36歳で初めて子どもを授かった長谷川みはるさんは、妊娠6カ月目の妊婦健診で上の血圧が180を超えたことから、NICU(新生児集中治療管理室)のある大学病院へ緊急搬送。その後、緊急帝王切開で501gの赤ちゃん・すずを出産しました。保育器の中で懸命に生きる娘のために、みはるさん自身の体調も万全とはいえないながらも、母乳がよく出るようマッサージをしたり、片道約1時間かけて面会に行ったりする日々。娘のことも心配でしたが、みはるさんは母乳量が思うように増えないことが不安になります。母親として今できる数少ないことを奪われた気がしていたみはるさんでしたが、感じている不安をNICUの師長さんに親身に聞いてもらえたことで、少し心が軽くなります。退院後初の診察で、血圧が安定していると医師から告げられてホッとしたみはるさんでしたが……? 母乳が出なくなったらどうしよう… 血圧は安定してきたものの、母乳量は少し増えただけで依然として不安が残るみはるさん。少し前に、保健センターに母乳相談があることを友人に教えてもらっていたので、電話してみることにしました。 しかし、みはるさんの住む地域の保健センターには助産師さんがいなかったので、助産師会の無料電話相談を紹介してもらいました。電話相談では、助産師さんのやさしい声と寄り添いながら励ましてくれる言葉に、みはるさんは今まで堪えてきた気持ちがやっとラクになった気がしたのでした。 ◇ ◇ ◇ つらい気持ちを親身になって聞いてもらえると、それだけで心がラクになる気がしますよね。母乳量に限らず、妊娠・出産・育児について悩んでいる方は、保健センターや日本助産師会がおこなっている相談窓口の利用を考えてみてください。不安をひとりで抱え込んでいる方が少しでも救われるよう、窓口は開かれています。こんなこと誰かに話していいかな? 誰に相談すればいいのかな?と悩み過ぎず、その扉をたたいてみてくださいね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 >>次の話 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター いもやまようみん
2024年05月08日36歳で初めて子どもを授かった長谷川みはるさんは、妊娠6カ月目の妊婦健診で上の血圧が180を超えたことから、NICU(新生児集中治療管理室)のある大学病院へ緊急搬送。その後、緊急帝王切開で501gの赤ちゃん・すずを出産しました。産後、体調は万全とは言えないながらも、保育器の中で懸命に生きる娘のために、母乳がよく出るようマッサージをしたり、退院後は片道約1時間かけて面会に行ったりする日々を送るみはるさん。娘のことも心配でしたが、みはるさんは母乳量が思うように増えないことが不安の種になり始めます。この日も娘のために搾乳をするみはるさん。毎日3時間おきに搾乳しますが、その母乳量に対して不安と焦りが増すばかりで……? 娘にしてあげられる、数少ないことなのに…※「はるえ」⇒「みはる」 母乳量に不安を抱いたみはるさんは、家に来ていた母親に不安を打ち明けます。すると、自分もそんなに母乳が出なかったこと、そのうち出なくなることを笑いながら話しました。深い意味はないとわかってはいるものの、これはみはるさんには突き刺さる言葉で、落ち込んでしまったのでした。 母乳量を増やすためにいろいろと試してみたものの、変化は表れません。そこで、娘の面会に訪れた病院で、みはるさんは思い切って看護師さんに相談してみることに。すると助産師でもある師長さんが、不安な気持ちを理解してくれて、マッサージやアドバイスをしてくれます。このことで、少し心が軽くなったみはるさんは、再び頑張ってみようと思えたのでした。 ◇ ◇ ◇ 母の何気ない言葉に深く傷ついてしまったみはるさんでしたが、看護師さんたちの温かい対応で前向きな気持ちになれたようで、本当によかったです。みなさんの中にも、妊娠中や育児中にネットで心配ごとについてたくさん検索した、という人も多いのではないでしょうか?今回のみはるさんのように、看護師さんや医師に相談することも大切ですので、何か心配なことがあれば遠慮せずに打ち明けてみてくださいね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 >>次の話 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター いもやまようみん
2024年05月07日36歳で初めて子どもを授かった長谷川みはるさんは、妊娠6カ月目の妊婦健診で上の血圧が180を超えたことから、NICU(新生児集中治療管理室)のある大学病院へ緊急搬送。その後、緊急帝王切開で501gの赤ちゃん・すずを出産しました。お見舞いに訪れた義母と母も娘をかわいく思ってくれているようで、みはるさんは小さな娘にみんなの愛情が注がれていることをうれしく感じます。娘へ愛のある言葉をかけてくれた義母と母を見送り、みはるさんは午後のマッサージに挑みます。 赤ちゃんも自分も心配事だらけだ… 看護師さんと30分かけてマッサージをしますが、得られた母乳はほんの数滴。娘には細い綿棒に含ませて口元へ差し出して与えます。わずかながらも娘の口が動く様子を見て、みはるさんはより頑張ろうと思えたのでした。 しかし、みはるさんの上の血圧のは140まで上がり、首の痛みもある状態に。搾乳や娘への面会も、痛みに耐えながら行いました。数日後、みはるさんのほうが先に退院。数日に1回のペースで片道約1時間かけて、娘の面会に通います。このときみはるさんは産後10日を過ぎていましたが、5mlからほとんど増えない搾乳量に不安を感じるようになったのでした。 ◇ ◇ ◇ 妊娠・出産・育児はどれも個人差だらけで、経験者であっても不安が多いもの。ましてや待望の第1子とあれば、なおさら不安に思ってしまいますよね。皆さんの中にも、産後に不安を感じていた方は少なくないのではないでしょうか?心配事があればささいなことでも遠慮せず、担当医師や看護師さん、助産師さんへ相談してみてくださいね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 >>次の話 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター いもやまようみん
2024年05月06日36歳で初めて子どもを授かった長谷川みはるさんは、妊娠6カ月目の妊婦健診で上の血圧が180を超えたことから、NICU(新生児集中治療管理室)のある大学病院へ緊急搬送となりました。その後、緊急帝王切開で501gの赤ちゃんを出産したみはるさん。今後赤ちゃんにさまざまな症状が現れる可能性もありますが、保育器の中で懸命に生きる姿に、みはるさん夫婦は一緒に乗り越えることを心に誓います。子どもの可能性ある未来が長く続くようにと願いながら、2人は赤ちゃんに「すず」と名付けました。翌日、出生届けを出すために病室を訪れた夫は……? みんなが応援しているよ!※NICU…「Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療管理室」早産児や低出生体重児などハイリスクな赤ちゃんの治療やケアをする集中治療室 はじめは車椅子移動だったみはるさんも、体力が回復してきてNICUまで歩いて行けるように。また、母乳が出るように、看護師さんとマッサージを頑張ります。お見舞いに2人で訪れた義母と母も、小さい娘のことをかわいく思ってくれているようで、みはるさんは娘にみんなの声が届いている気がしてうれしく感じたのでした。 ◇ ◇ ◇ 小さいながらも懸命に生きるすずちゃん。 どんな形で生まれても、ママやパパにとってはもちろん、祖母にあたる母や義母にとっても、頑張って生まれてきてくれた赤ちゃんはかわいくて仕方ないものなのでしょうね。前途多難な道ではありますが、家族みんなからたっぷりの愛情をかけてもらえているようでよかったです。温かい家族の声に、すずちゃんもきっと元気をもらえたのではないでしょうか。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 >>次の話 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター いもやまようみん
2024年05月05日下の子がまだ保育園に通っておらず、年子の子どもをつれて1歳半健診に行きました。まさかの結果にあ然下の子をおんぶ紐で抱っこしていたのですが、それを見かねた保健師さんが「赤ちゃんこっちで抱っこしてますよ。」と言い、気遣ってくれ下の子を連れて行ってくれました。息子は弟がおらず心配に思ったのでしょう。「どこいったの?どこ??」と、何回も私に聞いてくるので保健師さんの問いかけには答えられませんでした。結果は、指示が通らないとなり再検査になってしまいました。健診が終わると、保健師さんが弟を連れてきてくれて、兄はほっとしていました。 半年後、再検査で異常なしという結果になり安堵しました。しかし、きょうだいで参加するときは、何か良い方法がなかったのか?と、考えてしまいました。 ◇ ◇ ◇ 健診のとき、預けられる場合は下の子をみてもらうと良いと思いました。もしくは、 夫にも参加してもらい、会社を休んでもらうべきだった。夫にとっても、一生に1度のよい記念になるのではないかと思いました。 作画/犬野ぽよ彦著者:まあたんママ30代、結婚10年目。9歳と10歳の年子を育てる母。医療従事者。趣味は旅行、ドライブ、音楽鑑賞。
2024年04月28日イヤイヤ期真っ最中の娘を育てながら、正社員として働くりささんは、現在第2子を妊娠中。平日はワンオペ育児でヘトヘトでした。妊娠4カ月を迎えて会社の上司に報告をしたところ、参加していたプロジェクトのメンバーからも外されてしまいました。さらに休日は義実家で家事を押し付けられ、まったく休む暇がありません。自由気ままに過ごす夫が羨やましく思えて、つい夫に「入れ替わりたい」と非現実的なことを言ってしまいました。すると、なんと本当に入れ替わってしまい、夫はりささんとして過ごすことに。夫は今までやったことがない家事や育児がどれだけ大変だったのかを思い知り、自分のこれまでの行動を思い返して後悔ばかりで……。自分がママになるしかない……! そう覚悟を決めた夫でしたが、慣れない育児や家事に追われ、1週間で限界に。しかし、りささんの母親はすでに亡くなっていて、父親も疎遠。 そこで、自分の母親に助けてもらおうと連絡を入れますが「妊娠は病気じゃない。手伝ってほしいなんて贅沢だ」と一喝されてしまい、母親が義母として接するときの態度の違いを目の当たりにしたのです……。男だったら一生経験できない 入れ替わってから初めての妊婦健診。もちろん、夫にとっては何もかもが初めてのことでした。とにかく、つわりをなんとかしたいと思い、先生につらいと訴えますが、薬を処方してもらえるわけでもなく励まされただけ……。 しかし、エコーで小さいながらもしっかりと人の形を確認すると、「本当におなかの中に子どもがいる」と実感がわいてきました。入れ替わることがなければ、一生経験できなかった感情です。 そして、健診の記録が書かれた母子手帳を返却されたとき、そこにりささんが書き残していた、まだ見ぬわが子へのメッセージを見つけます。それを読んだ夫は、「俺が絶対におなかの子も守ってやる!」ともう一度覚悟を決めたのでした。 おなかの中で一生懸命生きているわが子の姿を見て、夫の中ではさまざまな感情がこみ上げてきたようですね。夫の家事や育児のスキルは高いに越したことはありませんが、こうして同じ気持ちで育児に向き合えるというのが、一番大事なことなのかもしれませんね。 >>次の話 著者:マンガ家・イラストレーター しろいぬしろ 著者:原作者 中澤夕美恵
