今やポピュラーになりつつある物件のリノベーション。そこでの暮らしがどれだけ快適なものなのかは、実際に住んでみないとわからないものです。「初めから中古物件を購入しリノベーションに挑戦するのはハードルが高い」という方も、賃貸であれば気軽にリノベーション物件での暮らしの良さを体感することができます。そこで今回訪れたのは、都内にあるデザイナーズ・リノベーション物件にお住いのTさんのお宅。Tさんが物件を選んだポイントと、暮らしを豊かにするためのお部屋の活用方法を伺いました!程よく空間が仕切られたこだわりの賃貸ワンルーム中央線沿いの人気エリアにある、およそ25平米のワンルームのお部屋にお住まいのTさん。もともと近隣で生まれ育ち、好きな場所でもあったことから、このエリアで賃貸物件を探していたといいます。「本が好きなので、蔵書をたくさんしまえるような、備え付けの本棚があるお部屋が理想でした」というTさんが選んだのが、住む人と持つ人の満足度を最大限に高めるリノベーション賃貸ブランド、〔REISM(リズム)〕が手がける物件です。REISMが展開するデザイナーズ・リノベーション賃貸物件にお住いの、Tさんのお宅。ガラス作家の姉が作ったという作品が、白い壁に映えます。床は石のタイル、天井は重厚感のある木にダウンライト......と、ホテルのような空間でありながらどこか懐かしさも感じるTさんのお部屋。造作の飾り棚によってワンルームの空間がうまく仕切られているのも大きなポイントです。それではさっそく、お部屋の特徴的な部分を見てみましょう!細部にまでこだわって作られた、木のぬくもりを感じる空間読書が好きで、家族や友人にも作家が多いことからアートへの造詣も深いTさん。本棚を見ればその人がわかるというように、備え付けの本棚には装丁の美しい本や、センス良く選び抜かれた小物類の数々が並びます。さらにTさんは、天板を取り外せることを利用して本棚をアレンジ。造作家具の一角に作業机を自作したのだとか。限られたスペースを効率よく使っています。造作本棚の裏側はキッチンに。一方で本棚の裏側は、小上がりになったキッチンスペースに。横幅が狭いキッチンでも、奥行きがありリビング部分とも繋がっていることで、作った料理を仮置きすることができて便利なのだとか。木の天井が空間をより個性的に。部屋の中心にある造作家具や大きめの石のタイルなど、通常の賃貸物件では見かけないような建材が使われているTさんのお宅。上を見上げるとダウンライトが埋め込まれた木の天井が広がり、お部屋をより雰囲気ある空間にしています。さらにTさんは、部屋の中心部にあるライトをアレンジ。天井に籠行灯をつけることで、高級ホテルのような洋風の空間から、オリエンタルな雰囲気のお部屋にイメージを変えています。趣味を楽しむ部屋づくり「これからどんな家具を置こう?」とワクワクさせてくれるのが、デザイナーズ・リノベーション物件のいいところ。Tさんも、自分らしいライフスタイルを実現するために、家具選びや動線づくりにこだわったといいます。「もともとナチュラル系の家具が好きで、自分がすでに持っている家具に合わせて、アンティークテーブルやチェストなどを買いそろえて行きました。お部屋の動線づくりで大切にしたのは、“衝動的になんでもできる部屋”です(笑)。家で過ごす時間は、ゆっくりするよりも、常に何かしらの事をしているのが私のライフスタイル。ヒップホップのダンスを踊ったり、調べ物をしたり、友達が遊びにきたり......何かやりたい時に身動きが取りやすいように、家具を置く場所にもこだわりました」(Tさん)美容室で使われていたというアンティークの椅子も。趣味人のTさんの部屋をよく見てみると、厳選された趣味のアイテムが並んでいることに気がつきます。家にいる時は、レコードで音楽を聴いたり、友人からもらったという民族楽器を演奏したりすることもあるそう。見える場所に置いておいても、インテリアとしてもおしゃれにまとまります。大きさがバラバラな雑誌は、レコードのように木の箱に収納。大小さまざまな雑誌類は、木の箱にまとめて収納。インテリアアイテムとしてきれいに見せながら、すっきりと収納しています。大容量の本棚には、趣味の本や小物をたくさん置くことができますが、本棚全てに本や物を詰め込まないのがTさん流。いくつかの棚をディスプレイスペースとして使うことで、インテリアにメリハリをつけています。よく見れば小物選びのセンスも良く、ついついひとつひとつに見入ってしまいます。「遊びに来た友人もこの部屋を気に入ってくれる人が多くて、そのまま泊まって行ったり、お茶をストックしていったりするんです(笑)」とTさんがいうように、自分らしいライフスタイルを叶えてくれるリノベーション物件のお部屋は、住む人も訪れる人もワクワクさせてくれます。“求めるライフスタイルを叶えられるお部屋かどうか”という視点で選ぶことで、賃貸であっても、ワンルームであっても、自分らしい暮らしを最大限にしていくことができる。REISMのデザイナーズ・リノベーション物件は、想像力の可能性を広げてくれる場所なのかもしれません。●取材協力リズム株式会社●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子REISM
2019年05月22日世界各国をイメージしたリノベーション物件が話題の、リノベーション賃貸ブランド〔REISM(リズム)〕から、新しいシリーズが登場しました!その名も《Boho(ボーホー)》。自由奔放でいて都会的、感性が磨かれるアーティスティックなワンルームの魅力をたっぷりご紹介していきます!《Boho》って?世界各国のライフスタイルをモチーフにしたリノベーションシリーズが人気の、リノベーション賃貸ブランド〔REISM〕。今回はその中でも、ニューヨークの都市をイメージしたカテゴリー「WittyMetropolitan」に、新しく仲間入りした《Boho》スタイルの物件をご紹介します♪とは言いつつも、なんだか聞きなれない言葉《Boho》。実は、「ボヘミアン」と「ニューヨーク」スタイルが掛け合わさってできた、インテリアスタイルなんです!ボヘミアンの自由奔放さに、ニューヨークの都会的なスタイルが合わさることで、洗練されつつもどこか素朴感のある魅力的なシリーズになっています♡さっそくお部屋を見ていきましょう♪お部屋の床は、むら感のあるテラコッタタイルが特徴的で、飾り棚やキッチンへと続く開口部が丸みを帯びていて、ほどよくスタイリッシュさをやわらげてくれています。お部屋には、大きさの違うディスプレイシェルフが2箇所に設けられていて、お気に入りの物やアートを飾るのにもぴったりです♪作り付けで見せながら収納ができるので、お部屋をより自分好みの空間にできるのはもちろん、お部屋も広く見せてくれます。お部屋にはカーテンのつけられるオープンラック、キッチンにはキッチンラックも取り付けられていて、収納場所もきちんと確保されています♪ラック部分のアイアンの棚受けが、キッチンにスタイリッシュさを演出してくれています☆こちらは、玄関からお部屋をみた写真。玄関にはシューズラックも設けられていて、一人暮らしには十分な量の靴がしまえそうです!洗面所も壁は白を基調にしつつ、床にはテラコッタタイルが敷かれていて、所々に使われているアイアンの素材や縁取りのある丸い鏡がかわいいアクセントになっています。物件情報今回ご紹介した新シリーズ《Boho》の初物件は、都会のオアシスともいえる新宿御苑に近く、お買い物も便利な場所に位置しています♪交通の便もよく、東京メトロ丸の内線「新宿御苑」駅までは徒歩5分の好立地です!●物件名:Boho001新宿御苑●賃料:106,000円●管理費:10,000円●敷金・礼金:1ヶ月・1ヶ月●専有面積:29.45㎡、バルコニー面積:3.72㎡●所在地:東京都新宿区新宿1丁目●交通:東京メトロ丸の内線「新宿御苑前」駅徒歩5分、東京メトロ副都心線「新宿三丁目」駅徒歩9分、JR山手線「新宿」駅徒歩13分●構造:鉄筋コンクリート造11階、4階部分●竣工年:1984年7月、新耐震基準物件●リノベーション完成:2019年2月工事完了他にも魅力的なシリーズがたくさん!今回は〔REISM〕から新しく登場したリノベーションシリーズ《Boho》の初物件をご紹介しました。ナチュラルさの中にスタイリッシュさが漂うステキなリノベーションシリーズでした。〔REISM〕には今回ご紹介したシリーズ以外にも、モロッコの街並みをイメージしたブルーの壁が色鮮やかな《Chaouen(シャウエン)》や、畳スペースが落ち着く和の雰囲気満点の《Doma(ドマ)》シリーズなど、こだわりを持ちながら自分らしい感性を磨くのにぴったりなリノベーションシリーズがたくさんあるので、ぜひ一度チェックしてみてください♪〔REISM〕の他のシリーズをみてみたい♪
2019年05月15日リノベーションの設計デザインのお仕事をされているrakimegさん。お住まいなのは、ちょっと広めのワンルーム。リノベーション賃貸でこういうコンクリのかっこいいお部屋ってよく見るのですが、「こんな風に住みこなせるんだ!」とお手本にしたくなるお部屋でした。 ディテールが可愛い、リノベーション賃貸 rakimegさんがお住まいなのは、コンクリート打ちっ放しの天井や壁がかっこいい、リノベーション賃貸。少し広めのワンルームです。 広さがあり、天井が高いこともあって、かなり開放的な空間。コンクリの空間に、IKEAのスツールや、無垢材ののテーブル、ベッドなどを組み合わせて、うまくナチュラルな雰囲気を作ってらっしゃいます。ベッドは「3244」というネットショップで手に入れたもの。キッチンは、無印良品のステンレスユニットシェルフキッチン。かっこいいですよね。 細部までかなり計算して、こだわってデザインされているリノベーション賃貸。「あ、これいいな」と羨ましくなってしまうポイントがたくさんありました。 質感が気に入っているというコンクリの壁。配線のパイプを利用して、軽いドライフラワーなどで彩っていらっしゃいます。「コンクリにドライフラワーって、似合うんですよね」とrakimegさん。スイッチプレートは、憧れのトグルスイッチです。キッチンのライトも、かっこいい。 「ミニマムライフ」を心がける それにしてもこちらのお部屋。バスルームをのぞいた場所が全てオープンな状態なのに、とてもすっきりと住みこなしていらっしゃることに、感嘆します。 大きな家具は、ベッドと組み立て式のテーブルのみ。クローゼットは、なんとキッチンの横のこちら部分だけ。うまくボックスも活用しながら収納しています。 このお部屋に住むまでは、仙台に暮らしていたrakimegさん。フレキシブルに移動ができるように、なるべく、ものを増やさないように心がけているそう。 キッチンの収納も、すべてオープン。無印良品の紙袋を活用されていました。同じ色味、質感で揃っているから、すっきり。無料で手に入るものをうまく使った、素敵なアイディアです。トイレにも、ちょっと飾るスペースがあるのが素敵ですね。キャスター付きワゴンは、洗面スペースで大活躍。 ほかにも、カーテンは、生地屋さんで帆布を購入しカーテンクリップで止めただけだったり、Salyu! や、3 Coinsなどで、デザインの良いものを探してきたり。お金をかけずに、ミニマムに、でもきちんと生活を彩るアイディアがたくさん詰まったお部屋でした。 rakimegさんのinstagramアカウントはこちら出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。 おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年05月06日「素材感」が絶妙なリノベーション賃貸 Yasumaさんが暮らしているのは、56㎡ほどの2LDK。お仕事の関係で愛知から東京へ引越し、暮らし始めてからは1年半ほど。天井が高く、コンクリート打ちっ放しの壁がむき出しの、リノベーション賃貸です。 窓側には小上がりのようになったリビングスペース。キッチンとの間には、土間のようなスペースが。もともと持っていたダイニングテーブルがぴったりだったことが、この部屋に決めた理由のひとつ。印象的な革のソファはクラッシュゲートのもの。カーテンは窓の大きさに合わせず、あえて天井から布を吊るし、空間に広がりを持たせています。家で料理をするのが好きな安間さん。Instagramには盛り付けまでとことんこだわった料理の写真がたくさんアップされています。 「素材感」にこだわりたかったという安間さん。コンクリートのインダストリアルで無骨な雰囲気に、あえてクラシックなモチーフを混ぜたり、シープスキンや花など、甘いものをミックスすることで、より印象的な空間を作っているのが、もうさすがの一言。見せたいものと見せたくないものをはっきりさせ、「余白」を大事にする、色数を少なくするなどのルールを課すことで、花やグリーン、ドライフラワーなど、華やかなアイテムが一層映えます。 少し雰囲気の違うベッドルーム。壁に貼ってあるのは、これも「素材感」を意識した、和紙。花屋さんの店頭什器として売られていたものというワイヤーボックスに無造作にしまわれているジーンズ。「同じ素材」のものを、たくさん集めて魅せています。もうひとつある部屋は、アウトドア用品の収納スペースに。 リノベーションをベースに、自分らしくカスタマイズする もともと既に工事済みで、完成された状態だったというこの部屋。自分で工事費を負担することでリクエストし、自分らしくカスタマイズした箇所があります。 こちらのダイニングテーブル横の壁。キッチンと同じOSB合板だったのを、リビングと合わせた黒の壁紙にしてもらいました。かけられているのは、絵画を布にプリントし、さらにロウを塗りわざとシワをつけて仕上げた、オリジナルのアート。 また、原状回復が可能な範囲で、自分で手をくわえている箇所も。 玄関を入ったところで度肝を抜かれる大きな馬の写真。 この馬の写真は、実はタイル。Yasumaさんがクリエイティブディレクションを務める「オンデマンドエコカラット」という商品で、自分で選んだ写真をタイルにできるというもの。施工も、マグネットシートを貼った上に取り付けるだけということなので、簡単です。タイルには調湿・消臭などの効果があり玄関にぴったり。 キッチンのステンレスの扉はギラギラしすぎていたので、布に変えました。 賃貸の部屋であっても、アイディア次第でいくらでも、自分らしい暮らしはつくれるんだなということに気づかされます。 この印象的なダイニングテーブルも、自分でデザイン・設計して作ったもの。鉄工所にオーダーしたフレームに、天板、棚板にはフローリング材をはめ込みました。好きな食器も魅せながら収納できるようにしてあります。 ローテーブル、テレビボードとして使っているのは、ホームセンターに売っていた盆栽用の板とブロック。ひとつ1,000円ほどで手に入れたそう。 作家さんを追いかける 学生時代からずっと料理が好きで、お父様の趣味が陶芸だったこともあり、器にはこだわりのあるYasumaさん。気に入った作家さんを追いかけて展示会へ行き、新作を手に入れてくることが多いそう。 キッチンの食器棚はオープン。最近はまっている日本酒や、スパイス、たくさんの器などが整頓されて並びます。 印象的な器をいくつも組み合わせて、美しい食卓を作ります。部屋のひとつひとつの照明もとても印象的で、お聞きしてみたら、こちらも作家さんのものが多いとのこと。 インダストリアル風、ナチュラル風、などあらかじめつくりこまれている賃貸のお部屋も、それを「ベース」と捉えて、カスタマイズしたり、いろいろなテイストをミックスしたりして、自分らしい空間に作り変えていく。アイディアとセンス次第で、部屋って、本当にいろんな可能性があるんだな、と、脱帽しきりのお部屋でした。 Kosuke YasumaさんのInstagramアカウントはこちら出典: goodroom journal 記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)デザイナーズ、リノベーションなど、おしゃれな賃貸サイト・アプリ「goodroom」を運営しています。インテリアや、ひとり暮らし、ふたり暮らしのアイディアなど、賃貸でも自分らしい暮らしを楽しむためのヒントをお届けします。 おしゃれ賃貸サイト・アプリ goodroom journal journal 暮らしの実例
2019年04月19日今までの日本は新築を購入するのが一般的でしたが、現在は中古の物件を手に入れてフルリノベーションするという流れも多くなってきています。どういったところにメリットがあるのでしょうか?費用面や機能面、将来性もふまえてご紹介します!中古戸建てのフルリノベーション物件が流行!?以前、練馬区にある築47年の中古一戸建てを購入してフルリノベーションした方から住宅相談を受けたことがあります。30代の若いご夫婦でしたが、ご夫婦ともにスタイリッシュな方だったことを今でもはっきりと覚えています。新築住宅の値段と中古一戸建てを比較検討した結果、中古住宅をフルリノベーションした方が自分たちの希望に合致した暮らしを手に入れられるとの結論にいたったとのことでした。「予想より少し予算がオーバーしましたが(笑)」とのことでしたが、フルリノベーションゆえに見た目はまるで新築そのもの。事情を知らない人が見れば「これが中古住宅なの?」と驚くことは必至です。良質な中古住宅が大量に出回っているという事情に加え、古い家を再生させて大事に使うという欧米式の考え方がかなり浸透してきているのが今の状況です。【費用】戸建てフルリノベーションor新築戸建て大まかな話にはなりますが、結論からお話しすると新築戸建てにかかる費用を100とすると、中古一戸建てを購入してフルリノベーションした場合は60~80といった数字で収まるはずです。もちろんドイツ製の高級キッチンを入れ、ドアは無垢材の1枚物を全室に入れ……と、贅沢をいえば予算は高騰します。でも、一般的なものを選んでいけば値段が大きくなることはあまりないと思います。もちろんおしゃれ感の演出は絶対条件ですよ。このポイントをしっかり押さえても上記の値段感におさまるということです。新築同様に戸建てリノベーションでも住宅ローンが使えます。とくに小規模のリフォームとは違いますので、なかなか全額を現金でまかなうのは難しいでしょう。ただ、金利に関しては新築ローンの方が安く設定されています。また、返済期間も新築よりリノベーションは短期の設定となっていますので各金融機関に確認をしてください。政府が行っている『住宅ストック循環支援事業』という補助金制度があるのでご紹介しておきましょう。あなたが良質な中古住宅を購入する前提としてですが、住宅の劣化状況や欠陥の程度を診断するインスペクション費用として5万円の支給制度があります。良質な中古一戸建てが増えてきたとはいえ、なかには粗悪な一戸建てがあるのも事実です。ですから、購入する前の段階でプロに住宅を診断してもらうのを私はおすすめします。その時の費用の一部が補助金として支給されるのです。断熱、エコ設備、バリアフリー、耐震改修など現状よりも良質な住宅にリフォームすると補助金の対象となり、が該当しますが、30万円を上限として支給されます。ただし、耐震改修に関しては上限は45万円となります。【機能性】フルリノベーションマンションor新築戸建て防犯も機能の一部。重要ですよね。特に女性として関心事の高い事柄の一つですが、防犯に関してはマンションが有利。新築一戸建てではドアのみならず、すべての窓に防犯機能を付けなければ、侵入されるリスクは消えません。それに比べてマンションの3階以上であれば、入り口と廊下に面する窓だけ防犯機能を持たせれば安全性は飛躍的に高まります。これは新築一戸建てに軍配があがるでしょう。新築一戸建てはフリー設計であるかぎりすべてが自由になります。それに比べてマンションは枠が決まっているだけに制約がかかります。とくに水回りは配管の関係があるので、自分好みの家事動線が構造上無理なケースが出てきます。【将来性】フルリノベーションマンションor新築戸建てマイホームを取得した時はまったく想定していなくても、事情が変わってそれを売却することもありえます。その際には1円でも高く売りたいのは当然ですよね。一戸建ても建ててすぐは新築という冠がついているのですが、10年も経過すれば新築一戸建ては中古一戸建てになってしまいます。これに比べてリノベーションしたマンションも中古には変わりませんが、リノベーションをしている分有利な扱いになります。マンションフルリノベーション物件と新築一戸建て物件の資産価値比較はとても難しいのですが、比較的好立地に建っているマンションであれば、売却時の有利性は高いと判断できます。こう考えると、条件付きながらもリノベーションマンションが売却時には有利だと私は判断します。【まとめ】フルリノベーションマンションor新築戸建て基準とする軸を何にするかで大きく判断は異なりますが、やはり立地条件だけは最低限押さえてください。この立地によってすべては大きく変わるといえるでしょう。もちろん、そこに永住することを決めているならば話は別です。しかし、これから20年、30年という永いスパンを考えると、立地によって判定は大きく異なるとしか言いようがありませんね。立地条件を考慮しない場合ですが、庭があるライフスタイルを良しとするか否かも重要でしょう。犬を飼いたいという絶対的な希望があるならば庭が欲しいところですし、そもそもマンションでは犬を飼うことができないかもしれませんので。【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!フルリノマンションorフルリノベ戸建てマンション好きか一戸建て好きかはさておき、フルリノベマンションで注意してほしいのは、マンション自室内は綺麗に生まれ変わるものの、マンションの外観は古いままだということでしょう。これが意外な盲点で、マンションをフルリノベーションした人から聞かれる後悔ポイントの1つです。ただ、この手のことが一切気にならないのであれば、マンションのフルリノベーションはすべてがワンフロアーにコンパクトに収まり、使い勝手の良い住まいとなるでしょう。その反対のフルリノベーション戸建てですが、建て替えが不可能な地域の物件を所有している、あるいはそのような土地を購入したケースにおいては極めて有効な手法となるでしょう。また、一戸建てはマンションと違いお隣や上下階との接点がないので騒音などのトラブルが少なく快適な暮らしができます。ところで、よく言われるように、日本は欧米と比べると極端な新築信仰文化でここまで来ました。これに対してヨーロッパなどは築400年、500年というとんでもない物件がたくさんあり、新築よりもその古さを競い合う傾向があります。建物の構造が違うことや地震の多さが影響してはいるのですが、とにかく日本は異常なほどの新築信仰が跋扈(ばっこ)してきたのです。しかし、一戸建てフルリノベーションやマンションフルリノベーションは、その中身は全くの新築と同様。構造部分だけが古いままなのですが、その構造が耐震性などに対して全く問題ないと判断されれば、ヨーロッパなどのようにリノベーションを積極的にするのも現代の流れにはあっているといえるでしょう!フルリノベーションはお得か?「お得か?」というのは軸にする価値基準を定めなければ答えは出しようがありません。ただ、確実に言えるのは、費用面を軸にすれば新築戸建てよりもフルリノベーションが間違いなくお得と言えるでしょう。既述したように工事費用が30%程度は安くなると思われますので、浮いたお金を他のことに回すことができるからです。あとは、それぞれの優先事項や価値判断に基づいてじっくりと検討してみてください。このアイデアの監修者森住宅コンサルタント株式会社代表取締役森雅樹名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。森住宅コンサルタント(株)【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!
