こんにちは。学習コンサルタントの佐々木恵です。自分の子どもにはできるだけ賢くなってほしい。勉強を好きになってほしい。親御さんの常なる願いだと思います。できれば良い学校に進学してほしい。もしそれがかなわないとしても、 できれば自宅で子どもが一生懸命勉強している姿が見たいものではないでしょうか。しかし、このごろはパパもママも仕事が忙しく、学校の授業内容も高度になって、なかなか子どもの勉強を見てあげられないという方も多いかと思います。そこで、今日からできる勉強の見守り方のアイデアをご紹介します。●親は“教師”にならなくていい勉強を教えよう教えようと肩肘を張る必要はありません。どんなに教えるのが上手でも、親子だと期待しすぎる気持ちからうまくいきません。子ども側も親の期待に応えなければと頑張りすぎたり、甘えが出たりするもの。勉強を教えようと意気込むのではなく、見守る姿勢 が大切です。あくまで学校の勉強をベースに考えましょう。教えるのが大変でうまくいかないと感じる場合は、学習塾などの専門家に任せてしまうのも一手です。●目標設定をするその日にどこまでやるかを確認します。今日はこれだけできればいい、とその日の目標を決めて取り組みます。それが終わったらテレビを見ていいとか、一緒におやつを食べようとか、何か楽しい予定を一緒に立てられるといいですね。勉強に対する期待感が増します。●クイズをする子どもにたくさん勉強させて、情報を蓄えさせても、使えなければ全く意味はありません。では、使える知識とはなんでしょうか?知識とは、質問に答えられる ことです。勉強というと、どうしてもインプットに偏りがちですが、成績を上げたいのであればアウトプットが重要です。そこで、お子さんのアウトプットを手伝うのです。一番簡単な方法が、クイズなのです。その日勉強したことをクイズにしてみてください。親御さんは深く分かっていなくても大丈夫ですし、間違えても構いません。●子どもに説明してもらうその日学校で学んだ内容をお子さんに聞いてみましょう。ポイントが説明できれば、きちんと理解ができている証拠です。曖昧なようであれば、一緒にノートや教科書を見直して確認することができます。子どもに説明してもらうメリットは、授業の理解度がわかるだけではありません。学習の定着度は、講義を聞くだけではわずか5%、人に教えるとなんと90%になると言われています。授業の内容を説明するようにしてもらうだけで、理解度がぐんと上がる のです。授業の内容を教えてもらうだけで子どもが賢くなるなら、簡単ですね。----------親御さんが頑張って教える必要はありません。教えようと頑張った瞬間、勉強の主役が親御さんになってしまいます。勉強の主役は誰でしょうか?もちろんお子さんですね。自分から勉強する子になってもらうため にも、親御さんはサポーターに徹しましょう。一緒に教科書を読んだり、教わった内容について質問したり、一緒に考えたりする。マラソンにたとえると併走者です。ぜひ、楽な気持ちでお子さんの勉強をサポートしてあげてくださいね。【参考文献】・『1日5分! お母さんがコーチになれば、子どもの成績はグングン伸びる』加藤法彦(著)・『脳が認める勉強法「学習の科学」が明かす驚きの真実!』ベネディクト・キャリー(著)・『使える脳の鍛え方成功する学習の科学』ピーター・ブラウン、ヘンリー・ローディガー、マーク・マクダニエル(著)●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年12月17日不登校児は全国で11万人!もはや他人事ではありません出典 : 近年、不登校の子どもは小中学校だけで全国に11万人以上いると言われています。私の息子も現在中学2年生ですが、登校渋りがあり常に不登校と隣り合わせです。そこで、私が運営する発達障害児の保護者のコミュニティにて、不登校に関する勉強会を開くことにしました。講師は、定時制高校などで不登校から立ち直ろうとする生徒たちと、長年関わってこられた元教員の方です。私だけでなくみなさんの関心が高いテーマなのでしょう。参加者も多く充実した勉強会となりました。勉強会に集まった、あるママの発言です。「子どもが学校へ通えなくなる覚悟はできている。」この言葉を聞いた私は、「不安なのは私だけじゃない」と深く共感したのを覚えています。不登校の状況(内閣府成育環境)保護者が学ぶ「不登校の勉強会」、その内容とは?出典 : 勉強会での様子を1. 保護者からの質問2. 講師の先生からの回答この順番で、詳しくご紹介したいと思います。出典 : 保護者:「登校を再開しても、またすぐに休んでしまいます。そんな時どう対応したら良いのでしょう?」先生:「高校入学を機にやり直しを図る子どもたちを例にお話します。不登校からやり直しを図る子どもたちのほとんどが、『勉強をやり直したい』と言います。しかし、もともとは不登校だった子ども。2~3週間すると息切れして学校を休んでしまうケースが多いのです。息切れの原因は勉強だけではありません。コミュニケーションもストレスの原因の1つ。友達に何十通もメールを送り、返信が無いと『避けられている』と悩んでしまう子。友達ができたことが嬉しくて、衣類から文具までお友達と同じものを買い揃えてしまう子。一方的な正義感から、周囲への要求が大きすぎる子。生徒たちのアンケートによると、「学校へ来る支え」も「学校で苦労すること」も、どちらの原因も「友達」が圧倒的に多いのです。」出典 : 先生:「入学から数ヶ月は、『友達を作りたい』という意欲の大きさに比べ、それまでの経験不足からトラブルが発生しやすい時期で、不慣れなコミュニケーションから休んでしまうのは、むしろ必然と言えるのです。この、最初に休んだ時の大人の対応がとても重要で、ガッカリした素振りを見せず、『休めてよかったね』と声をかけてあげる事が大切です。心が疲れたら体は動きません。不登校の子が学校へ通えるためには、自分で自分の調子を掴み自分とうまく付き合えるようにしていかなくてはなりません。」息子にも、人にストレスを感じつつも関わりたい気持ちが見えます。そして限界を感じると時おり学校を休みます。押したり引いたりしてなんとか学校へ連れて行こうと頑張るよりも、「充電が切れちゃったね」「切り替え日だね」と、気持ちよく休ませたほうが回復も早い…そんな実感が私にもあります。出典 : 保護者:「同じような環境下でも、不登校になる子とならない子がいますが、その違いは何でしょうか?また、立ち直っていくポイントは何だと思いますか?」先生:「不登校になる子は『外からの評価』を気にし過ぎる傾向が強く、自分で自分をがんじがらめにした結果、不登校になるケースが多い。それは誰かに責められた経験の有無とは関係しないと思われます。そういう子どもたちは、環境を変えて高校に進学しても、『1度休むと通えなくなるのでは?』『単位を落としたら、もう通えない!』と、『オール オア ナッシング(0か100かの極端思考)』になってしまいがち。でも、不登校から立ち直る子を見ていると、何かができるようになったから学校に通える、という訳ではないのです。不登校から脱する鍵は、今のままの自分で良いと思える自己肯定です。その鍵を得るためには、『やらせる』とか『教え込む』のではなくて、自分から立ち直るまでとことん付き合ってくれる、そんな大人が必要なのです。」私もかつては「やらせよう」と頑張って登校渋りを悪化させてしまった経験があります。今は良い意味で諦め、良い意味で割り切っています。学校へ行けなくなっても死ぬわけじゃない…それくらいの大らかさの方が、実は上手く行く。根拠はありませんが、経験からそう思います。出典 : 保護者:「子どもではなく、不登校児を抱える親と関わる上でのアドバイスはありますか?」先生:「現代の親子関係は間違いが許されない雰囲気がある。(親の)無理は子どもに伝わる。無理はウソをつくことと同じで、親が失敗を恐れて頑張りすぎることは、必ずしも良い結果に結びつかないのです。不登校児の親は、すでに充分過ぎるほど頑張っています。良かれと思った激励やアドバイスも、実は重たく感じることもあるのです。」頑張り過ぎず失敗に大らかな子育て…このことは、スクールカウンセラーを始め、様々な講演会で聞いたお話でもあります。これは、発達障害児ママにも同じ事が言えるかもしれません。充分頑張っているけれど、上手く行かない。そんな時にホッとするのは、激励やアドバイスではなく「わかるよ」という共感の言葉かもしれません。出典 : 保護者:「最後に、不登校児やその保護者が進路を考える場合、どんな選択肢があるのでしょう?」先生:「不登校児の節目の1つである高校進学を例に考えてみましょう。高校には全日制の他に、定時制や通信制があります。それ以外にもフリースクールやチャレンジスクールなどがあります。ですが、これらの学校はあくまで不登校や中退の人がやり直せる学校であって、不登校や中退の人のための学校ではありません。入れる学校を選ぶのではなく、通える学校を選ぶことが重要なのです。」言われてみると当たり前の事ですが、登校に不安を持つ親子はともすると視野が狭くなり、見落としがちな視点ではないかと思います。「やり直す」ための様々な配慮は、全日制の高校に比べ遥かにあるけれど、卒業するためには最低限の日数でも通い続けなければならないことを忘れてはなりません。チャレンジスクールは、小・中学校での不登校や高校での中途退学を経験した生徒など、これまで能力や適性を十分に生かしきれなかった生徒が、自分の目標を見つけ、それに向かってチャレンジする学校です。(チャレンジスクール「夢をかなえる学校選び」)勉強会を終えて出典 : 来年は息子も高校受験です。デコボコの波が大きい息子は、できることとできないことの差がとても大きい子です。学校で不安定になったり、イライラが治まらないときは保健室へ行って落ち着く措置を取ってはいますが、息子は「学校へ行くだけでストレスを感じることがある」と言います。「不安の元が何か?言葉にできない」とも。親としてはどうしても、「できることを基準に考えたい」と思ってしまいます。ですが、私は心に固く決めています。「入れる学校ではなく、通える学校を探す」と。「通える」という基準で選択するって、何も高校だけではありません。進学や就労だけでなく、サークルや部活動、アルバイトなど、小さな選択に至るまで実は、この先ずっと大切にできる基準だと思います。
2016年12月17日娘の不登校で心労が重なり…批判的な世間の目に押しつぶされそうだった私出典 : 小2から不登校の娘は現在中学2年生で、アスペルガー症候群の診断が出ています。そしてシングルマザーである私にも、アスペルガー症候群の診断があります。娘は小2の2学期から徐々に学校を休み始めたました。それに対し、学校からの電話や訪問は毎日続き、2学期の終わりには付き添い登校もしましたが3学期から完全に行けなくなってしまいました。その間の心労で私は5キロ太り、「こんなに醜くなってどこへも行きたくない」と実家のトイレで1人ボロボロ涙を流しました。近所の人やママ友からは「学校には行かせなきゃダメよ」と会えばプレッシャーをかけられ、道端で大泣きしたこともあります。一方で娘はというと、登校しようとしても校舎を見ただけで「気持ち悪い、しんどい」と震え出します。精神的に限界がきているのがわかりましたが、放課後には勉強しないことを条件に登校することができていました。そんなとき提案された入院。日常から切り離されたことによる変化は出典 : そんなとき、娘の主治医から提案されたのが入院でした。「日常から離れてリラックスするために、親子で1週間入院しませんか?」と薦められたのです。疲れ切っていた私はさっそく手続きをし、親子2人で個室の入院生活を始めました。私は付き添いなので食事は出ませんが、ソファーベッドもあり、院内にはコンビニがあるので結構快適な入院生活でした。学校には「お見舞いは先生も生徒も一切お断りします」と言っておきましたし、主治医も休養目的ということでほとんど介入してこなかったので、日常から切り離され病院という場に守られ、親子共にゆっくりと過ごすことができたのです。娘もその生活が快適だったのか、1度も「退屈」とか「帰りたい」とは言いませんでした。私も日常生活の雑事や、学校、近所の目などから切り離され、すっかり安心して娘とリラックスできました。完全に不登校になった娘。2人きりの時間が辛くなった私はとうとう…出典 : しかしその後、小学3年生になった娘は、相変わらず学校に行くことができないままでした。この頃から夜眠れなくなり、「布団に一緒に入って」と言ったり「眠れない」と言って泣いたりする日が続くようになりました。「生きてるのに疲れた。引きこもりやし、ママとケンカばかりしてるし。不登校児かって大変やねんで。しんどいし、心許せる人としかよう会わんねん。家におっても時々しんどくなったり、お腹が痛くなる。」娘はそう言い、私が怒るたびに泣いていました。娘が不登校になり、家にいる時間が増えたとき、私は仕事を失った直後でした。2人きりで閉じこもり、娘の辛い気持ちをぶつけ続けられているうちに、私もだんだんと精神的に追い込まれていったのです。そして訪れた2度目の入院。苦渋の決断だったけれど、他に選択肢は無かった出典 : あまりに2人きりの生活が辛く、娘の主治医に「この頃本気ではないけれど、死にたいってよく考える」と打ち明けると、●一時保護を利用して娘と一度離れる●支援学校の訪問指導を受けるために入院するという2つの案を出されました。どんなに辛くても一時保護だけは嫌だった私は、訪問指導付きの入院を選んだのでした。入院してすぐに特別支援学校に転籍した娘。支援学校の先生が病室へやって来て、親から離れ勉強する日々が始まりました。残念ながら娘は先生と相性が合わず、2人っきりで勉強することをとても嫌がりました。「先生と勉強したら学校に連れ戻されるんやろ。」といって、身体は拒否感から体調不良が悪化、苦しむようになったのです。その様子を見ていて私も辛かったですが、もし先生の薦めに従わず家に2人きりだったら…虐待に走っていたか、自分が完全に壊れていたのではないかと、今でも思います。このときはその選択しかなかったのだと、今でも思っています。親子関係が煮詰まったとき。入院することで救われることもある出典 : 子どもにとって入院は賛否両論あるでしょうが、不登校だった娘にはいいこともありました。入院の最中、私と初めて引き離された娘は、看護師さんや同じ境遇の患者さんと出会い、私以外の人に頼ること、思い通りにならないときは気持ちの折り合いをつけることを学んだのです。最初は泣いて駄々をこねるだけだったのに、看護師さんの仕事を手伝ったり、ちょっとお姉さんの患者さんには上手に甘えたりと、私と2人だけの世界からちょっとだけ出て、たくましくなったように思います。私が所属する親の会でも、親御さんが精神的に追い詰められているケースをよく見かけます。私もうつ状態が続いた結果、希死念慮がひどくなり母子共にとても危険な状態に何回か陥りました。そんなとき、主治医の先生は入院を勧めてくれ、結果として私の精神状態も落ち着き、娘に危害を加えてしまうことを防げました。親子だけで関係が煮詰まってどうしようもなくなったり、親が疲れ果ててしまったとき、入院というのも1つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。少し距離を置くことで関係が変わることもありますから。
2016年12月09日こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。私は以前、学習塾で講師をしていました。そのときに感じたことは、子どもの語彙力が低下しているということでした。音読をしても読むことはできます。しかし、言葉の意味を知らない子どもが多かったのです。自分で調べることをする子がとても少なかった、ということも同時に感じていました。算数・理科・社会など、国語以外の教科は、「計算できれば解ける」「実験の経験や知識があればできる」と考えてしまいがちです。しかし、問題文は日本語で書かれています。ですから、語彙力・国語力がないと、学年が上がるにつれて勉強が難しくなってくるということを考えていただきたいと思っています。そのための対策として家庭でもできるものが、書写 です。●書写とは?“書写”とは、文字の通り書き写すことです。小学1年生になると授業で習います。習字の授業の一環のように感じる人もいるでしょう。しかし、義務教育である小中学校では、国語に位置づけられています。多くの場合、鉛筆を使って書いてあることをそのままノートなどに書き写すのですが、どうしても句読点やかぎかっこなどを見逃してしまうことが往々にしてあります。これは、文字をしっかりと読んで理解していないために起こることが多いです。私が当時教えていた子どもたちも、かなりの見逃しをしてしまうことがありました。●語彙力・国語力をつけたいのなら、音読+書写!国語力は、ただ読むだけ、ただ書くだけでは身につきません。大事なポイントは、“書いてある内容を読んで理解する”ことです。そのためには、書写をする前にしっかりと音読 することが大切になります(音読とは、声に出して読むことです。声を出さないで読む黙読では意味がありません)。書いてある内容がわかれば、書写することは難しくありませんし、しっかりと頭に入ります。当時小学3年生だった男子が生徒として学習塾に入ってきたとき、教科書をスラスラ読むことが難しく、「勉強つまんない、やりたくない!」が口癖でした。書写をさせたときも、間違いが多く字も乱雑でした。明らかに国語力が低いことがわかりましたので、教室に来るたびに音読と書写をするように時間を取っていきました。1か月後、3年生の教科書はスラスラ読むことができるようになり、内容も理解し、わからない言葉が出てきたときは自分で調べるまでになったのです。書写のノートは直しがなくなり、花まるが続くようになりました。気になっていた口癖も言わなくなったのです。読んで理解することができれば、ここまで変わるのだということを実感した最初の生徒でした。始めは短めな文からスタートさせましょう。徐々に文字数を増やしていきます。正しく読み、文章の内容がわかること、文字が丁寧に書けて、しっかり写せるようになることができたら、終了する目安です。●書写に向いているノートはマス目の小さいノート書写をさせるには、小さなマス目のノート が向いています。しかし、学校では低学年に大きなマス目のノートを使わせます。大きいマス目の方が文字を書きやすいからです。自宅で書写をさせるときは、10ミリ方眼などのノートをおすすめします。マスの中に合わせて字を書き込むことができるようになりますし、ノートを見返すときに、見渡しやすいからでもあります。見渡しやすいことで、間違った点をいち早く発見することができます。脳科学の面から見ると、小さな文字を書くことで言語能力が上がる ことがわかっています。そして、小さい文字を書くことで集中力がアップし、視野が広がることで捉える文字数が増えることもわかっているのです。ですから、早い段階で小さなマス目のノートを使うことをおすすめします。●おわりに国語力は小さいうちからつけておくことがとても重要です。読んでみてわからないと、授業についていくことが難しいと感じ、勉強が嫌になってしまうことにつながります。そうなっては困りますよね。そうなる前に、“音読+書写 ”を毎日少しでもいいのでスラスラできるまでやってみましょう。学校から宿題として出ている場合もありますが、出ていない日も宿題の前に行ってみてほしいと思います。その方が集中力が継続できるからです。ぜひ、試してみてほしいと思います。【参考文献】・『伸びる子には秘密がある 小学生の勉強法』石井郁男、小学生の勉強法を考える会(編集)●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/前田彩(桃花ちゃん)
