『自分を磨く働き方』(安田佳生著、フォレスト出版)の著者は、普通の人があまり経験したことのない、できれば経験したくないような苦境を乗り越えてきた人物。1990年に「ワイキューブ」を設立し、斬新な人材コンサルティング事業によって話題となったものの、2011年には同社が倒産。それどころか、結果的には自己破産に至ったというのです。本書の根底にあるのは、そんな著者がその後3年の歳月を経てたどりついたという「理想の働き方」。それは「人は楽しむために生き、そして楽しむために働く」というシンプルなもの。そんな視点を軸として「仕事をつまらなくしているものの正体」を明らかにし、やりがいを持ち、楽しく仕事をするにはどうすればいいのかを解き明かしているわけです。そのなかからきょうは、お金についての考え方を見てみたいと思います。■お金が犯した罪とは?世の中にまだお金がなかった時代、人が一対一の物々交換によって欲しいものを手に入れていたという話は、いまさら語るまでもないこと。米を肉と、または肉を魚と交換していたわけです。そしてそののち、交換の道具として「お金」が登場します。それまでは相手が欲しがるものを持っていなければ交換が成立しませんでしたが、お金を介在させることによって取引がしやすくなったのです。肉や魚と違って、お金は腐ることがありませんし、いつまでも蓄えておけます。だからお金さえあれば、時を選ぶことなく、欲しいものが欲しいときに手に入るようになったわけで、これはお金の功績。しかしお金は同時に、矛盾も生み出すことになったといいます。蓄えられるという性質があるため、お金そのものが価値を持つようになったということ。その結果、お金を大事にする人が増えたのです。本来は肉や魚を手に入れるための道具だったはずなのに、それ以上の価値がお金についてしまったという、ある意味では予想外の結果。では、お金そのものが価値を持つようになると、どんなことが起きるのでしょうか?簡単にいうと、お金を基準として世の中の価値がはかられるようになっていくのです。そしてそうなった結果、「本当に価値あるものはなんなのか」ということが見えにくくなってくるわけです。その結果、社会の発展よりも株主や経営者の儲けが重視されるようになり、社員はいつでも替えがきく歯車となっていくことになっていきます。著者によれば、これこそが「お金が犯した罪」。■誰も働かなければいいだとすれば、どのようにすればそんなシステムから抜け出ることができるようになるのでしょうか?この問いに対して、著者はこういいます。資本家に対抗するには、誰も彼らのために働かなければいいのだと。お金がない者同士がみんなで集まって、「どんなに金を積まれても、嫌いな人の仕事は絶対にやらないぞ!」と同盟を組めばいいというのです。そして、資本家の仕事をボイコットすればいいというのです。それは、あまりにも非現実的な話であるように聞こえます。けれど著者は、そんな意見に対して、「社員がみんな会社をやめたらどうなるのか」と反論します。もしもそんなことになったら、当然のことながら会社は利益を出せなくなり、資産家は金儲けができなくなるでしょう。■資本主義社会は終り!しかし一方で、この考え方が成功することもないともいうのです。ボイコットは歩調を合わせなければ効果がないものなのに、そんな流れのなかからは「私がその仕事をやります!」と抜け駆けする人が出てくるものだから。いってみれば賢い投資家は、そこまでお見通しなのです。だからこそ、「お金の価値を暴落させる作戦」に出るしかないと著者は主張します。どういうことかといえば、「お金のために働く」ことをやめるということ。「もっと収入を増やしたい」「お金持ちになりたい」と考えるのではなく、「生きていくのに十分なお金さえあればいいじゃないか」と考える。みんながお金を欲しがらなければ、お金の価値は下がり、誰もお金で動かされなくなるというわけです。そしてお金の価値が暴落すれば、資本主義社会は終りを告げることになります。そこにこそ、人間にとっていちばん大切な生き方があるというのです。*おわかりのとおり、これは極論中の極論です。つまり、ある意味で著者は一種のジョークとしてこの考え方を展開しています。しかし重要なのは、冗談めかした極論の向こう側に、本質的な部分もはっきりと見えるということ。つまり、「誰もが忘れかけていたお金についての大切なこと」を再認識するためにも、読んでみて損はないと思います。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※安田佳生(2015)『自分を磨く働き方』フォレスト出版
2016年03月01日「文章なんて書けない」「文章を書くのは嫌い」と思っている人でも、たった40分で小説が書けてしまうというのが、『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』(田丸雅智著、キノブックス)。著者は、若手ショートショート作家の田丸雅智さん。新世代を担うショートショートの旗手として活躍中です。本書は、田丸さんが小学生から年配者までを対象に実施している「ショートショートの書き方講座」を一冊にまとめたもの。文章に縁がなかった人も、作文嫌いの人も、田丸式メゾットのワークを行えば、たった40分で小説が書けるといいます。著者の田丸さんに、ショートショート創作の秘訣と、そのワークによって磨かれる能力について聞いてみました。■ショートショートは短くて不思議な物語ショートショートとは、一般的定義では原稿用紙20枚程度以下。新鮮なアイデア、完全な筋書き、意外な結末の3つの条件を満たしていることが条件で、田丸さんはそれを「短くて不思議な物語」だと表現します。さらに、「『構想はあるけれど小説は書いたことがない』という声をよく耳にします。小説を書くことはハードルが高いようですが、そんなことはありません。作文を書く際には『書かないといけない』という意識が働きますが、ショートショートならなにを書いても自由。書きたいという衝動に基づきワクワクしながら書いていると、いつの間にか文章になるのです」と、田丸さんはいいます。こうしたメソッドに従って書くと、40分で小説がつくることができるというのです。そんなショートショートの書き方は次のとおり。【事前ワーク】制限時間7分[1]名詞を探して書く(3分)太陽・タコ・発電・傘など、なんでも思いつく名詞を20個記入。[2]名詞から思いつくことを書く(4分)最初に書いた名詞からひとつを選び、その言葉から思いつくことを書きます。(「太陽」の場合、「ぽかぽかする」「発電に使える」「夕焼け」など)■ショートショート創作の「3ステップ」いよいよ書き方の実践。次の3つのステップに従って書いていきます。【ステップ1】制限時間5分:不思議な言葉を作る「発電に使えるタコ」や「ぽかぽかする傘」など、日常では耳にしないような言葉を考えます。事前ワークで書いた名詞と思いつくことを組み合わせてつくります。【ステップ2】制限時間8分:不思議な言葉から想像を広げるステップ1で作った不思議な言葉から1つを選び、「それはどんなものなのか」説明します。次に「それは、どこで、どんな時にどんないいことがあるか」、また「どこで、どんな時にどんな悪いことがあるのか」と、メリット、デメリットを書きます。【ステップ3】制限時間20分:想像したことを短い文章にまとめるここまで書いた内容をまとめれば、超ショートショートの完成です。所要時間は40分、文章は短くても長くてもOK、その文章がいいか悪いかも関係なし。■ショートショートで磨かれる4つの能力田丸さんの実施する講座は、仲間と見せ合いセッションしながらワークを行います。「人と言葉などを見せ合い、意見を論じ合うことが大事なのです。人のアイデアや発想を知ることで、自分の作品への相乗効果をもたらすからです」そして40分で書き上げた超ショートショート作品を膨らませて、少し長い文章にも挑戦していきます。ここまで行くと、小説を書くことも夢じゃないですよね。田丸さんは「このプチ成功体験で、作文が苦手な人でも文章が書けるという創作の楽しみを味わってほしい。体験を通して、自分が表現したいという欲求から文章力はどんどんついていきます」とおっしゃいます。このショートショート創作のワークを継続して行うことで、(1)文章力、(2)発想力、(3)論理的思考力、(4)コミュニケーション力の4つの能力が磨かれるともいいます。また、「ワークでは、アイデアを考えて広げる発想力と、考えたことの整合性を合わせて論じる論理的思考力の2つの力が同時に問われます。いいかえると、発想をつかさどる右脳と論理をつかさどる左脳が、ワークをしている間フル回転しているわけで、脳のトレーニングにもなるのです」とも。さらに、コミュニケーション力の強化にもつながると強調します。「書いたことを人に伝えること、また何人かとワークをし、アイデアを出し合ってセッションすること、この2つでコミュニケーション力が磨かれます。よってビジネスシーンにも応用することが可能です。広報や企画、開発に携わる方は、このメソッドを活用してみてほしいですね」(田丸さん)*ショートショート講座のワークは、言葉遊びの感覚で自由に楽しくできるのが魅力です。アイデアの考案からまとめて文章にするまで、40分とは短いようですが、制限時間の中で一生懸命考えるからできてしまうのです。普段は使わない頭を活用するのも健康面でいいのでしょう。講座の終了後は、「まるで私の頭じゃないみたい」「こんなに簡単に書けるなんて」という驚きの声が上がっています。名詞を書き出し、そこから不思議な言葉を発想するところなどは、仕事場で革新的なアイデアを考案するときにも役立ちそうです。物語を書きたい人、アイデア不足に嘆く人は、手に取ってみてはいかがでしょう。(文/森美奈) 【取材協力】※田丸雅智・・・1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年12月『物語のルミナリエ』(光文社)に「桜」が掲載され作家デビュー。12年3月には、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。新世代ショートショートの旗手として精力的に活動している。主な著書に、『海色の壜』(出版芸術社)、『ショートショート・マルシェ』(光文社)、『日替わりオフィス』(幻冬舎)などがある。 【参考】※田丸雅智(2015)『たった40分で誰でも必ず小説が書ける「超ショートショート講座」』キノブックス
