展覧会「生誕110年 東山魁夷展」が、京都・東京で開催される。京都国立近代美術館では、2018年8月29日(水)から10月8日(月・祝)まで、国立新美術館では10月24日(水)から12月3日(月)まで。“国民的画家”東山魁夷の作品約80点が集結「生誕110年 東山魁夷展」は、風景の美しさを描き国民的画家とも謳われた東山魁夷の生誕110年を記念した展覧会。代表作である《残照》《道》《緑響く》をはじめ、ヨーロッパや京都の古都の面影を描いた風景画等、本画約70点と習作、合わせて約80点の作品を紹介。京都での開催は30年ぶり、東京では10年ぶりとなる本格的な大回顧展だ。自然の風景に自らの心を投影代表的な作品《残照》は、東京美術学校を卒業しドイツ留学から帰国した東山魁夷が官展で特選を受賞した作品だ。終戦前後に妻以外の身寄りを亡くし、空襲で自宅も失って人生のどん底にいた東山魁夷。絶望的な状況の中で写生に出かけた際に、自然の作り出す光景と自信の心の動きが重なり合うことに充実感を覚え、自然に自分の心を投影した風景画を描くようになっていった。シンプルに1本の道を描いた《道》など、親しみやすい日本の風景画の数々を残したことで、「国民的風景画家」「国民的画家」と呼ばれるようになる。活動後期には描くことを“祈り”とし、自らの心の中に形成された風景を絵画に自由自在に落とし込んだ。《白い朝》《行く秋》などはまさに、心を写した風景画と言える。古都・京都や海外の風景も皇室から依頼された、新宮殿の大壁画のモチーフに日本古来の文化が凝縮された古都・京都を選択したことから、京都の町を描くことに着手。新宮殿の大壁画完成と同年の1968年に「京洛四季」展で連作を発表。ダイナミックかつ幻想的に花々を描いた《花明り》など、大和絵のような雰囲気で、東山としては新たな画風の作品が生み出されている。東山が描いたのは日本の風景だけではない。北欧の清く幻想的な風景を切り取った《冬華》や、ドイツ、オーストリアの建物や街並みを描いた《古都遠望》《窓》など、東山が感じ取った、土地が持つ魅力や文化の蓄積を表現している。記念碑的大作の障壁画を再現東山は、1971年に奈良・唐招提寺より開山・鑑真和上の像を安置する御影堂障壁画の制作と、御厨子内部装飾の依頼を受ける。鑑真が見たかったであろう日本の風景を描き出した《山雲》など、襖絵と床の壁面全68面から成る障壁画は、構想から完成までに10年を要した記念碑的大作だ。「生誕110年 東山魁夷展」ではその障壁画を再現展示。御影堂の修理に伴い、障壁画も今後数年間は現地でも見ることができないため、貴重な展示機会となる。詳細生誕110年 東山魁夷展■京都会期:2018年8月29日(水)~10月8日(月・祝)開館時間:9:30~17:00(金曜・土曜日は21:00まで) ※入場は閉館30分前まで場所:京都国立近代美術館住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町(岡崎公園内)TEL:075-761-4111(代表)観覧料:一般 1,500(1,300)円、大学生 1,100(900)円、高校生 600(400)円、前売りペア券 2,400円※()内は前売りおよび20名以上の団体料金。※中学生以下・障がい者手帳等持参者(付き添い1名を含む)は無料(それぞれ入館時、学生証等年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示)。※本料金でコレクション展も観覧可能。※前売券販売期間 6月8日(金)~8月28日(火)※価格はすべて税込。■東京会期:2018年10月24日(水)~12月3日(月)開館時間:10:00~18:00(金曜・土曜は20:00まで) ※入場は閉館30分前まで場所:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)観覧料:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円※()内は20名以上の団体料金。※中学生以下・障がい者手帳等持参者(付き添い1名を含む)は無料※高校生無料観覧日については追って発表。※前売券、その他企画チケットについては詳細が決まり次第、展覧会ホームページで発表。※価格はすべて税込。
2018年06月17日神戸が誇るランドマークホテル「ホテルオークラ神戸」(神戸市中央区)が、2018年6月13日(水曜日)から兵庫県立美術館「プラド美術館展」開催を記念した「プラド美術館展フェア」を実施しています。「元町」駅から徒歩10分の「ホテルオークラ神戸」は、神戸のウォーターフロントであるメリケンパークに立つランドマークホテル。神戸ポートタワーや六甲の山並みなど、客室の位置によって異なる風景を楽しむことが可能です。「三宮」駅からのシャトルバスも運行しています。チケット提示でレストランをおトクに利用可能「プラド美術館展フェア」は、「プラド美術館展」の最終日である2018年10月14日(日曜日)まで実施。会期中ホテル内の対象店舗で「プラド美術館展」のチケットもしくは半券を提示すると料金が10パーセントオフとなります。対象店舗は「レストラン エメラルド」(フランス料理)、「桃花林」(中国料理)、「カメリア」(カフェレストラン)、「山里」(和食堂)、「さざんか」(鉄板焼)、「メインバーエメラルド」の6店舗となります。「メインフロアデラックスルーム」(6階から15階)の宿泊に「プラド美術館展」のチケットと音声ガイドのレンタルをあわせた「展覧会チケット付ステイプラン」も販売されます。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社オークラニッコーホテルマネジメントのプレスリリース/PR TIMES※ホテルオークラ神戸※兵庫県立美術館
2018年06月16日エルメス(HERMÈS)はシネマ的設定の観客参加型の展覧会「彼女と。」を、東京・国立新美術館にて開催する。期間は2018年7月11日(水)から7月30日(月)まで。入場は無料だ。ある1人の女性="彼女"を追い求めて展覧会「彼女と。」では、ある1人の女性="彼女"に魅了されたひとりの“作家”とともにその姿を追いかけ、エルメスが提案する女性像をそれぞれに考察することが出来る展覧会だ。映画スタジオを彷彿とさせる会場内では、まるで撮影現場に迷い込んだかのような世界観をインタラクティブに体感できるのが特徴だ。ある"作家"が、映画館のスクリーンに映る"彼女"の存在を追いかけるという物語が始まる。鑑賞者は"作家"の視点とともに、"彼女"をよく知る人物たちとの出会いや、"彼女"を断片的に捉えた映像、"彼女"が愛用するエルメスのオブジェなどを介して、"彼女"の人物像に迫っていく。時には"作家"としてではなく、映画監督や撮影スタッフ、出演者の視点でこの物語をとらえることもあるであろう。バックステージを通り抜けて楽屋を覗いたり、セットにしのび込んだり。エキストラとしてアドリブで演技をしたり、美しい衣装に目を奪われることもあるかもしれない。なお、展覧会「彼女と。」は、エルメスのレディス部門アーティスティック・ディレクターであるバリ・バレと、レディスプレタポルテのアーティスティック・ディレクター ナデージュ・ヴァンヘ=シビュルスキーによる監修のもと製作。物語に華を添える、彼女たちによる最新コレクションにも“彼女”の存在を感じとれるはず。【詳細】彼女と。会期:2018年7月11日(水)~7月30日(月)開館時間:10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は21:00まで休館日:毎週火曜日会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)入場:予約制、無料※予約は展覧会サイト(hermesavecelle.com)にて6月20日(水)11:00より受付開始。【問い合わせ先】エルメスジャポンTEL:0120-202-830
2018年06月16日人の似姿を描く肖像芸術人の似姿を捉えた肖像芸術は、西洋社会において最も広く普及した、最も長い歴史を持っている、主要な芸術ジャンルの一つです。しかし現在では、スマートフォンの高性能カメラでセルフィーを取ることが当たり前となり、私たちにとって今や最も身近な芸術といえるかもしれません。本展覧会では、その肖像芸術の起源に迫るべく…3000年以上も前の古代エジプトのマスクや古代メソポタミアの彫刻から19世紀ヨーロッパの絵画・彫刻まで、広範囲にわたる時代と地域の豊かなコレクションを対象とし、肖像芸術が担ってきた社会的役割や表現上の特質を浮き彫りにしています。そして、ルーヴル美術館の全8部門(古代オリエント美術、古代エジプト芸術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻美術工芸品、素描・版画)から代表する肖像の傑作を堪能できます。 肖像芸術の役割に迫る 肖像芸術が時代が経つにつれて、役割を豊かなものにしてきた事実を踏まえて、本展覧会ではゆるやかに時代順に展開しながら、テーマによる分類に基づきながら3つの章に分けています。第1章では、記憶・記念するという肖像の最も古い役割に焦点を当て、重要な人物の死と結びつき、社会や神々を個人の信仰心の証言者にしようとする願望が関連づけられ、故人の肖像、奉納像、祈祷像で構成されています。例えば、記憶という肖像の機能が発揮された主要分野である葬礼美術では、故人や親族の記憶を永久的に残すため、肖像彫刻を施した墓碑が存続しています。第2章では肖像芸術が最も古くから担ってきた一つの役割である権力の顕示にフォーカスしています。王や皇帝など最高権力を振るった君主にとって、自らの似姿である肖像は権威を広く知らしめる最も有効な手段でした。絶対権力を握った君主などの作品を通して、肖像芸術が担った政治的役割や意味を考察し、権力者の肖像表現を浮かび上がらせています。この章で特に注目して欲しいのは、「吾輩の辞書に不可能の文字はない」という名言を残したナポレオンの作品。素早いタッチで生き生きと描写した若き将軍時代にはじまり、フランス皇帝に即位した戴冠式の正装の姿や、幽閉先であるセントヘレナ島で亡くなったデスマスクなど、彼の人生に想いを馳せることができます。第3章では古代より培われてきた上流階級の肖像表現に含まれるルールを踏襲しつつ、その一方では各時代・地域・社会に特有の流行を反映しながら多様に展開を遂げていった肖像芸術を考察しています。男性、女性、子供と家族など、肖像のモデルの裾野が広がり、衣服や装飾品からモデルの人柄や個性が浮き彫りになっています。例えば何処から見ても目を合わせることができない「美しきナー二」が着用しているドレスは、当時ヴェネツィアで流行していたスタイルで、未婚の女性は着用できませんでした。また、手を胸に当てる仕草は、伴侶への忠実さを表しているのだそう。このように肖像画から様々なことが読み取れます。 多義性を帯びた奇想 ただ1人の人物に似せることを特徴とする「肖像」は、多義性とは相容れないように思われます。しかし、ルネッサンスから20世紀のシュルレアリスムまで、多義性を帯びた奇想が華々しく展開された芸術ジャンルは肖像でした。肖像表現を特定するルールがどのように生まれ、地理的、歴史的、社会的な広がりのなかで、どのように変容的に永らえてきたのか理解することができる一方で、注文主からの圧力があるなかでも、芸術家の自由な創造力から刷新してきたのかを見て取れることもできるでしょう。本展覧会では高名な傑作と、貴重ですがあまり認知されていない作品、これを機に修復された作品も入り混じり、およそ110点が一堂に会します。これまでに例を見ない大規模な肖像展を通して、鑑賞者の視点によって様々なイメージへと変容していく楽しさを味わえる、「肖像芸術」の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。【情報】 『ルーヴル美術館展肖像芸術ー人は人をどう表現してきたか』会期:2018年5月30日(水)~9月3日(月)場所:国立新美術館(東京・六本木)企画展示室1E休館:毎週火曜日(ただし8/14は開館)時間:10:00~18:00金・土曜日は、5・6月は20:00まで、7・8・9月は21:00まで*入場は閉館の30分前まで
