その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属の“霊がよく見える”ピン芸人・シークエンスはやとも(29)。『ホンマでっか!?TV』などへの出演も話題になり、この夏、本誌連載『ポップな心霊論』をまとめた初の著書『ヤバい生き霊』(光文社)も発売。そんなシークエンスはやともが、実の父シークエンスパパともと一緒に登場!自身の持つ霊能力について語り合ってくれました。なんでも2人の霊能力には違いがあるそうでーー。パパとも「親子でも、霊能力の“チャンネル”が違うんだよな。はやともは最近、生き霊ばっかり見てるから、死んだ人の幽霊は見えにくくなってるんじゃない?」はやとも「そうなんだよ。逆におやじは、生き霊はよく見えないって言うもんね」パパとも「霊能力は受け継いだのかもしれないけど、見え方はぜんぜん違う。自分たちのことなのによくわかんないよな(笑)」ーー発売中のはやとも初の著書『ヤバい生き霊』には、パパとものエピソードもたくさん。では、父だからこそ知る息子の話は?パパとも「実はね、子どものころは怖がりで、お化け屋敷で吐いちゃったこともあるんですよ(笑)」はやとも「今でも、お化け屋敷は苦手なんだよね……」パパとも「殺人事件を目撃した(※詳細は『ヤバい生き霊』をチェックして!)のがきっかけで、霊能力が開花したと思ってるみたいだけど、実際は2歳くらいから幽霊に挨拶したりしてましたよ」はやとも「あの殺人事件のとき、殺されたおじさんの幽霊がくっついちゃったんだけど、おやじが寝てる間にとってくれたんだよね。あれ、一体どうやったの?」パパとも「ひたすら話しかけて説得したんだよ。でも、ぜんぜん聞く耳持ってくれなくてさ。ただのやつあたりなんだけど『こいつが助けを呼んでくれたら、俺は助かったかもしれないのに』なんて言われて。なんとか離れてくれるまで7時間もかかったよ……」はやとも「いやあ、それは本当にありがとうございました」【PROFILE】シークエンスはやとも1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。8月4日には本連載をまとめた初の著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売された。「女性自身」2020年9月1日 掲載
2020年08月22日恋愛をしていると、コミュニケーションの仕方で喧嘩をしてしまうことってありますよね。例えば、共感を求めて話をしたのに、アドバイスをされて「そんなはずじゃなかった」とか。そんなことを避けるために、あなたのコミュニケーションと相性のいい男性の特徴をご紹介します。男性の話し方をチェックして、恋人選びを上手にすすめてみてください。■ 社交的な女性社交的な女性は自己主張をしたり、積極的に自分の意見を発言したり、感情表現をすることに抵抗がない傾向にあります。簡単にいうと明るくてノリの良いタイプで、とにかく楽しいことが好き。トレンドなどにも敏感で、直感で物事を決める傾向にあります。そのため、話をしっかりと聞いてくれてリアクションをしてくれる男性や、趣味を一緒に楽しんでくれる男性、柔軟な対応をしてくれる男性と相性がいいと言えます。そのため、聞き上手で癒やし系の男性を探してみてください。特に、友好的な男性との相性は抜群です。■ 友好的な女性友好的な女性は他人の意見を聞いて共感することが得意。そのため、相手の話に対してしっかりとリアクションを取ったり、感情表現を行いながら相槌を取ることができるタイプです。平和主義で、何時間でも寝ていられるような人があてはまります。情緒が安定していて穏やかですが、やや優柔不断。このタイプは共感力があり、みんなを引っ張っていくようなリーダーシップを発揮する男性に惹かれる傾向があります。特に、社交的な男性と相性がいいと言えるでしょう。■ 行動的な女性社交的な女性と少し似ているのですが、行動的な女性は自己主張をすることが多く、はっきりと意見を述べるのですが、感情表現はあまりしない傾向にあります。合理的でデータを重視して物事の決定を行っていきます。そのため、「冷たい人」や「いつも冷静な人」という印象が強いでしょう。このタイプは恋愛の主導権は自分が握っていたいと考えていて、ダラダラとした会話は苦手。感情的にならず、議論できる男性と相性がいいといえます。特に、理論的な人と相性が抜群です。■ 理論的な女性理論的な女性は自己主張するのはあまり得意ではなく、どちらかというと聞き手になりがち。感情表現はあまりしないのですが、物事をじっくりと考える思考の深さが特徴的といえるでしょう。買い物をする時は、いろいろな情報を集めて最善の商品を買おうとするようなタイプ。物事を観察し分析することを好みます。独特な価値観を持っていることが多く、口数は少なめですが、得意分野なら積極的に話すことも。恋愛では自己主張してくれる男性と相性がいいといえるでしょう。しかし、感情的になられるのは苦手なため、冷静で論理的な話し合いができる相手が望ましいといえます。加えて、行動的な男性となら長く付き合っていくことができるはず。■ 相性のいい相手なら喧嘩をあまりしない?今回はコミュニケーションの仕方から相性を紹介しました。自分がどのタイプに当てはまるかをまずは確認してみてください。自己主張はするか、感情的か論理的かによってタイプが別れます。コミュニケーションの相性がいい相手なら喧嘩も少なくなって、長続きする恋愛ができるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。(草薙つむぐ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年07月29日少数派ではありますが「LINEをコミュニケーション手段だと思ってない」男性たちがいます。あなたの彼がそうなら、「彼がLINE不精」と悩むのは、時間の無駄かもしれません。「彼からはLINEが来ないから脈ナシ」「既読/未読スルーは脈ナシ」……これも良く言われることですが、そうとも限らないんです。そんな「マメなLINE=好き」じゃない男性に共通する特徴には、こんなものがあるんです。■ 会えば饒舌、よく笑う「LINEでごちゃごちゃやり取りするのが苦手なだけで、彼女のことは好きだし、会えば楽しい。冷たくしているつもりもまったくないです。会ったときにやさしくしてるつもりなんだけど……ダメですか?」(30歳・男性)デートでもLINEでも塩対応なら「脈ナシ」ですが、会えば楽しい時間を過ごせる彼が、LINEではそっけない……。そんな場合は、単にLINEが苦手・好きではないだけかも。マメなLINEが女子を喜ばせるのはわかっていても、「LINEで細かいやり取りするのがめんどくさい」とも思っています。「会ったときに十分優しくしている」と、女子の淋しさに気づいていないことも多いです。■ アポに関することには連絡が早い「『私は今日これをした』的なLINEは『そうなんだ』って感じ。返せるときに返せばよくない?雑談なんだし。でも、デートの誘いやアポを詰めるときは、すぐ返事しますよ。だって、それによって相手の予定も変わるし、僕も早く確定したいから。別に彼女だけじゃなくて、誰に対してもそうですよ」(26歳・男性)「LINEは連絡ツール」と思っている男性は、雑談LINEは半日~1日返事しないこともあるのに、アポ取りに関してはほぼ即レス!なことが多いです。実はかなりこまめにスマホを見るタイプで、用件で対応スピードを変えていることも。相手を格付けしたり、優先順位をつけているつもりはなく、単にビジネスライクな性格なだけとも言えます。LINEから女子の気持ちを読み取ることもあまりしないので、普段のそっけなさにくじけず、どんどん会う方向に話を勧めたほうが仲良くなれるでしょう。■ 画像やボイスメッセージには反応がいい「基本的には『会って話せばいいじゃん』と思うけど、デートのあとの写真とか、『美容院行って可愛くなった』って自撮りとか、そういうのは送ってもらうのうれしいですよ。あとたまに彼女が、ボイスメッセージでひとこと送ってくれるのも、なんか楽しくて好き。そういうのはすぐ既読にしちゃうし、返事するのも楽しい」(24歳・男性)「LINE不精=LINEが嫌い」とは限りません。ダラダラ雑談をするのをコミュニケーションだと思ってないだけで、使える機能は当然使うし、楽しいことは大好きな男性もいます。だからと言って、彼女のおしゃべりを無駄だと思っているわけではなく「会って話すのが一番いろいろ伝わるし、誤解も少ないんだからそれでいいでしょ」と、ドライな一面があるだけのようです。■ 「でも、私以外とはLINEしてるんでしょ?」というあなたへ女子のことは放っておくけど、男友達や家族とは普通にLINEしてる!という男性もいるでしょう。しかし、それは「みんなが使ってるから」「親に『別の方法で』とか言うのも無理だから」などの理由があるのかも。周囲の人に合わせているだけにすぎないし、最低限失礼にならない程度のやり取りをしてるだけのことが多いです。男友達とは活発にやり取りをしている人も、女子に向けるような細かい気遣いはなく、びっくりするほど雑なLINEであることも少なくありません。「無言でもスタンプを送りあえば解決」という女子もいますが、基本的にはやりたくないことをやらせても、コミュニケーションが成り立つわけではありません。サッサとアポを取って直で会って心を近づけるのが理想。大多数の人にとってはLINEの回数は愛情表現かもしれませんが「そうじゃない人もいる」ことを当たり前だと思ったほうが、気楽になれますよ。(中野亜希/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年07月23日せっかくタイプの男性と付き合えたのに「ごめん、仕事が忙しいんだ」と言われて、なかなかデートができない…こんなときはどんなふうにコミュニケーションを取ればいいのでしょうか。「好き」というワードがもたらす効果彼となかなかデートができない女性は、「今度の休日にデートしたいなぁ」や「どこかに出掛けたいなぁ」などと漠然と伝えていませんか?女性からのデートしたいアピールを、重く感じる男性は意外と多いですよ。彼とデートしたい気持ちは「好き」というワードを使って効果的に伝えてみましょう。たとえば「好きなカフェを見つけたから、近いうちに一緒に行こうよ」といった誘い方です。実は人間の脳の潜在意識というのは、主語を認識できない性質があるといわれています。どういうことかというと、「カフェが好き」と言うのも「あなたのことが好き」と言うのも、潜在意識としては同じ「好き」として認識されるのです。そのため直接的な愛情表現をしているわけではないのに「好き」というワードを使うことで、彼の脳をドキドキさせることができるのです。このような手法のことを「喚起法(かんきほう)」と呼びます。LINEでも喚起法が使えるこの喚起法をさらに応用してみましょう。彼がお気に入りのものや心地よいと感じるものをLINEのメッセージに頻繁に盛り込むことも効果があるのです。たとえば彼がアニメ好きなら、「アニメ」というワードをメッセージに分散して入力すれば、好きなアニメとそのメッセージを送ってくれたあなたのイメージが一緒に喚起されるので、あなたに対するイメージも良くなります。彼のお気に入りのものをメッセージに入れることばかりに注力して、不自然な文章にならないように気をつけましょう。不安な感情を伝えるその他の上手なコミュニケーションの取り方としては、「お付き合いしてるのに、デートしてもらえないと不安だな…」や「不安だから○○くんに甘えたいな…」などと伝えることが挙げられます。なかなかデートしてくれないからといって、彼を責めるような口調になってはいけません。彼氏というのは彼女の不安を取り除きたい心理が働くものです。不安をアピールすることで彼に愛情を再確認してもらいましょう。デートの最中も喚起法を活用しよう無事にデートにこぎつけることができたら、その際は喚起法をさらに応用させてみましょう。「あのタレントが結婚したね」や「この前結婚した同僚がとても幸せそうだった」などと言って、今度は「結婚」というワードを潜在意識に認識させるのです。あなたと結婚したいという気持ちが彼の脳に喚起されるかもしれませんよ。
2020年07月20日人間関係を円滑にする上で、コミュニケーションは欠かせません。しかし、コミュニケーションにおいて具体的に何を意識していれば、お互いに円滑な意思疎通がとれるのでしょうか。『コミュ力』とも呼ばれ「コミュ力が高い人」「コミュ力の塊」と、多くの人が身に付けたいと望むコミュ力に必要なものとは一体…。『父の話』Instagram上で絵日記を投稿している、さく(saku_uraura5)さん。さくさんの父親は、身内から見てもコミュニケーション能力に長けているといいます。そんな父親から、さくさんはコミュニケーションの極意を聞かされたことがありました。父親が出した「話し上手は聞き上手」という例えは、きっと多くの人が聞いたことがあることでしょう。では、聞き上手とは何かというと、父親は問いかけがうまいことだと説明します。さらに深掘りし、問いかけがうまい人は、察し上手であると指摘する父親。この察し上手が、人とのコミュニケーションにおける極意なのだそうです。その上で、父親は常に頭においてある言葉があるとし、こうも続けました。幅広い分野に興味を持つことと、相手が何に興味があるのかを会話の中で察して引き出せたらいいよね。相手の話を聞いて相づちを打つだけでなく、質問を織り交ぜて会話をしていくこと。また、その質問は、相手が興味を持っている分野であることも大切です。そうすれば、おのずと相手はしゃべるようになり、結果的に会話も弾むのだそうです。誰だって、相手が自分自身や自分の好きなことに興味をしめしてくれたら嬉しいもの。父親が常に意識していることは、つまりは『相手を知る』というコミュニケーションのベースを守ることなのかもしれません。「もっと父親の話を聞きたい」「とってもためになる話」と反響を呼んだ、父親が心がけるコミュニケーションの極意。さくさんだけでなく、多くの人にとって印象的な『教え』になったようです。[文・構成/grape編集部]
2020年06月26日いい男の条件は人それぞれだと思います。若い時はどうしてもヴィジュアル重視になりがちですよね。でも段々と年齢を重ね色んな経験をしてくると、男性の好みも変わってきます。今回、幸せになっている女性の人達と話していると、「いい男の条件とは?」という問い対して、ある答えにたどりきました。それは「内面が充実した男」。ひとことで内面っていっても一体何?思う女子もいるでしょう。今回はどんな内面のことなのか詳しく紹介したいと思います。もちろん、見た目もイケメンなら何も言うことありません。ただ、見た目良くて、内面も最高な男なんて中々いないものです。あとはバランスと妥協ですね(苦笑)■1.コミュ力の高い男まずは、コミュニケーション能力の高い男です。簡単にいうと誰とでも楽しい会話ができる能力が高いということです。女性に対してだけコミュ力が高くてもダメ。男性とでも楽しい会話ができること。あと、年下は得意だけど自分より年上は苦手。これも困ったものです。年齢問わず、どんなタイプの人の会話でも順応に対応できる男は魅力的ですし、「頼もしい男」といえます。■2.乗り越えてきた男乗り越えてきた男も魅力的です。これは過去に生きてきた中で、何か挫折した経験があって、それを精神的に乗り越えてきた男のことです。そういう男はメンタルが鍛えられているので、今後あなたと一緒に生活する中で辛いことがあったとしても、ちゃんと支えていける男だと思います。ここ最近、メンタルが弱い男性が多いような気がします。若い時に挫折の経験をしていないことも理由にあると思います。精神的にたくましい男は魅力的です。彼と話をする中で、過去に挫折した経験などあるか聞いてみてください。それをネタに話せるということが、挫折を乗り越えてきた証です。■3.同性からも愛されるいい男の多くは同性に愛されています。後輩、先輩に限らず多くの仲間います。ただ女性だけにモてる男は、見た目だけの中身のないペラペラな男です。だから、あなたが男友達からの誘いが多い男と付き合ったとしても、多少、一緒にいる時間が削られて寂しい気持ちにさせてしまうかもしれませんが、そこは、彼を責めるんじゃなくて、広い心で送りだしてあげてください。■4.親を大切にしている最後のポイントは、親、兄弟ふくめ、自分の家族を大切にしているかどうかです。いずれば、好きな彼と結婚をしたいと思うでしょう。そんな時に、親を大切にしている彼であれば、きっと結婚しても幸せな家庭を築いてくれるはずです。親の誕生日にプレゼントしているとか、マメに電話やLINEで連絡している、会話の中で、恥ずかしがらずに自分の家族の話題が出してくるなど、そういう男はいい男です。■おわりにいい男の条件、いかがだったでしょうか。まだまだヴィジュアルも大事という女子も多いと思います。しかし年齢を重ねていけば、ほとんどの男性が老いて、昔の若かった頃の面影なんて無くなってしまいまうんです。だから見た目が生理的に問題なければ、いまのうちから内面に比重を置いたメガネで男を見るようにした方が賢い生き方ですよ。(TETUYA/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年06月22日感情を持たないAIに対して、私たち人はどんな振る舞いを見せるのか。そして、進化が止まらないAIの現在地は?AIと人とのコミュニケーション、その最前線を知ることのできる本をご紹介!対人間に行っている振る舞いを実は、対AIにもしていた!AIと人のコミュニケーション。この難しいテーマを考えるヒントになる本として、サイバーエージェントAI Labの馬場惇さんが推薦してくれたのが、『マインドインタラクション』。「意図を持ったように見えるAIを含む人工物に対して、人が無意識にどんな反応を起こすのか、さまざまな研究を通じて知れます。実は、人は人工物を擬人化して、愛着を感じるようになるのがその一例。しかし、人と人のコミュニケーションレベルで、AIと感情のやり取りができる段階ではありません。双方向のコミュニケーションができるAIの登場はまだ遠い未来ですが、一歩ずつ近づいています。また、この本には、人とのコミュニケーションをよりよくするための科学的な知恵が隠れています。それを見つけながら読み進めるのも面白いと思います」『マインドインタラクションAI学者が考える《ココロ》のエージェント』山田誠二、小野哲雄新しい発見と驚きの連続!AIと人間の相互作用。タイトルは「人と人工物が持つココロの間でやり取りされる情報」と定義される著者の造語。対人関係のストレスを緩和するなど、AIが持つ可能性なども紹介。近代科学社2200円AIにまつわるウソ?ホント?Q. AIはコミュニケーションが苦手?A. ホント。現状、言葉の意図を汲み取る、空気を読むという高度なレベルに達していない。感情は、喜怒哀楽がはっきりしていれば顔認識技術でわかるが、驚きと喜びの境目がわかりにくい興奮といった複雑な感情を読むのは困難。Q. AIに仕事を取って代わられる?A. 一部、ホント。AIに仕事を奪われると危惧する人もいるかもしれないが、ルーティン化した一部の業務はこなせても、人間並みのコミュニケーションが実現しない以上、すべての仕事を丸ごとAIが“奪う”ことは現状、考えにくい。馬場惇さんおすすめのもう1冊『賀茂川コミュニケーション塾ビブリオバトルから人工知能まで』谷口忠大AIから見える、人間の特異な能力。賀茂川のほとりにある喫茶店を舞台に、高校生と教授が人間やAIのコミュニケーションについて語らう。「難しい話題も、会話形式なのでサクサク読めます。私たちが当たり前のようにできる“空気を読む”“相手の意図を理解する”という行為がいかに複雑な振る舞いなのか、身近な例から理解できるでしょう」。教養みらい選書1700円馬場 惇さんサイバーエージェントAI Lab主任研究員。京都大学情報学研究科修了後、サイバーエージェントに入社。現在、同社AI Labで、接客対話グループリーダーとして、マツコロイドで知られる石黒研究室と産学連携する。※『anan』2020年6月3日号より。写真・大内香織取材、文・小泉咲子(by anan編集部)
