俳優・松山ケンイチが主人公を務め、1970年に少年ジャンプで連載開始、2年後にはアニメ化された人気作を、オリジナルストーリーとして実写ドラマ化する「ど根性ガエル」。この度、本作のオープニングテーマ曲がアニメでお馴染みの“「ど根性ガエル」のテーマ曲”に決定。さらに、松山さんをはじめ豪華レギュラー出演者10名が熱唱していることが明らかになった。物語の舞台は2015年の夏。14歳だったひろしも30歳になりすっかりダメ男に成長。シャツにはりついた相棒のピョン吉も心配で「根性だせよ!」「ど根性ガエル」は、7月より毎週土曜21時~日本テレビにて放送。と言い続ける毎日…。そして、京子ちゃんやゴリライモ、五郎や梅さんなど、皆もすっかり大人になった。そんな周りの仲間を巻き込んで、笑いと涙とアクション満載で繰り広げられる人間とカエルの物語が描かれる。主人公のひろしを演じるのは松山さん。ピョン吉の声を務めるのは『駆込み女と駆出し男』の好演が記憶に新しい満島ひかり。京子ちゃん役を務めるのは、『さよなら歌舞伎町』『イニシエーション・ラブ』など立て続けて話題作に出演する前田敦子。五郎役を、ドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」に出演していた勝地涼。母ちゃん役を、先日、橋本環奈を主演に、シリーズのその後のストーリーの映像化が決定した『セーラー服と機関銃』の薬師丸ひろ子が務める。今回発表されたオープニングテーマ曲は、彼らを含めたレギュラー出演者総勢10名による合唱曲。アニメで歌われていた「ぴょこんぺたんぴったんこ~トノサマガエルアマガエルカエルにいろいろあるけれど~この世で一匹!」という懐かしい「ど根性ガエル」のテーマ曲が、音楽を担当するサキタハヂメのアレンジによって蘇り、ドラマのオープニングを飾る。さらに、本オープニング曲の大合唱をバックに、ドラマ本編映像が番組公式サイト上で解禁されるとのこと。また、本作の主題歌が「ザ!クロマニヨンズ」の「エルビス(仮)」に決定。9月9日(水)にリリース予定の本シングルは、疾走感あふれるロックンロールに仕上がっており、ドラマのプロデューサー河野英裕は主題歌決定について「ザ・クロマニヨンズのロックンロールが、土曜の夜に、日本中に、テレビの中から鳴り響く。想像しただけで、それだけで夢のようで。『エルビス(仮)』最高です」と熱いコメントを寄せた。「ど根性ガエル」は、7月11日(土)より毎週土曜21時~日本テレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年06月26日『北のカナリアたち』『バンクーバーの朝日』など注目作に次々と出演し、現在放送中の「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」にも出演していることで知られる俳優の勝地涼が、「勝 勝次郎」として宮藤官九郎プロデュースでCDデビューを果たすことが明らかになった。毎週火曜22時よりオンエアの「宮藤官九郎のオールナイトニッポンGOLD」の人気コーナー、「1行から始める作詞講座」。テーマに沿ってリスナーから毎週1~2行の作詞を募り曲を完成させる同コーナーから生まれた楽曲にて、俳優・勝地涼が「勝 勝次郎」名義でキーンミュージックにてデビューすることが決定。記念すべきファーストシングルのタイトルは、「お風呂はぬるめの勝次郎」。作曲担当は「クレイジーケンバンド」の横山剣、さらにカップリングには昨年配信のみでリリースしていた「涼 the graduater(リョウザグラデュエーター)名義「ドラゴン気取りのティーンネイジ・ブルース」(作曲:YO-KING「真心ブラザーズ」)と、「ラブ地涼(ラブジリョウ)feat.中島美嘉」名義「下駄を鳴らしてセプテンバー」(作曲:向井秀徳「ZAZEN BOYS」)を収録している。「勝地くんが『CDデビューしました』と言うたびに、違うよ勝地くん、まだ限定配信だよ、と心の中で訂正して来ましたが、今度こそCDデビューです」と語るのはプロデュースを務めた宮藤さん。今回のCD発売決定にあたり、「ロック、ヒップホップ、演歌の3曲入り。普通の歌手ならブレまくってると思われるでしょうが、我らが勝地くんの場合、逆に一本筋が通ってしまった」「良い曲、なのにバカな歌詞。騙されたと思って騙されてください」とコメントを寄せている。音楽界の大御所が作曲を担当し、演技派俳優・勝地さんが歌うロック、ヒップホップ、演歌。いったいどんな曲に仕上がっているのか!?注目を浴びることは間違いなさそうだ。勝 勝次郎「お風呂はぬるめの勝次郎」は7月15日(水)発売。(text:cinemacafe.net)
2015年05月13日TBSの木曜ドラマ劇場「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」の特別試写会が4月11日(土)に開催され、連ドラ初主演の大島優子をはじめ、北村一輝、勝地涼、本田翼、田中哲司、山口紗弥加、遠藤憲一、堤幸彦監督、脚本家の櫻井武晴が出席した。「ケイゾク」「SPEC」などの人気作品を世に送り出してきた堤監督と「相棒」「ARTARU」など刑事ドラマに定評のある櫻井さんがタッグを組んで製作された異色の刑事ドラマ。任侠の世界から“足抜け”しようとするヤクザを支援する部署、通称・足抜けコールで奔走する刑事たちの姿を描く。登壇陣は、役柄の衣裳、ヘアスタイルで登壇。“喪服”の衣裳と顔半分に前髪が掛かった状態で登場した、主人公・麦秋役の大島さんは、第1話を見終えたばかりの観客を前に「ものすごく緊張してます…」とおそるおそる挨拶。強力な共演陣と堤監督を見やり「みなさんにおんぶにだっこでやってます。自分らしさを持ちつつ、もっともっと好いていただき、病みつきになっていただけるように麦を演じていきたいと思います!」と意気込みを口にした。リーゼントで登場した、麦秋の相棒の刑事・少を演じる北村さんは「見ていただけましたでしょうか…僕を(笑)!」といきなり自分アピール。さらに「第2話、3話とどんどん、この“恋愛ドラマ”が…」となぜか本作をラブストーリーと定義して、大島さんとの恋の物語を期待…?すかさず大島さんや他の登壇陣から「違います(笑)」とツッコまれていた。本田さんは、麦秋の妹役を演じており、看護師ということでキュートな白衣で登場!「みなさん、キャラが濃いですが私は意外と普通ですので」と強調。トーク中たびたび、当初の質問の意図から脱線する周囲に惑わされて「質問なんですっけ…?」と困惑する様子を見せ、さらに“姉”大島さんから「寝てたでしょ?」とツッコまれて、期せずして笑いを誘っていた。勝地さんは、「兄と家で『ケイゾク』ごっこをしてました」と明かすなど以前から堤作品の大ファンだったと語り、堤作品への参加に万感の思い。一方、ヤクザ役の遠藤さんは、以前にも堤監督の「池袋ウエストゲートパーク」でヤクザを演じている。TVドラマでヤクザを演じるのは久々とのことだが「周りから『役作りしなくていいでしょ?』と言われるんですが(苦笑)、実はヤクザの役作りが一番大変なんです!顔が恐いだけで心は真逆なので」と訴える。そんな遠藤さんは大島さんとは3度目の共演となるが「前から本当に良い子です。これが代表作になると思う。よかったね」と優しく語りかけるも、大島さんからは「怖いっていうか“ホンモノ”!登場シーンを見て、みなさん鳥肌が立ったと思う」と遠藤さんをほとんどヤクザ扱いしていた。現場で、堤監督が思いついたアイディアをすぐに取り入れていくため、脚本にない設定やキャラクターが加えられることもたびたびあるよう。田中さんが演じる“足抜けコール”の室長役について、司会者からは「子煩悩」という説明があったが、当の田中さんが「そうなんですか?」とここで初めて知ったようで、困惑の表情!それ以外でも、勝地さんの役が脚本上にはない“オネエ”になっていたりなど、大小様々なネタに関して変更が加えられている。脚本家の櫻井さんの口からはたびたび「初耳です」という言葉が発せられ「結構、現場で変えられてる。ある程度、脚本家に知らせてほしい(笑)」と舞台挨拶の場で堤監督に苦情を申し立て、会場は再び笑いに包まれた。「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」は4月16日(木)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年04月12日大島優子の連続ドラマ初主演作品で、「ケイゾク」、「SPEC」の堤幸彦監督が演出を務めるTBSドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」の特別試写会が開催され、大島さんは左目に髪が掛かったヘアスタイルと喪服という役柄のままの姿で舞台挨拶に登壇した。堤監督と「相棒」「ATARU」などの人気刑事ドラマを手掛けてきた脚本家・櫻井武晴のタッグによる本作。警視庁組織犯罪対策部(通称“マル暴”)の中でも、“足抜けコール”と呼ばれるヤクザをやめようとする者たちの相談に乗り、足抜けの支援を行う部署に勤める女性刑事の活躍を描き出す。大島さん演じる麦秋(ばくしゅう)は、前髪が左目に掛かった状態で“ゲゲゲの鬼太郎”のような状態だが、これは以前、大島さんが自身のブログでアップした、風呂上がりの写真をプロデューサーが見て、生まれたものだそう。さらに上下、さらには中のシャツまで黒の衣裳は、堤監督が「思いついて」、喪服をイメージ!さらにスカートの中にも“仕掛け”があり、第1話のアクションから「これが堤監督だな(笑)!」(大島さん)という演出が見られる。堤監督は、ずばり「あれはズロースです!」と秘密を解禁!もはや若い世代にとっては死語とも言える“ズロース”だが、大島さんは「年配の女性が履かれているやつですよね?履き心地はすごく良いです」と語り、堤監督の「流行らせてください」という言葉に「旋風を巻き起こしましょう!」とを誓っていた。この日は、共演の北村一輝、勝地涼、本田翼、田中哲司、山口紗弥加、遠藤憲一も出席したが、大島さんの鬼太郎ヘア以上に目を引くのが、麦秋の“相棒”であり、不本意ながら足抜けコールの部署に異動となった、元マル暴担当刑事で強面の三ヶ島翔を演じる北村さんの巨大リーゼントヘア!