専門家・プロ:野﨑誠第3回社会に出ると湿疹ができるの法則秋の湿疹のお話3回目は、「社会生活と湿疹」についてです。社会生活が関係するのは学童期以降であって、それ以前の年齢は関係ない?いえいえ、そうとも言い切れないのです。皮膚科外来をのぞけば湿疹の予測ができる秋になぜ湿疹が悪化するのか?その答えは9月上旬の皮膚科外来にヒントがあったりします。その時期の皮膚科では、一部の年齢層の子の来院が一時的にガタッと減ります。そして、9月下旬から10月にかけて戻ってくるんですね。さて、どの年齢の子たちでしょうか?答えは幼稚園児から小学生にかけてです。とくに小学生にその傾向があります。原因は学校。夏休みが終わると急に慌ただしくなります。通学という生活習慣に慣れるまで、どうしても病院に行く時間が取れなくなってしまうんですね。とくに湿疹の治療は緊急性はあまりありませんので、どうしてもあと回しにされてしまいます。え、夏休みの宿題が終わっていない子もいるのか?さすがにそういう子は耳にしませんが・・・幼稚園児に比較的その傾向が少ないのも同様の理由から。小学生に比べて自発的に生活を組み立てているわけではなく、家族に連れられての受診になりますので、9月になったからといって小学生ほど大きな生活の変化はないようです。ただしお母さんがバテてしまい受診できない子はいるようですね。つまり、夏休みが明けてすぐの時期には皮膚科の受診は減り、その間に湿疹が悪化してしまうパターンが結構多く見られることになります。子どもだってストレスフルなんだ子どもの側から見ていきましょう。夏休みが終わると、どうしてもバタバタします。程度の差はあるでしょうが、夏休みのマイペースな生活習慣を学校生活に合わせて修正していかなければなりません。そしてまた、学校の社会関係の中で長い時間を過ごしていくという、非常に大きなストレスを抱えることになります。ときには眠れない夜を過ごす子もいるでしょう。これは小学生だけではなく幼稚園児にもその傾向はあります。家族と離れて生活する時間が増えるのですから。この生活の変化がストレスとなり、結果として湿疹を悪化させてしまうということも十分に起こりうるのです。いや、子どもたちも大変です。学校行事も湿疹を悪くする秋の学校行事も9月末ごろから続々と入ってきます。その筆頭となるのは運動会でしょうか。最近は春に行なうところも多いようですが、2学期が始まってから運動会の練習がスタートするところも多いようです。運動会の練習は湿疹に対してはくせものです。大汗をかき、泥だらけになります。この時期だけは他の科目の時間まで体育の時間にあてて運動会の準備や練習に取り組んでいる小学校も多いようです。こうした環境は湿疹を治療する立場からすると非常に憂慮すべき状態です。先に述べた行為はすべて湿疹を悪化させる要因となるからです。だからといって練習をやめなさいとは言えないですし・・・皮膚科医にとって悩ましい時期となるのです。また、遠足だったり、おいも堀りだったりといったイベントも汗と汚れから湿疹を悪化させます。とくに指先の湿疹ですね。やっと治ったと思った翌週に遠足に行って指の湿疹を悪化させた子も数多くいます。はあ。治療はすごく大変なのです実は最も治療に苦労するのが、この社会的活動からくる湿疹です。まず厄介なことは、予防がほとんどできないこと。今までのお話のように汗にはシャワーで対抗し、乾燥には保湿剤で対抗するというような単純な対策が取れません。湿疹を治すためだけに運動会に出るなとは言えませんしね。なので、皮膚科医としてはできるだけこのようなイベントで皮膚が悪化しないように願う限りだったりするのです。練習のとき、暑くなりすぎないように、さりとて乾燥しすぎないように。太陽にも程々に隠れてもらって、かといって雨に降られても困ります(スケジュールが遅れてしわ寄せがきて、湿疹も悪化するのです)。ヤキモキする毎日です。と、このように社会活動がダイレクトに影響してくるのが湿疹の特徴ともいえるでしょう。皮膚科医って、実はこんなところにも目配りをしているんです。というお話でもありました。ここ3回は体の外の原因についてお話をしてきました。最終回となる4回目は、体の中の原因について触れていくことにしましょう。ではでは。おまけ気象・社会生活と皮膚についてちょっとだけこぼれ話をしましょう。「手湿疹」という病気があります。子どもたちも結構な頻度で手先や指先が剥けたり割れたりする病気です。この原因はいろいろありますが、その1つが汚れること、力がかかることです。実はこの手湿疹、今年の7月から8月にかけて、比較的良くなる子が多かったです。例年は悪くなる子のほうが多いにもかかわらずです。なぜでしょうか?答えは熱波です。熱波が直接湿疹に作用したわけではありませんよ。気温があまりにも高くなりすぎたので、みんな外で遊ぶことを止めたんですね。子どもの手湿疹の原因は想像の通り、砂遊びからの汚れなので、外遊びに行けなくなったことが湿疹を良くしたのでしょう。また、あまりの暑さのためにうんていや鉄棒で遊べなくなり、結果的に湿疹が良くなったと言っている子もいました。気象条件って、これだけ皮膚に影響してくるんですね。勉強になった今年の熱波でした。関連記事秋 -季節の変わり目‐ になぜ湿疹が悪化するのか第1回夏の戻りが湿疹を呼ぶ第2回冬の始まりが湿疹を招く野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年10月16日不登校のきっかけ「よくわかりません」出典 : 私は小学4年生から6年生になるまで学校に行けませんでした。それは中学生になってもたびたび続きました。自分で不登校になった原因について、今でも考えることがあります。集団生活を送ることに苦手意識を持っていたことや、両親の期待がとても大きいと感じていたこと、単純に学校に通う意味を見出せなかったことなど、いろいろと原因になりそうなことは思いつきます。でも、それらが不登校の決定的なきっかけかと言われるといまだに確信を持てません。不登校を経験してから20年近くたちますが、今後もきっとわからないのだと思います。不登校の当事者の中には、私のように自分でも理由がよくわからない方が、少なからずいるのではないかと思っています。出典 : 周りに不登校の当事者がいる方は、本人に対して不登校になったきっかけや原因を聞くことが多いのではないかと思います。実際に私が不登校当事者だったとき、両親・教師・親戚・友人など、さまざまな人から不登校になったきっかけや原因を聞かれていました。社会人になってからうつ病にかかったときにも同様に、いろいろな人から原因について質問され、共通のものを感じました。話を聞こうとしてくれる人たちは、それぞれに「苦しんでいる原因を取り除いてあげたい!」「だからその理由を教えてほしい!」という想いを抱いているのだろうと思います。しかし前述したとおり、私は不登校の原因が自分でもはっきりとはわかっていませんでした。相手の「何とかしてあげたい」という気持ちを感じていても、答えようがありません…。正直に「よくわからない」と答えると、ほとんどの人は、がっかりした顔をしたり、もっと食い下がって質問してきたり…。より気をつかわせてしまっているなと感じることが多かったです。そういうとき、場合によっては、"いかにもそれらしい内容"を考えて答えていたこともありました。出典 : もしかしたらこの記事を読んでくださっている人の中にも、当時の私の両親・教師・親戚・友人などと同じような立場の方がいるかもしれません。不登校の子が原因を話してくれないことについて、自分は信用されていないのではないかと考えてしまったり、いろいろな不安を感じたりしている方もいるでしょう。しかし、私のように理由がわからないから説明できないとう可能性もあるかもしれないので、あまり悲観する必要はないと思います。周囲の人の様子に、本音ではないことも口にしていた当時の私でしたが、うれしかったことがあります。それは、両親から「あなたを傷つける気はなくて、あなたがどんなことを考えていても受け入れる準備ができているよ」と伝えてもらったことでした。両親は私の考えに反論せず、じっくり話を聞いてくれたり、その都度、私の力になりたいと言ってくれたのです。不登校の渦中にいる当事者というのは、自分を守ることでいっぱいいっぱいで、そういった大切なメッセージを受け取る余裕がなかったりします。両親が私にしてくれたことは、じっくり向き合って何度も同じことを伝える必要があるので、とても根気がいることでした。ですが、両親の想いを感じとれるようになったことで、私の生活は少しずつ変化していきました。登校を再開!これで不登校は解決…とはいかなかった出典 : 不登校当時の私も、当時の両親も、おそらく学校の関係者や親族も、学校にさえ行けるようになれば不登校は解決だ!と考えていたように思います。確かに、全く学校に足が向かなかった状態からは区切りがつきますが、実体験からすると、学校に行けるようになってからが本当の闘いでした。この感覚は、一般的にゴールインと言われる結婚が実際には新しい生活の始まりにすぎず、夫婦生活を円満に続けていくことが本当に難しいのとよく似ているのではないかと感じています。さて、学校で次々と襲いかかった問題…。それは、不登校経験があって内申点が低い中、志望校に行くために勉強の遅れを取り戻さなければいけなかったり、同級生とのコミュニケーションもどうすればいいのかまったくわからなくなっていたり…課題は山積みでした。私がそんな問題を乗り越えられたのには、2つの要因があったと感じています。出典 : 粘り強く向き合ってくれた両親が、学校に行くようになった後も私を信頼し応援してくれているという実感があったのは大きかったです。なので、学校で何か困ったことがあったら両親に相談していました。たとえば、同級生とうまくやれなかった日は夕飯を食べながら両親に相談しました。そうすると母親が「私なんかいまだにそうだよ。全員と仲良くなんてしなくていいんだよ」なんて言ってくれたり、父親も「大人の世界だって同じ。誰もがうまくできるわけじゃないから無理しなくていい」とアドバイスをくれたりしました。それで気持ちが楽になり、また次の日から頑張るための勇気になっていました。両親を信頼していろいろ話せる間柄になっていなければ、私は問題に対応できず、また不登校を繰り返していたかもしれません。不登校が始まった当初は言い合いになり気まずい思いをした時期もありましたが、関係はあとからでも築いていけるのだと思います。出典 : 不登校期間中、幸運にも私はプログラマーになってゲームをつくるという将来の夢を見つけることができました。プログラマーを目指すのであれば、地元でも偏差値が高い学校に通い、みっちりと情報系の勉強をする必要があると知りました。これが、最初のうちは勉強についていけなくても、あきらめずに続けていこうという強い動機になりました。志望校に進学してからも、明確な夢があったからこそ自分のペースを保ちながらに勉強を続けることができました。そして今、実際にプログラマーとして仕事ができているのです。実際には不登校の経験がなくても、将来やりたいことを明確に見つけられる人はそれほどいないかもしれません。社会人になってからもいろいろな困難を経験した当事者としては、苦手なことやできないことをどうにかするよりも、好きなことや得意なことを伸ばしたほうが自分の力で道を切り開くための強力な武器になると感じています。文章や物語を書くことも子どものころから好きだったことの一つです。それが社会人になってから技術的な文章を書くときに役に立ち、さらにこうして、この記事を書くことにもつながっています。ちょっと面白いですよね。もし周りにいる不登校の子が将来を思い描けずにいるなら、本人の好きなことや興味を突き詰める道を一緒に考えてみるのはいかがでしょうか。それが直接、将来の職業にならなくても、そのときに出会った人や身につけたスキルが新しい道への突破口になるかもしれません。身近にいる不登校の子に、自分は何をしてあげられるだろうと悩んでいる人へ出典 : 本当に大切なのは学校に通えるかどうかは抜きにして、幸せな人生を歩むことだと私は考えています。そのために、不登校の間はその子とわかり合うことを重要視すると、とても有意義な時間の過ごし方になるのではないでしょうか。社会に出るまでの期間に、幸せな時間を過ごすことはとても大事なことだと思います。それは必ずしも「普通の学校生活」を送らなければ手に入らないというものではありません。もし身近に不登校の子がいて、自分に何ができるか迷っていたら、すぐに学校や同等の施設に通うことを目指すのではなく、その子との信頼関係を強くするために時間を使うのが良いのではないかと思います。強固な信頼関係を築いた人がいることは、本人にとって前に進むための勇気になります。将来、不登校よりも大きな困難にぶつかったとしても、相談できる人がいると思えばどっしりと構えていられるのです。人生で待ち受けている困難にも対応していくために、勇気をくれるような人との関係があることが、不登校の当事者のかけがえのない財産になると思います。
2018年10月12日キッズネットサポーター:ゆきこ予定より早く、算数のみ入塾子どもが小学5年生の11月。塾主催の適性検査型の無料模試を受けたら、答案返却の面談で冬期講習の受講をすすめられました。そのときは塾に入ることをまったく考えていませんでしたが、お試し価格でお得だったうえに、帰省の日程と重なっていなかったので何かの縁かなと思い、気楽な気持ちで受講することにしました。子どもはこの冬期講習を楽しんだものの、2月に習い事のイベントが続けて行なわれることもあり、けっきょく入塾はしませんでした。そうなんです、中学受験を考えつつ、小5の2月になっても2つの習い事を続けていたのです(2つのうち1つは6年生9月まで、もう1つは入試シーズンも休まず、小学校卒業の3月まで続けました)。そして習い事のイベント終了後、同じ塾で無料模試が行なわれることを知った子どもが、「また模試を受けたい!」と言い出しました。「お試し価格で冬期講習だけ受講して入塾は断ったのに、また無料の模試を受けるって・・・」と、さすがに図々しいわたしでもちゅうちょしたのですが、子どもがどうしてもというので渋々申し込むことに。2度目の答案返却では、さすがに塾側も勧誘作戦を変えてきて、「冬期講習は公立中高一貫・適性検査対策クラスを受講したので、春期講習では『国私立中学対策クラスの、まずは算数を受講しましょう。春期講習前の通常授業から体験してみませんか」と勧められました。そのクラスには、子どもが今まで出会ったことがないような、ケタ違いの天才・秀才たちがいました。当初の予定では志望校対策が始まる9月に入塾するつもりでしたが、毎日通う小学校とはまったく違った刺激を塾のクラスメイトから受けたこと、算数の学習の進め方に迷い始めた時期だったこともあり、塾側の言うとおり算数のみ入塾を決めました。中学受験に「先取り学習」は必須!子どもは算数が好きで、しかも得意科目と思っていましたが、先取り学習まではしていませんでした。入塾して間もなく、「え!中学受験をするのに、まだ円の面積の公式を知らないの?」と講師に絶句されたことも、今となっては笑い話です。入塾する前の算数の学習は、市販の問題集と通信教育のZ会の公立中高一貫校適性検査講座の受講でした。今思えば、“学力検査でなくて適性検査だから先取り学習は必要ないだろう”と判断した親の油断のせいで、学習内容も時間も足りなかったのではと反省しています。算数の進め方をもっと工夫できていたら、もっと入塾時期を遅らせることも、もっとスムーズに受験生活を過ごすこともできたのかもしれません。そんな反省だらけの算数の学習方法ですが、見つけてよかったと思う教材があります。出会いは子どもが小学校1年生のときのこと。年度末テストの算数がとくに高得点だったので「うちの子ってすごい?!」(笑)と浮かれたわたしが問題集選びを始めたときのことです。本屋の問題集売り場に行ってみたものの、あまりの種類の多さに、どれを選んだらいいのか途方にくれてしまいました。そんなとき、ある1冊の本に出会ったのです。宮本哲也先生との運命の出会い!?それが、『宮本算数教室の教材賢くなるパズル入門編』。はじめて買った、宮本先生の問題集「宮本算数教室の教材 賢くなるパズル入門編」宮本哲也著/学研プラス保護者向けの説明に「絶対に解き方を教えないでください」と書かれているのを見て「子どもの目の届くところに問題集を置いておくだけでいいんだー、解き方を教えなくていいなら親がラクでいいわー」と単純に考えて、購入しました。子どもには「答えが出なくてもいいから、自分で考えてごらん。すぐに答えが出ないとモヤモヤするだろうけど、答えが出なくても、答えを探して考えている時間に頭がよくなるから大丈夫。寝ている間に頭が整理されて、起きたらひらめくこともあるかもよ。だからよく眠りなさい」と伝えました。我が子が中学に入学してして間もなく、「すぐに解けなくてもいいから、まず自分で考える、考え抜くことが大切だと分かった」と言いました。そのとき、わたしは「宮本先生、ありがとう!!」と心の中で叫んでガッツポーズ!子どもは宮本先生の教材を全てやったわけではありませんし、わたしも宮本先生の著書を全て読んだわけではありません。けれども、「子どもは自ら学習しようとする本能がある、子どもが勉強嫌いになるのは親が邪魔をするから」といった宮本先生の言葉の数々や「子どもが本当に必要としている援助だけをして、信じて待つ」という姿勢は、わたしに大きな影響を与えました。今では、お会いしたことのない宮本先生を「我が心の師匠」とリスペクトしています。「焦らずじっくり」は自宅学習のメリット算数の学習方法については話題に事欠かない我が家ですが、焦らずじっくり時間をかけて算数の問題と向き合えたことは、できるだけ塾に通わずに自宅学習を進めたメリットだったと感じています。子どもが算数を好きで得意だと思い続けていられた助けになったのではと思っています。私立中学校の入試では、算数の配点割合を高くしたり、算数一科目だけに絞ったりといった算数重視型も増えてきました。算数重視型の入試は、公立中高一貫校の適性検査を目指しながら私立中学も受験したいと考える子どもたちの新たな選択肢になると思います。私立中学の入試の4教科を急いで仕上げるのは大変なことですが、算数だけなら間に合う可能性も高まります。実際に我が子も、私立中学校の算数重視型の入試を受けました。試験問題を解くのは時間との戦いになりますが、まずは土台作りとして、算数の問題にじっくり取り組むことが大切だと思います。算数を得意科目にできれば中学入試で有利になるのはもちろんのこと、中学から始まる数学にも、子どもが自らの将来を考えるときにも、心強い味方になるでしょう。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年10月12日みんな超絶マイペース。居心地のいい不思議な空間先日、娘が通う、通信制サポート校(※)の個人懇談に行ってきました。一番に聞かれたのが「お子さんはどんな時に体調が悪くなるのですか?」ということでした。体調の悪さが心理的なものからきていることを理解したうえで、具体的にどんな症状で苦しんでいるのか知り、学校で症状が出れば本人の負担にならないようにサポートしてあげたいという配慮からきた質問だったのです。懇談以外でも娘のために配慮してもらったことがいろいろあります。「体幹が弱く椅子に座って勉強するのが苦痛」と言えば、校長の自宅からちゃぶ台を持ってきて娘のためのスペースを作ってくれました。「漢字を書き写すのにスマホで漢字辞典を見ないとやりにくい」というと、「いいよ」とその場で認めてもらえました。今まで学校の先生からそこまで娘に関心や配慮の気持ちを持った質問をされたことはなかったのでびっくりしました。「ここまで娘に心を寄せてくれるのか」と思うと、中学までのつらい日々を思い出して少し泣きたいような気持になりました。娘の通う通信制サポート校は、本校は遠方にある通信制高校で、その分校のような形となっています。授業、レポート、スクーリングといった卒業に必要な全てのことはサポート校で行われます。一対一の指導が基本なので、不登校期間が長く学力に自信がない、娘のような子も安心して学ぶことができます。このサポート校には、フリースクールも併設されていて、施設は共同。広さは小学校の教室2つ分くらいで、サポート校とフリースクールの生徒は混じりあって同じように過ごしています。子どもたちは、登校する時間もまちまちで、過ごし方も自由そのもの。勉強する子もいればオセロに興じる子、好きな模型作りをしていたり、先生に進路相談する姿も。みんなでおやつを買いに行くこともあります。生徒が「ハンバーガー買いに行くけど~」と声をかけると、校長自ら「僕の分も買ってきて」と頼んでいたのには笑いました。人と話すのが好きな子もいれば目を合わすのもしんどい子もいます。だけど不思議なことに誰も居心地が悪くなることもなく共存しているのはなぜでしょうか?(※)通信制サポート校は、通信制高校に通う生徒に対して、3年間で卒業ができるよう単位取得・進級などに必要とされる勉強や精神面での支援を行う役割を担っています。通信制サポート校で勉強したとしても、高校卒業資格を取得することはできません。大半のサポート校は通信制高校と提携し、サポート校入学の際には通信制高校への同時入学が必要です。無理をさせない、追い詰めない娘が通うサポート校の主な教員は、校長・教頭夫婦です。二人とも元小学校の教員で塾講師。自分たちの子どもが不登校になり、無理やり学校に戻そうとして家出されたという経験があります。そのとき、カウンセラーの元で不登校の子ども対応について猛勉強されたので、「無理をさせない」「親子を追いつめない」といった対応は見事なものがあります。生徒たちのことも家庭環境を含めてとてもよく見ています。娘がフリースクールに入学したてのとき、少し勉強しただけで疲れてしまう様子をすぐに見抜いて「よく頑張ったね!今日はもう終わり。帰って家でゆっくりしてね」と声をかけてくれました。なかなか続けて通うこともできず間が空いても、顔を出せば笑顔で「よく来たね」と声をかけてくれ、おやつの時間に誘って他の生徒と話す時間をとったり、ピアノのレッスンに誘ったりと工夫して関わり続けてもらううちに、娘の表情もどんどん柔らかくなって学校での滞在時間も少しずつ伸びていったのでした。先生の目配りの対象は生徒だけに限りません。つき添いの私に「いま、つき添いのお母さんが来てるんだけど話してみない?」と声をかけて親同士の交流を促したり、私がほかの生徒と話せるようにおやつに誘ってくれたりしています。おかげで娘の同級生の親御さんとも親しくなれたり、フリースクール生の親御さんの相談相手になったりと有意義な時間を過ごさせてもらっています。先生が信頼してくれるから、子どもたちは心を開くもう一つ印象深かったのは、先生方が私に生徒を紹介するときは必ず「この子にはこんなに素晴らしいところがあるんです」と本当に嬉しそうに伝えてくれるということ。娘のことも、「お母さん、ほらこのレポート見てください。フリースクール生の頃よりずっとたくさんの文字をきれいに書けるようになっていますよ」という風に伝えてくれるので嬉しくなります。