「テレビで有名なコメンテーターが『日本はたいへんな借金大国』と言ったり、財務省が国民1人あたりの借金が約885万円あると宣伝したりしていますが、全部ウソです。そもそも“国民の借金”などではありません」そう語るのは、昨年11月に『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)を上梓した京都大学大学院教授の藤井聡さんだ。“日本には1千兆円あり、このまま放置すれば財政破綻するから、消費税の増税が必要”。多くの人はそんな言葉をどこかで聞いたことがあるだろう。「日本の借金は『国債』という形になっています。そして国債のほとんどを保有しているのは、日本銀行や国内の金融機関。つまり国債は国民が預貯金などを通じて、間接的に所有している国民資産なんです。政府は国民への借金を返すために、国民からお金を取ろうとしている。おかしな話ですよね?」第2次安倍内閣で6年にわたり内閣官房参与を務めたが、増税などに反対する「言論活動に注力するため」、昨年12月に参与の職を辞した藤井さん。財政破綻したギリシャを例に“借金”の恐ろしさがよく喧伝されているが……。「ギリシャには『通貨発行権』はありません。ギリシャは『ユーロ』が返せなくなり、財政破綻しましたが、勝手にユーロを作ることはできませんでした。一方、日本政府の借金は『円』建てですし、日銀を通じて、いつでも円を発行できる。政府の破綻は『外国の通貨』を借りていた場合に限られるのです。自国通貨建ての借金で破綻した例など、聞いたことがありません」だが、借金の額が大きくなりすぎると、日本政府への信用がなくなって、「円」の価値が暴落したり、新たな国債の発行ができなったりしてしまうのではないか。「政府への信用は『国債の金利』に現われます。“政府が破綻し、借金が返済されないのではないか”という懸念が高まると、金利が上昇します。高い金利を約束しないと、お金を借りられなくなるからです。ギリシャが破綻する直前は、国債の金利が30%以上にも跳ね上がっていました。一方、日本の国債は0.1%程度という超低金利。つまり、誰も日本政府が破綻するなど、思ってもいないのです」「未来に向けた贈り物」「国が発行するから安心」。いずれも財務省による「個人向け国債」の宣伝文句だ。あれだけ日本の財政危機を煽る財務省自身、国債を安全な資産だと考えているということだ。消費税の増税のスケジュールは法律によって定められている。6月26日の国会閉会までに法改正が行われない場合、予定通り増税される可能性が高いという。仮に10%に増税されると、「過去の増税のときよりも深刻な影響を日本経済に与える」と藤井さんは分析する。「タックスサリエンス(税の顕著性)という言葉があって、経済心理学からも、分かりやすい課税額は消費に強いブレーキをかけると言われています。10%という税率は、どんなに計算が苦手な人でも、すぐに税額を計算できる数字です。実際に、男女それぞれ100人に対する実験で検証しました。すると、5%から8%への増税よりも、8%から10%への増税の方が、1.4倍も消費に対するブレーキが強く働くという結果が出ました」’97年の3%から5%への“2ポイント”の増税が消費を冷え込ませた結果、深刻なデフレ・スパイラルが起こり、日本経済は低迷した。ピーク時の’94年には1世帯あたり664万円あった年間の平均所得は、’13年には529万円と135万円も減少している。「10%への増税は、’97年の増税時よりも影響が大きいと考えられますから、世帯所得は短期的に50万円、長期的には150万円ほど減る可能性もあります。消費増税は延期ではなく、“凍結”、もしくは“減税”に舵を切らなくては、日本経済は沈没してしまいます」藤井さんは増税の目的は財務省の“省内論理”のためと言い切る。「財務省では税率を上げる人がいちばん偉い、つまり出世をする。要は官僚の都合なんです。今後、増税に向けて、さまざまな宣伝活動を財務省はするでしょう。けっして騙されてはいけません」
2019年05月16日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「軽減税率も弱者を救わない」古賀茂明・元経産省官僚「消費税の増税前に、政府にはやるべきことがあります」そう語るのは、元経産省官僚の古賀茂明さんだ。増税には2つの理由から反対している。「1つ目は、いまだに無駄遣いや既得権益を守る政治が続いていることです」メディアでも大きく取り上げられた、安倍総理の地元・下関と、麻生副総理の地元に近い北九州を結ぶ「下関北九州道路」を例に、古賀さんが続ける。「安倍政権になって、このような“忖度道路”や凍結されていたダムの建設復活が目立ちます。さらに、“国土強靭化”の名の下に、全国で無駄な道路建設などの公共事業が怒涛の勢いで増えている。こんなバラマキを続ければ、たとえ税収が増えたとしても、財源が足りなくなり、さらなる増税が必要になります。増税とバラマキのスパイラルに陥るのです」2つ目の理由は、景気が低迷している中での増税が、さらなる景気悪化を招くことだという。「政府はアベノミクスの成果を強調し、戦後最長の好景気と喧伝していますが、実感できていない人は多く、企業も、米中やインバウンド旅行客頼み。つまり、増税に耐えられる経済になっていません。毎月、ギリギリで家計をやりくりしている家庭では消費時の増税で老後の貯蓄すらできなくなって不安が募り、財布の紐を締める。消費は減退し、企業の業績が悪化すれば、ボーナスや給与カットにつながる悪循環になります」消費税は、所得に占める消費の割合が高い一般家庭のほうが、割合が低い富裕層よりも影響を大きく受けてしまう。そのため、日々の食材など、生活必需品に関しては8%のまま据え置く軽減税率などの策を政府は用意しているが。「軽減税率は低所得者対策だといいますが、まったく逆です。たとえば、一般家庭で100グラム100円の鶏肉を300グラム買う場合、300円に対して2%である6円が軽減されることに。しかし、100グラム1,500円のステーキ肉を300グラム買う富裕層は、90円も軽減される。金持ち優遇の政策と言われても仕方ない。軽減税率を止めて、その分を貧困層に回すべきではないでしょうか」さらに、地方自治体ごとに、たとえば2万円で2万5,000円分の商品券に換えられるプレミアム商品券の導入も検討されているが……。「公明党が好きな政策ですよね。商品券によって一時的に消費は増えたとしても、もともと購入する予定だったものを先買いするだけ。さまざまな経済学者による分析でも、経済効果はほとんど得られないという結論です。参院選を前に、安倍総理も非常に悩んでいるはずです。増税すれば景気は腰折れするし、延期すればアベノミクスは失敗だとばれてしまう。前向きに捉えれば、増税見送りはまだあり得るということ。諦めてしまうには早すぎます」
2019年05月16日「10月1日に消費税を10%に増税することは、法律で定められていて、増税を延期や凍結するには、法改正が必要になります。今国会は6月26日に閉会しますから、6月中旬ごろが、決断のタイムリミットでしょう」そう語るのは、昨年11月に『「10%消費税」が日本経済を破壊する』(晶文社)を上梓した京都大学大学院教授の藤井聡さんだ。第2次安倍内閣で6年にわたり内閣官房参与を務めたが、増税などに反対する「言論活動に注力するため」、昨年12月に参与の職を辞した。「“たった2%”の増税と楽観する人も多いようですが、私たちの生活に破壊的な影響を与えます。’97年に消費税が3%から5%に上がったときを例にしましょう。消費税3%が導入されたのは’89年ですが、このときは経済も大きく成長し、物価も上昇していました。一方、’97年の増税は、物価が下落(デフレ化)する局面で行われました。消費税はいわば消費への“罰金”のようなもので、消費を減退させる効果があります。この増税で、日本は深刻なデフレ・スパイラルに陥ったのです」消費が縮小すると物価は下落し、企業業績が悪化する。そうなれば、給与カットやリストラされる人が増え、ますます消費が縮小して、物価を下落させる。これがデフレ・スパイラルだ。GDPの6割近くを占める個人消費の落ち込みは、それだけ深刻な影響を経済に与えるのだ。「バブル崩壊後も、日本経済は鈍化しつつも成長し続けていましたが、5%への増税によって衰退が始まりました。1世帯あたりの平均所得は、増税を機に年間数万円、多いときで約20万円も減っていった。ピーク時の’94年には1世帯あたり年間664万円あった平均所得は、’13年には529万円と、135万円も減少しています。“失われた20年”は、消費税の増税が原因だったのです」’97年の増税の直後に、一時的に税収が上がったが、翌年から下がりはじめ、増税からわずか6年で10兆円も税収が減ってしまった。結局、消費税増税が招いた不景気のために、税収が減ってしまったのだ。さらに、「リストラが横行し、自ら命を絶つ人が急増した」と藤井さんは指摘する。’96年には2万3千104人、’97年には2万4千391人だった自殺者は、’98年には3万2千863人に増えている。「20年近くにわたり2万人強を推移していた年間の自殺者数が、’97年を機に、3万人強へと1万人も増えてしまった。その後14年間、3万人を下回ることはありませんでした。“たった2%”の増税が、十万人単位の国民を“殺した”のです」’14年の8%への増税も、消費を大きく悪化させている。増税直前には369万円あった1世帯あたりの消費支出は、現在335万円。つまり、私たちは消費税のために34万円も “貧しい暮らし”を強いられるようになった。それでも、政府や財務省は「増税の影響は軽微」と、日本は好景気だと喧伝してきた。「数字上はそうなっていたのは、世界景気が好調なため、輸出が伸びていたからです。日本のGDPは増税前と比べて、4年間で約18兆円増えていますが、そのうち約15兆円が『輸出』の増加です。これを除けば、実質的な『ゼロ成長』と言ってもいい。さらに、『輸出』には波及効果がありますから、世界経済の状況次第では、ゼロ成長どころか『マイナス成長』になっていた可能性が高い」日本の輸出産業を支えてきた世界経済にも陰りが見えている。5月上旬に再燃した米中貿易摩擦の影響などによる、世界的な同時株安が懸念されている。「現在の状況は’97年の増税時の状況に似ています。このタイミングでの10%への増税は日本経済を徹底的に破壊し、日本をますます貧しくしてしまうでしょう。デフレ下の消費税の増税はけっしてやってはいけない愚策。過去の過ちを繰り返してはならないのです」消費税の増税によって、この20年間で日本の所得は2割減となっている一方、世界経済は成長を続け、この20年間に2.4倍に拡大した。「日本での初任給は20万円ほどですが、中国やアメリカの一流企業では50万円になっています。オーストラリアではラーメン店のアルバイトの時給が2千500円にもなった。日本はもう豊かな国とは言えないのです。“インバウンド景気”などと言われるのも、単純に世界が豊かになるなかで、日本が貧しくなり、観光客が来やすくなっているために過ぎません」
2019年05月16日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「増税で軍備が増強される」浜矩子・同志社大大学院教授「GDP(国内総生産)に対して、借金が2.5倍もある日本の財政状況は、立て直す必要があります。いずれ消費税の増税はやむを得ないと思いますが、安倍政権での増税には強く反対します」経済学者で、同志社大学大学院教授の浜矩子さんは語気を強める。「安倍首相は、ことあるごとに『強い日本を取り戻す』と発言しています。たとえば、’15年に“アベノミクスと外交、安全保障政策は表裏一体”と、経済を強くして、国防費を増やすという主旨の発言もしています」昨年9月、トランプ大統領は安倍総理との会談後に「日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と発言。その後、1機100億~150億円もするF35戦闘機を、アメリカから105機も購入する予定であることが明らかになった。「世のため、人のための増税なら理解できますが、私には、安倍首相は“富国強兵”を目指しているとしか思えません」今年10月に幼児教育・保育無償化が始まるが、これも消費税の増税を見越したものだ。「もともと社会保障と税の一体改革のために増税するといわれていたのに、教育無償化することに目的が広がってしまった」子育て世帯にとってはうれしいことだが、懸念があるという。「私は、タダより怖いものはないと思っています。政府がより教育に干渉し、森友学園のように、教育勅語を暗記させるような教育が全国に広がることを警戒します。このような“21世紀版大日本帝国”を目論んでいるとしかみえない現政権による増税には反対です」だが一方で、日本の財政への懸念もある。「不測の事態に陥ったとき、国民や企業をレスキューするのが、国の役割です。そのためにわれわれは税金を払っているのに、現状では、むしろ国が苦しいからといって、国民がレスキューを強いられる。こんなばかな話はありません。本来の役割を果たせるような財政に立て直すことが急務です」その一つの方法が、消費増税ではあるが、一定の“条件”がなければならないという。「同時進行的に、お金のあるところから税金を集めることです。たとえば個人所得税率の上限は、もともと75%あったのが、今や45%に引き下げられています。増税とともに軽減税率をするのであれば、“重増税率”もあるべきです。明らかに富裕層しか買わないような物品には80%、90%の税率をかけてもいいでしょう。一方、食材などの生活必需品などは0%にするなど、強いグラデーションを付けることが必要だと考えています」