2016年12月07日こんにちは、ママライターのパピルスです。12月となり、2016年も残すところあとわずか。クリスマスや年末年始に各種忘年会など、予定が埋まり始めて気ぜわしい季節ですね。小学校の保護者の集まりで、 「子どもの習い事の帰りが遅いのでスマートフォンを持たせようかと思っているけど、すでにお子さんにスマートフォンを持たせている方、実際持たせてみてどうですか?」という話題が出ました。その際、実際にスマートフォンを持たせている保護者の方は、中学生のお兄ちゃんお姉ちゃんが持っているという方々だったのですが、「持たせてみたら大変」というお話が複数あって驚きました。今時は中学生の部活の連絡がLINEで回るとか、SNSを利用して定期テストの勉強を教え合うなどという話も聞きますが、実際お子さんにスマートフォンを持たせた保護者の方はどのように感じているのでしょうか?パピマミの行ったアンケート調査「子どもにスマホを持たせて良かったですか? 後悔していますか?」 を見てみたいと思います。●45%もの保護者が「後悔している」と回答!【アンケート結果】子どもにスマホを持たせて良かったですか? 後悔していますか?・1位:スマホを持たせたことを後悔している……45%(61人)・2位:スマホではなく、従来型携帯電話(ガラケー)で十分だった……32%(43人)・3位:子どもにスマホを持たせて良かった(満足している)……24%(32人)※有効回答者数:136人/集計期間:2016年11月2日〜2016年11月4日(パピマミ調べ)こちらのアンケート結果では、実に45%もの方が「スマホを持たせたことを後悔している」と回答しています。そして約3割の方は「スマホではなく、従来型携帯電話(ガラケー)で十分だった」と回答しています。「子どもにスマホを持たせて良かった(満足している)」と回答している方は24%でした。●子どもはスマホを適切に使うのが難しい!?筆者の周辺でお子さんにスマホを持たせている保護者の方にご意見を伺いました。『中学1年生になるときにスマホを持たせました。最初は家庭のルールを作って守っていたけれど、だんだんいい加減になってしまい、親子げんかのタネになることがしばしばで頭が痛いです。今からなくせるものならなくしたい』(40代ママ)『中学2年生ですが、帰宅後も友達とのやり取りが途切れずに続いて、勉強にも集中できない。成績も下がったので、話し合いの結果テスト期間前には親が預かることにしました』(30代ママ)『子ども自身、最初は友達とのやり取りを楽しんでいたが、こまめに返信するのが面倒になったようです。返信しないと友達に怒られるようで、「ないほうが楽だね」と言い出しました』(40代ママ)『どうせ買うならとスマホを選びましたが、まだ自制心が育ちきっていないわが子には、機能が制限されている子ども用携帯電話の方が良かったと思う』(30代ママ)『中学2年の娘は、帰宅後はスマホに触らないルールを守っています。外での連絡用としては重宝しています。金額もかなり割引がきいたので、ガラケーよりも安いと思います』(40代ママ)携帯電話購入の際には、従来型携帯電話(ガラケー)よりもスマートフォンを購入した方が安い! という場合もあるようで、「どうせなら……」とスマホを購入することもあるようですね。----------いかがでしょうか?大人が思うよりも小学生・中学生はスマートフォンを適切に使うことが難しい場合が多いようです。「与えるんじゃなかった」と後悔する可能性もあるということを心に留めておき、冷静に判断するようにしたいですね!【参考リンク】・【アンケート結果】子どもにスマホを持たせて良かったですか? 後悔していますか?()●ライター/パピルス(フリーライター)
2016年12月06日中学生の息子、友達と遊びに行くのは良いことなんだけど…Upload By かなしろにゃんこ。息子が中学生だったときのことです。当時は、毎月3000円のお小遣いを渡していました。しかし中学2年生のころからゲームセンターやファーストフード店に友達と週1回程度行くようになると、友達はもっとお小遣いをもらっているようで、遊びに行くたび「小遣いを前借りさせてくれ」とお願いをしてくるようになりました。遊びに行くのも大切な社会勉強!Upload By かなしろにゃんこ。お金を渡さないと親の財布からお金やカードを盗ることもありました。これはたまらん!と思い、息子との話し合いの末、お金を「貸す」ことにしました。ただし、高校生になったらアルバイトをして返済するルールです。子どもにお金を借りさせるなんて…と思われるかもしれませんが、今まで人間関係でつまづいてきた息子にとって、人付き合いは大事な勉強の場で、社交代は必要だと考えたのです。でも、ただお金をあげて甘やかすのはイヤですし、そんなお金は我が家にはありません。遊んだ分はきちんと返済させ、「お金を借りるって苦しいこともあるんだ」ということもわかってもらえればいいかな?と思いました。高校生になり、アルバイトを始めた息子。お金を返し始めたと思いきや!Upload By かなしろにゃんこ。高校生になるとイヤイヤではありましたがアルバイトをはじめた息子。毎月少しづつ返済をするようになりました。でも中学生時代に借りた分が返済し終わるころ、またお金を借りに来るようになりました。高校生の遊びはカラオケにキャンプにと中学生の頃よりもお高くなるようで…高校3年生、未だに借金は0になりません(笑)。そろそろお母さんローンは返済だけの受付にしようかと考えています。
2016年12月06日子どもが通級や特別支援級に通うこと、周囲のみんなはどう思っているんだろう?出典 : 我が家の長男は現在小学5年生。自閉症スペクトラム、ADHD、学習障害の診断を受け、小1から通級指導教室に通っています。先日、私が入っている通級学級の親の会で、1人のお母さんからこんな話題が出ました。「子どもが通級に通うために学校を休むと、友達から『どうして昨日学校来なかったの?』『通級で何やってるの?』って聞かれるみたい。友達からの関心が辛いのか、本当は通級が大好きなのに、最近は行きたくないって言い出して…」実はこのような話は通級学級の親の会でよく聞きます。通級学級で自信をつけ成長していたお子さんが、「友達にからかわれるからもう行きたくない」とやめてしまうケースも少なくないようです。親自身も偏見を恐れて隠したりごまかしたり…。私自身も、そのような葛藤を抱えながら、この5年間を過ごしてきました。私たち家族がどんなふうに子どもの障害と向き合い、周囲に伝えてきたのか?上手くいった例とその背景にあった葛藤も含め、ご紹介したいと思います。通級とは、通級指導教室とも呼ばれ、通常の学級に在籍しながら比較的障害の程度が軽い子どもが、その子に合った個別の指導を受けられる学級です。主に各教科の学習や給食は通常級で受け、通級の時間だけ移動して指導を受けます。小1の秋、通級に通うことが決まった長男。友達からいじめられたりしない…?出典 : 長男が通級に通うことが決まったのは小1年生の秋頃からでした。通級に通わせることが不安だった私は、通い始める前に学校の先生へ相談しました。「これから毎週通級に通うことで、在籍級の友だちからいじめられたりからかわれたりしないでしょうか?本人にはどのように伝えたらいいのでしょうか?」先生はこの相談に対し、「お子さんに『通級に通うのは勉強ができないからだ』などと、マイナスのイメージを持たせるのはやめましょう。本人が、通級に通うことに前向きでいることが、1番大事なんですよ。周りの友だちにも、『僕はこんなところに通っているんだよ』と堂々と言えれば、意外と周りの子どもたちも『あーそうなんだ』で受け入れてしまうものなんです。実は、偏見や疎外感って周りの大人が生み出していることも多いんです。『そんなこと聞いたらかわいそうでしょ!』と変に隠したり曖昧にしたりすると、子どもたちは敏感に感じ取ります。ですから、この通級学級に入級してくる子どもたちには『あなたは選ばれてこのクラスに入りました。ここならきっとがんばっていろんなことができるようになります』とお話しているんですよ。おうちでも、ぜひそんなふうにお子さんに伝えてくださいね。」と仰いました。出典 : この先生の言葉は、今でも私を支えています。この話に心から感動した私は、「これから私がすべきことは、長男が今の自分に自信を持てるように環境を整えることだ」と、気持ちを改めました。その後、まずしたことは「あなたはとても頑張り屋なので、○○学級に行けることになりました」と書いた賞状を作って長男に渡したことです。小1でまだまだ素直だったからでしょうか、びっくりするぐらい大喜びして、「早く行きたい!」と楽しみにしていました。そして、在籍級の担任の先生とお会いして口裏合わせをお願いしました。長男が通級に通っていることを変に隠さないでほしいこと、そして長男は通級で頑張って勉強していることを、周りの子たちに伝えてほしい、と頼んだのです。幸い、他にも同じ通級に通っている子が学年に何名かいたので、子どもたちもすんなりと受け止められたのでしょう。友達に「明日遊べる?」と聞かれても「あ~○○学級に行く日なんだ~」「そっか~じゃあまた今度ね~」という会話が日常となるほど、本人も周囲も違和感なく受け入れてくれたのでした。通級に通うことをどう伝えるか?一番悩んだのがママ友だった出典 : そして次にしたことは、「近所のママたちに伝えること」です。正直、これが私にとっては1番気の重くなることでした。でも、毎朝一緒に登校している長男が、週に1度学校に行かないのは、すぐにわかってしまうことです。近所の親の憶測が子どもの耳に入り、長男がからかわれたり、変に気をつかわれたりするよりは、私の口からちゃんと説明をしよう…!そう決意しました。そのとき心がけたのは、「発達障害だから」という伝え方ではなく「どんなことに困っているのか」をわかりやすく伝えることでした。このため、発達障害や学習障害という言葉を使わずに「うちの子、斜視で手術してるから字を読んだり黒板を写して書いたりするのがすごく時間がかかって辛いみたい。だから少人数で子どものペースに合わせてくれる、通級学級の方が勉強しやすいかと思ってね。」と、具体的に説明をしてみました。おかげで、近所のお母さんたちも「そうなの、頑張ってね~」とすんなり理解してくれ、自分の子どもたちにもそのようにお話してくれたようです。4年生になった長男は授業中、ノートがとれず…彼の姿をみた友達の一言出典 : ですがその後、長男が4年生になる頃には、少しずつ授業に出遅れるようになりました。授業中ボーっとしていたり全然ノートをとっていなかったりする長男に、「ずるいぞ、ちゃんとやれよ!」などと周りの友達からキツイ言葉をかけられることが増えていきました。長男はさぼっている訳でなく、学習障害の特性の1つで読み書きが苦手だったのですが、周囲の友達にはサボっているように見えていたようです。友達からの誤解でだいぶ傷付いた長男を見て、周りの子どもたちにも、長男のことを理解してもらったらどうだろう…?と考えました。担任の先生と相談をし、長男が通級でいない日をねらった私は、読み聞かせボランティアに行き、クラスのみんなに話をさせてもらいました。・長男は目でものを見るとき、人よりも疲れやすいこと・みんなと同じように見えていないこと・だから授業を受けているだけでとても疲れ、みんなのように上手に書き写すことができないこと・それでも、頑張って授業を受けようとしているから、応援してほしいこと一つ一つ、具体的に説明していきました。具体的な説明をすることで、子どもたちに理解してもらえた出典 : みんながどんな風に話を受け止めるのか不安でしたが、どの子も真剣に話を聞いてくれていました。後日、クラスのお母さん数人から話を聞いたところ、「あいつがそんな風に大変なの、知らなかったよ。」と家で話していたそうです。子どもたちの誤解が解け、本当に嬉しかったです。ご家庭によって、長男のことを本当のところはどう思っているのか?私にはわかりません。でも、私たち親ができることは障害やできないことがあっても、胸を張って子どもたちを見守っていくことだと思います。偏見や批判はあっても、子どもには正直に伝えていきたいですね。
2016年12月05日小2から不登校の娘は現在中学2年生。漠然とした将来への不安に、つい出た言葉は…出典 : アスペルガー症候群の診断を受けている娘は小2から不登校になり、全く勉強しないまま中学2年生になりました。勉強することを頑なに拒否し、パソコンとゲームにのめり込む日々。それでも、何も考えていない訳ではなかったようで、小5の頃でしょうか…ある日、こんなことを呟いたのです。娘「私はブラック企業しか行くところがない…」それを聞いた私は答えました。私「高卒資格がないと就職は厳しいのが現実だよ」娘「働いてお金を稼げるようになりたいよ」私「ママの経験から、コンビニでバイトするのにも小学校卒業くらいの学力は必要だと思う。学校には行かなくても、高卒資格を取るにはいろいろな道があるから大丈夫よ」娘なりに、漠然とした将来への不安を感じていたようでした。その後中2になった娘は、「そろそろ勉強しようと思う」と言い出し、日記を書いたり九九を覚えたり、電子書籍として学習できる「デイジー教科書」を読んだりと、本当に勉強をし始めたのでした。そして、「高校へ行きたい。私は通信制高校で、あまり通わなくていいところに行きたい」と、現実的な希望を描き始めたのです。娘の変化に応えるように、紹介してもらった通信制高校。見学に行くと…出典 : そんな娘の様子を、中学の支援コーディネーターの先生に話したところ、「小学校からずっと不登校だった生徒が通っている学校があるんです。見学に行ってみませんか?」と誘われました。そして地元にある小さな塾のような学校に、担任の先生と見に行くことになったのです。そこはもともと本当に塾だったところで、今は通信制高校の技能連携校になっています。技能連携校というのは、通信制高校の分校のようなところで、通信制高校と技能連携校の両方に入学することで、技能連携校の方で卒業に必要な出席日数、レポート提出、試験をすべて済ませることができるそうです。私が見学したところはとてもアットホームな雰囲気で、小さな教室がいくつかあり、授業は昼から行われていました。制服もなく、生徒さんが好きなときに来て、自分のペースで学習している様子でした。出典 : 不登校だった生徒にも手厚く、1対1で小学校の勉強から教えてくれ、心配な必要出席日数も1年に6日なので安心したのを覚えています。学園長に詳しくお話を伺うと、自身のお子さんも不登校だったそうです。当時、手をあげて学校に無理に行かせようとしたらお子さんが家出し、探し回ったこと。父親である自分自身がいいお医者さんと出会い、それまでの考え方が180度変わったことなど、たくさんのエピソードを話して下さいました。学園長の話を聞いて、「ああ、ここだったら娘も安心して学べるな…」と手応えを感じ、自宅へ戻りました。通信制高校という新たな選択肢を前に、本音を話してくれた娘出典 : 家に帰って、娘が「どうだった?」と聞いてきたので、学校の様子と学園長の話を伝えました。すると娘はこう言ったのです。「そういうところだったら不登校の子も、毎日来ない子がいるのも最初からみんなわかってるやろ?だから『不登校』とか『あの子学校来ない』とかいろいろ言われなくて済むから良い。」「小学校はみんな行かなきゃいけないから来てる。だから行かないといろいろ言われる。だけど、その学校なら目的がはっきりした人が来るから、自分のペースで自分のやりたいようにできるからいいと思った」その言葉で、娘がどれだけ今まで傷ついてきたのかを思い知らされました。そして、学校という場所の本質を突いた言葉に、感心させられたのでした。親の会で知った、不登校児のさまざまな進路のかたち出典 : 娘の本音を聞いて、ふと親の会で聞いた話を思い出しました。不登校の親の会では、すでに義務教育が終わった子の親御さんが多いのですが、そこで高校進学後の話を聞くと、様々な道があることを知りました。以下は一例です。・親の希望で通信制高校に進学したけれど、スクーリングに通えずに休学中・5年遅れて高校に入学し、現在は大学に通っている・高校はやめたけれど、支援機関を通じて少しずつ働いている・自分でさっさと高校を決め、海外の大学を卒業した…通信制高校は、面接のみで入学できるところも多いので入学するのは簡単ですが、卒業するにはスクーリングができるかどうかがポイントだと感じました。学校やスクーリング会場に登校して、先生から直接指導を受けることをスクーリングといいます。通信制高校は「自学自習」が基本ですが、勉強する中でわからない部分が出てくることや、レポートをまとめようとしても、 どうしてもうまく書けないということもあるでしょう。そこで、そういった課題をスクーリングで先生と一緒に解決していくのです。子どもの進路、親はつい口出ししたくなるけれど…出典 : 本当はまだ家で休んでいたいけれど、どこにも所属しないのは不安だし、親の期待にも応えたい…という風に、自分の意思ではなく家族や世間の負い目を感じて進学した場合、つまづいてしまうことが多いようです。でも、自分の意志で立ち上がった子どもは、何年遅れても最後までやり遂げる傾向にあるようです。娘には、何年かかってもいいから、本当に自分がやりたいと思ったことを自分の意志で選んでほしいと思っています。中学を卒業したらすぐに高校に行かなくてはいけないわけではありません。これまで、自分のペースで歩いてきたのだから、これからも自分に納得できるよう、生きていってほしいな…と願っています。
2016年12月02日【ママからのご相談】小学6年生の子どもがいます。中学受験に向けて塾に通わせていますが、家では私が勉強を見ています。勉強を始めた時期がほかの家に比べて遅かったので、勉強時間は長く取るようにしています。しかし、勉強時間が相当長いのに、なかなか成果が出てきません。子どもは一生懸命に取り組んでいますが、このままだと受験に間に合わないし、折れてしまわないか心配です。●A. やみくもに学習するのをやめて、優先順位付けをご質問ありがとうございます。学習アドバイザーの佐々木恵と申します。一生懸命勉強しているのに成果が出ないと、お子さんはやる気を失ってしまう可能性が高くなりますし、質問者さん自身も不安やイライラが募ってしまい、ぶつかり合ってしまう危険性もありますね。ここで多くの方が、「もっと勉強時間を増やせば伸びるはず」と、さらに勉強時間を増やして、さらに疲弊してしまうという落とし穴にはまります。穴から抜け出すには、勉強時間を伸ばす以外の解決策 が必要になりますが、一体どうしたらいいのでしょうか?●やみくもに学んでも効果がない理由『パレートの法則 』をご存じでしょうか。『社会現象は平均的に分散しているのではなく、偏りがあり、主要な20%が全体の80%に影響を及ぼしている』というものです。勉強時間は長いのに成果がなかなか出てこない人は、やみくもに学び「すべての範囲を完璧にしなければ!」と考え、全てを均等に頭に入れようとします。すべての範囲をまんべんなく学ぶこともとても重要ですが、短時間で高得点を得ようと思うなら、重要な2割を重視して勉強する 必要があります。それで8割の得点を得られるのなら、理想的ですよね。特に、合否を判定する試験では、満点を目指す必要は全くありません。完璧を目指すというよりも、できるところを確実に解き、ほかの人ができるところを間違えずに着実にとり、プラスアルファで点数を積み上げていくことが求められるでしょう。このことからも、優先順位付けがいかに重要か、ご理解いただけると思います。●優先順位付けのコツは“過去問”にありまんべんなく学習するのではなく、重要なところだけを優先して学ぶ方が効率的ですが、問題はその方法ではないでしょうか。受験のプロではない親御さんには、どこが重要かそうでないかの判断は難しいでしょうし、そこまでのことは必要ないでしょう。そこで、活用したいのが、受験校の過去問 なのです。過去問には、重要事項が詰まっています。早い時期に過去問に触れておけば、受験校の傾向と対策を知ることができるので、受験校が何を重視しているかがわかるのです。過去問は直前まで取っておいて、実力試しにする方が多いですが、それではもったいないのです。過去問を有効活用することで、優先すべきポイントがわかるようになるのです。----------勉強時間が長いのに、うまく成果が出てこない人は、一度“まんべんなく”主義を捨てて 、過去問から傾向と対策を分析してみてはいかがでしょうか。本当に必要なところをしっかり学び、モノにすることで自信もつくはずです。ぜひ実践してみてください。【参考文献】・『勉強の技術 すべての努力を成果に変える科学的学習の極意』児玉光雄・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年11月27日親の会で偶然出会った大学の先生。その研究内容に興味津々!出典 : 読み書きが苦手なお子さんの場合、どんな学習方法やツールを選べばいいのか?悩む親御さんも多いと思います。今回は、お子さんの苦手に合わせてカスタマイズが可能な、パソコンやタブレット端末で利用できる図書の1つ「デイジー教科書」というものをご紹介したいと思います。以前、発達障害の親の会で「マルチメディアデイジー教科書」の研究をしている、大学の先生とお会いする機会がありました。私はこの研究に興味を持ち、勉強会に参加させていただくことに。