国立新美術館では、2018年1月13日から3月4日まで「20th DOMANI・明日展」を開催する。田中 麻記子《Unagiya》2017中谷 ミチコ《あの山にカラスがいる》2017 photo:Hayato Wakabayashi文化庁が1967年度から実施している、若手芸術家が海外の大学や関係機関等で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(旧・芸術家在外研修)」の成果発表の機会として、1998年から開始された「DOMANI・明日展」は開催20回目を迎える。今回は「寄留者(パサジェ)の記憶(memories of “passagers”)」をサブタイトルに、研修を終えて比較的時間の浅いフレッシュな作家をラインアップし、国立新美術館の豊かな空間を生かしたショウケースを披露。出品作家は雨宮庸介、猪瀬直哉、田中麻記子、中谷ミチコ、中村裕太、西尾美也、増田佳江、mamoru、三宅砂織、盛圭太、やんツーの11名で、研修後も海外ベースでの活動を続ける作家も含め、自らの生活圏を離れて「寄留者(一時的な滞在者)」となった経験が浮かび上がる。増田 佳江《Untitled》2015 photo:木暮 伸也なお、開催第20回目を記念した出品作家やゲストによるトークイベントも開催。1月13日は11時から増田佳江による「アーティスト・トーク vol.1」、14時から岩崎貴宏と鷲田めるろによる「在研からヴェネツィア・ビエンナーレ2017までの10年」、16時30分からmamoruによる「協想のためのレクチャー」を、14日は11時から猪瀬直哉による「美術教育とは-制作とは-シーンとは」、盛圭太と建畠晢による「在仏14年。盛圭太って、何者だ!?」を、21日は11時から田中麻記子と住吉智恵による「パリー現実と幻想のはざまで」、27日は14時から中村裕太と小林孝亘による「アジア・パシフィック圏と日本を行き来すること」を行う。2月3日の14時から雨宮庸介、円城塔、黒嵜想による「小 説 も、奇 なり(ふうけい、こえ、あすという みらいは ふぃくしょんか)」、10日は14時から西尾美也と小沢剛による「美術表現によるアフリカへの創造的アプローチ」、16時30分から三宅砂織と住友文彦による「影、まなざし、複数性-絵画と写真と版画のはざまで-」、12日は14時から森大志郎、内田伸一、見増勇介による「美術の現場でいまデザイン・編集にできること」、17日は14時から中谷ミチコと棚田康司による「具象彫刻/在り方の可能性―現れる私」、24日の14時からやんツー、中ザワヒデキ、小林桂子による「創造と鑑賞/人工知能と芸術」を行う。トークイベントはいずれも国立新美術館 企画展示室2Eの入口特設会場にて、各回60から90分間で参加費は無料。詳細は随時、公式ウェブサイト()にて発表する。【展覧会情報】20th DOMANI・明日展 文化庁新進芸術家海外研修制度の成果 寄留者(パサジェ)の記憶会期:2018年1月13日〜3月4日会場:国立新美術館 企画展示室2E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00~18:00(最終入場17:30、毎週金曜日と土曜日は20:00まで)料金:一般1,000円、大学生500円(高校生、18歳未満および障がい者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料)休館日:毎週火曜日
2017年12月20日漫画家・荒木飛呂彦の原画展「荒木飛呂彦原画展JOJO冒険の波紋」が、2018年8月24日(金)から10月1日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館にて開催される。また、11月25日(日)から、大阪文化会館・天保山での巡回展が決定。大阪で「ジョジョの奇妙な冒険」の展覧会を開催するのは今回が初となる。ジョジョ誕生30周年のラストを飾る大型原画展漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズで知られる、漫画家・荒木飛呂彦。今回開催される展覧会は、ジョジョ誕生30周年のラストを飾る大型企画。これまでの歴史の集大成であり、史上最大規模の原画展となる。なお、国立美術館で開催される漫画家の個展としては、手塚治虫以来実に28年ぶりであり、史上2人目という快挙だ。荒木飛呂彦は開催発表と同時に公開された直筆メッセージにて「JOJOが目指して描くものはこの世のあらゆる現象、そして善と悪の闘いを通しての『精神の成長』であります。今回の原画展では、そのキャラクターたちと守り神たちが、同じ時刻、同じ場所に会するイメージ」と、本展の世界観についてコメントしている。展覧会の見どころ - 完全新作”等身大”のキャラクター原画展覧会は、全8チャプターで構成。最も注目すべきは完全新作の"等身大"のキャラクターを描いた大型原画だろう。以下、会場の順路に沿って、展覧会の見どころを紹介する。CHAPTER 1「ジョジョクロニクル」作品誕生から30年の歴史と歩みが詰まった「ジョジョクロニクル」。主人公や舞台を変えながらも、脈々と受け継がれる歴代ジョジョ達の壮大な運命の物語を振り返る。CHAPTER 2「宿命の星 因縁の血」宿命と因縁を背負う主人公とライバルの戦いは、『ジョジョ』作品最大の見どころの1つ。「宿命の星 因縁の血」ゾーンでは、豊富なカラー原画とともに、強い信念を感じさせる言葉やシーンを対比させることで、主人公とライバル=“光と闇”が創る世界を表現する。CHAPTER 3「スタンド使いはひかれ合う」作中において最も重要な要素の1つである“スタンド”とは、個々の生命エネルギーが作り出す像(超能力が視覚化されたもの)。“奇妙な冒険”をより引き立たせる、個性豊かなスタンドとキャラクターが「スタンド使いはひかれ合う」ゾーンに集結する。CHAPTER 4「JOJO’s Design」『ジョジョ』を彩る、魅力あふれるカラー原画が並ぶ「JOJO’s Design」は、印象的なポージングやファッション、色使い、構図など『ジョジョ』のデザインが生み出すアーティスティックな世界観を楽しむゾーン。CHAPTER 5「ハイ・ヴォルテージ」第7部までの主人公とそのライバルたちの"最高潮"の戦闘シーンを公開。己の「信念」を激しくぶつけ合う迫力のバトルシーンが目の前に蘇る。CHAPTER 6「映像展示 AURA<アウラ>」唯一の映像展示ではビジュアルデザインスタジオ「WOW」とコラボレーションし、"スタンドの起源"をテーマに、スタンド誕生の瞬間をアーティスティックに描く。大型映像で展開される美しいスタンド表現に注目だ。CHAPTER 7「大型新作原画ゾーン」最大の見どころとなるこのゾーンでは、荒木飛呂彦がこの展覧会のために書き下ろした完全新作、約2m×1.2mの大型原画全12枚を展示。12体のキャラクターとスタンドが、"実物大"で描かれており、キャラクターと同じ空間に存在しているかのうような感覚を味わうことができる。大迫力の新作原画は、この展覧会でしか見ることができない貴重な作品となっている。CHAPTER 8「ジョジョリロン」ジョジョの斬新な発想や手法、印象的なポージングはどのように生み出されるのか。漫画の"絵"としての発想や考え方に触れつつ、荒木飛呂彦の創作活動の秘密に迫る。気鋭の“JOJO派”アーティストによるコラボ作品彫刻、ファッション、映像の第一線で活躍する“JOJO派”アーティストとのコラボレーション作品は、ビジュアルデザインスタジオ「WOW」だけでなく、彫刻家の小谷 元彦、アンリアレイジデザイナーの森永 邦彦による作品も展示される。荒木飛呂彦による音声ガイドもまた、音声ガイドでは、荒木飛呂彦本人による作品解説を交えつつ、各展示コーナーの見どころをナビゲートする。オリジナルグッズも販売また、「Part 8 ジョジョリオン」のキャラクターフィギュア、「Part 7 スティール・ボール・ラン」をモチーフにしたデザインを施した名刺入れ&コインケースなどが、展覧会オリジナルグッズとして販売される。チケットは完全日時指定制展覧会チケットは、完全日時指定制で販売。先行予約チケットは、6月23日(土)10:00より販売される。オリジナルステッカーがセットになったグッズ付き先行予約チケットも同時発売されるので要チェックだ。キービジュアルも書き下ろしなお、東京会場および大阪会場のキービジュアルも、荒木飛呂彦による書き下ろし。風神雷神に着想を得たという2枚組となっており、東京会場は富士山をバックに空条承太郎を、大阪会場は彼のライバルであるディオ・ブランドーを描いている。開催概要「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」開催期間:2018年8月24日(金)〜10月1日(月)プレビューデイ:2018年8月22日(水)、8月23日(木)会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木)休館日:毎週火曜日開館時間:10:00〜18:00(毎週金・土曜日は21:00まで)※最終入場は閉館の30分前まで■大阪巡回展開始日:2018年11月25日(日)~会場:大阪文化会館・天保山住所:大阪府大阪市港区海岸通1-5-10※詳細は公式ホームページにて後日発表。チケット■先行予約券販売期間:2018年6月23日(土)10:00〜8月23日(木)23:59価格:一般 1,400円、大学生 1,000円、高校生 600円 ※全て税込。入場指定時間帯:・日・月・水・木10:00〜11:45/12:00〜13:45/14:00〜15:45/16:00〜17:30・金・土10:00〜11:45/12:00〜13:45/14:00〜15:45/16:00〜17:45/18:00〜20:30※毎週火曜日は休館日販売場所:ローソンチケット(Lコード31111)、オペレーター予約 0570-000-777(10:00〜20:00)など■グッズ付き先行予約券(オリジナルグッズ「JOJO’s Sketch Stickers(専用ケース付)」)販売期間:同上価格:6,500円(税込)入場指定時間:同上販売場所:同上■会期中販売チケット 予約券※会期中の日時指定制チケット。先行予約券、グッズ付先行予約券で完売した回の販売は行わない。販売期間:8月24日(金) 0:00〜価格:一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円 ※全て税込。入場指定時間帯:・日・月・水・木10:00〜11:45/12:00〜13:45/14:00〜15:45/16:00〜17:30・金・土10:00〜11:45/12:00〜13:45/14:00〜15:45/16:00〜17:45/18:00〜20:30※毎週火曜日は休館日販売場所:ローソンチケット(Lコード31111)、インターネット予約(、オペレーター予約 0570-000-777(10:00〜20:00)、国立新美術館内特設チケットカウンター(開館日の各日10:00~ 当日各日の販売券に余裕がある場合)■団体券・キャンパスメンバーズについて会期中、国立新美術館内特設チケットカウンターのみで販売(開館日のみ、当日分を販売)。事前に完売した回のチケット販売は行わない。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)【チケットに関する問い合わせ先】ローソンチケットTEL:0570-000-777(10:00〜20:00)
2017年12月18日東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターにて、展覧会「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」が2018年1月4日(木)から3月25日(日)まで開催される。「SF・怪獣映画の世界」は、シリーズ企画「ポスターでみる映画史」の第3弾。フィルムセンター所蔵の日本版ポスターを中心に、SFや怪獣映画のイマジネーションの系譜をたどっていく。『2001年宇宙の旅』や『時計じかけのオレンジ』など現代SF映画の開拓者 スタンリー・キューブリック監督作品から、SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」シリーズ、『ターミネーター』、『マトリックス』まで、ポスターデザインから海外SF映画のイマジネーションの進化を体系的に見ることができる。見どころのひとつ、最新作の公開も控える「スター・ウォーズ」シリーズ関連の展示では、1977年の第1作以来、エピソード6までのポスターを一挙公開。さらに、1978年に来日したルーカス監督や主演者のサイン入りポスターなど貴重な品も展示する。怪獣映画においては、新作『GODZILLA 怪獣惑星』で30作目となる「ゴジラ」シリーズにフォーカス。シリーズの中から13作のポスターを紹介し、さらに初期『ゴジラ』監督として知られる本多猪四郎の他のSF・怪獣映画作品も取り上げる。中でも注目したいのは、『モスラ』の幅約3メートルの巨大ポスターの展示だ。他にも国産SF映画についてや、SF・怪獣映画の世界に詳しい各界の専門家らのトークイベントも開催される。【詳細】展覧会「ポスターで見る映画史Part3 SF・怪獣映画の世界」会期:2018年1月4日(木)~3月25日(日)休室日:月曜日開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 7階展示室住所:東京都中央区京橋3-7-6料金:一般 250円(200円) / 大学生 130円(60円)※()内は20名以上の団体料金※シニア(65歳以上)、高校生以下及び18歳未満、障がい者とその付添者1名は証明書持参で無料<トークイベント>■1月13日(土) SF文学からみたSF映画の風景 講師:高橋良平(SF評論家)■2月10日(土) 日本の怪獣映画ー本多猪四郎から現代・未来へ 講師:切通理作(評論家)■3月24日(土) 特撮映画の美術ー井上泰幸の時代 講師:三池敏夫(映画美術監督)【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2017年12月16日「ジョジョの奇妙な冒険」誕生30周年の集大成となる大規模展「荒木飛呂彦原画展JOJO冒険の波紋」が2018年夏、東京・六本木の国立新美術館にて開催されることが決定。国立美術館で開催される漫画家の個展としては、手塚治虫以来28年ぶり2人目となる。■「週刊少年ジャンプ」で1987年から連載スタートした荒木飛呂彦氏の代表作1987年「週刊少年ジャンプ」1・2合併号から連載がスタートした「ジョジョの奇妙な冒険」。本作は読者からの絶大な支持を獲得した荒木飛呂彦氏の代表作で、現在は「ウルトラジャンプ」誌上にて第8部「ジョジョリオン」が連載中だ。「ジョジョの奇妙な冒険」あらすじジョナサン・ジョースターとディオ・ブランドーという2人の少年の出会いから始まるジョースター家の血縁と因縁を描く大河作品。荒木氏の圧倒的かつ精緻な筆致によって描かれた、力強く生きる主人公たちを中心とした数々の魅力的なキャラクター、印象的なポージングや斬新な擬音など、ほかでは見られない革新的なアイデアは多くの人の心を震わせ、愛されてきた作品だ。さらに第1部から第8部まで部ごとに主人公が代替わりしていくという独特の手法も特徴で、2012年以来、第4部までが順次テレビアニメ化。さらに今年は第4部を山崎賢人主演で実写化した話題作『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が公開された。■「ジョジョ」誕生30周年にして、国立新美術館での大規模原画展が決定そしてこの度「ジョジョ」誕生30周年の集大成として、国立新美術館での大規模原画展が決定。国立の美術館で開催される漫画家の個展としては、手塚氏以来28年ぶり2人目であり、歴史に残る画期的なこととなる。2011年に画業30周年を迎えた荒木氏は、集英社新書で「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」を上梓するなど活躍の場を広げ、25周年を迎えた12年には、7月に仙台、10月に六本木で自身初となる本格的な原画展を開催。13年6月にフィレンツェの「グッチ(GUCCI)」の工房でも原画展を開催した。14年には、「ジョジョリオン」が平成25年度(第17回)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。16年12月にシリーズは累計発行部数1億部を突破。17年8月には、仙台で2回目の原画展となる「ジョジョ展in S市杜王町2017」を開催も開催されていた。荒木氏本人の直筆のメッセージ到着!肉筆原画はもちろんのこと、さまざまな技術を駆使した展示による史上最大規模の「ジョジョの奇妙な冒険」の展覧会。荒木氏からも直筆のメッセージが寄せられた。「荒木飛呂彦原画展JOJO冒険の波紋」は2018年夏、国立新美術館・企画展示室2Eにて開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章 2017年8月4日より全国にて公開(C) 2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会 (C) LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