山口さんから「中に何が入っているのか気になる(笑)」とイジられていたが、北村さんは「地毛です…嘘です(笑)。いろいろ入ってて、第6話くらいで開きます。リーゼントって生き物ですから」とノリノリで会場をわかせていた。「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」は4月16日(木)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年04月11日岩井俊二監督によるアニメーション映画『花とアリス殺人事件』の完成披露試写会が2月12日(木)に開催され、岩井監督に声優を務めた蒼井優、鈴木杏が揃って舞台挨拶に登壇した。2004年に蒼井さんと鈴木さんの主演で実写映画として製作され、いまなお多くのファンに愛されている『花とアリス』。本作は主人公の高校生の花とアリスの中学時代の出会いを描いている。2人のほかにも相田翔子、平泉成、キムラ緑子、木村多江らが実写版の役のまま声優に参加しているほか、勝地涼、黒木華らも出演している。岩井監督は実写版の公開後、早い段階で本作の本を既に執筆していたが、そこからアニメ化の実現、完成までここまで長い時間を費やすことになり、完成披露を迎え「感無量です」と言葉を絞り出す。特に11年前の実写版でカメラマンを務め、2004年に亡くなった篠田昇氏の存在に言及。「本ができた朝、電話で亡くなったという連絡が来て、お葬式で2人はわんわん泣いてて、書き上げた本を一緒に棺に入れてもらいました。それから『作らねば』という思いはあったけど怠けていたとこもあり(苦笑)。どうやってアニメを作ったらいいのか?とジブリの鈴木(敏夫)プロデューサーに話を伺ってレクチャーを受けたりもした」と完成に至るまでの軌跡をふり返る。蒼井さんは「11年ほど前にやった役をこうしてできるのは幸せ」と微笑み、鈴木さんも「3人でこうして並んでいるのが嬉しいと同時に不思議。夢を見ているようです」と喜びを口にする。11年前の実写版『花とアリス』は2人の知名度を一気に飛躍させることになったいわゆる“出世作”といえる作品。2人にとってはどのような意味を持っているのか?蒼井さんは「当時、鈴木杏は既に有名でしたが、私はそこまでもなくて、この作品をきっかけに知っていただいた方もたくさんいます。街を歩いてて指を指されることがなかった時期で、いま思うと青春の最後の1ページだったんだなと思います。こういう形でもう一度青春を味わわせてくれた岩井さんに感謝してます」と語る。鈴木さんは「岩井さんの作品が好きで憧れの現場で、緊張や気負いもあったけど、優ちゃんや篠田さんがそばにいて、安心できる現場でした。特別な出会いがあり、あそこから出発していまも続いていることがたくさんあります。まだ『花とアリス』が好きと言ってくれる方もいて、自分が思っている以上に大きな作品なんだと思います。また花とアリスに再会できて、3人でこうして並べて、頑張って毎日生きてきてよかったです!」と思いを口にした。当時、2人は現役高校生で、蒼井さんが2年先輩だが同じ高校に通っていた。「撮影中、杏が昼休みに私の教室に来て『優ちゃ~ん!昼ごはん食べよう』って(笑)。その後、撮影があるから2人で早退して、電車に乗って現場に行ってました」と当時の鈴木さんの口調のモノマネまで入れて懐かしそうに述懐する。鈴木さんは「最初はビックリしました。これまで会ったことのないタイプの人で、あらゆるものをメッタ撃ちにして道を開いてた。人生に新しい風を吹かせてくれた」と蒼井さんの存在の大きさを語った。改めて本作が完成し、2人とも中学生の花とアリスの姿が「まぶしかった!」と口を揃える。蒼井さんが「この時期の女子は無敵だなと思った」といえば、杏さんも「バカと思いながらまぶしくて…」と嬉しそうにうなずく。蒼井さんは改めて、篠田さんに見てほしかったと残念そうに語りつつ「空の上から見てると思う。見終わった後のみなさんの笑顔が届けばと思います」と語った。岩井監督は「11年前の撮影中の2人の、カメラが回ってないところでの姿も頭にこびりついてて、(本作に)投影されているのを感じました」としみじみと感慨を口にした。『花とアリス殺人事件』は2月20日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:花とアリス殺人事件 2015年2月20日より全国にて公開(C) 花とアリス殺人事件製作委員会
2015年02月12日岩井俊二監督が自身の作品をベースに、その前日譚となるストーリーを描き、長編アニメーション作品に初挑戦した『花とアリス殺人事件』。10年前の実写作品と同じく蒼井優と鈴木杏を、ヒロインふたりの声優に迎え、ファンの期待を高める本作から最新ポスタービジュアルが到着した。2004年の公開から10年を迎えるいまでも、多くのファンに愛され続けている『花とアリス』。公開当時には日常、友情、そして恋に揺れるふたりの少女の青春を描いだストーリーとして一世を風靡した。その前日譚となる本作『花とアリス殺人事件』は先日予告編が公開。ヒロインの鈴木さんと蒼井さんを始め、相田翔子、平泉成、キムラ緑子、木村多江ら、前作で彼女たちを取り巻く役柄を演じた面々が“同じ役”で声優として登場し、新たに勝地涼、黒木華、鈴木蘭々らも参加するという豪華キャスティングにより注目が集まっている。本日解禁となったポスター・ビジュアルでの背景は、花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)が通う中学校。周囲の制服とは異なるブレザーに身を包み、凛とした姿で立つ転校生・アリス。その背後にいる花は、ひきこもり中のため私服姿ながら、どこか物言いたげな視線でこちらを見つめている。いまにも「君、名前は?」という彼女の声が聞こえてきそうだ。史上最強の引きこもりと史上最強の転校生はいかにして出逢い、心を通わせるようになったのか。そしてふたりが出逢ったときに起きた、世界で一番小さな殺人事件とは…。岩井監督の描く美しい映像世界と、実力派俳優たちの声の演技を楽しみにしていて。『花とアリス殺人事件』は2月20日(金)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年01月16日岩井俊二監督が初めて手がける長編アニメーション映画『花とアリス殺人事件』の新ポスターが公開になった。その他の画像本作は、岩井監督が花(鈴木杏)とアリス(蒼井優)の日常、友情、そして恋に揺れる姿を瑞々しく描いた『花とアリス』の前日譚を描くもので、鈴木と蒼井が花とアリスの声を演じるほか、相田翔子、平泉成、キムラ緑子、木村多江、勝地涼、黒木華、鈴木蘭々らが声のキャストを務める。このほど公開されたポスターは、画像奥に見える中学校に転校してきたアリスと、不登校の花の姿を描いたもの。本作は、『009 RE:CYBORG』を手がけた石井朋彦が岩井監督と共同で企画とプロデュースを手がけ、『東のエデン』の片山由美子が色彩設計を、『言の葉の庭』の滝口比呂志が美術監督を担当するなど、豪華なスタッフが集結している。『花とアリス殺人事件』2月20日(金) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
2015年01月16日映画『バンクーバーの朝日』が12月20日(土)に公開され、舞台挨拶に登壇した主演の妻夫木聡が、壇上で感極まって涙を見せた。戦前のカナダ・バンクーバーを舞台に、差別や貧しさの中で日本人社会の希望の星となった日系人野球チーム「バンクーバー朝日軍」の活躍を描き出す。この日は妻夫木さんに加え、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、高畑充希、佐藤浩市、石井裕也監督も登壇。上映直後の劇場の客席の間を通って妻夫木さんらが登壇すると会場は拍手と歓声に包まれた。妻夫木さんは「ようやくスタートです。昨日は眠れずに12時頃に監督とメールをしてました(笑)」と明かし、「全身全霊を尽くして、みんなで思いを込めて作った作品です」と力強く語った。朝日軍のエースを演じた亀梨さんも「この作品に参加させていただいたことを誇りに思います。同じ日本人としてこの映画を通じて歴史を感じ、『生きる』ということを感じていただければ」と呼びかける。妻夫木さんの父親役を演じた佐藤さんは「最初に話が来たとき、打って投げて走る気満々だったんですが…」とチームの一員として出演するものと思っていたそうだが、父親役ということで「そういうシーンは一切なく…」と残念そう。グラウンドで躍動する妻夫木さんらの姿を見て、体がうずくこともあったようで「フィールドの中でみんな、苦労していて、妻夫木さんが『もう1回お願いします!』と言ってたりして『なぜオレはあの中にいないんだ!』と思い、それだけは悔いが残ってます」と悔しそうだった。実際、野球未経験だった妻夫木さんは、硬球での、しかも当時の薄い革のグローブでのプレイで「中指にヒビが入った」ことも。しばらくプレイできなかったが「そのおかげで野球が好きだと気づけたのが最大の救いだった」とふり返る。亀梨さんはそんな妻夫木さんについて「背中で引っ張ってもらえた」と語る。「2人でのシーンもすごく印象的で、妻夫木さんの人柄を感じました。包容力がある」とそのリーダーシップへの惜しみない称賛と感謝の思いを口にした。「朝日軍」のメンバーが揃い、笑いに満ちた舞台挨拶だったが、最後に締めの挨拶のためにマイクを握った妻夫木さんは、胸の内の思いを語る中で感極まって言葉を詰まらせる。涙を見せまいと何度も後ろをふり返りながら「一生懸命頑張っている姿は、どんなに着飾っている姿よりもカッコいいと思います。観ていただいた方に少しでも希望を与えられたらと思っていました。いまの世の中、選択肢はいろいろあると思いますが、目の前にあることから逃げないでください!」と映画作りの過程と当時のバンクーバー朝日軍の面々の生き方を重ね合わせつつ、観客に向け、涙ながらにメッセージを送り、会場は温かい拍手に包まれた。『バンクーバーの朝日』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:バンクーバーの朝日 2014年12月20日より全国東宝系にて公開(C) 2014「バンクーバーの朝日」製作委員会