2020年06月02日こんにちは、恋愛プランナーのTETUYAです。男女問わず「人たらし」という能力は生まれもった部分が非常に大きいとは思いますが、その習性を見て知ってマネることも、僕の提唱する恋愛リスクマネージメントとしては大事なことだと思います。これから、モテる女子が持つ4つの「人たらし能力」についてご紹介しましょう。■ まめな記憶力「人たらし女子」は、まめな記憶力を備えています。具体的に言うと、1回会って話をすると、その人の好きなもの嫌いなものなど、その人の情報をことこまかに記憶していて、2回目あった時にその情報を会話の端々に入れることができる、というものです。された男性からすると、「この子、俺のこと好きなんじゃないか?」と錯覚してしまう。男女問わず相手のことを1回で覚えてくれるとやはり嬉しいものですね。■ 距離感をとるのが上手「人たらし女子」は、人との適度な距離感をとるのが上手です。とくに年上の男性に対しての距離感が上手い。皆さんの周りにもいませんか?年上男性とジェネレーションギャップを感じることなく自然とコミュニケーションがとれる女子は、世代問わず誰からも好かれるタイプが多いです。知らないことや苦手なことがあっても、避けないで近寄ってみるのが大事ですね。■ ニックネームをつけ方が上手い「人たらし女子」は、男性とのコミュニケーションをとるとき、自分なりのニックネームをつけて一気に距離を縮めるのが上手い、という特徴もあります。たとえば、合コンなどで自己紹介が終わって間もないのに、「ひろし」という名前の男子がいれば、「ヒロちゃん」と、自然と会話の中に織り交ぜて会話ができる。普通の女子ならためらってしまいますが、「人たらし女子」は何気ない感じで、すっーと入れてくる雰囲気づくりがあっぱれなんですよね。■ 好かれようとしないそもそも論なんですが、「人たらし女子」は好かれようとしないんです。人である以上、やはり人から嫌われたくないのが普通。だから人に好かれようと思うあまり、自然体でいられなくなって墓穴を掘ることがあります。この好かれようとしない、無理しない感じ。それが相手にとってみれば、気を遣わずに話せていいな、とプラスに働くのです。こんなタイプは、草食系男子からすると、頼りたくなるし、肉食系男子に取ってみればマウンティングしたくなる魅力があると思うんです。だから、モテるんですよね。皆さんもマネできるところはぜひマネしましょう!(TETUYA/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年05月15日人の能力は人それぞれですが、コミュニケーション能力があまりにも低いというか、相手をイラつかせやすいものだと、周りの人と仲良くやっていくのは難しくなります。恋愛においても、相手をイラつかせてしまうコミュニケーションがあるんです。また、その自覚があるのならまだいいですが、自覚がないのはよりトラブルを起こしがちに……。今回は、嫌われやすいコミュニケーションをご紹介。あなたもやってしまっていないか、確かめてみてください。■ 批判癖がある「批判癖がある人ってなんでも否定するよね。相談するとき、そういう人には絶対相談しない、否定されるってわかってるから。会社の人なら仕方なく会社だけの付き合いはするけど、プライベートなら付き合わないなあ」(30代・保険)すべてに共感する必要もないですが、なにかと批判するのは嫌われるコミュニケーションです。排他的な人と思われ、人を遠ざけやすいので、批判癖があるのなら直したほうが自分のためでしょう。■ 漠然としたお誘いLINE「毎回『今度飲み会するので、ぜひ来てください!』と漠然とした誘いをしてくる子がいる。で、俺から『いつですか?』と連絡して、ようやく飲み会の詳細が来るんだけど、普通に一通目から『〇月〇日の△時から□□で飲み会をするので』と送ってきてほしい。なんか二度手間。最近は面倒臭いから『いつですか?』すら返信しない」(30代・IT)漠然と誘われても、参加する・しないって答えられないですからね。受け手の気持ちも考えてお誘いしたほうがいいです。返信しにくいLINEって面倒と思われやすいですから。■ 対話にならない。感情的に喚く「カッとなりやすい女性が苦手。感情的になって喚く感じで話されても頭に入ってこないし、そんな相手には、なに言っても大抵理解してもらえないから話にならない」(20代・web系)頭がカッとなりやすい人も、気をつけましょう。確かに、言いたいことが積もり積もって爆発することもあるかと思います。ただ、感情的に話されても相手は困ってしまいます。ひとつひとつ丁寧に説明すれば、わかってもらえるはず。あまりカッカせずに、落ち着いて、いかに相手にわかってもらうかを考えてみましょう。■ 結論が最後。結論までの話が長い「結論が最後の最後だと、途中『で、何が言いたいの?』ってなる。最初に結論を言って、その後にプロセスなり話してくれたら、理解できるし集中して聞けるのに。ダラダラ話してからやっと結論いう人って、大抵無駄な部分も多くて話をまとめるのが下手でイラっとする」(30代・証券)スベらない話的な笑える話ならプロセスは大事。ただ、問題解決系なら先に起こったことの話や結論を、その後に原因などそうなった経緯を話しましょう。そんおほうが聞いている方も頭で整理しやすいですからね。もし、普段の会話で長々プロセスを話す癖があるのなら、もしかしたら相手は「まどろっこしいなぁ」と思っているかもしれないので要注意。■ オトナになるとそう指摘してもらえないコミュニケーションで苦手意識を持たれることもあります。ただ、オトナになるとよほど親しくない限り、そう注意してくれる人もいないのでね。もし思い当たるフシがあるのなら会話の際、ちょっと気をつけてみてください。(美佳/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年03月17日2020年からの教育改革は、明治維新以来のもっとも劇的な改革であると言われています。新しい学習指導要領がめざすのは「十分な知識・技能」「答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の育成です。これまでの知識偏重の教育から脱却し、「知識をどのように使うのか」に重点が置かれるようになるわけです。大学入試も大きく変わります。この大きな教育改革によって、「頭がいい子」の定義も大きく変わると予想されます。単にたくさんの知識を持っているだけでは不十分で、「自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる子」が高く評価される時代がやってくるのです。中には「うちの子勉強好きじゃないんだよね」「なんか読解力が低い気が......」「スマホばっかりしているんですけど」とお悩みの保護者の皆さんもいるかと思います。ですが、そんな親が心配する行動や変化こそ子どもが伸びるサインなのだそう。サッカーでも勉強でも、子どもが伸びるためには親のかかわりが重要です。今回は、入塾テストなしで難関校に続々合格する塾の先生で、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる進学塾VAMOS代表・富永雄輔さんに、子どもの伸びしろを最大限伸ばすヒントが詰まった最新著書「それは子どもの学力が伸びるサイン!」(廣済堂出版)のからいくつかのヒントをいただくこの短期連載。最終回となる今回は、子どもを賢くする「チャンス!」の事例をお届けします。子どもたちが夢に向かい、進路を決める時に納得した決断を出すために大事なことでもあります。「それは子どもの学力が伸びるサイン!」これからは「自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる子」が高く評価される時代がやってくるのです(写真は少年サッカーのイメージです)■日常の出来事は、子どもを賢くするチャンスにつながるこんにちは。私は東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、10年以上子どもたちの指導にあたってきた富永雄輔です。また、一方で日本サッカー協会登録仲介人として、サッカー選手のエージェント業務も行っています。私の塾では入塾テストを一切行っていませんが、ありがたいことに難関校と言われる学校に合格するお子さんたちが多くいらっしゃいます。そんなお子さんと親御さんのかかわりを見てきた経験から、子どもが気になる行動をしたときは、大人がそれを「サイン」とみなし、適切なタイミングでフォローしていけば、学力も思考力もぐっと伸びると実感しています。今日はこんな過ごし方は、子どもを賢くする「チャンス」!の事例をご紹介します。社会が多様化している今、子どもの生活は親が子どもだった時代とは違ってしまっています。それを踏まえて、日常のさまざまな出来事を子どもを賢くするチャンスにつなげましょう。そのための方法をお教えします。■お金の話をする-生きる力を育てるチャンス日本人はとかく、お金の話を避ける傾向があります。そのため、お金に関する教育も諸外国に比べ、かなり遅れているのが現状です。自己破産を多く扱う弁護士さんの話によれば、そもそも自分の収入に応じた生活を営むという当たり前のことができない若い世代が非常に多いのだとか。金融リテラシー、つまりお金に関する知識や判断力が身につかないまま大人になっているにもかかわらず、一方ではクレジットカード、モバイル決済などのサービスが気楽に利用できる社会は出来上がっています。便利さの裏にあるリスクをきちんと理解せぬまま安易に利用してしまった結果、金銭的な窮地に陥るケースが後を絶たないのだそうです。仮想通貨などの新しい金融商品も続々と登場しましたが、その仕組みを理解できなければ、その恩恵にあずかることはできません。年金などの社会制度の行く末も不透明な未来を生き抜くためには、お金に対する正しい知識と理解は欠かせないでしょう。そのためにも、家庭での会話において、お金の話をタブーにしないことはとても大事です。お金の話は成績の話に通じるものがあります。努力はもちろん大事ですが、受験生に必要なのは客観的な数字。いいか悪いかは別にして、定量的に数字を見せて、現実的かどうか子どもに判断させることが受験には必要です。最近の学校教育では、子どもに定量的な目標をあまりもたせないことが多いのですが、ただ「がんばる」だけでは、子どものモチベーションはなかなか長続きしません。数字で表す目標を掲げることで、それに向かって自分の勉強を続けられます。受験においては、「がんばる」「一生懸命」などの抽象的な言葉をなるべく使わない習慣をつけるほうがよいと私は考えています。■「キラキラした姿」ばかりでなく、現実をきちんと教えるですから、将来の職業の話をするときも、小学生くらいまでは、夢や希望がもてるキラキラした姿だけを話題にしていけばよいでしょうが、中学生以降のお子さんには、その仕事で具体的にどれくらいの報酬があるのかという、シビアな部分に触れておくのも大事だと思います。私はサッカー選手のエージェントの仕事もしているのですが、思うことがあります。小学生ならサッカー選手を無邪気に夢見るのもいいでしょう。でも、中学生くらいからは、海外のチームに所属し、日本代表に選ばれて、夢のような年俸を得られる選手はほんの一握りであること。さまざまな試練を乗り越えてJリーガーにはなれたとしても、J3の選手の場合はサラリーマンの平均年収を稼ぐのがやっとという金銭的な現実から目を背けさせてはいけません。もちろん、お金だけが大事なわけではないですし、「だからあきらめなさい」ではありません。たとえ、年収が高くなくても「夢を与える仕事を選びたい」という判断は尊重すべきだし、ひと握りの日本代表という夢を追いかけ続けるにしても、自分の実力を冷静に見たうえであれば、否定する必要はないです。その夢を肯定するか、調整するか、思い切ってあきらめるのかは、あくまでも本人の判断なのです。しかし、私が言いたいのは、その判断材料に「お金」の情報を与えないのは、大人として無責任ではないか、ということです。みんながお金持ちになれるかのようなイメージだけを抱かせ、現実を見せないのは、少なくとも中学生以上の子どもに対しては、むしろ酷だと思うのです。お金の現実を知り、そのうえで判断し、その夢に対して自分なりの着地点を見つけることも、大事な「生きる力」のひとつなのです。■親も子もスマホの画面にばかり夢中になっていない?コミュニケーション能力を「持って生まれたものだからしょうがない」と諦めないでください。親子の会話で身につけられる力です(写真は少年サッカーのイメージです)そもそも大規模な教育改革が実施される理由がまさに、「十分な知識・技能」「答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を備え、自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる、そのような人材を社会が求めているからにほかなりません。これまで経験したこともない大きな改革ゆえに、いったい何が起こるのか、どういう準備が必要なのかと不安を抱えている親御さんも多いかもしれませんが、ひとつ間違いなく言えるのは、「コミュニケーション能力の高さ」はこれからますます大きな武器になることです。コミュニケーション能力を、持って生まれた才能のように勘違いする方が多いのですが、決してそうではありません。多くの子どもたちと接している中で私が強く感じるのは、優れたコミュニケーション能力を発揮する子には、ご家庭でたくさんの会話を重ねているという共通点があることです。ネット時代であろうとも、コミュニケーション能力は顔を突き合わせたコミュニケーションによって磨かれます。大きな力を発揮するのは、日常的な親子間のコミュニケーションなのです。しっかり顔を見て、表情の変化にも気を配りながら、お子さんと会話をしていますか?親も子もスマホの画面にばかり夢中になっていませんか?新しい教育システムであなたのお子さんがチャンスをつかむのか、ピンチに陥るのか──。その鍵を握るのは、新世代のお子さんの価値観に寄り添い、サインをキャッチし、理解しながら、コミュニケーションを図ろうとする、そんな親御さんの姿勢にあることをどうか忘れないでください。富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)などがある。
2020年02月19日日本の教育の問題点として、「イノベーション能力を育てることができない」ことが挙げられることがあります。それがひいては、日本の経済力低下にもつながっていると指摘されるいま、これからの時代を生きる子どもたちのイノベーション能力を育てることは重要な課題でしょう。その課題克服のために、貧困家庭に生まれながら独学で東大とハーバード大に合格し、現在は「学びのイノベーター」という肩書で、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う本山勝寛さんは、「子どもの『好き』を大切にしてほしい」といいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)好奇心、創造性、発想力がイノベーション能力の源泉子どもたちが豊かな人生を歩んでいくために重要なものとして、わたしは第一に好奇心を挙げます(インタビュー第1回参照)。というのも、好奇心がなければ、勉強でもスポーツでも、なにかに取り組む最初の一歩を踏み出せないからです。加えて、これからの時代を生きる子どもたちには、創造性や発想力も大切な力でしょう。なぜかというと、好奇心、それから創造性や発想力は、社会的にも重要性が増していて日本人に欠けているといわれるイノベーション能力につながるものだからです。では、なぜイノベーション能力がそんなに重視されているのか。その理由は、すでに確立された手法を知っていたり多くの知識を持っていたりすることの価値が、今後はどんどん下がっていくからです。人間は、知識の量ではAIにかないません。そのため、AIではなくて人間だからこそできる新しい発想を生む――つまり、イノベーション能力が大切になってくるわけです。「なにものでもないもので遊ぶ」ことの重要性そのイノベーション能力の源泉である好奇心、創造性、発想力が子どもに芽生えているかどうかは、子どもをよく観察していればわかります。たとえば、子どもが砂場で遊んでいたとします。そして、砂場のなかから石が出てきた。ただの石ですが、好奇心や創造性、発想力がある子どもは、そんな石にも興味をかき立てられます。そうして、砂場から出てくる石を次々に集め、今度は別の遊びをはじめたりもする。子どもは水が大好きですから、それらの石を水で洗ってみる。好奇心、創造性、発想力の芽が育っている子どもの場合、水に濡れて石の色が変化することにも面白さを感じるのです。わたし自身、自分の子どもと砂場で「化石発掘ごっこ」をしたこともあります。砂場から出てくる石を化石に見立てて、恐竜のかたちに並べる遊びです。ただの石も、好奇心、創造性、発想力を持って見てみれば、恐竜の化石に見えるというわけです。もちろん、子どもの好奇心、創造性、発想力が発揮される場面は、砂場遊びに限りません。たとえば、落ち葉遊びもそうでしょう。大人からすれば落ち葉はただのゴミかもしれません。でも、好奇心、創造性、発想力がある子どもにとっては、色のちがいに興味を持ったり、穴を開けてお面にしたりと格好のおもちゃになります。なにものでもないもので遊ぶ――そういうことの積み重ねが、将来的なイノベーション能力を伸ばすことにつながるのではないでしょうか。アウトプットしなければイノベーション能力は育たないじつは、わたしが2019年末に出版した『そうゾウくんとえほんづくり』(KADOKAWA)も、子どもの好奇心や創造性、発想力を伸ばすことをコンセプトにつくった本です。この本は、さまざまなワークをしていくことで、最終的にオリジナルの絵本をつくれるという内容です。もちろん、絵本の内容には正解はありません。だからこそ、子どもの好奇心や自由な創造性、発想力を伸ばすことができるのです。わたしの娘もこの本を使って自分だけの絵本をつくっています。娘がいまいちばん興味を持っているものがハムスターですから、娘は絵本に登場するキャラクターもハムスターにしました。「1匹だと寂しくてかわいそう」といって、登場キャラクターはハムちゃんとスタちゃんという双子のハムスターです。そこからは、順を追ってストーリーを考え、絵本をつくっていきます。この絵本づくりのなにがいいかというと、アウトプットそのものだからです。イノベーション能力は、ただ知識や情報をインプットしたからといって育つものではありません。これまでにない新しいものを生み出すのですから、アウトプットの経験を積み重ねることこそが大切なのです。子どもがアウトプットしたくなるための大前提でも、親が「アウトプットしなさい」といったところで、子どもがアウトプットするわけでもありませんよね?なによりも、その大前提として、子ども自身が大好きなものを持っている必要がある。わたしの娘の場合はハムスターが大好きだからこそ、ハムスターをキャラクターにした絵本をつくりたい、つまりアウトプットしたいと考えたわけです。わたしの子どもの例ばかりで恐縮ですが、いま長男が大好きなのはザリガニです。春や夏の時期には毎日のようにザリガニ釣りに出かけ、あまりにザリガニ釣りがうまいので近所の子どもたちのあいだでは「師匠」と呼ばれているとか(笑)。そして、ザリガニが好きだからこそ、ザリガニについていろいろと勉強をする。そういった経験を続けるうち、息子のなかには「表現したい」という欲求が生まれたようです。その気持ちは、夏休みの自由研究となって表れました。息子の自由研究は、「ザリガニオリンピック」。飼っている10匹ほどのザリガニに陸上や水泳などの競技をさせて、その結果をまとめて発表したのです。親は一切口出しをしませんでしたが、自分で細かいルールも決めて測定し、すべて自ら考えて完成させていました。この他にも、食用のウチダザリガニという種類のザリガニを釣って調理して食べてみて、それをレシピにまとめて発表したり、ザリガニくんを主人公にした絵本もつくりました。息子のザリガニが好きという気持ちが「アウトプットしたい」というかたちになって表れたのだと思います。そう考えると、親としては子どもの興味関心をしっかりと観察し、「好き」を大切にしてあげることが、子どもイノベーション能力を伸ばすためにもっとも重要なことなのではないでしょうか。『そうゾウくんとえほんづくり』本山勝寛 著/KADOKAWA(2019)■ 学びのイノベーター・本山勝寛さん インタビュー記事一覧第1回:非認知能力のなかで最重要なのは「○○心」。実は、日本の子どもは学びへの興味が低い!?第2回:「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力第3回:自己肯定感がぐんぐん高まる最高の褒め方。