昨年は『Family Song』が大ヒット。不思議な世界観のMVが話題になった。3度目の紅白出場も果たし、老若男女を虜にした星野源さん。「“無理をしない”というのが去年のテーマだったんです(笑)。無理をしそうになったら抑えて、あえて頑張らないようにしていたんですが、なんだかそれもつまらなくなってしまって…」仕事が大好きな星野源さん。音楽、俳優、文筆業とどの分野においても活躍めざましく、ものづくりには人一倍のこだわりもあるため、“無理をしない”ということを意識的にしないと、身がもたないのだ。そんななか、ある曲の制作がなかなか進まなかった。「秋以降、いろいろ行き詰まってしまって、これはなにか変えなきゃと思いました。守りに入って我慢するのではなく、もっと能動的になろうと決めたんです。思い切り遊ぶとか、未来を切り開くモードに切り替えるとか。そうしたら、年末に曲がすぐにできました」それが11枚目のシングル、どどどど……の『ドラえもん』だ。現在公開中の『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌である。心がスキップするようなイントロ。子供のように手足をバタバタさせて踊りだしたくなる開放感あふれる曲だ。星野さんは今回、『映画ドラえもん』史上初めて、主題歌と挿入歌の両方を担当した。「劇中に流れる『ここにいないあなたへ』は、物語に沿った歌にしたので、主題歌は少し冒険して、『映画ドラえもん』のシリーズ全体を感じるものにしたいと考えました。タイトルもストレートに『ドラえもん』にできたら、すごく面白いなと思いついたんです」スーパーアイデアマン・星野源。普通なら思いつかない、思いついても“許可が下りないだろう”と敬遠してしまうようなことも、大胆にやってのけてしまう。これまでもラジオやテレビ、MVなど様々な場で、既成概念をぶち壊す、それもあり!?と驚く企画を実現させてきた。面白さの純粋な欲求が周囲の人間を台風のように巻き込んでいくのだろう。「のび太は、早撃ちと早寝の特技はあるけど(笑)、特別頭がいいわけでも強いわけでもない。『ドラえもん』はごく普通の子供たちが、未来では落ちこぼれのドラえもんと冒険をします。何者でもない自分も仲間に入れてもらえたような気がして、そういうところが小さいころから好きだったんです」そして、星野さんもこの歌で手招きする。一緒に冒険しよう何者でもなくても世界を救おう…と胸はずむ音にのせて。星野さんが物心ついたころにはすでにあり、いまなお続いている「ドラえもん」シリーズ。物語の舞台設定も、登場人物たちの性格も子供からお年寄りまで、みんなが知っている。「日本人のほぼ100%の人たちに知られていますよね。こんな漫画はほかにないと思います。藤子・F・不二雄先生(以下、藤子先生)の想像力が生み出した世界を見て、『こんな未来になったらいいな』とみんなが思った。それって、藤子先生が僕らの未来を作っているのと同じだと思うんです」そんな原作者の背中も見えてくるような歌にしたかった。歌詞には、藤子先生が自らの作風を称した「すこしふしぎ(SF)」や、5人のメインキャラクターの気質もワードに入れ込んでいる。間奏にはおなじみの「ぼくドラえもん」のフレーズを潜ませるなど、楽しい仕掛けがふんだんに。次世代に繋がる、わくわくした未来を届けている。ほしの・げん1981年生まれ、埼玉県出身。AB型。2010年1stアルバム『ばかのうた』でソロデビュー。最近の主な出演作品にドラマ『プラージュ』『コウノドリ』など。公開中の『映画ドラえもん のび太の宝島』の主題歌・挿入歌を担当。11枚目のシングル『ドラえもん』が好評発売中。ニットパーカ¥15,000(TOMORROWLAND tricot/TOMORROWLAND TEL:0120・983・522)ニットガウン¥42,000(YASHIKI/alpha PR TEL:03・5413・3546)シャツ¥15,000(AUGUSTE‐PRESENTATION PajamaLook/F.I.T)『映画ドラえもん のび太の宝島』、ただいま公開中!星野源さんが主題歌と挿入歌を担当した、ドラえもんの映画シリーズ第38作は、スティーブンソンの名作児童文学『宝島』をモチーフとした物語。大人が観ても感動できると、全国東宝系で好評公開中。(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK2018※『anan』2018年3月21日号より。写真・大辻隆広(go relax E more)スタイリスト・TEPPEIヘア&メイク・高草木 剛(Vanites)取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2018年03月19日昨夏に出版され、すでに190万部を突破している、『漫画 君たちはどう生きるか』。原作は、80年前、児童文学者の吉野源三郎により書かれた小説。主人公をめぐる主な物語を羽賀翔一さんが漫画化し、新たに生まれ変わらせた。大泉洋さん、劇作家の根本宗子さん、ドラマやCMで活躍中の鈴木梨央さんと、世代の違う3人がこの本を読んで考えた「ものの見方」をテーマに話します。鈴木:この本のなかで、コペル君(主人公)がおじさんと街に出て、自分は世界のなかの一部だと気がつく場面がありますよね。私も、ちょっと前までは自分中心の考え方をしていて周りがあまり見えていなかったんです。でも最近になって、周りの同級生のことがちょっとだけ見えてくるようになったんです。大泉:すごいな。僕なんて、いまだに自分中心に考えてしまうところがあるから、この本を読んで耳が痛くて…(笑)。鈴木:(笑)。周りが見えてきたと言っても、「何々ちゃんはこんなことをがんばっているんだ」って思ったり、「誰々君はこういう自分を持っているんだな」って気づくようになったというだけなんです。でも、そう考えるようになってから、もう少し自分も大人にならなきゃなって思うようになって。根本:そうありたいと思っていても、なかなか難しいですよね。大泉:とくに僕らみたいな仕事をしていると、事務所のスタッフをはじめとした周りの人たちが、僕を中心に考えて動いてくださるから、余計にね。でも、僕の場合、家族という、まったく自分中心に回らない場所を持ってるからね(笑)。実際、マネージャーに無理言って1週間の休みを取って家族旅行した時も、最後の2日はものすごくマネージャーに会いたくなりましたからね!(笑)だって全然僕の行きたい場所に行けないし、昼飯ですら希望が通らないわけです(笑)。だから「あいつら(マネージャー)といたら、行きたいとこ行けるのになぁ…」ってね(笑)。根本:ふふ。私はひとりっ子で、家が自分中心で動いているようなところがあったんですよね。でも中学1年の時、モーグルで大きな怪我をして、数年間、車椅子生活になったんです。学校を長期で休んだから、せっかく仲良くなった友達からも置いていかれるような気持ちになるし、病院では周りが年配の患者さんばかり。それまで自分中心だった世界が、別のところで回り始めたというか、そこで物事に対する考え方が変わった気がします。自分とは違う世代とか、違う立場の人と触れ合ったことで、自分の価値観とは違う人がたくさんいるんだってことを知ることができました。正義の気持ちがあっても結果の良し悪しは別の話。鈴木:この本のなかで、浦川君という子が出てきますが、味方になってくれたガッチンと自分をいじめていた山口君が喧嘩になった時に、止めるじゃないですか。浦川君は、自分がいじめられていたから、みんなから攻撃される気持ちがわかって止めたんだと思うんです。でも私は、そう思えたとしても浦川君のような勇気が出せないかもって思うんです。根本:うーん。実は私、小さい時は正義感が強くて、いじめっ子に注意したりするような子だったんです。でも、大人になるに従って、他人の揉め事に巻き込まれたくないっていう気持ちが芽生えてきちゃって、見て見ぬふりをすることも増えてきました。いま思うと、あの頃は、何も知らずに正義が正しいって思えていたからできていたんだなって。だから大人になるほど、逆に難しくなることもあるかもしれません。大泉:ただ、事態が良くなればと思ってやったことが必ずしもいい結果になるとは限らないと思うんですよ。僕が首をへんに突っ込んだことで、誰かの立場が危うくなったり、ややこしい状況になってしまうこともあるでしょ。この本にも、“ナポレオンは英雄ではあるけれど、実際に彼が何を成し遂げたかを検証することが大事”っていう部分があるけれど、正義を振りかざせばそれが本当に正しいのか、そこも考えなくちゃいけないですよね。『漫画君たちはどう生きるか』原作 吉野源三郎、漫画 羽賀翔一1300円(マガジンハウス)原作・吉野源三郎1899年生まれ。編集者、児童文学者。東京帝国大学文学部哲学科を卒業後、陸軍、東京大学図書館などを経て岩波書店に入社。雑誌『世界』初代編集長を務めたほか、岩波少年文庫の創設などにも尽力。’81年没。『君たちはどう生きるか』は’37年に刊行。漫画・羽賀翔一漫画家。茨城県出身。2010年「インチキ君」で第27回MANGA OPEN奨励賞受賞。翌年にデビュー作「ケシゴムライフ」が週刊モーニングにて短期集中連載。’14年に単行本が発売に。近刊に『昼間のパパは光ってる』(TOKUMA COMICS)。おおいずみ・よう俳優。文章にも定評があり『大泉エッセイ 僕が綴った16年』(角川文庫)も刊行。2009年の本公演「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」では演出と脚本を担当。ねもと・しゅうこ1989年生まれ。’09年に劇団・月刊「根本宗子」を旗揚げ。その全公演の脚本・演出を手掛ける。また女優として、舞台やドラマにも出演。4月には劇団公演が控える。すずき・りお2005年生まれ。5歳の時に芸能活動を開始。おもな出演作にドラマ『Woman』『八重の桜』『あさが来た』。また、これから公開予定の主演映画『こどもしょくどう』なども。※『anan』2018年3月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・国府田 圭(鈴木さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年03月06日人を楽しませて自分を印象づけ、伝え上手になれる。笑いが人生にもたらす効能は無限大!ユーモアに満ちた話術を身につけるコツを、チームナックスのリーダー・森崎博之さんと一緒に探ります。なくても生きてはいけるけれど、身に備わっていればそれだけで人生がぐんと楽しくなるのが、物事を笑いに包んで伝える話術。奥深いこのテーマを、北海道の食を紹介する番組のレポートや講演でも活躍する森崎博之さんと一緒に大検証。ナビゲーターは、放送作家の田中イデアさん。ありがちな「ダメトーク」を例に引きつつ、心をつかむユーモア話術について語り合ってもらいました。ダメTALK【1】「私の彼、超ケチなんだけど、この前珍しく『お前の誕生日にいい店予約したから』って言われて。銀座の高級フレンチに行ったんです。そこって、ランチでも8000円とかする超セレブなお店で、テレビとかにも出てる有名なシェフのお店なんですよ。神山シェフって金髪で日焼けした、チャラいシェフ知りません?でもあの人、実は10年以上付き合った彼女と結婚したんですって。見た目と違って純粋ですよね~。で、そのお店、芸能人のお客さんも多くて、私たちが食べてる席の隣にも、最近お笑い芸人との熱愛が発覚したアイドルのユミリーちゃんが女友達と食べに来ていて、ユミリーちゃんって顔ちっちゃいんですよ。それで、うちの彼がケチだから…」森崎:面白く話すコツって、方程式があるわけでもないし難しいですよね。メンバーにトークの鬼みたいなヤツもいる中で(笑)、僕も日々真剣勝負です。田中:マニュアルとまではいかないですが、実は面白い話って、芸人さんなどの話を分析すると意外に共通点があるんです。森崎:へぇ~。知りたいなぁ。田中:解説しやすいように、よくあるダメなトークを用意してみました。さっそく、例の01から見てみましょう。森崎:なになに、「私の彼、超ケチなんだけど…(と、すべて音読して)」、何ですかこれ。ちっとも頭に入らない!だいたいユミリーちゃんが小顔なのが気にくわない。頭が大きいっていじられる俺への当てつけ?!田中:それは…さて置き(笑)、この話の問題点は何でしょう?森崎:いろんな情報が入ってることかな。5回くらいに分けて話せそうな内容ですけど。田中:そうなんです。入り口は「超ケチな彼氏」なのに枝葉が広がりすぎて、話が見えない。森崎:これは聞いているほうもたまらないですね。「うんうん」しか言えない。田中:相手を混乱させないように、目的地を定めたら余計な情報は省くのが基本なんです。森崎:情報が多いと、自分でも途中で分からなくなりそう。田中:フックが多いぶん、「知ってる!そのお店って~」などと他人に話を持っていかれる、いわゆる「トーク泥棒」にも遭いやすくなってしまいます。森崎:結局、言いたいことが言えずに終わってしまう。田中:トークを取られて盛り上がられた後に、「で、何の話だっけ?」って戻されても…。森崎:もういいよ、ってなっちゃいますよね(笑)。田中:背景とか人物描写とか、情報が足りなくて笑えないパターンもありますが、それよりもあれこれ盛り込みすぎて失敗するケースのほうが多いですね。森崎:肝に銘じます…。もりさき・ひろゆき(写真左)舞台やドラマに出演する傍ら、HBC『あぐり王国 北海道NEXT』を中心に、北海道の農業と食の案内人としても活躍。都心の小学生たちを連れて遠方の農家にロケに赴くなど食育にも積極的に関わり、農業関連の講演も多数。田中イデアさん(写真右)放送作家、プラトン企画代表。“社会と笑い”をテーマにTV・ラジオ番組の構成を担当。独自の分析によるユーモア理論をまとめた『お笑い芸人に学ぶ ウケる! トーク術』(立東舎文庫)ほか、著書多数。芸人養成講座で、講師も務める。※『anan』2018年3月7日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・村留利弘ヘア&メイク・横山雷志郎(Yolken)取材、文・新田草子(by anan編集部)