この学校に来ている子どもたちは不登校経験者がほとんどで、入学したての子やフリースクール生を見ていると、大人と目を合わせることのできない子がとても多いです。きっと、それまでにいっぱい傷ついてきたのでしょう。そんな子どもたちが、学年が上がるにつれて先生方にはタメ口で辛辣なことを言ったりすることがあります。ビックリしている私に後で先生がそっと教えてくれたことがありました。「あの子は家では親に決して逆らわないんです。ここで発散できるならいいんですよ」って。先生方は子どもたちのことをよく理解し、深い信頼をもって接しているのだなと感じました。別に勉強するわけでもなく、フラッと立ち寄って先生とひとしきり軽口を叩きあって「また来るわ」と帰っていく子どもたちを見ていると「ここが安心できる居場所の一つとなっているのだな」と腑に落ちたのでした。娘もいつの間にか先生方に信頼を寄せるようになっていました。サポート校1年生になって、最初は私につき添い登校を頼んでいたのに、夏休み前には時々一人で登校するように。怖がりで安心できる場所じゃないと私が一緒でも行きたがらない娘がです。また、こんなこともありました。家で「学校でも年金や社会保障の教育は必要だと思う」という話になったときのことです。娘が「校長に頼んでみようかな」と言ったのです。学校の先生に何かを望むこともなくなり、完全に学校から背を向けていた娘が先生に提案するなんて!本当にサポート校のこと、そして先生方のことを信頼して安心できる存在だと思っているのだなとうれしくなりました。痛みを知っているからお互いに優しくできる先生に頼まれて、先輩が後輩の相手をすることもこの学校ではよくあります。もともと心優しい子どもたちばかりですし、人の痛みに敏感で相手の心を思いやれる力を持っているので、新しく入ってきた子に関わるときは注意深く、その子に負担をかけないよう、怖がらせないように上手に接してくれます。その様子はカウンセラーや教師もかなわないくらい。娘は誘われたらそつなく応対しているようですが、「私はそういうこと(人間関係)に煩わされずに勉強できるからこの学校にきたんだ」とも言っています。その言葉に「この子には友達ができないんだろうか」と心配しましたが、それもまた一つの信念で、尊重すべき考えと思い直しました。この学校には人の輪には入ろうとしない子もいますが、どんな個性を持っていても尊重される校風にはどの子も救われているだろうなと思います。7年間の不登校の末に出合えた、通信制サポート校に思うこと正直、小2から不登校になってしまった娘が通信制高校に進学してちゃんと卒業できるのかかなり不安でした。だけど、月に2回(※)ほど、本校と連携している通信制サポート校に登校して、ちゃんとレポートも提出し1年前期の定期試験も無事クリアすることができました。どうやら今のところ彼女は最小限の省エネモードで卒業を目指しているようです。「月2回しか行けないのか」とがっかりしたこともありましたが、よく考えてみると7年間ほぼ学校に通ったことのない子が月2回も通学していることが奇跡で、それは先生方の寄り添いのおかげだなと感じています。つき添い登校の際にはずいぶん学校の様子も見せてもらいましたし、他の生徒やその保護者とも楽しく交流できたおかげで私も得るものがたくさんありました。私自身、学校にいると落ち着くし楽しいんです。そんな学校に出合えたことを本当に感謝しています。(※)出席日数はスクーリングを入れて普通の高校の約10分の1ですみます。スクーリングに行けなかったり、学校に来られない場合も個別に対応してもらえるので卒業は可能です。
2018年10月12日2018年6月27日から7月16日に、LITALICO発達ナビでは「子どもとゲームのつきあい方についてのアンケート」を行いました。ゲームを使用するお子さんを持つ683名の保護者の方々が回答し、うち618名が「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」と回答しました。この記事では、アンケートによる調査結果の一部を抜粋し、専門家による対応策についてのアドバイスも加えて、お伝えします。<調査対象について>「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の保護者の中から「子どもがゲームをすることで困っていること・悩んでいることがある」618名の回答を集計しました。(調査期間:2018年6月27日~7月16日)※設問によっては618名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。ゲームの使用が心配な子どもの年齢は?Upload By 発達ナビ編集部小学生が約55%、中学生が約29%で多くをしめました。8割以上の子どもが小学校高学年になる以前にゲームを始めているUpload By 発達ナビ編集部8割以上の子どもが小学校低学年や未就学であるときからゲームの使用を始めているとの回答でした。Upload By 発達ナビ編集部また、保護者の半数以上は、小学校高学年になる以前から子どものゲーム使用について問題に思い始めていることが分かりました。7割以上が、問題が1年以上続いていると回答Upload By 発達ナビ編集部ゲームに触れるきっかけとして多いのは、1位周囲の人の影響(親、兄弟、友達など)2位プレゼント3位空き時間(不登校、入院中、移動時など)が挙げられていました。周囲の人の影響では、「親が遊んでいるのを見て」、「学校でみながゲームの話題をし始めたから」、「周りのお友達もゲームを持ち始めて、自分も欲しいと言い出した。」、「上の子が使っているのを見て一緒にやっていた」などがありました。プレゼントでは誕生日やクリスマス、子どもが何かを頑張ったご褒美としてゲームをあげる方が多くいました。さらに、空き時間でのゲーム使用に関しては、不登校や、引っ越しや移動の際の暇つぶし、病院での空き時間などで子どもが手にしているという回答がありました。また、ゲームの種類は、インターネットにつないで使用するオンラインゲームが約70%、ネットを介さない家庭用のゲーム機の使用が約60%と多くの方がこの2つを使用していることがわかりました。ゲーム使用の頻度は8割以上が「ほぼ毎日」、1日あたりの使用時間は「1~3時間以上」が約4割Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部約85%の子どもたちが、ほぼ毎日ゲームを使用していることが分かりました。さらに使用時間は、■1~3時間が約38%■3~6時間が約33%と、多くの時間を費やしていることが分かります。ゲームへの没頭度合いは?Upload By 発達ナビ編集部1.自分でゲームとの関わりをコントロールできている、2.長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている、3.ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている、いずれの状態かを聞いたところ約55%が「長時間ゲームに没頭しているが日常生活は送れている」、約36%を超える子どもが「ゲームを最優先し日常生活に支障が出ている」というアンケート結果でした。没頭するようになったきっかけ・心当たりとしては、学校でのストレスや不登校、友人関係がうまくいかないことやオンラインでの交流の方を好む傾向があるため、という回答が多くみられました。また、過集中などの発達障害の特性が影響していると考えている保護者もいるようです。ゲームに熱中することで、勉強や生活に問題が出ている子どももUpload By 発達ナビ編集部上記のグラフにある通り、「勉強が手につかない」が383人と最も回答数が多く、朝起きられない、お風呂に入らない、食事をとらない、昼夜逆転など、基本的な生活習慣に影響があるという回答も多く挙げられました。ものに当たる・壊す、家族への暴力などの問題が挙げられている点も無視できません。保護者の悩みごととは?Upload By 発達ナビ編集部子どものゲームの使用に関して、保護者の方々は上記のような悩み・心配ごとを抱えています。具体的なエピソードとしては次のようなものが寄せられました。〇本人に問題意識がない「1年前までは、ネット依存外来に半ば強引に通院させていましたが、本人の否認が強く、医師も治療の手立てが無く、悪化するばかりで、現在大学も休学して、家族とも話さず昼夜逆転でゲームしているので、通院もさせる事も出来ず、途方に暮れています。」「タブレットを触っていると、会話もなくなります。でも本人はそれを問題だとは思っていません。」〇将来が不安「どうやったらゲームの優先順位を下げれるでしょうか。やるべき事を終えればゲームしてもいいと言っていますが、ゲームが最優先で勉強をしなければならないと思っていない様子で心配しています。」「ゲームを生活の最優先にしていることが悩みです。一方で、ネットゲームの仲間とスカイプで楽しそうに会話しているのを見ると、学校にはない、本人にとっては心の許せる大切な友達なのだとも思います。来年は中学3年生で受験と向き合わなければいけませんが、このままでは志望校に合格するのは難しいです。本人の気持ちも大事にしたいですが、どうしたら勉強にも向き合ってくれるかが悩みです。」〇目が悪くなる「家族が寝静まるまで待ってからゲームを始めます。寝たふりをしているので真っ暗な部屋でゲームをしていて、これはマズイと思いました。」〇言葉が乱暴になっている「そろそろゲームをやめる様に声かけすると暴言をはきます。」「ゲームで勝てないと本気で泣いて暴言を吐いて暴れだします。」〇食事睡眠をとらず健康に影響が出ている・出そう「土日になると前日遅く寝ても朝、早く起きてゲームをします。私が何も言わなければ飲食もせずにゲームを一日中続けています。ゲーム時間をどのように減らしていければよいのか悩んでいます。」家庭ではどんな対策をしている?Upload By 発達ナビ編集部約76%が現在ゲームの使用に関して対策や工夫をしています。また、行っている対策は、次のような結果でした。Upload By 発達ナビ編集部具体的な対策の内容として寄せられたものの中から、一部を紹介します。■ルールの決め方の工夫「ゲームの時間を決めても辞められないため、勉強の時間を決めてその時間はやらないようにしました。自分で決めた時間なので、声をかければ何とか時間内に宿題に取り掛かれるようになりました。」「本人も交えて話し合い、守れそうな時間制限をルールにしたので、自分から意識して止めることがほぼ定着しました。」■専門家に指摘してもらう「子どもがゲームをやり過ぎているために、生活の管理ができていない事をカウンセラーの方から話していただき、元々の不登校の原因である起立性調節障害の回復が遅れる事を指摘していただきました。家族からの指摘より、専門家にお話ししていただく方が具体的でピンポイントだったので、子ども自らが進んで生活表を作って頑張ろうとしています。」「病院で決められたことなので、子ども自身がタイマーを使って時間を守っています。」■ゲーム以外に興味を引き出す「学校へはいけないので、放課後等デイサービスで体を動かすようにお願いしています。するとデイサービスが本人にあっていたのか、その時間はゲームから離れられるようになりました。」「月に2回程度スポーツ教室に通い始めました。本人なりに楽しそうに取り組んでおり、体を動かした日の夜は朝まで熟睡しています。」■家族も一緒にやる「一緒にゲームをすることで、親もキャラクターを覚えました。その上でゲームとのかかわりについて注意をしました。親も一緒にゲームを楽しみ、コミュニケーションを取ってから、決まりについて話したところ、徐々に子どもも聞いてくれるようになりました。」■気づかせる「ゲームをしている時間を細かく書き、本人に知らせるとすんなりゲームをやめられました。ただ、1分でも間違えたら怒ったりもします。ゲームを使用している時間を細かく書いて知らせることで、子どもは長い時間使用していると理解し、一定の時間でやめてくれるようになりました。毎回ではないですが、すごい進歩です。」6割以上が相談相手がいるUpload By 発達ナビ編集部7割近くが子どものゲームの使用に関して誰かに相談しています。Upload By 発達ナビ編集部具体的な相談相手としては次のような結果となりました(複数選択あり)。■医者、専門家(235名)■家族(207名)■友達(112名)■スクールカウンセラー(96名)医者や専門家、学校などで子どもを見守るスクールカウンセラーなどの第三者に相談をしている方が多くみられました。専門家によるアドバイスを紹介!「ゲームにまつわる悩み」どう対処する?Upload By 発達ナビ編集部医者や専門家に聞いてみたいこととして、上記のような内容が希望として挙げられました。すでに改善しようと多くの保護者が取り組んでいますが、それぞれのお子さんに合う解決策が分からないという人も少なくありません。そこで、具体的な質問内容から、鳥取大学の井上雅彦先生に対応策を伺いました。時間制限がしづらいスマートフォンとのつきあい方に悩んでいるという場合については「コミック本やテレビと違い、ゲームやスマホは終わりがないので依存が生じやすくなりがちです。依存しすぎる前に、自分の力で管理できるように環境を整える必要があります。ルールの決め方の基本は1. 子ども参加でつくる2. 無理のない具体的な使用時間を決める3. ゲーム機やスマホは親の目の届くところで使う4. (ルールを適用する)期間を設定する(例:1日間、1週間など)5. 守れたらほめるでも、ゲームをやめて、その分勉強をしろというのはハードルが高すぎるかもしれません。まずは、ゲーム以外の趣味を増やす、ゲームと少し距離を持つことができるようにしましょう。刺激を求める子どもの場合は、ゲーム以上にワクワクできる体験(アウトドア体験、映画館で映画を観る、一人旅、高校生以上ならアルバイトなど)の機会をつくるのもいいですね。好きなことが増えることで、ゲームがなくても大丈夫な時間が生まれ、その時間を勉強に向けることもできるようになっていきます。また、頭痛や不眠など、ゲーム依存による身体症状が出てしまっている場合は、それを話し合いのチャンスとし、主治医や専門家の協力を得て、ルールづくりをできるとよいでしょう」ゲームによる勉強への影響に悩んでいる場合については「まず、志望校合格までの計画づくりを一緒にします。そのために、ゲームの時間をどう管理すべきかを考えさせます。ゲームを一方的に取り上げるのではなく、自分で管理できるようにする必要があります。目の前にあるとどうしても手に取ってしまうと本人が考えるのであれば、保護者が管理するとか、子どもの部屋には置いておくけれどカバンに入れて部屋の隅に置くなど、すぐには手に取れない状態にします。少しずつ離していけるようにしてみると、管理ができるようになっていくと思います」子どもに対してだけでなく、夫への対応や、夫から子どもへどう接してもらったらいいかについて悩んでいるという場合については「夫に対して、感情的にコミュニケーションすると、夫はゲームをしている自分を責められているように感じてしまいがちです。”子どもはゲームを毎日○時間やっている”という現状があり、そのため”勉強をまったくしない”というように、何が起きていて、どう支障が出ているのかを具体的に伝えることが大切。父親が子どものゲーム仲間になること自体はいいけれど、子どもが勉強する時間に横でゲームをやるのは控え、自室で楽しむなど、子どもへの影響を考えた具体的な関わり方を話し合う必要があります」また、「母親もゲームをやってみて、”なかなかやめるのが難しい”ことを実感し、子どもの立場に立って”どうしたらやめられるか”を一緒に考え、約束をつくっていくのもいいでしょう」とのアドバイスもいただきました。まとめ今回アンケートをとってみて、ゲームが身の回りにあるのが当たり前な環境にいるお子さんに対して、ゲームとの適切な関わりの示し方に悩まれている保護者の方々が多く見受けられました。LITALICO発達ナビでは、今後子どもとゲームとの関わりについて記事を掲載していきます。専門家の視点やすでに取り組まれている方々の声も取り入れながら、子ども一人ひとりに合った関わり方ができるようになることを願っています。
2018年10月09日ベビーカレンダーは285名のママ・パパを対象に、スポーツ系の習い事人気調査を実施しました。ママ・パパたちが子どもに習わせたいスポーツは? 習わせたい理由とは? 0歳児からスポーツを習わせているママも!習い事をしているスポーツはある?イマドキの習いごと事情を調査すべく「今現在子どもにスポーツを習わせていますか?」と質問したところ、 89.1%の方が「習わせていない」と回答。一方で、0歳または1歳の子どもを持つママ・パパが回答者の65.3%と過半数以上を占めているなかで、10.9%もの方が「習わせている」と回答する結果となりました。 0歳~1歳児、どんな習い事をさせている?具体的な習いごとの内容を聞いたところ、「スイミング」が1位、次いで「体操」「サッカー」が続きました。水への恐怖心が少ない赤ちゃんのうちから始められるベビースイミングは、特に幼少期から開始する習いごととして人気を集めているようです。 将来子どもにさせたいスポーツ1位は…?!「将来子どもにスポーツをしてほしいですか?」という質問に対し、91.9%が「将来子どもにスポーツをしてほしい」と回答。また、「子どもに今後させたいスポーツ」は、水泳が圧倒的な支持を集め1位となりました。 大坂なおみさんや錦織圭さんの活躍で話題のテニスは主要競技の中ではまだまだ人気が低いようですが、今後上位にランクインしてくるのか注目です。 ママ・パパたちが子どもにスポーツをさせたい理由93%の方が「スポーツは子どもの人生の役に立つ」と回答ママ・パパたちに「スポーツは子どもの人生に役立つと思いますか?」と質問したところ、93%の方が「とても思う」「まあ思う」と回答しました。1位は「体力面・精神面」ともに鍛えられるからその理由として、「体力面だけでなく精神面も鍛えられるから」という回答が最も多く、「体力的に鍛えられるから」「社会性を身につけられるから」「勉強では得られない経験ができるから」などが続きました。 スポーツの醍醐味は体を動かすだけではなく、勝負を通して鍛えられる精神面やチームプレーで学ぶ社会性など多岐に渡ります。勉強だけでなくスポーツを通して子どもたちにさまざまな学ぶ場を提供したいと考えているママやパパは多いようです。 今回の調査結果から、人気の習い事や親御さんたちのスポーツへのポジティブなイメージが明らかになりました。お子さんの習い事を検討されている親御さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。<調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方調査期間:2018年9月15日~9月18日調査件数:285件
2018年10月07日子どもの登下校時の荷物。例えば、小学生であればランドセルの中に教科書やノート、さらにランドセルに体育服や上靴が入った袋をぶら下げたり……。学期末になれば、ランドセルに留まらず学校で栽培した植物などを両手に抱え下校する姿を見ると、懐かしくなる反面、とにかく”重そう”な印象を受けます。さらに傘をさす雨の日には、その心配は倍増してしまいます。つい先日、文部科学省が”置き勉”(学校に教材を置くこと)を認める方針を固めることが話題となりましたが、保護者の皆さんはこれについてどう考えているのでしょうか?今回は、子どもの「置き勉」についてのお話です。■ 7割以上の親が「置き勉」に賛成!ドリームエリア株式会社が実施した、学校に教材を置いておく「置き勉」に関するアンケート調査によると、子どものいる親36,941名のうち実に74%が、学校へ持っていく荷物を負担と捉えていることが判明しました。回答者の中には、”万が一自然災害が起こった際に身軽に行動できるようにして欲しい”ですとか、”ランドセルの他に両手が塞がるようなものを持ち帰るのは心配”などの声が挙がっています。ハル / PIXTA(ピクスタ)確かに両手が塞がっている状態では小学生みんながランドセルにぶら下げている”防犯ブザー”をもしもの時に活用することは難しそうです。このように子どもの身体への負担、緊急時への不安などから、「置き勉に賛成か?」の質問では、7割の親が「宿題や予習に必要な教材のみを持ち帰れば良い」などの意見で賛成と回答しています。sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)筆者が小学校高学年の頃は、国語辞典まで持ち帰りしなければならず、ランドセルに入らない教材類はサブバックで対応していました。今考えると、辞書なんて自宅にあるもので代用できたはずなのですが、当時は荷物が重すぎると感じながらも、教材を持ち帰ることにあまり疑問を抱いていなかったように思います。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)中学・高校になるとさすがに”置き勉”をしなければ、登下校できないレベルになっていましたので、学校側がある程度容認してくれていました。このあたりは、地域や学校によっても差がありそうですね。一方で置き勉に反対した親の意見には、「置き勉をすることで盗難やいじめ、いたずらにつながるのではないか」といった不安を感じる声も挙がり、その対策として、鍵付きロッカーの設置などが挙がっています。■ 「置き勉」のメリットとは?7割の親が賛成する”置き勉”。「置き勉のメリットは何か?」という質問の約9割が”身体的負担の軽減”と回答しています。ランドセルの重さは約900g~1500g。特に小学一年生は、ランドセルが空っぽの状態でも”重い”と感じるのに、これに荷物を詰め込むとなると身体への負担は確かに心配になります。かえる / PIXTA(ピクスタ)身体への負担だけでなく、重すぎる荷物によって「学校へ行きたくない」とか、学校嫌いになるケースも。最近は、通学路の不審者情報も多いため、”身軽”である方が、子どもは安全と親たちは考えています。■ 「置き勉」による家庭学習への不安とは?置き勉が定着するとすれば、それによる弊害はあるのでしょうか?半数以上が学習不安を感じないとしながらも、「置き勉をすることで家庭学習へ不安を感じる」と回答した人は22%にのぼります。確かに、”これは置いていく、これは持って帰る”と置き勉を子ども自身の判断にゆだねるとなると、子どもが必要な教材を持ち帰るのを忘れてしまい、宿題がおろそかになってしまうかもしれません。文科省が置き勉を認める方針を固めていくのであれば、今後、置き勉について、”学校”と”家庭(親)”の連携も更に密なものにならなければ、家庭学習や学力に差が出てくることも懸念されるのではないでしょうか。いかがでしたか。重すぎるものを日常的に運ぶことは、身長に影響すると言われておりますし、荷物のせいで、肩や腰を痛めて子どもの活動に支障が出てしまうことは、本末転倒な気がします。”置き勉”容認について、早急に検討してほしいと感じます。【参考】※ドリームエリア、子どもの「置き勉」に関するアンケート調査結果公開。「置き勉に賛成」の保護者が71%※子どものためのランドセル選びガイド※重たい物を運んでいると-整形外科 病気のQ&A | 竜操整形外科
