今注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回登場してくれたのは、5歳から子役として活躍していた吉川愛さんです。5歳から子役として活躍。引退期間を経て、再び女優の道へ!ドラマ『愛してたって、秘密はある。』で演じた、ミステリアスな女子高生役が記憶に新しい吉川さん。実は学業に専念するために昨年引退しており、この作品が約1年ぶりの復帰作に。「引退期間中は勉強を頑張りつつ、初めてのバイトも経験。また演技をしたいな…と思い始めた矢先、スカウトされて。今、とても新鮮な気持ちでお仕事させてもらっています」。クールな役を演じることが多いけれど、素顔は?「周りの人いわく、テレビでの顔とは違うって。自分ではクールなつもりなんですけどね…(笑)」愛犬と戯れるのが一番の幸せタイム。パピヨンとミニチュアピンシャーの女の子。見事に性格が違って面白い!ドキンちゃんの大ファンです!好きすぎて、テレビはもちろん、映画も観ます。一途でかわいいの。セレーナ・ゴメスのグッズを集めています。彼女のルックスや歌声が大好き。昨年の初来日公演も行きました♪よしかわ・あい1999年生まれ。映画『ひみつのアッコちゃん』、ドラマ『ホタルノヒカリ』や『あまちゃん』など数々の作品に出演。※『anan』2017年10月4日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2017年09月30日戦国時代にタイムスリップしてしまった女子高生が、愛する若君を守るため戦場を駆け抜ける森本梢子さんの大人気コミック『アシガール』がドラマ化。ヒロインの速川唯役には黒島結菜さん。そして、唯が一目惚れしてしまう若君・羽木九八郎忠清を演じるのは健太郎さん。映画『サクラダリセット』での共演歴もあるお二人に、お話を伺いました。戦国時代にタイムスリップした女子高生と若君の恋物語。健太郎:最初にキャスティングを聞いたとき、ちょっと意外だったんです。『サクラダリセット』の黒島さんは、静かな役だったせいか全然唯のイメージがなくて。黒島:私は逆に、若君を健太郎君がやるって聞いて、クールな雰囲気が“っぽいな”って思いましたね。健太郎:僕、普段は少女漫画を読まないんですが、『アシガール』は男性も楽しめるので一気に読みました。黒島:私も普段はほとんど漫画は読まないんですけど、これは今まで読んだ漫画の中で一番面白かった。「あ~!!若君かっこいい~!!」ってなりながら読んでました(笑)。健太郎:プレッシャーを感じる(笑)。若君は本当にかっこよくて、完璧人間なので頑張らないとなって。黒島:このドラマは若君が本当にかっこいいので誰でも漫画の世界に入り込んだような気分になれるんです。健太郎:“顎クイ”もありましたね。黒島:“顎クイ”の撮影のとき、さらっとやるから、健太郎君さすがだなって。びっくりしすぎて「へ…?」って言っちゃったもん(笑)。健太郎:さらっとではないです(笑)。黒島:若君は本当においしいところを全部持っていくよね。健太郎:殺陣のシーンも他の方が苦労されている中、僕は馬に乗ってやってきて、最後、唯にかかろうとするやつを倒すだけですから(笑)。黒島:乗馬の練習は大変だったよね。健太郎:練習で30回くらい乗せてもらったんですが、楽しい半面、最初はお尻が痛くて大変でした。黒島:私もお尻が痛かった~!健太郎:でも、馬がめちゃくちゃかわいくないですか?黒島:わかる。馬が癒し。現場のムードメーカーになってるんですよね。健太郎:黒島さんは走るシーンが多いですよね。そして速い!黒島:速くなったんですよ!もともと走るのは好きなんですけど、撮影のために裸足で走ったり、たくさん練習したので。健太郎:黒島さん、前に共演したときはあまり喋らなかったせいか、もっと静かな人だと思っていたんですが、話しかければ喋ってくれるんですね。黒島:そりゃあ、私だって喋りますよ!(笑)『アシガール』戦国時代にタイムスリップした唯は正体を隠し、若君を守ろうと足軽となって戦場を駆けめぐる。NHK総合、毎週土曜18:05~放送中。出演/黒島結菜、健太郎、松下優也、ともさかりえ、川栄李奈、石黒賢、イッセー尾形ほかくろしま・ゆいな1997年生まれ、沖縄県出身。女優。さまざまな映画やドラマで活躍。主演映画『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』は来年公開予定。けんたろう1997年生まれ、東京都出身。俳優。10月28日公開の映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』に出演。初主演映画『デメキン』が12月2日公開。※『anan』2017年10月4日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2017年09月28日バンド結成20周年の今年、7年ぶりにニューアルバムをリリースしたロックバンド・RIZE。ダブルで嬉しいタイミングに、ドラマーの金子ノブアキさんにインタビュー!「20周年なんてメンバーみんな忘れていたんですが、デビュー当時に所属していたレコード会社に戻って、新たな気持ちでアルバムを作ることになりました。バンドが原点に立ち返ることができたし、今年だからこそ作れたアルバムだと思います」メンバーのJESSEはThe BONEZ、KenKenはLIFE IS GROOVE、Dragon Ash.など別のバンドでも活躍中。金子さん自身も、俳優業やドラマーとしてのソロワークのほか、パフォーマーとのコラボなど活動は多岐にわたる。しかし3人の原点は、やはりRIZE。「このメンバーで音を出すと、結成したころの衝動や焦燥感が引っ張り出されてくるんだよね。いまのRIZEらしさを出すなら、一発録りでやるべきだよ、と思ってドラムとベースはほぼワンテイクです。説明が難しいんだけど、2回3回録っても、まるで魔法みたいに、最初のプレイがいちばんカッコいいんです」金子さんとJESSEはとりわけ’90年代のアメリカ西海岸のミクスチャーロックに影響を受けた世代だ。この『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』からは、彼らが吸収してきた音楽の原点を、おおいに感じさせられる。「アメリカにもこういうバンドはもういなくなっちゃったから、絶滅危惧種?(笑)そんなこと気にせず、全身で表現しているよ。ライブはみんなで命を分け合うような瞬間なので、その基本に立ち返って、この作品を作れたことは非常に大きいね」20年前、高校生でRIZEを結成したころから、金子さんは「変わったバンドだな」と思っていたそうだが、いま再び、いい意味での特殊性を強く感じると言う。「今回は、半分裏方のような気持ちでレコーディングしました。ドラマーに徹し、サウンド面は3人に大部分を任せました。JESSEのラップは誰よりもカッコいいし、ギターのリフのキレ味も、他にできる人が見当たらないぐらいいいんですよ。そしてKenKenのベースとサポートギターのRio君という2人のソリストが、ボーカルをうまく盛り上げてくれる。これだけ濃いメンバーが集まって成立する音、我がバンドながら最高だと思います」そして12月にはRIZEとして初の武道館公演が控えている。「’97年の『新宿ロフト』20周年イベントでRIZEを結成し、武道館で演奏したんですよ。思い出もあるので特別なライブになるでしょう」8th ALBUM『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』【初回生産限定盤CD+Blu-ray】¥5,000映像特典は昨年のツアーファイナルのライブの模様とドキュメンタリーを収録。【通常盤CD】¥3,000*共に税込み(EPIC RECORDS JAPAN)ライズメンバーはJESSE(V&G)、金子ノブアキ(D)、KenKen(B)。JESSEと金子により結成され、2000年『カミナリ』でデビュー。2006年にKenKen加入。9月後半から全国22会場をツアーし、12/20に初の武道館公演を行う。※『anan』2017年9月27日号より。写真・内山めぐみ文・北條尚子(by anan編集部)