2014年12月20日三十代半ばに差しかかり、演技力に磨きがかかるだけでなく、頼れる存在として前に進み続けている俳優・妻夫木聡。最新主演作『バンクーバーの朝日』では、戦前のカナダ、バンクーバーに実在した野球チーム“バンクーバー朝日”の選手のひとり、レジー笠原を演じている。弱小チームが戦術を磨くことによって勝ち進んでいく物語を「石井監督も僕らも、ただの青春映画にはしたくなかったんですよね」と、この映画の核になるもの、もっと大切なものは別にあると言う。いつの時代でも人は悩み、自分が何者であるのかを問いかけ、そうやって生きる素晴らしさを実感していく。妻夫木さんはレジー笠原を“生きる”ことで、それを実感した。遡ること13年──初映画主演はご存知『ウォーターボーイズ』。その当時、仕事を始めたころは「作品ごとに変わる世界のそのすべてが新鮮で、刺激的で、監督やスタッフ、キャストとの出会いから日々多くのものを吸収してすごく楽しかった。楽しいだけで芝居ができていたんです。でも、いつの間にか芝居を“こなす”ようになっていったんですよね…。座長とか、ヒットさせなきゃとか、余計なことばっか考えていました」。そんな葛藤や苦悩から抜け出すきっかけとなったのが、日本アカデミー賞「最優秀主演男優賞」に輝いた『悪人』。2010年の出来事だ。「『悪人』が転機になったという話はもう散々言ってきたことなんですけど、あのときは、演じることだけ、役のことしか考えていなくて、ようやく開放されたなぁって思えた。今回の『バンクーバーの朝日』も、なんかその時の気持ちと同じものを感じたんですよね…」。真実の物語ではあるけれど、当時の詳しい資料はほとんど残っていなくて、答え合わせをすることができない役柄。できるのは「役を作るよりも、そこに“生きる”ことだった」と説明する。「僕らが実際に生きた世界でも時代でもないけれど、それを映画のなかで真実に変えなければならないんです。だから、そこに生きているということを意識していました。すごく寒かったんだろうなぁとか、食べるものもお金もなくて大変だっただろうなぁとか。そして、労働の間に野球をやることが楽しみだったんだなぁって。そういう小さなことを心にとめて演じていた気がします。演技をこうしよう、ああしようと頭のなかで考えるんじゃなく、毎日、這いつくばっていましたね」。撮影中に2度大雪が降って思うようにスケジュールが運ばなかったり、野球経験者が多いというプレッシャーのなか野球の技術を身につけたり、大変なことはほかにも多々あったそうだが、妻夫木さんがこれまでの役者人生で学び見出したのは「逃げないこと、自分自身に打ち勝つこと、自信がなくてもとにかくやってみること」。それはそのままバンクーバー朝日のスピリットに繋がる。石井監督は、主人公・レジーが劣勢のなかで己の弱点を受け止め、考え、全力を尽くすことに焦点を当てた。妻夫木さんを始め、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮たちはそのスピリットを受け止め、成長を見せていく。そこに観客は深く感動する。「…って言っても、僕自身は打たれ弱くて。褒められると伸びるタイプなんです(笑)」とはにかみながら自分の弱点を告白するが、打たれ弱いと知っているからこそ強くあろうとする。本当は強い人だ。そんなふうに妻夫木さんが強くいられたのは「一緒に戦ってくれる人、一緒に悩んでくれる人」と絶対的な信頼を寄せる石井裕也監督の存在も大きい。監督とは『ぼくたちの家族』に続いてのタッグとなる。「決め手はもちろん石井裕也監督でした。主演の話をもらった時はまだ台本がなくてプロットだけだったけれど、石井さんとならどんなことでも戦える、というのを『ぼくたちの家族』で知っていたので。クランクインする前から何度もご飯を食べに行って、いろいろ話しをしました。でも、レジーをこういうふうに演じてほしいとかは言われなかったんです。レジーって、明るい性格だとか暗いとか、日々悩んでいるとかそういうことじゃなくて、なんて言うか、全部をひっくるめた人間であると思うんですよね。日本人でありながらもカナダで生まれ育ち、なのに差別や迫害を受けながら生きている。カナダという国を嫌いになれなくて、好きでいたいけれど自分たちに対しての差別もある。そういう自分たちが何者なのか分からないなかで、野球をやっているんです。だから、野球の試合でカナダ人に勝ちたいとか、見返してやりたいとか、そういうことではないんじゃないかなって。そんなことをあれこれ考えながらやっていったら、ああいうレジーになったんです」。「役のことだけ考える」と言いながらも、さりげなく主演としてチームを引っぱっていくのも妻夫木さんのカッコいいところ。撮影前に「みんなで合宿がしたい」と提案。多忙なキャストたちのスケジュールを調整して、バンクーバー朝日のメンバーで一泊二日を過ごし撮影に臨んだ。5人の俳優のあの何とも自然なチーム感はそうやって出来上がっていった。また、同年代の俳優との共演だけでなく、レジーの父親役の佐藤浩市からはこれからの課題を受け取った。「嬉しいことに浩市さんとは何度か共演させてもらっているんですが、親子役は初めて。今回、一番甘えられたのかもしれない。過去の浩市さんとの共演ですごく嬉しかったことがあって…。『感染列島』でご一緒してご飯を食べに行ったときに『聡が出ている映画のオファーがあったら出るし、お前が面白いと思うことにも乗るよ』って。すごく嬉しかった。あれだけの大御所なのに同じ目線で考えてくれる、後輩想いですよね。と同時に、僕らがガツガツいかないと僕らの後が育たないぞ、という想いも込められている。そのためにもしっかり足跡を、結果を残せよって言われている気がしました」。確かに、佐藤さんの出番は決して多くはないけれど「一攫千金を夢見てカナダに渡った日系カナダ移民一世としての日本人の誇りを、浩市さんが体現してくださった。だから僕は安心してのびのびとレジーとしてあの場所に生きることができたんです」と言うように、佐藤さんはしっかりと足跡を残している。佐藤さんから受け継いだものを今度は妻夫木さんが後輩に渡す時期は近いのだろうか。「いや、オレはまだまだ無理です。ただ今回、浩市さんと一緒にいて思ったのは──浩市さんって、酔うと『相米(慎二監督)のおやじがよぉ…』って、すごく愛おしそうに昔話をするんですね、必ず。そういう姿を見るたびに、いつか自分も『石井裕也(監督)がよぉ…』って、話せる時が来たらいいなぁって(笑)」。そう語る妻夫木さんの眼差しも、もちろん愛に満ちていた。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:バンクーバーの朝日 2014年12月20日より全国東宝系にて公開(C) 2014「バンクーバーの朝日」製作委員会
2014年12月18日蒼井優と鈴木杏を主演に、鬼才・岩井俊二監督が原作と脚本から手がけた映画『花とアリス』(’04)ーー10年の時を経て、その前日譚を岩井監督が初の長編アニメーションとして描く『花とアリス殺人事件』。すでに蒼井さんと鈴木さんの再共演で話題を呼ぶ本作の声優キャストが発表され、郭智博、木村多江、平泉成、相田翔子ら前作の出演キャストに加え、黒木華、勝地涼、鈴木蘭々といった新キャストの参加も明らかとなった。石ノ森学園中学校へ転校してきた中学3年生の有栖川徹子(通称・アリス)は、1年前に3年1組で起こった「ユダが、4人のユダに殺された」という噂を耳にする。近隣から恐れられている“花屋敷”に住む女の子がユダに関して詳しいと教えられたアリスは、話を聞こうと花屋敷に潜入。そこで待ち構えていたのは、不登校のクラスメイト・荒井花(通称・ハナ)だった…。アリス役の声優には蒼井さん、花役の声優には鈴木さんと前作での役柄と同じとあって、岩井作品のファンには嬉しいニュースとなったが、今回の追加キャストも朗報となるはずだ。アリスの母親役には相田翔子、父親役には平泉成、花の母親役にキムラ緑子、バレエ教室の先生役は木村多江がそれぞれ同じ役柄で出演。前作で、花が恋する落語研究会の宮本先輩を演じた郭智博は朝永先生役で登場する。さらに本作からの新キャストとしては、花とアリスの担任・萩野里美先生役に黒木華、殺人事件の鍵を握る男・湯田光太郎役に勝地涼、黒木華、花の同級生・陸奥睦美役に鈴木蘭々、と個性的な俳優たちが名を連ねている。そんな『花とアリス』の世界に初参加となる3人からはコメントも到着。<勝地涼/殺人事件の鍵を握る男・湯田光太郎>「10代の頃に初めてご一緒させて頂いた時は、岩井さんを怒らせた僕ですが…。今回、久しぶりにお仕事ができ、とても嬉しかったです。わずか10分ほどでしたが、和やかに穏やかに収録ができました(笑)。10代の頃からよ~く知っている蒼井優さんと鈴木杏さんの2人が10年経っても、色あせず、『花とアリス』の世界観を蘇らせていると思いますので、楽しみにしてください」。<黒木華/花とアリスの担任・萩野里美先生>「『花とアリス』が、長編アニメになって、しかも、物語は、2人の出会い…。あの青春の始まりを目撃出来るということが、幸せで、楽しみです」。<鈴木蘭々/花の同級生・陸奥睦美>「私のドラマデビュー作は、岩井監督の『ゴーストスープ』という作品でした。とても久し振りにお会いした監督は変わらなさすぎて笑いました。(笑)。収録はとても楽しく、でも中学生という役どころに冷や汗が出ました」。美しい映像と音楽と青春の生々しい温度…果たして、アニメーションでどう表現されているのか?今回の追加キャストの発表と合わせて到着した予告編で確認してみて。『花とアリス 殺人事件』は2015年2月より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月12日映画『バンクーバーの朝日』の完成披露試写会が10月15日(水)に開催され、上映直後の舞台挨拶に妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、宮崎あおい、石井裕也監督が登壇した。戦前、カナダのバンクーバーで日系移民の希望の星となった野球チーム「バンクーバー朝日」の軌跡を描き出す本作。