戦後70年を迎える2015年の夏、終戦前夜の日本で何が起こったのかを、主演・役所広司、7年ぶりの映画出演となる本木雅弘、今年も大活躍を見せた松坂桃李、「マッサン」が好評の堤真一、さらにベテランの山崎努という豪華キャスト共演で描く映画『日本のいちばん長い日』が製作されることが決まった。1945年7月、太平洋戦争末期。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、それとも本土決戦か。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾する。8月、広島、長崎に相次いで原爆が投下され、事態はますます悪化の一途に。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する陸軍大臣・阿南惟幾(役所広司)と、国民を案ずる昭和天皇(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく首相の鈴木貫太郎(山崎努)、ただ閣議を見守るしかない書記官の迫水久常(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中少佐(松坂桃李)ら若手将校たちはクーデターを計画、日本の降伏を国民に伝える玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局への占拠へと動き始めるが…。原作は、昭和史研究の第一人者である半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」。さらに、昭和天皇とともに戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿も映し出すべく、同じく半藤氏著の「聖断」の内容も取り込まれるという。主人公となる、苦悩する阿南惟幾(あなみ・これちか)陸軍大臣を演じるのは、深みのある演技で圧倒的な存在感を放つ役所さん。7年ぶりの本格的なスクリーン復帰となる本木さんは、登場人物のひとりとして描かれる昭和天皇役に。また、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎には山崎さん、内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)に堤さんと、主演級の実力派俳優たちが集結。そして、終戦に反対し、狂気に駆られていく若手将校には松坂さんが扮し、戦後70年という節目の夏に、日本映画界を代表する豪華キャストが競演を果たした歴史超大作が実現する。かつてないキャスト陣を迎え、日本の歴史観に踏み込む本作をまとめ上げるのは、『金融腐食列島〔呪縛〕』『クライマーズ・ハイ』といった社会派ドラマのみならず、役所さん主演で井上靖の私小説を描いた『わが母の記』、2015年5月公開の大泉洋主演『駆込み女と駆込み男』など、ヒューマン・ドラマにも定評がある原田眞人監督だ。<役所さんコメント>原田監督作品への久しぶりの参加となりました。今回演じさせていただいた、阿南という人物は、戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした。各個人それぞれの「家族」、そして天皇を中心とした日本という「家族」、その「家族」というテーマに重きを置いて描かれていることが、この作品の最大の魅力ではないでしょうか。山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです。<原田監督コメント>今回は「THE EMPEROR IN AUGUST」という英語タイトルをつけました。1945年8月に昭和天皇が語られたひと言ひと言が、いまを生きる自分の心に深く突き刺さるからです。あの8月、天皇が自分の言葉で語り始めなければ、若き日の両親は国土防衛戦に巻き込まれ、命を落としていたでしょう。半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました。昭和天皇はあの8月まですべての家族の「家長」でありました。年齢的には、この三人は貫太郎さんを家長とする長男と次男の家族でもあり、そこに映画の根っこを置きました。映画「日本のいちばん長い日」は、幾重にも交錯する家族の、存亡を賭けた4か月のドラマです。映画『日本のいちばん長い日』は2015年8月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月09日モデルで女優の小松菜奈、映画監督の山戸結希が5日、東京・渋谷シネパレスで行われた、映画『渇き。』のDVD&ブルーレイ発売記念イベントに出席した。今年6月に全国公開された本作は、元刑事の父親・藤島(役所広司)が、謎の失踪を遂げた高校生の娘・加奈子(小松)の行方を追ううちに、想像を超えた娘の正体を知ることになる――というストーリーで、『告白』の中島哲也監督が手掛けた作品。19日に発売されるDVD&ブルーレイには、山戸監督が撮り下ろしたメイキング『私はわたしを探しています。』が収録されている。本作で映画デビューを果たした小松は、赤のニットにチェックのスカートを合わせた可愛らしいファッションで登場し、集まった観客を前に、「緊張します……」と言いながら、「演技はまだ全然上手くないけど、女優として新しい道を見つけることができた最高のデビュー作です」とはにかみながらアピール。小松は、本作で第39回報知映画賞新人賞を受賞しており、「驚きとうれしさが同時にきました。私だけの力じゃなく、監督やスタッフさんたちがいてくれたおかげ」と感謝の言葉を語っていた。また、メイキングを撮り下ろした山戸監督は、「こんなに綺麗な人が地球に存在するんだと。人工的な美しさと自然な美しさを両方持っている。今までいた人類の中で1番美しい」と小松に惚れ惚れ。「『渇き。』の話を(メイキング撮影を行った)山梨でするとは思ってなかったので不思議な感覚でした。リラックスして撮影できました」と振り返った小松は、"ボク"役の俳優・清水尋也と再会したそうで、「久しぶりに会ったので、照れ臭かった。現場ではテンションも違ったので」とエピソードを語っていた。
2014年12月06日故・黒澤明監督の愛弟子として知られる小泉堯史監督による本格時代劇『蜩ノ記』が観客動員数50万人を突破し、10月16日(木)、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇にて、小泉監督ほか、主演の役所広司、岡田准一、堀北真希による大ヒット舞台挨拶が行われた。前日には「第38回山路ふみ子映画賞」を受賞したばかり。「日本一早い映画賞」とも言われる同賞を受賞し、賞レースへの順調な滑り出しを決めた小泉監督は、故・黒澤明監督のもとで長年にわたり記録係を務めた野上照代さんから、「これは黒澤先生からもらったと思って」と花束を贈呈されると、破顔して「これは『野上照代賞』だと思って受け取ります」と喜んだ。その一方で、辛口で知られる野上さんは、「小泉監督の作品でこんなにお客さんが入ったのは初めて」とぶちまけ、会場の爆笑を誘う場面も。岡田さんが「本当にカッコいいんですよね!また現場に来ていただけるように、監督にも頑張っていただければ」と笑顔を見せると、「まあ、嬉しい。岡田くんにそう言われたんじゃ」と投げキッスで応え、「映画作りは本当に大変。みなさん、分かってあげてください」と、キャスト・スタッフの苦労をねぎらった。そんな野上さんに対し、小泉監督も「僕が黒澤さんのチーフを続けられたのは、野上さんがずっと相談に乗ってくれたから。監督になってからもシナリオを読んでくれたり、現場にも来てくれたり、まさにスタッフの要。100歳まで頑張ってもらわないと」と感謝し、会場を温かい雰囲気に包んだ。そして、時代劇としては異例のヒットを記録した本作について、「丁寧に作っていけば時代劇を好きになるお客さんも増えると思います。良いものは良いですよね」と語った役所さんは、「出だしに台風が2つも来てちょっと損をしたので、さらにヒットするようにいろいろな方に薦めてください」とユーモアたっぷりに笑顔で観客に呼びかけていた。『蜩ノ記』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月16日映画パーソナリティーとして活躍中の伊藤さとりが、オトナ女子ならではの目線で恋に効くオススメ映画を紹介!記者会見や舞台挨拶の裏話もあるかも!?言葉より行動で愛され女子に~『蜩の記』原作は第146回直木賞に輝き、時代小説としては破格の50万部を突破した葉室麟の同名小説「蜩ノ記」。こちらを『雨あがる』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した小泉堯史監督が映画化。しかもキャストは名優 役所広司さんと、主演作の『永遠の0』が今年の実写邦画No.1に輝いた岡田准一くん!ある出来事から10年後の切腹とその日までの幽閉生活を申し付けられた、元郡奉公・戸田秋谷(とだしゅうこく)。あと3年で切腹する運命の秋谷を監視することになった青年藩士・庄三郎は、戸田一家と過ごすうちに、村人に愛され尊敬される秋谷の姿から、彼がなぜ、重罪人なのか不審に思い始める......。この物語は、秋谷との日々で、“真の男”としての生き様、“真の正義”や“仁義”について学ぶ庄三郎の成長物語であり、ある家族の愛の物語でもあります。役所さん演じる秋谷は、とにかく文句無しにイイ男!!!当時としては珍しく、食卓の膳を、女性も男性も同じ「間」で、肩を並べて食べることを許す父なわけですよっ!しかも温厚で寛大な心の持ち主。なのに秋谷の罪は、なんとお偉い奥方との不倫疑惑!というんだから、岡田くん扮する庄三郎同様に納得いかない!そんな秋谷の奥様は夫のことをどう思っているのか?観察していると不思議なことに仲良し。余計なことは聞かず、相手を信じ、時々、軽く嫌みを言うくらいで笑ってるよくできた女房!そこまではいかないにしても、仲睦まじくいられる夫婦ってステキ!どうすれば、2人のように夫婦(カップル)円満でいられるのか?男脳と女脳は、わかり合えないと言われているけれど、その理由は両者の脳の構造が異なり、能力もそれぞれ違うから。・女脳=言語能力が高い、全体の状況をすぐにつかめる・男脳=全体のバランスより部分的に特化しがち、数学的、論理的思考が得意なので、言葉で理解し合おうとすれば、すれ違うのは当たり前。長い年月を経た夫婦となると、相手がどんなことを考えているか、今何を欲しているか、阿吽の呼吸でわかってくると言われています。でもそこに至るまでには多くの話し合いをし、衝突もしたに違いなく、全てを乗り越えた結果、その関係が生まれるのです。男性とのコミュニケーションで大切なのは、対話して理解し合おうとするより、相手の行動を見て理解すること。言葉で追いつめるのはかえって逆効果。関係が悪化してくると彼は「会ったら尋問みたいにいろいろ聞かれて、疲れるからイヤだ」と感じてしまいます。彼の行動に、自分への思いやりが感じられたら、女性の得意とする話術で「ありがとう」を言い続けましょう。そうすれば、男性は「俺は良いことをしている」と思い、それが習慣化するもの。イヤな思いをした時は、男性が理解できるよう「端的な言葉」で、うれしい時は、わかりやすい反応をして喜ぶことが、カップル円満の秘訣なのです。あらすじ:群奉行の身で、側室と不義密通し小姓を斬り捨てるという前代未聞の事件を起こした罪で、10年後の夏に切腹すること、また、その切腹の日までに、藩の歴史である「家譜」を編纂し、完成させることを命ぜられた戸田秋谷(とだしゅうこく/役所広司)。その切腹の日は3年後にまで迫っていた。ある日、城内で刃傷沙汰を起してしまった檀野庄三郎(だんのしょうざぶろう/岡田准一)は、家老・中根兵右衛門から、罪を免ずる代わりに切腹の日まで秋谷を監視せよ、という藩命を受ける。監視の内容とは、秋谷の起こした事件が家譜にどう書かれているか報告し、家譜編纂により、藩の秘め事を知る秋谷が逃亡を企てたときは妻子ともども容赦なく斬り捨てよ、というものだった。幽閉中の秋谷を訪ねた庄三郎は、秋谷の妻・織江(おりえ/原田美枝子)、娘・薫(かおる/堀北真希)、息子・郁太郎(いくたろう/吉田晴登)と生活をともにし始める。2014年10月4日(土)全国東宝系にて公開監督:小泉堯史出演:役所広司、岡田准一、堀北真希、原田美枝子他『蜩の記』(ひぐらしのき)()(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会伊藤さとり:映画パーソナリティー、心理テストカウンセラー。様々な映画イベントや記者会見のMCを努める映画司会者&映画コメンテーター。年間400本以上の映画を観る。TSUTAYAの店内放送で新作DVD紹介のDJ、Gyao!&ぴあ映画生活&Youtube動画「伊藤さとりと映画な仲間たち」では、監督、俳優、プロデューサー、脚本家らと対談し、映画紹介を行う。Amebaブログ:さとりのひとりゴト あの映画のウラ・オモテTwitter:伊藤さとり@SATORIITO