2018年10月04日編集部:学研キッズネット編集部いま、小学生のあこがれの職業“声優”。でも「いったいどうしたらなれるの?」という素朴な疑問を、直接声優さんに聞きました。インタビューしたのは、「将来声優になりたい!」という小5のあやねちゃん。答えてくれたのは、『キラキラ☆プリキュアアラモード』のオープニングテーマ曲『SHINE!! キラキラ☆プリキュアアラモード』を歌い、同作品に“ゆり”役で出演していた駒形友梨(こまがた ゆり)さん。憧れの駒形さんを前に緊張気味でしたが、あやねちゃんは、しっかりと質問してくれました。そして、駒形さんもどんな質問にも、笑顔でわかりやすく答えてくれました!駒形友梨さんは、声優だけでなく歌でも活躍中!いろんな経験ができるので、声優は楽しいですよ!あやね:わたしはアニメが大好きで、将来声優さんになりたいんですけど、声優さんにはどうやってなりましたか?駒形:高校を卒業後、専門学校の声優科へ進学し、演技の勉強を始めました。そこに通いながら、たくさんのオーディションを積極的に受け、そのなかの「アニソングランプリ」というコンテストに出場し、声優さんのお仕事をもらえる芸能事務所に声をかけていただき、入ることになりました。わたしのように、専門学校から声優になる子もいれば、小さなころから児童劇団などに入り、演技の勉強をしたり、声優事務所がやっている養成所に入ったりして、声優になる子もいます。あやね:声優さんになって、大変なことを教えてください。駒形:自分がいいと思った演技をしても、監督さんが違うものを求めていたら、それは合格にはなりません。監督さんがいいと思うものを、すぐに演技できることが大事なので、毎日いい演技ができるように勉強しています。たまに、台本がギリギリに届くことがあるのですが、そのときは練習する時間が短いのでとても大変です。でも、そのぶん、できたときはとても嬉しいですよ。あやね:声優さんになって楽しかったことはなんですか?駒形:たくさんのキャラクターと出会って、その人たちになって、いろいろな経験ができることです。あとは、みんなの前で、大好きな歌を歌えることです。みんなの前で歌うことで、みなさんが笑顔になってくれたり、盛り上がってくれることが幸せです。少し恥ずかしがりやさんのあやねちゃんですが、がんばってインタビューしてくれました。“好き”から生まれたものは将来役に立つはず!あやね:声優さんになるために、何をすればいいですか?駒形:アニメを観ることや、歌を歌うことなど、好きなことにたいして、たくさん時間を使って、自分の中にある“好き”をふくらませてください。その“好き”から生まれた力は、将来、とても役に立つはずですよ。わたしは、声優になると決めていたので、大学には行きませんでした。でも、アニメには難しい漢字が台本に入っていたり、昔の歴史をもとにしたもの、社会的な作品などがたくさんあります。だからこそ、たくさん勉強するのも大切なこと。知識があることは、自分の武器になります。なので、勉強もがんばると、よりいい結果になると思いますよ。なかでも、台本を読んでイメージを膨らませる職業なので、国語はもちろん、たくさん本を読むと、すべてが力になるので、オススメです。あやね:なんで声優さんになったんですか?駒形:小学校の時、『シャーマンキング』というアニメが大好きでした。エンディングテーマの画面を見ていたときに、声の役の人と、歌を歌う人がいっしょの名前だということに気づき、調べたら、それが“声優さん”というお仕事だということを知ったんです。わたしが好きだと思っているアニメと、歌を両方できる人がいると思った瞬間、わたしもこのお仕事がしたいと思いました。あやね:プリキュアは好きですか?駒形:大好きです。魔法少女って、何歳になっても憧れるもの。その歌を歌えたことは、本当にうれしくて、いままでがんばっていてよかったと思いました。あやね:歌っているときは、どんなことを気にしていますか?駒形:音程や歌詞を間違えないようにという気持ちはありますが、なにより“楽しもう”という気持ちのほうが強いです。見ている人も、歌っている人が楽しんでいるほうが楽しんでくれるので、いつも誰よりも楽しむようにしています。あやね:どうしたら歌がうまくなりますか?駒形:たくさん歌うことだと思います。わたしも1週間歌わないと、うまく声が出なくなるんです。なので、毎日家で声を出したり、口ずさむことを大切にしています。あとは、歌詞をちゃんと理解することも大切にしています。声優さんは、どんなに歌が上手でも、気持ちがこもっていなかったら、ほかの人の方がいいんじゃないかと言われてしまうんです。なので、下手でも、気持ちを込めて、“わたしならどうするかな”とか、“この主人公はどんな気持ちで歌っているのか”を考えて歌うだけでも、上手になると思いますよ。声優さんになるためには、まず、歌やアニメなど、好きなことをもっと好きになることが大事だと教えてくれた駒形友梨さん。さらに、どんどん積極的にオーディションを受けたり、毎日歌を歌ったりすることが近道だということもわかりました。実は、誰にでもなれる可能性がある声優さん。インタビューをしたあやねちゃんも、お話を聞いて、よりなりたい気持ちが強くなったようです。つい、“無理だ”と思いがちな職業ですが、ルートが少しでもわかれば、その夢をあきらめる必要はないかもしれません。せっかく抱いた夢なら、最初から無理だと諦めず、がんばってみてはいかがでしょうか。(まとめ吉田可奈)プロフィール・駒形さんからのメッセージ駒形友梨1991年8月25日生まれ。東京都出身。2012年に声優デビュー。2017年2月~18年1月に放送されたテレビアニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)では、ゆり役で出演し、オープニン主題歌「SHINE!!キラキラ☆プリキュアアラモード」の歌唱を担当した。また、6月20日には、ニューシングル『トマレのススメ』を発売。■CD情報デビューシングル『トマレのススメ』(ロッカンミュージック)TVアニメ『踏切時間』主題歌好評発売中【DVDつき初回限定盤】¥1,800+税《駒形友梨さんからのメッセージ》この曲は、“止まることも大事だよ”というメッセージを込めて歌っています。声優になりたいみんなも、なかなかうまくいかずに焦るときがあると思うんです。さらに、周りに認めてもらえなくて、失敗してしまうこともたくさんありますよね。そんな時間は、欲しくないと思うかもしれませんが、その立ち止まっていた時間があるからこそ、次の一歩が踏み出せるんだよというメッセージを詰め込んでいるので、ぜひ聞いて勇気をもらってください。そして、声優さんという職業を目指して、がんばってくださいね!学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年10月03日出産して子育てに専念。子供が小学校に慣れてきたら社会復帰しようと考えている人も多いですよね。しかし、ブランクがあると社会復帰に不安を感じることも。そこで注目したいのが仕事に役立つ資格です。今回は、子育てする妻に社会復帰につながる資格の取得について、パピマミ編集部が紹介します。資格は社会復帰を目指す就職活動で武器になる家事と子育てに追われながら毎日を過ごす人が大半ですよね。少しでも空き時間が確保できたら、自分の好きなことに時間を使いたいと思うはず。しかしその気持ちをグッと我慢して、自分自身の将来のためにその時間を使ってみませんか?社会復帰したいなら、空き時間を利用した資格の勉強が最適です。資格を取るメリットは、就職活動の際に「自分が資格を取るためにどれだけ努力をしたのか」を面接官にやる気をアピールできます。たとえブランクがあろうと、「その仕事を得たい」という気持ちも伝えやすくなり、就職活動においても有利になるでしょう。資格を選ぶ際は、「ママの間で人気の資格」というキャッチコピーに惑わされず、自分に最適な資格を選ぶようにしてください。まずは「どのように仕事をしたいのか 」を明確にし、それを実現できるスキルや知識を見極めることが大切。それでこそ、資格を得る価値があります。再就職の際に資格がメリットを生むケース会社が採用で注目するのは、経験やスキルだけでなく人柄やポテンシャルなど様々 です。資格があれば社会復帰につながりやすい!と言っても、資格は経験やスキルを強化するものと捉えておきましょう。大きな期待をするほどの結果は得づらいのです。例えば、医療事務や調剤薬局事務など医療系の資格は、医療機関で専門的な仕事に携わります 。これらの資格はどれも民間資格で、実際の業務に必須だという訳ではありません。資格がない人でも仕事に就けますし、資格があるかどうかよりも、経験の方が優先されます。とは言いつつ、資格を得てメリットが生まれるケースも存在します。「医療事務系の現場で働いていたが、結婚を機に退職してからブランクが長い」というようなケースです。この場合、「今までの実務経験にプラスして、今回新たな知識と現場の情報を把握するために資格を取った」と説明すれば採用担当者に熱意が伝わりますし、資格手当につながる可能性も出てくるはずです。人材不足の分野で活躍する道も興味がある仕事が人材不足の分野であれば、資格取得によってより仕事が得やすくなるというメリットが生まれます。介護職が人材不足になっているように、この分野では「介護職員初任者研修」が近年ホームヘルパーの2級に該当する資格として新しく誕生しました。これは、介護資格の中でも一番取りやすい資格なので、介護職に就きたいなら最初に取得しておきましょう。「特定求職者」に相当する場合は、ハローワークにある求職者支援制度を活用して資格を取ることも可能です。また、介護スタッフと同様に人材不足が指摘されているのが保育士です。子育てを経験している主婦には、育児経験を仕事に活かせると注目されている資格 。通信教育で勉強することも可能で、半年間勉強して合格する人もいますが、空いた時間を利用して勉強するなら、1年から2年確保しておけば無理なく学習できるでしょう。なお、保育士になれば保育園に加えて子育て支援センターなどでも活躍できます。資格取得を目指すと決めたら心掛けたいこと社会復帰のために資格を取りたいと思ったら、取り掛かりたいのは情報収集と同時に勉強時間を確保すること 。挫折しないために、2、3点のコツを押さえておきましょう。まずは「この時間を勉強に充てる」と決めたら、家事はそれ以外の時間で終わらせるようにしっかり段取りを組むこと 。そして、モチベーションを保ち続けるためにも、最初は「とりあえず30分毎日勉強する」など負担にならない程度から取り組み、慣れてきたら少しずつ時間を増やすようにしましょう。また、ついテレビを見てしまう時間などの「すき間」時間を勉強に充てる方法もおすすめです。テキストを5分でもいいので見直したり、スマートフォンのアプリを使って勉強することもできます。暗記すべき事柄をメモにまとめ、調理中に食材を煮ているわずかな間や入浴中に確認してもいいでしょう。短時間でも勉強する癖をつけると、一日の間で勉強に充てられる時間を捻出しやすくなる はずです。まとめ子育て中でも、子供の面倒を見たり家事をしている合間に勉強できる資格が色々あります。もちろん、決して「資格さえ持っていれば社会復帰は簡単」という訳ではありません。ありませんが、就職活動でアピールでき、自分に対して自信が持てるようになりますよね。これまで資格の取得に取り組んだことがない人も、子育てを機に勉強してみてはいかがでしょうか。ハードルが高そうに思われても、合格率が意外と高いものもありますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
2018年09月27日専門家・プロ:遠藤美季教育のシーンにもタブレットやスマホが今回は社会の変化とデジタルネイティブの子育て、とくに教育との関係について考えてみましょう。くどいようですが、子どもたちの生活のなかでネットを遠ざけることは難しくなっています。子どもが通う学校でも、プログラミングやタブレットを使った学習だけでなく、登下校の管理にスマホを使ったり、語学の授業に教師ロボットがとりいれられたりと、多様なICTの導入が進められています。さらに部活の連絡に、親も子どももSNSを使う現状があります。このような状況に向き合うため、家庭だけでなく学校の先生と情報や課題を共有しながら、スマホやタブレットの家庭での管理について親子でいっしょに考える機会を作っておくといいでしょう。困っているんですわが子のスマホ依存を心配する親の話を聞いていると、必ずしも親が納得して端末を与えているわけではないのだと改めて感じることがあります。「本当はまだ早いと思っていたのだけれど、同じ部活の親から、連絡に困るからお子さんにスマホ買ってあげてと言われて買うしかなかった。」「学校で学習用にタブレットを全員購入しなくてはならず、買ったのだけれどYouTubeばかり見ていて困る。先生に話すと、YouTubeは授業でも使うので削除しないように言われた」など。ご家庭でスマホやタブレットを持たせるタイミングや使うコンテンツを計画している親にとっては頭の痛いことですね。とくにお子さんの勉強への影響を心配する親にとって、その悩みは重くのしかかっているように感じます。「うちはうち」というスタンスを貫きたいところですが、先輩ママから半強制的に言われたり、学校からの要請とあればそれも難しい。「わが子を思う親心やわが家の事情」よりも「自分が迷惑をかけているような気もち」が勝ってしまったり、「どうにもならない状況」にいると気付き、もやもやしながらも子ども用のスマホを購入してしまうようです。スマホ包囲網がわが家にせまってくる悩みは深刻です。そんなときはばく然と不安に思うより、気持ちを切り替えて「スマホを上手に教えられる親になって、上手に使える子に育てよう」と考えてみてはいかがでしょう。学校+家庭のトータルで考えてさて、学校の授業でタブレットを利用するようになれば、視力低下や、のちに失明にかかわる眼病のきっかけになると心配されるブルーライトを浴びる量が多くなります。※家庭のタブレットやスマホの利用をいままでより減らすなど、学校+家庭の時間のトータルで考えましょう。そして現在目が悪くなくても、ブルーライトを軽減するメガネの使用や、端末にブルーライトを軽減するスクリーンシートを貼るなどの工夫も必要です。そして、スマホと健康について子どもといっしょに考え、親の表情や言い回しで、使い過ぎることのリスクを伝えていけるといいと思います。たとえば、心配そうな表情で「目が悪くなったら、大好きなお父さんやお母さんの顔も見えなくなっちゃうんだよ」というように。端末にもひと工夫を利用時間だけでなく、端末についてもひと工夫するといいかもしれません。学校で授業に使っても、子どもはスマホやタブレットを鉛筆やノート、参考書と同じように学習目的だけに使用するものだとは考えません。CMを見てもスマホは楽しいことが満載の道具として宣伝されていますし、実際大人でも勉強に使っている人は少ないですよね。子どもはCMや親の姿、友だちからの情報から、スマホは「友だちとの連絡や調べ物、買い物、動画、ゲームの道具」と学びます。実際にスマホやタブレットを勉強に使っているという子に聞くと、勉強や調べ物に利用していても、友だちからのメッセージや動画やゲームの通知に反応してしまうといいます。もちろん自分で通知をオフにできるようになるまで、親がていねいにかかわっていければ問題ないのですが、それが無理なうちは学習用とそれ以外の利用端末を分けるのも対策の一つだと思います。勉強専用の端末をいつもの端末と別に用意するやり方です。これなら、子どもがいま勉強に使っているのか遊んでいるのか一目瞭然ですよね。少々費用がかかり無駄なように感じますが、勉強と遊びの切り替えが苦手な子にはそのような対策も考えてみてはいかがでしょうか。※ブルーライトに関する記事遠藤美季(えんどうみき)任意団体エンジェルズアイズ主宰、情報教育アドバイザー・ネット依存アドバイザー。保護者・学校関係者に対し子どものネット依存の問題の啓発活動を展開するため、2002年にエンジェルズアイズを設立。学校講演、Web上での普及啓発活動、メールによる相談活動などをおこなっている。著書に『子どものネット依存小学生からの予防と対策』(かもがわ出版)、『ネット依存から子どもを救え』(墨岡孝氏との共著、光文社)など。
2018年09月27日子どもが小さいうちは当たり前のように行っていた絵本の読み聞かせも、小学生になり自分で本を読めるようになった頃から行わなくなるというご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、小学生以降も継続的に読み聞かせを行っておくことが、将来の子どものためになるのだそう。今回は、長年にわたり“子ども”と“本”に関わってこられた海沼栄造先生に、読み聞かせの大切さを教えていただきました。読み聞かせは、親の愛情を感じる大切な時間――絵本の読み聞かせについて伺います。読み聞かせは子どもが何才ぐらいまで続けるといいのでしょうか?「読み聞かせは、子ども自身が『もういいよ』と拒否するまで、できるだけ長く続ける方がいいと思います。字が読めるようになって、自分で本を読みたいという子どももいるでしょう。もちろん、それはそれで読ませてあげましょう。でも、“子どもが自分で読むと言い始めたからお母さんはもうやらなくていいわ”と思うのではなく、どこかの時間で、『じゃあ、今度はお母さんが読もうか』と声をかけて、膝の上に抱っこしながら読んであげてください。お母さんに抱かれて読み聞かせてもらうのは、子どもがお母さんの愛情を体全体で感じられる時間です。自分で本を読むのは自立につながること、読み聞かせは親の愛情を感じること、その両方が子どもにとって必要なことなのです」――長く読み聞かせを行っていた子とそうでない子では、なにか違いはでてきますか?「私の塾に通ってきている中学生の中に、小学校4年生ぐらいまでお母さんに本を読んでもらっていた子がいます。『大草原の小さな家』などの長いシリーズものを、じっくりお母さんに読んでもらっていました。その後、自分だけで本を読むようになってからも、読書を愉しみながら、じっくりと考え、他者の意見にも熱心に耳を傾ける子に育っています。これはあくまでも私の経験上ですが、本が好きで、たくさん本を読んでいる子は、結果として成績も優秀な子が多いと思います。たぶん、数学以外の科目は、ほとんど心配ないでしょうね。数学的ものの考え方は国語力だけではどうにもならないものがあるのですが、それ以外の科目は基本的に大丈夫です。また、本をずっと読んできた子と、本を読んできていない子では、考える力と書く文章に差がでます。本を読むと、想像力が膨らみ語彙が勝手にたまるので、物語を作ったり批評文を書いたりするときの言葉の使い方が上手になるのです」読み聞かせの継続が、本好きな子を育てる――最近では本離れも進んでいますが、子どもを本好きにさせるにはどうすればいいと思いますか?「今の時代、テレビやゲームなど、本がなくても楽しいと思えるものが山ほどありますが、そこはやはり、親がひと踏ん張りしないといけないところだと思います。子育てにおいて、子どものあるがままにさせるだけが良いとは限らないのです。子どもを本好きにするには、読み聞かせを続けるのが一番良い対策です。小さい頃から読み聞かせが続いている子であれば、本の面白さ、お母さんと本を読む喜びを知っているので、たとえ他のものに夢中なときがあっても、絶対に本に戻ってくると思います。また、お母さんたち親も、少しでいいから自分の好きな本を読む時間を取りましょう。今のお母さんたちもネットの世界で生きているし、忙しくてなかなか時間がとれないかもしれませんが、親が本を読む姿を見せることも大切なのです」――なるほど、親の背中を見せなければいけないのですね。では最後に、おすすめの絵本などがあれば教えてください。「小学校低学年のうちは、絵本をできるだけたくさん読んであげてください。絵本の中の美しい絵を見て楽しむ感覚は、想像力を育むのにとても大事なことです。そういう点では、吉田遠志という絵本作家の『アフリカの動物絵本シリーズ』や、バーバラ・クーニーの『にぐるまひいて』『オーパルひとりぼっち』、ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』などは、子どもの美的感性を磨き、心の部屋を膨らませる最高の贈り物だと思います。小学校に入ったからと言って、文字だけの本へ移行しなくてはと急ぐ必要はまったくありません。山ほど絵本を読んで、同時進行で、『くまの子ウーフ』や『エルマーのぼうけん』といった児童書も混ぜていけばいいのです」――大変勉強になりました。引き続き、読み聞かせを行っていこうと思います。この度はありがとうございました。(※ご紹介いただいた絵本の中には絶版になっているものもございます。図書館などで所蔵している可能性もありますので、探してみてください)お話を伺ったのは…海沼 栄造(かいぬまえいぞう)先生【プロフィール】1967年に東京学芸大学入学。1989年~1999年の間、経堂で子どもの本屋「もみの木」を営業。1995年に学習塾「悠愉学舎」を開き、現在に至る。遊びを取り入れながら学ぶことによって五感を通じた学ぶ面白さや、自然・社会の中に潜むたくさんの不思議さに気づいてもらい、自分で考えて判断し行動する人間に育ってほしいという想いで子ども達と一緒に学んでいる。子どもの本(現在は大人の本も)を読む「エヴァの会」を約20年、子どもの教育などの本を読む「樹の会」を約10年、塾の現役・OBのお母さん達、地域の方々と一緒に続けている。【参考】悠愉学舎PHOTO/Fotolia