これは、パソコンやタブレット端末で使う電子書籍の1つで、音声と文字と画像を同時に再生することができます。先生はこのシステムを利用し、教科書を読むことが苦手な子どもの、読んで理解する力を伸ばす研究を行っています。会場ではiPadに入れたものを体験したのですが、操作も簡単で直感的に使えるので、スマホなどに親しんでいる今の子どもたちには、とても使いやすいだろうな…と感じました。娘にも触らせると、説明書も読まずにどんどん使いこなしていましたよ。「すごい簡単」と言っていました。デイジー教科書でどんなことができるのでしょうか?その多機能ぶりがスゴいUpload By ヨーコマルチメディアデイジー教科書でどんなことができるのか、簡単にご紹介します。これは、パソコンやタブレットで教科書や一般図書を再生することのできるシステムです。その使いやすさの秘密は、①文字・音声・画像を同時に再生する②音声で読み上げる部分の文字がハイライトされる③読むスピードを変えることができる④文字の大きさ・文字色・背景色も細かく変えることができる⑤章・節へのジャンプも簡単などなど、1人ひとりの理解力に合わせ、再生方法がカスタマイズできる点にあります。娘は中1の英語と国語の教科書、1冊の絵本の英語版と日本語版を使っています。娘にディスレクシアはありませんが、小2から不登校なので、英語は読めません。しかしデイジー教科書なら、今どこを読んでいるのかハイライトで表示しながら、音声で流ちょうな発音の英語が流れてきます。また、普段聞きなれない難しい古文なども読みあげてくれるので、苦手意識を持つことなく、興味深そうに音声を聞いていました。読むことが苦手な子が使った場合、どんな効果が期待できるの?出典 : まず、読むことが苦手なお子さんには、以下のような困りごとがあるようです。・読むときの大半は、一字一字拾い読みになる・字を飛ばしたり、間違った読み方をする・読めても、内容が理解できない・授業がわからないから、学校に行きたくなくなる・紙の教科書が読めないだけで、自分は勉強ができないと思いこんでしまうデイジー教科書を使うことで、以下のような効果が期待できるそうです。・音読の困難さが軽減される・子どもが自分で、勝手読みに気をつけやすくなる・教科書に振り仮名を振るなどと言った、保護者の負担が軽減される・予習で使っていた場合、授業中につきっきりにならず、担任の負担が減る学校で使うことを認められなかった場合、自宅で活用しても出典 : 娘が籍を置いている中学校で、電子教科書の話をしたところ、先生方はその存在を知りませんでした。他の方の話を聞いていても「お宅のお子さんだけ特別扱いはできない」「教員に知識がないので」といった理由でタブレットの持ち込みを断られるケースもまだまだ多いようです。学校で使うことができれば1番いいのですが、無理なら家庭で使うだけでも大きな効果が期待できるようです。特にオススメしたいのは、授業の前に家で予習に使うことです。あらかじめ音声読み上げで内容を把握しておくことで、授業中の理解度が全く違ってくるのだそう。娘は不登校ですので、家庭学習のみに使っています。これまで、教科書を見るのも嫌がっていた娘ですが、「iPadに教科書がまとめて入っているから便利。だから勉強しやすい。」といっています。九九を覚えたり、日記を書いたりという取り組みと合わせ、週に3、4回勉強しています。利用は無料。実際に使ってみましょう出典 : マルチメディアデイジー教科書 申請方法1. 上部URLを開くと、「デイジー教科書申請フォーム」という赤いボタンがあるのでそれをクリックします。2. 申請フォームを開き、名前、メールアドレス、自分で決めたパスワードを打ち込んで登録すると、申請できる状態になります。(丁寧な説明がのっています)3. 申請理由は、「読み書きが困難なため」でOKです。保護者でも、使う本人でも申請できます。1度承認されたら、教科書の追加は簡単です。4. 申請が承認されると、約1週間以内にメールが届きます。それで手続きは終了です。ちなみに申請できる教科書は、現在の自分の学年とそれから下の学年の分です。たいていの教科書会社に対応しているので安心ですね。パソコンでデイジー教科書を使うためのソフトは、「デイジーポッド3」というものを使います。このソフトで教科書データのダウンロードから再生までできるようになっています。以下のURLからソフトをインストールしてみてください。 PC で使用する場合実際にダウンロードして操作してみました。デイジーポッド3をダウンロードして立ち上げると、申請の承認メールに書いてあるログイン名と自分で決めたパスワードを入力する画面になります。入力すると、こんな画面が出てきます。Upload By ヨーコまず、ダウンロードタブをクリックして、教科書を選んだところです。ページの左隣にチェックを入れ、ダウンロードボタンを押します。ダウンロードが終わったら、再生タブを押します。するとダウンロードした教科書の見出しが出るので、好きなところを選んで再生ボタンを押します。もちろんiPadでも同じような手順で使うことができます。iPadで利用したい方は、以下のURLをご参照ください。 / iPhone / iPod touchで使用する場合勉強嫌いでも、ツールを変えれば好きになるかも!?出典 : DAISYのホームページでは、わかりやすい動画も載っていますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。我が家では、マルチメディアデイジー教科書を取り入れたことによって、ちょっとした隙間時間に教科書を読むことが増えました。それがきっかけで、ノートとペンを使った学習にも抵抗がなくなってきたように思います。
2016年11月25日就職して3ヶ月後、自分が「発達障害かもしれない」と初めて知る出典 : 私は小学生のときに学習障害の診断を受けていました。しかし母は障害のことを私に伝えていませんでした。勉強するうえでの困難や友達関係は次第に改善されていったので、母をはじめとする周りの大人たちは、私の障害は「完治した」と思っていたようです。しかし私は会社で働き始めてから「自分が発達障害かもしれない」と気付くことになりました。学生時代、様々な困難はあったものの無事大学へ進学した私は、システム開発業の技術者を目指して勉強し、卒業後は望み通りシステムエンジニアとして就職しました。しかし、働き始めて2~3ヶ月後、早くも壁にぶつかりました。それまでの研修では特に問題無かったのですが、実際にシステムの開発作業を行い始めると、ほかの社員と関わることが多くなったためか、トラブルが多発しました。トラブルの内容は、・作業指示を他の人よりも詳細に話さないと理解できない・私の話の要点が分かりづらい・話の行間や雰囲気を察せず、上司の意図を誤解してしまうといった、コミュニケーションに関することでした。自分でもどうしたらいいのか分からず困っていると、上司から「発達障害ではないか?」と指摘されました。「発達障害」という障害の存在を知ったのは、この時が初めてでした。さらに母からも、私が過去に学習障害の診断を受けた経緯を聞き、自分のことについてもっと知る必要があると考えた私は、精神科医の元で発達障害の検査を受けることにしました。受け入れられなかった診断結果。「健常者」として生きることを選ぶ出典 : 発達障害の検査を受けることを、私はあまり深刻に考えていませんでした。なぜなら、母から「障害は完治している」と聞かされていたため、ちょっとした対処法で解決できると思っていたからです。しかし検査の結果を見て主治医が行った提案は、「今の仕事を辞めて障害者雇用で再就職する」というもの。私は大いに困惑しました。私は、「確かに仕事は上手く行ってないけれど、辞めるほどのことではないだろう」「上手く行っていないことを障害のせいにするのは、自分の苦手なことから逃げることだ」と考え、主治医の提案を受け入れられませんでした。また、家族に相談すると、「私に障害があるわけがない」と全員の見解が一致しました。こうした周囲の声もあり、私は主治医の診断を受け入れず「健常者」として生きることを選びました。そして、働いているうちに「自分が発達障害である」ことはすっかり忘れたのでした。解雇、そして再就職活動出典 : 自分が発達障害であることを忘れて仕事に励んだ日々の中では、成果を出せたときもありました。しかし、それよりも多くの失敗が続きました。会社は努力している私を見て、様子をみてくれていましたが、4年近く経っても問題である「仕事上のコミュニケーション」はうまくできないままでした。そしてついに、私の解雇が決定しました。解雇を宣告された時は、とても悲しかったのを覚えています。しかし、私はこれ以上頑張って挽回出来る見込みを自分でも感じられませんでした。また、解雇に無理やり抵抗して、会社にしがみ付いているだけの人生も嫌だと思い、解雇を受け入れました。再就職に向けた活動は難航しました。ハローワークで求人票などをチェックしましたが、「コミュニケーションに関する能力不足」が理由で解雇された私を雇ってくれる所なんてあるのかと途方に暮れ、全くと言っていいほど再就職活動は進みませんでした。私は次第に家にこもるようになりました。「このままだと精神を病む事になるだろうな」とぼんやり考えていました。人生に、絶望していました。迫りくる自分の無気力に対する不安。一か八か、わずかな希望に賭けるUpload By 穹峰蒼志引きこもり気味の日々を過ごしていたあるとき、私は1つの新聞記事を目にしました。それは、不登校で引きこもりだった少女が地球一周の船旅に出て前向きになるという内容でした。この記事を読んだ私は、家族の声が届かず、インターネットもつながらないような海の上で自分の人生を考えたいという思いと、私も長い旅を経て何かが変わるかもしれないという希望を持ちました。その船旅に出ることは私にとってやはり大博打でした。一応地球一周の船旅を企画しているツアーの中では格安ですが、それでも130万円以上の費用がかかります。貯金で払うことは可能でしたが、当時無職で再就職のあても全く無い私は、この旅で何かを得られなければただ散財するだけになってしまいます。しかし、「このままだと確実に気力を失って、死が待っている」と感じた私は一か八か賭けてみることにしたのです。世界中の人々との出会い、広がりゆく視野Upload By 穹峰蒼志Upload By 穹峰蒼志私はわずかな希望に賭けて、地球一周の船旅に出かけました。さて、地球一周の船旅と聞くと、リッチで高級、ゴージャスといったイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか?残念ながら私が参加した船旅は、それとはかなり程遠いものです。しかし、この船旅は私も含めてほとんどの方が退屈していませんでした。というのも、乗船者自身が船内でイベントを企画する「手作り感満載」な船旅だったからです。ゴージャスでこそないものの、娯楽を自分達で作り出す過程はとても楽しいものでした。私はこの旅で、幅広い世代と交流し、世界各国を巡り様々な人々と出逢いました。「失業中」という事実に、家族や友人達との間では私は気まずさや負い目を感じていましたが、船には似たような境遇の人もいます。社会とうまく関われない人間は私だけではないのだと知り、どこか安心できました。旅を通して、国や人種や宗教の違いを目の当たりにして、私は”人間には多様な生き方がある”ということを肌で感じました。私の視野は、確かに広がり始めていたのです。同性愛者の友達のカミングアウトを聞いて、人生が変わった出典 : 船旅の中で、ついに私の人生を180度変える出来事が起こりました。ある日、同性愛者や性同一性障害の方々が自分達の事をカミングアウトする船内イベントがありました。カミングアウトをした人たちの中には、私がよくお世話になっている方もいて、私は衝撃を受けたのです。「どうして同性愛者である事を告白したのですか?隠しておけば良さそうなのに、告白するのは怖くはなかったのですか?」と私はその人に聞いてみました。それに対する答えは、「同性愛者である自分を知って離れていく人がいても仕方がない」というものでした。その人は、同性愛も含めてありのままの自分を受け入れていたのです。この出来事がきっかけで、「私は私の全てを受け入れていただろうか?」と考え始めました。そして、過去に受けた発達障害の診断についてもう一度考え直しました。今までの私は、都合の良い自分しか見ようとせず、不都合な自分のことを無視していたと気付いたのです。発達障害の診断を受けた当初、診断を認めれば出来ない事や失敗した事を障害と紐付けて、逃げることになると思っていました。しかし、本当は自分の障害と向き合わないことこそが逃げることだったのです。こうしてようやく私は、自分の発達障害に目を逸らさずに向き合う決意をしたのです。障害があることを理由に、将来の可能性を狭めないで出典 : 以前、発達障害のお子様を持つ保護者の方から、以下の相談を受けたことがあります。「子どもが将来やりたいことを、親としては応援してあげたいと思いますが、やはり難しいのでしょうか?」私は障害の有無が問題では無いと思います。障害の無い人でも、やりたいことを実現できていない人もいます。重要なのはやりたいという気持ちと、何ができるかの把握だと思います。私は以前システムエンジニアになりたくて、休日も惜しんで勉強をしました。でも仕事で十分な成果を出すことはできませんでした。もし得意・不得意分野を把握し、それらが障害の特性からくるものだと分かっていれば、不得意なことへ必要以上に時間を割かず、成長しやすい得意分野を伸ばすなど、何かしらの対応ができたかもしれません。どうか障害がある事だけを理由に、将来の可能性を狭めないで下さい。できない理由や失敗した原因を安易に障害のせいにしていると、いずれ何もできなくなってしまうと思います。でも、自分の障害上の特性を理解すれば、活路を見出せるかもしれません。障害者雇用で働くことを決意した私ですが、その道のりにも様々な困難が伴いました。しかし、発達障害を受け入れた私にとってその困難は乗り越えられないものではなく、無事に再就職してから3年半が経ちました。次回は、発達障害を受け入れながら働くとはどういうことなのかを振り返ってみたいと思います。
2016年11月24日雑誌やママ友からの情報もこころ強いけれど、やっぱりスマホからいろいろな情報を得ているというママが多し。ママにとっても、スマートフォンは手放せない“育児アイテム”のひとつとなっています。でも、実際ママたちがどんなアプリを使っているのかはなかなか見えてこないもの。妊娠向けアプリっていろいろあるけれど、みんなどんなものを使っているの?今回は、マタニティーライフや育児が少しでもラクに、楽しくなるママ用アプリをご紹介。我が家のイクメンパパも使っていた、パパ用アプリや、ママにおすすめのスマホアイテムもご紹介します!妊娠中に使っていたのは…私が妊婦中に、使ってたアプリは「 にんぷメモベルメゾン」。出産予定日までのカウントダウンや、検診予定、エコー写真、体重、コメントなどを記入できるスケジュール手帳の様になっています。多くの妊娠アプリのなかから、このアプリに決めたのは、妊婦週数ごとの赤ちゃんやママの様子、赤ちゃんグッズを買いはじめるタイミングなど、いろいろなジャンルのアドバイスが載っている「ノウハウBOOK」があること。妊婦中に嬉しい情報がいろいろ載っていて、私はついつい先の赤ちゃんの様子など読んで勉強していました。次、もし妊娠の機会があったら、使ってみたいアプリは「 トツキトオカ」。赤ちゃんがとにかく可愛い♡赤ちゃんをタップするたびに、無邪気に話しかけてくれるゲーム感覚のアプリだそうですよ♡陣痛がきたときには!陣痛が来た時に使ってたアプリは、「 たまひよの胎動・陣痛カウンター」痛みだしたら画面をタップ、収まったらまたタップするだけで、陣痛の間隔が計れる優れもの。陣痛のときにいちいち時計とにらめっこして時間を計る手間がないので、進行状況を落ち着いてみることができるので良かったです。ただし、陣痛がピークの時は痛すぎて使えませんでした。病院に行く前、目安に使うのがおススメです。パパも一緒にアプリでお勉強!我が家のイクメンパパがみつけた、パパ向けおススメアプリ「 妊娠週刊パパ 〜出産や分娩のママの気持ちをお父さんに〜」。パパが知っておくべき知識を、面白い絵で分かりやすく解説。もちろんママにとっても有益な情報ばかり。パパ目線で、楽しくお勉強できます♪ママのスマホケースは、どんなものがベスト?スマホケースは、子供が触ってしまうことなどを考えて買うママも多いはず。衝撃吸収性がある、ということを第一に選ぶママも多いのでは?手帳型ケース、シリコンラバーのケース…など形や素材もいろいろですが、やっぱりママにはチェーン付きでポシェットタイプのものがおすすめ!公園などで子供と一緒に動かなければいけないとき、我が子の思い出をさっと写真におさめたいときなどにも、ぶら下げておけるポシェットタイプが一番便利。また、ベビーカーにスマホホルダーをつけているママもいて、それもとっても便利そう!と思いました。スマホで地図などを見ながらベビーカーを押すのは大変。きちんとしたホルダーに固定すれば、おでかけがもっとラクになるはずですね♪ママになると、スマホとの付き合い方も変わってくるはず。ママ用アプリやママ向けケースを準備して、楽しくマタニティ&子育てライフを送りましょう♪
2016年11月22日私が抱いていた不登校のイメージは、ネガティブなものだった出典 : 皆さんは「不登校」という言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。私はとても暗いイメージを持っていました。人の目を気にし、暗い部屋でじっと息を殺して暮らしているような、そんな勝手な想像を漠然と抱いていました。しかし実際に子どもたちが「不登校」になり、家で過ごす様子を見ていると、その言葉のイメージとのギャップに戸惑いを覚えるようになりました。不登校の様子は以下の記事をご参照ください。子どもたちの様子に「不登校」という言葉は似合わない学校や幼稚園に行かなくなってから、子どもたちはとてもよく笑うようになりました。毎朝必死で登校し、疲れ果てて帰宅していた頃には1度も見たことのなかった、のびやかな笑顔です。こんなに明るい「不登校」があったのか!と、自分でも驚いています。現在2万5千人ほどいると言われる小学生の不登校児。もちろん、その家族の数だけさまざまな過ごし方がありますので、私が抱いていたイメージのようなご家庭もあるのかも知れませんが・・・。実態を知らずに勝手なイメージを抱き、それを固定させるのは本当によくないな、と自分に言い聞かせています。とにかく、とても明るく家で過ごしている子どもたち。私たちは、学校や幼稚園に行かずに家で過ごすことをマイナスイメージの強い「不登校」ではなく、ポジティブなイメージの「ホームスクール」と呼ぶことにしました。不登校児童生徒数の推移(文部科学省)それでも娘の不安は尽きないようで…出典 : 小学3年生の娘が学校に行かなくなって初めの半月ほどは、何も言わずにやりたいことをやらせてみました。読書が好きな娘は1日中本を読み、人目が気にならない時間帯に庭で遊び、自由を満喫していました。学校へのストレスが原因でチック症状がたくさん出ていたので、自由に過ごすことで少しでもそれが軽減されればと思っていたのです。そうしているうちに、娘が自分から「お勉強をしなくてもいいのかな?」「お友だちはどんどん先へ進んでいるのに」と言うようになりました。それならばと、国語・算数・理科・社会・音楽・図工・体育の7教科を毎日30分ずつ時間を決め、勉強することにしました。これは、元来自由時間を過ごすことが苦手な娘には、とても良いやり方でした。「何をしてもいいよ!」と言われると、何をすればいいのか決められず、ただただぼんやりとした時間が過ぎていき、娘自身もそれに焦りを覚えていたからです。30分ごとに鳴るアラームに合わせて予定表を確認し、「よし!次は社会だからあの本を読んでみよう!」「あ、次は体育だからDVDを観ながらダンスをするね!」とくるくる動き回る娘は、本当に楽しそうでした。ルールに厳しいアスペルガーの娘。「ホームスクール」は特性への対応を学ぶいい機会に出典 : ある日、図工の時間に「絵の具で絵を描きたいけどいい?」と尋ねられました。私「もちろん!それがホームスクールの醍醐味だからね!」娘「でも、絵の具を使ったら30分で終わらないと思うんだけど・・・」私「それだったら、予定を変更してみてもいいんじゃない?やりたいことが見つかったら、思い切りやったらいいよ。