「小児科」について知りたいことや今話題の「小児科」についての記事をチェック! (1/17)
「パニック中の記憶がない」という衝撃の告白現在16歳、高校生の息子は、10歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。慎重で落ち着きがなく、初めての場所やいつもと違うことに弱い、急な予定変更など見通しが立たないと不安になる、目や耳が過敏などの特性があります。幼い頃から癇癪は見られていましたが、小学3年生になると、担任の先生との相性が合わないのか、パニックの激しさが増し、全力で泣き叫んだり、自傷行為をしようとするようになりました。そして小学4年生のある日、息子が突然私のところへ来て、衝撃的な言葉を口にしました。「パニック中の記憶が無い。居ない人の声が聞こえる」Upload By ユーザー体験談それまでは、スクールカウンセラーと協力し、パニックが起こる前に次の行動を予告したり、学校へ行く準備を手伝ったり、イライラした時には深呼吸を促すなど、さまざまな対策をしてきましたが、さすがにこれは深刻な状況だと感じました。息子の言葉をスクールカウンセラーに伝えたところ、即座に「それは病院に連れて行ったほうがいい。家族の努力だけじゃどうにもならないから、薬の処方などについても相談してみましょう」と言われ、「前に療育に通っていたときに診てもらっていたところにカルテがあるはずだから、まずはそこに相談してみてはどうでしょう」とアドバイスを受けました。年長から小1まで通っていた発達支援施設には医師が常駐し、そこに受診していました。ですが、連絡してみると予想外の返答が返ってきました。「小児科ではなく児童精神科へ」思春期外来のある精神科病院への転科すぐ発達支援施設に問い合わせたところ「最後の受診から何年も経っているため、初診まで半年かかります。半年後には状況も変わっていると思いますし、息子さんはもう10歳なので、症状からも小児科ではなく児童精神科で診てもらったほうが良いと思います」と言われました。そして、思春期外来のある精神科病院を教えてくれました。紹介状についてダメ元で聞いてみたところ、「紹介状を書くにも初診が必要ですが、お子さんが改めてこの施設で受診しなくても、これからかかる先の病院に情報を提供できます」とのこと。この施設が初診まで半年かかるのは知っていましたし、通っていたのはかなり前なので、ほかの病院に変わることに特に抵抗はありませんでした。地元で子どもが通える精神科についての知識は全くなかったので、別の病院を教えてもらえたのは大変ありがたかったです。すぐ教えてもらった病院に電話したところ、「思春期外来の先生が〇曜日に来ます。予約は要らないので、その曜日の午前中に来てください」と言われ、幸いにも割とスムーズに受診することができました。問診表と持参した過去の発達検査の結果で診断、リスペリドンを処方紹介された精神科病院はとても混んでいました。問診票の項目が多かったため、母子手帳を確認しながら小さい頃のことを思い出して記入、さらに問診でいろいろと聞かれたあと、職員さんが息子に「先生が原因を調べてくれるからね」と言ってくれました。診察では問診票と家から持参した過去の発達検査の結果を見て、先生からあっさりと診断を受けました。「発達障害ですね。保育園で落ち着きが無くて加配の先生が付いていたことからも、ASD(自閉スペクトラム症)で間違いないと思います」そう言って、紙に「自閉スペクトラム症」と書いて渡してくれました。そして、「パニックを起こしたり、起こしそうになったりした時には、薬を飲ませてください」と、リスペリドンという薬を処方してくれました。発達障害の診断には時間がかかると思っていたことと、息子が横で一緒に聞いていたこともあってすぐ診断が出たことに少し戸惑いました。ただ、幼い頃から落ち着きがなく、ずっと発達障害の疑いを持っていたので、診断を受けてホッとしたというのが一番の感想です。学校へ配慮のお願いをしても「一体何の問題が?」という態度を取られることが何度かあったので、「これで学校にいろいろとお願いしやすくなる」とも思いました。突然診断を受けた息子の思いは……息子は思いのほか落ち着いていました。「自分がパニックを起こして記憶がなくなったりするのには原因があるんだ」ということが分かって安心したようです。その日から「何で僕はみんなと違うの?」と泣きながら訴えてくることがなくなりました。そしてパニック時に薬を飲むととても落ち着くようになりました。私は「薬を飲むとこんなに楽なんだ」と驚きましたし、息子自身も「心に効く薬があるんだ!」とびっくりしていました。次の受診で「薬のおかげですごく楽になりました」と伝えると、先生は「そう言ってもらえるのが一番嬉しい」と笑顔で言われました。Upload By ユーザー体験談服薬はメリットが多いですが、副作用もありました。息子は頭痛と眠気がでるようになり、頭痛については、「パニック中は神経が高ぶっているからそういうこともあると思います」と説明されました。そして夜遅くに薬を飲むと、次の日昼頃まで起きられないこともあることを相談すると、「傾眠がある場合は薬を半分にしてもいいですよ」と言われ、半分に割って飲んでいます。十分に眠ると今度はスッキリするので、学校への行き渋りも減って助かりました。高校生になった息子、現在の状況は……受診、服薬もしていますが、今でもパニックを起こすことはありますし、「記憶がない」ともよく言います。しかし、成長して泣き叫ぶようなことはなくなりましたし、何よりも「薬があるから」という安心感があります。また、不安なことも相談でき、「記憶がなくなるのは自分の心を守るためだから」「記憶が戻らなくなることはないから大丈夫です」と医師から言われるとホッとします。途中で先生が変わってしまいましたが、新しい先生も息子の悩みに付き合ってくれています。定期的に状況報告をして薬をもらうだけでも、いざという時に医師に助けを求められる状況はとても大事です。現在高校生になった息子ですが、環境の変化もあって疲れが溜まるらしく、たまに学校を休んだりしています。それでも学校自体は楽しいらしいです。今後は、自分自身をしっかり理解して、自分のことを自分で周囲に説明できるようになり、困ったときは助けを求めたり、困っている人を助けたりできるようになると良いと思います。イラスト/keikoエピソード参考/まこぺ(監修:新美先生より)小児科から児童精神科に転科したときのことを聞かせていただきありがとうございます。何歳まで小児科で、何歳から児童精神科・精神科か、どのような状況でどちらの科に受診するとよいかということについては、地域や病院による差が非常に大きいため、お住まいの地域やかかりつけの病院で問い合わせていただくことが必要です。病院や科ごとに、診療の対象年齢がある程度決まっていたり、症状や状況によって得意分野や、役割分担(すみわけ)があったりします。また紹介や初診の手順についても、病院ごとのルールやローカルルールみたいなものが決まっていることもあります。面倒だな、融通が利かなくて不親切だなと感じることもあるかもしれませんが、この分野の診療リソースがニーズに比べて不足していることがほとんどなため、少ないリソースで診療体制を維持するための工夫でもあるのでどうかご了承ください。元々発達障害特性のあるお子さんは学校生活でストレスを受けやすく、学童期、特に思春期頃になってくると、今までにないさまざまな精神症状が起きてくることは少なくありません。そうした時に、ストレス源を減らしたり、ストレス対処行動を身につけたりすることと同時に、適切な薬物療法を受けることも、お子さんにとってメリットがあることも多いです。筆者さんの息子さんも、そうした相談ができる担当医にスムーズつながることができ、ストレスや自分の特性とうまく付き合いながら成長していけていることが伺えてよかったです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2025年07月08日5歳児健診とは?何のために行う?この時期の健診が重要な理由5歳児健診は、主に就学前の発達上の課題などの早期発見と支援につなげることを目的としています。また、生活習慣の指導も目的に含まれています。5歳児は言語理解力や社会性が発達するとともに、課題が顕在化しやすい時期でもあるため、この時期に健診を行うことでお子さんの特性を早期に把握し、適切な支援につなげやすいと考えられています。実際に5歳児健診により不登校発生数が減少したという調査もあります。5歳児健診は3歳児健診などとは異なり実施は任意なので、実施していない自治体もあります。ただ、こども家庭庁では令和10年度をめどに全国展開を目指していて、自治体への助成などを強化しています。参考:5歳児健診ポータル保護者の方へ|こども家庭庁参考:乳幼児健診について|こども家庭庁参考:こどもまんなか実行計画2024|こども家庭庁発達が気になるお子さんにとっての5歳児健診は、3歳児健診では気づきにくく、就学前には気づいて対応したい発達上の課題を発見でき、早期の支援につなげるなど就学に向けて準備できるという意味合いがあります。5歳になると言語の発達が進んでいたり、園などで集団活動する機会が増えたりと3歳の頃とは状況が変わっており、新たな課題が顕在化することも多いと言われています。また、家庭内でも睡眠リズムが整わないなどの生活習慣やテレビやタブレットの動画視聴などメディアの利用でも気になる点が生じているかもしれません。5歳児健診はそのことに気づく機会になるとともに、家や集団生活で日ごろ気になっていることを専門家に相談して保護者の不安を解消する機会ともなります。また、5歳児健診は小学校に入学する前の就学時健診とも内容や目的が異なります。5歳児健診は就学時健診の約1年前に実施されるため、何か課題があった場合でも小学校入学前に医療や福祉などの支援につなげやすい点が特徴です。それとともに、発達に課題がある場合はお子さんの通っている園や入学予定の小学校と情報共有も行います。対して就学児健診では、内科や眼科、歯科の健診や教師による面談で学校生活を送る上で課題となる疾患を早期に発見することが主な目的となっています。歳児健診マニュアル.pdf参考:5歳児健康診査マニュアル|令和3年度~5年度 こども家庭科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業5歳児健診では何をするの?具体的な内容をチェック5歳児健診は自治体によって集団で行う場合と、小児科のクリニックなどで個別に行う場合があります。保護者やお子さんとの問診や計測などを通してさまざまな項目を確認していきます。事前に問診表を提出し、身体計測、診察、保健指導、相談などを行う、というのが大まかな流れです。具体的な内容は以下のようになります。身体計測:身長、体重などを測定し、成長の進み具合を確認します目や耳の検査:問診や診察を通して疾患の可能性などを確認します精神・神経発達の確認:会話やしりとりなどを行い、知的能力や言語能力、社会性などを確認します運動機能の確認:片足立ちなどを行い、粗大運動・微細運動の発達などを確認します生活習慣の確認:食事、睡眠、排せつ、歯磨き、メディアの利用状況などの生活習慣を確認しますその他:必要に応じて医師、保健師、管理栄養士などによる保健指導や心理相談を実施します以上のような内容で行われ、3歳児健診時点の結果なども踏まえたうえで、発達の遅れなどを判断していきます。※自治体によって健診の内容には違いがあります5歳児健診では、運動・言葉・社会性・認知など、子どもの発達状況を確認するために、さまざまな項目が実施されます。具体的には片足立ちやしりとり、じゃんけんなどを通して一定の基準に照らして判断していきます。片足立ちは運動機能に遅れがないかをチェックするために行います。具体的には、片足立ちで左右とも5秒以上できるか、著しい左右差がないかを確認します。運動機能のチェックにはほかにもボタンのかけはずしや図形の描写などがあります。しりとりでは知的能力、ルールの理解、対人コミュニケーション能力などの精神発達をチェックします。5歳児は目安として3往復以上のしりとりができるとされているため、うまくできない場合は発達の遅れや難聴などの可能性が考えられます。じゃんけんも勝ち負けやリズムに乗ってできるかによって、発達の遅れがないか確認します。ほかにも会話を通しての言語理解、家庭や保育園での様子のヒアリングなどを通してお子さんの発達状況を確認していき、気になる様子があれば専門機関への相談などへつなげていきます。歳児健診マニュアル.pdf参考:5歳児健康診査マニュアル|令和3年度~5年度 こども家庭科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業参考:田中 駿, 牛山 道雄, 清水 里美, 郷間 英世 著「しりとりを通してみた幼児の言語発達」LD研究 33巻 (2024年)2号 p. 187-1955歳児健診で発見される発達障害のサインは?発達が気になる時の相談先お子さんに気になる様子があっても、それが発達障害に関係しているのか判断が難しいと思います。ここでは、5歳頃に見られる発達障害のサインを紹介します。多く当てはまったからといって、必ずしも発達障害があるとは限りませんが、相談する際の参考にしてみてください。Upload By 発達障害のキホン参考:青森県子どもの発達支援ガイドブック|青森県参考:指導・支援|発達障害教育推進センターお子さんの発達で気になることがある場合は、専門機関に相談することでアドバイスや適切な支援などを教えてもらえることがあります。ここでは5歳児のお子さんの発達について相談できる窓口を紹介します。【お子さんの発達に関して相談できる窓口】自治体の発達相談窓口:自治体の窓口や児童相談所などで相談対応や支援機関などの紹介を受けることができますかかりつけの小児科医:専門的なアドバイスや医療機関などの紹介を受けることができます精神保健福祉センター:発達障害に関する相談や、医療機関の紹介などを受けることができます発達障害者支援センター:発達障害に関する専門機関でアドバイスや支援、情報提供などを受けることができます児童発達支援センター:児童発達支援や放課後等デイサービスなどの利用や情報提供を受けることができます場所によって予約の有無や対面、電話などの相談方法も異なります。まずは相談しやすいと感じる窓口に問い合わせてみるといいでしょう。参考:1.成長、発達で気になることを相談したいとき|独立行政法人 福祉医療機構 WAMNET【専門家に聞く】5歳児健診にまつわるギモンを分かりやすく解説!Q:幼稚園年中の男の子です。家ではあまり困りを感じていないのですが、幼稚園では落ち着きがなく、医療機関を受診するまではいかないけれど今後の発達に少し不安があります。就学時健診だけではなく、5歳児健診も受けたほうがいいのでしょうか?A:就学時健診だと就学まで1年未満のため、そこで何か対応を検討しても、すぐに支援を受けられない可能性があります。小学校に入学後、スムーズな集団生活を安心して送ることができるように、園での様子を5歳児健診時に相談されることをお勧めします。家だと落ち着いていても、集団で落ち着かない場合、ザワザワした環境が苦手だったり、いろいろな視覚情報が多いことが苦手など、お子さんによっても特性はさまざまです。お子さんの特性を早めに理解し、環境を整えることで、就学までの時間をより安心して過ごすことができます。Upload By 発達障害のキホンQ:幼稚園年中の女の子です。人見知りや場所見知りがあるので、検査がうまくできないのではと心配です。5歳児健診にはどのような準備をしていったらよいですか?A:5歳児健診は、検査という形で身構えて取り組む必要はありません。ご家庭や集団生活のご様子を問診し、健診での診察などを踏まえて総合的に判断します。「知らない場所で知らない大人と話す」というのは誰でも、緊張してしまうことはあります。少しでも安心して過ごせるように、例えば、・事前に行く場所を伝えて、先生とお話しするよなど、イメージができるように説明をしておく・お気に入りにの小さいぬいぐるみやタオルなどを持参する・「緊張しちゃっても大丈夫」と声掛けするなどの準備をしてお子さんに安心感を与えてください。Upload By 発達障害のキホン5歳児健診は早期の支援につなげるためにも大切な機会5歳児健診は3歳児健診では気づきにくい発達上の課題を発見し、早期の支援につなげるためにも大切な機会です。5歳児健診で発達の遅れなどが見つかった場合、専門家への相談や、園や小学校への情報共有などを行うことで、お子さんが学校生活へ適応するための支援も行っています。現在は実施していない自治体もありますが、こども家庭庁では早期の全国展開を目指して援助を行っています。また、実施していない自治体でも、似たような健診や発達相談を行っている場合があります。お住まいの自治体のWebサイトなどを確認し、活用していくといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2025年06月29日「もう終わりにしようね」と言っても「あと5分!」