2014年10月15日今年で4年目を迎える、NHKの人気紀行ドキュメンタリー番組「地球イチバン」。そのシーズン4が10月9日(木)より放送スタート。今回のナレーションには俳優の役所広司を迎え、また新たな“地球でイチバン”の旅を追いかける。同番組は、世界各地のさまざまな“イチバン”の地を訪ね、日本とはかけ離れた圧倒的な風景と究極の非日常を、リビングに居ながら味わえるというもの。第1回目は、モデルやプロサーファーとして活躍するアリッサ・ウーテンが“旅人”となり、ギリシャ語で「小さな島々」と言われる絶海の孤島、ミクロネシアの中央カロリン諸島を訪れる。そこでアリッサさんが出会ったのは、地球上で唯一、古代航海術を使う海の民。エンジンのない小舟で、コンパスも使わず、風と波と星だけを頼りに数百kmの航海を行う脅威の航海術を体験した。彼らが伝承するこの航海術は、人類がどのように大海原を超え、太平洋の島々に移り住んだのかというミステリーを解き明かすカギとなる。機械に頼らずに生きる人間の底力と、海を味方に生きる豊かな知恵に迫っていく。もはや現代を生きる日本人には考えも及ばない世界だが、2回目以降の放送も、アメリカで年間300万人が訪れるという“世界一のパワースポット”を川原亜矢子が旅したり、渡辺大が“世界最長寿の9人兄弟が暮らす島”を訪れたりと驚きの世界各地の“イチバン”が登場する予定だ。■「地球イチバン」2014年10月9日(木)スタート/毎週木曜22時~NHK総合テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年10月08日「ぴあ」調査による2014年10月3日、4日のぴあ映画初日満足度ランキングは、役所広司と岡田准一が初共演した『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』がトップに輝いた。2位に実話を映画化した感動ドラマ『ミリオンダラー・アーム』が、3位に『X-MEN』シリーズのマイケル・ファスベンダーが、奇妙なかぶり物をしているバンドマンを演じるコメディー・ドラマ『FRANK -フランク-』が入った。その他の写真1位の『蜩ノ記』は、直木賞を受賞した葉室麟のベストセラー小説を基にした時代劇。出口調査では「昔の人の所作やコミュニケーションの取り方、人と人の信頼関係が胸に響いた。日本の伝統を感じる時代劇で、静かだけれど情熱を秘めた良い作品だった」「人間の内面を静かに描いていて、深い感動を覚えた」「全体的に誠実な雰囲気があり、長回しも多く、それに応じた俳優の演技が素晴らしい。夫婦の短くも静かな会話のシーンに古き良き日本を感じた」「期待以上で終盤は涙が止まらなかった。周囲の支えや愛、自己との戦いなど人間の温かみを感じた」「家族愛を感じた。風景がキレイで、今の映画と違ってゆっくりと時間が流れていくので、まるで自分がそこにいるように感じた」などのコメントが10代から80代までの幅広い世代から寄せられた。2位の『ミリオンダラー・アーム』は、野球未開の地だったインドに渡り、“ミリオンダラー・アーム(100万ドルの剛腕)”をもつ選手を発掘しようとする男の奮闘を描いた作品。観客からは「元気になれる映画。自分も仕事で失敗をするが、励みになった」「サクセスストーリーではあるが、成功までの過程が丁寧に描かれていて、結果だけではないのだと大事な事に改めて気付かされた」「主人公の成長する姿に感動した。人との信頼関係であったり、他者との関わりの大切さに気付いた。実話とのリンクも多く、リアリティがあったのもよかった」「異常なまでのハングリー精神と、国を背負う誇りが際立って描かれていて応援したくなった」など、20代から70代までの観客から好評だった。(本ランキングは、10月3日(金)、4日(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2014年10月06日直木賞受賞小説を『雨あがる』の小泉堯史監督が映画化した『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』。役所広司が演じたのは、ある罪による切腹が3年後に迫った郡奉行・戸田秋谷だ。その他の画像その運命の日までに藩の歴史「家譜」を完成させることを命じられた秋谷と、彼の監視役になる青年武士・檀野庄三郎との絆の物語を軸に展開。「秋谷にはとても3年後に腹を斬って死ぬ人とは思えない普通さがありますよね」。そう語った役所に「その境地は理解できましたか?」 と聞くと、「できません」という素直な答えが返ってきた。「だから自分なりに研究するわけですよね。秋谷はどんな人なんだろう? どんな話し方をし、仕事にどう取り組んでいたのだろう? って」。その助けになったのが「小笠原流」の作法や所作だ。「これまで出演した時代劇は浪人の役ばかりで、城務めをしているような役は初めてだったんですけど、小笠原流から背筋が伸びるようなものを教わりましたね」。だが、その作法を覚えるのが大変だった。「特に食事のシーンですね。食べる順番が決まっていて、食べるものによって箸の持ち方も変わるんです。おかずを取るときにほかの食べ物の上を通過させてはいけない、お吸い物を飲むときにお椀から箸の先を出してはいけないという、細かい決まりもある。でも、その統一された作法が登場人物を美しく見せていると思います」。庄三郎役の岡田准一とは意外にも今回初共演だが、「岡田くんは時代劇が似合いますよね」と絶賛。「彼は武士の扮装をしても刀を振っても様になる。武道の先生で、踊りを長年やっているから身体で覚えるようなことは吸収するのが速いんでしょうね」。そんな役所も、本作ではその血を受け継ぐ小泉組の現場で黒澤明監督の映画作りの極意を学んだ。「準備の仕方が違いますよね。スタッフが画に映らないことも勉強し、周到に準備をしているからあり得ないと思うような装飾品はひとつもない。逆に役者がめくるかもしれないから、本の中身も結構書いてあるんです」。「黒澤さんの映画作りは宝物だし、大変な教科書じゃないですか!」と言葉に力が入る。「若い俳優さんたちもこういう映画作り方を知れば、日本映画がもっと豊かになると思いますね」。役所広司という俳優が面白いのは、『蜩ノ記』のような格調高い作品に出演したかと思えば、『渇き。』のような気鋭監督の作品で破天荒な役にも挑戦するところ。「面白そうなことをやっているらしいって聞いたら行ってみたいじゃないですか(笑)。それに、この歳になると立派な人の役が増えてきますけど、ひと色には染まりたくない。映画もお客さんの希望を叶えるものと、お客さんが知らない世界を見せて楽しんでもらえるものの両方があっていいと思います」。そうなると、『ガマの油』に続く2本目の監督作が気になる。「監督はまたやりたいですよ。短い人生、やりたいことをやりたいですよね(笑)」。『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』10月4日(土)より全国公開取材・文:イソガイマサト
2014年10月06日映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』が10月4日(土)に公開を迎え、主演の役所広司を始め、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督が舞台挨拶に登壇した。黒澤明監督の下で長年、助監督を務めた小泉監督が葉室麟の直木賞受賞小説を映画化。ある事件の罪で10年後の切腹とその間に藩の歴史を綴った「家譜」の編纂を命じられた戸田秋谷の元に若き藩士・檀野庄三郎が訪れる。藩からの“見張り役”として送り込まれた庄三郎だったが、徐々に秋谷の人柄に心酔し、その家族とも打ち解けていき…。初日を迎え、晴れ晴れとした表情の役所さん。念願の小泉組への参加となったが「ツイていたと思います。小泉組もそうですがその作品で秋谷という役に出合えたことに縁(えにし)を感じます」と嬉しそうに語る。岡田さんは、劇中の庄三郎と秋谷の関係そのままに役所さんに憧れ、現場でもその立ち居振る舞いに心酔したよう。「主役としての立ち方、そして人としての現場での在り方。黒澤組のスタッフさんたちが、役所さんを見ながら僕に『あれがいい。ああいう人を支えたくなるんだ。お前もああいうふうになれ』と言ってくださいました。その人柄を直に見ることが出来て幸せでした」とふり返る。堀北さんも「いい経験をさせていただきました」と充実した表情。「所作に舞とクリアしないといけないことも多かったですが、いい緊張感の中で臨めたと思います。撮影に入る前に監督とお話をさせていただき(演じた)薫についてたくさん伺い、参考となる本も渡されたのですが、ここまで監督の中にイメージがおありなら、少しでもそこに近づけるように努力しようと思いました」と語る。原田さんは黒澤作品への出演経験もあるが、今回、小泉監督の下に、すでに引退したスタッフも含め、黒澤組を支えた人たちが集結したことについて「懐かしい面々であり、共に戦ってきた仲間です」と嬉しそう。「セットでボーっとした時間を過ごすのが好きなんですが、思いのほか撮影が早く終わってしまって、もう少し長くそこにいたかったというのが本音です」と少しだけ寂しそうに語った。小泉監督は「スタッフはみんな、黒澤監督の教えを受けており、支えてくれるのでやりやすかったです。キャストにも恵まれ、その日、現場に行けば秋国や庄三郎に会えるというのが楽しみでした。そうした雰囲気が『フィルムに出る』と黒澤監督もよく仰ってました」とうなずく。この日は、黒澤組で長くスクリプター(記録係)を務めた野上照代さんが客席で映画を鑑賞したが、コメントを求められると「黒澤さんの声が聞こえます。『小泉、うまくなったな。100点満点やろう』と」と語り、小泉監督は「涙が出てきそうです」と感激。野上さんは撮影現場にも足を運んだそうで、岡田さんはその時の様子について「『頑張れよ!』と言われて帰っていかれて(笑)、カッコいいんです。素敵でした」と目を輝かせていた。『蜩ノ記』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月05日映画『蜩ノ記』に出演する役所広司と原田美枝子が、長年の映画界への貢献を称えられ、東京・日比谷の「合歓(ねむ)の広場」にその手形が飾られることになり、10月4日(土)、共演の岡田准一、堀北真希らに見守られながら舞台挨拶の場で手形作りを行なった。