私の父にそっくりな息子出典 : 発達障害は遺伝の要素が強いとは言いますが、それを実感したエピソードがあります。息子と私の父は間違いなく同じ特性を持っています。息子が発達障害の診断を受ける前からずっと、私は息子の様々な行動が私の父にそっくりなことに気付いていました。「動き方がおじいちゃんみたい」「自分勝手な行動がおじいちゃんそっくり」「じっとできないところがおじいちゃんと同じ」と、家族もみんな言っていました。そのせいか、私の父はどの孫よりも息子のことを特別可愛がっていたように思います。私の父と言えば、まずとんでもなく不器用。お皿を割らずに皿洗いができない人です。そして、シングルフォーカス。庭に水やりをしてと頼むと、足元の花を全部ふんづけて水を撒いています。衝動性は凄まじく、思ったことをそのまま口に出すため母が「恥をかかされた」と怒って外出先から泣いて帰ってくるなどしょっちゅうでした。また、残念ながらカッとくると感情のコントロールができないので、家族は大変。多動と多弁は70を超えた今でもそのまま残っており、「ガサガサゴソゴソしないで!」「ちょっと黙って!」と周囲によく注意されています。制御がきかなかった父の幼少期出典 : 父の特性がよく分かる話を、今は亡き祖母がしてくれたことがあります。「幼稚園に入園させたらねえ、毎日手がつけられないほど泣いて叫んで暴れて…。先生たちが困り果てて、結局1ヶ月で退園させられちゃったの。」「家にお客さんがくると、いつもと違う状況に異常にテンションが上がっちゃってね。もうどれだけ注意しても大はしゃぎで、本当に大変だった。」「小学校に上がったら、授業中に鉄棒しに勝手に出ていっちゃったりしてね…」とにかく父は「大変な子」だったようです。問題児だった父を変えたひと言出典 : 幼稚園は強制退園、小学校は立ち歩き脱走ばかりしていた父。小学校低学年までは成績も悪く、勉強も大嫌いな子だったそうです。しかし、最終的には某国立大学を首席で卒業し、表彰式の模様はテレビで放映されました。大学卒業後は企業の営業職として抜群の営業成績をおさめ、リタイア後は法律関係の仕事をしています。周りにずっと「ダメな子」認定されていた父が変わったきっかけは何だったのでしょうか。以前、父が話してくれたことがあります。成績が悪く立ち歩きをする父に、小学校4年生のとき担任の先生がこう言ってくれたそうです。「君は、本当はすごく出来る子なんだよ。僕は知っているよ。」その先生の言葉が、父に革命を起こしたと言います。それまで何をやっても自分はダメだと思っていたけれども、たった1人でも自分を認めてくれる人がいる、それは父の中で大変なことだったのです。それからというもの、父は勉強を含め様々なことに前向きに取り組むようになったそうです。当時、周りと同じことをするのに数倍の努力が必要でしたが、その先生の言葉のおかげで父は努力をし続けることができたと言います。良き大人との出会いが人生を変える出典 : 父のこのエピソードは「窓ぎわのトットちゃん」と重なるものがあります。小学校を退学処分になったトットちゃんに、新しい学校の校長先生が「きみは、ほんとはいい子なんだよ!」と言うという話は有名です。自分を認めてくれる良き大人との出会い、これは、子どもの人生を変えるものです。日常的に自信を失うことが多い発達障害児にとって、こんな言葉をかけてくれる人はどれほど貴重なことでしょう。自分を認めてくれる良き大人、そんな人と子どもが出会うことを信じながら、日々育児に取り組んでいます。
2016年08月06日【ママからのご相談】うちには小学6年生の子どもがいるのですが、この前もらった通知表の内容がひどくてショックでした。国語や算数などの苦手な教科はほぼ「頑張りましょう」。得意なはずの体育や図工ですら「よくできました」が一つもありませんでした。先生からのコメントには、「忘れ物や宿題忘れが頻繁にあった」と書かれており、母子ともに反省しています。来年からは中学生だというのに、この調子では不安ばかりが募ります。本人も相当ショックだったらしく、この夏休みで変わりたいと言っています。そんな息子を全力で応援したいのですが、正直子どもに対して何をしてやればいいのか分かりません。すでに塾や習い事はいくつか通わせているため、時間的にも金銭的にもこれ以上増やせません。何か良い方法を教えてください。●A. 子ども自身に目標を立てさせましょう。ご相談ありがとうございます!ライフオーガナイザーの阪口ゆうこです。子どもから通知表をもらい、それが悪い評価ばかりだとショックですよね。しかし、いつまでもクヨクヨしているわけにはいきません。何事もつまづいたときが成長する絶好のタイミング。計画性を持って子どものサポートをしてあげることが大切です。●夏休みを有意義にするソニー生命保険が実施した『子どもの夏休みの過ごし方に関する意識』という調査では、・夏休みの過ごし方は子どもの将来に影響を及ぼすと思う……72.2%・家族の絆を深めたい……88.2%・子どもが将来を考える機会を設けたい……80.6%というアンケート結果が出ています。多くの保護者が「夏休みを有意義に過ごさせたい」 と感じていることが読み取れますね。それでは、夏休みをどういう風に過ごせば有意義だと言えるのでしょうか。ご相談者さんの場合は子どもの通知表の成績が悪かったとのことですから、「子どもの苦手科目を克服させよう!」と思うかもしれません。もちろん、それも素晴らしい夏休みの過ごし方です。しかし、国語や算数の勉強は夏休みでなくとも日常の中でできます。“夏休みだからこそできること” に視点をフォーカスしてみてはいかがでしょうか。たとえば、お子さんは宿題や忘れ物が頻発していたとのことですが、こちらを優先して改善するのはどうでしょう。夏休みは家族で一緒に過ごす時間がぐっと増えるため、子どもが日常生活で犯すミスを観察して指摘することができます。これは塾や習い事で忙しく、家で過ごす時間が少ない普段の生活では難しいことですよね。このように、“夏休みにしかできないこと”を考えて子どもと接するのも一つのポイントとなります。●まずは俯瞰、そしてできる範囲で実行子どもの将来について親子で一緒に考えてみましょう。子どもは自分自身のことをどのように思っていて、将来をどう考えているのか。テレビやゲームを消して、じっくりと話し合ってみましょう。苦手科目を克服したり、日頃の生活態度を改めさせたりするのにも、この過程がなければ効果が薄くなります。子どもが一通り自分のことについて考えを巡らせたら、自分の現状を客観的に見つめさせ、達成できる範囲で目標を立てさせましょう。どんな目標でも構いません。子ども自身に目標を立てさせることが大切なのです 。そして保護者はそれを全力でサポートしてあげましょう。夏休みの間にその目標をクリアできれば、課題をこなせたことによる成功体験や計画性を得るキッカケになります。それらは勉強面、生活面の両方で役に立ちます。ひと言でまとめると、夏休みの課題は子ども自身に設定させ、それをきちんと達成させること。それが有意義な夏休みの過ごし方なのではないでしょうか。【関連リンク】・子どもの将来と教育費に関する調査(平成25年度) | ソニー生命保険株式会社()●ライター/阪口ゆうこ(ライフオーガナイザー)
2016年08月02日【ママからのご相談】小学校高学年の子どもがいます。成績がどんどん下がっていて、1学期の成績は目も当てられない状態でした。子どももすっかり自信をなくしてしまって、勉強が大嫌いになってしまったようで、一切勉強をしたがりません。この夏休みのうちに自信を持ち直してもらい、勉強する習慣をつけたいのですが、どうしたらいいでしょうか。●A. 一つの目標を達成できるように、家族ぐるみでサポートしましょう。ご相談ありがとうございます。勉強嫌い専門コンサルタントの佐々木です。勉強が嫌いになってしまうと、今のうちから心配ですよね。心理学者アルバート・バンデューラが提唱した『社会的学習理論 』では、自己効力感を上げる(自信をつける)ために、4つの要素(個人的達成、代理学習、社会的説得、情緒的覚醒)が必要とされています。そのうち、勉強に対して自信と習慣をつけるためには、特に個人的達成、つまり“成功体験 ”が重要です。夏休みのあいだに、一つ目標を持って何かを達成できるように、家族ぐるみでサポートしましょう。●(1)下の学年の復習から始めるお子さんが5年生なら、4年生あるいは3年生の問題集を解くことから始めましょう。ポイントは、つまずいたところの“少し前”まで戻る ことです。どうしても、つまずいたところに戻りたくなってしまうと思うのですが、つまずいたところではなく、その子が簡単にできるところまで戻るのです。できないことを克服するのは大人だって大変なこと。できる問題をやって調子をつけてから、できないところの復習に取り掛かりましょう。●(2)カレンダーに印をつける少しでも勉強ができた日には、カレンダーに印をつけたり、シールを貼ったりしてみましょう。夏休みの約40日、全てにシールが付いたらちょっとしたごほうびを用意するのもいいですね。話し合ってルールを決め、実践してみてください。ラジオ体操に毎日行って、スタンプを集めた経験はありませんか?最初はいやいやでも、続けることで楽しくなり、やってみようという気持ちが湧いてくることも。頑張りが見えることでやりがいが出てくる ものです。●(3)ほめるそして、なんといっても最大のコツはほめること。下の学年の問題ができたら「こんなにできるんだから大丈夫!」と励ましましょう。どんなに量が少なくても、きちんと続けられたら「頑張ってるね」と、続けることが素晴らしいと伝えてあげる のです。テスト形式で問題を解いて、全問できたら大きな花丸をつけたり、大きく“100点”と書いてあげたりするのもいいですね。自信と習慣をつけるためには、小さなミスにこだわりすぎず、できたことに目を向け、ほめてあげることが大切です。厳しいことを言うのは、自信がしっかりついてから。----------勉強が嫌いな子は、できないことに嫌気がさしている場合が多いので、できていることに着目して、一つひとつ階段をのぼるように伸ばしていきましょう。夏休みの長いお休みで、「できた!」「やり遂げた!」体験を一つさせてあげることで、自信がアップします。ぜひ、家族一丸となってサポートと演出をしてみてくださいね。●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年08月01日【ママからのご相談】小学生と中学生の子どもがいます。頭のいい子がいるご家庭の母親たちは、「勉強しろなんて一度も言ったことがない」とよく言っています。これは、嘘なのでしょうか。それとも本当なのでしょうか?●A. 「勉強しろ」とは言わないが、子どものやる気を引き出す方法を工夫している。こんにちは。ライターのakiです。私も教員時代、東大をはじめとする超難関校に合格するお子さんのいらっしゃるご家庭をみてきました。確かに親御さんは教育熱心ではあるのでしょうが、「勉強しなさい」などと頭ごなしに勉強をさせるイメージはありませんでした。むしろ、子どもの感受性や心を育てながら、やる気にさせるのがお上手……。そんな方が多かったです。ということで今回は、ご相談者さまの質問に答えるべく、PICASOさんの著書『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方やる気を引き出す親のヒケツ50』より、東大生のご家庭でされていた親から子どもへの接し方の具体例を挙げてまいります。●東大生の自分の成績が伸びた・やる気が出たきっかけエピソード●日常生活編『小2から旅行のプラン(行き先、宿、レストランなど)を決めさせてもらえ自主性を鍛えられた』(東大文科1類男子)『幼稚園から高校まで塾通いをしていた。苦にならなかったのはいつも母親がおやつを用意してくれて、お喋りしながら書き取りや計算を見てもらって勉強の習慣をつけてくれたから』(東大理科3類男子)『両親は共働きで忙しかったけど、本の読み聞かせと博物館や美術館にはよく連れて行ってくれた』(東大人文社会系修士男子)『母からの教育方針は「勉強しなさい」「生活態度を改めなさい」という漠然とした言い方ではなく、「門限を守らなければお小遣いを渡さない」のみ。具体的でわかりやすかった。守ってるうちに生活習慣がきちんとしたものになっていった』(東大経済学部女子)共通しているのは、無理に何かをさせられるのではなく、親から興味のきっかけを与えてもらったり具体的な指針を教えてもらっていたりするということです。「勉強しなさい」「きちんとしなさい」と言うのは簡単ですが、このようにまず具体的な方法 をお子様に示すことが大切です。●勉強編『幼稚園前からフラッシュカードや本の読み聞かせを両親がしてくれた』(東大文学部女子)『5歳まで海外にいた。帰国後は英語の本を親からどんどん与えられた。ハリー・ポッターの原書など何十回も繰り返し読んだ』(東大文科1類男子)『中学校のころ、母が問題集の中から何題か選んで手書きドリルを作ってくれた。問題集をこなすよりやる気が出た』(東大文科3類男子)『英語の音読とシャドウイング(英語を聞きながら少し遅れて発音していく訓練)のやり方を父親が教えてくれてやっていた』(東大人文社会系修士男子)ある東大生の言葉で印象に残っているものに、「親も自分と一緒に勉強していた」 というものがあります。これは別に親も一緒になって受験問題を解いていたという意味ではありません。何をどうすればいいのかを提示してあげ、並走しながらわが子の勉強を見守っているのです。まさに上記の具体例そのものです。難関大に合格する子どもを持つ親御さんの場合、このように一歩踏み込んで子どものやる気を引き出す工夫をされている方が多いのです。●その他『幼稚園のころから「どこの大学に入るかで人生は重要になってくる」とわかりやすいように説明してくれていた』(東大工学部男子)『受験前日にカラオケに連れて行かれたり、ほかの受験2日前も温泉に連れて行かれたり。父親はいつも無理にでもリフレッシュさせてくれた』(東大薬学部男子)臨機応変に子どもに対応するというのもひとつのポイントかもしれません。子どもの性格や状況に合わせて上手に向き合うのです。素直なお子様には大学に入る意味を小さいころから説明して勉強を前向きにさせたり、プレッシャーに弱いお子さんには率先して気分を盛り上げたり。子育て同様に教育方法にも決まったやり方はありません 。お子さん一人ひとりに合わせた導き方を親がきちんと把握していくといいでしょう。----------以上です。「勉強しなさい」と言わずとも見事にお子さんのやる気を引き出してやる気にさせているエピソード。ぜひ、その手法を参考にしてみてください。【参考文献】・『東大生が教える! 勉強が好きになる子どもの育て方やる気を引き出す親のヒケツ50』PICASO・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年07月23日「学校に行かなくても、自分の道はみつけられる」−吉開拓人(高校生エンジニア)現役高校生でありながら、エンジニアとして「株式会社ウィンクル」というIT企業に勤務、「Gatebox」というホログラム映像を使ったコミュニケーションロボットの開発に携わり、数々のコンテストでの受賞経歴もある吉開さん。株式会社ウィンクルそんな吉開さんには、3年半ほどの不登校経験があります。「当時の経験が今の自分をつくっている」と力強く語る吉開さん。不登校になってから、エンジニアとして活動するまでの道のりをうかがってきました。「学校に行く意味がわからない」―小さな疑問からはじまった不登校時代Upload By 発達ナビ編集部編集部: 現役高校生でありながら、エンジニアとしても活躍されている吉開さんですが、不登校の時期があったとお聞きしました。そのときのきっかけは何だったんでしょうか?吉開さん: 何か大きなきっかけがあったわけではないのですが、一番の理由は学校の空気に窮屈さを感じていたことでしょうか。中学に上がると急に受験に向けた詰めこみ教育がはじまって「何のために勉強してるのかわからないなぁ」と悩み始めたんです。