とねだる子ども。「YouTubeが見たい!」と駄々をこねる場面。「ゲームの途中だから!」と電源を切りたがらない……。こんな状況に心当たりはありませんか?モバイル社会研究所の「モバイル社会白書 2024年版」によると、スマートフォンの所有開始年齢は低年齢化の傾向にあると指摘。また、インターネットやデバイス利用時間(学習目的を除く)は、小学1〜3年生で平均83分、4〜6年生では110分、中学生に至っては151分と長時間に及びます。さらに、どの小学生の学年も約7割の子どもが毎日YouTubeを視聴しているとのことです。「このままではスマホ依存になってしまうのでは」と心配している方も多いのではないでしょうか。じつは、デジタル機器との関わり方により、子どもの生活習慣の形成に大きく影響することがわかっています。新学期に向けて、お子さんの生活習慣を見直すには絶好のタイミング。そこで、専門医の監修のもと、健やかな子どもの成長のために知っておきたいデジタル機器の影響との賢い付き合い方についてまとめました。監修者プロフィール飯島慶郎不登校/こどもと大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック 院長精神科医・総合診療医・漢方医・臨床心理士島根医科大学医学部医学科卒業後、同大学医学部附属病院第三内科、三重大学医学部付属病院総合診療科などを経て、2018年、不登校/こどもと大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニックを開院。多くの不登校児童生徒を医療の面から支えている。島根大学医学部精神科教室にも所属。スマホの長時間利用が子どもに与える5つの影響日本小児科学会は「子どものスマホ利用」について注意を呼びかけています。実際どんな影響があるのでしょうか。1.睡眠不足夜間のスマホ使用は、画面から出るブルーライトが睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑え、子どもの睡眠の質を低下させます。これにより、夜中に何度も起きる、朝起きられないといった問題が起こることがあります。2. 学力低下スマホの使用時間が長いほど学力が低下する傾向があります。これは勉強時間の減少だけでなく、「すぐに答えを得たい」という思考習慣により、じっくり考える力が育ちにくくなるためです。3. 体力低下スマホ使用で座っている時間が増えると、外遊びや運動の時間が減少します。これにより骨や筋肉の発達が妨げられ、基礎的な運動能力の獲得にも影響します。4. 視力低下近距離で画面を長時間見続けることで、視力低下や近視のリスクが高まります。一方、外遊びなどで遠くを見る機会が増えると、目の健康にプラスの効果があります。5. コミュニケーション能力低下直接的な対面コミュニケーションが減ると、表情や声のトーンから感情を読み取る能力が育ちにくくなります。人との関わりを通じて学ぶ社会的スキルは、将来の人間関係の基礎となります。また、スマホ依存による夜型生活や睡眠不足により、朝起きられずに学校を遅刻したり休みがちになり、不登校になってしまうケースもあります。家族でスマホの適切な使用ルールを話し合い、「禁止するもの」ではなく「賢く使いこなすもの」として、子どもの健全な発達を促すことが必要です。親子で実践! スマホ依存から抜け出した家族の成功例心配になったからといって、いきなりデジタル機器の使用を禁止するのは逆効果。家族でデジタル機器との上手な付き合い方を考え、実践することが大切です。過去にあった、実際に子どものスマホ依存を軽減することができた、実践例を紹介します。使用時間と場所のルールづくりまずは、家族全員で「デジタル機器を使ってよい時間・使わない時間」を決めましょう。話し合いながら、スマホ利用のルール化をつくることで、子どもも納得して使用できるようになります。特に終了時間を見える化する工夫をすると、切り替えがスムーズになります。実践例タイマーなどを使って「あと何分」かを目に見える形で示す子ども部屋ではなく、リビングなど家族が見える場所で使う寝る1時間まえからは「スマホ・タブレットお休み時間」にして、決まったBOXのなかにデジタル機器を入れる先輩パパ・ママの声:「知育学習にipadを使わせています。まだ時計を読めないので、砂時計のようなアプリで残り時間を目に見える形で示すようにしました。終わりの音がなると、『もうおしまいのじかんだね』と自分で電源を切るようになりました」(1歳・3歳の母)スマホ以外の楽しみを増やすスマホがないと初めは「することがない」と感じる子どもも多いもの。そこで、スマホ以外の楽しい時間を増やせるかどうかがカギとなります。絵本の読み聞かせ、簡単なボードゲーム、家族での会話タイム、軽いストレッチなど。「スマホを取り上げられた」ではなく「〇〇の時間が増えた」という前向きな実感が大切です。実践例毎日寝る前に絵本を読む時間をつくる休日は公園や自然の中で過ごす時間や料理などをして楽しむ時間を意識的に増やす子どもが興味をもつおもちゃや本を充実させる先輩パパ・ママの声:「YouTube見せないと怒る娘が心配でしたが、週末に一緒に外で遊ぶ時間を増やしたら、だんだん外で遊ぶ方が楽しいと言うようになりました。最初は不満そうでしたが、続けてよかったです」(年長女児の父)親自身が見本になる「子どものため」と言いながら、親だけはスマホを見ているというのでは効果半減。特に小さいお子さんは親の行動を観察して学ぶので、大人が率先してお手本を見せることが重要です。子どもは親の行動をよく見ています。大人自身がスマホとの付き合い方を見直し、よいお手本を示すことが何よりも効果的です。実践例子どもと一緒にいる時や食事中は、自分のスマホを見えないところへ月に1回は「家族みんなでデジタルお休み日」を設ける親自身が本を読んだり、趣味を楽しむ姿を見せる先輩パパ・ママの声:「意識しないとつい手元にスマホを置いてしまいますね。でも、子どもとの時間や食事中は、スマホを見えない場所に置くようにしました。すると、子どもがとても嬉しそうで。『今までスマホばかり見ていてごめんね』という気持ちになりました」(小2男児・小3女児の母)まずは家族で話し合おう!よりよいデジタルライフへの第一歩デジタル機器の使い方について、子どもも交えて話し合いながら家族のルールを決めていくことがおすすめです。デジタル機器やスマホを「禁止」ではなく「よりよい使い方」を考える機会にします。子どもにルールを守ってもらうためには、その理由を年齢に合わせて伝えることが大切です。「スマホを長く使うと目が悪くなるよ」「夜使うと朝起きられなくなるよ」など、わかりやすく説明しましょう。そして、家族全員で決めたルールは紙に書いて、冷蔵庫やリビングなど目につく場所に貼っておくと効果的です。***親子で少しずつ続けることで、お子さんの睡眠の質が上がり、朝の目覚めや日中の集中力も改善していきます。また、体力や視力の維持、対面でのコミュニケーション能力の発達にもつながるでしょう。デジタル機器に振り回されない、バランスの取れた生活習慣を子どもと一緒につくっていけるといいですね。(参考)日本小児科学会|スマホの時間私は何を失うかモバイル社会研究所|モバイル社会白書 2024年版
2025年04月13日扁桃炎(扁桃腺炎)とはどんな病気?扁桃炎(へんとうえん)とは、扁桃腺炎(へんとうせんえん)ともいわれ、口の中の舌の付け根の両端のこぶのようなものが、炎症をおこし腫れることを言います。扁桃腺が赤く腫れて扁桃炎になると、喉が赤くなり炎症をおこす他に、38℃~40℃の高熱が出たり、関節痛があったり、唾液を飲み込むのが痛かったりと、不快な症状が現れます。扁桃炎は風邪によって引きおこされることがほとんどで、風邪の一種と考えた方が良いでしょう。また、扁桃腺だけが炎症をおこすことは少なく、咽頭炎といって、口や鼻の奥にある咽頭の炎症と同時におこることがほとんどです。扁桃腺とは?どこにあるの?扁桃腺の場所や呼び名は細かく分類されます。口蓋扁桃(こうがいへんとう):舌の付け根の両端にあるこぶのような場所で、一般的に扁桃腺と呼ばれる部分咽頭扁桃(いんとうへんとう):アデノイドともいわれる、のどちんこの上の部分耳管扁桃(じかんへんとう):口蓋扁桃の少し上の部分舌根扁桃(ぜつこんへんとう):舌の奥にある部分扁桃腺の大きさには個人差がある扁桃腺の大きさは、個人差があります。健康な状態のときにのどの奥を見ると、扁桃腺が小さくてどの部分なのかわかりにくい人もいれば、生まれつき扁桃腺が大きくて、のどをふさぐほどこぶがふくれている人もいます。また、風邪で耳鼻咽喉科を受診したときや、健康診断などで扁桃腺が大きいと指摘されたことがある人もいるでしょう。扁桃腺が大きいからといって、扁桃炎をおこしやすいとは必ずしも言えません。見た目は小さくても、実は扁桃腺が埋もれている場合もあるようです。しかし、扁桃腺が大きい場合は、睡眠のときにいびきをかいたまま無呼吸になるなど、危険な状態におちいることがあります。そのため、あらかじめ子どもの扁桃腺がどのくらいの大きさか、健康なときにのどをのぞいて確認しておくと安心ですね。扁桃腺肥大の特徴扁桃腺肥大とは、扁桃腺が通常よりも大きいことをいいます。扁桃腺が大きすぎると、食が細い・息がしずらい・夜中に呼吸が困難になるほどいびきをかく・熟睡できないなど、不快な症状が現れることがあります。そのため、生活に支障をきたす場合は、扁桃腺を摘出する手術をすすめられることがあるでしょう。手術をすすめられた際は、納得がいくまで医師と相談しましょう。どのような手術になるのか、どれくらいの入院期間なのか、後遺症はあるのかなどを確認できると良いですね。扁桃腺の役割ひと昔前までは、扁桃腺を摘出する手術が頻繁に行われていました。しかし、現代では扁桃腺の手術の件数は減っているとされています。扁桃腺は、ウイルスの侵入をブロックする役割があります。幼少のころは扁桃腺が炎症をおこしやすく発熱しやすい体質でも、大人になるとともに免疫力がついて、自然と体質が改善されることが多いようです。また、扁桃腺肥大と診断されたとしても、必ずしも手術をして扁桃腺を摘出しなければいけないわけではありません。子どもの症状を観察して、メリットとデメリットを知り、しっかり医師と話しあって決断できると良いですね。扁桃炎の症状は?扁桃炎の主な症状は、下記の通りです。・38℃~40℃の高熱・頭痛、悪寒・全身のだるさ・炎症によるのどの痛み・腹痛、嘔吐さらに進行すると、のど全体に炎症が広がり、38℃~40℃の高熱が4~5日続くことがあります。扁桃炎になると、肉眼で口蓋扁桃(一般的な扁桃腺の部分)が、はっきり腫れ上がっているのがみられます。そのとき扁桃腺には、赤みが強くなる、白色の斑点がある、黄色い膿がたまる、灰白色の膜のようなものができるなど、異変がみられます。扁桃腺が腫れると、のどに強い痛みを感じることがほとんどです。そのため、唾液を飲むのも辛くなり、食欲がなくなることがしばしばおこります。扁桃炎がおこったときは、アイスやゼリーなど、のどごしの良い食べ物を無理のない範囲で与えてあげましょう。扁桃炎の原因扁桃炎は、ウイルスや細菌が原因で引きおこされます。主に、体力が低下していたり、風邪をひいたりと、ウイルスや細菌が体内に入ることにより扁桃炎がおこることが多いでしょう。ウイルスや細菌は低温で乾いた場所を好むので、空気が乾燥する時期は、のどの乾燥が原因で感染が起き、扁桃炎がおこることがあります。風邪をひくと、鼻が詰まり口呼吸をすることになるので、さらに口腔内が乾燥して炎症が拡大することが考えられます。また、ストレスから免疫や体力が落ちることによりウイルスや細菌に侵され、扁桃炎を引きおこすこともあるようです。急性扁桃炎と慢性扁桃炎急性扁桃炎とは急性扁桃炎とは、一般的に扁桃腺と言われる口蓋扁桃(こうがいへんとう)が、急に炎症をおこして赤く腫れることを言います。急性扁桃炎の原因は、細菌やウイルスです。主に「溶血性連鎖球菌」「アデノウイルス」「EBウイルス」などがあげられます。慢性扁桃炎とは慢性扁桃腺炎は、年に数回、食べ物や唾液を飲み込むときに痛みを感じるのが特徴です。のどの痛みや乾燥を感じ、倦怠感や喉がゴロゴロするような異物感を感じる人もいるでしょう。慢性扁桃炎は、子どもよりも大人の方が発症しやすい傾向にあるようです。大人の場合、飲酒・喫煙などからおこる慢性扁桃炎もあります。主な症状は、のどの渇き・微熱・のどの痛み・のどの違和感・唾液や飲み物がしみる、などがあげられます。これらの症状は喉頭癌(いんとうがん)など、重大な病気と区別がつきにくい疾患とされているので、気になる場合は検査を受けることが大切です。習慣性扁桃炎になりやすい年齢は?習慣性扁桃炎とは、急性扁桃炎をたびたび繰り返すことで、主に慢性扁桃炎のひとつに分類されています。年に4~5回以上急性扁桃炎を繰り返し、一度の扁桃炎の症状が重く、保育園や幼稚園・学校を休んだり、入院をしたりする場合は習慣性扁桃炎と診断されることがあるでしょう。習慣性扁桃炎は、小学校入学前の子どもに多く見られる病気です。個人差はありますが、一般的に小学校の低学年を過ぎると、年齢とともに炎症をおこす回数が減るとされています。習慣性扁桃炎と診断されないためにも、子どもが急性扁桃炎をおこした場合は、その都度しっかりと治療をして完治させることが大切ですよ。扁桃炎の治療方法は?扁桃炎と診断された場合の治療法扁桃炎をおこすと、発熱や痛みを押さえるために、解熱剤・痛み止め・うがい薬・トローチが処方されることがあります。子どもが粉薬が苦手な場合、液体シロップなど、子どもが飲みやすい薬を処方してもらえないか医師に尋ねても良いですね。また、扁桃炎と診断されたら、以下のことに注意をして過ごすようにしましょう。・睡眠をしっかりとり、身体を休める・のどの乾燥を防ぐため、加湿器などをかける・食事が摂れない場合は、水分をしっかり摂る扁桃腺の原因が細菌であると考えられる場合溶連菌などの細菌が原因と考えられる扁桃炎の場合、抗生物質が処方されることがあります。抗生物質が処方された場合は、かならず医師の指示にしたがって、薬を飲みきりましょう。また、扁桃炎の症状が重症化したときや、きちんと薬を飲めないときは、抗生物質の点滴をすすめられることがあるようです。溶連菌による扁桃炎ががきちんと治療されないと、腎炎や心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)の原因になるリウマチ熱など、他の病気を併発しやすいとされています。子どもがのどの違和感を訴えたら、早めに医療機関を受診して、適切な処置を受けましょう。扁桃炎の予防方法は?扁桃炎に限らず、感染症の予防は「手洗い」「うがい」が基本です。石鹸でしっかりと爪のあいだまで洗いましょう。うがいをまだ上手にできない赤ちゃんは、口の周りを優しく拭いてあげると良いですね。また扁桃炎の予防として、マスクをして感染症を予防するように心がけてください。空気が乾燥している時期は、加湿器などで部屋の乾燥を防ぐよう意識するのも効果的ですよ。扁桃腺の手術が必要な場合は?扁桃腺を摘出する手術は、過去、頻繁に行われていた時代があるようです。現在では扁桃腺の手術自体は減少していますが、それでも耳鼻咽喉科で行われる頻度の多い手術のひとつです。一般的に4~5歳ごろから扁桃腺の手術が可能になります。しかし、扁桃腺が肥大していることが原因で睡眠時無呼吸症候群を引きおこす場合は、さらに低年齢でも手術を行うことがあるでしょう。一般的な手術や入院の経過は以下の通りです。■手術が必要な場合1年に何回も扁桃腺が腫れて、発熱やのどの痛みを感じ、日常生活や登園、登校に支障をきたす場合は手術をすすめられることがあります。また、扁桃炎が長引き、食事や水分などから栄養補給が困難な場合も同様です。■入院期間1週間前後■入院費入院費は、医療機関や入院の期間により差がありますが、10万~20万円程度の費用がかかることが多いようです。子どもの場合は、乳幼児医療助成や小児医療助成が適用され、支払う金額が少額になる場合があります。まれに、扁桃腺の手術後に強い痛みがおこったり、味覚が変わったりする後遺症が残ることがあるようです。しかし、後遺症のほとんどは一時的なもので、時間が経過するとともに改善されることが多いとされています。手術後は、親子で無理をせず、子どもの状態を優先させてあげられると良いですね。扁桃炎を知ってのどのケアを意識しよう扁桃炎は、のどの奥にある扁桃腺が炎症をおこして、38℃~40℃の高熱が出る病気のひとつです。高熱がでると、ママも心配ですよね。扁桃炎は、さまざまな細菌やウイルスが原因で引きおこされることがほとんどです。日ごろから感染症を予防するために、手洗いやうがいを習慣づけておくと安心ですよ。扁桃炎には習慣性扁桃炎のように、扁桃炎が原因で高熱などの症状が年に数回繰り返される場合があります。年齢とともに症状が改善されることがほとんどですが、慢性化させないためにも、扁桃炎をおこしたら、その都度適切な治療を受けることが大切です。また、場合によっては扁桃腺を摘出する手術をすすめられることがあるでしょう。その際は、医師としっかりと話しあい、メリット・デメリットを知り、子どもの状態を優先した選択ができると良いですね。