「やればできる」のマインドはこう育てる!(※近日公開)【プロフィール】本山勝寛(もとやま・かつひろ)1981年3月13日生まれ、大分県出身。学びのイノベーター。本山ソーシャル・イノベーション塾(MSI塾)塾長。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー兼人材開発チームリーダー。高校時代、アルバイトで自活しながら独学で東大に現役合格。東京大学工学部システム創成学科卒業後、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程を修了。現在は日本財団にて子どもの貧困対策チームリーダーと人材開発チームリーダーを務め、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う。5児の父で育児休業を4回取得。自身の経験を基にした勉強法、教育論などについての執筆活動にも積極的に取り組む。『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房)、『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話』(ポプラ社)、『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」』(大和書房)、『一生伸び続ける人の学び方』(かんき出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月18日近年、教育におけるトレンドのキーワードとしてあがるのが、「StudyHackerこどもまなび☆ラボ」でも幾度となく登場している「非認知能力」。それにはじつにさまざまな力が含まれますが、なかでも「好奇心が大切」だと語るのは、貧困家庭に生まれながら独学で東大とハーバード大に合格し、現在は「学びのイノベーター」という肩書で、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う本山勝寛さんです。好奇心の重要性とは、どんなところにあるのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)人生のいろいろな面を左右する非認知能力すでに知っている人も多いと思いますが、非認知能力とは、文字どおり認知能力ではない能力のことを指します。認知能力は、テストで測れるIQや学力のこと。一方の非認知能力は、テストでは測れない力のことです。非認知能力には、ものごとを途中で投げ出さずにやり抜く力や、自分自身をコントロールする自制心、周囲と良好な関係を築くコミュニケーション能力や社会性、ものごとに興味関心を持って探求していく好奇心など、さまざまなものが含まれます。非認知能力が重要だということは、多くの人が直感的にはわかっていたことだと思いますが、その重要性が、いまではたくさんの研究によって裏づけされています。たとえば、「認知能力が高くても非認知能力が高まるわけではないが、非認知能力が高ければ認知能力も高まる」という研究もそのひとつでしょう。たとえどんなにIQが高くても、「自分は頭がいいんだ」と過信して勉強をしなかったり、あるいはやり抜く力がなくてすぐに勉強を投げ出してしまったりすれば、学力が伸びないのはあたりまえのことですよね。一方、IQは平均的であっても、やり抜く力があればコツコツと努力を続けられ、自制心があれば遊びたい気持ちを抑えて勉強を続けることができる。よくよく考えてみれば、研究結果など待たずとも、非認知能力が高ければ認知能力が高まることは容易に想像できるでしょう。もちろん、これらの力は大人になってからも重要なものです。自制心をもって仕事に必要なスキルをコツコツと学んで身につけたり、やり抜く力を発揮して困難に直面しても最後まであきらめずに取り組んだりすれば、仕事で成果を出すこともできる。中長期的に見れば、年収が上がることにもつながるでしょう。このように、人生のいろいろな面を左右するという点で、非認知能力の注目度が上がっているのです。ものごとに対して最初の一歩を踏み出させる好奇心非認知能力のなかでも、わたしはとくにこれからの時代には好奇心が重要だと考えています。というのも、学校や会社から決まったことを指示されて取り組んでいればよい時代から、自らが主体的に新たなことを見出して取り組み、創造していくことが求められる時代になってきているからです。自制心ややり抜く力は、やるべきことが定まっていればその効力を発揮しますが、自ら主体的に学んだり、行動したり、創造したりすることを促す原動力は好奇心です。勉強やスポーツ、仕事でも、ものごとに対して興味関心を持って取り組む、最初の一歩を踏み出させる力が好奇心なのです。しかし、日本人の場合、その好奇心が低いという残念なデータがあります。OECD(経済協力開発機構)が、15歳児を対象に定期的に行っている学習到達度調査「PISA」というものがあります。最近、その2018年調査で日本の生徒の読解力が8位(全70カ国・地域中)から15位(全79カ国・地域中)に低下したというニュースを見聞きした人も多いでしょう。とはいっても、まだ日本の生徒の読解力は平均より上です。わたしが問題として考えているのは、知的好奇心の低さなのです。その学習到達度調査では、数学や理科に対して興味があるかというアンケートも取っているのですが、日本の生徒の興味は非常に低く、OECD加盟国のなかでワーストに近かった。つまり、日本の子どもたちが持っている学力は、興味もないのに学校や塾で勉強をさせられた結果によるものと考えられます。でも、先にお伝えしたように、勉強に対する興味、つまり好奇心がなければ勉強に自ら積極的に取り組むこともないのですから、学校や塾でのやらされる勉強がなくなれば終わり。主体性や創造性が求められるようになると、日本人が成果を出せなくなってしまうことを危惧しています。子どもに好奇心が育つかどうかは親のかかわり方次第これらを前提とすると、やはり子どもの好奇心をしっかりと伸ばしてあげることが大切だと考えられます。そうするために、親はどうすべきなのでしょうか?それは、親自身もさまざまなものに好奇心を持つということに尽きます。子どもと一緒に自然のなかに遊びに出かけたとします。本来、多くの子どもは強い好奇心を持っていて自然が大好きですから、山や公園を散歩していてドングリなどを見つけたら、大いに興味を持つはず。そして、色やかたちが異なるドングリをたくさん集めるでしょう。でもそのとき、子どもがドングリに興味を持っていること対して親が興味を持っていなかったとしたら?「汚いから捨てなさい」なんていって、子どもの好奇心の芽を摘むことになってしまいかねません。こうして、親の好奇心の低さが子どもに伝染し、子どもも本来持っていた好奇心を失うことになるのです。そうではなく、子どもが興味を持っているものに対して、親も興味を持つことです。子どもがドングリに興味を持っているのなら、「いろいろなかたちがあるね」「種類がちがうのかな?」「このドングリは小さいから○○ちゃんドングリ、こっちは大きいからパパドングリだね。ママドングリも探しみよう!」「帰ったら、ドングリのちがいを一緒に図鑑で調べてみようか!」「今日見つけたドングリ家族の絵を描いてみようよ!」と、子どもの興味に親が寄り添い、想像が膨らむようにコミュニケーションを取ることです。そうすれば、子どもの好奇心、探究心、創造性はどんどん伸びていきます。『そうゾウくんとえほんづくり』本山勝寛 著/KADOKAWA(2019)■ 学びのイノベーター・本山勝寛さん インタビュー記事一覧第1回:非認知能力のなかで最重要なのは「○○心」。実は、日本の子どもは学びへの興味が低い!?第2回:「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力(※近日公開)第3回:自己肯定感がぐんぐん高まる最高の褒め方。「やればできる」のマインドはこう育てる!(※近日公開)【プロフィール】本山勝寛(もとやま・かつひろ)1981年3月13日生まれ、大分県出身。学びのイノベーター。本山ソーシャル・イノベーション塾(MSI塾)塾長。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー兼人材開発チームリーダー。高校時代、アルバイトで自活しながら独学で東大に現役合格。東京大学工学部システム創成学科卒業後、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程を修了。現在は日本財団にて子どもの貧困対策チームリーダーと人材開発チームリーダーを務め、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う。5児の父で育児休業を4回取得。自身の経験を基にした勉強法、教育論などについての執筆活動にも積極的に取り組む。『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房)、『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話』(ポプラ社)、『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」』(大和書房)、『一生伸び続ける人の学び方』(かんき出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月17日思考力、判断力、表現力といった問題解決能力やコミュニケーション能力などこれからを「生き抜く」力。これからの「教育改革」ではこれまでのような知識偏重ではなく、知識をどう使うか、主体性を持って仲間と強調しながらやり遂げる力など、これまでの「頭の良い子」とは違った賢さが求められるようになります。中には「うちの子勉強好きじゃないんだよね」「なんか読解力が低い気が......」「スマホばっかりしているんですけど」とお悩みの保護者の皆さんもいるかと思います。ですが、そんな親が心配する行動や変化こそ子どもが伸びるサインなのだそう。サッカーでも勉強でも、子どもが伸びるためには親のかかわりが重要です。今回は、入塾テストなしで難関校に続々合格する塾の先生で、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる進学塾VAMOS代表・富永雄輔さんに、子どもの伸びしろを最大限伸ばすヒントが詰まった最新著書「それは子どもの学力が伸びるサイン!」(廣済堂出版)のからいくつかのヒントをいただくこの短期連載。今回は、保護者の関心も高い「習い事と塾の両立」についてお届します。「それは子どもの学力が伸びるサイン!」自分で決断できた子の方がモヤモヤがなく集中して取り組めるのです(写真は少年サッカーのイメージです)■習い事はいつ辞める?それとも続けた方が良いもの?こんにちは。私は東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、10年以上子どもたちの指導にあたってきた富永雄輔です。また、一方で日本サッカー協会登録仲介人として、サッカー選手のエージェント業務も行っています。私の塾では入塾テストを一切行っていませんが、ありがたいことに難関校と言われる学校に合格するお子さんたちが多くいらっしゃいます。そんなお子さんと親御さんのかかわりを見てきた経験から、子どもが気になる行動をしたときは、大人がそれを「サイン」とみなし、適切なタイミングでフォローしていけば、学力も思考力もぐっと伸びると実感しています。さて、受験のシーズンですね。毎年この時期が近づくと多くの保護者の方から寄せられる質問があります。「習い事と塾の両立について」の相談です。お子さんの受験が近づくと、保護者の方から「ほかの習い事はいつやめさせればいいか」「それとも続けたほうがよいのか」といった相談を受けることがよくあります。親としては、「スポーツも続けたほうが体力がついて、勉強にも集中できるのではないか」と思ったり、逆に、「習い事はさっさとやめるべきではないか」という心配も生まれてくるのでしょう。まず、無理に「文武両道」をめざす必要はまったくありません。本人が望んでないのに、親が「スポーツも塾もがんばりなさい」と無理強いするのはNGです。小・中学生はまだそこまで体力はありません。一方で、本人が両立できそうもないと感じているけど、その習い事は好きなので、悩んでいるケース。その場合は、たとえば、「2か月休めば、またチームに戻れるよ」とか「3か月後の試合には出られるように、コーチに話しておくから」とか、親が促すのがよいでしょう。受験が終われば再開できるとわかれば、本人は安心して受験に集中できます。このように本人が迷っているときは、優先順位は親がつけるのがベストです。■自分で決めた子の方が上手に切り替えられる。親が焦りすぎないで子どもが続けたがっている場合は?また、子どもが習い事を続けたいと思っているのに、親に習い事をストップさせられてしまった場合、モヤモヤしたまま、かえって勉強に集中できないケースもあります。そこは無理にやめさせたりはしないでください。「◯◯の大会が終わったら」などと自分自身でやめ時を決められた子や、「このまま両立するのは無理だな」といい意味であきらめられた子は、上手に気持ちを切り替えられます。夏休みが終わっても習い事をやめる気配が一向に見えないと、焦りはじめる親御さんも多いのですが、勉強のギアが一気に上がりはじめる受験直前の11月、12月あたりになると、習い事を一旦やめる決断をする子がほとんどです。中には、結局最後まで両立し続けて、限られた時間の中ですばらしい集中力を発揮し、よい結果をつかみとる子も珍しくはありません。仮に「第一志望校合格」の成功は手に入れられなかったとしても、好きなことに全力で取り組みながら受験にも挑んだ経験は長い目で見れば決してムダにはならないでしょう。そもそも、かんたんにやめる決断ができないほど、熱中できる何かがあるのは、とてもすばらしいことですから、その気持ちは十分に理解してあげていただきたいです。■子どもが無用なトラブルで傷つかないために事前リサーチも大事辞める時のゴタゴタでその後のつきあいが気まずくなったりしないためのリサーチや日頃のつきあいは大事です(写真は少年サッカーのイメージです)ただ、気をつけていただきたいのは、やめたいときに自由にやめにくい習い事もあることです。ここ数年、サッカーや野球、バスケットなどのチームスポーツに取り組んでいた子が、受験を理由にチームをやめようとしても、なかなかやめさせてもらえない話を耳にするようになりました。「1人でも欠けてしまうと試合に出られない」というチーム事情が絡む場合はさらに深刻で、慰留を振り切ってやめた結果、親子ともにその後のつきあいが気まずくなるケースもあります。やめる、やめないでトラブルになれば、子どもも傷ついてしまいますから、それを避けるためにも、野球やサッカーなどのチームに所属する場合は、やめやすいかどうかを事前にきちんと確認しておくと安心です。富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)などがある。
2020年02月05日年々、教育界における注目度が上がっている「非認知能力」。読者のみなさんも、何度となく見聞きしているでしょう。しかし、研究者によって非認知能力に対する見解はさまざま。今回は、幼稚園教諭の経験もあり、著書『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)で注目を集める、玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友先生に非認知能力に対する見解を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)非認知能力だけが重要ではないことに要注意「認知能力」とは、読み書きや計算のようにテストなどで測ることができる、いわば目に見える力のことです。それに対して、「非認知能力」は、「非認知」というだけにテストなどでは測りにくい、目に見えづらい力といえます。それに含まれるものは本当にさまざまですが、社会性や情動性、意志力、自己肯定感、なにかをやり抜く忍耐力、コミュニケーション能力、他者に対する思いやり、自分をコントロールする自己制御など、主に「心」や「社会性」にまつわる力です。非認知能力が注目されるようになった大きなきっかけは、アメリカの経済学者であるジェームズ・ヘックマンが行った子どもたちの追跡調査でした。その追跡調査の結果、幼児期に質の高い教育を受けた子どもとそうではない子どもでは、大人になってからの経済力などに大きな差が生まれたことがわかったのです。そして、大人になって経済力や社会的地位が高くなった人は、幼児期に非認知能力を高めるような教育を受けていた。ただ、誤解してはならないのは、「非認知能力が重要」だからといって「認知能力が重要ではない」というわけではないこと。そのどちらも大切な力ですから、しっかり伸ばしてあげるべきでしょう。時代の変化によって、非認知能力を獲得する機会が激減また、非認知能力が注目を集めることとなった背景には、先のヘックマンの研究の他に、時代の変化が挙げられます。本来、非認知能力とはなにか特別なものなどではなく、むかしであれば子どもの普段の遊びやあたりまえの子育てのなかで勝手に育っていたものです。かつての子どもたちは、豊かな自然のなかで元気にたくさん遊び、異年齢の子どもたち、あるいは異世代の大人とも触れ合う機会が数多くあり、多様で具体的な体験を通した経験を積み重ねていました。すると、遊びのなかでうまくいかないことがあっても、熱中して続けるうちにうまくいくといった経験を通じて、困難を乗り越えるために必要な意志力や忍耐力、やり抜く力を獲得することができた。また、他人とかかわるなかで人間関係の問題にぶつかったら、なんとか折り合いをつけるようなコミュニケーション能力や思いやり、自己制御といった力を得ることもできました。そのようにして、非認知能力を自然に獲得していたわけです。ですから、これまでは非認知能力が特段にフォーカスされることがなかっただけのことです。でも、むかしとは時代が大きく変化していますよね。まず、習い事などに忙しいいまの子どもは、単純に遊ぶ時間自体が減っています。そのため、遊びを通じて非認知能力を得る機会が激減している。また、いまの親は子どもになるべく喧嘩をさせないようにしています。本来なら、子ども同士でおもちゃを取り合うようないざこざは、社会性を身につける絶好の機会です。いざこざのなかで、子どもは自分の気持ちを相手にぶつけてその反応を見たり、相手に譲ったりといった経験を通じて成長していくのですからね。ところが、いまは親のクレームを恐れ、幼稚園や保育所でも子どもの喧嘩をなるべく未然に防ぐようにしてしまっている。これでは、なかなか子どもの社会性は育ちません。重要となる、子どもの興味関心に親がつき合う姿勢わたしは、2019年に妻との共著で『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)という本を出版しました。じつはこの本は、「こういう時代であっても、多くの親たちが何気なくやっていることが大事」というメッセージを込めたものでもあるのです。先にお伝えしたように、非認知能力は特別なものではありません。非認知能力というたいそうな名前がついているがために、特別なことをしなければ育たないと考える人もいるかもしれませんが、そうではないのです。では、なにをすればいいのか?それは、大人からしっかりと受け止められる経験を子どもにさせること、そして、子どもの興味関心を大人が大切にするということです。非認知能力の多くは、「主体性」にかかわるものです。人間は、好きなことに対してであれば、主体的に取り組むことができます。みなさんも、大好きなアーティストのコンサートチケットを手に入れるためなら、多少の困難があっても手に入れようと頑張るでしょう?それは、見方を変えれば、困難を乗り越える力を発揮しているともいえます。子どもだって同様です。親子で散歩に出かけたときに、子どもが落ち葉のことが気になって拾いはじめたら、一緒に拾ってあげればいい。家のなかで何度もソファに昇り降りする遊びを面白がっているのなら、「ソファがへたっちゃうでしょ!」なんて叱らずに遊ばせてあげればいい。そういう親の姿勢が、子どもの非認知能力を育てていくのです。また、子どもの興味関心は、子どもに非認知能力が育っているかどうかのひとつの目安にもなります。