2018年03月05日190万部突破!今必読の書である『漫画 君たちはどう生きるか』。大泉洋さん、劇作家の根本宗子さん、ドラマやCMで活躍中の鈴木梨央がこの本をもとに「人の悩みと過ち」をテーマに語り合っていただきました。鈴木:コペル君(主人公)は、友達のガッチンが上級生に殴られた時、勇気を出せずに、裏切っちゃうじゃないですか。私にはそこまでの経験はないですけど、心では正しいことだと思っていても、それを主張する勇気が出せないことは多いです。大泉:それは誰でも同じだよ。実は僕もいまだに忘れられないことがあって…。学生時代のことなんですけど、同級生が、ある日突然、とんでもない奇抜な髪型で学校に来たんです。見て驚いたけど、ちょっと怖いヤツだったんで、直接本人には言えなかったんですよね。それで帰りに友達と歩きながら「あの髪型見た?笑いそうになったよ~」って喋っていてふと見たら、なんと真後ろにそいつがいたの。鈴木:えーっ!?大変!大泉:その時は睨まれただけだったけど、思い切り陰口を聞かれてしまったわけで、恥ずかしいやら情けないやら。しかも、そいつが怒っているというより、ちょっと傷ついているように見えてね…。とんでもないことをしてしまったってグルグル考えて。悩んだ末、やっぱり謝ろうと決めたんです。それで次の日、そいつのところに行ったんだけど、もう何事もなかったふうだったんで、結局謝り損ねまして。そんな自分にまた落ち込んだんですけど。根本:そういうことって、昔のことでもいつまでも覚えているものですよね。漫画のなかでも、コペル君のお母さんが若い時のエピソードがありました。重い荷物を持って階段を上っているおばあさんを見て、手伝おうと思うんだけどなかなか声をかけられなくて、結局最後まで言い出せなかったっていう…。誰にでも、「あの時にこうしていれば」って思うことはあると思うんです。でもそれを、ただ嫌な思い出として終わらせるんじゃなく、後悔を次に活かす原動力にしていくっていうお母さんの考え方がすごくいいなって思って。コペル君にしても、仲間を裏切ったことを後悔して苦悩しますけど、あれだけ苦悩できるってこと自体、本当にすごいなって思うんです。大泉:僕はコペル君ほど悩まなかったんですけどね(笑)。ただ、当時の教訓としては、「陰口は聞かれちゃいけない」と(笑)。鈴木:えーっ!?(笑)根本:(笑)大泉:陰口はやめられない(笑)。梨央ちゃんの前で、こんな恥ずかしい大人ですみません…。「正しく生きたい」と思うことこそが大事。根本:コペル君は何も言えなかった自分に悩みますが、そこが一番大事な気がします。悩んで、どうすべきかを必死に考えるということが。大泉:それは僕も思いますね。それに正面切って立ち向かうだけが、ただひとつの解決方法じゃないって気もするんです。悩みながらも、正しく生きたいってまず皆が思うようになることが、事態を良い方向に向かわせるんじゃないかなって。鈴木:そんなふうにみんなが思えるといいですよね。ニュースを見ていると、ただむしゃくしゃしていたっていう理由で罪を犯す人っていますよね。悪いことだとわかってるのに、なんでかなって思うんですけど。大泉:うーん…そういう人は、何も考えずに感情のままに行動するからなのかな。人間って考えないでいると、自然と自分勝手な方向に行ってしまうんだと思うんです。でも、少しでも自分がどんな人間になりたいかとか、自分はこの先どう生きるかっていうことを突き詰めて考えることをすれば、きっと誰もが理想を持って生きられるんじゃないかと思うんですけどね。根本:本当に。この本は、その“考える”ことをするための、いい手助けになってくれる気がします。『漫画君たちはどう生きるか』原作 吉野源三郎、漫画 羽賀翔一1300円(マガジンハウス)原作・吉野源三郎1899年生まれ。編集者、児童文学者。東京帝国大学文学部哲学科を卒業後、陸軍、東京大学図書館などを経て岩波書店に入社。雑誌『世界』初代編集長を務めたほか、岩波少年文庫の創設などにも尽力。’81年没。『君たちはどう生きるか』は’37年に刊行。漫画・羽賀翔一漫画家。茨城県出身。2010年「インチキ君」で第27回MANGA OPEN奨励賞受賞。翌年にデビュー作「ケシゴムライフ」が週刊モーニングにて短期集中連載。’14年に単行本が発売に。近刊に『昼間のパパは光ってる』(TOKUMA COMICS)。おおいずみ・よう俳優。文章にも定評があり『大泉エッセイ 僕が綴った16年』(角川文庫)も刊行。2009年の本公演「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」では演出と脚本を担当。ジャケット¥64,000ベスト¥32,000パンツ¥34,000(以上Milok/Milok TEL:03・6455・1440)その他はスタイリスト私物ねもと・しゅうこ1989年生まれ。’09年に劇団・月刊「根本宗子」を旗揚げ。その全公演の脚本・演出を手掛ける。また女優として、舞台やドラマにも出演。4月には劇団公演が控える。すずき・りお2005年生まれ。5歳の時に芸能活動を開始。おもな出演作にドラマ『Woman』『八重の桜』『あさが来た』。また、これから公開予定の主演映画『こどもしょくどう』なども。※『anan』2018年3月7日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・九(Yolken/大泉さん)ヘア&メイク・白石義人(ima./大泉さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年03月03日仕事と並んで、女性の人生で大きな痛手となるのは、恋愛のつまずき。生涯独身の不安、ダメ男との交際…そんな窮地からどう脱する?漫画家・西原理恵子さんと俳優・安田顕さんが語ります!未婚女性が増えている今。普段の生活が楽しく、独り身でも問題ない、という人はいいけれど、ふと将来のことを考えて、「このままずっと一人で大丈夫…?」と、不安になりがちなのも、また現実。西原:そもそも結婚って、みんなどうしてしたいんでしょうね?結婚は、子どもを高校、大学まできちんと通わせるための罰則規定ですよ。それ以外には、する意味ない!安田:でも、一人は不安とか、何かあるんじゃないでしょうか。西原:いや、女性のほうが長生きする可能性が高いんだから、結局は一人になるでしょ?その前に、先に倒れた男の看病しなきゃいけなかったり、相手の家族の面倒も見たり、大変なことしかないですよ。安田:西原先生は、高須先生(高須クリニック院長)とお付き合いされているそうですが、“結婚”という形はとられていないんですよね?西原:高須先生は、菩提寺まで持っているようなでっかい家の人だから、結婚するなら、ちょっとした歌舞伎の家に嫁ぐようなもの。いくら好きでも、家族全員ドイツ語とか英語とかしゃべる人たちがついてくるなんて、恐ろしくて…(笑)。結婚って、相手の家を背負わなきゃいけないところがあるから、女の人にとってメリットはどこにもないと思うけどね。安田:そんな重責を負うより、独り身のほうがいい、と?西原:女の人って、とかくマイナスな面ばかり見がちだけど、独り身の自由って素晴らしいんだから!金銭的にきちんと自立していれば、心配する必要なんてないんです。男に頼らなくたって、生きていけます。安田 顕さん俳優。1973年12月8日生まれ、北海道室蘭市出身。西原理恵子さん漫画家。1964年11月1日生まれ、高知県高知市出身。※『anan』2018年3月7日号より。写真・芹澤信次イラスト・西原理恵子スタイリスト・村留利弘(安田さん) ヘア&メイク・西岡達也(安田さん)高松由佳(西原さん)取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年03月02日モデルとして芸能界に入り、15年。密かに抱いていた“女優”という世界で、才能を発揮している高橋メアリージュンさん。実は妄想好きという、意外な一面を熱く語っていただきました。芝居においては、遠慮していても意味がない。昨年から、『カルテット』をはじめ話題のドラマでの演技が光る、高橋メアリージュンさん。長い手足に美しい顔立ちという、まさにゴージャスなルックスの持ち主ですが、芸能界に入る前は「すっごい引っ込み思案」(本人談)だったそう。そんな彼女がなぜあの感情豊かな演技ができるの?――最初はモデルでデビューされた高橋さんですが、女優という仕事への憧れは、あったのですか?高橋:憧れは、なかったと言ったら嘘になります。でも私、本当にめちゃくちゃシャイで人見知りで、超消極的な人間だった…というか、今でもそうなんですけれど(笑)。なので、強い気持ちや憧れがあっても、絶対外には出せなかったんです。でも、芝居の仕事をさせてもらえるようになってから、強い女性だったり、近寄りがたい感じの女性の役を頂くことが多いので、私って、そういうイメージで見られているのか…って、なんかちょっと驚きました(笑)。普段は、どっちかというと「どうぞどうぞ」という感じで暮らしているので。――その性格は生まれ持ったものですか?高橋:譲る精神っていうのは、私の“長女イズム”ですね。高橋家は私が長女で、下に3人、弟と妹がいるんですが、小さい頃から「お姉ちゃんは譲ってあげなさい」と言われてきたので、自然に一歩引くクセがついたというか。我慢して譲る、というのとは違い、喜んでくれるなら譲るのはあたりまえ。たまに友達に、「我慢してない?」って言われますが、私としてはまったくそんなつもりはなくて。――でもその性格、自己主張と個性を必要とされるモデルの世界では、難しくないですか?高橋:そう、そうなんです。――何人かで撮影、とかなると、後ろに行っちゃうタイプ?高橋:はい。基本後ろにいて、たまーに出てくる。潜水艦みたいな感じで撮影してました(笑)。なので、正直向いてないんだろうな、芸能界の仕事って思ってました。――でも、女優の道を諦めたわけではなかった?高橋:うーん…、諦めるも諦めないも、女優にはなれないだろうな、と。――それはなぜ?高橋:15歳か16歳のとき、あるテレビのプロデューサーにお会いしたんですが、その方に、「女優顔じゃないね」と言われたことがありまして。それで、「あ、私は女優はないんだ」とずっと思い込んでいて。なので、前向きに考えたことすらなかったです。――それが一転、女優の道へ?高橋:事務所が、NHKの朝の連ドラのオーディションに私の書類を出したんです。で、「書類が通ったからとりあえず行ってきて」って言われて、「行っても落ちますよ?行くだけ無駄ですけど?」と。完全にネタとして行きました。だって女優顔じゃないし(笑)。――開き直ってます(笑)。高橋:フフフ。でも今思えば、暗示にかかっていたのかもしれません。もちろんその方も、それほど深い意味があって言った言葉じゃないのは、今となってはわかるんです。でもだからこそ、言葉の与える影響って、本当に大きいんだなと、改めて思いますね。――結果、合格したんですか?高橋:いえいえ、とんでもない。もちろん落ちまして。ヒロインオーディションだったので、ヒロインの「お父さん大嫌い、お父さん汚い」という台詞を言わなければいけなかったんですよね。でも、高橋家って本当に家族仲が良くて、私は父のことが大好きなので、その台詞を言うのがつらかったんです。で、「なんでつらいの?」という話になり、私が芸能界に入るきっかけになったオーディションに、滋賀の実家から父の運転する車で横浜まで行った話をしたら、なぜか涙がこぼれてきて…。その姿が印象的だったみたいで、別の役のオーディションにまた呼んでいただけで、結果的に、『純と愛』というドラマでマリヤという役を演じることになったんです。家族のことを話した、ということがきっかけになったので、私が評価されたというより、高橋家を素敵だと思ってくださったような気がしたので、本当に嬉しかったです。――妹さんの高橋ユウさんもモデル、弟の高橋祐治さんはプロサッカー選手。ご家族とのお写真を、よくインスタグラムなどに上げていますよね。高橋:はい。友達からも、「家族仲、良いよね」って、よく言われます。私の映画や弟の試合を観るために両親が出かけるので、子供たちとしては、デートの機会を増やしてあげられているので、嬉しいなって思ってます(笑)。――年齢を重ねると、親に素直になれなかったり、疎遠になる人が多い中、なぜそんなにまっすぐ、家族を大事にできるんですか?高橋:まず、両親が私を大切にしてくれるから、家族というのはそういうものだと思っているというか…。家族って、かけがえのない存在ですから、大切にしたほうが絶対にいいし、そのほうが幸せの度合いが上がる。それが上がれば、結果的に人生の濃度が上がる気がする。私は人生の色を濃くしたいと思っているので、だから家族を大事にするんだと思います。たかはし・めありーじゅん1987年生まれ、滋賀県出身。‘03年にオーディションに合格し、雑誌『CanCam』の専属モデルに。以降は様々な雑誌で活躍する一方、‘12年にNHK朝の連続ドラマ小説『純と愛』で女優デビュー。『闇金ウシジマくん』シリーズや映画『るろうに剣心』などに出演し、鮮烈な印象を残す。現在、ドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)に出演中。中学時代、実家が大きな借金を背負ってしまったことや、大きな病気を2つも経験したということを通し、彼女の幸せへの思いを書いた著書『Difficult? Yes. Impossible? …No.わたしの「不幸」がひとつ欠けたとして』(KKベストセラーズ)が、好評発売中。anan読者世代の女性の心にスッと染み渡るようなメッセージが詰まっています。※『anan』2018年3月7日号より。写真・岡本 俊(まきうらオフィス)スタイリスト・松野下直大ヘア&メイク・山口理沙(by anan編集部)