2016年02月29日『1万人が実践している 売れる店長の全技術』(丹羽英之著、かんき出版)の著者は、船井総合研究所の経営コンサルタント。商業施設のテナント活性化のプロフェッショナルとして、ショッピングセンターの集客プロモーションから開発・リニューアルまでを積極的に支援してきた実績の持ち主です。入社してから23年間で1万店舗の店長と出会ってきたそうで、その1万人から教わったことがあるのだとか。それは、成果を出している店長には共通したキーワードがあるということ。また同時に、誰にでも簡単に真似できるコツもあるといいます。だとすれば店長さんだけでなく、販売に携わっているすべての人は、ぜひ応用したいところです。■1:「おかげさまで」を口ぐせにする相手がお客様でも取引先でも、なにか聞かれたら「おかげさまで」と最初に返すようにするといい。著者はそう主張しています。なぜなら「おかげさまで」が口ぐせになると、自然に否定的な印象ではなくなるものだから。例をあげてみましょう。たとえば「最近、ご商売はいかがですか?」とたずねられたとします。そんなとき、「いやぁ、よくないですねえ」と答えてしまったら、そこで会話は終わってしまいます。それどころか、たずねた相手もそれを聞いていたスタッフも、「悪いんだ」という印象を持つだけです。でも、「おかげさまで……」と先にいえば、「売り上げはちょっと厳しいんですけど、お客様は増えていまして」と肯定的に締めくくることが可能。つまり「おかげさまで」が口ぐせになると、ポジティブになり、人あたりも変わってくるということ。また対応もよくなり、感謝の気持ちも伝わるというわけです。■2:休憩に入る際、「ついで」に声をかける休憩に入るとき、気が利く人は「休憩に行きます。なにか帰りに買ってくるものはありますか?」と同僚に聞けるのだといいます。そして店長を含めた全スタッフが、日ごろからこうしたことを実践しているお店は、チームワークを感じさせるもの。実際のところ著者も、長年続いている老舗には、そのような文化が根づいていることが多いと感じるそうです。口先だけでなく、店長自ら率先してやる。そうすることで、スタッフが自然と真似するようになるわけです。■3:スタッフに「教えて、助けて」と素直に聞く部下の力を借りるためには、本気で褒めて、感謝することが大切。また、それに加えて最強の店長は、スタッフに「教えて」と素直に頼ることができるのだといいます。本当はわかっていて、できることであったとしても、「私と違うやり方もあると思うから助けて」とスタッフに軽くアドバイスを求める。そんなことができる店長には、力量があるということ。そういうことがいえる人は、どこかのタイミングで「こうすることでいちばん人が育つ、こうすることで現場のモチベーションが上がる」ということに気づいたのだろうと著者は分析しています。■4:気配りで、女性によく働いてもらう流通・小売業で働く人には、店長を筆頭として女性が多いもの。そこで、彼女たちにいかに気持ちよく働いてもらうかが重要だといいます。しかし現実的には多くの店長が、女性スタッフを使うことに苦手意識を持っているものだというのも事実。また女性店長にはバリバリ働いて昇格した人が多いため、「普通」の女性の気持ちがわからないことがあるのだとか。だとすれば、女性特有の気持ちや事情がわからない男性店長にとって、それはなおさらわからないことであるはずです。なお女性に対して特に気をつけるべきは、次の2点。・オンリーワンであることを認めて、順序はつけない・マメに気づくことで、関心を持っていることを伝える特に2つ目の「関心を持っている」ことが伝わるのは、男性にとってもうれしいことではないでしょうか。■5:女性スタッフには順序をつけない女性のほめ方は難しいもの。あまり露骨にやってしまうと、波風が立つこともあるからです。また女性には横並びを好む傾向があり、そうでなくとも順序をつけるようなほめ方はよくないと著者。変に評価されてしまうと、逆に「まわりからいじめられるのでは?」と気にして、ドキドキしてしまう人もいるのだといいます。つまり大切なのは、順序をつけないこと。順序でほめるのではなく、「これは◯◯さんだからできるんだね」「さすが◯◯さん!」というように、行動や成果をほめることが大切だというわけです。*店長をターゲットにしているとはいうものの、このように販売の仕事に携わっている多くの人が活用できる内容。売れる店をつくるために、店長もスタッフも、ともに読んでおきたい一冊だといえます。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※丹羽英之(2015)『1万人が実践している 売れる店長の全技術』かんき出版
2016年02月28日日本は世界的に見ても、豊かなことで知られる国。実際、GDP(国内総生産)ランキングでは現在も世界3位の座をキープ(2015年4月現在)しています。しかし、「一人当たりの購買力ランキング」を見るとどうでしょう。なんと、市民一人あたりの豊かさは世界29位なのです! 「豊かな国」とは言い難い、シビアな現実を見た気がします。ライフネット生命保険株式会社 代表取締役会長兼CEOの出口治明さんと、内閣府と大学教員の経験を持つエコノミスト・島澤諭さんの共著書『自分の半径5mから日本の未来と働き方を考えてみよう会議』(SBクリエイティブ)では、日本人の労働生産性について警鐘を鳴らしています。そこで今回は、この本より抜粋した「日本人の働き方の5つの課題」を紹介したいと思います。■1:「おもてなし」は自己満足?日本のサービスは質が高いのですが、それが料金に含まれていないことが、労働生産性を低くしている原因にもなっているそう。たとえば、ブラック企業として取り上げられる企業はほとんどがサービス業です。賃金も上がらず、労働時間ばかり長く、離職率も高くなっています。従業員に見合った対価を与えられないのに、「おもてなし」ばかり強制するのはおかしいこと。お金のとれない「おもてなし」は自己満足に過ぎない、と著者はいいます。なぜ日本は一人あたりのGDPの順位が29位と低いのかといえば、労働生産性が低いから。労働生産性とは「いかに効率よく人と時間と資源を活用しているか」の指標で、「生産量(GDP)÷(就業者×労働時間)」で割り出されます。生産性が低いとそれに見合った給料しか貰えず、いつまでたっても生活が豊かにはならないのです。■2:年功序列は時代遅れ!同一労働・同一賃金のすすめ年功序列とは、勤続年数が増えていくに従い、地位も賃金も上がっていく仕組みです。著者は「若いときに搾り取られた給料以上の働いた分を、年をとったら取り返す仕組み」とも表現しています。これが維持される限り、年をとれば必然的に働かなくなります。現状維持で給料がたくさんもらえる人は、わざわざ生産性を上げる努力はしないでしょう。やる気がある人でも、いくらがんばっても賃金が上がらないとなれば、やりがいを感じられずにやめてしまうかもしれません。高度成長の時代はうまくいったシステムも、現在ではうまくいかないとのこと。やはり同一労働・同一賃金の、生産性に応じた給料体系にするべきのようです。■3:残業禁止が生産性を上げる日本の生産性を上げるためには「残業の廃止が必要」と著者はいいます。ダラダラ残業してしまう人は、労働生産性が高いとはいえません。日本の生産性の低い理由のひとつに、「仕事のコストパフォーマンスを重視されない」ことがあります。これは「いくら仕事ができても、給料はそんなに変わらない」ということとイコールです。コストパフォーマンスに重きが置かれない場合、ロイヤリティー(忠誠)に重きを置かれるようになるそう。すると「残業する人ほど真面目」、「遅くまで仕事をするほど愛社精神がある」などと評価され、余計に生産性が上がらなくなってしまうのです。残業禁止については個人の意識よりも、企業や管理職が率先して取り組まないとなかなか解決できない問題のようです。■4:「どのくらい仕事をしたか」という評価の仕組みをつくる今後は「なにをどれだけやったか」という評価の仕組みをつくる必要があるでしょう。生産性に見合った賃金を支払う仕組みを作るためには、各人の生産性を正確に計測し、それを評価した上で、その評価に対して上司と部下の双方で対話が必要とのこと。また個人では、自分の頭で人とは違うことを考えることも重要。仕事の生産性を上げるために、自分でいろいろな方法を「ラン&テスト」で試すのがいいようです。仕事のスピードが上がれば、生産性の向上に繋がるでしょう。■5:労働生産性のアップは今後の日本に不可欠!日本は少子高齢化の影響で、労働人口は減少傾向です。2060年には労働人口が約4割も減ってしまうそう。このまま労働生産性が変わらなければGDPも約4割減ってしまいます。労働生産性の向上を阻む最大の壁は「時間もスタッフも無限に使える」といった誤った考え方です。著者も「『長時間働いたから良い仕事ができた』と言う例は67年間の人生で見たことない」とのこと。ご飯をしっかり食べて、しっかり寝て休養するほうが、何倍も良い仕事ができるはずなのです。世界を見ても、今は「時短」に向けて動いています。例えばドイツはGDPが世界4位の経済大国ですが、午後6時以降の残業は禁止にする法改正に取り組んでいます。日本も働き方を見なおすときが来ているようです。*日本は一人あたりの豊かさで考えると、決して世界に誇れる状況ではありません。今後の日本を考えると、働き方を改革し、労働生産性を上げるように努めていかなくてはならないようです。この本は“日本の未来と働き方を考えたい”すべての人に、ぜひ読んでほしいと思います。(文/齊藤カオリ) 【参考】※出口治明・島澤諭(2016)『自分の半径5mから日本の未来と働き方を考えてみよう会議』SBクリエイティブ
2016年02月28日みなさんにはどんな強みや才能がありますか?もしかしたら、「自分にはなんのとりえもない」「特別な能力なんてない」なんて思っている人も多いかもしれません。しかし『明日、会社を辞めても「稼げる人」になれる本』(東洋経済新報社)の著者で、集客コンサルタントの金子欽致氏は、誰にでも、人にはない自分の「商品価値」があると主張しています。金子氏は、「マグネット集客」という独自の方法を編み出し、1,000人以上の独立起業希望者を成功に導いた「集客の達人」。そして本書では、顧客を引きつける「ウリ」を見つけ出し、磨く方法を明らかにしています。きょうはそのなかから、「隠れた才能を発掘する10の質問」をご紹介しましょう。自分独自の強みや才能の多くは、日常生活でごく当たり前のようにやっていることのなかにあるそうです。以下の質問を、自分自身に問いかけてみてください。■1:日々の生活で気づいたら「自然にやっていること」は?自分にとっては当たり前にできることが、他人からは「そんなことができるなんてスゴイ」と映ることはあるもの。すぐに思いつかなくても大丈夫。たとえば、1週間と期間を決めて自分の行動を記録してみます。客観的に自分の行動を見返してみれば、「これって意外とスゴイかも」ということを発見できることがあるそうです。■2:まわりからビックリされるほどお金をかけて「自己投資」していることは?自己啓発や勉強のためにお金をかけていることを考えてみてください。多額のお金を使っているということは、その学びを通して得た知識や情報は膨大なものになっているということ。それらをSNSなどで発信していけば、「~を知りたいときは◯◯さん」という風に思われるようになり、ビジネスにつながる可能性もあるそうです。■3:これまでの人生で関わった時間が一番長い仕事、または趣味は?ひとつのことを習得するために必要な時間は、「1万時間」だといわれています。つまり1万時間経験を積めば、その分野で一流になれるということ。なにかを成し遂げようというとき、累積時間は非常に重要。たくさんの時間を費やすことで、平均的な人たちよりも、抜きん出ることができるからです。それがなんなのかを探っていくことで、自分の商品価値を見つける大きなヒントになるというわけです。■4:小さいころ「性格的なコンプレックス」になったことは?それによりできた「思い込み」は?その「思い込み」により獲得したスキルは?性格的なコンプレックスとは、自分の性格について自分自身がネガティブな評価をしている部分のこと。しかしその部分が、スキルや才能の獲得につながることも。たとえば人見知りだという人には、「他人と人間関係をうまく構築できない」という思い込みがあるかもしれません。この思い込みにより、人と関わることなく、自分だけの世界を追求するという行動に出る場合があります。その結果、小説を毎日読むようになったり、編み物にハマったり……。コンプレックスをきっかけに、ある分野において知識や技術を獲得することがあるのです。■5:他人の仕事ぶりや才能で、どんなものに異常に嫉妬を覚えますか?強烈な嫉妬を感じてしまうのは、自分にもその人と同じ才能が眠っているからだと著者は考えているそうです。自分にも才能があるからこそ、その人のすごさがわかってしまうということ。嫉妬をネガティブな感情として考えるのではなく、それを自分の才能を開花させるきっかけにするとよいそうです。