2024年04月27日赤ちゃんのころから発達がゆっくりだった長男が1歳半健診を受けた際、「耳が聞こえていないかもしれません」と言われました。ショックを受けながらも紹介された耳鼻科に連れて行き、検査をした結果……。長男の発達障害に気付いたときの体験談をご紹介します。 1歳半健診で長男は、指示されたように積み木を積む、車などの物の名前を聞いて絵を指さすなど、月齢相応のことは何もできませんでした。その結果、個別の発達相談に呼ばれることに。育て方の悪さを指摘されると思って私がビクビクしていると、保健師さんから「お子さんは耳が聞こえていないかもしれません」という予想外のひと言が伝えられました。 厳密には「声が聞こえにくいのかもしれない」とのこと。そこで専門的な検査ができる耳鼻科を紹介され、病院で検査を受けることに。 防音された部屋でおこなわれる聴力検査。その検査が終わり、伝えられる結果によってこの先の人生が大きく変わることになるとは、このときは気づいていませんでした。 そして検査が終わり、耳鼻科医から伝えられたのは「お子さんの聴力に異常はありません。発達支援センターを紹介しましょう」という結果でした。 「市の健診」→「耳鼻科」→「発達支援センター」という流れで、長男の発達障害を知ることになりました。健診での指摘は大変ショックなものではありましたが、この指摘がなければ、早くに長男の障害に気づけなかったと思います。受け入れるには勇気が必要な健診での指摘。前向きにとらえることは、結果的に自分のためにも子どものためにもなると感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 原案/戸塚麻心作画/和田フミ江監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年04月27日もともと妊婦健診で小さめとは言われていましたが、正期産の時期に近づくにつれおなかの中の子の体重も徐々に増えていき、先生からも「2,500gを超えたからとりあえずひと安心!」と言われていました。しかし、ひと安心の言葉をいただけた妊婦健診の次の日、妊娠36週4日で突然破水し、心の準備ができないまま出産。生まれてみれば娘は2,280gの低出生体重児でした。娘はすぐ保育器へ入り、私の部屋にくることができませんでした。 保育器から娘を眺めるだけの日々入院中の娘は保育器に入っていたため、私はお世話ができず、3時間ごとに搾乳して母乳を助産師さんに届けることしかできませんでした。1日1・2回の抱っこを除いては、保育器越しに娘を見守るだけの日々。 娘より私が先に退院することになり、ひとりにしてしまうことがかわいそうで寂しくて、泣いてしまうことも……。 助産師さんから「この子、ママのおっぱいたくさん飲んで、早く大きくなっておうちに帰りたいんだね」と励まされ、また涙。そして「娘は頑張っているのに私が落ち込んでいたらダメだ!」と気づきました。 私が唯一できたことは、娘が保育器から出たときに母乳をたくさんあげられるよう、毎日朝も夜も3時間置きに搾乳を届けることでした。 やっと退院! 直接授乳に感動の涙たくさん母乳を飲んでくれたほか、助産師さんのケアもあって何とか体重も増え、生後8日目で退院できました。 助産師さんには娘に会えない不安などを相談するたびに励ましてもらっていたので、本当に感謝しています。初めて授乳したとき、「もう搾乳して届けなくても直接飲んでくれるんだ」「私たちの間に保育器はないんだ」と思うと涙が止まりませんでした。 これから始まる育児に不安や心配はありつつも、とにかく娘と一緒にいられることがただただうれしかったのです。そして退院後、娘は順調に体重が増えていき、今では成長曲線の真ん中で体重が推移するほどの成長ぶりです。 育児ができない日々が私を強くしてくれた育児が思うようにいかないときも、「育児がしたくてもできないことのほうがつらかった」と思えば、何でも頑張れます。助産師さんに「今は、ママは休んでて。もうすぐたくさんお世話になるからねって言ってくれてるのかもね」と言われたこともありました。 娘が保育器に入りお世話をしてあげられなかった期間は、娘が私の体を休めてくれてたんだと思い、その分これからの育児に100%力を注ぎたいと思います。 妊婦健診では2,500g超えていると言われた娘は、生まれてみれば2,280g。妊婦健診での体重は正確ではないとわかっていながらも、戸惑いました。娘を保育器越しにながめるだけだった日々は一生忘れません。この先どんなに育児が大変でも、お世話してあげられることの幸せを忘れずに、娘と向き合っていきたいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ささたにあかね0歳の女の子のママ。簿記検定を取得し、学校法人で経理の経験あり。育児についてメディアやブログで執筆中。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者・イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター 漫画家 まっふ
2024年04月25日息子を産んでから17年……第2子を妊娠した私。17年ぶりの出産ということもあり、大きな不安を抱えていました。そんな出産予定日が近づいてきたある日、妊婦健診で内診を受けると、なんだかお医者さんと看護師さんがザワザワし始めたのです……。 娘の生死を分けた妊婦健診内診の結果を聞くために、椅子に座って待っていた私。主治医や看護師さんの様子がいつもと違ったので、とても不安でした。そして主治医から告げられたのは――。 「今から緊急帝王切開します」 どうやら羊水がほとんどなかったそう。赤ちゃんが苦しいからすぐに手術を、ということでした。 突然の手術決定に、私の頭は真っ白。とりあえず夫に連絡して来てもらい、頭を整理する間もなく麻酔をかけられて帝王切開で出産となりました。 生まれたばかりの娘の顔を見て、私はそのまま意識を失いました。目が覚めたときには夫がそばについていてくれたのは覚えています。 羊水がなくなってしまった原因は、主治医にもわからないそう。その日に健診に来ていなかったら、娘は無事に生まれていたかわからない、とまで言われてぞっとしました。 その日に健診を入れていた過去の自分を褒めてあげたいです。そして、定期的な妊婦健診の大切さをこれからママになる人たちに伝えていかなければ、と思いました。 イラスト/はたこ ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:Ree監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年04月24日不安しかない⁉衝動性が強く多動のある息子の3歳児健診現在 8歳の息子は4歳でASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けました。3歳児健診に行くことになった時、まっさきに(これは大変だ……)と不安になりました。息子は、目の前に興味があるものを見つけると一目散に飛び出してしまう衝動的なタイプです。「危ない!」と言っても反応せず、目をキラキラさせて目標物に突進!さらに運動のぎこちなさもあるので、よろけては転び、たんこぶを作ったり血だらけになることもよくありました。私はいつもダッシュで追いかけ、私の靴が脱げても靴下のままで追いかけたこともありました。Upload By ユーザー体験談3歳児健診には人が大勢いるでしょうし、その中で長時間多動の息子が待つことはできるのか……。そして尿検査、まだ息子はオムツをしていたので、出せる気がしませんでした。そこで私はいろいろと作戦を練ったのです。多動対策は会場の入り時間で解決!まず、健診へは終了30分前に行くことにしました。なるべく人が少ない時間のほうがいいと考えたからです。当日、30分前でも人はたくさんいましたが、それでも健診が終わってぞくぞくと帰って行く人が多く、狙い通り!Upload By ユーザー体験談最初は人の多さに圧倒され泣いてしまった息子でしたが、20分くらいたつと次第に泣き止み、周りを観察して絵本がある棚へ突進していきました。検査により実施する部屋が別れていたのですが、部屋に移動する度に絵本がある棚に突進する息子。ですが、人が減っていった会場では、息子が自由に動き回ってもぶつかったり迷惑をかけることは少なく、検査や診察もスムーズに移行できました。難関だった尿検査はグッズで解決当時息子はまだオムツが取れていなかったため、健診のお知らせが届いてからすぐに尿検査のことを心配し調べ始めました。保健所からは「オムツを搾った尿を提出するのはダメなんです」と言われたこと、しばらく座らせていてもおしっこを取れた試しがなかったので、以前小児科で見たことがあった「採尿バック」を使うことにしました。通販で購入し、健診の数日前の夜のオムツチェックの時に採尿バッグを当てて、朝までつけたままにし、翌朝チェックするという練習をしました。息子には、「今度の『もしもし』(3歳児健診のこと)で、おしっこを『どーぞ』するから、袋をぺったんして寝るよ」と声をかけをしました。息子には感覚過敏があり、濡れることにとても敏感でした。ですので、採尿バックを貼ること、バックに尿が溜まることで、不快な思いをしないか気になりましたが、漏れることもなかったからか問題なく取れました。健診前夜に再度採尿バックを貼り、健診の日の朝には無事に採尿バック内に尿が取れていたので、「すごいね!取れたね!かっこいいね!」と、オーバー気味に褒めました。尿を検査容器に移し持って行くと、「よく取れましたね!」と保健所の方に褒められ、ホッとしました。Upload By ユーザー体験談狙い通り!工夫で3歳児健診を乗り越えました会場入りも遅めの時間を狙ってよかったと思いました。健診中は私も必死でフォローしました。息子は数字が好きなので「次は何番のお部屋だよ!」と言ったり、「お口あーん!で、もしもしだよー。わぁ!上手にお口あーんできたね!」などその都度都度楽しそうに声をかけました。毎回、健診や病院はぐったり疲れるのですが、このときも全身は緊張でガチガチ、くたくたになって帰った翌日は、全身筋肉痛……。でもトラブルなく終えることができてよかったです。Upload By ユーザー体験談8歳の今は、「危ない!」という声かけにも反応し、自分でも『これをしたら危ない』ということに気づき始めた息子。まだまだ目は離せませんが、確実に息子のペースで成長しています。ゆっくりでいいから、このまま成長していってほしいなと思っています。イラスト/海乃けだまエピソード参考/七転八起(監修:鈴木先生より)健診はお子さんの今の状態を確認する場です。そのままの姿を見せることでその子なりのアドバイスをもらうことができます。みんなじっとしているような健診はありません。3歳なら多少うろうろしてもいいのです。ただ、その程度が問題になります。多動性のあるお子さんはASDやADHDと診断される場合が多いですが、ADHDは6歳から治療できる時代になりました。環境調整してもお困りの場合は、薬物治療という選択肢もあります。採尿バックの方法は病院でもよく行われていますが、解剖学上、男児より女児の方が難しい傾向があります。1回で採尿しようとはせずに、採尿できるまで根気強く何回もトライする必要があります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年04月20日「発達障害かはっきりさせたい!」と思って臨んだ3歳児健診現在11歳、小学5年生の息子は、6歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。息子は言葉も遅く、小さい頃からこだわりがあり、室内の灯りは蛍光灯または昼白色でないとダメ、顔が濡れるのもダメで、ダメなものに対しては癇癪を起こしてしまうといった特性らしきものがありました。基本的に穏やかな性格なのですが、3歳頃にはそれらがさらに目立ってきたように感じています。私はそんな息子に「何か特性のようなものがあるのでは」と思っていたのですが、身内や周りに息子の困っていることを相談しても「何も気になる事はないけれど」と言われるばかりで、私が気にしすぎなのだと受け取られているようで、もやもやしていました。そのため、私は(特性があるのならハッキリさせたい!)という気持ちが強くありました。ですので、3歳児健診へは(何か指摘されるだろうな。これで発達障害か分かる!)と気合たっぷりでした。健診当日は不機嫌MAX!嘔吐にギャン泣きで大パニックに健診前日の夜、よりによって息子は全然寝ついてくれませんでした。やっと寝たと思ったらすぐに朝を迎えてしまい、起きたら出発予定時間ギリギリ!