『パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』『パージ』『スプリット』などで知られるジェイソン・ブラムが製作を手がけ、全米初登場No.1を獲得、8週にわたってベストテン圏内にとどまる大ヒットとなった『GET OUT』(原題)が、邦題『ゲット・アウト』として日本公開決定。さらに、9月17日(日)に浅草公会堂で行なわれる「第10回したまちコメディ映画祭in台東」の名物企画「映画秘宝」presents映画秘宝まつりにて、日本最速上映されることになった。ニューヨークに暮らす、アフリカ系アメリカ人の写真家クリス(ダニエル・カルーヤ)は、ある週末に白人の彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)の実家に招待される。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚える。その夜、庭を猛スピードで走り去る管理人と窓ガラスに映る自分の姿をじっと見つめる家政婦を目撃し、動揺するクリス。翌日も、亡くなったローズの祖父を讃えるパーティに多くの友人が集まるが、何故か白人ばかりでクリスは気が滅入ってしまう。そんななか、どこか古風な黒人の若者を発見し、思わず携帯で撮影すると、フラッシュが焚かれた瞬間、彼は鼻から血を流しながら急に豹変、「出ていけ!」と襲い掛かってくる。“何かがおかしい”、そう感じたクリスは、ローズと一緒に実家から出ようするが…。人種差別を題材にした、異色の衝撃スリラーとなる本作。製作を手がけたのは、近年、数々のヒットホラー作品を生み出しているジェイソン・ブラム。また、監督・脚本を務めたのは、アメリカのお笑いコンビ「キー&ピール」のジョーダン・ピール。世界的ヒットメーカーと大人気コメディアンがタッグを組み、じわじわ来る“恐怖”と、あっと驚く“結末”が待ち受ける、これまで誰も観たことないオリジナリティあふれる作品を生み出した。低予算ながらも全米初登場でNO.1の大ヒットを記録し、監督デビュー作にも関わらず、全米映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」では99%の好評価と大絶賛を受けた本作。ついに日本に上陸する、映画の常識を覆すサプライズ・スリラーを見逃さないで。『ゲット・アウト』は10月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年07月19日俳優の岡田将生が14日、映画『銀魂』(7月14日公開)の公開初日舞台挨拶に、小栗旬、菅田将暉、橋本環奈、柳楽優弥、吉沢亮、ムロツヨシ、長澤まさみ、佐藤二朗、福田雄一監督、エリザベス(キャラクター)とともに登場した。岡田に話が振られると、ムロと佐藤が「将生がしゃべりますよ!」「どうぞ! どうぞ!」と促し、岡田は「いじるな! 質問忘れちゃったよ」と冷や汗。「初めての福田組はどうだったか」と言う質問に、岡田が「コメディの部分がなかったので。クールな場面ばかりだったので」と回答すると、福田監督は「岡田くんのパーソナルを知らなかったので、こんなに皆さんにいじられる人って知らなかったんですよね」と明かした。この回答に岡田が「……はああい」と不満そうにすると、すかさず小栗が「今も、俺はいじられてないみたいな顔をして」とツッコミ。さらに小栗が「ちなみに、『銀魂』と『ジョジョ』はどっちが思い入れあるの?」と、岡田が出演する『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(8月4日公開)に触れると、観客も見守る雰囲気となった。ムロが「今日の衣装も若干ジョジョ寄りなんですよ! ジョジョ寄りの衣装ですよ!」と囃し立てると、岡田は「いやそうですね、ジョジョですね!」と逆ギレのように答え、「いやうそうそ! 銀魂です! はい!! 桂です桂!」と即訂正した。福田監督が、「同じ会社だから何言っても大丈夫だよ」と優しくアドバイスすると、岡田もはっとしたように頷いて笑顔を見せていた。同作は、漫画家・空知英秋が『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の同名コミックを原作に、『HK 変態仮面』シリーズやTVドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズなどで知られる福田雄一監督が実写化のメガホンをとる。パラレルワールドの江戸を舞台に、宇宙からやってきた"天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗)の間に起こるさまざまな事件を描く。
2017年07月14日テレビ界のアカデミー賞と呼ばれるエミー賞のノミネーションが発表された。最多22ノミネートを受けたのは、アンソニー・ホプキンスやエド・ハリスが出演している「ウエストワールド」(ドラマ部門)と「サタデー・ナイト・ライブ」(コメディ部門)。スーザン・サランドンとジェシカ・ラングが火花を散らす「Feud:Bette and Joan」(原題)と、昨年シーズン1でコアなファンを獲得した「ストレンジャー・シングス 未知の世界」が18ノミネートで次点となった。テレビ局別では「ウエストワールド」、「ビッグ・リトル・ライズ~セレブママたちの憂うつ~」などのHBO局が圧倒的な強さを見せつけ110ノミネート、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」、「ザ・クラウン」、「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などのNetflixが91ノミネートと続いた。授賞式は9月17日にロサンゼルスのマイクロソフトシアターで開催される。司会はスティーブン・コルベア。主なノミネーションは以下の通り。ドラマ部門作品賞 :「ベター・コール・ソウル」「ザ・クラウン」「The Handmaid’s Tale」(原題)「ハウス・オブ・カード 野望の階段」「ストレンジャー・シングス 未知の世界」「THIS IS US 36歳、これから」「ウエストワールド」ドラマ部門主演男優賞:スターリング・K・ブラウン「THIS IS US 36歳、これから」アンソニー・ホプキンス「ウエストワールド」ボブ・オデンカーク「ベター・コール・ソウル」マシュー・リス 「ジ・アメリカンズ」リーヴ・シュレイバー「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」ケヴィン・スペイシー 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」マイロ・ヴェンティミリア「THIS IS US 36歳、これから」ドラマ部門主演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス 「殺人を無罪にする方法」クレア・フォイ「ザ・クラウン」エリザベス・モス 「The Handmaid’s Tale」(原題)ケリー・ラッセル「ジ・アメリカンズ」エヴァン・レイチェル・ウッド「ウエストワールド」ロビン・ライト 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」コメディ部門作品賞:「Atlanta」(原題)「Black-ish」(原題)「マスター・オブ・ゼロ」「モダン・ファミリー」「シリコンバレー」「アンブレイカブル・キミー・シュミット」「Veep」コメディ部門主演男優賞:アンソニー・アンダーソン「Black-ish」(原題)アジズ・アンサリ 「マスター・オブ・ゼロ」ザック・ガリフィナーキス「Baskets」(原題)ドナルド・グローヴァー 「Atlanta」(原題)ウィリアム・H・メイシー「シェイムレス 俺たちに恥はない」ジェフリー・タンバー「トランスペアレント」コメディ部門主演女優賞:パメラ・アドロン「Better Things」(原題)トレイシー・エリス・ロス「Black-ish」(原題)ジェーン・フォンダ 「グレイス&フランキー」リリー・トムリン「グレイス&フランキー」アリソン・ジャニー「Mom」(原題)エリー・ケンパー「アンブレイカブル・キミー・シュミット」ジュリア・ルイス=ドレイファス「Veep」(Hiromi Kaku)
2017年07月14日天海祐希さんを筆頭に大泉洋さんや小池栄子さんといった錚々たる俳優陣が舞台『子供の事情』で演じるのは、なんと10歳の小学生。吉田羊さん、それって一体どういう…!?「作・演出の三谷(幸喜)さんの言葉を借りるなら、“ドロドロの”コメディ作品(笑)。教室に大人顔負けの駆け引きや嘘・妬みが渦巻きます。これが子供じゃなかったら生々しくて見ていられないけれど、10歳という設定である種のファンタジーに仕上がっていますし、最後にはきっと人の優しさがしみるはずです」脚本の執筆にあたって、事前に三谷さんから子供時代のことをリサーチされたという吉田さん。「私には、ほかの方々のように強い個性がなくて。役に染まり切るのが喜びというタイプ。それで、私にどういう役をやらせるか悩まれた様子。結果、今回は個性がないのが個性という役になりました」役を作っていくにあたって、「声を探すところから始めた」と言う。「共演の女優陣の声域が、皆、似ているんです。個性ある皆さんに交じった時、普段通りでは私というキャラクターが埋もれるな、と。それで、逆説的ではあるんですが、個性がないのが個性の役にあえて色をつけて立ち上がらせたいと思ったんです」声から役を立ち上げるのは、吉田さんにとっても今回が初めての試み。ただ、新しい現場に入るたび、作品のテイストや共演者とのバランスを見ながら、自分の立ち位置や役割を考え、役を作ろうとしてきた。「それは私が、セリフの少ない役からやってきたこともあると思います。出番が多い役でも少ない役でも、演じる側は、もしこの役がこんなことをしたら面白いんじゃないか、と考えて現場に臨んでいるんですよね。だから、共演の方とは、それがエキストラさんでも、できるだけ声をかけ合い、それぞれの考えを調和しての最良を探るようにしています。三谷さんの世界はとくに、出演者全員が愛情を注いで描かれていて、きちんと見せ場があるから、自分の役も含めて全員のよさが際立つバランスを大事にしたいと思っています」まだ世間的に今ほど知られていない頃から、吉田さんは三谷さんの舞台に出演してきている女優さん。「最初の頃は、私の芝居にダメ出しが少なかったんです。当時はそれをOKの意味に捉えていたけれど、回を重ねてきて、もっと自分の考えを役に持ち込んでいこうと思って臨むようになったら、今度は、私に集中してダメ出しする日を作られるように(笑)。吉田羊が自分の役をどう演じたいのかを見たくて、待ってくれていたんだと思います。今回も、そういう三谷さんの期待に全力で応えたいと思っています」『子供の事情』自身が父親になったことから、にわかに子供への興味が増してきた劇作家・三谷幸喜さんが、小学校の教室を舞台に10歳の子供たちを主人公に描く群像劇。豪華キャストも話題。7月8日(土)~8月6日(日)初台・新国立劇場 中劇場作・演出/三谷幸喜出演/天海祐希、大泉洋、吉田羊、小池栄子、林遣都、春海四方、小手伸也、青木さやか、浅野和之、伊藤蘭SS席1万1000円S席9500円A席8000円B席6500円C席5000円(すべて税込み)シス・カンパニーTEL:03・5423・5906よしだ・よう女優。舞台を中心に活躍後、徐々に映像作品にも出演しはじめ、’14年のドラマ『HERO』などで注目を集めるように。来年公開の『ラブ×ドック』で映画初主演。トップス¥63,000パンツ¥70,000バングル¥145,000(以上pelleq/TAKU&COTEL:03・6712・2709)靴はスタイリスト私物※『anan』2017年7月12日号より。写真・内田紘倫スタイリスト・梅山弘子(KiKi inc.)ヘア&メイク・paku☆chan(Three PEACE)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年07月10日ハン・ソロの若き日を描いた『スター・ウォーズ』のスピンオフ作品(以下、略して“ヤング・ハン・ソロ”)の監督コンビ、クリス・ミラー&フィル・ロードの2人が、撮影の真っ最中に突然クビになった。この異様なニュースでハリウッドは蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。