■6:チームで仕事や活動をするとき、どのポジションにいるときに、もっとも力を発揮できますか?集団にいるとき、リーダーになりたい人、裏方に回ってサポートしたい人など、自分にとって居心地のいいポジションがありますよね。居心地がいいのは、自分らしくいられるということ。そのポジションにまわれる仕事を選べば、より人の役に立つことができるというわけです。■7:人生でもっとも輝いた体験は?「あのときの自分はキラキラしていた」という経験を思い出してみましょう。すると、自分がいったいなんに充実感を覚えるのかがわかってくるそう。チームでがんばることが好き、ひとりで動く方が実力を発揮できるなど、自分が輝ける働き方を見つけるヒントにもなるのです。■8:心の傷として今でも残っている体験は?トラウマになるような体験は、自分のなかに「偏った思い込み」を生み出すといいます。たとえば「私はなにも考えずに行動すると他人を困らせてしまう人間だ」というような偏った思い込みは、その後の自分を縛り、本来の才能を発揮できなくさせることも。トラウマを書き出すことで、過去の経験から得た「偏った思い込み」から自分を解放するのです。■9:仕事で大切にしていることは?仕事で大切にしているポリシーや価値観はなんでしょうか。難しい場合は「仕事をしていて、強烈な怒りを覚えるときはどんな場面か」を考えてみるとよいそうです。なぜなら怒りや悲しみの感情には、人の価値観がよく反映されるから。仕事をしていくうえで価値観は重要。自分の仕事での価値観を再確認し、価値観とズレたことは自分の「ビジネス」として選ばないようにすればいいと著者はアドバイスしています。■10:自分の仕事や趣味で10分以上話し続けられることは?あることを長く話せるということは、それだけ多くの知識や情報を持っているということ。まわりの人を圧倒するほどの知識や情報は、自分にとっての商品価値となる可能性があるといいます。*本書を読み進めるうちに、自分の隠れた商品価値を発掘することができるはず。独立しようと思っている人はもちろんのこと、会社を辞めずに副業を考えている人もおすすめです。ビジネスのルールやオリジナル商品のつくり方など、「稼げる人」になるためのヒントが満載の一冊。ぜひ、手に取ってみてください。(文/椎名恵麻) 【参考】※金子欽致(2015)『明日、会社を辞めても「稼げる人」になれる本』東洋経済新報社
2016年02月28日『飛び抜けたアイデアを出す人がやっている ブレイクスルー思考トレーニング』(ひもとあやか著、日比野省三監修、日本実業出版社)は、「普通」の思考法から抜け出して、「飛び抜けたアイデア」や「突き抜けた発想」を得るためのメソッドを紹介した書籍。「この発想はなかった!」と大勢の人から称賛されるような商品やサービスを考えたい人に“使える”思考習慣がつまっています。監修を担当しているのは、1990年に南カリフォルニア大学のG.ナドラー教授とともに「ブレイクスルー思考」を発表して世界的に注目を集めたという人物。そして、ブレイクスルー思考研究に従事、企業・行政・学会等での講演、研修の講師を務めている著者が、その考え方をまとめています。まず意識しておくべきは、「いかに賢く考え選択するか」を意識的に行うことでブレイクスルーを可能にする選択者たちを「スマートセレクター」と呼んでいる点です。人間だれしも、「あの選択は間違いだった」という後悔の一つや二つはあるもの。プライベートでもそうですが、ビジネスでも選択肢を間違えて大損するのはよくあることです。しかし、賢い選択ができるようになれば、そんな失敗はなくなります。自分自身がスマートセレクターになって飛躍するためには、「3つの選択力」が重要な意味を持つのだといいます。■第1の選択力:セルフメイド選択私たちは、上司や親、先輩、友人、歴史上の人物、著名人、世間の同世代などがうまくやってこられたことを、「みんなできたんだから、きっと安全に違いない」と考えてしまいがち。たとえばビジネスの世界でも、「競合他社が成功したのだから、我が社もきっと大丈夫だ」というような話はよくあります。しかしこれは、著者によれば「レディメイド選択」。レディメイドとは大量生産される既製服のことですが、つまりは前例や成功例に依存しきった選択方法だということ。たしかに誰かがやってうまくいったのであるなら、楽で安全なように思えても無理はないでしょう。しかし、実はそこが落とし穴。なぜなら誰かがうまくいったとしても、主役や場所や時が違えば当然のことながら同じ結果は生まれないはずだから。いわば、そんな状況下で「同じような問題だから、同じように解決できるはずだ」と楽観視し、選択してしまうのがレディメイド選択だということです。いっぽう、違いを見落とさないだけでなく、違いを最大限に活かすのがスマートセレクター。どんなときにも、「万物にはユニークな差がある」ということを前提として選択するわけです。どれだけ状況が似ていたとしても、関わる人や目的、価値観、場所、時が違えば、「似て非なる問題」と考える。そして、どんな場合にもあてはまる「ほどほどの解」ではなく、特定の場(主役、場所、時)にとって最適な解決策を考え抜いて選ぶ「セルフメイド選択」をするべきだということ。■第2の選択力:目的情報選択当然といえば当然ですが、人は「より多くの情報を収集してから分析するほうが、適切な答えを得られる」と考えてしまいがち。しかし、主役・目的が違えば、必要な情報も違ってきます。だからこそ、「誰が主役で、目的はなんなのか」を明確にしないまま、情報を集めることだけにとらわれてしまうと、混乱してしまうだけ。しかしスマートセレクターは、闇雲に多くの情報を集めるのではなく、問題解決に必要な、解決策に関する情報を“最小限”集めるもの。まず「セルフメイド選択」で場を設定し、主役の視点から目的を明確化。次いで「目的のためにはどうあるべきか」を考え、必要最小限の情報を効果的に集める。それが、スマートセレクターの第二の選択である「目的情報選択」。■第3の選択:ズームアウト選択スマホやカーナビで地図を検索したとき、目的地にズームインしすぎると周辺の道やお店はわかっても、現在地からの道順がわからなくなってしまいます。だからそんなときはズームアウトして、全体を確認する必要が出てくるわけですが、物事についても同じことがいえるそうです。全体が見えていない場合は、選択そのものを誤ってしまう可能性があるということです。そこで必ずズームアウトし、目的性・連動性・全体性を見ることが大切。現実的には、安全だと思っていたルート(手段)がなくなってしまうことも少なくないでしょう。だからこそズームアウトして全体を見渡しながら事前に危険を察知し、柔軟にルート変更できるようにしておくことが重要。そうでないと衝突・沈没したり、行き詰まったりしてしまうわけです。著者によれば、「夢や理想があっても叶えられない人」と、「次々と実現していくスマートセレクター」との違いはここ。そこで、行き詰まったら、ズームインしすぎていないかを確認してひとまずズームアウトし、「目的を達成するためには、どんな仕組みが必要なのか?」を考えてみることが大切だということ。*さまざまなキャラクターを設定し、彼らの考え方や行動に沿って「ブレイクスルー思考」が解説された内容。「突出したなにか」にたどりつくためのヒントを、ここから見つけ出すことができるかもしれません。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※ひもとあやか、日比野省三(2016)『飛び抜けたアイデアを出す人がやっている ブレイクスルー思考トレーニング』日本実業出版社
2016年02月28日これからの日本の子どもは、世界を視野に入れて活躍できるように、従来の「覚える」から「考える」能力にシフトチェンジを求められています。2020年に受験システムが変わり、大学入試センター試験がなくなるのも大きな変化のひとつです。その根幹といわれる「学力の3要素」が、「基礎的な知識・技能をしっかりと身につけること」、「知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力をはぐくむこと」、「学習に取り組む意欲を養うこと」の3本柱。実は、これらに対応する能力を身につけるには、「断捨離」が最適なのです。断捨離の提唱者・やましたひでこさんは、著書『子どもの学力は「断捨離」で伸びる』(SBクリエイティブ)の中で、「断捨離とは単なる片付けテクニックではない。自分の頭で考えて決断する“考える”トレーニングである」、「断捨離をすることで子どもの学力が伸び、受験の成功にも導ける」といっています。そこで、今回は本書の中から抜粋した「断捨離をすると学力がアップに繋がるワケ」に加え、親子で実践したい「断捨離」の5つのコツをご紹介したいと思います。■1:断捨離の第一歩はシンプルに断捨離とは、目の前のモノと向き合い、「その物が自分にとって必要か不要か」、「適切か不適か」、「快か不快か」を思考・感覚・感性をすべて使って選択をする方法です。そして「不要、不適、不快」なものは捨て、「必要、適切、快適」なものは残す、というやり方を繰り返していきます。著者は「この一連の流れを親子で取り組むことにより、子どもの“考える力”が鍛えられていく」といいます。思考・選択・決断を何度も行うことで、脳も心も鍛えられ、自尊心を育む「実践的トレーニング」となるそうです。難しいことをいっても、目の前にあるモノと向き合うのが断捨離の第一歩。まずは机の中のボールペン1本からでも、はじめてみるのがおすすめです。■2:最終的な判断は本人が下す親はついつい子どもの無駄に見えるモノを「捨てなさい」といいたくなってしまいます。しかし断捨離では、モノを捨てるか、残しておくかを決断するのは、そのモノの所有者だけ。いくら自分が買い与えたモノでも、価値がなく見えるモノでも命令はNG、とのこと。子どもの意見をないがしろにしてモノを捨てることは、単なる親の自己満足です。時間がかかっても子どもが自分の力で考えて挑戦させることが重要。断捨離は自分軸によって選びとる主体性が一番大切なようです。■3:断捨離は「引き算」で考えていく断捨離は引き算で考えるもの。「いまの自分に機能していないのなら決別する」、「不要・不適・不快なものは捨てる」が正解です。実はこれは、勉強においても効果的な考え方とのこと。子どもには無限の可能性があると考えて、足し算の発想で「この勉強方法も効果的」「あの塾も評判いいから通わせよう」など、子どもにすべきことを押しつけるのはよくないそう。子どもの意の反していることも多く、あれもこれもと与えてしまうと、子どもは「押しつけられている」と感じてしまうでしょう。「これはいらない」「これだけやればいい」のような熟慮された引き算の考え方が大切なようです。■4:空間に余裕を作りセルフイメージを高める「いまの私に機能していない」と感じるモノに別れを告げると、意外にも空間に余裕が生まれるのを実感できるでしょう。余裕のある空間でモノをていねいに扱って暮らす人は、心に余裕もでき、思考も豊かになってくるそう。これがセルフイメージの向上にも繋がるようです。著者は「断捨離はモノだけでなく、コト・ヒトとも向き合い、関係性を見直す人生の片づけ」といっています。断捨離によって、そんな好循環を呼び込めるようになるのを知っておきましょう。■5:親は自己満足を自覚し「心の断捨離」を「子どもを有名な学校に入れたい」という親は多いのですが、その気持ちの奥にはどんな本音が隠されているのでしょうか。子どものため、といいながら、「子どもがいい学校に入れば親のステータスになる」、「周囲の人から褒められたい」、「他人に自慢したい」、または「自分が有名校卒だから、子どももせめてあのレベル以上の学校には入ってもらわないといけない」など考えていませんか。それは、親の完全なエゴだそう。子どもはとても敏感なので、親のエゴを正確に察知します。親の自己満足の道具にされた子どもは、無意識に親に報復をしかけてくるもの、とのこと。そんな事態を招かないためにも、親は“心の断捨離”をして、自問してみることが必要なようです。*断捨離はモノ、コト、ヒトと向き合う行動哲学とのこと。親子で行う断捨離を子どもの生きる力に繋げ、考える力を養いながら学力の向上を目指していく。2020年からの教育新時代にも視野を向けて、今から前向きに準備することが大切なようです。そして、相手を尊重できるような親子関係を築いていきたい方にも、ぜひおすすめしたい本だと思います。(文/齊藤カオリ) 【参考】※やましたひでこ(2016)『子どもの学力は『断捨離』で伸びる』SBクリエイティブ