先日、開催されたバンクーバー国際映画祭では見事に「観客賞」に輝いたが、日本で観客の目に触れるのはこの日が初めてとなった。雨がぱらつくあいにくの天気にもかかわらず、開場前から会場の外には長蛇の列が出来ていた。上映後、妻夫木さんら登壇陣は、会場の後方の扉から、客席の間に敷かれた野球場の芝生に見立てたグリーンカーペットを通って登壇し、喝采を浴びる。妻夫木さんは「日本の方に観ていただき、(観客に)お会いするのは初めてで緊張していますがいかがでしたか?」と呼びかけると大きな拍手が沸き起こり、これには一同ホッとした様子だった。この日、登壇した男性キャストのほとんどが小学校・中学・高校のどこかで野球に打ち込んだ経験があったが、唯一、チームのキャプテンである妻夫木さんだけがほとんど野球経験がなかったという。妻夫木さんは「すいません(苦笑)、どうしてもやりたかったんです、この作品」と語り、ほかのメンバーに追いつくために自主練習も含め、かなり練習に打ち込んだことを明かす。亀梨さんは、そんなキャプテンについて「すごく練習されてました。硬式球ってすごく大変なんですよ。グローブもバットも当時のもので、最初は指にボールが当たったりして大変だったんですが、それでもやるところがキャプテンでした!」と称える。そういう亀梨さんのエースとしての活躍も本作のみどころ!かつて、高校野球の強豪・横浜高の野球部に在籍し、キャッチャーとして高校時代の松坂大輔投手の球を受けた経験もある上地さんは、本作でもキャッチャーを務めたが「僕がいままで受けた中で一番のピッチャー!」と大真面目に亀梨さんの投球を絶賛!亀梨さんは「それは松坂さんでしょ(笑)!」と恐縮していたが、客席からは歓声が沸き起こった。ちなみに、メンバーの中で最も野球が上手いのは誰か?という質問では一同、池松さんを指さす。池松さん自身は「小中高とセンターで1番(バッター)だった」とのこと。およそひと回り年上の妻夫木キャプテンからは「若い!若さだね。大事だよ(笑)!」と羨望の声も…。宮崎さんは、そんな朝日軍の面々をスタンドから見守ったが「青春って感じでした。みんなキラキラしてて羨ましかったです」と語る。石井監督も「最高のキャストですから、僕は見守ってるだけでした。チームワークを見せてもらいました」と満足そうにうなずいていた。『バンクーバーの朝日』は12月20日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月16日映画『バンクーバーの朝日』の完成報告会見が10月15日(水)、都内で開催され、主演の妻夫木聡を始め、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、高畑充希、宮崎あおい、石井裕也監督が出席した。『舟を編む』で昨年の日本アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞を受賞した石井監督を迎え、戦前のカナダ・バンクーバーで貧困や差別に喘ぎながらもひたむきに戦い、日系移民の希望の星となった野球チーム「バンクーバー朝日」のドラマを描く。先日、まさにバンクーバーで開催されたバンクーバー国際映画祭にて本作は観客の投票による「観客賞」に輝いた。石井監督は「海外を舞台にした日本映画を作るというのはチャレンジだった」とふり返りつつ、今回の受賞で「努力が報われたと思ったし、作品の“強度”を証明できたと思います」と言葉に力を込める。妻夫木さんは映画祭での人々の反応について「僕がバントを決めて必死に走るカットで大笑いしてくれて、その瞬間、感動して涙が出てきました。受け入れてくれたんだという思いでした。どこかで不安があったと思うけど、それが払拭されて、この作品をやってよかったと心から思ったし、生きててよかったと思いました」と感激を口にした。映画の撮影、野球を通じてキャスト陣はチームワークを深めたようで亀梨さんは、「いまでも会うと、あの時代からタイムスリップしたかのような感覚になります」と笑う。池松さんは「すごい映画が出来たと思っています。本当のプロが集まった現場ですごくいいチームでした」と頷く。スタンドからグラウンドで戦う面々を見守る立場だった高畑さんも「ひとりひとり、『絶対に良い映画にするぞ』という熱があふれていました」と現場の様子を明かした。当然、野球のシーンも真剣そのもの。妻夫木さんはメンバーの中では一番野球経験が少なかったそうだが、夜中に自宅近くの公園で壁にボールを投げて練習したこともあったという。「気持ちは朝日軍なんですが体は33歳でした」と苦笑するが、宮崎さんは、そんな男たちの姿について「うらやましかったです」と本音をのぞかせた。また、クランクアップの日は熱い涙に明け暮れたようで、妻夫木さんは「久しぶりに青春しました!肩を組んで『キャプテン、ひと言』と言われたけど涙で何を言ってるか分からなくなりました…」と照れくさそうに熱い現場の様子を明かしてくれた。『バンクーバーの朝日』は12月20日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月15日第33回バンクーバー国際映画祭に招待されていた映画『バンクーバーの朝日』(12月20日公開)が現地時間の10日、「観客賞(Rogers People’s Choice Award)」を受賞した。同映画は、第33回バンクーバー国際映画祭(9月25日~10月10日)「特別招待作品(ガラプレゼンテーション)部門」に正式招待され、ワールドプレミア上映を実施。妻夫木聡、亀梨和也、石井裕也監督が現地を訪れ、現地の日系人やカナダ人から熱烈な歓迎を受けた。バンクーバー国際映画祭は1982年よりカナダの都市バンクーバーで開催されている、北米最大規模の国際映画祭の1つ。国内外の映像作品を紹介し、北米の映画産業活性化の一助になっているとともに、東アジア作品の発掘と育成にも力を入れている。「観客賞」は、同映画祭で最も観客から支持を得た作品に贈られており、昨年は、福山雅治主演の『そして父になる』(2013年、是枝裕和監督)が受賞。2年連続で日本の作品が観客賞に選ばれることとなった。映画『バンクーバーの朝日』は、戦前のカナダ・バンクーバーで、差別や貧困の中にあってもフェアプレーの精神で戦い抜き、白人社会からも賞賛と圧倒的な人気を勝ち得た野球チーム"バンクーバー朝日"を題材にした作品。監督は石井裕也、出演は妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮、佐藤浩市ほか。(C)2014「バンクーバーの朝日」製作委員会
2014年10月14日『舟を編む』『ぼくたちの家族』を手がけた石井裕也監督が、実在した野球チームを基に描いた映画『バンクーバーの朝日』。現在カナダ・バンクーバーにて開催されている第33回バンクーバー国際映画祭で本作のワールドプレミア上映が行われ、主演の妻夫木聡と亀梨和也(KAT-TUN)が石井監督と共に現地に赴き映画祭に参加した。本作は、戦前カナダ・バンクーバーに実在した日系カナダ移民の二世を中心とした、“サムライ野球”の原点ともいわれる野球チーム「バンクーバー朝日」の奮闘を描く。キャストには妻夫木さん、亀梨さんを始め、勝地涼、上地雄輔、池松壮亮が野球チームの一員として参加。彼らを支えるヒロインに高畑充希、宮崎あおい、貫地谷しほりら“朝ドラ女優”たちが集結している。今回、「特別招待作品(ガラプレゼンテーション)部門」にて招待された石井監督は、「ドラゴン&タイガー部門」を含め、当映画祭への出品は今回で5回目。現地マスコミからの関心も高く会見では、「バンクーバー国際映画祭には7年前に初めて来てから何度か参加しており、親しみを持っていましたが、こうしてバンクーバーを舞台にした映画を作ることになり、非常に縁を感じています」とコメントした。続くレッドカーペットには、あいにくの雨模様にも関わらず約1,000人のギャラリーが詰めかけ、妻夫木さん、亀梨さん、石井監督は、辺り一帯を埋め尽くすファンの声援に迎えられ会場入り。上映前に登壇し、「ここに来ることができてとても嬉しいです」(妻夫木さん)、「いまとても興奮しています。映画を楽しんで行ってください」(亀梨さん)とそれぞれ英語で挨拶した。さらにこの日、“バンクーバー朝日”で実際にプレーし、現在もカナダに在住しているケイ上西功一さんが会場に駆け付け、キャスト・監督と熱い握手を交わした。「この映画を作るため何度も日本からカナダにおみえになり、私もインタビューに臨んだ結果、映画が出来上がり、このバンクーバー国際映画祭にて世界初公開されることを大変有難く思う次第でございます」と喜びを語った。上映中は、本物の野球観戦さながらに、劇中の登場人物たちが逆転すると拍手が起き、「うまい!」「がんばれ朝日!」などといった掛け声も。上映が終わると、場内にはスタンディングオベーションが起こり、作品を称える声にあふれた。一緒に鑑賞していた妻夫木さんは、「きっと受け入れてくれると信じて今日ここにやって来ましたが、想像を越えていて、映画を観ながら応援する声や笑い声を聞いた瞬間に涙が出てきました。こんな映画に自分が関わっているということが誇らしいですし、僕たちが刻み込んだ想いは、確実にバンクーバーの人たちにも伝わっていると身をもって感じました」と喜びのコメント。亀梨さんも「この地で、この映画をバンクーバーの方たちと観ることができ、とても嬉しいです。ここで改めて客観的に映画を観て、自分の中で色々なものがさらに色濃く繋がっていったという感じです。こんな映画に参加させていただいていたんだなあと、幸せに感じました」と今回の映画祭で実感したようだ。石井監督は、「バンクーバーで上映することで少なからず心配はありましたが、上映中、観客のみなさんも一緒になって朝日のことを応援してくれたのは嬉しかったですし、単純に、本当に来てよかったと思っています。バンクーバーのお客さんたちの反応は“強くてでかい”という印象です。一生懸命なプレーへの声援ともいえる“笑い”が温かったです」と語った。『バンクーバーの朝日』は12月20(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年10月01日映画『クローズ EXPLODE』が公開を迎え、4月12日(土)に行われた舞台挨拶で主演の東出昌大、勝地涼、永山絢斗、「3代目 J Soul Brothers」のELLY、岩田剛典らが裸での疾走シーンやプール突き落とし、ゴミ処理場での決戦シーンなど撮影秘話を明かした。