今年もやってきました、インフルエンザの季節。みなさん、ちゃんと予防接種は打っていますか?わが家は5人家族のため予防接種も家族全員で2万円超え。でも、子どものためと結婚してからずっと欠かさず受けてきました。ところが…ちゃんと予防接種受けたんですけどワクチンの型が合わなかったのか?毎年誰かがインフルエンザにかかり家庭内がパンデミック。特にこの年は全滅。そして…この年も子どもが全滅……(汗)。あれ? ひょっとして、わが家は打たないほうが良いのか…? なんて疑い始め、翌年からやめてみることに。打たないほうが感染者が減るなんて…。どういうこと? 近所のママ友にも聞いたのですが、打たないほうが調子が良いというご家庭も少なくないようで、わが家もそうなのかもしれませんね。普通、健康な赤ちゃんが決められた回数の予防接種を受けた場合、赤ちゃんはその病気に対する免疫力が付くそうです。ただ、予防接種を受ける子どもの体質や体調などによって、抵抗力が得られない場合も。かかりつけの医師に聞くと、統計的に見ると効果はあるが、ワクチンの型が合わなければインフルエンザにはかかる可能性があると聞きました。そんな事言われると、毎年予防接種に2万以上も使っているわが家は、今年もどうしようかとまた悩んでしまうのです。パパンが子どものころは、学校で無料で打ってもらっていたんですけど、予防接種を打つ打たないは自由として、せめて打ちたい人に医療保険が使えるよう、もう一度国には考え直して欲しいパパンなのでした…。=========================================本記事に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。=========================================
2018年11月18日毎年、冬から春にかけて流行することが多い水ぼうそう。2014年にワクチンが定期接種化される前までは、日本国内で年間約 100 万人が水ぼうそうにかかり、約 4000 人が重症化から入院し、約 20 人が死亡していたという怖い感染症です。幼稚園や保育園のころに感染したというママも多いのでは?赤ちゃんや小さな子どもがかかるとどうなるのでしょうか? 症状や予防方法などをくわしく見ていきましょう。■ワクチンの定期予防接種「乳幼児の患者数が激減!」水ぼうそうと聞くと、幼いころに感染してつらかった…という経験を持つママも少なからずいるでしょう。日本で水ぼうそうのワクチン接種(任意)が始まったのは1987年のこと。その後、2012年に日本小児科学会からワクチンの2回接種が推奨されるようになり、2014年10月に国が接種を強くすすめる定期接種ワクチンになりました。一定の月齢に達した子どもなら、基本的に無償で接種することができます。国立感染症研究所によると、全国約3000の小児科の定点あたり、報告数(年間)は2005年~2011年まで66.1人~88.1人でした。しかし、2012年から減少し始め、定期接種化後の2015年には大幅に減って2011年の約3分の1にまでなりました。なかでも1歳~4歳の占める割合が2005年~2011年までは約70%だったのに対し、2016年には約40%にまで減少しています。患者数が大きく減ったのは、ワクチンの定期接種化が大きな要因のようです。■水ぼうそう「どんな症状? どうやってうつるの?」症状は軽くなりますが、ワクチンの接種が1回だと水ぼうそうにかかることがあります。感染すると、どんな症状が出るのでしょうか?【水ぼうそう 症状】全身、とくに顔から首にかけて、かゆみを伴う発疹や発熱があります。発疹は最初のころが紅斑(赤い発疹)で、その後は丘疹(小さな発疹)、水疱(すいほう)、膿疱(のうほう、うみのある水疱)、かさぶたの順に進行していきます。発熱はしない場合もあります。脳炎や肺炎、皮膚の細菌感染など合併症があります。白血病や免疫抑制治療を受けている子どもは死亡にいたることがあります。大人は重症化しやすい傾向にあります。免疫の低下している妊婦はとくに注意が必要です。【水ぼうそう 潜伏期間と感染期間】潜伏期間は14~16日間と比較的長いのが特徴。感染期間は発疹が現われる1~2日前から、すべての発疹がかさぶたになるまで。【水ぼうそう 感染経路】空気感染します。せきやくしゃみなどのしぶきによる飛まつ感染や接触感染、母子感染(胎内感染)もあります。水疱や膿疱にはウイルスがいるため、触れないように気をつけます。かさぶたの中にはウイルスは存在しません。■水ぼうそう予防「ワクチンは2回接種が基本!」ワクチンが定期接種化されたことで、乳幼児の患者数は減っていますが、それ以前の任意接種時代にはワクチン未接種の人が比較的多くいます。年齢の大きな子どもの患者数はあまり減っていないようなので、上に歳の離れたきょうだいがいる場合などは気をつけておきたいですね。ワクチンは1回の接種で重症化を防げますが、しっかりと免疫をつけるために2回接種がすすめられています。【水ぼうそう 予防方法】1歳以上3歳未満の子どもは、1回目を受けてから3カ月以上あけて2回接種します。感染力が強いため、1歳になったらすぐ接種するようにしましょう。費用の負担はありますが、日本小児科学会では3歳以上でも2回目の接種を受けることを推奨しています。【水ぼうそう 登校(登園)基準】学校保健安全法により、すべての発疹がかさぶたになるまで出席停止とされています。1回かかってしまうと、症状がおさまるまで1週間くらいかかる水ぼうそう。働いているママにとっては、インフルエンザ同様に頭を悩ませる感染症です。1回しかワクチンを接種していない場合は、忘れずに2回接種して確実に防ぎたいですね。参考サイト: ・国立感染症研究所「水痘ワクチン定期接種後の水痘発生動向の変化」 ・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」
2018年11月05日風しんが大流行の兆し――。ニュースで見かけたという人も多いはず。胎児に影響を及ぼすリスクが高いため、妊婦は特に注意が必要だと言われています。そもそも、風しんはどんな病気なの? 風しんにかからないようにするためにはどうすればいいの? もし子どもがかかってしまったら保育園や幼稚園、学校にはいつから通えるの?風しんについて、くわしく解説しましょう。■風しん「感染者数は昨年1年間の約10倍!」最も多い東京都国立感染症研究所は10月10日、今年に入ってからの風しん患者累積報告数10月3日時点で952人になったことを発表しました。既に昨年1年間の感染者数と比べて約10倍になっており、大流行した2013年の前兆と似たような状況になっています。都道府県別では東京都(307人)や千葉県(195人)、神奈川県(108人)が多く、埼玉県や愛知県が続いています。首都圏を中心に全国的に広がりを見せています。風しんというと、子どもがかかる病気と思われがちですが、感染者の約9割が大人。男性の数は女性の約5倍で、ワクチン接種経験のない30~40代の男性が患者の中心なのです。そこで心配になるのが、妊婦への感染です。 日本産婦人科医会 と“風しんゼロ”プロジェクト作業部会(厚生労働省)は、「妊娠20週までの妊婦が風しんにかからないように」「妊婦が風しん患者に接触することがないように」注意を呼びかけています。妊婦が風しんに感染すると、胎児にも感染して、難聴や心臓の病気、白内障などの障がいを持って生まれてくる「先天性風しん症候群」にかかる可能性があります。妊娠初期であるほど、その確率は高くなります。日本小児科学会によると、妊娠1カ月以内の妊婦が感染した場合、生まれてきた赤ちゃんに先天異常が現れる確率は50%以上。実際に2012年、2013年の大流行の際には、2012年から2014年にかけて45人の発症が確認され、残念ながら11人の赤ちゃんが亡くなりました。妊婦や妊娠の可能性がある女性本人はもちろんのこと、周囲の人も本当に気をつけたいですね。■風しんの症状は? どうやってうつるの?【症状】発熱と同時に淡紅色の発しんが全身に現れます。首(頚部・けいぶ)や耳の後ろの部分にリンパ節の腫れがみられます。発熱に気づかないケースもあります。3,000人に1人の割合で血小板減少紫斑病を、6,000人に1人の割合で急性脳炎を合併します。妊婦の感染によって胎児が耳、目、心臓の精神運動発達の遅れを伴う先天性風しん症候群を発症することがあります。大人が発症すると、高熱や発しんが長引いたり、関節痛があるなど子どもよりも重症化するケースがあります。15~30%の人は感染しても症状があまり現れず、自覚症状のないまま免疫がついていると言われています(*)。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は平均して16~18日。感染力があるのは、発しんが出る7日前から、発しんが現われて7日目ごろまでです。【感染経路】くしゃみやせきなどのしぶきによる飛まつ感染、接触感染、母子感染(胎内感染)によって感染します。風しんの感染力はインフルエンザより強く、1人の患者が免疫のない5~7人にうつす可能性があります(*)。■風しん予防には周囲の協力が必須! 妊婦はどうすればいい?【予防方法】予防接種を受けることで風しんを予防できます。子どもは定期接種で2回受けます。1歳の間にMRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)1回目、小学校入学前の1年間で2回目を接種します。大人は年代によっては未接種や1回接種の人も多くいます。厚生労働省によると、昭和54年4月1日以前生まれの男性はワクチンの定期接種を受ける機会が一回もなかった世代なので、特に注意が必要です。また、昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの男女もワクチンの接種率が低く、風しんの免疫がない人が多い世代です。生年月日別のワクチン接種状況は以下から確認できます。 風しんワクチン 年齢別接種状況 費用はかかりますが、大人もワクチン接種を受けられます。自治体によっては妊娠を希望する女性やその配偶者への助成があることも。自分が妊婦で夫や一緒に住む家族がワクチン接種を受けていない可能性があれば、迷わず接種をすすめましょう。【妊婦の対策】すみやかに風しんの抗体検査を受けて免疫の有無を確認しましょう。抗体値が陰性あるいは低かった場合は、なるべく人混みを避け、家族や周囲の人にも確認しておきましょう。妊婦や妊娠の可能性がある女性はワクチンを接種することができません。また、国立感染症研究所によると、これから妊娠を考えている女性はワクチン接種後、約2カ月間の避妊が必要です。【登校(登園)基準】風しんの予防接種を受けていても、100%かからないわけではありません。もしかかってしまった場合は、有効な治療薬はないため、対症療法を行います。子どもがかかった場合、発しんが消えるまで保育園や幼稚園、小学校は出席停止になります。大流行の兆しを見せている風しん。厚生労働省では2020年までに風しんを排除することを目標に掲げています。まずは子どもの予防接種のスケジュールをきちんと守り、パパやママ自身も備えておくと安心です。特に妊婦や妊娠の可能性のある女性、これから妊娠を考えている女性はパパ(夫)や周囲にも呼びかけて、万全の対策をしておきましょう。*= 厚生労働省「風しんの感染予防の普及・啓発事業」より 参考サイト: ・日本小児科学会 ・日本産婦人科医会 ・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」