非認知能力はそもそも測ることが難しい力ですから、本来、「これができていれば非認知能力が育っている」といった明確な基準はありません。ただ、非認知能力の多くは、先に述べたように興味関心、主体性から生まれてくるもの。ですから、子どもが目を輝かせて強い興味を示すような世界を持っているようなら、ひとまずは安心していいでしょう。■ 玉川大学教育学部教授・大豆生田啓友先生 インタビュー一覧第1回:非認知能力は育っているか?子どもが「目をキラキラさせる世界」があれば安心です第2回:かわいい子には“いたずら”をさせよ!?「自由に遊んでいいよ」で子どもは学ぶ(※近日公開)第3回:親が先回りしたら「自己決定力」は育たない。幼くても決断力を伸ばせる声かけのコツ(※近日公開)第4回:イヤイヤ期に「悩まない、苦しまない」。子育ては“ほどほど”がちょうどいい(※近日公開)『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』大豆生田啓友・大豆生田千夏 著/講談社(2019)【プロフィール】大豆生田啓友(おおまめうだ・ひろとも)玉川大学教育学部教授。青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て、現職。専門は乳幼児教育学・保育学で、現在、日本保育学会副会長。メディア出演も数多い。著書は、『子育てを元気にする絵本』(エイデル研究所)、『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0~5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)、『日本が誇る!ていねいな保育 0・1・2歳児のクラスの現場から』(小学館)、『マンガでわかる! 保育っていいね』(ひかりのくに)、『子どもの姿ベースの指導計画』(フレーベル館)、『あそびから生まれる動的環境デザイン』(学研みらい)、『21世紀型保育の探求-倉橋惣三を旅する』(フレーベル館)、『子育てを元気にすることば』(エイデル研究所)他、多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月30日思考力、判断力、表現力といった問題解決能力やコミュニケーション能力などこれからを「生き抜く」力。小学生のお子さんがいらっしゃる保護者のみなさんは、2020年からの「教育改革」でもそれらが求められていることを実感されているのではないでしょうか。これまでのような知識偏重ではなく、知識をどう使うか、主体性を持って仲間と強調しながらやり遂げる力など、これまでの「頭の良い子」とは違った賢さが求められるようになるのです。中には「うちの子勉強好きじゃないんだよね」「なんか読解力が低い気が......」「スマホばっかりしているんですけど」とお悩みの保護者の皆さんもいるかと思います。ですが、そんな親が心配する行動や変化こそ子どもが伸びるサインなのだそう。サッカーでも勉強でも、子どもが伸びるためには親のかかわりが重要です。今回は、入塾テストなしで難関校に続々合格する塾の先生で、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる進学塾VAMOS代表・富永雄輔さんに、子どもの伸びしろを最大限伸ばすヒントが詰まった最新著書「それは子どもの学力が伸びるサイン!」(廣済堂出版)の中からいくつかのヒントをいただきました。数回に分けてお送りするのでお楽しみください。適切なフォローで学力や思考力など可能性が最大限に伸びるのです(写真は少年サッカーのイメージです)■親世代の「正解」が通用しない現代の子どもの伸ばし方こんにちは。私は東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、10年以上子どもたちの指導にあたってきた富永雄輔です。また、一方で日本サッカー協会登録仲介人として、サッカー選手のエージェント業務も行っています。私の塾では入塾テストを一切行っていませんが、ありがたいことに難関校と言われる学校に合格するお子さんたちが多くいらっしゃいます。そんなお子さんと親御さんのかかわりを見てきた経験から、子どもが気になる行動をしたときは、大人がそれを「サイン」とみなし、適切なタイミングでフォローしていけば、学力も思考力もぐっと伸びると実感しています。一方、長年塾を経営して、非常に強く感じるのは、子どもたちの様子がここ数年で急激に変わったことです。10年前の子どもと今の子どもは、まったく異質であると言っても過言ではありません。しかし、変わったのは子どもたちだけではなく、この10年の間に人々の生活や社会的な価値観や、学校教育そのものが激変しています。中でも、親御さんが特に感じるのは、インターネット社会、スマホ社会の到来ではないでしょうか?ネットの人口普及率は2005年末には70%を突破。その後、スマホの普及率は、2014年には全世代平均で60%台、2019年2月には80%台となりました。物心ついた頃には、まわりにスマホが当たり前にある――そんな世代こそ、私が近頃、塾で出会うようになった子どもたちです。変化の早いこの時代は、親と子の世代間ギャップが以前とはまるっきり次元が違うのです。このギャップこそが、今の親世代にさまざまな教育の悩みをもたらしています。なぜなら、自分たちが「これが正しい」「こうすべきだ」と教えられてきたことがまったく通用しないからです。また、共働きや、塾や習い事に毎日のように通う子も増えているため、親が子どもと接する時間は短くなってきています。そんな中、「うちの子は本当に大丈夫なのだろうか」と不安になることもあるでしょう。しかし、心配しないでください。親が心配になる子どもの行動や変化こそが、実は伸びる「サイン」です。このサインには、学力だけでなく、好奇心や自立心、思考力なども育まれるヒントが詰まっています。今の子どもたちが発するサインの本当の意味や、子どもを伸ばすための「チャンス」や「ピンチ」の生かし方、そしてスマホなどの「デジタルの生かし方」について解き明かしていきます。ピンチだと思っていたことが実はチャンスだったり、その逆だったりと意外な結果が見えてくるかもしれませんが、かつての常識は今や非常識、というくらいの変化が本当に起こっていることを受け入れていただきたいのです。■勉強は「よい会社に入るために」するものではないまず、お子さんが「勉強は何かになるためにするもの」と思っているのなら、それは違います。勉強する目的を、「自分の可能性を広げるため」とか「おもしろいことを言うためには最低限の知識がいるから」など、幅広い意味でとらえてほしいのです。そのためには、親が「何かになるために、勉強しなさい」とはあまり言わないほうがいいですね。たとえば、「よい会社に入るために」とか「医者になるために」などと言いすぎてはいけません。お子さんが「eスポーツのプレイヤーになりたい」「ユーチューバーになりたい」などと言い出した場合、親はどうしたらよいかわからないでしょう。しかし、それは、親世代がかつて抱いていた「サッカー選手になりたい」「歌手になりたい」という夢と同じようなイメージで捉えるほうがいいと思います。「スポーツ選手になりたい」という夢は健全で、「ユーチューバーやeスポーツのプレイヤーになりたい」という夢はバカバカしいというのは、子どもの価値観からすると納得できません。ユーチューバーやeスポーツのプレイヤーとして、億単位で稼ぐ人たちは大きな話題となりますが、当然ながらそのような人はほんのひと握りです。そういう意味でもスポーツ選手と状況は似ています。その域に達するためには、ある程度の生まれもった才能と、それこそ血のにじむような努力が必要なのです。そのような努力が必須だと、小学校高学年以上の子どもであれば知っていてもいいでしょう。結局、プロスポーツ選手にしろ、ユーチューバーにしろ、eスポーツプレイヤーにしろ、十分な稼ぎを得られるレベルにまで到達できる確率は低いのです。つまり、食べていけない確率のほうが明らかに高いわけですから、そのことだけに集中するリスクは計り知れないという事実も、小学校高学年くらいになったら、しっかり子どもに理解させるべきです。■スポーツや社会で必要な「賢さ」を身につけるための基礎学力は重要サッカーでも海外で活躍したいと思ったら語学の勉強が必要です(写真は少年サッカーのイメージです)もちろん、「スポーツ選手」や「ユーチューバー」「eスポーツプレイヤー」いう夢を描くこと自体を否定する必要はありません。低いとは言っても、それを実現させる可能性もあります。激動する時代を生き抜くために欠かせないのは、できるだけ多くの将来の選択肢です。さまざまな「勉強」をしていれば、選択肢は確実に増えます。だから今、何をめざしているとしても、子どもたちに基礎学力は身につけてほしいのです。スポーツ選手も、ユーチューバーも、eスポーツプレイヤーも、学歴が不要な職業だからと言って、これからの時代も「賢さ」は必須です。そのための基礎学力が重要であることも子どもに伝えましょう。ユーチューバーやスポーツ選手にあこがれる子が、勉強にやる気が出るちょっとしたワザとしては、高学歴のユーチューバー(ネット検索すると複数出てきます)、英語をしゃべれるサッカーの吉田麻也選手や野球の菊池雄星選手、大学受験の一般入試とサッカーを両立させた岩政大樹選手の存在を子どもに教えるとよいでしょう。また、eスポーツでは東大出身の選手がめざましい活躍をしています。学歴自体の価値が下がっている今、「いい大学、いい会社に行くために勉強しなさい」というだけでは、もう子どもには通じません。富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手かげ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)などがある。
2020年01月28日今どきの子どもたちのコミュニケーション能力低下は、学校や新卒採用などの現場において、ずいぶん前から言われ続けてきました。また、学校生活から卒業して社会人になれば、さらに高度で複雑なコミュニケーションに対応できる力が求められるでしょう。将来、社会人生活を送るのに十分なコミュニケーション能力を育むためには、日頃の家庭でのコミュニケーションの在り方が大きく影響します。子どものコミュニケーション能力がなぜ低いと言われるのか、そして家庭でコミュニケーション能力を育てるために親ができることについて紹介します。子どものコミュニケーション環境は、今と昔で大きく変わっている子どものコミュニケーション能力が低くなったと言われる背景には、社会の大きな変化があります。たとえば、翌日使う持ち物を確認し忘れていたことを気づいたとき、子どもたちはどうするでしょうか。かつては友だちの自宅へ電話をかけ、応答した家の人に友だちへの取次ぎをお願いし、代わって出た本人に確認をしていましたが、今ではメールアプリなどでダイレクトに、しかも声を発することなく確認することができます。また、わからないことがあれば、親や先生に聞くよりも、先にネットで検索して調べたほうがより早く、そして多くの情報を得ることができる、と考える子も少なくないでしょう。もうひとつ、普段の家庭での過ごし方をイメージしてみましょう。学校や園から帰ってきた子どもたちが、友だち同士、近所で集まって遊ぶ姿を見ることは少なくなりました。そもそも子どもの数が少なくなっているうえに、習い事でお互いに遊ぶ時間を合わせにくい現状があります。夕食時には、同居するおじいちゃんおばあちゃんも含め大人数で食卓を囲んで、その日あったことを話し、いろんな世代の意見を交えながら団らんする――そんなシーンも、昭和を描いたドラマやアニメでしか見かけなくなりました。ITの発達と少子核家族化が、子どもを取り巻くコミュニケーション環境を変えたと言えるかもしれません。言葉が足りないことが原因でトラブルに社会の変化に合わせるように、今どきの子どもたちは、小さなコミュニティの中で仲間内や家族とやりとりする比重が大きくなっています。そして学校生活では、単語レベルでの短い言葉のやりとりが、クラスメートとの意思疎通を不十分にさせてしまい、そこからトラブルになってしまうことも。教育ジャーナリストの斎藤剛史氏は、現代の子どもたちのコミュニケーション能力について、「良好な対人関係をつくる能力が低下している」という “否定的な見方” がある一方で、「周囲の人間関係を的確に把握して、それに自分を合わせるなど高い能力がある」という “肯定的な見方” もあるとしています。しかし、全体的なコミュニケーション能力はやはり低くなっているようです。ただ、今時の子どもたちには、仲間同士では必要以上に気を使うのに対して、大人など異世代や仲間以外に対する人間関係には無関心という傾向もあるように思われます。いずれにしても、昔に比べれば、全体的なコミュニケーション能力は低くなったと言っても過言ではないでしょう。(引用元:ベネッセ教育情報|就職も左右!?「コミュニケーション能力」は家庭から)「やばい」「うざい」「きもい」などの無思慮な短い言葉でやりとりを許し合える身近な関係から一歩外へ出た途端、お互いの言葉が足りないことで、子どもたちの間にトラブルが生じていると考えられます。コミュニケーション能力は就職までも左右する学校生活でのトラブルだけでなく、社会人生活、とりわけその第一歩となる就職にもコミュニケーション能力は大きく影響を及ぼします。全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が2009(平成21)年秋に実施した「学生生活実態調査」によると、以下の特徴がある学生ほど、就職内定率が高いことがわかりました。目上の人との会話が得意家族との会話が多い友人の数が多いリーダー経験がある周囲の意見を尊重できる幅広い人間関係を形成して、自分から積極的に働きかけ、周囲に共感できること、つまりコミュニケーション能力の高さは、就職活動の結果までも左右するわけです。また、『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』の著者であり、現役東大生の西岡壱誠氏は、「友だちが多いヤツが東大に合格する」と話しており、“勉強に限らずさまざまな面で活躍している、成長スピードの速い人”の 共通点として、以下のことを挙げています。どんなに意見が違う人の話でも、話を遮るのではなく「いったんは聞いてみよう」という姿勢を持っている。そして、そのなかからなにかを得ようとしているように思います。(引用元:Study Hacker|現役東大生が「友だちが多いヤツが東大に合格する」と言う根拠。やっぱり “性格がいい人” が伸びていく)これは前述した「周囲の意見を尊重できる」という性格に当てはまるのではないでしょうか。どうやら、コミュニケーション能力は「学び」にも影響を与えるのですね。家庭でできるコミュニケーション能力アップ術子どもたちの将来を考えるうえで必要不可欠なコミュニケーション能力は、家庭でも意識することで向上できます。次に紹介するコミュニケーション能力アップ術でピンときたものがあれば、ご自身のお子さまに合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。■子どもの話を最後まで聞く帝京短期大学・生活科学科学科長である宍戸洲美教授は、子どもの話に「しっかり心を向ける」ことが大切だと言っています。まずは、「子どもの話を最後まで聞く」「スマートフォンを見ながら返事をしない」、この2つを心がけてみてはいかがでしょう。話を聞いてもらった経験が多い子どもだけが、話を聞ける子どもになるのです。また、親に話を聞いてもらうと、「お父さんお母さんは私を見ていてくれている、わかってくれている」と感じ、子どもの自己肯定感が高まります。■長い文章で話す「あれとって」「早くして」――親の私たちも、簡単な言葉で話しかけていることが多いのではないでしょうか。「次世代教育のグランドデザイン」を描く研究機関、内田洋行教育総合研究所が配信する「学びの場.com」は、親子間での会話こそ気をつけるべきだとしています。「リビングのテーブルに置いてあるレシピ本を取って」「〇時に家を出ないと用事に間に合わないから、それまでに出かけられるように準備しよう」など、親子で長い文章をやりとりしてみましょう。■学校や習い事以外の場所に出かける地域の行事や、公園や駅前で開催されるイベントなど、さまざまな人と触れ合える場に出かけてみましょう。その際、子どもだけにコミュニケーションを促すのではなく、親の私たちが積極的に声をかけてコミュニケ―ションを図るようにします。教育ジャーナリストの中曽根陽子氏も、「さまざまな価値観への理解とコミュニケーション力は、経験からしか学べない」と言っています。家庭や学校・習い事以外の場所にどんどん子どもを連れ出しましょう!***子どものコミュニケーション能力は、現代の社会の仕組みを見ても、自然に任せていてはなかなか伸びないようです。とはいえ、親が何でも先取りしてヒントを出したり代弁したりするのは禁物。じっくり焦らず見守っていきましょう。(参考)文部科学省|コミュニケーション教育推進会議(第1回)「コミュニケーション能力」に関する指摘・調査等内閣府|情報誌「子どもと若者」~子どもと若者への支援に向けて~コミュニケーション力を高めるためにベネッセ教育情報|就職も左右!?「コミュニケーション能力」は家庭からStudy Hacker|現役東大生が「友だちが多いヤツが東大に合格する」と言う根拠。やっぱり “性格がいい人” が伸びていく学びの場.com|子どものコミュニケーション力は落ちているのかStudy Hackerこどもまなび☆ラボ|自己肯定感を育む、親子コミュニケーション。「聞いて!」「あとでね」の正解Study Hackerこどもまなび☆ラボ|学校と習い事以外の世界はありますか?「生きる力」を育てる “第3の居場所”