『クローズ ZERO』『クローズ ZERO II』と続いた不良映画のヒットシリーズの新章。前作の主人公たちが卒業した後の鈴蘭高校で頂点(テッペン)を目指す新たな世代の戦いが繰り広げられる。東出さんと勝地さんは銭湯シーンでの“裸の付き合い”を述懐。旋風雄(東出さん)と小岐須が銭湯にいるところを襲撃され、裸のままで商店街を疾走するということで女性ファンにとっては“サービスカット”も満載のシーンとなっている。勝地さんは「2月の極寒で素っ裸で走るのはきつかった!」と苦笑しつつ、「このシーンのおかげで役柄も近くなったし、東出くんとの距離も縮まったと思います。お尻も見れたしね」とニッコリ。東出さんは「旋風雄としても嬉しかったシーンですね。青春しました」と笑顔を見せた。ELLYさんはお下品発言連発の不良を演じたが「多くの人にああいう発言を見られるって照れくさいですね…」と恥ずかしそう。印象深いシーンとして、東出さんにプールに蹴り落とされるシーンを挙げ「2回やりました。実際に(足が)当たってはいるんですが、どうしたらリアルに見えるかと考え、2人で息を合わせて良いシーンになったと思います」と充実した表情を見せた。岩田さんは、永山さんとのゴミ処理場での戦いのシーンに触れ「監督からは『好きにやれ』と言われて、アドリブで15分くらいやってました。(開始の合図の)カチンコが鳴った瞬間、テンパってグチャグチャでした」とふり返る。永山さんは「(岩田さんは)体力があるからなかなか終わらず大変でした」と苦笑い。岩田さん本人も「自分でも分かってなかったです」と語り、豊田利晃監督は「本当は(上映された長さの)5倍くらい長いんです」と2人の“激闘”を称えた。こうした若手俳優陣の“生”のやりとりに、前シリーズからの続投となる最年長のやべきょうすけも大いに刺激を受けたよう。当初、新章の話が来たとき「(前作までで)もう良い幕が引けたんじゃないかと思っていた」と明かしつつ、「これだけ月日が流れて、若い俳優さんたちとの出会いが嬉しかった。今回はまだ“紹介”しただけ。ぜひ続編を!」とさらなる続編への意欲を口にし、会場は期待を込めた拍手に包まれた。『クローズ EXPLODE』は全国東宝系にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:クローズEXPLODE 2014年4月12日より全国東宝系にて公開©: 2014高橋ヒロシ/「クローズEXPLODE」製作委員会
2014年04月13日宮藤官九郎が作・演出を手がける舞台「大パルコ人2 バカロックオペラバカ『高校中パニック!小激突!!』」が11月24日、東京・渋谷のPARCO劇場で開幕。初日本番前には、出演もする宮藤を筆頭に、佐藤隆太、勝地涼、永山絢斗、川島海荷、三宅弘城、皆川猿時、少路勇介、よーかいくん、坂井真紀、綾小路翔らキャストが会見を行った。大人計画とPARCO劇場が共同プロデュースする、宮藤作・演出のオリジナルロックオペラシリーズ“大パルコ人”の第2弾。向井秀徳、横山剣(クレイジーケンバンド)、上原子友康(怒髪天)ら宮藤と親交のあるミュージシャンが全楽曲を書き下ろし。近未来の渋谷を舞台に、不良高校「聖ファイヤーバード高校(通称ヤバ高)」と「グレッチ工業高校(グレ工)」の抗争を描く。派手な学ラン姿で登場した宮藤は「なめられないために、こんな格好をしているのではありません。こういう役で出ます。今回は未来の渋谷にはヤンキーしかいないというお芝居を作りました」と説明。地方公演を含めると「60回ぐらい公演するらしんですけど、今のところできる気がしません」と宮藤らしいコメントも。かつては幼なじみの親友同士で、それぞれヤバ高、グレ工に進学し敵味方に別れてしまうムカデとカゼギミ役に、宮藤作品ではおなじみ、佐藤隆太、勝地涼。「思いきりバカを演じたい。バカは風邪をひかないというので風邪は大丈夫。ケガのないよう最後まで突っ走る」(佐藤)、「僕は宮藤さんの作品ではバカな役が多いが、今回はタイトルに負けないぐらい、バカをふりきって演じたい」(勝地)と意気込みを話す。永山絢斗、川島海荷、綾小路翔は今回が初舞台。新米熱血教師の駒田、通称小回り先生を演じる永山は「初めての舞台でわからないこともたくさんあるが、間違いを怖れず思い切りできたら」、準ミスヤバ高の地下之チカを演じる川島は「舞台は映像と違って自由な部分が多いくて、毎日楽しくやらせていただいてます。60回の公演、1回1回の公演を楽しんで、毎回違うものにしていけるよう頑張りたい」とコメント。楽曲提供もしている綾小路はグレ工の不良グループ“ゴキブリ連合”のリーダー、宮益坂わたる役。「自分は以前週刊誌に偏差値39と載ったことがありますが、今回は偏差値15。これから1か月、渋谷の偏差値を下げていきたい」と気合を入れた。そのほか、ヤバ高のマドンナ・ウィスパー先生役に坂井真紀。詰め物の胸を強調しながら「私、バスト92センチ、A・B・C・D・E・F……Gカップの役でございます。できれば一生このままでいたい」と笑いを誘った。東京公演は12月29日(日)まで。その後、2014年1月4日(土)・5日(日)に宮城・仙台サンプラザホール、1月11日(土)から19日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、1月24日(金)から1月26日(日)まで愛知・ 刈谷市総合文化センター 大ホールで公演。
2013年11月25日人気子役の鈴木福くん率いる特殊捜査課メンバーの活躍を描いた刑事ドラマ『コドモ警察』。その劇場版で特殊捜査課の新人刑事・国光 信役を続投した勝地涼が、コドモ刑事たちとの共演の苦労話を明かすとともに、成長した子役たちの姿に胸が熱くなったことを告白した。その他の写真『THE3名様』シリーズ、『勇者ヨシヒコ』シリーズの人気監督・福田雄一がメガホンを執った本作は、悪の組織レッドヴィーナスの罠で特殊ガスを吸い、子供の姿になってしまった特殊捜査課のエリート刑事たちが主人公。デカ長(福くん)をリーダーに、見た目は小学生だが、中身は百戦錬磨のベテラン刑事たちが、今作ではカゾキスタン大統領の暗殺予告をめぐって捜査を開始するというストーリー。毎回体を張った捜査を担当する新人・国光の受難も健在(?)で、演じる勝地の苦労も想像に難くないが、「子役が相手というような、皆さんが想像するような苦労は、もうクリアしています(笑)」と本人は涼しい表情だ。「ドラマ版は10話分あったので、コミュニケーションを取って関係が強化しましたね」と子役たちと培ったチームワークに自信を示す勝地。「それに子供の成長って早いもので、1話の頃とは全然違います。半年ぶりの再会でしたが、子供たちがパッと世界に入っていく瞬間を目の当たりにして感動しましたね」と感慨深く回想もする。そして意外にも、その子役たちの成長こそが勝地にとっては大変なコトになっていたという。「テストと本番では全然違うシーンになるというように、どういう球が来るか全然分からなかった(笑)。スマートさん(秋元 黎)は劇場版でもかわいいですが、子供として見ないことが重要でしたね」。本作のコドモの姿をした刑事たちのように、まるでコドモの姿をしたベテラン俳優たちと共演したような感覚になった様子の勝地。親の気分じゃないが、そういう目線にも自ずとなっていたとか。「そうですね(笑)。たとえばブル(竜跳)やエナメル(相澤侑我)のアクションはドラマにもありましたが、その当時は恥じらいがあったわけですよ。でも、その経験を活かして映画ではバッチリとキメている。皆セリフの言い方もしっかりとしていて、そういう成長を見ると、胸が熱くなりますよね。実は僕、ひとりで感動していました(笑)」。『コドモ警察』公開中取材・文・写真:鴇田 崇
2013年03月22日演劇を映像で見せるという新たな試みで話題の“ゲキ×シネ”最新作『髑髏城の七人』の完成披露試写会が26日(月)に開催され、小栗旬、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼が舞台あいさつに登壇した。その他の画像「劇団☆新感線」が90年から7年に1回上演してきた人気演目を若手キャストを迎えて2011年に再演した本作。かつて信長に魅せられ、配下としてその野望に身をゆだねた3人の男たちが、秀吉による天下統一を目前に再びあいまみえる。1日に2公演の日を含む計69公演を共にしたキャスト陣が久々に揃ったこの日。公演期間中にもみんなで酒を飲んだりすることもあったようで、小栗は「(上演後に)みんなでアイシングする時間があって、ひざや肩にアイスを着けたまま乾杯してました」と振り返った。ちなみにそんな時でも、「太一は早く帰っていた。いのうえ(ひでのり/演出)さんが楽屋に降りてくる前に帰っていた」と森山がニヤニヤと証言。小池が「(みんなと一緒に)いたくないんじゃなくて家に帰りたいんだよね?」と優しくフォローを入れると、早乙女は「帰りたいんです」と苦笑交じりにうなずいていた。若い俳優陣が集結したことで本作およびキャスト陣は“ワカドクロ”と呼ばれていたそうだが、若いとはいえ前日の酒が翌日にしっかり残ることもあったよう。小池が「旬くんは顔がむくんで『誰?』っていう日もあったよね?」と暴露。小栗は「1回、アンパンマンみたいになってた日がありました」と自嘲気味に明かした。森山は早乙女に口移しで毒を飲ませるという男同士のキスシーンと見まがうような官能的なシーンがあるが、「後日、太一とご飯食べたときに『ぶっちゃけ、おれの口移しどうだった?』って聞いたら『マジで酒臭くて嫌だった』って言われた」とショック(?)を告白。早乙女は「本当に酒臭いんですよ」と思い出すのも辛そうに明かし会場は笑いに包まれた。また勝地は公演中、体を気遣って「赤マムシにスッポン、ユンケル…」と片っ端から精力剤を試していたそうだが「真っ先に声が枯れてたよね?」(小池)、「太ってた(笑)」(森山)、「腕がパンパンだった」(小栗)と次々とダメ出しを食らい、挙句にかつて『髑髏城の七人』で主役をはった古田新太から届いた映像メッセージでは、ひとりだけ名前を読んでもらえないなど散々なイジられっぷりで客席の笑いを誘っていた。『髑髏城の七人』2013年1月12日(土)より全国ロードショー