2019年05月16日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「消費税は5%に減税を!」山本太郎・参議院議員「今年2月1日の国会で、安倍首相に『日本以外にデフレが20年続いた国はありますか』と質問したところ、『先進国で日本以外にはない』という答えでした。深刻なデフレ下で、消費税を増税するなど、経済オンチでしかありません。月30万円を消費する家庭の場合、消費税が10%になると、軽減税率があったとしても、年間で34万2,000円も消費税を支払うことになると試算されています」こう訴えるのは、参議院議員の山本太郎さんだ。自身のホームページで「消費税5%への減税」を野党の共通政策にするように求める署名プロジェクトも立ち上げている。「10月の消費増税は、確実に不況を招くことになるので、延期になると思っています。ただ、増税延期では意味がない。景気が低迷している今、まず手をつけるべきは人々の生活を底上げすること。そのために、消費税廃止を目指し、まずは5%に減税すべきです」それは、消費税には弱者を苦しめる力があるためだ。「消費税は、’89年に3%で始まって以来、’97年、’14年の2回、上がりました。そのたびに、法人税や所得税は減税されています」消費税が導入された’89年には19兆円あった法人税の税収は、’16年には10.3兆円に。’89年を基準とする法人税の減収額は累計192.5兆円にのぼる。一方、消費税の税収の累計は263兆円。「この2つの数字を比較すると、消費税収の73%が、法人税の減少分に割り当てられていると見ることができます」法人税の減税で足りなくなる税収を消費税で穴埋めしている形だ。「法人税は利益に対してかかりますが、消費税は家計が赤字であっても、消費をする限り払わなければならない“罰金”です。金持ちを、もっと金持ちにするために消費税がある。税金は“ないところから取るな、あるところから取れ”が基本です。日々の生活に苦しむ人たちが犠牲になっていいわけはありません」’14年4月、消費税を3%増税するとき、政府は《引き上げ分は、全額、社会保障の充実と安定化に使われます》と約束した。「しかし、完全な形で“社会保障の充実”に使われたのは、3%の増税で増えた約8兆円の税収のうち16%ほどに過ぎません。残り84%の使途について、詳細を要求しても、『出しません』の一点張り。説明責任を果たす気もない。しかも、この7年で社会保障費は4兆円以上カットされています。消費税は社会保障のため?だまされてはいけません」
2019年05月16日テレビでは軽減税率の特集が組まれ、コメンテーターが日本の財政赤字の多さを強調する……。増税やむなしと思っているそこのあなた、財務省にだまされています!そこで識者が緊急提言・10月消費税10%はいますぐ凍結を!■「税率UPで深刻不況に」岩田規久男・前日銀副総裁《国の借金1,100兆円=1人当たり885万円-財務省》(2月28日時事通信)こんな報道が目に入ると“将来の子どもにツケを回したくない”と考えて、10月に予定されている消費税の増税もやむを得ないと思う人も多いのではないか。4月28日に発表された読売新聞の世論調査でも、45%が増税に賛成しているという結果だった。「しかし国の借金は、国債という形で、国民や企業の資産になっています。家庭に例えると、夫が妻のへそくりを借りているようなもの。家計の中で、お金は減っても増えてもいません。日本が外国から借金している金額はごくわずかで、ほとんど国民からの借金ですから、家庭内の借金と同じで、『いま消費増税しないと財政破綻する』というのは誤った考えです」こう語るのは、昨年3月まで日本銀行副総裁を務めた、学習院大学名誉教授の岩田規久男さんだ。安倍政権下で、まさに日本の金融政策の中枢にいた岩田さんは消費税増税に強く反対している。消費税はこれまでも、日本経済に大打撃を与えてきたという。「’97年に3%から5%への増税の直後に消費が落ち込んだとき、財務省はアジア通貨危機が原因と主張しましたが、デフレになろうとしているときの増税が原因でした」デフレ下で増税すると、消費が落ち込み、企業の業績が悪化し、賃金はさらに減る。それがさらなる消費の落ち込みを招き、収入減、失業者の増加、年金不安など、深刻なデフレ不況を招くのだという。「私が副総裁に就任した’13年3月、アベノミクスが始動したころを振り返っても同じです。当時、日銀が大胆な金融緩和に舵を切り、株価が上がり、利益を得た人が消費するなど、景気は上向きつつありました。ところが、せっかくデフレ脱却のロケットが打ち上がったのに、まだ軌道に乗らない’14年に8%への増税を断行し大失速。家計の消費が一気に冷え込み、デフレ脱却が遠のいたのです」その後、’16年後半から世界経済が好調で、輸出企業が収益をあげることで、なんとか持ちこたえることができた。「こうした“他力”もあり、現在、ようやく’13年の増税前までに消費が回復しようとしています。そんななか、増税を行えば、また同じ過ちを犯してしまいます」消費税は、収入に対する消費の割合が大きい低所得者ほど、苦しむ仕組みだ。特に、日本は“消費税に弱い国”だという。「年金受給者は4,000万人以上います。1人当たりの年金支給額の平均は’18年度で約136万円。1カ月11万円ほどなんです。また、1カ月の平均賃金が24万円ほどの非正規労働者も、2,010万人もいます。年金生活者でも裕福な家庭や貯蓄がある家庭もありますが、日本人の半数近くが“消費税弱者”であるといえます。だからこそ、増税はせずに、物価上昇率2%を目標に金融緩和を続け、経済成長を促し、消費を拡大させるべきなのです」菅義偉官房長官は、「リーマン・ショック級の金融危機がない限り増税する」と明言しているが。「消費増税そのものがリーマン・ショック級の危機になりえる。かつて、安倍晋三首相は『デフレ脱却なくして、増税はしない』と話しましたが、今こそ初心に立ち返ってほしいです」
2019年05月16日ついに今年、消費税が10%に増税されます。しかし、私たち消費者にとってさらに厳しいニュースが。それは、様々な商品の値上げ発表。そこで今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに“春以降値上がりするもの”とその対策についてご紹介いただきます。文・山田良政一部の食料品はおおむね20円の値上げも食料品で見てみると、大手メーカーの即席めん・アイス・ポテトチップスなどは、おおむね20円の値上げが予想されています。大体どのメーカーも20円くらいからの値上げになるとのことですが、この値上げ金額はあくまでも希望小売価格ベースでの値上げ。販売店での値上がりは必須でしょう。値上げ幅が小さく、まとめ買いでお得になることも多いディスカウントショップで買い物をするのがオススメ。しかし、お得なディスカウントショップでは、つい、必要ない商品まで買ってしまうことも多いので要注意。本当に必要なものだけを買うようにしましょう。1.2リットル以上のペットボトルは20円以上の値上げに飲料で見てみると、1.2リットル以上のペットボトルが一律20円値上がりするようです。腐りにくく賞味期限も長いペットボトル飲料などは、持ち運びの手間がかからないAmazonや楽天などでまとめ買いをしておくのが良いでしょう。部屋の空きスペース次第では、箱単位で買うのも良いでしょう。また、今回は500mlペットボトル飲料の値上げは据え置きのようですが、いずれはこちらも値上がり対象になるでしょう。外食産業も場合によっては値上げが考えられる外食産業の値上げも、これから続々と発表される予想です。有名どころでいうと、「スターバックス」や「カレーハウスCoCo壱番屋」、そして「びっくりドンキー」などが値上げを発表しています。地域によって値上げの幅は異なるものの、ココイチは20円台、びっくりドンキーは20~240円ほどの値上げになるのだとか。各チェーンで実施している割引キャンペーンを利用したり、ニュースアプリのクーポンページを活用したりすることで、少しでもお得に食事できるよう工夫しましょう。密かに量を減らす「ステルス値上げ」に注意!上でご紹介したように、各メーカーや飲食チェーンが値上げを発表していますが、もちろん商品の価格を据え置く会社もあります。でも、少し注意が必要です。価格はそのままでも、内容量を減らして実質値上げをする、いわゆる“ステルス値上げ”を行っている可能性もあるのです。なにか購入する際は、きちんと内容量も確認するようにしましょう。そうしないと、知らず知らずのうちに損していることも……。食料品以外にも値上げの波が…値上がりするのは食料品だけではありません。身近なところでは、某大手映画館の一般入場料が、6月1日から1,800円から1,900円に値上げすることが決定しました。一般入場料の値上げは1993年以来26年ぶりなのだとか。ただ、映画館はレディースデーやレイトショーなどの割引イベントも充実しています。それらを賢く利用して、お得に映画を楽しみましょう。以上、この春以降値上がりするものと、その対策をご紹介しました。これからも身近な商品の値上げは行われていくと思います。少しでも、お得に買い物ができるよう、常にアンテナを張っておきましょう。© ESB Professional /shutterstock© Pressmaster /shutterstock© Sorbis /shutterstock© wavebreakmedia /shutterstock© Jacob Lund /shutterstock
2019年05月11日消費税増税によってマンションを購入する際の負担はどう変化するのか。消費税増税に伴う住宅ローン控除拡充の内容や控除額の変化などを踏まえながら、マンションを購入するタイミングについて考えていきます。消費税増税によるマンション購入への影響2019年10月に迫った消費税の10%への引き上げは、予定通り実施されればマンションの購入にも影響します。マンション購入価格の上昇消費税増税はマンション購入価格の上昇に直結します。ただし、消費税がかかるのは「建物」部分のみ。「土地」(マンション敷地)や個人が売主となる「中古マンション」にはもともと消費税がかからないため、増税による影響はありません(中古マンションであっても、不動産業者(課税事業者)が売主となるケースでは建物部分に消費税がかかります)。消費税増税により「建物」部分の購入価格が上昇する4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)の新築マンション購入する場合では、消費税の負担は40万円(=建物価格2,000万円×増税分2%)増えます(税率8%適用時:160万円→税率10%適用時:200万円)。仲介手数料の増加中古マンションは一般的に不動産業者を介して売買され、不動産業者に支払う手数料(仲介手数料)が発生します。この仲介手数料は消費税の課税対象であり、消費税増税による影響を受けます。消費税増税により仲介手数料が増える不動産業者へ支払う仲介手数料は宅地建物取引業法で上限(*1)が定められており、売買価格が400万円を超える場合の上限額は「(売買価格×3%+6万円)+消費税」で計算されます。(*1)仲介手数料上限額たとえば売買価格3000万円の中古マンションを購入する場合の仲介手数料上限額は、以下のように変化します。上記の金額は仲介手数料の上限額であり、物件や不動産業者によっても違います。特に不動産業者が売主・買主双方から手数料を受け取れるような場合、交渉によって仲介手数料を下げられる可能性があります。買い手側から交渉しなければそのままということも多く、まずは交渉してみましょう。下がらなかったとしても損はしません。消費税10%が適用されるタイミング消費税は原則として引渡時点の税率が適用されます。今回の増税では2019年9月30日までに引渡しが済めば8%、引渡しが2019年10月1日(増税日)以降となれば10%の税率が適用されます。引渡日2019年9月30日以前:消費税率8%引渡日2019年10月1日以降:消費税率10%消費税増税に伴う住宅ローン控除の拡充2019年の税制改正大綱において住宅ローン控除を拡充する特例が設けられました。この特例は消費税増税に伴う負担の増加と住宅需要減少への対策を目的としたもので、個人が消費税率10%で住宅を購入した場合に適用されます。現行の住宅ローン控除制度の概要住宅ローン控除制度(住宅借入金等特別控除制度)は、住宅ローンを利用して住宅を取得する人の金利負担軽減を図る制度。その内容は、年末時点の住宅ローン残高または住宅の取得対価のいずれか少ないほうの金額の1%を、最長10年間に渡り所得税から控除するというものです(所得税から控除しきれない場合には、翌年度の住民税の一部からも控除できる)。住宅ローン控除の(年間)最大控除額=年末時点住宅ローン残高等×1%住宅ローン控除限度額(2014年4月〜2021年12月居住開始)(*2)売主が個人で消費税が非課税となる場合(*3)前年度所得税課税所得金額の7%まで(上限13.65万円)(*4)前年度所得税課税所得金額の5%まで(上限9.75万円)住宅ローン控除拡充の概要2019年の税制改正では特例によって、消費税率10%が適用される住宅を取得し、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合に限り、控除期間が3年間延長されることになりました。消費税率10%が適用される住宅を取得・2019年10月1日から2020年12月31日までに入居→控除期間が3年間延長控除額は1年目〜10年目については現行どおり、11年目〜13年目については以下のいずれか少ないほうの金額となります。【11年目〜13年目の住宅ローン控除(年間)最大控除額】(1)または(2)のいずれか少ないほうの金額(1)年末時点の住宅ローン残高等(*5)×1%(2)住宅の取得価格から含まれる消費税相当額を差し引いた金額(*5)×2%÷3(*5)一般住宅:上限4,000万円/長期優良住宅等:上限5,000万円住宅ローン控除拡充による控除額への影響住宅ローン控除拡充によって控除額はどう変わるのか。以下のような条件でシミュレーションしてみます。シミュレーション条件家族構成:夫(会社員)・妻(専業主婦)・子(8歳・12歳)収入:夫の給与所得600万円(課税所得265万円)*シュミレーション期間中一定で推移すると仮定所得税額(復興特別所得税含む):17.1万円住宅価格:4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)+消費税200万円(諸経費含まず)住宅ローン:借入金額3,200万円/元利金等返済/返済期間30年・ボーナス返済なし/全期間固定金利1.5%住宅ローン残高推移(万円)住宅ローン控除は、(A)所得税と控除対象となる住民税から、(B)40万円(=4,000万円×1%・一般住宅の場合)を上限として、(C)住宅ローンの年末残高×1%と(D)住宅取得価格×2%÷3(11年目〜13年目)のいずれか少ないほうの金額が控除する仕組み。つまり、以下の表の(A)〜(D)のうち最も小さい金額(赤字で示したもの)がその年の実際の控除額となります。実際の控除額(万円)このケースでは10年間の控除額の合計は約271万円、13年間の控除額の合計は約333万円となり、控除の拡充によって控除額は約62万円増えます。