昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「大阪からある村に夫婦で移住し、ミカン農家をしています。村の行事(結局飲み会です)が多く、断ると仲間外れに。田舎暮らしを満喫しようと思ったのにどうすればいい?」(ピーチポンさん・54・農業・高知県)【A】「人と人とのつながりの面倒くささに田舎も都会もない」(蛭子能収)先日、テレビのロケ(『太川・蛭子ローカル鉄道寄り道の旅2』、テレビ東京系・12月8日放送)でコケちゃって右手の小指を骨折。漫画の仕事はできませんが、この連載は真剣に取り組んでいないから大丈夫です。それにしても田舎には人間関係の煩わしさがないという幻想を持っている人がまだいるんですね、うへへへ。仲間外れくらいならいいけど、いずれ村の人から危害を加えられる気がするから、オレだったら引っ越します。でも、他人との関り合いをやめて住み続けてもいいとも思いますよ。というのは、人と人のつながりの面倒くささに田舎も都会もありませんからね。オレがよく行く喫茶店には、常連客がいて、オレが行くと必ず「お~蛭子さんじゃないの!?」と大声で騒ぐんです。ほかのお客さんもいるから恥ずかしくて仕方ありません。女房がお気に入りだから我慢していますが、手が治ったときには、漫画の中で常連客が嫌な目に遭うシーンを描いて“お返し”するかもしれません。うへっ!
2018年12月03日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「東京五輪のボランティアをしたいのですが、引っ込み思案でなかなか踏み出せません。先日も道に迷っている外国人がいましたが声をかけられず。引っ込み思案はどう直すの?」(グリーンピエッタさん・23・専門学校生・神奈川県)【A】「迷子になっている外国人を助けようと思っていたら、自分が迷子になった」(蛭子能収)そもそも引っ込み思案って直るんですかね?オレも内気なほうですが、71歳になっても直りません。性格なんてそう簡単には変わらないから、差し出がましいフリをすれば、ボランティアも務まるんじゃないですかね。オレは仕事で渋谷によく行くから、駅前のスクランブル交差点はしょっちゅう通ります。荷物をいっぱい持った外国人や、ビデオを回しながら歩いている観光客など、いろんな国からやってきた人がいるんですよね。オレは、いつもスクランブル交差点あたりをウロウロして、外国人の様子を眺めています。というのも観光客が交差点内でまごまごしていたら、すかさず助けてあげようと思っているからです。英語はダメですが、誰かに尋ねられたら、なんとかしてあげたいなとも思っています。でも、ウロウロしすぎて、いつもオレが迷子になってしまって、けっきょく知らない人に道順を教えてもらっています。ボランティア精神はあるけど、いつも助けられているのはオレなんですけどね。てへ!
2018年11月26日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「頑張らないほうがいいという風潮がありますが、ガンガン働いて経済大国・日本を作ったはず。『頑張らなくていい』と言う蛭子さん、このままだと日本はダメになるんじゃないですか?」(カズキルーペさん・21・大学生・和歌山県)【A】「『頑張る』といえば、ガンバレルーヤのよしこはかわいい」(蛭子能収)「頑張らないほうがいい」とオレが言ったと書いていますが、本当に話したのかな……、覚えていませんね。でも、ちょっと恥ずかしいけど、オレは子どもを育てるために必死になって金を稼ぎました。汗水流して働くのはみっともないという雰囲気があるようですが、すごく変ですよね。頑張っている自分も嫌いではありません。日本の将来はわかりませんが、オレはブラック企業といわれようが、給料をもらっている以上、不平不満など言わずに、一生懸命働くべきだと思っていますけどね。多くの人は、オレが頑張っていないと思っているみたいですが、漫画を描くときもすごく苦労しているんです。本当は都会の場面を描きたいんですが、ビルを描くためには定規が必要だから面倒くさい。だからつい山の背景ばかりになっちゃうんです。あれ?やっぱり頑張ってないですね、へへへ。頑張るといえば、女性お笑いコンビの「ガンバレルーヤ」の2人はかわいいですよね。特によしこさんのほうがぽっちゃりしていて好きですね!
2018年11月19日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「精神面に弱くて、仕事でミスしてから不眠が続き、会社に行く気力もなくなりました。心が弱くて何度も転職しています。心が強そうな蛭子さん、メンタルが強くなる方法を教えてください」(スエズ雲河さん・31・会社員・愛知県)【A】「競艇で負けたら泣いてしまうほど、オレはメンタルが弱い人間」(蛭子能収)メンタルって何やったっけ?心臓?まあ、よくわかりませんが、精神を鍛えるセミナーとか自己啓発本とか、オレはそういう類いのものをまったく信用していませんね。心を強くするなんて無意味なこと。人はそう簡単には変われませんよ。そもそも心が強いかどうかではなく、強いフリができるかだと思っていますからね。オレはボートレースには、いつも1万~2万円ぐらい持っていきますが、それでも「負けたらどうしよう」とすごくドキドキしています。坂上忍さんは、大みそかのボートレースに1年間のギャラを全部つぎ込んでいるそうですね。ある年、坂上さんは6,000万円負けたことがあるとテレビで言っていました。オレにはそんな度胸はないし、所持金すべてを失っても坂上さんみたいにカッコよくありませんが、ギャンブルは金額ではありません。負けたら悔しいし、帰りの電車の中で涙が流れてくることもあります。もしオレが心が強そうに見えているなら、それは強いフリをしているだけのことですよ。
2018年11月12日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「観光地を旅行して、美しい景色やおいしい料理に感動しているのに、夫には『お前には感情がないのか?』と言われます。感情を表に出すためには、どうしたらいいでしょうか?」(エリスズさん・48・OL・栃木県)【A】「有吉さんはなんとなくオレに似てる。仲間じゃないかなと思ってます」(蛭子能収)感情の表現の仕方は人それぞれやから、自分の好きなようにすればいいと思いますよ。人間は誰でも表情が豊かだと思ったら大間違いです。テレビで大げさに表現するのはテレビ的によく見えるからで全部演技です。とくに料理を食べて、目をつぶってうなるなんて普通でもしないですよね。そんなにおいしいとは思っていないと思いますよ。だからアナタも演技をすればいいんです。オレはそんなリアクションが苦手です。ロケで夜景スポットに行っても「すごいな」と一言ぐらいはいいますが、そんなに心は躍りません。先日も、有吉(弘行)さんが番組『マツコ&有吉かりそめ天国』でオレに旅レポをさせて、無感動のままレポートするオレを笑ってました。有吉さんは、たぶんオレのことは好きだと思いますよ。オレもまあまあ好きだし、昔からなんとなく自分と似ているというか、仲間じゃないかなと思っていました。だからこれからも、オレが何かやらかすのを見て「またやっているよ」と喜んでくれたらうれしいですね。