2018年03月02日話題沸騰中の『漫画 君たちはどう生きるか』をどう読み、今後にどう活かしていくか。大泉洋さん、劇作家の根本宗子さん、ドラマやCMで活躍中の鈴木梨央さんと、世代の違う3人が語り合います。現在44歳になる大泉さんは、娘を持つお父さん。劇作家・演出家として自らの名前を冠した劇団、月刊「根本宗子」を主宰する傍ら、女優としても活躍中の根本宗子さんは28歳。そして数々のドラマや映画で活躍する鈴木梨央さんは、現在13歳の中学1年生。お互いに初の対面に。大泉:僕、恥ずかしながら世間の情報に疎くて、今回お話をいただくまで、この本の存在を知らなかったんです。最初にタイトルを見た時は、とっつきにくい難しい本なのかと思ったんですが、読みやすくてわかりやすい内容で、長く読み継がれているのもわかる気がしました。鈴木:私はお父さんに薦められて…。大泉:えっ!?お父さんすごいね。鈴木:学校で読書タイムというのがあって、そこで読む本を探していたんです。学校には漫画は持ち込めないので、小説の方を読んでいたんですけど、コペル君(主人公)とは同世代なので、共感する部分がすごく多かったです。根本:私の周りでも話題になっていて、まさに読もうと思っていたタイミングでした。原作は80年も前の本ですけれど、いつの時代も変わらない普遍的なテーマの話だし、漫画になったことでより身近な物語として受け止められる気がします。大泉:そうそう。誰もが少なからずコペル君みたいな経験をしたことがあって共感できるし、それについて書いたおじさんのノートは、自分ひとりでは考えが及ばないようなことをわかりやすく書いてあって、あらためて考え直すことができますよね。根本:自分がコペル君くらいの頃にここに出てくるおじさんみたいな人がいたらなって思いますよね。中学高校…10代の時にどういう人に出会うかで、その人の生き方って変わってくるんじゃないかということを、いままさに考えていて、そんな最中に出合った本だったんです。大泉:いや本当だよ。俺だって、親が、梨央ちゃんのお父さんのように、この本を薦めてくれるような人だったら、もっとましな大人になっていたと思いますよ(笑)。僕は子供の頃、親父と一緒にテレビで大人が見るバラエティ番組ばっかり見ていましたからね。大橋巨泉さん(’70~’90年代にバラエティ番組を中心に人気を博したタレント)とか(笑)。でもまあそれがいまの自分に繋がっているんで、父には感謝です。自分に重ね合わせて考えることが大切。大泉:僕くらいの年齢になると、人生の中で、このなかに書かれているようなことを一通り考えたり経験したりしているんですよね。でもこの本を読んで、あらためて突きつけられることがあるのと同時に、これが全てじゃないよな、とナナメに見ちゃう自分もいたりするんです。根本:ああ、わかります。大泉:自分の意見をきちんと持って発言するのは大事なこと。でも周りとの調和を気にするこの日本においては、その伝え方も大事だってことがだんだんわかってくるから。鈴木:やっぱり周りから自分だけ浮いてしまうのは怖いです。根本:大事なのって、この話をただまっすぐ信じることじゃない気がするんですよね。例えば、いま演劇はリアル志向になっているんですが、日常に近い物語をリアルだと履き違えた作品も多いように思うんです。でも、大事なのは、日常をリアルに演じるってことじゃなくて、リアルな経験や心情が作品のなかに投影されているかどうかじゃないかなって。そこがリアルであれば、観た人はリアルを感じるんだと思うんです。それと同じように、この作品も、ただ盲目的に信じるんじゃなく、自分の経験を重ねながら読んでいくことが大事なのかなって思います。大泉:なるほどね。◇『漫画君たちはどう生きるか』原作 吉野源三郎、漫画 羽賀翔一1300円(マガジンハウス)原作・吉野源三郎1899年生まれ。編集者、児童文学者。東京帝国大学文学部哲学科を卒業後、陸軍、東京大学図書館などを経て岩波書店に入社。雑誌『世界』初代編集長を務めたほか、岩波少年文庫の創設などにも尽力。’81年没。『君たちはどう生きるか』は’37年に刊行。漫画・羽賀翔一漫画家。茨城県出身。2010年「インチキ君」で第27回MANGA OPEN奨励賞受賞。翌年にデビュー作「ケシゴムライフ」が週刊モーニングにて短期集中連載。’14年に単行本が発売に。近刊に『昼間のパパは光ってる』(TOKUMA COMICS)。おおいずみ・よう俳優。文章にも定評があり『大泉エッセイ 僕が綴った16年』(角川文庫)も刊行。2009年の本公演「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」では演出と脚本を担当。ジャケット¥64,000ベスト¥32,000パンツ¥34,000(以上Milok/Milok TEL:03・6455・1440)その他はスタイリスト私物ねもと・しゅうこ1989年生まれ。’09年に劇団・月刊「根本宗子」を旗揚げ。その全公演の脚本・演出を手掛ける。また女優として、舞台やドラマにも出演。4月には劇団公演が控える。すずき・りお2005年生まれ。5歳の時に芸能活動を開始。おもな出演作にドラマ『Woman』『八重の桜』『あさが来た』。また、これから公開予定の主演映画『こどもしょくどう』なども。※『anan』2018年3月7日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・九(Yolken/大泉さん)ヘア&メイク・白石義人(ima./大泉さん)奥野展子(根本さん)国府田 圭(鈴木さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年03月02日インタビュー中の印象は、とにかく真面目。加えてこの美しいルックス、もはや完璧です。キラキラした毎日を送っているかと思いきや、千葉雄大さん、実は意外と悲観主義者だった…?!――今年で俳優デビューをして9年目に入るわけですが、今の千葉さんは、役者という仕事をどう捉えていますか?千葉:作り手側の方が求めることに応えることも大事だと思うんですが、それと同時に見ている方に、“千葉雄大ってこんな一面もあるんだ”とか、あるいは“話はよくわからないけれど、なんか心に残った”と思ってもらえる、言葉は難しいんですが、人を感化することができる作品を作りたい。正直最近は、SNSで発信される感想や、視聴率のことがとても話題になりますよね。それも大事なんですけど、そういうところとはまた別の観点で見てもらえて、印象に残るような作品に、携わっていきたいと思います。――千葉さんって、あえて言いますが、“かわいい”と褒められることが多いと思うんです。『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』で演じている執事見習いの楠木松也役も、とても愛らしい役。そういうものを求められているという実感はありますか?千葉:「かわいいって言われるの、どうですか?」って質問、されすぎてて、もう自分でもよくわかんないんですけど(笑)。少なくとも、自分の半径何m、くらいの距離感にいる人たちからは、ほとんど言われないですよ、ホントに。自分的には、これまでいろんなタイプの役をやってきたと思っていますし、1つしかできないと思われるのは、癪ですからね。――今回の楠木の役作りは、世間が思う“千葉雄大はかわいい”っていうイメージを、逆手に取って、より濃度を上げているような感じもしました。千葉:フフフ、そんなつもりはないですが(笑)。ただ、動き一つ一つに効果音がつくような感じを目指してますね。決め顔をするとキラーン、歩くとピョコピョコ、とか。いろんな演じ方を試させてもらえる現場なので、そういう意味ではすごく楽しいです。――ちなみに、どんな言葉で褒められるのが一番嬉しいですか?千葉:「おもしろい」です。あんまり言われないんですけどね(笑)。――ご自分の性格を分析すると、どんな人ですか?千葉:うーん…、すごく面倒くさいと思います。あまのじゃくだし。褒められるのもあまり得意じゃない。仕事のときに褒めていただいても、“あ、機嫌悪そうに見えたから、テンション上げようとしてくれたのかな、申し訳ないな”とか思っちゃう。素直に受け取れない。――仲の良い友人から言われたら、素直に受け取ります?千葉:はい。でも友人関係、すごく狭いです(笑)。あ、この間、何人かで飲んでいる中に初対面の人がいて、珍しく結構いろんなことを話し込んだんですよ。その人が、その場にいた僕の友人に、「千葉くんとすごく仲良くなれたよ」って言ったんですが、それに対して僕の友達は、「でもこいつ、そんな簡単じゃないからな」って言ってて(笑)。そんなふうに見られてるのか~と思いつつ、確かに僕は、誰かれ構わず手の内を見せるタイプじゃないし、自分から壁を作りがちだよなぁと、思いました。仕事の現場で、先輩に「飲みに連れてってください!」みたいなことも、自分からはあまり言えないですし…。――それが対異性でも、距離感とかハードルの高さは同じですか?千葉:いや、もっと遠い、もっと高いかもしれない(笑)。――自分から好きになります?千葉:好きになりづらいと思います。――とはいえ、女性のタイプは、ありますよね?千葉:あります。仕事ができる人。正確に言うと、“あ、この人仕事できそうだな”って思わせる人。例えば、飲みの席とかで、何人かでワーッて盛り上がっているときに、1人でも盛り上がれていない人がいた場合、さりげなくその人のケアをできる人、みたいな。そういう、隙間をサッと埋められる人を見ると、仕事ができそうで、いいなって思って、惹かれます。でもそういう系の人からはモテないんですけどね…。ただ、1個幸せになると、1個不幸せになるって思ってるから、そのくらいがちょうどいいのかも。――え、今、幸せですよね?千葉:はい、仕事が充実しているので。だから逆に、私生活が……(笑)。――えええー!!じゃあ、どうなったら楽しくなりますか?!千葉:家に帰ったら誰かがいて、その家では犬を飼っていて…。それだったら幸せかなぁ。――やっぱり待っててくれるのは女子がいいですか?千葉:もちろん女子でもいいですし、大勢でルームシェアとかでもいいかなぁ。犬、飼いたいんですけれど、やっぱりひとり暮らしだと、独りぼっちにしちゃうから、かわいそうで飼えない。あの、よくひとり暮らしなのに「犬飼ってる」って言う人、絶対ひとりじゃないですからね、僕の経験上(笑)。――鋭い指摘…というか、斜めに見てますね(笑)。千葉:そう、だからあまのじゃくなんですよ(笑)。ちば・ゆうだい1989年生まれ、宮城県出身。大学時代に雑誌の専属モデルとして活躍し、スカウトを経て’10年にテレビの戦隊モノシリーズ『天装戦隊ゴセイジャー』の主人公で俳優デビュー。その後はドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。’17年には7本もの映画に出演した。素顔が見られるブログも人気。現在、日本テレビ系で放送中のドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(土曜22時~)に出演中。また29歳の誕生日でもある3/9には、写真集『横顔』がワニブックスより発売予定。1万2000字にも及ぶインタビューや、実家での親子対談なども収録。※『anan』2018年2月14日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・寒河江 健(Yolken)ヘア&メイク・堤 紗也香(by anan編集部)
2018年02月11日柔軟な思考の源とは?仕事柄、思考回路を切り替えることが多い、俳優の岩永徹也さんにお話を聞きました。ゴールからハシゴを下ろす感覚で行動しています。「小学生の頃、『週刊少年ジャンプ』を読んだ後に、一冊の内容すべてを記憶していることに気づいたんです。頭の中でページがめくれるし、“あのコマはここにあった”とわかる。学校の勉強もその方法で行えばいいんだと思い、教科書の内容を全部覚えてテストに臨んでいたので、カンニングしている感じでした(笑)」と話す岩永徹也さんは、なんとIQ148以上。認定薬剤師など様々な資格を持ち、クイズ番組でも大活躍。その一方、『仮面ライダーエグゼイド』での演技も話題に。「演じるときは、最初に作品の完成形を想像して、面白くするための種を蒔く方法を考えます。自分に求められているポジションを考えて、互いの役の魅力が輝くようなキャラ作りをしたり、笑ってもらえるようなアドリブを考えて入れたりする。演技のときもそうですが、僕の思考は常にゴールにあって、そこから今いる場所にハシゴを下ろすという感覚で行動しています。“100年後には自分はいない”と思うと、スタート地点で悩む時間って、すごくもったいないじゃないですか。それに、目標から逆算して動くと、ただゴールに向かうよりも少し先に到達できる。自分の成長や作品の仕上がりが想像を超える体験は、僕にとって楽しいものなんです」岩永さんの思考に影響を与えたもの【自分の考えを伝える方法の大切さを、本で学びました】母が図書館員で、子供の頃から読書好き。「『ブッタとシッタカブッタ』(小泉吉宏著KADOKAWA)は、難解な仏教の考えを簡単な言葉とかわいいキャラクターで説明しているのがスゴい。自分でもこういう本を書いてみたいです。外山滋比古さんの本は、『思考の整理学』(ちくま文庫)をはじめ全部読みました。考えや物事の真理だけを並べても、人は聞いてくれない。興味を持ってもらうため、伝え方を料理する方法を見つけることが大切だと教えられました」いわなが・てつや1986年10月16日生まれ。『メンズノンノ』専属モデルとしてデビュー。人口上位2%のIQを持つ人だけが入れる「JAPAN MENSA」の会員。3/14に初の写真集が発売決定。衣装協力・MACKINTOSH PHILOSOPHY/SANYO SHOKAITEL:0120・340・460※『anan』2018年2月14日号より。スタイリスト・中村 剛ヘア&メイク・只友謙也(P-cott)(by anan編集部)
