最近よく耳にするようになった「子どもの自己肯定感」。平成26年度版のこども・若者白書で、諸外国に比べて日本の子どもたちの自己肯定感が低いことがわかり、国も提言を出しています。子どもが自分の存在意義や価値を認めることができるのは、その後の成長においてとても大事です。しかし、その育み方次第では、自己中心的なわがままな性格になってしまう危険性もはらんでいます。そうならないように、何に注意すればいいのかを知っておきましょう。今回は、「自己肯定感」とセットで考えなければならない「自己寛容」についてお話しいたします。自己肯定感とは?独立行政法人国立青少年教育振興機構で理事長を務める鈴木みゆきさんは、子どもの自己肯定感について以下のように話しています。■なにかに挑戦するときに「わたしにはできる!」と思うこと■「自分が大事な存在だ」「自分はここにいていいんだ」と自分を認める意識■「自分が好きだ」という気持ちこのように、自己肯定感とは、自分の存在価値を認め、自分を信じてあげられる気持ちを持つことです。そして、自己肯定感を高めるには、さまざまな体験をしたり、家族の愛情を感じることがよいとされています。しかし、自己肯定感を持つことはとても大切ですが、どうやら気をつけなければいけないポイントがあるようです。自己肯定感の落とし穴思考回路や習慣などの人としての基礎は12歳までにほぼ決まると言われています。ですので、それまでに自己肯定感を持てるようになることはとても大事で、そのために親の言葉がけや接し方がとても重要になってきます。心理カウンセラーの中野とも子氏は、子どもの自己肯定感を以下の3つに定義づけています。(1)無条件の自己肯定感(2)条件付きの自己肯定感(3)自己肯定感の低い状態もちろん、いちばんいい状態は(1)です。注意したいのは(2)の状態で、誰もがつい陥りがちなのだとか。例えば、「テストでいい点数を取ったときだけ褒める」「かけっこで1番になったときだけ褒める」など、条件付きで愛情を示すことを続けると、子どもは「何か成果をあげないと自分の価値がない」と感じるようになってしまいます。そしてもうひとつの懸念が、自己肯定感の高まりが「自分は完璧」という行きすぎた感情を生んでしまうこと。これにより「自分は正しい。悪いのは周り」という自己中心的な思考回路に陥ってしまい、人間関係などに悪影響を及ぼす可能性が出てきます。大切なのは「自己肯定感」と「自己寛容」のバランスどちらの懸念も、ある感情を持つことで解消できます。それが「自己寛容」。自己寛容とは、“自分を許す” “弱い自分も受け入れることができる” ことです。この「自己寛容」がベースにあって初めて「自己肯定感」が生きてきます。「自己寛容」の要素が欠けたまま「自己肯定感」だけを育むと、自分を過信し、できない自分を認めないうえに、それを人のせいにするようになってしまうのです。「〇〇くんがボールをパスしてくれなかった。パスをもらえたら、絶対に点を決められたのに!(ゴールできなかった)」我が子がこんなふうな発言をしたら、親としてショックですよね。とはいえ、大人でもこのような人はいるのではないでしょうか?「任せてくれたら必ず結果を出せたのに、直属の上司がいろいろと文句をつけてくるからさぁ……(結局結果を出せなかった)」「自己寛容」はアドラーの幸せの3条件のひとつでもあります。子どもの自立を促すのは「他者信頼」→「他者貢献」→「自己寛容」のサイクルの繰り返しです。・自己を犠牲にすることなく、信頼する相手のために見返りを期待せずに貢献する。・その結果、相手の心からの「ありがとう」「助かったよ」という感謝の言葉をもらう。・不完全な自分でも、だれかの役に立てば、こんなに喜んでもらえるんだと実感する。(引用元:NIKKEI STYLE|ありのままの自分・夫・子どもを認める勇気)このような経験から実感を積み重ねていくなかで、子どもは自分の価値を認め、自立していくのだそうです。これこそまさに「自己肯定感」ですね。「自己寛容」+「自己肯定感」に効く3つの習慣子どもが自分を信じ、許し、ありのままを受け入れる度量を身につけるには、ポジティブマインドをもつ必要があります。そのために、日頃の親の接し方がとても大切なのは言うまでもありません。しかし、それは難しいことではなく、ちょっとした意識を持つだけのようです。『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』の著者、教育専門家の石田勝紀氏が推奨する方法をご紹介します。(1)GOODニュースを毎日語り合う毎日の会話の中で「今日のGOODニュースは?」を定番にすることをおすすめされています。些細なことでもなんでもいいのです。「お天気がよくて気持ちよかった」「友だちとおしゃべりして楽しかった」など。このときコツは「今日のBADニュース」を先に聞くこと。会話の最後がいい話で終わると気分も良くなり、その習慣が前向き思考への道筋になります。この効果は企業研修でも実証済で、GOODニュースを語り合うことでプラス思考になり、社内の雰囲気も業績もアップしたのだそうです。(2)得意なことを徹底して「認める」子どもの自己肯定感を伸ばすコツは「褒める」のではなく「認める」こと。褒めるのは大げさになりがちなので、認めるくらいのほうが、子どもにとってもモチベーションを高めるちょうどいいテンションなのだそうです。「よくできるね。すごいね!」と言われたら、もっと認めてもらおうと子どもは頑張ろうとします。得意なことには特に徹底してこのスタンスを続けるといいでしょう。ただし、勉強に関して「すごいね」の声かけは、子どものプレッシャーにもなりがちなので注意が必要です。(3)「ではどうしたらうまくいくだろう」を口癖にする誰しも失敗はするものです。長い人生、うまくいかないこともたくさんあります。大切なのは次。「じゃあ次はどうするのか?」と考える習慣をつけることです。テストの結果が悪かったり、友だちと喧嘩してしまったり。その事実を叱るのではなく、事実を踏まえて次を考えることは確実に思考を前向きにします。そしてこれは、自らの失敗も含めてありのままを受け入れるという「自己寛容」のトレーニングにもなるのです。石田氏はこの3つのほかにも、子どもの行動に対して「助かった」「なるほど」「知らなかった」など、子どもの貢献や考えを認める声かけもとても有効だとおっしゃっています。これらは石田氏の多くの経験から特に効果があったものだそうですが、だからと言ってお子さんによっては合わないこともあるかもしれません。完璧を目指すのではなく、「まずは試しに」くらいの感じで始めてみてはいかがでしょうか。親自身も “自分を追い込まない” ことが肝心です。***「自己寛容」も「自己肯定感」も、ベースにあるのは親子の信頼関係です。それが試されるのは子どもが失敗したとき。失敗や喪失体験の際、子どもの悲しみや辛さに親が寄り添い、共感することが、子どもの心の安定を築き、「失敗しても大丈夫。どんな自分も愛されている」と実感できる基盤となります。子どもの日々の小さなことにも心を寄せることが、とても大切なのですね。(参考)マイナビウーマン 子育て|【専門家】自己肯定感を育てる、親子のコミュニケーション方法ウーマンエキサイト|子どもの自己肯定感「ほめて伸ばす」は正しい?わが子を“自信満々の自己中”にしないためにBusiness Journal|人の一生は12歳までに決まるという残酷な現実NIKKEI STYLE|ありのままの自分・夫・子どもを認める勇気東洋経済ONLINE|「前向きな子」の親が実践する“3つの声かけ”
2018年12月11日敏感すぎる自分を変える!心理カウンセラーの根本裕幸さんが“自己肯定感をアップさせる7日間ワーク”を教えてくれました。ここでは5日目以降のワークをご紹介!【ワークの進め方】1日1つのワークを気軽に書いてみよう。自分自身に意識を向け、ありのままの自分を認めてあげるための1日1テーマ×7日間の集中ワーク。時間をかけてじっくり考えてもいいし、ぱっと思いつくままに書き込むのでもいい。また、どうしても思い浮かばないときは無理に書かずに飛ばしてもOK。5日目:感謝の手紙を書いてみる誰に送る手紙でもいいので、その人への感謝の気持ちを言葉にしてみる。実際に手紙を出すわけでも、人に見せるわけでもないので、素直な気持ちを綴って。【解説】実際に送らなくても大丈夫!このワークの意図は、実際に誰かに感謝の手紙を送ることではないのだとか(もちろん、送ってもいいのだけれど)。「実は、手紙の文面はそれほど重要ではないんです。感謝の手紙を書いているときの自分の気持ちを思い起こしてみてください。誰かに感謝するって、とても気分がいいことだと思いませんか?その気分のよさが自己肯定感につながります」いま自分が他人軸で行動しているのか自分軸で行動しているのかは、それをするときの気分で判別。いい気分でできるならば、それが人のためにすることであっても、自分軸での行動といえる。反対に気分が悪ければ、自発的にやっているつもりでも、他人軸でしている可能性が……。「頭では『私は頑張っている』と自分を騙せても、気分=心はごまかせないもの。その頭と心のズレが、ストレスになってしまうのです」6日目:自分のダメなところを書き出す自己肯定感が低いと無限に挙げられそうな気もするけれど、すぐ思いついた3つほどを。「仕事が遅い」「忘れっぽい」など、漠然としていても大丈夫。【解説】できるようにならなくてもいい。4日目、5日目のワークで自分のいいところにせっかく気づき始めたのに、ここにきて短所を書き出すのはちょっと辛い作業かも……。「ここで書き出した短所は、あなたが抱いている理想の裏返し。理想どおりではない自分を『ダメな私』だと思ってしまいがちなのです」自己肯定感の低い人とは、自己否定の強い人ともいえそう。「こうでなければならない」「これ以外はダメ」というふうに、勝手に決めた理想やルールに縛られてしまうのも、他人軸で生きてきたから。「自分はどうしたいのか」という発想がつい抜けてしまう。「短所を書くのは、『これも私なんだ』と認められるようになるため。できないことをできるように努力するのはもちろん素晴らしいことですが、このワークでは、できない自分、理想とは違う不完全な自分を受け入れることに意味があります」7日目:最高の一日を想像してみるどこで、誰と、どんなふうに過ごすか?自分が心から幸せを感じられるような充実した一日を想像してみて。まったく現実味がないプランでも問題なし!【解説】本当にやりたいことが見えてくる!「最終日のワークは、ぜひ楽しい気分で、思いきり好きなことをする一日の予定を立ててみてください。簡単なようですが、日頃から他人軸で考えるクセがついていると、自分がしたいことが何なのか分からなくなってしまうのです」ポイントは、他人軸で考えた、なんとなく素敵に思えそうなことではなく、自分が本当に好きなことでなければ意味がないという点。書くことが何も思い浮かばなかったり、書いてみたもののそれが心からの希望なのかどうかが分からないなら、もっと自己肯定感を高めて、自分軸で物事を考えるためのトレーニングが必要なのかも?「自己肯定感を高めるのは、本当にしたいことに気づき、それを実現して自分らしく生きていくため。どんな小さなことでもいいんです。他人軸で考えた『こうあるべき』という理想の殻をやぶれば、自信を持って一歩を踏み出せるでしょう」8日目以降:継続こそが自己肯定感アップにつながる。心の中や過去を眺めて、ありのままの自分を受け入れ、自己肯定感を高めていく感覚をつかめたら、ぜひ継続を。気に入ったいくつかのワークを3週間ほど続けるだけでも効果あり。【何も変わっていないと感じたときは。】ちゃんとトレーニングをしたのに、ちっとも自己肯定感が上がっていない気がするという人もいるのでは。「そんなときは、できなかったことより、少しでもできたこと、変わったことのほうに目を向けてみてください。どんな小さな変化でも、変わることができた自分を褒めてあげましょう。シンプルなことを継続するのが効果的。一足飛びにはいきませんが、らせん階段を上るように少しずつ自己肯定感が高まるのを実感できるはずです」【人間関係がギクシャクするのは自分軸の証。】他人軸で行動していた人が、自分の意見を言うようになり、頼みごとを断ったりしたら、今までと違って人間関係がうまくいかなくなることもあるかも。「ただ、その相手が本当にあなたの価値や魅力を分かっている人なら、あなたの変化を受け入れてくれるはずです。それに、自分軸に従って生きていれば嫌われることも怖くなくなります。そもそも、すべての人に嫌われたくないと気を遣ってしまうことが、ストレスのもとなのです」根本裕幸さん心理カウンセラー。カウンセリング、セミナー、講演等で活躍。著書に『敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法』(あさ出版)、最新刊『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)など。※『anan』2018年12月12日号より。イラスト・阿部伸二取材、文・黒澤 彩(by anan編集部)
2018年12月06日専門家・プロ:中曽根陽子子どもの頃の体験が多いほど、学歴や年収も高いお子さんに、リアルな体験をさせていますか?ここでいう体験とは、直接自然や人・社会にかかわる活動のことです。スマホなどIT 機器が発達して便利になった一方で、リアルな体験をする機会が減っているいまの子どもたち。子どもの頃に自然体験や友だちとの遊び、地域活動などの生活体験、お手伝いをしている人ほど、自己肯定感や、「経験したことのないことには何でもチャレンジしてみたい!」といった意欲・関心が高く、しかも学歴や年収も高いという調査結果があります。「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書 第2章 調査研究結果の概要 p18(国立青少年教育振興機構)これは、国立青少年教育振興機構が幼児期から青年期までの年齢ごとの多様な体験と、それを通じて得られる力の関係を調べた結果です※1。調査では、子どもの頃の「自然体験」、「動植物とのかかわり」、「友だちとの遊び」、「地域活動」、「家族行事」、「お手伝い」といった6つの体験と、大人になってからの「自尊感情」、「共生感」、「意欲・関心」、「規範意識」、「人間関係能力」、「職業意識」、「文化的作法・教養」といった7つの「体験の力」との相関を見ています。自然体験は人間関係能力を育て、地域活動は意欲を引き出す調査の結果を細かく見ていくと、子どもの頃「海や川で泳いだこと。夜空いっぱいに輝く星をゆっくり見たこと」など、豊かな自然体験をした人ほど、「人前でも緊張せずに自己紹介ができる。けんかをした友だちを仲直りさせることができる。初めて会った人とでもすぐに話ができる」といった人間関係能力が高くなっています。「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書 第4章 成人調査基礎集計結果p97〔「自然体験」と「人間関係能力」の関係〕(国立青少年教育振興機構)また、子どもの頃「近所の小さい子どもと遊んであげたこと。祭りや地域清掃に参加したこと」など地域活動の体験をした人ほど、「なんでも最後までやり遂げたい。経験したことのないことには何でもチャレンジしてみたい。いろいろな国に行ってみたい」といった意欲・関心が高いという相関関係が見られます。「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書第4章 成人調査基礎集計結果p101〔「地域活動」と「意欲・関心」の関係〕(国立青少年教育振興機構)個別の活動とそれによって得られるとされる力は一見関係がなさそうにも思えます。しかし、考えてみれば、多くの人とかかわることで異なる年齢の人とのコミュニケーション力も身につくでしょうし、視野が広がるので、経験したことのないことにもチャレンジしてみたくなるというのはうなずけます。こうした体験を積み重ねていくことで、少しずつ自分に自信がついて、自尊心や自立心、主体性や協調性といった社会を生き抜くための基礎的な能力が養われることになるのです。そして、いろいろなことにチャレンジしようという意欲や関心が高まった結果、最終学歴が高くなり、年収も高いという結果につながるのかもしれません。しかし、残念なことに、体験の機会は年々減っているようです。同じ調査では、とくに自然体験や友だちとの遊びの経験が、若い人ほど少なくなっています。身近に自然に触れる機会や安心して遊べる環境がなくなっているなか、子どもたちに体験活動をさせるのはなかなか難しいかもしれませんが、将来にこれほどまでにプラスの影響があるなら、できるだけ機会を作ってあげたいですね。時期にあった体験が子どもを伸ばすでは、いつどんな体験をさせたら良いのでしょうか。同じ調査で、小学校低学年まではとくに「友だちとの遊び」と「動植物とのかかわり」が、小学校高学年から中学生までは「地域活動」「家族行事」「家事手伝い」などが、7つの「体験の力」に関係しているという結果が出ています。「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書第2章 調査研究結果の概要10p年齢期別「体験の力」との関係が見られる体験この結果は、発達脳科学と照らし合わせてみても合点がいきます。というのも、このコーナーで以前ご紹介したように※2、脳は(1)からだの脳(大脳辺縁系、脳幹)↓(2)おりこうさん脳(大脳皮質、小脳)↓(3)こころの脳(大脳皮質の前頭葉)の順番で発達します。小学校低学年は、からだの脳が発達し、じょじょにおりこうさん脳が育ち始める時期です。そして、がんばり抜く力など非認知能力が育つ時期とも言われています。また、この時期には遊びを通して五感を刺激する体験が大切だと言われていますから、動植物とのかかわりや友だちとのかかわりが大切という調査結果にも通じますね。そして、小学校高学年から中学生までは、おりこうさん脳とこころの脳がじっくり育つ時期。家でのお手伝いや地域の行事に参加することで、社会の仕組みや役割を理解し、規範意識を学ぶのにちょうどいい時期と言えるでしょう。子どもの育ちに寄り添いながら、さまざまな体験の機会を与えてあげたいものです。《参考資料》※1「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書(国立青少年教育振興機構)第2章 調査研究結果の概要第4章 成人調査基礎集計結果※2 AI時代を生き抜くために~「失敗力」が育つ6つの栄養素第2回 「キレる子どもたちの原因は眠りにあり」中曽根陽子教育ジャーナリスト教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。子育て中のママたちの絶大な人気を誇るロングセラー『あそび場シリーズ』の仕掛人でもある。 “お母さんと子ども達の笑顔のために”をコンセプトに数多くの本をプロデュース。近著に『1歩先行く中学受験成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などがある。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザ インする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。公式サイト