「合歓の広場」は東京・日比谷シャンテ内のある広場で、同館がオープンした1987年以来、映画界に名を残したスターの手形が飾られてきたほか、ゴジラのミニチュア像も設置されている。これまで73名がここに手形を残しており、役所さんにとって師匠にあたる仲代達矢の手形もあるが、日本人俳優として、同所に手形が飾られるのは、1992年6月の緒形拳以来、22年ぶり。また、同一作品出演の2名の俳優が同時に手形をとるのは、今回が初めてのこととなる。壇上で、観客が見守る中での手形作りに原田さんは「照れくさいですね」と語り、役所さんは「光栄です」と喜びを口にする。岡田さんは、本作の撮影、そして劇中の役柄を通じて“師”と仰ぎ、その背中を見つめてきた役所さんが日本映画界の殿堂とも言える合歓の広場にその名と手形を残すことに「僕も嬉しいです」と満面の笑み。堀北さんは劇中の“両親”を前に「歴史的瞬間に立ち会えて嬉しいです」と語る。岡田さんは「僕たちもいつか…」と改めて思いを口にするが、役所さんも「いつか(本作の)家族で並ぶ日が来ると良いですね」と語り、会場は期待を込めた温かい拍手に包まれた。手形を取り終えた役所さんは「横綱になったような気持ちです(笑)」と感想を口にし、原田さんと共に作ったばかりの手形を掲げて写真撮影に臨んだ。なお、こちらの完成した手形は今年11月に合歓の広場に飾られる予定だという。『蜩ノ記』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月05日深く、太く、そしてどこか優しい――役所広司の声は、そんなすべてを包んでしまうような響きで出来ている。俳優の道を歩むこと実に30年以上。『Shall we ダンス?』『ドッペルゲンガー』『THE 有頂天ホテル』『わが母の記』、そして“今年最大の問題作”と言われた『渇き。』…と、その活躍を挙げていけばキリがない。スクリーンに彼の姿が映るたび、その独特の存在感に目を釘付けにされた人も多いはずだ。そんな彼の魅力はもちろん声にも宿っている、たとえ姿は見えずとも。役所さんが今回、10月でシーズン4を迎える紀行ドキュメンタリー「地球イチバン」(NHK総合テレビ/毎週木曜22時放送)で、視聴者を見たこともない世界へと導く、声のナビゲーターを務めることとなり、収録真っ只中の彼に取材を敢行した。この番組は、世界各地のさまざまな“イチバン”の地を訪ね、日本とはかけ離れた圧倒的な風景と究極の非日常を、リビングに居ながら味わえるというもの。アリッサ・ウーテン、川原亜矢子、渡辺大、高橋光臣らが“旅人”となり、世界一の星空や絶海の孤島、果ては究極のパワースポットなど驚きの暮らしや人生哲学と出会いながら、明日を生きるヒントを探っていく。役所さん自身、これまでに様々な声の仕事をこなしてきているが、収録前にどんな準備をするのか聞いてみると、「前準備は、本編の映像を見させていただいて、あとは台本を間違えないように読む練習をする(笑)」。それだけと語るが、それ故に「難しいですねぇ」とも。ナレーションや語りといった仕事は、何かキャラクターや役が与えられているわけではなく、あくまでも“ナビゲーター(導き手)”としての立ち位置でしかない。豪快に笑ったり、声を殺して泣くこともない。心を出し過ぎず、それでも感情は香る程度に漂わせる。そのサジ加減は恐らく、相当に難しいはずだ。「あまりナレーションは前に出ない方がいいかな、と思うんです。なんとか“カタチ”にならないように、ならないようにっていう仕事なんです」。そうはいえど、下条アトム然り、熊倉一雄然り、滝口順平然り、個性派な声の仕事人というのは存在する。役所さんならではの語り口というのは、何かあるのだろうか?「(そういうのは)全然意識してないんです。たぶん、ああいうものって、下條さんにしろ、熊倉さんにしろ、やってるうちに出来上がってくるものだと思うんです。恐らくですけど、最初からそういう風には読んでないかもしれない。最初からそこを狙っているわけではなくて、やっていくうちに、そっちの方が映像や番組の雰囲気に上手く合ってくるものとして、そういう形が出来てくるんじゃないかと思います。ただ僕も今回、『地球イチバン』をやらせてもらって、語り口が定着していくかもしれませんね。独自というか…僕の癖も出てくるでしょうし。それが良い雰囲気になればいいですけど。できるだけ同じ形じゃなくて、毎回毎回違う雰囲気になればいいなって。(その旅に寄り添うような?)そうですね。旅人と現地の人たちが、浮き立つようにできればいいなって思います」。この取材を行ったときは、収録の真っ最中。「朝から収録で、この後も実はあるんです(笑)」と明かしてくれた。そんな役所さんに「地球イチバン」の見どころを聞いてみると、こんな答えが返ってきた。「やっぱり…僕たちとは“違う距離感”って部分でしょうか。例えば、160kmという距離。僕らの感覚だと、160kmなんて車でひと走りできちゃう、大した距離じゃない。けど、ある地域ではその160kmという距離は、命を懸けなきゃいけない程の遠さなんです。それだけ離れてると、それはもう親には会えないかもしれない、という距離なんです。そういうところからすでに感性が違っているような気がしますよね。どっちが良いのかは分からないですが、すぐ行って会える方がいいのか、160km離れた遥か遠くの人のことを思う気持ちがもっと大きくなってる人たちの方が豊かなのか――そういうところが『地球イチバン』の面白さだと思います。羅針盤も何にもなくて方角を決める動物的な勘なんて、もう僕たちはきっと退化してるだろうし。ちょっと前までは方角も分かったのに、ナビができてからもう本当に考えなくなってきた。そういうところでね、もっと人間って能力があるのに、便利な方に進むと、人間自体はどんどん退化していくような気がしました」。人間が進化を続ける上で、文明の利器による本能の退化――「地球イチバン」で感じた世界を通して、そんな部分にまで目を向ける役所さん。なんとステキな話をしてくれることか!そんなこと思いながら、最後に役所さん自身の旅(冒険)について聞いてみると、まさかの答えが返ってきた…。「どこでも僕にとっては、冒険なんです。自転車でどこか都内を走っていると、もうすぐに“冒険”になるんですよ…方向音痴なので(苦笑)。『オレの家はどっちなんだ!』『オレが向かってるのはどっちなんだ!』っていうふうに、路地なんかを走ってると分からなくなっちゃうんですよ、自転車だとナビも付いてないですから。そういうときに自分の知ってる道にポっと出たりすると、『あっ!ここだ!ここからなら帰れる!』っていう。それもひとつの旅であり、冒険のような気がします(笑)」。身近な場所でもスペクタクル。そんな話を聞くと、ついつい“旅人”としての登場も期待してしまう。■「地球イチバン」2014年10月9日(木)スタート/毎週木曜22時~NHK総合テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年10月02日第146回直木賞を受賞した時代劇小説を映画化した『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』の特別試写会が1日に都内で行われ、初共演を果たした役所広司と岡田准一が出席。同日、「意識的に泣くことで心のデトックスを図る活動」として注目される“涙活(るいかつ)”映画に認定され、「最初はギャグかなと思ったが、(トロフィーを受け取り)結構重みがありますね。光栄です」(役所)、「ありがたいことですね」(岡田)と喜びを語った。その他の写真事件を起こし10年後の切腹を命じられた戸田秋谷(役所)の前に、藩士の檀野庄三郎(岡田)が秋谷の監視役としてやってくる。庄三郎は秋谷のひたむきな生き様や家族愛に触れ、彼が起こした事件の真相を探り始める。舞台あいさつには秋谷の家族を演じる堀北真希と原田美枝子、メガホンを執った小泉堯史監督が同席した。役所は自死が迫るなか、家族との日々を静かに重ねる主人公の姿に「自分で演じていながら、試写を観てずいぶん早い段階で泣いてしまった。特にラストが近づくと『いい家族だな』と涙が止まらなくて…」と自身の“涙活”を告白。岡田が「隣の席で号泣されていた」と明かすと、「岡田君だって泣いていましたよ」と明かしていた。その岡田も「師弟愛、家族愛、夫婦愛が詰まった作品」と感激しきり。役所と原田がふたりきりで愛を確かめ合うシーンを「カメラの後ろで見学させていただいた」といい、「おふたりの芝居や表情の深さがたまらなかった」と振り返った。原田は「息子がサムライの息子として動じちゃいけないと耐える姿に涙した」。秋谷の娘を演じる堀北は「これぞ理想の夫婦だなと思いながら、エンドロールで泣いてしまった」と泣ける本作の魅力をアピール。小泉監督も「素敵なキャストに恵まれて、一緒に仕事ができて良かった」と安どの表情だった。『蜩ノ記〈ひぐらしのき〉』10月4日(土)より全国公開取材・文・写真:内田 涼
2014年10月02日全員とは言わないが「この10年を振り返って」という問いをぶつけると、多くの人からは「あっという間だった」「気が付いたら10年経っていました」といった答えが返ってくる。堀北真希は違った。あっさりと「私にとってはこの10年は長かったです」と口にした。彼女がデビューしたのは11年前。10年はキャリアのおよそ9割を占める歳月なのだから「長かった」という答えは決して不思議ではないのだが、彼女の答えのあまりの迷いのなさにこちらがたじろいでしまう。「デビューした時は中学生でしたからね。中学を卒業して、高校を卒業して、成人になって…。いろいろありました」。柔らかい笑みを浮かべて彼女はそう付け加えた。映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』はある事件の罪を問われ、10年後に切腹することを申し付けられた武士が、静かに己の運命を受け入れ、父として、夫として、ひとりの男として、生きる姿を描いた時代劇。堀北さんは、切腹の日まで藩の歴史である「家譜」の編纂に日々を費やす戸田秋谷(役所広司)の娘で、父の死を覚悟した上で気丈に生きる薫を演じている。メガホンを握ったのは黒澤明監督の下で長年にわたり助監督を務めてきた小泉堯史監督。スタッフにも黒澤組の屋台骨を担ったベテランが名を連ねるが、日本映画界の貴重な財産とも言えるチームでの仕事は、堀北さんに多くの発見をもたらしたようだ。「撮影に入る前にいつも以上に多くの準備をした気がします。舞や所作の稽古もそうだし、衣裳の着物やカツラも、実際に撮影をするわけでないのに、本番と全く同じように着用して映りを見て検討して、また別の日にもう一度、衣裳合わせをしたりしました。監督とも撮影に入る前にたくさんお話をさせていただきました。撮影の前の準備の時間がすごく濃かったです」。逆に撮影が始まると、拍子抜けするほど淡々と撮影は進んだ。それまでに緻密に積み上げ、準備してきたものをカメラの前で出すだけ。その差にも新鮮な驚きを覚えたという。「ここまで準備に時間をかけるなら、撮影も同じようにじっくりと進めていくものかと思っていたんですが、始まってからはサラッと進みました。本番もほぼ一発OKで、カメラも複数で同時にいろんな角度から撮るので、何度も繰り返す必要もなく早かったですね」。撮影前に小泉監督と話し合い、そしてクランクイン後、スムーズに撮影が進む中で、それでも強く監督から求められたのは、現代女性とは違う、江戸時代を生きる女性の奥ゆかしさ。参考文献として、当時の武家の生活や風習について書かれた本や武家に生まれた女性の一生を記した本に目を通した。「やはり、当時は女性が積極的に自分の意見を言うことはあまりないんですよね。特に男性、目上の父親に対して気軽に自分の考えを言える環境ではない。