2018年02月11日目下、ドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』で、ちょっとあざとい、でも超キュートな執事見習いを演じ、全女子の心をキュンキュンさせている、千葉雄大さん。撮影中も優しい眼差しでカメラを見つめるたび、その場にいた女性スタッフの口から無意識に「…かわいい」というつぶやきがこぼれまくり。なんて罪作りな28歳!その魅力的なルックスの下に隠れる素顔とは、いったいどんなものなのでしょう…。――撮影中、カメラマン含め私たち女性陣から、キャーキャーと声がかかっていましたが、いったいどんなことを考えながら、写真を撮られているんですか?千葉:え?!そんなこと聞かれると思わなかった(笑)。何考えているんだろう…、光の入り方とかを見てたり、あと「こうしてください」ってことには応えたいので、その辺はしっかり耳を傾けつつ…。でもあんまり何も考えてないかも。――カメラマン以外からの「すてきー!!」みたいな歓声は?千葉:聞いてない…わけじゃないんですけれど(笑)、あんまり気にならない、気にしないというか。周りに人がいても、結構カメラマンさんと二人の世界になります。カメラマンさんが言うことに集中したいので。――学生時代は読者モデルとして活躍されましたが、モデルとしてと、役者として、ポートレート写真を撮られるのは、違いますか?千葉:違いますね。ファッションのときは、服の動かし方とかが大事で、“こう撮ってもらいたい”みたいなものがあるんですが、ポートレートのときは、ただ“そこに佇む姿”を、切り取ってもらうというか。あの、役者の人って、そんなに動かなくても絵になると思うんです。自分もそうかどうかは、また別の話ですが(笑)。僕はまだまだ、カメラマンさんにお任せかもしれません。――読者モデルから俳優の道に進まれたわけですが、どんな志を持ってその世界に入ったのですか?千葉:僕、大学3年生のときに今の事務所に入ったんですが、自分的には、今の事務所に“就職した”という気持ちだったんです。当時普通に就活もしていて、スーツ着て企業説明会とかも行ってましたし、エントリーシートを書く寸前で、今の事務所に入ったというか。――どんな業界を目指していたんですか?千葉:まず映像の制作に興味があったので、制作会社、配給会社、テレビ局。アナウンサーにもちょっと興味がありました。それから客室乗務員、ウェディング業界、あ、あとラジオ局も考えてましたね。――そんな就活生が、なぜ芸能界にお入りに?決め手はなんだったんですか?千葉:昔から表に立つのは得意じゃなかったんです。でも、嫌いではなかったんですよ。たぶん、結構好きだった気もします(笑)。その、“自己顕示欲はあるのに、でも引っ込み思案”というところを、今の事務所の方が見抜いてくれて、それで、“僕一人では絶対に出せない自分”というのを、上手く引っ張り出してくれた。事務所に入るか決断をするまで、すごく時間をかけて待ってくれましたし。それがなかったら、こういう仕事には就いてなかったと思います。――役者としてやっていこうと、覚悟を決めたのはいつですか?千葉:事務所に入って最初に受けたのが、戦隊モノのオーディションで、最終くらいまで残ったときに、「受かりたいな」って気持ちが出てきたんです。そこで、“自分は役者でやっていこう”って思ったんです。なので、結構早い段階から腹は括っていたというか。そこで合格し、『天装戦隊ゴセイジャー』で芝居の仕事を始めることになったんですが、その現場がなんというか、言い方は難しいんですが、新人俳優にとっては“学校”みたいな場所で。1年の間にドラマとして芝居をする、アクションもある、アフレコもある。CMもやらせてもらえるし、ヒーローショーで舞台も経験できる。ものすごくしごかれましたけれど、おかげで、本当に経験値が上がりました。その全てが、今も役に立ってます。――ヒーローショーって、なかなか経験できないですよね。千葉:そう。ヒーロー、というか僕がピンチに陥ると、小さい子たちが本気で応援してくれるんですよ、「頑張れー!!」って。あの生の、計算されていない雰囲気っていうのは、あそこでしか感じられないものでしたね。“こういう子たちのために、僕は仕事をしているんだ”という意識が、すごく芽生えました。なかにはよく来てくれるから僕が顔を覚えたちびっこもいたんですけど、成長が早くて、“あれ、この間まですごい可愛い顔をしてたのに、反抗期みたいな顔になってる!なんでだ?!”とか気づいたりして(笑)。そういうのも、貴重な経験でした。ちば・ゆうだい1989年生まれ、宮城県出身。大学時代に雑誌の専属モデルとして活躍し、スカウトを経て’10年にテレビの戦隊モノシリーズ『天装戦隊ゴセイジャー』の主人公で俳優デビュー。その後はドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。’17年には7本もの映画に出演した。素顔が見られるブログも人気。現在、日本テレビ系で放送中のドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(土曜22時~)に出演中。また29歳の誕生日でもある3/9には、写真集『横顔』がワニブックスより発売予定。1万2000字にも及ぶインタビューや、実家での親子対談なども収録。※『anan』2018年2月14日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・寒河江 健(Yolken)ヘア&メイク・堤 紗也香(by anan編集部)
2018年02月10日柔軟な思考力を持つために心がけていることとは?俳優・鈴木伸之さんに語ってもらいました。思考をスイッチしたり、刺激する方法を自分にも応用してみませんか?予想外の結果が生み出す、爆発力がたまらなく好き。演じる役には理性的に向き合うという、鈴木伸之さん。「準備が大事なお仕事だと思っているので、台本を読み、物語の流れや演じる人物の役柄を考え、大枠を決めてから現場へ行きます。でも、一人で決め込まず、余白を残すことも意識しています。予定調和より、何が起こるかわからないハラハラ感があるほうが、作品が面白くなると思うんです。“1+1は2ではなく、3でも4でもいいだろ!”って考え方。予想外だからこその爆発力が、たまらなく好きです。初の写真集を作るときにも、思いつきで撮影したシーンがたくさんありました。クールさも、ラフさも、素顔の瞬間も出せたんじゃないかなと」長年打ち込んでいた野球も、仕事に影響している。「スポーツもお芝居も、チームプレーという点では一緒。だから、共演者の方やスタッフさんとも垣根なしに楽しく、いい作品を作り上げたいんです」そんな意識はありつつも、他人からの意見に左右されることは“全くない”と、きっぱり言い切れる。「人に興味がないのかもしれませんね(笑)。自分と違う意見には、“俺は違うな”と思うだけ。何かあったときに“あの人のせいで…”と思うのが嫌なんです。いい結果も悪い結果も責任を取るのが役者だと思っています」鈴木さんの思考に影響を与えたもの【くだらないことが最高だと教えてくれた漫画です】毎日のように読んでいたというギャグ漫画『元祖!浦安鉄筋家族』。「くだらないものって最高だし、笑うことはいいなと知ることができた作品でもある。そして、人を笑わせるのって、本当に難しいよなとも感じます。初のカラーページが収録されている7巻がおすすめ!(笑)」すずき・のぶゆき1992年10月14日生まれ。劇団EXILEのメンバーとして、数々の映画やドラマに出演。自身で衣装のリースやスタイリングを手がけたファースト写真集『FACE』が発売中。ジャケット¥64,000シャツ¥38,000パンツ¥59,000(以上スタジオ ニコルソン/キーロTEL:03・3710・9696)※『anan』2018年2月14日号より。スタイリスト・平本兼一ヘア&メイク・下川真矢(by anan編集部)
2018年02月10日様々な役を演じ分け、思考回路を切り替えることが多い、俳優という職業。柔軟な思考力を持つために心がけていることについて村上虹郎さんに教えてもらいました。左脳と右脳、そして直感。この3つが行動の基準です。舞台稽古に取り組んでいるときは、普段の何倍も脳を使っている、という村上虹郎さん。「セリフの意味を咀嚼し、共演者のことを考え、演出家の言葉に耳を傾け、客観的にどうしたら面白い“製品”になるか意識しながら、臨機応変に自分の役として動く。今まさに、舞台『密やかな結晶』の稽古中なのですが、スポーツよりもずっと疲れるんです。でも、そういうところが舞台の醍醐味ですし、とても楽しい。もちろん、コテンパンにされて辛いときもありますけど(笑)」悩んだり、辛いときは、自分の心に尋ねる。「感情と理論の両面から“本当はどう思っているの?”と自分に聞いてみます。両方ともが“理にかなっている”と思ったら、ストンと納得できる。頭ではわかっていても感情が整理できなければダメだし、逆もそう」感情と理論に加え、もう一つ大事なものが。「絶対的に、自分の直感を信じています。だから、左脳と右脳と心の3つが行動の判断基準になっています。このあいだ、地球外生命体について調べていて、直感に従って考え続けていたら、右目だけめっちゃ充血したんです!右脳を使いすぎたからだと言われて驚いたけど、直感型なんだなと自覚しました」村上さんの思考に影響を与えたもの【競争社会で生き抜くための方法が勉強になります】「僕の好みではないですが、今の日本は競争社会でもある。生き抜く方法を身につけることは大事だと思っています。漫画『キングダム』は、5~6割が中国の文献に基づいて描かれていることもあり、戦術的な思考が参考になります。ちなみに、僕の風呂上がりは、登場人物の秦王・えい政にそっくりです(笑)」むらかみ・にじろう1997年3月17日生まれ。現在、東京芸術劇場にて上演中の舞台『密やかな結晶』(富山、大阪、福岡公演もあり)では、“おじいさん”役を演じている。カーディガン¥24,000右手のブレスレット¥40,000(共にSURR by LAILATEL:03・5468・5966)パンツ¥27,000(WACKO MARIA/PARADISE TOKYOTEL:03・5708・5277)その他はスタイリスト私物※『anan』2018年2月14日号より。スタイリスト・松田稜平ヘア&メイク・矢口憲一(by anan編集部)
2018年02月10日役の切り替えから、アドリブまで!人気俳優たちの柔軟な思考の源とは?今回は窪田正孝さんに自身の思考について語っていただきました。苦しみ、もがいた時間が自分の糧になると思う。以前に比べ、演じる役に引きずられることが少なくなったという窪田正孝さん。「場数を踏ませていただいたこともありますが、日常に役の影響が出てしまうのが怖く、気持ちが楽になれる方法を考え始めたことがきっかけです。先輩の役者さんを見ていると、それぞれに切り替えや、仕事での不安との向き合い方を持っていて、僕の場合は現実逃避でした。映画を観たり、ドライブをすることが大切な時間です」映画『犬猿』で演じる“クソ真面目”な性格の金山和成役には、自分を重ねるところもあったそう。「自分を理性で抑える現代の男の子という感じには共感できたし、本能のままに生きる正反対の性格を持つ兄に憧れる気持ちも、わかります。つい慎重になりがちですが、人生は一度きり。やりたいことを、人目を気にせずできればいいですよね。たとえ失敗して苦しんだり、もがく結果になっても、そういう時間が後で糧になるのかなと。それに、僕にも役と同様、兄弟がいますが、ぶつかっても一緒にいられる、人という“家”があるのはいいことです。その相手は親や友人など人それぞれでしょうが、考えや本音を話すことで思考がまとまると、自分自身を理解でき、人として成長できると思っています」窪田さんの思考に影響を与えたもの【邦画を観ていると、俳優としての考え方や心が揺さぶられます】「最近は、『百円の恋』や『君の名は。』など、邦画に触れる機会が多いです。仕事から気持ちを切り替えるために観ますが、“こういう役をやってみたい”とヒントになったり、心を揺さぶられるなど、役者としての自分について考える刺激やきっかけに」。DVD『百円の恋』¥3,800発売元:東映ビデオ販売元:東映くぼた・まさたか1988年8月6日生まれ。2月10日公開の映画『犬猿』では、凶暴な兄の卓司(新井浩文)に振り回される真面目な弟の金山和成を演じる。ドラマ『アンナチュラル』(TBS)に出演中。カットソー¥42,000上に羽織ったカットソー¥42,000パンツ¥62,000(以上YOHJI YAMAMOTO/ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03・5463・1500)※『anan』2018年2月14日号より。スタイリスト・戸倉祥仁(holy.)ヘア&メイク・糟谷美紀(by anan編集部)
