「レッジョ・エミリア」という言葉を耳にしたことがある人はいるでしょうか。本来、レッジョ・エミリアはイタリアの都市の名前です。レッジョ・エミリアは、町を挙げての幼児教育と芸術教育により、欧米はもちろん近年は日本でも注目度が上がっており、その教育手法は「レッジョ・エミリア・アプローチ」として広まりつつあります。レッジョ・エミリア・アプローチをベースにしたインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」の伊原尚郎理事長に、その教育の特徴を聞いてみました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもには子ども自身で学べる力が備わっている当校の教育について具体的にお話する前に、先にお伝えしておきたいことがあります。読者のみなさんのなかには、わたしたちの教育が「子どもにどんな効果を生むのか」という「答え」のようなものを求めている人がいるのではないでしょうか。取材を受けるときにも、「どのように創造性を高めているのか」「どうすれば勉強ができるようになるのか」といった質問をされることがとても多いものです。でも、わたしたちは基本的に、そんな大人の意志で子どもを誘導するようなスタンスを取っていません。なぜかというと、子どもには子ども自身で学べる力が備わっているからです。その力がしっかり発揮できるような環境を整えることが、わたしたちの役割なのです。ですから、先のような質問に対して、求められているようなわかりやすい答えを提示することはできないということを、まずはお断りしておきます。さて、当校の教育のベースにあるのは、イタリア発祥の「レッジョ・エミリア・アプローチ」です。その特徴というと、「子どもは有能で知的な学習者」ということを前提としていることがまず挙げられます。これは、「構成主義」と呼ばれる考え方です。みなさんのなかにも、「モンテッソーリ教育」について聞いたことがある人は多いでしょう。モンテッソーリなど、いま注目されているほかの新教育なども、同様に構成主義の教育手法です。ただ、レッジョ・エミリアは、構成主義のなかでも「社会構成主義」だという点で、ほかの新教育とは異なります。同じ構成主義でも、レッジョ・エミリア以外の多くの教育手法は、「人間が個人としてどのように学んでいくのか」という観点で研究がされてきました。でも、人間はひとりで生きていくわけではないですよね?なにかを学ぶ場面というのは、ひとりで机に向かって勉強するときだけではありません。人間は周囲のさまざまな他者とかかわり、影響を受けたり与えたりしながら学んでいくもの――。そういう考え方から出発しているのが、レッジョ・エミリアの中核的な考え方である社会構成主義なのです。大人が決めた分野に縛られず、子どもは広く学ぼうとするその他にも、レッジョ・エミリアには他の新教育と異なる点があります。多数の他の新教育は、さまざまな教具を用意しておき、「この教具を使えばこういう学びが深まる」というようなメソッド方式をとっています。でき上がっている教具などの学びの条件を用意し、環境から引き離し、学びは直線的に獲得されるとの観念のうえに実践があります。学びは、教科・発達分野というかたちの分類をされ、理解されています。しかし、人間の学びというものは、そんな教科・発達分野に縛られないもっと広い興味からはじまり、もっといろいろな可能性を秘めたもののはずです。それがレッジョ・エミリアの考え方なのです。レッジョ・エミリアの実践は子どもの興味・関心からはじまり、ゆっくりとジグザグに、ときには後退などしながらも学んでいくという考え方を大事にするアプローチ方式で行われます。それだけに、少しわかりにくいということころもあるのですが……(苦笑)。子どもには、大人が考える教科のような分野に縛られることなく、あらゆることを学びたいという欲求があります。それは、本能的に持っている欲求です。たとえば、いまなら『パプリカ』という子どもに人気の曲を聴けば、子どもたちは自然に歌ってダンスをはじめます。子どもたちはなにも意識的にアートを学ぼうとしているわけではありませんが、大人の目には、先の教科のように、それがアートという分野を学んでいるように映るということに過ぎないのです。子どもたちは、ごく自然な欲求として歌って踊っているだけのこと。だったら、そうできる環境を用意していくというのが、わたしたちの考え方です。指示や目標を与えないからこそ、社会で活躍できるようになるわたしたちは、一般の学校のように「あれをしなさい」「これは駄目」というふうな指示は極力しません。もしかしたら、わたしたちの学校で育った子どもたちが一般の学校に行くことがあれば、ちょっと変わった子どものように見られてしまうかもしれません。でも、実社会に出たときのことを考えてみてください。誰かから指示をされたり目標を与えられたりしなければ行動できない人間が社会で活躍できるでしょうか?いま、世界を牽引しているGoogleのような企業の場合、基本的にはなにをつくるといった目標はありません。社員の自由な発想により、これまでになかった画期的なサービスをいくつも生み出しているのが、新しい時代の企業です。そして、それらの発想は、他者との関係性のなかから「こういうサービスがあったら、すばらしい社会になるにちがいない」と生まれてきます。当校の子どもたちがやっていることも、それと似ているかもしれません。誰かから指示をされたり目標を与えられたりすることなく、友だちや先生など他者とのかかわりのなかで自由な発想で学んでいきます。そういう点で、いまの時代とレッジョ・エミリアの親和性は非常に高いと思うのです。■東京チルドレンズガーデン■ 東京チルドレンズガーデン・伊原尚郎理事長インタビュー一覧第1回:いまの時代にマッチする「レッジョ・エミリア・アプローチ」の教育第2回:もしも子どもがアインシュタインだったら?子どもに対して親が取るべき姿勢第3回:グローバルな人間に――生まれ育った地域や国を知る「レッジョ・エミリア・アプローチ」第4回:信じることで本来の力を引き出す。すごい能力を持つ子どもたち【プロフィール】伊原尚郎(いはら・ひさお)東京チルドレンズガーデン理事長、共同創設者。米国ニューヨーク州立大学メディアアート科修士課程修了。ビデオアーティストとしてニューヨークで多方面に活躍。約20年の在米ののち帰国し、幼稚園の園長に就任。国際幼児教育の理解を深め、クリエイティブ思考を育てるための研究に従事。2017年に共同創設者の西ヶ谷アンとともにレッジョ・エミリア・アプローチをベースとするインターナショナルプレスクール「東京チルドレンズガーデン」をオープンし、理事長に就任。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年12月15日わが家には女の子1人、男の子2人がいますが、「こうも違うもの!?」と日々驚くことばかり。特に、ほめ方、叱り方によって、その後の反応が大きく違うことを感じています。今回の記事では、3人の子どもを育てていく中で感じた男の子、女の子の違いや、わが家で実践している声かけのコツを紹介します。これって男女差なの?わが子の行動を観察してみたわが家では第1子が女の子で、自分と同じ性別ということもあり、娘の行動を特に不思議に思うこともなく子育てをしていました。第2子、第3子と男の子が生まれたことで、「あれ、これってもしかして性差なのかな?」と考えるようになったことがいくつかありました。<娘の場合>・やわらかいものが好き(ぬいぐるみ、タオルなど)・おままごとなど、人と会話しながらのごっこ遊びが好き・複数作業が得意(音楽を聴きながら勉強するのが好き)・過程にこだわる<息子たちの場合>・かたいもの、動くものが好き(電車、車など)・戦いごっこ、競争など、体を動かしたり、勝ち負けのある遊びが好き・複数作業が苦手(リビングで勉強すると、まわりが気になって進まない)・結果にこだわる特に、過程・結果にこだわるという部分の違いは顕著です。上2人(小5娘、小1息子)の場合、小学校の運動会が終わったあとの感想にも相違がありました。・娘「白組は負けちゃったけど、みんなで頑張ったから楽しかった」・息子「1位になれなかった。ママに1位をプレゼントしたかったのに。悔しい」本人たちの性格もあるとは思いますが、娘が小1だったときの考え方と小1の息子の考え方が面白いほど違うのは新鮮でした。わが家で実践している子どものタイプ別の関わり方私は3人の子どもの行動傾向の違いに気づくまで、3人とも同じように接していました。その間は、「話が伝わらない…」とイライラすることも。しかし、娘と息子、それぞれに合った関わり方があることに気づいて以来、声かけの方法も少し変えてみることにしたのです。<褒める時>・娘に⇒過程をほめる「テストで△点取るために、勉強を頑張ったね!ママは見ていたよ」・息子たちに⇒結果をほめる「テストで△点取ったの!すごい!かっこいい!」<何かをやらせたい時(片づけなど)>・娘に⇒共同作業をアピール「一緒にやろう!」・息子たちに⇒競争をアピール「どっちが早いか競争しよう!」<叱る時>・娘に⇒共感を含める「本当は〇〇したかったんだよね。わかるよ。でもね、〇〇〇〇〇だよ」・息子たちに⇒目と目を合わせて、声を低くし、怒っている態度を明確にする「危ないって言ったよね!理由は〇〇〇〇〇だよ」イライラを軽減できて、心が軽くなった!声かけや関わり方をそれぞれに合わせて変えてから、子ども達がすんなり聞き入れてくれることも増え、私の心はだいぶ軽くなりました。もちろん、いつもうまくいくわけでないですし、成長とともにタイプが変わる可能性もあります。また、今回は、わが家の娘と息子を例に出して説明していますが、「女の子」「男の子」とカテゴライズできるものではなく、それぞれの性質や状況によっても変わってくると思います。子どもとの関わり方に悩んでいる人は、自分の子どもがどのようにほめたり、叱ったりすると響いているかを見極めながら、それに応じた声かけを実践してみると、変化が生まれてくるかもしれません。<文・写真:ライターnanahi>
2019年12月12日どうもこんにちは、のばらです!今年小学校に入学した我が家の次女。学校には毎日そりゃもう楽しく通ってるわけですが、宿題や家庭学習などは「身に付いている」と言うには程遠く…母に何度も何度も言われて、しぶしぶ机に向かう毎日。そんな次女がどうすれば勉強に前向きに取り組めるのか、母も色々と考えてみました。そうです。我が家の作戦A…それは「学校ごっこ」!!とくに自分が先生役の時なんかは張り切ってどんどん問題出してくれるので、答え合わせと称して本人にもしっかり計算させるのです。次女としてはあくまで遊びのつもりなので、気付かないうちに二桁の計算や繰り上がり、繰り下がりの計算などが手を使わずできるようになっていたりして、母はありがたい限りです。…まぁおそらく姉妹を動かすのは「妹になんて負けない」「お姉ちゃんに絶対勝つ」というライバル心だったりするのでお互い相乗効果で高みを目指してがんばってくれ…っ!
2019年12月06日子どもが小学校に入学するまでに、どんな準備が必要なのでしょうか。入学まで半年を切った子どもがいる日刊Sumaiライターの平野直子さんは、事前にやっておくといいことを周りのママたちに聞いてみたところ、「曜日感覚は身につけておいたほうがいいかも」という言葉にハッとしたといいます。時計の読み方は教え済みでしたが、曜日は教えたことがなかったため、さっそく取り組んだそうです。平野さんは子どもにどうやって曜日感覚と時計の読み方を教えたのでしょうか。■ 子どもは案外、曜日を分かっていない!?娘に曜日について聞いてみると、案の定あやふやでした。大人にとっては当たり前のことすぎて、あえて意識して教えたことがなかったんですね。幼稚園では曜日を意識することなく過ごせますが、小学校となるとそうはいきません。学校生活にはまず時間割があり、曜日ごとに勉強の時間が決まっているんですから。娘は「月、火、水、木、金、土、日」という言葉自体は分かるものの、カレンダーの見方を分かっておらず、曜日の感覚がありませんでした。また曜日感覚だけでなく、「今日、明日、あさって、昨日、おととい」「今週、先週、来週」くらいまでは聞き慣らしておかないと、先生の指示が理解できないかもしれません。「プリントをあさって持ってきてください」なんて言われても、今の我が子にはちんぷんかんぷんです。気がついてよかった!■ 手作りカレンダーで行事もマスターしよう!もうすぐ年末ということでカレンダーを手作りし、曜日がこんな風に並んでカレンダーが成り立っているのを理解してもらうことにしました。色画用紙、色紙など、材料はすべて100均で購入。上部には、その月の季節や行事にちなんだ折り紙を貼り付けることにしました。季節の勉強にもなって一石二鳥。折り紙だったら、親子で楽しめますよね。下部にはウェブ上で無料のダウンロードカレンダーをプリントして貼りました。とりあえず1月を作りましたよ。「1月ってどんな月かな?」と子どもとお話ししながら考えました。お正月、鏡餅、七草がゆ、凧揚げ、門松などアイデアがいろいろ出ました。鏡餅とめでたい赤のだるまさんを折り紙でつくって飾り付けしました。■ 時計も読めるようにしておこう時間感覚も身につけておいたほうがいいですよね。我が家ではおもちゃの時計を2歳から与えていたので、「何時何分」まで読めるようになりました。まずは時計の絵本を、おもちゃとして買い与えました。最初は針をぐるぐる動かして遊ぶだけです。絵本には時間当てクイズなどもありますが、当てられるようになったのはつい最近になってから。そして、「幼稚園の準備を自分でやる!」と言い出した年中さんの頃に、子ども用の時計を購入しました。リビングにはすでに2個の時計がありましたが、思い切って子どもだけのために買いました。子どもが見やすくするため、あえて大人の腰くらいの中途半端な高さに掛けてあります。購入したのは、ネットでみつけた「La Luz(ラ・スール)」のキッズクロック。時間の数字と分の数字が色分けされていて、1分ずつ目盛りが表示されているので子どもにも分かりやすいようです。今では、時計を見ることで時間を意識できるようになりました。子ども用の掛け時計はいろいろなデザイン、機能のものがあるので、好みのものを探してみてください。1分から60分まですべての数字を配置した、とても親切な時計もありました。小学校準備というと計算やひらがなや漢字などの先取り学習に心を奪われがちですが、それ以前に、日常生活を円滑に過ごせるようなサポートも大事にしたいですね。
2019年12月05日ウーマンエキサイトのみなさんこんにちは、ぐっちぃです。「とけい」が苦手だった娘たち娘たちが小学校4年生の後半にさしかかり、ほぼ毎日家庭学習をやっていますが、今までそのなかで苦労したなと思うのが…。「とけい」です。娘たちに限らず、学年全体的に苦手な子が多かったらしく、学校から何回も宿題のプリントが配られ、私も自分にできることはやったつもりだったんだけど…。 まあ、難しい!!!それでも当の本人たちは…。覚えてるんだかどうなんだかケロっとしていて、親のほうが心配でたまりませんでした。そんな勉強法があったとは!そのまま時が過ぎ、4年生になってから学童を辞め、帰宅後にお友だちと遊ぶ機会が増えたんですよ。なるほど!我が家の門限は夕方5時で、それまでに帰ってこないと次の日は遊べない、というルールがあります。毎日遊びたい娘たちは「夕方5時に家に着くためには何分前に公園を出ればいいか」などと考えながら遊んでいるみたいなんです。学校でも家でも常に時間を見ることはあるけど、チャイムだったり、先生や親の声かけがあったりするから、そこまで本気で覚えなくてもなんとかなっていたんですよね。それが遊びの場となると、時間を気にするのは自分しかいない。明日も遊びたいから遅れるわけにはいかない!と、一生懸命覚え始めたんですね。こうやって、苦手だったことが「遊び」のなかで覚えられるのって、とてもステキなことだなと思いました。(こんなことも覚えるようになってきますが(笑))。
2019年11月28日睡眠障害のいっちゃん、中学校では通常学級に在籍5年生の春ごろから睡眠時間が1~2時間ずつ後ろにずれこんでいくようになったいっちゃん。6年生の後半はほとんど学校に行くことが出来ていませんでした。でこぼこ兄妹の兄のほうは静かに勉強が出来る環境を求めて中高一貫校を受験をしたのですが、いっちゃんは受験勉強の時間を取るのも難しかったし、そもそも通常学級に通えるかもわからない状態だったのです。なので進学先としては、公立中学の通級指導教室の利用か、不登校のサポートをする私立中学のいずれかでと考えていました。調べてみたところ私たちの住む地域では、学区選択制で選べる公立中学のうち、校内に特別支援学級と通級指導教室があり、カウンセラーと特別支援スタッフが常駐しているところはA中学ひとつだけでした。他の中学校で通級指導を受けている子どもたちは通級のときだけその学校へ行くのだそう。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ入学時、校長先生には面談の際に睡眠障害について伝えていたのですが、担任や通級指導教室の先生には詳細に共有する機会はありませんでした。しかし、いっちゃん登校初日の授業中、突然寝落ち!実際に様子をみたことで、いっちゃんの睡眠の状態について先生方も理解してくださったようです。簡単に相談をして、普段は通常教室で授業を受け、必要に応じて通級指導教室で補習や宿題をするというかたちにしていただきました。学校とも連携しながら、行ける日に学校に行くいっちゃんを見守る日々睡眠障害については決まった治療もなく、外から働きかけるのも限界があります。今の段階では無理なく登校するように見守ってくれているという感じです。先生方とは、寝落ちしたいっちゃんを私が学校まで迎えに行ったときに直接話したり、連絡帳を交換したりして、家庭と学校での様子などを共有しています。Upload By 寺島ヒロ中学入学より半年ほど過ぎた今も、やはり学校へは行ったり行かなかったり...やや行かない日が多いかな...という感じですが、始業時間に間に合うように起きたときには自分で身支度をしてサラッと出かけていくので、学校自体はいっちゃんも楽しく通えているようです。ところで少し話は戻りますが、実はどうしても通えないとなったときのことも考えて、A中学に入学する前に不登校のサポートをする私立の中学校にも連絡をしていました。こちらの中学は自分で出る授業を決めることができ、例えば今日は3~6限、明日は4~7限といった授業の取り方ができるのです。これならいっちゃんも無理なく通学できるのではないかと考えたのです。しかし、6年生の中ごろから月の2/3欠席しているので十分不登校の資格(?)はあると思ったのですが、よくよく聞くと小学校の分はノーカウント、一旦公立の中学校に入学して半年間不登校であったと認められると入学を許可できるとのこと。制服などを揃え直さないといけないことを考えると憂鬱になりましたが、4月からの入学は見送らざるを得ませんでした。校長先生によれば、あくまでここでは不登校の子どもが元の中学校に戻れるようサポートをするという考え方でやっており、サポートの内容も、不適切な養育やいじめなどで傷ついた心のケアに重点を置いている。もちろん不登校による勉強の遅れをフォローするという意味はあるので受け入れないということはないが、いっちゃんの場合はまず公立の中学校に通ってみてはとのことでした。なるほどなあと思ったものです。親としては先が不安ではあるけれど...中学生になって早や6ヶ月、とはいえまだ6ヶ月です。体調任せなので、これからも不登校が続くかもしれません。でも、担任の先生や支援スタッフの方々も優しくしてくださいますし、わたくし自身も睡眠のことでは悩んでいたので、あまり登校についてはうるさく言わず見守っていく方向で考えています。無理をさせて健康を害しては仕方ないですからね。とはいえ、成績表を見るとうわーと頭を抱え、学校行ってくれないかなあ(平常点が付くから)と思ってしまうのですが...ここは親が精神力を試される場面と心得て、「あえて働きかけない」ことを頑張っています。親も日々修行です。