2018年11月05日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「大事に育てていた花や夏野菜が、ある朝すべて食い荒らされて。近所の人に聞くと、『それは鹿の仕業よ!』と。鹿は、雑草を食べずになぜ花や野菜を食べるのか教えてください」(ヒヨコさん・37・会社員・山口県)【A】「大変なわりにもうけが少ない。家庭菜園は、効率が悪い趣味」(蛭子能収)え~っ、これはですね、たぶん鹿の仕業ではなくて、野菜を食べたのは近所の人だと思います。まあ、鹿でも近所の人でも、おいしく食べてくれてよかったと思っておけばいいんじゃないですか。それにしても、趣味で家庭菜園がはやっているみたいですが、オレは土に触れたら癒される、という人の気持ちがまったくわかりません。しかもできた作物は、変な野菜ばかりでおいしそうじゃないですよね。そもそも家庭菜園が食費を浮かせるためだとしたら、手間ひまかかってすごく大変ですよね。それに比べたら、オレの趣味のボートレースは、万舟券が出れば、あっという間にお金を増やせるんですよね。でも、最近の女房は「ギャンブルなんかしないで映画見てくれば」と2,000円しかくれません。でも、映画なんてすごい賭け事ですよね。だって製作費300万円の映画『カメラを止めるな!』の興行収入が21億円に。ボートレースなら100円で7万円ですよ。へへへ。
2018年10月29日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(71)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「長年、通っている友人のパーマ屋さん。近所の美容院のほうが料金も安いので変えようかと思っています。でも黙っているのも悪いかなと。どうしたらいいでしょうか?」(ビバ・バビさん・63・主婦・岐阜県)【A】「“長い付き合い”だからといって恩義に縛られる必要はない」(蛭子能収)あえて言う必要はないと思います。オレも、自動販売機のエロ本に漫画を書いていたとき、突然、編集者から「連載は終わります」と言われてガッカリしたことがあります。稼ぎを失ったオレは、ほかの出版社へ営業に行ったりアルバイトをしたりして、いろんな手を打ちました。友達も、アナタが来なくなったことを考えて何らかの対策を立てるかもしれませんよ。それで変えた店が自分の思いと違ったらまた元の美容院に戻ればいいんですよ。長い付き合いだとか友人かどうかではなく、うまいか下手で決めればいいだけですよ。ちなみにボートレースのCMには、長年、お笑いタレントの渡辺直美さんが出ていますよね。相当ギャラをもらっているから、黙ってCMキャラクターを代えてもいいと思うんですけどね。オレは、昔の呼び名の「競艇」とは言わずに「ボートレース」と言うようにしました。もうそろそろCMに出してくれませんかね。ギャラも勉強しますし、きっといい仕事すると思いますよ。
2018年10月22日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「小さなころから『ちゃん付け』で呼ばれたいのに、親や友達、彼氏、職場でもなぜか呼び捨てです。友達は『○○ちゃん~』と呼ばれて羨ましいです。何が原因なんでしょうか?」(みーちゃんさん・44・会社員・東京都)【A】「小学校のときのオレのあだ名は『馬』でした」(蛭子能収)弁当食べながらでいいですか?そっちのほうがいい回答がでそうです。「ちゃん付け」で呼ばれないのは、この人の顔が、かわいくないからだと思いますよ。そうはいっても、それを考えても仕方ないことだし、悩むのも体によくありません。「ちゃん付け」を気にせず生きる勇気を持ってほしいですね。「ちゃん」を付けると、何が変わるんやろ。オレは、ずっと「エビス!」とか「エビスさん」と呼ばれています。小学校のときに入った戸町少年合唱団では「馬」でした。顔が長かったみたいで、みんなから「馬、馬」と呼ばれていました。これが「馬ちゃん、馬ちゃん」だったとしても……まあ、どうでもいいですね。人にどう呼ばれようが、気にしないほうがいいと思いますよ。競艇は、今ではボートレースと言うんです。50年以上「競艇」でしたから簡単に直りません。関係者の人からよく注意されるんです。ボートレースと言えば、舟券が当たるなら、すぐに切り替えますけどね!
2018年10月15日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)も発売中の蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「中堅商社の秘書課にいます。会社では業務効率化のためにロボットを導入している部署があり、しっかり働くようです。私の仕事がロボットや人工知能に奪われるのが心配です」(バナナ大福さん・36・会社員・京都府)【A】「“手を抜く”ことに関しては、オレはロボットに負けない」(蛭子能収)映画だと、人の代わりにロボットが仕事をやる話はよくありますが、機械が人間に勝つような時代は100年ぐらい後。アナタも死んでいますよ。そんな心配するよりも、一生懸命、仕事したほうがいいと思いますけどね。たしかにロボットを使えば、漫画を描くのも楽でしょうね。オレは機械に弱いから使っていませんけど。この前、漫画家の弘兼憲史さんと対談しました。そのときに弘兼さんが漫画の原画を持ってきたんですが、背景の家やビルを細かく手書きで描いていて、すごいなと思いました。それに比べて、オレの漫画はスカスカ……。背景を描くのがすごく面倒くさいんですよね。それでも、オレの背景のない余白を“味”があると言ってくれる人がいるんですよ。漫画をロボットが描くようになったら、背景をキレイに描いて、コマをみっちり埋めることはできるでしょう。でも“味”は醸し出せないと思いますよ。ロボットに勝つためには、手を抜けばいいんですよ、たぶん!
