「生まれたばかりの赤ちゃんは、鼻で呼吸をします。でも、現代人の多くは成長するにつれ、『いつも口で呼吸する』=つまり『口呼吸』になっている状態です。しかも日本人のおよそ8割が自分が口呼吸していることに気づいていないんです」こう話すのは、内科医で「みらいクリニック」(福岡市)院長の今井一彰さん。体の治癒力を高めて健康にする方法を追究している今井さんが、「8割が口呼吸」であることを、なぜ嘆いているのか――。「健康でいたければ、鼻呼吸にするべきです」と、今井さんは断言する。「鼻は、鼻腔の入口に生えている鼻毛で空気中の大きな異物やゴミをキャッチ。その奥の線毛組織でより細かい異物も排出します。鼻呼吸は空気中のゴミや細菌、ウイルス、花粉などの異物の侵入を防ぐフィルターの役割を果たすと同時に、冷たい空気を温めてから肺に送っているので、体も冷やさないんです。いっぽう、口はフィルターや免疫の機能がありません。そのうえ、口呼吸で口内の粘膜が乾燥すると、免疫力が低下します。当然、病原体や有害物質の侵入を許し、感染症や炎症のもとになる=つまり、口呼吸は万病のもとなんです」たとえばどのようなものが?「口内が歯周病になり、へんとう炎が起きます。朝起きたときに喉が痛いのはこの状態です。そして気管が過敏になりぜんそくを引き起こす。咳ぜんそくのある50代女性は、ほぼ100%口呼吸です」
2018年08月08日上質な肉を、上質な空間でいただく贅沢中庭のある京町家風の店内。京風掘りごたつの個室は、少人数から大人数まで対応できるよう、豊富に用意してあります。広々とした空間なので、子連れでも安心してくつろぐことができると大好評。また、店内には、無煙ロースターを設置してあります。髪の毛や服ににおいがうつらないというのも、女性から人気を集めているポイントです。独自ルートで仕入れる稀少部位はさまざま「李宮」で提供する高品質なお肉は、独自のルートで芝浦市場をはじめ全国各地から買い付けています。お店の名物は、無煙ロースターで焼く「ともさんかく」や「ざぶとん」など。他店ではなかなかお目にかかれない稀少部位を多く揃えます。大切な接待や、会社の宴会などには特におすすめ。おいしいお肉を堪能しながら、上質な空間で落ち着いた時間を過ごせます。高級黒毛和牛がお得に味わえる魅力のコース「肉の極みコース」は、李宮の代表的なメニュー。スタートにふさわしい上タン塩は、タン元なので脂しっかり。黒毛和牛カルビをコース内で味わえるのも魅力のひとつです。黒毛和牛特選ロースは、霜降り肉でやわらかさが至上。上ハラミはカルビより脂身が少なく、食べやすい国産物です。また、全国各地から仕入れている小腸もコースに含まれており、甘味たっぷりで口に含んだ瞬間に甘い脂がジュワーっと溢れ出します。お肉のおいしさを堪能できるコースをぜひ堪能してください。辛味控えめでボリューム抜群!「 李宮」自慢の逸品人気メニュー「カルビクッパ」は、とくに男性から大好評。見た目以上にボリュームがあるので、お得感も抜群。ご飯もたっぷりで、ゴロっと大きな肉の塊が惜しみなく入っています。赤いスープが辛そうに見えますが、辛さは控えめなので、食べやすいのも人気の理由です。季節により変わる旬のお野菜もたっぷり投入されます。週末の食べ放題で、心置きなく焼肉を召し上がれ!「李宮」では、他にも稀少な肉を豊富に取り揃えています。週末は焼肉の食べ放題も実施しており、今まで食べたことがなかった部位に挑戦する人や、好きな部位をお腹いっぱいいただく人など、楽しみ方はさまざまです。「李宮」だからこそ提供できるおいしい肉を堪能してください。また、今後は外国人も多く来店されると予想し、外国の方も満足できるメニューを開発予定です。JR新宿駅の西口から歩いて約8分。または、都営大江戸線の都庁前駅から徒歩約3分で到着します。目印は新宿アイランドタワー。そのビルの地下1階に李宮はあります。京風の上質空間で、ぜひ新鮮でゴージャスなお肉を味わってみてください。スポット情報スポット名:李宮住所:東京都新宿区西新宿 6-5-1 新宿アイランドタワーB1F電話番号:03-5323-6177
2018年07月13日脳神経内科専門医のマインドフルネス・ダイエット6月26日、食べ過ぎを招く精神的要因を呼吸法で解決してやせようという新刊「やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット」が発売された。著者は医学博士でアメリカ神経学会会員、内科医、脳神経内科専門医、抗加齢医学専門医の山下あきこ氏である。山下あきこ氏は1974年佐賀県生まれ。神経内科などの臨床と研究を行い、2016年に株式会社マインドフルヘルスを設立。同社ではストレス対策研修やIoTによる健康見守りサービス、WEB健康教室のほか、VRを活用したスマートフォンアプリの開発と配信も行っている。基本の5秒間の呼吸法からマインドフルネスは、Googleやアップル、ゴールドマンサックスなどの世界の一流企業が導入している注目の脳の休息法である。マインドフルネスによる呼吸法や瞑想法を実践することで、集中力の向上や感情のコントロールができるようになるという。世の中にあふれかえるほど提唱されているダイエット法。しかし、詰まるところ太る原因は当人の食べ過ぎであることが多い。新刊では食べ過ぎになる主な原因として「怒り」「さびしさ」「暇」「空腹」の4つを挙げ、これらを改善する呼吸法を行うことで食べ過ぎ防止する。このダイエット法の基本となるのは5秒間の呼吸法で誰でも簡単に行うことができ、さらに早くやせたい人のための朝の瞑想についても掲載している。この新刊は四六判で1,400円(税別)にて、二見書房より発売中である。(画像はAmazonより)【参考】※やせる呼吸 脳科学専門医が教えるマインドフルネス・ダイエット
2018年07月08日日々穏やかでありたいなと思いながらも、気づけば色々なことに追われ気持ちばかりが前へ前へ。そんなときポンと肩を叩いて「ほら、深呼吸!」なんて言ってもらえたら、ふと楽になりますよね。どうやら呼吸はわたしを整えるヒントになってくれそうです。 そんなわけで記念すべき第1回目は、いつも無意識でくり返している「呼吸」を習いに「呼吸ラボラトリー」を主宰するアマミヤアンナさんを訪ねました。 レッスンが開かれているのは表参道の小さなアトリエ。 「まずは吐くことを意識してくださいね」畳のうえに寝ころんで軽くストレッチをした後、障子越しに差し込む柔らかな光のなかで、静かにレッスンがはじまりました。 「ふだん無意識にしている呼吸を丁寧に感じていきます。吐くことってあまり意識しないですよね?」 たしかに呼吸と言われると、まず思い切り息を吸いますね。でも吸うときに体は緊張し、吐くときにゆるむのだそう。今日は体をゆるませることが目的なので、吐くことをしっかり意識します。 「鼻からゆっくり吐いてください。吐くときお腹をへこませます。そして吐き切ったらお腹の力を抜きます。力を抜けば必要な分、ちゃんと息が入ってくるから吸おうとしないで、ただゆっくり息を吐いていきますよ」 丁寧に指導してくれるアマミヤさん 鼻だけで息を吐いて、同時にお腹をへこませて、、、手順を頭でなぞりながら集中してくり返していると、「あ、がんばらないで下さいね」とアマミヤさん。「呼吸で体も心もゆるんでいく、というのが目的ですからね、がんばったら意味ないです。笑」 ドキッ!知らぬ間にがんばっていました。マジメな人が多いから、はじめはだいたいがんばっちゃうのだそう。慣れてくると一連の流れが自然にくり返せるようになります。 吐くことで副交感神経が優位に働き、自律神経を整えてくれるのだとか。 自律神経というのは、自分の意志と関係なく働いている神経で血管や内臓の動き、消化や呼吸なども司っているそう。そのなかで呼吸だけが自分の意志でコントロールできるため、呼吸を活用することで、乱れた自律神経を整えることができる、というわけ。 息を吐くと、心が静まり、感情から離れることができるといいます。感情から離れると、自分を客観的に見ることができるそう。 なんだか私とても疲れていたな、とか。私いまイライラしている!とか。そういうことに気がつくと、体はそれを手放していく準備に入るようです。 寝ころんでの呼吸が終わったら、今度は座って呼吸します。 用意された小さなブロック(代わりに座布団を半分に折ったものでも)に座ってあぐらをかきます。あぐらが難しい人は正座でも大丈夫。そして骨盤の真ん中にある仙骨という骨をグイッと立てます。これがスイッチオンの合図。その上へと連なる背骨(頚椎、胸椎、腰椎)全部で24個をひとつずつ積み重ねていくイメージで姿勢を整えていきます。 最後は頭頂部が天とつながるイメージ。そして仙骨からは地を突き抜けて地球のまん中と繋がるイメージ。だから天と地の真ん中に自分がいる感じですね。 イメージするということも大切なのだそう。あ、そうそう呼吸のあいだは目をつぶっていますよ。 まずは鼻で吐きながらお腹全体をへこませていきます。吐いたら力を抜きます。それをくり返すこと1分ほど。続いては丹田を意識します。 丹田とはおへそから9センチ下にあるエネルギーの出入口。体のなかで大切なポイントです。今度はそこを背中に引き寄せながら息を吐きます。吐いたら力を抜く。それをくり返していると、体がポカポカしてきました。 途中でアマミヤさんがそっと背中に触れてくれました。手を当ててしばし。すると、あ、そこ強ばっていたな、と気づきます。 気づいたら、手の温かさとともにそこが少しずつゆるんでいくのがわかりました。そして、その部分に呼吸が広がっていく感じがしたのです。私が息を出し入れしていた容器が、ふと1.5倍くらいに膨らんだ感じで、胸が楽になりました。 冷えとりをしているアマミヤさんの足元 呼吸の醍醐味は「気づくこと」なのだそう。いつも意識していなかったところにスポットが当たって、私けっこう緊張していたんだな、とか、私こんなことしてみたかったんだよな、とか。 小さな気づきが変化をもたらし、新しい自分に出会うきっかけになることも。忙しくて、文字通り心を亡くしている自分に気づくと、自分に少しやさしくしてあげられるかもしれません。呼吸をきっかけに心と体がバランスを取りもどすと、心がしっとりとして穏やかになれるのだとか。 「呼吸は何の道具もいらないから、いつでもどこでもやれる。そしてタダというのもいいですよね!」とアマミヤさん。 心がざわついた時など、まずは1分だけでもお試しを。目を開けたとき、ふと口角が上がって、パッと視界が明るくなっているかもしれませんよ。 「呼吸ラボラトリー」師匠 加藤俊朗先生の「呼吸のノート」はレッスンでも使用中。 アマミヤさんが制作に関わっている書籍やノートが教室の片隅に。こちらもオススメです!
2018年07月02日息をすることでリラックス。呼吸は人にとってとても大事な要素です。単に息を吸って吐くだけとあなどるなかれ。酸素を得て二酸化炭素を吐き出すだけでなく、呼吸には体の力を抜いてリラックスしたり、気持ちを静めたりする効果もあるのです。毎日する息だからこそ、ちょっとしたコツで、自分をいたわってあげられるようになりましょう。呼吸のポイントを押さえて、今すぐにできるリラックスタイムを手に入れましょう。吸うことよりも吐ききることを意識出典:byBirth呼吸は結構無意識にも「吸う」ことだけはしていることが多いです。緊張状態だと、息を吸ってからしっかりと吐ききることをせずに、体を固くしてしまっていることも多いもの。時には吸うことよりも吐くことを意識してみるとよいでしょう。新鮮な空気をたっぷりと体に入れることも重要ですが、不要なものをしっかりと吐ききることも重要です。深呼吸をする際も、吸う時間よりも吐く時間を長くするように意識してみると、体の中の悪いものをしっかりと外に出すような感覚が得られるでしょう。体の力を抜くためにも大切なポイントですので、すっかりと吐ききってから次の息を吸うようにしてみましょう!!ゆっくり吸ってゆっくり吐く出典:byBirth息をゆっくりとすることもリラックスにつながります。息をゆっくりと吸って、ゆっくりと吐く。これだけでも体の力が抜けて、軽いストレッチをした時のようなリラックス感が得られます。焦っている時は呼吸が浅くなって早くなりがちなので、時には意識的にゆっくりと呼吸をするようにしてみると、体に良い影響が与えられるでしょう。息をするときは胸やお腹をしっかりと膨らませて、しっかりとへこませるように吐ききることを意識しましょう。呼吸法は、胸式呼吸・腹式呼吸、どちらでもやりやすい方で構いません。気持ちよくゆっくりと息をするようにしていきましょう。息を止めないように注意出典:byBirth急いでいる時や焦っている時は、いつの間にか体に力を入れて息をぐっと止めていることもあるものです。これは無意識的に行っていることですが、気づいたときにはちょっと深呼吸をしてみるなどして、息を止めないように注意していきましょう。また、何かに集中している時も、いつの間にか息が止まってしまっているもの。時には意識的に休憩をはさむようにして、穏やかな呼吸を心掛けましょう。集中することは良いことですが、体への悪影響は最小限にとどめたいものですね。体を伸ばしながら息をしてみる出典:byBirthゆっくりと呼吸をしていると体の巡りもよくなりやすくなってきます。さらに効果を上げるために、体を伸ばしながら息をしてみるようにしましょう。ストレッチというよりも、手や足など伸ばせるところを伸ばすだけでも十分です。「うーん」と伸びをしながら深呼吸をしてみると、いつもよりも体の巡りがよくなってくることでしょう。ちょっとしたリラックスタイムにもなりますよ。もちろんヨガやストレッチを取り入れることが出来るならなおよいでしょう。ほんの一つ二つのポーズでも、毎日続けることで体の巡りを良くすることにつながるのです。できることから少しずつ取り入れていきましょうね。口呼吸よりも鼻呼吸出典:byBirth普段の息は、口呼吸よりも鼻呼吸を心掛けるようにしましょう。特に道路の脇など、あまり空気がきれいではないところでは、口呼吸でのどを傷める可能性が高まります。鼻は鼻毛がフィルターの役割をしてくれることで、空気の汚い部分を減らしてくれる作用があるのです。これは自然に備わっているとっても素晴らしい機能。ぜひうまく利用して、少しでもきれいな空気を吸うようにしましょう。特に日頃、のどの荒れが気になる人は、口呼吸を無意識にしていることもあります。鼻呼吸に変えることでよくなってくるかもしれませんので、ぜひ試してみてください。ちょっとした呼吸のコツでリラックスをこころがけよう出典:byBirthちょっとした呼吸のコツをマスターして、日々のリラックスを心掛けましょう。ゆっくりとした呼吸、鼻でする呼吸、できることからほんの少し変えていくだけで、明日の体への影響は確実に積み重なっていきます。忙しい中でもほんの少し時間を割いて、自分とゆっくり向き合う時間を作りましょう。
2018年06月14日ストレスや緊張、時には集中のし過ぎ。いつの間にか息をするのも忘れていたなんてこともあるのではないでしょうか。無呼吸になると、当然ですが体への酸素の欠乏、緊張状態にあることでの身体の硬直など、いろいろと悪影響があります。時には意識して呼吸をすることで、ストレスや体調不良を遠ざけましょう。たまにはしっかりと深呼吸。これ以上ないお金のかからない健康法です。いつの間にか息を止めていないか緊張したり集中したりしていると、いつの間にか息を止めていることがあるでしょう。そういった時は、非常に体に力が入っていて、筋肉も緊張しています。仕事やスポーツにおいては、一気に物事を片付けるためには必要な瞬間ですが、これが続くと無呼吸の状態が長引いてしまいます。いつの間にか息を止めていないか、時々ふっと息を吐いて確認しましょう。必死で何かをしている時は、息を吸うことはしていても、吐くことはおろそかになっていることがあります。ちゃんと息を吐けていないと、体の中の不要な二酸化炭素の排出ができずに、体に悪影響が出てしまいます。しっかりと息を吐ききって新鮮な空気を新たに取り込むように、意識して呼吸しましょう。重要なエネルギー源、しっかりと肺に酸素を送り込もう体にとっては必須のエネルギー源である酸素をしっかりと体に取り込むことは非常に重要です。しっかりと肺まで送り込むために、深い呼吸を心がけましょう。よく腹式呼吸がよいと言われますが、肋骨をしっかりと広げて行う胸式呼吸は深呼吸には有効です。胸を開きながら、肺に酸素を十分に送り込んでいくようにしましょう。椅子に座った状態でもよいので、ゆっくりと胸に空気を入れていき、吐き出す。これを何回か繰り返すだけでも、体はかなりリラックスできます。いつの間にか入っていた力を抜くのにも有効ですので、毎日の健康法として取り入れていきましょう。場所もお金もかからない、手軽な健康法ですね。呼吸が減るとストレスや体調不良に、意識して息をしよう呼吸の回数が減っていくと、当然ストレスや体調不良につながっていきます。現代は本当に無意識のうちに呼吸を止めている状態であることが多く、時間がなくせかせかと動いている人もとても多いです。こうなると、呼吸はしていても浅くなり、深い呼吸はできていない状態になります。こうならないためにも、意識的に呼吸をする時間をもうけるとよいでしょう。深呼吸の習慣はとっても重要深呼吸は手軽過ぎて見落とされがちですが、とても健康効果は高く、お金もかからず特別な技術や道具もいらないので、やっておいて損のない健康法です。深呼吸はいつしてもよいですが、習慣化するなら朝やお昼休みなど、思い出しやすい時にするとよいでしょう。とくに朝の深呼吸は、1日を活動的に過ごすために、スタート習慣としてとってもよいです。もちろん「今日は忘れていた!」となった場合は、思い出したその時にすればよいので、あまり決め過ぎずにゆるく習慣づけしていきましょう。呼吸は無料でできる自然な健康法呼吸の良いところは何といってもお金がかからないところ。そして、健康法としても自然で、無理な体勢をとる必要や、何かを購入してきて行う必要がない点です。割と場所を選ばずできますが、できれば少しでも空気が綺麗なところで行うとさらにいいでしょう。時にはリフレッシュできるアロマを一緒に吸うようにすると、さらに気持ちよく行えます。呼吸をしてスッキリとした気分になれるアロマとしては、「カユプテ」「ティーツリー」「ユーカリ」がおすすめです。どれもすっきりとした香りで、鼻の通りをよく感じさせてくれたり、喉をすっきりとさせてくれます。鼻詰まりの時にもぴったりですので、深呼吸とあわせてどうぞ。意識して深い呼吸をしていこう呼吸は意識しなくてもできるものと思っていると、いつの間にか無呼吸になっているもの。そうならないために、意識して深い呼吸をしていきましょう。胸をしっかりと広げて、肺の奥まで新鮮な空気を流し込む。これだけで体は思っている以上にリラックスして、気持ちも穏やかにしてくれます。ピリピリとして体が固まってきてしまっている時ほど、しっかりと吸って吐く。これを意識的に行いましょうね。