2025年04月11日生後2ヶ月の赤ちゃんの異変その日は、夏の終わりの土曜日でした。夫に2時間ほど息子をみてもらい、久々にひとりで買い物ができて心弾んで帰宅した筆者。「ただいま~」と言いながら生後2ヶ月の息子の手に触れると、いつもとは違った冷たさを感じました。「あれ?」と思いながら、足にも触ってみるとこちらも冷たさが…。「エアコンで身体が冷えてしまったのかな」と思いつつ、体温を測ってみるとなんと38℃。子どもの初めての発熱が、わずか生後2ヶ月でやってくるとは考えてもいなかったため、とても驚き焦りました。「病院…病院…」と慌てながら調べると、隣駅に午後5時まで診療している内科兼小児科の病院があることが判明。急いで支度をして赤ちゃんと一緒に電車に飛び乗りました。あわてて病院へ到着した隣駅の病院は、古めの個人病院。先生も年季が入っている方で、赤ちゃんの血液検査をする際に刺す注射針が、プルプル震えていて、とても不安になったのを覚えています。血液検査の結果は正常。解熱剤の座薬を処方され「様子を見てください」と言われました。自宅に戻り、ぐったりしていて食欲がない息子に初めての座薬を入れました。入れられるほうも入れる親も初めてです。夫と「どのくらいの時間、指で押さえるべきかな」と言いながら恐る恐る座薬を入れました。座薬を入れたら熱が下がり、少しでもミルクを飲んでくれることを期待していましたが、子どもの熱は下がるどころか上がってしまい、夜には40℃に到達していました。「生後2ヶ月で40℃という事態は、ただ事じゃない」と思い、夜間救急へ連れて行くことにしました。夜間救急へ夜間救急に着いたころには、日付が変わっていたと思います。とてつもなく待たされるのかと身構えていましたが、たまたま混んでいなかったためか、すぐに診察室に呼ばれました。30代と思われる男性医師に、夕方から発熱があること。近くの病院で血液検査を受けたこと。座薬を入れても熱が下がらず、上がったことなどを伝えました。個人病院でもらった血液検査の結果を見せると、その医師は「風邪だと思います。2~3日すれば下がってくると思いますよ。」と一言。筆者としては「こんなにぐったりした状態で、咳も鼻水も出ていないのにただの風邪なのか?」と思い、その疑問を医師にぶつけました。しかし医師から「生後すぐでも風邪をひくことはあります。」とぴしゃりと言われ、熱い身体の息子を抱え帰路につきました。とても長い一日に感じた出来事土曜日に隣駅の個人病院、夜間救急とふたつの病院にかかったということと、受診したくてもかかりつけの小児科が日曜日で休診日だったことから、発熱2日目の日曜は自宅でひたすら息子の様子を見ていました。相変わらず食欲はなく、熱が下がる様子もなく…。体温計とにらめっこしながら、不安で不安で仕方がなかったです。日曜でも診察してくれる病院に連れていくべきか悩み、地域の小児救急ダイヤルに電話をしてみましたが、なかなかつながりません。何度測っても40℃と体温が表示されるため、体温計が壊れてしまったかと思うくらいでした。とても悩みましたが、翌日の月曜日に朝一番でかかりつけの小児科を受診しようと決めました。まさかの緊急入院発熱3日目の月曜、朝9:00。かかりつけ医の小児科を受診し、再度血液検査が行われました。検査結果について話す小児科医師のセリフは、今でも耳から離れません。「息子さんの症状は、薬を処方したり、この病院で治療できたりするものではありません。すぐにここから総合病院へ向かってください。紹介状を書きますので…。」というものでした。「え?ただの風邪じゃないの?」と驚く自分と「やっぱり風邪ではない病気だったんだ」と妙に納得する自分の両方がいました。ちなみに土曜日に行った血液検査で「正常」と判断されたのは、熱の出始めで数値に変化が現れる前であったことが原因のようでした。「夜間救急で風邪と言われても、血液検査を再度してもらっていれば…」と考えても仕方のないことばかり、思いをめぐらす自分がいました。診断結果総合病院に着いてからは、検査のために子どもと別室で待つよう指示があり、泣きわめく息子の声を聞きながら、ただ待つ時間はとても辛かったです。総合病院での診断結果は「おそらく尿路感染症」というものでした。「おそらく」とついていた理由は「可能性は低いと思うが、細菌が脳にまで入ってしまっている場合、髄膜炎(ずいまくえん)になっている可能性も否定できない」と言われたためです。幸い、髄膜炎にはなってなかった息子ですが、細菌をしっかりやっつけるために抗菌薬の点滴投与が行われました。点滴の針がズレないよう、包帯でグルグル巻きにされていた小さな手。救いだったのが、その包帯を止めるテープに看護師さん手書きのキャラクターシールが使われていたこと。これには、思わずほっこりしましたね。入院後の経過点滴投与は2週間ほど続いたと思います。点滴を始めて2日後には熱が下がり、ミルクをごくごく飲むようになったときは思わず嬉し涙が…。完全看護の病院だったため、夜間の付き添いは必要なく、子どもが入院してからの筆者の仕事は、ひたすら母乳を搾乳し、専用の袋に詰めて届けることと、面会時間内に授乳することだけでした。8月末に入院し、無事に退院できたときは9月の中旬に差しかかろうというときでした。募る思いは後悔と反省ばかり入院が決まったときに思ったことは、「日曜日にも病院を受診していれば…」「そもそも細菌が入ってしまったということは、自分のお世話の仕方が良くなかったのでは…」という後悔と、子どもに対して申しわけない気持ちばかりでした。そして、もっと子どもが体調不良になったときのシミュレーションをしておくべきだったと反省しました。今思えば、母親から受け継がれる免疫の話を聞いて「生後半年まで大きく体調を崩すことはない」と思い込んでしまっている自分がいた気がします。しかし、母親からの免疫は絶対ではありません。赤ちゃんが生まれる前から、もしものときのために土日でも診察をしてくれる病院や、救急病院を調べておいたほうが良いと強く感じました。※この記事は、あくまで筆者(ままのて編集部F)の体験談です。症状・治療法などは個々のケースによって異なりますので、ご了承くださいませ。
2025年03月05日花粉症の季節がやってきました。早い子は1月下旬から症状が出ます。すでに目がかゆい、鼻がグズグズするなどの症状が出ているお子さんもいるのではないでしょうか。花粉症はサッカーのときも厄介ですよね。近年、大人だけでなく子どもも、花粉症に悩まされているケースが多いようです。サッカーをするお子さんの場合、山の麓のグラウンドや風の強い河川敷など、花粉が舞っている状況でサッカーをする場面がたくさんあります。医療法人つばさ会高座渋谷つばさクリニックの武井智昭院長に伺った花粉症対策後編。サッカーの場面での対策、腸活など日常生活でできる体質改善、近年注目されている、花粉症が治る治療法などについてお話を伺いました。(取材・文:鈴木智之)※2021年3月25日に配信した記事に一部加筆(2025年2月19日)<<サッカー少年の大敵、花粉症!試合で活躍するためにも知っておきたい、花粉症対策■症状が出たら医師の診断の元、薬を処方してもらうのが一番もうすぐ本格的な花粉シーズン。前回の記事でもお伝えしましたが、花粉症対策の一番の方法は、病院に行き、花粉症の薬をもらうことです。武井院長は言います。「飲み薬、点鼻薬、目薬と、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどを軽減する薬を服用することで、症状をある程度、抑えることができます。花粉症で咳が出ることもあるので、その場合は医療機関を受診して、咳止めを処方してもらうと良いでしょう」■アレルギー症状を抑えるために腸内環境を整えることも大切花粉症はスギやヒノキのアレルギー反応によって起こります。近年、花粉症のほかに、食物アレルギーや気管支喘息など、子どものアレルギーの病気が全体的に増えてきているそうです。「原因として挙げられるのが、食生活の欧米化です。アレルギーの病気や免疫の病気、感染症にも言えることですが、人間の白血球やリンパ球などの免疫に関わる細胞は、多くのものがお腹の中にあります。『腸活』をして、善玉菌が含まれているヨーグルトや食物繊維などを摂ることで、腸内環境を整え、アレルギー症状を抑えることが大切です」『腸活』は腸内環境を整えて、健康な体を手に入れるために行うものです。アレルギー症状を軽減させるためには、脂っこい食事やジャンクフードなどを控えて、7時間以上睡眠をとるといったように、生活習慣を見直し、アレルギーを起こさないための体質にすることが重要なのだそうです。「最近の小学生は食生活の欧米化や、野菜をあまり食べなくなってきているので、摂取する食物繊維が少なくなっています。さらにコロナ禍で外遊びが減り、運動時間の減少も見られます。腹筋の筋力が落ちると排泄機能も低下します。便通が良くなることで腸内環境は改善するので、食物繊維を摂ることと適度な運動を心がけてみてください」■汗の処理にも気をつけよう花粉症に関しては、激しい運動をすることで悪化するおそれがあります。アレルギー症状は、血のめぐりが良くなると発症しやすくなるからです。とくにサッカーなどをして、ぜえぜえと呼吸をすると、その分、花粉をたくさん吸い込むことになります。少年サッカーは山の麓や河川敷のグラウンドなど、花粉が多く舞っているところでプレーすることも多いので、できる限り予防をして臨みたいところです。「サッカーがある日は普段より多めに花粉症の薬を飲んだり、頻繁に目薬をさすと良いでしょう。目や鼻を練習の合間に洗浄するのもひとつの方法です。休憩時間に、水のあるところに行って、目を洗い、目薬をさす。鼻うがいをするなどして、花粉を洗い流しましょう。コンタクトレンズをつけている場合は、一度外してから目を洗うようにしましょう」さらに、こう続けます。「気をつけてほしいのが汗の処理です。汗をかくと、タオルなどで拭く時に、顔などを触ってしまい、タオルに花粉が付着し、それを手で触って目や鼻についてしまうことがあります。目のかゆみの原因にもなるので、なるべく顔を触らないように心がけましょう」■アレルギー症状を抑えるためにはクールダウンで体温を下げるのも効果的お子さんのサッカーを観戦する保護者の方も、基本的な対策は同じです。病院で処方された薬を飲む。マスクやメガネをつけて目と鼻をガードする。コンタクトレンズよりもメガネの方が、花粉から目を守ることができます。また、帽子をかぶると、髪の毛に花粉がつくのを防ぐことができるのでおすすめです。「身体の血流が良くなるとアレルギー反応が出やすいので、身体を冷やすのも効果的です。水分を多く摂る、冷たいものを飲むなど、身体を冷やすことを意識してみてください。お風呂は普段どおり入っても大丈夫ですが、できればぬるめの方が良いと思います」と、可能であれば練習後にクールダウンを行って体温を下げることを実施すると良いと教えてくれました。花粉症の都市伝説として「一定量以上の花粉を浴びると、コップから水があふれるように花粉症が発症する」というものがありますが、武井院長によると「医学的見地からは、あまり関係がない」そうです。「3歳、4歳の時点で発症する子もいますし、遺伝的な要素、食生活の変化も影響していると考えられます。アレルギー検査をすると、原因が何かを知ることができますし、保険適応のものは39項目まで調べられるので、アレルギーかな? 花粉症かな? と思ったら早めに検査し、対策をしましょう」■今や花粉症は治る!悩んでいる方は医師に相談を近年、花粉症の治療で注目を集めているのが『舌下免疫療法』です。花粉のオフシーズンから1日1錠、薬を飲み始め、3年ほど続けると8割ほどの人に改善が見られるそうです。「費用的にもそれほど高価ではなく、保険適応です。花粉以外のアレルギー、ダニやハウスダストにも効果があるので、舌下免疫療法を選ぶ人も増えています。5歳以上から、花粉の飛散がない6月から12月に開始します」2月頃からスギ・ヒノキの花粉が飛び始め、夏を経て、秋にはブタクサ、ヨモギの花粉が飛散します。花粉症になると頭がボーッとしたり、集中力が続かないなど、日常生活へ支障が出てしまうので、なるべく早く対処をして、健やかに日々を送ることができるようにしましょう。武井智昭(たけい・ともあき)医師。慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院 にて小児科研修、2005年から平塚共済病院小児科医長として勤務、2020年に「高座渋谷つばさクリニック」院長就任。専門は小児科・内科・アレルギー科。
2025年02月19日育児書や母子手帳に書かれた「子どもの成長の目安」にプレッシャーを感じることはありませんか?我が子の成長が目安に沿わず、「もしかして発達障がいかも…」と不安に駆られ検索魔になったという話をよく耳にします。かくいう筆者も、そういった経験をしたひとり。 筆者がもしあの頃、西村佑美さんの著書「発達特性に悩んだらはじめに読む本」に出会えていたら、もっと早く前を向き「目の前にいる我が子のためにできることをしよう」と切り替えられたと思います。・「もしかして…」不安のど真ん中にいるママへ今回ご紹介する書籍「発達特性に悩んだらはじめに読む本」は、「うちの子ってもしかして発達障がい?」と不安のど真ん中にいたり、「登園しぶり」「かんしゃく」そして「言葉の遅れ」などに悩むママやパパに読んでほしい1冊。著者は発達専門の小児科医で現在「ママ友ドクター」として活躍中、3人の子どものママである西村佑美さんです。本書では、これまで1万組を超える親子を診た臨床経験から、1歳から入学準備をするまでの年齢の子どもを対象にした医学・心理学そして発達特性に基づいた「子育て法」を提案しています。今回はそんな本書の魅力と、誰もがすぐトライできる「子どもが伸びるための土台作り」についてご紹介していきます。■西村佑美さんプロフィール発達専門小児科医/一般社団法人「日本小児発達子育て支援協会」代表理事宮城県出身、3児の母。最重度自閉症のきょうだい児として育ったことから医師を志す。長男に発達特性があることが分かったことをきっかけに、大学病院の発達専門外来を担当していたころから、発達に特性のある親たちを「ママ友のように支えたい」と「ママ友ドクター」の活動を開始。SNSでの情報発信や「子ども発達相談アカデミー VARY(バリィ)」主宰。Instagram: @mamatomo_doctor HP: 西村佑美公式サイト ■寄り添う医師から「ママ友ドクター」へ西村さんが医師を目指した理由には、姉が最重度自閉症だったことが大きく関係しています。大好きな姉を取り巻く環境に憤りや怒りを感じることが何度となくあり、特に思春期の西村さんの心を揺さぶったのは、姉の投薬についての母と医師や支援者の意見の対立。そういったことがきっかけで「障がいのある子どもたちと家族に寄り添う医者になりたい」という夢が生まれたのでした。・医師として、そして「当事者の母」としてその後小児科医になって2年目に長男を出産した西村さんは、その夢をより強く意識するようになります。なぜなら長男に発達特性があることが発覚し、当事者の母親となったから。我が子の特性を受け入れるまでの苦しい気持ち、ほかの子と比べて落ち込んでしまう気持ち、子どもができなかったことができるようになった時の喜び、自分の捉え方が変わり子育てが輝き出した瞬間…。さまざまな体験を経て、西村さんは医師という枠にとらわれない、「ママ友ドクター」の道を歩み出したのです。・「医師の暗黙のルール」を越えてこうして西村さんは「ママ友ドクター」プロジェクトでの情報発信をはじめ「子ども発達相談アカデミー VARY」で相談会を行ったり、'24年には特性に対する新たな価値観と支援の場を生み出すための一般社団法人「日本小児発達子育て支援協会」を設立。子育てに悩むママたちのため日々精力的に活動しています。■「アイコンタクト+笑顔」の習慣って?そんな経歴を持つ西村さんが本書で、子どもの発達特性に悩むママやパパにまず取り組んでほしいと言っているのが、ESDMなどの最新の発達支援の手引に基づく「アイコンタクト+笑顔(肯定的注目)」と呼ばれる基礎づくり。この習慣によって親子の信頼関係が強化され、日常の声かけが子どもに届くようになると言います。「アイコンタクト+笑顔(肯定的注目)」 1. 子どもの行動にポジティブな注目を向ける 2. 目が合ったらニコっと笑う 3. 肯定的な言葉かけ(ナレーションする・ほめる)を行う子どもの朝の登園準備が進まない時、あなたはどんな声かけをしていますか? 朝は時間の制約があるので焦って否定的な声かけをしてしまいがちですが、「アイコンタクト+笑顔」をするとどうなるでしょうか? 違いを見ていきましょう。子どもはママやパパが自分に笑顔を向けてくれるだけで、「愛されているんだ」と喜びを感じるそうです。「目を合わせると嬉しいこと(笑顔)がある」と学んだ子どもは、目を合わせるのが苦手でもだんだんできるようになると言います。・目を合わせるのが苦手な子はどうすれば?さらに肯定的な声かけをプラスすることによって、「がんばるとほめてくれる」と知り、自信もついて自己肯定感もアップ。ママやパパの子育てもラクになるので、親子ともにハッピーになれるメソッドなのです!また、目を合わせるのが苦手なお子さんのための「アイコンタクトのコツ」も次のように紹介されているので、我が子に合ったやり方でチャレンジしてみましょう。「アイコンタクト+笑顔」にはほかにも、「おしゃべりの力」や「人の気持ちを理解する力」、「視線を追う力」、「模倣する力」そして「安心する力」、「指示を理解する力」など、子どもが「できること」を増やす計り知れない効果も! まさに良いこと尽くしの習慣なのです。■本を開けば「ママ友の言葉」がある本書にはその他にも、コミュニケーションの発達段階に応じた「言葉とやり取りの伸ばし方」や「かんしゃく」「多動」といった困りごとの解消法、さらに入学準備の対策や、ポジティブな子育てに必要な医学&療育の知識がぎっしり。しかもいずれも「親子の信頼関係」がベースになっているので悩みの数だけ親子の結びつきを強くしてくれるはず。・困ったときに開く「辞書」のような本医師や療育の先生の言葉は、時にママの心に強く突き刺さってしまう…そんな経験が筆者にもあります。しかしここには西村さん自身の失敗談が赤裸々に書かれていたり「当事者の母」と「きょうだい児」(障がい者の兄弟姉妹のこと)という立場で懸命にもがいてきたからこその真摯な言葉が、親密でやさしく心に届きます。我が子の発達特性に気づいた時に最初に手に取る本としてはもちろん、成長に応じた困りごとが出てきたとき辞書を開くように読んでもいい。子どもの接し方に悩んでいるすべてのママとパパにとって、いつもそばに置いておきたい本なのです。\ ご紹介した書籍 / 『発達特性に悩んだらはじめに読む本』西村佑美 著(Gakken)1,600円(税抜) 小児発達と子育てが専門の小児科医にして3児のママである西村佑美さんが、子どもの発達に悩むママやパパに向けて執筆した本。発語が遅い、かんしゃくがある、登園しぶりなど、日常生活の困りごとを解決し、親子の信頼関係を築くメソッドを自身の失敗談も交えて紹介している。
