更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第11話。今回は久しぶりに運動したら思いも寄らないことが巻き起こったときのお話です。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。私は極度の運動不足中年です。自宅で座り仕事ということもあり、先日はスマホの万歩計が驚愕(きょうがく)の「3歩」でした。逆にどうやったら3歩になるのか謎ですが……。2年ほど前の46歳のころ、このままでは病気になってしまうと思い、健康のために子どもが通う小学校のPTAでスポーツを始めました。女子が参加できるスポーツ部は、卓球とソフトボールとバレーボールがあったのですが、まずは部費が0円の(ゲスくてすみません!)卓球とソフトボールに参加してみました。卓球は、いきの良い学生時代に遊びでして以来だったのですが、思ったよりジャンプ的な動きが多くて、予想外のチョビ漏れ(尿)が……。ソフトボールでは打つとき、走るとき、そしてヒットを打ち1塁に着いて喜びのジャンプをしたとき、大がかりな大漏れ(尿)が……。計画どおり、体をたくさん動かすことはできたのですが、毎回、尿漏れのため早退する羽目に。若いときにCMで見ていたあの「尿漏れパッド」なるものにお世話になる日が来てしまった2年前のお話でした。
2021年04月23日20代、30代は元気に動けていたので体の不調を特に意識していませんでしたが、40歳を過ぎたころから疲れやすいと感じるようになりました。自分では「更年期の始まりかな?」と思っていたのですが、実際は病気だったのです。診断される前後の体験をお話ししたいと思います。私は元気、健康だと思っていたら…20代、30代のころは、飲み過ぎや寝不足など多少の無理をしても全然大丈夫だと思っていました。仕事も夜勤が多くあり、昼夜が逆転した生活になってもどこかに「睡眠を取れば大丈夫」という思いがあって、生活リズムなど気にもしていませんでした。本当に私は元気だなと思っていたのです。しかし、40歳を過ぎたころから寝ても疲れが取れない、1日中体がだるいなどの症状が続くように。突然来た体の変化に私は「更年期の始まりかな?」と思っていました。そして、42歳のときに風邪だと思い受診したら肺炎と診断され、そのまま入院となってしまいました。予想もしていなかった現実…肺炎と診断され入院はしたものの、治ればすぐにでも退院できると思っていました。しかし、1週間以上たっても40度近くまで上がった熱は下がらず、体も動かなくなり、焦りと不安でいっぱいに。そして、原因がわからないまま大学病院へ転院となり、検査の結果、膠原病(こうげんびょう)と診断されました。膠原病は厚生労働省によって指定難病とされていて、治りにくいと言われます。主治医から、これからは病気とうまく付き合っていかなければいけない、生活も変えていかなければいけないと言われました。予想もしていなかった現実に、私は驚愕。ステロイド治療をおこないながら2カ月間入院しましたが、ステロイドの影響でムーンフェイス(顔面が満月のように丸くパンパンに腫れ上がってしまう症状)になり、肩は脂肪が付いて盛り上がり、髪は抜け、体にも力が入らず歩行さえ困難に。家に戻ったころにはまったく別の体に変わっていました。まっ、頑張るか!からの最高の出会い家での療養が始まると、免疫抑制剤やステロイド服薬のため、感染症にかかりやすくなりました。外出もしばらくは避けるようにと主治医から言われ、呆然……。しかし、悩んでいても仕方がない、現実を受け止めるしかないと思い始めたら、少し楽しくもなってきました。「まっ、頑張るか」という気持ちで前向きにやっていこうと思ったのです。すると、したいことがいろいろと生まれてきました。例えば、もともと保護犬や馬に関心があったので、犬の保護活動団体や、引退馬の余生を大切にしている協会などを調べ、体調が落ち着いたら触れ合いに行ってみようと思うようになりました。そして自宅療養から1年過ぎたころ、体調も落ち着いてきたので実際に行ってみました。そのとき出会ったのが、多頭飼育崩壊からレスキューされた少し大きめのチワワ2匹です。最初はとてもおびえていたのですが、触れ合っていくうちに懐いてくれるようになりました。そして私のなかで「この子たちと一緒にいたい」という気持ちが強くなり、ついに家に迎え入れることに。犬たちは私の心の支えとなり、ひきこもりがちな日々から楽しい日々に変えてくれました。最高の出会いでした。まとめ健康が当たり前と思っていました。でも、病気を経験したことで、更年期と思い込んでいないで病院に行って検査をおこなうことの大切さを知り、以前なら考えもしなかったことを考えられるようになりました。元気でいられることに感謝しながら、諦めず、日々を楽しみながら前向きにチャレンジしていきたいと思っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)【駒形先生からのアドバイス】更年期はあくまで症状一つひとつを精査して、何もなかったときにはじめて更年期障害という診断になります。更年期の症状と決めつけずに一つひとつを除外していくようにしないと大きな病気を見逃してしまうため注意が必要です。
2021年04月15日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第10話。今回は前回に続いて四十肩について。痛めた肩をかばっていたら、なんと……。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。前回、第9話で何もない日にいきなり右肩を痛めてしまった私。今回は、その続きのお話です。右肩が痛いということで、何をするにも右肩をかばう生活が始まりました。重いものは左手で持ち、服の脱ぎ着も左手でしました。毎朝の日課であるラジオ体操は、左肩だけ動かして右肩は極力動かさないように気を付けておこないました。そんなある日、今度は左肩が急に上がらなくなったんです……、が〜ん!幸い、右肩の症状は少し和らいでいたのですが、左も右も同時に動かせないのは生活に支障があるので、連日、湿布を貼って何とかやりすごしていました。すると、今度は湿布を貼った場所がかぶれてきたんです。しばらく湿布が貼れないほどにガッツリと真っ赤っ赤に。肩が痛いのに湿布も貼れない日がくるなんて夢にも思いませんでした。次から次へと形を変えて襲ってくる老化スパイラル……。あと1年半くらいで50歳になる私、これからこの老化の波は加速するのでしょうか?近所の焼肉屋さんは50歳になると食べ放題が310円安くなるからと、50歳を楽しみにしてる場合ではない気がしてきました。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)【駒形先生からアドバイス】湿布薬でかぶれた場合は、鎮痛作用のあるクリームを使用するのもおすすめです。市販もされています。また、片方の肩が痛い場合、痛いほうの肩をかばうと体全体がゆがむ原因になるので、痛みが長引くようなら鍼灸、整体などに行くことも検討しましょう。
2021年03月29日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第9話。今回は四十肩について。ある日突然、いきなり肩が上がらなくなり……。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。あるご機嫌な夜。いつもどおりお風呂に入り、いつもどおり髪を洗っているとき、いきなり肩が上がらなくなりました。突然のことに戸惑いつつも、とりあえず、残りのシャンプー&コンディショナーを終わらせて湯船に浸かりながら、その日の昼間に何か肩を痛めてしまう動きをしたかどうかを思い返してみました。朝起きて、子どもたちを送り出したあと、ダラダラと朝ごはんを食べて、ダラダラと仕事をして、ネットフリックスを見ながらダラダラとランチを食べて、またダラダラと仕事をして、晩飯を作ってダラダラと食べて、いつもどおりお風呂に入ったという1日でした……。そうなんです。肩を酷使するようなダラダラではない動きは一切なかったんです。忘れっぽい性質の48歳ということもあり、もしかしたら、昼間にすっごく肩を酷使したことをすっかり忘れてしまっている可能性もゼロではないのですが、思い当たる節がまったくありませんでした。これがウワサの四十肩か……。いや、48歳だからどちらかと言えば五十肩か!?と超ショックを受けました。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2021年03月28日めまぐるしく体が変化する更年期。気になることはあるけれど受診するほどではない?という悩みや迷いはたくさんあります。そこで、産婦人科医の駒形依子先生に、更年期に気になる「これって大丈夫?」という質問に答えてもらいました。Q:閉経後に出血。生理が再開?何かの病気?「病気が心配なら、がん検査やエコーを受けたほうがいいと思います。子宮頸がんは健診でチェックできることも多いですが、子宮体がんや卵巣がんは症状が出ないと検査できません。子宮体がんや卵巣がんは初期症状として出血することがあるので、受診しましょう。また、更年期症状の緩和や美容目的で飲んでいるサプリが作用して出血する場合もあります。サプリの影響でバランスを崩して不正出血ということもあるので、それを含めて受診したほうがいいでしょう」(駒形先生)Q:生理が止まって2カ月。以前も生理が止まって受診した際、内膜が厚くがんの可能性を指摘されたことが…「以前の受診で内膜が厚くなっているという診断があるなら、受診したほうがいいです。本来、剥がれなくてはいけない内膜が子宮に残ると、炎症を起こしやすくなります。子宮体がんや子宮内膜増殖症の疑いも考えられるので、なるべく早く検査したほうが良いでしょう」(駒形先生)Q:閉経後に黄色いおりものが出るように。受診したほうがいい?「閉経後は腟内の分泌物が減って潤いがなくなり、本来持っている自浄作用が減ってしまいます。そのため、雑菌が増殖すると、黄色いおりものが出やすくなってくるのです。黄色いおりものだけで、痛みやかゆみ、強いにおいがなければ様子を見ても大丈夫でしょう。一般的には閉経後はおりものは減りますが、腟に雑菌が入れば外に出すというおりものの効果は変わりません。久々に生理がくる前に量が増えることがあります」(駒形先生)Q:生理不順でいつ生理がくるかがわかりません。生理を管理する方法は?「閉経期は排卵も不定期で、基礎体温を付けてもいつ生理がくるかはわかりません。規則正しい生活を送る、ストレスをためないなどホルモンバランスを崩さないようにするしかありません。ただ、生理が近づくとおりものが増えるのが1つのサイン。もし下着を汚したくないということなら、おりものが増え始めたら布ナプキンを下着にあてておき、出血に備えておいてもいいでしょう」(駒形先生)まとめ閉経期は家事や育児、仕事などに忙しく、気になることがあっても受診は後回しという女性も多いでしょう。でも、「病気かな?」とちょっとでも感じたら、受診したほうが安心です。40代からは今まで以上に自分で自分の体をいたわってあげましょう!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中
2021年03月25日閉経前後5年間の10年間は更年期とされ、のぼせやほてり、イライラや落ち込みなどさまざまな症状が表れると言います。女性ホルモンが減少することが一番の要因ですが、それに伴う血流の変化も体調不良と関係することがあるそうです。産婦人科医の駒形依子先生にそのメカニズムと対策方法を聞きました。閉経後は子宮に血液が流れにくくなる!?閉経前後に表れやすい、のぼせ、ほてり、イライラ、落ち込みなどの症状。駒形先生によれば、これらは女性ホルモンのエストロゲンの減少はもちろん、子宮の冷えも影響していると言います。子宮が冷えていると、更年期症状のほか子宮筋腫をはじめ生理痛や過多月経、おりものトラブルなど子宮関連の症状にも悩まされてしまいがちです。「血液は、よく使う臓器に流れるようになっています。そのため閉経後は子宮と卵巣の機能が停止するので血液が運ばれにくくなり、冷えやすくなりますではどこに血流が行くかというと上半身に血流が集中して、上半身と下半身の血流のバランスが悪くなるため、のぼせやほてりといった症状が起きやすくなるのです。下半身への血流が減ったままにしておくと子宮の冷えは悪化するので、足先や足首はつねに温かくして冷やさないようにすることが大切です」(駒形先生)全身の血流バランスが悪いと心も不安定にそして、上半身と下半身の血流のバランスは心にも影響を与えると言います。「東洋医学では、気持ちや感情は血液にのって運ばれるという考え方があります。閉経して上半身ばかりに血流が上がると、いわゆる“頭に血がのぼる”状態になりがちです。生理があったときは、ドロドロした気持ちを経血とともに出せるという面もありましたが、生理がないと口から出すしかなくなり、頭に血がのぼってイライラが爆発ということが起こってしまうのです」(駒形先生)。さらに、40代は家事や育児、仕事などストレスが多いことも冷えの原因になるそうです。「日常生活にストレスが多いと筋肉が緊張してかたくなり、体が冷えることがあります。