慌ててタクシーで向かったものの、息子はぐずり、さらにはガッツリ車酔いしてリバース……。万全の体制で向かいたかったのが、健診会場に着く前からボロボロでした。Upload By ユーザー体験談なんとか会場に着いたあとも、息子はリバースした事やら眠たいやらで不機嫌MAX!同じ保育園のお友達も何人かいたのですが、そのお友達家族の前でも少し嘔吐してしまい、それが息子の中でショックだったようで、ギャン泣き……。ですが、少しずつ落ち着いてきて、機嫌よく……とはいかないまでも、それなりに検査は済ますことができました。私はげっそり、疲れ切っておりました。「個別にお話があります」と言われ、別室へそして一通りの検査が終わったあと、「個別にお話があります」と声をかけられました。私の感想は「やっぱりな」でした。Upload By ユーザー体験談これで息子が何に困っているか分かる、どうすればいいか分かる、そして同時に身内などが言っていた「大丈夫、問題ない」の言葉にモヤっとしていた日々も終わるかもしれないとホッとしました。保健師さんから指摘されたことは、2語文がほとんど出ない、コミュニケーションがとれないといった言葉に関するものでした。また、英語に興味があって英語の動画をよく見ていた息子は、その中のセリフを完璧に覚えていて独り言のように発していました(恐らくエコラリアだと思います)。「英語はよく覚えているみたいだけど、日本語がね……」と言われ、親としてもそれには完全同意。私は藁をもすがる思いで「どうしたらいいのでしょう……?」と尋ねました。保健センターで新版K式発達検査を受けることに保健師さんから、その日は子どもの機嫌が良くなかったことから、再度検査をしましょうと提案され、その後は保健センターへ行き新版K式発達検査を受けました。保健センターでの検査は機嫌よく受けることができました。検査をされた方が言うには「カレンダーを見ながら数字を英語で言っていた」そうです。結果、実年齢より1年半程度発達が遅れていると言われました。私はショックなどはなく、療育の話もいただいたので「息子のためにできることをしよう!」と前向きに考えることができました。Upload By ユーザー体験談療育へつながることができて療育は月2回、保育園に行きつつ通うことになりました。新しい環境にもさほど戸惑うことなく、むしろ楽しくそうでテンションが上がってた息子ですが、通っていくうちにプログラムも落ち着いてこなすようになり、徐々に先生とのコミュニケーションも取れるようになってきました。年長になる頃には、民間の発達支援施設にも通うようになりました。最初息子は、取り組み始めたプログラムは最後まで終わらせないといけないというこだわりがあり、途中でお手洗いに行きたくなっても行けなくて泣き出す……といったこともありましたが、通園が終わる頃には本当に落ち着いてきました。私も息子が発達支援に通うようになってからはほんの些細なことでも、息子がやり遂げるとものすごく嬉しくなってたくさん褒めていました。息子が失敗しても「なんでできないの?」とはならず、当たり前のように「次頑張ろうね」と言えるようになっていました。やっとつながった療育は親子共にいい影響を与えてくれました。Upload By ユーザー体験談たくさんの人に愛されるように!現在小5になる息子は、特別支援学級で楽しく過ごしています。授業の内容もしっかり理解しており、交流学級での授業(理科、体育)も頑張っています。英語、野球、工作と、好きなこともバラバラですが、将来どのような道に進むのか、親としてどう導いていけばいいか、悩ましくも楽しみにしています。息子は私が少し体調を崩すと、頭やお腹(痛いといった箇所)を撫でてくれるような優しい子です。その優しさとユーモアを忘れることなく、たくさんの人に愛されるよう願っています!イラスト/星河ばよエピソード参考/あきっち(監修:森先生より)お子さんの興味がある事・得意な事を褒めて伸ばして応援することができていて素晴らしいですね。「大丈夫、問題ない」という言葉は、周囲の人としては励ましの意味で言っているのかもしれません。残念ながら、「発達障害」という言葉にネガティブなイメージを持つ人もまだまだいるのでしょうね。しかし、大切なのは「大丈夫かどうか」「問題があるかどうか」ではなく「どうしたらお子さんがもっとのびのびと自分らしく過ごせるか?興味や得意を伸ばせるか?」という視点ですよね。また、お子さんのように、思いやりの心を持つためには、共感力を育てることが重要です。相手の気持ちを想像する力や、思いやりを表現するスキルを身につけるのにも、療育のプログラムを上手に使っていけるといいですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月12日知的障害(知的発達症)とは?知的障害(知的発達症)とは、知的機能と適応能力に遅れがあり、生活や学習において困難が生じやすい障害のことです。知的障害(知的発達症)の特徴としては、言葉の遅れや着替えなど自己管理の困難、学校の勉強の遅れ、コミュニケーションの困難などがあります。知的障害(知的発達症)は程度によって軽度から最重度まで4つの種類に分けられており、それぞれ症状や困ることも変わってきます。保護者や周りが知的障害(知的発達症)に気づく年齢にも違いがあり、最重度の場合は生まれてすぐに気づかれることもありますが、軽度の場合は、乳幼児期には特徴が表面化せずに学齢期になってから気づかれることもあります。子どもが知的障害(知的発達症)の診断を受ける場合には、知能検査や保護者からの聞き取り、子どもの様子の観察などを行うとともに、原因となる疾患についての調査も行われます。参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:知的障害(精神遅滞)|e-ヘルスネット知的障害(知的発達症)の種類は?知的障害(知的発達症)の定義は一つだけではなく、行政や医療などさまざまな機関が定義を作成しています。多くの場合、症状の程度によって、軽度、中度(または中等度)、重度、最重度と4つに区分されています。Upload By 発達障害のキホン引用:知的障害児(者)基礎調査:調査の結果|厚生労働省厚生労働省の基準では知的障害(知的発達症)の程度を知能指数(IQ)と生活能力(適応能力)の両方を評価したうえで判定します。上記表にあるように、知能指数(IQ)がⅠからⅣに、生活能力(適応能力)はaからdとどちらも4段階に分けられており、その兼ね合いによって程度が決まります。知的能力はIQ(知能指数)によって次の4つに分類されます。I :おおむね20以下II : おおむね21~35III :おおむね36~50IV :おおむね51~70適応能力は次のような判定表を用いて、a~dの4つに分類されます。・食事:一人でできる/介助があればできる/できない・用便(月経)の始末:一人でできる/介助があればできる/できない・衣服の着脱:一人でできる/介助があればできる/できない・簡単な買い物:一人でできる/介助があればできる/できない・家族との会話:通じる/少し通じる/通じないここに挙げたのは基準の一例です。療育手帳を取得する場合は各自治体で別途基準を設けていることもあります。また、医学的な診断基準である『DSM-5-TR(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版改訂版)』では軽度・中等度・重度・最重度と4つに区分されていますが、知能指数(IQ)での目安は明示されていません。知的機能と適応能力について、概念的領域(記憶や言語、論理的思考など)、社会的領域(対人コミュニケーションなど)、実用的領域(生活における能力など)の3つの領域の状態から重症度を特定します。参考:日常生活能力判定表|宝塚市知的障害(知的発達症)は遺伝する?知的障害(知的発達症)の原因は遺伝要因や環境要因などさまざまな要因が絡んでいると考えられており、明確に特定できないこともあります。遺伝以外の要因としては、妊娠中の風疹などの感染症や低栄養、分娩時の低酸素症、出産後の感染症や低栄養、頭部への損傷などがあると言われています。子どもに先天性の遺伝子疾患、染色体疾患などがあり、併存して知的障害(知的発達症)の症状が表れる場合もあります(上記のような疾患がある場合も、必ずしも知的障害(知的発達症)があるというわけではありません)。参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版参考:知的能力障害|MSDマニュアルプロフェッショナル版3歳頃に知的障害(知的発達症)は分かる?軽度知的障害(軽度知的発達症)の特徴や知能検査、診断について3歳児になる前後には、自分の姓と名を合わせて言える、手を使わずに階段を登れる、人形などを使ったごっこ遊びをするといった様子が見られると言われています。また、幼稚園に入るのも3歳頃が多く、友達や先生と一緒の活動をし始める時期でもあります。その頃に見られることの多い知的障害(知的発達症)の兆候は以下となります。・人見知り、場所見知りがない(またはひどい)・発語が遅れている・自分でトイレを知らせることができない(おむつ外れが遅い)・先生の指示が分からず、集団行動などが難しい・癇癪の頻度が多く、激しい・おもちゃなどへのこだわりの強さ※上記は一例です3歳頃になると幼稚園などで集団生活をおくる場面が増えてきますが、指示理解の困難や癇癪などによって園でトラブルになる可能性もあります。ただ、子どもの発達は個人差があることや、3歳児ならほかの子とけんかするのも珍しいことではないため、ここで書いてあることに当てはまったからといって知的障害(知的発達症)とはかぎりません。一つの目安として、心配な方は専門機関や次で紹介する3歳児健診の際に相談してみるといいでしょう。参考:子どもの発達の目安|宇都宮市参考:知的能力障害|MSDマニュアル家庭版3歳児健康診査とは3歳~4歳の間に受けることのできるもので、身長体重、視力などとともに子どもの発達のチェックも行います。3歳児健診の確認内容一例・言葉の遅れはありますか・同年齢の子どもと会話ができますか・ほぼこぼさないで一人で食べますか・何でも自分でしたがりますか・よくかんで食べる習慣はありますか・昼間のおしっこを前もって知らせますかなど参考:乳幼児健診における標準的な項目一覧|厚生労働省参考:3歳児健康診査|奈良県ほかにも検査が行われ、クレヨンで丸がかけない、片足立ちができない、姓名が言えないといった様子が見られる場合は発達の遅れとして指摘される可能性があります。ただ、それだけで知的障害(知的発達症)などの障害があるかは判断ができません。その後に医師や保健師と相談することができるため、知能検査を受けるかも含めて今後の対応を検討していくようにしましょう。知的機能を測る検査として、知能検査があります。知能検査は年齢によって受けることができるものが変わってきますが、3歳で受けることができる検査の代表的なものとして、田中ビネー知能検査とWPPSI(ウィプシ)知能検査があげられます。知能検査自体は医療機関や自治体の教育支援センター、民間の実施場所などで受けることが可能です。検査を受けるだけでも子どもの得意や苦手なことが客観的に把握でき、その後の関わり方や支援の計画作成にも役立ちます。ただ、知的障害(知的発達症)の診断を受けるには知能検査だけではなく適応能力検査も行われるとともに、子どもの様子の観察などさまざまな過程を経る必要があります。知能検査を受けることが難しい場合、新版K式発達検査にて発達指数を確認することもあります。参考:田中ビネー知能検査 V(ファイブ)|SACCESS・BELL参考:WPPSI™-III知能検査|日本文化科学社3歳頃に表れる知的障害(知的発達症)の症状チェックリストUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐに知的障害(知的発達症)と診断されるわけではありません。発達の遅れが気になる……どこに相談をすればいい?ほかの子どもと比べて発達の遅れが気になる、知的障害(知的発達症)の可能性を考えているという場合に相談できる窓口を紹介します。かかりつけ医まずは普段から受診をしているかかりつけの小児科に相談してみましょう。