勉強やスポーツが特別出来る方じゃなかったので、気づいたらドラえもんの「のび太くん」状態になってましたね。あとは、中学生特有の人間関係というか、学校の中に流れるギクシャクした雰囲気も苦手でどんどん嫌気がさし始めたんです。編集部: 大きなきっかけがあったわけじゃなかったんですね。吉開さん: そうなんです。特にいじめがあったとか家庭環境が悪かったというわけではなかったですね。だけど、中学生になって半年経ったところで「1日、ちょっとずる休みしてもいいかな」って気持ちがもたげてきて。そこで学校をサボってみたんです。一度「えいっ」と休んじゃうと心のハードルが下がるんですよね。そのまま1日、また1日と休む日が増えて、気付いたら中学1年の秋頃から不登校になってました。出典 : 編集部: そこから始まったんですね。吉開さん:はい。16歳まで、約3年半ほど続きました。だから中学は最初の半年だけしか行ってないです。編集部: どんなことをして過ごしていたんですか?吉開さん: 最初はゲームばかりして過ごしていましたね。別にゲーム好きじゃなかったんですが、何がしたいのか思い浮かばなくて暇つぶしでやってました。その時は家からぜんぜん外に出なかったので、親以外との交流もほとんどありませんでしたね。編集部: ちなみに、そのときご両親との関係は?吉開さん: 不登校になってから、仲が悪くなりましたね。母は「休んだらいいんじゃない?」と言ってくれていたのですが、父は早く学校に行かせたいという気持ちが強かったみたいで。それが原因でよく喧嘩をしてました。「父のおかげでとことん好きなことに向き合うことができた」Upload By 発達ナビ編集部編集部: そんな中から、エンジニアを目指すようになったんですよね?吉開さん: はい。実は、エンジニアになったキッカケは、父の一言だったんです。編集部: あ、そうなんですか!吉開さん: そう(笑)不登校になってからの1年間、ずーっとゲームをしてたら、父が「そんなにゲームをやるなら、自分でつくってみれば?」って言ったんです。“ゲームをつくる”っていう言葉にすごく惹かれて、それを境にプログラミングの世界にどっぷりはまりました。編集部: お父様の一言が今につながってるなんて、すごいですね。吉開さん: ほんとですよね。父には今でもとても感謝してます。プログラミングを始めると言ってから、勉強に必要なものは惜し気なく与えてくれました。今までに専門書は60冊くらい買ってもらいました。編集部: 60冊!?Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: 「プログラミングを始めるぞ!」と決意してからは、父が買ってくれた本を片手にずっとひとりで勉強していましたね。編集部:独学で勉強していたんですか?吉開さん: はい。ずっと独学。自分のペースで勉強していました。編集部: ネットの掲示板やコミュニティで交流しながら勉強、という事も特になく?吉開さん: そうですね。情報収集のためにエンジニアのコミュニティを利用することはありましたが、他のプログラマーとの交流はしませんでした。僕の場合は、周りに左右されず自分のペースで勉強を進めるのが合っていたんだと思います。編集部: まっすぐ好きなことに向かえる環境にいられたということですね。吉開さん: そうですね。そういう点でいうと、僕は不登校という環境を選べてよかったと思っています。自分のやりたいことを自分に合ったペースで探求できたのは、不登校になったおかげだとおもっています。もし学校にそのまま通っていたらエンジニアも目指してなかったかもしれませんね。編集部: お父様からのサポートや、ひとりで勉強できる環境…いろいろなことが重なってエンジニアとしての道につながっていったんですね。吉開さん: はい、その中でも父のサポートは大きかったですね。学校にいかなくても自分なりの道がみつけられたのは、僕がプログラミングだけに集中して取り組めるように環境を整えてくれたおかげだと思います。自分にぴったりの高校に出会い、学校に通いながらエンジニアの道へ出典 : 編集部: そのあと高校に進学されましたよね。高校へ行こうと思ったのはいつごろからなのでしょうか?吉開さん: 実は、高校に行く年齢になっても、まだ学校には行きたくない気持ちの方が強くて1年ほどのんびりしていました。だから僕、みんなより1年遅れて高校に入学してるんです。そのときは行きたいと思える高校がなかったんですよね。編集部: という事は、逆に言うと今の高校は吉開さん自身が「行きたい!」と思えた…?吉開さん: はい。行くならこの学校しかない!と思ってすぐ願書を出しました。正直、この高校に入学してから人生が変わりましたね。今通っている学校は、「プログラミングの授業が必修」という謳い文句に惹かれて入学を決めました。それに、通信制高校なので自由に使える時間が多いんですよ。学校側も、外で自由に活動することを推奨していました。編集部: 自分のやりたいことにマッチした学びができるというのは、素敵ですね。Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: うちの高校は面白い人が多くて、企業でインターンしている人、エンジニアとして働いている人や学生団体をたちあげる人…いろいろな人がいますよ。高校に入ってから活動的な人たちと交流することも増えていって、そこからどんどん外でやっているイベントに顔を出すようになりました。いま働いている会社に出会ったのも、この時期に参加したイベントがきっかけだったので、高校に入ったことは大きな転機だったなぁと思います。編集部: なるほど。高校に入ってからの出会いが転機だったんですね。吉開さん: 本当に、不登校の時代からは考えられないくらい毎日がガラリと変わりました。あの頃とは真逆で、家にいる時間はほとんどなくて、必ず外に出て何かをやってますね。学校や仕事を通じて、自分が成長している実感があることが楽しくて仕方がないんです。周りの人たちも自分のやりたいことに向かって目的を持って行動しているから、その環境の中に身を置けて良かったと思っています。学校法人信学会 コードアカデミー高等学校これからの社会に必要なのは、子ども達それぞれにあったサポート体制をつくること出典 : 編集部: これから大学進学が待っていますね。大学生になってから挑戦したいことはありますか?吉開さん: 僕には大きな目標が2つあるんです。ひとつは、コンピュータサイエンスの技術を活かした、モノづくりのサポーターになること。もうひとつは、不登校だったり学校での生きづらさを感じている子どもたちのための、教育支援の仕組みをつくること。これまでの仕事を通じて、自分の技術で人をサポートできるようになりたいと思ったんです。モノづくり自体が楽しくして仕方がないので、「誰かのアイデアをどう実現できるのか」を考えて実行できる人になれたらいいなと。そのためにもっと技術を身につけていきたいです。子ども達の支援も、自分と同じような境遇の人たちをサポートするにはどういう仕組みが最適なのかを考えたいと思います。学校教育を変えるとなると難しいかもしれないけれど勉強カフェのような溜まり場や塾みたいなものを作っていけばいいかもしれない…というようにアイデアを練っていきたいと思ってます。編集部: 素晴らしい目標ですね。そんな吉開さんがこれまでを振り返って、今、同じように不登校を経験している人に何を伝えたいですか?吉開さん: 一旦不登校になると、なかなか戻れないというイメージって強いと思うんです。でも不登校になってみてわかったんですが、出来ないことってそんなにないんですね。僕の他にも同じような環境から自分のやりたいことを見つけて活躍している人はたくさんいます。とくに今やりたいことがないという人には、少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジしてほしいです。三日坊主になってもいいので、興味をもったらまずやってみることです。僕の場合は、色々と経験することで本当に自分に向いていることが見えてきたので、思い切ってチャレンジしてみるというのはいいのかもしれません。Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: それと、お父さんお母さんには、その子が思いっきりチャレンジできる環境をつくってもらいたいです。父が一生懸命に取り組めるような環境を整えてくれたから今の僕があると思っています。だから、興味を持ったものを学ぶためのサポートをしてもらえれば、安心して自分の道を突き進むことができるんじゃないかなぁと思うんですよね。編集部: 最後に、吉開さんの考える「これからの学校や社会で必要だと思うもの・変えていきたいもの」を教えてください。吉開さん: 今ある学校に適応できなかったら失敗、という、ひとつのレールに子どもを乗せていくような教育観が変わっていけばいいなと思っています。好きな事には夢中になって取り組めますし、仕事にできるくらい極められるようになると思うんです。そういうふうに、型にはまった勉強以外にも子どもたちそれぞれの好奇心や意欲を活かせる場所をつくってあげれば、自立して社会で活躍する人材が育っていくんじゃないかと考えているんです。だから、学校の中に生きづらさを感じている人がいたら、その人たちの悩みに寄り添いながら、それぞれの「なりたい・やりたい」を実現できるような体制作りが必要だと思っています。出典 : 吉開さんは終始、物腰柔らかな受け答えをしつつも、自分のなかで育てた価値観を真正面から伝えてくれました。会話の中で印象的だったのは、お父様への感謝の言葉が何度も出てきていたところ。「本人にあった支援は何か」を考え続けられてきたからこそ今の活躍があるのだと思わずにはいられません。「学校に行かない」という選択から、不登校である時期を「自分にあった生き方を探す時間」として向き合ってきた吉開さんだからこそこれからの社会に必要なサービスを生みだしてくれそうだと、そう思わせてくれるほどに芯をもった方でした。
2016年07月21日虫が苦手なママ、多いのでは?私も「大」の苦手です。カメムシでもギャー!と雄叫びをあげずに見られません。そんな私の5歳長男がナミアゲハの幼虫を家に連れてきました。見た目は鳥のフンだけど、動きはイモムシソックリ…それでも不思議なもので、飼ってみると夢に出るまで可愛くなるものです。これからカブトムシの季節。虫嫌いでも飼育を考えるママのために、今回は虫に広げてもらった世界と子どもとの会話をご紹介します。動物アレルギー、かつアパート住まいキッカケは幼稚園のみかんの木についたアゲハの幼虫を、長男が「飼いたい!」と言ったことでした。動物が大好きな長男。しかし彼は犬・猫・ハウスダストアレルギー、さらに現在の住まいはアパートのため飼うことができません。爪先ほどの小さな幼虫を見て、「これぐらいいいか」と軽い気持ちで飼うことに決めました。見知らぬ虫より、飼っている虫最初は軽い気持ちだったのですが、目に見てわかるほど一日一日グングン大きくなっていきます。小指の第一関節ほどの長さに育ったところで脱皮し緑の青虫に。「気持ち悪っ!!」と叫ばずには見られず、正直飼ったことを少し後悔していました。ある日曜日のこと。幼稚園から持ってきた餌のミカンの葉が足りないことに気づきました。「じゃあキャベツでも」とあげても食べない。調べると「ミカン、カラタチなどミカン科の葉しか食べない」と餌のレア度に驚きましたし、勉強になりました。結局餌を見つけてきましたが、「餌がないかも…」と心配してはじめて自分の中で青虫が大切な存在になっていることに気づきました。「見知らぬ虫」は大嫌いだけど飼っている虫は徐々に可愛くなっていく。それから毎日、息子と成長を楽しみました。息子は「名前をつける、餌をあげる、幼稚園に持って行って先生やお友達に見せる、家中のお守りを集めて大きくなるよう祈る」などして楽しんでいました。成虫になっても飼うことに青虫は無事サナギになりました。羽化するまでは大体2週間。その頃息子とこんな会話をしました。「羽化したらお外に離してあげようね」「何で?寂しいから飼おうよ」「アゲハは空を飛んで、結婚して卵を作るのが生きる目的だからね。羽があるのに外を飛べないのはかわいそうでしょう。○○も、天気がいいのにお外で遊んじゃダメって言われたらどう?」「それは嫌だね…でも寂しいよ」そうして羽化しましたが、羽が十分に伸びず飛べないためアゲハチョウとなっても飼い続けることになりました。チョウになると子どもたちのテンションも上がるようで、1歳の次男も興奮して毎日見ていました。長男もエサをあげるときにアゲハが手にのぼってきてとても喜んでいました。「虫を自分の手で触れた」ことが子どもはとても嬉しいよう。少し失敗だと思ったのは、エサをやるときにチョウを傷付けてはいけないと思い、子どもでなく私がやっていたこと。もう少し子どもにもフォローしつつさせてあげればと思いました。死んだらどこへ行くの?結局成虫の平均寿命2週間を超え、20日ほどでチョウは死にました。元々繊細な長男は丸1日泣いていました。それからまだ3日ですが、以下のような質問が繰り返されます。「何で何もしていないのに死んじゃったの?」「チョウチョはボクと一緒にいて楽しかったの?」「今はどこにいるの?」「天国にいるの?」寿命とか死といった話をし、暗い話もあれば前向きに考える会話も重ねました。泣き続ける長男を見るのは辛いですが、こういった経験がないよりあったほうが良いと思いました。というのもまたまだ長男は命の重みをわかっていないと感じることが度々あったので、それをチョウは見せてくれたと感じています。生と死といったことを考えるのにも、生き物と生活することは大切だと感じました。ただ子どものダメージも大きいので寿命の長めなものを飼育するのが良いと思います。これからの季節、カブトムシやザリガニ、金魚やメダカなどの飼育を考えてみてはいかがでしょう。ママ自体も勉強になりますし、よい経験ができますよ。ライター:宮野 茉莉子
2016年07月20日ろう学校で学んだ手話は、全国共通じゃなかった!編集部:前回は、学校生活について教えていただきました。ちょっと気になるのですが、ろう学校では授業をどんな風に進めるんですか?津田:学校独自の手話を使ってましたね。編集部:独自?津田:そうなんです。東京に来て「これは全国共通じゃないんだ」と気づいたんです(笑)舞台で難聴の女性の役をやらせていただいた時、これまで自分が使ってこなかった日本語対応手話を使うことになりました。とにかく覚えるのが大変で、4ヶ月くらい練習したのかな…編集部:手話にもいくつか種類があるんですか?津田:そう。日本手話と、日本語対応手話、と別れていたり、方言と同じように関西と東京で違ったりもするんですよ!関西での「水飲みたい」は東京だと「岩飲みたい」になってしまう(笑)編集部:そうなんですね!知らなかったです。津田:学校では口話や文字、学校独自の手話で勉強してたんですけど…なぜかあの頃は「手話は社会にでたら役にたたないんだ」と思っていました。生徒の中でそんな風潮も少しあったのかな…理由はわからないですけど。過去の自分を想うと「あと1歩踏ん張ろう」と頑張れる編集部:女優を辞めたいと思ったこと、ありますか?津田:あります!即答しちゃいましたね。(笑)お仕事を辞めたいと思ったとき、親は「頑張りなさい」じゃなくて「帰っておいで」と言ってくれました。その言葉を聞いて「いつだって受け入れてくれる暖かい家族がいるから頑張ろう、頑張りたい」と思いなおしました。編集部:なるほど。津田:家族の応援は本当に心強い。でも、映画の撮影現場に来てくれたときは、緊張して20回くらいNG出しました!現場は1人の方が良いですね。(笑)編集部:あはは(笑)出典 : 津田:家族の存在も私の支えですが、事務所に応募する前の自分自身を想うと「もう少し踏ん張ろう、辛いけどまだ頑張りたい」と強く前へ進めるんです。学校にも行けず、毎日に何も見いだせなくて、すごく辛かった時期がありました。「死のう」と思うこともありました。そんな過去の自分自身を振り返ると、今やりたい事があって挑戦できている。こんなに変われたんだ、と励まされるんです。だからあの頃を考えると、まだ頑張れる。もう一歩頑張ろう、頑張りたい、そう踏ん張れますね。自分を守れるのは自分だけですからね。編集部:なるほど。その想いが踏ん張るときのエネルギーになっているんですね。津田:はい。事務所に所属してすぐに週刊朝日の表紙をさせていただきました。私にとっての一番最初のお仕事です。そのときに「あぁ、勇気だして挑戦して、本当に良かった…」と自分の決断を認める事ができました。右も左も分からない最初のお仕事でそう思えるなんて、私は本当にこの仕事をやりたいんだと痛感した経験でしたね。今も昔も変わらない「興味にまっすぐな性格」が自分を支えている編集部:「やりたい」と思って実際に応募するまで行動ができる、というのは津田さんの突破力といいますか…津田:確かに、昔から興味のあることは、迷わずとことん調べたり動くタイプでした。例えば…坂本龍馬がブームの時期があったんですけど、歴史の授業には全く関係ないのに「龍馬龍馬龍馬…」って本も映画も調べて四六時中頭のなかは坂本龍馬。(笑)編集部:授業と関係ないのに。(笑)津田:そうなんです、もったいない。(笑)今も気になることがあればすぐウィキペディアです。小さいころ学校で勉強したことが、大人になってもっとよくわかる、というのは面白いですよね。編集部:興味のあることにまっすぐなんですね。津田:そうかもしれないです。逆に興味が無いと全く…。読書も好きですが、最初の1ページを読んで「入り込めないな」と思うとすぐやめてしまいます。もういいやって。編集部:わかります、わかります。津田:あ、入りこめるから女優が楽しいのかもしれませんね。夫は照明関係の仕事をしていて、よく舞台の台本を持って帰ってくるんです。それを読むのが特に好き。スッと入りこめて楽しいんです。編集部:なるほど、入りこめる、かあ。津田:台本を読んで、現場にいって、その空気を感じる瞬間がとっても好きです。自分がやるこの役は、こういう環境で育ってきたのかな、と思索したり研究したりする時間を大切にしています。答えはないけど、じっくり考える。もちろん頭でわかっていることと出来ることは違いますから、演じるのは難しいですけど、それは女優の面白さですね。