2018年12月06日人からどう思われるかが常に気になってしまう人は、「自分軸」で生きられていないのかも。もっと自分らしく生きるために、7日間の集中トレーニングで心を解きほぐすことから始めてみよう。自己肯定感をアップさせる7日間ワークとは?教えてくれたのは、心理カウンセラーの根本裕幸さんです。ここでは1~4日目をご紹介します!【ワークの進め方】1日1つのワークを気軽に書いてみよう。自分自身に意識を向け、ありのままの自分を認めてあげるための1日1テーマ×7日間の集中ワーク。時間をかけてじっくり考えてもいいし、ぱっと思いつくままに書き込むのでもいい。また、どうしても思い浮かばないときは無理に書かずに飛ばしてもOK。1日目:先週を振り返ってみる「作った資料が見やすいと言われた」「新しい服を褒められた」「彼にドタキャンされた」など、仕事、プライベートどちらでも、些細なことでも書いてみて。【解説】ありのままを受け入れるだけでOK。最初のワークは、今の自分はどんな状態なのだろう?と知ることにつながっていく。「書き出した事柄それぞれについて、深く掘り下げて考えたり、反省する必要はありません。ただ、自分の心を眺めてみるという作業です」と根本さん。気をつけたいのは、とくに〈辛かったこと〉について、こんな思いをしたのは私のせいだとか、やっぱり私なんて……などと、自分を否定しないこと。自分にダメ出しをしたり、ネガティブにとらえてしまうのは他人軸で生きている人が陥りがちな思考パターン。「ひとつも思い浮かばない場合は、書き出さなくても問題ありません。すべてのワークに共通することですが、ワークを上手にやろうとしなくていいのです。この空欄を埋めるのが目的なのではなく、ありのままの自分に目を向けるための手段と考えましょう」2日目:学生時代の恥ずかしい思い出小学校高学年から高校生くらいまでの思春期を思い出してみよう。「髪型を変えて失敗した」「授業で手を挙げて発言したら笑われた」などの経験があるのでは?【解説】過去を振り返れば原因が見つかる。生まれたときからネガティブな人などいないので、今の自分につながるきっかけは過去のどこかにあった可能性も。そこで、2日目のワークは、過去の自分に意識を向けることがねらい。子どもから大人へと成長する思春期は、人と自分を比べたり、周りの目が気になり始める年頃。当時の自分がどんなコンプレックスを抱いていたのかを振り返るために、あえて〈恥ずかしさ〉をキーワードにその記憶を書き出してみよう。「今にして思えば何でもないようなことでも、思春期の自分にとってはすごく恥ずかしかったという思い出があるのでは?そういった経験がきっかけで他人の顔色を窺うようになるケースも」ここでも、「こういう出来事も、今の自分を作っている要因の一つなのかな」と感じるだけでいい。もし嫌な気持ちになったとしたら、その感情をごまかさずに受け入れてみることも大切。3日目:この親でよかったと思うこと「厳しく育ててくれた」「私の意思を尊重してくれた」など、あらためて考えてみたい親のこと。父母どちらについてでもいいので、本音で書こう!【解説】たとえ反面教師であっても……。「あらゆる人間関係の基本になるのが、子どもの頃の親との関係。親との関係が原因で、つい他人軸になってしまうという人も多いようです」親の愛情をしっかりと感じて育った人は自己肯定感も高い傾向にあるのだそう。反対に、感情にまかせて怒る親だったり、過干渉、支配的な親だったりした場合は、幼い頃から親の顔色を窺うようになり、大人になっても他人軸で行動しがち。「親のいいところをすぐに思いつかない人もいるでしょう。でも、親の欠点を反面教師にして自分が成長できたという見方もできるかもしれません。どんな親であれ、その親から何かを学んできたはず。『こんな母だったから私はダメなんだ』『両親のいいところを書けないなんてひどい娘だ』などと悲観しなくていいんです。2日目のワークと同じように、今の自分を作ってきた要因を取り出して、見つめてみるという作業です」4日目:周囲の人のここがすごい「親身になって話を聞いてくれるところ」「毎朝、明るく挨拶するところ」など、友人、恋人、職場の同僚といった身近な人のいいところを書き出してみよう。【解説】実はそれがあなたの長所かも!3日目までのワークで自分を知ることができたら、いよいよ自己肯定感を高めていく段階へ。4日目のワークは、周囲の人の好きなところ、尊敬できるところなどを書くというもの。他人について考えるのだから、自己肯定感とは関係ないようにも思えるけれど、これにはどんな意味が?「このワークで書いた友人たちのいいところは、実はあなた自身のいいところ。人にはさまざまな長所、短所がありますが、その中で真っ先に思いついた身近な人の長所には、知らず知らずのうちに自分の価値が投影されているもの。これは心理学でよく用いられる魅力発見法なんですよ」“Aさんの明るいところがすごい”と思いついたとしたら、あなた自身も明るい人で、それがあなたの魅力といえそう。自己肯定感の低い人ほど信じられないかもしれないけれど、「そういう面があるのかも」というくらいに心に留めてみて。根本裕幸さん心理カウンセラー。カウンセリング、セミナー、講演等で活躍。著書に『敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法』(あさ出版)、最新刊『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)など。※『anan』2018年12月12日号より。取材、文・黒澤 彩©courtneyk(by anan編集部)
2018年12月05日あまり好ましくないとされる、日本人の国民性として挙げられるもののひとつが「コミュニケーション能力の低さ」です。人前でのスピーチなどは大人でも苦手だという人も多いのではないでしょうか。しかし、そういう「自己表現」の力が役立つのは、なにもスピーチやプレゼンテーションの場だけではありません。子ども教育のプロフェッショナル養成に携わる増田修治先生は、「自己表現力が子どもの『自立』にも関わる」と語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)「自立」とは自己表現により周囲に助けてもらうこと日本人は、「表現力に乏しい」と評価をされることが多い民族です。これには、もともとの国民性も影響していると見ることができますが、教育によるところも大きいはず。いまの日本の教育は、「自己表現力」も含めてさまざまな「自己〜」が育ちにくいものなのです。たとえば「自己肯定感」もそのひとつかもしれません。日本人の自己肯定感の強さは先進国で最低という調査結果が出ています。いくつかの理由がありますが、子どもたちに「なんでもしっかりできる子がいい子」だというプレッシャーがかかっていることも要因のひとつ。親も含めて、多くの大人が暗黙のうちにそういう評価基準を持っていませんか?そうすると、少しでも失敗すると、子どもは「自分はいい子じゃない」と思ってしまう。これでは、自己肯定感が弱くなるのも当然ですよね。でも、「なんでもしっかりできる子」はどこかで無理をしているものです。それに、そういうしっかりした子どもであっても、ずっと壁にぶつからないで生きていけるということはあり得ません。どんな人間であっても、人生のどこかで大きな壁にぶつかるものです。でも、そのときに「どうすべきか」という手段を知らなかったらどうでしょうか?立ち上がって再び力強く人生を歩みだすということが難しくなるでしょう。大事なことは、「なんでもしっかりできる子」に育てることではありません。壁にぶつかってもいいけれど、そのときに大切となるのは、きちんと「自己分析」ができること。勉強中にどうしてもわからないことがあったとしましょう。そのとき、自分の力を測り、区分けし、「ここまではできるけれど、ここからがわからないから教えてほしい」と周囲に助けを求められるかどうか。そこが重要になる。大人だって、ひとりで生きているわけではありませんよね。誰もがいろいろな人に助けてもらって生きている。「自立」するということは、人の力を借りないことではなく、むしろ、「うまく人に助けてもらう」ことなのです。そして、そのときに必要とされるのは、自分の置かれた状況を自分の言葉で語って助けを求める、それこそ「自己表現力」ではないでしょうか。話を聞いてもらった経験が多い子どもだけが、話を聞ける子どもになるその自己表現力を伸ばしてあげるためにも、子どものもっとも身近にいる大人である親が子どもとしっかりコミュニケーションを取るべきです。きちんとコミュンケーションが取れるということは、その時点で良好な関係ができていることでもあり、親子間の「応答性」が育っているということになる。ひとりがしゃべって、もうひとりはずっと黙って聞いている。こんなものはコミュニケーションでもなんでもありません。コミュニケーションとは、相互が話して聞く、応答を指すもの。その応答によって互いを知り、感情を共有したりするなかで、子どもの自己表現力が養われていきます。でも、残念ながら、それができていない親御さんも目立ちます。ここで、わたしがスーパーで目撃した出来事を紹介しましょう。お母さんが、「今日は好きなアイスクリームを食べていいから、決めておいてね」と言って、アイスクリームボックスの前に子どもを置いていきました。子どもはブツブツとなにやらひとりごとを呟いています。ちょっとだけ耳を傾けてみると、「どうしようかな、バニラにしようかな、チョコにしようかな」と悩んでいるようです。しばらくして、「よし、バニラにしよう」と言った。決まったのかと思いきや、今度は「コーンにしようかな、カップにしようかな」とまた悩んでいる(笑)。そして、「カップはけっこう食べているからコーンにしようかな」「コーンにしてチョコをトッピングすれば両方食べられるな」なんてことを言っているところに、お母さんが買い物を終えて戻ってきた。すると、お母さんが言いました。「なにやっているの!まだ決まらないの?じゃ、これでいいでしょ」と。そんなことでは、いままで子どもが悩みながら考えていたことが一瞬でパーです。子どもの頭がいちばん働いているのは、悩んで考えているとき。親は子どもとしっかりコミュニケーションを取って、その考える時間を保証してあげる必要がある。それが、自分の考えをしっかり表現する力のみならず、「自己選択」して生きているという実感を子どもに持たせることになり、ひいては、自己肯定感を育むことにもなるのです。親はよく「ちゃんと先生の話を聞きなさい」と言いますよね。でも、親が子どもの話を聞いていなかったら、話を聞ける子どもにはなりません。話を聞いてもらった経験が多い子どもだけが、話を聞ける子どもになるのです。小さい子どもは「あれなに?」「これなに?」と親にいっぱい話しかけると思います。そのとき、きちんと話を聞いて「あれはこうだよ」と丁寧に答えてあげる。すると、そのコミュニケーションのなかで、子どもは「話を聞いてもらえることが心地良いこと」だとわかってくる。だからこそ、「人の話もちゃんと聞こう」という人間に育つのです。また、そういう子どもでなければ、学力だって伸びていきません。小学校で授業をきちんと聞けない子どもは、大半が周囲からこぼれてしまうものですからね。そして、きちんと話を聞く姿勢は、学力を伸ばすだけにとどまらない。多くの人の言葉に耳を傾けるのですから、当然、人間性も同時に育っていくのです。『遊びにつなぐ! 場面から読み取る子どもの発達』増田修治 著/中央法規出版(2018)■ 子ども教育のエキスパート・増田修治先生 インタビュー一覧第1回:クイズで育む!?子どもの「人生を決める」非認知能力の伸ばし方第2回:非認知能力が高い子どもは、「認知能力」も伸びていく。ではその逆は――?第3回:子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」第4回:“おなら”に“裸”、なにを書いてもOK!?「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力(※近日公開)【プロフィール】増田修治(ますだ・しゅうじ)1958年3月8日生まれ、埼玉県出身。1980年、埼玉大学教育学部卒業後、小学校教諭として埼玉県朝霞市内の小学校に勤務。「ユーモア詩」に取り組み、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るとともに、楽しい学級づくり、保護者とのコミュニケーションづくりをおこなう。2002年にはNHK『にんげんドキュメント 詩が躍る教室』が放映され反響を呼んだ。2008年3月末で小学校教諭を退職し、同年4月より白梅学園大学准教授。現在は同大学子ども学部子ども学科教授。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える—岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として—』(本の泉社)、『先生! 今日の授業楽しかった!—多忙感を吹き飛ばす、マネジメントの視点—』(日本標準)など教育関連の著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月03日「きっかけは私が小学校教師になってすぐのこと。初めて担任になったクラスに亜矢子ちゃんという明るくて前向きな女の子がいました。その子の家を家庭訪問した際、玄関を開けると、家じゅうに、彼女と家族の笑顔の写真が飾られていて『なんだこれは』と驚いたことがいまでも忘れられません」こう話すのはベストセラー『「親力」で決まる!』の著者で教育評論家の親野智可等先生。じつは亜矢子ちゃんの父親は船員で、一度遠洋航海に出ると半年~1年間は家に帰ってこない。その間に、彼女が寂しくないように母親が考えたものだったという。「日ごろ、彼女の明るさを目の当たりにしていましたから、すごいな、家族写真って力があるんだなと、私の心に焼き付いたんです」(親野先生)それは30年たった今年、脳科学者の篠原菊紀先生(諏訪東京理科大教授)らと立ち上げた「ほめ写プロジェクト」として実を結ぶことになった。「世界的に見ても、日本の子どもは自己肯定感の低いことが指摘されています。その原因のひとつが、家で叱られてばかりでほめられることがあまりないことではないか。なにか親が子どもを上手にほめるきっかけを作れないかと考えたとき、亜矢子ちゃんの家の光景を思いついたんです」(親野先生)玄関、リビング、ダイニング、トイレ……家じゅうに、(1)家族のがんばっているシーン、(2)家族が目標を達成したシーン、(3)家族仲よくしているシーンの写真をプリントして貼りまくるというのが「ほめ写プロジェクト」。親が職場でがんばっている写真、運動会の写真、入学式や旅行先での家族写真などを毎日、目にすることで、子どもが自分に自信を持てるようになることを普及する活動だ。このプロジェクトに参加した篠原先生はこう明かす。「最初に話を聞いたときには、正直、半信半疑。ところが実際に脳の活動実験をしてみたところ、その効果の大きさに舌を巻いたというのが本音です」(篠原先生・以下同)篠原先生は、自宅にほめ写を貼って3週間生活した16人の子どもと、貼らない8人の子どもにグループ分け。全員に本人の写真を見せたときの脳活動を測定した。その結果、ほめ写に囲まれて3週間を過ごした子のほうが、自分の写真を見ると脳の「腹内側前頭前野」が活性化することがわかったのだ。「これは自分の写真を見ると脳が快になっている証し。つまり自己肯定感が非常に強くなっていることの裏付けでした」なぜほめ写にこれほどの力があるのか?「なにかいいことがあっても脳はすぐに忘れてしまいます。しかし毎日、自分や家族のプラスイメージの写真を目からインプットすることで、そのつど脳にそれが上書きされ、強化される。それが自己肯定感を高めるんです」
2018年11月07日ごく簡単に言えば、自分で自分のことを好きになることを自己容認といいます。じつは恋愛って、この自己容認力が高ければ高いほどうまくいくようにできています。なので、たとえば、彼ともっとラブラブになりたいと思えば、自己容認力をつけるとそうなれます、というのが王道をゆく答え。「わたしがもっとかわいくなれば彼氏にもっと愛されるはず」と思っている人もいると思うけれど、かわいくなるというのは、自分で自分のことを認めることができるようになるための1つの方法、つまり枝葉であって、あくまでも幹は自己容認力なんですよね。■■自己容認力が強い人の恋愛がうまくいく理由自己容認力が強い人の恋愛がうまくいく理由は、自己容認力が強い人には、おなじく自己容認力が強い人が寄ってくるから。自己容認力が強い人とは、自分のことを認めるのとおなじくらい相手のことも認める人だから、つまらない恋愛トラブルが少ないんです。彼のことが好きだけど、なぜかいつも彼とケンカになってしまうというのは、あなたと彼とがもっている自己容認力が低い――つまり、あなたも彼も、心のどこかで今の自分のことを自分であまり認められていなくて、いつも心に隙間風が吹き抜けているとか、どこかしら地に足がついていない感覚があって、それをどうすればいいのかわかっていないからなんですよね。■■女子が自分で意識していないことじつは男子は、一般的には女子より自己容認力が低いんですよね。自分で意識していないかもしれないけど、女子は愛のある世界がどういう世界かというイメージを、漠然とではあっても持っているんですよね。だから自己容認力が低くても最後はそこにたどり着けばいいという目標みたいなのを持っています。だから、なんだかんだ言っても、女子はそこにたどり着こうと思えば可能。目標が見えているから。でも男子は目標すら見えていないことのほうが多い。愛のある世界をイメージできないものだから、たとえばケンカする男子はすぐケンカするし、彼女の前で不機嫌になる男子はしょっちゅう不機嫌になります。目指すべき場所が見えていない、つまり目標が見えていないから。それに、女子は、自己容認力高めの、たとえば年上の男子と交際しようと思えばわりと簡単にできるけれど、男子が自己容認力高めの女子と交際しようと思えば、なかなかむずかしいものです。自己容認力高めの女子はたいてい、自分と似たような、精神年齢高めの男子と交際しているから。■■うっかり非ラブラブに転落してしまわないために彼ともっとラブラブになりたいと思っている人は、彼がどれくらい自己容認力を持っているのかを見極めるといいです。自己容認力って、その人の前提というか、ほぼ言語化されることのないその人の考え方のベースだから、よくよく彼とひざをつき合わせて話さないと見えてこないかもしれないけれど、でも相手が持っている前提となっている考え方を知らないとなかなかラブラブになれないから。彼がもし、自己容認力低めなら、あなたが彼女として彼をフォローしてあげるといいです。そしてできれば彼も、あなたの自己容認力が高まるようにフォローする。お互いに、相手の自己容認力が高くなるようにフォローしてあげる――言葉にすれば「そんなカップルっているの?」みたいに聞こえると思うけど、でもラブラブなカップルってそういうことをやっています。あなたから見て「ラブラブそうに見えていいな」と思えるカップルって、そういうことが言外の前提としてあるんですよね。とくに若いときって、なにをやっても自分で自分のことが好きになれず、大きく精神的なバランスを崩してしまうときだってあると思うけれど、ラブラブなカップルって、相手の精神的なバランスに配慮しあっているんですよね。というか、そういう配慮のあるカップルのことを「ラブラブなカップル」と呼ぶはずで、見た目だけキラキラのカップルとか、見た目だけラブラブのカップルというのは、キラキラやラブラブを根底で支えるものがないから、うっかり非キラキラや非ラブラブに転落しちゃうんです。(ひとみしょう/作家)『今夜はちょっと、恋の話をしよう』(ハウコレ編集部)
