前回【私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②】では、元夫のよし夫に、離婚を白紙に戻す調停を申立てたまゆこ。有利に見えた調停は、よし夫のとんでもない主張で一転してしまい、勝つか負けるかわからない紙一重の戦いを強いられることになるのでした。 長引く調停の中、よし夫や調停委員・裁判官の立会のもと、まゆこは子供との『試行的面会交流(しこうてきめんかいこうりゅう)』を果たすのでした。 まゆこと子供の交流は、親権獲得に影響を与えるのでしょうか。1年半の間、問題なく養育してきたよし夫。監護実績のあるまゆこ。裁判所が見極める『親権者としてふさわしい親』の判断基準とは、どのようなものなのでしょうか? まゆこが行う『試行的面会交流』とは『試行的面会交流』は別居期間が長く、その間に一度も面会交流が行われなかった場合や、一方の親が面会交流に反対している場合に行われ(まゆこの場合、両方の理由が当てはまります…)、実際に面会交流をして子供に影響はないか、交流に問題はないかを確認します。 面会交流の様子は、調停委員や裁判官、親権者(よし夫)が見守ります。これは、子供が嫌がったり、親が不相応な態度(暴力など)を取ったりした場合に、注意・中断するためです。 また、今後の面会交流の回数や方法を決める基準になったり、親権について争っている場合には、よりふさわしい親権者がどちらかなのかを判断する1つの要因になったりします。 泣くことは許されない!?面会時のルールとは強制的に子供を引き離されて以来、1年半以上話すことすらできなかったまゆこは、子供の姿を遠目に見るだけでも涙があふれそうです。 しかし、泣くことはできません。試行的面会交流が始まる前、まゆことよし夫は『子供の前で泣かない』と約束していたからです。 約束を破った場合、調停委員や裁判官に注意・中断されてしまうかもしれません。最悪、子供への悪影響を懸念され、今後の面会交流の回数や方法が厳しく制限されたり、親権獲得が不利になったりする可能性もあります。 親権獲得へ影響を少しでも小さくするため、歯を食いしばって泣くのを耐えるまゆこ。子供は、幼いながらにまゆこを母親と覚えており、面会交流は無事終了しました。 裁判所が見極める『親権者としてふさわしい親』の判断基準とは裁判所が親権者を決める基準として、以下のようなものがあると考えられます。 子供の監護実績が多い経済的に安定している身体的・精神的に健全である今後の子育ての計画がしっかりしている今までの監護で子供の成長に悪影響を与えていない子供が両親の愛情を感じられるように、適切な面会交流をする意思がある 日本では、『母親である』ということは、親権を争う上で有利になる大きな条件の1つです。理由は様々ですが、子供が幼い内は、父親より母親と一緒にいることが望ましいと考えられていることが大きいでしょう。 また、特別な事情(母親がすぐに働き出した、父親が専業主夫など)がない限り、日本では母親が一日中子供の傍で世話をします。そのため、自ずと母親は監護実績を積むことになりますので、監護実績の長さという側面からみても、母親は有利になるのです。 その他、親権の判断基準について、高島総合法律事務所の理崎 智英弁護士にお聞きしました。 理崎弁護士:裁判所は、子供の幸せを1番に考えていますので、その他にも子供に対する態度も重要になります。例えば、子供に対する虐待などはもちろんですが、一方がもう一方の親の悪口を子供に吹き込んだり、子供がもう一方の親のもとに行かないように、目の前で泣いたりするなど、両親の間で子供が板挟みになってしまうような行いは、親権者としてふさわしくないと判断される可能性があります。 まとめ理想的ともいえる面会交流を行ったまゆこに、よし夫は危機感を覚えます。面会交流を重ねて、子供が母親と住むことを望み、離れたくないという想いが強くなれば、調停で離婚が白紙になったときに親権獲得するのも夢ではないかもしれません。 次回はいよいよ最終回。よし夫の今までの行いを金額にすると、どれくらいの慰謝料を請求できそうか、弁護士に聞いてみました! 次回につづく… *監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記③はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記③はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日2018年9月3日、日本体操協会の塚原光男副会長と妻の千恵子女子本部長が、『週刊文春』(文藝春秋社)に掲載された自身の記事が不適切として、東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」を行ったことが話題になりました。このような出版物の掲載禁止要求は極めて異例で、対応が注目されましたが、東京地裁は5日に「差し止めの要件を充足しない」として却下しています。犯罪行為や不貞など、掲載された内容が真実ならば致し方ない部分もありますが、事実と異なる場合はやはり掲載を差し止めたいもの。そのようなことは可能なのか。また、過去に事例はあるのか。パロス法律事務所の櫻町直樹弁護士に見解をお伺いしました。 ■差し止めは可能なのか?櫻町弁護士:「名誉毀損にあたる記事が公表されそうなときに、これを一般の目に触れないようにするための法的手段としては、今回のような「出版物(週刊誌等)への記事掲載差し止め」という形のほか、出版(製本)差し止め、頒布(販売、配布)差し止めといった形があります。このような「事前の」差し止めが認められるかについてのリーディングケースとしては、最高裁昭和61年6月11日判決(民集40巻4号872頁)があります。この最高裁昭和61年判決は、「人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価である名誉を違法に侵害された者は、損害賠償(民法七一〇条)又は名誉回復のための処分(同法七二三条)を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し、現に行われている侵害行為を排除し、又は将来生ずべき侵害を予防するため、侵害行為の差し止めを求めることができるものと解するのが相当」として、「人格権としての名誉権に基づく差止請求」を肯定しました(なお、この裁判自体は、差し止めの可否が直接的に争われたものではなく、雑誌出版差止めを裁判所が認めたことは違法だとして、雑誌の発行会社が国などに対して損害賠償を求めたものです)。ただし、こうした事前差し止めは、表現が一般に伝わる前に制限してしまうものであり、「表現の自由」(憲法21条)に対する重大な制約であることから、差し止めが認められるべきかどうかについては、慎重に判断しなければならないとされています。 ■裁判所の判断は…櫻町弁護士:「この点について上記最高裁昭和61年判決は、「表現行為に対する事前抑制は、新聞、雑誌その他の出版物や放送等の表現物がその自由市場に出る前に抑止してその内容を読者ないし聴視者の側に到達させる途を閉ざし又はその到達を遅らせてその意義を失わせ、公の批判の機会を減少させるものであり、また、事前抑制たることの性質上、予測に基づくものとならざるをえないこと等から事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く、濫用の虞があるうえ、実際上の抑止的効果が事後制裁の場合より大きいと考えられるのであつて、表現行為に対する事前抑制は、表現の自由を保障し検閲を禁止する憲法二一条の趣旨に照らし、厳格かつ明確な要件のもとにおいてのみ許容されうる」として、「厳格かつ明確な要件」を満たす場合にのみ、差止請求が認められるとしました。そして、その「厳格かつ明確な要件」について、具体的には「表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるときは、当該表現行為はその価値が被害者の名誉に劣後することが明らかであるうえ、有効適切な救済方法としての差し止めの必要性も肯定されるから、かかる実体的要件を具備するときに限つて、例外的に事前差し止めが許されるものというべき」としています。今回、文春オンラインの記事によれば、「塚原氏側の代理人弁護士から東京地裁に「掲載禁止の仮処分命令の申し立て」、事実上の出版の事前差し止め請求がなされた。」とありますが、名誉権に基づく差止請求であったのかどうかは不明です(ただし、当該記事が、塚原氏らのパワーハラスメント等について取り上げたものであったとすれば、記事の内容が名誉毀損にあたるとして、名誉権に基づく差止請求として申し立てたものと推測されます)。東京地裁は、この仮処分申請を「差し止めの要件を充足しない」として却下したということですから、差止めが認められる要件を充足していなかったため、裁判所は塚原氏らの差止請求を認めなかったということになりますが、東京地裁が、最高裁昭和61年判決の示した厳格かつ明確な要件、すなわち、「表現内容が真実でなく、又はそれが専ら公益を図る目的のものでないことが明白であつて、かつ、被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞があるとき」という要件を用いたとすれば、この要件をクリアするハードルは非常に高いといえます。仮処分の申立てが認められるかどうかも重要ですが、申立てをすること(そして、それを公表すること)によって文春側を牽制するという意図もあったのかもしれませんね」 ■書いたもの勝ちにはならない「表現の自由」に配慮し慎重に判断する必要はあるものの、「厳格かつ明確な要件」を満たしている場合には、出版物の差し止めが認められることもあるようです。「書いたもの勝ち」にならない法律も、しっかりと用意されているのですね。*取材協力弁護士:櫻町直樹(パロス法律事務所。弁護士として仕事をしていく上でのモットーとしているのは、英国の経済学者アルフレッド・マーシャルが語った、「冷静な思考力(頭脳)を持ち、しかし温かい心を兼ね備えて(cool heads but warm hearts)」です。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下認められたことはあるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。塚原夫妻が『週刊文春』に「掲載差し止め」を要求するも却下認められたことはあるの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月09日女優の鈴木保奈美(52)が10月2日、都内で7日にスタートするNHK・BSプレミアム連続ドラマ「主婦カツ!」の試写会に出席した。ある日突然、夫から「会社を辞めた」と言い出された鈴木演じる専業主婦・夏子の奮闘を描くドラマ。鈴木は1998年に「とんねるず」の石橋貴明(56)と再婚。翌99年以降は女優業を一度引退し、3人の娘を育てながら約10年間の専業主婦生活を送っていた。各紙によると鈴木は主婦時代を振り返り、「全て大変でしたけど、皆さんがやっていること。のど元を過ぎてしまえば、大変な日々も自分を成長させてくれた」と語ったという。また主婦はタイムスケジュールや家計管理を完璧にこなすことが求められる。それを踏まえ「『私たちって実は凄いよね』という思いは主婦の皆さんお持ちのものだと思います」「主婦は高いスキルを持っていると、ママ友の中では日ごろ言っている」と熱弁したという。「スーパーで食材を買う姿や、主婦をなめきっているアルバイトの採用担当者に反論する姿は演技とは思えないほどのリアリティがありました。主婦経験を存分に発揮できたこともあってか、鈴木さんはかなり楽しそうに現場で過ごしていたそうです」(NHK関係者)8日にスタートするフジテレビ系の月9ドラマ「SUITS/スーツ」では、キャリアウーマンの弁護士事務所の代表弁護士を演じる鈴木。主婦経験を経て着実に演技の幅が広がり、女優業にとってプラスになったようだ。
2018年10月04日1.厳罰に処すべきか?女性タレントが飲酒運転の上、ひき逃げをしたとされる事件で、そのときの状況が映っていたドライブレコーダーの映像が公開されました。実際にどのような経緯で公開されることになったのかはわかりませんが、仮に運送会社などの車に取り付けたドライブレコーダーのデータが会社から警察に提供され、警察からマスコミに公開されたのであれば、特に大きな問題はないでしょう。それでは、会社の車に取り付けた会社のドライブレコーダーのデータを、従業員が会社に無断で持ち出し、世間の注目を浴びるため、あるいは金銭受領目的で週刊誌などに持ち込んだというようなケースでは、会社との関係では何らかの処分を受けることになるでしょうか?このようなケースにおいて、会社としてはどう対応すべきなのか、考えてみたいと思います。会社のドライブレコーダーのデータは会社の保有する情報ですから、従業員が勝手にこれを持ち出したり、第三者に漏洩したりすることはできません。仮に世間の注目を浴びることが目的であったり、金銭目的であったりした場合には、会社のものを勝手に売って利益を得たということになります。普通に考えれば、厳罰に処するべきということになりそうです。 2.会社の受ける損害は?もう少しよく考えてみましょう。このようなケースでは、会社にどのような損害が発生するでしょうか。ドライブレコーダーのデータは、通常は特に事故などがなければ上書きされていき、消えてしまうものです。会社にとって、それ自体に財産的価値があるわけではありません。会社が受ける損害として考えられるのは、会社に対する社会的評価の低下です。報道されたようなケースでは、データを勝手に売ってしまうような従業員が勤めている会社である、それでも処分もしない会社である、と評価される危険があります。また、職場秩序を維持する必要もあります。このようなケースで厳しく処分しなければ、ほかの従業員も、「相当なお金がもらえる上にクビにならないのであればやった方が得」と考えるかもしれません。このようなことでは、職場秩序を維持できなくなってしまいます。 3.行為の必要性は?一方、このような行為を行う必要性はあるでしょうか。事実を公にするという意味では、公益に資する面はあるかもしれません。しかし、会社がもみ消そうとしているような場合でもない限り、会社に無断ということはあってはならないことですし、データの提供先も警察とすべきでしょう。上記のケースでは、世間の注目を浴びたり、金銭を受け取ったりすることが目的ということですから、目的も不正なものといえます(そもそも、そのような目的を認定できるかどうか、という問題がありますが、会社に無断で、マスコミに提供し、実際に金銭を受領していたという事実が認定できれば、目的も認められると考えます)。 4.会社が取るべき対応は?このように考えると、行為の必要性は認められない一方、会社の職場秩序を維持するためには、懲戒解雇を検討せざるを得ないように思います。ただし、会社に実害はないのではないか、このようなケースはレアケースではないか、一度出勤停止などの懲戒処分をして改善の機会を与えるべきではないか、といった反論(会社にとっては無効リスク)もあり得るので、退職勧奨して退職してもらう、という対応も実務的にはあり得るところかと思います。 筆/杜若経営法律事務所 岡正俊(【使用者側専門40年の圧倒的な実績】【市ヶ谷駅徒歩3分】【弁護士9名在籍】【総合力とチームワーク】杜若経営法律事務所は使用者側労働問題の解決に圧倒的な自信がございます。)【弁護士が解説!】営業車のドラレコ映像を無断でマスコミに提供したら懲戒処分を受ける?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が解説!】営業車のドラレコ映像を無断でマスコミに提供したら懲戒処分を受ける?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月03日参議院議員の今井絵理子氏が3日、自身のブログを更新し、元神戸市議会議員の橋本健氏との交際を報告した。今井議員は「本日発売の週刊新潮で私のプライベートに関する記事が掲載されました。すでに、数社のマスコミから取材の申し入れがありました」と書き出し、「極めて私的なことであり、ご報告をすることは控えていましたが、記事には事実誤認が多く、応援してくださっている皆さんには正直にお伝えしたくブログに書かせていただきます」とつづった。そして、「現在、私今井絵理子は元神戸市会議員の橋本健さんとお付き合いさせていただいております」と交際を報告し、「昨年末に橋本さんの離婚が成立をしたとのご報告や、事件についての説明と謝罪など、年明けから連絡を取りあっておりました」と経緯を説明。「交際については様々なご批判等あるかと思いますが、それらは全て覚悟しております」と記した。また、「橋本さんにはこれから事件の判決が下ります。犯してしまった罪は心から償い、もう二度とこのようなことを起こさないように、再起にむけて歩みを進めてほしいと思います」と今井議員。さらに、「新潮さんの記事にて、事実関係が違うことを何点か指摘させていただきます。記事の順に追ってご説明します」と、箇条書きで5つ説明した。事実と異なると指摘した5つは以下の通り。1.記事中にある芸能関係者と名乗る方が実在するのかについては疑問に思っています。なぜなら、芸能関係に携わっている方々とは去年から連絡も一切取っておりません。従って、私の状況を知り得る芸能関係者は存在するはずがありません。しかも、バースデーパーティなんかしていませんし、計画すらしていません。コメントの内容は全く事実と違います。2.「略奪」ということばが多用されますが、そのような事実はありません。不倫も不法行為もありません。これはかねてから説明している通りです。橋本さんからは、夫婦関係が破たんしており離婚調停中であると聞いてましたし、別居に至ったのも夫婦間のある出来事が原因であり、私とは全く関係のないことでした。3.橋本さんが「マスオ状態である」という書かれ方をしておりますがこれも事実とは異なります。彼は、神戸市内の歯科医院で診療をしており、東京の私の家で生活をしている事実はありません。4.記事では、私が元奥様に対して謝罪をしていないという旨の記述がありました。しかし、私は、報道が過熱し元奥様やお子様にご迷惑をお掛けしたことを申し訳なく思っており、代理人弁護士を通じて謝罪することを伝えましたところ、謝罪のお手紙を渡すことがいったんは決まりました。しかし、直前になって、元奥様の代理人弁護士から取りやめにしたいとの連絡があり実現しませんでした。5.また、見出しのひとつに「沖縄知事選挙の戦犯」とありました。佐喜眞候補当選のために私なりに一所懸命応援したつもりですが、力及ばなかったことについては大変不本意であり、申し訳なく思います。私自身、何度も沖縄に入り、知人や友人、友好団体などに支援を呼びかけてきましたし、沖縄で尋ねる先がなくなったので、東京に戻り、県人会を訪ねるなどして応援してきました。そのことを記者さんに説明をしたら、当初、知事選の応援をさぼっていたのだろうと勘繰っていた記者さんは「熱心ではないという言葉には語弊がありました」と言ってくれました。その時、「説明すれば分かってくれるんだ」と安心していたのですが、今日発売された記事には「沖縄知事選」の戦犯!などと書かれてショックを受けています。最後に「政治を志した原点である障がい者福祉や特別支援教育に関すること、また、子どもの貧困や基地問題など沖縄が抱える諸問題の解決にむけても地道に頑張って参ります」と記し、「取材に関してはすべて事務所にて対応させていただきます。近隣の方々や家族の者にも迷惑がかかりますので、くれぐれも自宅周辺での取材はご遠慮ください。ご配慮のほどよろしくお願い申し上げます」と呼びかけた。