2012年11月27日「劇団☆新感線」の公演をカメラで捉えて映画館で上映するゲキ×シネの最新作で2011年に新キャストで上演され話題を呼んだ『髑髏城の七人』の完成披露試写会が11月26日(月)に都内で開催。主演の小栗旬を始め、森山未來、早乙女太一、小池栄子、勝地涼が舞台挨拶に登壇した。1990年の初演以来、看板俳優の古田新太や歌舞伎役者の市川染五郎を主演に配し上演されてきた同劇団の代表作を、若手キャストを迎えて再構築。かつては織田信長の配下にあった3人の男たちの運命が豊臣秀吉による天下統一を目前に控えた戦国末期の関東で再び交錯する。1年前に上演した芝居を改めて映像で鑑賞し、小栗さんは「普通に面白かったです。小池さんに泣かされそうになりました。すげぇいいんですよ、栄子さん」としみじみと語る。新感線への参加は初めてだったが、かつて主役の捨之介を演じた古田新太から「森山と早乙女と一緒にやるのは大変だろうが頑張れと言ってもらった」と明かした。天魔王を演じた森山さんは「新感線のみなさんはおじさん、おばさんで(笑)、靭帯を切ってたりヘルニアや痛風を持ってるので、そういうのを持ってない僕らが何をできるか?と考えました」と若さをアピール。勝地さんは現場のムードメーカーだったよう。公演中は体力を維持するために様々な精力剤に手を出したそうで「すっぽん、赤マムシ、ユンケル…飲まないとやってられなかった」と語ったが、「真っ先に声が枯れてたよね?」(小池さん)、「太ってた」(森山さん)、「腕がパンパンになってたよね?」(小栗さん)と次々と突っ込まれていた。さらに、古田新太から届いたお祝いの映像メッセージではひとりだけ名前を呼ばれずに「おいっ!」と抗議の声を上げ笑いを誘った。最年少の早乙女さんは、個性あふれる“先輩方”を尻目に静かに佇んでいたが、劇中の森山さん演じる天魔王から真っ赤な毒を口移しで盛られる官能的とも言えるシーンについて、森山さんが「後日、太一とご飯食べに行って『ぶっちゃけ、口移しどうだった?』って聞いたら、『マジで酒臭くて嫌だった』と言われた」と暴露すると、「酒臭いんですよ!」と苦笑い。また公演のラスト2~3週間は、公演後に森山さんの楽屋にみんなで集まりアイシングをして乾杯していたことが明かされたが、ここでも「太一だけは(演出の)いのうえさんが降りてくる前に帰ってた」と再び森山さんがニヤニヤと暴露。小池さんの「(みんなと)いたくないんじゃなくて、(家に)帰りたいんだよね(笑)?」というフォローに「帰りたいんですよ。帰って風呂入ってゆっくりして寝て、また劇場に行くという感じでした」と照れくさそうに笑みを浮かべていた。ゲキ×シネ『髑髏城の七人』は2013年1月5日(土)より新宿バルト9で先行公開。同年1月12日(土)より全国にて公開。■関連作品:髑髏城の七人 2013年1月5日より新宿バルト9にて先行公開、1月12日より全国にて公開© 2012-2013 VILLAGE INC.
2012年11月26日小栗旬、森山未來らが出演するアクション・エンターテインメント大作『髑髏城の七人』の予告編映像がこのほど公開された。『髑髏城の七人』予告編本作は、劇団☆新感線の人気公演をデジタル技術を駆使してスクリーンで楽しむ“ゲキ×シネ“の記念すべき第10弾。天下統一をかけて武将たちが割拠していた戦国の世を舞台に、たった7人で2万を擁する関東髑髏党に戦いを挑んだ者たちの活躍を痛快に描く。本作は、中島かずき作、いのうえひでのり演出による劇団の代表作のひとつで、小栗、森山、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、仲里依紗ら若手キャストを迎えて昨年上演した舞台を18台ものカメラを駆使して収録。このほど公開された予告編では、ひょんなことから戦乱に巻き込まれる捨之介(小栗)、関東髑髏党を束ねる最強の男・天魔王(森山)ら主要な登場人物を次々に紹介しながら、ダイナミックな殺陣、ポジション/ポーズまで完璧に計算された登場シーン、耳に残るキメ台詞の数々、そして観客を魅了する熱い人間ドラマの一端が紹介されている。エンターテインメントであることを純粋に追求し、重厚な劇世界を構築しながら毎公演、面白さとカッコよさを失わずに走り続けてきた劇団☆新感線だけに、予告編も痛快な描写が続々登場。映画館の客席が一体になるような、思わず歓声があがるような興奮必至の作品になりそうだ。『髑髏城の七人』2013年1月12日(土)より全国ロードショー
2012年11月14日女優の吉永小百合が3日、都内で行われた主演最新作『北のカナリアたち』の初日舞台あいさつに共演する柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、阪本順治監督とともに登壇した。東映創立60周年を記念した大作として、舞台となる北海道・礼文島と利尻島で過酷なロケを敢行した本作。それだけに出演者は、本作の“巣立ち”に感無量の面持ちだった。その他の写真特に主演を務める吉永は「皆さん主役級の方々が揃ったが、最初はうまくアンサンブルが生まれるか心配だったんです。私もこういうケースは初めてだったので…。でも現場では、そんな心配は全然なかった」と思いも格別の様子で、時折瞳をうるませる瞬間も。撮影後も自身が北は北海道から、南は沖縄まで全国キャンペーンをこなしたおかげで、映画は興収20億円突破が確実となる好スタートを切った。さらに吉永は本作公開後も、名古屋、大阪、長岡、新潟、弘前などでPR行脚を行い、ついに羽ばたいた本作の勢いに弾みをつける予定だ。原案は『告白』の湊かなえ氏が昨年発表した『往復書簡』(幻冬舎刊)に収められた「二十年後の宿題」。一人の女性教師・はる(吉永)と生徒6人の間に起こった転落事故を軸に、双方の思いが複雑に絡み合いながら、20年後に衝撃的な真実が明かされるというヒューマン・サスペンス。吉永の夫を演じた柴田が「みんな、吉永さんに褒められたかったんです」と主演女優に最敬礼すると、吉永は「いやあ、そんな…」と頬を緩めた。生徒たちの20年後を演じる宮崎、満島、松田らは大先輩との共演に、今も神妙な表情で「歌を通してひとつになれた現場。合唱するシーンは今も自然と涙が出る」(宮崎)、「まるで職人のような、本気で映画を作っている大人たちに囲まれた現場でした」(満島)。松田は「これほど雪が似合う方はいない」と吉永を褒めたたえていた。『北のカナリアたち』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年11月05日東映創立60周年記念大作として、北海道での過酷なロケが行われたヒューマンサスペンス『北のカナリアたち』が11月3日(土・祝)、全国で封切られた。同日、主演を務める吉永小百合を始め、柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮?あおい、小池栄子、松田龍平、阪本順治監督が東京・有楽町の丸の内TOEIで初日舞台挨拶に立ち、本作の“羽ばたき”にそれぞれの喜びを噛みしめていた。湊かなえ氏の「往復書簡」(幻冬舎刊)に収められた「二十年後の宿題」を原案に、北海道の離島で起こった転落事故によって、運命が狂わされた女性教師・はる(吉永さん)と生徒6人の20年ぶりの再会がもたらす真実、そして衝撃的な結末が描かれる。舞台挨拶では、物語の原点となった分校の教室を再現。登壇者が黒板に書いた本作への思いが紹介された。吉永さんが黒板に書いたのは“輪になって”という言葉。「それぞれ主役級のみなさんが揃ったが、最初はうまくアンサンブルが作れるのか心配だったんです。私もこういうケースは初めてだったので…。でもそんな心配は全然当たらなかった」と現場で育まれたキャスト同士の絆に思いを馳せる。すると柴田さんは「みんな、吉永さんに褒められたかったはず」とふり返り、一同も納得の表情。吉永さんは「いや、そんな…」と頬を赤らめた。宮崎さん、松田さんら20年後の子どもたちを演じる若手実力派キャストも、身が引き締まる思い。「歌を通して一つになれた」(宮崎さん)、「吉永さんはとても雪が似合う方」(松田さん)、「まるで職人のような、本気で映画を作っている大人たちの現場」(満島さん)と口々に本作で味わった経験を語っていた。約1年前にクランクインし、冬は雪嵐吹き荒むマイナス30度の極寒の地で、夏は美しい花々が咲く雄大な自然の中で撮影。サスペンスでありながら、人間の愛と信頼を問いかける『北のカナリアたち』はこの日、大きく羽を広げ、東映によれば興収20億円突破が確実となる好スタートを切った。『北のカナリアたち』は全国にて公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年11月04日来年1月に劇場公開される、劇団☆新感線の舞台を映像に収めたゲキシネ第10弾『髑髏城の七人』(どくろじょうのしちにん)の特報動画が到着し、小栗旬、森山未來、早乙女太一ら出演者の躍動感あふれる姿が披露された。特報動画『髑髏城の七人』は、中島かずき作、いのうえひでのり演出による劇団☆新感線の“いのうえ歌舞伎”と呼ばれる演目のひとつ。1990年に初演され、キャストを変えて7年ごとに上演されてきた人気作で、戦国の世を舞台に、たった7人で2万を擁する関東髑髏党に戦いを挑む者たちの活躍を描く。今回、劇場上映されるのは、小栗、森山、早乙女、小池栄子、勝地涼、仲里依紗ら若いキャストをむかえ、2011年8月から10月にかけて大阪と東京で上演された舞台『髑髏城の七人』を収録したもの。ストーリーや登場人物を新たな着想で再構築し、通称“ワカドクロ”と呼ばれ人気を博した本公演を、18台ものカメラを駆使し、カメラのアングルや音響など、臨場感にこだわって編集されている。このたび公開された特報動画は、小栗、森山らそれぞれの風貌や殺陣の演技などが収められた鬼気迫る内容となっており、特報は6日より各上映館でも観ることができる。『髑髏城の七人』2013年1月5日(土)より新宿バルト9先行公開2013年1月12日(土)より全国ロードショー