2017年12月15日東京国立近代美術館フィルムセンターでは、新年最初の上映企画「ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント コレクション」を、2018年1月5日(金)から25日(木)まで開催する。1989年に傘下に収めた映画スタジオのコロンビア・ピクチャーズ エンタテインメントを事業の中心に、現在もなお発展を続けるソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下SPE)。本企画は、コロンビア・ピクチャーズとSPEがこれまでに製作あるいは配給した作品のうち、2016年に東京国立近代美術館フィルムセンターに寄贈された作品を上映するものだ。上映作品は全部で17本。デヴィッド・リーン監督『戦場にかける橋』(57)、『アラビアのロレンス 完全版』(62)、マーティン・スコセッシ監督『タクシードライバー』(76)、ロブ・ライナー監督『スタンド・バイ・ミー』(86)、デヴィッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』(11)、レン・ワイズマン監督『トータル・リコール』(12)、ポール・グリーングラス監督『キャプテン・フィリップス』(13)など、50年代の不朽の名作から00年代のヒット作まで、バリエーション豊かなラインナップが上映される。【開催概要】「ソニー・ピ クチャーズ エンタテインメント コレクション」開催期間:2018年1月5日(金)〜1月25日(木)会場:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(2階)当日料金:一般 520円/高校・大学生・シニア 310円/小・中学生 100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料前売り券:2017年12月13日(水) 10:00より、チケットぴあ(Pコード:557938)にて全上映回の前売券(全席自由席・各100席分)を販売。※販売は各上映の前日23:59まで。※詳しい上映スケジュールは施設公式ウェブサイト(より<上映作品リスト>1.戦場にかける橋(161分、1957年、監:デヴィッド・リーン)2.ナバロンの要塞(156分、1961年、監:J・リー・トンプソン)3.シベールの日曜日(111分、1962年、監・脚:セルジュ・ブールギニョン)4.アラビアのロレンス完全版(227分、1962年、監:デヴィッド・リーン)5.追憶(118分、1973年、監:シドニー・ポラック)6.タクシードライバー(114分、1976年、監:マーティン・スコセッシ)7.クレイマー、クレイマー(105分、1979年、監・脚:ロバート・ベントン)8.スタンド・バイ・ミー(89分、1986年、監:ロブ・ライナー)9.おとなのけんか(80分、2011年、監・脚:ロマン・ポランスキー)10.ドラゴン・タトゥーの女(158分、2011年、監:デヴィッド・フィンチャー)11.トータル・リコール(118分、2012年、監:レン・ワイズマン)12.アフター・アース(100分、2013年、監・脚:M・ナイト・シャマラン)13.ホワイトハウス・ダウン(132分、2013年、監:ローランド・エメリッヒ)14.キャプテン・フィリップス(134分、2013年、監:ポール・グリーングラス)15.ロボコップ(117分、2014年、監:ジョゼ・パジーリャ)16.NY心霊捜査官(118分、2014年、監・脚:スコット・デリクソン)17.イコライザー(132分、2014、監:アントワン・フークア)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年12月10日東京国立近代美術館フィルムセンターは「日本におけるチェコ文化年2017 チェコ映画の全貌」を開催する。会期は2017年11月28日(火)から12月24日(日)まで。本企画は12月に京都国立近代美術館、2月に福岡市総合図書館 映像ホール・シネラを巡回する。日本とチェコ共和国の国交回復60周年を記念し、様々な文化イベントが企画されている本年。日本で過去最大規模のチェコ映画特集が東京国立近代美術館フィルムセンターで開催される。無声映画期から1970年代までの、映画史に名を残す優れた作品がセレクトされた。すべて日本語字幕付きで、また無声映画作品は2回ある上映のうち1回をピアノ伴奏と共に楽しむことができる。26本中18本が日本で初めて上映される今回の企画。初上映作品のなかでも注目の作品をピックアップして紹介する。ピアノ伴奏と共に世界観を味わう無声映画『エロティコン』映画史上初とされるヌードシーンが登場する『春の調べ』(1933)で世界的に知られる名匠グスタフ・マハティー監督。彼が同作に先立ち発表した、性と欲望についての探究『エロティコン』が日本初上映となる。アンドレアは絶望を乗り越えて幸せな結婚生活を送るが、過去に自分を棄てた男と再会してしまう…。同時代の多種多様な映画スタイルを駆使して人物の心理を掘り下げた傑作。12月2日(土)16:30からの上映回では、ピアノ伴奏と共に映画の世界観を味わうことができる。カンヌ映画祭受賞作品『すべての善良なる同胞』1950年代、60年代にチェコ映画界を牽引したヴォイチェフ・ヤスニー監督の、カンヌ映画祭監督賞受賞作品『すべての善良なる同胞』。政治的な抑圧に対抗し自由を描いたことで国際的評価を得た「チェコ・ヌーヴェルヴァーグ」を代表する名作だ。戦後のチェコスロヴァキア映画を代表する名優ヴラスチミル・ブロツキーが主演を飾る。チェコの東部モラヴィア地方の農村に暮らす人々の13年以上にわたる運命のドラマが、ユーモアや皮肉を交えつつ、詩情豊かに描かれる。トリック撮影を多用したスクールコメディ『ほうきに乗った女の子』全篇にトリック撮影を多用した1970年代のファンタジー喜劇『ほうきに乗った女の子』。魔法学校に通う女の子サクサナに、300年の居残りが命じられる。その放課後、人間界に44時間居られる魔法を使って逃亡した彼女は、青年ホンザらと触れ合いながら、善悪や現実など多くのことを学んでいく。サクサナが引き起こす珍騒動を主軸にストーリーが展開する、快活なスクールコメディだ。その他にも労働者階級の苦しみと希望を描きヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞した『サイレン』や、『ウェスト・サイド物語』(1961)に影響を受けて作られた大ヒットミュージカル『ホップ・サイド・ストーリー』など26作品を上映。20世紀に激動の歴史を歩んできたチェコ。その渦中に生きた映画人たちの、自由奔放な想像力や鋭い社会風刺に満ちた名作の数々に出会うことができる。【詳細】会期:2017年11月28日(火)~12月24日(日) ※月曜休館場所:東京国立近代美術館フィルムセンター 大ホール(2階)住所:東京都中央区京橋 3-7-6TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル 8:00~22:00)定員:310名(各回入替制)※ピアノ伴奏付きのプログラムは299席、各回の開映後の入場不可料金:一般520円、高校・大学生・シニア310円、小・中学生100円、障害者(付添者は原則1名まで)・キャンパスメンバーズは無料※ピアノ伴奏付き上映の回 一般1,050円、高校・大学生・シニア840円、小・中学生600円、障害者(付添者は原則1名まで)は無料、キャンパスメンバーズ料金あり(教職員500円、学生400円)巡回上映情報・京都国立近代美術館会期:2017年12月1日(金)、2日(土)・福岡市総合図書館 映像ホール・シネラ会期:2018年2月1日(木)~2月25日(日)※月曜、火曜休館
2017年11月17日東京駅丸の内口にある「行幸地下ギャラリー」にて、映画ポスターを展示する企画「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」が、2017年11月10日(金)から12月25日(月)まで、開催される。設立以来、映画のフィルムや関連資料を収集・保存してきた東京国立近代美術館フィルムセンター。「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」では、そんな所蔵資料の中から歴史的価値の高い映画ポスターが披露される。展示されるポスターは、所蔵する映画ポスターの軸となる3つのコレクションから厳選。ジャン=リュック・ゴダールやジャック・タチといった名監督を初めて日本に紹介した新外映配給株式会社のポスターコレクション“戦後期フランス映画のポスター(新外映コレクション)”と、映画資料コレクター・御園京平が生涯をかけて収集したコレクション“戦前期日本の映画ポスター(みそのコレクションほか)”、ロシア・アヴァンギャルドなどロシア映画の貴重なポスターを日本にもたらしたロシア映画研究家・袋一平のコレクション“無声期ソビエト映画のポスター(袋一平コレクション)”の3つだ。それぞれのコレクションから10点ずつ、計30点の映画ポスターが紹介される。展示形態は、デジタル画像からの出力による複製展示となっている。20世紀以降、常に人々を魅了してきた映画文化の豊かさを再発見する機会になるだろう。【詳細】「東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵 映画ポスター名品選」期間:2017年11月10日(金)~12月25日(月)会場:行幸地下ギャラリー(東京駅丸の内口) ※地下の歩行者専用道路に沿ったガラスショーケース内【問い合わせ先】03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年11月09日日本の建築を支えた、安藤忠雄作品の集大成世界的な建築家として美術館や協会の建築に携わってきた安藤忠雄。今回の企画展では、作品だけでなく安藤忠雄という人物に深く迫るための展示が数々なされています。プロローグでは、安藤忠雄が建築家となる前の人生に迫り、類稀なる表現力・感性にまでスポットライトを当てました。また、その後は建築作品ごとに焦点を移し、特徴的な作品となる住宅や代表作品としても知られる教会、さらに現代的な建築で沸いた都市建築の数々をまとめてご紹介しています。計89のプロジェクト、270の作品が集結する「安藤忠雄展」。安藤忠雄の生み出した世界観、表現、挑戦……建築を通して多くのことを伝えてくれる作品に出会うことで、時代を超えたメッセージに出会うことができます。代表作『光の教会』は原寸大で再現されて登場安藤忠雄は日本人ならば馴染みの深い作品を数多く残していますが、その中でも特徴的な作品として『光の教会』が挙げられます。1989年に大阪府茨木市に建てられた教会で、それまでの教会とは全く異なった洗練さで一躍人気となりました。教会の正面から差し込む光は美しく、変化を伴った味わい深い作品です。一連の教会作品との共通点を見出しながら、ひとつずつお楽しみください。写真はすべて Ⓒ安藤忠雄展2017文/鈴木しのイベント情報イベント名:安藤忠雄展-挑戦-催行期間:2017年09月27日 〜 2017年12月18日住所:東京都港区六本木7-22-2電話番号:03-5777-8600
