村にとどまり、とっかえひっかえ村の男と寝ることで村に復讐しようとする女子高生の野口、いつか村から出ていく決意を固める同級生の田上や、村から逃げそびれた同級生の友之、いったんは脱出したのに戻ってきた高校教師のヒデジや妙子…。こざわたまこさんの小説『負け逃げ』は、地方の閉塞感から逃れようとあがく人々を描いた連作短編集。「私の故郷は、帰ろうと思ったらすぐ帰れるくらいの中途半端な距離なんですよね。だからなのか、いまでも田舎にからめとられているような感覚が取れないんです」6つの章に登場する語り手たちやその家族が、それぞれに抱えている苦い記憶。だが、みなその出来事をなかったことのようにふるまい、痛みから目を背ける。「そんな欺瞞がキライで、暴いてやりたいという衝動もあったかもしれません。その一方で、周りから浮かないようにという意識は強かった。合わせるふりがヘタだったとは思わないのですが、その分、違和感は澱おりのように溜まっていきました」それを各章の主人公に重ね、ぶつけた本作。出ていける人と出ていけない人の対比がリアルで生々しい。「いつか出ていくという希望を持てる高校生だけでなく、出ようとして出られなかったとか、出戻ってきたとかした大人も書きたかった。1回結果が出ているので、やるせなさを加味できると思ったからです」だが、いまいる場所からおいそれと動けないのは、都会であれ田舎であれ、誰しも同じ。身に覚えがある感情だからこそ、共感してしまう。本書のもう一つのテーマが、ボーイミーツガールだ。「野口と田上の間にある、恋愛とも友情とも違う、けれど深く信頼し合っているピュアな感情にとても憧れます。私は女性ですが、女性を通して女性を書くより、男子高校生や男性教諭を通して女性を書くほうが、すんなりできたような(笑)。女性を美化しがちな男性の妄想フィルターを通すと、女の人がすごくキレイなものに見えるからでしょうか」イヤでしかたなかった故郷。だが、本当は少し愛しかったことに登場人物たちは気づく。だから読んだ後に残るのは、鬱々とした息苦しさではなく、息をぐっとこらえた後に思い切り深呼吸した、あの爽快感だ。◇こざわ・たまこ作家。1986年、福島県生まれ。2012年に「僕の災い」で第11回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞し、デビュー。演劇鑑賞とマンガが趣味。好きな作家は、窪美澄、重松清。※『anan』2015年12月9日号より。写真・岡本あゆみ(こざわさん)水野昭子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年12月08日『ワイドナショー』(フジテレビ系)で注目を集めているモデルで女優の岡本夏美(17)らが1日、東京・豊島園で行われた4DX映画『ボクソール★ライドショー』(2016年1月16日公開)のプレミア試写会に出席し、舞台あいさつを行った。日本初の4DX専用映画として制作された本作は、『シロメ』(10年)などで知られる白石晃士監督がメガホンを取った体感型アクションホラー。岡本のほか、渡辺恵伶奈、松本妃代が本人役の女子高生3人組を演じ、白石監督もディレクター・田代役で出演。4人は廃校でバラエティ番組の生中継を行うはずが、狂気の番人の登場により恐怖のどん底へと突き落とされていく。岡本といえば、ファッション雑誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルを務め、ツイッターのフォロワーを約11万人かかえるなど、人気沸騰中の17歳。『GTO』(14年・フジテレビ系)、『地獄先生ぬ~べ~』(14年・日本テレビ系)などのドラマで女優としても活躍する一方、今年8月からはダウンタウン・松本人志らの人気トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)に"ワイドナ現役高校生"として度々出演し、端麗な容姿と共に落ち着いた素直な発言で注目される存在となっている。そんな岡本にとっての初主演映画となる本作。この日は、共演の2人も登壇し、舞台あいさつの後には報道陣の取材に応じた。岡本は、初出演映画が白石監督の『カルト』(12年)であることに触れ、「初主演でもお世話になるという、そのご縁がすごくありがたい」と感謝。さらに、「すごく楽しい現場で、スタッフさんともワイワイ撮影することができました。本当に良い現場で主演をやらせていただけてよかったと思います」と重ねて謝意を示した。渡辺は18歳、松本は20歳で岡本より"お姉さん"だが、その存在を「しっかり者」と太鼓判。テンションを上げることが難しい早朝からの撮影でも、岡本は現場の盛り上げ役となっていたようで、渡辺は「年下と思えないくらいしっかりしてて明るい」、松本は「すごく周りも見えてて」「2人ともしっかりしててすごいなと思うことばかりでした」とそれぞれ絶賛の言葉を送った。4DXシアターは、座席が大きく振動したり、雨が降ったり、香りが漂ったり、風が吹き付けたりとさまざまな特殊効果が特徴の体感型上映システム。観客の心をつかむためには演技の臨場感も肝となるが、岡本は「本当に体を張りました」と胸を張る。そんな岡本の姿を目の当たりにしたスタッフも、「周りを気遣い、現場を盛り上げようとするまさしく主演女優の存在感」とたたえている。