常に体に余計な力が入るため筋肉の緊張状態が続き、血管がいつも収縮した状態になります。温かい血液が流れるためには筋肉が収縮と弛緩を繰り返す必要があり、筋肉を弛緩させるには力を抜いてリラックスする時間が必要です」(駒形先生)気持ちはため込まず、緩めて出す!では、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。「まずはひとりで休む時間をつくりましょう。毎日5分でも良いので、何にも考えずに緩める時間をつくってほしいですね。お風呂にゆっくり入る、お昼寝をするなども良いですよ。また、つらい気持ちがあるなら、こまめに出すことが大切です。自分はどんなときに、どんなことでイライラしたり、悲しくなったり、いやな気持になるのかを知って、それをちょっとずつ日常生活から減らしていきましょう。出す、といっても話さなくてもいいんです。例えば、夫に気持ちをうまく伝えられなくて、かえってパートナーシップが壊れたということも少なくありません。思ったこと、感じたことを日記に書き出すだけも良いですよ」(駒形先生)まとめ足は氷のように冷え、頭はカッカと熱く、心はガチガチに固まっている……閉経前後に陥りやすい心と体の状態は、多くの女性が感じたことがあるのではないでしょうか。5分でも、10分でも、自分を大切にする時間を意識的につくっていきたいと思います。取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年03月18日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第8話。今回はヘアケアについて。髪のために重い腰を上げて始めたこととは……。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーお風呂上がりのドライヤー。最後に冷風で仕上げると髪がツヤツヤになるって聞いたことありませんか? 私は幾度となく聞いたことがあります。雑誌で見たこともあるし、テレビやSNSでも見たことがありました。そこで! もう数十年単位で髪の毛がツヤツヤになったことのないこの私も重たい腰を上げ、2年前からツヤツヤ髪を手に入れるために毎日お風呂上がりに実践しています。正直なところ、疲れ切った私の髪にはなんの効果もまったくもって感じられませんが、諦めずに続けています。そして、これからも、このパッシパシでゴッワゴワの手強い髪に一生仕上げ冷風を当て続けていこうと思っています。なぜなら〜信じるものは救われる!と思いたい。そして、これでもしないよりはマシなのかもと一縷の望みをかけて……。
2021年02月23日太らない料理家たち10人の「食べぐせ」2月15日、料理家10人の食習慣に着目し、なぜ太らないのかを解説している新刊『オレンジページCooking特別編集 わたしが「太らない」理由。』が発売された。同書には藤井恵さん、小田真規子さん、堤人美さん、脇雅世さん、野﨑洋光さんなどの太らない料理家たちが登場。価格は1265円(税込)である。何をどのようにして食べれば太らない?料理の研究をしている料理家たちは試作を繰り返すが、試作した料理が本当に美味しいかどうか、自身で実際に食べてみないことにはわからない。日々、試作と試食を繰り返しているはずの料理家たちではあるが、スリムな体型で太らず、健康を維持するための秘訣はどこにあるのだろうか。新刊では料理家10人おすすめの「食べ方」を紹介。肉の食べ方について、藤井恵さん、小田真規子さん、堤人美さんが解説し、ご飯とみそ汁については、脇雅世さん、野﨑洋光さん、上田淳子さん、山田奈美さんが解説する。また、野菜の食べ方はコウ静子さん、井原裕子さん、小林まさみさんが解説。そのほか、「むくみ太りと食べすぎを防ぐ! 減塩ビギナー講座」も掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※オレンジページCooking特別編集 わたしが「太らない」理由。 - オレンジページの本【オレンジページnet】プロに教わる簡単おいしい献立レシピ
2021年02月23日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第7話。今回は肌の悩みについて。開き切った毛穴をなんとかするべくおこなったことをお伝えします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー私は、昔からお肌がきれいだったわけではないのですが、ここ最近、本当に悩まないところがないというくらい爆発的にお肌が汚くて困っています。毛穴は開き切っているし、シミはすごいし、たるみもくすみもすご過ぎる。お風呂に入っているときを除くと、身も心もカッサカサです。今日は、そんな絶望的な気持ちのときに、以前からテレビや雑誌で幾度となく見かけたことのある、まぁまぁ有名メーカーの毛穴に効果が期待できるといううたい文句のオールインワンを購入したときの話を描かせていただきます。広告のように陶器肌になることはなくても、この私のダラけ切った大きい毛穴が少しでも小さくなってくれるのを期待して、来る日も来る日も塗り続けました。ワクワクしながら1週間、ドキドキしながら1カ月……。さすがに効果が出ているであろうと期待した3カ月後も劇的な変化はありませんでした。これって〜効いていてコレ?もし、塗っていなかったら今よりマシだったのか、それともまったく効果がなかったのか? そもそもの私の期待値が大き過ぎたのか……。どうなんでしょう!?
2021年02月22日閉経して生理がなくなれば、更年期症状も治まるのでしょうか? 更年期症状は治まっても、閉経すると一気に老け込んでしまうのでしょうか? 気になる閉経後の体の変化を産婦人科医の駒形依子先生に聞きました。いつになったら更年期症状は落ち着くの?更年期とは、閉経の前後5年間を指します。閉経を迎えても、その後5年間は更年期症状が続きます。それでも50代後半にはエストロゲンがない状態に体が慣れ、落ち着くといわれています。女性ホルモンであるエストロゲンの急激な分泌低下に体が慣れるからです。ただし、ストレスや環境などよっても違い、個人差があります。そのため、50代後半になっても症状が治まらないものは更年期によるものではなかった、ということです。日常生活に支障を来すほどのつらさがあれば、一度検査をしてみると良いでしょう。検査で問題がない場合は、自律神経失調症ということになります。自律神経失調症になる原因の多くは、上質な睡眠が足りないことにあります。生活リズムを整え、適度な運動習慣を持つなど、まずはしっかり眠れる生活を習慣にしてみましょう。エストロゲンがなくなると一気に老け込む?エストロゲンがなくなると一気に老け込みそう……と心配になりますが、必ずしもそうとは限りません。60代、70代でも肌ツヤの良い女性はたくさんいます。たしかにエストロゲンは髪のコシや肌のハリ・ツヤを保ったり、肌のターンオーバーを促したりする作用があります。閉経後はエストロゲンの効果には頼れなくなりますが、なくなるのなら自分で補えばいいのです。それならば高級コスメやサプリで!という選択肢もありますが、せっかくの良い成分も、体内に吸収できないのではもったいないもの。閉経後は血流、筋肉量が落ちて栄養成分を運ぶ力が落ち、加齢とともに細胞も衰えていきます。そこで必要な成分を体内に吸収するためには、「胃腸を健康に保つこと」がとても大切です。閉経後もきれいでいるために必要なこととは?胃腸を健康に保つためには①下痢・便秘をしない、②冷やさない、③もたれさせないの3つに注意が必要です。なかでも「もたれさせない」については、何を食べると胃がもたれるかは、個人差があるもの。世間一般で健康に良いとされるものが、必ずしもすべての人の胃腸に合うとは限りません。自分は何を食べるともたれるか、それまでの経験を思い出しつつ、知っておくと良いでしょう。そして、胃腸のケアと一緒におこなうといいのが、水分補給と保湿です。閉経後は血流が減りますが、水分が少ないと血流は増えません。こまめな水分補給とともに、肌への水分保湿もできるだけたくさん、こまめにおこなうと血流改善に効果的です。まとめアラフィフ世代は、「しっかり眠ること」「胃腸をケアすること」「水分をたっぷりとること」が健康で快適に過ごすためには大切ということでした。50代は若かったときよりも努力が必要なんだなと改めて実感しました!取材・文/岩崎みどり(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月11日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第6話。今回は前回に続き、更年期の生理不順の治療についてお伝えします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー婦人科の医師の方針により、更年期の生理不順の治療を始めたのですが、現役レベルの大量出血の生理に恐れをなした私。この年であの量の経血をさばき切れないと思い、医師に相談して薬をやめてしまいました。とはいうものの、更年期になったら肌が乾燥して荒れやすくなるけど、ホルモン補充の治療で肌にハリやツヤが出ると聞いたことがあったので、自分の決断に自信が持てず、ほかの人たちはどうしているんだろうと気になるように。そこに追い打ちをかけるように、とある美容本の著者の美魔女がホルモン補充の治療をしていると書いてあるのを読みました。やっぱり美人は治療をしているのか!と心がぷるぷると揺れたので、私より前に更年期の症状が出ていると言っていた2人の美人(同級生)に、更年期症状の治療をしているかどうか聞いてみました。19歳で出産して、私の娘と同じ年の孫がいる1人目の美人は、私と同じく治療を始めたものの生理の経血量が多過ぎて嫌でやめたとのこと。若いころから童顔でお肌がもちもちに見えるもう1人の美人は、最初っから婦人科の医師の方針で治療すらしてないことがわかりました。婦人科の先生に、「別に自分が大丈夫なら治療しなくていいよ」と言われたのが、私が治療をやめた100%の理由ですが、美人の同級生の「私も治療してない」発言は、加齢におびえる私の心をとてもラクにしてくれました。ありがとう美人さんたち!グッバイ生理よ!!※更年期症状の治療は医師と相談の上、おこないましょう。
2021年01月27日誰もが迎える「更年期」。私も更年期を迎える年になり、さまざまな変化を経験してきました。特につらかったのは、51歳からの2年間です。この時期は心身ともにとてもつらい時期でした。そう、まさに「更年期障害」真っ只中に入ったのです。今日は、そんな私の更年期に体験したことをお話ししていきたいと思います。まさかの更年期障害!?私が変化を感じたのは、51歳で閉経を迎えたころです。症状としては、「やる気が全く出ない・疲れる・夜中に何度も目が覚め寝られない・理由もなく落ち込む」。このような症状は、普段通りに生活していても起きる症状ですが、何か原因があり、問題が解決すればなくなるはずです。私が「おかしい?」と思ったのは、これらの症状が悩みや問題もないのに毎日続くことです。朝、起きたときが一番ひどく、どん底状態。仕事に行くのもつらく、人に会うのもつらい。仕事中はそれらの症状を隠し、無理して明るく振る舞います。しかし家に戻り、ソファーに座ったら最後。ソファーから起き上がれないほどの倦怠感。ぐっすり寝ることもできず朝を迎え、また気分はどん底からのスタートです。今はこの症状が更年期障害とわかりますが、このころは「うつ」になったのかな……と思うだけで何もできず、ただただつらい毎日を過ごしていました。どこかで私には更年期障害は起きないと思っていたので、まさかこれが更年期障害とは考えも及ばず。今思えば、45歳ころから疲れがひどく変化は始まっていたのだと思います。そんなある日、半年に1度受けているオーソモレキュラーの血液検査で、医師から女性ホルモン値も調べるようにすすめられました。検査結果は、女性ホルモンの数値が0。この結果を受け、婦人科を受診するようすすめられました。ホルモン補充療法で改善したものの…更年期外来があるクリニックを受診すると、つらいならホルモン補充療法が良いだろうとすすめられました。処方されたホルモン剤を服用し始めましたが、症状は改善されません。再びクリニックを受診すると、「ホルモン剤は数種類あるため、自分にあったものを見つける必要がある」と言われ、ほかのホルモン剤を処方されました。これが私にはとてもよく効き、つらかった症状がうそのように消えたのです。それからは以前のように元気になり楽しく過ごしていたのですが、そんな楽しい日々は2カ月で終わりを迎えます。私は子宮筋腫があるのですが、定期的に通っていた婦人科で、筋腫が大きくなってしまうからホルモン補充療法をすぐにやめるように言われてしまったのです……。そのため、ホルモン補充療法をやめてからは症状は治療前に戻り、またつらい日々が続きました。「いつかは終わる」という言葉を支えにホルモン補充療法を中止してからは、更年期障害に良いと言われることをいろいろ試してみました。漢方薬も更年期障害の治療に良いと言われていますが、私には合いませんでした。理由もないのに落ち込み、今まで楽しかったことにも興味が持てず、淡々と過ごす毎日。そんな中、私を支えていた言葉は「いつかは終わる。終わったらなんだったんだろう?というくらいのものよ」という、更年期障害を乗り越えてきた先輩方のお言葉。そして、生き生き人生を送っている姿でした。私は仕事の量を減らし、自分に無理をさせることをやめました。更年期とは、今まで慌ただしく過ごしてきた人生・生活を整理する時期なのかなと最近になって感じています。まだ完全に更年期障害の症状がなくなったわけではありませんが、3カ月ほど前から明らかにつらかった症状がなくなり心身ともにラクになってきました。こんなに違うの!?あの落ち込み、疲れ、やる気のなさはなんだったんだろう?という感じです。まとめ今、更年期障害に苦しんでいる方もいると思います。つらい症状もやる気のなさも自分のせいではなく、女性ホルモンが原因かもしれません。つらい時期は無理をせず、ゆっくり過ごすだけでいいと思います。私を助けてくれたのは、「いつかは終わる」という言葉と運動。そして、「エクエル」のサプリでした。私はもっと早くクリニックを受診し、更年期に備えれば良かったと今は反省しています。ひとりで悩まず、クリニックを受診し、先生に相談しながら自分に合った方法を見つけてみてください。今がどんなにつらくても、必ず終わりが来ますから!※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)
