生後10日で高熱を出した赤ちゃん。病院へ連れて行く際に付き添ってくれた義母が、そこで信じられない一言を放ったという体験談です。 生後10日ほどで高熱を出してしまった息子。念のため総合病院で検査をすることになり、近くに住んでいる義母が付き添ってくれました。付き添ってくれたのはうれしかったのですが、そこで耳を疑う一言を聞いたのです⋯⋯。 生後10日で高熱!第三子となる息子が生まれ、無事退院したのも束の間。39度近い高熱が出て、口内炎のようなものがたくさんできてしまい、哺乳もままならない状態に。かかりつけの小児科に行ったものの、まだ生まれて10日ほどしか経っていなかったため、念のため総合病院で検査してもらうよう言われました。3人目の子どもとはいえ、生後10日で高熱を出すことは初めてだったので、さすがに不安になりました。 義母が付き添ってくれることに……そのことを義母に話すと、心配だからと付き添ってくれることに。不安も募っていたため、付き添ってくれるのはとてもありがたいし、心強く感じました。 そして総合病院の小児科で検査するべく待合室に座って待っていると、診察の順番が来たことを知らせる画面に息子の名前が表示されました。そのとき、義母が信じられない一言を放ったのです。 それ、今言う必要ある!?画面に表示された息子の名前を見て義母が言い放ったのは、 「やっぱり、なんか格好悪い名前よね〜」 ⋯⋯一瞬、何を言っているのか理解できないほど衝撃的な一言でした。 診察を受けながら少しずつ怒りが込み上げてきて、「そう思っていたとしても、今この状況で言う必要ある!? 」 と、心のなかでイライラが募りました。 検査は無事終わりましたがその日に結果に出ず、なんだかモヤモヤした1日でした。 その後、検査結果をひとりで聞きに行き、異常は特になく、息子の体調もよくなりました。 病院での一件以来も、義母はまったく悪びれた様子もなく接してきますし、孫のこともかわいがってくれています。義母の好みの名前ではないという本音が、とっさにポロっと出てしまったのでしょう。名付けたばかりでその名前を否定されるのは正直悲しいものがありましたが、状況的に私も少し気にしすぎてしまった部分があったと思います。今後はあまり細かい発言は気にせず、義母とは良い関係を保ちたいと思います。 イラストレーター/まっふ著者:松本寛子結婚を機に地方へ引っ越し出産。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2023年07月27日想像力が豊かに。4歳頃の心と体の発達、社会性子どもは4歳から6歳頃にほとんどの運動機能を一通り獲得すると言われています。心の発達とも相まって、周りから何も言われなくても、朝起きて着替えてトイレに行き、ごはんを食べるなど、自立が進んでいきます。友達とは言葉を使って気持ちを表現し、その中で団結したりけんかしたり仲直りしたりを繰り返して社会生活の基礎的な力を育てていきます。こうして小学校就学を迎えます。4歳頃になると、多くの子どもは体を思ったように動かす力がつくのと同時に想像力が豊かになり、自然の中にあるものや身近なもので遊ぶようになります。友達との関係は、同じ目的をもって行動したり、ただ楽しいだけでなく、不安や葛藤など複雑な気持ちも経験します。ただ歩く・走る・手足を動かすというだけでなく、全身のバランスのとり方がうまくなり、片方の足だけで立つ・跳ぶこともできるようになります。手先は、ひもを通す、はさみを扱うなど、より器用な動きができるようになり、絵を描いたり、粘土や空き箱などを組み合わせて、想像しながら作品作りもします。また、遊びながら声をかけるなどのように、並行して同時に2つの行動ができます。手足を使い、見たり触ったりしながら、水遊び、砂遊びをしたり、花を摘み、虫を観察するなど、自然の中にあるものや身近なものに興味が出てきます。大人から見ると、危ないと思う場面もあるかもしれませんが、自由な感性に任せて遊ぶことで、色彩感覚や身体感覚を育んでいくので、心配かもしれませんが安全に気をつけて見守っていきましょう。ますます語彙は増えていき、想像力も豊かになり、現実に起きたことと絵本で見たことなどを重ね合わせたりしながら、遊びの世界を広げていきます。また、おばけやこわい夢、一人になったときの不安感など、「こわい」という感情も芽生えていきます。友達と言葉を介して同じ想像の世界を繰り広げる、ごっこ遊びを行うようになってきます。自分は周りの人にどう見られているのか、という自意識が芽生えます。その中で、周りの人に褒められたり励まされたり、共感したりしながら、人の気持ちを理解するようになっていくでしょう。友達と一緒に遊ぶことが楽しくなるのと同時に、競争する気持ちも芽生えてけんかも多くなります。「悔しい」という感情を経験しながらも、友達が言うことに従ったり、あるいは自分の言うことを受け入れてもらったりします。こうして、ただ楽しいだけでなく、一緒に遊ぶ中で複雑な面白さを覚えていく時期でもあります。自立性が育つ。5歳頃の心と体の発達、社会性5歳頃になると生活に必要な身体能力はほぼ整い、自分の身の回りのことを大人に言われなくても一通りできるようになります。友達との関わり方も複雑になっていき、ただ楽しいだけでなく、競争心が生まれ、その中で切磋琢磨しながら育っていきます。5歳頃になると、大人が行う動きのほとんどができるようになります。鬼ごっこのような一定の制限やルールの中で体を動かすような遊び方ができます。手先の動きでは、ひもを結ぶ、雑巾を絞るといった生活に必要な細かい動作ができるようになり、さらに、包丁やのこぎりなど危険性が伴う道具を大人の助けを受けながら扱うことができるようになります。自主性や自立性が育ちます。身の回りのことができる身体能力がついたことで、食べる、着替える、トイレに行く、運ぶ、片づけるなど、朝起きてから夜寝るまでの行動がほとんど一人でもできるようになります。大人に指示されなくても、だいたいの一日の流れを分かって行動できます。自分のことだけでなく、相手の気持ちになって考えたりする感受性も身につけます。人の役に立ち褒められることが嬉しく、誇りをもってお手伝いをするようになります。友達と過ごす中で、自分の気持ちを伝えたり相手の気持ちを理解したりするために言葉によるコミュニケーションが重要になっていきます。ルールを理解して集団遊びをしたり、活動したりするときにそれぞれが「役割」をもっていることを理解して行動します。そのためにはルールを守る、約束を果たすことが大事だということも学び始めます。また、すぐに大人に頼らないで、子どもたちで解決しようとする様子が見られるようにもなります。こうして、社会生活に必要な基本的な力を身につけて、これまでは個々の成長だったものから、集団の中での成長へと変化していきます。就学前に何ができるようになる?6歳頃の心と体の発達、社会性自分が思ったように体を動かし、友達とのかかわりが生活の大事な部分を占めるようになる6歳。次第に社会的、科学的なことに興味を持つようになり、世界が広がっていきます。大人に甘えながらも、外へ向かって経験を積んでいくのが6歳代です。身体機能が成熟し、さらに体力もついてくることから、活発に動きまわります。ボールを蹴りながら走ったり、跳び箱のようにいくつもの連続した動作を組み合わせるような運動ができるようになります。手の動きはさらに細やかになり、頭でイメージしたものを描いたり、思考しながらダイナミックに表現していく楽しさを覚えていきます。特別に教えなくても、自分から文字を書いたり読んだりするようになります。ニュースなどの社会的な話題や、自然現象などにも興味を持ち始め、自分の好きなジャンルの図鑑を見たりするなど、学ぶことの面白さが芽生えていく頃です。自分と自分以外の人は違う、ということを意識し始め、周りの人の特徴や個性を感じとりながら関わるようになっていきます。子ども同士の集団的な遊び方が活発になります。遊びの中で役割が生まれ、より複雑なルールを自分たちで考えます。こうして、社会生活をしていくときに大事な自主性と強調性を獲得していき、就学へとつながっていきます。参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省参考:<参考> 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:東京都こども医療ガイド|東京都福祉保健局4歳、5歳、6歳の発達チェックリストー運動・心と言葉・社会性の目安Upload By 発達障害のキホン参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省発達に遅れや凸凹がある?通院の目安や、保護者ができること4~6歳頃になると、自己免疫力も高まり、頻繁に高熱を出すことも減ってくるでしょう。とはいえ、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、溶連菌、麻疹、水ぼうそう、おたふく風邪、ウイルス性/細菌性胃腸炎などの感染力が強いウイルスや細菌には注意が必要です。身体機能的には、手洗い・うがい、体を清潔にすることは自分でできる年齢になってくるので、習慣化を心がけましょう。ただし、けいれんを繰り返す、急に意識がなくなる、手足が動かない、慢性の頭痛を繰り返す、一度できたことができなくなるなどの症状がみられる場合には、かかりつけの小児科医や病院を受診してください。参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省(7ページ)参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|こども家庭庁参考:白河市 保健福祉部こども支援課発達の遅れや、言葉や発語が遅いと感じたときは、小児科医や地域の相談窓口で相談しましょう。また、5歳の前半に5歳児健診を行なっている自治体があります。気になることを相談するチャンスとなります。5歳児健診でチェックすること5歳児健診では、保健師などの専門家による問診をしながら、子どもの体の動かし方やコミュニケーションの様子、言葉の発達の様子などをみていきます。健診では次のような項目があります。・保健師による問診・身体計測・視力検査・医師・保健師・担当保育士による診察・集団遊びや工作などをさせて、様子を観察・個別の歯科衛生士による歯科相談、栄養士による栄養相談このほかにも、保育士、保健師、臨床心理師、教諭などによる個別の相談ができます。3歳児健診では特に問題ないと言われたけれど、5歳児健診で発達障害の可能性を指摘されることがあります。また、数字や文字を読んだり書いたりができるようになってくる年齢でもあるので、教育相談の場も設けられているのが、それまでの乳幼児健診とは違う点です。正式に診断できるのは就学後ですが、学習障害の可能性を指摘されることもあります。もし、子どもの発達で気になることがあったら、また、育てにくいと感じていることがあったら、健診時に保健師さんなどに相談してみるといいでしょう。また、健診が行われていなくても気になることがあれば、まずはかかりつけの小児科や病院で相談してください。また、地域の相談窓口に行ってみると、心理や医療の専門家に相談できるので、困っていることが解決される糸口が見つかるはずです。地域の相談窓口地域の相談窓口がどこにあるかは、5歳児健診の際や自治体の役所に問い合わせましょう。主な相談窓口としては次のような場があります。健診や発達相談などを行うセンターで、健康や保育に関するさまざまな相談窓口です。引っ越したばかりなど、どこに相談していいかわからない場合にも地域医療を紹介してくれる場にもなります。保健センターと同様に公的機関ですが、子どもの発達支援に特化した窓口となります。発達相談をしたのちに、児童発達支援センターでもっと具体的な子育てについての相談などができます。就学時健診とは別に、発達が遅れていると感じられる子どもの場合、就学先をどこにするのかを、地域の教育委員会と相談していくプロセスが就学相談です。子どもの様子や状況に合わせて、通常学級なのか、通級指導教室(地域によっては特別支援教室)や特別支援学級、特別支援学校なのか、地域の選択肢の中でどこに就学するのが良いかを、面談や診察、学校見学などの機会を重ねながら決定していきます。就学時健診のように自治体からお知らせが届くものではないので、保護者が直接、教育委員会に連絡して申し込むか、保育園・幼稚園を介して申し込む必要があります。参考:軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル|平成18年度 厚生労働科学研究「軽度発達障害児の発見と対応システム およびそのマニュアル開発に関する研究」4~6歳の発達の遅れが気になる子どもへの家庭でできる関わりとは発達の遅れが気になる子どもを育てるときに、保護者としては不安があるとともに、日々の生活の中で子どもにどう接していいかわからないといった困りごとがあります。下記は代表的な3つの困ることについて、どうしたらいいかのアドバイス例になります。1. 落ち着きがない家庭で、音や光の刺激が多いようだったら、改善しましょう。大きな音でテレビがつけっぱなしだったり、長時間、場面展開の早い動画を繰り返し見ていたりしているようなら、見たい番組が終わったらスイッチオフにする習慣をつけましょう。また、音量も適切かを確認しましょう。2. 癇癪を頻繁に起こす自己主張する力よりも自己抑制する力のほうがゆっくりと発達する傾向があります。このため、4~5歳頃は、自分がしたいことがあってそれを押さえられないというギャップから強い癇癪を起すことがあります。何回も何回も、「こうすればなんとかうまくいく」という経験を積んで、見通しをもてるようになることが大切です。また、予定が見通せるように、1日のスケジュールを伝えたり、これが終わったら次に何ができるのかということを伝えたりするといいでしょう。3.指示が伝わりにくい言葉の発達に合わせて、子どもが分かる言葉遣いで伝えましょう。また、聞こえてはいても話し言葉で伝わりづらく、絵や数字など視覚から分かるようであれば、カードやメモを使う方法もあります。また、「だめ」と叱られることが、子どもにとっては大人に反応されて「面白い」と感じることになってしまうことがあります。大人が禁止すればするほど、悪いことをしたがるような場合は、叱らずにしばらく無視しておくことも効果的です。見ないようにしたり、取り合わないようにしたりするうちに、子どもは「これでは気を引くことができない」と気づくとやめます。まとめ体が自在に動かせるだけでなく、体力がついていく4~6歳代。自分の身の回りのことは自発的にできて、遊びの幅も複雑さもぐんと成長します。小学校入学も視野に入ってくる分、発達が遅れているかもと気になる面も多くなるかもしれません。その子らしさを見守りながら、周りの人や地域の相談窓口をうまく活用していくことをお勧めします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年07月27日自閉スペクトラム症とADHDのある子ども発達障害の専門家が出会った発達が気になる子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、自閉スペクトラム症とADHDの診断がある子どものエピソードです。保育園での暴言や集団行動の苦手さ、家庭での反抗的な態度に困っていた保護者の話を聞いて小児科医は…。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談解説:お子さんの年齢や状況に合わせた選択の重要性--小児科医今回は、自閉スペクトラム症とADHDのある子どものエピソードをもとにお届けしました。お子さんの年齢や状況に合わせた選択について解説します。お子さん・保護者に対して当クリニックの初診が5歳だったこともあり、6歳以上から開始できるADHD治療薬は当初使えませんでした。そこでまずは、情緒の安定や自己コントロールを促すために音楽療法から始めました。6歳を過ぎてからADHD治療薬や抗精神病薬などの服薬を開始。保護者の方の関わりも重要であることから、ペアレントトレーニングのプログラムに参加してもらいました。お子さんは服薬を続けていたものの抵抗性が見られたことから、小3からソーシャルスキルトレーニング(SST)を開始しました。学校に対して学校側の神経発達症(発達障害)に対する理解を得るために、医療支援ファイルで連携を試みました。すぐに成果は得られませんでしたが、新しい担任の先生がお子さんに向き合ってくれるようになりました。まとめ今回のように、学校側の理解を得るのが困難な場合が多くあります。学校への働きかけを続けながらも、お子さんの「今」をしっかり見つめ、地道にトレーニングや支援、服薬などを行っていくことが大切です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月24日3歳ごろの子どもの心と言葉の発達とは?「おはよう」「ありがとう」などの挨拶を含め、コミュニケーションに必要な言葉をたくさん獲得し、言葉で人と関わる体験を積んでいきます。知的好奇心や観察力が高まって、「なぜ?」「なに?」と、ものごとの仕組みを知りたがります。自分で多くのことができるようになり、着替えや片づけなど生活習慣に関しても、身体機能の発達と共に上手にできるようになることで、「何でも自分でできる」という思いが高まります。このことから、大人が手助けしようとするといやがる場面も見られます。3歳ごろの友だちとのコミュニケーション友だちと一緒に遊ぶようになりますが、ただ隣にいて同じ遊びをして過ごすこと(平行遊び)がまだ多いでしょう。友だちとは遊具を介しての関わり方が多いため、おもちゃの取り合いなどでけんかするといった関わり方が見られます。それも、だんだんに友だちと分け合ったり、順番待ちしたりを覚えていくことになります。また、友だちがふざけていると一緒にふざけるといった様子も見られます。こうした経験を重ねていく中で、だんだんとほかの子どもとの関わりが、子どもの生活や遊びに大切なものとなっていきます。やがて平行遊びから、共通したイメージを持てるようになると、ごっこ遊びを楽しむようになっていきます。3歳ごろの子どもの体の発達や食事、排泄の目安3歳ごろの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:88.8~105.8cm/女児:87.7~104.5cm・体重男児:11.72~18.82kg/女児:11.04~18.27kg歩く、走る、跳ぶ、転がる、ぶらさがる、またぐ、蹴るといった基礎的な動作ができるようになります。手の動きとしては、押す、引っ張る、投げる、そっと動かすなどができるようになることで、生活に必要な基本的な動作が一通りできるようになります。さまざまな体の動かし方をやってみることで、自分の体のコントロール方法を学び、自分の身体感覚を獲得していきます。