2017年10月31日大人気のアーティスト、草間彌生さんの個人美術館が東京・新宿に新しくオープンしました。草間さんの世界にひたれる空間ってどんな感じなのでしょう?プレスプレビューを取材してきましたので、レポートします!開館記念展スタート!【女子的アートナビ】vol. 8710月1日に開館した草間彌生美術館では、年に2回のペースで展覧会を開催。草間さんのさまざまなアートを毎年楽しめるようになっています。こけら落としとなる開館記念展『創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき』では、最新絵画シリーズ《わが永遠の魂》を中心に構成。今展のために作られたというインスタレーション作品も展示されています。まずは、外観からご紹介。真っ白な建物が美術館です。場所は新宿区弁天町の住宅街。最寄り駅は、都営地下鉄大江戸線の「牛込柳町」駅ですが、東京メトロ東西線の「早稲田」駅からも行くことができます。こちらは入り口付近の写真。1階のガラス部分には、草間さんの水玉模様がデザインされています。細長い美術館で、中に入るとワンフロアは比較的コンパクト。展示室には階段で上がっていきます。まずはモノクロの世界へ!最初の展示室では、モノクロの連作「愛はとこしえ」シリーズの27点を見ることができます。これらの作品は、2007年から3年間で描いたドローイングを版画にした連作。黒のマーカーペンを使いフリーハンドで描いた画面には、おなじみの水玉模様をはじめ、抽象的な形が繰り返し出てきたり、細かい線がびっしりと描かれていたりして、モノクロの草間ワールドを楽しめます。3階はとってもカラフル!続いて3階の展示室に行くと、一転して鮮やかな世界が広がっています。こちらは2009年から手がけ、現在も制作を続けられている大型の連作「わが永遠の魂」シリーズ16点。1日に1点(または2日に1点)という早いペースで描かれている同シリーズは、すでに530点を超えています。2017年の春に開催された『草間彌生展―わが永遠の魂』でご覧になった人も多いと思いますが、今回の展覧会では同シリーズ最新作を初公開。新しい作品を見られるなんて、個人美術館ならではの魅力です。2分間のかぼちゃ体験♪次は4階へ。扉しか見えませんが、この部屋の中にミラールームの最新作《無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく》があるとのこと。まずは扉の前でスタッフの方から鑑賞について次のような説明を受けます。・入れ替え制で入場する・2分間限定で鑑賞する・展示物には手を触れないそして順番に数名ずつ中に入ると、スタッフが扉を閉めてストップウォッチで2分計測。時間になると扉を開ける……という手順です。閉じ込められる感があってちょっとドキドキ。こちらが展示室内の写真。密室の中に無数の水玉かぼちゃが鎮座しています。鏡の反射や照明の効果でかぼちゃがどんどん増殖していくように見えて、ちょっと怖い感じ……。体感型のインスタレーションであるミラールームは、草間さんの代表的な作品シリーズのひとつ。これまで松本市美術館などいくつかの場所で違うパターンのミラールームを体験したことがありますが、私的には今回のかぼちゃが一番インパクト大でした。最後の5階は資料閲覧スペース。そこから続く屋上ギャラリーでは新作の巨大かぼちゃ作品《Starry Pumpkin》を見ることができます。トイレも必見!展示作品のほかに、ぜひ見ていただきたいのがエレベーターとトイレ。どちらにも赤い水玉がいっぱいデザインされていて、小さなミラールーム状態になっています。特にトイレは自分ひとりで贅沢に草間ワールドを体感できるので超オススメです(でもトイレの数が少ないので、あまり長居しすぎないようにしてくださいね)。最後は1階のショップでお土産もチェック。美術館限定のクッキーや水玉グッズなど記念に買って帰りましょう。なお、この美術館は日時指定の予約・定員制となっています。詳しくは公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information会期:~2018年2月25日(日)※開館日は木・金・土・日曜および国民の祝日(月~水、12月25日〜1月17日は休館)時間:11:00〜17:00※1日4回(各回定員50人・90分の入れ替え制)のチケット事前購入制①11:00〜12:30(11:30までに入場)、②12:30〜14:00(13:00までに入場)、③14:00〜15:30 (14:30までに入場)、④15:30〜17:00(16:00までに入場)会場:草間彌生美術館料金:一般 1000円 / 小中高生 600円
2017年10月13日建築家、安藤忠雄の半世紀に及ぶ活動に迫る「安藤忠雄展ー挑戦ー」が、東京・六本木の国立新美術館にて9月27日から12月18日まで開催している。26日、プレス向けの内覧会と安藤によるギャラリートークが行われた。元ボクサーという異例の経歴を持つ安藤は、独学で建築を学び28歳で建築事務所を設立する。これまで、常に既成概念を打ち破るような斬新な建築作品を世に送り出してきた安藤。過去最大規模となる同展では、その半世紀に及ぶ約270点もの模型やドローイング、設計資料から89のプロジェクトを展示。「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものをつくる」「育てる」の6つのセクションに分けて紹介をしている。プロローグでは、安藤が建築家になる前に世界を旅したスケッチや、活動歴、また現在のアトリエの一部が再現されており、安藤のパーソナルな部分を垣間見ることが出来る。Section.1 「原点/住まい」“人間が住まう”という建築の原点に迫る安藤建築を象徴する、打ち放しのコンクリートや幾何学的造形、自然との共生といったキーワードからなる100を超える住宅作品を紹介。初期の代表作である「住吉の長屋」は、3軒並ぶ長屋の1軒をコンクリートハウスに建て替えた極小の建築。さまざまな賞を受賞した作品だが、この住居について安藤は「建物の真ん中に中庭があるので、雨が降ったら2階の部屋から一度外に出て傘を差してトイレに行かないといけないんですよ」とエピソードを話し周囲の笑いを誘った。Section.2 「光」光、風、自然が息づく空間大阪府・茨木市の郊外につくられた礼拝堂「光の教会」が、原寸大で国立新美術館に再現された。ただのインスタレーションではなく、東京都に建設申請を出して増築したというから驚きだ。この展覧会では“建築を体験してほしい”という安藤の言葉の通り、実際に教会の礼拝堂に入ることが出来る。コンクリートの十字架から射す柔らかい“光”、そして黒に塗られた床に映る“光”の十字架は見ものである。Section.3 「余白の空間」余白の空間をつくりだし、人が集まる場所を生み出す初期の小規模な商業建築から、私たちの暮らしに馴染みの深い「東急東横線 渋谷駅」、「表参道ヒルズ」などを模型で紹介。建物に広場をもたせることで、人が集まるきっかけをつくりだした。Section.4 「場所を読む」その場所にしかできない建築大自然に息づくそこにしかない芸術を求めて、住民約2,500人の島に毎年45万人もの観光客が訪れる直島。同セクションでは、「直島プロジェクト」の空間インスタレーションを中心に紹介している。木片が積まれた島に、ベネッセハウスや地中美術館を俯瞰で表現。映像とともに島の空気を体感してほしい。Section.5 「あるものを生かしてないものをつくる」歴史的建造物の再生新旧の建物が入れ子状態になる空間。国内での現実作品や、歴史的ヴェニスでの「プンタ・デラ・ドガーナ」を中心とする作品を紹介。さらに、現在パリで進行中のプロジェクトに至るまで、一挙に公開している。ギャラリートークにて「海外と比べて日本(東京)は古いものを壊してしまうことが多い。建物も人間の体と一緒でメンテナンスをすれば元の通りになる。古いものは残さないといけない。」と訴えた安藤が印象的であった。Section.6 「育てる」社会活動、建築づくり、環境再生建築づくり=環境づくりと考える安藤の思いをドキュメンタリー映像で紹介している。【展覧会情報】「安藤忠雄展―挑戦―」場所:国立新美術館 企画展示室 1E+野外展示場住所:東京都港区六本木7-22-2会期:9月27日~12月18日時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,500円、大学生1,200円、高校生800円休館日:火曜日
2017年10月03日ジャポニズムを読み解く世界初の展覧会19世紀後半、西洋の人々を魅了した浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)。その出会いからジャポニスムを読み解く、世界初の展覧会です。モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ、西洋美術の名作約200点と、北斎の錦絵約30点、版本約60冊の計90点が一堂に会する、"東西・夢の共演"。西洋の芸術家たちは北斎をどう受けとめ、新たな造形表現を生み出したのか―北斎が西洋に与えた衝撃を、あなたも実感してみませんか。ジャポニズムとは19世紀後半に、日本美術からヒントを得て、西洋の美術家や建築、音楽、文学、演劇など携わる人びとが作り上げた新しい創作活動を意味します。日本が17世紀初めから19世紀半ばまで鎖国体制を取っていたため、西洋世界と交流は限られており、西洋では日本についての情報知識が極めて少なかったため、開国とともにやってきた多くの西洋人が日本の品物を持ち帰ったり、その様子を紀行文に書いたりしました。そのことで、日本に対する関心が急速に高まったのです。同じころ、ロンドン、パリ、ウィーンなどで万国博覧会が開かれ、日本の展示が人気を博したのです。結果として、新しい表現技法を模索していた美術家たちが、日本の表現手法を取り入れ、自分たちの芸術に発展させたのだが、ジャポニズムです。葛飾北斎とは宝暦10年~嘉永2年(1760~1849)。江戸時代後期を代表する浮世絵師。『北斎漫画』に代表される絵手本などの版本、錦絵版画、肉筆画を手がける。『富嶽三十六景』は、代表作で、歌川広重と並び、江戸時代後期に、浮世絵における風景画のジャンルを確立させた。浮世絵師のなかでもとりわけ北斎が評価されたのか?西洋の人びとが見た北斎はどんな画家だったのか。彼から学んだ人びとはどんな点に注目し、どんな作品をのこしたのか。それによって西洋はどういう変化を遂げたのか。西洋の作品と北斎の作品を比べることにより、北斎の魅力を再発見し、西洋の作品のエネルギーを感じることにしましょう。共演する西洋の作家たちエドゥアール・マネ、アンリ・ランベール、クロード・モネ、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、フィンセント・ファン・ゴッホ、カミーユ・ピサロ、メアリー・カサット、ポール・ゴーガン、オディロン・ルドン、ギュスターヴ・モロー、パウル・クレー、ジョルジュ・スーラ、エミール・ガレ、ピエール・ボナール、カミーユ・クローデル、クリストファー・ドレッサー、ブロンシア・コラー=ピネル。「北斎とジャポニズム」展開催概要会期:2017年10月21日(土)~2018年1月28日(日)会場:国立西洋美術館 [東京・上野公園]〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7開館時間:午前9時30分~午後5時30分(金、土曜日は午後8時。ただし 11/18は午後5時30分まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし1/8は開館)、12/28~1/1、1/9主催:国立西洋美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網、BS日テレ特別協賛:キヤノン協賛:花王、損保ジャパン日本興亜、大日本印刷、トヨタ自動車、みずほ銀行、三菱商事お問合せ:TEL.03-5777-8600 (ハローダイヤル)ペアチケットを5組10名様にプレゼント!
2017年10月02日20周年を迎える新国立劇場に、世界的な評価を得る舞踏カンパニー「山海塾」が登場。11月に開幕する『海の賑わい 陸(オカ)の静寂―めぐり』を前に9月22日、主宰の天児牛大(あまがつうしお)が新国立劇場の舞踊芸術監督・大原永子と共に会見に出席した。山海塾「海の賑わい 陸の静寂-めぐり」チケット情報舞踏を「重力との対話」と捉え、誕生や死をテーマに作品を発表し続けてきた山海塾。設立から42年、ヨーロッパ進出から37年が経つが、新国立劇場登場は今回が初めて。大原芸術監督は以前から山海塾の評価をヨーロッパの現地の人々から耳にしていたそうで「日本人としてとても誇らしかった」と語り、新国立劇場での上演実現への感謝を口にした。今回の『めぐり』はパリ市立劇場、シンガポールのエスプラネイド・シアターズ・オン・ザ・ベイ、北九州芸術劇場との共同制作による作品であり、モチーフは“生きた化石”とも称される深海生物のウミユリ。舞台上にはウミユリを模した美術が置かれる。天児は「ツアーで海外を訪れたとき、自然史博物館に行くのが好きなんです。2億5千万年前に日本の海で繁栄していたウミユリが化石となって、いま我々と向かい合っている。“賑わい”とは生きていることの示唆であり、静寂は死した状態のこと。とてつもない時間を巡っていて、そこに不動のものはなく、常に揺れ動いているというのが私たちのベース。人、感情、希望、絶望を賑わいと静寂で対比させつつ、ひとつの作品として成立させました」と語る。7つの場面で構成され、天児を含む8人の踊り手が出演。音楽は数々の映画やTVの音楽を担当してきた加古隆、パーカッショニストのYAS-KAZ、そして山海塾の同カンパニーの活動初期から音楽制作に携わってきた吉川洋一郎の3人が担当しており、天児は「三者三様。彼らが作った音楽をどの場面で使用するかは私が決定しており、(タイプの)異なる音楽を使いながら作品を成立させています」と語った。40年以上にわたって活動し、世界的にも評価されているが、謎めいたイメージも強く、作品の制作過程などはあまり知られていない山海塾だが、天児は「テーマやタイトルはなく、稽古の最初に“今回はこういう形、方向性のものを作りたく、美術はこんな感じ”というレクチャーをします」、「稽古では基本、質問には答えるけど、質問される前に余計なことは言わない」、「稽古場には音がなく、鏡も使わない。はたから見たら何やってんのかわからない空間でしょうね(笑)」など、知られざる制作現場の一端を明かした。これまで世界46か国を回ってきたが「よくここまで続いたと思います。最初は男ばかり、白塗りの日本人ということで珍しさもあったろうけど、ここまで持続したということは、舞踊の一ジャンルとして、こういうアプローチもあると認められたのではないか」と感慨深げだった。『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』は11月25日(土)・26日(日)に東京・新国立劇場 中劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2017年09月25日ファッションや映画など多様な文化を滋養にして、美しくしなやかに生き方を主張するパリジェンヌたち。世田谷美術館で開催する『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』のキャッチコピーも「『パリジェンヌ』は流行じゃなくて、生き方です!」とある。アメリカ・ボストン美術館所蔵のマネやドガ、ルノワールなど印象派の絵画のほか、写真やイラスト、服飾資料なども展示し、多角的に“パリジェンヌ”の源泉をたどる本展。その記者発表会が9月5日、三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで行われた。【チケット情報はこちら】会見では世田谷美術館・学芸部主査の塚田美紀氏が登壇し、5つのチャプターに分けられた本展について解説。チャプター1では、ルイ14世の死去により、文化の中心がヴェルサイユから、裕福な市民のサロンがあるパリへと移行する様子を紹介。技巧を凝らしたドレスや、日本の有田焼まで取り入れたティーセットも展示される。チャプター2では、フランス革命後、19世紀に見られた女性への視線が示される。小説家として活躍するような進歩的な女性も当時は登場していたが、フラゴナールの『良き母親』に見られるように「パリジェンヌの実態というよりは、社会的に期待されたイメージ」(塚田氏)が数多く描かれた。チャプター3では、19世紀半ばにパリの街の大改造が行われたことで、市民の消費も拡大。パリジェンヌのモードが発展を遂げ、ついには世界中で注目を浴びるに至った様子が示される。サージェントの『チャールズ・E.インチズ夫人』は、パリジェンヌ風のドレスに身を包んだアメリカの女主人を描いた名作だ。続くチャプター4では、いよいよ19世紀後半にルノワールやドガら印象派の巨匠たちの作品が登場する。中でも注目は、マネの大作『街の歌い手』。今回は約70年ぶりの修復後、初の公開となる。その後も画家たちのミューズとなった多くの女性たちや、カサットやモリゾなどの女性画家、またサラ・ベルナールら女優の台頭によって、パリジェンヌの名声は高まってゆく。チャプター5では、20世紀に入ってのカルダンやバレンシアガのドレスや、踊り子のイラスト、モデルや女優の写真までを紹介。5つのチャプターをたどることで、パリジェンヌが後世の文化にいかに影響を与えたかを改めて感じられる内容になっている。本展は2018年1月13日(土)から4月1日(日)まで東京・世田谷美術館で開催。その後は4月11日(水)から6月10日(日)まで広島・広島県立美術館にも巡回予定。取材・文佐藤さくらPhotographs(C)Museum of Fine Arts, Boston