2021年01月27日更年期イラストレーターのやましたともこさんによる、更年期のもろもろをゆる~くつづった連載マンガ「脱力系ゆる更年期日記」の第5話。今回は更年期の生理不順の治療についてお伝えします。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーウーマンカレンダーをご覧の皆さま、初めまして。更年期イラストレーターのやましたともこでございます。かかりつけの婦人科の先生の方針で、更年期の生理不順の治療を始めた私。2週間程度(だったと思う)、飲み薬と塗り薬を飲んだり塗ったりしました。先生が「このタイミングで生理がくるから」と言ったタイミングで生理がきたのですが……。ぎゃあぁぁ~~~~!!!!トイレに行ってびっくりしました。もうカラッカラのカッスカスだった私の生理が、若かりしころに体験していた現役レベルの生理になっていたのです。現役やん! 超現役やん!!現役注意報! 現役警報!!ちょろちょろとかわいい出血の中年生理に慣れっ子だった私には、現役レベルの多量の出血が恐怖でしかなく、すっかり心が折れてしまいました。治療、やめたいな~。
2021年01月26日ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。45歳のとき(だったと思う)、生理が遅れたことがありました。そのころ、タイムリーに見ていたドラマで、主役の学生の女の子のお母さんが更年期だと思ったら妊娠だった!というお話があったので「私も45歳で妊娠? うれし恥ずかし3人目!?」と薬局で5年ぶりくらいの妊娠検査薬を購入し調べてみたのですが、普通に妊娠ではありませんでした。その後も待てど暮らせど生理が来ないので、怖くなって婦人科に駆け込むと、まさかの更年期でした。先生によると、更年期の生理不順は治療する人としない人がいるらしいのですが、そのときの私は、初めての生理不順で心の準備もできていなかったので、先生の方針に従って薬で治療することになり、薬を何種類か処方していただきました。薬の名前はすっかり忘れてしまいました……。私が更年期って!!と落胆したのと、更年期って薬で治療するの?とびっくりしたのとダブルでショックを受けたのを覚えています。その後、生理不順があったり……という感じで緩やかに進行していってます。
2020年12月31日ウーマンカレンダーをご覧の皆さま、こんにちは。更年期イラストレーターやましたともこでございます。45歳ごろから更年期の症状だと思われる症状がぼちぼち体に出てきた私ですが、そのうちの1つに「眠れない」というのがありました。私は2人目の娘を41歳で出産したので、子どもがいなかったときのように自分のペースでぐっすりしっかり眠るという生活はしてなかったのですが、その「眠れない」の質がちょっと変わってきたんです。そのころの私は、子どものトイレに起きたついでに自分も用を足すことが習慣になり、子どもがトイレで起きない夜もひとりでトイレに行くようになっていました。一度トイレに起きても、ベットに戻ると今までどおり眠れていたのですが……。ある夜を境に……。一度起きたら眠れない。眠れない。何をどうしても眠れない。そんな夜が続き、2〜3年前に見た韓国ドラマのことを思い出しました。そのドラマには「夜中にパッチリと目を開けた更年期の奥さんが壁にもたれて何をするでもなく座っているのを見た旦那さんが超びっくりする」というシーンがありました。そのとき私も遠い将来、娘たちが大きくなったころに、このドラマの奥さんみたいに更年期に悩まされる日が来るのかな?と漠然と思っていました。が、まさか2〜3年後という近い将来に同じことを経験するとは夢にも思っていなかったので衝撃でした。あのドラマの、あの高校生と浪人生の息子がいる、あのオバちゃんと同世代なのかと!今思えば、更年期を遠い将来だと思っていたあのころの初々しい私が懐かしく、とてもかわいい思い出です♡ ちなみに、この眠れない症状も、私には出たり出なかったりしています。
2020年12月30日生理が不順になり、そろそろ更年期だなと思ってくると、いろいろな症状を更年期だからと思うことに慣れてしまっていました。そのため不眠、下痢、1回当たりの尿量がたらっと出るぐらいでトイレが近いなど、あとから思えば更年期以外の理由も考えられる症状を見逃してしまいました。そしてある日、急性心不全と診断されてしまったのです。育児と介護で自分のことを考える時間がない結婚と同時に、ほぼ寝た切りの義母の介護が始まりました。介護は覚悟していましたが、41歳という年齢的に子どもはできないと思っていたのに突然の妊娠。ありがたいことですが、人生設計の立て直しを余儀なくされました。義母の介護をしながら仕事に行っていたら切迫流産になり、安静が必要になりました。その後、無事出産。仕事は出産のタイミングで退職したものの、40代での育児は大変でした。出産して4、5年たったころから、ひとり暮らしをしていた足の悪い実母に認知症の症状が現れて実母の介護も加わり、自分のことなど考える暇がありませんでした。更年期症状と思っていたら急性心不全だった50歳で閉経を迎え、不眠、下痢、トイレが近いなどの症状が見られるようになりました。子どものことや義母と実母のことなど自分以外の人に対しては、目配り気配りするけれども、自分の症状は全部更年期のせいだと自分を納得させていました。しかし、ちょっと動くと下痢しやすく、横になっていることが多くなり、咳をしていることが気になった夫がこのままじゃいけないと近所の病院に連れて行ってくれました。自分では気付かなかったのですが、不整脈の1つである心房細動が見られ、血圧が測れない状態に。酸素マスクをして、近所の病院から救急車で救急病院へ搬送され、急性心不全との診断がおりました。命に関わる経験をして思ったことその後入院して、カテーテルという細長い器具を心臓内に挿入する検査をおこない、心房細動を引き起こす部分を高周波電流で焼き切るアブレーションという治療をするなど、合計で25日間入院しました。突然命に関わる状態になったことで、驚きのあまり現実なんだろうかと思いましたが、これまでに思い当たる症状がいくつもありました。医師によると横になって眠れないのは、心臓のポンプ機能がうまく働かないと肺の中に水がたまってしまい、溺れているのと同じ状態になるためで、咳もそのせいだったそうです。下痢も心臓のポンプ作用がうまく働かず腸に水がたまったからで、尿量が少ないのも腎臓にうまく血液が運ばれていないからとのこと。全部更年期のせいだと思い込んでいた自分が今思うと怖いです。退院後は、安静にする時間を設けたりして無理をしないように過ごし、通院をして内服薬と定期的な検査のおかげで、3年後にはパートですが仕事に行くことができました。まとめ私は更年期だからと自分の不調に気付かない振りをしていました。そのなかに大きな病気が隠れているかもしれないと思いながら、こういう状態になるまで放置してしまいました。もし病院に行くのが何日か遅ければ、今この世に存在していない可能性もあります。安易に更年期だからと思わず、定期健診をしっかり受けて自分自身の体と付き合っていこうと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年12月20日頭痛にはさまざまな痛みがあり、原因もさまざまです。更年期症状から来る頭痛もありますが、きちんと診察をしないとわかりません。ただ市販薬を飲み続けるのは良くないので、頭痛が続く場合は早めに受診を考えましょう。そこで受診のタイミングや治療法を産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。更年期症状の頭痛はさまざま更年期症状として、頭重感(頭が重くて晴れない、雲がかった感じ)を訴える方は多く見られます。はっきりとした頭痛の多くは緊張型頭痛と片頭痛です。緊張型頭痛とは頭全体がきつく締められるような痛みで、片頭痛は頭の片側がズキズキと脈打つような痛み。片頭痛は光や音に過敏になる、吐き気やおう吐を伴うこともあります。片頭痛は卵巣ホルモン、特にエストロゲンの減少が明らかな誘因の1つといわれ、閉経前に悪化することが多いようです。緊張型頭痛は必ずしもエストロゲンが原因とは言えませんが、閉経後に症状が悪化したというケースが多いようです。そのほかにも頭痛は、高血圧や脳腫瘍、脳血管の異常が原因のケースもあります。また、頭痛の原因には歯のかみ合わせ不良や眼精疲労などもあります。頭痛薬でなかなか治らないなら相談を市販の頭痛薬を飲んでもなかなか治らない場合は、高血圧や脳腫瘍、脳血管の異常など怖い病気が原因のケースもあります。ただ漫然と鎮痛剤を飲み続けるのではなく、医療機関に相談しましょう。神経内科や脳神経外科では、頭痛外来として専門外来をしているクリニックも多くあります。更年期症状の頭重感なら、ホルモン補充療法(HRT)が有効であることもあります。また、鎮痛薬に併用して漢方薬では「葛根湯(かっこんとう)」や「五苓散(ごれいさん)」「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」などが処方されます。激しい頭痛が続く場合はほかの病気の可能性も更年期によくある症状の頭痛ですが、吐き気を伴った激しい頭痛や発熱、首の後ろも痛むような頭痛が続く場合は、ほかの病気が隠れていることもあります。気を付けたい疾患としては、脳出血、髄膜炎、脳腫瘍、脳動脈瘤、くも膜下出血など。自己判断はしないで早めに脳神経外科にかかることがおすすめです。高血圧が原因の場合は内科で相談し、降圧剤や鎮痛剤の薬物治療がおこなわれます。歯のかみ合わせ不良や眼精疲労が原因の頭痛は、歯科や眼科へ相談します。日ごろから睡眠不足やスマホの使い過ぎに注意さまざまな原因が考えられる頭痛ですが、睡眠不足やストレス、スマホやパソコンの使い過ぎ、近いものを長時間見る、運動不足による筋緊張などから頭痛が起こることもあります。そのため普段から、しっかり睡眠を取り、ストレスをうまく解消させ、スマホやパソコンを使う場合は定期的に休憩を挟むなどを心がけることはとても大切です。首や肩の凝りから頭痛につながることもありますので、ストレッチ体操なども効果的です。まとめ頭痛があると、なかなか日常生活がスムーズにいかないもの。更年期に限らず、頭痛はよくあることと市販薬を飲んで済ませることもあるかもしれませんが、やはり頻繁に薬を使う状態は良くありません。症状が続くようなら早めに受診して原因を探り、きちんとした治療を受けることが大切ですね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月03日更年期に現れる全身症状として体が冷えることもあります。もともと女性に多い冷えですが、更年期になるとさらに症状がひどくなることがあるようです。さらに心配なのは、冷えにはさまざまな病気が隠れていることも。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に受診の目安や治療、セルフケア法を聞いてみました。体の「冷え」はなぜ更年期に悪化する?更年期による体の冷えの原因は、卵巣ホルモン(エストロゲン)の急激な分泌低下によって自律神経が乱れ血行不良を招くことです。そのほかにも血液がドロドロ、動脈硬化、糖尿病などによるもの、摂取カロリー不足、運動不足、ストレス、心臓が弱っていることが原因として挙げられます。症状としては、夏でも手足は冷たいまま、カーッとのぼせてもエアコンはつらい、お風呂で湯船につかっても体がなかなか温まらない、厚手の靴下をはいても足が冷たくてなかなか眠れないなどがあります。体の「冷え」がつらいとき、受診は必要?以前よりも体が冷えてなかなか眠れない、体が冷えて体を動かすのもしんどい、家事ができないなど日常生活に支障が出るようなら婦人科への受診を考えましょう。更年期の時期はさまざまな症状が現れるので、どれも更年期が原因と考えがちですが、ほかの病気だったというケースもあります。更年期の症状から来るものかを確認することも大切です。