2018年10月01日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「小学校の運動会や卒業式に招待されます。『お祝い等は謹んで辞退』と書いてあります。でも、雰囲気的に祝い金を持っていけば学校もしっかり受け取ります。面倒です」(ペンネーム無しさん・53・主婦・神奈川県)【A】「『空気を読んで』という理由なら、お祝い金を渡す必要はない」(蛭子能収)学校は“しっかり受け取る”んですね、ウフフ……。でも、お祝い金を持っていくような空気になっていたとしても、別に持っていかなければいいと思いますけどね。オレは、普通に「辞退します」と書いてあれば、お金は持っていきません。というか、何も書いていなくても持っていきません。祝い金を渡したら、相手側が「お返しはどうしよう」と困ってしまいますから。オレは雰囲気とか空気に流されるのが嫌なんですよ。震災があると、募金しようというキャンペーンがありますが、それに乗っからない人に「協調性がない」とか価値観を押しつけてくる社会がちょっと苦手です。ただ、普通に正直に過ごしていたいだけなんです。以前『24時間テレビ』に出演したときに「お金がないから募金はしない」と発言したことがあります。それ以来、あのチャリティー番組から出演依頼がありません。正直に生きると、仕事が減ることもありますが、それは仕方ありませんね。
2018年09月24日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「この連載も200回目です。20年前に志高く出版社に入った僕ですが、ずっと蛭子さんの担当ばかりで、仕事に夢が持てなくなってしまいました。どうしたらいいでしょうか」(担当編集者さん・44・会社員・東京都)【A】「今の夢は、歌手になること。漫画家より楽そうだから」(蛭子能収)200回とか10年とかが節目といわれていますが、ハッキリ言ってどうでもいいこと。2〜3年前に、オレはタレント活動30周年だったようですが、べつにギャラが増えるわけでもないので、何もしませんでした。人の悩みを聞いてきたといっても、印象に残っている相談はありません。どんな心配事も、すべて金が解決すると思っていますが、それを言うと、この担当者に怒られるから、適当に話しているだけです。夢ですか……。面倒くさいですね。そういえば久しぶりに太川陽介さんとテレビ東京の番組『ローカル鉄道寄り道の旅』で一緒になりました。そのときに、太川さんを見ていたら、歌手になりたいなと思ったんです。なんだか、漫画を1つ描くより、人前で1曲歌うほうが気楽そうですからね。オレは小学校のときに長崎の「戸町少年合唱団」に入っていて、案外、いい声を出せるんです。だから今の夢は歌手になること。そんな太川さんは人に夢を与える、永遠のアイドルなんです……ウフフ。
2018年09月17日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「26歳の息子は上司から何度も借金を頼まれ、20万円以上も貸しているようです。注意をすると『オレの金だから』と聞く耳をもちません。どうしたらやめさせられますか?」(星に願いをさん・54・パート・神奈川県)【A】「たとえ尊敬する人の頼みでも、嫌だと思ったら断っていい」(蛭子能収)本人が「痛っ!」と感じるまで貸し続けるでしょうから、放っておけばいいんです。それにしても、お金の貸し借りは、借りた者は堂々としているのに、貸したほうが気まずくなるのがおかしいですよね。昔、ある芸能人から「お金回してよ」と声をかけられたことがあります。偉そうに人に説教している姿を画面で見ますが、貸した30万円は返してくれません。なんか悲しいですよね。たとえ上司の頼みといっても、断ることができないとしたら問題ですよね。以前、尊敬するビートたけしさんと、知り合いの平口広美さんという漫画家に会いに行った帰りに、「いまから蛭子さんの家に行きたいな」と言われたことがあります。オレはたけしさんのオーラで緊張して疲れていたし、これ以上話すこともないから、「片付いていないからダメです」と断りました。上司でも、芸能界の重鎮でも無理に合わせるのはツラいものです。たけしさんはオレのウソを見抜いたうえで「そっか」と。あんな大御所なのに、すごく気を使う人なんです。
2018年09月10日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「ガミガミのオバさんが隣に住んでいます。1歳の娘が泣くと『うるさい!』とガミガミと怒鳴ります。子どもが泣くたびにドキドキして窓も開けられません。どうすればいい?」(さえチェンさん・30・主婦・栃木県)【A】「近所の困ったオバさんの小言は『かわいそうな人』と受け流せ」(蛭子能収)これはしょうがないと思いますよ。オバさんから怒られたら「すみません」と謝ればいいだけ。あなたが転居するか相手が引っ越すのを祈るしかありませんね。でも思いどおりの環境なんてそうないから“ガミガミのオバさん”は、かわいそうな人だと受け流せばいいんですよ。ちなみに最近のオレは“トリガミのオッサン”です。これまでは「1256」のボックス買いをしていました。これが100円で1万円以上の配当がつく大穴「万舟」が出やすいんです。このところは「1234」のボックス買いばかり。インコースの選手が有利なので手堅い買い方なんです。1〜4号艇のボックス買いは、全部で24通りだから投資額は2,400円。ところが本命の「123」が来ると配当金は600円程度だから1,800円負けになります。舟券が当たっても、払い戻し額以上にお金を賭けていることを競艇用語で「トリガミ」といいます。“トリガミのオッサン”は、勝負に勝っても結局はマイナスに……。かわいそうな人なんです。
2018年09月03日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「水泳部の顧問の先生や同級生から『来年は、お前が主将だ』と言われています。でも僕は人をまとめていくのは苦手なので、本当は断りたいです。どうすればいいのでしょうか?」(カンPさん・16・高校生・千葉県)【A】「『すべて人にまかせる』が蛭子能収のリーダー哲学」(蛭子能収)オレも人の上に立つのが嫌なので、気持ちがわからんでもないです。断ればいいんですが、おとなしそうな人だから、たぶん言い出せないと思いますよ。でも、人をまとめられないとか自分をわかっている人のほうが、主将に適している気がしますね。そもそもリーダーなんて、自分で作り上げるものではなくて、周りから作られていくもの。肩肘張らずにやってみれば、思いのほか、うまくいくかもしれませんよ。これまでオレはリーダーとかトップになった経験がありません。でも、大村競艇場がやっている「ボートレース殿堂」の選考委員長をしています。これは活躍した元選手の殿堂入りを決めて表彰するもの。といっても、副委員長で『神田川』の作詞家の喜多條忠さんにすべてお任せ。先日も、殿堂入りした大嶋一也元選手の表彰式に出席し、その合間に競艇をしましたが4万円の負け。本当は泣きたいほど悔しかったけど、涼しい顔をして表彰式に出ることがリーダーの務めです。