2019年04月02日1階は居心地のいいカフェに改装町田の住宅地に建つ築約50年の古民家は、見附春佳さんの祖母の持家だったのだそう。「もともと美容院として建てられた家だったそうです。その家を祖母が購入したのですが、祖母が亡くなった後は父が管理を任されていました。彫刻家の親戚が作品の保管場所として使っていたのですが、やはり人が住まないともったいないということになり、私が住むことになりました」見附さんがこの家に住むに当たり、『無相創』 にリノベーションを依頼した。「世界観が大好きで、『無相創』にはずっと通っていました。今回、自分の家をまるごとお願いすることができてとても幸せです」1階を念願のブックカフェ『403.notfound』に、2階を住居にリノベーションした。リノベーションにあたり、1階は見附さんが作りたかったブックカフェにした。カフェスペースと調理場は、古い電車の窓のような、持ち上げて開くスタイルに。金色の金物も美しい。2階をプライベートな空間に2階がプライベートな空間。階段を上がり、手前にリビングとベッドの空間、奥がダイニングキッチン、窓の外には広いテラスが続く。「親戚が使っていた家具は手放すことも考えたのですが、いい感じに収まったので有り難く使わせていただいています。『無相創』さんがラックを作ってくださり、また照明器具もつけてくださいました」リノベーションにあたり、外断熱にしてペアガラスも導入。「驚くほど暖かく、快適な住まいになりました!」2階がプライベートスペース。左官の下地材で仕上げにした壁がいい雰囲気を作っている。「ガラスの見本を見せていただいて、その中からこのストライプのものを選びました」チェストの後ろをベッドスペースとしている。「光が天井に当たるハーフミラー電球は、明るすぎないのでベッドの上の照明としては最適でした」窓には遮光のロールスクリーンを採用。奥の部屋がダイニング。「その先のベランダは父母がDIYで板を張りベンチを作って、居心地よくしてくれました」トレイにまとめたお茶のセット。「このランプシェードは母のハンドメイドです」隅々まで丁寧に作り込んだ家1階のお店部分は、古材やアンティークを使用。照明器具はすべて『無相創』のオリジナル。壁は珪藻土、電気の配線には銅管を使っている。隅々まで心を配り丁寧に仕上げることで、居心地のいいセンス溢れる空間に仕上がっている。ブックカフェをオープンさせる前は、ソムリエの仕事をしていたという見附さん。『403.notfound』では、美味しい焼菓子とコーヒー、そして自然派のワインをいただける。「ワインバーは敷居の高いお店が多いので、ひとりでふらりとワインを飲める場所を作りました。ぜひ気軽に遊びにいらしてください」ひとつひとつ違う椅子。ひとりになれるスペースがお店のそこここに用意されている。いろんな場所に座ってみたくなる。「アンティークスイッチを使いたいとお願いしたら、まさかの1箇所に10個!ひとつひとつ違う表情のスイッチがとても気に入っています」デザインの違う照明はすべて『無相創』のオリジナル。地球儀のモビールが素敵。リノベ前の家の窓の形をそのまま残している。「私もこの家の前を通って通学していました」「親戚が使っていた畳敷きの小上がりにカーペットを敷きました。靴を脱いでリラックスしていただけます」お店の入口のドアは、フランスのアンティーク。見附邸米原政一( 無相創 )所在地東京都町田市構造木造規模地上2階延床面積85.8㎡読みたくなる本がお店のそこここにある。外断熱+ペアガラスに変えてとても暖かく快適な家になったそう。
2019年03月27日関東近郊で築12年の中古マンションをフルリノベーションして3歳、0歳の子どもと30代夫婦の家族4人で暮らしています。前回、新築マンションにはない「自分たちが求める住まい方」を一から作れることに魅力を感じ、中古マンション×リノベーションに決めたことをお話ししました。今回は、中古マンション内見時に「窓」を確認することがなぜ大切なのか、についてお話したいと思います。■ 内見時に「窓」を確認すべき理由新築マンションの見学と同じで、外観、エントランス、共用部である駐輪場や駐車場の使い勝手、周辺環境などについてはもちろんチェックしました。その上でチェックすべきポイント、それは「窓」でした。中古マンションリノベでは、共用部である窓と玄関ドアは変更できません。ですので「窓」の位置はとても大切です。我が家は、夫が間取りを考えながら物件を見ていたので、なんとなくリビング、寝室、子ども部屋になるであろう部屋からの景色、日の入り方などを見学の際にも気にしていました。そして、窓の位置によって大まかな間取りが決まりました。■ 窓と合わせて「間口=スパン」もチェックマンションは、限られた敷地内に多くの住戸数を確保するため、どうしても間口が狭くなってくる傾向があるようです。東京の下町や京都の町屋を想像してして頂くと分かり易いかもしれません。間口が狭いと何が問題になってくるかというと、必然的に、窓が少なくなってきます。また廊下が長くなる傾向にあります。マンションの多くは間口が6~8mであり、8mを超えてくると「ワイドスパン」と一般的には言われます。間口が広くなれば、窓が多くなり、明るい部屋がつくりやすくなってきます。リノベーションでは当然の事ながら、窓を後から取り付ける訳にはいきません。外と唯一つながる場所ですから、夫いわく設計において最も重要なものひとつであるといっても過言ではないとのこと。開口部をいかにリノベーション後の間取りに落とし込めるか、その可能性がありそうか。そんな目線でマンションの図面を見て、見学をしていました。■ 我が家のお気に入りは、窓からの景色!以上のような理由から、最寄り駅が便利でも、街の雰囲気が良くても、部屋からの景色がピンと来ない物件は選びませんでした。周辺環境の良さはもちろん必須ですが、暮らしていく中で「ああ、やっぱり好きだな」と思える景色があると気持ちがいいです。洗濯物を干す時に見える景色、子どもと見る夕日と富士山、夜寝る前に照明を消したときに見える夜景、お気に入りの景色がいっぱいあります。もちろん、周辺環境の便利さがあればなお良しですが!
2019年03月14日最近は古民家を購入しリノベーションをすることで住宅として利用するというケースも多くなってきています。自然が豊かな環境でゆったりと暮らすといったスローライフを求めている人が増えたからかもしれません。とはいっても、古民家で住むにはどのようなメリットがあり、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?新築購入との違いも含めてご紹介します。古民家リノベーションが流行している!30年前にも古民家をリノベーションして使うということはありました。私も実際にそのリノベーション現場に立ち合ったことがあり、その時の施主はお蕎麦屋さんでした。このケースでは、新規開業のために古民家を購入してリノベーションしたということだったのです。白川郷にある合掌造りのような外観で地域でも目を引くような建物でしたが、これはあくまでも特殊な建物であって個人が住むようなケースではありませんでした。ところが、ここ数年はこのような状況が一変し、個人住宅としての古民家再生が脚光を浴びてきました。つい先日ですが山口県のあるお宅を取材しました。代々住み続けてきた古民家をリノベーションした方だったのですが、太い梁や黒光りした木材の雰囲気を活かしたすばらしいリノベーションが施されていて感動を覚えるほどの出来栄えだったのです。このように、蕎麦店や土産物店が店舗として古民家を活用するケースがほとんどだった時代と比べると、普通に住むために古民家を購入してリノベーションするケースが急増しています。あなたも古民家の魅力にふれ、古民家を購入してリノベーションをするという選択も検討してみてはどうでしょうか?古民家リノベーションとは?そもそも古民家とはどんな定義なのでしょうか。明確な基準はないのですが、少なくとも戦前さらには大正時代以前の住宅と考えればほぼ間違いありません。そして、この古さを感じさせる雰囲気をそのまま、または残しつつ、機能性や快適性は現代基準に引き上げることを古民家リノベーションといいます。ですから、外観や室内の太い梁などは残し効果的に見せながらも、快適な温度や湿度を保たせるような施工をするのです。古民家リノベーションのいいところ物件によって程度の差こそあれ、天井が高く非常に広い空間を確保できます。一般的な在来工法ではある程度の間隔で柱が必要になりますし、空間を確保するための強い梁材を確保するのも大変なことです。この梁というのは建物にとって強度を確保する主役。広い空間を確保するには、強靭な耐久力を持った梁材が不可欠です。しかし、現代風の住宅でこれを再現しようと思うと、この梁材を見つけるのが一苦労ですし、もし見つかってもその値段はかなりの高額になるでしょう。古民家風の宿や和食レストランへ足を運んだことはありますか?宿名は忘れましたが、青森県の古民家に宿泊したことがあります。この宿は外観もさることながら食事をする場所が、何とも言えない雰囲気をかもしだておしゃれでした。全体的な雰囲気として「おしゃれだな〜」思ったのですが、特に気になったのが古い木材です。ここでいう木材とは柱や梁のこと。とくに梁は見事なもので、思わず下からまじまじと見上げてしまうほどでした。この梁は長い年月を経て黒光りしていました。床に炉が4か所切ってあったのですが、ここから上へ立ち上る煙に燻されたのです。そしてもう一つのおしゃれデザインポイントが梁の反り。横に渡された梁がひらがなの「へ」の字型をしているのです。厚みがあり、への字型にカーブし、そして煙に燻され黒くなっている長い一本の木が頭の上を横に渡されているのですが、不思議なことにいくら眺めていても飽きませんでした。デザイン性がいくら高くておしゃれであっても、冬は寒くていられなく、動線も最悪でなおかつ段差だらけではいただけませんね。しかし、古民家リノベーションのよいところは、この問題を見事に解決できることにあるのです。非日常性はいいでしょう。今では探すことすら難しい立派な木材を頭上に渡した設計などは非日常の極みです。そのうえ冷暖房の設備は最新式のものを入れられますので快適性はしっかりと約束されるのです。古民家の主要構造部分だけを残してリノベーションするので、最新式のシステムを入れ込むのはさほど難しいことではなく、これにより非日常性と機能性が見事に同居できるのです。【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!新築購入VS古民家リノベーションでは、新築を購入するのと古民家を購入してリノベーションするのではどちらがいいのでしょうか?違いをみていきましょう。新築にしろ古民家を探すにしろ、いずれも今の居住地を離れて暮らすことになります。つまり建築場所を探さなくてはならないのですが、ここに両者の違いが表れてきます。新築住宅購入の場合は街中にある売地を探すか分譲業者などが開発する団地などを探すことになるでしょう。それに対して古民家住宅は既に建っている建物を探すわけですから、どうしてもその立地条件に差異が出ます。古民家の特性はそもそも建っている場所が街中にはあまりないので、どうしても郊外や田舎になるでしょう。街中で古民家に住みたいという方には少し難しいかもしれません。しかし、周りに自然があり周囲に家がないような場所に住みたいという希望がある方にとっては、更地で家を探そうと思ってもこのような場所ではなかなか土地が出にくいとも言えます。それぞれに長所短所があるわけですが、新築購入と古民家を購入してリノベーションをするのでは、その場所を探すことにこのような違いが生じることを覚えておきましょう。一概によいとはいえませんが、新築購入ではその外観をどうしようと個人の自由です。場所によっては分譲地の景観規約などがあると自由にはできませんが、それでもほぼ自由といってよいでしょう。それに対して古民家の場合はそもそも建っている場所の生活スタイルとしてはゆったりとした地域が多いことに加えて、周囲ものどかな日本の景色が広がっている場合が多いと思います。古民家住宅は中をどうリノベーションしようと構いませんが、こう考えると外観を大きく変えるのは周囲の環境とかけ離れてしまうため、あまりよい選択とは言い難いかもしれません。しかし、多くのヨーロッパ諸国と同じように、自分に制約や自由があるということはご近所さんも同じような状況であることを意味します。したがって、落ち着いた外観の新築住宅をせっかく建てたのに、お隣さんが突如ショッキングピンクの外壁に塗り替えた、という悲劇が起こることもあるのですが、古民家を購入する場所に置いてお隣がいきなりこんなことをするという可能性は低いと思います。古民家リノベーションにかかる費用の相場一般の住宅をリフォームするのと比べて、古民家リノベーションは全面的なリフォームを意味しますので費用はどうしても高くなります。これは、構造の主要部分を残したスケルトンリフォームを基本とするからですが、もちろん一部分だけをリフォームする手もあります。ただ、基本は全面的なリノベーションをおすすめします。その費用ですが、一般的な広さである30坪程度の古民家リノベーションで2,000万円前後は見てほしいです。古民家再生においては断熱材などをほぼ新地住宅同様に設置しなくてはならないことに加えて、水道の配管を新たに引き直すなどの工事が発生するからです。もう一つは家の劣化具合です。これだけは個々の案件によるのですが、仮にかなり傷んでいるとすれば相応の修理費用が掛かってきます。古民家リノベーションですてきな住まいを実現!古民家リノベーションは費用の面ではそこそこしてしまうのですが、もともとの古民家を安く購入できれば新築購入とさほどの差は生じません。一般的な新築住宅も魅力的ですが、古民家をリノベーションした非日常的な家に住むことはそれを上回るメリットや満足感を得られます。ただ、家を買う前に強くおすすめしたいのは、古民家をリノベーションした住宅の見学です。機会は少ないですが、マメに情報を探していればそのような現場見学会も開催しています。【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!プロフィール森住宅コンサルタント株式会社代表取締役森雅樹名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。森住宅コンサルタント(株)
2019年02月27日火災保険の加入が必要になった時には、どのような選び方をすればよいのでしょうか?実は火災保険の選び方には必ず押さえておきたいポイントがあります。また、マンションや一戸建てなどの種類の違いによっても注意点が異なります。今回は新築物件を購入された方だけではなく、現在の火災保険の見直しで誰かに相談したいという方にも役立つように、火災保険の選び方についてわかりやすく説明していきたいと思います。火災保険の概要そもそも火災保険とはどのような保険なのでしょうか。火災保険は、損害保険の一種類であり、対象の損害が発生したときに補償するという保険です。火災という言葉が表すとおり、火災保険は火災で家が燃えてしまった時に保険金を受け取ることができます。しかしながら、火災保険で補償される範囲は火災だけではありません。雷が落ちて電化製品が壊れたなどの落雷による損害、台風で外壁が剥がれたなどの風災による損害、ガス漏れなどの破裂・爆発による損害、洪水で床上浸水したなどの水害よる損害、窓を割られて空き巣に入られたなどの盗難による損害も補償範囲となっています。火災保険の主な補償範囲火災による建物・家財の損害落雷による建物・家財の損害風災(ひょう・雪含む)による建物・家財の損害破裂・爆発による建物・家財の損害水害による建物・家財の損害盗難による建物・家財の損害火災保険の選び方・ポイント火災保険の概要や補償範囲を確認したところで、今度は火災保険の内容を押さえながら、選び方を詳しく説明していきましょう。選び方として必ず押さえていただきたい6つのポイントを挙げています。このポイントに則って火災保険を検討していただくことで、ご自身の物件にあった火災保険を選ぶことが出来ます。保険の対象を選ぶ構造の確認をする補償範囲を決める補償金額を決める保険期間を決める地震の補償を検討するでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。①保険の対象を選ぶ最初に検討することは保険の対象です。火災保険と聞くと建物だけが保険の対象と思ってしまいがちですがそうではありません。家の中にある家具や電化製品も家財として保険の対象とする事ができます。したがって、保険の対象は以下の3つのパターンのどれかを選ぶことになります。建物のみ建物と家財のみ家財のみ建物を対象とした火災保険のご検討が通常だと思いますので、保険の対象としては上記の(1)または(2)となるでしょう。(2)の家財を保険の対象に加えるかどうかですが、まず家財の原則対象外となる代表的なものとして、自動車や大型二輪車(バイク)があることを知っておきましょう。自動車やバイクを除いた家財で、保険の対象としたいかどうかで判断することになります。家財がほとんど無いのであれば建物のみを対象としても良いと考えられますが、それ以外の方の場合には一旦家財を対象に加えておいて、保険料との兼ね合いで外すかどうかを最終的に判断されるとよいでしょう。②構造の確認をする次に構造の確認をしましょう。構造とは建物の構造のことです。これまで確認してきたとおり、火災保険は建物(や家財)がどれだけ損害を受けたかによって保険金が支払われます。逆にいえば頑丈であったり耐火性に優れていたりする建物であればそれだけ損害を受ける可能性は低くなり、結果としてリスクに備える保険料を安くすることができるのです。こうしたことから、火災保険では特に建物の構造を確認する事が必要になります。具体的には構造級別という基準を用いて構造を区分しています。上表のとおり保険料は住宅物件でみるとM構造のほうが安く、H構造が高くなります。③補償範囲を決める保険の対象、構造の確認の次に行うのが補償範囲の決定です。さきほど火災保険の主な補償範囲をご紹介しましたが、ご自身の物件から保険の対象と構造にあった補償範囲を選ぶ必要があります。マンションと一戸建ての補償範囲の違いや注意点についてはのちほどご説明しますが、この段階で押さえておきたい補償範囲の選び方のポイントとしては、物件のある地域特性です。