そこは、おしとやかに気恥ずかしさを持って演じてほしいと言われました。庄三郎さん(岡田准一/※秋谷を監視するために藩から送りこまれた武士で、一緒に生活する中で秋谷に心酔していく)とのシーンは何度も『もっと気恥ずかしそうに!』と言われました。私としてはそうしてるつもりなんですが『もっともっと!』と(笑)」。そんな時代の背景もあって、父がいずれは切腹せねばならないことを知りながらも哀しみを内に秘め、静かに家族を支える薫。そんな彼女が普段とは違う行動を見せるのが、父が起こした事件の当事者である、かつて藩主の側室だった松吟尼(寺島しのぶ)に会いに行くシーンだ。「このシーンは薫が自分の思いを伝えるセリフがあったので、薫が何を思っているのかを表現できたらいいなと思っていました。薫としては、父親が不義密通の罪で切腹を命じられたというのがどうしても気になっている部分なんです。それを確認するわけですけど、そこでも決して、直接的な言葉で会話をするわけではないんです。だから、彼女が100%全てを知って納得したわけではないのかもしれないんですが、自分で行動を起こしたことで何か、腑に落ちるところがあったんではないかと思って演じました」。10年後に腹を切ることが決められた秋谷。どれほど思いを巡らせても、現代を生きる我々が彼の心情・心境を理解することはできない。そして、そんな彼が運命を受け入れて日々を過ごす姿は静かに、強く胸を打つ。役所さんが演じた秋谷の姿は、堀北さんの目にはどのように映ったのだろうか?「私は、一家の主であり子どもたちの父親であるからこそ、それが出来たのかな?と思います。薫や郁太郎(吉田晴登/※薫の弟)は常に父の背中を見ているわけで、父として秋谷さんはそれを分かっている。だからこそ、大事なことを教えるためにブレずに10年という歳月を過ごすことが出来たのではないかと感じました」。冒頭で彼女のキャリアが11年前に始まったと書いたが、本作で秋谷に心酔し、やがて少しずつ薫に心惹かれていく若き武士・庄三郎を演じた岡田准一とは、まさに11年前に彼女が初めて出演し、いきなりヒロインを演じた映画『COSMIC RESCUE -The moonlight generations-』以来の共演となった。「まず、当時の私のことを覚えているのか分からなくて…本当にただの中学生だったので(笑)。だから『お久しぶりです』と挨拶するのは変じゃないかな?11年前の共演の説明から入った方がいいのかな?とかいろいろ考えたんですが、岡田さんは覚えてくださっていて。私の方は、本当に『子どもの時にお世話になった』という感覚だったので、(当時の思い出が)恥ずかしいとか、そういう気持ちはなかったんですけど、岡田さんは岡田さんで、当時は学校の話とかして『宿題しなきゃ』とか言ってたのに、久々に会ったら一気に大人になっててどう接していいのか分からなかったらしいです(笑)」。そんな話を聞くと、確かに10年という歳月が、彼女にとっては非常に長い時間であったことも納得できる。とはいえ、堀北真希はまだ26歳である。中学の頃から学業と並行して女優業を行なってきたせいか「女優を自分にとって“仕事”と思うようになったのはほんの数年前からです。同級生が働き始めて、それぞれに“職業”を持つようになって、改めて『あ、私にとってはこれが仕事なんだ!』と腑に落ちました」と笑う。その美貌は「クールビューティー」という言葉で表現され、同時にミステリアスなイメージが彼女に付随されていった。どんな役柄にも自然にスッと溶け込んでいく演技力の高さも相まって、素の彼女が何を考え、どんな壁にぶつかり、どんな葛藤を抱えて日々を生き、仕事に臨んでいるのかはスクリーンやTVの画面からはなかなか読み取ることはできない。だから、改めて訊ねた。26歳になった堀北真希にとっての女優という仕事のやりがい、面白さとは?「なかなか…うまくいかないところですかね?」。少しだけ考え込んで、彼女はそう答えた。「なかなかうまくいかないんですよ。うん、なかなかうまくいかない(笑)。たまに、うまくいったなって感じる時もあって、嬉しくてまた頑張ろうって思うし、うまくいかないことが多くて、じゃあ次は頑張ろうって思って…。その日、お芝居をしてみて『今日はうまくいった!思い通りに出来た』と感じる時もあるんですけど、オンエアを見てみたら、自分が思っていたよりも全然うまくできてないこともあったりするんです(苦笑)。でも多分、ずっとうまくいってたら満足してダメになっちゃうと思うんで、そういうものなのかな?と思ってます」。「だから、この仕事を一生続ける」という答えが続くことを期待するも、こちらのそんな思惑はあっさりと裏切られる。「女優は一生の仕事になりそうか?」という問いに、困ったように首を傾げる。「先のことを考えるってことが全然なくて…割といつも成り行きなんですよね(笑)。このお仕事は、誰かに『この役をお願いします』と言ってもらえないと成り立たないんですよ。だから一生、自分が誰かに必要とされて生きていけるのかな?と。いまの自分には分かんないですね」。いや、きっと誓いや意気込みなど必要ない。いまのままで、うまくいかないことに悩みつつ、目の前の仕事に打ち込んでいけば、その時、彼女は大女優になっているはずだ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月02日俳優の役所広司と岡田准一が10月1日、共演作『蜩ノ記』の特別試写会に出席した。岡田さんが「試写を観ていたら、横で役所さんが号泣されていた」と暴露すると、役所さんは「岡田君だって泣いていましたよ」と反撃。劇中同様、強い師弟愛(!?)を披露した。前代未聞の不祥事を起こした戸田秋谷(役所さん)は、10年後の夏に切腹し、その日までに藩の歴史である「家譜」を完成させることを命じられる。一方、城内で刀傷沙汰を起こした藩士の檀野庄三郎(岡田さん)は、秋谷の監視役を命じられるが、そのひたむきな生きざまに心揺さぶられる。第146回直木賞を受賞した葉室麟の小説を原作に、役所さんと岡田さんが初共演を果たした。この日、役所さんと岡田さんに加えて、共演する堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督が出席し、「涙活(るいかつ)試写会」と銘打って開催された試写会。 涙活とは、意識的に泣くことで心のデトックスを図る活動だといい、涙活プロデューサーの寺井広樹さんが提唱するもの。このたび、『蜩ノ記』が世界に涙活を広める「全米感涙協会」認定映画第1号となったことを記念し、役所さんに涙のしずくをモチーフにした特製トロフィーが授与された。「今日、(イベントの進行)台本を読んで『これ、ギャグかな』と思った」と役所さん。それでも寺井さんから実際にトロフィーを受け取ると、「結構重いですね。今日映画を観てくださったみなさんの涙とどっちが重いかなあ…。とにかく認定第1号ということで光栄です」と涙、ではなく笑みを見せていた。涙といえば、岡田さんは先日、主演を務めたNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の撮了会見での“男泣き”が大きく報じられたばかり。岡田さん本人も「つい最近、泣いてしまって」と照れ笑いを浮かべた。また、本作に関しては「小泉監督のために、日本映画界のベテランスタッフさんが集まった。まるで日本映画の歴史を目の当たりにするようで、現場にいるだけで泣ける思いだった。本当に、すごい人ばかりだったんですよ」と涙のエピソードをふり返った。『蜩ノ記』は10月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月01日実話を基に家族の愛を知らずにいた女性と、まもなく命が尽きようとしている母親を取り巻く一家との出会いと別れを描いたメキシコ映画『マルタのことづけ』が、10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開となる。メキシコといえば、昨今、国境を越えて活躍するメキシコ出身の監督は数多い。『アモーレス・ペロス』でカンヌ国際映画祭・批評家週間部門「グランプリ」を受賞し衝撃の長編デビューを果たした、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、ブラッド・ピットや役所広司、菊地凛子などの日本人俳優も出演した『バベル』、ハビエル・バルデムが第63回カンヌ国際映画祭「主演男優賞」を受賞した『BIUTIFULビューティフル』でも知られている。また、『パシフィック・リム』で世界的に活躍する、日本のマンガ・アニメ・特撮が大好きなギレルモ・デル・トロ。さらに、メキシコ出身の俳優ガエル・ガルシア・ベルナルを主演に迎えた『天国の口、終りの楽園。』や、ヴェネチア国際映画祭のオープニング作品であった『ゼロ・グラビティ』で、第86回アカデミー賞最多7部門を受賞したアルフォンソ・キュアロンなど、いまやワールドワイドに活躍する名監督ばかり。そして、メキシコの新星女性監督クラウディア・サント=リュスが手がけた本作『マルタのことづけ』もまた、『髪結いの亭主』や『ぼくの大切なともだち』で知られるパトリス・ルコントが審査員長をつとめたヒホン国際映画祭で「審査員特別賞」を受賞するなど、各国の映画祭で高い評価を受け、注目を集めている。ひとり暮らしで友だちも彼氏もいないクラウディアは、ある日、虫垂炎で緊急入院。偶然、隣同士のベッドになったことから知り合った、4人の子どもを持つシングルマザーのマルタから、退院後、自宅に招かれる。しっかり者の長女・アレハンドラ、フリーターの二女・ウェンディ、思春期真っ直中の三女・マリアナ、末っ子の男の子・アルマンド、それぞれが強烈な個性を持つ子どもたちと、自分を娘のように扱うマルタに戸惑いながらも、クラウディアは初めて家族の温もりと母の愛を知る。一方、死期の迫るマルタは、日々を生きることに全力を注いでいた…。本作は、メキシコ第2の都市・グアダナハラを舞台に、クラウディア監督が自らの実体験をもとに、“遺していく母”と“遺される子どもたち”を描いた感動作。「メキシコ映画あまり観たことない…」という人も多いかもしれないが、実はメキシコ映画の歴史はとても深く、20世紀初頭から今日まで、映画界をけん引してきた監督や俳優を多く輩出。日本でも、メキシコなどラテンアメリカの映画をいち早く紹介してきた「ラテンビート映画祭」は今年で開催11年目を迎え、年々盛況となっている。■映画界に大きな影響を与えたメキシコが育んだ巨匠たち先に挙げた監督たち以外にも、メキシコには世界の映画界に影響を与えた巨匠が多く存在する。特に、サルバドール・ダリとの共同監督作『アンダルシアの犬』(’28)や、第28回ヴェネツィア国際映画祭「金獅子賞」受賞し、あの人気ドラマの基にもなった『昼顔』(’67)のルイス・ブニュエル監督は、スペイン出身でありながらメキシコに帰化し、世界各国をまたにかけて映画を撮り続けた。また、ケティ・フラドは、メキシコ出身の女優として、メキシコやハリウッドで活躍。『真昼の決闘』(’52)でゴールデングローブ賞「助演女優賞」受賞。そして『折れた槍』(’54)でメキシコ人俳優として初めてアカデミー賞「助演女優賞」にノミネートされ、晩年まで両国の作品に意欲的に出演していたことでも知られている。『エル・トポ』(’69)、『ホーリーマウンテン』(’73)などの代表作で知られるカルト映画の鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督は、チリ出身だが20年以上、メキシコシティに在住。最新作『リアリティのダンス』(’13)は日本でも公開され、さらに、志半ばで企画が頓挫したSF大河小説「デューン」の映画化の裏側を、ホドロフスキー本人を始めとする関係者の証言と貴重な資料で描いたドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』(’13)も各界から大絶賛を受けている。本作で長編デビューを飾ったクラウディア監督も、メキシコで映画を学んできたひとり。デビュー作にして、ルコント監督にも太鼓判を押され、トロント国際映画祭など数々の映画祭で受賞を重ねているのも、メキシコ映画界の歴史ある土台が影響しているといえるだろう。隠れた“映画大国”メキシコが育んだ新しい才能による本作を、ぜひあなたもその目で確かめてみて。『マルタのことづけ』は10月18日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マルタのことづけ 2014年10月、シネスイッチ銀座ほか全国にて公開
