自分に合った環境なら、「みんなと違う」は気にならないUpload By 楽々かあさんこんにちは。「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。私は、発達障害の「障害」とは、その子の「個性」と「環境」の間にある…と考えています。ですから、本人側から環境に合わせる努力や工夫も大事ですが、自分が適応しやすい環境を選ぶことでも、「みんなと違う」が気にならなくなる場合もあると思います。現在中学2年生の長男は、私立中高一貫校を受験し、第一志望校に無事合格。自分の個性に合った環境で充実して過ごせるようになり、私はそこに「障害」を感じなくなりました。中学受験は、あくまで「環境選び」の1つの選択肢に過ぎませんが、独自の校風や教育方針などの「環境」が、その子の「個性」とぴったり合っていれば、少々個性的でも学校生活を楽しく過ごせるお子さんは結構いるように思います。ただし、私立中学の場合、特別支援学級設置校は現在全国で1校のみ(文部科学省H29年度資料より)ですし、障害者差別解消法による「合理的配慮」も「努力義務」の範囲になるため、基本的に「特別支援教育」や「特別な配慮」は、現状あまり期待できないと思っていた方がいいでしょう(※ただし、発達障害・不登校対応ができる学校や、公言せずとも一定の理解や配慮がある学校もあります)。そのため、まずは、入学の前提条件として、お子さんがある程度、特別な配慮がなくても教室で落ち着いて過ごせ、通常学級での授業や学級活動への参加に大きな支障がないことが必要な場合が多いと思います。また、将来の自立に向けて必要な、ソーシャルスキルや生活スキルを身につけるための発達支援(療育)・トレーニングは、必要に応じて医療・支援機関の手も借りながら、家庭が主体となって学業と並行して継続的に取り組んでゆく必要もあるでしょう(これは、公立中学の通常学級、フリースクール・ホームスクール等で学ぶ場合や、高校進学〜それ以降の進路を選択した場合も同じです)。その上で、もし、中学受験をお子さん自身が強く希望したり、ご家庭の教育方針と合うのであれば、様々な学校を実際に見学し、比較検討してみるといいでしょう。その際、うちの経験上、発達障害傾向のある子の場合、志望校選びの段階で偏差値や知名度などよりも、ずっと優先して考えた方がいいことがあります。環境の影響を受けやすい発達障害傾向のある子は、毎日の小さな負担の積み重ねが、いつの間にか、「適応できない」「努力では乗り越えられない」大きな障害物となってしまうこともあるからです。発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時に、志望校選びのポイントを7つ、ご参考までに独自の「発達障害目線」で、2回に渡ってお伝えします。今回の<前編>では、その子の個性を活かしやすい、前向きな志望校選びのポイント4つです。文部科学省「特別支援教育資料(平成29年度)」より出典 : まずは校風です。校風とは「学校の雰囲気」という漠然としたものですが、校訓や募集要項やアドミッション・ポリシーなどで、「こういう子に来て欲しい」と学校側は意思表示していますから、学校の公式HP・資料請求などで、すぐに確認できます。そして、教育方針。私立学校は特色ある独自の教育を打ち出していることが多く、「サイエンス教育に重点を置いている」「国際教育に力を入れている」「スポーツの強豪校である」「情操教育を大事にしている」…などなど、学校自体も個性的です。つまり、「学校の個性」と「その子の個性」がピッタリ合っていれば、同じ子の同じ部分が短所から長所に変わることも。例えば、うちの長男の「空気が読めない」という部分を、現在の中学では「積極的に自分の意見が言える」と肯定的に高く評価してくれます(こういった学校の考え方は、建学の精神、校訓や募集要項、過去問等にもハッキリ表れていました)。そして、凸凹差が大きくても、特定の分野に興味関心が高い子、一芸に秀でた子、一つのことに集中できる子等を歓迎し、得意分野を伸ばしてくれる教育方針とマッチすれば、「できる子」として扱ってもらえる可能性も高いでしょう。また、留学生や帰国子女を積極的に受け入れるなど、多様な個性や文化背景のある生徒が集まる学校や、博愛精神を大事にする学校などでは、多様性を認める教育がなされ、多少の個性やものの感じ方・考え方の違いは、大らかに受け容れてもらえることも。こういった、個性的な生徒を求めている学校は、「推薦・AO型入試」などを実施している場合も多いので、入試方式も早めにチェックしておきたいところ(推薦・AO型入試は、説明会への参加、事前の資料準備や面談、面接練習などが必要なことが多いです)。出典 : 学校の規模も、発達障害傾向のある子にとっては、大事な要素だと思います。感覚過敏があると、教室でのザワザワ音や他の人の動きなどが気になってしまい、負担が大きくなります。うちの長男は「人が多ければ多いほど、集中できない」とのこと。また、グレーゾーンの次男も人の顔と名前が覚えにくく、学級数が多い小学校ではクラス替えによる負担が大きく、対人関係でなかなか自信が持てませんでした。こういった子は、小規模校や少人数クラス編成の学校のほうが負担が少なく、落ち着いて過ごせる可能性が高いでしょう(ただし、クラス数が少ないと、いじめやトラブル等の際にクラス替えによる解決が難しくなることも。また、少人数でも静かとは限りません)。そして、中学では小学校と違い、担任の先生がずっと同じ教室にはいないので、大人の目が届きにくくもなります。また、集団の規模が大きくなればなるほど、「個別に、柔軟に」は、物理的に難しくなるでしょう(ただし、「干渉されない大規模校のが気が楽」「ビシッと管理されるほうが落ち着く」という子もいると思うので、一概に大規模校が合わないとは言えません)。そのため、小規模校や少人数クラス編成の学校は、アットホームな雰囲気で先生方も生徒一人ひとりの顔を覚えやすく、目も届きやすいでしょう。また、大規模校でも、副担任制の採用や少人数授業や補習制度など、教員の配置が手厚く面倒見の良い学校も。生徒数・クラス数・教員数も、学校の公式HPや学校案内・募集要項等に大抵記載されています(ただし、入試の際の募集定員数と実際の在籍生徒数がかなり違う学校もあるため、「実際のところ」も、よくご確認を)。出典 : 思春期は、いわゆる「フツーの子」でさえ、身体面・精神面で不安定になりがちです。ましてや発達障害傾向のある子は、環境の変化に敏感なことも多く、心身に大きな負担のかからない、安定した生活環境が大事だと思います。ただし、設備の「体感」は公式HPや学校案内だけでは掴めないので、実際にお子さん自身が見学会や文化祭・体験授業等に足を運んで確認してくるのがいいでしょう。学校の設備面のチェック・ポイントは…・エアコンの設置・稼働状況(各教室の他、体育館や部活動の施設なども)・教室環境(教室の広さ、机と机のパーソナルスペース、教室前方のモノや掲示物の配置など)・教室の照明、黒板・ホワイトボードの色(視覚過敏やLDのある子に見やすい色・明るさか)・個人ロッカーの有無(忘れ物の多い子、体力に不安のある子等は、「置き勉」の可否)・保健室や図書室、自習室やオープンスペースの有無(静かに休息できる場所はあるか)…など、「その子にとって特に負担がかかりやすい部分」を重点的に、よく見ておくべし!また、味覚や触覚過敏で偏食傾向のある子は、食の選択肢がある、弁当持参や学食・購買が充実している学校などが、負担が少ないでしょう。その中学のランチはどうなっているか、学園祭などで在校生に「お昼、どうしてますか?」って聞いてみるのもテ。それから、一般的には楽しいハズの行事・イベントも、「いつもと違うこと」が多いと負担になる子もいるでしょう(ただし、私立は運動会や各種セレモニーなどの事前練習等はほとんど行わないか、あっても効率的な場合が多いと思います)。年間行事予定も、学校HPや学校案内に大抵写真付きで載っていますから、一緒に眺めて「こんな行事があるんだね」「修学旅行はここに行くんだね。大丈夫そう?」等、親子で話し合いながら、お子さんの反応を見ておくといいでしょう。出典 : 傾向のある子は特に、ICTの導入状況はよく確認しておきたいポイントです。ICTが全校で導入され、iPadやPCが一人一台使える環境なら学習への負担が減りますし、特別な許可も必要ないので「〇〇くんだけズルイ」だなんて思われることもありません。また、ICTが普及していれば、校内の無線LANや電子黒板等も整備され、先生方もデジタルツールに慣れているので、デジタル教科書や電子辞書の使用、作文・課題のワープロ提出、ノート代わりの黒板の撮影なども、柔軟に理解されやすいと思います。長男の学校の場合、全校生徒1人1台iPadを所有し、授業中の電子辞書アプリの使用や、課題のワープロ打ち提出などは、特に先生の許可も必要なく、発達障害のある・なしに関係なく「みんなフツーにそうしてる」とのこと。そして、学習面では、授業内容やレベルなど「何を学ぶか」も大事ですが、「どう学ぶか」の学習手段・方法のほうが、より重要なポイントだと私は考えます。先生が一方的に話して、ひたすら黒板を写す…という伝統的な講義型の一斉授業だけでは、負担が大きかったり集中できなかった子も、「その子に合った学び方」なら、学習意欲と学力を大きく伸ばしてもらえる可能性も。多様な学習手段・方法の例は、ICTの活用の他にも…・実験やフィールドワークなどの体験型・探求型の学習・教科を越えた問題解決型の統合的な学習・言葉で学びをアウトプットするプレゼンテーションや、ディベート形式の学習・少人数授業、習熟度別クラス編成、個別課題や補習など、それぞれのペースや到達度に合わせた学習…など、近年様々に試みられていますが、その学校で取り入れている中で「その子に合った学び方」があるか、じっくりチェック。学校側が柔軟に新しい方法を取り入れてアップデートし、「学び方」の選択肢が多ければ、その子の凸の強みが活かせるチャンスも増えます(「その子に合った学び方」は何かが分からなければ、事前に専門家に相談し把握しておくといいでしょう)。また、柔軟性・合理性の高い学校なら、個別の事情に合わせて、ちょっとした私物の持ち込みや学用品のカスタマイズ程度なら、気軽に理解が得られることも。学習環境の確認は、小学生向けに体験授業などを行う学校も増えているので、気になる学校があれば参加してみるといいでしょう。その子の個性を活かしやすい環境を…出典 : 今回の<前編>では、「発達障害目線」から「こんな環境なら、その子の個性を活かしやすい」という、私立中学の志望校選びの前向きなオススメポイントを中心にお伝えしました。次回<後編>では、入学の学校生活を考えると「ちょっと不安な点・心配な点」に対して、押さえておきたい現実的なポイントを中心にお伝えします。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』2016年/刊/ポプラ社
2019年09月20日キッズネットサポーター:ゆきこ予定より早く、算数のみ入塾子どもが小学5年生の11月。塾主催の適性検査型の無料模試を受けたら、答案返却の面談で冬期講習の受講をすすめられました。そのときは塾に入ることをまったく考えていませんでしたが、お試し価格でお得だったうえに、帰省の日程と重なっていなかったので何かの縁かなと思い、気楽な気持ちで受講することにしました。子どもはこの冬期講習を楽しんだものの、2月に習い事のイベントが続けて行なわれることもあり、けっきょく入塾はしませんでした。そうなんです、中学受験を考えつつ、小5の2月になっても2つの習い事を続けていたのです(2つのうち1つは6年生9月まで、もう1つは入試シーズンも休まず、小学校卒業の3月まで続けました)。そして習い事のイベント終了後、同じ塾で無料模試が行なわれることを知った子どもが、「また模試を受けたい!」と言い出しました。「お試し価格で冬期講習だけ受講して入塾は断ったのに、また無料の模試を受けるって・・・」と、さすがに図々しいわたしでもちゅうちょしたのですが、子どもがどうしてもというので渋々申し込むことに。2度目の答案返却では、さすがに塾側も勧誘作戦を変えてきて、「冬期講習は公立中高一貫・適性検査対策クラスを受講したので、春期講習では『国私立中学対策クラスの、まずは算数を受講しましょう。春期講習前の通常授業から体験してみませんか」と勧められました。そのクラスには、子どもが今まで出会ったことがないような、ケタ違いの天才・秀才たちがいました。当初の予定では志望校対策が始まる9月に入塾するつもりでしたが、毎日通う小学校とはまったく違った刺激を塾のクラスメイトから受けたこと、算数の学習の進め方に迷い始めた時期だったこともあり、塾側の言うとおり算数のみ入塾を決めました。中学受験に「先取り学習」は必須!子どもは算数が好きで、しかも得意科目と思っていましたが、先取り学習まではしていませんでした。入塾して間もなく、「え!中学受験をするのに、まだ円の面積の公式を知らないの?」と講師に絶句されたことも、今となっては笑い話です。入塾する前の算数の学習は、市販の問題集と通信教育のZ会の公立中高一貫校適性検査講座の受講でした。今思えば、“学力検査でなくて適性検査だから先取り学習は必要ないだろう”と判断した親の油断のせいで、学習内容も時間も足りなかったのではと反省しています。算数の進め方をもっと工夫できていたら、もっと入塾時期を遅らせることも、もっとスムーズに受験生活を過ごすこともできたのかもしれません。そんな反省だらけの算数の学習方法ですが、見つけてよかったと思う教材があります。出会いは子どもが小学校1年生のときのこと。年度末テストの算数がとくに高得点だったので「うちの子ってすごい?!」(笑)と浮かれたわたしが問題集選びを始めたときのことです。本屋の問題集売り場に行ってみたものの、あまりの種類の多さに、どれを選んだらいいのか途方にくれてしまいました。そんなとき、ある1冊の本に出会ったのです。宮本哲也先生との運命の出会い!?それが、『宮本算数教室の教材賢くなるパズル入門編』。はじめて買った、宮本先生の問題集「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル入門編」宮本哲也著/学研プラス保護者向けの説明に「絶対に解き方を教えないでください」と書かれているのを見て「子どもの目の届くところに問題集を置いておくだけでいいんだー、解き方を教えなくていいなら親がラクでいいわー」と単純に考えて、購入しました。子どもには「答えが出なくてもいいから、自分で考えてごらん。すぐに答えが出ないとモヤモヤするだろうけど、答えが出なくても、答えを探して考えている時間に頭がよくなるから大丈夫。寝ている間に頭が整理されて、起きたらひらめくこともあるかもよ。だからよく眠りなさい」と伝えました。我が子が中学に入学してして間もなく、「すぐに解けなくてもいいから、まず自分で考える、考え抜くことが大切だと分かった」と言いました。そのとき、わたしは「宮本先生、ありがとう!!」と心の中で叫んでガッツポーズ!子どもは宮本先生の教材を全てやったわけではありませんし、わたしも宮本先生の著書を全て読んだわけではありません。けれども、「子どもは自ら学習しようとする本能がある、子どもが勉強嫌いになるのは親が邪魔をするから」といった宮本先生の言葉の数々や「子どもが本当に必要としている援助だけをして、信じて待つ」という姿勢は、わたしに大きな影響を与えました。今では、お会いしたことのない宮本先生を「我が心の師匠」とリスペクトしています。「焦らずじっくり」は自宅学習のメリット算数の学習方法については話題に事欠かない我が家ですが、焦らずじっくり時間をかけて算数の問題と向き合えたことは、できるだけ塾に通わずに自宅学習を進めたメリットだったと感じています。子どもが算数を好きで得意だと思い続けていられた助けになったのではと思っています。私立中学校の入試では、算数の配点割合を高くしたり、算数一科目だけに絞ったりといった算数重視型も増えてきました。算数重視型の入試は、公立中高一貫校の適性検査を目指しながら私立中学も受験したいと考える子どもたちの新たな選択肢になると思います。私立中学の入試の4教科を急いで仕上げるのは大変なことですが、算数だけなら間に合う可能性も高まります。実際に我が子も、私立中学校の算数重視型の入試を受けました。試験問題を解くのは時間との戦いになりますが、まずは土台作りとして、算数の問題にじっくり取り組むことが大切だと思います。算数を得意科目にできれば中学入試で有利になるのはもちろんのこと、中学から始まる数学にも、子どもが自らの将来を考えるときにも、心強い味方になるでしょう。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