2025年01月30日埼玉県蕨市錦町6丁目に「LeMonこどもクリニック」が2025年2月1日に開院いたします。LeMonこどもクリニックは小児科専門医である若き院長 平手医師が中心となり、一般小児科、アレルギー科、小児皮ふ科に加え、様々な専門外来を有し、多様な患者さまに対応してまいります。当クリニックはKodaira Hospitals(医療法人慈公会公平病院)に属しており、WeLISTEN. WeEMPOWER.をコンセプトに地域の皆さまのWellBingをめざしております。子供たちがすこやかに成長し、地域の皆さまの笑顔あふれる毎日を見守るため、心を込めて取り組んでまいります。また、クリニックの外にはベンチを設置し、こどもたちが気軽に来れる場所を目指します。外装院内イメージ【院長ご挨拶】このたび、蕨市で新たに小児科クリニックを開院することになりました。私はこれまで総合病院や地域のクリニックで小児科医として経験を積み、2024年は戸田市のLeMonおとなとこどものクリニックで小児科診療を担当しておりました。私自身も二児の父であり、日々悩みながら子育てに奮闘しております。発熱や咳など急な症状はもちろん、皮膚のトラブル、便秘、アレルギー、育児の悩みなど些細なことでもお気軽にご相談ください。お子さんの幅広い悩みや疾患への対応と小児科クリニックとして感染症への意識を高く持ち、待合いスペースなどの工夫をする一方で、人と人のつながりはしっかりと感じられるクリニックを目指しています。ひとりひとりへの丁寧な対応を心掛け、地域のみなさまから信頼されるクリニックになれるように邁進してまいります。院長 平手 佑典院長画像【クリニックの特長】(1) 小児科専門医が診療お子さんの体調が完全に戻るまで責任を持って見届けます。(2) 駐車場10台を有し、駐輪場も完備駐車場がいっぱいの場合も近隣に駐車できるスペースを確保しています。(3) お子さんのスペース(授乳室、おむつ交換台、絵本)を完備どんな月齢、年齢のお子さんにも安心して過ごしていただけるよう授乳室、おむつ交換台、絵本をご用意しています。(4) 待合室だけでなく診察室にもベビーカーで楽々入室院内はバリアフリーとなっており、ベビーカーでも安心してお入りいただけます。(5) 当院の患者さまには夜間オンライン診療に対応具合の悪いお子さんを連れ出すことなく安心して小児科医とつながることが出来ます。(6) 様々な専門外来の設置お子さんの幅広い健康問題に対応し、便秘、夜尿症、こどもの体重、頭のかたち、の専門外来があります。(7) いつでもワクチン接種や健康診断が出来る忙しい家族のスケジュールに合わせていつでもご予約いただけます。ワクチン接種と健診を同時に受けていただくことも可能です。(8) 土曜日も終日診療を実施(日曜診療を準備中)急な発熱や体調変化があっても安心してご相談いただけます。ワクチン接種や健診も行っています。(9) 心理士に相談可能(準備中)子どもの心理発達について心理士が、お子さんだけでなくご家族の不安な気持ちや接し方についても相談にのります。看護スタッフも子育て経験のあるベテラン看護師をはじめ、助産師資格を有した看護師も配置し生後初めてのワクチンデビュー等、赤ちゃんだけでなく保護者の方にも安心して受診いただけます。最寄り駅はJR埼京線北戸田駅徒歩10分。駅前よりバスも出ています。クリニック前の通りは国道17号に繋がっており、お車でのアクセスも大変便利なところにあります。近隣の方はもちろん、遠方の方にもご利用いただきやすい環境になっています。【1月25日(土)、26日(日)10:00~16:00 内覧会を実施】来場していただいた方にプレゼントや小さいお子さんのドクター・ナース体験などを予定しており、多くの方のご来院をお待ちしています。【クリニック概要】クリニック名: LeMonこどもクリニック所在地 : 埼玉県蕨市錦町6丁目4-26 レジデンス北戸田1F電話番号 : 048-242-3805診療時間 : 9:00~17:00(木曜:18:00まで)定休日 : 金曜、日・祝*定休日、診療時間については変更の可能性があります。URL : ※HPは1月22日(水)公開予定■診療科一般小児科、アレルギー科、小児皮ふ科診療時間・アクセスマップ 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2025年01月21日目がかゆい、鼻がムズムズする、くしゃみが止まらない...。これらは花粉症の症状です。最近では小学生年代でも花粉症の子が増えているようです。読者の皆さんの中にも、つらい思いをしている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、医療法人つばさ会高座渋谷つばさクリニックの武井智昭院長に、花粉症対策について話をうかがいました。花粉症シーズンを乗り切るためにも、ぜひ参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)※2025年1月20日加筆して再配信いたします後編:つらい目のかゆみ、鼻のグズグズにさよなら!サッカー少年を悩ます花粉症は治る時代。その方法とは>>■花粉の本格シーズンは2月末からGW頃まで花粉はいつ頃から飛び始めるのでしょうか?小児科・内科・アレルギー科の医師として勤務する、高座渋谷つばさクリニックの武井智昭院長によると、「スギやヒノキの花粉は、早いところでは1月下旬から飛び始め、2月下旬から本格化します」とのこと。5月のゴールデンウィーク頃まで、花粉シーズンは続くそうです。「花粉症の症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ。鼻の粘膜が圧迫されることによる、頭部前方の頭痛などがあげられます。すでに花粉症シーズンですので、これらの症状に悩まれている方は多いかと思います」花粉症でつらいのが鼻づまり。頭がぼーっとし、集中力が途切れてしまいます。「なぜ花粉によって鼻がつまるのかというと、花粉が鼻の粘膜に付着することにより、炎症が起こるからです。炎症によって粘膜が鼻の中で押されるようになり、空気が通る空間を塞ぎます。これが鼻づまりのメカニズムです。鼻がつまると脳に酸素が行きにくくなるので、集中力の低下が起きます。鼻づまりがひどくなると、勉強などに集中することが難しくなるので、花粉症の薬を飲み、点鼻薬を使うようにしましょう」■目のかゆみは目薬でバリアを張ろう花粉症の症状には個人差がありますが、目のかゆみに悩まされる人も多いのではないでしょうか。かいてしまうと目が腫れたり、充血するので、注意が必要です。「目のかゆみには目薬が効果的です。1日に3回程度使うことで、目に目薬でバリアを張ることができ、花粉の侵入を防ぐことができます。アレルギー反応(かゆみ)を抑える効果があるので、目薬は必須と言えるでしょう。お子さんの場合、目をかきすぎて赤くただれてしまうこともあるので、かゆくなったら目薬をさすことを習慣にすると良いでしょう」■花粉症かな、と思ったら何科を診断すればいいの?近年は子どもの花粉症が増えていて、3、4歳の子が受診するケースも多いようです。「症状は大人と同じく、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水といった、典型的な花粉症のものです。お子さんの場合、花粉症かな? と思ったら、小児科やアレルギー科、もしくは耳鼻咽喉科のいずれかを受診してください。花粉症の症状は鼻や喉に影響が出るので、耳鼻咽喉科でも大丈夫です」花粉症対策として、すぐにできるものにマスク、メガネ、手洗いなどがあります。花粉は目、鼻、喉の粘膜に付着するので、それらを防ぐことが重要です。感染症の対策とほぼ同じで、現代ではマスク着用は必須になっていますし、手洗い、手指の消毒も頻繁に行っていると思います。「忘れやすいのが、衣服についた花粉を払うことです。外に長時間いると、衣服に花粉が付着しています。それを室内に持ってきてしまうと、花粉が滞留することになるので、家の玄関など、部屋に入る前に洋服についた花粉を手で払ったり、上着を脱いで振り落とすことで、室内に花粉を持ち込まずに済みます」これらの対策をすることで、外から体内に侵入する花粉を防ぎ、取り込む量を軽減することができます。■薬は一週間ぐらい前から飲み始めるしかし、それだけでは万全とは言えません。花粉症は、体内と体外の両方から防ぐことがポイントなのです。「体内から防ぐ方法は2つあります。もっとも重要なのが、薬を飲むことです。薬の飲み方としては、花粉シーズンが始まる1周間ほど前から飲むことをおすすめしています。なぜ早めに飲み始めるのが良いかというと、花粉の飛散量が増えるとともに、症状も悪化するからです」花粉症の薬は『抗ヒスタミン薬』と言って、飲んですぐ効くというよりはじわじわ効き始めて、一週間ぐらいで効果が出てくるとされています。そのため、花粉が飛びそうな一週間ほど前から飲み始めた方が良いそうです。「最近の薬は眠くならなくなってきていますし、小さなお子さんでも飲めるものもあります。鼻づまりや鼻水に効く点鼻薬は、子ども用でも、ステロイドが入ってるものをお出しすることができます。病院で処方する薬は、ドラッグストアなどで売っているものには含まれていない成分が含まれているものもあるので、医薬品を使うことをおすすめします」以上が基本的な花粉症対策です。次回の記事ではサッカーの場面での対策、日常生活でできる体質改善、近年注目されている、花粉症が治る治療法などについて、解説していきます。武井智昭(たけい・ともあき)医師。慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院 にて小児科研修、2005年から平塚共済病院小児科医長として勤務、2020年に「高座渋谷つばさクリニック」院長就任。専門は小児科・内科・アレルギー科。
2025年01月20日「あたりまえのことをしているだけのつもりなのに、まわりから過保護だと言われた」「公園で遊ぶ子どもたちのケンカに、つい割って入ってしまう」宿題もつい手伝ってしまったり、子どものことを考えて友だち関係に口を出してしまったり。愛情表現のつもりだったのに、これって過保護な子育てなのだろうか?できるだけ過保護になりたくないけれど、まだまだ危なっかしくて手放せない。子どもの自主性を重視したいのに、どこまで見守ればいいのかわからない――。そこで本記事では、幼児期に見られがちな過保護のリスクや具体例、改善方法についてご紹介します。子どもをのびのび育てたい保護者の方は、ぜひ参考にしてみてください。「過保護」とは?その背景にあるもの近年、「ヘリコプターペアレント」という言葉を耳にする方も多いでしょう。「ヘリコプターペアレント」とは、子どもの周囲を常に旋回し、あらゆるサポートを過度に行なう親のこと。過保護もまた、子どもが自分の力で立ち向かう機会を奪ってしまう危険がある点で、同様の問題をはらんでいます。もちろん、子どもを守りたい・嫌な思いをさせたくないという気持ちは、親として自然な感情です。しかし、それが行き過ぎると子どもの自己肯定感やチャレンジ精神を損なうリスクが高まります。「愛情があるからこそ、頑張りすぎてしまう」というケースこそ、過保護になりやすい背景と言えるでしょう。*2過保護がもたらす幼児期のリスクリスク1:「自分の気持ちを伝えられない子」になる・気に入らないことがあると泣き叫ぶ・友だちに嫌なことをされても「やめて」と言えないこうした姿が見られる場合、親が先回りして子どもの行動や感情を代弁しすぎているかもしれません。小児科専門医の小枝達也氏は、「親が先回りばかりすると、子どもが『自己表現の方法』を知らないままになってしまう」と指摘しています。どんなに小さな場面でも、自分の気持ちを伝える経験を積まなければ、子どもは「言葉で伝える方法」を学べず、癇癪(かんしゃく)や無言の我慢でしか表現できない子になりかねないのです。*5リスク2:失敗経験がないため、自己肯定感が下がる「わが子を傷つけたくない」「苦労をさせるのはかわいそう」――こう考えるのは、ごく自然なことです。しっかり者の親御さんほど、子どもに起こりうる失敗やトラブルを先回りして排除しがち。しかし、わずかな失敗体験がないまま育った子は、いざ壁にぶつかったとき対応できず、自己肯定感が下がる場合もあるのです。公認心理師の佐藤めぐみ氏は「干渉し過ぎる親のもとで育った子は、のちのち社会に出てからもさまざまな問題を抱える傾向があります」と語ります。失敗や小さな困難こそが、子どもにとって大切な学びの機会である点を意識しておきたいですね。*2幼児期に気をつけたい「過保護」例と改善方法次に挙げるのは、幼児期にありがちな過保護の一例です。「これやっているかも……」と思ったら、ぜひ改善方法を参考にしてみてください。【過保護チェックリスト】子どもの身支度を毎回親が完璧に整えてしまう子ども同士のちょっとした衝突にも、すぐに口出しをする子どもが嫌がることを先回りして「代わりに」引き受けることが多いもし当てはまるなら、「過保護」になりやすい傾向があるかもしれません。以下で具体的な事例を見ながら、対処法をチェックしてみましょう。【例1】子どもの友だちを親が選んでしまう過保護例「もうあの子と遊ばないほうがいいよ」「この子は優しいから、この子と遊んだら?」改善方法友だちを選ぶのは子ども自身。親は一歩下がって見守る解説トラブルを避けたい気持ちはわかりますが、衝突もまた子どもの大切な学び。明治大学文学部教授の諸富祥彦氏は、「友だちを選ぶという行為は、絶対に子ども自身にさせるべき」と警鐘を鳴らします。多少のいざこざを経験することで、「自分で相手を見極める力」「相手の気持ちを考えながら行動する力」を育むのです。親はおおらかに構えながら、危険度の高いトラブルにだけ目を光らせる程度でOK。少しのケンカに心配しすぎず、子どもが自分で解決法を見つけられるよう見守ってみましょう。*1【例2】子どもの意見を聞かずに衣服や持ち物を決めてしまう過保護例「〇〇ちゃんは青が好きだから、このスカートにしようね!」改善方法「どうしたい?」と子どもに聞く。選択肢を2~3つ用意してサポートしても◎解説子どもが自分の好みや感性を言葉にするには、普段から「選ぶ」経験を積むことが大切です。佐藤氏は、「まずは子どもにどうしたいかを聞いてほしい」と述べています。たとえば、2~3着の服を出して「どれがいい?」と聞いたり、朝ごはんを選ばせたりするだけでも、子どもは「自分の考えをもって決める」トレーニングを積めます。こうした小さな習慣の積み重ねが、先々の自発性や決断力につながっていくのです。*2【例3】子どもの要求に100%応えすぎる過保護例忙しくても「ママ、だっこ~」と言われたら、そのつど手を止めて抱き上げる改善方法いまは手が離せない状況を伝え、代わりにできることを頼む解説小児科専門医の成田奈緒子氏は、「親は、いつでも100%子どもと向き合わなくていい」と強調します。