2014年10月01日いま引く手あまたの人気俳優・大泉洋を主演に迎え、気鋭監督・原田眞人が井上ひさしの時代小説を元に映画化した『駆込み女と駆出し男』の劇場公開日が、2015年5月16日(土)に決定。併せて、大泉さん、戸田恵梨香、満島ひかりに続く超強力キャストの面々も発表され、樹木希林、堤真一、内山理名、山崎努、武田真治、キムラ緑子ほか日本映画界・演劇界を代表する名優たちが勢揃いしていることが明らかとなった。江戸時代――時は老中・水野忠邦による“質素倹約”の天保の改革真っ直中。鎌倉に建つ東慶寺は、幕府公認の駆込み寺(縁切寺)として離縁を求める女たちの最後の砦。だが、女たちは駆込み後、御用宿にて聞き取り調査をし、夫を呼び出した上で離婚の意志(三行半を書くか否か)を確認。夫が三行半を書かない場合に東慶寺へ入山し、2年の修行を経て、晴れて離婚成立、という過程を経なければならなかった。戯作者に憧れる医者見習いで、御用宿・柏屋の居候である信次郎(大泉さん)は、男のような名前を持つ柏屋の女主人、源兵衛(樹木希林)とともに男と女のもつれた愛の糸を解き、訳あり女たちの人生の新たな出発を手助けすることに…。本作は、離婚率は現代の2倍といわれる江戸時代の駆込寺を舞台に、見習いの医者兼駆け出しの戯作者の男が“離縁調整人”となり、さまざまな事情を抱えて駆込んでくる女たちが織り成す人情エンタテインメント。作家・井上ひさしが11年かけて紡いだ時代小説「東慶寺花だより」を元に原田監督が映画化し、当時の男女の“離縁”事情だけでなく、江戸の風俗や文化もふんだんに盛り込んでいるという。離縁調停を行う御用宿・柏屋の女主人となる樹木さんは、役所広司主演の原田作品『わが母の記』に続く出演。「南総里見八犬伝」を記した当時の戯作者、曲亭馬琴には山崎努。また、満島さん演じる“駆込み女”・お吟を妾に持つ日本橋の唐物問屋、堀切屋三郎衛門に堤真一。さらに、前夫をゴロツキ侍に殺され、乱暴の後に無理やり妻にされた壮絶な過去を持つ“駆込み女”に、原田作品初出演となる内山理名。柏屋の番頭・利平に木場勝己、その妻・お勝にキムラ緑子、縁切寺の東慶寺の院代・法秀尼には、元宝塚宙組トップ娘役の陽月華、もうひとりの駆込み女に神野三鈴、水野忠邦の腹心・鳥居耀蔵に北村有起哉、ヤクザの親分に橋本じゅん。そして、戸田さん扮する、顔にヤケドの跡がある駆込み女・じょごのDV夫・重蔵を武田真治が演じている。原田監督は、この第2弾豪華キャストの各々についてコメントを寄せてくれている。「樹木希林さんには三代目柏屋源兵衛という仰々しい男の名前を持つ女傑をお願いしました。『赤ひげ』でぼくがもっとも好きなエピソードに出ていた山崎努さんには、戯作の神様をお願いしました。堤真一さんは盟友であり、名優です。江戸の光と影を背負った儲け役を楽しんでもらいました。内山理名さんは、文字通り体を張った熱演で、一皮むけたのではないかと思っています。この映画で原田作品に4作品連続登板となるキムラ緑子さんとは、深く愛し合っているので、次も、その次も出演をお願いするつもりです。武田真治さんは、江戸時代のDV男がぴったりでした。本人は心やさしすぎて大変だったろうと思います。陽月華さんは、法秀尼役は彼女しかいない、と脚本段階でイメージしていました。美しい以上に剽軽で思い切りの良さがある人です。神野三鈴さんは、一緒に仕事をするのが本当に愉しい超演技派です。ハチミツ浣腸のシーンがあるのですが、その場では死ぬほど笑って苦しかった。北村有起哉さんは素晴らしい俳優で、英国演劇界の重鎮と拮抗できる名優になる人だと思います。そして、橋本じゅんさんは、「原作を読んだとき近江屋三八は彼の為に書かれた役だと思いました。大泉洋さんが演じる信次郎とのトークバトルは映画史に残る名場面だと思っています。演ずる気迫に心を打たれました」。監督自身も太鼓判を押すキャストたちの化学反応に期待感が高まる。『駆込み女と駆出し男』は2015年5月16日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年09月27日映画『蜩の記』の東日本大震災復興支援チャリティー試写会が9月10日(水)に開催され、美智子皇后陛下が一般の観客と共に映画をご高覧になった。主演の役所広司を始め、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉尭史監督が美智子さまのご退席後に報道陣の取材に応じた。葉室麟の直木賞受賞小説を映画化。江戸時代、ある事件で10年後の切腹を申し付けられ、その日まで藩の歴史を記した家譜の編纂を続ける戸田秋谷と、その見張りとして彼とその家族と生活を共にすることになった若き藩士の交流を静かに描き出す。岩手県遠野市で撮影が行われた縁もあって、この日のチャリティ試写会が行われる運びとなり、美智子さまがご臨席。役所さんらは劇場で美智子さまを出迎え、映画を一緒に鑑賞した。美智子さまのご退席後、役所さんらは報道陣が待つロビーへと姿を現したが、一様に「緊張しました…」と語る。役所さんは「こんなに不動の姿勢で映画を観たのは初めてです(笑)」と語り、「皇后さまがこちらに歩いてこられた時は、不思議な風が吹いているかのように感じました。座られると『大きな画面ですね』と仰られたのですが、こちらは緊張でしどろもどろになって、わけの分からないことを…」と苦笑を浮かべる。映画の上映後の様子については「(エンドロールで)小泉監督の名前が出るとみなさんと一緒に拍手をしてくださり『おめでとうございます』と仰って下さいました」と明かした。小泉監督は、上映後のご歓談の中で美智子さまから「素晴らしい映画をありがとうございました」とお言葉をかけていただいたそうで、「優しいとしか言いようがないです。慈愛と優しさに満ちていらっしゃいました」と感激の面持ち。監督が故・黒澤明監督の下で助監督を務めていたことや、キャスト陣一人一人についても美智子さまはご存じだったようで、小泉監督は「一人一人のことを見てくださったことが嬉しいです」と語った。岡田さんは「名前を呼んでいただいて、(自分の存在が)知られているということに戸惑いまして、なんと話していいか分からず…(笑)」と語り、「出ているドラマや映画のこと、武術のことも褒めていただき光栄で、幸せな日だなと思いました」と笑顔を見せる。また、美智子さまは本作が被災地の岩手で撮影されたことについてもとても気にされていたそうで、岡田さんはその姿に「日本の母であり、日本で一番愛されている女性でいらっしゃるということを感じました」と深く感銘を受けたようだった。着物姿の堀北さんをご覧になり、美智子さまは「華やかですね」と仰ったそうで、堀北さんは恐縮しきり。美智子さまがこうして人々と一緒に映画を観る機会はなかなかないが、そこで自身が出演する映画が上映され、一緒に鑑賞することが出来たことに「幸せです」と微笑んだ。原田さんは、劇中の戸田一家の様子について美智子さまから「『いい家族ですね』と褒めていただきました」と嬉しそうに明かした。なお、この日の上映には遠野市の仮設住宅「穀町団地」に暮らす人々を始め、遠野市から15名の被災者が招待された。『蜩の記』は10月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年、全国東宝系にて公開
2014年09月11日みなさんは、50~60代の男性を恋愛対象として見られますか?「絶対ムリ!」と思う人でも、佐藤浩市さん(53歳)や豊川悦司さん(52歳)、役所広司さん(58歳)のような素敵な男性が目の前に現れたら、「アリかも……!」なんて考え直しちゃうかもしれませんよね。ここ数年、同世代ではなく、かなり年配のおじさまを好む“枯れ専”女子が増えていて、20代の女性がアラフィフ・アラカン男性とお付き合いしていることも珍しくないと聞きます。それはなぜ?アラフィフ・アラカン男性との交際経験があるアラサー女性たちに、そのメリットとデメリットを教えてもらいました。まず、メリットは?・「落ち着きがあり、安心できる」・「金銭的に余裕がある」・「自分の知らないことを知っていて尊敬できる」反対に、デメリットは?・「親や友達に紹介しづらい」・「バツイチ以上の男性が多い、実は既婚者かも」・「セックスレスになりそうで怖い」メリットはともかくデメリットは、相手の男性が20~30代だったら、あまり心配しなくていいようなものばかりですよね。みなさんはこのような問題をどう乗り越えているのでしょうか。現在、年の差恋愛を進行中のカップル3組にお話を伺いました。<case1:バツイチ50歳と25歳女子>商社勤務の未央さん(25歳)は、上司の克也さん(50歳)と交際中です。未央さんはもとから大の年上好き。克也さんも「純粋でかわいい」と彼女にメロメロで、傍から見ても仲良しで素敵なカップルという印象を受けます。ただ、克也さんは、自分が未央さんのお父さん(52歳)と同世代ということ、バツイチであることを申し訳なく感じ、悩んでいるそうです。「結婚も考えてるので、いずれ彼女のご両親にご挨拶することを考えると……」と、今から悶々としているのだとか。一方、未央さんはその点は全く気にしていないようで、「2人でいられれば十分幸せ」とのほほんとした様子でした。<case2:研究一筋53歳と29歳肉食系女子>電気機器メーカーで営業職として働く圭子さん(29歳)の恋人は、取引先で研究開発をする技術者の豊さん(53歳)。学生時代からモテて、何人もの男性と付き合ってきた圭子さんは、研究熱心で恋人は過去に2人だけという豊さんの真面目さに惹かれ、自分からアプローチ。豊さんはそんな彼女の、言いたいことをハッキリ言うところに魅力を感じたそうです。精神面だけでなく2人は体の面でも相性抜群。これまで若い男性の、独りよがりでガツガツしたエッチしか知らなかった圭子さんには、ゆっくり時間をかけて感じさせてくれる豊さんのエッチは新鮮だったとか。彼の年齢のことを考えて、エッチのペースはそれほど頻繁ではありませんが、圭子さんいわく「添い寝してくれるだけで幸せ」。ベッドの中での時間は、圭子さんにとって安らぎの一時になっているようです。<case3:妻子持ち58歳とオトナな30歳>公務員の瑞穂さん(30歳)の交際相手は既婚の雅雄さん(58歳)。いわゆる不倫なのですが、雅雄さんは瑞穂さんと付き合う前から奥さんと別居中で、現在は離婚協議中です。2人はもともと同じ居酒屋の常連客で、そこで親しくなって恋人同士に発展したそう。「当時、年下の元カレに振り回されっぱなしで疲れてたので、雅雄さんの落ち着いた雰囲気にすごく癒されたんです」そう話す瑞穂さんのことを、雅雄さんも「しっかりした大人の女性」。2人はまるで長年連れ添った夫婦のように見えました。「愛があれば年の差なんて」と言いますが、3組のカップルのお話を聞いて、このフレーズ、本当だったんだなーと実感しました。多少のデメリットがあっても、きっとそれを乗り越えた先に真実の愛があるんですね!(文=三浦由子)カレとのワケあり恋愛相性【無料占い】