ここは学校じゃないから、絶対にスケジュール通りに動かないといけないことなんてないんだよ。臨機応変にね!」娘「わかった!」娘はその後の予定を2つキャンセルし、たっぷり1時間半、画用紙に向かって絵の具で絵を描き続けました。こうして、たとえ予定を立てていても、やりたいことが見つかった時には少しずつ予定を変更しながら毎日を過ごせるようになりました。出典 : 「急な予定変更に弱い」「決めたルールは頑なに守る」という特性を持つアスペルガーの娘ですが、これを機に「まあいいか!」と割り切れる瞬間が少しずつ増えてきたように思います。今はまだ、自分で決めたスケジュールの変更を許せるようになった段階。これが少しずつ広がって、他人の都合でスケジュール変更が行われた時も、怒ったり泣いたりせずに「まあいいか!」で乗り切れるようになってくれればいいな…と思います。時間を自由に使えるのも、ホームスクールならではの良さ出典 : そうこうしているうちに、「今日は1日絵を描いて過ごしたい」「今日は1人になって読書に専念したい」「今日はずっとアイロンビーズをやりたい」と言うようになり、いつの間にか30分区切りのスケジュールを立てることはなくなってきました。学校に行かなくなってすぐは、学校のお友だちに遅れないように、学校の進捗に合わせて勉強しておかなくては!という意気込みが私にも娘にもあったように思います。でも最近は、せっかく思い切ってレールを踏み外したのだから、学校の進捗にこだわることはなく、思い切り好きなことに没頭するほうが人生が豊かになるんじゃないかな?と思うようになりました。ただしテレビやゲームといった、誰かが作ったものを一方的に受け止めるようなものに時間を費やすのはもったいないので、ゲームは1日30分、テレビも決まった時間に親と一緒に観るようにしています。今は芸術の秋・読書の秋ということで、1日中LaQで何かを作ったり、本を見ながらひたすら新しいおりがみに挑戦したり、アイロンビーズであらゆるモチーフを作ったり、テーマを決めて図書館で借りた本をたくさん読んだり、同じ映画を何十回も観たり・・・。そんな風にしながら毎日を過ごしています。勉強もしないと!という気持ちは、漢字検定に挑戦したり、算盤や学研などの習いごとに通うことで解消するようにしています。まだまだわが家のホームスクールは始まったばかり。これからどんな風に変化していくのか、私自身の楽しみでもあります。 (ラキュー)ルールから外れて1番不安なのは子どもたち。だからこそ、楽しい時間を大切にしたい出典 : 不登校になって、どのように過ごせば良いのかわからない、というお声をよく耳にします。わが家では「子どもの笑顔が引き出せることかどうか」を最優先に考えています。その時にやりたいことが見つからなければ、「こんなのがあるけどやってみる?」「こんなイベントがあるけど行ってみる?」と声をかけ、子どもが興味を持ったものだけを一緒にやってみるようにしています。そうすることで、少しずつではありますが、子どもたちの世界を広げていくことができるのではないかと思います。そして、親子が一緒に没頭できる何かを見つけることができれば、喜びを共有できる瞬間や会話が増え、子どもは「この家にいていいんだ」「学校に行かなくても楽しんでいいんだ」「お母さんは私の気持ちを分かってくれるんだ」という安心感に包まれて過ごすことができるようになるのではないでしょうか。子どもだけに合わせるのではなく、親も一緒に楽しめる何かを見付けることができるといいですね。
2016年11月15日【ママからのご相談】小学生の娘がリビングで勉強したがります。私が学生のころは自室で勉強していましたし、そのほうが集中できましたので、自室で集中して勉強したほうがいいと思うのですが、リビングでの方がはかどるようです。理由があれば教えてください。●A. 自室よりもリビングがはかどるのには理由がありますご質問ありがとうございます。学習コンサルタントの佐々木恵です。東大生の大半がリビングで学習していたという調査結果もあるように、賢い子ほどリビング学習をしているようです。とはいえ、親御さんがしてきた方法と違う方法で勉強しているのは、少々心配にもなりますよね。そこで本記事では、リビング学習がはかどる理由を心理学の観点から 解説します。●(1)音適度な音は集中力を高めます。意外かもしれませんが、人間は全く無音の場所ではかえって集中することができません。生活をしていれば多少の音が出るのは自然なことであり、音が全くないのは不自然な状態 で、かえって精神的に不安になり、落ち着かないのです。よく、音楽を流さないと勉強できない人がいますが、彼らはおそらく音楽中毒か、無音状態に耐えられないのでしょう。お母さんが料理をする音が癒しの音になっているのかもしれません。●(2)匂い匂いも脳を活性化する要因です。匂いがあったほうが記憶力が高まる という心理学の研究結果もあるほど、脳と嗅覚は密接につながっています。勉強中に食事のいい匂いがするのはリラックス効果もありますし、「夕飯までに宿題を終わらせてしまおう」と、食事に向けてモチベーションをあげる効果もありそうですね。●(3)観客効果一般的に、人に見られていると緊張してパフォーマンスが下がると言われていますが、人に見られていることで集中できるという効果も期待できます。これを『観客効果 』といいます。適度な緊張感が集中力を高めます。皆さんにもご経験がありませんか?本当は疲れてサボりたいけれど、あの人が見ているから頑張ろうと思ったことが。それが自分の上司だったらしっかりしなければと思うでしょうし、好きな人だったらいいところを見せようと思うのが人間の性なのではないでしょうか。お子さんにとっては、親が見ている前で勉強すると「勉強している」アピールになるので、「勉強しなさい!」と言われずに済むというメリットがあります。かくいう私は、小・中学生のころはリビング学習と自室学習を使い分けていました。夕食前はダイニングテーブルで教科書を広げて音読しながら勉強しているアピールを(笑)、夕食後は面白いテレビ番組の誘惑から逃れるために自室で勉強していました。きっと、お子さんは感覚的にリビング勉強のメリットを知っているのでしょう。加えて、お母さんがそばにいる環境だからこそ、安心して勉強ができる のだと思います。【参考文献】・『記憶力の脳科学』柿木隆介・著●ライター/佐々木恵(教育コンサルタント)
2016年11月13日【女性からのご相談】おかげさまでこのたび、彼氏からプロポーズされ結婚することになりました。これから新居探しです。式はお金もかかるから挙げるつもりはなかったのですが、親がやったほうがいいと言うので挙げることにしました。出費をおさえて新生活を始める方法はありますか?●A. “お祝い事”で気持ちが大きくなっても出費はおさえてこんにちは。婚活コンサルタントの菊乃です。ご結婚、おめでとうございます!今回は、ファイナンス関連のライターで自身も個人投資家であるたにやんさんにお話をお聞きしました。アメリカでは株や不動産に対する教育が日本より進んでおります。一方で日本人はお金の知識が乏しい。それなのに、何百万、何千万円という高額な買い物でも勉強しようとする方が少ない。そのため、「お祝いだから」「一生に一度だし」と気持ちが大きくなったときに感情のままに高額な買い物をしてしまいがち。●(1)結婚式のオプションプランを追加結婚式で参列者の記憶に残るのは料理です(私も同感)。それ以外のオプションのライスシャワーやドレスのアップグレードや讃美歌や生演奏等は、参列者はあまり覚えておりません 。もちろんやってもいいのですが、そこを「せっかくだから」と追加していくとどんどん金額が高くなります。結婚式場側の意見を鵜吞みにするのでなく、ゲスト目線でおもてなしをするという考えを持っていればメリハリのある結婚式ができると考えています。●(2)住宅ローンで新築マンションを買う勤務先や勤続年数によって異なりますが、住宅ローンは最高で年収の5倍まで借りることができます。ローンを組んで新築マンションを買う方は危険です。駅前で新築マンションのチラシを配っている人を見たことがありませんか?ポストに新築マンションのフルカラーのチラシが入っていることがありますよね。マンションが売れるようにチラシをまいたり、モデルルームでイベントを行ったり。このような広告宣伝費のコストがすべて新築マンションには上乗せされております。中古マンションより2割前後高くなるのはそのため。不動産屋も新婚には新築マンションを勧めがち。気持ちが大きくなって、40歳なのに30年ローンでマンションを買ってしまって老後の資金が不足する という事例はたくさんあります。●(3)相談する相手を間違えるお金のことを相談するときに相手を間違えるのが、お金の知識がない方の大きな特徴。間違った相手とは、・お金の知識がない友達や親・売り上げが欲しい不動産会社や結婚式場の担当者・お金を借りてほしい金融機関が開催するセミナー知識がない人、あるいはあなたにお金を落としてほしい人に相談しても、お金を少しでも多く支払うようにしか助言しないでしょう。相談相手として最適なのは、どこにも所属していないフリーのファイナンシャルプランナーですが、そのような知り合いがいない場合もまずは自分で調べたり勉強したりすることが大事でしょう。あなたの新婚生活にとって、何の優先順位が高いのか、それは専門家でも分からないのです。【取材協力/たにやん(個人投資家・投資系ライター)】・『上質を格安に! 100万円得する結婚式 21の項目別節約術』(Kindle)●ライター/菊乃(婚活・恋愛コンサルタント)
2016年11月10日小学生になると出される宿題。一体何のためにやるもの?出典 : みなさんは「宿題」と聞くとどんなイメージを抱きますか?嬉しいもの?イヤなもの?イヤだけどやらなくちゃいけない?我が家は長男の宿題に本当に悩まされました。嫌がる子どもに、無理に取り組ませる宿題。そのたびに子どもも親もヘトヘトになると、「一体何のためにここまでしなくてはいけないのだろう…」と思うことも。今回は1冊の本をご紹介しながら、子どもに合った家庭学習のありかたについて、考えてみたいと思います。現在小5の長男は、読み・書き・計算に困難さを持った「学習障害」と診断を受けています。それでも就学相談の時点では、IQが平均以上ということ、言語性が高くおしゃべりが達者だったことなどから、普通級への就学を勧められ入学しました。学校では、音読や漢字の書き取り練習、計算の宿題が毎日出されます。読み書きと計算が苦手な長男は宿題を前にするたび大泣きし、自分の頭を自分で叩きながら取り組んでいました。このように、私たち親子が学校生活の中で1番苦しんだのが、宿題だったのです。親の思い込みが、子どもを追い詰めていた出典 : このままではいけない…と思った私はその後、就学相談や担任の先生と相談をしたり、通級学級に入級したり、宿題の量を減らしてもらったりなどの対策を取りましたが、状況は一向に変わりませんでした。当時の私は、「宿題はみんなしなくてはいけないものなのだ。」と考えていました。担任の先生からも「量は減らしていいので、みんなと同じものをやってください。」と言われたこともあり、「みんなはもっとやってるんだよ、減らしてもらったのだからわがまま言わずにがんばりなさい!」と、大泣きする長男叱り、やらせていたのです。しかし、心の中ではずっと思っていました。音読や漢字の書き取り・計算は本当に彼にとって、毎日しなくてはならないものなのだろうか?もっと、彼に合ったやり方、彼に合った課題や目標でもいいんじゃないだろうか…?と。そんなとき出会った運命の本。私たち親子を救ったその内容とは…出典 : そんなとき、出会ったのが『宿題なんかこわくない』という本でした。『この世から宿題がなくなったら、親も子もどんなに楽しい時間を過ごせるだろう。宿題が引き起こす親子バトルの相談を受けるたびに思います。勉強が子どものストレスでなく、楽しいものにするために、我が子に合った方法をこの本から手に入れてください。』(NPO法人福祉広場理事長池添素さん)図書館で手に取った1冊の本。その裏表紙にあったこの一文に、理解者をやっと見つけたような救われた気持ちになりました。本に教わったのは「子どものための」学習のありかた出典 : 私はすがる思いでこの本を読み込みました。内容を一部ご紹介します。『宿題ができないからといって、その子が怠けているとは限りません。宿題ができないのには、理由があります。そして宿題ができなくても、勉強がまったくできないわけではありません。宿題のことを、そんなに重大に考えないでください。』『苦労して宿題をさせても、それに見合うほどの学習効果があるわけではないし、苦しいイメージばかりが増えて、子どもをますます勉強から遠ざけてしまうことさえあります。』では、なぜ先生は宿題を出すのでしょうか。『お母様方は先生に当然の要求のように「学力をつけてください」とお願いします。(中略)先生もまた「学校としての成績を上げよ」と教育委員会や校長から命令されて、さらに宿題を課していきます。その結果、親も先生も「宿題をやらなければならない」と子どもを追い込んでしまうのです。』本来なら、子どものために、子どもに合わせて用意されるべき家庭学習が、大人の都合で「宿題」として出されているのかもしれませんね。出典 : もしそうなら、子どもに合わせた形で用意してあげてもいいのではないでしょうか?この本では、学校でよく出されている漢字/計算/音読の宿題について、子どもたちが苦手意識を持つのはなぜか?を、丁寧に解説しています。そして、学習のやり方次第で、子どもたちが「できた!」という満足感を持ち、学習効果をあげることができる、ということも教えています。さらに、「学習障害的な傾向の子どもたち」「ADHD的な傾向の子どもたち」「自閉症スペクトラム障害の子どもたち」それぞれの特性に合わせた課題の設定の仕方、支援の方法も説明されています。『勉強をその子ができる形にしてやることで、子どもは自然に力を伸ばすことができます。また、時期がくれば自然と力を伸ばすこともあります。だから、子どもを勉強に合わせるのではなく、勉強を子どもに合わせてやればよいのです。小学校に入学し、気を張って1日を過ごして帰ってきた子どもに追い打ちをかけるのではなく、家に帰ったらほっこりさせてやりたい。だから、まずは「宿題なんかできなくても大丈夫」と考えてあげてほしいのです。』宿題への考え方を変え、長男に合った方法を試すことに。すると大きな変化が出典 : この本に勇気付けられた私は、宿題に対する考え方を変えました。そして、教育相談や検査機関の医師と相談を重ねた結果、長男に合う学習方法や環境を見つけることができたのです。その様子については、以下の記事をご参照下さい。その後、特別支援学級へ転学した長男は、彼のペースに合わせた学習を用意してもらい、自信をもって毎日取り組んでいるようです。宿題についても、担任の先生と相談をして「タブレット学習」「漢字の読みカード」「ビジョントレーニング」をさせてもらっています。始めるときも以前のように大泣きせず、「おやつの前にさっさとやっちゃうね~!」と、自分から取りかかるようになりました。当時は長男に無理をさせてしまいましたが、努力ではカバーしきれないことを無理にさせるのは、足が不自由な人に「みんなは100メートル走なのに、あなたは50メートルにしてもらったのだから、がんばってみんなと同じように走りなさい!」と言っているのと同じことなのだと、今は反省しています。「子どもを勉強に合わせるのではなく、勉強を子どもに合わせてやればよい」それがこれほどの効果をあげるとは、正直驚くほどです。もちろんそのためには「学校に全部おまかせ」ではなく、「先生とよく相談をする」「家庭で用意できることは用意する」といった、家庭での努力も必要です。学校では、大勢のそれぞれ個性の違った子どもたちをまとめながら、先生方は日々努力して下さっています。そのことに感謝をしながら、自分の子どもに合った学習方法や支援について相談・お願いをしていく姿勢が大切だと思います。親として大切にしたいのは、子どもの頑張りを理解すること出典 : 先日、私のブログでこの本の紹介をしたところ、あるお母さんからこんな嬉しいコメントを頂きました。「宿題なんかこわくない。今読んでます!息子の事をわかりたいと思っていても、やはりどこかで自分基準でしかわかってあげられてないなぁ~と、つくづく感じます。今日もなんやかんやありましたが、なんだかとても息子が愛おしい!息子はこんな風に生活してるんだ!と抱きしめてあげたい気持ちになりました。素敵な本を、紹介していただき、ありがとうございます!」子どもなりに頑張っていることに気が付くことで、愛おしさが募ってくることってありますよね。たくさんの親子が、毎日をストレスなく楽しく過ごせるように。この本が、その助けとなることを祈ります。
2016年11月07日4月からの就学先、親子の願い通り特別支援級に決定!でも周りの反応は…出典 : 我が家の娘は来年から小学生になります。就学先を決める就学相談の結果、「特別支援学級固定制が望ましい」との判定を受け取りました。娘はもともと、「人が少ないクラスがいい」と強く希望していました。私は娘の兄が過ごしていた通常学級を例に出しながら、・支援学級は、通常学級とは違った形の少人数のクラスだということ・支援学級でも、通常学級で一緒に過ごす機会などもあることなどを何度も聞かせ、意思の確認を行っていました。希望通りの結果になり、娘もホッとした様子でした。しかし私たちが喜んでいる一方で、特別支援学級へ就学になったことを周囲の人に伝えると、中には「え?!そうなの…(お気の毒に)」といった感じの反応をもらうことが何度かありました。どうも「特別支援学級に行く」ということは、「みんなと一緒では勉強についていけないかわいそうな子」というイメージでとらえられているようです。特に娘の場合は、「そんな風には見えないのにそれまた何で?」「やっていけそうなのに、どうしてわざわざそんな所に入れるの?」と疑問に思われているようでした。確かに一見すると問題なさそうに見える娘。でも本人に希望を聞いてみると出典 : 確かに娘は一見何の問題も「無さそうに見える」タイプかもしれません。発達検査の数字を見ると、大きな凸凹がありますが総合値は107と知的能力は平均的です。生活面も自分のことは自分でそれなりにできていますし、問題がないというよりむしろしっかりしているように見えます。たぶん、就学相談で私が特に何も言わなければ、通常学級への就学が決まっていたことでしょう。でも、そんな娘に、どんな学校に行きたいか聞いたときのことです。私「どんな学校がいい?」娘「人が少なくて、静かな学校がいい。」私「どうして人が少ないほうがいいの?」娘「だって、うるさいと疲れるでしょ?それに、お友達がいっぱいだったら困っても先生に言えない。」私「そうなんだねー。あと、先生が『〇〇してください。』って言ったときはどうかな?言われたとおりにできそう?」娘「んー。私は言われたことと違うことをしたり、何を言われたか分からなかったりするでしょ?いっぱい人がいたら教えてもらえなくて嫌だ。…ねえママ、いっぱいって何人くらい?幼稚園のクラスより多いの?」私「30人とか、35人とかかな?今のクラスより多いねぇ。」娘「人が少ないクラスは?」私「多くても多分8人くらいかな。」娘「8人!?そんなら絶対少ないクラスの方がいい!」迷いがなかったわけではない。それでも「娘を支援級に」と考えた理由出典 : 娘は、自分が大勢の中にいるとき、時には一対一でも指示が受け取りにくいことやうるさいのが苦手なことなど、自分がどんなことに困っているのかを幼いながらも自覚していたのです。私はそんな娘を頼もしく思いましたし、こうして一緒に確認することができたのは、私が支援級を希望する大きな動機にもなりました。私はそんな彼女が出来るだけ楽しく、心を壊すことなく通学できるということを最優先に考えました。そして娘が個性を持ったまま伸び伸びと成長するためには、通常級は厳しい環境になるというのが私の結論でした。娘は独特な感性を持っていると同時に、とても繊細な一面があります。ちょっとユニークな彼女が周りに溶け込めなかったとき、その自覚と感情などが言葉に繋がって、私に伝えられるようになったときはもう傷は相当深いものになることや、ちょっとしたことが二次障害に直結するだろうということは、私も主治医も予想するに難くありません。もちろん私も決して迷いがなかったわけではありません。「考えすぎかも」「過保護で心配性すぎかしら」と思ったこともありました。支援級だと送り迎えが必要だったり、自立活動などの時間が入るため勉強が遅れがちになるであろうことや、中学でも支援級だと内申がつかない可能性なども耳にします。それでも私が「娘を支援級に入れたい」と思ったのは、そこが娘にとって一番居心地のいい環境だと考えたからです。大切なのは、「子どもにとって」一番過ごしやすく、能力を最大限発揮できる環境を選択するということだと思います。子どもにとって過ごしやすい環境であれば、それだけトラブルや問題を回避することができ、親のストレスもそのぶん減らせるのではないでしょうか。支援級や支援学校に入ることは、本当に「かわいそうなこと」なのだろうか?出典 : おそらく私と同じように色々な心配をし、さまざまな葛藤や思いの中をグルグルと彷徨いながら、たくさんの考えを経て就学や進路を決めている保護者の方はたくさんいると思います。これだけの思いを経て出した選択なのに、「支援級」や「通級」「支援学校」などに通うことは本当に「かわいそうなこと」なのでしょうか?残念ながら、周囲の方々の中には「支援級」「通級」というものをご存じない方や、正しく理解していない方もまだまだ多数いらっしゃるかと思います。私も、私の親世代の方にはなかなかどういうものかを伝えることができず、最終的に「昔でいう障害児学級みたいなものだよ。」と説明したことがあります。でもそうすると「この子たちは『障害児』ではないでしょう?昔はこんな子いっぱいクラスにいたのに…」などとまた一から堂々巡りの説明に疲れてしまいました。他にも、その必要性を感じていながら我が子を支援学級や支援学校にへ入れることをためらい、家族の理解も得られず、ひとり我が子や学校と向き合い続けてる方もいらっしゃるでしょう。私のように周りの反応にモヤモヤしてしまったり、凹むこともあるかもしれません。ですが、それぞれに考え抜いて出した結論に、自信を持って良いと思うのです。私たちの結論や期待に十分沿えることができる教育環境であって欲しいのはもちろん、通級・支援級・支援学校に対する正しい理解や認識が広まり、子どもたちが、そしてその親たちが何の引っかかりもなく当たり前の選択としてそれらを選べる社会であってほしいと思います。