2016年07月18日【ママからのご相談】祖父母が子どもをしょっちゅうほめています。ほめてもらえるのは嬉しいですし、子どもをほめるのは大切なことだと認識してはいますが、こんなにほめちぎって大丈夫なのかと不安になることもあります。●A. 大事なのは、子どもに「やればできる」と思わせられるかどうか。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木と申します。勉強が苦手な子どもに勉強を教える際、いかにほめるかが非常に重要になります。確かに、子どもの自尊心を高めるうえで、ほめることは有効な手段です。しかし、質問者様が懸念しているように、ほめ方を誤ってしまうと、かえって自尊心をくじく 結果になることもあります。●才能をほめると、挑戦しない!?こんな実験があります。子どもを2グループに分けてテストを受けさせます。一方のグループには「頭がいいのね」とほめ、難易度がより高いテストを行ったそうです。結果はどうだったかというと、「頭がいい」とほめられたグループは、“頭のいい自分”を演じようとしてしまうために、難しい問題に挑戦しなくなりました。頭がいいという評価を覆さないように、失敗を避けた のです。さらに悪いことに、自分の得点を申告する際に、得点を高く偽った子までいたのです。自分を賢くみせようとして必死になっているのですね。●努力に焦点をあてるでは、もう一方のグループはどうだったのか。もう一方のグループには「よく頑張ったね」と、才能ではなく努力をほめました。先のグループと同様に、より難しいテストをしたところ、結果は真逆。最初のテストより点数が上がっていたのです。「ほめるのは難しい」多くの親御さんがそうおっしゃいます。せっかくほめるのなら、効果のあるほめ方をしたいですよね。子どもの自尊心を高めるのは、才能よりも努力に焦点をあてた言葉です。努力をほめれば、「あなたの努力をきちんと見ている 」というメッセージを伝えることができます。お子さんの自尊心を育てるのはもちろん、安心感を与え、親子の信頼関係がよくなる効果も期待できるでしょう。全てを最初から完璧にできることではまずありません。頭でわかっていながらも、完璧を求めて、できたら「頭がいいのね!」とほめていませんか。子どもが最初からできることなんて限られていますし、できることしかしないのであれば、成長が見込めないのです。大切なのは、失敗から学んで、できるようになることです。そのためには、失敗をおそれすぎず、失敗をしてもいい、そこから学ぼうという姿勢。そして、できたときには、失敗しても諦めずに取り組んだこと、やりとげたことを評価するのです。ほめ言葉は、取り方を誤れば毒になります。一方で、正しくほめればよい薬になります。ぜひ、お子さんの成長を楽しみながら、努力をほめてみましょう。【参考文献】・『「やればできる!」の研究ー能力を開花させるマインドセットの力』キャロル・S・ドゥエック(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月15日疲れ切った心を癒す夏休みUpload By ヨーコ子どもたちの大きな楽しみの1つ、夏休み。それは不登校の子どもにとっても同様です。娘は不登校になってからというもの、本当に疲れ切って、どうしようもなくなって、体も心も動かなくなっていきました。それは、ただ「学校に行きたくないから」という理由だけではありません。行けなくなったときにはもう、エネルギーはマイナス状態になっていました。そんな娘にとって、夏休みはエネルギーをたくさん貯め込むチャンスかも!と私は考えました。楽しい気持ちの貯金をたくさんさせてあげたい!Upload By ヨーコ普段は「自分だけサボっている」と引け目に感じていても、夏休みはみんなも休みなので安心して友達と遊ぶことができました。娘は小2で不登校になりましたが、小3まで夏休みは一生懸命友達と遊んでいました。それくらいの年ごろまでは、友達もまだ無邪気で付き合いやすく、屈託なく遊ぶことができたようです。友達付き合いに困難さを抱えていた娘ですが、やはり「心の中では1番友達を求めていた」のだな、と感じました。楽しく遊ぶ姿を見て、「学校は行けないのに遊びには行けるのね」「これだけ元気なら2学期からは学校に行けるよ」といった学校と結びつける言葉をつい言いそうになりますが、私は言わないようにしていました。その言葉を聞いたとたんに、元気になった心もしぼんでしまうと思ったからです。また、楽しい気持ちの貯金をたっぷりさせてあげたい気持もありました。母子でキャンプに行きましたUpload By ヨーコ子どもの様子を見て、行けそうなら家族でレジャーに出かけるのもおススメです。我が家は母と娘の2人で、親子キャンプに参加しました。同じ学校からの参加者もいませんし、青少年スタッフたちもプロフェッショナル、私たちは安心して参加できました。着いてすぐに事情を話し、いろいろと配慮してもらいました。さりげない声掛けで娘は他の子たちと仲良くなったり、夜は親同士の飲み会に私だけ参加したり、プログラムに疲れたら2人で部屋で寝ていたことも。親子ともにリフレッシュできました。宿題など学校との関わりは?Upload By ヨーコとはいえ、不登校になって初めての夏休みは遊んでばかりもいられませんでした。プールや登校日、そして大量の宿題と、学校のイベントは盛りだくさん。当時、「娘に無理をさせない」という私の意志を貫き通すことができず、引きずられるようにして登校していた娘。宿題はすでに勉強が追い付けなかったのでほとんどできませんでした。その結果、2学期から完全に学校に行けなくなってしまったのです。この教訓を活かし、娘が4年生の時から宿題を含め、私は一切お断りして自由に過ごせるようにしました。学校へは戻れなかったけれど、おかげで夏休みにおびえることはなくなりました。勉強はいつでも取り戻すことができますが、子どもにとっての夏休みという時間は2度と戻っては来ません。娘にはせっかくの夏休み、思いっきり楽しんでほしいと思っています。楽しめる年齢はあっという間に過ぎてしまいますから。学校に行くタイミングは見守りたいUpload By ヨーコ楽しかった夏休みがいざ明けても、私は「きっとすぐ学校には行けないだろうな」と考えていました。不登校に至るまでにすり減ったエネルギーは、そう簡単には回復しないと思ったからです。不登校によって自責の念を背負った娘には「学校にも行けなくても大丈夫」「あなたは生きているだけでいい」、「親はいつだって見守っている」と思いながら接していました。不登校児を抱えた親御さんの中には、2学期を節目と考える方もいるかもしれませんが、子どもにとって節目はそれぞれです。高校進学が節目になる子もいれば、もっと早い段階で戻る子もいるでしょう。その子にとってのタイミングは1人ひとり違うと私は考えています。大人の都合で急かしたりせず、子どもにとってベストなタイミングを暖かく見守りたいものです。Upload By ヨーコ子ども達と素敵な夏休みを過ごしましょう!いつか心閉ざす時期があっても、家族との楽しい思い出は「子どもの心を支え、家族を信じる力」につながると私は考えています。夏休みにためたエネルギーはきっと将来の力になると私は信じています。
2016年07月15日7月10に行われた参院選で、神奈川選挙区から出馬したSPEEDの元メンバーで歌手の今井絵理子さん(32)。知名度の高さもあってか開票がはじまってほどなくのスピード当確を得て、無事に初当選を果たしました。しかし、当選後に受けたインタビュー内容があまりにも酷かったということで批判が集まっています。テレビ東京系で放送された選挙特番『池上彰の参院選ライブ』の中で、『在日アメリカ軍問題のことをよく知らない』『確かに沖縄出身ではあるが、15歳から上京しているので現在の沖縄の問題については人づてに聞いて知る程度だった。これからよく勉強していきたい』などと発言したのです。大きな争点であるはずの沖縄問題・基地問題についてよく理解しないまま立候補したことについて、多くの有権者が疑問を感じたようです。●(1)『生徒会じゃないんだから』『正直ドン引き』とネット上では非難が続出そんな今井絵理子さんに対し、ネット上では……『これから勉強って、大丈夫なの?』『ちょっと軽く考えすぎ。学生の生徒会じゃないんだから』『SPEEDとして活動していた時にはあんなに沖縄色だしてたのに、かなりガッカリ』『沖縄の現状を知らない今井さんが当選したなんて、ホントに選挙ってわからないものなんだな』『子供のころに上京してるんだから地元とはいえないんじゃないの?仕方ないといえば仕方ない』『党の政策を全部わかってる必要はもちろんないと思うけど、沖縄出身である以上こういう質問は想定するべきだし、ちゃんと勉強しておくべきだったと思う』『歌手デビューが決まってから「これから発声レッスンします!頑張ります」って言っちゃうようなもんじゃねwwwwww』『池上さんも明らかにこの発言には呆れ顔だったよね。会場ゲストもみんなドン引きだった』『沖縄県民とはいえ何十年も沖縄に住んでるんだから、関心は薄れますよね。そりゃ当然でしょうね。by沖縄県民』『同じタレント出身でも東国原とえらい違い。彼はちゃんと大学入り直して地方政治を学んでから政界入りしたんだからね。何も知らないで飛び込んで一体何ができるというのか疑問』『SPEED好きだっただけに残念感もひとしお。頼むからファンを失望させる発言はしないで』『政党に担がれてるとしか思えない。ここまで無知だとちょっとかわいそうにすら感じる』などと、批判的な意見が目立っていました。若手の女性が政治に参加するのは本来好ましいことといえるはず。今井さんがしっかり勉強して国民の期待に応えることができるのか、今後の活動に注目が集まりそうですね。【画像出典元リンク】・今井絵理子(@Eriko_imai)(Twitter)/●文/パピマミ編集部
2016年07月11日こんにちは。ライターの渦マキです。子どもにスマホやタブレットを使わせることに関しては、家庭によってさまざまな意見があり、「持たせない」という選択をしている人もいます。しかし、近年では“ICT教育”という情報通信技術教育が注目されており、授業でPCやタブレットを使用する学校も出てきています。●子どもにタブレットを使わせるメリット3つ●(1)直感的に学べる理科や社会などの学習の際、タブレットを使用することでバリエーション豊かな写真を見ながら直感的に学ぶことができます 。数学にしても、立方体などの図形を指で触れて角度を変えることで形を把握しやすくなります。●(2)学習用のアプリが豊富現在、さまざまな学習専用のアプリが販売されています。漢字の成り立ちや理科の実験など、さまざまな学習分野に対応しており、ゲーム感覚で楽しめる ように作られています。普段は勉強にやる気のない子どもでも、アプリを使用することでモチベーションUPが期待できます。●(3)タスク管理を学ぶ私たちは学校で夏休み前に、“1日の計画”という表を作っていましたよね。しかし、大抵は予定通りにいかず計画倒れになることも少なくありませんでした。タブレットにはタスク管理に適したアプリが出ているため、自分の予定をより計画的に立てることができます。●タブレット学習のデメリット一方、タブレット学習には以下のようなデメリットがあります。・学習に関係のないサイトにアクセスする恐れがある (親や先生が知らないうちにSNSに参加しているなど)・タブレット購入や学習のための費用がかかる・個人情報が流出する危険がある----------文部科学省では、ネットの怖さを認識してもらうための動画を公開しています。このような動画を親子で見ながら、タブレット学習には便利さがある反面、危険も孕んでいるのだと教え、話し合うことが大切です。【参考文献】・『スマホ・タブレットで子どもの能力を開発しよう』瀬戸武生・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年07月06日最近、子どもに学校を休ませて家族旅行をする家庭が急増しています。実際に平日のレジャー施設には多くの家族連れの姿が見られるようになりましたが、これについては多くの保護者の間で賛否が分かれています。今回は旅行やレジャーなどを理由に学校を休ませることについてどう思うか、賛成派・反対派の声をまとめてみました。●賛成派の声『シーズンを外した春と秋の平日に2泊程度の旅行をしています。宿も観光地も空いているし、旅費も安い。一度これを経験してしまうと、ハイシーズンにわざわざ出かけるのがバカバカしくなりますよ 』(40代女性/主婦)多くの賛成派から聞かれた声がこちらです。確かに、小さな子どもを連れてテーマパークの長蛇の列に並び続けるのはとても大変なこと。それが夏休みの炎天下、冬休みの寒空の下などだったとしたら、考えるだけでもゾッとしてしまいますね。また、シーズンオフや平日はホテル代も安く設定されています。おトクに宿泊するもよし、浮いたお金でもう一泊するもよし。これまで手が出なかった高級宿にグレードアップすることもできそうです。『学校を休ませて旅行、普通に行きますよ。学校の先生にも正直に理由を伝えています。それで止められたこともないですし、むしろいい経験ができてよかったね と言われます。たった数日休むだけですから、勉強が遅れて困ったことはありません。ただ宿題は必ず持って行かせますね』(30代女性/パート)最近では学校の先生の中にも、平日旅行賛成派がちらほらみられるようになりました。宿題を持っていく、旅行前後にきちんと勉強をさせるなどの対策を立て、勉強の遅れを自己責任でカバーできるなら問題ない、という若い先生は多いようです。『サービス業のわが家は、土日・祝日に休みが取れません。家族がそろうのは必然的に平日になってしまいます。誰しも週末が休みだと思わないでほしい 』(30代男性/飲食店)仕事の種類や働き方によっては、平日にしか休めないこともありえます。こういった場合、家族旅行をするなら学校を休ませるしかないでしょう。家庭によって事情はさまざま。一概に“非常識”とくくることはできませんね。●反対派の声『小学校・中学校は義務教育。学校を休んで娯楽に行くなんて信じられません。単純に常識知らずだと思います 』(20代女性/事務職)学校で勉強することこそ子どもの仕事、と捉える人たちの多くは平日旅行には断固反対の様子です。幼稚園や保育園なら休ませてもよいけれど、義務教育の間は絶対NGという意見は反対派の多くを占めました。『わが子のクラスにも何人かいるんですよね、学校を休んで旅行に行っちゃうご家庭の子が。帰ってきてから自慢大会が始まるらしく、うちの子も行きたがって困ります。正直迷惑なのでやめてほしいです 』(40代女性/金融関連)実際のママさんならではの反対意見ですね。みんな行きたいのを我慢しているなか、ひとりだけテンション高く土産話を繰り広げられると誰だっていい気はしないもの。子どもはすぐに友だちをうらやましがりますから、余計にタチが悪いといえますね。『欠席して旅行って、つまりズル休みってことですよね 。ウソをつく、ズルをするということを親が子どもに教えてどうするんでしょうか。そもそもズル休みしてまで遊びに行って、心から楽しめますか?罪悪感もないなら恐ろしいことです』(40代男性/営業)平日旅行派の中には『先生や友だちには病気だったと言いなさい』と伝える親もいるようですが、それは確かに考えものです。ウソがばれなければズル休みしてもよいのだという誤った価値観を子どもが持ってしまうかもしれません。----------平日の旅行はラクでおトク、メリットもりだくさん。その一方で、クラスの雰囲気を乱したり、隠れてコッソリ行かなくてはならなかったりと問題点も多いものです。もしも学校を休んで平日旅行を楽しみたいのならば、“勉強面の遅れは自力でカバーする”、“登校したときむやみに自慢話をさせない”、“先生や友だちにウソをつかず、かといって大っぴらにもしすぎないようにする”などの高度なテクニックが必要になってくるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部