2018年03月11日いよいよ就職が決まり、憧れの一人暮らし。けれどもトラブル続出!?出典 : 私が一人暮らしを始めたのは、大学を卒業し都内の企業へ就職したタイミングでした。後にアスペルガー症候群、ADHDと診断される私ですが、このときはまだ、自身の特性を自覚しておらず、新しく始まる新生活の期待に満ち満ちていました。しかし、新しい生活のスタートするやいなや、それまで両親がやってくれていたことを自分一人でこなすことが必要になり、新たな困難さに直面することになったのです。それまではやはり、両親が私自身の苦手な部分をカバーしてくれていたから問題が表面化しなかっただけなのでしょう。今回は、私が特に困った重大なポイント4つをご紹介したいと思います。1. ゲームやスマホがやめられない。出典 : 一人暮らしをすればゲームに夢中になる自分に「もういいかげんにしなさい」と両親が声かけをしてくれることもなくなり、「あと少し…あと少し」と繰り返していくうちに、気づけば深夜だったことが何度もありました。私は、過集中の傾向と凝り性な一面があり、やり出したら止められなくなってしまうことが多くあります。また、最近のゲームの多くは、強いカードや珍しいキャラクターを手に入れるためにお金を使わせる仕組みになっています。射幸心を煽る演出もあいまって、もう1回もう1回と衝動的にのめり込んでしまうことに。結局、ゲーム課金で、気付いたら1万円近く使ってしまったことがありました。2. 給与をもらってすぐに、欲しいものを衝動的に買ってしまう。出典 : ヶ月に生活費がいくら必要なのかを考えずに、衝動的に欲しいものを買ってしまうことがありました。私は、衝動性が高いタイプのADHDだと自覚していますが、特に新しい物好きです。パソコン関係などの家電や新製品を見つけると、ついつい目を奪われてしまいます。同時に、手元にあるお金を今自由に使えるお金と錯覚してしまい、即使ってしまうのです。その結果、給料日の1, 2週間前になって、「アレ?足りない…。…。あのー…母さん、お金が足りないんだけど…」とお願いすることがしばしばありました。実際の一人暮らしでは、振り込まれた給料から、家賃や光熱費、上下水道代....その他諸々のお金が引かれるので、今あるお金は、今使えるお金ではない。ときちんと認識することが大切だと痛感しました。3. どこに何を置いたのか、しまったのかを忘れる。出典 : 思いがけないタイミングで、かつ高頻度で発生するのがコレです。不意に置いたメガネや自宅の鍵、定期、スマホなどをどこに置いたか、翌日になるとすっかり忘れてしまっていました。出かける直前になって、コレがないッ!!アレがないといことが日常茶飯事。特によく無くすものは、キーケース。ちょっと出かけるためにテーブルに置いていたり、ポケットに入れておいたりと、絶対的な位置に置いておくのが難しいものは、日常的に捜索をかけなければならない状況になってしまいます。その結果、家を出る時間が予定よりもだいぶ遅くなり、遅刻しそうな状況に陥ることも珍しくありませんでした。4. 自分の疲れているサインに気づかず、無理をしてしまう。出典 : 自分が疲れていることに気づかず、無理をしてしまうことが今でもあります。中でも一番多いのが過集中による休憩を全く挟まないことで生じる疲れです。過集中でいる間は疲れを感じないだけで、疲労が蓄積されていないわけではありません。ゲーム、パソコンを12時間以上、朝から晩までぶっ続けで行って、目に痛みを覚えて鏡を見たら、目が酷い充血をおこしていることが今でもあります。もう一つ多いのが、外出中の刺激過多による疲れです。特に都心部では街のネオンや、たくさんの雑音、人混みなど、自身が疲弊してしまう刺激が雨のように降ってきます。そうした環境下で無理をすると、翌日に寝込んでしまうことまでありました。やっぱり、一人暮らしは難しい。だけど、出典 : 一人暮らしの中で日々直面する多くの困りごと。しかし、そんな毎日であっても、一人暮らしは決して不可能でないと私は確信しています。それでは私が実践してきた一つひとつの対策を見ていきたいと思います。過集中に関しては、自分一人の力では解決が難しく、東京発達・家族相談センターを訪ね、「大人のADHD時間管理セミナー」のグループセラピーに参加して、少しずつ出来るようになりました。それらを含め、実際に私が取り組んだ内容をご紹介したいと思います。(1)睡眠ログを取る1日を睡眠不足と感じること無く、有意義に過ごすために、自分は何時間寝ることが必要なのかを把握します。睡眠時間の把握には、スマホアプリが便利です。iPhoneでもAndorodでも、無料で使えるアプリが公開されています。睡眠のログをとり、自分の日々のコンディションと対比してみることで、自分の特徴というのがだんだんとわかってきました。私の場合であれば、23時頃に寝て、6時くらいに起きる生活であれば、日中に眠くなることなく、仕事に熱心に打ち込めるようです。(2)自動で消灯や調光ができるLEDライトを使用する。また自宅ではスマートフォンアプリで調光や消灯が設定出来るLEDライトを使っています。今は、23時前になると明るさが段々暗くなり、23時に消灯するように設定して、寝る時間が迫っていることを体感的に分かるようにしています。私の場合、家電量販店などの白色灯が眩しいなと感じるため、調光機能を使って、自分好みの明るさと色温度に設定しました。(※製品は一例です。各機能の利用の可否、利用に必要な条件については、製品情報を参照してください。)後先考えずお金を使ってしまうことへの対策は、今現在使った金額を直感的にわかるようにすることで解決しようとしています。まずレシートの量で、視覚的にどのくらい使っているのかを分かるようにするために、ポケット収納を壁に吊り下げました。また私は、視覚優位なタイプなので、項目ごとに色分けしてあると、より直感的に理解しやすいように思います。次の画像の場合だと、外食のカテゴリーに失費が多いということがひと目で分かります。Upload By ツーちゃんまた、Excelなどの表計算ソフトや家計簿アプリなども併用しています。レシートを1回1回撮影するのは、手間が掛かるので、仕事がお休みの日に表計算ソフト上で合計金額を計算し、その値を家計簿アプリで把握しています。さらに家計簿アプリは、ネットバンキングとも同期できるため、非常に使い勝手が良くなっています。鍵、腕時計、ハンカチなど忘れると困るものを、こんな風に置き場所を決めています。Upload By ツーちゃんまた、バッグの中でごちゃごちゃで汚い、探し物がすぐに見つからないことでも悩んでいましたが、バッグインバッグという方法を用いて、今ではスムーズに必要なものが見つかります。障害者手帳や、お薬手帳、受給者資格証など比較的よく使うものなどの場所を取り出しやすい手前のポケットに入れるなど対策をしています。Upload By ツーちゃんそれから、出来るだけ平積みをしないように心掛けています。場所を区切って置き場所を作る事で、一番下のものを引っ張り出す必要がなくなり整理整頓が簡単になります。Upload By ツーちゃん出典 : 週に1度、休憩を取る、早く寝る日を作っています。その日は家事も、夕飯作りも、友達づきあいも全てしないと割り切り、シャワーだけを浴びてすぐに就寝します。強制的に脳と体を休ませることによって、たとえ、疲れているサインに気づかなかったりしても、問題がないようにしています。私の場合は、初対面での対話や、刺激がたくさんある場所を複数箇所訪れるような場合に、疲れが溜まりやすいと感じます。また、疲れているサインとしては、眠気のない疲労によるあくび、刺激過多による偏頭痛などの予兆が起こることがわかってきました。この予兆を感じとれるようになったことで、事前の対策が可能になってきたのです。そして4年の月日が流れ…出典 : 上述したような困り事もあり、大変ではありますが、もうすぐ一人暮らしを初めて4年になります。これまで失敗することも数多くありましたが、それだけ対応策を作ることもできました。もし、この記事を読んでいる親御さんがいらっしゃったら、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。それはそれはどう頑張っても一人では対策が難しい面があるということです。それを前提にした上で、失敗そのものを責めずに、どうすれば出来るようになるか、一緒に考えるパートナーとして温かく見守って欲しいなと思います。このコラムが、将来の一人暮らしを考えるときの参考になればと思います。
2018年03月10日発達障害のある子の偏食、周囲から理解を得られず苦しむ家族…出典 : 「子どもがご飯を食べない」「食べられないものが多すぎる」そんな状況に置かれたら、親なら誰しも不安になっても仕方がないと思います。特に、発達障害のある子どもは、食事での困難を抱えていることが少なくありません。例えば、極端な偏食があったり、噛んだり飲み込んだりすることに苦手があったりと、食に関係するさまざまな困難が表出することがあります。特に偏食では、好き嫌いが多いという程度ではなく、一切口にできないような食品が広範囲にわたって存在することもあります。そうしたケースではごくわずかな量であっても食べることを拒否したり、我慢して食べて嘔吐してしまったりすることもあります。しかし、こんなにも大きな困難があるにも関わらず、周囲からは理解を得られず、「わがまま」「自分勝手」「甘やかしている」と誤解を受けるケースも珍しくありません。また、両親は本人の困難をよく理解していても、学校の先生から指摘を受けたり、親戚から心ない言葉をかけられたりと、家族として苦しい状況に置かれてしまうこともあります。発達障害当事者が抱える「食」への困難、その実態は出典 : 東京学芸大学の髙橋智教授のチームは、発達障害の当事者を対象とした調査から、本人が抱える困難について研究を行っています。2012年~2014年に行われた、発達障害の診断・判定のある高校生以上の当事者に行った調査では、発達障害の当事者は、食に関する困難を示す割合が、発達障害のない人たちと比べて明らかに高いことが明らかになったのです。また、次のようなことに、発達障害の当事者が強い困難を感じる傾向にあるということもわかりました。「人の輪の中でどのようにふるまえばいいのかわからないため会食は恐ろしい」「においの強い食品は食べられない」「大人数の食事は、音やにおいなどの情報があふれて辛い」「自分の予想していた味と違う味だと食べられない」このような困難に当事者たちは日々苦悩しているというのです。なぜ、発達障害の子どもには、偏食がみられるのでしょうか。そして、食に対する困難のある子どもたちを取り巻く環境は、どのようになっているのでしょうか。そのことを詳しく知るために、髙橋先生にお話をうかがいました。発達障害者の「食」の困難・ニーズに関する研究 : 発達障害の本人調査から発達障害のある子どもの偏食は「甘え」や「わがまま」ではないUpload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)発達障害の当事者は、感覚の過敏や身体調整機能の問題、食べ物に対する特異な認識の仕方が要因となり、食べることに困難を感じているものと考えられます。このような発達障害の当事者特有の身体感覚特性を、周囲は理解することができず、わがままや自分勝手、あるいは家庭での教育に問題があると誤解されることもしばしばあるのです。しかし、髙橋先生は、発達障害当事者の食事の問題は、身体の過敏性だけが問題ではないと考えています。偏食の根底にあるのは「不安・恐怖・緊張・ストレス」Upload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)髙橋先生は、過敏の背景、こだわりの背景にはとにかく「不安・緊張・強い恐怖・ストレス」があると言います。もちろん生まれながらの過敏により食べられない場合もありますが、それよりも周囲の理解を得られず、食べることを強制されたり、傷つく言葉をかけられたりして、強いストレスを感じていることの影響が大きいとのこと。その結果が偏食をはじめとする多様な困難を生み出していると言うのです。偏食の子どもたちでも、白米やパン、ポテトなどはよく食べられるケースが見られます。これは必ずしも子どもたちが好きだから食べているわけではないと言います。これらの食品はシンプルで食べやすく、味の混ざり気がほとんどありません。それゆえ子どもたちは味を想像しやすく、安心して食べられるから選択しているだけであって、決して好きだから食べているわけではない場合も多いのです。本人に聞くと、「決して美味しいとは思っていない」という答えが返ってくると語ってくださいました。さらには、こうした偏食は栄養の偏りを引き起こし、肥満や生活習慣病の原因になってしまうことも考えられます。また、食に関する問題は、生来の過敏性だけではなく、本人を取り巻く別の課題が、食の困難として表出することもあるといいます。親との関係、両親の関係、先生との関係など、さまざまなストレスが、偏食として表出するケースも実際に見ることがあります。髙橋先生「単純に食だけのケースで困りごとを持っているケースは、発達相談の現場にいても少ない。本人が持っている別の困りごとや課題も、命の基本となる食べるという行為の中から見つけられることもあります。」偏食を単に食の問題として捉えるのではなく、本人が持っているさまざまな困りごと、また2次的障害の発現など、トータルに見ていく必要があると話してくださいました。子どもの偏食に、保護者はなにをしてあげればいい?出典 : 子どもの偏食を考えるとき、親がまずするべきこと。それは、子どもと対話することだと髙橋先生たちは考えています。髙橋先生「一番のベースは、その子の偏食が、何によって出ているのかということ。その子の持っている不安や緊張や困りごとに対して、しっかり耳を傾けることが重要です。」偏食の子どもたちを目の前にすると、親やその支援者は、いかにして子どもたちに食べさせるかということを考えてしまいがちです。ですが、まず大切なのは子どもと対話して、なぜ食べられないか子どもの気持ちを知り、それを理解してあげることです。子どもの声に耳を傾けることで、偏食を加速させてしまう「不安・緊張・強い恐怖・ストレス」を半減させることもできます。調査対象を発達障害の診断・判定・または疑いがある小学生まで広げて行った調査では、「配膳時に量を調節したり、どうしても食べられない食材を入れないなど自分で決めさせてほしい」「完食を強制せず、食べられない食品があることも認めてほしい」という思いを子どもたちが強く持っていることがわかったのです。こうしてみると、調理法や材料を変えるなどの時間や手間をかけることよりも、自身の困難や思いを聞いてほしい、理解して認めてほしいという、他者とのコミュニケーションにおける基本的なことを求めている回答が多いことが分かります。また逆に、「子どもの頃に無理強いされた食べ物は一番苦手なものになっている」という方も多く、食の困難に対して厳しい指導・対応を受けたことにより「苦手さ」「恐怖感」を増幅させてしまっているケースも見られます。髙橋先生と共同で研究を行っている大阪体育大学の田部絢子先生はこう話してくださいました。田部先生「調査の中で、困っていることや、どうしてほしいかも聞いてるんですけども、どうしてほしいですかっていうことの上位に、結局、『話を聞いてほしい』とか『食べられないってことを一旦認めてほしい』とか『量は自分で調整させてほしいとか』が上がってくるんですね。わざわざ、別の調理法でものを作れとか、それは出してくれるなとか、そういったことはあまり上位の要望としては出てきていない。やっぱり子どもたちは『話を聞いてほしい』って言ってるんだから、大人たちはまず話を聞くところから始めませんか」髙橋先生らのアンケート調査でも、本人が必要とする理解・支援について、・外食でも個室だと食べることが出来る・新しい食べ物は事前に紹介されていれば大丈夫である・自分で選んだ食べ物はおいしく味わい、楽しむことができるなどが上位の回答として見られることがわかっています。逆に、無理やり食べさせたりすれば、子どもの不安や緊張は増え続ける一方になってしまいます。実際に食べることを無理強いされたことを発端として、生来の過敏性とも相まって、低体重にまで陥ってしまうような例もあるそうです。こうした偏食の根底にある不安・緊張・強い恐怖・ストレスを軽くするには、感覚の過敏性やこだわりについて考える前に、子どもと対話することが必要不可欠です。子どもたちが最も嫌がるのは受動的で強制的な食事です。これでは、食事に対するストレスは増える一方になります。食事を、子どもたちにとって主体的で、能動的で、選択可能なものにすることも、大切だとおっしゃっていました。主体的で、能動的で、選択可能な食事とは。ある家庭での出来事出典 : 「主体的で、能動的で、選択可能な食事」というと、一見難しく感じますが、会話の機会を増やすことで実現した一例があります。ある4人家族の家庭では、姉妹のお姉さんのほうに偏食がみられました。家庭での食事はお姉さんが食べられるものばかりになってしまっていたので、妹さんは不満を感じていたそうです。そんなとき、田部先生はこの家族に「家族でいっしょに1週間の献立を作りませんか?」という提案をしました。さらに、今日はお姉さんメニュー、明日は妹さんメニューのように、食事の回によって考案者を分けるようにしました。この提案を実行しようとしたこの家族は、献立を作るための家族会議を開くことに。そしてこの機会こそが、家族の食事のあり方を変える鍵になったのです。まず、献立が作られたことによって、食事についての見通しが立ちやすくなります。偏食のあったお姉ちゃんは「今日は妹ちゃんメニューだから我慢する。でも明日は私の番!」といったように、見通しを持つことができるようになり、食事をポジティブに捉えることができるようになりました。妹も同じく「今日は私のメニューだけど、明日はお姉ちゃんのメニュー」といったように考えることができるようになり、不満の解消にもつながったと言います。加えて、買い出しにみんなで行くようになったことで、食事に対する主体性や能動性も上がり、食事に関する不安はどんどん減り、家族での食事がみるみる楽しくなっていったそうです。その変化は目覚ましいもので、親御さんから「こんなに食事って楽しかったんだ!」という声が届くほどでした。このように主体性、能動性、選択制がそろうことによって、偏食のある子どもいる家庭でも、楽しい食事を作ることができるのです。学校給食での困難。それを取り巻く現実出典 : 家庭ではある程度柔軟な食に対する対応をおこなうこともできますが、学齢期になり学校に通うと、給食という大きな課題が立ちはだかることもあります。残念ながら今日でも、給食を残さず食べさせることを絶対とする教員がいるとの話を聞くことがあります。アレルギーに対しては認知や理解が進み、かなり柔軟な配慮が行われるようになってきました。しかしその反面、感覚の過敏性などを起因とする偏食にはまだまだ理解が及んでいないのが現状です。田部絢子先生は、東京都の通級指導学級や特別支援学級を有する公立小中学校、知的障害特別支援学校についてアンケート調査を行いました。その結果からは、食に注意の必要な児童生徒が「在籍している」学校は全体で81.1%。さらに、報告された児童生徒の食に関す困難で、「極端な偏食」は全体の31.1%にものぼります。一方、調査で明らかになった現場の声は、学校給食なので個別対応はできないというものが少なくありませんでした。教職員の人員不足、また生命に関わるアレルギーの対応に注力するあまり、個々の過敏性に対応することはとてもできないという実態が浮かび上がってきたのです。