが分かった。本作の舞台は、まったく売れない漫画家の悲哀に満ちた日常。時代遅れの売れない漫画家とその周りの人々を、シニカルな笑いと哀愁で描きだす。ヒット作1つも作れず、うだつのあがらない毎日を過ごす中年漫画家・戸塚オサム役には、稀代のコント師として名を馳せる「東京03」の角田晃広。ピュアでユトリなオサムのアシスタント・荒巻弘彦役を「三代目J Soul Brothers」の山下さんが務め、オサムのワケありの1人娘・るみ役にはモデル、若手女優としてその演技力が注目される山本さん。さらに、オサムの担当編集者・足立徹役に「東京03」豊本明長、幼なじみで毎日出前をとる定食屋の店主・鳥飼昭雄役に同じく飯塚悟志が扮する。まさにダメダメだけど憎めない、思い通りにならない人生の悲哀を代弁してくれる愛すべきキャラクターが勢揃いする本作。このたび、シットコムドラマ初挑戦の超豪華な異色ゲストが決定した。日本を代表する実力派女優・高岡さんが演じるのは、男を惑わす魅惑のマドンナ。彼女の登場で、次第に明らかになる売れない漫画家・戸塚オサムの過去…。高岡さん演じるマドンナが大混乱を巻き起こし、なぜか“戸塚プロダクション”のメンバー全員が仲たがい!?彼女の正体、そして目的とは!?また、人気急上昇中のイケメン俳優・白洲さんは、初の“悪役クズ男”に超どハマリ。白洲さん演じる、人生イージーモードの嫌味なイケメン金持ち男VS中年漫画家オサムという、対照的すぎる2人の攻防にも要注目。そして国民的アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の玉井さんは、謎の超ハイテンション・インフルエンサー“アンモモ”として登場。謎が謎を呼ぶ怒涛の展開に、戸塚プロは混迷の極みに…。この多彩なゲストが何話に登場するかは、配信までのお楽しみとか。いずれもシットコムは初挑戦という3人に、注目していて。<ゲストキャストコメント>■高岡早紀いままでにやったことがない、新しいタイプのドラマのお仕事だったので、ある意味挑戦してみようという感じで引き受けさせていただきました。実際にはなかなか台本は上がって来ず、結果深夜にまで及ぶとても過酷なスケジュールの中での撮影となりましたが、オークラ監督、「東京03」の方々や出演者の皆さまの熱意にあふれた現場に助けられ、とても素敵な時間を過ごすことが出来ました。私自身もこの新たな試みのドラマをとても楽しみにしております。■白洲迅「漫画みたいにいかない。」の世界はカメラの撮り方とか仕組みが普通のドラマと全然違く、舞台的な感じで新鮮でした。(オファーの段階で)長回しするとは聞いていたんですけども、何回も長回しをしていたので、集中力を切らさないことがすごく大変でした。レギュラーメンバーの皆さんも、「東京03」さんはみなさん気さくで、温かく迎え入れてくれました。(オフの時から)3人とも仲良いんだなという様子が伝わってきて、普段からのやり取りが面白くて、その光景を見ているだけでも楽しかったです。山下さんも優しくて、いつも踊っている姿は拝見していたんですけど、いい感じに絡んでくれました(笑)山本さんは、1回共演したことがありまして、そのときからムードメーカーで今回もすごく助けられました。とにかく楽しい撮影でした!■玉井詩織「漫画みたいにいかない。」にゲストとして出演させていただきます!「東京03」さんとは共演する機会が多いし、山下さん、山本舞香ちゃんもとても気さくな方で、すごくアットホームな現場でした。それと同時にほぼ一発撮りという撮影方法で緊張感もすごくありましたが、とてもいい経験になりました!メッセージ性もありながらとても楽しい話になってます!みなさんぜひ見てください(^^)「漫画みたいにいかない。」は10月31日(火)よりHuluにて独占配信開始、2話以降は毎週土曜日更新(全10話)。※2話は11月4日(土)配信(text:cinemacafe.net)