2018年08月27日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「暑いなか、営業していると、何もかも嫌に。蛭子さんもダスキンの営業をしていたそうですが、暑くて仕事を辞めたくなったことは?ついでに、サボり方も教えてくださ〜い」(ルネッサーンさん・24・会社員・愛知県)【A】「仕事で問題にすべきは『食えるかどうか』だけ」(蛭子能収)オレが営業していたのは、漫画では食えなくて、家族を食わすために稼がなければいけなかったから。やらなくては生活していけないのですから仕方がありません。そもそも営業でも何でも「この仕事をやりたい」とか「やりたいことをしている」と思って仕事している人なんているんですかね。仕事は「食えるかどうか」だけの問題。やりたいことをやっているわけじゃないので、暑いとか寒いとか以前の問題だと思います。オレは仕事をサボったことはないと思いますよ。ちり紙交換もダスキンも仕事は1人で行くから、担当する地区を回ったついでに、競艇場に通っていましたが、目的は真剣にお金を増やすこと。サボっているという感覚はありません。どうしても暑いときは井村屋の「あずきバー」です。食べれば6分くらいは頭がスカッとします。あずきバーがあれば夏は乗り切れます。井筒屋さん、オレをCMに使ってください。いい仕事すると思いますよ。
2018年08月20日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「会社の女子の先輩のインスタグラムが『何を食べた』とか『彼氏と何している』など幸せ自慢ばかり。はっきり言ってウザい!でも、嫉妬している自分が嫌になります」(半分、黒い。さん・24・OL・神奈川県)【A】「剛力彩芽さんは想像力がないので競艇には向いていない」(蛭子能収)やっかみや嫉妬は人として当たり前の感情。心の中で「バカだな」と思っていればいいんですよ。幸せ自慢といえば、女優の剛力彩芽さんが、彼氏とサッカーを観戦したことをネットに公開して騒動になったようですね。若い彼女は、うれしかったから、写真をアップしただけ。そんなに大騒ぎすることもないと思いますけどね。ただ、人の喜びは嫉妬の標的になります。何かいいことがあっても、公表せずに自分だけのものにしておけばいいんですよ。芸能人でもそうっと過ごしていたほうが寿命は長続きする気がします。芸能人歴31年のオレが言うんだから、そんなに間違っていないと思いますよ。そもそも彼女はそんな自慢話をして、批判されることが想像できなかったんですかね。競艇では「本命がコケたらどうしようか」など、想像して舟券を買います。つまり想像力が大事。剛力さんは、競艇では勝てないと思いますよ。といっても、いろいろ想像しているオレも負け続きですけどね。ま、いっか!
2018年08月06日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える!【Q】「将来の見通しがありません。結婚どころか、彼氏もできそうにありません。人生の目的も夢もありません。もう生きる価値さえ見いだせず……。生きることがもう嫌になりました」(ベジアさん・20・学生・東京都)【A】「生きる価値なんて誰にもない。死ぬのが怖いから生きてるだけ」(蛭子能収)この相談者、ベジアさんということは、外国人なのかな……(マネージャーが小声で「そこはだいたいペンネームですよ!」)。ええ、そうなの!?まいいか!でも、こんなことを考えるような人は、メチャクチャ多いと思いますよ。とくに若くて、考える時間がある人が、こんな発想をするのは普通のことだと思いますよ。そもそも生きる価値なんて、誰にもないとオレは思っています。ただ、生きるか、死ぬかと考えたら、オレは、絶対に生きるほうを選びますけどね。死ぬことを考えたら、怖くなるからです。アナタが、そんなに生きることが嫌だったら、死んだらどうなるか、紙に書いていけばいいんですよ。きっと恐ろしくなりますよ。目的や夢がなかったら、金を稼げばいいと思いますけどね。働かないで、暇だといろいろ考えて、それが悪い方向にいくんですよ。それに、長い間生きていれば、いいこともあるし、悪いこともある……。普通の相談だから、世間並みの答えしかできません。
2018年07月30日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「寝たきりになって、子どもたちに迷惑をかけたくありません。運動をしたり食生活に気を付けたりしています。この年になって、こんな心配をするなんて悲しくなりますよね」(サトのペリカさん・78・無職・東京都) 【A】「年を取ったら、深く考えずに子どもの世話になろう」(蛭子能収) オレも、この先、足腰が立たなくなるのが心配です。だから、月に1回ぐらい、多摩川の土手を散歩していますが、同じコースを歩いても飽きてしまって、500メートルぐらいで止めてしまいます。これじゃ、だめですね。 でも、オレは世話する人のことまで不安に思ったことはありません。オレが動けなくなったら、息子たちが世話するかもしれませんが、子どもたちには自分の生活があるから、全部できるわけではありません。どうせ心配するんだったら、国がやっている介護のサービスのことを子どもが知っているかどうかだと思いますけどね。 寝たきりになって重荷になりたくない、という気持ちはわかりますけど、あまり考えないほうがいいと思いますよ。というか、迷惑かけるのは仕方ないこと。お願いしたいことは「やってちょうだい」と素直に言って、子どもたちにできないと言われても気にしない。なにかしてもらったら「ありがとう」と言っていれば、子どももそんなに煩わしいことだとは思わないんじゃないですかね。