発達障害児の「食」の困難・ニーズの実態と支援の課―都内小・中学校特別支援学級・通級指導学級、知的障害特別支援学校への質問紙法調査から―発達障害の子どもの偏食に対して、実際に学校で行われた「合理的配慮」とはUpload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)以前は中学校の教師でもあった田部先生は、食についての合理的配慮を行った自らのご経験を教えてくださいました。中学3年生の自閉症スペクトラム障害のある女の子は、食事に対して困難があると同時に修学旅行にも大きな不安を抱いていました。人とかかわるだけでも不安な彼女にとって、旅行先での食事は、日常生活とは比べ物にならないほどの不安があったのです。この生徒の場合、コンビニのお弁当やおにぎりだけが、安心して食べることができる食事であったそうです。この子が安心して修学旅行を過ごせることを考えた田部先生は、行く先々でコンビニで買った食品を食べることを認めました。ただし、田部先生は食べる場所について逆に生徒にお願いをしました。食べるものは違っても、他の生徒と同じ場所で食べること。またレストランを利用するときは、その中でコンビニ弁当を食べることは憚られることなので、バスの中などで食べることをお願いしたのです。こうした配慮によって、この生徒は、帰りたいとパニックを起こすこともなく、修学旅行を過ごすことができたのです。本人のルールを聞いてあげて、そしてこちらのルールも聞いてもらうことーー田部先生「おそらくそれが合理的配慮なんでしょうね。社会のルールを教えつつ、でも本人はどうすれば自身の健康を保ちながらやってゆけるのか。集団行動もできて、個別性の配慮もできるのか。折衷案を考えました。」髙橋先生「全部でなくても理解をしてもらえる、話し合えるということで、信頼関係ができますよね。信頼関係ができると、『少なくともこの先生の言うことは聞いてみようか』となり、プラスのスパイラルに入っていくことになる。信頼感関係がないと、どんないい提案をしても却下なので、一旦は教師や大人のほうがが折れることが必要。」まずはしっかり話を聞いて、そこで出来ることと出来ないを伝える。相手の話を聞く機会を持ち、一部でも理解してあげると子どもとの間に信頼関係ができる。そのためにはまずは大人のほうが折れることが必要だとおっしゃっていました。大人どうしの「空中戦」の末に出典 : 食の困難について困っているのは、当事者である子どもだけではありません。料理を作る保護者にとっても大きな負担となっています。食事を作っても作っても子どもは食べてくれない。それは保護者からしてみれば、いじめを受けているようなもの。作るのをやめてしまいたい、思わず声を荒げて子どもを叩いてしまうという声も調査の中で耳に入ってきています。特にお母さんにとって、「食べさせる」ということは授乳から始まる子どもとのコミュニケーションの一つでもあります。だからこそ、食事を拒絶されることは、否定されたような気持ちになり、つい子どもに辛く当たってしまうことも珍しくないようです。また、子どもの偏食を周囲から責められ、やり場のない思いを抱えていることもあります。子どもを抜きにした空中戦が大人どうしで展開され、子ども本人の気持ちは置き去りにされているケースも見受けられます。こうした状況を改善していくためには、子どもだけではなく、保護者の気持ちをもケアするような仕組みを作ることがこの先求められます。「食べることは発達だなって思うんですね」Upload By 村田裕介(発達ナビ編集部・管理栄養士)偏食は生涯にわたる固定的なものではありません。適切なサポートを行えば、食べられる範囲はいずれ広がっていきます。成人当事者と話していても、以前と比べると食べられる範囲は大きく広がったと聞くことも多いと言います。幼少期のことを振り返ると「今は全然違う!」という実感を持たれる方も多いそうです。食の問題も発達の問題とすごく関係していて、認知・理解の発達、さまざまな身体の発育の中で、総合的に食べる力が発達し、食べられるものが増えてくるのです。髙橋先生「お母さんが離乳食を与えて、最初は子どもはペッと吐き出してしまう。でもだんだん慣れていって味覚も発達して、食べ物を受け入れていく。こういう発達のプロセスを辿っていくので、食っていうのは発達だなって思うんですね。なので、身体の発達が進み体の準備ができたとか、安心できる環境になったとき、再チャレンジする機会が必要なのです。」そのためにも偏食を固定化させないことが必要だと髙橋先生は言います。親が子どもの食事に対して関与することをやめないことが大切なのです。今後も髙橋先生たちの研究チームは、食事・排泄・睡眠について、研究を続けていくと言います。髙橋先生「食事・排泄・睡眠は生きていくための基本。ここに徹底的にこだわっていきたい。」髙橋先生のチームの研究はこれからも続きます。子たちが抱える困難を、多くの大人が理解し、適切なサポートに導くことが容易にできる日がくることを願ってやみません。【大募集!偏食対応のコツ】給食やお弁当に慣れるまで、どんな工夫をした?子どもの偏食、どう工夫してる?どう考える?みんなのアイデアや体験談を教えて!
2017年11月28日最近、鼻呼吸ではなく口で呼吸する子どもが増えているのを知っていますか? 口呼吸をすることにより、風邪をひきやすくなったり、歯並びに影響が出たりなどの弊害があるそうです。Q.お子さまの口呼吸、鼻呼吸、意識してますか?1.意識している 66.4%2.意識していない 33.6%お子さんの口呼吸や鼻呼吸を意識している人は66.4%と意外に多い結果になりました。口呼吸ばかりしていると、さまざまな症状が出るようです。皆さんの体験談を聞いてみましょう。■鼻呼吸の大切さを知っている人は子どもにも注意をしてる「口を開けない!」などと叱られた経験がある人もいるのではないでしょうか。それってもしかしたら鼻呼吸をするようにという意味だったのかも。親から言われていたことにも意味があったんですね。「子どもたちにはきちんとした鼻呼吸をしてほしいと思い、気づいたときには注意します。集中力がアップするとか、病気をしにくくなるとか聞いたことがあるので」(福島県 40代女性)「うちの母が口呼吸にうるさい人でした。体力があると口呼吸になりにくいのかな。顔の形も変形することがあるので甘くみてはいけませんね、母に感謝」(広島県 30代女性)「以前は出っ歯気味で口呼吸だった息子が、矯正したら口を閉じて鼻呼吸になりました! 出っ歯なんてたいして気にしていなかったけど、呼吸にまで影響があるなら矯正してよかったなと思いました」(千葉県 40代女性)■気にしていなかった人は子どもの呼吸をチェック!みんなのコメントを見て初めて鼻呼吸の大切さを知ったという人もいました。まずは呼吸をチェックしてみて、気になるようなら耳鼻科に行くといいようです。「気にしたことありません。増えているんですね、初耳」(東京都 30代女性)「なんとなく気にはなってるけど、日々の忙しさにかまけてスルーしてました。耳鼻科に行ってみようかな」(三重県 40代女性)「みなさんの意見を読んでいて怖くなりました。うちの子どももよく鼻づまりで口呼吸してます、こらからの季節、すごく乾燥するので余計に風邪をひきやすいんだと思います」(北海道 40代男性)■15年間以上気づかなくて手術をした人も子どもの口呼吸に気づかずに、ある日耳鼻科に行ったら手術と言われたという人もいました。手術後は成績もアップしたというから、鼻呼吸ってやはり大切なんですね。「長男は口呼吸でいびきもかくし、気になり耳鼻科に行ったら、即入院手術の申し込みになりました。副鼻腔の癒着がひどかったようで、15年以上も辛かったようです。今18歳ですが、鼻呼吸になり成績も上がりました。口呼吸は頭がボーッとして集中力にも欠けるらしいです。ちなみに全身麻酔で1週間の入院でした。たかが鼻、されど鼻」(神奈川県 40代女性)Q.お子さまの口呼吸、鼻呼吸、意識してますか?アンケート回答数:7507件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年11月18日<専門家インタビュー> 睡眠時無呼吸症候群の治療に使われる持続的自動気道陽圧ユニット(CPAP)のほとんどが海外の製品で占められる中、人工呼吸器メーカーの草分けとして1984年に創業した株式会社メトランは、株式会社小池メディカルと共同で国産第1号となる「ジャスミン」を2006年に開発・販売しました。その開発の経緯と最新機種JPAP(ジェイパップ)のコンセプト、そして睡眠時無呼吸症候群治療のあるべき姿について、株式会社メトランの創業者であるトラン・ゴック・フック(新田一福)会長にお話をうかがいました。【トラン・ゴック・フック(新田一福)氏】 株式会社メトラン会長株式会社メトランがCPAPを開発するようになったきっかけそもそも株式会社メトランがCPAP治療機器を開発するようになったのは、当社の製品を販売していた株式会社小池メディカルからの依頼がきっかけでした。私たちの開発技術力を高く評価してくれていた小池社長から、CPAPは海外の製品しかないので、ぜひ国産のCPAP装置を作ってほしいと頼まれ、二つ返事でお引き受けしたことが発端だったのです。特許だらけのCPAP開発の壁を乗り越えた国産第1号ところがいざCPAP機器の開発を始めてみると、実に奥が深いということがわかりました。もちろん、それはどの領域にも言えることではありますが、ことCPAPに関しては非常に多くの技術が特許で押さえられていました。しかも国内メーカーの製品がなかったため、それらの特許はすべて欧米で取得されており、そのことが大きな壁となっていたのです。 そこで私は、メトランの現・代表取締役社長である中根伸一君がスタンフォード大学で研究していたニューラルネットワークのことを思い出しました。スタンフォード大学はニューラルネットワークの研究では世界でもレベルが高いことで知られています。彼の卒業論文のテーマは気道の閉塞をニューラルネットワークで検知できるというものでしたが、このテクノロジーを使えば特許に関係なく独自のCPAP装置が作れるということがわかり、ようやく国産第一号という形で世に出すことができたのです。睡眠時無呼吸症候群の患者として自分が使うために開発したJPAP当時は、なんとかして要求された仕様通りのものを作り、いろいろな患者さんに使ってもらうというところからスタートしました。しかしその後、自分が検査を受けて睡眠時無呼吸症候群と診断されたとき、私は「それなら患者として自社の製品を使える!」と思いました。そして、競合相手の製品を知るため、他社の製品も片っ端から自分で試してみようと考えたのです。 日本で買えない製品は、アメリカで6年ほど仕事をしていたときの知人を介して、インターネットのサイトで入手しました。ベッドの周りにはありとあらゆるCPAP装置やマスクが置かれ、私の寝室はさながら実験室のようでした。毎晩違う機械を使っては、朝起きた時に「これは気持ちよく起きられた」「これはダメだ」と、それぞれの製品の長所・短所を徹底的に比較・研究しました。 今回開発したJPAPは、その研究を元に医師たちと議論をしながら、「自分が使うための機械」として開発したというところがあります。ですから、私が現時点でベストなものを作ったと思っていても、一方ではいいと思わないという意見も出てくるかもしれません。また、それまでのメトランの製品は、使う人のことをそこまで突き詰めて考えて作っていなかったという反省もあります。CPAPの良し悪しは「呼吸仕事量」で決まるCPAP装置の良し悪しを判断する指標のひとつに、私たちの専門用語で「呼吸仕事量」と呼んでいるものがあります。私たちが普段呼吸しているときには周りにいくらでも空気があるので、息を吸ったからといって周囲の圧力が下がることはありませんが、CPAPではマスクをつけ、機械を通して呼吸をサポートしてもらうことになります。ですから、たとえばスーッと息を吸うときに機械がサポートしてくれるとより楽に息を吸うことができます。 このサポートの仕方が適切でないと、息を吸おうと思ってもガスが入って来ないので息が吸えなくなりますし、息を吐こうと思ったときに機械が制御して圧を下げてくれないと余分な力が必要になります。つまり、呼吸仕事量がよくない機械は患者さんにとって使いづらいものとなってしまうのです。このことは人工呼吸器を扱ってきた我々メトランにとっては当たり前のことですが、睡眠時無呼吸症候群の領域では医師も含めてあまり議論されていません。患者さんの使い心地が軽視されているCPAP治療私は、CPAPを使うからには快適な睡眠を提供できなければ意味がないと考えています。私が初めて睡眠時無呼吸症候群の治療を受けたとき、最初の3ヶ月は眠くて仕方がありませんでした。CPAPを使っているのになぜこんなに眠いのだろうと思って医師に尋ねたところ、寝ている間に足がピクピクと動く病気、つまり周期性四肢運動障害があるから薬で治療をする必要があるという説明を受けました。 しかし、私にはどうも納得がいきませんでした。そこで自分でいろいろ考えてみると、たしかにCPAPのおかげで物理的に気道の抵抗を下げることができ、無呼吸は起こらなくなりましたが、脳は休んでいないのではないかと思ったのです。CPAPに加温・加湿が必要だという間違った常識CPAP治療では、圧力を発生させるブロアーと呼ばれる機械や加湿器を通して空気を送り、マスクをつけてそれを吸う必要があります。しかし、いろいろと調べてみたところ、加湿器がないと湿度が与えられないというのはおかしいのではないかと思いました。 一般的には寝室の平均湿度はだいたい50〜60%ですから、それよりも少しだけ余分に湿度を与えれば、普段我々の身体が感じている空気の温度や湿度に近い状態が保てるはずなのです。人間の呼吸器は本来、素晴らしい加温・加湿の仕組みを持っている鼻から吸い込んだ空気は鼻腔で乱流を起こし、粘膜から湿度と温度が与えられます。気管支に達するときには、ほぼ体温に近い温度に暖められ、湿度もほとんど100%の状態です。気管支が十分に潤っているおかげで、繊毛がバクテリアや細菌、ゴミなどを痰として体外に排出でき、マイナス数十度の外気を吸っても死なないのです。これは人間の持っている素晴らしい加湿・加温器の機能であるといえます。 一方、手術をするときには気道を確保するために人工呼吸器で気管内に挿管をします。気管内にビニールチューブを入れると、鼻腔から肺に至る呼吸器粘膜が持っている加湿・加温性能がすべてバイパスされてしまうため、もしも人工呼吸器から加湿していないドライガスを入れると人は死んでしまいます。ですから、人工呼吸器の加湿器は37度の温度と100%の湿度を厳密に維持することが求められます。 しかし、これに対して睡眠時無呼吸症候群の場合はマスクを使っています。つまり、鼻の機能はそのまま生きているので、基本的には加温・加湿の必要はありません。 ただし、圧をかけて空気を送り込むと通常の呼吸時よりも少し流速が速いので喉が渇きます。ですから、その分だけ少し湿度を補えば済むのですが、海外のメーカーのアプローチの仕方はそうではありません。今述べたような患者さんの状況に基づいて開発するのではなく、「呼吸補助」には当然のごとく「加湿器」と「ヒーターで温める」ということがセットになっているのです。暖めた空気を一晩中吸っているとかえってよく眠れない?深部体温との関係マスクで吸っているところへ30度に加温された空気を送るのは、私自身は決して良い方法だとは思いません。たしかに暖められた空気が入ってくると気持ちよく感じるという人もいます。私もそのことは否定しませんが、朝まで一晩中30度の熱い空気を吸っていたら、私個人の感覚としてはとても寝ていられません。 そこで私がいろいろな文献を調べてみたところ、眠っているときの深部体温が起きているときよりも0.5〜0.7度下がらないと脳が休めないという論文を見つけました。海外製のCPAP装置はどれも30度ぐらいに加温した空気を送るようになっていますが、私たちが開発したCPAPは加温していない常温のままで空気を送っています。たしかに使い始めに暖かい空気を吸うと、そのときは気持ちがいいと感じますが、8時間の睡眠中ずっとそれが続いてもいいというわけではないというのが私の考えです。開発者から見たCPAP治療の課題私はこれまで主に小児や未熟児用の人工呼吸器の開発に携わってきましたが、残念ながら人工呼吸器を自分で使ってみて確認することはできませんでした。ところが自分が睡眠時無呼吸症候群(SAS)であることがわかり、患者としてCPAPを使う立場になってみると、様々な問題があるということがわかってきました。 たとえば病院で患者さんにCPAPの機械を貸し出すと、次の月に受診するまでの間、患者さんが実際にどのように使っているのかということがわかりません。 CPAPは機械やマスクによってその最大圧力の設定を調整する必要があります。CPAPの治療における様々な問題睡眠時無呼吸症候群の治療に携わっている医師がCPAPのことをよく知らされていないというケースも珍しくありません。人工呼吸器にしてもCPAPにしても、医師が経験を積む機会がまだ少なく、特にCPAPの分野では、海外の大手メーカーも機械のアルゴリズムを絶対に教えないようにしています。 私は先日、ある医師から教育講演を依頼されたとき、自社製品のアルゴリズムを全部公開しました。そうしなければCPAPの機械が実際にどのように制御されているのかということが医師にわからないからです。現状では、それを理解しているのは医療機器販売会社の社員だけですが、肝心のところは公開していないというのが実際のところです。CPAP治療からドロップアウトした患者さんのリスクとは現在、CPAP治療からドロップアウトする患者さんは30%以上と言われています。睡眠時無呼吸症候群の患者さんはおよそ40万人とされていますから、その30%というと12万人になります。一方で、睡眠時無呼吸症候群の治療を受けないと、30%の人が将来糖尿病になるというデータもあります。 つまり、40万人のうち治療を拒否した人たちが30%いて、そのうちの30%、3〜4万人の人たちが糖尿病や高血圧になるということです。これは社会的にも極めて大きな問題です。なぜそれほど多くの患者さんがドロップアウトするかというと、睡眠時無呼吸症候群の治療をしている医療機関であっても、メーカーから提供される情報が十分でないことなどから、CPAPの使い方を正しく理解されていないところが多いからだと思います。睡眠時無呼吸症候群の治療はどうあるべきか私は知り合いのある先生のところで、患者さんにCPAPの機械を渡すときの様子を実際に見せてもらったことがあります。 暗い部屋に入るとベッドで患者さんが横になっていました。先生はCPAPの機械をつける前に、左右の鼻がどれくらい詰まっているかなど、患者さんの状態を細かくチェックしていました。普通はなかなかそこまで調べないのですが、患者さんの鼻の状態がどうなっているかわからないと、用意したマスクが合うかどうかもわかりません。多くの医療機関では販売会社の社員が持ってきたものをただ言われるままにつけるだけなので、患者さんがどう感じているのかわからないのです。 普段よく眠れていないせいか、患者さんはCPAPの機械をつけると5分ほどで眠ってしまいましたが、その場には患者さん本人だけでなく、奥さんにも一緒に来られていました。その先生は患者さんのベッドパートナーにも必ず来てもらうようにしているそうです。 先生は患者さんが眠ってから30分ほど経ったところで、いきなりAC電源のコードをコンセントから引き抜いて、もしこうなったらどうすればいいと思いますか?と奥さんに尋ねました。なぜそんなことをするかというと、地震などの災害が起きて停電になったときの対応をベッドパートナーの方が知らないと困るからです。そのために、患者さんだけでなくベッドパートナーの方にも使い方をすべて説明してからCPAPの機械を渡すのです。患者さんや医師のためにメーカーとして行なっている取り組み私は今後、呼吸仕事量を測るモニターを商品化して医師が使えるようにしたいと考えています。そうすれば患者さんが楽に呼吸できているかどうか、人工呼吸器のように波形ですべてモニターすることができます。そういったことを考えていかなければ、最終的に患者さんのQOL(生活の質)を高めることにつながりません。 メトランで考えている治療というのは、患者さんのQOLを含めたものです。未熟児用の人工呼吸器で言えば、ただ赤ちゃんが退院できればいいというのは医療の仕事ではありません。その赤ちゃんが後遺症のない人生を送れるようにすることが本当の意味での治療なのです。今までの治療は赤ちゃんが命を落とすことなく退院するということが目標だったのですが、私の考えは違います。 睡眠時無呼吸症候群の治療装置も未熟児用の人工呼吸器と同じように、単に呼吸が止まらないというレベルの製品を作るというのは、私たちメトランの目指すところではありません。患者さんはマスクをつけて眠るという煩わしさを我慢して治療をするのですから、その犠牲に対してもっと快適な眠りを提供し、脳がしっかりと休めるような睡眠体験が得られるようにするべきです。私自身が患者として自社製品を使っているからこそ、睡眠時無呼吸症候群の治療を今後そのレベルまで引き上げていかなければならないと考えています。 今回開発したJPAPが目指すところも同じです。目的は呼吸が止まらないようにする治療ではありません。本当に大切なのは快適な睡眠、快適な生活が送れるということです。そのために私はもっと快適な機械をこれからも作っていこうと考えています。