婦人科では生活改善指導と漢方治療から婦人科では、生活改善の指導に加え、エストロゲンを体に補充するホルモン補充療法(HRT)も検討されますが、まずは生活改善の指導と漢方治療を試みることが多いです。東洋医学的に冷えとは瘀血(おけつ/血の流れが悪い・ドロドロ)血虚(けっきょ/貧血・血の質と量が足りない)水毒(水分の巡りが悪い)陽気不足(エネルギー不足で元気がない、ストレス過多)などが原因で、気逆(頭はのぼせ、手足が冷える状態)になるといわれます。漢方症例としては「温経湯(うんけいとう)」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」などが処方されます。生活習慣病が疑われたら内科を受診健康診断でコレステロール、血糖値が高かった場合、高脂血症、糖尿病、動脈硬化、高血圧などの生活習慣病が疑われますので、内科を受診しましょう。まず検査をしてそれらが原因であるのなら、それを治療することで冷えも改善していく可能性があります。冷え改善にはセルフケアも有効冷えは普段からのセルフケアでもかなり改善できるといわれています。基本は血液をサラサラにし、体を温めるような食事を心がけ、運動を定期的におこなうことです。おすすめの食材は根菜類、しょうが、唐辛子、にんにく、ねぎ、味噌、梅干し、酢など。毎日の食事で意識して摂るようにしましょう。また、筋肉量アップのための魚や肉、豆類などのたんぱく質もしっかり摂るように。運動は無理なく毎日続けられるものならなんでも大丈夫。ウォーキングなどがおすすめです。あえて運動の時間が取れないようなら通勤や買い物のときに、少し長めに歩くなどの工夫を。服装は首、手首、足首やおなかや腰などを冷やさないものを身に着けます。血管を収縮させ、血圧上昇につながり心臓に負担をかけるたばこはやめましょう。放っておくとさまざまな不調を引き起こすことも冷えを放っておくと肩凝り、腰痛、胃腸の不調や不眠、生活習慣病などさまざまな体の不調を引き起こすことがあります。通常、体は37度ぐらいの体温で免疫力や代謝機能が一番力を発揮することができます。体が冷えるとその力が落ちてしまうため、不調が出やすくなってしまうのです。冷えを感じたら、まずはセルフケアを実践し、改善が見られないようなら婦人科や内科を受診し、原因を確認し治療を受けましょう。まとめ更年期はさまざまな症状が出るため、受診するタイミングに悩むこともあると思います。まずは自分の症状を把握し、生活習慣なども見直して、それでも改善せず支障が出るようなら我慢せずに受診しましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月02日疲れやすい、疲れが取れない、だるい、やる気が出ないなども更年期の症状の1つですが、自己判断は禁物。必ずしも更年期の症状から来ているとも限りません。原因をきちんと調べ、必要な治療を受けるのがおすすめです。それらの症状には更年期症状なのか、ほかにどんな病気の可能性があるのか、何科にかかればいいのかなど、産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。疲れが取れない、やる気が出ない場合は何が原因?更年期には、疲れやすい、疲れが取れない、だるい、何もやる気が出ないなどの症状が出ることがあります。診療の中で相談されることが一番多いといっても過言ではなく、皆さんが悩んでいる症状と言えます。これは卵巣ホルモン、特にエストロゲンの分泌量が急激に減っていくことが原因です。ただ、全身のだるさや倦怠感は貧血、甲状腺機能低下症などから来ることもあり、何もやる気が出ないのはうつ病から来ているのかもしれません。まずは何が原因でその症状が出ているのかをきちんと診断してもらうことが治療のスタートとなります。どんな状態だったら医療機関への受診が必要?疲れやだるさ、やる気が出ないことで、家事も進まない、出かける気も起きない、自分で気分転換もできないなど日常生活に支障が出るようなら受診を考えましょう。更年期にそれらの症状が出ているようなら、まずは婦人科に相談してみるのが良いでしょう。婦人科ではカウンセリングから働き過ぎ、気づかい過ぎ、睡眠不足、運動不足はないか、食事はしっかり摂れているかなどを問診して、生活習慣の見直しを提案します。検査の結果や症状から他科の受診をすすめられることもあります。婦人科以外の受診をすすめられるケースも婦人科でおこなった検査で、貧血や甲状腺機能の異常がある場合、もしくは更年期症状以外の症状を伴った全身の疲れやだるさがひどい場合は、内科での治療がおすすめされます。何もやる気が出ない、食欲もないということであれば心療内科や精神科への受診も提案されます。診療、治療の流れ・セルフケアは?のぼせ、発汗など、更年期のほかの症状も伴っている場合は、エストロゲンを体に補充するホルモン補充療法(HRT)が有効で、漢方療法も検討します。漢方では、体の元気を補う“補剤”といわれる人参養栄湯(にんじんようえいとう)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などが有効である可能性があります。内科では、貧血があるようなら鉄剤の投与、甲状腺機能低下症であれば甲状腺ホルモン剤が投与されます。改善されるまでに2~3カ月かかることもありますので、つらいかもしれませんが長い目で考えましょう。精神科などでうつ病から来るものだと診断された場合は、カウンセリングと併用しながら抗うつ剤が処方されます。また、補助的に漢方薬を処方されることもあります。セルフケアとしては、まず頑張り過ぎないことが大切です。20代、30代と同じように働くことは難しい体になりつつあるのが更年期。周りのため、家族のため、仕事のため、休まず働くのではなく、ぜひ自分のために自分のペースで動きましょう。状況的になかなか難しいかもしれませんが、常に余力を残すことが症状緩和のコツです。また、規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。睡眠は6時間以上、糖分、油分は控え、ビタミン、ミネラルをたっぷり摂って栄養バランスの良い食事と適度に体を動かすことが大切です。更年期世代はうつ病を発症しやすい更年期の女性は、子どもの進路や夫との関係、親の介護や職場での責任、立場の変化、さらに加齢に伴う身体的な変化など、さまざまなストレス状況が重なり、それが女性ホルモンの急激な減少と複雑に絡み合うため、うつ病の好発年齢といわれます。実際、閉経前と比較すると罹患率がかなり高いというデータもあります。うつ病の治療は薬物療法と精神療法でおこない、近年、依存性の少ない抗うつ薬も普及していますので、悩むよりまずは受診するのがおすすめです。まとめ疲れやだるさ、やる気のなさで病院にかかるのは、なんとなくちゅうちょしてしまうこともありますが、それらが原因で日常生活が立ち行かず、生活習慣が乱れてしまうようであれば、やはり専門家に診てもらうことが必要です。体が動かないということは、体がなんらかの助けを求めているため。自分だけで解決しようとせずに早めに受診しましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年12月01日更年期症状の1つといわれている首や肩の凝り。ただ、女性ホルモン(エストロゲン)減少だけが原因ではない可能性もありますし、凝りがひどくなると頭痛を引き起こすこともあります。そこでセルフケア法を含め、改善策を産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期の首や肩の凝りの主な原因と症状更年期はエストロゲンの分泌量が低下することで自律神経が乱れ、血液循環が悪くなります。そのため筋肉に酸素や栄養が行き届かず、老廃物や疲労物質の回収などもスムーズにいかず首や肩に凝りが出るといわれています。ただ、それだけではなく加齢による筋肉の衰えも原因の1つです。首や肩の凝りを放っておくと、悪化して頭痛などにつながることもあります。症状緩和のためにまずセルフケア肩や首の後ろがかたくなり頭痛などが起こっているようなら薬物療法が必要になることがありますが、まずはセルフケアや鍼灸、マッサージなどを試してみましょう。首や肩の凝りを緩和するためには血行を良くして筋肉をほぐすことが大切で、手軽に始められるのは毎日のストレッチです。そのほかにも寝具のフィット感を確認したり、運動の習慣をつけることもおすすめです。首・肩甲骨をほぐすストレッチが効果的セルフケアとして、首や肩甲骨をほぐすストレッチが効果的です。以下のものを試してみてください。*肩のストレッチ…肩の高さに腕を横に上げ、片方は手のひらを上に、反対は下に向け、ぞうきんを絞るような要領で両方の手のひらが逆向きになるようにねじります。ゆっくり10回繰り返して。*首のストレッチ…肩の力を抜いて首を回します。同じ姿勢を続けたときなど、右回り、左回りに2~3回ずつ回してみましょう。また、鍼灸やマッサージ、整体やアロマトリートメントなども効果があります。自分が試してみたい、気持ちが良いと感じるものを受けてみましょう。医療機関受診の目安は?セルフケアをおこなっても改善しない、頭痛で毎日の生活に支障を来すような場合には、整形外科や内科、婦人科を受診してみましょう。整形外科では鎮痛剤、筋弛緩剤のほか、赤外線、ホットパックなどの温熱療法、脊椎を伸ばす牽引法などで治療していきます。婦人科や内科では首や肩の凝りの症状に合わせた漢方薬が処方されます。葛根湯は風邪薬のイメージがあると思いますが、肩凝りにも効くとされます。また、肩凝り・頭痛は漢方学的に瘀血・水毒の所見とされ桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)も効果的です。さらに凝りがひどい場合は、麻酔科(ペインクリニック)での治療もあります。痛みを起こす部分(トリガーポイント)に神経ブロック注射をおこない痛みをなくします。ブロック注射は局所麻酔と同様なので、本当に激しい症状のときにおこなう治療法です。起こりやすい病気と注意したいことこの時期に肩凝りと勘違いしやすい症状に、五十肩(肩関節周囲炎)があります。棚の上の物を取ろうとして手を上げたときなどに痛みが出るもので、肩の関節が炎症を起こしている状態です。この場合はもんだりしないで、整形外科を受診して安静にしながら消炎鎮痛剤で痛みを抑えます。その後、再発しないようリハビリ指導などを受け経過を見ます。放っておくと、関節が固まってしまうこともありますので注意しましょう。まとめ首や肩の凝りは更年期でなくても、ずっと抱えてきた人もいるでしょう。ただこの時期は、ホルモンバランスの乱れからさらにひどくなりがちです。以前より意識しながらセルフケアや代替医療などを取り入れると良いようです。放っておいても良いことは1つもありません。ぜひすぐにできることから試してみましょう。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月30日■更年期のイライラや不安どんなときもポジティブでいたいですよね?それなのに、「特別な理由も無く暗い気持ちになったり」「以前は興味があったものが楽しめなくなったり」「些細なことにイライラしてしまったり」。そんなイライラや不安を感じたことはありませんか?女性ホルモンの変化を受けて、気持ちの揺らぎを感じる女性は少なくありません。うつ病が女性に多いことは世界的な傾向でもあります。その中でも特に気をつけたいのが、更年期の時期です! ここで一旦立ち止まって、自分の心の中を見渡してみませんか?■PMS(月経前症候群)と似ている?イライラや不安を感じるタイミングを考えたとき、女性がまず最初に思い浮かぶのは、「PMS(月経前症候群)」ではないでしょうか。生理前についイライラしたり、不安に感じられたりすることってありますよね?女性は一生のうちに、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、妊娠、出産後、更年期と、イライラや不安を感じやすい時期をたくさん経験します。共通点は、エストロゲンやプロゲステロンなど、女性ホルモンの変化です。しかし、PMS(月経前症候群)と更年期障害の症状の現れ方、影響の仕方には、大きく違いがあります。あなたが影響を受けているのはどちらですか?PMS(月経前症候群)月経の10日~数日前から、腰痛や腹痛、乳房痛、むくみ、便秘、下痢、吐き気などの身体症状やうつ状態、イライラ感、不安感、過眠などの精神症状が出ることがあり、月経開始とともに症状が軽くなる特徴があります。月経が始まる前に起こるなど月経周期と連動しているなら、PMS(月経前症候群)が影響しているのかも。更年期障害月経周期に関係なく症状が現れており、ほてりやのぼせ、めまい、動悸、トイレが近くなる、手足の冷え・しびれ、頭痛、肩こり、腰痛、倦怠感、耳鳴り、目のかすみ、息切れ、食欲不振、腹痛などの更年期障害特有の他の症状も感じられている場合は、更年期での身体の変化が影響しているのかも。■更年期のイライラや不安に影響があるのは?更年期の時期に、イライラや不安を感じやすくなる理由として、女性ホルモンの影響も加えて大きく3つ挙げられます。原因はひとつではなく、複数あるかもしれません。原因その1.自律神経系の乱れ更年期に、卵巣機能が低下すると、女性ホルモンは急激に減少します。