2018年06月04日「ここ10年で葬儀の仕方にも大きな変化が表れてきましたね。身内だけで葬儀をするなど、簡略化が進み、かつ多様化してきています。これは、正社員が減って、企業が参列に参加しなくなり、香典の額が下がり、費用的に厳しくなったことも一因です」 こう語るのは、日本における地域の葬儀の違いを考察した『葬式格差』(幻冬舎新書)の著者・島田裕巳さん。葬儀に関するサービスを行っている「鎌倉新書」の’17年の調査によると、葬儀費用は全国平均で約178万2,000円だったという。葬儀に200万円近くかかってしまうというわけだ。とはいえ、同調査では、’15年は約183万9,000円、’13年は約202万9,000円だった。葬儀にかかる費用は低くなっているようだ。さらにお墓についても……。 「すでに持っている人はいいですが、これから買うには高いし、維持費も大変、おまけに場所も足りない。持つことが厳しい時代になってきています。後継者がいなかったり、地方にお墓だけ残ってしまい、『墓じまい』する人も増えています」(島田さん) 確かに、島田さんが指摘するように、葬儀やお墓にかける余裕がなくなってきたのかもしれない。 葬儀もお墓も必要ないという人には、「粉骨・散骨」という方法がある。焼いた骨を自分で2ミリ以下に砕いて(粉骨)、散骨可能な場所にまけば0円で済む。とはいえ、遺族が自分で粉砕するのは心理的にも難しい場合が多いだろう。散骨も自治体などの条例によって禁じられている場所もあるため、違法行為になってしまうこともある。 それならば、と「まごころ粉骨」(千葉県千葉市)の舘山文成さんは言う。 「うちでは、粉骨だけなら1万2,000円、散骨も含んだコースはまくのが東京湾北部であれば、2万5,000円(税込み)、沖縄近海であれば、3万5,000円(税込み)で済みますよ」 電話やメールで申し込むと、送骨セットが送られてくるので、お骨を入れて送るだけだ。また、こちらでは、粉骨しているところに立ち会うことも可能だという。 「きっかけは、父の遺言で散骨したことですね。粉骨業者はどこも粉骨しているところを見せてくれず、違和感を覚えて。なので、ご遺族様が安心できるよう、粉骨しているところも見学できます」 ’15年11月に始めたころは1日1件程度だったが今や1日10件ほどの申し込みがあるほど人気があるそう。 「死んだらすべて終わりと、考えているオレは、亡くなってしまった人よりも、生きている人が大事。だから葬式や墓には関心がありません」 そういまどきの葬儀事情に“ゆるっと”賛成するのは、本誌人生相談でおなじみ蛭子能収さん。 「ところが、オレの女房は、葬式や墓参りを重要視する。亡くなった人に優しいけど、ピンピンしているオレには、小遣いもくれないし、どこか冷たいんですよね……。葬儀では緊張するあまり笑ってしまうオレにとっては、重々しい葬式よりも、簡略化されることは何よりです」 蛭子さんはお墓も必要ないという。 「散骨は賛成です。オレの墓は、故郷の長崎から埼玉に持ってきましたが、そこに入るつもりはありません。というか、オレの亡きがらはそのあたりの土手に放っておいてもらってもいいですよ。日本では、これからも人がどんどん死んでいきます。今のような墓を建て続けていけば、日本中が墓地だらけになってしまいます。墓の代わりに、名前を書いた紙を部屋に貼って、それを見て『思う』だけでもいいと思いますよ」 そして、蛭子さんはこう続ける。 「あの世に行ったら魂も意識もなくなると思っているから、墓は生きている人の自己満足か、これまでやってきたから、続けないといけないと思っているだけですよ。そろそろお金をかけて葬儀をしたり、墓を建てたりするだけでなく、いろんな“弔い方”が出てきてもいいですね」
2018年06月01日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「大阪に1人で住む82歳の母。足腰が弱くなってきたので、『つえをつけば?』と言ったら『そんなんいらんわ!』と。私もついカーッとなって口論に。いいアドバイスをお願いします」(コマさん命っ子さん・50・会社員・神奈川県) 【A】「キレているところを見られるのは、すごく恥ずかしいこと」(蛭子能収) 母と娘で、言いたいことを言えるのはいいことだと思いますけどね。アナタの言い方が、どこかキツかったんですかね。ただ、お母さんに「いらん!」と言われて、カーッとなってしまうのはおかしいですよ。この人も50歳だったら、お母さんの言動に、いちいち反応せずに適当に笑っておけばいいと思うんですけどね。 というか、最近、すぐに頭に血が上る人は多いですよね。カッと熱くなってしまうと、ケンカになってしまったり、悪い結果になってしまったりします。 オレがギャンブルで心がけていることは、怒りの感情にまかせて勝負しないこと。感情が高ぶると、冷静な判断ができませんからね。だから、競艇で勝ってもぴょんぴょん跳ねるぐらい。大負けしても悔しさをグッとこらえます。熱くならないコツは、いつも誰かが自分を見ていると思うことです。熱くなっているところを見られたら、すごく恥ずかしいと思えばいいんです。
2018年05月28日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「40年来の友達が夫を亡くして落ち込んでいます。『元気出しなさいよ』と励まそうと思っても、どこか避けられている感じ。伴侶を亡くした人にはどう接したらいいでしょうか?」(シャン春ショーさん・62・主婦・愛知県) 【A】「夫を亡くした奥さんを励ますにはイケメンを紹介するのがいちばん」(蛭子能収) オレも前の女房をなくしたあとは、ずっと泣いて過ごしていました。あまりに気落ちしていたから、まわりの人たちも心配して声をかけてくれましたが、それで逆に女房のことを思い出してしまうんですよね。だからオレからは誰にも連絡しませんでした。競艇場に行ったり、フリー雀荘で知らない人とマージャンを打ったり、日常的なことをして気持ちを紛らわしていましたね。 たぶん今は、あなたが何を言っても、友達の頭には入らないと思いますよ。だから“しっかりしてね”と願いながら、黙っているのがいいと思いますけどね。 とはいっても、励ましたい気持ちもすごくわかります。オレの場合は、前の女房が亡くなった直後に、すごく寂しくて誰かと結婚したくなったんです。それで片っ端から女性に声をかけたり、ファンレターを読み直して連絡したりしたことも。「元気出して!」よりも「お嫁さんを紹介しようか?」と言われたほうが正直、救われました。アナタも、どこかのイケメンを紹介したらどうですか!