2018年09月16日漫画を原作としたドラマ『文学処女』(TBS系)がスタートしました。恋愛経験ゼロ、勉強も運動も“中の中”という鹿子(森川葵さん)は出版社に勤める編集者。何の因果か、人気ミステリー作家・加賀屋(城田優さん)の担当になります。加賀屋はイケメンで筋金入りのプレイボーイ。でも、実はつらい恋愛の過去があり…。本当の恋を知らない鹿子と、本当の恋ができない加賀屋が織りなす、王道の胸キュン恋愛ドラマです。■惹かれ合う対照的な二人初対面でいきなり冷たい態度をとられ、早々に落ち込む鹿子。加賀屋とよい作品を作りたい一心で、「どんな作家さんとも正面から向き合っていこう」という決意を新たにします。とかく女性との噂が絶えない加賀屋は、あちこちで陰口を言われがち。「顔だけの男」「美人で巨乳の担当をつければ原稿を書いてくれる」などなど…。鹿子はそんな人々に自らぶつかって、必死に彼の名誉を守ろうとします。不器用だけど、いつも真っ直ぐな鹿子。そんな人間性に触れ、加賀屋は徐々に心を開いていくのですが…。とっつきにくく本心が見えない加賀屋と、思いのままに行動する純粋な鹿子、二人には大きな違いがあります。それは「自己一致」ができているかそうでないか、です。今回はこの「自己一致」について解説していきます。■「自己一致」とは?例えば愛するペットを亡くしたら、その人は悲しみのあまり泣いてしまうでしょう。また、町で偶然友達に会うと、笑い合ったりお互いの肩をたたき合ったりして、うれしさを表現しますよね。このように人は何かを感じた際に、それに応じた行動をとります。気持ちと言動に一貫性があり、そこに嘘がない状態を心理学用語で「自己一致」と言うのです。「自己一致」ができていると、心が常に安定した状態を保てます。では、心に感じたことや頭に浮かんだ考えを、なんでもかんでも表現していいものでしょうか。もちろん、それはNGです。大人の配慮ができないのは「自己一致」ではなく、ただ「無神経」なだけ。大事なのは、自分の心を理解して認識することです。それに対してどういうリアクションをするのか、状況判断が求められます。その結果、本心に即した行動ができずイライラするかもしれません。それならそれで、イライラを認めて受け入れましょう。常に自分の心に真摯に向き合えるのが、「自己一致」なのです。■「自己一致」ができる女性はなぜ魅力的?社会の中で生きていると、想いとは裏腹な行動をとらざるをえないときがあります。まったく琴線に触れないけれど、上司や先輩の手前、興味があるフリをする…そんなときってありますよね。必ずしも心情と行動とを一致させられるわけではなく、誰しも臨機応変に過ごしています。ただ、このような処世術の一貫としてではなく、自発的に矛盾した行動をとる人もいるんです。寂しいと思っているのに、それを言わずに平気なフリをする。本当は好きなのに興味のない素振りを見せる。こういう人を男女ともに見かけるのでは?「自己一致」させることなくあまのじゃくな態度をとる人は、行動に一貫性がありません。どう向き合っていけばいいかわからないから、他人から距離を置かれてしまうんです。「自己一致」ができている人は心の在り方をよく観察していて、機微な心情を理解できます。だから共感能力がとても高いです。相手と同じ目線に立って気持ちに寄り添うことができるため、多くの心を惹きつけます。■まとめ「自己一致」の心理学、ご理解いただけましたでしょうか。自分に対して率直になれる人は、他人に対しても同じように行動できます。瞬間・瞬間で感じていることを常にモニターし、鋭敏に正確にそして深く把握するようにしましょう。その精度を高められれば高められるほど、男性を本気にさせられる魅力的な女性になれますよ。ぜひ、心を開いて自分と向き合ってみてくださいね。
2018年09月15日人を好きなっただけで、誰かの活躍を見るだけで、どうしてこんなに苦しい思いになるんだろう? 嫉妬なんかしたくないのに、どうしてザワザワと胸が苦しくなってしまうんだろう? 心屋認定講師の石川稀月さんが、そんな嫉妬心に苦しむあなたへの処方箋を紹介します。■嫉妬深い人「愛されたくて頑張り過ぎてしまう…」皆さんもご存じかもしれませんが、嫉妬心には2種類あります。ひとつは「自分の大切な人が、ほかの人を大切にするのがつらい“愛情に関するもの”」、もうひとつは「人気がある、仕事ができるなどの“能力に関するもの”」です。どちらも、このつらい気持ちの根底には「自分は大切ではないのかもしれない。自分には価値がないのでは?」という悲しい勘違いが潜んでいることが多くあります。かくいう私も、嫉妬深い性格をしています。特に愛情に関する嫉妬心が強く、パートナーが誰かを送っていったと聞いたり、ほかの誰かとの会話に夢中になりすぎて私が声をかけても気がつかなかったりすると、どうしようもなく悲しくなって、自分の嫉妬心を持て余してよく困りました。嫉妬深い人は「他人に大切にされたり、認められたりすることで、自分に価値や存在意義を感じられる」という傾向があるため、普段から人に愛されるように、価値を認めてもらえるように…と努力や工夫をしている方が多いようです。そのため、嫉妬心の中には「こんなに頑張っているのに、思うように結果が出ない」という悲しみも含まれていることが少なくありません。■他人任せにしない「価値ある自分」を受け入れるしかし、人の気持ちや価値観というのは、時間や気分、立場でコロコロと変わってしまう、意外と”頼りないもの”です。そんな頼りない他人の判断に自分の価値や存在意義を任せてしまうと、あなたが一番欲しい”確かなもの”は得られません。それならいっそ、人に愛され価値があると認めてもらうために頑張ったり工夫したりする努力や、「他人が自分をどう扱うかで、自分の存在価値が決まる」といった考え方を、思いきってやめてしまいましょう。そのために、ぜひつぶやいてみてほしい言葉を紹介します。「頑張らないで、ありのままでいても愛されるし、うまくいく」「自分を愛したり、価値を認めたりするのは、まず自分自身」「自分には、自分だけにしかない良さがある」「私はかけがえのない人。大切で、価値のある人」上記は、すでに決まったこと、”決定事項”として受け入れてみるのです(「そんなはずはない」「私に価値なんてない」という反論はなしです!)。心屋塾では、「自分は大切ではない、自分には価値がない」と自身が思い込んでしまうと、その通りの場所・環境にわざわざ身を置いてしまいがちになり、さらに自分には価値がない、”ありのまま”でいたらいけないんだとと思う悪循環におちいることを”コント”と呼んでいます。コント、つまり自分で自分を苦しめる『ありのままの私は大切ではない、価値がない』という思い込みを繰り返す人生に、ピリオドを打ちましょう。 ■強い嫉妬心「幼い頃の悲しみが原因の場合も」「認めてもらえなかった」「自分よりほかの誰かが大切にされている」と幼い頃に感じたことがあると、大人になってから、そのときの「寂しい、報われない」という気持ちが、目の前の出来事を通してよみがえってくることがあります。嫉妬心の苦しさには、そうした”過去の悲しみ”が潜んでいることも少なくありません。その悲しみを味わいたくないからこそ、愛されるように、認められるようにと努力して、工夫して生きてしまうのですね。でも、悲しかったのは「昔」であって、「今」ではありません。例えるなら、昔食べ物で困ったから、今でも空腹を過度に怖れ、常におなかが空かないよう気をつけている…そんな感じです。安心してください。幼い頃のつらい欠乏感にもう支配されることはないのです。■嫉妬からの解放「昔、言えなかった気持ち」を書き出してみよう脳は、主語、時間、想像と現実の区別がつきません。そのことを利用したインナーチャイルド・ヒーリング(幼児期の心のキズを自覚し癒し、本来の自分を取り戻す心理療法)などもおすすめですが、ひとりでできる方法もお伝えしますね。以下、3つのワークを試してみてください。1. 幼い頃、言われたかった言葉(例:「一番かわいいね」「よくできたね」「誰よりも大切だよ」「あなたが生まれて本当にうれしかった」「わがままなあなたもかわいい」など)を紙に書き出し、自分で自分に何度も言ってあげる。2. 人に大切にされたり、認められたりする場面を想像して「私は〜された」と過去形で紙に書き、ぶつぶつと読み上げてみる。3. 幼い頃、言いたかったのに言えなかった言葉(例:「私のことだけを見て」「私、寂しい」「私、頑張ったよ」「幸せそうな顔を見たい」「嫌だ」「私にも優しくして? ほめて?」など)を紙に書き、口に出してみる。書く内容を変えながら何度もこの作業をしていくうちに、心の中の欠乏感が薄れていき、人のこともだんだん気にならなくなっていきます。自分が思っていることも言いやすくなり、嫌な場面を我慢することも少なくなっていくでしょう。ありのままのあなたの前から誰かが去っていったとしても、また必ず新しい出会いがあり、孤独になることはありません。自分で自分の心の声を聞いてあげ、自分を大切に扱うこと。あなたのことを大切にしない人とは関わらないこと。素晴らしい人物にならなくても、あなたにはあなたにしかない”味”があります。それを自分が認め、肯定したとき、嫉妬心から解放されるでしょう。そして、あなたを大切に「ありのままでいいよ」と肯定してくれる人たちに囲まれた新しい世界が、きっと始まることと思います。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年09月11日「自己肯定感を持つのは大事」という言葉を、最近はよく耳にするようになりましたね。確かに「自分ならできる」という自己肯定感は高いほうが好ましいと私も思います。けれど、自己肯定感だけを高めていくと、「自分は完璧な人間だ」と錯覚し、できない自分を認められず、周りの人や環境のせいにしてしまう…という別の弊害が生まれてしまうこともあるとご存じでしょうか?わが子がそうならないために、子育てにおいて自己肯定感と同じく大切に考えていきたいのが「自己受容」。今回は、自己肯定感と自己受容の違い、それぞれの高め方について考えていきましょう。■「できる」自己肯定感、「許す」自己受容最近、よく耳にすることが多くなった「自己肯定感」という言葉。この自己肯定感とは一体、なんなのでしょうか?例えば、子どもが逆上がりができないとしましょう。その子が自分に対して、「今はできないけど、たくさん練習すればできるようになる!」と思えること、それを自己肯定感といいます。「自分はできる!」と感じる自己肯定感に対して、自己受容は「とび箱は得意だけど、逆上がりができない…。でも、まあいいか」と自分に対して思えることです。それはつまり、できない自分でもありのままに受け入れられる、許せる感覚といえるでしょう。■「わたしのせいじゃない!」アンバランスな自己肯定感ここで大切なのが、自己肯定感と自己受容のバランスです。たいてい問題が起きるのは、自己肯定感だけが高い場合。自己肯定感がいくら高くても、自己受容が低い人は、「自分はすべて完璧」「失敗するなんてありえない」と、できない自分を認められません。すると、失敗やトラブルの原因を周囲の人や環境に押しつける、自分大好き人間になってしまいます。皆さんの周りにもいませんか? どこからくるのか分からない自信にあふれているけれど、いざ失敗すると「ダメだったのは、きっとあの人(もの)のせいだったんだ」と、すべて自分以外に押しつけてしまう人。自己肯定感は、あくまで自己受容の土台の上に成り立つことで、初めて価値があるとイメージすると分かりやすいかもしれません。自己受容は低いままに、自己肯定感だけが高まっていくと、「できないのは自分じゃなくて他人のせい」「自分はいつでも特別で、なんでもできる完璧な存在」と過信し、ますます、できない自分を受け入れられなくなってしまうのです。■自己肯定感「親の働きかけはいつから? いつまで?」自己肯定感と自己受容、どちらが欠けてもバランスが悪くなるので、同じように高めていくのが理想的です。では、子どもの自己肯定感や自己受容はいくつくらいから高めることができるのでしょうか? 親が子どもの自己肯定感を高めるためには、一般的に3歳~9歳までの間の働きかけが効果的とされています。働きかけを始めるタイミングとしては、「うれしいね」「大好き」といった言葉がある程度理解できるようになる頃、大体3歳くらいからと考えておくといいですね。9歳までと区切っているのは、子どもが親とのつながりから離れ、友だちとの付き合いなど社会のなかにある自分を意識し始めるのが、大体10歳くらいからといわれているため。これまでは親の言うことは絶対だと思っていた子も、自然と疑問を持ち始め、素直に受け入れづらくなる年齢です。ただ、それは親主導で自己肯定感や自己受容を育む場合。子どもの精神の成長には個人差があり、10歳を過ぎている子がすべて、親の働きかけをまったく受け入れないというわけではありません。「もう無理か…」とあきらめるのは早すぎます。■自己肯定感と自己受容、どうやったら高くなる?では、具体的に親はどんな働きかけをしていけばいいのでしょうか? 子どもの自己肯定感を高めるためには、まず「目標を細かく分けること」です。目標とするものは、スポーツや勉強など、なんでもいいと思います。1つの目標を持たせ、難しすぎない課題をつくり、その課題を細かく分けて、親子で一緒に取り組んでみるといいですね。そして課題を達成できたタイミングで「できた!」と子どもと一緒になって達成感を味わい、たくさんほめてあげましょう。こうした流れを繰り返すことで、子どもの自己肯定感は高まっていきます。一方、子どもの自己受容を高めるために親ができること、それは「楽しいね」「悔しいね」「すっきりしたね」といった感情を子どもに伝え、共感することです。子どもがどう感じたのかを言葉にし、子どもの気持ちに寄り添うことを意識します。そして子どもができなかったことに対し「できなくてもいい。どんなあなたでも大好きだ」というメッセージを伝えることです。できなかった自分、ダメだった自分。だけど、そんな自分も悪くない。そのままでも愛されているのだ、と子ども自身が思えるように寄り添ってあげましょう。そのうえで「またチャレンジしてみる? 次はできるかもよ」などと、子どもが「もうちょっと頑張ってみようかな」と思えるような声かけができるといいですね。子どもの自己肯定感は「このままの自分、ありのままの自分でいい」という自己受容があってこそ、うまく機能していくものです。自己肯定感と自己受容、2つの違いを理解して、どちらも同じように大切にしていけるといいですね。
2018年09月09日子育てする上で、あなたは子どもの何を伸ばしてあげたいですか?4歳~12歳の子どもを持つ親600人を対象にしたある調査によると、子育てで伸ばしたい項目のトップは「他人を思いやる気持ち」。そして2位には近年よく耳にする“自己肯定感”があがりました。自己肯定感の”高い・低い”は子ども自身の”行動や考え方”、そして”生き方”にも影響すると聞けば、多くの親が伸ばしたいと感じるはず。しかし、その意味や取り組みについては自信が無いという方も多いようなんです。今回は、子どもの自己肯定感についてのお話です。■ 親の9割が重視する「自己肯定感」その取り組みは?こちらの調査で、子どもの自己肯定感の重要性について重要と捉える親は、94.5%に上ります(重要だと思う/59.7%、どちらかと言えば重要だと思う/34.8%の合計)。続けて、この自己肯定感を高める取り組みについて聞いてみたところ、「意識して行っていることはない」と回答した人は58.5%。9割以上が自己肯定感が大事と感じながらも、実際に行動できているのは4割の親たち。多くの親は子どもの自己肯定感を高めるために、特に意識して行っていることはないという実態が明らかになりました。kou / PIXTA(ピクスタ)■ なぜ自己肯定感が重視されるのか?その理由そもそも、なぜ9割以上の親が自己肯定感を重要と捉えているのでしょうか?こちらの調査でも、「自己肯定感が子どもに与える影響まで知っている」と回答したのは、わずか3割であり、「自己肯定感」の意味を知らない人は5割近く存在します。それでは自己肯定感の3つの概念を見てみましょう。「自らの努力や能力、成果によるもの」他者からの評価や他者との比較で自己肯定感が生じる「自分らしさや個性を肯定」自身による受け止めで自己肯定感が生じる「自分という存在」保護者などからの愛情で自己肯定感が生じるこれらが自己肯定感の意味するもので、親が手伝うことができるのは”保護者からの愛情”ではないでしょうか。Rina / PIXTA(ピクスタ)乳幼児期から自分が無条件で受け入れられる経験を積み重ねた子どもは、青年期に自分を客観視し、短所を含めた自分を受け止めることができる可能性が高くなります。親からの深い愛情は子どもの自己肯定感を伸ばすベースなんですよね。自己肯定感が高いと、”自分に自信が持てる・失敗を恐れず挑戦する・人間関係を築きやすい”などのメリットがあるとされています。Greyscale / PIXTA(ピクスタ)反対に、自己肯定感が低いと、他者に攻撃的になったり引きこもりの要因にもなると聞けば、自己肯定感を伸ばしたいと感じる親が9割を超えるのも頷けますよね。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)■ 子どもの自己肯定感を高くするにはどうすればいい?多くの親が、「ほめることを苦手」と回答しているこちらの調査。ただ、「すごいね!」と声をかけるだけであれば簡単ですが、子どもに響くようにほめることって本当に難しいですよね。自己肯定感を伸ばすポイントも、もちろん「ほめること」にありますが、多くは”その行動に対する結果ではなくその過程を褒め、認めるべき”と聞きます。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)この過程と認めることに焦点を当てるというのも1つの手ですが、最近は「ほめ写」(写真を貼ってほめることで、子どもの自己肯定感を向上させる“新たな子育て習慣”)というものが注目されています。*ちはる* / PIXTA(ピクスタ)この「ほめ写」子どもの写真をリビングや部屋に飾ることで、子どもの自己肯定感がアップするそう。自分の写真や家族が仲良く写っている写真などが日常の風景となると、「私の家族は仲良し」「両親に大切にされている」という気持ちが育まれるんですね。いかがでしたか?自己肯定感を伸ばしたい、その最大の理由はわが子が「幸せになって欲しいから」であることを忘れてはいけません。子どもをほめているけれど、自分のほめ方が適切かは不安……。そんな方は、今日からリビングにお子さんの写真を飾ることから始めてみてはいかがでしょうか?【参考】※95%の親は「子どもの自己肯定感は大事」と思う一方で、約6割の親は「意識して行っていることはない」と回答パパママは”ほめ力不足“? 6割が「叱る」より「ほめる」方が難しい実態※ほめ写プロジェクト※子供たちの自己肯定感を育む – 参議院