長年その地域に居住していればお分かりだと思いますが、水害が多いのか雪による災害が発生しやすいのか、といった地域特性をふまえて必要な補償範囲を取捨選択しましょう。なお具体的には、火災、落雷、風災、破裂・爆発は基本補償となっていて、それ以外をオプションで付加するかしないかを決めるという火災保険の商品が多くなっています。④補償金額を決める次に決めるのが補償金額です。補償の範囲を適切に決めたとしても、この補償金額を適切に設定できないとせっかく加入した火災保険が災害を受けたときに役立たないことになってしまいます。建物の補償金額の決め方まず建物の補償金額の決め方の確認をしましょう。建物の評価額の決め方が2通りあります。ただし、現在では殆どの火災保険は新価で評価をするようになっています。なぜなら、時価に基づいて評価額として保険金が支払われたとしても、再築するための価格に満たないことが多く発生してしまうためです。こうしたことから、建物の評価額は新価で行ない、その価格の限度額一杯まで補償金額にすることが万全です。具体的には評価額が2,000万円だった場合は2,000万円まで補償金額として設定するということです。なお、もっと補償金額をあげたいといっても3,000万円などの評価額を超過した金額に設定することができません。家財の補償金額の決め方次に家財の補償金額の決め方を確認しましょう。基本的な考え方は、家財の価格の合計額までを補償金額とするのが理想です。しかしながら、家財の一つ一つの価格を評価していくというのは煩雑で手間がかかります。このため、家財の評価額を求める簡便な方法として以下の2種類がとられています。世帯主の年齢や家族構成などで決める方法建物の所有形態(所有・賃貸の別)や占有面積などで決める方法参考として上記2種類の評価イメージ表を掲載します。実際の検討にあたっては火災保険商品の下表のような表を参考にして家財の評価額を考えて、補償金額を設定することになります。(1)世帯主の年齢や家族構成などで決める方法(2)建物の所有形態(所有・賃貸の別)や占有面積などで決める方法⑤保険期間を決める補償金額を決めた後は保険期間を決めましょう。保険期間とは、いつまで補償をしてもらうかという補償が続く期間のことです。火災保険は最長で10年間となり、最短で1年間です。2015年までは10年を超える保険期間での契約が可能でしたが災害リスクの高まりなどが原因で最長でも10年間となり、現在に至っています。1年間でも火災保険に加入することはできますが、保険料負担が問題ないようであれば複数年の契約を検討されることをお勧めします。理由は保険期間が長くなればなるほど保険料が割引になるためです。実際の検討時には保険会社ごとに割引率が異なるため各商品を比較検討してください。⑥地震の補償を検討するここで火災保険の補償範囲について重要な注意点がありますので説明をしておきたいと思います。実は火災保険では、地震を原因とした各種損害の補償は対象外となっています。これは地震による災害のリスクが予想しにくいため、適切な保険料の設定が難しいからです。しかし加入する方からすると、地震こそ建物の損害が発生する事態であり、補償をしてほしいと思われるはずです。そうした状況から生まれたのが地震保険であり、火災保険とセットで考えるべき保険なのです。火災保険は各保険会社で独自の商品設計となり違いがありますが、地震保険は国と保険会社が共同で運営しているため、地震保険の内容はどの保険会社で加入しても同一となっています。火災保険の選び方の最後のポイントとして地震保険の加入(火災保険への付帯)を検討しましょう。マンションと一戸建てそれぞれの注意点火災保険についての選び方、その6つのポイントについて確認をしてきました。マンションと一戸建ての違いといっても火災保険の選び方としては、この6つのポイントは共通しています。ここからはマンションと一戸建て、それぞれの特徴に応じた注意点を説明しておきたいと思います。マンションの場合の注意点物件が賃貸マンションの場合や購入マンションでも住宅ローンの場合ですが、オーナー、管理業者、ローン借り入れ金融機関などから、火災保険の加入が契約上義務付けられていることも多いと思います。加えて補償範囲と補償金額について指定されている場合がありますので、その内容をしっかりと遵守するようにしましょう。また物件の特徴に合わせて補償範囲を検討することも必要です。さきほど6つのポイントの中で補償範囲を検討する際の留意点として地域特性を紹介しましたが、マンションとしての物件特性も考慮しましよう。例えば、高層階でセキュリティが強固なマンションの場合は、盗難などの損害は不要かもしれませんが、風害はしっかりと補償に含まえておく、といったことです。なお賃貸用、オーナー用といった使用形態による違いをもとにしてプラン化した火災保険の商品もありますので、参考にされるとよいでしょう。一戸建ての場合の注意点一戸建ての場合の注意点を確認していきましょう。賃貸や住宅ローンの場合は、先程のマンションと同様で、オーナー、管理業者、金融機関などから指定されている事項を確認しておくことが必要です。次に一戸建てで特に気をつけておきたい注意点をご説明しましょう。それは構造級別の区分を間違えない、ということです。建物が2×4(ツーバイフォー)を一部使用している木造住宅の場合ですが、保険料の高いH構造ではなく、T構造として区分出来る場合もあります。ところが最近はネットで見積もりや契約を行う人が増えてきたため、H構造のまま加入をしてしまうというケースが発生しています。保険料を多く支払わないためにも、構造をしっかりと確認しておくようにしましょう。火災保険の選び方まとめ火災保険の概要からその選び方、6つのポイントについて説明をしてきました。加えてマンションと一戸建て、それぞれの場合の注意点についてもまとめました。実際の商品の検討にあたっては、ご自身で検討を進められるという方でしたらネットでの一括見積もりサイト(サービス)などが効率的です。一度に多くの商品を比較検討することが可能です。その場合は上記のポイント・注意点をしっかりと押さえて検討をするようにしてください。ご自身だけでは不安だという方はご自身でも上記のポイント・注意点をふまえつつ、専門家(損害保険募集人など)に相談されるとよいでしょう。
2019年02月26日持て余している和室はありませんか?和室をリノベーションするなら、洋間にかえるか、和モダンの部屋にかえるかの選択肢があります。それぞれどういった工事が必要なのか、費用や工期についてもご紹介します。和室をリノベーション。どんな間取りにしますか?和室を洋室にリノベーションするケースは大変ポピュラーな工事ですね。とくに高齢の祖父母が亡くなったために、普段暮らしていた和室、もしくは寝室にしていた和室が空いてしまうケースです。今回は、和室をリノベーションする場合の2つの事例をご紹介します。パターン1. 和室→洋室にリノベーション和室を洋室にリノベーションする際に必ずする工事は、畳からフローリングの変更です。材質や色目をイメージに合わせて選択します。次に来るのはクロスの張替えでしょう。祖父母が居室にしていた和室ということを想定すると、一般的なビニールクロスだった可能性は低いと思います。つまり、爪で軽く引っ掻くと土がボロボロと剥がれてくるような壁かもしれませんし、ひょっとしたら板張りかもしれませんので洋室のイメージに合わせてクロスを替える必要がでてきます。あとは照明とカーテン。照明だけ和風ではおかしなことになりますので、洋風の照明を選ぶことになるでしょうし、カーテンに関してもカーテンボックスも考慮しながらまったく新しいものに変えることがメインとなります。また、押入れがあると思うので、これを洋風のクローゼットに変える工事が必要になります。畳をフローリングに変える工事だけなら15〜20万円程度で済むはずですが、ここでは完全な模様替えを念頭に置いていますので、60万円~90万円ほどかかるとみてください。あとはフローリングの素材選択が比重を占めます。特殊な素材などを使ったり、場合によっては思い切って床暖房にしてしまおうとなると費用は当然変わってきます。とくに床暖房を設置する場合は、それに適した床材の選択が必要となってしまいます。工期はずばり1週間以上。どんなに小さな工事でも、和室から洋室へのリノベーションでは1週間をみてください。そのうえで凝ったカーテンボックスを付けたり、間接照明を駆使したようなリノベーションでは、配線工事などが複雑になるので2週間程度を要することもあるでしょう。和室から洋室へリフォームするのですから、雰囲気はもちろん一新されますし、クロスなども新品ですから気分もいいでしょう。また、多くのお宅がそうなのですが、使い手のいなくなった和室はそのまま放置されるケースがほとんどです。同じ家なのに和室の中にここ2〜3日入っていないなどということさえ起こります。洋室にして変わるのは、その部屋の中に入る頻度が圧倒的に変化すること。もちろん、リフォームした後の洋室をどんな目的で使用するかにもよりますが、和室だったときよりは間違いなく出入りする頻度が増えます。和室は座って使うことを前提にした居室になります。たとえば和室で庭を見るときは座って見ていたはず。ところが洋室にリフォームすると、その視点の高さも変わるので、これまでとは異なった景色が広がることとなり、気分一新にはもってこいですね。パターン2. 和室→モダン和室にリノベーション和モダンは私も大好きなデザイン。インバウンド需要を見越した外国人富裕層向けホテルでも、この和モダンを取り入れる傾向が顕著です。これを一般家庭の和室に取り入れるとどうなるのか?まずは畳。モダンと言っても和室ですから畳は必須。でも、よく見かける一般的な縁がある畳ではなく、縁がない野郎畳や琉球畳などを使うことが多いようです。縁がないだけでも随分と斬新な感じがしますからね。そして次は壁紙。一般的な和室は茶系統か白色のクロスなどを使用しています。ところが、和モダンテイストの高級ホテルの部屋に見られるような、鮮やかかつ艶やかな朱色を大胆に使ってもよいでしょう。また、照明も必須アイテム。費用は掛かりますが、天井に完全埋め込み式の照明はとてもおしゃれでおすすめです。また、私の個人的な感想では、障子は絶対に欲しいところ。ヒルトンホテルに泊まった経験のある方は思い出してほしいのですが、あのホテルは室内窓の内枠に障子が使ってあります。部屋自体は洋室設定なのですが、障子の存在感が独特でまさに和モダンの雰囲気をかもしだしています。大まかな費用目安ですが、50万円~150万円としておきます、少し幅を持たせて書きましたが、照明一つとってもあまりに金額の幅があるので、このようにさせていただきました。ただ、大掛かりな工事をしなくても、畳を半畳の琉球畳に変え、壁紙を紫、朱、藍などでまとめればそれなりに和モダン感は出ますし、旧来からある床の間をモダンな造りにすれば、大きな金額を出さずにリフォームができるのではないでしょうか。洋室へのリフォームと同じですが、和室から和モダンへのリフォームも最低1週間はみた方が無難です。とくに、複雑で凝った和モダンにする場合は2週間程度を見るべきです。従前の和室が物凄く本格的な和室であれば話は違いますが、和室をリノベーションして和モダンに変える計画をされている方がいうところの和室は、おそらくそんな本格的なものではないはずです。それどころか和室ではなく、ただ単に畳が敷いてある部屋ということで和室と称しているケースも多いようです。建築当初は新しいのでそれなりに機能していたかもしれませんが、その部屋を愛着を持って使っていたご両親が亡くなった後は、下手をすると開かずの間になりかねません。そのうえ自然光も入らないような部屋だと、そこでくつろごうという気さえ起こりませんよね。そんな和室を和モダンにすればイメージは一新。ほとんどの人が人生の中で和モダンという部屋がある住宅に住んだことがないはずです。ホテルでの経験はあるかもしれませんが実際の暮らしとなるとそうなるでしょう。つまり、和モダンの和室を作っての生活は、他の部屋をリフォームするのと比べてはるかに新鮮な気持ちになれるでしょう。この効用が和モダン和室にすることで得られる最大の効果ではないでしょうか。持て余している和室をそのままにするのはもったいない両親の他界によって和室が余り、うまく使いこなせずに困っているケースは非常に多く、私が現場で見聞きすることが多い事象の一つです。しかし、余った和室を放置しておいても、実生活ですぐに困ることはありません。それが仇となって、何時までも手つかずの部屋として放置されてしまうのです。もし、皆さんの中で同じ境遇の方がいれば、是非とも和室のリフォームをご検討ください。和室のリフォームはここまで書いてきたように、【和室⇒洋室】にするか【和室⇒モダン和室】にする選択肢がほとんどになります。一般的には洋室に変えてしまい、家族の居室にするか納戸として収納スペースを増やす場合が多いようです。しかし、そこに和モダンという選択肢もあることを思い出してください。和室でもなく洋室でもない異次元の空間。こういった空間が自宅にあるのは素晴らしいことです。プロフィール森住宅コンサルタント株式会社代表取締役森雅樹名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。森住宅コンサルタント(株)
2019年02月26日愛知県豊田市のSさん家族は、駅へのアクセスがよく眺望も抜群の中古マンションを手に入れ、リノベーションして暮らしています。平成7年築、専有面積は92平米の広々とした物件です。当初は戸建ての注文住宅を検討していましたが、土地探しが難航。「建売住宅などで中途半端に納得するより、自分たちらしい空間で暮らしたい」(夫)と路線変更したそうです。リノベは妻が以前からファンだったというアネストワンに依頼し、1,400万円(税・設計料込み)で工事を行いました。雑貨店で同社が発行する小冊子『トリノス』を見て、施工事例のデザインや雰囲気が気に入っていたといいます。その妻がこだわったのはアイランドキッチンと広いリビング。夫はTRUCKのソファを置くこと、漆喰の壁などを要望しました。■ 家具のようなオリジナルのアイランドキッチン「家族で一緒に料理が楽しめて、家の中心になる、家具のようなキッチンが理想だった」という妻。念願のアイランドキッチンは、背面の収納家具も含めてアネストワンのオリジナルです。キッチン壁面の白いタイルは、リビエラ社の「ニューヨーカー」。ダイニング側の壁はブルーでペイントし、アクセントにしました。リノベ前のダイニングからキッチンを見たところ以前のキッチンは、リビングとは距離感のあるつくりになっていました。アイランドキッチンは妻の希望でしたが、夫も「キッチンから家じゅうどこでも見えるところが気に入っています。僕もときどき料理をするのですが、リビングで遊んでいても子どもの姿がよく見えるので」と絶賛。リノベ前にあった和室広いリビングは、既存のLDに隣接していた和室を取り払うことで実現しました。夫が希望していたTRUCKのソファは、床のオークや壁の漆喰とも相性が抜群です。リビングダイニングの隣には子ども室があり、天井近くに窓を設けてバルコニーからの光を届けています。入り口の引き戸を開ければ、キッチンから中の様子をうかがうこともできます。子どもが増えたら真ん中で仕切れるように、引き戸は両開きになっています。華やかなペンダントライトはIKEAで購入したものです。■ ひとつひとつのディテールに夫妻のこだわりが光る!ヘリンボーンの床をどこかに取り入れたいという希望も伝えていたSさん。玄関ホールからLDKの手前までの廊下をヘリンボーン張りにしました。クラシカルで味わいがある、アネストワンオリジナルの建具ともマッチしています。毎朝、洗面室で髪を洗う夫のために、洗面ボウルは大きめのものをセレクト。Sさん夫妻の身長に合わせて、洗面カウンターは高めにしました。洗面室の入り口付近には、カギや腕時計を掛けるスペースを設置。身支度がスムーズにできますね。トイレの位置は変わっていませんが、設備や内装は一新。アイアン製のペーパーホルダーやタオル掛けなども、ひとつひとつこだわって選びました。■ すっきり空間は充実の収納でキープ!キッチン奥は洗面、さらに浴室へとつながっていて、家事動線には無駄がありません。アイランドカウンターの横には、パントリーがあります。「ゴミ箱を見せたくなかった」(妻)と生活感がにじみやすいゴミ箱もすっきりとパントリー内に収めています。「これがなかったら確実に物があふれていました」と妻が教えてくれたのが、玄関土間とシューズクローゼットです。アールの入り口でかわいく見せつつ、ベビーカーや家電、日用品のストックなどを収納しています。玄関土間とシューズクローゼットは下駄箱と反対の壁側に、浴室の位置をずらして設置しました。ともに洋服好きという夫妻は、広いW.I.Cも要望。寝室と子ども室の間に設けられたW.I.Cには、家族全員の洋服を収納しています。「1か所にまとまると管理しやすい」と妻。小物などの収納は、IKEAの棚をDIYで取り付けました。広いW.I.Cのおかげで、寝室に備えられていた既存のクローゼットは建具を撤去し、オープンな収納スペースとしました。収納を充実させたことで、好みのインテリアが楽しめるすっきりとした空間がキープできているのですね。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.28日本で唯一のマンションリノベーション専門誌【巻頭特集】マンションリノベ新・3種の神器 [W.I.C][玄関土間][パントリー]で収納問題をスパッと解決!【第2特集】We Love City コンパクトでもいい!都心に住みたい※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アネストワン撮影/遠藤 宏