2017年10月06日先日、レオナルド・ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督がアメリカの第26代大統領、セオドア・ルーズベルトの伝記映画を撮ることになったと報じられた。1901年、42歳の若さで大統領に就任したルーズベルトをレオとスコセッシ監督のコンビはこれで長編6作目になる。この2人を筆頭に、何度も繰り返しタッグを組む俳優と監督のコンビは、互いへの信頼の厚さもあってか、数々の名作、野心作を世間に送り出してきた。レオナルド・ディカプリオ×マーティン・スコセッシ監督2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』に始まり、『アビエイター』(04)、『ディパーテッド』(06)、『シャッター・アイランド』(09)、と2000年代に撮ったスコセッシ監督の劇映画はほぼレオ主演。『ディパーテッド』はアカデミー賞作品賞、監督賞など4冠を果たした。コンビ作はその後も『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)、マカオのカジノ・リゾートのプロモーション用の短編作『オーディション』(15)がある。後者では、もう1人の監督との名コンビ俳優の大先輩、ロバート・デ・ニーロと共演した。ロバート・デ・ニーロ×マーティン・スコセッシ監督実はレオよりも多くの作品で組んできたのがデ・ニーロ。1973年の『ミーン・ストリート』から、映画史に残る名作『タクシードライバー』(76)、体重を極端に増減する役作りから「デ・ニーロ・アプローチ」という言葉も生んだ、アカデミー賞主演男優賞受賞作『レイジング・ブル』(80)、『ニューヨーク・ニューヨーク』(77)、『キング・オブ・コメディ』(83)、『グッドフェローズ』(90)、『恐怖の岬』のリメイク『ケープ・フィアー』(91)など、ドラマ、犯罪サスペンス、コメディと多様なジャンルに挑戦した。1995年の『カジノ』を最後に、しばらく途絶えていたコラボレーションは2015年『オーディション』で復活。レオと2人で監督の最新作の主演を競う役をコミカルに演じ、現在は久しぶりのコンビ作でNetflix製作の映画『The Irishman』(原題)を撮影中だ。スコセッシ×デ・ニーロ×ディカプリオには、2017年4月に出版されたノンフィクション「Killers Of The Flower Moon: The Osage Murders And The Birth Of The FBI」(原題)の長編映画化で組むという話もある。ジョニー・デップ×ティム・バートン監督バートン監督が大ヒット作『バットマン』(89)の次に撮った1990年『シザーハンズ』で組んで以来、『ダーク・シャドウ』(12)まで8本の映画を撮ってきた。人気アイドルだったジョニーは、白塗りで傷だらけのエドワード・シザーハンズ役で新境地を開拓。その後は単なる二枚目ではなく、風変わりなキャラに挑戦し続けた。『エド・ウッド』(94)や『スリーピー・ホロウ』(99)を経て、『チャーリーとチョコレート工場』(05)から立て続けにバートン作品に出演。『アリス・イン・ワンダーランド』(10)や『ダーク・シャドウ』など、メイクや衣裳に凝りまくった役作りも話題を呼んだ。クリスチャン・ベイル×クリストファー・ノーラン監督『バットマンビギンズ』(05)に始まるシリーズ3本、『プレステージ』(06)でも主演を務めたクリスチャンは、ほかにもデヴィッド・O・ラッセル、テレンス・マリック、アダム・マッケイなど多くの監督の作品に複数回出演、ラッセル監督の『ザ・ファイター』(10)でアカデミー助演男優賞を受賞した。ノーラン監督もトム・ハーディ、マイケル・ケイン、キリアン・マーフィなど、同じ俳優の起用を好み、1作ごとにお気に入りが増えている状態。ケインはノーラン監督から「あなたは僕の幸運のお守りだ」と言われことを「Metro News」で2012年に語っている。ライアン・ゴズリング×ニコラス・ウィンディング・レフン監督『ドライヴ』(11)『オンリー・ゴッド』(13)に主演したライアンについてレフン監督は「僕たちは創造的結婚をした。僕が母親で彼が父親になって、この子(『ドライヴ』)に命を与えた」と2011年、同作を出品したカンヌ国際映画祭で語っている。マット・デイモン&スティーヴン・ソダーバーグ監督『オーシャンズ11』(01)で初顔合わせをした2人は同作の続編『オーシャンズ12』(04)『オーシャンズ13』(07)に出演、さらに『インフォーマント!』(09)や『恋するリベラーチェ』(13)にも登場。