2019年11月22日我が家は子どもの勉強については、そこまで積極的ではありません。私自身が特に際立った学力も才能もないのに、子どもにあれこれ求めるのは悪いなぁと…(苦笑)そして何より、私はどうやら人に教える事がどうも苦手みたいです…。自分では根気よく説明しているつもりなんですけど、よく母から「教え方がキツイ!!」と叱られています(汗) 子どもにはできるだけ楽しく丁寧にわかりやすく学習してほしいのに、私のせいで学ぶことが嫌いになってしまう可能性が…(滝汗) そんなピンチを救ってくれたのは幼児通販教材でした。とにかく楽しく覚えていこう作戦!!長女は2歳の頃から受講していますが、DVDや絵本や付録といった子どもが好きそうなツールから楽しく学習しています。お風呂の中でも使える教材がたくさん用意されていて、湯船に浸かって取っ替え引っ替え遊んでいるうちに、お手伝いや社会の基本ルールを理解していきました。ひらがなについては、おそらくお気に入りの絵本を何度も繰り返し読んでいるうちにストーリーを暗記して、そこから「このセリフはこの文字なんだな」と照らし合わせていったようです。…といっても、幼児が食いつくのは擬態語や擬音語ばかりですが…(苦笑)こちらとしてはしっかりと読み聞かせたくてイライラすることもありましたが、娘にとってはそれこそが言葉に興味を持つ大切な過程だったのかもしれません。「できる喜び」がさらなるやる気に!?ひらがなが読めるようになったのが嬉しい長女は、街の看板や標識を読んだり、教材のおもちゃとひたすら会話をしています。こうして遊び感覚でどんどん学習していく楽しさを身につけてくれればいいなぁ。あまり娘の学習のサポートを熱心にしているとは言い難いママだけど、長女からしりとりなどお勉強になる遊びに誘われたら、なるべく付き合ってあげるようにしています。とりあえず長女については自発的にお勉強していくのを見守るスタイルで、もし助けが必要になったらいつでも協力したいと思っています。そして今生後7ヶ月の次女は……お姉ちゃんが頼もしい先生になっているからママの出番ナシ!!次女は嬉しそうにお姉ちゃんの授業を聞いています(笑)二人とも、これからも楽しく色んなことを覚えていってね。
2019年11月21日学校から出される宿題や家庭学習。「なかなかやる気が出ない」「勉強してくれない」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。口うるさく言わなくても、自主的にやってほしい! というのが親心。わが家でも、テレビやゲームに夢中で、宿題がおろそかになっていた時期がありました。小学1年生の息子が進んで勉強するようになった理由とは?きっかけはメディア利用のルールを考えたこと学校で、家庭の生活リズムを整える週間があり、テレビやゲームの時間を家庭内で決めることになっていました。これまでわが家には「テレビやゲームは1日○時間まで」などきっちりしたルールがなかったので、どのようにしようか悩んでいました。ちょうどそのとき読んでいた本に、乙武洋匡さんの子どもの頃の学習エピソードが紹介されていました。乙武さんのお父さんが決めた学習ルールは、「勉強した時間分ゲームをしていい」というもの。ゲームが大好きだった乙武さんは、その分勉強を頑張ったそうです。「なるほど! これなら息子にもあいそう」と思い、メディアルールについて息子に提案しました。時間にするとわざとゆっくり勉強しそうだったので、「プリント1ページにつき、テレビかゲーム10分」と、子どもと話し合ってルールを決めました。好きなことのためなら勉強も頑張れる早速「1ページにつき10分」の学習ルールを取り入れたところ、息子にぴったりハマったようで、宿題では足りず、通信教育の教材を利用して自主学習もするようになりました。休日の朝も「今日はこの番組とこの番組が見たいから、何ページやる」と、テレビを見たい時間から逆算して勉強量を決めるなど、計画性も生まれました。ルールがあるおかげで「お母さんに言われたから勉強している」と、ネガティブな感覚ではなく、たとえテレビのためだとしても「好きなことのために勉強するんだ」と自分の意思で勉強に取り組めているのは良かったです。続けるために大切なことは?自主的に勉強するようになったとはいえ、気が抜けると勉強せずにテレビやゲームをしていることも。そんな時は、「あれ? もう宿題終わったんだ?」「テレビを見るには何をしないといけないの?」と、あくまで自分から勉強に向かうように声がけしています。学習ルールを決めるポイントは、子どもと一緒に決めること。一方的に決めて押し付けてしまうと、子どもは納得できず、ルールを守る気持ちが薄れてしまいます。この機会に、親子で学習ルールについて話し合ってみてはいかがでしょう。<文・写真:ライター三浦麻耶>
2019年11月11日子どもの成長と共に、家庭学習も重要になってきます。hanaさんの小学生と中学生の子どもは、6年ほどリビング学習を続けているそう。家事をしながらでも目の届きやすいダイニングテーブルで子ども達が勉強するのは、都合が良かったといいます。そんなhanaさんですが、最近になって新たな学習スペースを設置しました。新たな学習スペースの設置理由、学習スペース追加のメリット、そしてリビング学習の今後についてどう考えているのかを聞きました。■ 新たな学習スペースの設置理由は?リビングダイニングの広さは10畳強。コンパクトなリビングダイニングに更なる学習スペースの設置は避けたいところでした。でも、子どもが2人いてリビングダイニングですごす時間が長いとなると、ダイニングテーブルの上には必然的に子どものモノが増えてきます。新たなスペースはモノの移動の効率性を考えて設置しました。場所はテレビの脇。普段は使うことのないコーナーに座卓を置き、学習スペースとしました。このコーナーにはセット購入した歴史漫画や四字熟語などの学習漫画を並べています。気軽に手に取ってラグで寛ぎながら読んでもらえたら、そして自然に内容が頭に残れば良いなという欲張りな思惑で置いています。また、毎週届く子ども新聞、中高生新聞もこの座卓が定位置です。■ 学習スペース追加のメリットは?マック / PIXTA(ピクスタ)一人がダイニングテーブルいっぱいに教科書や問題集などを広げて勉強し始めると、決まってスペースの取り合いになります。そういうときに、もう一人がこの座卓で勉強できるようになったので、いざこざも解消し平和です。また絵を描くのが大好きな子どもなので、すみっこで誰にも邪魔されずに絵を描けるスペースがあるのは落ち着くようです。黙々と絵を描いている様子を見ると、このスペースを作ってよかったと思っています。また、以前はインテリアに馴染むように、本などは緩やかに隠す方法を模索していましたが、今は常に目に入り、必要なときに取れる場所にあるということを優先にしています。ダイニングテーブルの後ろに本棚もあるのですが、そこも入りきらなくなってきているので、読んで欲しいなと思う本はこの学習スペースに意識的に置いておこうと考えています。■ リビング学習スペースの今後家族の成長と共に、その都度柔軟に変化させていくリビング学習スペース。上の子どもは中学生。そろそろ自室での学習に移行してくる時期に差し掛かっている様子です。どんな形であっても、家族の心地良い空間であり続けるリビングダイニングづくりを心掛けたいと考えています。
2019年11月06日年長のお子さんを持つ親は就学時健診が終わると、来年はいよいよ1年生!と 期待や不安が入り混じる時期ではないでしょうか。この時期に、小学校への準備として習い事をはじめたり、家庭学習をはじめる人も多いそう。わが家でも、昨年の今ごろ、年長のときに学習塾に通わせていました。しかし、小学1年生になってみて思うのは、「入学準備学習は必要なかった」ということ。その理由とは?入学準備学習をしようと思った理由年長の秋頃は、ママ友に会えば入学準備学習の話題で持ちきりです。その当時、わが家では学習系の習い事をしていなかったので、まわりの子がしていると聞くと、「何かさせた方がいいのかも」と焦ってしまいました。特に息子は早生まれということもあって、身体能力でまわりにひけを取っていた分、勉強で「できる!わかる!」と自信をつけさせてあげたいという気持ちが強くありました。母子ともに限界…危うく勉強嫌いになるところに10月頃から近所の学習塾に通いはじめ、最初は楽しんでやっていた息子。それが、徐々にトーンダウン。それもそのはず、簡単な計算のプリントを1日10枚。到底楽しみながらできるものではありませんでした。それでも、あの手この手を使って頑張らせていましたが、3か月を過ぎた頃には、プリントを頑なに拒むように。さすがにこのままでは勉強嫌いになると思い、辞めることにしました。入学前に勉強して失敗⁉︎「授業がつまらない」息子は、勉強が「できるから楽しい!」ではなく、「できるのになんでやらないといけないの?」と思うタイプ。実際入学して、勉強がはじまったら、「簡単すぎてつまらない」と話すようになりました。小学1年生の1学期は、ひらがなは1日一文字覚えるペース。算数も数字の読み方を覚えてから、10までの足し算と簡単なことしかやりません。ひらがなの書き方、計算は入学してからでも十分覚えられると感じました。入学前にもっとやっておいた方がよかったと思うこと以前、小学校校長の経験をもつ幼稚園の園長先生から、「幼少時代にしっかり遊ぶことで、自然と勉強に興味をもつようになる」と教えてもらいました。お買い物ごっこなら足し算、引き算の勉強に。お店屋さんごっこでメニューを書けば、ひらがなの勉強に。絵本を読むと国語、積み木やブロック遊びは、算数の立体図形に強くなります。現にブロック遊びが大好きな息子は、算数の積み木問題が大得意でした。子どもは、遊びを通じて勉強に必要なことを学んでいるんだなと実感しています。小学生になると、慣れない学校生活に疲れてぐったり。帰ってきてからも宿題をしたり、習い事をしたりすると、遊ぶ時間も気力もなくなってしまいます。小学校入学を控えたみなさんには、充実した遊びの時間をもつことをおすすめしたいです。<文・写真:ライター三浦麻耶>
2019年10月17日娘が2歳になってすぐ、1日10分の「お勉強タイム」を作ることにしました。勉強といっても数字やひらがなを覚えるようなものではなく、子どもの指の器用さや集中力アップが目的で始めたものです。そこで活躍したのがダイソーのおけいこシリーズやシール、ぬりえ。思った以上に子どもの成長に役立った商品とこの数か月の娘の成長ぶりを紹介したいと思います。文房具もダイソーで調達!まず、ダイソーで探したのが勉強に必要な文房具。筆箱・鉛筆・消しゴムはすでに持っていたので、鉛筆削り・スタンプ・クレヨンを購入しました。鉛筆削りは色々な種類がありましたが、娘の手でも扱いやすい小ぶりのものをチョイス。鉛筆の先が減ってきたら、娘が自分で鉛筆削りを使って削ります。2歳児にとって鉛筆削りを上手に使うのは難しく、最初のうちは苦労しました。しかし、何度か繰り返しやっているうちに少しだけですが、自分で削れるようになりました。スタンプはやり終えた教材と勉強した日の証としてカレンダーに押しています。使い始めた頃はスタンプの位置がズレてしまっていましたが、今では上手に押せるようになり、小さいことながら娘の成長を感じられました。娘もスタンプを押すのが楽しいようで、勉強をするモチベーションにもなっています。シール、めいろ、ぬりえの種類が豊富!ダイソーには「ひらがな」「かず」などの教材もありますが、2歳くらいの子どもには遊び感覚でできる「シール」「めいろ」「ぬりえ」がおすすめです。小さいシールを上手にはがして狙いどおりの場所に貼るという作業は意外に指先の器用さが求められ、集中力も必要です。左は開始当初、同じ場所にシールを重ねて貼っています。右は3か月くらい経ち、食品をテーブルに配置するなど意味のある貼り方ができるようになりましたダイソーのシールブックには色々な種類がありますが、子どもが慣れないうちはシールが大きめの「かおアートブック」シリーズがいいかもしれません。上達してきたら細かいシールがたくさん付いている「シールブック」シリーズがおすすめです。めいろやぬりえは子どもの運筆練習に役立ちます。娘が初めてめいろに挑戦した時は線をなぞるということが理解できないようでした。数か月経った今ではシンプルなめいろであればクレヨンで上手になぞれるようになり、より難しいめいろができるように日々練習しています。「繰り返し」がポイント!100円だから気軽わが家では娘が幼稚園から帰ってきておやつを食べ終えた後、お勉強タイムをすることにしています。毎日決まったタイミングで行うことで勉強が習慣づき、今では娘自ら「お勉強する!」と言ってくれるようになりました。教材から新しい言葉を学ぶことも多いように思います。1日に使う教材はシール・めいろ・ぬりえのうち2種類で、それぞれ最低でも1ページが目標。「りんごのシールはどこにあるかな?」「キャラクターの口をクレヨンで塗ってみようか」といったように、こちらからお題を出す形で行っています。そして、最後にカレンダーにスタンプを押して終了するのがルール。毎日同じテーブルで、必ず椅子に座って勉強することも大事にしています。シールやめいろなどの教材は、書店で買うと1000円以上する商品もあるので、ダイソーで100円で買えるのはありがたいものです。娘を見ていて分かったのは、同じことの繰り返しが成長に繋がるということ。100円なら同じ商品を何度でも買って試すことができるので、小さい子どもの教材としては最適です。手頃な値段で気軽に始めることができるので、ぜひダイソーの勉強グッズをチェックしてみてくださいね。<文・写真:ライター奥汐紀>
2019年10月12日子どもに運動を教える時、親が手本を見せられると教えやすいですよね。しかし私は運動が大の苦手。手本を示して教えることはできません。ところが、ある日年少の息子が「逆上がりをしたい」と言いだし…。今回は息子が逆上がりができるようになるまで、運動オンチの私がどのように練習につき合ったかをお伝えします。やる気があるタイミングで練習スタートある日幼稚園から帰宅した息子が「幼稚園で友達が逆上がりしてた!ぼくもできるようになりたい!」と言ってきました。聞いてみると、今のクラスで逆上がりができるのは2人だけ。まだ幼稚園での指導は始まっていないとのことでしたが、やる気がある時に練習始めるのが一番だろうと幼稚園帰りの公園で私が教えることになりました。とにかく褒めてやる気をアップ!「ママが教える」と言っても、私は逆上がりがでません。なので手本を見せられないどころか、コツもよくわかっていませんでした。そこで少しでも高く息子の足が上がるようになるたびに、「すごい!さっきよりうまくなった!」と変化を褒めました。「こうした方がいいかな」というアドバイスはほとんどせずに、「ここがよくなった」という声かけが多かったことで、練習がイヤになることなく何回も何回も進んで練習できたようでした。まわりの力を借りてコツを学ぶ公園の鉄棒で、息子が何度も逆上がりの練習をしていると、下校した小学生が集まってくることが度々ありました。そして、逆上がりが得意な子がお手本を披露してくれました。その時は「お姉さんすごいね。そっか!腕を曲げるといいのかもね」と私も息子と同じ目線で尊敬の眼差し。小学生も混ざって雑談しながらの練習は、息子も私も楽しかったです。また散歩中の近所の人が、逆上がりのアドバイスをくれることもありました。逆上がりの練習に役立った道具その近所の人は、普段から運動指導をしていて、ありがたいことに練習のための道具も用意してくれました。それは、自転車のタイヤのチューブを結んだもの。これを鉄棒に二重にかけてその中に入って逆上がりをすると、鉄棒から体が離れないため、うまく回ることができます。息子はこの練習でコツをつかみ、使い始めた次の日には、見事、チューブなしで逆上がりができました。練習を初めて5日目のことでした。ちなみにこのチューブは、サイクリング店で使い終えたものを無料でもらうことができます。結んでサイズ調整ができて、滑りにくく、使いやすかったです。指導以上に寄り添う姿勢が大切だったその後、すっかり鉄棒が好きになった息。幼稚園で自ら練習を重ね、鉄棒にお腹をつけて地面に足のつかない状態から逆上がりをするという難易度の高い「空中逆上がり」もマスターしてきました。逆上がりの練習に挑んで思ったことは、子どもに何かを教える時、指導する以上に子どもの気持ちに寄り添う言葉がけが重要だということ。つい「こうしなさい」「ここが違う」と強く言ってしまいがちですが、子どもがやる気をなくしてしまうと、なかなかできるようにはなりません。ママがうまくアドバイスできないことであっても、子ども自身で考えたり、まわりからの刺激も受けるので、子どもの力を信じて根気よく励ましていくことで手助けができるのだと思いました。最近は、娘の逆上がり練習につき合っています。娘の場合は数日の練習ではできるようにはならず、逆上がり習得には、普段の運動や、元々の筋力も関係しているようです。筋力がついてコツをつかむまで、楽しんで練習が続けられるようにサポートしていこうと思います。そして、息子は現在小学生。宿題など、勉強を見る時はついつい力が入ってしまいます。逆上がりの練習をした時のことを思い出して、勉強に関しても寄り添う声かけを心がけていきたいです。<文・写真:ライターnicoai>
2019年10月08日学校選びで後悔しないために…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、発達障害&グレーゾーンの子が中学受験を考え始めた時のご参考に、うちの経験を元にした、「発達障害目線」からの志望校選びのポイントを2回に渡ってお伝えするコラムの<後編>です。<前編>では、「その子に合った環境なら、多少の個性の違いは気にならない」ことだってあるので、その子の個性を活かしやすい、前向きな環境選びのポイント4つをお伝えしました。ただし、どんなに素晴らしい学校に出会ったとしても、受験期も入学後も「現実の壁」に突き当たることもあります。特に、人一倍感受性の強い子や、真面目で思いつめやすい子なら尚更影響が大きいでしょう。万が一、入学した後で「学校に行くのがつらい」「やめたい」となった場合、そこからリカバリーし軌道修正していくのは、親子共に多大なエネルギーと時間が必要になってしまう可能性も(でも、もし、そうなったらなったで「なんとかなる」と親子で思えることも大事です!)。今回の<後編>では、入学後に「こんなハズではなかった」「知らなかった、聞いてなかった」と親子で後悔するリスクを減らすために、事前によく調べた上で、親子でじっくり話し合い検討しておいたほうがいいと思う、現実的なポイント3つを中心にお伝えします。出典 : もし、お子さんが希望の学校に合格しても、満員電車や遠距離通学の負担等が大きくて学校に通えなかったら、つらい想いを経験してしまいます。どんなに素晴らしい学校でも「現実的に我が子が自分で通えるか」は、よく検討したほうがいいでしょう。うちでは早い段階から、「ドア・ツー・ドアで片道1時間以内、電車の乗り換えは1回まで」の学校にまず絞ってから、志望校選びをしました(また、現在長男は「通勤通学の混雑時間帯を避けて、早めに登校する」などの工夫もしています)。感覚過敏があり身体接触が苦手な子や、自律神経や思春期のホルモンバランスの乱れから、起立性調節障害、自律神経失調症、過敏性腸症候群などの傾向がある子は特に、毎日の通学負担は無視できないポイントです。また、発達障害のある・なしに関わらず、特に思春期の女の子は、混雑路線の電車通学や、部活動等で帰宅時間が遅くなるのも心配でしょう。・自転車通学やスクールバスなど、電車以外の通学手段もあるか・電車通学でも「乗り換えが少ない」「混雑路線や混雑駅を避けられる」等のルートがあるか・体調に不安のある子は、途中駅に寄りやすいトイレがあるか・学校・駅周辺の夜間の街灯の設置や治安はどうか・万が一の災害やトラブルなどの時に、親が迎えに行くまでどのくらいかかるか(自宅・職場からの距離など)…などをチェックし、できるだけ負担の少ない通学手段・時間を選べるといいでしょう。併発している疾患がある場合には、主治医ともよく相談し「どの程度の負担までなら大丈夫そうか」意見を聞いてみるのも大事です。また、通学の負担の「体感での」確認は、見学会・文化祭等で学校に足を運ぶ度に、「実際に使用する通学手段・ルートで(できれば、同じ通学時間帯で)」親子で何度も体験・確認するのがいいでしょう(この過程で、子どももある程度慣れることもあります)。出典 : 発達障害のある子の中には、IQ(知能指数)の非常に高い子や、寝食を忘れて勉強に没頭できる子、人並み外れたガッツがある子などもいて、いわゆる「超難関校・超進学校」の中にも「入学してみたら、類友ばかり」なんて話も…。でも、そういったタイプ以外の子には、ただでさえ中学受験勉強は、まだまだ幼い小学生には負担が大きなもの。ましてや、過度なストレスやプレッシャーに弱い子は特に、精神的に不安定になったり、余計に集中力や注意力が落ちてしまう可能性も(特に、現在二次障害があるお子さんは、受験勉強を始める以前に、まずはそのケアと解決が最優先でしょう)。子どもの健全で健康な発達には、十分な睡眠やあそびの時間も大切な栄養なんです。