2017年09月26日いつも穏やかな空気をまとい、優しい笑みを湛えている。松坂さんの印象は何度お会いしてもブレない。けれども役者としての風格は確実に増していくようだ。そんな松坂桃李さんが新たに出演したのは、沼田まほかるさん原作の映画『ユリゴコロ』。「沼田さんにお会いしたことはないのですが、作品は以前から知っています。とにかく、普通の人物が出てこないんですよ。たとえ普通に見えても実はどこか欠落していて、とてもすんなりとは共感し得ないキャラクターばかり。それなのに、不思議と魅力的に感じてしまうんです。こういう人ってどこかにいそうで、気になってしまう感じというのかなあ…。沼田さんはどういう精神状態でこれを書いているんだろうって考えちゃいますね」それを言うなら、松坂さんもハードな役柄を演じることも少なくないはず。メンタルのコントロールはどうしているのだろうか。そのために、普段は平和的で、ニュートラルな状態に自分を置いているのですか?「そうですね。いつも現場でたくさん刺激をもらえるからというのもあって、私生活はなるべく省エネモードです(笑)。沼田さんも、もしかしたらそうなんですかね」松坂さん演じる亮介の婚約者・千絵(清野菜名)が突然失踪。直後に亮介は実家の押し入れで一冊のノートを発見し、物語は動きだす。それは美紗子と名乗る女(吉高由里子)の手記で、殺人を犯したことを告白していた。一体、誰が何のために書いたのか、ユリゴコロとは何か。そんななか、千絵のかつての同僚だという細谷(木村多江)が亮介を訪ねてくる。「困ったことに、これ以上何か説明しようとするとネタバレしてしまいかねない。それほど緻密に練り上げられた物語なんです。手記の登場人物として、美紗子とその恋人の洋介(松山ケンイチ)がいて、亮介の現実として細谷や千絵がいるんですが、先ほど話したように、登場人物はみんな独特です」亮介は、男手一つで父親に育てられた、父親思いの心優しい青年。しかし物語が進むにつれ、感情の波が激しくなっていき、突然、怒りや憎悪が湧いたりするようになる。そんな二面性を持つ役柄を演じるにあたって、監督からは、「どこの感情にも寄りかからずに演じてくれ、と言われました。優しさにも憎しみにも寄りすぎず、感情のシーソーが大事だと。撮影では、(木村)多江さんと清野さんと一緒の場面が多かったんですが、女性ばかりとはいえ、常に張りつめた空気が漂っていました。でもこの作品にとって、それは必要な緊張感だったと思っています」ミステリー作品でも「ものすごく濃い愛の形がある」と松坂さん。「身近に感じられる話ではないと思いますが、ある意味、誰もが自分の中に通じる部分を見つけるのではないでしょうか。台本を初めて読んだ時、ぐーっとのめり込んでいって、最後はふわっと、あ、終わった!という感覚でした。これはミステリーともいえるけれど、濃度が高い恋愛映画だと思っています」『ユリゴコロ』父は余命宣告をされ、婚約者は失踪。そして実家で見つけた一冊のノートをきっかけに、亮介のありふれた日常は、思いもよらなかった方向に転がりだす…。脚本・監督/熊澤尚人出演/吉高由里子、松坂桃李、松山ケンイチほか9月23日より全国ロードショー。(C)沼田まほかる/双葉社(C)2017「ユリゴコロ」製作委員会まつざか・とおり1988年10月17日生まれ。『侍戦隊シンケンジャー』で俳優デビュー。今後公開の映画に『彼女がその名を知らない鳥たち』(10/28~)、『不能犯』『孤狼の血』が。ジャケット¥56,000(ソーイ/エム アイ ユーTEL:03・5457・2166)シャツ¥22,000(イッティビッティ/ストライプスデザインTEL:03・5768・2401)※『anan』2017年9月27日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・小林 新(UM)ヘア&メイク・HORI(BE NATURAL)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2017年09月25日男子が好きないまどきモテ顔は?いまをトキメク若手俳優インタビューから、男子が釘付けになるモテ顔について分析!今回は、鈴木仁さんに話をうかがいました。すっぴんって、気を許してくれている証拠ですよね?メンズファッション誌の専属モデルを務めるとともに、近頃は俳優としても活躍の幅を広げる鈴木仁さん。現在、18歳で高校3年生。「女性がメイクをしているのかどうか、その差がまだわからなくて…」と少し戸惑いながらも、こんな言葉をぽつり。「ひとつ言えるとしたら、いかにも“してます”って感じの濃いメイクより、ナチュラルなほうが好きだということ。なぜなんでしょう…。その人の素が見えるような気がするからかもしれませんね」顔立ちの好みとしては、かわいい系より、キリッとクールな女性。「同年代でそういうかっこいい感じの人とまだ出会ったことがないので、イメージとしては少し年上の女性。性格も女の子らしいタイプより、男女関係なく仲良くできるサバサバした人がいいですね」鈴木さんが憧れる恋愛は、友達のようにフランクでいられる間柄。「だから、たとえばメイクも、僕といる時はすっぴんの日があってもいいと思う。そのほうが気を許してくれているようで嬉しいし、僕も気負わずにいられるから」一方、好感度の高いメイクは?「基本的にはナチュラルなんだけど、リップだけ真っ赤とか、その人が注目してもらいたいところを一部だけ強調するのはおしゃれでアリだと思います」モデルであり、自身もファッションが大好きというだけに、センスのある女性に惹かれるよう。「メイクがクール系なのに甘いファッションだと違和感がありますが、それがマニッシュとか全体的に統一されていると、いいなって思います。そういうおしゃれな子は自然と気になるし、買い物デートとかも楽しそうですね」すずき・じん1999年7月22日生まれ。東京都出身。‘16年、メンズノンノモデルオーディションで準グランプリを獲得し、専属モデルに。TBSドラマ『リバース』、映画『兄に愛されすぎて困ってます』などに出演。※『anan』2017年9月27日号より。取材、文・保手濱奈美写真・小笠原真紀スタイリスト・田村和之ヘア&メイク・牧野裕大取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2017年09月21日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の染野有来さんです。地元ののんびりした環境が今の私を作っています!3年前、「JUNONガールズコンテスト」でグランプリを獲得。「小学生の時はバレーボールをやっていて、中学に入ってそれに代わる打ち込めるものがほしいと思い、応募したんです」。以降、数々のドラマや映画に出演し、地元・茨城と東京を往復する日々を送る。「祖父母も一緒に住んでいて、10人家族なんです。自然豊かな場所で人に囲まれて育ったからこその、のんびりした性格は私の強み。でもお仕事ではとんがった役をやってみたいな、ギャルとか!自分とかけはなれた役に惹かれるんです」2時間並んだかいがありました。ロケで行った岐阜で見つけた『赤鰐』というお店のかき氷。最高に美味!大人のぬり絵にハマっています。ファッションをテーマにしたもので、デザイナー気分を味わえて楽しい♪おばあちゃんが作った野菜が大好き!採れたて野菜を食べられる環境にいられて、本当に幸せだなって思います。そめの・ゆら2000年生まれ。ドラマやCMなどで活躍中。最近の出演作は映画『ポエトリーエンジェル』『パパのお弁当は世界一』など。最新情報はTwitter(@yura_someno)で。※『anan』2017年9月6日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2017年09月05日芥川龍之介の数本の短編を題材にした舞台『百鬼オペラ 羅生門』に出演する吉沢亮さんに、稽古開始当初の思いを話していただきました。「芥川の世界が面白く楽しい感じになっています」可愛さと少しの毒とユーモアを含んだアーティスティックな舞台で、日本でも多くのファンを持つ演出家、インバル・ピント&アブシャロム・ポラック。イスラエルを拠点に世界で活躍する彼らの新作は、芥川龍之介の数本の短編を題材にした舞台『百鬼オペラ 羅生門』。「我々日本人が考える芥川作品というと、黒澤明さんの映画みたいな黒くドロドロとした暗い世界だと思うんです。でも海外の演出家だからか、美術や衣裳を含めてもっとファンタジックで楽しい感じなんですよね。悲劇であるはずなのに喜劇として面白おかしく扱っているというか」表題の「羅生門」を軸に、悪に手を染めても生き延びる道を選ぶ下人の妄想や白昼夢として、「藪の中」「蜘蛛の糸」「鼻」などの短編が組み込まれ、一本の物語に。吉沢亮さんは、その下人と相対していく存在として登場する。「台本を読んで、芥川の短編がこんなふうにひとつの世界にまとまるんだ、と単純に面白かったです。とはいえシーンごとに、やることもセリフのトーンや心情も変わるし、ひとつの場面でも笑ったり泣いたり感情がいろんな方向に行くので、最初は戸惑いました。いまようやく慣れてきて、いろんな心情でいろんな顔をして、自分ができる範囲の感情を出すのが面白くなってきています」しかし、稽古開始当初の本読みで、「周りがうますぎて、一瞬ですが、役者辞めたいとすら思った」くらい打ちのめされたそう。「その後の自分のセリフ読みたくねーってなりました。いまの自分にあるものを出し切らないと」そう話す口調はきっぱりと力強い。「ここ最近、わかりやすい役じゃないものを演じる機会が増えてきています。これまでやってきたことを誰かが見ていてくれて、選んでくれているのかなという気がして嬉しいんです。今回、素敵な共演者の方々と、新しい刺激をくれる演出家さんと一緒にやれることがありがたいです」よしざわ・りょう1994年生まれ。現在公開中の映画『銀魂』に出演。この先も、10 月に『斉木楠雄のΨ難』、来年には『リバーズ・エッジ』など出演映画の公開が続く。シャツ¥8,000(ビューティ&ユース/ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 渋谷公園通り店TEL:03・5428・1893)その他はスタイリスト私物『百鬼オペラ 羅生門』9月8日(金)~25日(月)渋谷・Bunkamura シアターコクーン原作/芥川龍之介脚本/長田育恵演出・振付・美術・衣裳/インバル・ピント&アブシャロム・ポラック出演/柄本佑、満島ひかり、吉沢亮、田口浩正、小松和重、銀粉蝶ほかS席1万800円A席8500円コクーンシート6500円*すべて税込みホリプロチケットセンターTEL:03・3490・494910月に地方公演あり。