2017年09月19日10月1日(日)に2017/18シーズンの初日を迎える新国立劇場。記念すべき開場20年目のシーズンだ。その幕開けを飾るのはワーグナーの《神々の黄昏》。3年がかりで制作してきた新国立劇場の新しい『ニーベルングの指環』が、いよいよ完結する。【チケット情報はこちら】《神々の黄昏》は4部作中最長の6時間におよぶ超大作。ハーゲンの策略にはまってジークフリートは死に、彼のあとを追った妻ブリュンヒルデが、世界を支配する指環とともに炎に身を投じると、神々の世界は崩落し、すべては無に戻る。「ジークフリートの葬送行進曲」「ブリュンヒルデの自己犠牲」など、単独でも演奏される聴きどころが多数ある、『指環』全作のクライマックスだ。英雄ジークフリートを歌うのはステファン・グールド。今回の「新国リング」で、ローゲ(ラインの黄金)、ジークムント(ワルキューレ)、ジークフリートと演じてきた世界的なヘルデン(英雄)テノールが、4部作を連続制覇することになる、いわばグランドスラム。ブリュンヒルデ役には現在最も注目されるワーグナー歌手であるペトラ・ラング。新国立劇場には昨年の《ローエングリン》に続いての登場。ジークフリートの裏切りに復讐の鬼と化し、最後は神々しい自己犠牲で、悪意に満ちた『指環』の壮大な物語に終止符を打つドラマティックなヒロインを、世界最高水準で聴かせてくれる。オペラ史上屈指の悪役バス、ハーゲンには、昨年の《ワルキューレ》でフンディングを歌ったアルベルト・ペーゼンドルファーが再登場。ブリュンヒルデの異母姉妹のヴァルトラウテにも大物が起用される。現代を代表するメゾ・ソプラノ、ヴァルトラウト・マイヤー。38年間歌い続けているという同役は、彼女の輝かしいキャリアのなかでも重要なレパートリーだ。舞台は故ゲッツ・フリードリヒが1996~99年にフィンランド国立歌劇場で演出したプロダクションで、これまでの3作でもそうだったように、ワーグナーのドラマと音楽を真正面から堪能させてくれる。指揮は新国立劇場芸術監督でワーグナー演奏の第一人者・飯守泰次郎。読売日本交響楽団が初めて新国立劇場のオーケストラ・ピットに入る。4部作中で唯一登場する合唱は、もちろん新国立劇場合唱団。指環を巡る争いの悲劇に幕を降ろし、「愛の救済の動機」が未来への希望を高らかに予感させるフィナーレに向かって、役者が揃った。公演は10月1日(日)4日(水)、7日(土)、11日(水)、14日(土)、17日(火)の全6回。最終日はチケットぴあが1階席前方の中央ブロックを確保。世界有数のワーグナー歌手たちの圧倒的な歌唱と荘厳な分厚いオーケストレーションを、間近で、全身に浴びるように体感するチャンスだ!取材・文:宮本明
2017年09月15日女子的アートナビ番外編、今回はパリで超有名な美術館のひとつ、オルセー美術館の取材レポをお届けします!もとは〇〇だった!【女子的アートナビ】番外編オルセー美術館は、パリ左岸、セーヌ川沿いにあります。もとは駅だった場所を使っているので、建物や内部もちょっと独特。あとで館内の写真もお見せしますが、駅の風情も感じられるステキな空間になっています。こちらは入り口の写真。時刻は開館30分前の9時ですが、すでに人が並び始めています。現在、パリではテロ防止のため、美術館や教会等の施設に入る際、手荷物検査やボディーチェックが行われています。特に人気の美術館では、入場までに30分以上待つこともあるので、朝一番や閉館前など比較的空いている時間帯に行くと入りやすいです。空間がとってもおしゃれ♡それでは、館内に入ります!オルセー美術館はルーヴル美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)と並ぶパリ三大美術館のひとつ。主に1848年から1914年までの西洋美術作品が展示されています。1900年のパリ万博にあわせて建設された駅舎を再利用しているので、丸天井の空間がそのまま残されていて開放感たっぷり。装飾などもおしゃれです!大人気の印象派ギャラリーへ館内は3つのフロアにわかれているので、まずは最上階の5階にある印象派ギャラリーから鑑賞スタート。モネ、マネ、ルノワールやシスレー、セザンヌなどなどの超有名な作品かズラリと並んでいます!オルセー美術館の展覧会は日本でもたびたび開かれているので、何度か目にしたこともある絵画も展示されていますが、やはり現地で見るのは格別。上の写真はエドゥアール・マネの傑作《草上の昼食》です。こんな名画、なかなか日本では見ることができません!この作品は4人の男女が森の中でピクニックをしている場面を描いたものですが、男性たちはスーツにネクタイまでつけているのに、手前にいる女性はヌード。しかも現実世界にいる女性のようです。当時、ヌードは神話世界に出てくる女神を描くのが一般的だったので、この絵は「下品だ!」とかなり批判を浴びたようです。2階にはゴッホの人気作も!2階にあるゴッホとゴーガンの展示室にきました。やはりゴッホの人気は絶大!人が集まり、熱気ムンムンです。こちらはゴッホの《星月夜》。ローヌ川の左岸からガス灯がきらめくアルルの街の夜景を描いたもので、青と黄色のコントラストがとてもきれいです。画家自身も愛着を持っていた作品で、オルセーのなかでも人気作のひとつです。このほか、2階ではスーラやシニャックなど新印象派の絵画やロダンなどの彫刻、アールヌーヴォーの家具なども見ることができます。熊もヌードも見られる地上階へ!地上階に降りてきました。ここには、ロダンの弟子、フランソワ・ポンポンの彫刻《白熊》があります。シンプルな造形なのに、すごい熊っぽくて愛らしさ満点!来館者にも大人気の作品です。こちらはマネの《オランピア》。古典的な絵画の構図をまねていますが、横たわる女性は現実世界の娼婦として描かれています。先ほどご紹介した《草上の昼食》と同じく、この絵も当時は大ブーイングを受けたそう。これらの問題作品も、今では近代絵画の傑作といわれています。私はマネが好きなので、ご紹介作品が偏ってしまいましたが、オルセー美術館にはほかにもクールベやナビ派、ロートレックの絵画などまだまだ多くのすばらしい作品があります。館内にはおしゃれなカフェやレストランもあるので、休憩しながら丸一日滞在するのがおすすめです。ミュージアムショップもすごい!ミュージアムショップは美術館を出たところにあります。オルセー美術館の所蔵作品をモチーフにしたステーショナリーや食器、スカーフなどがいっぱい!思わず買ってしまったのが、ポンポンの《白熊》ミニチュア版。小さくてもかわいい!ゴッホの《星月夜》がプリントされたマイクロファイバーも入手。発色がきれいです。夕刻、美術館を出ると、入り口にはまだ人が並んでいました。ふだんは18時閉館ですが、木曜日だけは21時45分までOK。なので、木曜夜に訪れると入りやすいかもしれません。オルセー美術館は作品だけでなく、駅舎を利用した建物も、レストランのランチもショップのグッズも何もかもがステキでした。パリに行く機会があったら、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!※本記事の写真はオルセー美術館の許可を得て撮影・掲載しています。
2017年09月12日熊谷守一没後40年の大回顧展が、2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)の期間、東京国立近代美術館で開催されます。スケッチや日記まで含めて200点を超える展示品が集められ、97年の人生をひたすらに生き、描き続けた熊谷の人生と、その創作の秘密に迫ります。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家、クマガイモリカズ花や鳥や虫、何気ない庭の一角。明快な線と色で身近なものを描く作品で広く知られる熊谷守一。一見おだやかに見える作品の背後には、科学者のような観察眼と、考え抜かれた制作手法が隠れています。97年の人生をひたすらに生き、描いた画家の軌跡を存分に紹介する――それがこの、没後40年の大回顧展です。●熊谷守一とは1800(明治13)年、岐阜県恵那郡付知村に生まれた熊谷は、1897(明治30)年に上京。1900(明治33)年、東京美術学校西洋画科撰科に入学し、黒田清輝、藤島武二らに師事しました。一時帰郷して材木運搬などの仕事に就くも、再上京。二科会を中心に発表を続け、二科技塾の講師も務めます。戦争を挟んで次々と家族の死に見舞われた熊谷。戦後、明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする画風を確立し、97歳で没するまで制作をおこないました。熊谷は、こんな言葉を残しています。「みんなはわたしのことをすぐ仙人、仙人と呼びますが、わたしは仙人なんかじゃない、当たり前の人間です……」熊谷守一の実直な人柄が偲ばれる言葉ですね。●展覧会の構成※章のタイトルは全て仮題です●1章 画業の始まり(1910-1920年代)1900年、熊谷は東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学し、黒田清輝らの指導を受けました。授業で人体のデッサンを学び、1920年代以降の裸婦像の基礎を作ります。また、闇の中でのものの見え方を追究するなど、早くから独自のテーマにも取り組みました。1910年、故郷岐阜に戻り、材木を扱う仕事に就いたのち、再上京。山仕事の経験は生涯、作品や生活態度に影響を与えました。●2章 さまざまな模索(1930-1940年代)この時期の熊谷は、絵の具を厚く塗り重ねる技法を用いて多くの裸婦像を描きました。また、山や海に出かけて風景画を制作してもいます。こうした裸婦像や風景画の中から、くっきりした輪郭線と色に特徴付けられる戦後の作風が、次第にかたち作られていきました。この頃に描かれた膨大な数のスケッチは、戦後の作品にも繰り返し使用され、熊谷作品の土台を成すものとなりました。油彩以外に書や水墨画を手がけるようになったのも、この頃です。●3章 線と色の完成(1940-1970年代)戦中から戦後にかけ、くっきりした輪郭線と色を特徴とする、もっともよく知られた画風が完成しました。熊谷は76歳の時に体を壊し、それ以後は自宅から滅多に出ず、庭の花や虫、鳥といった身近なものを描くようになります。しかしながら実は、こうしたモチーフのいくつかは、1940年代に描かれたスケッチに登場しています。そのことからも、長期にわたってねばり強く関心を持ち続ける熊谷の制作の特徴がうかがえます。【展覧会概要】名称:「没後40年熊谷守一生きるよろこび」会期:2017年12月1日(金)~2018年3月21日(水・祝)会場:東京国立近代美術館所在地:千代田区北の丸公園3-1URL:
2017年09月01日ツタンカーメンから村上隆まで…ボストン美術館の至宝が登場(写真左)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年、(右)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年何世代もの偉大なコレクターたちに支えられ、卓越した美術作品を収蔵するボストン美術館。北米で一番歴史のある美術館から、古代エジプトや中国美術、日本美術、はたまたフランス絵画やアメリカ絵画、版画・写真、現代美術といった珠玉の美術作品80点が堂々来日しました。<ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション>は、上野の東京都美術館で開催中。東京会場での会期は2017年7月20日(木)〜10月9日(月・祝)となっています。巡回展となる本展は、東京会場の後、神戸、名古屋へと場所を移し開催予定です。まるで美術の百科事典、ボストン美術館のエッセンスをぎゅっと凝縮した貴重な機会を見逃すことなかれ。初里帰りの涅槃図やゴッホの傑作も大注目まず注目したいのが、本展で初めての里帰りを果たした、英一蝶(日本 1652-1724)の《涅槃図》(1713)です。横たわる釈迦の周りで生きとし生けるものすべてが感情豊かに嘆き悲しむ様子を描いた本作は、1911年にボストン美術館コレクションに収蔵されました。そして2016年8月から2017年5月まで大規模な修理が施され、その彩りを今に伝えます。古来の伝統を今の技術者が後世に残してゆく、大きな営みを細部までじっくりとご覧あれ。そしておなじみフィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ 1853-1890)の描いたルーラン夫妻の肖像もそろって来日。ゴッホの親しい友人であったジョゼフ・ルーランをはじめ、ゴッホはその家族をモデルに20点以上もの肖像を描いたといいます。その中から《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》(1888)と《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》(1889)の傑作2点が満を持してやってきました。(写真左)クロード・モネ《ルーアン大聖堂、正面》1894年、(右)クロード・モネ《アンティーブ、午後の効果》1888年他にもお馴染みのモネの睡蓮といった印象派の絵画や、近代的な手法を用いた写真コレクション、今日も根強い人気を誇るアンディ・ウォーホルなど、見どころを挙げれば尽きることはない本展。美術ファンは垂涎間違いなし!取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション催行期間:2017年07月20日 〜 2017年10月09日住所:東京都台東区上野公園8−36東京都美術館企画展示室電話番号:03-5777-8600