身体機能と相まって、食事や排泄はほとんど自力でできるようになります。フォークやスプーンを使ってこぼさないように食事をすることができ、箸を使うことに挑戦できるようになる子どももいます。味や食感の好き嫌いには個性がありますが、成長と共に食べられるものが増えていくと考えて、嫌いなものを強要しないようにします。家族と一緒に楽しく食べることを大切に考えたい時期です。排泄は、感覚機能と言葉と身体機能の3つが成長することで、ほぼ自分でできるようになります。ただ、間に合わなくて漏らしてしまうなど失敗や、おしりをうまく拭けないなど、まだ完璧にはできないこともあります。失敗しても決して叱らず、できたときに褒めて、だんだん成長するのを待ちましょう。心、言葉、コミュニケーション、粗大運動、微細運動の成長目安は?3歳児発達チェックリストUpload By 発達障害のキホン通院の目安や、3歳児健診の検査項目、「もしかして発達障害?」と感じたら参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省友だちと一緒にいることが多くなることで、発達の遅れが見えやすくなってくるかもしれません。どんなところがポイントとなるのでしょうか。3歳になると、幼稚園に通い始める子どもも多いでしょう。体力や免疫力は赤ちゃん時代よりもあるとはいえ、新しい集団生活が始まると、初めて出遭うウイルスや菌によってさまざまな感染症に次々とかかることがあります。風邪やインフルエンザ、夏風邪と呼ばれるヘルパンギーナ、アデノウイルス、手足口病など、また、おたふく風邪や麻疹、りんご病、水ぼうそうなどもあります。いずれも、発熱する病気では、急激に体温が上がることがあります。感染症以外に、アトピー性皮膚炎、虫刺され、水いぼ、とびひなどの皮膚の病気もあります。ご自宅でのスキンケアでなかなかよくならない場合には、小児科、皮膚科に相談しましょう。また、病気だけでなく、動きが活発になり行動範囲が広がる分、ケガにも注意が必要です。怪我や事故にならないような環境を整えていきましょう。3歳児健診では尿検査を行いますが、腎炎・ネフローゼ、糖尿病などの病気の一部を発見するために重要な検査です。尿検査の尿が出せない場合などは、かかりつけの小児科に相談しましょう。突然意識がなくなったり痙攣が起きたり、動作停止してぼーっとする「てんかん」などにも注意が必要です。(7ページ)参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|こども家庭庁参考:白河市 保健福祉部こども支援課3歳代では、3歳児健診があります。3歳児健診では、身体の発育状況や病気の有無と共に、精神遅滞や発達障害などを視野に入れて観察します。この健診はテストではなく、その子の状態を知ってその後に生かすために行われます。・身体測定・視力検査・聴覚検査・歯科検診・尿検査・行動観察・診察(身体の発達、心や言葉の発育)・問診・保護者への質問など子ども本人への問診のほかに、保護者への質問があります。子どもの普段の様子から、育児について保護者が疲れすぎていないかといったことも聞かれるでしょう。それと同時に、健診の間の子どもの様子なども観察をしています。検査項目や子どもの様子などに気になる点があったからといって、すぐに発達が心配されるわけではありません。また、その日だけの様子ではなく、家庭での様子が大切になります。こだわりが強くてひどい癇癪を起こす、気に入らないことがあると泣き叫ぶ、友だちと一緒にいても関心を示さない、家族以外の人となかなかなじめず集団行動が難しい、などといった傾向が普段から見られるようであれば、3歳児健診の際に相談をしてみましょう。健診の際に相談できなかったときは、次のような相談先で、相談をしてみるのもよいでしょう。発達が遅れているかも?と思ったときの相談先もし発達の遅れが見られるときには、かかりつけの小児科医でまず相談してみましょう。あるいは、次のような地域の相談窓口を活用しましょう。公的機関であり、健康や保育に関する地域の相談窓口のような場所です。各種の健診、発達相談などを行っています。引っ越したばかりなど、どこに相談していいか分からない場合にも地域医療とつながる最初の窓口となります。保健センターと同様に公的機関ですが、子どもの発達支援に特化した窓口となります。発達相談をしたのちに、児童発達支援センターでもっと具体的な子育てについての相談などができます。参考:児童発達支援センターの位置づけについて|厚生労働省参考:国立障害者リハビリテーションセンター参考:軽度発達障害児の出現頻度:8.2~9.3%5歳児健診で発見された児の半数以上は3歳児健診を通過していた|厚生労働省家庭でできる関わり地域の相談窓口に行くことで解決の糸口を見つけると同時に、日々の生活の中でできることもあります。自己主張をするのは成長したからこそと分かってはいても、言うことをなかなか聞いてくれなかったり、また何度説明しても「なぜ?」「なに?」と聞かれると、大人もイライラして余裕がなくなってしまうかもしれません。つい叱りたくなるかもしれませんが、そんなときは、一時的にその場を離れる(違う部屋やトイレに行く)、深呼吸を数回する、水を飲むなどして、大人の側が気分転換を試みましょう。子どもに声をかけるときには、自分自身の心を落ち着けるためにも、穏やかな口調で、子どもの視線の高さに合わせて、子どもの目を見て話します。静かな声で、危険なことなどやめてほしいことをしたときにはきっぱりと、褒めるときにはやさしく話します。自分の気持ちがうまく説明できない様子の子どもには、「○○したかったんだよね」「○○な気持ちだったのね」と共感しながら話します。保護者としてこうした心がけをしたくても、あまりに動きが激しくて追いかけきれない、すぐに癇癪を起こして手がつけられなくてヘトヘトになるといった場合には、やはり小児科や地域の発達相談で相談しましょう。まとめ体も心もできることの機能がととのい、周りの人と自分の区別がついてコミュニケーションを楽しめるようになってくる3歳代。友だちと一緒にいることが増える時期だからこそ、少し気になることにも気づきやすい年齢です。体力的にも運動能力的にもますます成長するころだからこそ、保護者が振り回されてしまうこともあるかもしれません。頼れるところを見つけて、家族だけでなく、多くの目と手で子どもを育てていきましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年07月23日2歳0ヶ月~2歳6ヶ月のごろの子どもの体・心・言葉の発達とは?見た目にも、さらに子どもらしく成長していく2歳代。個人差はありますが、子どもとして一通りのことができるようになる一方で、すべて自分が思った通りにはいかないこともだんだん分かってくる1年間の成長ぶりを、2歳6ヶ月ごろまでと、それ以降に分けて解説します。Upload By 発達障害のキホン参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省2歳0ヶ月~2歳6ヶ月のごろの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:81.1~92.5cm/女児:79.8~91.2cm・体重男児:10.06~14.55㎏/女児:9.30~13.73kg自我が芽生えて、自分が思ったように行動したがります。すると、手をつなぎたがらなかったり、なんでも「いや」と言うことも増えていきます。自分でしたいのにうまくできないことがあると泣いたり怒りしたり、嫌なことがあるとまったく動かなくなったりもします。語彙がぐっと増えて、「かわいい」「楽しい」など、自分が思ったことや状況を言葉にして伝え始めます。まだ文字は読めませんが、お気に入りの絵本の内容をよく覚えていて、まるで読んでいるかのように、内容をひとりでおしゃべりすることもあります。積み木やブロックをいろいろな形に見立てて組み立てたりするようになります。また、友だちのことを認識し始めて、名前で呼ぶようになり、追いかけっこをしたり、一緒に遊ぶようになります。身体機能はますます発達して、走ったりジャンプしたり手すりにつかまらずに階段を上り下りできたりと、体を自在に動かせるようになります。ボールを投げたり蹴ったり、遊具を使った遊びも上手になります。三輪車にまたがって、地面を蹴って進むなど全身のバランスをとった動きもでき、音楽に合わせてダンスや体操もします。手先を自在に動かせるようになると共に身の回りのことができるようになります。手先は細かい動きができるようになり、スプーンを使って食事をしたり、クレヨンでぐるぐる円を描いたりすることができるようになっていきます。2歳6ヶ月~3歳ごろの子どもの体・心・言葉の発達とは?Upload By 発達障害のキホン2歳6ヶ月~3歳ごろの身長・体重は以下が目安となっています。・身長男児:85.2~97.4cm/女児:84.1~96.3cm・体重男児:10.94~16.01㎏/女児:10.18~15.23㎏赤、青、黄色などはっきりした色の区別が分ります。大きい小さい・長い短い・同じなどの概念が分かるようになって、形合わせのパズルなどもできるようになります。大人の言うことになんでも「いや」という態度は、子どもによってはだんだん落ち着いてきますが、まだまだ「いや」と言うことも多いでしょう。友達とは平行遊び(一緒にいて同じ遊びをしていること)ですが、一緒に遊ぶようになり、友達の動きをまねしてふざけたり、ここにいない友達の様子を気にかけたりするようになります。自己主張は一層激しくなり、友達とおもちゃの取り合いなどのけんかもします。少し前の記憶を思い出せるようになり、「○○ちゃん(自分のこと)、パパと公園行ったの」といったことを話すようにもなります。デコボコ道や段差がある歩きにくい道も転ばずに歩いたり、平均台のような狭い台の上を横歩きしたり、20㎝くらいの高さならジャンプして飛び降りることができます。遊具を使った遊びでは、ジャングルジムによじ登り、鉄棒にぶら下がったり。三輪車などをこいで進むことができます。スプーンやフォークを使い分けて、ほとんどこぼさないで食べるようになります。クレヨンで形を描くだけでなく、「おはな」「ママ」「いぬ」など身近なものをイメージして描くようになります。2歳代の排泄の発達トイレトレーニングを始めるには、排泄をある程度ためてからできるようになること、言葉で体の状態を伝えるようになってできることの両方が必要で、体と言葉両方の発達が関係しています。このため、個人差は大きくありますが、だいたい2歳代ごろには、「おしっこが出そう」ということまで伝えられるようになり、多くの子どもがおむつを徐々に卒業します。ただ、2歳代では、小便はトイレでできても、大便はできないということも多いでしょう。間に合わないなどの失敗することはまだまだありますが、だんだんできるようになっていきます。通院の目安や、発達の遅れや育てにくさを感じた場合の相談の目安0~1歳代に比べて体力的に成長し、自己免疫も獲得していきます。それでも、保育園で流行するとインフルエンザ、RSウイルス、手足口病、アデノウイルス、胃腸炎などの感染症にはかかりやすいでしょう。外遊びが増えてくるにつれて、熱中症やしもやけといった、外気温の影響による症状も多くみられます。こうした病気や症状は、治る病気です。体力がついてきた2歳児にとって、そのときは苦しいかもしれませんが、小児科を受診して安静にすれば、ほとんどは回復します。ますます活発に体を動かすようになり、ころんだりぶつけたりといったケガも増えます。頭を打った、出血が止まらない、やけど、打ったところがひどく腫れる、などがあったら、すぐに受診しましょう。さらに、原因は病気でもケガでも、意識がない、呼吸がおかしい、痙攣を起こしているという場合には、救急医療に連絡してください。また、今までできていたことができなくなったり、したがらなくなったりという場合には、かかりつけの小児科で、まずは相談してください。参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省(7ページ)参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|こども家庭庁参考:白河市 保健福祉部こども支援課2歳代は、自分の意志がはっきりしてきて、身体能力としてもさまざまなことができるようになります。それでも、自分が思ったようにできないことや、大人に制限されることに対して、怒り泣きするようなことはよくあり、イヤイヤ期と呼ばれる所以です。それでも、特に次のような様子がみられる場合、発達について少し気にかけたほうがいい状況かもしれません。・癇癪同じことにこだわって、何時間もその場を離れられないなど、手がつけられなくなるほどの癇癪を起こす。・チック症、常同行動自分の意志とは違う様子で体の一部が勝手に動いてしまうチックや、同じ場所でくるくる回っているといった常同行動がよくみられる。・多動興味があるものに突進してしまう、突然走り出す。頻繁に迷子になる。・集団行動をしない、苦手極端に人見知りで、児童館など同じところに何度通ってもなじめない。ほかの子どもの様子にまったく関心がない。ひとり遊びが多く、ごっこ遊びや見立て遊びをしない。・夜泣き(夜驚症)眠っているのに突然泣き叫ぶ、抱っこしても、水を飲ませようとしても、わけも分からず泣き続けて、本人も覚えていない。・遊びたがらない手が汚れることを極端に嫌がって、砂や粘土などで遊びたがらない。こうした「様子が気になる」ことや「育てにくい」と感じることが多い場合は、一度発達相談で専門家に話をしてみるといいかもしれません。発達が遅れているかも?と思った時の相談先自治体で行われる乳幼児健診は、1歳6ヶ月の次は3歳児健診となり、2歳代はありません。でも、もし発達の遅れが心配されるときには、かかりつけの小児科医でまず相談してみましょう。あるいは、次のような地域の相談窓口を活用しましょう。公的機関であり、健康や保育に関する地域の相談窓口のような場所です。各種の健診、発達相談などを行っています。引っ越したばかりなど、どこに相談していいか分からない場合にも地域医療とつながる最初の窓口となります。保健センターと同様に公的機関ですが、児童発達支援センターは子どもの発達支援に特化した窓口となります。発達相談をしたのちに、児童発達支援センターでもっと具体的な子育てについての相談などができます。参考:児童発達支援センターの位置づけについて|厚生労働省家庭でできることあまりにいうことを聞かず、イヤイヤばかり言われると大人も疲れてしまうかもしれません。でもそこで感情的にならずに受け流すことも必要です。たとえば、着替えがイヤというときには、「どっちにする?」と選択肢を見せて子どもに選ばせたり、突然何かをさせるのではなく、「そろそろお水飲もうか」などと見通しが持てるような声かけをすることも大事です。大切なのはらないことです。叱っても状況が悪化することはあっても、収まることはほとんどありません。まずは子どもの気持ちに寄り添ってみましょう。寄り添うというのは、そのときのその子どもの気持ちを代弁することです。うまくできなくて怒ったら「おしかったね」、泣いていたら「かなしかったね」という具合です。「もう一回やってみようか」という誘いもよい方法です。ただ、こうしたことは、大人の側の心の余裕がないとできないものです。保護者だけで頑張ろうとしないで、保育園、児童発達支援センターなどで相談することが大切です。参考:国立障害者リハビリテーションセンターまとめ自分のしたいことと自分ができることのギャップから起こる「イヤイヤ期」真っただ中の2歳代。それだけ心身ともに成長している証でもあります。それでも、保護者として疲れ果ててしまうようならば、家族だけで解決しようとしないで、発達相談や地域の相談窓口をうまく活用して、早めに相談してみましょう。
2023年07月22日今回は、人気のマンガをクイズ形式で紹介します!マンガのストーリーがどんな結末になるか考えてみてくださいね。イラスト:文月チコ育児をしない夫主人公の夫は子どもの世話をまったくしません。ある日、主人公は子どもの咳が気になり、夫に一緒に病院に行ってほしいとお願いしました。夫は「え~」といって面倒くさそうな態度を見せます。子どもを連れて病院に…出典:CoordiSnap病院に着いても夫は主人公に文句ばかり言っています。さらにはとんでもないことを言い出しました。問題さあ、ここで問題です。子どもが体調不良時、病院で放った夫の問題発言とは?ヒント夫は子どもの世話は主人公だけがやるものだと思っているようです。みなさんは答えがわかりましたか?正解は…出典:CoordiSnap正解は「もっとしっかり面倒を見ろよ」でした。子どもの体調不良を心配する中、無神経な発言をする夫。どこまでも子どもに無関心な夫の言動に、怒りがこみ上げた主人公だったのでした…。子育てに無関心な夫にモヤっと…子どもの具合が悪いのに心配する様子を見せなかった夫。もう少し父親としての自覚を持ってもらいたいものです。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