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2018年09月21日自分の通う小学校は、自分で選ぶんだ!! だから、いこい ゆうた(4歳)お受験はじめます!!コンテンツ提供: ベビモフ 電子書籍はコチラ
2018年09月20日「なんか、今、生きてるってカンジがする」長男、衝撃の言葉。出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。小学校時代、学校があんまり好きではなかった長男。小1の時に発達障害の診断を受けた彼なので、私は「うちの子は、そういう個性なんだから、まあ、しょうがない」と思っていました。ところが、自分に合った私立中学で毎日楽しく学校に通う姿が見られるようになり、私はそこに「障害」をほとんど感じなくなりました。そんな中、ある日彼がふと言った衝撃の言葉…!「かあちゃん、おれ…なんか、今、生きてるってカンジがする」…え!?一体どういうコト!?私は今、長男がどんなに頑張っても小学校を好きになれなかった原因は、本当に「発達障害だから」だったのか、疑問を抱いています。確かに、一斉授業や集団教育を受ける上で、長男の生まれながらの体質的に「ものすごく苦手なこと」が、クラスの皆や先生、長男自身の足を引っ張っていたこともあるでしょう。でも、彼は卒業間近のころ、「小学校の全てがイヤだったワケじゃない。いい人もいたし、いいこともあった」と言えるようになりました。ではなぜ、長男は今まで「生きてるってカンジ」がしなかったのでしょう。実は、私たちが信じていた学校の「当たり前」は、もしかしたら、もう違うのかもしれません。長男は中学で、まるで開国まもない日本から初めて異国に渡った使節団のような衝撃を経験しました。もちろん、長男の中学独自の校風や設備、教育カリキュラムや生徒層の違いといったものもあります。でも…彼が心底感動しているのは、もっともっと「人として」本当に基本的なことなのです。私はそれを「私立だからできること。公立なら仕方ない」とは到底思えません。だって、長男が目を輝かせて語る「中学のスゴイこと」は、やろうと思えばどの学校でも、今すぐできることばかりだからです。では、その「衝撃体験」をご紹介します。出典 : 「かあちゃん、スゴイよ。体操座りじゃなくていいんだって!」そう長男が嬉々として真っ先に報告してきたのは、全校集会などの際の「体操座り」のこと。小学校では、体育館や校庭に集まった時は、全員体操座りで、一言も喋らずに待たなくてはなりませんでした。どんなに集会が長引こうが、足を崩したら注意されてしまうので、長男には長時間じっと動かずにいることが苦行だったようです。ところが、息子が通う中学では、好きなように座っていいのだそう。隣の生徒に迷惑のかからない範囲であれば、少しばかり体操座りを崩そうが、あぐらをかこうが、ペタンコ座りしようが、痺れた足を組み替えようが自由だそうです。先生が話し始めるまでは、生徒同士の雑談もOK。しかも、全校集会自体の回数が少なく、ことあるごとに番号順で廊下に整列する機会も随分減ったのだそう。…言われてみれば、どうして今まで「全員体操座り」でなければならなかったのでしょう?確かに、静かに先生の話を聞けてさえいれば、必ずしも体操座りである必然性はありません。それとも「貧血で退場するまで、全員起立していた親世代よりマシ」と、ポジティブに捉えるべきなのでしょうか?出典 : 学校のロッカーに教科書類を保管する「置き勉」禁止に加え、教科書が大型化しているため、重いランドセルや通学カバンが子どもたちの負担になっている話題をテレビやネットで見かけました。うちの地区も小学校まで遠いほうです。小学生が重いランドセルに鍵盤ハーモニカや習字道具を両手に持ってヨロヨロ歩く姿は危なっかしいです。ましてや小さな1年生たちが真夏に汗だくで道端で座り込んでいる姿は、かわいそうで見ていられません。「学校行きたくない」と、うちの子たちは朝、時々登校をしぶります。何か不安に感じることがあったり、行事や季節の変わり目で負担の大きな時期だったり理由は一つでないにしろ、重い荷物がより一層学校への足取りを重くしているのは否めません。ところが長男の中学は、「宿題に必要なもの以外は、ロッカー保管でいい」のだそうです。教科書・副教材や辞書類、弁当・部活道具など、小学校の比ではないほど持ち物が増えましたが、合理的でほっとしました。それに、うっかり屋の長男にとっては、忘れ物の心配もかなり減りました。今までなぜ「全部」持ち帰っていたのでしょう。…これは正直、今でも毎日汗だくでランドセルを背負い登下校している次男と長女にはとても言えません。「脱ゆとり」で重くなるランドセル児童体重の半分にそれでも「置き勉」禁止のなぜ |AERA dot.出典 : 長男より私が感動したのは、学校との連絡が専用SNSでできることです。小学校では毎日、子ども3人分の大量のプリントを受け取っていました(今も、2人分ありますが…)。もちろん、テストや宿題のプリントなど、必要な紙もあるのですが、同じお知らせが3通来たり、なぞのチラシや案内も沢山貰います。取捨選択が苦手な私は、本当に必要な情報をプリントの山から発掘しなくてはなりません。さらに困るのが、長男が大事なお知らせを持ち帰り忘れて提出期限が過ぎてしまったり、必要な持ち物の用意に慌てたりすること。ところが今は、生徒・保護者・先生間の連絡のやりとりや、欠席連絡は全てネット。スマホにメールで配信通知も来ますし、先生にも生徒・親が読んだことが分かります。発掘作業も必要ないし、うっかり資源ゴミに出す心配もなく、必要な書類はいつでもネットで確認・ダウンロードできます(小学校でも折角、電話連絡網が廃止されメール配信になったのに、使われるのは基本的に緊急時か、PTA活動のお知らせのみ…です)。地球に優しい長男は「ムダな紙を減らせて、エコだね!」と言います。出典 : 小学校の下校時刻。習い事の日などに子どもたちを迎えにゆくと、毎回先生方の「○組、遅いですよ」「○班、早くして下さい」「皆さん、5分遅刻です」という声が聞こえてきます。いわゆる「連帯責任」で、日本の学校ではよくある光景でしょう。多くの子どもたちをまとめる先生方は本当に大変だとは思うのですが、私はこれが長男の友達トラブルの元凶だったようにも思えます。マイペースでうっかり屋の長男は、何かと集団行動から遅れがち・注意されがち。もちろん、彼にも努力の余地はあり、怒られるのがイヤで改善した部分もあります。でも長男は、先生に自分だけが注意されるより、長男のいる班やクラスごと注意を受けて、皆から冷ややかな目で見られたり、「おまえのせいだ」「ちゃんとやれ!」と、上級生たちに何度も注意の上書きをされることのほうが、よほど辛かったようです。また、高学年になり早めに集合できるようになると、今度は「自分はちゃんとやっているのに、なんで一緒に怒られないといけないんだ」という、できている側の理不尽さも感じるようになりました。日常的な「連帯責任」は、子どもたちの中で「この子のせいなのだから、注意すべき」という空気ができてしまいます。もちろん、危険なときや周りの迷惑になるときなど、本当に注意が必要な場合はあります。集団生活では「時間を守る」などのルールも必要でしょう。でも、些細なことまで、人と違うことをする子を皆で注意し合うのが「いいこと」だと思い込んでしまうと、結果的に、それがいじめの芽になってゆく可能性もあるのではないでしょうか。長男は中学で、登校班自体がないのがとても気楽なようです。また、先生から全く注意がないワケではありませんが、長男が何かやらかしても個人の問題なので、かえって「おれのミスは、おれのせい」と素直に受け止められているようです。他のお子さんがそばで叱られても自分まで一緒に不安になることもありません。そのせいか、クラスの様子を楽しそうに話してくれるようになりました。集団教育上どうしても注意が必要な場面も、私だってあると思います。危機管理上、登校班も必要な場合もあるでしょう。でも連帯責任だと言って「みんなで、お互いに」責め合う必要はないと思いませんか?出典 : 昨今、何かと話題になる部活動とPTA。長男の中学の部活動は「参加は任意」です。部活自体に入るかどうかも含めて、自分の意思で選択できます。そして、全国大会を目指して練習するハードな運動部から、「来たい時だけ顔出せばいい」ゆる〜い文化部まで、選択肢は様々。家庭や習い事での自分の時間も大事にしたい長男は、活動がゆるめの部に入って「部活、超楽しい♪」のだそう(ちなみに顧問の先生は部室の鍵と部費の管理以外、生徒たちに運営を任せています)。またPTA活動も、正直な話、うちには少々手のかかる子が3人もいるので、負担感が大きいように思っていました。それでも、御多分にもれず小学校では「全員必ず1回は役員をやる」ルール。ところが、中学の保護者会の「役員選出の事前アンケート」にはナント!□役員をやりたい□誰もやらなければやっても良い□引き受けられない…の3択が。「やる」1択ではないことに、ものすごく感動しました(引き受けられない理由を書く欄もありませんでした)。これで良いイメージを持てたため、保護者会の諸活動も、予定が合えばできる限りの参加をしたいと思えました。自分の意思を尊重されること、プライバシーを晒け出さなくても個人の都合を考慮されること、本来任意の活動に参加を強制されないこと…これが本当は「当たり前」なのではないでしょうか。部活の強制入部 やめるべき「自主的な活動」に全員参加の矛盾(内田良)|YAHOO!ニュースなぜPTAは「必ずやってください」と強制できるのか? ふつうなら炎上するやり方が通用するワケ(大塚玲子)|YAHOO!ニュースどんな子にも、時代にあった「合理的配慮」を…!出典 : 「今、生きてるってカンジがする」と長男が言った理由…これでお分りいただけたでしょうか。もしかしたら、小学校6年間「学校キライ」と言い続けた長男は、他のお子さんたちよりも、ほんの少し、自分の気持ちに正直だっただけなのかもしれません。発達障害のある・なしに関わらず、どんな子だって、心身共に大事にされたいのは「人として」当たり前です。そして、私の育児経験上、「こうでなければならない」「絶対にこうあるべき」という、大人の側のこだわりが多ければ多いほど、教育やしつけが難しく感じられます。こちらが柔軟におおらかに対応できれば、子どもにも素直に伝わりやすく、「問題」として気になることが減っていくように思います。中には「子どもに甘い。これだから今の親は…」と嘆く方もいるかもしれません。確かに、昔はもっと厳しかったものです。でも、もしこれが「今の」大人社会だったら…と想像してみてください。長い会議を姿勢を一切崩さずに座り続けられますか。毎日米袋を担いで通勤したいでしょうか。大量に紙のプリントを渡されたら、ため息が出ませんか。同僚とミスを責め合いながら、良い人間関係が築けますか。本来任意の飲み会やボランティア活動を強制されて、喜んで参加できますか。そんな職場で「毎日仕事が楽しい」「会社行きたい」と、前向きに思えるでしょうか…。長男は今、毎日満員電車に乗り、授業時間も宿題も増えましたが、文句ひとつ言いません。私には「あの」長男が信じられないほどガマン強くなったように思えますが、本人は「学校が楽しいから、これくらい平気」と、やる気十分です(勿論私立の中にも、より規律が厳しい学校もあるでしょう)。小学校時代、先生方はご多忙の中、何かと制限の多い環境で、できる限り一生懸命やってくださり、私は心から感謝しています。でも、そもそも、その前提となっている公教育での「当たり前」が、既に時代にそぐわなかったり、妥当性・合理性を欠くものであったり、旧時代の価値観に基づくものであったりするならば、思い切って見直す時期なのではないでしょうか。時代に合わせて「常識」「当たり前」も、変わっていくのです。新しい学習指導要領の導入で、小学校から英語・プログラミング教育が始まり、また、外国からのお子さん・保護者も増えている中、「Why?」と聞かれて合理的に説明できないことは、私はもう役目を終えているように思います。新しいことを始める前に、今ある負担を減らさなくては、子どもたちも親も先生方も疲れ切ってしまうでしょう。そして、人として基本的な「合理的配慮」が必要なのは、障害のある子だけではないと思います。いわゆる「フツーの子」たちも、心身の負担やストレスが減ることで、お互いを思いやったり、個性や考え方の違いを認め合う心の余裕ができるかもしれません。長年の教育現場の慣習として、すぐに変えるにはハードルが高いこともあるでしょう。でも、少なくとも「体操座りじゃなくてもいいですよ」って言うのに、1円だってかからないのですから。大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2018年07月17日息子の志望校とは?中学3年生の夏休み直前に、突然の告白Upload By かなしろにゃんこ。