すまい給付金の拡充住宅ローン控除は所得税・住民税から控除する仕組みのため、収入が低い(課税額の少ない)人は控除される税金が少なくなり、負担軽減効果が薄いという欠点があります。これを補完する仕組みとして設けられたのが「すまい給付金」制度であり、今回の増税に伴ってすまい給付金の拡充も行われます。すまい給付金は売主が不動産業者等で消費税が課税される場合のみが対象で、個人が売主となる中古マンションの購入では給付を受けられません。(*6)夫婦(妻は収入なし)および中学生以下の子どもが2人のモデル世帯において、住宅取得する場合の夫の収入額の目安。実際には都道府県民税の所得割額(市町村発行の個人住民税課税証明書で確認できる)に基づいて決定されます。消費税増税により実質的な負担が減るケースも上記のシミュレーションの条件で4,000万円(消費税込4,200万円・諸経費含まず)の新築マンションを購入する場合、増税による消費税負担の増加分は40万円。一方で住宅ローン控除の拡充によって控除額が約62万円増え、新たに対象となるすまい給付金が30万円とあわせ、控除額は92万円増加します。消費税負担の増加分40万円を控除額の増加分92万円が上回り、このケースでは税率10%で購入することで実質的な負担が52万円減少します。マンション価格の動向人手不足や建築需要の増加によって建築費、人件費は高止まりしており、マンション価格は上昇が続いています。マンション価格の動向は、マンション購入のタイミングを判断する材料となります。マンション価格の推移不動産経済研究所による調査によると、2018年の新築マンションの全国平均価格は4,759万円(㎡単価71.3万円)となっており、1973年の調査開始以来の最高値を更新しました。特に価格上昇の大きい東京23区内では新築マンションの平均価格が7,142万円(2018年)と、平均的なサラリーマンではなかなか購入が難しい水準にあります。マンション価格は今後どうなるのかすでにマンション価格はピークにマンション価格は今後もしばらくは高止まりが続くと見込まれているものの、オリンピックが開催される2020年が近づき、すでにマンション価格はピークにあるとの見方もあります。マンションの売却が増えることも想定マンションの売却益は保有期間が5年を超えると長期譲渡所得(所得税+住民税/税率20%)に該当し、短期譲渡所得(同/税率39%)よりも有利な条件で売却できます。オリンピック開催が決定した2013年からすでに5年が経過し、値上がりを見込んで当時購入したマンションの売却が増えることも想定されます。家余りは長期的なマンション価格の下落要因また税制改正によってタワーマンションを利用した相続税の節税対策ができなくなったことで、投資・節税目的の需要減少によるマンション価格の下落につながる可能性もあります。さらに人口減少に伴って空き家は急増しており、家余りは長期的なマンション価格の下落要因となります。好立地の新築マンションについては今後も価格の高止まりが続くと予想一方で建築費や人件費の高騰でマンションの利益率は低下しており、ディベロッパーは新築マンションの供給数を減らし、利益率の高い好立地の高価格帯マンションの比率を高めています。そのため好立地の新築マンションについては今後も価格の高止まりが続くのではないかと予想されます。結論資産性の高い好立地のマンションであれば、待っていてもあまり値下がりは期待できず、その間の家賃負担などを考えると、早めに購入したほうがいいかもしれません。一方で郊外型のマンションなどは今後値下がりも予想され、不動産価格が落ち着くまで様子を見るのもひとつの選択肢といえます。どのタイミングでマンションを購入すればいいのか新築マンションを購入する場合、住宅ローン控除特例によって消費税10%が適用されるほうが有利となるケースもあります。入居時期を調整できる場合には、税率8%と10%のどちらで購入すれば実質的な負担が減るか、借入金額や収入などをもとに試算して、有利なタイミングを選びたいところ。ただし焦って購入するのは禁物です。マイホームを持つことはリスクも伴い、無計画な住宅購入によってせっかくのマイホームが人生の重荷になってしまうこともあります。ライフプランや返済計画をしっかりと立て、迷いのなくなったタイミングで購入すべきでしょう。
2019年05月09日親が亡くなったときなどに、財産を相続するケースは多いでしょう。財産を相続できるだけならよいですが、相続税の負担は心配なはずです。相続税がどれくらいになるのかを計算するため、相続税の税率を知りたいという人も多いと思います。今回は、相続税の税率や計算方法について説明しますので、参考にしてください。相続税の税率とは?まず、大前提として知っておいていただきたいのは、相続税は、所得税のように所得の額に税率をかけて計算するものではないということです。相続税の税率を知っても、相続税は計算できません。相続税にも税率と呼ばれているものはありますが、相続税の税率は計算の過程で使うものです。相続税の計算方法は、やや複雑です。以下、相続税計算方法について説明しますので、大まかな流れを理解しておいてください。相続税の計算方法相続税は、次のような流れで計算します。手順1. 「課税価格の合計額」を出すまずは、「課税価格の合計額」を出します。「課税価格の合計額」とは、相続税のかかる財産の額を合計したものから、相続税のかからない非課税財産(仏壇・仏具など)及び被相続人の債務・葬式費用を差し引きしたものです。相続税のかかる財産とは、以下のものになります。ア本来の相続財産民法上の相続または遺贈により取得した財産です。イみなし相続財産生命保険金や死亡退職金になります。ただし、生命保険金も死亡退職金も、それぞれ「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。ウ相続開始前3年以内の生前贈与財産相続の際に財産を取得した人が、被相続人から相続開始前3年以内にも生前贈与を受けていた場合、その生前贈与財産も相続税の課税対象になります。エ相続時精算課税による生前贈与財産相続時精算課税を選択して生前贈与された財産は、相続税の課税対象になります。つまり、「課税価格の合計額」は次のようになります。課税価格の合計額=ア+イ+ウ+エ-(非課税財産+債務+葬式費用)手順2. 「課税遺産総額」を出す相続税には、手順1で算出した「課税価格の合計額」から必ず差し引きできる「基礎控除額」があります。相続税の「基礎控除額」は、次の計算式で計算します。基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数「課税遺産総額」とは、「課税価格の合計額」から基礎控除額を控除したものです。この「課税遺産総額」に対して相続税がかかることになります。「課税価格の合計額」が「基礎控除額」よりも少ない場合には、「課税遺産総額」はマイナスになりますから、相続税はかかりません。課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額手順3. 各相続人の「仮の相続税額」を出す手順2で算出した「課税遺産総額」を法定相続人が法定相続分で取得する形で仮に分けます。その上で、各相続人の取得額に対応する「仮の相続税額」を出します。各相続人の「仮の相続税額」は、財産の取得額に税率をかけて計算します(下記「相続税の税率表」参照)。手順4. 「相続税の総額」を出す手順3で計算した各相続人の仮の相続税額を合計し、「相続税の総額」を出します。手順5. 財産を取得した人の「実際の相続税額」を出す手順4で計算した「相続税の総額」を、実際に財産を取得した人(相続人及び受遺者)に取得額に応じて割り振る形で、「実際の相続税額」を出します。相続税の税率の意味相続税は、相続した財産額に税率をかけて出すものではありません。1つの相続が発生すると、財産をどう分けるかに関係なく、「相続税の総額」が決まります。「相続税の総額」を取得額に応じて按分することでそれぞれの人の実際の相続税額が決まります。相続税は「相続税の総額」を按分して出す相続税を出すときには、相続した財産額が基準になるのではなく、「相続税の総額」が基準になります。たとえば、親が亡くなったときに1,000万円を相続したとしても、それだけでは相続税額がいくらになるかはわかりません。相続税の金額を求めるには、その相続の「相続税の総額」を知る必要があります。自分が相続した財産額だけでなく、相続の全体像を知らなければ、相続税の額は出せないのです。税率は相続税の計算の過程で便宜上使うもの相続税の税率は、相続税算出の基礎になる「相続税の総額」を算出する過程で使います。「相続税の総額」は、各相続人の「仮の相続税額」を合計したものです。相続税の税率は、「仮の相続税額」を出すときに使います。なお、ここで税率を使って算出された「仮の相続税額」は、「実際の相続税額」とは異なります。相続税の税率表「仮の相続税額」を出すときに使う相続税の税率表(速算表)は、次のとおりです。なお、下記の表は平成27年1月1日以降の相続・遺贈に関して適用するものです。平成26年12月31日以前の相続・遺贈については別の表を使いますが、今回は省略します。「仮の相続税額」を出すときには、課税遺産総額を法定相続分に応じて分けたときの取得金額を上記の速算表にあてはめ、次の計算式で計算します。仮の相続税額=法定相続分に応じた取得金額×税率ー控除額相続税の税率表のどこにあてはめるかは、法定相続分に応じた取得金額によって決まります。ちなみに、現金や株など相続した財産の種類によって税率が変わることはありません。相続税の税率表は、計算の便宜のための速算表です。控除額というのも、あくまで計算のために使う金額なので、特に意味はありません。仮の相続税は子供でも税率は同じ「仮の相続税」を出すために、相続税の税率表にあてはめるときには、年齢は関係ありません。子供であっても、法定相続分に応じた取得金額のところにあてはめます。相続税の計算例上の手順2までで算出した課税遺産総額が9,000万円と仮定します。法定相続人が、被相続人の妻、長男、次男の計3名の場合、法定相続分は妻2分の1、長男及び次男は各4分の1ですから、法定相続分に応じた取得金額は次のようになります。妻:9,000万円×1/2=4,500万円長男:9,000万円×1/4=2,250万円次男:9,000万円×1/4=2,250万円この金額を上記の速算表にあてはめて、各相続人の「仮の相続税額」を出すと、次のようになります(手順3)。妻:4,500万円×20%-200万円=700万円長男:2,250万円×15%-50万円=287万5,000円次男:2,250万円×15%-50万円=287万5,000円仮の相続税額をもとに計算した「相続税の総額」は、次のとおりです(手順4)。700万円+287万5,000円+287万5,000円=1,275万円なお、実際にも法定相続分どおりに遺産分割した場合、1,275万円を法定相続分で分けることになりますから、各相続人の実際の相続税額は次のようになります(手順5)。妻:1,275万円×1/2=637万5,000円長男:1,275万円×1/4=318万7,500円次男:1,275万円×1/4=318万7,5000円※妻については配偶者の税額軽減が受けられるため、相続税の負担は0円となります。上の計算結果を見ればわかるとおり、「実際の相続税額」は、税率表を使って出した「仮の相続税額」とは異なります。相続税の税率表を使っても、実際の相続税の額を出せるわけではありませんので、注意しておきましょう。相続税の税率や計算方法まとめ相続税の金額は、相続した財産に税率をかけても出せません。相続税の金額を把握したい場合には、手順を踏んで計算する必要があります。相続税の計算は複雑ですから、よくわからない場合には税理士に相談しましょう。
2019年05月08日今年10月には消費税が10%に上がるとされており、すでに生活に身近な食品などの値上げが相次ぎ、家計を直撃している。2月からはレギュラーガソリンの全国平均価格が9週連続で上昇し続け、3月からはアイスクリームやサバ缶などの缶詰類、家庭用すり身製品、牛乳などの乳製品の値段が上がった。5月以降は大手メーカーの値上げラッシュが本格化する。■家計にかかわる主な価格・制度の変更【5月】<サントリー>1日出荷分から1.2リットル以上のペットボトル飲料が一律20円値上げ。<アマゾン>17日からアマゾンプライム年会費が3,900円から4,900円に値上げ。<カルビー>21日納品分からポテトチップスなどスナック菓子を順次値上げ。【6月】<TOHOシネマズ>一般の映画鑑賞料金を1,800円から1,900円に値上げ。<東洋水産>1日出荷分から「赤いきつね」など即席めん約200品目を13~30円値上げ。【7月】<カゴメ>1日出荷分からトマトジュース、野菜ジュースなどが5~10%値上げ。【10月】消費税が10%にアップ(見込み/軽減税率制度により、外食・酒類などを除く飲食料品は8%に据え置き)。中小の小売店でのキャッシュレス決済で最大5%ポイント還元。値段や消費税が上がる前に買うべきものを買っておかないと損してしまう!と駆け込み消費を考える人も少なくない。「あまり慌てずに、いったん冷静になって家計のことを考えてみましょう」そうアドバイスするのは、1万5,000人以上の家計を再生させてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さんだ。「消費税が上がっても、家賃や健康保険適応の医療費、保険料などには消費税はかかりません。消費税がかかる支出は光熱費や食費、日用品費など月の生活費の3分の2程度。たとえば、生活費が毎月30万円かかる家計であれば、約20万円分の支出に消費税がかかることになります。現在の8%で計算しますと、消費税は1万6,000円。10%になりますと2万円で差額は4,000円。負担増は4,000円と思えば、それほど苦しいと感じることはないと思います。焦ってストック買いするほうが家計のムダにつながります」(横山さん・以下同)むしろ今から増税前までに準備しておきたいのは、改元を機に家計の“お金の流れ”をきちんと見直して、みるみる貯まる“貯め体質”になること。「一度、支出のすべてを書き出してみましょう。支出は家賃や光熱費、通信費、保険料などの『固定費』と、食費や日用品費、衣服費や娯楽費などの『変動費』に分けられ、支出を書き出すことでふだんの買い物の浪費グセが見つかります。“ムダ支出”を見直すだけでも増税分はカバーでき、さらに貯蓄の分も捻出することもけっして無理ではありません。把握しているつもりの支出も改めて書き出してみると、“なんとなく”“ついつい”使っている支出に気づくもの。元号が変わるタイミングは、そうした“家計の常識”をガラッと見直すのにもよいチャンスです。家計のルールを改めて、貯め体質になりましょう」