お子さんの発達の様子や、支援などについても相談できます。保健所/保健センター保健所と保健センターは地域に設置されていて、健康診査や健康相談の受付などを行っている機関です。子どもの発達の遅れについても、医師や保健師などの専門の職員が対応に当たっています。児童相談所児童福祉法に基づいて設置されている行政機関で、18歳未満の子どもに関するさまざまな相談を受けつけています。児童福祉司や児童心理司などの職員がいて、言葉の遅れなどの発達に関する相談にも対応しています。児童家庭支援センター児童家庭支援センターは地域の子どもの福祉に関する相談を受けつけている機関です。発達の遅れなどの相談に対して、自治体や児童相談所と連携して支援を行っています。児童発達支援センター障害のある子どもに対して、さまざまな支援を提供している機関です。日常生活や集団生活に適応するための支援を行うほか、発達に関する悩みの相談対応も行っています。参考:子育てに悩んだらご相談ください|府中市まとめ3歳頃は保護者以外の大人や同年代の子どもたちとの触れ合いが多くなる頃です。知的障害(知的発達症)のある子どもの場合は、発話の遅れや相手の言葉の理解の困難、癇癪などの特徴が見られ、幼稚園などでトラブルや困りごとが生じることもあります。ただ、言葉を含めた発達には個人差が大きく、そういった様子が見られたとして知的障害(知的発達症)とは言い切れません。発達の遅れがあると不安だと思いますが、家庭だけで抱え込んだり決めつけたりせずに専門機関に相談するようにしましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2024年03月31日娘の1歳半健診。頭囲が大きすぎるということで精密検査をすることになりました。 大丈夫…?たしかに他の子と比べて頭でっかちな娘でしたが、引っかかるほどとは思っていませんでした。「多分大丈夫だと思うけど、水頭症だったら大変だから」と精密検査をすすめられ、大学病院に行き、MRIを撮ることに。MRIを撮るためには娘を眠らせなければならないのですが、うまく眠ってくれず……。結局CTを取って異常なしでした。 そのときの診察で先生が娘と私たち夫婦を見てひと言……。 「遺伝ですね」 たしかに私たち夫婦も頭が大きかったのです。何はともあれ、娘が異常なしでよかったです! 作画/きょこ著者:高木 優子2児のママ。公務員で育休中。
2024年03月23日なっぱさんは夫のべじ太との間に子どもを授かりました。出産予定日の2日後に妊婦健診を再び受けたところ、むくみと血圧が高めだったため急きょ入院に。陣痛促進剤を服用後、強烈な陣痛が始まり、夫も必死でサポートします。そして陣痛開始から15時間後、やっと分娩台に移動できたのですが、なんと陣痛が遠のいてしまったのです。疲労困憊の夫も立ち合い、分娩台に登ったなっぱさん。あとひと息だと思っていた矢先……!? スタッフ増員!? この状況は…? 陣痛の間隔が長くなっていることで、医師は陣痛促進剤を追加して一気に出産するという考えを示しました。 しかし、なっぱさんの血圧が高いので最悪の場合は脳出血のリスクもあると説明。それでもなっぱさんは同意書にサインし、医師の提案通りに進めてもらうことにしました。痛みが増す中、気がつくと自分を取り囲む人の数が増えていたため、なんだか気まずく感じたなっぱさん。一発芸でもして気を紛らわせたい気持ちはあるものの、もう体力の限界でした。 苦しんでいる赤ちゃんのことも考え、最後の力を振り絞ってなっぱさんはいきみます。そして、陣痛開始から約19時間半が経ったとき、ついに赤ちゃんが誕生。 生まれてきてくれた長女の元気な産声を聞き、なっぱさんと夫は涙を流して喜びます。そして、3人で記念撮影をし、生まれてきてくれたことに感謝をしたのでした。 長時間に及ぶ出産になり、なっぱさんはもちろん、夫も赤ちゃんもとても頑張りましたね。出産することの大変さと、生まれてきてくれた赤ちゃんの尊さを、みなさんも改めて考えさせられたのではないでしょうか。 やさしく頼れる夫となっぱさんの出産の様子は、今後の育児の礎にもなったでしょう。この困難を乗り越えられた2人での育児は、とても幸せなものになりそうですね。 監修/助産師 松田玲子著者:マンガ家・イラストレーター べじべじなっぱ
2024年03月12日なっぱさんは夫のべじ太との間に子どもを授かりました。出産予定日を迎え妊婦健診をしてもらいますが、出産の兆候はまだなく……。2日後の再健診で、むくみと血圧が高めだったため、急きょ入院に。陣痛促進剤を服用してから強烈な陣痛が始まり、夫の必死のサポートを受け続け、やがて8時間が経過していました。長時間、なっぱさんの肛門を押し続けていた夫は、ついに体力の限界が見えてきます。しかし、ここであきらめるわけにはいきません……! あきらめるものか…! ※全開 → 全開大 陣痛開始から10時間が経過したころ、なっぱさんはもう子宮口が全開大だと確信します。しかし、助産師さんを呼び、子宮口を見てもらうとまだ4cm。先が見えないなっぱさんは、もう限界だからおなかを切ってほしい……と弱音を吐きます。しかし、助産師さんに一喝されて再び闘い始める2人。 そして、陣痛開始から15時間が経ち、子宮口が7cmまで開いたところで分娩台へ徒歩で移動することに。歩く力もないなっぱさんですが、自称健脚のなっちゃんと自らを鼓舞し、力を振り絞ります。 力尽きたはずのべじ太さんも、あきらめず立ち合いに来てくれたのですが、ここへ来てまさかの展開が。なんと、陣痛が遠ざかってしまったのでした……。 立ち合い出産のために、休むことなく同行する夫のべじ太さん。全力でなっぱさんの力になろうとする夫の姿に、感動した方も多いのではないでしょうか。べじ太さんのような夫がそばにいてくれると、激しい陣痛も乗り越えられるような気がしますよね。 監修/助産師 松田玲子 >>次の話著者:マンガ家・イラストレーター べじべじなっぱ
2024年03月11日気になる周囲との差、発達について指摘される?みんなの3歳児健診エピソード3歳児健診は、子どもの身体の発育や心の発達を確認して、病気などの早期発見や、専門機関につなげる機会となる大切なものです。しかし、問診票の記入や尿検査などといった事前準備も多く、保護者にとっては負担に感じる部分もあるかもしれません。特に、発達障害や発達に特性があるお子さんは、事前準備や健診に行くこと自体が大変な場合もあるでしょう。今回は、発達ナビ連載ライター陣に、3歳児健診でのエピソードをご紹介いただきました。ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)のコウ君は現在中学生。コウ君のお母さんである丸山さとこさんは、コウ君のことを「マイペースな子どもだな」と感じつつも、初めての子育てだったこともあり「3歳児ってこんなものなのかな?」と思っていたそうです。しかし3歳児健診で、大きな転機を迎えることに……。1歳半児健診の時にヘトヘトになった記憶がよみがえり、3歳児健診には行きたくない気持ちでいっぱいだったカタバミさん。それでも「耐え忍ぶしかない」と、重い腰を上げて向かったところ、まさかの健診「2回目」を受けることになって……!?ダウン症の息子きいちゃんを育てる星きのこさん。同じダウン症の子どものママ友たちと「3歳児健診行く?行かない!?できれば行きたくないよねえ……」と話していたそうです。周囲の視線が気になって耐えられないかも……と思った星さん。果たして、3歳児健診には行ったのでしょうか?ねこ太くんは現在小学1年生。ADHDグレーゾーンで特別支援学級に在籍しています。3歳児健診の時、ねこ太くんはまだおむつが外れておらず、事前の尿検査から苦戦!お母さんである鳥野とり子さんに、当時のことを振り返っていただきました。ASD(自閉スペクトラム症)の長男、けんと君を育てるゆきみさん。転勤族で知り合いもほとんどおらず、孤独を感じながらの育児でした。わが子の発達について悩んでいたゆきみさんは、相談していく中で少しずつ支援の輪が広がっていったそうです。寺島ヒロさんのご長男、タケル君は2000年生まれ。3歳児健診を受けた当時、ASD(自閉スペクトラム症)の特性については、まだあまり知られていませんでした。健診では、医師に心配なところを訴えるも理解されず、不安は解消されないままさらに7年の月日が経って……。よいこさんのご長男あー君は、現在小学6年生。ASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。家庭や幼稚園でのあー君の行動に違和感があり、3歳半健診で発達相談する!と決意していたよいこさんでしたが……。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年03月09日思いがけない難所にぶち当たるいよいよ3歳半健診を迎えた長男あー。関門は健診当日を迎える前にすでに用意されていた……それは視力検査と聴力検査!わが自治体では、時間短縮のためか当日の緊張による検査拒否回避のためか、「視力検査と聴力検査は自宅で済ませてきてください」というルールがあります。聴力検査は、一定の距離からささやき声で話しかける声が聞こえているか。視力検査は、あらかじめ配布されていた紙を見てこれまた一定の距離を空けて質問に答えられるか……というもの。まず聴力検査。多分聴こえてる……んだろうけど答えてくれない!どっか行っちゃう!待って!行かないで……(涙)!そんで視力検査、これまたどっか行っちゃう!ようやく引きつけても……聞かれている意味が分からない?のか答えてくれない……(白目)。というわけで戦う前からボロボロとなり、白紙で提出したのでした……(でもどうにかなった)。Upload By よいこ3歳半健診会場で、同年齢の子どもたちの落ち着きっぷりに衝撃3歳半健診の会場に行って驚いたのは、なんと言ってもほかの子どもたちの落ち着きです。幼稚園でも同年齢の子どもを見ているけれど、幼稚園は彼らにとっていわばホーム。思い思いのびのび過ごしているので、わんぱくだったり時に大人の言うことを聞かなかったり、そんなことはよくある光景……。 ということもあって、当時の幼稚園で、あーはそこまで目立っていなかったんですね。それがいつもと異なる空間に放り出されたら……。ほかの子どもはいつもと違うことに少し緊張しているし、社会性が芽生え始めている頃なのでかしこまりがちなんです。おとなしく、親御さんの隣で座って待っている。絵本なんか読んだりしてね。一方のあーは……いつもと違うところ、というのはあーにとってはパニックのトリガー。テンションマックスになりその辺を走り回る……。絵本やお絵かきでごまかそうとしても全然収まってくれない!やっと座ってくれたと思ったら、だらーんと椅子から崩れ落ち(体幹が弱い)、だらしなく見える……。もう……お母さん穴があったらダイブしたい……(号泣)Upload By よいこ健診はスムーズに進み、いよいよ小児科の先生の診察へ……そんなあーですが、意外と健診自体はこなせるタイプです。要は待つ、とかそういう「何もない時間」が耐えきれないわけで、3歳半健診で聞かれる「この色は何色ですか」みたいな問診には落ち着いて答えられるんですよね。内科系の診察も全部パスしていました……(注射など痛いことがなければ大丈夫なのです)。Upload By よいこ複雑な思いと全身疲労を抱え、最後に迎えた小児科の先生の診察。私は思い切って先生に言いました。「発達に不安があるんです」すると先生は、「なるほど。電車の名前とかいっぱい言ったりする?」とたずねてきました。電車……の名前は言わない……言わないぞ!言わない!これは……この子は違うのでは!?私の中にほんの一瞬、ほそーい光が差した次の瞬間のことでした。あーが壁に貼ってある大好きなアニメキャラクターのカレンダーに張り付いて、そこにいるキャラクターの名前をはじから全部言い出したのです(キャラクター多すぎアニメで、ぎっしりキャラクターが描かれているデザインだった……)!そんなあーを見て、先生はニコッと笑って「発達相談に回すね」とおっしゃったのでした。……そうですよね、知ってた!!!もろくも崩れ去った母の小さな希望はさておき……いよいよ、3歳児健診で絶対すると決めていた、発達相談に臨むことになったのでした。Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:鈴木先生より)どの親御さんにとっても、ご自身のお子さんの障がい受容は難しいものです。「障がい者」というレッテルを貼られたくない気持ちがあります。私はASDを障がいではなく「特性」だと日頃から保護者の方にはお伝えしています。将来的に、その特性を生かした仕事ができればいいので今日から一緒に向き合っていきましょう、とお話しします。不安を持った親御さんにも、そしてお子さんにも寄り添って診察していくことが重要なのです。困っていることを一つひとつ解決へ導き、ストレスのない生活が親子で送れることを願っています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月28日子どもの3歳児健診での出来事です。当時、私の子どもの育児に悩み、私がいけないのかなと思ったりしつつ、子どもの成長について気になっていました。しかし、保健師さんに相談をすると、まったく予想もしていなかった衝撃の回答が返ってきたのです―。 知らないうちに育児について悩んでいた私は、健診で面談をしてくれた保健師さんに、今のままでいいのかと子どもの気になっていることなどを伝え、相談をしてみました。 いろいろと話しているうちに、保健師さんからはちょっと大人しくて慎重な性格の子どもというだけで気にすることはない、また子育ても大丈夫と言われホッとしたのしたのですが……。 それよりも保健師さんは私のほうが気になると言い出したのです。 当時、私は第2子を出産したものの、その子を病気で亡くしたばかりだったので、自分でも気が付かないうちにうつ状態に陥っていたようです。 保健師さんに私の状態を心配されたことで、病院に行く決断をすることができました。うつ病の治療をした今は快適な生活を送っています。子育てに必死な時期だからこそ、自分のケアも大事にしなければならないと気付かされた出来事でした。今は私のことを気にかけてくださった保健師さんの助言にとても感謝しています。 イラスト/まげよ監修/助産師 松田玲子著者:中山早紀
2024年02月27日息子を3才児健診に連れて行ったときのことです。最後の積み木で、息子は疲れたのか、駄々をこねていたところ、保健師さんにびっくりするようなことを言われました。3才児健診、最後の項目で疲れてしまった息子に…子どもの3才児健診での体験です。コロナの影響で、私の自治体では3才児健診が遅れていて、わが家の場合は、息子が3歳4カ月を過ぎたころに実施されることになりました。 順調に健診が進み、最後に積み木を保健師さんに言われた通りに並べることになったのですが、疲れてしまったのか、やりたくない帰りたいと駄々をこねてしまった息子。その上、保健師さんの前で、死んだふり(目をつぶってダランと全身の力を抜いて動かなくなる)をしてしまい、困らせてしまったのです。 実は息子は言葉が遅かったため、2才を過ぎたころ病院を受診し、発達状況に問題がないことは理解していた私。しかし「健診でこの様子だと、再検査など何か指摘されるのでは…」と思っていたとき、保健師さんが「あなたの子は、プライドが高くてわがまま気質だね」と言ったのです! 確かに検査が進まず、保健師さんたちを困らせてしまっているのは重々承知していましたが、そんな言い方しなくても…と私はとてもショックでした。 後日、保育関係の仕事をしていた実母にこのときの出来事を伝えたところ、「多分、保健師さんが言いたかったのは、自己主張がちょっと強いということ。言葉のチョイスを間違えたんだね」と教えてくれました。その母の言葉には、私もなるほどと納得。しかし、言葉のチョイスを間違うと、思わぬ形で人を傷つけることにもなりかねません。今回の体験で、私自身も今後よく注意しようと思いました。 作画/加藤みちか著者:みかしょう
2024年02月25日発達の遅れ……集団で受けたくない3歳児健診わが家の長男けんとは1歳半健診の時に、言葉が出ていませんでした。落ち着きがなく、気になるものを見つけては歩き回り、保健師さんとのやりとりも全くしない息子。私は周りの子たちとの違いに落ち込み、発達相談を受けることにしました。発達相談をきっかけに、市の保健センターで行われている親子教室へ通い始め、支援が繋がっていきました。年少からは地域の幼稚園ではなく、市が運営する発達支援施設への入園を決意。同じ頃に発達外来を受診し、ASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。Upload By ゆきみけんとの特性を理解したい気持ちは大きいけれどなかなか難しく、頭を悩ませていた日々。そんな頃に3歳児健診がありました。正直、行きたくありません。なぜなら、2歳6ヶ月頃に行われた集団歯科健診で、けんとと周りの子たちとの違いに落ち込んだ記憶もまだ鮮明に残っていたからです。当時私たちが住んでいた地域の3歳児健診では、内科の健診項目は、保健センターにて集団で受けるか、市が指定する小児科で受けるかを自分で決められました(※お住まいの自治体によって制度は違います)。「集団では受けたくないな」と思い、わが家は小児科で受けることに。けんとのかかりつけ医が、健診を受けられる指定病院の中に入っていたので、けんとが慣れているかかりつけ医にて3歳児健診の予約を入れました。母子手帳の3歳児健診の項目を読んでみるとUpload By ゆきみ3歳児健診へ行く前に、母子手帳に書いてある3歳児健診前にするチェック項目を読んでビックリ!私が想像していたよりも、当時のけんとはチェックに〇がつけられないことに気がつきました。・自分の名前が言えますか・ままごと遊びができますか・手を使わずにひとりで階段をのぼれますか・衣服の着脱をひとりでしたがりますか……などと書いてありましたが、ほかの項目も含め、けんとはできないことが多かったのです。けんとはその頃、単語で話す程度。さらに構音障害があり、「あ・い・う・え・お」の母音のみでの発音だったので聞き取りづらく、母親の私には何を言っているか理解できていましたが、周りの人には理解できない状態でした。また、ひとり遊びが多く、身体を動かすのも苦手。3歳児健診でも、1歳半健診の時のようにできないことが多いのかなと想像し、憂鬱になってしまいました。3歳児健診のお知らせを読んでいくと、身体測定のほかに、聴覚検査や視力検査、検尿もあるとのこと。「できる気がしない……」と不安だらけでしたが、お知らせの中に、「C」の形がどっちを向いているかを指差しで答えるという視力検査の練習用紙が入っていたので、数日前から少し練習してから3歳児健診へと向かいました。予想通り、3歳児健診で引っかかったのはけんとは気になるものを見つけると、入ってはいけない場所へでも入ってしまい、触ってはいけないものでも触ってしまうので、気が抜けず、当時は一緒に外出するのがとにかく大変でした。けんとの3歳児健診の時、弟は1歳。けんと1人だけでも病院に連れていくのが大変だったのに、「弟もいたら無理だ……」と思い保育所の一時預かりを利用し、弟を預けました。Upload By ゆきみ3歳児健診を受ける場所は、いつも行き慣れているかかりつけ医を選んだため、けんとは警戒することなく、病院へ入ることができました。しかし、私が受付で提出物を出している間に、気になるものを見つけたけんとは、一直線に走り出し、制御不能状態に。提出物をすぐ出せるように準備してからのぞんだ受付でしたが、そういうわずかな数秒だけも気が抜けませんでした。名前を呼ばれ、身長などの計測が始まりました。しかし、どこかへ行こうとしたりして、まっすぐ立たないけんと。じっとしているのがイヤだったようで、とうとうグズりだしてしまいました。でも、看護師さんも一緒に頑張ってくださり、無事に身長体重を計ることができました。「C」の向きを指差しする視力検査は、家で練習した成果なのか、無事にできてホッとひと安心。結果的に、3歳児健診で指摘を受けたのは「身長(低身長で、成長曲線から下にはみ出していた)」、「言語面」、「運動面」など……。私の予想通りでした。1歳半健診と3歳児健診、両方指摘を受けたが当時、すでに低身長については総合病院を受診済みで、発達外来では自閉スペクトラム症と診断を受けていました。さらに市の発達支援施設に通っていることを医師に伝えていたので、3歳児健診を終えたあと、特に新たに何かをするということはありませんでした。3歳児健診はやはり大変でしたが、慣れているかかりつけ医で受けられたのは、けんとにとっては良かったなと感じました(※お住まいの地域によって異なります)。1歳半健診を終えたあとは、相談できる人が周りにおらず、どうしたらいいのか不安でいっぱいになりました。しかし3歳児健診を受けた時は、発達外来で医師、発達支援施設で保育士さん、言語療法士さん、作業療法士さんなど、専門職の方たちにも相談できる環境にいました。そして、私もけんとの特性を受け入れ始め、向き合っているところでした。1歳半健診、3歳児健診、どちらも発達の遅れがあり指摘を受けたけんとですが、私が感じた違いは「相談できる人」の存在。不安はもちろんたくさんありましたし、けんとが小学2年生となった現在もたくさんあります。でも、発達に関する相談ができる人が周りにいることは、昔も今も……私の心の支えになっています。Upload By ゆきみ執筆/ゆきみ(監修:室伏先生より)3歳児健診でのけんとくんのご様子や、ゆきみさんのお気持ちを共有くださりありがとうございました。ゆきみさんに相談できる人という心の支えがあること、私もうれしく思います。療育の意義というのは、ご本人へのアプローチももちろん大事なのですが、ご家族さんが困っていることを相談でき、ご家族さん・お子さん双方にとってよりよい関わり方を知ることができたり、孤独感や不安を抱きやすいご家族の心の拠り所としての側面も大きいと感じています。発達外来もそうですね。発達に関して不安に思っていることはあるけれど、個人差の範囲かもしれないし……、診断や検査結果を聞くのも怖いし……などなど、相談をためらわれることもあるかもしれません。そのようなお気持ちをご家族の方がお話ししてくださることも少なくありません。ご家族の方のお気持ちやご希望なども含めて、発達外来や発達支援センターなどに一度ご相談してみてくださいね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月23日市から届いた3歳児健診のお知らせ。それを見て驚いた理由とは……Upload By 鳥野とり子私が住んでいる市では3歳過ぎの時に健診があります。わが家にも息子が3歳を過ぎた頃に健診のお知らせが届いたのですが、そのお知らせを読んで衝撃が走りました。・検尿の提出・家で視力検査を実施・発達チェック項目検査に行く前からハードルが高い……。検尿も視力検査もできる気がしなかったので市に電話をして相談したところ、「無理せずできる範囲で良い」と言っていただいてひと安心。できるところまで頑張ってみようと思い、息子ができそうな方法を調べることにしました。3歳児健診の最大のハードル!?【尿検査】。採尿パックのおかげで無事に採尿完了!Upload By 鳥野とり子3歳の時点で息子はトイレトレーニング(トイトレ)が完了していませんでした。だいぶトイレでできるようになっていましたが、まだおむつを履いていて時々おむつにおしっこをしている状態だったのです。何度か朝イチに採尿できないかチャレンジしてみましたが失敗の連続で、おしっこを紙コップに採取するのは難しい状況でした。どうすれば採尿ができるかインターネット検索した結果、採尿パックという素晴らしいアイテムを見つけたのです!意外と知られていないアイテムかもしれませんが、本当に便利でした。イラストのようにペタっと貼って、あとはおしっこが出るまで放置しておくだけ。おしっこをしたら袋の中に溜まるようになっているので、これを吸い上げて採尿完了!トイレでおしっこが出るのを待ち構えなくて良いのでめちゃくちゃ楽ちんでした。自宅の近くで売っているお店を見つけることができなかったので、私はインターネットショップで購入しました。有料で分けてくれる小児科もあるそうなので、かかりつけの小児科に聞いてみるのも良いかもしれません。子どもの採尿に困ったら採尿パック、おすすめです。