2016年11月06日「小学校受験」の世界…、経験のないママたちにとっては、なかなか知ることができません。「受験用の教室に通わないと合格できないの?」「とても高額な費用がかかるのでは?」、さらには「子どもにとってストレスなのでは?」という憶測を耳にすることもあります。実際に子どもの小学校受験を経験したママは、どんな感想を持っているのでしょうか。現在7歳の長男S君の小学校受験を経験したA子さんに聞きました。小学校受験はお金がかかる?私立幼稚園に通うS君は、幼稚園に入園後、小学校受験のための体操教室と塾に通っていたそうです。塾では工作を習ったり、ペーパーテストの勉強をしたり。教室も塾も、どこの学校の受験に強い(情報を持っている)といった傾向があるそうです。それにしても、お受験準備はお金がかかりそう。そっと、「毎月の出費はどれぐらいだったの?」と聞いてみました。「10万円はかかっていたと思います。夏期講習などの時期は、月20万円の出費もありました」。お受験教室では、こんなことが学べる!小学校受験のためのお教室通いと聞くと、「小さいうちから詰め込みで大変そう」という固定概念を持っている人も多そうですが、A子さんいわく、「息子は、教室が楽しくてたまらないという感じでしたよ。たとえば、『あ』がつくものの絵を描いてくるというような宿題が出るのですが、帰宅後すぐに取りかかるほど大好き。塾では、絵を描く楽しさを教えてもらったようで、今でも絵が得意です。友達に会えるのも楽しんでいましたし、ペーパー上のお勉強も、喜んで取り組んでいました。塾の先生も言っていましたが、子どもの脳は、本来学ぶことが大好き。『わかった!』という体験をすると喜ぶようになっているそうです。教室では、面接対策として、自己表現や発表の練習もあります」。小学校選びは、幼稚園年少からスタート!?さて、本格的な小学校受験の準備は、志望校を絞ることからスタートすると思うのですが、いつ頃から動けばいいのでしょうか。A子さんは、「息子が幼稚園年少から少しずつ説明会に参加しはじめ、年中で一番たくさん参加し、年長では、最終確認でしたね」とのこと。旦那さんをメインに、合計10校以上の説明会に参加したそうです。志望校選びは、子育てを考える好機「子どもが幼稚園の間に、夫婦で教育方針について、きちんと考えておいた方がいいと思います」というA子さん。まずは、小学校から始まる学校選び。家から近い公立校にするのか、または受験して、国立の付属校、あるいは私立校にするのかという選択肢があります。私立校であれば、中学や高校進学のタイミングで外部の学校を受験することを前提とする進学校にするのか、あるいは学内の基準を満たしている限り、内部進学でエスカレーター式に大学まで進める学校にするのかといった選択肢があります。もちろん、私立校は校風がさまざまですので、どの学校の教育方針がしっくりくるのか、学校説明会などで確認する必要があります。私立校を選ぶときは、ついつい無理をしがちになるようです。たとえば、遠方なのに「これぐらいなら通える」と思ってしまったり、子どもの学力や性格に合っていないのに、「ラッキーなら入れるかも」と思ってしまったり。でも、6年間通うのですから、無理をしているとあとで苦しむのは子どもです。A子さんも、「選考試験が自分の子どもに向いているかどうかは、入学してからも、その子の個性を認めてくれて、『いい子だ』と思ってもらえるかどうか。向いている学校に出会えればそれが一番幸せで、子どもの力を伸ばすことにもなると思うのです」。親が入れたい学校と、子どもに合う学校は違うこともあるので、とにかく無理は禁物ですね。受験を目指すママへのメッセージ先輩ママのA子さんから、受験を目指すママへのメッセージをいただきました。「子育て全般に言えることですが、『わが家にとってどうなのか』を見失わないことが一番大切かと思います。受験をすると決めたら、親が余裕をもった準備計画を立てること。ゆとりをもって、穏やかな気持ちで本番を迎えられるように、こつこつと準備を進めていってください。小学校受験は大変だったものの、懐かしく良い思い出になっています。受験準備を通して、家族の絆も深まりますし、子どもの今後の力にもなりますから、前向きに取り組んでくださいね」。小学校受験は、いつから準備して、出費がどれぐらいなのか、もちろん個々の家庭や住んでいる地域などによって事情は異なりますが、少なくとも首都圏では、本当に行きたい学校がある場合は、何らかの準備をすること、それなりの出費があることを覚悟した方がよさそうですね。「親が子どもに寄り添っていれば、子どもにとってプラスの経験になる」というA子さんの話は、とても参考になりました。<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年11月03日初めまして、この記事に目を留めて下さりありがとうございます。これを読まれている皆様は発達障害との縁が多少なりともある方だと思います。お子様への接し方が分からない。学校などの集団生活になじめない。他人と考え方・感じ方が異なるため誤解されやすい。抱えていらっしゃる悩みごとは様々だと思います。そこで発達障害当事者である私が、自分の障害とどのようにして付き合い、受け入れ、いまの仕事をしているかについて書かせていただきました。今回は、私の幼少期の学校生活についてです。「障害」を周りの大人たちが認識したのは小学生のとき出典 : 小学生のころ、私は自分自身に障害があることを認識しておりませんでした。私の異常を最初に気づいたのは周囲の大人達で、小学1年生のときでした。この時期になっても未だに私だけ読み書きができなかったためです。私は文字の形を認識することができず、平仮名が書けませんでした。ようやく書けるようになっても、文章を書くことはとても難しかったです。作文の宿題が出ると、机に向かって書こうとするのですが、2~3時間頑張ってやっと2~3行書けたぐらいでした。読解については、文字を1文字ずつしか読めず、意味も理解できませんでした。例えば「がっこう へ あるいて いく」なら「が、つ、こ、う、へ、あ、る、い、て、い、く」か「が、つこう、へある、いていく」としか読めず、単語の認識ができなかったようです。さらに算数も、数字の意味や計算の仕組みを理解する事ができませんでした。1+1すらできなかったそうです。自分の努力と適切な支援のおかげで、勉強ができるようになった出典 : 私の様子を担任の先生から指摘され、手を尽くして原因を調べた母は、「発達障害」の存在を知りました。当時はまだあまり知られていない障害でしたが、運よく発達障害を研究している機関を見つける事ができました。そこで私に下された診断は学習障害(LD)。でもこのとき私はまだ、自分に障害があるということをきちんと認識できていませんでした。研究機関に通って母と医師が何やら話しているものの、私は内容が自分に関することだとは思いもせず、退屈だったので同じ部屋内で遊んでいました。しかしこの診断があったことで、母は「根気よく繰り返し、できなくてもイライラせずに、できた事があれば必ず褒める」という教育方針のもとで私を勉強させてくれました。最初なかなか進歩は見られませんでしたが、学校の授業で漢字が出てきてから変化が見られました。例えば「つき」という平仮名だけだとその意味がわからなかったのですが、漢字の「月」は三日月の絵が崩れて漢字になったという成り立ちを見ながら教えてもらうことで、漢字の形と意味を理解できました。漢字を覚えたことがきっかけで、「文字を組み合わせて単語をつくる」ということもだんだんと理解できるようになり、これをきっかけに文章も徐々に読めるようになりました。作文はやはりかなり苦手で、宿題はいつも母が隣で手助けをする必要がありました。しかし、私が強く「書きたい」と思ったことについては、周囲が驚くほど筆が進んだそうです。算数については、数を数字以外のもので視覚化する事で分かるようになりました。例えば先ほどの1+1は、りんごを用意して実際に数える事で理解できました。ただし、文章問題は問題を読み解く必要があるため、できるようになるまでかなり時間がかかりました。このように私は、苦手なことを他の子どもたちとは違う方法で勉強することで、学習の遅れを補うことができました。いじめもあった。でも得意なことをがんばることで、周りに認めてもらえた出典 : 同級生達を始めとした人間関係ですが、小・中・高のどこでも入学してから数ヶ月の間よくいじめられていました。幸い私の周りには助けてくれる大人たちがたくさんおり、大事には至りませんでした。ただ、担任の先生は私の扱いに困っていたようで、よく怒られていたのを覚えています。でも私自身は何が問題で怒られているのかさっぱりわかりませんでした。何が原因だったのか、はっきりとした事は不明ですが、私は授業中に逃げ出して行方不明事件になる一歩手前まで大騒ぎになった事がありました。このように、後先考えず衝動的に行動するところが、恐らく周りから見て異質に見えたのではと思います。このように書くと「発達障害のある子どもは学校になじめないんだ」と思われるかもしれませんが、そんな事はありません。そして、私自身の得意分野が周りに認められたことも、同級生たちとの関係が良くなった一因でした。小学校3~4年生のころ、クラスメイトの誕生日カードを作る宿題がありました。私はこの宿題に夢中になり、夜中の12時頃まで絵を描き続けて、本来は作る必要のない表紙の絵まで描いたそうです。そのとき母は「学校の成績ではあまり重要ではないことに時間を割いて…」と思ったそうですが、夢中になって完成させたカードはクラスメイトの間で好評になり、同級生たちと仲良くなるきっかけになりました(ちなみに誕生カードを贈ったクラスメイトとは、特に親しい間柄ではありませんでした)。何かを作りだすと夢中になり、図工や美術の科目で良い評価を受けることは、その後もたくさんありました。こういった経緯で、周りから見た私は「変わり者だが、すごいやつ」という認識になっていき、次第に同級生たちから認められるようになっていきました。周囲には「障害は完治した」と思われた。でも自分の心の中には違和感があった出典 : 多くの支援と私自身の努力により、学校の成績や友達関係などの問題は解決していきました。これにより、先生も母も「学習障害は完治した」と思ったそうです。特に母は、障害に対する忌避感も重なって、私に「障害がある」とハッキリと伝えることはしませんでした。これでめでたしめでたし…のように見えて、実はそうではありませんでした。確かに目に見えて明らかな問題は解決しましたが、私は他人と打ち解けることが苦手で、周りとは何とも言えない壁を感じ続けていました。例えるなら私と他人の間には常にガラスの壁があり、わかり合えず、私の声は向こう側に届いていないようでした。この壁に、長い間私は1人で悩まされていました。「障害は完治した」という周囲の認識は、成人してからの私の生活にも大きな影響を与えることになります。障害を受け入れた今、保護者や学校に思うこと出典 : 障害があっても、今後も社会で生きていく以上、学校など何かしらの社会的な集団に所属しておく必要はあると思います。でも自我が確立していない幼少期に、所属している集団で自分の存在を認めてくれる人がいないと、本人が自分を認められず、社会で生きていくことは困難になってしまうかもしれません。ありのまま生きる姿を、「障害」としてではなく「個性」として接してくれる人がいれば、その子にしかない才能を発揮して力強く生きてくれるでしょう。私はいじめも経験しましたが、個性の一部として周囲の人に受け入れられていたため、自分を異常だなどと追い込んだり、できないことや失敗したことを障害のせいにすることはありませんでした。そこで、発達障害のお子さんを持つ親御さんへ、発達障害の当事者としてお願いがあります。どうか皆さんには、お子さんの最大の理解者になって欲しいと思います。良くいわれている事だとは思いますが、発達障害=悪いことではありません。だから、悔やむことも、恥じ入ることも、責められることも何一つありません。悪い方向に傾くのか良い方向に傾くのか、それはこれからの行動次第です。いじめや学習障害を乗り越えた私ですが、自分自身に障害があるとは認識しておらず、障害と向き合うことをしていませんでした。このことが将来に影響を及ぼすこととなります。次回は私が大人になってから仕事をするにあたり、ぶつかった困難についてお話します。
2016年11月02日【ママからのご相談】小学生男子の母親です。はやりのリビング勉強法を子どもにさせていますが、成績は伸び悩んでいます。むしろ、テレビはあるしおやつやジュースも欲しがるし、リビングでの勉強がはかどっていないように見えます。本当にリビングで勉強させるのって成績向上に効果があるのでしょうか?●A. リビングには「図鑑」「地図」「辞書」の3つを置くこんにちは。ライターのakiです。東大生の半数以上が子どものころリビングで勉強をしていたと言われているように、子どものリビングでの勉強は今や家庭学習の鉄板となっています。・子ども部屋と違ってゲームや漫画などがない・親の監視が行き届く・生活音を聞きながらの勉強は集中力強化に役立つなど、いろいろな利点があるからです。一方でご相談者様がおっしゃるように、リビングだとテレビが気になったりお菓子を欲しがったりと誘惑が多いのも事実。では、どうすればいいのでしょうか?それは、リビングをもっと子どもの興味のもてる空間、学習意欲をかきたてる“知的空間” に変えてしまえばいいのです。そしてそれは、ずばり「図鑑」「地球儀」「辞書」の3セットが目の届くところにあることなのです。●図鑑……理科が得意になる子が多い最近の図鑑はとてもレベルが高いです。パッと見てビジュアルがわかるだけではなく、同種類の比較なども詳細に書かれています。「植物」「動物」「人体」「天体」「恐竜」などなんでもいいのです。ただ眺めているだけでもかまいません。一度なんとなく眺めていたものは、頭の中に入っています。ゼロから勉強して知識を身に付けるのは大変ですが、一度頭に入っているものは覚えやすく かなりのアドバンテージになります。図鑑を読む子は理科が得意になる子が圧倒的に多いと言われています。また、子どものころ人体図鑑が好きで医者になったという人も多数いるそうです。そう考えると将来の研究者や発明家が生まれる可能性が大いに高まりそうです。●地図……子どもの視野を一気に広げる子どもが認識している世界はとても狭いものです。家から学校とその周辺。せいぜいそれぐらいが自分にとっての世界です。「日本ってどこ?」と聞かれても、世界のどこに日本があるのか、さらに日本のどこに自分が住んでいるのか分からなければ全くピンときません。世界にはどのような国や地域があるのか。自分が暮らしている環境と比べてどう違うかを見比べていくことは、客観的な知識 となります。視野が広がれば将来の展望や希望などもぐっと大きく広がるのです。●辞書……ネット検索よりも記憶に残りやすい最近では、わからないことがあってもネットで検索すればすぐにわかる便利な時代になっています。でも、すぐに解決できるものはすぐに頭から消えてしまう のです。しっかりと辞書で漢字や言葉の意味などを調べていくその過程こそが、記憶となり知識となるのです。辞書の見出しの中には派生語があったり類義語があったり漢字の書き順が載っていたり……。何重もの知識をじっくりと身につけることができるのです。●暗記だけでは対応できない新入試制度にも備えられる2020年から開始される新入試制度では、従来のペーパーテストではなく総合的な知識を問う教科融合型のテストに変わります。たとえば、ある資料(理科・社会)を読んでそれを図式(数学)と絡めて自分の意見を述べる(国語)というように、暗記だけでは太刀打ちできないもの に変わります。最近の中学入試でも、世界地図を見比べて文化や感想を述べさせるもの、都道府県の地図の一部を切りとって見解を述べさせるものなど幾層にも深い知識が問われるものになっています。そう考えると、まさに「図鑑」「地図」「辞書」に触れさせておくことで十分に新入試対策になりそうです。●まずは遊び感覚で親から誘ってみる最初は、「図鑑」も「地図」も「辞書」も子どもは関心がないかもしれません。その場合は、親が子どもの前で実際に使ってみたり、「一緒に見よう」と誘ってみたりするといいでしょう。勉強だと思わず、遊び感覚で「さっき公園で見た花の名前はなんだろう?」「あの魚はなんであんなに大きいの?」「福岡のおばあちゃんのお家はどこだろう?」「この字はなんて読むんだろう?」など。こうすることで、すぐに子どもは引き込まれていきます。また、リビングですぐ手に取れるように置いておく のもポイントです。調べたいときにさっと取り出せ、子どもが自分から取り出せるところでなければ意味がありません。私も実際に「図鑑」「地図」「辞書」をリビングに置いてみたところ、子どもたちは毎日のように「植物図鑑」と「宇宙図鑑」を眺めています。また、ロンドンに転校したお友達の国を地図で調べ、ロンドンについても調べるようになりました。リビングでテレビを見てゲームばかりしていたわが子からは信じられない進歩です。学びのチャンスは日常の中でいくらでもあるもの。リビングを勉強の場だけではなく知的好奇心を生み出す場にすると、お子さんの学習意欲も能力も変わってくると思います。ぜひ参考にしてみてください。【参考文献】・『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』小川大介・著●ライター/aki(中高英語教員)