2019年02月25日新築の一戸建て住宅やマンションを購入したけれど、止むを得ない事情で、短期間で売却しなければいけない状況になるケースもあります。そのケースで多いのが固定資産税が高くなって払えなくなってしまうこと。固定資産税はある年数がたつと、高くなってしまうのです。やむを得ない事情で新築マンションを売却した経験者である筆者が、売却時に、不動産会社の営業さんに聞いた「え?知っておいてよかった」という固定資産税の話をご紹介します。■ 新築マンションを買ったのに売却することになった理由shiii / PIXTA(ピクスタ)筆者が結婚したのは、15年前。その時はまだ賃貸アパートに住んでいました。大阪市の中心部に新築マンションができるという情報を聞き、運良く購入することができました。交通の便が非常によく、電車は新路線ができ、大阪の中心といわれる梅田へは、自転車を使うと10分程度で行ける場所でした。ところが、産後の肥立ちが悪かった筆者は、引越し1年後に体調を崩し、大病を患いました。双方の実家にも話をして、筆者の実家近くに引越すのが良いだろうということで、マンションを売却することにしました。■ 物件の人気度と不動産会社の担当さんの腕で即売却決定SUCO / PIXTA(ピクスタ)筆者は体調を崩す前に、不動産会社でチラシ投函のアルバイトをしていました。売却について、アルバイト先であった不動産会社へ相談したところ、快く売却手続きを引き受けてくれました。人気の高いマンションは、完売後も近辺の不動産会社へ「売却する人がいないでしょうか」という問い合わせが多く、売却待ちをしている方が多いのです。筆者達が住んでいた部屋のタイプは、モデルルームでは人気の3LDKタイプした。日を改めて、担当さんが部屋の状況確認と写真撮影に訪れて、査定を始めました。築3年目での売却で、使用状況もきれいだということで、ほぼ購入時の価格で売れるという査定でした。EKAKI / PIXTA(ピクスタ)築年数と部屋の状況を考慮し、担当さん側が購入希望者を厳選して案内するということで、購入者を待つことになりました。2か月の間に数家族が内覧に来たところ、「リフォーム代は自分たちで負担するので、販売時と同じ価格でいい」というご夫婦が購入となり、筆者達が買った時の価格(3,100万円)で売却となりました。担当さんから「新築5年未満で売却できてよかった。5年越えをすると、売却し始めると思います」と言われました。その理由は後日簡単に説明してもらいましたが、どうしてなのかを解説しましょう。■ 固定資産税の軽減措置はマンションは5年、一戸建ては3年で受けられなくなるizumi / PIXTA(ピクスタ)賃貸を除いて、住宅を買うと固定資産税納付の案内が来ますよね。実は、新築住宅に対する固定資産税については、要件を満たしていれば、一定期間は減額措置を受けられます。条件として、以下の3つを満たしていることです。住宅部分が120平方メートルまでの部分住宅部分が120平方メートルまでの部分一戸建て住宅は基本築3年間この3点以外にもありますが、一番大きい減額要素は、上記3点の条件です。筆者宅の例では、新築購入で、1年目に支払った固定資産税は、約17万円でした。2年目は、約20万円。そして、新築5年目になると、減額措置がなくなります。4年目の時に30万円払っていたとして、5年目を超えると60万円以上になります。固定資産税が払えないとなると、マイホームを手放すことにつながります。一戸建ての場合では、基本は築年数が3年目を超えると新築住宅の減額措置が受けられなくなります。減額措置を受けている期間でも、翌年以降の固定資産税が上がることはあります。家計面や住宅ローンの支払いも考えて、固定資産税の支払いが難しくなると、売却しなければならない場合もあります。ニングル / PIXTA(ピクスタ)宅地の評価は用途によっても変わるのですが、路線価や公共施設への距離、家屋の過密化などによって評価が変わります。売却したマンションは、入居後に新路線が開通したこと、周りに新たなマンションや家屋が増えたことで、2年目以降に大きく増えたというわけです。すでに入居2年目で売却された方もいらっしゃいました。■ まとめshimanto / PIXTA(ピクスタ)※写真はイメージです筆者たちが住んでいたマンションはその後どうなっているか、家の売買サイトで調べたところ、多くの部屋が売りに出されていましたが、人気物件のせいか、販売価格とほぼ変わらない価格で売られていました。固定資産税は、細かい減額措置や、複雑な計算があります。入居時から周りの環境が変わると、固定資産税の増額がありますが、大幅な増額があった場合は、一度市区町村の課税課に確認してください。新築物件を購入する時に、不動産会社さんで近辺の固定資産評価額などは教えてもらえます。ちょっとした固定資産税に関する知識があると物件選びにも役に立ち、固定資産税のために家を売却する、という最悪の事態に陥ることはないと思います。【参考】※固定資産税について – 大阪市※宅地の評価の流れ – 大阪市
2019年02月23日新築で家を持つにも、条件のいい土地の減少や、資材の高騰などで手に入れにくくなっている状況もあいまって近年は、中古一戸建て住宅を購入しリフォームをすることも増えているようです。中古一戸建てを買うときに気をつけるポイント、リフォームする場合も最低限行わないといけないリフォームや相場などをご紹介します。新築の購入を検討している人も、中古一戸建てを買ってリフォーム+自分でDIYするのもいいかもしれませんよ!中古一戸建てが選ばれる理由は?「夢のマイホームは新築で!」というのが当たり前の時代だったのは昔の話。ここ数年でこの辺りの事情は一気に変わってきました。誰もができることなら新築の家に住みたいと思うのが本音でしょう。しかし、建築資材の高騰や職人不足の影響で工事費用が高くなったことや、好条件の土地が出にくくなってきたことなどの要因から新築案件に手が出にくくなってきました。さらに、政府が危機感を持っているのが空き家問題。世帯数の減少などによって、今後は膨大な空き家物件が全国にあふれかえってきます。しかし、中古案件が増えるということは値段が下がることを意味します。つまり、丹念に中古物件を探せば掘り出し物といえる家に巡り合う可能性も増すのです。中古一戸建て住宅が選ばれる理由の一つです。中古一戸建てのデメリットや失敗事例は?失敗から学べることはたくさんありますよね!ここでは、中古一戸建てを購入したさいの失敗談をいくつかご紹介します。このように中古一戸建ては供給数が激増するので買う側にとってはメリットだらけに感じますが、慌てて購入すると後で大きく後悔することにもなりかねないので注意をしましょう。代表的なデメリットは建物の内部状況がわからないことにつきます。実際にあった事例では、「築35年の中古住宅を12月に購入して住み始めたのですが、暖房をいくら焚いても寒くて寒くて仕方がない」という話がありました。専門家に相談して外壁の中を調べてもらったのですが、本来はあるべきグラスウールという断熱材が壁体内で大きく下にずり落ちていて、正常な能力を発揮できない状態になっていたのです。築23年の中古一戸建てを購入した直後に震度5強の地震に見舞われました。この程度の地震だと周囲の家を含めて外観上は何も問題が見当たりません。しかし、この方の家にはある異変が発生。地震直後から部屋の中の引き戸が軋んだり閉まらなくなってしまったのです。通常では考えられないことなのですが、おそらくは新築当初の問題であった可能性が否定できません。もちろん、こちらの事例も実話です。中古一戸建ては外観より中身をチェックこの例からもいえるように、中古住宅購入の際には見える部分より見えない部分のチェックが重要なのです。建物の外壁や内装の綺麗さ、または新しいキッチンが入っているなどということは見ればわかります。しかし、壁の中の断熱材の施工レベルなどは、外からの目視では絶対にわかりません。多少の費用は掛かりますが、もっとも有効な対策は物件購入前に専門家へ依頼して調査をしてもらうことでしょう。そして、こうした調査をしてもらうことで、入居前のリフォームもスムーズになります。もし、中古住宅を購入後にキッチンを新しいものに変えるリフォームを考えたとします……古い小さなキッチンを新しいより大きなキッチンへリフォームする場合には、その重さに床が耐えられるかを検討しなくてはなりませんが、専門家にチェックしてもらえればしっかりしたアドバイスがもらえます。中古一戸建てをフルリフォームするのにかかる費用は?ごく一般的な30坪~35坪の中古住宅をフルリフォームするときの費用を考えていきましょう。ただ、いわゆるリノベーションと原状回復を目的としたリフォームでは、その目安が大きく異なります。中古住宅をフルリフォームして、ほぼ新築同然の姿に戻すことを念頭に置くとその予算は1000万円を超えるとみるべきでしょう。ただ、部分的なリフォームやクロスの交換といった比較的簡単にできるリフォームを中心に考えるならば、300万円以内で十分可能です。【無料】見積もり・比較でリフォームが安くなる!中古一戸建てなら部分リフォームがおススメできることならばお金をふんだんにかけたフルリフォームをしたいのですが、予算があまりに高くなると新築購入との差がなくなり、中古住宅を買ったメリットが薄れてしまいます。こう考えると、部分リフォームを行って予算を抑えることが賢明ですよね。たとえばキッチン。中古住宅を購入してキッチンをリフォームする人は非常に多いのですが、料理がものすごく好きでなおかつ腕に自信のある奥様なら、予算を上げてでもキッチンリフォームのグレードを上げるべきでしょう。そのかわりに、本来予定していたハイグレードの壁紙の質をワンランク下げるなどの対応をとればよいのです。総予算を変えずに、こだわりたいところに予算を集中させた方が暮らしの満足度は必ず上がると断言できます。最低限必要な中古一戸建てのリフォーム箇所とその費用壁紙のリフォームは必ずしなくてはならないという場所ではありません。しかし、もっとも安価かつ気分を一新できるので、気軽にできるリフォームとしてとてもおすすめです。6畳ならば5万円もみれば十分に可能ですので、ぜひ検討してみてみてくださいね。物件にもよりますが築20年以上の一戸建て中古住宅を購入した場合、防犯面に気を使った仕様が施されていることはあまりないと思われます。ドアフォンがない住宅であれば新規購入したほうがいいでしょう。配線工事込みでも5万円で十分設置できます。また、泣き砂利を購入して撒くのも防犯リフォームの一つです。泣き砂利を敷くだけなら業者に頼まなくても自分でできます。1kgあたり2000円前後で購入できるので、泥棒が侵入しそうな場所にピンポイントで撒けばコストも抑えられます。住宅の大敵は結露。これは誰しもが認める原理原則。つまり、一戸建て中古住宅を購入した際には必ずチェックすべきことの一つでもあります。ただ、購入した段階では居住していないので、実際に結露が起きるかどうかはわかりません。ワンシーズンを過ごしてみて、サッシに結露の発生を確認したらすぐにサッシの交換リフォームをしてください。リビングによくみられる幅1軒の掃き出し窓であれば、断熱効果の高いLowーE(ローイー)複層ガラスを使った場合でも30万円まではいかないはずです。1か所だけでこの値段だと家全体のサッシを変えるとかなりの金額になるため、すべてリフォームをというわけにはいかないでしょう。そういう場合は、リビングや寝室などを優先してリフォームを検討してください。中古一戸建てなら「耐震リフォーム」は優先度高め!その費用は?費用と時間がかかるリフォームの代表格ですが、住宅で最も大事なことは【命を守る】ことです。この視点で考えると昭和56年度以前に建築された旧耐震仕様の中古住宅を購入した方は、耐震リフォームは喫緊の課題です。また、昭和56年度以降の住宅の場合、震度6弱の揺れで建物が崩壊する確率は極めて低いと推測されますが、それでも早めのリフォームをお勧めします。昭和56年以降の建物であれば150万円以内で収まると思いますが、それより古い物件では直す箇所も増えるため200万円近くになるでしょう。DIYしてもいい中古一戸建てリフォーム箇所とその費用中古一戸建て物件を自分でDIYしてリフォームすることもできます。業者に頼むよりも値段を安く抑えることができ、自分の好みに仕上げることができるのでDIYの経験がない人も、これを機に挑戦してみるのもいいでしょう。手軽に取り組めるおすすめリフォーム箇所をご紹介します。住宅業者に任せても大きな金額にならないのですが、DIYレベルでも十分にできますので、楽しみながらそのうえ安く上げるにはもってこいでしょう。6畳程度であれば予算は3万円。もう少し足せば業者にも頼めますが、部屋数が増えると結構な金額になるのと、すべての部屋を一気にやらなくても自分のペースで模様替えをできることが魅力です。部屋の雰囲気を劇的に変化させるのがカーテン。中古一戸建てを購入した場合、各居室のカーテンレールはごく一般的な高さに取り付けられているはずです。これを天井から直に吊るす仕様にリフォームするのです。工事自体は比較的簡単で、カーテンボックスを新たに購入して天井に取り付ければいいだけです。やはり天井からカーテンがかかっていると見た目がゴージャスになります。カーテンボックスやその他の費用は3万円もあれば大丈夫。問題となるのはカーテン生地。これに関してはピンキリなのでお好きなものを選んでください。良質な中古一戸建て住宅のリフォームがおすすめ!いかがでしょうか。新築住宅を購入することが一般的だと思われてきた日本ですが、ここ数年で考え方は劇的に変化しています。良質な中古一戸建て住宅が激増しているので、これを購入してリフォームすることが当たり前の時代になってきていますよ。プロフィール森住宅コンサルタント株式会社代表取締役森雅樹名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。森住宅コンサルタント(株)
2019年02月20日煙突との出会いが始まりだった吉祥寺の賑やかな商店街から1歩入ると、そこは閑静な住宅街。以前は鍼灸院だった築20年程の3階建て鉄筋コンクリートの建物を、2世帯で暮らす戸建てにリノベーション。住人は店舗のディレクションや空間設計を手掛ける鈴木善雄さん、舞さんご家族と、舞さんのご両親の引田ターセンさん、かおりさんのご夫婦だ。「結婚した当初は、いつか古い物件を改装して暮らせたらなと考えていましたが、義父母からいい物件があるから一緒に住まないかという話をいただいて。訪れてみると、1階に暖炉のある住宅でした。煙突のある家なんて、東京ではなかなか建てられないけれど、ここならずっと自分が憧れていた薪ストーブも設置できるだろうと」そう語るのは、新木場で複合施設「CASICA」のディレクションを手掛ける鈴木善雄さん。1階はご両親の住居、2階はゲストルーム&作業場、3階を鈴木さんご家族の住居に。2世帯それぞれの、思い思いのリノベーションが始まった。ヨーロッパの古い照明に、日本の古道具の作業台など、年代を感じさせるインテリアが味わい深い3階。昨年11月、新木場にオープンした複合施設「CASICA」は100%LIFEでも掲載。「CASICA」「スタンダード トレード」にリノベーションを依頼。ホテルのように洗練されたシンプルで居心地のいい1階。古家具を独自に再構築鈴木さん家族が暮らす3階のフロアは、3LDKだった間取りを70㎡ほどのワンルームに変更。荒々しい古材を敷いた床に工業的なペンダントライト、日本の古い家具などがあしらわれた空間は、おふたりが手掛ける店舗の世界観のよう。「何風というのではなく、好きなものを選んで、縛られることなく構築したいんです。インダストリアルと和家具が合わないわけではないし、トルコのラグもあればアメリカのソファなど、国も色々とミックスしていいと思っています」。リノベーションは、善雄さんと大工仲間達とDIYで少しずつ着手していったそう。壁づけのキッチンは、和箪笥や小引き出しなどをパズルのようにはめこんだ棚に目を奪われる。「日本のものをどう現代的にアレンジするか、と常に考えています。畳からイスの生活になった今、和箪笥は床の上じゃなくてもいいですよね」。斬新なアイデアの溢れる空間を彩るのは、仕事の買い付けで見つけた古道具だったり、全国を車で旅する中で出会ったものだったり。愛着のあるものたちが、素朴な素材感が活かされた空間に味わいを加える。「キレイすぎると落ち着かないんです」と善雄さん。キッチンという境を設けず多様性のある空間にしたかった、という暮らしの中心にあるダイニングテーブルで。南北に開口があり光が通り抜ける。床には室内用ではないインドネシアのチーク材を張った。キッチンには、少しずつ集めた古家具などをパズルのようにはめ込み、独創的な棚をアレンジ。抜けのあるワンルームにスケルトンにした空間に、あえて1カ所仕切りを設けたのはアトリエ。「鉄加工ができる友人に頼んで、窓枠を作ってもらい、わざと錆びさせてガラスをはめ込みました」。現在は仕事部屋にしているが、保育園に通うお子さんがもう少し大きくなったら、いずれ子供部屋にする予定だそう。「壁は後からいくらでも作れるので、最低限に。ベッドルームにも仕切りは設けませんでした」。床と同じ古材を面材にして、壁一面に収納を設けたベッドルームは、サンルームからの明るい日差しで満たされる。「ここに暮らすようになって、グリーンを育てるのも楽しくなりました」。薪ストーブが鎮座するリビングで、家族で語らう暖かな時間も偲ばれる。「1階には両親がいることで、一緒に食事をしたり、息子を見てくれたり、たくさんの時間を共にするようになりました。仕事の話も夫も交えて色々と話せる関係なので、いつもたくさんの刺激をもらっています」と舞さん。LDKの一角に仕切りを設け、アトリエを設置。ガラスの窓を光が通過する。現在、仕事部屋にしているアトリエは、いずれは子供部屋にする予定だそう。リビングに隣接したベッドルーム。壁のように見えるよう、床と同じ素材で収納を設けた。南側のサンルームは植物がよく育つ。お子さんの遊び場にも。ESSE社の「THE IRONHEART」が置かれたリビング。クックオーブンなど機能も充実。チェーンソーと斧で薪割りをしているそう。北欧テイストの1階「早期リタイア後がこんなに充実するとは思っていませんでした」。と語るのは、舞さんのご両親、引田ターセンさんとかおりさん。人気のパン屋さんとギャラリーを営みつつ、2世帯での暮らしを楽しんでいる。140㎡ある1階は、3階と打って変わって、北欧テイストで統一されたシンプルでナチュラルな空間が広がる。「以前からおつきあいがあって、家具のデザインなどが好きだったスタンダードトレードさんにリノベーションをお願いしました」。薄い緑の混ざった珪藻土の壁、オークの天井や家具、麻混の絨毯の敷き詰められた床。穏やかで居心地のよい空気が流れる。「私たちが求めたのはやりすぎない、主張しないインテリア。和でも洋でもなじんで、ずっと使い続けられるテイストが好きなんです」。1階は床面積140㎡の広々空間。暖炉のある山小屋風の空間だったのを、北欧テイストに。コンクリートの冷たい躯体に、木とガラスで温もりを加えた。ハンス・J・ウェグナーのテーブル、フリッツ・ハンセンのイスなど、内装に合わせて家具もセレクト。吉祥寺で「ギャラリーフェブ」、パン屋さん「ダンディゾン」を営む、ターセンさんとかおりさん。普段はキッチンとリビングの間の空間で仕事をすることが多いそう。ワンルームを半オープンの仕切りと床の段差が緩やかに分ける。人の集まる居心地のいい家に鍼灸院だった南側のスペースは、外構の緑とルーバー状になったガラス窓から光が差し込む、明るいベッドルームに。暖炉のある広々としたLDKは、大人数でパーティーを開いたり、何人かで料理をしたりも可能な余裕のスペースを確保した。「婿の誕生日会には40人くらい集まりましたよ。キッチンはアイランドにシンクを入れるかどうか悩みましたが、オープンなキッチン台にして正解でした。お料理を運んだりするのを、みんなが手伝ってくれるんです」。一部分には仕切りを立てて、キッチン内すべてを見せないよう細かな計算も。「家は私たちにとって充電をするところ。明るくて風が通って、“ああ、家に帰りたい”と思えるような快適な場所にしておきたいですね」。その願いが結集した1階には、家族や友人たちが集まってくる。個性の違う2つのフロアのそれぞれの生活を、コンクリートの堅牢な建物が包み込んでいる。明るい日差しに包まれるベッドルームには、ウォークインクローゼットを設けた。ベッド脇のステップは、年を取った愛犬用。ベッドルームの入り口。ルーバー状になったガラス窓から光が差し込む。パーツにこだわり、イタリア製のグレーのタイルを貼ったバスルーム。微妙な陰影が奥行きを出す。余裕の幅を確保したキッチンでは、普段おふたり一緒に料理するそう。キッチン台の黒の面材がアクセントとなっている。パントリーにキッチンまわりのものを一括に。以前は勝手口だったところを塞いで、ガラスブロックを採用した。窓辺には、「ギャラリーフェブ」でもかかわりのある陶芸家・内田鋼一や、ガラス作家・イイノナホの作品を飾る。十字型のガラスをはめ込むようオーダーしたドア。玄関にあるイイノナホの照明がガラス越しに見えるのが、かおりさんのお気に入り。約100坪の敷地に建つ、鉄筋コンクリート3階建ての建物。元オーナーとは知り合いで、縁あってリノベーションが実現。