2012年10月09日橋本治作、蜷川幸雄演出による“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”『ボクの四谷怪談』が9月17日に東京・シアターコクーンにて開幕した。橋本が36年前に勢いのままに書き上げて封印していた怪作を、蜷川が恐るべき嗅覚で発掘し、上演を実現。鶴屋南北作『東海道四谷怪談』の確かな枠組みから自由奔放に暴発した作品世界の中、佐藤隆太を始めとする豪華すぎる出演陣が鈴木慶一の音楽に乗り、小気味よい狂騒を繰り広げる。奇妙奇天烈なパワーが爽快感を呼ぶ舞台だ。開かれた定式幕の向こうにあるのは「昭和51年にして文政八年、さらに元禄十四年であり、しかも南北朝時代」という設定だ。蜷川はそのハチャメチャなカオスをオーバーチュア(序曲)できっちりと提示する。歌舞伎さながらの扮装で見得を切る登場人物たちが、一瞬にしてジーンズ姿へ変身。されど腰には刀あり。70年代ファッションが当時のロックの匂いを助長する。この舞台の主人公、民谷伊右衛門(佐藤)は主義主張の見えぬ、つかみどころのない男として登場する。前半の軽快なリズムを作るのは、伊右衛門に天真爛漫な愛をぶつけるお梅役の谷村美月と、お梅の父の伊藤喜兵衛に扮して熟練の怪演をみせる勝村政信のふたり。谷村の自己中心的純愛、可憐な小悪魔ぶりが面白い。佐藤が、周囲の雑音に巻き込まれているようでわが道をゆく伊右衛門の秘めた芯をのぞかせ、後半へ向けてじっくりと感情を吐き出していく様を巧みに表現。そんな伊右衛門の対極にいるのは「俺には生き甲斐がある。お前にあるのか!」と暑苦しく迫る与茂七(小出恵介)だ。敵討ちという“正義”に向かいながらも狡猾な匂いをふんだんに振りまく小出与茂七の、妖しい魅力がおかしさを生む。二幕に入ってお岩役の尾上松也、伊右衛門の母・お熊役の麻実れいなどが登場して支柱がさらに定まり、騒音に拍車がかかる。とくに歌舞伎への敬意を蜷川から託された松也が突出した存在感をみせ、美声で魅了する。〈三角屋敷の場〉でのお袖(栗山千明)と直助(勝地涼)のラップ競演は愉快な見どころだ。そしてクライマックス、台本8ページ分ともいわれる佐藤の独白シーンでの熱演は圧巻のひと言。一瞬、得体の知れぬ感動にとらわれそうになるが、ラストは「野暮な解釈はいらない」とばかりにキャスト全員がエネルギーを放出し切る、熱量がピークに達するエンディング。大暴走する四谷怪談は上演時間3時間半弱(休憩2度あり)。見終えてまずは呆然、その後にあっぱれな清々しさが後を引く衝撃作だ。10月14日(日)までシアターコクーンにて上演された後、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて公演が行われる。取材・文:上野紀子
2012年09月20日鬼才・橋本治が約40年前、作家デビューする以前に書き下ろしたという幻の戯曲『ボクの四谷怪談』。偶然、戯曲を目にした蜷川幸雄が長らく上演を温めていたというその舞台が、豪華な役者陣と、音楽監督に鈴木慶一を迎え、9月17日に東京・シアターコクーンにて初日の幕を開けた。“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”と銘打つ通り、鶴屋南北の有名な歌舞伎『東海道四谷怪談』をベースに、ファッションや風俗を執筆当時の1970年代に置き換え、随所にロックなど多彩な音楽を散りばめた異色作。開演前には、フォトコールと記者会見が行われた。ネオンサインがきらめく舞台に大音響でロックが流れ、ヒッピー風の男や着物姿の女、テキ屋風のオヤジに通りすがりの商売女など、雑多な登場人物が次々に現れては歌うオープニング。次に場面は飛び、「御休処」と書かれた小屋の前。後ろには書き割りの松が立ち、セットは歌舞伎の舞台さながらだ。Tシャツにジーパン姿の伊右衛門(佐藤隆太)が地面に売り物を広げていると、友人の直助(勝地涼)がやってくる。セーラー服が可憐なお袖(栗山千明)を紹介されて直助は喜ぶが、リーゼント姿の直助にお袖は気のない様子。ふたりが去ると、今度はスーツ姿の与茂七(小出恵介)が現れ、「お前、生きてて面白いか?」と伊右衛門を挑発する。敵討ちの計画を得意げに語る与茂七と、「どうだっていいじゃねぇか」とぶっきらぼうに返す伊右衛門。両者の掛け合いはそのまま歌につながり、「生き甲斐」と「死に甲斐」をそれぞれに主張する歌声が交差して広がる。会見では、「伊右衛門はずっとモヤモヤを抱えているので、僕も初めはどう演じたらいいか迷ってしまって。(蜷川と何度も仕事をしている)小出くんにはだいぶ助けられました」という蜷川作品は初参加の佐藤に、隣で小出が照れくさそうにするひと幕も。「蜷川さんは稽古でOKだった演技も、初日でやっぱりダメと言い出したりするから」と暴露する小出に、いつの間にか後ろから見ていた蜷川が「うるさいよ!」と突っ込むなどチームワークは万全の様子。「舞台上でパワーを放出していきたい」(勝地)、「台本がブッ飛んでいるので、驚きつつ楽しんでもらえたら」(栗山)と語るふたりも笑顔だ。その他、尾上松也(お岩役)や三浦涼介、谷村美月ら若手実力派の熱量を、麻実れい、勝村政信らベテラン勢がしっかりと支える本作。高揚感と共に伝わるその面白さは、ぜひ劇場で体感してほしい。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)『ボクの四谷怪談』は、10月14日(日)までシアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文佐藤さくら
2012年09月18日「告白」などで知られるベストセラー作家・湊かなえの小説を原作に、吉永小百合を主演に迎えて贈る東映創立60周年記念作品『北のカナリアたち』。北の大地での過酷な撮影の最中に、シネマコンプレックス「MOVIX」のためだけに収録された貴重な特別映像がシネマカフェに一足早く到着!湊かなえの短編集「往復書簡」(幻冬舎文庫)に収録の一遍「二十年後の宿題」を原案に、ひとりの女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描き出す。主演の吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮﨑あおい、小池栄子、松田龍平など豪華なキャスト陣の共演でも話題の本作。吉永さんのコメント、さらに20年前の生徒役の子供たち6人が歌う「MOVIX」のテーマソングをバックに、本作の劇中映像と未公開メイキングシーンで構成されたこの映像。子供たちによる牧歌的なメロディの美しいコーラスと、そこに映し出される劇中のサスペンスフルな映像のコラボレーションは何とも形容しがたい緊張感がある。映像冒頭のほのぼのとした雰囲気に油断していると、森山さんや満島さんらが演じる20年後の子供たちのこれまで抱えてきた葛藤や不安が次々に映し出され、観るものを釘付けにする。しかし、何よりも驚かされるのが映像の冒頭から流れるこの子供たちの“天使の歌声”。本作でも重要な役割を果たすこの歌声は、3,100人の中から選ばれた子供たちによるものなんだとか。“日本最後の秘境”と言われる利尻・礼文島で、天使たちの歌声はどのように響き渡るのか?まずは、こちらの映像から注目の特別映像をチェック!『北のカナリアたち』は11月3日(土)より全国にて公開。※こちらの特別コラボ映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年09月14日演劇集団「劇団☆新感線」の代表作の1つ「髑髏城の七人」。小栗旬と森山未來を主演に迎え、昨年8月から9月にかけ公演が行われたこの舞台が、「ゲキXシネ」シリーズの第10作目として2013年1月より公開されることが決定。このほど、豪華キャスト陣を配したスタイリッシュなデザインのポスタービジュアルが解禁となった。「ゲキ×シネ」とは、劇団☆新感線の舞台を最新デジタル技術を駆使して、舞台の臨場感をそのままに映像化、劇場で公開する人気シリーズ。その記念すべき第10作目として選ばれたのが、舞台巧者な小栗さんや森山さんを始め、早乙女太一、小池栄子、勝地涼、仲里依紗と実力派若手キャストたちが集結した2011年版「髑髏城の七人」だ。天正十八年。織田信長亡き後、天下統一は豊臣秀吉によってなされようとしていた。しかし、かつて信長に仕え、漆黒の髑髏城(どくろじょう)に潜む武装集団“関東髑髏党”を束ねる天魔王と名乗る男が抵抗を続けていた。血を流すことを厭わず、もはや狂人と化した天魔王に追われていた女を、行きがかりから助けた捨之介(すてのすけ)は、女を匿ってくれるという色里で無界屋蘭兵衛(むかいやらんべえ)に出会う。全てを覚悟した捨之介らは天魔王を止めるため、たった7人で2万の兵が巣食う髑髏城を攻め落とすことを決意するのだが…。同舞台は1990年の初演以来7年ごとに上演され、それまで古田新太が演じてきた主人公・捨之介/天魔王の一人二役を、初共演となった小栗さん(捨之介役)と森山さん(天魔王役)が一役ずつ演じたことでも話題となった本作。無界屋蘭兵衛役には早乙女さん、妖艶な魅力を放つ極楽太夫役に小池さん、そして本作が初舞台となった沙霧役の仲さんに、初の殺陣アクションに挑戦した兵庫役の勝地さんとフレッシュな面々が新たな「髑髏城の七人」を作り上げている。公開されたポスターは、舞台ならではのインパクト大の衣裳に身を包んだ主演の2人の躍動感あるビジュアルが目を引く、惚れ惚れするようなスタイリッシュな仕上がりだ。また、「ゲキ×シネ」シリーズ10作目を記念して鑑賞料金に新たな試みを実施することも決定。映画離れが囁かれる昨今、できるだけ多感な時期に最高のエンターテイメント作品を観て欲しいという思いから、当日学生料金は1,000円に、さらに一般料金も値下げされるようだ。ただの舞台でも映画でも味わうことのできない、この「ゲキ×シネ」シリーズ。お値段もお手ごろになったところで、ぜひ劇場で体感してみては?ゲキ×シネ『髑髏城の七人』は2013年1月5日(土)より新宿バルト9にて先行公開、1月12日(土)より全国にて公開。公式サイト:■関連作品:髑髏城の七人 2013年1月5日より新宿バルト9にて先行公開、1月12日より全国にて公開© 2012-2013 VILLAGE INC.