2016年10月29日不登校の娘が中学へ進学。さて、何から準備すればいい?出典 : アスペルガー症候群の診断が出ている娘は、小2から不登校です。6年生の夏休みが終わり、もうじき卒業を考えなくては…と思った私は、早めに中学校へ見学に行こうと考えました。小学校の先生に「娘が小学生のうちに、中学を一緒に見学したい」と希望したところ、なぜかスクールカウンセラーと面談することになりました。9月になり、娘が通う予定の中学校に、まずは私だけで伺いました。ちなみにそこは私の母校でもあります。スクールカウンセラーの方はとても話しやすい雰囲気で、不登校の経緯、肌の過敏性のために制服は着られないかもしれないこと、本人に通学の意思はないけれど「1日だけ行ってみたい」と言っていること、私もそれで了承していることを話しました。娘が行く気になったときに、すぐ受け入れてもらえるよう、登校した場合の打ち合わせを、今度は保健教諭や生活指導の先生とすることに。カウンセラーの方の話によると、空いた教室を使って別室登校している生徒がいること、その子たちは休み時間を外して登下校しているとのことでした。不登校の子たちの様子やスクールカウンセラー室の様子がわかり、なかなか有意義な訪問となりました。いよいよ中学の校長先生と面談。これまでの経緯を伝えると、思いもよらぬ言葉が…!出典 : その後、卒業式を目前に控えた2月に、私1人で中学校の校長と面談をすることになりました。不登校の経緯、発達診断の結果、学校への要望をまとめた資料を持参して、以下のことを話しました。●小学校3年のときに支援学校に転籍したけども、それが決定的な心の傷になって学校へ完全に行かなくなったこと●勉強は全くしていないこと●心が辛いと身体症状が出ること●本人には通学する意思がなく、私もそれを認めていることすると、校長先生からこんな言葉を投げつけられました。「子どもはどんどん成長するからねぇ、刺激を与えないとこのままではだめだね。お母ちゃん、1人で考えてない?市の教育サポートセンター行ってる?勉強はさせてないの?まったく?そりゃあかんわ~。でもお母さん、学校に通わせる義務はあるんですよ。まぁ、子どもさんが無理なときはしょうがないですけどね。通信制っていいはるけど、そんな簡単に入れませんよ。学校への希望に、勉強や学校の話はしないでくれって書いてますけど、これは無理ですなぁ。小学生じゃないんだから、ちゃんと刺激も与えないといけませんし。甘いことは言ってられませんよ。小学校じゃないんですからね。本当は支援学級に入ってもらった方がいいんやけど。欠席連絡はね、担任と話し合ってください。担任が納得せんと、私らは何も言えませんから。」出典 : そして、最後に感覚過敏があって着られる服に限りがあることを話すと、「それはお母ちゃん、甘やかしすぎやわ。週に1回くらいは靴下と靴履かせてどこか通わせなぁ」こうして、校長先生のあまりにも一方的な言い方に、私はすっかり落ち込んでしまい、それから3日間寝込んでしまいました。その後、すがる思いで普段相談に乗ってもらっている親の会へ、校長先生との話を相談しに行ったのです。私が参加しているのは「登校拒否を克服する親の会」です。参加して4年ほどですが、ここには大阪府の組合に参加している教員、現役の先生なども参加し、親たちを支援してくれているのです。娘のことをよく知る教育相談のA先生に、中学校での話をするととても驚き、「これはひどい。僕も同席してまた一緒に話しに行こう」と言ってくれました。2度目の話し合い。すると、中学校側の態度に変化が出典 : 中学校の始業式の前日に、A先生についてきてもらい、中学校へ話し合いに行きました。前回、校長先生と話したのがよかったらしく、学年主任をはじめ、学年の先生全員が出席する中での話し合いとなりました。小学生のときから私が更新しながら作っている、「不登校の軌跡と娘の特性、学校へのお願い」という資料を回覧してもらいながら、資料の内容を口頭でも説明しました。この資料には時系列で以下の内容を書いています。【生育歴】・家庭環境(幼少期〜現在まで)・人生の大きな節目(離婚やいじめなど)、その時の娘の気持ちなど・娘の学校との関わり(小1~現在まで)【学校に把握しておいて欲しいこと、お願い】・発達障害の診断が出ていること、神経症で通院していること・欠席の連絡はしない(行くことがあれば連絡する)・学校からの連絡は月2回程度にしてほしい・子どもと会ったときには登校刺激をしないように・役員の仕事はできない(親も障害があること、コミュニケーションが苦手で繊細であること)出典 : この資料は、毎回説明するのが大変なので、娘が小学生の頃からずっと私が書き溜めていたものです。子どものことや家庭環境を1から説明し、理解してもらうことは、大変な労力が必要です。先生方は、口をはさむこともなく、時々質問を挟みつつも黙って真剣に私たちの話を聴いてくれました。校長先生と最初に話した時には、「単なる甘えでは?」という否定的な印象がありましたが、この資料と話し合いにより、少しだけ理解が深まっているようでした。学校の方針としては、私の希望通り娘のペースで、娘が会いたいときに担任やスクールカウンセラーなどに会ってみる、登校刺激、勉強刺激はしないということで、小学校と同じようなペースで過ごせそうでひと安心しました。A先生は、私が学校への希望を言い忘れていることを指摘したり、先生方に「お母さんとの間に誰か立つ必要があれば私がやりますし、みんなでこの子のことを考えていきたいと」言ってくれました。A先生のおかげで、落ち着いて話すことができて、本当によかったです。学校との連携は、1人で抱え込まないで。早めの相談でスムーズな入学準備を出典 : 我が家は母子家庭ですが、こうした学校との連携の際は、親の会の情報によると「学校は母親の話を割引いて聞くから、親の会の支援員や夫と一緒に話し合いの場を持つと良い」のだそうです。その理由は、「母親は子を思うあまり、感情的で大げさに話をする傾向がある」と思われているからだそう。また学校にもよると思いますが、話し合いの場では主に付き添いの人(夫や支援員)の方が、話が通りやすいそうです。中学進学については、主治医からもアドバイスをもらいました。「学校の先生は、学校に来てもらうことを前提に考えているので、娘さんの辛さがどこから来ているのか?丁寧に説明しないとわかってもらうのは難しいでしょう。学校から要望があれば、私が学校の先生と直接話します。」と言ってもらい、ホッとました。A先生は、小学校と中学校の引継ぎについても教えてくれました。以下は、私の住んでいる地域の場合の例です。●小学校と中学校の引き継ぎが行われるのは、小学校の卒業式の次の日●中3の担任がそのまま中1の担任になる●この場で、いわゆる問題のある児童などの報告も行われ、それを踏まえてクラスや担任を決める●正式なクラス分けは4月3日頃に決まる●この時期に小学校へ「中学校と話し合いの場を設けたい」と依頼すると学校側もタイミングが良いこれからこうした話し合いに行く親御さんは、覚えておくと役立つこともあるかと思います。最初にしっかり話し合っておくことが、トラブルを防ぎ、親と子の不安軽減にも大きく役立ちます。辛いこともあるかもしれませんが、しっかり準備して臨みたいものですね。
2016年10月28日【ママからのご相談】こんにちは!中学受験を控える小6女子の母です。子どもが幼稚園~低学年くらいまでは特に意識することなく、のほほんと暮らしてましたが、中学受験では保護者を交えた面接もあって、最近は自分自身の語彙力や知性の無さにうんざりしています。結婚前はお勤めも少ししていたのですが、学歴も自信も無いし、面接で娘以上にオドオドしてしまいそうで不安。知性なんて簡単に身につくものではないってわかってますけど、雰囲気だけでも賢そうに、落ち着いて見えるテクニックなんてありませんか(笑)?あまり勉強せずダラダラ生きてきたことが、こんな風に自分や家族の足を引っ張るとは思いもよりませんでした。ちなみに娘は私に似ず(主人似)成績優秀で、筆記試験の方はほぼ合格間違いなしと言われています。あああ~~~(泣)。●A. 気品高く、色気も失わず。これから知性派を目指すならお手本は壇蜜さん!こんにちは!ライターの月極姫です。娘さんの中学受験のサポート、お疲れ様です。学校によっては両親の学歴や面接時の受け答えが合否に関わるなど、なかなか厳しい現状があるようですね。さて、今回は知的な女性に自己変革したいということで、おそらくご相談者様と同年代であろう壇蜜さんをお手本にして考えてみたいと思います。いきなりハードルが高い!と思われるかもしれませんが、壇蜜さんだってもともとは普通に受験勉強に励む女の子だったのです。それがどのようにして、知性派セクシータレントになられたのか気になりませんか?では、ちょっと厳しめになるかもしれませんがビシビシまいります。●知的オーラの素その1:努力・禁欲壇蜜さんの奥深い知性の裏には、ひたむきに努力する姿勢と抑制の効いた生き方があるようです。有名女子大の英文科卒で、教員免許をはじめさまざまな資格を所持する勉強家。著書『エロスのお作法』の中でも、『ほどよく抑制された子ども時代が現在の自分を形作っている』と述べられています。堅実なご両親のもと、真面目に勉強に取り組む学生時代を送られたようですね。かといってご相談者様に、娘さんと同じ受験勉強は今さら必要ありません。しかし、どうかアレルギーを起こさずに聞いてください。“学ぶ努力・実践”なくして知的オーラは出てきません 。まず今からでも、読書をする習慣を身につけてください。興味関心を広く持ち、疑問を抱いたことは何でも調べてみましょう。ちょっとした隙間時間に、スマホをいじったりゲームをしたり漫然とテレビをみるだけではなく、学びたいことや打ち込めるものを探してください。また、過剰な自己顕示欲にも気を付けなければなりません 。日ごろの知的研鑽を「私こんなに頑張っているの!」とお友達にひけらかすのはやめてください。ストイックになりたくてもなれない人は多いもの。そのような自慢話は、誰も聞きたくありません。“他人が見ていない場面で、評価を求めずにどれほど学んでいるか ”。これが知的オーラの度合いを決めるといっても過言ではないのです。●知的オーラの素その2:色気・ギャップ砂糖の甘みが微量の塩で強調されるように、“色気”があってこそ知性が引き立ちます 。壇蜜さんに美貌や美しさが無かったら、世間はその裏に隠された知性に注目すらしなかったでしょう。例えばご相談者様の学生時代、勉強ばかりで恋や遊びとまったく無縁のクラスメイトが1人くらいいませんでしたか?失礼ながら、その子は「成績がいい」というイメージはあっても「知的」というイメージとはまた違ったのではないでしょうか?言葉は選ばなくてはなりませんが、色気カサカサの“ガリ勉”タイプに、多くの人は魅力や知性を感じない ものです 。ガリ勉は試験・受験を突破するスキルに優れていますが、世間慣れした感じがせず、視野が狭そうなイメージを与えてしまいます。人間は決して見た目で価値が決まるものではありませんが、「小ぎれいにしておいた方が皆が良い気分になる」「世間は美しいもの、セクシーなものに対して優しい」という真理をよく知った上で、自分の外面も磨いている人こそが「あ、頭いいな」という印象を与える ものです。「セクシーなのに頭が切れる」「かわいいけど賢い」。このギャップが重要です。まず「キレイ、かわいい」ありきで、その奥の意外性として知性が光っている状態を目指しましょう。●知的オーラの素その3:聞き上手雄弁を通り越して、無駄口が多くなっていませんか?人の話を聞くよりも、主張することに快感を覚えるようになってはいませんか?控えめなコミュニケーションスキルも、知的オーラを醸し出すための武器になります。知的な人は聞き上手 なのです 。壇蜜さんは夜のお仕事で接客業をされていたことがあるので、この点は一般的なママさんたちにとっては縁遠い世界かもしれませんが、人をよい気分にさせる会話術というのは「ただ引き立てるだけ、聞いてあげるだけ」というのとはまた少し違います 。ふと意見を求められたときに言葉につまるというのも困ったもので「頭からっぽ」な印象を与えてしまいます。日ごろから見聞を広げ、自分の確固たる考え方を持ってこそ、人の立場を理解し、落ち着いて傾聴し、自分の考えも的確に述べることができるのです。さらに女性らしさを保つためには、理屈だけで押し通すのではなく、自然な形で自分の感情も交えることも重要 です 。「私はあんまりそれ好きじゃないけど、なんとなくわかるわ」とか「体験したことないけど、そういうの興味あるな」とか、背伸びせずかつ柔軟さを感じさせる姿勢も「賢いな」という印象を与えるものです。●知的オーラの素その4:慎重さ壇蜜さんは意外に浮いた話が少ないことでもよく知られており、「1年間はお付き合いしてみないとわからないことが多いので、スピード婚は考えられない」という発言もしています。こうした控えめさ、慎重さも知性を裏付ける重要な要素 です。いくら美人で有能な女性でも「ハデでキレイで交際の噂が絶えない」となると単なる遊び人扱いとなり、高級感が失われてしまいます。たとえば既婚の方であれば、不倫行為が絶えなかったり、またそうした不倫の話をお友達にペラペラ自慢げに話したりするようではアウトです。男性にも女性にも丁重に扱ってもらえるようになるには、まず自分自身が自分を大切に扱うこと 。嫌な環境に身を置かない、良い意味で妥協しない。人間関係においては柔軟さも大切ですが、相手によって距離感を維持することも忘れてはなりません。誰にでも図々しくグイグイ迫っていったり、自分の心の扉を不用心に開けすぎるのも考えもの。どんな方とお付き合いしてもブレない部分、譲らなくてよい部分というのはありますよね。しっかりと芯を持ち、自分らしさを失わないよう慎重に行動しましょう。----------いかがでしたか?知性は一日にしてならずですが、今からでも遅くはありません。お子さんが大きくなるにつれて“お母さん”としての責務は少しずつ減っていきます。いずれ“空の巣症候群”になってしまわないためにも、自分自身の外見と内面を充実させて知的な毎日を送ってみてはいかがでしょうか?【参考文献】・『エロスのお作法』壇蜜・著●ライター/月極姫(フリーライター)●モデル/倉本麻貴(和くん)
2016年10月27日【ママからのご相談】小学校4年生の息子のことです。学校の宿題になかなか手を付けず、翌日に学校でテストがあるとわかっていても、勉強に身が入りません。「なんで一生懸命勉強しなきゃダメなの?」「テストでいい点をとりたいと思ってない」などと言って、ダラダラ過ごしている姿を見ると腹立たしいです。「勉強しないと将来困るよ」とか「学校で習ったことをしっかり覚えるためにテスト勉強が必要よ」などとさまざまな説明をしていますが、全く心に響かないようです。どうしたら息子をやる気にさせられるでしょうか?●A. ご褒美制度でモチベーションをアップさせるのも手!ご相談ありがとうございます、ママライターのパピルスです。「次のテストでは100点取りたいから頑張るね!」「大人になったら○○になりたいから、一生懸命勉強する!」というような、絵に描いたように素直なお子さんもいらっしゃるでしょう。けれど、「勉強するイミがわからない」とか「テストの点数なんてどうでもいい」などと投げやりな発言が飛び出して頭を抱える……というご家庭も多いのでは?わが家の高学年の息子もこうした発言が増えてきた気がします。低学年までは親や先生に言われた通り、素直に「やれと言われたことはやる」という態度だった子も、高学年以上になると簡単に従ってはくれなくなります。もともと、知的好奇心が高く、難しい問題に挑戦することが好きで、課題をクリアすることに楽しさを覚えるタイプのお子さんは別として、多くの子どもは「勉強よりも自分の好きなこと(遊びなど)を優先したい」という気持ちが強いものです。その気持ちを我慢して机に向かう“自己抑制”ができるかというと、なかなか難しいのが子どもです。「勉強しないと将来困る」「自分のために勉強は必要」「習ったことの定着のためにテスト勉強が大切」という“正論”で納得するお子さんもいれば、これらの正論が全く心に響かない(ように見える)お子さんもいるでしょう。後者のタイプのお子さんは、“遠い将来の話では危機感が持てない”、“将来の話ではイメージがしにくい”のではないでしょうか?大人と違って、子どもはまだ世の中を知らないのですから、「将来のことを想像しなさい」と言ってもなかなか難しいですよね。そういったタイプのお子さんには、「今頑張れば、近い将来に楽しみがある 」と思わせる方法が合っているのかもしれません。●ご褒美制度を活用してみましょう!遠い将来の見通しを述べても、心に響きにくい子どもには、“近い将来のご褒美制度 ”でモチベーションをアップさせるという方法はいかがでしょうか?「勉強することは当たり前のことなのに、ご褒美なんて邪道だ」というお考えの方もいらっしゃるとは思いますが、“目先の分かりやすいメリットにしか反応しない”というタイプの子どもや成長の時期があるとすれば、それも一つの方法として試してみるのも良いのではないでしょうか?東大、京大、早慶といった一流大学卒業者の中でも、突出したリーダーシップを発揮してグローバルに活躍する人材200人に幼少期や学生時代を振り返ってもらい、出た意見をまとめた本が、『一流の育て方ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』。この本によれば、「成績がいいとご褒美がもらえ、それが目的になって頑張る気になれた 」という回答が数多くあったそうです。最初はご褒美ほしさでやっていた勉強でも、一度「自分は勉強が得意だ」という自信を持つと、勉強が楽しくなってくるという変化が見られることもありますよね。また、精神科医であり教育評論家でもある和田秀樹氏は著書の中で、『何の努力もしない子を褒めても努力することを覚えないが、ご褒美を出すことで子どもは「努力をすれば認めてもらえる」という実感を得ることができるようになる』とおっしゃっています。勉強を頑張って結果を出す“成功体験”をしてみることで、自分自身への自信が芽生えるケースもあるそうです。----------いかがでしょうか?ご褒美の話をして子どもが「ようし、やってみよう!」と思ったのなら、余計なことは言わずに見守りましょう。せっかくモチベーションが上がったのに、いつものように口うるさくあれこれ言ったのでは、効果は半減です。そっと見守り、子どもが困って助けを求めてくれば助けるくらいに留めましょう。1回目のチャレンジで、もしご褒美を手にすることができなかったとしても、嫌味を言うのはNG。「また頑張ればいいよ 」と励ましてあげることをお忘れなく!【参考文献】・『一流の育て方ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』ムーギー・キム、ミセス・パンプキン(著)・『アドラー流「自分から勉強する子」の親の言葉』和田秀樹(著)●ライター/パピルス(フリーライター)