2020年01月16日企業が選考時に重視する要素として、16年連続で1位となっている「コミュニケーション能力」。2018年に行なわれた調査では、82.4%の企業が重視していると回答しており、社会で必要不可欠な能力だということがうかがえます。しかしながら、世間では「今どきの若者はコミュニケーション能力が低い」という意見が目立ち、自分の子どものコミュニケーション能力に不安を感じている保護者も少なくありません。では本当に、今の若者や子どもたちのコミュニケーション能力は低下しているのでしょうか?今回は、若者たちのコミュニケーションの実態と、これからの時代に必要なコミュニケーション能力、その高め方についてご紹介します。若者たちはコミュニケーションを楽しんでいるJTBコミュニケーションズが2017年に行なった「コミュニケーション総合調査」によれば、コミュニケーションを得意とする大学生(46.2%)は、苦手とする大学生(53.8%)よりやや少ないことがわかりました。しかし、だからといって「若者のコミュニケーション能力が低下している」とはいえません。なぜなら、60歳を超えた「リタイア層」においても、同様に苦手(55.7%)が得意(44.3%)を上回るからです。また、同調査では、1年間楽しくコミュニケーションが取れた大学生が66.2%いたこともわかっています。つまり、「コミュニケーションを苦手としながらも楽しんでいる」という大学生が一定数いるということです。なお、「リタイア層」の同項目は51.1%でした。これは、コミュニケーションをより楽しんでいるのは、年長者よりもむしろ若者のほうであるということを示します。これらの調査結果を見ると、若者たちのコミュニケーション能力が際立って低いとは考えにくいのではないでしょうか。実際、「若者のコミュニケーション能力が低い」と明確に示すデータは確認されていないともいわれています。つまり、「今どきの若者はコミュニケーション能力が低い」は事実ではなく、単なるイメージに過ぎないのです。世代間のコミュニケーションの違いとはでは、なぜこのようなイメージを抱かれてしまうのでしょうか。その原因のひとつとして、コミュニケーションに対する意識が変わってきていることが挙げられます。年長者と若者では、コミュニケーションの能力の高さではなく、とり方に関する意識が大きく違うのです。同様のことを、複数の著名人や研究者が指摘しています。そもそも、若者のコミュニケーション能力が低いのではなくて、彼らにはスタンドプレーをしてまで、他人とコミュニケーションをとろうとする強い欲求がない、あるいはあまり必要性を感じていない、というのが実態です。要するに、いまの若い子たちは、人を押しのけてまで何かをするというところがないのです。(引用元:現代新書|コミュニケーション能力の「ある人」と「ない人」【ビジネス篇】)劇作家・演出家の平田オリザさんが年長者と若者の違いとして挙げたのは、コミュニケーション欲求の高さです。これまで、年長者が当たり前のようにとってきたコミュニケーションでも、「必要ない」と避けてしまう若者たちがたくさんいます。たとえば、いわゆる「飲みニケーション」の機会が減っているのも、それが原因ではないでしょうか。若者が先輩の誘いを断るのは、コミュニケーションの能力が低いからではなく、その誘いに乗る必要性を感じていないからだとも考えられるのです。立教大学経営学部教授の中原淳さんは、以下のように、自分の頭で考えたり行動したりする「主体性」の有無を挙げています。要するに「若者が、自分の思い通りに動かない事態=コミュニケーション能力がない」「若者が、自分と同じように考えない=コミュニケーション能力がない」「若者が、自分を察して行動しない=コミュニケーション能力がない」ということが意図されて、先ほどの「コミュニケーション能力がない」が発話されている場合が少なくない、ということです。(引用元:YAHOO!ニュース|「最近の若者は、コミュニケーション能力がない!」は本当か!?:嘆く前に少しだけ考えてみたいこと)従来の日本には、コミュニケーションをとる際、相手や周りの空気を読んで、それに合わせて行動することが良いとされる雰囲気がありました。しかしながら、近年は「主体性」を重視した教育が強化されています。周囲に合わせて「イエス」というのではなく、自分の頭で考えて「ノー」と主張することが大切だと教えられているのです。そんな若者たちの行動が、「空気が読めない=コミュニケーション能力が低い」と年長者たちの目に映ってしまうのかもしれませんね。家庭でできるコミュニケーション能力アップ法このように、コミュニケーションに対する意識が変わりつつある今、これからの時代を生きる子どもたちに対して、保護者はどうするべきなのでしょうか。どうすれば、時代に合ったコミュニケーション能力を高めていくことができるのでしょう。ここでは、挨拶や言葉のキャッチボールといった基本的なコミュニケーションに加え、現代だからこそ必要なコミュニケーション能力を高めるために、家庭ですべきことをご紹介します。親が子に100%寄り添う教育学博士号を持つアグネス・チャンさんは、コミュニケーション能力の低い子どもには、「自信を持たせる」ことが最も大切だと述べています。自信のない子どもは、相手に拒否されて傷つくことを恐れ、人付き合いを避けようとしてしまうからです。それでは、不要なコミュニケーションを避ける今どきの傾向に追い打ちをかけてしまいます。では、どうすれば自信を持たせることができるのでしょうか。アグネスさんによれば、親が子どもを100%信頼し、受け入れることで、自信が育まれるのだそう。具体的には、子どもが興味を持ったことに対し、一緒になって興味を持ったり、時間をかけて遊んだりすること。逆に、物事に対してあまり興味を持たない子であれば、一緒になって何もせず寄り添うことが大切なのだそう。好きなことを思う存分やらせる本当のコミュニケーションスキルとは、自分から話しかけられるようにしゃべりがうまくなるのではなく、人が話しかけたくなるようなスキルのことだ。手品が上手だったら話しかけられることもあるだろう。そして、その人しか持っていない知識やスキルがあれば、誰かに必要とされるはずだ。(中略)面白いと感じること、好きなことを追いかけて得た、多少の努力では真似できないようなスキルこそが人を惹きつけるのだ。(引用元:BEST TIMES|ホリエモンは「コミュニケーションスキル」をこう考えた)※太字は筆者が施した。上記は、実業家の堀江貴文さんが語ったコミュニケーション能力の本質です。これからの時代に必要なコミュニケーション能力を「人が話しかけたくなるようなスキル」と定義し、それを身につけるためには、「面白いと感じること、好きなことを追いかけて」得ることができる「その人しか持っていない知識やスキル」が必要だと言います。つまり、子どもが何か面白がったり、好きになったりするものがあれば、それを深く追究していくことがコミュニケーション能力を高める大切な一歩となるのです。大切なのは、子どもに思う存分やらせてあげること。子どもの「面白い」や「好き」を、どうすれば「その人しか持っていない知識やスキル」にまで持っていけるか考え、協力してみてはいかがでしょうか。***「100%寄り添って、自信を高めること」「好きなだけやらせて、唯一無二の知識やスキルを身につけさせること」——一見、コミュニケーションとは関係のないことのように感じられるかもしれません。しかしこれは、これからの時代に必要な、新しいコミュニケーション能力の高め方なのです。とはいえ、まずは親子間できちんと挨拶や会話、スキンシップなどの基本的なコミュニケーションを取ることも忘れてはなりません。それだけは、これからもずっと変わらない、コミュニケーションの土台を築く、一番大切なものといえるのではないでしょうか。(参考)Jtb Communication Design|コミュニケーション総合調査<第3報>発表ReseMom|経団連が新卒採用調査、企業が重視する2位「主体性」16年連続1位は?現代新書|コミュニケーション能力の「ある人」と「ない人」【ビジネス篇】YAHOO!ニュース|「最近の若者は、コミュニケーション能力がない!」は本当か!?:嘆く前に少しだけ考えてみたいこと学びの場.com|アグネスの教育アドバイス「コミュニケーション能力は大丈夫?」BEST TIMES|ホリエモンは「コミュニケーションスキル」をこう考えた
2020年01月13日どうもあかりです。学生の頃は「大好き」「俺も大好き!」みたいな単純な気持ちのやりとりだけで恋はなんとかなっていたものですが、大人になると、良くも悪くも人は賢くなるし、また仕事で忙しくなるので、お互いに相手のことを「好き」でいることは当然として、相手に対する気持ちをどういうふうに伝えていくかという点がとても重要になってきます。そして、彼氏との関係をうまく構築し、発展させられている大人な女性というのは、この「伝え方」つまりコミュニケーション力が非常に高いんですよね。今日はそんな「大人の女性」像を通じて、彼から「彼女、大人だな」と評価されたり、またそれによってもっと深く愛されるために必要なコミュニケーション術について学んでいこうと思います。それでは、見ていきましょう。■《デート中のコミュニケーション術》「デート」というのは、基本的にコミュニケーション会話で成り立っているものです。だからコミュニケーションがうまくいけば、必然的にデートもうまくいく。そして、大人の女性は必ずと言っていいほど、「聞き役」に徹するのが非常にうまい。「聞き上手」というやつです。■「聞き上手」の本当の意味「聞き上手」と聞くと、「あいづちが上手」な人を思い浮かべるかもしれませんが、これは違います。そもそも聞き上手な女性が愛されるのは、たくさん彼氏の話を聞いて、結果的に彼氏について誰よりも詳しくなって、彼氏から「この子は誰よりも俺のことを理解してくれてる」と思われるから。あいづちをいくら上手に頑張ったところで、彼氏から深い話を引き出せなければ意味がないのです。■あいづちよりも質問上手にあいづちを打とうとばかり思ってしまうと、話の流ればかりを意識して、多少よくわからない話しでも「うんうん」「そうなんだ」とか調子のいいことを言ってしまいます。しかし本当の「聞き上手」は、話の流れを切ってでも、わからないことには「それって何?」と聞くのです。考えてみれば、当たり障りのないあいづちよりも、「それって何?」「どうして?」と聞いてくれる相手の方が、はるかに自分の話に興味を持ってくれていることが分かります。それによって彼はあなたに対してもっともっと深く、いろんな話をしてくれるようになります。■自分の意見も添えてみる「聞き上手」という言葉を強く意識すると、自分の意見を言うのをためらってしまうかもしれません。しかし、真の「聞き上手」は、適度なタイミングで「私はこう思うな」と自分の意見や感想を伝えられるのです。なぜなら男性は「議論」をするのがとても好きです。ただ単に「そうなんだー」と一方的に聞き役に回られるよりも、相手が自分なりの考えを伝えてくれた方が、どんどん議論を深めていくことができると思っているから。だから、「私は」と自分なりの意見を添えながら彼の話を聞いてあげることで、彼にとっては「たくさん話してあげたい相手」になっていくのです。■ケンカでのコミュニケーション術子供っぽいカップルでも大人なカップルでも、ケンカをするときはするものですが、圧倒的に違うのは、「ちゃんと『話合い』としてのケンカができているかどうか」です。その違いを生むのは、ふたりの間に「ケンカのルール」が共有されているかが重要になってきます。大人の女性は、自分から率先してこのルールを実践し、ときには彼氏に「ケンカのときにはこういうことをしちゃダメだよ」と伝えながら、「話合い」としての意義あるケンカを作っていくことができるのです。■ルールその1:ケンカの目的を伝えるケンカをしていると、だんだんと「相手を言い負かす」ことが目的になって、「好きだからこそ、ちゃんと問題を解決したい」という本来の目的を見失ってしまいがちです。たとえば、彼が他の女性と必要以上に仲良くしている気がして、それが原因でケンカになったとき「他の女子と会わないで!」と「手段」の部分だけを伝えてしまうと、彼氏は「俺は浮気なんてしない」とか言い返してしまって余計なところに火が回ってしまいます。そうなる前に、「私は心配性だから、ただの女友達でも、あんまりにも仲が良さそうだと心配しちゃうんだよね」という目的をハッキリと彼氏に伝えることで、「彼女が心配しないようにするために、どう折り合いをつければいいか」という生産的で方向性を見失わない「話合い」としてのケンカができるようになるはずです。■ルールその2:必ず「ゆずりあう」ケンカをするのは、必ずふたりの意見や価値観が食い違っているときです。そのために「どっちが正しいか」「どっちの言い分を採用すべきか」といった裁判のような構図になりがち。しかしこれでは、まさしく「相手を言い負かす」ことが目的になってしまって、よろしくない。そもそも恋愛に絶対的な正解なんてあるわけがなくて、正解があるとすればそれは「カップルがふたりで話し合って決めたこと」だけなのです。この正解に至るためには、ふたりの意見のどちらを採用するかじゃなく、ふたりで話し合い、ゆずりあいお互いの意見の中間が何かを考えることが大切なプロセスです。「どっちも間違ってない」ことをまず意識して、自分の意見の正当性を押し付けることをやめる。そしてはじめから「ふたりともが納得できる落としどころはどこかを『ふたりで一緒に』考える」。ケンカをこういうルールで進めようとするだけで、相手を否定したり非難したりするような発言がなくなり、そして仲直りをした後もお互いにわだかまりなく再スタートすることができるようになるはずです。■「好き」のコミュニケーション術よく「『好き』は言葉にして初めて相手に伝わるもの」と言いますが、これはたしかにそのとおりでしょう。ですがこれは「伝えればいい」という意味ではありません。大人な恋をする以上、しっかりと「好き」の伝え方にも配慮していきましょう。■彼が「好き」を欲しいタイミングで同じ「好き」でも、彼氏として嬉しい「好き」と、嬉しくない「好き」があります。その違いを左右するのが、タイミングです。たとえば彼氏が仕事で忙殺されているときにふとLINEで「好きだよ」と彼女からメッセージが送られてきたら、どうでしょう。きっと《なんで今なんだ・・・・・・相手するの面倒くさいな》と大半の男性が思うはずです。せっかく「好き」と伝えるのなら、デート中や電話をしているときなど、彼氏が「彼女の愛情表現を求めている」タイミングでする方が絶対にいい。このことを意識せずに、自分だけのタイミングで「好き」を伝えてしまうのはあまり意味がないし、というかむしろ「重い」「自分勝手」「子供っぽい」などマイナスイメージすら持たれかねず逆効果です。せっかく「好き」を伝えるのなら、自分だけじゃなくて相手も幸せな気持ちになれるタイミングを狙ってみてください。これが大人の女性が実践している賢いコミュニケーション術のひとつです。■「信じる」という伝え方を身につける大人の恋をできるようになるために必ず身につけてほしいのが、「信じる」によって彼に「好き」を伝える方法です。たとえば、彼氏が女性のいる飲み会に行って彼女としては正直少し不安になってしまうときにも、あえて「心配だな」「浮気しないでね。好きだよ」みたいに伝えることはせず、ただ「楽しんでねー」と送り出してあげることで、彼氏に対する信頼を示す。男性も馬鹿じゃありませんから、彼女が「本当は少し不安だろうけど、ちゃんと俺のことを信じて何もうるさいことを言わないでくれてる」ことくらいはちゃんと伝わっています。「信頼される」というのはとても嬉しいことだし、その信頼に応えたくて、自分を信頼してくれた恋人のことを大切にしようとも思えます。こうやって、彼に積極的にアクションをするだけじゃなく、あえて何のアクションもしないことで「好き」を伝えていく方法をぜひ習得してほしいなと思います。■会えないときのコミュニケーション術カップルは、デート中はもちろん、会えないときでも心は繋がり合っています。当たり前のようなことを言いましたが、これを実践するのはなかなか難しいのです。■LINEは必要最低限デートをしていない期間、LINEや電話で連絡をとりまくっているカップルは、果たして「心が繋がっている」と言えるのでしょうか。私はそうは思いません。むしろ、心が離れていて、不安だからこそ、LINEや電話で直接的な繋がりを作って、その距離を埋めようとしているように思えてしまうのです。会えないとき、必要最低限のコミュニケーションで足りるというのは、それだけふたりのデートが充実していて、会えない期間には変な不安や悩みがなく、ふたりが幸せに過ごすことができている証拠です。「好きだから、会えないときも連絡とろうね」じゃなくて「好きだからこそ、会えないときは一人の時間を楽しく過ごそう」と思えるような関係を目指すべきだと思うわけです。一般的に、会えないときの連絡を求めるのは、男性よりも女性が多いと言えるでしょう。だからこそ、私たちの側からこの姿勢を見せていってあげることが重要です。■連絡はしないけど、想い合っている連絡はしなくても、心は繋がっている。この理想的な状態を見事に実現できているカップルというのは、会えないとき、恋人とは離れて過ごしていて、また連絡もとっていない状態の中でも、恋人のことを心の中で想い、考えているものです。仕事を頑張りながら、「次のデートはどこに行こうかな~」みたいにひとりで思いを巡らせて幸せな気持ちに浸っている、なんていうのがその一例。そしてそんな関係を築けるようになるためには、まずは彼に「次のデートまでにふたりでそれぞれこれを考えよう」みたいな宿題を出すことから始めるのがいいでしょう。「次のデートプランをお互い考えて、水曜日に発表しよう」とか「次のおうちデートで観たい映画の候補をそれぞれ考えよう」みたいに。こうやって宿題を出してあげることで、自然と、連絡はしなくても心は繋がっている状態が生まれやすくなるかなと思いますので、ぜひ試してみてください。今回たくさん紹介してきましたが、一度に全部を取り入れるのは難しいかもしれません。「これは私がとくに苦手なやつだ」「これならできそう」と思ったものから手を付けて、長いスパンで全てのコミュニケーション術を網羅していってくれたらなと思います。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2019年12月10日好きな人に好意を伝える方法として効果的なのが、コミュニケーションを取ることです。「好き」を伝えるコミュニケーション術を身につけて、相手との距離を縮めましょう。コミュニケーションを取るときは笑顔を心掛ける相手に好印象を与えやすいのが、「笑顔」です。笑顔で話すことで自分を可愛らしく見せることができます。笑顔で話すことで明るい印象を持ってもらいやすいというメリットもあります。このテクニックを使うときのポイントは、気になる相手には「いつも以上の笑顔」を見せることです。普段は見せないような笑顔を向けられると、気になる相手は「自分のことが好きなのではないか」と意識し始めるでしょう。可愛らしいワガママは効果的女性に頼られたいと考えている男性は多いです。特に自分だけを頼ってくれる女性には好意を持ちやすい傾向にあります。そこで効果的なのが「小さいワガママ」を言ってみることでしょう。本当は自分でできる内容でも、気になる相手に助けを求めることで「この子は自分に気があるのかもしれない」と思ってもらいやすいです。例えば「重たい荷物を持ってもらう」、「高いところにあるものを取ってもらう」といったものが効果的だと言えます。さりげないボディータッチは好意を伝えるコミュニケーションになる男性に「好き」を伝えるのに有効なのが、ボディータッチです。しかし、ベタベタと何度もボディータッチをするのは品がないので避けるべきでしょう。ボディータッチが多いと軽い女性だと思われる可能性もあります。そのような事態を回避するためにも、さりげないボディータッチを行うのがおすすめです。例えば物を手渡すときに手が触れるようにする方法や、名前を呼ぶときに肩を叩く方法が有効だと言えます。行きたい場所を伝えてみよう自分の行きたい場所を気になる相手に伝えてみるのも、良いコミュニケーション術だと言えます。このときに重要なのが、カップルが行くようなデートスポットを指定することです。行きたい場所にデートスポットを指定することで、「貴方とデートをしたい」というメッセージを伝えられます。このメッセージを伝えても、なかなかデートに誘ってもらえない場合は自分からデートに誘うのも良いでしょう。デートスポットの話をするときに、具体的なデートプランを話してみるのも効果的だと言えます。