2017年08月25日秋から始まる小学校受験は、合格を目指して1年くらい前から準備している家庭が多いようです。なかでも国立附属小学校は、学費が私立に比べて安かったり、ほとんどかからなかったりする学校もあり人気があります。しかし、だれもが国立小学校を受験できるわけではありません。そんな、意外と知られていない、国立小学校の注意点をご紹介します。■「国立」なのに受験できない?国立附属小学校は各都道府県にあり、地方在住でも受験するチャンスはあります。おもに国立大学の教育学部の附属校として位置づけられていましたが、大学直属に編成されてきています。しかし、学区はエリアや通学時間によって学校ごとに決められていて、その範囲内に住んでいないと受験資格さえ得ることができないことになります。受験のために引っ越したり、子どもが生まれる前から将来を見据えて家を決めたりするママもいるほど。学区の考え方は、学校によって異なります。国立小学校の受験を考える場合は、まずは自宅が学区内にあるかの確認が必須となります。■受験に合格しても入学できない!?国立小学校にも受験があり、試験内容は行動観察や運動試験など、学校によってさまざま。受験前に傾向を知り対策する必要があります。しかし国立小学校と私立小学校の大きな違いは、基準をクリアする能力を身につけても合格できるとは限らないことにあります。なぜなら、公平を期すため国立小学校は抽選を導入する学校が多いから。抽選を突破した子だけが試験に進む学校もあれば、試験後に抽選を行う場合もあります。これに漏れたら、どんなに考査で合格しても、不合格と同じ結末になってしまいます。試験については塾などでも対策できますが、抽選ばかりは運頼み。このため、子どものがんばりを無駄にしたくないと考え、抽選がなく努力が反映されやすい私立校を選ぶママも少なくありません。私が子どものころにも、国立小学校には抽選がありました。わが家は学区内にあったので親は受験を考えたようです。しかし、父も母もくじ引きではティッシュなどの末等しか当たらないほどくじ運がなく…。これでは入学できるはずはないと、受験をあきらめたそうです。■受験番号が早いほうがいいってホント?小学校受験では、「受験番号が早いほうが有利」という説があります。私立校の場合は、その学校に入学したいという熱意を示すためといわれますが、国立の場合はどんな理由があるのでしょうか?国立小学校の場合、よくいわれることが、行動観察などをスムーズにクリアするため。そのため、できるだけ早い番号を確保しようと、親が朝早くから並ぶ光景が見られます。このウワサは本当なのでしょうか? 実際に子どもが小学校受験を経験したママたちの体験談を紹介します。●集団行動で巻き込まれないために「国立校は塾に通う子だけでなく、家が近いからと記念受験する子が少なくないと聞きました。記念受験の場合、受験対策として集団行動の練習をしていないお子さんがいるので、もし一緒のグループになってしまっうと、巻き込まれやすいと塾で教わりました。受験番号が早いほうが本気で受験を考えている家庭が多い傾向にあると言われ、本命ではなかったけど早起きして並びました」(41歳・小学校5年生のママ)●受験番号は月齢順「受付後に受験番号を月齢順に並び変える学校もあるそうで、そんなに気にしなくていいといわれました。それでも、やっぱり気になるので早く並びましたが、抽選に漏れたのでわが子は公立通いです」(40歳・小学3年生のママ)学校によって条件が異なるようですね。志望校の情報を早めに収集して、対策したいところです。■「附属」といってもエスカレーター式ではない大学の附属学校であるならエスカレーター式を期待するところですが、国立の場合はそうではありません。中学入学時はあらたに外部生が入ってくるため、全員が進学できない場合もあります。だから日々の勉強は、とても大事です。在学中に、子どもがほかの中学校に魅力を感じることがあるかもしれません。もし外部の学校を受験をする場合は、内部進学の権利が失われる学校もあるようです。また、附属高校を設けていない学校もあり、その場合は必然的に外部受験することに。志望校がどのような仕組みになっているのか、あらかじめチェックしておきましょう。■授業中に常にだれかにみられている?多くの国立小学校は、教育研究校として位置づけられています。そのため、先生が研修などで不在になる可能性も。また、教育実習や視察なども行われるため、常にだれかに見られている状態で授業を受けることが多いようです。国立小学校出身の知人に話を聞いたところ、「教室に知らない人がいることが多かった」とのこと。最初は気になったものの、次第に慣れてきたそうです。この人に見られた環境での授業は、慣れる子と慣れない子がでるかもしれませんが、えてして子どもは順応性が高いため、あまり問題にはならないかもしれません。ちなみに前述の知人いわく「公立の高校では見学者がいないので違和感があった」とのこと。また、新しい教育を実験する場でもあるので、最新の教育を受けるチャンスがあります。これはほかの学校ではなかなか体験できないことです。国立というだけでブランド化されている現状。お受験を挑戦してみたくなるかもしれません。しかし、それだけを判断材料にするのではなく、子どもの将来を考えたうえで検討したいものですね。
2017年08月12日国立新美術館と森美術館にて10月23日(月)まで開催中の東南アジア現代美術展「サンシャワー:東南アジアの現代美術展1980年代から現在まで」の関連企画として、8月10日(木)から4日間ジャンル別に、東南アジア映画を特集上映する「FUN!FUN!ASIAN CINEMA@サンシャワー」が実施される。国立新美術館と森美術館、国際交流基金アジアセンターが主催する同展覧会では、今年ASEAN(東南アジア諸国連合)50周年を記念し、東南アジアの現代美術を史上最大規模で展示。時代の潮流と変動を背景とした1980年代以降の東南アジアの現代アートの「発展」を9つの視点から掘り下げ、そのアートが持つダイナミズムと多様性を紹介している。同展の関連企画として実施される本イベントでは「ドキュメンタリーの日」、「アクションの日」、「オムニバスの日」、「愛&友情の日」とジャンル別に違ったテーマで全4日間、映画が上映される。8月10日(木)実施の「ドキュメンタリーの日」では、2つのプロジェクトから作品を上映する。1つは、毎年異なるテーマで日本と東南アジアの若手映像作家を対象に短編ドキュメンタリー作品を募集する「Visual Documentary Project」から、2015年(テーマ「越境する東南アジア」)と2016年(テーマ「日常生活のポリティクス」)にセレクトされた作品を上映。映像を通して東南アジアの現状を捉え、諸問題の解決へとつなげたいという想いが込められている。もう1つは、ドキュメンタリーの国際共同制作を支援する「Tokyo Docs」で誕生したプロジェクト「Colors of Asia」から「アジアのいまを生きる女性たち」をテーマにした2作品を上映。■「Visual Documentary Project」2015セレクション<12:10開場/12:30開映>・『2人のマイケル』(タイ、29分)・『ジウおじいちゃんへ捧ぐ』(ベトナム、23分)・『儚さ』(マレーシア、9分)・『私の足』(ミャンマー、16分)『我が政治人生』(ミャンマー、20分)■「Visual Documentary Project」2016セレクション<14:20開場/14:40開映>・『森に生きる女たち』(マレーシア、15分)・『60日』(ミャンマー、31分)・『鉱脈』(ミャンマー、31分)■Tokyo Docs「Colors of Asia」<16:10開場/16:30開映>・『日曜日のシンデレラ』(2015,日本、フィリピン,29分)・『ラグビーと女のわたし』(2016,日本、ラオス,25分)8月11日(金・祝)実施の「アクションの日」ではベトナム、インドネシア、ブルネイの3作品『超人X.』(2014,ベトナム,81分)、『レボリューション・ティガ』(2015,インドネシア,125分)、『ドラゴン・ガール』(2014,ブルネイ,110分)を上映。映像を通して各国の伝統武術を取り入れたものや、社会や文化を垣間見ることが出来る。■『超人X.』<12:40開場/13:00開映>■『レボリューション・ティガ』<14:30開場/14:50開映>■『ドラゴン・ガール』<17:100開場/17:30開映>8月12日(土)実施の「オムニバスの日」ではシンガポールの監督7人がラブレターをテーマに制作した『セブンレターズ』(2015,シンガポール、マレーシア,116分)、東南アジアの画家が描いた作品からインスピレーションを得た5人の監督による『Art Through Our Eyes』(2016,シンガポール,30分)、「アジアでともに生きる」というテーマでフィリピン、日本、カンボジアの気鋭監督がメガホンをとった『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』(2016,日本,118分)を上映。特に『Art Through Our Eyes』は、「サンシャワー展」でも注目のタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督らの独特の世界観が並ぶ珠玉の作品だ。■『セブンレターズ』<12:40開場/13:00開映>■『Art Through Our Eyes』<15:10開場/15:30開映>■『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』<17:10開場/17:30開映>8月13日(日)実施の「愛&友情の日」では、愛と友情をテーマにした『SHIFT~恋よりも強いミカタ』(2013,フィリピン,81分)『グッバイ・ボーイズ』(2005,マレーシア,88分)『イロイロぬくもりの記憶』(2013,シンガポール,99分)の3作品を上映。■『SHIFT~恋よりも強いミカタ』<11:40開場/12:00開映>■『グッバイ・ボーイズ』<13:30開場/13:50開映>■『イロイロぬくもりの記憶』<15:30開場/15:50開映>また、本イベントのほかにも、東南アジアの歴史やファッション、食など8テーマから成るレクチャーシリーズ「寺子屋サンシャワー」、日本と東南アジアの若手上映専門家の共同プログラミングによる映画上映会「ワーキングタイトル」など、9月にかけてイベントが目白押し。こちらも併せてチェックしてみて。「FUN!FUN!ASIAN CINEMA@サンシャワー」は8月10日(金)~13日(日)、国立新美術館3階講堂にて開催、参加費は無料。※定員は各回260名。(予約不要、各回入替制・先着順)※鑑賞には「サンシャワー展」の国立新美術館単館券もしくは二館共通券[半券可]が必要。※作品の解説・あらすじは国際交流基金アジアセンター公式サイトをチェック。(text:cinemacafe.net)
2017年07月28日「印象派の殿堂」として世界的にも名高いフランス国立オルセー美術館が公式認定したリマスターアート®展が、大丸京都店にて開催されます。オルセー美術館の名品中の名品ともいわれる傑作60点が、絵の具の盛り上がりや絵筆のタッチまでも忠実に再現されたリマスターアートは、一見の価値ありです!本家が認めたリマスターアートフランス国立オルセー美術館といえば、世界に知られた印象派の殿堂。モネやピサロ、シスレー、ゴッホなどの名品をひとめ見ようと、世界中の人が訪れる美術館ですね。そのオルセー美術館が公式認定したリマスターアートの展示会が、大丸ミュージアム〈京都〉で開催さます。●リマスターアートとはそれでは、リマスターアートとはなんでしょうか?それは、単なる複製を越えた復元画。最先端の3D画像解析技術と高精細画像で、絵の具の盛り上がりや絵筆のタッチまでもが忠実に再現されているんです。オルセー美術館も公式に認定している、まさに世界最高峰の技術なんです!今回のリマスターアート展では、多くのファンを持つ印象派の傑作中の傑作60点の復元画を、鑑賞することができます。会場で<ルーペ&ライト>を別途税込200円でレンタルできますので、絵の具の盛り上がりや絵筆のタッチを間近でじっくり観察するのもおもしろいですよ。ちなみに、名画の写真は全て撮ることができます!名画の前でスマホで自撮りも可能ですよ。SNSへのアップももちろん可能なので、思う存分カメラに収めてください。●展覧会詳細名称:オルセー美術館 至宝のリマスターアート®展会期:2017年8月2日(水)~21日(月)時間:午前10時~午後7時30分(午後8時閉場)最終日は午後4時30分まで(午後5時閉場)会場:大丸ミュージアム<京都>【大丸京都店6階】入場料 (税込):一般・大学生1,000円【800円】 、中高生800円【600円】、小学生以下は無料※【】内は前売り料金および大丸・松坂屋のクレジットカード、大丸松坂屋友の会カード、ブライダルサークル会員証をお持ちの方の優待料金です。※<ルーペ&ライト>レンタル付き前売券一般・大学生900円、中高生700円
2017年07月24日東京・上野にある東京都美術館で「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催されています。ゴッホの傑作であるルーラン夫妻の肖像画や、日本を代表する浮世絵師・喜多川歌麿の作品など世界を代表する名作80点がこぞって来日。古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、盛りだくさんの展覧会の見どころを、アソビュー編集部員が取材してきました。ボストン美術館とはアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館・ボストン美術館。地元市民をはじめとした多くの美術コレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年の1876年に開館し、2020年には設立150年を迎えます。国や州の財政的援助を受けることなくコレクションの拡充、施設の拡張を続けており、世界屈指の規模を誇ります。選りすぐりの傑作80点を展示!約40年ぶりに来日する至宝たちは必見ボストン美術館のコレクションを対象とした展覧会は、過去に何度か開催されてきました。しかし、古代エジプト・日本美術・中国美術・フランス絵画・現代美術から現代アートまで幅広いジャンルの傑作が展示され、総合的に楽しめる展覧会が開催されるのは、日本で約40年ぶり。またとないこの機会を逃したら、次に開催されるのはまた40年後かもしれません。世界の至宝が年代、ジャンル問わず一堂に会する「ボストン美術館の至宝展」の気になる内容を見ていきましょう!沢山ある作品の中から編集部員が厳選した「これだけは見てほしい!」至宝をご紹介します。1章古代エジプト美術1876年の開館当初から、館内で重要な位置を占めていた古代エジプト美術。地元の収集家よって貴重なコレクションからの寄贈を受け、確かな出土品の獲得に努めてきました。1905年からはアメリカのハーバード大学と共同で発掘調査も開始。その発掘成果は、今日で40,000点を超えボストン美術館の古代エジプト美術コレクションの中核となっています。今回の展覧会では、エジプトの都市・ギザで発掘された古王国時代の出土品を中心に、11点がボストンから来日しています。●「墓のレリーフの断片供物の行列をみる墓主ケネブ」今から4,000年以上前のギザに居住していた建築家の大家族のひとりだった、ケネブの墓から発掘されたこの断片。断片の上部に描かれているのは、神々への最高の捧げものである雄牛を引いた二人の男です。一体どこへ向かっているの?と問いかけたくなる彼らは、この断片とは別の区画に描かれているケネブのもとへと向かっているそう。ちなみに、左下に頭部だけのぞかせている人物は、ケネブの兄弟にあたるペピィメルアンクプタハが描かれたものです。●「ツタンカーメン王頭部」額に長方形の布を当て、耳を出す形で頭を覆うネメス頭巾を被った姿が印象的な、「ツタンカーメン王東部」。若くして亡くなった謎の少年王・ツタンカーメン王を象ったこの石像頭部は、彼の墓ではなくツタンカーメン王が信仰を復活させた古代エジプトの太陽神・アメン神を主祭神とするカルナック神殿から出土した作品の可能性が高い、と伝えられています。凛とした顔だち、彼を象徴するネメス頭巾が特徴的な至宝です!2章 中国美術古代エジプト美術に続き、中国美術作品も多く保有されています。作品の余白などに描かれた絵と、関連した文書や詩が添えられている中国美術特有の作品が、多数展示されています。●徽宗、「五色鸚鵡図巻」1110年代頃中国の王朝・北栄の第8代皇帝の徽宗(きそう)によって描かれた作品です。徽宗が花鳥画を専門分野としていたことは、歴史的にも文献的にも知られること。1000年以上も前に書かれた作品にも関わらず、真筆であると広く受け入れられてきました。題詩によると、中国南部の地である嶺表から、“ズグロゴシキインコ“という珍しい鶏が宮廷へと献上された出来事を記念して描いた絵と言われています。杏の花が咲きほこる庭園を鶏が飛ぶ姿を記録するために皇帝が描き上げた、淡く優しい色使いの作品は必見です。●陳容、「五龍図巻」1244年約10メートルに及ぶ長大な絵巻。沸き立つに描かれるのは9匹の龍が、沸き立つ雲と荒れ狂う波の中を飛翔する姿が筆墨によって描かれている存在感抜群の作品です。