2017年10月10日「睡眠時無呼吸症候群かもしれない」そう思ったとき、どの病院を受診すればよいのでしょうか?インターネットでは睡眠時無呼吸症候群の診療に対応していると書かれたホームページが多く見られますが、診断に欠かせない検査の内容は医療機関によってかなり違いがあるようです。検査の重要性と病院選びのポイントについて、駒ケ嶺医院 睡眠呼吸センター長の髙﨑雄司先生にお話をうかがいました。【高崎雄司(たかさきゆうじ)先生】駒ヶ嶺医院睡眠呼吸センターセンター長元東海大学健康科学学部教授、元日本医科大学第4内科助教授、日本睡眠学会評議員・認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医睡眠時無呼吸症候群を治療する患者さんは増えているか?睡眠時無呼吸症候群に関する情報はここ10年くらいでかなり増えました。受診するきっかけが非常に増えたことによって、たくさんの方たちが治療を受けていることはたしかです。しかし、一部の方は、情報が届かないなど様々な理由で未受診のまま放置しているととらえています。受診しなければならない方たちはまだまだ多くいるに違いないと考えています。病院を選ぶポイント:インターネットの病院探しについて最近は、インターネットで調べて医療機関を受診する方が多くなっています。ホームページなどで睡眠時無呼吸症候群の治療ができると書いている医療機関はいたるところにありますが、患者さんにしてみれば、どうやってインターネットの情報から選べばいいのかわからない方がほとんどだと思います。インターネットで見て、自宅で簡易な検査ができるところがいいと考えられる方が多いかもしれません。しかし、検査をしていくうちに、最終的には泊りがけで終夜睡眠ポリグラフの検査をしなければならなくなる方もたくさんいらっしゃいます。ですから、本来は最初から幅広い検査ができる医療機関を受診されたほうがよいのではないかと思います。病院を選ぶポイント:睡眠時無呼吸症候群の診断方法について現在、睡眠に関する検査を受けることができる医療機関はたくさんあります。しかし、たいていの場合は呼吸が止まっているかどうかということだけをみるような簡易な検査が主体で、睡眠の質に関わる詳しいところまで調べているわけではありません。検査の結果、息が止まっている主な原因は気道がふさがっていることだろうと診断されると、多くの場合は持続陽圧呼吸療法(CPAP)で治療するという流れになっています。しかし、本当は病像が隠されていることが少なくありません。ですから、本来であれば当院の睡眠呼吸センターで行なっているような終夜睡眠ポリグラフ検査をしっかり受けていただいたほうがよいと考えます。病院を選ぶポイント:日本睡眠学会の認定検査技師が検査我々の睡眠呼吸センターでは、日本睡眠学会の認定検査技師が終夜睡眠ポリグラフの検査を担当しています。他の施設でも臨床検査技師が睡眠の検査を行ない解析を行う場合があると思いますが、一般的には終夜睡眠ポリグラフ検査の経験があまりない施設が大多数を占めています。当院で行なっている検査では、患者さんが検査を受けている間は担当の検査技師が朝まで別室で検査データをモニタリングしています。たとえば寝返りをうって電極(センサー)が外れそうになったらまたつけ直すということもしますし、検査中に起こった出来事や患者さんからの訴えなどについてもすべて記録して残しています。そういったことも含めてきちんとした検査を行えば、それだけ正確な診断ができると考えます。大きな病院も含めてたいていの場合は、患者さんの身体にセンサーをつけるなど検査に必要なことはひと通り検査技師が行なったとしても、そのあとは病棟の看護師などに引き継いで帰ってしまいます。看護師は基本的に他の入院患者さんをみているため、終夜睡眠ポリグラフの検査で何か異常があっても対応できない場合がありますし、検査の内容も詳しくはわかりません。そのため、朝になって検査が終わってみると、一部のデータがきちんと取れていなかったというようなことが起こる可能性があります。過去に他の施設で統計を取ったみたところ、終夜睡眠ポリグラフのセンサーからのシグナルが途絶えてしまったために患者さんが寝ている部屋に入ってセンサーをつけ直すなど、検査中に担当の検査技師が何らかの対応をしている頻度は約50%でした。つまり、検査技師が朝までモニタリングをせずに帰ってしまった場合には、約50%の確率で完全な検査ができていない可能性があるということになります。病院を選ぶポイント:検査データの解析は自動解析よりもマニュアル解析我々の睡眠呼吸センターでは、検査データの解析をマニュアルで行なっています。それはなぜかというと、自動解析が必ずしも正確ではないということがよくわかっているからです。また、時間ごとに細かくステージ判定などを行う必要もあるのですが、そういったことをしっかり行なっている施設はかなり少なく、日本睡眠学会認定の102の医療機関(2016年7月1日現在)の中でも、おそらく半分ほどもあるでしょうか?患者さんがインターネットで病院のホームページを調べただけでは、これまで話してきたようなポイントはなかなか判断できません。その施設でできる検査の内容を明らかにした上で、できない部分については他の専門施設に紹介するという形をとっているのであれば、ある程度信頼してもよいでしょう。しかし、自分のところでできる範囲の検査だけで診断をつけてしまうと、患者さんが必ずしも適切な治療を受けられないということにもなりかねません。それぞれの医療機関においても、単に終夜睡眠ポリグラフの検査ができるということを示すだけではなく、本当はその内容まで開示すべきと考えます。たとえば日本睡眠学会の認定検査技師が朝までついて検査を行っていますということを明示していれば、その病院はそこまできちんとやっているということですし、逆に言えば明示していない施設はそこまで対応していないということになります。やっていないものをやっているとは言えませんから、そうすれば患者さんにとって病院を選ぶひとつの目安となるのではないかと考えます。本格的な検査ができる医療機関は限られているのが現状我々のような詳しい検査ができる医療機関がどこにでもあるかというと、実はそれほど多くはありません。夜勤に対応してくれる検査技師も必要ですし、人手や手間の部分でどうしてもできないというところもあります。本当はそのような場合にどこかに相談できるようなシステムがあればよいのかもしれませんが、現在の状況ではまだなかなか難しいところです。日本睡眠学会で医療機関を認定するとき、その医療機関でできる検査の内容をあまり厳格にしてしまうと、認定医療機関の数が限定されて診断が停滞してしまうということにもなりかねません。検査の質を上げようという努力もしなければなりませんが、一方では睡眠医療を普及させなければならないという面もあるのです。もしも患者さんの近くに本格的な検査が可能な医療機関がなければ、一般的な治療をされているところでまず診てもらい、睡眠時無呼吸症候群の治療へ進むということになります。たとえば中年以降で、明らかに肥満が原因で閉塞性の睡眠時無呼吸症候群が起こっていると思われる場合は、治療が開始されるとすぐにCPAPの適応になる方が圧倒的に多いので近くの医療機関で診てもらって構いません。しかし、そうではない場合には、本来は睡眠専門の施設で診てもらうことが望ましいと考えます。
2017年08月10日眠っている間に呼吸が止まってしまう病気として近年注目されている「睡眠時無呼吸症候群」。呼吸の異常が起こる原因には中枢性と閉塞性の2種類があります。空気の通り道が狭くなっていびきや無呼吸が起こる閉塞性睡眠時無呼吸症候群は広く知られるようになってきましたが、中枢性睡眠時無呼吸症候群はまだあまり知られていません。中枢性睡眠時無呼吸症候群について、駒ケ嶺医院 睡眠呼吸センター長の髙﨑雄司先生にお話をうかがいました。【高崎雄司(たかさきゆうじ)先生】駒ヶ嶺医院睡眠呼吸センターセンター長元東海大学健康科学学部教授、元日本医科大学第4内科助教授、日本睡眠学会評議員・認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医 睡眠時無呼吸症候群には閉塞性と中枢性の2種類がある睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断にあたっては、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)という検査をして睡眠時の呼吸と睡眠の質を調べ、無呼吸や低呼吸と呼ばれる異常な呼吸の発生頻度と睡眠の障害の程度から総合的に診断をします。このときに起こる無呼吸のパターンには、大きく2つのものがあります。それが閉塞性(へいそくせい)と中枢性(ちゅうすうせい)です。閉塞性と中枢性のそれぞれの違いとは?閉塞性の睡眠時無呼吸症候群は、呼吸をするときに鼻から入って肺に至る空気の通り道の中で、気道のどこかが狭くなったりふさがったりすることによって無呼吸が起こるものであり、その閉塞が解除されれば呼吸が再開します。閉塞性の睡眠時無呼吸症候群が起こる原因としては、扁桃腺が大きいことや骨格的にあごが小さく空気の通り道が狭いことなど、のどの周囲の構造による問題のほか、肥満のため首の周りに脂肪がついて圧迫されるなど、さまざまな理由があります。一方、中枢性の睡眠時無呼吸症候群は、頭の中の脳幹(のうかん)にある呼吸中枢というところから出される「呼吸をしなさい」という命令が、一時的に途絶えるために息が止まってしまうものです。中枢性睡無呼吸症候群の原因は?中枢性の睡眠時無呼吸症候群の場合の脳からの呼吸命令が一時的に途絶える原因としては、心臓が悪くなって血液を循環させる機能が低下する、いわゆる心不全によるものがもっともよく知られています。脳の中には血液中に含まれる二酸化炭素の量と酸素の量が正常かどうかということを感知するセンサーの働きをしている部分があり、その情報によって呼吸中枢が呼吸の命令を出しています。血液中の二酸化炭素が多くなってくること、逆に酸素の量が少なくなってくることなどで、呼吸が大きくなって肺での酸素の取り込みや二酸化炭素の排出を正常化するのです。ところが、呼吸によって実際に酸素と二酸化炭素の入れ替えをしている肺の動きと、血液中の二酸化炭素の量を感知している脳のセンサーの間にはいくらかの時間差が生じます。特に心臓が悪くなって血液の循環が悪くなると、二酸化炭素量の情報の脳センサーへの伝達に遅れが生じ、それが原因となって最終的には呼吸が止まってしまうことがあります。中枢性無呼吸症候群を引き起こす病気の典型的なものは心不全ですが、そのほかにも腎不全や脳の病気などによっても呼吸の異常が起こることがあります。たとえば脳血管障害などによって呼吸中枢にかかわっている脳の一部分が傷つくと、そのことが原因で無呼吸が起こることがあるのです。閉塞性に比べて中枢性の発症頻度がどれくらいあるのかということは正確にはよくわかっていませんが、おそらく10分の1程度あるかないかといわれています。中枢性睡眠時無呼吸症候群のもうひとつの原因とは?中枢性の睡眠時無呼吸症候群を引き起こすのは心不全などの重篤な病気ばかりではありません。たとえば、なかなか寝付くことができず少し寝ては目がさめるということを繰り返し、睡眠の質が悪化すると呼吸を調節する働きそのものが不安定になってしまい、そのために無呼吸が起こるようなケースのほうがむしろ多くみられます。しかし、このようなケースの多くの場合は治療の対象にはなりません。治療の対象になるのは先に述べたように心臓や腎臓が悪いケースか、もしくは脳血管障害が起こったために異常な呼吸を引き起こしているような場合に限られます。中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療では、心不全が原因であればまず心臓に対する薬がしっかりと使われているかどうかということが一番重要です。血管を拡げて血圧を下げることで心臓への負担を減らすためには、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬などが用いられます。心臓の働きを助ける強心薬としてジギタリス製剤という薬を使うこともあります。また、できるだけ心臓に負担をかけないように生活習慣を改善することも大切です。これらがきちんと行なわれているにもかかわらず異常な呼吸が出る場合は、呼吸のほうに注目して治療をしていくことになります。具体的には、夜間在宅酸素療法もしくは持続陽圧呼吸療法(CPAP)を行います。これは鼻や口に装着したマスクから圧力をかけて空気を送り込み、呼吸を助ける方法です。閉塞性と中枢性を併せ持つ睡眠時無呼吸症候群たとえば、構造的にのどが狭くなっている方に無呼吸が起こった場合でも、それがすべて気道の閉塞によって起こっているというわけではありません。ある一部分は中枢性の原因による場合もありますし、またある一部分は閉塞性と中枢性の中間型のような形で出ることもあります。患者さんの病態が中枢性かそれとも閉塞性かということは、そのどちらが主体であるかということから診断します。したがって、のどが狭いことが主因であった場合には閉塞性ということになります。しかしそうではない場合、心臓が悪い方たちの一部では、脳からの命令が途絶えたことによる睡眠時無呼吸症候群もたしかに多いのですが、気道の閉塞による睡眠時無呼吸症候群も起こっているという部分があります。ですから、純粋な意味で閉塞性や中枢性と呼べるようなケースは実際にはあまりないともいえるでしょう。中枢性睡眠時無呼吸症候群も年齢とともに増加閉塞性、中枢性どちらの睡眠時無呼吸症候群も年齢とともに増えていきますが、その理由はさまざまであり、何かこれといって主体となるようなものがあるわけではありません。ただし、加齢によって脳からの呼吸の命令そのものがある程度弱くなることもあるため、そのことが影響しているという可能性はあります。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状は?閉塞性の睡眠時無呼吸症候群のほうが症状は出やすいはずなのですが、それでも本人がまったく自覚していないということは少なくありません。10〜20年というような長い期間をかけて少しずつ悪くなるため、なかなか自分自身の身に異常が起こっていると気づかないのです。しかし、家族や周りの人たちから見ると、TVを観ていてもすぐに居眠りをしまうなど、明らかに普通ではないとわかる場合があります。ですから、周りの人がこのような異常に気づいたときには医療機関に相談するようにしてあげるとよいでしょう。中枢性睡眠時無呼吸症候群の症状は?中枢性の場合も、たとえばもともと心臓が悪い方の場合、ご家族が体調を気遣って注意していると、ときどき息をしていないことがあると気づくことがあります。しかし閉塞性の場合と違って特にいびきもかいていないので、見過ごされることがありえます。しかし、さらに悪くなってくると、心臓に負担がかかりすぎているため横を向いて寝ることもできなくなる場合があります。そこまで悪くなるとさすがに自分自身でも何かおかしいのではないかと思い、病院で検査を受けるという方もいるようです。睡眠時無呼吸症候群を治療せず放置すると閉塞性であれ中枢性であれ、睡眠中に無呼吸が起こった後、呼吸を再開するときには脳が起こされてしまいます。それが何度も繰り返されると睡眠の質が悪くなり、日中に眠気を催すということになります。睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置していた場合、まず問題になるのはこうした日中の眠気が解消しないことによる生活の質の低下です。しかしそれ以外にも、睡眠中に何度も起きたり寝たりを繰り返すため心臓に相当の負担がかかるということも見過ごすわけにはいきません。このような状態を放置していると、最終的には心筋梗塞や脳梗塞などを起こすことがありえます。つまり、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群を放置すると心臓が悪くなり、また心臓が悪いと中枢性の睡眠時無呼吸症候群を悪化させることにもつながるのです。