2018年06月11日体験型の展覧会「魔法の美術館:リミックス」が、長崎県美術館にて2018年7月21日(土)から9月2日(日)まで開催される。「魔法の美術館:リミックス」は、デジタルとアートが融合した作品世界を“見て、触って、参加する”ことで体感できる展覧会。子供から大人まで世代を超えて楽しめる、長崎初登場の17作品が集結し、まるで“イリュージョン”のようなアート空間を見せる。また、場内は自由に写真撮影ができる点もポイントだ。車のおもちゃをテーブル上に走らせると、車を辿るように道が表れ、風景が出来上がっていく坪倉輝明の《空想ジオラマ》は、子供の「くるまあそび」の世界を空想から可視化した作品だ。また、3DCGの立体物を構成する三角形の“頂点”に着目した《Vertexceed》では、複数の「頂点」に触れると映し出される映像が反応。“頂点”を通じて、現実空間を超えてデジタル空間へと介入する体験ができる。その他、藤本直明の《衝突と散乱》や森脇裕之の《センスピラー》など、人の動作に合わせて映像や光が変化する、幻想的で近未来的な作品が勢揃いする。【詳細】魔法の美術館:リミックス会期:2018年7月21日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~20:00(最終入場 19:30)休館日:7月23日(月)、8月27日(月)場所:長崎県美術館 企画展示室住所:長崎県長崎市出島町2-1観覧料:一般 1,200(1,000)円、中学・高校生 800(600)円、3歳~小学生 600(400)円※家族ペア券(一般+3歳~小学生) 1,400円(美術館の当日券売場でのみ販売)※()内は前売、15名以上の団体、障害者手帳保持者及び介護者1名までの料金※前売券の販売は7月31日(火)まで
2018年06月07日六本木の国立新美術館で『ルーヴル美術館展肖像芸術―人は人をどう表現してきたか』がはじまりました。ルーヴルの傑作が集まるこの展覧会では、俳優の高橋一生さんが音声ガイドを担当。甘く優しい声でアートを解説してくれます!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 111『ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか』では、フランスのルーヴル美術館が所蔵する肖像画や彫刻コレクションのなかから選び抜かれた作品を一堂に紹介。肖像芸術がはたしてきた役割や、それを手がけた芸術家たちの制作手法などにも迫る展覧会です。会場には3000年以上も前の古代メソポタミアの彫像から19世紀ヨーロッパ絵画までの約110点が集結。古代美術や絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画などルーヴル美術館の全8部門を代表する肖像芸術の傑作をたっぷり堪能できます。音声ガイドナビゲーターは高橋一生さん!この展覧会のオフィシャルサポーターは俳優の高橋一生さん。音声ガイドのナビゲーターも担当されています。最近の展覧会では、ステキな俳優さんや声優さんが音声ガイドを担当されていますが、この『ルーヴル美術館展』では高橋さんの甘い声を聴きながらアートを堪能できるのです!幸せすぎ~♡ということで、今回の取材では高橋さんの音声ガイドと一緒に会場を回ってみます。まずは入り口でガイド機を借り、使い方を確認。リストも渡されます。収録時間は約35分。もちろん何度も繰り返し再生できるので、高橋さんの声を聴き続けたい人は好きなだけ再生可能♡両耳に高橋さんの声が伝わり、私だけのために話してくれている……と妄想できます。妄想デート、スタート!それでは、会場に入っていきます。ガイド番号1番を再生。薄暗い展示室で妄想デートの始まりです。最初の部屋では古代エジプトのマスクが紹介されています。展示されている《女性の肖像》はエジプトで出土したもの。ローマ帝国の支配下にあった1~3世紀ころ、エジプトではミイラの頭部を飾るため板絵の肖像画が制作されていました。これらは故人の顔だちに似せて描かれていたそうです。第2章「権力の顔」の展示室では、彫刻作品《トガをまとったティベリウス帝の彫像》が紹介されています。ローマ帝国2代目皇帝ティベリウスが演説のポーズをとっているところを表した大理石彫刻で、高さは2メートル30センチ。見ごたえ抜群です。ナポレオン登場!第2章では同展ハイライトのひとつ、ナポレオンの関連作品も紹介されています。特に注目したいのは、アントワーヌ=ジャン・グロの《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》。オーストリア軍との戦いで軍隊を率いる若きナポレオンの雄姿を描いた作品です。凛々しい姿で後ろを振り返るナポレオンの肖像画は、教科書などで一度は見たことがあると思います。作者のグロはこの絵を描いた当時まだ25歳で無名だったとのこと。ナポレオンの妻、ジョゼフィーヌの仲介によりグロは肖像画を描くチャンスを得て、この作品を本人の前で描いたそうです。エネルギーにあふれた肖像画をナポレオンは大変気に入り、この絵は画家の出世作となりました。ちなみに、本作は習作で、最終作はヴェルサイユ宮殿美術館に所蔵されています。ヴェロネーゼとレンブラント作品は必見&必聴!そして、第3章では展覧会のメインヴィジュアル、《美しきナーニ》が紹介されています。作者は16世紀後半のヴェネツィアで活躍した巨匠ヴェロネーゼ。女性のツヤ肌や豪華なアクセサリー、光沢のある青いビロードのドレスなど、どのパーツを見てもため息が出るほどの美しさ。絵のモデルは高級娼婦か貴族の女性、あるいは理想的な女性像などいろいろ議論されているそうです。この作品はルネサンス期肖像画の最高傑作のひとつといわれていますので、ぜひゆっくり細部まで鑑賞してみてください。ヴェロネーゼのあとは17世紀オランダの巨匠、レンブラントの作品《ヴィーナスとキューピッド》が登場します。本作は神話画のように見えますが、ヴィーナスのモデルは画家の内縁の妻。キューピッドも娘がモデルと考えられているそうで、肖像芸術として展示されています。音声ガイドの17番では、このレンブラント作品について高橋さんが解説されています。お聴きになる人は特に冒頭部分を要チェック。高橋さんが聞き手にちょっとだけ話しかけてくれるので、妄想テンションが上がります!ボーナストラックも必聴!ちなみに、今回の音声ガイドにはボーナストラックが2つ用意されています。その内容がまたすばらしいのです。肖像のことや注目作品などについて高橋さんが個人的な思いを語り、「こんな見方もあるよ」とアートの楽しみ方を教えてくれます。特に、50番再生中にはガイド機にお顔も表示されます♡ボーナストラックはリラックスした雰囲気でお話しされていて、高橋さんの自然な息づかいまでも感じられます。妄想デートの仕上げに、ぜひ拝聴しましょう。展覧会は9月3日(月)まで。その後、大阪に巡回します。Information会期:~9月3日(月)毎週火曜日休館 ※ただし8/14(火)は開館時間:10:00-18:00※毎週金・土曜日は、5・6月は20:00まで、7・8・9月は21:00まで開館 ※入場は閉館の30分前まで会場:国立新美術館 企画展示室1E料金:一般 1,600円/大学生1,200円/高校生 800円/中学生以下無料※音声ガイド貸出し550円※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しております。
2018年06月06日「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」が、2018年7月24日(火)から9月9日(日)まで上野の東京国立博物館にて開催される。「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」は、世界の美術作品を歌とアニメで紹介するNHK Eテレの番組「びじゅチューン!」とのコラボレーションによる展覧会。「びじゅチューン!」で取り上げられた東京国立博物館の所蔵5作品に登場する人物や作者に"なりきる"参加・体験型イベントとなっている。様々なアプローチからなりきる事によって、作品のバックグラウンドや描かれた人々の暮らしを体感。大人から子どもまで自由な想像力で美術作品に親しむことができる。葛飾北斎の「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」は、描かれた波の大きさをリアルサイズで体験できる大型映像展示。また、岸田劉生の「麗子微笑」では、デジタル顔はめで麗子になりきってセリフやト書きでキモチを表現し、自分だけの「麗子像」を創り出す。他にも、「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」を描いた歌川広重になりきって作品に雨を降らせてみたり、菱川師宣の「見返り美人図」のようにポーズをきめてみたり、岩佐又兵衛筆の「洛中洛外図屏風 舟木本」の作中人物になって京の街を散歩してみたり、と作品世界で遊べる楽しい仕掛けが随所に施されている。また、「びじゅチューン!」で取り上げられた作品が数点展示される。【詳細】「親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館」会期:2018年7月24日(火)~9月9日(日)会場:東京国立博物館 本館 特別4室・特別5室住所:東京都台東区上野公園13-9開館時間:9:30~17:00(金曜・土曜日は21:00まで、日曜日は18:00まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 ※8月13日(月)は開館観覧料:一般620円(520円)/大学生410円(310円)※( )内は20名以上の団体料金※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上は無料。身分証の提示が必要。※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などの提示が必要。
2018年06月03日「魔法の美術館 光と遊ぶ、真夏のワンダーランド」展が、山梨県立美術館にて開催される。期間は2018年6月30日(土)から8月26日(日)まで。山梨県立美術館開館40周年記念「魔法の美術館 光と遊ぶ、真夏のワンダーランド」は、まるで魔法にかけられたように光ったり、動いたりと、映像や音が変化する体験型アートを集めた展覧会。体を動かすことで音や光を操ることができる作品や、絵本の世界に迷い込んだような幻想的な作品など、大人も子どもも直感的に楽しめる体験型アートの数々が展示される。また、場内の作品は全て撮影可能で、SNSにシェアすることもできる。坪倉輝明の《七色小道》は、人が通ると色や光が地面にあふれ、まるで七色に輝く小道を散歩しているかのような体験ができるアート作品。自分が歩くことによって生まれる色と、他の人が出す色が混ざり合うことで、"歩く"という行為が無意識のうちに互いに影響を与え合う様子を体感することができる。的場やすし、山野真吾、徳井太郎による《SplashDisplay》には、動き回る的にボールを命中させると、色鮮やかな光の粒が噴水のように舞い上がる。重田佑介+Zennyanの《よるにおもう》は、白い本を手にとって空間を歩き回ることにより、夜空を舞台に様々な星座のキャラクターが姿を現すアニメーションを楽しむことができ、まるで星空を旅しているような不思議な感覚を味わうことができる。【詳細】「魔法の美術館 光と遊ぶ、真夏のワンダーランド」会場:山梨県立美術館 特別展示室住所:山梨県甲府市貢川1-4-27会期:2018年6月30日(土)〜8月26日(日)休館日:7月2日(月)・9日(月)・17日(火)・23日(月)・30日(月)・8月6日(月)・20日(月)開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)観覧料:一般1,000円(840円)、大学生500円(420円)※( )内は20名以上の団体料金、前売料金、県内宿泊者割引料金。高校生以下の児童・生徒は無料(高校生は生徒手帳等持参)。県内65歳以上の人は無料(健康保険証等持参)。障害者手帳持参者、およびその介護者は無料。前売券は山梨県立美術館にて 5月30日(水)〜6月29日(金)まで販売。【問合せ先】山梨県立美術館TEL:055-228-3322