2018年09月04日編集部:学研キッズネット編集部本サイトの連載「子どもが伸びる親力」で、いつも的確な子育てアドバイスをしてくれている親野智可等先生が中心メンバーとなり、子どもの自己肯定感を高める新しい子育て習慣を発信する、「ほめ写プロジェクト」をスタートしました。「ほめ写」とは、いったいどんな子育て習慣なのでしょうか?発表会に参加してわかったその内容をリポートします。子どもの成長を左右する「自己肯定感」親野先生は、長年にわたって小学校の教師を務めた経験から、自己肯定感の有無が子どもの成長を決定づけるということに気づきました。自己肯定感とは、自分の可能性を信じて肯定的に自己を認識すること。自己肯定感のある子は、何事にも積極的にチャレンジし、壁に当たったとしても「自分にはできるはずだ」と思えるので努力が続けられ、その壁を乗り越えられます。「親や学校の先生が優先すべきは、子どもが自己肯定感を持てるようにしてあげること」と親野先生は言います。自己肯定感を高めるには、ほめることが大きく影響します。子どもが努力していたり、何かを達成したりした瞬間に、すかさずほめるようにするのです。しかし、これだけでは条件的なほめかたになってしまい、何か達成しないとほめられないと思ってしまいます。そのため、同時に「いっしょにいるだけで幸せ」とか「生まれてきてくれてありがとう」というように無条件にほめることも大事になってきます。親にこう言われることで子どもは安心し、自己肯定感を高めることにつながります。写真を使ってほめる子どもをほめる方法は、いろいろです。このたび親野先生たちが提案するのが、家の中に写真を飾ってほめる、「ほめ写」です。これは、親野先生がこれまでに多くの子どもたちと接してきたなかで、自己肯定感の高い子どもの家庭には写真プリントが貼られていることが多いという体験に基づいています。写真の内容は、習い事や勉強、お手伝いに取り組むようすや目的を成し遂げた姿です。写真を飾ることで、子どもは親が自分のことを気に留めていることに気づくでしょう。また、写真は親子の対話のきっかけになり、対話する中で愛情を伝えることもできます。そして、子どもは写真で自分が頑張る姿を客観的に見て、「自分はできる。頑張れる」という思いを強くしていきます。家族みんなで仲よくいっしょに写っている写真も効果的です。そうした写真を見ているうちに「わたしは家族に愛されている。わたしも家族が大好きだ」と、親や家族の愛情を実感できるようになります。「ほめ写」は、自分自身への満足感に効果あり「ほめ写」が子どもの自己肯定感を高めることに有効かどうかを実証するため、普段写真を飾っていない32組の親子に、「ほめ写」ワークを約3週間にわたり実施してもらいました。その結果、子どもの自己肯定感に関する意識が全般的に向上したという結果が出ています。特に「自分自身への満足」に大きな変化が見られました。さらに、「ほめ写」を3週間体験した子どもと、「ほめ写」を体験していない子どもに、自分の写真、家族との写真、関連性のない写真を見せたとき、脳活動にどのような違いが見られるか測定を行ないました。こちらも「ほめ写」を体験し自己肯定感が高まったと答えた子どもは、写真を見たときに「心地良い」と感じる脳の部位である腹内側前頭前野に活性化がされていることが確認できました。さっそく、「ほめ写」を実践してみましょう自己肯定感を高める「ほめ写」の方法はとても簡単で、たった3つのステップで実践できます。①撮る子どもが何かに頑張っている姿や何かを達成したなどの特別なシーンを写真に撮る。何気ない日常の一コマや家族といっしょに写っている姿も写真に収めます。②飾る写真は子どもの目線の高さで、生活の導線上に飾ります。特に重要と思う写真は、A4程度に大きくプリントするのが効果的。③ほめる飾った写真を見ながら、「このときは頑張ったね」「よくできたね」と努力や成果をほめるだけでなく、「生まれてきてくれてありがとう」「見ているだけで幸せな気持ちだよ」と子どもの存在そのものを肯定します。自己肯定感を高めるにはほめるのがいい。わかってはいても、忙しい毎日でつい忘れがちですよね。子どもの写真を撮るのは親にとっても楽しいことだし、その写真を家の中に貼っておくだけで子どもの自己肯定感につながるのなら、こんなにいいことはない。ぜひみなさんも試してみてください!学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年08月30日自己承認マンとは?説明しよう!自己承認マンとは、自己承認が苦手な人のためにエスティーム星からこの地球にやってくる、自己承認のノウハウを教えてくれるヒーローである。彼を呼ぶことによって、どんな些細なことでも自己承認ができるようになり、自分を愛することができるようになるのだ!それじゃあ早速、みんなで声を出して読んでみよう!せーの、『自己承認マ〜〜〜〜〜〜ン!!』■自己承認マンが教える自己承認のコツーあ、自己承認マン!自己承認のコツを教えて!「僕を呼んでくれたのは君かな。よく呼んでくれた。なかなかできることじゃないぞ?すごいじゃないか!」ーえ、もう承認してくれた!?「あたりまえさ。自己承認のハードルは低ければ低いほどいいんだ。究極的には今息をしてる段階で自己承認をするといい。『わたし・・・呼吸してる・・・!!素晴らしい』そう思えるようになること、それがゴールだ」ーでも、そんなの当たり前すぎて自分を褒めてあげることなんてできないよ!「地球人あるあるだね。いいかい、地球人は誰かと比較して幸せを感じたり、人を貶したり、自分を褒めたりする変わった生き物なんだ。そんなくだらないこと他の生物がやってると思うかい?みんな自分が生きるので必死さ。他人の事を気にする余裕があるのは地球人ぐらいなもんだね。」ーい、言われてみれば、そうだけど・・・「君が君のことを、どうしようもないと思うことでも褒めてあげること。それによって誰かが傷つくかい?誰かに迷惑がかかるかい?」ーでも、勘違い野郎だと思われるかも・・・「勘違い、大いに結構だ!そうやって『勘違い野郎だ』と言っている人に限って、自分を結果でしか承認できない勘違い野郎なんだ。君の憧れの人は、君のその自分を好きになろとする努力をバカにすると思うかい?」ーしないよ!そんなことしない!「そうだろう。なら、自信を持って勘違い野郎になろう。」ーうん、そうだね!・・・具体的にはどうしたらいいの?「まずはゲームだと思って自己承認できるポイントをなんでもいいから探してみよう。歯を磨いたら『サボらないわたしすごい』、道端で綺麗な花を見つけたら『なんて幸運なわたしすごい』、会社を休んだら『自分の体を大切にできるわたしすごい』、もし恋人がいるなら『世の中には恋人がいない人もいるのだから、それだけでわたしすごい』と思えばいい。(でも、間違ってもTwitterには呟くなよ)」ーそれならわたしにもできそう!でも、それで本当に自分を好きになれるの?■自己承認マンを呼ぶ目的は、自己承認をクセにすること「残念ながらこれには個人差があるんだ。でも、大事なことは、こういった一見馬鹿げた妄想を日常に取り入れることで、その思考のクセを身に付けることにあるんだ。」ー思考のクセ?「思考は、地球で言うところのパブロフの犬、条件反射なんだ。自信が持てない人は、条件反射で、物事の悪いところに目がいってしまうクセを持っている。そのクセを『物事の良いところに目を向けるクセ』に変えることが目的なんだよ。」ーそうだったんだ・・・その悪いクセのせいで、わたしこんなに辛かったのかも。「お、新しい気づきを得たね!そういうときはどうするんだっけ?」ーあ!え〜と、わたし、そんな気づきが得られるなんてなんてラッキーなの!すごい!この記事をクリックした自分を褒めてあげたいわ!!とかかな?「グレート!その調子だ!!(いま別の誰かの声を代弁したようだったが・・・)」ーありがとう、自己承認マン!わたし、できそうな気がする!■自己承認できたら、募金をしてみよう「よし、じゃあお金を払ってくれるかい?」ーえ、お金を取るの!?「僕にじゃない。コンビニで10円でもいいから募金してみて欲しい。これは、自己承認をした、という事実を自分に刷り込むための儀式だよ。」ーどうしてそんなことする必要があるの?「多くの人は、ハードルの低い自己承認をかたち上は真似するけど、そのことを心から信じきれていないんだ。だから『自分は自己承認をしたんだ』と信じるために身銭をきる。そうすると『せっかく募金したんだから自己承認しなきゃ損だ』と思うようになるんだ。」ーなるほど。募金したらまたその行為で自己承認できそうだね!「ははは!その通りだ!そうやって”自己承認サイクル”を回しているうちに、だんだんそれが当たり前になり、気づいたらいろんなことを『ま、いいか。わたし十分にすごいし』で片付けられるようになっているはずだよ。」ーそうなれたら本当にすごいね!でもできそう!「今日から早速、君も実践してみてくれよな!辛くなったらいつでも呼んでくれたえまそ!れではまた会おう!!」(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)(林侑里奈/モデル)(お多福/カメラマン)(上杉光美/ヘアメイク)(辻野祐馬/ディレクション)
2018年07月22日自己肯定感って聞いたことありますか?簡単に言うと、自分を肯定する感情です。自己肯定感をしっかりと持っている人というのは「自分は価値がある人間」「自分は必要とされている」と自らを認めているのです。今回は自己肯定感についてを深掘りしていきます。出典:byBirth自己肯定感って聞いたことありますか?簡単に言うと、自分を肯定する感情です。自己肯定感をしっかりと持っている人というのは「自分は価値がある人間」「自分は必要とされている」と自らを認めているのです。日本人の中には、自己肯定感をしっかり持っている人が割合的にも少ない傾向があります。あくまで心の中での感情や感じ方によるものですので、測ることはできないものです。しかし、こういった感情はきっと、仕事や友人関係においてもプラスに向くでしょう。自己肯定感が高い人とは?出典:byBirthでは自己肯定感が高い人とは、実際にどんな考え方をするのでしょうか?具体的に特徴をあげていきます。失敗は自分のため出典:byBirth人間は誰しもが失敗をしますが、そういったときにも自己肯定感が高いか低いかで受け入れ方が変わります。自己肯定感が高い人というのは、失敗したときになぜこうなってしまったのかと冷静に受けとめて「この失敗を解決して次につなげよう」と考えられるのです。そのため、ミスや失敗を恐れずに進むことができ、さらに失敗するたびに成長ができます。誰しもがミスや失敗は起こすもの。それをミスと思っていない人は存在するかもしれません。失敗したときの受け入れ方、そして冷静になって修正に向かう姿をみて、周囲との関係性もよくなるのです。褒められたら素直に喜ぶ出典:byBirth日本人はとくに、人から褒められたときに「全然そんなことないです」と否定しがち。人から褒められても素直に受け入れることができないのです。自己肯定感が高いと「ありがとうございます!」と素直に喜び、ポジティブに受け入れます。そのように褒められたことも素直に受け入れることで、おのずと自分を信じる力も備わってきて、成功につなげることができるのです。周囲の人と比べない出典:byBirth自己肯定感が低い人の特徴として、人の悪いところや人の弱いところと比べて、自分を高く見せようとする人もいますが、これは自信のなさの表れです。自己肯定感が高い人は、「自分は自分、人は人」という考えがしっかりとあり、「人それぞれに良いところや悪いところがあって当然」と思うことができます。女性の中ではよく、僻みや妬みが飛び交うことも多いですが、こういった考えがあることで、おのずと人の幸運も素直に祝福できるようになるのです。悩むよりも進む出典:byBirth自己肯定感が高い人の特徴として、「良い方向へ向かせるためにはどうしたら良いのか」と考える傾向があります。自己肯定感が低い人は「失敗したらどうしよう」という考え方をする特徴があります。ポジティブに自分が成功する理想の姿を描けると、成功がより現実味を帯びて見えてきます。「失敗したらどうしよう」と悩んでいる時間がまずもったいない。「迷うなら前に進むべし!」という考えなのです。今までの成功談も生かして生きているのも特徴です。自己肯定感を上げるには?出典:byBirth自己肯定感は生きてきた環境や、今までの実体験などの積み重ね、考え方で変わってきます。しかし、今からでも自己肯定感を高めることはできるのです。これを読んで、「自分は自己肯定感が低いかも?」と気づいたなら、それは第一歩かもしれません。自分を受け入れる出典:byBirthまずは自分はどういった人間なのか、客観視できるようになると良いでしょう。自分の過去の失敗やマイナス面ばかり思い出したりして立ち止まっている人は、その出来事や自分の状況を受け入れて認めてあげましょう。そして、自分の成功談を絞り出してみましょう。自分の良いところもきっとあるはずです。ほんの小さな目標でも良いので立ててみて、成功談を忘れずに生きていきましょう。自己肯定感が高い人と付き合う出典:byBirth自己肯定感が低い人というのは、自己肯定感が低い人と付き合っている傾向があります。そのような環境にいては、なかなか自分を高めることも難しいでしょう。できれば自己肯定感が高い人と付き合うようにしてみましょう!そしてポジティブな話や成功談、そして失敗談を聞き、どのような乗り越え方をしたのかなどをしっかりと聞きましょう。自己肯定感が高い人の経験や考え方を真似してみるのも手です。人の良いところはたくさん吸収しましょう!自分の得意分野がある環境へ出典:byBirth先ほども、自分の良いところを見つけることが大事ということを伝えましたが、自分が得意とする分野に身を置くというのも大事なことです。なかなか好きなことをして生きていくというのは難しいですし、それを仕事にしている人はわずかですが、趣味でも良いので自分が得意とすることを生活に取り入れましょう。達成感を感じたり、自分の得意なことを続けているということは、自己肯定感を高めることにつながるはずです。出典:byBirthいかがでしたか?自分の自己肯定感は高いと感じましたか?それとも低いと気づけましたか?高い自己肯定感は、きっと仕事においても友人関係や家族関係においても良い影響を与えてくれます。自己肯定感が高いと、周囲からの信頼などもきっと高くなってくるはずです。ぜひ自分を知って、ありのままの自分を素直に受け入れてみてください。少しの感情の変化が、自分の世界観を変えてくれるはずです。
2018年07月12日自己肯定感。恋愛コラムなんかを読んでいるとよく耳にする言葉ですよね。実際に僕もよく取り上げます。なんだかんだいって、結局は自己肯定感が高い人の方がいい人生を送れます。これは間違いありません。ただ、じゃあ自己肯定感ってどうやって高めるの?ということを考えたときに、多くの人が「自分に自信を持たなきゃいけない」と勘違いしているのではないかと思うのです。■自己肯定感に対する3つの勘違い1.自分磨きしないと自己肯定感を持てない?「努力してキレイになって、仕事ができるようになって、周りからモテるようになれば自信が持てる!」そう思って頑張って自分磨きをしている人がいます。しかしその多くは途中で挫折しています。なぜなら自分に自信がないからです。キレイになった!と思えないし、仕事ができるようになった!と思えない。そうして結局、「自分に自信を持つことなんてできないよ」と思い、またそれが自信を失う要因となって、負のループに落ち込んでいきます。2.自分に成功体験がないと自己肯定感を持てない?また、過去にスポーツや学業で何かしらの成功体験を積んでいれば、それが自信となって自己肯定感が養われると思っている人も多いですよね。僕は割と自己肯定感が高い方だと思っているのですが、それがなぜかと考えたときに「私立受験合格したこと」、「中高サッカー部6年間引退までやり続けたこと」などが関係しているのだろうなと思っていました。しかし、よくよくいろんな人の事例を見るうちにそういった「実績」はあまり関係ないのだなと思うようになったのです。3.親の愛情がないと自己肯定感を持てない?これは半分本当で、半分嘘だとも言えます。親が無条件の愛情で接してくれた子どもの自己肯定感は高い傾向にあるは間違いありません。しかし、それは一要素であり、親の愛情がない=自己肯定感を高めるのは無理、ではありません。僕は当事者ではないので偉そうなことは言えませんが、毒親と言われる親の元で育った人でも、その後の人生で自己肯定感を高められた人はたくさんいます。■自己肯定感は「自分への許し」から生まれてくるでは、自己肯定感はどこからやってくるのか?それは「自分への許し」です。僕は26歳のときに、事業を失敗した結果借金を作って、家族にも恩師にも迷惑をかけまくって、一度自分の自信が粉々に砕け散ったことがありますが、今ではそんな自分も自分だと許すことができています。その時に鍵になったのが、「あなたは大丈夫だから」と言ってくれた人たちの存在です。その人たちのおかげで「クソみたいな大失敗をしてしまったけど、前を向いて生きていいんだな」って思えたんです。そして、これこそが自己肯定感の本当の正体だったんです。■自己肯定感が醸成されるまでのプロセスそうやって自分を許しあげられるようになると、だんだん「私は私でいいんだなぁ」と思えるようになります。自己を「肯定」できるようになっていくから、自己「肯定」感が養われていくのです。決して、「うおおおお!達成!成功!万歳!私最高!」という気持ちから自己肯定感が出てくるわけではないんです。むしろ「どう考えても私の人生は最高だとは言い難い。でも、それでも私は生きていくんだ」という気持ちから出てくるものなんです。その結果、なんとなく「わたしなかなか味のある人生を送ってんじゃないの?」という見方ができるようになって、ちょっとずつ自分に自信が出てくるんです。■自己肯定感ってのは、成功からではなく失敗から作られていくんです「自己肯定感をもつために自分に自信を持とう!」とするのは誤ったプロセスです。自信は自己を肯定できた時に初めて出てくるものです。そして自分を本当の意味で肯定できるようになるためには、ある種「クソみたいな自分」を許せるようになる必要があります。そのためには失敗が必要なんです。大事なことなのでもう一回いいます。失敗は必要なものなんです。何の変哲も無く特に苦労もしていない人生を送っている人には、本当の自己肯定感は手に入れられません。今あなたの頭の中に浮かんでいる「その失敗」は、あなたがあなたを認めてあげられるようになるために、なくてはならないものだったんです。無理に自信を持とうとする必要はありません。まずは自分を大事にしてあげること。自分を許してあげること。許してくれる人に出会い、その人のそばにいることです。その結果、自信は後から勝手についてくるのです。(川口美樹/ライター)(ハウコレ編集部)(兼島彩香/モデル)(お多福/カメラマン)(上杉光美/ヘアメイク)(辻野祐馬/ディレクション)