2019年05月05日世論調査によると「消費税増税に伴う家計支出の見直し」を考えている人の節約項目で、最も多かったのは「食費」だった。だが“お金のプロ”は、「もっと削るべきところがある」と――。時事通信が実施した「生活のゆとりに関する調査」が3月に発表された。注目すべきは、家計を管理することが多い女性の65.5%が、消費税増税によって支出を見直す必要を感じていること。「家計を見直す場合、どのような支出に影響があるのか、幅広い層に調査(複数回答)しました。59.4%ともっとも多くの人が節約対象としたのは食費で、外食、旅行などの娯楽費(39.5%)、水道光熱費(37.6%)と続きました」(時事通信世論調査担当者)そして、生活に直結する「日用雑貨の購入費」「衣料品や宝飾品の購入費」などを対象にしている人も多かったことがわかった。「日々の家系相談を受ける中で感じるのは、せっかくガス、電気が自由化されたのに、多くの人が各社の料金プランやセット割を、比較検討していないことです」そう話すのは、「家計の見直し相談センター」相談員で、ファイナンシャルプランナーの藤川太さん(50)。「まずは過去1カ月、1年分の電気料金とガス料金をチェックしましょう。次に『エネチェンジ』や『価格.com』などの比較サイトを利用して他社の料金を確認。電気代が月1万円以上の家庭なら、他社に乗り換えることで15%程度は安くなるでしょう。私の場合、電気代が月3万円かかっていましたが、電力会社を変えたことで年間7万円近くも安くなりました。変更手続きもネットで簡単にできます」冒頭の世論調査では、31%が衣料品や宝飾品の支出を見直すと回答していたが、それも“購入先”を変えれば問題ない。「服でもバッグでも、今後は『メルカリ』などのフリマアプリを利用した“個人間売買”がトレンドになるでしょう。何より消費税がかからない!」生活必需品を返礼品にしている「ふるさと納税」も1つの選択肢となる。「1万円でお米15キロが届いたり、1万1,000円でティッシュ60箱が届いたりする自治体があります。返礼品が寄付額の3割以内となりましたが、まだまだ助かります」また、同じ格安スマホでも、藤川さんによれば、さらに“お得な選び方”があるという。「量販店で契約するといろいろオプション料金が気になることも……。私はネットでドコモからBIGLOBEに契約を変更、本体を替えずに格安SIMだけ入れ替えたのですが、通信料が1カ月8,000円から2,000円台になりました」これは消費税増税分2%以上の節約が期待できるかも。
2019年04月14日世論調査によると「消費税増税に伴う家計支出の見直し」を考えている人の節約項目で、最も多かったのは「食費」だった。だが“お金のプロ”は、「もっと削るべきところがある」と――。時事通信が実施した「生活のゆとりに関する調査」が3月に発表された。注目すべきは、家計を管理することが多い女性の65.5%が、消費税増税によって支出を見直す必要を感じていること。「家計を見直す場合、どのような支出に影響があるのか、幅広い層に調査(複数回答)しました。59.4%ともっとも多くの人が節約対象としたのは食費で、外食、旅行などの娯楽費(39.5%)、水道光熱費(37.6%)と続きました」(時事通信世論調査担当者)そして、生活に直結する「日用雑貨の購入費」「衣料品や宝飾品の購入費」などを対象にしている人も多かったことがわかった。「家計の支出は、毎月決まった額を支払う『固定費』と、娯楽費など変動する『変動費』に分かれますが、今回の消費税増税でそういった“楽しみ”を減らすのは反対です。節約はモチベーションがないとできません。しかも無理すれば必ず反動がくる。ましてや食費カットで体を壊したら元も子もない」1万5,000人以上の家計を再生させてきた家計再生コンサルタントの横山光昭さん(47)は、最初に、固定費を徹底的に見直すことを提案する。「そのうえでおすすめしたいのは、買い物の支払いを現金から、キャッシュレス決済に変更すること。それによって得られるポイント還元で増税分を相殺できます。これまで現金主義を通してきた人にはおっくうかもしれませんが、増税までの半年をキャッシュレスに慣れるための“準備期間”ととらえてみてはどうでしょうか」横山さんは、現在スマホ決済の「PayPay」「LINE Pay」のヘビーユーザーだ。「スマホ決済のアプリは『メルペイ』『楽ペイ』など20種類ほどがあります。なかでも『LINE Pay』は、リアルカードもあり、銀行口座やコンビニでチャージしておけば、JCB加盟店でも利用できる。還元率は0.5~2%と、使った額によって変わります」ただ、キャッシュレスは使いすぎにつながるとの懸念も。「だからこそ“練習”が必要。決して、最大◯%キャッシュバックといったうたい文句に踊らされぬよう、強い意志を持ってください」食費や日用品など項目を絞って使い始めてみてもよい。「いま小麦粉関連、乳製品など、次々に値上げが発表されていますが、食べ物は最後の砦。安心・安全をキープしてください。楽しみを捨てるつらさか、新しいものに挑戦する煩わしさか――家計を救うためにじっくり検討を。
2019年04月14日世論調査によると「消費税増税に伴う家計支出の見直し」を考えている人の節約項目で、最も多かったのは「食費」だった。だが“お金のプロ”は、「もっと削るべきところがある」と――。時事通信が実施した「生活のゆとりに関する調査」が3月に発表された。注目すべきは、家計を管理することが多い女性の65.5%が、消費税増税によって支出を見直す必要を感じていること。「家計を見直す場合、どのような支出に影響があるのか、幅広い層に調査(複数回答)しました。59.4%ともっとも多くの人が節約対象としたのは食費で、外食、旅行などの娯楽費(39.5%)、水道光熱費(37.6%)と続きました」(時事通信世論調査担当者)そして、生活に直結する「日用雑貨の購入費」「衣料品や宝飾品の購入費」などを対象にしている人も多かったことがわかった。「日銀が目標とする『物価上昇率2%』を達成しないうちに消費税増税すると、景気の後退を招くため、増税はすべきではありません」この前提で節約術を解説するのは、経済評論家の山崎元さん(60)。「毎月30万円の家計支出がある家庭では、2%の消費税増税によって、月に6,000円の節約をする必要が生じます」節約で大切なのは「(1)確実である、(2)ストレスが小さい、(3)悪影響が出ない――」こと。この3条件を満たすのが生命保険の見直しだという。まずは年間の保険料を割り出すことから。「40代、50代の夫婦は、とにかく保険に“入りすぎ”。公的な健康保険に加入していれば、医療費の出費も3割負担、1割負担などになります。仮に入院・手術があっても、高額療養費制度で一定額以上の医療費の支払いは必要ありません。つまり、がん保険、医療保険は不要だと私は考えます」月の掛け金が高い、年金型保険に苦しむ人も多いはずだ。「低金利時代のため、年金型はリターンが少ない。人気の『外貨建て保険』なども含め、解約して別の貯め方をおすすめします。たとえば10年満期の変動金利型の個人国債です。これなら元本割れの心配がありません」保険は、最小限の範囲・最短期間・最安値に収めるのが鉄則だ。「生命保険なら、特約はつけず、働き手の死亡保障のみで、子どもが成人するまでの期間、掛け金の安いネット生保や共済に」保険を解約することに抵抗があるなら“払い済み”も検討を。「新たな保険料の支払いをストップする代わりに、すでに支払った保険料で保障内容を縮小するという方法があります。これも保険の整理になるでしょう」解約や契約内容を変更する際は、自分で判断し、決断すること。「保険会社の外交員などに相談してはいけません。彼らの収入に直結するため「もっと安くなるプランがある」と、新たな費用がかかる保険の転換など、言葉巧みに引き留められることがあるからです」保険の整理さえできれば、家族の“楽しい思い出”となるはずの旅行も我慢しなくてよい。「ただし、これをいい機会だと思って、将来の“わが家の暮らし”をきちんと数字で考える癖をつけましょう。厚生年金加入のサラリーマン家庭なら、手取り収入の2割を貯蓄する生活設計ができれば、老後の準備はOKと言えます」
2019年04月13日世論調査によると「消費税増税に伴う家計支出の見直し」を考えている人の節約項目で、最も多かったのは「食費」だった。だが“お金のプロ”は、「もっと削るべきところがある」と――。時事通信が実施した「生活のゆとりに関する調査」が3月に発表された。注目すべきは、家計を管理することが多い女性の65.5%が、消費税増税によって支出を見直す必要を感じていること。「家計を見直す場合、どのような支出に影響があるのか、幅広い層に調査(複数回答)しました。59.4%ともっとも多くの人が節約対象としたのは食費で、外食、旅行などの娯楽費(39.5%)、水道光熱費(37.6%)と続きました」(時事通信世論調査担当者)そして、生活に直結する「日用雑貨の購入費」「衣料品や宝飾品の購入費」などを対象にしている人も多かったことがわかった。だが、経済アナリストの森永卓郎さん(61)は「食費カット」に反対する。日々の食費を削ると精神的なストレスも大きい。積もり積もったその抑圧は、いつしか限界を超えて“衝動買い”に走る可能性も……。「まず固定費の削減が王道。通信費も、大手通信会社から格安スマホに切り替えるだけで3分の1の出費に抑えられます。ボク自身、格安スマホに替えて月の利用が1,250円に。しかも、通信状況など不便に感じることはありません」さらに森永さんが提唱するのは、都心から20~30キロ離れた、都会と田舎の中間地点“トカイナカ”への転居だ。「都心と同じ間取りでも、家賃が半額など、劇的に安くなります。さらに、食材も、3分の1くらいで買えるものも多いので、無理して食費を落とす必要もないのです。引越し作業は一度で済むのですから、検討すべきだと思います」また、10月増税前にと、慌てて大きな買い物をする必要もないという。「いま3カ月連続で景気動向指数が悪化しています。現段階で消費税増税の確率は30%ほど。6月には発表されると思いますので、準備をしておいて、7月から行動を起こすのがよいでしょう。ただ『令和』の幕開けとともに訪れるGW10連休の気の緩みにはご注意を。派手に使いすぎないようにしてください」森永さんのアドバイスを参考に、あなたがストレスをためないような節約方法を探してみよう。
2019年04月13日新生活スタートや、消費税アップに向けて、家電の購入をお考えの方も多いのではないでしょうか。物の出入りに伴ってついてくるのが、「取り扱い説明書」や「保証書」。とりあえず突っ込んだままカオスになって、もう家にはない家電の取説が溜まっていたり、必要な保証書が見つからなくなったりしていませんか?使用頻度があまり高くないので後回しにしがちですが、家の収納の中でも案外ストレス値高めな場所ではないでしょうか。我が家もこれまで試行錯誤、紆余曲折してきましたが、この仕組みに整えてからというもの、乱れ知らずでとてもスマートに管理できるようになりましたので、今回はその仕組みについてご紹介しますね。■ 苦しめていたのは「カテゴリー分け」のやり方だったnara / PIXTA(ピクスタ)以前は、「生活家電」「キッチン家電」「家具」「こども」・・・・・・といった感じでカテゴリーごとにファイルボックスに収めていました。必要な取扱説明書を出す時には、そのファイルボックスだけを探せばいいのですから、簡単なはずでした。ところが、うまくいかない。だんだんと混在するようになり、探す時にはわけがわからない。「この取説ある?」と家族に聞かれるだけでイライラする。家電を新しく買って、箱を開けて、使い方を読んで、使ってみて……、そこまではどんなにワクワクしていても、取説をしまう段階で、なんだか気分が良くない。どうしてだろう?それは、カテゴリーに分けるという行為が、案外脳にとって面倒な作業だから。例えば、子ども部屋の小型ヒーター。これは「子ども」に入れる?「生活家電」に入れる?例えば、めがね。子どものものは「子ども」へ。あれ?大人のはどこに入れる?よく考えて、きちんと分けていけばいいのかもしれないけれど、だんだんと面倒になってきて、ポイっと放り込んだら最後、もうどこに入れたかわからなくなる。洗濯機を買い替えても、新しい取説を突っ込んだところで終わってしまい、処分した洗濯機の取説はファイルボックスに放置されたまま、いつしか大量の取説を抱えることになっていました。というわけで、「カテゴリーにわける」という思い込みを手放し、代わりに取り入れたのは「ナンバリング」という形でした。■ 探しやすく、処分しやすい!取説管理に必要なのはそれだけ!まずは、手元にある取説をすべて出します次に分けていきますが、ここでつい「家電」とか「アウトドア」とかカテゴリーで分けたくなりがちです。でも欲張らないこと。ハードルは低くして、シンプルに「残す」「処分する」で分けていきます。今度は、残すことになった取説のおおよその数で、先にクリアファイルに番号を付けておきます。テプラでも、マステでも、シールでも。今後、取説を出す時に見やすい場所を意識して番号を付けるといいですね。その次は、残すものを1つずつクリアファイルに挟みます。なくしたくない付属品も一緒にファイルに挟んでおくとわかりやすいです。挟みながら、1「ミシン」、2「時計」、とメモをとっていきます。このままでもいいですが、メモをもとに頑張ってパソコンで一覧表を作っておくと更新が楽かなと思います。最後は、クリアファイルをファイルボックスに収めます。ファイルボックスには、入っているファイルの番号を記しておきましょう。わかりやすい場所に一覧リストにしておけば完了です。プリンターの取説を探したいときには、一覧リストを見て、その番号のファイルボックスから取り出すだけ。新しく冷蔵庫を購入したら、一覧リストを見て、該当ファイルの中身を差し替えるだけ。■ ネット時代、そもそも取説はいらないかもしれない今や、家電の不具合などもネットで検索すれば取説を見ることもできますし、オンラインで簡単に問い合わせできることも多くなりました。Ushico / PIXTA(ピクスタ)そもそも家庭ですべての取説を保管しておく時代ではないのかもしれません。思い切って手放すというのも選択肢の一つだと思います。我が家では、これは手放してもいい?残しておいたほうがいい?という判断そのものが面倒なので、今のところは残すことにしていますが、それぞれのご家庭に「ちょうどいいスタイル」を選んでみてくださいね。