2015年12月01日「連載のお話をいただいた頃、私も30歳くらいだったんです。学生時代からの友達も結婚していたりいなかったり、子供がいたりいなかったりで、でもそれぞれに悩みや苦しさがあるんだなと感じていた時期でした。それで、自分と同世代の女性が読んで元気になる小説を書いてみたい、と思ったんです」と、青山七恵さん。そんな新作『繭』は女性たちがもがいた末に見えてくる景色を丁寧に描く物語。美容室を経営する舞は、専業主夫の夫に暴力を振るってしまう。旅行代理店に勤める希子は独身で、たまにやって来る恋人を待つ身だ。同じマンションに住む2人は、少しずつ関わっていく。「2人の生き方はまったく違いますが、どちらも現実に適応しているようでいて理想にとらわれているところが同じ。舞は男女が対等である夫婦像に、希子は生身の恋人ではなく、頭の中で作り上げた幻想の恋にとらわれている。それが自分たちを苦しめていると気づいていないんです」舞の夫ミスミの存在も際立つ。妻の暴力を無抵抗に受け入れることで、精神的に彼女を支配しているのだ。「二人の間にも愛はあるとは思いますが、極端に歪んでいる関係ですよね。でも、暴力は嫌悪すべきものですが、小さい頃は私も妹と取っ組み合いをしましたし(笑)、人間のあり方において排除することのできない何かなのかな、と考えました。ミスミのように、弱者の立場を演じることで相手を支配しようとする人は現実にもいるように思います」また、舞と希子の関係については、「彼女たちはそれぞれ、ちょうど人生の転換点にいる時に出会った2人。特別な友情とか好意はないけれど、その人が関与しなければ人生が前に進まない、ということもあるのではないでしょうか。この2人はお互いがそういう相手だったんです」タイトルの「繭」は、彼女たちの住む白いマンションを想起させるし、彼女たちが自分で作った精神的な膜のイメージもある。「繭は幼虫を保護するものですが、成長したら自分で破らないと、窒息してしまう。人間も生物として、今の状況を破らなければ、と直感を得る時がある。2人が解放されるようにと思って書き進めましたが、少なくとも、2人とも繭に針の穴をあけることはできたと思います」◇あおやま・ななえ作家。1983年、埼玉県生まれ。2005年に「窓の灯」で文藝賞を受賞してデビュー。’07年に「ひとり日和」で芥川賞、’09年「かけら」で川端康成文学賞を受賞。◇『繭』同じマンションの同じ間取りの部屋に住む、美容室経営の舞と会社勤めの希子。共に30代前半、身動きできない状況の2人が出会った…。新潮社1944円※『anan』2015年11月18日号より。写真・岡本あゆみ(青山さん)水野昭子(本)インタビュー・文・瀧井朝世
2015年11月17日「人生において、男だとか女だとかのラベリングなく、たましいのまま世界を見ることができる本当にイノセンスな時期は限られています。未性の時期というのかな、誰もがそこにずっととどまることはできないのだけれど、私たちは確実にそこを通ってきた。私自身、当時の幸福な記憶の余韻だけで生きているところがあるんですが(笑)、そんな愛しいひとときへの、私自身の“憧れ”がこの物語を書かせた気がします」川上未映子さんの4年ぶりの長編小説『あこがれ』は、整形疑惑のある個性的な顔をしたスーパーのサンドイッチ売り場の女性に強く引きつけられる10歳の少年・麦彦を軸にした第一章「ミス・アイスサンドイッチ」と、その2年後の第二章「苺ジャムから苺をひけば」からなる。第二章の主人公は、あるとき、半分だけ血のつながった姉がいることを知ってしまった12歳の少女ヘガティー。不思議な存在感を放つ年上の女性への、あるいはまだ見ぬ姉への、素直な憧れがみずみずしく描かれる。「意識したのは、自分が子どもだったときの体験と同化させないこと。今を生きている少年少女たちが、思春期直前の世界をどんなふうにとらえているのか、なにがどれくらい切実なのか、とアクチュアルな世界を織り込んで書くのが課題でした」一方で、文学における普遍的なテーマも垣間見える。「いた人もやがていなくなること。時間は常に流れ、いま過ぎた瞬間は戻ってこないこと。人生は一瞬の夢なんですよね。だから、会いたい人には会っておくべきだという麦くんやヘガティーにはっとさせられたし。また、このふたりについて、『本当に幸せな気持ちになった』『サーガのようにいつまでも続きますように』といろんな世代の読者から言われたんですね。これまでそんなふうに読んでもらえた作品はなかったのでとてもうれしいです。