高校受験に向けて塾に通わせたりしたものの、息子は勉強に熱心ではありませんでした。中学3年生になっても「受験のことは話したくない!」と怒り出す始末で、志望校の話はまったくできない状態。当時、私と夫は、普通科の公立高校に進んでほしいと考えていました。地域には、特別教育支援のモデル校となっている普通科の公立高校があり、発達障害がある生徒もそうでない生徒にも丁寧な指導をしてくれる高校だったので、そこがいいんじゃないかと考えていたんです。中学3年生の夏休みに入る直前、ようやく息子から高校受験についての話をしてきました。実は行きたい学校が決まっていて、その学校の夏休み体験授業を申し込んだというのです。そこは自動車整備士を目指す生徒のための、私立の専修高校でした。「この学校じゃなきゃ、すぐ辞める」息子の意思は固かったUpload By かなしろにゃんこ。専修高校は、普通科の学習内容に加えて機械実習のカリキュラムもあり、両方学べる学校でした。ですが、私立です!わが家はぶっちゃけ裕福ではありませんから「ムリ――!私立とかムリ――!」なんです。でも息子は「その学校以外は行きたくない、普通科高校には興味がない!」と言います。オイオイ!親の懐事情考えろや!と先に述べた地域にある公立高校を勧めたのですが「普通科高校なんかでやりたいことない、入学しても面白くなかったらすぐにやめる気がする」と言うのです。大好きなことを学び、仲間と思う存分語り合える高校生活をUpload By かなしろにゃんこ。「親を脅す気か?」と思いましたが(笑)、息子がどうしてその学校を選んだのか聞いてみたところ…「自分と同じ車やバイクが趣味の仲間を作りたい」「普通科高校にはない車の部活動をやりたい」「今までは友達とマニアックな話ができなかったから、思いっきりしてみたい」「メカニックを勉強したい」という答えが返ってきました。確かに友達との会話では、ADHDの特性でもあるマニアックな会話をしてしまうことを避けるように、そして早口にならないようにと注意してきました。そういったことをを注意していたので、中学校では友達と仲良くやってこれたものの、本当は自分の好きな話を思う存分したかったんだネ。アツく語るところはやっぱりADHDだと感じました。息子自ら申し込む、その変化がなによりうれしかった!Upload By かなしろにゃんこ。息子は勉強は苦手ですが、好きなことでは集中力を発揮することができます。だから将来は、自分の好きな車関係の仕事をするのもいいんじゃないかと思いました。発達障害がある子は”好きなことや特技を伸ばして育てたほうがいい”ともいいますから、子どもがやりたいことを見つめたなら、それをバックアップしてあげてもいいかな?と、私も考えるようになりました。なにより、受験に無関心かと思っていたのに、自分で体験授業を申し込んでいたことがとても嬉しかったんです。自分はこの学校でやっていけそうか?体験授業を受けて確認していた息子ですが、それが相当楽しかったようで…。なんと体験授業開催の度に参加し、結局3回も受けていました(笑)ウキウキ高校生活を夢見る息子に、母は…Upload By かなしろにゃんこ。体験授業で、部活の説明も受けて帰った息子は「入学したらどの部活に入ろう?どれも楽しそう。迷う~」と学校のパンフレットを眺めてウキウキしていました。部活はすべて、車やバイクにちなんだ活動なのでマニアには興味深々でたまらないようです。そこまで専修高校に行きたいのならば行かせてあげたくなるのが母親です。志望校について言い出せなかった、本当の理由とはUpload By かなしろにゃんこ。しかし夫は、「将来の職業の幅を広げるためにも普通科高校から4年生大学に行くべき!」と考える人。しつけには厳しいですし、息子にとっては脅えるほどコワイ存在の父親です。今まで高校受験の話をしたがらなかった理由は、何も考えていなかったのではなく「絶対お父さんに反対されるから、言いたくなかった…」という理由だったと分かりました。私が説得したところで夫は反対するだろうと、夫に息子の志望校の話をできないまま、願書提出の期日が近づいてきます。それに私立の学校は入学金や授業料も高い。私自身「支払っていけるだろうか?志望校変更するべきか…」とも悩んでいました。金欠だったわが家が、どうやってお金の問題を乗り切ったか…そして息子は、どうやって父親を説得したのか…それはまた、次の機会にお話させていただきま~す☆
2017年11月28日腐女子である娘は同時に歴史オタクでもあるので、親も知らないうちにアルマダの海戦に精通していたり、休みの日に嬉しそうに東京裁判のドキュメンタリーを観ていたりする。そして新しい歴史の知識を仕入れれば、たとえば私が日ごろ、読んだ本や観た映画の良さを友達に饒舌に語りたくなるのと同じように、「……でね、ここでエリザベス一世はどうしたと思う?!」などと、その出来事の一部始終をドラマティックに聞かせてくれる。ところが、残念ながら歴史アレルギーのある私には、夢見の伝えたい100分の1くらいの楽しさしか受け止めることができない。がんばって興味を持とうと思うのだが、耳を傾けながら頭の中では無意識にご飯のことを考えてしまったりする。娘はやりたくないことについてはテコでもやらないが、一方で好きなことに関しては驚くほどの情熱を発揮する。家族や友人にこれだけ歴史の醍醐味を語っているのに誰も自分と同じレベルで興味を持ってくれないというのは何かがおかしい、きっと自分の話し方が未熟なせいだろう、という発想から、娘が上手な話し方について研究し始めたのは1年ほど前のことだ。興奮して早口にならないように。冗長にならないように。期待を持たせるように。歴史普及のための地道な訓練が思わぬところで実を結び、娘は放送委員になった。それまでの自分には見えなかった世界を見るために新しく知識を得たり、考え方を取り入れたりする。そうして出会った世界からさらに世界を広げていく、そういうことをきっと勉強と言うのだとしたら、娘は誰に教わるでもなく、早くから勉強のやり方も、勉強の楽しみも知っている。しかし、興味関心が先立たなければだめなので、残念ながら必ずしも学校の成績が良いわけではない。国語や社会はそこそこ良いものの、数学や理科は頭を抱えるほどで、能力に大きな偏りがある。そういうことを考えると、来年から通うことになる中学は公立より私立の方が良さそうだ、と思ってみたものの、現状、中学受験の入試科目は専ら国算の2教科か、国算理社の4教科で、苦手な算数はどこまでいってもついてくる。大体の場合、高校生の途中から理系と文系に分かれることが許されるけれど、少なくとも中学生までは「こういう特性なんです」「こういう性格なんです」は甘え、とでも言わんばかりに、国語も算数も美術も体育も、全部伸ばせ、全部頑張れと教えられ、それを基準に能力が測られる。子どもって大変だなあとつくづく思うのはこういうところだ。子どもは、子どもであるというだけで、大人に比べてはるかに個性が尊重されない。私なんか、愛嬌がよくうまく皿を洗えたというだけで仕事に就いた(詳しくはぜひ拙著『家族無計画』を読んでください)し、その後は、算数はほぼ無関係の、文章を書く仕事をしている。さすがにそれがレアケースだと言われたって、多くの大人は大なり小なり自分に向いてる仕事や、ポジションを選ぶ自由がある。だけど子どもはそうじゃないのだ。子どもの可能性を信じる、子どもには伸びしろがある、なんて言えば聞こえはいいけど、特技を伸ばすことより苦手を減らすことの方が圧倒的に重視され、そのためには「逃げるな、立ち向かえ」と頼んでもいないのに執拗に、嫌なことの方にばかり背中を押される。ここでくれぐれも言っておきたいが(誰に)、学校の体育の授業がなかったら、或いはもう少し違うものだったら、私はきっともっと運動が好きだったはずだ。乱暴に規格にはめ込まれることで、私だけでなくきっと多くの人が、本来なら必要なかった苦手意識を子ども時代に植え付けられ、それを引きずったまま大人になっている。なんでも出来ないより出来るに越したことはない、と言う人に聞いてみたい。じゃあ、何のために世の中にはこれだけ沢山の人がいるのかと。餅は餅屋、桶は桶屋というように、餅屋や桶屋、蕎麦屋やラーメン屋など専門店がたくさん集まって成り立ってるのが社会じゃないのか。餅屋になりたくて仕方がない子、蕎麦を打つ才能が突出してある子がどれだけ沢山いても、子どものうちは、子どもだからという理由で全員とりあえずコンビニを目指せと言われているのだ。そしてその中からさらに、イオンになったり伊勢丹になったりできる子どもが重宝される。そりゃあ生きづらい。世の中に色んな大人がいるように、世の中には色んな子どもがいる。彼らの個性をひとくくりに、成長途中の不確定ないびつさとして無視するのはあまりにも乱暴だ。何しろ本人はその瞬間にも意識を持って、その環境で生きてるんだから。これは漠然とした理想だけど、全員がコンビニを目指すのでなく、たとえば算数がものすごく得意な子、国語がものすごく得意な子、おしゃべりが物凄くうまい子、といったように、多様な能力をもつ子どもたちが、お互いに足りない部分を補い合いながら生活する、そういう経験を積むことを最優先にした教育環境が、あったらいいなあ……。イラスト:片岡泉
2017年09月12日秋から始まる小学校受験は、合格を目指して1年くらい前から準備している家庭が多いようです。なかでも国立附属小学校は、学費が私立に比べて安かったり、ほとんどかからなかったりする学校もあり人気があります。しかし、だれもが国立小学校を受験できるわけではありません。そんな、意外と知られていない、国立小学校の注意点をご紹介します。■「国立」なのに受験できない?国立附属小学校は各都道府県にあり、地方在住でも受験するチャンスはあります。おもに国立大学の教育学部の附属校として位置づけられていましたが、大学直属に編成されてきています。しかし、学区はエリアや通学時間によって学校ごとに決められていて、その範囲内に住んでいないと受験資格さえ得ることができないことになります。受験のために引っ越したり、子どもが生まれる前から将来を見据えて家を決めたりするママもいるほど。学区の考え方は、学校によって異なります。国立小学校の受験を考える場合は、まずは自宅が学区内にあるかの確認が必須となります。■受験に合格しても入学できない!?国立小学校にも受験があり、試験内容は行動観察や運動試験など、学校によってさまざま。受験前に傾向を知り対策する必要があります。しかし国立小学校と私立小学校の大きな違いは、基準をクリアする能力を身につけても合格できるとは限らないことにあります。なぜなら、公平を期すため国立小学校は抽選を導入する学校が多いから。抽選を突破した子だけが試験に進む学校もあれば、試験後に抽選を行う場合もあります。これに漏れたら、どんなに考査で合格しても、不合格と同じ結末になってしまいます。試験については塾などでも対策できますが、抽選ばかりは運頼み。このため、子どものがんばりを無駄にしたくないと考え、抽選がなく努力が反映されやすい私立校を選ぶママも少なくありません。私が子どものころにも、国立小学校には抽選がありました。わが家は学区内にあったので親は受験を考えたようです。しかし、父も母もくじ引きではティッシュなどの末等しか当たらないほどくじ運がなく…。これでは入学できるはずはないと、受験をあきらめたそうです。■受験番号が早いほうがいいってホント?小学校受験では、「受験番号が早いほうが有利」という説があります。私立校の場合は、その学校に入学したいという熱意を示すためといわれますが、国立の場合はどんな理由があるのでしょうか?国立小学校の場合、よくいわれることが、行動観察などをスムーズにクリアするため。そのため、できるだけ早い番号を確保しようと、親が朝早くから並ぶ光景が見られます。このウワサは本当なのでしょうか? 実際に子どもが小学校受験を経験したママたちの体験談を紹介します。●集団行動で巻き込まれないために「国立校は塾に通う子だけでなく、家が近いからと記念受験する子が少なくないと聞きました。記念受験の場合、受験対策として集団行動の練習をしていないお子さんがいるので、もし一緒のグループになってしまっうと、巻き込まれやすいと塾で教わりました。受験番号が早いほうが本気で受験を考えている家庭が多い傾向にあると言われ、本命ではなかったけど早起きして並びました」(41歳・小学校5年生のママ)●受験番号は月齢順「受付後に受験番号を月齢順に並び変える学校もあるそうで、そんなに気にしなくていいといわれました。それでも、やっぱり気になるので早く並びましたが、抽選に漏れたのでわが子は公立通いです」(40歳・小学3年生のママ)学校によって条件が異なるようですね。志望校の情報を早めに収集して、対策したいところです。■「附属」といってもエスカレーター式ではない大学の附属学校であるならエスカレーター式を期待するところですが、国立の場合はそうではありません。中学入学時はあらたに外部生が入ってくるため、全員が進学できない場合もあります。だから日々の勉強は、とても大事です。在学中に、子どもがほかの中学校に魅力を感じることがあるかもしれません。もし外部の学校を受験をする場合は、内部進学の権利が失われる学校もあるようです。また、附属高校を設けていない学校もあり、その場合は必然的に外部受験することに。志望校がどのような仕組みになっているのか、あらかじめチェックしておきましょう。■授業中に常にだれかにみられている?多くの国立小学校は、教育研究校として位置づけられています。そのため、先生が研修などで不在になる可能性も。また、教育実習や視察なども行われるため、常にだれかに見られている状態で授業を受けることが多いようです。国立小学校出身の知人に話を聞いたところ、「教室に知らない人がいることが多かった」とのこと。最初は気になったものの、次第に慣れてきたそうです。この人に見られた環境での授業は、慣れる子と慣れない子がでるかもしれませんが、えてして子どもは順応性が高いため、あまり問題にはならないかもしれません。ちなみに前述の知人いわく「公立の高校では見学者がいないので違和感があった」とのこと。また、新しい教育を実験する場でもあるので、最新の教育を受けるチャンスがあります。これはほかの学校ではなかなか体験できないことです。国立というだけでブランド化されている現状。お受験を挑戦してみたくなるかもしれません。しかし、それだけを判断材料にするのではなく、子どもの将来を考えたうえで検討したいものですね。