2019年02月18日「ホームステージング」という言葉をご存じでしょうか?ホームステージングとは、主に中古物件の売却の際に家具や小物でインテリアコーディネートすることによって、実際の生活のイメージを膨らませ、物件をスムーズに、高値で売却できるようにすることをいいます。アメリカでは昔から広く知られている手法です。今回は、このホームステージングについて詳しくご説明します。■ 集客アップ、高値売却など…、ホームステージングのメリットは大!中古物件をいざ売りに出そうと思った時、リビングやキッチンがガランとして何もない状態のままだと、当然ながら実際に住んだ時のイメージがわきませんよね。具体的な部屋の使い方がわからないだけでなく、生活感がないただの冷たい空間に見えてしまうので、買い手からすると印象もよくなく、購買意欲も削がれてしまいます。そこで、年収や家族構成といったターゲットを意識したり、トレンドを取り入れたりしたインテリアを施して、素敵な家であることをしっかりとアピール。具体的には、ダイニングテーブル、ソファ、テレビ、照明器具、食器、小物などを使って、広さや窓からの日の光、使い勝手の良さなど、その部屋の魅力を最大限引き出します。そうすることで集客がアップし、すぐに買い手が見つかるだけでなく、より高い価格で売ることが可能になります。これがホームステージングです。そしてホームステージングは空き物件だけでなく、居住中の物件でも行うことができます。すでにある荷物を極力減らし、持っている家具や小物を使って演出することは十分に可能です。買い手はホームステージングされた物件を見ることで、自分の理想の住まいを視覚的にイメージできます。さらにインテリアコーディネートの参考になったり購買のモチベーションが上がったりするので、双方にとってメリットは決して少なくないのがホームステージングの魅力です。■ コストや心得ておきたいホームステージングのデメリットこのように、たくさんのメリットがあるホームステージング。施工するには、専門会社に依頼することになりますが、それなりのコストがかかってきます。プランニングや家の広さ、部屋数、家具や小物のレンタル費用などによりけりですが、だいたい数万円から数十万円ほどかかります。また、ホームステージングの専門会社は、あくまで売却の手助けをしてくれるもので、売却の成約を保証するものではないことは承知しておく必要があるでしょう。一方、専門会社に依頼せずに自分でホームステージングを行うことも不可能ではありません。なかには自分で家具や小物を調達し、好きなようにコーディネートする人もいます。しかし、その場合は買い手の求めるものに関してのプロによる分析や演出がない分、物件価値を高められないリスクもあります。より確実に、高値での物件売却に繋げるためにも、多少のコストがかかってもプロにお任せしたいところです。また、築年数が進んだ物件や買い手がすでに理想の家づくりをイメージしている場合などは、ホームステージングによる見せ方は逆効果となり、購買意欲を削いでしまうこともあります。どんな家でもホームステージングが効果的ではないことも、心得ておきたいポイントです。最近では、実際にインテリアコーディネートするだけでなく、物件画像にバーチャルで家具などのイメージを配置するやり方もあります。ホームステージングの考え方が日本でもどんどん広まりつつあり、今後はさらにスタンダードになっていくでしょう。中古物件を売るときや買うときには、頭に入れておきたいホームステージング。皆さんも、参考にしてみてください。
2019年02月14日結婚を機に中古マンションの購入とリノベーションを考えたTさん夫妻。京都で素材感を生かしたリノベを手掛けるリボーンキューブのセンスに魅せられ、一緒に物件探しから始めることに。通勤の利便性、自然豊かな環境、家族が増えても大丈夫な80平米以上のゆとりある広さという条件を叶える築42年の物件を見つけ、1780万円で購入。プロダクトデザインをしている夫のラフプランをベースに、工事費1,000万円(税、設計料、施主支給分込み)にて、フレキシブルに変化できる広々とした住まいを実現させました。■ LDKには余計なものを置かないことで開放的に普段多くの時間を過ごすLDKをできるだけ広く、と希望したTさん夫妻。もともとのLDKで飛び出していた収納を撤去して、天井をスケルトンに。そしてキッチン腰壁のモザイクタイルやグレーの壁をアクセントにしました。余計なものをLDKには置かないことを徹底したことで、広さがより際立つ空間になりました。また、キッチンカウンターの延長として造り付けた作業台は、夫婦で並んで料理をするときなどに重宝しているそう。キッチンは壁付けから対面式に変更し、イケアのキャビネットと業務用ガスレンジを組み合わせて造作しました。トールサイズのキッチン収納も同じく造作。右側はパントリーとして、左側はお気に入りの食器やグラスを飾って”見せる収納”として使っています。LDKの壁沿いにはベンチ棚を造作しました。普段は収納として使い、大勢のゲストが訪れた時にはベンチとして大活躍しています。また、バルコニーからは周囲の山並みを見晴らせます。2階でありながら、自然豊かなロケーションをたっぷり堪能できるそう。寝室とバルコニーの間には、室内干しスペースを設けました。また、寝室とLDKの間には室内窓も設置。室内窓は上3枚が開閉式で、寝室側からの風や光をLDKに呼び込むことができます。■ 寝室まわりは快適動線で家事効率アップLDKに隣接した寝室へは、ウォークインクロゼットを経てアクセスできる快適動線。「バルコニーや室内物干しスペースから、寝室を通って行き来できるようにしていただいているので、取り込んだ洗濯物を効率よく収納できるんです」と妻。ウォークインクロゼットは、「来客用の布団を置くには少し小さかったかと思いますが、衣類をおさめるだけなら問題ありません」とのこと。というのも、マンション内に別途トランクルームがあり、季節ものはそちらにストックしているからだそう。寝室はミニマルに設計しました。室内物干しスペースにつながる奥の部分は、腰壁のみにとどめて圧迫感を解消。必要に応じてブラインドで目隠しするスタイルで、右側の”ウエスタン扉”から出入りできるようにしました。床は足触りのいいサイザル麻カーペット。将来の子ども室を想定したフリールームは、2室に分けることも可能です。室内窓を付けたことで、土間側からの光も取り込めるように。■ 自転車を2台置いてもゆとりある土間「玄関に2人分の自転車やサーフボードを置きたいとお願いしたところ、奥行きのある土間の提案をいただいたんです」と夫。玄関前の個室の位置を少しずらし、奥まで貫く広い土間スペースを造りました。そして、窓からの光を生かすために個室側に室内窓を設置し、足場板でラフに仕上げた下駄箱を添えています。また、正面奥の壁のみ黒く塗装することで、奥行きある空間を引き締めています。マンション内にも半屋外の駐輪場はありますが、この土間のおかげで自転車の傷みや盗難の心配もありません。ディスプレイも兼ねて身近に置ける点も気に入っているそう。また、いずれ子どもができたときにはベビーカーを置くスペースとしても使う予定です。サニタリースペースは廊下沿いに。洗面台やミラーキャビネットは、夫が抱いていたデザインイメージをもとに造作しました。トイレは奥の壁にあしらったターコイズブルーが印象的。「新婚旅行先のギリシャで見た青いドーム屋根の色に魅せられ、どこかに取り入れたいと思ったんです」と夫。コンクリート、木、鉄といった素材のラフさを添えたスタイリッシュなT邸。「それほど大きく間取りを変えているわけではないのですが、天井板を取り払ったり、室内窓をつけたりすることで解放感が増したおかげもあり、より広がりが感じられるようになりましたね」と夫妻は話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.20」も参考にしてみてくださいね。リライフプラスvol.20【巻頭特集】マンションリノベ成功のためのマストアイテムW.I.C 玄関土間 パントリー がある家はいつもキレイ!【第2特集】マンション内同居、近居、二世帯…どうする? 実家との距離【第3特集】どっちがおトク? フルリノベVS部分リノベ【第4特集】どこまでできる? やってみてどうだった?※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工リボーンキューブ撮影宮野正喜
2019年02月07日関東近郊で築12年の中古マンションをフルリノベーションして3歳、0歳の子どもと30代夫婦の家族4人で暮らしています。無印良品を展開する良品計画の元・社員である私と一級建築士の夫は、なぜ中古マンション×リノベーションを選んだのかなど、私たち家族の家づくりについて紹介していきたいと思います。今回は、戸建て・マンション・二世帯住宅といった大きな選択肢についてすら決められていなかった我が家が、どのように中古マンション×リノベーションにたどり着いたかをお話したいと思います。■ 戸建?マンション?それとも二世帯住宅?私も夫も、実家は戸建住宅でした。そのためか、イメージしていた我が家は気持ちのいいお庭がある戸建。幼い頃は、庭じゅうをホースで水浸しにしたり、父の作ったツリーハウスでおままごとをしたりと、実家には楽しい思い出がいっぱいあります。我が子にも、自分の家で思いっきり遊んでほしい、家を好きになってほしいと考えていました。そうすると、マンションでは音が気になるし、すぐに遊べる庭付きとなると選べる物件も限られます。私「戸建がいいな。となると、土地探しからか。急に荷が重いな……」夫「そもそも、土地+注文住宅だといくらになると思ってる?上物だけでも3000万〜4000万?駅から遠くて都心から離れてもいいなら出来るかもしれないけど」私「そうだよね。家にお金をかけすぎて旅行もできなくなっても嫌だし。海外旅行は年に1回は行きたいし。せめて2年に1回でも」この時点で理想通りの家(庭付き戸建て)よりも、家族にとって優先順位が高い条件は以下の3つであることが分かりました。夫の職場に近い両方の実家に1時間以内で行ける金銭面で無理をして家を建てるよりも、余裕のある家づくりがいい(旅行も買い物も我慢したくない!)前回の記事でお話しした「家づくりノート」がここで役に立ちました。夫婦間で共有した項目のなかで、優先順位の高かった上記3点を叶えられるのは「マンション」という結論に達しました。二世帯住宅は「夫の職場の近く」という条件に当てはまらないということで不採用になりました。■ 新築マンションを見学して感じたのは…この時点での検索項目は、新築・中古マンション問わず以下の条件でした。駅徒歩20分以内乗換なしで夫の職場に行ける路線2路線利用可広さは80平米以上築年数15年以内(中古マンションの場合)検索であがってきた物件の中から、当時住んでいた家から行きやすいマンション(←面倒くさがり)をいくつか見学予約しました。まず3、4件の新築マンションを見学し私達夫婦が抱いた感想は……。どれも間取りに大差はないし、モデルルームは改造されすぎていて実物件とは全然違うじゃない!!!というものでした(あくまで個人の感想です)。cassis / PIXTA(ピクスタ)見学したほとんどの物件は、玄関から左右に個室があり廊下を通りリビングに向かう間取り。使い勝手が良いのだと思いますが求めているものとは違いました。そして、オプションにオプションを重ね仕上がった室内。あるマンションの担当の方は、「うちはモデルルームにはどうも力が入っちゃうんですよね」とおっしゃっていました。それでも私は、お宅訪問をしている気分でモデルルームを楽しんでいましたが、夫は途中から、見学の度に「中身を全部自分で決められるマンションは無いんですかね」と聞いていました。中国などの諸外国では、スケルトンで購入し、一から選んで作れるマンションなどもあるようです。羨ましい。……ということで、私たちは決心しました。■ 住みたい家をつくれる中古マンションリノベに決めた!最新の設備、きれいさではない、自分たちらしい暮らしがしたい!中古マンション×リノベーションに決めた理由は、新築マンションにはない「自分たちが求める住まい方」を一から作れることに魅力を感じたからです。余談ですが、中古マンション×リノベーションという結論は私の中では少し意外でした。一級建築士という夫の職業柄、戸建てが建てたいのだろうと勝手に思い込んでいたので。実は夫は以前から、マンションリノベーションに興味があったようです。次回は「中古マンション見学の際に意識していたこと」について書きたいと思います。
2019年02月05日「自分たちの好きなスタイルにできる点に魅力を感じていました」という中古マンション×リノベーションで理想の住まいを手に入れたHさん。リノベ会社として選んだのはEcoDecoです。「住み手の好みやライフスタイルを大切にくみ取ってくれそう、と感じました」(夫妻)。EcoDecoには物件探しから依頼。購入したのは希望していたエリア内・東京都江東区にある昭和56年築、専有面積が86.91平米の物件です。環境がよく、十分な広さがあり、南向きなのも魅力的だったといいます。リノベは1,460万円(税・設計料込み)で行いましたが、「家づくりを悔いなくやりたかった」(夫)と設計者を決める際にはコンペを実施。その上でプロデュース・設計をEcoDecoに依頼しました。■ 家族みんなの顔が見えるキッチン!新居に対する要望はたくさん出したそう。そのなかでも妻がいちばん望んだのは「食べることが大好きなので、キッチンを中心にして家族の気配が感じられる家」というものでした。既存のLDKはL字型でしたが、廊下や収納を取り払って、より空間の一体感が味わえる四角いスペースとしました。LDKと玄関土間の間にはガラス入りのドアと室内窓を使うことで、帰宅した家族の姿がよく見えるようにしています。既存では壁付けだったキッチンは対面式に。調理中でも子ども達の様子がよくわかるようになりました。キッチンユニットと面材の一部はIKEAのものです。キッチン壁面のタイルは夫妻そろって惹かれたというヒースセラミックス社製です。リビングから見ても美しいですね。上部には梁をうまく利用した棚を設けて、オーディオ機器をすっきりと収めています。2列配置のキッチンは通路幅が1m近くあり、2人同時の作業もラクラクです。キッチン通路の奥はパントリーです。「調理中でもサッと必要な食材がすぐ取り出せるので便利」(妻)。そしてパントリーを抜けると、なんと!玄関土間にアクセスできます。■ 回遊できる動線を可能に! 使い勝手バツグンの玄関土間夫が出した要望は玄関土間です。「自転車でのトレーニングが趣味で、メンテナンスもしたいので、土間をうまく使いたいとお願いしました」(夫)。そこで、玄関土間を東側の壁際まで延長し、既存の3倍以上の広さを確保しました。玄関土間にはLDKからの光がガラス越しに届きます。玄関土間からは直接、洗面コーナーやバスルームに行ける形にもなっています。「子どもたちが泥んこになって帰ってきても直行できて大助かり」(妻)。玄関土間→洗面コーナー→LDKまでぐるりと回遊でき、行き止まりがありません。洗面コーナーの隣が洗濯機置き場になっていて、家事動線も快適です。トイレは既存よりも少し広くし、収納をプラスしました。■ 家族の変化を受け止める間取りとは?既存では、和室が3間並ぶ形でした。和室の一部を洋室に変更し、主寝室にしました。デッドスペースになりがちな上部も収納として有効活用しています。W.I.Cは主寝室とオープンにつながっています。W.I.Cは通り抜けでき、開閉の手間を省くために扉はありません。「天井近くまで棚をつくったので、たっぷり入ります」(夫)。間取りでは「私たちの暮らし方の変化を受け止めてくれる間取りやデザインに」(夫)との要望も出していたそう。W.I.Cの裏側は夫がDIYでつくったデスクのある、家族共用のスタディスペースです。スタディスペースの南側はキッズスペースとして活用。将来は壁で仕切り、個室にすることも可能です。「仕切り方は様々考えられるし、子どもたちの成長に合わせて変えていきたい。だから、余白を残しておいてもらってよかったと思っています」(妻)リノベを終えて「借り物ではなく、自分たちで思い描いた家を実現し、ようやく主役になれた気がする」とも話してくれました。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。プロデュース・設計/EcoDeco撮影/水谷綾子