いったい何があったのか?本当の理由は本人たちのみぞ知るところだが真相を解明するべく色々まとめてみた。■楽園のトラブル『スター・ウォーズ』の登場人物の中でも特に人気があるハン・ソロの若き日々、知られざる過去を描いた作品として注目を集めていた本作。撮影がスタートした日、監督コンビのひとりであるクリス・ミラーはツイッターで、「この映画のコードネーム(暗号)は『レッドカップ』!」と発信。Very excited. Celebrating by drinking fancy whiskey out of this cup: pic.twitter.com/RpJKzmW5Ns— Chris Miller (@chrizmillr) 2015年7月7日暗号:レッドカップの由来は、アメリカのハウスパーティーなどでよく使用される赤いプラスチック・カップのメーカーが「SOLO」であることから。このツイートで世界中のファンが監督自身の興奮と喜びをガッツリと共有してワクワクしたものである。HanFirstShot pic.twitter.com/KReR6rgKFT— Chris Miller (@chrizmillr) 2017年1月30日この時点で順風漫歩に見えた監督コンビが、撮影最終日3週間半前にルーカス・フィルムから突然クビにされるとは誰が想像したことか!「ハン・ソロの映画監督、突然の解雇!」のニュースにハリウッドは騒然となった。今年のアカデミー賞で起きた封筒取り違え事件に負けないような騒ぎである。ディズニーと共に『スター・ウォーズ』シリーズを仕切るルーカス・フィルムの社長キャスリーン・ケネディは、「フィルとクリスは大変よくやってくれたものの、クリエイティブ面の相違で監督の座を去ることになりました」的な、当たり障りのないコメントを公表。そして渦中の監督ふたり組も「クリエイティブ面の違いという言葉はありきたりで使いたくないけど、今回はまさにその通りで監督降板となった」と言葉少ないコメントを発表した。■歴代の監督クビについて軽く…映画撮影開始前に監督が降板したという話しはそうそう珍しいことではない。ヒュー・ジャックマン主演『ウルヴァリン』は、当初アカデミー賞受賞監督ダレン・アロノフスキーがメガホンをとることになっていたが、製作準備中に海外ロケ撮影が1年近くになるという可能性が出てきたため、家族思いの監督はファミリー優先という理由で降板。また、当初『アントマン』のメガホンをとることになっていたエドガー・ライト監督が、“クリエイティブ面での相違により”という例のお決まり理由で降板することとなった。ほかにも数ある監督の交代劇だが、撮影真っ只中、それも残すところ3週間半という時点で「解雇」されたという監督のエピソードはそうそうあるものではない。「クリエイティブ面での相違により…」って?ハリウッド映画業界で誰かが降板することになると、このお決まりのコメントをよく耳にする。これは離婚で言うならば「折り合いのつかない性格の不一致」という感じだろう。映画製作はアートの域なので厳密にいえば「創意面での不一致」なのだが、心底わかりあっている友人関係、あるいはお互いに尊敬の念を持ち、協力しあっていこうと決意している人間同士であれば、「クリエイティブ面での相違」というのも話し合って理解し合うことで解決していけるはずなのである。…と綺麗ごとを並べてみればそうなのだが、一筋縄ではいかないのが人間関係。何人もの人間が集まって作るのが映画だから、クリエイティブ面で折り合いが合わないこともある。ケネディ社長は、きっちりと計画を立てて撮影を進めていく着実派なのと対照的に、コメディ映画出身のミラー&ロード両監督はアドリブや「その場の雰囲気」を大切にするという自然体重視の監督だったという。例えばケネディ社長が、「もっと様々なアングルから撮影したほうがいい」と監督コンビにリクエストしても、2人は結局自己流に撮影をして次のシーンに移る、というパターンを繰り返していたらしい。ケネディ社長からすれば、上司の言うことを無視する社員…という構図になる。おまけに撮影の休暇中にミラー&ロード両監督の撮影したフッテージをラッシュで見たときに、ケネディ社長ならびに往年のクリエイティブ・チームはそれぞれ、「悪くはないのだが、『スター・ウォーズ』というブランドから何かかけ離れたものになっている」という印象を持ったという。これは40年にわたる大フランチャイズの観点から見ると一大事である。一方、ミラー&ロード両監督は、アニメ/実写映画『LEGOムービー』で大ヒットを放ち、その後もチャニング・テイタム&ジョナ・ヒル主演コメディ『21ジャンプストリート』(日本未公開)、『22ジャンプストリート』(日本未公開)でセレブ監督の仲間入りを果たした監督コンビは、カッ飛んだコメディ・センスとヤング世代から大人気で、TV業界からも引く手数多の売れっ子だった。“ヤング・ハン・ソロ”の監督を頼まれたときは、向かうところ敵なしの気分だったに違いない。ところが、両監督にとって憧れの“ヤング・ハン・ソロ”の仕事は、何もかもがこれまでとは違っていた。監督コンビが慣れていた自由スタイルでの撮影方法は受け入れられず、細かいやり方にまで干渉してくるルーカス・フィルム。自由に指揮のできない撮影現場にミラー&ロード両監督は大いにイラついていたらしい。■「餌をくれる手を噛むべからず」英語で、Do not feed the hand that feeds you という言い回しがある。「餌をくれる(飼い主)手を噛むべからず」ということなのだが、今回の場合における「飼い主」とは、ルーカス・フィルムの社長キャサリン・ケネディ氏である。そしてもうひとりの大切な仕切り役は、“ヤング・ハン・ソロ”の脚本家で『スター・ウォーズ帝国の逆襲』や『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』なども手掛けた大御所ローレンス・カスダン氏である。ケネディ社長と共に、ミラー&ロード両監督にルーカス・フィルムの意向をことごとく提示するにもかかわらず、自分のやり方を曲げない両監督の“聞かん坊”さに、かなりイラついていたらしい。結局ケネディ社長は、監督コンビが履いている靴下の色にすら嫌悪感を催すほど怒りが心頭に達し、撮影をたった3週間半残すという段まで我慢したものの、遂に堪忍袋の尾が切れて監督コンビをクビにする、という決断に至ったという。ミラー&ロード両監督の後釜には、「ハリウッドの禅僧」の異名をとるロン・ハワード監督が就任。子役時代からハリウッドを渡り歩いているベテランで酸いも甘いも心得ていて、どんな仕事もきちんと片付けてくれるというスタジオからの信頼が厚い監督だ。ちなみに、どんなに人気のある監督でも『スター・ウォーズ』に勝る存在の監督というのは存在しないと思う。そんなすごいシリーズの監督を任されたのであれば、どんなに上の人とソリが合わなくても、仕事をキープしたいのであれば、やはり仕切っている上の人たちを立てて物事をうまいこと進行していくのが“大人の世界”なのである。例えば、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』の監督ギャレス・エドワーズも似たような問題にぶち当たったが、彼は社長らと協調して映画完成に漕ぎ着けた。現在、ハリウッド界隈の最新情報によると、せっかく撮影した“ヤング・ハン・ソロ”のフッテージは、その大半がロン・ハワードによって再撮影されるという噂が流れている。ハリウッドも外めには華麗に見えるが、蓋を開ければイバラの道、厳しき世界なのである。(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2017年07月08日『アーティスト』のアカデミー賞受賞スタッフが手掛け、『グランド・イリュージョン』のジョゼ・ガルシアが主演を務める『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』。本国フランスで公開されるやいなや、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』や『モアナと伝説の海』などと並び、4週連続TOP10入りを果たした話題の本作だが、中でもアンドレ・デュソリエのぶっ飛んだおちゃらけ具合に注目だ。待ちに待った夏休み!整形外科医の父・トム、妊娠中の母・ジュリア、ちょっと不思議な9歳の娘・リゾン、とても活発な7歳の息子・ノエ、4人家族のコックス一家は、おじいちゃんと共にトムの自慢の最新テクノロジーを搭載したピッカピカの真っ赤な新車でバカンスへ。しかし出発直後、なんとブレーキが制御不能に…時速160kmでハイウェイを大暴走!役立たずの無能警官、能天気なカーディーラー、追走する怒り心頭男、さらには後部座席に隠れていた謎の○○?そしてフランス全土を巻き込み、車内は究極のパニック状態に。そんな絶体絶命の“密室”で次々明かされていく“秘密”の数々に家族の絆は崩壊<ブレイク>寸前。そして向かう先には未曾有の大渋滞が待っている!果たして、コックス一家を待ち受ける運命とはいかに――。本作は、待ちに待った夏休みに自慢の新車でバカンスに出発したものの、まさかのブレーキ故障で車が止まらず大暴走するコックス一家の、ハプニングとスリルに満ちた爆笑ドライヴ・コメディ。ブレーキが壊れて大暴走の中、そこに拍車を掛けるようにさらに車内を混乱の渦に陥れるのが、“おちゃらけ過ぎ”、“テキトー過ぎ”、“空気読めなさ過ぎ”の3拍子揃ったお調子者のおじいちゃん、ベン。彼は、サービスエリアで見知らぬ迷子の不思議ちゃんを車内に連れ込み、大暴走中の様子をスマホで撮影、いまにも大渋滞に突っ込もうかというタイミングで「実は本当の父ではない」と衝撃の告白…などなど、そのぶっ飛び度合いは群を抜いている。そんなベンを演じているのは、フランスを代表する名優の一人アンドレ。ジャン=ポール・ベルモンド、イザベル・ユペール、ジャンヌ・モローらを輩出した名門フランス国立高等演劇学校(コンセルヴァトワール)を一等賞で卒業し、フランソワ・トリュフォーの『私のように美しい娘』でスクリーンデビュー。その後、『マイ・ラブ』『美しき結婚』『恋するシャンソン』などに出演。また近年では、『アメリ』のナレーションを皮切りに、『ロング・エンゲージメント』『ミックマック』に出演、フランス版アカデミー賞のセザール賞には5度ノミネートされ、3度受賞している超実力派名優だ。「本当にいいコメディーだと思えるようなシナリオに出会うことはめったにない」と話すアンドレは、「繰り返し読むたびにいつも同じ箇所でまるでびっくりしたように笑うんだ。とてもいい兆候だよ。何よりも賭けだったのは、アクションとコメディーを結び付けたことだね。非常にうまく調和をとっている。それは監督のおかげだ。彼が私にこの役を、と考えてくれたことはまさに奇跡だよ。誰かが自分のことを思ってくれるというのは、ましてやそれが若い時代の演出家だと、私はいつも、まるで子どものように驚嘆するんだ」本作について語っている。『ボン・ボヤージュ~家族旅行は大暴走~』は7月22日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2017年07月08日英国ロイヤル・バレエ団のスターとして活躍したタマラ・ロホが2012年より芸術監督を務め、大躍進を続けているイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)、その日本公演が間もなく開幕する。7月6日に開催された開幕記者会見には、ロホ芸術監督と、彼女のもとに集った選りすぐりのダンサー5人が登壇、16年ぶりとなる日本公演への意気込みを語った。【チケット情報はこちら】「私が芸術監督になってから、ENBはいろいろな変革を遂げてきました。新しいダンサーも迎え入れています。ぜひ、私たちの今の姿を見ていただきたい」と自信たっぷりの笑顔を見せるロホ。今回彼らが上演するのは、ENBの伝統的レパートリーの『コッペリア』と、ロホのもとで進められた画期的プロジェクトのひとつ、『海賊』だ。後者は2013年にカンパニー初演、英国のバレエ団による初の『海賊』全幕上演と注目された。現役ダンサーでもあるロホは両作品に主演。芸術監督との両立について彼女は、「私が踊ることで、カンパニーに注目していただき、ほかの素晴らしいダンサーたちを知っていただくいい機会になれば」と話す。また「自分の身体で示し、技術を、思いを継承することはとても重要なこと」とも。世界中からロホのもとに集まったダンサーたち。その個性は実に多彩だ。「ラテンならではの情熱的なダンサー」と彼女に紹介されたのは、セザール・コラレス。