2018年10月10日生後2、3カ月頃は「きちんと予防接種をしなくては!」と、ある程度の緊張感を持っていたママも、予防接種そのものに慣れて接種期間が空くようになってくると、つい「予防接種を受け損ねていた!」なんていうことがあるかもしれません。ましてや、2人目、3人目…の子どもになってくると悪気はなくても、忘れがちに。そこで、節目となる1歳までに接種するワクチンや1歳になったらすぐ受けておきたいワクチンなどをチェックしてみましょう。日本小児科学会が発行する「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。■子どもの予防接種「1歳までに接種すべきワクチンをおさらい!」もうすぐお子さんが1歳というママも、もうお子さんが1歳になったというママも、まずは1歳になるまでに接種すべきワクチンにもれがないか、確認してみましょう。スケジュール表や母子手帳などを参考に、下のチェック表と照らし合わせてみてくださいね。チェック表には載っていませんが、任意接種のロタウイルスは2~3回のワクチンを生後28週か32週までに接種します。ちなみに、1歳以降に接種することはありません。毎年秋から冬にかけて接種するインフルエンザを除き、すべてにチェックは入りましたか? もし空欄がある場合は、必要な接種がもれている可能性が高いので、かかりつけの医師に相談しましょう。■子どもの予防接種「1歳になってすぐに受けたいワクチンは?」続いて、1歳の間に受けるワクチンを見てみましょう。下の表を参考にしてくださいね。表を見ればわかる通り、ヒブや肺炎球菌、四種混合などの追加接種以外に、新たなワクチンとして定期接種の麻疹風疹混合(MR)や水痘、任意接種のおたふくかぜが増えていることがわかります。また、1歳になってすぐに受けられるものが多いことにも驚きますね。「こんなにたくさん受けるのは大変!」と思ってしまいそうですが、特に1歳になったらすぐに受けたほうがいいのが麻疹風疹混合(MR)です。麻疹といえば、今年に入ってから感染者数が急速に増え、ニュースなどで目にしたママも多いでしょう。国立感染症研究所の 「麻疹 発生動向調査」 (7月3日時点)によると、報告数は4月ごろをピークに減少し、現在も報告はあるものの落ち着いてきているようです。とはいえ、麻疹は非常に感染力が強い感染症です。自分だけではなく周囲に感染を広げないためにも、1歳になったらすぐに予防接種を受けるようにしましょう。また、小学校入学前にも忘れずに2回目の接種を受けておきたいですね。■子どもの予防接種「1歳で受けるワクチンが多いワケ」1歳になると、受けられるワクチンが増えることもあり、0歳から受けているワクチンの追加接種も含めると、再び予防接種のピークが訪れます。では、なぜ1歳で受ける予防接種の数が多いのでしょうか? 理由は2つあります。1つ目は、追加接種をしてこれまで0歳の時に受けてきたワクチンで得た免疫を高めるためです。ワクチンを追加接種することで、体の中にできた免疫をより強くて長持ちさせることができます。2つ目は、生ワクチンを受けるのに1歳という年齢がちょうどいい時期だからです。生ワクチンとは、病気を起こすウイルスを弱くして、病気を起こさずに免疫だけをつけるように作られたワクチンで、麻疹風疹混合(MR)や水痘、おたふくかぜなどがあります。1歳になるまではママからもらった抗体で赤ちゃんは守られていますが、1歳を過ぎるとほぼなくなります。また、抗体があるうちは生ワクチンの効果が弱まるといわれています。そこで、1歳になって受けるワクチンが増えるのです。子どもが1歳になる頃には、つい忘れてしまいがちな予防接種ですが、感染症にならない・感染症を広めないためにも、確実に接種しておきたいですね。■麻疹・風疹混合ワクチン(MR) 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】麻疹…主な初期症状は発熱、せき、鼻水などです。一旦は熱が下がったようにみえますが、再び39℃以上となり、口の中に白いぶつぶつが見え、皮膚に発疹が現れ、全身に広がります。肺炎や脳炎の合併症を引き起こすと死亡することもあります。風疹…主な症状は発熱、発疹(麻疹より淡い色のぶつぶつ)、首の周りや耳の後ろのリンパ節のはれです。脳炎や血小板減少性紫斑病の合併症を引き起こすことがあります。感染しても症状が出ない不顕性感染が15~30%程度あります。妊娠20週頃までの女性が感染すると胎児にも感染し、生まれた赤ちゃんが先天性風疹症候群という重い病気を発症することがあるので、注意が必要です。女性が接種する場合は妊娠中を避け、接種後も2カ月間は避妊しましょう。【予防接種の時期や回数】定期接種。計2回接種します。1回目を1歳になったらなるべく早めに、必ず2歳までに完了させます。2回目を小学校入学前の1年間(幼稚園や保育園で年長の時)に受けます。■水痘 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスに初めて感染することでおこる病気です。発熱とともに全身にまばらで盛り上がった発疹が出てきます。発疹の状態は、赤い発疹→盛り上がった発疹→水ぶくれ→膿を持った発疹→かさぶたと変化します。発疹のすべてがかさぶた化するまで7~10日程度かかり、感染力がなくなります。水痘は感染力が非常に強く、集団保育などで同じ部屋にいるだけで感染します。予防接種をしておけば、かかったとしても症状は軽く済みます。【予防接種の時期や回数】定期接種。1回の接種では効果が不十分なため、2回の接種が必要です。かかったことのない生後12~36カ月未満の子どもが対象。1回目を1歳になったら早めに受けます。3カ月以上の間隔をあけて、おおよそ6~12カ月後の間に2回目の接種をします。万が一、定期接種の年齢から外れてしまった場合でも、2回のワクチン接種をすることで十分な免疫を得られます。定期接種化されたのは2014年で最近のこと。歳の離れたきょうだいだと接種していない場合もあるので、確認してみましょう。 ・日本小児科学会 ・知っておきたいわくちん情報
2018年07月15日赤ちゃんが生まれると、予防接種のことをあちらこちらで見たり聞いたりする機会が増えますね。母子手帳に予防接種のページがあるので妊娠中から意識しているプレママもいる一方で、1カ月健診で初めて予防接種のことを知って、あわてて小児科を調べたというママもいるようです。ワクチンデビューに最適な時期はあるのでしょうか? どのようなスケジュールで予防接種は進んでいくのでしょうか?日本小児科学会が発行する「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。■生後2カ月になったらすぐ予防接種、そのわけは?日本小児科学会では、ワクチンの接種を生後2カ月から始めることをすすめています。生まれてまだ2カ月。「首も座っていないわが子に予防接種するなんて、かわいそう!」と思ってしまうかもしれません。なぜ生後2カ月から予防接種を始めたほうがいいのでしょうか?生まれてすぐの赤ちゃんはママからもらった免疫などによって生後5~6カ月までは、多くの細菌やウイルスなどの感染から守られていますが、その期間を過ぎる頃からその免疫が落ち始めていき、感染症にかかりやすくなります。一度感染症にかかると重症化して入院が必要になったり、命にかかわる深刻なケースも出てきます。これらの感染症から身を守るのが予防接種。生後5、6カ月までに、予防接種の効果を十分に発揮させるためには、生後2カ月になったらすぐに予防接種を開始することがとても重要だといいます。一度接種したら、一定の日数をあけないと次の接種ができないため、「スケジュールから逆算して、生後2カ月になったらすぐに予防接種を始めたほうがいい」と考えることもできますね。■生後2カ月から1歳まで「どんな予防接種があるの?」では、生後2カ月から接種をスタートするワクチンにはどんなものがあるのでしょうか? 1歳になるまでのワクチン接種の流れを見てみましょう。表で示してある通り、生後2カ月になったら、なるべく早めに接種したほうがいいワクチンはヒブ、小児用肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルス(任意接種)の4つです。生後2カ月のワクチンデビュー後も、毎月のように多くのワクチンを接種する必要があります。必要なワクチンを効率的にかつ安全に接種できる「同時接種」(※最新ワクチン情報第2回 「子どもの予防接種『ワクチンの同時接種は赤ちゃんがかわいそう?』 参照)についても理解しておくといいですね。生後5カ月を過ぎると、ワクチン接種はひと段落します。赤ちゃんが病気になったりして、スケジュール通りに接種できないこともしばしば。心配してしまうママもいると思います。6~7カ月健診や10カ月健診時に母子手帳などで接種の状況を確認し、遅れがある場合はこの時期に取り戻せば大丈夫ですので安心してくださいね。そういったスケジュール遅れのワクチン接種を「キャッチアップ接種」といいます。■理想は妊娠中から「予防接種、その準備と小児科探し」生後2カ月からワクチン接種を始めるとなると、その前に小児科に予防接種の予約をしておく必要が出てきますね。出産、退院して新生児との生活が始まると、毎日バタバタしてあっという間に予防接種を始める時期を迎えてしまいます。できれば妊娠中から予防接種の情報を聞いたり、小児科を探したりできると安心ですね。1カ月健診で予防接種の具体的な接種スケジュールなどを確認したら、早めに予防接種の予約をすませておくといいでしょう。予防接種専用の時間を設けているような人気の小児科では外来の予約が1カ月先までいっぱいなんてことも。特にパパと一緒に土日に接種しに行くことを考えているママは、早めに予約しておくのがおすすめです。 ■ヒブワクチン 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】インフルエンザ菌b型による感染症。正式な菌の名称の頭文字をとってHib(ヒブ)と呼んでいます。次のような症状を起こします。細菌性髄膜炎…髄膜に細菌が入って、炎症を起こし、発熱やおう吐、頭痛、けいれんなどの症状が出ます。進行すると難聴やまひなどの後遺症を残したり、死にいたるケースもあります。急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)…喉頭蓋に感染すると、急に熱が出て、つばが飲み込めない、呼吸が苦しいなどの症状が現れます。進行すると空気の通り道をふさいでしまい、死亡することもあります。【予防接種の時期や回数】定期接種。計4回の接種があり、生後2カ月を過ぎたらすみやかに接種をしましょう。初回免疫として通常3回、いずれも27日以上の間隔をあけます。3回目の接種後、おおむね1年後の1歳早期に4回目の接種を行います。何らかの理由により初回の接種が遅れて7カ月~11カ月に始める場合は、合計3回の接種を受けます。スケジュールは下の表どおりです。■肺炎球菌結合型ワクチン 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】肺炎球菌による感染症。発熱や髄膜炎など感染した場所によってさまざまな症状がみられます。最初はかぜの症状に似ていますが、進行するとおう吐やけいれん、意識障害を伴うこともあります。重い後遺症が残ったり、死亡したりすることもあります。【予防接種の時期や回数】定期接種。計4回の接種が必要。標準スケジュールでは生後2カ月から7カ月未満で初回接種を開始します。27日以上の間隔をあけて3回接種し、60日以上の間隔をあけて、かつ生後12カ月以上になってから追加接種を1回行います。■B型肝炎ワクチン 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】B型肝炎ウイルスの感染によって肝臓の細胞が壊れたり、その影響で肝臓の働きが悪くなる病気です。感染後の経過には一過性感染と持続感染の2通りあります。一過性のものだと疲れやすい、発熱や横断などの症状が主なもので、一定期間を経て良くなります。持続感染になっても約85~90%の人は無症状ですが、残り約10~15%の人は慢性肝臓病へ進行します。乳幼児の感染は症状がなく経過することが多いですが、持続感染になりやすいという特徴があります。【予防接種の時期や回数】定期接種。計3回接種します。生後2カ月に1回目、生後3カ月で2回目、1回目の接種から20~24週をあけて生後7~8カ月で3回目を接種するのが標準的です。生後12カ月をすぎると任意接種になりますが、どの年齢からでも接種可能です。母親がB型肝炎ウイルスに感染している場合、母子感染の予防のため、定期接種とは別のスケジュールになります。出生直後に1回目の接種を行い、2回目を生後1カ月、3回目を生後6カ月に接種します。 ・日本小児科学会 ・知っておきたいわくちん情報