2016年02月28日怒りは誰にでもある感情。すぐにイライラする、怒りが顔に出てしまうという人もいるかもしれません。しかし、つい怒ってしまい「また怒っちゃった……」と後悔することはありませんか?怒りやすいと自分が不快な気持ちになるだけでなく、「いつもカリカリしていて嫌な人」「そんなに怒ること?」など、周囲からの悪い評価にもつながってしまいます。また怒りをぶちまければ、その場の雰囲気まで悪くしてしまうものです。そこで、怒りの感情が抑えられずに悩んでいる人におすすめしたいのが、『「もう怒らない」ための本』(アスコム)です。著者は精神科医であり、『感情的にならない本』が40万部超えのベストセラーとなった和田秀樹氏。本書では、精神医学に基づいた「怒りを収める24のメソッド」が紹介されています。実践すれば、ささいなことで怒らない生き方を身につけることができるはず。まずは本書から、怒りが起きる理由を確認してみましょう。■そもそも怒りは「脳」で起きている感情は、脳が生み出すもの。怒りが湧きあがってきたときも、脳内ではある変化が起こっているそうです。たとえば誰かに殴られたとき、もっとも速く反応するのが大脳辺縁系というところ。人間以外の動物にも共通の原始的な脳だといいます。辺縁系では複雑なことは考えず、殴られたからカッとするなど、単純な反応を起こすのだそうです。同時に恐怖という感情が生み出され、逃げ出すという行動をとることもあるのだとか。これに対して大脳皮質という部分は人間的な脳で、ゆっくりとした反応が起こるといいます。「人を殴っちゃダメ」「上司とケンカしたら職場にいづらくなる」といったことを考え、衝動的な行動に走ることをストップさせるのです。怒りに関しては、辺縁系はアクセル役、皮質がブレーキの役割を果たすというわけです。■酸素が足りないと怒りやすくなる!ところが感情が高まっているときや不安が強いときは、皮質に酸素が不足していて窒息状態になることが実験でわかったそうです。ブレーキ役である皮質が故障してしまえば、怒りはどんどんエスカレートしてしまいます。「怒りでなにもいえなくなる」「頭に血が上って頭が真っ白」というときには、脳が酸素不足でSOSを出していると思ってよいとのこと。つまり、脳に酸素を送ることが大切になるわけです。そこで必要なのが、呼吸です。皮質が酸素不足になっていると思い、意識してゆっくりと呼吸するといいそうです。何度も呼吸をすることで、皮質にも酸素が行き渡り、次第に怒りも収まってくるといいます。■軽くイラっときたら深呼吸するべし日常生活のなかでは、ちょっとしたことにムカっとすることもあるでしょう。そんなときにも、呼吸が重要。著者は軽くイラっとしたときの対処法として、「3秒間深呼吸をすること」を勧めています。深呼吸なら道具不要で、どこでも気軽にできますよね。怒りのブレーキ役の皮質が正常に働いていれば、怒りを感じても、それが行動に移ることは防げるということ。怒りそうになったら「酸素」を意識してみるのです。また、イライラしたときにはシチュエーションを変えるのもよいそうです。たとえば、家のなかでイラッとしたなら、一度外に出てみて酸素が体中に行き渡るように深呼吸。身体のなかの古い空気とともに、怒りをすべて吐き出す感覚で行うのです。■しつこいイライラには3秒だけ怒るではしつこいイライラの場合は、どうすればよいのでしょうか。なかには怒りを溜め込んでしまい、ある日突然爆発してしまう人もいますよね。そうならないためのコツのひとつが、怒りを小出しにすること。「ポイントは3秒だけ怒ること」と、著者は主張します。ダラダラと怒り続けると、不快な気持ちが継続してしまうからです。そしてもうひとつのコツが言葉選びと表現方法。たとえば相手に同意できない場合には、「なるほど。でもちょっと賛成できませんね」など、言葉を選んで怒りを出すのもいいそうです。また皮肉や嫌味も、立派な怒りの表現だといいます。ただし怒りを小出しするときには、怒りの表情は抑えること。怒りの表情は、せっかくの小出しや皮肉も逆に相手の怒りを買う可能性があるからです。*怒りとの付き合い方を間違えると、体調が悪くなったり、心を病んだりしまうことも。かといって暴言や暴力で人を傷つけるようなことはしたくはありませんよね。本書には、実践的ですぐに効果がある怒りを収める方法が紹介されています。対処法を身につけられれば、「もう怒らない」自分になれるはず。怒りっぽい人、イライラがすぐに顔に出てしまうという人は、ぜひ手にとってみてください。(文/椎名恵麻) 【参考】※和田秀樹(2016)『「もう怒らない」ための本』アスコム
2016年02月27日恥ずかしながらきょうは、発売されたばかりの私の新刊をご紹介させていただきたいと思います。『遅読家のための読書術―――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(印南敦史著、ダイヤモンド社)がそれ。『Suzie』をはじめとする複数のウェブメディアで毎日書評を書き続け、年間700冊以上の本を読んでいる立場から、自分なりの読書術を披露した書籍です。などと書くと、あたかも速読の達人であるように思われてしまうかもしれません。しかし実は私自身、放っておくと1ページ読むのに5分もかかってしまうほどの「遅読」派なのです。でも、そんな人間でも年間700冊の壁を越えることができる、それこそがまさに、本書で伝えたいこと。■ポイントは「フロー・リーディング」!私の読書術の根幹をなすには、「フロー・リーディング」という考え方です。いうまでもなく「フロー(flow)」とは、「流れる」という意味。ストック(ため込む)ことに重きを置いた従来の読書法とは違い、「その本に書かれた内容が、自分の内部を“流れていく”ことに価値を見出す読書法」です。「流れて行ったんじゃ、なにも残らないじゃないか」と思われるかもしれませんが、ポイントはそこにあります。なぜならどれだけ熟読しようとも、結果的には忘れてしまうことのほうが多かったりするものなのです。逆に、さらっと読んだとしても、自分にとって重要な部分は必ず心に引っかかります。むしろ大切なのはそちらなのだから、「流して読んで引っかかった箇所」に重点を置きましょうという考え方。■読書習慣をつくるための3つのステップ別ないいかたをすれば、「音楽を聴く」ような気軽さで本を読もうということなのですが、しかし、それ以前にも問題はあるでしょう。「忙しくて、読みたくてもなかなか読書の時間を確保できない」という、現代人にとって切実な悩みです。その気持ちは私も同じなので、本書では読書習慣をつくるための3つのステップをご紹介しています。(1)「毎日・同じ時間」に読むようにするなにかを習慣化するうえでの極意は、毎日・同じ時間に行うこと。読書を習慣化するうえでも、読む時間帯を決めることはとても重要です。小学校の「朝の10分間読書」のように、「仕事をはじめる前の10分間」「昼食後の10分間」「就寝前の10分間」など、読書時刻を自分のライフスタイルのなかに設定することが最初の一歩。なお個人的には、頭をスッキリさせることのできる朝の時間がおすすめ。逆に夜寝る前は、酔っていたり眠かったりするので、あまり効果的ではない気がします。また同じように、読書の場所、シーン、シチュエーションを決めることも大切。「自宅のこの場所」「このカフェのこの席」など“場所”だけでなく、「コーヒーを淹れる」「好きな音楽をかける」などのシチュエーションも意識すべきです。(2)「速く読める本」を中心に選ぶ次に「どんな本を選ぶか」という問題について。もし読書を習慣化したければ、「読みたいかどうか」だけでなく、「速く読めそうか」という基準で本を選ぶことも大切です。1.そもそも読まなくていい本2.速く読む必要がない本3.速く読める本基本的に、本はこの3つに分類されると考えています。「読まなくていい本」というのは価値がないという意味ではなく、「自分にとって必要のない本」。「速く読む必要がない本」は、小説などプロットを楽しみたい本。そして「速く読める本」とは、どこから読んでも相応の価値を見出せる「切れ目」が多い本。この「速く読める本」を中心に据えることによって、「前に進んでいる感じ」をつくり出すことが可能になり、それがモチベーションの向上につながるわけです。(3)「昨日とは違う本」をいつも読む読書を楽しむための原則として、「1冊の本に10日以上かかりきりになっている状態」は望ましいものではありません。いちばんいいのは、時間のかかる本を、別途用意した「速く読める本」と並行して読み進めていくこと。そして、できることなら、本は「1日で1冊読みきる」のが理想的。毎日違う本が自分のなかを通り抜けていく状態をつくることが、フロー・リーディングの基本だからです。大切なのは、「熟読の呪縛」に縛られないこと。「10日間のダラダラ読みより、60分間のパラパラ読み」を意識すれば、読書体験のクオリティは格段に向上します。ちなみにこれは経験的なエピソードですが、現実的には1時間ですばやく読んだほうが、本のポイントはしっかりと記憶に残ることが多いものです。*これ以外にも、読書習慣を身につけるためのちょっとした工夫をたくさんご紹介しています。また、スラスラと読み進めることができるように配慮して書いたつもりです。すぐに読めると思いますので、週末にでもぜひ読んでみてください。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※印南敦史(2016)『遅読家のための読書術―――情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』ダイヤモンド