2017年08月10日呼吸を大切にした健康促進サポートを展開する「BREATHTRANT(ブレストラン)」代表でもあり、ヨガインストラクターの資格を持つ沖知子さんに、呼吸やヨガについて御指南いただくこのコーナー。今回は、ANGIE女子なら誰もが気になる呼吸と美容の関係について伺ってきました。実は、呼吸が美肌づくりやアンチエイジングにも関係しているって知っていましたか?リラックスできないと老化が進行!深い呼吸をすることで、体の各所に十分な酸素が行き渡って代謝が上がり、体内の循環がよくなります。つまり、毒素が体内に溜まることなく、便秘や肌荒れにもなりにくい状態に。逆に呼吸が浅いと、体のさまざまなところに支障が出るので要注意です。「深い呼吸はリラックスするという意味でも大切です。活動時に優位になる交感神経ばかりが活発に働いていると、リラックスできずに活性酸素が大量に出てしまい、細胞を傷つけてしまいます」(沖さん)細胞が傷つくということは老化が進んでしまうこと。深い呼吸と共にリラックスすることを心がけましょう。幸せホルモンで身も心もハッピーに呼吸がシミやシワなどに直接的に働きかけることはないものの、呼吸を深くすることで心もコントロールでき、イライラしたり怒ったりすることが少なくなると言われています。心の状態はライフスタイルにも影響を与えるので、心が安定してポジティブな時は暴飲暴食をしたり、内に閉じこもったりすることなく、結果として身も心もヘルシーでいられるのです。また、呼吸は「幸せホルモン」とも呼ばれる「セロトニン」の分泌にも関係しているのだとか。「呼吸のように一定のリズム運動を続けることで、精神を安定させる『セロトニン』という脳内神経伝達物質の一種の分泌が活性化されます。呼吸で心が安定すると体調も安定し、ひいては生き方も豊かになります。また、セロトニンの分泌をより促したいなら、誰かと何かをしたり、触れ合ったりと人とコミュニケーションをすることも有効です。」(沖さん)寝る前の習慣にしたい腹式呼吸一日のうち、一番長いリラックスタイムは睡眠です。良質な睡眠をとるためにも、寝る前に休息時に働く副交感神経のスイッチを“ON”に切り替えておきましょう。おなかを意識して深い呼吸をする腹式呼吸がおすすめです。「座ったままでもできますが、慣れていないと体が反ってしまいがちなので、仰向けがやりやすいでしょう。寝る前に行うと、スーッと眠りに入っていけますよ」(沖さん)1. おなかに両手を置き、おなかの動きを感じる2. 鼻からゆっくり息を吐ながら、おなかを背中の方へ近づける。3. おなかを風船を膨らませるように、鼻からゆっくり息を吸う。※2~3を数回繰り返します。イライラは美容の大敵!呼吸を味方にして、幸せホルモンも良質な睡眠もたっぷりとってキレイになっちゃいましょう。沖 知子(Oki Satoko)Profile株式会社ブレストラン代表取締役。モットーは「健康第一、一生笑顔」。2007年からヨガを始め、2014年に資格取得後、呼吸と動きを連動させたフローヨガをメインとしたフリーのインストラクターとして活動。多くの企業向けヨガを担当する。2016年にはミス・ワールドファイナリストに選抜され、「ミス・ヨガ」を受賞。2017年から株式会社ブレストラン、代表取締役を務める。取材協力:バレエスタジオ「J・Alysson」
2017年05月23日「私たちは、ふだん無意識に呼吸をしていますが、口で吸うか、鼻で吸うかにより、その質は大きく異なります。たくさん酸素を取り込める呼吸が、“健康にいい呼吸”といえるでしょう」 こう話すのは、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生。大谷先生は、呼吸器内科の専門家としてこれまで数多くの患者を診てきた。そんな大谷先生が、懸念しているのが、口呼吸をしている人が年々増えているということだ。 「鼻呼吸では、鼻毛や鼻腔の粘膜が、不衛生な外気やウイルス、細菌、花粉、ほこり、PM2.5といった異物の侵入をブロックしてくれます。また、冷たく乾いた外気を、適度に温めたり、湿らせてくれたりもするのです」 次に扁桃が異物をブロック、さらに、線毛(※気道や肺にある毛のようになっている組織)が異物をキャッチと、フィルター機能が何重にも働いている。 「しかし口で呼吸をすると、まず鼻で異物をブロックすることができなくなりますし、乾燥のために線毛の働きが弱くなります。フィルター機能が十分に働かないために、異物を体内に取り入れてしまうことになるのです。その結果、花粉症やアレルギー性鼻炎や、ほかのさまざまな疾患を引き起こしてしまいます」 口呼吸をすると、口の中が乾きやすくなり、虫歯や歯周病、口臭の原因にもなる。歯周病の原因菌は動脈硬化を引き起こすなど、全身へ悪影響を及ぼす。さらに睡眠中の口呼吸は、大きないびきの原因となり、睡眠時無呼吸症候群のリスクも高める。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、心臓病、糖尿病など、さまざまな合併症を招くという。また、鼻呼吸に比べ、口呼吸は息が浅くなる。 「息が浅いと体は十分に酸素を取り込めず、体の末端にまで、酸素がゆきわたりません。その結果、イライラしたり、頭痛や肩こり、冷え性などが起こりやすくなります」 大谷先生によれば、口呼吸で浅い呼吸が続くことは酸素不足の状態を続けているようなもので、“万病のもと”なのだという。 「逆に鼻呼吸により、息が深くなると、体の隅々まで酸素がゆきわたり、免疫力もアップします。さらに鼻呼吸で深い呼吸を心がけることで腹筋や横隔膜が鍛えられ、姿勢がよくなります。正しい姿勢はスタイルもよく見せてくれますから、一石何鳥にもなりますね」 私たちは通常、1分間に15回、1日に2万回、一生となると実に6億回の呼吸をするという。無意識に行っている呼吸の一回一回が、実は、私たちの体調を左右しているともいえる。 「最近は、スマホやパソコンを長時間使う人が増えていますよね。こうした人たちは前傾姿勢になりがちです。しかし前傾姿勢だと、胸が圧迫され、口呼吸で浅い呼吸になりやすくなってしまうので要注意です」 ゆっくり息を吐いて、鼻から吸う。呼吸改善で“体も心も健康な春”を目指そう!
2017年03月23日“教育困難校”という言葉を耳にしたことはありますか?これは、生徒の学習態度や学力などが原因で、教育に困難が生じている学校のことです。“学級崩壊”が学校全体に広がっているような状態をイメージすると分かりやすいかもしれません。小学校、中学校にも見られますが、特に高校において現在大きな問題になっています。時には進学校や高偏差値の高校などが、いじめや校内暴力によって教育困難校化していることもあります。しかし、ほとんどの場合はいわゆる“底辺校”、学力が著しく低い学校が、教育困難校となってしまっているのです。今回は、そんな学校にまつわる人びとにインタビューを行いました。伺った話をもとに、その実態を捉えてみましょう。●(1)教室は“メイク会場”、授業は実質15分……校内の風景まずは実際の学生や先生たちに、授業中の様子を聞いてみました。『授業中、普通に立ち歩きますよ。何のためかって?うーん、友達としゃべるためかな。仲よしの子がいれば、隣のクラスとかも行きます。あとはまぁ、ロッカーに物取りに行くとか。先生が見て見ぬふりで、ずーっと普通に授業続けてるからウケるんですよね』(高校2年女子)『朝行ったら、もう教室じゅうメイク会場だから(笑)。机にバーって化粧品広げて、3時間でも4時間でもかけてメイクしてる。教科書?持ってないですよ(笑) 。一度も持っていったことないかも。みんなそうだから別にヘンとか思わなかった』(17歳女子/高校中退)『テストは一応あります。事前に対策用プリントが配られて、そこにはテストに出る問題と模範解答が書いてある。当日の試験には、そのプリントが、まるっとそのまんま出題されます。だから前日にプリントを覚えてれば、まあ赤点は免れるってわけ。全部覚えれば満点取れるはずなんだけど、そういうヤツはいなかったですね。みんなギリギリでした』(18歳男子/高校中退)『生徒がなかなか教室に入ってこないので、授業がいつまでも始められません。また、終了の15分前くらいになると、それぞれ勝手に立ち上がって帰り支度を始めます。そして口々に、「センセー、もう授業おわっていいよー」だの、「バイトなんで帰りまーす」だのいい始め、実際に帰ってしまいます。45分間のうち、実質授業に使えるのは15分もないのが現状です』(50代男性/高校教師)●(2)コンビニは出禁、校舎から怒号……近隣住民の話続いて、近隣住民からはこんなエピソードが。『このあたりのコンビニほとんど全部、あの高校の生徒は出入り禁止です。万引き、長時間立ち読み、商品の汚損などが本当にヒドイ。うちでは、カップラーメンを作るためのポットのお湯を生徒同士が飛ばしてかけあい、店員にもケガをさせる寸前だったことがありました。1人で普通に買い物に来るぶんには特に問題ない客なのですが、昼休みなどに集団でやってくると手におえません 』(50代男性/コンビニ店長)『日中に学校の近くを通りかかると、先生の怒鳴り声が聞こえます……。時には複数の男子生徒が喧嘩をしているような声もします。登下校中の風景を見ていると、服装こそ乱れているものの和気あいあいとしていて、みんな楽しそうにしてるんですけどねぇ』(30代女性/主婦)●(3)何だかんだ言って楽しい学校……卒業生の話最後に、卒業生からも話を聞いてみました。卒業した学校に対し、どんな印象を持っているのでしょうか。『先生とは敵みたいな最高の友達みたいな絶妙な距離感で、決して嫌いではなかった。むしろ、マジな悩みで身動きとれなくなってたときに、声かけてくれて、飯おごってくれたりした。友達もみんなどうしようもないバカだったけど、愛嬌がよくて憎めないやつばっかりで。何だかんだ言って楽しかったからこそ、卒業まで残れたんだと思う』(20代男性/アルバイト)『お祭り大好きな“パリピ”系のヤツは、どんどん中退して最後全然残んないです。でもね、だいたい地元で結婚して子ども産んで、ダンナと赤ちゃん連れてクラスに顔出しに来たりするんですよ。で、みんなでその子ら囲んで写真撮って騒いで。そういうときは先生も嬉しそうだったし、自分はその雰囲気って好きでした。でも、授業中一言もしゃべんないでいつの間にか消えたヤツとかもいて、そういうのは音信不通で何やってるのかもわかんない。引きこもりになったとか、警察に捕まったとかの噂 は聞くけど……』(20代女性/主婦)----------みなさん、どのような印象を持ちましたか?今回拾うことができた声は、現状のほんの一部を切り取ったに過ぎないものでしょう。渦中にいる学生、そして卒業生たちの語り口は軽妙で、少し聞き取った限りでは楽しそうなものでした。しかし、その裏には多くの問題点が隠れています。卒業後の進路の問題、疲弊していく教師たちの姿、そして卒業生らが口々に語った「音信不通になっているクラスメイト」たちの存在など、見過ごすことができない点はさまざまです。子どもたちをとりまく、教育困難校。大きな社会問題として、クローズアップされるべき事象なのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部
2017年03月13日質問:血圧が高め、お酒を飲み過ぎると「ヒーフーヒーフー」と急に呼吸が変わります。私の父(66歳)ですが、毎日晩酌をし、ひどい時は昼から飲みます。血圧も高く薬を飲んでいますが、飲み過ぎると「ヒーフーヒーフー」と急に呼吸が変わります。原因が何かわかりませんが、この呼吸をすると心臓や息が止まってしまうのではないかと、時折心配になります。そのようなことが頻繁に起こるようになってくるのは、やはり心臓が弱ったり、血管に異常が発生してきたりしているからでしょうか?埼玉県:もちもちさん(36)回答:飲酒と心臓の関係についてお答えします。――アルコール摂取と心臓の関係お父さまがお酒をたくさん飲まれた時の、呼吸の変化に関するご相談ですね。確かに、呼吸がいつもと違う感じになったりすると心配になりますよね。お酒を飲み過ぎて様子が変わるということであれば、単に加齢によって肝臓のアルコールの代謝機能が落ち、いわゆるお酒に弱くなった状態とも考えられますが、確かに心臓の機能が落ちて、そのような呼吸がしにくい状態になっていることも考えられます。心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割をしており、このポンプが十分に機能しなくなると肺の中に水がたまり、肺水腫と呼ばれる状態になります。このような状態になると、寝ている時は息苦しく、身体を半分起こすと楽に感じる症状(起坐呼吸といいます)や、夜中に突然息が苦しくなって、ハアハアあえぎながら目が覚めてしまい身体を起こさないと息ができなくなる発作(発作性夜間呼吸困難)を起こすことがあります。お父さまはこのような症状はないでしょうか。肺水腫の状態では気道が狭くなり、喘鳴(ぜんめい:ぜいぜい、ひゅうひゅうというような呼吸の音)が聞こえ、心臓喘息(急性心不全)と呼ばれる症状が見られることもあります。呼吸音の変化が心不全によるものであれば、全身の倦怠感や尿量の減少、体重の増加なども見られることがあります。また、腎臓の機能が非常に低下している場合や、糖尿病をお持ちで突然悪化が見られた場合には「代謝性アシドーシス」と呼ばれる状態になり、呼吸状態が変わることがありますし、もちろん肺の病気などでも喘鳴は聞かれることがあります。もし、お父さまにお酒を飲んだ時の呼吸音の変化だけでなく、体重や尿量の変化、横になった時に息苦しく感じる、といった症状も併せて見られるようでしたら、早急に内科の受診をおすすめします。<お酒は適量を守ってください>これらの症状が見られない場合でも、ご年齢的にも定期的に病院を受診して健康状態をチェックしておかれるとよいと思います。お酒に関しては適量を守ること、少なくとも週に2回は休肝日を設けられることをおすすめします。どうぞお大事にしてくださいね。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)という病気の名前が近年、テレビや新聞などで紹介されることが多いですが、自分がひょっとするとこの病気である可能性があるのではないかと不安に思っている一方で、医療機関を受診するまでには至っていないという人々が実は少なくないのではないでしょうか。 睡眠時無呼吸症候群のタクシー運転手が主人公株式会社フィリップス エレクトロニクス ジャパン(本社:東京都港区、代表取締役社長:ダニー・リスバーグ)は、睡眠時無呼吸症候群について一般の人々でも容易に理解できるよう、その影響の深刻さや治療内容などについて啓発する動画を制作し、同社のウェブサイトで2016年11月1日から公開しました。動画では、SASと診断されたタクシー運転手が主人公で、SASと診断されたときの心情なども描いています。 睡眠時無呼吸症候群になると交通事故のリスクが高まるSASを含めた睡眠障害による経済損失は、年間3.4兆円に上ると言われています。これは、日中の眠気や集中力の低下などから作業効率が下がることと、欠勤・遅刻・早退をしがちであること、交通事故のリスクが高まることなどから推計されています。 睡眠時無呼吸症候群への取り組みは重要なリスクマネジメント国土交通省では、SAS対策の一環として、自動車運送業者におけるSAS対策マニュアルを策定しており、交通・輸送業界では、従業員向けにSASのスクリーニング検査を導入する企業も増えています。たとえば、日の丸交通も社員のSAS検査を推奨している事業者の一つ。交通事故や労働災害のリスクを考えると、企業によるSASへの取り組みは、重要なリスクマネジメントの一つといえそうで、同時に組織全体の生産性の向上にもつながります。動画は、以下の同社ブランド・ウェブサイトで見られます。「Healthy Japan(ヘルシージャパン) 」 URL: www.philips.co.jp/sasinfo Photo by Oleksii Leonov
2016年12月08日ダメな呼吸方法は、健康はもちろん美容にも悪影響が!街では早くもクリスマスツリーを見かけるようになって、朝の空気もしっかりと冬を感じる季節になりました。さて、今日は『呼吸』についてお伝えしようと思います。普段は何気なくしている呼吸ですが、少し意識を向けてみると実はスゴく身体に良いことはご存知でしょうか?「呼吸を制するものは健康を制する」とまで言われる呼吸。たとえば肩こりや頭痛、疲れが取れづらい方に共通なことは……呼吸が浅いこと。呼吸が浅い状態というのは、酸素をしっかり体に取り込めていないので、血行不良になり、疲労物質を体に溜め込みやすくなるので、健康にはもちろんお肌にも良くないのです。 体に良い影響を与える呼吸法を身に付けるためのコツ!では、深く、体にも良い呼吸のコツとは?兎にも角にも、まずは息を吐くことからスタートしましょう!口から吐ききったら、鼻から息を吸います。「呼吸をしてみましょう」と言うと頑張ってたくさん吸おうとする方が多いのですが、読んで字のごとく呼吸の『呼』の字は、息を吐くことですから、まずは息を吐いて〜それを吐き切ってみると、その後は自然とたくさん吸うことができます。呼吸のやり方を難しく感じたら、深呼吸してみればいいのです。深い呼吸をしていくと背中も動かすことになるのでコリが取れやすくなって、血流が上がり、体がポカポカしてきます。 “深い”呼吸法には、体に良い作用が他にもたくさんある!深い呼吸時にインナーマッスルを意識すると『肋間筋(ろっかんきん)呼吸』とも呼ばれるものになり、体に対しての作用は、以前流行った『ロングブレスダイエット』と同じ作用になります。肋間筋呼吸の主な作用は、・横隔膜が大きく動き、自律神経に働きかけられる・体が活性化する・体がポカポカする・むくみがラクになる・眠りが深くなる・代謝が上がるなどなど。呼吸をしていないときはないのですから、呼吸に意識を向けることは、思い出したらいつでもどこでも簡単にできる体の調整法ですのでオススメです。スピリチュアルでよく言われる『宇宙の法則』も基本はアウトプットのようですから、『肋間筋呼吸』を思い出したらぜひやってみてくださいね。
2016年12月03日呼吸は、生きる上で欠かせません。また、肺は臓器の中でもとりわけ大切な部位です。しかしながら、日常生活で呼吸や肺について意識的考えたりケアをしたりはしないのではないですか?今回は良い呼吸を考え直し、良い空気を体に取り込むことで健康に過ごす方法をご紹介します。「深い呼吸」がもたらす体に良い効果・気持ちを落ち着かせことができる・痛みを取り除くことができる・気持ちが明るくなり笑顔になる・リンパの働きを良くする・血液循環を改善する・毒素を排出しデトックスできる・消化を良くする呼吸の質を上げるために意識すること1.深く呼吸をする時間を持とう深呼吸をする習慣を持ちましょう。ヨガをすると深い呼吸をすることができます。ゆっくりと呼吸をして体に空気が入っていくのを感じてみて下さい。2.姿勢を正そう背中をまっすぐ伸ばして猫背を治してみて!見栄えが良くなるだけでなく、呼吸もしやすくなります。3.ビタミンDを摂取しよう体内にビタミンDを積極的に取り入れてみて。太陽を心地よく浴びて日光を感じることで、私たちの体は自然とビタミンDを生成するようにできています。4.意識的に水を飲もう保水をすると、肺は元気になります。肺が元気になると、より空気を取り込むことができるのです。5.適度な運動を心がけよう体を動かす事は、ダイエット効果以外にも意味があるのです。良い空気を取り込むことができるため、健康の保持ができます。6.塩分を控えよう塩分をたくさん摂ると、イライラやむくみの原因になりる、健康に悪いです。少しずつ量を減らしてみましょう。7.タバコをストップしようタバコは肺に悪く空気を取り込みにくくするだけでなく、ガンのリスクも高めます。美容に悪い事は周知の事実ですよね?これらの習慣で、良い空気を体に取り込み、健康に過ごしましょう!