閉経すると、徐々にゼロに近づき、卵巣からはほとんど分泌されなくなります。女性ホルモンは脳の視床下部によってコントロールされている関係で、同じく視床下部で管理されている自律神経にも影響が出て、イライラや不安感を感じやすくなります。原因その2.女性ホルモン(エストロゲン)の減少閉経に伴って女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少すると、脳内の神経伝達物質セロトニンが不足します。エストロゲンには、脳でのセロトニン活性を高めて、不安や焦燥感を抑える役割があります。エストロゲンとセロトニンは同調して動くため、エストロゲンが欠乏するとセロトニンも減少します。セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれ、興奮や怒りなどの感情を抑えて精神のバランスを保つ役割を担っているため、不足すると、心の安定が崩れ、イライラ、不安、悲しみ、怒り、恐怖、緊張など、さまざまなネガティブな感情が暴走しやすくなり、うつ病の症状にも重なります。エストロゲンが急激に低下するのは、更年期の時期だけでなく、月経前や出産直後も同様です。男性よりも女性の方がうつ病を発症しやすいことの理由のひとつとして、女性が脳内でセロトニン不足を起こしやすいことが挙げられます。原因その3.生活や家庭での役割の変化子どもの成長や巣立ち、夫婦関係や介護の問題などで生活は大きく変わりやすいです。結婚や就職、進学などで子どもが親元を離れ巣立っていくことは喜ばしいことですが、一方で「母親」としての役目が終わってしまったことへの寂しさが喪失感となってうつ状態に陥ることもあります。これは鳥の雛が巣立っていく様子にたとえて「空の巣症候群」と呼ばれます。また、自らの身体の老化を強く意識してしまったり、老後の生活への不安を感じたり、心理的、社会的背景の複雑な絡み合いを受けて、ストレスを感じやすい環境にあることも忘れてはいけません。■まずは自分でできることを1.食習慣を見直す日々の食習慣を整えることも、イライラや不安のためにできることのひとつです。例えば、糖質に偏った食事(スイーツやパスタ、カレーライスなど)や早食い、欠食など習慣化し、血糖値の乱効果を引き起こすと、イライラの原因になります。血糖値が急上昇した分、血糖値を下げるためにホルモン・インスリンが過剰に分泌されることで、今度は血糖値が急降下し、食後4〜5時間後には低血糖になります。急な血糖値の低下は、身体にとって危機的状況のため、自律神経のうち交感神経が優位になってイライラの原因となります。また、セロトニンの材料となるたんぱく質、生成に必要な鉄、マグネシウム、亜鉛などの栄養素を、しっかり摂ることがおすすめです。2.良質な睡眠睡眠には、ストレスを受けたときに分泌されるホルモンである「コルチゾール」の分泌量を適正化し、ストレスから回復させる働きもあります。イライラや不安することが多かった日は、気持ちの回復のためにもしっかり睡眠をとることがおすすめです。3.ストレス発散・運動一定のリズムを繰り返す運動をすると、心の安定に繋がる「セロトニン」の分泌が高まります。特に、ウォーキング、ジョギング、サイクリングのような一定の動きを繰り返す運動は、セロトニンの活性に適しています。また、意識して行う呼吸法もリズム運動のひとつです。ストレッチやヨガは呼吸法を取り入れているため、これらもセロトニンの活性化が期待できます。よかったら、ここでご一緒にヨガのポーズをひとつチャレンジしてみませんか? 子どものポーズは、心と身体に安らぎを与えるポーズです。1.足の親指を重ねない状態で正座の姿勢をし、背筋を伸ばす。2.両手を前方の床につく。3.息を吐きながら、手を前にすべらせるように、骨盤から上半身を前に倒し、おでこを床につける。4.首や肩の力は抜き、背中や腰は丸くなった状態で柔らかく保つ。体の重さに身を任せるようにリラックスする。4.家族や友人に話をする・お薬の助けを借りる心の不調を感じることが多くなったり、長期間症状が続く場合は、ひとりで抱え込まず、誰かに相談したり、病院やお薬の力を借りたりすることももちろん選択肢のひとつです。■病院に行くとしたら?イライラや不安など、精神的に不安定な状態が二週間以上続いたり、「変だな」と感じたとき、まずご家族やご友人など周りの方に相談してみてください。 そして、婦人科や精神科に相談してみることをおすすめします。セルフケア方法を取り入れても、イライラの悩みが改善しない場合は、まずは気軽に婦人科を受診してみてください。エストロゲンを補充するホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方療法やカウンセリングなど、症状やその方にあった治療を選択します。いくつかの治療を組み合わせて最適な治療法を主治医の先生と見つけていきます。そして、更年期障害の症状はうつ病の症状とよく似ており、判別が難しいとも言われています。精神神経症状が強い場合には,「不安神経症」「睡眠障害(不眠症)」「更年期うつ病」という病名の方がふさわしいこともあり,婦人科のみならず心療内科や精神神経科での加療を必要とする場合があります。イライラや不安については、自分でなんとかできると感じられれやすい症状かもしれません。強く自分の意識を持つことで、もしかしたら乗り越えられることもあるかもしれません。しかし、身体の変化として、イライラや不安を感じやすくなっている中で、毎日自分の意思だけで頑張っていると、どうしても心身ともに疲れが出てきてしまします。まずは、生活の中でできることや新しい習慣にトライすること、そして周りにいる方を頼ることは、あなたのひとつの良い選択肢になってくれるかも。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年11月30日更年期症状といえば、まずよく聞く症状はのぼせ、ほてり、発汗ではないでしょうか。これは女性ホルモン(エストロゲン)欠乏で起こる代表的な症状です。ただ、どの程度の症状で受診を考えるのかは悩ましいところですね。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。のぼせ、ほてり、発汗の主な原因は?閉経前後の更年期に入ると、卵巣機能の低下、つまりエストロゲンの分泌が低下します。脳は一生懸命に刺激を出すのですが、卵巣からのエストロゲンの分泌量には波があり、うまく調整されません。いわゆる“ゆらぎ期”という、ホルモンバランスが乱れた状態になります。のぼせ、ほてり、発汗はエストロゲン減少により、血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。更年期の女性の6割程度が経験するといわれ、そのうち日常生活に支障を来すほど重症になるのは1割程度といわれています。医療機関への受診の目安は?症状としては突然2~4分間持続する熱感と発汗を自覚し、脈拍も早くなります。ほてりや発汗は顔をはじめ、頭部、首から胸に広がります。また、突然体がカッーと熱くなったり、急に顔が紅潮したり、涼しいのに汗が止まらないなどの症状なども見られます。はじめは戸惑う症状ですが、許容できる範囲内なら様子を見ても構いません。ただ、それらの症状が日常生活に支障を来すようなら気軽に婦人科で相談をしましょう。不快さやつらさは本人の感覚ですし、仕事や環境によっても感じ方は変わります。我慢せずに自分の気持ちを最優先して受診を決めましょう。婦人科以外の受診をすすめられるケースものぼせ、ほてり、発汗といえば更年期症状の代表ともいうべき症状ですが、甲状腺疾患のサインであることもあります。甲状腺機能異常は更年期世代の女性に多い疾患です。甲状腺の機能が亢進するとバセドウ病、低下すると橋本病といわれます。どちらも疲れやすい、だるいといった症状になりますが、バセドウ病は特に熱感、発汗を伴います。通常、婦人科では女性ホルモンの採血ともに甲状腺ホルモンの検査もおこないます。もし異常があれば内科の受診がすすめられます。診断・治療の流れとセルフケアは?治療法は、ホルモン補充療法(HRT)をはじめ、漢方薬や安定剤などさまざまです。医師はそれぞれの症状に合わせて治療をおこないます。HRTはエストロゲンを体に補充する治療法で、内服薬・貼り薬・ジェル状の塗り薬があります。更年期症状のなかでも、のぼせ、ほてり、発汗といった症状には特に有効です。開始してから2週間ほどで効果が出始めます。5年以上使用する場合は乳がんのリスクが上がるといわれているため、通常2~5年くらい使用しますが、5年で必ずやめなければならないということではありません。そのリスクと治療効果を考慮しながら検討します。いきなりやめるとまた症状が出てしまうこともあるので、生活環境を整えたり、セルフケアなども取り入れながら、だんだんと減量し、ゆっくりやめる方向へ持っていきます。また、症状によっては漢方療法も有効です。代表的な漢方は、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)などがあります。漢方は2週間から1カ月使用して効果を確認し、ラクになった感じがなければ処方内容を変更して、本人に合った漢方薬を見つけていきます。セルフケアの1つとして、自立訓練法があります。薬物治療ほどの効果は期待できませんが、これをおこなうことで自己コントロール力が身につき、症状緩和につながることもあります。【自立訓練法】●静かに落ち着ける場所で椅子に座るか、あお向けで横になり目を閉じます。下の7項目を唱えながら、その状態になるように気持ちを向けます。①気持ちがとても落ち着いている。②手足が重い。③手足が温かい。④心臓が静かに打っている。⑤呼吸がラクになっている。⑥おなかが温かい。⑦額が涼しい。●終了のための消去動作をおこないます。①手足が軽い。②手足の温かさが引いてくる。③おなかの温かさが引いてくる。④額の涼しさが引いてくる。⑤気持ちがとても落ち着いている。●1回5分以内で、1日2~3回おこないます。起こりやすい病気と注意したいことホルモン補充療法は乳がんのリスクが高まるのではと、不安に思われる方も多いと思います。しかし、ホルモン補充療法による発がんリスクは、肥満や飲酒による発がんリスクと同程度か、それより低いことが最近の研究で明らかになっています。ホルモン補充療法は、ほてりや多汗、めまいやイライラなどに対し有効な治療法であることは間違いありません。過度に恐れる必要はありませんが、治療の際には必ず乳がん検診を受けましょう。まとめのぼせ、ほてり、発汗がひどいと、ずっと不快感を抱えて生活しなくてはならず、人前に出るような仕事や機会が多い場合はかなり気になりますよね。この程度で受診してもいいの?と考えてしまうかもしれませんが、我慢せずに受診して快適な生活を手に入れるほうが精神的にもラクになれます。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月29日■更年期になると、しっかり睡眠をとることが難しくなりやすい「しっかり寝たのに、眠気が強い」「疲れているはずなのに、これまでのように寝付けられない」睡眠不足だと、仕事をしているときや家事をしているときなどあらゆる場面で、心身に不調を感じることを想像することができますよね?睡眠は、日中の眠気やだるさなど身体の不調だけでなく、仕事の効率やモチベーションといった気持ちの不調や風邪を予防するための免疫、ダイエットや美容にも大きく影響しています。ですが、更年期女性の多くの方が睡眠障害を感じると言われています。これをきっかけに、睡眠へのこだわりが強くなったり、眠れないことが不安に感じてさらに悪化してしまうこともあるようです。更年期には女性ホルモンが激減するだけでなく、子どもの独立や身体の衰えなど多くのストレスに直面し、さまざまな更年期症状が出現する中で、睡眠をしっかりとることがより難しくなっている状況がみられるようです。■どうして更年期になると寝不足を感じやすいのか ?更年期の時期に寝不足を感じやすくなる原因としては、「更年期障害によるもの」と「加齢に伴うもの」の大きくふたつがあります。原因その1.更年期障害によるもの女性の身体は「月経」「妊娠・出産」「閉経」を通して、大きなホルモン変化があり、それに伴い睡眠も変調をきたしやすいです。ご自身でも振り返って考えてみたとき、これまで生理のリズムと眠気が連動していると感じてきた方も多いのではないでしょうか ? 更年期の時期になると、のぼせ・発汗・動悸・イライラなどの症状がきっかけとなり、睡眠の不調を引き起こす場合があります。また、更年期の時期に女性ホルモンの影響を受ける変化のひとつに「自律神経系の乱れ」があります。交感神経は、仕事をバリバリこなしているときや運動しているときなどに、優位になります。リラックスしているときやまったりしているときなどには副交感神経が優位になります。これらがバランスを保つことで、元気に頑張れたり、ゆっくり休息をとることができるのですが、更年期の時期は、このバランスが乱れやすくなります。・交感神経が勝手に優位になってしまう「夜眠りたいのに眠れない」「深夜のホットフラッシュで目が覚めてしまう」・副交感神経が勝手に優位になってしまう「日中なのに強烈に眠い」「朝起きたいのに起きられない」という状態になりやすくなり、より寝不足を感じやすくなるのです。原因その2.