2018年07月06日生後2カ月から始まる予防接種。小児科などでもらえるスケジュールを確認して、同時に接種しなければいけない予防接種の数に驚いたことはありませんか?いざ、小児科に子どもを連れて行き、注射をされて大泣きする姿を見ると、「1本でもこんなに泣いているのに、2本も3本も同時に注射を打たないといけないなんて…」とわが子を気の毒に思ってしまうママもいるかもしれません。同時接種は赤ちゃんがかわいそう? 安全面やメリットは?日本小児科学会が発行する「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。■同時接種って何? 赤ちゃんへの負担や安全性は大丈夫?子どもが生まれてから「同時接種」という言葉を初めて聞いたママも多いでしょう。同時接種とは、同時に複数の異なるワクチンを接種すること。同時接種をする時は、左腕、右腕、左の太もも、右の太ももなど、それぞれからだの別の部位に接種をします。同じ腕や太ももに接種する時は、少なくとも2.5cm以上あけることになっています。生後2カ月で4種類のワクチンの予防接種を同時に受ける場合を例にあげてみましょう。ロタウイルスワクチン(任意接種)を口から飲んで、ヒブワクチンを左腕に、肺炎球菌を右腕に、B型肝炎ワクチンを左太ももに同時に接種することがあります。これだけを聞くと、「そんなにたくさんのワクチンを同時に受けて、赤ちゃんの体は大丈夫なの?」と思うかもしれません。日本で同時接種が必要になってきたのは、乳幼児が接種できるワクチンが増えてきた2008年以降、つまり歴史が浅いのです。一方、海外ではもっと昔から同時接種を行っており、安全性が確認されています。また、子どもに接種できるワクチンをどのように組み合わせても安全だということが研究で明らかになっています。同時に何度も注射をされて泣く赤ちゃんを見ると心配になりますが、安全だとわかれば安心できますね。 ■同時接種をすると副反応や効果が変わる?同時接種をすると、なんとなく副反応が増えるイメージを持つママもいるかもしれません。しかし、ワクチンを接種した後に起きる副反応の割合は一定であり、同時接種をしたからといって、その割合が増える訳ではないそう。また、同時に複数のワクチンが体に入ると、それぞれの効果が落ちたり、逆に強くなったりするのでは? と気にするママもいるでしょう。ワクチンが体内に入った後にそれを処理するのが体の免疫ですが、一つのワクチンの接種に使われる免疫機能はごくわずかなのだとか。例えるなら、「海の中に、塩を少し投げ入れるようなもの」。複数のワクチンが同時に入ってきても、効果が落ちたり、反対に強くなったりすることはないそうです。■同時接種のメリットは大きく4つ同時接種は安心安全なだけではなく、赤ちゃんやママ、さらには社会全体にとってもメリットがあります。【同時接種のメリット】1.予防接種した日から免疫がつき始めるので、より多くの病気から早い時期に赤ちゃんを守ることができます。2.医療機関に行く回数を減らせるので、ママやパパの時間的な負担が大幅にカットできます。3.皆が予防接種に行く回数が減れば、医療関係者の時間的な負担が減らせる! 結果として、外来での待ち時間も減ります。4.予防接種を終える時期が早まり、接種している人も増えるので、社会全体でその病気にかかる人を減らし、なくすことにつながります。同時接種は見ていてかわいそうに思えるかもしれませんが、赤ちゃんをより多くの病気から早く守ってあげたいですね。それでも、同時接種には抵抗があるというママは、予防接種を受ける医療機関に相談してみましょう。別日での接種を行っている医療機関もあります。ただし、接種スケジュールに遅れが出てしまい、赤ちゃんが病気にかかるリスクが上がってしまうことは事前に理解しておく必要があります。 ■四種混合 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオの4つの病気から守るワクチン。ジフテリア…ジフテリア菌に感染し、のどの奥に厚い膜ができて呼吸がしにくくなります。死亡するケースも。破傷風…破傷風菌が傷口から感染し、全身の筋肉がこわばって体全体が痛みます。あごが動かなったり、口を開けられなくなったりすることも。死亡する場合もあります。百日咳…突然激しくせきこみ、ヒューと笛を吹くような音の咳が特徴。生後3カ月未満の赤ちゃんでは、息ができなくなり、ひどい場合は死亡することも。ポリオ…ポリオウイルスに感染し、まれに手足を動かすことができない状態や呼吸がしにくい状態が起こり、一生障がいが残ることも。【予防接種の時期や回数】定期接種。計4回の接種があり、生後3カ月になったら早めに1回目を受けます。その後はそれぞれ3~8週間隔で2回目、3回目を接種します。3回目終了後、6カ月以上(標準的には12~18カ月)あけて4回目を接種します。途中で中止すると、発病する可能性があるので、必要な回数すべてをしっかり受けましょう。■BCG 症状と予防接種【どんな病気を予防できるの?】肺結核…結核菌が肺で増えて炎症反応を引き起こします。初期症状はかぜと似ていますが、せきや痰、微熱などが長く続くことが特徴。体重減少や食欲不振などもあります。進行すると、呼吸困難などを引き起こし、死にいたるケースも。全身感染症…肺以外の臓器に病気を引き起こす状態です。特に免疫機能が未発達な乳幼児は、全身に感染する粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)や結核性髄膜炎などを引き起こし、重症化する場合があります。【予防接種の時期や回数】スタンプ方式。定期接種。自治体によっては集団接種するところも。ワクチンの液を左腕に1滴たらし、はんこ型の注射を2回押して接種します。生後5カ月から8カ月未満が標準的な接種期間。1歳になるまでに1回接種します。 ・日本小児科学会 ・知っておきたいわくちん情報
2018年06月28日赤ちゃんが生まれて予防接種が始まると、定期接種から任意接種まで、あまりにもワクチンの種類がたくさんあることに驚くママやパパも多いのでは? もしかしたら、首のすわらない幼いわが子を何度も小児科に連れていくことや、任意接種ワクチン費用の高さにためらいが生じるかもしれません。予防接種はすべて受けたほうがいいのでしょうか?日本小児科学会が発行する「知っておきたいわくちん情報」を参考にして、最新ワクチン情報をお届けします。■予防接種、なぜするの?そもそも「ワクチン」という言葉を聞いたことはあってもよく知らないママパパは多いのではないでしょうか。日本小児科学会によると、ワクチンとは、「病原体または細菌が出す毒素の病原性や毒性を弱くしたりなくしたりしたもの」。このワクチンを接種することを、予防接種といいます。ワクチンを接種することで、体内に免疫がつくので、万が一病原体が体の中に入ったとしても病気にかからない、あるいはかかったとしても軽くすむそう。ワクチンで予防できる病気は20種類以上あり、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールに含まれる定期接種ワクチンは10種類、任意接種ワクチンは3種類あります。■予防接種をしないで自然に任せたほうがいい?なかには「自然に病気にかかって免疫をつけたほうがいいのでは」と考えるママやパパもいるかもしれません。しかし、日本小児科学会によれば、予防接種を受けないデメリットは2つあるそうです。ひとつめは、感染症にかかると、ごくまれに脳炎や肺炎などの合併症を起こして重症化する危険があること。ふたつめは、周囲に感染症を広げてしまうリスクがあること。これらのリスクを考えると、防げる病気はワクチンでしっかり予防するのがベストであるといえそうです。 ■予防接種、定期接種と任意接種の違いは?小児科などでもらえる予防接種スケジュールを見ると、予防接種には「定期(接種)」「任意(接種)」の分類があることに気づきます。定期接種と任意接種ではどう違うのでしょうか?定期接種のワクチンは「予防接種法」で定められているワクチンのこと。日本では10種類が認められており(2018年5月現在)、原則として地方自治体が費用を負担するため、無料で接種できます。一方、任意接種のワクチンは、国が使用することを認めているものの、「予防接種法」で規定されていないものを指します。任意接種ワクチンのうち、日本小児科学会が接種をすすめているのは、「ロタウイルス」「おたふくかぜ」「インフルエンザ」の3種。接種費用は個人の負担になりますが、自治体によっては一部または全額負担してくれるところもあります。住んでいる自治体に確認してみましょう。任意接種ワクチンは効果や安全性について国内でのデータがそろっていないため、定期接種になっていないのが現状。とはいえ、実際にその効果や安全性は十分に確認されています。つまり、任意接種だからといって、重要度が低くなるわけではないのです。定期接種と任意接種、どちらも予防接種を受け、感染症を防ぐことが大切だといえそうです。今後、任意接種のワクチンが定期接種ワクチンになる可能性はあります。ただ、そのタイミングを待っている間にかかってしまうこともあるので、わが子を感染症から守るためにも接種可能な月齢になったら早めに予防接種したほうが良さそうですね。 ■ロタウイルス 症状と予防接種【どんな病気?】感染すると短時間で激しい下痢がおこり、脱水症状を起こしやすくなります。通常は3~5日で軽快しますが、なかには点滴が必要になったり、重症化して入院することも。ロタウイルス胃腸炎は毎年3~5月に流行し、生後6カ月~2歳までにかかることが多いのが特徴です。【予防接種の時期や回数】口から飲む生ワクチン。任意接種。1価(2回接種)と5価(3回接種)、2種類のワクチンがあります。1価の場合、接種の推奨期間は生後2カ月と3カ月。2回目の接種は生後24週までにすませます。5価(3回接種)の場合、生後2カ月、3カ月、4カ月の間に。3回目の接種は生後32週までにすませます。生ワクチンのため、接種の間隔は27日以上あけます。ロタウイルスのように1回の負担が1万円以上ともなると、躊躇してしまうかもしれません。しかし、もしかかった場合の治療費用とワクチン費用を比べてみると、多くはワクチン費用のほうが安くすむ傾向にあります。■おたふくかぜ 症状と予防接種【どんな病気?】おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)にかかると、発熱とともに耳の下やあごの下にはれや痛みが出ます。1週間ほどで良くなります。まれに髄膜炎や脳症、難聴などの合併症を引き起こし、後遺症が残るケースもあります。妊婦が感染すると流産の危険性が高まるので注意が必要です。【予防接種の時期や回数】任意接種。計2回の接種が推奨されています。1回目は1歳になったら早めに、2回目は小学校入学前の1年間に受けるといいでしょう。大人の女性が受ける場合は、事前に妊娠していないことを確認します。■インフルエンザ 症状と予防接種【どんな病気?】インフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症。ウイルスには主にA型とB型があり、一般的に症状が強く出るのがA型。かかると、発熱や頭痛、全身の倦怠感、関節の痛みなどが見られ、後に鼻水や咳などの症状があります。例年、12月~3月にかけて流行し、ピークは1月~2月にかけてが多いですが、年によって変わります。【予防接種の時期や回数】任意接種。毎年シーズンに生後6カ月以上13歳未満は2回、13歳以上は1回接種します。ワクチン接種の効果が出るまで2週間ほどかかるため、流行する前の10月末から11月までに接種を始めるといいでしょう。 ・日本小児科学会 ・知っておきたいわくちん情報
2018年06月21日現在、国内の一部の地域で麻疹(はしか)が流行しています。2016年には東京や大阪でも流行しました。その理由の1つは、予防接種が不十分な世代が存在することによります。そこで、パパママ世代に麻疹(はしか)の予防接種について聞いてみました。Q.あなたは麻疹(はしか)の予防接種、受けていますか?1.1回だけ受けている 33.5%2.2回とも受けている 16.7%3.今回の感染拡大を受け、予防接種を受けた 0.9%4.受けていない 9.9%5.予防接種を受ける予定 0.7%6.わからない 34.2%7.その他 4.1%もっとも多いのは、麻疹の予防接種を受けているかわからないという人で34.2%もいました。次に多いのは、1回だけ予防接種を受けているという人。今のパパママ世代と予防接種が不十分な世代はかなりリンクしているようです。■予防接種は受けていない・記憶にない人たち自分の子どもにはしっかり予防接種をしているパパママ世代ですが、自分自身はというとあやふやだったりすることも。今のうちに確認しておいたほうがいいかも。「母子手帳を見ても麻疹の欄が無い世代。息子の出産のときに検査をして抗体があるとの報告を受けています」(東京都 40代女性)「子どもたちは2回受けていますが、自分のことはわからない。歳をとった母は忘れたというし、母子手帳がないんです。麻疹はかかってないと思う。どこかで抗体検査をしたいけど、忙しい病院ばかりで申し訳ない気がして。保健所とかでは検査とか予防接種は無理かな」(佐賀県 40代女性)「自分が小さいころに受けていたかどうかわかりません。実費で受けるとなると、なかなか大変ですよね。健康第一ですが、自分に関しては病院にはよっぽど体調が悪くない限り足が向かず、予防のためには動けないです」(香川県 30代女性)「沖縄修学旅行を控えている息子の予防接種は気にして確認したのに、自分のことまで考えが及ばなかった。やってないなぁ。主人もやってないんじゃないんかなぁ」(神奈川県 50代女性)「子どもの予防接種はちゃんとしなきゃと思いますが、自分のこととなると…。なかなか、妊婦でもないと抗体があるかも調べないし」(熊本県 30代女性)「どの注射が麻疹だったんだろう。受けたのかすら記憶にない。かかったら大変ですよね」(福島県 40代女性)■過去に予防接種を受けた人も再確認しておきたい風疹の予防接種は1回では免疫がつかないことも。改めて抗体検査を受けるとよいかもしれませんね。「自分自身の母子手帳を見ると1回受けていますね。1回接種の世代に国から補助を出して積極的に予防できたらと思います」(神奈川県 40代女性)「1回だけ受けた世代ですが、自分に予防接種する余裕がない」(滋賀県 30代女性)「かかると怖い病気。1回はワクチン摂取しているはずです。昔、風疹流行騒ぎのときに抗体検査を受けて、抗体もありました。今はどうだか。抗体検査受けるくらいなら、もう一回ワクチン打っちゃえって思いますね」(東京都 40代女性)「1回だけ受けていると思う。手元に自分の母子手帳がないので確認できない。今度実家に行って聞いてみよう」(青森県 30代女性)■国や自治体の公費負担で予防接種を国や自治体の公費で予防接種が受けられればいいのにという声もたくさんありました。