そして、発達障害に限らず、過剰な受験勉強を強いられて、心身の健康のバランスを崩し、その後の学校生活や思春期の人格形成に影響したり、燃え尽きて生きる意欲を失ってしまう…などの教育虐待や、過剰な受験競争・学歴偏重社会の影響も、昨今、国内外問わず問題視されてもいます。偏差値や知名度だけを見ていたら、「その子にとって」本当にいい学校・合っている環境が見えにくくなるかもしれません。それに、少し先の大学受験を視野に入れる場合も、近年の大学入試での推薦・AO型入試の増加傾向等から、「より偏差値の高い学校が、より偏差値の高い有名大学に入りやすい」とも限りません。世の中の価値観が多様化していく中で、学校・大学の偏差値順のランキングも存在意義が薄れつつあるようにも思えます。また、正直な話、進学校で学力的にギリギリ合格ラインだと、入学後に中高一貫校の進度の早い授業スピードについていけなかったり、大量の宿題がこなせなくて、不登校になるお子さんも少なからずいるようです。ですから、あくまで1つの考え方ではありますが、その子のペースで無理のない受験勉強をし、入学後も余裕を持って勉強に励むことができる、「背伸びし過ぎない」難易度の学校を選ぶのも、私には賢い選択のように思えます。苦手なことや失敗が多くて自信をなくしがちな子でも、比較的上位合格できる学校や、得意分野の強みを活かせる学校で、「できる子」として扱われて自信をつけるのもアリでしょう。こういった受験生の過剰な勉強の負担を考慮し、1科目・2科目入試、選択科目入試、推薦・AO型入試等、多様な入試方式を採用する学校も増えていますので是非、早めのチェックを。そして実は、「中高一貫」だからと言って、無条件に全員が高等部に進学できるとは限らない場合もあるのは、注意したい点です。高等部進学に際して、「成績評価に1がないこと」「進学試験にパスすること」などの一定の条件が課せられる学校もあるからです。また、学校によっては、成績不振の生徒にはさりげなく転校や、他校の高校受験を勧められる…なんて話も時々あるようです。その子の進路に関わる大事なことなのに、入学後に「聞いてなかった」「知らなかった」というリスクは大き過ぎます。こういった情報は説明会ではどの学校でもあまり触れられませんでしたが、もし、学習面で不安がある場合、在校生や保護者の方に実情を訊ねてみるといいでしょう(高等部進学に関する規定は、生徒手帳の校則等に書いてある場合もあります)。記事 「教育虐待をしないために親に心がけてほしいこと」おおたとしまさ出典 : そして最後に、いじめの予防と対応です。特に、発達障害のある子は「みんなと違う」ことで、いじめの対象になりやすく、また、親や先生に上手に相談できるスキルが弱くて深刻化しやすい傾向があると私は思っています。特に思春期は、その子の人格形成においてとても大事な時期なので、「いじめのない学校を」と希望されるご家庭も多いでしょう。でも、残念ながら、「家庭環境に恵まれた子が多いから」「この学校は優秀なお子さんが多いから」…等の理由で、私立中学にいじめがないとは言い切れません。また、学校の口コミサイトなどに「いじめはありません」等と書かれていても、鵜呑みにしないのが賢明です(状況は日々変化する上、書き込んでいる人の立場によって「いじめの事実」が見えないこともありますから…)。つまり、どんな学校でも「いじめは起こるもの」を前提に、事前にできる予防の対策をし、発生後に迅速に対応できる体制があるか、を見るといいでしょう(特に私立は、教育委員会などの上位組織もなく、何かあった時に学校内で収めてしまいがちです)。・校舎の造りや雰囲気(照明や採光の明るさ、防犯設備の有無、掃除や掲示物の状態など)・スクールカウンセラーの配置や外部機関との連携体制があるか・先生と生徒、先生同士のコミュニケーションが取れているか(職員室の配置や様子、先生の親しみやすさなど)・情報の公開性(学校に不利・不都合な情報でも公式HP等で公開し掲載されているか、など)…などの「風通しの良さ」が、いじめ対応のポイントだと、私は思います。こういった雰囲気は、なかなか外からはハッキリと見えにくいものですが、全体的に明るくオープンで「空気が軽い」印象がする学校は、ある程度いじめに対して、心理的な予防効果があるように思います。また、先生方のコミュニケーション力は、いじめ対応においても、とても大事な要素でしょう(特に管理職)。見学会や説明会の際、挨拶程度でもいいので、校長先生や教職員を見かけたら話しかけてみるといいでしょう。また、文化祭や最寄駅などでの、在校生同士の様子や表情の豊かさなども参考になると思います。子ども自身の意思がなければ、どんな環境でも適応が難しいから…出典 : 最後に…もっとも大切なのは、やはりお子さん自身の意思です。そしてご承知の通り、現実的には受験は合格・不合格があり、必ずしも希望が叶うとは限りません。それでも、第一志望以外の学校でも気持ちを切り替えて前向きになれる子はいいのですが、それがなかなかできなかったり(親のほうが結果を受け容れられない場合も)、親や塾から無理矢理勧められた学校に不本意ながら通うお子さんは、その後の学校生活への適応が難しくなる傾向があると聞きます。実際、長男の中学でも、入学直後から情緒が不安定だったり、数ヶ月で不登校になるお子さんも何人かいました。どんな学校でも、どんな環境でも、本人の意思を伴わなければ不満やストレス、環境への違和感を、より強く感じやすくなるのだと思います。ですから、元々気持ちの切り替えが苦手な子や、真面目で思いつめやすい子は特に、お子さんが本心から「行きたい学校」「行ってもいい学校」しか基本的に受験しないことを、私はオススメしたいです。うちの長男の場合、中学受験以外の選択肢も含めて、小学校卒業以降のあらゆる進路の可能性を親子で検討しましたが、結局、本人が気に入った第1志望1校だけを一般入試とAO型入試の複数回受験し、他校は受験しませんでした(もし、不合格だった場合は、「公立中学に在籍しつつ、自治体の教育支援センターとホームスクールの併用で前向きな不登校」という選択が、うちの「滑り止め」でした)。ここまで2回に渡って、うちの経験から私立中学の志望校選びのポイントを「発達障害目線」でお伝えしましたが、なかなか、ご家庭の全ての希望を満たし、尚且つ、現実的に合格可能な学校と出会うのは難しいかもしれません(特に、うちのような地方在住の場合、私立学校の選択肢も少ないでしょう)。その子にとって「絶対に外せないこと」「ある程度妥協できること」「そんなに気にならないこと」などの優先順位をつけながら、親子でよく話し合って志望校を比較検討されるのがいいでしょう(一覧表にして点数などをつけるのもいいですよ)。でも、中学受験に限らず、「どんな環境でなら、その子らしく生きていけるのか」その子の個性と相談しながら、親子で一緒に探っていくこと自体が、自立に向かうための大事なプロセスだと私は思っています。大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』2017年/刊/ポプラ社
2019年10月02日生後5カ月を過ぎたあたりから、離乳食がスタートします。離乳食を作るときは、成長段階に合わせて硬さや味付けを調整したり、食材を選んだりといろいろ気を配る必要があります。離乳食初心者におすすめの本を紹介していくので、参考にしてみましょう!離乳食の本を選ぶ際のポイント離乳食に関する本は種類がたくさんあり、どの本を選んだらよいのか分からなくなってしまいますよね。まずは、本を選ぶときのポイントを押さえておきましょう。最初は基本からフリージングまで網羅した物離乳食の本にはさまざまな種類や内容がありますが、離乳食初心者には『基本』について学べる本がおすすめです。赤ちゃんの食事を作るときの注意点や適した進め方、フリージングまで対応してある本を選んでおくと、離乳食作りで最低限必要なことを理解できます。育児をしながら離乳食作りをするのは思っていた以上に大変なので、時間があるときに作って保存できるフリージングが活用できると助かりますよ!2冊目は欲しい情報を基準に離乳食の本は、目的に合わせて選びましょう。離乳食は月齢に合わせて硬さや食材を調整する必要があるので、赤ちゃんの成長に合わせたレシピを確認できるような本があると、離乳食作りの参考になります。また、親の『ライフスタイル』に合わせて本を選ぶのも手段の1つです。共働きで忙しいママには、レンジを使って簡単に調理できるレシピや、作り置きしやすいメニューを中心に掲載している本がおすすめです。初心者が基本を勉強できる本を購入し、目的に合わせた本を買い足すことで、毎日の離乳食作りの負担を少なくできますよ!最初の1冊におすすめ 人気の離乳食本赤ちゃんに初めて食事を与えるときの基本について学べる本を、最初に購入するのがおすすめです。しかし、そのような本もたくさんあって、何を選ぶかで悩んでしまう人も多いでしょう。最初にそろえておきたい離乳食本を紹介します。はじめてママ&パパの離乳食離乳食のスタートから幼児食への移行まで長く使えるのが、『はじめてママ&パパの離乳食』です。育児雑誌『Baby-mo』の読者が抱える離乳食の悩みや疑問の声を基にしながら本作りを進めているので、ママやパパが本当に知りたい離乳食の基本が詰まっています。毎日の献立を考えるのに役立つメニューを300品も掲載しているので、レシピで困ったときは助かりますね!また、食材別に調理を簡単にしてくれるテクニックや、フリージングのコツなど離乳食作りを助けてくれるアイデアもいっぱいです。商品名: はじめてママ&パパの離乳食 (実用No.1シリーズ) はじめてママ&パパの離乳食 (実用No.1シリーズ) 最新月齢ごとに「見てわかる!」離乳食新百科離乳食を初めて作るママは、食材選びから調理のやり方、赤ちゃんの月齢ごとに適した硬さなど、分からないことでいっぱいです。この本では赤ちゃんの月齢別に押さえておきたい離乳食の基本と、レシピが紹介されていて、離乳食をスタートする生後5カ月ごろから、完了期(1歳6カ月ごろ)まで使えます。1週間の献立例も載っているので、レシピを考えるときの参考になりますね。忙しいママにうれしい時短テクニックやフリージングのコツは、月齢や食材別にまとめられているのでまねしやすいでしょう。商品名: 最新月齢ごとに「見てわかる!」離乳食新百科 最新月齢ごとに「見てわかる!」離乳食新百科の詳細はこちら すぐわかる! 離乳食mini(たまひよブックス)写真とレシピが中心なので、分かりやすいと評判の本です。離乳食作りの基本を一覧シートに掲載してあるので、キッチンに貼っておくと便利ですよ!月齢によっては食べるのに適さない食材もあり、チェックリストで確認できるようになっています。基本的なレシピだけでなく、アレンジメニューや栄養バランスにこだわったレシピなど、『応用テクニック』についても学べます。商品名: すぐわかる! 離乳食mini(たまひよブックス) すぐわかる! 離乳食mini(たまひよブックス)の詳細はこちら 食材の目安も記載 毎日が楽になるレシピ本離乳食作りが毎日続くと、味付けや使う食材が偏りがちになるので、赤ちゃんが飽きてしまうことがあります。レシピの種類が豊富に掲載されている本を持っていると、毎日の献立作りに役立ちますよ!はじめてのカンタン離乳食548 安心レシピ離乳食のレシピが掲載されている本はたくさんありますが、この本は『全548レシピ』と圧倒的にレシピ数が多いのが特徴です。また、レシピ全てに栄養素が載っているので、『栄養バランス』を考えながらメニューを考えることができます。作り置きやフリージングメニューも豊富なので、離乳食作りに時間をかけられないパパやママにもおすすめですよ!商品名: はじめてのカンタン離乳食548 安心レシピ はじめてのカンタン離乳食548 安心レシピの詳細はこちら 電子レンジで離乳食離乳食作りに時間をかけられないママやパパにおすすめなのが『電子レンジで離乳食』です。食材別に硬さや大きさが実物大写真で掲載されているので、離乳食初心者にもやさしい内容です。商品名: 電子レンジで離乳食 電子レンジで離乳食の詳細はこちら はじめてでもカンタン離乳食離乳食を作ってみると、思っていた以上に手間がかかることが分かるでしょう。家事や仕事の合間に離乳食を作るのは大変なので、時短に役立つ技やレシピを知っていると役立ちます。この本は、離乳食作りの『時短』を可能にしてくれるフリージングと作り置きレシピ中心に掲載されています。商品名: はじめてでもカンタン離乳食 はじめてでもカンタン離乳食の詳細はこちら おいしい離乳食作りを本で勉強しよう月齢によって適した食材・硬さ・調理法・味付けなどがあるので、離乳食作りの基本を押さえておくことが大切になってきます。離乳食作りの基本を学んだり、メニューを考えたりするときは離乳食作りの本が参考になります。離乳食について書かれてある本は種類がたくさんあるので、まずは基本について書かれている本を購入し、目的に合わせた本を買い足すのがおすすめです。本の内容や特徴を参考にしながら自分に合った本を選び、離乳食作りに役立ててみましょう。
2019年09月18日9月20日にラグビーのW杯が開幕しますね。みなさんも観戦を楽しみにしているのではないでしょうか。サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。聴講者はすでに5万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)<<前回|連載一覧|次回>>負けを認め相手を称えることは、自分の成長にもつながる(写真は少年サッカーのイメージです)■前回大会の南アフリカが見せた「一流のスポーツマンのこころ」ラグビーW杯、自国開催のこの大イベントに私も大いに注目しています。振り返ると、ラグビー日本代表が日本で耳目を集めたのは前回2015年のイングランド大会でした。予選プールの初戦で優勝候補の南アフリカを下す金星を挙げ、世界のスポーツ史上「もっとも人々を驚かせた試合」と言われました。無理もありません。イングランドの地元紙の勝敗予想で「日本が勝つ可能性は1%」とまで言われていたのですから。今回のW杯前、南ア戦で日本が逆転トライを決めた映像はテレビで何度も流れているので、目にした方は多いでしょう。勝利の瞬間、ベンチにいた日本選手もプレーしていた仲間に駆け寄り大喜びでした。そのなかで、チームメイトとは別の視点を持っていた選手がいました。前キャプテンで控えだった廣瀬俊朗選手です。彼は感動的な幕切れの中で印象的だったことを、メディアのインタビューでこう話しました。「南アフリカの選手の態度が素晴らしかった。僕らに負けて悔しいはずなのに、自分たちから日本の選手に駆け寄って健闘を讃えていた。すごいと思いました」彼は続けて「このようなノーサイドの精神がラグビーというスポーツにはある。あらためてラグビーは素晴らしいスポーツだと実感した」と述べています。これこそが「グッドルーザー」の姿です。この連載で何度もお伝えした「スポーツマンのこころ」の大きな柱のひとつです。「負け」という望まない出来事から生じる悔しさや、自分のふがいなさといったマイナスの想いにとらわれることなく、まず先にともに戦った相手をリスペクトする。敬意を示す態度こそが、一流のスポーツマン。そして、それは、プロだけではなく、高校生、中学生、さらには少年スポーツでもあるべき姿です。■負けを糧にできる選手たちの特徴なぜそうあるべきか。自分を負かした相手を潔く称えることができる選手は、負けたことを貴重な体験として自分のなかで認められるので、そのあと強くなることができます。つまり、敗戦から学ぶことができるのです。片や、悲嘆にくれるだけで相手を認める気持ちを持てない選手や集団は、「お前のミスが」とか「相手が卑怯」とか「審判が・・」などと負けた言い訳を探す傾向が強いようです。そうなると、負けたことを糧にできません。日本のスポーツシーンでは、まだまだ後者の傾向が強いようです。そのため、廣瀬選手も「ノーサイドがあるラグビーは素晴らしいスポーツだ」と言ったのでしょう。しかしながら、実際はすべてのスポーツにノーサイドの精神は存在します。私が留学したドイツや欧州ではサッカーやほかのスポーツすべてに「グッドルーザー」の考え方が根付いていたように思います。日本では、ほとんどの選手が「グッドルーザー」という考え方自体を理解していませんから、当然実行できるわけがありません。そして、当然ですが指導者も「グッドルーザー」を理解していないので指導できません。■目の前の子どもたちよりも「自分」が軸になってしまう大人たち少年サッカーでも、負けたあとに審判にクレームをつけたりするコーチがいませんか。高校野球では、試合後に握手をしなかったチームが話題になったことがありました。なぜ日本のスポーツ選手やそれにかかわる大人は、グッドルーザーになれないのでしょうか。講演やセミナーで大人の方に質問すると、「みんな勝ちたいから。勝利至上主義だから」という意見が多いです。その通りだと思います。では、なぜ、何よりも勝つことを優先させる勝利至上になるのか。その理由の一つは、その人たちにとって、スポーツがあまりにも日常に入り込んでいるからです。少年サッカーのボランティアコーチをしている方で、よくあるのがこんな話です。「週末の試合に負けると、翌週はずっと悔しくて仕事が手につかない」「負けると気分が悪くて(お酒を)飲みすぎる」ある大学の先生が、少年スポーツの指導者講習で講義をした際「みなさんは、なぜ子どものスポーツ指導をしておられるのですか?」と尋ねたら、ひとりの男性が「自分の生きがい。自分が元気であり続けるためにやっている」と笑顔で意見を述べたそうです。つまりは「勝っておいしいお酒を飲むためにやっている」ということ。目の前の子どもたちよりも「自分」が軸です。だから、負けることは認められないのでしょう。■スポーツを正しくとらえれば「サッカーだけで勉強しない子」は出てこない大人たちがスポーツを正しくとらえなければならないのです(写真はイメージです)以前にもお伝えしましたが、スポーツは非日常のもの(ゲーム=遊びの一種)だととらえなくてはいけません。非日常だと大人たちが受け止めていれば、「サッカーばかりして勉強しない子ども」は出てきません。児童、生徒にとって、勉強は日常ですから、非日常のサッカーと同一線上に置いて議論すること自体ナンセンスだからです。無論、勉強は苦手だけどサッカーは得意という子はいるでしょう。サッカーシーンで存在感を示すことはその子の自尊感情を高めます。だからこそ、そこで「サッカーをやり抜くことができるのだから、苦手な勉強でやり抜ければ、もっとサッカーがうまくなると思わないかい?」と大人が問いかけてあげてください。『(非日常で)一流のアスリートである以前に、(日常で)一流の人間であれ!』言葉の上では、ずっとずっと昔から言い続けられています。しかし、そんなことを言葉だけでなく、子どもが自分で実感したり、他の人のありようを可視化して学ぶことが必要です。そのためには、世界の一流アスリートが一堂に会するラグビーW杯を見ることは、子どもたちにとってよい勉強になるでしょう。一緒にテレビ観戦する機会があれば、グッドルーザーやスポーツマンシップの視点からぜひ伝えてあげてください。<<前回|連載一覧|次回>>高橋正紀(たかはし・まさのり)1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜協立大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。