2018年07月03日子どもの笑顔のためなら何でもしてあげたくなるのが親心ですが、正直どこまで要求に応えるべきか悩みどころ。とくにわが家は息子が1歳を迎え、自己主張が強くなってきたので、少しは我慢を覚えさせるべき? “泣いたらすぐ抱っこ”もわがままを助長するのではと不安になります。そんな疑問を解決してくれたのが、50年にも渡り子どもの精神医療に尽力し、2017年6月に永眠された児童精神科医・佐々木正美先生の言葉。お母さん、お父さん。どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。出典:『子どもの心の育てかた』P5(河出書房新書)よりこの言葉で「いまは思う存分甘やかしていい時期なんだ」と心が軽くなりました。先生の著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)は育児書のバイブルとしてあまりに有名ですが、ページ数も多いので忙しいママや育児書初心者の方には『子どもの心の育て方』(河出書房新書)がおすすめ。亡くなる1年前に書かれたラストメッセージともいえる本で、子育ての軸としたい普遍的な教えがギュッと凝縮されています。今回はそのなかから「自己肯定感」を持った子どもに育てるために親がすべきことをご紹介します。■なぜ自己肯定感が必要?先生が本のなかで繰り返しうたっているのが、“乳幼児期に子どもが望む事をできる限り叶えてやり、親や周囲に依存する経験をさせる”ということ。自分をありのままに受け入れてもらった子どもは“自分は価値のある人間なのだ”と認識し、それが「自己肯定感」を生むというのです。自己肯定感とは、“自分はかけがえのない人間なのだ”と存在意義を肯定できる感情のこと。幸福度にも影響するといわれており、高ければ物事を意欲的に捉えられるといいます。そしてこの自己肯定感が自律心、ひいては自発性、主体性、創造性につながるというのです。子どもの求めになんでも応じる、つまり「泣いたら飛んでいって抱く」といったことをできる限り繰り返すことで子どもは自他に対して「絶対的な信頼感」を知ります。それがなければ「自律心」は育ちません。そして「自律」がなければ自発性、主体性も生まれないのです。出典:『子どもの心の育てかた』P23(河出書房新書)より自主性、主体性、自信、豊かな感性、感謝する心、共感できる力、尊敬する気持ち、創造性。育ててあげたいものが、あまりにもたくさんあるように思うかもしれませんが、それらはすべてつながったものです。英才教育だけで美術やスポーツの能力を育てることはけっしてできませんし、「尊敬心」だけを教えることもできない。すべてを健全に育てるためには、小さなときにじゅうぶんに親に依存する経験を与えてやることが前提なのです。出典:『子どもの心の育てかた』P120(河出書房新書)より■子どもにどこまで依存させるべき?でも、子どもの望みをすべて叶えることは自立とはほど遠いことのように思えます。子どもののぞみ通りにしてあげること、してあげすぎること、というのは「悪い」とされることがあります。なんでも子どものいうことをきいてやったら、子どもは依存心ばかりが強くなり、自立できなくなる、という意見です。 けれど、私はそんな事例を、本当に見た事がないのです。一見、そういうふうに見えるケースというのは、過保護の結果ではなくて、過干渉です。子どもに対して過剰に干渉し、そのあとから保護的な態度をとる、というケースがほとんどなのです。出典:『子どもの心の育てかた』P37-38(河出書房新書)よりそう、気をつけなければならないのは、“過保護”と“過干渉”の違いをきちんと認識して接すること。子どもがのぞむ通りになんでもしてあげすぎることが「過保護」で、いっぽう子どもはのぞんでいないけれど、親が一方的に「こうしたほうがいい」とおもうことをいったり、したりすることが過干渉です。これは決定的に違うものです。出典:『子どもの心の育てかた』P37(河出書房新書)より■叶えていい要求とダメな要求でも、子どもの要求とひと言でいってもその内容は千差万別。無理難題も多いもの。そんなときはどうしたらよいのでしょう。子どもがのぞむことは、親から見たら、全部危険で役に立たないことで体に悪いこと、かもしれません。けれどそれを全部禁止したら、子どもの世界は本当につまらないものになります。好奇心のかたまりのような子どもにとって、欲求不満だけがたまる世界です。 もちろん、本当に危険なことや他人に大きな迷惑をかけること、悪いことはやってはいけないよ、と教えなくてはいけません。けれど、そうでないのなら、なんでもいうことを聞いてあげたらいいのです。(中略) 我が家では、食事は子どもの好きなものを好きなだけ食べさせました。嫌いなものを食べさせようとしたことはありません。全部はムリでも、できる範囲のものはすべて叶えてあげたらいいのです。(中略) 金銭でほしがるものを買い与えることは節度が大切です。物で心を満たそうとする育児は、かえって欲求不満の感情をエスカレートさせることがあるのです。 これさえ心得ていれば、子どもの求めに応じて肥料を水や太陽をいくら与えても、それで子どもに悪い影響がでてくることは絶対にありません。それが基本原則なのです。出典:『子どもの心の育てかた』P42-43(河出書房新書)より■子育てはいつからでもやり直しができる乳幼児期は子どもの欲求に耳を傾け、できる限りのことをして自己肯定感を高める。そんなシンプルな指針ができただけで子育てにちょっと自信が持てるような気がしてきます。「でもうちは乳幼児期をすでに過ぎてしまったんだけど…」という方、ご安心ください。最後に先生はこんなことをおっしゃっています。乳幼児期にやり忘れたから「手遅れ」などということはありません。何歳からでもやり直すことはできますし、また、そうしなければなりません。出典:『子どもの心の育てかた』P136(河出書房新書)より実際に、小学四年生で言語の能力はあるのに言葉がでない「かん黙」という症状がでていた子がカウンセリングをうけ、その後日本一偏差値が高い国立大学に入学したという例もあるそう。子育てに自信をなくしたとき、そっとページを開きたくなる一冊です。・ 子どもの心の育てかた(河出書房新書)
2018年05月19日“自己肯定感”とは、自分は価値のある人間だと感じる心の感覚です。この自己肯定感は、幸福度と密接に関わっているようです。自分の価値を見出すには、モノを見る視点を変える必要があります。自己肯定感を高めて、幸福度をアップさせましょう!自己肯定感を高めるために…出典:byBirth「自己肯定感」とは、自分は価値のある人間だと感じる心の感覚です。価値のない人なんていないのに、私たちは大人になるにつれて自分の価値を見失っているような気がします。目標をクリアできなかったり、恋人に別れを告げられたり…。卵焼きが上手く焼けなかっただけでも、自己肯定感が下がっていくこともあるのです。この少々やっかいな自己肯定感は、幸福度と密接に関わっているといわれています。つまり、自分に価値を見出し、自己肯定感を高めることで、ハッピーな生活を手に入れることができるのです!誰が何と言おうと、あなたは価値のある人間です。それを認めて納得することが、幸せへの近道なのです。これ以上、できないなんて思わないで。「できる」を合言葉に、自己肯定感を高めて幸福度をアップさせましょう!1. 相手の好意を受け取る出典:byBirth心が疲れている原因は、人から“してもらえなかったこと”を数えているからかもしれません。自己肯定感を高めるために、今日から“してもらえなかったこと”ではなく“してもらったこと”を数えるようにしましょう。相手の好意を素直に受け取り、感謝することは、人間関係の基本です。しかし、それをないがしろにし、さらには私には何も与えてくれないのだと被害者意識を持ってしまってはいませんか?あなたのそばにある幸せに気付き、ありがとうを伝えることで一気に幸福度はアップするのです。2. 小さな成功を積み重ねる出典:byBirth成功といえば大きなもののように感じるかもしれませんが、例えば「毎朝、朝食をとる」「寝る前に10分読書する」など、些細なことでよいのです。とにかく、やればできると思うことができれば、自己肯定感は自然と高まっていくでしょう。大きな目標を達成するためには、小さな成功を積み上げ自信をつける必要があります。夢や目標を大きく持つことが悪いとは言いません。しかし、目標を達成できなかったという経験を何度も繰り返しているうちに、自己肯定感が低くなってしまったら元も子もありませんよね。大きな目標を掲げるなら、そこに到達するまでに必要な小さな成功を積み重ねましょう。小さな成功、すなわちスモールウィンには、少し頑張れば達成できる目標を設定しましょう。3. 音楽の力に頼る出典:byBirth悲しいときに悲しい音楽を聴くと、少し気持ちがすっきりしませんか?それは、音楽が自分の気持ちを代弁し、共感してくれているように感じるためです。音楽の力は、想像以上に大きなものです。リラックスしたいとき、奮い立たせたいとき、集中力を高めたいときなど、そのときの気持ちに合った音楽を聴くことで、自己の持つ最大限の力が発揮できるようになることもあるのです。どうしても気持ちが落ち込み、自分に自信が持てないときは、音楽の力に頼ってみてもよいかもしれません。4. 環境をコントロールする出典:byBirthいくらあなたが前向きに、自己を肯定して生きる道を模索していても、周りにネガティブな発言をする人がいると気持ちが引っ張られてしまうかもしれません。そういった人たちと距離を置き、環境をコントロールする力も必要なのです。自己肯定感を高めたいなら、あなたのことをやみくもに否定したり、罵ったりする人のそばにいるべきではありません。あなたのことを思って注意してくれているのか、そうでないのかを見極め、お互いに成長できると思える友人や上司のいる環境に身を置きましょう。あなたの価値は、ネガティブな人に簡単に左右されるモノではないはずです。しかし、環境が人を変えてしまうことがあることも覚えておきましょう。幸福度をアップさせるカギは「自己肯定感」にあった!出典:byBirth自己肯定感が低い人は、過去のトラウマを引きずっているケースが多いといわれています。例えば、親の愛情を十分に受けていなかったり、イジメにあったりすると、自己肯定感が極端に低くなり、代わりに自己否定感が高まります。自分の価値は、自分で決めるものです。他の誰かによって決められるようなヤワなものではありません。まずは今日を振り返り、してもらったことを数えてみませんか?「できる」を合言葉に、スモールウィンを積み上げましょう。そして、ハッピーに溢れた日々を生きるのです!
2018年05月08日いろんな人の恋愛コラムに目を通すと、「自己肯定感」という共通のワードが出てくることに気づきます。それを読んだあなたは、「彼の愛情に不安に感じてしまうのは、自己肯定感が低いからなんだ」とか「好きになった人に好意を寄せられると引いてしまうのは、自分に愛される自信がないからなんだ」と、一旦は納得したことでしょう。でも、思いませんでしたか?「で、その自己肯定感って奴はどうしたら高くなるの?」と。一口に「自分を好きになりなさい」と言われても、「それができなくてこうなってんでしょうが!」とツッコミたくなったのではないかと思うのです。かく言う私も、なかなか自分のことが好きになれない時期が多くて、いつもどこかで誰かに承認欲求を埋めてもらうための言動を取っていました。そんな時、ある人から教わったのです。自分を好きになる前にやらなければならないことがあると。今日はその自分を好きになることに四苦八苦している自己肯定感低い系女子たちに、自己肯定感の頂にたどり着くための最初の3ステップをご紹介いたしましょう。■ステップ1:うまくいかない原因を探さない人生、生きて入れば誰であって凹むことだってありますし、何をやってもうまくいかないことだってあります。そんな時、「どうして自分はこんなにうまくいかないの?」と原因探しを始めるべきではありません。自分が凹んでいる時の「なぜ自分はうまくいかないのか?」の質問に救われた人間はこの世の中に一人としていません。その質問で上を向けるのは自己肯定感が高い時です。低い時はやってはいけないご法度の質問なのです。うまくいかない原因なんて、「うまくいかないと思っていること」ぐらいしかないのです。うまくいかない原因が解明されたところで、解決策が見つかることはありません。ではどうするか?あきらめましょう。「まぁ、いっか」で片付けるのです。無理に改善に乗り出さないで、「大丈夫、自分はいつか回復する」と勇気づけるだけでOKです。無理に行動しようとすると、行動しない自分が出てきたときに自分を責めることになり、「なぜ私は・・・」の無限ループが始まり、自信喪失の蟻地獄にまっしぐらです。下手すると窒息死します。気をつけましょう。待てばいいのです。大丈夫です、いつか必ずやる時がきます。そこまではやる気のない、行動しない自分を認めてあげてください。■ステップ2:他人との比較をしない。この自分と向き合っている間に、あなたを苦しめるのが「誰かと比較しようとする自分の悪魔の囁き」です。「同じ年代のあの子はあんなに楽しそうにしているのに」「自分よりも苦労していないあの子が可愛がられるのは納得がいかない」「はぁ、それに比べて私はどうして・・・」ほら、油断すると自責マンがすぐに顔を出しますよ!気をつけて!苦しんでもいいんです、愚痴をこぼしてもOK、ムカつくなら(他人に迷惑をかけない程度に)罵詈雑言をぶちまけても構いません。泣いて叫んでスッキリしましょう。ただし、自分と誰かを比較するのだけはやめましょう。それがもっとも自分の心を傷つける行為です。あなたはその誰かにはなれないし、その誰かだってあなたではないのです。頭でわかってるレベルでいいので、「こういう時は自分を許すしかない」と割り切って、日々を過ごしましょう。■ステップ3:エネルギー値の高い人と会話しようそうして徐々に徐々にエネルギーを貯めて行って、ちょっと前を向けそうかな、って思ったときに、エネルギーに満ち溢れる人にパワーをもらいに会いに行きましょう。身近にそういう人がいなければ大好きなアーティストのライブに行くのでもいいです。YouTubeで松岡修造の動画を観るのでも構いません。エネルギーは物理的に高いところから低いところに流れてきます。そしてそれができたら自分を褒めましょう。「よくやった!私!偉いぞ!」と励ましてあげてください。ここで、もし自分のことを好きになれそうだったら初めて自分を好きになってみましょう。もし、ここでできなければステップ1に戻って、もう一度待ちます。この繰り返しによって少しずつ少しずつ自分を好きになっていくのです。自分が好きになれないのは、あなたのせいではありません。好きになるための準備が整っていないだけなのです。まずは、できていない自分を認め、許すことからです。そこから始めてみてください。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2018年04月26日年を取ってもきれいな人。そんな年には見えないというくらい若々しい人。そういった人にはたいてい共通点があります。それは自己肯定感!基本的にポジティブで、自分に対して肯定的にとらえているのが彼女たちの特徴です。それゆえ、美魔女は年を取らない!というより、ストレスが少なくなるので、悪い老け方をしなくなるのです。そんな彼女たちに学んで、ストレスフリーで自己肯定的な生活を送りましょう。美魔女は総じて自己肯定的美魔女と呼ばれる、年を感じさせない女性たちの多くは、たいてい自己肯定的です。「自分なんて・・・」と卑屈な考え方をしていない人が多く、ほとんどの人が「私はこれでいいの!」と自分の人生を肯定的にとらえ、好きなことを楽しんでいます。そのため、ストレスを感じることが少なく、眉間のしわや顔の縦じわのような嫌なしわが刻まれにくく、このことが彼女たちを若く見せているのでしょう。自分のことを好きでいるということは、どんな美容法よりも効果的に自分に効いてきます。毎日自分の嫌なところや楽しくなかったことばかり思い出していると、どうしたって気分が落ち込み、そのストレスは肌に影響してくることでしょう。そうならないためにも、自己肯定的な考え方をしていくようにしましょうね。何といっても幸せそうな笑顔は、一番女性を魅力的に見せてくれます。毎日笑って過ごせるように、意識改革を始めてみましょう。人生を楽しんでいる美魔女多し、その特徴は?美魔女の多くは人生を楽しんでいます。楽しいことが大好きで、楽しいことを見つけるのが上手な人も多いのでしょう。いつも笑顔で、人を惹きつけるものを持っているので、友達も多いです。単に美容に関して必死であれこれしているだけでは、やはり人を惹きつける魅力は出てきません。いつまでも若々しくいたいのであれば、美魔女の特徴を知って、さっそくちょこっと真似してみましょう。自分の好きなことを目一杯するストレスを感じない方法としては、何よりも「自分の好きなことを目一杯する」ことでしょう。自分の好きなことをしている時は、心は解放されて、一時子供の心を取り戻せることすらあるでしょう。心の底から笑えるような、そんな楽しい時間を過ごせるように、ちょっと工夫してみましょう。忙しくても好きなことをする時間はきちんと見つけて確保していけば、きっと気持ちがリフレッシュできて、忙しい日々であっても気持ちが落ち込みすぎずに済みます。どんな時も、好きなことをする時間は確保!自分の為に時間を取ることは、ストレスフリーには必須なのです。そのために、「ああしなくちゃいけない、こうしなくちゃいけない」といった思い込みはなくしていくようにしましょう。ストレスを「溜めない」、というより「溜まらない」若さを保つ秘訣として、ストレスを溜めないということがありますが、そもそも同じ出来事に遭遇しても、ストレスを感じる人とそうでない人はいるものです。ストレスとの付き合い方が上手な人は、ストレスを感じるような場面に出くわした時の思考がポジティブです。失敗をしても「1度失敗しておいてよかった。次から注意できる」くらい肯定的にとらえるので、ストレスが溜まらないのです。こんな風に、自分の感情をうまくコントロールしていって、ストレスフリーな毎日を手に入れましょう。飲みに行くのも食べるのも大好き美魔女と呼ばれる人は、案外食事制限をしていないものです。もちろん際限なく食べ続けたりなどはしないものですが、飲みに行くのも食べるのも大好きで、美味しいと思うものを自分の好きな時に食べていることが多いもの。意外と毎晩飲む人もいて、驚かされます。共通しているのは、「好きなものを好きに飲み食いする」ということで、ストレス解消やただ口さみしいからといった理由で無心に食べたり飲んだりしているだけではないということ。彼女たちは食事やお酒を心底楽しんでいることがほとんどです。この「楽しい」という感情が、若さへとつながっていくのでしょう。無理しないことが老けないことにつながる無理をしすぎないことも、老けないポイントです。疲れた時は休む。無理なダイエットはしない。運動もつらいならやめてしまう。このくらいのゆるい感じが、アンチエイジングにはぴったりです。ストイックなことも悪いことではありませんが、自分を追いつめすぎない程度にうまくやっていきましょうね。人生を楽しんで綺麗に年を重ねよう自己肯定感を上げて、人生を楽しみましょう。「楽しい」「幸せ」と感じる中で、綺麗に年を重ねていけたらステキですね。
2018年03月28日つきあった途端、やさしくなくなる彼に対して、「彼はわたしのことが嫌いになったの?」とか、昔の言葉を持ち出してきて「釣った魚に餌をあげない男ってどうなのよ」と思う彼女もいると思います。もちろん、いわゆる「ハントするまで」が楽しくて、彼女が自分のものになった途端に飽きる男もいるわけですが、もちろん、そうではない男子だっています。■■いわゆる自己肯定感が低い男子いわゆる自己肯定感が低い男子は、つきあった途端、彼女に対して冷たい態度をとることがあります。自己肯定感というのは、簡単に言えば、自分で自分のことが好きか嫌いか、ということ。自分のことが好きではない人って、情緒不安定です。淋しさを抱えています。そういう人は、「自分で自分の情緒不安定なところや、淋しさを、どうにかしなくてはならない」とわかっています。だから、つきあうまでは、彼女に対してやさしいのです。自己肯定感が低いところや、淋しさを抱えていることを女子に悟られたら、おれはモテないだろうなと、彼は知っているからです。いろんなネガティブなものを隠して、彼女のほうもそれに気づくことなく、晴れてカップルになったら、彼は安心します。「これで、たまには淋しさを癒してくれる相手ができたな」と。■■これを第三者が見たら、「態度が冷たくなった」ように見えますでも彼は、彼女に上手に甘えることができません。彼の低い自己肯定感が、彼から素直さを奪っているからです。自己肯定感の高い人は、甘え上手です。自分を知っているので、相手の気持ちもよくわかります。だから、どのタイミングで、どの程度甘えても許されるのかがわかっています。自分のことが好きではない人は、甘え方が下手です。ふつうに甘えたらいいところを、「鬱陶しく思われるかも」と不安を感じたり、ヘンに男らしさを装って、甘えません。反対に、甘えるときはトコトン、相手が迷惑するくらい甘えたくなります。このへんの葛藤を素直に彼女に言えばいいものを、これも言わないから(言えないから)、彼は混乱します。自分のことが好きではない人が混乱したらどうなるかと言えば、態度が冷たくなります。素直に自分の気持ちを表現したいのにそれができない、となれば、さらなる自己嫌悪に陥って、どうすることもできなくなります。これを第三者が見たら、「態度が冷たくなった」ように見えます。■■「男の子って、見ているだけで切なくなる」男子って、男であるというだけで、女子よりもたくさん孤独を背負っている生き物ではないかと思います。ときどき、男の子をお持ちのお母さんが、「男の子って、見ているだけで切なくなる」と言います。男の子はこれから、受験戦争にさらされ、就活をくぐりぬけ、就職したら出世のために命を削るように仕事を「せざるをえない」。母親として、こういう予測が立つからでしょう。また、実際にそうだからでしょう。女子だって、真剣に勉強したり仕事をしている人は大勢いるはずですが、たとえば結婚を機に転職するなど、いわゆる人生の選択肢を世間がいくつか認めてくれている分、まだ救いようがあると、世間は見ているのかもしれませんね。男は男であるというだけで孤独。この孤独と、うまく折り合いをつけることができない、とくに若いうちは、彼は情緒不安定になることがあります。あなたのことが嫌いになったとか、釣った魚になんとかとか、ということだけではないのです。だから態度が冷たくなった彼を、黙って抱きしめてあげると、それだけでふたりの仲はうまくいくこともあるのです。(ひとみしょう/文筆家)【今夜はちょっと、恋の話をしよう】(ハウコレ編集部)(後藤真由子/モデル)(gaku/カメラマン)