2018年09月25日ほんの少し前に入園したばかりと思っていたわが家の長男も、早いもので来年4月には1年生。早生まれということが関係しているのか、甘えん坊で好きなこと以外やる気なし。小学校に上がったらちゃんとやっていけるのか心配です。小学校入学に向けて子どものやる気を引き出したい! と思い、以前もお世話になった発達心理学・教育心理学が専門の東北文教大学准教授 永盛善博先生に、子どものやる気の引き出し方を教えてもらいました。先生の話によると「子どもがやる気がない時は、疲れや眠気など自分ではどうしようもない統制不可能な要因。難しすぎる、逆に簡単すぎてつまらない、そもそも興味がないといった内的要因。慣れない環境、親しい人がいないなどの外的要因が考えられます。子どものやる気を引き出すには、やる気がない原因を大人が明確にすることと、『この子のスキルは今どのくらいのレベルなのか』を見極めることが必要です」。年長さんのママに実際の悩みを挙げてもらい、先生にアドバイスしてもらいました。お悩み1:夢中で遊んでいて、片づけになった途端やる気がなくなる子どもには「もっと遊んでいたい」という気持ちがあるので、お片づけになると急にテンションが下がってしまいます。ただ、5、6歳にもなると物事を頭で理解することができるようになってくるので、「何時になったら片づけようね」と事前にいつまで遊べるか伝えておきましょう。事前に伝え忘れた時は、いきなり遊びを中断させず「あと10分遊んだら」と気持ちを切り替える時間を与えます。また「ご飯を食べないといけないから」「幼稚園に行く時間だから」と、片づけないといけないはっきりとした理由を伝えることで生活習慣が身についていきます。ワンポイントアドバイス:やる気があってスキルもあるパターン子どもが好きなこと、興味があることは、どんどん伸ばしてあげたいですね。子どものやる気を今以上に引き出したい時は、「今できるレベルより4%上のこと」=「背伸びすればできるくらいのこと」に挑戦させるともっとも効果的。求められることが自分のスキルより低すぎても、高すぎても子どものやる気は失われてしまいます。お悩み2:運動会やお遊戯会、保育参観など、思い出に残る行事の時やる気を出してほしい幼稚園の行事で自分の子だけなんだかやる気がない…と悩む人もいますね。イベント当日は、お父さんお母さんたちがいて、いつもと違った雰囲気で集中できない子もいます。元々の性格なのか、環境のせいなのか、それともスキルが足りないせいで不安なのか見極めが必要です。子どもが不安を抱えている場合は、子どもと話をして原因を掘り下げてみましょう。「面白くない」ならなぜ面白くないのか、「できない」から面白くないのであれば、どうやったらできるようになるのか親子で考えてみましょう。当日は、できなくてもそれまでの頑張りを認め、できていなかったことも含め、受け入れてあげます。自分のことを理解してくれる人に励まされることで安心感が得られ、子どもの自信に繋がり失敗を恐れず挑戦できる子に育っていきます。ワンポイントアドバイス:やる気があるけどスキルがないパターンやる気があっても、目標を達成するスキルが足りない時は「スモールステップ」と言って、小分けにして課題を与えます。いきなりできないことをさせてもやる気を失ってしまうので、やはり子どものスキルの4%上のことに挑戦させるのがベスト。小さな課題をひとつずつクリアしていくことで自信がつき、やる気にも繋がります。お悩み3:水泳(習い事)で壁にぶつかった時、マンネリになってきた時やる気がなくなる最初は子どものやる気があったけど、だんだんやる気がなくなってきたり、壁にぶつかったりするのが習い事でありがちな悩みです。壁にぶつかった時は、その先にどんな楽しいことが待っているかを教える。努力や頑張りをほめることが大事です。この時期は、同年代のライバルの存在がやる気に大きく関係してきます。競争相手がスキルも年齢も離れすぎていると「負けて当たり前」「できなくて当たり前」と感じてしまいますが、同じくらいの年齢の子と一緒だと「自分にもできる!」「負けたくない!」という気持ちが芽生え、そういった環境に連れて行く、見せることでやる気が出る場合もあります。ワンポイントアドバイス:やる気がなくてスキルがあるパターン一度スキルを身につけてやる気を失ってしまった場合、これ以上スキルを伸ばす必要があるかどうか、親子で話し合いが必要です。もっと伸ばしたい場合、興味を失ってしまった理由は何か、原因があるなら解決します。目標が明確ではない場合は、目標を設定してそれができるようになるまで続けてみる。簡単すぎてもう飽きた場合は、少し難易度を上げてみるなど、今やっていることが子どものレベルに合っているか再確認しましょう。お悩み4:小学校準備で勉強をしていますが、まったくやる気を感じられない親が始めさせた勉強や習い事に対しては、子どもの興味がすぐなくなってしまうことがあります。まわりの子が読み書きができたり、計算ができると焦ってしまうかもしれませんが、「みんなやっているから」という理由だけでは、「なぜやらなければいけないのか」分からず、子どもはやる気が出ません。入学前の学習は、勉強内容を身につけることを目的にするよりも、学習することで身につけられることに注目すべきです。例えば「自分で本が読めるようになりたい」だからひらがなの読み方を勉強する。「知りたい!」という知的好奇心を満たすために調べる。やればできるという「成功体験を積み重ねることで自信をつけさせたい」など、目的をはっきりさせた上で、子どもに合った勉強方法を見つけましょう。ワンポイントアドバイス:やる気がなくてスキルもないパターン興味がなくてやる気がない時は、興味を持ってもらえるように働きかけ、それでも興味を持たない場合「本当に今やる必要があるのか」を、もう一度考えてみましょう。できないことをできるようになってほしいという気持ちもあると思いますが、子どもの良いところに目を向けて、できることを伸ばしてあげることも大切です。お悩み5:子どもは“ほめて伸ばす”と聞いたけどそれって間違いなの?“ほめて伸ばす”という言葉が一人歩きして、何でもでもほめればいいという風潮が見られます。ですが、ほめられ続けると「失敗したらどうしよう」「できなかったらどうしよう」と、子どもはプレッシャーに感じることもあります。また、プライドが高い子にできて当然のことをほめると「自分はその程度しか評価してもらえない」と傷ついてしまうんです。極端な話、6歳の子に「すごい! 上手に歩けたね!」とほめても、嬉しくないどころかバカにされているように感じてしまいますよね。やみくもにほめるのではなく、子どものレベルより上のことができた時ほめるのが効果的。特に大事なのは“できたこと”(結果)だけではなく、できるまでのプロセス(過程)をほめること。できなかった時も、努力したことを認めて励ますことで自信に繋がります。子どもは、頑張ったことに対してほめられると認めてもらえたと嬉しくなります。また、できるのにやらない時に叱ることも、子どもの能力を認めていることになります。ほめることと叱ること、真逆のように感じますが、実はどちらも子どものことを認めている証になります。ほめるばかりではなく、『励ますことや叱ることも子どものやる気を伸ばすために必要』ということを頭に留めておきたいですね。
2018年09月25日ただでさえ集中力がないときに、意味のない勉強法を試みても、それは逆効果というもの。子どもが一生懸命に勉強に時間を割いているのに、なかなか思うように結果が出せないと、ますます勉強が嫌いになってしまいかねません。効果の薄い家庭学習はやめて、短時間でも効果のある家庭学習を行うことが、2学期からの家庭学習には特に必要となってくる課題だといえます。■ まずやるべきは「家庭学習の癖」を取り戻すこと2学期がスタートし、学校やクラスの雰囲気にもすっかり慣れ、そろそろ家庭学習にも精を出してほしいと思っている親御さんたちはとても多いと思います。よっしー / PIXTA(ピクスタ)しかし親が抱く願いとは裏腹に、いまいち“夏休みボケ”が抜けきらず、家庭学習に向き合えないという子も多くいます。事実、筆者が塾講師をしていたときは夏休み明けの授業での集中力が欠けている子が多く、授業が非常にやりにくいと感じたことを記憶しています。まずは夏休みで崩れてしまった家庭学習を行う日課を確立し直すことが第一関門なのです。CORA / PIXTA(ピクスタ)■ 効果の薄い家庭学習とは?効果の薄い家庭学習といえば、ずばり「ノートをキレイにまとめ直すこと」です。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)実はこれ、あまり効果がありません。おそらく書き写す作業に夢中になり、授業の内容を思い出したり、答えを考えながらノートにまとめることをしないからというのが大きな理由でしょう。キレイにノートをまとめ直して、それが点数に大きく反映された生徒は、筆者が知るなかにはいません。ノートに文字が溜まることで、勉強をしたという満足感は得られるのですが、はっきり言ってそれだけなのです。■ 2つの改善策を試してみて1.先生と生徒の一人二役で整理し直すSAMURAI / PIXTA(ピクスタ)ノートを書き写す作業が家庭学習として日課になってしまっているなら、そこにアレンジを加えましょう。例えば、“ひとり授業をしながら、ついでにノートをまとめ直していく”というのであれば効果は期待できます。“説明をする”という作業は、しっかりと理解していないとできないことです。それを行うことにより、頭にインプットされている部分と覚えきれていない部分が浮き彫りになります。覚えきれていないところを、復習としてノートにまとめ直すのはアリです。2.問題を解き直すCORA / PIXTA(ピクスタ)一度解いた問題を書き写して、もう一度解き直すというのもOKです。もしくは、ワークやドリルを解いていくのも良いですね。もちろん応用編でなくても構いません。基本的な問題だけをチョイスしてもいいし、基本と応用編を混ぜて解くのもOK!■ まとめ忘れるまでの時間と記憶の関係を表した「エビングハウスの忘却曲線」では、人は勉強しても48時間ほどで7割程度のことを忘れてしまうといわれています。しかし再度、問題に挑戦すれば、記憶は上書きされます。kuu / PIXTA(ピクスタ)ただ、どうしても流れ作業的になりがちな“書き写し”では、記憶の上書きがされず結局、忘れてしまうのです。たしかにノートをキレイにまとめ直す家庭学習というのは比較的とっつきやすいのですが、その場しのぎにしかなりませんし、もっと言ってしまえば時間の無駄ということです。ぜひ、お子さまの家庭学習の内容を考えるときの参考にしていただければと思います。
2018年09月20日反抗期?暑さのせい?息子の理不尽クレームに真夏の親子バトル勃発!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみこの夏、例年にも増して私への反抗、八つ当たりがひどかった息子・リク。思春期の高校生ってこんなもん?高次脳機能障害の影響で苛立ちやすくなってる?でも、どんな理由であろうが母も人間ですから、イラッときます(ましてや今年の猛暑…!)やれ洗濯が終わってない、やれ弁当のおかずが足りないとか、ことあるごとに突っかかってきて、親子バトルが勃発…!という日々。そんなある日、友だちと試験勉強をするということで、リクの友人たちが集まってきました。そうはいっても、「高校生の勉強会なんて、どうせ脱線しているだろう」と思いつつ、飲み物を部屋に運んでいきました。「そんなバカな…!」と思ったのは母の心が汚れているから?Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ驚いたことに、真面目に試験勉強に勤しんでいるではありませんか!疑ってごめんよ、リク…。Upload By ひらたともみリクは私にはよく八つ当たりしてくるのですが、よそでは精一杯頑張っているのか、みんなに「いい息子」としてうつるようです(確かに、悪い息子ではありませんけどね~)。「反抗期なのか中2病なのか、はたまたくも膜下出血の後遺症である高次脳機能障害のせいなのか?何か思い通りにならないことがある?無理をしていて気が休まらない?」以前は、リクがむしゃくしゃする度に、なにかと「理由」を見つけようとしていましたが、最近はそれを考えるのも嫌になってきました。ざっくり言えば「そういう年頃」この一言が一番しっくりきます。もともとLDがあり、高校受験の直前に事故で高次脳機能障害に。障害ゆえに苦労してきたリクの姿も見てきているからこそ、親としてついついいろいろ考えすぎてしまっていたのかもしれません。リクも、もう高校生。親の私も、もう少し「鈍感力」や「スルー力」を身につけていい頃合いでしょうか。まだまだ修行が足りません(笑)
2018年09月20日トップライター:川筋真貴算数や数学でつまずくきっかけは、解きかたがわからなくなったとき。学年が上がるたびに高度になっていく算数と数学。楽しく学ぶために大切なのは、「解けた!」という満足感です。正解しても、間違えても、1問ずつ解きかたを示してくれる「数学検定・数学計算トレーニング」で、数学力を身につけるトレーニングをはじめてみませんか。タイトル画面、ストアでのアプリ検索結果の画面数学検定・数学計算トレーニングアプリアイコン画像画面を計算用メモに使える、便利機能つき。気軽に挑戦できる数トレアプリ「数学検定・数学計算トレーニング」は、クイズ感覚で学べる数学トレーニングアプリです。「実用数学技能検定(公益財団法人日本数学検定協会)」の数学検定3級(中学3年レベル)から算数検定7級(小学5年レベル)までの合格に向けた勉強をしながら、分数、少数、単位の計算から、方程式、平方根、簡単な文章問題まで、さまざまな計算問題に全問無料でチャレンジできます。親子で楽しむ使い方図形や文章問題も含めて幅広く用意された約1700の問題はすべて無料。7級(小学5年レベル)から3級(中学3年レベル)までのレベル別にチャレンジできるので、自分の数学レベルに合わせて学習できます。起動画面で、挑戦したい級(レベル)→単元→問題のタイトルをタップすると5問1組の問題がスタートします。問題画面の上半分が手書きスペースです。答えにたどりつくまでの途中経過を自由に書き込みながら解いてみましょう。※もっと広いスペースを使いたい場合は、「メモ帳とペン」をタップ。「消しゴム」をタップすると書き込んだ文字や計算式がリセットされます。3つの選択肢のなかから答えを選んでタップ。正解すると「○」、不正解すると「×」が表示され、自分の回答と正解、くわしい解きかたやコツを見ることができます。起動画面の左上にある「☆」→「設定」画面で、それぞれの級(レベル)の正解状態と正解数をリセットすることができます。リセットする場合には、単元ごとまたは全体のリセットが選べます。学ぶアプリ案内人のツボ小学生レベルの問題なんてチョチョイのチョイ!とチャレンジしたら……「あれ、どう解くんだっけ?」と頭のなかにクエスチョンマークが点滅。解きかたを確認して、「そうそう、そうだった!」と思い出しました。問題ごとに解きかたやコツを見ることができるので、得意な単元を伸ばすのにも、つまずいた単元をくり返し解いて克服するのにもイイですね。子どもの毎日の勉強や定期テストの前の復習だけでなく、わたしの脳トレにも役立ちそうです。【DATA】アプリストアのスクリーンショット3点アプリ名:数学検定・数学計算トレーニング(中学・中学生の数学・計算勉強アプリ)[iPhone・iPad]数学検定・数学計算トレーニング(無料!中学生数学勉強アプリ)[Android](Gakko Net Inc./学校ネット株式会社)価格:無料対象学年:小学5年以上【iPhone・iPad】数学検定-数学計算トレーニング-中学生の数学勉強アプリ/id1023362440?mt=8カテゴリー:教育Appレーティング:12+【Android】カテゴリー:教育コンテンツレーティング:12歳以上※紹介した手順・情報は執筆時のものです。川筋真貴(かわすじまき)中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。
2018年09月19日1歳の誕生日悩みますよねわが子が生まれた記念すべき日。1歳の誕生日。みなさん、どんなものをプレゼントしていますか?もうすぐ子どもが1歳、というママも、何をプレゼントしようか迷っていませんか?子どもから「これがほしい」とリクエストがくることはまずないですよね。正直、何をあげたところで子どもには理解できない、プレゼントなんてなくてもいいのでは?という気もしますが、そこはまぁ親心。何か記念になるものをプレゼントしたいですね。わが家の場合、子ども用ハイチェア「トリップトラップ」わが家の3人、1歳の誕生日プレゼントは、すべてこちら。ストッケのトリップトラップというイスです。子どものハイチェアは本当にいろんな種類が出ていますね。数年しか使わない一時的なものにあまりお金をかけるのも、と思ってしまいがちです。わが家の場合は、せっかくの1歳の記念、今はわからなくても、後々「1歳の誕生日に買ったんだよ」と長く使えるものがいいなと思い、決めました。わが家3台目、息子のイスが届いた時には、みんなで組み立てました私の一番のオススメどころは「抜群の安定感」このニュース記事で取り上げたいほど、何がオススメかというと、抜群の安定感です。子どもが1~3歳の頃って、とりあえず、登りたがりませんか?何にって?なんにでも(笑)。歩けるようになったばかりの子でも、おなかの高さくらいのものがあれば、机でもソファでもなんでも登ろうとします。そんな時、落ちる心配はもちろんありますが、少なくとも普通の4本脚のイスのように倒れる心配がない!ということ。これは本当に実感として、「よかった!」と思うところです。こんなふうにお姉ちゃんが座っていたら横から割り込んで登ってくることも!本当にずーっと使える?ストッケでは、トリップトラップを「子どもとともに成長する椅子」と称しています。では、本当に長く使えるんでしょうか?わが家ではダイニングテーブルを新しく購入する時に、イスを何脚購入しようかと悩みましたが、トリップトラップが子どもたち3人分あるので、大人用に2脚だけ購入し、他はトリップトラップを使用し続けることにしました。それぞれの1歳誕生日に購入したイスを現在小6・小4・小2になった今でも使っています。食事時はもちろん、わが家では学習机を購入していないので、勉強をする時にも利用しています。勉強をする際にも、足がぶらぶらしないので、姿勢よく座ることができます。今のところ長女で11年使ってきていますが、感覚としては、丈夫そうなので壊れるという心配はなさそうですし、大人になっても使えそうだなと思っています。公式には110kgまで使用可となっています。現在、小6長女、勉強中です。唯一の欠点?わが家の室内スリッパがクロックスな理由超オススメなのですが、問題がひとつ。足をぶつけるんです。つまづく、というか…。北欧デザインのこのイス。室内で靴を履く生活様式の中で使われることを想定しているんでしょうか。どうしてもこの形状、下の部分につまづいてしまいます。この足の部分(写真右側)にどうしても足があたってしまうんですよね。ということで、わが家では、室内履きは一般的な布製スリッパではなく、夫婦ともにクロックス!!子どもたちは室内でスリッパを履く習慣がないので、はだしで過ごしています。なので、時々「いったぁーーー!!!」という声が聞こえてきます(笑)。結論、高くてもずっと使える記念になるものを子どもの食事用のハイチェアと考えると、少しお高い感じがして躊躇してしまいますが、一生使えるイスと思えば、決して高い買い物ではなかったなと今は感じています。イスひとつで、赤ちゃんの頃の離乳食を食べていた姿を思い出し、これからも、夏休みの最後の日にここで子どもたち3人が怒られながら宿題をしていたことや、家族で食卓を囲んだ思い出などが増えていくんだなぁ、と感じています。そう思うと、1歳の誕生日、長く使える記念の品として残るものをプレゼントしたいですよね。トリップトラップ()<文:フリーランス記者・絵本専門士鳥山由紀>
2018年09月16日編集部:学研キッズネット編集部東京学芸大学構内にある「いけとおがわプレーパーク」「プレーパーク」を知っていますか?子どもが自由に遊べる野外の冒険遊び場のことで、ヨーロッパに始まったとされ、日本でも各地で運営されています。今回は、東京都小金井市で2つのプレーパークを運営しているNPO法人こがねい子ども遊パーク・代表理事の邦永洋子さん、理事でプレーリーダーの松下直子さん、プレーリーダーの遠藤優子さんに、「いけとおがわプレーパーク」(東京学芸大学構内)で話を聞きました。快晴の真夏日の昼下がり、子どもたちの歓声とセミの鳴き声の中、木陰で心地よい風に吹かれての取材となりました。自分の責任で自由に遊ぶ――こがねい子ども遊パークで運営されているプレーパークはどのようなところですか。遠藤:わたしたちがプレーパークを運営するうえで特に大事にしているモットーは、「自分の責任で自由に遊ぶ」ということです。現代の社会では、子どもたちが遊ぶ場所や時間に制限が多くなってきています。そのような状況の中で、子どもがやりたいようにやってみることができる、そういう時間や場所を地域に残していこうという考えが根底にあるんです。松下:ボール遊び禁止とか、たき火はだめとか、やりたいことがあってもできない場所が多いですからね。遠藤:遊び方についても、「まだ小さいからだめ」とか「これはこうして遊びましょう」という指示はしません。本当にやりたいように遊んでいい場所ですね。邦永:池でザリガニやメダカをとる子もいれば、鬼ごっこをしたり、木に登ったり、ロープで手づくりしたブランコやモンキーブリッジで遊んだりする子もいます。大工道具もあるので工作もできますよ。ボールなども置いてありますし、暑くない時期にはたき火もします。松下:中にはお気に入りの場所でずっと家から持ってきたゲームをしている子もいます。蚊にさされながらもひたすら(笑)。邦永:遊ぶ場所といっても、大人から見て必ずしも遊んでいるように見えなくてもいいんです。何気なく来て話をしたり、ただボーっとしたりしていてもいいんですよ。「いけとおがわプレーパーク」に2つある池のひとつ。手前に見えるのは遠藤さんが一から手がけた大作(?)「ペットボトルいかだ」。はじめは遠巻きにしていた子どもたちが最後はみんなで手伝って仕上げたと言う。邦永さんや松下さんたちがロープワークを習って作ったブランコとモンキーブリッジも子どもたちに人気の遊具だ。――どのような子どもたちが利用していますか。松下:「いけとおがわプレーパーク」は地域の小学生も来ますし、小さい子ども連れの保護者も来ますね。お孫さんを連れた方が散歩がてら来られることもあります。多い日で50人弱かな。ここは、学芸大学でプレーパークやプレーワークを研究していらっしゃる先生とのご縁があって大学構内にあるのですが、大学が地域に開かれているいうこともあり、いろんな人が来ますね。もう1つの「くじらやまプレーパーク」は未就学児と保護者の方が多いです。――利用するのに何か条件はありますか。遠藤:特にありません。市内外のどなたでも利用できます。登録制でもないですし、参加料も不要です。子どもだけでも保護者同伴でもいいし、好きなときに来て好きなときに帰ってかまわない、野外の児童館みたいなイメージですね。松下:ただ、けがをしたときの対応や落し物の連絡などが必要な場合もありますから、連絡先は書いてもらっています。また、幼児は保護者同伴で来るようにお願いはしています。――手づくりのウォータースライダーで遊んでいる子たちがいますね。そういうものはあらかじめ設置しておくのですか。遠藤:時間の関係で設置しておくこともありますが、準備する時間も子どもに経験させてあげたいということもあって、できるだけいっしょにつくるようにしています。プールもいっしょにつくったりしますよ。あとかたづけもそうで、楽しいイベントにしちゃう。松下:保護者にも手伝ってもらったりしながらね。子どもたちは、喜んで誇らしげに手伝ってくれますね。「自分が100%やりたいようにやるのが『遊び』。大人から見て遊んでいるように見えなくてもいい」と邦永さん。子どもの経験の時間を邪魔しない――プレーリーダーはどのような存在ですか。