2018年10月03日最近多くの反響をいただいている、シェアしたくなる法律相談所の【実録】シリーズ!今回は、私の友人から聞いたトンデモ話をご紹介します! ことのはじまりSさんは結婚して4年目。やり手個人事業主の旦那さん(以下、Aさん)と息子の3人で、何不自由自由無い暮らしをしていました。しかし、とあるきっかけで知人男性(以下Bさん)とダブル不倫の関係に発展してしまいます。 SさんとBさんのダブル不倫は半年以上継続し、しばらくするうちに「お互い今の相手と離婚して結婚しよう」という誓いを立てました。 …その後、ある日SさんはひょんなことからAさんに不倫関係がバレてしまいます。Sさんはその際に離婚話を切り出すととともに家を出て、Bさんのもとへ向かいました。そして、Aさんに不倫を打ち明けたこと、離婚したいと切り出したことを話しました。 ですが、Bさんの回答は、「やっぱり僕には今の家内と離婚して、君と結婚する決断はできない…」と、結婚を断られてしまいます。 かくしてSさんは、旦那のAさんにも不倫相手のBさんにも見捨てられてしまいました。専業主婦だったSさんには手持ちのお金もありません。男も子供もすべてを失い茫然自失。しばらくの間、実家に戻って空虚な生活を送っていましたが…。1週間経ったある日、Aさんから連絡がありました。 「君がやり直す気があるのであれば、戻ってきてほしい、子供もお母さんに会いたがっているよ」 …と。 Aさんのイケメン具合ヤバくないですか!?こんなにいい旦那さんがいるのに、不倫するなんてけしからんですよまったく!! この連絡に、Sさんはもちろん大喜び。急いで家に戻り、今ではまるで新婚さんかのようにAさんとの惚気話をするほどまで関係修復できたようです。 …しかし、話はこれだけで終わらないのです! その後、トンデモ展開が待っていた!!ここで終わってしまったら、「ただただAさんがイケメンだった」で終わってしまう話なんですよ。 本題はここから…。なんとAさんとSさんのふたりは、「Bさんを訴える!」と言いはじめたそうです。「あたしと旦那の仲を引き裂こうとたぶらかしたんだから慰謝料払え!」って、いちゃもんをつけている訳ですね。自分たちが幸せになっただけでは満足いかず、Bさんを訴えようとしているそのお前らの神経なんなんだよ!! …さて、今回のケースで、SさんとAさんは訴訟を起こして果たして勝てるのでしょうか!?そもそも、SさんとAさんは、Bさんを訴えることができるのでしょうか? 高島総合法律事務所の理崎智英弁護士に見解をお伺いしました! 理崎弁護士:まず、Sさんは不貞行為の当事者(加害者)なので、Bさんを訴えることはできません。Aさんは、Bさんに対して不貞行為を理由とする慰謝料請求をすることができます。次に、Sさんとしては、婚約破棄を理由とする慰謝料請求をすることが考えられます。しかし、SさんとBさんが結婚を約束したのは、ダブル不倫中であり、そのような約束は法的には保護されないので(婚約が成立したとは言えない)、婚約破棄を理由とする慰謝料請求をすることも難しいでしょう。 ――やはり、加害者であるSさんは訴えることができないようですね。ただ、被害者であるAさんは訴えることができるみたいです。ただ、Bさんの妻から反撃を食らうのではないかという可能性も浮上してきたので、こちらに関しても聞いてみました。 編集部:訴えることによって、Bさんの妻から、Sさんが不倫慰謝料請求をされてしまうといった状況も考えられるかと思います。その他、訴えることによってどのようなことが起こるのでしょうか。 理崎弁護士:Bさんの妻としても、AさんがBさんに対してするのと同様に、Sさんに対して慰謝料請求をすることができます。AさんがBさんを訴えたことによって、SさんとBさんの不貞行為がBさんの妻に発覚してしまい、不貞の慰謝料請求のきっかけを与えてしまうということは十分にあり得る話です。SさんもBさんも離婚はしないということであれば、AさんがBさんから慰謝料の支払いを受ける一方、Bさんの妻がSさんから慰謝料の支払いを受けるということは、結局、Sさん夫婦が受け取ったお金が、Bさん夫婦に戻るだけなので、夫婦の財布の紐が共通であるということを考慮すると、Aさんとしても、Bさんの妻としても、慰謝料請求の訴訟を起こすことはあまり意味がないかもしれません。 こちらが離婚しないのでは、訴訟の勝敗がどうあれどのみち意味がないように思えますね…。ただ、ここで訴える側のSさんとAさんが手を組み、Bさんの夫婦関係を壊すという名目であれば、負けのないケンカを吹っかけていることになるのでは…?やり手個人事業主のAさんはお金持ち。慰謝料払うだけで復讐できるのなら安いものなのではっ!? 理崎弁護士:なお、SさんとAさんが結託して、Bさんの夫婦関係を壊すという不当な目的で訴訟を提起した場合であって、訴訟上そのような目的が立証された場合には、Bさんとしては、Sさん及びAさんに対して、不当請求を理由とする慰謝料請求が認められる余地があります。 …さすがにそんなことが許されないようになっているようです。 SさんとAさんは、自分たちの仲が修復できたなら過去を見つめずに、未来を見据えて今後の夫婦生活を送っていただきたいものですね。とはいえ、私はSさんがコロコロと態度を変えて自分に都合の良い男になびくその神経が許せませんけどね…。 *執筆・取材:アシロ シェア法編集部(シェア法を盛り上げようと日々奮闘中。執筆いただける弁護士先生募集中です。)*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)【実録】元不倫相手に「あたしと旦那の仲をたぶらかした!慰謝料払え!」は認められる?弁護士に見解を聞いた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【実録】元不倫相手に「あたしと旦那の仲をたぶらかした!慰謝料払え!」は認められる?弁護士に見解を聞いた!はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年10月02日1「性犯罪」被害に遭った場合にどうすればよいか女性が被害に遭う割合が高い犯罪類型として、「強制わいせつ」「強姦」などのいわゆる性犯罪が挙げられます。一方で、性犯罪は、被害に遭った方が警察に被害を届け出る割合が少ないというデータがあります(平成24年度「犯罪白書」犯罪被害についての実態調査)。その原因は大きく2つあります。1つ目は、誰に何を相談したらよいのかわからなかった、という点。2つ目は、相談すること自体が被害を思い出させることにつながり、被害の届出を断念する方が多い、という点です。1つ目の原因については、もしこの記事を読んでいる方で、ご自身が犯罪被害に遭ったという方や、周囲で被害に遭ったという方がいらっしゃれば、まずは弁護士に相談をしてみてください。全国には、犯罪被害者支援活動を行っている弁護士が大勢いますので、インターネットで、例えば「犯罪被害者支援弁護士」といったキーワードで検索してみると、支援弁護士や、支援弁護士が関与している支援団体のホームページにアクセスすることが可能です。「自分だけがつらい思いをしている現状はおかしい。」「被害に対する謝罪を受け、少しでも傷ついた気持ち回復したい。」「加害者にはきちんと責任を取ってほしい。」「自分の気持ちを整理して前向きになるために、何かできることはないだろうか。」…などの気持ちになったときは、まずは弁護士に相談をしてみてください。 2被害相談の不安を解消するために特に性犯罪の被害に遭われた女性は、被害を受けた事実そのものを思い出すことがつらく、誰かに話してみようという気持ちにすらなれず、被害以来、男性と顔を合わせることにも抵抗を感じる方もいらっしゃると思います。もし、弁護士や支援団体などの各種相談窓口で、犯罪被害に遭った事実を話す際には、「異性には話しづらいので、女性の担当者がいいです」と申し出てみることをおすすめします。法律事務所や支援団体の体制によっては、女性の被害者に対する支援体制が必ずしも完璧とはいえない場合もあります(そもそも男性しか担当者が所属していないなど)。しかし、犯罪被害者支援に力を入れている弁護士は、せっかく勇気を持って相談に来られる方については、できる限り負担のないような環境でお話をしてもらいたいと考えていますから、相談時のご要望があれば遠慮なく伝えていただくべきと思います。 3犯罪被害を警察に届け出たらどうなるか警察に犯罪被害を相談した後は、どのような流れになるのでしょうか。________________________________________①警察署での被害に関する話の聞き取り↓②警察署に「被害届」や「告訴状」を提出↓「刑事事件」として、捜査開始↓〔この間に一通りの捜査を終える〕③警察署から、検察庁に事件の主担当が変わる(「送致」と言います)↓④担当の検察官(検事)が、犯人の処分(正式な裁判にするか、罰金を科すかどうか)を決定する 4「刑事事件」にする場合に考えるべきこともしあなたが、警察に犯罪被害を届け出て、捜査が進み、加害者について裁判が開始されることになったとします。その場合、裁判は誰でも傍聴自由となっていますから、「〇〇さんが、いつ、どこで、性犯罪の被害に遭った」ということが、裁判の中で読み上げられるということになれば、自分の名前や居住地が公になってしまいます。ただ、心配はいりません。刑事裁判では、特に性犯罪の被害者について、検察官に申し出ることによって、被害者の住所や名前をはじめとした、被害者を特定する情報が、裁判の場で公にならないよう、取扱ってもらえます。例えば、検察官が刑事裁判で何かしらの書面を読み上げるとき、本名に代えて「A子」などの仮名を使ったりします。また、あなたが刑事裁判中に、被害者として証人尋問を受けることになった場合も、傍聴人や被告人との間についたてを設けたり(これを「遮へい措置」といいます)、法廷とは別の部屋で尋問を受けたりする(これを「ビデオリンク方式」といいます)こともできる制度があります。なお、遮へい措置やビデオリンク方式は、民事裁判において加害者に対して損害賠償請求をする際にも、利用することができます。※ビデオリンク方式(裁判所HPより)5犯罪被害者として裁判の情報が知りたいとき被害申告の結果、加害者について裁判が開かれることになったとします。しかし、被害者は、原則として、加害者を裁く裁判に出席しなければいけないわけではありません。実際に犯人がいつ起訴され、判決が出て、いつから普通の暮らしを始めるのか、まったくわからないのでは、不安になってしまうでしょう。そうした場合は、被害者は警察や検察庁に対し、加害者の捜査・処分状況、裁判の日程や裁判結果について、通知を求めることができます。 6身近な人から犯罪被害を受けた場合の相談配偶者や、同居中の交際相手からDVを受けた場合、離れて身の安全を守るにはどうしたらよいのでしょうか。夫や同居中の交際相手から身体的暴力を受けた場合、加害男性との接触を避けるため、法律上の手続きとして、「保護命令」の申立が行えます。申立てから10日~12日程度で、裁判所から夫や交際相手に対し、6ヶ月間の接近禁止や、同居中だった住居からの退去、子や親族への接近禁止、などの命令が下されます。保護命令に違反した場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罰則が科されます。なお、保護命令の申立に至る可能性を考慮し、男性から身体的暴力を受けた際には、時間を置かずに医療機関を受診したり、警察や配偶者暴力相談支援センターなどへ相談したりして、被害を受けた状況を証拠として残しておくと後々役に立ちます。また、「加害者がいつ現れるか分からないので、同居していた自宅に戻るのが怖い」という方については、民間シェルターへの一時避難も必要に応じて検討した方がいいかもしれません。各地方自治体で、シェルターに関する相談窓口を置いている場合が多いので、事前に問い合わせをしてみましょう。 7加害者から身を隠す場合の注意点加害者に現在の居場所を知られたくない場合の方法・工夫として、以下のようなことが挙げられます。①実際の居場所を教えるのは、最低限の周囲の人間にとどめること②一時避難をする場合は、通常どおり学校や職場に出向くことは危険なため、避けること加害者があなたの学校や職場をすでに知っている場合には、あなたに会うために学校や職場にやって来る可能性があります。避難前後に、学校や職場に事情を話して連絡をするとともに、「加害者から問い合わせの連絡が来ても、居場所などを一切教えないように」と説明をしておくことが必要です。③自宅の電話やパソコンのメールの履歴を消去しておくこと自宅の固定電話やパソコンから知人などに連絡を取っていた方は、その履歴自体を消去しておかないと、加害者が後で通話履歴や送信履歴を調べてあなたの居場所を特定する可能性があるので、関係各所への連絡の痕跡をできるだけ消去しておくことが重要です。④住所録や手帳、子どもの学校の連絡網、病院の診察券など、あなたの行動範囲・交友関係がわかるものは、すべて持ち出して避難すること携帯電話のGPS機能をオンにしておくと、携帯電話の電波の発信場所から現在の居場所を加害者が特定する場合があります。細心の注意を払い、新しく携帯電話の契約をし直すことも検討しましょう。 8加害者との示談の意味・メリットについて犯罪被害に遭った際に、害者側の弁護士から、示談の話を持ち掛けられることがあります。被害者の方に代理人弁護士がついている場合であれば、示談の交渉自体を任せることができますが、そうでない場合は、示談の内容や意味合いについてよく理解しないまま、加害者側のペースで納得いかない示談をしてしまわないよう、注意する必要があります。示談というのは、被害者と加害者との間で、被害者が受けた損害(金銭的なものや精神的なものを含めて)についてのさまざまな約束事を決める、民事上の合意(契約)です。一般的には、「慰謝料」や「解決金」という名目で、加害者が被害者に対し、一定金額を支払う義務を負うことや、被害者が加害者を「許す」とか「加害者に対し処罰を望まない」といった言葉が合意に含まれることが多いです。刑事裁判では、こうした合意を記載した「示談書」が、加害者側にとって有利な証拠として裁判に提出されることになります。これにより、示談の成立を裁判官が認めると、最終的に加害者に下される処分(判決内容)も軽くなります。また、刑事裁判が終了しても示談の効力は生き続けるので、もし示談書に記載された約束事を加害者が反故にした場合、合意に反する行為をしたとして、加害者に対し、民事上の損害賠償請求を行うことも可能です。場合により、被害者の方は、加害者側が提示した条件をそのまま呑むのではなく、被害者の心情や生活状況などに配慮した内容を、合意に盛り込むこともできますので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。また、加害者側から提示された慰謝料などの金額が、相場として適切なのかどうかについても、弁護士に尋ねてみてください。 執筆/シティ総合法律事務所奧野舞(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知っておきたい知識8選はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【女性必見!】もしも犯罪被害に遭った時、知っておきたい知識8選はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日芸能界やテレビ局は、スタッフの働き方が極めて特殊な業界ですので、一般的な労務管理のマニュアルや契約書の雛型はほとんど通用しません。 