2016年10月25日なんでも自由に、自分の意思にまかせてくれた両親編集部:前回は、現在のお仕事である義足の研究開発に至るまでのエピソードや、MIT(マサチューセッツ工科大学)への留学を決めた理由などをお伺いしました。「留学費用をどうまかなうか」というご両親との話し合いが印象深かった、と…。遠藤:ええ、当時24歳でしたので、働いてもいい年齢でした。MITの学費は400万円くらい。その上アメリカでの生活費もかかる。どうしようかなと迷っていたら、「最初の一年はなんとかしてやるから、後は自分でなんとかしろ」と言って、背中を押してくれました。あの一言は忘れられないですね。結局はリサーチアシスタントとして学費と生活費ををもらえたので良かったのですが。編集部:高校生のころに「留学したい」と伝えた時は、目的が不明確で反対されたとおっしゃっていましたが、他にも、ご両親がこれまで遠藤さんの決断に反対されることはあったのでしょうか。遠藤:注意されたり、止められたりというのは無いです。どんな場面でも、無いですね。あれを伸ばせ、これを勉強しろというのも無かったです。自由にやらせてもらってましたね。編集部:そうなんですね、そんな「自由」な環境の中で熱中していたことはありますか。遠藤:ゲーム…ですかね?僕はまさにファミコン世代で、ゲームをひたすらやってました。 あ、ドラクエって、わかりますか?心配になってきた。編集部:大丈夫です。わかります(笑)。遠藤:僕の世代は人気絶頂期でしたから、新しいのが出たら数日間はつきっきりでやる、みたいな世界でした。編集部:新作はみんな並んで買ってましたよね。遠藤:そう、それで一週間後くらいにはクリアしちゃって、クラスの中での順位が決まる。僕は一番目にクリアしましたよ。…ドラクエ4だけでしたけど(笑)。編集部:一度クリアしたら、熱は冷めるものなんですか。遠藤:それが、クリアしても何度もやるんです。レベルをあげたり、違うルートを行ってみたり、はぐれメタルが仲間になるとか、クリアするために必要じゃない要素も全部やりきりたいタイプ。編集部:こだわりですね(笑)。遠藤:そう思います(笑)。親に「ほどほどにしなさいよ」と言われながらもやってましたね。もちろん学校はちゃんと行っていましたけど。夢中になってやる。「もっと知りたい」という気持ちにまっすぐに遠藤:あとはミニ四駆、あれはハマってましたね。編集部:ミニ四駆ですか?遠藤:そうです、既存のものを改造して、速く走れるようにして大会に出るんです。子どもが読む漫画雑誌の、「コロコロコミック」と「コミックボンボン」って人気のが2つあって。あ、「コロコロコミック」とか知ってます?編集部:はい、今のところついていけてます(笑)。遠藤:よかった。「コロコロコミック」には当時必ずミニ四駆の情報が入っていたんです。だからそれを読んでは改造し、読んでは改造し。相当やりましたよ。編集部:大会みたいなのもありましたよね。遠藤:そう!大会に出るためには標準パーツがあってそれを使わないといけないとか、穴を開けるにも何%までとかルールがあって。今は自由度がないと思うけど、当時はかっこいいのが作りたいと思って、一生懸命目指してましたよ。遠藤:ジャパンカップっていう大会にでたかったけど、僕の住んでいる沼津から小学生一人で行ける距離ではなかったので諦めました。でも沼津市内でお店の人が主催する会があって、それには優勝したことはあります。編集部:子どもの頃から興味関心に対してまっすぐだったんですね。どんどん深堀っていくというか。遠藤:そうかもしれないですねえ。編集部:逆に苦手なこともあるんですか。遠藤:うーん、勉強で困ったことは無いですけど、しいて言うなら音楽の授業はあまり好きじゃなかったです。「積極的に辞める」ことも多い。自分の目的が明確だから選べる。編集部:中高はバスケットボールに熱中していたとか。遠藤:そうですね、それも「背が高いからいいんじゃない」と言われたことがキッカケで。編集部:ざっくり(笑)。遠藤:実際やってみたらおもしろかったんですよね。バスケットって騙し合いなんですよ。足の速さやシュートの正確さを競うだけじゃなくて、試合の中で1:1で付かれたときに如何に抜くのか、それともシュートを打つのか。いくつかパターンかあって、色んな騙し方があります。それを考えるのも面白かった。編集部:面白い。バスケを騙し合いとして見たことがなかったです。遠藤:でも、うまくはならなかったですね。中学校のときはNBA(北米のプロリーグ)を目指していたけど、チームも強くなかったし、インターハイすら遠かったです。プロは目指していたけど、途中で積極的に目標を切り替えました。編集部:積極的に、ですか?遠藤:そうですね。部活レベルで留めることにしました。他にも積極的にやめてきた物事はけっこう多かったと思います。編集部:なるほど。前回のお話でも、「1番だと嬉しいけど、そうでなくてもまあいい」タイプだとおっしゃっていましたが、中高で熱中していたバスケも、スッと切り替えられたんですね。遠藤:そうですね。今もパラリンピックを盛り上げようという視点でみると、例えば為末(元陸上競技選手の為末大さん)は、SNSを使った情報発信や意思の発信が上手ですよね。僕もそれができたらすごくいいなと思うけど、できないと思う。だから僕は、SNSでの情報発信ではなくてモノを作る方向にコミットしてますし、そこに「なんで僕はできないんだろう…」という未練のようなものは、あまり無いです。編集部:なるほど。この流れで、遠藤さんの「出来ないこと」の話をもう少し。遠藤:あります、さきほど「勉強で困ったことはほとんどない」と言いましたけど、僕は生活能力が圧倒的に低い(笑)。編集部:生活能力ですか。研究と会社と、ご多忙の中でどう管理してらっしゃるのですか。遠藤:日本に帰国してから「スケジュール管理が苦手なんだ」と気づいて、そこからは自分1人でやらないようにしました。事務を担当してくださる方に頼ってますね。そうでないと大事なスケジュールも遅れたり忘れたりして、怒られるんです。時間の計算ができないんですかね…。編集部:意外な一面といいますか…。遠藤:あとはコミュニケーション能力が低い。初対面で、「感じよくしゃべる」ということが苦手です。「頑張ってもうまくいかない」ですね。だから交友関係も少ない方だと思っています。編集部:それは学生の頃からですか?遠藤:そうですねえ、部活や研究室の仲間とはもちろん話しますけど、クラス単位の活動とかは積極的ではなかったかも。ギラギラしている目立つ子たち、苦手で(笑)。編集部:勉強もスポーツもできて、クラスの中心的存在だったのかなと思ってました…!遠藤:いやいや全然です。でもだからといって、さっきの為末の話と同じですけど、すごい社交的な友人を見て落ち込むことも無かったんで、そんなに気にしていなかったですね。「出来なかったことに引きずられない考え」をお持ちの遠藤さん。次回は、「自分の熱量を何に傾けるべきか」ということをお伺いしたいと思います。株式会社 Xiborgソニーコンピュータサイエンス研究所プロフィール
2016年10月24日こんにちは、保育士でライターのyossyです。子どもはいつまでもかわいいものですが、ずっと幼いころと同じように親と一緒にいてくれるわけではありませんよね。実は、中学生以降は親と一緒に行動してくれる機会がぐっと減るケースが多いのです。思うように一緒に旅行をしたり、遊びに出かけたり、といったことができなくなることも……。「もっと子どもとの思い出を作っておけばよかった!」と後悔するかもしれません。なぜでしょうか?理由を見ていきましょう。●(1)部活動によっては、とにかく忙しい!中学に入学して子どもがハードな部活動を選ぶと、一緒に過ごせる時間がとても少なくなってしまいます。平日の朝練や放課後の練習に加えて、休日にも練習・遠征が頻繁にあることも。活動日程がギリギリにならないとわからないケースや、試合結果によって変わるケースも珍しくありません。そういう場合は旅行計画を立てるのにも制限が出てくる でしょう。もちろん、学校によっても違いますし、部活動やその年度の部内の雰囲気によっても大きく変わってくることがあります。入部してからでないとはっきりとした内情がわからないケースもありますので、注意したいところです。なお、部活動によっては部員同士で「トラブルを避けるために、賑やかな場所への出入り禁止」など、普段の行動を制限するケースもあるようです。公的な規則でなくても、本人たちは“絶対的な決まり事”としてとらえることも多いもの。そういった制限が存在する可能性があることも知っておきましょう。●(2)高校受験に向けて勉強が忙しくなる日本の高校への進学率は97%。ほとんどの子が高校受験をするため、部活だけではなく、勉強も忙しくなります。文部科学省の平成20年の調査によれば、中学生の通塾に関して「通ったことがあり、今も通っている」と答えた家庭は、下記の通りでした。・1年生……41.2%・2年生……47.3%・3年生……60.7%中学3年生になると6割以上の子が通塾している のですね。地域や学校によっても異なるかと思いますが、小学生に比べて通塾する子が増えるのは確かです。通塾するならば、長期休み期間中も講習やテスト、模試等の予定が入ることが増えるでしょう。そういったことも考慮に入れておきたいものです。●(3)思春期・反抗期が訪れる女子は10歳ごろ、男子は11歳ごろから思春期が訪れると言われています。また、第二反抗期(第一反抗期は2歳ごろの「イヤイヤ期」のこと)が訪れるのも中学生時代である子が多いです。子どもにとっては、身体的にも精神的にも驚くほどの変化があり、大きなストレスを抱える子もいます。場合によっては、親と会話することを嫌がるようになる ケースもあり、一緒に旅行に行けたとしても、純粋に楽しめなくなる場合もあるようです。●(4)友人同士で遊ぶことが増える中学生になると、「親といるより友人と一緒にいたい 」と思うようになる子も増えてきます。家にいても友人とのメール・電話のやり取りに夢中になる子もいるでしょうし、「休日も友人同士で遊びたい」と言うようになる子も出てくるでしょう。反抗期ではなくても、一緒に出掛ける機会が減る可能性はあります。----------小学生であっても、習い事をたくさんしている子や中学受験をする子の場合、「十分忙しい!」と思うかもしれません。しかし、「中学生の忙しさは想像を超えていた」と語るママも多いもの。忙しくても、中学校入学前に可能な限り子どもとの時間を確保しておいたほうがいいかもしれませんね。【参考リンク】・子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告 平成20年8月 | 文部科学省(PDF)()・高等学校教育 | 文部科学省()●ライター/yossy(フリーライター)●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
2016年10月22日制服はいらない。娘なりの中学校入学準備出典 : 前回は不登校の娘と迎えた、小学校の卒業エピソードをご紹介しました。(以下、関連記事参照)今回はその合間にあった、中学校入学準備のエピソードからご紹介したいと思います。2学期の終わりの家庭訪問で、娘は担任から「小6の2学期に中学の制服採寸会がある」と聞かされました。「どうする、制服いる?」と私が聞くと、「先生、私の行く中学の名前を教えて」といってパソコンで検索をし始めました。そして、制服の画像を出してきて「これやったらいらんわ」といったのです。そして私に「体操服もいらん。またそのとき考えよう」と言いました。おそらくどんなデザインであろうと制服はいらなかったのでしょう。感覚過敏の彼女は、制服どころか普通の服装もままならない状態。制服は無理だろうと私も思っていました。そして娘は、自分なりに中学校との距離の取り方を既に考えていました。「入学式は行かない」、「中学生の間に1回くらい行ってみたい」と通学する意思がないことははっきりと言っていました。だから「制服はいらない」といったのだと思います。正直、制服姿が見たかった私ですが、彼女にとって制服は重荷になるだけだと思ったので、もし「学校に行きたい」ということがあればその時に購入したらいいと考え、一切買わないことにしたのでした。小学校を留年したいと言う娘。その真意は…出典 : 小6の3月のことです。娘がふと「小学校と中学校はだいぶ違うの?」と聞いてきました。「そうやね、だいぶ違うね。」と答えると、「小学校を卒業するの不安。留年できたらいいのに。」と言ったのです。ああ、中学校という新しい環境に入るのがとても不安なんだなと改めて感じました。最初は本人も、「どうせ通わないんだから、今までと何も変わらない」と言っていたのです。しかしだんだんと不安になってきたらしく、「中学校の先生ってどんな人だろう」など中学校のことをいろいろ聞いてくるようになりました。そして、「私はまだ小学生をクリアしていない」と言ったのです。小学校の勉強ができていない状態で、中学校に進学するのはとても怖かったようで、小学校をクリアしないと、中学校に行ってはダメだと思っているようでした。「中学へは行かない」と言っていても、心は乱れ思い悩んでいたのだな、と気付かされました。入学式当日、親子で感じた中学進学への未練出典 : あらかじめ中学校には「入学式には出席しません。学校に通う意志もありません。」と私から言ってありましたので、入学式はのんびり家で過ごそうと思っていました。でも娘は朝から熱が出て苦しそうにしています。私も頭がガンガン痛くなり、頭では切り替えたつもりでいましたが、やっぱり親子して入学式を心から追いやるのは難しいな、と感じました。結局この日は、2人して1日中寝込んで終わったのでした。不登校児にとって、進学時期はどういう心理になるのか?出典 : 娘と共に小学校卒業、そして中学校の入学を経て、ふと思い出した話があります。これは、中学校の教員から教育相談の相談員になった先生に聞いた話です。小6や中3といった、進学を控えた学年になると、急に勉強を始めてみたり、3日くらい頑張って学校に行ってみる不登校の子が、増えるそうです。「次は中学だ」、「次は高校だ」ということを意識すると、子ども自身も学校に行っていないことを気にしますし、なんとか「自分はやれる」ということを証明したくて、いろいろチャレンジしてみるのですね。子どものなかでは「進学したい」という気持ちもあります。「小学校は行けなかったけど中学こそ」「中学は行けなかったけど高校には行きたい」…こういう気持ちがあるのも、子どもの心の中では本当のことなんです。だけど、「人並みに進学したい」という気持ちの裏には、「でも行きたくない」という本心が隠れていることが多いです。そして、心のエネルギーがついてこないので、何日かは無理に行ってみたものの、やっぱりダメだったと落ち込んでしまうことが多いそうです。親は子どもの表面的な言葉や行動を見て、「やっとやる気になったのね」と期待するので、また行かなくなった我が子を前に、傷口に塩を塗りこむように責め立てることも多いのだとか。娘も、小5の終わりくらいから「学校って楽しそう」「学校へ行ってみようかな」という言動が目立ちました。けれど、放課後ちょっと学校に顔を出しただけでもダメージはひどく、先生の家庭訪問に合わせるように睡眠リズムが乱れ、当日には必ず寝ている状態でした。私はこの話を思い出し、娘の行動や気持ちにこうした変化があっても無理をさせずに済み、良かったと思っています。進学は子どもも不安。小6、中3といった時期は気を付けて出典 : 不登校の子どもは、進学を控えるととても不安定になります。人並みに進学したいという気持ち、でも行きたくないという気持ち、親や周りの期待に応えたい気持ちで揺れ動いています。1番苦しんでいるのは子どもだということを忘れず、進学を区切りに無理に次のステップに押しやるような言動は、やめてあげたいものですね。子どもたちが本当に動きたくなったときは、どれだけ親が止めても動き出します。それまでは親も辛いですが、子どもを「信じて、任せて、待つ」という気持ちを忘れないでいたいものです。
2016年10月21日いじめられていないけれど、学校に行けない子どもたち…この子たちは「頑張っていない」だけ?出典 : 我が家の3人の子どもたちは、みんなそれぞれに不登校を経験しています。そのうち2人は、「学校に行きたくない」と口にはしませんでしたが、そのメッセージが体調不良として現れました。学校に行く前、身体が熱っぽくなり、頭痛を訴えます。それでも学校に行かせようとすると玄関先で嘔吐したり…でも、休む事が決まると熱も下がります。頭痛も治り元気になります。私も何度も子どもたちに問いかけました。「学校で嫌な事があったの?先生が嫌?いじめられた?勉強が嫌?」子どもが不登校になった時期はそれぞれ違いますが、3人ともこの質問に首を横に振りこう言いました。「嫌な事があった訳じゃない。いじめもない。勉強が嫌な訳じゃない。」この子たちは怠けているのでしょうか?頑張ってないのでしょうか?サボろうとしているのでしょうか?自分の気持ちをうまく言葉にできない子どもたちもいる出典 : いじめられているわけでも、学校で嫌なことがあるわけでもなく学校に行けない子どもたち。このような子どもたちは、子ども自身も自分の気持ちに気付いていないこともあるようです。自分の中に何となくある「違和感」を観察して言語化することが、とても苦手な子どももいます。学校での様子が一見大丈夫そうに見えても、普通に難なく過ごしているように見えていても、実は気を常に張り詰めていて、疲れを溜め込んでいるかもしれません。この子どもたちの疲労感は凄いものなのです。親や学校の先生からみると怠けているように見えるかもしれない子どもたちも、実はとても頑張ってるんです。子どもは必死になって、今の状況と戦っています。そんな子どもたちと接するとき、学校の先生にお願いしたいこと出典 : そんな子どもたちの担任になった学校の先生に、お願いしたいことがあります。子どもと学校とのやり取りを記入しする連絡帳についてです。家庭への連絡は、連絡帳ではなく、他のノートに記入するか電話にてお願いしたいです。なぜなら連絡帳は、子どもが目を通すこともあるからです。そこに親へのメッセージである「早寝早起きさせてください。」「頑張るよう励ましの声かけお願いします。」などを書いてしまうと、子どもに影響があることは目に見えています。また、クラスメイトからの「早く元気になって学校に来てね!」「ゆっくり休んでね。学校で待ってるよ。」という励ましの言葉を届けることで、不登校の子どもは逆に負担に感じることもあります。病気や怪我で学校に行けない場合の励ましは力になりますが、不登校の子どもの場合はそうとは限らないということを忘れないでほしいです。たとえば、家庭訪問で先生が子どもと面談できたときには、ぜひ子どもと会えた喜びを伝えてあげてください。会う度に「学校においで!」と言ってくれる先生もいますが、その言葉が子どもの負担になっていることもあります。我が家でも実際に、先生からの「お前、頑張れよ。みんな待ってるよ。しっかりしろよ。」「学校に少しでもいいからおいで。みんな待ってるよ。」という言葉に子どもは拒否反応を示していました。こういった言葉が、これまで頑張ってきた子ども自身を否定してしまうこともあるのです。さらに、こういった言葉かけによって子どもは「先生と会えば学校に連れていかれる!」と思い、会うことすら拒否をするようになりかねません。出典 : それから、先生方からよく言われたのは「お子さんの生活リズムを整えるように」ということでした。先生から実際に「生活リズムを整えないから学校に行けないのでは?」と言われたこともありますが、本当にそうでしょうか?そもそも生活リズムが崩れる原因が、「学校に行きたくない。学校で過ごすのは不安。」という気持ちです。そんな不安により子どもが不眠になったり、夜なかなか寝付けないことに繋がっていると思います。もちろん親である私も早寝早起きさせる事には気を付けてはいました。しかしそれと同時に、不登校になる前から夜に寝付けず辛そうな子どもの様子も目の当たりにしています。子どもがたまに学校に行けたときには、子どもと会うことができて良かったこと、学校で起きた出来事や、楽しかったことなどを伝えてあげてください。「家でどんな風に過ごしていたの?朝はちゃんと起きれた?ご飯は食べてる?」というように、家庭での過ごし方を質問攻めしてしまうと、子どもは家で過ごしていたことに罪悪感を感じるようになるかもしれません。「笑顔で見守る」という支援を大切にしてほしい出典 : 我が家では、学校に行けないことや、自分が人と違うことを受け入れられずに子ども自身が苦しんでいました。学校を休むことで、心身の健康を取り戻す休養になることもあります。その場合は、笑顔で見守るという支援をお願いしたいです。これまで関わってくれた先生の多くが「生徒のために何かしたい。」と支援を申し出てくださいました。でも、焦って無理に解決策を見つけていくよりも、「見守ってるよ!」という風にあたたかく見守ってほしいのです。そこから子どもは自分を認められたことで安心し、自然と前に向くようになっていきます。これは、家庭療養してきた子どもを観察してわかったことです。自宅では穏やかに過ごして元気を取り戻した後、そこからもう1度周りとの関わりを持つよう前を向くためには、スモールステップの関わりが必要です。言葉を発信する前に、まず子どもの心身の状態を考慮していただき、子どもやその親御さん達の想いに寄り添ってもらえますよう、切に願います。