2012年08月29日作家・橋本治が東大在学中に書いた幻の戯曲が、蜷川幸雄の演出で上演される。その名も『ボクの四谷怪談』。鶴屋南北の怪談をベースに、生きる目的を求めて右往左往する若者たちの姿を描く“騒音歌舞伎(ロックミュージカル)”だ。橋本ならではのポップな現代語で綴られたセリフに加え、鈴木慶一によるオリジナル・ロックナンバーが随所で炸裂する。物語を担うのは橋本が「七人の侍」と名づけた若者たちで、民谷伊右衛門を演じる佐藤隆太は、今回が蜷川演出初挑戦となる。騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)「ボクの四谷怪談」 チケット情報「蜷川さんから声をかけていただけるとは思ってもいなかった」と率直に驚きを語る佐藤。近年では映像での活躍が目覚ましいが、「自分を試される場」という舞台への思い入れは深い。「役者として今まで何を積んで来たのか、あらわになるのが舞台だと思う。その怖さを感じているからこそ逃げたくないし、出来るだけ舞台に立ちたいと願い続けています。でも、ここまで大きな山に向き合うことになるとは(笑)」。共演陣には小出恵介、勝地涼、栗山千明ら、蜷川演出を経験済みの若手も多く、「一番の後輩のつもりでアドバイスをもらいたい」と笑う。「第一線を走りながら、なお挑戦を続けられる蜷川さんのパワーを感じたい。コテンパンにやられる可能性も含めて、楽しみです」。伊右衛門は病身の妻お岩を持て余し、職も生きがいも定まらず運命に流される。しかし女にはモテる、やっかいな色男だ。映像作品での「熱く真っ直ぐな男」像から、人生に戸惑い、真摯に悩む男性像へと表現の幅を広げている佐藤にとって、さらに新境地を拓く役柄でもある。「自分が思う以上に“熱い男”というイメージを抱いている方も多くて、驚くことはありますね。そう思っていただくのは光栄な一方で、役者としてどんな役にも挑戦したい。絶好のチャンスをいただきました」。今回は「ロックミュージカル」だけに、伊右衛門が歌うナンバーもしっかりある。実は1999年、佐藤が俳優デビューを飾ったのもミュージカルの舞台(宮本亜門演出『BOYS TIME』)だったが、「僕は歌が決してうまくないんです」と告白するのがこの人らしい。「目指すところは“魂をガツンと届けられる”歌と芝居です。思えば初舞台の時は、歌も芝居もダンスもピカイチで下手なのに、よくもあれだけ堂々としていたなと(笑)。10年以上役者をやってくると、どんどん芝居することが怖くなってくるんです。何も恐れずにハチャメチャをやっていた、あの時の自分も無くさずにいたいですね」。共演は小出恵介、勝地涼、栗山千明、三浦涼介、谷村美月、尾上松也、勝村政信ほか。公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで東京・シアターコクーン、10月19日(金)から22日(月)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。チケットは東京・大阪ともに7月21日(土)より一般発売開始。なおチケットぴあではインターネット先行抽選を東京は7月11日(水)11時まで、大阪は7月10日(火)11時まで受付中。取材・文:市川安紀
2012年07月03日文壇の鬼才・橋本治の幻の戯曲『騒音歌舞伎(ロックミュージカル)「ボクの四谷怪談」』を蜷川幸雄の演出により、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて9月・10月に上演することが決定した。出演は佐藤隆太、小出恵介、勝地涼、栗山千明ら若手俳優から、麻実れい、勝村政信、瑳川哲朗らベテラン勢が顔を揃える。本作は、現代を生きる若者たち<七人の侍>の自分探しの青春群像劇で、作家・随筆家として多くの名作を輩出しながら、古典文学の現代訳や二次創作にも意欲的な橋本治が学生時代に書き下ろした幻の戯曲。それを蜷川が発掘、舞台化するもの。登場人物のねじれた青春が疾走する破天荒な物語は、橋本のダイナミックかつ繊細な手法で抽出された現代性と、『四谷怪談』の作者・鶴屋南北へのオマージュが見事に昇華されている。また多種多様な音楽が効果的に挿入されており、橋本の<四谷怪談>と<ミュージカル>への情熱がほとばしる超大作だ。音楽はロックの黄金時代といわれる1970年代に本格的な活動を開始した鈴木慶一が手掛ける。執筆されてから40年の間、活字にもされたことなく静かに眠り続けていた貴重な戯曲を、蜷川が若い俳優たちの体を通してどのように表現するのか期待したい。公演は9月17日(月・祝)から10月14日(日)まで同劇場にて上演。チケットは7月21日(土)より一般発売する。【キャスト】佐藤隆太小出恵介勝地涼栗山千明三浦涼介谷村美月尾上松也麻実れい勝村政信瑳川哲朗青山達三梅沢昌代市川夏江大石継太明星真由美峯村リエ新谷真弓清家栄一塚本幸男新川將人ほか
2012年03月12日阪本順治監督、吉永小百合主演で贈る壮大な運命の物語『北のカナリアたち』。マイナス11度で強風が吹き荒れる真冬の寒さの中、1月12日(木)と13日(金)、日本最北の島・礼文島で本作の撮影が行われ、吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平ら豪華キャストが集合し、クライマックスとなる再会のシーンの撮影を敢行した。湊かなえの「往復書簡」(幻冬舎刊)に収録されている「二十年後の宿題」を原案に、一人の女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描く本作。名カメラマン・木村大作の撮影のもと、体感温度がマイナス30度にもなる厳しい真冬と、初夏の二期にわたりロケーションが敢行されている。地元の人たちがここ数年で一番寒いと口を揃えて言うこの日、礼文島に撮影のため建てられた岬小学校分校の教室内で撮影は行われた。ある事件でバラバラになった女性教師(吉永さん)と6人の教え子たちが20年の時を経て、思い出の学校で再会するというクライマックスシーンが撮影された。「『よーい、スタート』で仲のいい雰囲気を作るのではなくて、それ以前の台本に書かれていない20年間を含めて、彼らは一堂に会してお互い喜びあってほしかった」と言う阪本監督の指揮のもと、何度も入念なリハーサルを経て撮影が行われた。吉永さんは撮影をふり返り「昨晩、合唱の練習があって指揮をする私を6人がまっすぐ見てくれた、もうそれだけで胸がいっぱいになって泣きそうになりました。みんな可愛くて、役ではなく私個人としてもハグしたくなります。俳優をやっていなかったらこんな素敵な教え子たちに出会えなかった。お芝居もみんな20年の歳月をきちっと作って、それを埋めて表現するのを目の当たりして、逆に学ぶことも多かったです」と6人との共演の喜びを口にした。極寒の中での演技は負担も多いことが予想されるが、森山さんは「家でダラダラしていたら、この自然に負けてしまうような気がしたので、少し早めにこちらに入って島を北から南まで歩き回りました。信人という役は、辛い過去があるけどたくましい人物。島を歩いたおかげで、その役作りに役立ちました」と万全の体制で臨んだ様子。満島さんは「島に入った日に、子役の6人に会いましたが、ここにいるみんなを見ると、あの子たちの20年後を見ているようで不思議です。でも、吉永さんはずっと、はる先生にしか見えない。黒板の前に立っている姿もお似合いです」と一同の再会を喜んだ。昨年行われた製作発表では、大先輩である吉永さんとの共演に対して緊張も見せていた“教え子”たちだったが、勝地さんは「札幌での共演シーンでは突然の大雪で、メガネも曇るし、吉永さんが見えないくらいでした。すごく緊張していたのですが、話しかけたときの表情がすごく温かくて、自然と話せました」。宮崎さんも「吉永さんとのシーンは、監督から『目を見ないでお芝居してほしい』と言われていて、本当は目を見て気持ちを共有したいんだけど、それができない。その葛藤がありましたが、昨日、歌の練習で先生の目を見れて、涙が出るくらい幸せでした。また、共演シーンでカットがかかった後に、吉永さんがハグしてくれて。寒い現場ですが、暖かい現場です」と吉永さんとの撮影エピソードを笑顔で明かした。造船所で働く七重役の小池さんは溶接のシーンにも挑んだが、「趣味『溶接』って書きたいぐらい楽しい練習でした(笑)。寒い冬景色の中、巨大な船でバチバチと火花が散るところは迫力あるシーンになっていると思います」とのこと。吉永さんとの共演については「先生を目の前にすると甘えられて、自然と演技ができました」と言う。松田さんは「今回、20年後の役ということで、その時間をどう生きてきたか台本を読んで想像して来たんですが、実際にこちらに来てみると、想像していたものと全然、違っていた。役作りをする条件が揃っている贅沢な現場です」と充実した表情を見せた。そして最後に、吉永さんは「空白の20年間を6人の方々が見事に表現して下さっている。監督や多くのスタッフとは初めてですが、心が通い合っている良い現場です。これをずっと続けていきたいですが、ここにいる6人は冬ロケだけなので、それがちょっと残念ですね。ただ、夏はちびっ子たちが来ます。20年前の子供たちのところは第1幕、現在の若者6人のところが第2幕、映画を観終わったら第3幕が始まるような感じで、明日に向かって新しい第一歩を踏み出していくような新しいジャンルの映画になると思います」と本作への手応えを語った。写真からも暖かい現場の様子が伝わってくるが、果たしてどのようなクライマックスシーンに仕上がっているのか?『北のカナリアたち』は今秋以降、全国にて公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開■関連記事:東映60周年、吉永小百合主演作に“黄門さま”、『あぶ刑事』コンビ、宮崎あおいら出演吉永小百合、主演最新作が決定!原案は「告白」の湊かなえ
2012年01月17日兄の連れてきた婚約者は…
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