「『海賊』は花火みたいな作品。僕も出演しない日はチケットを買って客席で観たいくらいなんだ」とジョークをとばす。「今のENBは、タマラ自身。彼女がキャリアを通してやりたかったことを、このカンパニーで実現している」と話すのは、英国人プリンシパルのローレッタ・サマースケールズ。リード・プリンシパルの高橋絵里奈は、「ENBは私にとって家族。皆とともに母国日本で踊ることをずっと夢見ていた。嬉しい、いえそれ以上のことです」と感無量の様子だ。つい先日、ENBへの正式入団が発表されたユルギータ・ドロニナは『コッペリア』に主演。「コメディ・タッチのバレエを楽しんでいます。軽やかなバレエで、お子さんにも楽しんでいただけると思うわ」。イサック・エルナンデスはメキシコ出身。「ENBは前進あるのみ。タマラを中心に、つねにアイデンティティを表現し、皆で力を合わせ、新しいバレエの形を見出すことができるところ」と、カンパニーの特別感を強調した。「私の出身国、スペインはバレエの伝統が浅いけれど、逆に自由にいろんな伝統を取り込む機会に恵まれた。いいところをあわせて皆に伝えていきたい」と、未来を見据えるロホ。勢いに満ちた彼らの、エネルギッシュな舞台を楽しみたい。公演は7月8日(土)より、東京文化会館にて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2017年07月07日明石家さんまが企画・プロデュースし、Netflixオリジナルドラマ第2弾として製作が進められていた「Jimmy~アホみたいなホンマの話~」。この度、明石家さんま役の小出恵介の無期限活動停止を受け、本作の配信日が延期されることとなった。本作は、吉本興業がプロデュース、YDクリエイションが製作を実施。さんまさんが初めて企画・プロデュースを手がけ、ジミーさんとの出会いに始まる“アホみたいなホンマの話”を描く。ジミー大西役を中尾明慶が演じ、明石家さんま役を小出さんが担当。そのほか2人を取り巻く人々に尾上寛之、六角慎司、宇野祥平、濱田マリ、木南晴夏らが集結。さらに佐藤浩市、池脇千鶴、生瀬勝久、手塚理美、温水洋一、山崎銀之丞、徳永えり、楊原京子、金井勇太ら多彩なキャストが顔を揃えていた。配信が待たれていた最中、明石家さんま役の小出さんの無期限活動停止が所属事務所より発表。これを受け「コメディドラマ」としてクリエイティブ上の判断により、明石家さんま役を別キャストで再撮影することが決定。明石家さんま役以外は、原作として、同スタッフ、同キャストに声をかけ、必要部分を再録の上、改めて配信日を設定するという。Netflixは「本件に関し、吉本興業様より再撮影の意向を受け、配信日の変更を決定いたしました。この判断は、クリエイティブ面での判断による再撮影であり、弊社会員のみなさまに全てのコンテンツを楽しんで頂くことを第一に考えるNetflixとしての考えと一致するものであるため、その意向に沿う形での決断となりました」とコメントを発表した。(text:cinemacafe.net)
2017年07月06日まもなく日本公開されるキアヌ・リーブス主演『ジョン・ウィック:チャプター2』。全てにおいて前作より数段にスケールアップした本作で、キアヌ演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの命を狙う沈黙のアサシン・アレスを快演しているのが、全世界の女性からも熱視線が送られる注目女優ルビー・ローズ。このたび、彼女の新たな場面写真とコメントをシネマカフェが独占入手した。Netflixの大ヒットドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」で中性的なステラ役を演じて評判を呼び、日本でも大ヒットを記録した『バイオハザード:ザ・ファイナル』(’16)では、主人公アリス(ミラ・ジョボヴィッチ)の仲間の1人であるアビゲイル役を演じていたルビー。『トリプルX:再起動』(’17)では、アメリカンスーパースター、ヴィン・ディーゼルらとも共演を果たした、いま大注目女優の1人だ。全身に掘られた多数のタトゥーでも知られ、レズビアンをカミングアウトしている。モデルとして有名ファッション誌の表紙を飾るほか、短編映画の脚本・プロデュース、大ヒットアカペラ・コメディの続編『Pitch Perfect 3』(原題)では歌を披露するなど、その多彩な才能でも人気を博している。本作では、映画史上最も激しいといわれるガンアクション、肉弾戦が展開されていくが、類まれなる運動神経で華麗にアクションをこなすルビーの姿は、ひと際目を引く。ルビーは、このアクションシーンについて「チャド(・スタエルスキ)監督は違う種類の格闘技、戦いの形、ときにはダンスの形までもを融合させ、変化させてガン・フーやナイ・フーなどのオリジナルのものを作り出していて、そこがイカしてるの」と語り、『マトリックス』シリーズなどでもアクションを担当した監督の手腕を絶賛する。さらにルビーは、「1作目でもあった柔術を試していたんだけど、私のスタンスや動作を見て、『君はボクサーなの?』って。私が『何年かボクシングをやっていたの』と言ったら、彼は『これは面白くなる』って感じだったわ」と明かす。「だから私たちは、ボクシングで行ってきたトレーニングにナイフと銃を組み合わせて、別の格闘技を作り出したの。次元は全く違ったけど、そうした経験(ボクシング)をしていたことは良かったわ」と、自身のアイディアも盛り込みながら、クリエイティブな感覚でアクションを作りあげていったことに触れた。今回到着した場面写真では、そんなルビー演じる沈黙のアサシン・アレスの自信にあふれた表情の数々が収められている。スーツをビシッと決め込み、ジョン・ウィックを地の果てまで追い詰め、苦しめていくというアレス。息を飲む超絶技巧派のアクションには、引き込まれること間違いなし!躍進を続けるルビー・ローズに、スクリーンでも注目していて。『ジョン・ウィック:チャプター2』は7月7日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョン・ウィック:チャプター2 2017年7月7日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2017 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年07月03日『40歳の童貞男』でメガホンを取ったジャド・アパトーが製作を手掛ける、“ポップスター”の失敗と挫折と転落を描いた、波瀾爆笑のしくじりコメディ『俺たちポップスター』(原題:『POPSTAR NEVER STOP NEVER STOPPING』)。この度、本作の予告編と、ゴールドの背景が目立つポスタービジュアルが公開された。幼なじみのコナー(アンディ・サムバーグ)、オーエン(ヨーマ・タコンヌ)、ローレンス(アキヴァ・シェイファー)が結成した世界的に有名なヒップホップバンド“スタイル・ボーイズ”。 ところが、フロントマンのコナーが“コナー4リアル”として突如ソロデビューし、バンドは呆気なく解散。 専属DJに成り下がったオーエンと、引退して農場主となったローレンスを尻目に、ファーストアルバムが大ヒット して人気絶頂のコナーは自分のドキュメンタリーを製作することに。 しかし、やることなすことが全て裏目に出てしまい、セカンドアルバムは不評で大コケ。世界ツアーも大トラブルで中止に追い込まれてしまう。 果たして、彼らの運命は…?『40歳の童貞男』や『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』のジャド・アパトーが製作を手掛け、「サタデー・ナイト・ライブ」でブレイクしたコメディ・グループ「ザ・ロンリー・アイランド」のアンディ・サムバーグ、ヨーマ・タコンヌ、アキヴァ・シェイファーが製作・監督・脚本・出演を務めるなど、ハリウッドを代表するエンターテイナーがタッグを組んだ本作。到着した予告編では、子ども時代、楽しそうに歌う場面や、見事なドラム演奏を披露するシーン、そして大勢の観客の前でライブを行うシーンなどが映し出される。さらに本作には、俳優、コメディアン、ミュージシャンなど、あっと驚く豪華セレブも多数カメオ出演しているのも注目。『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したことでも記憶に新しいエマ・ストーンや、シンガーソングライターのマライア・キャリーを始め、ジャスティン・ティンバーレイク、キャリー・アンダーウッド、リンゴ・スター、ビル・ヘイダー、ウィン・バトラー、「ザ・ルーツ」などなど、ほかにも錚々たるメンバーが出演する。『俺たちポップスター』は8月5日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)
2017年06月29日『ラ・ラ・ランド』にも大きな影響を与えたジャック・ドゥミ監督の『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』を彷彿とさせる、カラフル&ポップで小粋な社会派フレンチ・ミュージカル『Surquel pied danser』(英題:Julie and the Shoe Factory)が、邦題『ジュリーと恋と靴工場』として、9月、日本公開されることが決定した。田舎町に住むジュリーは、就職難の中、ようやく高級靴メーカーの工場で試験採用を手にする。だが、靴職人の女たちは迫る近代化の波でリストラされることを恐れ、抗議のためパリの本社に乗り込み騒動を起こす。巻き込まれたジュリーはあやうくクビになりかけるが、ほのかな恋の予感も…。職人の意地とプライドをかけてアイデンティティを求める、勇ましく、たくましい女たちとともに、ジュリーは靴工場閉鎖の危機を乗り越え、本当の幸せを手にすることができるのか?25歳、職なし、金なし、彼氏なしのジュリーがやっと手にしたのは、フランスのロマン市にある高級靴ブランドの靴工場での仕事。ジュリーと女性靴職人たちは、“戦う女”と名付けられた赤い靴を武器に、工場閉鎖の危機を乗り超えようとするーー。そんな現代社会を色濃く映したテーマを、ポップなロマンチック・コメディ・ミュージカルに仕上げたのは、本作で長編デビューとなるポール・カロリ・とコスティア・テスチュの新鋭監督コンビ。2017年のパームスプリングス国際映画祭で新人監督賞にノミネートされ、話題を呼んだ。現代女性の葛藤を抱える主人公ジュリーを好演するのは、『EDEN/エデン』のポーリーヌ・エチエンヌ。くるくると変わるキュートな丸い瞳は躍動感と生命力にあふれ、思わず共感してしまう主人公をみずみずしく演じている。また、どこか60年代のフレンチ・ミュージカルの香り漂う、靴や洋服の計算され尽くした色や配置と、本物のダンサーを起用したコケティッシュな踊りと歌には、いつのまにか魅了されてしまうこと間違いなし。本作の舞台となったフランスのロマン市は、元・米大統領夫人ミシェル・オバマ御用達の「ロベール・クレジュリー(Robert Clergerie)」や、かつては「シャルル・ジョルダン(CHARLES JOURDAN)」の工場もあった場所。実際に高級靴の生産地としても知られている。劇中で使われている靴や靴箱は、現地で作られたものが採用されており、歌やダンスだけでなく、細部までこだわり抜いた、現代の“ジャック・ドゥミ”テイストのミュージカルとなっている。『ジュリーと恋と靴工場』は9月23日(土)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年06月29日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第10回】『トロットの恋人』。K-POP出身者にみる俳優の層の厚さについて 最近の韓国ドラマの傾向の一つに、K-POPグループメンバーのドラマ出演がある。主役ではないが、重要な脇役として、配役されることが多く、話題作には必ずその存在がある。ミュージシャンだけでなく、俳優としてもデビューさせるための方法の一つでもあるが、これが必ずしもミスキャストでないのが韓国ドラマの奥深いところだ。今回はまず女優から、有望な新人として、その存在が無視できない例を取り上げてみたい。 まずは何といっても、チョン・ウンジである。A pinkのメンバーの一人でもあるが、『トロットの恋人』(‘14年)を見れば、本当にこれが歌手の演技なのかと疑ったのは筆者だけではないだろう。とにかく、どう考えてもこれは断じて素人芝居ではない。元々女優ではなかったのかと錯覚するほどその演技はこなれていて、庶民的な風貌、人懐っこい雰囲気は日本でいう関西在住の芸人のような味もある。これは実際に見て確認してもらうしかないが、それほど突出した出来といっていい。 これが主役の4人の中の1人で、さらに、もう1人の主役もK-POP出身の男優(チ・ヒョヌ)なのだから、題材がトロット(韓国の演歌のことだが、伝統歌謡ともいわれている)で、舞台が音楽業界という点を差し引いても(実際、この作品はK-POP全盛時代にもかかわらず、「トロット再評価」にもつながったという)、やはり韓国ドラマの俳優陣の層の厚さは驚異的だ。 さらに、歌手に対してこういうのも変な話だが、歌のほうも最初、アイドルシンガー程度と思っていたのだが、ドラマの中で歌うトロットの名曲『人生』(リュ・ゲヨン、’03年)のカバーはあまりのうまさに舌を巻いてしまった。これは一聴すれば誰にでもわかることで、「一芸に秀でる者は多芸に通ず」の典型的な例がここにある。 チョン・ウンジの女優としての評価は、『応答せよ1997』(’12年)で既に証明されていたが、ラブコメ演技満開のこの作品の方が本人生来のキャラクターに合っているように思う。コメディ女優は、他にも、コン・ヒョジン、キム・ソナ、ハン・イェスルと枚挙にいとまがないが、その中でもチョン・ウンジは20代では断トツ、しかも圧倒的な存在で、その意味でも、この『トロットの恋人』は必見だ。