2014年08月21日公開中の『渇き。』キャスト陣の中から小松菜奈、清水尋也、森川葵、高杉真宙の若手4名が7月15日(月)、都内劇場で行われた舞台挨拶に浴衣で登壇した。深町秋生の「果てしなき渇き」を原作に、突然失踪した娘を元刑事の父親が探す中で目の当たりにする、優等生と思われていた愛娘の知られざる素顔を赤裸々にセンセーショナルに描き出す。小松さんはヒロインの加奈子を、清水さんは彼女の元同級生でいじめられっこのボク、森川さんは同じく加奈子の高校の同級生の長野、そして高杉さんは加奈子を悪の道へと引きずり込んだ張本人と言われる少年・松永を演じている。これまで、一人もしくは監督や役所広司といった大人たちと舞台挨拶に登壇することはあったが、この日は同世代のキャストに囲まれ「新鮮で嬉しいです」と笑顔を見せる。浴衣は撮影などで着る機会は多いが、思い出を尋ねられると「中学の夏祭りで着たんですが、ルンルン気分でいたらドシャ降りになって、びしょ濡れのまま花火を見ました(笑)」と苦い思い出を明かしてくれた。清水さんは役柄の関係上、小松さんと過ごすことが多く、よく一緒に喋ったというが、内容については「全く覚えてない(苦笑)。よほどしょうもないことを喋ってたんだと思います。喋ってないといられなくて、他愛もないことを…」と語ったが、小松さんは「よく覚えていますよ」とニヤリ。「たまにうるさいと思うくらい(笑)、すごく喋ってました」と語り、会場は笑いに包まれた。森川さんは、劇中ではピンク色の坊主頭姿を披露している。この日は、自前のかんざしを挿して、映画の中とは全くタイプの異なる涼やかな浴衣姿で登場。加奈子に惹きつけられていく少女を演じたが、「私自身、小松菜奈に惹かれました。小松菜奈が持っている全部が『いいな』と思えるぐらいすごいんです。自分なのか、長野なのか分からないまま演じていました」と語る。高杉さんも、劇中の“ワル”な感じを微塵も感じさせない爽やかな浴衣姿で来場。「(劇中の姿が)普段と違い過ぎて、映画を観た友だちから『どこにいた?』と言われるので、ぜひ僕を探してください!」とアピールし、笑いを誘っていた。この日は、松永と同じく加奈子を悪の道へと誘いつつ、彼女に魅了されていく少女・遠藤を演じた二階堂ふみが、電話にて舞台挨拶に参加。自身の役に付いて「現場はハードだったんですが、(出演シーンが本編では)カットされていて、出ていなかったりする。(中島哲也)監督と話したい」と電話越しに不満を漏らし、会場は再び笑いに包まれた。『渇き。』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年07月15日先週末公開を迎えた、『嫌われ松子の一生』や『告白』と次々の傑作を生み出してきた、中島哲也監督の最新作『渇き。』。このほど主演の役所広司を始め、妻夫木聡、オダギリジョーら豪華な大人キャストたちが演じた、それぞれのキャラクター映像が到着した。本作は、成績優秀なうえ、容姿端麗、学園のカリスマでもある女子高生の娘・加奈子が失踪し、元刑事のロクデナシ親父に離婚した元妻から連絡が入ることから物語は始まる。自らのせいで全てを失った男が、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うが、娘の交友関係をたどって行く先々で語られるのは、“知らなかった加奈子”の本性、踏み入れるほどに見失う娘の正体だった…。今回、到着したキャラクター映像は6種。役所広司が演じる、失踪した娘を探すロクデナシ親父・藤島。妻夫木聡がニヤニヤと不気味な軽薄な男、藤島の大宮北署刑事での元後輩・浅井。オダギリジョー演じる、狂気を孕んだ男・大宮北署刑事の愛川。『嫌われ松子の一生』で主演を務めた中谷美紀演じる、加奈子の中学時代の担任教師・東。黒沢あすかが演じる、藤島の元妻で、加奈子の母親・桐子。そして國村隼演じる、加奈子が通う神経科医・辻村医師。◆失踪した娘を探すロクデナシ親父・藤島(役所広司)元刑事のロクデナシ親父・藤島を演じるのは、役所広司。消えた“家族”を異様な執念で追い求め、やがて狂気を一身に宿していく、観客の共感をいっさい許さない日本映画史上屈指の最低にして最狂な男の姿は、凄まじい迫力!今回の映像では「うるせー!クソ野郎!」と暴言吐き、血まみれで狂っている姿が切り取られている。まさに”狂犬“!◆大宮北署刑事。藤島の元後輩・浅井(妻夫木聡)藤島の元後輩で大宮北署刑事・浅井に扮するのは、妻夫木聡。ある事件を追っていくうちに浅井も加奈子にたどり着くことに。今回の映像では、「先輩」と言いながらも軽薄な態度をとり、「頭…壊れてません?」と言いながら、あざ笑う様が映し出され、今までの見たことのない妻夫木が見られそうだ!◆大宮北署刑事・愛川(オダギリジョー)浅井と同じ大宮北署刑事で、愛妻家の愛川役には、オダギリジョーが扮する。今回公開された映像には、藤島との銃撃戦シーンが映し出される。役所もオダギリも血まみれの銃撃戦は何が原因で起こったのか?加奈子はどう関わっているのか?高笑いするオダジョーの姿は狂っているとしか思えない!こんなオダジョー見たことない!◆加奈子の中学時代の担任教師・東(中谷美紀)娘が失踪した藤島が加奈子のことを捜索するために、中谷美紀演じる中学時代の担任教師・東に会いに行く。「偽善」と書かれた文字が意味することとは?◆藤島の元妻、加奈子の母親・桐子(黒沢あすか)藤島の元妻で、加奈子の母親役を演じたのは、黒沢あすか。「死んでよ、あんたなんか」と心の底から夫・藤島を恨むも、娘が失踪して夫に頼ることしかできず、本当は娘のことを何も知らなかったことに気付き、茫然とするその様は、哀愁が漂う。◆加奈子が通う神経科医・辻村医師(國村隼)加奈子が通う神経科医・辻村医師に扮するは、個性的なキャラターを演じることが多い國村隼。「家庭には少々、問題あったようですが」と語り、加奈子がなぜバケモノになってしまったのかを知る重要な手掛かりをにぎっていそうだ。血走った眼に、ニヤケ顔、悲痛な嘆き…それぞれの欲望を抱き、ダークな雰囲気を漂わせる大人たち。過去にはクリーンな役柄も演じたこともあるこの6人だが、そんなこれまでの演技は幻だったのでは…そう思わせるほどのアクの強さに注目してみて。『渇き。』はTOHOシネマズ、六本木ヒルズほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年07月04日三谷幸喜や倉本聰ら10人の脚本家と、大泉洋に役所広司、満島ひかりら10組の豪華俳優陣が10の物語を紡ぐドラマ「おやじの背中」(TBS)。このほど、堀北真希が本作で女性警察官役に初挑戦し、制服姿を披露することが明らかとなった。本作で堀北さんが出演するのは、「野ブタ。をプロデュース」(’05)や「Q10」(’10)などをヒット作を手がけてきた木皿泉が脚本を務める一篇「ドブコ」。物語は、堀北さん演じる女性警察官・三冬が同僚で幼なじみの男性警察官から披露宴を欠席するよう頼まれるところから始まる。婚約者が嫉妬するほど親しかった幼なじみから断られ、釈然としない三冬だったが、父親の正(遠藤憲一)がこのことを知り、頼まれもしないのに仲裁に入り、話がこじれてしまうというもの。堀北さんが木皿作品に出演するのは、「野ブタ。をプロデュース」以来9年ぶりとなるが、コミカルな展開も木皿作品でどんな演技を見せてくれるのか。そのほか、本作以外に脚本を担当するのは、池端俊策(出演:大泉洋)、井上由美子、岡田惠和(出演:田村正和&松たか子)、木皿泉、倉本聰(出演:西田敏行・演出:石橋冠)、橋部敦子、三谷幸喜、山田太一。数々のヒット作、話題作で時代を切り取ってきたドラマの達人たちが顔を揃えている。日曜劇場「おやじの背中」の一篇「ドブコ」は、7月5日(土)よりクランクインを予定。(text:cinemacafe.net)
2014年07月01日ついに本日(6月27日)公開を迎えた、『告白』で注目を集めた中島哲也監督・最新作『渇き。』。本作は、学業優秀・容姿端麗・性格も良しのカリスマ女子高生・藤島加奈子を追う、役所広司演じる父・藤島の愛と狂気の捜査劇を描いているのだが、6月26日(木)、渋谷界隈にて、学校から帰宅途中の女子高生30人により、映画さながらの加奈子の捜索が行われた!制服に身を包んだ女子高生たちは、「藤島加奈子を探しています」というタスキをかけ、大きく顔写真が載ったタブロイド紙を片手に練り歩いた。本作は、第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の大ベストセラー「果てしなき渇き」を映画化。ある日、元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に、離婚した元妻から連絡が入る。成績優秀で容姿端麗な女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したというのだ。自分のせいで全てを失った男は、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うことに。だが、娘の交友関係をたどる先々で語られるのは、父親である藤島も知らない“加奈子”の裏の顔。想像を超えて肥大し、踏み込むほどに見失う娘の正体。やがて藤島の激情は、果てしない暴走を始め…。この日、捜索を行った女子高生たちがもつタブロイド紙によると、「加奈子さんは、3週間前に失踪し、手がかりはなし。予備校夏季講習から帰宅する途中に、ひとりで下校する姿を複数人の友人に目撃されたのを最後に行方が分からなくなっている。母親から捜索願が提出され、事件、事故の両面で捜索を続けているが、有力な手がかりは得られていないという。加奈子さんは、成績優秀で、容姿端麗、学園のカリスマであった。なお別居中の父親は元刑事。傷害事件を起こし警察を退職、その後警備会社に再就職している。「深夜コンビニ3名惨殺事件」の第一発見者でもあり、本失踪との関連性は不明。父親も血眼になって捜索中である」とのこと。30人の女子高生たちは「藤島加奈子を探しています!」と声を張り上げ、渋谷界隈を練り歩き、街いく人は足を止め、心配そうに見つめていた。もちろんこれは、映画『渇き。』のプロモーションの一環。あたかも女子高生が失踪したように見せかけたため、外国人も興味深々で女子高生たちにしゃべりかけ、本当に失踪したと勘違いしてしまう人が続出!Twitterでも「渋谷でJK沢山に藤島加奈子さん探してますの新聞渡されて心配してたら映画の宣伝だった(笑)」「藤島加奈子探してますとか言われて、新聞渡されて見たら、その藤島加奈子さんに関する新聞で、最近の女子高生すごいなぁ、見つかるといいなぁ思ったら映画の広告なのね…クオリティすごい」という声が挙がっていた。何ともお騒がせなこのプロモーションだが、やはり渋谷駅界隈では加奈子は見つけられなかった様子。もはや加奈子の行方を知るには、劇場に向かうしかなさそうだ。『渇き。』はTOHOシネマズ、六本木ヒルズほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年06月27日鬼才・中島哲也監督の最新作『渇き。』の完成披露試写会6月9日(月)、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催。主演の役所広司を始め、共演の小松菜奈、清水尋也、橋本愛、國村隼、オダギリジョー、中谷美紀、中島哲也監督が舞台挨拶に勢揃いした。原作は、第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した作家・深町秋生氏の推理小説「果てしなき渇き」。