2016年10月23日毎日、家事に追われて子どもに泣かれてイライラするし、「なんだか息苦しい」というとき、ありますよね。そういうときは、呼吸が浅くなったり、雑になったりしているそうです。授乳服のモーハウス青山店で開催された「子育て呼吸法」の講座に参加してきました。呼吸を味方につける呼吸法とは?呼吸法講師のやぎはしすみこさんによると、呼吸法を身につけて、呼吸を味方にしていると、日常生活のさまざまな場面で活用できるそうです。「呼吸を味方にする」って、どういうこと?「身体に不調を感じたり、心が乱れたりすることは誰にでもありますよね。そういうときに、呼吸を味方にしておくと、心身の調子を整える力を発揮してくれるのです」とやぎはしさん。やぎはしさんが呼吸法に出会ったのは、現在3歳の次女がお腹にいるときだったそうです。「出産後も呼吸法を続けるために、育児に呼吸法を取り入れざるを得なかった」というやぎはしさんですが、「呼吸法を取り入れることで子育てがとても楽になり、『子育て呼吸法』としてママ達に伝えています」とのこと。講座では、ママの心と体をいたわり、子育てが楽になる呼吸法を教えてもらいました。まずは、呼吸を意識。次に「数える呼吸」で呼吸と対話!「味方になってもらうためには、あいさつをして、相手をよく知ることですよね。まずは、自分の呼吸を見つめてみましょう。息は鼻か口からゆっくりと吐き、鼻から吸います。目は開けていても、閉じていてもいいのですが、目を開けている方が、雑念が入ってこない人が多いですね」というわけで、講座ではみんなで1分間、呼吸に集中しました。「自分の呼吸が意識できたら、次は3分間、呼吸を数えながら息をします。ポイントは、吸うことよりも、吐くことにより意識を向けて、最後まで吐き切ること。この『数える呼吸』は、自分の呼吸と対話することにつながります。できれば毎日3分間、『数える呼吸』の時間を取ることが理想ですが、忙しいときは、呼吸を10回数えるだけでも効果がありますよ」「見つめる呼吸」で、身体をいたわる!毎日睡眠不足で疲れているママのために、身体をいたわる呼吸も教えてもらいました。「東洋医学の『気血』という言葉がありますが、身体の不調を感じる部分に気持ちを向けると、エネルギーとなる血が集中して、自然治癒力を発揮してくれます。身体の細部に目を向けるという意味で、『見つめる呼吸』と呼んでいます」。講座では、まずは2分間、指に意識を向けながら『見つめる呼吸』の体験をしました。「両手を広げて、1本ずつ指に意識を向けながら呼吸をします。親指を見つめながらひと呼吸、人差し指を見つめながらひと呼吸、と順番に意識を移していきます。指の末端まで血が通うので、冷え性にも効果があります」。確かに、2分間、呼吸をしながら指から指へ視線を行ったり来たりしていると、指の先がじんじんしてくるから不思議です。「もちろん、指だけでなく身体のすべての部分に有効です。寝る前に、お布団の中で頭、額、眉間、目というように、順番に体の部位に意識を向けながら呼吸を続けます。寝つきが悪い人も、すーっと睡眠に入っていけますよ」子育て中だからこそ活かせる「子育て呼吸法」呼吸法を子育てに活かせる場面を教えてもらいました。・呼吸法で手当て「たとえば、子どもが『お腹が痛い』と訴えたら。子どものお腹に手を当て、手のひらに意識をしながらゆっくりと呼吸を繰り返します。さすったりする必要はなく、手のひらを介してじんわりと何かが伝わる感覚で、優しく手を触れておいてあげるだけで大丈夫。『治ったでしょ?』などと聞かなくても、しばらくたつと、子どもの方から『もう大丈夫』と言って、離れていきますよ」・呼吸法で読み聞かせ「絵本は『声を出す呼吸法』にぴったりです。読み聞かせでは、ゆっくり息を吐きながら文章を読み、苦しくなるぎりぎりまで息継ぎをしないでがんばってください」講座では、『あいうえおうた』(谷川俊太郎著)をみんなで読みました。参加者からは「棒読みになってしまう」という感想もありましたが、「慣れてくると声が出しやすくなり、普通の呼吸よりも抑揚が出しやすくなります」とやぎはしさん。・子どもの泣き声に合わせて呼吸「子どもの泣き声を聞いていると、イライラすることもありますが、泣き声に合わせて呼吸をしてみると、うるさく聞こえなくなり、心が落ち着いてきますよ」・怒る前に、ひと呼吸「子どもに、夫に、イラッとする瞬間、爆発しそうになったら、その前に『ふー』っとゆっくり息を吐いてみましょう。怒りを手放すことができます」毎日必ずしている呼吸を味方につけて、心身を整えることができれば理想的ですね。身長176㎝のやぎはしさんは、モデルでもあります。「呼吸法を続けていると、体に軸ができるので、姿勢がよくなったり、スタイルがよくなったりしますよ」とのこと。子育て中はエクササイズをする余裕もありませんが、呼吸法でスタイルもよくなるなんて! しかも、費用いらず。ぜひ実践してみてくださいね。取材協力カメラマン・モデル・呼吸法講師やぎはしすみこさんモーハウス青山店<文・写真:フリーランス記者鯰美紀>
2016年09月29日呼吸とは、単に「息を吸う・吐く」ということだけではなく、筋肉や関節、内臓や免疫、循環、体と心のすべてに対する根本的な用途として関わってくるもの。『なにもしていないのに調子がいい ふだんの「呼吸」を意識して回復力を高める』(森田敦史著、クロスメディア・パブリッシング)の著者は、そう主張します。13歳でクローン病という腸の難病(特定疾患)を患い、チック症、自損、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・腰椎椎間板ヘルニア、両股関節骨折、関節の炎症や変形など、数々の病気を経験してきたという人物。壮絶というしかありませんが、そんななか、ある呼吸の仕方で苦痛が和らぐことに気づいたのだとか。そして呼吸を整えて過ごすと、ひどかった症状は1年も経たないうちにほとんどなくなってしまったというのです。しかもそれ以来、15年以上、症状が出ることはなく、仕事のパフォーマンスも上がったのだというのですから驚きです。そんな経験があるからこそ、著者は「息を吸って、吐く」ことの意義を強調します。ただそれだけの呼吸に、体調や体質、仕事のパフォーマンスに関わる多くの情報が隠れていると断言するのです。そして重要なのが、自分の呼吸の幅をつかむこと。そのために大きな意味を持つという、「5つのステップ」をご紹介しましょう。■1:自分の呼吸のエリアを知るやり方は簡単。まず、息をはなから吸えるだけ吸ってみてください。しかも胸式・腹式といった意識はなくし、自然呼吸法で自然に吸うというのです。そして、「もう吸えない」というところまで吸ったら、今度は口から「スーッ」と、もうこれ以上吐けないというところまで空気を吐く。この作業でわかるのは、これ以上吸えないという「最大吸気点」と、これ以上吐けないという「最大呼気点」。この呼吸幅が、自分の呼吸のエリアだというわけです。■2:呼吸による「脹らむ力」と「しぼる力」をつかむ次にもう一度、同じように息を鼻から吸ってみましょう。吸えば吸うほどに体の内側から外側に張るような力、つまり「脹らむ力」を感じるはず。吸いきったところは、その脹らむ力のピークです。そして今度は、ゆっくりと口から「スーッ」と吐いていく。すると体が脹らむ力の分だけ、息が自然に出ていくわけです。少しずつ吐いていくと、脹らむ力が弱くなっていき、やがて自然に息が履けなくなります。そして、一定以上吐いていくと、下腹部がへこみ、体がしぼむような力を感じるといいます。吐けば吐くほど、しぼむ力は強くなり、吐ききったところがその力のピーク。感じたのは、呼吸による「脹らむ力」と「しぼむ力」、そしてその強弱。この力をいかに繊細に感じ取れるかが、自分の体を知る上で重要だといいます。■3:脹らむ力としぼむ力の切り替わり、中心をつかむ息を最大吸気点まで吸い、吸いきったところからゆっくり吐いていきます。吐いていくに従い、脹らむ力は弱くなり、どこかの時点で脹らむ力を感じなくなり、自然に息が出て行かなくなり、それ以上吐くとしぼむ力が働きはじめるのだとか。その切り替わりポイントが「中心」なのだそうです。■4:呼吸エリアを4分割する次は呼吸エリアを、1~4までに4分割するステップ。息を吸いきったところと、息が自然に出ていき、脹らむ力を感じなくなったところの中間が上半分の中心。感覚としては、胸や肩に張る力を強く感じるところ(エリア1)、脹らむ力は感じるが胸や肩に張る力をそれほど感じないところ(エリア2)の境あたり。そして、自然に出ていく息がなくなったところから、ほんの少し吐いてみます。すると、しぼむ力が少しだけ働き、肩や胸、背中の力がふっと抜ける感覚が来るそうです。そこがエリア3。そこからさらに吐いていくと、下腹部がへこむような力が働きはじめ、そこから履けば履くほどに息を吸いたくなる欲求が強くなるといいます。そこがエリア4。この「下腹部がへこむような、しぼられるような力が働きはじめるところが、呼吸の下半分。すなわちエリア3とエリア4の境だというわけです。■5:呼吸エリア3の上限と下限をつかむところで私たちはふだん、どの呼吸エリアで吸ったり吐いたりしているのでしょうか?体調や体質に大きな影響を与えるため、これは極めて重要なポイントだと著者は強調します、そして答えから先にいうと、人間にとって、もっとも体に負担をかけない呼吸エリアは「エリア3」なのだそうです。息を吸って、脹らむ力を感じ、そこから自然に吐けている最終地点が上限。これ以上履こうとすると、意図的に履かなければならないところだそうです。別な表現を用いるなら、体が脹らむ力を感じなくなったところ。そして、吐いていく息でお腹がへこむような、しぼられるような力が生まれる手前が下限。この下限と上限の間の呼吸エリア3が「呼吸のニュートラル」。これは体に負荷を与えずに、適度な体の緩みが実現できるところ。精神にも落ち着きをもたらす、自然治癒力がもっとも働きやすい呼吸状態の場所だとか。だからこそ、「日常のなかでこの上限と下限のエリアを起点として呼吸できているか?」ということが重要になってくるのだそうです。*呼吸エリア3を意識することは、日々のコンデイションを整えるために重要。そこで、この5ステップを実践し、感覚をつかんでみてはいかがでしょうか?(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※森田敦史(2016)『なにもしていないのに調子がいい ふだんの「呼吸」を意識して回復力を高める』クロスメディア・パブリッシング
2016年09月11日広汎性発達障害(PDD)とはUpload By 発達障害のキホン広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders:略称PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害があり、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類される発達障害のグループ です。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)の診断カテゴリでは、このグループには自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット症候群、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害という5つの障害が含まれています。広汎性発達障害の中でも特に自閉症やアスペルガー症候群がよく知られていますが、自閉症の半数以上が知的障害を伴うのに対して、アスペルガー症候群は言葉の発達の遅れが伴わない「知的障害のない自閉症」と言われています。また、知的障害のない自閉症は「高機能自閉症」とも呼ばれますが、アスペルガー症候群との定義の違いが曖昧で、専門家によって異なります。さらに、広汎性発達障害は、最新の診断基準であるアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版テキスト改訂版)では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害というカテゴリに変更されています。広汎性発達障害の障害名、症状の中には自閉症スペクトラム障害の概念では除外されたものも含まれています。ですが、行政や医療機関で広汎性発達障害の名称を使用している場合も多いこと、すでにこの名称で診断を受けた人も多いことから、本記事では『ICD-10』の診断カテゴリに準拠して広汎性発達障害の名称でご説明します。広汎性発達障害の子どもの生活での4つの困難と対処法出典 : 広汎性発達障害の主な症状は・対人関係・社会性の障害・コミュニケーションの障害・特徴的なこだわりや興味の3つが挙げられます。その他、広汎性発達障害のある人の多くに「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」などの感覚に対して特定の刺激に苦痛や不快感を感じる「感覚過敏」や感覚の鈍い「感覚鈍麻」という症状が見られると言われています。このような特徴を持つ広汎性発達障害の人は、どのようなことを困難に感じるのでしょうか。以下に4つの困難と対処法を述べたいと思います。広汎性発達障害のある子どもは、人の感情を読み取って人の気持ちに共感したり、想像したりすることが難しい傾向にあります。また、比喩やたとえ話も理解しにくい傾向があります。そのため相手の気持ちを考えずに、思ったことをストレートに口に出してしまって相手を傷つけたり怒らせたりしてしまうこともあります。対人関係を築くのが苦手でコミュニケーション障害もあることから、広汎性発達障害の子どもにとって友達を作ることは困難な作業です。例えば、一緒に遊びたいなと本人が思ったとしても、友達を誘う方法自体が分からないこともあります。【対処法】「君太ってる」「あのひと臭い」など、相手を傷つけるような発言をした場合は「そんなこと言っちゃダメ!」と抽象的に叱らずに「太ってると言われると○○さんは悲しいと思うから言わないで」と相手の気持ちを推測できるように促し、具体的に何を言ってはいけないかを提示してあげましょう。相手の気持ちを理解する練習をすることで、言っていいことと悪いことの区別をつけさせるのが大切です。他人とのコミュニケーションをとるのが難しい場合、具体的に友達の誘い方を教えてあげたり、親が遊びの場を作ってあげることも大切です。例えば療育機関などで、社会的スキル訓練や、集団療育を行うことも有効です。広汎性発達障害のある子どもの多くは感覚の過敏性や鈍さを抱えています。電車の音や騒音などにとても強く反応してしまうことがあります。赤ちゃんの泣き声などにも強い拒否反応を示し、自分が癇癪を起したりパニックになったりする子もいます。また、体に触れられることを嫌ったり、温度に敏感でお風呂に入りたがらなかったりなど、少しの刺激でも本人のストレスに繋がってしまい、パニック状態を起こしてしまうこともあります。【対処法】無理に触ろうとはせず、機嫌がいい時や心の準備ができているような時に声かけをしてあげましょう。「今からお風呂にはいろうね、お風呂で○○して遊ぼうか」「今から背中を触るね」など、いきなり体を触らずに声かけしてあげると心積もりができるようになります。にぎやかな場所へいく場合はイヤーマフを使用してみたり、なぜその音が鳴るのか、どうして賑やかなのかを落ち着いているときに説明してあげるとよいでしょう。それでも嫌がる場合は無理をせず、苦手なものを避けてあげるのも一つの手です。広汎性発達障害のある子どもは、こだわりが強く、変化が苦手な場合が多いです。規則や法則など、一定の安定したルーティーンを好むため、少しでも自分のマイルールが侵されることを嫌がることがあります。よって、イレギュラーな対応や予定の変更についていくことができず、癇癪やパニックを起こしてしまうこともあります。【対処法】「○時になったら○○するよ。約束ね」と一緒に時計をみて確認し、一つひとつ理解を促すようにスケジュール管理を行うようにしましょう。言葉で言っても理解しづらそうなときはイラストや写真などを使うのも有効です。見通しが立つと安心することが多いので、予定をあらかじめ把握し、お子さんに伝えてあげるようにしましょう。広汎性発達障害のある子どもは、集団内で暗黙に共有されている「常識」や"空気"を理解するのが難しい傾向にあります。人との距離感や場に合った振る舞いなど、抽象的で境界線がはっきりしないことについて理解が難しく、友達が表情で悲しさや怒りを伝えてきても、感情を読み取れないこともあります。【対処法】指示は分かりやすく伝えるようにしましょう。例えば静かにしなければいけない場面の場合、具体的にルールを短い言葉や文字で示してあげることが大切です。また、「会場内は静かにしましょう」というアナウンスだけでは、何をすべきかがわからないので、「お絵描きしながら静かに待ちましょう」など具体的にどうすればいいかを指示の中にいれると良いです。広汎性発達障害の子どもへの日常の接し方のコツ9選これまで、広汎性発達障害の子の困難とそれらの対処法をご紹介してきました。以下では、広汎性発達障害の子の日常生活の子育てにおいて、どのようなことに気をつければ良いかを紹介します。出典 : 広汎性発達障害のある子どもは聴覚刺激よりも視覚刺激を利用すると効果的な場合もあります。紙に文字を書いて説明するのもよいですが、言語能力の発達に遅れが見られる場合は絵や写真、図表にして説明すると理解しやすくなります。