2017年06月19日飯豊まりえ&武田玲奈がW主演で女性航海士を目指す、7月スタートの青春コメディ「マジで航海してます。」。このほど、本作のメインビジュアルとともに、桜田通や「BOYS AND MEN」勇翔など、注目の若手俳優ら追加キャストが明らかとなった。本作は、ある大学の練習船・未来丸を舞台に、1年生の坂本真鈴(飯豊まりえ)と石川燕(武田玲奈)が、新入生最初の試練である1か月間の“乗船実習”に参加し、厳しい訓練メニューや船酔いに立ち向かいながら、仲間の男子学生とともに外航船員を目指して奮闘する青春“船舶”コメディ。第1話「マジで航海したい女VSマジで後悔してる女」では、船舶職員の養成を行う関東商船大学と神戸海南大学の合同による“練習船実習”の日がやってくる。商船大学に入学したことをいまも“後悔中”の燕は重い気分で参加。そこで、自分とは正反対の「海大好き!船大好き!航海士になりたい!」という真鈴と出会い、初日から真鈴の巻き起こす騒動にふり回される。さらに、同じ班になった八木大和、鳴海新太、木暮健介、山田翔太郎とも衝突し、波乱の船出となってしまい…。『暗黒女子』やdTVの「パパ活」など話題作が続く飯豊さんと、『ラストコップ THE MOVIE』やNetflixの「100万円の女」などで活躍を見せる武田さんの19歳同級生コンビが、連続ドラマ初主演を果たす本作。2人が演じる真鈴と燕は東西2つの大学から集まった4人の男子実習生とチームを組み、“男子が8割”という男だらけの船の上で1か月間を過ごすのだが、今回、その注目の男子学生たちが明らかに。まず、真鈴らと同じ関東商船大学1年生で、燕のことが気になっているヘビー級のシャイボーイ・八木大和役には、『君の膵臓をたべたい』(7月28日(金)公開)や「クズの本懐」など、映画・ドラマで活躍する若手注目株の桜田さん。神戸海南大学の1年生で、筋肉自慢の鳴海新太役には、本作のために書き下ろされた主題歌「帆を上げろ!」を歌う「ボイメン」こと「BOYS AND MEN」のメンバー・勇翔さん。海南大1年生だが、外資系企業を辞めて航海士を目指す25歳・既婚者の木暮健介役には、『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』(8月19日(土)公開)にも出演する井澤勇貴。そして、商船大1年生で、頭脳派で船や海を調べつくす山田翔太郎役には、『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』に出演していた池本啓太。夏ドラマにふさわしいフレッシュなイケメンキャストが集結し、コミカル&キュートな主人公を中心に、時には和気あいあいと、時にはぶつかり合いながらも成長していく青春ストーリーが展開する。さらに、「鬼の横山士官」の異名を持つ航海科先任士官・横山和也役に堀部圭亮、飄々としているが常に冷静沈着な未来丸船長・林田洋之介役に温水洋一、同じ船好きとして真鈴に理解を示す次席一等機関士、関根啓司役に岡田浩暉、クールで操舵室まわりの指導を行う次席一等航海士の藤原茜役に岩井堂聖子ら、個性豊かな実力派キャストが加わる。また、飯豊さん、武田さんに男子学生たちが一堂に会したメインビジュアルも公開。オレンジと青の訓練着に身を包んだキャスト6人が、風にたなびく旗をバックにそれぞれのポーズを決めており、爽やかで勇ましいデザインにより、夏にぴったりのドラマの世界観を表現。なお、本作では外航船員(航海士、機関士など)の魅力や醍醐味を伝える「J-CREWプロジェクト~やっぱり海が好き~」や、船員を養成する各大学の協力を得て、実際の船員や候補生への取材をもとにシナリオ作成や撮影を敢行。航行する船上での訓練シーンはもとより、食事・入浴など船内での生活風景、陸から長期間はなれて働く“船乗り”特有の生態などがリアルに描かれている点も大きな見どころとなっている。以下、男子学生キャストコメントが到着した。■桜田通八木大和役船の上での若者たちの青春ストーリーになるかと思いきや、船酔いなどリアルな描写をコミカルに描いた、笑って泣ける作品になっていると僕は願っています。表情やリアクションなど、いままでの作品では挑戦したことのない演出もあったので、僕もこのドラマを観て下さる皆様と一緒に最後まで楽しみたいと思います。■勇翔鳴海新太役今回キャストの方とは全員初共演でしたがすぐに打ち解けることができ、遠慮することなく撮影できたと思います。監督も面白い方でコメディシーンは全力でバカやらせていただきました。衝突しながらも実習生1人1人が成長していく、爽やかで夏にぴったりの青春ドラマだと思います。是非沢山の方にご覧いただきたいです!■井澤勇貴木暮健介役青春コメディですが題材が「航海士」なので一味違った楽しみ方が出来ると思います。数日間ではありましたが、実際に船の上に立ち乗組員の方たちに色々教えていただき貴重な経験、そしてチームワークを学べました。マジで見て欲しいです。■池本啓太山田翔太郎役このドラマは航海士を目指す若者たちを描いた青春コメディです。その中で僕が演じる山田翔太郎は体力自慢の学生が多い中、線も細く、メガネをかけていて、デリケートですぐにお腹を壊しやすい少年です。翔太郎を含め仲間たちが少しずつ成長して行く姿はこのドラマの見どころです。僕は青春ドラマに出るのが夢で、今回このドラマの現場で歳の近い共演者の方々と共に青春を演じ、過ごす事が出来て最高に幸せでした。「マジで航海してます。」は7月2日(日)より毎週日曜日深夜0時50分~MBSにて、4日(火)より毎週火曜日深夜1時28分~TBSにて放送。(text:cinemacafe.net)
2017年06月19日ゲーム、アニメ、漫画、玩具…と幅広く展開され、瞬く間に日本中の子どもたちに愛される作品となった「妖怪ウォッチ」。スクリーンでもその人気は健在で、劇場版1作目から3年連続、映画ランキング初登場1位(※興行通信社調べ)のメガヒットを記録してきたが、この度、第4弾にして新たな展開を迎える最新作が『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』に決定。12月16日(土)より公開されることになった。かつて、妖怪を操る不思議な“腕輪(ウォッチ)”を持った少年がいた。ところが、少年が大人になったとき、彼には妖怪の姿が見えなくなってしまった。役目を終えた、その“腕輪(ウォッチ)”は時空の彼方に葬り去られた――。そして30年後…。穏やかな日常は終わりを告げ、迫りくる彗星とともに運命の日が始まる。恐るべき妖怪ウイルス“鬼まろ”が、人の悪意に感染して無限に増殖していく…。人類滅亡の危機を救えるのは、妖怪ウォッチに選ばれし者。新たな妖怪ウォッチを手にし、人間と妖怪の絆を取り戻せるのか!?なんと今回は、「妖怪ウォッチ」シリーズの主人公・ケータの時代から30年後の世界が舞台。妖怪ウォッチに選ばれし者、登場人物はみな一新され、お馴染みのキュートな妖怪たちが驚きの姿で登場する。解禁されたティザーポスターにも、リアルすぎるジバニャンの衝撃の姿が!30年の間に、いったい何があったのか!?あわせて、本作に登場するキャラクターも明らかに。まず、新たな主人公となるのは、世話好きな13歳の女の子・ナツメ。幼いころ川に溺れたとき、“なにか”に助けられた記憶がある。同じく13歳のトウマは、両親は共働きで忙しく、いつも1人で孤独を感じているという男の子。アキノリは、代々、妖気を使った占いを行う家系“有星家”の長男で、ひょうきんな性格の持ち主。そして、車にひかれて死んだネコの地縛霊、ジバニャン。かつて、多くの人間と接触し、妖魔界でも一目置かれていたが、人間と別れてから放浪の妖怪に。ウィスパーは、かつて「妖怪ウォッチ」をもつ人間に妖怪について教えていた妖怪執事。エンマ大王の使いとしての役割を務めている。コマさんは、神社でいきなりコマイヌが倒れて下敷きになり妖怪となった。また、ミッチーはアクティブな人型タイプに憧れる妖怪。正義感は強いが、見た目によらず実は弱い。そんな妖怪たちの妖魔界をおさめる王が、エンマ大王だ。妖怪たちと人間たちが、ともに手を取り合うことを推進している。その側近で、沈着冷静、妖魔界や人間界に対して幅広い知識を持つぬらりひょん。さらに、恐るべき妖怪ウィルス、鬼まろ(オグ・トグ・モグ)が登場!トウマに取り憑き、闇に引き込もうとするが…。妖怪には、「ライトサイド」「シャドウサイド」2つのモードが存在するという。今回は、ジバニャンの2モードが到着したが、ちょっぴり怖いシャドウサイドのジバニャンたちも注目。これまでとは一味違ったシリアスでちょっと怖いホラー要素に、いままでの楽しさも盛り込まれた新しい世界観となる様子だ。原案・脚本・製作総指揮を務める日野晃博氏は、「今回の映画では妖怪ウォッチの新しい可能性にチャンレンジしています」と語る。「今回の新しい世界観も、きっと好きになっていただけると思います。妖怪ウォッチというテーマを使って、大人も子どもも好きになれる『まったく新しいホラーコメディ』をつくりあげました。今回は、これまでよりも、ゾクッとする怖いところがあったり、ドッと笑えるところがあったり、激しいバトルに熱くなるところもあったり、見る人の感情の振れ幅が大きいと思います。家族みんなでドキドキワクワクできる作品となりましたので、楽しんでください」と期待を寄せている。また、「新しい3人の主人公はすごく魅力的ですね。3人それぞれが、妖怪と違う出会い方をして、違う思いを抱いています。その3人が友情を通じ合わせ、大きな存在に立ち向かっていきます。3人の主人公を中心に、怖くて、アツくて、笑えて、心温まるストーリーが展開します」と新しい登場人物を紹介。「今回の売りは何と言っても、妖怪たちに『シャドウサイド』と『ライトサイド』という2つのモードがあるというところですね。これによって、怖さと笑いの両方をいままで以上に、印象深く表現できるようになりました」と明かしている。さらに、歴史上の有名なキャラクターたちもたくさん登場し、物語を盛り上げていくというから期待大。なお、「妖怪ウォッチ ぷにぷに エンマ大王 ボールチェーンマスコット」が付いてくる劇場前売券が7月15日(土)より発売決定。本作から始まる、「妖怪ウォッチ」の新章に引き続き注目していて。『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』は12月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年06月15日石川佳純・吉村真晴ペアが48年ぶりの世界卓球金メダルを獲得したことでも話題を集める“男女混合ダブルス”を題材に、新垣結衣と瑛太のW主演で描く新感覚ロマンティックコメディ『ミックス。』。本作に、モデルで女優の中村アンが“黒髪おかっぱ”のまるで別人のような姿で出演していることが判明、吉田鋼太郎とペアを組むことが分かった。母のスパルタ教育により、かつて“天才卓球少女”として将来を期待された28歳独身・多満子(新垣結衣)。母の死後、普通に青春を過ごし、普通に就職する平凡な日々を送っていたが、会社の卓球部のイケメンエース・江島(瀬戸康史)に告白され付き合うことに。