2019年04月12日今年10月1日から消費税が増税されますが、それに伴い「消費税の経過措置」が設けられていることをご存知ですか?今回は、知っているとちょっとトクする「消費税の経過措置」についてお話しします。■ 経過措置ってなに?そもそも消費税とは、商品を購入したり、料金を支払ってサービスを受けるなどの場合にかかるものです。普段の生活で常にかかってくる身近な税金なので、昨日まで8%だった消費税が今日から10%に変更されると、取引が混乱する可能性があります。Graphs / PIXTA(ピクスタ)商品を購入する場合やサービスを受ける場合、その商品やサービスを「実際に受ける時期」と「お金を払う時期」がズレる場合があり、このズレが、消費税率が変わったときに税処理上の不都合を招く恐れがあるのです。2019年の10月1日以降に商品を受け取ったりサービスを受けたりする場合の消費税は10%ですが、その代金・料金の支払いや契約を、一定の期日までに行っていた場合に税率が「8%のまま」でいいとする法的措置、これが「消費税の経過措置」です。■ 暮らしに大きく関係する経過措置3つ今回、設けられる経過措置は10種類以上ありますが、ここでは私たちの生活に深く関係する3種類の経過措置とその内容について見てみましょう。1.旅客運賃等今年の10月1日以後に行う旅客運送の対価や映画・演劇を催す場所、競馬場、競輪場、美術館、遊園地等への入場料金等のうち、2014年4月1日から今年9月30日までの間に領収しているものに経過措置が適用されます。例えば、電車などの乗車券・回数券・定期券や、映画や演劇などのチケット・入場券、航空券・乗船券などは、もし10月1日以降に利用が決まっている場合、早めに購入しその代金を支払っておくとちょっとだけお得になります。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)ただし、一見経過措置が適用されるように思えても、適用されないものがありますのでご注意ください。例えば、「ディナーショー」には経過措置が適用されますが、クルーザーで遊覧航行しながら飲食を提供する「ディナークルーズ」の料金には経過措置が適用されません。これは、ディナーショーは「ショー」がメインであると捉え、ディナークルーズは「食事」がメインであると捉えられているためです。2.請負工事等経過措置の対象となる請負契約については、2013年10月1日から今年3月31日までの間に契約を締結すると、建築や工事・製品などの引渡しが10月1日を越えても旧税率が適用されます。この請負契約で代表的なものが「建築請負工事」です。例えば、請負金額が2,500万円であれば、新旧税率による差額は50万円にも上りますので、この経過措置によるおトク感は大きいといえるでしょう。ただし、建築工事代金などについては同じ経過措置でも「旅客運賃等」とは違い、とても高額となりますので、あせらず自分に合ったタイミングで契約に臨みましょう。makaron* / PIXTA(ピクスタ)ちなみに、不動産売買にかかる仲介手数料に経過措置は適用されますが、「不動産の売買」には経過措置が適用されませんのでご注意ください。3.資産の貸付私たちの生活に大きく関係する「資産の貸付」とは、「事業用建物の賃料、月極駐車場料金、自営の場合に借りている店舗・事務所などの賃料」等です。「住居」の家賃にはそもそも消費税が課税されませんので、住まいの家賃は消費税率が増減しても影響がありません。ただし、事業用の建物や月極駐車場等には消費税が課税されます。freeangle / PIXTA(ピクスタ)その場合、一定の要件に該当すれば経過措置の適用があるのですが、そのハードルはちょっと高めです。まずは、この経過措置が適用になる要件を見てみましょう。2013年10月1日から2019年4月1日の前日までの間に契約を締結し、2019年10月1日以降も引き続き貸し付けを行うこと。貸付期間及びその期間中の対価(賃料)の額が定められていること。当該対価(賃料)の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。このなかでハードルが高い要件は「当該対価(賃料)の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと」の部分です。なぜなら、ほとんどの賃貸借契約書には「土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったとき、当事者は契約期間中であっても賃料の増減額請求をすることができる」という旨の条項が盛り込まれているためです。この条項が盛り込まれる理由は「借地借家法32条」によって、「建物賃料の増減額請求権」が定められているからです。現在、事業用建物や駐車場を借りていて、その賃料に消費税が課税されている人は、賃貸契約書に上記の条項が盛り込まれているかチェックしてみてください。Graphs / PIXTA(ピクスタ)今回ご紹介した以外にも様々な経過措置があります。いろいろな経過措置を知って、ちょっとだけおトクに「節税」してみてはいかがでしょうか?【参考】※国税庁「消費税率等に関する経過措置」
2019年04月03日ダイエットの基本は、摂取カロリーよりも消費カロリーを多くすること。食事だけで減量するよりも、運動を取り入れて筋肉を増やすことで消費カロリーを増やしたいという方も多いのでは。今回は、定番エクササイズの消費エネルギーと継続するコツについてご紹介します。運動による消費カロリーの目標を決めよう運動をしよう!と思った時に、どんなエクササイズにとりかかりますか?エクササイズをどのくらいしたらよいのかを知っておくと、目標が立てやすくなります。それにはまず1日あたりで運動による消費カロリーがどのくらい必要なのかを把握しましょう。1ヶ月に2kg痩せるとした場合、1kgの脂肪=約7000kcalとすると、約14000kcalを消費する必要があります。これを1日あたりで何カロリー消費しなくてはならないかというと、14000kcal÷30日=約467kcal/日となります。これをすべて運動で消費しようとするのではなく、食事と運動の両方で、「摂取カロリーを抑える」「運動で消費カロリーを増やす」と考えていくのが継続するコツです。たとえば「食事と運動をバランスよく」するのであれば、食事:運動=7:3とし、●食事の摂取カロリー ・・・約327kcal減らす●運動での消費カロリー・・・約140kcal増やす合計 約467kcalということになります。では次に、1日あたり140kcalを運動で消費するにはどんなエクササイズを何分すればよいのかを見てみましょう。定番エクササイズの消費エネルギー※メッツ:運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの※エネルギー消費量(kcal) ≒ 1.05 × エクササイズ(メッツ・時)× 体重(kg)【エクササイズの例】(体重60kgの場合)エアロバイク 5.5メッツ 30分=約173kcalジョギング 7.0メッツ 15分=約110kcalウォーキング(通勤・通学) 4.0メッツ 30分=約126kcalスクワット 5.0メッツ 10分=約 54kcal腹筋(程良い労力) 3.8メッツ 10分=約 38kcalステアートレッドミル 9.0メッツ 10分=約 95kcalパワーヨガ 4.0メッツ 30分=約126kcalプランク 8.0メッツ 10分=約 73kcalストレッチ 2.3メッツ 10分=約 24kcalこの方の場合、たとえば、往復の通勤・通学に60分かかるとした場合、それに腹筋を10分足せば、一日分の運動での消費カロリーの目標を達成できることになります(体重60kgの場合)。効率よく痩せるには効率よく痩せるには、脂肪燃焼率の高い運動を継続して行うことがポイントです。きつい高強度の運動だけではなく、無理なく続けられる運動をほどほどの時間行うことを目指しましょう。脂肪を燃焼させる有酸素運動と、筋肉を刺激し増やす無酸素運動を組み合わせ継続することが大切です。それぞれの運動の継続のコツとは■バスタイムストレッチお風呂でゆっくりお湯につかることでカラダが温まり、筋も伸ばしやすくなっているので、ストレッチの効果もアップします。さらに血行が促進され、運動の効果が出やすいので一石二鳥。湯船の中で上半身をひねる運動や、足首を回したり、お風呂上がりに座って前屈や開脚、股関節のストレッチなど全身を伸ばしてみましょう。■筋トレ腹筋やスクワットはご自宅でも簡単にできる運動です。はじめは短い時間から始め、徐々に長くしていくと無理なく続けやすいですよ。■階段の上り下り3.5メッツの強度がある活動です。ゆっくりでも良いですので、ご自宅の階段などでチャレンジしてみましょう。■その場で足踏みテレビを観るときなど、その場で足踏みをするだけでカロリーを消費できます。じっと座っているより効率的ですよ。この他、家事をキビキビと行うことも、消費カロリーを増やすコツです。外出できない時は、運動もかねて掃除や片付けをして、お家の中をキレイにしてしまうのもいいですね。 実際にご自分の日常生活を振り返ってみて、1日の中でカラダを動かしている時間を計算すると、意外と運動のチャンスがあることがわかります。より健康的なカラダに近づけるため、食事の摂取カロリーだけでなく、運動をして消費カロリーを増やすことも意識し、実践してみてはいかがでしょうか。 【参考・参照】厚生労働省e-ヘルスネット身体活動・運動〈〉 (最終閲覧日:2018/4/1)国立健康・栄養研究所「改訂版身体活動のメッツ(METs)表」〈〉(最終閲覧日:2018/4/1) 【執筆者】多田綾子/栄養士化粧品ブランドに14年間勤務後、からだの内側からも美容や健康をサポートしたいという思いから栄養士の資格を取得。現在はあすけん栄養士としてコラム執筆やオンライン栄養カウンセリングを担当。
2019年03月03日政府が今年の消費税増税にともない積極的に対策を打っている、キャッシュレス化。クレジットカードなど、支払いをキャッシュレスにすることでポイントが2~5%還元されるという政策も進んでいるようですが、国民である私たちの実感としては、どうでしょうか。私自身は、まだまだ現金志向なのですが友人たちはキャッシュレス化に割と意欲的で最近その動向が気になるもの……。そこで今回は、キャッシュレス化をいち早く取り入れた友人・知人のリアルな本音をご紹介します。イラスト・角侑子Apple Payは便利だけど…...「会社の同僚がApple Payにしてから『交通機関でいちいち現金をチャージする必要がなくなって快適だ!』と、感動しながらすすめてきたので私も切り替えました。これは本当に便利! 改札でチャージがなくて後に人がつっかえるという迷惑もないし、電車の乗り遅れもなくなりました。ですが、ちょうどこの間、焦る出来事があって……。帰宅中に携帯の充電が切れちゃったんですよね。つい電池残量が心もとない状態で家を出てしまって。携帯が完全に電源オフになると、当然ですが改札は通れません。しかも今回を機に財布の中身もほとんどキャッシュレス化させたので、その日も現金は一切持っていませんでした。あいにく駅にATMもない。恥ずかしながら駅員さんに事態を報告して、後日精算にしてもらいました。Apple Payに切り替えるなら、モバイルチャージャーや予備の現金だけでも所持しておくと良いですよ」(28歳・広告代理店勤務 )カードを持ちすぎて、いくら使ったかわからない「流行りに乗った感覚でキャッシュレス化を始めてみました。最初は手もとに現金がないことが不安だったのですが、カード一枚でレジの会計がかなりスムーズになるので、慣れると本当に便利ですね。しかもカードによって特典やポイントの還元に違いがあるので、よく利用するお店に合わせてカードを作っています。銀行のクレジットカードに、イオンやセブン系列のカードにdカード。結果的に現金で払うよりもお得に買い物ができているはずなのですが、困ったことにどのカードでいくら使ったかを把握できなくなってしまいました。明細を確認して残高が想像以上に減っていたことに愕然としたこともあり、カードを利用するにあたって計画的に収入と支出のバランスをチェックする必要があると実感した次第です。今は、家計簿アプリを利用して使いすぎていないかをチェックしていますが、そうした細かい作業が苦手な方は現金のほうが性に合っているかもしれませんね」(32歳・医療事務)旅行や地方出張で、いざという時に困った!「日本の政策そのものがキャッシュレス化を進めているのもあって、キャッシュレス化はなんとなく当たり前なんだという認識がありました。でも、当然っちゃ当然ですが、お店側がキャッシュレスに対応していないと意味がないんですよね。普段は都内で生活しているのでカード払いや電子マネーが使えない事態はそこまでないのですが、小さな個人経営の店に行ったり、出張で地方に行った際に交通機関で使えなかったりすることもあります。都内であってもキャッシュレス対応を導入したばかりのお店だと、店員さんがやり方に戸惑って逆に現金払いより時間がかかってしまうことも……。スムーズなレジ会計に魅力を感じたのに逆に時間がかかってさらにストレスが増すという残念なシチュエーションも少なくありません」(34歳・営業)自分に合った使いわけが必要!キャッシュレス化が進んでいるとはいえ完全に現金を使わない生活というのは、現段階では生活しづらい一面もやっぱりある模様。確かに地震などの災害に遭った場合、いざという時の現金は手もとにおいておきたいものだし、友人との食事で割り勘する時は、後日支払うよりその場で現金による明朗会計のほうが何となくスッキリします。今回の意見を受けて私個人としては、食材・日用品などの生活必需品はキャッシュレス化させておきつつ、交際費は面倒でもなるべく現金を使うようにするほうが私のライフスタイルに合っていそうだと実感しました。人によってお金の使い方もまた個人差があると思うので、ぜひみなさんもキャッシュレス化を視野に入れつつお金の付き合い方について見直してみてはいかがでしょうか?