2016年07月05日【パパからのご相談】娘が中3で、受験を控えています。娘は明らかな文系で、国語、社会、英語の勉強は順調ですが、どう頑張っても数学の成績が伸びません。私はもともと理系で数学が得意なほうでしたので、妻から数学を教えるようにと言われ教えていますが、教えたその場ではできても、テストになると途端にできなくなり、努力が点数につながっていない状態です。全ての科目の中で最も数学に時間を費やしているのに、全く成果が出ない現状……。公立高校を志望しているので受験が心配なのもありますが、親として、この状況を何とかしてやりたいです。●A. 数学が苦手な子には、見直すべきポイントがあります!こんばんは。教育アドバイザーの佐々木です。勉強嫌いのお子さんの指導を得意としています。一生懸命やっているのに成果が出ない。これほどつらいことはありませんよね。周囲の人間は間接的にしか関われないので、もどかしい気持ちもあろうかと思います。とくに文系女子にとって、数学ってほかの科目と勉強方法が全く違うので、やりにくい部分も多いかもしれません。数学、算数が苦手な子にありがちなこと。“計算が遅い” という問題です。計算が遅すぎるゆえに、全然進まずに、嫌になって折れてしまうのですよね。数学でなかなかな伸びないとき、確認すべき点は2つです。●(1)計算のやり方を、理解できているか?計算の方法を理解していないと、足すべきところで掛け算してしまうなど、得意な人にとっては理解できないような計算 をやってしまうことがあります。もちろん、本人に悪気はありません。中学生なら、プラスマイナスの計算や文字式の計算でつまずく子がとても多いです。数学でなかなか成績が振るわないのであれば、ここの理解を確認します。特に文字式では、文字が出てくると途端にわからなくなる子がいます。文字式が苦手な子は、文字を数字に置き換えて、具体化して考える ことがコツです(たとえば、30円の品物をa個買ったときの代金を求める問題では、aを具体的な数字にします。「a個じゃなくて、3個だったらどう計算する?」と聞いてあげれば、答えられるでしょう)。●(2)単純計算を「考えずに」やれているか?計算するときに、「えーっと」と考えていたり、指で計算していたりしませんか。計算で考えてしまう ことが、遅さとミスの原因です。たとえば、歩くときに「次は右足?」と考えたら、転びますよね。自転車に乗るときに「よし!ここでブレーキ!」「ここはペダルを踏んで~」と、いちいち考えないはずです。計算のやり方を考えずに、手が勝手に動く状態。脳科学ではこれを、作業記憶 といいます。計算が作業記憶化されているかどうか、チェックしましょう。----------数学・算数については、「文章題の出来」が気になる方もいるかと思います。とはいえ、文章題いかんの前に、数学のつまずきはだいたいこの2つが根本原因です。普段はできているのであれば、この2点が定着しきっておらず、参考書等が近くにある、教えてくれる人がいるから、それをマネしてできているだけの可能性が高いです。数学って、できるようになると、とても楽しいのです。問題を解いて答えにたどり着く喜びを味わえるのは、5教科のなかでは数学だけ 。しかし、この(1)(2)ができていない状態だと、問題の答えまでたどり着けないので、まったく面白くありません。どうしても成果が出ないのであれば、思い切って戻ってみるのです。こういうときこそ、急がば回れ 。まだ受験まで時間があります。ぜひ、夏休みの時間を使って、不安なところをやり直してみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年07月01日【ママからのご相談】初めまして。30代のママです。小3の息子がいるのですが、どちらかというとインドア派の、軟弱なもやしっ子です。共働きで忙しく、あまり親が遊んであげていないのが原因なのか、生まれ持っての個性なのか、私が気が強すぎる反動が子どもに影響してしまったのか、などといろいろ考えてしまいます。基本的にわが子が信用できないというか、「うちの子はダメだろうな」みたいな気持ちがどこかにあります。運動会やスポーツなんかでも期待しないし、逆にケガでもするんじゃないかといつも悪い方に考え、ハラハラ心配している自分がいます。活発で強いタイプのお子さんを見るとうらやましくなってしまいます。もやしっ子のわが子をもっと信じてあげたいのですが、やっぱりとことん鍛えるしかないのでしょうかね。●A. 一見弱々しくてもメンタルは強いかも? 侮れない子どものパワーがあります。こんにちは、ライターの月極姫です。ウチにも男子が1人いるため、「強くあってほしい」というママさんの思いには素直に共感できます。しかし、最近は草食系男子も多いので、確かに「これは個性であって、仕方がないのかな?」「それとも鍛え方が足りないのかな?」と悩んでしまうときって、ありますよね。今後ご相談者様の息子さんをビシビシ鍛えていくか否かは別として、まずはありのままの子どもを信用してあげるところから始めなくてはなりません。その一助になるかどうかはわかりませんが、今回はへりくつは置いておき(笑)、子どもの生命力 が感じられるエピソードを集めてみました。どの子も“特別に優秀”“特別に強い”ということはありません。ときには運や偶然が運命を左右しますが、本人が類まれなる生命力を発揮したことには間違いないでしょう。●覚悟してお読みください! 世界に注目された奇跡の生還劇7選ニュースとなって世界を駆け抜けたエピソード集です。中には痛ましく読み進めにくい箇所もあるかもしれませんが、すべては私たち大人よりずっと小さな勇者たちが経験した実話です。●(1)内部斬首!? 「頸椎が脱臼した状態」から奇跡の復活を果たした男の子つい最近(2016年6月)の出来事です。米アイダホ州で起きた交通事故で一命を取り止めたキリアン君。車内から救出されたときは、首の内部で頸椎(けいつい)が脱臼し、傷口から髄液が流れ出ている状態でしたが、そんな状態でも大きな声で泣いていたそう。救出に当たった人の適切な対処もあり、“生還率1%” の窮地から見事に生還しました。●(2)地獄で起きた奇跡。生き埋めの赤ちゃんが元気に生還2014年1月、シリアを襲った空爆によって、家屋が大規模に倒壊しました。そんな中、がれきの中から赤ちゃんの泣き声が。聞きつけた大人たちが必死に掘り起こしたところ、ほぼ無傷で元気な状態で生還!“助けを求めて泣き叫ぶ” 力の大切さを痛感させられるニュースでした。●(3)飛行機事故を乗り越えて……たった一人生き残った少女の底力米ケンタッキー州の山中で自家用の小型飛行機が墜落するという痛ましい事故が起こりました。他の家族は全員亡くなり、7歳の少女セイラーちゃんだけがケガをした体で助けを求めて夜の森を移動 。付近に3軒しかない民家の1つに運よくたどり着き、九死に一生を得ました。その後は親戚に引き取られて、元気に暮らしているそうです。●(4)小児がんを克服して志望校へ。今も輝き続ける超ポジティブ女子!現在23歳の吉野やよいさんは、小5のときに200万~300万人に1人の確率で発症するといわれる小児がんの一種『ユーイング肉腫』 を発症。ときには数か月にわたって生死の境をさまようような苦難 を乗り越え、奇跡的に回復しました。優れた臨床心理士になるという夢に向かって猛勉強し、早稲田大学にも合格。ご本人の前向きな性格と意志の強さ、優しいご家族と愛犬の存在が胸を打つエピソードです。自らの体験をつづった著書も出版され、現在も講演活動などを行っています。●(5)みんなテレビに釘付けだった。亡き母の思いに応えた“最強の2歳児”新潟県中越地震で生還を果たした小さな男の子のこと、皆さんは覚えていますか?山崩れによって車内に生き埋め にされながらも、奇跡的に救出された優太君、当時2歳。救出直後の堂々たる様子、また救出後まもなく報道された、元気に三輪車を乗り回す姿が記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。本人の生命力もさることながら、同じ車内に居て残念ながらほぼ即死状態だったお母さん・お姉ちゃんが彼を守ってくれたのかもしれませんね。●(6)日本中が安堵……やんちゃ坊主の運と肝っ玉が窮地を救った世界のニュース番組でも報道された、記憶に新しい北海道七飯町の行方不明事件。事の発端にはさまざまな批判が飛び交いましたが、何はともあれ大和君の生還を多くの人が喜びました。事後に複数のテレビ局などが「大和君の歩いた道を実際に歩いてみる」という企画をやっていましたが、そのルートは熊の生息エリア で、足を踏み外すと転落する危険性のある沢も複数あったようです。大和君自身の歩き続ける逞しさ、精神力、強運さ、自衛隊の施設でじっと救援を待った選択の正しさ、たくさんの要素が重なってのうれしい奇跡でした。●(7)『無脳症』の赤ちゃんは確かに生きた! 両親の愛に包まれた数年の奇跡先天的に大脳が欠落している『無脳症』 の赤ちゃん。脳がないことから出産しても生きられないことが多く、ほとんどのご両親が出産をあきらめる中、ごくひと握りの“産む選択”をしたご両親がいました。アメリカのニコラス君は3年、ビトリア・デ・クリストちゃんは2年半、無脳症の赤ちゃんとして産まれ、短い人生を生きました。75%が死産、残り25%は無事出産できても1週間以内に死亡するケースがほとんどという微かな望みの中で、生きられただけでも奇跡的。ニコラス君の母・シーナさんはこんなコメントを残しています。『ただ、眉から上が無いだけ。私たちのかわいい子どもであることに変わりはありません。そしてニコラスは奇跡を起こしています。おっぱいも吸うことができない脳の無い子どもが、私たちに微笑むようになったのです 』わずか数年の人生というのは想像するだけでも切ないですが、もしかしたら本人もご家族も、ものすごく幸福だったのかもしれません。●ママに聞く! わが子が起こした奇跡3選いかがでしたか?個人的には無脳症の赤ちゃんのエピソードに一番感動してしまいました。さらに、ぐっと身近な「子どもの生命力エピソード」をいくつかご紹介します。●(a)なぜそんなに強い? 笑っちゃうほど免疫力抜群のわが子『現在小5の息子を、0歳から職場の託児室に預けて看護師の仕事をしてきました。託児室ではインフルエンザ、ノロウイルスなどさまざまな感染症が蔓延(まんえん)することがあり、多くの親がハラハラしながら預けるのですが、うちの子は数えるほどしか流行中の病気に感染したことがありません。ときにはほぼ全員が感染して託児室が一時閉鎖になったときも、ただ1人生き残っていました(笑) 。大きくなった今は、ちょっと昭和の匂いがするガキ大将。いいのか悪いのか……』(北海道在住34歳看護師・1児のママさん)●(b)ハチの襲撃に冷静に対処。無傷で生還したダイ・ハード女子に脱帽『道東の田舎に住んでおり、山の近くでは蜂に刺される被害が時々聞かれます。当時5歳の長女がミツバチの巣をイタズラしてしまい、案の定蜂の集団に追いかけられました。よく「蜂が向かってきても動くな」といいますが、集団の蜂が怒った場合はそれじゃダメなんです。娘は全力疾走 で自宅より近い物置に入り、扉をシャットアウト。物置の中にあった町内会用の拡声器でサイレンを鳴らし 、それでやっと私たちが気づいたんです。もちろんすごく叱りましたが、まさかそこまでやれる子だとは思いませんでした。今は中1、アイスホッケーに汗を流す日々です』(北海道在住専業主婦・3児のママさん)●(c)末は政治家? 親顔負けの世渡り上手ぶりに思わず拍手『窮地を乗り越えた、という話はないんですけど、現在中2の息子はかなりの世渡り上手 です。小柄で勉強はまあまあ、運動はどちらかというと苦手。見た目も、お世辞にもイケメンではないです。だけど小さいころから、不思議と友達だけは多い子だな……と思っていました。最近になり、なんと、生徒会長に立候補して見事に当選 。しかも圧勝だったみたいです。先生によると、息子の周りにはいわゆる“取り巻き”みたいな子どもたちが結構いて、選挙にも自信満々に挑み、楽しんで生徒会活動をしているみたい。普通生徒会長って成績優秀な子が多いので、珍しいパターンだって先生に言われました(笑)。勉強やスポーツも大事だけど、人の心をつかむ技術はもっと大切なのかも?とわが子に考えさせられてる今日このごろです』(東京都在住シングルマザー・1児のママさん)----------窮地の中で命を永らえる力だけを“生命力”と呼ぶわけではありません。一見もやしっ子の息子さんでも、友人関係を円滑に保つのがうまかったり、ち密な作戦を立てるのが得意だったり、集団の中で器用に立ちまわったりするところはありませんか?大人になれば、筋骨隆々な強さよりも、むしろしたたかな世渡り力 、世知辛い世間を“生きる力” の方が身を助けるかもしれませんよ。どの子も必ず持っている“ウチの子の強み”を見つけて、そこを徹底的に伸ばしていってあげましょう。何かで自信をつけること、また、親が自分を信用してくれているという安心感が、イザというときの生命力も鍛え上げてくれるような気がします。【参考文献】・『なんくるないさぁ。―小児ガンに打ち克った少女の愛の物語』吉野やよい・著●ライター/月極姫(フリーライター)