酒飲みのロクデナシな父親・藤島(役所さん)が、謎の失踪を遂げた才色兼備の娘・加奈子(小松さん)を見つけ出そうと独自の調査に乗り出すが、やがて知られざる娘の正体が浮かび上がってくる。キャスト陣は、それぞれ演じた役柄を表した漢字2文字のパネルの前に立った。役所さんは「狂犬」の文字をまじまじと見つめ、「宣伝部、なかなか良い名前付けるね(笑)。クランクインする前にこの言葉をいただいていたら、もう少し良いお芝居できたかな?初めてこういうキャラクターを演じさせてもらって、非常にチャレンジだったけれど良い経験になった」とご満悦。一方、「畜生」と書かれたパネルに首をかしげたオダギリさんは、「この言葉、声に出していいのかな……」と戸惑い気味だった。中島監督に大抜擢され、本作で銀幕デビューを果たした小松さんは、「天使?」とクエスチョンマークの付いた謎の役どころで「天使か悪魔かって言われると悪魔かもしれないけど、天使の部分もあったり、人を惹きつける不思議な魅力を持った役」と捉えていた。操り人形の意を持つ「傀儡(くぐつ)」という言葉通り、加奈子に翻弄される気弱な少年を演じた清水さん。この日15歳の誕生日を迎え、R15+指定の本作も鑑賞できる年になったが、「友だちにも観てほしいけれど、観ない方がいいよ、とも思う(笑)。観る直前に『覚悟はできたか?』と確認は取るかな…」とあまりの衝撃作に圧倒されていた。壮絶な現場だったことで知られる『嫌われ松子の一生』以来、約9年ぶりに中島監督作品に戻ってきた中谷さんは、「中島監督から『今日は悪口は言わないように』と言われている(笑)」と口裏合わせを暴露しながら、「思い返すと監督に助けられたことばかり。今回も雪山に放り出されたシーンで100テイクはいくかなと覚悟していたけれど、1~2テイクで終わった。優しいところもある」と頬をゆるめていた。小松さんも、「中島監督は噂では怖いと聞いていたけれど、私を緊張させないように気をつかってくれていた。優しいクマさんみたいな方ですね」と意外にもほんわかとした印象に驚き。すると、前作『告白』に続いて中島組に参戦した橋本さんも「クマのイメージ。現場も気持ちいい」と“鬼”監督と思われがちな中島監督の誤解を解き、中島監督もほっと安堵の表情を浮かべていた。『渇き。』は6月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年06月10日「藤島加奈子を探しています」――。6月2日(現地時間)からJR渋谷駅・原宿駅、裏原宿の通りの掲示板、そして渋谷スクランブル交差点の象徴「Q-FRONT」など、突如街中に張り出されたこのポスター。そこに写っている謎の美少女の姿が、「誰?」「可愛い」と早くも話題を集めている。実は彼女こそ、『告白』の中島哲也監督の最新作『渇き。』に、オーディションから抜擢された新人女優の小松菜奈。垂れ目なのにどこかクールな美貌が印象的な小松さんとは、一体、どんな少女なのだろうか…。ある日、元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に、離婚した元妻から連絡が入った。成績優秀なうえ、容姿端麗の女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したという。自分のせいで全てを失った男は、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追う。だが、娘の交友関係をたどる先々で語られるのは、父親である藤島も知らない“加奈子像”。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体。やがて藤島の激情は、果てしない暴走を始め――。第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の大ベストセラー「果てしなき渇き」を、日本随一の鬼才、中島監督が映画化した『渇き。』は、“映画史上最低” の父親で元刑事の藤島に『パコと魔法の絵本』以来の中島作品となるベテラン俳優・役所さんが決まり、その娘・加奈子に小松さんが大抜擢された。中島監督がオーディションで小松さんの姿を見た瞬間、それまで監督自身もはっきりとは掴めなかった“加奈子像”が見えてきたという。「彼女のムードと目つき、声で『あ、この子だ』と直感しました。彼女の持つ空気感、危うさと明るい欠落感。演技経験はなくても、彼女にはモデルとしての実績があります。メイクされ、衣装を着せられた瞬間、求められるキャラクターになりきれる。女優とは違う技術を持っている人です。相手によっていろんな顔を見せる加奈子役にはそういう人の方がいいと思い、小松さんを選んだので、女優経験の有無はまったく気にしませんでした」と、中島監督は彼女との鮮烈な出会いを明かす。さらに、「加奈子は、規格外の悪ですが、それでも人間です。人間だからこそ、とてつもない。人間だからこそ理解し難い。加奈子の本質は捉えづらいですが、それでいいと思いました。そのほうがリアルであると」とも語り、見えてきた“加奈子像”に言及する。「それに何より、ボク役の清水(尋也)くんとの相性が良かった」。そんな大抜擢を受けた当の小松さんは、これまではモデル中心に活動しており、短編映画やCM、PVなどの出演はあったものの、女優の経験はほぼ皆無。自身でも、「オーディションにはまったく自信がなかった。決まったときは嬉しさよりも『なんで私?』という驚きのほうが大きかった」とふり返っている。本作が決まった後、中島監督が演出を手がける「dビデオ powered by BeeTV」のCMにも抜擢された小松さん。「E-girls」の石井杏奈とともに、違う環境で育った2人の少女が動画によって心を通わす姿を描いたCMで、小松さんは“女子というより、むしろ女”という言葉が似合う、大人っぽい転校生の少女を演じ、「気になる美少女」としても取り上げられた。今年は、10月公開の山下智久主演『近キョリ恋愛』のヒロインにも決定しており、今後ブレイク間違いなしの“ツワモノ”新人女優と言えそうだ。『渇き。』は6月27日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年06月04日『嫌われ松子の一生』『告白』の中島哲也監督が、役所広司を主演に迎えた新作映画『渇き。』がすべての仕上げ作業を終えてついに完成し、7月4日(金)から公開されることが決定した。その他の情報本作は、“第3回このミステリーがすごい!大賞”を深町秋生のデビュー作『果てしなき渇き』が原作。突然、失踪してしまった優等生の娘を、元刑事の父親が捜索するうちに想像もしていなかった事態に巻き込まれていく姿を描く。主人公の元・刑事、藤島昭和を役所が、娘の加奈子役を新人の小松菜奈が演じ、妻夫木聡、オダギリジョー、中谷美紀、二階堂ふみ、橋本愛が共演する。本作は昨年末にクランクアップし、夏の公開を目指して仕上げ作業が行われていた。先月初旬に開催された配給会社GAGAのインアップ発表会に登場した中島監督は「今までの僕の作品ともまったく違う映画になりそうなので、ハラハラドキドキしながら仕上げの作業をやっている最中。きちんと映像化できれば、今までにない相当新しい映画となって、面白くお客様に観て頂けるんじゃないかなと思う」と宣言していたが、映画はこのほど完成。これまでの中島作品の衝撃を上回る過激なエンターテインメント作品になっているという。前作『告白』が大きな反響を巻き起こした中島監督の“次の一手”となる本作には、制作発表時からネットなどで期待のコメントが多くあがっており、7月の公開時にはこれまで以上の盛り上がりを見せることになりそうだ。『渇き。』7月4日(金) TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー
2014年04月04日映画会社・ギャガの「2014年ラインナップ発表会」が6日、東京・内幸町のイイノホールで行われ、映画『渇き。』(7月公開予定)の登壇舞台あいさつが開催。役所広司、小松菜奈、中島哲也監督が出席した。湊かなえのデビュー作『告白』を映画化した中島哲也監督の最新作となる本作は、「第3回このミステリーがすごい!大賞」(2004年)を受賞した深町秋生のデビュー作となる小説『果てしなき渇き』を映画化。主人公の藤島には役所広司が扮し、破格のテンションで狂気を宿して暴走するダメ父親を熱演する。また、失踪する娘の加奈子に小松菜奈が抜てきされ、フレッシュな透明感と妖しさの同居する圧倒的きらめきを放っている。そのほか、妻夫木聡、二階堂ふみ、橋本愛、オダギリジョー、中谷美紀といった豪華キャストが揃う。中島監督の作品は2008年公開の『パコと魔法の絵本』以来となる主演の役所は「中島監督の作品には今まで酷い人間がたくさん出てきましたが、今回はナンバー1の最悪人間らしいです(笑)。喋ること、やることは単純な男ですが、自分が壊した家族や娘に対しての愛情があるのか複雑で難しくもあり、非常に挑戦しがいのある役でした」と満足げ。娘役の小松については「小松さんは新人ならではの初々しさと透明感がありました」と絶賛すると、小松は「役所さんは本当に酷いお父さん役でしたが、緊張していた私に役所さんが声を掛けて下さって『優しい人だな~』と思いました。撮影中も行き詰まった時に優しく声を掛けて下さり、自分の気持ちが楽になって演技をすることができました」と役所の優しい気配りに感謝しきりだった。本作のメガフォンを執った中島哲也監督は小松が演じた加奈子役を「原作でも相当なミステリアスな役柄で、映画ではさらに謎の多い女の子になりますから、実際にピッタリの女優さんが見つかるのか心配してました」と明かしつつも、「小松さんとオーディションで出会い、この娘しかいないと思いましたね」ときっぱり。さらに「小松さんは出演者の半分以上の人とキスシーンがあります。新人にしてはものすごいハードルが高かったと思いますよ。國村隼さんともキスシーンがありましたから、本当に頑張ってました」と新人らしからぬ小松の奮闘ぶりを褒め称えていた。
2014年03月07日映画配給・ギャガの2014年度ラインナップ発表会が3月6日(木)、東京・イイノホールにて行われ、今年7月の公開が決定している『渇き。』で主演を務める役所広司、共演の小松菜々、メガホンを握った中島哲也監督が登壇した。「第3回このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生のデビュー作「果てしなき渇き」を基に映画化される本作。優等生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪し、元刑事の父親・藤島昭和が捜索に乗り出すが、娘の跡をたどるうち父親は驚愕の事態に巻き込まれていくというサスペンスフルな物語が展開する。先日、ロケの様子を「血まみれで撮影中です」と語っていた役所さん。この日、上映された約2分間のプロモーション映像でも、多くのシーンで血まみれの状態の役所さんが映し出された。そんな自身が演じた主人公・藤島を、中島監督が「ここ最近の日本映画でこれほどひどい男はいないと思います。史上最低です(笑)」と語ると、「役者冥利に尽きますね」と笑顔を浮かべた。一方、そんな極悪な藤島の娘を演じたのがモデル出身の新人・小松さん。劇中ではその美しい容姿をもって、天使なのか悪魔なのか…というミステリアスな女子高生を演じている。「オーディションのときもふらっと来て、堂々としてた」(中島監督談)というが、この日の舞台挨拶でも「緊張しています」と語るも、そんな素振りを見せず堂々と撮影当時をふり返っていた。そんな堂にいった佇まいに心奪われたという中島監督。普段の撮影では、『嫌われ松子の一生』で主演を務めた中谷美紀が撮影中に逃亡したという逸話が残るほどのスパルタぶりを発揮するそうだが、小松さんに対しては「相当優しかったと思います」と何故か照れ笑い。