邦永:遠藤なんかは若くてお姉さんのような存在かな、「ゆうちゃん」って呼ばれたりして。わたしなんかは「くにばあ」と呼ぶ子もいて(笑)、わたしも孫だと思っています。――子どもや保護者とどのようにかかわっていらっしゃいますか。松下:遊びをしかけたりすることもありますが、危険なことをしていなければ、手出しや口出しをせずに見守っています。中には子どもの遊ばせ方がわからない様子の保護者もいらっしゃるので、そういうときには声をかけたりもしますね。遠藤:例えば、子どもが泥遊びをしたがっていても、どうしていいかわからなくて戸惑う方もいらっしゃるんですよ。松下:保護者自身が泥遊びをしたことがなかったり、子どものことを考えて泥まみれになっても大丈夫なのか不安に思ったりするみたいですね。遠藤:そういうときには、「ほら、泥っておにぎりにもなるしお料理にもなるでしょ?いっしょにやってみましょうよ」って誘っていっしょに遊ぶんです。「いっしょに遊びながらお子さんとやりとりすることで信頼関係も育ちますよ」って。最初はぎこちなくても、子どもがいい顔してるな、うれしそうだなってわかってくると保護者もどんどん楽しめるようになっていきますね。本当にうれしいです。――プレーリーダーは手出し口出しをしなくても、保護者がついついあれこれ言ってしまうことはありませんか。松下:保護者の方は、プレーパークのような自由な遊び場に共感して来ているのでおおらかに見守ってくれることが多いですが、たまにはありますね。遠藤:子どもが好きなように遊びたい気持ちも保護者が心配な気持ちもわかりますよね。でも子どもの経験の時間を大人が邪魔してしまうことは避けたいと思っているので、「お子さんはこうやって遊びたいみたいですねー、ちょっと見守りませんか」というような形でお話しすることはあります。松下:一方で何もしていないように見えても、子どもは実はじっと観察していていろんなことを考えていたりしますよね。ですからじれったくても見守ってほしいと思います。――自由に遊ぶことでどういうことが育まれるのでしょうか。松下:例えば泥遊びでも、泥で遊ぶから良いというわけではなくて、自分の思うように自由に変えていけるからいいんですよね。そうすることで自分の中で創造力が育つというか。邦永:子どもは「遊ぶ人」であり、遊ばされている状態ではなく自分で主体的に選んでいる状況が大事。失敗も含めてまずは自分が何かをやってみることで手に入れられるものがあるし、そういう経験の積み重ねが自分のことを大好きだと思える気持ちや相手を尊重する気持ちにつながると思うんですよね。「何もしていないように見えても、実はいろんなことを考えているのが子ども。だから、じれったくても見守ってほしい」と松下さん。遊びを通して育まれる自然な思いやり――プレーパークで遊ぶようになった子どもたちに変化はありますか。松下:お互いに影響しあいますね。ほかの子の遊びを見て興味をもってやり始めたり、「こんなこともできるんだ」って知って新しい工夫をしたり、できなくてもできる子に教えてもらって挑戦しているうちに、身体の能力があがってできるようになったり。邦永:自然と年下の子たちの面倒を見るようになりますね。遠藤:自分も遊びを通して痛い思いをしたりしていろんな経験をしているからか、さりげなく年下の子をフォローするようになるんです。たぶん自然と体が動いちゃうんだと思います。松下:自分も以前はさんざんやっていたようなやんちゃをする子に「こんなことしちゃだめじゃん」なんて言うようになったりね(笑)。邦永:大人とは違う子どもの視点から上手に注意するんですよ。遠藤:夕方、ひと通り遊んで疲れたら、年上の子が自分の持ってきたおやつを広げて、「おやつタイムをやるぞ。1人1個ずつ、○年生から取っていいからな」なんて言いながらわけあっていたりすることもありますね。松下:その輪に入れない子に気を遣って声をかけてあげる子も出てきます。遠藤:集団で遊ぶうちに、共感する力が育っていくのだと思います。けがをした小さい子に「痛かったよねー」などと言いながら寄り添ってあげたり、子どもたちの自然な思いやりを見ていると本当に癒されます。地域の中の大きなきょうだいという感じかな。邦永:誰かが「面倒見てやりなさい」なんて言うわけじゃないんですけどね。自分もそうしてもらってきたのでしょうね。松下:影響しあうということでは保護者の方もそうで、他の子どもや親子を見て「もう少し大きくなったらああいうこともできるんだな」などと自分の子が育っていく様子を知って安心したり、気が楽になったりする感じがあります。「遊びを通したいろいろな経験が共感する力を育てるのだと思う」と遠藤さん。地域の中で安心できる場に――プレーパークを始められたきっかけは何だったのでしょうか。邦永:現在のNPO法人の前身を立ち上げたのが2002年、NPO法人になったのが2009年です。公民館で子育てに関する10回の講座があって、そこに参加していた人たちでプレーパークをつくろうということになりました。現在は「いけとおがわプレーパーク」を火~木、土曜日、「くじらやまプレーパーク」を金曜日に開設していますが、当初は常設ではなく、毎月やるようになったのも1、2年経ってからです。松下:自分の子どもが小さかった頃、遊ばせるときにいつも窮屈さを感じていました。わたし自身、木登りが大好きだったのですが、子どもたちにさせてあげる場所もない。そんなときにプレーパークの話を聞いて、ぜひやってみたいと思いました。――どんな点に苦労しましたか。松下:あまり苦労と感じたことはないのですが、強いて言えば市からの受託やNPO法人の認可を受ける際の手続き的なことが一番大変でした。邦永:活動を続けるうちに、自分の子どもをどう育てるかというところから、地域の子どもをどう育てるかというふうにだんだんと視点が変わってきました。同じような思いをもつ方々とプレーパークを通して出会い、協力し合ってきたことで続けられていると思います。今の一番の課題は運営費です。委託費だけでは十分とは言えないので、NPO法人として成り立つ事業を常に模索しています。――プレーパークの良さ、やりがいは何でしょうか。遠藤:五感を使って遊び、いろんな経験をすることはとても大事ですよね。わざわざ野外遊び体験教室といったイベントに出かけなくても、地域の中にあるプレーパークで日常として遊べるのは本当にいいなーと思います。完成された場所ではなく、近所の人もいっしょにつくっていけるところがすごく面白い。邦永:何より楽しいよね。活動をしながらいろんなことを勉強させてもらったし、子育ても楽になりました。子どもが育っていくのを保護者といっしょに楽しめる場づくりができて、子どもや保護者が喜んだり楽しんだりしているのを見られると本当にうれしいです。松下:そうですね。子どもたちが喜んでいるとうれしいし、どんどん成長する姿を見ていると頼もしくやりがいを感じます。今は社会のスピードが速くてやらなければならないこともどんどん増えてきているからか、保護者も子どもたちも疲れているのかな、と感じることもあります。プレーパークをいろいろな子どもにとって安心できる居場所にしていきたいし、そのためにはまだまだ勉強が必要で、それも大きなやりがいだと感じています。――ありがとうございました。施設情報■こがねい子ども遊パーク「いけとおがわプレーパーク」場所:東京学芸大学構内東京都小金井市貫井北町4丁目1-1時間:毎週火水木土10:00~17:00ただし毎月最終火曜日は休み(4月、8月を除く)「くじら山プレーパーク」場所:都立武蔵野公園東京都府中市多磨町二丁目時間:毎週金曜日10時~17時※2018年8月は11~25日は休み。活動の詳細はWebサイトでご確認ください。学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年09月13日トップライター:高橋すずコウタが持ち帰った冬期講習の時間割を見ると、1日2コマ(1コマ90分)と予想より楽なスケジュールです。私立受験の子は、朝から夜まで塾に缶詰という話も聞くけど……。とのんびりしていたのも束の間。冬期講習の前日に持ち帰った模試の結果によって、冬期講習のコマ数が倍増することになるのです。模試の結果にいびつなヘキサゴン塾に行く直前に、前回の模試の結果をサラッと置いていったコウタ。コウタを送り出してから目を通すと、なんともいびつなヘキサゴンが目に飛びこんできました。ヘキサゴンは、問題に取り組むプロセスで必要とされる力を6つにわけ、その達成率を六角形のチャートで表したものですが、とくに凹んでいたのが「数の操作」。模試を始めたばかりの頃は、確かに苦戦した項目ですが、回を重ねるごとに得点できるようになっていたので、この時期にどうして?さらに、総合順位も落ちています。ちなみに公立中高一貫校の受検は、適性検査I~IIIと分かれています。でも、学校によって違いがあり、コウタが受験する学校は適正IとIIのみです。適正検査I……文章、表、データなどの情報を読み解き、分析し、表現する力をみる。適正検査II……自然科学的な問題や数理的な問題を分析し考察する力や、解決に向けて思考・判断し、的確に表現する力をみる。しかし、速さと正確さを求める学校もあれば、読解力を求める学校など、学校によって問題の傾向が少し違うようです。さて、コウタの成績表を見て、わたしは肩を落としたと同時に受話器に手が伸びていました。そして、電話に出た塾長先生に、コウタの成績のことをたずねると、「適性Iで読解を落としたんです。適性IIは今まででいちばんとれています」とのこと。“数の操作”がとくに悪かったので、適性IIで失敗したと思ったのですが、たしかに、これまでの模試の結果を見直してみると、今回の適性IIの得点は悪くないのかも。落ち着いて細かく見ていくと、適性Iで、得点率の高い問題を2問、落としていたのです。2問で、総合順位がこんなに下がってしまうなんて……。「解き直しの結果を見て、冬期講習の個別授業の内容を再考します」と、塾長先生。その日、塾から帰ったコウタが、黄色の蛍光ペンで塗られた冬期講習の時間割・パート2を持ち帰りました。塾長先生が、さきほどの電話の内容をさっそく反映してくれたようで、コマ数がかなり増えています。自習では読解問題を中心に勉強当初は、1日2コマ(1コマ90分)の授業のみでしたが、そこに必修自習が3コマプラスされていました。もともと、お正月休みは12/31~1/2の3日間のみだったので、それ以外の日は、お昼の12時から夜8時過ぎまで塾で勉強することになります。タイムスケジュールはこんな感じです。1コマ目11:55~13:25自習2コマ目14:00~15:30自習3コマ目15:35~17:05適性検査対策4コマ目17:10~18:40国語5コマ目18:45~20:15自習適性検査対策では、「銀本」と呼ばれる全国の公立中高一貫校の過去問を解き、間違えた問題を先生が指導してくれます。国語では、記述問題や作文が中心となります。自習では、コウタが苦手だったり、理解不足だったりする単元について先生が用意してくれたプリントを解いて、自己採点し、解き直しをします。前回の模試で読解問題を落としたことから、コウタに用意されたのは、論説文や物語文の読解問題を中心としたプリントのようでした。ちなみに、12月と1月は、グループ授業から、ひとりの先生が生徒2名を指導する個別授業のスタイルに変更されました。コウタは、なるべくお気に入りの先生に指導してもらえるように事務の方にお願いしていたせいか、長時間の塾通いも、それほど文句も言わずにこなしていました。冬期講習の成果が、今後の過去問講座の結果につながってくれればよいのですが。次回は、面接練習についてお伝えします。(次回へ続く)高橋すず(たかはしすず)夫と息子の3人暮らし。コウタの夢は、南の島のビーチに寝そべって、トロピカルドリンクを飲むこと……だそうです。いつか家族で。でもその前に「サクラサク」を叶えたい。
2018年09月11日目の前は海!元気いっぱいの子どもたちが、伸びやかに心と体を育むUpload By 発達ナビ施設インタビュー福岡県福津市。玄界灘の目の前、津屋崎海水浴場のはずれに、放課後等デイサービス「うみのいえ」はあります。その名の通り「海の家」を改装してつくられた施設で、徒歩0秒で海!2015年1月にオープンしました。釣りや網すくい、素潜りに砂遊び。地の利を生かして、自然の中で子どもたちは仲間とともに、さまざまな経験をします。放課後でも、天候がよければ夕方に「うみかつ」ができます。夏休みや土曜日などは、午前中に勉強の時間を取り、午後には海やプールをたっぷり楽しみます。海で捕まえた魚の名前を図鑑の中から探調べたりし、その後はリリースします。利用しているのは主に小学生。登録数は30人ほど、毎日10人が通ってきます。「うみのいえ」での時間が楽しみで、遠方からの利用者も多いそう。子どもたちが在籍する学校はなんと15校!学校は違っても、ここに来ればみんな仲間です。元気いっぱいで海が大好きな子どもがたくさんいます。こどもデイサービスうみのいえ大好きな「うみかつ」の時間、子どもたちは水中メガネを手に、浜辺に駆け出してUpload By 発達ナビ施設インタビュー取材班が訪れたのは、お盆間近の夏休み中。「うみのいえ」では、午前中は宿題などデスクでの勉強。家では取り組みづらい、習字の宿題なども、スタッフと一緒に行います。お昼の時間を挟み、午後になるとお待ちかねの「うみかつ」の時間。みんなで体操をしたら、外に出たくてうずうずしていた子どもたちは、「外に出てもいいよ」の合図があるとすぐ海めがけて駆け出していきます。シュノーケルやすくい網を手に、魚を探しに出る子も。シュノーケルはまずプールで練習し、できるようになったら晴れて海デビューできるそう。海には行かない子どもたちはテラスに設置された大きなプールで水あそびを楽しんでいました。水を掛け合ったり、ぷかぷか浮いたり。全身で水の感触を味わいながら、水の中で体を上手に動かすことや、水遊びを介して、友達とのやり取りを自然と身につけます。Upload By 発達ナビ施設インタビュー「うみかつ」の時間が終わると、今日の釣果を手に子どもたちが帰ってきました。この日は、ボラ、フグ、スズメダイに出会えたよ!と報告。自然に恵まれたこの海では、さまざまな魚が見つかります。他にも、ハリセンボン、カニ、タコ、ハゼなども見つかります。60センチの大物のスズキに出会えた日もあるそうです。自宅に海水の水槽までつくっているという魚博士の男の子が、この浜辺のどこで何が見つかるのかを、目をキラキラさせて教えてくれます。「ぼく、できたよ!すごいでしょ!」という自己肯定感は、生きていくうえでの根っことなります。押しつけられた課題をこなすのではなく、大好きなことに熱中し、上手くやれた!という経験から生まれる自信。「うみのいえ」では、子どもたちの心の土台づくりを大切にしています。病気を見てその人を見ず、が嫌だった。ものさしはいらない。「この子」そのものに寄り添う場所を目指したいUpload By 発達ナビ施設インタビュー「うみのいえ」を立ちあげた矢野さんに、設立の背景や大切にしていることを伺いました。――なぜ「うみのいえ」をつくろうと思われたのでしょう?矢野:母親が難病で寝たきりになった経験がきっかけです。難病の母親を、病名というものさしでしか見てもらえなかったらどうしようという不安がある中で、さまざまな支援者が集い支援会議を催してみんなで支えてくれたことに深く感謝してもしきれなかった。お世話になった福祉への恩返しをしようと思って、これからを担う子どもたちの施設を作りたいと考えたのです。――ここでは子どもたちが皆のびのび、生き生きと過ごしています。大切にされていることは?矢野:障がいのある子どもたちは一般的に、発達テストや学校の評価など、日々、いろいろなものさしで測られ、評価されています。でも、そういう見方をするのではなく、その子自身を認めたい。指摘されるこだわりは、伸ばしどころかもしれない。うちでは、「ヒヤリハット」だけでなく「ニヤリグッド」の報告もスタッフ間で共有し、保護者の皆さんへお伝えしています。――保護者もきついことがある。その部分も支えたいということですか?矢野:保護者の皆さんのニーズにも寄り添いたいと考えています。皆さんが何より求めているのは、「親なきあと」わが子が自分らしく、自立して生きていけることです。だから将来を見据えて、就労移行支援事業所へ見学に行きます。就労するには何が必要とされているのか?どのようなスキルを身につけておけば就労へ繋げやすいか?などの情報共有をさせて頂きました。「うみのいえ」では日々の活動の中で、社会生活力を身につけていけるように支援していきます。「うみのいえ」で考える社会生活力とは、公共交通機関で通えるとか、金銭管理ができるとか、身だしなみがきちんとできているとか、昼休みの過ごし方が分かっているとか…。自立するということはそういったスキルが必要だと考えています。天候や海の状況で予定通りに「うみかつ」ができない日もあります。そのような急な予定変更にも対応できるコーピングスキル(ストレス等に対処できる力)も自立には必要だと考えています。だから「うみのいえ」では、自立に向けた支援を個別にアプローチしています。毎日少しずつ積み重ねることで子どもたちが社会生活力を身につけられるようにしたい。矢野:「うみのいえ」で過ごした日々が心に残るような場所にしたいと思っています。大人になり社会に出た時や困難に直面した時に乗り越えるチカラになるように…。あたたかなまなざしに包まれた「うみのいえ」では、今日もまた子どもたちが元気に海へと駆け出していっているのでしょう。そして、存分に遊びきり、生きる力を身につけ、しっかりと栄養を蓄えた子どもたちは、きっとここを卒業してからも力強く未来を切り開いていけるだろうと思えました撮影:松山隆佳(トルネ!)写真提供(生き物・夕暮れの写真):うみのいえ
2018年08月30日キッズネットサポーター:ゆきこ我が子の中学受験を母親であるわたしが意識したきっかけは、小学校1年生の年度末のテストの点数が思っていたよりも良かったことでした。といっても、そのときにわたしがやったことは家庭学習のための問題集やドリルを、ネットの口コミを参考に探す程度でした。4年生になり、今度は子どものほうが友だちの影響で中学受験をしたいと言い出しました。本気なのかどうか半信半疑でしたが、「たとえ不合格や受験を断念して地元中学校に通うことになっても、勉強をするのはいいことだ」と考えて、通信教育や塾、模試を調べたり、志望する中学校の文化祭に行ったりしました。塾に通わなくても、模試は受けまくる!通塾には消極的だったわたしですが、だからこそ模試は重要と考えました。通塾経験が少ない我が子は他の受験生に比べて実践的に問題を解くことが少ないので、模試こそ実践の貴重な機会になると思ったからです。我が子の実力の把握や、本番の試験会場で緊張しないための場慣れにも役に立つはずです。5年生までに調べた結果、通塾していなくても家の近所の塾に申し込めば、適性検査型では最大手の模試を受けられることが分かりました。しかも、「通塾生の中に、ポツンと外部生がひとり」という完全アウェー状態、場慣れには最高の環境!また、自分自身の高校・大学受験の経験から、1つの会社の模試を年間で通して受ければ試験範囲を網羅できると考えたので、子どもが6年生になったら実践しようと思っていました。全範囲をもれなく問題演習できるので、苦手分野を見つけるのにもおすすめです。受験学年になると、いろいろな出費が増えました。何度も受ける模試の出費も痛かったです。それに、申し込みの手間もかかるし、親子ともに時間もとられます。でも、ここはお金も時間も惜しまない!と決意し、6年生の初回から受験直前まで1つの会社の模試を通して受けました。さらに我が子は私立中学校も受験したいと急に言い出したので、ギリギリ間に合った四谷大塚主催の合不合判定テストを一度だけ受験しました。四谷大塚のほかにも、サピックスや日能研などでも合格判定を行なう模試を実施しています。いろいろな私立中学校が会場となりますので、志望中学校で模試を受ければ、入試の予行練習として最適です。ほとんどの模試では、子どもが模試を受けている間に保護者説明会が開催されます。主催の塾による受験情報に加えて、会場である中学校の紹介も行なわれます。塾の説明会や面談は、情報を引き出す絶好のチャンス!5年生のときにも、何度も模試を受けました。有料のものは1回だけで、あとは全て無料の模試でした。5年生で何度も模試を受けた理由は、これだけは受講させたいと考えていた「志望校特訓」で通う塾を探すためでした。実際に通った塾は、この無料模試を受けた塾のひとつです。塾がなぜ無料で模試を実施しているのか、それは模試を受けた子どもが通塾することを期待しているからだと思います。ほとんどの無料模試では、子どもが試験を受けている時間に保護者向けの説明会を実施し、採点が終わった答案を返却する際には面談を行ないます。「勧誘されると断りにくい」と説明会や面談を敬遠する方もいますが、わたしは「ここで情報を引き出す!いただく!」と気合を入れてのぞんでみました。「カモがネギ背負ってやってきましたよー!」気分(笑)で、志望校や入試問題について、塾に通うメリットについて、気になることは全部聞き出そうとして、実際に、いろいろな有益な情報を入手することができました。塾から得られる情報といえば、毎年2月後半から3月にかけて開催される、その冬の中学入試の報告会も要注目!です。参加費は無料で、その塾に通っていなくても参加することができます。入試問題の傾向や人気を集めた中学校についてなど、その冬にあった中学入試に関わるあらゆることを教えてもらえます。年明けから、開催日時などが発表されますので、是非チェックしてください。合格を目指して受験勉強に励み、入学試験を受けるのは子どもですが、模試を選び受験の情報を入手するといったサポートは、親の大事な役目だと思います。それが「中学受験は親の役目が大きい」と言われる理由のひとつではないでしょうか。「目的を達成するためには、みずから動く。情報はみずから動いて手に入れるもの」という親の姿勢から、子どもが何かを感じてくれたらいいなと、今は思っています。「ガッツリし過ぎは、恥ずかしい」と、反面教師として認識されているかもしれませんが……、それもまたいいかな(笑)。ゆきこ(ゆきこ)40代。夫と長男長女との4人暮らし。食生活アドバイザー2級、食育アドバイザー、幼児食インストラクターの取得の際に、「試験勉強を続ける辛さ」「受験のプレッシャー」を身をもって知りました。毎日、学校で授業を受けて、宿題やテストに取り組んでいるだけでも、子どもたちは精一杯頑張っているとリスペクトしたいです。が、ついガミガミやっちゃいます・・・。