2023年07月22日1歳代の成長・発達の経過を3ヶ月区切りで解説。1歳0ヶ月~1歳5ヶ月の発達チェックリストこのコラムでは、1歳代の子どもの成長について、3ヶ月ごとに区切って、成長の様子を解説します。体や言葉などの発達目安について紹介していますが、できるようになる時期には個人差があるので、その子どもなりのペースでできることが少しずつ増えていけば、多少の早い・遅いは気にしなくても問題ありません。Upload By 発達障害のキホン1歳0ヶ月~1歳2ヶ月ごろの子どもの体・心・言葉の発達とは?1歳0ヶ月~1歳2ヶ月ごろの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:70.3~81.7㎝/女児:68.3~79.9㎝・体重男児:7.68~11.51㎏/女児:7.16~10.90㎏0歳代の間に育んできた、特定の大人(主に保護者)との信頼関係を深めていきます。そのため、信頼している大人から少しでも離れると不安になって「あと追い」し、自分がよく知らない人には警戒するという「人見知り」の行動にもつながります。興味を持った物に手を伸ばし、ハイハイや伝い歩きで目標物まで移動して手で取ろうとし、手に持つと触ったりなめたりして確認します。このころになると、大人が注意をひくために何かを指さしたときに、その指ではなく指が指し示している先の物を見るようになります。まだ明確な意味のある言葉は話しませんが、声を出して喃語をしゃべり、信頼できる大人に自分の意思を伝えようとする行動も見られることがあります。こうして話しかけたとき、大人が「なあに?」「面白いね」など、反応を示すととても喜びます。自分の思いを聞いてくれたことに満足して、その大人との信頼関係がますます強くなります。立つことが安定して、初めの一歩が出るようになるころです。ただ、この時期には個人差があり、慎重な性格の子どもは歩き始めが遅かったり、好奇心旺盛な子どもは歩いたりハイハイしたりを組み合わせて、どんどん行動範囲を広げます。歩き始めの早い遅いよりも、つかまり立ち/立つ/1歩を踏み出す/歩くといったプロセスを、そのときどきでじっくりと経験していくことが大事とされています。それまで手のひら全体で物をつかんでいたのが、親指と人差し指を使って、細かい物をつまめるようになります。まだ道具を使って食事をすることはできませんが、手で食べ物をつかみ、つまみ、口元へ持っていき、自分で食べたがります。この「つかみ食べ」は、意欲をもって自立して食べられるようになるための大事なプロセスだといわれています。1歳3ヶ月~1歳5ヶ月ごろの子どもの体・心・言葉の発達とは?1歳3ヶ月~1歳5ヶ月ごろの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児: 73.0~84.8㎝/女児: 71.1~83.2㎝・体重男児:8.19~12.23㎏/女児:7.61~11.55㎏「ママ」「まんま」など、意味をわかって発する言葉が少しずつ出てきます。自分から、周りの大人や物と関わろうとして、自分の名前を呼ばれると返事をしたり、物の名前も覚え始めたり、歌に合わせて踊ったりします。人の真似をするようになり、人形を抱っこしてトントンと寝かせたりなどままごと遊びをします。保護者と触れ合って遊ぶのも好きです。大人が「ちょうだい」といえば持っている物を差し出したり、「どうぞ」と言われれば受け取ったりもします。こうして物を介したコミュニケーションができるようになります。多くの子どもは歩くのが上手になってきます。日に日に長く歩けるようになり、歩くこと自体を楽しみ、歩いて自分が行きたいところに行けることも楽しみます。いすや階段によじ登ったり、滑り台でも遊べるように。衣類の脱ぎ着をしようとすると、ズボンに足を入れようとしたり、自分で脱ごうと腕を動かしたりします。つまむ、つかむ以外にも、めくる動作ができるようなります。絵本などの大判の本のページをひたすらめくる様子もみられます。ボタンを押す、ハンドルを回すなど、少しずつ手首を回すような動きもできるようになっていきます。1歳半健診もある重要な時期!1歳6ヶ月以降の子どもの発達チェックリストUpload By 発達障害のキホン1歳6ヶ月~1歳8ヶ月ごろの子どもの体・心・言葉の発達とは?1歳6ヶ月~1歳8ヶ月ごろの子どもの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:75.6~87.9㎝/女児:73.9~86.3㎝・体重男児:8.70~12.96㎏/女児:8.05~12.21㎏発語がますます盛んになり、大人が言ったことを真似たり、語尾だけ真似したりしながら、言葉を増やしていきます。積み木を車などに見立てて動かしたり、「見立て」遊びをするようになります。安定してより速く歩けるようになり、多少の段差は乗り越えられるようになるので、それほど転ばなくなります。手指の動きも発達してきて、自分の手に合う大きさの容器のふたを開け閉めしようとします。食事では、スプーンをにぎって自分で食べようとしたり、フォークを使って食べ物にさして食べられるようにもなっていきます。クレヨンを持たせると、線を描いたり、大きなぐるぐるを描けるようになります。1歳9ヶ月~1歳11ヶ月ごろの子どもの体・心・言葉の発達とは?1歳9ヶ月~1歳11ヶ月ごろの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:78.1~90.7㎝/女児:76.6~89.4㎝・体重男児:9.19 ~13.69 ㎏/女児:8.49 ~12.90㎏着替えや靴をはくこと、食べること、なんでも自分でやりたい時期に突入します。でもまだできないことも多いので、泣いたり癇癪を起こしたりすることもあります。身の回りの物に名前があることを覚えて語彙が増え、「二語文」(「わんわん、きた」「ママ、いた」など主語と動詞の2つを組み合わせた言葉)を話せるようになっていきます。子ども同士で手をつないだり、真似をし合ったりして楽しむようになります。自分と他者の違いが少しずつわかるようになってきて、友だちの靴や帽子など持ち物をその子に渡そうとしたりもします。自己意識が芽生え始めます。長い距離を安定して歩けるようになります。その場でのジャンプができ、片方の足で体重を支えて、もう一方の足でボールを蹴ります。階段は手すりにつかまりながら、一段ずつ登れるようになります。道具を使って食べるのも上手になり、スプーンやフォークを使って、こぼしながらも口に運べる量が増えます。参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省参考:<参考> 0歳児から2歳児の発達過程|東京都教育委員会参考:東京都こども医療ガイド|東京都福祉保健局1歳でかかりやかすい病気とは?気になる兆候など保護者の育児休業が明けるタイミングで保育園に通い始める赤ちゃんも多いでしょう。初めての集団生活では、これまで出合わなかったたくさんの感染症と出合うことになります。風邪をはじめ、RSウイルス、手足口病、アデノウイルス、インフルエンザなど、さまざまなウイルスや細菌によって体調を崩しながら、少しずつ免疫を獲得していきます。また、生後6ヶ月から1歳ごろの間には突発性発疹を発症する子どもも多く見られます。集団生活を開始して、何度も熱を出すと心配になるかもしれませんが、熱のときのホームケアなどをかかりつけ医に相談しながらみていきましょう。何度も熱を出しても、重症化せずに元気になるようであれば、心配しなくても大丈夫です。また、興味をもった物をなめることがあり、誤飲事故にも注意が必要な時期です。赤ちゃんののどの直径(約3㎝)よりも小さい物を手の届くところに置かないなど注意しましょう。なんでも口に入れてしまうことから、胃腸炎を起こすこともあります。赤ちゃんはまだ、痛みや体調の悪さを言葉で説明できません。そのため、具合が悪いときは、いつもよりも機嫌が悪くなりやすいものです。いつもと同じように過ごしているのにやたらとぐずる、夜泣きが激しいというときは、具合が悪いサインかもしれないのでよく観察しましょう。まだ体も小さいため、熱中症になりやすく、また病気にかかると急に高熱が出ることがあります。急激な体温の上昇では、熱性痙攣を起こすことがあります。原因はなんであれ、子どもが具合悪そうなときは、急変しないかよく観察しましょう。急に意識がなくなったり、呼吸が苦しそうな様子が見えたら、なるべく早く医療機関を受診しましょう。また、このころは、日に日に「できること」が増えていく時期です。機嫌が悪くて一時的にやらないということではなく、一度歩けるようになったのに、歩きたがらなくなったりといった、一度できたことをしなくなるのは気がかりです。気になることがあったら、かかりつけの小児科で相談しましょう。参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省(7ページ)参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|こども家庭庁参考:白河市 保健福祉部こども支援課初めてのお誕生日を迎える1歳は大きな区切りですが、心身の成長の節目は1歳半ごろです。このころには、体型も赤ちゃん体型から、立って歩く筋肉がついてきて幼児体型へと変わっていきます。そのため乳幼児健診も1歳6ヶ月健診があり、身体測定、歯科検診、身体機能、心の発達のチェックをします。たとえば、興味がある物や手に入れたい物を指さすのではなく、大人の手をとって連れていく行動(クレーン行動)が見られたり、おしゃべりをはじめ積極的に人と関わろうとしなかったり、ことばではなく奇声を発することが多かったり、ずっと頭を振っているなど(常同行動)がある場合、発達相談を勧められることもあります。運動発達、言葉の発達などが遅れている場合発達の遅れが見られるときにはどのような相談先があるでしょうか。まず活用してほしいのは1歳6ヶ月健診です。子どもの状況などを踏まえて、さまざまな相談窓口を紹介されることもあります。健診時に相談しなかった、できなかった場合は、かかりつけの小児科医に相談してみるのもよいでしょう。成長の様子を見守っていたらいいのか、早めに療育などを始めたがほうがいいのかなどの判断もしてくれるでしょう。地域の相談窓口としては次のようなところがあります。公的機関であり、健康や保育に関する地域の相談窓口のような場所です。各種の健診、発達相談などを行っています。引っ越したばかりなど、どこに相談していいかわからない場合にも地域医療とつながる最初の窓口となります。保健センターと同様に公的機関ですが、子どもの発達支援に特化した窓口となります。発達相談をしたのちに、児童発達支援センターでもっと具体的な子育てについての相談などができます。参考:児童発達支援センターの位置づけについて|厚生労働省まとめ1歳代のうちでも1歳6ヶ月ごろは、成長の大きな節目です。このころまでに、興味をもった対象に自力で移動して近づき触るようになり、自分がしたいことを態度や声で示すようになってきます。お世話してくれる大人との信頼関係を深め、自己主張を受け入れてもらうとうれしいと感じ、同時に自我が芽生えます。心身ともに赤ちゃん期を脱し、「子ども」へと成長していくのが1歳代です。
2023年07月21日3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、ママたちが気になることを聞ける人気企画。今回は、離乳食を始める前の赤ちゃんに麦茶を飲ませたほうがいいかどうか悩むママたちの悩みについて、マンガで解説してもらいました。こんにちは、小児科医の保田典子です。最近よく外来で乳児のママに「子どもが麦茶を飲まないんです」と相談されることが増えてきました。 暑くなってきたし、脱水になりやすいから麦茶を飲ませなきゃ!と思ってしまいますが、実は麦茶は飲ませなくて大丈夫です。今回は赤ちゃんの麦茶事情について解説します。 赤ちゃんに麦茶は、必要ありません市販の赤ちゃん用麦茶には、よく「生後1カ月から」と書いてあります。なので、1カ月健診が終わったころから麦茶をあげるのは間違いではありません。 ですが、医学的には「いつから」というのは決まっていません。それは、離乳食を始める前の赤ちゃんは、母乳か育児用ミルク以外の水分は基本的に必要ないとされているからです。白湯も同様で、離乳食前の赤ちゃんには必要ありません。なので、正しくは「生後1カ月から可能だけど、通常生後5〜6カ月から飲むことを考慮」します。生後5〜6カ月でも、離乳食と母乳か育児用ミルクだけで大丈夫なので、基本的に麦茶を飲ませなくてはいけない時期というのはありません。 夏の水分補給はどうする?夏でも、赤ちゃんは母乳か育児用ミルクだけで大丈夫です。乳児であれば、3〜5時間おきには水分(母乳か育児用ミルク)を摂取しているので、過酷な環境にいるわけでもないときにはいつもの母乳か育児用ミルクで大丈夫です。 汗が増えるので、多少おしっこが濃いように感じても、“欲しがるときに母乳か育児用ミルク”が摂取できていれば他の水分はいりません。私の場合、家にいるときは母乳か育児用ミルクだけにしていて、外に遊びに行くときに麦茶を準備していました。水分を欲しがるたびにおっぱいや育児用ミルクの準備をするのが面倒だったからです(基本めんどくさがりなので)。 もちろん、赤ちゃんは「のど渇いた」とは言ってくれないので、こまめにあげてみて、「飲まなければいいや」という感じでした。もちろん、外出中でも授乳のほうが適切だなと思うタイミングでは授乳にしていました。 幼児は水か麦茶で水分摂取を!幼児になると母乳や育児用ミルクよりも食事からの栄養摂取がメインになり、母乳や育児用ミルク以外にも水分摂取をする必要が高くなります。水分摂取にはジュースやイオン飲料は使用しないほうがいいので、自然とお水や麦茶、牛乳などを飲むことになります。牛乳も飲み過ぎは注意なので、水や麦茶をメインに水分摂取を考えていただけるといいと思います。 作画/はたこ 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年07月21日小さなころから小児科医に憧れ、医学部へと入学したパニ子。経営者であるパニ子の父は娘のことを応援していましたが、娘の金づかいの荒さに悩んでいる様子でした。ある日、パニ子が実家へと帰省すると、父がカンカンに怒っていて……。スカッと系人気YouTubeチャンネル「パニコレ」から、「帰省したら父からクレジットカードを使い過ぎだと言われた娘。身に覚えのない使い込みで責められた結果、驚がくの事実が発覚w」を紹介します。★関連記事:2400万円あるはずの定期預金がたったの350円に!?→消えたお金の行方を探ったら衝撃の展開にw進学を機に親元を離れることに小児科医になるために医学部へ進学したパニ子は、実家を出てひとり暮らしをすることになりました。入学後は頑張るぞ! と張り切っていたものの、3カ月で現実の厳しさを知ることに。勉強が大変なことはもちろん、家賃以外に親から金銭面でのサポートがなかったため、パニ子は生活をするためにアルバイトをしてお金を稼がなければならなかったのです。勉強とアルバイトの両立は難しく、入学から半年後には奨学金の申請を考えるようになっていました。パニ子は早速奨学金を申請するために、連帯保証人になって欲しいと母親に相談しました。すると「パパがなんて言うかしらねぇ……」と渋っている様子。パニ子の父は経営者で高収入だったため、本来であれば奨学金を借りる必要なんてありません。母親もそのことをわかっていたので奨学金を借りられないのではないかと危惧していましたが、パニ子は所得上限のない奨学金を見つけ、それを借りることにしたのでした。母親はなんとかして父親を説得しようとしましたが「学生のうちは借金なんて作らずバイトしろ!」と一喝され、パニ子はアルバイトに明け暮れる日々を送ることになってしまいました。いきなり父から怒りの電話が!夏休みやお正月もアルバイトに勤しみ、なんとか勉強とアルバイトを両立させていたパニ子。2回生になると忙しさは倍増し、次第に学校なんてやめたほうがラクなのでは? と思うことが増えていました。そんなある日、父から電話が! 出てみると「お前は一体何をしているんだ!」「いったん帰って来い!」とかなり怒っている様子でした。ひとり暮らしをしているとはいえ、パニ子の家から実家は日帰りができる距離。父親は週末に帰って来るようパニ子に言いましたが、週末はアルバイトで忙しくすぐに帰省することは難しい状況でした。それでも帰って来いと言い、電話を切ってしまった父親。その後、母親から「会社が経営不振で気が立っているだけだから帰って来なくていい」と言われたのですが、経営が傾いている今ならば奨学金の連帯保証人をお願いできるチャンスだと思ったパニ子はなんとか予定を空けて帰省することにしました。週末になり帰省したパニ子を出迎えたのは、慌てた様子の母親でした。母親は「大学をやめさせられるわよ!」と言い、パニ子を帰そうとしましたがここで折れるパニ子ではありません。「まだ金が足りないだと!?」自分自身で話をつけると覚悟したパニ子は、リビングで怖い顔をして座っていた父親の前に座りました。着席したパニ子はひと言「お父さんの会社、経営不振なんだってね」と言いました。その発言に父親は驚いていましたが、パニ子はだからこそ奨学金を借りたいと話を続けました。すると「奨学金が必要だなんて、パニ子は一体何に金を使ってるんだ!?」と父親は怒鳴り散らします。そして「正直に話すんだ、パニ子。ひとり暮らしが寂しくて、誰かにお金を渡しているのか?」と謎の発言。さらに「毎月50万円は使い過ぎだ! 学業に専念させるためにクレジットカードを渡したのに、それがこんなことになるなんて……」と今度は悲しんでいる様子でした。そもそもクレジットカードなんてもらっていないパニ子は、父親が何を言っているのか理解できずにいました。そんな2人の様子を見て顔を青くしている人物が1人。それはパニ子の母親でした。母親はパニ子に対し「ま、まぁ、パニ子ったら、もう隠さなくてもいいのよぉ!」とまるで2人の間を取りなすように振る舞い始めました。そんな母親の態度にパニ子は、母親がクレジットカードを使ったのだと悟りました。使い込みの犯人は…父親は母親の言葉に耳を貸したのか「それならこの話はこれまでにしよう」と、クレジットカードを返すように言いました。しかし、持っていない物を返せと言われても返せるわけがありません。パニ子は納得したフリをしてかばんや財布をひっくり返し、カードを持っていないアピールをすることに。すると父親は同じように自分の財布の中身をすべて出してカードがないことを確認しました。そして今度は母親の財布を見ることに……しかし「か、家族で疑い合うのはやめましょう!」と言って頑なに財布を見せてくれません。そこでクレジットカードの利用履歴を確認してみることに。なんと父親は50万円の請求が発覚した時点で、カード会社から利用履歴を送ってもらっていたのでした。利用履歴には高級時計店や高級洋服ブランドの名前がズラリ! それだけではなく、地元のクラブの名前がいくつかありました。母親のほうを見てみると「そうです、私が使いました! 私がパパから預かったカードをパニ子に渡さずに、使わせていただいていたのよ!」「カードも返したらいいんでしょ!」と逆ギレする母親の姿が。なんと母親は、父親がパニ子の生活のために渡したクレジットカードで豪遊をしていたのでした!ぜいたく三昧だった母親の行く末父親は、これから多くの命を救うために頑張っている娘を邪魔しているとはなんてことだと母親に対して言いました。そしてパニ子が使い込みをしているのではないかと疑ってしまったことを謝罪しました。父親の会社が経営不振になったというのも母親のうそだと発覚し、父親は離婚してパニ子も縁を切ることに。パニ子に対し父親は、今後は決まった金額を仕送りとして渡すから勉強に集中するように言いましたが、パニ子はなぜかその申し出を断りました。そして「仕送りじゃなくて借りるってことにしてくれないかな」とひと言。パニ子は「医者になって給料をもらえるようになったら、仕送りをしてもらったお金を少しずつ返していく」と言ったのです! これには父親も感動し、自分の娘を誇りに思ったようでした。その後、父親に捨てられた母親はパートとして働き始め、お金の大切さに気付いたのだとか。しかし時すでに遅し、父親が母親に手を差し伸べることはなかったのでした。--------------娘のために用意したクレジットカードでぜいたくをしていたという母親。この事実が発覚するまで、パニ子は生活費の工面で苦労していました。親として子どもの将来を邪魔するようなことをしてはいけませんよね。★パニコレの記事をイッキ読みするならこちらから!著者/パニコレスカッと系YouTubeチャンネル【パニコレ!(=PANIC COLLECTION)】で投稿されたエピソードを紹介!