2019年01月16日今の住まいをもっとよくしたいと思っている皆さん。最近ではリフォームをバージョンアップした、リノベーションというのがあり、皆さんも聞いたことがあると思います。「でもリノベーションといわれても、具体的にどこからどうしたらいいのかわからない」。当然です!新築よりリーズナブルな点だけがリノベーションのメリットではない。むしろ新築にはない様々な魅力があるのです。ここでは、改めてリノベーションのメリットについてご紹介します。■ そもそもリノベーションとリフォームの違いとは?naka / PIXTA(ピクスタ)リノベーションとリフォームには、実は厳密な線引きはありません。英語のrenovationは建物の改修を指すが、reformは本来、法律や組織などの改良を指します。では日本での両者の違いはというと、リフォームは単に壁紙を替える、設備を交換するといった老朽化や不便さの改善にあるが、リノベーションは新築時に戻すことが目的ではない。暮らしを変え、自分らしいスタイルの家に変貌させる。それがリノベーションなのです。それをふまえて、リノベーションのメリットを7つご紹介しましょう。■ 1.コスパがいい!今の家をリノベーションする、あるいは中古物件を買ってリノベーションする。その最大のメリットは新築や建て替えより割安な点です。freeangle / PIXTA(ピクスタ)戸建ての場合、よほどひどく傷んでいない限り、元の骨組みを生かしたほうが安上がりだし、マンションも新築と中古では大きな価格差があります。特に戸建ては古くなると建物の値段はゼロに近づき、物件価格の大半は土地の値段。見方を変えれば、日本は世界でも珍しいほど、中古住宅がお買い得な国といえるんです。■ 2.立地のよいところに住める住み替えを考える場合、年を重ねたら今よりもっと便利な場所に住みたいとか、いっそ都心のマンション暮らしを謳歌したいという人も少なくありません。PIXTOKYO / PIXTA(ピクスタ)しかし、新築だと手が届かない可能性が高いですよね。その点、割安な中古+リノベーションなら憧れの街に住める可能性が広がります。また、戸建てもマンションも、先に建てたほうが立地がいい場所を押さえているのは当然。容積率などの法規制が緩い時期に建てられていて、空間に余裕があるヴィンテージ物件も多いのでお得ですよ。■ 3.激変による満足度が高いゼロからつくり上げる新築と異なり、リノベーションには必ず対照実験の比較対象ともいうべき、改修前の家があります。TATSU / PIXTA(ピクスタ)リノベーションに踏み切るからには、暗い、寒い、使い勝手が悪いなど、老朽化以外にも欠点があり、以前から住んでいた家だとなおさらその不満はたまっているはずです。それが劇的に変化し、同じ家とは思えないほど快適になる――。そのビフォーアフターの激変ぶりは、リノベーションの醍醐味といっても過言ではありません。満足度は新築より高いのでは?■ 4.味わいや懐かしさも魅力全面リノベーションといっても、総取っ替えするわけではありません。むしろ生かせるものは生かす、長く住んできた家ならその記憶を残すのも、リノベーションだからできること。天井をはがしてみたら、築浅物件ではお目にかかれないような、どっしりした柱や梁が出てくる場合もある。freeangle / PIXTA(ピクスタ)さらに、戸建てでは庭、マンションでは共用部の緑が大きく育っていることもリノベーションならではの魅力。ABC / PIXTA(ピクスタ)年月を経たがゆえの味わいや懐かしさのある家づくりを目指したい。■ 5.前向きで健康的な生活もできる若い頃にはさほど気にならなかった段差や暑さ寒さも、年を重ねるほどに体に応えてくるもの。50代以上のゆとりある世代がリノベーションを行う場合、バリアフリーや断熱性の向上など、目に見えない快適性にお金をかける比率が高いといいます。おおたま / PIXTA(ピクスタ)また、長年住んできた家をリノベーションした人に話を聞くと、「やる気が出た」「エネルギーが湧いた」という言葉をよく耳にします。環境が変わることで心身が健やかになれば長生きにつながるに違いありません。■ 6.資産価値が上がる中古より新築のほうが資産価値が高いというのはご早計。新築は買った途端に中古になるため、年数が経つと価格が半減することも珍しくありません。しかし、中古はさほど極端に値下がりしないし、リノベーションするとむしろ価値が上がるため、賃貸に出した場合も割高な家賃で貸すことができます。ABC / PIXTA(ピクスタ)自分たちの終の住処として考えるだけではなく、いずれは子どもに相続することも想定し、将来売ったり貸したりしやすい資産として価値をキープしておきたいものです。。■ 7.資源の有効活用になる少子高齢化が進む中、今や日本全国の7軒に1軒が空き家といわれ、今後もその割合は増え続けるといわれています。手を入れれば十分住まいとして使える建物がこんなにたくさんあるのに、これを使わないのはもったいないですよね。また、古家を解体すると大量の廃材が生じ、新築時には木材をはじめ、大量の建材が必要になる。TATSU / PIXTA(ピクスタ)環境負荷を考えても、すでにある資源を有効に活用できるリノベーションのほうが、新築よりエコロジーであることは間違いありません。いかがでしたか?いまリノベーションをすべきかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
2019年01月01日最近では中古物件を購入し、リフォーム・リノベーションしたい人が増えています。新築よりも手頃な価格で購入でき、間取りや広さ、こだわりのスペースなど、自分の好きなように家づくりをしていくことができるところに魅力を感じている人が多いようです。しかし、一概にリフォーム・リノベーションをすると言っても、その内容は千差万別。人気の事例を参考にすることで、自分の住まい探しをより具体的に考えるきっかけにもなります。SUVACO株式会社とリノベーション専門情報サイト「リノベりす」は、2018年に同サイトに公開されたリノベーション事例の中から、ユーザーの閲覧数をもとに上位10位をランキングした「人気リノベーション事例ランキング2018」を発表。今回はそのランキング結果のいくつかをご紹介します。■ ヴィンテージやモダンをバランスよく取り入れたリノベ事例がズラリ気になる第1位は、「築38年の中古マンションを、英国ヴィンテージの香り漂う住まいにフルリノベーション」。輸入壁紙やシャビーな仕上げの造作家具を取り入れたヴィンテージ調の深みがありながらも、新素材「モールテックス」を使ったアイランドキッチンや全体的に落ち着いた色味がモダンさを醸し出す、美しい佇まいのお宅です。3位は「築33年の団地をリノベ。北欧ヴィンテージが暮らしに溶け込む住まい」。木とホワイトを基調にしてシンプルで落ち着きのある空間を作りつつ、グレーの壁で深みを加えた、北欧ヴィンテージの家具が似合う、洗練された住まいです。4位は「グレー×白の大人モダン、とことん自分好みのマンションリノベーション」。白をベースとした広いキッチンをメインに、ソファや椅子など家具のファブリックをグレーで統一して、上品な雰囲気を醸し出した事例です。その他には、2位「48平米でも家族3人がのびのび過ごせるマンションリノベ」、5位「アイランドキッチンで空間をのびのび使う!自然素材が心地よいマンションリノベーション」など、空間を上手に使い、広くて過ごしやすくしたリノベーション事例がランクインしました。■ 2018年の人気は異素材ミックスと上質なグレーvicnt / PIXTA(ピクスタ)2018年の人気ランキングから見えるキーワードは「端正とグレイッシュ」。2017年に人気だったのは、木材をベースにモルタルや鉄、石など、あえて異なる素材を組み合わせる手法。今年はさらにその洗練度が高まり、端正でありながらも、どこかあたたかみを感じさせる、調和のとれた事例が上位を占める結果となりました。特に印象的だったのが、上質なグレーを取り入れた事例が多かった点。こうしたグレイッシュな色使いは、いまや不動の人気となっている木の素材感を引き立てつつも、決して脇役にとどまらず、それと調和することで洗練された世界観を醸し出せるのが特徴です。これはデザインやインテリア、素材に対する住み手の感性が成熟し、より本物志向へと変化していることの表れかもしれません。2019年には、どのようなリノベーション事例が人気となるのでしょうか。リノベーションを考えている人は、是非今回のランキングを参考にしてみてくださいね。【参考】※リノベーション専門情報サイト『リノベりす』が「人気リノベーション事例ランキング2018」を発表!
2018年12月31日新築を建てたり、中古物件をリノベーションしたりするときに、どのような設備機器を入れるかはとても大事なこと。予算、機能性、オシャレ度など、さまざまな理由から選びたいのだけど、なかなか選びきれないという人も多いのでは。そこで、「日刊Sumai」で活躍しているライターさん4人に、自宅にあるお気に入りの設備機器とその理由について答えてもらいました。さて、そのこだわりのアイテムとは?■ 伊東裕美さんのお気に入りは「浴室暖房乾燥機」「お片づけ先生」として活躍している伊東裕美さんのお気に入りの設備機器は「浴室暖房乾燥機」。伊東裕美さん宅の浴室暖房乾燥機伊東さんの宅は戸建てなので、真冬の浴室はとても寒くて、入浴がつらかったのだとか。しかし、これがあるおかげで真冬の入浴も快適。2分くらい前に暖房をつけて温めてから入ると、体に負担のかかる心配もなくなるそうです。また乾燥機能を使用して浴室内をしっかり乾燥させると、カビの発生も防げるのも、うれしいポイントだそう。■ katiさんのお気に入りは「ウォーターサーバー」リノベブロガーのkatiさんのお気に入りの設備機器は「ウォーターサーバー」。katiさん宅のウォーターサーバー冷水と温水が常に使えることと配達や使用済みボトルの回収も便利で、とても使い勝手がいいのだという。こんなkatiさんが設備機器を選ぶときは「家事の手間が本当に省けるか?」「導入することで、新たな煩雑さが生まれないか?」「手作業では不可能な機能を備えているか?」「デザイン性がよいか?」「経済的にメリットがあるか?」を考慮して決めるのだそうです。■ eiriyさんのお気に入りは「ビルトイン食器洗浄乾燥器」自分で設計しリノベーションした都内のヴィンテージマンションに住んでいるeiriyさんのお気に入りは「ビルトイン食器洗浄乾燥器」。eiriyさん宅のビルトイン食器洗浄乾燥器いちばんの理由は、訪問客が多く、その際にたまっていく食器を夫が黙々と洗っていたため話の輪に入れなかったことと、夫の手荒れが気になっていたからだというやさしい心遣いからだったそうです。また、子どもが生まれてからも、さらに強い味方になったとか。「食器を洗う時間を子どもとの時間に当てられるのは貴重です」とeiriyさん。■ hanaさんのお気に入りは「ビルトイン食器洗浄乾燥器」シンプルで機能美のある道具や、経年変化の楽しめる木の家具が大好きなhanaさんのお気に入りは、「ビルトイン食器洗浄乾燥器」。hanaさん宅のビルトイン食器洗浄乾燥器その理由は、家事の時短につながること。それとビルトインなのでキッチンがすっきり見えるからだそうです。。ちなみにこれから入れてみたい設備機器は「浴室暖房乾燥機」「ビルトインオーブン」「カードキー」。ちなみにhanaさんが設備機器を選ぶポイントは、それを入れることで暮らしが便利になることと、その費用対効果だとか。■ aipooowさんのお気に入りは「IH調理器」記事とともにイラストもアップしているaipooowさん。2児の娘を持つ働くママである彼女のお気に入りは「IH調理器」。aipooowさん宅のIH調理器とにかく掃除が楽でサッと拭くだけで簡単にきれいになるのがいちばんうれしいそうです。そのほかに気に入ったものは、やはり家事時短で人気の「ビルトイン食器洗浄乾燥器」。ちなみにaipooowさんが設備機器を選ぶときに重視することは“機能” “価格” “デザイン” の3つで、いずれは「浴室暖房乾燥機」が欲しいそう。
2018年12月30日新築はもちろんのこと、中古でも相変わらずマンション価格が高い東京都心部。特に主要駅の駅チカ物件となると、その高騰ぶりは目を見張るほど。それでは、主要駅からある程度離れた駅ではどのくらい価格相場が安くなるのでしょうか。株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する不動産・住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」は、品川駅まで30分以内・中古マンション価格相場が安い駅ランキングを発表。今回はその結果をご紹介します。■ 狙い目はJR横須賀線?品川駅との価格相場の差はなんと5,000円万円以上momo / PIXTA(ピクスタ)調査の起点駅とした品川駅から徒歩15分以内にある、ファミリー向け中古マンションの価格相場は8,280万円。果たして、品川駅まで30分以内の物件相場が安い駅は何駅で、どのくらい安いのでしょうか。TOP12は以下の通り。中古マンションの価格相場が最も安かったのは、JR横須賀線・横浜駅の次の駅となる保土ヶ谷駅。価格相場はなんと3,000万円を切る2,990万円でした!保土ヶ谷駅はファミリー層が多く、落ち着いた街。治安も良く住みやすいので、価格相場が最も安いとなると、品川駅に通勤する人にとっては穴場とも言える場所でしょう。2位はその保土ヶ谷駅の次の駅となるJR横須賀線・東戸塚駅。駅周辺にスーパーやショッピングモールなど大型の商業施設が立ち並んでいる東戸塚駅は、中古マンションの物件数も今回のトップ12の駅で最も充実しています。1位、2位ともにJR横須賀線の駅となりました。そしてその価格相場は、品川と比較すると約5,000万円も安いという調査結果に!品川駅に通勤する人にとって、JR横須賀線は穴場かもしれません。4位は新川崎駅。新川崎駅の東側には、近年誕生した商業施設「新川崎スクエア」と47階建てタワーマンションがあります。これらの建物を眺めながらしばらく歩行者用通路を進むとたどり着くのが、JR南武線の鹿島田駅。両駅間はわずか6分ほどで行き来可能なので、新川崎駅に住めば、実質的には2駅2線が利用できるという魅力も。■ 通勤が「電車で30分以内」で手頃な価格の物件なら、選択肢に入れる価値あり!HAYABUSA / PIXTA(ピクスタ)9位はJR京浜東北線の東神奈川駅。東神奈川駅の東口側には京急本線の仲木戸駅があり、両駅は歩行者用通路で結ばれています。両駅間にはスーパーや惣菜店などが入っている「シァルプラット東神奈川」があり、また駅の西口側にもスーパーやショッピングモールがあちこちに。さらに、JR京浜東北線で1駅先へ行けば横浜駅。品川が通勤圏内でありながらも、休日には家族で横浜へ頻繁に遊びに行けるというメリットもあるのが東神奈川駅です。そんな東神奈川駅の中古マンション価格相場は4,980万円。5950万円の横浜駅に比べ、1駅違うだけで約1,000万円も価格相場に開きがあることがわかりました。1位の保土ヶ谷駅の相場は、品川駅と比べると5,290万円も安いという驚きの結果に。12位の立会川駅でさえ、品川駅と比べると3,000万円以上も相場が安くなっています。たとえ品川駅まで電車で20~30分かかったとしても、品川駅より3,000万円以上も価格が安い物件ならば、十分住まいの選択肢に入れてもいいのではないでしょうか。Tony-Studio / PIXTA(ピクスタ)実際、「会社の最寄り駅まで30分以内」というのは意外と遠くないもの。筆者の夫は、家から都心の会社まで電車で35分かけて通勤していますが、そこまで心地悪さを感じずに毎日出勤しています。仕事が終わり、騒がしい都心に帰宅するよりも、都心から少し離れた、穏やかで住みやすい街に帰宅する快適さを感じているようです。高輪ゲートウェイ駅の開業が2020年に予定されており、ますます盛り上がっていくと見られるお隣の品川駅。品川駅付近で、家族で住める中古マンションを探している人は、ぜひ今回のランキングを参考にしてみてくださいね。【参考】※品川から30分離れるだけで3000万円もリーズナブルに!品川駅まで30分以内中古マンション価格相場が安い駅ランキング【ファミリー編】