加齢に伴うもの加齢に伴い、夜中に目覚めてしまったり、熟睡感が減ることは自然なことです。睡眠には、レム睡眠・ノンレム睡眠のふたつがあります。・レム睡眠身体を休める眠り(浅い眠り)・ノンレム睡眠脳を休める眠り(深い眠り)一晩寝ている時間に、このふたつが交互に4〜5回繰り返されるのですが、加齢によってノンレム睡眠の最も深い部分が少なくなっていきます。また、年齢を重ねるごとに、レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが不安定になっていき、「ぐっすり眠れた」と感じる「熟睡感」を低下させます。更年期障害の症状が出ていないのに、睡眠の不調がある場合は、加齢によるノンレム睡眠(深い眠り)の減少が原因のひとつかもしれません。■生活の中でできること厚生労働省が睡眠障害対処のために出している指針があります。ぜひこの機会に、日々の生活の中で当てはまるものがないかチェックして、今日から実践してみませんか ?1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を取り入れる3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない4.同じ時刻に毎日起床5.光の利用でよい睡眠6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣7.昼寝をするなら、15時前の20~30分8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全■睡眠薬って怖い ?日々の生活を見直しても、忙しいときはどうしても睡眠時間を確保することが難しかったり、なかなかすぐに改善できないときもありますよね。そんなとき、睡眠障害について、次の選択肢となるのは「睡眠薬」です。でも「なんとなく飲みたくないな……」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。癖づいてしまうなどの怖いイメージをもっている方もおられるかもしれませんが、また違った一面もあるようですよ。まず、実際に更年期障害と診断をされた女性のうち、どのくらいの方が睡眠薬を処方されていると思いますか ? 実は、40〜60代まで、おおよそ20%の方は睡眠薬を処方されています。5人にひとりの方に処方されているということを考えると、頻度は多いように思えるかもしれませんが、更年期女性の約半数が不眠といわれていることを考えると、更年期で不眠症状があっても、睡眠薬を飲まない選択肢を選ばれる方も多いようです。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなり、次第に量が増えていくので副作用が怖い。そう思い込んでいる方もいるかもしれませんが、最近の睡眠薬はそういう心配はありません。かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な反面、副作用も強く安全性に問題がありましたが、現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使えます。ただし長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません! 医師の指導の元に適切に使用することが大事です。また、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬も売られていますが、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確認されていないので、自己管理で長期間飲み続けることはおすすめできません。主治医の先生の元、適切なお薬で調整してあげてください。■病院に行くとしたら ?病院で睡眠障害について相談すると、基本的に不眠のタイプに応じた「睡眠薬」を使うことが多いです。また、更年期女性の不眠はうつ・不安との関係が強いため、併せて治療をおこなうことが重要です。不安やうつ傾向などがある場合には、「抗不安薬」や「抗うつ薬」を併用します。そして、のぼせなど血管運動神経症状が眠りを妨げている場合には、「ホルモン補充療法(HRT)」が有効といわれています。適切な処方と管理が必要ですので、婦人科医に相談しましょう。睡眠と関係のあるホルモンを調べた研究によると、更年期障害で行われるホルモン補充療法(HRT)により女性ホルモンのエストロゲンの投与をした人は、睡眠の質がよくなったという結果もあります。以前のようにぐっすり眠りたい……。そう感じたときは、日々の食事や運動、生活習慣を見直すチャンスかもしれません。その中で、睡眠薬を使って寝不足を解消することは、安心して使うことができる選択肢のひとつです。また、不安な気持ちがあなたの睡眠に影響を与えている可能性もあります。もし睡眠障害で悩んでいたら、まず最初にこれまでのご自分の様子を振り返り、医師に相談してみるのがおすすめですよ。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年11月29日更年期症状は誰にでも起こるもので、症状の程度はさまざま。軽く済む人もいれば、日常生活もままならない状態に陥る人も。症状がつらく日常生活に支障を来すのなら、それは更年期障害です。我慢しないで医師の診察を受けましょう。ただ、更年期障害の症状はさまざまで、何科にかかればいいのかわからないということも。受診の目安や何科を受診すればいいのかを産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期障害に我慢は無用。受診の目安は?更年期障害はさまざまなので、日常生活に支障が出るくらいひどいようなら我慢せずに医師の診察を考えましょう。まずは、更年期障害の全体的な不安を相談するという目的で、婦人科で相談してみてください。子宮がんや子宮筋腫、卵巣嚢腫など婦人科の病気の有無を確認し、月経の状態やホルモン値の結果などから更年期障害なのかを判断してもらいます。更年期には、実は更年期障害が原因ではなく、ほかの病気が隠れているケースもあるので、本当に更年期から来るものなのかをきちんと調べることも大切です。例えば、動悸・息切れは本当は心臓の病気かもしれません。めまいは耳鼻科疾患や脳梗塞のサインなんてことも。婦人科から症状に合ったほかの科での詳しい検査をするよう紹介される場合も多くあります。更年期障害は多岐にわたるので複数の科との連携で診察していくものなのです。自分と相性の良いクリニックの見つけよう更年期障害で複数の科を受診するようになったとしても、とりあえずなんでも相談しやすいホームドクターがいると心強いものです。それは婦人科に限らず、どんな科の医師でも自分との相性の良さを優先し決めましょう。つらい本音を話しやすく、何科で診てもらうべきか相談できるような医師を見つけられるといいですね。日本女性医学学会(旧日本更年期医学会)のホームページで、産婦人科の中でも特にホルモン関連に伴う不調を専門とした女性ヘルスケア認定医を検索できるので、それを利用してみるのもおすすめです。※日本女性医学学会まとめ更年期障害は程度の差こそあれ何年か続くケースもあるので、我慢しないで早めに受診を考えることは大切です。自分と相性の良い医師を見つけ更年期障害とうまく付き合っていくことができれば、ひとりでつらい思いをしなくても済みますね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月25日更年期症状がひどくなり、更年期障害となる原因はあるのでしょうか? 実は更年期障害は、環境の変化や加齢などさまざまな要因が重なって起こるものだそうです。そこで更年期障害の原因を産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。更年期症状が現れる仕組み卵巣の寿命は50年前後といわれます。卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌は、脳にある視床下部と下垂体が卵巣を刺激するホルモンを使ってうまく調整されています。しかし、卵巣の機能が弱ってくると、エストロゲンの分泌量が不安定になり、脳からの刺激がうまく機能しません。そのゆらぎの結果、自律神経が乱れ体にさまざまな不調が現れるようになります。それが更年期症状です。更年期障害になりやすい人や環境要因はあるの?更年期症状は、程度の差や出る症状の違いはありますが、つらいと思わずにうまく付き合っていける人もいます。その症状がひどくなり更年期障害になってしまう場合、エストロゲンの分泌量の減少が第一の原因ではありますが、なりやすいタイプや社会的環境も影響しているといわれています。特に更年期障害になりやすいタイプは、“まじめ”“完璧主義”“神経質”な人が多いとされます。一方、なんでも「ま、いいか~」「なるようになる」などとおおらかに考えられる人は軽く済む傾向があるとされます。社会的環境の要因としては、育児、家事、仕事、親の介護など、自分の生活に大きな変化があり、それらのストレスが重なると症状をひどくする原因になります。症状を悪化させ更年期障害までいかないようにするためには、ひとりで問題を抱え込まず、できるだけ周りの人に相談したり、協力を得られるようにすることが大切です。まとめ更年期症状を更年期障害へと悪化させないためには、周りの人に協力してもらいながら、自分の不調を受け入れ、つらいときはつらいと声に出し、いつかは安定すると信じて過ごすことです。ただ、気軽に話せる人がいないと思うなら、婦人科、心療内科、精神科、内科など更年期の専門家に頼るのが症状軽減の近道です。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月24日誰にでも訪れる更年期。でも、更年期っていったいいつから? どんな症状が更年期症状なの?などよくわからない人も多いのでは。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に更年期はいつから始まり、どんな症状が出るのかを聞いてみました。更年期っていつから?卵巣には寿命があり、50歳前後といわれています。その卵巣が弱ってきて、今まで規則的に分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が減少し、その結果、月経が止まることを閉経と言います。この閉経の前5年、後ろ5年の合わせて10年間を“更年期”と呼びます。月経は突然パタッと来なくなる人はまれで、周期が短くなったり、だんだん間隔が空いたり、不順になったと思ったらまた順調に来たり。閉経までの過程はさまざまです。最終的に、最後の月経から1年間出血がなければ閉経と診断されます。日本人の閉経年齢の平均は50.5歳とされますが、実際には45歳から55歳までと幅があり、その人にとっての閉経年齢から前後5年間が更年期となります。ですので、40代に入れば誰しもが更年期である可能性があります。更年期症状ってどんなもの?更年期症状とは、更年期の期間に現れるさまざまな症状のことを言います。更年期に入ると女性ホルモン、特にエストロゲンの分泌量が減っていきます。脳の視床下部は頑張って分泌させようと指令を出し続けますが、それまでのようにはエストロゲンを維持できません。エストロゲンは子宮だけでなく体のさまざまなところに作用しているので、不足すると自律神経失調症に似た症状(のぼせ、ほてり、発汗など)をはじめ、さまざまな体の不調を引き起こします。これが更年期症状です。誰もが迎える更年期ですが、症状が軽く、生活に支障なく過ごせる人も多くいます。自分で心身の変化や状態を受け止めて、医療機関への受診を含め更年期症状とうまく付き合う方法を見つけていくことが大切です。よく現れる更年期症状とは?更年期によく現れる症状は、以下のものがあります。①血管運動神経症状(のぼせ、ほてり、発汗)②精神神経症状(イライラする、憂うつになる、不眠、不安感が強い)③頭の症状(頭痛、頭が重い)④末梢神経系(手足のしびれ、こわばり)⑤運動器系(肩凝り、腰痛、関節痛)⑥生殖・泌尿器系(頻尿、尿漏れ、性交痛)⑦皮膚の症状(乾燥肌、かゆみ)⑧消化器系(のどの違和感、おなかが張る、便秘)⑨循環器系(動悸、息切れ)⑩全身症状やそのほか(だるい、疲れやすい、冷え、めまい、ふらつき、ドライアイ、目の疲れ、においに敏感、物忘れが多い、指が太くなる、太りやすい)多く見られるのは、①血管運動神経症状ののぼせ、ほてり、発汗、次に多いのが②精神神経症状のイライラする、憂うつになる、不眠などです。現れる症状は人によってさまざま。症状に強弱はあるものの、いろいろ重なって現れることが多いとされます。更年期症状と更年期障害との違いひとえに更年期と言いますが、“更年期症状”と“更年期障害”は区別して考えると良いでしょう。更年期症状は、エストロゲンの分泌低下に伴うもので誰しもが通る道です。かといって、過度に不安になる必要はありません。実際に、生活に大きく支障が出ると“更年期障害”と言います。“更年期症状”の範囲内で過ごせるか、“更年期障害”となってつらくなるかは、エストロゲンの分泌低下だけでなく、精神面、環境面の要素が大事であるとされています。一般的には、頑張り過ぎて、更年期に戸惑いを感じている方がなりやすい印象です。