2023年07月20日誕生からの1年間は一生のうちでも最も成長が著しいとき誕生してから1歳になるまでの間、赤ちゃんは人生の間で最も急激に成長します。体重は出生時の3倍近くになり、体を自由に動かせる範囲が格段に広がります。自分だけの心の世界から、周囲との関係性が生まれます。座る、立つ、歩くなど、体を大きく使って動かすことを「粗大運動」と言います。0歳代の赤ちゃんの粗大運動の成長は、体の上のほうから順に進んでいきます。まず首がすわり、手足の動きが活発になり、その後、寝返り、はいはい、おすわり…といった順序で進んでいきます。1歳になるころにほとんどの赤ちゃんは何かにつかまったりしながら自分で立てるようになります。また、手指の細やかな動きである「微細運動」の成長も、はじめは腕や足をバタバタ動かすことから始まり、手のひらでつかみ、やがて指でつまむことができるようになります。一方、視覚、聴覚など感覚器官は、胎内にいる間にほぼ完成していますが、生まれてから感覚機能は成長していきます。それと同時に、見える人の顔や聞こえる声、慣れ親しんだ匂いや感触といったことから、人やものへの愛着、好奇心といった心が成長していきます。生まれてすぐのころには、空腹や暑い・寒いという不快感を感じたときに泣くことが多いですが、次第に抱っこしたりなどかまってもらうと笑う、思い通りにならないと怒る、といったように情緒が育っていきます。それと同時に、周りの人やものに興味を抱くことにより、「あれがほしい」と手を伸ばしたり、「あそこへ行きたい」と今できる動きでなんとか移動しようとしたりします。こうして、好奇心と体の機能の発達がお互いに促され合うことで、心と体の両方が成長していきます。成長とともに変化する0歳代の食と睡眠食の成長は、はじめは反射的に乳首を吸うことから始まり、胃腸の成長に伴って1回に飲める量も増え、生後5~6ヶ月ごろになり口の動き方が発達してくると、咀嚼・嚥下の練習を始めます。こうしておかゆやポタージュのようなドロドロの形状の離乳食から始まり、徐々に大きさも硬さも増してだんだんに食事が栄養源のメインとなっていきます。睡眠は、生後すぐはまだ昼夜問わず頻繁に寝たり起きたりの周期を繰り返しますが、生後2~3ヶ月ごろになると暗くなれば眠り明るくなれば起きるというリズムができ始めます。睡眠時間や夜泣きや寝ぐずりなど睡眠に関しては非常に個人差が大きいものですが、1歳を迎えるころまでには、多くの場合、朝起きて夜眠るというリズムがついてきます。参考:保育所保育指針解説書(35ページ)|厚生労働省月齢ごとの心身の成長新生児から始まって2ヶ月ごとの、0歳代の赤ちゃんの一般的な成長の様子を解説します。0歳0ヶ月(新生児期)の体・心・ことばの発達とは?新生児といっても何もできないわけではありません。胎児のころから感覚器官は機能し始めていて、見る・聞く・匂いをかぐ・味わう・触れたものを感じるという、いわゆる五感は生後すぐから機能しています。その機能はまだ、完成されたものではありませんが、抱っこする人の顔をじっと見つめ、声や音を聞き、匂いを感じて、母乳やミルクを味わい、やさしく触られると安心します。0歳0ヶ月ごろの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:44.0~57.4cm/女児:44.0~56.4cm・体重男児:2.10~5.17kg/女児:2.13~4.84kg視力はまだ、30㎝以内のものがようやく見えるくらいで、抱っこした人の目をじっと見つめます。音は聞こえていて、ママの体や羊水を隔てて胎児の間に聞こえていた音声を覚えているとも言われています。発することができる声としては、ほとんど泣き声や呼吸と共に反射的に出る音だけで、自分で意識して声を上げるのはもう少し後になります。笑ったような顔をすることがありますが、これは「新生児微笑」と言われる原始反射のひとつで、「うれしい・楽しい」といった感情によって表情が変わるわけではありません。0ヶ月の間はほとんど寝たままで、手足をパタパタと動かすことはできますが、自分で体幹を動かすことはできません。「原始反射」と呼ばれる反射があり、この反射が消えていくにつれて自分で体を動かせるようになっていきます。原始反射には、吸啜反射(唇に触れたものに吸いつこうとする)、把握反射(手のひらや足の裏に触れた物を握ろうとする)、モロー反射(突然の物音などに反応して何かに抱きつこうと腕を伸ばす)などがあります。0歳1ヶ月~0歳2ヶ月のころの体・心・ことばの発達とは?0歳1ヶ月~0歳2ヶ月のころの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:50.9~63.2cm/女児: 50.0~61.7cm・体重男児体重 3.53~7.18kg/女児体重 3.39~6.67kg鳴き声以外に「あ~」「う~」「く~」といった声を出すようになります。「新生児微笑」ではなく、心地よいと感じるときなどに、ひとりでニコッとほほえむようになります。少しずつ、誰かと目が合ったときにニッコリするようになっていきます。うつぶせにすると頭をぐっと持ち上げられるようになり、その持続時間は少しずつ長くなり、やがて自分で頭の向きを変えられるようになります。仰向けに寝かせたときに、両手を握り合うようなしぐさが見られます。また、足の動きが活発になるので、掛け布団が外れてしまうこともよくあります。0歳3ヶ月~0歳4ヶ月のころの体・心・ことばの発達とは?0歳3ヶ月~0歳4ヶ月のころの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:57.5~68.5cm/女児:56.0~66.8cm・体重男児:5.12~8.72kg/女児:4.84~8.18kg「あ~」「う~」以外にも「きゃ~」といった声も出せるようになり、いよいよ、周りの人があやすと笑うようになり、だんだん笑い声も大きくなります。このころになると多くの赤ちゃんは首がすわるようになります。うつぶせにすると、自分で首を上げて好きな方を向くようになり、起きているときに縦抱きしても首がぐらつかなくなります。手指を自分の意志で動かせるようになり、ラトルなど軽くて握りやすい取っ手のあるものを持たせると自分で握り、腕全体を使って振ったりするようになります。0歳5ヶ月~0歳6ヶ月のころの体・心・ことばの発達とは0歳5ヶ月~0歳6ヶ月のころの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:61.9~72.1cm/女児:60.1~70.4cm・体重男児:6.10~9.57kg/女児:5.74~9.05kg首が動かせるようになるのに伴い、音がするほうや興味を引くもののほうを向くようになります。表情には、快・不快に対する反応だけでなく喜怒哀楽が表れるようになり、うれしいと笑い、自分が思った通りにいかないと怒り泣きし、ほめられると誇らしげな表情をすることもあります。このころ、必ずしもではありませんが、寝返りするようになります。仰向けからうつ伏せ、またその逆に体を回転させますが、初めのうちは体の下になった腕がうまく抜けなくて泣いたりすることもあります。首と腰がさらにしっかりすわります。欲しいものがあると、その方向に手を伸ばし、届けばつかみます。0歳7ヶ月~0歳8ヶ月のころの赤ちゃんの体・心・ことばの発達とは0歳7ヶ月~0歳8ヶ月のころの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:65.0~75.0cm/女児:63.1~73.2cm・体重男児:6.73~10.14kg/女児:6.32~9.63kg発せられる声のバリエーションが増え、「パ」「マ」「ダ」行の発音をするようになります。いわゆる「喃語」(なんご:意味のないことば)の始まりです。繰り返すことが面白くなるころで、「いないいないばあ」などをすると喜ぶようになります。だんだん周囲の物事を覚えはじめ、知らない人に会ったり知らない場所に行ったりすると、「人見知り」「場所見知り」をし、普段一緒にいる保護者の姿が見えないと泣くこともあります。このころから、ものをなめたり嚙んだりして確認することが増えるので、誤飲には注意が必要です。うつ伏せにすると腕の力ではいはい(ずりばい)をするようになり、自分の意志で目的のものがある場所まで移動しようとし始めます。また、支えがあれば座ることができるようになってきます(腰がすわる)。手のひらでものを握ることができ、手に持ったものを反対の手に持ち替えることができます。0歳9ヶ月~0歳10ヶ月のころの赤ちゃんの体・心・ことばの発達とは?0歳9ヶ月~0歳10ヶ月のころの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:67.4~77.4cm/女児:65.5~75.6cm・体重男児:7.16~10.59kg/女児:6.71~10.06kg発音のバリエーションがさらに増え、言葉のようなまとまりのある発音をするようになります。「あー」「ママ」「まんま」「ぱっぱっ」など、保護者などに向けて呼びかけるようにもなります。周りの人のまねをするようになり、「バイバイ」と言うと手を振ることもあります。両手と両ひざをついてはいはいできるようになり、移動の速度も増します。また、立たせたときに支えになるものがそばにあれば、そのまま立っていられるように(つかまり立ち)なる子どももいます。支えがなくても座っていることができ、座ったまま両手を自由に動かしたりおもちゃを持って遊んだりします。両手に持った積み木などのおもちゃを打ち合わせることができるようになる子どももいます。0歳11ヶ月~1歳のころの体・心・ことばの発達とは?0歳11ヶ月~1歳のころの身長と体重は以下が目安となっています。・身長男児:69.4~79.6cm/女児:67.4~77.8cm・体重男児:7.51~11.04kg/女児:7.02~10.48kgことばの意味を理解して単語をひとつ言えるようになる子どもも多いです。欲しいものや自分がしてほしいこと・いやなことなど、自己主張がハッキリしてきます。自分で食べ物をつかんで口に運ぶこともします(つかみ食べ)。座った状態から、近くにつかまれるものがあれば自力で立ち上がることができるようになり、1歳が近づくと何もつかまらなくても立てるようになり、はじめの一歩を踏み出す子どももいます。手のひらでものを握るだけでなく指先の動きもコントロールでき始め、小さいものを人差し指と親指で挟んでつまむことができるようになります。Upload By 発達障害のキホン発達に遅れがある? 通院の目安や、保護者ができること心も体も、発達・成長には個人差が大きくあります。上記のような発達段階の目安通りに進まなくても、その子どものペースでだんだんにできることが増えていけば問題はないと言われています。0歳代では、1ヶ月健診、3~4ヶ月健診、6~7ヶ月健診、9~10ヶ月健診があり、区や市町村の自治体主体で実施されます。このときに、身長・体重の計測、心と体の発達・成長を確認します。著しく発達・成長が遅れている場合や、成長曲線からはみ出して体重や身長が推移している場合などには、相談することができます。発達に遅れがあると感じたら――専門家に相談する目安もし、誕生した時点で先天性の疾患があることが分かっている場合などは、かかりつけ医と相談しながらその子どもの成長ペースを見守りましょう。特に疾患はなくても、早産児(妊娠39週未満で生まれること)の場合には、発達・成長は遅れることがあります。発達障害に関しては、0歳代ではまだ診断はつけられませんが、笑わない、泣き止まないなど、気になることがあれば健診を機会に相談したり、かかりつけの小児科医に相談してみましょう。参考:健診での気づき|国立障害者リハビリテーションセンターかかりやすい病気とは?発達の遅れなどとの関係は?生後4~6ヶ月ごろまでは、胎内にいたあいだに母親からもらった免疫物質(免疫グロブリン:IgG)のおかげで、母親が免疫をもっている伝染病には感染しないと言われています。ただそれは万全ではなく、百日咳や結核など、新生児期からかかる病気もあります。そのために、生後3~4ヶ月のころから、三種混合ワクチンやBCGなどの予防接種がすすめられています。また、感染症以外にも、先天的な疾患がある場合もあります。妊娠中や誕生後すぐに分かる場合もありますが、成長とともに分かってくることも少なくありません。ミルクや母乳の飲み方が少ない、吐き戻しが多いといったことや、抱っこしたときにまったく目が合わないなど、なんとなくおかしいということから気づくケースもあります。その場合には、出産した産院を通して小児科医に相談したり、あるいはかかりつけの小児科医や病院に相談してみましょう。特に生後半年くらいまでの間に心配なのは乳幼児突然死症候群(SIDS)です。原因は解明されていませんが、SIDSを避けるには赤ちゃんの呼吸を妨げない環境の工夫が大切とされています。参考:年代別・世代別の課題(その1)|厚生労働省参考:保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|厚生労働省参考:白河市 保健福祉部こども支援課家庭でできること、健診での気づき初めて育児をする場合は、子どもの様子が「なんとなくおかしい」と気づけないのではと不安になるかもしれません。そのような場合は、乳幼児健康診断(乳幼児健診)を活用しましょう。乳幼児健診は、できるか・できないかで評価をする場ではありません。赤ちゃんの今の状態を客観的にみることが目的です。もし、成長や発達に遅れが見られた場合、早い段階から専門家に相談することが大切です。専門家とは、保健師、小児科医、言語聴覚士、臨床心理士、臨床発達心理士、あるいは小児神経専門医、児童精神科医などであり、その窓口となる大事な機会が、乳幼児健診です。健診などで相談し、支援が必要な場合、支援につながることが、子どもにとっても育てる保護者にとっても大事なことです。まとめ0歳代の1年間で、赤ちゃんは自分の意志で体を動かせるようになり、周りの人との関係性も学習していきます。表情が豊かになり、褒められるとうれしいという感情が芽生えます。ただ、この記事で紹介した時期別の発達・成長は、あくまでも目安です。周りと比べすぎず、その子の成長のペースを見守りましょう。
2023年07月18日強迫性障害とは?原因、どんな症状がある?強迫性障害(強迫症)は、強迫観念や強迫行為を何度も繰り返す精神障害です。強迫観念とは、無意味であると自覚しながらも抑えられない思考やイメージのことであり、手を洗う・順番に並べる・何度も確認するといった儀式的な行動(強迫行為)を行うことで強迫観念を打ち消そうとします。強迫性障害の原因は明確ではありませんが、遺伝的要因や脳内の化学物質の異常、環境要因などが関与していると考えられています。ストレスやトラウマも発症の一因とされています。また、強迫性障害は、うつ病を併発することも少なくありません。およそ20~30%の患者がうつ病の症状を抱えていると言われ、より症状が重症化してしまうこともあります。このコラムでは、強迫性障害の原因、症状、治療法等に関するギモンについて、専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】手を洗いすぎる、何度も確認してしまう、被害妄想が激しい…強迫性障害の症状や原因は?医師が回答(質問)高校生の娘は昔から何事も気にしてしまう性格ですが、最近は度を越しているように感じます。強迫性障害かチェックするポイントはありますか?どんな症状があると強迫性障害と診断されますか?(回答)気にすまい、考えまい、行うまいと努力するにも関わらず、そうすることによって、かえって気になり、それに囚われて、そうせざるを得ない状態に陥っていることがあります。例えば、「人が触ったものを汚いと感じるようになって、頻回に手を洗うようになり始めた」、「気にしすぎだと思うが、手洗いをしないと落ち着かず、次第に人が手を洗わないのも気になり、人への手洗いも強要するようになった」というように、ご自身がしたくないと思っていても、それをしないと落ち着かず、生活に支障をきたしている場合には、強迫性障害を疑う必要があります。強迫観念:自分にとって無意味で、不合理であると理解しているが、繰り返し不快な考えが頭を巡ることです。例えば、人が触った物は不潔であるという考えが巡るのは、強迫観念です。強迫行為:強迫観念を抑えるために行われる反復的な行動や儀式です。例えば何度も手を洗うなどです。強迫観念や強迫行為の症状がある場合、強迫性障害の可能性がありますが、診断にはほかの疾患との鑑別も必要になるので、児童精神科、精神科、心療内科などへの相談をおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが強迫性障害かもしれません。潔癖症のようになり手を繰り返し洗うのをやめられない、お風呂でも身体の汚れが気になるようで身体をずっと洗い続けていて、日常生活に影響が出ています。最近は出かけようとしても「汚れるのではないか?」と不安になるようで部屋にこもりがちです。何が原因なのでしょうか?また、治るきっかけなどありますか?やはり病院を受診したほうが良いでしょうか。(回答)原因は解明されていませんが、脳内の神経伝達物質(セロトニン系)の異常が症状と関連していると示唆されています。環境の変化などのストレスで症状が悪化することもあります。お子さん自身やご家族のせいで生じる病気ではありません。子どもの強迫性障害には、チック障害、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、うつ病などの併発が多いことが指摘されています。強迫観念があっても、強迫行為の回数を少しずつスモールステップで減らしていき、できたという経験を積むことで、強迫観念が少しずつ和らいでいくことがあります。しかし、親子で取り組むのは難しいこともあるかと思うので、精神科・児童精神科・小児科の医師・心理士や、スクールカウンセラーに相談すると良いでしょう。生活に支障があったり、ほかの人にも手洗いなどを強要したりと巻き込む様子がある場合には、受診されると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが強迫性障害になり、最近は頭痛や動悸も訴えるようになりました。パニック障害になってしまうのではと心配です。(回答)頭痛や動悸などがある場合には、身体症状の原因検索をしつつ、症状を和らげるお薬を使用し、ほかに併存している疾患がないかも診ていきます。身体症状があると日常生活にも支障をきたしますし、専門医療機関を受診することをおすすめします。また、強迫性障害と関連する疾患は、チック障害、ADHD(注意欠如・多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)、うつ病(気分障害)、不安障害などが挙げられますが、心配な症状が見られる場合には、かかりつけ医や専門医療機関に相談してみましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもが強迫性障害です。何度も繰り返し「大丈夫?」と確認をしてばかりで行動に移せない、といった様子が見られます。「大丈夫だよ」と声を掛けますが効果がないようで、母である私も疲弊しています。