2017年08月12日夏が終わり秋の風を感じるころ、年中さんや小学校3年生の子どもを持つママ達が、顔を合わせれば必ず出る話題なのが「小学校(もしくは中学校)受験をするか、しないか」。受験派は、この頃から本格的な受験準備に入る時期だからです。最近は受験準備のスタート時期もどんどん早くなり、受験塾は増え、知育教材やおもちゃの売れ行きは伸びていると聞きます。子どもが生まれた時から「自分の出身校に入学させたい!」と受験を考えている家庭であれば、迷いなく受験の準備となるのでしょう。しかし、「周囲に受験する子どもが多いから、うちも考えたほうがいいのかな」、「なんとなく公立の教育に不安を感じる」など、受験に対して興味はあっても、迷いや不安が多いという方が大多数でしょう。■「大変な受験」になりやすいのは?この時期から、親子関係の相談では受験関連のことが多くなってきます。その中でもよく聞かれるのが「受験準備は親も子どもも相当負担がかかると聞くので、それに耐えられるのか不安」というものです。わたしのところに寄せられた数々の相談から分析するに、「親子ともに辛くて大変な受験」に陥りがちなのは「子どもの適正より、まず志望校ありき」のケースだと思います。自分の母校だから、親が通いたかった学校だから、自宅から近くて通いやすいから、大学付属でもう受験をしなくてすむから、兄弟がすでに通っているからなど、子どもの適正を見ずに親が志望校を決めてしまう理由はいろいろです。親が通わせたい学校に合わせて受験準備をさせると、子どもの精神年齢(学力ではありません)が受験勉強に追いついていかない場合、親子ともにかなり気持ちが追い込まれるケースが多いように感じます。不安を払拭するために、塾の講座をたくさんとったり、かけ持ちしたり、個別の家庭教師をつけたりとのめり込んでも、かえって子どものやる気を失わせてケンカになり、ますます疲れて「受験はやはり大変だ」という感想だけが残ります。■受験はあくまで子育て方針を確認する一つのきっかけに小学校や中学校受験を考えることは、改めて「どのように子どもを育てたいか」を夫婦で話し合う良いきっかけになると思います。高校受験や大学受験になると、もはや親の介入する余地はほとんどないからです。まずは、子どもの学力を含めた現状を見極め、伸びしろを期待しつつ、子どもに合いそうな学校を探し二人三脚、三人四脚で受験準備を進めれば、結果がどうであっても、机に向かう習慣がついたり、興味の対象が広がったりと、いろいろな意味で子ども自身のプラスになるでしょう。私立校はそれぞれ教育方針や学問に対する理念がありますから、学校説明会などに参加すると、賛同できたり「ちょっと違うな」と感じたりと、親のほうも教育に対する気づきを得られます。そのまま地元の小中学校に進学できるのに、あえて受験するのであれば、親子初の共同作業ととらえましょう。結果より「頑張ったね!」と笑顔で終えられるよう、充実した時間としていただきたいと思います。
2017年07月30日「小学校受験」の世界…、経験のないママたちにとっては、なかなか知ることができません。「受験用の教室に通わないと合格できないの?」「とても高額な費用がかかるのでは?」、さらには「子どもにとってストレスなのでは?」という憶測を耳にすることもあります。実際に子どもの小学校受験を経験したママは、どんな感想を持っているのでしょうか。現在7歳の長男S君の小学校受験を経験したA子さんに聞きました。小学校受験はお金がかかる?私立幼稚園に通うS君は、幼稚園に入園後、小学校受験のための体操教室と塾に通っていたそうです。塾では工作を習ったり、ペーパーテストの勉強をしたり。教室も塾も、どこの学校の受験に強い(情報を持っている)といった傾向があるそうです。それにしても、お受験準備はお金がかかりそう。そっと、「毎月の出費はどれぐらいだったの?」と聞いてみました。「10万円はかかっていたと思います。夏期講習などの時期は、月20万円の出費もありました」。お受験教室では、こんなことが学べる!小学校受験のためのお教室通いと聞くと、「小さいうちから詰め込みで大変そう」という固定概念を持っている人も多そうですが、A子さんいわく、「息子は、教室が楽しくてたまらないという感じでしたよ。たとえば、『あ』がつくものの絵を描いてくるというような宿題が出るのですが、帰宅後すぐに取りかかるほど大好き。塾では、絵を描く楽しさを教えてもらったようで、今でも絵が得意です。友達に会えるのも楽しんでいましたし、ペーパー上のお勉強も、喜んで取り組んでいました。塾の先生も言っていましたが、子どもの脳は、本来学ぶことが大好き。『わかった!』という体験をすると喜ぶようになっているそうです。教室では、面接対策として、自己表現や発表の練習もあります」。小学校選びは、幼稚園年少からスタート!?さて、本格的な小学校受験の準備は、志望校を絞ることからスタートすると思うのですが、いつ頃から動けばいいのでしょうか。A子さんは、「息子が幼稚園年少から少しずつ説明会に参加しはじめ、年中で一番たくさん参加し、年長では、最終確認でしたね」とのこと。旦那さんをメインに、合計10校以上の説明会に参加したそうです。志望校選びは、子育てを考える好機「子どもが幼稚園の間に、夫婦で教育方針について、きちんと考えておいた方がいいと思います」というA子さん。まずは、小学校から始まる学校選び。家から近い公立校にするのか、または受験して、国立の付属校、あるいは私立校にするのかという選択肢があります。私立校であれば、中学や高校進学のタイミングで外部の学校を受験することを前提とする進学校にするのか、あるいは学内の基準を満たしている限り、内部進学でエスカレーター式に大学まで進める学校にするのかといった選択肢があります。もちろん、私立校は校風がさまざまですので、どの学校の教育方針がしっくりくるのか、学校説明会などで確認する必要があります。私立校を選ぶときは、ついつい無理をしがちになるようです。たとえば、遠方なのに「これぐらいなら通える」と思ってしまったり、子どもの学力や性格に合っていないのに、「ラッキーなら入れるかも」と思ってしまったり。でも、6年間通うのですから、無理をしているとあとで苦しむのは子どもです。A子さんも、「選考試験が自分の子どもに向いているかどうかは、入学してからも、その子の個性を認めてくれて、『いい子だ』と思ってもらえるかどうか。向いている学校に出会えればそれが一番幸せで、子どもの力を伸ばすことにもなると思うのです」。親が入れたい学校と、子どもに合う学校は違うこともあるので、とにかく無理は禁物ですね。受験を目指すママへのメッセージ先輩ママのA子さんから、受験を目指すママへのメッセージをいただきました。「子育て全般に言えることですが、『わが家にとってどうなのか』を見失わないことが一番大切かと思います。受験をすると決めたら、親が余裕をもった準備計画を立てること。ゆとりをもって、穏やかな気持ちで本番を迎えられるように、こつこつと準備を進めていってください。小学校受験は大変だったものの、懐かしく良い思い出になっています。受験準備を通して、家族の絆も深まりますし、子どもの今後の力にもなりますから、前向きに取り組んでくださいね」。小学校受験は、いつから準備して、出費がどれぐらいなのか、もちろん個々の家庭や住んでいる地域などによって事情は異なりますが、少なくとも首都圏では、本当に行きたい学校がある場合は、何らかの準備をすること、それなりの出費があることを覚悟した方がよさそうですね。「親が子どもに寄り添っていれば、子どもにとってプラスの経験になる」というA子さんの話は、とても参考になりました。<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年11月03日わが子に中学受験をさせるかさせないか。子どもが小学4年生くらいになると、ふつふつと頭に浮かんでくる思いがあります。「もし、第一志望に入れなかったら?」実際、初めての挫折を味わったわが子にどう接すればいいのかと頭を悩ませる親も少なくありません。でも、 第一志望には不合格だったものの、結果的には中学受験自体を「成功だった」と感じている親もいるようです。なぜママたちは「わが子に中学受験をさせてよかった」と感じたのでしょうか。中学受験をさせたママたちの“第一志望不合格”に関するエピソードをご紹介します。■子どもが相談や悩みごとを打ちあけてくれる機会が増えた「中学受験をきっかけに、成績のことや受験に関する不安などを少しずつ話してくれるように。受験をしたことで親子の会話が増えて、関係が深まったと思います」(40歳 13歳男の子のママ)小学中高学年になると、成長の過程もあり、親と真面目な話をするのが恥ずかしいと思う子も増えてきます。学校や塾の成績の話を通して親子の会話がじょじょに増え、子どもの悩みや不安を知ることができたという親は以外と多いのです。コミュニケーションをとる機会が増えたおかげで、その後の学校生活の不安も、親に打ちあけられるようになったそう。■「1番じゃなくていい」と知って勉強が好きになった「娘は幼いころから成績が良かったため、“つねに1番でないといけない”と自分を追いつめるところがあったようです。中学受験に向けての勉強中はつらそうなときもありましたが、いまは“1番じゃなくていい”という安心感から、前より勉強が好きになったようです。自分の学力に合った私学に通い、いまはバレー部の活動に夢中。学校生活も楽しそうです」(41歳 12歳女の子のママ)勉強が得意な子どもほど、成績やテストの結果に対してプレッシャーを感じることは少なくありません。第一志望に不合格となり、第二志望の学校に通うことになったことで、“必ずしも1番でなくてもいい”ということを学ぶことができたようです。■「現状でがんばる」という気持ちを教えることができた「中学受験は本人が希望していました。でも、第一志望校は残念な結果に…。直後はひどく落ちこんでいましたが、すぐに気持ちを切りかえて受験を続行し、第二志望校は合格しました。受験によって心が強くなったのではと感じています」(43歳 13歳男の子のママ)自ら望み、努力もしたけれど、必ずしも結果が伴うとは限りません。大人になればそのようなことが山ほどありますよね。挫折を経験してもすぐに気持ちを切りかえ、与えられた場所で精一杯がんばるということを、身を持って経験することができたようです。■子どもが「本当に行きたい」と思う学校に入学できた「娘は親の期待に応えようと、圏内で最もレベルの高い学校を第一志望に決めました。しかし、オープンキャンパスで見た楽しそうな雰囲気やかわいい制服などで第二志望の学校にも未練があったようでした。第一志望は不合格でしたが、いまの学校生活にとても満足しているようで親としても満足です。偏差値重視で学校を決めさせていたら、入学後に勉強についていけず、さらに塾通いになっていたかもしれません。本人が生き生きと学生生活を送っていることがなによりのよろこびです」(42歳 13歳女の子のママ)中学受験をする子どものなかには、親の期待に応えようと受験をがんばる子もいます。学校のレベルだけで判断するのではなく、実際に通うわが子が楽しんで学校生活を送れるかを親も見極める必要がありそうです。第一志望に合格することはあくまでも目標です。不合格となったことが、決して人生のまちがいや失敗ではないということを、中学受験を通して感じてもらえたら、その受験は「成功」といえるのかもしれません。もちろん、中学受験を選択するしないに関わらず、習いごとや好きなことに集中できる環境を作ってあげるなど、子どもが成長するきっかけは他にもあるはずです。たくさんある選択肢の中で、子どもの意思を尊重しつつ、サポートしてあげたいものですね。(マムズラボ)
2016年09月21日【ママからのご相談】来年、中学校に入学する子どもの母親です。小学校と中学校とでは大きな差があると、先輩ママから聞きました。それに、テレビなどでも「中1ギャップ」という言葉があると聞いて、心配の種が多くなっています。親は心配事にどう対処したらいいか知りたいです。●A. 不安な点を明確にして、1つ1つに対処していきましょう。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。中学入学に関して、親が不安になっている問題は大きく分けて3つあると思っています。その3つとは、「学習・学力」「生活背景」「金銭面」です。その一つひとつをどう乗り越えて、子どもを支えるために必要な心の準備をしていくかが大切なポイントになります。実際に現在中学生のお子さんを持つ親御さんから話を聞き、不安をどう乗り切ったかをまとめてみましたので、参考にしていただけたらと思います。●(1)学習・学力の面中学校では、英語がどんと入ってくる、教科別で先生が変わる、定期テストがあるなど、お子さんの学力が明確になります。そして、教科ごとに宿題が出るので、自主的に進めていくことができるのかと不安になる親御さんが多いようです。学習については今から自主学習ができるように癖をつけておくことが、親にも子にも不安を解消することのできる方法だと思います。中学生になったらできるというものではありませんので、今から自主学習を練習する 形を取ってみると案外うまくいきます。方法としては、最初は自主学習をなぜしなければならないかをお子さんと話し合いましょう。理由を理解させることで、始めやすくなります。そして、スタートは数分単位から始める ことをおすすめします。いきなり宿題以外に何十分も学習するのは苦痛に感じて、苦手意識を植え付けることになります。いったん苦手意識を持ったら、頑張らせるのが難しいです。おすすめしたい自主学習のスタートは、“音読 ”です。どの教科でもいいので、教科書を声に出して読ませてみましょう。声に出して読んで耳で聞いて、目で文字を追うという五感をフルに使っての勉強法なので、頭に入りやすいです。そして時間も短くて済むので、お子さんにとってやりやすいはずです。●(2)生活背景の面(中1ギャップを含む)現役中学生をお子さんに持つ方たちにお話を聞いたところ、さまざまな心配事があったとのことでした。『わが子が悪い仲間に入るのではないか』(中1男子の母)『学校に行きたくないと言い出したら……』(中2男子の母)『いじめがあったらどうしよう』(中3女子の母)『思春期に入るので、その辺が心配』(中3女子の母)『性的な何かがあると怖い』(中2女子の父)『何かあったとき、先生はどこまで対応してくれるのか』(中1女子の母)などです。中学校では、生活が一変したように感じます。そのため、新しい環境(学習・生活・人間関係)になじむことができなくなって、ストレスからいじめが起こったり、不登校になってしまったりするといった問題が起こってくることもあります。これを『中1ギャップ 』と言い、大きな問題となっているのです。こういった状態になったときには、自分の居場所(ゆっくり心を落ち着けることができる時間・場所・人がいるなど)があることが必要です。家庭を子どもにとって安心できる場所にしておく ことが、子どもの心の支えとなります。●(3)金銭的な面入学する前に、制服・カバン・指定のジャージ・通学費用などさまざまなものが必要になります。入学前に準備が必要な物を購入するとなると、公立に入る場合は20万円程度かかると言われています。私立の場合は50万円程度が必要になるようです(学校によって変わります)。貯蓄を切り崩したり、学資保険からお祝い金が出たりということもあるため、それを使うと試算している家庭もあるかと思います。それでも、シングルの家庭や、予算が足りないというところもあるかもしれません。そのときは、各市区町村で『就学援助制度(就学援助費) 』を申請するという手もあります。この場合、次のような費用を出してくれます。・学用品費・通学用品費・校外活動費・通学費・修学旅行費・医療費などです。ただし、申請後に審査がある市区町村もある ようですので、確認が必要になります。こういった援助が住んでいる地域でもありますので、安易に教育ローンに走るのではなく、調べてみることで金銭面の不安を解消することになると思います(教育ローンが悪いというわけではありません。援助がある場合は利用した方がいいということです)。●おわりに小学校から中学校へという大きな節目では、子どもだけでなく親の方が不安に思うことが大きいと思います。不安は、不安になればなるほど気持ちが不安定になり、恐怖を生み出してしまうことにつながります。1つずつ解決することを考え、親が冷静になることが大切です。相談者様のお力になれたら幸いです。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『10代からの子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