2018年02月10日石原さとみさんが、4年ぶりに舞台に出演。そこには、自身の気持ちの変化やタイミングが重なったよう。本を読んだ時、これを舞台化したい、と思いました。「30歳になった頃からいろんな欲が出てきて、より演劇的な舞台に出たいとずっと思っていました。今の自分から背伸びをするわけでも、若くするわけでもない等身大の役で、面白い本に出合いたい…そんな気持ちの時に読んだ小説が『密やかな結晶』。今の私が求めていたものにぴったりの世界観で、あっという間にのめり込んで読み切ってしまい、これを演じたいって思いました」鄭義信(チョンウィシン)さん作・演出の舞台を観て以来抱いていた「いつか鄭さんとご一緒したい」という願いも叶った。「鄭さんの作品には、冷たさの中にもみなぎる生命力みたいなものや、ほんのりとした温かさをいつも感じていて、すごく惹きつけられていました。いつか私も鄭さんの作品に出てみたいと思っていたから、まさか実現するなんて。自分から発信したことが形になっているので、前に進んでいる感じがして、すごく贅沢な気分だし、稽古が楽しみ!」ドラマや映画でアウトプットを続けてきたという石原さんが、そろそろインプットしたい、そう思った時に戻ったのが、舞台の稽古場だった。「ドラマの現場は時間もたっぷりあるわけではないし、なかなか立ち止まることってできないから、私自身、インプットが足りないとも思っていて。だから舞台に立ちたかったんです。そもそも私は、舞台の稽古が大好きなんですね。1回の本番に向けて、毎日稽古をして叱られて、恥をかいて、やり直して。何かひとつでも偽っていると一瞬でバレるから、演者たちはすっぴんで自分をさらけ出して、がむしゃらに稽古をする。そんな姿を見るのも、そこにいる自分も好きだし、それこそが私にとってすごく大切な時間なんです」30代になり、ものづくりの面白さをひしひしと感じているんだとか。「今までは、好きとか可愛いとか夢だけで本能的に突っ走ってきたけど、それではこの先、すごく狭い世界でしか生きられないような気がして。プライベートも含めてこの先も充実した人生を送りたいから、自分発信で好きな人たちと好きな作品に出て、自分をもっと広げていきたいと思うようになりました」主人公の“わたし”については、等身大だからこその人物像を描く。「純粋で優しくて、柔らかい人でありたい。この物語は、自分の身の回りにあるものが次々に消え、その記憶も消えていくという話なんですが、ピュアな人間であるほどその事実が明確に伝わると思うし、その後何事もなく生活していく無情さ、一方で大切な人を亡くした時に抱く感情、そして未来への恐怖みたいなものが伝わるのかな、と思っています」ところで、作品に絡めて、石原さんが失くしたら困るものとは一体…。「そっか、それ今後の取材でもたくさん聞かれそうですね(笑)。そうだなぁ…幼馴染みかな。親以外に私の過去をよく知ってくれているのは、幼馴染みたちだけ。今でもプライベートで一緒に過ごす時間が多いから、安心して帰れる場所なんです」いしはら・さとみ1986年生まれ。東京都出身。ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』などの人気作に出演。現在、ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)に出演中。ワンピースはスタイリスト私物鳥や香水など、昨日まで存在していたものが消え、人々は物が存在していた記憶も失くしていくという島に住む、小説家の“わたし”。しかし、記憶が消滅しない人たちがいることがわかる…。2月2日(金)~25日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/小川洋子脚本・演出/鄭義信出演/石原さとみ、村上虹郎、鈴木浩介、山内圭哉、ベンガルほかS席9000円サイドシート7000円*共に税込み3月に富山、大阪、福岡公演あり。ホリプロチケットセンターTEL:03・3490・4949※『anan』2018年2月7日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・宮澤敬子(WHITNEY)ヘア&メイク・菊地美香子(TRON)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2018年02月06日シリーズ累計400万部を突破した大ヒット漫画『賭ケグルイ』が実写ドラマ化。物語の舞台は政財界の子女たちが数多く通う私立百花王学園。ここで生徒たちの階級を決定づけるのは、ギャンブルの強さ。勝った者は学園の支配者に、負けた者は奴隷同然となる。ある日、この学園に転校してきた謎の美少女・蛇喰(じゃばみ)夢子を演じているのが浜辺美波さん。「最近はお仕事のためにも、女の子が主人公の本や漫画は積極的に読むようにしていて。『賭ケグルイ』も面白そうなカバーに惹かれて、手に取ったことがあった作品のひとつ。だからどんなストーリーで、どういう女の子が出てきて…っていうことは知っていたんです。でも夢子はもっと大人できれいな女性のイメージがあったので、自分が演じるなんて思ってもみませんでした」夢子は清楚でかわいらしい外見とは裏腹に、リスクを負うことに快感を覚える“賭ケグルイ”。浜辺さんはその強烈なキャラクターを、見事なまでに“狂演”している。「お話をいただいたときから、漫画で見たあの狂気的な表情を再現できるようにしたいなって思っていました。ちょっと振り向くときに真顔になったり、最後までどんな女の子かわからないようにするのも、演じるときに気をつけたことのひとつです。実際の私は夢子と正反対で、駆け引きも苦手ですし、ババ抜きの最後の心理戦では絶対に負けちゃうタイプ(笑)。でもだからこそ、夢子の魅力がよくわかりましたし、最初から最後まで演じていてとても楽しかったです。セリフの量と長さに、最初は苦戦していたんですけど(笑)」ギャンブルがテーマなだけあり、思わず見入ってしまうスリリングな展開も見どころのひとつ。「テンポよくスピード感もあるので、夜見てすっきり朝を迎えられるような作品に仕上がっていると思います。賭け狂う人間たちの心理戦を楽しみつつ、大どんでん返しの爽快感を味わっていただけたら嬉しいです」はまべ・みなみ2000年8月29日生まれ、石川県出身。女優。出演映画『咲‐Saki‐阿知賀編 episode of side‐A』が公開中のほか、『となりの怪物くん』と『センセイ君主』が待機中。ギャンブルに支配された学園に転校してきた蛇喰夢子(浜辺美波)。彼女の正体は学園の頂点に立つ生徒会をも脅かすギャンブル狂だった…。出演/浜辺美波、高杉真宙、森川葵ほかTBSにて毎週火曜25:28~放送中。※『anan』2018年2月7日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・有咲ヘア&メイク・鎌田順子インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年02月03日殺人容疑をかけられて逃亡した弁護士ドゥ・チウと、彼を追う刑事・矢村。その攻防を描くジョン・ウー監督の新作『マンハント』は、‘70年代に映画化された人気小説『君よ憤怒の河を渉れ』を再映画化したサスペンス・アクション。ウー監督が今回、力を入れたのが、福山雅治さん演じる刑事の描き方だ。福山さんとの出会いで、矢村刑事がリアルな存在になりました。「福山さんが演じた矢村は決して冷徹ではなく、人間味たっぷりで温かみのある男。歌手としても活躍する福山さんですが、その歌には人類の平和や地球への愛をテーマにしたものが多い。彼自身もそういう理念を持ち、ファンに希望を与えています。そんな彼が演じたから役に説得力が生まれたと思います」逃亡した弁護士を追跡するうちに矢村の心にはある疑念が浮かび始める…。その微妙な心の変化が、演技のなかに垣間見える。「実は脚本に書かれていた矢村はもっと二次元的なキャラでした。でも実際に福山さんに会って、謙虚で人間味豊かな人だと知りました。そこで脚本家が矢村というキャラクターを書き直したんです。だから矢村という男を自然に演じてもらえたはず。むしろ、彼自身を表現してもらえればいいという状況でした」ド派手な銃撃戦はもちろん、水上バイクの追跡劇や手錠でつながれた男たちの白兵戦があり、白い鳩も飛ぶ。福山さんも水上バイクの免許を取得し、スタントなしでアクションに挑んだという。「演技はもちろん、アクションもかっこよくきめてくれてとても満足です。チャン・ハンユーとの息もぴったりでした」ウー監督が、オリジナル版を観て以来、杜丘(中国語読みするとドゥ・チウ)を演じた高倉健のファンというのは有名。もし健さんがご存命なら、どんな役をオファーした?「もちろん逃亡してもらいます(笑)。ベテラン刑事が濡れ衣を着せられ、彼を追う若手刑事も陥れられたことで心を通わせる。健さんと福山さんがタッグを組んで巨悪に立ち向かうなんて最高ですね」殺人容疑をかけられた男と彼を追う刑事。その攻防の行方は…。監督/ジョン・ウー出演/チャン・ハンユー、福山雅治、チー・ウェイ、ハ・ジウォン、國村隼(友情出演)ほか2月9日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国公開。(C)2017 Media Asia Film Production Limited All Rights Reserved.1946年、中国生まれ。23歳で映画界入りし、『カラテ愚連隊』で監督デビュー。『男たちの挽歌』シリーズで世界的に知名度を上げ、ハリウッドでも『フェイス/オフ』などを次々にヒットさせた。※『anan』2018年2月7日号より。写真・小笠原真紀文・山縣みどり(by anan編集部)
2018年02月01日世界の映画祭で話題沸騰の長編映画『blank 13』。公開を前に、監督をつとめた齊藤工さんと主演・高橋一生さんの対談が実現しました。齊藤:今回、映画でご一緒させていただきましたが、一生さんが主演じゃなかったら『blank 13』はこのかたちになってなかった。音信不通だった父親との再会は、放送作家はしもとこうじさんの実体験ですけど、僕らが一方向からしか見ていなかった物語に、一生さんご自身の角度を加えて、台本を立体的にしてくださって。高橋:それは以前、僕自身にもこの作品に近いことが起きてしまって、脚本が肉薄していたんです。脚本の生々しさとはまた違う、自分の生々しさも話させてもらえたのは工さんの心の広さです。齊藤:悲しいときに誰もが泣くわけじゃない。感情がどう転ぶかは本人にしかわからない。そういう話し合いから物語が深くなっていったし、一生さんは「表現しない表現」で何層にもなっている主人公の心に感情移入させてくださる。高橋:余白を残すお芝居は、わかりづらいと言われることもあるんですが、工さんは受け止めてくれました。試写を観たあと、別の場所でお会いしたときに、「僕、これ以降は余生です」と言ったんです(笑)。ここまで余白を許してもらえるんだという充実感もそうですが、この作品の頃には自分がしたかった表現に到達できている感じがあったんです。齊藤:撮影前からエモーショナルな交流をしてしまったし(笑)。高橋:言ってみれば、摩擦で皮膚が剥けちゃった手で「痛い!痛い!」と言いながらガチッと握り合っているみたいな(笑)。お互い、そんな感覚があるのではないかと。齊藤:テレパシーじゃないけど、言葉で必要以上にコミュニケーションをとらなくていいという交流をさせていただきましたから。高橋:ちょっと特殊な関係なのかもしれない(笑)。齊藤:もともと映画ファンとしても、一生さんは大好きな俳優さん。1年間に朝ドラと大河と月9をやる俳優さんがかつていただろうかっていうぐらいのウェーブにも飄々と冷静に乗っている感じがイカしている。一生さんて、年代とかでくくる次元じゃないんです。似ているというわけじゃないけど、マインド的にちょっとかぶるのがライアン・ゴズリング。すごく成熟した心が宿っていて、あの人には何か日本的な要素を感じる。高橋:そうそう、最小限に抑えますからね。齊藤:奥行きありますよね。まったく平たい部分がないというか。そういうところが、映画ファンとしては重なる二人です。高橋:僕がライアン・ゴズリングかはさておき(笑)、僕も彼は大好きなので、影響されている部分があるかもしれない。確かに奥行きがあるというか。3DSの立体感が、前に飛び出してくるんじゃなくて、奥行きの表現みたいな。ライアン・ゴズリングを3DSにたとえるのもなんですが(笑)。齊藤:そんな大好きな俳優さんである一生さんやキャストみんなの才能を、海外の人たちに知らしめたい。それが僕のミッションだという意識はあります。さいとう・たくみ1981年8月22日生まれ、東京都出身。俳優として活躍する一方、監督業にも挑戦。長編初監督作『blank 13』が2月3日シネマート新宿にて公開。2月24日より全国順次公開。たかはし・いっせい1980年12月9日生まれ、東京都出身。『blank 13』では、主役の松田コウジを演じている。現在、映画『嘘を愛する女』が上映中。また『空飛ぶタイヤ』の公開が控えている。高橋さん・ジャケット¥233,000シャツ 参考商品パンツ¥132,000(以上ジル・サンダー/オンワードグローバルファッションTEL:0120・919・256)齊藤さん・レザージャケット¥345,000シャツ¥62,000パンツ¥71,000ベルト¥36,000(以上ディースクエアード/ディースクエアード 東京TEL:03・3573・5731)※『anan』2018年1月31日号より。写真・笠井爾示(MILD)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん)赤塚修二(メーキャップルーム/齊藤さん)文・杉谷伸子重信 綾