どのような言葉を掛ければいいでしょうか?気にしないようにできる方法や良い接し方はありますか?(回答)なんとかして、安心させたいとお声を掛けているのだと思います。しかし、「大丈夫だよ」と声を掛けても効果がないように感じる場合には、お子さん本人の中では、大丈夫ではない不安があるのかもしれません。「何度も確認したくなるくらい、心配なんだね」と、お子さんの気持ちを否定することなく、一度受け止める表現の声掛けをしてみるのはいかがでしょうか。その上で、「○回確認したらやめよう」と具体的な回数を決めて確認行動を減らす声掛けをし、確認行動が減ったら、ほめることを意識していきましょう。とても忍耐のいることですが、できる限り、同じ対応を続けるようにしてみましょう。Upload By 発達障害のキホン強迫性障害にまつわるコラムまとめ強迫性障害は治療可能であり、認知行動療法や薬物療法などが一般的に用いられます。認知行動療法では、強迫観念や強迫行為に対する認識や対処法を学び、それらを改善することを目指します。薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬が使用されます。強迫性障害は、学業や仕事などの日常生活にも大きな影響を与えることがあり、早期の診断と適切な治療が重要です。専門医の指導のもと、患者本人だけでなく家族も病気や治療について知ることで、適切なサポート方法を身につけ、症状の軽減や社会生活の回復を目指しましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年07月16日起立性調節障害の原因は?よく見られる症状、治療法は?起立性調節障害は、自律神経系の循環調節機能の異常によって引き起こされると言われています。交感神経活動により、血流が脳に十分にいきわたらず、立ちくらみ、朝起き不良、頭痛、動悸、血圧の変動、倦怠感などの症状があります。起立性調節障害の発生頻度は、軽症例も含めると、小学生の約5%、中学生の約10%にものぼり、10~16歳の第2次性徴期、思春期に起こりやすく、ほかに、水分不足、ストレス等も起立性調節障害の要因となります。不登校の子どもの約3~4割が起立性調節障害を併存しているとも言われ、学校生活や社会生活に大きな支障となる場合があるため、起床時の姿勢、筋力維持、十分な水分補給、睡眠リズムの調整などの日常生活における工夫や、薬物療法などの適切な治療で症状を軽減し、家庭や学校において環境調整を行っていくことが重要です。【小児科医に聞く】起きられない、学校に行けない…何科に行く?薬はある?保護者ができることは?起立性調節障害に関するギモンに医師が回答(質問)子どもがめまいや頭痛を訴えて朝起きられず、学校を休みがちです。起立性調節障害か、あるいは何か大きな病気ではないかと心配です。どんな症状が起立性調節障害に当てはまるのか、チェックポイントはありますか?何科を受診すればよいでしょうか?(回答)起立時に脳への血流が低下し、朝起き不良、食欲不振、全身倦怠感、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみといった症状が認められます。症状は午前中に強く、午後からは体調が回復するのも特徴です。検査には症状をきたすほかの疾患がないか、例えば鉄欠乏貧血、甲状腺ホルモンの異常などがないか除外します。起立性調節性障害が疑わしい場合、起立負荷試験を行います。臥床安静時と、起立直後、起立継続時の血圧、脈の変化を調べます。起立性調節障害とは限らないので、疑わしい場合にはかかりつけの小児科に相談するのが良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)中学生の娘が起立性調節障害と診断されましたが、なかなかよくなりません。何とか起きて学校に行けても、だるくて体も思うように動かないようです。勉強の遅れも気になり、本人も焦っています。症状が改善するいい方法や治し方はありますか?また、起立性調節障害に使われる薬にはどんなものがありますか?(回答)薬物療法だけでなく、日常生活で注意すべきポイントがいくつかあります。・起床時にはいきなり立ち上がらずに30秒ほどゆっくり起立する・水分を多めにとる(1日1.5L~2L)・塩分制限はしない(むしろ多めにとるようにする)・早寝早起きなど生活リズムを正しくする(怠くても日中は体を横にはしない)・毎日運動をする(15分程度の散歩から始めると良い)・下肢の加圧ソックスを着用する(血圧低下を予防)薬物療法には、低血圧を予防する薬を使用します。症状によって、薬の内容、飲み方は変わりますので、主治医の先生に相談しながら内服をすすめていきます。効果を感じられるのに1~2週間かかるので、効かないと思ってもすぐにやめないことも大切です。Upload By 発達障害のキホン(質問)高校生の子どもが起立性調節障害になり、学校の授業や部活に出られていません。出席日数の不足や課題が終わらないこともストレスになっているようです。このまま留年してしまうのでは、進学も難しいのではと心配です。いつごろまで症状は続くのでしょうか。大人になると落ち着くのでしょうか。(回答)起立性調節障害は珍しい病気ではありません。小学校の高学年から多くなり、中学校で急増します。女子は男子より2割ほど多いようです。進学の時期とも重なる場合も多く、不安になる親御さんも多くいらっしゃいます。症状の回復はお子さんによってさまざまです。適切な治療が行われた場合には、軽症例では数ヶ月以内に改善します。しかし、翌年に再発する可能性もあります。日常生活に支障がある中等症では、1年後の復学率は約50%、2~3年後は70~80%です。不登校を伴う重症例では、1年後の復学率は30%であり、短期間での復学は困難です。社会復帰に少なくとも2~3年かかると考えたほうが良いでしょう。体力に見合った高校に進学した場合には、第2~3学年になると9割程度が治ると考えられています。お子さんにあった学校を考えるのも大切になります。Upload By 発達障害のキホン(質問)中学生の子どもが起立性調節障害と診断されましたが、朝は立ちくらみや吐き気などを訴えますが、昼ごろには調子が良くなるようです。遊びには行けるのに学校は休むというのは、ただ「学校に行きたくない」という甘えではないのか、このままでは怠け癖がつくのではないか…と思ってしまいます。保護者はどのように接すればいいでしょうか。(回答)起立性調節障害の子どもは、疲れてダラダラしているように見えます。しかし、だらけているわけではなく、自律神経機能が悪いため、起立時に全身・脳への血流が悪くなり、その結果、症状が出てきます。昼ごろには調子が良くなるなら、午後からの登校を試みてください。体力に自信がなければ、保護者がつき添うのも良いでしょう。電車通学の場合には、座席に座れるように、ラッシュアワーを避けるのも良いです。朝起きられないからといって無理やり早く寝かせようとしたり、あるいは朝なんとか起こそうとして怒鳴ったり、怒ったりするのは、親子関係の悪化につながります。大きな声で怒鳴っても、良い結果にはなりません。Upload By 発達障害のキホン起立性調節障害、不登校にまつわるコラムまとめ起立性調節障害は、自律神経系の異常によって起立時に全身や脳への血流がいきわたらず、朝起き不良、食欲不振、全身倦怠感、立っていると気分が悪くなる、立ちくらみといった症状が出てきます。起立性調節障害の発生頻度は決して少なくありませんが、進学の時期と重なる場合も多く、不登校や引きこもりなど、症状が重症化し長引くと、社会生活に大きな支障が出ることもあります。日常生活の中で気をつけられるポイントに留意しつつ、主治医と相談しながら薬物療法や運動療法なども適切に取り入れることが大切です。朝は倦怠感やめまい、頭痛といった症状が強くても、午後には回復することも多く、「疲れてだらけているだけ」と感じられるかもしれませんが、叱責することは良い結果には結びつきません。学校とも連携をして、正しい理解をもって無理なく早期の回復を目指しましょう。
2023年07月15日「子どもの自己肯定感を高めるにはどうしたらいい?」「勉強でもスポーツでも、成功をつかむには自己肯定感が必要不可欠」「能力はあるのにうまくいかないのは自己肯定感が低いせい」ここ数年で、 “自己肯定感” という言葉はすっかり定着しました。とりわけ子育てをしていると、あらゆる場面で「わが子の自己肯定感」について意識せざるをえなくなり、「うちの子の自己肯定感が低いのは、親である私のせいかもしれない」と思い悩む親御さんも増えているようです。そこで今回は、子どもの自己肯定感に直結する「親の自己肯定感」についてじっくり考えていきます。子どもの自己肯定感と親の自己肯定感には相関関係があるみなさんは、「自分は自己肯定感が高い」と思いますか?日本人は欧米人に比べて、その国民性から自己肯定感が低めであることは以前から指摘されています。(参考:我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度))まわりを見渡しても、「いえいえ、私なんて」と謙遜する人や、自己主張をするよりも他人に配慮して遠慮する人のほうが多いのではないでしょうか。しかし、子どもの前で「私なんて……」と言いすぎている人はちょっと注意が必要かもしれません。なぜならば、親の自己肯定感と子どもの自己肯定感は、切っても切り離せない強い力によって結びついているからです。『世界最強の子育てツール SMARTゴール 「全米最優秀女子高生」と母親が実践した目標達成の方法』(祥伝社)の著者・ボーク重子氏は、「おうちのかたが、自分にダメ出しばかりして自分への評価が低いと、同じように子どもを見てしまいますし、さらに子ども自身も自分のダメなところばかりを見てしまい、自己肯定感を低めて」しまうと指摘します。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|親の自己肯定感が低いと子どもはどうなる?ボーク重子さんに聞く!これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方~Lesson2自己肯定感)親のネガティブな言動から、知らず知らずのうちに強い影響を受けてしまう子どもたち。医学博士の高橋孝雄氏は、親の自己肯定感の低さが、子どもに影響していく過程を次のように説明しています。たとえば、ママやパパが「私はダメな人間だ」と自己肯定感が低い考え方をしていると、それは言葉に表れ、その言葉を繰り返し吐くことで「ダメな人間」として行動するようになり、それが習慣となり、やがて性格となり、ネガティブな運命を選択するようになる。そのような生き方をしている親に育てられたら、子どもの自己肯定感が低くなってしまうのは、当然といえるのではないでしょうか。(引用元:たまひよ|親の自己肯定感が低いと、子どもにも影響が、まず親から高めることを【小児科医】)親子ともに自己肯定感が低下してしまう――こうなるのには理由があるというわけです。だからこそ、親自身が物事をポジティブにとらえる姿を子どもに見せる必要があります。また、子育てによって自己肯定感がさらに低下するケースも。子育てはうまくいかないことの連続。自分だけに関わることであれば、「まあいいか」「頑張ればうまくいくはず」と前向きに取り組めても、子どものこととなると責任の重さから、「もっとちゃんとしなきゃ」「私ってダメな親だな」とプレッシャーを感じてしまいがちではないでしょうか。医学博士の古荘純一氏は、「すべて否定的にとらえることが続くと、結果として自己肯定感も低くなり、抑うつ度も高くなり、育児困難につながっていく」と注意を促しています。(カギカッコ内引用:たまひよ|「いい親でなければ」と思うほど自己肯定感が低下する…?!子育てにつらさを感じたら【専門家】)決して軽視してはならない「親の自己肯定感」について、さらに深く掘り下げていきましょう。自己肯定感の低い親がやりがちなNG行動5つまず、自己肯定感が低い親がやりがちな「NG行動」をいくつか挙げていきます。以下の行動は、こどもまなび☆ラボインタビューで語られた専門家の意見です。思い当たる項目はありますか?「100点とってすごい!」など、子どもを「条件つき」でほめる(日本アドラー心理学会 正会員・熊野英一氏)子どもをほめるときに、「〇〇くんより上手にできたね」と他人と比べてしまう(幸福学の第一人者・前野隆司氏)遊ぶ友だちや部活動選びといった子ども自身が決めるべきことでも、自分(親)の思い通りになるようにコントロールしてしまう(心理学者・諸富祥彦氏)着る服を毎日用意したり、「忘れ物ない?」「宿題やった?」などしつこく確認したりと、先回りして子どもの世話を焼いてしまう(発達臨床心理学の専門家・井戸ゆかり氏)子どもの前で「ママって本当にダメよね」「パパには無理だよ」など、自分を卑下する言葉を吐く(心理学者・諸富祥彦氏) 【5】の「自分を卑下する言葉」はわかりやすいものですが、【1】~【4】のような行動をとることがなぜ自己肯定感の低さを表すのでしょう。【1】の「子どもを条件つきでほめる」、また【2】の「他人と比べる」のは、そのような評価のされ方こそが正しいと親が思い込んでいるからです。親自身が、ありのままの自分を評価されるよりも、「〇〇だから優れている」という評価をされることで安心しているわけです。つまり、「ありのままの自分じゃ評価されない」という思いがあるから「自己肯定感が低い」ということ。【3】の子どもの生活や身のまわりのことをコントロールしたり、【4】のあれこれ世話を焼いたりしたがるのも、自己肯定感の低さゆえに「(子育てを)完璧にしなければ自分が責められる」「子どもへの評価が私の評価につながってしまう」という不安からだと言えるのです。たとえ無意識でも、上記のような言動を頻繁にしてしまうのであれば、子どもの自己肯定感にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。「そうは言ってもこれが自分の性格だし、いまさら変えることは難しい……」と諦める前に、次の方法を試してみませんか?親自身の自己肯定感を高める方法3つ行動科学専門家の永谷研一氏は、「自己肯定感は親子セットではぐくむもの」と断言しています。もちろん親と子は別の人間ですが、子どものマイナス面ばかりが目につくようなら、それは自分自身も苦手としていることの表れでもあるのです。だからこそ、親が自己肯定感を上げてポジティブな生き方を目指すことで、子どももまた前向きな人生を歩んでいけるはず。(カギカッコ内引用元:AERA dot.|勉強でもスポーツでも大切な「自己肯定感」を高める方法とは)ここでは、親自身の自己肯定感を高めるために、いますぐ取り入れられる方法を3つご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。方法1:現実の出来事をマイナスからプラスにとらえる自己肯定感を高めるために、前出の古荘氏がすすめるのは、認知行動療法の方法でもある「現実を肯定的に受け止める」こと。一度マイナスの思考にはまったら、なかなか抜け出せないのが自己肯定感の低い人ですが、そこで深みにはまるのをやめて、起きた事実だけを確認します。そして事実をゼロとして確認できたら、今度はプラスにとらえられるように変えていきましょう。具体的には、「今日はあまりにも疲れていて、夕飯はレトルトのカレーにしてしまった」という事実があったとします。そこで「おかずも用意できなかった」「レトルトなんて手抜きすぎる」「親として失格」と、どんどんマイナスの方向に進むのではなく、「夕飯にレトルトのカレーを出した」事実だけを認識します。そして大事なのは、「ごはんはちゃんと炊いた」「ゆで卵を添えてあげた」「カレーを食べた後にゼリーをあげたら喜んだ」など、「できなかったこと」ではなく「できたこと」だけを考えましょう。そうすることで、いまの自分を認めて、肯定的に受け止められるようになるそうです。方法2:いま「ある」ことに感謝をする『お母さんの自己肯定感を高める本』(WAVE出版)の著者で、心理学の専門家である松村亜里氏は、「今の自分に『ない』ものではなく、すでに『ある』ものに目を向けて感謝する」ことで、自己肯定感が上がると述べています。それは決して特別なことでなくてもかまいません。「家族が健康でいてくれる」「ごはんを残さず食べてくれる」といった、ごく当たり前のことでも、意識して感謝することで、自己肯定感や自信、さらには幸福感も高まっていくのだそう。もちろん、直接感謝の言葉を口に出して家族に伝えるのが一番効果的ですが、照れや気恥ずかしさから難しいという人もいるでしょう。そこで松村氏が提案しているのが、「3つのいいこと」を毎日書き出す、という方法。「カフェで飲んだコーヒーが美味しかった」「子どもが学校の話をたくさんしてくれた」「庭の花が咲いた」など、ささいなことでいいのです。「いつもいいことがある」と信じていると、脳は自然と「いいこと」に目が向くようになります。この方法は「スリー・グッド・シングス」として知られています。実践レポートとして効果を実感した記事も公開しているので、ぜひ参考にしてくださいね。『寝る前に3つ聞くだけ!1週間で子どもの自己肯定感が上がる“幸福習慣”』方法3:夢中になること・没頭できることを見つけよう最後に提案するのが、親自身が夢中になれることをする、という方法です。みなさんは、「やるべきことをやってからでないと、趣味に時間を費やしてはいけない」と、自分の好きなことを後回しにしていませんか?時間を忘れるほど何かに没頭している状態を、心理学では「フロー体験」とされているようです。『お母さんの自己肯定感を高める本』のなかで松村氏は、幸せな人の共通点として挙げられるのが、「フロー体験が豊富である」と述べています。スポーツ、アート、ハンドメイド、語学レッスンなど、「そういえば昔夢中になって取り組んでいたな」というものは、誰にでもあるはずです。もしくは、興味はあるけど始めるきっかけがなくて諦めていたことはありませんか?自分に自信をつけたい、自己肯定感を上げたい、毎日を前向きに楽しく過ごしたいと思うなら、まずは一歩踏み出しましょう。親が夢中で楽しんでいる姿を子どもに見せることで、その充実感や幸福感は必ず伝播します。それはいずれ、親と子の自己肯定感を上げるカギになるはずです。***「自己肯定感を上げること」は決して目的ではありません。生き生きと充実した毎日を過ごすこと、自分を好きになることが、自己肯定感アップにつながるということを忘れずにいたいですね。(参考)ダイヤモンドオンライン|自己肯定感が高い欧米人と低い日本人、何が違うのか?ベネッセ教育情報|親の自己肯定感が低いと子どもはどうなる?ボーク重子さんに聞く!これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方~Lesson2自己肯定感たまひよ|親の自己肯定感が低いと、子どもにも影響が、まず親から高めることを【小児科医】たまひよ|「いい親でなければ」と思うほど自己肯定感が低下する…?!子育てにつらさを感じたら【専門家】AERA dot.|勉強でもスポーツでも大切な「自己肯定感」を高める方法とは『AERA with Kids特別編集自己肯定感を高める本』, 朝日新聞出版.松村亜里(2020),『お母さんの自己肯定感を高める本』, WAVE出版.