2016年08月03日●連載の目次は こちら から●私立小学校受験を前提に話を進めてきたが、「国立大付属小学校を受験って、どうなんだろう?」と、気になるご家庭もあるだろう。幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにお話を伺った■「受験対応校ではない」ということを念頭に!「国立小学校は、準教科担任制を採用している学校も多く、質の高い先進的な教育を受けることができます。そのため、教育熱心なご家庭に、とても人気がありますね」(浅木さん)ただし、国立小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけのため、受験に対応することよりも先進的な教育の研究が優先されている。「小学校入学時、併設中学、併設高校の高い進学実績を知り、学校のカリキュラムをこなすことで受験に対応できると考えているご家庭もあります。ですが、授業は受験に直結しない試験的なカリキュラムも多くあるということは、まず知っておいていただきたいことです」(浅木さん)■中学進学時に外部進学を検討するならとりわけ、小学校は国立でも、中学進学時に外部進学を検討する場合は、中学受験との両立について覚悟しておいたほうが良いだろう。なぜなら国立小学校の児童は、公立の小学校のカリキュラムよりも、調べ学習やレポートなど、中学受験に直結しないが質・量ともに負担が大きいものをこなしながら、中学受験の勉強をしなければいけないからだ。また、通学に時間がかかる(ことが多い)のも、ひとつ、ネックだと思う。この記事を書いている私は長男の中学受験を体験しているが、中学受験は、ある意味、時間との闘い。塾で出された課題をするには相当な時間がかかり、睡眠時間を削って勉強する子もいる(塾のない日の夕方~就寝までの時間管理は、多くの中学受験ママの関心事だ)。 ■教育実習生の授業が多い「また、教育実習生の授業が多いことに不満を訴える保護者もいますが、そもそも、国立大学付属小学校は国の研究機関の付属施設という位置づけ。実習生の授業が多いのは、当然です」(浅木さん)■国立大付属小学校に合格していくのは、どんな子?「まずは、くじ引きで受験する権利を手に入れなければいけませんから、運が強い子ですね。そして行動観察やペーパー対策をしっかりした子、つまり私立小学校の受験対策をしていた子が、国立大付属小学校にも合格していっているという印象です。または幼児としての基礎力(6本目リンク貼る)がしっかりある子が、半年間くらい集中的に試験対策をして合格していくパターンが多いですね」(浅木さん)■教育熱心な家庭の子が通っているのが魅力学校のカリキュラムが受験対応ではなく、ハードルも私立小学校並みに高いとはいえ、教育熱心な家庭の子どもが通っているのは事実。意識の高い友達と、勉強や課外活動を通じて切磋琢磨できる環境が整っていることは、国立小学校の魅力と言えるだろう。次回は、いよいよ最終回。「早期英才教育は有効なの?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月26日小学校受験のための「お受験」が幼児の受験すべてではありません。実はお受験が乳児期から始まっているという事実が、最近の専門家分析であるそうです。乳児期からの受験勉強って? いったい何を見るの? というママへ、英才教育への将来展望を踏まえて情報をお伝えします。■乳幼児の脳トレーニングは、有名幼稚園受験にも対応できる?京都大学名誉教授の久保田競さんの著書『赤ちゃんの脳を育む本』でも、赤ちゃんの頃から脳に刺激を与えることは、脳の発達=お受験脳に役立つとされています。乳幼児期に脳のトレーニングをしていくと、お受験体制に入りやすくなるというわけです。また、『赤ちゃんの頭がよくなる育てかた』(主婦と生活社)の著者であり東京大学を卒業した櫻井正孝氏も、まず0歳から3歳時は脳を活発にするトレーニング、知能のトレーニングが大切ということで、ご自身も幼児教育のトレーニング所を開設しています。(参考)東京知育研究所 同書によれば、五感活用の「親子あそび」をすることで、乳幼児の才能がグングン伸び、丈夫に育つという理論が展開されています。このころは知識を養うというトレーニングよりも、五感を活用することに尽力すると、その後の幼児期に形成される脳が受験にも役立つということになります。 ■日常生活の中で、「考える力」の準備を乳幼児に養いたいのは、思考力・推理力・想像力・集中力・発見力です。好奇心をどんどん養って、脳を活発にする、右脳を使うなどのトレーニングで子どもはグングン発達していきます。速読の先生にインタビューをしたときに、「利き手ではないほうで字を書く練習をする、歯磨きをする」「画をさかさまから描く」などで右脳が刺激され、記憶力や集中力がアップすると聞きました。乳幼児の場合ですと、日常生活の中で「毎日同じことをする、くり返す」という刺激を与えるだけでも、神経回路の定着、脳の発達を促すことになります。たとえば赤ちゃんの時の座り方。首が座ってきたら、きれいに座らせたり、立たせたりする運動。はいはいも、正しい姿勢できれいにさせると、骨や筋肉の発達も兼ねて脳をうまく働かせることにつながります。■うまくできたらほめてあげる、スキンシップするいろいろなことができたら、ほめてあげることもトレーニングの一つです。ほめられると赤ちゃんでも脳が反応し、次はもっとうまくやろうとポシティブな気分になるものです。ほめることは赤ちゃんのモチベーションをアップします。また、ママとのスキンシップが多ければ安心感を持ち、落ち着いた子になるといわれています。授乳が親子のスキンシップに良いと産科で言われるのはそのためでしょう。乳幼児のお受験前のトレーニングといっても、数式を解いたり漢字を書いたりするわけではありません。日常の動作をメインに、きちっとした姿勢や動きを身に着けることは、後々のお受験キッズを形成する上でも役立ちます。また、お受験をしない場合でも、元気で頭の回転が良い子を作る基盤に。健やかな子どもの成長のために、乳幼児期から脳に刺激を与えて、適応能力が高い子の発展を目指しましょう。(高城あすか)
2016年07月26日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいのは志望校をどこにするかということです」と言う。志望校が決まったら、いよいよ本格的な受験対策が始まる。小学校受験の「もっとも大切な対策」とは? ■「学校が求めている子」とは?「小学校受験とは、いわば学校とご家庭のお見合いのようなものです。学校が求めている子とは、端的に言えば『学校の教育方針と一致したご家庭のお子さま』です」(浅木さん)。小学校受験が親の受験といわれる所以(ゆえん)は、家庭の教育方針や雰囲気が、さまざまな考査や面接を通じて試され、合否が決定されるところにある。「ですから、志望校が決まり次第、志望校の教育理念と家庭の教育理念の一致点を明確にし、一致点を意識しながら、お子様の教育をしましょう」(浅木さん)。■家庭の教育方針を明確化させる 浅木さんが主宰する柊会では、毎月、保護者に願書・面接対策となる作文を提出してもらっているそう。入試直前ではなく、入試の数年前から家庭の教育方針を明確化することで、「こんな子どもに育ってほしいけれども、今、わが子はこういうことができていない」「わが家の教育方針では、○○を子どもにしてあげたいけれども、時間的にしてあげる余裕がない。その代わりに、△△をしてあげよう」など、さまざまな思いが出てくる。これがとても効果的な面接対策となるようだ。「志望校を決定し、家庭の教育方針を深く考える作業は、幼児教室に通うより早く始めても良いくらいで、早すぎるということはありません」(浅木さん) ■両親の教育方針のすり合わせも大切願書作成や面接対策のために考え抜いた教育方針で子どもに接することで、入試当日の子どもの言動と、面接での保護者の回答が一致する。家庭の教育方針を明確化する時には必ず、パパとママの意見のすり合わせも必須だ。両親の意見が異なると、子どもは混乱する。特別な時間をとらずとも、仕事の合間にメールでやりとりをするなどして、できるだけお互いの負担にならない工夫をしよう!次回は、「小学校受験をするならチェックしたい6つのこと」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月24日●連載の目次は こちら から●幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんは、「受験をするかどうかを決めるのはご家庭ですが、その判断をできる限り後悔のないものにしていただくために、小学校受験のメリットとデメリットを事前にお伝えしています」と言う。メリットとデメリットをしっかり把握した上で、小学校受験を決意したら最初にすべきことについてお話を伺った。■志望校により選抜形式が違う「志望校をどこにするか? これは、小学校受験を思い立った時点で、最初に考えていただきたいことです」(浅木さん)小学校受験は、学校によって入試の選抜方式が違う。選抜方式と入試傾向を知ることにより子どもにかかる負担を軽減することができるからだ。 ■志望校の選抜形式にそった対策を立てるたとえば、慶応幼稚舎を第一志望にするのであれば、行動観察と絵画制作に特に力を入れ、余力を巧緻性(こうちせい:第2回<※リンク貼る>を参照)と運動、知識補充を目的とする簡単なペーパー対策にまわす。暁星小学校が第一志望なのであれば、まずはペーパー(分量、速さに対応できるレベルまで)を徹底的に仕上げ、その後、行動観察、制作、運動に取り組む。このように効率良く対策を立てることで、子どもへの負担を軽減できる。「志望校の選抜形式にそった対策を取りつつ、様々な実体験をさせ、場をわきまえられるお子様にしてあげることが合格への近道になります」(浅木さん) ■志望校が決まらない場合はペーパー対策からとは言え、なかなか志望校が決まらない場合もあるだろう。「そんな時は、ペーパー対策から始めましょう。以前に比べ、多くの学校でペーパーテストのウェイトが低くなりました。けれども、ペーパー対策をしておくと併願校を選びやすくなります。また、入試直前の志望校変更が可能になります」(浅木さん)いよいよ小学校受験対策が始動した。次回は、「小学校受験における、もっとも大切な対策とは?」です。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月23日小学校受験。そんな言葉に、あなたはどんなイメージを持ちますか? 今回は、「小学校受験って、どうなの?」という素朴な疑問について、幼児教育研究所柊会・代表の浅木真里さんにお話を伺いました。■浅木さんが幼児教室を始めた理由浅木さんは、灘、ラ・サールなどの難関私立中学受験指導や医学部受験をメインとする学習塾の教務部長、役員を経て、幼稚園・小学校受験指導を行う柊会(ひいらぎかい)を設立した。「思春期以降の子どもを指導して感じていたことは、幼少期の親子関係は、その後の人生に大きく影響するということです。ですから、少しでも多くの親子に小学校受験対策を通じて、より良い親子関係を育んで欲しいと思い、柊会を設立しました」(浅木さん)■オリジナル教材が必要だと思っていたが…小学校受験と聞くと、「お受験」という言葉で揶揄(やゆ)されるように、高額な幼児教室に通わせないと合格しないのではないか? というイメージがある。「私自身、小学校受験に携わっていなかった頃は、『合格するためには幼児教室の特殊なオリジナル教材が必要だ』と考えていた時期もありました。けれども、実際に指導に携わってみると、そのようなことはありませんでしたね」(浅木さん) ■大切なのは子どもの現状把握と正しい対策「皆さまが考えているほど、小学校受験は難しくありません。大切なのは、お子さまの現状を的確に把握し、正しい対策を行い、志望校からご縁をいただける確率を限りなくあげていくことです」(浅木さん)過去の入試情報については、大手幼児教室が毎年夏に発行する私立小学校の入試問題集にすべて掲載されているそう。また、学校の求める児童像については、学校のホームページや学校説明会で知ることができる。幼児教室の先生から聞いた、学校が求める児童像を鵜呑みにするのではなく、保護者が学校説明会、公開行事の日程を自ら調べ、足を運び、学校を知ろうという姿勢を持つことが合格につながるとのことだ。「過去の入試問題と学校が求める生徒像を正確に知ることできれば、わが子を志望校に合格させるために何をすべきか? という問いの答えは、おのずと導き出されます」(浅木さん)次回は、「小学校受験で得られるメリットとは?」です。今回取材を受けてくだ下さった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月20日【パパからのご相談】娘が中3で、受験を控えています。娘は明らかな文系で、国語、社会、英語の勉強は順調ですが、どう頑張っても数学の成績が伸びません。私はもともと理系で数学が得意なほうでしたので、妻から数学を教えるようにと言われ教えていますが、教えたその場ではできても、テストになると途端にできなくなり、努力が点数につながっていない状態です。全ての科目の中で最も数学に時間を費やしているのに、全く成果が出ない現状……。公立高校を志望しているので受験が心配なのもありますが、親として、この状況を何とかしてやりたいです。