残念ながら20代・30代のバリバリ元気な世代とは体が異なります。エストロゲンの分泌量が不安定になり、そのゆらぎが体につらくこたえるのが更年期です。ひとりの社会人であり、妻であり、嫁であり、娘であり、母である。女性を称する言葉はたくさんあります。ひとりでいろいろな役割をこなして休みがない世代と言えるでしょう。更年期とうまく付き合うためには、ほかの誰かのためではなく自分優先、自分のペースを探る必要があります。まとめ更年期は“更新する”時期です。気張らずに自分のペースでうまく付き合う姿勢が良いですね。更年期のどの症状がどの程度強く現れるかは本当にさまざまです。そして、いつか終わりがあるものです。症状がさまざまであれば、治療もさまざま。サプリや漢方薬といった比較的取り組みやすいものから、ホルモン補充療法や安定剤といった治療まであります。「更年期かしら?」と悩んだら、気軽に婦人科で相談をしてくださいね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月23日私たちの体内で日常的にできては溶けている血栓。生活習慣の影響で、それが重篤な病気の原因になることも!さらには、更年期の女性こそ特に注意したい症状なのだーー。コロナ禍で巣ごもり生活の傾向があるなかで、気づいたら暮らしだけでなく「体形までも変わってしまった!」と、嘆く人が増えている。この“コロナ太り”を放っておくと、「生活習慣病を通り越して、『血栓症』のリスクが高まってしまう」と警鐘を鳴らすのは、浜松医科大学医学部の浦野哲盟教授だ。「肥満になるのと比例して血液中に出てくるのが『PAI-1』(パイワン)という物質です。このパイワンは、血管の内側にある血管内皮細胞で作られ、不要な血栓を溶かしてくれる『t-PA』という物質の働きを抑えます。通常、血栓は血管の中で自然にできて溶けることを繰り返していますが、溶けにくくする物質が増えることで、血栓症になるリスクが高くなるのです。血栓症は、血栓で血管が閉塞することにより起こる疾患で、心筋梗塞や脳梗塞、またエコノミークラス症候群といった重篤な病気がその代表例です。深刻な事態になる前に、血液検査の数値を正常な状態に戻しておくことがとても大切です」(浦野教授・以下同)血栓症が起こる原因は主に3つある。1つはコレステロール値が高く、血液がドロドロになることで、体内の水分不足による脱水状態も同様である。もう1つは加齢や動脈硬化で血管がボロボロになること。そして3つ目は身体活動の量が落ちるために血流がゆっくりになること。いずれも、女性ホルモンの減少とともに肥満傾向の人が増えてくる更年期の女性は特に注意が必要だ。できた血栓が心臓の動脈内で詰まると心筋梗塞、脳の動脈で詰まると脳梗塞に見舞われる。下肢の静脈に血栓ができると、痛みや腫れが生じるエコノミークラス症候群になる。さらにはがれた血栓が肺の血管を詰まらせると、胸が痛い、呼吸が苦しいといった症状や突然死を引き起こす肺塞栓症を発症する。症状が重篤化する前に、血栓ができやすい生活を送っていないか次のチェックリストで振り返ってみよう。【こんな人は血栓ができやすい!】□ 脂のこってりした食べ物が大好き□ 体を動かす習慣がない□ コロナ禍で座って過ごす時間が増えた□ トイレが近くなるのが嫌であまり水分は取らない□ 手足のしびれや肩こり、腰痛などがある□ 血液検査でコレステロール値や中性脂肪の数値が高い「脂のこってりした食事や加工食品をよく食べる人はコレステロール値や中性脂肪の数値が高くなります。また、水をあまり飲まない人や、“新しい生活様式”で座る時間が増えたり、体を動かす機会が少なくなったりしていたら要注意です。血流が滞ることで足の冷えやしびれ、肩こり、腰痛などが起こることがあります。気になる症状があれば、血液検査や頸動脈エコーなどの検査を受けて、血液をさらさらにする作用のある薬を飲むなど、早めに対処しましょう」「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月21日50歳のころ、閉経という人生の境目に近づき、精神的にも落ち込むことが多い時期でした。ただ、それが更年期障害というものなのか実感としてわかなかったことも事実。しかし、月経の大量出血が起き、生活にも支障を来してしまったのです。いつどこで出血が起きてしまうかわからないので、レストランでゆっくり食事もできない状態でした。それではっきりと、もしかしてこれが更年期障害というものなのかと気付きました。そのときにおこなった解決方法などについてお話しします。閉経前の大量出血の原因は?50歳の誕生日を迎えるころから、月経のときの出血に違和感を覚えるようになりました。最初はタンポンから血が漏れていることが多いなと不思議に感じましたが、タンポンの入れ方が悪かったのだろうと気にしないようにしていました。しかし、友人の車に乗せてもらった際に大量出血。これはちょっとおかしいと感じました。そこでネットで月経の出血が増える原因を調べてみたのです。大量出血が起きる可能性を調べると、次のようなことが見つけられました。ホルモンバランスの乱れ子宮筋腫子宮腺筋症子宮内膜ポリープ子宮内膜増殖症病気がある場合は早期発見、早期治療が大切。そこでネットを参考に次のことをチェックしました。また、チェックしておくと婦人科に行って説明がしやすかったこともメリットでした。出血の量血液のかたまりが出る鈍痛月経期間の延長月経ではないときの出血排尿が苦痛腹部のしこり私の場合は、タンポンから漏れるほどの大量出血、レバーのような塊が見られる、月経が少し長いことを伝えました。月経があるときには婦人科に行かないほうが良いと思っていましたが、医師に「必ずしもそうではないよ」と言われました。出血しているときの受診のほうが、医師が判断しやすいこともあるそうです。まず電話で相談して、医師にどのような状態で診察してもらうのが良いのか聞いたほうが良いのだなと思いました。ホルモン補充療法はリングで診断の結果、病気は見つからず更年期障害と診断されました。更年期障害ということで、ホルモンのバランスを整えることになりました。基本的には、年に2回必ず婦人科でチェックをしてもらっているので、病気になることはないと思っていましたが、それでも心配でした。ホルモン補充療法の方法はいろいろありますが、もともと私は避妊のためのリングを使っていたので、更年期用に変えることにしました。更年期用のリングはリングにホルモンが付けられており、少しずつ体内に吸収されていくというものです。大量出血以外にも、疲れやすさや気持ちの落ち込みなどもあったかと思います。忙しくしていたため、自分では気付かなかったのですが。リングを入れたあとの月経ではまったく問題がなくなりました。タンポンから出血が漏れることがなくなり、安心してどこにでも行けるようになりました。若い人たちに混じって大学生をしていて授業中に漏れてしまったらどうしようかと思っていたのでとてもうれしかったです。54歳になってから月経がないので、多分閉経したのだと思います。このまま様子を見て、1年以上月経がない場合はリングを除去するそうです。リングを利用するメリット・デメリット医師によると、リングを使用するメリットは、経口タイプの薬より副作用が少ないこと、飲み忘れがないこと、直接作用するため効果がすぐに期待できることだそうです。ホルモンを定期的に体に補充するために、飲み忘れをしては効果が期待できません。私はほかの薬も忘れがちなタイプなので、子宮内に入れたらそのままという方法がぴったりでした。デメリットは合わない人もいることだそうです。私の場合は41歳の3人目の妊娠で腎臓の機能が低下したため、4人目の妊娠は絶対無理と言われリングを入れました。リングを入れる際に痛みがある人も多いそうですが、私の場合はリングを入れることだけを専門にしている医師に頼んだので痛みはありませんでした。ただし、その後数カ月は違和感があり、数回の受診をしています。なかには痛みや違和感に我慢できず、途中で外してもらう人もいるほど、合わない人は本当に合わないようです。私の場合、半年ほど過ぎたころからまったく違和感がなくなったので、ある程度の時間は必要なのではないかと思います。まとめリングを入れることで大量の出血がなくなり、更年期障害の時期を気持ち良く過ごしました。精神的な問題もなく過ごせたのはリングのおかげだと思います。ちょうどその時期学生だったこともあり、学校を続けていけるのかとても心配でしたが、婦人科医に相談し、面倒なこともなく55歳までとても気持ちよく過ごしています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年11月04日■いよいよ突入した更年期。汗で仕事に取りかかれないことも——更年期を自覚するようになったのはいつごろですか?まず40代後半に、小さな字が見えにくくなり老化現象を自覚しました。そのころから生理周期が乱れてきて、貧血の症状も出てきましたね。「そろそろ更年期に突入なのだろう」と覚悟しましたが、はっきり自覚したのはその後ホットフラッシュの症状が出たときです。もともと汗をあまりかかない体質だったのですが、スタジオに着くと汗が吹き出し、少し時間をおかないと仕事に取りかかれないということもありました。正直に伝えて、汗が引くまで待ってもらっていましたね。また、夜ベッドに入る前に首の後ろがカーッと熱くなるのを感じたこともあります。——ホットフラッシュ以外に悩まされた症状はありましたか?当時は頻繁にパーティーのお誘いがあり、できるだけ出席するようにしていたのですが、メイクもしてドレスに着替え、「さぁ、出かけよう」というときに急に人混みに行くのに気後れがして、ドタキャンなんてこともありました。当時はそうとは思っていませんでしたが、今思うとそんな心のゆらぎも更年期のせいだったかもしれません。あとは、朝起きてベッドから立ち上がるときに、かかとに痛みを感じることも。ドライマウスになって、レコーディングのときにリップノイズが気になるようにもなりました。■心身の不調を支えてくれた「植物療法」と「MY婦人科」——野宮さんは体の不調を改善するにあたって植物療法(フィトテラピー)の勉強を始められたそうですが、どういったものなのでしょうか?フィトテラピーは、植物が持つ薬理効果を利用して、症状を緩和させる療法です。植物のなかには女性ホルモンに似た作用を有するものがあり、更年期の心身の変化を穏やかにしてくれるんです。私はホットフラッシュに悩まされていたころに、ペパーミントのエッセンシャルオイルから手作りしたクールダウン用のスプレーを使ったりしていました。フランスでは、街の植物薬局(※1エルボリステリア)でサプリメントが簡単に手に入るので、パリへ行くたびに購入して飲んでいましたね。今では日本でも簡単に手に入れることができますよ。ハーブティーやチンキ剤、アロマなどで取り入れる方法もあります。※1:ヨーロッパの人々の暮らしに根ざしている、ハーブ薬局。身体の不調を感じたとき、相談に行くと植物の知識が豊富な薬剤師が親切丁寧に個人個人に合ったハーブやケアを提案してくれる。——ほかにも症状を改善するために実践していたことがあれば教えてください。エストロゲン(※2)に似た作用のある大豆製品を食べたり、、細胞や血管の若返りのためにオメガ3(青魚、くるみ、亜麻仁油など)、ホルモンを作る材料になるオメガ6(紅花油など)は体内で作り出せないので意識して取るようにしています。それから一番大切なことは、信頼できる「MY婦人科」を持つこと。ホルモン療法や漢方薬を組み合わせたりと、さまざまな提案をしてくれます。私もかかりつけの婦人科に定期的に通い健康管理をしています。婦人科は更年期に限らず、思春期から老年期まで幅広い世代の女性が健やかに幸せに暮らすためのアドバイスをしてくれるところ。思春期の女の子を持つ方はぜひ一緒に行ったり、信頼できる情報をシェアしてあげることをおすすめします。※2:女性ホルモンのひとつ■更年期は、誰にも訪れる「第二の思春期」——更年期障害は、周囲の理解を得ることで避けられる苦しみや悩みがあると思います。野宮さんは、症状の悩みを打ち明けられる相手は身近にいらっしゃいましたか?夫とは一緒にフィトテラピーを学びましたが、同世代の女性同士ではあまり話題にならなかったのが不思議でした。同級生に質問をしても、更年期について話すのはタブーのような雰囲気がありましたね。——今でも更年期にまつわる不調は、話題にしづらい「デリケートなもの」という空気があるように感じます。どうすればもっと気軽にシェアできるのでしょうか。更年期は女性ホルモンが激変するので、第二の思春期とも言われます。心身がゆらぐのは仕方がないこと。思えば、思春期の息子が急に口を聞かなくなったり、イライラしていたときには「これは君のせいじゃないよ。ホルモンのせいだよ」と息子にも自分にも言い聞かせ、その時期が通り過ぎるまではそっとしておきました。更年期もそれと同じ。時期が過ぎれば、さまざまな不調からは開放されます。そのことを周りにも理解してもらうことが大事だと思います。今は、渡辺満里奈さん(50)、松本孝美さん(55)、私(60)という5歳違いの3人で「大人の女史会」を結成して、活動を開始したところです。「ひとりで悩んでいないでみんなで解決!」をモットーに、女性の身体や心のこと、更年期のことなどを、同じ悩みを抱えている女性に発信していけたらと思っています。