2019年09月18日「◯歳までに勉強させないと手遅れになる!?」「脳の発達には◯◯がオススメ!」——子どもの教育に関する情報は、育児アプリやブログ、SNSなどで、いつでもどこでも大量に得られる時代です。それらで得たすべての情報を鵜呑みにし、ひとつひとつノルマのように実践してはいませんか?このように、親が子どもの教育に関して完璧に行なおうとする「100点満点の教育」は、子どもの成長を邪魔してしまう可能性があることをご存知でしょうか。今回は、「100点満点の教育」を目指してはいけない2つの理由についてお話しします。「100点」を目指してはいけない理由1:過度な期待が子どもを苦しめる「100点満点の教育」を目指す背景には、「自分が“よい親”にならなくては」という思いと、「我が子を“よい子”に育てたい」という願いがあると考えられます。その思いと願いを叶えるために、自分のやりたいこと・欲しいものは我慢し、子どものことを最優先に行動する——そんな親の姿を、子どもはしっかり見ています。そして、子どもはそんな親の期待に応えようと努力します。たとえば、学習面で期待されていると思えば、テストでよい成績が取れるよう自ら机に向かい、一生懸命勉強するでしょう。しかし、その目的は、「自分の目標を達成すること」ではなく、「親の期待に応えること」になってしまいがちです。そうすると、親の目を気にしすぎて情緒不安定になってしまったり、頑張りすぎて途中で燃え尽きてしまったりすることも。青山学院大学教育人間科学部教授で小児科医の古荘純一氏は次のように説明しています。親の要求や期待に応え続けるということは、子どもにとって、本来の自分を否定され続けることに他なりません。そうした経験を積み重ねると、子どもは精神に変調を来しやすくなります。児童や思春期の子どもというのは、実は精神疾患を最も発症しやすい時期。すぐに異変が出なかったとしても、精神疾患を発症する下地がつくられます。すると、進学や就職など、環境が激変するタイミングなどで変化に対応できなくなり、不安障害やうつ病を発症してしまう、といったことは少なくありません(引用元:日経DUAL|親の過剰な期待子に取り返しつかない弊害もたらす)さらに、将来的には、親の敷いたレールの上しか歩けなくなったり、逆に親の期待に反発する生き方を選んだりしてしまうこともあります。つまり、親が子どものためによかれと思ってしたことが、結果的に子ども自身を苦しめたり、親子関係を悪くしてしまったりする可能性があるのです。「100点」を目指してはいけない理由2:親のストレスが子どもに悪影響“100点満点の教育”を目指していても、必ずしもうまくいくとは限りません。子どもの教育によさそうなことをあれこれ実践してみても、子どもがそれに対応できず嫌がったり、親自身が手いっぱいになってしまったりして、筋書きどおりにいかないこともあるでしょう。それが、完璧主義な親にとってはストレスとなってしまうことがあります。特に、自分の子育てが他人からどう思われているかを気にすると自信がなくなり、ストレスが増すという説も。また、他人のブログやSNSを見て、自分と比較してしまうタイプの人も要注意です。最近では、下記のような研究結果が発表されています。In my lab’s research on new parents, we found that mothers showed less confidence in their parenting abilities when they were more worried about what other people thought about their parenting. The popularity of social media has likely exacerbated this phenomenon because parents can look at what other parents are doing – even in ostensibly private moments – and judge themselves in comparison. In fact, recent research has linked greater Facebook use to feelings of depression due to the way individuals tend to compare themselves to others.(私の研究所が保護者に関して行なった研究によると、自分の子育てが他人からどう思われているか気にするほど、自分の子育てに自信をなくすことがわかりました。SNSの普及がこの状況を悪化させたと思われます。なぜなら、ほかの保護者たちが何をしているのか、明らかにプレイベートな場面でも見ることができるようになったため、他人との比較で自分を評価してしまうようになったからです。事実、最近の研究では、Facebookの頻繁な利用と抑うつ感に因果関係があることがわかっています。自分と他人を比べてしまうことが原因です。)(引用元:THE CONVERSATION|Worrying about being a perfect mother makes it harder to be a good parent※和訳は筆者が補った)親のストレスは、子どもにも悪影響を与えます。イライラしているとき、子どもの変化に気づかなかったり、子どもに適切な対応ができなくなったりした経験のある方は少なくないでしょう。子どものためを思っての行動がストレスになって、自分のことも子どものことも苦しめていては元も子もありませんよね。60点くらいでいい! 我が子に合わせた教育をとはいえ、「100点満点の教育」を目指さずに、子どもを賢い子に育てることはできるのでしょうか。東大卒のお母さんたちが集まる同窓組織「東大ママ門」が行なった調査によれば、東大卒のお母さんたちが育った家庭の教育方針で最も多かったのは、「教育熱心」でも、「しつけに厳しい」でもなく、「放任主義」「自由に/好きなようにやらせてくれた」という回答でした。つまり、親がつきっきりで勉強を見たり、あれもこれもと先回りして与えたりする家庭でなくても、賢い子は育つということです。また、いつも親が先回りしているようでは、お子さんが将来「指示待ち人間」にもなりかねません。行動科学の専門家であり株式会社ネットマン代表取締役社長の永谷研一氏は次のように述べています。「親の思い通りに動くことが大切なのか、自分で考えて動ける人間に育てることが大切なのか、改めて考えてみましょう」(引用元:AERA dot.|「時間管理力」が子どもの人生を変える!親が意識すべきたった3つのこと)永谷氏いわく、これからの時代は仕事において単純作業が減るため、複数のタスクをこなす時間管理能力が求められるようになっていくそう。親としては、「○○が脳に良い」「1日○時間勉強したほうが良い」といった情報を耳にすれば、あれもこれもと全てやらせたくなってしまうもの。しかし、何から何まで実践して「100点満点の教育」を目指しても、結果的に子どものためにならないことも多いのです。大切なのは、子どものことをよく見て、その子に合わせて取捨選択すること。たとえば、「ピアノが脳に良い」という情報を耳にしても、自分の子どもがピアノに興味を示さなければ無理にやらせる必要はありません。「脳に良い」と言われているものは、習い事や家庭教育、食材などさまざまなジャンルごとにたくさん存在します。その中から子どもに合いそうなものだけを選んで取り入れれば良いのです。「100点満点の教育」を目指すことは親にとっても子どもにとっても負担になります。「60点くらいで良い」と少し肩の力を抜いてみてはいかがでしょうか。***大切なのは、世間一般の“よい親”になることではなく、子どもにとっての“よい親”になることです。子どもの教育に関する情報を調べるのもすばらしいことですが、時々は、その時間の一部を、子ども自身と向き合う時間に変えてみてはいかがでしょうか。もしかしたら、本当に必要な情報が得られるかもしれませんよ。(参考)THE CONVERSATION|Worrying about being a perfect mother makes it harder to be a good parent東洋経済ONLINE|珍種?「東大女子」はいかにして育ったか日経DUAL|親の過剰な期待子に取り返しつかない弊害もたらすAERA dot.|「時間管理力」が子どもの人生を変える!親が意識すべきたった3つのこと
2019年09月06日学校の宿題や塾、習い事などで忙しい小学生。自学自習の時間を確保しづらいという子も少なくありません。親としても、「睡眠はしっかりとらせたい」「家族のコミュニケーション時間は削りたくない」と考えると、どう指導していいか迷うところ。しかし、成績のよい子たちは、しっかり時間を確保して効率よく勉強しています。それも、睡眠や食事の時間を削っているわけではないようです。では、いったいいつ勉強すればいいのでしょうか。今回は、勉強したことが身につきやすい「学習のゴールデンタイム」についてご紹介します。成績のよい子は時間を上手に使っているベネッセ教育総合研究所が、中学生の成績上位層・下位層の勉強時間を調査した結果によると、21時過ぎに勉強する子が多いのは上位層・下位層も共通でした。しかし成績上位層は、夕方・早朝に勉強する比率が下位層に比べてやや高いよう。つまり、成績が良い中学生は、夜だけでなく朝や夕方の時間帯もうまく使って勉強しているのです。宿題以外の勉強に注目すると、成績にかかわらずピークの時間帯は21時45分である。しかし、成績が上位の中学生には行為者率のピークが2回あり、17時15分~18時30分に宿題以外の勉強をしている比率が10%を超える。早朝4時、7時30分に家で勉強している比率も成績上位のほうがわずかに高い。(引用元:ベネッセ教育総合研究所|放課後の生活時間調査-子どもたちの24時間)さらに同調査では、「時間を無駄に使っていると感じるか」という問いを成績別に行なっています。これに対し、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」と答えた成績上位層は41.2%、成績下位層は33.2%。成績がよい中学生のほうが、「時間を有効活用している」と考えている傾向にあると言えるでしょう。朝は「考える」勉強では、どの時間帯に勉強すると効果的なのでしょうか。じつは、どんな勉強にも適しているオールマイティーな時間帯というのはありません。「この勉強なら、この時間帯」「この時間帯なら、この勉強」というように、それぞれ相性があるのです。脳科学者の茂木健一郎氏によると、朝の時間は、脳科学的に「ゴールデンタイム」と言えるそう。特に、算数の問題を解いたり、文章を書いたり、テキストを読んで知識を深めたりといった、創造性を発揮する勉強に適しているようです。「私たちは日中の活動を通して、目や耳からさまざまな情報を得ています。その情報は大脳辺縁系の一部である海馬に集められ、短期記憶として一時的に保管されます。その後に、大脳皮質の側頭連合野に運ばれますが、この段階では記憶は蓄積されているだけです。それが睡眠をとることで、記憶が整理され長期記憶へと変わります。すると朝の脳は前日の記憶がリセットされるため、新しい記憶を収納したり、創造性を発揮することに適した状態になります。この脳の仕組みが、朝の時間がゴールデンタイムだと言われる理由です」(引用元:PHP Online 衆知|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方)茂木氏いわく、朝は最も効率良く脳が動く時間なのだそう。頭を働かせなければならない勉強は、朝のうちに済ませたほうが良さそうですね。夕方・夜は「暗記」がベスト一方、夜の時間は暗記ものの勉強に最適です。特に、人の記憶は睡眠により定着するため、寝る直前の時間帯に勉強するのが最適と言えます。東京大学大学院薬学系研究科准教授の池谷裕二氏は、次のように述べています。しかし就寝前の1~2時間というのは、記憶の質を高め、ひらめきを与える睡眠というバックアップ装置が付いた、きわめて学習効率が良い時間帯なのです。まさに、記憶のゴールデンタイムといえます。(中略)勉強ならやはり記憶を要する科目が向いていると思います。地理や歴史、生物、あるいは英単語などがおすすめです。(引用元:PRESIDENT Online|「寝る前1時間」は勉強のゴールデンアワー)暗記科目は、就寝1〜2時間前から勉強を始めると良いでしょう。また、勉強したあとにはすぐに眠るとより効果的なのだとか。勉強後にスマートフォンなどをいじってしまうと、余計な情報が入ってきて、せっかく勉強した内容が定着しない恐れがあるのだそう。「スマートフォンは夕食前まで」とルールを決めたり、お子さんが勉強を始めたらリビングのテレビは消したりと、勉強を終えたあとのお子さんが誘惑にかられず眠れるようサポートしてあげましょう。加えて、夕食前の時間帯も、暗記ものの勉強にぴったりです。これは、人間の本能によるものだと言われています。人間はやはり動物なので、動物としての本能から脳の一日のリズムが出来上がっていると考えるのが自然です。そう考えるならば、生きていくうえでの最重要課題は食料の確保です。そのため、狩りなどで食料を確保するときに一番脳がよく働いてくれる状態にあることが必要だったはずです。生存本能というのはとても強いものなので、現代になっても脳の働きのリズムだけが残ったというわけです。ということは、空腹になっている時間帯を中心に考えることによって脳がよく働く時間帯がわかるということです。(引用元:DIAMOND Online|脳が働く最強の時間帯は2つある)夕食前・寝る前と時間を分けて暗記科目を学習すると、脳科学的に効率が良いようですね。勉強以外の時間の使い方も大切朝は考える勉強、夜は暗記ものと分けて勉強することで、効率良く学習できることがわかりました。加えて、より効果を高めるには、勉強以外の時間の使い方にも工夫が必要です。当然ですが、ずっと暗い部屋に引きこもって勉強ばかりするのは、お子さんの精神面においても勉強面においても良くありません。脳科学者の和田秀樹氏は、「1日最低30分は日の光に当たったほうがいい」と述べています。和田氏は「光を浴びるのも、おすすめです。受験生は部屋にこもるケースが多いが、1日最低30分は日の光に当たった方がいい。そうするとうまくメラトニンが出て、睡眠の質が上がる。実は蛍光灯の光もいいんです。暗い部屋ではなく、リビングルームのような明るいところで勉強した方が効率的です」と語る。(引用元:NIKKEI STYLE|入試1カ月前からは朝型学習にダイエットは禁物)朝と夜はしっかり勉強し、日中は思いっきり外で遊んで日光を浴びることが大切ですね。***こうした生活リズムを定着させるには、「習慣化」が必要不可欠です。実際、成績のよい子の多くは、決まった時間に勉強したり遊んだりしています。まずは、親子で話し合い、「毎日、朝食前と夕食前の30分間勉強しよう」など、勉強や遊びの時間ルールを決めましょう。その際は、いきなり完璧を目指すのではなく、少しずつ習慣にしていくのがおすすめです。時間を効率的に使うことは、成績アップだけでなく、将来的には仕事の効率化やプライベートの充実化にも役立ちます。今のうちから、親子一緒に最適な生活リズムを作ってみてはいかがでしょうか。(参考)ベネッセ教育総合研究所|放課後の生活時間調査(ダイジェスト版)ベネッセ教育情報サイト|成績の良い子は夕方や早朝の時間を使うのが上手!ベネッセ教育情報サイト|英単語の暗記が楽になる!ニガテな人向け脳科学暗記法STUDY HACKER|勉強に使わないなんて損!東大生が『夜寝る前の30分』を英単語学習にあてて感じた、驚きの効果。STUDY HACKER|「眠いから無理」はもう卒業!脳に最高な “朝型勉強” を続けるための3つのルールPHP Online 衆知|脳科学者が勧める「朝時間」の使い方DIAMOND Online|脳が働く最強の時間帯は2つあるNIKKEI STYLE|入試1カ月前からは朝型学習にダイエットは禁物All About|「朝勉強」のススメ~朝は勉強のゴールデンタイム~Hugkum|小学生の勉強時間はどのくらい?勉強を習慣化するおすすめ勉強法を大公開!ダイヤモンド・オンライン|「暗記は寝る前」は、もはや当たりまえ。その後の行動が記憶の定着を左右するPRESIDENT Online|「寝る前1時間」は勉強のゴールデンアワー
2019年08月31日新学期がスタートすると、「また毎日宿題の心配をしなければいけないな…」と少し気の重い人もいるのではないでしょうか。私の息子は現在小学2年生。1年生の1学期は毎日宿題について頭を抱えていましたが、2学期に入り、自ら宿題に取り組むようになりました。悩んでいた日々と、声をかけなくても宿題をするようになった経緯をお伝えします。宿題に口出しをしていた日々入学した当初は、「宿題はやったの?」「夜になると疲れちゃうから、今のうちに宿題終わらせようよ」と、私が宿題に取り組むように促していました。素直に宿題に向かうこともあれば、「うーん、あとで」と動く様子がなく、いつやるのかとイライラすることもありました。子どもには自ら宿題に取り組んでほしいと思っていたので、口出しはしたくなかったのですが、親としてはついつい口をはさみたくなります。個人面談の際に、どうしたら自主的に宿題に取り組むか、担任の先生にも相談してみました。そこでわかったことは、・小学校低学年のうちは、時間の感覚があまりないので、時間管理を自分でするのは難しいこと・学校から帰ってすぐに宿題に取り組ませている家庭が多いことということでした。そこでひとまず、まわりの家庭を見習い、わが家でも「帰宅後遊びに行く前に宿題をする」というルールを息子と一緒に決めました。しかし、このルールは早々に撤廃。学校で帰宅時間が決められていることにより、先に宿題をすると、外遊びの時間が短くなってしまうことに、私が抵抗感を覚えたからです。わが家では「子どもには、勉強よりも遊びを優先させること」を重要視しています。遊びのなかで何かに夢中になったり、自分で想像したり、友達と関わったり、そういったことが生きる力になると考えているからです。そこに立ち返ると、私たち夫婦にとって、子どもの宿題は二の次であることを改めて感じました。また、宿題をしなくて困るのは子ども本人ですから、その状況をどうするか、どう考えるかもまた、子どもが考えて学べばいいと思ったのです。宿題をするための環境を整えることに自分自身の考えが整理できたことで、少し気持ちがラクになりました。とはいえ、宿題をすることに越したことはなく、しないことで授業についていけなくなり、勉強が面白いと思えなくなるのは望ましくありません。そこで、息子自身が宿題があることを忘れないようにするための環境作りをすることにしました。1:声かけの方法を変えた前述したような「宿題はやったの?」という声かけは、「宿題をまたやってないでしょ!」という気持ちが含まれていて、子どもを信頼していないように感じます。そこで、「今日は音読と何だっけ?」「ダイニングテーブル片づけたから、ここで宿題やってもいいよ」と、宿題をやる意思があることはわかっているという、親から子どもへの信頼のメッセージを含んだ声かけにしました。信頼しているのなら声かけは不要なのでは?と思われるかもしれませんが、遊びに夢中で本当に宿題のことを忘れていることがあるので、その確認の意味の声かけです。2:声をかけるタイミングを変えた遊びに夢中になっていたり、何かを作っている最中など、何かに集中しているときに、宿題についての声かけすることをやめました。何かに没頭しているときは声をかけたところでムダですし、集中力を削ぐことにもなってしまいます。子どもの様子を観察し、キリのいいところや、子どもが少し集中力を切らしたタイミングなど、隙間を狙って声をかけるようにしました。3:宿題置き場を作った宿題の存在自体を「忘れてた!」ということがしばしばあったので、忘れないように常に目につく場所に、宿題置き場を作ることにしました。わが家の場合は、「ダイニングテーブルの上に100均のトレイを置く」というシンプルなもの。学校から帰ってきたら、そこに宿題を置くという流れは自然とできあがりました。なお、1、2の“声かけ”についてですが、声をかけたタイミングで宿題をしなくても何も言わないようにしました。親が何か言ったところで、やる気のないときにはしませんし、やるタイミングは本人に任せました。わずか1週間!自分で決めた時間に宿題をするように環境を整えてから、子どもが自分で宿題に取り組むようになるまでに、1週間もかかりませんでした。わが家は平日パパの帰りが遅いので、夕食を済ませた後は私と子ども3人でお風呂に入ります。私と1歳児がお風呂に入り、体を洗い終わったら小学生の息子と当時4歳の娘の2人を呼び出す、という流れです。いつものように上の子2人を呼んだら、娘ひとりしか入ってこなかったので「おにいちゃんは?」と娘に尋ねたところ、「今宿題やってるから、もうすぐ来るよ」と答えが返ってきました。私と1歳の息子が入ってから呼び出すまでの時間は、およそ20分。この時間を生かして、小学生の息子はお風呂に入る前に宿題をやる、というリズムを自分で作りだしたようです。もともと宿題をするのがイヤだったわけではなく、遊びに夢中になって宿題を先送りしているだけだったため、宿題に気づくタイミングと取り組めるタイミングが合えば、すんなりと宿題に向かうことができるのだと、初めて気がつきました。日によっては違うときに取り組んでいますし、金曜日に出た宿題はその日のうちにやらないことも多いです。しかし、どこかで宿題に取り組む時間を自分で作っています。宿題をやったかどうか不透明な日については、「宿題は終わってるんだよね?」とやはり信頼を込めた言葉で確認を行うようにしています。今回の宿題の件でわかったのは、子どもを変えようとするより、子どもの環境や親の意識を変えるのが大切だということ。また子どもは自分の時間の流れやタイミングがうまく合えば、自ら動き出すということです。これからの成長過程でもそれを忘れずに見守っていきたいと思います。<文・写真:ライター沖田かへ>