2023年07月14日3歳児の発達の目安は?わが子の多動の原因は?ADHDの可能性がある?3歳ごろの子どもは、基本的な運動動作が一通りできるようになり、生活習慣の自立も進みます。ことばによるやり取りもできるようになり、社会性も育ってきて、徐々にお友達と関わりながら遊ぶことも増えてきます。3歳になって、幼稚園に入園するなど初めての集団生活を経験することになり、わが子とほかの子どもの様子を比べて「わが子は多動かもしれない…」「もしかして、ADHDの可能性がある?」と気になる方もいらっしゃるかもしれません。このコラムでは、・3歳児の多動の原因・多動と発達障害の関連性・困ったときの相談先などをご紹介し、多動にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生にアドバイスいただきます。【小児科医に聞く】3歳児の「多動」に関する悩みーー落ち着きがない、集団行動が苦手、発達障害との関係は?医師が回答(質問)3歳の子どもがじっとしていられず、外でもすぐ走り出してしまいます。落ち着きがなく、幼稚園に入れるのか不安です。多動は、もう少ししたら落ち着くのでしょうか?(回答)3歳だと、自宅など家族がいる場面では落ち着きがないように見えても、幼稚園や保育園などでは落ち着いて過ごせているお子さんもいます。しかし、家でも外でも落ち着きがない場合には、心配かと思います。多動が落ち着く時期は、お子さんによってもさまざまです。多動の原因は、さまざまな要因が組み合わさっていることがあります。注意欠如・多動症(ADHD)などの脳の発達・機能の異常が関与していることがあります。ADHDに自閉スペクトラム症や知的障害が併存していることによる場合もあります。また、家庭環境の不安定さ、過度のストレスがかかったなどの環境要因が関連することもあります。言葉の遅れがあり、落ち着きがない場合には、言葉の発達に伴って落ち着いてくることもあります。言葉が遅れていないが、落ち着きがない場合には、いろいろな物事に興味が移り変わりやすく、多動が長く続くこともありますが、小学校の中学年以降には多動は落ち着いてくると言われています。幼稚園や保育園での集団生活で、お集まりのときにじっとしていられないなどがある場合には、発達支援センターやかかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)幼稚園の年少(3歳児)の子どもが、落ち着きがなく、指示も通らず、集団行動ができません。どのくらいの程度の多動の場合、発達障害の可能性が考えられるのでしょうか?医師に診てもらったほうがいいのでしょうか。(回答)まだ3歳ですとADHDなどの発達障害の可能性があるかどうかは、判断がつけられません。じっとしていられない、静かにすべきところで静かにすることができない、気持ちのコントロールがつきにくく癇癪が激しい、物の扱いが乱暴、動きが多く目が離すことができないなどの様子から、ADHDの疑いがあるということで、専門機関に相談されることがあります。入学前でも、家や園でも落ち着きがなく、日常生活や園生活に支障がある場合には、専門機関に相談することをおすすめしています。Upload By 発達障害のキホン(質問)子どもがじっとしていないので、買い物や外食にも行けません。子どもの発達のことを相談できる人もおらず、不安です。(回答)じっとしていないと、買い物も外食にも行きにくいですね。多動が激しい場合、外出先で注意ばかりで疲れてしまうというお声を聞くこともよくあります。外出先でお子さんがじっとして待つのが難しく、負担がかかる場合には、お子さんが園などに行っている時間内に用事を済ませるのも良いでしょう。一緒に行かざるをえない時には、○分買い物をします、など見通しを立ててから出かけ、少しでも待てたら、待てたねと、できていることに注目して声をかけましょう。しかし、まだ3歳ですと、待つのも難しいときも多々あるかと思います。買い物や外食が、親子一緒に必ず行かなければならないものなのか、お子さん・親御さんに負担がかかるものではないかを振り返ってみましょう。声かけなど工夫しても、お子さんが落ち着かず、対応について困る場合には、幼稚園・保育園の先生、保健センター、かかりつけ医、地域の発達支援センターなどに相談すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン多動にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年07月03日子どもが小学生になるタイミングは、親子の心身に大きな変化が現れる時期でもあると言われています。もし子どもから登校前に不調を伝えられたら、あなたならどうしますか……?今回は人気クリエイターのねこじまいもみ(@neko_jima_imomi)さんの体験談をもとに描かれた漫画『繊細さん長女が泣きながら学校へ行った日々』から、話の展開を予想していただく漫画クイズをお届けします!泣いて登校できない長女……いもみさんの長女わっちさんは、小学校に入学した2週間後から登校前に腹痛を訴え、泣き出すようになってしまいました。そこでいもみさんが長女を小児科へ連れて行くと、担当医から『母子分離不安』に当てはまると告げられます。小児科から帰宅後、いもみさんが『母子分離不安』について調べると、そこには“親の過干渉”や“子どもへの依存”が原因になると書かれていて……?ここでクイズです!この後いもみさんは、長女から“あること”を言われます。その内容とは、一体どんなものだったでしょうか?ヒントとして長女は、いもみさんのイライラが自分のせいだと思ってしまったようで……?長女の言葉とは……?正解は「いつもごめんね」長女の『母子分離不安』の原因が自分にあるかもしれないと知り、不安から苛ついてしまっていたいもみさん。そんな中長女から謝罪されたいもみさんは、長女を抱きしめ『お母さんがごめんだよ』と伝えるのでした……。こんなときどうする?わが子の不調が自分のせいかもしれないと知ったら、不安やイライラを抱えてしまうのも無理ありませんよね……。その後のお話でいもみさんは、一連の事情について夫に相談する選択をします。子どもが母子分離不安で小学校へ登校できなくなったら……あなただったら、どう対処しますか?(MOREDOOR編集部)(イラスト/@neko_jima_imomi)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。
2023年07月01日5歳の息子は、熱は下がっても咳だけ残るということがしばしば。特に運動後や就寝中などに咳が悪化し、あまりにひどいときは嘔吐してしまうこともありました。喘息の診断を受けていたのですが、薬をのんでも全然よくならなくて――!? セカンドオピニオンで「喘息」の診断を受けたが…この状況に耐えられなかった私は、かかりつけ医の小児科からセカンドオピニオンで呼吸器内科に息子を連れて行きました。 そこでは医師に「この子は喘息だよ」と診断されました。吸入や喘息の薬を処方してもらって息子の咳は、何とか完治。しかし、風邪を引くたびに咳だけが長引く状況は変わりませんでした。 そして冬の寒い時季に、またもや息子は発熱。数日で解熱はしましたが、咳だけはいつもの通り治りません。「吸入や喘息の薬で治るかな」と私は考えていました。しかし、今回はどれだけ喘息の薬を飲んでもまったく咳が良くなる気配がありません。 再びかかりつけ医へ相談咳で苦しむ息子に何もできずに私は涙が出てきました。しかし、一番つらいのは息子です。私はすがるような思いで再びかかりつけ医の小児科へ息子を連れて行き、今までの流れをすべて話しました。 私の話を聞いたかかりつけ医は「喘息じゃないから薬が効いてないんだよ」と。そのひと言がとても腑に落ちました。 かかりつけ医は「この症状だけじゃ喘息と判断できない」と漢方薬を処方。すると、息子の咳は次第に落ち着き、運動も就寝も問題なく過ごせるように! その後、風邪の際は咳止めの漢方薬をはじめから処方してもらうことで、息子の咳は以前のように悪化しなくなりました。咳だからまた喘息か、と思っていましたが、漢方が効いてよかったです。息子がつらい中、あちこちの病院に連れていくことに迷いもありましたが、再度かかりつけ医を受診してよかったと思った出来事でした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/ふくふく ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:都 うめこ
2023年06月29日3歳児の言葉の発達の目安は?言葉の遅れの原因は?3歳ごろの子どもは、理解できる言葉の数も増え、あいさつや2語文以上の会話ができるようになってきます。また、周囲の大人へ「なぜ」「どうして」と質問を繰り返し、言葉のやり取りを通じてさらに表現力が豊かになってくる時期です。このコラムでは、子どもが3歳になって言葉の遅れが気になる保護者の方に、3歳児の言葉の発達の目安や、発語の遅れの原因、言葉やコミュニケーションを育むかかわり方など専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】「3歳でしゃべらない」「言葉でなくクレーンで要求する」「知的障害や自閉スペクトラム症の可能性はあるの?」3歳児の言葉の発達について、医師が回答(質問)3歳になってもしゃべりません。3歳ごろになると、どのくらい言葉が出るものですか?また、しゃべらない原因について、どのようなことが考えられるのでしょうか。(回答)3歳になると、三語文が出て、自分の名前や年齢や色などが言え、簡単な会話ができるようになります。言葉の遅れの原因はさまざまですが、聴覚障害(難聴)や発達障害(自閉スペクトラム症や注意欠陥多動性障害)、知的障害、環境要因などがあります。大きい音でも反応が鈍い、テレビの音を大きくしたがるなど耳の聞こえが気になる場合には、聞こえの検査を受ける必要があります。3歳で全く発語がない場合には、言葉の理解もできていないのかを知るために、新版K式発達検査、遠城寺式発達検査などを受けます。Upload By 発達障害のキホン(質問)3歳になる子どもがまだ話しません。取って欲しいものがあると、親の手をもってクレーンで要求します。どんなふうにしたら言葉や、コミュ二ケーションの方法を増やしてあげられるでしょうか。家庭ではどのように対応をしてあげたらいいのかアドバイスが欲しいです。(回答)クレーンもお子さんにとっては物を取って欲しいという意志を表示するための、コミュニケーション手段です。親御さんの手を取って、欲しい物の場所まで連れていく様子があったときに、「〇〇が欲しいんだね」とお子さんが伝えたいであろう意志を言葉にして代わりに表現すると良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)3歳になってもいくつか単語を言うだけです。時々テレビで見たフレーズを繰り返すことはあります。知的障害や自閉症などの可能性はありますか?発達検査を受けたほうがいいのでしょうか。(回答)自閉スペクトラム症や、知的障害の場合には、言葉の遅れを認めることがあります。3歳児健診で相談してみるのも一つの方法です。かかりつけの小児科、地域の子育て支援センター、地域の療育センターで相談してみると良いでしょう。発達検査は、お子さんの発達の強みや課題を明らかにするために活用されます。検査はさまざまありますが、3歳で言葉の遅れが疑われている場合、新版K式発達検査、遠城寺式発達検査を行うことが多いです。言葉の発語だけでなく、言葉を理解しているかという認知面、物を手先で操作できるかなど微細運動、粗大運動、社会性などについて、評価します。検査を受けることで、お子さんの発達の現状を把握し、苦手さの確認と、必要な支援の内容が分かります。Upload By 発達障害のキホン(質問)3歳の子どもが、まだ単語を数語話すだけです。療育に通ったほうがいいでしょうか?通いたい場合はどのようにすればいいのか知りたいです。(回答)療育に通うメリットは、お子さんへの直接的言葉かけの働きかけの場面が増えること、お子さんへの関わり方を親御さんが知ることができることでしょう。しかし、療育を複数箇所通って、お子さんも親御さんも自宅に帰ったときには疲れ過ぎてしまう方も見受けられます。お子さんも親御さんも負担ない範囲で、継続的に通われることをおすすめしています。通いたい場合には、かかりつけ医師や、地域の療育センターに相談してみましょう。児童発達支援施設に通う場合には、受給者証が必要になるので、主治医に意見書を発行してもらうと良いでしょう。Upload By 発達障害のキホン発語にまつわるコラムコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月29日小学校からの呼び出し太郎は4歳のころに自閉スペクトラム症の診断を受けている。太郎は学校への行き渋りをまったくみせない。学校でのストレスについて話をしない。ストレスを分かっていない、だから話せないと表現したほうが近いのかもしれない。なので学校からの呼び出しには毎回驚いた。Upload By まゆん呼び出し場所は、毎回学校の保健室。学校の保健室の場所を保護者の中で私が1番把握しているのではと思うくらいだった。電話があれば仕事も早退し太郎のもとへ駆けつけた。太郎が小学生のころの職場も今の職場も、太郎について理解があり子育て世代も多かったため急な早退も快く許可してくださっていた。それでもやはりチームワークが求められる職業であるため、誰かにしわ寄せがあること対して申し訳ない気持ちが毎回あった。しかし太郎を心配する気持ちの方がはるかに大きく、職場に迷惑をかけているという気持ちをいつも振り切っていた。今回はいったい何があったのだろう、身体的な不調か、それとも精神的な不調か…そんなことを考えながら迎えに行っていた。保健室に着くと、保健室の先生が気づいて太郎に声をかけた。「太郎ちゃん、お母さんだよ」。そして太郎の表情を見て、「あ、お母さんが来たらちょっと表情が良くなったねえ、うれしいね」そんな声かけにうれしさと切なさをおぼえた。Upload By まゆん私は太郎に話しかけた。「太郎どうしたの?今も吐きそう?大丈夫?」。太郎は元気のない声で「分からない」、続けて「暑かった」そう答えた。Upload By まゆん毎回同じ。自分の体調不良の表現が難しいのか「分からない」と答える。あとはひどく苦手な暑さについてだけ答えが返ってくる。小児科を受診暑さと、何らかのストレスが重なったときに太郎は嘔吐をすることが多いと私は気づいた。例えば音楽会の前、運動会の前、とにかく団体行動の行事の前にこの体調不良がおきた。保育園時代から何回もあった。そうはいっても身体的に本当に病が潜んでいる可能性もあるため、それを否定する意味でも小児科を受診した。かかりつけの先生は太郎の特性を理解してくださっていた。私から見た太郎の様子や学校行事のことを説明すると「ふむふむ」とうなずきながら聴診器やペンライトを使用しての触診を始めた。先生は太郎に「うんうん、大丈夫、悪いところはないからね、太郎ちゃんちょっと疲れてるのかな」とあたたかく声をかけてくださっていた。身体的な所見に異常がないと分かると私も安心するし、病院を受診することで太郎もなんとなく気持ちのリセットができているように見えた。それからも、太郎は学校を休もうとはしなかった。もちろん私からは休むことの選択肢もあることを伝えていた。家では食事もおいしそうに食べていて吐き気や嘔吐もないため、太郎の「学校に行く」という意志と体調面を担任の先生に伝え、通学させていた。Upload By まゆんこの症状は保育園の年中から始まり、中学2年生になった今でも続いている。ただ、回数は小学6年生のころから減ってきていて、年に1回ほどになっている。こういう出来事を何回も繰り返し、乗り越えて、また繰り返しの太郎。太郎の真面目さ、前向きさにはいつも感心している。太郎は小学校中学年からかかりつけの先生が変わりました(先生が引退されたため)。かかりつけ医が変更になったときはそれはとても不安でしたし、特性を理解してもらえるように私からポイントを先生に伝えていました。紹介状も持っていってたのでそちらでも伝わっていたとは思います。太郎も主治医が代わったことや病院が変わったこと、環境の変化に敏感になっており「ここどこ?」「なにするの?」などきょろきょろと挙動不審になったり先生の前でも固まったりと緊張をしていましたが、今では笑顔も出るくらいになっています。私の説明や太郎の特性を受け入れて、「ふむふむ」と話を聞いてくださった先生にはありがたい気持ちでいっぱいです。保護者がわが子の特性や傾向を理解すること、それを周りに伝えられることが、先生にとっても私たちにとっても重要になってくると今までの経験から感じています。チームをつくるという感じでしょうか…。執筆/まゆん(監修:鈴木先生より)嘔吐の症状が続いている場合、自閉スペクトラム症だけが原因とはまず考えられないため、私のクリニックでは一度検査をされることをおすすめしています。一般的には、発熱せずに周期的に嘔吐する場合は周期性嘔吐症、いわゆる自家中毒と考えられています。ほかの病気を否定するために、脳波・CT・採血などさまざまな検査を行うこともあります。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月28日子育ての「当たり前」は変わってきてる男女ともに子育てしやすい環境になってほしい!出産前は周囲から「男性は子育てしない」などと聞いていたのですが、実際には様々な場所で子育てしている男性の姿を見かけ、聞いていたのとは違うことに気づきました。でも、これは私の周りだけなのかもしれないとも思い、漫画家としても親としても先輩の作家さんにサギョイプ(作業中のスカイプ)中に話したところ「私の周りも同じだよー!」と言われたんです。先輩の「最近、小児科でも男性が子どもを連れているのをよく見かけるよ」という言葉に、自分がふーみんを小児科へ連れて行くときのことを思い返してみると、確かにそうです。問診表をすらすら書いていたり、母子手帳をスムーズに出していたり、かんしゃくを起こしている子を上手くあやしていたりする姿が見られ、普段から主体的に子育てしていることがはっきりわかります。ただ、朝の保育園にもパパが多いという話になったとき、先輩が意外なことを言いました。「でもね、うちの上の子が保育園に通っていたときは、今ほど送迎するパパは多くなかったよ」先輩にはお子さんが2人いて、上の子と下の子は5つ離れているそうです。たった数年でも「子育ての風景」は変わっているんだとビックリしました。もちろん、地域によっては、まだ今でも子育てしない男性が多いところもあるだろうと思います。私も先輩も都市部在住で、共働きが当たり前な環境なのも関係しているかもしれません。でも、何十年も前の自分の親がしていた子育てを思い出したり、一部の人の声を聞いて「男性は育児をしないよね」と決めつけてしまうのは不適切だと思いました。それに「当たり前のこととして、子育てをする男性が増えている」という事実が広まれば、男性ももっと子育てしやすくなると思うのです。男性が子育てしたいと思っていても、周囲に「男性は子育てしない、向いてない、あてにしない」と偏見をぶつけられれば、その気持ちを保ちづらくなるでしょう。もちろん、自分の子どもなのだから、そう言われてもがんばるべきだと思う人もいると思いますが、偏見はないほうがいいに決まっています。子育ての現場には、まだ女性が多く、男性は居心地の悪さを感じるかもしれません。男性は女性に比べて育休が取りにくかったり、男性用トイレにはおむつ替えシートがなかったりもします。そういったハードルもなくしていけば、もっと男性も子育てしやすくなるのではないでしょうか。すると、女性もラクになるはずです。これからは、さらに男女とも同じように子育てしやすい環境になるよう願っています。投稿募集「もっとこうだったら、男性も育児がしやすいのに」と思うことがあれば、ぜひ以下のハッシュタグをつけて教えてください!私はやはり、男性用のトイレ(個室)にもおむつ替えシートをつけてほしいと思います。#男性も子育てしやすく#ふうふう子育て※匿名ご希望の方はマシュマロをお使いください。※いただいたエピソードを作品で取り上げてさせていただいたり、出典を明記のもとシェアさせていただくこともあるかもしれません。予めご了承ください。======================================次回更新は、7/2(日)の予定です。どうぞお楽しみに!<<『青鹿ユウの夫婦でふうふう子育て』をすべて読む>>======================================青鹿ユウ 漫画家。夫と娘と猫と暮らしている。自分の経験、専門家から学んだことを「気軽に楽しく読めて、ちょっとためになる」漫画にしたいと思っている。著書に『今日から第二の患者さん』(小学館)、共著書に『子どものアトピー性皮膚炎のケア』、『ほむほむ先生のアレルギー教室』がある。Twitter:@burubanblog:(編集協力:大西まお)