2016年06月30日【ママからのご相談】40歳、専業主婦です。中2の息子がいます。「勉強しなさい!」と毎日繰り返すのに疲れてしまいます。自分から机に向かわせる方法はありませんか?●A. 反抗期に入ると「勉強しなさい!」の声がけだけでは逆効果です。こんにちは。ご相談ありがとうございます、ライターの渦マキです。「勉強しなさい!」というお母さんの声に、はじめは「はーい!」と機嫌よく返していますが、だんだん「うん……」「いまやる!」「わかってる!」と、子どもの返事の仕方や声の調子が変わってきますよね。言う側、言われる側ともにいい加減うんざりしてしまうでしょう。反抗期に入ると、親から「勉強しなさい」と執拗に言われるとかえって逆効果になることもあります。●自分から勉強をはじめる子ども親から言われなくても机に向かうことができる子どもは、自己管理力がしっかりと身に付いています。勉強することが、顔を洗ったり歯を磨いたりする行動と同じで習慣化されている ので、「遊びたいけれど勉強を終わらせないうちに遊んでしまうとスッキリしない……先にやってしまおう!」となるわけです。●習慣づけるにはどうしたらいい?まずは親御さんと子どもとで、約束ごとを作りましょう。約束ごとは原点に立ち返り、「なぜ勉強しなければならないか 」という根本的なことを話して納得させていき、次に細かい約束ごとを決めていきます。・勉強しなければ、子どもにどのような損が生じるか(将来社会人になってからどのように影響していくか)・宿題はどのようにやるかを教える(予習、復習の仕方などをアドバイスする)・勉強と遊びの時間割をつくるといった内容を話し合いながら、親子一緒に計画をたてます。ゆっくり会話しながら、命令口調ではなくアドバイスしてあげてください。「勉強しなければならない」ことは漠然とわかっていても、それが「将来どのように影響を及ぼすか 」までは考えていない子どもが案外いるものなのです。●親がしっかり見守ることが大事先に示した決めごとを子どもがしっかり実行できたかを確認することが親の役割です。時間割通りに漫然とやっただけでは、やっつけ仕事になってしまいます。中身が薄ければ何の意味もありません。時間よりも、その中身をしっかりと親御さんが評価します。また、勉強の内容を見て、「ここの部分はこういう風におぼえるといいよ」などといったアドバイスをしながら、親子の会話を増やしていきましょう。子どもが一生懸命取り組んでいることが認められたなら、褒めることも大切 ですね。褒められることで、子どものモチベーションはぐんとアップします。そこから、勉強が子どもにとって日常生活の一部として習慣化されていくようになるでしょう。●万が一、子どもに勉強する兆しが見えなかったら「勉強しなさい!」ではなく、「おかあさん、ご飯の支度するんだけど、そろそろ勉強の時間だよね?」といったように軽く声をかけてあげましょう。諦めないで根気強く見守ることが大事です。親の見守りがなくなると、子どものやる気は途端になくなってしまいます。親……特にお母さんの取り組み方次第で子どもはどんどん変わるものです。【参考文献】・『勉強好きにする導きかた』品川不二郎・著・『男の子は10歳になったら育て方を変えなさい!』松永暢史・著●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月29日【ママからのご相談】小学校6年生の息子がいます。私は学校行事に関わるのが嫌いで(先生とかママ友とかと話すのが苦手なので)、これまでは主人に授業参観や懇談会などに出席してもらっていました。しかし、主人が春から単身赴任になってしまい、どうしても私が懇談会に出なくてはならない状況に……。今さらですが、懇談会でのNG行動などがあれば教えていただきたいです。●A. 現役の小学校・中学校の先生に聞いてみましたので、参考にしてみてください。こんにちは。ライターのakiです。年に数回ある懇談会。いよいよこの時期がやってきたか……と思うのは保護者だけではありません。先生にとっても生徒一人ひとりのご家庭と向き合える貴重な機会であるため、力が入ります。ご相談者さまは懇談会が苦手とのことですが、基本的には自宅でのお子様の様子などをお話しされるだけで大丈夫です。あとは、公共の場であることを認識して常識的な振る舞いをしていれば何の問題もありません。とはいえ、中には「これはNGでは?」と思われる保護者の方の言動があるのも事実です。今回は、小学校と中学校の教員の方々に、“懇談会で避けた方が良い言動”について聞いてみました。ぜひ参考にしてみてください。●(1)友達感覚で先生と話す『教室に入って早々「あっつーい。クーラー入ってる?」とタメ口。こちらの話も「うん、うん」と頬づえをつきながら聞いていた。お友達ではないんですけど……(苦笑)』(中学校教員男性)愛想やノリがよいのと節度があるかどうかは別の話です。教室に入ったら「いつもお世話になっております。本日はよろしくお願いします」 のひと声ぐらいは欲しいところです。当然、相手が若い先生でも敬語で話しましょう。あなたの先生ではなくて、お子様の先生なのですから。●(2)ママ友と大声で雑談をする『一日に5〜6人懇談をさせていただいてます。時間が多少前後してしまうのは申し訳ないのですが、待ってる間廊下でお喋りに夢中になるお母様方がいてその声がすごく響くのです。高笑いされるとこちらで話してる声がかき消されるほど。私の悪口が丸聞こえだったこともあります』(小学校教員男性)懇談会に限らず、授業参観や学年行事などでママ友とついつい世間話に興じてしまうというお母様は少なくありません。しかし、学校の廊下での話し声は意外と響くので、声を潜めていても教室の中にいる先生には丸聞こえ です。学校の行事に参加する際は、“公共の場”という意識を持ち、待ち時間も静かに過ごすよう心がけましょう。●(3)子どもの服装はボロボロなのに、ママだけオシャレ『洋服はもちろんバッグや小物など全身高価なブランドで登場されていたお母さん。もちろんそれは構わないのですが、そのお子さんは体操服のゼッケンがとれていたり洋服は擦り切れて穴があいてたりボロボロだったりします。忘れたときに貸した給食着も洗わず返してきたり……。自分より子どもの面倒をもう少し見てください、と思ってしまいました』(小学校教員女性)基本的に懇談会の服装に決まりはありません。清潔で先生との話し合いの場にふさわしい格好であればなんでも構わないでしょう。ただ、子どもにはボロボロの格好をさせておいて、自分だけビシッと決めているとアンバランスで「子どもより自分が大事なのかな」 と思われる可能性があります。学校ではお母様ではなく子どもが主役です。先生はお母様より子どもの方をよく見ていることをお忘れなく。●(4)塾の自慢話ばかりをする『お子さんの苦手教科の話をしていたら「でも、塾ではいい点数をとっている」「塾の先生は伸びると言っていた」などと反論してくる親御さんがいました。揚げ句には、「あそこの塾は入れるだけでもすごいんですよ〜」とドヤ顔で言ってきました。自慢する相手を完全に間違えてるのでは』(中学校教員男性)同じように勉強を教わる場だとはいえ、学校と塾は完全に別物 です。学校の先生からすると、あからさまに「塾のおかげで成績が……」などと塾びいきな話題をされても困惑するだけです。先生は学校での子どもの取り組みについてお話ししているのです。塾の話がしたければ、ほかの保護者か塾関係者とするようにしましょう。●(5)子どもをさしおいて、自分の話ばかりする『「私は忙しいからあまり子どもの面倒がみれないんです。でも、そんな働く母の背中を見て頑張って欲しい。私の仕事は……」と遮っても遮ってもご自身の話ばかりをするお母様がいました。次の人が待ってるのに時間が過ぎてもどこ吹く風。結局、お子さんの話があまりできませんでした……』(中学校教員女性)懇談会は、学校と家庭におけるお子さんのあり方を照らし合わせながら生活や勉強面での成長を促せる貴重な場です。そこで大切なのはお子さんの話題 であって、お母様の話題ではありません。懇談会は時間も限られているので、できるだけお子さんについて会話をするようにしましょう。----------上記のような行動に当てはまっている人は要注意です。ご相談者さまはこのような態度を取らないようにお気をつけください。「先生から注意されなかったから大丈夫」と思っていても、内心では先生がどう思っているかは分かりません。意外と先生たちの間では情報共有の意味も含めて保護者の方々の話をよくします(特に学年間)。私も教員になった当初は、先生たちはこんなにも保護者のうわさ話をするのかと驚いた記憶があります。学校の先生だからといって必要以上に拝める必要もないですが、最低限の公共の場でのエチケットは守るようにしましょう。懇談会は、なによりもお子さんが主役であるということも、お忘れなく。●ライター/aki(中高英語教員)
2016年06月27日一人で学習する習慣は、親が子どもに身につけさせたい習慣のひとつ。しかしその習慣の前に、身につけておくべき“大切なこと”があるって知っていますか?学ぶことは楽しい!という意識今回話を聞いたのは、塾講師でありホームラーニングのプロ、荒川茂樹さん。元小学校教員で、6人の子の父でもある荒川さんが大切にするのは、「学ぶことは楽しい!」ということ。「『学ぶのが楽しい』という意識が定着する時期は4~9歳です。そしてこの“楽しい”を一番学べる場所は、学校でもなく塾でもなく、家庭なのです」。荒川さん曰く、学ぶ楽しさを知っている子どもは、放っておいても自ら学習するようになるのだとか。どうやら、4~9歳がゴールデンエイジのよう。これは逃したくないタイミングですね。でも、「家庭で学ぶ楽しさを教える」って、自分でさえ「学ぶ楽しさ」を知らずに育ったのに難しそう・・・。「心配しなくても大丈夫。子どもと一緒に遊べばいいのです」と、荒川さん。そこでどのような方法があるのか、具体的に教えてもらいました。遊びの中に学びをまず子どもが今、興味を持っていること、好きなことを知ること。そこをふまえて、これらのアイデアを参考にしてはいかがでしょう。1.子どもの“大好き”を文字の練習にひらがなやカタカナを覚えるのに、自分の名前やあいうえお順から始める人も多いでしょう。しかしここは発想を変えて子どもが一番好きなものから始めてみてはどうでしょう。大好きな恐竜の名前、興味のある昆虫の名前、お気に入りのキャラクターなど、子どもの“一番のお気に入り”をネタとして登場させます。字を覚えさせるのではなく、遊びながら学ぶことがポイント。子どもは自然と文字を覚えていくでしょう。2.“できる!”を体感、数字にはトランプ数字に興味を持ちはじめたら、トランプ遊びもおすすめです。数字として認識しにくいJ(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)は省き、1から10までの数字で神経衰弱も楽しいです。難しければ1から5までに減らします。子どもが難しいと感じるものではなく、まずは少しハードルを下げて「できた!」「楽しい!」を実感させてあげましょう。私も荒川さんに教えてもらった「足し算神経衰弱」をやってみました。2枚の数字を足すと10になるカードを当てるというもの。いつもと違うルールに子どもたちも前のめり、親の私たちも本気モードです。その様子に子どもたちのテンションもあがり、親子で楽しむことができました。3.多種多様な“かるた”も使う価値あり「『漢字の部首かるた』、『地図記号かるた』、『国旗かるた』、『ことわざかるた』など、種類が豊富な“かるた”を活用しない手はないですよ!」と荒川さん。早速ネットで検索してみたところ、あるある!習う漢字も増え、熟語の意味を質問してくる長女には“四字熟語かるた”、海外や世界地図に興味を持つ次女には“国旗かるた”、「となりのトトロ」が大好きな三女には“となりのトトロかるた”かな?と、それぞれの興味・関心を思い出しながら検索。商品を見ている私も、子どもの反応を想像してわくわくしました。4.トイレでも学習できる?荒川さんいち押しの方法に「トイレ学習法」があります。トイレに座ったときに、子どもの目に飛び込むように、壁に表やカードを貼っておくものです。あいうえお表や九九の表は定番だと思いますが、子どもが「おや?なんだろう?」と興味を持つものを選んでみるとよいとのこと。私が試してみたのは、ポルトガル語会話。2016年オリンピック開催地のブラジル、この機会にブラジルを知ろうと、子どもと調べたのがきっかけでした。A:「はじめまして、お元気ですか?」B:「はい、元気です。お名前はなんですか?」A:「○○です」B:「では、またね」ポルトガル語で簡単な会話をしているページ。このコピーを1週間くらいトイレに貼っておいたところ、小学生の長女と次女がフレーズを丸暗記。しかも二人で会話を成立させて遊んでいるではないですか。こんなに簡単に覚えてしまうもの?、と正直驚きました。この方法は英会話にも使えそうです。九九の表も、1から9の段全部を貼りっぱなしにするのではなく、最初の1週間は2の段、翌週は3の段といったように変化をつけます。子どもたちは新しいものが大好き、ちょっとした変化にも敏感に気づくので、そこを逆手にとって楽しい“学び”を貼ってあげましょう。すべては母と子の“コミュニケーション”たくさんの例を教えてもらいましたが、学びと遊びを別物と考えるのでなく、いかに融合させるかがポイントのよう。「『遊びながら学ぶ』という意識をお母さんが持って接すると、子どものやる気は倍増、いや3倍に育ちますよ」と荒川さん。「しかし子どもは自分とは別人です。思うように反応しないとき、失敗だってあります。それらは次のネタ探しの糧となりステップアップにつながりますよ」と、前向きなアドバイスもいただきました。子どもの好きを発見し、子どもに働きかける、そして子どもの反応を楽しむ、すべては母と子のコミュニケーション。母と子がうまく循環しだすと、“楽しい”は自然と定着していき、後の人生でも“学ぶことを楽しむ”土台となるようです。まずは簡単な方法から試してみてはいかがでしょうか。<取材協力>笑学舎<文・写真:フリーランス記者林未香>
2016年06月27日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。子どもの学習に最適だとして注目を浴びる『リビング学習』というスタイル。小学1、2年生の約8割がリビングで勉強しているという大手通信教育会社のアンケート結果もあるほど浸透しています。また、東大生の約半数がリビング学習をしていたという調査結果がテレビ番組で紹介されたこともあり、「子ども部屋よりリビング」という形が定着しつつあります。このリビング学習、多くのメリットがあげられていて、いいところばかりのように見えますが、デメリットはないのでしょうか?どんなに効率の良い勉強方法にも多少のデメリットはつきもの。リビング学習にもあるデメリットを良く知り、それに注意を向けることで、学習効果をもっとあげることもできるはずです。●(1)干渉リビング学習の利点に“寂しくない”ということがあります。いつでも誰かがそこにいるか、気配を近くに感じることができるから、安心して勉強ができるというのです。特に小学生低学年では、子ども部屋に一人でいることに慣れない、または勉強を一人でするのが寂しいという声があり、リビングにいる方が勉強がはかどるのも確かであるようです。ところが、人がいるからこそのデメリットもあります。たとえば、親からの過干渉 。「あ、そこ違っているよ」「姿勢を正しなさい」「消しゴムのカスを落とさないで」などなど、子ども部屋で一人学習をしていれば、めったに言われない言葉が次々に子どもに向かって降りかかってくる可能性があるのです。目の前に子どもがいれば、注意をしたくなるのが親心。親が干渉したい気持ちをグッと我慢できるかどうか が、リビング学習の成果に影響を与えます。●(2)音リビングだからこそ、ママが食事の支度をする音、兄弟が聴いている音楽など、いろいろな“雑音”が自分の部屋にいるときよりも多く大きく聞こえてきます。これをシャットダウンできる集中力が備わっていればいいのですが、子どもの性格によっては気になって気もそぞろになるばかりのこともあります。子ども部屋とは違って“寂しくない”リビング学習の場を作るなら、音の種類や大きさ にも気をつかってあげる必要がありそうです。ほかの家族がテレビを見ている、ゲームをしている、おしゃべりをしている、そんな状況は勉強の妨げになることの方が多いでしょう。●(3)食べ物リビングとキッチンやダイニングが仕切られずに同じスペースにある家庭も多いでしょう。子どもは食事の支度をしている匂いで胃袋が刺激され、目に入るところに置かれたお菓子にも気を引かれてしまいます。「お菓子を食べながら勉強してもいい」という家庭もあるようですが、2つのことを同時にこなせる子どもは多くありません。嗅覚からも視覚からも、集中の邪魔になる食欲を刺激しない ように工夫が必要でしょう。●(4)照明リビングの照明は落ち着いた色や光量に調整されていることが多いでしょう。全体的には明るくても手元までは照らしません。これが個室の学習机であれば、手元をしっかりと照らす照明がくくりつけられていたり、スタンドを置いたりするはずです。少しくらい明るさが足りないからといって、すぐさま勉強に影響を与えるとは限りませんが、一つ確実に影響を与えるところがあります。そう、視力 です。リビング学習を行うなら、専用のスタンドを用意するなどで“照明”を確保してあげましょう。●(5)姿勢勉強机は、机の高さも椅子の高さも子どもの成長に合わせて変えることができます。でも、リビングのテーブルや椅子はどうでしょうか?リビング用の椅子は大人サイズに合わせて作られていることが多く、子どもでも座ることはできますが、足が届かなかったりお尻が沈んでしまったり、テーブルが高くなり過ぎたり低すぎたりしてしまうのです。子どもは体に合わない椅子で姿勢を保つことができません 。リビングの椅子では子どもの姿勢が崩れてしまうのです。特に、椅子が高い場合には足が浮いてブランブランと遊んでしまい踏ん張ることができません。これが、勉強に集中できない原因となることがあります。足元には踏み台を、椅子にはクッションを敷くなどして、姿勢を保てるようにしてあげましょう。●まとめリビング学習にはメリットもたくさんあります。ところが、いくつかのデメリットがせっかくのメリットを台無しにしていたり、せっかくの子どものやる気をそいでしまったりしていることもあるのです。これらのデメリットは、子ども自身はなかなか気づくことができず、当然対応もできません。親の方で気をつけてあげる必要があるのです。親は“ただ、そこにいる”ことを心がけ、子どもからの問いかけに対応するにとどめておくのが、リビング学習の効果をアップさせるコツです。口を出したくても「グっと我慢」が合言葉です。【参考リンク】・子ども部屋?リビング?勉強はどこでする? | ベネッセ 教育情報サイト()・リビング学習は学力向上に効果? | リサーチのrTYPE()●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