例えば、ある1つのテレビ番組の制作チームは、複数の番組制作会社のスタッフで構成されるのが一般的です。それでは、制作会社Aのディレクターと、別の制作会社BのADが一緒にロケに行くことになった場合、誰がそのADの勤務時間を管理するのでしょうか?制作会社Aのディレクターの判断で、ロケの途中で勝手に帰らせたりできるのでしょうか?災害現場での取材なら、安全管理は誰が責任を持つのでしょうか?そもそも、指揮命令関係がないはずの別会社のディレクターからの指示に、ADは従う必要があるのでしょうか?どれも非常に難題です。 また、番組制作に関わる会社同士の権利義務関係も大変複雑です。番組制作には、テレビ局や制作会社、芸能プロダクションだけでなく、キャスティング会社やリサーチ会社も関わっています。各社は互いにどういった契約を交わしているのでしょうか?そもそも、契約を交わしているのでしょうか?交わしていても、その番組制作に必要な業務と照らし合わせて、適切な内容が反映された契約書なのでしょうか?リサーチ会社が手に入れた一般人(素人の出演者ら)の個人情報は、誰がどのように管理し、どの範囲で、どういった用途で公開できるのでしょうか?(企画会議に使うため?オンエアのため?) キャスティング会社は、番組の企画が中止になってしまった場合には、報酬は受け取れるのでしょうか? タレントと芸能プロダクション間の契約にも、難しい問題が多いです。最近は、給料が不当に安いことや、やりたくない仕事を半ば強制された、などということが問題になっています。確かにそれ自体は是正が必要です。しかし、タレントはタレントで、ほかの業界では想像もつかないような好待遇を受けている部分もあります(マネージャーがいたり、送迎があったり、仕事が少ないタレントは一般企業では考えられないほど休日があることも珍しくありません)。仮に、タレントと芸能プロダクションの契約に雇用契約とみなされるほどの指揮命令関係がある場合でも、このように一般的な雇用契約とはまったく異なる状況があります。 以下では、テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでよく起きる法律問題について、Q&A形式で紹介していきます。 業務委託スタッフの残業代や休日出勤手当てについて Q.当番組制作会社では、ディレクターはすべて雇用ではなく、業務委託として契約しているのですが、この場合には残業代や休日出勤の手当ては支払わなくてよいのでしょうか?との指摘が入りました。どうすればよいでしょうか? A.業務委託であれば、雇われているわけではなくフリーランスですので、原則、労働基準法は適用されません。したがって、残業代や休日出勤手当は支払わなくてよいと思われます。 しかし、本当にそのディレクターは単なる業務委託スタッフといえるのでしょうか?実際にはフリーで動いているのではなく、ほかのチーフディレクターやプロデューサーの指示に従って仕事をしているのではないでしょうか?ある程度決まった時間に会社に来て、決まった時間拘束されているのではないでしょうか?このような状況の場合、実質的には指揮命令関係があるとみなされ、雇用契約と同一視される可能性があります。そうなると、残業代などの支払い義務が生じる可能性もあるので注意する必要があります。重要なのは、「雇用」「業務委託」といった契約の名称ではなく、その実態です。 現場取材におけるADの労務管理について Q.当番組では、複数の制作会社からフリーのディレクターが来ており、ADは1つの制作会社の社員、というスタッフ構成になっています。報道番組の取材にフリーのディレクターと制作会社のADの2人で行ってもらっているのですが、何か問題はあるでしょうか? A.テレビ番組制作の現場では、複数の番組制作プロダクションからスタッフが来て、ディレクターやAD業務を行うのは当たり前であり、質問にあるような取材のシチュエーションも日常的にあります。 別会社に所属する2人で取材に行くこと自体に問題はありませんが、懸念されるのはADの労務管理です。まず、そのADが所属する制作会社の上司は、ADがいつどこにいるのか、時間はどのくらい拘束されているのか、必ず把握している必要があります。しかし、取材の内容によっては思わぬ時間がかかったりすることもあります。そのようなケースでは、フリーのディレクターは、直接指揮命令関係があるわけではないADに対し、帰ってよいとか、まだ業務を続けてほしい、などといった指示をすることができません(実際にはしているでしょうが、厳密にいえばその立場にはありません)。しかし、プロデューサーが帰宅している時間であれば、確認がとれません。かといって、そんな確認に気を取られて肝心の取材がおろそかになれば、他局、他メディアに遅れをとってしまいます。非常に難しい問題ですが、こういった場合には、突発的なものでない限り、プロデューサーやそのADが所属する制作会社のディレクターが、ADの労務管理上起き得る問題を事前に把握し、あらかじめ適切な指示をしておくしかないでしょう。そして、フリーや他社スタッフも含めた番組全体のグループLINEを作るなどして、誰もADの状況を把握していないような状態を作らないようにすることが重要です。また、災害現場の取材などでは、制作会社はADに対する安全配慮義務も負っているので、手柄ほしさに危険な取材を無理に行わないよう徹底させることも忘れてはいけません。 スタッフの職務専念義務についてQ.当番組制作会社では、スタッフの勤務態度の悪さが悩みの種です。音楽を聴きながら仕事をしたり、少し目を離すとほかの番組のスタッフと喫煙所で長話、といったことは当たり前になってしまっています。いくら緩い業界とはいえ、何とか改善できないでしょうか? A.通常の雇用契約では、就業規則などで、スタッフは勤務時間中は職務に専念しなければならない、という職務専念義務が定められています。 会社はスタッフに労働の対価として給料を支払うのですから、スタッフが勤務時間に職務に専念するのは、当然のことです。ところが、テレビ業界の場合は当然ではありません。ディレクターは食事に出かけるとなかなか帰ってこない、疲れ切ったADはトイレで寝ている(テレビ局には「トイレで寝ないでください」という貼紙がされていたりします)、ということが常態化してしまっています。こういう状況になりがちなのは、長時間勤務が自明のものとして体に染みついているので、勤務しながら休む、楽しむ、という感覚に慣れきっているからではないかと考えられます。スタッフを管理する側の上席者も、昔は同じような経験をしているはずなので、特に違和感を感じることもないのです。また、テレビ業界には、フリーのディレクターなど、雇われていない業務委託スタッフが多いということも、緩い雰囲気になりやすい要因の一つとして挙げられると思います。業務委託スタッフは誰かに労務管理される立場になく、職務専念義務も負っていないので、自分が任された仕事をこなしさえすれば、好きなときに好きなことをしてよいのですが、同じ現場にいる雇われスタッフがこれを真似したり、管理する側も誰がフリーで誰が雇われなのか把握していなかったりするので、このようなことが起きるのです。雇われスタッフとフリーが混在し、同じ仕事をしているため、雇われスタッフだけに職務専念義務を果たさせる、というのは簡単なことではありません。しかし、雇われスタッフには会社は高い残業代を支払うわけですから、その対価として、勤務時間には職務に専念しなければならない、ということを意識させるべきです。まずは雇われスタッフがどれだけ職務に専念しているのかをしっかり把握し、職務専念義務に違反している場合には、こまめに指導・注意を行うという体制作りから、始めてみてはいかがでしょうか。注意しても直らないようであれば、始末書を書かせるなど、軽い懲戒処分を行っていきましょう。長年染みついた感覚や、職場の慣習を変えるのは簡単なことではありませんが、スタッフの長時間労働の見直しが求められている昨今、職務専念義務の徹底についても、同じように厳しく見直しをしていく必要があるでしょう。 芸能プロダクションの法的紛争リスクについてQ.最近、芸能プロダクションとタレントのマネジメント契約をめぐっては、賃金が不当に低かったり、望まない芸能活動をさせられたりする、など色々と問題が起きていますが、当プロダクションも契約内容を見直すべきでしょうか? A.恐らく大多数の芸能プロダクションでは、タレントとのマネジメント契約は、雇用契約ではなく業務委託契約などの形とし、雇っているのではなく1人の個人事業者としてタレントを扱っているのではないかと思います(そうでなければ、散々働かせているのに月給数万円、ということでは最低賃金を下回り、違法となってしまいます)。 しかし、このような業務委託契約の場合でも、働き方の実態が一般的な労働者と変わらない場合には、そのタレントは「労働者」として扱われます(実際に平成28年に厚生労働省労働基準局がその旨の文書を各種芸能関係の団体に送付していますし、裁判例でも雇用契約類似の契約、と認定されたものもあります)。そうすると、仕事を選べない若手の芸人、モデル、アイドルなどは、事務所の指揮命令に従って仕事をしているのが実情と思いますので、多くのケースで「労働者」と判断される可能性が高いのではないでしょうか。仕事を選べないタレントの数は、選べるタレントよりも圧倒的に多いわけですから、結果として多くのプロダクションが労使トラブル、法的紛争の多発リスクを抱えているということです。ご質問があったプロダクションでは、タレントとの間の指揮命令関係がどうなっているかわかりませんが、芸能界は人気商売ですので、タレントとの法的トラブルはプロダクションにとって即、致命傷となってしまう可能性もあります。そうなる前に、今のうちにタレント(マネージャーらスタッフも)の働かせ方や待遇などを見直し、労務管理が適切に行える体制を整え、紛争リスクを小さくしましょう。 タレント養成スクールの講師契約についてQ.当芸能プロダクションでは、タレントをマネジメントするだけでなく、タレントの養成スクールも運営しています。養成スクールを運営するにあたっては、タレントに講師になってもらっていますが、講師として契約する際に注意すべき点はありますか? A.養成スクールの講師は、多くはタレントか、タレントを目指して裏方に回った方々だと思います。また、大半はプロダクションに雇われた講師ではなく、フリーランスで、タレント業などの合間を縫って講師をしています。この講師達とプロダクションの関係には、多くの問題があります。 まず、演技でも歌でもお笑いでも、芸能において基本的に重要なのはセンスであり、講師が何を指導するか、生徒に何を身につけてもらうかが、はっきりしない場合が多いということです。要するに、決まった正解がないのです。そうすると、講師が勝手な講義・指導をしていると生徒から苦情が入っても、プロダクションから注意することは難しくなります。講師の独りよがりではないか?と思われるような指導が、見方によっては正解といえるかもしれないからです。講師の指導に不満を持った生徒が大量にやめてしまい、数十万、数百万の受講料相当額の損害賠償請求する必要が出てくる、ということも考えられます。その場合でも、講師に何をどう指導してほしいのかが、事前に明確になっていなければ、講師の契約違反を問えず、損害賠償請求することもできない、という事態に陥りかねません。ほかにも例えば、講師が生徒に手を出してしまった場合などはどうなるでしょう。生徒たちにとって、講師は基本的に憧れの対象ですから、あり得ないケースとはいえません。関係がうまくいっているうちは問題にはなりませんが、講師と生徒の関係がこじれてしまったら、周囲を巻き込んだトラブルに発展することもあります。生徒や生徒の親から、講師だけでなくプロダクションが責任を追及される可能性があるのです。プロダクションは講師を雇用しているわけではないので、講師を指導するというのは立場的に難しいのですが、責任追及される場面では、「雇っていないフリーランスの講師なので…」という理屈は通用しない場合もあります。こうした問題が起こらないように、プロダクションと講師の契約では、指導の内容や禁止事項を明確に定め、特に生徒に対する責任を、契約段階で講師に自覚させておくことが重要です。また、そもそも講師を人選する段階で、上記のようなリスクを想定しながら進めていく必要があるでしょう。 タレントの移籍問題についてQ.私はアイドルとしてタレント活動をしていますが、今所属している芸能プロダクションの待遇が悪いので移籍を検討しています。しかし、今のプロダクションとの間のマネジメント契約を見ると、事務所を辞める場合には、一定期間タレント活動を禁止するという条項が設けられており、事実上移籍が難しくなっています。そもそも、このような条項を設けることは法律違反ではないのでしょうか? A.タレント、中でも特にアイドルは、アイドルとして活動できる期間はそれほど長くありません。一定期間、芸能活動を禁止するという条項は、実質的には移籍を禁止するような条項であるといえます。 このような条項の設定が、法律上、一律に許されないというわけではありません。もっとも、職業選択の自由という憲法上の権利を制約する内容にあたるため、裁判に至れば、このような条項は無効と解釈される可能性は高いでしょう(裁判例でもこのような条項を無効としたものがあります)。したがって、移籍を希望するタレントの方々は、上記のような条項を含む契約を交わしてしまっている場合でも、多くのケースでは、そのような条項には拘束されないはず、というのが法的な側面からの回答となります。しかし、ここからが問題です。法的な問題はクリアできても、退社をめぐって事務所と揉めてしまった場合、果たしてそのタレントの移籍はうまくいくのでしょうか。芸能界、テレビ業界は非常に狭い世界なので、大手プロダクションと揉めてしまった場合は、ほかのプロダクションも受け入れに二の足を踏むかもしれませんし、番組、テレビ局も使いづらい、というのが実情です。そうなると、契約条項の法的問題は解決できても、業界の暗黙のルールを乗り越えられずに移籍ができない、という状況になってしまう可能性があります。この問題は、テレビ業界、芸能界の体質によるものなので、完全な解決を望むのは難しいです。しかし、例えば退社時、弁護士に間に入ってもらうなどすれば、単純に移籍を認めさせるだけでなく、その後も不利益な扱いをされないというところまで含めて、プロダクションと綿密に協議し、円満な解決を目指すことが可能になります。その際は、単に抽象的に芸能活動を阻害しないという約束をするだけではなく、具体的な番組や、プロダクションなどを想定しながら話し合っていくことが大切です。 執筆/シティ総合法律事務所会田岳央(「弁護士」というと、敷居が高く、話しにくいと思われるかもしれませんが、我々自身、そういう弁護士は苦手で、親身に温かく皆様のお悩みをお聞きする温かい法律事務所であると自負しておりますので、どうぞご安心して、何でもお気軽にご相談ください。)【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【弁護士が語る!】テレビ番組制作会社や、芸能プロダクションでの働き方の難しさはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日最近タレントのりゅうちぇるさんが両肩にタトゥーを入れた画像を公開し、一部から批判を受けることになりました。個人の自由のようにも思えるのですが、好ましくないと考えている人も多い様子。日本ではタトゥーに対して否定的に考える人も多く、それは企業でも同様でしょう。なかにはタトゥーを入れていることが後に発覚した場合、退職させるという措置をとる会社もあるようです。そのような場合、退職させられる側としては納得がいかないもの。不当性を訴えることできないのでしょうか? ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士に見解を伺いました。 Q.会社がタトゥーの入った社員を解雇…これは許される? A.タトゥーが入っているというだけでは解雇できません森川弁護士:「社員を解雇するためには処分が相当とされる「合理的な解雇事由」が必要となります。「タトゥーが入っている」というだけで懲戒解雇とすることは、合理的な解雇事由になるとは考えられず、仮に解雇の処分を受けたとしても無効になるものと思われます。ただし雇用形態時に「タトゥーNG」と明記されており、そのことを知りながら秘して雇用されたり、入っていることによって仕事に重大な支障が出ることが具体的に明らかな場合には「正当な事由」として認められる可能性もあるかもしれません」 まとめタトゥーは世界的にはポピュラーですが、現在の日本では風当たりが強いのことも事実です。日本でタトゥーと共に生きていくためには、「就業規則に従う」、「公共のルールを守る」、「ビジネスシーンでの露出は控える」などに配慮し、あくまでプライベートでのオシャレを楽しむものとして割り切る必要があるのかもしれませんね。 *取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)話題のタトゥー問題企業が入れた社員を解雇することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。話題のタトゥー問題企業が入れた社員を解雇することはできる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月27日大人気海外ドラマ「SUITS」を原作に描く10月期の月9ドラマ「SUITS/スーツ」。先日、「東京ラブストーリー」以来の共演となる織田裕二と鈴木保奈美の撮影が行われ、あうんの呼吸を見せていたという。鈴木さんがクランクインしたのは、「東京ラブストーリー」の再放送が始まった9月14日、湾岸スタジオでのセット撮影。恋人役を演じた「東京ラブストーリー」以来27年ぶりの共演となる織田さんと鈴木さんは、今回は弁護士事務所の上司と部下役で共演。2人は撮影前に台本の読み合わせなどで再会しているものの、共演シーンの撮影はこの日が初。今回の2人の共演シーンはワンシーンのみで、第1話で“敏腕ながら傲慢なエリート弁護士”甲斐正午(織田さん)が、ある争いごとを有利に運ぶために取った行き過ぎた行動を上司・幸村チカ(鈴木さん)がたしなめる…という場面。リハーサルでは、お互いの演技プランを披露し合い、久々の共演とは思えない、あうんの呼吸を見せてた2人。撮影の合間には、鈴木さんより早くセット撮影を行っている織田さんが、鈴木さんにセットの装飾品などにまつわるエピソードなどを披露するなど、リラックスした雰囲気だったようだ。今回再共演してみて、織田さんは「知的だしキュートだし、27年前と全然変わっていない上に、大人としての知識や経験が加わって、やっぱりステキな女性」「27年前と全く変わらず、僕にとって保奈美さんは同じ作品を作る上での“戦友”です」と鈴木さんの印象を明かす。また、鈴木さんは「織田さんは原作のアメリカ版“SUITS”をとても熱心に研究されていて、私同様に何よりも原作ドラマのファンでした。“(原作ドラマの)マネしていい部分とマネしちゃいけない部分のさじ加減をどうしていきましょう?”なんてお話をさせて頂きました」と織田さんと撮影の合間に談笑していたそう。「これからドラマを作り上げていく上で、織田さんも私も原作ドラマファンというのは、いい意味での共通項だと思っていて、これから“同志”として頑張っていけたらいいなと」と意気込み。さらに、撮影していて「何か新しいことが始まるんじゃないかな」と、ドキドキ感やワクワク感があると話す織田さんは、「撮影中に手応えを感じる時もあれば、逆に“これでいいんだろうか?”と悩むことも正直ありますけど、キャストやスタッフの皆さんがチーム一丸となってまとまっているので、個人的にも早く完成版を見たいと思える作品です。皆さんも是非お楽しみに!」と呼びかけ、鈴木さんも「はっきり言ってまだまだ手探りですが、この“手探り”がきっといい方向にいくと思います」とコメントしている。「SUITS/スーツ」は10月8日より毎週月曜日21時~フジテレビ系にて放送。※初回30分拡大(cinemacafe.net)