自宅で視力検査なんてできる気がしなかったけれど……Upload By 鳥野とり子次に困ったのは視力検査。3歳児でも答えられる鳥や魚のイラストが描いてある表が同封されていました。この表を壁に貼って、子どもに2メートル程離れた所に立って表を見てもらい、親が差したものを答える方式でした。簡単にできるように思えたのですが……。イラストに興味がない息子は片目を検査しただけで飽きてしまい、その後は何度チャレンジしても検査できず。興味のないことに取り組むのが難しい息子は、この頃はたった数分でも集中することができませんでした。結局、自宅での視力検査はあきらめて当日健診会場で検査してもらうことにしました。できない項目が多くて凹んだ発達チェックUpload By 鳥野とり子健診時に提出する問診票の記入は別に難しいものではありませんが、発達に特性がある子どもの保護者にとっては少し酷だなあと思いました。発達に関する項目にチェックをつける作業は【わが子の発達の遅れと向き合う】ことなのでちょっと凹みました。別に完璧にできることを求められている訳ではないのですが、項目には平均的な3歳児ができることが書かれているので、現実を突きつけられた気分になってしまうのです。息子は運動発達がかなり遅れていたので、運動発達の項目はチェックができる項目が少なくて、私はしょんぼりしてしまいました。いざ3歳児健診会場へ!そこで驚きの光景が‼Upload By 鳥野とり子3歳児健診当日、会場入り口で受け付けを済ませてまず身体測定するために更衣室に通されました。そこで驚きの光景が!なんと、そこにいる10名以上の子がみんなパンツを履いていたのです。オムツを履いているのは息子だけ。「あぁ、もうみんな日中パンツで過ごしているのね……」と、私はショックを受けました。会場の職員さんいわく「いつもはオムツを履いている子もけっこういるんだけど、今日はたまたまパンツの子ばっかりみたい」と言っていましたが、私にとってこの光景はなかなか衝撃的なものでした。各検査は無事にできたけど、視力検査は……Upload By 鳥野とり子どうなることかと緊張していましたが、身体測定、運動能力チェック、聴力測定、歯科健診はスムーズに終わりました。しかしここで息子の集中力が限界を迎えてしまい、視力検査は途中からグダグダで最後までできず……。職員さんがかなり工夫して頑張ってくれましたが測定できないまま終了して、後日眼科に行くことになりました。「全部この健診会場で済ませてしまえたら楽だったのにな」と思いましたが、なんと後日眼科に行ったおかげで、息子は少し弱視だということが判明しました。集中力がないおかげで弱視が判明するという、まさに怪我の功名のような結果になりました。できないことは多いけれど、成長を感じた3歳児健診Upload By 鳥野とり子ほかの子にはできて息子ができない数々のことを目の当たりにして少し凹んだりもしましたが、1歳半健診の時とは比べ物にならないくらいに心身ともに成長していました。少し落ち着きがなかったり待ち合いで動き回ったりはしたけれど、ちゃんと順番を待てたし、泣いたりせずに検査を受けられてすごいなと感動することのほうが多かったです。そして、やや弱視ということも分かったので、3歳児健診に行って本当に良かったと思いました。発達が遅いとこういう集団の健診は気が引ける方もいらっしゃるかもしれませんが、専門家に悩みを相談して意見を聞けたり、サポートを受けられる窓口を紹介していただけたりするので、発達についてまだどこにも相談できずに抱え込んでいる方は健診で相談してみてもいいかもしれませんね。執筆/鳥野とり子(監修:森先生より)お子さん自身の成長に目を向けることができていて素晴らしいです。健診はテストではありません、「できるか、できないか」で点数をつける場ではないのです。「ほかの子との比較」をついついしてしまうかもしれませんが、お子さんの成長は本当に人それぞれなので、比較して気にする必要はありません。重要なことは、「お子さんにとってどんなサポートができるか」ということ。そのための健診です。気になることがあったら気軽に専門家に相談してみましょう。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月22日幼稚園入園と同時に表れてきた息子の困り年少の4月から幼稚園に入園した息子。まず先立って心配だったのがトイレのこと。トイレトレーニングがなかなかうまくいかず、難航していた息子。なんとか入園式の5日前にトイレで排尿ができるようになり、入園式には布パンツで行けました。しかし心配事はほかにも……。まず息子は幼稚園のエントランスにある掲示物が気になって、登園してもなかなか上履きに履き替えられませんでした。息子の幼稚園にはさまざまなポスターや、かわいらしい壁面飾り、ときには天井にぶら下がるような飾りも掲示してあります。息子は朝登園するたびにそれらに釘付けになり、なかなか上履きに履き替えられませんでした。Upload By ネコ山息子の幼稚園は通園バスで登園するのではなく、毎朝幼稚園のエントランスまで保護者が送っていきます。年少の靴箱の前で私は何度も外靴を脱ぐように促すのですが、息子の耳には入っていないようす。息子に触れながら話しかけたり、大きめの声で声かけしたりしましたが掲示物に見入っている息子は「今それどころじゃないんですけど?」のような表情で掲示物に見入り、取り合ってはくれません。最終的には先生と一緒に靴の履き替えを促したり、そばにいたお友達と一緒に行こうと声かけするなどをして、毎朝なんとか年少の部屋まで送り出していました。Upload By ネコ山壁面飾りや掲示物に夢中で……というと、3歳児のあるあるエピソードのように感じますが、毎朝毎朝幼稚園に行くたびに上履きに履き替えるというただそれだけのことに、親としてこんなにも労力がいるとは思ってもいませんでした。幸い息子は入園当時、行きしぶったり母親である私と離れることを不安がったりするタイプではありませんでした。行きしぶりや母子分離不安ならまだ理解がしやすいのですが、ただ上履きを履き替えるだけのことでこんなにも手こずるとは思ってもみませんでした。結局、年少の1年間は毎朝、上履きに履き替えることに時間がかかっていました。また「今日は幼稚園で何したの?」と聞いても、私が聞きたいような「お砂場した」や「ねんどした」などの活動内容を答えてはくれず、いつも「おにくたべた」とお昼ごはんのメニューを答える息子。息子は幼稚園でやっていけているのだろうか……不安がつのっていきました。幼稚園、最初の個人面談では入園して3ヶ月後に、担任の先生と初めての個人面談がありました。息子は幼稚園でやっていけているのか……不安な気持ちの中、思い切って息子の幼稚園での様子を聞いてみました。すると、お友達の名前をすぐに覚える、お友達の名前を呼んでコミュニケーションをとっている、絵が上手で同級生はまだ顔だけか頭足人を描くことが多いけど息子は胴体がある絵を描くことができている、など予想以上に担任の先生は息子のことを褒めてくれました。Upload By ネコ山担任の先生が息子のいいところを見つけてくれていることに、ひと安心しました。しかし、毎朝上履きの履き替えがスムーズにいかないこと、また、1歳の頃から多動でその印象が強いことから集団生活でやっていけているのか、私は不安が拭えていませんでした。思い切って「発達的にはどうですか?」とうかがうと「朝の登園の様子なども、3歳児という幼さからなのか、発達によるものなのかまだ分からない」とのこと。続けて「気になるようだったら発達センターを紹介しますが、まずは3歳児健診を受けてみてもいいかもしれません」と、『受診目安は3歳半過ぎてから』と(私の住む自治体では)なっている、まだ受けていなかった3歳児健診を奨められました。何も指摘されなかった3歳児健診。しかし幼稚園では……幼稚園の個人面談から2ヶ月後、3歳児健診を受けました。1歳半健診では「様子見」と言われた息子。今日こそ、息子の発達について指摘される……。問診票には、発達障害のスクーニングと思われるような内容もあり、息子は多くの項目に当てはまっていました。医師の診察・問診では、イスに1人で座って問診を受け答えする息子。問診票を提出しましたが、息子は発達について何も指摘されずに3歳児健診が終わりました。確かにイスに一人で座って、先生とも受け答えできていたので、問題ないとの判断だったのでしょうか……。担任の先生のその旨を伝えると、少し驚いた表情をしたような気がしますが、それ以上は何も言われせんでした。私は絶対に発達について指摘されると思っていたので、医師にそれを全く触れられないことに意表を突かれ、むしろ自分が『息子は発達障害』だと思い込んでいただけなのでは……? ホッとすると同時にうれしささえ感じていました。しかし、夏休みが終わり2学期に入ると、息子は日に日に幼稚園での癇癪が激しくなっていきました。「やっぱり発達障害があるのかな……」と、私は再び不安になっていくのでした。執筆/ネコ山(監修:新美先生より)掲示物に目を奪われて没頭してしまうというのは、自閉スペクトラム症の特性のあるお子さんでしばしばみられることですね。ですが、今回のエピソードをうかがうと、朝の登園の時にそれが顕著に目立ったということからは、おそらく視覚刺激に没頭しやすいという特性がある上に、入園して慣れない集団生活の場にこれから入っていくという朝の園のエントランスで、掲示物に没頭することで、ある種の現実逃避というか、尻込みする気持ちの表れともいえるのかもしれないと思いました。「行きしぶり」というような分かりやすく「行きたくない」と伝えるのではなくても、家を出るときにこだわりが発揮されて時間がかかる、登園の道のりで何かに没頭してしまう、今回のように保護者との別れ際でフリーズしてしまうというようなエピソードの多くは、本人なりの集団生活への不安や抵抗感が反映されていることも多いです。とはいえ、健診の場ではそうした些細な本人の特性ある行動は気付いてもらえないことも多く、保護者としては振り回されたりやきもきすることも多いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月16日子どもが生後6カ月ごろのこと。私の健診があったため、隣の建物で暮らす義母に、健診の時間だけ子どもを預けることにしました。しかし、帰ってみると、子どもがまさかの事態になっていて…。どうしてこうなるの!? 義母の行為が信じられない!子どもが生まれてしばらくしたころ、私の健診があり、隣りに住んでいる義母に子どもを見てもらうことに。子どもを預けるときには、着替えやおむつを一緒に渡しておきました。 そして、健診を終え、子どもをお迎えに行ったら……。なんと、義母は預けていた着替えを、すべて子どもに重ね着させていたのです。しかも、義母が「この子、熱あるんやないやろか? 顔真っ赤なんやけど」と言うので、私はあわてて子どもの服を何枚か脱がせ、病院に急行。医師に診てもらうと「なんで、こんなに着せてるの? そりゃ暑いわ。熱中症気味や!」と、怒られてしまいました。それでも義母は「目の前にあったから、着せなあかんかと思って」と言うのです。 仕事から帰った夫にこのことを伝えると、「もう預けたらあかん。自分の親ながら情けない」と。夫が味方になってくれたので、私はほっとしました。 その後も、義母は「私のせいちゃうで。だって服着せただけやもん」と言い張る始末。あまりの話の通じなさに、その後しばらくは、隣の建物にもかかわらず、顔を会わせないようにしました。義母はご近所さんに「孫を全然見せてくれへん」と愚痴っているようでしたが……。 結局、こちらの話を聞いてくれない義母には、3カ月ほど子どもを会わせませんでした。さすがの義母も、ほんのちょっとまずいと思ったのか、しばらくおかずを持ってきるなどして、こちらのご機嫌取りをしておられました。 作画/きりぷち著者:坂倉美希