2018年01月31日1月5日、新ドラマ『女子的生活』(NHK)がスタートしました。ヒロインの「小川みき」は、見た目は美しい女性ですが実は男性で、好きになるのは女性というちょっと複雑なトランスジェンダー。一癖も二癖もある登場人物たちと、果敢に「女のバトル」を繰り広げる痛快ガールズストーリーです。ちなみに個性あふれる「小川みき」を演じているのは、2017年のドラマ『きみはペット』(TBS系)で合田武志を演じた志尊淳さん!■みきの魅力は自己肯定力「かわいい女子的生活」に憧れてファストファッションの会社で働くみきは、あらゆるものが規格外。ひょんなことから共同生活を送ることになった高校の同級生・後藤忠臣も、みきの個性に戸惑うことばかりでした。でも、やがて周囲の人々は、否応なく「みきらしさ」を受け入れていきます。それは他でもないみき本人が、「これが私よ」という圧倒的な自己肯定力を持って、ふりかかる困難を片っ端からぶっ飛ばしていくからです。どうしたら、みきのような強さを手に入れられるのでしょうか?今回は、あなたがあなたらしくいられるための「自己肯定」のコツをお教えします!■不適応という思い込み自己評価が不安定な人は「自分はこの場(あるいは相手)に対して不適応な存在だ」という「思い込み」にとらわれがちです。すぐに変えられないような自分の欠点や問題点ばかりに目がいって、「理想の自分」との距離感から自己否定に陥りやすくなっているんですね。でも例えば、あなたはプロスポーツ選手のような身体能力を持ってないからといって、落ち込むでしょうか?生まれ持った美貌や身長など、可変が難しいものを基準にして自分を評価するのはナンセンスです。低くなって当然なので、悩む意味がないとまではいいませんが、建設的とはいえません。そうではなく「変更可能な尺度」で物事を見据えましょう。例えば、物事を豊かに捉える認知力、みずみずしい感受性、しっかりとした倫理観に基づいた判断力、コミュニケーション能力や、日常生活にちょっとした楽しみを見出す創造力などなど。自分の心意気ひとつ、努力ひとつで変えていけるものを、自己評価の基準に取り入れるようにしましょう。■満たすべき3つの欲求自己評価を高めるためには、3つの欲求を満たすといいといわれています。【1つ目】成功欲求みじん切りをマスターする、といった日常生活の小さなことでいいので、自分なりの目標を立ててそれを実行し、成功実績を積んでください。成功したいという気持ちが満たされると、それがあなたの自信につながります。【2つ目】上昇欲求人は成長したいと望むもの。でもただ漠然と生きていると、時間だけが過ぎてしまって進歩を感じることができません。そのため、目標を立てたらその努力の過程をなるべく記録するようにしましょう。一言日記でも構いません。後で読み返したときに、小さくとも着実に躍進していると感じられるでしょう。その達成感が、あなたの上昇欲求を満たしてくれます。【3つ目】承認欲求日々の努力を積み重ねて得た成長を実感できると、自然と他者と正面から向き合えるようになります。あなたが相手と膝を突き合わせて話せば、お互いへの理解が深まります。他者や集団を通して自分の必要性を感じられたら、承認欲求が満たされるでしょう。これらの欲求が満たされたとき、あなたは心からあなた自身を受け入れることができます。確固たるアイデンティティの獲得、それがすなわち「自己肯定」なのです。■まとめあなたがあなたらしくいられるための「自己肯定」のコツ、ご理解いただけましたでしょうか。変えていける世界で、どこまで自分の可能性を伸ばせるか。そんなふうに思って自分の人生を楽しめば、あなたらしく彩り豊かな「女子的生活」が始まることでしょう。ライタープロフィール黒木蜜一般企業に勤めながら執筆した作品が日本文学館のオムニバス本に掲載され作家デビュー。古事記への造詣が深く、全国300ヶ所以上の神社紹介記事を執筆。現在、古事記の観点から紹介する神社コラム/恋愛コラムなども手がけている。
2018年01月06日「死にたいと思ってしまう子どもは、自己肯定感が低い子が多い。その理由はさまざまですが、親から認められてこなかったことが大きいのです」 そう話すのは、自殺願望を抱える若者の支援を行うBONDプロジェクト代表の橘ジュンさん(46)。「死にたい」などとツイッターでつぶやいていた少女らを巧みに誘い出し、残忍な犯行に及んだ神奈川県座間市の9遺体遺棄事件が世間を騒がせている。 橘さんのもとにも、取材当日だけで4人相談があり、そのうち2人が「死にたい」と言うので、急きょ病院につないで救済したという。 橘さんはメールだけで月に千件以上、若者からの相談を受けている。悩みを抱える少女たちから聞き取りした経験から、ネット社会で子どもを被害から守り、自殺に追いやらないために親ができることを教えてくれた。 【1】子どもは親に悩みを話さないものだと認める 橘さんによると、自殺願望を抱えている若者の背景には、親からのDVや、父親からの性的虐待、学生時代のいじめによる引きこもり、さらには過干渉など、親子関係での苦しみがあるケースも少なくないという。 「親に悩みを言えばラクになるけど、『言っても否定される』『親が悲しむ』と思って、話せない子は多いんです。大前提として『子どもは本当に悩んでいることは親に話さない』と思って対策を考えたほうがいい。けれど実際は『恥さらしになるから外で余計なことを言うな』と言う親も多いんです」(橘さん・以下同) 【2】信頼できる相談先を子どもと共有する 「子どもは自分のことをわかってほしい、必要とされる場所がほしいと思っているだけ。だからSNSでつながっている子に一緒に死のうとか言われると、なかなか断れません。そういう子でも表面的に“いい子”を演じている場合もありますから、親は、『親に言えないことは、外の信頼できる大人に話していいんだよ』って、声をかけてやってほしい。『こういう相談先もあるみたいよ』と、信頼できるNPO団体などの情報を教えるだけでも、子どもは救われます。それがお守りになるんです」 【3】大人は、ほかの子どもの面倒も見る 「自分の子どもとの関係がうまくいっていないなら、大人は、他人の子どもの悩みを聞いてあげてほしい。“親の責任”ってよく言われますけど、子どもの悩み事を親だけで解決しようとするのは間違い。子どもは親以外にもたくさんの大人と出会っているわけですよね。そのなかに1人でも、悩みを相談できる大人がいれば、自殺せずにすむんです。親以外の信頼できる第三者に相談できる“斜めの関係づくり”が大切です」 【4】SNSで初対面の人と会うときは、人目につく場所で 「SNSは使うなと言っても無理。それに、SNSを通じて知り合った人と会うなと言っても、子どもは隠れて会ってしまうものです」 SNSを利用しても危険な目に遭わないように、子どもに日ごろから身を守る方法を教えてほしい、と橘さんは話す。 「SNSを介して人と会う場合はファミレスなど人目につく場所で会うようにする、会ったら相手の持ち物だとわかる何かを写メして送らせるということを徹底させましょう。さらに途中で連絡をさせることも必要。そうすれば最低限、身を守れますから」 最後に橘さんは、こんなアドバイスをくれた。 「本当は、子どもが悩みを言いたいのは親だから、親のことをいちばん求めているんです。外に相談できる場所を作ると同時に、親が受け止められるよう、家の中にスキマを作ってあげてほしいですね」
2017年11月24日「ホロコースト」を巡る法廷劇を描いた、レイチェル・ワイズ主演映画『否定と肯定』。レイチェルのほか、ティモシー・スポール、トム・ウィルキンソンというイギリスを代表する名優たちが出演する本作から、この度、日本版予告編が到着した。今回公開されたのは、この裁判が当時いかにセンセーショナルで、イギリスをはじめ世界中で注目を集めた大きな事件であったかが伺える予告編。映像では、レイチェル演じるユダヤ人歴史学者デボラ・E・リップシュタットの講演に、ホロコースト否定論者のアーヴィング(ティモシー・スポール)が突如現れ、聴衆の前で奇襲ともとれる口撃を始めるシーンからスタート。その後、リップシュタットはアーヴィングの策略で英国の司法制度のもとで名誉毀損で訴えられてしまう。「起訴された側に立証責任がある」という不利な立場に置かれる中、「なぜ真実を認めない人がいるの?」「負けてしまったら、うそが世界に出回ることになる。真実を伝えなくちゃ!」と、彼女は大きな声で“ホロコーストはなかった”と歪曲されようとする真実、声なき声を正しく世界に伝えるために、法廷という場で立ち向かう姿が映し出されている。果たして、歴史を揺るがしかねない大きな事態となった前代未聞の裁判の行方は――。『否定と肯定』は12月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年10月11日飲み会などに参加する機会は多くても、なかなか狙った男性と仲良くなれない・・・・・・と悩んだことはありませんか?出会いの場で他の女性に差をつけてモテるには、最初の自己紹介で強く好印象を持ってもらうことがとても大事なんです。そこで今回は、飲み会で好感度の高い自己紹介について男性の意見を聞いてみました。■1.名前プラスあだ名で「人の名前を覚えるのがすごく苦手なので、自己紹介のときにあだ名や覚えやすい名前も一緒に自己紹介してくれる子がいると、覚えられるので声かけやすいです」(23歳/不動産関係)ただ苗字や下の名前を名乗るだけだと、男性の記憶にはあまり残りません。「名前なんだっけ?」とは聞きにくいので、そのまま呼ぶこともなく、コミュニケーションもあまり取れないままになってしまいます。特に大人数の飲み会では、一気に名前を言われても全員分覚えるのは難しいもの。簡単で分かりやすいあだ名をぜひ活用しましょう。■2.他の女性メンバーを褒める自己紹介をする「女性同士って『この子料理しないんですよ』とか割とナチュラルに友達を貶めるような言い方をすることがあるじゃないですか。そういうのって男は苦手なんですよ。友達を褒めて紹介できる性格のいい子は印象抜群ですね」(29歳/飲食店勤務)「今日は職場の先輩に誘われてきました。いつも優しくて面倒見がいい◯◯さんに頼りっぱなしなんです」などの言い方で、他の女性メンバーとのつながりを話しがてら褒める形での自己紹介をすると男性陣だけではなく女性陣からの好感度もアップ。褒める内容は事前に考えておくとスムーズですよ。■3.あえて面白い『似ている芸能人』を紹介する「この前飲み会で『顔は全然似てませんが、スリーサイズは◯◯という芸能人と同じです』と自己紹介して笑いを取った子がいたんですが、思わずこっそり検索しちゃいました」(23歳/商社勤務)ユーモアのセンスを感じる自己紹介は好感度が高いです。といっても似ている芸能人なんていない・・・・・・という場合は、似ていると言われたことのある動物などを言うのも良いでしょう。身長や誕生日が同じ有名人の名前を挙げるのも印象に残りやすいですよ。■4.飲み会慣れしていない態度を見せる「しょっちゅう飲み会ばかり参加している子よりも、めったに飲み会なんて行ったことがありません・・・・・・という慣れてない態度の子のほうが色々教えてあげたくなっちゃいますね」(26歳/製造業)「普段職場は女性ばかりであまり男性と話す機会がないので緊張してます」などの言い方をサラッと自己紹介に入れ込めば、その「飲み会慣れしていない」感じに男性陣もドキッとしてしまうはず。仮によく飲み会に参加していたとしても、あまり慣れていないフリをするのがおすすめです。■おわりにただ名前を名乗るだけの自己紹介よりも、男性が話しかけやすいきっかけを作ってあげましょう。その場でとっさに思いつこうとするのは大変なので、何パターンか事前に考えておいてその中から話すようにすると楽ですよ。(上岡史奈/ライター)(ハウコレ編集部)(ササキミウ@M_Y_3733/モデル)(Yoshifumi Shimizu/カメラマン)
2017年09月19日レイチェル・ワイズが主演を務め、ホロコーストを巡る歴史的裁判の行方を描く『DENIAL』が、邦題『否定と肯定』として12月8日(金)より全国公開されることが決定。レイチェルが演じた実在の歴史学者で、本作の原作者デボラ・E・リップシュタット本人が10月末に来日することも決まった。1994年、米ジョージア州アトランタにあるエモリー大学で、ユダヤ人女性の歴史学者デボラ・E・リップシュタットの講演が行われていた。彼女は自著「ホロコーストの真実」で、イギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィングが訴える大量虐殺はなかったとする“ホロコースト否定論”の主張を看過できず、真っ向から否定していた。ある日、アーヴィングはリップシュタットの講演に突如乗り込んだ挙句、名誉毀損で提訴という行動に出る。異例の法廷対決を行うことになり、訴えられた側に立証責任がある英国の司法制度で戦う中、彼女は“ホロコースト否定論”を覆す必要があった。彼女のために、英国人による大弁護団が組織され、アウシュビッツの現地調査に繰り出すなど、歴史の真実の追求が始まった。そして、2000年1月、多くのマスコミが注目する中、王立裁判所で裁判が開廷。このかつてない歴史的裁判の行方は――。この裁判は、欧米でセンセーショナルに報道され、議論を巻き起こし続けた。ときに世論には、虚偽であっても個人の感情に訴える者が強い影響力を持ち、客観的な事実は軽視される社会的風潮がある。「ホロコースト」という最大にして最悪の世界史を題材とした本作は、歴史の真実を知り、伝えるという普遍的なテーマから、現代に生きる我々に対し警鐘を鳴らす。昨年のトロント国際映画祭にも正式出品された。主人公となるユダヤ人歴史学者・リップシュタットには、『ナイロビの蜂』でアカデミー賞助演女優賞に輝き、その後も国際的に評価の高い映画監督の新作に次々と出演するレイチェル。自身のルーツにユダヤ人の血が流れる彼女は、撮影前にリップシュタットに何度も会い、リップシュタットの思考や信念に留まらず、彼女の特性や性格まで把握し、演技に臨んだという。また、ホロコースト否定論”を主張し、彼女と対決する歴史学者には、『ハリー・ポッター』シリーズでも知られ、『ターナー、光に愛を求めて』でカンヌ国際映画祭男優賞に輝いたティモシー・スポール、年長弁護士にはトム・ウィルキンソンという老練した名優が競演。さらには、大ヒットドラマシリーズ「SHERLOCK/シャーロック」のジム・モリアーティ役や『007スペクター』の悪役Cで知られるアンドリュー・スコットも出演しており、豪華英国俳優たちの集結に目が離せない。そして、現在もアトランタのエモリー大学で教鞭をとる原作者のリップシュタットが、10月末に来日決定。映画の公開にあわせ、翻訳本が11月17日、ハーパーコリンズ・ジャパンより刊行予定となっている。『否定と肯定』は12月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年08月31日自己肯定感は「自分は大切な存在だ」「自分はかけがいのない存在」と思える気持ちや、自分の存在意義を肯定できる気持ちを指します。幼児期は自己肯定感の基盤を形成するために、とても重要な時期です。母子や父子間はもちろんお友だちとのコミュニケーションを通して少しずつ培っていきます。自己肯定感は自分を信じることにもつながります。人からどう見られているか、どう評価を受けるのか、そういったことを一番に考えるよりも、自分のことを自分で受け止め、次のステップに進める子どもに育ってほしいものです。■1.「やらない」という選択を褒める子どもはとても素直です。常に「褒められたい」という気持ちで動いています。そのため、「これをしたらお母さんは喜ぶのではないか」とさまざまな場所にアンテナを張り巡らせています。でも、「今は自分でぱぱっと家事を終わらせたい」や「お手伝いじゃなくて自分のことをしっかりやってほしい」という大人の本音もありますよね。しかし、意外と忘れてしまいがちですが、やったことだけを褒めるのではなくて、やらなかったことも褒めるようにしましょう。「今日は急いで終わらせたかったからお手伝いしないでくれて助かったよ」そう感謝の気持ちを伝えることで、子どもは人が喜ぶことにはさまざまなパターンがあることを学びます。■2.どんな選択をしても必ず一度は受け入れよう何かを選択して行動に移すのには勇気が必要です。そのため、子どもが自分で決めた選択はどんなものでさえ一度は必ず受け入れましょう。そして、その選択をした理由をしっかり聞くことが大切です。これだけでも「自分のことを受け入れてもらっている」と感じます。頭ごなしに「そうではなくてこうすべき」と言うのではなくて、現状の問題はわかりやすく伝えアドバイスをすることが大切です。アドバイスを踏まえた上での決断は、必ず受け入れてあげましょう。受け入れられない場合は、子どもが納得できるまでわかりやすく説明してあげましょう。■3.失敗をしたら強く抱きしめてあげようたとえ失敗が目に見えていたとしても、子どもが自分で決めたことは最後まで見守ることが大切です。もし失敗してしまったら抱きしめて「よく挑戦したね」と声を掛けてあげましょう。誰かが見守ってくれる安心感を感じれば、また前を向いて再スタートすることができます。成功したら一緒に喜んであげる。とても簡単ですが、とても重要なことです。