2023年06月25日皆さんは、病院でのトラブル経験はありますか? 今回は入院中に遭遇したトンデモ母親のエピソードを紹介します!イラスト:エトラちゃんは見た!息子が検査入院息子が体調不良のため、小児科へ連れていった主人公。大きな問題はなさそうでしたが、念のため検査入院をすることに。息子はまだ幼いため、看護師からは主人公も付き添いで病院に泊まるようにすすめられます。そして、息子と主人公が泊まる病室へ案内されたのですが…。同室には…出典:エトラちゃんは見た!息子が入院する大部屋へ入ると、部屋では看護師に向かって大きな声を張り上げる女性の姿が。その女性も息子が入院するようですが、部屋が個室でないことに文句を言っているようです。厄介そうな人と同じ部屋になってしまったことに不安を覚える主人公。そしてその夜、主人公の不安は的中するのです。その女性はなんと、主人公が使うために用意した寝袋と座布団を奪って勝手に使っていたのです。さらに女性は、主人公が返してほしいと伝えても「これは家から持ってきた」と主張してきて…。結局主人公が名前を書いていたことで寝袋は返ってきたものの、女性の身勝手な態度に呆れる主人公なのでした。厄介な母親ただでさえ不安が多い入院中に、トラブルに巻き込まれてしまった主人公。女性の身勝手すぎる態度に呆れてしまったエピソードでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年06月23日悪魔の3歳児?3歳児の癇癪がひどい理由は?2歳ごろのイヤイヤ期との違い癇癪(かんしゃく)とは、大きな声で泣いたり、激しく叫んだり奇声を発したりするなどの興奮を伴う混乱状態を指します。気持ちのコントロールがうまくできない幼少期に起こりやすいと言われており、コミュニケーションの手段として習慣化することもあります。乳幼児期(0~1歳)ごろはオムツが汚れている、お腹がすいている、眠いなどの生理的に不快な状況がきっかけで癇癪を起こすことが多いです。1歳を過ぎると自分のしたいことがだんだんと分かってきます。保護者のしたことが自分のしたいことと違う場合に癇癪を起こすことも増えてきます。2歳を過ぎると本格的な「イヤイヤ期」に入ってきます。「魔の2歳」なんて言葉も聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。発語も出てくるので、「いや!」と言葉で自分の主張をしてくることも増えるでしょう。3歳になるとより一層知識・思考力が高まり、自分の主張を言えるようになってきます。「魔の2歳」のときよりも言葉も増え、体力もついてきているので「悪魔の3歳児」と呼ばれているなんてことも。このコラムでは、・3歳児の発達の特徴・2歳のイヤイヤ期と3歳児の癇癪との違い・3歳児の癇癪の原因・ひどい癇癪は何歳まで?癇癪が落ち着く時期・定型発達の子どもの癇癪と発達障害のある子どもの癇癪の違い・癇癪がひどい場合の相談場所など、3歳児の癇癪にまつわるギモンから、子どもの癇癪にまつわる保護者のお悩みや困りごとなど専門家の先生のアドバイスを交えてご紹介します。【小児科医に聞く】3歳児の癇癪で気になるギモンに小児科医が回答ここでは、小児科医の藤井明子先生に3歳児の癇癪の原因や、ギモン、家庭や園、外出先での対応のコツについてお答えいただきます。(質問)イヤイヤ期がそろそろ終わるかと思ったら、3歳になって癇癪がパワーアップした気がします。3歳児の癇癪の原因は何ですか?癇癪はいつごろ落ち着くのでしょうか?(回答)3歳になると、言葉がふえ、短い文章で意思を伝えるようになり、感情の表現が豊かになります。運動面では、歩く/走るといった大きい運動(粗大運動)が向上するだけでなく、手先を使った細かい動き(微細運動)、たとえば積み木を積んだりといったことができるようになります。社会性も発達し、他者とのコミュニケーションが進み、自分の気持ち、人との関係性を意識するようになります。3歳の癇癪の原因は、2歳児よりもできることが増え、自分でやりたいという自己主張が増えたり、感情表現がはっきりすることで、癇癪となることがあります。3歳児は2歳児に比べて、言葉が発達し、感情コントロールも向上しているので、癇癪がへる傾向が見られます。しかし、3歳になって入園したり、習い事など集団生活に参加したりと環境の変化の機会もあり、それに伴いこれまでなかった癇癪が起こることもあります。癇癪は、気持ちの言語化ができるようになり、感情のコントロールが向上すると落ち着いてきます。3歳後半から4歳ごろになると落ち着いてくるお子さんが多いです。しかし、子どもの成長や発達は個人差があるため、癇癪が落ち着かない場合には、かかりつけ医に相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン(質問)無茶苦茶な要求をしては通らないと暴れます。親のしつけが悪いのでしょうか?(回答)癇癪が強いのは、お子さんの感情コントロールの発達の段階がまだ、成長過程だからです。親御さんのしつけのせいではありません。きょうだいを同じように育てても、癇癪が強い場合もあれば癇癪がほどんどない場合もあり、お子さんの個性はさまざまです。無茶苦茶な要求をされても、「〇〇ちゃんは、これをしたかったんだね」とお子さんの気持ちの言語化を代わりにしましょう。気持ちを受け止めつつ、「でも、今はできないよ」とできないことを伝えましょう。暴れてつらいと思われるかもしれませんが、癇癪を起こしたら、要求が通るという流れにならないように、できないことは、できないと冷静な態度を取るのが良いでしょう。そして、気持ちが落ち着いたら、それまでやっていた活動に戻り、穏やかな時間を共に持ちましょう。Upload By 発達障害のキホン(質問)わが子の癇癪がひどくてしんどいです。よい対応方法、やってはいけない対応方法はありますか?(回答)「〇〇ちゃんは、これをしたかったんだね」とお子さんの気持ちの言語化を代わりにしましょう。気持ちを受け止めつつ、「でも、今はできないよ」とできないことを伝え、気持ちが落ち着くのを待ちます。外だと癇癪はないのに、家庭内で癇癪が目立つというお子さんもいます。理由として、園などの集団生活では気を張って頑張っている分、家ではリラックスして気持ちを発散していることなどが挙げられます。その場合、家ではリラックスしやすい環境を整えることが大切です。家の中で癇癪を起こした場合には、安全な場所に一定の距離をもち離れ、クールダウンする時間を設けるのも良いでしょう。園でも、落ち着く環境に行き、クールダウンできるよう工夫しましょう。教室から離れて、職員室へ先生と2人で行く、机の下に潜るなど、落ち着く場所はお子さんによってそれぞれです。園の先生と対応について、相談することをおすすめします。外出先では、癇癪が起きた場所から少し離れて、気持ちが落ち着くのを待ちます。短い静かな時間を過ごして、元の活動に戻ります。癇癪が激しいと、お子さんの要求をかなえてあげたくなることがあるかもしれません。しかし、お子さんの要求を叶えると、癇癪を起こすことが、自分の要求を表現する仕方になってしまうので、気持ちの言語化をサポートしながら、落ち着くのを待ちましょう。【発達ナビQ&A】子どもの癇癪にもう限界…周囲の目も気になってしまい発達ナビのQ&Aコーナーでは、子育てに関する疑問や知りたいことを質問するとほかの発達ナビ会員の方々が実体験などをもとに答えてくれます。癇癪に関する質問とその回答をご紹介します。いつもお世話になってます。診断はまだですが自閉症スペクトラムであろう3歳半の娘がいます。少しでも気に障ったり気に入らないことがあると「バイバイ!!」と言って原因のものを自分から遠ざけます。積み木をしていて、崩れたりすると自分の目の届かないところに持っていかせます。今朝保育園に傘を持っていって、お迎えのときに雨が降っていなかったので、うっかり忘れてしまいました。でも10メートルくらい歩いてすぐ気づいたので「傘忘れたね!取ってこようか」と声をかけたらパニックになってしまいました。傘を取ってきて「バイバイ!」と私に言ってきても、その辺に捨てるわけにもいかず、家まで持って帰ろうとしても大泣きで動いてくれませんでした。その間お友だちやママさんがたくさん通ってすごく辛かったです。まだ言葉の理解が弱く、すぐ癇癪を起こします。いつか落ち着く日はくるのでしょうか。こちらの質問には以下のような回答が寄せられました。引用:(略)幼稚園での出来事についてはしかたないとして、傘とかは、じぶんできづけは、偉いねですが、普段はお母さんが確認してもって帰ってくることにしてはどうでしょうか?お帰りにもう一度戻る、きっと耐えがたい気分なのだと思います。人前で混乱させないには、イレギュラーな出来事に遭遇させないことだと思います。(略)引用:(略)やはり事前告知が一番安定します我が家の場合、長男が文字を読むのが好きだったので、折り紙などの裏にボールペンで予定を2通り書いて選ばせたりしていました例えば、遊びに行く場合だと、11:00が今、お昼は何時かな?(12時!と答えてくれる)、じゃあ12:00〜13:00までお昼だよね。13:00〜遊びだね。と時間軸を横に置いてスケジュールを見える化します。ママはこっちの方がいいと思うんだ!と言いながら、11:00(今)〜12:00をお昼、13:00〜ずーっと遊び。みたいにパッと見ても先にご飯食べた方が途中抜けしないで遊べるよ!とメリットを感覚で理解しやすいように伝えました。(略)参考:発達ナビQ&A(解説)発達障害のお子さんの癇癪は、定型発達のお子さんに比べて、癇癪が強い傾向にあります。それは、こだわりが強かったり、気持ちのコントロールが未熟だったり、見通しが立たないことに不安を感じやすいなどの、特性が関係していることがあります。気持ちの言語化を図り、落ち着かせようとしても、なかなか落ち着かないなどある場合には、発達障害か否かを悩むよりも、かかりつけ医や保健センター、発達相談センターなどに相談することをおすすめします。Upload By 発達障害のキホン癇癪についての関連コラムはこちらコラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月22日こんにちは。3児の母小児科医の保田典子です。今回は、小児科医から見た「親のNG行動」についてマンガでお話ししたいと思います。そのうちの1つが、予防接種などお子さんが痛かったり、嫌がることの多い処置をするときの親御さんの対応です。お子さんの予防接種をするときの親御さんのNG対応について、紹介したいと思います。 NG行動1:子どもに伝えない予防接種は元気なときに病院に行っておこなうものなので、「あらかじめわかっている受診」ですよね。 そんな受診のときに「なぜ病院に行くか」をお子さんに伝えずに病院に連れて来る親御さんがいらっしゃいますが、これはなるべく避けてほしいなと思います。「〇〇に行くよ」など病院ではない所へ行くと騙して連れ出すのも避けたほうがいいです。もちろん、その子の特性などに合わせて対応するのは大切ですが、不意打ちで痛いことをされるのは誰でもびっくりしますし、傷つきます。 国立成育医療研究センターでは、目安として2~3歳には数時間前、4~6歳は前日、小学生以上には1週間前に伝えると良いでしょう、とアドバイスしてくれていますので、参考にしてみてください。 NG行動2:「痛くないよ」と言う注射は、多かれ少なかれ痛いものです(インフルエンザワクチン、私も痛いので嫌ですが毎年打っています)。接種の前に「痛くないよ」など、ほぼウソになってしまうことは言わないようにしましょう。これは病院だけでなく、どこでも同じです。 「ちょっと痛いんだけど、病気にならないようにするために大切なんだよ」と伝えることが大切です。 ちなみに、接種後泣くお子さんに対して「泣かないの!」と言う親御さんもいますが、小児科医としては全然泣いてOKです。だって痛いんですから。 大事なのは痛いことを共感してあげることが大切です。その上で「痛いから泣いちゃうよね」と理解してあげるほうが良いと思っています。もし、泣かなかったときは「痛いのに泣かなかったね」と褒めてあげましょう。 事前の準備で「見通し」を!子どももれっきとした1つの人格なので、何か子どもが嫌なこと、慣れていないことをするときは、注射に限らず事前説明をするようにするといいでしょう。きちんと説明し、納得まではいかずとも、しっかり予防接種をする意図を伝えてから接種に臨めるといいですね。 伝える方法としては、子どもは目で見たほうが理解できることが多いので、ひらがなが読める子には、このメモのような「目で伝えるツール」なども使えますよ。 ▲保田先生が実際に使っているメモ 病院では、「プレパレーション(準備)」と言って、これからおこなう手術や治療の手順を、画像や人形などを使ってごっこ遊びのように説明をすると、子どもの心の準備ができるので、泣くことが減ったりすることもあります。▲保田先生が実際に使っているメモ 予防接種なら、病院の受付のところから手順を遊びつつ説明できるといいですね。例えば予防接種なら、「受付→待合室で待つ→診察室に入る→問診する→診察する→消毒する→注射する→絆創膏を貼る」という感じです。 やったあとには「褒める、認める」を!今回の小児科NGは予防接種についてでした。病院はお子さんにとって嫌なことをすることが多い場所ですが、とても大切なことをする場所でもあるので、少しでも安心して受診できるといいですね。 どんなことでも、「見通し」がたつと人は安心します。もちろん、痛いことなので見通しを立てれば必ずうまくいく訳でもないのですが、親が病院での見通しを教えてくれると思うと、他の新しい場所へ行くときでも、見通しを教えてあげることでグズグズが減ることがあるかもしれません。そして、お子さんが嫌なことを頑張ったあとは、しっかり褒めてあげてください。「痛いのにがまんしたね」「あまり動かず頑張れたね」など、お子さんの頑張りをしっかり認めて、声をかけてあげてくださいね。 作画/はたこ監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年06月20日さまざまな水遊び用おもちゃUpload By まる最近暑い日も多くなってきたので、ちょっと早い気もするが水遊びグッズを出してみた。わが家にあるのはプール、ウォーターテーブル、蛇口につなげて使う噴水おもちゃ、リュック型の水鉄砲、繰り返し使える水風船などだ。さまざまなものを息子が生まれてからの5年間で購入してきた。というのも、息子は水遊び自体は嫌いではなさそうだが、長時間遊べないのだ。水遊びというかなんでも長時間集中することが苦手な様子。せっかくなのでたくさんびしょびしょになって遊んでほしくて、いろんな水遊びおもちゃを買ってきたがすぐに飽きて家の中に入ってしまう。お庭で水をためるだけのプールは5分ももたない。熱めの温泉に浸かってるのかな?といった感じで少しだけ水に浸かると「オシマーイ!」と言って出てきてしまう。おもちゃをいろいろプールの中に入れて、私も一緒に水鉄砲で遊んだりするのだがそれでもすぐに撤退してしまう。プールで楽しく遊べるのはいつになるのかUpload By まる息子はまだオムツが外れていないため、家以外のプールで遊ぶこともまだ存分に楽しめていない。オムツが取れてない子ども用のプールなどに連れて行ったりもしたが、やはりすぐに飽きてしまう。一応一緒に行動するお友達がいればそれなりに時間を過ごせるのだが、夢中になって水遊びをしているほかの子どもを見ると「同じように楽しめばいいのになぁ」と思ってしまう。きっと息子なりに遊び方が分からなかったり、服が濡れるのが嫌だったり、ちゃんと理由があるのかもしれない。これまで医師や療育の先生などに感覚過敏と言われたことはなく、どちらかと言えば感覚鈍麻と言われることもあった息子だが、暑くなってきたせいなのか、最近、やけに勝手に服を脱いだりお腹を出したりすることが増えてきた。母親の目から見ていると、多分服が汗で濡れる感覚があまり好きじゃないのかも?と感じている。水遊びから見えた友達関係Upload By まるつい先日の暑い日、わが家にお友達が遊びに来た。小学校低学年の女の子2人と息子と同い年の男の子が1人。せっかくだからと家のウォーターテーブルや水鉄砲など用意して子どもたちを遊ばせた。息子以外はみんな発達に遅れのない子どもたちで、みんな服をびしょびしょにして楽しそうに遊んでいる。息子はそんなときでもマイペースなので家の中でひとり電車で遊んでいた。せっかくだからと息子を水遊びに参加させることにし外に連れ出した。みんなで水鉄砲や水風船で水をかけ合って大笑いして遊んでいる輪に入っていくと「リュウくんもびしょびしょにしてやるー!」とみんなから水をかけられた息子はものすごい嫌な顔をしてそのままなにも言わずに一目散に家に入ってしまった。息子と同い年の男の子は水をかけられても「やったなー!」とやり返したりして仲良く遊べている。多分ひとりでのんびりと遊びたいのに水をかけられた、服が濡れて気持ち悪い、ですぐに嫌になってしまったんだと思う。これからの心配事Upload By まるそれを見てちゃんと「嫌だったから逃げる」ことができたのはよかったが、これからの人間関係のやりとりの部分について不安にもなった。大人が見てるところで遊んでるだけの今は安心だが、今後もし大人の目が届かなかった場面で嫌な思いをしたとき息子は対応できるのか。お友達と一緒に遊ぶということができるようになるのか。お友達と一緒に遊ぶことができるようになれば、集中して遊ぶ時間も増えるかもしれないと思っている。実際私と2人で公園へ遊びに行っても滑り台を2回くらい滑ったらすぐに「帰る」と言うが、お友達と一緒に行くと滞在時間が伸びるのだ。相手に合わせることや相手に自分の気持ちを伝えることなどはまだまだこれから、できる限りサポートしていきたい。執筆/まる(監修:藤井先生より)まるさんがリュウくんが少しでも水遊びを長くできるように工夫された様子はとても素敵だなと、思いながら読みました。ありがとうございます。のんびり遊ぶのが好きな子ども、友達と一緒に遊ぶのが好きな子ども、友達が遊ぶのを見ているのが好きな子どもなど、遊び方はお子さんそれぞれに違います。友達と遊ぶのが苦手でも、一人の空間で遊ぶ→複数人の人がいる中で一人で遊ぶ→友達の遊ぶ中で遊ぶ→友達の遊びを見る→短い時間一緒に遊ぶ、というスモールステップでできるようになっていくこともあります。園の先生などの協力も仰ぎながら、リュウくんの遊びの幅が広がると良いですね。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月19日子どもが小学生になるタイミングは、親子の心身に大きな変化が現れる時期でもあると言われています。もし子どもから登校前に不調を伝えられたら、あなたならどうしますか……?今回は人気クリエイターのねこじまいもみ(@neko_jima_imomi)さんの体験談をもとに描かれた漫画『繊細さん長女が泣きながら学校へ行った日々』から、話の展開を予想していただく漫画クイズをお届けします!長女が登校直前に……いもみさんの長女わっちさんは、小学校に入学した2週間後から登校前に腹痛を訴え、泣き出すようになってしまいます。長女の涙の理由が『お母さんと離れたくない』からだと知ったいもみさんは、長女と一緒に登校する日々を過ごしていました。しかしゴールデンウィーク明けの前日、長女に“異変”が起きて……?ここでクイズです!この後いもみさんは、担当医から“ある診断”を告げられます。それは、一体どんなものだったでしょうか?子どもが母親から離れられない、という状況が関係しているようです……。先生は……?正解は「分離不安」その後帰宅し、長女の症状が『母子分離不安』に当てはまると知ったいもみさん。その後彼女はこの母子分離不安について調べていくうちに、原因が自分にあるかもしれないと感じてショックを受けるのでした……。こんなときどうする?わが子が聞き慣れない症状に当てはまっていると知ったら、不安な気持ちになりますよね……。その後のお話でいもみさんは『母子分離不安』について調べていくうちに、その原因が自分にあるのではないかと考え苦悩します。あなただったら、こんなときどう対処しますか?(MOREDOOR編集部)(イラスト/@neko_jima_imomi)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。