(C)奥山由之※『anan』2017年9月6日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・荒木大輔ヘア&メイク・内山多加子(commune)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年09月04日大好きで大好きで、それをせずにはいられない。そんな自分にとって最も大切な何かにいち早く気がついて、努力し、才能を発揮しているNEXTジェネレーション。その中の一人、監督としても、女優としても、映画界が注目する若き才能・小川紗良さんをご紹介。作品をお披露目する時の達成感がたまらない!高校生の頃にモデルを始め、現在は女優、映画監督として活躍する小川紗良さん。これまで2作の自主制作映画で脚本、監督、編集、主演を務めており、マルチな才能に注目が集まっている。「初めて映像を撮ったのは高校生の時。文化祭の記録を撮って、みんなに喜んでもらえたのが快感で、やみつきになりました。監督に主演と、1人で何役もやっているのでスマートに思われがちですが、決してそんなことはなく、頭の中はカオス(笑)。今は3作目を準備中。今度は出演せず、監督に徹するつもり。大学で先生からアドバイスを受けながら、プロットを練っているところです」小川さんは現役の大学生でもある。この“先生”とは、小川さんが通う早稲田大学で教鞭をとる映画監督の是枝裕和さん。「是枝先生は私の大きな目標。国内外で高く評価され、数々の海外映画祭に出品している先生を見て、私も海外に目を向けるようになりました。今年初めて、主演を務めた『イノセント15』という映画で韓国の全州国際映画祭に参加したんです。刺激的な経験で、視野が広がりました。いつか自分の監督作を引っさげて海外の映画祭に参加することが、今の夢です」おがわ・さら1996年生まれ。監督作品『BEATOPIA』が9月8日まで開催中の音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB 2017」で公開中。来年公開の映画『リバーズ・エッジ』に出演。ブラウス¥19,000オールインワン¥29,000(共にポルテデブトンTEL:03・6277・2973)※『anan』2017年9月6日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・白男川清美ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ)取材、文・間宮寧子(by anan編集部)
2017年08月31日8月19日から全国で順次公開となる映画『隠された時間』。中身は13歳のまま外見だけ大人になってしまった少年役を演じるカン・ドンウォンさんに制作の裏話などを伺いました!時が止まった世界に閉じ込められ、大人になってしまった少年の物語。満月の日、小さな島で同級生と共に行方不明になった13歳の少年ソンミン。数日後、彼は恋心を寄せていた孤独な少女スリンの前に突然姿を現す。失踪前とは似ても似つかない、大人の容姿へと変貌を遂げて…。「もともとファンタジーは好きなほうなので、最初にシナリオを読んだときから興味を引かれました。でも正直、商業性には欠けると思ったし、過去に僕が出演した『超能力者』という作品に似ている部分も多かったんです。そして何より、監督が新人ということもあって、出演するかどうかはかなり悩みました。ちょうどスケジュールが立て込んでいて、監督とゆっくり話す時間も取れなくて。そんなとき、監督がわざわざ撮影現場まで会いに来てくださったんです。そこでいろいろ話をしてみたら、分かり合える部分が多く、とてもスマートな印象を受けたので、この人なら信じられると思いました」カン・ドンウォンさんが演じるのは、時間が止まった異世界に閉じ込められた少年ソンミン。もとの時空に戻ってきても、自分の身に起きた不可思議な話を信じてくれるのはスリンだけ。周囲の大人からは猜疑の目を向けられ、容姿は大人でも心は孤独と恐怖に震える子供のまま…という繊細で難しいキャラクターだ。「一番心配だったのは、心は子供でも見た目は大人なので、あまりオーバーにやりすぎると見ているほうが気恥ずかしくなってしまうんじゃないかということでした。だから少年の面影を残しつつも、観客が見たときに違和感を与えないよう、バランスを考えながら演じていましたね」驚いたのは、その撮影方法。「時が止まった街の風景も、実際にそこに何人もの人を立たせて撮影しているんです。だから少しでも風が吹いたら、すべてNGになってしまって。アナログの撮影方法を選んだ理由は、韓国にはまだフル3Dのシステムが揃っていないということもありますけど…、金銭的な理由が一番大きいでしょうね(笑)。フル3Dだと莫大なお金がかかりますから。でも、風の問題や撮っていたのが冬で日照時間が短かったこともあり、撮影日数が予定より大幅に延びてしまったんです。そのせいで、予算が結果的に10億ウォン以上オーバーしていて。その予算があれば、最初からフル3Dのセットが作れたんじゃないかなって思ったり(笑)。もう一度この映画を撮り直せって言われたら、間違いなく別の方法で撮ったでしょうね。本当にここまで大変だとは思ってもみなかったです(笑)」もしドンウォンさん自身が、ソンミンと同じように時が止まった世界に捕われてしまったとしたら…?「それでも、生きていかないといけないから。たぶん、時が再び動きださなかったとしても、僕は自ら命を絶つようなことはしない。映画のように人を浮かばせたりして遊びながら、最後まで生き続けるんじゃないかな(笑)。現実の世界で時間が止まったとしたら…?日頃、人目を気にしてできないようなことを全部やるでしょうね。とりあえず、銭湯に行こうかな。もちろん、女湯。じゃなかったら、意味がないでしょう?(笑)今言ったこと、全部書いてもらって大丈夫ですよ!(笑)」カン・ドンウォンさん1981年1月18日生まれ、韓国・釜山出身。’00年にモデルとして芸能界入りし、’03年に俳優デビュー。10月末には映画『マスター』の日本公開を控えている。『隠された時間』謎の失踪事件の数日後に、大人の姿になって帰ってきた少年と、唯一の理解者になろうとする少女との心の絆を描いた物語。監督・脚本/オム・テファ出演/カン・ドンウォン、シン・ウンスほか8月19日~全国順次公開。(C)2016 showbox and barunson e&a ALL RIGHTS RESERVED.シャツ¥69,000(ステラ マッカートニー メンズウェア/ステラ マッカートニー ジャパンTEL:03・6427・3507)Tシャツはスタイリスト私物※『anan』2017年8月16・23日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)スタイリスト・杉本学子(ホイットニー)ヘア・ペク・フングォンメイク・アン・ソンヒ文・菅野綾子(by anan編集部)
2017年08月22日星野源の『恋』からファンになったあなたも、デビューから追いかけているあなたも、お待たせしました。まもなく出ます、10枚目。誰もが心の奥に持つ、優しい気持ちを呼び覚ましてくれる新曲『Family Song』。家族をテーマにしたドラマの主題歌である。「改めて家族ってなんだろうと考えました。『恋』を作ったときも思いましたが、これからの家族は、様々な形があり得ます。両親が同性の場合もあるかもしれないし、いままでのみんなが共有していた家族像とは違ってくる。そうしたら、血のつながりや同居していることだけが家族じゃない。相手の幸せを心から祈れる関係をいうんじゃないかと思ったんです」胸を打つ、サビのフレーズは、まさに祈りそのもの。「言葉にすると少し恥ずかしいですが、家族の一番根っこにあるものはやっぱり<愛>だと思うんですね。奇をてらうことなく、素直にそれを歌詞にできたのは、書いていて気持ちがよかったです」一方、カップリング曲の「肌」は、匂い立つ大人の恋を連想させるうっとりソングだ。「こういう音がテレビから流れることはあまりないので、いいなと思いました。誰もが知るボディソープのCM曲なので、ファミリーなイメージにソウルミュージックの官能を重ねて……」曲を聴くかぎりは、男女の歌の装い。<ファミリーなイメージ>は想像すらしなかったけれど。「恋人とも夫婦とも、親子とも捉えられるように描いたんです。歌詞の『その胸に口づけを』は、官能的な意味も、赤ちゃん授乳の意味も込めました」なるほど、さすが策士、すっかり騙されましたと伝えると、「騙してないです!(笑)いろんな解釈ができる、幅のあるものにしたいと思ったんです。この曲に限らず、基本的に一人称で歌っていても、主人公は僕ではないんですよね。聴く人それぞれの想いや物語が載せられる曲になったらいいなと思っています」ご存じのとおり、前作「恋」は大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌。CDセールス35万枚、ダウンロード数も170万を超え、小学生からアメリカ大使まで踊りまくった「恋ダンス」は社会現象に。その次の新曲となれば、プレッシャーもあったのではないか。「そういうのはなかったです。『恋』はドラマ公開の1週間前にリリースしました。シングルが売れない時代にありがたいことに多数売れて評判もよかった。そのとき、純粋な<楽曲だけの力>を確認できたんですね。