たとえば料理中なら、「ごめんね、いまは手が離せないから、テーブルを拭いてくれる?」と提案すると、子どもは「お手伝い」という形で関わりをもてます。すると「やってみたら自分にもできた!」という達成感を味わい、「ありがとう」と感謝されることで自己肯定感も高まるのです。いつでも子どもの要求を優先させるのが愛情とは限りません。ほどよい距離感を保ち、子どもの「自分でできること」を増やす工夫を心がけましょう。*3「過保護」を防ぐために――安心して見守るための心のもち方子どもに失敗させたくないという強い思いから先回りしてしまうのは、決して珍しいことではありません。特に責任感が強い保護者の方は、「これで本当に大丈夫なのか」「子どもの将来はどうなるのか」と常に不安を抱えがちで、気づかないうちに過保護へ傾いてしまうことがあります。そんなときは、いったん自分の不安や悩みを整理する時間をつくり、「実際にどれくらい深刻な問題なのか」「子どもにはどのくらいの力があるのか」を客観的に見つめ直してみてください。たとえば、頭のなかを整理するために思いを書き留めたり、パートナーや信頼できる人に率直に話をしてみるだけでも、気持ちが軽くなる場合があります。こうして、「子どもの小さな失敗は成長につながる大切な学び」「乗り越えられる力は子ども自身が持っている」と思えるようになると、自然と先回りを控えて見守れる余裕が生まれます。親が安心して構える姿勢こそが、子どもにとっても大きな心の支えになるはずです。幼児期から学童期への移行もスムーズに!見守りを習慣にしよう幼児期は、子どもが「自分で考える」「自己表現をする」基礎を身につける大切な時期。ここで過保護になりすぎると、学童期や思春期に入ってからも自分で判断できない、何かあれば親を頼りにしてしまう子に育ちやすくなります。逆に言えば、幼児期から見守りの姿勢を大切にすることで、学童期の「自分づくり期」にもスムーズに入っていけるということ。子どもが自分の目標をもち、主体的に学ぶ力を伸ばすためにも、幼いころから「失敗や葛藤に向き合う体験」をさせておきましょう。将来を見据えるからこそ、今の過保護をちょっと変える勇気が必要なのです。*1幼児期は「見守り」の姿勢がカギ過保護は、子どもを大事に思う親心から生まれがち。ですが、小さな失敗や不自由を経験させることも、子どもの成長には欠かせません。親はいつでもサポートできる準備をしつつ、一歩引いて見守る――そのバランスが「ちょうどいい子育て」を生みます。「もしかして、ちょっと過保護ぎみかな?」と感じたら、まずは子どもの意見を聞いたり、手や口を出すタイミングを意識的に減らしてみましょう。親がどっしり構えるほど、子どもは安心して伸び伸びと成長していきます。ぜひ日々の育児のなかで、子どもの「自分でやってみたい」という気持ちを優先し、失敗する権利も尊重することを意識してください。それが結果的に、子どもを幸せに導く近道になるはずです。文/上川万葉(参考)*1STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ*2STUDY HACKERこどもまなび☆ラボ|「過干渉、ヘリコプターペアレント予備軍」親の意外な特徴。もしかしてあなたも?*3たまひよ|親の過干渉が子どもをダメにする…!乳幼児期から控えていかないと大変なことに。小児脳科学者が警鐘*5ベビーカレンダー|お友達に「嫌!」と言えないわが子!自己表現が苦手な子どもへの対応とは
2025年01月15日ウーマンエキサイト読者の皆さま、こんにちは。突然ですが、子どもの病院って通い分けをしていますか? よく、「小児科、耳鼻科、皮膚科等分けてて大変」というような話を聞きますが、今回はわが家の長女ムスメの場合です。低身長疑惑→疑惑解消! でも念のため経過観察しておきましょう→やっぱり低身長疑惑?ということが数年繰り返されていたので、身長のことで新たに他院を受診するのも何だかなあということもあり、頻度も少ないのでまだ通い続けています。もちろん病院なのでそのあたりはお互いさま、仕方のないことですが、薬をもらいに行くことがメインなので感染の確率が下げられるのは今の時期、大きい!と思いつつ、B病院以外は少し距離があるので時間と手間はかかります。でも…熱を出しやすかったムスメ、これは本当に助かりました。初診はなんだかんだ時間も手間もかかるので、さっと選択肢が多いのはメリットでした。これ、実際どう思われているのか…。きっと何とも思われていない気はしますが…、勝手に気まずく思っています。どの病院も赤ちゃんに近いときからよく通っていたので、長い期間お世話になっていますが、そんなムスメももうすぐ5年生。体調を崩すこともかなり減り、さらに低身長も経過観察を終えるめどがたち、今はアレルギーの薬を3カ月に1度もらいに行く程度になり、通う回数は激減しました。成長とともにお世話になる回数が減るのは嬉しいものですね。と言いつつ、予防接種や体調不良もまだまだあるとは思うので、これからも頼り続けます先生方!
2025年01月11日気管支が弱く、よく気管支炎になるわが家の次男坊。小児科では、吸入器を使った治療をすることが多いです。そのおかげ? か、吸入器はお手の物。自分で持って、勝手にやってくれます。■隣に吸入器を嫌がっている子が!この日も、いつものように吸入していたのですが…。隣に座った同じ年ぐらいの子が、吸入器を嫌がって号泣。お母さんが必死で暴れるその子を抑えていました。それを見てよみがえる記憶…。実はわが家の長男は、今の次男と同じぐらいのころ、この吸入器が大の苦手で、泣いて暴れていたため、抑えるのが大変でした。そんな思いがあったので、「大変ですよね」って声をかけたい! と思ったのですが、それはさすがに行き過ぎか? と自分を抑え、とにかく心で「大変だよねーわかるよー」という気持ちで見守っていました。すると、そのお母さんが、次男を見て「ほら~お隣の子、おりこうさんだよ」と言いました。そして、「どうすれば泣かずにできるか」を聞いてきました。そのお母さんは、自分のやり方が悪いと思っていたようだったので、私はすぐに、そうではないことを伝えました。■ついついしゃべりすぎてしまった私たちが何をしても、嫌なものは嫌。お母さんのやり方が悪いなんてことは絶対ない。こんなに熱弁するつもりはなかったのですが、ついついしゃべりすぎてしまい、後悔…。すると、安心してくれたようでした。出過ぎたまねかと思いましたが、嫌がるのはお母さんのやり方のせいなんて、思ってほしくない!やっちゃったかなという気持ちと、言ってよかったという気持ちが混ざり合って、ふわふわした気持ちになりました。今、思うと言ってよかったのかなって思います。さて、私事ですが、本日の記事で、ウーマンエキサイトさんで書く話は、記念すべき100話目になります。100話…もう何を書いて何を書いていないのか、わからなくなっています。100回書くってそういうこと(笑)。私の身の回りに起きる話を書いて、それが皆様に読んでいただけるということが非常にありがたいです。需要があるのであれば…引き続き頑張らせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
2025年01月02日発達障害のある子どもに処方される漢方ってどのようなものがあるの?発達障害の特性があり、環境調整だけでは対応できない場合には、漢方薬を内服することもあります。漢方の特徴・基本的な考え方は以下のように記されています。古来に中国から伝わり、日本において発展してきた医学が漢方医学であり、後ほど西洋から日本に入ってきた蘭方(西洋医学)と区別するためにこの名前がつけられた。漢方薬は、漢方の考え方に沿うように、生薬が一定の規則によって組み合わせて構成されたものであり、処方全体としての適用性等、その性質からみて処方自体が一つの有効成分として独立したものという見方をすべきものである。漢方薬は、使用する人の体質や症状その他の状態に適した処方を既成の処方の中から選択して用いられる。引用:ⅩⅣ 漢方処方製剤・生薬製剤|厚生労働省今回は発達障害や特性のある子どもに処方されることの多い漢方薬と、発達障害に合併することもある起立性調節障害に使用される漢方薬をまとめて紹介します。「甘麦大棗湯(かんばくたいとうそう)」は心身の興奮を鎮める効果があり、自律神経の乱れ(いわゆる自律神経失調症)や癇癪に対しても用いられることがあります。不安からくる腹痛にも効果があり、強い不安が腹痛の要因となっている場合には甘麦大棗湯で症状が改善することがあります。・甘麦大棗湯の効果的な症状:癇癪、夜泣き、不眠、ひきつけ、不安からくる腹痛 など・甘麦大棗湯の副作用:手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばり、脱力感、筋肉痛 など柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)は、不眠や不安、ストレスによるイライラ、子どもの夜泣きなどがある際に用いられる漢方薬です。柴胡加竜骨牡蛎湯には身体の炎症を鎮める柴胡(さいこ)や気分を落ち着ける竜骨、牡蛎などが配合されています。・効果的な症状:不安、不眠、夜泣き、神経過敏、イライラ など・副作用:発疹、発赤・かゆみ、腹痛や下痢、胃の不快感 など抑肝散は神経の高ぶりを抑える効果があるといわれている漢方薬です。神経の高ぶりを抑えることで、不眠の改善にも効果があります。もともと子どもの夜泣きに使われていたことで知られていますが、現在では大人の精神的な症状に対しても使われています。・効果的な症状:不眠、夜泣き、神経過敏、イライラ、けいれん、手足の震え、ひきつけ など・副作用:発疹などの過敏症、食欲不振、胃部不快感、吐き気といった消化器の症状、倦怠感 など朝の起床困難、倦怠感、動悸、頭痛、立ちくらみ、失神などの症状が表れる疾患、「起立性調節障害」の治療にも漢方が処方される場合があります。起立時のめまいなどに漢方が効果があると言われています。・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう): 立ちくらみやめまい、頭痛など・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):胃弱、頭痛、ふらつき、めまいなど・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲労倦怠など・小建中湯(しょうけんちゅうとう):腹痛、疲労倦怠など・真武湯(しんぶとう):冷え性、胃腸虚弱、神経衰弱などその他、発達障害に処方される薬などの関連コラムはこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年11月10日医療機関での相談と連携お子さまの発達が気になるとき、医療機関を受診する場合もあるでしょう。受診では、お子さまの様子を実際に診察するほか、保護者の方への問診が行われます。特に、それまでの生育歴や様子、気になっていることなどの保護者の方からの情報が重視されます。必要に応じて検査や診断を行う場合もあります。発達が気になる場合の専門科としては、発達外来や児童精神科、小児神経科などがあります。Webサイトなどで診療科を確認したり、発達障害の診断や診察ができる専門医が在籍している医療機関を調べたりしてみましょう。かかりつけの小児科や、相談機関から紹介を受けて受診するケースもあります。もし、自分で専門の医療機関を見つけることが難しい場合や、受診すべきか迷う場合などには、地域の子育て支援センターや発達支援センター、保健センターなどの相談機関や、かかりつけの小児科などで受診について相談するといいでしょう。紹介状をもらえることもあります。発達障害診療医師名簿(一般社団法人日本小児神経学会)事前に具体的な困りごとを整理しておくと、問診がスムーズに進みます。その方法の一つとして、LITALICO発達特性検査があります。オンラインで受検できる検査サービスのため、自宅など好きな場所で利用でき、受検後すぐに検査結果レポートをWebブラウザで閲覧できるほか、PDF形式でダウンロードできます。お子さまの困っていることや特性の傾向や強さのほか、その困りや特性の背景にどのようなことがあるか、またどう対応すればいいかのサポートの方向性が表示されます。検査結果のデータやPDFをプリントすることで、医療機関での相談・共有のためのツールとしてお役立てください。検査について知りたい方はこちらをご覧ください。連携と情報提供のポイント問診では、まずは家庭での様子や保護者の方やお子さまが感じている困りごとや課題を具体的に共有します。どのくらい困っているかなどは、主観的な内容でもあり、なかなか説明するのが難しい部分です。LITALICO発達特性検査を受検している場合は、その結果を持参し、検査結果のグラフなどを見せながら説明すると、より伝わりやすくなります。注意点としては、LITALICO発達特性検査は保護者の方の視点で測定されるということです。保護者として感じている不安や困りごとは重要な情報となりますが、医療機関では、そのほかの情報も含め、診断基準を満たしているかなどを慎重に判断します。そのため、医師の見立てが保護者の方の見立てと異なることもあります。環境によって特性や困りごとの現れ方が変わっている可能性もあり、見立てが異なること自体も重要な情報になります。専門家の見立てや場面による行動の違いを知る機会と考えて、相談を進めるとお子さまの理解が深まるかもしれません。検査結果のほかにもフラットな情報収集を意識するといいでしょう。問診では、出産時の状況やその後の病歴、歩き始めた時期や言葉の発達の様子など、生育歴についても聞かれることがあります。また1歳半健診や3歳児健診時の様子やそこで言われたことなどが確認されるケースもあるので、母子健康手帳なども準備しておくとよいでしょう。LITALICO発達特性検査を複数回受検している場合には、過去の結果も持参すると、困りごとの現れ方の変化の情報にもなります。また、授業についていけなくなった、学校に行くのを嫌がるようになったなど、新しい困りごとが出てきたり、お子さまの様子が変わってきたことをきっかけに受診する場合にも、情報を整理しておくと問診がスムーズになります。変化によって不安が強まりやすい特性があるお子さまの場合、また、困りごとの生じにくい環境や方法がある場合などには、本人に合った環境で一貫した対応が必要なことがあります。そこで、保護者だけでなく、周囲で関わる人が情報の共有をし、理解をしたうえで同じような接し方をすることが大切です。特に、医療機関では、治療方針や診断をよりきめ細やかにするために、実際に家庭や園・学校で試してみた対応方法などの結果といった情報の共有が必要になることがあります。また対応方法や環境調整についても、医学的な見地からのアドバイスを得られるチャンスとなります。具体的な支援方法や、家庭で試してみてもうまくいかなかったことなどについて、レポートの結果をもとに話すことで、限られた診察時間の中で、より具体的で専門的な相談ができるかもしれません。予約や診断まで時間がある場合にできること医療機関や状況によっては、予約がとりにくいなどで初診までに時間がかかることもあります。また、子どもの発達障害の診断には、さまざまな検査や経過をみる必要があるため、ある程度の期間がかかる傾向があります。また、一度受診したあと、再診までに期間があくこともあるでしょう。その間にできることをいくつかご紹介します。受診時にその場で考えると意外と焦ってうまく伝えられないことや、思い出せないこともあります。事前に以下のような情報を集め、まとめておくといいでしょう。・困っていることやお子さまの気になる様子・様子がいつ頃から続いているか、変化した時期はいつか・いつ、どのような状況で困りごとが起きるか、家庭で試してみた対応方法などの様子・園や学校での様子や、相談機関などに相談した際の内容など、外部からの情報など家庭で保護者の方が観察したり、これまでを振り返ったりすると、時間がかかって負担が大きいと感じるかもしれません。LITALICO発達特性検査の検査結果の情報を切り取ったり、マーカーや付箋、メモなどをつけて活用するといいでしょう。どのような観点で気になっているかが分からないときには、ヒントとしてLITALICO発達特性検査の検査結果を活用することもできます。検査結果で困りが強く出ているところや、特性などで当てはまると感じた部分に注目してみましょう。事前に相談機関や園・学校で情報収集する際の連携ツールとしても、検査結果を活用できます。問診の時間が限られていることもあるので、相談したいことが複数ある場合は、事前に相談したいことに優先順位をつけておくことをおすすめします。検査結果を持参する際には、特に相談したい点にマーカーや付箋をつけておいたり、自分でメモをつくる際には箇条書きなどにしたり、簡潔にまとめておくといいでしょう。さらに時間がある場合、検査結果で表示されたお子さまに合いそうなサポートの中からいくつか試してみて、その結果がどうだったかメモしておくのもおすすめです。それらを医療機関で伝えることで、お子さまの特性についてより把握しやすくなることもあります。今後の方針や、より具体的な配慮について相談するきっかけにもなります。再診時のポイント再診時には、前回の受診時との変化や、直近の様子などを中心に聞かれることが多くあります。お子さまの様子や、治療や発達支援などを受けた様子、家庭や学校で試したみた方法などについてまとめておくといいでしょう。特に、前回の受診から数年経っているときなど、間が長くあいた場合には、困りごとの内容や強さが変わっているかどうかが情報として役立ちます。検査結果と以前の様子で変化があるところや、気になるところをまとめておくといいでしょう。まとめお子さまに合った対応をすることで困りごとが軽減する場合、発達が気になる場合でも、必ずしも受診や診断が必要であるとは限りません。ですが、困りごとが強く、長く続いている場合などには、医療機関に相談し、より専門的な支援を検討することが重要です。また、医療機関の受診や診断がなくても、受けられる支援もありますが、福祉的な支援や園・学校での配慮を受ける際に、医療的な見解を求められる場合もあります。医療機関と連携し、信頼関係をつくることで、お子さまと保護者の方にとって心強いサポートになるともいえます。医療機関への相談で重要なのが、保護者の方からの情報をスムーズに伝えることです。受診の限られた時間の中で情報の共有やより具体的な相談をするためにも、事前に情報をまとめておく、優先順位をつけておくといった工夫がポイントとなります。そのような際に、ぜひLITALICO発達特性検査を連携のためのツールとしてご活用ください。