●A. 数学が苦手な子には、見直すべきポイントがあります!こんばんは。教育アドバイザーの佐々木です。勉強嫌いのお子さんの指導を得意としています。一生懸命やっているのに成果が出ない。これほどつらいことはありませんよね。周囲の人間は間接的にしか関われないので、もどかしい気持ちもあろうかと思います。とくに文系女子にとって、数学ってほかの科目と勉強方法が全く違うので、やりにくい部分も多いかもしれません。数学、算数が苦手な子にありがちなこと。“計算が遅い” という問題です。計算が遅すぎるゆえに、全然進まずに、嫌になって折れてしまうのですよね。数学でなかなかな伸びないとき、確認すべき点は2つです。●(1)計算のやり方を、理解できているか?計算の方法を理解していないと、足すべきところで掛け算してしまうなど、得意な人にとっては理解できないような計算 をやってしまうことがあります。もちろん、本人に悪気はありません。中学生なら、プラスマイナスの計算や文字式の計算でつまずく子がとても多いです。数学でなかなか成績が振るわないのであれば、ここの理解を確認します。特に文字式では、文字が出てくると途端にわからなくなる子がいます。文字式が苦手な子は、文字を数字に置き換えて、具体化して考える ことがコツです(たとえば、30円の品物をa個買ったときの代金を求める問題では、aを具体的な数字にします。「a個じゃなくて、3個だったらどう計算する?」と聞いてあげれば、答えられるでしょう)。●(2)単純計算を「考えずに」やれているか?計算するときに、「えーっと」と考えていたり、指で計算していたりしませんか。計算で考えてしまう ことが、遅さとミスの原因です。たとえば、歩くときに「次は右足?」と考えたら、転びますよね。自転車に乗るときに「よし!ここでブレーキ!」「ここはペダルを踏んで~」と、いちいち考えないはずです。計算のやり方を考えずに、手が勝手に動く状態。脳科学ではこれを、作業記憶 といいます。計算が作業記憶化されているかどうか、チェックしましょう。----------数学・算数については、「文章題の出来」が気になる方もいるかと思います。とはいえ、文章題いかんの前に、数学のつまずきはだいたいこの2つが根本原因です。普段はできているのであれば、この2点が定着しきっておらず、参考書等が近くにある、教えてくれる人がいるから、それをマネしてできているだけの可能性が高いです。数学って、できるようになると、とても楽しいのです。問題を解いて答えにたどり着く喜びを味わえるのは、5教科のなかでは数学だけ 。しかし、この(1)(2)ができていない状態だと、問題の答えまでたどり着けないので、まったく面白くありません。どうしても成果が出ないのであれば、思い切って戻ってみるのです。こういうときこそ、急がば回れ 。まだ受験まで時間があります。ぜひ、夏休みの時間を使って、不安なところをやり直してみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月01日今回は、小学校受験をすると決めたご家庭がやるべき心の準備と努力についてです。まず必要なのは、両親が「ブレない」ことです。小学校受験を決めると、お子さんを塾に通わせることとなります。この時点で多くのご家庭では壁にぶつかることでしょう。その内容はというと……お子さんによっては、ご両親のただならぬ意気込みに拒否反応を示し、塾に行きたくないと言ったり、塾への道中に意味不明な理由でゴネ始めたり、ということがあります。小学校受験をする子があまりいない幼稚園に通っていると、降園後の遊びを早めに切り上げることを嫌がるケースも。塾が保護者参観を義務付けていない場合、普段は母子分離ができていても、いざ塾で親と離れるとなると大泣きすることもあります。子どもがこういう行動に出る理由は、「他の子はできるのにうちの子は……」と比べられたり、うまくできないことに挑戦し続けてそれによってプライドが傷付くのが嫌だったり、ということが考えられます。しかし、だからといって頭を抱える必要は無く、このような抵抗があることは極めて普通のことと思ってください。子どもは、親の心理状態や環境の変化に敏感に反応するからです。もちろん、泣き喚く子どもを教室に押し込んで「頑張ってきて! 」と突き放すのは心の痛むもの。また、家庭で勉強に取り組んでいると、何度説明しても理解しなかったり、飽きて集中していなかったり、イライラする場面は止めどなくやってきます。つい、怒鳴ってしまい、後悔。そして、「小学校受験さえしなければ……」と思ってしまうものです。しかし、親御さんが子どもの前で少しでもそんな顔を見せたり、弱音を吐いたりしたら最後。子どもは本当によく見ているので、嫌がればやらなくていいという可能性を見いだしてきます。そしてもっと抵抗してみる、という悪循環に陥ります。○努力し続けるのは大変なことさて、塾通いに抵抗がなくなったら、次にくるのは体力と精神力の壁です。これはお子さんではなく、ご両親に先にやって来ます。勉強を進める度につまずきがあり、それを克服するための努力を繰り返すわけですが、受験1年前からはその頻度が急速に上がるので息切れしてしまうのです。子どもは日々成長しているので、与えられたものを理解できるように教えてもらえれば、次々と身に付けていきます。しかし、ご両親がお子さんの癖や言動を直すため怒らず注意し続け、できない問題を焦らず怒らずあの手この手で理解させようと努力を続けることは、かなりの我慢と体力を要します。また、小学校受験特有のプレッシャーもご両親を襲います。家族に私立小学校卒業生がいたり、近親者に合格実績がある場合、「うちだけ失敗する訳にはいかない」と思い、兄弟に合格実績があると「下の子はダメだったなんて言えない」と思ってしまいます。子どもはそれぞれ個性も能力も違うのですが、それでは済ませられないのが大人の事情。このプレッシャーに耐えながら努力を続けるには、かなりの忍耐と精神力が必要となります。働きながら日々の生活をし、その上子どもの勉強とプレッシャーにさいなまれる。こんな日々を受験当日まで耐え抜き、努力し続ける。小学校とは言え受験です。楽なことではありません。覚悟が問われます。そんな状況の中で、ぜひ味方につけてもらいたいのがよき指導者です。泣き喚くお子さんを受け入れてくれる塾の先生。巷にあふれる情報や模擬試験の結果に一喜一憂することをたしなめてくれる先生。泣きたくなる状況の中、話を親身に聞いて今するべき努力を思い出させてくれる先生。そんな先生に出会うことができれば、遠慮なく頼りましょう。そうすれば、お子さんよりご両親にとって辛いことが多い小学校受験も、乗り切ることができるのではないでしょうか。今回ご両親にお伝えしたいのが、受験すると決めたら、心が痛もうが疲れようがブレずに「やる」決意を貫くこと。お子さんが泣いた時はその理由を本人に聞き、どうすれば泣かずに行けるか話し合いましょう。感情的に怒ってしまったことは子どもに謝りましょう。一緒に志望校に憧れ、入学する日を夢見ましょう。受験は、親が子どもに無理やりさせる苦行ではありません。お子さんの将来のためにする努力です。受験勉強を通して得たものは一生の糧になります。努力は少しの無駄にもなりません。力を合わせて、一緒に成長する道を探り進んでいくのです。受験は、遅かれ早かれやってくるライフイベントです。それを「今やる」と決めたのですから。ご両親の決意が固ければ固いほど、お子さんは親の覚悟を感じ取り、嫌なことがあっても頑張ろうと腹をくくります。辛い場面の話ばかりで辟易とされたかもしれませんが、お子さんとこれだけしっかり向き合って、深く関わりながら一緒に努力をできるのは、受験の中でも小学校受験だけの魅力だと思いますよ。次回は受験準備を進めるにあたり陥りがちな不調について解説していきます。※画像は本文と関係ありません。○著者プロフィール小学校受験向け幼児教室「クラリティー・キッズ」主宰五島 真知子自身が小学校受験を経験し、大学までの私立一貫校を卒業。大学時代に縁あって小学校受験塾(クラリティー・キッズ前身)で4年間アルバイトとして従事。大学卒業後は伊藤忠商事に総合職として約11年間勤務するも、結婚・出産・事故による負傷を経て退職。学生時代にアルバイトをした小学校受験塾の前オーナー引退に際して事業を継承し、現職。何事にも果敢に挑戦する意欲を持ち、目標を達成する為の努力を楽しむ心意気を持った輝く子どもを育成するため、教材作成から指導まで広範囲の指導を行う。※2015年度合格実績(順不同)慶応義塾幼稚舎・慶応義塾横浜初等部・立教小学校・早稲田実業学校初等部・東洋英和女学院小学部・聖心女子学院初等科・東京女学館小学校・東京都市大学付属小学校・洗足学園小学校・カリタス小学校・精華小学校・目黒星美学園小学校・桐蔭学園小学部
2016年04月08日受験の低年齢化が進んでいる現代。実り多い人生を歩んで欲しいと願うからこそ、教育方針が合い、カリキュラムの充実した幼稚園・小学校で学ばせたいと願うのは当然のことです。では、どう受験させたらよいのか、受験の内容は? 今回は、受験を考えているパパやママが最低限知っておきたいことを紹介します。受験には幼児教室が必須?幼稚園・小学校を受験するにあたり、まず「国立か私立か?」の選択を迫られることがあるでしょう。国立の学費は公立並みとなっていて手頃なのが魅力的。しかしその分、人気があり、入学するのは狭き門であるという認識が必要です。私立は校風にあった家庭を好む傾向があります。願書には親の勤務先や役職を記入する必要もあり、さらには家柄を重視する幼稚園もあると聞きます。つまり、子どもが置かれている環境に着目する幼稚園が多いということなのでしょう。合格するためには出題傾向をしっかりと把握し、これに対しての対策を行うことが大切です。このとき頼りになるのが幼児教室の存在です。幼児教室では多様化する試験内容に対してネットワークを駆使し、情報を収集、合格のためのカリキュラムを組んでいます。また、第三者の立場から公平に子どもの様子を評価・フォローしてくれます。家族と二人三脚で合格への道を目指すので、親としても心強いのです。本番さながらの雰囲気を体感できるの、幼児教室も魅力のひとつです。どんなに力がある子どもでも試験当日に実力を発揮できなければ合格は難しいでしょう。幼児教室では集団で授業を行うことで人前でも実力を発揮できる精神力を養います。受験当日の様子をシミュレーションした練習を行うところもあります。入試の雰囲気を前もって知ることができるのは、子どもとしてもプラス材料となるでしょう。受験のために幼児教室が必須かどうかは、各家庭の状況にもよりますが、両親ともにお受験の経験がない場合は、入っておいて損はないと言えます。知っておきたい面接対策まずは幼稚園の場合です。子どもに対しての質問は、自身の名前や家族の名前、好きな遊びや動物など、簡単に受け答えができるものがほとんど。小学校受験の際はこれに加え、簡単な数の問題や、どちらが正しいか選択させるような質問もあります。これらを明朗に答えられるだけでなく、理由づけができるようにしておいてください。同時に親の訓練も必要です。なぜその学校を志望したのか、家庭での教育方針はどうか、園や学校に求めることをあらかじめ整理しておくこと。特に幼稚園の場合は子どもよりも親の印象で面接の良し悪しが決まるといっても過言ではありません。受験では、どんな問題が出るのか従来の受験内容としては主に2つのタイプがあります。ひとつはある決まりのもと友達と遊べるかなど協調性を見るもの。もうひとつは先生との約束が守れるかなど生活習慣を見るものです。そのほか、自由に絵を描かせたり、運動をさせたりするところも。今後の傾向としてはPISA型の読解力(※)を試す問題も多くなりそうです。たとえば、数人のグループ全員で協力をしてパズルを完成させたり、簡単な物語をつくったりと学習能力を試す問題も多くなるでしょう。(※)単に文章を読んで理解するだけでなく、そこから発展して自分の意見を言ったり、わかりやすくまとめ直したりする力のこと。詳しくは、 文部科学省のWebサイト を参照してください。幼稚園や小学校は、子どもが1日の大半を過ごす場所です。受験するならば、家庭の教育方針が合うところを選び、また悔いが残ることのないよう入念に準備したいですね。(EKKO<フォークラス>)
2016年03月19日年長児を持つママで、子どものお受験を考えている人もいるでしょう。試験内容を見てみると、学力テストだけでなく、運動能力テストもありますよね。その中に「くま歩き」が試験内容になっている学校も珍しくありません。「くま歩きって何?」「なぜ、くま歩きが試験に出るの?」と疑問を抱いているママもいるのではないでしょうか? 今回は小学校のお受験でよく見られる「くま歩き」について紹介していきましょう。くま歩きとは?くま歩きとは、両手両足を床につけ、その体勢で前に進んでいく、くまのような歩き方をすること。雑巾がけのスタイルのまま、手と足を使って前進していく、というとわかりやすいでしょうか。今では小学校受験の定番試験となっていて、お受験を控えるママたちは子どもにくま歩きを指導するために必死になっているんだとか! スポーツトレーナーにくま歩きの仕方を教えてもらっているという人もいるようです。なぜ、くま歩きが小学受験で採用されているの?くま歩きが多くの小学校受験で行われているのは、くま歩きを見るだけで専門家はその子の運動能力や体全体のバランス、筋力などを理解できるからです。くま歩きは簡単そうに見えて実は難しい動き。体全体の筋肉を使わないとうまく進めませんし、体力がないと途中で離脱してしまうでしょう。普段の生活の中であまり使わない筋肉も使うことになるので、子どもの能力を測ることができるというわけです。くま歩きができる子は、その他の運動にも期待できるということ。くま歩きだけを練習しても、専門家はそれをすぐに見抜いてしまいます。基礎体力をつけること、体の柔軟性を養っておくことも、くま歩きで良い判定を受ける秘訣なのです。くま歩きを上達させる方法くま歩きは速さを競うものではありませんが、とはいえ、速いほうが「運動能力がある」と判断されやすいことは事実。可能ならなるべく早く進めるようにしておきたいところですね。コツとしては、地面を力強く踏み込むことを意識することが大切です。「強く踏み込む」のイメージがなかなか掴めないのなら、家の廊下の雑巾がけをさせてみるといいですよ!雑巾がけは足の力と手の力どちらも必要になる動き。自然と筋力アップにも期待できますし、くま歩きのコツもマスターできるでしょう。小学受験を控えているママは、その小学校の試験内容の中にくま歩きが含まれているのかをチェックしてみましょう。くま歩きが試験内容として採用されているのなら、今回挙げたポイントを押さえて、子どもと練習をスタートしてみてはいかがでしょうか?(ライター:RUREI)
2015年08月20日育児に遅れと混乱が生じてる !!