2016年06月25日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。小学校に入ってすぐは、宿題をうれしく迎え入れて、自発的に行う子が多いです。でも、次第に中だるみが出たり、やり始めるまでに時間のかかる子も出てきたりします。親としては「ちゃんとやらせたい!低学年から自主的に家庭学習ができるようになってもらいたい!」と思うことでしょう。心理的なサポートなどをすることで、忙しいママでもやる気にさせる声かけが可能です。●親の言葉を絶対的と受け止める「児童期:7歳ごろ」児童期は、物事の善悪などを判断するための道徳観を身につける時期です。しかし、幼児期と児童期の中間にある7~8歳は、まだまだ親の言葉や意見を絶対的な判断基準として受け入れやすい時期 と言えます。多少の個人差はありますが、この時期に家庭学習を一緒に始めると、良い意味での癖として、成長しても残せます。それが楽しく励まされるような状況であれば、なおのことです。●親子関係だからこそのピグマリオン効果『ピグマリオン効果』 とは、教師が生徒に対して期待するような言葉を示せば、生徒の成績が上がるというものです。1998年に行われた心理学実験がありました。「学力の伸びが期待できるとされた生徒」と「それ以外の生徒」では、前者にIQの増加が見られたというものです。特に小学1~2年生の結果は著しい差がありました。このピグマリオン効果は、教師だけに生じる現象ではありません。親子関係にも起こります。親が心から子どもに期待をかけることで、子どももそれに応えようとする のです。低学年であれば、前項目のことから、その関係がとても築きやすいと言えます。ただし、ここで大切なのは口先で言うのではなく、本心で期待をかけることです。言葉かけとしては、「この計算がこんなに速くできるのすごいね!まだまだ記録伸びるね!」「字がとても上手だね。本当に見やすい!これを続けていこうね!」「テストの結果は残念だったけど、次は大丈夫!間違えたところを一緒にやってみよう!」などと、事実を認め、褒めたり励ましたりして低めの階段(目標)を目指すようにしていきましょう。低めの階段を設定してあげると、効果が出たときにさらに褒めることにつなげられます。●低学年の学習ポイントは国語学習のポイントが国語というのは、全ての基礎になるからです。他のどの教科を見ても日本語で書かれています。だからこそ、“読んでわかる力” が必要なのです。テストなどの問題を解くにしても意味がわからなければ、解けませんしわかりません。まずは内容がわかることのできる力をつけるための学習を家庭学習に取り入れましょう。ひらがな・カタカナ・漢字と、低学年ではさまざまな文字を学びますから、音読は毎日必要です。教科書の音読は、宿題として出されてくるでしょうから、絵本などの文章を音読するのでもいいでしょう。実際に私が学習塾で教えていたときは、どの子にも音読をさせていました。その子に応じて、テキストだったり、絵本だったり書籍だったりとさまざまでした(低学年のうちは、読む文の長さも短め)。読む力がつくことで、最初は文章問題などを諦めていた子や、問題を読まずにやっていた子が、しっかりと問題を読み、解くようになっていきました。学習としてのポイントは、最初のうちは一緒にやる ことです。低学年の家庭学習は、20~40分と言われています。音読はそのうちの数分です。ぜひ、一緒にやってみてあげてほしいと思います。●おわりに心理学の面から褒めて励まし、学習面から“読んでわかる力”を学ばせてあげることで、低学年のうちに学習する癖をつけることができます。自分の子どもだけでなく、講師をしていたときも多くの生徒に実践してきました。ですから、忙しいママたちにも必ずできます。まずは、「勉強、一緒にやろっか」からスタートしてみましょう。問題文を声に出して読むことも音読です。何でも読むことを取り入れるようにしてみてください。もちろん、褒めること励ますことを忘れずに!【参考文献】・『伸びる子には秘密がある―小学生・意欲を育てる勉強法』石井郁男・著●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
2016年06月22日こんにちは。ママライターのamuです。新学期になって早2か月、遠足や運動会も終わり、学校での様子がよくわかるようになるころかと思います。小学校教諭をしている友人によると、6月は保護者から相談や連絡を受けることが多い時期だとか。誰もがわが子を心配し、楽しい生活を望んでいることと思いますが、行き過ぎの言動も見られるそう。そこで、小学校教諭をしている友人に聞いた、「この人モンペ(モンスターペアレント)?」 と思ってしまったというエピソードをまとめてみました。●(1)自分の子どもは絶対に悪くないと言い張る『喧嘩両成敗が通用しない。掃除中に雑巾を投げ合うふざけあいが高じて喧嘩になり、二人とも転んでしまったとき、絶対に子どもに謝らせず、「きちんと見ていてください」 と言われた』(30代女性)相手側の怪我のほうがひどかったので、非難こそしなかったそうですが、もしその子の怪我のほうがひどかったら大騒ぎしたのではないかと言っていました。また、悪気ないアクシデントで怪我をさせてしまったとき、菓子折を持っていったら受け取りを拒否した人や、小さなトラブルで相手の家に乗り込んだ人もいたそうです。『一見おとなしそうな人が、目を見開いて感情に任せて大きな声でものを言うから怖くなった』(30代女性)『モンペは夫婦そろって学校に来る 。奥さんを止めるだろうところで止めず、旦那さんも抗議の手紙を書いたりする』(30代女性)ふと思い出したのですが、私が小学生のころにも「モンペ」と言える親御さんがいました。その人たちは、少しきつい言い方をしただけで「娘がいじめられている!」と多くの家に押しかけて玄関先で怒鳴り散らしたので、みんながその子を敬遠していました。そういうことになるとわからないところが不思議だし、子どもも嫌がらないのかなと幼心に思ったものでした。●(2)わが子推し『学芸会のとき、「うちの子は幼少期から劇団に入っているので、劇のクオリティをあげるために主役をさせて」と言われた』(30代男性)「個別にオーディションをしてほしい」「あの子より上手なのにどうして主役がうちの子じゃないのか」などと言う人もいるそうです。「昔は一人だった主役が数人体制に変わってつまらない」という声もよく聞きますが、こんなことを言われたら学校側も主役を増やすしかありませんよね……。子どもには得意不得意があり、その時々で才能がある子がスポットライトを浴びるのは、とても素敵なことだと思うのですが……。「言えば通る」と思っている、それがモンペの特徴なのかもしれません。●(3)正論風に非常識なことを言う『「私用で休ませるので、その日の勉強内容を書いたプリントか、誰かお友達のノートをコピーしたものをください。勉強が遅れると皆さんに迷惑がかかりますし 」と言われて、目が点になった。ただでさえ忙しいのに、さすがにそこまではできない』(30代女性)しかも、私用と言いつつ、テーマパークへ遊びに行っていたそうです。『「日焼けするから窓側の席にするな」「肌がほこりに弱いから掃除はさせるな」と言う親御さんがいて驚いた』(30代女性)これでは、何が普通で何が正しいか、子どもがわからなくなってしまうのでは?と思います。●(4)無関心・無責任『行事に一切来ない、提出物を出さない、電話に出ないのも困りもの』(30代男性)『給食費や教材費を払わない。電話するたび、「明日持っていく」の繰り返し。特に生活に困っている様子はないのに払わない。校長先生から電話してもらったらやっと払ってくれた』(30代女性)他にも、『「緊急連絡先に書かれているご実家の方に連絡してもよろしいでしょうか」と言ったら、不愉快そうに払ってくれた』という声も。義務教育で勉強をさせてもらっているという感謝の気持ちで、最低限の費用くらいは気持ちよく期限内に払いたいものですよね。また、トラブルがあったときに、「子どものしたことですから」と言うだけで、話を聞こうとしない人も多いとのこと。これは確かに困ってしまうのも頷けます。●(5)悪口を子どもに言う『私のことを家庭で悪く言っていたようで、その子の態度がどんどん悪くなっていった。質問しても、「ワッツ(What)?』と言われて鼻で笑われたり、「もっとベテランの学年主任の先生がよかった」と言われたり』(30代女性)これは悲しい……。先生は敬うもの、たとえ不満があっても、それは子どもの前では禁句です。せめてママ友達との愚痴り合いで留めるべきところだと思います。----------以上、縮み上がるようなエピソードの数々でした。ママ友達とモンペについて話したとき、あるママがこう言っていたのが印象的でした。「学校には多くを求めるが、PTA活動には非協力的 だよね」……たしかに!すぐ意見する人に限って、クラスの役員決めのとき、だんまりを決め込む姿を私も何度も目にしてきました。親としてするべきことを間違えないようにしたいと、改めて感じます。●ライター/amu(ママライター)
2016年06月19日【ママからのご相談】受験直前、子どもが一生懸命頑張っているのですが、どうしても不安です。不安から、怒鳴ってしまいます。怒鳴ってしまったあと後悔するという悪循環を、もう何度もしています。どうすれば、この不安な気持ちを解消し、 子どもを応援してあげられるでしょうか?●A. お金をかけず、不安が解消できて、合格率が上がる方法があります。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木恵です。これまで勉強嫌いの子どもを専門に学習支援を行い、全員を第一志望に導いてきました。受験に限らず、子どもにとって大切なイベントの前。受験をする本人はもちろんですが、支える側のお母様も、心配で夜も眠れないのではないでしょうか。でも、自分が代わりに受験することもできないので、見守るしかなく、子どもがダラダラしているのを見るとイライラして怒鳴ってしまうこともあるのではないでしょうか。成績が志望校に足りなくて、不安で仕方がない……。そんな気持ちを抱えておられる方、多いのではないかと思います。イライラしたり不安になったりするのは、お子さんに受かってほしいからですよね。しかし、イライラをそのままぶつけたら、間違いなくお子さんは傷ついてしまいます 。そこで受験生を持つ親の皆さまに、不安が軽くなって、なおかつ子どものやる気も上がる方法をお伝えします!●お子さんに手紙を書きましょう受験など、ここ一番の直前に不安な気持ちになったら、お子さんに応援のお手紙を書きましょう。「いつも頑張っているね」「こんなに頑張ったんだから大丈夫だよ」そばでお子さんを見守ってきたお母様だからこそ、書ける言葉があると思います。温かい応援メッセージで、お子さんを励ましてあげましょう。●なぜ、紙に書くのか紙に書くことで、お母様の気持ちがお子さんに伝わります。しかし、メリットはそれにとどまりません。騙されたと思って一度書いてみてください。受験直前の不安な気持ちがスっと落ち着くのを感じるはずです。不安や悩みなどのマイナスな感情を抱えているとき、頭は混乱状態にあるものです。紙とペンを使って書くとき、言葉の意味やつながりに始まり、文字を書くときの手の動きや強弱、バランスなどを考えます。そのため、脳に大量の刺激が与えられ、理性的に考えることができるのです 。書き終えたものを見れば、頭の中にあった思考が客観視できます。さらに、それを読んだお子さんは、やる気200%アップ間違いなし。特に中学受験においては、多くのお子さんが中学受験を自分のためにやってはいません。子どもたちは親の喜ぶ顔のため に、一生懸命勉強しているものです。年齢が下がれば下がるほどこの傾向は強くなるでしょうが、「受かって、親を喜ばせたい」という気持ちは、小学生だろうが高校生だろうが同じなのです。●手紙を書く効果では、実際にお子さんに手紙を書いてみた親御さんの声を聞いてみましょう。『受験前日、子どもは寝る前に布団の中で私の手紙を読んでいたようです。受かったらラッキーくらいに考えていましたが、子どもも不安だったんだなと思いました。手紙があったから緊張せずに当日を迎えられたようで、無事に第一志望に合格できました』(中学受験生の母親)『手紙作戦は効果絶大でした。実は、書くことを最近しなくなりましたが、娘からのリクエストで手紙が欲しいとのことでしたので、短いですが、したためてみました。受験生は、勉強もですがいろいろな不安な気持ちとも戦っているのですよね』(高校受験生の母親)『受験前は私の方が不安でしたが、書くことで気持ちの切り替えができました。私も子どもたちの支えにならなくてはいけないので、母として、あらためて、強く構えようと思うことができました』(中学受験生の母親)お子さんからの声も紹介しましょう。『受験が不安でしたが、手紙をもらって「ひとりじゃない」と思うことができ安心しました』(高校生)いかがでしょうか。手紙を書くのは恥ずかしいかもしれません。しかし、親子の絆が強まり、不安が解消され、合格率も上がるなら……やってみる価値があります。ぜひ、受験にあたり、お子さんにお手紙を書いてあげてください。最高のお守りになるはずです。【参考文献】・『大人の脳科学常識 頭が冴えわたる脳の鍛え方』トキオ・ナレッジ(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年06月19日長男5歳。小学校入学も控え、いよいよ本格的に「しつけ」を考える年齢になってきました。以前より口うるさく言う機会が増えてきたのですが、正直、心の中はモヤモヤでいっぱいです。子どもが言うことを聞いても嫌なムードが残り、何だかスッキリしない…。そもそも「しつけ」って、何だろう?子どもに偉そうに指示を下し、「あなたのためよ」とお決まりのセリフで押し付けるのが、本当のしつけなんだろうか?そもそも私って、子どもをしつけられるほど立派な人間だったっけ…そう、悩み始めたのです。 ほんとうに「子どものため」?悩みながら気付いたのが、まず自分が「しつけ」という言葉をうまく飲み込めていないということ。それは、子ども時代の記憶があるから。子どもの頃は、「しつけと称して偉そうにしたり、怒る大人」に嫌悪感を感じていたのです。同時に思い出されるのが、「あなたのため」と口うるさく言われた記憶。たしかに親になってみれば子どものためを思って言うのですが、子どもの頃を思い出すと、親の言う「あなたのため」が時々「押し付け」に感じるときもありました。そういうときに限って、よく考えると「親のため」も絡んでいるのです。たとえば「親の体裁のために勉強してほしい」というように。では、本来のしつけって何でしょうか?それは「子どもが自分で自分の身を守り、また他人と社会でうまくやっていくための習慣作りの基盤」となるものです。たとえば、子どもが健康で、安全に生きていくために。友達と遊んだり、ケンカをしても仲直りして、信頼関係を築いていくために。社会に出て周囲と協力して夢を叶え、恋人や家庭を作り、やがて我が子を育てていくために。そうやって子どもが自分らしい人生を歩める基盤を、いま形作ることがしつけなのです。子どもにどう育ってほしいのかじっくり考え、しつけの定義をしっかり定めておくと、「しつけと称して偉そうになる」ことは防げると気付きました。本来の自分とのギャップもう一つ引っかかるのが、「自分は子どもをしつけられるほど、きちんとしていたかな?」ということ。そこまでひどい人間だとも思いませんが、独身時代は夜更かしが好きでしたし、休日はパジャマのままダラダラ、テレビだって付けっぱなしでした。「本来の自分」だって、子どもに威張れるほど立派な人間ではないのです。だからさも偉そうに口うるさく言う「ママとしての自分」とのギャップを、気持ち悪く感じていたのでしょう。そして子どもはその違和感にも、必ず気付くものです。そのギャップをなくすためには、まず本来の自分がしっかり生活することです。早く寝てもらいたいなら、自分が早く寝る。勉強して欲しいなら、自分が勉強する、という風に。子どもは親の真似が大好きですし、親の背中を見て育ちますから、効果はあるでしょう。基本は自分がしっかり生活をし、子どもに声をかけるときはしつけの定義を思い出すこと。そうすることで「偉そうに」「口うるさく」「押し付けるように」ならず、自然としつけることができると思うのです。ライター:宮野 茉莉子