2018年06月01日没後40年を経た今でもなお、世界的に絶大な人気を集めるアーティスト、ゴードン・マッタ=クラーク(Gordon Matta-Clark)のアジア初の回顧展「ゴードン・マッタ=クラーク展」が、6月19日から9月17日まで東京国立近代美術館にて開催される。ゴードン・マッタ=クラーク Photo:Cosmos Andrew Sarchiapone©The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy The Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York/London/Hong Kong. 1970年代ニューヨークを中心に活躍し、35歳で夭折したゴードン・マッタ=クラーク。アート、建築、ストリートカルチャーを始め、アーティストによる食堂「フード」の経営など、約10年に渡り多面的な活動を繰り広げた。世界経済が爆発的な成長を始めた時代、資本主義の実験場であったニューヨークで行われた彼の活動の核心とは、豊かなコミュニティーの創出にアートが寄与する方法の模索。軽やかでクール、そしてポエティックな彼の活動は、今でもなお、世界中の人々を魅了し続けている。《スプリッティング》1974年 ゴードン・マッタ=クラーク財団&デイヴィッド・ツヴィルナー(ニューヨーク)蔵©The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy The Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York/London/Hong Kong.マッタ=クラークの作品は、その多くが個人蔵や、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館といった欧米の著名美術館に所蔵されているため、これまでアジアでまとまった形で紹介される機会がなかった。本展では、都市を舞台に活動した彼にとって重要だった住まい、ストリート、港、市場、ミュージアムの5 つの“場所”にフォーカスし、彫刻・映像・写真・ドローイング・資料など、約200点を展示。今回、彼の代表作「ビルディング・カット」シリーズの中で、最大規模の立体作品となる《スプリッティング:四つの角》(サンフランシスコ近代美術館蔵)が初来日するなど、貴重な作品を観ることができる。《スプリッティング:四つの角》1974年 サンフランシスコ近代美術館蔵 San Francisco Museum of Modern Art, Purchase through a gift of Phyllis C. Wattis, The Art Supporting Foundation, the Shirley Ross Davis Fund, and the Accessions Committee Fund: gift of Mimi and Peter Haas, Niko and Steve Mayer, Christine and Michael Murra; Photo: Ben Blackwell; Courtesy the San Francisco Museum of Modern Art.会場では、1970 年代ニューヨークの文化的・社会的背景を示す資料や、私たちの住む現在の東京に関わる資料などを組み込むことで、変転する現代の都市における、マッタ=クラークの実践の今日的意味を浮かび上がらせる。今日、世界に先立って社会の収縮を迎えつつある東京。彼の軽やかでクール、そして詩的なアイデアの数々は、豊かに生きるためにいま何ができるかを、私たち一人ひとりが考えるためのさまざまなヒントを示してくれる。【イベント情報】ゴードン・マッタ=クラーク展会期:6月19日〜9月17日会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園3-1時間:10:00〜17:00 ※金・土は21時まで (入場は閉館の30分前まで)料金:一般 1,200円、大学生800円休館日:月曜日、7月17日(※7月16日、9月17日は開館)
2018年05月21日東京の国立新美術館では、5月30日から9月3日まで「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」を開催する。アントワーヌ=ジャン・グロ 《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》1796年Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom人の似姿を描く肖像は、スマートフォンの高性能カメラで意のままに自分を撮ることが当たり前となった現代社会において、いまや最も身近な芸術と言えるかもしれない。しかし一方で、肖像は最も長い歴史を持つ芸術ジャンルでもある。本展では、3000年以上も前の古代メソポタミアの彫像や古代エジプトのマスクから、19世紀ヨーロッパの絵画・彫刻まで、極めて広範にわたる時代や地域の作品を対象にしながら、肖像が担ってきた社会的役割や表現上の特質を浮き彫りにする。ルーヴル美術館の古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画の全8部門による全面協力のもと、各部門を代表する肖像の傑作およそ110点を一挙に堪能出来る、きわめて貴重な機会となる。ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》1560年頃Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom今回のみどころの一つ、16世紀ヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼによる『美しきナーニ』は、ルーヴル美術館が所蔵する数々のルネサンスの肖像画のなかでも、最高傑作の一つとして名高い作品。この至宝の肖像画が、27年ぶりに来日を果たす。さらに、古代エジプトのアメンヘテプ3世、マケドニアのアレクサンドロス大王、アウグストゥス帝やカラカラ帝らのローマ皇帝、ルイ14世を始めとする歴代のフランス国王、そしてフランス王妃マリー=アントワネットなど、歴史を彩った時の権力者たちの肖像が一堂に会す。中でも大きなみどころとなるのが、フランス皇帝として名を馳せたナポレオンのコーナー。将軍時代を経て、皇帝として最高権力を手にしながらも、追放先の孤島で孤独な最期を迎えることになったナポレオンの激動の人生を、アントワーヌ=ジャン・グロの傑作『アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)』を始めとする5点の作品でたどる。ジュゼッペ・アルチンボルド《春》1573年Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi /distributed by AMF-DNPartcom本展では、俳優の高橋一生がオフィシャルサポーターに就任し「音声ガイド」のナビゲーターにも挑戦。この他、パリのフランス流紅茶専門店「マリアージュ フレール」や、「とらや」とコラボレーションしたスペシャルグッズの販売、ホテル「コンラッド東京」や「ザ・リッツ・カールトン東京」でのコラボレーションメニューの提供、六本木の東京ミッドタウン内のショップ・レストラン&バーでも関連メニューが展開されるなど様々なイベントが目白押し。早割チケットや特典付きのお得なチケットも販売。詳細は展覧会ホームページ()にて。身近でありながら、奥深い肖像芸術の魅力に迫る、史上空前の本格的な展覧会をお見逃しなく。【展覧会情報】ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか会期:5月30日~9月3日会場:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00〜18:00(6月の金・土曜は20:00まで、7〜9月の金・土曜は21:00まで)※入場は閉館時間の30分前まで料金:一般1,600円(1,400円) 大学生1,200円(1,000円) 高校生800円(600円) 中学生以下無料※( )内は前売り及び20名以上の団体料金休館日:毎週火曜日(8月14日は開館)
2018年05月17日新国立劇場開場20周年記念公演として新制作上演されるベートーヴェン《フィデリオ》がいよいよ開幕する。飯守泰次郎が新国立劇場芸術監督として指揮する最後の公演。演出は作曲家リヒャルト・ワーグナーの曽孫であり、バイロイト音楽祭総監督を務めるカタリーナ・ワーグナーだ。初日を5日後に控えた5月16日、新国立劇場内で記者懇談会に出席した。【チケット情報はこちら】《フィデリオ》は、政治犯として捕らえられた夫フロレスタンを助けるために、男装した妻レオノーレが刑務所に潜入するという救出劇。レオノーレの男性としての偽名が「フィデリオ」である。筋書き上は、敵もフィデリオが男だと信じきっているわけだが、オペラを観ている観客の全員が、それが女性であることを知っているという、ちょっとしたジレンマがある。演出上もそこはひとつのポイントと考えているようで、「男装についてみんなが私に質問する。よほど真実味に欠けると受け取られているのだと思う」と笑った。今回は、レオノーレが変装してフィデリオとなるプロセスを見せるという。ワーグナーだけの独創というわけではないが、観客にわかりやすく認識させる一助と受け取ってよさそうだ。昨秋の制作発表会見でも「大きなテーマは、いかに認識するか」だと述べていた彼女。ほかにも、多用されている台詞を最小限にカットすることで、物語の認識をスムーズにするように配慮するという。その一方で、物語を特定の時代や場所には設定しない。作品のテーマである「夫婦愛」や「自由の獲得」には、いつの時代でも、どの場所でも起こりうる普遍性があるからだ。「すべてに具体性を用意しているわけではなく、ご覧になる皆さんに示唆を与える、考える方向を提案するような演出要素を散りばめてある。最後は間違いなく、皆さんひとりひとりが何かしらを考える余地があるような、オープンな結末になっているので、ぜひ考えていただきたい」主役を演じるのは、リカルダ・メルベート(ソプラノ/レオノーレ役)とステファン・グールド(テノール/フロレスタン役)という、すでに新国立劇場でもおなじみの実力派のふたり。しかしワーグナーが唯一名前を挙げたキャストは、なんと合唱団だった。作品のどこに一番惹かれるかという問いに対して、「もちろんレオノーレやフロレスタンのアリアも素晴らしいけれども、とりわけ合唱のシーンが好き。そして、この劇場の合唱団はとても素晴らしい。本当に素晴らしくて、合唱シーンがよりいっそう好きになった」と語った彼女。第1幕の〈囚人の合唱〉やフィナーレの合唱など、《フィデリオ》は合唱の役割もとても重要なオペラだ。バイロイト音楽祭総監督を虜にした新国立劇場合唱団。なんとも頼もしい!新国立劇場の《フィデリオ》は、5月20日(日)、24日(木)、27日(日)、30日(水)、6月2日(土)の全5公演。取材・文:宮本明