2018年08月29日専門家・プロ:親野智可等親子関係がよければうまくいく親子関係をよくすることは、しつけや勉強よりもはるかに大事です。これは、子どもが幼児であろうが小中学生であろうがそれ以上であろうが、まったくかわりません。そして、親子関係をよくするために絶対必要なのが、子どもが「自分は親に受け入れてもらえている」「わかってもらえている」「大切にされている」「愛されている」と実感できるようにしてあげることです。これが、すべての土台であり始まりです。子どもがそういう実感を持てていれば、生きる力がわいてきます。いろいろなことでがんばるエネルギーがわいてくるのです。そして、親の言うことも素直に聞くようになります。親が「ゲームのやり過ぎに気をつけよう」とか「友達の家に行ったらあいさつを忘れないでね」などと言えば、それを素直に受け入れます。すぐにはできないことでも、やってみようという気持ちにはなります。親が「いけないことや危ないことに誘われたり巻き込まれたりしたら、心配だよ」とか「危ないことしないでね」などと言えば、「大好きな親を心配させちゃいけない」ということで心のブレーキになります。叱りすぎると子どもは親の愛情を疑うようになるこの反対に、「自分はいつも叱られている」「自分は親に受け入れてもらえていない」「自分の気持ちを分かってもらえていない」「あまり大切にされていない」「あまり愛されていない」などと感じている子もいます。もちろん、親は愛しているつもりです。でも、子どもの方はそれが実感できていないというのです。こういうケースはけっこうたくさんあり、多くの場合その原因は親の叱りすぎです。このような場合、親がいくら口でいいことを教えても、いくら正しいことを教えても、子どもはそれを素直に聞くことができません。親の心配が心のブレーキになるどころかかえって反発材料になり、よけい危ないことをしてしまうことすらあるのです。こういうわけで、いい親子関係をつくることこそが最優先なのです。それのないところで、「しつけをしなければ」とか「勉強をさせなければ」などと思っても絶対にうまくいきません。ある親の実例これらのことは、私が教師時代にいろいろな親子を見てきてわかったことです。ある親が次のように言ったことがありました。「懇談会で先生が教えてくれたように、2学期のはじめに節目の高揚感を活かして「○○するために□□する」という目標の書き方をしてやり始めたんですけど、子どものやる気はあまり続きませんでした」親はそう言いましたが、私にはうまくいかない原因ははっきりわかっていました。うまくいかないのは、その親が感情の起伏が激しくて、自分の気分が優れないときは感情的に叱りつける人だったからです。子どもはそういう親にかなり反発心を持っていました。ですから、形だけ「○○するために□□する」などという目標の書き方をさせられても、素直にがんばろうという気持ちになれないのです。肝心なところができていないとノウハウコレクターになるだけまず、土台になるいい親子関係がなければ、どんな方法を試したところで、うまくいきません。それでは、いわゆるノウハウコレクターになるだけです。みなさんの職場やビジネスの世界にもそういう人がいるはずです。いろいろなノウハウに飛びついてやり始めるけど、結局うまくいかないという人です。そういう人は、一番肝心なところができていないのです。ノウハウコレクターは職場やビジネスの世界だけでなく、親の中にもいるのです。親野智可等(おやのちから)教育評論家。1958年生まれ。本名杉山 桂一。公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。著書多数。Webサイト
2018年08月27日第3回 [ 小川菜摘の子育て相談 ]「子育ては完璧じゃなくていい。毎日ご飯を作る余裕なんてないから、お惣菜や出前の日もある。でも、それでいいと思うんです。子どもたちが思っているほど親は立派じゃないということを見せることも大事。私はいつも “そのままの私” で体当たりしてきました」と語る小川菜摘さん。2人の息子さんもそれぞれ成人し、ようやく子育て一段落。改めて、駆け抜けた日々を振り返り子育てのお悩みに答えます。【読者からのお悩み】中学生になった息子の成績が急降下、反抗期も迎えてWパンチです。中学2年生の男の子の母です。(一人っ子です)息子には 小さな頃からいろんな習い事をさせてきて、小学校の時はまずまずの成績を保っていました。なのですが、中学校に入った頃から状況が暗転してきて、中2で成績が一気に下降。私から見たところ息子は 勉強をする気が起きないようです。問題はそれだけではありません。最近では教科書どおりの反抗期を迎え、毎日が本当にしんどく、何より息子の将来が不安です。主人に相談すると「放っておけ」といいますが、なかなか放っておけません。(※投稿内容を一部、読みやすいように編集させていただきました。)【 小川さんからのアドバイス 】なぜ勉強に興味が向かなくなってしまったのか?子供の本音を引出してみて私も息子二人にいろいろな習い事をさせました。英会話、水泳、サッカー、空手……。スポーツ少年になってほしいと期待していたんです。でも、本人はつまらなそうだった。その表情を見て、結局、親がいろいろなカードを与えても、そのカードを懐に入れる・入れないを決めるのは子ども自身だと気づきました。やりたくないことを続けても楽しくないし、お金の無駄だし、私も送り迎えがたいへんだし、途中で辞めることは悪いこととは思わない。結局、息子二人とも最終的に残ったものは、スポーツではなく音楽でした。勉強については、うちの場合は、私も旦那も勉強は苦手だったので、(笑)“いい成績”は望まなかったけれど、赤点を取らない程度にはできないと居残りで補習させられるので、「遊ぶ時間が削られてあなた自身が損するだけだよ」と言って聞かせました。次男は高校進学のときに自発的に留学しましたが、それも本人が自分にとって「必要だ」と思ったから。やはり、親があまり多くを望みすぎても仕方がない。子どもの人生は子どものものだと割り切ることも必要かな、と思います。お子さんは、そもそもなぜ勉強に興味がなくなったのでしょうか。もしかしたらいじめの問題や反抗期のフラストレーションを抱えている可能性があるかも。反抗期だと冷静に話をするのも難しいけれど、私は腫れ物に触るようにするのは嫌だったから、真正面から「お母さんはこう思っている」ということを伝えて、子どものイライラも受け止めるようにしていました。怒りながら、時に泣きながら応戦したこともあります。食事のときなど、ケンカになりにくいタイミングで、何が不満なのか聞いてみるとよいかも。それから、お母さん自身もおいしいものを食べたり映画を見たり、ちょっとしたことでいいので自分が楽しめる時間を持つといいと思いますよ。最近の小川さん自家製ピクルス漬けました‼️旨旨♡PROFILE26歳で結婚、28歳で第1子、31歳で第2子を出産。小川菜摘Natsumi Ogawa東京都出身。1978年『ゆうひが丘の総理大臣』でデビュー後、文学座演劇研究所入団。数々のテレビドラマや映画に出演。2012年舞台に復帰。2018年7月20日~22日、六本木スペース ビリオン(東京都)にて『リーディング ファム・ファタール! 運命の女 小川菜摘×青木さやか』出演。Photo:Reiko TohyamaText:Yukiko AnrakuComposition:Shiho Kodamaあなたのお悩み募集中!2人の男の子を育て、家事に、仕事にと奮闘した経験を持つ大先輩である小川菜摘さんに「親にも話せない悩みをこっそり相談したい」「自分では解決できない悶々とした感情を諌めることができない」などなど、心に引っかかっていることについて小川さんと一緒に考えてみませんか?※子どもの性別、年齢は問いません。※子どもが生まれてからの夫婦間のお悩みや、親との関係性など。※お母さんだけでなくお父さんからのお悩みも募集中です。お問い合わせありがとうございます。
2018年08月24日人間関係の問題がないところで始まった、息子の不登校出典 : 小学3年の息子は、現在、不登校中である。親である私が言うのもなんだが、息子は好かれやすいタイプの人間だと思う。もしかしたら好かれやすいというより、学校の児童数が少ないため、学年関係なく全体的に仲が良い、というのが大きいのかもしれないが。それにあやかって、私1人で近所を歩いていても、「ハルくん(息子の呼び名)のお母さん、こんにちは!」と、おそらく違う学年の児童さんからも声をかけてもらうことがしばしばある。息子も「多数派にすぐ傾いちゃう雰囲気が嫌だ」などと言っていたし、もしかしたら苦手な子もいたのかもしれない。しかし「一人ひとりのことは嫌いじゃない」とも明言しており、もちろん大好きな友達だっている。いじめだとか、人間関係のトラブルが具体的にあったわけではないところで、彼の不登校は始まったのだ。学校に行っていなくても、近所を歩けば同じ小学校に通う児童さんたちと顔を合わせることもある。「あ!ハルくんだ!」嬉しそうに駆け寄ってくる友達の姿を見て、少し照れくさそうに、でも同じくらい嬉しそうに応じる息子。「どこか悪いの?大丈夫?いつごろ学校に来られそう?」「んー、今は分からない」そのようなやりとりをして、朗らかに別れる。向こうも責め立てたくて学校に来る日を尋ねているわけではないし、息子もそれを理解しているから平然と答えている。「次に○○くんに会えるの、いつかなぁ?」なんて発言もしていたくらいだ。ところが、悪夢を見て私との分離不安を訴えるようになったころから、見知った顔に会うのを嫌がり始めた。「学校のことを聞かれるの、辛いな…」放課後の時間帯や休日に近所を歩くことを避けたがるようになった。「仲の良い友達に会うの、前は喜んでたよね?今は学校のことを聞かれなくても、嫌なのかな?」「うん。みんなのことを嫌いになったわけじゃないけどね。会いたいって思わなくなっちゃった」精神状態も明らかに悪くなっていたし、何の気なしの質問も突き刺さるようになっていたのだろう。息子に合わせ、午後の外出を避けることに別段不便もない私は、そのまま様子を見守ることにした。外出を嫌がっていた息子が変わった「ベランダ越しの会話」出典 : 極力外出を避けるようにしても、どうしても顔を合わせてしまう子がいる。同じ団地に住む同い年のSくんである。就学前からのなじみである彼は、私も知った顔。素直で朗らか、そして心根の優しい男の子で、息子も彼を好いている。団地の前で遊んでいることも多く、ふと息子がベランダに出たときに姿を見つければ、大きな声で名前を呼んでくれるのだ。最初のうちはバツ悪そうに姿を隠すなどしていたが、そのうち手を振り返すようになった。あるとき、夕方に用事を思い出して息子と外出したとき、学校帰りのSくんと遭遇した。一瞬気まずそうにした息子だが、「ハルくんはーぁ、いつーぅ、学校に来るんですかーぁ!?」という、Sくんのふざけたような口調と変顔に、表情をほころばせた。「Sくん、今学校の帰り?」私が聞くと、「うん、今日も楽しかったよ!」と、笑って元気に答えてくれた。「じゃあね。ハルくんバイバイ!元気なとき、また遊ぼうね!」と手を振り、笑い、団地の方へと走り去るSくんの後ろ姿を、私たちは見送った。ふと隣を見ると、息子はうっすらではあるが、微笑んでいた。それから息子は、Sくんが団地の前で遊び始める時間帯になると、ベランダに出てその姿を探すようになった。「あ、ハルくんだ!おーい、ハルくーん!」そう呼ばれると、息子は「呼ばれた!ちょっと行ってくる!」と部屋を飛び出すのだ。そのうち自分の方から「おーい、Sくーん!今から行くよー!」と声をかけ始め、ベランダに息子がいなくても、「ハルくーん!今家にいるのー!?」と、Sくんが誘ってくれるようにもなった。とにかく、Sくんと息子がベランダ越しに呼び合い、団地の前や近所の公園で遊び始めることが、週何度かの習慣になってきた。少し前までは私と一緒でなければどこにも行きたがらなかった息子が、Sくんがいれば自分1人で外出するし、近所であるとはいえ、私の姿が見えない公園まで足を運べるようになった。そして次第に、息子の行動に変化が表れ始めた。遊びの誘いをクラスメイトに断られた息子がそのあとに取った、驚きの行動とは?公園で遊んでいたとある日曜日、同級生らしき男の子のグループがやってきた。しばらくその様子を眺めていた息子だったが、「混ぜてもらえるか聞いてくる!」と、彼らの元へと駆けていった。何か二言三言やり取りしたあと、走り出した彼らと、取り残されるように立ちすくむ息子の姿。深呼吸するようにゆっくりと肩を上下させたあと、私の方に戻ってきた。「どうしたの?」「学校に来ないのに、どうしてこんなところで遊んでるの?だって…なんて返していいのか分からなかった」同級生たちが疑問を持つのは仕方ないし、息子が咄嗟に返せないのも無理はない。寂しそうにうなだれる息子に、私はどんな言葉をかけていいのかわからなかった。こんなことがあったら、友達であっても声をかけるのが怖くなるかもしれない。私だったら、きっとそうなる。しかし、息子はそんなタマじゃなかった。同じ年頃の児童さんたちを見つけると、果敢にアプローチをするようになったのだ。「全然気づいてもらえなかった」「完全にシカト!」「ちょっとだけしゃべってきたよ。みんなこれから習い事なんだって」向こうのリアクションは、その時々、人それぞれで違うけれど、いずれにしても息子は朗らかに報告してくれる。「ところであの子たち、知ってる子?」と、あるとき私が聞くと、「いや、知らん!」と息子が元気に返してきたので、思わず口をあんぐりさせてしまった。「いやほら、知らない子の方がさ、新しく仲良くなれるって場合もあるからね」そう、息子は大きな公園や娯楽施設へ出かけると、そこで初めて会った子に声をかけ、一緒に遊び始めるような人間だ。知らない子の輪に飛び込んで行くのは大得意だし、1人で遊ぶのも大好きだから、断られるのも怖くない。「この前公園で断られたのは、知ってる子だし残念だったけど、あれも仕方ないと思うんだよ。知らない子だったら、なおさら仕方ないし。でも、仲良くなれたらラッキーじゃん?」すごい。「本当に私の子か?」と驚嘆する社交性だ。感心すると共に、一時は身内以外の誰にも会いたがらなかったことを考えると、随分と回復したものだと私はしみじみ嬉しくなった。受け入れてくれる人もいると知った息子、「またみんなに会いたい!」出典 : つい先日、息子と一緒に近所の公園横を通りかかったときのこと。その日は短縮授業だったのか、普段より早い時間から、子どもたちの姿で公園は賑わっていた。「あ、ハルくん。ハルくんだよね?」清掃班が一緒だったことがある、という上級生の女の子が声をかけてくれた。それを皮切りに「ほんとだ、ハルくんだ!」「え?ハルくん?」「わ!ハルくん!」と、その場にいた子たちが口々に息子の名前を呼びながら、どんどん集まってきた。中にはいつも一緒に下校していた、仲良しのクラスメイトの顔も。「ハルくん、今はどこの学校に通ってるの?」クラス外の子は、息子が別の学校に転校したのかと思っていたらしい。「家で勉強してる。ドリルとか、ゲーム機の学習ソフトを使って」息子が答えると、「ねぇねぇ、勉強するなら学校に来てよ!」と、さっきのクラスメイトの男の子が後方から手を振った。「ずっとハルくんに会いたかったんだ!学校にはいつ戻ってくるの?」「うーん、分かんない」その場にいた児童さんたちの質問に答える形で、息子はしばらく会話を続けた。用事がある私たちはその場を一旦離れなくてはならなかったのだけれど、彼らが息子を好いてくれていること、息子も彼らを慕わしく感じていることは伝わってきた。しかし、「学校にはいつ戻ってくるの?」という質問があったし、帰りはこの道を通りたくないかな…と私は思っていた。しかし息子は「帰りもここを通っていい?またみんなに会いたい!」と願うではないか。みんなの好意的な様子が嬉しかったに違いない。「うん、もちろん。じゃあ、急いで用事を済ませてこようか」そして復路に公園近くまで来ると、彼らが別の公園へと移動している様子が見えた。「のん(私の呼び名)、あのさ、一旦帰ったら、みんなのところへ行ってもいい?」「いいよ。一旦帰らなくてもいいよ。みんながまた別の場所に行っちゃう前に、行っといで!」私が背中をポンと叩くと、息子は勢いがついたように走りだした。「行ってきまーす!!」向こうの公園の入口で、「ハルくん!」「やったぁ、ハルくんだ!」と歓迎してくれる児童さんたちと、「ねぇ、仲間に入れてよ!」と声を弾ませる息子の姿が見えた。昼間の居場所の違いを断絶の理由にしなくてもいい出典 : 繰り返すが、息子はいじめなどの理由で不登校になったわけではない。「誰かが悪いことをしていても、それをしたいという人が多いと、みんなそっちに味方してたり、あっさり考えを変える人がたくさんいるのが嫌」「男子と女子が仲良くしているだけでラブラブだとか言って、囃し立てるのが理解できないし、バカバカしい」「頭のいい人や運動ができる人が羨ましいからって、自分よりそれができない人をバカにして、勝った気になる人を見るのが悲しい」というような、いわゆる「小学生あるある」が苦痛だった部分はあるようだが、どうしても会いたくない誰かがいたという訴えはなかった。むしろ、顔を合わせて話したり、遊びたい相手だっていただろう。だから、学校にはいかないと決断したその胸の内は、実のところ複雑だったのかもしれない。不登校という選択をする児童や生徒と一口に言っても、タイプはさまざまあるだろう。人間関係を築くことが苦手な子もいれば、単に同世代の子どもたちの雰囲気になじめないという子もいる。息子はそのどちらでもない。精神状態が悪化したときは、「学校にはいつ来るの?」という問いに答えられない自分が、彼らと断絶されているような感覚もあっただろう。「でもそれは親愛の情があるからこその疑問である」ということを思い出させてくれたのは、逃げようが隠れようが息子の名前を呼び続けてくれたSくんのおかげだと、私は思っている。彼の根気強い働きかけがあったからこそ、息子は人と関わる自信を取り戻せたのだろう。学童期はどうしても、友達というと同じ学校で過ごす仲間に偏ってしまう。だからといって、同じ学校で過ごしていなければ友達でいられないわけではない。今、昼間の居場所の違いが断絶にならない関係を、息子たちは築いている。学校に行かない息子を受け入れたうえで仲良くしてくれるSくん含む仲間たちに深く感謝しつつ、彼らの柔軟さに私は感心しきりだ。あの日、公園へと駆けていった息子は、みんなと「ごく普通に」遊んできたそうだ。ベランダ越しにSくんと呼びかけ合う習慣も続いている。まだ小学3年生。友達の顔ぶれも入れ替わっていくかもしれない。例えそうだとしても、これからも息子が自分なりの人との関わり合いを見つけていってほしいと願う。
2018年08月24日夏休みまっただ中。最初はなんとか頑張っていたけれど、そろそろ息切れしてきた…というママたちも多いのではないでしょうか?夏休みのように子どもと接する時間が多く、日常業務の他にもこなさなくてはならないことに追われてしまいやすい時は、ママの心が疲れて「育児、楽しくない…」と感じてしまうことも。今回は、心理カウンセラーの筆者が、夏休みをはじめとする「ママの繁忙期」に、ママの心をケアするおすすめの方法を3つご紹介します。1.片付けをがんばらない子どもが家にいると、それだけで家の中は、どうしても散らかりがち。エンドレスでおもちゃを出されたり、まとまった時間がなくて日常の掃除さえもうまくいかなくなったり。「片付けしなくちゃ!」という気持ちが大きくなればなるほど、掃除や片付けがママの心の負担をかなり大きくしてしまうことに…。当然、子どもに対して大きな声で、「片付けなさい」と言いたくなりますが、そこはぐっとガマンして!「子どもに“片付けなさい”と言う→思いどおりに片付けてもらえない」というサイクルを繰り返すことは、自分の声で自分をイライラさせてしまうことにつながります。子どもも、「片付けなさい」と言われると「えー…」とやる気がなくなるものです。まずは「片付けなさい」ではなく、「片付けようか!」「ちょっと箱に入れてくれない?」「誰が早いか競争!」など、柔らかい言葉遣いでお片付けを促してみましょう。子ども側が動きやすい言葉を選ぶことが大切です。そしてそれは「我が家にとって簡単な方法」で。たとえば散らかったおもちゃは大きな箱にすべて放り込みます。部屋がスッキリしたら、子どもに「うわあ、気持ち良くなったね!」と声がけをして、箱からおもちゃを定位置に戻すのを子どもの担当に。流れが分かれば、子どもがお片付けを修得するいいチャンスにもなるでしょう。お片付けを頼むタイミングを決めることもおすすめです。たとえば、昼食の前と寝る前の1日2回。それ以外は、多少散らかっていても良いことに決めれば、ママが気持ちの中で「片付けなくちゃ!」と焦る機会も減り、イライラを軽減することができますよ。2.学習を一気にやらせようとしない長期の休みによくあるお悩みの1つは、学習です。未就園児や園児なら、それほどでもありませんが、家族に小学生がいると、ママとしては「勉強させなくちゃ!」と焦ってしまうもの。しかし、1日にたくさんの勉強をするのは、子どもにとって大きな負担です。「たくさんやらされる!」と思うと、嫌がってしまい、かえってなかなか勉強をしなくなってしまうでしょう。スンナリと勉強をさせるには、「やれば、すぐ終わる」「終わったら、ほめられる」というサイクルを作り上げるのがおすすめです。一気にたくさんのことをするのではなく、ちょっとずつの学習を継続することで、子どもを飽きさせずに良い学習習慣をつけていくことができます。「やらせなくては」というママのイライラも、子どもが渋らずに勉強に手を付けてくれれば軽くなります。また、あれもこれもさせないようにすることで、予定がずれても取り戻しやすく、ママも楽チンです。3.何事にも手を抜く「ママの休日」をつくる2週に1度くらいの頻度で、「ママを休む日」を作ってみましょう。夫が子どもの面倒をみてくれるようなら一番良いですが、それが不可能なら、むしろ夫のいない日を休日にするのがおすすめ。昼食には外食や買ったお弁当、レトルトカレーなどを気兼ねなく利用し、子どもには危険の無い範囲でやりたいことをさせ、ママは見守る程度でうるさく言わない!普段なら口うるさく言わなくてはいけないようなことであっても、多少の範囲ならお休みが優先…。たまにはこんな日があっても良いということです。一緒にいる時間が長いと、どうしてもお小言は増えてしまいがち。それはママにとってもストレスですが、子どもにとってもストレスです。ママにあれこれ言われないということは、子どもにとっても夏休みにたまりやすいストレス解消になります。頑張っているからこそ、心にお休みを!普段はめいっぱいに頑張り、子どもたちがいない時間に、やっと張りつめた緊張を緩めているママたち。しかし夏休みなどの長期休みは、緊張状態が続いてしまいます。人の心は、何週間も緊張状態を保てるようにはできていません。無理にそれをすると、子どもとの関係がぎくしゃくしてしまい、かえってストレスを助長する結果になることもあるでしょう。ママたちはみんな、子どもにとって明るく優しく、いいママでありたいと考えています。しかし、それができない自分にさらにイライラし、明るくなく、優しくなくなってしまう…そうなるくらいなら、思い切って休むことがあってもいいのです。夏休み中であっても、ごくたまには、自分の心を休めるがんばらない日を決めてみて。きっと1日が終わる頃には、子どもに対して「ママに休みをくれて、ありがとう!」という気持ちになっています。そしてこの日に活力を溜め、親も子もリセットをしたら、次の日からのお勉強も片付けも、きっとまた明るくがんばることができますよ!