ついにバラ色の人生が! と思った矢先、新入社員の美人卓球選手・愛莉(永野芽郁)に江島を寝取られてしまう。人生のどん底に落ち、逃げるように田舎に戻った多満子。亡き母が経営していた卓球クラブの再建と、打倒“江島・愛莉”ペアを目標に、ケガで引退した元日本ランカーのプロボクサーの新入部員・萩原(瑛太)と混合ペアを組むことに!日本卓球界に久々の金メダルをもたらしたことでも注目を集める男女混合ダブルス(=ミックス)。本作では、「ラブ」「スポーツ」「コメディ」という3つのジャンルを、脚本家・古沢良太と監督・石川淳一という「リーガル・ハイ」「デート~恋とはどんなものかしら~」を手掛けたコンビにより表現。不器用でどこか欠点だらけの登場人物たちが卓球を通じて小さな“奇跡”を起こし、恋と人生の再生に進む姿が描かれていく。そんな本作に参戦することになった中村さん。モデルとして、エムオン・エンタテインメント「and GIRL」と集英社「BAILA」でレギュラーモデル、集英社「MAQUIA」では連載を務め、年間20冊以上の雑誌で表紙に掲載される人気者。近年では「女性が憧れる芸能人の体型ランキング」で1位に選ばれるなど、その体型維持やライフワークが支持され多くの女性ターゲット商品のCMでも知られる。現在は、日曜劇場「小さな巨人」に横沢亜美役で出演中で、 2015年10月クールの「5→9~私に恋したお坊さん~」(CX)から始まりTBS「家族ノカタチ」、KTV「お義父さんと呼ばせて」、NTV「世界一難しい恋」、CX「営業部長 吉良奈津子」、NTV「レンタル救世主」、 CX「突然ですが、明日結婚します」そしてTBS「小さな巨人」と7期連続で各キー局の連続ドラマに出演しており、女優としても大活躍中。「私は警察官の役で、上司役の吉田鋼太郎さんとペアを組み、新垣結衣さん・瑛太さんのペアと戦います。黒髪のおかっぱ姿で出演していて、普段の私とは違う姿を見せることができたと思います」と中村さん。「笑いあり、涙あり、恋愛あり、気がついていないだけで大切な人は意外と近くにいる!? と思わせてくれる素敵なロマンティックコメディです。是非、劇場で観ていただきたいです」と、期待が高まるコメントを寄せている。『ミックス。』は10月21日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ミックス。 2017年秋 全国東宝系にて公開(C) 2017 フジテレビジョン
2017年06月05日第70回の記念大会の幕を閉じた、カンヌ国際映画祭。12日間の華やかな、ときに悲しいニュースもあった世界一の映画の祭典をふり返ってみよう。韓国のホン・サンス監督はコンペティション部門に『The Day After』(原題)、特別上映に昨年のカンヌ期間中に撮影されたイザベル・ユペール主演『KEUL-LE-EO-UI KA-ME-LA』(原題)の2本が入り、注目を集めた。というのも、どちらの作品にも出演している女優キム・ミニとホン・サンス監督の不倫が昨年発覚し、大きなスキャンダルに発展した経緯があるからだ。『The Day After』は夏目漱石の小説から題名を借りた、不倫を題材にしたコメディ・ドラマ。公式記者会見でホン・サンス監督は、キム・ミニに対し「彼女は素晴らしい女優ですし、私は彼女を愛しています」と、愛情をストレートに表現。レッドカーペットにも、堂々と手をつないで登場した。56歳の大物監督と、『お嬢さん』などの35歳の人気女優の熱愛ぶりは、華やかなカンヌらしい光景ともいえる。男優賞を受賞したホアキン・フェニックスは、授賞式に恋人ルーニー・マーラと参加。公の席に二人で姿を見せたのは初めて。受賞会見でも「カンヌにくる前、ガールフレンドに『カンヌは良い経験になるはずだ。きっとぼろくそに叩かれるだろうから』と話していたんだよ。それなのにまさか受賞してしまうなんて驚きだった」とルーニーの名前こそ出さなかったが、ご機嫌に語った。ちなみにルーニーは、2年前に『キャロル』で女優賞を受賞している。映画祭中盤の23日には、70回記念ソワレ(夜会)が開かれ、歴代の受賞者、審査員らが100名以上大集合。イザベル・ユペールの司会のもと、カトリーヌ・ドヌーヴ、ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、ウィル・スミス、ベネチオ・デル・トロ、マッツ・ミケルセン、ケン・ローチ、クロード・ルルーシュ、ジャン=ピエール・レオら錚々たる面々が顔を揃え、ハッピー・バースデーを合唱した。ソワレ前には前夜に起きたマンチェスター・テロ事件の被害者を悼み、1分間の黙祷が捧げられ、映画祭は公式に「文化イベントへの攻撃は許さない」と抗議声明を発表。カンヌ映画祭でも今年は空港と同じような金属探知機が設置されるなど警備は物々しかった。それでも20日にクリント・イーストウッドが登壇した『許されざる者』25周年記念上映終了直後には、危険物が発見される騒ぎがあった。また映画祭2日目には、カンヌを訪れていた釜山国際映画祭のキム・ジソク副委員長が心臓発作で客死という、不幸な出来事もあった。まだ57歳だった。71回目のカンヌには悲しい事件がないことを祈りたい。(photo / text:Ayako Ishizu)(photo / text:Ayako Ishizu)
2017年05月31日第70回カンヌ国際映画祭授賞式が28日夜(フランス現地時間)に行われ、栄えある最高賞パルムドールには、スウェーデンのリューベン・オストルンド監督の『THE SQUARE』 が選ばれた。『フレンチアルプスで起きたこと』などで知られる監督は、初のコンペティション入りでいきなりパルムドールを獲る大金星。映画は現代アートの世界に生きる人々を風刺たっぷりに描いている。コメディがパルムドールいうのは近年珍しく、審査委員長のペドロ・アルモドヴァルは「政治的な正しさというものを風刺していて、とてもおかしく、イマジネーションに溢れている」と語った。現地の下馬評で一番人気だったロバン・カンピヨ監督(フランス)の、エイズ啓発グループをめぐるドラマ『BPM(Beats Per Minute)』は次点に当たるグランプリとなったが、これもアルモドバルは涙を浮かべながら絶賛。「審査員はみんなお互いを尊重した」と言いつつ、僅差だったことをうかがわせた。また、ウィル・スミスは自分が推した作品が無冠だったことについて「(審査における)民主主義は最低だよ!」と笑わせた。男優賞は『YOU WERE NEVER REALLY ME』 で、トラウマを抱える殺し屋を演じたホアキン・フェニックス。女優賞は『IN THE FADE』でネオナチに家族を殺される女性を演じたダイアン・クルーガーに贈られた。授賞式で名前を呼ばれたホアキンはしばらく固まってしまうほど驚き、登壇後もオロオロしてからようやく「まさか受賞すると思わなかったから、スニーカーで来ちゃったよ」と語って、会場をドッと沸かせた。受賞者会見で「あの驚きも演技ではないのか」と問われたホアキンは、「まったく演技じゃないよ。本当に予想もしていなかったんだ。僕は映画賞なんて縁がないからね」と笑顔で答えたが、ゴールデン・グローブ賞やヴェネチア映画祭での受賞は忘れてしまったのか、と司会者に突っ込まれる一幕も。実は監督のリン・ラムジーが脚本賞で先に名前を呼ばれており、カンヌでは受賞は1作品につき1つという原則があるため、余計に戸惑ったのかもしれない。女優賞のダイアン・クルーガーは今回の大本命で「これは家族の、そして母親の物語だと思って演じた。本当にエモーショナルな役だった」と語った。クルーガーはドイツ出身ながら初めてのドイツ映画出演でもあり、監督であるファティ・アキンに感謝を捧げた。監督賞は『THE BEGUILED』のソフィア・コッポラ。女性監督の同賞受賞は1961年のユリア・ソーンツェワ(『戦場』)以来の快挙となった。また同作と、『THE KILLING OF A SACRD DEER』に主演し、さらにコンペ外作品も含めるとなんと4本もの主演作がカンヌで上映されたニコール・キッドマンには、70回記念賞が贈られた。すでに帰国していたため代理でウィル・スミスがニコールになりきって受賞し、相変わらずの茶目っ気を見せた。昨年はプレスから大絶賛された『ありがとう、トニ・エルドマン』が無冠に終わるなど大きな番狂わせがあったが、今年は比較的順当な結果となった。主な受賞結果は以下の通り。パルムドール『THE SQUARE』 リューベン・オストルンド70回記念賞 ニコール・キッドマングランプリ『BPM(Beats Per Minute)』ロバン・カンピヨ監督賞『THE BEGUILED』ソフィア・コッポラ男優賞『YOU WERE NEVER REALLY HERE』ホアキン・フェニックス女優賞『IN THE FADE』ダイアン・クルーガー審査員賞『LOVELESS』アンドレイ・ズビャギンツェフ脚本賞『YOU WERE NEVER REALLY HERE』リン・ラムジー、『THE KILLING OF A SACRED DEER』ヨルゴス・ランティモス(photo / text:Ayako Ishizu)(photo / text:Ayako Ishizu)
2017年05月29日15歳という年ごろを迎えた息子とシングルマザー、さらに2人の個性的な女性たちの夏の交流を描く『20センチュリー・ウーマン』。本作で描かれる“20世紀の女性たち”について、マイク・ミルズ監督やグレタ・ガーウィグ、エル・ファニングらが語る特別映像が到着した。『人生はビギナーズ』で自身の父をモデルにしたミルズ監督が、今回は自身の母をテーマに作りあげた本作。第89回アカデミー賞にて監督が手がけたオリジナル脚本が脚本賞にノミネート、第74回ゴールデン・グローブ賞ではミュージカル/コメディ部門作品賞と主演女優賞(アネット・ベニング)にノミネートされた。1979年、カルフォニア州サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期真っただ中の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育方針に悩み、ジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)、ルームシェアをする20代のパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)に協力を依頼する。「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」というドロシア。15歳の少年と、彼女たちの特別な夏がはじまった――。このたび到着した映像で、ミルズ監督は「舞台となる1979年はいまの時代と共通点が多い」と話し始める。続いて登場するのは、パンキッシュな写真家アビーを演じたグレタ。「20世紀は女性にとって変革の時代だった」と語る彼女が演じるアビーは、『地球に落ちてきた男』のデヴィッド・ボウイに影響されたという真っ赤なショート・カットとロックなファッションが印象的だが、子宮頸がんと診断されニューヨークから戻ってきたというキャラクター。監督の実姉がモデルとなっているという。さらに、「避妊が合法化された。女性が人生を選ぶ権利を求めて団結したからよ」と語るのは、「プランド・ペアレントフッド」(全米家族計画連盟)代表のセシル・リチャーズだ。「マイクは女性のリアルな物語を分かりやすく描いてくれた」と語り、監督の手腕とそれを体現したキャストたちに称賛を贈っている。70年代後半の空気感を鮮やかにとらえた映像とともに、愛情深いシングルマザー、挫折を抱えた姉貴のような存在、大人びた同級生と3人の女性キャラクターたちが、ミルズ監督の分身である少年に影響を与えていく本作。この映像から見えてくる女性たちの姿に、注目してみて。『20センチュリー・ウーマン』は6月3日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:20センチュリー・ウーマン 2017年6月3日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2017年05月27日本国フランスで「ときめきのコンビ」と称された大人の2人が織りなす、一風変わったラブストーリー『おとなの恋の測り方』。このほど、彼女の携帯電話をきっかけにした運命的な恋のはじまりを予感させる、約3分もの本編冒頭映像が解禁となった。美しく聡明な女性弁護士ディアーヌは、偶然の巡りあわせから建築家のアレクサンドルと出会う。彼女が3年前に離婚したと知ったアレクサンドルは、積極的にディアーヌにアプローチ。