『コンテイジョン』(11)『チェ 39歳 別れの手紙』(08)など、主演ではなくカメオ出演に近いものまで含めて7本に出演している。ジョージ・クルーニー×スティーヴン・ソダーバーグ監督マットに次ぐ6本に出演しているのはジョージ。『アウト・オブ・サイト』(98)に主演し、次に組んだ『オーシャンズ11』(01)が大ヒット。続編2本や『さらば、ベルリン』(06)でも組んだ。ジョージの監督作『グッドナイト&グッドラック』(05)ではソダーバーグ監督が製作し、監督と俳優に留まらない協力関係を築いている。ジョージはコーエン兄弟監督とも相性が良く、『オー・ブラザー!』(01)『ディボース・ショウ』(03)『バーン・アフター・リーディング』(08)、『ヘイル、シーザー!』(16)に出演している。今年のヴェネチア映画祭に出品したジョージの監督作『Suburbicon』(原題)はコーエン兄弟が脚本を手がけ、マット・デイモンが主演。ペネロペ・クルス×ペドロ・アルモドバル監督ハリウッドで活躍しながら、ペネロペが母国スペインで出演し続けたのが、アルモドバル監督の映画。10代の頃、監督の『アタメ』を見て女優を志したという。『ライブ・フレッシュ』(97)『オール・アバウト・マイ・マザー』(98)『ボルベール〈帰郷〉』(06)ではスペインのアカデミー賞に当たるゴヤ賞主演女優賞を受賞。『抱擁のかけら』(09)、国際線機内が舞台のドタバタ・コメディ『アイム・ソー・エキサイテッド!』(13)にも出演。彼女監督を師と呼び、彼はペネロペを“ミューズ”と呼んでいる。クリステン・スチュワート×オリヴィエ・アサイヤス監督私生活のゴシップの影響に悩まされていたクリステンは、フランスのアサイヤス監督のもと、ジュリエット・ビノシュ演じる大女優のアシスタントという役柄で『アクトレス~女たちの舞台』(14)に出演、好評を得た。監督の次作『パーソナル・ショッパー』にも主演。どちらもセレブの孤独な内面を知る彼女ならではの名演を見せた。(text:Yuki Tominaga)
2017年10月06日ロマンチック・コメディの名作『ラブ・アクチュアリー』のシネマ・コンサートの上演が決定した。2017年12月22日(金)に大阪国際会議場で、2017年12月25日(月)に東京国際フォーラムにて公演が行われる。シネマ・コンサートとはセリフや効果音はそのままに、音楽パートのみを生のオーケストラが演奏することで、映画をライブ感覚で観る新感覚エンターテイメントだ。「ラブ・アクチュアリー in コンサート」は、12月1日にマンチェスターを皮切りに英国ツアーがスタートし、クリスマスのベストなタイミングで日本公演が行われる。指揮はティアゴ・ティベリオが、オーケストラは国内屈指の名門、日本センチュリー交響楽団と東京フィルハーモニー交響楽団が大阪・東京公演を担う。『ラブ・アクチュアリー』は、ヒュー・グラント、キーラ・ナイトレイ、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、ローラ・リニー、コリン・ファースなど、イギリスを代表する豪華キャストが顔を揃える、愛のオムニバス・ムービー。音楽の良さで評価が高く、シネマ・コンサートではフルオーケストラの生演奏に期待が高まる。クリスマスに合わせ、記念アイテム付きのお得なペアチケットも限定発売される。【概要】ラブ・アクチュアリー in コンサート LOVE ACTUALLY -IN CONCERT-<大阪公演>日時:2017年12月22日(金) 開場18:00/開演19:00会場:大阪国際会議場グランキューブ大阪・メインホール住所:大阪府大阪市北区中之島5-3-51<東京公演>日時:2017年12月25日(月) 開場18:00/開演19:00会場:東京国際フォーラム ホールA住所:東京都千代田区丸の内3-5-1チケット価格:限定ペアチケット19,000円(S席2枚、隣席600円割引、記念アイテム付き)、S席 9,800円、A席 7,800円※価格は税込み。※限定ペアチケットは、数量限定・配送受取のみの受付。記念アイテムは配送時に同梱。※全席指定・未就学児入場不可。チケット発売日:10月21日(土) ※9月29日より先行抽選受付あり。©Peter MountainLove Actually © 2003 WT Venture LLC. All Rights Reserved.