2018年05月17日東京ミッドタウンでは、国立新美術館で行われる「ルーヴル美術館展」開催を記念した限定メニューを提供する「東京ミッドタウンでフランス散歩」を開催。期間は、2018年5月30日(水)から9月3日(月)まで。東京ミッドタウン内で、限定メニューが登場「ルーヴル美術館展」は、"肖像芸術"にフォーカスし、ルーヴル美術館の全8部門を代表する名作約110点の展示を行う企画展。16世紀ヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼによる《美しきナーニ》が27年ぶりに来日するなど、多くの話題を集めている注目のイベントだ。「東京ミッドタウンでフランス散歩」では、そんな「ルーヴル美術館展」の開催を記念して、東京ミッドタウン内の店舗から限定メニューを発売。ルーブル美術館のあるフランスをモチーフに取り入れた美しいフードの数々が並ぶ。エッフェル塔のモチーフを飾って旬の素材を使ったデザート専門店「トシ ヨロイヅカ(Toshi Yoroizuka)」からは、フランス伝統菓子のパリブレストを主役したデザート「パリブレスト ア ラ トシ」が登場。シェフによってアレンジの加えられたパリブレストには、濃厚なピスタチオクリームやエクアドルショコラを使用。パリのシンボル"エッフェル塔"のデコレーションを添えた、華やかな一品に仕上げている。ルーヴル美術館の"ピラミッド"に見立てたデザートルーヴル美術館のピラミッドをデザートに変身させたのは、「六本木テラス フィリップ・ミル」。ピラミッドは、透明な飴を使用して丁寧に再現。層になった濃厚なガナッシュとチョレートクリーム、そして真っ赤なフランボワーズソースが、ピラミッドの中から顔を覗かせる、繊細な一品だ。《美しきナーニ》のチョコプレート「ザ・リッツ・カールトン カフェ&デリ」からは、《美しきナーニ》のチョコレートプレートを飾った「オペラ」を提供。口に運べば、くちどけ滑らかなコーヒームースと、アーモンドコーヒープラリネのサクサクっとした食感のハーモニーを楽しめる。パリの夕暮れを和菓子で再現「とらや(TORAYA)」からは、パリ店オープン30周年を記念して作られた限定品"エッフェル塔の夕暮れ"を再販売。黄昏時のパリの美しい街並みを、橙の琥珀羹と黒の煉羊羹で見事に表現した「とらや」ファン必見の一品となっている。そのほかにも、「ジャン=ポール・エヴァン(JEAN-PAUL HÉVIN)」や「メゾンカイザー」などフランス発祥の有名店も参加。企画展の帰り道に立ち寄って、気になるメニューを食してみてはいかが。【詳細】「東京ミッドタウンでフランス散歩」期間:2018年5月30日(水)~9月3日(月)場所:東京ミッドタウン内店舗住所:東京都港区赤坂9-7-1ショップ情報:■トシ ヨロイヅカ(プラザ1F)メニュー:パリブレスト ア ラ トシ 1,350円(税込)TEL:03-5413-3650■六本木テラス フィリップ・ミル(ガーデンテラス4F)メニュー:ルーヴル美術館のピラミッドに見立てたショコラガナッシュとフランボワーズのタルト仕立て 2,160円(税込)TEL:03-5413-3282 ※前日までに要予約■ザ・リッツ・カールトン カフェ&デリ(ミッドタウン・タワー1F)メニュー:オペラ 702円(税込)TEL:03-6434-8711■とらや(ガレリアB1)メニュー:エッフェル塔の夕暮れ 1本 1,944円(税込)TEL:03-5413-3541
2018年05月13日『プーシキン美術館展―旅するフランス風景画』とは?【女子的アートナビ】vol. 108この展覧会では、ロシアを代表する美術館のひとつ、プーシキン美術館のコレクションから選び抜かれたフランスの風景画65点を紹介。モネやセザンヌ、ルソー、さらに美術史に名を遺すクロード・ロランなど17世紀から20世紀までの傑作が勢ぞろい。神話の物語や美しいパリの街並みなどの名画を見ながらフランスを旅するように楽しむことができます。スペシャルサポーターは水谷豊さん!同展のスペシャルサポーターは、俳優の水谷豊さん。音声ガイドのナビゲーターも担当された水谷さんがプレス内覧会に出席され、展覧会の見どころなどを語りました。まず、展覧会を見ての感想を問われると、「今回はテーマがフランス風景画ということで、どの絵も本当にすばらしく絵の中に引き込まれていくようで、旅しているような気分を味わえました」と回答。続いて、2つの作品についてコメントされました。クロード・モネの初来日作品《草上の昼食》、実物はいかがでしたか?水谷さん写真で見るのとは全然違いましたね。学芸員の方から知識を教えていただき絵の見方も変わったのですが、これがモネの青春時代の作品ということで、若い時から才能が花開いていたことがわかります。すばらしいです。《草上の昼食》は画家が26歳のときに描いた作品。学芸員の大橋さんのお話では、当時モネはまだたくさんのモデルを雇うことができなかったので、恋人のカミーユにいろいろな服を着せてポーズをとってもらい、いくつかスケッチを描いてから組み合わせて作品を制作したとのこと。この絵に登場する女性はすべてカミーユではないかと考えられているそうです。特にお気に入りの作品は?水谷さんいろいろありましたが、おもしろかったのはアンリ・ルソーの《馬を襲うジャガー》です。ルソーはパリにいて、植物園で熱帯植物を観察しながらジャングルに思いをはせてこの絵を描いたのですが、想像でここまで描けるのかというほどすばらしい作品です。われわれも(俳優というのは)妄想するのが仕事ですが(笑)、不思議なオーラがある作品です。ルソーは税関職員として働きながら絵を描いていた日曜画家。専門的な美術教育を受けていない彼の作品は批判されることもありましたが、ピカソやアポリネールなどからは高く評価されていました。特に南国のジャングルを描いた絵を多く残しています。最後に、水谷さんからメッセージ水谷さん名作と呼ぶのにふさわしい、たくさんの作品が東京都美術館にそろいました。訪れた人を世界の旅に連れて行ってくれる作品が集まっていると思います。僕は旅の案内人として関わらせていただき光栄です。たくさんの人にこの感動を味わっていただきたいです。ちなみに、水谷さんがナビゲーターとして出演されている音声ガイドも聞いてみたのですが、作品の背景や画家についての説明などもわかりやすく、展覧会の感動がより深くなる内容でした。そして、『相棒』ファンが喜ぶあの名セリフも入っています。ガイドは最後の最後までぜひ聞いてみてください。また、会場には作品と一緒にパリの地図なども掛けられ、どのあたりを描いた絵なのかがわかるようになっています。パリを訪れたことがある人はもちろん、行ったことがなくてもイメージすることができ、作品鑑賞がより楽しくなりますよ。フランスを旅する気分を味わえる展覧会は7月8日まで。Information会期:~7月8日(日)休室日:月曜日時間:9:30~17:30※金曜日は20時まで※入室は閉室の30分前まで会場:東京都美術館料金:一般 1600円/大学生・専門学校生1300円/高校生800円/中学生以下無料公式サイト:上野の東京都美術館で開催中の『プーシキン美術館展』に行ってきました。フランス風景画の名作が集まるこの展覧会では、俳優の水谷豊さんが音声ガイドを担当。プレス内覧会にも出席され、見どころを語ってくれました。
2018年04月28日アーティスト、ゴードン・マッタ=クラークの回顧展「ゴードン・マッタ = クラーク展」が、2018年6月19日(火)から9月17日(月・祝)まで、東京国立近代美術館にて開催される。ゴードン・マッタ=クラーク、アジア初の回顧展1970年代にニューヨークを中心に活躍し、35歳という若さでこの世を去ったアーティスト、ゴードン・マッタ=クラーク(1943-78)。本展は、わずか約10年という短い活動期間の中で、アート、建築、ストリートカルチャー、アーティストによる食堂「フード」の経営と、多彩な才能を発揮したマッタ=クラークの活動を、フルスケールで紹介するもの。作品の多くが個人蔵、あるいはメトロポリタン美術館やポンピドゥー・センターなど欧米の著名美術館所蔵で、これまでアジアではまとまった形で紹介される機会が無かったマッタ=クラークのアジア初回顧展となる。「ビルディング・カット」シリーズ最大規模の立体作品が初来日彫刻・映像・写真・ドローイング・関連資料など、約200点を数える出展作品の中でも注目したいのは、建物の一部を切り取る「ビルディング・カット」シリーズの中でも最大規模の立体作品であり、初来日となる《スプリッティング:四つの角》。マンハッタン、ブロンクス、ブルックリン各所の建物の天井や床に四角い穴を開けた 《ブロンクス・フロアーズ》、一軒家を縦真っ二つに切断した《スプリッティング》、パリのポンピドゥー・センター建設のため取り壊し予定だった17世紀の建築に、まるで時空が削り取られたような大きな円錐状の穴を開けた《円錐の交差》などで構成される「ビルディング・カット」シリーズ。建築物に穴を開けることで新たな光を当て、見慣れた日常をまったく新たな空間・時間へと変容させた、マッタ = クラークを代表する作品群だ。「住まい」や「ストリート」など、5つの「場所」にフォーカス会場では、都市を舞台に活動したマッタ = クラークにとって重要だった、「住まい」「ストリート」「港」「市場」「ミュージアム」の5つの「場所」にフォーカスして作品を展示。また、1970年代ニューヨークの文化的・社会的背景を示す資料や、現在の東京に関わる資料などを展示に組み込むことで、現代の都市における、マッタ = クラーク作品の今日的な意味に迫る。ビームスとのコラボレーションもビームス(BEAMS)とのコラボレーションも実施。アートディレクター・前田晃伸がデザインを担当したTシャツやトートバッグなどのアイテムを販売するほか、ゴードン・マッタ=クラークがオーナーを務めたレストラン「FOOD」にインスパイアされた5名のアート作品の展示がトーキョー カルチャート バイ ビームスにて期間限定で行われる。また、人気シェフたちが展覧会からインスピレーションを受けたオリジナルメニューを来場者に提供し、食にまつわるトークショーを実施する「料理というクリエーションと食におけるストリートカルチャー」も東京・幡ヶ谷のパドラーズコーヒーにて開催されるのでこちらも併せてチェックしてみて。開催概要「ゴードン・マッタ = クラーク展」開催期間:2018年6月19日(火)〜9月17日(月・祝)会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3-1開館時間:10:00〜17:00(金・土曜は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで。休館日:月曜日(7/16、9/17は開館)、7月17日(火)アクセス:東京メトロ東西線「竹橋駅」1b 出口より徒歩3分観覧料:一般1,200(900)円、大学生800(500)円※( )内は20名以上の団体料金。価格は税込み。※高校生以下および18歳未満、障害者手帳の所持者とその付添者(1名)は無料。※本展の観覧料で入館当日に限り、同時開催の所蔵作品展「MOMAT コレクション」(4-2F)、「瀧口修造と彼が見つめた作家たち コレクションを中心とした小企画」(2F ギャラリー4)も観覧可能。リピーター割引:本展使用済み入場券の持参で、2回目以降は特別料金で観覧可能(一般500円、大学生250円)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)<ビームス×ゴードン・マッタ=クラーク展>■コラボレーショングッズ販売発売日:2018年6月15日(金)販売店舗:トーキョー カルチャート バイ ビームス及び東京国立近代美術館ミュージアムショップ※6月19日~アイテム:Tシャツ、トートバッグ、ステッカー、ポストカード■展示会「TOO MUCH Magazine NEW ISSUE LAUNCH EXHIBITION『FOOD 1971-74:The recipe for a soup no one knows about』」開催期間:6月15日(金)~20日(水)会場:トーキョー カルチャート バイ ビームス参加アーティスト:Åbäke、加賀美健、ホンマタカシ、モトーラ世理奈、平山昌尚販売アイテム:缶入りTシャツ■トークイベント「料理というクリエーションと食におけるストリートカルチャー」開催期間:6月19日(火)~9月17日(月・祝)の期間に週替わりで10名ほどのゲストを予定。会場:パドラーズコーヒー住所:東京都渋谷区西原2-26-5図版は全てCourtesy the Estate of Gordon Matta-Clark and David Zwirner, New York.© 2018 Estate of Gordon Matta-Clark/ Artists Rights Society (ARS), New York.