2018年05月21日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「子どもが通う小学校のPTAで、働いているお母さんたちは誰も役員をやらず、結局、私が引き受けてしまいます。不平等だし、ひょいひょい引き受ける自分も愚かだなと思っています」(イカメンチさん・36・主婦・青森県) 【A】「演劇は、ちょこちょこ人が動き回っているだけでつまらない」(蛭子能収) PTAの活動は手間がかかるんですかね。でも、一度引き受けてしまったのなら、面倒だと思わずに、楽しんでやったほうがいいと思いますよ。ほかの人は役員になるのを避けて、自分だけが貧乏くじを引いていると思うなど損得で考えてしまうけど、“ひょいひょい”と頼み事を受け入れるのは、それだけ受け入れられる力があることだから、素敵だと思いますけどね。どんなことも引き受けるようにしているオレですが、テレビで共演した人から「今度、舞台に出るので来てください」と誘われても、最近は「あ〜」と言いながら、ほとんど行かないですね。へへへ……。 前までは、演劇に誘われると、軽率にもチケットをもらって見に行っていましたが、おもしろいと思ったことが一度もありません。スクリーンに人がでっかく映る映画と違って、演劇はちょこちょこ人が動き回っているだけで迫力がなくて損した気分になります。基本的には寝るつもりで行っていました。“ひょいひょい”と受け入れているうちに、損か得かが見えてきますよ。
2018年05月14日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「蛭子さんの本『ヘタウマな愛』を読んで、蛭子さんの優しさとまっすぐな姿勢に心打たれました。そんな愛情あふれる蛭子さんにぜひ聞きたいのです。『愛』とはなんですか?」(マーボーダンゴさん・46・会社員・栃木県) 【A】「オレは女房より競艇を愛している!」(蛭子能収) オレは「好き」も「愛している」も同じくらいの気持ちだと思っていたから、いきなり「愛とは?」と聞かれると迷いますね。家に帰って女房がいたら「あ〜この人がおってよかった」と思えることが、愛なのかもしれませんね。女房が出かけて2日間帰ってこなくて、寂しいなと思ったら、それも愛なんでしょうね。なにか手伝いをしても小遣いが増えるわけでもありません。どちらかというと怒られてばかりですが、女房と喫茶店でコーヒーを飲んでいるだけで楽しいことも。これも愛ですかね。 競艇で考えてみたら、競艇場に行って、ボートのエンジンを聞くと「あ〜来てよかった」と思うし、競艇場に1週間も行かないと、すごく寂しいです。どちらかというと連戦連敗で、涙が出てくるほど情けない気持ちにさせられるけど、時に勝たせてくれます。寝ても覚めても競艇のことばかり考えているし、死ぬんだったら、競艇場で大勝ちした瞬間に死ぬのもいいですね。オレはやっぱり女房より競艇を愛しているんだ。
2018年05月07日人生の紆余曲折を経て、今年50歳を迎えるアナウンサー・近藤サトさん(49)。意外にも「蛭子さんの大ファン」ということで、本誌が対談の場をセッティング。「人生で大切なのは自由とお金」と言い切る蛭子能収さん(70)との異色の対談後、2人が悩み持ち寄り、“お互い”ゆるゆる人生相談が実現した。近藤が、蛭子の相談に答える! 【Q】「最近、女房から小遣いを減らされて、競艇で思い切った勝負ができません。いつかは大勝ちするかもしれないし、できたら小遣いを上げてほしいのですが?」(蛭子能収) 【A】「蛭子さんにお金を渡すのは、ドブに捨てるのと一緒」(近藤サト) いつか勝つと思い続けて、競艇でこれまでに1億円も負けているんですよね。 そんな蛭子さんにお小遣いをあげるのは、奥さまとしては、お金をドブに捨てるようなものだと思っているはず。 難しいですね……。 いっそのこと奥さまと一緒に競艇場に行くというのも手かも。蛭子さんがどれだけ競艇が好きかを理解してもらうと、少しは、お小遣いアップしてくれるかもしれませんよ。 それに、お小遣いが増えて返ってくれば、奥さまだって文句どころか大喜びになります。だから、なんとかして必勝法を見つけることですよ。 あとは……、せっかくなら仕事の一環にして「蛭子さんと遊ぶ競艇の会」を作って、会員を募ってみてはどうでしょう。参加者から集めた費用で、蛭子さんが勝負する。ファンがたくさん集まると思いますよ。 ただ、これも蛭子さんが勝たないと、参加者も来なくなってしまいますね……。 これは残念ながら働くしかありませんよ。一生懸命仕事して、働いた分、お小遣いを上げてもらう。蛭子さん!漫画を描くのが面倒なんて言っていられませんよ!