私はあらゆる人間の関係の中で、友情というか、プラトニックな関係がいちばん高尚なもので、信じられるという気持ちが強いのかもしれない。大人になるとそれが困難になっていくがゆえに、いっそう大切に思えるんです」“あのころが、匂い、色、かたちなどテクスチャーたっぷりに描かれ、もう二度と戻れないサンクチュアリへと読者を誘う、幸福な一冊だ。◇かわかみ・みえこ作家。2008年に『乳と卵』で芥川賞を受賞した後も、出版する本のほとんどが何らかの賞を受けるという当代屈指の存在。出産・育児エッセイ『きみは赤ちゃん』も反響を呼んだ。◇『あこがれ』秘密の隠れ家、仲間だけに通じる合言葉、朝が待ちきれない楽しさ。本を開けばすぐにそこに戻れるような美しき世界を、豊かな描写で描き出す。新潮社1500円※『anan』2015年11月18日号より。写真・岡本あゆみ(川上さん)水野昭子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年11月17日放送作家の鈴木おさむさんと森三中の大島美幸さんといえば、おしどり夫婦で有名。昨年大島さんが妊活休業を宣言、今年6月に長男が誕生したことも話題に。その日々を綴った『妊活ダイアリー Fromブス恋』は、夫の視点から妊活や妊娠・出産を綴った興味深い一冊。「2012年くらいに大島が妊活のために休業したいと言いだして。それまでに2回流産していたので、僕もすぐ賛成しました」大島さんは‘13年の『24時間テレビ』のマラソン完走と‘14年公開の主演映画『福福荘の福ちゃん』の撮影をやり遂げて休業。子宮筋腫の手術や、夫の精子検査など、妊活の様子が具体的に綴られる。「妊活については知らないことだらけで、男の人はもっと勉強しないと、と思いました。いざ足を踏み入れてみると、自分の体を知ることにもなるし、とても面白かったですね」妊活休業するにあたっては、あらためて周囲の人々の温かさに支えられていることを実感したという。「2度目に流産した直後で肉体的にも辛かった時でも、大島は海外ロケに行ったんです。スタッフがその姿を覚えていて、休業したいと相談したら“タイミングをみて休んで子どもを作ってほしいと思っていた”と、快く送り出してくれたんです」一方、おさむさんのブログには、見知らぬ人からの辛辣な意見が寄せられることもある。「妻の名前のタトゥーをいれたとブログに書いた時、思いのほか反発的なコメントがたくさん来て、正直ヘコんだんです。その時リリー・フランキーさんが“とりかえしのつかないことは美しいですよ”と言ってくれて、それで立ち直ることができました」その後もおさむさんは発信し続けている。この本も、その活動のひとつだといえる。「書かなくてもいいのに、と言う人もいるけれど、待ってくれている人もいる。特に妊活については、僕たちの話を知ったのがきっかけで子どもを作ろうと思った人が一人でもいるなら、10万人に批判されてもいいんです。新しい命が生まれるきっかけになるなんてすごいことだから」妻、知人たち、そして読者への愛と敬意を感じる一冊。女性はもちろん、男性にもおすすめしたい。◇交際0日で入籍、結婚13年目になる今年、子どもを授かったお二人のエピソードを綴る。人に対して誠実な夫婦の姿にジワリときます。マガジンハウス 1200円◇すずき・おさむ 放送作家。1972年生まれ。ドラマや映画の脚本や舞台の作・演出、ラジオのパーソナリティなど多方面で活躍。現在は育休ならぬ“父勉”のため、テレビの放送作家業はお休み中。※『anan』2015年10月28日号より。写真・岡本あゆみ(鈴木さん) 加藤 淳(本) インタビュー、文・瀧井朝世
2015年10月27日第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞した阿川せんりさんの『厭世マニュアル』。選考委員の森見登美彦さんが熱烈に推薦する注目作だ。「最初は、現代の妖怪が“最近人間の世の中は住みづらいよ”と言っているのが頭に浮かんで(笑)。都市伝説の妖怪として口裂け女を主人公にしようと思ったんです。結果的には妖怪ではなく人間の話になりました」主人公は北海道に住む22歳のフリーター。マスクを着用していないと落ち着かない彼女は、自らを「口裂け」と呼んで地味に生きている。ぼやきやツッコミも入る「口裂け」の語りがなんともユーモラス。彼女の日常に変化をもたらすのは、何かと厳しく接してくる新人バイトの登場、そして大学時代の先輩の男性や女友達との再会だ。「何かと人にものを教えようとする人っていますよね。私の周囲にも“作家になりたいならこうしたほうがいいよ”と、こちらがすでに知っている情報を言ってくる人がいるんですが、新人バイト君はそのイメージです。大学の先輩は、人の話を聞かずに“お前はこうだ”と決めつけるタイプの人。女友達はなんでも自分のほうが上に立とうとする、いわゆるマウンティング女子です」「口裂け」を振り回す彼らだが、このやっかいな人々もまた、屈託を抱いている様子。