2018年04月21日ザ・リッツ・カールトン東京が、六本木の国立新美術館にて開催される「ルーヴル美術館展」とコラボレーション。2018年の初夏を彩る特別メニューを、館内の各レストラン&バーにて2018年5月30日(水)から9月3日(月)まで提供する。絵画から着想を得たメニューフレンチダイニング「アジュール フォーティーファイブ」からは、「ルーヴル美術館展」のメイン作品のひとつ《美しきナーニ》の青いドレスからインスパイアされたメニューが登場。フランス語で"青(ブルー)"を意味する店名「アジュール」にもちなんで、料理にはオマールブルー、フロマージュブルー、ボリジブルーと"ブルー"の名が付く3種類の食材を取り入れ、プレートを華やかに彩ったアートのような一品に仕上げた。フランス発祥のスイーツを紅茶と共にルーヴル美術館のあるパリは、"スイーツの都"としても知られる街。「ザ・ロビーラウンジ」は、そんなパリにちなんで、フランス菓子を集めたフレンチアフタヌーンティーを提供する。マリー=アントワネットの好物としても知られるクグロフに加えて、マカロンやオペラ、そしてフォアグラ使用のセイボリーなどをセットした贅沢な料理の数々を、世界各地から厳選した拘りの茶葉と共に楽しんでみてはいかが。ナポレオンをモチーフとしたカクテルカクテル好きの人は「ザ・バー」がお勧め。オリジナルカクテル「ザ・エンペラー」は、皇帝ナポレオンをモチーフとした特別な一杯だ。ナポレオンの愛した酒と云われる、マンダリンを浸したコニャック「マンダリン・ナポレオン」と「クルボアジェ」を合わせ、香り高い国産の柑橘と柚子のアレンジを加えた。 日本での「ルーヴル美術館展」開催を記念して誕生した、和洋折衷の一杯をこの機会に是非。そのほかにも、チョコレート&ペストリー「ラ・ブティック」や「ザ・リッツ・カールトン カフェ&デリ」では、フランスを連想させるスイーツを販売する。【詳細】ザ・リッツ・カールトン東京×「ルーヴル美術館展」のコラボレーションメニュー提供期間:2018年5月30日(水)~9月3日(月)場所:ザ・リッツ・カールトン東京住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン■アジュール フォーティーファイブ時間:ランチ 11:30~14:00 (L.O.)、ディナー 17:30~21:00 (L.O.)メニュー価格:ランチ 11,000円+税、ディナー 19,000円+税 ※共にサービス料別途■ザ・ロビーラウンジ時間:12:00~17:00 (L.O.)メニュー価格:アフタヌーンティー1名 4,600円~+税 ※サービス料別途■ザ・バー時間:18:00~24:00 ※金・土・祝前日~25:00 (24:30L.O.)メニュー価格:ザ・エンペラー 2,900円+税 ※サービス料別途■チョコレート&ペストリー「ラ・ブティック」時間:11:00~23:00 (イートイン22:30L.O.)メニュー価格:ヘーゼルナッツナポレオン、セサミレモンピラミッド 各800円+税■ザ・リッツ・カールトン カフェ&デリ時間:9:00~21:00 (イートイン~20:00L.O.)メニュー価格:オペラ 650円+税、マンゴー&パッションフルーツ エクレア 550円+税 ※共にサービス料別途
2018年04月20日国立新美術館で、須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一による過去最大級のインスタレーション「こいのぼりなう! 」が5月28日まで開催中。須藤玲子+アドリアン・ガルデール《こいのぼり》2014年 フランス国立ギメ東洋美術館展示風景日本を代表するテキスタイルデザイナー、須藤玲子と、須藤主宰のテキスタイルメーカー「布」のメンバーがデザインした約300匹のこいのぼりが、展示室の空間全体をダイナミックに泳ぎまわる本展。須藤は、日本の伝統行事に着想を得たこのインスタレーションを、フランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールとコラボレーションし、2008年にはワシントンD.C.のジョン・F・ケネディ舞台芸術センターにて、2014年にはパリのギメ東洋美術館にて発表した。また、今回の国立新美術館のもっとも大きい展示室(2000平方メートル、天井高8メートル)を使った新しいバージョンには、ライゾマティクスの活動で知られる齋藤精一も加わり、日本で初めてのコラボレーションが実現する。展示風景:「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」国立新美術館 2018年 / 画像提供: 国立新美術館会場には誰でも参加できる体験コーナーも用意。ワークシートを使い、手軽にこいのぼりの制作が楽しめる参加無料の体験コーナーを会場に併設。また、こいのぼりに使われている布を実際に手に取り、それぞれにつけられているタイトルや産地の情報を知ることができるコーナーも設ける。さらに、トークイベントとして、5月13日の14時から15時半まで、須藤と齋藤によるスペシャル・トークが行われる。4月29日には須藤を講師に迎え、色とりどりの布地の中から好きな色と柄を自由に組み合わせ、世界に一つだけのミニこいのぼりを作るワークショップも開催される。プログラムは同じ内容で2回行われ、第1回は13時から14時15分、第2回は14時45分から16時まで。須藤玲子+アドリアン・ガルデール《こいのぼり》2008年 ジョン・F・ケネディ舞台芸術センター展示風景その他、本インスタレーションにサウンドを提供するソフトパッド(Softpad)による「アートナイト2018」に合わせたスペシャル・プログラムを5月26日に開催予定。詳細は、ホームページ()にて。色とりどりのこいのぼりが生み出す「なう!」な空間を楽しんでみては?【イベント情報】こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション会期:4月11日~5月28日会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00〜18:00(毎週金・土、4月28日~5月6日は20:00まで。5月26日は「六本木アートナイト2018」開催に伴い22:00まで開館。入場は閉館の30分前まで)料金:無料休館日:火曜日(5月1日は開館)
2018年04月18日「ルーベンス展ーバロックの誕生」が、2018年10月16日(火)から2019年1月20日(日)まで上野・国立西洋美術館にて開催される。「ルーベンス展ーバロックの誕生」は、バロック様式が栄えた17世紀ヨーロッパを代表する画家、ペーテル・パウル・ルーベンスの作品を展示する。また本展は、彼の作品に大きな影響を与えたといわれる"イタリア美術"との関わり合いにもフォーカス。古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そして同時代以降のイタリア・バロックの芸術家たちの作品が併せて展示され、ルーベンスがイタリアのバロック美術から何を学んだのか、また、その後のイタリア美術界にどのような影響を与えたのかを、作品を通して感じることができるのだ。ルーベンス晩年の裸婦表現に大きな影響を与えたティツアーノ作品の模写である《毛皮をまとった婦人像》をはじめ、愛娘を描いた肖像画《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》や、多くの描き直しが見られ構成に注力したであろう《パエトンの墜落》など数多くの作品が来日。作品は「1章 ルーベンスによる古代美術とイタリア美術の学習」から「7章 神話の叙述」までの全7章構成で展示される。イタリア芸術家の作品とともにジャンルごとの細分化をすることで、ルーベンス作品のルーツから表現の幅広さ、宗教画などテーマ性の強い作品においての彼の考え方などを分かりやすく紹介している。さらに、日本ではアニメ『フランダースの犬』で一躍有名となった聖母大聖堂の《キリスト昇架》、《キリスト降臨》、《聖母被昇天》を4Kカメラで撮影し、原寸大に近い大きさで展示。国立西洋美術館内ロビーにてネロとパトラッシュが最期に見た景色を完全再現する。【詳細】「ルーベンス展ーバロックの誕生」開催期間:2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)開催場所:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7開館時間:9:30〜17:30(金曜、土曜日は20:00まで。ただし11/17は17:30まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし12/24、1/14は開館)、12/28~1/1、1/15チケット:当日券 一般 1,600円(1,400円)/大学生 1,200円(1,000円)/高校生 800円(600円)※()内は団体料金(20名以上)※中学生以下無料※心身に障害のある人とその付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳を提示)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年04月15日横山大観(1868~1958)は、東京美術学校に学び、師匠の岡倉天心とともに同校を去り、日本美術院を設立。新たな時代における新たな絵画の創出を目指しました。西洋から、さまざまな物や情報が押し寄せる時代に、日本の海外の伝統的な技法を継承しつつ、時に改変を試み、主題についても従来のお定型を軽々と脱してみせたのです。やがてこうした手法はさらに広がりをみせ、自在な画風と深い精神性をそなえた大作を生み出しました。本展では、明治、大正、昭和の3期に分けて、大観の作品を展示し、その特徴を振り返ることにしました。本展の見どころ40メートルを超える日本一長い画巻『生々流転』を一挙公開絢爛豪華『夜桜』『紅葉』の同時展示が実現します100年ぶりに発見さえた『白衣観音』『彗星』など新出作品を公開1章「明治」の大観東京美術学校の第一期生として、絵筆をにぎった横山大観は、校長の岡倉天心の指導のもと、新しい時代の絵画に取り組みました。理想や概念を絵にする「理想画」、輪郭線を描かずに絵画を組み立てる「朦朧(もうろう)体」を試みました。この時期、親友で早世した菱田春草と行動を共にしていました。菱田と比較して、一つのことを突き詰めるのが不得手でしたが、さまざまな表現に同時に挑戦することができるバイタリティをもっていました。それゆえ大観の方に、時代を先どりした作品、斬新で突飛にも感じられる主題を描いています。「白衣観音」1908年 個人蔵2章「大正」の大観1913年(大正2年)に岡倉天心が亡くなり、翌年有名無実化していた日本美術院を再興し、若手を率いる立場になりました。明治には、いわゆる「朦朧体」が批評界に受け入れられず、いたずらに新奇をてらうと低評価をされた大観でしたが、大正期には、東洋の伝統に新しい感覚を吹き込む実力者と高い評価が定着していきました。この時期の作品には、中国の水墨画、琳派、やまと絵など伝統的な技法や構図の影響が明確にうかがえます。自身の作品を装飾的な彩色画と水墨画に二分化し、それぞれに古画に学んだ成果を発揮しました。「群青富士」(右隻)1917頃 静岡県立美術館蔵 東京展:7月13日〜5月6日京都展:7月3日〜7月22日重要文化財「生々流転」(部分)1923年東京国立近代美術館蔵京都展は巻き替えあり3章「昭和」の大観この時期、「東の大観、西の栖鳳」と、京都の竹内栖鳳と並んで、画壇を代表する画家になっていました。大観と言えば、誰もがこの時期に生み出された作品を思い浮かべるのです。昭和の戦前から戦中、戦後の作品を紹介します。「夜桜」(左隻)1929年大倉集古館蔵東京展:5月8日〜5月27日京都展:6月8日〜7月1日開催概要東京展会期:2018年4月13日(金)~5月27日(日)会場:東京国立近代美術館所在地:〒102-8322東京都千代田区北の丸公園3-1お問合せ先:TEL.03-5777-8600京都展会期:2018年6月8日(金)~7月22日(日)会場:京都国立近代美術館所在地:〒606-8344京都府京都市左京区岡崎円勝寺町お問合せ先:TEL.075-761-4111横山大観プロフィール1868年(明治元年)水戸藩士酒井捨彦の長男として誕生。1878年(明治11年)明治維新で水戸藩士の身分を失った父とともに上京1885年(明治18年)東京府中学校を卒業後、私立の東京英語学校に入学。1889年(明治22年)(現東京芸術大学)を受験し、一期生に。1893年(明治26年)東京美術学校卒業後、東京美術学校助教授となる1898年(明治31年)岡倉天心とともに辞職し、日本美術院創立に参画。1903年(明治36年)インドに外遊、翌年渡米し、各地で作品を展覧。米国から欧州に渡り、各地を巡って帰国。1912年(大正元年)『大観画集』出版。1930年(昭和5年)ローマにおいて日本美術展覧会を開催。『夜桜』など出品。1937年(昭和12年)第一回文化勲章を受章。1958年(昭和33年)2月に逝去。