2019年08月30日こんにちは。イラストライターのかままです。皆さんは普段お子さんとどんな「ごっこ遊び」をされますか?今回は我が家の定番&お勧めの「ごっこ遊び」についてご紹介したいと思います! 親子で「絵本屋さんごっこ」がとっても面白い!我が家の定番のごっこ遊びは、「本屋さんごっこ」です! まずは家にある絵本を全て床に並べて本屋さんをセッティング。お客さん役の私が店員さん役の娘に「お勧めの絵本はどれですか?」と尋ねるところからスタートです!「お勧めの絵本は?」と聞かれた娘は、役になりきってお客さんのためにお勧めの絵本を選びます。そこでお客さん役の私が「それはどんな絵本ですか?」と大体のストーリーを尋ねると…店員さんは一生懸命記憶を振り絞り、絵本のあらすじを説明してくれます。これが思った以上に的確にストーリーを説明できていていることもあれば、 「え?!そんな話だった?!」と思わず吹き出しそうになるような創作ストーリーを説明し出すこともあり、店員さんの個性あふれるプレゼンを楽しむことができます!! あらすじを聞いた後は、「なんて面白そうな本なんでしょう!」とオーバーリアクション! どんどんその本について突っ込んだ質問をしていきます! (イラストでは複数の質問と回答を分けて書いていますが、実際は一問一答を何回か繰り返しています)娘が質問に答えるたびに、「へー!」「なるほどー!」「凄いですねー!」とまたまたオーバーリアクションで娘の店員力を煽りつつ、 どのくらい絵本の内容を理解しているのかをこちらも探っていきます!「主人公の◯◯は、どんな気持ちだったんでしょうねー?」や「店員さんの1番のお気に入りのシーンはどこですか?」と言った、 絵本に直接答えが書いていない質問もお勧めです!その場で一生懸命考えながら答えてくれる姿、咄嗟に出てきた回答が最高に面白かったり、感心できたりするので、「ごっこ遊び」に付き合わされているといった感覚なく、親も思い切り楽しめるんです! 「本屋さんごっこ」の良いところ!娘が今年小学校に上がり、あっという間に一学期が終わりましたが、その間勉強面で一番最初に痛感したのが〈言葉の習得の重要さ〉でした。日常生活の中では、特に〈言葉〉に関して不安に思うことはなかったのですが、 いざ学校の授業となると、教科にかかわらず 「あれ?何を質問されてるのか分かってないのかな?」「ここに答えが書いてあるのに気づけてないー!」 とビックリすることのオンパレード!思わず「小さい頃からあんなに絵本読んであげたはずなのに…」と落ち込んでしまうような珍回答をテストの解答欄に書いてきたこともありました。まだまだ親や先生と一緒に物語を読み解いたり、質問に答える訓練が必要なんだと痛感しました。考えてみれば今まで会話中心でしか言葉に接する機会がなかった子どもたちが、物語を要約したり、質問に的確に答えるなんて、そりゃぁ難しいに決まってますよね…。そこで思い出したのが、子どもが小さい頃からやってきた「絵本屋さんごっこ」でした。これなら「勉強」しているというよりは「遊び」ながら言葉の訓練になるぞ!と。その為我が家では時間があると「絵本読んごっこしないー?」と誘っています!「ごっこ遊び」を通して、内容に関する理解度を知ることができたり、分かりやすく相手に説明する練習、質問に対して自分の言葉で回答する訓練になると思うのです。国語の授業のように堅苦しくやるのではなく、驚きや笑いが止まらない言葉の遊びとして、「絵本屋さんごっこ」をおすすめします!(遊ぶときは1、2冊を目安にしています。一冊ずつ店員役とお客さん役を交代して遊ぶくらいで十分頭と時間を使えますので!)※因みに… 先日の「絵本屋さんごっこ」で『ジャックと豆のつる』をお勧めしてくれた店員さん。 プレゼン中に、自分で絵本を読んでいた時には気づけなかった、ショックな事実が発覚!! 凄く困惑していて面白かったです!●ライター/かまま
2019年08月29日やらなくても理解できているうちは、勉強など二の次でいい――そう思っていると、あっという間に学習内容が難しくなり、スピードもアップして「何を勉強していいかわからない」「勉強するのが嫌だ」ということになりかねません。子どもが自ら勉強するようになるには、低学年あるいは入学前からの学習習慣がカギになります。「勉強は毎日するもの」と早い段階で脳に刷り込まれている子は、高学年になってもきちんと習慣として身についているので、自主的に勉強を続けることができるのです。今回は、高学年になってから慌てないために、「学習習慣を身につけるコツ」について紹介します。気づいたらついていけなくなっていた……なんてことも小学校低学年で習う内容はまだまだ簡単で、取りたてて復習に力を入れずとも理解できてしまうものも多いでしょう。そのため、家で勉強しなくても学習内容は身についているし、「高学年になって必要に迫られたら、自分で勉強するだろう」と楽観的に考えている親御さんも多いかもしれません。ところが、中学年の頃から抽象的な内容の学習が増え、突然勉強が難しく感じられるようになっていきます。たとえば、算数でいえば、これまで「リンゴが5個あり、2個食べました」のように日常生活に当てはめて具体的にイメージできる問題が主だったものが、突然「がい数」や「角度」といったイメージしづらい問題が増えるのがこの時期。そして高学年になると、理解できていない部分を家庭学習で補うことが苦痛になり、学習習慣が身についていない子は、勉強から遠ざかってしまうのです。また、ベネッセ教育総合研究所が全国の小学校4年生から中学校2年生までの子どもと保護者を対象に行なった実態調査から、学習習慣に対する親子の認識の差が明らかになっています。「小中学生の学びに関する実態調査速報版 2014」によると、小学生の約6割は、「親に言われなくてもコツコツ勉強できている」と感じているよう。一方で、小学生の保護者の46.7%が「子どもの学習に関する悩みや気がかり」に「学習習慣」を挙げています。「子どもは充分に学習していると感じていても、親の目から見ると不十分」というケースが多いようです。放っておくだけでは子どもの学習習慣はなかなか身につかないといえそうですね。早いうちから「勉強は毎日するもの」という意識づけをすることが、学習習慣を身につけるうえで大切なのです。学習習慣を身につけるコツ1:学習時間は短めに教育者の陰山英男先生は、幼いうちの家庭学習は短期集中型をすすめています。陰山先生いわく、小学校低学年までは、学習時間が長いほど成績が下がる傾向にあるのだそう。「週に一度、長くても30~40分、時間が取れない場合には10~15分でも十分です。それに加えて、1日に5分ずつくらい親と子どもで集中して何かをやる癖をつける。読書、音読、宿題をより丁寧にやるのでも良いので、集中力が高まったものを下げないうちに、迅速にやる。すると時間は短くても、子どもの能力は上がります」(引用元:マナビコ|【陰山英男先生に聞く】子どもを勉強嫌いにさせてしまう親の特徴とは?)また、勉強するタイミングも習慣化することが大切です。「学校から帰ったらまず宿題。それから遊ぶ」といった時間固定タイプでもいいですし、「家に帰ってきたら、18時の夕飯までに30分勉強する」といった所要時間確保タイプでもいいでしょう。夕飯の後は大人もくつろぎたい時間ですから、なるべく親子でゆったり過ごせるように、夕飯の前に学習を済ませておけるとお互いのストレスになりません。もしくは、早寝早起きを実践して、朝学習で勉強するのもおすすめです。学習習慣を身につけるコツ2:子どもに合った勉強場所をチョイス「リビングで勉強をすると学力が上がる」「東大生の多くがリビングで勉強していた」という話を聞いたことがある方は多いことでしょう。もちろん、リビングで勉強するだけで賢くなるわけではありませんが、リビングで勉強することにはいろいろなメリットがあります。小学校入学前から低学年のうちは、自分の部屋でひとりになることを怖がる子も多いもの。風で窓がガタガタ鳴ったり、物音がしたりするだけで、「おばけかな」「誰かいるんじゃないか」と不安になってしまう子もたくさんいます。しかし、リビングで学習すれば、一緒にいる家族の気配に安心できますし、物音で不安になって集中力が削がれることもありません。加えて、リビングという空間自体、人間が集中しやすい場所でもあります。ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』」主任相談員の小川大介さんは、次のように述べています。なぜなら、どういうときに人間が集中しやすいかというと、「リラックスできる空間にいて、かつ適度な緊張感と安心感がある」ときだからです。それは、まさにリビングです。一方、自分ひとりの空間である勉強部屋は、あくまでも自分だけの世界ですから緊張感はなく、集中力も下がりやすい場所だと考えることができる。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|“リビング学習でかしこくなる” は勘違い。東大生がリビングで勉強する本当の理由)このように、リビングは勉強にぴったりの場所なのです。もちろん、兄弟が多い家庭はリビングだと騒がしすぎる場合もありますし、人によって勉強のスイッチが入りやすい場所はそれぞれですから、一概には言えません。「絶対にリビング」とこだわる必要はなく、子どもにとってベストな環境を選ばせてあげることが大切ですね。学習習慣を身につけるコツ3:声かけのサポート学校から帰ってきてのんびりくつろいでいる子どもに、「勉強はいったいいつするの?」「早くやりなさい」という声かけは逆効果です。私たち大人が子どもの頃を思い出してもおわかりの通り、できていないことを責められるような声のかけ方では、やる気は起きにくいもの。まずは子どもに共感してあげましょう。子どもが「今日は暑くてやる気が出ないなあ」「今日は体育で疲れたから勉強したくないなあ」などと言ったときには、「こんな暑い日に勉強なんてしたくないよね」「疲れてるときに勉強なんて大変だよね」と共感してあげるのです。教育評論家の親野智可等氏いわく、子どもはそれだけで「わかってくれた」と安心するそう。一度は共感してあげてから、頃合いを見計らって「そうは言っても勉強しないとね。半分だけでもやってみたら?」と優しく声をかけることで、素直に勉強を始めやすくなるのだとか。子どもにとって勉強が苦にならないようにするためには、ガミガミ言うのではなく、子どもの立場に立ってサポートすることが大切ですね。***小学校低学年までに、勉強が習慣化していると、高学年あるいは中学生になってからコツコツ学習することが苦になりません。習慣化に大切なのは「楽しく、少しずつ」です。大人が先へ先へと急き立てるのではなく、子どもがペースをつかむまでは焦らず見守ることも大切です。(参考)PRESIDENT ONLINE|自ら机に向かう子の親が欠かさない習慣SHINGA FARM|学習習慣の基礎は幼児期からの“TO DOリスト”にあり!ベネッセ教育総合研究所|小中学生の学びに関する実態調査速報版 [2014] 2 学習態度・学習習慣ベネッセ教育情報サイト|伸び続けていくための学習習慣とは?マナビコ|【陰山英男先生に聞く】子どもを勉強嫌いにさせてしまう親の特徴とは?日経DUAL|親野智可等やっぱり子どもは褒めるに限るこどもまなびラボ|“リビング学習でかしこくなる” は勘違い。東大生がリビングで勉強する本当の理由東洋経済|大流行「リビング学習」は”諸刃の剣”であるこどもまなびラボ|「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由ベネッセ教育情報サイト|小学生の宿題、親の関わり方【前編】子どもの意欲を引き出す言葉と方法
2019年08月29日運動が苦手だという人が抱える悩みやコンプレックスは、運動が得意な人には想像もできないほど深いものです。自分の子どもが運動を苦手としているなら、「なんとかしてあげたい」と思うのが親心でしょう。ただ、親自身も運動が苦手だという場合、子どもに運動のコツを教えるのは簡単ではありません。そこで、アドバイスをもらったのは「スポーツひろば」代表の西薗一也さん。運動が苦手な子どもを対象にした体育指導のプロフェッショナルは、「まずは子どもと『できない』ことを共有してほしい」と語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「運動が苦手な子どもを救いたい」という思い僕がいまの仕事をするようになった理由のひとつとして、弟がいたことが挙げられます。僕自身がもともと「お兄ちゃん気質」なのです。また、高校を卒業したタイミングで、出身中学のバスケットボール部の監督になった経験も大きかった。後輩を指導していくなかで、体育教師になるという目標が定まっていったのです。でも、日本体育大学在学中の教育実習直前に父親が倒れてしまった……。当時はすでに母親が亡くなっていましたから、教育実習はキャンセルせざるを得ませんでした。幸い父親は一命をとりとめたのですが、教員免許を取れないまま卒業して、一時は一般企業に就職しました。その父親も亡くなって、日常的に世話をする必要がなくなったとき、あらためて「自分の夢はなんだったのか」と考えた。もちろん、それは体育の先生です。そこで、「教員免許がないのなら民間でやろう」といまの事業を立ち上げたわけです。ただ、当初から運動が苦手な子どもを対象に考えていたわけではありません。もともとは、運動が得意な子どもにもっと幅広い運動を経験させることで運動能力の底上げをするような事業を考えていました。ところが、いざ体育の家庭教師事業をはじめてみると、依頼のほとんどが運動を苦手としている子どもの親からのものだったのです。そういう子どもというのは自己肯定感がすごく低いし、なかには運動が苦手なことでいじめに遭ったり不登校になったりしている子どももいました。僕自身は、運動で人生を変えることができたと思っている人間です。ぽっちゃり体形で運動が苦手だったのに、バスケットボールに全力で打ち込むことで体形も性格も変わり、スポーツ推薦で高校に進学することができた。そして、最終的には体育の先生になることもできました(第1回インタビュー参照)。その経験があるからこそ、運動が苦手で悩んでいる子どもたちをどうにか救ってあげたいと思い、現在の方向に事業をシフトさせたのです。子どもだけにやらせるのではなく親も一緒に運動をする依頼者である親の願いはなかなか切実です。「うちの子は運動が本当に苦手で……」という認識を持ちながら、「せめて平均的に運動ができるようになってほしい」と思っている。もちろん、なかには親自身も運動を苦手としているというケースも珍しくありません。子どもに運動を得意になってほしいと願いながら、自分自身も運動が苦手だという親の場合であれば、まずは「子どもと一緒に運動をしてみる」ことをおすすめします。わたしの指導理念は、「褒めて伸ばす」ことが基本です。ところが、運動が苦手な親の場合だと、子どものどこを褒めていいのかがわからないのです。サッカーでゴールを決めたというようなわかりやすい「褒めポイント」があれば問題はありませんが、速く走るために子どもがいくら頑張って練習をしていても、どこがいいのか悪いのかということはそうはわかりませんよね。そうであるならば、まずは「子どもと一緒に学ぶ」ということを大切にしてください。そこで意識してほしいのは、どんな運動にもクリアしていくべき「段階」があるということ。この意識が学校の体育の授業にも欠けているように思うのです。算数の場合であれば、1年生で足し算と引き算を勉強して2年生になると掛け算、3年生は割り算というふうに、前に学んだことを生かして段階を踏んで勉強していきます。でも、体育となるとどうでしょうか?ドッジボールをやるときに、事前にボールの投げ方や受け方をしっかり教えてもらったという経験がある人はほとんどいないはずです。なにも学んでいないのに、突然「ドッジボールをやろう」と現場に放り込まれる。そういう状況では、運動が苦手な子どもはうまくプレーできるわけがないのですから、ますます運動を毛嫌いするようになっていきます。大人だからこそつかめるポイントを子どもに教えるボールをきちんと投げるという運動を細かく分解してみると、体重移動や腰の回転、手首の返しなど、本当にさまざまな動作によって構成されています。もちろん、これらの動作や段階を親が事前に勉強しなければならないというわけではありません。親が子どもと一緒に運動をしてみて、自らが学ぶことが大切なのです。親子そろって運動が苦手なら、まずは「できない」ということを共有し、共感してあげる。親だって苦手なことがあっていいし、それがふつうなのです。すると子どもは、「お父さんもできないんだ」と思う。それこそが、安心感を生んでいくことになる。運動が苦手な子どものなかにあるのは、「失敗したくない」という気持ちです。でも、「お父さんだってできない」「失敗してもいいんだ」と思って安心感を得られれば、練習を何度繰り返してもいいと思えるようになる。また、大人であれば、子どもが気づかないような運動のポイントに気づくこともあります。先に挙げたように細かい動作に分解して考えるような必要はないにしても、親自身が子どもと一緒に運動をするなかで「たまたまうまくいった」というとき、大人なら「いまのはなにがよかったのか」というポイントが見えるわけです。そのように、自らの体験を通じて学んだことを子どもに教えてあげればいい。「お父さんはむかしはできたからやらなくていいんだ」なんていって自分は子どもの動きだけを見ているだけでは、うまくいったポイントをつかむことはなかなかできません。繰り返しになりますが、子どもの運動能力を高めてあげたければ、まずは親が子どもと一緒に運動をしてみること。わたしのような第三者の力を借りることがあってもいいと思いますが、親ができる最良の方法を実践してみてください。『『うんどうの絵本 全4巻セット(ボールなげ・かけっこ・すいえい・なわとび)』』西薗一也 著/あかね書房(2015)■スポーツひろば代表・西薗一也さん インタビュー一覧第1回:運動神経は成功体験で伸びる!運動が「得意な子」と「苦手な子」の違い第2回:どんな運動も“細かく分解”できる。子どもの運動能力を高めるために親ができること第3回:「跳べた!」という強烈な体験が自己肯定感を押し上げる。“プロ直伝”縄跳び練習方法(※近日公開)第4回:子どもが泳げるようになる魔法の言葉。酸素を浪費する「バタ足信仰」は捨てるべし(※近日公開)【プロフィール】西薗一也(にしぞの・かずや)東京都出身。株式会社ボディアシスト取締役。スポーツひろば代表。一般社団法人子ども運動指導技能協会理事。日本体育大学卒業後、一般企業を経て家庭教師型体育指導のスポーツひろばを設立。運動が苦手な子どもを対象にした体育の家庭教師の事業をはじめとして、子ども専用の運動教室の開設や発達障害児向けの運動プログラムの開発など、新たな体育指導法の普及に幅広く取り組む。著書に『発達障害の子どものための体育の苦手を解決する本』(草思社)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年08月27日子どもの幼稚園選び、何を基準に考えますか。わが家の娘は好奇心旺盛で、なにごとにも前向きな性格。そんな娘に合った幼稚園を探していた時、「3年間でできるだけ多くの経験ができる」幼稚園に出合いました。そこには、専任の先生が体育、英会話、音楽、絵画造形、コンピューター、科学あそびなどを指導するカリキュラムがありました。今回は、娘の幼稚園の特徴とともに、入園から卒園までに感じた思いがけない成長についてお話しします。逆上がりは年中でできるように娘が通った幼稚園は、その名前をほかの園ママに言うと「あのお勉強系の幼稚園ね」と言われる幼稚園。毎日のカリキュラムがしっかりと組まれていて、子どもたちはそれに取り組んでいくのですが、中には親が「それはまだ難しいのでは?」と思うようなことも。たとえば、「逆上がり」。娘の園では、年中クラスでできる子どもが約8割、卒園までにはほとんどの子どもができるようになります。娘も年中の終わり頃になると、「逆上がりができるようになりたいな」と言うようになりました。体育の専任教諭は全国展開するスポーツクラブから派遣されていて、自分の背の高さにあった鉄棒や足台を使って逆上がりの練習が始まります。中には「将来フェアリージャパンに入りたい」と話すくらい運動神経抜群の子もいて、娘は、そういうお友達に逆上がりのお手本を見せてもらいながら、逆上がりのコツをつかんだようです。逆上がりができた子はカラー帽子をひっくり返し、応援団やお手本担当になります。カラー帽子が白くなるとかっこいい!という憧れが園児たちの頑張りを引き出していたようでした。ネイティブの先生による英会話指導娘の幼稚園ではネイティブの先生が教えてくれる英会話の時間がありました。耳で聞こえた音をそのまま発話するので、ABCの歌も子どもたちは私より上手に歌います。How are you?の返事も Fineだけではなく、SleepyやHappyなど、自分の今の感情を表す言葉を習い、表現豊かだなという印象がありました。卒園までには、名前や年齢、どこの国に暮らしているかなど、簡単な自己紹介ができるくらいになります。春休みにタイに旅行した際、日本料理が恋しくなった子どものために、最終日はすき焼き店でディナー。そんなに混んでいなかったためか、タイ人のウェイトレスさんがどこから来たの?何歳?と娘に聞いてきました。普段は恥ずかしがりな娘が、堂々と幼稚園で習った英語で答えた時、娘の成長を感じることができました。年長さんはコンピューターや科学あそびも年長になるとコンピューターや科学あそびというカリキュラムも始まります。お泊まり会、サッカー・ドッヂボール大会など年長さんだけの行事もあり、年長さんになったらできるという憧れをもつのも、子どもたちの意欲につながっていました。運動会の組体操も音楽会の歌や演奏も、父兄が感動するレベルまで仕上げてくることに、本当に驚きました。いろいろなカリキュラムが盛りだくさんなので、それに対して「詰め込み教育」など揶揄(やゆ)する声もあるかもしれませんが、その幼稚園に通う親から見ると、子どもがどれも楽しそうに取り組んでいるのが印象的でした。柔軟な幼児期だからこそ、「勉強」ではなく「楽しいことの一環」として体育、英会話、音楽、絵画造形、コンピューター、科学あそびに取り組めたのだと思います。それが身につくかどうかは、その後の取り組み方で変わってくると思いますが、一度経験したことで、次に遭遇した時の抵抗感はないような気がしています。園長先生が卒園式で「失敗を恐れず、新しいことに挑戦してみてください」と話をされましたが、この幼稚園でのいろいろな経験により娘は、「身のまわりにはたくさん楽しいことがある」、「知らないことを知るのは楽しい」、「できないことができるようになると自信につながる」など、多くを学ぶことができたと思います。これから園を選ぶママの選択肢のひとつになると嬉しいです。空気砲で遊ぶ科学あそび<文・写真:ライターふたえにじ>