2018年08月14日最近、Netflix(ネットフリックス)やAmazonプライム、Hulu(フールー)など、会員制の動画配信サービスが人気ですよね。レンタルショップにDVDを借りに行くよりも手軽に映画やドラマを楽しめるため、登録を考えている人もいるのでは?夫婦とも映画好きなわが家では数年前からネットフリックスに登録していましたが、子どもが産まれてからキッズ向けのアニメに注目したところ、英語アニメが豊富に揃っていることに気づきました。今回は子育て中の筆者がネットフリックスを利用して感じた魅力について、紹介します。どんな英語アニメを観られるの?ネットフリックスでは『スヌーピー』や『ミニオンズ』『スポンジ・ボブ』『おさるのジョージ』など、さまざまな外国のアニメを観ることができます。さらに、他の動画配信サービスにはない特徴として、ネットフリックスだけのオリジナルの英語アニメも観られるのも魅力です。ジャンルも幅広く、『ことばのパーティ』という英語教育を目的とした作品もあれば、過去に映画が公開された『ボス・ベイビー』や『長ぐつをはいたネコ』『カンフー・パンダ』などのオリジナルストーリーも提供されています。わが子がドハマリした『ことばのパーティ』!実は、子どもとは関係なく、自分の英語勉強のために視聴し始めた『ことばのパーティ』。パンダ・チーター・ワラビー・ゾウのかわいらしいキャラクターを通じて英語のリスニングや簡単な英単語、文法を学べるので、1日1話(13分程度)を目標に観ていました。これに嬉々として飛びついたのがわが子。『ことばのパーティ』には子どもが好きそうな歌とダンスがたくさん出てくるので、キャラクターの真似をして一緒に踊りだすようになりました。ストーリーパートに入ると、私がキャラクターの台詞を繰り返しているのを見てニコニコしながら、自分も英語を真似しようとしているのか、何か話そうとしています。我が子はまだ1歳と幼いので、本格的な英語学習をできる年齢ではありません。ですが、作中の台詞に出てくる「Please」や「Excuse me」「I’m sorry」のような簡単なフレーズであれば、やがて耳慣れして聞き取ることができるようになるかもしれないと期待しています。親子で気軽に、楽しく英語学習ができるネットフリックスの動画は、作品によっては音声・字幕の言語を変えられるようになっています。我が家では筆者のリスニング・文法学習も兼ねて、音声・字幕ともに英語に設定。『ことばのパーティ』の場合は日本語・韓国語・ポルトガル語・中国語・英語に対応しているので、英語以外の言語学習にも利用できます。英語アニメが目的ならDVD教材を購入するという手もありますが、子どもが本当に気に入ってくれるかは分かりません。我が子も国内で人気の高い『スヌーピー』やユニークなブタが登場する『ペッパピッグ』などの英語アニメはあまり好きではなく、映像を流しても、すぐにそっぽを向いてしまいました。その点、ネットフリックスのような動画配信サービスは月額料金がかかりますが、多種多様な作品の中から好きなものを選んで観られるのが魅力です。一口に英語アニメと言っても作品によって使用されている英語レベルが違うため、我が家では子どもの成長に合わせて英語レベルの高いアニメに移っていきたいと考えています。ママと子どもが楽しく英語を学べるので、ネットフリックスや他の動画配信サービスについて調べてみてくださいね。<文・写真:フリーランス記者奥 汐紀>
2018年08月04日ペアレントメンターを知っていますか?出典 : ペアレントメンターは、発達障害のある子どもを育てる保護者に寄り添う形で保護者支援の一端を担います。メンターの役割を担うのは私のような、発達障害のある子の育児経験がある保護者です。同じような保護者に対して共感的なサポートを行ったり、地域で受けられる支援や施設などについての情報をストックし、必要に応じて提供することができます。専門の支援者とはまた違う、ピアな(同じような)立場からの寄り添いです。発達障害のある子を育てる保護者にとって、同じ立場で話せる人がいるということがどれだけ自分の支えになるのかを感じる経験が私にもありました。孤独な発達障害児の子育てが辛かった、かつての私出典 : のある次男が診断を受けたのは3年生のころ。毎日のように学校からかかってくる電話、頻発する問題行動、家での育てづらさ…どう対応していいかもわからないまま学校の先生に相談してもめどが立たない日々が続くなか、同じように困っているママ友が周りにいるわけでもなく、誰にも話せず、自分がこの世の中で一番辛いような、どん底にいるような気持ちだったのを覚えています。あちこちに相談してやっとの思いでたどり着いた病院の先生、他校の通級指導教室に通うことになった先で出会った通級の先生、同じ学校のお母さんが紹介してくれた親の会、発達障害をキーワードに知り合ったTwitterの友人たち…少しずつですが、次男のことを相談できる相手、愚痴をこぼせる先が増えていきました。診断を受けてからも次男を育てていく大変さは簡単には減りませんでしたが、「発達障害とはどんなものか」を知ったうえでお話ができる相手が少しずつ増えるにつれ、自分の抱えている荷物が少しずつ軽くなっていったような気がします。「そうそう」「あるあるだよね」「うちはこんなだったよ」「お互い大変だねえ」…そんな自分のしんどさを共有できる人がいることで「自分だけじゃないんだ」「仲間がいるんだ」と心強く感じました。ペアレントメンターという言葉との出合い出典 : 私がペアレントメンターという言葉に出合ったのは、3年ほど前のこと。友人から教えてもらった講演会の情報を調べようと大分県の発達障害者支援センターのサイトを開いたときに、メンターの養成研修が行われているのを知りました。自分が発達障害児の親として生活するなかで、保護者の負担や不安に思うことへのサポートの手薄さを痛感する日々。そんなしんどさを親の会などを通して出会った先輩母さんたちに話しては、勇気をもらってもいました。「この制度を利用したら私にも何かできることがあるんじゃないか」「先輩母さんたちにやってもらってきたことの恩返しができるんじゃないか」興味を持ったものの、当時はまだ末っ子が小学校に入学する前でもあり、また問題行動の多い次男のサポートにも手がかかっていた時期。研修に全て参加するための時間を捻出することは今の私にはとても無理だ…と諦めて応募は見送りました。思い切って申し込んだ養成研修出典 : 気になりつつ踏み出せずにいた2017年の春先、所属している親の会を通してメンター募集の案内が来ました。いろいろなサポートのおかげで当時6年生の次男の状態がだいぶ落ち着いていたこと、また次男の中学進学を前に自分の知識や情報を増やしたい、もっといろんな人に会いたい、と思っていた矢先だったこともあり、「今しかない!」と夫や実家の家族にサポートを頼んで応募しました。養成研修は朝から夕方まで丸1日の研修が月1回程度のペースで組まれており、修了証を頂くためには全5回の研修を全て受けなければならない仕組みになっています。研修のなかではペアレントメンターとしての活動の基本から始まり、ピアの立場からの寄り添い方、お話の聴き方、相手を侵害しないよう気をつけながらお話を進めるスキルなど、相談を受けたときにお話を聴く手法、いわゆる「傾聴」の研修に多くの時間が割かれました。私も含め、同期の皆さんが難しさを痛感したのがそのなかの傾聴のロールプレイ(役割を決めて演技をする研修)です。3人1組で「相談者・メンター・観察者」に分かれて、それぞれの役割を演じます。「相談者は何歳の自閉症と診断された子を持つこういうことに困っている保護者」という設定が決まっている回もあり、また設定は特に決められず自分で考えながら演じる回もありました。相談者を演じ、流した涙相談者役になったとき、なんとなく設定を決めつつ話の流れで結局、その当時本当に困っていた次男についての悩みを話しました。メンター役の同期の方が私の話に相槌を打ちながら、ゆっくり聴いてくれます。ところどころに同じ親として自分のときはこうだった、こう思った、と体験談を挟みながら、こちらの言葉を遮ることなく5分の制限時間の間、ただただ私の話を聴いてくれました。研修のなかのロールプレイングだと分かっていたはずなのに、気づいたらボロボロと涙がこぼれていました。私につられてメンター役のお母さんも観察者さんももらい泣き、終了の合図を受けて周囲を見回すとあちこちのグループで涙を拭きながら笑い合う参加者の姿がありました。たった5分間、ただただ自分の話をしただけなのに、なんの結論も解決策もなかったのに、自分の中で何か整ったような、落ち着いたような、そんな不思議な気持ちになったのを覚えています。「これが、傾聴してもらうということなのかな」研修を終えて自宅に帰る車内で、ぼんやりと、何かが見えてきたような気がしました。ペアレントメンターとして話を聴くだけで出典 : 研修を終えて修了証を手にしたのは昨年の11月。そこから私の生活はペアレントメンターとして一変…したわけではありません。大分県ではペアレントメンターとしての活動は原則として親の会を通してに限られています。そのため、私がメンターとしてできるのは所属している親の会の勉強会や座談会のなかでお話を聴いたり、そこで個別に相談を持ちかけられたらお話をしたりする程度です。日常のなか、例えば小学校や次男の通いはじめた中学校などで「私はペアレントメンターです」と宣言して何かをしたり、肩書きを書いた名刺を配るようなことも今のところはありません。親の会のなかでメンターとしてできるのは具体的な解決策の提示ではなく、主にただ、お話を聴くだけです。それでも「話してスッキリした」「聴いてもらえて整理できた」「元気が出た、がんばれる」と言ってもらえたり、その時間を糧に次のステップに踏み出していくお母さんたちに、逆に私が元気をもらっているような気がすることもよくあります。ペアレントメンターとしての、これから出典 : 大分県ではまだ大きな枠組みの中でペアレントメンターをどう活用していくか、という仕組みはありません(地域によっては自治体や大学が連携しての活動があるところもあるようです)。そんな状況なので、私自身もペアレントメンターとして特別な活動が増えているわけではありません。ただ、研修を終えてから何となく自分の周りが変わりはじめたのを感じています。研修で培ったゆっくりと話を聴くスキルが日常の中のいろんな場面で活かせるようになってきました。親の会とは離れたところでも発達障害のある子を育てる保護者や、もしかしたらそうかもしれないという不安を抱える方を紹介されてお話をしたりする機会も増えてきています。昨年度は所属する親の会とは別に、次男と同じような年齢層の子を持つ保護者で話す場をつくろうという流れになり、そのために奔走したり、支援者や教員など多業種で集まる勉強会へのお誘いもうけ、いろいろな活動の場が広がりつつあります。8月にはイシゲスズコとして個人的に、当事者や保護者の話す場としてのサロンを大分市で開催する予定です。私は、支援者ではありません。困っている人を救ったり、必要な支援を与える立場ではない、とお会いする方々とお話をしながらいつも感じています。私がケアをしているというより、お話を聴かせてもらうことを通して共に学び、共に慰め合い励まし合い、共に支え合っている、そんな感覚です。ペアレントメンターの研修とそれを経て培ったスキルを元にして仲間に出会い、助け合う場をつくっていっている。私にとってペアレントメンターとは、そんな横の繋がりづくりのきっかけの一つのような気がしています。ペアレントメンターの養成や活用方法はまだまだ未整備な部分が多く、また自治体によってもあり方が大きく異なっているようです。お住まいの地域でどんな形での養成や運用がなされているかは、日本ペアレントメンター研究会のサイトから一部調べることができます。まだまだ過渡期です。これからどんな風に広がりを見せ、またどんな風に運用されていくのか私にもわからない部分が多いですが、少しずつ周知されていくことでメンターの存在が知られ、声をかけてくれる保護者の方が増えていくといいなぁ、孤独のなかで苦しむ保護者さんが減るといいなぁ、と願っています。日本ペアレントメンター研究会
2018年08月04日一人一人、好きな食べ物や個性が異なるように、妊娠や出産の仕方、子育てだってみんなと同じじゃなくてもいい。親子の数だけ子育ての仕方もあっていいはず。子どもと向き合う時間は限られているからこそ、子どもの成長を感じて笑い、ときに悩み、ときに泣き。無我夢中で子を育ててきた。毎回、子育てを経験したパパとママに話を聞く「子育て、私の場合」。今回話を伺ったのは日本人で2人目の宇宙飛行士として任務を果たした山崎直子さん。2010年、スペースシャトル・ディスカバリー号に搭乗するまで訓練に費やした年月はざっと11年。その間、結婚、妊娠、第一子の出産といくつかの節目を迎え、生後まもない赤ちゃんと共にアメリカで生活をし、その後は単身ロシアに渡っての訓練……。とその都度、優先順位を考え決断をしながら“宇宙”を目指す日々をおくってきた。周囲の人に協力してもらいながら子育てに奮闘し、自身の夢に邁進してきた山崎さんの信条とは。子どもの頃は自分専用の部屋も勉強机もなし!いくつもの小さなきっかけが外国への夢を育んだ世の中に星の数ほど存在する職種の中でも、格段にスペシャルな位置づけにあるのが “宇宙飛行士” ではないだろうか。知力、体力ともに世界最高のレベルを要求される選ばれた人たち、きっと幼い頃から英才教育を受けて育ってきたに違いない――。そんな私たちの思い込みを、日本で2人目の女性宇宙飛行士、山崎直子さんは笑って否定する。「両親からは『勉強しなさい』と言われたことはなかったですね。放任だったのかな(笑)。小・中学生の間は自分用の勉強机すらなかったんです。勉強はいつも居間のちゃぶ台で。その横では父がよくテレビで野球の中継を見ていたので、うるさいなぁと思いつつ(笑)。でも、高校生になると、さすがにパーソナル・スペースがほしいなと思うようになりますよね。それで、廊下の隅に机を置いて、父が仕切りのためのカーテンをつけてくれました。ちょっとした半畳くらいのスペースなので “部屋” じゃないですね(笑)。親とケンカして『入ってこないで!』と言ってこもっても、『ごはんだよ』って、カーテンをパッと開けられちゃいますから(笑)」小学校卒業後は、小学校のすぐ近くにあった公立中学に進学。中学校で初めて習う英語は、まだ見ぬ広い世界への新しい扉を開けてくれた。山崎さんが外国への興味を持つようになったきっかけとして、今でも忘れられない出来事がある。「変な話なんですけど……(笑)、小学6年生のとき、家族で近所のラーメン屋さんに行ったら、インド系の女性のお客さんがいたんですね。お箸を使って上手にラーメンを食べていて。当時、家の近所で外国の方に会うなんて、すごくめずらしかったので、思わずジロジロ見てしまったんです。彼女が帰り際に近づいてきたときは、(怒られるかな?)と思って緊張したんですが、そうじゃなくて。彼女はニコッと微笑んで、日本語で『世界は広いから、あなたもがんばってね』と声をかけてくれたんです。いい方ですよね。その後、彼女はすぐお店を出て行ってしまったので、お礼も何も言えなかったんですけど。テレビのニュースやクイズ番組などで、いろいろな外国の映像を見ていても、実際に外国の人と触れ合うとまた違いますよね。やっぱり世界にはたくさんの国があって、いろんな人がいるんだなぁと実感しました」中学校の部活動では英語部を選択した山崎さんは、アメリカのオハイオ州に住む同い年の女の子と文通も始めた。「市の広報誌でペンフレンドを募集している記事をたまたま見つけたので、じゃあ、やってみようかなと。英語の文章が全然書けないのがもどかしく、英語が書けるようになりたいなぁと思いました。学校の先生が手紙を添削してくれたのも、ありがたかったですね。いつか外国に留学したいと思ったのも、この頃でした」妻であり、母であり、教師であったチャレンジャー号の女性宇宙飛行士の想い外国に憧れる、ごくふつうの日本の女の子が “宇宙飛行士” という職業を初めて現実的に意識したのは、中学3年生のとき。1986年1月28日、テレビ中継で見たスペースシャトル・チャレンジャー号の打ち上げ直後の事故に胸を激しく揺さぶられた。「子どもの頃から『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』、『スター・ウォーズ』など、大好きだったアニメや映画に感化されて、宇宙が好きだなぁと思っていました。でも、当時は宇宙飛行士という言葉すら、よく分かっていなかったんですよね。それがチャレンジャー号のニュースで、現実に本物の宇宙飛行士がいて、スペースシャトルという宇宙船があることが分かったんです。チャレンジャー号の7人の乗組員の中にいた、クリスタ・マコーリフさんという高校の先生だった女性は、NASA TVを通じて、宇宙から数百万人の子どもたちに向けて授業をおこなう予定だったそうなんです。クリスタさんは母でもあり、あとには9歳と6歳の2人の子どもが遺されたことも後の報道で知りました。その頃の私の将来の夢は、学校の先生でした。だから、チャレンジャー号の爆発はもちろんショックでしたが、それ以上に『学校の先生も宇宙に行けるんだ!』という驚きが大きかったですね。今までSFの世界の話だと思っていた宇宙は〝現実〟なんだというのが、自分にとっては大きな気づきでした」文系か理系か、進路に迷った高校時代物理の数式のシンプルな美しさに感動高校は、中学生のとき通っていた塾の先生の勧めで国立の女子校、お茶の水女子大学附属高校へ。自由な校風の中、活発で何事も積極的にがんばる仲間たちとの刺激的な生活は、後の山崎さんの人生を支えるチャレンジ精神を培ってくれた。「勉強を好きだと思うようになったのは、高校時代ですね。それまでは、学校に行けば何となくやるものかなぁという程度で、あまり意識していなかったんです。もともと宇宙が好きだったので、中学生のときは単純に理系に進みたいなぁとは思っていました。それが高校に行くと、留学したいなぁとか、海外で働きたいなぁとか、もっといろいろな選択肢が出てきて……。当時の乏しい知識だと、文系のほうが海外で働ける仕事が多いのかなぁと思ったりもして。文系にしようか、理系にしようか、進路に迷っていましたね。ただ、英語は好きでしたけど、高校には帰国子女のお友達が何人もいたので『彼女たちのほうがすごいなぁ。これはちょっとかなわないかなぁ』というのがあって(笑)。やっぱり私は宇宙のことが好きだし、宇宙を学びながら、どこかで機会があったら留学したいなと思うようになりました」意外にも、中学生までは理科という科目は「大好き」ではなかったという山崎さん。特に暗記するものが多い生物はどちらかというと苦手。一方、高校の授業では、数学や物理のおもしろさにぐんぐん目覚めていった。「アインシュタインの解いた数式など、宇宙の摂理がけっこうシンプルな式で表せてしまうことに感動しました。絵画を見たり、音楽を聴いたりして美しいなと感じるのと一緒で。数学や物理の公式というのも、世の中のひとつの表現方法であり、それを極めていくのは本当に美しいなぁと。もちろん高校時代にそこまで極めていたわけでは全然なくて、あくまでも教科書レベルですけど、でもすごいなぁと思いました」やりたいことを反対されたときこそ自分の意志を見つめ直す絶好の機会女子校でも理系と文系はほぼ半々という環境の中、理系を選んだ山崎さんが目指したのは東京大学理科I類。モノ作りが好きだったこともあり、入学した工学部航空学科では宇宙工学コースに進んだ。さらに大学卒業後、大学院時代の1年間、ロボット工学や人工知能の研究で全米屈指のメリーランド大学に留学する。「留学したいと両親に切り出したときは、猛反対されました。湾岸戦争があったばかりの頃だったので、とにかく危ないと。でも、留学は中学からの夢でしたから、親を納得させるために、まずロータリー奨学金を受ける資格を得て、経済的負担を減らし、留学先の大学を選んで、留学の意義を明確にするなど、1年かけて準備をしていきました。両親も最後は『そこまでがんばったんだったら、行ってきなさい』と応援してくれたので、ありがたかったですね」子どもがやりたいことを全面的に応援し、常にサポートすることだけが親の仕事では決してない。親が疑問を感じたときには、率直に反対意見を伝えることもまた、山崎さんのように、子どもが自らの意志を再確認し、努力することにつながる場合もあるのだ。「その留学中に、出会った方たちから刺激を受け、宇宙飛行士の試験に挑戦したのですが、その時は不合格で、宇宙開発事業団(現・JAXA)に入社し、職員として働きながら、再び挑戦しました。実は、子どもの頃から宇宙飛行士という職業を一直線に目指して、準備を進めてきたわけではなく、子どもの頃の漠然とした宇宙そのものへの憧れが、いろいろなことに出会い、少しずつ形になっていった。その時々で好きなことを続けていたら、自然と道が見えてきた――という感じです。ですから、理系に進むためには、子どもの頃から算数や理科ができなくてはいけない、というわけではありません。特に科学技術は、今、日常生活の衣食住さまざまなこととつながりがあるので、まずはお子さんが興味を持ちそうな観点から、親子で話題を広げていくといいと思います。これを勉強すると、こんなことができるようになるんだ!とか、そういったことが分かるいろんな体験を、身近なところで積んでいってほしいなと思いますね」後編へ続く……PROFILE山崎直子Naoko Yamazaki1970年、千葉県松戸市生まれ。東京大学工学部航空学科卒業。同大学航空宇宙工学専攻修士課程修了後、1996年から宇宙開発事業団(現・JAXA)に勤務。’99年2月に宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年に宇宙飛行士として認定。2010年4月、スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗、宇宙へ。ISS(国際宇宙ステーション)に110日間滞在する。’11年、JAXAを退職。現在、内閣府宇宙政策委員会委員、女子美術大学客員教授などを務める。Photo:Reiko TohyamaText:Keiko IshizukaComposition:Shiho Kodama