2018年09月27日ロックバンド・SEKAI NO OWARIの新曲「イルミネーション」が、10月11日スタートのテレビ朝日系ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(毎週木曜 21:00~)の主題歌に決定した。同ドラマは、弁護士資格を剥奪された小鳥遊翔子(米倉涼子)が、ペーパー弁護士の大学教授に法律事務所「京極法律事務所」を開かせた上に、嘘八百を並べてワケあり弁護士やパラリーガルをスカウト。傍若無人に彼らをこき使い、どんなに不利な訴訟でも"V"(victory=勝利)を手にするため突き進むという内容だ。「イルミネーション」は『リーガルV』のために書き下ろしたもの。また、放送日当日の10月11日に配信シングルとしてリリースされることも決定した。SEKAI NO OWARI メンバーコメント今回、ドラマのお話を頂き、炎で燃やされても残ることが出来るくらいの強さと、色んな意見を聞いて決断するという優しさ、その選択を後押し出来る曲にできたらと思いこの歌を作りました。いろんな人のいろんな瞬間や景色に重なり合う歌になってもらえたらうれしいです。
2018年09月26日前回(私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①)、子供を連れ、全財産を持ち逃げした上、勝手に離婚届まで提出した夫・よし夫に対し、妻・まゆこは、離婚後の親権の変更を求めるのが難しい状況であることを知りました。 かわいい我が子を取り戻すためには、離婚届を白紙に戻すことが必須。まゆこは、離婚をなかったことにするため【協議離婚無効確認調停(※)】に挑みます! ※協議離婚無効確認調停(きょうぎりこんむこうかくにんちょうてい)そもそも離婚は、離婚届を提出する際に、夫婦双方に離婚する意思のあることがなくてはなりません。そのため、一方に離婚の意思がないのに離婚届が受理されたしまった場合、戸籍上は離婚が成立していても、法律上は無効と考えられます。協議離婚無効確認調停では調停手続きによって、離婚を無効にする・しないが話し合われます。無効にすることで合意に至った場合、戸籍が訂正されます。調停開始!計画犯よし夫のとんでもない主張とは申立てから1ヶ月、とうとう調停の幕が開きました。「よし夫が来ないかもしれない」というまゆこの不安をあっさりと裏切り、弁護士を連れたよし夫が現れました。 まずは、調停室にまゆこが呼ばれ、今までの経緯や事情を話し、最低でも親権がほしい、財産分与がしたい旨を伝えました。子供も財産も奪われた事実に、調停委員が同情してしまうのは当然です。 通常であれば、まゆこの方が圧倒的に有利と考えられますが、よし夫は想像をはるかに超えた主張をしてきたのです。それは、 「妻は子供を虐待していて、子供の世話もせず、家事もしていなかった。親権は渡せない」 という、とんでもない主張です。しかも、証拠として部屋が散らかっている写真(自作自演)を提出し、子供が虐待されたエピソードをでっちあげたのです。 結婚してから、家事も育児も任せっきりのよし夫に、文句一つ言わず、毎日こなしてきたまゆこは、驚きで声がでません。 調停は長引きそうです…。 よし夫の超超計画的離婚|調停に終わりは来るのか…調停におけるよし夫のでっちあげは止まりません。突然家を出たよし夫に対し、まゆこが送った謝罪メール(「私が悪かった、帰ってきてください」などの内容)が証拠だとして、まゆこは自分の非を認めていると主張してきたのです。 もちろん、まゆこに非はありませんでしたが、その頃は帰ってきてほしくて必死だったため、謝罪メールもたくさん送っていたのです。こんなことに利用されるなんて、思ってもみませんでした。 そのほかにも、まゆこは自分で離婚届にサインをした事実がある上に、よし夫の悪事を裏付ける証拠がなかった(よし夫が連絡はメールを利用せず電話で済ますなど、証拠を残さなかった)ので、話は難航。調停委員も困惑していました。 次の調停は2ヶ月後、まゆこは無事離婚を白紙に戻せるのでしょうか? まとめこの話で紹介した調停は現在も続いており、まゆこが離婚を白紙に戻せるか、よし夫が逃げきるかはかなり紙一重…。 次回、1年半ぶり子供と面会交流したまゆこ。感動の再開! でも、親権を獲得したいなら、子供の前で絶対に泣いてはいけない?弁護士に聞く、裁判所の『親権者にふさわしい親』の判断基準とは? 次回につづく…*監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記②はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月25日北川景子が初の弁護士役に挑むドラマスペシャル「指定弁護士」。この度、北川さん演じる一ツ木唯の夫役で出演するえなりかずきのコメントが到着。さらに、仲睦まじい“結婚式ショット”も公開された。検察が“不起訴”にした容疑者を、市民による「検察審査会」が2回続けて“起訴すべき”と判断した際に、検察官役として指定される弁護士「指定弁護士」――。この指定弁護士となった京都の弁護士、一ツ木唯を北川さんが熱演。北村一輝演じるバディの検察官・橘慎二と共に事件の真相究明に挑み、同時に自らの道をつかんでいく姿を描く。■北川景子×えなりかずきが夫婦役北川さん演じる唯は、上昇志向が高く、家の中でも新聞や資料を読み込むなど常に仕事モード。そんな彼女を“夫”として、また同じ弁護士事務所で働く“パラリーガル”(法律事務アシスタント)として公私共に支えるのが、えなりさん演じる隆司だ。唯にとって隆司はとても安心できる存在だったが、唯が指定弁護士を引き受けて捜査にのめり込んでいくことで、徐々にその関係性に変化が…。■えなりかずきと“念願”の初共演!今回のえなりさんとの共演について北川さんは、「すっごくうれしかったです!」と一言。小さい頃から「渡る世間は鬼ばかり」を見ていたそうで、「えなりさん演じる眞はほぼ同じ年だったので勝手に一緒に育ってきたような感覚があって。国民的俳優さんなのでなかなかお会いできる機会もないだろうなと思っていたのですが、今回このような機会をいただけて」と思いを述べ、また「最初にスタッフの方から『夫役の方がえなりさんで決まるかもしれない』とお聞きしたときには『絶対なんとか調整してください!えなりさんでお願いします!』と言ってしまいました(笑)」と明かす。一方、えなりさんも北川さんとの夫婦役での共演に「とにかくテンションが上がりました!」と言い、「撮影開始前日にDAIGOさんにお会いして『旦那役させていただきます』とごあいさつもして、心おきなく撮影に入れました(笑)」と夫・DAIGOに事前報告したそう。■実際の撮影では息はピッタリ! 「いい夫婦像を描けた」そして実際に撮影に入ると、北川さんは「まさに“大ベテラン”という感じでした」とえなりさんの印象を語り、「夫婦シーンにかんしては、ほとんどえなりさんが引っ張ってくださった気がします。えなりさん演じる隆司が作ってくれる空気の中にいることで唯が唯らしく動けたと言いますか。お互いのお芝居の呼吸でいい夫婦像を描けたのではないかと思います」といい撮影になった様子。また、北川さんのファンになったと語るえなりさんは、「とにかく楽しかったのが、劇中に出てくる結婚式設定の写真撮影」と語り、「日本国民は北川さんのウェディングドレス姿を一度テレビ中継などで見ているわけですが、肉眼で見る北川さんのドレス姿は後光が射しているようで眩しかった(笑)。その写真は家宝にしております!」と告白した。■本作の見どころは?もうすぐ放送となる本作の見どころについて北川さんは、「初めて弁護士役に挑戦させていただいた中で、大変だったけど自信があるものになったのが裁判シーンです。そこをぜひ見ていただきたいですし、あと北村(一輝)さんとのバディ感も、真剣な中にもクスッと笑える部分があるので、ぜひ注目して見ていただきたいなと思います」とアピール。えなりさんも「裁判で北川さん演じる唯が指定弁護士として被告を追い詰めるシーンは圧巻で、現場では自然と拍手が起こりました。全体的にも展開の早い内容になっているので、一瞬たりとも目が離せなくなっています」と見どころを説明し、「現場の熱気もお茶の間に伝わるはずなので、ストーリーと現場の盛り上がりをぜひ我々と一緒に目撃していただきたいです」と呼びかけている。ドラマスペシャル「指定弁護士」は9月23日(日)21時~テレビ朝日系にて放送。(cinemacafe.net)
2018年09月21日適齢期の男女が「結婚を前提に」交際をスタートすることは多いと聞きます。お互いに早期のゴールインを望んでいる場合、結婚する気がない人とはつきあいたくないものですから、そう考えるのも当然のことでしょう。しかし、すんなり結婚に至るかというと、そうもいかないのが人間関係。突然「ほかに好きな人ができた」と告げられ、別れを突きつけられたという人もいるようです。このような身勝手な理由での別れとなれば、当然慰謝料などを請求したくなるもの。ですが結婚しているわけではないだけに、難しいように思えます。実際のところ、どうなのでしょうか?秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に見解をお伺いしました。 Q.結婚を前提とした交際相手から突然「ほかに好きな人ができた」と別れを切り出された…慰謝料などを取ることはできる? A.交際の内情が内縁あるいは婚約に該当する場合には認められることもあります近藤弁護士:「前提として、慰謝料が法律上認められるためには、民法上の『不法行為』が成立することが必要です。そして不法行為が成立するというためには、①加害行為②権利・法律上保護される利益の侵害③相手方の故意・過失④損害⑤因果関係を主張立証しなければなりません。このケースではさまざまな問題点が考えられるようにも思いますが、特に問題となってくるのは、そもそも②権利・利益の侵害があるといえるかどうかでしょう。『別れを切り出されることで、切り出された側に何らかの権利・法律上保護される利益が侵害されたといえるのか?』ということです。もちろん気持ちは傷ついたでしょうが、裁判所は、それだけでただちに法律上保護される利益が侵害されたものとは考えていません。裁判所の大まかな傾向を見る限り、ご質問のケースで慰謝料が認められるとするならば、それは内縁破棄あるいは婚約破棄に該当するような場合に限られてくるように思われます。簡単に言えば、内縁は『実質上夫婦なのに婚姻届を出していないだけ』の状態であり、婚約は『将来婚姻しようという誠心誠意の男女間の約束』のことです。つまり、ご質問の『結婚を前提とした交際』の内情をみたとき、このような内縁あるいは婚約にあたるといえる場合であれば、権利・法律上保護された利益が侵害されたので慰謝料が認められる、という結論となる可能性もあるでしょう」結婚を前提とした交際ならば、別れるにしても最後まで責任を持って行動するのは当然のこと。別れを突きつけられた側としては、やはりやりきれないものを抱えてしまいます。慰謝料を請求できる場合もありますので、泣き寝入りせず離婚問題の解決実績がある弁護士に相談し、対応を協議してみてはいかがでしょうか。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)結婚前提の交際なのに「ほかに好きな人ができた」と捨てられた…慰謝料を請求することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。結婚前提の交際なのに「ほかに好きな人ができた」と捨てられた…慰謝料を請求することは可能?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月20日俳優・金山一彦(51)の妻で弁護士の大渕愛子氏(41)が19日、第3子となる女児を出産した。同日、自身のブログで発表した。大渕弁護士は「出産のご報告」と題して更新し、「本日、9時19分、2572gの女の子を無事に出産いたしました。母子ともに健康です!」と報告。「私の体調が優れず、若干の不安もありましたが、手術はスムーズに進み、術後の経過も順調とのことです」とつづった。そして、「私の胸でスヤスヤ寝ている娘」と愛娘の写真を添えて、「とても小さく、とても愛おしいです。目が少し開きました」とコメント。「元気に産まれてきてくれて、本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びをつづった。2人は2014年8月に結婚。2015年3月に第1子となる長男、16年12月に第2子となる次男が誕生した。