2019年02月16日消費税は、所得に応じて高くなる“累進課税”ではなく、すべての人に同じ税率が適用される税金です。そのため、増税で生活が苦しくなりそう……と感じている人も少なくないでしょう。でも、そんな状況でも得することはできるはず。そこで今回は、“消費税増税後に買った方が得かもしれないもの”について、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■デジタル家電は増税後に得する可能性が耐久消費財のなかでも、比較的安価な家電製品は、増税前にいろいろと買いたくなってしまうもの。しかし、特にテレビやレコーダーなどのデジタル(クロモノ)家電は、そもそも新商品が登場するまでのサイクルが短く、増税後でも型落ち製品の値下がりが期待できるので、急いで購入する必要はありません。次のシーズンの新製品が発売されるまで待てば、ワンシーズン前の型落ち品を非常に安く手に入れることが可能になるので、増税分の差額を差し引いても得することができるはずです。■増税前に売れなかった不動産は狙い目かも!?不動産、特に中古でない新しい物件は消費税の対象になりますので、増税前に買うのが基本です。増税後は不動産が売れなくなり、不良在庫が増えることが予想されるため、不動産販売業者も「増税前に買った方が得ですよ」と言うでしょう。しかし、増税後は必ずと言っていいほど消費が停滞し、恐らく今回も同様でしょう。それに伴って、不動産は増税した金額以上に値下がりする場合もあるので、増税前に焦って買うのは考えもの。さらに、政府が増税後の景気対策で住宅減税のような施策をとる可能性もあります。そのタイミングを狙って、増税前に売れなかった不動産を買えば、意外とお得に買い物できるかもしれません。■車は増税前に買うのがセオリーだが、エコカーは増税後購入で得する場合も車はただでさえ高価なもの。簡単には買えませんよね。さらに、増税のあおりを受けて、購入・維持の金銭的負担が増えることは間違いありません。しかし昨今、政府は自動車取得税を取りやめ、燃費性能がよい車を優遇するため“環境性能割”という制度を導入し負担を軽くしています。また、エコカー減税など、燃費の良い車を優遇する制度があったことを考えると、増税後も同様の制度が設けられる可能性は高く、エコカーを購入した際の実際の出費は、増税前後であまり変わらないでしょう。今後も、環境性能割などの制度によって、環境に優しい車への優遇は続いていくはずなので、エコカーを購入するメリットは大きいと言えます。平成30年10月15日時点で、安部内閣から平成29年4月に予定されていた消費税10%への増税を、予定通り平成31年10月まで延期することが正式に発表されました。増税の波は刻一刻と私たちの生活に忍び寄りつつあります。しかし、政府の対策や企業努力などによって、状況が改善されることも予想できます。みなさんも、増税に負けないやりくり上手を目指しましょう!-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © dotshock / shutterstock© Monkey Business Images / shutterstock© Syda Productions / shutterstock
2019年01月26日問題山積みのまま新時代へと突入する’19年。経済ジャーナリストの荻原博子さん(64)が、立憲民主党の枝野幸男代表(54)に、今後の日本経済の行方について問う。題して「2019年、日本はどうなる」緊急対談。荻原「安倍総理は、本当に消費税を上げる気があるのか?という疑問があります。消費不況の対策案として掲げるポイント還元など、あまりにも愚策ばかりで、すでにみんな大混乱。このまま10月に消費税を上げて大丈夫なのか、と」枝野「消費税が上がることだけでも、心理的な影響は大きいです。加えて、これだけめちゃくちゃな対策と称するものをやっていると、さらに消費を冷え込ませる可能性もあるでしょうね」荻原「安倍政権は、これまで消費増税を2回先送りしました(’14年11月、’16年6月に延期を表明)。これは明らかに選挙対策でしたよね。今年は2つ大きな選挙(統一地方選、参院選)があるので、今回も不安にさせるだけさせておいて、またサプライズカードを切るんじゃないかという気がします。つまり3回目の先送り、消費増税はやらない。あり得ませんか?」枝野「安倍さんだからやりかねないですけど、それは新たな大混乱をもたらすことになる。すでにみんな準備を始めていますからね。10月に近づけば近づくほど、小売業者が大混乱を起こします。大手企業は何とかなっても、中小零細企業は対応しきれない。急に先送りすると言われたら、現場はもっと対応できないんじゃないかと」荻原「でも、大混乱しても消費税を上げなかったという、安心感が日本中に広がり、“安倍さん、ありがとう!”ということで、また選挙で大勝するかもしれません」枝野「たしかに過去2回の選挙結果は勝っているんですけど。2匹目のドジョウまではいたけれども、3匹目がいるかどうかは……」荻原「枝野さんは安倍総理が予定どおり引き上げると思いますか?」枝野「いまからひっくり返すのは簡単じゃないだろうなと思います。でも、消費増税に関しては“それでもひっくり返せ!”と、強く迫っていきます。タイミングが悪すぎですから」荻原「10月に消費増税が施行されたら景気が冷え込むのは間違いありません。国民にとって何のメリットもない。安倍総理だって、消費増税をやるデメリットは、よくわかっているはず」枝野「当面、大衆課税は無理ですよ。日本の今の消費不況からすると、そんなことをやれる状況ではない」荻原「前回の消費増税(’14年4月)のときから、まだ立ち直ってないですからね」枝野「僕は今の社会保障・税一体化改革(’12年)のときは賛成しましたけど、この6年間での社会の傷み方を考えたら、とても大衆増税をできる環境では、なくなったと言っていい」
2019年01月21日2018年12月14日、自民、公明両党は「年度税制改正大綱」を決定しました。これには、2019年10月の消費税増税に備え、住宅購入に伴う減税措置を拡充することが盛り込まれています。増税後に住宅を購入した場合、住宅ローン減税の期間が現行の10年から3年間延長することも決定しました。今回の改正は住宅購入にどう影響するのでしょうか?■ 住宅ローン減税延長の効果が消費税上昇分を相殺する?現在の住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高の1%が10年間所得税や住民税から控除され、その上限は40万円となっています(認定長期優良住宅や低炭素建築物の場合を除く)。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)一方、消費税10%で物件を取得した場合、建物価格の2%か、年末ローン残高の1%のどちらか「小さい方」を11年目から13年目まで控除されることになります(2020年末までに取得・居住した場合、年収が3,000万円以下の場合などの諸要件あり)。例えば、Aさんが建物価格2,500万円土地価格1,500万円35年ローン元利均等返済で金利1.5%夫の年収700万円、妻の年収100万円、子ども1人(扶養人数2人)親からの住宅購入資金の贈与2,000万円という条件だとすると、現行の住宅ローン減税での減税額は以下のようになります。1年目 342,337円2年目 334,559円3年目 326,664円4年目 318,649円5年目 310,513円6年目 302,255円7年目 293,871円8年目 285,361円9年目 276,723円10年目 267,954円つまり、総額で約300万円が所得税や住民税から控除されます(ローン計算 ローンシミュレーションサイト「@ローン計算」にて計算)。CORA / PIXTA(ピクスタ)また消費税10%で取得したときは、現行制度の減税額に加え、3年間で建物価格2,500万×2%=50万円が控除になり、トータルで約400万円お得です。土地には消費税はかかりませんので、Aさんの場合は消費税増額分は相殺されることになります。■ 消費税が10%になると、年収775万円以下の人が最大50万円の「すまい給付金」が!「すまい給付金」の場合は消費税が8%のときは、年収510万円以下の人は最大30万円受け取れましたが、消費税が10%になると、年収775万円以下の人は最大50万円の給付金が受け取れるようになります。Job Design Photography / PIXTA(ピクスタ)Aさんの世帯の場合は、8%では給付金は受け取れませんが、10%だと受け取れることができます。つまり、増税後のほうがお得なのです。すまい給付金をいくら受け取ることができるかは、国土交通省のサイト「すまい給付金」に各世帯がいくら給付を受けられるかを調べるページがあるので、こちらを使って算出することをオススメします。■ 両親から「住宅購入資金」をもらったときの非課税枠が広がる!住宅を購入する際、両親などから資金援助を受ける人は少なくないでしょう。Graphs / PIXTA(ピクスタ)この資金は「贈与」とみなされ、金額により課税されます。2018年に消費税8%の物件を購入した際は、「暦年課税制度」と「住宅取得等資金贈与の非課税制度」を合計した810万円(一定の要件を満たす場合は1,310万円)まで贈与税がかかりません。2019年4月1日に消費税10%で物件を購入すると、2,610万円(一定の要件を満たす場合は3,110万円)まで非課税枠が広がります。Aさんは、2,000万円親からもらっているので、贈与税に関して、8%のときは全額非課税にはなりませんが、10%のときは全額非課税になります。■ まとめshimanto / PIXTA(ピクスタ)上記の条件だけで考えると、Aさんは消費税10%が適用になった後で購入したほうがお得になります。但し、今後のローンの適用金利の上昇や物件価格の上昇なども加味しないと、本当に得をするかどうかは分かりません。住宅関係の税制はいろいろな要素が絡み合っているので、専門家の意見を聞きながら、シミュレーションをし、自分にとっていつのタイミングに購入するのが得なのかをよく吟味することをオススメします。【参考】※住宅ローン控除減税シミュレーション住宅ローン控除計算「@ローン計算」※国土交通省のサイトすまい給付金すまい給付金かんたんシミュレーション
2019年01月19日消費税は、所得に応じて高くなる“累進課税”ではなく、すべての人に同じ税率が適用される税金です。そのため、増税で生活が苦しくなりそう……と感じている人も少なくないでしょう。だからといって、焦ってアクションを起こすのはむしろ危険。そこで今回は、“消費税増税前に早まってやらない方がよいこと”について資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■消費税の課税対象でないものを焦って買わない消費税増税前に大きな買い物をする際、注意すべきポイントがあります。それは、買おうとしているものが課税対象かどうかということ。そもそも消費税の課税対象でなければ、焦って購入する必要はありません。例えば、土地などは消費税課税の対象にはなりません。他にも、国債や株券などの有価証券、商品券やプリペイドカード、介護保険サービスや保険料は対象外です。これらのものを焦って手に入れようとすると、あとからお金に困る可能性もあります。くれぐれもご注意を。■軽減税率の対象商品を把握しよう消費税増税後も、“軽減税率”が適用されることで、現行の消費税率の8%のまま据え置かれるケースもあります。例えば生活に必要不可欠な食料品なども軽減税率の対象です。それを知らずに大量に食料品を買い込んでも、全く意味がありません。食べきれずに賞味期限が切れてしまい、かえって損をしてしまう恐れも。食料品は焦って買い込まないようにしましょう。■家電は購入するタイミングが重要家電は、本当に欲しい商品が決まっているのであれば、増税前に買ってもいいでしょう。しかし、何となく「消費税が上がる前に買っておこう」と思っているだけであれば、増税前ではなく、家電そのものの値段が下がるタイミングを狙った方がいいかもしれません。それは、新旧モデルが入れ替わる時期。当然、旧モデルは在庫処分のためお買い得になります。時期は商品によってだいたい決まっているので、自分が欲しいものが決まったら、そのモデルの前回の入れ替わり時期を調べてみましょう。増税前に焦って買うよりもお買い得になる場合も。■家を購入する場合は新築か中古かを確認して家を購入する場合、消費税が関係するのは主に“新築の物件”です。一般個人が売主である、大半の中古物件には消費税はかかりません。それに、住宅の価格は簡単に2~300万円程度上下するもの。焦って買ってしまうと、かえって損するケースも。特に、個人が売主の中古物件を検討するなら、急ぐ必要はありません。ただし、不動産会社が中古住宅の売主となっている場合の売買価格や、不動産仲介業者への仲介手数料には消費税が課されるので要注意。平成30年10月15日時点で、平成29年4月に予定されていた消費税10%への増税を、平成31年10月まで延期することが正式に発表されました。増税の波は刻一刻と私たちの生活に忍び寄っています。ただし、焦り過ぎるのはよくありません。自分の生活水準と課税される対象を見極めたうえで、柔軟に対応していきましょう。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © PERO studio / shutterstock© fizkes / shutterstock© Andrey_Popov / shutterstock© Monkey Business Images / shutterstock© PR Image Factory / shutterstock