だから、その後の盛り上がりについては、僕の力を超えた、なんというかボーナスのようなものに感じています」ドラマの作品の力、俳優・星野源が出演したこと、ダンスの力。なにより、簡単な振付ではないにもかかわらず、大勢の人が「踊りたい!」と各所で挑戦してくれたことが要因と冷静に分析する。「だから、次の楽曲にこの現象を反映させちゃいけないと考えました。素直に好きなもの、自分が楽しいと思うものを作りました」シングル『Family Song』(日本テレビ系水曜ドラマ『過保護のカホコ』主題歌)花王ビオレuボディウォッシュCM曲「肌」を含め、全4曲収録初回限定盤(CD+DVD)¥1,800通常盤(CD)¥1,200 8/16発売。(SPEEDSTAR RECORDS)※『anan』2017年8月9日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・TEPPEIヘア&メイク・高草木 剛(VANITES)取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年08月13日劇作家・演出家+俳優の、刺激的で新たな出会い。シアターコクーン・オンレパートリー2017『プレイヤー』に出演する藤原竜也さんに話をうかがいました。昨年の映画『太陽』、今年9月公開の『散歩する侵略者』と、いまや演劇界のみならず、その作品が高く評価されている前川知大さん。その前川さんの戯曲を、これまた傑出した才能で新たな演劇の可能性を開拓し続けている長塚圭史さんが演出。このふたりの劇作家・演出家の刺激的なタッグに出演する藤原竜也さん。「僕のなかで、昨年、蜷川(幸雄)さんが亡くなったのはすごく大きいことなんですよね。それこそ、まだ自分が何者でもない時からずっと存在していた正確な秤を失って、これからどっちに進んでいったらいいのか、自分で考えていかなければいけなくなった。もっと広い世界、いろんな演出を見て吸収した方がいいと思う、そんなタイミングで長塚さんや前川さんという才能を持った方々とやらせてもらえる。僕がこれまでやったことがなかったようなタイプの作品ですし、35歳になって新しい気持ちで挑戦できることがありがたいし、ワクワクしますよね」同じ演劇というジャンルではあるけれど、長塚さんの稽古場は、戯曲へのアプローチの仕方から時間の使い方まですべてが新鮮だと話す。「蜷川さんの現場では、稽古初日までにみっちり台本を読み込んできて、集まった日からすぐに立って動いて、というのが当たり前だったんですが、今回は、最初の2週間ほどはテーブル稽古で、ここのセリフを発する意味は…と話し合ったり、皆で戯曲の答えを見つけていく時間がありました。そこには前川さんも同席していたんですが、作家の目の前で戯曲の解釈を話し合うのは長塚さんにとっても挑戦なんじゃないかな。それに、稽古の前のゲーム(形式の稽古)というのもとても新鮮でしたね」また、「僕が背負ってきた世界観や演劇的な技術を取り除いて、いい意味で楽にさせてくれている」とも。「長塚さんは『ご主役をいろいろやられてきた方ですけれど、そういう責めたり当てたりする芝居はしなくていいです』とか、『王室のシーンをたくさん演じてこられたとは思いますが、ここはいわゆる地方の公共劇場で、売れかけの俳優という設定ですので、ご理解ください』とかおっしゃるんですよ。言われるたびに、言い方…って思ってますけど、稽古場を盛り上げてくれてます(笑)」物語の舞台は、地方の公共劇場。そこで上演される舞台の稽古のために集められたメンバーが、とある戯曲を演じていくうち、その劇中の世界に取り込まれていくというもの。「僕らの仕事って、劇作家の言葉を自分の肉体を使って現代のお客さんに伝える役割。寺山(修司)さんの言葉を肉体化させることに必死になっていた若い頃には、戯曲の世界に自分自身を没入させるしかなくて、それは、どこか死者の言葉に取り込まれていくのと近い感覚だったのかなと思うんですよ。ただ、少しずつ経験を積んで、いまは役に没入しながらも、同時に冷静に見つめる自分もいる。そういう僕らの日常と、劇世界とをリンクさせながら、最終的に思いもよらない世界を見せてくれるのが今回の作品。稽古をすればするほど、面白くなっていってます」ふじわら・たつや1997年に蜷川幸雄演出の舞台『身毒丸』でデビュー。現在、主演映画『22年目の告白‐私が殺人犯です‐』が大ヒット中。主演ドラマ『リバース』のDVD&Blu-rayは10月25日発売。地方都市の公共劇場で、『PLAYER』という戯曲が上演されることになった。劇中劇と稽古場の2つの世界が行き来するうち、次第にその境目が曖昧になって…。8月4日(金)~27日(日)渋谷・Bunkamura シアターコクーン作/前川知大演出/長塚圭史出演/藤原竜也、仲村トオル、成海璃子、シルビア・グラブ、峯村リエ、高橋努、安井順平、村川絵梨、長井短、大鶴佐助、本折最強さとし、櫻井章喜、木場勝己、真飛聖S席1万500円A席8500円コクーンシート5500円*すべて税込みBunkamuraTEL:03・3477・3244大阪、静岡公演あり。※『anan』2017年8月9日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・小林 新(UM)ヘア&メイク・赤塚修二(メーキャップルーム)インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年08月12日俳優、音楽家、文筆業まで…。その無限に広がる活動と無敵の笑顔で、いつだって、私たちの頭上に輝く彼。星野源という、きらめく“銀河”の源とは?昔から「二足の鞋はやめて一つにしぼったほうがいい」という周囲の忠告を聞き流し、自分のやりたい気持ちに忠実に、音楽、俳優、文筆業…と何足もの鞋を重ね履きして走ってきた星野源さん。「黒柳徹子さんに長生きの秘訣を聞いてみたら、『好きなことをすることよ』とおっしゃって、別の機会にお会いした加山雄三さんも同じことをおっしゃったんです。好きなことを追求するのはやはり大事なんだなと思いました」どの仕事も手を抜かず、自分の「面白いと思うもの」をねばり強く具現化。その積み重ねののち、昨年は大ブレイクに。星野さんの場合、得意じゃないことさえ、果敢に挑戦し、“好き”の純度を上げていく。映像での演技も面白いと感じたのは最近のことらしい。「(俳優業は)最初が舞台だったので、お客さんの反応が演じていてうれしいと思っていたんです。でも、映画『箱入り息子の恋』『地獄でなぜ悪い』あたりから演技の気づきがあって、『逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)』くらいから、セリフのあるなしにかかわらず、カメラ前に立って役として存在するのが楽しくなりました。ものすごく最近ですが(笑)」待ちに待った新作は『連続ドラマWプラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~』。ひょんなことから前科者になってしまった貴生(星野源)は、家を失い、過去を背負う人たちが集まるシェアハウス「プラージュ」に入居することになる。「いい人の役が多かったので、1話の脚本を読んで、やったことのない役で楽しそうだなと思いました。プラージュの住民と関わることで貴生は変化するので、役作りをするというよりは、相手のお芝居を受けて演じる感じでしたね」現在はツアー中。変わらず忙しい日々だが、スマホの動画サイトを見るのは好きな時間の一つ。「海外の楽曲だったりミュージックビデオを主に見てます。もう10年ほど前からニコニコ動画に上がっているMAD動画を見てすごく刺激をもらっていましたね。楽曲も面白いものが多いですし」どれだけ仕事で疲れていても、作り手の情熱を感じられる作品に触れると一発で元気になるという星野さん。「小説でも映画でもドラマでも、作家が言いたいことを登場人物に言わせているような作品を見ると引いてしまうけど、作り手のポリシーが作品の世界に宿りつつ、登場人物はそれぞれちゃんと自分の言葉でしゃべっているものがすごく好き。それを具現化するのは体力がいるし、簡単ではないと思いますが、僕も自分の作品を作るときは、そういう姿勢でいたいなと思っています」連続ドラマWプラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~原作/誉田哲也(『プラージュ』幻冬舎文庫)監督/吉田康弘出演/星野源、石田ゆり子ほか。8月12日よりWOWOWにて毎週土曜夜10時(全5話)放送。*第1話は無料放送。新規加入、追加契約した方にはオリジナルグッズも。ほしの・げん1981年1月28日生まれ。『連続ドラマWプラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~』に出演。シングル『Family Song』(ビクター)が8/16発売。ジャケット¥229,000シャツ¥41,000パンツ¥50,000ネクタイ¥20,000タイバー¥30,000(以上dunhill)ベルト¥16,200(PHINGERINwww.phingerin.com)時計¥33,000(LARS LARSEN/大沢商会TEL:03・3527・2682)ブーツ¥36,000(or glory)その他はスタイリスト私物※『anan』2017年8月9日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・TEPPEIヘア&メイク・高草木 剛(VANITES)取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)サロン」の選び方4つ – Sponsored[/hidefeed]