2018年09月20日企業では通常社員に対しどのような経路を経て出勤しているか提出させます。「最寄り駅まではバス」「○○駅~○○駅まで計何分」というような書類を書いたことがある人がほとんどではないでしょうか?ところがなかには書類にバスと記載しながら、実際は自転車やバイクで最寄り駅まで通っている人も多いと聞きます。このように会社に報告しているものとは異なる通勤手段で事故に遭遇してしまった場合、労災は降りるのでしょうか?髙田総合法律事務所の髙田英治弁護士に見解を伺いました。 Q.会社に報告しているものとは異なる通勤手段で事故に遭遇…労災は降りる? A.労災と認められるケースもあります髙田弁護士:「労災保険法上、会社へ届け出ている通勤手段と事故に遭った際の通勤手段とが一致することは、通勤災害として保険給付を受けるための要件ではありません。したがって、会社へ届け出た通勤手段以外の手段で通勤中に事故を起こした場合であっても、労災と認められる可能性はあります。もっとも、労災保険法上、通勤災害と認定されるためには、当該通勤が、就業に関し、自宅と会社の間等の移動として合理的な経路及び手段で行われる必要があります。したがって、バイクや自転車で通勤した場合であっても、特段の合理的な理由もなく著しい遠回りをした場合などは、合理的な経路とはいえず、通勤災害とは認められません。また、無免許運転や飲酒運転などをしていた場合も、合理的な手段とはいえないことから、通勤災害とは認められません。さらに、普通は自転車で移動しないような長距離を敢えて自転車で通勤していたような場合なども、やはり合理的な手段といえず、通勤災害と認められない可能性があります。時々、事故に遭った際の通勤手段と会社に届け出ている通勤手段が異なる場合は、労災の対象とならないと言われたという話を聞くことがあります。しかし、このように、事故に遭った際の通勤手段と会社に届け出ている通勤手段が一致するかどうかという点は、労災の認定には本来無関係です。ただし、会社へ届け出た通勤手段と異なる通勤手段で通勤していた場合、会社との関係で別途就業規則上の問題等が生じる場合がありますし、会社にはバス通勤と届け出た上で定期代を受給しながら、実際には自転車で通勤していたような場合には、単なる民事上の問題だけでなく、別途詐欺罪等が成立する可能性もありますので、この点は注意が必要です」会社に報告しているものとは異なる通勤手段で事故にあった場合でも労災が降りるケースもあります。一方で、「異なる通勤手段で通っている」ことが、場合によっては就業規則違反などになる可能性もあるようです。該当する人は、会社に「自転車やバイクで通勤している」ことを報告したほうが良いかもしれませんね。 *取材協力弁護士: 髙田英治(髙田総合法律事務所)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 会社に報告しているものとは別の通勤手段で事故…労災は降りる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社に報告しているものとは別の通勤手段で事故…労災は降りる?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月19日読者の皆さんのなかには、離婚を前提に別居を考えているという方もいることでしょう。そうなると収入の低いほうは、生活が苦しくなってしまいます。そんなとき、収入の低い側は相手から婚姻費用を受け取ることができます。この婚姻費用とは「婚姻から生ずる費用、家族の生活費」のこと。別居となった場合は当然受け取りたいものですが、相場や相手が支払いを拒否した場合の手続きなど、わからないことばかりです。そこで秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に解説していただきました。 ■婚姻費用の相場は?近藤弁護士:「民法上、『夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する』と定められています(760条)。しかしこの規定だけでは、婚姻費用がいくらになるのかは不明確です。まず、もしご本人同士で話合い、双方納得して金額が決まればその金額となります。しかし、実際は双方の意見が異なることが多いため、実務上は「婚姻費用算定表」をベースにして婚姻費用の額が決められることがほとんどです。具体的には、①双方の年収、②子どもの有無、人数や年齢等をもとに算定表を参考にして金額が決められます。また、子どもが私立学校に通っている場合等、特別な事情がある場合は、その分も考慮されることがあります。双方の年収だけで決まっているわけではない、ということには注意が必要です」 ■相手が支払いをしない場合は?近藤弁護士:「相手方に対して調停・審判を申し立てます。相手方が仮に調停に応じなくても、婚姻費用の額を裁判所に決めてもらうことができます。調停や審判で決まれば、相手方が支払わない場合、相手方の給与等を差し押さえることが可能となりますので、決まった金額が支払われることがほとんどです。ただ、調停・審判においては、調停を申し立てた日に遡って支払が命じられることが多いので、別居に至り、相手方が生活費を支払わなくなった場合は、すぐに調停を申し立てるほうが得策です」別居する前に弁護士と相談し、婚姻費用についてある程度対策を考えておくほうが、いいかもしれません。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています) 意外と知らない婚姻費用相場や支払い拒否時の対応を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。意外と知らない婚姻費用相場や支払い拒否時の対応を弁護士が解説はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月18日養育費は離婚した未成熟子が社会自立をするまでに必要とされる費用とされ、離婚時に当事者同士の話し合いによって決めた金額を支払うことが一般的です。そんな養育費ですが、なかには合意したにもかかわらず支払わない人間もいると聞きます。子供を抱えている側の経済力が乏しい場合、養育費の支払いがなくなってしまうと、生活が困窮することになります。当然、なんとかして支払いを迫りたいところ。どのような対策を講じれば良いのか。秋葉原よすが法律事務所の近藤美香弁護士に解説していただきました。 Q.離婚相手が養育費を支払わない。どうやって請求すればいい? A.強制執行や調停・審判申立てなどの方法があります近藤弁護士:「どのような形で合意をしたのかによります。調停や公正証書で合意した、あるいは判決や審判が出た場合であれば、相手方の給与を差し押さえる等の方法で養育費を回収することが可能です(強制執行)。口約束や2人で交わした合意書等,上記以外の形の場合は、養育費を請求する調停・審判を申立てて、その手続きの中で約束どおり支払うよう求めていくことになります。仮に審判となる場合、約束どおりの額がそのまま認められると限りませんが、そのような約束をしたという事実は考慮されると思います」口約束ではなく、調停や公正証書で合意した場合には、強制執行が可能とのこと。後悔しないよう、離婚時に強制執行が可能な形での取り決めをしておきましょう。 *取材協力弁護士: 近藤美香(秋葉原よすが法律事務所。家事事件を専門的に取り扱い、500件以上の家事事件を取り扱った経験を持つ。JADP認定の夫婦カウンセラーの資格を保持している。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)離婚相手が養育費を支払わない!請求する方法はない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。離婚相手が養育費を支払わない!請求する方法はない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月18日韓国で大ヒットを記録した映画『セブンデイズ』を、松嶋菜々子主演でドラマ化する「誘拐法廷~セブンデイズ~」。「関ジャニ∞」の丸山隆平が出演し、弁護士役に初挑戦!松嶋さんと初共演を果たすことがわかった。別居中の夫・相澤吾郎との離婚を決意し、一人娘・真衣の親権をめぐって対立している、敏腕弁護士・天吹芽依子(松嶋さん)はある日、最愛の娘を誘拐される。犯人から「殺人罪で起訴された、限りなくクロと思われる被告人・国光瑛二の無罪を勝ち取ること」を要求されることに。しかも、タイムリミットはわずか7日間…。芽依子は娘を奪還すべく、弁護士の倫理に抵触しかねないギリギリのラインで証拠集めに奔走。“母性”と“倫理”、“無数のどんでん返し”がめまぐるしく交錯するノンストップサスペンスを繰り広げる。そんな松嶋さん演じる主人公・芽依子とタッグを組むのが、丸山さん演じるフリーの弁護士・宇津井秀樹。被告人・国光の国選弁護人である宇津井は突如、芽依子から弁護を替わってほしいと言われることに…。もちろん当初は、芽依子の娘が誘拐されたことなど知る由もない宇津井。世の中、金が一番大事だとも思っている。しかし、有能な彼女が食いつくほどの案件なら何か面白いことが起きるかもしれないと直感。一緒に被告人・国光を弁護しようと提案し、芽依子とともに法律ラインぎりぎりの弁護活動へと身を投じていく――。2012年にテレビ朝日系で放送された主演連続ドラマ「ボーイズ・オン・ザ・ラン」で、女性と付き合ったことのないダメ男がぶざまにもがきながら成長する姿を真摯に演じ、その高い演技力を広く世に知らしめた丸山さん。そんな彼が役のために人生初のヒゲをたくわえ、初めての弁護士役で6年ぶりにテレビ朝日のドラマに出演。松嶋さん演じる芽依子にとって、味方なのか、敵なのか、わからない存在を体現する。■丸山隆平、初共演の松嶋菜々子に「お母さんなんだなぁ」丸山さんは「もともと、韓国映画の中でもサスペンスというジャンルが好きで、プライベートで楽しんでいたので、こういったジャンルのお仕事をいただくのが初めてで、お話をいただいたときは、とても嬉しかったです」と、その喜びをコメント。「どんな職業に就いたとしても、やはり人間であることには変わりないという中で揺れる芽依子はじめ、この物語の登場人物の個々の揺れに、結末までドキドキさせられながら、プロットを読ませていただきました」と明かす。「二転三転していく中で、思いもよらぬラストと、見終わった後、それぞれのその後を想像させるなんとも言えない後味。たまらなく好きな作品になりそうです。この物語の一員として、キャスト、スタッフの方々と共に皆さんをどのように作品に引き込むのかがいまから楽しみでなりません」と語りながら、「僕自身としては、いままで演じたことのない役柄なので、どうアプローチしていくのか、練っていくか楽しみです」と期待を込めている。さらに初共演の松嶋さんについては、最初は緊張していたようだが「撮影合間にご家庭のお話も伺って『お母さんなんだなぁ』と心が和らいで、ぐっと身近な存在に感じました。僕の日常の話にもすごく笑ってくださるし、“女優さん”ではなく“人”として接してくださるので、印象がだいぶ変わりましたね」と言う。「劇中のバディ感とはまた違う形で、いい共演ができてる感覚があります」とも話し、「いろんな見方ができる“母の愛の物語”」であることも明かしている。ドラマスペシャル「誘拐法廷~セブンデイズ~」は10月7日(日)21時~テレビ朝日系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年09月18日安全で儲かる投資と思っていたのに、老後のためにコツコツ貯めたお金が消えてしまった――そんな悲劇を避けるにはどうすれば?専門家に聞いた。負債1,053億円、債権者数約3万4,000人――。3日に破産を申し立てた「ケフィア事業振興会」は、干し柿やヨーグルトなどの加工食品のオーナーになれば、約半年で8~10%の利息を支払うとして会員を募集。今回の破綻で、少なくとも340億円あまりの投資金が戻ってこない事態になっている。被害対策弁護団のひとりで、リンク総合法律事務所の中森麻由子弁護士が解説する。「仕組みは複雑ですが、典型的な会員制オーナー商法です。投資した人の8割は60歳以上の高齢者で、そのほとんどが“投資に慣れていない女性”という印象をもちました。5年以上にわたって金利が支払われてきたこともあり、銀行に預けているという感覚で信用していたようです。老後のために貯めておいたお金を投資した方が多く、被害額が1億円を超えた例も。みなさん長年にわたって出資してきたので、被害額の平均は100万円を超えていると思われます」’11年にはじまったケフィア事業振興会のオーナー制度。昨年11月から、会員への配当や元本の支払いが遅れ、訴訟問題に発展した。同社の鏑木秀彌社長は、いまだ公の場に姿を現していない。今回の事件は、これまでの高齢者を狙った詐欺事件と少し異なっているという。被害者の相談に乗っている名城法律事務所の正木健司弁護士が語る。「パンフレットを郵送するだけで直接対面しての勧誘があるわけでもなく、マルチ商法のように、人を紹介したら紹介料が入るというものではありません。金塊や健康器具、和牛などの高額商品ではなく、干し柿やジュースなどの加工食品の通販を入口にして、1口5万円からと、ハードルが低いことが特徴です。それに加え、約半年後に最大10%もの異常な高利を、長年支払い続けたことで出資者を安心させました。しかし、このビジネスの実態は、新規で集めた資金を、前に契約した人への金利に回している自転車操業のようなものです。とくに破たんが確実になった昨年11月以降も、商品数を増やしてさかんにダイレクトメールを送ったり、世界的なサーカスの貸切り公演や音楽祭の計画などで経営状況をよく見せたりして、会員からさらにお金を“搾り取ろう”としていた。支払いができないと認識しながら、出資を募っていた場合、詐欺罪に当たる可能性があります」超低金利のなか、退職金を資産運用しようとするシニアを狙った投資詐欺も急増している。上級ファイナンシャルプランナーの北川邦弘氏が警鐘を鳴らす。「60代のご夫婦には、退職金という、これまで手にしたことがない大金が入ることで、冷静な判断力を失う方がいることは確かです。まず提案をされた金融商品の金利に注意すべき。銀行の普通預金が0.05%という低金利の時代に、100倍となる年利5%の商品が存在するわけがありません。元本保証で高利回りなど、低リスク高リターンをうたうものほど、詐欺の可能性があります。また、なぜ金利が高いのか、なぜ儲かるのか、仕組みがわからないものには手を出さないほうがいいでしょう。勧誘のときに専門用語や難解な言葉が出てきますが、自分で理解できない話には乗ってはいけません。さらに、金融商品を扱う会社は、行政の監視下に置かれ、金融庁に登録する義務があります。契約を交わそうとしている会社の登録状況を確認することも大切です」最後に中森弁護士が語る。「『ケフィア事業振興会』は、詐欺目的で創立された会社ではないと見ています。しかし、オーナー制度による資金集めがうまくいったことから、事業を広げ、けっきょく、今回の悪質な投資トラブルを引き起こしました。そんなトラブルに巻き込まれないためには、“こんなにおいしい話があるわけない”と疑ってかかる心が大事。疑問があったら、家族や近くの消費生活センターなどに相談したほうがいいでしょう」虎の子を狙う投資詐欺。専門家の話をもとに、だまされないための10カ条を作成した。【1】「元本保証、金利5%超」などはすべて疑う【2】「少額でもできる」「1口◯万円~」に要注意【3】なぜ儲かるか理解できないものには手を出さない【4】コンサートへの招待や有名人を使った宣伝にだまされない【5】立派な社屋や施設を持っていても安心ではない【6】社会貢献や健康などのうたい文句に注意【7】5年以上金利が払われていても、突然破たんすることはある【8】急に勧誘が激しくなったり、商品数が増えたら危ない【9】業者が金融庁に登録しているか確認する【10】不安に思ったら、第三者にすぐに相談するこれを心に刻み、老後の資金計画を立てよう。
2018年09月13日OLYMPUS DIGITAL CAMERAシェアしたくなる法律相談所では前回数多くの離婚裁判を経験した虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に、「壮絶だと感じた離婚裁判」についてお聞きし、大きな反響を得ました。そこで今回はその第2弾として、齋藤弁護士に「大変だった」と感じた離婚裁判の事例をお聞きしました。 Q.大変だったと思う離婚裁判は? A.旦那の財産がすべてもぬけの殻に…齋藤弁護士:「大変だった離婚の裁判は、やまほどあります。妻側の不貞がラインと複数の着信履歴から発覚。夫が問い詰めると、妻が音信不通になりました。旦那が困りはて、相談に。弁護士を通じて妻の捜索からはじめました。住民票の除票を取得し、やっとのことで連絡が取れ、事務所にきました。泣きながら、不貞は一切ありませんと否認。裁判所に調停申し立て。第1回期日に出廷しても、妻がきません。ふたをあけると地方に。再度別の裁判所に移送され、期日がひらかれました。出廷した妻は不貞は一切の否認。ここまではよくある話です。しかし、旦那は、妻に預貯金の管理をすべてしてもらっていました。旦那には、お金が一切ありません。夫婦で貯蓄していた財産はすべてもぬけの殻。旦那さんががんばって働いたお金は、いずこへ…」 男女の問題は、一般人の理解を超えた領域で争うことがあるようです。それにも対応する離婚弁護士は、やはり頼りになる存在といえますね。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)理解を超えた領域の争い…弁護士が見た最も大変だった裁判が凄すぎるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。理解を超えた領域の争い…弁護士が見た最も大変だった裁判が凄すぎるはシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月13日不倫はいわゆる不貞行為であり、モラルを欠いた行動とされています。しかし、実際に経験している人も多いようで、なかには「略奪婚」をする男女もいるようです。有責配偶者は「意地でも分かれて不倫相手と結婚したい」と思うようで、あの手この手で離婚を迫ることもあると聞きます。しかし配偶者にしてみれば、「ふざけるな」と言いたくなってしまいます。有責配偶者が離婚を強硬に望み、相手が拒否した場合、離婚することはできないのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 ■有責配偶者からの離婚は認められる?齋藤弁護士:「有責配偶者からの離婚請求は、実は絶対に認められないものでもありえません。旧判例は、確かに有責配偶者からの離婚請求の局面では、離婚できない時代がありました(最高裁昭27・2・19判決 民集6-2-110が有名でしょう)。しかし、時代が変わり、最高裁は、ある一定の条件のもとにおいては、離婚請求を認められるように判例変更したのです。実は、例外的に有責配偶者からの離婚請求が認められるためには、以下の三つの条件を満たす必要があります。①夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間と比較して、かなり長期間に及んでいること。②当事者の間に未成熟の子供が存在しないこと。③相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に非常に苛酷な状況におかれることになるなど、離婚請求を認めることによって相手方が大きなダメージを受けるような事情がないこと。この3つの基準は、おもに3つ目が肝になるでしょう。というのは、精神的、社会的、経済的に過酷な状況、とはひとりひとりの状況に応じて当然異なるからなのです。もちろん、①の別居期間が長期に及んでいるか否かの判断も1件1件異なるでしょう。しかし、これらは期間の問題ですから、客観的に確定することができますね」 ■実際の判例も齋藤弁護士:「ある有名な裁判例をご紹介いたします。