2016年06月17日小学校受験とまではいかなくても、入学前から勉強の習慣を身につけておくことは悪いことではありません。幼児の内に習慣がついていれば、入学してからの勉強もスムーズに取り組めるかもしれません。学習教室に通わずとも、今は自宅で取り組める教材が色々あります。幼児の勉強はどんなことに気を付ければよいのか、どんなものがあるのかを知っておきましょう。人気の自宅学習教材自宅で学べる幼児向けの通信講座は色々な種類があり充実しています。毎月届くので進めることに達成感がありますし、次の教材が届く前に終わらせようという気持ちにもなりますね。人気が高いものとしては、ベネッセのしまじろう、Z会、ドラゼミ、幼児ポピーなどがあります。無料体験を送付してくれるところがほとんどですので、一度頼んでみて子どもの反応を見てみるのもいいですね。習慣をつけることが大事毎日10分でよいので、机に向かう時間を作りましょう。大切なのは机に“長く”向かうことではありません。むしろ集中力が切れないように短い時間にしておきましょう。そして何より大切なことは、できたら褒めることです。何か問題が解けた時だけではなく、机に向かったその姿勢を褒めてもよいのです。褒められると「自分はできるんだ」という自己肯定感が芽生え、自信につながります。親の背中を見せる本人が1人で取り組んでいても、放っておくことは厳禁です。普段からも親がダラダラしたりスマホをいじったり…ということでは説得力に欠けてしまいます。一緒に勉強に取り組むことが一番ですが、親自身も勉強をしたり本を読むことなどを普段から意識しましょう。口で色々言うよりも、背中を見せることが一番説得力があり、子どもが自然と真似することへとつながっていきます。高学歴者の学習法を参考に高学歴タレントとして有名なロザンの宇治原さんは、リビングで宿題を行うお姉さんの真似をしたがったところ、お母さんが簡単な漢字や計算問題を作って宇治原さんに解かせていたそうです。母親お手製の問題を遊び感覚で解くことで、幼児の内から勉強する習慣がついたのですね。塾講師で人気の林修さんは、家族が読んでくれる紙芝居を真似して読み、幼児のうちに図鑑を読むようにまでなり、そこで基礎的な日本語力を身につけたとのことでした。どちらのケースも、無理やり勉強をさせているのではなく、家庭内で勉強や読書を取り入れることで自然と真似をしたくなり学習習慣へと結びつけています。私の息子は現在年中です。書くことは比較的好きな方ですが、特に楽しいと言っていた“めいろ”の本を買ったところ、登園前に自分で取り組んでいて驚きました。書店などで“ひらがな”、“数字”など以外でも“てんつなぎ”、“とけい”など遊び要素が多い本もたくさんあります。本人が興味を持てるものだけを取り組むのでも全く問題ないでしょう。極力一緒に取り組みますが、取り組めない時でも終わったワークをチェックして声をかけるようにしています。「ちゃんと見てくれている」「褒められた」ということが自信になり、次も自主的に取り組めるのだと思います。無理強いせず親も一緒に取り組むことが、「楽しい」と感じ自主的に机に向かうことへつながります。勉強だと感じさせないように勉強を自然に取り入れる工夫をしてみましょう。
2016年06月16日長男が年長になり、小学校準備に焦るようになりました。今でも自分は口うるさくなっているのに、さらに口うるさくならなければいけない。これが小学校にあがれば、「勉強しなさい」と毎日うるさく言うようになるのでしょう。それは自分が子ども時代、嫌っていた親の姿と同じ。口うるさく言うことが子ども側にとってどれだけ逆効果か、筆者の実体験とともに考えてみましょう。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ち言われるほど働く「天邪鬼」心理ママ:もうっ何回言ったらわかるの‼テレビを見過ぎ!早く消して!K:うるさいな〜もうちょっと見るんだよ〜ママ:もういいわ、注意するのも疲れた。テレビを見たいだけ見てればいいわ。K:もういいや、テレビ消そう。ママ:えぇっ!何で「見ないで」って言ったら見るのに、「見たいだけ見て」って言ったら消すの?K:ボクだって、自分でテレビを消せるよ。でもあんまり口うるさく言われるから、ボクの中の「天邪鬼」が動くんだよね。ダメって言われるほど、止めたくなくなるの。ママ:ママもそうだったわ。大人が「飲んじゃダメ」っていうビールほど、飲んでみたくなるのよね。すごく魅力的に思えて。実際は苦くて、子どもには美味しくないのにね。不安と甘えの現れK:あと、「わざとママを困らせてやろう」って思うときもなかった?ママ:あったあった!あんまり怒るからギャフンと言わせたくて、怒られることをあえてするのよね。「うるさいママなんか、もっと怒ってればいいや!」って。K:そうそう。でもそれは、甘えたい気持ちの表れでもあるんだよね。怒られると、やっぱり子どもは不安だよ。不安と甘えたい気持ちが複雑に絡み合って、わざとやるんだ。「何でママは怒ってばかりいるの?ボクのこと嫌いになっちゃったの?本当は甘えたいのに」ってさ。ママ:子どもも大人並みに複雑な感情を抱えるのね〜K:だってボク、もう5歳だよ?プライドだってあるよ、自分としてのプライド、男としてのプライド、年長としてのプライド、お兄ちゃんとしてのプライド…。強がったり、素直になれないときだってあるし。ママ:子どもは小さい大人なのね。言うことを聞いても自立には繋がらないK:あとね、口うるさく言われると「言われている内容」なんか、どうでも良くなっちゃうんだよね。「テレビを見すぎている」ことよりも、「ママに口うるさく怒られている」ことが頭に残る。それにイライラして忘れて、また同じことをしちゃったり。ママ:それって、「感情的に怒られる」のと一緒ね。感情的に怒られると、「怖い」ことしか頭になくて、怒られている内容が飛んじゃうのよね。K:そうなんだよ。だから「口うるさく怒る」のって、あんまり意味ないんだ。結局言うことを聞いたとしても、「やらされた感や支配された感覚」しか感じないんだよ。いつまでも不満が残るだけで、自立には繋がらないんだ。ママ:なるほど、実はママもいい気がしなかったのよ。うるさく言って言うこと聞かせても、何だかモヤモヤしていて。じゃあ、どうすればいいの?子どもを変えるより、親が変わるK:まず、口うるさく言わないことだね。ママ:だってそうしたら、どんどん不健康になるし、困ることばかりよ。K:ママはボクのことを信じてないんだね。ボクは「ダメなことしかやらない子」だと思われてるんだ。口うるさく言われることで、それも伝わってるよ。同じことをやるにしても、気分の差は大きいよ。たとえば「勉強をする」にしても、「口うるさく言われて勉強する」と、中身も入ってこない。でも、「楽しみながら勉強する」のはどう?中身も入ってくるし、もっともっと勉強したくなるんだ。ママ:つまり、「やりたい気持ちになるように導く」ことね。K:そうさ。テレビの見過ぎだってさ、テレビより楽しいことがないんだよ。子どもも複雑ではあるけど、単純だ。ただ「面白いことがしたい」だけなんだよ。ママ:具体的にどうしたら、子どもが動いてくれるのかしら?K:子どもが1番好きなのは誰?ママ:ママとパパね。K:子どもはママとパパの真似っこが好きでしょう。だからママとパパが、ボクたちになってほしいように生きていれば、それを自然と真似するよ。今はパパだって、ずっとテレビ見てるじゃない。ママ:「子どもを変える」という思考自体が、おこがましかったわね。まずはママとパパが生活を変えてみるわ。「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」第3回:「怒られているときってこんな気持ち」第4回:「同じことを何度言われてもわからないワケ」第5回:「上の子にとって弟・妹なんて別に可愛くないわけ」第6回:「お兄ちゃんになるってこんなキモチ」第7回:「子どもの繊細な性格を武器にする」第8回:「イタズラって悪いこと?イタズラを考える」第9回:「どう褒められると嬉しいの?」第10回:「こんなケンカならしてもいいよ。夫婦げんかを見る子どもの気持ち」第11回:「良いママ」を目指すママに育てられる子の気持ちライター:宮野 茉莉子
2016年06月11日【ママからのご相談】わが子の諦めの早さが悩みです。小学校6年生の息子のことです。野球のチームに入っていますが、監督に怒られるとすぐにしょげてしまい「なにくそ」と頑張る気持ちになれないようです。「このままじゃお前のポジションなくなるぞ」 とまで言われているのに、火がつきません。監督も息子の「なにくそ」という頑張りを期待していると思うのですが。「つらいならやめてもいいよ」と言うと「やめたくない」と言います。こんな息子にどう声を掛けてあげればよいでしょうか?●A. 何かをやりきる経験を通して前向きな気持ちを育みましょう!ご相談ありがとうございます、ママライターのパピルスです。筆者も小学生の親ですが、勉強の面でもスポーツの面でも、わが子について「メンタルが弱い」「頑張りきれない」「すぐ諦める」 という嘆きの声をパパさんママさんとのお話の中でよく耳にします。厳しくされて奮起できない子というのは、案外身近にたくさんいるように思います。●「もっと頑張れ!」よりも何かを“やりきる”経験をさせよう!高校野球の名門高校でメンタルコーチを務める飯山晄朗氏は著書『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』の中で、『諦めモードに入ってしまった子を、そこから抜け出させるには、なにかをやりきらせてみるというのが有効』とおっしゃっています。「きっと僕(私)はダメなんだ」としょげている子に、いくら口で「大丈夫だ」「諦めずに頑張れ」と言ったところで、自分自身に自信がなければ前向きな気持ちになれず、具体的にどうしたらいいかが分からない のではないでしょうか。そういうときには何かひとつのことを「やりきった!」という経験を積ませることで、「自分にもできる!」という気持ちを持たせるのだそうです。ご相談者様の例でいえば、「このままポジションがなくなってもいいの?」と聞いてみましょう。「いやだ」と言えるのであれば、「じゃあ、どうしたらいいか考えよう。何かひとつやりきってみたら、何か変わるよ。何にチャレンジする?」という感じで導いてみます。「ポジションがなくなっても仕方ない」という諦めに至っている場合は、「ポジションを諦めるのはいつでもできるよね。その前に何かひとつやりきってみない?」という感じです。何にチャレンジするかを本人に決めさせる のがポイント。ランニングでもよし、素振りでもよし、キャッチボールでもよし、練習中にしっかり声を出すでもよいでしょう。1か月続けることを目標に設定します。そして、できた日にはカレンダーに○を、できなかったら×を記入していきます。子どもは、放っておいても自分から取り組めるほど成長していませんから、親がまめに声をかけることが必要になりますね。できた日もあればできなかった日もあるかもしれませんが、とにかく1か月間取り組みを続けられたら、「よく頑張り抜いたね」と認めてあげることが大切です。“やりきった”ということで達成感が味わえれば大成功!「自分にもできる」という小さな自信の種になり、前向きな気持ちが持てたり、やる気が出てきたり、何か気持ちの変化があるはずです。----------いかがでしょうか?勉強でもスポーツでも、親子共に“成果”にとらわれがちです。しかし、“取り組んだ過程そのもの” にスポットを当てることで子どもが達成感を感じられる機会が増えます。“できたか、できないか”という成果での評価に疲れて諦めてしまっているお子さんには、有効な手段だと思いますので、ぜひ取り組んでみてください。【参考文献】・『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』飯山晄朗・著●ライター/パピルス(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年06月07日【パパからのご相談】小学校5年生の息子がいて、休日に勉強を教えています。一生懸命教えているのですが、なかなかうまくいかず、テストの点がいつも悪いです。「なんでできないの?」と聞いても何も言いませんし、褒めても叱っても効果なし。自分の頃は何も考えずがむしゃらに勉強していたので、なぜこんなにやる気がないのか理解できません。どうしたらやる気に火がつくのでしょうか?●A. やる気を出す声のかけ方を知りましょう。ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。お子さんのやる気になかなか火がつかないのですね。お父様が学生だったころとは随分と環境が変わってしまい、「自分のころはこうだった」が通用しなくなっているのも、難しさの原因のひとつかもしれません。そこで今回は、いまどきの子のやる気をあげる声のかけ方をご紹介します。●「なぜできない?」と聞いてはいけないテストの結果が悪かったとき、「なぜできなかったの?」と聞くと、厳しい印象を与えてしまいます。子どもは「なぜ?」と問われると、責められているように聞こえる のです。相手を責めない聞き方をすることで、本音が聞き出せます。「テストができなかったのは、何が原因だと思う?」と聞けば、その子を責めているわけではなく、理論的に分析しようという姿勢になるため、子どもの本音が出やすくなります。練習が足りなかったとか、学校の授業がよくわからないとか、本人が思う理由が出てくれば、対策も取りやすいはず。そしてさらに、原因がわかったら、「どうやったらうまくいく?」 と質問します。「どうしてできないの?」だと、できない自分ばかりをイメージし、自分はダメだと思い込むことにつながります。