一方、ディアーヌも快活でポジティブ、自分の弱点…ディアーヌよりとても背が低いことすらジョークにしてしまう彼に魅せられていくが、そんな2人の関係に対する周囲の風当たりは強く…。本作は、南フランスから届いた、粋でハートウォーミングな極上のロマンティック・コメディ。アレクサンドルを演じるのは、『アーティスト』でフランス人俳優として初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞した演技派のジャン・デュジャルダン。ディアーヌ役には、『VICTORIA』(原題)でセザール賞主演女優賞にノミネートされ、フランスのロマコメ女王として人気急上昇中のヴィルジニー・エフィラ。彼らが、ちょっぴり辛口のユーモアも含め、絶妙のコメディセンスをスクリーンに開花させる。そんな本作から届いたのは、ディアーヌとアレクサンドルの運命の出会いのプロローグ。敏腕弁護士のディアーヌは3年前に離婚したものの、元夫ブリュノは仕事上のパートナーで、オフィスで顔を合わせては喧嘩ばかり。今日もむしゃくしゃする気持ちで帰宅した彼女のもとに、1本の電話が入る。相手の名はアレクサンドル。ディアーヌがレストランに忘れた携帯を拾ったので、渡したいという。「なぜ私を追いかけて渡さなかったの?」と尋ねるディアーヌに、「そうすれば簡単だけど、携帯を受け取って“ありがとう”で終わり。改めて渡せばもっと君の気を引ける」と、粋な口説くアレクサンドル。彼の知的でユーモラスな口調に気分も一変、ほのかなときめきを覚えたディアーヌは、嫌なことも忘れてしまい…。まさに“映画のような”奇跡的な出会いを果たした2人。ディアーヌの“恋する”ドキドキが伝わってくるかのような冒頭シーンを、まずはここから確かめてみて。『おとなの恋の測り方』は6月17日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:おとなの恋の測り方 2017年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2016 VVZ PRODUCTION-GAUMONT-M6 FILMS
2017年05月27日落ち目の劇作家・ブリュールが、将来有望な元教え子・アンダーソンの出現により、犯罪に手を染めていくミステリー『デストラップ』。ブロードウェイでのロングラン後、映画化もされた傑作に、片岡愛之助が挑む。「やはり面白い、名作ですよね。僕が演じるブリュールはかつてトップを獲っていた男。その栄光の日々を知っているからこそ、目の前に現れたアンダーソンに対して嫉妬し、屈折した感情を抱いてしまう。僕自身はあまり人のことを妬んだり、羨ましいとは思ったことがありません。ですから今回この役をやらせていただくことにより、自分の中にどんな感情が沸き上がってくるのか、すごくワクワクしています」翻訳、演出を手がけるのは、『勇者ヨシヒコ』シリーズなどに代表されるように、コメディを得意とする福田雄一。それだけにこの珠玉のサスペンスが福田の手によっていかに生まれ変わるかが、今回の舞台化の大きなポイントとなる。「福田さんが翻訳・演出されるわけですからね。逆に笑いのないものが出来るのかな?とも思いますが……(笑)。独特なギャグセンスとおしゃれさ、それでいてベタな部分も欠かさないのが福田さん作品の魅力。素晴らしい才能の持ち主だと思いますし、そんな福田さんが手がけられる『デストラップ』がどういったものになるのか?本当に想像がつかないですし、その想像のつかなさが今から楽しみでもあります」今春上演されたブロードウェイ・ミュージカル『コメディ・トゥナイト! ローマで起こったおかしな出来事〈江戸版〉』から、笑いのある作品への出演が続く愛之助。「コメディではやはり“間”がとても重要で、お客さまは一瞬でも間がズレたら決して笑ってはくださいません。その難しさを『コメディ~』の時に痛感しました。ただ今回の『デストラップ』は、ひたすら明るく賑やかな『コメディ~』とは違った、計算され尽くした笑い。こちらもまた難題となりそうですが、俳優としては嬉しい挑戦になるのではないかと思います」愛之助と福田のタッグに期待は高まるが、愛之助が福田色に染まってしまうのでは?という心配もあり……。「いやいや、それは喜んで染まりますよ(笑)。俳優祭などでは福田さんがよくやられているようなパロディを取り入れることもありますから。そしていつかは“福田歌舞伎”も書いていただけたら……。もちろん歌舞伎を冒涜しない程度にね(笑)」本作が“福田歌舞伎”への重要な布石になるかもしれない。公演は7月7日(金)から23日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。取材・文:野上瑠美子
2017年05月19日ダンス×J-POP×演劇という独自路線で快進撃を続けるダンス・エンタテインメント集団「梅棒」。J-POPや懐メロなどのヒット曲で構成し、その歌詞と曲の世界観で描き下ろしたオリジナルの物語を繰り広げる。セリフはない。でも、まるでセリフをしゃべっているよう。音楽の力をもとに、ドラマをダンス×演劇で表現する新ジャンル。わかりやすく、楽しい。ダンスファン×演劇ファン×J-POPファンが客席に入り乱れ、エンタメ業界も大注目だ。梅棒 7th ATTACK『ピカイチ!』チケット情報演劇界デビューは2012年。大阪には14年に初登場、徐々に公演劇場が大きくなり、参加ゲストも増えた。今回は、東京、大阪、福岡と、初めて愛知へ上陸を果たす4都市ツアー。総合演出・出演の梅棒のリーダー・伊藤今人と共に、今作『ピカイチ!』にゲスト出演するw-inds.の千葉涼平が来阪、意気込みを語った。千葉は、昨年梅棒を初体験。「周囲から『最近、梅棒の舞台がヤバイ』って聞いていて、やっと昨年、観に行けました。すごくおもしろかった!」。今回の物語は、転校生によって、楽しく平和な学園に大騒動が巻き起こる!という、青春学園モノ。「僕らは基本的にお客さんに喜んでもらえるものを目指したいんです。だから今回、ファンの人が既に知っている千葉君ではなく、やったことのない役がいいだろうなと、ちょっと悪い役にしました。これまで観たことのないブラック千葉君です(笑)。で、ガッツリ踊ってもらいますよ!」と伊藤。千葉は「悪役は初めてなので、新しい自分を引き出していただけるのかなというワクワク感があります。でも、梅棒さんの世界観に自分が入ったらどうなるんだろう、どんなキャラクターができ上がるんだろうって、楽しみなんですけど、まだ想像がつかなくて(笑)」。千葉はヒールなカリスマ役とは言え、「コミカルなところも担ってもらおうと。行き過ぎたカリスマって、ちょっとおもしろいじゃないですか。今回はドタバタバカバカアクションですから(笑)。コメディ集団としての梅棒を楽しみに来てほしいですね。使う曲はいつものように20曲ぐらい。w-inds.の曲も生かせたらいいんですけどね~。今回は、オレとか千葉君とか、昭和最後の世代はみんな楽しめる曲が並んでます(笑)。初恋した時、振られた時、部活頑張ってた時にかかってた曲とか…ノスタルジーに浸って、曲と一緒に学生時代を思い出してもらえると思いますよ」。ゲストには千葉のほか、吉川友、後藤健流らも出演。「ギリギリまでかかりましたけど、いいのできました。おもしろいっす!」(伊藤)。公演は、6月23日(金)から7月2日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木、7月4日(火)・5日(水)大阪・森ノ宮ピロティホール、7月8日(土)から9日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月12日(水)・13日(木)愛知・名古屋市青少年文化センター アートピアホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年05月18日米BOX OFFICE MOJOは5月12日~5月14日の全米週末興業成績を発表した。前週に続いて『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』が2位以下を大きく引き離し、2週連続で首位にランクイン。累計興行収入2億4,616万4,419ドルと2億ドルの大台をクリアした。2位はゴールディ・ホーンとエイミー・シューマー演じる親子の南米での珍道中を描いたコメディ『Snatched(原題)』が初登場。『ウォーム・ボディ』のジョナサン・レヴィンが監督を務める他、『ゴーストバスターズ』『デンジャラス・バディ』のケイティ・ディポルドが脚本を担当している。3位も初登場の『キング・アーサー』。ガイ・リッチー監督の最新作で、中世英国の騎士道譚"アーサー王物語"を新たな解釈で映画化したアクションエンターテインメント。『パシフィック・リム』のチャーリー・ハナムが主演を務める他、ジュード・ロウが敵役を演じている。前週2位の『ワイルド・スピード ICE BREAK』は4位にランクダウン。続く5位『The Boss Baby(原題)』、6位『美女と野獣 (2017)』、7位『How to be a Latin Lover(原題)』もそれぞれ3位、5位、4位から順位を下げた。その他初登場は8位の『Lowriders』。東ロサンゼルスの"ローライダー"と呼ばれるカスタムカー社会を、2011年の『明日を継ぐために』でアカデミー主演男優賞候補となったメキシコ人俳優デミアン・ビチル主演で描いた作品だ。
2017年05月15日昨年6月に上演された『昆虫戦士コンチュウジャー』の好評を受け、再演となる『昆虫戦士コンチュウジャー~ただの再演じゃ終わらない、そうだろみんな!?~』が、 5月10日、東京・あうるすぽっとにて開幕した。舞台『昆虫戦士コンチュウジャー~ただの再演じゃ終わらない、そうだろみんな!?~』チケット情報劇団「犬と串」のモラルが作・演出を手掛ける本作は、地球の味方“昆虫戦士コンチュウジャー”と侵略者“爬虫類帝国”の戦いを描く新感覚のシュールなヒーローコメディ。主役の中年「ヤゴ」戦士・時羽奏(ときわそう)役をモト冬樹が演じ、その若かりし頃を今大注目の若手俳優、本田礼生が演じることでも話題に。囲み取材で主演のモトは「メンバーが変わったこともあるが、初演を生かして、確実にパワーアップしている。このカンパニーは練習好きで、とことんコメディを追求しており、自分はこの作品を、コメディ界のシルク・ドゥ・ソレイユだと思っている」とコメント。「例えギャグがすべったとしても、それは見ている人にセンスが無いんだと思う」と、作品の出来に自信を覗かせた。さらに今回は、再演初日と同時に、待望の続編についても発表が。一連のシリーズの作・演出を手がけるモラルは「コンチュウジャーについては、徹頭徹尾ギャグでありながらも、平和を愛するというテーマ性が込めることを大切にしている。8月上演の次回作は、それを守りつつ、敵のコンチュウジャーが出てくるという展開になるので、楽しみにしておいてほしい」とコメント。次回作には伊勢大貴が演じる、悪のヒーローネオコンチュウジャーのリーダー・雷モンも登場で、ますますシュールな展開が予想される。今回の公演の来場者については、来場者限定最速先行も実施されるため、気になる人は、是非劇場まで足を運んでほしい。MMJプロデュース公演『昆虫戦士コンチュウジャー~ただの再演じゃ終わらない、そうだろみんな!?~』は5月18日(木)まで東京・あうるすぽっとにて。