2017年08月12日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優の松永有紗さんです。大舞台のヒロインを演じる運動神経抜群のアクティブガール!8月から公演の舞台『四月は君の嘘』で主演する松永さん。今の心境は?「舞台にも挑戦したいと思っていたとき、原作を読んでいた作品の主演が決まって本当に嬉しいです。大きな舞台は初めてなので緊張しますが、ワクワクしています!」。アイドル、モデルを経験し、現在女優として活躍している松永さんの今後の目標は?「石原さとみさんみたいに、いろんな役にハマる女優になりたいです。具体的には、青春モノの学園ドラマで、特技のバトントワリングが活かせる役を演じられたらいいな~!」派手な小物を集めるのが好き。イヤリング、サングラス、ネックレスなど。古着屋さんでよく購入します。見た目の可愛さで気分が上がるリップ。鮮やかなピンク、オレンジ、赤が多め。今は、ランコムが一番好きです♪空を眺めると、癒されるんです。一駅前で降りて、空を眺めながら歩くのが至福のとき。無心になれます。まつなが・ありさ1998年生まれ。女優の他、アイドルグループ「リンクSTAR‘s」でも活動中。主演する舞台『四月は君の嘘』は8月24日から東京で、9月7日から大阪で公演が始まる。※『anan』2017年8月9日号より。写真・土佐麻理子文・松下侑衣花(by anan編集部)
2017年08月07日父も母も兄も俳優という俳優一家の生まれ。子供の頃から、当たり前のように映画や演劇に触れて育ってきた青年。力まず、こだわらず。飄々としながら、俳優街道をばく進中です。兄ちゃんは世界一カッコいい。でも、興味はないです(笑)。カメラのレンズが向けられると、最初は困ったような恥ずかしそうな。でも、途中から肚を括ったのか、諦めたのか、されるがまま、なすがままといった表情に。そんな一挙手一投足を見ていると、何だか妙に和んで笑ってしまう。いま、そんな柄本時生さんの不思議な魅力にハマる女子が増加中です。――今回、ドイツで何度も上演さている『チック』という舞台への出演が決まっています。出演の決め手となったのはなんですか。柄本:僕は、声をかけていただいた仕事なら、なるべくなんでもやります…って感じなんだと思います。――でもきっと、やりたい作品や役柄というのはあるんですよね?柄本:ないです、ないです。むしろ、やっちゃいけないというか…。やりたいものをやっていたら、楽しいだけじゃないですか。それって結局は楽しくないなって。――楽しいだけでは俳優として成長しない、という意味ですか?柄本:じゃないです。じゃないです。ただ、何かしら引っかかりがあって、考えさせられたりするようなお仕事の方が好き、というか。――では、柄本さんの『チック』への引っかかりはどこでしょうか。柄本:14歳の役っていうところですかね。もう14歳じゃないですから。――大人が14歳を演じるのは、舞台ならではの面白さですよね。柄本:こういう時、演劇の嘘ってすっごい面白いなと思うんです。僕は。――では、台本を読んで、面白いと感じたポイントを伺えますか?柄本:14歳ですね。例えば『スタンド・バイ・ミー』のように、子供と大人の境のような時期を描いたものってどれも面白いんですよね。大人は観て懐かしく思うし、子供は憧れる年頃なんだと思います。――その年頃の役をどう演じようと思っています?柄本:そういうのはない…です。演出家さんに言われたことをやるだけで、あとは面白い作品になるように頑張ります、っていうだけです。――自分の意思は必要ない、と?柄本:はい。僕はそうなんです…。――俳優になろうと思われた時には、こういう作品に出てみたいという気持ちはあったんですよね。柄本:僕の場合、兄ちゃん(柄本佑さん)に来た仕事が(年齢的に)兄ちゃんができなくて、僕に来たってだけですから。――でも、引き受けた時には、やってみようと思われたわけで…。柄本:詳しいことは何も説明されずに、とりあえず行ってほしいんだよねって言われたんです。で、駅からの道すがら、これからオーディションだからって言われるっていう(笑)。すでに向かっちゃっているし、さすがに回れ右はできないですよね。でも、そりゃあ興味なかったって言ったら嘘ですよ。――最初のきっかけはそうかもしれませんが、続けていくには、それなりの意志が必要ですよね。柄本:はっきり言ったら、高校生の時に大学受験を失敗して、社会人にならなきゃいけなくなったんです。そこから意識しましたね。まあ、その時にうまくいっていた方に流れていったって感じなんですけど。――その選択に関して、ご両親の助言や反対などはありました?柄本:うちの家族って変なんですよ。そもそも、親は共働きで家にいなかったし、最初っから親離れしてたみたいなもんでしたし…。――それと関係しているのか、以前のインタビューで、お兄さんが大好きだと話していましたよね。柄本:はっきり言ってブラコンです。大好きです。僕んなかでは、兄ちゃんが世界で一番カッコいいです。――同性同士の兄弟って、憧れと同時にライバル心も芽生えたりするものだったりしませんか?柄本:うーん…ないですね。だってあの人、運動神経が本当に悪いんですよ。僕の方が運動できますし。――えっと…では、お兄さんがカッコいいと思うポイントとは?柄本:ないですよ。なんかもう、理屈じゃないんですよね。…あと、こういうことを言えるのも、あの人に興味ないからなんです。普段何しているか全然知らないですから。――仲、いいんです…よね?柄本:すっごいいいんですけど、その理由は、お互いがお互いに興味がないからなんですよ。たぶん、興味を持ったら喧嘩するんだと思います。そもそも、家族全員、普段何してるかなんて興味ないです。――お父さん(柄本明さん)やお母さん(角替和枝さん)は、カッコいいとはならないんですか?柄本:ないですね。オヤジをカッコいいなんて思わないですよ。――でも、素晴らしい俳優さんなわけじゃないですか。柄本:だって…本当に面倒くさい人なんです。でも、そういう意味で言うと、和枝さんは面白いです。変なんです。すっごい感情的な人で、突然、「それは私に死ねって言ってるの?」とか言いますからね。笑っちゃいます。――どういう状況になると、そういう会話になるんでしょうか。柄本:僕もわっかんないんです(笑)。唐突に「ここに置いてあったものがない」って言いだす時があって、誰も知らないから、そう返すじゃないですか。そうすると「じゃあ、これに脚が生えて、どっか行ったっていうの?」って急に叫びだすんです。でもそれ、足元に落ちているんですよね。そんなオバさん、面白くないですか?――その面倒くさいお父さんと、面白いお母さんのDNAを受け継いでいるわけですけれど。柄本:すっげぇ恥ずかしかったのは、京都の東映と松竹の撮影所の間に喫茶店があるんですけど、その店に入った時にマスターが笑いながら話しかけてきて、「ホンマすごいなと思うんですけど、お兄さんもお父さんもそこ座りはるんです」って言われたんです。初めて入った店で、一番いい席だなと思って座った席だったんですけど。えもと・ときお1989年10月17日生まれ。’03年に映画『Jam Films S「すべり台」』でデビュー以降、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍。近作に、ドラマ『増山超能力師事務所』『愛してたって、秘密はある。』など。出演映画『彼女の人生は間違いじゃない』が公開中。10月に『関数ドミノ』、12月に『流山ブルーバード』と、この先も舞台出演が相次ぐ。シャツコート¥19,980ワイドパンツ¥20,952ロングシャツ¥17,820(以上CURLY/The WeftTEL:03・6450・5905)ニットTシャツ¥34,344(Handshake/The Weft)*全て税込み靴はスタイリスト私物ピアスは本人私物柄本時生さんが出演する舞台『チック』は、8月13日~27日までシアタートラムにて上演。退屈な学校生活を送っていた14歳のマイクの前に現れた変わり者の転校生・チック。ある日、チックが盗んだ車に乗って、彼を旅へと誘い出す。柄本さんは、風変わりな少年・チック役に。世田谷パブリックシアターTEL:03・5432・1515※『anan』2017年8月9日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・矢野恵美子ヘア&メイク・住本由香インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2017年08月04日この夏、WOWOWの『連続ドラマWプラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~』で初主演する星野さん。個性あふれるキャストとともに繰り広げる物語。一足お先に内容を少しご紹介。俳優・星野源史上、サイコーにダメな男を演じる。気は弱いが誠実な青年を演じることが多かった星野さんだけれど、「これまでやってきた役のなかで最もだらしなくて最初は好きになれなかった(笑)」と告白。旅行代理店に勤める32歳の吉村貴生(星野源)は、仕事もパッとせず好きな女子にもフラれ、憂さ晴らしに出た先でつい罪を犯してしまう。