2016年02月26日仕事ができる人や幸せに成功している人たち、とくに一流であればあるほど、まず住まい(部屋)やオフィスなどの周辺環境を整えることに徹底的にこだわっている。そして、自らがつくった環境に成功を後押しされている。そう断言するのは、『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』(八納啓創著、KADOKAWA)の著者。一級建築士として多くの人の家やオフィスの設計、改築などに関わり、自身が開催する「家づくりのセミナー」を通じて、たくさんの人と出会う機会があるという人物です。そんな著者が本書で伝えようとしているのは、「人生や仕事がうまくいく人といかない人の差・違いはその人の能力差ではなく、住環境、職場環境つまりは過ごしている場所や部屋の活かし方の差である」ということ。なかでもとくに印象的なのは、パフォーマンスを最大限に発揮するためには、環境をうまく活かすことが不可欠であるという考え方。そして環境を活かすための感性を磨き上げるためには、4つのポイントがあるのだそうです。■1:その場所でどう感じるかを意識する場所や空間は、たとえば商談や打ち合わせの結果、仕事の成果、体調や精神的なバランスなどに大きく働きかけるもの。そこで、さまざまな環境下において、自分が「どう感じるか」を意識してみることを著者は勧めています。たとえばオフィスでも、「ここに座ると、なぜか落ち着く」「この部屋で打ち合わせをすると、いつもいいアイデアが出る」といった場所があるはず。その場所が、自分にどういう感覚を抱かせるのかを意識してみるということ。そうすることで、「場」のもたらす影響力を実感できるようになってくるのだそうです。■2:その場所を使う意図を明確にする人生がうまくいく人は、住む部屋を探すとき「公園の近くに住んで緑に囲まれたい」「富士山が見える部屋で毎朝目覚めたい」など、明確な目的を持っているのだと著者はいいます。まずは、それが大前提。そして場所が持つよい力を感じることができたら、次にすべきは「なぜその場所なのか」を決めること。なぜなら、そうすることにより「どう活用するか」が見えてくるから。つまり、ハイパフォーマンスを実現するためには、「そうなるために、なぜそこにいるのか」をはっきりと意識することが大切だという考え方です。とはいっても、新たに目的を考えなおし、その目的に合った住まいに引っ越さなければならないというわけではありません。「なぜ、いまの家に住んでいるのか」を、もう一度考えてみることが重要だということ。たとえば会社が用意してくれた社宅に住んでいるとしたら、「会社に近くて便利だから」「家賃が安いから」などの理由が思い浮かぶでしょう。しかし、もう少し前向きで楽しめる意識に結びつくように考えなおしてみればいいのです。会社に近いのが理由なら、「通勤電車のストレスにさらされずに体力を温存できる。家賃が安いなら「そのぶん、自分の勉強や経験を広げるためにお金が使える」というように、視点を前向きに変えてみるわけです。■3:目的によって場所を使い分ける著者は、原稿を書いたり、本の執筆をしたりするときには、意図的に近所のチェーン系コーヒーショップやファミリーレストランに行くのだそうです。理由は、その場所にあるエネルギーをうまく活用したいから。自宅やオフィスで考えていると専門的な思考に陥りがちになるため、一般社会に近い状況に触れるわけです。いっぽう、社外でクライアントと打ち合わせをするときは、一流ホテルのラウンジを使うようにしているそうです。質の高い空間で、よい記憶のエネルギーを受け、好ましい結果を手に入れるためだといいますが、つまりは目的によって場所を使い分けることが大切だというわけです。■4:相手との快適な距離感も常に意識する部屋や空間以外の大切な環境のひとつが、「人との距離感」。環境を考えるのであれば、相手との距離感についても考えるべきだという考え方です。知らない人ばかりが乗っているエレベーターのなかは、緊張感が漂うもの。しかし知り合いが乗り合わせたときは、さほど緊張しません。このように、「心地よい距離感」は違うものだということ。つまり距離をうまく縮めることができれば、信頼できる関係になることも可能だということです。また、「どこに座るか」も大切な要因なのだとか。仕事のときでも、「この相手とは信頼関係を築きたい」と思ったら、座る位置を変えるだけで相手との距離感が変わる可能性があるそうです。*睡眠環境から風水・家相まで、住まいをさまざまな角度からとらえた一冊。読んでみれば、意外な気づきがあるかもしれません。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※八納啓創(2015)『なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』KADOKAWA
2016年02月26日書店に足を運んでみれば、あるいはアマゾンでビジネス書をチェックしてみれば、「起業」に関する書籍はいくらでも見つかります。そしてそれらは、起業の素晴らしさをアピールし、読者をその気にさせようとやっきになっているようなものが大半。でも、起業したら本当に、その先にあるのはバラ色の未来なのでしょうか?そんなことはあり得ないと考えるほうがいいのではないでしょうか?そう思わずにはいられないからこそ強い説得力を感じさせるのが、きょうご紹介する『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』(大賀康史、苅田明史著、ソシム)。著者は、「本の要約サイト」として知られる「フライヤー」の代表取締役と取締役。(1)「筆者の経験にもとづいた起業ノウハウ」、(2)「先輩起業家からの生々しいアドバイス」、(3)「起業家必読といえる名著の要約・紹介」という3つの要素で構成されています。■起業家は「天才」ばかりではない起業には特別な人にしかできないことのようなイメージがあり、最近の起業家は、ロックスターのようにも見えるもの。しかし、起業とはごく一部の天才だけが行えるものではないと 著者はいいます。起業家の世界に身を置いてみると、たしかに天才的な人もいるそうです。たとえば大学生時代に起業して、20代後半でベテラン社長としての風格を身につけ、特有のオーラを放つような人など。しかし決して、そのような人がすべてだというわけではないということ。起業家同士で話をしてみると、その多くは悩みを山ほど抱える普通の人間だというのです。数々のトラブルに直面しながら努力を重ねるなかで、名声を手に入れて行っているわけです。だからこそ、「遣り抜くという覚悟さえ決められるなら、起業家には誰でもなれる」と著者はいいます。■起業がしやすくなった3つの理由昔の起業のイメージは、「一世一代の大博打」というようなものだったかもしれません。しかしいま、起業環境は大きく前進したといいます。誰にとっても起業をすべきかどうかについては、もちろん簡単にいい切れない部分はあるでしょう。しかしそれでも、さまざまな要因から、起業にチャレンジしやすい環境へと変化しつつあるのは事実だというのです。そして最近の起業環境については、次の3つのポイントがあるのだとか。(1)借入金の融資の際に、必ずしも連帯保証を求められなくなってきたかつてスタートアップが借入をする際には、ほぼ例外なく社長の連帯保証が入り、万一資金が返せなくなった場合には、個人資産で返すか自己破産しか道がなかったそうです。もちろんいまでもその慣習は残っているものの、日本政策金融公庫の制度融資など、一部のローンは無担保・無保証(連帯保証人なし)で提供されるようになっているのです。(2)投資家に厚みが出てきており、資金の調達手段が広がってきた投資家は、数・質ともに、いままでになく充実してきているといいます。たとえば過去にベンチャーを成功させている「エンジェル投資家」、アイデアとメンバーだけの状態のスタートアップを育成する「ベンチャーアクセラレーター」、小規模から大規模のファンドを運営する「ベンチャーキャピタル」、新規事業の種を探してスタートアップへの投資に積極的な事業会社などがそれにあたるそうです。(3)スタートアップを支える支援組織が充実してきた最近はスタートアップと大企業をつなぐイベントが盛況。経済産業省も近年、『TOKYO イノベーションリーダーズサミット』というイベントで、スタートアップと大企業がマッチングできる機会を提供しているのだそうです。他にも、証券会社、監査法人の組織や、スタートアップと大企業のマッチングを担う企業が主催するイベントも増加傾向。大企業との事業提携の機会が得やすい環境になってきているというわけです。また、テレビや新聞などのメディアもスタートアップに注目しており、サービスの露出の機会も増加傾向にあるといいます。■起業家は金銭的な困難に直面するこのような企業環境のなか、誰もがうらやむような大企業から転じて企業したり、スタートアップに転職したりする人が増えているということ。そして著者は、こうもいいます。もしも起業のアイデアがあって、それは何度検証しても有効だと思え、自分がやり遂げたい「志」にも沿っている。そして、一緒に起業してくれそうな仲間もいる。だとすれば。起業に必要なのは、腹を決めて一歩を踏み出すことだと。ただし冒頭でも触れたとおり、本書ではやみくもに起業を勧めているわけではありません。それどころか、「起業すると、ほとんどの起業家は金銭的な困難に直面する」という、多くの人が触れたがらない現実にもしっかりと目を向けています。単なる机上の空論ではないからこそ、強い説得力が生まれているわけです。*起業を本気で考えている人にとって、とても意義ある内容。また「要約サイト」の著者であるだけに、読む価値のある多くのビジネス書も紹介しています。密度の濃い内容であるだけに、ぜひ読んでおきたい一冊だといえるでしょう。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※大賀康史、苅田明史(2015)『7人のトップ起業家と28冊のビジネス名著に学ぶ起業の教科書』ソシム
2016年02月26日みなさんは普段、どのくらい食品に気を使っていますか?市販品を買うとき、産地や価格はチェックしても、原材料表示まで確認する人は少ないのではないでしょうか。私たちのまわりには、サラダ油をふんだんに使った食品があふれています。「サラダ油ってヘルシーじゃないの?」と思う人もいるかもしれませんが、じつは身体の健康を損なうリスクがあるのです。医学博士で脳科学専門医の山嶋哲盛氏は、サラダ油は「からだに悪い」と断言。著書『そのサラダ油があなたを殺す 脳にいい健康油で、アレルギー、うつ、認知症を防ぐ!』(SBクリエイティブ)では、脱“サラダ油”生活を説いています。家庭でもよく使われているサラダ油ですが、アルツハイマー病やうつ病、アトピー性皮膚炎などの原因にもなっているというのです。■サラダ油は0℃で5.5時間放置でも腐らないサラダ油とは、日本農林規格(JAS)によって定められた精製度の高い油のこと。食用植物油の一種です。味やにおいにクセがなく、どんな食材や調理にも応用がききやすいため、家庭やレストランの料理から、スーパーやコンビニにあるスナック菓子やお弁当などに幅広く使われています。JAS規格では、0℃の環境で5.5時間放置しても濁らないことがサラダ油の条件とされています。0℃でも濁らないのは、精製度が高いから。しかし、これは決してよいことではないそうです。サラダ油は脱色、脱ロウ、脱臭などの処理をするため、まるで工業製品のような工程でつくられているというのです。■不調や病気は「サラダ油」が原因かもしれないサラダ油に含まれるリノール酸は、過剰摂取すれば、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー症状の原因になるとされています。日本人が一日に必要なリノール酸は9g前後。たとえば、サフラワー油で揚げた1個100gのコロッケには、11.7gものリノール酸が含まれている計算になるそうです。これですでにオーバーしてしまうわけです。またサラダ油に多く含まれるリノール酸を200℃前後に加熱すると発生する毒素「ヒドロキシノネナール」は、アルツハイマー病を引き起こす原因といわれています。とはいえサラダ油は、料理のときに使わなければ済むという問題ではないとのこと。なぜなら、サラダ油は予想以上にいろんな食品に入っているからです。■サラダ油はコーヒーフレッシュにも潜んでいる市販食品の原材料表示に「植物油脂」と書かれていたら、サラダ油が入っていると考えていいそうです。植物油脂とは、主にサラダ油を原料とし、植物から採られる油脂分を食用に精製した物の総称とのこと。たとえば、コーヒーに入れるコーヒーフレッシュにもサラダ油が含まれているといいます。原材料表示を見れば、「植物油脂」と記載されているはず。コーヒーフレッシュは、サラダ油に水を混ぜて白く濁らせ、水と油が分離しないように乳化剤で安定させたうえ、クリームのようなとろみと色をつけるために添加物を混ぜたものだそうです。つまりコーヒーフレッシュはミルクではなく、サラダ油と添加物でできた加工食品だということ。著者は「コーヒーにコーヒーフレッシュというのは、コーヒーにサラダ油を入れているようなもの」と主張しています。また、ホイップクリームも実は乳製品ではありません。コーヒーフレッシュと同様に、植物油脂に添加物を加えてつくられたもの。原材料表示にも「植物油脂」と書かれているはずです。乳脂肪のみを原料にし、添加物を加えていないものであれば、容器に「クリーム(乳製品)」と明記してあるそうです。クリームとは、牛乳を分離して乳脂肪のみを原料とし、乳脂肪分18%以上のものを指しています。一方、乳脂肪に植物油脂や乳化剤、安定剤などの添加物を加えたものは、「クリーム(乳製品)」には当てはまらないのです。ホイップクリームでデコレーションするのは、サラダ油をケーキに塗っているようなものだということ。身体のためには、乳製品の生クリームを使用するとよいそうです。*本書ではサラダ油が健康に悪い理由や、「隠れ油」食品について詳しく書かれています。また脳と体にいい健康油と、それらの油を活用した健康レシピも紹介されています。読み終えたときにはきっと、自身の食生活に関する意識も変わることでしょう。一人暮らしの人も、家族で暮らす人にもオススメの一冊。健康のためにもぜひ手に取ってみてください。(文/椎名恵麻) 【参考】※山嶋哲盛(2016)『そのサラダ油があなたを殺す 脳にいい健康油で、アレルギー、うつ、認知症を防ぐ!』SBクリエイティブ