作者である陳容(ちんよう)は、画家をはじめ、地方官吏・書家・詩人でもあり多才な人物だったと言われています。画家としては、水墨画を得意とし竜画の名手としても名高かったそうです。実物の他に、見やすいように拡大展示もされています。じっくりと細部まで鑑賞し、墨に墨を重ねる「破墨」や墨をはね散らす「溌墨」と呼ばれる巧みな技法が使われている箇所を見つけてみてください。3章 日本美術今回の展覧会でも大きな注目を集めている、日本美術コレクション。日本国外で最も日本美術作品を所蔵しているボストン美術館には、なんと約10万点に及ぶ日本作家の作品があるのだとか!19世紀後期に日本を愛し、日本中を旅した偉大なコレクター達が収集した美術品たちは、ボストン美術館のあるアメリカにおいて、日本文化の敷衍や正当な評価の生み出しにも貢献しました。日本から渡米し、初めての日本へ里帰りする作品にも要注目です。●司馬江漢、「秋景芦雁図」1700後~1800初年哀愁ただよう雁(カリ)が目を引く、司馬絵江漢の絵画作品。司馬江漢は、江戸時代の蘭学者(オランダ語を通じて輸入された西洋学問の研究者)であり、画家でもありました。確かによく見ると、作品右上の落款には、横書きのオランダ語のサインも添えらえています。彼は、狩野派、浮世絵など様々な画流を学びましたが、特に洋風画の開拓者として知られています。この作品も西洋画にヒントを得て、水平線を低く描き、遠近法を用いた景色を後景に描くことで、画面上に奥行きと広がりある世界が演出されているのです。ちなみに、作品名にもあるように、この作品が描かれている季節は“秋”ですが、「冬景芦雁図」という“冬”バージョンの作品も。雪景色が広がり、その中にうずくまる雁が描かれた作品「冬景芦雁図」は、この機会にぜひ合わせてみてほしい作品です。●英一蝶、「涅槃図」1713年とにかく大きい!至宝がずらりと並ぶ館内でもひと際目立つ「涅槃図」。それもそのはず、画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。涅槃(ねはん)に入る釈迦と悲しみにくれる人々、動物、羅漢たちがぎっしりと描かれています。鮮やかな色彩も美しいです。作品の大きさと劣化がが目立ち、収蔵されているボストン美術館でも25年以上公開ができていなかったこの作品。なんと、今回の展覧会開催を機に画面の亀裂や汚れ、糊離れなどの改善を主におよそ170年ぶりに本格的な解体修理が実施されました。現地のコレクターにより渡米した「涅槃図」は、今回約130年ぶりに初めて日本に里帰りを果たします。作品解説もしっかりとされているので、ぜひ立ち止まってチェックしてみてください!●鳥居派、「絵看板鈴木栄小町」1758年現代の街中広告や電車内のつり革広告のような役割を果たしていた、絵看板。人々を歌舞伎の芝居へと引き込むポスターとして芝居小屋の軒下に飾られ、画面には主役の演者たちが演じる選りすぐりの場面が描かれています。美術品というよりは、飾られる期間が限られる宣伝物だった絵看板は、ほとんどが破棄されており現存しているものはほんのわずか。そんな貴重なこの作品は、現存される看板絵の中でもっとも古いものなのだそうです。●喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」1805年頃近年、国内外問わず巻き起こっている“浮世絵ブーム”!北斎、広重、写楽と並び世界的に知られる浮世絵師、喜多川歌麿が晩年に手がけた「三味線を弾く美人図」も展示されています。浮世絵黄金期に美人画絵師として活躍した歌麿の集大成と言われるこの作品は、“横長の軸” “上半身のみの構図”といった珍しい構図が特徴!三味線の調律をしているこの美人は手の込んだ髪飾りを身に着けていることから、芸者または娘浄瑠璃師が描かれているのではないか、と示唆されています。4章 フランス美術数多くのヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に特に名高い19世紀フランス絵画のコレクションが厳選されて来日しています。特に、モネ、ルノワール、ピサロ、ミレー、そしてヴァン・ゴッホの作品は見逃せません!まさにフランス美術における至宝がずらっと並ぶこの章は、見どころ満載です。●カミーユ・ピサロ、「ポントワーズ、道を照らす陽光」1874年019世紀のパリ郊外にある小さな町が優しく描かれたこの作品。比較的幅の広い筆遣い特徴的な表現は、ピサロの初期作品にみられる特有の技法です。都会を離れ、田園地帯に実際に身を置いて制作されたこの作品は、身の回りにあるごく普通の情景が率直に描かれた作品となっています。●クロード・モネ、「睡蓮」1905年1日本でもファンが多い、フランスの印象派を代表する画家・モネの作品です。画面に描かれる睡蓮の花はもちろん、この絵の見どころはなんと言っても“水面”。画面上には“水辺に浮かぶ睡蓮”しか描かれていないものの、水面に映る光や空、岸辺の樹々から水辺を囲む周囲の世界を垣間見られます。水平線などこれといった区別や線引きを表すものはないにも関わらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせるこの作品は、1909年にパリで発表された彼の名作の一つです。●アンリ・ファンタン=ラトゥール、「卓上の花と果物」1865年2まるで写真みたい!と絵の繊細さに思わず驚いてしまうファンタン=ラトゥールの静物画。彼は、独特かつ保守的な様式での制作を好み、とにかく細部まで実物をそのまま描写する静物画、その中でも特に花の絵画を専門とする画家でした。●フィンセント・ヴァン・ゴッホ、「郵便配達人ジョセフ・ルーラン」1888年、「子守唄ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」1889年3ゴッホは、1888年にパリを発って南フランスを発って南フランスにある小さな町・アルルに移住しました。その時に、町内で最も親しい友人となり、彼のお気に入りのモデルとなったのが地元で郵便の仕事をしていたジョセフ・ルーランでした。ちなみに、夫・ジョセフをモデルにした油彩画はこの作品を合わせて、全部で6作品あり、本作は一番最初に描かれたものです。また、ほぼ全身を描いた唯一の作品としても有名です。ゴッホは、のちにジョセフの妻・オーギュスティーヌと3人の子供たちの肖像画も手がけました。夫妻の肖像画が来日するのは、今回が初めて!展覧会の目玉作品として注目を集めています。●エドガー・ドガ、「腕を組んだバレエの踊り子」1872年4フランスの印象派画家のドガは、踊り子をモデルとした作品を多数残している「踊り子の画家」として有名です。ここでいう“踊り子”とは、パリのオペラ座のバレリーナを指します。裕福な銀行家の息子だったドガはオペラ座の定期会員となり、会員しか許されない舞台裏に出入りすることも許されていました。よって彼は生涯にわたり、その時にみた踊り子の自然なしぐさや表情が描写された作品を生涯多数残しています。ちなみに、この作品はドガがなくなったとき、彼のアトリエに未完成のまま残されていたものなのだそうです。5章 アメリカ絵画5絵画の最終章を飾るのは、もちろんボストン美術館のあるアメリカ美術です。18世紀から20世紀半ばまで、様々な年代の作品を楽しめるアメリカ絵画コレクションは見ごたえ抜群です!●ジョン・シングルトン・コプリー、「ジョン・エイモリー」1768年6縦横それぞれ1メートル以上ある、大きなキャンパスに描かれたダイナミックな当時の貿易商の肖像画です。手には自分宛ての手紙、背後には帆船が描かれ、海運業で利益を得ていた彼の功績がそれらのアイテムによって表現されています。●ジョン・シンガー・サージェント、「ロベール・ド・セヴリュー」1879年7子犬と少年のどこかぎこちない表情が愛らしい、この作品。野心的なアメリカ人画家・サージェントは主にイギリスを拠点として活躍しましたが、イタリアに生まれフランスで美術教育を受けた生い立ちから、欧州各国の影響を受けた独特な画風が特徴的です。伝統的な古典技法を用いて多数の肖像画を手掛けた「最後の肖像画家」とも呼ばれています。●ジョン・シンガー・サージェント 、「フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル」1903年8これもまたサージェントの縦1.52メートル・横1.03メートルほどある大きな肖像画です。モデルとなった夫人は、音楽と美術を愛した教養のある国際人で二児の母親でもあり、作品からもどこか知性や母性を感じられる温かみがあります。ブロンズの髪やシルクドレスの質感、うっすら赤らんだ頬の巧みな描写と優しい色合いに、思わずうっとりしてしまいます。6章版画・写真919世紀半ばから20世紀にかけてのアメリカを描写した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家のホーマー、ホッパー、シーラー、アダムの4人の作品が展示されています。モノクロの世界に映しだされた、当時の人々の暮らしや自然の美しさにはどこか懐かしさすら感じます。7章現代美術19世紀~20世紀以前の作品が多く収蔵されていることで知られるボストン美術館ですが、現代アートをけん引するアーティストの作品も多数展示されています。今回は、ウォーホル、村上隆をはじめ、色鮮やかな風景画が有名なホックニーや写真から映画まで幅広い制作領域をもっているテイラー=ジョンソンの作品が大集結!ケヒンデ・ワイリーの「ジョン、初代バイロン男爵」など、現代アートらしいポップで鮮やかな作品たちが、見る人を元気にしてくれます。展覧会限定のオリジナルグッズも要チェック!ミュージアムショップには、ボストン美術展限定のオリジナルグッズも多数販売されています!気になった作品がモチーフとなったグッズは、つい欲しくなってしまうはず。注目作品はの多くは、どれもグッズになっています。オリジナル巾着にあめが入ったオフィシャルグッズは、お土産にも喜ばれそう。巾着には、ゴッホの“ルーラン夫妻”や、歌麿の“三味線を弾いた弾く美人”など展覧会の注目作品の数々でモデルになった人物がランダムにプリントされています。まさに、これぞ夢のコラボ!といった限定グッズはここでしか手に入らないので要チェックです!退館するときも必見!「会場限定記念号外」とフォトスポット展覧会を見終えて最後の最後に置いてあるのが、この「会場限定記念号外」。訪れた人しか手に入らないこの号外は、「涅槃図」や“ルーラン夫妻”、「睡蓮」などの主要作品がすべてもれなく掲載されています。もちろん、号外なので無料です。来館記念に一部持ち帰ってみてはいかがでしょうか。今回の展覧会の大注目作品であるゴッホの「ルーラン夫妻」と記念撮影ができるフォトスポットもあります。ボストン美術館の至宝展では、今しか見られない至宝たちが勢ぞろい。期間中には、タイアップイベントやスペシャルコンテンツも続々と登場予定です。これを逃したらしばらく見られないかも!?普段あまりアートに触れない人でも気軽に楽しめる、この夏イチ押しの展覧会です。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年07月21日20世紀を代表する、スイス生まれの彫刻家・ジャコメッティの大回顧展が国立新美術館で開催中(〜9月4日)。ジャコメッティといえば細長いシルエットの作品でおなじみだが、その作風にいたった理由を同館の学芸員を務める横山由季子さんに聞いてみた。 「見えるものを見えるとおりに表現するために、髪形や服装などは飾りでしかない、人間の本質的な部分ではない、そう考えた彼は余計なものをどんどんそぎ落としました。試行錯誤の末、最終的に残ったのがあの姿でした」 スイスのスタンパという小さな村で育ったことも関係しているそう。 「スタンパはアルプスに囲まれた谷にある村で、村の斜面には幹の細い木がまっすぐに生えていました。そんな風景も作風に影響したといわれています」 そんなジャコメッティ作品を、彫刻と見た目がそっくりな、お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎が解説。 【鼻】(’47年) 「生きていると同様に、死んでいる何ものか」を求め表現した作品。「この長い鼻……、どんなウソついちゃったんですか!?(矢部) 【犬】(’51年) 雨の中歩いていた犬がモデル。やせ衰えこうべを垂れた姿に自分を重ねた。「動物でも、動作の瞬間が忠実に切り取られている!」(矢部) 【大きな頭部】(’60年) この作品のモデルは弟・ディエゴ。「近づいてみると、手で作った跡が表面に残っていて、ジャコメッティの創作の跡を感じられますね」(矢部) 【大きな女性立像II】(’60年) 展示作品のうち、もっとも大きい女性立像(高さ276cm)。「見あげた感じは、バレーボールの大林素子さんみたいですね」(矢部) 矢部は、ジャコメッティの世界観の魅力を次のように話す。 「彫刻のポーズを再現するのは体勢的につらくて、足がプルプルしていました。動作の瞬間が忠実に捉えられているのだと実感しましたね。一見、孤独さを感じさせる作品にも、同時にどこかユニークさもあって。そんな味のある人に僕もなれたら、と目標にしたいです」
2017年07月06日東京・上野の国立西洋美術館で、2017年6月20日(火)から9月24日(日)まで「アルチンボルト展」が開催されています。アルチンボルトの代表作「四季」の《春》《夏》《秋》《冬》や「四大元素」の《水》《大気》《火》《大地》を含む作品、10数点が日本初上陸。開催前から大きな話題を集めている展覧会の見どころを、asoview!編集部員の取材を元に一挙大公開します!ジュゼッペ・アルチンボルトとは16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、寓意的な肖像画が印象的な画家ジュゼッペ・アルチンボルト。1527年にイタリア・ミラノに画家の息子として生まれ、ウィーンやプラハで生活した後に、ハプスブルク宮廷のアートディレクターになります。宮廷の装飾や衣装のデザインを手掛け、伝統的な宗教画作家としても活躍しました。1560年代頃から描かれはじめた、野菜や果物、魚、花、道具といったモティーフを組み合わせた独特な肖像画が彼の代表的な作風として親しまれ、現在もなお世界中の人々を魅了し続けています。奇想と知、驚異と論理が交差する彼の絵画は、まるで暗号のよう。見ている人を絵解きの世界へと導きます。アルチンボルトの代表作「四季」「四大元素」が全点集結!今回の「アルチンボルト展」の最大の見どころは、やはり彼を代表する表現技法「寄せ絵」で描かれた作品の数々です。世界各地の主要美術館に所蔵された作品がこの度、西洋美術館に大集合します!アルチンボルトについてここまで詳しく紹介する展覧会はもちろん日本初の試み。ぜひ、この機会にユーモアあふれる知略の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。自分の顔がアルチンボルト風肖像画に!「アルチンボルトメーカー」展覧会会場入り口にある「アルチンボルトメーカー」です。カメラの前に立つと、自分の顔がフルーツや野菜によって描かれ「アルチンボルト風肖像画」が完成します!似ているような似ていないような肖像画は、アルチンボルトが描いた作品をベースに、約200種の食べ物が組み合わされ「髪型」「目」「鼻」「口」「顔の輪郭」など様々な角度から分類・抽象化し、なんと人の顔を数百万パターンを描けるのだとか。「アルチンボルトメーカー」は、「アルチンボルトが、私の顔を描いてくれたら…」そんな夢が叶う開催期間中しか体験できない貴重な企画になっています。