2019年12月06日仕事の世界ではよく耳にする「プレゼンテーション能力」、子どものうちはまだまだ必要ないなんて思ってはいませんか?じつは最近、ビジネスシーンだけでなく子どもたちの生活の中にも、プレゼンテーションの場が増えてきています。グローバル化をはじめとするあらゆる理由から、今を生きる子どもたちにとってプレゼンテーション能力は必須となっているのです。今回は、子どものプレゼンテーション能力を伸ばすために、家庭でできることをご紹介しましょう。子どもたちに「プレゼンテーション能力」が必須なワケ「プレゼンテーション」と聞いてイメージするのは、スクリーンに映したデータや資料を指し示しながら、大勢の聴衆を前によどみなく話す姿ではないでしょうか。スティーブ・ジョブズ氏やビル・ゲイツ氏の並外れたプレゼン力が、彼らのビジネスの発展に大きく寄与したことはよく知られていますよね。しかし、今やプレゼンテーション能力は、彼らのように突出したセンスやビジネスキャリアがある人たちだけのスキルではありません。グローバル化が進む社会を生きる子どもたちにとって欠かせないスキルなのです。『世界最高の子育て――「全米最優秀女子高生」を育てた教育法』(ダイヤモンド社)を出版し話題となったボーク重子さんは、子どもたちに必要なプレゼンテーション能力について次のように述べています。これからのグローバル社会では、一人ひとりの考え方や意見がちがうことがスタンダードになります。もちろんそこには、「正しい」とか「間違いだ」とかいう基準はありません。言ってみれば、どんな意見も正解なのです。自信を持って自分の考えを表現し、他人との意見の交換から学ぶ。こうした姿勢を身につけた子どもが、将来的に優れた人材になるはずです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれる――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2)親世代の歩んできたものとは全く異なる社会を生きていく子どもたちにとって、わかりやすい自己表現を行ない、相手と意見を交換する能力は必須なのです。また、2020年から新たに導入される学習指導要領では、これまで当たり前だった「先生が話して生徒がノートを取る」といった受け身の授業ではなく、子どもたちが主体的に考え、友だちとの対話を通じて深く理解する「アクティブ・ラーニング」が主流となります。子どもたちの生きる世界において、自分の考えをまとめてわかりやすく伝える能力は、もはやビジネスの現場と同じくらい、もしくはそれ以上重視されていると言っても過言ではないのです。プレゼンテーション能力は筋トレと同じ?!プレゼンテーションがうまい人というと、大勢の人の前でも臆することなく、ときにユーモアを交えながら聴衆の興味を引きつけて話ができる、生まれながらのセンスを持っている人だという印象をもっている方もいるかもしれません。先ほども例に挙げたスティーブ・ジョブズ氏は、聴く人の集中力を途切れさせない話し方や、身振り手振りなどの演出を自在に操る、まさにプレゼンテーションの神様のような存在と言えるでしょう。しかし、このような人の心をつかむプレゼンテーションを行なう能力は、トレーニングすれば誰でも身につけられるのだそう。子どもや若者向けのプレゼン授業やワークショップを行なう一般社団法人アルバ・エデュ代表の竹内明日香さんは、次のように述べています。プレゼンはスポーツや芸術ほどにはセンスを問われない分野ですから、「ノウハウ×練習」で上手になるんですよ!プレゼンは筋トレと一緒なのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】)控えめで自己主張が苦手だといわれる日本人でも、適切な形で学んで練習すれば、プレゼンテーション能力を鍛えることができるのです。それにはまず、「話すちから」を育てることが大切だと竹内さんは話します。たとえば、面接のときに自分のことをきちんとアピールすることだったり、親に買ってほしいものをしっかり伝えられるかなどもそうですし、とりとめのない考えが浮かんだとき、自分の考えはこうだ、と論理立てて整理することも、全て「話すちから」なのです。(引用元:こどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】)例えば、「ゲーム買って!」という子どもの一言をもとにしても、プレゼンテーションのトレーニングができるということです。では、具体的に何をすれば「話すちから」を育むことができるのでしょうか。「ゲーム買って!」で「話すちから」を鍛えるには竹内さんによれば、相手に何かを伝えるには、まず以下の3つを考えることが大切なのだそう。●自分が聞き手に伝えたいことは何か?●相手が最も喜ぶ情報は何か?●相手を納得させるにはどうしたらいいか? 子どもがパパやママにゲームを買ってもらう交渉をしていると想定して、これら3つについて考えてみましょう。●自分が聞き手に伝えたいことは何か?ゲーム機とゲームソフトを買ってほしい●相手がもっとも喜ぶ情報は何か?・テストの点数が下がらないようにする・今までやっていたお手伝いを続ける・早寝早起きなど正しい生活習慣はキープする・視力を下げないように気をつける・次から次へとゲームソフトを買い足さない●相手を納得させるにはどうしたらいいか?・勉強やお手伝い、早寝早起きなど今まで頑張っていたことは続ける・視力を下げないためにもゲームの時間を決める・ゲームソフトは、自分で計画を立ててお小遣いやお年玉で買う親御さんからしても、子どもからこのような内容を伝えられれば、「買ってあげてもいいかも」と思えるのではないでしょうか。相手に自分の意思を伝えて説得するには、ただ「ゲームを買ってほしい」とねだるのではなく、パパやママに「それなら買ってもいい」と思ってもらうにはどう伝えるべきかを考え、順序立てて話すことが大切です。すなわち、「話すちから」を育てるには「考えるちから」も必須だということですね。子どもが何かをねだってきた際には、上記3つを伝えて「この3つを考えてパパとママを説得してごらん」と言ってみてはいかがでしょう。プレゼンテーション能力を鍛える良いトレーニングになりますよ。「考えるちから」「話すちから」を家庭でアップする方法先の例で述べたように、プレゼンテーション能力、すなわち「話すちから」を育むには、「話す内容を考えるちから」も必要になります。むしろ、土台として「考えるちから」がなければ「話すちから」はつかないと言えますね。欲しいものをねだるとき以外にも、家庭で「考えるちから」や「話すちから」を育むことのできる習慣をご紹介しましょう。●子どもに選択させる日本では、子どもが幼いうちはその日着る服や履く靴、持っていくカバンなどを全て保護者が決めている場合が多いことでしょう。しかし欧米では、たとえ子どもであっても自分の意思を表明することが求められます。アメリカで4,000人以上の子どもの教育に携わっている船津徹さんによると、欧米の家庭では子どもに “YES or NO!” “It’s up to you!”と選択させ、幼い頃から「好き・嫌い」「イエス・ノー」をはっきり表現できるようトレーニングしているのだそう。こうして選択に迫られることで、自分で考える習慣がついていくのです。子どものためを思うあまり、「このカバンは小さいから今日持っていくのには向いてない」「この組み合わせはおかしいからやめたほうがいい」などと口を出すのは、お子さんから考える機会を奪っていることにつながりかねません。無制限に選択させるのも考えものですが、小さい頃には洋服や靴下、カバンといったちょっとしたものから、子どもに選ばせることを習慣づけてみてはいかがでしょう。●感情を言葉にする習慣をつけるお子さんの前で、ポジティブな感情を口にしている人も多いのではないでしょうか。しかし、子どもの表現力を上げるためには、ネガティブな感情を表現することも大切です。教育コンサルタントの上野緑子さんいわく、親がネガティブな感情を表現することで、子どもは「ネガティブな感情も表現していいんだ」と知り、どんなときでも素直に感情を表現するようになるのだとか。子どもの前で弱音を吐くのは気が引けるかもしれませんが、たまには「今日、お仕事でミスしちゃって悔しかったんだ」といった話もしてみてはいかがでしょうか。また、上野さんいわく、子どもがうまく自分の感情を表現できない際に親がサポートしてあげることも大切なのだそう。「かけっこ、1位になれなくて悔しかったね。先週パパとたくさん練習したから余計に悔しいよね。次は1位をとりたいね」と表現を手伝うことで、子どもの表現力が上がります。●家族の前でプレゼンごっこお子さんが幼稚園や学校から帰宅したあと、「今日はどんなことをしたの?」と話を聞くご家庭は多いことでしょう。それを発展させた形で簡単なプレゼンごっこをしてみてはいかがでしょうか。その日に起きた出来事の話でも、学校で流行っているものの話でも、何でもかまいません。原稿を持たずに3分間程度お話するプレゼンごっこをしてみてください。前出のボーク氏は、子どものプレゼンに対して褒めるだけではなく、あえて別の意見も提案することを推奨しています。子どものプレゼンに対しては、ほめるばかりでなく、あえて「わたしはそうは思わないけどな」「別の考え方もあるんじゃない?」と別の意見も提案してみましょう。目的は、子どもの意見を変えさせることではありません。「そんな考え方もあるんだ」と気づかせ、自分の意見をあらためて見直させることで、深い思考力を養うのです。また、ちがう意見が出てきたときに即座に「批判された!」と喧嘩腰になったりネガティブに捉えなくなったりする習慣を身につける訓練にもなります。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|グローバル社会を生き抜く「プレゼン力」は自信から生まれる――全米最優秀女子高生の母・ボーク重子さんインタビューpart2)日本で生活する人たちの、国籍やバックグラウンドの多様化が進む今、自分の価値観とは異なる意見を受け入れる練習も必須ですね。***プレゼンテーション能力を高めるには「考えるちから」「話すちから」を育むことがカギのようです。今回、ご紹介した方法はすぐに始められるものばかりですので、さっそく今日から親子でスタートしてみませんか?(参考)こどもまなび☆ラボ|世界で通用する「話すちから」を鍛えよう!『アルバ・エデュ』竹内明日香さんインタビュー【第1回】こどもまなび☆ラボ|子どもたちが国際社会で活躍するために必要な「話すちから」 竹内明日香さんインタビュー【第2回】All About|プレゼンテーション能力をアップする!ITOKI|竹内さん、グローバルに働くうえで日本人に足りないものはなんですか?文部科学省|主体的・対話的で深い学びの実現(「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善)について(イメージ)ダイヤモンド・オンライン|インド・欧米に学ぶ「考える力」を伸ばす教育とは学びの場.com|意外と知らない”アクティブ・ラーニングのねらい”(vol.1)
2019年08月24日「うちの子はおしゃべりが苦手だし、コミュニケーション能力が低いのかも……」と悩む親は少なくありません。しかし、コミュニケーション能力の高さは、おしゃべりがうまいかどうかだけでは判断できません。今回は、これからの社会で必要とされる本当のコミュニケーション能力について紹介しましょう。コミュニケーション能力はこれからの社会でより必要とされる学校や職場、買い物や通院、役所での手続きなど、人は毎日の生活の中でさまざまな人とコミュニケーションを取りながら生きています。それは、子どもたちにもいえること。保育園や学校では、先生や友だちとのやりとりが欠かせません。昨今では、教育現場においても、コミュニケーション能力がより重視されるようになってきています。幼稚園教育要領や小・中学校の学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」に重点が置かれていることは、ご存じの方も多いでしょう。また、2020年度から大学入試センター試験が大学入学共通テストへ変わり、マークシート方式のみだった試験に記述式問題を導入して、コミュニケーション能力とも深い関わりのある「思考力・判断力・表現力」をより適切に評価する方針に変わります。加えて、英語は、読む・聞く・話す・書くの4つの評価を通して、実践的なコミュニケーション能力が求められるようになるのも知られているところ。このように、学習面ではもちろんのこと、今後、社会全体のグローバル化や人々の生き方の多様化が進むにつれ、よりいっそうコミュニケーション能力が求められるようになっていくでしょう。そもそもコミュニケーション能力って?日本コミュニケーション能力認定協会は、社会や企業が求める「コミュニケーション能力の高い人」の特徴を次のように述べています。わかりやすく伝えることができる人のやる気(モチベーション)を高めることができる聞き上手で、相手がどんどん自分のことを話したくなってしまう相手の気持ちを察することができるもっと聞きたい!と思わせる魅力的な話ができる相手に共感することができる的確な質問ができる話をまとめることができる人に好感を与えることができる人を動かすことができる(引用元:日本コミュニケーション能力認定協会|コミュニケーション能力とは?)同協会は、コミュニケーション能力の要素を、「聴く力」「伝える力」 「人の気持ち(心理)を汲み取る力」の3つに集約できると述べています。「コミュニケーション能力が高い」と聞くと、「おしゃべりが上手な人」をイメージすることが多いかもしれません。でもじつは、相手の話を聞く力や引き出す力、共感する力もコミュニケーション能力のひとつとされています。つまり、おしゃべりが苦手な子どもでも、じつは友だちの話を聞くのが上手というケースもあるということ。子どものコミュニケーション能力が気になったときは、話す力だけではなく、聞く力や、相手の気持ちを理解する力にも注目することが大切です。社会を生き抜くためのコミュニケーション能力を育てるにはさまざまな種類があるコミュニケーション能力ですが、それらを伸ばすためには以下のポイントに注意しましょう。・人と関わる力→「人や地域に関する経験」で伸びる東京大学社会科学研究所・ベネッセ教育総合研究所が2015年7~8月に実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」によると、「リーダーとしてグループをひっぱる」「グループがまとまるように協力する」「いろいろな人と仲良くする」といった人と関わることが得意な子どもは、夏祭りなどの地域の行事に参加する・お年寄りの世話をする(手伝いや介護など)・ボランティア活動に参加する・親から仕事の楽しさや大変さを聞くなどの「人や地域に関する経験」が多いことがわかりました。核家族化が進み、地域との交流が少なくなっている現代では、意識的に地域と関わることが、コミュニケーション能力を伸ばすうえで重要だといえるでしょう。・話したり聞いたりする力→「母親が子どもの話を聞こうと意識すること」で伸びる創価大学教育学部教授で臨床心理士の園田雅代氏は、母親が子どもの話を聞こうとすることには、「子どもがお母さんへの信頼感を持ちやすくなる」「子どものコミュニケーション能力が育ちやすい」という2つのメリットがあると言います。もちろん、母親だけでなく父親や祖父母も、子どもの話をしっかり聞く姿勢を保つことが大切です。ただ、子どもとの関わりがより密であり、影響力が大きいと考えられる母親が、子どもの話をしっかり聞こうとすることで、コミュニケーション能力がより伸びやすくなるのではと園田氏は述べています。忙しくて相手をできないときにも、「あとで聞かせて」と言った場合は、忘れずに「さっきの話、詳しく教えて」とたずねるようにするなど、子どもの話をきちんと聞こうとしている姿勢を見せることが大切です。・感情をコントロールしながら表現する力→「子どもの感情を代弁してあげること」で伸びる自分の感情をしっかりと認めつつも、「相手に伝えるかどうか」「その場で話してもいいかどうか」「相手を不快にさせる表現ではないかどうか」などを考えてコントロールする力は、他者と関わるうえで非常に大切です。そうした力を伸ばすために必要なことについて、法政大学文学部教授で発達心理学・発達臨床心理学・学校心理学が専門の渡辺弥生氏は次のように述べています。子どもが初めての感情に向き合っている時、「切ないんだね」「感激しているのね」など保護者が一歩先に立って気持ちに当てはまるボキャブラリーや表現で代弁してあげると、子どもも感情と言葉をリンクさせて習得していくことができます。自分の表現に自信がない保護者のかたは、感情表現が豊かな絵本を子どもと一緒に読むなどして、親自身が感情表現をともに学んでいくことも有効です。(引用元:ベネッセ教育サイト|子どもの感情表現を人間的成長につなげる方法)子どものどんな感情も否定せずに、寄り添いながら気持ちを代弁してあげることで、子ども自身が感情をコントロールできるようになっていくのです。***子どものコミュニケーション能力を伸ばすと、自分の感情表現をうまくできるようになることはもちろん、他者への思いやりを持つことにつながります。子どもとの普段の関わりの中で、コミュニケーション能力を育む工夫をしてみましょう。文/田口 るい(参考)こどもまなび☆ラボ|コミュニケーション能力を育てよう!会話をグレードアップさせる3つのヒント。PHPファミリー|「聴く」ことは信頼感につながる~子どもの心を整えるお母さんの「聴き方」PHPファミリー|自己主張ができず口下手。いじめが心配~子育て相談室ベネッセ教育サイト|家庭内の会話から子どもの思考力、表現力を育む[やる気を引き出すコーチング]ベネッセ教育サイト|ふだんの経験でコミュニケーション力に大きな差が出る?ベネッセ教育サイト|子どもの感情表現を人間的成長につなげる方法日本コミュニケーション能力認定協会|コミュニケーション能力とは?
2019年07月18日こんにちは。保育士の中田馨です。赤ちゃんの夜泣きが続くと、寝不足になりママはヘトヘトになってしまいます。赤ちゃんが成長すればいつかは終わる夜泣きですが、ママはそうは思えずしんどくなってしまうこともありますよね。 今回は、赤ちゃんが夜泣きをするときにどうコミュニケーションを取ったらいいかについて話します。 どうして赤ちゃんは夜泣きをするの?赤ちゃんが夜泣きをする理由には、おなかが空いている、喉が渇いている、おしっこが出た、暑い、寒い、ママがいるか確認しているなどがあります。また、昼間に刺激があったため泣いている、ときには、なぜかわからないけれど理由なく泣いているということもあるでしょう。 このように、原因がはっきりしにくい夜泣きですが、大切なことはママが「私のやり方が間違っているのかも……」などと悩まないことです。「夜泣きはいつか終わるわよ」と祖母や先輩ママに言われても、大変なのは「今」です。いつか終わると言われても、いつ終わるかわからない夜泣きをつらいと感じたときは、家族や身近な人に相談して、1人で抱えないことが大切です。 息抜きをするのも1つの方法。寝不足のときは、赤ちゃんのお昼寝のときに一緒に寝るなど、ママの体力を回復できるように心がけましょう。 夜泣きをしたときのコミュニケーションの取り方赤ちゃんが夜泣きをしたときには、さまざまな対応方法があります。 「必ずこれをしたほうがいい」というものはなく、赤ちゃんによって安心したり、寝てくれたりする方法は違います。つまり、赤ちゃんの数だけ対応方法はあるということです。赤ちゃんの生理的欲求を満たしてあげながら、安全な方法でいろいろとチャレンジして落ち着く方法を見つけましょう。 ■「ママがそばにいるから大丈夫だよ」と声かけをするまずは「ママがそばにいること」を赤ちゃんに伝え安心させることからスタートです。それから、赤ちゃんの落ち着く方法を実践します。 ■抱っこで安心させる抱っこは赤ちゃんが安心することの時1つ。泣いたら抱き上げます。スリングが好きなら寝るまでスリングで抱っこするなど、赤ちゃんの好きな抱っこをしてあげましょう。 ■添い寝で安心させる添い寝で、赤ちゃん優しくさすったり、トントンします。私は抱っこして起き上がる元気がないときは、赤ちゃんが寝付くまではカンガルー抱っこのように胸の上に抱っこして寝かせていました。 ■授乳するおなかが空いている場合、おっぱいやミルクを飲むと、おなかも気持ちも満足し、その後ぐっすり寝ることもあります。 わが子も、夜泣きがよくあったことを思い出します。夜泣きは必ず止まります。夜泣きがつらいときは家族に相談し、助けてもらいながら、“うちの子の夜泣き対応方法”を見つけてみましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年06月20日変化のスピードはどんどん増し、ほんの数年後の世界がどうなっているのかも誰にもわからない時代――。そのなかで、未来を担う子どもには「6つの力」が必要だと提唱している研究者がアメリカにいます。ただ、彼女たちの著書『科学が教える、子育て成功への道』(扶桑社)を翻訳した慶應義塾大学環境情報学部教授の今井むつみ先生は、「6つの力を伸ばすことにこだわり過ぎることも危険」とも語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)子どもの成功のために必要な能力とはなにかわたしが翻訳した、『科学が教える、子育て成功への道』(扶桑社)のふたりの著者は付き合いの長い友人です。その本では、これからの時代に必要な力として「6Cs」というものを提唱しています。まずは、その6Csを順に説明していきましょう。【これからの時代に求められる「6Cs」】1.コラボレーション(Collaboration)自分をコントロールして他者とコラボレーションすることは、大人、子どもを問わず、わたしたちすべてに求められるスキルの中核であり、社会的に有能であるための基本です。2.コミュニケーション(Communication)コラボレーションを基盤にして築かれるのがコミュニケーション。コミュニケーションスキルの高さが、より健康な状態を育み、学業とかかわるスキルの高さにも関連するという研究結果もあります。3.コンテンツ(Contents)コンテンツとは知識といっていいでしょう。新しい情報に出会ったときに、どんな戦略を取ってアプローチするかという、学ぶスキルもコンテンツに含まれます。4.クリティカルシンキング(Critical Thinking)莫大な情報にさらされる時代、一歩引いて考え、なにが本当に必要かを見極めて、答える必要のある問いを選ぶ、クリティカルシンキング(批判的思考)の力を発揮できる人こそ、これからの時代において目指すべき人物像です。5.クリエイティブイノベーション(Creative Innovation)コンテンツとクリティカルシンキングをともに働かせた結果、生まれるのがクリエイティブイノベーションです。コンテンツを身につけないまま自由に発想しても、創造性は育ちません。6.