自治体によっては一部負担などを実施していることもあるので、ホームページなどをチェックしてみましょう。「我が家にはMRワクチンが打てない乳児がいるので、麻疹の流行は他人事ではありません。予防接種は社会の公衆衛生だと思います。社会の弱者を守るためにも、ぜひ空白世代の方への公費接種の実現をお願いしたいです」(神奈川県 40代女性)「ニュースで不安ばかり煽らずに早く国か自治体が対策をしてほしい」(神奈川県 40代女性)「予防接種の費用、調べてみたらいろんな自治体で抗体検査無料、抗体がない場合は半額の費用で予防接種できるという案内がされていました。一度お住まいの自治体ではどうなのか、確認されて見るといいと思います。主に感染者が出た地域では、行っているみたい。抗体検査だけでもしようか検討中です」(神奈川県 30代女性)Q.あなたは麻疹(はしか)の予防接種、受けていますか?アンケート回答数:5469件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2018年06月06日生後2ヶ月から始まる、怒涛の予防接種ラッシュ。予防接種は、怖い病気から赤ちゃんを守ってくれる大切なイベントです。でも、初めてのママは「予防接種って全部受けなきゃいけないの?」「同時接種は何本までしても大丈夫?」「いくらかかるの?」など疑問だらけですよね。今回は、予防接種についての基礎知識や持ち物など知っておきたいポイントをまとめました。スムーズな予防接種は、万全な準備から予防接種の日は、病院に着いてから慌てたり、困ったりすることがないように、しっかり準備をしておくのがカギ。飲むタイプのワクチンだと1時間前に授乳し、接種後も1時間は授乳できないので、受診前にお家で済ませましょう。持ち物は最小限に、でも◯◯◯◯は忘れずに!☑︎母子手帳予防接種のとき必ず必要になります。※震災に備えて、予防接種のページはコピーをとって置き、防災グッズのなかにいれておくと良いでしょう。☑︎健康保険証・子ども医療費助成受給券常に母子手帳とセットで持ちましょう。☑︎接種予診票生後2ヶ月になる前に、ご住まいの市から接種予診票や予診票に記載する「接種者コード」など予防接種に関する書類が送付されます。☑︎オムツ・おしりふきと、着替えセットおしっこやうんちが漏れたりすることもあるので、予備の着替えやオムツは必須。オムツは少し多めにもっていきましょう。☑︎おくるみ病院によっては、オムツ一丁で待ち時間を過ごす場合もあります。また、BCG接種後は上半身ぬいだまま乾燥を待つので、赤ちゃんを包んであげるおくるみがあると便利!おくるみは本当に色々なシーンで活躍するので、赤ちゃんとのおでかけでは定番アイテム。忘れずに持って行きましょう!備えあれば憂いなしですが、あれもこれもとママの荷物が増えてしまうと、身動きが取れず大変なことに。待合室や診察室間の移動も多々あります。必要なもの以外の荷物は少なくし、両手があくリュックタイプや斜めがけタイプのカバンがオススメです。服は、接種しやすいタイプのものを服装はノースリーブやスナップボタンタイプの、前が全開になるロンパースが◎かぶるタイプのロンパースなどは接種時に脱がせるのに大変なので避けたほうがベター。冬場でも病院内は暖房が効いていて暖かったりするので、温度調節の難しい足付ロンパースも避けた方が良いでしょう。前開きのロンパースなら、前ボタン全開すれば聴診器をあてるのも、腕も脱ぎやすいので接種も問題なくスムーズにできます。春秋ならノースリーブ+カーディガンとかもありです!知っておこう! 予防接種の基礎知識予防接種は生後2ヶ月から就学前までたくさん受けますが、その大半は1歳半ごろまでに集中しています。1歳半までに接種するワクチンは、なんと約9種類で22回以上だとか。だから、予防接種のスケジュールはしっかり立てて管理しましょう。①予防接種の制度は2種類【定期接種】定期接種とは、国や自治体からできるだけ受けるようにするべきと法律で定められた予防接種です。基本、無料で受けることができますが、規定の年齢を過ぎると有料になってしまうので注意しましょう。【任意接種】勧められてるけれど、希望者が自己負担で受ける予防接種。国からの助成はないですが、自治体によっては補助金が出る場合や、医療機関によっても費用が異なりますので確認しましょう。②ワクチンにも、色々な種類が【生ワクチン】生きた病原体の毒性を弱めて接種し、免疫をつけるワクチン。別のワクチン接種までの間隔が27日間(4週間)と長め。【不活化ワクチン】病原体から必要な成分を取り出して接種するワクチン。十分な免疫をつくるため、数回繰り返し接種する必要があります。ワクチンによって接種回数が決まっていますので要チェック。別のワクチン接種までは中6日(1週間)以上とされています。予防接種のQ&A初めての予防接種のとき、わたしが不安になったことにお答えします。・Q1予防接種って全部受けなきゃいけないの?定期接種は受けさせるように努める義務があります。「受け忘れた!」なんてことにならないように予防接種をいつ受けるのか、スケジュールを組みましょう。任意接種は副反応や感染した場合のリスクなどできる範囲で情報を収集し、気になることは信頼できるかかりつけのお医者さんや、保健センターの保健師さんに相談して、納得した上で受けるかを決めましょう。予防接種は予約が思うように取れなかったり、その病気の流行りなどでワクチン不足になることもあるので、早めに予約をするのがおススメです。・Q2同時接種は何本までしても大丈夫なの?2種類以上のワクチンを同時に接種する「同時接種」。本数制限はなく、どの組み合わせでも大丈夫だそうです。「保育園に入園させるから、早めに免疫力をつけたい」と同時接種するママもいます。同時接種すると受診回数を減らせるのがメリットですが、完了までにかかる期間は、単独接種とあんまり変わらないようです。ごく稀に、先天的な病気で赤ちゃんの体に負担をかけたくない場合など、医師の判断で本数を減らしたり、単独接種する場合もあるようです。・Q3任意接種はいくらかかるの?自己負担が原則の任意接種は、住んでる市区町村によって様々なようですが、だいたいの金額はこちら↓ロタウィルス…約2万3千円おたふくかぜ…約6千円インフルエンザ…約5千円予約する際にいくらかかるのか、医療機関に確認してみてください。医療機関によって金額が異なるので、地域のママ友たちからの情報も貴重です!予防接種に関する助成や内容は、日々変化していきます。基礎知識やワクチンの種類などをしっかり理解し、納得した上でスケジュールをたて、病気から赤ちゃんを守ってあげましょう。
2018年04月02日生まれてからの怒涛の予防接種期間も過ぎ、しばらくはインフルエンザワクチンぐらいだな~と思っていましたが…。日本脳炎の追加接種をすっかり忘れていました。3歳で1回目、それからすぐの2回目を受けるときはしっかり頭にあったんですが、それから1年後に追加を受けないといけなかったんですよね!ポスターを見なければ全然気づかないままでした。慌てて予約して受けました。長男には次の冬まで注射無いからと言ってしまったので申し訳なかったですね…。打たないとなるかもしれない病気の話をしたら納得はしてくれましたが…。やはりちょくちょく確認しないと駄目ですね!
2018年02月15日生後二ヶ月から始まる、怒涛の予防接種ラッシュ!夏に生まれたベビーは、そろそろ予防接種のスタート時期なのでは?ママも、初めてのことだとハラハラドキドキしますよね。最初は、針を刺され泣く我が子が可哀想でわたしの方が泣いてしまいそうになるほど…。しかも、我が子は二人とも副反応で発熱しているため、予防接種の度に毎回ドキドキしています。そんな我が家の、予防接種を受ける際に気をつけていることをご紹介します!1・予防接種スケジュールの確認!初めての予防接種は数も多く、受けられる期間が決まっているものもあります。まず、ママとしての仕事はスケジュールの管理と確認。「同時接種するの?定期接種のみ?任意接種もするの?」など、知れば知るほど疑問はたくさん出てきます!そこで、まずは予防接種を受ける小児科を決めましょう♪かかりつけ医を決めることは、子どもの健康と成長を見てくれるお医者さんがいるという、とっても心強いもの。予防接種に関しては病院の方針も様々なので、受ける前に予防接種スケジュールの相談をしてみるといいと思います。スケジュールを相談した上で、《同時接種or単独接種、定期接種、任意接種》をどうするかはママ次第!しっかり勉強して、きちんと理解した上で、どう予防接種を受けていくのか決めましょう。2・当日は簡単に着脱できる服装を♪予防接種当日は、簡単な診察を受けてから行います。胸の音を聞いたりするために服を脱いでの診察。また長袖の場合は腕を出す必要があります。このときにまごまごしてしまうと、子どもも不安に…。さっと脱げて、さっと着られる服を選んでいきましょう♪3・授乳は30分前までに予防接種のワクチンには、注射と経口投与があります。授乳期の赤ちゃんは、授乳のタイミングを見て行うといいでしょう。経口投与のワクチンの場合、予防接種の時には『もうすぐお腹空いちゃう!』くらい前に授乳を終わらせておく方が◎。というのも、ギリギリに授乳させておくと、お腹いっぱいで経口投与ワクチンを飲まなかったり、せっかく飲んだワクチンを吐き戻しちゃう!なんてことも…。注射の場合はワクチン吐き戻しの心配はありませんが、注射で泣きすぎて吐いちゃったりするので、やはり接種の30分くらい前に終えておくのをオススメします。いずれも、バタバタしていると子どもが不安になってしまうもの。余裕を持って授乳を済ませ、ママ&ベビーの気持ちが落ち着いた状態で行えるといいですね。4・接種後は、すぐ帰らない!予防接種の激しい副反応は、30分以内出ることが多いそう。そのため、接種後は急いで帰らずに、そのままなるべく院内、もしくはすぐに病院に戻れる場所に居ましょう!その後はどこか寄ったりせず、まっすぐお家に帰って休ませてあげてくださいね♪5・接種後2〜3日はゆっくり休んで♪まだまだ小さな体で免疫をつけるため頑張る赤ちゃん。接種後2〜3日はグズグズ不機嫌になることも。できれば無理なお出かけはせずに、ゆっくり過ごしてあげてください♪また発熱はしていないか、接種部位が赤く腫れて硬くなっていないか、食欲はいつも通りか、など様子をしっかり確認してあげてください。熱が高すぎる、なかなか熱が下がらない、腕がすごく腫れているなど、心配な時はすぐ病院に伝えて診てもらってくださいね♪我が子たちの、副反応体験談上の子が3ヶ月、予防接種2回目の時のこと。接種した日の夕方頃から、子どもの体がなんだか熱い!熱を測ると38.3度。何度測っても、38度台から下がらず…。これは予防接種の副反応かもしれない…と思いつつも、初めての発熱なため心配でたまらず翌朝病院へ。接種部位が赤く腫れて硬くなっていたのもあり、「副反応の発熱でしょう。」と言われました。3日目には熱は下がり、腕の腫れや赤みも治まりました。その後、3回目の予防接種でも同じように発熱し、3日目には解熱。このときは、肺炎球菌の接種による副反応だったようです。下の子も同じく3ヶ月の時、2回目の予防接種にて、翌朝38.4度の発熱!上の子の経験があるため、腕の腫れや赤みが同じ様子だったので自宅安静していたところ数日目には解熱し、腫れや赤みも治まりました。その後、3回目でも同じようになりました。同時接種のため、何の予防接種が原因なのかは分かりませんでした。同じ予防接種でも体調によって副反応が出たり、出なかったり。1度熱が出たからといって、2度目も必ず熱が出るとは限らないそう。子どものよっても、副反応はでやすい子、そうでない子がいると思います。同時接種だと1日何本も一気に予防接種を打つこともあり、大丈夫だとわかっていても親としては少し心配になりますよね。子どものために、しっかり理解し、無理せず予防接種を受けていきましょう♪