2018年01月30日俳優・高橋一生さんが主演し、齊藤工さんがメガホンをとった長編映画『blank 13』。この作品への思いを、齊藤さんに聞きました。「恥をかきたくないのは人の当然の心理ですが、挑戦しなかったという内なる後悔が続いてしまうのが嫌なんです。怖いという感情より、好奇心やその先の自分に期待する選択肢を選ぶ。今、好奇心を優先せずに保身していたら、その先は細っていくだけ。クリエイターは拡大を続けていくべきだと思うので、恥をかくギアを恐れずに入れて楽しむ。そのほうが40代50代が豊かになるんじゃないかな」そんな思いを持って、いつも何かを決めているという齊藤工さん。「映画を撮ったことも、“よくそんな怖いことしたね”と同業者に言われます。でも、この数年、海外の映画祭に行く機会を頂いて、文化の違いを超える映画の力を感じました。自分もそういう作品を作って海外へ届けたいという憧れがずっとあって。今回、“今だ!”という決断をしたのは大きかったです」結果を恐れない挑戦は、各国の映画祭で高い評価を得ている。「人生が1本の映画だとしたら、自分が主人公じゃないですか。そう考えれば、何でもあり。ただ、自分の心に主軸を置きすぎるとつい保身に走ってしまいますよね。だから傷つきたくないという軟弱な精神をコーティングするんです。そしてそのうえで新たに、どうするかと考えることにしています」雑誌やドラマなどで、思い切った企画や役に挑むときも同じ?「そうですね。そのうえで、僕だからこそ成立するものを何か残したいという気持ちはいつもあります。そうじゃないと選んでくださった人に失礼ですよね」さいとう・たくみ1981年8月22日生まれ、東京都出身。俳優として活躍する一方、監督業にも挑戦。長編初監督作『blank 13』が2月3日シネマート新宿にて公開。2月24日より全国順次公開。高橋さん・シャツ¥77,000パンツ¥97,000ベルト 参考商品シューズ[予定価格]¥115,000(以上ドルチェ&ガッバーナ/ドルチェ&ガッバーナ ジャパンTEL03・6419・2220)サングラス¥35,000(ドルチェ&ガッバーナ/ドルチェ&ガッバーナ アイウエアTEL03・3514・2947)齊藤さん・シャツ¥77,000パンツ¥299,000(共にドルチェ&ガッバーナ/ドルチェ&ガッバーナ ジャパン)高橋さん・スーツ¥309,000~(オーダー価格)シャツ¥52,000ネクタイ¥20,000シューズ¥78,000(以上ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパンTEL:03・6274・7070)齊藤さん・スーツ¥309,000~(オーダー価格)シャツ¥52,000ネクタイ¥20,000シューズ¥78,000(以上ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)※『anan』2018年1月31日号より。写真・笠井爾示(MILD)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん)赤塚修二(メーキャップルーム/齊藤さん)文・杉谷伸子重信 綾
2018年01月30日齊藤工さんが監督をつとめた長編映画『blank 13』に主演した俳優・高橋一生さんにインタビュー。役柄について、自身の変化について聞きました。映画『blank 13』で高橋一生さんが演じる松田コウジは、蒸発した父親が見つかったとき、家族で唯一、会うことを選択する。「彼の中で、引っかかっている何かがあったのでしょう。肉親への感情って複雑に絡み合っていると思うんです。父に対しての憎しみや愛情、顔が見たいとか、いろんな気持ちが。選択したというよりも、会いに行くしか道がなかったのではないか。そもそも、人生における選択って、そういうものだと思います。僕自身、人生で“こうしよう”と選んだことはありませんから。思考を挟まず、川を流れる中で藁をつかむような、反射的な行動。その動きこそが真実だと思うし、常に反射できる状態にはいたいです」“選択=反射の繰り返し”だと考えるのは、生きていくうえでは必ず、人との関わりが生まれるから。「行動をするときには、自分の肉体や心以外に、必ず他者が介在しています。アクションではなく、リアクション。会った人や起きた出来事によって選択の幅は狭まるし、“これしかない”と、おのずと決まっていきます。そんな感覚がはっきりしてきたのは30歳を越えてからです」そして37歳になった今、行動をするときの基準がひとつ増えた。「若い頃より、裏づけがされていないものを選びがちだと思います。ヤケになっているといえばそれまでですが(笑)、ヤケって自信のあるなしを飛び越えた、何か二元的ではない瞬間だと思うから。そのときの行動には自分の本質が出ていて、面白くて好きなんです」たかはし・いっせい1980年12月9日生まれ、東京都出身。『blank 13』では、主役の松田コウジを演じている。現在、映画『嘘を愛する女』が上映中。また『空飛ぶタイヤ』の公開が控えている。高橋さん・スーツ¥309,000~(オーダー価格)シャツ¥52,000ネクタイ¥20,000シューズ¥78,000(以上ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパンTEL:03・6274・7070)齊藤さん・スーツ¥309,000~(オーダー価格)シャツ¥52,000ネクタイ¥20,000シューズ¥78,000(以上ジョルジオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)※『anan』2018年1月31日号より。写真・笠井爾示(MILD)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・田中真維(MARVEE/高橋さん)赤塚修二(メーキャップルーム/齊藤さん)文・杉谷伸子重信 綾
2018年01月29日AKBグループをはじめ乃木坂46の総合プロデューサーである秋元康さんが初めて劇団をプロデュースするということで、立ち上げから何かと話題になっていた劇団4ドル50セント。その正体に迫ります!文・尹 秀姫秋元康プロデュースの新劇団『4ドル50セント』って?約5000名のなかからオーディションで選ばれた30人の劇団員は、元AKBメンバーから現役の植木屋さんというバリエーション豊かな人たちが集まったものの、9割が演技経験ゼロという素人集団。にもかかわらず、昨年11月に行われたプレ公演『The Making of $4.50 夢を見たけりゃ、目を開けろ。』はチケットが即日完売となるほど大人気。そこには、今までにない新しい仕掛けがありました。演劇以外にも幅広い活動を行うエンタテインメント集団秋元康さんがプロデュースしているだけあって、劇団4ドル50セントは演劇というステージのみにこだわらず、モデルやバラエティ、音楽活動などさまざまなジャンルに活動の場を広げているのも大きな特徴。2月の本公演でメインキャストに選出された福島雪菜さんは、SHOWROOMでの個人配信閲覧者数が1万人を突破する記録を打ち立て、週刊「ヤングマガジン」(1月22日発売号)の表紙にもなるなど活躍目覚ましい看板女優のひとり。他にも、ぽっちゃり女子ファッション誌「la farfa」のモデルとしても活躍している隅田杏花さんなど、いろんな魅力を持った役者が集っているのも大きな魅力です。ファンがキャストを選ぶ斬新なシステムもそして、2月8日~12日に紀伊国屋ホールで行われる旗揚げ本公演『新しき国』では、メインキャストをYouTubeによるファン投票と審査員投票で行うという、今までにないスタイルでキャストが決定。舞台に上がる役者をファンが選ぶという新しいスタイルで、演劇界に革命を起こします。なお、この投票ではメインキャスト8名のうち、7名が決定。残り1名の枠をかけて4名が争っており、この結果にも注目が集まっています。7名のメインキャスト。糸原美波、福島雪菜、蕪祐典、岡田帆乃佳、前田悠雅、本西彩希帆、中村碧十。Information劇団4ドル50セント 旗揚げ本公演『新しい国』2018年2月8日(木)~12日(月・祝)東京都 紀伊國屋ホールトータルプロデューサー:秋元康クリエイティブディレクター:近山知史脚本:丸尾丸一郎音楽:和田俊輔振付:CRE8BOYあらすじ寂れた地方都市、夢沢町にある「夢沢銀座」はシャッター商店街になっている。昼は堅くシャッターを閉ざしているが、夜になると賑わう。お金は価値を持たない。夢を売り買いする不思議な商店街であった。ある日、夢に破れたミュージカル女優が死に場所を求めてやって来る。彼女と商店街の住人たちは、夢沢町を守るためにオリジナルミュージカルを創作する。しかし、雨の日に演じられたのは夢沢銀座の悲しき物語であった。
2018年01月29日今、注目の女の子を紹介する『anan』連載の「イットガール」。今回は女優の田中真琴さんです。まさにSNSドリーム! 女優の道を切り拓いたシンデレラガール。大学在学中にミスコンでグランプリに輝いたことが人生の転機になったという田中さん。ミュージックビデオ出演から始まり、ドラマや舞台と活動の幅を広げている。「ミュージックビデオ出演も、東京の事務所に入ったのも、SNSのメッセージでお声掛けいただいたことがきっかけ。将来は映画のバイヤーになりたいなと思っていたけど、この世界でやってみようと決意しました」。現在、初の連続ドラマに出演中。目指している将来像は?「個性的な顔を持ち味にして、存在感のある女優になりたいです」本は、文通友達から借りて読んでいます。昨年から読書家に。心にゆとりができ、イライラすることが減りました!地元・京都で陶芸。本格的に習いたい!大きいお碗をつくりました。集中して、焦らずゆっくりやるのがコツです。チャーハンも上手にできました!自炊が大好き。試行錯誤しながら、オリジナルの味付けを身につけてます。たなか・まこと1995年生まれ。TBS系ドラマ『きみが心に棲みついた』に為末れいか役で出演中。アートな投稿も話題のInstagram(@mac0tter)で新情報をチェック!※『anan』2018年1月31日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2018年01月28日いま演劇界の枠を超えて注目されるマームとジプシーの藤田貴大さん。その藤田さんが紡ぐ詩的で繊細な言葉の数々は、この人の身体を通すことで、圧倒的な切実さや重量感をもって我々観客の元に届く。その身体に少女性と少年性を同居させながら、内には激しさや屈強さを感じさせるのが、青柳いづみさんという女優。「私、演劇がやりたいわけではないんです」と、青柳さんは言う。「演劇をやりながら、演劇ではない…私が本当に見たい、知りたいと思っている世界を作ることができるのが藤田君という存在。私が演じることで、観客にも、さらにはもっと遠くまで、それを見せることができたらと思っています」学生時代から活動を共にする藤田さんからは、「お前も俺と同じ、自分の才能にしか興味のない青い血の人間だから、そこから逃げるな」と言われているのだとか。「自分でも自覚があるからいいんですが(笑)」そんな青柳さんの次回作は、小説家の川上未映子さんと藤田さんとの共作となる舞台『みえるわ』。前回の公演『まえのひ』に引き続き、出演者は青柳さんひとりのみだ。「未映子さんの詩は誰のものでもない言葉なのに、発語してみると、まるで私自身も知らない本当の“わたし”を一番言い表しているように感じる。なかでもいっとう好きなのが“どうして?”という言葉ですが、大人になると誰もが通り過ぎてしまうような疑問を、未映子さんは無視できずに“どうして?”と問いかける。まだ言葉になっていない何かを、言葉を通して探し続けている。それは藤田君や私の中にもある感覚だと思います」ただ、’14年の公演と比べると、青柳さん自身、変化したこともある。「以前は言葉本来の持つ美しさをそのまま見せたいと思って演じていたところがありました。でも昨年末に、藤田君が歌人の穂村(弘)さんと装丁家の名久井(直子)さんと共作した舞台で、言葉そのものは穂村さんや名久井さんや藤田君のものなのに、私が発語することでその言葉が生まれ直すという感覚があったんですね。今、再び未映子さんの言葉を発語した時に、一体何が見えるのか、見せられるのかを考えています」あおやぎ・いづみ女優。マームとジプシーとチェルフィッチュの両劇団を中心に、近年、現代美術家とのコラボなどもおこなっている。テキスト/川上未映子演出/藤田貴大出演/青柳いづみ1月31日(水)~2月3日(土)渋谷・WWW予約4000円当日4500円(共にドリンク代別途500円。税込み)宮城、長野、福島、北海道、神奈川、山口、大阪、熊本、沖縄で公演あり。※『anan』2018年1月31日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年01月24日北村匠海の主演映画『君の膵臓をたべたい』が大ヒット。今期のドラマ『隣の家族は青く見える』でも難易度の高い同性愛者役に初挑戦するなど、若手トップ俳優に大躍進中の今、思うこととは?実際の僕は、控えめ中の控えめです(笑)。俳優としてだけでなく、ダンスロックバンドDISH//のボーカル兼ギターとしての顔も持つ北村匠海さん。演技も音楽もできて、超イケメン。とくれば、まさに向かうところ敵なしのモテ男。でもその素顔は意外にも、「人見知りで、女の子と話すのも苦手」…。そんなギャップが、同世代の女子はもちろん、アンアン世代の心までキュンキュンさせまくり、今、理想の年下男子として人気沸騰中なのです!――北村さん、ついに20歳になったんですね。北村:そうなんです。10代の頃と何も変わらないですけどね。――記念すべき20歳の誕生日は何をして過ごされたんですか?北村:佐野岳くんと佐藤寛太くんとごはんを食べました。普段から仲いいんですよ。20歳の誕生日に寛太くんから、「まさかとは思うけど、今日予定ないわけないよね?」って連絡がきたので、「とくにないんだよね」って(笑)。そしたら「え、マジかよ!」って急遽集まってくれたのがこの二人です。――誕生日の予定、本当に何もなかったんですか?北村:まじでなかったんです。周りの友達も忙しそうだったので、一人で過ごそうかなって思っていたくらいで。二人とも驚いてましたけどね。「お前、まじで一緒に過ごす人いねぇんだな」って(笑)。――心境の変化もとくになく?北村:ないですね。変に意気込もうとも思ってないですし、全然変わらないです。小学校3年生からこのお仕事をしているので、昔から変に達観してしまっている部分があるんですよね。