撮影中には新人の小松さんが逃げ出さないようにと、「バナナマン・日村(勇紀)さんのフィギアをあげたりして、“映画は楽しいんだよ”と媚びを売ってました」という丁重なおもてなしだったとか。しかし、それもそのはず。小松さんは劇中、「出演者の半分とキスシーンがある」(中島監督談)そうで、「新人女優にとっては大変な撮影だったと思います。國村隼さんとまで(キス)してますから」と相変わらずの壮絶な撮影現場を楽しげに語っていた。映画『渇き。』は7月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年03月06日前編では、夢をあきらめるとはどういうことかについてお話をしました。後編である今回は、夢をあきらめないために必要なことについてお話します。夢を追う“覚悟”夢を追うということは、それなりの覚悟が必要です。 夢を叶える道を選択することは、その他の選択肢を捨てるということになります。捨てるものは、平穏な生活のことかも知れません。俳優を例にあげれば、有名な話ですが、日本を代表する名優、役所広司さんは区役所に勤めていたにもかかわらず安定した生活を捨て、劇団のオーディションを受けて、俳優としての道を選ばれました。ハリウッドスターのハリソン・フォード氏も、大工をしながら売れない俳優生活を長く過ごされたそうです。最近ドラマや映画でひっぱりだこの真木よう子さんや、尾野真千子さんだって、長い下積み生活で幾度も挫折しそうになったと。一度は安定した仕事に就きながらも、自分の満たされない気持ちに向き合って転職した方や、むくわれるかもわからない辛い下積み生活を過ごされた方は大勢いらっしゃることでしょう。 でもそれとは逆に、いつまでもむくわれないままの方がいらっしゃることも事実です。夢を叶えるという選択をしても、結果的にむくわれない可能性も多いに含んでいます。それをわかっても追う覚悟があるのか。 そこは、常に自分自身に問うべきところです。夢を目標に変える俳優などの人気商売でなければ、もう少し違うのかもしれません。CAや看護師などは、資格に合格できるレベルまで死ぬ気で努力すれば、もう少し道が開かれることでしょう。年齢制限があるものは仕方ないですが、あきらめきれない夢がひそかに自分の中にあってむくわれない今がある方は、目指す価値は多いにあると思います。 幼い頃、純粋な心に生まれた夢は、自分の本音です。素直な「やりたいこと」です。その気持ちがいまだにあるのに無視するのは、自分を殺すのと同じことです。夢を叶えるためにじゃあどうしたらいいかと計画を立てていくと、夢は目標に変わります。さきほどから夢!夢!と、どこぞの若造がほえているのかと自分でもふと我に返ると恥ずかしくなりますが(爆)、実際、小さくとも夢を仕事してやれるようになると、現実的に課題が生まれます。また次のステージのはじまりです。たとえ安定とはほど遠い生活であっても、それをやれること自体に幸せを感じ、自分の気持ちに素直に従うことで、生きがいを見出せていけるのではないでしょうか。そうはいったって、世の中の風は冷たいのが現実です。 世の中を知っていけばいろんな価値観が身につきますから、夢に対するエネルギーが最初とは変わってくることもあるでしょう。そうなったとき、また納得して別の道を選択できるかどうか。納得すれば、それは夢をあきらめたのではなく、新しい目標を持ったということです。後悔ないと言える人生でありたいものですね!photo by Stephanie |Anabelrose Photography
2013年12月03日作・後藤ひろひと、演出・G2の人気舞台『Paco~パコと魔法の絵本~from「ガマ王子vsザリガニ魔人』(2014年2月に上演)で、ヒロイン・パコ役のオーディションが実施され、新人・キッド咲麗花(キッドさりか)の出演が決定した。キッドは、現在小学6年生の12歳。日本人の母とオーストラリア人の父を持つハーフで、先日“17年ぶりの復活”で話題となった、新生「東京パフォーマンスドール」の研修生「TPD DASH!!」に所属。今回がキッドの初舞台で、同じく初舞台となる人気子役の谷花音とWキャストでヒロインを演じる。同作は2004年に『MIDSUMMER CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人~』のタイトルで初演、2008年には『パコと魔法の絵本』として映画化(役所広司、妻夫木聡他出演)され、大ヒットを記録した名作。病院を舞台に、1日しか記憶を保てない少女パコと、変人揃いの入院患者がパコの愛読書「ガマ王子VSザリガニ魔人」を通じて心を通わせる物語。今回は2008年に続いて再々演となる。谷花音とキッド咲麗花は、お互いの印象について「すごくやさしくて、こんなお姉さんがいたらいいなと思いました。」(谷)、「私にはお姉さんしかいませんが、花音ちゃんは妹みたいで、話しやすくて仲良くなれそうです」(キッド)とコメント。谷は「パコちゃんは、すごく元気な女の子だけど、かわいそうだなと思うところもあります。初めての舞台ですが、自分だけのパコを演じられたらと思います」、キッドは「パコちゃんは、元気で明るい誰にでもやさしい素直な女の子だと思います。パコちゃんの気持ちを大事に、毎回新鮮に演じたいです。オーディションは、もしイメージに合わなくても、自分らしくやってみよう!と思って受けました。選ばれたと聞いた時は、本当に嬉しかったです。演技は初めてなので、まだ分からない事ばかりですが、皆さんに感動して頂けるように頑張ります!」とそれぞれ意気込みを話した。再々演を控えて演出のG2は「映画化もされましたが、今回は『本家』の意地を見せたいと思います。演劇は観客の想像力をいかに引き出せるかが勝負。皆さんの想像力が加わってこそ、奇跡は舞台上に、劇場空間の中に現れ、心をゆさぶり、感動の嵐を呼ぶのです。映画でこの作品を知った方にもぜひ、体感的エンターテインメントである「演劇」の素晴らしさをとことん味わって頂きたい」とアピールした。共演は西岡徳馬、松下優也、安倍なつみ、吉田栄作ほか。公演は2014年2月7日(金)から25日(火)まで東京・シアタークリエ、3月6日(木)から9日(日)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットの一般発売は東京公演が11月9日(土)、大阪公演が11月30日(土)より。
2013年09月27日周防正行監督最新作『終の信託(ついのしんたく)』で主人公の女医を演じた草刈民代が、『Shall we ダンス?』以来、16年越しの再共演となった役所広司、そして周防監督との現場を振り返るとともに、バレリーナのキャリアが主人公の葛藤や信念を表現する際に活きたことを明かした。その他の画像現役弁護士・朔立木の同名小説を原作に、本物の愛、そして人間の死に直面した草刈演じる女医・折井綾乃の心の機微や成長を草刈と役所、そして浅野忠信、大沢たかおという豪華キャストで紡ぐ周防流のラブストーリー。「16年後、まったく違う作品と役柄でご一緒できて、とてもいい記念になりました」とまずは奇跡の再会を素直に回想。「役所さんとの名古屋ロケの後、帰宅して偶然放送していた『Shall we ダンス?』を観て、ふたりとも若いなあって(笑)。その後に『終の信託』の写真を並べた映像が流れて、それだけで感慨深い想いに浸りましたね」とそれぞれが歩いた16年間という軌跡を受け止めたという。その草刈演じる綾乃は、患者の評判も良い呼吸器内科のエリート医師。しかし、不倫の果ての自殺未遂、終末医療にまつわる重大な決断、そして検察の追及など、「大変な人生を背負っている人」と草刈が表現するように、さまざまな試練と戦うことになる。その大仕事は映画を観ればよく分かるが、意外にもバレリーナとしての経験が演じる上での助けになったという。「技術があっても内面の成熟なしには良い踊りは踊れない。綾乃さんも医師として挫折を経験し、初めて大きな岐路に立たされたのだと思います。だからこそ、あのような行動に出たのではないでしょうか」。その説得力に満ちた熱演はプロフェッショナルとして、ある種の到達点に達した者だからこそ成し得た表現のように映る。そこには周防監督の狙いがあったと草刈も言う。「周防監督が言っていたことですが、プロフェッショナルの孤独を私に感じていて、それが綾乃さんとリンクしたそうです。私もバレリーナとして葛藤してきました。その経験は彼女の医師としての揺るぎない信念を表現することに役だったかも知れませんね」。『終の信託』公開中取材・文・写真:鴇田
2012年11月01日『Shall we ダンス?』、『シコふんじゃった。』の周防正行監督の最新作『終の信託』が10月27日(土)に公開を迎え、周防監督を始め主演で監督の妻の草刈民代、役所広司、大沢たかお、浅野忠信、細田よしひこが初回上映後の舞台挨拶に登壇した。重度の喘息を抱えた江木は自らの死に際しての決断を信頼する女医・綾乃に託す。医療と江木への思いをはざまで揺れつつ、綾乃は重い決断を下すが、3年の後、その決断が刑事事件へと発展していく…。『Shall we ダンス?』以来、16年ぶりの劇映画出演となった草刈さん。前作では“本職”であったバレリーナ役だったが、今回はバレリーナ引退後に女優に転向して初の劇映画ということもあり「この役を演じたことが私の女優としてのスタートになったと思っています」と晴れ晴れとした表情を見せる。作家・朔立木による原作の小説を読んだときは号泣したそうで「現場でも込み上げてくるものがあって、役所さんのセリフを聞くだけで涙がこぼれてしまい(監督に)『ここでは泣かないでくれ』と言われました(笑)」と明かすほど、強い思い入れを持って演じたことを明かした。『Shall we ダンス?』以来の草刈さん、周防監督とのトリオ再結成となった役所さんは「『Shall we ダンス?』に続いて草刈さんに思いを寄せる役でした」とニンマリ。草刈さんとの久々の共演について「16年前はバレエダンサーで、一緒に踊ったときはよく怒られました(笑)。今回の女優としての覚悟、ご主人の作品をより良くしようと頑張る姿に感動しました」と称賛を送った。映画を観たばかりの観客を前に居心地が悪そうなのは大沢さんと浅野さん。大沢さんは草刈さん扮する綾乃を厳しく追いつめていく検事、浅野さんは綾乃と長年、不倫関係にありつつもよそに若い恋人を作っていた同僚医師を演じており「みなさんの僕を見る視線に憎しみがあるようで好感度が心配」(大沢さん)、「怖い目で見られているような気がする」(浅野さん)と2人とも苦笑いを浮かべた。特に浅野さんは、結婚を望む綾乃に「オレ、結婚するなんて言ったっけ?」と言い放つほか、夫の周防監督が見つめる中で草刈さんとの激しいベッドシーンも披露しており、「すいません。僕は監督の指示に従うしかないので…。なかなか、旦那さんの前で奥さんにそういうことすることもないのでどうしようかと思いました」とふり返った。周防監督は、さすがに本作の製作を通じて自らの人生の“終の信託”に関して考えさせられたそうで「意思表示をちゃんとしておかないと、残された人が責任の重さに後悔したり罪の意識にさいなまれることになる」と語り、続けて「撮影の後に、妻にごく簡単にさらりと言っておりそれが“終の信託”のつもりだったんですが、ある舞台挨拶でそのことを言ったら『聞いてない』と言われまして…」と困った表情。草刈さんは「思い出しました(笑)。心に留めております」と笑顔で夫の思いを受け止めていた。『終の信託』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:終の信託 2012年10月27日より全国東宝系にて公開©2012 フジテレビジョン東宝アルタミラピクチャーズ
2012年10月28日