調停後約13年経過した事案です。18歳と16歳の2人の未成熟の子がいましたが、慰謝料150万円と二男の大学進学費用150万円を支払う旨の訴訟上の和解が成立し、原判決を取り消し請求を認容する判断が示されています(大阪高等裁判所平成19年5月15日判決)。ご紹介した判決は、調停も不成立、第1審裁判所の判断も棄却、第2審裁判所の判断で初めて離婚が認められたものです。離婚する手立てとしては、さきにご紹介した3つの条件がない、とのことを証明する証拠を揃えることが肝要です」不倫による離婚が望ましいものではないことは明白ですが、離婚請求を認めることによって相手方が大きなダメージを受けるような事情がない場合は、有責配偶者から離婚を迫ることもできるのですね。相手としては、「不倫相手と結婚したい」というような人間とは離婚したほうが良いでしょう。経済力や子どもの養育など「そうもいかない」のも事実。その場合は、やはり弁護士の力を借りるのが、解決の早道かもしれません。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)不倫相手と結婚したいけど配偶者が離婚拒否!なんとかならないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。不倫相手と結婚したいけど配偶者が離婚拒否!なんとかならないの?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月13日『泥沼離婚』という言葉を聞いたら、どんな離婚をイメージしますか? 不倫の末、不倫相手の女に子供ができ夫は離婚を決意、それを知った妻が激怒、両親や周囲を巻き込んだ修羅場になり、最後は…。 なんて、映画のような泥沼離婚もあり得るかもしれません。このような場合、当事者や周囲の心情は別として、あくまで法的に考えると、離婚時に問題になるのは大きく分けて『有責配偶者からの離婚請求(※)』『慰謝料請求』『財産分与』『親権』『面会交流』の5つになるかと思います。 これらの問題は、『離婚裁判』という1つの裁判によって問題を解決できるので、当事者やその周囲の人たちの感情(慰謝料ははらわないと主張、離婚を拒否など)によって問題がこじれない限り、裁判も泥沼のような複雑さにはならないでしょう。しかし、今回は弁護士も嫌になるような泥沼離婚。『【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3』で紹介した、婚姻届と同時に離婚届を書かせた男とその元妻の、果てしない裁判での争いについて法律的な観点を交えて話そうと思います。※有責配偶者からの離婚請求有責配偶者とは、不法行為(不倫、DVなど)等によって夫婦関係を破綻させる原因をつくった配偶者を指します。原則として、有責配偶者からの離婚の請求は、裁判では認められていません。 ①すべての始まりことの始まりは去年の1月。普段仕事で忙しい夫のよし夫(仮名)はある日、連休を取り「3日間実家に帰るね」と妻のまゆこ(仮名)に言い残し、子供を連れて実家に帰りました。 キャリアウーマンのまゆこは、子供がいない寂しさを感じつつも、家事をしなくていい解放感に浸りながら、3日間を気ままに過ごしていました。しかし、よし夫と子供は3日を過ぎても一向に帰ってきません。電話をかけても、連絡がつかない! 普段ならあり得ないことに慌てふためくまゆこでしたが、一週間後さらに驚くことが起こりました。なんと、よし夫が「離婚したから」と連絡をしてきたのです。要するに、よし夫が勝手に離婚届を提出してしまったのです。 離婚届は一方が勝手に記入し、提出すると『有印私文書偽造罪』などの罪に問われる可能性があります。しかし、この離婚届は、よし夫と結婚する際に口車に乗せられ、まゆこ自身が記入したものでした。(親権などの詳細は、勝手に変更されていました) 後々判明したようですが、よし夫は前妻と離婚したときも、離婚届を勝手に提出して離婚したそう… さらによし夫は、家を出ていった際に、まゆことの共同預貯金をすべて持ち出していたのです。しかし、そんな夫でもまだ愛情が残っていたので、帰ってくるよう必死に懇願したまゆこですが、よし夫の頑なな拒絶や子供に会わせてもらえない現状に、夫婦関係の修復を諦め、自分の主張を通した離婚できるよう、本格的に行動することを決意しました。 よし夫が家を出て1年…。まゆことよし夫による壮絶な争いの火蓋が切って落とされました。 ②よし夫とまゆこの離婚騒動における問題点離婚の話を一切されずに家を出ていかれたため、精神的にも経済的にも大きな損害を受けたまゆこの希望は以下のとおりです。親権を取り戻し、子供の籍を自分の戸籍に入れたいこの日々の精神的苦痛に対する慰謝料を請求したい財産分与で自分の財産を取り戻したい離婚時に一般女性が望むことと大差ありません。しかし、既に離婚届が提出されていることが離婚問題を複雑にしているのです。 ③離婚後に親権は変更できる?親権の変更はまゆこの悲願ともいえるでしょう。離婚後に裁判所をとおして親権を変更する手続きを取ることもできますが、容易ではありません。裁判所は、現状の監護状況や生活環境が子供の発育に問題ないのであれば、無理に変更を加えるのをよしとしません。これは、安定している現状を崩すことが、子供の精神的な負担や人格形成に悪影響をおよぼす可能性を懸念しているからです。 変更が認められる状況の具体例として、親権者が死亡したり、親権者の監護が不十分で子供への悪影響が懸念されたりする場合が挙げられます。よし夫は実家に帰ったため、自身で監護できない場合でも祖父母を頼ることにより十分に監護できている状態で、子供との関係も安定しています。また、経済的にもよし夫の方が安定しています(財産をすべて持って行ったため)ので、変更が難しい状況と言わざるを得ません。 しかし、まゆこの場合、離婚届を書き換えられた上に勝手に出されたという経緯がありますので、親権を変更するのではなく『家庭裁判を通し離婚を白紙に戻し、再度親権を決め直して離婚届を提出する』という方法もあります(実際、まゆこはこの方法でよし夫に挑みました)。 まとめ離婚の事実を一度白紙へと戻す調停に挑むまゆこ(と弁護士)の前に立ちはだかる、頭脳明晰なよし夫(実際に有名大学を出ているらしい…)。まゆこは、離婚を白紙に戻せるのでしょうか? …次回につづく。【次の話を読む】→ 私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記② *監修弁護士:理崎智英弁護士(高島総合法律事務所。弁護士登録以来、離婚や不倫問題を中心に取り扱っており、多数の解決実績がある。)私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。私の知らぬ間に離婚が成立していた!? 元夫との壮絶法廷記①はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月12日一般的な会社ではタイムカードが置かれ、打刻することで勤務時間を管理します。しかし、派遣や出向、そして飲食店などの店舗などでは、手書きのタイムカードや勤怠表で管理する会社も少なくないようです。このような会社では、往々にして「残業時間はかかないように」と指示され、「なかったこと」にするよう強要されることもあると聞きます。当然法律違反ですから、未払い残業代を請求したいところ。一体どのようにして「サービス残業」を立証すれば良いのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士に見解をお伺いしました。 Q.タイムカードが手書きで、残業代を書かないよう要求されている。未払い残業代を請求したいのだが、どうすればいい? A.まずは証拠を集めましょう齋藤弁護士:「タイムカードそれ自体が手書きであることは、いまでもよくあることです。ですから、それ自体が問題だというのではなく、「残業代を書かないように」というのは、実際に生じている残業代を支払い請求させない根拠を与えてしまうものです。そのため、自衛手段をとる必要がありますし、また、これら行為を使用者側が強要することは、できません。ちなみに、残業代とは、実労働時間から所定篭城時間を除外したもので、実労働時間がどのようなものかが重要になるのです。あきらめてはいけません。また、使用者であれば、これで残業代を面だつすることにはなりません。労働時間管理ソフトを用いる、入退館記録をとりよせる、電子メールを手がかりにする、給与明細と比較する、パソコンへのログイン時間とログアウト時間を精査する、メールやラインなどの送信時間を精査する、そもそものシフト表を確認する、日報週報をかくくせをつける、日記をつける、お店ならそもそもの営業時間を確認する、手段はまだあります」残業代を請求する場合は可能な限りの証拠を集め、訴訟の準備をするところから始めてみましょう。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)タイムカードが手書きで残業時間を書くなと指示された!どうやって請求すればいい?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。タイムカードが手書きで残業時間を書くなと指示された!どうやって請求すればいい?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月11日「働き方改革」が叫ばれる昨今、残業についての考え方も変わってきているようです。大手企業などでは残業をする際、上司や関連部署に申請を出さねばいけない会社も増えていると聞きます。しかし、会社で残業ができなくなっただけで、仕事量が減ったわけではありません。進捗の遅れに焦る上司などから、「時間がないなら残業すればいい」、「残業でも足りなかったら家でやればいい」、など強要はされていないが、強く勧められる、促されるなどすることがあるようです。このような言動・行動はパワハラのように思えます。実際のところどうなのでしょうか?虎ノ門法律経済事務所池袋支店の齋藤健博弁護士にお聞きしました。 Q.上司から残業を促される…これはパワハラ? A.パワハラに該当する可能性があります齋藤弁護士:「パワハラとは、どのような行為がパワハラに該当します、という形で明確に記載されていません。一応の定義としては、同一職場内において労働するものに対して、職務上の地位や人間関係など、職場内での優位性を背景にして、業務の適正の範囲を逸脱した上で、精神的・身体的苦痛を与える行為であると指摘することができます。職場での地位や優位性というのは、立場によって異なるものですが、確実にこれを利用した上での行為であれば、パワハラに該当しえます。もちろん、職場はさまざまですから、どのような業種・業態によるかによります。ご指摘の質問では、残業の強要です。残業とは、実は法内残業と法外残業が存在しています。法外残業・休日労働、深夜労働であれば、割増率を確認したうえで、通常の賃金より多くの賃金請求が可能です。そのような手当てのようなものがつく行為であることにはかわりませんから、これを強要する行為はパワハラに該当してしまう可能性が極めて高いと指摘できます。なお、労働基準法施行規則25条の2第1項の規定には、業種によって商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業などと細かに分類が定められていますから、これを参考にしながら、各種業態の特殊性に応じて、判断されます」上司から残業を促される、自宅での作業を強要されるなどしている場合は、残業代を請求できる可能性があります。諦めず、証拠を集めるようにしましょう。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)会社が家での残業を促してくる…これってパワハラ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。会社が家での残業を促してくる…これってパワハラ?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月11日米倉涼子が弁護士資格を剥奪されたスキャンダラスな元弁護士を演じる連続ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」。この度、米倉涼子のライバル弁護士として菜々緒が出演していることが分かった。本作は、米倉さん演じる弁護士資格を剥奪された小鳥遊翔子が、ペーパー弁護士の大学教授に法律事務所を開かせた上に、もっともらしい嘘八百を並べて“ワケありの弁護士やパラリーガル”をスカウト。まさに悪魔のような傍若無人ぶりで彼らをこき使い、どんなに不利な訴訟でも“V”ictory=勝利を手にするため突き進んでいく、新感覚のリーガルドラマだ。■米倉涼子とは3度目の共演今回出演が明らかになった菜々緒さんは、翔子をライバル視する大手法律事務所の野心家弁護士・白鳥美奈子を演じる。米倉さんとの共演は、菜々緒さんがゲスト出演した「ドクターX~外科医・大門未知子~」第3シリーズの第9話(2014年)、そして翌年放送のドラマスペシャル「家政婦は見た!」に続いて3度目となる。本作では仕事ではもちろん、翔子の元カレとも噂されるエリート弁護士・海崎勇人(向井理)をめぐっても、強烈な敵対心をむき出す役どころ。菜々緒さんは「A LIFE~愛しき人~」で顧問弁護士を演じた経験があるが、法廷に立つ弁護士役は今回が初めて。緊張を隠せない様子ではあるが「実際に立てるなんてうれしいですね!とにかく未知の世界なので、イメージトレーニングをしたり、法廷でのやりとりが不自然にならないようセリフを自分の中に落とし込むといった準備を重ねて、撮影に臨みたいです」とコメント。演じる美奈子に対しては「デキる女性というイメージ。まずは見た目から役作りをしつつ、視聴者の皆さんにもこういう女性の役がピッタリだと思っていただけるよう、私自身も努力を惜しまず頑張りたいです」と意気込む姿も見られた。■30歳目前!「役者としても女性としても少しずつ前進したい」菜々緒さんは、本作の撮影期間中である今年10月28日に、30歳の誕生日を迎える。そんな菜々緒さんにとって米倉さんは心強い存在だそうで、「米倉さんも強い女性を演じられることがすごく多いので、お芝居を見ているとすごく勉強になります。今回も米倉さんの背中を見ながら、どんどん成長していきたいです。このドラマの撮影中に30代へ突入しますし(笑)、米倉さんにアドバイスを頂きながら、役者としても女性としても少しずつ前進したいなって思います」とコメントしている。今回はどんなバトルを繰り広げるのか!?米倉さんと菜々緒さんの対決もお楽しみに。「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」は10月より毎週木曜21時~テレビ朝日系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年09月05日傲慢なエリート弁護士とその日暮らしの天才フリーターがバディを組み、数々の難解な訴訟をあらゆる手段で解決していく、織田裕二主演の痛快エンターテインメント弁護士ドラマ「SUITS/スーツ」。10月から放送スタートする本作に、この度若手女優・今田美桜が出演することが決定した。今田さんは、『デメキン』やAbemaTVのドラマ「#声だけ天使」、「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」に出演。また、「花のち晴れ~花男 Next Season~」では“C5”のメンバー・真矢愛莉として出演し大きな注目を集め、劇中で見せる独特のヘアスタイルも話題となった。本作で今田さんが演じるのは、学生時代から大貴(中島裕翔/「Hey! Say! JUMP」)を様々トラブルに巻き込んできた悪友・谷元遊星の妹・谷元砂里。兄の遊星とは真逆の性格で正義感が強く、中学時代から大貴のことを意識し始め、兄の悪事の片棒を担がされる大貴を心配し、兄をたしなめることも…。また大貴にとっては、経歴詐称をして弁護士になった秘密を打ち明けることができる唯一の存在で、そのこともあって2人の関係は次第に近づいていくことに。大人気海外ドラマ「SUITS」を原作にした本作。砂里は原作「SUITS」では、ヴァネッサ・レイが演じたジェニー・グリフィスがモデルであり、ジェニーはマイク(日本版では大貴)の悪友トレヴァー(日本版では遊星)の恋人という設定だが、今回は設定を変更し本作オリジナルのキャラクターとなっている。演じるキャラクターについて今田さんは、「正義感の強い女性だと思っています。兄の遊星が、中島さん演じる大貴を悪事に巻き込んでしまうのですが、そのことをやめてほしいと願っているようなかわいらしさも持ち合わせています」と説明し、正義感が強いと思ったことはないという今田さんは、「砂里とは少し違うかもしれません(笑)」とコメント。また、「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」に続き、早くも2回目の月9枠出演となった今田さん。「まさか1年後にまた“月9ドラマ”に出演させて頂けるなんて思っていなかったので、本当にうれしいです」と喜び、「1年前の“民衆の敵”では天真らんまんな役柄でしたが、今回の“SUITS/スーツ”では正義感の強いしっかりした女性を演じさせて頂きますので、その違いを見せることができたらいいなと思っています」と話している。「SUITS/スーツ」は10月8日より毎週月曜日21時~フジテレビ系にて放送。※初回30分拡大(cinemacafe.net)