2024年07月12日科学のチカラで子どもたちの成長と健康をサポートしている通販会社の株式会社クラウディアは、Amazonでも大人気の書籍「身長は伸びる!」(高林孝光著・自由国民社)のメソッドをダンス「身長サンバ」にアレンジし、公開しました。7月末までの限定公開ですので、いますぐご覧ください!12人中12人がその場で背が伸びた「身長サンバ」■鍼灸師が考案した1回2分で背が伸びるダンス「身長サンバ」書籍「身長は伸びる!」には10代で+8cm、20代で+3.9cm、30代で+2.3cm、50代で+2.5cm、20代で7.7cmなど、即効で背を伸ばせる究極のエクササイズが書かれています。これを子どもがスマホを見ながら1人でも踊れるように動画に編集したのが「身長サンバ」です。■今だけのチャンス!「身長サンバ」無料動画プレゼント中テレビでもおなじみの鍼灸師・高林孝光先生が科学的メソッドに基づいて開発し、振付師の相澤加奈さんが楽しんで踊れるダンスにアレンジしました。7月中まで無料で公開していますので、いますぐご覧ください。■すきま時間を有効活用!ゲームやスマホによる姿勢の歪みを改善8つのメソッドを2分のダンスに集約し、楽しく踊れるよう考案されています。ゲームやスマホ時間で歪んだ骨格を本来の正しい位置に矯正し、背を伸ばすのが目的です!今回の撮影でも12人中、12人の伸長がその場で確認されました。しかもたった2分で平均1.6cmもアップし、BSフジで特集されたほど。■足の「浮き指」改善で成長ホルモンを促進ポイントを一部紹介すると…足の「浮き指」を改善し、足の親指の裏にある、脳の反射区を刺激して成長ホルモンの分泌を促進!成長ホルモンが背を伸ばすからです。その他、どの部位に刺激を与えてそれがどのように寄与するかの解説つきです。■見逃したら大損!お子さんの身長を伸ばすために今すぐ視聴を!子どもの成長期は16歳までと言われています。この期間の栄養×運動×睡眠が伸長の鍵です。子どもだけでなく大人にも効果がありますので、このチャンスにぜひ、体験してください。いまなら無料で視聴できます!※BSフジでの放映は2024年1月29日※伸長には個人差あり(有効率は自社調べ)無料動画プレゼント中!1回で背が伸びる「身長サンバ」キャンペーン期間:7月1日~7月31日 詳しくはこちらへ■TVで話題の鍼灸師の伸長メソッドをダンスにアレンジした「身長サンバ」書籍「身長は伸びる!」もベストセラーに!アスリートゴリラ鍼灸接骨院 院長 高林孝光1978年東京生まれ。アスリートゴリラ鍼灸接骨院院長。鍼灸師・柔道整復師として延べ10万人以上を施術。バレーボールのJOCジュニアオリンピックカップ東京代表トレーナー、車椅子ソフトボール日本代表のチーフトレーナーを務めるなど多くのアスリートの治療実績をもつ。2024年1月29日BSフジで自らが考案したメソッドに基づいた「身長サンバ」の特集が組まれる。著書多数。<メディア実績>フジテレビ「ホンマでっか!?TV」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、テレビ東京「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」、テレビ東京「ソレダメ! ~あなたの常識は非常識!?~」、フジテレビ「みんなのニュース」、東京MXテレビ「TOKYO MX news FLAG」【雑誌】「安心」「壮快」「健康」「健康365」「週刊女性」「女性自身」「女性セブン」「からだにいいこと」など高林式伸長メソッド書籍「身長は伸びる!」 (自由国民社)大型書店でも特設コーナーができるほどの人気ぶり!■人気振付師がエクササイズをダンスにアレンジ「子どもも大人も楽しく踊れますよ!」【振付師】相澤加奈多くの芸能人、モデル、セレブがメンバーとして通うクラブ、有名GYMトップインストラクターとして長年活動。また教育事業、育成、プログラム開発、運営の指導から、カリスマインストラクターとして、のべ30万人以上への指導を行う。■小児科専門医も推奨する「身長サンバ」「身長サンバ」を日課にして大きく成長しましょう!北條菜穂先生小児科専門医/医学博士/食育インストラクター日本小児科学会小児科専門医日本アレルギー学会専門医臨床医研修指導医昭和大学医学部小児科学講座兼任講師NPO日本食育インストラクターJADP公認 幼児食インストラクター【会社概要】会社名: 株式会社クラウディア代表者: 代表取締役 林 えり子所在地: 〒106-0047 東京都港区南麻布5-1-2 クラウディア本社ビルURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年07月10日支援者の不安を軽減『マインドチェンジでうまくいく! 配慮が必要な子どもの発達支援』Upload By 発達ナビBOOKガイド本書は、配慮を必要とする子どもの支援者自身が、過度な心身の負担なく、子どもにとって最善の支援を行うために持ちたいマインドについて紹介しています。チェンジしたい20のマインドのテーマが紹介されており、それぞれのテーマごとに、マインドチェンジの理由、マインドからの保育実践、WORK、マインドチェンジの確認チェックが掲載されています。そのほか、支援の実践エピソードや、用語解説などのコラムもふんだんに盛り込まれています。また、巻末にはマインドチェンジのためのコピーツールもあり、活用することができます。著者である藤原里美さんは「子どもは1ミリも変えずに」、子どものまわりの世界を変えるマインドを持つことーーそうすることで見える世界は一変し、たとえ子どもの不適切な行動は変わらなくても、安心して支援に取り組むことができる、と言います。支援者だけではなく、発達が気になるお子さんとの関わり方に悩む保護者にとっても、子育てのヒントが詰まった一冊です。現役小児神経科医による解説本『発達が気になる子どもが小児科の専門外来を受診するとき 診察室で行われていること』Upload By 発達ナビBOOKガイド公立病院に勤務する現役の小児神経科医・柏木充先生によって書かれた本書は、受診から診断までの一連の流れが、小児神経科医ならではの解説と共に紹介されています。なかには、受診前の心構えや初診時の問診で聞かれることなど、日々の診療で多くの親子に接している医師だからこそ分かる、専門外来を初めて受診する時に不安に感じやすい内容についても触れられています。診察や検査、主な神経発達症(ASD/自閉スペクトラム症、ADHD/注意欠如多動症など)とその併存疾患、薬剤治療などの医療に関する内容だけではなく、支援者間の連携などについても丁寧に解説されており、発達が気になるお子さんの保護者や学校の先生などにとって、手元に置いておきたいガイドブックのような一冊です。吃音のある人への支援や合理的配慮について、理解を深める『吃音ドクターが教える「なおしたい」吃音との向き合い方 初診時の悩みから導く合理的配慮』Upload By 発達ナビBOOKガイド自身も吃音のある医師・菊池良和先生によって書かれた本書。タイトルにあるように、吃音をなおしたいと思う当事者や家族の方は多くいらっしゃると思います。しかし、本書には「なおす方法」が書いてあるわけではありません。これまでの吃音のセラピーは、吃音のある本人へのアプローチが主流でしたが、本人が困りごとを抱えている背景には、聞き手側の配慮・理解が影響していることも多いと言います。第一章では当事者が吃音をなおしたいと思う背景、第二章では32の事例紹介と治療の実践編について紹介されています。また、巻末資料として、園や学校、職場などで合理的配慮を受けるためのテンプレート文が掲載されています。吃音のある人への理解・配慮があれば、吃音があることで困ったり悩んだりすることは減らせるのではないか?一人でも多くの“アライ(味方)”を増やしたい、そんな思いで書かれた本書。吃音のある人への支援や合理的配慮について、理解を深めることができる一冊です。親子で心について学ぶ絵本『こころをなくしたかいじゅう』Upload By 発達ナビBOOKガイド主人公のかいじゅう・オルーガは、自分の勘違いから親友を傷つけ、友情を壊してしまいました。一人ぼっちになったオルーガは、その後悔と悲しみのあまり、心まで失ってしまったのです。何も感じない、何をするにも意味なんてない……そんな毎日を送っていたオルーガのもとに、ある日封筒に入った地図が届きます。地図に記された宝が何なのか気になったオルーガは、宝を探す旅に出ます。地図には、「ケラケラ村」「イライラ村」「エーンエーン村」「ワクワク村」など、ふしぎな村の名前がたくさん。それぞれの村を訪れると、笑ったり、怒ったり、泣いたり、楽しんだり……いろいろな心を持ったかいじゅう達が住んでいました。個性豊かなかいじゅう達の感情に触れるうちに、オルーガは心を持っていた頃の自分を少しずつ思い出していきます。可愛らしくユーモラスな姿のかいじゅう達が描かれた絵本の世界を通じて、心って、感情って何だろう?と親子で話しながら、自分の気持ちやほかの人の気持ちを考えるきっかけになるのではないでしょうか。発達障害のある子どもの睡眠問題を理解する『日常生活から学ぶ 子どもの発達障害と睡眠』Upload By 発達ナビBOOKガイド日本の子どもたちは世界の中でも睡眠時間が少なく、睡眠の問題を抱えている頻度が高いとされています。特に発達障害のある子どもでは、睡眠障害の有病率が高いと言われています。本書では、食事や運動、昼寝といった日常生活の場面や、乳幼児期から青年期までの子どもの成長段階に応じて、睡眠が子どもの発達にどのような影響を及ぼすのか、専門的な知識を交えながら詳しく紹介しています。睡眠は、生きていく上で必要不可欠であり、子どもの心身の成長に大きな影響があります。子どもの睡眠の問題と発達障害の関連について焦点を当てた本書は、最新の知見に基づいた適切な治療や対応方法を体系的に学ぶことができる、数少ない一冊といえるのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年06月22日長女の目に異変があり、かかりつけの小児科を受診したときのことです。この小児科は普段から、風邪のときや予防接種は受診していて、特に嫌な思いをしたことはありませんでした。しかしこの日は、医師にショックな言葉をかけられてしまったのです……。 かかりつけの小児科これは、現在15歳の長女が4歳になったばかりのときの出来事です。ある平日、長女が朝起きたら「目が痛い」と言い、少し充血して目やにも出ていたので、私は「ちょうど咳や鼻水も出てきたし、風邪薬をもらうついでに目も見てもらおう」と思い、いつものかかりつけの小児科を受診することにしました。 かかりつけの小児科はクリニックで、50代くらいの男の医師がひとりです。待合室から呼ばれ、医師に症状を伝えると「風邪薬の他に目薬も出しておきます。目薬、使ったことある?」と聞かれました。 医師にかけられたショックな言葉長女が1歳半ごろに目薬を使ったことがあったので、そう伝えると「かなり前だし、少し練習してみようか。そこに横になって」と医師が長女に声をかけました。 長女が診察室のベッドに横になり、医師が「今から目にお薬入れるからね、動いちゃだめだよ」と言いましたが、長女は「こわいからやだ!」と、頑なに目薬を拒否。起き上がろうとして、看護師さんに静止される始末。私からも長女に「痛くないよ」など説明しましたが、長女の断固拒否は変わらず……。 すると医師は、大きなため息をつきながら「もう4歳でしょ? こんなこともできないの?困ったもんだね」と言ったのです。私としては、4歳でも長女にとってほぼ初体験の目薬は恐怖だろうし「そんな言い方しなくても……」とショックを受けました。 結局、長女はクリニックで目薬をさすことができず、医師からは「目薬できないなら処方しませんから。様子見てひどくなるようなら眼科を受診してください」との言葉……。幸い、数日様子を見ると充血も目やにもおさまってきたのでよかったですが、医師の発言にショックを受けた出来事でした。あれから11年経ち、15歳になった長女。今では自分で眼科を受診し、眼軟膏や目薬を自分で管理できるまでに成長しました。これからも見守っていきたいと思います。 著者:吉川 みきな
2024年06月13日生まれてからすくすくと成長してきた娘が、明日で生後3カ月をむかえようとしていた日に突然発熱し、インフルエンザA型と判明! 病院での対処や、入院してからの娘との付き添い生活の一部始終をお話ししたいと思います。 ※訂正:(誤)妊婦中でもできたんですよ→(正)妊娠中でもできたんですよ 嵐の前の平和なひととき娘がまもなく生後3カ月をむかえようとしていたある日。まだ冬休みの最中で、小学5年生の三男はゲームざんまい。夫の仕事も休みで朝から家族みんながゆったりとしていました。娘も穏やかで育児用ミルクの飲みも良く、お昼前にはねんねをしたので、私はその間に洗濯や昼食の準備をして過ごしていました。 家事は片づくし、娘はよく寝るし快適な1日だなあ!と喜んでいたところに、娘が起き出したのです。おむつを取り替えて育児用ミルクの準備をして改めて抱き上げたとき、不思議な呼吸をしていることに気づきました。肩で息をしている感じで、息づかいも「ふうっふうっ」と聞こえます。 なんだろう……これは?と考えながら、あれ? そういえば娘、熱いかもしれない!と気づき、慌てて体温計で測ると38.5度。赤ちゃんは生後半年くらいまでお母さんからの移行抗体で守られていると聞いたことがあるけど、なぜ?? 小児科受診、そして入院へ私はとても不安になり、急いで予防接種でお世話になっている小児科へ向かいました。先生は娘の胸の音を聞いて、おなかを丁寧に触診してから「胸の音は悪くないけれど、この月齢の子が38.5度まで熱が上がるのは普通ではないからね。総合病院に紹介状を書くから、これからまっすぐ行きなさい」と、今度は総合病院を受診することに。 その間にも娘は相変わらず「ふうっふうっ」と肩で息をしていました。総合病院の先生は診察をしてから、「熱の原因を調べたいので、今流行している感染症の検査と採血をします。お母さんは待合室で待っていてください」と、15分ほど待つことになりました。 そして、インフルエンザA型が判明したのです。「生後3カ月くらいだとタミフルを飲ませるのは大変でしょうから、入院して抗インフルエンザ薬を点滴投与しましょう」と入院が決まりました。 赤ちゃんとの付き添い入院生活荷物の準備を夫に頼み、私が娘に付き添い、慌ただしく入院生活がスタート。小学5年生の三男のお世話を夫にお願いしました。すぐに抗インフルエンザ薬の「ラピアクタ」の投与が始まり、娘の熱は翌日には下がり安堵。そして、気になっていた「ふうっふうっ」という息づかいもなくなっていました。 先生によれば「熱が高くなり、少し苦しかったんだと思います。しかし、胸の音もきれいですし問題ありません」とのことで、娘は4日間で無事に退院できました。 結局、娘のインフルエンザは私と三男にも感染しました。あとから知ったのですが、インフルエンザの予防接種は妊婦でも接種が可能だということ。私の予防接種ができていれば免疫が娘にも移行し苦しい思いをさせなくてよかったのかも……と、勉強不足を反省しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/あんこママ著者:優木 まり25歳になる長男を筆頭に4歳女児までの3男1女を育てるアラフィフママ。