2019年01月19日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「軽減税率」です。増税負担を軽減するために開始。生活にも変化?2019年10月からの消費増税にともない、日本で初めて「軽減税率」が導入されます。消費税が8%から10%になるということは、100円のものが108円から110円になります。低所得者にとっては2円でも痛く、これが日々積もれば負担は大きくなります。社会保障の財源を確保するために消費税を充てようとしているのに、社会保障が必要な人たちにさらに負荷がかかるのは困る。そこで、日々購入するような食料品などの税金は安くし、煙草や酒などの嗜好品や、高級品は税率を高くする仕組みを取り入れることにしました。ヨーロッパでは既に導入されているシステムです。いまのところ決まっているのは、酒や外食を除く飲食料品は8%のまま。また、民主主義にとって言論は必要なものとして、定期購読契約が結ばれた週2回以上発行される新聞も据え置くことになりました。いま、最も議論がなされているのは、どこまでを外食とするかという問題です。牛丼も店内で食べれば外食扱いで10%ですが、テイクアウトの場合は8%。コンビニのイートインコーナーは外食扱いになってしまうので、今後は「休憩所」という扱いにしようとするなど、線引きが揺れています。これまで日本に軽減税率が導入されてこなかった背景には、「税の三原則」というものがありました。税金は「公正」「中立」「簡素」であることが必須とされてきたんです。モノによって税率が変わるのは、簡素とは言い難いですし、日用品の税率を据え置きにしましたが、お金持ちも日用品は購入するので、公平と言い難い部分もあります。いま様々な分野で税率据え置きの陳情がなされており、それらが決まるには時間がかかるでしょう。多少の混乱は避けられませんが時間をかけて制度が定着していくのだと思います。これまではどちらかというと、個の消費が推進され、お一人様用の商品が充実したり、外食の環境が広がってきていました。軽減税率が始まれば、外食は高くなりますので、家族や友達と家に集まって、みんなで食事を摂るなど、お茶の間の“シェア消費”が増えていくのかもしれませんね。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年01月07日「“いざなぎ超え”の好景気といわれていますが、生活に還元されているとはいえません。’19年からは、4月の社会保障制度改革と10月の消費税増税により、国民はより負担を強いられます。さらに、4月から施行される『働き方改革関連法』により、大企業に勤める会社員は、軒並み残業代がカット。年収は確実に減少するため、5月以降“生活が苦しい”と感じる世帯は増えるでしょう」そう解説するのは、経済評論家の加谷珪一さん。’19年は、多くの法改正により、家計への負担が大きく変わってくる。「さまざまな負担から家計を守るためには、法改正ごとに、その制度が自分の家族にとって負担を増やすものなのか、それとも賢く利用することで負担を減らすことができるのか、つねに意識することが重要です」さっそく、加谷さん、弁護士の松下真由美さん(レイ法律事務所)とともに、’19年下半期の“お金にまつわる法改正”を見ていこう。【7月】■相続法(民法)改正「長年の見直しの末、’18年7月に相続法(民法)が40年ぶりに改正され、’19年7月(一部は’20年7月)から施行されます。被相続人の妻や相続人の妻に“お得”なケースも増えているので、把握しておきましょう」そう話す松下さんが、改正相続法の重要項目を解説してくれた。《預貯金の仮払い》「夫が急に亡くなり、葬儀費用や当座の生活費が足りないときでも、現状では相続人全員の同意がなければ、夫の預金を引き出せませんでした。しかし今回の改正法では、夫の預金の3分の1の額から、妻の法定相続分の2分の1まで(1金融機関150万円が上限)を妻が単独で引き出せるように改正されました」《相続人でない親族の特別寄与》「同居の義理の父をどれだけ長年にわたって介護してきても、現行法では法定相続人ではないため、相続人の妻は遺産を1円ももらえませんでした。この問題を解消するため、改正法では『義父の財産の維持などに特別な貢献をした』という意味で、相続人以外の親族にも『特別寄与』として請求できる権利が与えられることになります。各相続人に対して、特別寄与の支払いを請求し、協議によって決めるか、家族で決めてもらうというのがおもな請求方法です」【10月】■住宅ローン減税の延長・自動車税減税の見直し住宅ローンの控除期間が、現行の10年間から、13年間に。入居1年目から10年間は、これまでと同様に年50万円を上限にローン残高の1%を控除。さらにローンが残る場合は11年目以降の3年通算で建物購入価格の2%の範囲で減税する方針だ。自動車税減税については、最大で年間4,500円を恒久的に減税するという。「しかし、これらは’19年10月~’20年末の間に新たに契約し引き渡された住宅やマンション、同年10月以降に新車新規登録を受けた自家用乗用車に適用されるもの。すでに住宅ローン減税を受けていたり、自家用車を保有している人にとっては“現状維持”となりそうです」(加谷さん)■消費税増税下半期で家計を直撃するのは、なんといっても8%から10%に引き上げられる今回の消費税増税。小売業に与える影響を加谷さんが解説する。「家電は前回の増税時、駆け込み需要による“バカ売れ”が目立ちました。今回もそれを狙って、8~9月あたりから家電量販店は価格を上げる可能性がありますから、安易な“駆け込み買い”は控えたいところです」さらにこの消費税増税には、もうひとつ“政府の狙い”があるという。「それは決済の“キャッシュレス化”です。銀行ATMは維持費がかかりすぎるため、政府は店舗数を減らしたいのです。今後のために、クレジット決済を中心としたキャッシュレス生活に切り替えることは重要だと思います。政府は消費税増税後、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を使った消費者に対し、購入額の5%分をポイントで還元する施策まで検討しています。還元目的に、むやみに買い物をしては本末転倒ですが……」(加谷さん)「超高齢社会のいま、’20年以降も、現役世代に負担を強いる政策は増える」と加谷さんは語る。自分の消費を見直しつつ、法改正を理解して、賢く’19年を乗り切ろう。
2019年01月07日2018年は、度重なる自然災害や増税など、住宅購入者にとっても気になるトピックが話題を集めた年でしたね。そんな中、株式会社リクルート住まいカンパニーが1都6県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県)に住む、住宅購入に関する無料相談サービス「スーモカウンター(注文住宅)」の来場者250名にアンケートを実施。「増税」「金利」「防災」という、2018年を代表するカテゴリーに関する、住宅購入者の意識が明らかになりました。■ 住宅購入の決め手は増税・低金利<子ども関係izumi / PIXTA(ピクスタ)まずは対象者に、住宅検討理由において最も重要だったものを聞いてみると、34.2%が子どもの誕生や、子どもが入園、入学をするまでに家を持ちたいといった、「子ども関係のため」と回答。次いで、「家の老朽化のため」が2位で20.8%。「増税影響のため」と回答した人は、わずか10.8%にとどまりました。この結果から、増税やローン低金利など住宅購入の金銭面における大きなポイントがあったとしても、多くの人はそれがメインの理由にはならないことがわかります。筆者夫婦が、筆者の妊娠を機に住宅を購入したように、今回のアンケート対象者も多くが「妊娠を機に出産前に購入したい」「子どもの入園や入学前に合わせて検討したい」といったニーズが多いようです。しかし、増税や金利が多少なりとも住宅購入計画に影響を与えていることは事実。増税、金利ともに6割程度の人が住宅購入計画に「影響を受ける」「やや影響を受ける」と回答しました。Q 消費税の増税は、住宅購入計画に影響しますか?(単一回答、%)Q住宅購入計画に金利は影響しますか?(単一回答、%)その影響として最も多かったのは、「購入計画を見直している」というもの。その購入計画について細かく聞いてみると、「消費税が10%に上がる前に購入しようと思う」「住宅ローン減税制度の適用期限延長・控除を利用しようと思う」など、購入の“タイミング”を考え直す人が多いことがわかりました。住宅購入における1番の決め手が増税や金利ではないものの、増税や金利によって住宅購入の検討そのものを早め、買い時を見極めようとする人が増えているようです。■ 予算超過してまで防災対策をする人は少ない地震や台風といった未曽有の災害が日本列島を襲い、今年を表す漢字も「災」となるなど、とにかく災害が多かった今年の日本。日本全体として防災の意識が高まった年になりましたが、住宅購入者における防災の意識はどのようなものでしょうか。まず、家を建てるにあたり、防災をどの程度意識しているかについて聞くと、「かなり意識している」が30.8%、「やや意識している」が54.4%となり、8割を超える人が意識していることがわかりました。そして、その意識していることについて聞くと、「地震に強い構造(耐震、免震)」、「立地・基盤」、「水害対策」といった項目が上位に。スーモカウンター住宅アドバイザーによると、防災への関心は高まってはいるものの、予算を追加してまで防災を意識した家づくりをしている方は少ないのだとか。耐震や免震については、各ハウスメーカーや工務店でも技術が整っていることが多いので、気になる方は各社の特徴を確認してみるのがいいそうです。筆者の場合は、住宅購入前、自治体の発行するハザードマップを入手したり、また不動産屋や自治体の窓口にその地域の過去の災害を聞いたりしました。なるべく予算をかけずに防災を意識した家づくりをしたい人は、そうした情報を集めていくことも有効かもしれません。増税や低金利、自然災害などが住宅購入者に与えた影響が細かくわかった今回のアンケート結果。2019年は、住宅に関するどのようなトピックが、住宅購入に影響をもたらすのでしょうか。【参考】※増税決定、低金利、自然災害… 2018年振り返り!住宅購入検討のきっかけに影響したことは?首都圏在住250人の住宅検討事情、大公開
2019年01月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「社会のじかん」。今回はイラストレーターの五月女ケイ子さんと共に、消費税について考えます!消費税が10%になる。→堀さんの分析:高い税金、高いキャッシュバックの制度作りに向けた議論が始まりそうです。堀:30年前にスタートした消費税。2019年10月には、8%から10%になります。五月女:最初は3%でしたよね?当時、中学生だったので、すごく痛かったです。堀:少子高齢化の進む日本では稼ぎ手が減るので、税収も減って、将来、国の財源が足りなくなる。そこで始まったのが消費税です。国は将来的には20~30%くらいまで上げたいと思っているんです。五月女:そんなに上がるんですか!?堀:段階的に上げてきましたが、税率が上がるたびに消費が落ち込んで景気が悪くなってしまう。そこで国は、いくつかの増税対策を検討中で、そのうちの一つが、「軽減税率」です。五月女さんは普段、どんなものを買いますか?五月女:なんだろう?食料品とか服とかでしょうか。堀:あまり買わないものは?五月女:宝石とか家とか車とか…飛行機?(笑)堀:軽減税率とは、米やパンなど日常的に必要な食料品は8%の据え置きにして、酒や煙草などの嗜好品や、経済的に余裕のある人しか買わない高価なものは、税率を10%にするという仕組みなんです。正確には据え置きなので、「軽減」ではないのですが。五月女:本当だ!名前がずるい!堀:ものによっては複雑になります。たとえば、スーパーのお惣菜は買って帰れば8%ですが、イートインコーナーで食べると「外食」扱いになり10%になるんです。五月女:えー!それは混乱しそう。堀:増税対策はほかに、一定期間、中小小売店でのキャッシュレスでの支払いにはポイントを還元するとか、低所得者と0~2歳児のいる子育て世帯には、購入額以上の買い物ができる「プレミアム付き商品券」を発行するなど、全部で9項目が予定されてます。五月女:お店のポイントとかも、私は活用するのが苦手で、本当に得になっているのかな?と思ったりします。堀:僕もポイントはあまり活用できていません(笑)。ただ、日本の社会保障をこれからも支えていくには、消費税は上げていかないともたないんですよね。北欧やヨーロッパの一部の国では、消費税が30%台と高い代わりに、学校や病院を無償にしています。五月女:日本はそういうふうにはできないんですか?堀:日本は長らく、政治家たちが人気取りのために選挙のたび「減税」を謳う時期が続いて、消費税の制度設計がうまくいっていませんでした。五月女:何のために増税が必要なのか、わかるように説明してくれれば私たちも納得できるんですけど。堀:高い税を支払う代わりに、子どもの教育費、奨学金、介護や医療費などで高いキャッシュバックが得られる制度作りに向けた義論が、2019年は本格化すると思います。生活の向上につながる還元策になっているか、私たちは見守ることが大事になりますね。堀 潤さん(写真左)ジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングCROSS』(TOKYO MX)ほか、レギュラー多数。五月女ケイ子さん(写真右)イラストレーター。ツイッターは@keikosootome。楽しいグッズ満載のオンラインストア「五月女百貨店」は@sootomehyakka。