2024年02月15日ひたすら気持ちが重かった3歳児健診Upload By カタバミまちゃが3歳7ヶ月の時、3歳児健診の日が来ました。まちゃは2歳4ヶ月の時に発達センターで「発達に遅れがある」と言われて療育が始まりました。当時通っていた幼稚園の未就園児クラスでも先生の指示が通らず苦労していましたから、私は「できることなら、3歳児健診には行きたくない」という気持ちでいっぱいでした。でも重い腰を上げて、当時年中だった上の娘を幼稚園の延長保育に初めて預けて、まちゃを連れて電車に乗り、なんとか採ることができた検尿も持って、健診会場の保健センターに向かいました。会場には早くもたくさんの親子が集まっていて、まちゃを大人しく待たせるのは大変でした。そして、1番初めの身長を測る器具を見ただけでまちゃは嫌がって逃げようと走り出し、測定してくださる方から「気持ちが落ち着いたら計りましょう」と身長と体重の計測は後回しにしていただきました。意外とできた検査もあったけれど痛恨のミスUpload By カタバミ「身長も測れないなんてどうなることか」と気持ちが重くなりましたが、まちゃは聴力検査で係の方から言われたものの絵を探して指差すことができました。視力検査の時には、係の方が提示した1部が欠けた輪っかと、自分の手に持たされた1部が欠けた輪っかを同じ方向にして「おんなじ」にすることができました。家でも練習しましたが、発達センターで臨床心理士の方から「まちゃくんはマッチングはできるね」と言われていたことを思い出し、よく練習もしてもらっていたことに感謝しました。ただどちらの検査も、私と係の方とが一緒になって、丁寧に辛抱強くまちゃに付き添いましたし、待つ人が多い時にはじっと待てないまちゃをほかの空いたスペースで気持ちを発散させたりしました。とても時間がかかったので、全ての健診を終える前に、延長保育に預けていた娘を迎えに行く時間になっていました。幼稚園には2時間の保育をお願いしていたと思います。おそらく、ほかのお子さんよりも健診にかかる時間がずっと長かったのだと思います。後日、3歳児健診再度挑戦Upload By カタバミ測定項目を全てこなせなかったので、後日また予約を取ろうと保健センターに電話をしたら「次回は何番目に来ても1番にお受けしますよ」と言っていただけました(発達のことを話したからなのか2回目だからなのかは、残念ながらはっきりと覚えていません)。今回は前回の反省を踏まえて娘も連れて行きました。「まちゃが逃げたら追い掛けてね」とお願いし、ヤル気満々な娘の目の前で、「前回はなんだったのか」と驚くほど、まちゃは大人しく、隣にある体重計にかいてあったイラストをじーっと見ながらこわごわと身長を測り終え、続いて体重もなんなく測ることができました。やはりまちゃの特性からか、初めてではないということが大切なのかもしれません。視力検査も今度は片目を隠してきちんと検査をすることができました。歯科検診もなんとか頑張れて、最後は年配の女医さんの問診でした。その時に発達センターで療育に繋がっていることを伝えると「私はこの子の発達は大丈夫だと思うわよ」とウィンクしながらおっしゃっていただけて、感動して無言で頭を下げて終わりました。その後まちゃは知的障害の診断を受けましたが、この時2度目の3歳児健診でヘトヘトになった私に、大らかな笑顔で素早く診察を済ませて励ましてくださった先生には感謝しています。今振り返って考えるとUpload By カタバミ今振り返って考えてみると、3歳児健診の時にはもう発達センターで専門家の療育にも繋がっていたのですから、前もって「検査がすんなり受けられるか心配だ」ということを、保健センターに相談しておけば良かったのではないかと思います。でもこの時には今ほど、息子には発達に遅れがあり、いろいろなことが困難だということを私も受容していませんでした。それに、大勢で受ける集団健診などは、ひたすら耐え忍んでなんとかするものなんだと思っていました。息子の状態を受け入れて周りに相談することができる今のほうが、こういった健診などは楽になっていると思います。執筆/カタバミ(監修:初川先生より)まちゃくんの2度行った3歳児健診のエピソードをありがとうございます。健診はタスクも多く、子どもを連れていくのも大変ですし、また何らか指摘されたくないことを指摘されるかもしれないという不安も相まって、「行きたくない気持ちでいっぱい」になる方も多いのではないでしょうか。カタバミさんが書かれていたように、すでに発達センターなどにかかっている場合には、発達センターで事前に話をしておくこともよかったかもしれないですね。機関同士での連携ができるかもしれないですし、準備(予習、心構えなど)についてのコツなどうかがえるかもしれません。まちゃくんは2回健診に行くことになったわけですが、2回目の様子から、一度健診を見ておいて予習をすることで、落ち着いて受けることができたのでしょう。ただ、健診そのもので「初めての環境でどう振舞うのか、その行動を見る」という面もあるだろうと思います。健診をスムーズに終えたい、あるいは、お子さんへの負担を減らすという意味で、予習・下見するほうがいい場合もあるのかもしれませんが、スムーズにできたがゆえに担当者の専門的な目で見えなくなってしまうものもあるように感じます(何より、担当者はお子さん方がうまく取り組めなかったとて、それ自体にも慣れていると思います)。そのあたりも含めて、心配な場合は、保健センターなどに問い合わせてみる、通っている発達センターで聞いてみるのもひとつかなとは思いました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月14日いろいろな「周りの子どもと違う」を感じた3歳児健診Upload By 丸山さとこASDとADHDがある息子のコウは、現在中学生です。10年前に受けた3歳児健診にて「発達障害(神経発達症)の疑いがあります」として療育園を薦められたことがきっかけで、後に診断を受けることとなりました。今回は、コウと私にとって一つの転機となった3歳児健診の記憶を振り返っていきます。3歳児健診の会場では、健診を待っている間に多くの同年齢の子どもを見ることになります。『コウと大体同じ年齢の幼児』ではなく『コウと全く同じ年齢の幼児』をたくさん見たのは初めての経験だったと思います。そのため、私はそこで初めて「コウはほかの子どもと何かが違うみたい……?」と明確に感じたことがいくつかありました。まず最初に、『ほかの子どもはコウほどずっと歩き回ってはいないこと』『保護者が制止すると、それに対して何らかのコミュニケーションが見られること』が気に止まりました。Upload By 丸山さとこ周りもみんな3歳児のため、じっと座って待つ子どもばかりではありません。ですが、もっと歩きたがって嫌がる子どもであっても、止めようとする親に対して『嫌がる』ことで意思を表明する姿が見られていました。当時のコウは、止めようとする私を障害物のように扱っていたため、ほかの親子のコミュニケーションの様子に違いを感じたことを覚えています。コウを追いかけつつさらに健診を待っていると、ほかにも見えてきた違いがありました。コウのひざは、会場の子どもたちと比べると妙にキレイなのです。多くの子どものひざは擦り傷や打ち身などの跡があるのに対し、コウの膝は白くスベスベしていました。当時のコウは、公園や児童館に行っても、おもちゃの車のタイヤを回したりブロックや石を並べたりしていました。そのため、体のどこかを激しく擦りむいたり打ちつけたりすることがなかったのだと思います。医師に診てもらっている間は何事もなく……?こうして、健診を待つ間は『コウとほかの子どもとの違い』を感じたり場内を歩き回るコウを追いかけたりといろいろありましたが、健診が始まってからは意外なほどスムーズに進んでいきました。Upload By 丸山さとこ当時のコウには人見知りが全くなく、人から触られることも意に介さないところがあったため、受け身でいればよい診察ではトラブルが起きにくかったのだと思います。そんなコウの様子を見て内科の先生は「やっぱり大家族の子どもは違うね~!」と言っていました(実際は、コウと夫と私の3人暮らしの核家族です。診察中の動じない姿を見て勘違いされたようです)。そうしてつつがなく進んだ健診の最後で、臨床心理士の先生から受けた発達の検査の結果、冒頭の通り「発達障害(神経発達症)の疑いがあります」と言われることとなったのです。Upload By 丸山さとこ3歳児健診を受けるまで、私はコウに神経発達症の可能性があるとは考えていませんでした。「マイペースな子どもだな」と感じてはいましたが、初めての子育てなのもあって「幼児ってこんなものなのかな?」とも思っていたのです。そのため、神経発達症の疑いの指摘には「この程度でも発達障害(神経発達症)なの?」と、いくらか驚きました。けれども、健診の順番待ちの間にほかの子どもたちの様子を見たことで納得する気持ちにもなりました。コウに神経発達症の可能性があると告げられても割合すんなりと受け止められたのは、コウを追いかけて大変だった待ち時間のおかげだったのだろうと考えると、「あの長い待ち時間も無駄じゃなかったのかもな~!」としみじみした気持ちになりました。執筆/丸山さとこ(監修:室伏先生より)さとこさん、コウくんの3歳児健診でのご様子や、神経発達症の疑いの指摘を受けられた時のお気持ちなど共有くださり、ありがとうございます。さとこさんに共感される親御さん、たくさんいらっしゃると思います。神経発達症という言葉のイメージや、思い浮かべる症状は、人によってかなり違いがあると感じています。同じように神経発達症と診断を受けられているお子さんでも、苦手な物事の違いや、苦手の程度の違い、社会への適応の度合いの違いはとても大きいです。多少の特性があっても、ご本人にとっても周りの方にとってもお困り事が小さければ、診断に至らないこともあります。お困り事というのは、特性の程度だけでなくそのお子さんの置かれている環境にもかなり影響を受けます。ですので、例えば療育、特別支援学級や通級指導教室などを見学された親御さんからは、通っているお子さんたちがなんで神経発達症と診断されているのか分からなかった、どのあたりに困っているのか分からなかったというお話もよくいただきます。診断を受けられて、困惑やご不安を強く感じられる親御さんもいらっしゃることと思いますが、同じ診断を受けていても、症状や適応度に大きな差があることをまず知っていただきたいなと思っています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年02月08日次女の1歳児健診でのこと。保健師さんから言われた言葉にショックを受けた出来事です。そんな言い方しなくても…保健師さんが「ちゃんと3食、食べさせていますか?栄養が足りないかもね」と言ってきました。次女は平均より体重は少なくやせ型でしたが、栄養失調のような言われ方に衝撃を受けました。さらには挙句の果てに、「ひとりで子ども3人を満足に育てられないなら、両親を頼りなさい」、と生活面についても指摘されて驚きました。 食が細くてもバランスよく食べさせようと試行錯誤し、無事に子どもたちも大きくなりました。 作画/いずのすずみ著者:いといつみ
2024年01月29日わが子は生まれたときは平均的な体重でした。しかし、6カ月健診で医師からショックなことを言われてしまったのです……。 把握していなかった現実わが子は飲めばご機嫌になるので、泣けば母乳と育児用ミルクをあげて……を繰り返していた私。よく飲む元気な子だと安心しながら過ごしていました。そして生後6カ月健診を迎え、病院へ行くと……。 子どもの体重が成長曲線の上限を大幅に超えていたのです……!飲ませている量を聞かれて答えると、医師からはっきりとした口調で「ちょっとお母さん!飲ませすぎ! 考えないと! ミルク量は今あげている量の半分にして!」と怒られてしまいました。 良かれと思って育児用ミルクをあげていたのが、良くなかったという衝撃的な事実が判明したのです……。その帰り道は自己嫌悪に陥り、かなりショックだったことを覚えています。 その後、言われた通りに量を調整。すると成長するにつれて成長曲線内に入るように。ご機嫌だからと、育児用ミルクを与え過ぎてはいけないということを学んだ出来事でした。 初めての育児は経験から学ぶことも多く、ときには失敗もするものと思ってはいました。が、健康に関することはきちんと知識をもっておくことが大事だと今は身に染みて感じています。 ※おっぱいの場合、生まれたばかりの赤ちゃんには欲しがったらあげるのが基本ですが、育児用ミルクの場合は消化に時間がかかるため、1日8回程度が目安です。生後2カ月~3カ月ごろは6~8回程度にし、生後4カ月ごろから1日5回程度を目安にしましょう。離乳食を始める生後5~6カ月ごろになったら、食材に慣らすため、離乳食のあとに授乳をします。ただし、飲む量、食べる量には個人差があるもの。気になることや不安なことがある場合は、自治体の保健センターや小児科などで専門家に相談するようにしましょう。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/はたこ監修/助産師 松田玲子著者:たけだ みこ