2019年08月23日小学4年生前後の子どもたちが直面しがちな「10歳の壁」。教育界ではよく知られた言葉なので、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。劣等感が生じ、自己肯定感が低下する……といったマイナスのイメージの強い「10歳の壁」ですが、保護者がきちんとサポートしてあげれば、「飛躍のチャンス」になり得るものでもあります。今回は、「10歳の壁」にぶつかった子どもたちのための「挑戦する心を育む言葉かけ」をご紹介しましょう。「10歳の壁」とは「10歳の壁」は、「小4の壁」「9歳の壁」とも呼ばれています。9〜10歳頃の子どもが勉強面や心理面で壁にぶつかる現象を指した用語です。文部科学省は、小学校高学年の発達段階の特徴について、以下のように説明しています。9歳以降の小学校高学年の時期には、幼児期を離れ、物事をある程度対象化して認識することができるようになる。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」 ) 。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。(引用元:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)※太字による強調は編集部が施した引用の通り、9〜10歳頃の子どもたちは、大きな成長を遂げると同時に、自分の能力を客観的にとらえられるようになり、個人差も目立つようになっていきます。そのため、「お友だちは○○が上手にできるけど、自分はできない」などと自分と他者を比較してしまい、劣等感を抱きやすくなるのです。また、学習においてつまずきやすいのもこの時期。たとえば、低学年の頃は「りんごが4個あります。2個食べたら残りはいくつでしょう」といった具体的に状況をイメージできるような問題が中心です。しかし、小4頃からは、「がい数」「角度」といった、実体験に重ねづらく、イメージするのが難しい問題が増えていきます。子育て・教育の専門家の鈴木邦明氏によると、このように、学習内容が大きくレベルアップし、勉強面でつまづく経験が増えることも「10歳の壁」の要因のひとつなのだそう。「10歳の壁」は、悪いものではない一見厄介な存在に思える「10歳の壁」ですが、大きな成長の証であり、飛躍のチャンスでもあります。『子どもの「10歳の壁」とは何か?乗りこえるための発達心理学』の著者である、法政大学教授 渡辺弥生氏は、「自分はなんでもできる」という根拠のない万能感を抱いたままでは、社会にスムーズに適応できないと述べています。自分とお友だちを比較できるようになるからこそ、広い視野で物事をとらえたり、「もっと頑張ろう」と高みを目指したりできると言えるでしょう。また、同氏は、「10歳の壁」について内面が深化する時期とも述べています。たとえば、悲しい事故のニュースを目にして、会ったこともない人の心情に思いを馳せることができるようになったり、自分の内面を客観視して「僕はこういうところが良くないからなおそう」とコントロールできるようになるのがこの時期です。10歳の壁は一概に悪いものとは言えません。親は、子どもの成長をしっかりと見守り、過度に自己肯定感が損なわれないよう、導いてあげることが大切ですね。「10歳の壁」に負けずにチャレンジするための言葉かけでは、具体的にどのような言葉をかけてあげれば、「10歳の壁」に負けることなく飛躍できるでしょうか。子どもの自己肯定感を高め、やる気を引き出す言葉をご紹介します。×NG「何があったの?じゃあこうするべきだよ」○OK「疲れちゃったね。ゆっくり休もうね」お子さんが劣等感や自己否定感で悲しい思いをしているときに、「○○をするべき」と理詰めで教えても、より追い詰めてしまうことになりかねません。大人の目線で解決策を教えたくなる気持ちも分かりますが、気持ちに寄り添った言葉をかけ、お子さんを安心させてあげることが大切です。×NG「お姉ちゃんはいつも満点だったよ」○OK「前より10点も上がったね!」子どもをほかの兄弟やお友だちと比較するのは、子どもの自尊心を傷つけ、自己肯定感を下げることにつながります。家庭教育の専門家である田宮由美氏によると、このような場合には「前より上手になったね」と、過去の自分と比べることが大切だそう。×NG「だからダメだって言ったのに!」○OK「お母さんも小さいとき同じ失敗をしちゃったんだ」東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏によると、「失敗してもいい」(=たとえ何かあっても、お父さんとお母さんのところに行けば大丈夫)という安心感が子どもの挑戦心を高めるのだそう。子どもが失敗してしまったときには、自分の失敗談も話してあげることで、「失敗してもいいんだ」と失敗を恐れずにチャレンジする力が育っていきます。×NG「あなたが悪いよ。○○ちゃんに謝っておいで」○OK「お母さんだったらこうするかもしれないな」お友だちと揉め事があったとき、大人の目線で「あなたが悪いから謝ったほうがいい」と一方的に言うのは子どものためになりません。「こういうときには、謝ったり、話し合ったりすると仲直りできるかもしれないよ」「お母さんだったらこうするかもしれないな」と自分で考えさせる教え方をしましょう。渡辺弥生教授いわく、いじめなどの深刻な場合を除いて、自分で解決する経験をさせ、子どもの伸び代が増えるよう手助けするのが大切だそう。×NG「100点なんてすごい!」○OK「よく頑張ったね!」子どもがテストでいい点をとったときには、「○点なんてすごい!」と言ってしまいがちですが、このように結果だけを褒めるのはNGです。カウンセラーの福田由紀子氏によると、結果ばかりを褒められた子どもは「100点以外意味がない」と感じ、自分を否定するようになってしまうのだとか。結果ではなく、そこに至るまでの頑張りを褒めることで、努力が報われなかったときにも折れない子どもに育つのだそう。***「10歳の壁」は、決して悪いものではありません。親御さんが温かくサポートしてあげれば、成長のチャンスにもなり得るものです。「10歳の壁」を自己肯定感を下げる厄介な壁ととらえず、お子さんが大きく跳躍するための踏み台のようにとらえてみてはいかがでしょう。(参考)文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題All About|「10歳の壁」子供がぶつかる勉強の見えない壁への対策3つベネッセ教育情報サイト|「10歳の壁」この時期の子どもの内面に起こる変化や成長とは?【中編】ベネッセ 教育情報サイト|「10歳の壁」子どもを飛躍させるための保護者のサポートとは【後編】All About|子供の自己肯定感を低くする親のNG言動5つと高める方法こどもまなびラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけこどもまなびラボ|「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由All About|ほめてるつもりでほめてない?NGな子どものほめ方
2019年08月19日電車に乗るとテンションが上がる子、踏切を横切る電車に目がくぎ付けになる子、プラレールで何時間も遊び続ける子——。こうした「電車好き」なお子さんは、多いですよね。なかには、「こんなに好きすぎて大丈夫かしら?」と、保護者が心配するレベルのお子さんもいるようです。読者のみなさんのなかにも、心当たりのある方はいらっしゃるのではないでしょうか。そんな「電車好き」のお子さんがいるご家庭に朗報です。「電車好きな子どもはかしこくなる」という説があるのだそう。今回は、電車と知育の関係についてご紹介しましょう。電車への興味が、かしこさの土台を築く「電車好きな子どもはかしこくなる」と提唱するのは、福山市立大学教育学部准教授の弘田陽介氏です。弘田氏は、著書『電車が好きな子はかしこくなる鉄道で育児・教育のすすめ』(交通新聞社)のなかで、電車が好きな子どもがかしこくなる理由を、教育学・心理学の視点から解説しています。そのひとつが、「認知能力」の向上です。「認知能力」とは、大まかにいえば「IQ」などで測ることのできる知的能力のことです。弘田氏によれば、車両の形や色、路線名、駅名といったさまざまな情報があふれる電車の世界は、「認知能力」を高めるのに最適な環境なのだといいます。「例えば、英単語の暗記や百マス計算などの単純作業は、暗記や計算そのものよりも、この機械的な訓練を通して知性を働かせていることに意味がある。鉄道を介して、駅名や漢字、路線図を覚えることも同じこと。覚えたものが役立つというよりも、むしろ幼いときから知性を働かせ、記憶するトレーニングを積んでいたことが、将来、勉強するうえで大きな力になっていくのです」(引用元:NIKKEI STYLE|鉄道が子どもの成長に必要な理由 )もうひとつが、「非認知能力」の向上です。「非認知能力」とは、人と協力したり、目標に向かって努力したり、感情をコントロールしたりといった、IQなどでは測ることのできない能力のこと。2017年3月に改訂された「学習指導要領」に組み込まれるなど、これからの時代に不可欠のスキルだといわれています。弘田氏によれば、電車に愛着を持つことや、電車好きを応援してくれる親であれば、趣味を共有して親への愛着をより深めること、友だちと電車のおもちゃ遊びを楽しんで思いやりや協調性を高めることなどが、この「非認知能力」を向上させるのだそう。このように、電車への興味が、自然と「認知能力・非認知能力」の両方をトレーニングし、かしこさの土台を築くことにつながっているのです。知育につながる「鉄道」を利用した「新幹線学」がアツい最近、「新幹線学」という学問が人気を博していることをご存じですか? 子どもたちの学力を伸ばすと言われている鉄道のひとつである「新幹線」をさらに教材として活用したものです。新幹線学は、新幹線そのものについて学ぶだけの学問ではありません。たとえば、新幹線の走行写真に写った景色から「湖が写っているよ!」「新幹線は浜名湖の近くを通るよ!」「じゃあ、静岡県だ」と、場所を推測したり、LED照明導入による消費電力の削減率を答えたり、ほかの乗り物とCO2の排出量を比べたり、新幹線の頭の形が変化した理由を考えたり……。と、学習テーマは驚くほど多岐に渡ります。地理や、科学、環境問題といった子ども達が敬遠しがちな難しい内容でも、新幹線を題材にすると子ども達が目を輝かせて勉強するのだそう。新幹線学の教材構成を担当した玉川大学教職大学院の谷和樹教授は、「集中できない」「コミュニケーションが苦手」といった子どもたちでも、新幹線学であれば授業に集中できると言います。こんな面白そうな授業なら、大人でも受けてみたいですよね。電車好きのお子さんは特に、新幹線学を利用して勉強してみるのは得策ではないでしょうか?JR東海が運営する「リニア・鉄道館」のホームページでは、新幹線学の教材をダウンロードできます。かるたなどの簡単なものから、小学低学年・中学年・高学年の学年別教材、中学生向けの教材まで、幅広い年代に向けた教材が揃っています。ご家庭で、親子で楽しみながら、鉄道を使った勉強にトライしてみてはいかがでしょう。「楽しく学べる!鉄道教材」はこちら。電車好きな子どもにぴったりの知育本「電車好き」にぴったりの知育本も、多数出版されています。うまく活用すれば、より高い知育効果が期待できるかもしれません。口コミ評価の良い本をピックアップしてご紹介しましょう。『JR私鉄全線 地図でよくわかる 鉄道大百科』(JTBパブリッシング)日本全国の全駅、全路線が掲載された鉄道百科です。鉄道のしくみやあゆみ、車両の種類など、鉄道の基本情報もわかりやすく解説されています。特長は、路線地図がすべて正縮尺で掲載されていること。また、各都道府県の県庁所在地や特産物なども紹介されており、鉄道地図を通して地理が学べます。白梅学園大学学長で東京大学名誉教授の汐見稔幸氏も推薦されている一冊です。『図鑑漢字ドリル小学1~6年生鉄道』(学研プラス)鉄道の知識とともに、漢字を身につけることができる新感覚のドリルシリーズです。鉄道図鑑の解説文を穴うめしていく形で問題を解いていきます。この一冊で、小学校6年間で習う漢字1026字がすべて網羅できるのが特長。また、それぞれ何年生で習う漢字かわかるようになっているので、学年を問わず始めることができ、先取り学習も総復習もやりやすいのも魅力のひとつです。***最後に、電車好きな子どもの能力アップを知育本以上に支えることができるものをご紹介します。それは、保護者である読者の皆さんです。子どもが興味を持ったり、発見したりしたものを親が認めることで、子どもの能力はどんどん伸びていきます。ぜひ、子どもと一緒に電車の世界を楽しんでみてくださいね!(参考)いこーよ|子どもの鉄道好きは知育に効果あり…!?ダ・ヴィンチニュース|「電車が好きな子」はかしこくなる! なぜ鉄道は“最強ツール”なのか?NIKKEI STYLE|鉄道が子どもの成長に必要な理由すくコム|世界で注目される非認知的能力って?ならいごとキッズ|子供の知的能力を伸ばす!『新幹線学』とは?東洋経済オンライン|教育現場を変革する「新幹線学」とは何なのかJR東海|リニア・鉄道館Amazon|JR私鉄全線 地図でよくわかる 鉄道大百科 (こども絵本)Amazon|図鑑漢字ドリル小学1~6年生鉄道 (毎日のドリル×学研の図鑑LIVE)
2019年08月16日日本の夏休みといえば、プール、海水浴、家族旅行、そして宿題!1ヶ月あまりの夏休み期間中、「宿題は計画的に!」といわれるものの、「お盆を過ぎた頃に焦り始め、ギリギリに慌ててやる」という経験に身に覚えがある方も多いのでは。塾の夏期講習などに通うお子さんも少なくないことでしょう。夏休みまでも忙しい日本の子どもたち。そのことに疑問を持ったことはありませんか?世界の子どもたちはどうしているのでしょうね。今回は、“夏休みの理想的な過ごし方”について、視野を広げて考えてみましょう。約100年前から変わっていない「夏休みの宿題」文部科学省によると、夏休みは学校教育法で定められた「夏期休業」で、期間は各自治体の教育委員会に委ねられています。始まりは明治14年。目的は定かではないそうです。昭和初期の「ナツヤスミノトモ」という、福島県教育委員会が編纂した夏休み学習帳を見ると、内容は、「毎日1ページずつ勉強しなさい」「毎朝やりなさい」「早寝早起きしなさい」「お手伝いしなさい」などの心得と、算数や漢字の書き取り、絵日記などの宿題が並んでいます。驚くほど今とあまり変わりませんね。つまり、「約100年前から日本の夏休みはほとんど変わっていない!」ということ。時代はこんなにも変わったのに、です。では、ほかの国はどうなのでしょうか?世界の夏休み――宿題がない国ばかり!アジア以外の国では、新学期が始まる前までの約2ヶ月(6~8月)という長い期間が夏休みであることが多いようです。それだけ長い時間をどう過ごすのか興味が湧きますよね。そこで各国の状況を調べてみました。【アメリカ】アメリカの夏休みは6月~8月までの約3ヶ月間、宿題はありません。その大きな理由は、6月で学年が終了し9月から新学期だから。過ごし方の定番はサマーキャンプです。サマーキャンプといっても、勉強に特化したものから遊びやスポーツをメインにしたもの、ボーイ・ガールスカウトのようなものまでさまざま。お休みが長いだけに、デイキャンプ(日帰り)を含めた複数のキャンプに参加する子どもがほとんどです。そこでいろいろな経験をし、ひと回り成長して新学期に臨むのですね。【ニュージーランド】季節が逆のニュージーランドでは、夏休みは12月中旬~1月までの約1ヶ月半。こちらも宿題はないそうです。いろいろな団体がホリデープログラムを用意していて、それらに参加する子どもが多いようです。スポーツや料理、動物園では飼育員のお仕事体験など、子どもの興味に合わせてさまざまなものがあります。学校の勉強とは違い、好きなことをやってみて、その体験からの「学び」を大切にするのが、ニュージーランドの夏休みの過ごし方の主流のよう。「リーディングプログラム」という、地域の図書館が実施している夏休みを通して読書を促す企画も人気です。週に一度、読んだ本の報告をしてスタンプを集め、休みの最後には打ち上げパーティーもあるなど、楽しんで読書を習慣にできる趣向が凝らされているのがいいですね。【スウェーデン】スウェーデンは秋と春の2学期制で、その間の6月中旬~8月中旬までの約2ヶ月間が夏休みとなります。宿題はありません。もともとスウェーデンでも “詰め込み式” 教育が行われていたそうですが、1970年代に「それではいけない」と議論が始まり、1994年の学校教育大改革により、現在は子どもの自主性を重視するプログラムに変わったそうです。基本的な考え方は「学校の外では思いっきり遊ぼう!」。スウェーデンには、「フィーカ」という伝統的なコーヒーブレイクタイムがあり、その時間がとても大切にされています。これは、「人の脳は休むことで、より働くようになる」と考えられているから。そのため、夏休みにも学習メインの宿題はないのです。その代わり、次のような、強制ではないオススメとしての宿題はあるようです。■小学校2年生への宿題例■「2冊以上の本を読むか聞く」「遠くに住んでいる人にお手紙か絵を送る」「森をさまよう」「やったことがないことをやってみる」「新しいお友だちと遊ぶ」「道端のお花でブーケを作って誰かにあげる」 なんて素敵な宿題なのでしょう!ここから読み取れることは、「新しいことにチャレンジして、新しい発見をしましょう」「人といい交流をしましょう」という優しいメッセージ。宿題の項目がビンゴ式にマス目の表に書き込まれていて、達成したマス目を消していき、「ビンゴが完成したらポイントゲット!」という楽しい工夫をする学校も。宿題というよりはゲームですね。そしてスウェーデンでは、大人も4週間以上の長い休みをとるのが普通なので、家族一緒に郊外の別荘などで過ごすことが多いそうです。冬が長い北欧の国だからこそ、陽が贅沢に降り注ぐ夏は、大人にとっても子どもにとっても特別な季節なのです。