2017年05月15日今年、ドラマ「Atlanta」(原題)でゴールデングローブ主演男優賞と作品賞(ミュージカル/コメディ部門)を獲得したドナルド・グローヴァーが、「デッドプール」のアニメドラマを製作することが明らかになった。弟のステファンとともに製作総指揮と脚本を担当するという。ラッパー、コメディアン、俳優、脚本家、監督など多彩な才能の持ち主で、近年活躍が目覚ましいドナルド。アニメの「スパイダーマン」の声優を務めた過去や、まもなく公開される『スパイダーマン:ホームカミング』にも出演するなど、マーベルとのつながりも深い。マーベルコミックスの「デッドプール」の原作者、ロバート・ライフェルドはインスタグラムでアニメ化への喜びを爆発させている。「僕が秘密を守れないなんて言わせないよ!だって、僕はこのことを12か月間も内緒にしていたんだから。(今年1月に開催された)ゴールデン・グローブ賞では、ドナルドに大急ぎで駆け寄って、彼がアニメをプロデュースしてくれることがとてもうれしいと伝えたんだ。大興奮さ!」。「大人向けのアニメコメディ」になるという「デッドプール」のアニメは、2018年に全10話がリリース予定。正式なタイトルとボイスキャストはまだ発表されていない。So hopefully this picture makes even much more sense now!! Don't ever let it be said I can't keep a secret as I've known about this cartoon for 12 months! On Golden Globes night I raced over to Donald to tell him how thrilled I was that he was producing Deadpool! SO EXCITING! Pinch me!! Congrats FX , Marvel and Donald Glover! #robliefeld #deadpool #xforce #marvel #donaldglover #atlanta #robliefeldcreationsRobertLiefeldさん(@robliefeld)がシェアした投稿 - 2017 5月 10 9:10午前 PDT(Hiromi Kaku)
2017年05月12日●「うおー!」床を転がるTSUTAYAが主催するプロ・アマ向けの映画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM」(以下TCP)。受賞作には最低でも5,000万円の製作費が用意されるという破格の"映画愛"は業界内で話題となり、毎年数多くの作品が寄せられている。3回目を迎える今年も、いよいよ応募期限が迫り(WEBエントリー締め切り:6月13日/企画書など郵便物送付締め切り:6月16日必着)、5月17日にはTCPのトークイベント・応募説明会「オリジナル企画誕生から映画化までに迫る!」も開催される。マイナビニュースでは、昨年受賞した4人に接触。受賞作の制作前に受賞の喜びや過程、そして"映画愛"を掘り下げた。第1弾は5月17日開催のトークイベントに登壇するヤング ポール氏を紹介(32)。『ゴーストマスターズ! ~呪いのビデオができるまで~(仮)』で準グランプリを受賞した同氏。アメリカ人の父、日本人の母を持ち、フリーランスの監督として数々の映像作品を手掛けてきた。同作の舞台は、低予算ホラーの撮影現場。現場で次々と奇妙な現象が起こる中、スタッフはタイトなスケジュールと低予算という状況に追い込まれ、異変に気づかず。やがて、悪霊たちが彼らに襲いかかる。なぜ、ホラーコメディなのか? その答えにこそ、同氏の"擦り切れない"信念が宿っていた。――準グランプリおめでとうございます。受賞の実感は?「どうすれば面白くなるのか」を追求していたのですが、受賞してより具体的に考えるようになりました。自分の中の気持ちとしては、映画化に向けてギアが少し入ってきたかなという感じです。――受賞する手応え、自信はあったんですか?うーん……ある程度時間をかけて、「うおー!」と唸りながら床を転がっていた日々をすごしていたので(笑)、そういう意味ではやり切ったのかなと。でもその結果を「面白い」と判断してくれるかどうか、受賞するかどうかは「僕のマターじゃない」というか。自信があったといえばありましたが、結局はタイミングと人との縁なのかなとも。散々ジタバタした上で、「ジタバタしてもしょうがない」となりました(笑)。――どのくらい床を転がっていたんですか?3カ月ぐらいでしょうか(笑)。審査のプロセスが3段階ありまして、1次審査で企画書を提出するんですけど、まずはどういう物語なのかを自分の中で練り上げないといけない。そこでまず床がめちゃくちゃになりました(笑)。無事に提出して返事をもらえるまでの1カ月、その間は床がきれいな状態(笑)。2次審査の課題であるシナリオ・ポスタービジュアルの制作になった時に、もっと床がひどいことになりました。自分が今まで読んできた本や漫画をあらためて目を通したりして、本棚もめちゃくちゃになりました(笑)。――産みの苦しみが分かるエピソードです。今回、初めて「缶詰」というものを実行してみました。都内の国会議事堂の近くのホテルだったんですが、すごく眺めがよくて。朝方、「全然書けねえ……」とぼやきながら景色を眺めていました。あれは二度とやりたくない(笑)。こうなることは薄々気づいていたんですが、藁にもすがる思いというか。環境を変えると何か出てくるかなと思ったんですが、甘かったです。――「ホラーコメディ」というジャンルは、最初から決めていたんですか。いわゆる変顔やギャグで笑わせるような内容にはそこまで興味なくて、「どんな人間ドラマが面白いのかな」と考えていって、結果的にコメディになったというか。人が必死に行動した時の滑稽さとか哀しさみたいなものに興味があって、それが最も当てはまるのが「ホラーコメディ」でした。――最終審査会では「この業界には変人が多い」とおっしゃっていましたが、発想の原点はそこなんですね。この業界にいる方々は、みんな映画に対して本気で向き合っているので、変なことを言ったりやったりするんですよね(笑)。過酷な環境下だと理性がぶっ飛ぶ人もいますし、言っていること無茶苦茶でも、それを言わないと今乗り切れないんだなと思ったり。根っからの変人も多い。そういう人との「出会い」が面白いんです。今まで書いてきた脚本も、なんとなく今まで出会ってきた人がモデルになっています。勝手にイメージを膨らませていますが、本人に言うと失礼になるので伝えていません。●映画好きじゃない人も入る業界に――コンテストでは社会問題を背景にすると多少有利になりそうな気がしますが、そこでは勝負しようと思わなかったんですね。ふざけた企画なんですが、そこは自分なりに考えているところがあります。まず、映画業界の話からすると、端っこにいる僕から見ても結構やばいなと。なぜかというと、僕のところに「助監督を探している」という電話がめちゃくちゃかかってくるんですよ。助監督といっても、サード以下の下っ端ばかり。これは、映画業界に入ってくる人が減っているということなんです。人材が確保できていない。原因は、ほかの業態に比べて労働時間が圧倒的に長くてきつい。さらに、ギャラは不安定で、ダンピングが加速している。人がいなくなると業界全体が縮小してしまう。では、そんなきつい業界には今どんな人がいるかというと、「本当に映画が好きな人」しかいないんですよね。他の業界は、全員がそのことを好きかというと、そんなことはないと思う。「仕事」と割り切って、生活のために働いている人。職業選択の1つになっている。でも、映画業界はその比率が極端に低い。職業として成立しづらい側面があると思うんです。僕自身も結構つらい思いをしました。周りからでも「つらい」と言っている人は多い。でも、そういうことを題材にするのであれば、きついからこそ「ユーモア」が有効な気がしたんです。きつい題材をそのままリアルに映しても人の心に届かないと思っていて、新しい切り口であれば観て下さる方々に提示できるのではと考えました。今回は低予算ホラー映画が舞台になっていますが、もっと俯瞰してみた時に、突き抜けられない感じとか閉塞感とか、そういう日本全体が抱えている問題が浮かび上がればいいなと思いました。――「働き方」は世間的にも非常に関心が高くなっているテーマです。業界を好転させるためには、何が必要だと思いますか?僕はまだまだ端っこの人間なので、そこまで言う資格はないと思いますが……。先ほども言いましたが、職業選択の1つとして、映画好きじゃない人も入って来られるような業界になればいいなと思います。それから、「お金儲けのため」「一攫千金のため」という人がいてもいいのかなと。――TSUTAYAの増田宗昭社長も「映画成金がいない」とおっしゃっていました。そうですね。この業界は情熱とやりがいで支えられていて……それだけでは不健全ですし、やっぱりいつかは擦り切れていくもの。働いている人もつらくなるんじゃないかなと思います。――貴重なご意見、ありがとうございました。なぜこのタイミングで応募しようと思ったんですか?「自分のやりたいこと」と向き合って、いろいろな結果を経て、最終的に本当に実現化するプロセスは本当に夢があることだと感じました。商業映画を撮ったことはないんですが、それでも映画を成立させることは本当に大変で。名のある監督でも企画がなくなることはザラにある映画業界で、こういうお祭りムードの中で実現させるのは本当に夢があることだと感じたからです。――受賞時、「ホッとしていると同時に責任を感じる」とおっしゃっていましたね。本当にうれしいんですけど、そこで終わりじゃない。結局、無意味になってしまいますTCPは業界の人に興味を持ってもらえるきっかけかもしれないですが、結局は参加する人が知っているもの。一般の方々に届くのは、映画が完成してからなんですよね。コンペで「やったー!」というパッションがあろうが、なかろうが、観客には関係ない。やっぱり最終的には「面白い作品を作る」というところでしか接点はないと思っています。うれしかった反面、自戒の念を込めて。――これからオファーが増えそうですね。これは声を大にして言いたい。しっかり書いてください。暇なので連絡ください!どんな題材でも驚きのある作品にしたいと思っていて、観客の中でいい意味でトラウマになればと。そういう作品を作れるように頑張ります。■プロフィールヤング ポール1985年4月10日生まれ。栃木県益子町出身。アメリカ人の父、日本人の母を持つ。日本大学・芸術学部映画学科映像コース卒業。東京芸術大学大学院・映像研究科映画専攻監督領域修了。東京芸術大学大学院修了制作『真夜中の羊』がフランクフルト映画祭、ハンブルグ映画祭で上映され、その後イギリスのレインダンス国際映画祭が選定する「今注目すべき7人の日本人インデペンデント映画監督」のうちの一人に選ばれる。近年の監督作品にフジテレビ『FLASHBACK』『それでも僕は君が好き』、日韓共同製作映画『BRAKEMODE』など。※ヤング ポール氏は、2017年5月17日に19時から東京・渋谷ガーデンタワー9階CCCカフェにて行われるTCP17応募説明会・トークイベントに出演。同イベントには、TCP17公式サイト上からエントリーできる(2017年5月15日18時まで、定員80名に達し次第受付終了)。
2017年05月12日日米同時公開が決まり注目を集める『マイティ・ソー バトルロイヤル』。このほど、ベネディクト・カンバーバッチ主演『ドクター・ストレンジ』のボーナス映像から、本作のエンドロールの後に収められたソーとドクター・ストレンジが出会う“おまけシーン”のメイキング映像の一部が解禁となった。突然の事故で“神の手”を失った天才外科医ストレンジ。彼を甦らせたのは──魔術。厳しい修行により魔術師となった彼は、世界を滅亡から救うため“闇の魔術”との戦いに巻き込まれていく。神秘的な魔術により、時間と空間の概念を超えた世界を表現する驚異的ビジュアルとバトルアクション、人の命を救う立場にある医師としての葛藤も描いたドラマチックな作品となった本作。このほど、6月2日(金)に発売されるMovieNEXに収録されるボーナス映像の中から、話題を呼んだ“おまけシーン”のメイキング映像の一部が到着。マーベル作品ではおなじみの、エンドロール最後の“おまけシーン”、今回はドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)と “アベンジャーズ”のメンバーで神の国アスガルドからやってきた最強の戦士ソー(クリス・ヘムズワース)が、椅子に座って対面を果たしている。もともと、このシーンに台本はなかったと明かすのは、製作総指揮のスティーヴン・ブルサード。撮影の後半で、先日11月3日(金・祝)に公開することが発表されたばかりのソーの次回作『マイティ・ソー バトルロイヤル』の脚本を読み、ドクター・ストレンジがマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に加わる瞬間だと思い、あの“おまけシーン”が生まれたと明かす。さらに、ブルサードは「2人は笑いのツボが同じなんだ」と語り、ユーモアたっぷりの2人の共演はすばらしいものだったと絶賛。シリアスな演技派俳優(でも素はお茶目)のカンバーバッチと、肉体派アクションスター(でもコメディセンス抜群)のヘムズワースによる夢のようなワンシーンをふり返っている。果たして、ドクター・ストレンジは今後アベンジャーズとどう関わっていくのか、これからのMCUに期待感は高まるばかりだ。『ドクター・ストレンジ』はデジタル先行配信中。MovieNEXは6月2日(金)より発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ドクター・ストレンジ 2017年1月27日より全国にて公開(C) 2016MARVEL