2018年09月05日結婚したい気持ちが強く、相手の欠点に気づいていても「結婚すれば変わるだろ…」と見て見ぬふりをしていませんか?欠点のない人はいませんが、周囲から「結婚するのはやめとけ!」と言われてしまう男性はいます。例えば、こんなケースが考えられます。 ・普段は優しく穏やかな人だけど、怒ると手が出る=DVにつながる可能性が高いそもそもDVは有形力の行使にあたり暴行罪が成立しますし、傷害罪が成立し得る行為です。これは家族だからといって許されるものではありません。 ・明るくて社交的な人だけど、頻繁に女性と2人きりでご飯に行ったり、連絡を取り合ったりしている=不倫につながる可能性がある不貞行為は離婚原因になります。その場合、慰謝料をめぐる問題が発生しやすいですし、子供がいれば成長への悪影響なども視野に入れていかないといけません。一度不貞をする人は、何度もすると指摘もできますね。 せっかく結婚しても、つらい思いばかりして、離婚を考えるようになるのであれば、結婚する意味がないのではないでしょうか。今回は、実際に「結婚をしてもいいかも…」という友人の発言に対し筆者が、「そんな男はやめとけ!」と言ってしまった(思った)男性トップ3と、もし結婚した場合どのようなことが懸念されるのか、トラブルが現実に起きたら法的に対処できるのか、などについてご紹介します。相手との結婚を考えるときの参考にしてください。 そんな男はやめとけ その①|お金の使い方に問題がある男お金に関するルーズさは、結婚したからといって簡単に変わるとは限りません。収入に見合わず高級志向だったり、ギャンブルがやめられなかったりする人が、結婚後もズルズルと使い込んでしまい…という可能性も否定はできないのです。そのような人と、万が一離婚に至った場合、財産分与の問題や、別居をすれば生活費の問題など、法律的な問題が山積みとなって降ってくるかもしれません。また、高額なお金を平気で彼女に借りる男も「やめとけ」と言われる対象になるのは間違いありません。筆者の友人の彼氏は、まさに、このタイプ。 2、3歳年下の彼女から、何万円ものお金を借りても平然としており、最終的に合計60万円ほど借金をした上、音信不通になってしまい自然消滅したようです。もちろん、お金は返ってきませんでした。この場合、裁判所を通して貸したお金を回収する方法もありますが、その際は貸したことを証明する証拠が必要です。お金を貸すたびに、念書などを作成する女の子はかなりの少数派でしょう。 もし、そのような人と結婚したとしても家計は圧迫され、働いても生活は苦しいまま。離婚を決意し、今までの苦労分の慰謝料を請求しようとしても、程度によっては認められない可能性が高いでしょう。そもそも、お金がない相手に慰謝料を請求しても低額でまとまる可能性が高く、最悪の場合、裁判にかかるお金で費用倒れするかもしれません。 興ざめになってしまうかもしれませんが、お金のやり取りをする場合には、万が一に備えて契約書を作成しておくことが、後々のトラブル予防策になります。あるいは、例えば誓約書にする、また、双方の利益になる婚前契約をする、という形にすれば、もう少し前向きかもしれませんね。 そんな男はやめとけ その②|前妻との間に問題を抱えている男自分の年齢が上がるにつれ、相手候補の年齢も高くなるのは当然です。その中に、バツイチ男性がいたっておかしくありません。もちろん、バツイチ男性が悪いわけではありません。しかし、その男性がどんなによい人でも、前妻との間に問題を抱えているのであれば「そんな男はやめとけ」と言わざるを得ないかもしれません。 離婚には、慰謝料・養育費・親権・財産分与など、さまざまな問題がつきまといます。特に養育費など子供に関する問題は、その子が経済的に独立するまで、父親として責任を負うことになります。現在の家計も満足に収入がないのに、前妻の子に養育費を払っていたり、あるいは減額したりしないことが、トラブルの種になりやすいのです。逆に、男性が支払うべき金銭を前妻に支払っていないため、裁判所から強制執行され差し押さえられた、という話も聞いたことがあります…。 バツイチ男性と結婚するのであれば、前妻との離婚時にどういった約束をしたのか、金銭的なトラブルが残っていないかなどについて、事前に確認しておきましょう。なお、金銭面については養育費だけではなく、慰謝料も分割払いにしていないかどうか、絶対に確認してください。慰謝料の分割払いは、長期になることも多くあり得ますので、今後の家計を設計する上で死活問題になり得ます。 そんな男はやめとけ その③|婚姻届と同時に離婚届を書かせる男筆者が聞いた話の中で最も強く「そんな男はやめとけ!」と言ったのは、婚姻届と同時に離婚届を書かせたバツイチ男です。書かせたといっても強要ではなく「離婚届を書いておけば、離婚したくないと思える」などと上手に言いくるめたようです。そして、その数年後、突然子供を連れて家を出ていき、離婚届を勝手に提出されたそうです。 離婚届は、一方が勝手に記入し、相手の印を押して提出した場合、『有印私文書偽造罪』などの罪に問われる可能性があります。また、裁判を行うことによって離婚の取り消しを求めることもできます。しかし、今回のケースは女性側が自分で離婚届を書いたので、勝手に作成したとは言い難く、判断が難しい状況です。詳しくは、次回お話しますが、なんとその男性は前妻と離婚したときも、離婚届を勝手に提出して離婚したそう…。 何を言われても、婚姻届と同時に離婚届を書かせる男との結婚は、今一度考え直した方がよいかもしれません。毎日を離婚の恐怖と闘いながら過ごすのは不健全ですし、別居をした場合でも、婚姻費用という生活費だけで生きていくのは、実際にはかなり厳しいのが現実です。 焦っての結婚は後悔に直結する年齢も年齢で結婚を焦っている人や、もう後がないと思っている人もいるかと思います。しかし、焦って妥協して結婚してしまうと、後悔に直結するでしょう。結婚を後悔しないためにも「そんな男はやめとけ!」という声にも耳を傾けることをおすすめします。また、結婚する場合でも最低限の離婚のルールをあらかじめ知っておくと、今後の婚姻生活の助けになるのではないでしょうか。 *取材協力弁護士: 虎ノ門法律経済事務所池袋支店齋藤健博弁護士(弁護士登録以降、某大手弁護士検索サイトで1位を獲得。LINEでも連絡がとれる、超迅速弁護士としてさまざまな相談に対応。特に離婚・男女問題には解決に定評。今日も多くの依頼者の相談に多く乗っている。弁護士業務とは別の顔として、慶應義塾大学において助教も勤める。)【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。【実録】そんな男はやめておけ! 結婚を後悔したくなる男トップ3はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年09月04日近ごろ、マンション・アパートの管理をめぐるトラブルが増加しています。特に、もともとマンション・アパートが多い上に、次々と新たなタワーマンションが建てられ、さらに進学や就職などによる人の入れ替わりが多い東京近郊や地方都市の郊外などでトラブルが起こりやすくなっています。20階建て以上のマンションを指す『超高層マンション』に限っていえば、2018年以降に完成予定の超高層マンションは全国で10.9万戸(内訳:首都圏8万戸、近畿圏1.4万戸、その他1.5万戸)。前回調査比で1.6万戸増とのことです。建設ラッシュに伴い、管理トラブルのさらなる増加が懸念されます。(参考:不動産研究所)マンション・アパートをめぐる紛争は、弁護士業務としては他の不動産を巡る紛争と分別せずに取り扱われることが多いものです。しかし、実際はマンション管理組合内部の統制の問題や、マンション・アパートを建て替える際の諸問題など特殊性・専門性の高い分野であるため、専門知識と豊富な経験を必要とします。そのため本来は分けて取り扱われるべきでしょう。 当事務所では、マンション・アパートをめぐる法的紛争を他の不動産分野と明確に区分しています。また、マンション・アパート管理会社、マンション管理組合、区分所有者いずれの立場からのご相談・ご依頼も受け付けております。ここでは、マンション管理をめぐるトラブルや法律問題について、お客様からよく寄せられる疑問・お悩みをQ&Aで解説していきます。 Q1.マンション管理をめぐる問題はどの法律を調べたらいい? マンション管理で困った場合、どの法律を調べればいいのでしょうか?『マンション』とつく法律はたくさんあるし、他の法律も絡んでくるようなのでどの法律にあたったらいいのかよく分かりません。 Aまずは『建物の区分所有等に関する法律(通称:区分所有法)』です。通常、1つの建物はそのすべてを1人で所有するものですが、マンションの場合は、1つの建物を区分して各部分を別の者が所有する(区分所有)という特殊な所有関係になります。そこで、そのように特殊な所有関係の調整、区分所有者同士の調整、区分所有者と外部の者との調整等を図るために制定されたのが区分所有法です。マンションの法律関係において最も基本的な法律ですので、まずは区分所有法を確認しましょう。もっとも、区分所有法はマンションの法律関係すべてを網羅しているわけではなく、他の法律も関連してきます。 まず、マンション購入の場面では私法の大原則である民法の売買の規定や『宅地建物取引業法』などを確認すべきです。次に、マンションの1室を賃貸する場合には民法の賃貸借の規定や『借地借家法』が中心になります。マンションの建て替えの場面では、『マンションの建て替えの円滑化等に関する法律(通称:マンション建て替え法)』によることになり、マンションが災害などで全壊した場合の再建の場面では『被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法』によることになります。また、2000年以前のマンション管理は、本来区分所有者の構成するマンション管理組合により行われるのですが、一般のマンション所有者は管理のノウハウもなく、それほど関心もないため、多くのマンションは十分な管理下にあるとはいえませんでした。また、マンション管理には、・区分所有者・賃借人・マンション管理組合・マンション管理会社・マンション管理士・管理業務主任者などこのようにさまざまな人物が登場するものの、その役回りや責任の範囲が不明確という問題点もありました。そこで、これらの点を規定すべく、2000年に『マンションの管理の適正化の推進に関する法律(通称:マンション管理適正化法)』が制定されたのです。 この他にも、マンションの建物自体の安全性の問題は『建築基準法』、マンション建設時の立地の問題は『都市計画法』、新築マンションの品質や瑕疵(かし)の問題は『住宅の品質確保の促進等に関する法律』、マンション購入契約の解除の場面では『消費者契約法』など、挙げればどんどん出てきます。さらに、マンションには通常、管理規約があり、区分所有法の規定をそのマンションに適合する形に修正していますし、マンション管理組合とマンション管理会社の間では管理委託契約が交わされており、それぞれの権利義務は同契約により規定されています。 このように、マンション管理について規定する(直接規定していなくても必要となる)法律は相当数あるので、残念ながらこれを調べれば大丈夫とはいきません。上記の分類にしたがい、必要となる法律を正しく選び取ることが重要です。また、当然ながら正しく選んだ法律の規定を正しく理解することも重要です(建築基準法などはごちゃごちゃした条文が多く、正しく読むだけで相当大変なのです)。もしすでに何らかのトラブルに直面しているような場合は、当事務所をはじめ知識のある弁護士への相談を検討してみてください。 Q2.マンション管理規約の見直しをすることはできる?マンションの管理規約は誰がどうやって定めるものなのでしょうか?・管理規約でペットを飼うことを禁止したい・管理規約で外国人の居住者のみ管理費を増額したい・管理規約で現在マンションに居住していない区分所有者のみの管理費を増額したいこれらは実現可能でしょうか。 A2.回答マンションの管理規約は、マンション管理組合を構成する区分所有者が集まる『集会(総会)』において、管理規約設定の特別決議(区分所有者と議決権総数のそれぞれの4分の3以上の賛成が必要)を経て定められます。通常の決議よりも重い特別決議によらなければならないのは、管理規約は区分所有者を縛るルールであり重大な問題だからです。管理規約については、国土交通省のマンション標準管理規約があり、基本的には各マンションはこれを参考にして管理規約を定めています。標準管理規約の定めはおおむね公平性・合理性のある内容となっているため、マンション管理規約を設定する必要がある場合にはまずはこれをベースにしたものを作成するとよいでしょう。●管理規約でペットを飼うことを禁止したい管理規約でペットを飼うことを禁止することは、上記の特別決議を経れば可能です。その際、現在ペットを飼っている区分所有者の同意・了承はいらないとされています(裁判例があります)。 ●管理規約で外国人の居住者のみ管理費を増額したい管理規約ではマンションの管理・使用や区分所有者相互間の調整などさまざまなことを定めることができますが、何でも自由に定められるわけではありません。公序良俗に反するような定めは無効になります。日本国籍の有無だけで管理費に差を設けるのは、合理的理由がなく公平性を欠くものなので公序良俗に反し無効となるとされています。 ●管理規約で現在マンションに居住していない区分所有者のみの管理費を増額したい合理的な理由がある場合には管理費に差を設けることは許されています。現にマンションに居住していない区分所有者の管理費を増額することは、その者が管理組合の運営のために必要な業務を行っていないなどの事情がある場合には有効と考えられています。 Q3.漏水した配水管の修理費は誰に請求すればいい?私はマンションの一室を所有していますが、部屋の床下排水管に経年劣化による亀裂が入ってしまい、それが原因で下の階の部屋に漏水が生じてしまいました。そのため、やむなくこの床下排水管を修理しました。この場合、私は修理費を請求することはできますか?裁判で修理費を請求する場合、誰を被告として訴えればいいのでしょうか? A3.回答マンションには専有部分と共用部分があります。専有部分とは、マンションの一室を所有する区分所有者が専有している部分であり、自分だけで自由に使える反面、その管理もご自身の責任で行わなければなりません。これに対し、共用部分とは、マンションの各部屋の所有者が皆で一緒に負担している部分のことです。玄関、屋上やエレベーターホールなどは共用部分の典型例です。共用部分の管理は、マンションの区分所有者全員で構成する団体であるマンション管理組合の責任で行います。したがって、修理費を他者に請求するには、床下排水管が専有部分でなく共用部分にあたらなければなりません。専有部分にあたれば、自分の責任で修理してくださいね、ということになってしまいます。床下排水管がどちらにあたるかについては過去に裁判で争われたことがあります。裁判例では、天井、床、壁は(躯体部分を除き)専有部分であるとするマンションの管理規約を用いながら、床下排水管は床ではなく『床下』にあるものであり、下の階の天井でもなく天井の上にあるものであるため、専有部分にはあたらない=共有部分である(マンションには専有部分と共用部分しかないため、専有部分でない=共用部分となります)と判断しました。したがって、修理代を請求することができます。では、裁判で請求する場合、誰を被告とするのでしょうか? マンション管理には多くの登場人物が出てくるので迷ってしまいますよね。上記のとおり、共用部分の管理については管理組合が責任を負っているので、今回ご質問いただいたような事例では、管理組合が被告になります。上記の裁判例でも管理組合が被告となっています。本事例における管理組合が法人格を有する管理組合法人の場合はもちろん、法人格がない管理組合の場合でも、理事長という代表者がいるので民事訴訟法の規定により管理組合自身が被告となりえます。 理事長は管理組合の代表ではあるものの、理事長自身が被告になるわけではありません(※規約による修正があり訴訟担当となる場合は別)。理事会も、管理組合の中の1つの機関にすぎないので被告にはなりません。マンション管理会社は、管理組合との契約上修繕責任を負う場合がありますが、原則として本事例の質問者さんのような一区分所有者に対してではなく、管理組合に対して契約責任を負っているので、本事例では被告とはなりません。下の階の区分所有者や、その者から部屋を借りている賃借人は、彼らが床下排水管の亀裂の原因を作ったという場合を除き原則として責任を負わないため、被告とはなりません。以上のとおり、本事例では管理組合が被告となりますが、あくまで本事例での話です。ケースにより、または請求内容により誰が被告になるかは変わってきます。マンション紛争の事例では、請求の相手方の選定を誤るケースが多く見受けられますので、くれぐれもこの回答だけを鵜呑みにせず、紛争が起こった場合には当事務所をはじめとする専門家にご相談ください。 Q4.管理組合の理事って報酬もらえないの?住んでいるマンション管理組合の理事を務めています。理事の仕事が忙しく休日を返上して仕事をしている状況です。現在は無償で理事の仕事をしているのですが、報酬をもらうことはできないのでしょうか? A4.回答多くのマンションにおいて、理事は無償で務めていると思われますが、規約で定めれば報酬を設定することはできます。標準管理規約にもその旨が定められています。もっとも、理事に報酬を支払うのはマンションの各組合員です(管理費の一部を充てる方法、別途役員報酬用の費用を徴収する方法があります)。高額な報酬を希望すれば当然不満が出て規約で定めることはできないでしょう。