2018年12月27日Iさん夫妻は東京都内で中古マンションを購入後、リノベーションして暮らしています。「雑誌やネットで見た施工例がおしゃれだったので」というnu(エヌ・ユー)リノベーションに依頼しました。また、物件探しから設計・施工まで、ワンストップでサポートしてもらえるところにも魅力を感じたといいます。購入したのは昭和59年築、専有面積66.08平米の物件です。広さや価格が希望通りで環境もよく、住みやすそうでした。リノベーションは1,200万円(税・設計料込み)で行いました。■ シンプルでナチュラルな北欧テイストに!北欧インテリアの特徴のひとつは、アクセントカラーを効果的に使うことです。I邸ではDK側の壁にブルーを使用しました。ディスプレイしたコーヒーグッズや北欧の雑貨が、ブルーの壁によく映えますね。リノベ前のLDと和室既存の間取りは3LDKで壁が多く、各部屋が薄暗かったそう。リノベではLDに隣接した和室を取り払って空間をひとつにまとめ、LDK一体型に変更しました。開放的で明るく、ぐんと広くなったLDK。床には、無垢で無塗装、幅広のオークフローリングをチョイスしました。北欧テイストにぴったりのナチュラルな雰囲気です。ソファーはイデー。ダイニングテーブルと椅子は、アアルトの代表作のひとつです。「買うならこれと、前から決めていました」(妻)。書斎コーナーのデスクや収納は、スウェーデンの建築家ニルス・ストリングがデザインした収納システム、string shelf(ストリング シェルフ)のパーツを組み合わせたものです。キッチンのバックカウンターはあとから変更しやすいように、無印良品の収納家具で構成しました。シンプルで北欧テイストにもフィットしています。「夫婦揃って植物を育てるのが好きなので、植物を飾りやすい空間にしたいとお願いしました」(妻)。インナーテラスをつくることは、nuリノベーションから提案されたそうです。LDKの一角をコンクリートブロックの腰壁とフレームで囲み、塩ビタイルを張りました。LDKの開放感や明るさは、リビングドアの大型ガラスを通して玄関側にも伝わります。■ 収納をたっぷり設けながら光と風を通す!玄関から見たリノベ前の様子リノベにあたって、いちばん叶えたかったというのが明るさです。「光が入ること、風が抜けることが基本。玄関に入ったときから明るい家がいいな、と思いました」(妻)。玄関にはもともと窓がありましたが、生かされていなかったのです。設計デザイナーの田村優樹さんが解決策として提案したのは、玄関土間と収納エリアとキッチンをオープンにつなげるプランでした。まず、玄関側にあった個室のひとつを土間とW.I.Cに変更。玄関窓を生かした土間は明るく、ゆとりのあるエントランス空間になりました。土間からW.I.Cへはそのまま入れるつくりです。靴を脱いだらW.I.Cでコートを脱ぎ、キッチンやリビングへ直行できます。W.I.Cは腰壁と内窓をパーティションに使ったセミオープンスタイルに。光を遮らない内窓効果で、住まい全体が明るくなりました。W.I.Cを抜けるとパントリー、さらにキッチンへと続きます。「動線がスムーズなので家事もしやすく、暮らしやすいです」と妻。ここは玄関窓とLD側の窓からの光と風の通り道でもあるため、ほどよい明るさが確保できました。パントリー内は奥行きの深い造作棚に収納グッズを組み合わせて整理整頓しています。洗面所はあえて隠さず、オープンなつくりにしました。「オープンにすることでいつもキレイにする習慣がつくし、ものが増えないからいいですね」(妻)。洗面所の背面にはトイレがあります。シンプルの極みのようなミニマムな個室空間に仕上げました。「住み心地はとてもいいです。明るくて暖かくて」(妻)。好きな植物や家具に囲まれた暮らしを楽しむ夫妻でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.28』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/nu(エヌ・ユー)リノベーション撮影/山田耕司
2018年12月27日Hさん夫妻は東京都荒川区内で中古マンションを購入。910万円(税・設計料込み)でリノベーション後、家族4人で暮らしています。当初は新築マンションの購入を考えていたそうで、夫妻は海外生活の経験もあることから、新居ではゆったりと暮らせる広さと開放的な間取りをイメージしていました。ところが、新築では希望の予算・間取りを叶える物件が見つからなかったといいます。そんななか手にしたリノベーション専門誌『リライフプラス』でリノベの自由度の高さを知り、方向転換することに。そして購入時、築10年(平成17年築)と築浅で、しかも専有面積100.42平米というゆとりのある中古物件を見つけたのです。既存の間取りは3LDK+和室でしたが、開放的な間取りはどう叶えたのでしょうか。■ ゲストも楽しめるアイランドキッチンを造作!リノベの設計は『リライフプラス』を見て「デザインにひかれていた」というブルースタジオに依頼しました。LDKでまず目をひくのはアイランドキッチンです。「以前の家は独立タイプのキッチンだったので、新居では家族やゲストと調理も会話も楽しめるキッチンにしたいと思いました」と妻。既存では半独立タイプだったキッチンの壁を取り払い、まずはLDKを開放的な一体型に。さらにキッチンの位置を動かすことで、オープンなアイランド型を実現しました。キッチンはステンレスの天板とラワン材を組み合わせ、長さ2500㎜×幅920㎜のワイドサイズで造作。このサイズならば、ゲストが多くても対応できますね。キッチンには「隠す収納」と、食器などを飾って楽しむ「見せる収納」の両方を設けています。以前から使っていたダイニングテーブルやチェストは、キッチンやフローリングの色に合わせて夫がDIY で塗装したそう。ダイニングキッチンの床は配管を通すためにリビングより一段高くしましたが、それが程よいアクセントにもなっています。さらにダイニングキッチンの床には天然石のブラックスレートを採用することで、LDK一体型の空間を緩やかにゾーニングしています。■ 既存を生かすことで高級材インドネシアチークを採用!リビングダイニングにあった収納は取り除き、空間を広げました。広くなったリビングの一角には、子ども用の勉強スペースも設けています。夫がいちばんこだわったのが、フローリング材。使用したのは世界的に有名な高級材・インドネシアチークです。「赤みのある深い色みと味わいのあるツヤ感が気に入って、これだけはコストをかけても使いたいと思いました」と夫妻。そこでリノベ費用が予算オーバーしないよう、浴室や洗面室などはそのまま生かすことにしました。生かせるものが多いのは、築浅物件ならではですね。設備だけでなく、扉も既存にシートを貼って再利用しています。トイレでは、既存の手洗い器付き収納カウンターを利用することでコストを抑えました。しかし、便器を交換した上で、壁の一部には「どうしても使いたかった」というサブウェイタイルを貼ることでHさんの満足度をいっそう高めています。■ 将来の住まい方も考えたプランに玄関の脇には、土間仕上げのシューズインクローゼットを新設しました。「家族全員で出かけるときにも、荷物を取ったり置いたりという動線がスムースで、とても気に入っています」と妻。玄関ホールに面する個室は収納を取り払い、親子4人で使う広い寝室にしました。寝室入り口のドアの横に設けた鏡は、将来取り外して、ドアにすることができるそう。いずれ寝室を2つの子ども部屋として使えるよう配慮したものです。現在、子どもたちが遊び部屋として使っているのはこの個室。子どもたちが成長したら、ここを主寝室として使う予定です。新築ではなく、中古物件を自分たちに合わせてリノベにしたからこそできた工夫といえるかもしれません。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.27」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計/ブルースタジオ撮影/水谷綾子
2018年12月18日中古マンションリノベーションの時に叶えられなかったことがあります。それはバスルームのリノベーションができなかったことです。予算が足りずに諦め、リユースしています。前オーナーさんは週末ハウスとしてこの物件を利用していたので使用頻度が低かったのか、バスルームは必要最低限の設備しかありません。特に収納が全くないんです。これには困りました。■ 床に直置きすると、たった1日でもヌルヌルに!シャンプーとか洗顔フォームとか、そういったものを置く棚みたいなものが全然ない。ボトル類やチューブ類は床に直置きするしかありませんでした。シャンプーラックを買うという選択肢もありましたが、気に入ったものがなくて購入を延期していました。置きっぱなしにしておくと1日でボトルやチューブ類の底はもちろんのこと、床もヌルヌルになります。ピンクカビも生えやすいのです。当然、床掃除の頻度も多くなって良いことなし!先日、そんな滑りやすい床で子どもがすってんころりんしてしまいました。これを機に、見直すことにしたんです。数年前からチューブ類は無印良品の「ひっかけるワイヤークリップ」に挟んで、タオル掛けにぶら下げました。ひとつでぶら下げると、どうしても落ちてしまうのでふたつで挟んでいますが、それでも落ちそうなので今後も改良の余地ありです。夫の髭剃りはそれまで使っていたものをやめて、吸盤付きのものを鏡にくっつけることにしました。高い位置にくっつけておくと、子どもも手が届かないから安心です。■ シャンプー類は詰め替えボトルでスッキリと少し前までは、お徳用のボディソープのボトルを利用していました。お得かもしれませんが、床置きすると大きすぎて邪魔だし見た目もごちゃごちゃしていました。そこでボトル類は詰替ボトルに入れ替えてコンパクトにして、思いきって床にはボトルやチューブを置かないことにしたんです。今後、お風呂の床には洗面器と椅子しか置きません!いつかはこのふたつも、床に置かずに済む方向で見直していこうと思ってます。■ ボトル類は、バスルームの外に収納!?さて、そんなシャンプーボトル類はどこへ行ったかというと、お風呂から出てすぐの脱衣所にあるタオルラックの下段に居場所を見つけました。お風呂に入るたびに、家族それぞれが使うシャンプーや洗顔フォームなどを持ち込みます。お風呂からあがる時には、体を拭いたタオルでボトルも拭いて元の場所に戻します。最後にお湯を流し、仕上げとしてスクイージーを床にかけて水切りしています。面倒に思われるかもしれませんが、数秒でサーサーサーとできるので簡単なんです。これをするだけで、普段のお風呂掃除が格段に楽になります。ちなみに脱衣所は、バスマットを置いていません。バスルームで体を拭いたついでに足もちゃちゃっと拭いて出るので、なくても済みます。マットってホコリがたまりやすいし、掃除機をかける時に邪魔だし、ジメジメしたイメージしかなくて、必要性を感じません。同じ理由で、トイレマットも玄関マットも我が家にはありません。おかげで、我が家のお風呂周りは本当にスッキリしています。
2018年12月14日結婚後も賃貸マンションで暮らしてきたHさん夫妻。予算内で中古の一戸建ても買えそうでしたが、夫は大のインテリア好き。好みの空間に変える予算が取れる中古マンションを買って、リノベーションすることにしました。夫妻は埼玉県志木市で見つけた専有面積69平米の物件を1850万円で購入。昭和56年築で築年数は36年の団地でしたが、管理が行き届いていてエレベーターもあり、ペット飼育がOKだったのも決め手になりました。リノベ予算は1000万円と決めていましたが、実際は少々予算オーバーの1200万円(税・設計料込み)となりましたが、大いに納得のいくリノベとなりました。■ コンサルタントに頼まず予算は自力で算出!Hさんが家の購入を考えたのは、一戸建て新築物件の内覧会に参加したのがきっかけでした。しかし、その一戸建てを購入した場合、月収がローンの支払いだけでなくなってしまうことに気付いたそうです。それが、“家を買う”という選択と、収入に見合った借り入れ金額について考えるよいきっかけとなりました。リノベ予算は自力で算出。「コンサルタントに頼まず、自分たちでローンの組み方や税金などの勉強をして、銀行にもたくさん行きました」(夫)、「保険付きのローンがあることなども知り、勉強になりましたね」(妻)。リノベーションは、リノベーション専門誌『リライフプラス』で知ったアズ建設に依頼。同社の事例の回遊性の高い間取りや、ラフなディテールが気に入ったのが理由でした。当初のプランで上がってきた見積もり額は予算内の980万円でした。■ システムキッチンではなくオリジナルキッチンに変更!リノベ前のキッチン既存では独立型に近いキッチンでしたが、ベランダ側のLDと和室をつなげてつくった広い空間の中へ移動。オープンなキッチンとしました。当初の見積もりでは、キッチンはシステムキッチンの予定でした。しかし、自分たちの使い勝手や好みに合わせられるオリジナルキッチンに変更。コストが上がってもこだわりたかったといいます。料理に集中できる壁付けのキッチンには「どうしても入れたかった」という3口のコンロを採用。コンロ下の引き出し式の収納には、よく使う鍋やフライパンが収納できるようになっています。同じく造作したカウンターの足元には照明が仕込まれ、あたたかな雰囲気を醸し出します。キッチンのあった場所にはパントリーとワークスペースを設けました。パントリーはキッチンに隣接し、家事動線もコンパクトです。リビングでは、TVボードを既製品から造り付けに変更。無印良品のケースがぴったり収まるように造作しました。空間への馴染みのよさは、造り付けならではです。リビングにはインナーテラスがあります。愛犬・ショコラのハウスの定位置であり、室内干しにも大活躍。床の段差がベンチ代わりにもなり「外の木々が見えて癒やされます」(妻)。洗面台もメイク道具などの収納計画を立てた上で造り付けにしました。造り付けに変更してコストアップした分は、床材をカラマツからリーズナブルなオークに変えるなどして調整。それでも予算オーバーした分が許容範囲だと判断できたのは、資金計画から取り組んできたおかげです。■ 色でアクセントをプラスして、楽しい空間に玄関土間は左右に、端まで伸びています。土間の右側には自転車などを置き、左側にはアズ建設の施工事例を見て取り入れたかったというオープンなシューズクローゼットを造り付けました。イエローとブルーのニッチは、柳宗理が手掛けた、横浜市営地下鉄の駅の水飲み場をイメージしたもの。空間のよいアクセントになっています。ニッチの奥はキャンプ好きの夫妻ならではの収納スペースに。キャンプから帰宅後すぐに道具を片付けられるつくりにしました。愛犬が自由に家の中を歩き回れるよう、ドアはLDKとトイレだけに設置。その他は必要に応じてロールスクリーンで仕切ります。右のロールスクリーンはWICの入り口です。WIC内にはポールや棚板を設置し、使い勝手をよくしています。WICの一部には有孔ボードを張り、壁面も有効利用。クローゼット内に湿気が溜まらないように壁の上部を抜いています。寝室は1面だけアクセントウォールとして、温かみのある黄色を塗りました。寝室のコーナーにはガラスを入れて明るさと開放感をプラス。窓際のカウンター収納は追加工事で設置したものです。無印良品のボックスが入るサイズで造作しました。トイレは黄色をアクセントカラーに。おしゃれな波型の手すりはすべりにくく、握りやすいユニバーサルデザインでもあります。夫妻は、ともに40代。「リノベは今後の人生設計についても考えられる、よい機会になりました」と声をそろえます。収入やお金の使いどころ、暮らし方の見直しの適期だったのかもしれませんね。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ『リライフプラスvol.27』も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工/アズ建設撮影/飯貝拓司
2018年12月10日自分たちが住みやすいように家を変えたい......。そんな願いを叶えられるのが、中古物件のリノベーションのいいところ。そこで今回訪れたのは、神奈川県内のマンションに暮らす、Yさん一家のお家です。リノベーションのために物件探しからワンストップで行える〔nu(エヌ・ユー)リノベーション〕に依頼したというYさん。どのような視点でリノベーションをしたのか、そのポイントを伺いました。リノベ会社は事例の好みで選択。センスあふれる提案を楽しむY邸リビング&ダイニング奥様はデザイナー、ご主人はIT系の仕事をしているというYさんご一家。奥様が産休中にDIYにハマり、雑誌やブログですてきに改造されたお家をみているうちに、「自分たちが住みやすいように家を変えたい!」と思うようになったそう。そこから、中古マンションのリノベーションという選択肢があることを知ったといいます。「いつかは自分たちの家を持ちたいと思っていて、まずは新築の戸建てやマンションを見てみたんです。でも作られた内装と間取りが全然気に入らない上に、住みにくそうだったんです。そこで『私たちに合う家ってなんだろう?』って夫婦で話し合った結果、中古マンションのリノベーションをしようということで2人の意見が一致しました」(Yさん)リビングの真ん中にあるのは、〔nuリノベーション〕の設計デザイナーが提案したという〔DULTON(ダルトン)〕のシーリングファン。スチールの骨組みとキャンバスの組合せが魅力。リノベーション会社は、施工事例が1番好みだったという〔nuリノベーション〕を選択。物件探しから設計・施工・アフターサービスまでワンストップで行える上に、間取りや設備、素材などをゼロからつくることができる完全オーダー型のリノベーションができるのが特徴です。好みの観点で選んだからか、担当の設計デザイナーとも相性抜群だったそう。「設計はもちろん、内装の提案もセンスが良くて、楽しみながら進められました。夫婦の理想はオープンで家族の存在を常に感じられるような、コミュニケーションが取りやすい家。部屋数は少なくてもいいから、リビングが広くて壁が少ない家にしたいという要望を出したところ、壁がなくても空間に区切りをつけられるようなデザインを提案してくれたんです」(Yさん)壁がなくても空間を区切る秘訣とはどのようなものだったのでしょうか?さっそく、おうちの様子を見てみましょう!壁を作らずに空間を区切る。導線が考えられた玄関と納戸造作棚で、壁を作ることなく空間を区切る。玄関からDENスペースまで土間が続くことで、家を出入りするときも楽々。空間を区切るために取り入れた方法のひとつが、こちらのテレビ裏に設置した造作棚。背板がないので、奥の空間も見えて、開放的な雰囲気です。棚の裏側は納戸も兼ねた、隠れ家的なスペース。玄関の土間を納戸の方まで繋げることで、ベビーカーを置いたり、自転車を置いたり、雨で濡れた上着をかけるときもストレスなくスムーズに活用できます。収納・くつろぎ・遊び場などマルチな役割の小上がりスペース広々とした小上がりスペースは、同じ空間にいながら別の部屋にいる気分に。Yさんのお気に入りは、こちらの床下収納付きの小上がり。「部屋数は少なくしたかったんですけど、収納スペースは確保したいと伝えたところ、この小上がりを提案してもらったんです。壁がなくても、段差があることでフラットな空間に部屋がぽこっと生まれるのが面白いと思いました」(Yさん)小上がりは、現在は子どもの遊び場や猫たちの憩いの場としても活用。収納力はもちろん、その時々のシーンに合わせてマルチに使えるところが気に入っているそうです。キッチンスペースは、黒を締め色にキッチンには黒いタイル、ダイニングには黒のアイアン家具を取り入れることで、空間が引き締まる。「黒を締め色に使いたかったんです」という要望から、キッチンの壁は黒いタイル、ダイニングの家具やパーテーションには黒いアイアン素材を取り入れたそう。「締め色の黒は、あんまり使いすぎると圧迫感が出すぎてしまうので、バランスを考えて取り入れました」(Yさん)ということもあって、ほどよく黒が効かせたメリハリのある空間に仕上がっています。家の中でも外にいる気分。インナーテラスがおしゃれで便利!インナーテラスの壁はブリックタイル、床にはモルタルを使用して、室内でも外にいる気分に。窓際はすべてインナーテラスに。ここはご主人のこだわりポイントで、普段は通勤に使うロードバイクを置いているそう。玄関の土間と同じく一段下げることで、空間に区切りもつけられ、ヴィンテージオークのフローリングの床に“抜け感”を作っています。テラス部分の床をモルタルにすることで水はけも良く、グリーンに水やりをするときも楽にできるそう。天井には納戸と同じく、アイアンのポールを設置。「アイアンポールは、洗濯物を干すときにも便利ですし、インテリアとして趣味のグリーンを飾るのにもぴったりなんです」(Yさん)と、奥様もお気に入り。印象的な黒い枠のガラスパーテーションも空間を分けるのにひと役買っていますね♪ワークスペースの壁の一面は自分たちでDIY!造作家具やデザイン性の高いインテリアを取り入れているYさんのお家。しかし、リノベーションに興味を持ったきっかけがDIYだったというだけあって、自分たちの手で仕上げたところもあるそう。「リノベをするときも、自分たちでもなにか1つ手を加えたいね、ということでワークスペースの壁一面だけ下地のままで引き渡してもらいました。磁石がつくようにしたくて、マグネットペイントを使って2日かけて自分たちで塗りました」(Yさん)他にも、子どものおもちゃを収納するためのヴィンテージ風の棚や椅子など、自分でつくれるものはDIYで作っているそう。プロに頼みながら、自分たちができるところは自分たちでやる。そうすることで、ライフスタイルが変化したときも、お家とうまく付き合っていけるのかもしれません。〔nuリノベーション〕公式ウェブサイトはこちら!●取材協力nuリノベーション(運営会社:株式会社ニューユニークス)●テキスト宇治田エリ●写真土佐麻理子