2018年05月05日人生の紆余曲折を経て、今年50歳を迎えるアナウンサー・近藤サトさん(49)。意外にも「蛭子さんの大ファン」ということで、本誌が対談の場をセッティング。「人生で大切なのは自由とお金」と言い切る蛭子能収さん(70)との異色の対談後、2人が悩み持ち寄り、“お互い”ゆるゆる人生相談が実現した。蛭子が、近藤の相談に答える! 【Q】「私の話は、説明が長すぎると人から言われます。蛭子さんのように、短くても心に響く言葉で話したいと思いますがうまくいきません。どうすればいいのですか?」(近藤サト) 【A】「人はみな、他人の言うことにはたいして興味がない」(蛭子能収) 一応、オレは漫画家だから、ふだん話すときも、漫画のセリフを意識しているかもしれません。セリフは短くて簡単で、わかりやすい言葉で表現したほうがいいんですよ。 あと、作風としても、あまり漫画のなかに、ト書き(説明)を入れることもありません。登場人物にセリフを言わせたら、あとは読んでいる人の想像に委ねるというか……。 そういえば、背景もあまり描かないように……、というか、基本的に漫画を描くのが面倒くさくなっているんですよね。比べたらギャラも安いし、テキトーといったらナンですけど、楽に漫画が描けるように努力しています。 近藤さんの話がくどいのは、一生懸命伝えたいからだと思いますけど、そもそも、オレが描いた漫画にしても、近藤さんが話す内容にしても、他人にはそんなに興味あるものじゃないと思うんですよね。だから、そんなに説明しなくても大丈夫だと思いますよ。 たぶん、近藤さんは、話すのが得意だから、よけいなことまで説明してしまうんじゃないですかね。自分はしゃべりが下手だと思っていれば、言い分が長くなることはないと思いますよ。 それに人の心に響く言葉かどうかなんて、相手の受け取り方で全然変わってくるから、何も考えないほうがいいですよ。
2018年05月04日人生の紆余曲折を経て、今年50歳を迎えるアナウンサー・近藤サトさん(49)。意外にも「蛭子さんの大ファン」ということで、本誌が対談の場をセッティング。「人生で大切なのは自由とお金」と言い切る蛭子能収さん(70)との異色の対談後、2人が悩み持ち寄り、“お互い”ゆるゆる人生相談が実現した。蛭子が、近藤の相談に答える! 【Q】「夫から細かいことでよく怒られますが、私は素直に謝ることができません。といっても、ケンカにならないように自分を抑えているので、ストレスがたまってしまいます」(近藤サト) 【A】「申し訳なさそうな演技をして、頭を下げておけばいい」(蛭子能収) 人に詫びることで“負けた”と思うから、ストレスになるんじゃないですかね。 別に負けてもいいじゃないですか。オレは、自分の信念を曲げてでも、相手の言うとおりにします。というか、そんなたいそうな信念もありませんけどね……。 とにかく、オレは人と争いたくないから、頭を下げて済むことなら、いくらでも謝ることができるんです。 というのも、オレがいちばん恐れていることは死ぬことです。とくに人に殺されるなんて真っ平ごめんです。だって人はささいなことでもめますよね。それが最終的には、殺し合いのケンカになってしまうと思っているんです。 それに日ごろから、他人の悪意を買わないようにしています。人と人のやりとりは、夫婦の間でも面倒くさいもの。手っ取り早くオレが折れておけば、不思議とうまくいくんですよ。たとえばオレは女房が少しでも不機嫌な様子だったら、理由がわからなくても、まずは謝っておきます。そもそも謝ることに、素直になったり、意地を張ったりする必要はありません。申し訳なさそうな演技をして、ただ頭を下げておけばいいだけです。
2018年05月03日近藤「こんにちは!きちんとご挨拶するのは初めてですよね」 蛭子「あれっ、初めてでしたっけ!?最近、記憶力がちょっと……」 人生の紆余曲折を経て、今年50歳を迎えるアナウンサー・近藤サトさん(49)。意外にも「蛭子さんの大ファン」ということで、本誌が対談の場をセッティング。「人生で大切なのは自由とお金」と言い切る蛭子能収さん(70)との異色の対談が実現した! シックな絞りの着物で現れた近藤さん。その艶やかさにオドオドする蛭子さん。 近藤「今日はすごく楽しみにしてきました。蛭子さんの漫画も読んでいますが、最近はエッセイも好き。(本誌連載をまとめた)『蛭子能収のゆるゆる人生相談』も『笑われる勇気』もすごく面白かったです」 蛭子「そうですか。オレは読んでいないので、あまり内容がわからないですけど……」 近藤「ええっ?蛭子さんが相談にお答えになっているんですよね」 蛭子「あっそうでした!相談の回答が、すべて金で解決すると思っているんですが、それを言うと怒られるから、テキトーに答えています」 近藤「テキトーですか……。でも蛭子さんの本を読んだ73歳になる母は、『蛭子さんはいいこと言うわね』と話していたんですよ」 蛭子「そりゃ、マズイなあ」 近藤「蛭子ファンとしては、対談とか人と話すのが苦手だと知っていたので、今日は、断りきれずにいらしたのかなと、恐縮しているんですよ」 蛭子「いやぁ、今日はそうではないですよ。オレが考えているのは、お金を増やすことだけ。こうして仕事をするのも、ギャンブルに行くのも、すべて稼ぐためなんです」 近藤「すべてにおいて執着心がない蛭子さんですが、お金を稼ぐことには固執しているんですよね。建て前だらけの時代に、正直すぎる蛭子さんの発言が新鮮ですよ」 蛭子「オレは小さいころから『お金がある人だけが幸せになれる』と思っていて、今でもお金を増やしていくことが人生の目的なんです」 近藤「ほかの人が言うと、嫌な感じで聞こえるけど、蛭子さんが言うと『理解できる!』と思えるから不思議」 蛭子「でもオレはぜいたく品とか高級品には興味がないんですよね。『この世でいちばん大切なモノは?』と聞かれたら、本当はお金と言いたいところだけど、最近は、女房と答えるようにしています」 近藤「蛭子さんは奥さまを愛していますものね。エッセイに書かれている奥さまとのやり取りを見てそう思います」 蛭子「いつも怒られてばかりですけどね、えへっ」