いい意味でも悪い意味でも。同世代より、大人と話しているときのほうが妙にしっくりくるってことも少なくないです。――昨年は主演映画『君の膵臓をたべたい』も大ヒットして、知名度も人気も俳優としての評価もぐっと高まったような気がします。北村:自分自身のスタンスはまったく変わってないんですけど、わかりやすいところで言うと、インスタグラムのフォロワー数が増えるとか、そういう変化はありました。7万人くらい増えたんですよ。もともと10万人くらいだったのが、ある日気づけば17万人くらいになっていて。なんだこれは…!って、さすがにびっくりしました。あと、街中で家族連れのお父さんやお母さんから声をかけていただく機会も増えたんです。今までは学生の方が多かったんですけど。幅広い層の方に知っていただけていると思うと素直に嬉しいです。――新ドラマ『隣の家族は青く見える』では、同性愛者の青木朔役を演じられていますよね。オファーがきたとき、ワクワクしたんじゃないですか?北村:ワクワクしましたね。これまでは自分の幅の中で演じられる役がわりと多かったんですけど、今回はすごく新しい挑戦というか、楽しみがいのある役で。朔の気持ちもよくわかるんです。僕も気のおけない年上の男友達には子犬のように可愛がってもらっているので。――でも朔は、眞島秀和さん演じる恋人の広瀬渉に自分からグイグイいきますよね?そこは北村さんご自身と真逆なのではないかと。北村:そうですね。そこは180度違います。実際の僕は控えめ中の控えめなので(笑)。朔は言ってしまえば、面倒くさい相手。「一緒に暮らさないっていうなら今すぐ別れる」みたいなセリフだったり、自分でもこいつ面倒くさいなって思います(笑)。でも面倒くさいことがネガティブなわけじゃなくて、そこが渉にだけ見せられる朔の弱い部分のような気がしていて。――北村さん自身は、“面倒くさい彼女”を受け入れられますか?北村:大丈夫です。というか僕はきっと、女性の尻に敷かれるタイプだと思うので。「一緒に暮らさないなら今すぐ別れる」って言われたら、たぶんどうにもできなくて「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと一回待とう」みたいな感じになっちゃう気がする(笑)。そこで男らしく強いことは言えないですね。もしかしたら僕は人間的に、渉に近いのかもしれません。――以前もインタビューで、グイグイきてくれる女の子のほうがいいっておっしゃってましたもんね。北村:そうですね。自分からはいけないぶん、喋り続けてくれるくらいのほうがちょうどよくて。それに僕が相づち打ってるくらいのほうが収まりいいと思います(笑)。きたむら・たくみ1997年11月3日生まれ。東京都出身。俳優、ダンスロックバンドDISH//のボーカル兼ギター。小学校3年生のときにスカウトされ、芸能界入り。2008年公開の『DIVE!!』で映画初出演を飾る。現在公開中の映画『勝手にふるえてろ』に出演しているほか、今年は映画『OVER DRIVE』の公開も控えている。シャツ¥27,000パンツ¥25,000(共にヨータトキ/アドナストTEL:03・5456・5821)その他はスタイリスト私物※『anan』2018年1月24日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・鴇田晋哉ヘア&メイク・佐鳥麻子インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2018年01月17日江戸川乱歩×三島由紀夫が織りなす戯曲『黒蜥蜴』に出演する井上芳雄さんに、作品の見どころを伺いました。美貌の女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎の攻防を描いた江戸川乱歩の探偵小説を、三島由紀夫が妖艶で耽美な世界へと昇華させた戯曲『黒蜥蜴』。かねてより三島作品に強い憧れを抱く世界的演出家のデヴィッド・ルヴォーの演出で上演される。「ルヴォーは、世界の第一線で活躍する演出家でありながら、日本文化にとても造詣が深い方。そのルヴォーの感性を通した三島さんの作品は、シンプルな美しさを感じさせて、それがとても胸にくるんです。作中に、ピアノの音を聞き外を見るというシーンがあるんですが、ルヴォーは方向を指し示すのではなく『太陽が昇る方を見てください』と言うんです。登場人物それぞれが思い描く太陽の位置も色も形も違うはずですが、それでいいんですよね。具体的に説明しようとしないのに、彼が思い描いた世界が無限の広がりをもって舞台の上に立ち上がる。それがまるで魔法みたいに思えて」これまでの稽古を反芻し、じっくりと噛みしめるように語る井上芳雄さん。演じるのは明智小五郎だ。「三島作品というと美しく重厚なイメージがありますが、それだけじゃなく、時に滑稽だったりグロテスクだったり…。黒蜥蜴は、完璧な美を追い求めて犯罪に手を染め、正当な立場であるはずの明智自身も、犯罪に焦がれて探偵をしているという歪んだ部分をもっている。でも、歪(いびつ)だったりグロテスクだったりするからこそ、彼らの根底にある純粋さが際立つような気がするんですよね」黒蜥蜴に扮するのは中谷美紀さん。「お綺麗なのはもちろんですが、セリフは完璧、周りへの気遣いも素晴らしく、英語もできて…隙が一切ない。まさに黒蜥蜴みたいです(笑)」井上さん自身も、音大生の時に歌の才能を見出され、ミュージカル界のプリンスとして第一線を走ってきた人。しかし「自分は努力して完璧になろうとしてきた人」なのだそう。「生まれながらに音楽と共にある、みたいな人に昔から羨望をもっていました。でも、上手くなりたいと渇望するから走り続けてこられたとも思うんです。そこは犯罪に焦がれる明智と似ているのかもしれません」いのうえ・よしお1979年生まれ、福岡県出身。『エリザベート』などのミュージカルを中心に、近年はストレートプレイや映像作品などでも活躍。4月からは舞台『1984』も控える。ジャケット¥90,000カットソー¥18,000(共にランバン コレクション TEL:03・3486・1573)女盗賊の黒蜥蜴(中谷)から、宝石商の娘・早苗の誘拐予告が届いた。犯罪を阻止するために雇われた名探偵の明智(井上)は、一度は奪われた早苗を見事に奪還するが…。上演中~1月28日(日)日比谷・日生劇場原作/江戸川乱歩脚本/三島由紀夫演出/デヴィッド・ルヴォー出演/中谷美紀、井上芳雄、相楽樹、成河ほかS席1万2500円A席9000円(共に税込み)梅田芸術劇場 TEL:0570・077・039(10:00~18:00)2月1日~5日に大阪公演あり。※『anan』2018年1月17日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・吉田ナオキヘア&メイク・川端富生インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年01月15日いま活躍する演劇人たちに、多くの影響を与えてきた唐十郎さん。その作品のなかでも傑作と名高い『秘密の花園』。唐さんに深いリスペクトを抱く演出家の福原充則さんの旗のもと、寺島しのぶさん、柄本佑さんら個性あふれる実力派が揃った。寺島:唐さんの本って、理詰めで役を構築していこうとすると、いま自分が誰で何をやろうとしているのかわからなくなるんですよね。久しぶりに、台本に振り回されている自分がいて、ザワザワしています。柄本:でも…楽しくないですか?寺島:それは佑くんが唐作品をよくわかってるからでしょ。でも佑くん、全然楽しそうには見えないけど?柄本:「ワーイ!」ってやってたら逆に変ですよね(笑)。でも『秘密の花園』を筆頭に、唐さんの芝居に憧れていたので、「俺、いま唐さんのセリフ言ってんなぁ」っていう感慨はあります。寺島:蜷川(幸雄)さんも、唐さんの作品が大好きだったんだよね。私は唐戯曲ではご一緒できなかったけれど、蜷川さんがイキイキと演出していらっしゃるのは伝わってた。唐さんの戯曲は、言葉のパワーがすごいじゃない?あの熱量が劇場をパンパンに満たすなかに、自分も浸かってみたいと思っていたんです。今回のお話をいただいたのが、ちょうど蜷川さんが亡くなった少し後だったのもあって、当時の熱量で「やります」って言っちゃったんだけど…。柄本:稽古しながらも「わからない」って言ってますもんね(笑)。しのぶさんが演じる“いちよ”も“もろは”(二役)も、どこか抽象的な存在じゃないですか。その人が6畳一間の超現実にいるのが唐作品の面白さだと思うんですが、現時点でそうやってちゃんと存在できているから、しのぶさんはきっと大丈夫です。寺島:共演者が佑くんということで安心してる部分はあるかな。演出の福原さんも含めて、唐戯曲を理解している方々が一緒だから、その船に私は乗ればいいんだ、と思ってる。柄本:福原さん、稽古初日の本読みからすでに熱がすごかったですよね。本当にこの作品が好きなんだなって。寺島:ほんとほんと。演出の仕方も、事細かに指示するのではなく、抽象的なヒントをくださる。こちらもトライしていけるし、その余白のある感じが好きだなと思っています。柄本:この作品って、ちまちました世界を描きながら、ラストでそれまでのことが全部吹き飛ばされるカタルシスがあって、そこがカッコいいんです。想像力を思う存分働かせながら、楽しくやれたらいいですね。てらじま・しのぶ1972年生まれ。4月には舞台『ヘッダ・ガブラー』に主演。映画『のみとり侍』が5月に公開予定のほか、主演映画『Oh Lucy!』の公開も控える。えもと・たすく1986年生まれ。ドラマ『平成細雪』放送中。1月17日~のドラマ『ROAD TO EDEN』に主演。3月に映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』の公開も。寺島さん/ニット¥43,000スカート¥38,000(共にAcne Studios/Acne Studios Aoyama TEL:03・6418・9923)リング¥71,000(CHARLOTTE CHESNAIS/EDSTROe M OFFICE TEL:03・6427・5901)柄本さん/ニットカーディガン¥55,000(アンデルセン‐アンデルセン/メイデン・カンパニー TEL:03・5410・9777)シャツ¥26,000(インディビジュアライズド シャツ/メイデン・カンパニー)ビンテージデニム¥24,800(メチャ TEL:03・5929・8993)ホステスのいちよ(寺島)とポン引きの大貫(田口)の夫婦の元に、毎月、何の見返りもなく自らの給料を届けるアキヨシ(柄本)。ある日、アキヨシに縁談話が持ち上がり…。1月13日(土)~2月4日(日)池袋・東京芸術劇場 シアターイースト作/唐十郎演出・出演/福原充則出演/寺島しのぶ、柄本佑、田口トモロヲほか一般6500円ほか(税込み)東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296※『anan』2018年1月17日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・中井綾子(crepe/寺島さん)林 道雄(柄本さん)ヘア&メイク・片桐直樹(EFFECTOR/寺島さん)星野加奈子(柄本さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年01月11日’14年の朝ドラ『花子とアン』で注目を集め、押しも押されもせぬ人気を獲得した吉田鋼太郎さん。日本屈指の舞台俳優で、後輩に慕われる兄貴分、そして恋多き人としても知られるその素顔とは。11月某日、彩の国さいたま芸術劇場稽古場。「違うよ。この言葉を言う意味をもっと考えろ」。吉田鋼太郎さんのよく通る大きな声が響く。この劇場を拠点に、蜷川幸雄さんが続けてきた「彩の国シェイクスピア・シリーズ」を、2代目芸術監督として引き継いだ吉田さん。高校生の時に観たシェイクスピア劇に感銘を受けて俳優を目指し、出演するばかりでなく、自身が所属する劇団で数多くのシェイクスピア作品を演出してきた、名実ともにシェイクスピア俳優。絶賛稽古中の『アテネのタイモン』が、記念すべき就任第1作となる。――稽古場で、ときおり語気を強める場面もありながら、場がピリッとした途端、「ごめんごめん」と笑いながら空気を和ませていらっしゃる姿が印象的でした。吉田:蜷川さんがよくデカい声で怒鳴っていたので、それがないと蜷川さんの稽古場じゃない気もして。まあ…それを口実に怒鳴っていたりもするんですが(笑)。――ただ、吉田さんが声を荒げていたのは、俳優が何の考えもなく動こうとした時ですよね。吉田:シェイクスピアの戯曲って、美しい詩の形態をとっているから、セリフを口にした時点で俳優は満足してしまうところがあるんです。その言葉が、誰に対して、どういう気持ちで発せられたのかが、ないがしろにされがちなので、そこを僕は丁寧にやりたいんですよ。――そもそもこのシリーズは、シェイクスピアの全37作上演を目指して蜷川さんが始めたものです。誰かが引き継がなければいけなかったとは思いますが、この大きすぎるバトンをご自身が受け取ることに迷いはありませんでしたか?吉田:僕は蜷川さんのこのシリーズにたくさん出させていただき、いくつも主演もさせていただいています。シェイクスピアをやり続けてきた自分の役者人生にとって、このシリーズは大きな位置を占めているもので、これを止めたくないという気持ちが大きかったんです。5本を残して蜷川さんは亡くなられましたけれど、もし蜷川さんが生きていて、全作達成されたとしても、そこで終わってしまうのは嫌だった。それくらいこのシリーズには愛着があるので、その後を自分が引き継がせてもらえるのは願ったり叶ったりでしたし、そうじゃなくちゃいけないとも思いました。もちろんプレッシャーはありますけれど、それは蜷川さんの後継だという部分。