来場の記念にぜひ体感してみてください!Ⅰ アルチンボルトとミラノアルチンボルトの画家としての生涯は、大きく3つの期に分けられます。第一期(~1562年)はミラノでの修行時代・第二期(1562~87年)はウィーンやプラハに滞在し、ハプスブルク家の3代の皇帝に仕えた宮廷時代・第三期(1587~93年)は、成功をおさめた後にミラノへ帰郷し、後世への伝達に努めた6年間です。アルチンボルト展は、アルチンボルトがどのような経緯で「四季」や「四大元素」などの彼ならではの作品を書くに至ったかを辿ります。展覧会は、第一期に描かれた作品の展示からはじまります。アルチンボルトだけでなく、彼が影響を受けたレオナルド・ダ・ヴィンチなどの作品も多数展示されています。ステンドグラスの図案制作をしていた師であり父のビアージョと共に1540~50年代にかけてミラノで活躍し始めたアルチンボルト。彼の作風には、イタリア・北西部に位置するロンバルディア地方の自然主義(自然のありのままを観察し、「真実」を描く作風のこと)やレオナルド・ダ・ヴィンチ以来の科学的な観察をもとに描く精巧な作風が大きく影響しているのだとか。この時期に描き留められたイメージの数々が組み合わされ、のちに彼の代名詞である「寄せ絵」が誕生したと言われています。アルチンボルトが自ら描いた「自画像」です。油彩の作品が多い彼のイメージとは異なり、ペン一本で描かれるこの作品は画家の技が光ります。死後500年経った今でも注目され続ける画家、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品も。アルチンボルトの絵画にしばしば見られるグロテスクな表現やイメージは、自然観察を重視するレオナルド・ダ・ヴィンチの作品との関連が指摘されています。アルチンボルトの画家人生初期の作品も必見です。Ⅱ ハプスブルク宮廷アルチンボルトは、1562年にハプスブルク家の宮廷にやってきて以来、ウィーン・プラハにおいてフェルディナント1世・マクシミリアン2世・ルドルフ2世の三代の神聖ローマ帝国に仕えました。皇帝一家の肖像画を数多く手がける一方で、ハプスブルク宮廷の祝祭を取り仕切る演出家や美術品のバイヤーも務めていました。また、当時彼が住み込んでいた宮廷には付属の植物園や動物園があり、それら世界中から集められた数々の生き物が彼にさらなる想像・発想力を与えたと言われています。フェルディナント1世の娘、マルガリーテの肖像画です。絵画の他にも、当時宮廷で使われていた鉢や皿などの展示もあります。豪華な装飾品の数々は、宮廷の華やかな暮らしを物語ります。代表作の「四季」「四大元素」ハプスブルク宮廷の展示に続いて、いよいよ代表作「四季」「四大元素」などの「寄せ絵」の展示が始まります。16世紀中頃のルネサンス期が終わりを迎え、ルネサンスという「究極の芸術」を乗り越えるべく、試行錯誤した後に生まれたのがアルチンボルトの「寄せ絵」という傑作です。トリックアートのような、パズルのような彼の作品は、見る人を夢中にさせます。●「四季」これは、1563年に最初に描かれた連作「四季」の《春》です。アルチンボルトの作品でもっとも有名と言っても過言ではないこの作品は、四季の植物によって肖像画が構成され、若者の《春》から老人の《冬》まで、それぞれの季節が世代に対応するように構成されています。ちなみに、《春》《夏》は女性、《秋》《冬》は男性が描かれていると一説では囁かれています。ラテン語やイタリア語で「春」「夏」は女性名詞、「秋」「冬」は男性名詞と言うことから捩られているそうです。あまりにも最初の連作「四季」が好評だった為、その後数回にわたって「四大元素」など異なるテーマを題材としてた別ヴァージョンの絵が制作されます。●「四大元素」世界を構成する4つの要素《空気》《火》《土》《水》をテーマに構成され、「四季」よりもさらにモティーフが複雑に絡み合う連作「四大元素」。こちらの《水》は、62種の魚や海獣など水に関連する生き物によって描かれているのだとか!「四大元素」は、海の生き物や動物、鳥によって皇帝が描かれており、《水》もよく見るとウニのような生物のトゲによって王冠が表現されていることがわかります。顔はもちろん、身に着けている服や装飾まで動物で描かれています。0アルチンボルトの計算し尽くされた作品たちには、まだまだからくりが仕掛けられています。なんと、「四季」と「四大元素」も組み合わせて楽しめるように構想されているのです。例えば、《水》は冷たく湿っているので《冬》、《火》は燃えるように熱いので《夏》と対になっており、実際に展示も向かい合うように並べられています。Ⅲ 自然描写16世紀に印刷技術の発展と共に確立した「博物図鑑」という絵画ジャンル。ここでは、自然をいかにリアルに描くか、を追及した作家たちの作品が展示されています。1現在のように写真がない当時、生き物の生体を描写した絵画は知識の拡散に大きな役割を果たし、科学も著しく進歩しました。描かれ始めたときは、生物研究者や科学者の間で需要が高まっていましたが、やがて君主や貴族たちからも娯楽の一環として求められるようになります。アルチンボルトの連作も、彼が皇帝に仕えていた時代に宮廷の敷地内にあった動物園、植物園で描いた自然素描が応用されて構成されています。Ⅳ 自然の奇跡2これは、1547年のパリに一人連れてこられたカナリア諸島出身の少年、ペドロ・ゴンザレスの絵です。この少年は、胸や背中、さらには顔までもびっしりと長い毛が生えていました。現代では遺伝性の多毛症として知られていますが、当時は研究もされていなかったため、このあまりにも珍しい少年を好奇な存在として崇めました。アルチンボルトは寄せ絵の画家として「絵画の驚異」を生み出しましたが、多毛のペドロは事前が生み出した「生きる驚異」として受け止められていたことから、「驚異」という親和性のもとアルチンボルト展に展示されることになりました。Ⅴ 寄せ絵3アルチンボルトと同じ時代に、彼と同じような「寄せ絵」の手法を使った絵画がインドやイスラム、さらには江戸時代の日本でも見られるようになりました。ここでは、アルチンボルト以外の作家が描いた「寄せ絵」を見ることができます。Ⅵ 職業絵とカリカチュアの誕生アルチンボルトは、植物や野菜、動物だけでなく、本や樽などそれぞれの職業に関連したモティーフが組み込まれた、職人の肖像画も描いています。4ワイン樽やボトルで構成されていてる「ソムリエ」という職業絵。日本にある唯一のアルチンボルトの作品です。5宮廷に仕えていた学者が描かれたと言われている「司書」という作品です。どこか戯画的に表現された作風が職業絵の特徴で、「司書」では頭に本を乗せた“頭の固い学者”が描かれています。Ⅶ 上下絵から静物画へ上下どちらからも鑑賞できる作品は、以前から沢山ありましたが、アルチンボルトの描く「上下絵」のようにさかさまにするとまったく異なるイメージが現れるものはこれまでにありませんでした。「上下絵」は主に、アルチンボルトが故郷のミラノに戻った後に描かれました。67人にも見え、逆さまにすると食べ物の絵画にも見えるアルチンボルトの「上下絵」。これらの絵を、肉や野菜の静物画として見た場合、これらはイタリアにおける最初の静物画となります。イタリアで最初に独立した静物画を描いたのはカラヴァッジョやアンブロージョ・フィジーノと言われていますが、彼らは共にアルチンボルトと同郷のミラノ出身で、ほぼ確実に彼の作品を知っていたと考えられます。よって、彼の描いた「上下絵」はイタリアの静物画の発展にも画期的な役割を担った作品と言っても過言ではありません。オリジナルグッズもチェック!アルチンボルト展オリジナルの限定グッズも多数あります!お気に入りの作品が描かれたグッズは思わず欲しくなってしまいます。奇想と知、驚異と論理が交差するアルチンボルトワールド「アルチンボルト展」に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。イベント概要名称:アルチンボルト展開催期間:2017年6月20日(火)~2017年9月24日(日)時間:午前9時30分~午後5時30分、毎週金・土曜日:午前9時30分~午後9時(ただし6月23日、24日は午前9時30分~午後8時)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし、7月17日、8月14日、9月18日は開館)、7月18日(火)会場:国立西洋美術館 企画展示室所在地:東京都台東区上野公園7−7料金:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円※中学生以下は無料公式サイト:
2017年06月21日展覧会「魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム」が神戸ファッション美術館にて開催される。会期は、2018年7月14日(土)から9月2日(日)まで。体感型の光のアートを楽しむ「魔法の美術館」「魔法の美術館」は、見て、参加して、楽しむ、体感型の展覧会。来館者の動きに合わせて、色とりどりの光や影のモチーフ、映像、音が変化する作品などが、美しくも不思議な空間を演出する。日本を代表する気鋭のアーティストが作り出した魔法のような空間に入り込み、心ゆくまで遊びつくすことが可能だ。登場する全21点の作品すべて写真撮影も自由となっており、SNSに投稿して楽しむこともできる。動く影が幻想的な「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」小松宏誠の「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」は、天井から吊り下げられた繊細な造形のシャンデリアや、展示されたモビールが回転。壁に映し出された影の動きを楽しめる幻想的な作品だ。自分がキュビスムの世界に「.hito」自分のキュビスム的な姿を楽しめる「.hito」。イスに座ると自分がキュビスム的な姿になり、動きに合わせて変化する。ポリゴンチックになった自分の動きを楽しんで。自分の歩いた道から波紋のように光が広がる「七色小道」「七色小道」は、一見ただの通路に見える道。歩き出すと、自分の跡から様々な色や光が広がっていき、他の人が出す色と混ざりあう。ただ歩いているだけで無意識のうちにお互いに影響を与え合っている様子を参加型アートという形で表現した。時間の経過によって広がった光は形を変えながら消えてしまうので、常に違う姿の「七色小道」を楽しむことができる。【詳細】魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム会期:2018年7月14日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、2018年7月17日(火) ※7月16日(月・祝)は開館場所:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1入館料:一般 1,000(800)円、大学生・65歳以上 500(400)円、高校生以下 無料※()内は前売り(館内のみ)、または30人以上の団体料金。※小学生以下は保護者(高校生以上)の同伴が必要。出品アーティスト:田中陽、坪倉輝明、藤本直明、小松宏誠、徳井太郎/清水雄大、藤元翔平、重田佑介+Zennyan、岡田憲一、宮本昌典/小岩原直志
2017年06月11日展覧会「日本の家1945年以降の建築と暮らし」が、東京国立近代美術館にて2017年7月19日(水)から10月29日(日)まで行われる。安藤忠雄、隈研吾、伊東豊雄ら56組による住宅建築を紹介安藤忠雄・西沢立衛・隈研吾他、日本の建築家56組による75件の住宅建築を、400点を超える模型・図面・写真・映像などを通して紹介する「日本の家1945年以降の建築と暮らし」展。2016年秋からローマ・ロンドンを巡回し日本での展示は3都市目となる。1945年以降の日本の住宅建築に焦点を当てて本展は、1945年以降の日本の住宅建築に焦点が当てられている。というのも、1945年は日本の住宅建築におけるターニングポイントであり、世界的に見ても珍しい、高名な建築家の手による個人住宅群が多数日本に誕生するきっかけとなった年だからだ。1945年は終戦の年。戦争が終わり、一面が焦土と化し、住宅が圧倒的に不足したことで、土地を買い持ち家に住むことが政策として推奨されるように。結果として建築家による個人住宅が多く誕生した。この時期に「建築家が個人住宅を手掛ける」文化が定着したことで、のちに多くの建築家が個人住宅を手掛けられる環境が作られた。プリツカー賞受賞建築家による個人住宅も誕生高名な建築家が個人住宅を手掛けることは、建築家の仕事のほとんどが公共建築である欧米の多くの国では非常に珍しい。ゆえに建築界で最も栄誉あるプリツカー賞受賞者など日本を代表する建築家による住宅建築の展示は、非常に驚きをもって迎えられ、ローマ・ロンドン両会場で好評を博した。「家族のあり方」などテーマごとの展示70を超える作品は、「プロトタイプと大量供給」、「大地のコンクリート」、「家族のあり方」など13のテーマごとに展示され、依頼者と建築家双方がどのような考えから作品の造形に至ったのかを分かりやすく展示。一見突飛に見える建築も、そのときどきの最先端の暮らしに合わせていくために作られたものであることがしっかりと理解できる。中に入って楽しめる大型模型など体験型企画も展示だけでなく、体験型のイベントも。中に入れる実物大模型や若手建築家との協働による夏休みに合わせたワークショップなど、建築の面白さを存分に体感できる企画も予定されている。【詳細】日本の家1945年以降の建築と暮らし期間:2017年7月19日(水)~10月29日(日)時間:10:00~17:00(金・土は21:00まで)※入館は閉園の30分前まで休館日:月曜日、9月19日(火)、10月10日(火)※9月18日(月)、10月9日(月)は開館会場:東京国立近代美術館1階 企画展ギャラリー住所:東京都千代田区北の丸公園 3 -1料金:一般 1,200(900)円(税込)、大学生800(500)円(税込)※かっこ内は20名以上の団体料金※5時から割引 金・土の17:00以降は一般1,000円(税込)、大学生700円(税込)で観覧可※リピーター割引 本展使用済み入場券提示で二回目以降一般500円(税込)、大学生250円(税込)で観覧可出展建築家一覧:相田武文、青木淳、東孝光、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)、阿部勤、安藤忠雄、五十嵐淳、生物建築舎(藤野高志)、生田勉、池辺陽、石山修武、伊東豊雄、乾久美子、o+h(大西麻貴 +百田有希)、大野勝彦+積水化学工業、岡啓輔、柄沢祐輔、菊竹清訓、岸和郎、隈研吾、黒川紀章、黒沢隆、金野千恵、坂倉準三、坂本一成、篠原一男、篠原聡子、島田陽、白井晟一、清家清、妹島和世、丹下健三、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、dot architects(家成俊勝+赤代武志)、中川エリカ、中山英之、難波和彦、西沢大良、西沢立衛、西田司、長谷川逸子、長谷川豪、広瀬鎌二、藤井博巳、藤本壮介、藤森照信、前川國男、増沢洵、宮本佳明、無印良品、毛綱毅曠、山下和正、山本理顕、吉阪隆正、吉村順三、アントニン・レーモンド【問い合わせ先】ハローダイヤル03-5777-8600