2018年08月02日これって普通じゃないの?社会人になってから気づいた兄弟仲の良さ出典 : 先日、突然弟から連絡がありました。弟は昔から自分が好きなことに周りを巻き込んで楽しむタイプで、今回も急に何かを思いついて私に連絡してきたようでした。よくよく話を聞いてみると、近いうちに兄の誕生日があるので、それに合わせてプレゼントを贈りたい!ということでした。兄は流行りものにはまったく興味がなく自分が好きなことに黙々と取り組むタイプだったので、プレゼントの選定はかなり迷いました。いろいろと話し合った結果、私も弟もワインが好きだったので「兄にもワインを好きになってもらおう!」ということになりました。そして私はワイングラスとソムリエナイフを、弟はワインをそれぞれ購入してプレゼントしました。兄は突然送られてきたプレゼントに驚いたようですが、後日「おいしく飲んだよ」という連絡をくれました。そんなことを会社の同僚に話してみたところ「きみの兄弟はずいぶん仲がいいんだねぇ。私なんてもうずいぶんプレゼントなんて贈っていないし、たまに帰省したときに顔をあわせてもお互い好きなように過ごしているよ」と言われました。それほど特別なことをやっていたつもりはなかったのでかなり驚きました。これまで特段に仲が良いと思ったことがなかったのですが、今のような私たちの関係ができたのは「人と比較されないで育った」ことがポイントだったのではないかと思い始めてきました。「周りの子と比べてこの子は…」と言われなかった環境出典 : 私の実家は新興の住宅街だったので、近所には同年代の子どもがたくさん住んでいました。運動が得意な子や勉強が得意な子などいろいろな子がいましたが、両親は「その子たちと比べてうちの子は…」ということはまったく言いませんでした。例えば、私が小学生で不登校になったころ、両親はきっと「どうしてうちの子だけ学校にいけないんだろう」と何回も思っんじゃないかなあと今も想像します。ですが、実際にそういうことを言われたことは一度もなかったのです。また、「兄弟がちゃんと登校してるのになんでお前はできないんだ!」と兄弟を引き合いに出すこともありませんでした。ところが何回か「兄弟全員がそろって登校するところを見てみたいなぁ…」と言われたことはありました。それを受けて、数日だけ登校した記憶があります。その日の夜は両親とも、とてもうれしそうでした。もちろん学校に行くことは当時の私にはとても強いプレッシャーでした。でも、人と比べられている訳ではなかったので、行ってみようという気になったのかもしれません。耳が痛い忠告をしてくれた両親出典 : 高専に入ったとき、私はとにかく自分が好きなプログラミングだけに夢中になっていました。将来のために何か資格を取ろうなんていう気もさらさらありませんでした。一方で、兄は高校に通う間に10以上の資格を取っていました。ここでも両親は「お前は資格とらないんだ?お兄ちゃんはいっぱいとってるよ!」という話はまったくしてきません。その代わり、成人してから数十の資格を取った父から「大人になってから資格を取るのはとても難しいから、今のうちに取っておいたほうがいいよ」と言われました。苦労した経験がある父からそう言われたことで、私は少し危機感を持ちました。おかげで、すぐに資格勉強にも取り組むようなったのです。その結果、卒業するまでに情報系の国家資格をいくつか取ることができました。弟が同じ高専に入ってから1年目にして留年しそうになったこともありますが、やはり両親は私と比べたりはしませんでした。とは言え、留年しそうな状況を簡単に認めるのではなく「留年した分まで学費を払うのはうちの家計では難しいよ」という忠告をしていました。(この顛末は以前コラムにも書かせていただきました)両親の私たちへの接し方は、誰かと比較することで「負けず嫌い」な気持ちを刺激したり、やる気を出させようというのとはちょっと違います。自分たちがかつての経験から得た教訓のようなものや、私たちが置かれている状況がどうなのかを教えてくれていました。そして3人の息子に同じように接してくれていたのは、私たちの兄弟関係にも良い影響があったのではないかなと考えています。ケンカをしない兄弟関係をつくった『鉄の掟』出典 : 兄弟は、それぞれゲームと漫画が大好きでした。好きなものが同じだと取り合いになったりコントローラ争いになったりと、ケンカになりそうなイメージがあるかもしれませんが、私たち兄弟の間ではほとんどケンカになりませんでした。ゲーム時間に関しては兄弟間で「前日長く遊んだ人は1日我慢すること」という鉄の掟がありました。これは兄弟の間で自然に生まれたルールで、「昨日も今日もゲームしてたら不公平だよね!」という考えでいつの間にかできあがっていました。兄弟の中では私が一番せっかちで短気だったので、よくルールを破ってゲームを占有しようとしていたのですが(笑)兄弟のどちらかから「昨日ずっとやってたじゃん!」と言われるので、渋々譲っていました。当時の私はこの掟に従わないと他の兄弟も従わなくなって、その都度ケンカになったりしたら結局自分のゲーム時間が減ってしまうという思いがありました。長い目で見たら今は譲った方がいい、と判断していたのです。「我慢する」だけじゃない選択肢を自分で持ち、家でできないときには、友達の家に遊びに行って延々ゲームをするか家で攻略本を延々と読んで過ごしていました。弟もよく同じようにしていたと思います。順番待ちの間は攻略本を読むのがそれぞれ定番だったので、誰かがつまずいたら他の2人に相談したり、手本を見せてもらったり協力することもできていました。ケンカのもとになりそうなゲームですが、鉄の掟のおかげでコミュニケーションツールになっていたのかなと思います。互いに競わない関係の蓄積が、大人になっても仲が良い秘訣に出典 : 私が大人になって発達障害の診断を受けたときも、兄弟それぞれ自分もそうかもしれないと関心を持ったらしく各々でいろいろと調べているようでした。診断がついた後も、家族の関係は子どものころからそれほど変わっていません。それに今でも、誰の給料が高いとか誰のほうがいい家に住んでるとか比較するような話はまったくしません。というか兄弟全員そんなことに興味がないのだと思います。もしかしたら特殊な例なのかもしれませんし、私たち兄弟の気質によるものもあるとは思いますが、お互いに競争しない関係が築けたから、いまも仲が良いのかなと思っています。
2018年07月19日男の子の思春期とは?出典 : 思春期とは、子どもから大人への変化期間で、男の子の場合は11~18歳頃を指します。この時期の変化は大きく分けて、「体、心、社会的役割」の3種類となります。第二次性徴、と称される体の変化から始まり、精神面にも、社会で担う役割にも変化が訪れ、考え方や行動を改めていく必要が出てくるのです。発達障害のある子どもにとっては、この変化が怖く感じられることもあるでしょう。そして、混乱から困った行動につながってしまうこともあるかもしれません。思春期の混乱によって出てきた困った行動には、その背景要因や個人差に加え、男女のちがいも含まれます。異性である母親にとっては、どのように関わったらいいか迷う場面も増えることもあるでしょう。体の成長への対応、勉強や交友関係、ゲームとの関わりなど、発達ナビで行った「みんなのアンケート」でもさまざまな声が挙げられました。成長段階、性別、発達障害、環境など、さまざまな要素が絡むことで、問題が複雑に見えるかもしれません。ですが、この時期ならではの変化について学んでおくことで、状況の理解が進み、対処がしやすくなります。そこで、次の章から、思春期を迎えた男の子に起こる変化の内容や対処法について説明していきます。思春期の男の子に起こる変化出典 : 思春期には、体、心、社会的役割に変化が訪れます。一般的な特徴を次に示します。思春期に起こる体の変化を、第二次性徴と呼びます。生まれてすぐわかる男女の性器にみられる特徴(精巣や陰茎、女性の子宮、卵巣)が第一次性徴であり、第二次性徴は、性器以外の身体の各部分にみられる男女の特徴のことを指します。具体的な内容を、起こる順番と共に紹介します。Upload By 発達ナビ編集部胸のふくらみや生理が始まる女性と比べ、男性の体の変化は目立ちにくいとされていますが、全体的にがっしりし、体毛が濃くなることが特徴です。心の変化として代表的なものは、自意識の芽生え、恋愛感情を覚えること、イライラや不安を覚えやすくなるという点です。社会的な役割に変化が出てくることで「自分は一人の人間なんだ」という自意識が芽生えます。また、第二次性徴による体の変化に伴い「異性」「同性」という概念をより意識することで恋愛感情が生まれます。このような変化を受け、子どもの心は複雑になっていきます。心が複雑になることで、自分の中では扱いきれないテーマや感情を抱えるようになることも増え、精神が不安定になったり、イライラを覚えたりするのです。発達障害がある子どもの場合、このような変化に認知の特性が加わることで、極端な感情を持ったり、行動にうつしてしまうことがあるかもしれません。自分の内外における変化の複雑性に耐え切れず、不安定になっている点が思春期の特徴です。ライフステージが上がるごとに、社会から与えられる役割はより複雑になります。例えば、以前なら許されていたわがままも「もう大きいんだから我慢しなさい」と、とがめられたり、他人、特に異性である女性との距離感を調節する必要が出てきたりします。このように、年齢、性別、自身の性格によって社会的な役割が複雑になっていくことを認識し、それに見合った行動を取ることが求められるのです。男の子の思春期、困りごとは?男女差や個人差はある?出典 : 思春期は、自立心の芽生えから自己主張が強くなり、大人の指示に対して反発することが目立ちはじめます。思春期の男の子を育てる保護者からは「人間関係、家庭内での暴言・態度ゲーム・ネットへの依存」などにまつわる悩みが多くあげられています。発達ナビの「みんなのアンケート」でも、男の子の思春期についてさまざまな悩みや不安が寄せられました。みんなのアンケート第二次性徴による心と体の成熟のスピードなどはそれぞれ異なります。心と体の成熟スピードのアンバランスさから困難を感じている場合もあります。体は大きく成長しているのに心は幼い場合や、体の成長に対して心がませている場合もあります。男女差だけでなく、子どもに起きているトラブルの背景に何があるのかを、保護者や支援者はしっかりと見極め、無理をさせすぎないよう留意しながら年齢相応な行動ができるよう、対応していく必要があります。次に、どのように対応すればよいのかについて紹介します。思春期を迎えた男の子への対応ポイントとは?出典 : 思春期のお子さんを育てる保護者の方が感じやすいであろう悩みの背景に、「今までのわが子とちがう」という点があるのではないでしょうか。また母親の場合、異性である息子の成長に戸惑い、対応の仕方に迷いが生じて、叱ってばかりになったり、はれ物に触るように対応したりなど、コミュニケーションがうまく取れなくなる場合もあるでしょう。「勉強するゾーンと趣味のゾーンを分ける」「忘れ物しないよう置き場所を決めておく」など、環境を整えることで、子どもにとって刺激が少なくなったり、行動の切り替えがスムーズになります。そのため、ストレスや衝動的な言動を減らすことができます。自立心が芽生えはじめた子どもに対しては、今までのような「指示」する方法でのコミュニケーションは難しくなってきます。自立心の芽生えはじめた子どもにとって思春期は◇意思を示す: 自分の主張や考えの認識・表出◇考える: 自分の主張や考えを他者と調整◇解決する: 解決・妥協するという力をつけていく時期にあたります。保護者には、意思を示した子どもに対して、「考える」サポートをすることで、解決に導いていくことが求められます。この時に「気持ちを尊重して聴く」ことが、子どもが自分で自分の考えを整理し動き出す、サポートとなります。「聴く」ときのポイント・すぐに否定せず「そう」「うん」などの言葉で気持ちをいったん認める・子どもの気持ちを代弁する・どうする?どうすればいい?など、考えをたずねる気持ちを認め、代弁することで、コミュニケーションができる関係性をつくり、反発・拒否だけで終わらず、どうすればいいのかを自分で考えられる時間をつくるのです。食事中のスマホ利用がやめられない場合【指示のコミュニケーション】保護者「ごはんだよ」子ども「分かってる」保護者「分かっているなら早くスマホ見るのをやめなさい」子ども「うるせぇなぁ!」(分かってるって言ってるじゃん!)▼【聴くコミュニケーション】保護者「ごはんだよ」子ども「分かってる」保護者「そう。メールが気になるの?」子ども「…うん」保護者「何分くらいかかりそう?」(時間をおいてから)保護者「〇分たったよ。メール終わった?」「メールが気になるの?」と子どもの気持ちをいったん認めたうえで、何分くらいかかりそうかたずね、自分で考えさせるのがポイントです。思春期の子どもは、小さいころと同じようにほめられると子ども扱いされたような気持ちになることもあります。子どもの心の発達に合わせたほめ方が必要になります。ほめられることで適切な行動が増え、親子のコミュニケーションも向上します。「ほめる」ときのポイント・できないことではなく、できていることに着目する・結果ではなく努力(プロセス)に着目する・感謝や敬意を伝える・さらりとほめる◇できていることを認める例(部屋は散らかっており、お菓子をたべながらではあるが宿題をしている状況)保護者「部屋を片付けてから勉強しなさいよ!」子ども「うるせーなー」▼保護者「お、何かやってるじゃない」子ども「うん」◇子どもの年齢にふさわしいやり方で、感謝や敬意を伝える例(子どもが買い物に行ってくれたとき)保護者「わー、買い物してきてくれたのね。えらーい!」子ども「…」▼保護者「手が離せなかったから、買い物に行ってくれてほんと助かったわ。ありがとう」子ども「うん」子どもの心の発達に合わせたほめ方を心がけましょう。小さいころのように「えらーい」「すごーい」と言われると、馬鹿にされたような気持ちになることもあります。さりげなく敬意を伝えることがポイントです。また、聴きたいことがあるときは、最初から聴き出そうとするのではなく、子どもが興味のある・話したいと思っている内容をまず聴くことが大切です。大人にとって都合のいい話ばかりをさせたがると、大人と話すことに意義を感じられなくなってしまいます。ゲームやテレビ、勉強の時間など、保護者と子どもで目標となる行動を決めて紙に書きます。約束が守れたら印をつけ、記録します。ポイントがたまったら決めておいたものや好きな活動を交換できるシステムです。約束しておくことで、行動を促す際にスムーズになります。行動契約づくりのポイント・保護者が一方的に押し付けるのではなく、子どもの気持ちを受け止め、意見を聴いてからつくる・ハードルは高くせず、やればできるけれど、「継続・定着」が難しい行動を目標にする・評価のポイントを明確・具体的にする・できなかったときのリカバリー策も設ける行動契約のメリット・自己コントロールが育つ・自分の頑張りや努力が目で見て分かる・将来就労したときに給料の仕組みを理解しやすくなる異性との関わり方、距離感の教え方は?出典 : 異性との関わり方や性的なことについて、親からの自立をしようとしはじめる思春期に入ってから急に教えるのではなく、小学生のころから少しずつ教えていくと、混乱を減らすことができます。思春期に入る前から、どのように行動したらいいかを、まず家族が実践して見せることが大切です。例えば、次のようなことを家庭内で心がけるだけで子どもの理解を助けることができます。・(入浴介助が必要な子どもの場合)異性の保護者は洗い場で服を着たままで介助する・家族全員が、お風呂あがりに裸で部屋の中をうろうろしない。着替えは脱衣所か自分の部屋で行う・子どもの精神的な発達に応じて、抱っこなどのスキンシップは徐々に減らし、年齢相応のボディタッチ(肩をポンと叩くなど)に移行していく人前で裸にならない・見せないなど、自然に性を意識させていくことが大切です。また、子どもが一人になれる「マイスペース」を確保してあげましょう。部屋が難しい場合は仕切りをつくるのでも大丈夫です。着替えなど、プライベートなことはそこで行うようにします。まとめ思春期、男の子、発達障害、と関わる要素が複雑で不安を感じやすい時期なのではないでしょうか。悩みに向き合うたびに「これは時期によるものなのか、障害によるものなのか、男の子だからなのか、それとも?」と見通しの立たない不安を感じる方もおられるかもしれません。子どもの意思を尊重したコミュニケーションの取り方によって問題行動を減らしたり、性的な意識づけは家庭内で少しずつ実践を行うことで性的トラブルが起きないよう子ども自身理解を深めることができます。お子さん一人ひとりの成長を見つめながら、その時々にあった関わり方を探していけるとよいですね。
2018年07月15日こんにちは。フリーママライターの横山かおりです。皆さんもお子さんに習い事を習わせていたり、お子さんがやりたい!という習い事をやらせてあげたりしているかと思います。ただ、意外と「習い事のやめどき 」って難しいですよね。今回はわが家の経験などをもとに、習い事を「やめるorやめない」の見極めについてご紹介します。興味&やる気がないものは早めにやめさせる「大切なわが子にはどんな才能があるのか」「できるだけ多くのものに触れさせてあげたい」そんな親心から、色々な習い事をさせている家庭も多いのではないでしょうか。最初は嫌がっていた子どもも続けるうちに好きになり、才能が開花するパターンもあります。でもある期間続けてもまったく興味が出ず、意味なく通っている場合 もじつは結構あります。わが家の息子も2〜3歳の頃英語に通わせていました。小学生から英語を学ぶ時代。早めに慣れておいたほうがいいだろうと思ったのです。好奇心旺盛で社交的な息子は、最初は喜んで英語に通っていました。まだ2歳だったので親子同室。ずっと親子で英語の歌を歌ったり、ゲームをしたりしていました。でも数か月経った頃から英語へ対しての興味が薄れていき、教室についてもお友達と話したりふざけたりしてばかり。先生の話もマトモに聞かない状態が続きました。親子同室だったので注意し続けるものの、まぁ集中しないこと!興味のあるものには話が聞こえなくなるくらい集中する子なので、いかに英語に対して興味がないかがわかりました。英語のたびに親子でイライラ 。これじゃお金も時間ももったいない。そう思ったので「英語、やめる?」と聞いたら「うん、やめる!」と即答。迷いない息子の返事に退会することにしました。子どものやる気や興味がないものは、なかなかうまく続きません。なんだか親子で気分までスッキリしてしまい、やめてよかったなと思いました。子どもの負担になるものはやめさせる生後6か月から1年生の5月まで、息子はベネッセの通信教育を続けていました。赤ちゃんの頃から大好きで、毎月届くのを親子で心待ちにしていました。歯みがきもトイレもひらがなも、どれだけお世話になったことか…!でも小学生になり学校の宿題が増えると、通信教育の分の勉強に支障が出てきました。さらに1年生からは別の塾のプリントが追加になったので、もう勉強だけでやることがたくさん…!勉強好きの息子にも限界があったようで、ある日宿題の最中に集中しすぎて鼻血を出しました…(!)そして勉強時間のせいで自分の自由時間がなくなりイライラするように 。毎日学校から帰ってきて必死に宿題と向き合っている1年生の息子に、親ながらかわいそうになってきてしまいました。そこで「もう進研ゼミやめる?」と聞いたところ「…うん(涙)」という答えが。やめたくなかったと思うけど、あきらかに息子がつらい思いをしていると判断し、6年間続けた通信教育を退会しました。子どもの負担が増え、代わりとなるものがあるのならば迷わずやめましょう。子どもの心と体の健康が一番 です。子どもがやりたがるものは続けさせるこれは現在息子が習っているピアノの先生の話です。彼女は私の友人で、学生時代のアルバイト仲間でした。その頃からピアノ中心の生活を過ごしており、毎日練習に励んでいました。実家のマンションで暮らしていた彼女は両親に「ピアノの音がうるさい!」とよく怒られていたそうです。ピアノのことも良く思っていなかったとか。彼女のピアノの成績が大学で認められ、ドイツの有名な学校に留学できるという話が出たときも両親には反対されたそう。それでも自分の思いを貫き通した彼女はドイツへ単身留学。難関のドイツの大学院にも進むことができ、現在は日本でピアニストとして活躍しています。いくつものコンクールで賞を受賞しています。(そんな素晴らしい経歴の友人にピアノの講師を頼んでしまう私も私ですが…。)親に反対されても自分のやりたいことを貫き通した彼女。子どもが本当にやりたい、と言ったことは全力で応援 してあげようと、彼女を近くで見ていた私はいつも感じていました。今ではご両親も彼女の成功をとても喜んでいます。でも学生時代からもっと応援してあげられていたら、余計な悩みもなかったのに、とも思ってしまいます。----------「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、子どもが興味を持ったものは積極的にやらせて応援してあげたいですよね。大切なのはその後の子どものやる気次第。やめるのをためらう必要はありません。続けた年月に関わらず、やめる勇気も必要です。●ライター/横山かおり●モデル/前田彩
2018年07月04日ヲタママだっていーじゃない!
ムスメちゃんとオコメちゃん
猫の手貸して~育児絵日記~