例えば、時間管理をする際はタブレット上に大きいタイマーを表示して、視覚的に「あと何分あるか」を提示しながら取り組んだりするといいと思います。耳よりも目から入った情報の方が記憶にも残りやすいと言われているので、遊びやスポーツのルールを伝える際も紙に書いて説明するとよいでしょう。曖昧な表現を理解することが難しいため、できるだけ具体的な表現や手順を使うことが大切です。例えば、「ちょっと」ではなく「何分、何個」という具体的な数を使って話したり、片付けの際も「ちゃんと片付けて」「キレイにして」ではなく「おもちゃ箱におもちゃを入れる」といった具体的にやるべきことを伝えます。ついつい曖昧な表現を使いがちですが、どうすれば伝わりやすくなるかを常に頭に入れて指示するようにしましょう。その際、上記で挙げた絵や写真を使うのも効果的です。広汎性発達障害の子どもを持つ保護者は、できないことや、やめさせたい行動が多く目につき子育てが不安になってしまうこともあるかもしれません。ですが否定的な言葉を使ったり、大声で叱ることは控え、できるだけ褒めることを心がけることも子育てのコツの1つです。褒めることで「褒められた→嬉しい→またやろう」とやる気を促すことにも繋がります。また、子どもによっては大げさに褒められることを嫌う子もいますので、その子にあった褒め方をしていきましょう。広汎性発達障害のある子どもは、他人と比べて自分ができていないと感じて自信を失ったり、自暴自棄になってしまうケースもあります。子どもの得意分野を見つけて、できることをさらに増やし、成功体験を積むことが大切です。例えば食べ物が好きな子であれば調理やお菓子作りを教えたり、家事を手伝ってもらったりすることも今後の生活に役立ちます。広汎性発達障害のある子どもは、人の気持ちを理解するのが苦手な傾向があります。そのため、嬉しいことは嬉しい、嫌なことは嫌と、気持ちをはっきり言葉にして伝えることも大切です。友達とケンカした際も相手がどう思っていたかを伝え、どう対処すれば良かったかなどを、絵や文字にして具体的に教えることが大切です。頭ごなしに否定してしまうと、やる気をなくしたり、物事自体を拒否するようになってしまいます。まずは子どもの気持ちに寄り添い、なぜそういうことをしてしまったのか子どもの考えを聞いたり、どうすればよかったのかを一緒に考えることが大切です。子どもが興奮したり、泣きわめいてしまった場合、落ち着いてから話をするようにします。広汎性発達障害のある子どもは、急な予定の変更や初めての場所が苦手です。場合によってはパニックとなってしまう可能性もあります。こういった状況を避けるため、できるだけ予定を早めに伝えておき、初めての場所でも子どもが安心できるように、事前に写真やビデオを見せるなど、工夫をしてみましょう。広汎性発達障害のある子どもは、推測することが苦手な場合が多いです。そのため遊びの中でルールを自然に理解することが難しいこともあります。あらかじめ、絵や図にしてルールを予習をしておくと、子どもが理解しやすくなります。また、自由時間といった何をすればよいか曖昧な時間も不安になってしまうことが多いので、何をするとよいか、選択肢を提示したり、選ばせてあげるとよいでしょう。自分ひとりだと子育てのコツが掴みづらい場合は、ペアレントトレーニングのような子育てトレーニングや療育相談を受けることも有効です。専門的なトレーニングを受けた講師から、子どもにあった子育て方法を学ぶことができます。これらのプログラムでは、子どもが危険な行動をとったときに上手に止める方法や褒め方のコツなどを知ることができます。広汎性発達障害の子どもに接する際に注意するべきこと普通の子には当たり前にとる対応や反応でも、広汎性発達障害の子だとパニックを起こしてしまうこともあります。以下のポイントを頭に入れておいて、広汎性発達障害の子とよりよいコミュニケーションがとれるようにしましょう。出典 : ついつい大声で叱りたくなる気持ちも分かりますが、大声は広汎性発達障害のある子どもにとってトラウマとなる可能性があります。怒られるという恐怖心で何もできなくなってしまうこともあります。一度深呼吸をして落ち着く、感情的になったら一度その場を離れるなどして、冷静になってから具体的に悪いことを伝えて、どうすればいいかを指示するようにしましょう。手をひらひらさせたり、ぴょんぴょん飛び跳ね続けたりするなど、広汎性発達障害のある子どもの中には同じ行動を長時間続ける常同行動が見られる場合があります。これらは視覚支援によって見通しを持てる環境を作ったり、コミュニケーションスキルを学んだり、適切な遊びにかえることなどで改善することが多いです。無理に止めさせようとするとパニックに陥ることもあるため、何回やったら終わりと決めたり、何か違うことに集中するための課題などを与えてあげたりするとよいでしょう。何度伝えても伝えたことができない場合、「どうしてできないんだろうか」と悩んでしまう人もいますが、「今日はできなかったな」ぐらいの気持ちで受け止めてみることも大切です。また、自分では上手く伝えていると思っていても、子どもにとっては理解しづらい可能性があります。絵や図などを使い、伝え方を変えてみるなど工夫してみましょう。他の子にとっては当たり前でも、広汎性発達障害のある子どもにとって困難なことは多々あります。親としてはつい他の子と比較したり、同じことができないことに悩んだりすることもあると思います。しかし大切なのは、子どものできることや、頑張っていることに目を向けることです。それらのことを褒めたり認めていくことは、子どもの成長に繋がっていきます。まとめ出典 : 広汎性発達障害のある子どもの子育ては、その子の特性を理解し、視覚的な情報の活用や事前の予告など、工夫を学んでいく必要があります。一人で悩まずに、療育機関や支援センターなど周りの環境を上手く利用しましょう。ペアレントトレーニングや療育相談など、様々なサービスがありますので、地域の情報を探してみましょう。参考文献: 田中康雄 (2014) 『発達障害の子どもの心と行動がわかる本』 西東社
2016年08月18日睡眠時無呼吸症候群という睡眠障害をご存知ですか? 読んで字の如く、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。この状態を放っておくと、日中に強烈な眠気を引き起こして、事故の発生原因になる可能性もあります。実際に、それが原因で起こる交通事故のニュースは後を絶ちません。今回は睡眠時無呼吸症候群に注目します。話題になったお笑いタレントのインスタグラム先日、あるお笑いタレントのインスタグラムが話題になりました。睡眠時無呼吸症候群の検査を受けたという内容で写真をアップしていたのですが、その写真が顔にたくさんのセンサーを取り付けられているユニークなものだったからです。この検査法は「終夜睡眠ポリグラフ検査」と呼ばれるもので、具体的な方法は病院に一晩泊まり、脳波や心電図、呼吸の状態などを計測するセンサーを取り付けて眠るというもの。痛みなどの体への負担はなく、ただ眠るだけで検査をすることができるので、睡眠時無呼吸症候群が気になっている方は、ぜひ一度、専門の病院やクリニックで受けてみてください。とはいえ、睡眠時無呼吸症候群は自覚症状がないとされているので、自分ではなかなか気づかないかもしれません。でも、この状態が続くと、さまざまな負担がかかるようです。睡眠時無呼吸症候群と眼圧の関係睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう病気です。ただ、すぐに呼吸が再開するので、息苦しくなって起きることなどはあまりないため、自分では気づきにくいと言われています。無呼吸中に眼圧が低下していた最近の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者は呼吸が止まっているときに眼圧が低下していることが判明しました。北海道大学の研究チームがスイスの会社が開発したコンタクトレンズ型の眼圧計を使って、睡眠中の眼圧を計測するという実験を行ったそうです。同時に睡眠ポリグラフ検査で睡眠の状態も観察し、呼吸と眼圧の関係をチェックしたところ、無呼吸の状態では眼圧が低下することがわかったと言われています。視覚神経障害も……通常、呼吸を止めると眼圧は上昇すると言われています。ところが、今回の研究では、無呼吸の発作が起こると胸腔内の圧力とともに眼圧が低下するということを突き止めたと言います。北海道大学の研究チームは、眼圧が下がることの弊害についても触れています。無呼吸発作のときには血中酸素飽和度が低下するため、脳内の酸素が少なくなります。その結果、視覚神経障害が引き起こされる可能性があるそうです。緑内障との関係は?じつは、睡眠時無呼吸症候群の患者は目の病気である緑内障になるリスクが10倍も高いという報告があります。緑内障とは、眼圧などが原因で、暗点と言われる見えない場所が発生するなどの症状が出る病気です。これまでは睡眠時無呼吸症候群の患者は、無呼吸発作によって眼圧が高くなるので、緑内障になるリスクが高くなるという見方がありましたが、今回の研究では異なる見解が報告されました。この研究結果によって、今後は睡眠時無呼吸症候群と緑内障の関係が解き明かされる可能性があるとして、期待を集めています。子どもも睡眠時無呼吸症候群に……睡眠時無呼吸症候群は大人だけでなく、子どももなる可能性がある病気です。その遠因になるのが、子どもの口呼吸という指摘があります。口を開けて呼吸をする子どもは下アゴが狭くなり、それによって舌が喉を圧迫することがあります。結果として、睡眠時無呼吸症候群に繋がる場合も考えられるのだとか。口呼吸をしている子どもがいたら、鼻呼吸を促すようにしましょう。鼻呼吸がうまくできない場合は、鼻づまりなどの問題があるかもしれないので、一度病院に連れていってあげてください。睡眠時無呼吸症候群は深い睡眠を妨げます。子どもが満足に睡眠をとれないと、成長ホルモンの分泌量が少なくなり、成長を遅らせる原因にもなりかねません。大人がしっかり見守ってあげたいですね!photo by acworks
2016年07月18日一流プロスポーツ選手をサポートするトレーナーの著者株式会社池田書店は、2016年5月13日(金)に「1日5分横隔膜呼吸で「やせ体質」になる/著:牧野講平」を発売しました。著者である牧野講平氏は、フェンシングの太田雄貴選手や、スキージャンプの高梨沙羅選手、メジャーリーガーの前田健太選手などのトップアスリートや、モデル、俳優、歌手などのサポート経験のあるトレーナー。「太らない」「疲れない」「痛くない」同書籍は、そんなプロトレーナーである著者が提唱する1日5分、呼吸と姿勢を整えることで「太らない」かつ「疲れない」体になれる「横隔膜呼吸」の方法をまとめたもの。1日5分の呼吸で、太りにくい体質を手に入れることはもちろん、肩こり、腰痛、ひざ痛も改善するとのこと。生きている上で必ず毎日行っている「呼吸」を5分意識するだけ、という手軽さは失敗続きのダイエッターでも続けることができるかもしれない。書名: 1日5分横隔膜呼吸で「やせ体質」になる価格: 本体850円(税抜)著者: 牧野講平(まきの こうへい)(画像はプレスリリースより)【参考】※1日5分横隔膜呼吸で「やせ体質」になる/株式会社池田書店
2016年05月31日眠っている間に呼吸が止まる『睡眠時無呼吸症候群』という恐ろしい病気がありますが、実は起きている間にも無呼吸症候群を引き起こしている人が多いと言われています。『電子メール無呼吸症候群』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?実はPCユーザーの80%がこの症状を発症している可能性がある と言われており、デスクワークなどでPCに触れる機会が多い現代ではたくさんの人が無自覚にこの『電子メール無呼吸症候群』を経験しているそうです。この記事を読んでいる方の中にも、思い当たる人はいるのではないでしょうか。今回は、『電子メール無呼吸症候群』についてお話ししていきます。●スマホやPCの操作中に呼吸が止まることを指すこの『電子メール無呼吸症候群』を最初に唱えたのは、元アップル役員でコラムニストとして活躍しているLinda Stoneさん。自身がメールの最中に呼吸が止まっていることに気づいて記事にしたことから広く知られるようになったそうです。“電子メール”という言葉がついていますが、この症状を発症するのはメール時だけではなく、ブログを書いていたりSNSにコメントを書き込んでいたりするときにも起こります 。集中してタイピングをしている間に発症することが多いとされ、スマホをいじっている間に引き起こされるケースもあるようです。●電子メール無呼吸症候群が体に及ぼす悪影響電子メール無呼吸症候は医者にかかって薬をもらえるような正式な病気ではありませんが、体に及ぼす影響は大きいとされています。呼吸が止まると自律神経が乱れるため、頭痛や吐き気、イライラ、緊張、不眠などの睡眠障害 などを引き起こす恐れがあります。また、睡眠時無呼吸症候群と同様に、動脈硬化のリスクが高まるともいわれています。他にも、肥満や高血圧などの生活習慣病と関連しているとの指摘もあります。●電子メール無呼吸症候群を引き起こしやすい人の特徴4つ電子メール無呼吸症候群になりやすい人には共通する特徴があります。以下の項目に当てはまるという人は、知らず知らずのうちに呼吸が止まってしまっているかもしれません。●(1)猫背デスクワークをしていると、いつの間にか猫背になってしまっているという人も多いと思います。猫背の姿勢だと呼吸器が圧迫されて呼吸が浅くなる傾向にある ため、呼吸が止まりやすいのです。とくに朝から晩までPCに向かって作業をしているという人は長時間呼吸が止まっている恐れがあるので注意が必要です。●(2)メール・SNSをする頻度が高いメールやブログ、SNSなどを頻繁に利用する人は集中して文字入力をする時間が多くなるので、無呼吸になっている可能性が高いです。また、そうしたツールを使って外部とのコミュニケーションをとるとストレスを強く感じる機会が多くなる ので、呼吸が止まりやすくなると言われています。●(3)緊張した状態で作業することが多い人は緊張をすると呼吸が浅くなる傾向にあるので、過度の緊張を強いられる職場などで働いている人も注意が必要です。“作業への集中+緊張” で無呼吸状態を引き起こしやすくなります。●(4)スマホ・PCを一日中触っている当たり前の話ではありますが、一日中スマホやPCを触っているという人は“電子メール無呼吸症候群”を発症しがちです。PCで動画を見たり、電車の中でスマホゲームをしたりといったリラックス時にも呼吸が止まっていることがある ので注意が必要です。●電子メール無呼吸症候群の改善方法2つ無意識のうちに呼吸が止まっているなら改善のしようがないじゃないか!と考える人もいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。以下のことに気をつければ電子メール無呼吸症候群を克服することができます。●(1)姿勢を正して深呼吸するクセをつける電子メール無呼吸症候群には、姿勢の悪さと呼吸の浅さが関係していますから、その両方を改善する必要があります。姿勢を正す場合は、天井から糸で頭のてっぺんを引っ張られているような感覚 でやるといいです。深呼吸は、具体的に何秒吸って何秒吐いてといったことは考えずに、とにかく大きく呼吸をすることを習慣づけましょう。日頃からそういったことに注意していると、自分がどんなときに無呼吸になりがちかという傾向が見えてきます。毎日意識することが大切ですよ 。●(2)ストレスをためないようにするストレスを強く感じているときは呼吸が止まる傾向にあるので、なるべくストレスをためないように工夫することが大切です。メールやSNSなどで批判されたときは真っ向から勝負せずにスルーする 、長時間のデスクワークに疲れているようなら立ち上がってストレッチをする、など自分なりのストレス解消法を見つけていきましょう。----------いかがでしたか?この記事を書いている私自身も、途中で何度か呼吸が止まっていることに気がついてスハスハと深呼吸を繰り返しました。無意識のうちに起こっている現象なので対処が難しいところではありますが、自分なりの工夫で克服するようにしたいですね。●文/パピマミ編集部