コンフィデンス(Confidence)問題に直面したときに必要となるのは、すぐにあきらめることなく、自分自身の気持ちと行動をコントロールし、失敗を乗り越えようとするコンフィデンス(自信)です。いかにして「生きた知識」を得るかじつは、これら自体は新しい概念ではありません。ただ、未来を生きていく子どもが成功に至るためには、いわゆる学力と同じくらい、あるいはそれ以上に大事なものがあるとして、綺麗にまとめたことに大きな意味があります。これまで、数値化してランクづけができるハードスキルと呼ばれるものが「学力」と呼ばれてきました。一方、たとえば「他人の気持ちを推し量る」といった、「6Cs」を含むソフトスキルと呼ばれる能力は数値化することが難しいものです。学校という場所では、学力で生徒を評価します。なぜなら、数値化できるので評価しやすいからです。しかし、ハードスキルは人が成功するために必要とされるもののほんの一部に過ぎません。学力は学力テストや大学入試には使えるものです。でも、実社会に出たときの問題解決にはあまり役に立たないという側面も持っています。学力は大事なものですが、使えない知識をいくら持っていてもそれでは意味がありません。いわばそれは、「死んだ知識」です。それに対して「生きた知識」というものは、それを使うことでどんどん新しいことを学習できる知識です。たとえば、言葉の知識は「生きた知識」のとてもよい例といえます。ある言葉を知っていることで、新しく出会った言葉の意味を推論することができるからです。これはまさに、知識を使って新しい知識を生んでいるということ。そういう好循環を生むのが、「生きた知識」なのです。人が学ぶときに注意しなければならないのは、あるコンテンツのピースを単体で学ぶだけではあまり意味がないということ。それでは、単発の知識になってしまい、「使えない知識」「死んだ知識」を得るだけになるからです。そうではなくて、ある一定以上のボリュームのピースを学び、そこにある規則性などを発見していく必要があります。それは、すでに持っている知識と新たに得た知識をリンクさせるということ。それが、知識を「生きた知識」にするための鍵です。「6Cs」にこだわり過ぎることも危険?話を「6Cs」に戻しましょう。たしかに、「6Cs」はこれからの時代を生きていく子どもたちにとって大切なものです。だからといって、6つすべての能力を伸ばすということは難しいですし、完璧を目指してはいけないとも思うのです。さまざまな能力の高さには、個人によって「凸凹」があって当然です。たとえば近年、多くの人が大切だと述べているのが、コミュニケーション能力です。でも、コミュニケーションが得意な人もいれば不得意な人もいる。それはあたりまえのことです。そして、仮にコミュニケーションが苦手であっても、黙々と自分がやるべきことに打ち込んで成功している人も世のなかにはたくさんいます。コミュニケーション能力が大事とはいっても、逆に周囲をシャットアウトして自分の道を自分のスタイルで進んでいけるということも、コミュニケーション能力とは対極にある力だと思うのです。大切なのは、子どもそれぞれの個性を伸ばしてあげるということ。幼稚園にも、他の子どもとのお遊戯にはあまり興味を示さずに、ひとりで園庭に走っていって虫ばかり見ているような子どももいるかもしれません。ならば、その興味を大切にしてあげなければなりません。コミュニケーション能力が大事だからとその子を虫から無理やり引き離してしまうと、本来、伸びるはずだった力が伸びないということになりかねないからです。そういう過ちを犯さないためにも、自分の子どもはどんなことに興味を持っているのか、どんな能力が伸びそうなのかといった子どもの個性をしっかりと見てあげてほしいのです。教育という分野も研究が進み、どんどん新しい考え方が出てきます。「こういう教育が大事だ」と、主流になるようなものもあるでしょう。ただ、いくら世間一般的に重要なことだといっても、不得意なことを無理にさせることは、子どもの成長にとって決していいことではないのです。やはり重要なのは、その子の興味がどこにあるのかということ。まずはその部分を大切にしてください。『科学が教える、子育て成功への道』キャシー・ハーシュ=パセック、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ 著今井むつみ、市川力 翻訳/扶桑社(2017)■ 慶應義塾大学環境情報学部教授・今井むつみ先生 インタビュー一覧第1回:我が子の「成功」を願う親が、絶対に伸ばしてやるべき子どもの“力”第2回:小さな子どもが喜ぶ「デジタル絵本」に、実は“学びの効果”は期待できない第3回:「コミュニケーション能力を重視しすぎ」な親が、犯しかねない過ちとは第4回:家庭での学びが「アクティブ」で「プレイフル」になる、いちばんの方法(※近日公開)【プロフィール】今井むつみ(いまい・むつみ)慶應義塾大学文学部西洋史学科卒、慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了、ノースウェスタン大学心理学部博士課程修了。1993年より慶應義塾大学環境情報学部助手。専任講師、助教授を経て2007年より教授。専門は認知・言語発達心理学、言語心理学。とくに語彙(レキシコン)と語意の心のなかの表象と習得・学習のメカニズムを研究している。著書に『学びとは何か――<探求人>になるために』(岩波書店)、『言葉をおぼえるしくみ 母語から外国語まで』(筑摩書房)、『ことばの発達の謎を解く』(筑摩書房)など。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年04月27日恋人なのにギクシャクすることがあったり、付き合ってもすぐに破局したりすると人は、コミュニケーションに問題があるのかもしれませんね。ずっとラブラブのカップルは、やはり良好なコミュニケーションを取っています。ラブラブな状態を長続きさせるためには、どんな心得を持ってコミュニケーションを図るのでしょうか?その真理に迫ります。■ いつもお互いが「無理しない」状態でいること無理や我慢は長続きしませんよね。「いつも彼の前では完璧に美しくしていたい」という女心は当然だし、決して悪いことではありません。でも、毎回ずっと気を抜けない状態でいるのは苦痛ではありませんか?隙のない姿をキープしようと身だしなみばかりに気を取られていては、なかなか気持ちもつながり合えないでしょう。彼と結婚を考えているなら、自然体の自分をさらけ出して好きになってもらうことが大切です。ぜひ彼にも「私の前では自然な姿でいてね」とお願いしてください。お互いに見栄を張らず、すっぴん姿やジャージ姿も見せておきたいですね。ただし、ありのままのだらしない自分を好きになって!ということではありません。相手が不快に思わないような最低限の気づかいは、いつでも忘れないように。■ 「2人で乗り越える」を意識すること永遠の愛を誓うくらいずっといっしょにいたいのなら、2人で困難に立ち向かうことを常に意識しましょう。仕事にしろ、プライベートにしろ、長い人生には危機や困難が幾度となく訪れるもの。時間が解決してくれるしかない困難に遭うこともあるでしょう。そんな時には2人で励まし合って乗り越えるしかありません。つまり、一人だけで抱え込まず、上っ面だけのコミュニケーションにはせず、なにごとにもしっかりと2人で向き合うことを心がけましょう。良い時ばかり寄り添うよりも、苦難を共にした方が2人の絆は深まりますよ。■ 近い将来の話をすることお互いに「これから先もずっといっしょにいたい」と思っていれば、自然と将来の話になるもの。「子どもは○人欲しい」「こんな家に住みたい」などの話は、いっしょに未来に向かって頑張ろうという意識につながります。2人で思い出を語り合うのも楽しいけれど、未来に向けたコミュニケーションの方が結婚への気持ちが固まるでしょう。そんな話をしているうちに、「今度、式場周りをしてみようか?」なんて話になるかもしれませんよ。■ きちんと向かい合えばずっとラブラブでいられるカップル歴が長いほど、2人の間には倦怠期があったり、すれ違いがあるもの。でも、きちんと向かい合ったコミュニケーションがあれば、乗り越えることでき、ずっとラブラブなカップルでいられます。そんなコミュニケーションを取るための心得を忘れずに実践して、ずっと長くラブラブをキープしてくださいね。(森山まなみ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年04月04日子どもの頃、クラスに「運動も勉強も両方できる、万能型の同級生」が何人かいたという記憶はありませんか?それもそのはず、子どもの学力と運動能力には、相関関係があるといわれているのです。今回は、運動能力と学力の関係や、それらをアップさせるための方法について紹介しましょう。「運動能力」と「学力」には相関関係があるスウェーデンのブンケフロという町の小学校で、毎日体育の授業をするクラスと、週2回体育の授業をするクラスを設けて、運動能力と学力の相関関係についての研究が行なわれました。その結果、毎日体育の授業を行ったクラスは、体育が週2回のクラスに比べて、算数、国語、英語の成績が良かったことがわかったのです。アメリカでも同様の研究が行なわれましたが、やはり同じような結果が出ました。心肺機能・筋力・敏捷性が高い子どもたちは、算数と読解のテストで高得点を獲得。そして、体力的に優れているほど、得点が高くなったそうです。なお、日本でも、文部科学省による小中学校の全国都道府県学力テストの結果と体力・運動能力の調査結果を照らし合わせたところ、「運動ができる子どもは勉強もできる」傾向があることがわかっています。やはり「運動」と「勉強」には相関関係があるとみて間違いないようです。文武両道な子どもの特徴3つまた勉強も運動も得意な子どもには、以下のような特徴がみられることが多いといわれています。【特徴1:よく歩いている】フィンランドの調査によると、毎日たくさん歩く子どもは、ストレスに対する抵抗力が高くなり、勉強や宿題を最後までやり通すことが苦にならないといわれています。そのため、毎日の徒歩通学やウォーキングは、子どもの学力向上にも良い影響があるのです。【特徴2:朝食をとる習慣がある】文部科学省の調査によると、朝食をとっている子どもほど、テストの点数が高くなるといわれています。また、農林水産省の調査でも、毎日朝食を食べる子どもは体力合計点が高いとされています。勉強や運動で能力を発揮するためには、そのエネルギーとなる朝食が欠かせないといえるでしょう。【特徴3:何度も繰り返し学べる】例えば、漢字の読み書きや計算方法を覚えることと、ボールの投げ方を覚えることは、一見まったく違う分野に見えます。しかし、いずれも何度も繰り返すことで、脳から神経に「こうすれば、この漢字が書ける」「こうすれば、ボールがまっすぐ投げられる」という電気信号が発信されるという仕組みになっているのです。そのため、繰り返して学ぶことができれば、運動能力と学力ともに伸ばすことにつながります。「運動能力」「学力」をともに伸ばすための方法運動能力と学力をともに伸ばすためには、以下のような取り組みが効果的です。■心拍数が増える有酸素運動をする脳の記憶中枢として働く海馬や、情報伝達を担うケーブルの集合体である白質は、運動によって刺激を受けることで成長することがわかっています。また、身体を動かした直後は集中力が高くなることも立証されています。記憶力と情報伝達能力、集中力を向上させるためには、心拍数が1分間で最大150回まで上がるような有酸素運動が効果的。具体的には、なわとびやボール遊び、かけっこなどに取り組んでみましょう。■“ちょこっと運動” を取り入れる前述したように、身体を動かすと、その後集中力がアップします。そのため、子どもが宿題などをしているときに集中力が途切れてきたと感じたら、宿題はいったん中断して身体を動かしましょう。数分でできるラジオ体操などを取り入れるのもおすすめです。合間に運動を挟んで集中力を高めることで、集中すべき場面とそうでない場面の切り替えがうまくできるようになることも期待できます。■集団で行なうスポーツに挑戦させるサッカーや野球、バレーボール、バスケットボールなど、集団で行なうスポーツでは、それぞれの考えを持つチームメンバーの中で自分の意見を主張したり、他のメンバーの意見を理解したり、自分よりもレベルの高いメンバーにライバル心を燃やしたりといった、さまざまな場面があります。こうした経験は、子どもの思考力や共感力、社会性の向上にもつながります。また、「みんなで協力してひとつの目標に向き合い、悲しみや喜びを分かち合う」「熱中できるものがある」という経験は、子どもにとって一生の思い出にもなります。***現代の子どもは、交通手段の発達や公園などの減少などにより、身体を動かす機会が限られています。そのため、意識的にスポーツなどを取り入れる必要があります。親子でスポーツを楽しみ、学力・体力の向上につなげましょう。文/田口るい(参考)農林水産省|1 子供の基本的な生活習慣の状況東洋経済オンライン|子どもの学力と体力の知られざる深い関係学研キッズネット|子どもが伸びる家庭の10の習慣第6回スポーツができる子は勉強もできる!?プレジデントオンライン|なぜ頭のいい人は「運動」が好きなのかベネッセ 教育情報サイト|学力も体力も生活習慣が左右!?ベネッセ ウィメンズパーク|第1回 子供の成長と運動の関係 – スポーツキッズの体と心を応援!
2019年04月01日『能ある鷹は爪を隠す』という言葉をご存じですか?爪というのは能力や才能、攻撃性などの象徴とされています。そこにどんな色をのせるかで、自分の恋の傾向やどんな能力を身につけたいかといった心理が分かるというわけ。今回は「ネイルからみる得たい能力と恋愛傾向」をご紹介します!■ 1:リーダータイプの「レッド」レッドは力強くエネルギッシュな色。クリスマスなどのイメージカラーでもあるのでイベントの季節には選ばれやすいのですが、普段からネイルはレッドカラーを選ぶことが多いという人は自分のモチベーションを上げたい人でしょう。リーダーのように恋愛の主導権を握りたいと思っているか、自分の気分を挙げて頑張ろうと思っている可能性があります。彼とは次のステージへ進みたいといった思いを抱いているのかもしれません。■ 2:優しさの「ピンク」女性らしさを象徴するピンク。肌へのなじみもよく可愛らしさ、柔らかさを演出してくれるカラー。ネイルではピンクをよく選ぶという人は女性らしさを身につけたいと無意識に思っているのかもしれません。彼から女性的な扱いを受けたい、もっと女性らしく見てもらいたいといった気持ちの現れである可能性もあります。他にも、優しい雰囲気の女性や柔らかくて上品な女性に憧れていたりしませんか?■ 3:明るさの「イエロー」明るさや遊び心を表すイエロー。この色をネイルに選ぶという人は刺激を求めているのかもしれません。いつもよりも好奇心が旺盛になっていたり、新しいことを始めたいという気持ちになっていることを表しています。彼との関係も少しマンネリ気味になっていて、刺激が欲しいと思っていたりしませんか?新しい恋を始めたいと思っているのかもしれませんね。遊び心をもって大胆に行動できる能力を身につけたいのかも。■ 4:誠実な「ブルー」誠実で冷静、クールで聡明な印象を表すブルー。この色をネイルに選ぶという人はいつも冷静でクールな人でありたいと思っているのかもしれません。落ち着いた行動を心がけたいというときや落ち着いた大人の恋愛を味わいたいという思いの表れかも。冒険的でいつも後先考えずに行動してしまう恋人のブレーキ役として手に入れたい能力だと思っているのかも。休日はカフェで読書など、落ち着いた時間を愛する傾向が高そうです。パートナーとはそういった時間を共有したいと思っているのではないですか?■ まとめいかがでしたか?今回はネイルから見る手に入れたい能力と恋愛傾向についてご紹介しました。当たっていましたか?イライラしたときに噛んでしまうクセを持つ人がいるように、爪というのは人の心理の現れやすい場所。特にネイルは女性らしく着飾りたいときにするものですよね。恋愛をするうえでどんな性格を演出したいか、どんな能力を手に入れたいかが現れるというわけです。ぜひ参考にしてみてください。(草薙つむぐ/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2019年02月12日元祖シェアオフィス「トキワ荘」の街、南長崎で“シェアキッチン”がOPEN! 豊島区南長崎活性化プロジェクトとして、2019年1月22日に公民連携シェアキッチン「コマワリキッチン」が誕生しました。実は空き家問題が深刻化している豊島区……。区と民間が一丸となって、街を活性化していく活動が徐々に広まっています。「コマワリキッチン」もその一環で、豊島区南長崎の商店街にあった空き店舗がシェアキッチンとして生まれ変わりました! 飲食店営業と菓子製造の許可を取得しているので、食品衛生責任者の資格取得者であれば、自分の家号で製造・販売が可能です。店内にはイートインスペースも設備。【施設設備】業務用3口ガスコンロ&コンベクションオーブン、冷凍冷蔵庫、対面冷蔵ショーケース コマワリキッチンではキッチンスペースを借りることができるだけではなく、作った料理やお菓子などを販売することもできるそう。(※食品衛生責任者の資格取得者のみ)また料理教室や食育イベントの開催にも利用可能で、「食」を通した様々なコミュニュケーションの場所となります。その他に起業するためのアドバイスを受けられる“起業塾”も開催されるなど、新たな創業の起点としても広く活用される予定です。 また、南長崎といえば“トキワ荘”があった街として有名ですよね。手塚治虫や藤子不二雄など日本を代表するマンガ家達が集い、刺激を受け合いながら、名作を生み出していった“トキワ荘”は、元祖シェアオフィスと言っても過言ではありません。2020年3月にはトキワ荘の復元施設としてマンガ・アニメミュージアムが建設される予定で、コマワリキッチンのオープンを皮切りに南長崎の新しいまちづくりが本格始動していきます。 「コマワリキッチン」という名前に込められた想いとは……。 コマワリには漫画の“コマ割”とかけられていて、それぞれのシーンでそれぞれの登場人物のストーリーが輝く場所となるように、という想いが込められているそう。またトキワ荘の一コマ(一室)で漫画家達が切磋琢磨していたように、切磋琢磨できる場所として活用されていく姿を重ね合わせると、改めて素敵な空間だと感じますよね。 【利用料金】※会員料金は月額、税込金額ドロップイン会員(月5時間)¥15,000シルバー会員(月15時間)¥21,000ゴールド会員(月30時間)¥35,000プラチナ会員(月50時間)¥55,000追加延長料金/時間¥1,500起業塾(全5回) ¥15,000 問い合わせ先:コマワリキッチン運営局TEL:050-1749-7251住所:東京都豊島区南長崎2-3-3 エクウス南長崎1階HP:
2019年02月08日凧揚げ、羽根つき、こままわし、かるた……。伝統的なお正月遊びは、日本文化に親しむことに加えて、子どものさまざまな能力を伸ばす効果も期待できます。今回は、代表的なお正月遊びがもたらす脳や運動能力への影響について詳しく解説していきます。日本ならではのお正月遊びで子どもの能力を上げる!スポーツや遊びの要素を取り入れたトレーニング・プログラムとして注目されている『コーディネーション運動』の教室「アープスコーディネーションスタジオ」によると、お正月の伝統的な遊びには、運動能力を伸ばす要素がたくさん含まれているとのこと。また運動能力以外にも、頭を使う遊びも多いため、知育の面からも非常に役立つようですよ。また、子育てに行事文化を取り入れた「行事育」を提唱している和文化研究家の三浦康子氏は、お正月の伝統的な遊びの成り立ちや意味を教えてあげることで、子どもたちはより日本の文化に親しみを覚えると述べます。『こどもまなび☆ラボ』の読者である親御さんたち世代ですと、さらに上の年代の方に教えてもらう機会も減ってきましたよね。今回は代表的なお正月遊びにまつわる意味や成り立ちも解説しています。ぜひ参考にしてください。せっかくのお正月。おじいちゃんやおばあちゃん、普段めったに会えないたくさんの親戚が集まるときこそ、特別な遊びで忘れられない思い出づくりをしたいものですね。体力アップと調整能力が身につく『凧揚げ』■凧揚げの成り立ちもともとは中国で占いや戦いに使われていた凧。平安時代ごろに日本に伝わり、江戸時代には男の子の誕生を祝って凧揚げするようになりました。その後、庶民の遊びとして広まり、お正月の風物詩としてたくさんの子どもたちに親しまれるようになったのです。凧が高く揚がるほど神様に近づくので、願い事が叶い、元気に育つと言われています。■遊び方糸を引いて揚力(ようりょく)をおこし、空中に飛ばします。和凧、洋たこ(カイト)と色々な種類があり、今では100円ショップなどでも簡単に手に入るようになりました。土手や原っぱなど、思い切り走り回れる広い場所さえあれば、ぜひ家族で一緒に挑戦したいですね「昔は敵陣までの距離を測ったり、遠方へ放火したりする兵器としても凧を使ったんだよ」などと話せば、ゲームとは違う凧の操縦に興味を持つかもしれません。■凧揚げによって伸びる能力・まず、うまく上がるまでひたすら走ることになるので、いつのまにかかなりの運動量になり体力がつきます。・ただ走るだけではなく、凧を揚げるという目的のため、試行錯誤することで創意工夫する力も養われます・風をつかんで凧糸を出したり引いたりする微調整が必要とされるので、調整能力が鍛えられます。相手を打ち負かすのはダメ。長く続けて邪気を払う『羽根つき』■羽根つきの成り立ち室町時代に中国から伝わり、邪気を払うために行われていました。羽根に使うムクロジ(の種)は「無患子」=患わない子と書きます。昔は蚊が媒介する病気で子どもが亡くなることが多かったため、羽根を“蚊を食べてくれるトンボ”に見立てて打って飛ばしました。■遊び方健やかな健康を願って一年の厄をたくさん払いのけたいため、羽根つきは相手を打ち負かすのではなく、長く続けた方がいいと言われています。打ち損じたときに顔に墨を塗るのは、魔除けのおまじない。罰ゲームではなく、羽根を落としても守ってあげるよという優しさなのです。■羽根つきによって伸びる能力・見た目も動きもラケットスポーツに共通するものなので、テニスやバドミントンなどと同様の能力を必要とする遊びです。・自分と物体との距離感を調整する「定位能力」と、羽子板を操作する「識別能力」が鍛えられます。手首の柔らかさやコントロール力が必要な『こま回し』■こままわしの成り立ちその歴史は古く、平安時代にはすでにこまを使って遊んでいたという記録が残っています。こままわしは、「物事や人生が円満にまわる」「子どもが早く独り立ちできる」ことを願ったものだと言われています。■遊び方こまに紐を巻きつけ、指でひねって回します。胴体の底面の逆円錐の部分に下から紐を巻きつけ、紐の片方を持って胴体を投げ出して、紐を引くことで回転をつけます。■こままわしによって伸びる能力・こまを地面と水平にするために投げる角度を調整したり、手首を柔らかく使い、最後には紐を引くという動作が加わったりするため、テクニックが必要とされます。・タイミングを計ったりコントロールしたりする力が養われます。記憶能力と反応能力が試される『かるた・百人一首』■かるた・百人一首の成り立ちポルトガル語で「カード」という意味の「カルタ」が元だと言われています。一方、百人一首は宮中の遊びだったものが庶民に広まったものです。■遊び方読み札を聞いて取り札を取ります。■かるた・百人一首によって伸びる能力・まさに「反応能力」が試される遊びです。・取り札の位置を記憶すると有利になるので、「記憶能力」と「空間把握」のトレーニングになります。◉おすすめはいもとようこさんのかるた!リズミカルな文章で、「あいうえお」がすいすい覚えられる!と評判の『あいうえおかるた』(金の星社)。いもとようこさんが描く可愛らしいイラストが小さな子どもの心をつかみます。絵札の裏にはひらがなの書き方も載っているので、文字を書く練習にも◎。また、「ありがとう」や「ごめんなさい」など、大切なことばを取り上げているので、遊びながら挨拶や礼儀も身につきます。おじいちゃんやおばあちゃん、普段会わない親戚が集まった時でも、「うさぎさんうとうとうっかりひるね」なんて可愛らしいことばと絵柄できっと会話も弾むはずです。◉「かるた」と「百人一首」ってどう違うの?百人一首とは、100人の歌人の歌を、ひとりにつき1首ずつ選んだ歌集のこと。読み手が読み札を読んで、読まれた札と合ったものを取るのは、かるたも百人一首も一緒です。ただし、百人一首の場合、取り札は和歌の下の句しか書かれていません。読み札は上の句から読まれるため、和歌をすべて覚えていることで早く札を取ることができるのです。記憶力のトレーニングに非常に適しています。指先の感覚と記憶能力がキモ!『福笑い』ほかにも、幼い子どもでもすぐに挑戦できる遊びに「福笑い」があります。「笑う門には福来たる」と縁起の良い遊びであり、特別な知識やテクニック、運動能力は必要とされないので、老若男女誰でも簡単に楽しめます。遊び方は、目を瞑るか目隠しをして、顔のパーツを選び、顔の輪郭に並べて言います。パーツを選ぶ指先の感覚と、どこに並べるかの位置関係が出来栄えを左右するため、意外と緊張感が高まる遊びでもあります。目を閉じた状態での空間把握と記憶能力のトレーニングにもなりますよ。***お正月の遊びは、いつも子どもたちが遊んでいるものとは一味違う面白さや新鮮味がありますよね。伝統文化に触れることで、日本に伝わる行事の意味や歴史を知ることは大事です。そして、ご紹介したようにさまざまな能力の向上にもつながるのなら、これほど嬉しいことはありませんね。(参考)アープスコーディネーションスタジオ|お正月遊びのメリット「三浦康子の「行事育」のススメ 子育て歳時記 お正月遊び」,プレジデントファミリー,2018年冬号,pp144-145.Milly|家族みんなで楽しめる凧!人気が高いおすすめアイテム12選Study Hacker こどもまなび☆ラボ|絵本のさんぽみち|“はじめてのひらがな”はこれで決まり!人気絵本作家いもとようこさんの「あいうえおシリーズ」チャイビ|語彙を増やすことば遊びとしてもおすすめ!厳選かるた5選のご紹介Milly|百人一首の選び方・覚え方は?人気のおすすめ商品11選
2018年12月28日あまり好ましくないとされる、日本人の国民性として挙げられるもののひとつが「コミュニケーション能力の低さ」です。人前でのスピーチなどは大人でも苦手だという人も多いのではないでしょうか。しかし、そういう「自己表現」の力が役立つのは、なにもスピーチやプレゼンテーションの場だけではありません。子ども教育のプロフェッショナル養成に携わる増田修治先生は、「自己表現力が子どもの『自立』にも関わる」と語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)「自立」とは自己表現により周囲に助けてもらうこと日本人は、「表現力に乏しい」と評価をされることが多い民族です。これには、もともとの国民性も影響していると見ることができますが、教育によるところも大きいはず。いまの日本の教育は、「自己表現力」も含めてさまざまな「自己〜」が育ちにくいものなのです。たとえば「自己肯定感」もそのひとつかもしれません。日本人の自己肯定感の強さは先進国で最低という調査結果が出ています。いくつかの理由がありますが、子どもたちに「なんでもしっかりできる子がいい子」だというプレッシャーがかかっていることも要因のひとつ。親も含めて、多くの大人が暗黙のうちにそういう評価基準を持っていませんか?そうすると、少しでも失敗すると、子どもは「自分はいい子じゃない」と思ってしまう。これでは、自己肯定感が弱くなるのも当然ですよね。でも、「なんでもしっかりできる子」はどこかで無理をしているものです。それに、そういうしっかりした子どもであっても、ずっと壁にぶつからないで生きていけるということはあり得ません。どんな人間であっても、人生のどこかで大きな壁にぶつかるものです。でも、そのときに「どうすべきか」という手段を知らなかったらどうでしょうか?立ち上がって再び力強く人生を歩みだすということが難しくなるでしょう。大事なことは、「なんでもしっかりできる子」に育てることではありません。壁にぶつかってもいいけれど、そのときに大切となるのは、きちんと「自己分析」ができること。勉強中にどうしてもわからないことがあったとしましょう。そのとき、自分の力を測り、区分けし、「ここまではできるけれど、ここからがわからないから教えてほしい」と周囲に助けを求められるかどうか。そこが重要になる。大人だって、ひとりで生きているわけではありませんよね。誰もがいろいろな人に助けてもらって生きている。「自立」するということは、人の力を借りないことではなく、むしろ、「うまく人に助けてもらう」ことなのです。そして、そのときに必要とされるのは、自分の置かれた状況を自分の言葉で語って助けを求める、それこそ「自己表現力」ではないでしょうか。話を聞いてもらった経験が多い子どもだけが、話を聞ける子どもになるその自己表現力を伸ばしてあげるためにも、子どものもっとも身近にいる大人である親が子どもとしっかりコミュニケーションを取るべきです。きちんとコミュンケーションが取れるということは、その時点で良好な関係ができていることでもあり、親子間の「応答性」が育っているということになる。ひとりがしゃべって、もうひとりはずっと黙って聞いている。こんなものはコミュニケーションでもなんでもありません。コミュニケーションとは、相互が話して聞く、応答を指すもの。その応答によって互いを知り、感情を共有したりするなかで、子どもの自己表現力が養われていきます。でも、残念ながら、それができていない親御さんも目立ちます。ここで、わたしがスーパーで目撃した出来事を紹介しましょう。お母さんが、「今日は好きなアイスクリームを食べていいから、決めておいてね」と言って、アイスクリームボックスの前に子どもを置いていきました。子どもはブツブツとなにやらひとりごとを呟いています。ちょっとだけ耳を傾けてみると、「どうしようかな、バニラにしようかな、チョコにしようかな」と悩んでいるようです。しばらくして、「よし、バニラにしよう」と言った。決まったのかと思いきや、今度は「コーンにしようかな、カップにしようかな」とまた悩んでいる(笑)。そして、「カップはけっこう食べているからコーンにしようかな」「コーンにしてチョコをトッピングすれば両方食べられるな」なんてことを言っているところに、お母さんが買い物を終えて戻ってきた。すると、お母さんが言いました。「なにやっているの!まだ決まらないの?じゃ、これでいいでしょ」と。そんなことでは、いままで子どもが悩みながら考えていたことが一瞬でパーです。子どもの頭がいちばん働いているのは、悩んで考えているとき。親は子どもとしっかりコミュニケーションを取って、その考える時間を保証してあげる必要がある。それが、自分の考えをしっかり表現する力のみならず、「自己選択」して生きているという実感を子どもに持たせることになり、ひいては、自己肯定感を育むことにもなるのです。親はよく「ちゃんと先生の話を聞きなさい」と言いますよね。でも、親が子どもの話を聞いていなかったら、話を聞ける子どもにはなりません。話を聞いてもらった経験が多い子どもだけが、話を聞ける子どもになるのです。小さい子どもは「あれなに?」「これなに?」と親にいっぱい話しかけると思います。そのとき、きちんと話を聞いて「あれはこうだよ」と丁寧に答えてあげる。すると、そのコミュニケーションのなかで、子どもは「話を聞いてもらえることが心地良いこと」だとわかってくる。だからこそ、「人の話もちゃんと聞こう」という人間に育つのです。また、そういう子どもでなければ、学力だって伸びていきません。小学校で授業をきちんと聞けない子どもは、大半が周囲からこぼれてしまうものですからね。そして、きちんと話を聞く姿勢は、学力を伸ばすだけにとどまらない。多くの人の言葉に耳を傾けるのですから、当然、人間性も同時に育っていくのです。『遊びにつなぐ! 場面から読み取る子どもの発達』増田修治 著/中央法規出版(2018)■ 子ども教育のエキスパート・増田修治先生 インタビュー一覧第1回:クイズで育む!?子どもの「人生を決める」非認知能力の伸ばし方第2回:非認知能力が高い子どもは、「認知能力」も伸びていく。ではその逆は――?第3回:子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」第4回:“おなら”に“裸”、なにを書いてもOK!?「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力(※近日公開)【プロフィール】増田修治(ますだ・しゅうじ)1958年3月8日生まれ、埼玉県出身。1980年、埼玉大学教育学部卒業後、小学校教諭として埼玉県朝霞市内の小学校に勤務。「ユーモア詩」に取り組み、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るとともに、楽しい学級づくり、保護者とのコミュニケーションづくりをおこなう。2002年にはNHK『にんげんドキュメント 詩が躍る教室』が放映され反響を呼んだ。2008年3月末で小学校教諭を退職し、同年4月より白梅学園大学准教授。現在は同大学子ども学部子ども学科教授。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える—岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として—』(本の泉社)、『先生! 今日の授業楽しかった!—多忙感を吹き飛ばす、マネジメントの視点—』(日本標準)など教育関連の著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月03日これからの子どもたちに必要とされるのは、テストだけでは測ることができない力――「非認知能力」だとされています。もちろん、将来の夢を子どもが叶えるためには、いわゆる学力である「認知能力」も必要でしょう。ただ、子ども教育のプロフェッショナル育成に携わる増田修治先生は、「認知能力を育むためにも非認知能力が重要」だと語ります。まずは、現在の教育現場が直面する問題から語ってもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)日本の教育が抱える「見えない貧困」問題いま、日本の教育は「貧困」という大きな問題に直面しています。「世帯収入が高いほどその家庭の子どもの学力も高い」という調査結果は、ニュースなどを通して耳にしたことがある人も多いことでしょう。貧困にはふたつの種類があります。ひとつは「絶対的貧困」で、もうひとつが「相対的貧困」。絶対的貧困にあたるのは世帯年収が約60~70万円を下回る世帯。月収が5万円以下で、食べものや着るものにも困るほどです。一方の相対的貧困は、世帯年収が120万円ほどの世帯。この相対的貧困は「見えない貧困」ともいわれていて、わたしは大きな問題だととらえています。この世帯の子どもは、食べものは食べているし衣服に困るほどではない。つまり、見た目は普通なのです。でも、その世帯の子どもたちは、さまざまな機会を奪われている。どんな機会かといえば、サッカーをしたくてもサッカーシューズは買ってもらえないし、バレエを習いたくても月謝を払ってもらえない。当然、学習塾に行くこともできません。この相対的貧困にあたる世帯の割合が、いまの日本ではどんどん増加しているとされています。「子ども食堂」というものを聞いたことはありますよね。貧困世帯の子どもたちを集めて食事を与え、同時に勉強も見てあげるという社会活動です。そこに来る子どもたちは、やはり学力が低い傾向にある。貧困世帯の子どもは、先にお伝えしたように学習塾には通えません。となると、自分で勉強しなければならない。でも、学習教材など自分で勉強できる環境が整っているわけでもないわけです。となると、その子どもにとって勉強できる唯一の場所は学校です。ところが、子ども食堂に来る子どもたちのなんと約8割が学級崩壊を経験しているというではありませんか。学級崩壊したクラスでは、まともに授業を受けることができません。そういう子どもたちは、勉強する機会を完全に奪われているのです。逆に、学級崩壊によって勉強する場所がないから、子ども食堂に通っているとも言えます。非認知能力の育成に欠かせない、子どもの声に耳を傾ける姿勢では、貧困家庭に育つと学力を伸ばすことができないのかというと、そうではありません。貧困世帯の子どもにも、貧困ではない世帯の子どもと遜色ない学力を持つ子どもたちがいます。彼らの共通点はなにかというと、「非認知能力が高い」ことです。非認知能力には、「朝ごはんを毎日食べる」といった生活習慣、「毎日の勉強時間の目安を決めている」といった学習習慣、あるいは、つらいことや困ったことがあったときに学校の先生に相談できるなどのコミュニケーション能力といったものも含まれます。これらは、一般的には貧困ではない世帯の子どものほうがしっかりと身につけている傾向にあるのですが、貧困世帯に育ちながら学力が高い子どもも、こういった基本的な習慣、非認知能力を身につけているのです。これがなにを表しているかというと、「非認知能力が認知能力を発達させる」ということです。2000年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者、ジェームズ・ヘックマンらは、40年にわたる長期追跡調査の分析により、「非認知能力がその後の認知能力の発達を促し、その逆は確認できない」と結論づけました。非認知能力が高い子どもはテストの点数もあがるが、テストの点数がいいからといってその子どもの非認知能力が伸びるわけではないのです。となると、今後の乳幼児教育や小学校教育は大きく変わっていく必要があります。いつまでもテストで高得点を取ることだけが素晴らしいと評価する教育では駄目なのです。もちろん、これは学校などの教育現場だけの問題ではありません。家庭教育も、「非認知能力を伸ばす」ことを意識しておこなうべきでしょう。とはいえ、身構えるような必要はありません。大事なのは、「子どもの話をきちんと聞く」こと。教育に熱心な親ほど、子どもの言うことに耳を貸さず、「これが子どものためになるんだ」と勉強や習い事を押し付ける傾向にあります。それでは、まったくの逆効果。まずは、「なにかやりたいことある?」と子どもに聞いて一緒に考えること。そのなかで、互いに折り合いをつけていくべきでしょう。宿題ひとつ取っても、「●時になったから宿題をやりなさい」では駄目。「何時になったら宿題に取り掛かれる?」と子どもに聞いてください。そうして決めた時間は、親が決めたものではありませんよね?これはつまり、子どもに選択権を渡しているということ。そうすれば、親からすれば「あなたが決めたことでしょう?」と言えるし、子どもからすれば「自分で決めたのだからやらなくちゃ」と、自発性や意欲、責任感を養うことにもなる。多くの親は、その過程を省いてしまっているように感じます。そうではなくて、親と子どもそれぞれが納得する「一致点」をつくるコミュニケーションをたくさん取ってください。そういったことが、子どもの非認知能力を育んでいくのですから。『遊びにつなぐ! 場面から読み取る子どもの発達』増田修治 著/中央法規出版(2018)■ 子ども教育のエキスパート・増田修治先生 インタビュー一覧第1回:クイズで育む!?子どもの「人生を決める」非認知能力の伸ばし方第2回:非認知能力が高い子どもは、「認知能力」も伸びていく。ではその逆は――?第3回:子どもの自己表現力を伸ばし、自己肯定感を高める「親子コミュニケーション」(※近日公開)第4回:“おなら”に“裸”、なにを書いてもOK!?「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力(※近日公開)【プロフィール】増田修治(ますだ・しゅうじ)1958年3月8日生まれ、埼玉県出身。1980年、埼玉大学教育学部卒業後、小学校教諭として埼玉県朝霞市内の小学校に勤務。「ユーモア詩」に取り組み、子どもたちのコミュニケーション能力の向上を図るとともに、楽しい学級づくり、保護者とのコミュニケーションづくりをおこなう。2002年にはNHK『にんげんドキュメント 詩が躍る教室』が放映され反響を呼んだ。2008年3月末で小学校教諭を退職し、同年4月より白梅学園大学准教授。現在は同大学子ども学部子ども学科教授。『小1プロブレム対策のための活動ハンドブック』(日本標準)、『「いじめ・自殺事件」の深層を考える—岩手県矢巾町『いじめ・自殺』を中心として—』(本の泉社)、『先生! 今日の授業楽しかった!—多忙感を吹き飛ばす、マネジメントの視点—』(日本標準)など教育関連の著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月02日