ムスメちゃんとオコメちゃん
ドイツDE親バカ絵日記
結婚して1カ月。義母が私を監視してきます。どうやら、私のことを夫のお金目当てで結婚したと思っているようで……。ふと気づくと、わが家の合鍵を勝手に作っていた義母。夫に注意してもらいましたが、何とも思っていないようです。義母は、私が夫のお金目当てで結婚していないかをチェックしていると言います。 しかし、義母のこういった行為は昔からのようで……。夫がひとり暮らしをしていたマンションにも度々訪れては、好き放題していたようです。結婚してからは私も巻き込んでの大騒ぎになってきたので、夫も反抗するようになりました。それを見て、義母は私が夫を洗脳したと思い込んだようです。 悩んでいたところ、救世主が登場!?自分の部屋の引き出しを触られたら不快な気分になると思うのですが……。義母は自分がさられたら嫌なことを平気でしてきます。姑という立場を利用した義母の行為に、我慢の限界がきていました。 そんなとき、義姉から連絡が。義母と折り合いが悪く、すでに絶縁していると夫からは聞いています。 義姉がいとこから聞いた話では、私が散財して離婚騒動になっていると親戚中に吹聴して回っているそうです。みんな義母の性格を知っているので、話半分で聞いているようですが……。 私は、今までされた嫌がらせの数々を聞いてもらうことに。すると義姉は実母の最低な行為に憤り、私に謝罪してくれました。本来なら義父に止めてもらうのがいいのでしょうが、義姉いわく義両親の関係はすでに終わっていると言います。黙って転居するのが一番かもしれないと話したところ、義姉がおもしろい提案をしてきました。 義姉が義母と縁を切るとき、持ち出したものがあるのだそうです。それは、義父母が共有財産としてためていた貯金通帳でした。 義母にある作戦を仕掛けると…数日後、わが家にやってきた義母が勝ち誇ったように言ってきました。私が散財している決定的な証拠をつかんだと。「通帳の残高980円て」「家計管理もまともにできないのね」私たちの仕掛けたワナに見事引っかかってくれました。「それ、お義母さんの通帳ですよ」お金目当ての結婚だと言われてきましたが、散財していたのは義母でした。 いっときは1000万円以上の貯金があったようですが、現在の残高は千円足らず。義父に黙って使い込んでしまったようです。義父にバレることを恐れ、もう干渉しない、家にも入らないと言ってきた義母。ですが、謝られても簡単には許せません。 義父にバレて離婚されたら困る、助けてほしいと泣きついてきた義母。ですが、夫が義母を助けることはないでしょう。今回のことで、私たち夫婦は義母と絶縁する予定なのですから。ちなみに……、本件は義父に報告済みです。 散財がバレた義母は…その後号泣しながら謝罪したことで、離婚はまぬがれた義母。お金を稼ぐために、パートを始めたそうです。子どもたちから絶縁され、義母が頼れるのは義父だけ。かわいそうに思うところはありますが、こうなったのは義母の言動が原因。なので、関係を改善しようとは思えませんでした。 義父母がゴタゴタしているうちに、私たちは引っ越しを済ませました。義母の突撃訪問もなく、いまは心穏やかに暮らしています。改めて、新婚生活を楽しみたいです! ◇ ◇ ◇ 何はともあれ、義母と距離をおくことができてよかったです。これからは夫婦ふたりで幸せな家庭を築いてほしいですね。 著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年06月02日大企業勤めの夫と結婚したばかりの私。楽しい新婚生活を送っている中、大学時代に私の彼氏を略奪した友人から連絡が来たのです……。「ちょっと!結婚したのを黙ってるなんて水くさいじゃない!」「結婚式にも招待してくれないなんて!」と友人。向こうはまだ親しい間柄だと思っているようですが、私はこの友人とあえて距離を置いていたのです。この友人は、大学時代に私の彼氏を奪った前科があるので……。 略奪前科のある友人「もしかして、大学時代のことまだ怒ってるの?」「簡単に彼氏を奪われるような薄っぺらい関係だったあんたも悪いんだし、若気の至りってことで許してよ~」と友人。この友人のせいで、私の楽しかった大学生活は一瞬でめちゃくちゃになったのに……。 「ところで、旦那さん大企業にお勤めなんですって?」となぜか私の夫の職場まで知っている友人。「結婚生活、そろそろ大変なんじゃない?やっぱり格差婚はきついよね~」と言われて、私の頭の中はハテナでいっぱいに。 「高収入高学歴のエリート夫には、やっぱり私みたいな美女の妻がお似合いだと思うんだよね!」「だからあんたなんかが妻だと、旦那さんは不満だろうと思って!」「もしよかったら私がお相手してあげるのに!」 イラついてきた私は、「ねぇ、何が言いたいの?」と言ってしまいました。すると、「旦那さん、私にちょーだい!」と友人。 しばらくあ然としてしまった私。コイツ、懲りてない……! 「ふざけないで」とだけ送信して、すぐに夫へ連絡。今までの経緯と、友人が夫をロックオンしていることを伝えました。 夫も、肩書きだけで寄ってくる女性にうんざりしていたようで、「わかった、気を付ける」と二つ返事でうなずいてくれました。 新婚旅行中なのですが……それから1カ月後――。 「やっほ~~~!そろそろ離婚届の用意もできたかしら?」と友人からメッセージが。ハワイで楽しく新婚旅行中だというのに……。 「新婚旅行中だから邪魔しないでくれる?」と返すと、「楽しい時間だと思ってるのはあんただけかもよ?」「だって、私がメッセージを送ったらあんたの旦那さんすぐに返信返してくれるもの!」と友人。 「あんたの旦那さんは、もう私にメロメロなの♡」「新婚旅行から帰ったらすぐに離婚届を用意してね」「いや、君だれ?」「え?」 さっきまでにこにこしていた私の顔が曇ったのに気づいた夫。夫に友人とのやり取りの画面を見せると、夫は怒りで真っ赤になり、私に代わって友人とのやり取りを始めたのです。 「君に覚えはないから『初めまして』で合ってるよね」「僕は一度も君と連絡を取ったことはないんだけどな」と夫。友人は「妻の前だからって無理しなくてもいいのよ!」と引き下がりません。 「そもそも僕のスマホには妻と両親、義両親しか登録していないし」「僕、ずっと勉強一筋で生きてきたから友だちもいないし、メッセージアプリは妻とだけの連絡ツールとして使ってるんだ」「僕は妻一筋だからね」 それを見た友人は「しらばっくれないでよ!」「いつも私にメッセージ送ってくれてたじゃない!」「四六時中私に愛の言葉を送ってくれていたじゃない!」と激昂。 そこで、夫はぽつりと「おかしいな……」とつぶやいたのです。「僕、仕事に集中するために、出社したらプライベートスマホは鍵のかかる引き出しに閉まってるんだよね」「勤務中は社用スマホしか持ってないんだけど……」と夫。 そして、夫は何かに思い当った様子。「もしかして……!」と言って、会社の人に連絡を取り始めたのです。 若気の至りその後――。 夫は会社の部長です。部下の社用スマホを修理に出すことになり、しばらく自分の社用スマホを貸し出していたとのこと。その部下が夫になりすまして私の友人とやり取りをしていたのです。 社用スマホのプライベート使用は、夫の会社では厳罰対象。さらに夫の名前を騙ったとして、部下の人はこってり絞られて左遷されてしまったそうです。 友人は事実を知ってもなお、私には「夫をよこせ」と言い続けてきました。夫の勧めもあり、私は電話番号やメールアドレスを含め、すべての連絡先を変更することに。もちろん一番最初に友人の連絡先をブロックしました。 ハワイでの新婚旅行も楽しかったのですが、夫は途中で仕事モードになってしまったことをちょっぴり残念に思っているようでした。そこで、近いうちに国内の温泉地へ旅行に行くことに。お互いこれという趣味もなく、友人も少ないので、しばらくは2人であちこち出かけてみようと思っています。 著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年06月02日近年、女の子の名前は古風で日本的な雰囲気のある「レトロネーム」が大人気! 4月生まれの女の子の名前では「春」や「花」など、季節感を取り入れた名前が多くランクインしていました。4月に誕生した女の子の赤ちゃん3,721名の名前から、人気の「レトロネーム」よみランキングを紹介します。 1位こはるレトロネームよみランキング1位は「こはる」でした。3月は2位でしたが、4月は堂々1位に。「心春」「心晴」といった漢字が用いられており、春らしさを感じさせる名前です。 また、最初に「こ」を付けることでどこか古風なで日本的な印象に。有名人では、ダンサーの菅原小春さんなどが同じよみで活躍されています。 2位つむぎ2位に入ったのは「つむぎ」。 2023年の女の子のよみランキングでは2位、2022年は11位と、年々人気が高まっている名前です。「紬」「紬希」など、「紬」という漢字を使った名前がトレンドで、最近では男の子の名付けにも見られるようになりました。 「紬」は高級な絹織物のこと。繭から糸を引き出すことを表す漢字の成り立ちから、物事の糸口を引き出すという意味もあります。 3位いちか3位にランクインしたのは「いちか」。3月のレトロネームランキングでは7位でしたが、今月はTOP3に入りました。2023年のよみランキングでは14位、2022年は10位に入っており、「一花」「一千花」「一叶」といった漢字が人気です。 「一」という漢字を用いることで、凛とした美しさを持つ一輪の花を連想させます。上品で華やかな名前です。 4位ふうか4位「ふうか」は2023年のよみランキングでは13位、2022年は21位に入っており、「風花」「楓華」「楓果」といった漢字が人気でした。 「ふう」という響きが爽やかさとかわいらしさを持ち、親しみやすい印象に。同名の有名人では、女優の小芝風花さんが活躍されています。 5位いろは5位には「いろは」がランクインしました。2023年のよみランキングでは16位、2022年は19位にランクインしています。「彩羽」「彩葉」「彩華」などの漢字が使われていました。 「いろはにほへと」から始まる「いろは歌」を連想させ、古風な印象に。また、「いろ」という響きが「色」を連想させ、美しく多彩なイメージを与えます。 6位あおい6位にランクインしたのは「あおい」。2023年よみランキングでは9位、2022年は5位と、毎年ランキング上位に入る人気の名前です。「葵」「碧衣」「葵衣」といった漢字で名付けられていました。 ア行が続く名前は、おおらかで開放感のある印象に。また、「あおい」というよみで多く用いられる「葵」という漢字はアオイ科の植物を指し、太陽に向かって育ち可憐な花を咲かせます。明るく元気に育つようにと、近年は男女ともに人気の漢字になっています。 7位はな7位は「はな」。2023年のよみランキングでは28位、2022年は23位にランクインしており、「花」「華」「羽菜」などの漢字で名付けられています。 「はな」はそのよみのとおり「花」を連想させ、可憐で美しいイメージ。たくさんの花を咲かせる春生まれにぴったりの名前です。 7位いと同率で7位に入ったのは「いと」。2023年よみランキングでは27位、2022年は23位にランクインしており、「絃」「依采」「依都」といった漢字で名付けられることが多いようです。 「いと」は「糸」を連想させます。見た目の繊細さとは裏腹、補い合うことで強さと美しさが生まれます。凛とした美しさや、芯の通った人柄を感じさせる名前です。 9位ひより9位には「ひより」がランクイン。2023年のよみランキングでは31位、2022年は32位に入っており、「ひより」「日和」「陽和」などが人気。 「ひより」は「日和」を連想させ、晴れて良い天気を表します。穏やかな春の陽気を感じさせる、あたたかみのある名前です。 9位りこ同率で「りこ」が9位にランクイン。2023年のよみランキングでは22位、2022年は19位に入っており、「莉子」「梨心」「梨湖」といった漢字が用いられています。 ラ行で始まる新鮮さと、「こ」で止める古風な印象が合わさり、上品さと無邪気さが併存した名前に。女優・モデルの成海璃子さんが同じよみで活躍されています。 9位ことはさらに同率で9位にランクインしたのは、「ことは」。2023年のよみランキングでは29位、2022年は32位に入っており、今年はさらに人気が高まりそう。「琴葉」「琴春」といった漢字のほか、「ことは」というひらがなでの名付けも見られました。止め字に「葉」が用いられることが多い「葉止めネーム」の一つです。 「琴」は、弦楽器の一種を指します。琴の音色のような美しさを連想させ、「は」で止めることで、古風で雅やかな印象を与えます。4月生まれの女の子の名付けでは「は」という止め字に「春」という漢字が用いられることも多く、季節を感じさる名前が人気でした。 今回のレトロネームよみランキングでは、「三文字ネーム」が8つランクイン。また、「こはる」「いちか」「ふうか」「はな」「ことは」など、「春」や「花」という漢字を用いた名前も多くランクインしていました。「はな」「いと」「ひより」など今月新たにランクインしたよみもあり、来月のランキングも注目されます。これからご出産予定の方は、ぜひ参考にしてください! photo:@kanhijiさん(べビカレメイト)<調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方 調査期間:2024年4月1日(月)〜2024年4月25日(木) 調査件数:7,479件(男の子:3,758件/女の子:3,721件)
2024年06月02日私が夫と結婚して1年ほどのころのこと。営業の仕事をしている夫は1カ月に数回、1~2泊ほどの出張があるのですが、海外に1週間ほど行く出張が入りました。夫が出張に出発した翌朝の早朝、私が寝ていると知らない番号から電話が鳴り響きました。 病院からの電話不思議に思いながらも出てみると隣町の病院からの連絡で、夫が緊急搬送されたとのこと。 「海外出張に行っているはずの夫が、どうして隣町の病院に緊急搬送……?」と頭の中は疑問でいっぱいでしたが、着の身着のまま病院へ駆けつけました。夫の病室の前で、ある男性が私を待っていました。 病院で打ち明けられた衝撃の事実その男性は私を見ると、「あなたのご主人と、私の妻が不倫をしています」と衝撃の事実を打ち明けてきました。実は夫は海外出張へ行っておらず、この男性の家で女性と密会していたそうなのです! もともと、男性が1週間の海外出張へ行く予定だったとのこと。しかし、出張がキャンセルになったため家に帰ると、一緒にお風呂に入っていた2人は出てこられなくなってしまい、のぼせて倒れてしまったのでした。男性の出張に合わせて、2人は1週間ほど一緒に過ごそうと企んでいたのでしょう。 両親を呼んで私は、義両親と自分の両親に「夫が緊急搬送された!」と連絡を入れました。そして、慌てて病院に駆けつけてくれた両親と義両親に、すべてを説明しました。みんな驚き、怒りに震えています。この男性が調査したところ、夫とその女性の不倫が始まったのは少し前からで、実際には彼らが「出張」と称して、これまでも一緒に過ごしていたことも明らかになりました。 結末と新たな決断夫が目を覚ますと、待ち受けていたのは怒りに満ちた私と両親、そして義両親でした。 夫は顔面蒼白になり何度も謝罪しましたが、私は離婚を決意。不倫相手と夫に慰謝料を請求することにしました。そして、不倫相手の夫婦も離婚することになり、2人はそちらへも慰謝料を支払うことに。夫は両親にも絶縁を宣言され、がっくり肩を落としていましたが自業自得です。 家族に嘘をついて良からぬことを企んでも、結局見つかってしまうもの。自分に誠実に、そして家族に正直に生きることは大切です。夫とはわずか1年の結婚期間でしたが、早めにダメ夫の本性を知り、別れられてよかったと思っています。著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