2018年12月07日内閣府が2018年8月6日に発表した「マンスリー・トピックス(最近の経済指標の背景解説)」によると、中古住宅成約件数は緩やかな増加傾向にあるんだとか。空き家対策のためにも、リフォームやリノベーションを活用した中古住宅市場はますます盛り上がりを見せていくと期待されています。そんななか、この度、不動産比較のポータルサイト「スマイスター」を利用した全国の20歳以上の男女525人を対象にした中古住宅購入時の条件にまつわるアンケート結果が発表されました。■ 中古住宅購入で譲れない条件は、やはり「価格」!まずは「居住目的で中古住宅を購入したことがあるか?」という質問に対し、23.0%の人が「ある」と回答。中古住宅を購入したことがある人に「購入した中古住宅の種類」を聞いたところ、「戸建て」が65.3%、「マンション」が34.7%という結果が得られました。中古住宅を購入するとなると、マンションではなく戸建てを選択している人が大多数のようです。そんな中古住宅を購入する際に、「最も譲れない条件」とは何でしょうか。アンケート結果によると、一番多かったのは「価格」で31.4%、次いで「周辺環境」が12.4%、共に9.9%で「売主の信頼度」と「所在地」が続きました。意外なことに「教育環境」や「収納」と回答した人はゼロでした。また「2番目に譲れない条件」についても「価格」が21.5%で最多となり、再び「周辺環境」が17.4%、そして「所在地」が9.9%と続きました。freeangle / PIXTA(ピクスタ)そして「3番目に譲れない条件」については、それぞれ約10%ずつ減っているものの3番目も「価格」が13.2%でトップになり、「周辺環境」が12.4%、共に9.1%で「売主の信頼度」と「築年数」でした。最も譲れない条件も2番目、3番目に譲れない条件もトップ3はほとんど同じですが、それ以降は「間取り」や「最寄駅からの所要時間」「綺麗さ」「耐震性・構造」など、かなりバラつきがある結果に。室内の機能面や中古ならではの築年数における諸々の心配事よりも、価格や周辺環境、そして所在地が重要視されていることがわかります。ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)中古住宅を購入する人の多くは、自分たちの想定する予算内で新築では手に入れることができない理想の住環境を求めているのでしょう。■ 中古住宅は初めて買った人よりも買い替えた人の方が満足度が高いさらに中古住宅に住み替える前に住んでいた家について聞いてみると、「持ち家戸建て」(34.7%)、「持ち家 マンション」(16.5%)、「賃貸 戸建て」(7.4%)、「賃貸アパート・マンション」(25.6%)、「社宅・官舎・寮」 (6.6%)、「実家」(9.1%)となり、約半数の人が買い替えであることがわかりました。Yp111 / PIXTA(ピクスタ)最後に「現在の住居の満足度」を聞いてみました。「とても満足」(全体:25.6%、買い替え:24.2%、初買い:27.1%)、「まあ満足」(全体:57.9%、買い替え:64.5%、初買い:50.9%)、「やや不満」(全体:14.9%、買い替え:11.3%、初買い:18.6%)、「とても不満」(全体:1.7%、買い替え:0.0%、初買い:3.4%)となり、83.5%もの人が満足していることがわかります。また、初めて買った人より買い替えの人の方が満足度が高いようです。7maru / PIXTA(ピクスタ)これは何度か買い替えることで、より自分が求める条件を満たした中古住宅を購入できている人が多いからでしょう。また何度か住宅を購入する経験をふむことによって、自分の好きなようにリノベーションやリフォームを楽しむ余裕が生まれてくるからかもしれません。HAKU / PIXTA(ピクスタ)筆者は昨年、初めての住宅購入で郊外に新築の戸建てを購入しましたが、一度購入してしばらく住んでみると「次にもし家を買い替えるなら、もっと都心に近い場所にあるお手頃価格の中古住宅でリノベーションやリフォームを楽しんでみたい」という思いが湧いてくることもあります。当時は家を買うのは初めてだったので家探しの時は「とにかく新築が良い!」と思っていましたが、1年以上住んでみると気持ちの余裕も生まれ、住宅についての知識や視野も広がっていくものです。中古住宅の購入を考えている方は、今回のアンケート結果をご自身の条件と照らし合わせて、ぜひ参考にしてみてくださいね。【参考】※スマイスター総研【調査】中古住宅は「価格」と「周辺環境」で決まる!※内閣府マンスリー・トピックス(最近の経済指標と背景解説)既存住宅を巡る現状について
2018年11月06日赤ちゃんが生まれてから、限られた期間しか使わないベビーベッド。「絶対に必要なの?」と購入に躊躇している方もいるでしょう。「買わなければいけないなら、中古でもOK?」と迷っている方に、中古ベビーベッドのメリット・デメリットについてご紹介します。中古ベビーベッドを買うのはあり?新品を購入するよりも安く手に入る中古品。ただ、赤ちゃんが使うベビーベッドを中古で済ますことに迷いがある方もいるのではないでしょうか。中古でベビーベッドを買うメリット・デメリット中古ベビーベッドの使用がありかなしかを判断するためには、メリット・デメリットを確認しておく必要があります。まずは、中古品のベビーベッドのメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。メリット中古ベビーベッドのメリットは、やはり「新品購入よりも購入費用が抑えられる」ことでしょう。場合によっては半額以下、無料に近いものを手に入れられることもあります。ベビーベッド自体は赤ちゃんの安全を守るために必要なもの。「ベビーベッドを用意したいけれど、予算面が厳しい」という方にとっては、中古ベビーベッドはいい選択肢だといえるでしょう。デメリット一方、中古ベビーベッドのデメリットは以下の3つ。安全性の確認が大変使用感や衛生面が気になるカラーやデザインに制限があるひとくちに「中古」といっても、そのベビーベッドがもともといつ販売されていたものなのかを知ることは困難。いくら丈夫なベビーベッドであっても、経年劣化を完全には防げません。ひび割れや膨張による隙間がないかなど、中古ベビーベッドを使用する際には必ず安全性を確認しておかなければいけません。2点目は衛生面。いくらクリーニングをしているといっても中古品であることに変わりはありません。傷がついていたり、「誰が使ったかわからない」ことに抵抗を感じる方もいるでしょう。3点目は商品選択の幅の狭さです。リサイクルショップにあるものから選ぶことになるため、希望通りのベビーベッドが見つからないことも珍しくはありません。ブランドやデザイン、カラーにこだわりがある方は、新品の方が探しやすいでしょう。中古で買う時に注意したいポイント中古でベビーベッドを購入する際は、まず何よりも信頼の置けるショップを選ぶことが大切です。特に、実物を実際に目で見て確認できないネット通販やフリマアプリを使用する際は要注意。実際に、「ひび割れがあった」「床板が枠から外れていた」「柵と柵との間に隙間があった」という事例もあるのです。赤ちゃんの安全のためにも、「できるだけ実店舗など見て選べる購入先を選ぶ」「商品の状態を写真などで丁寧に紹介している店を選ぶ」ようにしましょう。また、忘れてしまいがちなのが取扱説明書の有無。分解・組み立てに取扱説明書は必要。現代ではネット上で取扱説明書をダウンロードできるメーカーもあります。もし中古ベビーベッドに付属していなければ、該当ベビーベッドの取扱説明書がメーカーサイトにあるかどうかを確認しておきましょう。 中古ベビーベッドの相場中古ベビーベッドの値段は、4,000~1万円程度が相場です。ネットショップでは、ショップごとに定めた状態ランクを提示しているところが多く、価格はそのランクによっても異なります。なかには「ひび割れ補修済み」といったものもありますが、いくら補修したたとしても一度壊れているものを選ぶのは危険。価格が安くても避けた方が無難です。送料は別途必要な場合が多いのも特徴。2,000~5,000円程度が商品価格にプラスされます。送料を加算した結果、新品とあまり価格差がなかったということも。中古ベビーベッドの購入を検討する際は、送料の計算も忘れずに! 中古ベビーベッドを購入するには中古ベビーベッドを見るときの注意点を確認したところで、実際に中古ベビーベッドの購入する際の方法・購入先についてご紹介します。リサイクルショップ(実店舗)実店舗は、実際に商品を目で見て確認できるのが最大のメリットです。部品の不足や欠損がないかをきちんとチェックできますよ。在庫の有無はそのときにより異なるため、事前に問い合わせてみてもよいでしょう。組み立てた状態で展示販売されているため、持ち帰り時には一旦分解するか、そのまま持ち帰る必要があります。車で持ち帰れない場合は、配送サービスの実施の有無も忘れずに確認しておきましょう。リサイクルショップには、総合型リサイクルショップのほか、子ども用品専門のリサイクルショップもあります。品揃えが豊富なのは専門リサイクルショップです。数軒足を運ぶことで、相場や品揃えの豊富さを確認できるでしょう。一部店舗をご紹介します。オフハウス新古書店のブックオフが展開している家具などのリサイクルショップ。全国に店舗がある。リサイクルマート全国に店舗あり。マムズマート子ども用品専門のリサイクルショップ。全国に店舗あり。トイプラネットおもちゃ・ベビー・キッズ用品の専門リサイクルショップ。関東圏のショップ。リサイクルショップ(ネット)ネットショップは、自宅にいながらにして買いものでき、配送もしてもらえるのがメリットです。ただし、商品の状態がわかりづらいため、細かく商品状態を提示してくれているところを選びましょう。文面だけではなく、写真も合わせて掲載してあれば尚よしです。返品・キャンセルは原則不可。到着後に不備があった場合のみ対応してもらえるため、商品が届いたら、すぐに事前に書かれていたこと以外の故障・不備がないかをチェックしましょう。ママズストア(楽天)商品写真数枚に加え、独自の状態ランクを表示しています。購入ページに「ひび割れ補修」等のコメントが書かれているため、きちんと確認した上購入しましょう。あいらぶギフトベビー(楽天)昭和56年からベビー用品のレンタル・リユースを行っている業者。リサイクル品として販売されているものの多くは、レンタル品から流れてきたもののようです。フリマアプリ個人同士がやり取りできるフリマアプリでも、ベビーベッドが中古で手に入れられます。フリマアプリでは、個人から購入することになるため、初期不備に対しての保証等がきちんとなされているわけではありません。業者のようなクリーニングも行えないため、清潔感が気になる方にとってはデメリットが大きく感じられるでしょう。気になることは購入前に質問し、やり取りの内容を踏まえ、信頼できると感じた相手から購入するといった自衛策が必要です。フリママベビー・キッズ用品専用フリマアプリ。送料無料で出品されているものも。メルカリメジャーなフリマアプリ。ベビーベッドなど赤ちゃん用品も出品されています。その他、ヤフオクなどのオークションサイトもアプリで利用できます。 レンタル後に買取できるサービスもおすすめそもそも、いきなり中古のベビーベッドを購入することに迷いがある方は少なくないでしょう。そうした方におすすめなサービスが、レンタルサービスです。ベビーベッドをレンタルしている業者のなかには、気になるベビーベッドをレンタルしたあと、気に入ったら購入に切り替えられるサービスを用意しているところがあるのです。新品レンタル・中古レンタルの両方があり、購入を希望する場合、それまでのレンタル費用が販売価格から差し引かれます。購入を希望しない場合は、そのまま返却すればOK。中古ベビーベッドの場合も、一度安全性などを確認できるのがメリットですね。愛育ベビー新品・中古共にあり。購入時には新品価格・ユーズド価格からレンタル費用を差し引いた金額を支払います。 安全性が最優先!実物をチェックできる手段が安心費用の安さに目がいってしまいがちですが、大切なことは「安全性」。事故やケガを引き起こさないためにも、信頼できるショップで購入しましょう。不安な方は、実物をチェックできる実店舗が無難です。チェックする際は、わずかなヒビがないかなど、くまなくチェックしてくださいね。 参考:町田市東京くらしWEB
2018年11月04日都内の便利な場所に中古物件を買って、リノベーションして住みたい。そんなNさん夫妻が選んだのは、東急線の3駅が徒歩圏内の住宅街の一角。建物の雰囲気や管理状態のよさを気に入り、見晴らしのよい52平米の角部屋を購入しました。設計は、アパレル会社で店舗ディスプレイの仕事をしている妻がベースを手がけ、コンパクトな空間を無駄なく使えるプランに。リノベーションは大和工芸に依頼し、妻の設計をベースに工事費800万円(税・設計料込み)で理想をすべて詰め込んだ空間を手に入れました。■ オープンスタイルのキッチンで開放感あるLDKに物件の専有面積は約52平米。もうすぐ第一子が誕生する夫妻にとっては決して広い面積ではありませんでしたが、コンパクトな空間を無駄なく使えるよう知恵を絞りました。玄関を入ってすぐの場所にあるキッチンは、吊戸棚をつくらずオープンスタイルに。その代わりにザ・コンランショップで購入したバスケットやイケアの棚を壁に取り付けて、見せる収納で収納量を確保しました。ヘンリボーンの床にマッチしたダイニングセットは、北欧のデザイナー 、イルマリ・タピオヴァラのヴィンテージ品なのだそう。既存の天井を抜いて高さを出し、躯体現しにすることでさらに広さを感じられる空間に。梁には薄いグレーのクロスを張ってアクセントにしました。「この梁がリビングとダイニングを緩く分けてくれて、結果的に空間にメリハリが生まれました」と夫。入居当初はテレビを置く予定はなかったそうですが、妻の妊娠を機に購入。飾り棚を利用して、AV機器をうまく収めています。LDKには、妻が「絶対確保したかった」という待望のウォークインクローゼットを設置。ゲストルームを最小限の広さに抑えたことで、約50平米の間取りでもこのスペースを実現できました。■ 寝室はあえてつくらず、唯一の個室はゲストルームにあえて寝室をつくらず、リビングの一角をベッドスペースにしました。ベッドは無印良品のスモールサイズを2つ並べて配置。レイアウトによって分けて置いたり、子どもが成長したら買い足したりできるなど、自由度を考えてのこと。床はナラの無垢フローリングをヘンリボーン張りにして、通常のフローリングよりも空間が表情豊かな仕上がりに。床材はショールームで確認し、幅や長さにもこだわっています。また、ベッドサイドの高い位置にコンセントを取り付け、スマートフォンの充電がしやすいように工夫。スイッチ類も、空間に似合うシンプルなデザインにこだわって選んでいます。室内のアクセントにもなっているグリーンのディスプレイ。ベッドスペースにまとめておくことで、大ぶりな鉢植えでも圧迫感がありません。ベッドスペースのとなりにある、唯一の個室はゲストルーム。親族や友人など来客が多いため、コンパクトながらもベッドを置いて泊まれるようにと、約3.5畳の空間を確保しました。「この部屋だけ、かわいいインテリアにして楽しんでいます」と妻。■ 省スペースを追求した玄関と水まわり玄関は限られたスペースを活用するために下駄箱はあえて造作せず、オープンな収納棚に。玄関の先にあるキッチンの対面には、キッチンと同じ高さの棚を購入して設置。ダイニング側からは見えないようになっていて、ごみ箱や食器類はこちらに収めています。サニタリースペースへはLDKからアクセスしやすい位置に。アメリカンな雰囲気が気に入っているというドアノブは、輸入建材ショップ、ジェイマックスで購入しました。インターホンは壁の色に合わせて黒をチョイス。洗濯機、トイレ、洗面台はひとつの空間にまとめることで、ゆったりしたスペースを確保。収納は造作せず、棚や収納ボックスを活用しました。3in1のサニタリーに続く浴室は、パナソニックのシステムバスの中でも最もコンパクトなタイプを採用しています。実際に住んでからのインテリアは、妻の膨大な情報収集の賜物。仕事柄、普段から「ピンタレスト」や「インスタグラム」などを活用して国内外のインテリア画像を収集しているという妻が先導して、夫妻好みのインテリアに仕上げています。工務店とそのイメージを共有しながら、ニューヨーク風リビングと北欧風ゲストルームを実現。約52平米というコンパクトな箱に、叶えたい事すべてを詰め込んだN邸でした。このリノベーションをもっと詳しく見たい方は、ぜひ「リライフプラスvol.19」も参考にしてみてくださいね。※物件価格、工事費、ご家族の年齢等は取材時のものです。設計・施工大和工芸撮影山田耕司
2018年11月01日