2024年01月28日ネットの情報や先輩ママから、妊娠中は腰が痛くなると聞いていたため、「双子ならなおさら仕方のないこと」と腰痛が悪化しても妊婦健診で先生に相談することなく耐え続けていました。しかしあまりの激痛に耐えきれなくなり、出産予定日を目前に控えた日の真夜中、病院へ。そこでわかった腰痛の原因を紹介します。 妊娠3カ月には目立つおなか双子を妊娠して妊娠3カ月ごろにはおなかが大きくなり、妊娠前にはいていたズボンのチャックが閉まらなくなりました。それからはどんどんおなかが大きくなり、腰痛と付き合う日々。 仕事をしていても、運転をしていても、常に腰が気になります。妊婦健診の際に腰が痛いことを先生に伝えてみましたが、「もともと1人用のおなかに2人入っているのだから、腰への負担も仕方のないこと。できるだけ寝転がって過ごしなさい」とのことでした。 腰痛で眠れない日々妊娠5カ月に仕事を退職し、妊娠7カ月ごろからは必要最低限の行動以外は自宅のベッドにいる日々を過ごしました。それでも腰痛はひどくなる一方です。寝る向きを変えてみたり、腰をさすってみたり、押してみたり……。 少しでもラクになる体勢を探しながらゴロゴロ。夜中も痛みで起きてしまうため、ゆっくり眠ることもできない毎日。ただ、“腰痛は仕方のないこと”という認識から、妊婦健診でも先生に腰痛がひどくなっていることを相談しませんでした。 腰痛の原因が判明出産予定日を1週間後に控えたある日、とうとう腰痛が限界にきました。どうやっても治まらない激痛に涙がこぼれ、真夜中に通っていた産婦人科へ行くことに。そこで腰にエコーを当ててもらい、腎臓に水が溜まっていることが判明! 双子の成長により尿の通り道が圧迫され、水腎症になっていました。水腎症を発症していては個人病院の産婦人科では産むことはできないということで、そのまま市民病院へ転院し、緊急入院。2日後に、もともと予定していた帝王切開で出産しました。 出産したことで、尿の通り道への圧迫がなくなり、水腎症は回復しました。腰痛は赤ちゃんの重みが原因だと思い込み、先生に相談しなかった結果が緊急入院です。不安や心配事があれば思い込みで過ごすのではなく、なんでも先生に相談しておけばよかったと、今回の体験から学びました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子著者:桜田はな双子男児と女児1人の母。子育てやサブスク関係のライターとして活動中。 イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2024年01月21日1歳半の息子、発達に気になるところが……。1歳半健診で相談しよう!前回の記事で書いたように、赤ちゃんの頃から発達に気になるところがあった息子のたーちゃん。1歳半の頃にはさらに、癇癪、パニック、こだわり、偏食、異食などもでてきており、自宅保育をしていた私はノイローゼ気味でした。Upload By みかみかん1歳半健診ではたーちゃんの様子を専門の方に見てもらって、たくさん質問して不安を解消しようと意気込んでいました。聞きたいことや話したいことをメモにまとめたり、健診当日に向けてしっかり準備をしていました。万全な対策をして、いざ1歳半健診へ!たーちゃんはこの頃から不安感が強めで、人見知りと場所見知りがひどく、パニックや癇癪になることもありました。なので無理をさせないように外出は慣れた場所ばかりでした。1歳半健診が市の児童館で実施されると知ってからは、少しでもたーちゃんが場所と雰囲気に慣れてくれたらと思い、週に何度かその児童館に遊びに行きました。健診当日、いつも通り機嫌よくたーちゃんは児童館へと入っていきました。場所に慣らしておいた努力が報われたかもしれない……と安堵しながらホールの扉を開けると、そこではたくさんのお子さんと保護者が健診を受けていました。場所見知りとパニックが起きてしまう……その様子を見たたーちゃんは、いつもと違う雰囲気に気圧されたのか、激しく泣き始めてしまいました。Upload By みかみかん裸足で外に出ていってしまう勢いでパニックになり、なんとか抱っこして抑えている私は「まさか」「やはり」「なんで」が混ざった感情でぐちゃぐちゃでした。他に泣いている子どもはおらず、楽しそうにお友達とおもちゃで遊んだりしており、保護者の方も談笑しながら順番を待っていました。その中でひときわ大きい声で泣いて暴れるたーちゃんにチラチラと向けられる視線がつらかったです。大人2人がかりでの身体測定……なんで他の子と同じようにできないの?その後も私や職員の方がいくらなだめてもたーちゃんが泣き止むことはありませんでした。大人2人がかりで泣いて暴れるたーちゃんの身体計測をしている様子を見るのもつらく、もう帰ってしまおうかとも考えました。しかし、たーちゃんにはつらい思いをさせてしまうけれど、ずっと悩んでいた発達についてしっかりと相談したいと心に決めていました。私も頑張るから最後の問診まで頑張ろうと、暴れるたーちゃんを抱きしめていました。待望の問診。たくさん聞きたいことや話したいことがある!しかし……問診に呼ばれた時にも、まだたーちゃんは泣いて暴れており、私は疲れきっていました。心理士さんが質問をし、私が答えますが、ずっと大声で泣いているたーちゃんを抱えたままではまともに聞き取ることすら難しかったです。Upload By みかみかん他のお子さんは、積み木ができるか、指差しができるかなどもその場で観察されていましたが、パニック状態のたーちゃんができるはずもなく。1歳半の時点で「ワンワン」しか発語がなかったので、言葉の遅れも心配しましたが、心理士さんからは「様子見しましょう」としか言われませんでした。そして、「発達が気になったら電話して」と電話番号が書かれた紙を渡され、1歳半健診は終わりました。まともに健診を受けられなかったことにショックを受ける児童館を出て夫と会うと、たーちゃんはやっと泣き止みました。他のお子さんがみんなできている健診もまともに受けられなかったことや、他のお子さんとの違いを目の当たりにしたショックで、夫の運転する車内で私は泣きそうでした。発達について不安に思っていた気持ちが、確信へと変わっていきつつありました。療育に繋がった現在のたーちゃんと私そして2歳になる前に、やはり療育につながりたいと思い、案内された電話番号にかけて発達についての相談をしました。それから親子教室や民間の療育につなげていただき、少しずつ私のメンタルも回復していきました。1歳半健診では「ワンワン」しか言えなかった息子も、今ではうるさいくらいおしゃべりです。Upload By みかみかん初めての場所を不安がる時もありますが、パニックを起こすことはほとんどなくなりました。発達について他のお子さんと違うなと思うこともありますが、個性だと思えるようになってきました。1歳半健診の時にはショックで受け入れられなかったけれど、時間をかけて私も受容できたのだと思います。1歳半健診を終えて落ち込んでいる保護者の方へ……1歳半健診で「様子見」「要観察」と言われた保護者の方、たーちゃんのようにお子さんが泣きっぱなしだった方、今は気落ちされているかもしれません。少し動けるような気持ちになって、やはり発達が気になると思ったら、ぜひ誰かに相談してください。一人で抱え込まず、助けを求めた方が良いと私は思います。差し伸べた手は、誰かがきっと握ってくれます。執筆/みかみかん(監修:新美先生より)1歳半健診の時のエピソードを聞かせてくださりありがとうございます。乳幼児健診は、身体的な不調・疾患を見つけると共に、いわゆる発達の遅れや偏りの見られるお子さんについて養育不安のある保護者の相談を受け、専門機関につなぐといった役割があります。大人数で決められた形式で行われるので、いつもと違う環境で落ち着かないお子さん、多動のあるお子さん、人見知りの強いお子さんにとっては、正直なところとても侵襲的な環境であることは事実です。発達障害特性のお子さんを見つけることが重要視されるずっと以前から同じようにやってきており、わざとそういう環境をつくって特性が目立ちやすくしているというわけではないのですが、これを工夫して構造化して、人数を少なくして、嫌な思いをさせないようにという方向にはなかなか話が進んでいません。実際、健診で嫌な思いをしたという話は本当によく聞き、申し訳ない気持ちになります。ただ健診をきっかけに地域の保健師とつながり、お子さんに必要な情報にたどり着いてもらえるよう、実施主体の市町村担当者も苦心されていることとは思います。みかみかんさんのように、健診でショックを受けたけれども、それをきっかけにして相談や専門機関につながってよかったと思えるのであれば幸いです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月04日■前回のあらすじ最後の妊婦健診で赤ちゃんの心音が弱いと指摘され、急遽入院することに。待っても陣痛が来なかったため、バルーンを入れることになりました。ウーマンエキサイトをご覧のみなさん、こんにちは! はなうさです。臨月の妊婦健診でNST(ノンストレステスト)に引っかかり、即日入院した後にバルーン&促進剤コースでいよいよ出産のゴングが鳴らされた次男の出産レポ。今回が最終回です!バルーンを入れた翌日の朝、促進剤投与が始まりました。しかしなかなか進まないお産。てっきり打ったら割とすぐくるものかと思っていました。(甘かった)そこで、悩んだのが旦那を呼ぶ時間。この日は休むと言ってくれていたんですが、長男出産時の経験から至急口7cmくらいになるまでまぁまぁ暇させていたなと笑陣痛の痛みが出てからは水分補給の補助や、お尻にテニスボールを当ててもらったりしてとても助かったのでそのタイミングでいてくれればと思い、お昼ごはん食べてからきてほしいとお願いしていました。しかし…なかなかお産が進まない!!長男の時は破水→病院→到着後陣痛が始まり4時間のスピード出産だったんですが、促進剤スタートしてから3時間過ぎても重めの生理痛くらいの痛さ…これは旦那が着いた時点で5~6cmくらいしか進んでないのでは!? という気がしてきました。するとそこへ促進剤のおかわりの準備にきた助産師さんが…その助産師さん調べによると、陣痛アプリにせっせと記録している妊婦さんほど陣痛が進まないと聞き、速攻でスマホ投げ捨てました笑そうこうしていると旦那が到着し、促進剤の様子やらなにやら話している間もどんどんお産が進んでいると実感があり…。旦那も来たし、このままいけば夕方までには産めそう! と思っていたのですが…。破水したと思ったらすでに全開!あれよあれよと分娩室に移り、もう痛みもMAX状態‼その急展開に自分でも驚いたんですが、それは旦那も同じようで…分娩室に移ったのはいいものの、旦那がいないとざわつく助産師さん。その様子に気づき「え!? いないの!?」と驚く私。ここからがまだ長いと思っていた旦那は院内にあるコンビニでお買い物してたそうで、戻ってきたらさっきまで私がいた場所に誰もいなくてビックリしたそうです笑2人目で余裕ぶっこいていたのは旦那も同じでした笑無事に旦那も分娩室で合流し、その十分後には産まれてきた次男。私は見えなかったけど、首に臍の緒がグルグルに巻き付いてしまっていたそう!それで苦しかったのかもしれないねとのことでした。確かに胎動強めで元気な子だなぁとは思っていたけど臍の緒巻きつくまで暴れていたのか…。(ちなみに5歳になった今でも寝相悪いです笑)2人目で流れがわかっていても、やはり思いもよらないことが起こるのが出産だなぁと改めて思ったのでした。
2023年12月22日めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
こどもと見つけた小さな発見日誌
育児に遅れと混乱が生じてる !!