【シンガポール】シンガポールの小学校は2期制([Semester1]1~5月末と[Semester2]6月末~1中旬)で、夏休みは6月の約1ヶ月間となります。アジアの多くの国が教育熱心であるのと同様、シンガポールでも親の子供への教育熱は、日本以上のものがあるようです。夏休み期間中も勉強させるために、塾のような課外学習をさせることが多く、あえて一学年の上の難しいクラスに入れて学習を先取りする人も少なくないとのこと。そんな、休みも勉強漬けの現状に危機感を覚えたのが、国です。「子ども時代には、勉強以外にもっと運動したり遊んだりしよう」と国を挙げて方針転換し、小学校低学年での学期末テストの廃止や、夏休みの宿題をなくすなどの対策を取り始めました。シンガポールにもサマーキャンプなどがあり、スポーツ系のものが人気のようですが、これからシンガポールの夏休みの過ごし方は変わっていくかもしれませんね。茂木先生が提案する「理想の夏休み」とは!?では、“理想の夏休み” ってどんなものなのでしょうか。脳科学者である茂木健一郎先生は次のように述べています。子どもの脳は、好奇心にあふれている。新しいものが提示された時、子どもたちは好奇心に目を輝かせる。そして、手を伸ばし、遊び、熱中の時間を過ごす。何が子どもに合っているのかを知るには、さまざまなことにチャレンジさせるのが良い。大人が手助けし、選択肢を示して助ける。世界には、こんなにたくさんの面白いことがあるのだよと教えてあげる。そのようなサポートが大切なのである。その際、何を選ぶかは子どもに任せる。決して押し付けず、子どもが何に興味を持つかをじっと見守る。そして、もし熱中することがあったら応援してあげる。これが、一番の子育てであると私は考えている。長い人生、何が起こるかわからない。個性は「積み重ね」でもある。どの時点でも、将来何をしたいかは「仮説」に過ぎない。夢は決まったものではなく、柔軟に変化するものである。この夏休みにお子さんが出会うものが、長く続く個性の成長の出発点になるかもしれない。そう考えたら、夏を迎えるのがわくわく楽しみになってくる。大人も一緒になって、子どもの個性の「種」を探すのが良いのである。(引用元:讀賣新聞|夏休み、子どもは何に手を伸ばす?)脳科学の観点からの考察、すばらしいですね。子どもたちの “個性の種” を見つけて、育むために、夏休みという絶好の機会を生かさないのはもったいない!できるだけたくさんの体験をさせてあげることが理想的ですね。各国の状況や見識者の考えなどから導き出した、この夏休みに家庭でも実践できることを2つご提案します。読書夏休みの宿題がない欧米諸国でも推奨されるのが読書。学校の課題図書とは違い、好きな本を選ぶことがポイントです。おもしろかった点、印象に残った箇所、その本から派生した話など、思ったことや感じたことをシェアして伝えてみましょう。本から得られる学びの広がりは、ゆとりある夏休みだからこそ得られるものに違いありません。 新しいことにチャレンジする夏休みに “初体験” を!「やってみたかったスポーツに挑戦する」「ケーキを作る」「自力で日帰り旅」など、なんでもいいのです。欧米ではよく活用されている “宿題ビンゴ” を取り入れて楽しむのもいいかもしれません。一番大切なのは “自分で選ぶこと”。新しいものに出会い、そこに湧き上がる感情や共感、達成感が必ず小さな個性の積み重ねになるはずです。***茂木先生はこうも言っています。夏休みの本質は、ぼんやりすること、ほうけることだと思う。ふだんとは違うことをやって、ぼーっとする。そのことが夏休みの価値であって、学期と同じようなことをやるのは、夏休みの趣旨に反している。夏の間は、みーんみーん、ジリジリとぼんやりしていて、新学期とともに「はっ」とするのが良い。(引用元:Twitter|茂木健一郎)同じように、海外の親たちは「普段はできないことをたくさんやって充電し、生活を楽しんでほしい」と願うのが主流のよう。夏休みは “好き” を見つける絶好のチャンス!興味の対象は毎年変わってもいいのです。新しい体験で心身ともにリフレッシュできれば、新学期がより充実したものになりそうですね。(参考)学研出版サイト|第10回 アメリカの夏休みの過ごし方留学123 国際交流支援 K international|NZでの夏休みの過ごし方NIKKEI STYLE|北欧の学校、夏休みに宿題なし スウェーデンから見る日本 高見幸子讀賣新聞オンライン|夏休み、子どもは何に手を伸ばす?東京都公文書館|80年前の夏休みの宿題帳sopiva|幸せな暮らしスウェーデン。あこがれの長期夏休みの裏に隠された真実とは・・・Ministry of Education SINGAPORE| Press Release|September 28, 2018 ‘Learn For Life’ – Preparing Our Students to Excel Beyond Exam ResultsTwitter|茂木健一郎
2019年08月15日近年のアウトドアブームもあってか、教育の場でも「自然体験」の注目度が増しています。子どもが自然体験をすることにはそもそもどういう効果があるのでしょうか?お話を聞いたのは、さまざまな自然体験プログラムを提供しているNPO法人国際自然大学校の佐藤初雄理事長。国内における野外活動指導の第一人者は、「子どもの学びの内容を気にするまえに、親が『介入する・しない』のバランス感覚を持つことが大切」と語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)自然体験の減少とともに減った「子ども社会」での学び家庭教育において「自然体験」が重視されるようになったことの背景には、あたりまえのことかもしれませんが、子どもたちが自然を体験する機会が減ってきたことが挙げられるでしょう。わたしが子どもの頃には、東京であっても川で魚釣りをしたり木に登ったりと、自然のなかで遊ぶ機会がたくさんありました。でも、いまは都市化が進み、自然そのものが減っています。加えて、いまの子どもたちは学校での勉強だけでなく、学習塾やさまざまな習い事に追われ、遊ぶ時間自体が減っています。また、公園でも禁止事項が増えたうえに、ゲーム機が登場したこともあって、遊ぶにももっぱら室内でということになってしまいました。するとどういうことが起きるかというと、子どもが「子ども社会」のなかで学ぶという機会が減ってしまうのです。かつての子どもたちは、子どもだけの社会で過ごす時間がたくさんあり、そのなかでいいことも悪いことも含めて多くのことを学んでいました。もちろん、当時の子どもたちには「学んでいる」という意識などなかったでしょう。でも、年齢も性格も異なる子どもたちのなかで過ごせば、そこで得たさまざまな経験が、じつは社会に出たときに大いに役立つということがあるはずなのです。わたしたちが提供しているキャンプやスキーなどのプログラムは、最長でも10泊という限られた期間のものです。それでも、かつての子ども社会で得られたような経験を凝縮して味わえるものにしたいと考えていますし、わたしたちの事業に対して一定の支持層があるということは、その考えがある程度は実現できていると自負しています。自然のなかで得る学びは子どもによってちがっていい先にお伝えした「子ども社会」で過ごすことも含め、自然体験は子どもに多くのものをもたらしてくれます。学校での勉強となると、どんな教科にも「理解すべきこと」というものがあります。でも、自然体験においては「理解すべきこと」といった決まった目標はありません。川遊びをするにも、自然そのものをただ感じる子どももいれば、遊びを通じて他人とのかかわり方を学ぶ子どももいます。岩の上から川に飛び込むような場面では、自分自身の勇気や逆に臆病さを知るということもあるでしょう。自然体験には子どもそれぞれに多様な学び、気づきがあるのです。ただ、わたしたちとしては、こちらが期待する学びを少しでも多くの子どもが感じられるようなプログラムづくりを心がけています。たとえば、カレーをつくるというプログラムなら、「普段、ご飯をつくってくれている親の苦労の理解や親への感謝」といったものを子どもに感じてほしいという具合です。ほかにも、プログラムの内容によって、「生きる力」「チームワーク」といったさまざまなテーマを設けています。ですが、もちろんその狙いどおりにはなりません。10人の子どもがいたら、こちらの狙いどおりのことを感じてくれる、学んでくれる子どもは6人くらいでしょうか。でも、残りの4人の子どもも、なにも学ばないというわけではありません。先にお伝えしたとおり、子どもの学びはそれぞれなのですから、たとえば新しい友だちができたことによろこびを感じるだけでもいいのです。親が持つべきは「介入する・しない」のバランス感覚ほかにわたしたちが強く意識している点としては、「安全」が挙げられます。小さい子どもなら、川遊びも包丁を使うのもすべてが初体験ということがほとんどです。まずはなにが危険なのかということを教えてあげなければなりません。そのうえで体験をさせる。多少の危険が伴うことではありますが、その体験の機会を奪いすぎてしまうことはよくありません。親というのは、子どものことを心配するものです。それこそ包丁を使わせるような場面なら、つい「危ないから」といって親がやってしまうということがよくあります。でも、本当に子どものことを思えば、止めたくなる気持ちをぐっと抑えて子どもに体験させてあげなければならないのです。もちろん、本当に危ないというときにはわたしたち指導員や親が介入するべきですが、ギリギリのところまで待つ、見守るという姿勢が大切です。それから、子どもが自然のなかで遊ぶ経験自体が減っていることを考えれば、なにが危険なのかということのほかに、遊び方そのものも教えてあげてもいいかもしれません。本来なら子どもが遊びたいように遊ばせてあげることが重要ではありますが、川に子どもを連れて行って、「さあ、遊びなさい」といきなりいったところで、どう遊んでいいのかわからない子どももいるからです。ただ、遊び方を教えてあげたあとは、やはり見守ることが大切でしょうね。すべてを大人が指示するのではなく、見本を見せたら子どもの好きにさせる。そういうバランス感覚を親御さんにも身につけてほしいですね。『社会問題を解決する自然学校の使命』佐藤初雄 著/みくに出版(2009)『13歳までにやっておくべき50の冒険』ピエルドメニコ・バッカラリオ、トンマーゾ・ペルチヴァーレ 著/佐藤初雄 監修/太郎次郎社エディタス(2016)■ NPO法人国際自然大学校理事長・佐藤初雄さん インタビュー一覧第1回:キャンプに「せっかくだから」は不要!子どもが自ら学ぶ、自然のなかでの“シンプルな”過ごし方第2回:「ギリギリまで待ち、見守る」がコツ。我が子の自然体験に親はいかに“介入する”べきか第3回:“日常的に”自然で遊ぶメリット。「感性で動く」幼少期に多くの自然体験をすべき理由(※近日公開)第4回:【初心者向け】親子キャンプの楽しみ方。自然体験のプロが教える、親の2つの“NG行動”(※近日公開)【プロフィール】佐藤初雄(さとう・はつお)1956年12月21日生まれ、東京都出身。NPO法人国際自然大学校理事長。他にNPO法人自然体験活動推進協議会代表理事、NPO法人神奈川シニア自然大学校理事長、公益社団法人日本キャンプ協会監事なども務める。1979年、日本体育大学社会体育学科を卒業し、財団法人農村文化協会栂池センター入所。1891年に同センターを退所し、1983年4月に国際自然大学校を設立。「次代を担う自立した青少年を育成するには自然体験活動が不可欠」として「教育・環境・健康・国際・地域振興」をキーワードに自然体験活動の提供を続ける、国内における野外活動指導の第一人者。著書に『図解 サバイバル百科』(成美堂出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年08月13日子どもがテストで100点を取ったとき、どんな声がけをしていますか?じつは、使う言葉しだいでは、子どものモチベーションをアップさせることもあれば、逆に低下させてしまうこともあるのです。今回は、子どもが100点を取ったときの声がけの影響や、良い褒め方・悪い褒め方についてご紹介します。「100点なんてすごい!」が良くない理由子どもがテストで100点を取ったとき、思わず「100点が取れたなんて、すごい!」という言葉をかけてはいませんか?もちろん、100点が取れることはすばらしいことですから、「すごい!」と言いたくなる気持ちもわかりますし、そう言われた子どもも誇らしい気持ちになるはずです。しかし、国立大学教育学部附属小学校教諭の松尾英明先生いわく、この発言は、高い技能やパフォーマンスへの評価に過ぎないのだそう。こうした褒め方が繰り返されることで、子どもは「100点以外には価値はない」と考えるようになるそうです。その結果、90点などの高得点を取っても「100点を取れなかった自分はダメな子だ」と落ち込んだり、大きなプレッシャーを感じたりすると松尾先生は言います。子どもに対して「100点なんてすごい!」と結果だけを褒めるのは、子どもを追い込んでしまうことになるのです。こんな声がけはNG!「100点なんてすごい!」以外にも、子どもにとってNGな声かけがいくつかあります。皆さんはこんな言葉をかけてはいませんか?×NG×「次も頑張ってね!」今後への期待の気持ちも込めて、つい言ってしまいがちな言葉ですが、このように言われた子どもは「まだ頑張りが足りないんだ」「頑張ったけど、認めてもらえないんだ」と感じてしまう傾向にあります。そうして頑張り続けた結果、ある日突然やる気がなくなったり、勉強が嫌いになってしまったりするケースも珍しくありません。×NG×「100点取れたから○○あげる」100点を取れたご褒美として、子どもが欲しがっていたものやお小遣いをあげるという親は少なくないでしょう。しかし、教育評論家の親野智可等氏によると、子どもが何かを達成するたびにご褒美をあげていると、子どもが「何かくれないと勉強しない」と言い出したり、「じゃあ、いくらくれる?」が口癖になってしまったりする可能性があるのだそう。さらに、「お金や物をもらうために勉強する」という意識が強くなって、勉強そのもののおもしろさや価値を知ることができなくなり、自主的に勉強する姿勢が見られなくなる場合もあるのだとか。×NG×「○○ちゃんよりも良い点が取れたね」子どもの兄弟姉妹や、同級生と比較して褒めてはいませんか?これは子どもにとって「他人よりも優れている=褒めてもらえる」と認識させるきっかけになってしまうため、良い声かけとは言えません。保育士として15年以上、福祉施設や託児所、保育園などさまざまな場面で保育業務に携わってきた市川由美子氏によると、ほかの子どもと比べて褒められた子どもは、他人に対して必要以上に競争意識を抱いたり、逆にほかの子どもよりも自分ができていないと感じた際に強い劣等感を覚えたりするそうです。子どもを伸ばす褒め方4つ子どもを伸ばすために、以下の褒め方を実践してみましょう。「よく頑張ったね」100点という結果ではなく、子どもが頑張った過程を褒める方法です。このように褒められた子どもは、次回100点が取れなくても、「前回は頑張ったから100点が取れた」という経験をもとに「今回は頑張りが足りなかったかもしれない」と気づくことができます。また、前述した「すごい!」という褒め方も、「頑張ったね」と組み合わせて使うことで、子どもに「100点だけがすごい」と思わせることがなくなりますよ。 「〜〜したから、100点がとれたんだね」「テスト前に自主的に勉強していた」「勉強時間をいつもより増やしていた」など、100点を取れた要因となるような本人の具体的な努力や、以前と比べて成長している点を褒める方法です。白梅学園大学子ども学部や鎌倉女子大学児童学部で非常勤講師を勤める塚崎京子氏によると、子どもにとって最も嬉しいことは、物をもらえることではなく、親に認めてもらえることだそう。小さな成果や努力でも、親に本気で褒めてもらえたと実感できると、子どもにとって何よりのご褒美になるのです。 「やってみて、どうだった?」国際コーチ連盟プロフェッショナル認定コーチの石川尚子氏は、子どもによっては、褒められることで「いつも褒められるようにしなければならない」と感じる可能性があると指摘しています。石川氏いわく、ただ褒めるのではなく、子どもの気持ちに耳を傾けて受け止め、尊重する姿勢を見せることが、自己肯定感を育むことにつながるのだそう。たとえば、子どもが100点を取ったら、まずは「どうだった?」と聞き、子どもが「簡単だったよ」と答えたら、「そうなんだ。簡単だったんだね」と、ただただ気持ちを肯定してあげるのです。もちろん、子どもが嬉しそうにしていたり、褒めてほしい様子が見られたりしたら、「頑張ったね!」と声がけするのもOKです。 「〜〜してくれて、ありがとう!」褒める言葉の代わりに感謝の気持ちを伝えるのも効果的です。「100点とれるくらい頑張ってくれて嬉しいよ!」でもいいでしょう。自分がしたことに対して感謝されると、子どもは親に認められたと感じ、自信を持つことにつながります。子どもにお手伝いをしてもらったときなどにもおすすめです。 ***子どもを褒めるのはいいことですが、結果ではなく、それまでの過程を褒めることが大切です。褒めることを通して、子どもが「これまでの努力を認めてもらえた」「お父さんやお母さんは自分をしっかり見てくれている」と実感できるよう、工夫してみましょう。文/田口 るい(参考)プレジデントオンライン|「100点答案」を褒めると勉強嫌いになる東洋経済オンライン|子どもを「ご褒美で釣る」親はなぜダメなのかさぽナビZ会|子どもにとって「ご褒美」とは?All About|ほめてるつもりでほめてない?NGな子どものほめ方現代ビジネス講談社|子どもを伸ばす「ほめ方」とダメにする「ほめ方」は大違い!ベネッセ教育情報サイト|上手に子どもを褒めて、自信をつけてあげよう!ベネッセ教育情報サイト|子どもを「褒める」前に大切なこと