2017年05月13日東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターにて、日本アニメーションを紹介する「映画の教室 2017 素材から観る日本アニメーション」が、2017年6月28日(水)から7月26日(水)までの毎週水曜日、全5回開催される。日本でアニメーション映画が誕生したとされる1917年から100年を迎えた2017年。今回の「映画の教室」では、今や日本を代表する文化に成長したアニメーション映画を、切り紙、人形、セル画といった、映画を作る“素材”に注目した構成で紹介する。6月28日(水)に行われる第1回目のテーマは「切り紙・影絵アニメーション」。カラーセロファンによる艶やかな影絵アニメを制作した大藤信郎の作品など、全6作品を上映する。カンヌ国際映画祭でピカソやコクトーが絶賛したという大藤作の『くじら』や、切り紙アニメの傑作『月の宮の王女様』など、注目作品が揃う。7月5日(水)の第2回目では、ティム・バートンにも影響を与えたとされる持永只仁などの人形アニメーション(パペットアニメ)作品を上映。翌週の第3回目は、1958年に公開された日本初の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』を上映する。7月19日(水)の第4回目もセルアニメーションにフォーカス。虫プロが倒産する前の最後の作品となった実験的映画『哀しみのベラドンナ』を上映する。「アニメロマネスク」として発表された、文学性の高い大人向けの作品だ。最終回は、テーマを「さまざまな素材と手法」として、古いものは1924年から、新しいものでは2002年の『頭山』までの全8作品が紹介される。切り紙と実写を合成した大藤信郎の『煙り草物語』や、写真や紙芝居風の手法を用いた虫プロの作品など、様々な素材やスタイルが交差するラインナップだ。各回とも、上映に加えて研究員による約15分の解説がつく。定員制となっており、19時20分から(発券は当日19時から)開始する。なお、本上映会は10月11日(水)より別のテーマで後期の開催も予定されている。【詳細】「映画の教室 2017 素材から観る日本アニメーション」開催日:2017年6月28日(水)、7月5日(水)、12日(水)、19日(水)、26日(水) ※全5回・毎週水曜日開始時間:19:20~ ※終了時間は各回異なる。約15分間の研究員の解説付き。開場・発券:当日19:00~ ※発券は地下1階受付。※定員制(151名)※混雑時も19:20まで席を確保できる「映画の教室」会員証(300円)を発売。会場:東京国立近代美術館 フィルムセンター 小ホール住所:東京都中央区京橋3-7-6 料金:一般 520円、高校・大学生・シニア 310円、小・中学生 100円、障がい者と付添者1名・キャンパスメンバーは無料※定員に達し次第締め切り。発券は1人1枚まで。※学生・シニア・障がい者・キャンパスメンバーなどは証明できるものを提示。<スケジュール>■6月28日(水)「切り紙・影絵アニメーション」約64分上映作品:『黒ニャゴ』[デジタル復元版](3分・千代紙映画社)、『くじら(KUJIRA)』[デジタル復元版](9分・大藤スタジオ)、『幽霊船(YUUREI SEN)』[デジタル復元版](11分・大藤スタジオ)、『お蝶夫人の幻想』(12分・朝日映画)、『お花のおひめさま』(18分・日本教育映画株式会社)、『新版 月の宮の王女様』[サクラグラフ版](11分・横浜シネマ商会)■7月5日(水)「人形アニメーション」約61分上映作品:『ペンギンぼうや ルルとキキ』(16分・人形映画製作所)、『道成寺』(19分・川本プロダクション)、『おこんじょうるり』(26分・桜映画社=エコー社)■7月12日(水)「セルアニメーション:東映動画」約79分上映作品:『白蛇伝』(79分・東映動画)■7月19日(水)「セルアニメーション:虫プロ 」約80分上映作品:『la sorcière 哀しみのベラドンナ』(80分・虫プロダクション)■7月26日(水)「さまざまな素材と手法」約53分上映作品:『煙り草物語』(3分・自由映画研究所)、『AN EXPRESSION(表現)』(3分)、『PROPAGATE(開花)』(4分)、『人間動物園』(2分・久里実験漫画工房)、『めもりい』(6分・虫プロダクション)、『創世記』(4分・虫プロダクション)、『りすのパナシ』(21分・電通=電通映画社)、『頭山 Mt.HEAD』(10分・Yamamura Animation)※記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがある。
2017年04月25日ロシアの女帝エカテリーナ2世のコレクションが基礎となり、日々進化し続けるエルミタージュ美術館。16世紀〜18世紀にかけて芸術分野における巨匠やその作品群は“オールドマスター”と呼ばれ、今なお多くの人々を魅了し続けています。そんなオールドマスター傑作の数々が、この春六本木に大集結。珠玉のコレクションを、ぜひその目で確かめて。珠玉のオールドマスター作品が目の前に18世紀、女帝エカテリーナ2世が美術品収集をはじめたことをきっかけに生まれたエルミタージュ美術館。エントランスを入ってすぐのエカテリーナ2世の肖像は、まるで「どうぞ私のコレクションを見ていって」と彼女が出迎えているかのよう。16世紀ルネサンス時代のティツィアーノや、17世紀オランダ市民絵画を代表するレンブラント、18世紀フランスを象徴するロココ主義のヴァトー。名だたる巨匠の作品が集結した本展は、エルミタージュ美術館展の決定版となっています。趣向を凝らした展示方法にも注目して展示室内は章ごとに赤や緑、金色など章のイメージに合った色で分かれています。同時代の作品を地域別に分けた本展は、それぞれの国の当時の風潮や雰囲気を味わうのにもうってつけです。またエカテリーナ2世の在位中に取得された作品のキャプションには王冠マークがついており、彼女の趣味趣向などを空想するのも楽しそう。巨匠の作品だからと身構えず、自分ならではの楽しみ方を見つけられるのも本展の魅力のひとつです。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:大エルミタージュ美術館展オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち催行期間:2017年03月18日 〜 2017年06月18日住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階森アーツセンターギャラリー電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年04月18日スタジオジブリのアニメーション世界を体験できる「三鷹の森ジブリ美術館」では、ジブリ作品を見た人の記憶に残る数々の“食事シーン”を取り上げた新企画展示「食べるを描く。」を5月27日(土)より開催することが決定。また、夏休みシーズンチケットの “先行抽選販売”が実施されることも分かった。日常を丹念に描いていることが特徴の一つに挙げられるスタジオジブリ作品。そんな日常描写の中でも、多くの人たちの記憶に残るのが“食事のシーン”。例えば、『千と千尋の神隠し』の千尋がハクにもらった“おにぎり”を涙を流しながら食べるシーンや、『ハウルの動く城』でハウルが“ベーコンエッグ”を作り、ソフィーとマルクルたちと食べるシーン。本展示では、これら数秒間のために描かれた場面の原画や絵コンテ、背景画などの制作資料を掲示しながら、食事シーンを表現するために用いられた工夫や作画の技術、作り手の意図などを解説していく。そして、『となりのトトロ』のサツキとメイの家の台所と、『天空の城ラピュタ』のタイガーモス号のキッチンは、実物大で制作。登場人物たちが調理していた世界観も体験できそうだ。また“食”について描くことは、登場人物たちの背景となる暮らしや文化を描くことでもあり、映画を作るときの資料となるような参考図書の紹介コーナーも設けるなど、“食のシーン”についてさらに理解を深められる展示となっている。「三鷹の森ジブリ美術館」の入場チケットはすべて日時指定の事前予約制となっており、従来の一般販売は、毎月10日に翌月分のチケットをローソンにて日にち&入場時間別に選択して購入するというもの。なお、5月25日(木)より7月分、6月25日(日)より8月分の夏休みシーズンチケットの “先行抽選販売”を実施。また、昨年7月入場分より、すべてのチケットに購入者の名前を印字。入場時には、チケット購入者の本人確認を行う場合もあるという。新企画展示「食べるを描く。」は5月27日(土)~2018年5月(予定)三鷹の森ジブリ美術館にて開催。(cinemacafe.net)
2017年04月06日東京国立博物館、国立西洋美術館、上野動物園など、東京・上野地区にある10施設を1回ずつ利用できる共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」の販売が、2017年4月1日(土)からスタートします。利用期間は2017年9月30日(土)まで。さらに、今回は、「特別展チケット」が1枚付いたタイプも新たに登場します。文化の街・上野をお得に楽しみたい方にぴったりですよ。「UENO WELCOME PASSPORT」が今年も販売!2015年に始まった「UENO WELCOME PASSPORT」は、上野地区の文化施設を1回ずつ利用できる共通入場券。4度目の発行となる今回は、これまでの常設展・動物園などに入場できるパスポート型の入場券に加えて、対象施設で開催される指定の特別展から1つを選び観覧できる「特別展チケット」が1枚付いたタイプも新たに登場します。なお、利用期間は2017年9月30日(土)まで。春から夏休みまでの期間にわたり、より便利に、お得に上野地区の観光を満喫できます「UENO WELCOME PASSPORT」とは?「UENO WELCOME PASSPORT」は、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、上野動物園、旧岩崎邸庭園、東京都美術館、上野の森美術館、下町風俗資料館、朝倉彫塑館、書道博物館の10施設の常設展などに、利用期間中、各1回入場できるお得なパスポート型の共通入場券です。また、今回新たに発行する「特別展チケット」付きは通常の内容に加え、東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、東京藝術大学大学美術館の5館において、指定の特別展のうち1つを選んで、観覧することができます。今回はスタンプラリーマップつき!上野の知識を深めようパスポートには案内地図として、「上野双六名所図絵 すごろくスタンプラリーマップ」が付属しています。さらに、各名所ごとの解説が載っており、散策しながら上野とその周辺の知識を深めることができますよ。このスタンプラリーマップで、施設を回り、7個以上スタンプを集めた方には、オリジナル・クリアファイルをプレゼントします。また、東京藝術大学大学美術館、東京文化会館、国立国会図書館国際子ども図書館、国立近現代建築資料館の4館では、パスポート持参した方にポストカードを配布します。「UENO WELCOME PASSPORT -上野地区文化施設共通入場券-」詳細販売・利用期間:2017年4月1日(土)~2017年9月30日(土)※ 東京都美術館は2017年10月9日(月・祝)まで有効。販売価格:2,000円(税込、常設展等入場券)、3,000円(税込、常設展等入場券+特別展チケット)※常設展等入場券+特別展チケットは3,000部限定販売販売場所:(1) 各施設チケット窓口東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/上野動物園/東京藝術大学大学美術館/上野の森美術館/下町風俗資料館/朝倉彫塑館/書道博物館※ 旧岩崎邸庭園、東京文化会館、国際子ども図書館、国立近現代建築資料館での販売はありません。(2) 店舗等での販売東京都美術館ミュージアムショップ/東京藝術大学大学美術館ミュージアムショップ/エキュート上野/松坂屋上野店/上野マルイ/浅草文化観光センター/東京観光情報センター(都庁第一本庁舎1階)/京成インフォメーションセンター(成田空港内)等(3) インターネット販売上野「文化の杜」公式ウェブサイト内 利用対象施設①常設展および総合文化展への入場(各施設1回)東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館②入館および入園(各施設1回)上野動物園/旧岩崎邸庭園/下町風俗資料館/朝倉彫塑館/書道博物館③指定の展覧会に入場(各施設1回)東京都美術館「杉戸洋展」/上野の森美術館④指定の特別展に100円引きで各1回入場国立西洋美術館/東京都美術館⑤持参者にポストカードをプレゼント東京藝術大学大学美術館/東京文化会館/国際子ども図書館/国立近現代建築資料館「特別展チケット」対象施設(指定の特別展1つに限り1回観覧できます)東京国立博物館/国立科学博物館/国立西洋美術館/東京都美術館/東京藝術大学大学美術館「特別展チケット」指定の特別展①東京国立博物館特別展「茶の湯」/日タイ修好130周年記念特別展「タイ 〜仏の国の輝き〜」/フランス人間国宝展/興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」②国立科学博物館特別展「大英自然史博物館展」/特別展「深海2017」③国立西洋美術館シャセリオー展/アルチンボルド展④東京都美術館ブリューゲル「バベルの塔」展/ボストン美術館の至宝展⑤東京藝術大学大学美術館特別展「雪村-奇想の誕生-」/ 藝「大」コレクション パンドラの箱が開いた!イベント詳細URL:
2017年03月29日皇居や千鳥が淵、北の丸公園といった都内有数の桜の名所エリアに立地する東京国立近代美術館では、4月9日(日)まで「美術館の春まつり」として桜とともに楽しむイベントを開催している。東京国立近代美術館では、風情のある日本の美が堪能できる2つの展覧会を中心に、さまざま催しを実施。「所蔵作品展MOMATコレクション」では、国内最大規模1万3,000点を超える所蔵作品から約200点を厳選、年に1度だけとなる水面に散る桜を描いた重要文化財作品・川合玉堂《行く春》や菊池芳文《小雨ふる吉野》(この2点はいずれも4月16日(日)まで)など、名作の数々を展示。4月2日(日)の「所蔵作品展 MOMATコレクション」無料観覧日には「春まつりトークラリー」を開催。ガイドスタッフとの対話による作品鑑賞を楽しみながら、スタンプラリー方式で作品を巡るスペシャルプログラムとなっている。また、「茶碗の中の宇宙樂家一子相伝の芸術」では、初代長次郎、本阿弥光悦の作品をはじめ、千利休が愛した名碗も揃い、樂家450年の伝統と技を楽しめる。3Dスキャン技術で再現した、手にとって触れる初代長次郎の「万代屋黒」などにも注目。十五代樂吉左衞門のサイン会・講演会なども開催される。三國清三シェフがプロデュースした館内2階のレストラン「ラー・エ・ミクニ」のテラスカフェでは、お花見弁当をはじめ桜の季節の特別メニューを販売、1階前庭には京都の老舗「一保堂茶舗」による期間限定の茶店が出店、本格的な煎茶や抹茶、和菓子なども提供される。期間中には、近隣で「千代田のさくらまつり」も開催されており、4月1日(土)・2日(日)には無料巡回バスが運行。桜を愛でながら気軽な散策も楽しめそう。東京国立近代美術館「美術館の春まつり」は4月9日(日)まで開催中。「所蔵作品展MOMATコレクション」「茶碗の中の宇宙樂家一子相伝の芸術」は5月21日(日)まで実施。(text:cinemacafe.net)
2017年03月28日