2016年05月22日【ママからのご相談】家族みんな同じ寝室で寝ているのですが、夫のいびきがひどくて私も子どもも困っています。睡眠時無呼吸症候群の恐れもあるのでは、と心配もしています。大きないびきは何か関係あるでしょうか?●A. 症状が気になるときは速やかに医師のチェックを受けましょう。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。大きないびき、家族に迷惑がかかるのはもちろん困りますが、ご主人の健康面でも気になりますね。今回は睡眠時無呼吸症候群のチェックポイントや診断方法、治療方法などを耳鼻咽喉科の専門医に聞いてみましたのでご紹介します。●睡眠時無呼吸症候群のポイントやなりやすい人まず睡眠時無呼吸症候群とされる定義を先生に伺いました。先生によると、睡眠時無呼吸症候群と診断される人は・睡眠時に呼吸が10秒以上止まってしまう・呼吸量が通常の半分以下(低呼吸)で、それが10秒以上続く・上記2つの合計が1時間に5回以上あるなどの特徴があるとのこと。原因としては多くがのどの筋肉が緩んで舌の根本が気道に落ちてしまうことにあるようです。睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の特徴としては・もともと鼻炎がある人・あごが小さい人・舌が大きい人・首に脂肪が多くついている人などがあげられます。生活習慣病も睡眠時無呼吸症候群を引き起こすきっかけになってしまうようです。日頃の生活習慣を改善することが大切でしょう。●睡眠時無呼吸症候群の診断方法睡眠時無呼吸症候群とはどのようにして診断するのでしょうか。先生によると、『問診や質問紙への評価。その後自宅で夜間睡眠中の呼吸状態を調べるために、携帯型の簡易睡眠時呼吸モニターをお渡しして診断します 。自宅でできない場合は一晩施設に入院して脳波や睡眠状態、呼吸や脈拍などを調べる終夜睡眠ポリグラフィーを行うこともあります』とのことでした。いずれにせよ一晩見れば何らかの診断がつきそうですね。●睡眠時無呼吸症候群の治療法睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、どんな治療法があるのでしょうか。先生によると、『軽症の人はマウスピースを装着し治療します。下あごを前に出した状態で固定するようにします。重症の人は“CPAP治療” 。睡眠時に機械から装着した鼻マスクに空気を送り、気道を広げる方法があります。上記の治療方法ができない場合は鼻やのどを手術して治療する場合もあります。鼻やのど、あごの形によって治療法も人それぞれ違うので、まずは病院へ相談するようにしましょう』とのことでした。気になることがある場合には今後の健康のためにも、早めに受診するようにしましょう。“いびきがうるさい=睡眠時無呼吸症候群”とは限りませんが、可能性としてはもちろん否定できません。まずは本人にも伝えることと病院へ相談することが大切ですね。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年05月15日女性が健やかに、美しくあることは家族と社会を明るく照らす、温かい光のようなもの。だからいつも労わり、丁寧に磨いてキラキラと輝いていたいのだけど、家事に仕事に周囲とのお付き合いにと忙しく、自分のケアに手が回らないことも多いですよね。まわりを照らす光のような美しさは、内から溢れる生命力を抜きにしては語れません。そして、ストレスに満ちた社会でそれを保つには、内から外から支えてくれる植物の力が欠かせないことを、日々実感しています。植物には人にとって有用な、解明しきれないほどの成分が含まれていて、薬草を用いた治療は長く医療の中心でした。今ある症状には瞬時に、根本の要因には包括的に働きかける植物の力は、性質的に揺らぎやすい女性にとって、心地よく頼もしいおまもりのような存在。私たちの体に備わった生命力が息を吹き返す「植物のおまもり」と、その力を余さず受け取り、心と体がどんどん楽になっていく「元気ときれいのための基本の知恵」を、このコラムを通してお伝えできればと思います。■「呼吸」することは、細胞を元気にすること第一回は、体の根本である細胞を元気にし、ケアの効果ときれいのレベルをぐんと高める「呼吸」について。ご存じのように私たちの体は、ひとつひとつの細胞が栄養と酸素を材料にエネルギーを作ることで成り立っています。細胞に十分な栄養と酸素が行き届いていれば体は滞りなく機能するのですが、酸素が不足すると細胞の力が衰え、あらゆる機能が低下して胃腸や自律神経、ホルモンのアンバランスなどへと繋がっていき、きれいと元気に影が射します。そして、酸素不足のままではどんなケアをしても、本来の効果が得られないのです。現代社会は様々な要因で呼吸が浅くなりやすくて、私たちは気づかないうちに酸欠が常態になっている可能性があります。だから、きれいと元気を保つためには何よりもまず、鼻からの深い呼吸でたっぷりの酸素を取り込むことが重要なのですが、わかっていても常にコントロールするのは難しいもの。■心地いい香りが自然と呼吸を深くするそんな時こそ、植物の出番です。脳は「心地いい」と感じると、それを積極的に取り込もうと体を機能させますから、シチュエーションや時間帯に脳が喜ぶアロマを利用し、 “体が自然と呼吸したくなる” 環境を作ってあげればいいのです。例えば、私が実践しているのはこんなこと。 ■朝の頭をすっきり・クリアに 「ユーカリ」朝は頭をすっきりとクリアにしてくれるユーカリのエッセンシャルオイルをオーガニックコットンのマスクに1、2滴垂らし、香りが消えるまで芳香浴。電車やオフィスでもまわりに気づかれずにできますし、オーガニックコットンの温もりによるリラックス効果と相まって、自然と呼吸に集中できます。打ち合わせや会議の前、風邪を引きそうな時にも重宝。私が使っているのはパリのエルボリストリー(ハーブ専門薬局)のものですが、日本で買うなら「フィトサンアローム」や「パーフェクトポーション」がおすすめです。■午後の眠気には「カレンドラ マッサージオイル」ランチの後、14時から16時までの眠くなりやすい時間帯には、穏やかなリフレッシュ効果をもたらすレモンと、ストレスをやわらげ呼吸器系をサポートしてくれるリツェアクベバを配合した 「ヴェレダ」の「カレンドラ マッサージオイル」(100ml ¥2,600/2016年4月27日発売)。500円玉大くらいを手にとって、顔の前で両手をこすりあわせながら甘酸っぱい香りを楽しみ、そのあと首筋とデコルテにゆっくりとさするようになじませます。体温でやわらかに立ち上る香りが続き、気持ちを明るく、肌をなめらかに整えてくれる一石二鳥の方法。■夜、リラックスモードへの切り替えにそして夜、家に帰ってリラックスモードにスイッチを切り替えたい時に使うのは、鎮静と浄化作用を兼ね備えたアロマスプレーです。その日の気分や体調によって2種類を使い分けていて、ひとつは樹齢250年以上(!)の青森ヒバから抽出した蒸留水と精油から作られた「Cul de sac - JAPON」のルームスプレー(100ml ¥2,600)。まるで森の中にいるかのように空気と心を浄化してくれ、深い深い落ち着きをもたらしてくれます。もうひとつは、フィトテラピー(植物療法)とナチュロパシー(自然療法)を学んだ女性が立ち上げたブランド、「ソテディ」のアロマスプレー「ピュリファイミスト」(8ml ¥2,700)。マグノリアやミモザ、ベチパーなどをブレンドした奥行きのあるフローラル系、うっとりするほど美しい香りです。どちらも自分のまわりにシュッとするのはもちろん、ピロースプレーとして使うのもおすすめで、心地よく眠りにつけ、寝ている間も深い呼吸を期待できます。こんなふうに、「しなくちゃ」ではなく「心地いいからしたくなる」と思うアイテムを選ぶのも、ケアを続け、効果を得るために大切なこと。私のケースをヒントにしていただきつつ、自分の呼吸が自然に深まる香りを、ぜひ見つけてみてくださいね。 ・ヴェレダ/ヴェレダ・ジャパン tel.0120-070601 ・Cul de sac - JAPON/Cul de Sac tel.03-6412-8083 ・ソテディ/ナチュロパシー・ジャポン tel.03-6447-7272
2016年04月04日産業技術総合研究所(産総研)は1月26日、有機デバイスに特有のばらつきを利用して偽造を困難にするセキュリティタグ回路を開発したと発表した。同成果は産総研フレキシブルエレクトロニクス研究センター印刷デバイスチームの吉田学 研究チーム長、栗原一徳 研究員、ナノエレクトロニクス研究部門エレクトロインフォマティクスグループの堀洋平 主任研究員、小笠原泰弘 研究員、片下敏宏 主任研究員によるもの。特許庁の報告によれば、2013年度の模倣品による国内総被害額は1100億円にも上る。一部の製品では、個々の製品に固有の番号を付加して、トレーサービリティーを向上させ真贋判定に役立てているが、バーコードやQRコードなどの印刷された情報や、集積回路に電気的に記録された情報は複製が可能であるため、偽造品や海賊版が正規品として流通してしまうリスクがある。そのため、偽造困難なIDタグなどを利用した、真贋を区別できる製品の需要増加が予想されている。研究グループが開発したセキュリティタグは、作製時に有機デバイスに生じるわずかな素子間のばらつきを利用して、同じ設計の回路それぞれが異なった固有の番号を生成する。今回、大気中での安定性が高い有機半導体と、有機材料と無機材料を用いたハイブリット絶縁膜を用いて、わずか2Vで動作するエラー率の低い回路の開発に成功した。この回路はフレキシブル基板上に作成でき、商品パッケージなどにIDタグとして張り付けることで偽造品などの流通防止や回路自体の改ざん困難性の向上への貢献が期待される。なお、同技術の詳細は1月27日~29日に東京ビッグサイトで開催される「プリンタブルエレクトロニクス2016」で発表される。
2016年01月27日『呼吸で心を整える』(倉橋竜哉、フォレスト出版)の著者は、日本マイブレス協会代表理事。「セルフコントロール」と「呼吸」の関係性を研究して呼吸法を体系化し、「マイブレス式呼吸法」を開発したという「呼吸のプロフェッショナル」です。その人の息づかいを見れば心の状態がわかり、「ストレスに強い人なのか?弱い人なのか?」「身のまわりが整っている人なのか?散らかっている人なのか?」といったこともわかるのだとか。心と体の状態は呼吸に現れるもの。だから逆に呼吸を意識的に変化させれば、心と体の状態を変えること可能になる。それが、著者の提唱する「マイブレス式呼吸法」なのだそうです。「誰でもできる」「いつでも、どこでもできる」「お金をかけずに、簡単にできる」と三拍子揃ったマイブレス式呼吸法のなかから、数えて呼吸するだけで集中力が高まるという「数える呼吸」にスポットを当ててみましょう。■「数える呼吸」とは?数える呼吸は、心を鍛えるトレーニングに最適な呼吸法。そしてその効果は、筋トレの効果を思い浮かべると理解しやすいといいます。スポーツジムでダンベルを使って筋肉を鍛えると、強靭でしなやかな肉体をつくることができます。同じように、「数える呼吸」を通じて「心の筋トレ」をすれば、自分の意思でなにかをやり遂げたり、誘惑に振り回されなくなったり、多少のストレスでは折れない心をつくることができるというのです。この、数える呼吸ですることは、呼吸の回数を数えることだけ。しかし、大切なポイントがあるそうです。それは、できるだけ余計なことを考えないということ。ただひたすら、呼吸の回数を数えることに意識を集中するのです。そんなとき、想念や雑念が浮かんできてしまうのは仕方のないこと。ただし、それらは受け流すようにするべき。なにか気になることを思い出したとしても、「それはいったん横に置いて、呼吸の回数を数えることに意識を剥けよう」と意識を戻すべきだというわけです。筋トレは、重いものを持ち上げたり降ろしたりすることで筋肉を鍛えますが、数える呼吸では、頭に浮かぶ想念を、「浮かんだら受け流す」ことを繰り返す。それが、心の筋肉を鍛えることになるのです。■「数える呼吸」の仕方姿勢は、座った状態でも、立った状態でもOK。継続して取り組むことで成果が出るので、最初から無理をしないことが大切だといいます。背筋は、前かがみになったり、後ろにもたれたりしないようにすることがポイント。上半身が腰にきちんと乗っている状態にするのがベスト。胸を張るべきでないのは、背筋をピンと伸ばしすぎて胸を張ってしまうと、呼吸しづらくなったり、腰を痛めたりしてしまうことがあるから。座っているときは、手のひらを上向けにして膝の上に。立っているときは、手のひらを前に向けましょう。そして目を開けて一点を見つめ、呼吸は吐くところからスタート。ゆっくりと息を吐き、十分に吐き切ったら2、3秒だけ息を止めます。その状態から、力をふっと抜いてやると、自然と息が入ってきます。そのとき、無理に吸わないように。自然に入ってくるだけでいいそうです。息を吐くときは、口からでも鼻からでも大丈夫ですが、息を吸うときはできるだけ鼻からにしましょう。口から息を吸うと、空気が乾燥している時期などは喉を痛めるおそれがあるからです。■「数える呼吸」のコツ数える呼吸は、次の3つを頭に置いて始めます。(1)息は吐くところからスタートし、毎回きちんと吐き切る(2)できるだけゆっくり、細く長く息を吐く(3)呼吸の回数を数えることに意識を向けるもしも途中で他のことに気を取られ、回数がわからなくなってしまっても、わかるところまで戻れば大丈夫。最初は想念がたくさん頭に浮かんできますが、それが普通なので安心してくださいと著者。最初は10回くらいからスタートし、慣れてきたら毎回5分、あるいは10分と時間を増やしていくようにしてください。なお初心者の場合、10回をおよそ2、3分で終えることができるといいます。たったこれだけのことで無駄が省くことができるので、「やることが少なくなる」「作業が早くなる」「忙しいと感じなくなる」などのメリットがあるのだそうです。*本書では、他にもさまざまな呼吸法が紹介されています。もちろん、どれも難しくないものばかり。日常生活に取り入れてみれば、いつもの日常がより心地よくなるかもしれません。(文/書評家・印南敦史)【参考】※倉橋竜哉(2015)『呼吸で心を整える』フォレスト出版
2016年01月25日仕事をしていれば避けては通れない「プレゼンテーション」。人の前で話すのが苦手、気が重い、と思う方も多いのではないでしょうか。けれど良く考えてみると、聞いている人はあなたを見ているわけではなく、あなたの持っている情報、考え、アイデアを聞きにくるということ。もしお金を払ってジャズやピアノのコンサートに行って、奏者がすごく緊張をしていてうまく演奏できなかったら、あなたは何と思うでしょう。そうです、プレゼンでは緊張はするけれど、絶対にそれをほかの人に分らせてはいけないのです。今回は、呼吸と感情の関係と、プレゼンに使える呼吸のコツをご紹介しましょう。心を掴む、呼吸の「間」とは私は「呼吸」と「感情」についての長年研究をしてきましたが、不安感が高くなると呼吸数が早くなり、その呼吸の速さは人の特性に依存していることがわかりました。つまり、不安傾向が高い人は呼吸の数も多いということです。呼吸数が早くなるとどうなるか、というと早口になってしまいます。そう、言葉と言葉の「間」の時間が短くなってしまうのです。それは、自分の言葉を自分の耳で聞く、という時間が少なくなるということ。それは聞いている人にも当てはまります。聞いている人も話についていけなくなってしまうのです。優れた弁論者や政治家の話し方にはリズムがあり、間の取り方がうまい、といいます。話し上手の人の言葉のリズムは、聞き手を引き込み感動を呼びます。言葉が人の耳に届く時に間を与えることで、そこに聞き手の理解と感情が入り込んでくる。そして次の言葉への期待感を湧かせるのです。話し手と聞き手の呼吸のパターンが一致し、多くの人の心がまとまっていく瞬間。大勢の人で歌を歌ったり、唱えたりということは言葉やリズムを介して「呼吸が合う」ということにより「心が合う」ことへつながるといえます。 大切なのは、常に “自分のリズム” で呼吸をすることではどうすれば呼吸をコントロールできるのでしょうか。まずプレゼンの前に自分の呼吸に意識を向けてみましょう。浅く、早くなっているはずです。手は冷たくなり、不快な汗を感じているかもしれません。でも呼吸に集中します。大きく息を吸い、ゆっくりと吐ききり、そこで呼吸を一旦止めてみます。そして目を閉じ、目と目の間に気持ちを集中させます。そしてゆっくりと呼吸を再開します。プレゼンで一番恐れていることは、何でしょう? 途中で頭が真っ白になるんじゃないか、質問に答えられないのではないか、ということです。でもこの発表内容を一番勉強して、調べてきたのはあなたですからもし質問がわからなければ、逆にあなたはどう思われますか、と質問すれば良いことです。また頭が真っ白になることはありません。あなたのリズムで呼吸をしていれば大丈夫。元来呼吸をする目的は酸素(O2)を取り入れ、二酸化炭素(CO2)を吐き出し、体内のCO2を一定にすることが目的です。過呼吸になるとこのCO2が排出しすぎてしまい、手がしびれたり、頭が真っ白になってしまったりします。そして逆にCO2が体内に溜まりすぎると息苦しく感じてしまいます。 プレゼン中の「呼吸」のコツとは?体内のCO2を一定にする為に意識せずに呼吸を調節するのは脳の下部の延髄という部分です。面白いことに話をしている時は上位の脳が優位に働いて下部の呼吸を押さえています。話をしている間は息を止めているか、もしくは息を吐きながら話をしています。息を吸いながら話すことはできませんね。試してみると分ります。ですから、話を終えてから、大きく息を吸ったり、吐いたりするのは話している間にできなかった呼吸の仕事を一気に代償しているのです。O2を取り入れ、溜まったCO2を吐き出し、普通の状態へ戻すためです。プレゼンの途中、話の流れが途切れるところでひと呼吸おいて、自分の呼吸を整えてみましょう。息を止めていたり、吐ききった状態で話を続けていると息苦しくなってきます。息苦しさから早く言い切りたいと思い早口になったり、語尾が小さくなってしまいます。そのような話し方は相手にも息苦しさを感じさせてしまいます。“伝える”ということは、「言葉」と、あなたの心を示す「呼吸」という2つの要素がとても大切です。もしかしたら「言葉」よりも「呼吸」をうまく使うことで、人の心を掴むことができるかもしれません。
2016年01月13日