罪の自覚がまるでないところが、かなりダメ。そんな貴生がシェアハウス「プラージュ」に出合い、どう変化していくか?星野さんは3話くらいから貴生が好きになっていったそうです。厄介モノたちが集うシェアハウス「プラージュ」の住人に個性派キャストが集合。執行猶予中の貴生は、家を借りることもできない。唯一受け入れてもらえたのが、朝田潤子(石田ゆり子)が経営するシェアハウス「プラージュ」。貴生は入居し、併設するカフェで働くことに。この住民が個性豊か。「キャストのみなさんのやりとりを見るだけでも楽しかった」と語る星野さん。再審公判中の加藤友樹を、ドラマ初出演のスガ シカオさんが演じるのも見もの。これまでドラマのオファーは全て断っていたが、デビュー20周年で新しいことをたいというのと「源ちゃんと石田ゆり子さんをよく知っていたから」というのが受けた理由だとか。不寛容な時代に人を許せるかが大きなテーマ。犯罪者とそうでない者の間に明確な境はなく、いつ誰がそのラインを越えてしまうかわからない。「プラージュに住む人たちは、好きなことをすることさえ許されないんですよね」としみじみとつぶやく星野さん。正義をふりかざし、社会全体が罪人を裁く不寛容な現代。レールを外れた人の起死回生の機会は?コミカルな場面を交えつつ、他者を尊重し、受け入れていこうとする姿を描いたドラマ。プラージュの住人たちは、私たちのすぐ隣にいる人なのかも。連続ドラマWプラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~原作/誉田哲也(『プラージュ』幻冬舎文庫)監督/吉田康弘出演/星野源、石田ゆり子ほか。8月12日よりWOWOWにて毎週土曜夜10時(全5話)放送。*第1話は無料放送。新規加入、追加契約した方にはオリジナルグッズも。ほしの・げん1981年1月28日生まれ。『連続ドラマWプラージュ~訳ありばかりのシェアハウス~』に出演。シングル『Family Song』(ビクター)が8/16発売。※『anan』2017年8月9日号より。写真・伊藤彰紀(aosora)スタイリスト・TEPPEIヘア&メイク・高草木 剛(VANITES)取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年08月03日ドラマ『僕たちがやりました』でヒロインを演じる永野芽都さん。好きな人の前で素直になれない蓮子の女心を演じた心境をうかがいました。今どきの平凡な男子高校生たちが、ひょんなことから多数の死者を出す爆発事件の容疑者に。ドラマ『僕たちがやりました』は、そこから始まる逃亡生活の中で、彼らが罪の意識に苛まれながらも自分の生きる道を探していく異色の青春サスペンスだ。「最初に原作の漫画を読んだんです。読む前はまさか泣ける話だとは思っていなかったんですけど、ある日突然、一番近くにいたはずのトビオがいなくなっちゃったら、本当につらいだろうなって。蓮子の気持ちになって、思わず泣いてしまいました」永野芽都さんが演じるのは、窪田正孝さん演じる主人公・増渕トビオの幼なじみ・蒼川蓮子。「蓮子は周りの女の子たちより、少し先を行っているような雰囲気の女の子。チャラチャラしているように見えるけど、実はすごくピュアでトビオを一途に思い続けているんです。でもトビオの前ではなかなか素直になれなくて、大人ぶってツンツンしてしまう。そこがすごくかわいいなって。演じるときも、蓮子のそんな女心を大切にして、女友達といるときとトビオの前とでは、態度に差がつくように気をつけました」永野さん自身も、そんな蓮子の女心は痛いほどよくわかるそうで…?「私も好きな人ができると、わざと冷たくしたり、興味がないフリをしちゃうタイプ(笑)。だから撮影中も“わかるよ蓮子!そうだよね、そうだよね~!”って心の中で思いながら演じていました(笑)」窪田さんとは4年ぶりの再共演。「すごく久しぶりにお会いしたんですけど、相変わらず優しいお兄ちゃんという印象。私はもちろん、ドラマの中で窪田さんの遊び仲間を演じている間宮祥太朗さん、今野浩喜さん、葉山奨之さんも、みんな窪田さんについていってる感じがします。この4人組のやり取りが本当に面白くて。本読みの段階であんなに笑ったのは初めてです!4人の会話はアドリブも多いみたいなので、そういう話を聞くと、男のコってなんだか楽しそうだな~って羨ましく思ったりもしました(笑)」公式ブログでは自作の川柳を公開している永野さん。最後にドラマの意気込みを詠んでいただくことに!「え~どうしよう!超普通なんですけど『夏からの僕やり見てね頑張るよ』でどうでしょう!?というわけでぜひ見てください!(笑)」ながの・めい1999年9月24日生まれ、東京都出身。来年4 月スタートのNHK連続テレビ小説『半分、青い。』のヒロインに決定したほか、出演映画『ミックス。』も今秋公開予定。ある日トビオ(窪田正孝)たちは、ヤンキー高校の不良に仲間をボコボコにされ、イタズラ心から復讐を企てる。しかしそれが、思わぬ大事件に発展してしまい…。関西テレビ・フジテレビ系にて毎週火曜21:00~放送中。※『anan』2017年8月9日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・菅野綾子(by anan編集部)
2017年08月01日TVで注目された昔から、“他と違う何か”があり、オーラを放っていた窪塚洋介さん。卍LINEの名でミュージシャンとしても活躍し、自分の道を軽やかに飄々と歩み続ける窪塚さんにお話を伺いました。「矛盾」を受け入れたことで、武器が増えた気がします。撮影のために控室を出てきた窪塚洋介さん、その手には小さな天むすが。もぐもぐしながら「今日はよろしくお願いします」とにっこり。カメラの前に出てもまったく気負わない窪塚さんの自由な存在感は、かなり稀有。ちょっと羨ましいと思うほど、軽やかです。――外で撮影してるとき、通りすがりの女の子が「キャー!」って言ってましたよ?窪塚:マジですか?なんか、この年になったからなのか、カッコイイとか言ってもらうとね、ホント照れるんですよ(笑)。そもそも女性誌に出るの久しぶりですし。――じゃあ「かわいい」って言われるのはどうですか?窪塚:いやいや、まぁ(笑)。それもテレますけど、あざーすって感じです(笑)。――今月公開される映画『アリーキャット』を拝見しました。窪塚さんとDragon Ashの降谷建志さんのお二人がメインで、世の中からちょっとはみ出しちゃった男性2人のやりとりが、切ないんですがかわいらしくて、愛おしい映画でした。窪塚:男のバディムービーなんですが、ピュアな二人ですよね。俺が演じたマルという男は、不器用で、生きることに貪欲じゃないというか。正直、窪塚洋介本人から見たら、もったいない生き方をしてるなって思うような男。時間の使い方とか、一日の過ごし方とか…。――マルには隠された過去があり、後遺症に苦しみつつ世の中の片隅でひっそり生きている。彼の日々は自堕落ですが、窪塚さん自身は、そういう経験ありますか?窪塚:う~ん、俺、16歳から俳優の仕事をしているんですけれど、なんていうか、“自堕落な日”はあっても、“自堕落な季節”はないですね。そういう意味では、マルにシンパシーを感じたりってことはないです。ただ、基本的に自分は強欲なんで(笑)、こういう人生ってどんな感じなんだろう?と想像して演るのは楽しいですよ。演じることで、彼の人生を追体験できるから。そして俺が死んだ後も、マルはフィルムの中で生き続けるわけで。芝居って、自分とは違う“もう一つの人生”を刻む、みたいな感覚がある。そういう意味では、マルとしての人生を、作品にちゃんと焼き付けることはできたかな、と思います。――スコセッシ監督の大作『沈黙‐サイレンス‐』に、重要な役柄で出演して話題になりましたが、一方で今回のような作品にも出演される。出演する作品は、どういう基準で選ぶんでしょうか?窪塚:直感ですね。これはおもしろそうだな、楽しめそうだなって思う作品に出たいです。――『アリーキャット』に関しては、どこにピンときた?窪塚:(共演の)降谷建志くんです。そこが一番の引力でした。――お二人は、もともと友人関係でした?窪塚:いや、違ったんですけれども、それが不思議なもんで。ある人の結婚式に呼ばれて行ったら、同じテーブルで、席が隣だったんですよ。で、「おっすー」とか言って挨拶して、ふと、「あれ、俺ら初対面だよね?」って。で、楽しい時間を過ごした2週間後に、この映画の話を頂いたんです。あぁこれはなんか、そういう流れだったんだなぁと思って、受けました。もともと俺の中には日本人のロックスターって2人いて、一人はRIZEのジェシーで、もう一人が建志くんだったんです。そういう意味でも、一緒に作品作りができて、すごく嬉しかったですね。――降谷さんにとって、映画での大役ははじめてですよね。現場の雰囲気はどんな感じでした?窪塚:共演者の品川祐さんや監督の榊(英雄)さんが、「おい新人!お前はここではDragonAshじゃねぇからな!」とかふざけて言ってて、それに対して建志くんも、「ハイ、分かりました、頑張ります!」とか返してました(笑)。建志くん自身は本当にすごくピュアでストイックで、俺に対しても、「胸を借りるつもりでいくよ」って言ってくれてましたね。がむしゃらに、真っすぐに役を演じようとしていた。だからこそ、俺は座長として、いい現場にしていこうって思って動いてました。結果、すごくいい2週間になったと思っています。