2016年02月25日『ザ・パワー・オブ・ザ・ハート 人生の本当の目的を探して』(バプティスト・デ・パペ著、山川紘矢、山川亜希子訳、KADOKAWA)のテーマは「ハート」。「ハート」を単なる臓器としてではなく、頭脳をはるかに超えた知性と知恵を備えたものとしてとらえているというわけです。そして、そのパワーをどう使えば、お金や成功、健康、幸せ、人間関係と社会に対する意識を変革させることができるのか?どうやったら自身の内部に埋もれた才能を見つけ出し、目的を達成できるかを解明しているということ。著者は、ベルギー生まれの「霊的な探求者」であり、作家、映画作家。オランダの法律学校卒業後、世界で最も有名な法律事務所への就職が決まっていながら、「自分の人生で本当にしたいことはなんなのか?」と、人生の目的と将来に疑問を抱いて不安にさいなまれたのだそうです。しかしある日、奇妙な体験をしたことがきっかけとなって、自分の人生の目的が「ハートを探求すること」であることを知ったというのです。そしてそこからは世界を旅し、パウロ・コエーリョ、ディーパック・チョプラ、エックハルト・トールなど世界的に有名な精神指導者たちを訪ね、本書を執筆したという流れ。その結果として生まれた本書は、18人もの精神的指導者たちの言葉、そして著者の文章によって構成されています(ちなみに映画版も製作され、話題となったそうです)。きょうは「お金とキャリア」について書かれた項のなかから、要点を引き出してみたいと思います。■お金はただの道具でしかない!お金は品物やサービスの移転を容易にするための道具、交換の手段。なのに多くの人にとって、それは成功の目安になっていると著者は指摘しています。食料や住居など、基本的な必要を充たすためにお金が必要であることは事実。しかしお金は、人生の困難から自分のことを守り、人生の目的を見つけるための究極的な力とはなり得ないということです。いわばお金はただ、幸せに対して限定的な役割しか持っていないということ。著者によれば、魂は、お金を蓄積すること自体は人生の目的ではなく、よりすばらしいなにかの副産物であり、ハートに従って行動した結果にすぎないと思っているのだそうです。つまりハートはお金を持つことよりも、人生の豊かさ、つまり充実感、愛、そして喜びに関心があるということ。そしてそれを前提として、本書における指導者のひとりであるディーパック・チョプラ氏の著作『富と成功をもたらす7つの法則』のなかから、次の文章を引用しています。「成功にはいくつもの側面があります。物質的な富は、ひとつの側面に過ぎません。……成功はまた、健康、生きるエネルギーと活力、充実した人間関係、創造的自由、感情的心理的な安定、幸せ感と心の平和も含んでいます」自身の行動がお金ではなく、喜び、充実感、調和、そしてより大きな善に貢献することに動かされているときにだけ、宇宙のサポートを受け取れるのだと著者は主張しています。それは、ハートから行動しているときなのだとか。■報酬は自動的に与えられるもの自分のなかの情熱と、卓越したものをつくり出そうという思いが一緒になったとき、自分の行動は認められ、感謝されるもの。その結果、報酬が自動的に、ときには豊かに与えられることも。それだけではなく、自分が最高の人生を生きていれば、お金が入ってくるチャンスはいくらでもあるといいます。もちろんどのくらいかは保証できないものの、遅かれ早かれ、それはやってくるのだといいます。大切なのは、物質的な豊かさを享受していたとしても、満たされるためにそれを必要としているわけではないということ。もっとも大切なことは、自分のハートの思いにかなった「ワクワクすること」をしているかどうか。そうすることによって、充実感を手にし、生まれ変わったように感じ、さらに物質的な報酬をも手にすることができるのだという考え方です。■ハートの力を成功の基準にするお金ではなくハートの力を成功の基準にすると、自分の情熱と使命を追求するようになるのだといいます。するとストレスと緊張も減り、仕事と生活のバランスも良くなり、人生のパートナーや家族や友だちと過ごす時間も増えるのだとか。やがて人生を振り返るときには、すばらしいことばかりを思い出すことができ、後悔はひとつも残らないだろうと主張しています。*スピリチュアル要素が非常に強い内容であるため、この分野に抵抗を感じる方にとっては、満足できない部分もあるかもしれません。しかし、もし心をフラットにして臨める準備があるなら、相応の満足感を得ることができる内容だともいえそうです。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※バプティスト・デ・パペ(2015)『ザ・パワー・オブ・ザ・ハート 人生の本当の目的を探して』KADOKAWA
2016年02月23日誰でも少なからず、老後の生活には不安を感じているもの。「年金生活でやっていけるの?」「老後資金はいくら貯めたらいいの?」など、お金の心配は避けられません。特におひとりさまの場合は、老後資金を自分で準備する必要があります。とはいえ将来のイメージも漠然としているだけに、なかなか貯金ができないという人も少なくないでしょう。そんな人にぴったりなのが、将来の出費を把握できるライフプランシートの作成。いきなり「シートの作成」なんて聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、難しく考える必要はなさそうです。「漠然とした老後不安をかかえている人は必読」と話題を呼んでいる『おひとりさまの老後のお金と暮らしの本』(マイナビ出版)編著者の百田なつきさんに、ライフプランシートで上手に貯金する方法を伺ってきました。■ライフプランシートで目標を立てやすくなる!ライフプランシートとは、今後のイベントと予測される費用を書き込んでいくもの。そうすることで必要な出費がわかり、老後のお金のことがイメージしやすくなるといいます。それだけでも不安解消になり、貯蓄の目標を立てやすくなるはず。たしかに明確な目標があった方が、お金を貯めやすいですよね。肝心のライフプランシートには、「西暦」「自分の年齢」「仕事の予定」「夢やイベント」「必要な出費」の項目をつくって記入しましょう。大げさに考えることはありません。百田さんは、「先のことはできる、できない、お金のことは考えず、やりたいことを書いていきましょう」とアドバイスしています。金額がわからないときは「?」でもOK。これなら気軽にできそうですね。毎日の生活のなかで私たちは、目先のことばかり考えがちです。しかしライフプランシートを書くことで、老後の生活と資金の目標がわかりやすくなり、今後の生き方の見通しが立ってくるというわけです。では、具体的にどのように書いていけばいいのかをご紹介しましょう。■ライフプランシートの項目ごとに書くべきことまず「仕事の予定」の項目には、「昇進試験」や「勤続20年」など、昇進や昇給の目安や予定、目標を記入します。ただし、人によって退職したり、転職をする予定があったりするもの。そのキャリアプランも書いておくことで、収入や貯蓄の目安がわかりやすくなるといいます。ハッキリと決まっていなくても「このぐらいで転職したいな」という目安を記入してみましょう。「夢やイベント」と「必要な出費」の項目には、マンション購入(頭金200万円)、法事(3万円)、海外旅行(30万円)、ライブ(1万円)など、普段の生活費とは別にかかっているものを書いていきます。これらの費用を記入しておくと、「かくれ出費」も把握することが可能。かくれ出費とは、毎月決まって必要な生活費以外に、年に1度または数年に1度必要になる出費のこと。いまはボーナスや貯金から出せても、年金暮らしになればボーナスはなくなり貯蓄も増えないため、老後資金が必要になってくるわけです。浪費する予定がなくても、スマホやパソコン、電化製品などは買い替える時期があります。そこで、その予定と出費を書いておきましょう。金額の大きさは人それぞれなので、何万円以上をシートに記入するという決まりはありません。ただし、ボーナス払いにしているものや分割で買ったものなどは記入しておくとよいそうです。■10年分のライフプランシート作成するヒント実現したい夢がなく、10年後もいまと変わらない平凡な毎日を送ることを目標にしている人もいるでしょう。そのような人は、「月2万円の貯蓄を次の年には2万1,000円にするなど、地道に貯める目標を立てるといいと思います」と百田さん。それなら無理なく、老後資金を増やしていけそうです。また、10年後も変わらないとはいっても、マンションの更新や引っ越し、家具や電化製品の買い替えもあるため、そういった項目や費用の目安もシートに記入しましょう。そしてライフプランシートには、20年、30年後の予定も入れておくとよりよいとか。年金の目安や退職金、定年後も働くのかなどの予定を書いてみましょう。ただ、どうしても30年先のことを考えられないなら、まずは10年分の作成からはじめてみてもよいそうです。*おひとりさまが少しでも安心して老後を過ごすためには、早くから備えをはじめることが大切。ライフプランシートで、目標に向けて貯金をしていきませんか?今回アドバイスをくださった百田さんの著書『おひとりさまの老後のお金と暮らしの本』には、誰にも聞けない老後のリアルな話が、マンガと詳しい解説でわかりやすく紹介されています。本書のなかに書き込みシートもあり、簡単に自分のライフプランシートを作成可能。人生の後半戦に向けたマネープランとライフプランがわかる一冊、ぜひ手にとってみてください。(文/椎名恵麻) 【参考】※百田なつき・にしだきょうこ(2015)『おひとりさまの老後のお金と暮らしの本』マイナビ出版