2017年08月16日あなたは予防接種を受けているだろうか。または子供に受けさせているだろうか。ワクチンには病原体の感染を防いだり和らげたりする効果があるが、一般的にはあまり知られていない危険性もある。私たちはその危険性と、必要性を踏まえ、ワクチンというものをもう一度考えてみてもいいかもしれない。学校、病院、メディアなどで繰り返し宣伝される「ワクチン神話」(Photo by jacco de boer)日本は予防接種を推奨しているため、学校、病院、メディアでは大々的に予防接種の広告が打ち出されている。私たちは予防接種のメリットについて理解するチャンスは多いが、副作用などのデメリット、必要性などについての情報は自分で調べない限りなかなか手に入らない。予防接種が義務接種だった時代には、反対の市民運動が日本各地で起っていた。その結果、1994年に予防接種法が改定され、義務接種ではなく、全ての予防接種が任意となった。にもかかわらず、現在の分類の仕方は「定期接種」と「任意接種」とに別けられており、あたかも「定期接種」が「任意接種」ではないように見せられている。今もこのように、予防接種は半強制的に行われているのだ。全ての予防接種が任意接種である今の時代の私たちは、どれだけ予防接種の知識があるだろうか。ただ「打つのが当たり前」と思っているなら、一度予防接種について考え直してみた方がいいかもしれない。現代の日本はそんなに病気が蔓延している国?(Photo by David Shackelford)戦後の日本は衛生環境が現代に比べると悪かったため、たくさんの乳幼児が伝染病で命を落としていた。しかし、衛生環境の改善とワクチンの導入で、伝染病は激減。にもかかわらず、今ではほとんど存在しない病気のワクチンが推奨されているのをご存知だろうか。そんな中で私たちは、接種するワクチンが本当に必要なのか見極めなくてはならない。「新・予防接種へ行く前に(ジャパンマシニスト社)」は、予防接種についての本だ。モットーは、広告をとらない、スポンサーをおかない、専門家には平易な言葉と高みにたたない、つねに「弱い」もの・「少数」のものの視点を忘れない。この本には実に詳しく予防接種についての情報があらゆる視点から書かれている。下記は本書の一部。BCG・・・生後半年を過ぎたら必要なしポリオ・・・病気そのものがありません麻疹風疹混合(MR)・・・単独ワクチンという選択もDPT/DT・・・D、DTを選べないのが大問題日本脳炎・・・接種見合わせの間も患者は増えていませんインフルエンザ・・・厚生労働省も乳幼児にすすめていませんおたふくかぜ・・・自然感染の機会を待って水ぼうそう・・・重い病気を持つ子供だけ子宮頸がん・・・ワクチンで防げるのは16型と18型だけこの本を読めば、ポリオの国内の自然感染は30年前に終わっていることや、日本脳炎も現代では感染者は年間一桁程度でそのほとんどが高齢者であり、20歳未満であると0〜2人まで激減していることがわかる。このように、衰退、またはすでに国内ではなくなっている病気もある。それらの病気のための予防接種は本当に必要があるのだろうか。なぜそんなにワクチンの副作用を疑わなければならないのか?(Photo by Carlos Reusser Monsalvez)ワクチンはウイルスや細菌、また菌が作り出す毒素の病原性を弱めて作っている。病原菌を体に接種するのだから、抵抗力が弱っている時などに接種をすることは絶対に避けたい。しかもワクチンはウサギやニワトリやサルなどの動物の内臓の細胞などを使っているため、薬事法上「生物由来製品」であり「劇薬」扱いである。もしワクチンの中にアレルゲンとされるものが入っていた場合は、呼吸困難や失神を起こし、ひどい場合は死亡してしまう可能性もある。また製造される過程でアルミニウムやホルムアルデヒド、水銀などの添加物が使用されていることも副作用をもたらす原因だと考えられる。通常インフルエンザのワクチンでは卵を使い6ヶ月かけて培養するところを、最近は、蛾の幼虫の遺伝子を組み換える方法により、2ヶ月で培養できるようになった。(参照元:Wonderful World)日本ではまだ申請中であるが、アメリカではすでに実用化されている。効率を重視し遺伝子組み換えが行われた製品が、私たちの体にどのような問題を起こすかは分かっていない。それは接種する人の健康を本当に考えて作られているのだろうか。欧米で行われる「水ぼうそうパーティー」(Photo by Brooke Lark)なんと欧米では水ぼうそうになった子供の家に水ぼうそうになってない子供たちを集めて「水ぼうそうパーティ」を行うという。水ぼうそうは小さい頃にかかれば大した病気ではなく、実際にかかってしまえば強い免疫を得られることから、こういったパーティを開くのだとか。環境の向上した日本では、子供に多かった麻疹やおたふくかぜといった感染症の流行が少なく、体内で一度作られた免疫機能が、再度抗原に接触することによって、さらに高まる「ブースター効果」が得にくい。それに加えてワクチンで流行を抑えているため、自然感染の機会は減り、強い免疫を持った母親が少なくなってきているのだ。これでは赤ん坊にしっかりとした免疫を譲ることはできない。私たちはウイルスや細菌を恐れ、遠ざけすぎたために、小さな病気にも抵抗力を十分に発揮できなくなっているのだ。私たちは呼吸をしながら生きている。空気中には細菌やウイルスが常にいるため、病気にかからずに生きていくことはできない。しかし病気になることで、免疫がつき、強くなっているということも忘れてはいけない。メリット、デメリット両方を見比べる冒頭でも述べたように、予防注射のメリットの情報というのは私たちのまわりに溢れている。しかしデメリットの情報を踏まえてしっかりと考えることが大切だ。全ての予防接種を「打つ、打たない」と判断するのは私たち国民一人ひとりである。それには「予防接種を受けることが当たり前」「ワクチンは安全」といったワクチンに対しての姿勢を変える必要がある。しかし予防接種の副作用の訴訟問題は全国で起きているのが現状である。ワクチンに副作用の可能性がある以上、予防接種は決して安全なものだとは断言できない。そのリスクを念頭に入れ、たくさんある中のどの予防接種が自分や自分の子供に本当に必要なのかを判断することが大切と言えるだろう。—————Text by バンベニ 桃ーBe inspired!
2017年01月25日【ママからのご相談】生後2か月になる赤ちゃんがいます。初めての予防接種を控えているのですが、1歳までに接種するワクチンの数が多いことにびっくりし、またそれぞれ回数や接種の間隔も違うので、今後のスケジュールが立てられるか心配です。予防接種のスケジュールを立てるときのポイントがあれば教えてください。●A. 分からないことがあれば医師とよく相談を!ご相談ありがとうございます。ママライターのなかやまあぽろです。わたしの周りにも、予防接種で悩んでいるママさんはたくさんいます。わたし自身も、最初はワクチンの名前を覚えるのに一苦労でした。赤ちゃんの体調が悪くスケジュール通りに接種できなかったということも普通なので、あまり心配なさらないでくださいね。幸いわたしの出産した産院では、退院時に2回目の予防接種までのスケジュールを組んでくださったので初めは安心でした。しかし、3回目以降は自分で計画を立てるのがやはり心配で、かかりつけ医と1対1で指導してもらう ようにしました。病院によっては電話やメールで相談ができたり、外来診察の時間に医師と打ち合わせができたりすることもあるので、ぜひ病院に確認してみてくださいね。今回は、わたしがかかりつけ医から受けた、スケジュールの計画を立てる際のポイントを5つにまとめてご紹介します。ぜひ参考にしてください。●予防接種のスケジュールを立てるポイント5つ●(1)同時接種で効率よく最近は自治体などによる集団での接種は徐々に減っていて、出産した病院やかかりつけの小児科などで個別に接種する場合が多いようです。その場合ほとんどの病院で、一度に複数のワクチンを同時接種 できます。何度も赤ちゃんを病院に連れて行くのは、赤ちゃんにもママにも負担になってしまい大変ですから、同時接種を念頭に置き、かかりつけ医とよく相談しながらスケジュールを立てましょう。●(2)ワクチンごとの接種間隔には十分注意をワクチンの種類によっては、中6日以上空ければいいという比較的短い間隔のものや、中27日以上空けなければ他の種類のワクチンが接種できないワクチンなどさまざまです。接種回数が増えていくとあやふやになりがち 。少しでも不明確なことや不安があれば、必ずかかりつけ医と相談し、そのつど確認するようにしましょう。●(3)重症になりやすい病気を優先小さな赤ちゃんがかかると重症になる病気は、主にロタウイルス、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合、麻疹・風疹 などと言われています。これらのワクチンを優先して接種するようにしましょう。また、季節性や流行を考えてワクチンを接種することもポイントです。インフルエンザは生後6か月から接種可能とされています。流行する前に、なるべく家族全員で接種することがポイントです。●(4)赤ちゃんの体調を最優先させる赤ちゃんの体調が悪くては、せっかくスケジュールを立てていても接種することはできません。接種前日から 赤ちゃんの体調をチェックしましょう。(a)機嫌はいいか(b)食欲は普段通りか(c)尿や便の回数や様子に異常はないか(d)体温は高くないか(e)皮膚に発疹などの症状がないか以上のチェック項目で、ひとつでも気になることがあったり、その他の症状でママ自身判断できなかったりする場合は、当日の問診で相談することがポイントです。●(5)集団生活に入る場合は、接種するワクチンの順位を決めて赤ちゃんが保育園などの集団生活に入る予定がある場合は、集団で流行しやすい病気のワクチン を優先して接種することがおすすめです。ロタウイルスやおたふくかぜ、水ぼうそうが当てはまると言われています。これらは、感染すると比較的長期間、保育園などをお休みしなければならないので、優先順位を決めて接種しましょう。----------予防接種で免疫をつくることによって、万が一感染し発症しても、軽い症状で済ませることができると言われています。まずはママをはじめ、パパも一緒に正しく予防接種について理解し、赤ちゃんの健康を家族で守っていけるといいですね!【参考リンク】・予防接種スケジュール | Know VPD!(PDF)()●ライター/なかやまあぽろ(ママライター)
2016年07月26日【ママからのご相談】生後6か月になる娘がいます。先日小児科で、「日本脳炎の予防接種も打っていいよ」と先生に言われました。しかし予防接種の目安としてはいろいろな資料に3歳と書かれています。どういうことなのでしょうか?●A. 日本脳炎を確実に予防するためには生後6か月からのワクチンを。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。時代の変化により、予防接種の数や種類はどんどん変化しています。そして最近気になるのが『日本脳炎』の予防接種。今回は日本脳炎の予防接種について、小児科の先生に最新の情報を聞いてきましたのでご紹介します。●推奨年齢が変わったワケ『日本小児科学会』は2016年2月、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住んでいる小児に対し、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種をはじめる ことを推奨しました。「東京などはブタの抗体保有率が高くないのでは?」と先生に質問したところ、『以前都内の学童に日本脳炎抗体の有無を調べたところ、ワクチンを接種していなくても抗体が検出される場合が多くあったのです。つまり感染した人が運良く脳炎を発症しなかっただけ。東京でも日本脳炎にかかる可能性は十分ある のです』と回答されました。また、『近年日本脳炎を発症した子どもの年齢が3歳未満でも数例あることから、生後6か月から接種したほうがいいのでは、ということになりました』ということです。実際に2009年と2011年に1歳児、2015年に0歳児が発症しています。予防接種を受ける前の3歳未満でも注意が必要ということがわかりますね。●生後6か月で接種しても大丈夫なのかいままで3歳で接種していたものをそんなに早めて大丈夫なのかが心配ですよね。先生によると、『日本脳炎ワクチンを3歳未満で接種する場合、半量の0.25mL を接種します。3歳以上で接種するのと効果、副反応に差がないことは確認されています。余計な追加接種(2期接種の9〜13歳以外)も必要ありません。同時接種もできますのでワクチンスケジュールに影響を与えることもないでしょう』とのことです。ここまで確認されているなら安心ですね。早めに接種するほうがメリットは大きいのでしょう。●3歳未満で接種したい人はどうしたらいいのか現段階では、区や市などの自治体から日本脳炎の予診票が送られてくるのは3歳の誕生日前です。もし早めに接種したい、という人は自治体に電話をして早めに送ってもらう 必要があります。待っているだけでは送られてきませんので、こちらから要望を伝えてくださいね。予防接種を待っている3歳までのあいだに日本脳炎にかかってしまうかもしれないと思うと、恐ろしいですよね。ウイルスを媒介するのは蚊なので、夏は特に注意したい季節。小児科の先生や家族と相談し、接種時期を決めてみてはいかがでしょうか。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年07月17日こんにちは、栗生です。日頃、病院に行くのはもっぱら子どもの通院です。子どもの病院といえば、まず1ヶ月検診。その次に生後2ヶ月で初めて予防接種を受けに行ったという人も多いのではないでしょうか。この0歳児の予防接種、経験してみると、けっこう大変なんですよね。わが家は早めに集団生活(保育園入園)をさせる予定だったこともあり、定期接種・任意接種すべてをコンプリートすることにしました。でも、調べてみてびっくり。予防接種って種類が多い上に、同じ種類を「しばらく経ってから、もう一度追加接種してね〜」というのもあるじゃないですか。自分の仕事のスケジュール管理だって苦手なのに、それより多忙な赤子の予防接種スケジュールが私にコントロールできるのか?…と当初はあきらめ気味だったのですが、ありがたいことにかかりつけ医のほうでスケジュールを組んでくれることが判明。赤子の体調によっては予防接種ができない日もあり、スケジュール通りにいかないこともありましたが、なんとか無事に0歳のワクチンマラソンを終えることができました。これで少しは赤子のマネージャー業に自信がついたかな?…と息をつく間もなく、赤子は幼児へとステップアップし、また新たな業務がたっぷり発生するのでありました…。今日のカルタ「予防接種はもはや競技」