2017年10月02日ヒュー・グラント、キーラ・ナイトレイ、エマ・トンプソン、アラン・リックマン、リーアム・ニーソン、コリン・ファース、ビル・ナイら超豪華キャストが揃い、2003年に公開され世界中で大ヒットしたロマンチック・コメディの傑作『ラブ・アクチュアリー』が、シネマ・コンサートとしてクリスマス・シーズンに日本上陸を果たすことになった。『美女と野獣』や『ラ・ラ・ランド』、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』などで実施されてきた「シネマ・コンサート(シネオケ)」。セリフや効果音はそのままに、音楽パートのみを生のオーケストラが演奏する、映画をライブ感覚で楽しむ新感覚エンターテインメントとして注目を集めている。そして今回、上演されることになったのは、今年、チャリティーイベントのための14年ぶりの続編短編も話題を呼んだ『ラブ・アクチュアリー』。クリスマスまでの5週間とその1か月後を描く10編が織りなす愛のオムニバス・ムービーで、2003年11月に公開されるや、英国では4週連続1位を記録、全世界で興行収入2億4694万ドル(約270億円)を記録した。日本では、バレンタイン・シーズンの2004年2月に公開され、大ヒットに。いまでも根強い人気を誇っている。監督のリチャード・カーティスといえば、『ノッティングヒルの恋人』や『ブリジット・ジョーンズの日記』の脚本や、『パイレーツ・ロック』、『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』では脚本・監督を努めたロマンチック・コメディの名手。一方、音楽センスの良さでも評価が高く、本作でもそのエッセンスが遺憾なく発揮されており、今回のフルオーケストラでの生演奏に期待は高まる。「ラブ・アクチュアリー in コンサート」は、12月1日に英・マンチェスターを皮切りに英国ツアーがスタート。12月10日のロンドン公演を経て、12月22日に日本に上陸する。クリスマスのベストなタイミングで行われる日本公演の指揮は、ティアゴ・ティベリオ、オーケストラは国内屈指の名門、日本センチュリー交響楽団と東京フィルハーモニー交響楽団がそれぞれ大阪・東京公演を担う。クリスマスにぴったりの名作を巨大スクリーン×フルオーケストラの生演奏によるシネマ・コンサート。最高に贅沢なライブ・エンタテインメントを楽しみにしていて。「ラブ・アクチュアリー in コンサート」【大阪公演】は12月22日(金)開場18:00/開演19:00~大阪国際会議場グランキューブ大阪・メインホールにて、【東京公演】は12月25日(月)開場18:00/開演19:00~東京国際フォーラム ホールAにて開催。(text:cinemacafe.net)
2017年09月29日NHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』小橋鞠子役も記憶に新しい注目の若手女優、相楽樹。2018年は江戸川乱歩と三島由紀夫、ふたりの文豪が手掛けた名作『黒蜥蜴』でスタートを切る。演出は三島作品を敬愛する英国人演出家、デヴィッド・ルヴォー。美貌の女盗賊・黒蜥蜴を中谷美紀、好敵手にして運命の恋人、探偵の明智小五郎を井上芳雄が演じる究極のエンターテインメント作品だ。本作で相楽は、黒蜥蜴の標的となった宝石商・岩瀬の娘、早苗を演じる。「物語の鍵を握る大事な役」と意気込んでいる。「黒蜥蜴」チケット情報出演が決まる直前、偶然にも美輪明宏が手掛けた同戯曲の舞台『黒蜥蜴』を観劇していたという。「不思議な巡り合わせを感じました。早苗はお金持ちで育ちがいい本物のお嬢さん。じつは物語の後半で明かされる、ちょっとした秘密がある役です」。今回の脚本では緑川夫人(黒蜥蜴)と早苗との掛け合いが多く、美輪の舞台よりも早苗の存在が増した印象だと話す。「演出のルヴォーさんがどこまで早苗の役割を私に任せてくれるかによりますが、最後には『早苗って、実はこうだったの!?』となると思います」。また、セット案についてルヴォーは古き良き時代のハリウッドの撮影スタジオを構想しているとか。