また、報酬に見合った仕事をきちんとしているのかどうかを後から総会等でチェックされることもあります。理事の業務について報酬をもらう場合は、特に理事会の内容や総会の招集手続き、帳簿の管理など、正確に記録しておき、いつでも組合員に説明できる状態にしておく必要があります。 無償で理事の業務をさせられるのが不公平だというのであれば、報酬を設定する方法以外にも、理事を持ちまわり制にするという方法もあるでしょう。そして、組合員自身が居住しておらず理事を務めることができない(居住していなければ実質的に業務を行うことができない)者がいる場合には、非居住組合員のみ管理費を増額するという方法で対応することもできます。管理組合において十分に話し合いを行い、どのような方法によるのが最も不公平感がでないかをよく詰めることが重要でしょう。 Q5.理事長のワンマンぶりが目にあまる!解任できる?マンション管理組合の理事長が、組合員の意見も聞かずに独断で、マンション管理会社を従来の会社から別の会社に変更してしまいました。噂によれば、理事長は新しいマンション管理会社から、管理会社を変更した見返りに金銭をもらっているとのことです。このようなことをする理事長を解任できないでしょうか? A5.回答区分所有法によれば、集会の決議によって理事長を解任できます。規約により変更されていなければ、過半数の多数決で可決し解任可能です。ただし、やっかいなことに、解任を決議するための集会の招集権は、区分所有法では理事長にあるとされています。これでは、理事長が集会を招集しないことが考えられますね。そこで、区分所有法では、理事長が集会を開かない場合には区分所有者の5分の1以上で、議決権の5分の1以上の賛成があれば集会の招集が請求できるとされています。理事長が集会を招集しない場合はこの方法を選びましょう。では、集会を招集したものの、過半数の賛成が得られず解任決議が否決されてしまった場合にはどうすればよいでしょうか? 区分所有法では、理事長に不正行為などで職務を行うに適していない事情があるときは各区分所有者が解任を裁判所に請求することができると規定されています。そこで、このケースのように、理事長が新しいマンション管理会社から金銭を受け取っているのであれば、不正な行為があるとして、裁判所に解任を請求することになるでしょう。実際に裁判所への解任請求まで行うケースは少ないのが実情ですが、理事長のワンマンぶりや不正を許さないためには、このような制度があることを知っておくことは重要でしょう。 Q6.モンスター住民への対応に困っています…問題のあるマンション住人を次の集会で注意することに決めたのですが、その住人は次の集会に弁護士を同席させ、言い分を主張したいと言ってきました。次回の集会にその弁護士が出席するのを阻止することはできますか? A6.回答区分所有法には集会への出席者・同伴者の制限に関する規定がないので、原則として弁護士の出席は阻止できません。マンション管理規約で、例えば『組合員の代理人・補助者として集会に出席できるのは当マンションの組合員に限る』などと規定しておけば、本ケースの弁護士の出席を制限することができます。 ちなみに、会社の株主総会においては、株主の代理人を他の株主に限定するという定めを定款に置くことは株主の権利を不当に制限するものとして問題があると議論されています。しかし、マンション管理組合の集会においては、株主総会の場合よりも緩く考えられており、代理人を組合員に限るとする規約の定めは問題なく有効と考えられているのです。このような規約の定めを設けておらず、弁護士の出席を阻止できない場合はどうしたらよいのでしょうか。 このケースでは、そのマンション住人の問題行動が集会の争点になることが明らか。管理組合側も事前に弁護士やマンション管理士、マンション管理会社の管理業務主任者や宅建主任者に相談し、主張を予想しておき、反論を用意しておきましょう。事前にしっかりと準備をしておき、集会当日の主導権を相手方に渡さないことが重要です。 Q7.滞納されている管理費を取り立てるには?管理費を滞納している区分所有者がいて困っています。管理組合はその人からどのようにして滞納管理費を取り立てることができますか? A7.回答民事訴訟を起こす、ということももちろん考えられるのですが、訴訟は時間も労力も、場合によっては費用もかかるので、最後の手段と考えた方がよいでしょう。まずは、管理組合から滞納区分所有者に対し、『内容証明郵便』を利用して支払請求をするのが一般的です。滞納金額や支払期限を明示し、支払わなければ訴訟を起こす準備があるなどと記載し、「管理組合は断固として滞納金を回収するつもりですよ」という強い意思をアピールします。弁護士に依頼して弁護士名で書面を送付すれば、より強調できるでしょう。 次に、内容証明郵便を送っても支払われない場合は、裁判所を通すことになります。その最も簡易的な方法として『支払督促』を申し立てることが考えられます。支払督促とは、裁判と異なり、実体審理(当事者双方が言い分を述べ、どちらの主張が正しいかを裁判所が判断する)をすることなく、申し立てた者の請求につき、相手方に督促書面を出すという手続きです。この督促督促を見た相手が、2週間以内に異議を申し出ない場合には、その支払督促は、通常の裁判で勝訴したのと同一の効力を持ちます。支払督促は、実体審理がないという点で、裁判所を利用する最も簡便な制度といえます。もっとも、支払督促は、2週間以内に相手から異議を出されると通常の民事訴訟に移行することとなっています。そうすると、異議が出されるのが目に見えているような相手の場合(すでに支払ったと主張しているような場合)、訴訟への移行はほぼ間違いなく、通常の民事訴訟を起こしたのと同じことになってしまい、時間・労力・コストがかかってしまいます。 そこで、次なる手段として考えられるのは『少額訴訟』です。少額訴訟は、金額が60万円以下の請求につき、原則として1回だけ実体審理を行い(通常の民事訴訟だと、実体審理の期日は何度も開かれ、難解な訴訟だと10回を超える)、その後すぐに判決が出るという制度です。実体審理を行う訴訟であるにもかかわらず、原則として1回で終了するため、簡便な手続きです。ただし、少額訴訟は60万円を超える請求は取り扱うことができません。また、相手側が少額訴訟の手続きではなく通常の訴訟に移行させたいと裁判で述べた場合には、通常の訴訟に移行します。そうなると、もう最後の手段である通常の民事訴訟を行うほかないでしょう。 Q8.民事訴訟以外の取立て手段は?前回のQの続きで、民事訴訟を起こす以外に管理費滞納者から管理費等を取り立てるための実効的な手段はありませんか? A8.回答まず、先取特権の実行という方法が考えられます。区分所有法7条1項では、『区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。』と定められています。先取特権とは、債務者の財産について競合する他の債権者に先立って自分の債権の弁済を受けることができる権利です。この権利を行使すれば、管理費を滞納している者の区分所有権や建物に備え付けた動産を競売に出し、競売された代金から優先的に弁済を受けることができます。 他にも、区分所有権等の競売という制度があります。区分所有法59条1項では、『第57条第1項に規定する場合において、第6条第1項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。』と定められています。この方法によっても、管理費滞納者の区分所有権を競売することができます。では、滞納管理者の区分所有権を競売する場合、先取特権の実行(A)と区分所有権等の競売(B)、どちらの方法がよいのでしょうか。 Bの方法は、『他の方法によってはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき』という条件を設定していますが、この『他の方法』には、区分所有法7条1項の先取特権の実行の方法も含まれています(法務省立法担当者解説)。ということは、Aの方法が使える場合にはBの方法は原則として使えないということですね。Aの方法を使えない場合でも、Bの方法は『共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるとき』という高いハードルを越えなければ、用いることができません。AとBの制度は、他にも競売手続きを続けても請求債権について弁済を受けられる見込みがなさそうな事案において競売手続きが裁判所により取り消されてしまう制度(無剰余取消制度)の適用の有無においても差があります(Aの場合は適用されますが、Bの場合適用がないとされています)。 この2つの制度については、制度自体の理解はもちろん、どのような場合に用いることができるか判断するのが難しい(特に区分所有権等の競売(B))ので、実際にこれらの手段をお考えのマンション管理組合の方は、一度専門家にご相談してみることをおすすめします。増加するマンション管理を取り巻く法的トラブル|弁護士のサポートで早期解決を実現はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。増加するマンション管理を取り巻く法的トラブル|弁護士のサポートで早期解決を実現はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2018年08月29日何かとストレスの溜まりやすい現代。些細なことがきっかけで予想以上にイライラしてしまうことはありませんか?そこで、そんな誰にでも起こりえる感情を見事に映し出し、世界中で喝さいを浴びている話題作をご紹介します。それは……。各国で数々の賞に輝いた感動作『判決、ふたつの希望』!【映画、ときどき私】 vol. 182レバノンの首都ベイルートにある住宅街。違法建築の補修作業を行っていたパレスチナ人のヤーセルは、あるアパートのバルコニーで水漏れを防ぐ作業を行っていた。ところが、その部屋に住むレバノン人男性で自動車修理工のトニーが突如憤慨し、配水管を破壊。それに対して、ヤーセルは暴言を吐いてしまうのだった。しかし、ヤーセルに謝罪を求めるトニーもまた侮辱的な言葉を発してしまい、法廷へと持ち込まれる事態になる。キリスト教徒のトニーとパレスチナ難民のヤーセルという2人の背景もあり、両者の口論はいつしか国全土を揺るがす出来事へ発展していくことに……。日本人にとってはあまりなじみのない中東問題を描いている部分もあるため、敬遠してしまう女子もいるかもしれませんが、この作品の見どころはむしろ人間ドラマと二転三転する法廷劇。歴史的背景を知らない人こそ、新たな扉を開くきっかけになる作品です。そこで今回は、本作の裏側についてこちらの方に話を聞いてきました。それは……。レバノンを代表するジアド・ドゥエイリ監督!若いころにはクエンティン・タランティーノ監督のもとでカメラアシスタントをしながら経験を積み、徐々に頭角を現してきたドゥエイリ監督。これまでも国際的に高い評価を得ていますが、本作では主演のカメル・エル=バシャにベネチア国際映画祭で最優秀男優賞をもたらし、レバノン史上初となるアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされる快挙も成し遂げています。自身の体験から生まれた物語―この作品のきっかけとなったのは、数年前に監督が実際に経験したことだそうですが、そのときのことを教えてください。監督僕はサボテンが好きで集めていたんだけど、ベランダで水をやっていたら下の人に水がかかってしまって、そのあと口論になったんだ。そこで激昂してしまった僕は、映画のセリフと同じようなことを口にしてしまったんだよ。そのときは、奥さんに言われて謝りに行ったからすぐに事態は収束したけどね。―そのときに映画の題材にすることを思いついたのですか?監督そんなふうに些細なことが大きなトラブルになっていくさまを自分でも見ているんだけれど、前からそういうストーリーを思いついてしまう自分もいて、「なぜだろう?」と実はずっと思っていたんだ。その答えは、やはり子ども時代にレバノン内戦を体験していて、そこで恐怖心というものを感じていたからじゃないかな。たとえば、日本では誰かとぶつかって口論になったとしてもそれくらいで終わりだよね?でも、戦争中だと相手がマシンガンを持っているし、それぞれの人の背景にはいろんな政党があったりもするから、それ以上の大きな問題に簡単に発展してしまうんだ。実はどこでも起こりえること―監督自身も子どもの頃からそういう体験を数多くしてきたのですね。監督何度も目にしてきてもいたし、実際に自分の身にも起きたことがあるよ。子どものときに父親が運転する車が検問所で止められたんだけど、財布を出せと言われたんだ。でも、父親は財布を出さずに、代わりにパンをやると言って、車からパンを投げた。それに対して怒った民兵が仲間に声をかけて、突然6、7台のジープに囲まれて危険な状態に陥ってしまったこともあるんだ。そういった経験を何度も何度もしているからこそ、些細なことが恐ろしい事態になるという物語をこの作品では描きたかった。でも、それはレバノンだけではなく、アメリカにいたときにも駐車違反の切符を巡って女性警官と口論になったことがあるし、どこでもそうなることは想像ができるよ。―では、登場人物たちは監督が出会った人たちをモデルにしているのでしょうか?監督まず、トニーはいま自分が住んでいるレバノンの家の近くに住む自動車修理工の人がインスピレーションの源になっているよ。彼が右寄りのキリスト教徒だというのは知っていたんだけど、実は僕は子どもの頃に右寄りで武闘派のキリスト教徒ほど最悪な人間はいないとずっと思い込んでいたんだ。でも、実際は彼ほど親切な人はいないというくらいいい人だし、素晴らしい腕の持ち主でもあるんだよね。トニーというキャラクターは彼から始まったけど、どんどん肉付けしていったから、原形はそんなにとどめていないかな。しかも、彼は自分がモデルになったことをいまでも知らないんだ(笑)。―ヤーセルのほうはどうですか?監督実際に僕が水をかけてしまった人のことはよく知らないし、15分くらいやりとりをしただけだったから、特にモデルにはしてないよ。でも、そのときに彼が黄色い眼鏡をかけていたから、衣装さんにはヤーセル用に黄色い眼鏡を用意してもうようにだけはお願いしたんだ(笑)。俳優陣の熱演も見逃せない!―今回は俳優陣も本当に素晴らしかったですが、監督独自の演出方法などがあれば教えてください。監督特に細かい演出ということはしていなかったよ。それよりも、キャスティングに6か月かけて、精査して選んだんだ。だから、現場では読み合わせをして、リハーサルをして、撮影するだけだった。特に、トニーとヤーセルを演じた2人の俳優は直感型のタイプだから、特にメソッド的なことは必要なかったよ。彼らも、現場では役を引きずることなく、普通に話していたしね。おもしろかったのは弁護士の2人の方かな。というのも、トニーの弁護士役の俳優が大学で演劇を教えている先生で、ヤーセルの弁護士役の女優が本物の生徒だったから、彼のことを現場では「教授」って呼んでいたんだ。レバノンをより知るためには?―この作品を拝見すると、レバノンの歴史や文化に触れることもできるので、日本でも興味を持つ人は増えるかと思います。レバノンをより知るためにオススメの映画や本などはありますか?監督映画や本では足りないから、一番いいのは2か月くらいレバノンに住んでみることだね(笑)!すごく歓迎してくれる場所でもあるので、理解できないことも多いかもしれないけど、少しずつ好きになってもらえると思うよ。日本では物事や歴史について、ある程度統一した見解を持っていると思うけど、レバノンは18の宗派が共生していて単一の思考がないし、それぞれの歴史を主張するような国。50の国に50の歴史があるようなそんなところなんだ。だから、レバノンの歴史については、レバノン人にとっても本当に複雑なものなんだよ。レバノンというのは、モダンなところもあれば、伝統的なところあって、ムスリムの顔もあれば、キリスト教徒的な顔もある。無宗教的なところもあるし、共産党主義的なところもあるというように、すべてがある場所だから、まずは住んでみて、働いてみて、恋愛をしてみて、食事をしてみてというのがレバノンを知るのには一番いいかもね。女性に希望を見出している―それでは最後に、ananwebを読んでいる女性読者に向けてメッセージをお願いします!監督中東のことを日本の女性がどんなふうに思うのかわからないけれど、中東の女性というのは状況をよくしようといま闘っているところだし、僕は女性に希望を見出しているんだ。中東が置かれている暴力的な状況も、権力の座に女性がつけば絶対にいいほうに変わるんじゃないかと思っているくらい。日本よりもアメリカよりもどの国よりも、中東あるいはレバノンの大統領が女性になればいいなと思うし、アラブ圏のなかで女性がもっと力を持つようになったら、物事はもっと良くなるようになるんじゃないかな。衝撃と感動が込み上げる!レバノンという国が抱える問題を描きながらも、根底にあるのは人間としての尊厳や人生における過ち、葛藤、他人を許す寛容さ、家族への愛といった誰もが感じる普遍的な思い。トニー、ヤーセルどちらの姿にも心を揺さぶられる感動を味わってみては?息をのむ予告編はこちら!作品情報『判決、ふたつの希望』8月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開配給:ロングライドⓒ 2017 TESSALIT PRODUCTIONS–ROUGE INTERNATIONAL–EZEKIEL FILMS–SCOPE PICTURES–DOURI FILMS
2018年08月29日