2017年07月20日自己愛性パーソナリティ障害とは出典 : 自己愛性パーソナリティ障害とは、自分に対して誇大なイメージを抱き、注目や称賛を求める一方で、他者からのマイナスな評価に対して過敏に傷つきやすく、他者に対する共感性が薄いことを特徴とする障害です。◇自己愛って?自己愛とは自分を大切にできる能力のことをいいます。自己愛は少なからず誰にでもあるものです。自己愛は年齢を重ねるごとに成熟していくといわれています。この「自己愛の成熟」とは精神医学では自分を肯定して愛することができる状態といわれていて、さらに、成熟すると自分以外の他者にも愛情を注げるようになるといわれています。◇自己愛性パーソナリティ障害は自己愛が未成熟な状態自己愛性パーソナリティ障害の人は、自己愛が未成熟な状態にあると言えます。自己愛が未成熟な状態とは、ありのままの自分を受け入れ愛することができていない状態をいいます。その未成熟さの現れが「自己の誇大化」、「他者からの評価に対する過敏さ」、「共感性の薄さ」になります。例えば自分自身が掲げる理想の姿が高く、「自分は特別」「自分はできる人間だ」という思い込みが強い傾向があります。そのために誇大な言動が表出します。「自分はできる人間だ」と思い込んでいるために他者からの評価を受け入れることができず、怒り出したり、過敏に傷つき、引きこもりやうつ病になったりすることもあります。さらに共感性の薄さによって、相手の立場に立って物事を考えることができず、その場にふさわしくない言動をしていたり、自分の目的達成のために友人を利用したりするような対人関係がみられることをいいます。以上の傾向に柔軟性がなく、持続的で、社会生活が困難になるほどの苦痛を引き起こしている場合に自己愛の歪みや未成熟さがあり、自己愛性パーソナリティ障害と判断されます。参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)自己愛性パーソナリティ障害の特徴と2つのタイプ出典 : 自己愛性パーソナリティ障害には大きく分けて3つの特徴と、表出する2つのタイプがあります。以下にそれぞれを紹介します。◇誇大な言動・自分は才能がある特別な人間だと思い込み、それに伴った言動が目立つ・有名人や権威のある人と知り合いであることを自慢する(知り合いである自分は特別という裏打ち)◇他者からの評価に過敏・恥をかいたり、屈辱感を抱いたりするとカッとなって激しく怒り出す・ときにはその憤り(いきどおり)を超えて、ひどく落ち込み、自殺を考えだすこともある◇他者への共感性の薄さ・病気で入院している人のところへお見舞いに行って、自分の健康自慢をするなど相手の状況を考えない言動をする・自らの成果や目標達成のために、友人を利用したり裏切ったりという行為をする・わがままかつ傲慢な性格のため、あまり自分の意見を言えない友達を従えてあたかも自分が一番偉いかのように振る舞う自己愛性パーソナリティ障害の人は「3つの自己」を持っているといわれています。・誇大化させて形成された尊大で傲慢な自己・自分は欠陥がある人間だというイメージを持った自己・奥底に隠れている本当の自己この「3つの自己」がどれか一方に偏っていると、「自分は特別な人間だ!」と思い込んだり、「自分は誰よりもダメな人間だ・・・」と思い込んだりしてしまいます。「3つの自己」の偏り具合によって表出する人物像が異なってきます。根本にある自己愛の未成熟さや原因は共通ですが、その表出の仕方によって、自己愛性パーソナリティ障害は次の2つのタイプに分類されます。誇大的・自己顕示的で他者の反応に鈍感な「無自覚型」と他者の反応に敏感で注目されるのを避ける「過敏型」です。◇周囲を気にしない「無自覚型」タイプこのタイプの人は、自分はできる・自分は特別だと思い込み、社交的に振る舞いつつも他人のことには興味はなく自分の利益だけを考えています。このタイプの人が他者と親しく付き合うのは、自分に何かしらの利益があるからだと考えているためですが、自分の意向に沿わないときや責められると激怒することがあります。このような言動は本来の弱い自分を守るための防衛本能だといわれています。その他にも次のような特徴がみられます。・わがまま・傲慢な態度をとる・自分に夢中で他人のことは全く考えない・注目の的でないと気に入らない・他者に対する言葉づかいは常に攻撃的・他者の反応を気にしない/怒りに表わすことで気にしないことにしている・他者の気持ちを傷つけても平気◇周囲を過剰に気にする「過敏型」タイプこのタイプは身の丈に合わない理想化した自分自身を掲げますが、現実の自分との間にあるギャップに悩みます。他者からの評価に過敏ですぐに傷つきますが、自分には本当は才能があるという思いを持ち続けています。それゆえに自分自身を責めて落ち込んでいくサイクルが続きます。他にも次のような特徴がみられます。・内気で恥ずかしがり屋・自分の意見や感情を出さない・傷つけられたと感じやすい・注目の的になるのを避ける・他者の反応に対して敏感に落ち込む・他者からの評価を気にするこの障害がある人が自分を誇大化する理由は、本当の自分に自信が持てないなどの理由があります。本当の意味で自分自身を受け入れることができていない状態なのです。参考:『コフートの自己心理学に基づく自己愛的脆弱性尺度の作成』|パーソナリティ研究 2005 第14巻 第1号80–91 上地雄一郎宮下一博参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)参考:『パーソナリティ障害いかに接し、どう克服するか』|(岡田尊司,2004)自己愛性パーソナリティ障害の原因はなに?出典 : 自己愛性パーソナリティ障害の原因を「これだ」とはっきり断定することは難しいといわれていますが、現時点では2つの仮説が提唱されています。自己愛性パーソナリティ障害は、生まれながらに持っている気質的要因に環境的要因が影響し、パーソナリティ(人格)が形成されていくという精神分析学者のカーンバーグの説と、環境的要因が最も作用しパーソナリティが形成されているという国際精神分析学会のコフートの説があります。気質的要因とは、人にもともと備わっているものの見方、感情の動きのことを言います。気質は先天的な特性と、あるいは後天的な経験が組み合わさりながら成り立っていると考えられています。例えばある物事をどのくらい細かくみられるか、どのくらい面白がれるか・関心を持てるか、没入できるかなどは人それぞれで、その度合いも異なります。物事に細かい神経質な人もいますし、その反対に大ざっぱな人もいますよね。気質として自己愛が低い人がいることがあってもおかしくありません。その感覚は人それぞれですが、家族でその気質は似ることもあります。参考:『意志気質検査の要因分析的研究』|久芳忠俊 山口大学ここで述べる環境的要因とは親と子どもの関係性や家族環境のことを指しています。環境的要因に関してはコフートとカーンバーグの考え方をそれぞれ紹介します。◇コフートが考える環境的要因コフートは例えば、幼少期の子どもの「お母さん(お父さん)見て!」という承認欲求に対して、親が肯定的に応えて「共感」の態度をとることは、自己愛の形成に大きな影響を与えているといいます。幼い子どもはみな誇大な自己を持っていて、なんでもできる気になっています。そして親に褒められたいと思うようになり、顕示し承認されることで自己愛を育みます。そして成長に伴ってその理想像が変化し、親から褒められることがそれほど重要なことと思えなくなっていきます。それがまさに自己愛の成熟の過程の一部です。しかし親が子どもへの「共感」の態度を示さないと共感不全の状態に陥り、自己愛が育ちにくいといわれています。自己愛が未成熟のまま成長すると親だけではなく他人からの称賛や注目を集めて自己愛を満たそうとしますが、それで自己愛が成熟することはありません。コフートは必要な精神療法を用いて自己愛を成熟させる治療は可能だと考えています。◇カーンバーグが考える環境的要因カーンバーグは本人の気質的要因と家族がつくりだす環境的要因の2つが作用していると考えています。気質的要因はこれまで述べた通りです。環境的要因として過剰な期待をのせて、才能を褒め立てて「特別な子ども」と言い聞かせて育てたり、体の弱い子に対して過保護になったりすることが挙げられます。良かれと思っていても過度にそういった行動をすると自己愛が成熟せず、未成熟の状態が続いてしまいます。以上のことから先天的な気質要因と後天的な環境要因の影響が加わって、人格および自己愛が形成されていくといわれています。参考:『パーソナリティ障害いかに接し、どう克服するか』|(岡田尊司,2004)参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)自己愛性パーソナリティ障害は見つかりにくい障害出典 : 自己愛性パーソナリティ障害は本人が気づきにくい障害です。もともとの気質や慣れてしまった環境の中で、自らの生きにくさに気づくことはほとんどありません。自己愛性パーソナリティ障害は、その障害によって引き起こされた二次障害が表出することによって後から発覚することがほとんどです。自己愛性パーソナリティ障害が引き起こす二次障害とは、例えば自傷行為、うつ、パニック障害、摂食障害、不眠症、心身症、不安障害などが含まれます。これらの症状が表出することで医療機関を受診し、原因を探っていくと自己愛性パーソナリティ障害があった、ということが多いようです。特に自己愛性パーソナリティ障害がもつ誇大性や他者からの評価へ過敏などの症状は、少なからず誰にでもありそうなことです。しかしその考え方が原因で二次障害や社会生活に困難が生じている場合は「障害」になります。それゆえに、これまでは「そういう性格の人」として周囲からも認識されていることから、家族や周りの人も気づきにくいのです。参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)自己愛性パーソナリティ障害の診断基準出典 : 自己愛性パーソナリティ障害の診断基準について説明していきます。診断基準は医療機関によって異なりますが、主に世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)やアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)に基づいて臨床的に診断が下されます。ここでは『ICD-10』による診断基準を説明していきます。『ICD-10』では以下から5項目以上が認められれば自己愛性パーソナリティ障害である可能性が高いという基準になっています。次のうち,5項目以上が存在すること.(1)誇大な自尊心をもっていること(すなわり,業績や才能を実際よりも過大視し,相応の実績がないのに自分が優れていると認められているはずだと思う).(2)際限のない成功・能力・才気・美貌,あるいは理想の恋愛について,非現実的な考えにふけること.(3)自分は「特別」で比類がなく,他の特別な,あるいは地位の高い人々(または組織)だけが自分を理解でき,それらの人たちと付き合うべきだと信じている.(4)称賛を必要以上に要求する.(5)権利意識が強い.ありえないのに,自分に好都合な特別待遇を期待したり,または自分の要望がそのまま受け入れられることを期待する.(6)自分の目的を達成するために他人を利用する.(7)共感性の欠如.他人の感情や要求に気づいたり理解したりしようとしない.(8)よく他人をねたむ,あるいは他人が自分をねたんでいると確信する.(9)横柄で傲慢なふるまいや態度.『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版 p494)自己愛性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害は見分けるのが難しい出典 : 専門医でも見分けるのが難しいといわれている自己愛性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害について紹介していきます。境界性パーソナリティ障害とは対人関係、自己像などの広い範囲において、激しく考え方や感情が変化してしまう障害です。他人から見捨てられてしまうのでないかという不安と、自分が何者でどうふるまえばよいのか分からない自己イメージの不安定さが発症の背景にあるといわれています。「見捨てられる不安」とはどういうことかというと、自身が信頼をおいている相手には依存する症状がある一方で、常に根底では「自分が見捨てられてしまうのではないか」という不安を感じているということです。「自己イメージの不安定さ」とは、自己同一性(アイデンティティ)が確立していないことから、例えば一面的な評価を自分の全人格に対する評価として過剰に受け取ってしまいます。その度にひどく落ち込んでしまったり、同じ人からの評価にも関わらず、褒められたときはその人のことを好意的に思う一方で、問題などを軽く指摘されただけでその人に敵意を示し激しい怒りを感じたりします。境界性パーソナリティ障害は自己中心的で対人関係の問題から情緒不安定をまねくことなどから自己愛性パーソナリティ障害と共通点が多くあります。また原因も自己愛の未成熟が関わってくることから診療の現場では、この2つの障害の区別は難しいとされています。この2つの障害の違いは、境界性パーソナリティ障害は、自己否定を繰り返し考え続けることで情緒不安定を生みます。それに対して自己愛性パーソナリティ障害は、理想と現実のギャップを受け止められず、自己防衛のために誇大化した言動を繰り返し、自信があるようにうかがえるという点です。そもそもパーソナリティ障害はそれぞれ独立して存在するのではなく、重複している共通の症状があるため、複数のパーソナリティ障害が併存しやすくなっています。ですので境界性パーソナリティ障害に限らず、他のパーソナリティ障害が合併していることがあったり、判断が難しかったりする場合があります。参考:『パーソナリティ障害いかに接し、どう克服するか』|(岡田尊司,2004)自己愛性パーソナリティ障害は発達障害と合併している可能性もある出典 : 自己愛性パーソナリティ障害は、必要な親からの共感が得られなかったことが原因のひとつではないかという仮説があります。自閉症スペクトラム障害やADHDをはじめとする発達障害がある人は、その特性から、社会関係や対人コミュニケーションに困難さが生じる場合があるほか、親が育てづらさを感じて親子の関係がうまくいかなかったり、体の感覚が過敏で子どもがだっこを嫌がったりして、必要なコミュニケーションをとる機会を持ちにくかったりする場合があります。こうした、親子や対人関係上の困難さが積み重なることによって、子どもの自己愛が十分に成熟することができず、自己愛性パーソナリティ障害へと発展する可能性もあると考えられています。参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)自己愛性パーソナリティ障害かも・・・相談先や医療機関、保険は効くの?出典 : パーソナリティ障害の診断は、専門医にも難しいものです。もしご自身やご家族に自己愛性パーソナリティ障害の疑いを感じた場合は、一人で悩む前にまずは専門機関に相談することをおすすめします。医療機関での受診先は精神科、神経科、心療内科などになります。「相談」のつもりであっても、形式は「受診」になるため、できるだけ本人を連れていくようにしましょう。「もしかして自己愛性パーソナリティ障害かも・・・?でも、医療機関を受けるほどのことでもないような気がする・・・」そのような場合は、各都道府県や政令指定都市に設置されている精神保健福祉センター、または各市区町村に設置されている保健所・保健センターの相談窓口へ相談してみてください。もちろん、本人だけではなく家族が電話などで相談することもできます。次のリンクは全国の精神保健福祉センターの一覧になりますので、参考にしてみてください。参考:全国の保健福祉センター一覧また、本人が会社勤めの場合や高校や大学に通っている場合、学校や企業専属のカウンセラーに相談することもおすすめです。企業や学校のカウンセラーは、その人が所属している組織の内情にも通じているため、より適切なアドバイスをもらうことができる可能性が高いです。また、連携している医療機関を紹介してもらえる場合もあります。自己愛性パーソナリティ障害で医療機関を受診する場合は保険診療となります。ですが自己愛性パーソナリティ障害と診断されて治療を開始することは少なく、二次障害として現れるうつ病や摂食障害などの治療から始めることが多いです。この場合でも保険診療となります。参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)自己愛性パーソナリティ障害の治療法はある?出典 : 自己愛性パーソナリティ障害は、その人の気質・家族環境によって表出する症状なども変わってきます。そのため治療も人によって異なり、さまざまな方法を組み合わせて治療が進められます。医師や心理技術者が患者さんの心理面に様々な働きかけを行い、患者さんの認知や思考、行動パターンなどの偏りを改善して少しずつ社会に適応できるようにしていく治療法です。1週間に1~2回、30分から1時間程度、治療者が患者さんと面接する形で行うのが一般的です。内容に関しては個々の治療者の判断によるところが多く、統一のガイドラインはありません。この治療法においては、以下の3点を患者さんと周囲の人々が理解する必要があります。・効果が表れるのに時間がかかる治療法であり、一般的には数年かかる・誰にでも効果が期待できるものではない・治療者との信頼関係がなければ効果は得られない個人精神療法は、精神科医が行うもっとも基本的な治療法の一つではありますが、「絶対的な治療法」であるという過度の期待を持つと、すぐに効果が出ないと治療を投げ出してしまったり、治療者を疑ったりと逆に治療が困難になってしまうことがあります。その場しのぎではなく問題を根本から改善しようとするものであるため、時間はかかりますが、本人が治療の意思を持って、治療者と信頼関係をしっかり結んで治療を継続していくことが必要です。集団精神療法とは、同じパーソナリティ障害を持つ人が複数人集まり、グループで話し合いをしたり、共同で作業をしたりする活動を通して、社会にうまく適応できない原因を見つけて解決する方法です。他の患者さんとコミュニケーションをとりながら、自分と同じ障害を持っている人を見つめることで問題に気付き、それを自分にあてはめて考えることができるようになります。集団精神療法での仲間体験は、患者さん自身の自己肯定感を持たせることにつながり、他人とコミュニケーションの取り方を練習する機会にもなります。また患者さん本人だけでなく、家族にも治療を行う場合があります。パーソナリティ障害がある患者は、その家族にも認知や思考のパターンに偏りがあることが多いためです。この偏りのために、家族の努力が患者さんの症状を逆に悪化させていることもあります。具体的には、治療者が家族全員と面接を行ったり、患者さんの付き添いで来院した際に話を聞いたりします。患者さんに思いをうまく伝える言葉のかけ方や、患者さんの気持ちを安定させるための振舞い方など、適切な対応法を治療者から指導します。なお家族療法は、患者さんが未成年のときに行われることが多いです。患者さんがある程度の年齢に達している場合は、患者さん自身が家族から自立する方向で治療が行われる傾向にあります。薬物療法は、強い不安や緊張、抑うつなど、程度の強い精神症状を一時的に和らげる目的で使われます。しかし、あくまで対症療法にすぎず、障害を根本から治すことはできません。治療の中心は精神療法で、薬物療法はその潤滑油としての役割を果たします。使われることのある薬の種類と働きは以下の通りです。■抗精神病薬主にドパミン系の神経に作用し鎮静させます。自傷行為などの衝動性が強くみられる場合に使われることがあります。リスぺリドンなどリスペリドン■抗うつ薬気分の落ち込みが続くときなどに用いられます。主にセロトニンなどの神経伝達物質を調整するSSRIやSNRIなどを使用します。・SSRI:フルボキサミンマレイン酸塩(デプロメール)、パロキセチン塩酸塩水和物(パキシル)など・SNRI:ミルナシプラン塩酸デプロメールパキシルトレドミン■抗不安薬不安や焦り、イライラ感が強い場合に使われるが、依存や乱用、衝動的な行動を増すおそれなどがあるのでSSRIのパロキセチン塩酸塩水和物に切り替えていくこともあります。ベンゾジアゼピン系抗不安薬(レキソタン)参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)自己愛性パーソナリティ障害克服のヒント出典 : 自己愛性パーソナリティ障害の克服に向けては本人だけでなく、家族の協力も必要になってきます。克服していくためには障害と向き合う本人の意欲と家族が何ができるかを考えて実践していくことが重要です。ここでは家族が本人に向けてできること、家族ができることのヒントを紹介していきたいと思います。■家族が本人に向けてできることまずは本人が自分の障害になっていることを突き詰めて考えていくよう促します。その時に自分に障害があることを家族や誰かのせいにする、医師が何とかしてくれるという考え方を捨てて、自分自身の問題だと自覚し、自分で向き合っていくというスタンスをつくっていきます。これはとても時間が必要ですので、何度も何度も繰り返しながら新しい考え方をつくっていくように心がけることが大切です。■家族自身ができることこれまでの育て方や障害になったのは自分のせいだ、と思い悩まずに、障害がある本人のために何ができるかということを考えていきましょう。家族の在り方を見直し、本人だけをみるのではなく家族全体の「関係性」に視点を変えていきます。どのような関係性が出来上がっているのか、それをどのように調整していったら良いのかなど、改善できそうな点を挙げて実践していくことをおすすめします。参考:狩野力八郎/著『自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本』|(講談社,2007)まとめ出典 : 自己愛性パーソナリティ障害の原因にはさまざまな説がありますが、どの説にもほぼ共通しているのは自己愛が形成されていく過程には親との関係性が大きな割合を占めているということです。共感が感じられなかったり、逆に過度な子どもへの干渉から自己愛の形成がスムーズに進まないことなどによって自己愛性パーソナリティ障害は発症するといわれています。「自己愛」は自己愛性パーソナリティ障害だけでなく、他のパーソナリティ障害の根本的な原因にもなりうるといわれています。人間がより幸福に生きていくためには心と体の健康を意識しなくてはなりません。幼少期に十分にコミュニケーションをとることやスキンシップをとることは、心の健康を育てていくことと繋がります。とはいえ、完璧な自己愛をもっていると言い切れる人は少ないとも言えるでしょう。どこかに何かしらの欠如があるからこそ、その人らしさが現れることもあります。自己愛性パーソナリティ障害に関しては、自己愛の未成熟さは治療によって成熟に向かうこともあるといわれています。治療はある意味でこれまでの生き方やその人らしい考え方の変化とも言えます。そのため、治療には長い時間がかかりますし、本人がより生きやすくなるためには家族の協力も必要になってきます。家族だけでは難しい場合は周囲の人と協力して環境を調整していく努力も重要です。今まで築いてきた本人や家族のスタイルを見直すことは容易なことではありません。しかしより良い環境へ変化させていくチャンスだと思って積極的に取り組んでいくことで、それぞれにとって生きにくさを解決するきっかけになることもあるのです。