2016年06月29日【ママからのご相談】生後1か月の娘をもつ母親です。生後2か月に入ると、いよいようちの娘も予防接種デビューです。初めての子どもということもあり、母親の私がドキドキしています。予防接種の後は、副反応が出ることがあると聞きました。もし副反応が出た場合、どうすればいいのでしょうか?●A. 軽い症状でも数日続けば要受診。接種後はいつも以上に観察を。こんにちは、ママライターのacoです。ご相談ありがとうございます。お子さんにとって初めての予防接種、親の方が緊張してしまうというお気持ちはとてもよくわかります。私も第一子の予防接種デビューの日は、何となくそわそわしていた記憶があります。予防接種によって重篤な副反応が起こることはごくまれですが、赤ちゃんの体内にワクチンという異物を入れるため、熱が出たり腫れたりすることはしばしば見られます。とはいえ、高熱やけいれんなどの軽い症状でも数日続く場合は受診の必要があるため、予防接種後はいつも以上にお子さんの様子を観察することが大切です 。今回は、どのような副反応が出たら受診すべきか、お伝えしたいと思います。●予防接種による主な副反応まずは、予防接種で起こりやすい代表的な副反応について説明します。【発熱】弱めた病原体で作られている生ワクチンに多い副反応です。【腫れ】接種した部位が赤く腫れたり、発疹が出たりすることがあります。痛みやかゆみのある場合は患部を冷やしてみましょう。【けいれん】発熱していれば熱性けいれんの可能性もありますが、必ず受診をしましょう。けいれんが初めての場合は救急車を呼びましょう 。初めてではなくても長時間続く場合や、繰り返し起こる場合も至急受診を。【下痢】食欲がみられ、機嫌や顔色もよければ大丈夫でしょう。2~3日で治まることが多いです。●副反応の症状に合わせた受診の目安次に、それぞれの症状に合わせた受診のタイミングについてお伝えします。●急いで受診すべき症状次のような場合は緊急性が高い ため、診療時間外であっても救急車を呼び、夜間救急へ行きましょう。・39度以上の高熱でぐったりしている・呼吸困難やけいれんを起こしている・意識がもうろうとしている・吐き気がみられたり苦しがるなど、明らかに様子がおかしい●診療時間内であれば受診すべき症状症状が軽くても数日続く場合は、診療時間内に受診 をしましょう。・発疹や水疱(すいほう)が出ている・38度以上の熱が2日以上続く・接種部位の腕の腫れがひじを越えるほど広がってきた・脇の下や首の後ろが腫れている・いつもとは異なった気になる症状がある・機嫌が悪い●自宅で様子を見ておく症状以下の場合は自宅で経過観察しましょう。ただし、赤ちゃんの症状は急に変わることがあるため、油断は禁物 です。・接種部位が赤く腫れた(※ただしBDG接種後、1週間以内に腫れた場合は受診しましょう)・発疹が出た・発熱した・下痢をした●知っておきたい“まぎれ込み”予防接種を受けた後、たまたま病気にかかり、その症状が副反応だと勘違いしてしまう場合があります。これを“まぎれ込み ”と言います。接種後、何か気になる症状があり判断に迷った際は、念のため受診をしてみましょう。【参考文献】・『育児生活ガイドBOOK』山中龍宏(緑園こどもクリニック院長)・総監修●ライター/aco(フリーライター)
2016年05月04日【ママからのご相談】来月出産予定のママです。上に5歳の子どもがいるのですが、今は上の子が赤ちゃんのときとは予防接種の種類やスケジュールがかなり変わり、2016年の秋には、B型肝炎のワクチンが無料化するらしいとママ友に聞きました。B型肝炎の予防接種はあまりなじみがないのですが、どういうものなのでしょうか。●A. B型肝炎の予防接種は将来の肝硬変や肝がんを防ぎます。ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。予防接種後進国と言われる日本でしたが、ヒブワクチンをはじめ、ここ数年で定期接種に組み込まれるようになったワクチンもずいぶん増えました。そして、また新たに2016年10月からB型肝炎の予防接種が無料で定期接種化されることが決まりました。そこで今回は、B型肝炎の予防接種について詳しくご紹介しましょう。●B型肝炎についての基礎知識3つ●(1)B型肝炎とはB型肝炎は一般的にはあまりなじみのない病気ですが、実はB型肝炎ウイルスを起因とする病気にかかっている人は、世界中に約3億5千万人もいる と言われています。厚生労働省によると、B型肝炎ウイルスは感染力が強く、肝臓に住み着くと将来的に肝硬変や肝臓がんを引き起こす リスクが高まるとされています。●(2)B型肝炎の感染経路B型肝炎ウイルスは血液や体液を介して感染する ので、出産時の母子感染(垂直感染)や性行為、医療機関での針刺し事故、傷口からの接触感染(水平感染)が主な感染経路となります。今までB型肝炎の予防接種は、B型肝炎ウイルスに感染している妊婦さんの赤ちゃんや医療関係者、海外出張などで長期渡航予定の人以外には、積極的に推奨されていませんでした。しかし、唾液や汗などを介して保育園での集団感染例が日本でも報告されるようになり、今回の定期接種化につながりました。●(3)どうして接種が必要なの?B型肝炎ウイルスは、感染力が強いのが特徴ですが、感染しても症状が出ないままウイルスを保有している人(キャリア)も多く、自覚のないまま他人に感染させてしまったり、症状が進行してしまったりして、発覚したときには肝臓に大きなダメージを受けている ことが多いからです。また、保育園や幼稚園では集団生活を送ることになるため、周囲への感染拡大を防ぐ目的でも幼児期の予防接種は大切であると考えられています。●B型肝炎の予防接種のスケジュールB型肝炎の予防接種は、生後2か月以降から接種することができ、初回2回、追加1回の合計3回接種します。生後2か月で1回目、3か月で2回目、7〜8か月で3回目を接種するのが模範的なスケジュールとなります。----------いかがでしたか。今回はこれから定期接種化されるB型肝炎ワクチンについてご紹介しました。定期接種化は必要であり、これまで任意接種であったことを考えるとお財布にも優しくメリットもたくさんありますが、その分、スケジュールの組み方に頭を悩まされるままも多いですよね。予防接種スケジュールを管理できるアプリやサイトなどをうまく利用して、お子さんの体調を見ながら効率良く予防接種を進めていけると良いですね。【参考リンク】・赤ちゃんのB型肝炎ワクチン | KNOW VPD()●ライター/MAKI(健康・美容ライター)
2016年04月27日近年、子宮頸(けい)がん検診や予防ワクチン接種などの情報提供がされるようになり、広く予防の重要性が訴えられるようになってきた。一方で、一度も検診を受けたことがない人や、定期的には受けていない人も多いのではないだろうか。そこで今回、子宮頸がんがどういう病気で、なぜ予防が大切なのか、そして女性の人生にどんな影響を与えるのかについて、女性ライフクリニック銀座の対馬ルリ子院長に伺った。前編と後編にわたってお届けしよう。○異変に気づいたら、もう初期ではない「子宮頸がん」は、子宮の入り口(子宮頸部)にできるがんで、20~40代でかかる人が多い病気だ。これに対し、子宮の奥(子宮体部)にできるがんを「子宮体がん」といい、閉経後の50代に多く見られる。恐らくどんな病気でも、気になる症状があってから初めて病院に行く人が少なくないはずだ。子宮頸がんの場合は、下腹部痛や不正出血、おりものの異常などの異変を見逃さなければ、初期の段階で発見できると思っている人がいるかもしれない。しかし、「症状が出てからでは、もう初期ではありません」と対馬院長は語る。「"症状があったら病院へ行きましょう"では、私はよくないと思います。子宮頸がんは、がんになる前に定期的な検診で見つけることが大切。症状があってから病院に行って、子宮頸がんが見つかったときには、それはもう初期がんではなく進行がんであることがほとんどですから」。○原因は主に性交渉によるHPV感染子宮頸がんの原因は、「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染ということが明らかになっている。ただしHPVに感染しても自然消滅してがん化しない人と、数年から10年ほどの潜伏期間を経てがん化(突然変異)してしまう人に分かれることがポイントだ。「一生の中で80%ぐらいの女性が一度はHPVに感染しているといわれています。その中で自然に排除されずに持続感染する人は、約10~20%です」。また、どのタイプのウイルスに感染しているのかも重要だ。HPVはさまざまな型があるが、16型と18型はがん化しやすい"ハイリスク型"に該当する。ハイリスク型は20~30代の女性に多い傾向があるため、子宮頸がんは若い女性が特に注意すべき病気として扱われ、検診の重要性が叫ばれているのだ。○1回のセックスで感染することもそして、主に性交渉によって感染するといわれるHPV。このことからか、世間には「子宮頸がんになる女性は性交渉の回数が多い」という偏見もある。しかし、対馬院長は次のように正す。「性交渉を1回でもしたことがある女性であれば、子宮頸がんになる可能性はあります。逆に言うと、生涯で一度も性交渉をしない人でない限り、子宮頸がんにならないとは言えません」。さらに、HPVは性器以外にも手指などいたるところに存在しているため、コンドームでは感染を防ぐことができないという。性交渉の経験がある女性であれば誰にでもHPVに感染するリスクがある、と認識しておこう。○子宮頸がんのステージと手術内容HPVに持続感染すると、「異形成」というがん化する前の異常細胞(前がん病変)が生じ、異形成の中でもっともがん化する確率が高くなっているものを「高度異形成」という。がん化すると、進行に応じて0期~4期に分類される。0期は上皮(子宮頸部の表面)内に、1期は子宮頸部内にがんがとどまっている状態で、2期以降は子宮周囲の組織まで広がっていくことになる。また、0期は「上皮内がん」、1期以降は上皮以外にがんが広がっていることから「浸潤がん」と呼ばれている。治療では、高度異形成や上皮内がん(0期)で見つかった場合は、子宮頸部の一部を切除する「円錐(すい)切除術」が行われる。子宮が温存できるため、その後の妊娠・出産も可能だ。一方、通常の浸潤がんの治療では、子宮のほかに卵巣や卵管、リンパ節など子宮の周囲の組織も摘出する「広汎(はん)性子宮全摘術」が選択される。手術に、放射線治療や化学療法を組み合わせることもある。○たった1センチ進んだだけで……対馬院長は、子宮頸がんの治療を「ほんの数カ月の違いで運命が変わる」と表現。「子宮頸がんは膣の壁を這(は)うようにして進行し、がんがたった1センチ進んだだけで骨盤の底までえぐるように取らなければならなくなります。出血も多く、婦人科の手術の中でもっとも大きな手術です」。さらに、手術後の生活にも深刻な影響があると語る。「リンパの流れが悪くなることでリンパ浮腫(ふしゅ)を起こして下半身が極端にむくんだり、感染にも弱くなるので、蚊に刺されただけでも下肢全体が腫れたりします。また、広汎性子宮全摘術では、膀胱(ぼうこう)や直腸につながっている神経を切らなければならないので排尿障害や排せつ障害を起こします。尿意を感じない、上手に排便ができないなどといった普段の生活に支障が生じる障害と、一生付き合わなければなりません」。子宮頸がんは、がんのステージによって手術や治療の内容が大きく変わることをお分かりいただけただろうか。後編では、子宮頸がんの予防ワクチン接種と検診についてお伝えする。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 対馬ルリ子(つしま・るりこ)現職対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長産婦人科医、医学博士専門は周産期学、ウィミンズヘルス経歴1984年、弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック(現 対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)を開院、院長を務める。2003年には女性の心と体、社会とのかかわりを総合的に捉え、健康維持を助ける医療(女性外来)をすすめる会「NPO法人 女性医療ネットワーク」を設立。理事長として、全国450名の女性医師・女性医療者と連携して積極的に活動しているほか、女性の生涯にわたる健康のためにさまざまな情報提供、啓発活動を行っている。現在、東京大学医学部大学院非常勤講師(母子保健)。「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」の代表も務める。