どんな役も演じられるよう役者としてはゼロでいたい。――そもそもですが、俳優になろうと思ったのは、何かきっかけがありましたか?窪塚:小さい頃からの夢ではあったんです。“テレビの中の人たち”になりたかった。『太陽戦隊サンバルカン』とかを見て、“赤いのも黒いのもカッコイイなぁ、あれになりたいな”って思ったのが、最初じゃないですかね。――その夢を16歳で叶えて、デビューして。今年で俳優生活22年目と伺いましたが、今のご自身は、どんな俳優ですか?窪塚:う~ん…。ピュアでストイックなところももちろんまだありますし、いい加減なところもあるし…。でも役者としては、“なんでもあり”なところにいたいと思います。ゼロでありたい。――何の役でもできる、的なことですか?窪塚:そう。わかりやすく言うと、俳優って、王様の役もやるし、物乞いの役もやるわけじゃないですか。そのレンジは無限にあるわけで。何の役でも演じられるためにはゼロでいたいし、思想とか考えとか、ないほうがいいと思ってたんですよね、昔は。でも、なんかそれで行き詰まっちゃったところがあって。それがちょうど、マンションから落っこっちゃった時期だった。そのあとに、“卍LINE”って名前でレゲエミュージシャンの活動を始めたんですけど、卍LINEとしての俺には、伝えたいメッセージがある。“ゼロ”の状態でありたい役者の俺と、メッセージを持つ卍LINEは別モノなんだけど、でも一人の人間でもあるっていう、捻くれた状態というか。ただ、人には矛盾があって当然だし、おもしろいし、それを認めちゃったほうが、自分にとって武器が増えると思った。そして、その両方を全うしたいと思ってるのが、今の自分です。Dragon Ashのフロントマン・降谷建志がバディを務めた映画『アリーキャット』が7/15よりテアトル新宿ほかでロードショー。タイトルが意味する“野良猫”がきっかけで知り合ったマル(窪塚)とリリィ(降谷)が、シングルマザーのヒロイン(市川由衣)を守るべく、古い車で旅に出る。共演に品川祐、火野正平ら。くぼづか・ようすけ1979年生まれ、神奈川県出身。’95年にドラマで俳優デビュー。’01年には日本アカデミー賞新人賞、主演男優賞を受賞。現在は映画と舞台を中心に活動『沈黙 -サイレンス-』に出演したことも話題に。また卍LINE名義でレゲエDeeJayとしても活躍している。※『anan』2017年7月19日号より。写真・伊藤元気(symphonic)ヘア&メイク・佐藤修司(by anan編集部)
2017年07月12日人気ドラマ『カルテット』に出演し、ママ世代にも人気を集めた高橋一生さん。その高い演技力と甘いマスクのトリコになり、過去の出演作もチェックしようと考えている人は多いかもしれませんね。演じる役柄によって表情がガラリと変わる高橋さん、じつは時代劇にも多数出演しています。現代ドラマとは違った凛々しい顔つきも要チェックです!■高橋一生が出演した「大河ドラマ」はこんなにある!NHK大河ドラマといえば、実力のある役者が勢ぞろいした作品ばかり。出演するには話題性だけでなく、演技力も求められ、大河ドラマに抜擢されることは役者冥利に尽きるともいえるのではないでしょうか。高橋さんは子役時代に出演した『元禄繚乱』(1999年)をはじめ、数多くの作品に出演しています。あっさりした塩顔は、時代劇の世界にも絶妙にマッチ! 和風イケメンの姿をたっぷり堪能することができます。●『新選組!』(2004年)香取慎吾さん主演、三谷幸喜さん脚本で話題となった作品。高橋さんは松平定敬を演じていました。まだ初々しい表情がたまりません。●『風林火山』(2007年)内野聖陽さん主演で、武田信玄の軍師を務めた山本勘助を主人公とする作品です。高橋さんが演じたのは、信玄の側近、駒井政武。このときの演技が大河ファンにも注目され、じわじわと人気を集めるようになったと感じます。●『軍師官兵衛』(2014年)V6の岡田准一さんが、戦国時代の名軍師、黒田官兵衛を好演。高橋さんはその家臣、井上九郎右衛門を演じました。キュートな童顔が印象的な高橋さんですが、同作では髭をたくわえた凛々しい姿も見られます。●『おんな城主 直虎』(2017年)柴咲コウさんが主演を務める、現在放送中の大河ドラマ。高橋さんは鶴丸/小野政次を演じています。序盤からピンチに陥ると、ネット上には「かわいそう」「がんばれ!」という声が続出。しかし、この政次という人物、じつは裏切者として扱われることもあり…。そのときの複雑な心理描写も要チェックですね。■時代劇が苦手なら『信長協奏曲』を高橋さんの凛々しい姿は拝みたいけど、時代劇は話が難しくて苦手…。そんな人には、ドラマ『信長協奏曲』がおすすめです。現代で暮らす高校生・サブローが戦国時代にタイムスリップし、織田信長として生きることになるストーリー。史実を追いながらもコミカルな描写が多く、現代ドラマとしても楽しめます。高橋さんは、信長の妹、お市が嫁いだ浅井長政を好演。信長と友情を結びながらも、戦うことを選ぶまでの葛藤、そして長政のラストシーンは涙なしには見られません。『カルテット』では、飄々としながらも哀愁が漂う演技で多くの女性を引き付けた高橋さん。時代劇では、作品によって衣装や髪型が異なりますし、演じる役柄もさまざまで、見るたびにギャップ萌えしてしまうはず。まずは現在放送中の『直虎』で、カルテットとの違いを楽しんでみては。
2017年03月14日大ヒットした「かもめ食堂」や「めがね」で、日本映画の新たな頁を開いた荻上直子監督の最新作「彼らが本気で編むときは、」は、“もう癒し系とは言わせない”と監督自らが語る“真骨頂”と呼べる映画です。南カリフォルニア大学大学院の映画学科に留学していた20代の6年間、それから12年後、夫と生後間もない双子とともに再びアメリカ生活を送った1年間も、アパートの大家さんはじめ、周囲にはゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの人たちが普通に暮らしていたのに、日本ではそうでないことに違和感を感じた荻上監督。ある新聞記事で、中学生の息子に「おっぱいがほしい」と打ち明けられ、彼に “ニセ乳” を作ってあげた母親の存在を知った監督は、このお母さんに会いに行きます。女の子になった息子を自然のこととして受けとめ、我が子を大切に思う気持ちを知り、自分の双子への愛情と変わらないと思った監督が、映画にしたいと切望したのがこの作品なのです。トランスジェンダーの女性・リンコ(生田斗真) の恋人・マキオを演じているのが、桐谷健太さん。普通の男性役ながら、セクシュアル・マイノリティであるリンコを、あくまで一人の女性として守り抜く姿勢の男らしいこと! そんな桐谷さんに、映画を作り上げるまでの熱い思い、この映画で到達した新境地についても、たっぷり語っていただきました。■小学校5年生のトモ。テーブルにコンビニのおにぎりが置かれている生活―― この映画に出演しようと思われたのは、なぜですか?「最初、マネージャーから電話があって、すごくいい脚本だと。母親が家を出て行ってしまった姪っ子が、元は男性だった女性と暮らしてる母親の弟と同居することになって…と聞いて、『ええっ、どういう話?』みたいにはなりましたけど(笑)。でも、実際に読んでみて、すごくええ脚本やなあと思ったし、今、オリジナル脚本で製作する映画は減っているから、これは映画らしい映画になるんじゃないかって、すごく感じた。監督の作品も観ていて、『ああ、空気を撮る監督やな』って感じたから、めっちゃ楽しみでしたね、はい」母・ヒロミ(ミムラ)と二人暮らしのトモ(柿原りんか)は、小学校5年生。帰宅すると、テーブルにコンビニのおにぎりが置かれている生活でしたが、ある日、母が男性と出奔してしまい、仕方なく書店勤務の叔父・マキオを訪ねます。マキオは、彼らの母親(りりィ)が暮らす施設で働く恋人のリンコと同棲しており、三人の共同生活が始まりますが…。―― この映画に出演する前と後で、トランスジェンダーに関する感じ方、恋愛観に変化がありましたか?「俺は東京に出てきたばっかりの時、ゲイの方にナンパされ、そこからこの業界、モデル事務所に紹介してもらったりして、ゲイやトランスジェンダーの友達がすごく多かったんです。いうたら僕も、大阪から出てきてマイノリティだったわけですよ。誰も知らない中、彼らはすごく優しくしてくれたし、中には下心あった人もいるかもしれないけど(笑)、でも、すごく仲良くて。その頃からの友達に『こういう映画やるけど、聞いてもいい?』って、いろいろ話を聞かせてもらって。だから、俺の中ではトランスジェンダーって言葉は、この映画をやるまで知らなかったっていうぐらい、あたりまえの日常やったから、よくいう “認める” とか “認めない” とか、そういうことじゃなくて、いろんな考え方があってそれでええやん…っていう考え方なんです」―― 当事者になってみて、初めてわかる差別があると思うのですが…。「当事者ということでいうなら、中学生の頃、自分はトランスジェンダーだと気づいた時が、思うことはすごく大きいんやないかと思う。だからこの映画を観ながら、その友達たちは俺には何も言わなかったけれど、世間に対する苦しみや悲しさを経験してきたのかなと、想いを馳せたりしました。役を構築する上で、友達に『トランスジェンダーの女性が、つきあう男性の共通点って、あったりするの?』って聞いたら、『それは健太、人それぞれだよ』と。普通、 “人それぞれ” っていうのはヒントにならないじゃないですか、ある種漠然としていて。