2016年02月23日「時間がいくらあっても足りない……」と毎日ぼやいていませんか?特に働くお父さんお母さんは、時間に追われていることが多いでしょう。そこで今回は、元公立小学校教諭で東京学芸大教職大学院准教授の岩瀬直樹さんの著書『成果を上げて5時に帰る教師の仕事術』(学陽書房)をピックアップ。著者は、保育園のお迎えをしなければならなくなったことをキッカケに“定時に帰れて成果も上がる仕事術”を試行錯誤していったそうです。教師職の方はもちろん、時間の使い方に悩む会社員の方も参考にできて必見です!■1:通称“その場でチェックシステム”「あとからやろう」とする単純な仕事ほど、たまってしまいがち。でも、その場で済ませられる仕事なら、その場で終わらせてしまうことが大切。テストのまるつけ、ノートのチェックはその場で! 内容を忘れないうちに子どもたちも確認できて一石二鳥なのです。■2:ToDoリスト&突然の仕事は明日のToDoへ自分の仕事をすべて棚卸ししましょう。前の週の金曜に、来週1週間分のToDoをつくってしまいます。仕事をすべて細分化し書き出すと、終わらせるべき仕事がどのくらいあるかを把握することが可能。突然発生した仕事は明日のリストへ……。これをルールにしないと、いつまでも帰れません。■3:5分でできることはその場でやる!次々と発生する事務仕事は、「この仕事は5分で終わるかどうか」で判断。そして終わりそうだったら、その場でかたづけてしまいましょう。いちいちToDoリストに発生した仕事を追加していくと、膨大な量となってしまいます。■4:子どもが発熱!急に仕事を休まなくてはならないときは……保育園に子どもを預ける親が直面する問題に、「子どもの具合が悪くなって、突然お迎えにいかなくてはならない」ことがあります。そんなときのために前もって準備し、自習プリントやたくさんの本を置いておきましょう。万が一の場合のため、事前の準備が大切なのですね。■5:帰る時間を先に決める&8割主義いちばんの仕事術は、帰る時間を決めてしまうこと。特に、保育園のお迎えがある人にとっては重要ですね。帰宅時間に焦点を合わせて、決められた時間内に仕事をこなすのです。いくらやってもキリがない内容では8割主義にし、完璧を目指さないことも重要です。■6:週一回の残業デーを決めるどんなに工夫をしても、やっぱりたまってしまう仕事があります。そんなときは家族と相談し、週一回、何時に帰宅してもよい「残業デー」を決めます。普段は残業しないで、残業デーに仕事の調整ができれば、気持ちにも余裕が出てくるもの。飲み会などもこの日に合わせれば、家族との時間も削らなくてすみます。■7:仕事の見積もり時間を把握&チェックリスト活用「ひとつの仕事にどのくらいの時間がかかるか」を把握し、その時間をどれくらい短くできるかを工夫します。タイマーを使い、自分で時間の締切を設けると、追い立てられるので効率もアップ。また、教師なら学期末などの忙しい時期、毎回繰り返す仕事はチェックリストをつくって仕事を可視化します。考えずにこなしていけるので、楽チンです。■8:会議は短くして記録する早く帰れない大きな原因のひとつに「長い会議」があります。これを改善するために、アジェンダ(会議の時間割、話し合う内容はなにか、ひとつの議題にどのくらい時間を使うか)をあらかじめ決めておきます。タイムキーパーを決めておいてもOK。話し合いはホワイトボードで議論を可視化。プリントを用意して内容も記録しておきます。会議時間の身通しを確認してからはじめると、いつ終わるかわからない会議より、やる気が出るから不思議です。■9:学ぶ日・休む日を決める「教員としてもっと成長したい」など向上心があると、いろいろな研修会や講座に行きたくなってしまいます。気がつくと週末に予定がびっしり……。しかしそれだと、家族の不満も溜まってくるものです。そこで、カレンダーに「家族の日という予定」を先に入れてしまいましょう。また、学ぶ日を月1など自分へのルールを作ってしまうのも有効です。■10:職員室(職場)で雑談をしよう先輩に相談するなど、コミュニケーションも大事。時間が少ないなかでも、積極的に話す機会を増やすことでサポートし合える関係になれます。そして職員室も、居心地のよい場になります。相談されてイヤな人はあまりいないので、“上手に人に頼る”ということも最大の仕事術かもしれません。*先生の書いた本なので学校での仕事が前提になってはいるものの、見てのとおり、どんな仕事にも生かせそうなものばかり。ちなみに著者は、「ときにはなにもしない時間も必要」だともいっています。のんびりお散歩したり、ゆっくりお料理を楽しんだりすると、余裕のなかった日常に色鮮やかさが蘇るのです。「なんのための自分は働いているのか」ということを見つめなおし、よりよい働き方を目指す人には、ぜひ読んでほしい本です。(文/齊藤カオリ) 【参考】※岩瀬直樹(2015)『成果を上げて5時に帰る教師の仕事術』学陽書房
2016年02月22日出社する必要もなく、専門分野を生かしながら自分のペースで仕事に臨める「クラウドソーシング」が話題を呼んでいます。『クラウドワーキングで稼ぐ! ―時間と場所にとらわれない新しい働き方』(吉田浩一郎著、日本経済新聞出版社)は、日本最大級のクラウドソーシングサービスとして知られる「クラウドワークス」の創業者。クラウドソーシングに関する第一人者として、このビジネスの可能性を本書で明らかにしているわけです。とはいえ、クラウドソーシングについて漠然とわかってはいても、まだまだ知識が足りないと感じている方も少なくはないはず。そこで改めて、このビジネスの可能性についておさらいしてみましょう。■クラウドソーシングの意味「クラウド」は「群衆(crowd)」で、「ソーシング」は「外部委託(outsourcing)」の意。クラウドソーシングとは、この2つを組み合わせた造語です。2005年にこの考え方を初めて提案したのは、米「WIRED Magazine」の編集者・ライターであるマーク・ロビンソン、ジェフ・ハウの両氏。クラウドソーシングについては、「従業員によって行われている機能を、ウェブ上に開かれた外部ネットワークを通して、世界中の群衆(crowd)へ委託(sourcing)すること」と定義しているそうです。クラウドソーシング、つまり業務を委託する主体は当然ながら企業ということになります。■クラウドワーキングの意味同じく注目しておきたいワードが、業務を委託される側の立場に立った「クラウドワーキング」。ちなみにこちらの「クラウド」は、クラウドソーシングの「群衆(crowd)」ではなく、「雲(cloud)」のこと。これはIT業界で使われている「クラウドコンピューティング(cloud computing)」の略称。いうまでもなく、さまざまなデータをインターネット上に保存するサービスです。著者によれば、クラウドソーシングとクラウドワーキングは、コインの表裏のような関係。大まかに説明すれば、前者の視点は「企業」であり、後者の視点は「個人」。クライアントである企業が、受注者としてのクラウドワーカー(おもに個人)に対して仕事を依頼する「群衆(Crowd)+外注(Sourcing)」の関係がクラウドソーシング。そしてクラウドワーカーが、クライアントに対して業務実行・納品を行う「雲(Cloud)+働く(Working)」の関係がクラウドワーキング。■世界の市場は1兆円規模へ当然のことではありますが、クラウドワーキングが成立するためには、「企業がどれだけ仕事を依頼するか」というクラウドソーシングの市場規模が重要な意味を持つことになります。なお、その点について参考になるのが海外の事例。なぜなら欧米ではすでに、クラウドワーキングが広く浸透しているからです。そして、それを立証するものとして著者は興味ふかいエピソードを引き合いに出しています。2014年春に開催されたカンファレンス「クラウドソーシング・ウィーク(Crowdsourcing Week)」においての、当時のElance(イーランス)による役員による講演のこと。驚くべきことにその方は、2015年にはクラウドソーシングの世界市場が1兆円規模に達しているだろうと予測したというのです。事実、この見通しは正しいものになりつつあり、世界的な視野で捉えた場合、角国でクラウドソーシングサービスが急速に広がっていることが実感できるのだといいます。■国内でも市場が急成長中!そうなると、気になってくるのは日本の状況。この点について矢野経済研究所は、2015年に650億円、2018年には約1,820億円まで成長すると予想しているのだとか。およそ3年程度の期間で、一気に2,000億円規模にまでふくらむと指摘しているわけです。また、業界の活性化と健全な発展に貢献することを目的として、クラウドソーシング大手各社が立ち上げた「一般社団法人クラウドソーシング協会」の中長期予測によれば、8年後の2023年には国内市場もおよそ1兆円程度まで成長するだろうという試算結果が出たというのです。*つまり、これがクラウドソーシングの可能性。インターネットの普及と足並みを揃えてワークスタイルが刻々と変化していくなか、この動きには大きく注目する必要がありそうです。(文/書評家・印南敦史) 【参考】※吉田浩一郎(2015)『クラウドワーキングで稼ぐ! ―時間と場所にとらわれない新しい働き方』日本経済新聞出版社
2016年02月22日ゲオホールディングスの子会社となるゲオネットワークスは9月1日、映画や音楽、マンガ、ゲームなど幅広いエンターテインメント作品のレビューをユーザー間でシェアできるSNSアプリ「クチコ」の提供を開始した。同アプリは、作品の評価やレビューの公開・閲覧といった情報交換のほか、自身の好きな作品を集めたコレクションボードの公開も可能。ゲオ会員には、レンタル履歴の表示機能や作品へのQ&A機能、店頭在庫との連動機能も提供する。対応するOSは、iOSとAndroidとなる。これにより同社は、情報価値が高まっているSNSにおいて「映画を観たい」「レンタルしよう」という気持ちを後押しするユーザーのレビューを充実させ、新たなキッカケづくりを提供したい考え。当面は、累計1,000万レビューを目指すほか、会員証機能アプリ「ゲオ公式アプリ」との連携や、オムニチャネルリテーリングの強化を実現したい狙いだ。
2015年09月01日カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と映画レビューサービス「Filmarks」を運営するつみきは8月18日、業務提携を行い、全国のTSUTAYA店舗やネット宅配レンタル「TSUTAYA DISCAS」、映像配信「TSUTAYA TV」などのCCCの事業基盤を活用した協業を開始することを発表した。これにより、「Filmarks」のWebサイトとスマートフォン向けアプリの検索メニューに「新作レンタル情報」を追加し、「TSUTAYA DISCAS」との連携を開始。iOS向けアプリでは、新作レンタル映画作品に「レンタル開始日」を表示し、映画作品をClip!しているユーザーに対して、レンタル開始日のプッシュ通知を行う。また、劇場公開前・公開中の映画情報だけでなく、パッケージ化された映画作品のレンタル情報も提供していくほか、「Filmarks」の映画作品ページには、TSUTAYA店舗のレンタル在庫情報を表示する機能も実装した。両社は今後、店頭で映画レビューを活かした品揃えを展開するなど、リアルとネットを融合したユーザー参加型プラットフォームの実現を目指す。
2015年08月18日シュッピンは1日から、同社が運営するカメラ専門店「Map Camera」のレビュー投稿ページ「コミュレビ」にて、投稿者にデジタルカメラをプレゼントするキャンペーンを実施している。実施期間は8月31日まで。今回実施されている「コミュレビ大賞」は、Map Cameraの創業21周年を記念したキャンペーン。レビュー投稿サービス「コミュレビ」にレビューを投稿したユーザーの中から、抽選で1名にデジタルカメラをプレゼントする。キャンペーンは8月1日~8月10日、8月11日~8月20日、8月21日~8月31日の3回に分けて実施される。第1回のプレゼントは、2015年7月に発売された超広角コンパクトデジタルカメラ「SIGMA dp0 Quattro」だ。SIGMA dp0 Quattroは、Quattroセンサーに最適化された専用設計の14mm(35mm判換算約21mm)F4レンズを搭載するモデル。有効画素数は約2,900万画素で、本体サイズは約W161.4×D126×H67mm、重量は500gとなっている。なお、第2回、第3回のプレゼント内容は追って発表される。キャンペーンの詳細は同社のWebサイトを参照いただきたい。