「今は生バンドの演奏も想定中と仰っていました。そこに中谷美紀さん、井上芳雄さんの芝居が加わったら相当すごい舞台になるんじゃないかなと。美輪さんの舞台ではゴージャスさに目を奪われたので、ルヴォーさんがセットを含めどう演出されるのか楽しみです」主演の中谷美紀の印象は「唯一無二の魅力があり、女性としても憧れの存在です。中谷さんとご一緒するシーンでは圧倒されることなく、負けずに舞台に立っていなくては」と気合い十分。井上芳雄は舞台『陥没』での演技が衝撃的だったという。「コメディ要素もある役柄で、歌だけじゃなくストレートプレイでもこんなに表情豊かで振り幅のある方なんだと知って、なおさら緊張してきました(笑)」。最後に「同世代にも楽しんで欲しい」と、本作の見所について語ってくれた。「緑川夫人と明智小五郎の恋愛は、物凄く情熱がある。誰かを愛することは年齢に関係なく誰にでも共通することですし、男性は中谷美紀さんの妖艶さにクラクラし、女性は井上芳雄さんのカッコよさにメロメロになると思います。ここまで大きな劇場で古典の名作を演じることは、私にとって初めての挑戦なので、みなさんも一緒に作品世界にどっぷりと浸り、早苗がどういう方法で“いなくなった”のか、推理しながら楽しんで頂ければと思います」。『黒蜥蜴』は2018年1月9日(火)から28日(日)まで東京・日生劇場、2月1日(木)から5日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。一般発売日は9月30日(土)10:00より。一般発売に先駆け、9月28日(木)23:59まで東京公演の2次プリセールを、9月29日(金)9:30まで大阪公演の一般発売直前プリセールを受付中。取材・文:石橋法子
2017年09月28日アメリカ演劇界で最も権威のあるトニー賞で6部門を受賞した傑作ミュージカル・コメディ「シティ・オブ・エンジェルズ」が、山田孝之とミュージカル界期待のホープ・柿澤勇人を主演に迎え、福田雄一の演出で2018年9月より上演されることが決定した。1940年代後半のハリウッド、それは数々の名画が誕生したまさに映画最盛期の時代。当時のハリウッドではプロデューサーが最高権威者であり、いまでは作品の中核をなす作家もタイピスト的存在として軽くあしらわれるのが常だった。これは映画のシナリオライターとしての夢を叶えようとハリウッドに乗り込んだ新進作家とやり手プロデューサーの葛藤が生み出したドラマである。作家スタインは、自分の小説「CITY OF ANGELS」の映画化に当たって、ヒーローのストーンを自身の理想像として描こうとしている。それはロマンとダンディズム、ニヒルでセクシーで…といった、フィリップ・マーロウやサム・スペードの様な伝統的でタフな私立探偵である。そして、彼らと同じようにストーンもまた、美女に弱いための胸の痛みと、空の財布に悩まされている――。物語は1940年代のハリウッドを舞台に、ハードボイルドのシナリオを描くためにハリウッドへやってきた脚本家が執筆に四苦八苦する中で、シナリオの世界と現実に起こる出来事に混乱し様々な事件が巻き起きるというもの。本作は、ブロードウェイで誰もが知る名作曲家サイ・コールマンが音楽を手掛け、1989年ブロードウェイにあるヴァージニア劇場で初演。1990年トニー賞作品賞始め、ほか5部門を総なめにし、2015年にはローレンス・オリヴィエ賞を2部門受賞を果たした。今回そんな本作を、『HK 変態仮面』『銀魂』「勇者ヨシヒコ」シリーズなど数々の人気作を手掛ける脚本家・映画監督の福田氏が演出を担当。そして映画の脚本家・スタイン役を、劇団四季の舞台「ライオンキング」でシンバ役を演じ、退団後も「ロミオ&ジュリエット」「デスノート The Musical」など舞台作品に出演する柿澤さんが。彼が描くシナリオの中の私立探偵を、俳優業だけでなく、新会社設立や新ブランド立ち上げなど活動の幅を広げている山田さんが演じる。ミュージカル「シティ・オブ・エンジェルズ」は2018年9月1日(土)~17日(月・祝)東京・新国立劇場 中劇場にて上演。※地方公演あり(cinemacafe.net)
2017年09月25日