2016年01月07日毎年冬になると流行し、学校や職場などで感染拡大が叫ばれる「インフルエンザ」。重症化すると死にいたることもあり、予防が欠かせない病気だ。ワクチンの予防接種が有効とされているが、接種しても感染することがあると聞く。では、どのような対策が適切なのだろうか。そこで今回は、インフルエンザウイルスの特徴とワクチンの有効性、適切な予防法などについて、順天堂大学大学院 医学研究科感染制御科学講座 山本典生准教授にお聞きした。○インフルエンザと風邪の違いインフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる急性感染症の一種で、通常の風邪とは異なる病気のこと。ここで、風邪とインフルエンザの違いからおさらいしてみよう。主な違いは次のとおり。■風邪(普通感冒)病原体: ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルスC主な症状: 鼻水、くしゃみ、咳(せき)悪寒: 軽度、極めて短期熱: 37.5度前後合併症: まれ■インフルエンザ病原体: インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB主な症状: 発熱、筋肉痛、関節痛悪寒: 高度熱: 38~40度合併症: 気管支炎、肺炎、脳症高熱などの症状のつらさに加え、合併症リスクが高いこともインフルエンザの怖いところだ。厚生労働省の発表(「平成27年我が国の人口動態」)によると、日本人の死因は、1位「悪性新生物(がん)」、2位「心疾患」に次いで、3位に「肺炎」が入る。高齢者の肺炎は特に深刻な問題とされているが、肺炎には細菌感染(肺炎球菌など)やウイルス感染(インフルエンザウイルスなど)が関与するといわれている。肺炎による死を防ぐという点においても、インフルエンザの予防は重要だ。一般に、"インフルエンザのワクチンを接種すれば大丈夫"と思う人も多いだろう。しかし、ワクチンを打ってもインフルエンザに感染する場合がある。「残念ながら、ワクチンを打っても感染してしまうことはあります。というのも、予防接種は注射によるものなので血液中には抗体が上がってくるのですが、鼻の粘膜などには上がってきません。その点から、感染を防ぐものというよりは、重症化を防ぐものと捉えられています。ただ感染はしたとしても、血液中の抗体によって全身に広がらずに重症化を抑えることができるので、大きな意味があることだと思いますね」。○潜伏期間は検査で「陰性」と出ることもインフルエンザは「学校保健安全施行規則」に定められている伝染病であり、感染が確定すると5日間の出席停止になる。会社の場合は対応がさまざまだが、医師の許可が下りるまでは出勤停止としているところが多いようだ。「例えば高感度の検査キッドを使って検査をすれば、感染後5日を過ぎた場合でもウイルスが検出される可能性はありますし、周りに感染させてしまうリスクはゼロとは言えません。一方で休みが長引くと支障が出ますので、ウイルスの量が少なければ現実的に感染の広がりは防げるだろう、という考えに基づいて5日間と設定されているのでしょう」。なお、インフルエンザをはじめとするウイルス感染症には潜伏期間があるため、その段階で病院に行くと「陰性」で出る可能性も否定はできないという。「潜伏期間はウイルスの増殖が十分でなく、"感染はしつつあっても症状は出ていない"という期間。そのときに検査をすれば、感染していても陰性で出る可能性はあるでしょう。そもそも検査キッドには検出限界値があり、限界値に達していないと検出はできません。ただ通常は、ウイルスの増殖と比例して症状が出ますし、症状が出てから"何かが起きている"と感じて病院に行くと思いますので、感染の場合は陽性で出ることのほうが多いとは思います」。最後に、今年の傾向をお聞きした。「まだ検出報告数が少ないので傾向はつかめませんが、何が起きてもおかしくない状況でしょう。例年にならうと、年明けから注意が必要です。学校の新学期が始まるとともに集団感染が起きて、感染数が伸びてくるのではないかと個人的には思います」。お話を聞いて、インフルエンザはワクチンの予防接種をしていても油断ならないものだと痛感した。厚生労働省では、ワクチン接種のほか、咳エチケット、外出後の手洗い、適度な湿度の保持、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取などを推奨している。少しでも感染リスクを減らすために、ワクチンの予防接種と日常でできる対策との"合わせワザ"でこの冬を元気に乗り切りたいものだ。
2015年11月27日QLifeはこのほど、インフルエンザワクチン接種価格の調査結果を明らかにした。同調査は、ホームページ等で同ワクチン接種価格を公開している全国1,470施設ならびに開業医対象にインターネット調査で収集した150施設の金額を集計したもの。全国平均は3,204円で、昨年(2014~2015年シーズン)と比較すると、265円の大幅アップだった。東京都は3,440円(前年比440円アップ)、大阪府は3,165円(前年比282円アップ)となっている。分布を見ると、3,000円ないし3,080円が最も多く、全体の62%を占めている。それ以外では3,500円、4,000円が多く、昨年は多かった3,000円未満のクリニックは、ほとんど見られなくなった。同社では、値上げが患者の実質負担にどの程度の影響があるのか計算した結果も公表している。東京都の440円アップを例に検証すると、小学生の子ども2人がいる4人家族の家庭では、440円が6回(小学生は2回接種が必要)で、合計2,640円の実質負担増となることがわかった。ただし小学生の接種には公的補助がある自治体も多いため、千代田区や台東区など比較的助成額が厚いところでは、昨年比30%近い支払額アップとなる見込みだという。大幅に価格がアップした理由について、同社では「2015年度からインフルエンザワクチンが3価から4価に変更されたこと」を挙げている。変更により、ワクチン納入(仕入れ)価格が上昇したことが値上げの主な原因ではないかと分析している。また、インフルエンザ予防接種を行う開業医150人に対してワクチン接種に関するアンケート調査も行ったところ、95%がワクチン納入価格(仕入れ額)が「昨年より値上がりした」と回答した。接種料金からワクチン原価を引いた損益について尋ねたところ、46.8%が「減らした(利益をマイナス方向にした)」と回答した。その理由として「価格を上げると接種人口が減る可能性がある」「むしろ集客のチャンスとしたい」「ワクチンでもうけようとは思っていない」などの回答が挙がった。今期のインフルエンザワクチン接種の傾向について聞いたところ、20.7%が「あえて接種しない人が増えている」、21.3%が「接種したくてもできない人が増えている」と回答した。「4価になったことを喜ぶ人が多い」と感じている医師は6.7%と1割に満たなかった。
2015年11月11日ファイザーはこのほど、タレントの加山雄三さんを起用した「健康寿命を、のばそう。65歳からのおとなの予防接種」啓発キャンペーンを開始した。同キャンペーンは、65歳以上の人を対象に「健康寿命の延伸とおとなの予防接種」の重要性を広く知ってもらうことを目的に実施するもの。世界でも有数の超高齢社会を迎えた日本では、できるだけ健康に介護などを必要とせず自立した生活を送ることができる「健康寿命」の延伸が大きな課題となっている。そこで重要となってくるのが、さまざまな感染症を予防するワクチン接種。ワクチンは「乳幼児を感染症から守るもの」というイメージが強いかもしれないが、高齢者にとってもワクチン接種による感染症予防が大切となってくる。中でも重要なのが、肺炎球菌による感染症を防ぐ肺炎球菌ワクチンだという。免疫機能が未熟な乳幼児にも免疫が付くように開発され、日本では発売以来5年間で500万人以上の子どもたちに接種されている「肺炎球菌結合型ワクチン」が、2014年6月から65歳以上の高齢者にも接種できるようになっている。肺炎の主要原因である肺炎球菌による感染症は、健康であっても、加齢による免疫力や嚥下(えんげ)機能の低下により感染のリスクが高くなる。肺炎球菌ワクチンの接種は、シーズンに関係なくどの時期でも受けることができる。同キャンペーンでは、加山雄三さんを起用した啓発キャンペーンポスターや啓発用リーフレットを全国の医療機関に設置するほか、新聞・ウェブ、雑誌などへの広告の掲載を予定している。また、「おとなの肺炎球菌感染症.jp」でも健康寿命や肺炎球菌感染症に関する情報提供を行っていく。
2015年05月18日第一三共とテルモは4月10日、第一三共の関連会社であるジャパンワクチンが皮内投与型季節性インフルエンザワクチンの国内製造販売承認申請を行ったと発表した。近年、ワクチンを皮膚上層部に注射することで、免疫システムの抗原認識を効率的に強化でき、ワクチンの効果を高められることが報告されている。同ワクチンは皮内など皮膚上層部への注射を簡便かつ確実に実施できることを目的に、第一三共とテルモらが共同で開発したもの。テルモが開発した皮内投与専用の注射針とプレフィルドシリンジを組み合わせた皮内投与型デバイスに、第一三共のインフルエンザHAワクチンを充填した。投与デバイスは皮下組織の末梢血管および神経に対するリスクを低減できるように工夫されており、針に対する抵抗感などの低減効果が期待される。
2015年04月10日テラはこのほど、同社が提供する樹状細胞ワクチン「バクセル」の局所再発胃がんに対する症例報告が、英国の腫瘍外科専門学術誌である「World Journal of Surgical Oncology」(2014年第12巻390項)に掲載されたことを発表した。今回の症例報告は、「医療法人社団医創会 セレンクリニック名古屋」(愛知県名古屋市)における胃がん手術後再発症例となる。同症例は、高度な肺気腫により根治手術ができず、また、内視鏡的粘膜切除術も印環細胞がんであるために当時の基準で適応外と判断された症例。抗がん剤は副作用により継続ができなかったために、「WT1ペプチド」などを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル」(※1)の腫瘍内局所投与が施行された。内視鏡によるバクセルの投与は計7回行われた。その結果、最終投与から1カ月後に腫瘍は縮小し、組織生検の結果ではがん細胞の消失が確認された。さらにその後、寛解状態(治療によってがんが完全に消失した状態)が30カ月間続いたという。今回の報告は、肺疾患のため手術ができない再発胃がん患者に対して、樹状細胞ワクチン療法の腫瘍内局所投与が著効した初めての症例報告になるとのこと。※1 樹状細胞ワクチン「バクセル」:本来、血液中に数少ない樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法。現在、がん治療用の再生医療等製品として薬事承認取得を目指している。