2018年05月02日近藤「今日はすごく楽しみにしてきました。蛭子さんの漫画も読んでいますが、最近はエッセイも好き。(本誌連載をまとめた)『蛭子能収のゆるゆる人生相談』も『笑われる勇気』もすごく面白かったです」 蛭子「相談の回答が、すべて金で解決すると思っているんですが、それを言うと怒られるから、テキトーに答えています」 人生の紆余曲折を経て、今年50歳を迎えるアナウンサー・近藤サトさん(49)。意外にも「蛭子さんの大ファン」ということで、本誌が対談の場をセッティング。「人生で大切なのは自由とお金」と言い切る蛭子能収さん(70)との異色の対談が実現した! 近藤「結婚して、子育てしながらも、これまでずっと仕事を続けてきて、気がつくと今年50歳。いろいろ悩みも出てくるんですよね」 蛭子「その年ごろの女性は、どんなことで悩むんですか?」 近藤「ふとしたときに『自分は何者なのだろうか』と思うことがあるんです。アナウンサーやナレーターという仕事を続けてきましたが、基本的には人が書いた文章を読んでいく仕事。ときに、心から湧き出た言葉で表現できたらいいなと思うんです」 蛭子「オレは自分が『何者か』なんて思ったことがありません。テレビでもスタッフの指示どおり。それで稼げるなら十分だと。それに人の言葉でも、気持ち込めて人に伝えられるのは、すごいことだと思いますけどね」 近藤「ありがとうございます。そういえば、先日、雑誌のエッセイを書くとき、蛭子さんになりきってみたことがあるんです。それまで原稿を書くときは、難しい言葉やいい表現を使おうとしていつも苦労していました。でも、気取らずに、思ったことをそのまま書いたんです。それがすごくウケたんです」 蛭子「へえ~。オレは、漫画でもそうですが、どうせ期待されていないんだから、と思いながら漫画やエッセイを作っています」 近藤「そんな肩の力の抜け具合がいいんですよね」 蛭子「あ~そうですかね。だから、同じようにオレは誰にも期待しませんよ」 近藤「はあ。実はもうひとつモヤモヤしたものがあって、仕事や人生、ファッションや髪形まで、どこか人のまねばかりしている気がするんです。そのときの流行に重ね合わせて生きていれば安心するというか……。でも自分がないような気がするんです」 蛭子「難しいですね。でもまねするのはそんなにマズイことですかね。オレは漫画を描くときは(漫画家の)つげ義春さんのまねばかりだし、色使いは(グラフィックデザイナーの)横尾忠則さんと同じように描いています。でもオレには才能がないから、2人とは違う作風に仕上がるだけ。そんなもんですよ」 近藤「人のまねをしても、自分のなかに取り入れることで、個性になることがあるんですね。なんだか自信が出てきました。蛭子さんは何か悩みはないんですか?」 蛭子「最近、女房から小遣い制にされて、月8,000円ですよ、ほら!(と、ポケットからボロボロの茶封筒に入った1,000円札を取り出す)」 近藤「わはは。悩みはお金ですか。うちは夫婦で財布は別々ですが、夫も宵越しの金は持たないタイプで、いつもお金がないと言っています」 蛭子「旦那さんは競艇とかしないんですか?」 近藤「ギャンブルには興味がないようですよ。それにしても蛭子さんは競艇の話になると目が輝きだしますね」 蛭子「そうですか。でも、いろんな悩みも、競艇場に行けば吹き飛びますよ」 近藤「今度、ボートレースを見ながら、お悩み対談もいいですね。今日は、気分がゆる~くなって、悩みが小さく感じられました。ありがとうございました」
2018年05月02日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「息子は、女性よりも男性が好きで、『一生独身で生きていくから』と。普通に育てたつもりなのに、子育てに失敗したのでしょうか。私の友達の孫の話を聞くと心が痛みます」(ヒロさん・67・主婦・神奈川県) 【A】「『同性が好き』という自分の考えを正直に話すのは立派なこと」(蛭子能収) この息子は、自分の思いや考えを親に正直に話しているんですよね。すごくエライことだと思いますけどね。 それにしても結婚したり、異性を好きになったりすることが普通なんですかね。この人の言っている「普通」がちょっとわかりにくいですね。別にどうでもいいけど。 友達の孫の話で思い悩むのなら、あなたの友達に「息子は男性が好きだから結婚しないの」と言ってみればどうですかね。変な顔をしたり離れていったりする人がいれば、その人とは付き合わなければいいだけですよ。 そもそも結婚って面倒くさいですよね。オレは、女房の趣味で神社仏閣巡りに付き合わされていますが、最初はおさい銭が10円でした。すると女房から「ダメダメ、最低でも1,000円!」と言われました。オレは10円でも高いと思っていたのに。この前、競艇のお小遣いが減らされているから、1,000円札をさい銭箱に入れるふりしてポケットに戻そうとしたら、女房に見つかって怒鳴られてしまいました。少しだけ独身が羨ましくなりました。
2018年04月23日昨年秋、“世界一ゆるい70歳”となった蛭子能収(70)。大反響の「ゆるゆる人生相談」を一挙108本収録した、世界一ゆるい自己啓発本『笑われる勇気』(光文社・900円+税)を刊行したばかりの蛭子が、読者からの相談に答える! 【Q】「野球が大好きです。とくに読売巨人軍が何年も優勝から遠ざかって、今年こそと毎年願っているが、かなわぬ夢。蛭子先生、どうすれば、昔の強い巨人になるか教えてください」(サクラさん・66・アルバイト・山口県) 【A】「選手全員、長嶋のような眉毛にすれば巨人はきっと強くなる」(蛭子能収) 野球といえば、オレは「AbemaTV」(インターネットテレビ)のニュース番組で、プロ野球のコーナーに毎週出演していたんですよ。そのコーナーでは、実際のプロ野球の試合映像が使えなかったから、オレがイラストを描いて、解説みたいなことをしていたんですよ。でも、この春から、映像が使えるようになってオレはリストラに。月に1度の出演になってしまいました。もっと野球を勉強して週1レギュラーの復帰を目指しています。 たしかに、最近は、聞いたことがないような球団が優勝していますよね。オレは、昔から巨人が好きでしたね。金にものを言わせて連れてきたいい選手がたくさんいて、ダントツで強かったのでいつも応援していましたよ。スター選手のなかでも、とくにオレは、王(貞治)選手よりも長嶋(茂雄)選手のほうが好きでしたね。なによりあの太い眉毛がいかにもホームランを打ちそうで、すごく気になっていました。今の選手たちも、長嶋のように眉毛を濃くすれば勝てるかもしれませんね。
2018年04月16日