シェイクスピアを演出することに関してのプレッシャーはなかったです。――ただ、残った5本はシェイクスピア作品のなかでも、あまりメジャーではない戯曲ばかりです。吉田:確かに、ただ読むだけでは面白さが伝わりづらい戯曲かもしれません。ただ、僕は芝居になった時の面白さを知っていますから、この機会に、その面白さを伝えられたらと思っています。――ちなみに、このシリーズだけでなく、劇場の芸術監督も引き継ぐお考えはなかったんですか?吉田:そんな話もなかったし、もしあったとしても絶対に引き受けないですよ。そうなったら、役者業をやる暇なくなっちゃいますから。このシリーズには俳優として出演しますし、年に1本はシェイクスピアをやりたいという僕の希望とも合致するからやっているわけで。ただ、実際に演出と俳優を兼ねてみると大変で、演出だけ引き受ければよかったと思っています。――そう思いながらも、やっぱり出たい気持ちはあるわけですか?吉田:そりゃあ、演(や)るのが本業ですからね。ただ、シェイクスピアに関しては、自分の好きなように演出してみたいっていう欲がすごく強くあるんです。他の戯曲は、これっぽっちも演出したいと思わないのに。だから、演出するのはシェイクスピアオンリーです。――シェイクスピアの何がそんなに魅力的なんでしょう?吉田:ト書きがないから制約がないし、解釈も自由。だから自分の状態や年齢で、同じ戯曲でも違う見え方になってくるのが面白いですねぇ。――世界各国に、いろんな演出のシェイクスピア劇が生まれていますが、それも刺激になりますか?吉田:昔はありましたよ。でも…他の方の演出で面白いと思ったことはほぼないです。日本で上演されたもので面白いと思ったのは、蜷川さんのシェイクスピアくらいです。――それは何が違うんでしょう?吉田:シェイクスピアを演じる時の俳優のありよう、というのかな。蜷川さんは、俳優にマックスを求めるんですね。それは感情も声も、とにかく体全体、持てるもの全部を使ってやらないとシェイクスピア作品は表現できないんだっていう考え方で、僕はそれとまったく同意見。リアリズムだけでは成立しない、それを越えたところに生まれるものを舞台の上に立ち上げることが大切なんです。そこの共感があるから、僕なら蜷川さんの後を継がせてもらえるかなと思ったんです。――その共感は、最初に蜷川作品に出演した時からありました?吉田:やろうとしている方向性は同じでしたが、蜷川さんの現場はスケールが違いました。いままでの1.5倍は頑張らないと通用しないから、毎日が死に物狂い。でも、蜷川さんの洗礼を受けてそれを乗り越えると、俳優としてひと回りもふた回りも成長できる。それは小栗旬も、松坂桃李も、溝端淳平も感じていたと思います。そんな現場って他にない。しんどいんだけれどまたやりたくなるっていうのは、そういう理由なんです。――蜷川さんは、それだけ大きな存在だったということですよね。吉田:いままさに、存在の大きさをあらためて実感しているところです。稽古で蜷川組の面々と対峙すると、彼らがものすごく大きなものを持ってくるんですね。それに相対するには、連日自分のエネルギーを1段上げないといけない。いまの僕は、ものすごく厳しい父親に、大きな試練をひとつ課されて去られたような、そんな感覚です。1959年1月14日生まれ、東京都出身。シェイクスピア・シアターなどの劇団を経て、’97年に劇団AUNを結成。自ら演出も手がける一方、蜷川幸雄、栗山民也、長塚圭史などの演出家の舞台に数多く出演。’14年のドラマ『花子とアン』以降、映像への出演も多数。’18年には『OVER DRIVE』『ラブ×ドック』など出演映画の公開が相次ぐ。吉田さんが演出・主演を務める舞台、彩の国シェイクスピア・シリーズ第33弾『アテネのタイモン』は、12月15~29日、さいたま芸術劇場 大ホールにて上演。’18年1月には兵庫でも公演あり。出演者には吉田さんのほか、藤原竜也さん、横田栄司さんら蜷川組常連キャストが名を連ねる。SAFチケットセンター TEL:0570・064・939※『anan』2017年12月20日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年12月15日今注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回登場してくれたのは、女優の井本彩花さんです。15代目“国民的美少女”はバレエが特技の14歳!今年の「全日本国民的美少女コンテスト」で8万人超の応募者の中からグランプリに輝いた井本さん。「まさか自分が、と思いましたが、事務所の方からは『度胸があるのがよかった』と言っていただきました。長年バレエを習っていてコンクール経験もあるので、人前で緊張しないほうなんです。目標は武井咲さんのような、幅広い役を演じられる女優さんになること。あと、ファッションショーに興味があります。ライトを浴びて、ランウェイを歩いてみたい!やっぱりステージに立つのが好きなのかな」子供の頃から踊ることが大好き。バレエを始めて8年目。カラダの柔らかさと姿勢には自信があります!キャラクターグッズに癒されています。かわいい系はもちろん、「ぐでたま」「ニセたま」などシュールキャラも。夢の女優デビュー!休憩中は台本に没頭。初ドラマはバレリーナを目指す女の子役。バレエをしていてよかったです。いもと・あやか2003年生まれ。『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の第9話(12月7日放送)で女優デビュー。。※『anan』2017年12月13日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2017年12月12日友人同士なのに、なかなか共演する機会のなかった賀来賢人さんと太賀さんがM&Oplaysプロデュース『流山ブルーバード』で共演する。ふたりの「一緒に芝居がしたい」との声を受け、白羽の矢を立てられたのは、昨年、大きな話題をさらった映画『葛城事件』の脚本家兼監督であり、舞台でも、社会の底辺に生きる人々のシビアで滑稽な姿を描き続けてきた赤堀雅秋さんだ。そこに佇んでいるだけのことが滑稽に映るような芝居に。賀来:プロデューサーさんから「赤堀さんとやりませんか?」と言われた時、まさか一緒にやれるなんて思っていなかったので嬉しかったです。赤堀:周りから「赤堀は怖いよ」って言われてきたんじゃない?(笑)賀来:(笑)。…ええ、まあ。赤堀:僕は、お芝居って小手先でできることじゃなくて、それなりに覚悟とか想いとかが必要なものじゃないかと信じていて、座組みのなかに周りとは違うモチベーションの人がひとり紛れるだけで、途端に芝居の空気が崩れる気がして、それが許せない。賀来君とは今回が初めてだけど、太賀とは以前もやったし、信頼するプロデューサーが推薦するなら間違いないだろうって思って。賀来:僕は以前から赤堀さんのお芝居のファンなんです。いつもお芝居を観ているというより、日常を覗き見している感じがするんですよね。赤堀:今回は、地方都市で起きる些末な日常とずさんな殺人事件が交錯していく群像劇なんだよね。僕の作品で殺人事件はたびたび扱ってきてはいるけど、いままではどこか近視眼的というか主観的だったのが、今回はちょっと俯瞰の客観的な視点になっています。これは単なる自分の興味の方向の変化なんだけど、人間そのものよりも、もう少し広く世の中を描きたくなっているんだと思う。賀来:今回の台本は、僕がこれまであまり見たことがない感じだったので、読んでいてワクワクしました。赤堀:僕は喜劇のつもりで書いているんですが、役者さんはコミカルな顔をすればいいわけでも、軽妙なテンポでやればいいわけでもない。ただそこに佇んでいるだけのことが、はたから見れば滑稽に映るという…。賀来君が携わったことのないような種類の喜劇になると思います。賀来:言葉のひとつひとつが素敵で、一見、覚えにくそうなのに、役と生理がぴったり合うと、セリフがすっと馴染んでくる。稽古初日から、セリフの言い回しなどの細かい部分まで丁寧にヒントをくださるのが新鮮でした。ただ、求められていることを表現するのが難しくて、まだ稽古場ではアワアワしてます(笑)。赤堀:最初に恥をかいておく方がいいんだよ。後々楽になるからさ。僕は、うまい芝居が観たいわけじゃないんです。もちろん技量も大切ですけれど、ちゃんと役として賀来君の血肉を介在させたうえで舞台に立っていてほしいと思っています。賀来:いままで見せたことのない新しい部分を出せたら嬉しいですね。M&Oplaysプロデュース『流山ブルーバード』千葉県流山市。東京まで出ていく気力もなく、この町でくすぶり続けるダメな4人の若者と、彼らを取り巻くろくでもない大人たち。鬱屈をかかえた人々のやるせない日々の物語。12月8日(金)~27日(水)下北沢・本多劇場作・演出・出演/赤堀雅秋出演/賀来賢人、太賀、柄本時生、若葉竜也、小野ゆり子、宮下今日子、駒木根隆介、平田敦子、皆川猿時全席指定7000円U-25チケット4500円(25歳以下対象、要証明書)*共に税込みM&OplaysTEL:03・6427・9486島根、大阪、広島、静岡、東京大田区公演あり。撮影:三浦憲治かく・けんと1989 年生まれ、東京都出身。近作にドラマ『わにとかげぎす』。現在公開中の映画『斉木楠雄のΨ難』『茅ヶ崎物語』に出演。映画『ちはやふる ‐結び‐』は来年公開に。あかほり・まさあき1971年生まれ、千葉県出身。劇団「THE SHAMPOO HAT」で作・演出を務め’13年には『一丁目ぞめき』で岸田國士戯曲賞を受賞。俳優、映画監督としても活躍中。※『anan』2017年12月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・SHUTARO(vitamins/賀来さん)取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年12月09日ミュージカル「テニスの王子様」などの人気から今や注目ジャンルの一つになった2.5次元舞台。今回はそんな2.5次元でも人気の俳優・崎山つばささんにインタビューしました。これまで演じた印象深い役として、真っ先にミュージカル『刀剣乱舞』で神社に縁のある石切丸を挙げた崎山つばささん。「基本的に、2.5次元作品の時には1秒たりとも崎山つばさを出したくないと思っているんです。ただ石切丸の場合、参考になるものがゲームのボイスくらいしかない。それで、神道や神社について、日本刀や平安時代のこと、着物の所作といったものから固めていくやり方をしたんです。そこに辿り着くまでも大変でしたが、歌にダンスに殺陣と、他にもやるべきことが山積みで、たくさんのハードルを越えなければいけない現場でした。でも、そうやってできない理由を並べて逃げたりはしたくないと思っているんです」物腰が柔らかく落ち着いた穏やかな口調からは、ともすると控えめな印象を受けるけれど、内には揺るがぬ芯を持った人なのだ。「スポーツをやってきたからか、ハートは強い方なんです(笑)。昔から負けず嫌いで、どんなに否定されても『次こそは…』って、挑んでいくタイプでした。熱血ではないですが、内なるものは強い。青い火系だと思います」そう言って、小さくフフと笑う。「自分が苦手なことに敢えて挑んでいくようなところがあるんです。苦しいけれど、そこまで嫌じゃない…そういう性分なんですよね」先頃、夏に演じた舞台『煉獄に笑う』の劇中歌として歌った『月花夜』でCDデビューも果たした。「最初は僕も驚きましたが、機会があるなら可能性を探りたい。つねに挑戦していきたいんです」CHARACTER FILEミュージカル『刀剣乱舞』石切丸「もともと僕が神社が好きだったので、神社に奉納されたご神刀だった石切丸を演じられたことに特別な縁を感じています」さきやま・つばさ1989年11月3日生まれ、千葉県出身。読者モデルとして活躍後、’14年より俳優として舞台を中心に活動中。11月1日に崎山つばさ with 桜 menでCD『月花夜』をリリース。来年1月に開幕の舞台『クジラの子らは砂上に歌う』に出演。ニット¥36,000(ジョン メゾン スミス/HEMT PRTEL:03・6721・0882)パンツ¥14,000(オールド パーク/HEMT PR)その他はスタイリスト私物※『anan』2017年12月6日号より。写真・天日恵美子スタイリスト・壽村太一ヘア&メイク・shibuya(vitamins)
2017年12月05日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、歌手の日南響子さんです。女優と歌手、2つの顔を持ち、多方面でマルチな才能を発揮中!小さい頃から女優と歌手に憧れていたという日南さん。「中学1年生で受けた雑誌モデルオーディションがデビューのきっかけ。女優のお仕事をしながら映画の主題歌も歌わせていただいて、夢が叶いました」。それから精力的に音楽活動をすることを決意。約3年前から「珠麟‐しゅりん‐」名義でライブや配信を行う。「ゼロからのスタートだったので、ライブ会場に音源を送って、あえて名前と顔を隠して路上ライブをするところから始めました。音楽活動は、自分の体が使えなくなるまで続けたい!」血が繋がってないのに2羽はいつも一緒。文鳥のやつめとちょぼ。懐くまで時間がかかったけど、こんなに親密に!愛らしい見た目と性格にメロメロなんです!こよみくんは、歌をうたったり、おもちゃで遊んだり、かなりやんちゃ!愛鳥家から人気の鳩笛を集めています。「ほ~」と音が出る鳩笛。作られた地域によって色や形が違うのも魅力的!ひなみ・きょおこ1994年生まれ。「日南響子」名義で女優、「珠麟」名義で歌手活動を行い、多彩な表現力で多くのファンを魅了。※『anan』2017年12月6日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2017年12月04日