そこで、うまくいっているイメージを描けるように質問するのです。イメージを描いて、そのときの感情を想像する。例えば、「勉強ができるってどんなイメージ?」と聞いてみるのです。答えは「いい点を取る」だけではないかもしれません。「試験でスラスラ解ける」「学校の授業でたくさん挙手をする」「お友達に勉強を教える」など、イメージは人によってさまざまです。そのイメージを実現させるためにはどうすればいいのか、お子さんと一緒に考えてみましょう。●“やらないとどうなる”より、“やったらこうなる”子どもに勉強の話をする際に、「勉強しないとお先真っ暗」みたいな話をしてしまっていませんか。人間の脳は、“正しいこと”では動きません。“楽しいこと”に反応します 。たくさんの子どもを見てきましたが、いまどきの子は特に、義務感よりも楽しさに反応する傾向が強いように思います。「勉強しないと進学できないし、就職もできないよ!」というのは正しいのですが、楽しくはありません。言い方を変えて「勉強すれば希望の学校に進学できて、希望の進路に進めるよ」と言うのは、楽しさを伝える言い方です。いずれも「将来のために勉強は必要」という同じメッセージを伝えているにも関わらず、脳の捉え方はまったく違う のです。お子さんと勉強の話をするときは、できるだけ楽しいことをイメージしてみてください。勉強すれば憧れのあの学校に進学できる、お友達がたくさんできる、かっこいい彼氏ができる、お金を稼げる、趣味に没頭できるなど。そのほうが楽しく勉強に取り組むことができます。意外かもしれませんが、どんなに勉強が嫌いな子どもでも、「勉強は必要」ということは認識していて、やらないといけないとは思っています。それなのに、なぜやらないのか?それは踏み出せないからです。どうやったらいいかわからない、何から始めたらいいかわからない、やってもできないなど。だから子どもたちは、やり方次第、声のかけ方次第で変わっていきます。「自分のころとは違う」ことに戸惑うかもしれませんが、一度、声のかけ方を変えてみてはいかがでしょうか。【参考文献】・『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』飯山晄朗・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年06月03日【ママからのご相談】小6の息子のことです。新しい担任になってからほとんど毎日居残りがあります。居残りすること自体は別にいいのですが、習い事に間に合わない時間まで残されることもあり、困っています。5年生のときには居残りが一切なかったので、6年生になってからの居残りの多さに納得がいきません。勉強ができないから残されているのでしょうか。●A. 優先するべきは学校ですが、居残り時間の上限を先生と相談してみてはどうでしょう。こんにちは。メンタル関連を中心に書いているメンタルケア心理士の桜井涼です。ご相談ありがとうございます。「居残り」と聞けば、どうしても「うちの子は勉強できないのかしら?」と不安になってしまいますよね。親として当然です。居残り問題について、現役の小学校教諭をしている友人に話を聞いてきましたので、参考にしていただければと思います。●居残りはどうして発生するのか居残りをさせる先生は、何を考えて行っているのかという点が気になり、小学校教諭の友人に話を聞いてきました。『する先生としない先生がいるけど、居残りをさせる先生は、クラスのみんなに学習する力をつけさせたいと考えている ことは確か。それだけでなく、クラスみんなにできるようになって欲しいと思っているのではないかと思う』と、話していました。居残りはたいていの場合、前日の宿題でやってこなかった分や、授業で行った課題の終わっていない分を終わらせるという目的ですることが多いようです。居残りをさせる先生は、「子どもたちみんなに学力をつけさせたい」という思いから居残りという手段に出ているということがわかりました。ただし、居残りをさせない先生がいるのも事実です。『こういう先生は、帰りが遅くなると危ないからと考えているか、宿題の量がクラスみんなの適正量である可能性が高いのではないか』とも話していました。先生によって居残りに対する考え方は異なるようです。●居残りは学校の授業と同様相談者様にわかっていただきたいことは、「居残りは学校の活動の1つである」 ということです。学校が優先なのです。部活や習い事、学習塾はあくまでも学校活動の次に行うものと思っていただきたいです。居残りは学校の授業と同じ意味なのであって、学習塾などを引き合いに出してはいけないと私は考えています。●居残り時間の上限を先生と決めよう居残りは大切ですが、どうしても部活や習い事をさせてあげたいと思うこともあるでしょう。また、居残りが長引いて帰りが遅くなってしまうことに懸念を抱く人もいると思います。そんなときは、自分一人で悶々と抱え込むのではなく、担任の先生と居残り時間の上限について相談することが一番の解決方法 だと思います。担任の先生と直接話をすれば、子どもの学習状況を知ることができるので、どのような対策を取るべきかを考えることもできます。そうやって情報を共有することで先生、子ども、親の三者がより良く過ごすことができるはずです。相談者様からこのようなお話をいただいたとき、私も同じ立場であると感じました。ちょうど私の息子も居残りをさせられるようになったからです。居残りによって部活の時間に間に合わないと一番悩んでいるのは息子だと思い、思い切って担任の先生と電話でご相談をさせていただきました。話し合いをすることで情報を共有することができましたし、息子を主体としてお互いどのような対策を取ればよいのかを決めることができました。居残りをさせられている子を持つ同じ親として、相談者様のお気持ちは本当によくわかります。お子さんのためにも、日々の連絡帳・電話・参観日の後の保護者懇談会 などで先生に相談をする機会を持たれてみてはいかがでしょうか。きっと、先生がどういう考えで居残りをさせているのかを知ることができますし、心の中にあるモヤモヤした気持ちを解消することができると思います。ぜひ一度先生とお話ししてみてください。ご相談ありがとうございました。【参考文献】・『ほめるとき、叱るとき、諭すとき、最強の子育て思考法』和田秀樹・著●ライター/桜井涼(フリーライター)
2016年05月25日【ママからのご相談】子どもが「どうして勉強しないといけないの?」と繰り返し聞いてきます。どうやら、勉強がつまらないらしく、やる気が出ずにこんなことを言っているようです。超有名な学校に入ってほしいとは思わないですが、せめて勉強を嫌いになってほしくありません。家でできることはありますか。●A. 子どもが興味をもつ4つのツボをおさえる!ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐々木です。これまで勉強に興味のない子どもに対して勉強を教え、興味を持たせることに取り組んできました。●勉強が嫌いになる理由勉強が嫌いになってしまう理由は大きく2つあります。1つは「できない」から 。上手にできないことを好きになるのは、大人であっても難しいですよね。上手にできないとき、頑張っても成果が出ないとき、一生懸命頑張れば頑張るほど、子どもは勉強を嫌いになっていきます。もう1つは「つまらない」から 。自分のやっていることに意義が見いだせていないのです。意味のわからないことを1日何時間もやらされていれば、嫌いになるのも無理はありません。大人はつい「勉強は我慢してするものだ!」なんて言ってしまいますが、子どもは楽しみが見いだせないとどんどん勉強が嫌いになります 。●勉強のやる気を引き出すツボ4つそこで、勉強が「できない」「つまらない」を解消するために、『ARCSモデル』 をご紹介します。ARCSモデルは、アメリカの教育工学者ジョン・M・ケラーが「学習のやる気を出す方法」をモデル化したもので、4つの要素の頭文字をとって、このように呼ばれています。『ダイヤモンド社』の人材開発用語集サイトでは、以下のように説明されています。**********①注意(Attention)学習者の興味関心を引き、探究心を喚起する。マンネリを避け、学習者に「面白そうだなぁ」 と思わせることである。②関連性(Relevance)学習の目標に対して親しみをもたせ、与えられた課題を受身的にこなすのでなく、学習者が自分のものとして積極的に取り組めるようにする。目標に向かうプロセスを楽しめるようにし、学習者に「やりがいありそうだなぁ」 と思わせることである。③自信(Confidence)ゴールを明示し、成功の機会を与える。自分の努力によって成功したと思える教材にし、「やればできそうだ」 と思わせることである。④満足感(Satisfaction)学習の結果を無駄に終わらせない。目標に到達した学習者をほめて認める。公平な評価を行い、「やってよかったなぁ」 と思わせることである。**********この4つを順番に刺激できればやる気がアップします。どれか単体として刺激しても、効果が現れます。おうちで子どもと一緒に勉強する際には、この4つ全てを考えながら勉強を教えるのは難しいかもしれません。しかし、どれか1つをおさえることはできそうなのではないでしょうか。例えば、・勉強のときに一緒に絵を書いて「おもしろい!」と思わせる・勉強することやその内容が、日常生活と密接に関わっていることを教えて「やりがいがありそうだ」と思わせる・たくさんある、やるべきことを細かく小さく分解して、「これならできそうだ」と思わせる・勉強が終わったらほめて、「やってよかった」と思わせるこれだけなら、普段の取り組みと心がけ次第で、おうちでできることがたくさんあるはずです。むしろ学校よりも家でこのような話をしておいたほうが、勉強に対して興味関心を持てるかもしれません。この4つのツボをおさえて、お子さんと話をしてみてくださいね。【参考リンク】・ARCS(アークス)モデルとは | ダイヤモンド社の適性検査・社員教育・研修()●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年05月22日【ママからのご相談】小学校4年生の息子がいます。家でまったく勉強をしません。ですからつい「ゲームソフトを買ってあげるから」「テーマパークに連れて行ってあげるから」などとご褒美で釣ってやらせてしまいます。 すると、主人からそんなやり方では子どもの主体性をダメにしてしまうだろう、と叱られてしまいました。子どものやる気を引き出すためにモノで釣るのはいけないことでしょうか?●A. “目の前のニンジン作戦”で効果をあげるお子さんはたくさんいます。こんにちは。ライターのakiです。勉強が好きで自分から進んでしてくれる子であればいいのですが、ほとんどのお子さんは親が一生懸命言ってもなかなか勉強してくれない子が多いと思います。いくら将来のためだと言い聞かせても。あなた自身のためだと熱弁しても子どもにとってはピンとこないのが実情でしょう。そこで、頑張ったら「○○を買ってあげる」「●●に連れて行ってあげる」などと目の前にオイシイ条件をぶら下げてやる気を出させる方法で子どもを動かしてしまうのです。そのあとで「こんな方法でしか子どもを説得できないなんて……子どもの自主性や、勉強本来の目的や楽しさを奪ってしまうのではないか?」と自己嫌悪に陥ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。しかし、ご褒美で子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではありません 。『「学力」の経済学』の著者である中室牧子さんによれば、やり方次第では効果があがるのだそうです。●ご褒美で釣って成功する方法は“あるキーワード”がポイントここで、あるおふたりのお母様の体験談をみてみましょう。【母親Aさん(小学校5年生男の子)】『算数が苦手なわが子。ですから、学校のテストで85点以上とったら好きなゲームを買ってあげるよ。と約束しました。そのゲームは前から欲しがっていたものです』【母親Bさん(小学校6年生男の子)】『算数が苦手なわが子に、算数の問題集を1冊終えたら好きなゲームを買ってあげると約束をしました。ゲームは前から欲しがっていたものです』どちらも算数が苦手な高学年のお子さんに、それぞれご褒美を差し出しています。この結果、どちらかのお子さんは算数の成績が伸び、どちらかのお子さんは成績にほとんど影響がありませんでした。この場合、AさんとBさんどちらのお子様の成績が伸びたかわかりますか?具体的な点数を提示して条件を出しているAさんに対し、Bさんは1冊の問題集をやらせるだけで漠然としています。この場合、一見Aさんのお子さんの方が成績が伸びそうな気がしますが、結果は逆でした。Bさんのお子さんの成績が伸びて、Aさんのお子さんの成績は変わらなかったのです。なぜでしょうか?それは、ご褒美の条件を出す際の子どもの行為 が“アウトプット型”であるか“インプット型”であるかで学力が変わるからです。●“アウトプット型”と“インプット型”、条件の違いで学力が変わるたとえば、「テストの点数が良かったら」「通知表の成績が良かったら」などという条件は、今までやってきたことを外に出して結果を出す“アウトプット型 ”の力です。それに対して、「宿題を終える」「問題集を解く」「本を読む」などの条件は力をつけるために知識を取り入れる“インプット型 ”の行動です。ハーバード大学のフライヤー教授の研究によれば、この“インプット型”の条件でご褒美を示した方が子どもの学力をあげる効果が大きかったと述べています。確かに、“アウトプット型”の「テストの点数が良かったら」「通知表が良かったら」というのは結果を求めるばかりで、良い点数をとるためにどのように勉強をすればいいのか、通知表で良い成績をとるためには何をすべきか、という具体的な手段 が抜けています。一方“インプット型”の行為は、「問題集を解く」「宿題をする」「本を読む」などの学力向上につながる具体的な行動を示しています。子どももその通りにやるだけなので自然と力がついてきます(もちろん、“アウトプット型”の「良い点数がとれればご褒美を……」という条件を出してもその良い点数がとれるための方法を教え、導いてくれる人がいれば良い結果に結びつくと思われます)。ということで、ご褒美は具体的な手段や方法を提示する“インプット型”の条件が良いことがわかります。ちなみに、ご褒美の条件を出す際の日にちは近ければ近い方が具体的でいい そうです。たとえば、「本を毎月1冊ずつ読んだら来年の誕生日におもちゃをあげる」よりも「1時間勉強したら、終わった後でお小遣いをあげる」の方が効果があるそうです。●ご褒美は子どもの勉強への自主性や楽しみを奪わないでは、ご褒美が成績向上に一役かうことはわかりましたが、子どもの勉強へのやる気や楽しさなどの気持ちの影響はどうなるのでしょうか?前述のフライヤー教授の研究によれば、ご褒美をあげる対象となった子どもたちと、そうでない子どもたちを心理学の手法を用いて統計的にはかったところ、両者に気持ちやモチベーションの差は特になかったそうです。つまり、ご褒美が子どもの「一生懸命勉強するのが楽しい」という気持ちを失わせる結果にはならない のです。そう考えると、やり方さえ間違わなければご褒美を前にして子どものやる気を引き出すことは決して悪いことではないとわかります。----------以上の結果からまとめると、・「本を読む」「宿題をする」などの(知識を取り入れる)インプット条件・ご褒美は遠い将来ではなく近い将来にという観点でお子さまにご褒美勉強法を試してみると、学力向上につながるかもしれません。ぜひ、お子さまのやる気を引き出す日々の学習法として役立ててみてください。【参考文献】・『「学力」の経済学』中室牧子・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年05月17日うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