※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年01月03日来年10月に予定される消費税増税に伴って、国は「自動車税」を減税する方針を固めた。自動車税とは、車を持つ人が毎年納める税金で、排気量によって税額が決まる。自動車税は、’50年に制度が始まって以来、初めての引き下げで、14日発表の税制改正大綱に盛り込まれた。この「自動車税」減税について、経済ジャーナリストの荻原さんが解説してくれた――。自動車税の減税は、小型クラスほど大きなものになります。たとえば、660cc超~1,000cc以下の車は、現状2万9,500円ですが、減税が実施されたら2万5,000円になり、4,500円引き下げられます。減税額は、1,000cc超~1,500cc以下だと4,000円、1,500cc超~2,000cc以下だと3,500円と、排気量が上がるほど縮小。2,000cc超では1,000~1,500円にとどまります。また、軽自動車は今回の減税の対象外で、1万800円のままです。注意が必要なのは、減税が、消費税増税後に購入した車に限られることです。残念ながら、今お持ちの車は減税になりません。とはいえ、これは恒久減税です。対象車は、引き下げられた税額がずっと続きます。1,000ccの対象車なら、10年間で自動車税が4万5,000円安くなりますから「買い換えようか」と思う方もいるでしょう。しかし今回は、減税だけではありません。車種によりますが、車検のときに払う「自動車重量税」が引き上げられるのです。現在、自動車重量税は、燃費基準による「エコカー減税」が適用されていますが、消費税増税後はエコカー対象車を絞る方針です。エコカー対象からはずれた車は、自動車重量税が上がります。つまり、消費税増税後に車を買うと、毎年払う自動車税は減税になるものの、車検時に払う自動車重量税が増税になって、トータルでは増税だという車種もあるのです。詳しくは販売店にご相談を。自動車に関わる税金のうち、今回は、ユーザーにはおなじみの自動車税減税を前面に押し出して、車検費用と一緒に払うため税額を意識しづらい自動車重量税の増税を、同時に行おうとしています。専門家でないと損得勘定ができない施策で、納税者の目をごまかそうとしているとしか思えません。さらに、車の購入時には、「自動車取得税」と消費税がかかる二重課税が、以前から問題視されていました。そのため、消費税が10%に上がる際、自動車取得税が廃止されますが、新たに環境性能によって税率が決まる「環境性能割」という新税の導入が決まっています。二重課税の問題は解決されないままですが、今回、新税の環境性能割も、消費税増税後の1年間に限り、1%軽減する方針です。自動車関連の税金は、複雑すぎます。もっとシンプルでわかりやすい税制に変えるべきです。そのうえで、地方の生活も考えてほしいと思います。地方では、車は移動の足、生活必需品です。自動車関連の税金は地方での生活を直撃し、車なしでも暮らせる都会との格差を広げるでしょう。地方の生活を守るためにも、抜本的な改革が必要ではないでしょうか。
2018年12月29日2019年10月から10%に引き上げられる消費税。2%の増税ですが、家計が圧迫されることが心配ですよね。消費税増税に伴い、家計の見直しやより一層の節約を考えている人も多いでしょう。株式会社オールアバウト(以下「オールアバウト」)と大阪ガス株式会社(以下「大阪ガス」)は、消費税増税決定直後の10月19日に、関西エリア(2府4県)と関東エリア(1都6県)に住む20~60代の男女1000名を対象に、家計と暮らし調査を実施。減らしたい支出、また増やしたい支出などから、生活者の消費行動やリアルなライフスタイルが見えてきました。■ 家計で減らしたい項目の1位は電気代!まずは家計で減らしたいもの、減らしたくないものを聞いてみた結果は以下の通り。全体のランキングを見ると、固定費が多くランクイン。そして1位から3位までを占めたのが電気代、水道代、ガス代でした!今年の夏は特に猛暑だったため、水道光熱費が例年より高くなり、このような結果になったのかもしれません。次に、家計で減らしたいものを年代別で見てみましょう。全世代で電気代、水道代、ガス代が上位を占める中、注目したいのは「通信費」。20代で30%、30代で32.5%、40代で40%と、働きざかり世代においては年代が上がるごとにパーセンテージが上昇。20代にとっての通信費は食費や外食費よりも削れない必要経費であるのに対し、40代にとっての通信費は、光熱費と同じように、節約できるものと捉えられているのでしょう。■ 減らしたくなしもの1位は預貯金!そして、減らしたくないものの1位は預貯金。これは全世代で1位でした。当然といえば当然ですね。年代別に見ても、旅行費や書籍代、趣味にかける費用、旅行以外のレジャー費などは10位以内にランクインするものの、やはり娯楽に使うお金があったら蓄えに回したい人が多いという結果に。こうした結果は、昨今の不景気を象徴していますよね。■ 収入が増えたら増やしたいものは?それでは、家計の中で収入が増えたら増やしたいものは何でしょうか。60代以外の全世代で1位になったのは預貯金。60代以下の世代は、まだまだ経済面で将来への不安があるようです。また、30、40代の子育て世代は教育費も上位にランクイン。収入が増えたら、子どもにもっとお金をかけたいと考えている人は多いことがわかります。そして全体では、旅行費、旅行費以外のレジャー費がそれぞれ2位と3位に。全世代で貯金はしつつも、余暇を楽しみたい気持ちが強いことがわかります。さらに若い世代を中心に上位だったのがネットショッピング費。家を出ずに商品の購入や受け取りができるネットショッピングが、今では生活に欠かせない買い物スタイルになっていることがうかがえます。■ 生活者は外出よりもインドアを好む傾向に次に、家での過ごし方についても興味深いデータが浮かび上がってきました。まずは、10年前と比較して家で過ごす時間が増えたかという問いには、増えた(「増えたと思う」と「まあ増えたと思う」の合算)という人が60.8%となり、家で過ごす傾向が高まっていることがわかりました。また、今年の冬に家で過ごす時間が増えると思っている人も、53.7%(「増えたと思う」と「まあ増えたと思う」の合算)となり、外出よりもインドアな余暇を楽しむ傾向が強まっているようです。家にいる時間が増えると思っている人は、家でどのような時間を過ごすのでしょうか。調査結果を見ると、テレビやインターネット、動画・映画鑑賞、スマホなど、デジタル機器を使った娯楽が目立ちました。今ではすっかりおなじみになった定額制配信サービスは、家にいながら映画や動画、音楽、雑誌などあらゆるメディアを楽しむことができ、家でゆっくり過ごすためには欠かせないものですよね。興味や関心事を聞いてみても、若い世代を中心に定額制配信サービスは多くの生活者にとって関心を集めていることがわかります。また、家事の時短になる調理家電や生活を便利にしてくれる生活家電などもランクイン。いずれも、家での生活をより豊かにしてくれるモノでした。■ 家で過ごす時間が増える冬こそインフラの見直しを!多くの生活者にとって、家での過ごし方がとても大事になってきていることがうかがえた今回の調査結果。気温がどんどん低くなるこれからの季節は、より家で過ごす時間は増えていくでしょう。家の中にいる時間が長くなるだけでなく、温かいお風呂に入ったり料理に長い時間火を使ったりして、冬はなにかと電気代やガス代が高くなりがち。自分の家庭やライフスタイルに合ったインフラの見直しをすることで、大きな節約につながることもあります。消費税増税が始まる前に、本格的なインフラの見直しをしてみてはいかがですか?
2018年12月05日いよいよ来年の2019年10月には消費税が8%から10%に上がります。たった2%とはいえ、住宅においてはその金額の差が大きく表れます。ですから、今のうちに購入しといたほうがいいのか、焦らなくてもいいのか悩む方が多いのではないでしょうか。今回は注文住宅において、消費税増税前に購入すべきか、はたまた増税後でもいいのか、検討していきたいと思います。建てる気がある人は、増税前に建てたほうが良い理由住宅の建てどきは、増税前なのか増税後なのかは正直に言いますとその人の状況によって異なります。ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)まず、増税前に買うべき人はすでに建てる予定がある人です。例えば建築費が3,000万円だとして、8%だと3,240万円ですが、これが10%になると3,300万円となり、60万円の開きがあります。これだけでも差は大きいですが、注文住宅を建てるには建築費以外にもかかる費用がたくさんあります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)インフラ関係の工事や仮設工事、また建て替えの場合は解体費用がかかります。消費税はこれらにもかかります。また、インテリア工事費用や諸費用、家具、家電など、どんどん消費税増税分が加算されていきます。これがすべて合わさると数百万という単位になり、8%と10%の差が大きくなります。ですから、もう住宅を建てる予定がある方はすぐに動くことをオススメします。消費税増税にあおられて…という場合は焦る必要なし今建てる予定はなかったけれど、消費税増税にあおられてしまって建てようとしてる方はそんなに焦る必要はありません。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)理由は3つあります。1.焦ってしっかりと検討できない可能性もmakaron* / PIXTA(ピクスタ)引き渡し時期や契約時期に縛られてしまい、間取りや内装をじっくりと検討できない、契約前の見積りを細かくチェックできずに契約してしまう、などデメリットが多いです。そのほか全部決めたは良いものの、駆け込みで建築する人が多く、工事がいつもより丁寧でなくなる、または間に合わなくなるなどの恐れもあります。2.増税後にキャンペーンなどの可能性があるizumi / PIXTA(ピクスタ)こちらは断定はできませんが、増税後には着工数は落ちてしまいます。それを防ぐためにも何かしらキャンペーンを検討しているハウスメーカーは多いはずです。3. 国にもさまざまな制度があるJob Design Photography / PIXTA(ピクスタ)例えば、すまい給付金でも今度の増税に伴い、8%のときよりも増える予定です。これまで年収510万円以下の人が受け取れる制度でしたが、今度は775万円までの人が受け取ることができるようになります。そのほか住宅ローン減税もありますし、増えた分を少しでも軽減させる方法はあります。焦ってしまい、不本意な家づくりをするよりも、一生に一度の高いお買い物ですから、じっくりと検討されることをオススメします。数百万円のために後悔してしまうのは、非常にもったいないことです。まとめ消費税増税前がいいのか、それとも増税後に建てるのがいいのか、とても悩みどころですよね。今回ご紹介したように自分たちは今家を建てることが必要なのかどうなのかをよく検討して、動くことが大切です。住宅展示場などを見に行けば、あおられて焦ってしまうこともあるかもしれません。Ushico / PIXTA(ピクスタ)建てるつもりもなかったのに急かされて……というふうになるのは避けたいところ。でも、建てるつもりでいるなら、ぜひ建てるべきです。家は自分が本当に欲しい、必要だと思ったときが一番の建てどきです。【参考】※国土交通省すまい給付金
2018年12月04日来年10月に予定されている、消費税の10%への引き上げ。日銀は、増税された場合、2020年度の家計負担が、増税前より計2兆2,000億円増えるとの試算をまとめている。年収によって差はあるが、年間で3万~4万円支出が増える世帯がほとんどだ。ますます家計に対して“厳しい目”を持たなければならない主婦にとって、支出を抑える助けになるのが、スマホの家計簿アプリだ。「家計簿アプリは、レシート入力や支出の分析などを自動でやってくれるのが大きなメリット。最近では、家計を“見える化”するために、機能や分析方法がどんどん進化してきているんです」そう話すのは、ITライターの津田マリリンさん。おすすめのアプリに、日本最多のダウンロード数を誇る「Zaim」をあげる。「ネットショッピングなどで、現金での清算をしなくなると、無駄遣いが増えると懸念される方もいらっしゃるかもしれません。『Zaim』は、クレジットカードや電子マネーの使用履歴が一目でわかるので、使いすぎを防ぐことができます」ホームページには、Zaimによって家計を見直すことで、固定費を月3,000円節約できた利用者の声が載せられている。使いこなせば、年間約4万円の支出を減らすことができるのだ!現金での決済が多い人には、「シンプルな機能がそろう『レシーピ!』がよい」と話すのはITジャーナリストの鈴木朋子さん。「初心者でも続けられる簡単なアプリ。レシート撮影で自動入力される手軽さが受け、累計330万ダウンロードされています。やや低かったレシートの読み取り精度も、ここ最近でぐんと上がりました」対象商品を購入したレシートの情報を送ると、「楽天ポイント」や「dポイント」などがたまるサービスもある。スマホ家計簿アプリで気になるのは、セキュリティの問題。一家の家計状況を、1つのスマホで管理しているので、他人に残高状況などが漏れるリスクを心配する人もいるはず。「クレジットカードや銀行口座の情報をひもづけるなら、ダウンロード数の多い、大手の信頼できるサービスを利用しましょう。パスワードでのロック機能や、指紋認証を備えているとより安心です」(鈴木さん)登録、入力から分析まで、ラクにできてしまうスマホ家計簿。2%ぶんの増税によって、家計を管理する能力がさらに求められるようになる’19年。面倒な手書き家計簿とはオサラバしよう!
2018年11月21日