2017年05月11日『ラ・ラ・ランド』『モアナと伝説の海』『SING/シング』、そして『美女と野獣』と、歌&ダンスが映画と幸せな関係を築いている2017年。もちろん、歌&ダンスたっぷりの人気作なら、海外ドラマの世界にもあります!今回は、話題のミュージカルラブコメディ「クレイジー・エックス・ガールフレンド」を紹介します。「ゴシップガール」などの放送局The CWで2015年秋から放送されている「クレイジー・エックス・ガールフレンド」は、ニューヨークで活躍する超エリート弁護士レベッカ・バンチが主人公。仕事ができて、収入も多いレベッカはいわゆる“デキる女”ですが、思い込みが激しいというか、妄想癖が過ぎるというか…な面も。そんなレベッカが高校時代にちょっとだけ付き合った元カレのジョシュと再会し、恋心を再燃させ、東海岸での暮らしを投げ捨て、ジョシュの暮らす西海岸に引っ越すところから物語が展開していきます。本当は優しくていい子ではあるものの、ストーカー上等!と言わんばかりに我が道をマイペースに突っ走るレベッカは、新しい就職先となる法律事務所の面々ら、周囲を巻き込んでジョシュの愛を勝ち取る作戦を開始。ですが、ジョシュにはすでに美しい恋人バレンシアが。また、自己中女子と知りながらもレベッカに惹かれるバーテンダーのグレッグら、第2の男子も現れる中、レベッカはジョシュと結ばれることができるのでしょうか…。主人公のレベッカを演じるだけでなく、脚本&製作総指揮も務めるレイチェル・ブルームは、ニューヨーク大学で演劇の勉強をし、脚本家やコメディ女優として活躍してきた才女。全米放送が始まった直後の2016年、ゴールデン・グローブ賞テレビの部でミュージカル/コメディ部門主演女優賞に輝きました。レベッカと同じくレイチェル自身も相当お茶目な性格のようで、「クレイジー・エックス・ガールフレンド」でドラマ界の人気スターになる以前には、自作のミュージックビデオ「Fuck Me, Ray Bradbury」(あえて原題表記にしてみました)をYouTubeに公開。SF作家レイ・ブラッドベリの生誕90周年を祝うこのビデオは、ざっくり言えば「ブラッドベリ大好き!」という内容。ですが、タイトルからもわかるように表現は過激。“クレイジー・エックス・ガールフレンド”であるレベッカが、ジョシュに対して表現する過激な恋心の原点とも言えそうです。過激なユーモア&音楽のミックスを愛するレイチェルの姿勢は「クレイジー・エックス・ガールフレンド」でも確実に見られるもので、劇中には楽しいものからエロいもの、馬鹿馬鹿しいもの、シリアスで感動的なものまでミュージカルシーンが満載。レベッカだけでなく、おバカなくらい素直でムキムキ筋肉が自慢のジョシュも、気の強さとナイスバディで彼を尻に敷く恋人のバレンシアも、レベッカに振り回される皮肉屋のグレッグも、レベッカの恋を応援するアシスタントのポーラも、歌います!歌声自慢の実力派キャストが集結したおかげで、全員上手いです!しかも、1シーズン全18話(シーズン2は全13話)にわたってオリジナリティに溢れたミュージカルの数々が楽しめるのですから、量的にも2時間の映画よりお得?ちなみに、記念すべきシーズン1第1~2話は、『(500)日のサマー』『アメイジング・スパイダーマン』のマーク・ウェブが監督を務めています。すでにシーズン3の全米放送も予定されている「クレイジー・エックス・ガールフレンド」。ミュージカル映画にハマった人は、ぜひこちらもご覧ください。(text:Hikaru Watanabe)
2017年05月09日ゴールデンウィークです。5月1日と2日の2日間、有給を取って休みにしてしまえば9連休になる人もいるそうですね。9日間、仕事をしなくていいとしたら、何をしようかとウキウキするものなのでしょうけれど、何故でしょうか、思い返してみるとイベントごとは決まってひとりで過ごすことが多いです…。今年も例外ではなく、彼氏と一緒に旅行に行けるかも!?なんていうのは妄想の先のまた妄想。ええ、この前のデートも実らずに終わりました。ここはひとつ年齢の幅を広げないと未来はないぞと、思いっきり年下を狙ってみたのですが、年代を変えてみても私の恋のアンテナはやっぱりダメ男、クズ男にピピッとくるようになっているんですね。連休直前に「コイツはダメだ…(四十路の心の声)」と判断してしまったので、ゴールデンウィークもめでたくひとり、ゆるゆる仕事をしながら過ごしている古山エリーです。今宵もたわごとお付き合いくださいませ。2~3歳年下とつき合ったことはありますが、さすがに一回り以上となると躊躇してしまいます。しかし!マルグリット・デュラスの晩年の最後の恋人は38歳年下、「セックス・アンド・ザ・シティ」のサマンサとスミスは確か15~16歳差カップルだったので、つい私もー!(それがおこがましい…)と思い切ってみたんです。実際、仕事や趣味の話はまったく問題なく合う、合う。問題は、恋人を1人に絞れない人、恋人がいても「いいな」と思う女性が現れるとデートしちゃう、行くとこまでいっちゃう、恋愛に自由な人だったわけです(そういう人を狙いに行っているとしか思えない私の命中率…)。受け入れてつき合う選択肢もありますけどね、無理ですって。育てるって手もありますけどね、リスク高すぎですって。そんなときは、ラブストーリーを観ても泣ける感動系を観ても、すごーく冷めた目で観てしまうので…そうだ!爽快な気分にさせてくれる映画を観よう!と選んだのは『フリー・ファイヤー』です。銃の取り引きをするために集まったギャングとギャングが、ささいな言い争いをきっかけに銃撃戦を始めてしまうノンストップのアクション・コメディ。この人たちって…と、ただただ呆れてしまう、実にクレイジーな映画でした(そして実に面白い!)。感動した~!とはならないですが、おひとりさま女子のストレスを心地よく解消してくれる映画です。ちなみに紅一点のブリー・ラーソンをはじめ、キリアン・マーフィ、サム・ライリー、ジャック・レイナー、アーミー・ハマーなど、好きな俳優が揃っていたのも観ようと思った決め手。こういう映画を一緒に観る彼氏が欲しいーっ!というわけで、レッツ婚活、頑張れ四十路!今宵はここまで、また次回。(text:Elie Furuyama)(Elie Furuyama)■関連作品:フリー・ファイヤー 2017年4月29日より全国にて公開(C) Rook Films Freefire Ltd/The British Film Institute/Channel Four Television Corporation 2016
2017年05月06日米BOX OFFICE MOJOは4月28日~4月30日の全米週末興業成績を発表した。1位の『ワイルド・スピード ICE BREAK』は3週連続でトップを堅守。累計興行収入も1億9,272万1,355ドルとさらに稼ぎ、2億ドルの大台が目前となった。2位は今週初登場の『How to be a Latin Lover(原題)』。二倍以上年上の金持ちの女性と結婚したものの、25年後に捨てられて、妹とその息子の小さなアパートに元に身を寄せることになった中年のジゴロ男が新たなお相手探しに奮闘するコメディ。3位も初登場の『Baahubali 2: The Conclusion(原題)』。2015年公開のインドの大作映画『バーフバリ 伝説誕生』の続編で、数奇な運命に導かれた戦士・バーフバリを描いたアクションエンターテイメント作品。日本では1作目が公開中だが、『マッキー』などのS・S・ラージャマウリ監督が続投し、プラバースがバーフバリを演じている。4位『The Circle (2017) (原題)』も初登場。デイヴ・エガーズの同名ベストセラー小説を『人生はローリングストーン』のジェームズ・ポンソルト監督が映画化したスリラー。ソーシャルメディアにより人々が“繋がりすぎた”世界を舞台に、監視社会となった現代のディストピアを描く。主演のエマ・ワトソンとトム・ハンクスの共演も話題を集めている。前週2位の『The Boss Baby(原題)』は5位にランクダウン。累計興行収入5億ドル到達間近の『美女と野獣 (2017) 』も3位から6位に転落するなど、以下のラインナップは前週から揃って順位を落としている。
2017年05月01日新緑まぶしい5月に、タイプの異なる3つの“愛”が燃え上がる3作のカップル映画が相次いで公開される。うっとりとして、胸躍り、キュンとなる、それぞれの恋愛スタイルを、初お披露目となる場面写真とともにご紹介!●全力投球で恋したい!『カフェ・ソサエティ』5月5日(金・祝)公開2012年『ミッドナイト・イン・パリ』で、観る者を1920年代ゴールデンエイジのパリへとタイムトリップさせたウディ・アレン監督が、“もうひとつの黄金時代”へと誘うロマンティック・コメディ。こちらに登場するのは、「もっと刺激的で胸がときめく人生を送りたい」漠然とそんな願望を抱くニューヨークの平凡な青年ボビー(ジェシー・アイゼンバーグ:33)と、大物エージェントの美人秘書ヴェロニカ、愛称“ヴォニ―”(クリステン・スチュワート:27)が1930年代のハリウッドで出会うアラサー同士のカップル。美しくて、お洒落で頭の回転が速いヴォニーは、飾り気のない性格で、ボビーはたちまち心奪われる。彼女には恋人がいるというが、構わず積極的にアタック!!ついに努力が実って海辺や映画館でのデートを重ねた2人は、仲睦まじい恋人同士に。しかし、事態は急変し、ボビーは失意のどん底まで落ちてしまう。その後、故郷に戻ったボビーの運命やいかに!?目の前の恋に全力投球したい方にオススメ。●スリリングな恋を楽しみたい!『バッド・バディ!私とカレの暗殺デート』5月13日(土)公開アナ・ケンドリック(31)とサム・ロックウェル(48)という、17歳の年の差のカップルが出演する“覚醒ラブ・アクション”。ダメ男に恋してばかりのマーサは、また失恋。そんなときに立ち寄ったコンビニで、偶然、フランシスと出会い頭に衝突!腕利きの殺し屋であるフランシスは、その千里眼でマーサの“素質”に興味を持ち、一方のマーサは今度こそ運命の出会いに違いない! と心ときめく。急速に惹かれ合った2人はそのままデートに繰り出し、濃密な時間を過ごすことに。マーサは、フランシスが殺し屋と知って驚くも、好きになったら止まらない!一緒にスリリングな時間を過ごしながら、いっそう絆を深めていくマーサとフランシス。2人とも、“この人だ!”とひらめく野性の直感力はさすが。運命的な出会いを信じる方、スリリングな恋をしたい方にオススメ。●穏やかな恋を育みたい!『光をくれた人』5月26日(金)公開マイケル・ファスベンダー(40)とアリシア・ヴィキャンデル(28)の12歳差カップルで贈る世界的ベストセラーの映画化。1918年、トム・シェアボーンは戦争の英雄として帰国したが、心に深い傷を負い、人生の全てを拒むかのように、インド洋と南極海がぶつかる大海に浮かぶ、住民もいない孤島で灯台守の仕事を始める。3か月後、灯台守に正式採用となったトムは、契約を結ぶために町に戻る。そこでトムは、カモメに餌をやる若い女性イザベルに目をとめる。トムの心にさざなみが立った。町と孤島、離れて暮らす2人は、手紙でやりとりを続け、愛を育んでいく。劇中には、愛する人に向けて手紙をしたためるシーンも何度か登場する。実はこの2人、本作の撮影を通してホンモノのカップルになってしまったという。劇中に登場する髭剃りのシーンでは、アリシアがマイケルの髭を実際に剃っている。本来ならば俳優の顔に刃物をあてることは許されないことだが、プライベートでもパートナーとなった2人は、このシーンを自ら提案。愛の証ともいえる、名シーンの1つとなっている。穏やかに愛を育みたい、誠実な方にはこちらがオススメ。カップルの数だけ、恋愛の形がある。5月はあなたらしい恋のスタイルを見つけてみては?(text:cinemacafe.net)■関連作品:バッド・バディ!私とカレの暗殺デート 2017年5月13日より新宿シネマカリテほか全国にて公開(C) 2016 Right Productions, LLC光をくれた人 2017年5より全国にて公開(C) 2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLCカフェ・ソサエティ 2017年5月5日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
2017年04月30日