2023年06月17日皆さんは付き添い入院をした経験はありますか? 今回は「息子が入院した話」を紹介します。イラスト:エトラちゃんは見た!『息子が入院した話』体調が良くない息子を連れて小児科を受診した主人公。検査をした結果、問題ないとは思うと医師から伝えられますが…。念のため入院を出典:エトラちゃんは見た!念のため入院して詳しく検査することになり、主人公も付き添い入院するように勧められます。そこで、主人公は入院に必要なものと寝袋を持ってくるよう夫にお願いしました。入院する病室に移動してしばらく過ごしていると、同室に入院する親子が登場。同室の親は看護師から説明を受けはじめるや否や、個室でないことや簡易ベットのレンタル料が高いことなどに、次々と難癖をつけ始めたのです。癖のある親と看護師とのやりとりに主人公は驚き、同室なことに不安をおぼえるのでした。大部屋での付き添い入院子どもの付き添い入院は、親も子も我慢することが多く大変ですよね。付き添い入院で同室の親子に困惑してしまったエピソードでした。※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点でのものになります。
2023年06月14日こんにちは。3児の母小児科医の保田典子です。今回は、小児科医から見た「親のNG行動」についてお話ししたいと思います。そのうちの1つが、予防接種などお子さんが痛かったり、嫌がることの多い処置をするときの親御さんの対応です。お子さんの予防接種をするときの親御さんのNG対応について、紹介したいと思います。 NG行動1:子どもに伝えない予防接種は元気なときに病院に行っておこなうものなので、「あらかじめわかっている受診」ですよね。 そんな受診のときに「なぜ病院に行くか」をお子さんに伝えずに病院に連れて来る親御さんがいらっしゃいますが、これはなるべく避けてほしいなと思います。「〇〇に行くよ」など病院ではない所へ行くと騙して連れ出すのも避けたほうがいいです。もちろん、その子の特性などに合わせて対応するのは大切ですが、不意打ちで痛いことをされるのは誰でもびっくりしますし、傷つきます。 国立成育医療研究センターでは、目安として2~3歳には数時間前、4~6歳は前日、小学生以上には1週間前に伝えると良いでしょう、とアドバイスしてくれていますので、参考にしてみてください。 NG行動2:「痛くないよ」と言う注射は、多かれ少なかれ痛いものです(インフルエンザワクチン、私も痛いので嫌ですが毎年打っています)。接種の前に「痛くないよ」など、ほぼウソになってしまうことは言わないようにしましょう。これは病院だけでなく、どこでも同じです。 「ちょっと痛いんだけど、病気にならないようにするために大切なんだよ」と伝えることが大切です。 ちなみに、接種後泣くお子さんに対して「泣かないの!」と言う親御さんもいますが、小児科医としては全然泣いてOKです。だって痛いんですから。 大事なのは痛いことを共感してあげることが大切です。その上で「痛いから泣いちゃうよね」と理解してあげるほうが良いと思っています。もし、泣かなかったときは「痛いのに泣かなかったね」と褒めてあげましょう。 事前の準備で「見通し」を!子どももれっきとした1つの人格なので、何か子どもが嫌なこと、慣れていないことをするときは、注射に限らず事前説明をするようにするといいでしょう。きちんと説明し、納得まではいかずとも、しっかり予防接種をする意図を伝えてから接種に臨めるといいですね。 伝える方法としては、子どもは目で見たほうが理解できることが多いので、ひらがなが読める子には、このメモのような「目で伝えるツール」なども使えますよ。 ▲保田先生が実際に使っているメモ 病院では、「プレパレーション(準備)」と言って、これからおこなう手術や治療の手順を、画像や人形などを使ってごっこ遊びのように説明をすると、子どもの心の準備ができるので、泣くことが減ったりすることもあります。▲保田先生が実際に使っているメモ 予防接種なら、病院の受付のところから手順を遊びつつ説明できるといいですね。例えば予防接種なら、「受付→待合室で待つ→診察室に入る→問診する→診察する→消毒する→注射する→絆創膏を貼る」という感じです。 やったあとには「褒める、認める」を!今回の小児科NGは予防接種についてでした。病院はお子さんにとって嫌なことをすることが多い場所ですが、とても大切なことをする場所でもあるので、少しでも安心して受診できるといいですね。 どんなことでも、「見通し」がたつと人は安心します。もちろん、痛いことなので見通しを立てれば必ずうまくいく訳でもないのですが、親が病院での見通しを教えてくれると思うと、他の新しい場所へ行くときでも、見通しを教えてあげることでグズグズが減ることがあるかもしれません。そして、お子さんが嫌なことを頑張ったあとは、しっかり褒めてあげてください。「痛いのにがまんしたね」「あまり動かず頑張れたね」など、お子さんの頑張りをしっかり認めて、声をかけてあげてくださいね。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年06月14日娘が2歳半を過ぎたころ、39度を超える熱が出たため小児科へ。そこで手足口病の診断が出ました。医師から「あまりに熱が高いときは解熱剤を入れてください」と指示があったので、帰宅後に坐薬を入れることになったのですが……。 坐薬の投与をしようとしたら娘が豹変! これまで坐薬を入れたことは何度かあるものの、嫌がったことはない娘。今回も坐薬のみを処方してもらいました。しかし、2歳半を過ぎた娘は想像以上に成長しており、これまでの経験をしっかりと覚えていたようです。高熱でいつもより元気がない娘に、私は坐薬のことは口にせず「ごろんしておむつ替えようか」と娘をあお向けに寝かせ、おむつを脱がせました。娘はお気に入りのぬいぐるみを抱っこしたままボーッと寝転んだものの、突然「嫌!」と起きあがろうとしました。「なんでごろん?」と聞いてきたので「お薬するからよ」と伝えます。そして、娘の両足を持ち上げおしりにベビーワセリンを塗り、坐薬を出した途端に娘が豹変。 ※坐薬挿入の際は、坐薬の先端にベビーオイルやワセリンを付けたり、坐薬の先端を指で温めて挿入するとスムーズにできます。 「お薬いやー!」と泣き始めた娘は、おしりを両手でおさえて隠し、全力で足をバタバタさせています。私は、あまりに拒絶する娘に圧倒されていました。「すぐ終わるから大丈夫!」とごまかしながら両足を固定。坐薬を挿入しましたが、娘はやめてと泣いています。無事に坐薬を入れ終わったあと、呆然とする娘が「お薬イヤなの……」とぽつり。2歳児とは思えないほど絶望した姿に、私は少し申し訳なさを感じました。 ついこの間までは坐薬を抵抗しはなかったので、意思をもって嫌がる姿に成長を感じ、驚きました。おしりにワセリンを塗っていましたが、それでも滑りが悪くて痛かったのかもしれません。そのため次回は、粉の解熱剤を処方してもらおうと思います。嫌なことをうまく表現することができない点をちゃんと理解できていなかったことに反省した出来事でした。 監修/助産師 松田玲子作画/mosu著者:渡辺莉子
2023年06月14日結婚して2年、なかなか子宝に恵まれず2年間不妊治療に通い続け、2度の化学流産を経験。不安と喜びの妊娠期間を過ごし、やっと会えた息子。 次の日、小児科の先生から告げられた言葉は、出産したばかりの私にはあまりにも衝撃的でした。 念願の妊娠、出産! だけど…結婚後、なかなか子宝に恵まれず、不妊治療に通い始め、タイミング法をおこなっていましたが、2度のつらい化学流産を経験しました。「神様があきらなさい」と言っている、と本気で思っていました。 半分あきらめながらも治療を続け、超音波検査で赤ちゃんの入った袋が見えたときの感動は、今でも忘れられません。2回化学流産したこともあり、妊娠中はちゃんと育ってくれるか不安でしたが、特に問題なく順調に経過し、あっという間に出産を迎えました。 初めてのことでもうろうとしながらも、無事に出産。夫も立ち会ってくれ、私たちにとって忘れられないものとなりました。病室に戻り2人で喜んでいたのですが、息子の呼吸が安定しないため、保育器で様子を見ることに。私も夫も不安でしたが、それ以上に生まれてきてくれてやっと会えた喜びのほうが大きく、次の日からの母子同室を楽しみにしていました。 ところが、次の日の朝、医師から「午前中いっぱい様子を見て、大学病院に転院するか決めます」と言われ、祈るような気持ちで午前中を過ごしました。息子に何が起こっているのか? どういう状況なのかわからず不安でいっぱいでした。お昼前、小児科の先生から告げられた言葉は、私たち夫婦にとって衝撃的なものでした。 大学病院で検査?「呼吸が安定しません。専門の所で見たほうが安心なので、今から転院しましょう。 それと、染色体異常の可能性があります。検査をしたほうがいいでしょう」。 言葉が出ませんでした。昨日まで、生まれてきてくれたこと、不安だけど楽しみな育児、「早く抱っこしたい」と夫と2人で話していたことが、なんだか夢のようでした。 それから、1時間もしないうちに救急車が来て息子は大学病院へ。夫も手続きのため、追いかけるようにして大学病院に行ってしまい、産婦人科の病室で部屋にひとり。あまりの展開に状況が飲み込めず、泣くことしかできませんでした。 しばらくして戻ってきた夫とは、何を話していいかもわからず、2人ともお互いに心配かけまいと「大丈夫、きっと大丈夫」と声を掛け合うことしかできませんでした。 それから退院まで、できる限り搾乳して昼から夕方まで息子のいる大学病院に会いに行き、産婦人科に戻って休むを繰り返していました。 おっぱいは張って痛いのに息子はそばにおらず、他の人の赤ちゃんの声で眠れない……。入院中、先生やスタッフのみなさんにとても良くしていただいたのですが、ひとりで産婦人科に入院していることがとてもつらかったです。 検査結果は…息子よりひと足先に私が産婦人科を退院し、3日後に大学病院を息子が退院することに。 息子の退院の時点では検査結果は出ておらず、後日結果を聞きに行くことになりました。 初めての育児、丸1日を息子と初めて過ごすことに不安もありましたが、何より息子を抱きしめることができて、うれしかったです。 慣れない育児に悪戦苦闘しながら、毎日はあっという間に過ぎていき、息子が生まれて1カ月後、大学病院に検査結果を聞きに行く日が来ました。 夫婦2人とも眠れぬ夜を過ごしたかと思います。 結果は「21トリソミー(ダウン症候群)」でした。 先生がいろいろ説明してくれたことがほとんど耳に入らず、帰りの車の中では、ただぼんやり外を眺めていました。 本当に自分の息子がそうなのだろうか? 何かの間違いでは? そんなことを延々と考えていたような気がします。 息子はもう生後3カ月を迎えました。 正直、今でも結果を完全に受け入れることができているかは自分にはわかりません。ですが、800〜1,000人に1人の確率でしか生まれない「ダウン症候群」。そんな息子に選ばれた私は、息子が教えてくれること、息子からしか学べないことがきっとあり、私しかできないことがきっとあると思い、毎日の子育てに奮闘しています。 涙が出ることもあるけれど、「私が今悩んでも不安が息子に伝わるだけ。息子が思い悩んだときに一緒に悩んで考えよう」と思い、前向きに育児に取り組んでいます。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/みいの 著者:塩田 沙織現在、3カ月の息子の育児に奮闘中。育休前は、介護福祉士として病院勤務。
2023年06月13日私は子どもが1歳4カ月のときに保育園に預け、復職しました。復職前は、子どもの急な体調不良などで職場に迷惑をおかけするのではないかと心配していました。案の定、子どもは保育園で体調を崩し、仕事中に呼び出されることがしばしば。少なくとも月1回以上は保育園から呼び出され、急な早退や休暇の取得が度重なりました。そんな私が実践している、子どもの病気と仕事の両立における工夫・対応を紹介します。 早めに小児科を受診する私は、子どもに咳や鼻水など風邪の初期症状が見られたら、早めに小児科を受診するようにしています。復職したばかりのころは「咳や鼻水ぐらいなら、保育園に預けても大丈夫だろう」と甘くみていた私。しかし、そういう日は大体保育園から呼び出されるのでした。 急いで保育園に迎えに行くと、ほっぺたを真っ赤にし、明らかに元気のない子どもの姿が。「軽い風邪症状だから」と楽観視したのが良くなかったと猛省した私。風邪は引き始めの対処が大事であることを肝に銘じ、早めに受診するようにしています。風邪の引き始めにしっかり対処することで、風邪が長引かなくなったように感じています。 よく食べ、よく遊び、よく寝て風邪を予防私は規則正しい生活は健康の基本だと考えており、子どもの食事・遊び・睡眠に気を配るようにしています。食事は、野菜とたんぱく質を多く含むメニューでしっかり栄養をとらせることを意識。日中は、外で体を動かして遊ばせるようにしています。日光を浴びるだけでも体力を消耗するのか、外遊びをした日は特に子どもの寝つきが良くなります。 規則正しい生活を意識した結果、子どもが2歳を過ぎたころには保育園からの呼び出しは3~4カ月に1回程度に激減! 規則正しい生活は子どもの精神面にも良い影響を与えてくれているようで、規則正しい生活を送れた日は機嫌が良く、情緒が安定していると感じます。 職場で利用できる制度を確認復職する前、私はまず職場の諸規定を確認しました。すると、子どもが病気にかかったりけがをしたりしたときや、予防接種・健康診査を受けさせるときなどに利用できる休暇として、有給休暇とは別に特別休暇が使えることがわかりました。 これは無給ではなく、有給の特別休暇で、子ども1人につき年間5日間まで取得できるもの。特別休暇を使用するには、職場のワークフローシステムから申請する必要がありますが、証憑の提示などは不要です。子どもの体調不良で仕事を休まなければならないとき、私はまず特別休暇を利用するようにしています。 復職したばかりのころは保育園からの呼び出しが心配でしたが、復職して1年7カ月が経った今、早めの小児科受診と規則正しい生活の効果があってか、保育園からの呼び出しは激減! 職場には特別休暇の制度があるだけでなく、それを使いやすい雰囲気があるので、保育県からの呼び出しにも余裕をもって対応できています。 監修/助産師 REIKOイラストレーター/まっふ著者:武田 ゆうか
2023年06月10日自閉スペクトラム症(ASD)とADHD(注意欠如・多動症)がある中学3年生発達障害の専門家が出会った発達が気になる子どもたちや、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。今回は、自閉スペクトラム症とADHDの診断がある中学3年生のエピソードです。県立高校への進学を希望しているものの、定期テストではケアレスミスが多く正解率が20%程度。わが子を心配して涙する母親に小児科医は…。Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談Upload By 専門家体験談解説:定期診療の時間を、安心して相談できる機会にーー小児科医今回は、自閉スペクトラム症とADHDのある中学3年生のエピソードをもとにお届けしました。ひとり親家庭で保護者の方は仕事に追われ、パンパンの状態であることが診療時に伺えました。お子さまは、反抗はするものの根が優しく親思いであることが伝わってきましたので、親子の目標である「県立高校に合格する」ということを意識し、定期診療でさまざまなアドバイスを行いました。診療のポイントは大きく2つです。薬物治療ADHDの主な症状である多動性・衝動性、不注意に対して薬物治療を開始していましたが、薬を飲まないことが続いていました。そこで、服薬の負担を軽減するために1日2回から1日1回の治療薬に変更して様子をみました。学校や塾の先生への協力依頼先生で注意されてばかりだったり試験結果が思わしくなかったりすると、お子さまの自己肯定感が下がっていきます。「(小児科医と相談し、服薬もしながら勉強を頑張るので)応援団になってほしい」と伝えることで、少しでも環境を変えることを大切にしました。高校受験では、通塾されるお子さまも多いことと思います。学習内容や先生の指導がわが子にあっていないと感じたら、今回のケースのようにほかの塾に移ることで勉強しやすくなることもあるでしょう。コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年06月06日