2024年06月02日発達外来を受診したい。どこで紹介状をもらう?1歳頃から発達に不安なところがあったたーちゃん。2歳半から通い始めたプレ幼稚園で集団行動ができない様子を見て、発達外来で診てもらいたいと思うようになりました。しばらくして、近所の診療所にて、発達外来のある大きな病院への紹介状を書いていただきました。もともと、この診療所では児童発達支援を利用するために必要な意見書を書いてもらうだけのつもりだったのですが、先生から「専門の病院で詳しく診てもらったらどうでしょうか」と紹介してもらえたのです。恥ずかしながら、発達外来への紹介状を手に入れる方法が分からず困っていたので、思いがけず解決して幸運でした。Upload By みかみかん紹介状を手に入れ、早速予約の電話をしました。……が、電話がとても込み合っていて、何度かけても全くオペレーターに繋がらず、不安になりました。私はそれまで大きな病院にお世話になった経験がなかったので、電話の呼び出し音が鳴っている間もずっと緊張していたのを覚えています。そしてなんとか予約できたのは2ヶ月後。もし診察を急いでいるなら、早めに行動したほうが安心だなと思いました。息子を連れて、ドキドキの初受診……!自宅の最寄り駅から電車に揺られ30分……着いたのは、私ですら緊張してしまうような大きな病院でした。初めての場所や人の多いところが苦手なたーちゃんはとても不安だったようで、まず病院に入ることができませんでした。脱走しようとするのをなんとか抱っこでなだめて、院内に入りました。Upload By みかみかん隙あらば走り出そうとするたーちゃんを押さえながら、問診表に生育歴や発達で気になる点を細かく書きます。あらかじめ書いておいたメモを持ってきていたので、スムーズに記入することができました。そして長い待ち時間をなんとか耐えたあと、いよいよ診察です。たーちゃんが人見知りと場所見知りで癇癪を起こさないか、入室する瞬間は特にハラハラしていました。ですが、ありのままの子どもの様子を見てもらうという点では、癇癪を起こしてしまっても良いのかもしれないと今は思います。いざ、診察!どんなことを聞かれるの?診断結果は?まず、先生とテーブル越しに対面するようにたーちゃんが座り、「お名前は?」「何歳?」など、簡単な質問をされました。ほとんどの問いにたーちゃんは単語で答えることができましたが、「誰と一緒に来たの?」「どうやって来たの?」の問いは難しかったようです。Upload By みかみかん部屋には先生以外にもう一人いて、診察室に入った時からたーちゃんの様子をその方が観察・記録していたのだと思います。その後、診察室内のブースでその職員さんとたーちゃんが遊んでいるところを先生に見ていただきながら、自宅や幼稚園での様子や、困りごとは何かなどを伝えしました。1度目の診察でははっきりと診断はされませんでしたが、ASD(自閉スペクトラム症)の可能性が高いと伝えられました。そして、幼稚園2:療育3くらいの割合で通ったほうが良いだろうと言われ、さらにショックを受けました。「年少になったら、週に5日お友達と幼稚園に通うのだろうな」と漠然と想像していた未来が崩れてしまったような気持ちになったのかもしれません。しかし、実際に、プレ幼稚園での集団活動が難しい状況を見ていたので、先生のアドバイスに納得もしていたと思います。Upload By みかみかんそして3ヶ月後、2度目の受診。3歳前で診断が……?初診から3ヶ月後、2度目の受診をしました。診察は前回とほとんど同じ流れでしたが、たーちゃんは前回よりも受け答えができていたと思います。そして最後に、「ASD(自閉スペクトラム症)です」とはっきり先生から伝えられました。「そうではないと言ってほしかった」という気持ちももちろんありましたが、覚悟はできていたので落ち込むことはありませんでした。初診からの3ヶ月という時間は、私が障害を受容するためにも必要だったのかもしれません。しかし、覚悟はしていたものの、2回目の受診、それも3歳前に診断されるとは予想していませんでした。けれども、「診断書を書いてください」とその場で先生にお願いしました。実は幼稚園にASD(自閉スペクトラム症)かもしれないということを話してあり、「診断書があれば提出してほしい」と園長先生から言われていたのです。Upload By みかみかん近所の診療所で紹介状をもらった時はその場で書いてもらえましたが、診断書は即日発行というわけにはいかなかったようで、後日郵送で送られてきました。診療所で紹介状をもらってから約4ヶ月ほど経って、ようやく診断書を手に入れることができました。もし児童発達支援の利用に診断書が必要だったならば、その間児童発達支援の利用ができなかったと思うと震えます。現在のたーちゃんと発達外来の付き合い方たーちゃんはその後、1年に1度の頻度で診察を受けています。その時々での困りごとや悩みに、専門の先生からの意見をいただけることがありがたいです。発達外来の先生から伝えられたことは、幼稚園の先生や、児童発達支援の支援員さんにも共有しています。そうして、たーちゃんへの理解や環境の整備がより良い方向に進んだらいいなと思っています。執筆/みかみかん(監修:初川先生より)初めての発達外来のエピソードをありがとうございます。同じような経験をされた読者の方からすると、そうだったそうだったと懐かしく感じるような、不安やどきどきハラハラのエピソードだったことだろうと思います。発達外来などの専門外来を受診を検討する場合は、医師による紹介状が必要なことが多いので、かかりつけの小児科の先生に相談してみるのがまずは良いと思います。専門外来はなかなか電話がつながらない(さながらチケット争奪戦)ことも多いですね。混んでいるところだと半年くらい待つこともありますので、そうした心づもりもあったほうがよいかもしれません。初めて訪れる病院への場所見知り・人見知りはひやひやしますね。ただ、みかみかんさんも書かれていたように、癇癪を起こしてしまってもその様子を見ていただけばよいと思って、あまり萎縮しすぎなくても大丈夫かと思います(そうはいってもハラハラされると思いますが)。初めての受診、初めての(相談機関への)相談だと、だいたい生育歴の記入を求められます。事前にまとめておかれたのはさすがです。その場で母子手帳を見ながら振り返るとどうしても時間がかかってしまいます。病院によっては、Webサイトなどに生育歴のフォーマットがダウンロードできるようになっており、家で記入して持参するところもあると思います。診断された際の気持ちについてもシェアありがとうございます。受診の間隔によって生まれる時間が心の準備をするための時間となったとのこと。そうですね。さまざまな想定をされながら受診されたと思いますが、いよいよという場面でもいろいろな思いが逡巡することと思います。服薬の必要によっても、またお子さんの状態によっても診断後の通院の間隔はさまざまです。ともあれ、お子さんが健やかに育つにあたってのパートナーに医療機関が加わったのは心強いですね。定期的にお子さんの相談をできる場所が増えたこと、何よりです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年06月02日生後8カ月を過ぎてもおすわりができるようにならない娘。心配になり医師に相談したところ、予想外すぎるまさかの診断結果を告げられて……!?う、嘘でしょ!?娘が生後8カ月のころの話です。日ごろから上の子の公園遊びの付き添いで、ベビーカーや抱っこ紐で移動することが多く、あまり遊び相手をしてあげられていませんでした。首すわりや寝返りは順調だったものの、生後8カ月を過ぎてもおすわりをしないことが少し気がかりだった私。検診の際に診てもらおうと、質問欄に記入し小児科医に相談したところ、「骨盤や腰に異常はありませんね。おそらくお子さんのやる気次第です。まだ座る気がないんでしょうねぇ」とのこと。予想外の診断結果に、思わず驚愕してしまいました。その診断結果を知ってか知らずか、検診の3日後にはちょこんと座って見せてくれて、一安心。 他のお子さんや兄弟と比べて不安になっても仕方ない! いつの間にか知らないうちに子どもは成長していて、ある日突然色んなことが出来るようになるのだなぁと実感。無理に何かをさせようとせず、子どものそれぞれのペースで見守るのも大切だと感じました。 ◇ ◇ ◇ おすわりの姿勢では今までと違う景色が見えるため、赤ちゃんが景色に興味を持っておすわりを頑張ろうとします。今回は、おすわりができるようになる前に、ママさんが抱っこしてあげたり公園へ連れて行ってあげたりと、ハイハイの姿勢では見えない様々な景色を見せてあげていたことで、おすわりをしなくても十分楽しめていたのかもしれませんね。 赤ちゃんは大体、生後6~7カ月から誰かが支えてあげるとおすわりができるようになることが多いです。そして、生後7~8カ月ごろになるとひとりでおすわりできるように。しかし、もちろん個人差があります。「おすわりが遅いな……」と感じたら、練習でおすわりを促してあげるとよいでしょう。 ■おすわりの練習方法 ①赤ちゃんをおすわりの姿勢にします。その際、赤ちゃんの腰の辺りをしっかりと支えるようにしましょう。②より赤ちゃんを安定させたいときは、自分の両膝で赤ちゃんの腰を挟みましょう。③慣れてきたら、うつ伏せでは見えないけれどおすわりでは見える場所におもちゃを置いてみて、赤ちゃんに発見させます。 しかし、かんしゃくを起こすくらい嫌がったり、どこか痛がったりしているようならば、無理せずに一旦おすわりの練習を中止しましょう。 もし生後8カ月をすぎてもおすわりをしない場合は、小児科医に相談してみてくださいね。 作画/森田家著者:秋田 かなめ監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
2024年06月02日産休に入り、出産の準備をしていたある日。ふだん通りに過ごしていると、「ジャッ!」と股の方から水が流れ出るのを感じました。そこから急展開。夫には「病院に来てほしい」と連絡したのですが……。 立ち会い出産に間に合うか…!?この日は予定日の2週間前で、次の日は出産前最後の妊婦検診を控えていました。出血だったらどうしよう……とトイレへ。色が無色透明だったので破水かもと思い、すぐに病院へ電話。事情を伝え、先生の診察をしてもらうことになりました。 それから夫へ電話し、破水したことや出産に向けて入院になるかもしれないことを伝えました。立ち合い出産の予定だったため、夫は職場に休暇を申請。病院へ向かってくれることになりました。 ですが、夫はなかなか病院に姿を見せず。何をしてるんだろうとモヤモヤしていたところ、何だか疲れた様子の夫が現れました。そのときは夫のことに構っている余裕はなく、出産を終えてから夫に遅れた事情を聞いたところ……。病院へ向かう途中で、車のタイヤが「パーン!!」と大きな音を立ててパンクしたそうです。 約5年乗り続けていましたが、まさかの立ち会い出産に向かう道中でパンクするとは夢にも思いませんでした。その後、タイヤを替えて病院へ来たそうです。「妻は破水、タイヤは破裂。すべて想定外だったけど最後はいい日になった」と夫が言い、夫婦で笑いました。今でもたびたび思い出す、色濃いエピソードです。 ◇ ◇ ◇ 予定日よりも前の破水で焦ったかと思いますが、ご主人も突然のことが重なってきっと焦りましたよね。無事に立ち会い出産できてよかったです! イラスト/シュー子著者:田中まりえ
2024年06月02日突然ですが、皆さんはかなしばりにあったことがありますか?そもそも「かなしばりとはなんぞ?」ですが、ざっくりいうと「体が寝ている状態で動かないのに、脳だけ起きちゃった…!」という感じである。かなしばり。「未体験!」って方、一生に1回の経験で終わる方、などなど頻度はまちまちだと思う。私は中学生でデビューし、息子が生まれるくらいまでの15年間くらいの間1年に2~3回はやってきてた。大体具合が悪くて寝込んでいるときや、多忙な時期に知らぬ間に床やソファで寝てた…なんてとき、かなしばりのおでましである。ちなみに、かなしばりになると…私の場合、起きたくて体を起こしたくても首から下、なんなら自分の目以外は何も動かせず声も出せない…!なので、助けを呼ぶこともできずちょっとパニックになる。冷静になれるときはもう一度目を閉じて寝られるなら寝て、体と脳が同時に目覚めるようにする、という感じでかなしばりをあしらってきた産前。産後夜の就寝以外寝ることがなくなり、ふと自分がかなしばりに時々なっていたことを忘れた先日…「母なんか苦しそうだったから…大丈夫?」と、きったんが起こしてくれた。あぁ… ありがとう!! なんて頼もしいの!?産後8年のブランクを経てかなしばりになって焦った母に救世主が!!助かった…。息子が赤ちゃんの頃だったら私のことを起こすことなんかできないだろうし、目が見えるだけで音が入ってこなかったりもするから泣き声もわからず焦る気持ち倍増だっただろうなぁ…。注意喚起でもなんでもないただたの日常の「あせった!!」な話でした。かなしばりって体験したことがある方いらっしゃるのかな?身近でいないのでぜひ聞いてみたいなぁ。
2024年06月02日働きながら子育てに奮闘する、2児のママ・まぼさん。仕事と育児とを両立するなかで「子どもとコミュニケーションが減っているのでは?」「周りに迷惑をかけているのでは?」と後ろめたい気持ちになり、日々葛藤を感じてきたそう。そんなまぼさんが本音で綴る連載「働きながら子どもを育てるということ」。 いろんな壁にぶつかりながらも、仕事と子育ての両立に向き合う、頑張るママたちへの応援エッセイです。自分の年齢と仕事のキャリアについて苦悩するまぼさん。育児も仕事も頑張りたいのに追いつかず、どちらもキャパオーバーだと感じるように……。そんなまぼさんがしたある決断とは?32歳。仕事につまずいていた。乏しい経験値と知識量。さまざまな知識を網羅的に把握しなければならない「設計」という仕事。自衛のために、「だって子育て中なんだもん」という言い訳を頭のなかにいつも用意していた。我ながら情けない話ですが……。仕事に打ち込みきれない自分の姿を、「そんな働き方もいいじゃない」と肯定する勇気もなく、「本当は時短勤務でもなく、子育てもしてなければ私はもっとやれるのに(本人調べ)ほら、でも、いまは子育て中だからさっ……」と、“俺はまだ本気出してないだけ理論”を頭の中で何度も繰り返し、自分を慰めていた。そんな言い訳にするほどの子育てをしているのか?と聞かれればこのありさま。「理想のママ」とは程遠い。今度は子育てと向き合えない言い訳に仕事を使う都合のよさ。仕事に行くのも、サバさんに会うことにも怯えていた。子どもと全力で向き合えていない自分のことを情けなく思った。簡単に言えば、キャパオーバーだったのかもしれない。自分の暮らしを愛せるように、立て直す必要があった。それを聞いたチームメンバーの顔色は青かった。そりゃそうだよね、こんなに忙しいのに、ひとり抜けたら困りますよね……ではなく……あんたらも辞めるんかーーーーーーーーい3人体制で走らせていたトロッコから、まさか同時に3人降りようとしているとは……!というわけで、次回は会社員を辞めた話と開業の段取りについて描けたらと思います!PROFILEまぼさんイラストレーター/会社員イラストレーターと会社員を兼業する働くママ。パパのびぼちゃん、6歳の男の子・よいたん、2歳の女の子・しおさんと4人家族。イラストで綴る育児日記を、インスタグラムやツイッターで更新中。著書に『よいたん3歳、ときどき先輩。』(KADOKAWA)がある。Instagram:@yoitan_diarytwitter:@yoitan_diary
2024年06月02日