2017年05月29日飲み会や自己紹介で「私はこんな性格です」って話すこともありますよね。そういう場で自己申告した性格から、その女性の内面が垣間見えることがあります。今回は女子の自己アピールに見る、本当の性格を分析。また、彼女たちの地雷を踏んでしまう「危険なワード」もお届けします。◆「私、オヤジなんで」「男っぽい」ドラマの役で言うと、女優の天海祐希さんが演じていそうなイメージ。とにかく自分の男っぽさを強調する人ですね。「男っぽいじゃなくて、男です」と言う人もいます。このタイプは実は女度が高く、繊細で努力家。女々しい自分がコンプレックスなので、そこに触れてほしくない、という自己防衛をしています。見た目は努力して女性っぽくしていたりするので、なかなか難しいキャラクターです。【地雷ワード】「本当は女っぽい」女性が言うのはNG。男性は言ってもOKですが、好みではない男性に言われると不機嫌になります。◆「意外と乙女なんです」「実は女子」女優の真木ようこさんのイメージ。見た目はかわいくて女子っぽいのですが、中身は男を通り越してオヤジだったりします。男兄弟の中で育ったサバサバした人も多く、男っぽいのがバレないように「意外と乙女なんです」と自己防衛。特に男性から雑に扱われるのがイヤで、自分で強調しています。【地雷ワード】「中身はオヤジ」これは男女問わず絶対に言ってはいけません。なぜなら本当のことだから。気をつけてくださいね!◆「私、おばちゃんなんで」「BBAだから」女優の真矢みきさんのイメージ。王道の美人ですが、かなりサバけた性格で、48歳の誕生日に「AK(あか抜けた)B(ババア)48を目指します」と言った過去も。このように自ら「おばさん」と言う人は、実は他人に「おばさん」と言われるのがすごくイヤ。言われる前に自分から言ってしまいます。【地雷ワード】「それっておばさん」たとえ本人がおばさんと言っていても周囲は絶対にあおってはいけません。顔は笑っていても、長い間、根に持たれます。◆「サバサバしてるから」「雑だから」こう自己申告するのは米倉涼子さんタイプ。本当にサバサバしたイメージですが、本来は繊細で周囲に気を遣うタイプです。自分が大雑把に見えることを実は気にしているという、ちょっと面倒な人でもあります。【地雷ワード】「男っぽいよね」つい言いたくなりますが、口に出してはいけません。本人は男っぽいつもりはないので気にして落ち込みます。◆「天然だから」「変わってるから」自分の非常識さを自己申告。空気を読まないことや、個性的であることをアピールしたいのですが、なかなか周囲が言ってくれない、という不満があります。モデルの益若つばささんがこのタイプ。実は真面目な自分に嫌気がさしていたりします。「宇宙人だから」と言う場合も。【地雷ワード】「本当は真面目」「努力家だよね」事実なのですが、隠したい部分なので言わないのが優しい対応です。◆終わりに周囲にこんな自己申告をする女性はいませんか?彼女たちの共通点は、わりと繊細な人が多いこと。大雑把な振る舞いをして見せる女性ほど、周囲の目を気にするタイプ、というケースも多いので、注意して接したいですね。「私、言ってるわ…」という人は、こんなふうに見られてる可能性があるってことを覚えておきましょう。そして合コンなどで地雷ワードを言われたからといって、プツッとキレたりしないよう気をつけて!ライタープロフィール天野りり子ライター/編集者大学在学中からライター&編集稼業をスタート。女性誌ではビューティ&ヘルス企画、男性誌では恋愛記事を多数執筆、書籍編集も手がける。趣味は読書とタロット占い、そして恋バナを収集すること。
2017年04月17日みなさんは「ダメ男」とお付き合いしたことはありますか?ダメ男にもいろいろなタイプがあるわけですが、大きく分けると、自己肯定感の高すぎるダメ男と、自己肯定感の低すぎるダメ男が存在しているように思います。■自己肯定感の高さはどうやって決まるの?自己肯定感とは、自分が人から愛されている、必要とされていると感じる心のこと。その高い・低いは、幼少期に本人を取り巻く環境(親などの大人)からいかに肯定・共感を与えられたかで変わってくるそうです。子どもの頃に周囲が愛を持って接し、必要に応じてほめる、抱きしめるといったことを日常的にしていれば、自己肯定感は養われやすいとか。一方、過剰な期待をかけられ、それができなかったことで否定されたり、ダメな部分を指摘され続けたりすると自己肯定感の低い大人に育つ可能性が高くなります。■自己肯定感の高すぎる男は浮気する一般的に、自己肯定感の高い男性はモテると言われています。それは根拠のない自信があり、卑屈さがないから。失敗を恐れずに物事にチャレンジできるので社会的に成功する確率も高いし、屈託がなくポジティブだったら、確かに魅力的に見えますよね。でも彼らは「自分は何をしても許される」と思い、同時に複数の女性と付き合うことも。例えば不倫騒動で話題を呼んだ乙武洋匡さんや、6股疑惑のあった狩野英孝さんは自己肯定感が高すぎると言われています(ちなみに乙武さんは『自分を愛する力』を執筆、狩野さんは「僕イケメン」!)。この手の男性はプライドが高いので、浮気してパートナーに別れを告げられると、わりとすぐに受け入れるようです。そして、そのときは反省の色を見せても恐らくまた同じことを繰り返します。小倉優子さんと離婚ほやほやの菊池勲さんなんかもその一人ですよね。もともと浮気の常習犯だったらしいし。■自己肯定感が低い男性の2パターンそれなら自己肯定感の低い男性のほうがいいかと言うと、こっちもまた曲者。自己肯定感が低い男性には、プライドの高い人とプライドの低い人がいますが、どちらも厄介です。◎自己肯定感が低くプライドが高い人「認められてない」から「認められたい」という想いが強く、口では「俺はダメな奴だ」と言いながらも他人にけなされると、とても傷つく。自分でそのプライドを満たすことができない分、どうにか他人に自分を認めさせようとして、くだらない自慢をする。◎自己肯定感が低くプライドも低い人「認められてない」ことを仕方ないと諦めている。心底、自分はダメな奴だと思っていて、言葉の端々にそれを匂わせるので、母性愛の強い女性にとっては守りたくなる存在。上記のうち、「自己肯定感が低くプライドが高い人」は目立つためイメージしやすいかと思いますが、「プライドも低い人」は意外と盲点ではないでしょうか?これはどんな男性かと言うと…■自己肯定感が低くプライドも低い人の特徴[1] 自分のことをダメだと思っているからこそ、甘え上手。変なプライドがないので女性としても楽。[2] 彼自身は努力しない。その分、努力している人を素直にほめる。[3] 己に甘くて人にも甘い。だから一緒にいる女性のことも徹底的に甘やかしてくれる。こんな感じの人、見たことありませんか?甘くておいしいけど、食べたら食べた分だけ太りそうな、真夜中のケーキのような男性。心が健康な状態だったら「こんな奴はダメだ!」というセンサーが働きそうですが、疲れていたり、何かしらバランスを崩しているときだと、どこまでも甘い彼らにハマり、抜け出せなくなってしまう可能性大。中毒性があり、ハマると抜け出せなくなるので、ここでは仮に「アリ地獄系ダメ男」と名付けてみました。たいしたことをしなくても、日々ほめてもらえるので気分がいい。プライドが低い分、傷つけるようなことを言ってもサンドバッグ状態…こんな人が身近にいたら手放せないですよね…。いわゆるヒモ男には、この手の男性が多いのではないでしょうか。あと、少し違いますが、中毒性があるという意味ではDV男も近いのかもしれません。■アリ地獄系ダメ男は観察眼に優れている?ダメ男にハマる女性と話していて思うのが、その女性本人は「男を見る目がない」けれど、男性側は基本的に「観察眼に優れている」らしい点。無意識のうちに女性の種類を見極めていて、「コイツにはここまでしても大丈夫」「この人にはこれをしてはいけない」ってことを瞬時に判断しているように感じます。それが上手だからこそモテるし、女性に貢がせることもできるという…。そういえば、沖縄で22年以上鑑定を続けている、奇跡の鑑定士・沖縄の父いわく、男性にとって女性は3種類しかいないそうです。男にとっての3種類の女その3種類とは?[1] 遊びの女…一晩限りの付き合いになる女性[2] 恋人…一緒にいて楽しい女性[3] 伴侶…一生独り占めしたいパートナーみなさんは、好きな人にとってどのポジションの女性になりたいですか?願わくば、[3]の「伴侶」になりたい!と願う人が多いのでは?彼の中での「遊びの女」「恋人」「伴侶」がどんな女性か知りたいなら、占いサイト『奇跡鑑定◆沖縄の父』を覗いてみましょう。「3種類の女」のそれぞれの特徴が丸わかりしちゃいます!また、あなたにとって、彼が「選ぶべき」人なのかということも判明します。「選んでOK」と確信できるのなら、どんなことをしてでも彼の伴侶になりたいもの。ちょっと怖いけど…ぜひチェックしてみてくださいね。逆に「この人は違う」ということがわかれば、冷静さを取り戻し、「アリ地獄系ダメ男」から抜け出すこともできるかもしれませんよ。監修者紹介「沖縄の父」こと福田隆昭鑑定歴22年。沖縄発着便の客室乗務員の間で、「コワイほど当たる占い師がいる!」と噂が広がり口コミで評判に。「沖縄の父」と慕われ、本当の父親のように親身にアドバイスをする血の通った鑑定に涙を流す者続出!那覇国際通りにある「喫茶サンフランシスコ」で毎日鑑定中
2017年03月06日やめたくても自分ではどうすることもできない「辛い記憶のフラッシュバック」出典 : 発達障害の診断を受けている方の中には、自己肯定感が低くマイナス思考に陥りがちで、日常の些細な失敗や他人の言動に傷つき、苦しんでいる方が大勢います。私自身、楽しい出来事はたくさんあったはずなのに、鮮明な記憶として何度もフラッシュバックするのは失敗経験や傷ついた記憶ばかりで、当時と同じ辛い・悲しい・恥ずかしい気持ちを何度も反芻してしまいます。そして、「あの時もダメだった」と落ち込み「どうして自分はあんなことを言われなければならなかったのか」と憤り、「ひどい言葉を言われるにふさわしい人間だからだ」と結論づけてしまうことによって、自己肯定感はますます低くなっていくのです。「あれが楽しかった」「これがステキだった」とプラスの記憶を朗らかに語る人をまぶしく思いながら、そんな風になれたらどれだけ楽しい人生なんだろうと、そっと思いを馳せてみたりします。私と同じように、子どもたちも辛い記憶が何度も襲ってくることに疲れ果てたのか、失敗したり怒られたりするのを極端に嫌がるようになりました。人気ドラマでも語られた「自己肯定感」。どうしたら養うことができるの?出典 : 新垣結衣さん・星野源さん主演の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」、ご覧になられた方も多いと思いますが、第4話で自己肯定感について主人公の女性が分析する場面がありました。---------------セルフエスティーム=自尊感情・自己肯定感とは、自分自身に価値があると思える感覚のことを指す(※ コラム内では「自己肯定感」と表記を統一します)● 自己肯定感が高い人 = 成功体験をより強く認識し、自分をより肯定していく● 自己肯定感が低い人 = 失敗体験をより強く認識し、自分をより否定していく---------------「逃げるは恥だが役に立つ」TBSドラマ出典 : 自己肯定感が低いから失敗体験を強く認識してしまうのか、失敗体験が多いから自己肯定感が低くなってしまうのか…。どちらが先かはわかりませんが、ともかくこの連鎖を断ち切るには「失敗体験を強く認識する」という部分を減らすのが1番良さそうに思えます。しかし、私の経験上、失敗をした時や傷ついた時に投げかけられる「そんなに思いつめなくても」「大丈夫だよ」というアドバイスや、自分でそう思い込もうとする努力も、結局役に立つことはありませんでした。大丈夫ではないから落ち込んでいるのに、何の具体的な解決策もなくただ「大丈夫だ」と言われても、それは「こんなことで落ち込んでいる自分がいけないのか」と、より相手を追いつめる道具になってしまうこともあります。そう仮定した場合、私が子どもたちにしてあげられることは、日々の生活の中で意識的に「成功体験に目を向ける」手伝いをすることぐらいでしょうか。失敗体験と同じぐらい成功体験も強く認識することで、少なくともさらに自己肯定感が低下することを食い止めることができるかもしれません。成功体験へ目を向けるために用意したのは、子どもが「自慢できる場所」だった出典 : そこでわが家では、「ママの前ではいくら自慢をしてもいい」というルールを設けました。「日本では残念ながら自分や家族の自慢をすると煙たがられる」ということをあらかじめ説明し、とりあえず子どもたちが胸を張って何度も自慢話をしてもよい相手は、母親である私に限定しました。「ママの前では謙遜しなくてもいい。思う存分、できるようになったことや誰かに褒められたことを自慢して、一緒に喜んじゃおう!」成功体験を口にして誰かと共有することで、強い記憶にしてしまおうという作戦です。しかし、自慢話をするということに慣れていない子どもたち。初めは「○○ができるようになったね!頑張って練習してきたもんね!」と水を向けても、「大したことじゃないよ」「それほどでもないよ」と謙遜し、なかなか自慢することができませんでした。出典 : そこで、親子で自慢をする練習を始めました。まず「他の人の前では大声で言えないけど…」と前置きをして、「あなたたちが〇〇できるようになって、ママは本当に嬉しい~!!」と私が笑顔で大声で言ってみるのです。「えへへ…」と照れる子どもたち。私「ほら、君たちもママに自慢してみてよ!」子どもたち「えっ、恥ずかしいよ…。」私「いいの、いいの。ママ以外誰も聞いてないんだから!ママの前では何でも自慢していいんだよ!ほら、ほら」息子「えっ、じゃあ・・・、○○ができるようになったよ!」私「わ~、すごい!おめでとう!その調子その調子!」少し自分の殻を破ることができたら、次はインタビュー形式に切り替えます。私「娘さん、○○ができるようになって、どんな気分ですか?」娘「ちょっと、ママ、なにこれ(笑)え~っと、とっても嬉しいです!」私「そうですよね~!○○ができるようになるまで、どんな努力をされたんですか?」娘「自分で毎日少しずつ練習をしました。」私「なるほど!毎日欠かさず練習を!継続するのはなかなか難しいことですが、よく頑張れましたね?」娘「応援してくれるお母さんや弟に良い所を見てもらおうと思って頑張りました!」私「いいですねぇ!ぜひ次回もできるようになったことを教えに来て下さい!本日はおめでとうございました~!」こんな風に堅苦しくならないよう、遊びの要素を入れながら、「何ができるようになったのか」「そのために自分はどのような努力をしたのか」を明確にしていきます。わが家の子どもたちはまだ幼いのでこんな感じでやっていますが、お子さまの年齢に合わせてしみじみとお話しされても良いでしょうし、できるようになったことを箇条書きでノートに書き出して、お褒めの言葉を書き添えるというのもステキだと思います。とにかく、プラス面に目を向ける機会を意識的に多く設け、自己肯定感の低下を抑えてあげることで少しずつ自信がつけば、いつか必ず自分自身を肯定できるようになる…そう思っています。ママ限定自慢OK!で子どもたちの変化は?出典 : そんなことを数週間続けたでしょうか、少しずつ子どもたちに変化が現れました。まず、娘が「ママ、あの…ちょっと自慢してもいい?」と言うようになりました。二つ返事でOKを出すと、娘「大したことじゃないんだけどね、今日弟にムッときて怒ろうと思ったんだけど、ちょっと考えて優しくやめてって言えたんだよ。そうしたらね、弟もすぐにやめてくれて仲良く遊べたの。大したことじゃないと思うんだけど、ちょっと頑張れたかなと思って…」私「えええ~!すごいじゃない!あなたが我慢してくれたおかげで、ケンカになりそうな空気が一変したの!?それで楽しい時間を2人で過ごせたの!?すごく優しく言えたんだねぇ!ママも聞いてみたかったな~。ありがとうね~!」娘「えへへ。なんか褒めてもらいたくてこんなこと自分から言うのもどうかな?と思ったんだけど…」私「いいの、いいの!ママはあなたたちのいいところを見つけた時は嬉しくて褒めるようにしてるけど、見逃してるところはすごく残念だなあと思っていたから、教えてくれてすごく嬉しいよ。ありがとう、また自慢しにきてね。ママも自慢しておこう!ママの娘は今日世界でいちばん優しい『やめて』が言えました~!」出典 : 娘はくすぐったそうに聞いていますが、こんな風に1日に1つでも成功体験を強く意識することで、自分を卑下する頻度が減ってきたように思います。ママに褒めてもらって嬉しそうな娘を見て、息子も自慢話をしてくれるようになりました。なぜか「あのね、ぼくね、今日ね、自分でね、おしっこに行けたの。」とすごくたどたどしい話し方になりますが、自慢していいんだ、ちゃんとお母さんは喜んでくれるんだ、という安心感が芽生えたのではないかと思います。お外ではなかなか言えない自慢話。お父さんもお母さんも子どもたちも、家族の前だけでは思い切り自慢してもいいというルール、取り入れてみませんか?家族と共有できる「嬉しい!」を目標に、少しずつプラスの方へ目を向けることができるかもしれませんよ。
2016年12月27日