2016年10月20日今回は、ソニーコンピュータサイエンス研究所の研究員として、そして株式会社Xiborg(サイボーグ)の代表として、義足の研究開発をされている遠藤謙さんにお話をお伺いします。ご自身が立ち上げたXiborg社の公式サイトには「すべての人に動く喜びを」と掲げ、「才能がない、障害を抱えている、高齢だからといって、この喜びが奪われる事はあってはならないと考えています。」とあります。社 公式サイト「人間の身体にはまだまだ隠された機能があります。それを引き出すことによって人間の生活スタイルは激変する可能性を秘めています。例えば、損なわれた機能を補うだけでなく拡張することができれば、障がい者、健常者、高齢者の身体機能の境界線がなくなり、身体能力の欠如に対するネガティブな考え方も変えることができるのです。私のゴールは、世の中から身体の障がいをなくすことです。」そう語る遠藤さん。一体どのような幼少期・学齢期を過ごしてきたのでしょうか。そのライフストーリーをお伺いしたいと思います。なぜ「義足」の道を進んだのか?編集部:遠藤さんがおっしゃる「世の中から身体の障がいをなくす」という言葉、とても共感しているんです。そのお話からまずは。遠藤:ありがとうございます。僕は人の身体にまだまだ可能性があると思っているんですよ。目の前の目標としては、義足の開発を通して障害を無くしたいと考えてます。2020年のとオリンピック・パラリンピックでは、障害の定義が「脚があるかないか」と関係なくなってくる。じゃあ、一体何が「障害」なんだろうとか、そういう議論が起こるだろうと。編集部:義足の開発は、その議論を起こすきっかけになりそうですか?遠藤:なると思います。具体的にいうと、今僕たちは陸上競技用の義足を作っているのですが、それはこれまでの義足のように「無い脚を埋める」だけの義足ではありません。脚のない人が、義足によって「より自分の能力を引き出せる」ことを目指して作っている。陸上選手で言えば、「義足の方がより早く走れるようになる可能性を秘めている」ということです。すると健常者のほうが障害者よりいいタイムが出るという、これまでの概念が崩れていくのではと考えています。編集部:すごい。遠藤さんは初めからそういう考え方で研究をされていたのでしょうか?それとも徐々にそういう志が生まれてきたのか。遠藤:もともとはロボットの研究をしていました。ASIMOが2000年に発表されて注目されて、これは面白いと思った。それまでロボットというといかにも機械っぽくてメカメカしかったのに対して、可愛らしい要素が取り入れられたところに興味があって。編集部:ご自身でも開発をされていたのでしょうか。遠藤:はい、最初に開発に関わったのがPINOというロボットでした。松井龍哉さんというデザイナーがデザインしたロボットで、宇多田ヒカルさんの「Can you keep a secret」のPVに出たので見たことがある方も多いかもしれません。編集部:みんなびっくりしましたよね。友達のような、ロボットとの距離感が新鮮だったのを覚えています。でも、そこから義足の研究に切り替えたのは何かきっかけがあったのでしょうか。遠藤:友達がガンになり、お見舞いにいったんです。その時僕の研究の話をしたら「ロボットで歩くんじゃなくて、自分で歩きたい 」と言われて、ハッとしたんですね。編集部:なるほど。遠藤:誰かの役に立つ技術開発をしたい、そう思いました。そこから色々なことがあって、マサチューセッツ工科大学(以後MITと表記)のヒューハー教授のことを知りました。出典 : 遠藤: 彼はもともとはロッククライマーなのですが、事故に遭い両足を失くしたんです。そのとき彼はロッククライミングを諦めるのではなく、自分で義足の設計をしようと勉強し始め、研究の後に教授になった人物です。編集部:またすごい人物ですね。遠藤: 彼に会いに行った時、「MITに来たらいい、受かったら教えて」と言われて、それで受験したら幸運にも合格したんです。ただ、入学後はこれまでの専門とは違う学問を学ぶので、それはもう猛勉強の日々でしたね(笑)。「できなかったらどうしよう」は考えない編集部:語学の壁、学問分野の壁、と困難続きだったと思いますが、辞めたいと思ったことは?遠藤:何回もありますよ。最初のうちは授業に全然ついていけなかったです。解決策は、「寝ないで頑張る」。2〜3年はそんな感じでした。遠藤:でも、1年中力を入れっぱなしというわけではなく、アメリカの場合、授業があるのは8ヵ月だけなので、その8ヶ月はとことん勉強して、残りの4ヵ月、夏休みなどはゆっくり過ごす。そして学期が始まったら、また集中して…、という過ごし方でした。期間を決めて、その間だけは先の事とか考えずに没頭するんです。編集部:でも先の事を考えずに没頭するって、意外と難しいことではありませんか。遠藤:うーん、僕の中に「できなかったらどうしよう」というのがあまり無いのかもしれません。編集部:あーーー、なるほど。だから今に集中できる。遠藤:一番になりたいけど、一番にならないと悔しくて死んでしまうってほど執着したことも、あまり無いんですよ。結果的に二番になってもいいと思っているのかも。知的好奇心が原動力。支えてくれた親の存在は…編集部:ただ、没頭したことを、さらに続けていくのって大変なことだと思うんです。遠藤さんを支えたものは何だったのでしょう。遠藤:知的好奇心。勉強しているのが単純に楽しかったんです。知的興奮を覚える、といいますか、勉強はもちろん大変だけど面白い。もっと知りたい、だから頑張っていられたんだと思います。編集部:とってもシンプルですね。知的好奇心。ちなみに、高校時代にも一度留学をしたいと、ご両親に相談したことがあると伺いましたが…。遠藤:あ、そうなんですよ。高校の同級生に帰国子女がいたことで英語に興味が湧いて。それでアメリカの大学に行きたいと両親に伝えたら、もう大反対でした。編集部:なぜでしょう。遠藤:留学したい理由を聞かれて「英語を身に着けたい、若いほうがいいと思うから」って答えたんです。そしたら「その語学を身につけて、何を勉強したいんだ」と聞き返されて、僕は何も答えられなかった。反対された時に、押し通すほどの理由や熱量が無かったんです。そんな状態で行っても意味がないなと自分でも思い、その時は行きませんでした。でも、大学を卒業してMITに行こうと思った時には明確な目的があった。だから受験をしたし、両親も応援してくれましたね。その時に「学費をどうまかなうか」という話をしたのがとても印象的で、今でもよく覚えています。編集部:そのお話、ぜひ伺いたいです。次回は、遠藤さんのご両親とのかかわりや幼少期の過ごし方についてお伺いします。株式会社 Xiborgソニーコンピュータサイエンス研究所 プロフィール
2016年10月17日不登校児にとって、卒業間近というのはどういう心境になるのか?出典 : 卒業式が近付いたとき、不登校の子どもたちはどのような心境なのでしょうか。卒業式は小学校最後のイベントです。多少無理してでも子どもを参加させ、思い出を残してやりたい、と考える親御さんもいるかもしれません。でも、ちょっと考えてみて欲しいのです。無理に思い出を作ろうとして、卒業式自体が嫌な思い出になるかもしれないからです。小2から不登校の娘は、小6の8月から原因不明の体調不良を訴えるようになりました。私が出勤する時間になると「ママ、今日はしんどくて不安だから行かないで」と言うのです。毎回休むわけにはいきませんでしたが、「これはひどい」と感じたときには仕事を休むこともありました。明らかに精神的な面から来ているのは分かりましたが、なぜだろうと考えてみました。そして気づいたのは、昔から嫌なことをやらないといけないとき、辛い気持ちを我慢してるときに体調を崩していたこと。そして、夏休み前に先生に「宿題が欲しい」と言ってちょっとだけやっていたことを思い出しました。そうしたことから、中学進学を意識し、勉強に不安を抱えているのではないかと思いました。それを裏付けたのが娘が言った言葉です。「小学校を卒業するの不安。留年できたらいいのに。私は小学生をやりきっていない。」「小学校6年の教科書は置いておいて」「漢字くらい書けないとあかんから、小2くらいのドリル出してほしい。あんまり難しいのは心折れるから置かないで」不登校で約4年間は、一切勉強や学校生活を送っていないのに、小学校を卒業しなければいけない不安、中学校という未知の場所に進学する不安でいっぱいになっていたのです。娘の気持ちをよそに、卒業式への参加を促す学校。私たちが出した決断は…出典 : 不安定な日々は続き、卒業式が迫った1月「卒業式には参加できませんか?」と学校から何度も言われるようになりました。学校側としてはみんなと参加して欲しいようでした。無理なら後ろの方で目立たないように参加するか、みんなの式が終わってから、校長室で1人きりで卒業証書を受け取るか、という選択を迫られました。まず私は、娘にどうしたいか聞きました。「卒業式には出たくない。学校に取りに行けるかはわからない。」という答え。そこで、先生には「式には出席しません。卒業証書を取りに行くかどうかは、当日の本人の意思と体調に任せます。」とはっきり伝えておきました。卒業アルバムの撮影で気づいた、娘なりの卒業との向き合い方出典 : また、卒業アルバムに載るかどうかも一緒に確認し、決めることに。娘は「載りたい。私もあの学校の生徒なんだから」というので、学校の配慮で誰にも会わない時間に行って撮影し、あとで合成することにしました。でもその日の朝、一生懸命支度をしていたのですが吐き気がひどく、座ってもいられない状態に。「今日はやめておこう」と言う私に、「でも、写真屋さん来てくれるし、教室押さえてくれてるし…。迷惑かけたくない。」とぐずる娘に「気にしなくて大丈夫だから」と説得して休ませました。その日の夜、娘は悔しそうに話してくれました。「嫌やったわけじゃない。将来色々なことがあるから、こんな経験もしとかなと思ってん。それに、写真に残りたかったし。だけど、身体があんなになって悔しい。」そして後日、担任の先生とカメラマンが自宅に来てくれて、撮影をすることにしました。感覚過敏のある娘は着られる服が限られていて、自宅ではいつも同じ服ばかり着ています。このため、娘のお気に入りはいつもボロボロ。さすがにそれでアルバムの撮影は難しいので、着用できる服の中から1番きれいなものを選びました。一張羅のTシャツに半ズボンという、いつも通りだけどおめかしした娘。打ち合わせのときに「娘はこの服装しか受け付けないのです」と説明すると、「何とかします」と言ってもらえました。カメラマンもこういうケースに慣れているらしく、自然体で撮影に臨んでくれたおかげで、娘の飛び切りの笑顔を引き出すことができました。写真を撮ったあと、先生にアルバムに載せる一言メッセージを書いてと言われて書いたものがこれです。Upload By ヨーコどんな気持ちでこの言葉を書いたのかと思うと、涙が出そうになりました。体裁を保つことを優先する先生に娘は…出典 : 2月になり、担任が原稿用紙を持って自宅を訪れました。卒業文集を娘に書かせるためです。「書くことない」という娘に「何でもいいから」という先生。原稿用紙半分に、一生懸命書かれた文章を見て、先生は「うーん、これじゃちょっと量が少ないからパソコンで好きなことを打ってくれる?先生が鉛筆で原稿用紙に書くから」と言ったのです。その瞬間、この言い方はひどいと私は思いました。見栄えが悪くても、少ない学校の思い出から、娘が一生懸命考えた文章です。この時点で、娘の表情には失望が見えました。それでも本当の気持ちを隠し、先生の提案に向き合おうとする娘。私としては納得がいきませんでしたが、本人の意思を尊重し、それ以上介入はしませんでした。その後、パソコンで打った文章にいろいろ注文を付けられ、原稿用紙を埋めた先生は、満足気に帰っていきました。娘のぐったりとした様子を見ていると、「娘なりに一生懸命、先生の要望に応えようとしていたんだな」と思いました。私たち親子にとって、1つの区切りとなった卒業式出典 : 前日まで、学校へ行くつもりで準備していた娘。しかし、当日はやはり腹痛を起こし、とても外出できる様子ではありませんでした。学校へは私1人で行くことにしました。到着すると校長室に通され、校長先生から「まぁ、お母ちゃんが代理ってことで、残念やけどな」と卒業証書を読み上げられ、手渡されました。私は歴代の担任の先生に集まってもらい、いつか思い出が欲しくなったときのためにと、記念写真を撮ってもらいました。そして、校長室で先生方にスピーチをさせてもらいました。「うちの子は学校に行かないまま、卒業を迎えました。学校に通っていた日数は少なく、今も同年代の子どもたちが苦手です。彼女はそれでも、この学校のことが好きでした。6年生のときには何度か学校を見に行きたい、と言っていましたが、体が拒否するので叶うことはありませんでした。中学には行きたくないと言っていますので、制服も買っていません。それでいいと私は思っています。どんな手段でもいい、何らかの方法で教養を身に付けることができたらいい、と私は考えます。先生方には家庭訪問などで、大変お世話になり、ありがとうございました。私は、学校へ行かないという辛い選択を貫き通した我が子のことを、誇りに思っています。どうか、また娘のような子が現れたら、そのときは宜しくお願いします。」真剣に聞き入る先生もいれば、無表情の先生もいました。私の言葉がどこまで届いたのかはわかりませんが、私も親としての6年間の思いに、区切りを付けることができたような気がしました。出典 : 荷物いっぱいで帰ってきた私を迎え、卒業証書は見ようともせず、でき上がった文集にも見向きもしなかった娘。意図しないものを無理に書かされ、愛着も持てないのでしょうが、卒業式を終え、お仕事終わりました、という感じでした。式の様子を聞きもしなかったのが、あの子の気持ちなんだと思いました。その日の夜、ちょっとしたごちそうをデパ地下で買ってきて、2人でささやかに卒業のお祝いをしたのでした。こうして娘は、無事卒業式の日を終えました。その後の様子を見ていると、つきものが落ちたようなスッキリとした表情をしていて、しんどかったのがちょっと解放された様子が窺えました。不登校児にとって、卒業式とはどんな日なのか?親としてできること出典 : ご家庭やお子さんの状況によって、不登校児の卒業のあり方には、いろいろな考え方があるかと思います。しかし卒業式は、本人の意思を確認して学校に伝えておくこと、決して無理強いはしないことが大切だと思います。なぜなら、無理に思い出作りをすることで、子どもたちが傷付くかもしれないからです。卒業したことを肯定的に受け入れられず、葛藤している子もいるかもしれません。学校に行かないという選択で1番苦しんだのは本人であり「通っていないのに卒業なんて」と自分を責めている場合もあるからです。「学校は行くべきもの」ということは不登校児本人が、1番痛感しています。それができず、苦渋の決断として「行かないという選択をした」子どもたち。そんな子どもには、「ここまで行かないという選択をし、よく頑張ったね。」と卒業したことを労ってあげてみてはいかがでしょうか。
2016年10月14日こんにちは、親子でADHD(注意欠陥・多動性障害)をやっています、ママライターの木村華子です。事の発端は今年の4月。年度始めの家庭訪問で担任から「療育センターで教育相談を受けてみては?」と勧められたのが始まりでした。それから今日に至るまで、検査や今後の支援・教育方法にまつわる相談を重ねています。そんなある日、ADHDの支援を受けようとする私たち親子のことを知った近所のママ友から声を掛けられました。要点をまとめると、それは以下のような意見です。・『療育センターを勧めるなんて、なんて失礼な担任だ!』・『私だったら、「うちの子の何を見て、そんなことを言うんですか!?」とキレると思う』・『木村さんちのお子さんは全然良い子!担任が間違っている。療育センターなんて行く必要はない』じつは、彼女のような意見は少数派ではありません。多くの親が、わが子の発達障害を受け入れられない心境に陥る といいます。今、この記事を読んでいただいている方の中にも、心あたりのある方がいらっしゃるかもしれませんね。しかし、実はその思考や姿勢が、子ども自身をさらに苦しめてしまうことをご存じでしょうか。今回は、発達障害を持つお子様のパパ・ママが現実を受け止めることの重要性についてお話しします。●「わが子に限って、そんなこと……!」親の姿勢が子どもを傷つけた悲劇3つ息子の教育相談を受ける中で、さまざまな方から両親の姿勢が子どもの支援を阻害してしまったというエピソードを耳にしました。以下に、「わが子に限って、そんなこと……!」と拒否してしまう心が招いた3つの悲劇を紹介します。●(1)療育センターを勧められたのが納得できなくて……!『知り合いの息子は療育センターを勧められたけど、ママは納得していなかった。学校から提出を求められた教育相談の申込書に子どもの能力についてのアンケートがあったが、“障がい者”になってしまうのが怖くて、本当はできないことも「できる」と回答。その結果、支援は不要だと判断され、息子には何の改善策も取られなかった 。支援も無く、能力に見合わない教育を受ける息子は学校の勉強からどんどん取り残されていった』(Sさん/30代・主婦からのエピソード)●(2)パパの理解が得られないため、家庭のムードが険悪に『同級生に、発達障害があるお子さんがいた。ママは比較的早くに娘の状況を飲み込んでいた。問題点を理解したうえで、受けられる支援や教育方法の改善を前向きに学んでいたようだけど……。パパがそうも行かなかったみたい。ママが「こういう支援があるみたいだから、考えてみよう」と提案しても、「そんなもの必要ない!あの子は普通!甘やかしたら、それこそ将来ろくでなしになるぞ!」などなど、理解ゼロな発言でママを罵倒していた らしい。ママ友と愚痴っているのをよく聞いた。お仕事の関係か、パパが家にいるのは平日の夜と休日。つまり、子どもがいる時間帯に言い争いをしていた様子。いつもニコニコとかわいい笑顔を浮かべていた同級生のお子さんも、次第に卑屈な性格に変わってしまった 』(Mさん/30代・主婦からのエピソード)●(3)通級指導教室へ通うことを、親子ぐるみで隠し通しているうちに『通常学級に在籍しながら、週1回の通級指導教室へ通うある親子のお話。決められた曜日に通常学級の授業を抜けて通級に行くため、他のクラスメイトから「どこへ行くの?」と聞かれることもあるようです。その子のママはわが子が通級へ行くことをできるだけ他言したくなかったため、「同級生には、毎週病院へ言っていると言いなさい 」と言い聞かせたそうです。お子さんもママの言いつけを守り、「病院へ行くんだ」と答えていたようなのですが、毎週ウソを重ねることがストレスになり 、次第に「ウソをつかなきゃイケナイことを、私はしているの?私は隠さなきゃイケナイ悪い子なの?」と、心が不安定な状態に。ママの考え方や言動が自己肯定感を引き下げてしまった出来事でした』(福岡県で通級教室の指導員を行う女性からのエピソード)●子どもの障がいを認めること、まわりに隠さないことの大切さわが子の発達障害を受け入れることや、周囲の人たちにそれを隠さないことには大きな勇気が必要です。私たち夫婦も、当初は「ちゃんとした大人になれるのか……これからどう育てていくべきか……」などと不安を抱きながら、何度も話し合いを重ねました。そんな大人たちの懸念を吹き飛ばしてくれたのは、息子本人です 。療育センターへ行くことに対し、お友達から「どこへ行ってるの?」と聞かれた彼は、臆することなく「僕って、大人のお話を集中して聞けないじゃん?それを直してくれるトコロがあるみたい!」と返していたのです。そしてまわりのお友達も、「へえ、そうなんだ!頑張ってね!」と送り出してくれていた様子。あっけらかんとした子どもたちのやりとりに、覚悟が足りていないのは大人の方だった ことを思い知らされました。息子はとっくの前から自分の不得意に悩み、受け入れ、そして改善させようと前を向いていたのです。わが子が“その気”になっているのに、大人が後ろを向いているわけにはいきません。一口に学習障害といっても症状や程度はさまざまで、ケースごとに抱く不安も異なるかと思います。とはいえ、極端にまとめれば、“できないこと・苦手なことに悩んでいる ”ということに変わりはありません。不得意なことができるようになるためには親がその事実を認めることと、周囲の方に隠さず伝えることで積極的にサポートを仰ぐことが重要なのではないでしょうか。●世間体は、お子さまの“できない”を受け入れることより大切でしょうか?私事ですが、このたびの“息子のADHD騒動”の最中(さなか)、母親である私自身のADHDも発覚しました。昔から物忘れが激しく、お勉強も決して得意ではなかったことには原因があったのです。そんな私ですが、発達“障害”を障害だと感じたことはありません 。特別忘れっぽい性格をしている私は成長の中で、「お、提出物だ。こういうの、私はすぐ忘れちゃうんだよね〜、だから今すぐ済ましちゃおう!」といった具合に、自分なりの対処法を編み出してきました 。発達障害の有無に限らず、すべての人間に得意・不得意があって、おそらく私のように自分なりの対処法を見出してきたはず。それぞれが持つ不得意やそれに応じた対処法は、それぞれがうまく生きていくためのノウハウです。決して特別なことではないと感じませんか?昨今注目度の高まっている発達障害児への支援については、要は私のような小学生に対して早い段階で“自分なりの対処法”を教えてあげるサポート なのだと思っています。「私が小学生のころにこんなサポートがあったらよかったのにな」と、正直わが子がうらやましい……。障がいと言ってしまえば、確かに聞こえは良くないかもしれません。しかし、「頑張ってるのに、まわりの友達と同じようにできない……」と不得意なことにわが子が苦しんでいることだけは確かです。小さな胸に芽生えたコンプレックスは、パパやママが気にする世間体よりも無価値でしょうか?優先すべきは、お子さまの“できない”に真っ向から立ち向かってあげること。親子で逆上がりや自転車の練習に励んだときと同じテンションで、お子さまの“できない”を受け入れてあげてみてはいかがでしょうか。●ライター/木村華子(ママライター)
2016年10月12日うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