2018年04月13日フランスの風景画のコレクションが一堂に来日17世紀から20世紀の風景画が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。クロード・モネ《草上の昼食》1866年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.なかでも、注目は初来日となるモネの『草上の昼食』。同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。初夏の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」を体感できます。展示構成第1部「風景画の展開クロード・ロランからバルビゾン派まで」1章近代風景画の源流/2章自然への賛美第2部「印象は以後の風景画」3章大都市パリの風景/4章パリ近郊--身近な自然へのまなざし5章南へ—新たな光と風景/6章海を渡って/想像の世界宗教画の背景として描かれていた風景でしたが、17世紀のオランダにおいて「風景画」として独立したカテゴリーになります。フランスの画家たちも次第に関心をしめし、イタリアで目にした古代の移籍や旅先の風景を描くようになります。19世紀に入ると、身近な自然を愛したバルビゾン派の画家たちが人気になります。そして19世紀半ばからは「パリ大改造」が行われ、街並みが大きく変わりました。印象派の画家たちは生まれ語ったパリを歩き、都市の情景を数多く描きます。さらに鉄道網の発達にともない、郊外や南仏の風景を描き、さらには海を渡って、想像の世界へと広がりました。『庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰』ムーラン・ド・ラ・ギャレットはパリのモンマルトルにあったダンスホール。喧騒から少し離れた木陰で楽し気に語らう男女5人が描かれています。後ろ姿の女性はルノワールのお気に入りのモデル・ニ二。その後ろから顔をのぞかせているのは画家のモネです。ピエール=オーギュスト・ルノワール《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》1876年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『サント・ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め』エクス・アン・プロヴァンスの近くにあったセザンヌの家の近くから見ることができた。この山はセザンヌが主題にしたモチーフのひとつで、30点以上の油絵と多数の水彩画にしています。ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め》1905-06年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『マタモエ、孔雀のいる風景』1891年、ゴーガンはタヒチ島へ赴きます。タヒチ語のマタモエの意味は議論されてきましたが、ゴーガンはフランス語では「死」というタイトルをつけました。文明化されたヨーロッパ人としての自身の死を示していたと考えられています。ポール・ゴーガン《マタモエ、孔雀のいる風景》1892年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『馬を襲うジャガー』アンリ・ルソーの作品は熱帯のジャングルを舞台にしたものが多数あるが、実際に南国に行ったことはなく、パリの植物園でスケッチしたさまざまな植物を組み合わせて、幻想的な風景を作りあげました。アンリ・ルソー《馬を襲うジャガー》1910年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.展覧会概要会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)会場:東京都美術館企画展示室(東京・上野公園)休室日:月曜日※ただし、4月30(月)は開室開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)夜間開室:金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省お問い合わせ先:TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)大阪会場会場:国立国際美術館(大阪・中之島)会期:2018年7月21日(土)~10月14日(日)主催:国立国際美術館、朝日新聞社、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
2018年04月12日展覧会「国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」が、旧・東京国立近代美術館フィルムセンターの国立映画アーカイブにて、2018年4月17日(火)から9月23日(日)まで開催される。「旅する黒澤明」展では、世界的な映画史上の巨匠・黒澤明監督作品のポスターを、黒澤明研究家である槙田寿文の所蔵品より84点紹介。西欧諸国やアメリカをはじめ、東欧、アジア、ラテンアメリカ、中近東など世界30か国のポスターを一度に見られる貴重な展示となる。また、黒澤明監督と海外との関わりを示す資料など61点も展示し、その卓越した国際性にフォーカスを当てる。展覧会最大の目玉は、日本初展示となる、1962年の作品『七人の侍』の8枚組ポスター。西ドイツの名デザイナー、ハンス・ヒルマンによる、238×332cmにも及ぶ大作だ。また、黒澤作品として実現しなかった外国との合作映画『トラ・トラ・トラ!』のスタッフ用ジャンパーから、同じく映画化に至らなかった『黒き死の仮面』の英語脚本、各国の映画宣伝ツールであるプレスシートやロビーカードまで、レアな品々を一挙に公開。世界の視点から、黒澤明監督作品の魅力を体感することができる。【開催概要】国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより会期:2018年4月17日(火)~9月23日(日)休室日:月曜日、8月7日(火)~12日(日)、9月4日(火)~7日(金)開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)会場:国立映画アーカイブ ※旧・東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)※2018年4月1日(日)より「東京国立近代美術館フィルムセンター」から「国立映画アーカイブ」に名称を変更。住所:東京都中央区京橋3-7-6料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)/シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMAT パスポート所持者、東京国立近代美術館及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。 ※()内は20名以上の団体料金。※学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズはそれぞれ入室の際に、証明できるものを提示。※国立映画アーカイブの上映企画を観覧した当日に限り、半券の提示により団体料金を適用。※2018年5月18日(金)は、「国際博物館の日」(毎年5月18日)を記念して展示を無料閲覧できる。■トークイベント ・マンハッタンの KUROSAWA―アメリカの黒澤明事情開催日:7月21日(土) 講師:平野共余子(映画史家、元ジャパン・ソサエティ映画部門ディレクター)・展示品解説―映画ポスター史の視点から開催日:8月25日(土) 講師:岡田秀則(当館主任研究員)・クロサワはどのように世界で発見されたのか?-展示資料の読み解き方開催日:9月8日(土) 講師:槙田寿文(黒澤明研究家、本展出品者)■『生きものの記録』ダイレクトプリント上映上映日時:第1回 4月17日(火) 19:00/第2回 4月21日(土) 13:00【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年04月05日六本木の国立新美術館で開催中の『至上の印象派展ビュールレ・コレクション』に行ってきました。ルノワールやモネ、ファン・ゴッホなど誰もが知っている巨匠たちの名作をまとめて見られるゴージャス感たっぷりの展覧会、その見どころをレポートします!ハイレベルな印象派が勢ぞろい!【女子的アートナビ】vol. 104『至上の印象派展ビュールレ・コレクション』では、フランス印象派の画家たちが手がけた名作が勢ぞろい。ルノワールやセザンヌなど巨匠が描いたものでも、さまざまなタイプの作品がありますが、今回は折り紙付き。正真正銘の名画が集まる展覧会です。さらに同展では印象派に加えて、17世紀のオランダ絵画から20世紀のモダン・アートまでの作品64点を展示。その半数が日本初公開なので、見ておかないとたぶん後悔すると思われます。強奪された作品4点も来日!質の高い作品ばかりですが、これらのコレクションはすべてドイツ生まれの実業家、エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890~1956)がひとりで集めたもの。大学で美術史などを学び芸術に造詣が深かった彼は、スイスに移住したあと絵画の収集を開始。特に第二次世界大戦後は毎年100点ほどの作品を購入した時期もあり、どんどんコレクションを増やしていったそうです。プレス内覧会では、ビュールレ氏の孫で、E.G.ビュールレ・コレクション財団理事長のクリスチャン・ビュールレさんが出席。そのスピーチで、約10年前に起きた絵画強奪事件について触れました。2008年、ビュールレ氏の個人美術館に武装した強盗が押し入り、セザンヌ、ドガ、ファン・ゴッホ、モネの名画4点を強奪。そのうち2点はすぐに発見されたものの、残りの2点は2012年になってからベオグラードで見つかりました。この事件により、警備上の理由から美術館を閉館することを余儀なくされ、作品は2020年に完成するチューリヒ美術館の新館に移管することに決定。それまでの間、世界各都市で展覧会を開催することになったそうです。日本の展覧会では事件で盗まれた4点の名画すべてが展示されるため、ビュールレさんは「孫である私にとっても忘れられない展示になる」と感慨深げに語っていました。“美しすぎる少女” は必見!それでは、見どころをご紹介していきます。まずは、展覧会のメインヴィジュアルにもなっている必見作品《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》。ピエール=オーギュスト・ルノワールが初期のころに描いた油彩画です。モデルは、裕福なユダヤ人銀行家、カーン・ダンヴェール伯爵の長女イレーヌちゃん。当時8歳だったそうです。E.G.ビュールレ財団館長のグルーアさんによると、ビュールレ氏は1949年にイレーヌさん本人からこの絵を購入したとのこと。すでに77歳になっていた彼女は、作品がビュールレ・コレクションに加わることを喜んでいたそうです。ここからは個人的な感想ですが、ビュールレ氏は工作機械、つまり武器製造で富を築き上げた人で、戦時中はナチス・ドイツも取引相手でした。大戦を生き抜いた絵のモデル、イレーヌさんはユダヤ人であったため、当時相当な苦労をしたことは想像に難くありません。実際、彼女の娘さんは強制収容所で亡くなっています。しかも、イレーヌさんの肖像画は当時その娘さんが所有していたため、ナチス・ドイツにより略奪されてしまいました。戦後はイレーヌさんの元に戻されましたが、そんな経緯を知ると、名画の持つ数奇な運命に複雑な思いを抱かずにはいられません。盗まれたセザンヌも展示!また、ポール・セザンヌの傑作《赤いチョッキの少年》も見逃せません。セザンヌが描いた肖像画のなかでも特に有名な作品です。この貴重な絵画も2008年の強盗事件で奪われた4作品に含まれていました。2012年に同作品がセルビアで発見されたとき、グルーア館長がベオグラードまで引き取りに行ったそうです。「現地の警察本部でこの絵に再会し、そしてほとんど無傷で戻ってきたのを見たとき、いかにホッとしたか、ご想像いただけると思います」と当時の心境を話してくれました。戦争中だけでなく平和な時代でも常に略奪される危険がある名画たち。今、日本でこれらの美しい絵を見られることは一期一会のチャンスなのかもしれません。最後は美しいモネを堪能そして最後の展示室では、クロード・モネの《睡蓮の池、緑の反映》が待っています。高さ2メートル、幅4メートルほどもある大作で、画家が晩年に描いた代表作のひとつです。本作は、門外不出といわれ、スイス以外で公開されるのははじめてとのこと。しかも、撮影もOK。ぜひ記念に撮ってから帰りたいですね。ビュールレ・コレクションとして日本でまとめて鑑賞できるのは、今回の展覧会が最後のチャンス。 東京のあとは、福岡と名古屋に巡回する予定ですので、お近くの会場に足を運んでみてくださいね。Information会期:~5月7日(月)休館日:火曜日(ただし5月1日(火)は除く)時間:10:00〜18:00 ※毎週金・土曜日、4月28日(土)~5月6日(日)は午後8時まで(入場は開館の30分前まで)会場:国立新美術館企画展示室1E料金:一般 1,600円/大学生 1,200円/高校生 800円/中学生以下無料公式サイト:
2018年03月27日展覧会「ミケランジェロと理想の身体」が、2018年6月19日(火)から9月24日(月・休)まで、東京・上野の国立西洋美術館にて開催される。ミケランジェロをはじめ、ルネサンスと古代ギリシャ・ローマの芸術作品約50点集結ミケランジェロ・ブオナローティは、彫刻、絵画、建築の各分野で名をなし“神のごとき”と称されたイタリア・ルネサンスの芸術家だ。多彩な分野にわたるミケランジェロ作品の中でも注目したいのは、ミケランジェロ芸術の神髄である彫刻。「ミケランジェロと理想の身体」では、世界に約40点しか現存しないミケランジェロの大理石彫刻のうち、傑作《ダヴィデ=アポロ》が日本初公開となる。その他、ルネサンスと古代ギリシャ・ローマの大理石およびブロンズ彫刻、壁画、油彩、素描、陶器など、日本初公開を含む作品約50点が集結する。様々な切り口から男性美の表現を捉えるとともに、ミケランジェロに影響を与えた古代作品、そしてミケランジェロから影響を受けたルネサンスの作品を紹介。古代とルネサンス期における理想の身体美の表現に迫る。日本初公開 《ダヴィデ=アポロ》日本初公開となる《ダヴィデ=アポロ》は、そのモチーフが聖書の英雄ダヴィデか、ギリシャの神アポロか解釈の分かれる彫刻作品。両者とも必殺技を飛び道具としているが、作品の飛び道具の正体は明かされないままとなっている。《ダヴィデ=アポロ》に見られる身体の重心を片側にかけた体勢の「コントラポスト」は、古代ギリシャ彫刻の古典的なポーズ。しかし、重心と動きを対角線上に表現する古代の規範とは逆に、重心を置く足、動きのある腕はどちらとも左側となっている。大きく振り上げた左腕によって上半身がねじれ、前に右足を突き出して身体全体で螺旋を描く。頭から足元にかけての緩やかなS字カーブのような造形が、しなやかな美しさを表している。制作途中でミケランジェロがフィレンツェを離れ、あとに残された《ダヴィデ=アポロ》。表面に残された無数のノミ跡が、ミケランジェロの彫刻技法の秘密を物語る。「どんな石の塊も内部に彫像を秘めている。それを発見するのが彫刻家の仕事だ」と語ったミケランジェロにとって、彫られるべき内部の像は、すでに彫り出されていたのかもしれない。未完なのか、実は既に完成しているのかも、謎のままだ。詳細ミケランジェロと理想の身体会期:2018年6月19日(火)~9月24日(月・休)会場:国立西洋美術館(東京・上野公園)住所:東京都台東区上野公園7-7休館日:月曜日、7月17日(火)ただし、7月16日(月・祝)、8月13日(月)、9月17日(月・祝)、9月24日(月・休)は開館時間:9:30~17:30(金、土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで観覧料:一般 1,600(1,400)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 800(600)円、中学生以下無料※()内は前売りおよび20名以上の団体料金※前売券は2018年3月21日(水・祝)から6月18日(月)まで、展覧会公式サイト、主要プレイガイドにて販売(手数料が発生する場合あり)。国立西洋美術館では、開館日のみ、2018年6月17日(日)まで販売※心身障害者および付添者1名は無料(入館時に障害者手帳を提示)
2018年02月17日世界各地の美術館から作品を集結企画展「ルドン―秘密の花園」を開催中の「三菱一号館美術館」(東京都千代田区)内にあるミュージアムショップ「Store 1894」では、会期中ヨーロッパで見つけたこだわりのチョコレートを販売しています。2018年2月8日(木曜日)にスタートした「ルドン―秘密の花園」は、幻想的な内面世界に目を向けた特異な画業で現在も世界中の人の心を魅了するオディロン・ルドンの作品およそ90点を展示する企画展。ルドンが描いた花や植物に焦点を当てた前例のない展覧会となっており、オルセー美術館やニューヨーク近代美術館といった世界各地の美術館に収蔵されている作品を鑑賞できます。ショップのみの利用も可能「Store 1894」で販売されているチョコレートはダイアナ妃も愛したチョコレートの名店「PRESTAT(プレスタ)」のトリュフチョコ(3402円)、美しい自然に囲まれたフランス中部の小さな農家で手作りされている「CHOC’FLEUR(ショックフルール)」(756円から2592円)など。チョコレート以外にも展覧会グッズや三菱一号館美術館のオリジナルグッズを中心に、世界中から集めた上質な商品をとりそろえています。営業時間は10時から18時。美術館の鑑賞券がなくても利用可能です。企画展「ルドン―秘密の花園」ならびにチョコレートの販売は2018年5月20日(日曜日)まで。毎月第2水曜日の17時以降「アフター5女子割」で当日入館料が一律1000円となります(女性限定)。(画像はプレスリリースより)【参考】※三菱地所株式会社のプレスリリース/PR TIMES※三菱一号館美術館
2018年02月16日「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」が、2018年9月26日(水)から12月17日(月)まで、国立新美術館にて開催される。ピエール・ボナールは、19世紀末から20世紀前半にかけてフランスで活躍した画家。ゴーガンの周囲に集まった若い画家達が結成した「ナビ派」の一員であったボナールは、浮世絵の影響を受けながら躍動的かつ装飾性に富む作品を生み出し、"色彩の魔術師"、"日本かぶれのナビ"とも呼ばれている。今回の「ピエール・ボナール展」は、パリ・オルセー美術館の特別協力を得た大規模な回顧展。オルセー美術館のコレクションを中心に、140点以上の作品が集結する。絵画はもちろん素描や版画、写真など多岐にわたる作品を通じて、謎多き画家ボナールの魅力に迫る。会場ではボナールの作品をテーマ別に俯瞰できる章構成になっている。"日本かぶれのナビ"と題した章では、浮世絵のように平坦な色面構成を用いた作品や、掛け軸風の縦型作品などを通じて、日本美術がボナールに与えた影響を明らかにする。続く"ナビ派時代の版画作品"では、ボナールを一躍有名にしたリトグラフによるポスターや版画集を紹介。コダックの手持ちカメラで撮影した日常のスナップ写真から創造のプロセスを探るのは"スナップショット"。"近代の水の妖精たち"では、ボナール絵画の代名詞「浴室の裸婦」に、色彩や構図などの独自性を見出すことができる。「親密さ」をテーマに室内画を紐解く"室内と静物「時間の静止」"や、ボナールが滞在したノルマンディー地方などで描かれた風景画を紹介する"ノルマンディーやその他の風景"が続き、最後は晩年を過ごした南仏ル・カネの風景を中心に、色彩に溢れた"終わりなき夏"とも言うべき作品群で締めくくる。【詳細】オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展会期:2018年9月26日(水)~12月17日(月) ※毎週火曜休館開館時間:10:00〜18:00 ※金・土曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで会場:国立新美術館 企画展示室 1E住所:東京都港区六本木7-22-2【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2018年02月01日本邦初、巨匠ベラスケスの傑作7点が出品黄金期といえる17世紀スペインを代表するのみならず、西洋の美術史上もっとも傑出した画家のひとりであるディエゴ・ベラスケス。マドリードのプラド美術館では、彼が残したおよそ120点のうち、46点を所蔵していますが、国民的画家としての重要性から、まとまった数で貸し出される機会は極めて限られています。本展には重要作ばかり7点が出品され、日本で開催される展覧会では過去最高の作品数です。うち4点をここではご紹介します。バルタサール・カルロス(1629-46)はフェリペ4世の長男として生まれ、広大なスペイン帝国の王位後継者として国中の期待を一身に背負って育てられました。本作は、フェリペ4世がマドリード市外に作らせたブエン・レティーロ宮殿の心臓部「諸王国の間」で、両親である国王夫妻の騎馬像に挟まれて扉口の上を飾っていたものです。5-6歳の王太子は落ち着き払って指揮棒を掲げ、凛々しく馬の両前脚を高く上げて王国の未来の確かさと明るさを強調しています。しかし王太子は王位を継ぐことなく、16歳で早逝しました。背景の風景はマドリード郊外のグアダラマ山脈を描いたもので、それを描き出す流麗でよどみのない色彩、そして写実性は本作にスペイン風景画史における傑出した地位を与えています。ベラスケスの主君であり、稀代の美術コレクターとしてスペイン王室に膨大な絵画コレクションを築いたフェリペ4世(1605-65年)。トーレ・デ・ラ・パラーダの「王のギャラリー」を飾っていたこの肖像では、その場にふさわしく狩猟服を身に付け、猟銃を持ち、猟犬を従えて戸外に立つ姿で表されています。狩猟は単に王族の嗜みであっただけでなく、戦争のための訓練でもあり、その腕前は統治者の軍事的責務と力量を示すものでもありました。ベラスケスの近代性は、ここに華美な装飾や狩りの獲物などを描いていないだけでなく、像主が国王であることを示す一切の道具をも排除し、一人の男を極めて率直に、しかし威厳をもって表している点にあります。これは主にセビーリャで活躍した17世紀スペインを代表する彫刻家モンタニェース(1568-1649年)の肖像です。宮廷風の衣装に身を包んだ彫刻家は肖像を制作中に手を休め、鑑賞者の側に視線を向ける姿で表されています。線描のみで荒描きされた制作中の像は、髭の形などからフェリペ4世であることが明らかです。鑑賞者の側には肖像のモデルがいるはずの場面設定も含め、これを《ラス・メニーナス》に描かれる、ベラスケスの自画像の原型と見なすこともできます。故にこれは単なる彫刻家の肖像ではなく、彫刻が絵画同様に知的創造であり、高貴なる自由学芸の一分野であると称揚しているものと解釈されています。当時の宮廷では障害を持つ矮人や道化たちが「慰みの人々」として仕えていることが常で、ベラスケスは彼らの肖像を数多く制作しました。「バリェーカスの少年」として知られる本作の像主は、本名をフランシスコ・レスカーノと言い、王太子バルタサール・カルロスの遊び相手として宮廷に暮らした矮人でした。ここでベラスケスは堅苦しい王候の肖像画のしきたりから解放され、構図や人物のポーズ、表情などにおいて先例のない新たな試みを行っています。短い脚や大きな頭部といった特徴を大ぶりの筆致で包み隠すことなく表しながら、それでいて像主には国王や貴族と何ら変わらぬ、一人の人間としての尊厳が与えられているのです。展示概要ベラスケスが宮廷画家として活躍した当時のスペインは、他にも多くの芸術家を輩出するとともに、国王らにより未曾有の規模で芸術の擁護と収集が行われ、絵画の黄金時代が築かれました。とりわけ、ベラスケスを宮廷画家としたフェリペ4世は3000点を超える美術作品を集めたメガコレクターでした。本展は、「芸術」「知識」「神話」「宮廷」「風景」「静物」「宗教」の7つの章で構成され、スペインだけではなく、イタリアやフランドル絵画の作例を加えて、61点の油彩画と9点の資料によって、17世紀のマドリード及びスペインの国際的なアートシーンを再現します。開催概要東京展会期:2018年2月24日(土) – 5月27日(日)会場:国立西洋美術館 [東京・上野公園]〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金、土曜日は午後8時)休館日:月曜日(3/26(月)、4/30(月)は開館)主催 国立西洋美術館、プラド美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網、BS日テレ後援 スペイン大使館お問合せ:TEL.03-5777-8600 (ハローダイヤル)兵庫展会期:2018年6月13日(水) – 10月14日(日)会場:兵庫県立美術館 [神戸市]〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1HAT神戸内主催 兵庫県立美術館、プラド美術館、読売新聞社、読売テレビ後援 スペイン大使館お問合せ:TEL.078-262-0901無料観覧券を5組10名様にプレゼント