元美容部員のスキルを生かして美容記事を執筆するほか、子育て・出産関連についても執筆している。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年06月12日2016年の春、長女を出産したぷにらーさん。赤ちゃんが生後2カ月を迎えたころ、小児科で「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまいます。さらに「大学病院で検査を受けたほうがいい」と言われたため、大学病院を受診したところ、「心室中隔欠損症です」と診断されてしまいます。医師からは、手術が必要と告げられ、その1週間後に入院することに。検査後、肺の状態はよくなかったものの、手術の緊急性が低く、また手術をおこなう医師の予約が取れなかったため、一時帰宅を言い渡されてしまったぷにらーさん。それから10日後、病院から「2週間後に手術をおこなうので、入院してください」と連絡が入ったため再び入院。しかし、医師に「やはり心臓に負担が大きいので早めに手術しましょう」と言われた5日後、突然「退院してください」と言われてしまったのです。立て続けの手術の延期によりぷにらーさんは不安な気持ちでいっぱいに……。 月日は流れて11月末。不安を抱えながらも3度目の入院をし、娘の手術がおこなわれました。手術は無事に終了。その後は順調に回復していき、最後のエコーを受けた結果、特に問題はなかったため、先生から退院の許可がおりたのでした。 心臓の手術から、あっという間に7年が経過して… 退院日前日になると、水分の制限がなくなりました。 (やっと満腹になれたんだね!) ミルクを飲みながら寝落ちしそうになる娘を見て、思わず涙ぐんでしまったぷにらーさん。 入院最後の夜は穏やかに過ごしました。 そして、手術からもう7年が経過しました。 娘はあれからすくすく成長し、7歳に……。 手術した大学病院での定期検査は終了したほか、運動制限や服薬などは特になく、現在娘はダンスレッスンに熱中する日々を送っています。 当日はこの体験を自分の中だけにしまっているのがつらく、この体験をマンガ化にして世の中に発信することで、“つらかった思い出を昇華したかった”というぷにらーさん。 今日も長女の元気な姿を見て、今の目の前にある幸せを噛みしめるのでした。 手術を終えたあとはすくすくと成長し、現在は元気な7歳のお姉さんになった娘さん。心臓の病気が確定してから、手術が終わるまで本当に大変でいろいろあったと思うのですが、乗り越えられてよかったです。これからも家族みんなで笑顔溢れるステキな日々を送ってください。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。
2024年06月09日2016年の春、長女を出産したぷにらーさん。赤ちゃんが生後2カ月を迎えたころ、小児科で「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまいます。さらに「大学病院で検査を受けたほうがいい」と言われたため、大学病院を受診したところ、「心室中隔欠損症です」と診断されてしまいます。医師からは、手術が必要と告げられ、その1週間後に入院することに。検査後、肺の状態はよくなかったものの、手術の緊急性が低く、また手術をおこなう医師の予約が取れなかったため、一時帰宅を言い渡されてしまったぷにらーさん。それから10日後、病院から「2週間後に手術をおこなうので、入院してください」と連絡が入ったため再び入院。しかし、医師に「やはり心臓に負担が大きいので早めに手術しましょう」と言われた5日後、突然「退院してください」と言われてしまったのです。立て続けの手術の延期によりぷにらーさんは不安な気持ちでいっぱいに……。 月日は流れて11月末。不安を抱えながらも3度目の入院をし、娘の手術がおこなわれました。手術は無事に終了したのですが、今度はぷにらーさんの体に異変が現れてしまって……!? トイレで急に感じた痛み。泌尿器科で診てもらうと…? 泌尿器科を受診し、膀胱炎の診断を受けたぷにらーさん。 そんなアクシデントがありつつも、時間の経過と共に長女は順調に回復していきました。 (エコーが問題なければ、数日で退院なんだよね) そして最後のエコーを受け終わり、先生からうれしい言葉が……! 「はなちゃんは木曜に退院しましょう」 医師のその言葉に、心の底から夫婦で喜んだのでした。 無事に手術後の検査が終わり、退院の許可が下りて本当によかったですね。娘さんの回復の経過も順調なようで安心しました。入院生活はいろいろと制限があったり、気を張ったりで大変だったと思うので、退院後はお家でのんびりと過ごしてほしいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。
2024年06月08日2016年の春、長女を出産したぷにらーさん。赤ちゃんが生後2カ月を迎えたころ、小児科で「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまいます。さらに「大学病院で検査を受けたほうがいい」と言われたため、大学病院を受診したところ、「心室中隔欠損症です」と診断されてしまいます。医師からは、手術が必要と告げられ、その1週間後に入院することに。検査後、肺の状態はよくなかったものの、手術の緊急性が低く、また手術をおこなう医師の予約が取れなかったため、一時帰宅を言い渡されてしまったぷにらーさん。それから10日後、病院から「2週間後に手術をおこなうので、入院してください」と連絡が入ったため再び入院。しかし、医師に「やはり心臓に負担が大きいので早めに手術しましょう」と言われた5日後、突然「退院してください」と言われてしまったのです。立て続けの手術の延期によりぷにらーさんは不安な気持ちでいっぱいに……。 月日は流れて11月末。不安を抱えながらも3度目の入院をしました。手術日当日、娘を医師に受け渡すと、手術が終わるまで部屋で待機していたのですが、突然電話が鳴って……!? 突然かかってきた電話の用件は…? 電話は手術室からではなく、病棟からでした。 そのあと、手術終了の連絡を受け、娘のところへ向かったぷにらーさん。 「よく頑張ったね」 娘に声を掛けると、思わず涙してしまいました。 手術後はCCU(循環器疾患集中治療室)からPICU(小児集中室)へ移動したあと、一般病棟への移動が許可されました。 「退院まであとひと踏ん張り!」そう思っていたのですが、ある日、突然体に異常を感じてしまったのでした。 ずっと手術のことで気を張っていた上に、睡眠不足や偏った食生活などにより、体が弱ってしまっていたぷにらーさん。ひとまず娘さんの手術は無事に終わったので、まずは症状をお医者さんに診てもらって、ゆっくり休んでほしいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 次の話を読む → 著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年06月06日娘は1歳のころから風邪をひくことが多くなり、そのたびに小児科へ行っていました。鼻水がとまったと思ったら、またぶり返す日々。なかなか治らないので、別の病院で診てもらったところ……。風邪を繰り返す日々が続き…咳や鼻水が出るたびに小児科へ行き、風邪と診断。咳を抑える薬と、鼻水や痰を出しやすくする薬を処方され、治療していました。 しかし、鼻水がとまったと思ったらまたぶり返して……ということが続く日々。小児科に行っては診断を受け、薬をもらうことを繰り返していました。 なかなか治らないため、あるとき耳鼻科へ行ってみることに。そこで出た診断は、副鼻腔炎。処方されたのは副鼻腔炎を治す抗生物質でした。しばらく飲み続けたら、鼻水はピタッととまりました。 子どもの病気なので小児科へ行っていましたが、症状によっては耳鼻科に行くなど、他の科を受診してみることも大切だと学びました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ◇ ◇ ◇ 小児科は子どもの全身状態を総合的に診てくれます。ですが、鼻や耳の奥の二次的炎症までは詳しく診ることができないので、症状が長引く場合は耳鼻科受診を考えてもいいかもしれません。 著者:花田まい/30代女性・会社員。2児のママ。仕事をしながら、子育てを頑張っている。イラスト:てる子 ※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年06月06日2016年の春、長女を出産したぷにらーさん。赤ちゃんが生後2カ月を迎えたころ、小児科で「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまいます。さらに「大学病院で検査を受けたほうがいい」と言われたため、予約を取って病院を受診したのですが、そこで「心室中隔欠損症です」と診断されてしまいます。医師から「手術が必要です」と告げられ、その1週間後、肺高血圧の検査をおこなうため、入院することに。検査後、肺の状態はよくなかったものの、手術の緊急性が低く、また手術をおこなう医師の予約が取れなかったため、一時帰宅を言い渡されてしまいます。 それから10日後、病院から「2週間後に手術をおこなうので、入院してください」と連絡が入ったため再び入院。しかし、医師に「やはり心臓に負担が大きいので早めに手術しましょう」と言われた5日後、突然「退院してください」と言われてしまったのです。立て続けの手術の延期によりぷにらーさんは不安な気持ちでいっぱいに……。 月日は流れて11月末。不安を抱えながらも3度目の入院をするのですが、ようやく手術日が決まって……!? 手術日が決定! それを機にママはあることを決断して… ようやく手術日が確定したことで安堵したぷにらーさんでしたが、手術を機に母乳をやめることを決心します。 その理由は、手術後にあげられる水分は1回47mlからのため、腹持ちのいい育児用ミルクをあげたほうがいいと思ったからです。 そのことを母親に話すしたぷにらーさん。 しかし、意図を理解してもらえず、母親の言葉にぷにらーさんは深く傷ついてしまったのでした。 「ぷにはな、2013年4月〇日生まれ、心室中隔欠損症の手術をします。よろしくお願いします」 ついに迎えた手術当日、そう言って赤ちゃんを先生に受け渡したぷにらーさん。 緊張しながらも義両親と一緒の部屋で手術が終わるのを待機していると、突然病院から渡された電話が鳴ったのでした。 ぷにらーさんは心身ともに万全の状態ではありませんでしたが、無事に娘さんの手術がおこなわれてよかったです。ただ、待機中に電話がかかってきたのが気になりますね。病院からの用件が、娘さんの命に関わることではなければいいのですが……。どうか無事に手術が終わることを願います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 次の話を読む → 著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。
2024年06月03日2016年の春、長女を出産したぷにらーさん。赤ちゃんが生後2カ月を迎えたころ、小児科で「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまいます。医師の言葉にショックを隠し切れずにいました。また、「大学病院で検査を受けたほうがいい」と言われたため、予約を取って病院を受診するのですが、そこで「心室中隔欠損症です」と診断されてしまいます。医師から「手術が必要です」と告げられ、その1週間後、肺高血圧の検査をおこなうため、入院することに。検査後、肺の状態はよくなかったものの、手術の緊急性が低く、また手術をおこなう医師の予約が取れなかったため、一時帰宅を言い渡されてしまいます。 呆気ない退院にモヤモヤしながらも、指示通り一時帰宅をしたぷにらーさん。それから10日後、病院から「2週間後に手術をおこなうので、入院してください」と連絡が入ったため再び入院したのですが、医師に「やはり心臓に負担が大きいので早めに手術しましょう」と言われた5日後、突然「退院してください」と言われてしまって……!? 度重なる手術の延期にママのモヤモヤは止まらず… (この入院で手術って言ってたのに……。もちろん緊急の人が優先されるのはわかるけど、心臓の負担が大きいって言ったのに……) このことで不安な気持ちが一気に加速するぷにらーさん。 そして、再入院の日が近づいたころ、またしても入院事態が延期になってしまったのです。 (緊急の患者さんが入ったって理由だから仕方ないけど、はながないがしろにされてる気分だ……) 11月になると、認可保育園の申し込みがスタート。 ぷにらーさんはこの状況で保育園に通えるのか、仕事復帰ができるのかなど、不安を抱えていました。 そんな中、11月末に3度目の入院が決定します。 期待はしないでおこうと思っていたぷにらーさんでしたが、ある日先生から「12月5日に手術をおこないます」と言われたのです。 「4日後……。分かりました。よろしくお願いします」 手術日が決まった瞬間、表情は一気に引き締まり、ぷにらーさんの鼓動は速くなったのでした。 前回手術をするはずだった予定が、緊急の患者さんがいるということで、延期になってしまったぷにらーさん。今回は急ではありますが4日後に手術が受けられるようでよかったです。実際、手術を受けるとなると、不安な気持ちが倍増すると思いますが、家族みんなで支え合って乗り越えてほしいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 次の話を読む → 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。
2024年06月02日生後8カ月を過ぎてもおすわりができるようにならない娘。心配になり医師に相談したところ、予想外すぎるまさかの診断結果を告げられて……!?う、嘘でしょ!?娘が生後8カ月のころのお話です。日ごろから上の子の公園遊びの付き添いで、ベビーカーや抱っこ紐で移動することが多く、あまり遊び相手をしてあげられていませんでした。 首すわりや寝返りは順調だったものの、生後8カ月を過ぎても、おすわりをしないことが少し気がかりだった私。健診の際に診察してもらおうと、質問欄へ記入して小児科医に相談したところ、「骨盤や腰に異常はありませんね。おそらくお子さんのやる気次第です。まだ座る気がないんでしょうねぇ」とのこと。 予想外の診断結果に、思わず驚愕してしまいました。その診断結果を知ってか知らずか、健診の3日後にはちょこんと座って見せてくれて、一安心。 ほかのお子さんや兄弟と比べて不安になっても仕方ない! いつの間にか知らないうちに子どもは成長していて、ある日突然、いろいろなことが出来るようになるのだなぁと実感。無理に何かをさせようとせず、子どものそれぞれのペースで見守るのも大切だと感じました。 ◇ ◇ ◇ おすわりの姿勢では今までと違う景色が見えるため、赤ちゃんが景色に興味を持っておすわりを頑張ろうとします。今回は、おすわりができるようになる前に、ママさんが抱っこしてあげたり、公園へ連れて行ってあげたりと、ハイハイの姿勢では見えないさまざまな景色を見せてあげていたことで、おすわりしなくても十分楽しめていたのかもしれませんね。 赤ちゃんは大体、生後6~7カ月ごろから誰かが支えてあげるとおすわりができるようになることが多いようです。そして、生後7~8カ月ごろになるとひとりでおすわりできるように。しかし、もちろん個人差があります。「おすわりが遅いな……」と感じたら、練習でおすわりを促してあげるとよいでしょう。 ■おすわりの練習方法 ①赤ちゃんをおすわりの姿勢にします。その際、赤ちゃんの腰のあたりをしっかりと支えるようにしましょう。②より赤ちゃんを安定させたいときは、自分の両膝で赤ちゃんの腰を挟みましょう。③慣れてきたら、うつ伏せでは見えないけれど、おすわりでは見える場所におもちゃを置いてみて、赤ちゃんに発見させます。 しかし、かんしゃくを起こすくらい嫌がったり、どこか痛がったりしているようであれば、無理せずに一旦おすわりの練習は中止しましょう。 もし生後8カ月を過ぎてもおすわりしない場合は、小児科医に相談してみてくださいね。 著者:秋田かなめ/女性・主婦。中学生と高校生の子どもを育てる母。専業主婦でお小遣い稼ぎにポスティングをしている。イラスト:森田家 ※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、同産婦人科にて非常勤。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2024年06月02日2016年の春、長女を出産したぷにらーさん。