2019年08月11日お子さんたちは夏休みをいかがお過ごしですか。昔は、夏休みには多くの地域でラジオ体操が行なわれていましたので、子どもたちもそれに合わせて早起きをしていたものです。最近ではそのような光景が少なくなり残念ですね。夏休み中に学校のプールが開放されている場合には、ぜひ参加して水と仲良くなるといいでしょう。塾や地域のスポーツチームでの練習、家族との帰省など予定がぎっしりつまっている人もいると思います。人によって過ごし方はいろいろですが、夏休みは何か普段できないことにチャレンジするとてもいい機会です。ご家庭で、夏休みをどう過ごすかをしっかり話し合って、計画的に充実した夏を過ごせるといいですね。夏休み中の「遅寝・遅起き」はこんなに危険!夏休みをどう過ごすかによって、体や心に大きな影響が出ます。特に、学校がお休みだからといって「遅寝・遅起き」の生活を続けていると、体調が崩れてしまいます。具体的には、体のだるさを感じる、食欲がなくなる、精神的にも意欲が低下して「何もやる気がしない」という状態になる、などの問題が起きてしまうのです。私の養護教諭時代の経験では、夏休み明けに、もともとやせていた子どもがますますやせてしまったとか、太り気味だった子どもがさらに太ってしまったなどということがよくありました。前者は、もともとたくさん食べられないうえ、夏のだるさで体を動かさないためにますます食欲がなくなり、そうめんなどの口当たりがいいものしか食べられなくなるケース。後者は、食欲の旺盛さは維持しつつも体を動かさなくなる分、そのまま体重増につながってしまうケースです。例えば、夏の間に身長が3cmも伸びたのに、体重は逆に1kgぐらい減ってしまった子どもや、身長は確かに伸びたものの、体重の増加が身長の伸びを極端に上回る子(1ヶ月で5kg増)などもいました。先ほど述べた心身の調子だけでなく、こうした体の成長にも、夏休み中の生活の仕方は大きく関係しているのです。人間の体のリズムは、夏休みだからといって変わることはありません。7月号でも紹介しましたように、生活リズムが崩れると「夏バテ」や「熱中症」にもかかりやすくなりますので、規則正しい生活1日1回以上は外に出て汗をかくぐらい体を動かす食事は3食しっかり食べるの3つは、きちんと守りましょう。1日のスタートはやはり、家族そろって一緒に朝ごはんを食べることをお勧めします。ゲームなどのやりすぎに要注意夏休みには、ゲームなどのやりすぎにも注意が必要です。自由時間が長いのをいいことにゲームばかりしていると、知らないうちに依存症になってしまう可能性があるからです。最近は若者たちの間でゲーム依存症が増えています。これは世界的にも問題になっており、世界保健機関(WHO)は2019年5月にゲーム依存症を「精神疾患」として位置づけ、治療が必要な疾病に分類しました。特に問題なのは、ネットにつないで友だちと競い合うようなゲームです。夢中になると、1日中お部屋にこもったり、夜更かしをしてしまったりすることにもつながります。こうしたゲームは若者のみならず小学生の間にも広がってきていて、小学生のなかにもゲーム依存症に近い人(予備軍)が出てきているのです。お子さんがゲームに依存しないためには、各ご家庭で 「ゲームの時間は1日何時間」と決め、それをしっかり守らせることが大切です。また、何もすることがないとついついゲームを手にしてしまうことになりますから、1日をどのように過ごすのか、何をするのかなどを「親子できちんと決めて、行動する」ことを大切にしましょう。そういう意味では、学校のプールの活用や、地域の児童館などが開催する催し物などへの参加をお勧めします。夏休み中に見られる、休み明けの“不登校”の兆し夏休みが終わると、ほとんどの子どもたちが真っ黒に日焼けして、友だちや先生に久しぶりに会うことを楽しみに元気に登校してきます。しかし、なかには夏休み明けに学校に来られなくなるお子さんもいます。その原因はいろいろなことがあり得ますが、ひとつには「生活リズムの崩れ」による影響が挙げられます。先に述べたような「遅寝・遅起き」に代表される夏休みの不規則な生活のせいで、「夜眠れない」「朝起きられない」「体調が悪い」といった不調が起き、それが気力・体力の低下につながってしまうのです。そういった不調が、単なる生活リズムの乱れによるものにすぎない場合には、朝多少無理やり起こして活動させても大丈夫でしょう。ですが、もしかしたらその現象が「学校に行くことが辛い」というサインである可能性も。その場合には子どもの接し方に注意が必要になってきます。「学校に行くことが辛い」のはなぜなのか、誘因となっているものを探り、丁寧に対応する必要があるのです。その誘因は、夏休み中というより1学期の生活の中にあったかもしれません。学習のつまずき、友だちや先生との関係、あるいは家庭の中にある心配などです。夏休みこそ親子でしっかり向き合い、お子さんが不安に感じていることは何かを理解し、対策を考えましょう。また、子どもにストレスが見受けられる場合は、普段はできない家族旅行や解放的な自然環境のなかで、体も心もリラックスして遊び込むことがとても有効です。自然には、人間に癒しを与えてくれるたくさんのエキスがありますし、とことん遊ぶと頭がすっきりし、よく眠れます。親御さんもお子さんと一緒に体を動かせば、日頃の疲れやストレスが解消されるはず。夏休みの家族の過ごし方としてはもってこいだと思いますよ。普段は子どもとゆっくり話をする時間が取れない方も、夏休みは絶好のチャンスです。長い休みを有効活用しましょう。就寝が遅くなったら、翌朝は寝坊OK?NG?夏休みならではの親御さんの困りごとに、いくつかアドバイスをいたしましょう。【親御さんからの質問 1】夏祭りや帰省、旅行など、イベントがあるたびに生活リズムが崩れ、一度崩れるとなかなか元に戻りません。特に、就寝時間がどうしても遅くなってしまいます。何日間ぐらいまでなら生活リズムが乱れても大丈夫でしょうか?生活リズムの崩れは、意識的に直さないとなかなか元に戻りません。時差ボケの経験がある親御さんはわかると思いますが、昼間とても眠かったり夜中に眠れなかったりしても、昼間の活動を続けているうちに2~3日もすれば元のリズムに戻ります。ですから、「生活リズムの崩れが何日までなら大丈夫か」というより、リズムの乱れが直るのには2~3日かかることをまずは知っておいてください。イベントなどで疲れて帰ってきても、翌日の朝はとにかくあまり寝坊しないで、体を動かしましょう。昼寝は30分ぐらいならいいかと思いますが、長く寝すぎたり夕方近くに眠ったりしてしまうと、夜の睡眠に響きますので要注意です。また、外出が続けば体も疲れますので、新学期が始まる前1週間はなるべく遠出などは控え、普段どおりの生活に戻すことが大切だと思います。テレビは1日何時間まで見せていいの?【親御さんからの質問 2】外で長時間遊ばせると熱中症が怖いし、かといって家の中で過ごさせるとテレビを長時間見たがります。「テレビの見すぎは良くない」と思うのですが、そもそも1日何時間ぐらいまでなら子どもにテレビを見せてもいいのでしょうか?親として安心できる指針が欲しいです。今の時代は、テレビ視聴だけでなくゲームやDVD、インターネット動画など、メディアとの接触時間をトータルで見ていくことが必要だと思います。特にYouTubeは、子どもたちの多くがなりたい職業にYouTuberを挙げている(※)ことからも、その視聴時間はかなり長いことが予想できます。(※2018年9月、学研教育総合研究所学研教育総合研究所調べ)私が小学校で養護教諭をしていた頃、夏休み明けの子どもたちに、長期休み中のメディア接触時間を調査したことがあります。そのなかに、テレビやゲームの時間を合わせて1日6時間~8時間と答えた子がいたのにはびっくりしたものです。また、いま教鞭をとっている短大の学生のなかにも、1日5~6時間はメディアを見ているという学生がいます。彼らの多くは、短大生になってからというより、子ども時代からメディアに長時間接触しているのだとか。幼少期のメディアの視聴習慣は長きにわたって影響を及ぼすといえそうです。ご家庭でのテレビの視聴時間は、「1時間」とか「2時間」というような決め方だと、ドラマの途中でも見るのを止めなくてはならなくなってしまいます。1週間を通してどの番組を見るのかを決め、おおよそ1日2時間程度だと理想的ですね。午前中1時間、午後1時間などのような規則を作るといいでしょう。しかし、親が見ているのに子どもはダメというのも矛盾がありますから、テレビを消したら親子で一緒に何かをするというような方策が必要だと思います。一緒に料理を作るとか、本の読み聞かせをするなど、家族でコミュニケーションを取る時間にしたいですね。「10歳の壁」は夏休み中に越えられる?【親御さんからの質問 3】うちの子は、夏休み前あたりから学校の勉強が難しく感じると言うようになり、勉強への苦手意識が出始めました。夏休み中に少しでも苦手な箇所を克服してもらいたいのですが、あまりうるさく言うのもかわいそうな気がするし、「このまま不登校になったらどうしよう?」と心配になります。どう声をかけてあげたらいいでしょうか?今、「10歳の壁」という言葉がよく使われていますね。その1つに挙げられるのが、10歳前後の子どもが勉強面や心理面でつまずき劣等感を抱いてしまうこと。学校の勉強で抽象的な思考が始まるこの時期に、「勉強が難しい!」と感じる子どもたちが増えているのです。昔はこうした問題はなかったのか、というと、昔もあるにはありました。ですが、昔は今日ほどには社会も親も勉強のことを気にしなかったので、子どもたちも「勉強はきらい!」と平然としていられたように思います。しかし、今は3年生ぐらいの子どもでも、「自分はクラスの中で勉強ができる方だ」とか「できない方だ」ということをかなり意識しているようです。「勉強ができない」という自覚が自尊感情の低下につながらないようにしたいですよね。お子さんの授業のノートやテストの結果を見て、どこでつまずいているのかを把握し、親御さんが教えてあげられればそれが一番いいかと思います。しかし、高学年になるとなかなか学習も難しくなります。難なく教えられることばかりではなくなってきますので、親御さんもお子さんの教科書をみて「ママにできるかな~」などと言いながら、一緒に勉強するといいでしょう。また、事情が許せば夏休みに友だちを呼んで一緒にグループで宿題などに取り組むのもお勧めです。友だち同士の教え合いもいいですね。「勉強って、わかると面白い!」という経験を、夏の間にぜひたくさんさせてあげたいものです。心も体も元気で新学期を迎えるために長いお休みの間には新しい体験や楽しい思い出ができるように、家族でいろいろ話し合ってみましょう。おうちのお手伝いなども、子ども自身が家族の一員として役立っていると実感できるチャンスです。子どもが少し頑張ったらできそうなことをお願いし、達成できたら「助かったよ」というメッセージを伝えてあげましょう。意欲が増し、心の成長にもつながるはずです。夏休み明け、「友だちに会うのが楽しみ!」「こんな作品作ったから早く先生や皆に見せたい!」といった楽しい気持ちで、心も体も元気で新学期を迎えられるといいですね。(参考)yomiDr.|ゲーム依存症は「精神疾患」…WHOが分類改訂日本海新聞,「中高生ネット依存93万人」,2018年9月1日付.学研教育総合研究所|小学生白書Web版2018年9月調査 6.将来について 将来つきたい職業(全体ランキング)
2019年08月08日物事に興味を持ち、「もっと深く知りたい!」と思う気持ちを「知的好奇心」といいます。知的好奇心は、大人になるにつれ失われがちなもののひとつです。「子どもの頃は知的好奇心旺盛だったけど、大人になって変わった」という方も少なくないはず。しかし、そんな自分の状態が、子どもに悪影響を及ぼしているかもしれないのです。なぜならば、親の知的好奇心の有無は、子どもの知的好奇心のみならず学力にまで関係してくるから。今回は、親子にとって知的好奇心がいかに大切かを知り、知的好奇心を育むためにできることは何かを考えてみます。知的好奇心旺盛な子は学力が高い!勉強ができる子や、成績のよい子には、知的好奇心旺盛な子が多いと言われています。教育関連著書を多く世に送り出している脳医学者の瀧靖之さんは、「賢い子」の条件を問われた際、「自分から『知りたい』と思える、知的好奇心が旺盛な子ども」と答えています。動物や植物、運動、どんなことでも良いのですが、興味を持った対象に自分からおもしろがって調べたり取り組んだりすることができる子だと思います。勉強にしても、テストの点数を取るのが目的ではなく、そもそもおもしろいからやっている。だから努力とも思わず夢中になることができる、そんな子どもですね。学ぶことが楽しくて仕方ないから、自然と学力が伸びていく。その土台となるものが、「もっと知りたい!」という学びへの意欲、すなわち知的好奇心なのです。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|世界最先端の脳研究が解き明かした!「賢い子」の育て方とは?)例えば、ある外国の歌手の音楽に興味を持ったとしましょう。その音楽についてもっとよく知りたいという思いから、曲の歌詞に出てくる英単語を調べるようになることが考えられます。好きな曲の歌詞が理解できると、その喜びから、英単語を調べること自体が楽しく感じられるようにもなるかもしれません。そうすれば、自然と英語を勉強するようになるでしょう。知的好奇心は、こうして学びの土台を築いていくのです。実際、学力の高い人たちの多くが、知的好奇心を育むことの大切さを実感しています。東京大学新聞社の調査によると、東大生の95%が、小学生時代の学習姿勢として「知的好奇心を育むこと」が「大切」(とても大切だと思う・まあ大切だと思う)と答えたそうです。これは、「柔軟に考える力をつけること」(92%)や「塾や学習教室に通うこと」(23%)より多い回答でした。親の知的好奇心が子どもに影響するでは、子どもの知的好奇心を育てるには、どうすればいいのでしょうか。文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査から、親が子どもを図書館や劇場、科学館などの文化施設によく連れていく家庭で育った子どもは、そうでない子どもより学力が高いことがわかっています。このことにより、親に頻繁に文化施設に連れていってもらった子どもは、それぞれの場所で知的好奇心を刺激され、その経験がのちの学習習慣につながったと考えられます。また、同調査では、家にある本の数が多い家庭で育った子どもの学力が高いことも明らかになっています。しかし、だからといって、急に子どもに大量の本を買い与えたり、「本をたくさん読みなさい」と言い聞かせたりしても、効果がないことは誰でも予測できるでしょう。MP人間科学研究所代表であり、心理学者の榎本博明さんは、親自身の知的好奇心が子どもの知的好奇心、ひいては学力の高さにつながっていると指摘します。つまり、蔵書数の多い家庭は、親自身が知的好奇心が強く本をよく読むため、その結果として家庭の蔵書数が多くなる。さらに、子どもと一緒に美術館・劇場や博物館・科学館、図書館といった文化施設に行こうと思う。そのような親の心理傾向が子どもにとって知的刺激に満ちた環境を生み出すのである。(引用元:Business Journal|学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明)また、一般社団法人教育デザインラボ代表理事であり、教育専門家の石田勝紀さんも、同様の意見を持つひとりです。石田さんは、「親の持つ “好奇心” そのものが子どもに伝播する」と明言しています。親が物事に興味を持ち、それについて楽しそうに学ぶ姿を日常的に見せていれば、それが子どもにも伝わっていくというのです。「親が、日々ワクワクした気持ちで『もっと知りたい!』と自ら学習していくような人間であればいい」(引用元:東洋経済オンライン|伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている)つまり、子どもの知的好奇心を育てるには、まずは親自身が知的好奇心を育まなくてはならないのです。子どもと一緒に大人が無理なく知的好奇心を育むには……しかしながら、大人が日々仕事や家事、育児で忙しいなか、新しいことを始めたり、物事を深く探究したりすることは簡単なことではありません。「重い腰が上がらない」という方も多いでしょう。そんななかでも、子どもと一緒ならできることがあるはずです。好奇心を育むために、親子で無理なく始められることをご紹介します。声に出して言い聞かせる第一歩として、物事に興味を持つことが大切です。とはいえ、実際には日常生活のなかに心惹かれる物事が見当たらない、という方がほとんどでしょう。しかし、本当に心惹かれる物事は存在しないのでしょうか?そう感じるのは、自分自身が物事に対する興味の “アンテナ” を張っていないからかもしれません。先ほどご紹介した石田さんは、自らの「好奇心」という原動力を動かすために、日常的に「日々、楽しんでしまおう」「一見つまらなくみえるものを、おもしろくしてしまおう」と、口癖のように声に出しているそうです。声に出すと、意識が高まります。つまり、物事に対する興味の “アンテナ” を張っているのです。そうすると、小さな変化に気づいたり、ワクワクすることに出会えたりと、物事に興味を持ちやすくなります。まずは、毎朝1回、あるいは思いついたときにでも、「何かおもしろいことはないかな?」「今日も楽しく1日を過ごそう」と、子どもに語りかけてみましょう。子どもに言いながら、自分に言い聞かせるのです。そうして、子どもと一緒に、物事に対する興味の “アンテナ” を張ってみてください。 同じ習い事をしてみる子どもの習い事について「練習しなさい」と一方的に言っていませんか?親がお尻を叩くだけでは、子どもの好奇心はそこで止まってしまいます。前出の脳医学者・瀧先生は、息子さんと “一緒に楽しみながら” ピアノを習っているそうで、「子どもに何かをさせるなら、まず親がやること」がとにかく大事だと力説しています。「子どもの好奇心を思いっきり育てるためには、親自身も子どもと一緒に楽しむ経験が大切」なのです。幼少期に親子一緒に本気で知的好奇心を高めることで、子どもは親を模倣し、中学生・高校生になってからもその知的好奇心で生きていけるのだそう。親子で同じ習い事――うまくいけば、親子共通の趣味ができるかもしれませんよ!***親が知的好奇心を育むことで、子どもの知的好奇心や学力にもよい影響を及ぼすという好循環が生まれます。また、その過程で、親自身が幅広い知識を身につけたり、自分の新たな一面を発見したりと、これまでにない経験ができるはずです。このコラムを読んで、「よし、何か見つけてみるか!」――そう感じた方ならば、すでに一歩、いや十歩以上、知的好奇心の世界に向かって歩き出しているのではないでしょうか。子どもは親の姿を見て育ちます。いつまでも新しいことに挑戦する精神を忘れず、生き生きと輝く姿を見せていけたらよいですね!(参考)ベネッセ教育情報サイト|世界最先端の脳研究が解き明かした!「賢い子」の育て方とは?Business Journal|学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明東洋経済オンライン|伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている東大新聞オンライン|東大生の4割超が利用した、小学生時代の通信教育とは?「達成感を求めて楽しく勉強できる」生活百科|好奇心を失わないための10個の方法ベネッセ教育情報サイト|脳医学者も実践!子どもの「知的好奇心」を伸ばす“たった1つの秘訣”
2019年08月07日小学生になると算数で時計を読むテストがあります。2年生の息子は、なんとなく理解できていると思っていたのですが、テスト結果を見てビックリ!そこで、ちゃんと時計が読めるようになるために100均グアイテムを使って学習用時計を作ることにしました。小学校で勉強する時計の読み方学校でおこなわれた懇談会に参加したしたときに、「小学校で時計を読む勉強をするのは、2年生まで。つまり、2年生までに読めるようにならないといけないということです」と先生に言われました。保育園で絵本を使ったりしながら時計を読む練習もしていたし、1年生のときは時計のテストもできていたので、大丈夫だろうと思っていたのですが...。なんと、時計がぜんぜん読めていなかったのです。テストの内容を見てみると、3時、3時半というわかりやすい時間は読めても、2時42分のように短い針が1と2の間にあったりするとわからないようでした。家の時計を見てみると、細かい文字盤がない!息子のテストの結果を見て、家の中にある時計を見まわしてみたところ、わが家には、細かい文字盤が書かれている時計がないことに気がつきました。友達と遊びに行くときや習い事に行くときに使っているのは、デジタルの腕時計だったのです。そこで、文字盤の時計を読む環境作りから始めることにしました。【100均アイテム】で作る子どもの文字盤時計子どもが時計を読めるようになるために、100均アイテムを使って文字盤がわかりやすい時計を手作りすることに。【材料】・手作り時計キット・単3乾電池1本・文字盤・のり・厚紙手作り時計キットは、100円ショップ『セリア』で購入。文字盤を作って、パーツを取りつけるだけで簡単に時計を作ることができます。文字盤は、インターネットで無料ダウンロードしたものを使用。【作り方】1.ダウンロードしてプリントアウトした文字盤をハサミで切り取り、のりで厚紙に貼り切り抜く。2.文字盤の真ん中に穴を開けて、手作り時計キットをはめて完成!子どもと一緒に作っても約5分と、あっという間に作ることができました。セットに入っていた時計の針が白で見にくかったので、子どもが油性ペンで好きな色を塗りました。勉強という意識ではなく、時計を読むことが楽しめるように時計を読む勉強をしよう!と言うと身構えてしまい、苦手意識が出てしまっていた息子。しかし、一緒に作った自分の時計が嬉しくて毎日見て読んでを繰り返すうちに、約5日間できちんと時計が読めるように。いままでデジタル表示だった腕時計も、息子が好きなキャラクターの文字盤の時計に変えて日常的に見る時計の環境を整えました。作った時計を見たときに、息子が「この時計なら簡単に読めるよ!」と言った言葉に、子どもの学習は家の環境づくりも大切なことなんだなと痛感しました。もっと早く作ってあげればよかった!時計キットがあれば好きな文字盤の時計を簡単に作ることができるので、ぜひみなさんも試してみてくださいね。<文・写真:ライターやまさきけいこ>=======読者限定RIZAPトライアルモニター募集中!「シェイプアッププログラム」を4万9800円(4回・税別)でお試し。さらにモニター謝礼として1万円のキャッシュバック!さらにモニター終了者から抽選でクオカード3000円分を100人にプレゼント。さらに本コースへの入会金5万円無料。店舗により受け入れ制限がかかる場合が想定されますのでお早めにお申し込みください。申し込みはこちら ⇒申し込み〆切:2019年8月31日(土)
2019年08月04日うちの家族、個性の塊です
夫婦・子育ていまむかし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々