2018年01月20日開場20周年の記念シーズン真っ只中の新国立劇場。早くも来季2018/19シーズンの公演ラインアップが決定し、発表会見が開かれた(1月11日・新国立劇場)。オペラ部門では大野和士新芸術監督が登壇。施政方針ともいうべき5つの目標を掲げた。(1)レパートリーの拡充(新制作を現状の1シーズン3演目から4演目に増加)(2)日本人作曲家委嘱シリーズ(隔年)の開始(3)1幕物オペラ×2本のプロダクション《通称:ダブルビル)、あるいはバロック・オペラをシーズンごとに交代で制作(4)旬の演出家・歌手の起用(5)国内外の劇場と積極的にコラボ、東京から新たなプロダクションを発信。つまり、魅力的なレパートリーを拡充し、それを東京から世界のオペラハウスに輸出しようという構想だ。大野によれば、今後のプログラムの組み替えを考えると、現状の制作ペースではレパートリーが足りなくなるという問題がある。たとえば海外の劇場のプロダクションをレンタルする場合、契約上再演に制限があるので、今後は上演権ごと買い取って、いつでも上演可能な新国立劇場のレパートリーとすることも検討していく。大胆な大盤振る舞いのようにも聞こえるが、それによって制作コストが高騰するとは限らず、劇場の財産たる自由に上演できるレパートリーが蓄積されるプラスのほうが大きいという。海外の劇場とのコラボ構想も含めて、このあたりは、世界各地のオペラハウスで豊富な実績を持つ大野ならではの人脈とノウハウがあってこその戦略だろう。大きく期待が膨らむ。オペラ・ラインアップ(*印は新制作)10月モーツァルト《魔笛》*11月~12月 ビゼー《カルメン》12月 ヴェルディ《ファルスタッフ》1~2月 ワーグナー《タンホイザー》2月 西村朗《紫苑物語》(委嘱作品世界初演)*3月 マスネ《ウェルテル》4月 ツェムリンスキー《フィレンツェの悲劇》&プッチーニ《ジャンニ・スキッキ》*5月 モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》6月 プッチーニ《蝶々夫人》7月 プッチーニ《トゥーランドット》*大野が特に力を入れて語ったのは、日本人作曲家委嘱シリーズ第1弾の西村作品。《紫苑物語》は石川淳の小説が原作。作曲の西村、台本を担当する佐々木幹郎とともにすでに2年前から検討を重ねてきた。そして、大野が「現在世界で最も認められているオペラ演出家」と信頼を寄せる笈田ヨシを起用。《魔笛》は話題のウィリアム・ケントリッジの演出。映像を大胆に活用し、世界中で大人気のプロダクション。《フィレンツェの悲劇》《ジャンニ・スキッキ》は新機軸のダブルビル・シリーズの第一弾。《トゥーランドット》は、東京2020オリンピック・パラリンピックへ向けての東京文化会館との共同企画「オペラ夏の祭典2019-20」の一環。国と都が、文化創造でもタッグを組む。世界中の目がトーキョーに集まる2020年を、そしてその先の新国立劇場の未来を見据えて、大野体制はもう動き始めている。取材・文:宮本明
2018年01月12日1月11日、新国立劇場2018/2019シーズンのラインアップ説明会が行われ、舞踊芸術監督の大原永子、次期演劇芸術監督の小川絵梨子が、それぞれ新シーズンの方針を語った。4期目を迎える舞踊芸術監督の大原は英国ロイヤル・バレエで初演され、演出の斬新さや多様性ある振付で注目を集めた『不思議の国のアリス』をオーストラリア・バレエと共同制作のもと、日本のバレエ団として初めて上演することを発表。『くるみ割り人形』『シンデレラ』など新国立劇場を代表するような演目も並ぶ。また、新国立劇場バレエ団所属のダンサーたちの成長にも触れ、「彼らの踊りをみてほしい」と語る。さらに海外で実力をつけたダンサーたちのなかにも、この劇場に立ちたいと熱望している人々がいることを明かし、「20年の歴史は海外のナショナルバレエ団に比べると浅いけれども、一生懸命走って追いつこうとしている」と話した。30代にして演劇芸術監督に就任した小川は「幅広い観客層に演劇を届ける」「演劇システムの実験と開拓」国内外の作り手との交流による「横の繋がり」を方針に掲げ、全キャストをオーディションで選ぶ鈴木裕美演出の「かもめ」、1年間をかけて作品を育てていく「こつこつプロジェクト」など特徴ある試みを発表。かねてよりファンだったという少年王者舘の新作公演や、同世代で信頼をおいている上村聡史演出によるギリシャ悲劇「オレステイア」の日本初演など、魅力的な演目が並ぶ。また、小川自らの芸術監督就任後初演出作品としては登場人物が3人のみのデイヴィッド・ヘアの「スカイライト」を蒼井優主演で上演することも発表された。オペラ部門の芸術監督に就任する大野和士は「オペラ、バレエ、演劇の部門を横断し、ひとつの作品をそれぞれで上演するようなこともできたら」と新たなコラボレーションが生まれる可能性を示唆。新シーズンを迎える新国立劇場に期待が募る。説明会後の演劇記者懇親会に参加した小川は「自分の任期だけでなく、50年後を見据えて長い目で取り組みたい」と表明。上演の有無さえ決めず、じっくりと時間をかけて作品と向き合う「こつこつプロジェクト」について問われると「自分も参加したいほど。私自身、千秋楽の日に“ここから稽古を始めたい”と思うことがあるんです!」と熱弁。さらに「たくさんの観客を呼べる公演と、練り上げることを第一とした公演、両極端のものをやりたい。それは決して相反するものではないとも思う」と意欲を見せた。2018/2019シーズンは10月からスタートする。取材・文/釣木文恵
2018年01月12日パリ在住の画家・イラストレーター田中麻記子が国立新美術館で開催する「20th DOMANI・明日展」の展示にあわせて、東京ミッドタウン内のイセタンサローネ(ISETAN SALONE)とファビオルスコーニ / ハイブリッジ ショーケース(FABIO RUSCONI / HB Show-case)で作品展を同時開催する。イセタンサローネでは、“Les filles(れ ふぃいゆ)” をテーマに、さまざまなファッションに身を包んだ少女たちを表現。彼女が描く愛らしい独創的な世界観を、木のぬくもりに触れながらモダンな和の空間で楽しむことが出来る。また、FASHION HEADLINEで連載中の12星座占いの原画も展示予定だ。les filles de matin ©︎Makiko Tanakaファビオルスコーニ / ハイブリッジ ショーケースでは、アートな旅コスメ「サンクセンス(CINQ SENS)」が、アート×コスメをテーマにした“Bon Voyage! ~旅するコスメ~”を開催する。「サンクセンス」は、乾燥などが気になる機内で、頭の先から足先まで全身ケアすることが出来る美容セット。そのパッケージやオリジナルポーチのメインビジュアを田中麻記子が描き下ろしている。会場では、同美容セットの販売と彼女の新作を展示する。サンクセンス(CINQ SENS)/ 全5点入り 6,300円セット内容:CINQ SENS ハイドロゲルマスク、CINQ SENS モイスチャージェルuruotte ハーバルエッセンス優、オリジナルポーチ、機内美容のススメ(BOOK)国立新美術館から徒歩で10分ほどの東京ミッドタウン。アートを巡る1日として田中麻記子の世界を堪能してみてはいかがだろうか? >> 【INTERVIEW】パリの多国籍な食文化に触発される、画家・イラストレーター田中麻記子が創造する世界【展覧会情報】■「20th DOMANI・明日展 文化庁新進芸術家海外研修制度の成果 寄留者(パサジェ)の記憶」会期:2018年1月13日~3月4日会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00~18:00(最終入場17:30、毎週金曜日と土曜日は20:00まで)料金:一般1,000円、大学生500円(高校生、18歳未満および障がい者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料)休館日:毎週火曜日--アーティスト・トーク--「パリー現実と幻想のはざまで」会期:2018年1月21日時間:11:00〜田中麻記子とアートプロデューサー、ライターの住吉智恵がパリでの制作や生活についてスライドを使用してトークを繰り広げる。■「"Les filles "」会期:2018年1月13日~1月28日会場:イセタンサローネ 2階特設会場住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア1・2階 入場無料■「“Bon Voyage! ~旅するコスメ~”」会期:2018年1月13日~1月21日会場:FABIO RUSCONI/HB Show-case住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア2階入場無料
2018年01月06日眺望抜群の梅田スカイビル27階に誕生した絹谷幸二 天空美術館。世界初の試みである絵の中に飛び込むという、大迫力の3D映像が体験できる美術館だ。開館1周年を迎えた話題のスポットでの、ひと味違うアート体験をご紹介。「絹谷幸二 天空美術館」チケット情報絹谷幸二は、東京藝術大学大学院壁画科修了後にイタリアへ留学し、アフレスコ(壁画の古典技法)による色彩豊かな画風を確立。生きる喜びを高らかに謳いあげるような、エネルギーに満ち溢れた作品は多くの人に支持されている。静かに鑑賞するのではなく、まるで絵画を体験するかのような展示方法を採っているのが、絹谷幸二 天空美術館の魅力。感想を語り合いながら展示を楽しみたいカップルや家族連れにピッタリのアートスポットだ。目玉は幅約14m、高さ約3mの大型スクリーンに絹谷ワールドを再構築した3D映像体験。入場時に渡される3Dメガネをかけてスクリーンを眺めると、音楽とともに絵画の中に入り込むバーチャルツアーがスタート。体をくねらせ空を舞う龍、迫りくる風神雷神、舞い散る紅葉や桜吹雪が、まさに眼前に飛び込んでくる。ここでは、歓声をあげるのも、絵をつかもうと体を動かすのも、鑑賞者の自由。テーマパークのアトラクションのようなワクワクを、心のままに体験してほしい。3D映像を楽しんだ後は、展示ゾーンへ進もう。展示ゾーン「青」には、若き日の留学先・イタリアを描いた作品が並ぶ。壁画の表面を剥がして移し替える「ストラッポ技法」により展示された大作もあり、その大きさに圧倒されること間違いなし。ルネッサンスの巨匠へのオマージュ作品は、どの絵がモチーフになっているのかを語りあうのも楽しい。展示ゾーン「赤」は、富士山や古事記など東洋がテーマの作品が中心。風神雷神をモチーフに現代文明への警鐘を込めた『黄金背景富嶽旭日・風神・雷神』は必見だ。梅田スカイビルの27階というロケーションを生かした「天空ギャラリー」「天空カフェ」からの眺望も、こちらの美術館の魅力。オススメは、夕暮れどき。大阪湾に夕日が沈みゆき、空一面が茜色に染まる瞬間は、筆舌に尽くしがたい美しさだ。「天空カフェ」の窓側にはカップルシートも。絵画にちなんだ色鮮やかなイタリアンソーダやコーヒーなどを楽しみながら、ゆっくりと過ごそう。開館1周年を記念し、3月26日(月)まで特別展示「歓喜あふれる時~歌・食・食、そして藝術~」を開催中。イタリアの人生観「愛して歌って食べる」という喜びを表現した心躍る作品を展示する。お得な割引入館引換券はチケットぴあにて発売中。休館日は火曜日(祝日の場合は開館、翌平日が休館)。12月30日(土)~1月3日(水)、展示替え期間は特別休館。文:上田亜矢
2017年12月27日東京国立近代美術館フィルムセンターにて、シリーズで企画された展覧会「ポスターでみる映画史」の第3回目となる「SF・怪獣映画の世界」が、2018年1月4日より開催される。第1回の「西部劇の世界」、第2回の「ミュージカル映画の世界」に続き、第3回目の開催となる今回はフィルムセンター所蔵の日本版ポスターを中心に、SF・怪獣映画の系譜をたどる。宇宙への旅、時間の超越、地球の破滅、信じられない未来など、尽きることのない人間の想像力が、映画においてもっとも自在に発揮されてきた、サイエンス・フィクション(SF)という分野。私たちの現実をはるかに凌駕する、そのストーリーや映像表現は、今も世界の観客に圧倒的なインパクトを与え続けている。『スター・ウォーズ(スター・ウォーズ エピソード 4 新たなる希望)』(1977 年、日本公開 1978 年、ジョージ・ルーカス監督)フィルムセンターのコレクションを中心に、傍流からやがてメインストリームの地位を得た壮大なジャンルを取り上げる。『メトロポリス』や『キング・コング』といった古典作品から、1954年の『ゴジラ』の第一作以来、特撮技術の粋をつぎ込み、海外にも熱狂的なファンを生んだ日本の怪獣映画たち。そして、1960年代以降のスタンリー・キューブリック監督ら新世代の台頭、全世界を席巻した『スター・ウォーズ』シリーズ以降のSF映画の黄金期など、このジャンルの豊かな系譜をたどることができる。また、会期中には3回にわたりトークイベントも開催。1月13日はSF評論家の高橋良平を招いた「SF文学からみたSF映画の風景」、2月10日は評論家の切通理作による「日本の怪獣映画 ― 本多猪四郎から現代・未来へ」、3月24日には映画美術監督の三池敏夫を講師に「特撮映画の美術 ― 井上泰幸の時代」を行う。なお、詳細は後日ウェブサイト()にて発表。壮大なポスター・デザインに込められた、イマジネーションの飛躍を童心に返って楽しんでみては。【イベント情報】ポスターでみる映画史 Part 3 SF・怪獣映画の世界会期:2018年1月4日〜3月25日会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)時間:11:00〜18:30(入室は18:00まで)料金:一般250円、大学生130円(シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者、MOMATパスポート所持、キャンパスメンバーズは無料)休室日:月曜日
2017年12月20日