出産後、授乳をおこなう際は陥没乳頭だったため、赤ちゃんが乳首を吸いにくく、体重が思うように増えなかったため悩んでいました。新生児健診では体重が半分しか増えていないのを指摘され、ショックを受けたぷにらーさんでしたが、近所で赤ちゃんの測定・相談会に参加し、助産師さんにアドバイスをもらったことで授乳の問題は解決されます。しかし、赤ちゃんが生後2カ月を迎えたころ、小児科で「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまったのです。ショックを受けながらも夫に報告し、娘の病気について話し合いをおこなうことに……。 そして、小児科で「大学病院で検査を受けたほうがいい」と言われ、さっそく予約を取ったぷにらーさん。ようやく受診する日を迎えたのですが……? 不安な気持ちで大学病院を受診。診断結果は… 病院に到着後、まず検査をおこってから11時から診察が始まりました。 そして、医師からは「心室中隔欠損症です」と言われてしまったのです。 「心室の壁に9ミリの穴が空いています。これが自然閉鎖が期待できない大きさで手術が必要です」 医師からそう告げられたあとショックを隠し切れず、涙を流してしまったぷにらーさん。 「手術しないと健康にはなれない。大きくなれないかもしれない……」 「元気に産んであげられなくてごめんね」 娘にそう謝ると、泣きながらお母さんに電話で報告をしました。 そして初診から1週間後、肺高血圧の程度を調べるため、検査入院をすることになったのでした。 心のどこかで心室中隔欠損症でないことを強く願っていたと思うので、この診断結果はかなりショックだったと思います。つらい現実ではありますが、そこから目を背けることはできません。検査入院も大変だと思いますが、夫婦で支え合って乗り越えてほしいです。 著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2024年05月31日2016年の春、出産予定日よりも10日早く長女を出産したぷにらーさん。出産後、授乳をおこなう際は陥没乳頭ということもあり、赤ちゃんが乳首を吸いにくく、体重が思うように増えなかったため悩んでいました。新生児健診では体重が半分しか増えていないことを指摘され、ショックを受けてしまったぷにらーさん。母乳をあげたあと、育児用ミルクを追加するように指示されたため、その日からその通り実践することに。その3日後、近所で赤ちゃんの測定・相談会があったのでそこで体重を測ってもらおうとしたのですが、助産師さんに話しかけられると、突然涙がこぼれ落ちてしまいました。 ぷにらーさんが授乳の悩みを伝えると、温かい言葉をかけてもらうと同時にアドバイスももらいました。すると、ひと月くらいであんなに大変だった授乳がラクにできるようになったほか、無事に1カ月健診を終えることができたのでした。 小児科に予防接種を受けにいくと、医師から衝撃的な言葉が! 予防接種を受けるため、小児科を受診したぷにらーさん。 すると、医師から耳を疑う言葉が……。 「心臓どうしたの?」 戸惑っていると、医師は言葉を続けます。 「この子ね、心臓に雑音があるよ。穴が空いてるかもしれない」 その後、改めて診察を受けると、「心室中隔欠損症の可能性が高い」と言われてしまいます。 「大きい病院で診てもらってください」 医師からそう言われ、早速大学病院の予約を調べるのですが、なんと予約が取れるのは2カ月も先―。 夫に今日のことを報告しようとスマホを打っていると、涙が溢れてきてしまったのでした。 授乳の問題が解決したかと思ったら、突然見知らぬ病名を告げられてしまったぷにらーさん。今の段階ではあくまで「可能性が高い」というだけで、診断が確定されたわけではないですが、そのショックは計り知れなかったと思います。大学病院の予約が2カ月先なのでヤキモキしますが、気を確かに持ってほしいです。次の話を読む → 監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。著者:マンガ家・イラストレーター ぷにらー2016年生まれの長女と2018年生まれの次女の姉妹を育児中。旦那の行動力に振り回されつつ、愉快な日常や体験談を描いていきます。
2024年05月29日診断名のデパート私が5年ほど前に診断を受けた二次障害は「複雑性PTSD」。家庭や学校でのトラウマが長期にわたって累積したことにより、複雑なトラウマの後遺症に苦しむこととなったのです。その他、診断基準を全ては満たさなかった、または医療につながっていなかったなどで該当するか不明なものとしては、社交不安症、離人症、摂食障害、神経性胃炎、過敏性腸症候群、概日リズム睡眠障害、強迫症、ネット依存症、双極症のような傾向がありました。内科では自律神経失調症や「うつ」と言われていた時期もあります。PMSや月経困難症もひどく、片頭痛や過活動膀胱の傾向もありました。複雑性PTSDのようなトラウマ性疾患のある人は、トラウマ・ストレス反応によって自律神経のバランスが崩れることで、非常に多様な症状を抱えます。このため、身体科疾患も含めていろいろな病気の症状を呈し、トラウマの問題が発見されるまでの間、たくさんの診断名をつけられる傾向にあります。こういった人を「診断名のデパート」と呼ぶことがあるそうで、私もまさにそういった状態でした。※診断名等は診断時・受診時のものです小学校時代から二次障害の症状に苦しむこうした背景により、私は小学校の頃にはすでに、さまざまな症状に苦しむようになっていました。学校で人の視線が気になる、誰かが何か話していると自分の悪口を言っているのではと気になる、人前での失敗を必要以上に恐れる。決まったやり方で教室に足を踏み入れ、何歩歩いたら、どこでどれくらいの角度とスピードでターンするかを事前に頭の中でシミュレーションする、など……。20代までの間は食欲不振や下痢の症状があるいっぽうで、チョコレートなどの甘いものを一気食いするなどしていて、身体はガリガリ、顔はニキビだらけ。ネットサーフィンやソーシャルゲーム、チャットに依存し、すっかり昼夜逆転。精神安定剤でデロデロの状態で昼過ぎにやっと起き、化粧や服装を完璧に整えようとして何時間もかかるので、家を出たら午後4時過ぎ。必要な事務手続きなどができず、生活に支障をきたしました。また、人と話すのが苦痛で、電話1本かけるのに脂汗をかき、震えながら小1時間葛藤するといったことも……生理にまつわる症状や片頭痛で月のほとんどの時期調子が悪かったこともあって、この時期は準ひきこもり状態となっていました。ずいぶん楽にはなったけれど……30代以降、実家を出て、家庭における最大のストレス・トラウマの源であった母と離れました。夫に支えてもらい、安心できる環境に身を置きながら、発達障害の診断・治療、トラウマ治療、その他の身体科の疾患の治療を受けるようになってからは、もろもろの症状は徐々に治まっていきました。しかし、トラウマの影響による気分の変動や、トラウマ記憶のフラッシュバックには引き続き苦労しています。もっと診断が早ければ……私が二次障害を発症するに至ったのは何より、時代的に、診断が遅かったためだと思っています。今の時代であれば就学前に発達障害の診断を受け、療育を受けたり、公立小学校の通常学級とは違った学校の選択肢を選んだりすることができたでしょう。そうすることで、いじめ・教師からの虐待といったトラウマを負わずに済んだかもしれません。早期の診断や療育を受けていれば、何がいけないのか分からないままの、人間関係上の失敗や挫折を漫然と繰り返すこともなく、何かつまずくたびに効果的な学習の機会にできたでしょう。暗中模索のまま過剰適応に追い立てられることもなく、疲労の蓄積や、大学受験を最終的なきっかけとしたバーンアウトも経験せずに済んだかもしれません。仕事の選択も特性に合ったものを考えられたでしょうし、20代のひきこもり時代による社会的な学習機会の損失も起こさず、もっとずっと早く、もっとずっと高いレベルで社会適応できていたでしょう。家庭内で私のストレス・トラウマの最大の原因となっていた母も、おそらくASD(自閉スペクトラム症)とその二次障害の強迫症の持ち主だったのですが、今の時代であれば彼女への治療や支援といったアプローチも可能だったかもしれません。彼女への早期の介入がなされていれば、私は家庭内で今ほどのトラウマを負わないで済んだでしょう。早期発見と早期の対応はとても大事発達障害があること自体はやはり、社会を生きていくにあたってディスアドバンテージではあると私は思っています。しかし、トラウマ治療が進み、定型発達の人たちのコミュニケーションや考え方の分析に目が向けられるようになって思うのですが、早期発見や(療育の質にもよりますが)早期療育はとても大事です。特性に合った環境調整や療育で、二次障害を防ぎ、教育の場や社会からのドロップアウトの期間をなくせば、社会適応に必要な発達課題をきっちり積み重ねていくことができます。トラウマ性疾患は治療可能な病気ではありますが、治療にとても長い時間と多額のお金がかかります。その間、健康であったら得られていた、人生の節目ごとの発達課題の学習機会を逸することにもなります。私は、いまの未就学児が療育で学ぶようなことを、自分で本を読んだり、周囲の人に教えてもらったりすることで補填しています。ずいぶん自分なりに発達できた、人生はこれからだと思っていますが、いま43歳の私、あまりにスタートが遅い感は否めず、また累積した経済的損失は計り知れず、悔しい思いをしています。いまの子どもたちは、早期発見という意味では幸い私よりも恵まれた環境にあるので、ぜひ早期に対応することで、元気な人生のスタートを切ってほしいと思います。文/宇樹義子(監修・鈴木先生より)残念ながら、今の時代でも本事例のようなことは起こっています。乳幼児健診やかかりつけ医に相談しても「様子を見ましょう」で特に療育もせずに成人された神経発達症の方々が私の外来にはたくさんいらっしゃいます。もっと早くここ(私の外来)に来れればよかったと皆さん口をそろえて言います。アメリカの心理学者バークレー先生は神経発達症のお子さんにおける早期介入の重要性を訴えています。以前来日したおり、私も運営に関わり全国の小児科専門の先生方に神経発達症の早期診断・治療の重要性を伝えました。その際に保護者の方々へ行った「いつからADHD(注意欠如多動症)などの治療開始を希望されますか」というアンケートには、ほとんどの親御さんが「就学前後」と答えていたのです。そのためには就学前に小児科を受診し診断されなければなりません。ですから、私が推奨している5歳児健診が重要になるのです。しかし、さまざまな要因により、すべての自治体では行えていないのが現状です。そのため、保育士や幼稚園教諭の皆さんに対する神経発達症の周知や教育が急務だと考えています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年05月14日3児のママで小児科医、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、「子どもの五月病」について解説してもらいます。こんにちは。小児科医の保田典子です。 今回お話しするのは「子どもの五月病」について。5月から6月は大人も子どもも体調不良になりやすい時期です。そのような兆候があれば、参考にしていただけると幸いです。 「子どもの五月病」って?五月病とは病名ではなく、4月に新年度が始まってしばらく経ってから現れる心身の不調の総称です。特別な診断基準があるわけではありません。 また、「子どもの五月病」といっても大人と変わりがあるわけではありません。大人があるように、子どもにも体調不良になりやすい時期ですよ、ということです。 五月病に限らずですが、夕方だけ微熱が出る、木曜日や金曜日になると熱が出る、食欲が減ってくるなどは疲れがたまってきている兆候です。 特に、4月から保育園や幼稚園に新しく入園した子は、最初は緊張しながら頑張って体調を維持していたのが、5月ごろには疲れがたまってしまい、体調不良になることがあります。4月は風邪症状のみで熱を出すことはなかったのに、熱を頻繁に出したり、悪化すると肺炎になったりしてしまうことも。 大人は集中力の低下など精神症状が前面に出ることが多いようですが、子どもは身体症状に出ることが多いです。朝、腹痛になったり、頭痛などを訴えたりする子もいます。症状が出た場合は、受診しましょう。 五月病の予防と対処法五月病は心身の疲れなので、特別な治療法があるわけではありません。その代わり、当たり前の生活習慣を整えることが最大の予防であり対処法です。 ① 早寝(早起き)特別早寝する必要はありません。いつもの時間より早寝するのは睡眠学上でも難しいと言われています。いつもの時間に、いつものように寝る習慣を心がけましょう。 ② 入浴:湯船に入る熱のない子は湯船に入りましょう。湯船に入ると自律神経も整いやすく、体の循環にも良いです。入浴後1時間から1時間半後に寝ると睡眠が深くなり良質な睡眠が得られると言われています。鼻水がある子は入浴により、スッキリしやすいというメリットも。咳がひどい子は長湯をしないほうが良いでしょう。 ③ 食事の栄養バランスに気をつける食事の栄養バランスも大切ですが、疲れているときは胃腸も弱っているので、脂っこいものを避けたほうが体にも良いでしょう。食欲がないときのおやつは、スナック菓子など脂っぽいお菓子を食べさせないほうがベター。補食はおにぎりなどが理想的です(が、食べられるものを食べましょう)。 理想の生活はありますが、無理せずに!5月は大人も子どもも疲れが出やすい時期。「無理なく、大人も子どももラクな生活」を目指しましょう。理想の生活を目指して子どもにつらく当たってしまっては本末転倒です。 4月に環境が大きく変わった家庭は、週末は遠出ではなく、おうちの近くで遊ぶなど週末に体調を整えるのも良いですよ。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
2024年05月10日里帰り出産をした私は、産後は両親のもとで生活していました。そして生後1カ月を過ぎたころ、息子に出始めた乳児湿疹。母は湿疹を見るたびに、「こんなになってかわいそうねぇ」と特に深い意味もなく言うので、その言葉を聞くたびに悲しい気持ちになりました。子どものことについて言われる何気ない言葉で、こんなに悲しい気持ちになるのかと自分でもびっくりした体験談です。乳児湿疹ができた息子息子も無事生まれ、特にトラブルもなく1カ月健診を終えたころでした。息子の顔に赤くプツプツとニキビのような湿疹が出始め、あっという間におでこ全体から頭皮、頬にも広がっていきました。念のため小児科で診てもらいましたが、乳児湿疹ということで塗り薬をもらって様子をみることになったのです。 育児書にもよくあることだと書いてあり、おそらく一時期的なものだろうと思い、小児科で聞いたケアをしっかりしながらなるべく気にしないように息子に接していました。 「かわいそう」という母の言葉がつらいしかし、息子の乳児湿疹はなかなかよくなりません。母は「こんなになっちゃってかわいそうねぇ」、「かわいそうに。早くよくなったらいいのにねぇ」と何気なく息子に声をかけます。それを毎日聞いていると、私はだんだん気持ちが沈んでいき……。 別に深い意味もないし、つい言ってしまうんだろうとわかっていました。確かに湿疹が出てかわいそうと感じる気持ちは自然なのかもしれません。それはわかっているのですが、私の気持ちはどんどん悲しくなっていきました。そしてついに「かわいそうって言わないで!」と母に怒鳴ってしまったのです。 息子への言葉は何十倍もつらく感じた母は「ごめんね。もう言わないようにするね」と、気をつけて言葉を選んでくれるようになりました。「かわいそう」という言葉を聞かなくなると、私のつらく沈んだ心もだんだん軽くなり、乳児湿疹をひどく気にすることはないなという気持ちになっていったのです。 息子に向けられる「かわいそう」という言葉は、私にとって本当に悲しくつらい言葉でした。自分に直接向けられる言葉よりも、何十倍も心にグサッと刺さったのです。何気ない言葉だと理解していても、こんなに悲しい気持ちになるのかと自分でもびっくりしました。 初めての育児で手探り状態だった中、乳児湿疹が出て困惑していたところに、息子に向けられた「かわいそう」というネガティブな言葉。それがこんなにも心を乱して悲しくなるなんて思いもしませんでした。子どもに向けられる言葉によって、これほど親が動揺するなんて……と初めて知った出来事でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/manami.koiso著者:山下 ひいこ1児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。監修者・著者:助産師 松田玲子医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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