2015年01月15日インフルエンザ対策として有効な方法のひとつに、ワクチンによる予防接種がある。そのワクチンにはどのようなものがあり、いつごろ接種するのが効果的なのか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに、ワクチンの有効性や効果について伺った。○誤解されがちなインフルエンザワクチンインフルエンザの予防に有効とされるワクチンの予防接種。だが、その効果について誤解している人も多いという。「予防接種をすることで、インフルエンザに『感染しなくなる』わけではありません。感染しても『発症したり、重症化しにくくなったりする』のが、予防接種の効果なのです」。ワクチン接種をしても、インフルエンザウイルスが体に入ってしまうと感染してしまう。だが、発症が抑えられたり、症状が軽く済んだりすることがあるので、あたかも「感染していない」かのような印象を持っている人が多いという。「予防接種を受けた人の場合、軽い風邪の症状と本人は思い込んでいても実はインフルエンザだった、ということも考えられます。マスクや手洗い、うがいなどはしっかりとして、周りに移さないようにすることが大切です」。「結局、感染してしまうなら意味が無い」と思ってしまうかもしれないが、それは間違い。インフルエンザは高熱や関節の痛み、だるさなどの全身症状がひどくなることもあり、体力の無い子どもや高齢者においては重篤な症状が出てしまう危険性も考えられる。症状が軽ければ回復も早く、危険な状態にもなりにくくなるため、メリットは大きいのだ。○効果はどれくらい続く?また、インフルエンザには流行しやすいタイプがあるのはご存じだろうか。インフルエンザには「A型」「B型」「C型」の3種類があり、A型とB型が流行しやすいとされている。ワクチンはそれぞれの型に適合するもののほか、混合ワクチンもある。その年の流行なども考慮して、どのワクチンを接種するのかを医師と相談するとよい。「ワクチンの効果は接種した2週間後から5カ月程度までなので、毎年接種したほうが予防には効果的です。流行の始まる前に接種するとよいでしょう」。インフルエンザは毎年12月から3月にかけて流行が見られる。今冬分のワクチンをまだ接種していない人は、早めに医療機関を訪れた方がよいだろう。○持病持ちや投薬中の場合は必ず医師に確認インフルエンザの予防接種は保険適用外となるため、病院によって料金も異なる。自治体や健康保険組合によっては、補助が出る場合があるので事前に問い合わせておくのがベターだ。「妊婦や持病で投薬中の方などは、ワクチンが適さない場合もあります。また、13歳未満のお子さまは2回に分けたほうがよいとされていますので、必ず医師の判断を仰いで受けるようにしましょう」。重い症状が出やすいインフルエンザ。もし患っても軽い症状で済ませられるよう、ぜひ予防接種を受けておきたい。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年12月05日明治、1073R-1のインフルエンザワクチン効果増強を発表2014年11月20日、明治は1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルトをインフルエンザワクチン接種3週間前から摂取すると、インフルエンザワクチンの抗体値(インフルエンザワクチンに対する防御力)の増え方が、未発酵の酸性乳飲料を飲用した場合に有意に多かったことを明らかにした。研究成果は日本食品免疫学会第10回学術大会(東京:10月16日~17日)において発表。インフルエンザワクチンインフルエンザワクチンは体の中の免疫を高めて、インフルエンザウイルスが体の中で増殖するのを抑え、肺炎などのインフルエンザの重症化を防ぐために用いられている。ワクチンの効果を強めるために用いられるのが、アジュバントという免疫活性化剤。今回の研究では、1073R-1で発酵したヨーグルトをインフルエンザワクチン摂取前に連用すると、抗体価が上がったことから、アジュバントと同じような効果があると想定される。アジュバントには水溶性と油性のものがあり、油性のものはアジュバントとしての効果が高いが、注射部位の副作用が出やすいことから、副作用が高くなる。副作用を増加させない、アジュバントが求められている。(画像はプレスリリースより)【参考】・明治プレスリリース
2014年11月23日病院検索・医薬品検索・医療情報サイトを運営しているQLife(キューライフ)は、ホームページ等でインフルエンザワクチン接種価格を公開している全国3,017施設の金額を調査し、このほどその結果を発表した。インフルエンザ予防接種の全国平均価格(成人1回目、健康保険などの公的助成ない場合)は2,939円だった。都道府県別に見ると、宮城県が最も高く3,043円という結果に。一方、最も低い都道府県は北海道で2,766円だった。都市圏別に見ると、東京都は3,000円、大阪府は2,883円。関東都市圏と関西都市圏とでは関東の方が高い傾向がある。同社では、2008年にも同種の調査を行っているが、都市圏の東高西低傾向は6年前と同じだった。
2014年11月14日1ヵ月検診を終えて、ほっとしたのもつかのま間…ママたちに最初の洗礼! それは、予防接種の数。1回ではなくて何回も! 生後6ヵ月までに終わらせないといけないのがある! と大半のママが驚くところです。先ず、1歳までに受ける種類を見てみても、定期接種(国や自治体が強くすすめているワクチンで公費で賄うケースがほとんどなので無料)だけでもヒブ・小児用肺炎球菌・四種混合・BCGの4種類があり、BCG以外はそれぞれ3回接種、加えて任意接種(受けるかは保護者の判断になるワクチンで自己負担※一部自治体により助成あり)のB型肝炎(計3回)、ロタウィルス(計2回)が追加。また、1歳になったらMR(麻しん風しん)の定期接種、おたふくかぜや水痘(みずぼうそう※現在2回接種)の任意接種が登場します。これだけでも相当な数という印象を受けるのに、先進諸外国に比べると少ない、というから驚きです。では、これだけの数の予防接種をどうスケジュール立てするか? 悩みますよね。ワクチンの種類によって同時接種が可能だったり、次の予防接種までに空ける期間も細かく決まっているので予約を取って病院に向かったが、受ける直前に37.5度以上の発熱があって受けられなくてそのまま帰る、なんてことがあるとせっかくのスケジュールが狂ってしまう! という状況も頻発するのです。そこで…先輩ママに支持されているおススメ管理法をお知らせいたします。■スマホアプリ「予防接種スケジューラー」を使いこなす!「今受けられるワクチンは何?」「スケジュールを考えるのが大変」「このワクチン、どんな病気に効くの?」「次の予約はいつ?」「ワクチンの接種記録データを残したい」などママの声に対応したアプリ『予防接種スケジューラー』。 NPO法人VPDの会 の小児科医が開発したアプリで現在までに35万ダウンロードを記録。ワクチンの種類と接種適切な時期、接種回数がわかりやすく表示され、お子さまごとに接種予定日の入力と前日・当日アラームによるお知らせ、接種済が一目瞭然でわかるようになっています。もし、次回接種予定しているワクチンまでに空ける期間が不適切だったりするときちんとエラー表示が出てくれるので、計画立てるにはとても便利! 特に怒涛の予防接種ラッシュの生後6ヶ月までこのアプリでスケジュールを組むのにお世話になった、という先輩ママがたくさんいるようです。■自治体によっては便利なサービスも! 自治体によっては、登録すればメールなどで月齢と接種ワクチンのお知らせがタイミングよく来たり、今地域で流行っている感染症情報も教えてくれるサービスなどを開始しているところもだんだん増えてきているようです。お住まいの自治体に一度確認してみるのもいいですね。便利なツールやサービスに頼って、上手に予防接種を乗り切るのもひとつの手ではないでしょうか?
2014年06月18日インターネット調査会社のマーシュはこのほど、「インフルエンザとワクチン接種に関するインターネット調査」の結果を発表した。同アンケート調査は11月9日~12日にインターネット上で行われ、1,800件の回答を得た。「今シーズン(2012年~2013年にかけて)の予防接種」について聞いたところ、「今のところ受ける予定はない」という人がもっとも多く49.1%。「すでに受けた」人は9.2%、「これから受ける予定」の人は25.1%だった。前回の2011年の調査では11月下旬にアンケートを行ったが、この時は接種済みの人が17.0%。これから受ける予定の人と合わせると35.4%で、今回の調査とほぼ同じ割合となっていた。予防接種を受けたかどうかに関わらず、「昨シーズンにインフルエンザにかかったかどうか」を聞いたところ、「かからなかった」という人が大多数で88.8%だった。「かかった(医療機関で診断を受けた)」人は6.9%で、このうち約半数の52.8%は昨シーズンの予防接種を「受けた」と回答した。ワクチンの接種状況に関係なくすべての人に、「どれくらい予防効果が期待できると思うか」を聞いたところ、発症の予防については69.2%が、かかった場合の重症化の予防については71.1%が「期待できる」と回答した。前回2011年の調査と比較してみると、発症の予防が2.5%減、重症化の予防が2.3%減と、それぞれ低下していた。調査の詳細は「マーシュ公開調査データ発表ページ」で閲覧できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月03日医療用医薬品などの輸入・製造・販売を行うMSDは、”子宮頸(けい)がん”の予防ワクチン接種を呼びかけている。費用を国と自治体が補助する「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の助成制度は平成24年度末(2013年3月末)までであり、半年間に3回のワクチン接種(同種)の必要があることから、早めの接種を推奨している。接種方法は筋肉注射で、小児科、婦人科・産婦人科、内科などで接種が可能。通常2回目の接種は初回接種から1、2カ月後で、3回目は6カ月後となっている。なお、助成制度については自治体ごとに異なるため、自治体や最寄りの医療機関に問い合わせる必要があるとのこと。子宮頸がんは乳がんに次いで罹患(りかん)率が高く、特に20代から30代のがんでは第1位だという。そのため、HPVに感染している可能性が低い、低年齢での接種がより有効であると考えられている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日7月13日、MSDは、5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン「ロタテック内用液」の発売記者説明会を開催した。同ワクチンは1月に薬事承認を取得し、7月20日より販売を開始する。説明会では、臨床データの説明やロタウイルス胃腸炎の予防について講じられた。ロタウイルスは感染力が強く、ほとんどの乳児が5歳までに一度は感染するという。主な症状は下痢、嘔吐(おうと)、発熱であるが、重症化すると、脱水症状やけいれん、脳炎などの重篤な合併症を引き起こす場合もある。治療方法は対症療法のみであり、衛生状態の改善だけでは感染を防ぐことは難しい。そのため、重症下痢症に占めるロタウイルスの割合は、先進国と開発途上国ではほぼ同等であり、WHO(世界保健機構)はすべての地域において、ロタウイルスワクチンの定期接種化を推奨している。同ワクチンはすでに107の国と地域で使用されており、安全性、有効性には自信があると、同社代表取締役社長 トニー・アルバレズ氏。同ワクチンの販売によって日本の公衆衛生へ貢献し、ロタウイルス胃腸炎やその予防に関する社会的認知を高めたいと語った。続いて、同社グローバル研究開発本部長・白沢博満氏より、ロタウイルスの特徴などが解説された。ロタウイルスには多くの血清型がある。そのなかでも、ロタウイルス胃腸炎の発生原因の約90%を占めるのは、主に5種類(G1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4[8]、G9P[8])。しかし、血清型の分布は年ごとに異なるため、1つの血清型だけに対応するものでは予防は難しい。そこで同社では、G1、G2、G3、G4およびP1A[8]型の5つの血清型のロタウイルス株を含む5価のワクチンを作成。これにより、流行しやすい主要な5つの血清型に対応可能となった。また、ロタウイルスは自然感染を繰り返すことで、ロタウイルス胃腸炎に対する予防効果が高まる傾向にあるという。一度もロタウイルスに感染していない乳幼児の発症リスクと比較すると、初回感染で77%、2回目の感染で83%、3回目の感染で92%もの予防効果があり、血清型に対する免疫反応が確認された。同ワクチンは3回接種によって、重度のロタウイルス胃腸炎の発症を予防することが示されている。最後に、慶應義塾大学医学部感染制御センター・岩田敏(さとし)教授が講演した。ロタウイルス胃腸炎は、入院を伴う重症胃腸炎の原因として最多とのこと。生後6~24カ月の乳幼児に発症しやすく、世界中の小児の95%が3~5歳までに発症するという。感染経路は主に糞口感染だが、接触・飛沫(ひまつ)感染の可能性も考えられる。ロタウイルスに感染すると、脳炎や脳症といった合併症を伴うこともあり、その後遺症率はインフルエンザ脳炎(25%)に比べてロタウイルス脳炎(38%)は高いそうだ。また、非常に感染力が強いので、院内感染を起こしやすい。岩田教授は、早くから免疫をつけるためにも、初回接種は14週6日までを推奨している。早期のワクチン接種により、ロタウイルスを”予防”することが大事なのだ。同ワクチンの有用性については、臨床試験の結果をもとに解説した。国内での臨床試験結果によると、重度のロタウイルス胃腸炎に対し、100%の予防効果が認められている。さらに、オーストラリアでのワクチン導入によるデータも発表された。ワクチンを接種した年齢層でロタウイルス関連胃腸炎による入院数が減少し、接種していない年齢層でも減少したという。これにより、集団免疫が獲得されている可能性が示唆された。同ワクチンを接種することで、発症を予防するのはもちろん、感染を防ぐこともできる。導入する意義は大いにあるが、日本ではまだ定期接種は実施されておらず、予防接種の必要性やロタウイルスそのものに対する認知度は低いという。「ロタウイルスについて、ほとんどの方が知らないのが現状。私の娘もワクチン接種について知りませんでした。これからは病気そのものを啓発していかなくてはいけない」と岩田教授。予防接種のスケジュールや効果と副作用、そして早期に予防接種を受けて免疫を得ることについての重要性に関する情報提供が急務とのこと。そのためにも、小児科学会はもちろん、医薬品メーカーや行政とも協力し、インターネットやマスコミなどを活用して正しい情報を発信していきたいと語った。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月17日