2015年08月05日米GoogleがAndroidアプリのセキュリティ対策に乗り出した。「Google Play」で公開するアプリの安全性を強化すべく、専門家によりレビュープロセスを初めて導入する。また、ユーザーに対してアプリやゲームの対象年齢を表示する取り組みも着手した。Googleが3月17日に発表した2つの取組みは「Google Playのクオリティ対策」と「ユーザーに対する対象年齢の表示」。これらは、開発者とユーザーの双方に対し、体験を改善するものだ。1つ目のGoogle Playクオリティについて、Googleでは数ヶ月前よりコミュニティを保護しアプリカタログを改善する目的で、Google Play向けに提出したアプリを公開前にレビューしているとのこと。このプロセスでは、早期段階でGoogleの開発者ポリシーに違反していないかをチェックする専門家が関わっているという。これまでGoogle Playでは人によるチェックを行ってこなかった。これに合わせて、開発者が自分のアプリの状況を把握できる「ステータス」機能も提供する。開発者はステータスにより、自分のアプリが拒否・一時停止されている理由を知ることができるという。2つ目として、ユーザー向けにアプリの対象年齢を示すグローバルコンテンツ評価システムを導入する。業界団体である国際年齢評価団体(IARC)、汎欧州ゲーム情報(PEGI)、それにオーストラリア等級審査委員会など各国ベースの評価団体にも対応し、開発者はアプリのコンテンツについてのアンケートに記入することで、自分たちのアプリやゲームに対して客観的なコンテンツ評価を受けることができるという。特定の評価機関がない地域では、汎用の年齢ベースの評価が表示されるとのこと。年齢評価は数週間でGoogle Play上に反映される予定。このプロセスは自動化されており、開発者は開発者コンソールよりアンケートに記入でき、これに関する料金は発生しない。アンケートに回答していないアプリについては、「評価なし(Unrated)」とカテゴリ化され、地域によっては特定のユーザーに対し遮断される可能性があるとしている。5月より新しいアプリと既存アプリの最新版はすべてアンケートへの回答が義務付けられる。Googleは過去1年で70億ドル以上を開発者に払ったとしており、今後もエコシステムの拡大を図るとしている。
2015年03月30日フリューはこのほど、カラーコンタクトのEC(電子商取引)サイト『Mew contact(ミューコンタクト)』 において、買い手視点のレビュー情報を掲載する新コンテンツを開始した。同サイトでは、"安心・安全に可愛くなれる"ことをモットーに、厳選した取扱商品の販売。商品使用に関するていねいな説明やサポートなど、女子高生を中心とした若年層女性にも利用しやすい工夫を行っている。このほど、新たに開始したレビューコンテンツは、「お試しができない商品だからこそ購入前に詳しい情報が欲しい」というユーザーの悩みを解決するために開設した。現実感にこだわった内容で、掲載している装着時のレンズ写真は、無加工としている。そのため、実物に近い装着画像が閲覧できるという。また、目のアップ画像だけでなく、装着時の顔全体の写真も公開しているため、装着後の顔全体の印象がどう変わるのかが具体的にイメージできる。ブランドごとの各色レビュー、ブランドを横断した比較レビュー記事、ブランドの全色を一括でレビューするなど、さまざまな切り口でカラーコンタクトを紹介している。レビューを投稿するライターは、10代後半から20代後半までの年齢やタイプの異なる4名。自分に近いタイプのライターが投稿した記事を読むことにより、商品による印象の変化や違いを見ることができる。
2015年02月03日ナショナル・ボード・オブ・レビューの最優秀作品に『A Most Violent Year(原題)』が選ばれた。犯罪に満ちた1981年のニューヨークを舞台にしたダークなドラマで、同作品に出演するオスカー・アイザックとジェシカ・チャステインも、それぞれ主演男優賞、助演女優賞を受賞した。主演男優賞では、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のマイケル・キートンも同時受賞している。その他の情報主演女優賞は『Still Alice(原題)』のジュリアン・ムーア、助演男優賞は『バードマン・・・』のエドワード・ノートン、監督賞は『アメリカン・スナイパー』のクリント・イーストウッド。アニメ賞は『ヒックとドラゴン2』、」外国語映画部門にはアルゼンチンの『Wild Tales(原題)』が輝いている。文:猿渡由紀
2014年12月04日美容関連商品レビューをさらに充実へコスメのクチコミ総合サイトとして知られる、美容関連商品レビューサイト「DAZZLE(ダズル)」を運営する株式会社エステティクスは、同レビューサイトにおいて、これまでの「コスメ」に加え、新たに「スキンケア」および「ネイル」のレビュー掲載をスタートさせた。DAZZLEでは、数多く発売されている美容商品の中で、より自分に合った商品を選ぶこと、失敗のない商品選びに情報を活かすことを目的に、ユーザー同士で、実際にコスメの使用感、装着画像などを投稿し合い、共有することが可能となっている。生の声を参考に、ベストコスメが選べるというスタイルだ。コミュニケーションもより活発化へ利用ユーザーは、口コミに対して「イイネ」をつけることで、その口コミを評価したり、商品や口コミに対して、質問・回答を行ったりすることもできる。こうした多彩な方法で、他のユーザーとの美容に関する情報交換コミュニケーションが図れるところが特長だ。これまでは「コスメ」に限定されていたが、今回「スキンケア」「ネイル」が加わったことにより、より幅広い年代に活用できるものとなったほか、美容総合情報サイトとしても、さらに充実したコンテンツへ成長する道筋ができたといえる。運営するエステティクスでは、今後もDAZZLEにおけるユーザー間での情報交換やコミュニケーションのさらなる活発化を目指し、有益な情報の共有が可能なサービスの拡充に努めていくとしている。元の記事を読む
2012年11月26日ストリームが運営するパソコン・家電の通販サイトのECカレントはこのたび、レビュー投稿数1万件突破を記念して、11月30日までにレビュー投稿すると抽選で1万ポイントが当たるキャンペーンを開始している。ECカレントが実施しているキャンペーンの名称は、「レビュー投稿数10,000件突破を記念して、今レビューを投稿すると抽選でポイントプレゼント!」。開催期間は10月25日から11月30日となっている。ちなみに、通常、ポイント(ECカレントポイント)は、購入した商品に応じてためることができ、たまったポイントはECカレントでの買い物の際に「1ポイント=1円」で利用できる。参加条件(下記の項目をすべて満たしていることが条件)投稿できるレビューは同店へ掲載がある商品に限る会員登録が必須ユーザーレビュー規約への同意が必要賞品A賞1万ポイント…1人B賞5000ポイント…4人C賞1000ポイント…120人当選発表とポイント付与方法キャンペーン終了後、投稿されたレビューを集計し厳正な抽選を行う。2013年1月上旬に当選者へポイント付与予定。抽選の当選発表は当選した人へメールにて連絡(ポイント付与されるまでに会員登録の退会を行った場合は、参加辞退とみなし付与はされない。付与されたポイントは3ヶ月間のみ利用できる期間限定ポイントとなる)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月30日世界最大級のオンライン英会話スクールEF Englishtown(EF イングリッシュタウン)は、米国のプロダクトレビューサイト「TopTenREVIEWSTM」(TechMediaNetwork社運営)にて、グローバルオンライン英語学習サイトの中で最も優れたサイトとして2年連続で金賞を受賞した。EF イングリッシュタウンはApple社とのコラボレーションから始まった、革新的な学習メソッドをもつ世界最大級の24時間オンライン英会話スクール。現在120カ国に1,500万人以上の会員を有し、1,200社以上のグローバル企業に語学研修プログラムとして利用されている。また、同スクールを評価した米レビューサイト「TopTenREVIEWSTM」は消費者の購入プロセスをシンプルにするために、各カテゴリーで一番優れたサービス・商品を評価・推薦するサイト。同サイトにおいてのオンライン英語学習サイトカテゴリーの評価基準は4つで、「教師や学習ツールの良さ」「学習エクササイズ、ゲームなどのバラエティーさ」「コミュニティーやソーシャルメディアとの連携性」「使い勝手の良さ」からなっている。金賞受賞の理由としては、オンラインを通じての優れた指導や総合的な英語学習コース、バラエティーに富んだ学習オプション、音声認識テクノロジーや24時間利用可能なライブレッスン、また他の生徒とつながることができる機会を提供しているなど、各カテゴリーから最も優れたサービスと高く評価されたことが挙げられる。獲得点数は10点満点中9.78得点という高得点だった。同スクールの金賞は2011年に引き続き、2年連続となる。
2012年06月29日ミニストップは、牛柄と水玉模様のデザインが施されたロールケーキ2種(各130円)を、全国のミニストップにて順次発売する。どちらも見ているだけでテンションが上がってしまう可愛らしいデザインで、食べるのがもったいないほど!「北海道ミルクロール」は、牛柄のスポンジに、北海道生クリーム入りのやさしいミルク感が特長のホイップクリームを巻き込んだロールケーキ。生地は意外なほど弾力があり、もちもち食感が食べ応えアリ。ほどよい甘さなので、男性にもおススメだ。「いちごミルクロール」は、ピンク×白のキュートな水玉模様の生地に、いちごミルククリームを巻き込んだロールケーキ。こちらも生地はもちもちで、味は「北海道ミルクロール」よりちょっと甘め。味も見ためも女の子らしい仕上がりで、ちょっと小腹が減ったときのおやつにおススメ。
2012年04月18日グルーヴ・アールは、運営メディア「マンションレビュー」において、マンション・アパートの居住者、所有者を対象に、マンション・アパートの評価レビュー投稿キャンペーンを実施する。同キャンペーンは、マンションやアパートの居住者・所有者の評価レビューを充実させることで、「住んでみないとわからないような不動産情報」を掲載し、購入・賃貸などで転居を検討している人にとって有益な情報を届けることを目的とする。キャンペーンは、分譲マンション、賃貸マンション、アパートなどの共同住宅に住んだことがあれば、誰でも参加できる。「マンションレビュー」に会員登録し、物件検索画面より「住んでいる」・「住んでいた」・「所有している」・「所有していた」物件を検索。該当物件があった場合、物件ページに進み、評価レビューを投稿する。該当物件がなかった場合は、新規物件登録画面より、物件を新規に登録した上で、評価レビューを投稿することが可能。上記手順にて、キャンペーン基準を満たした評価レビューを投稿すると、賞品としてもれなくQUOカード500円分がプレゼントされる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月07日