でも俺、それですごい腑に落ちたんですよ。もちろん結婚を考えてるとしたら、すごく覚悟をちゃんとしてる人だと思う。で、その時に、『そうか、マキオってすげえ男らしい男なんやな』と感じた」じっとこちらの目を見つめながら、丁寧に真摯に言葉を紡ぐ桐谷さん。ワイルドな印象が強いけれど、大きいのにとても繊細な手をしていて、美しい指を組んだり解いたりしながら、時に笑いを取り、時にガキ大将のように豪快に笑い、時にホロリとさせるのです。■一番目立ちたい!よりも「斗真がきれいに見えるように」変化した新境地―― マキオは普通の男性ですが、母親は夫が他の女性と駆け落ちした辛い過去があり、姉は好きになった男を追って家を出てしまう…という環境。そんな中でトランスジェンダーの恋人と暮らす彼を演じるのは、なかなか難しかったのではないでしょうか?「マキオを演じる上で、いろんなリサーチをしたり、監督からは、監督の旦那さんのイメージなんだって聞いたり…。ダサくて話もおもしろくなくて…って、旦那さんのことをガーッて文句言った後、『でも、すごく優しいんです』と。それ、聞いた時に俺、すごく愛情を感じて、『何か、グッとくるなあ』みたいな…。それでまた、イメージもらったんですよ。でも、人を愛する気持ちとか傍にいたい気持ちは、別に俺と何ら変わんないって感じたから、それを核にして、無垢なマキオ像というか、マキオを生きられたと思ってますけどね」最初は馴染めなかったトモも、お弁当を作ってくれたりする優しいリンコに、少しずつ心を開いていきます。リンコはリンコで、世の中から哀しい差別を受けながらも、辛い気持ちを編み物で紛らわせ、トモの愛らしさにだんだんと母性が目覚めていき…。―― 生田さんの女性役、現場ではいかがでしたか?「斗真も、最初は苦労したと思う。メンタルな部分を作り上げながら、フィジカルな部分で肩幅が大きく見えないように、手がお兄ちゃんみたいにならないように…。やっぱりそこって重要じゃないですか。そういう意味ではすごく苦労していたし、撮影中、今回は女性陣が多かったから、みんなが注文を言いにくるわけですよ、そこはちょっと…みたいに。だから、俺は傍にいて支えることができたら…と、ホンマに今回、強く感じた。やっぱり斗真が美しく見えることが、この映画にとってすごく重要なわけですから。それと、監督も撮影前、『私もこれに賭けてます』と。『私の人生の第2章なんです』と言うてくれたんで、その監督のお手伝いを全力でしたいな、という思い。今までは、『自分が一番目立ったる!』としか思ってなかったわけですよ。まあ、それが作品のためにもなると思ってやってたわけですけど。でも、今回はそうじゃなくて、斗真がきれいに見えるように、斗真が心折れないように…と思ってて。現場にいた時に俺、今までと違う感覚に『アレ?』って思いました。でも、それはマキオがリンコさんを支えてることとシンクロしていたと思う」―― マキオはリンコさんの心の美しさに惹かれ、それ以外の部分はどうでもいいと選んだ人。内面の美しさが外側にも出ている女性ですが、生田さん、本当にきれいでしたね。「斗真はものすごい一生懸命やってて、俺は最初に脚本見た時から、合うやろなあとも思ったし、本当に可愛いかったし、だから、『可愛いよ』って常に声かけてた。斗真が言ってたのが、斗真もトランスジェンダーの友達がいて、話を聞いた時に、もちろんフィジカルな見え方も大事だけど、やっぱり気持ちだと。籍を変えてる人は、籍を変えてない人よりも自信を持ってて、自分はもう女性なんだっていう…、それだけで全然違うとか、そんな話を教えてもらったのかな。その時、気持ちをちゃんと持っていけばいいんだって思えた、って言ってた。俺もそれを聞いて、すごく腑に落ちたというか、斗真が、後半に向けてどんどんきれいになっていったし。だから、監督が長になって、みんなで一緒に世界観を作っていけたからよかったのかな、と俺は思うんですよね」■リンコさんと「キスしたい」「抱きしめたい」と、自分から監督に提案―― 生田さんとのシーンでは、いろいろ苦労話もあるのでは?「恋人同士の役なのに、監督に『男同士の友情に見えます。ちゃんと抱き合って、今!』とか言われながらっていうのが、最初の頃はありましたよ。でも、それがみんなで作っていく映画の醍醐味っていうか。あと、監督は空気を撮る人なんで、『この台詞をちょっと強く言ってください』とか『ここはこういう表情で…』っていう演出をしない。ドラマとかだとあるじゃないですか、カットがけっこうあるから。ここは強めで、ここは弱めでいきますか、みたいの…。お芝居によって役によって、いろいろあっていいと思うんですけど、監督の場合は、丸々無垢なこの人間そのもの、たとえばマキオが後ろ姿で、座ってるだけの背中だとしても、この人ってこういう人なんだな、と説得できるくらいの力量が求められてる、と俺は思ったんですね。だから、人を愛する気持ちってのを確認して、ただ表面的なんじゃなくて、無垢なマキオを生きるんだっていうんで、そこにいるんだってことで努力して。でも、俺はやれたと思っています、はい」―― 結婚してトモを養子にしたいと願うリンコさんに、「受け入れます、全部。真剣に考えよう、一緒に」と答えるマキオさん。男らしいなあ! と感動しました。「その後のキスシーン、実は台本になかったんですよ。俺が、『あそこは俺、キスしたい。抱きしめたいんですけど…』って言ったら、監督も、そういうシーンがないからどうしようかなって思ってたみたいで、『もしできるなら、ぜひやってみてください』と。斗真にも『ちょっとキスしたいねん』って話したら、『わかった』って。斗真とは、その前の連ドラの打ち上げでキスしてたからね。経験済みやったから(笑)」―― キスは本当にしてるんですか? よく見えなかったんですけど…(笑)。「してる、してる(笑)。そこも、荻上監督っておもしろいなぁと思ったんですよ。普通だったら見せたいじゃないですか。でも、唇重ねてるとこ、撮ってないし。この人っておもしろいな、すごいなって思った。監督はワンカットでずーっと撮るんですよ。お姉ちゃんが帰ってきて、トモが殴りかかって、みんなで話し合うシーンは、ものすごい回数を重ねたシーンなんです。普通だったら、撮り方ちょっと変えたりとかするかもしれないんですけど、監督はずーっと撮ってる。それが、俺はすごいな、監督には見えてるんだな、と思いましたね」桐谷さんも何度も語っているように、“空気を撮る”荻上監督のこの映画は、問題意識の強い作品ながら、映像が非常に美しく、音楽も登場人物の心象風景に伴走していて、決して途切れさせない時間の描き方が見事。思わず、「うーん」と唸ってしまう、心に余韻を漂わせる名場面がいくつもありました。―― 桐谷さんも、マキオになりきってリンコさんを受けとめていらっしゃいました。「マキオはきっと、お父さんが出て行ってからすごく傷ついて、お母さんももちろん荒れただろうし、その中で、女の人の怖さとか弱さとか嫌なところもいっぱい見てきて、もしかしたら、自分はもう誰かとおつきあいすることはないかもな…、ってあったと思う。そんな中、自分の想像を軽く超えた美しさに出会ったわけなんですよ。リンコさんとの出会いって、それまでは白黒だった世界がカラーになったくらいのこと。自分の人生を、輝く方向に変えてくれた人なんですよ。彼女がトモの母親になりたいって言った時、最初はびっくりした部分もあったかもしれないけど、でもマキオは揺るがず、この人が幸せなら、と思っただろうし。自分の人生を、丸々変えるような出会いだったわけですから」―― トモを一人置いて出ていってしまうお姉さんについては、どう思われますか? 『私は母親である前に、一人の女よ』という台詞がありますが…。「マキオから言わせてもらうと、お姉ちゃんの気持ちもわかるんですよね。だから、マキオは、大声で怒鳴ったりしないし、ボソッと『トモは、コンビニのおにぎりが嫌いなんだ』っていうような言い方で、相手に伝えようとする。それはきっと、マキオが痛みを優しさに変えることができた人だから。お姉さんはそうじゃなかった。でも、お姉さん役のミムラちゃんも言ってたけど、お姉ちゃんにもマキオのような男性がいてくれたら、そうはなってなかったと思うと。だから、単純にアカンとかって言えない。そりゃ自分の子供なんやから、一緒にいてあげるほうがいいに決まってる。そういう人を見ると、俺は感動する。家計や精神的とかも大変やけど、子供をグッと支えてる人を見たら、ええなあって思う。そんな人に、俺は感動するわけですよ」―― 桐谷さんご自身は、どんな家庭が理想ですか?「明るく楽しく、思ったことはちゃんとみんなで言い合うような…。みんなが、最初からデッカイ木を望んでるんじゃなくて、芽から育てていくのを楽しんでいけたら、そう、愛情の過程もじっくり楽しんでいけたらいいなあ、と思いますね」テレ臭そうに、そう語ってくださった桐谷さん。長身でたくましく、でも、繊細な感性で穏やかに包み込まれるような雰囲気は、“ダンナにしたい!”と、この映画からさらに人気急上昇中。“普通の男”の魅力を余すところなく描ききった、桐谷さん演じるマキオに、今すぐ会いに行ってください!第67回ベルリン国際映画祭 テディ審査員特別賞受賞(パノラマ部門、ジェネレーション部門 正式出品作品)「彼らが本気で編むときは、」脚本・監督:荻上直子出演:生田斗真、柿原りんか、ミムラ、小池栄子、門脇麦、柏原収史、込江海翔、りりィ、田中美佐子/桐谷健太フードスタイリスト:飯島奈美配給:スールキートス 2017年2月25日(土)から全国ロードショー
2017年02月22日