■女性であることをあきらめないで。ポジティブな更年期を送るための視点——更年期の前後で、大きく変わったと実感されていることがあれば教えてください。更年期とは、生理が止まり子供を産める身体ではなくなるというですから、そういった意味での女性としての寂しさというか、喪失感が私にはありましたね。それはしょうがないことなんです。でもそれは一方で、”子供を産む役割を持った女性の性”から解放されることを意味します。また、来るべき老い、そして死を意識することで、「今を大切にすること」をこれまで以上に学ぶことができました。これまで自分は何を大切にして生きてきたのか、そしてこれから何を目指して生きていくのか。更年期は、それを考えるためのかけがえのない時期だと思います。ほかにもおしゃれの観点からいうと、更年期を過ぎるころにはこれまで難しかった派手なアイテムが似合うようになります。トーンの落ちた髪や肌には、ダイヤモンドや赤い口紅が似合うんですよ! 白いパンツもいつでも着られますし、おしゃれな老眼鏡がファッションアイテムに加わります。そうやって更年期による変化をポジティブな視点で見ていくことが大切ですし、それが女性として成熟するということだと思います。——これから更年期を迎える方、今まさに症状に苦しんでいる方にアドバイスをお願いします。更年期は、「自分の身体がどう変化するのだろう」ととても不安ですよね。でも安心してください。更年期のトンネルを抜けたら、女性ホルモンに左右されず気分が安定し、新たなステージを謳歌できるときが来たと実感できるものです。それまでどうか、ご自身の身体を大切にしてほしいと思います。一番大切なことは「女性であることをあきらめる必要はない」ということです。加齢や老化、更年期に押しつぶされて、“女性”であることの楽しみや喜びをあきらめない。これからも人生はまだまだ続きます。美しく健やかに幸せに生きることを願い、好奇心を持って楽しみながら暮らしていけば、おのずと成熟した素敵な女性になれると信じています。◼︎野宮真貴さんのプロフィール歌手、ミュージシャン。ピチカート・ファイヴの3代目ボーカルとして、90年代の渋谷系ムーブメントを巻き起こす。現在も圧倒的な存在感と歌唱力で、音楽業界に留まらずカルチャーやアート、ファッションなど多方面で活躍中。
2020年10月31日座談会に参加していただいたDRESS会員さまプロフィール白石 美亜 さん10代の頃からプロモデルとして各種スチールやショーで活躍。エステシャンやアロマセラピストとしての経歴もあり、美容家として、最近はインフルエンサーとしても活動の幅を広げている。DRESSの大人のための美容部の部長。プライベートでは男の子3人のママ。鈴木 久美子 さん普段は商社にお勤めのDRESS会員。現在は「DRESS大人のための美容部」に所属し、主に美容系のイベントを中心に参加する。千葉 まお さん外資系ラグジュアリーブランドのファッションアドバイザーとして銀座にて5千人以上の富裕層の接客をし、総合商社の秘書を10年以上務める。現在は30歳以上の女性に向けライフデザインスクールとマナースクールを主宰。プライベートでは2児の母。監修医師プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。■「更年期」はデリケートでネガティブ!?――今回は更年期座談会ということなんですが、そもそも身近な人と更年期の話をすることはありますか?白石さん(以下敬称略):ほとんどないですね。前に40~50代くらいの理不尽に怒る男性が職場にいたとき、女性のあいだで「男性更年期じゃない?」って話をしたことはあるくらいかも。千葉さん(以下敬称略):私の知人にも、急に気持ちが不安定になる方がいて、周りから「更年期みたいだ」と言われていたことがありました。でもそれは本当に更年期による不調のあらわれなのか、その人の性格なのかわからないですし、ホルモンバランスの乱れによるものだったとしたら、その人はすごく苦しかったと思います……。私も上司に冷たくしたら「千葉さんは更年期だから」って陰口言われたんだろうなって思ったりもします。鈴木さん(以下敬称略):私の職場でも、感情の起伏が激しい人がそのくらいの年齢にさしかかっていると、もしかしたらって思いますが、失礼にあたるから言えないし、どうコミュニケーションをとったらいいかわからないんですよね。たとえば「インフルエンザのときは、病院にいってこの薬を飲んで、少なくとも1週間は安静にして……」みたいに、対処法が明確に決まっているじゃなですか。でも更年期障害となると情報が不足していて、どうしようもないと思ってしまうのが現状というか。白石:周りはどうしたらいいかわからないですよね。場合によってはセクハラみたいに受け止められやすいのかなって。南先生からのアドバイスたしかに周りがどうしていいかわからない……というのはありますよね。更年期障害の主な原因は女性ホルモンの急激な低下ですが、それに加え、心的ストレスや職場や家庭における人間関係などさまざまな誘因が関わっているとされています。周囲の人間が正しい知識をもって、サポートできるような環境作りができると理想ですね。■これって更年期? 疲労? PMS? 女性は不調の原因が多すぎ!——更年期について話せる機会って全然ないですね……。実際、更年期ってどういう印象がありますか?鈴木:病気じゃないけど不調が続くって感じですかね。体調不良だったり、感情の起伏だったり。白石:でも自分が怒りっぽくなっているときに、それが更年期なのか、単なる疲れが原因なのか自分ではわからないんですよね。ピキッときて子どもに怒ったときに、これが更年期なのか自分が疲れてイラッとしちゃったのか、それとも生理前のPMSなのかがわからない。千葉:それ、私もあります!「こんなに自分は怒りっぽかったっけ?」と思うときに、果たしてこれはただイライラなのか、それとも更年期の始まりなのかなって。更年期の始まりは個人差があると伺っているので、どうやったら判明するんだろう。白石:しかも対処の仕方もわからないので、自然に治まるまで待つしかないって印象です。前に「更年期にはプラセンタは効く」って聞いて、私も予防的にプラセンタ注射をやっていたときがあったんですよ。でも週1でやらなきゃいけないから面倒臭くなって行かなくなっちゃって(笑)。南先生からのアドバイス40歳を過ぎると、イライラしたり怒りっぽくなったりすることがあると、これって更年期かな? と思われている方も多いかもしれません。そもそも更年期とは、閉経の前後5年間と定義されています。日本人の閉経は平均50.5歳ですので、45~55歳頃に相当します。40代になってすぐ症状を自覚される方もいらっしゃいますが、規則的に月経がある45歳未満の方で更年期症状が起こることはほとんどないとされています。更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。1.ほてりやのぼせなどの血管運動神経症状2.めまいや動悸、冷え、関節痛、肩こり、腰痛などの身体症状3.気分の落ち込み、イライラ、情緒不安定、不眠などの精神症状です。これらの症状を組み合わせた、簡易更年期指数(SMI)という日本で広く使用されている更年期障害のチェックリストがあります。更年期障害は病気ではないと思われている方も多いですが、点数によっては治療が必要な場合もあります。簡単なチェックリストなので、更年期かな? と思った場合はチェックしてみてください。更年期だから仕方ない、とつらい症状を我慢するのではなく、治療すれば良くなる可能性がある病気だと考えて、専門医にご相談されてください。また、プラセンタ注射は更年期障害に対して保険適応でも使用される薬で、更年期症状の改善効果が認められています。注射なのでクリニックに通わなければいけないため、続けるのが難しいこともありますよね。続けやすいという面で考えると、エクオールなどのサプリメントを取り入れると良いと思います。エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されることにより産生される女性ホルモンと似た構造をしている成分です。日本人の場合、エクオールを作る腸内細菌を持っているのは2人に1人とされており、2人に1人は体内でエクオールを作ることができません。エクオールはほてりや肩こりなどの更年期症状に対する効果も認められており、また骨密度減少の抑制や悪玉コレステロールを減少させる効果もあるとされています。ただし、乳癌などの女性ホルモン依存性の疾患のある方には注意が必要ですので、主治医と相談して服用するようにしましょう。食生活や運動など生活習慣の是正は更年期症状の改善において基本です。早いうちからバランスの良い食事を心がけ、有酸素運動を積極的に取り入れるようにしましょう。■更年期=女性の後半?——更年期はほとんどの方にやってくるものだと思うのですが、それに比べるとなかなか話題にしづらいテーマであるなと感じます。鈴木:個人差がありすぎて共感しづらいのもひとつの理由なのかなと思います。40を過ぎたら更年期って大まかには言われていたりするじゃないですか。私もそろそろなんだろうとは思うんですけど、なんとも言えない微妙な感じがあるというか……。千葉:それに自分から更年期の話をするのって、女性としての後半に差し掛かっていることを宣言しているようなイメージがあると思うんです。だから自分からも言いづらくて…。鈴木:たしかに。自分の年齢を公表してしまっているようなものというか。「この人もうこのゾーン以上の年齢なのは確定なんだ」っていう線引きをされそう。白石:おばちゃん認定みたいなね。私も自分からは言いにくいですね。千葉:もし自分が相談したときに、友だちに「私はまだ(更年期障害とか)そんなことないよ」って言われたら、「あ、私の方が先におばさんになったのかな」って気になりそう(笑)。勝手にその友人との間に格差を感じてしまうかもしれません。白石:「え、私だけ?」みたいなね。第一声を言い出しづらいですよね。直接言えないぶん、みんなこっそりネットで調べたりして対策してるのかもしれないです。更年期のことを調べたことはないのですが、たとえば子育てのことでいうと、ほかの方の体験談が読みたくて「子育て 反抗期 イライラ 口が悪い」みたいにめちゃくちゃ単語を組み合わせて近い状況にいる人を探します(笑)。千葉:私もそういう体験談が集まる場所とか覗きそう(笑)。育児中で大変なときも「同じようにつらい人いないかな」って見ていたので。やっぱり同じような悩みがある人がいると自分だけじゃないってホッとするんです。きっと更年期コミュニティがあるとすごく盛り上がる気がします。南先生からのアドバイス更年期や閉経をマイナスのイメージでとらえている方が多いですが、前向きに考えてみることも大切です。50歳をこえてイキイキされている方もたくさんいらっしゃいます。毎月あった生理がなくなると、月経痛や貧血症状などがなくなり体はラクになります。ホルモンの変動がなくなり、不安定だった体が安定すると考えてみると捉え方が変わるかもしれません。正しい知識を積極的に取り入れることも非常に大切ですね。更年期の症状のひとつに動悸がありますが、更年期症状と思っていたけれど実は甲状腺の病気や不整脈だった、ということもあります。つらい症状がある場合は我慢せず、専門医に相談されてください。また、厚生労働省の研究班が作成している「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」という女性の健康を支援するためのWebサイトもあります。更年期だけでなく、女性の体の悩みについて知ることができるので、活用されても良いと思います。■オープンに話す選択肢がもう少しあってもいいよね千葉:それこそCMで「こういう症状があったら婦人科にいきましょう」「病院に行くことは悪いことではありません」とか更年期について紹介してくれたら、もっと話題になりやすいんじゃないでしょうか。——でも、その方がずっと話題にしやすくなりますよね。千葉:年上のママ友さんに話を訊いてみたい気持ちもあるんですが、デリケートな話題なのでやっぱり訊きづらい。私、出産後にホルモンバランスが崩れて抜け毛や肌荒れを経験したんです。だから更年期にホルモンバランスが崩れたときにはどんな症状がでるのかも気になるんですけど……。体験談をリアルに訊けない不安はありますね。——更年期は必ず終わりがあるし、そのあとには「黄金期」と言われる時期がやってくる人もいると言われています。そういう明るい更年期の話も聞いてみたいです。千葉:えっ、黄金期? そうなんですか?白石:それ聞いたことあります! 私の周りも、それくらいの年齢の方で人生を楽しんでいるマダムたちが多いんですよ。50代後半だけどものすごく元気で楽しそうで。ランチ行ったり海外旅行行ったり、若い人たちよりも一層アクティブな感じ。鈴木:へえ~! そんな時期が待ってるなんて想像もできなかったです。出口が見えないイメージしかなかった!——もっといろんな世代の人たちの更年期トーク、聞いてみたいですよね……! 今日はありがとうございました。南先生からのアドバイス日本人女性の平均寿命は87歳です。閉経するのはまだまだ人生の中間地点です。閉経後の人生を楽しめるかどうかは自分次第です。更年期を期に、食生活を見直し、積極的に有酸素運動を取り入れて、心身ともに健康に黄金期を楽しみましょう。
2020年10月31日