ただし、「傷を持つ者同士が仲間になって、傷を癒しつつ立ち直っていくという話には近年アレルギーを感じているんです(笑)」というように、一筋縄ではいかない展開。清冽な印象を残すのは犬のケンさんの存在や、孤独な少女との出会い。次第に自分も変わらなければと思う「口裂け」だが…。「変わることは大事かもしれないけれど、あれもこれも変わったらもう自分ではなくなってしまう。大人でも嫌な人間関係から逃れられないことは多いし、ある程度は折り合わなきゃいけない。でも、冷静に考えてどうしても辛いというなら、別の場所に目を向けてもいいのでは」やがて「口裂け」はある決意をする。終盤はなんとも痛快。読者もスッキリすること間違いなし!「周囲にはびこる価値観を否定したい気持ちがあるんです。これからもマイノリティの人が安心できるものを書いていきたいです」◇『厭世マニュアル』 いつもマスクを着用している「口裂け」は、周囲と距離を置いて生きる22歳女子。だが、彼女の日常を乱す迷惑な人たちが現れて…。KADOKAWA1400円◇あがわ・せんり作家。1988年、北海道生まれ。北海道大学文学部卒業。本作で第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。作中に登場する映画『ミスト』は実は大好きな一作だとか。※『anan』2015年10月14日号より。写真・岡本あゆみ(阿川さん)水野昭子(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2015年10月13日デビュー短編集『オーブランの少女』が高く評価された期待の新人、深緑野分さん。2冊目の単行本『戦場のコックたち』は、第二次世界大戦が舞台。純真なアメリカ兵コック、ティムが仲間のエドたちとともに、さまざまな謎に遭遇する。「編集者から次に書く長編は他の人が書かなさそうなものを、と言われて、いくつか出した案のなかに“戦場”があり、採用されました。19歳くらいの頃に見た『バンド・オブ・ブラザース』という、スピルバーグたちが制作した第二次大戦のアメリカ人部隊のドラマがすごく好きでマニアになったので(笑)」米国陸軍のコックとして戦地に向かった19歳のティム。彼を迎えるのは予備のパラシュートを集める兵士の謎、粉末卵の大量消失の不思議、雪原に現れる幽霊の怪…。推理を助けるのはコック仲間のエド。とにかく彼らがチャーミング!「女性にも読んでほしくて、親しみが持てるように無邪気な男の子を主人公にして、<僕>という一人称で書きました。対照的に、探偵役のエドは冷静で知的な眼鏡キャラです。他にも好きなキャラクターをたくさん出したので、書いている間は本当に楽しかった」主人公たちをコックにしたのは、「戦場は命を失くす場所ですが、コックは生きるための料理を提供する人たち。食糧がなければ人は死ぬ。食べ物の尊さを象徴できるポジションだな、とも思いました」外国の資料まで集めて事実確認をしただけに、細部まで当時の情報が丁寧に再現される筆力に脱帽。さらに敬服するのは、絶妙なバランスで、戦争の凄惨さも盛り込まれる点。銃撃戦の恐怖もあれば、仲間が死ぬ哀しみもある。また、強制収容所のむごさも描かれると同時に、紳士的なドイツ人少佐も登場。「少佐は実在の人物がモデルです。ナチスの罪深い点は押さえておくつもりでしたが、実際の戦いの場では、どちらが正義でどちらが悪かは言えない。あまり対立させるつもりはありませんでした。敵も味方も亡くなってしまうという戦争の虚しさは書きたかったですね」やがて最大の戦いを経て、ティムは、人を助けるためにある計画を立てる。彼の精神的成長と、戦争に対する思いもじっくり味わいたい。◇1944年、ティムは志願してアメリカ陸軍にコック兵として入隊、戦地に向かう。個性的な仲間とともに過ごす日々は謎に満ちていた。東京創元社『戦場のコックたち』1900円◇ふかみどり・のわき作家。1983年、神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」で第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。‘13年、同作を表題作とした短編集で単行本デビュー。※『anan』2015年10月7日号より。写真・岡本あゆみ(深緑さん)山城健朗(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2015年10月05日人喰い蟹の話なのに泣けると話題の『かにみそ』で、第20回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞しデビューした倉狩聡さん。待望の第2作は人の言葉を理解する犬が登場。家族から疎まれるスピッツ犬のヒメは、ある日人の言葉が話せるようになる。「自分にとって何が怖いかと考えて、動物を飼うことだなと思って」と意外なことを言う倉狩さん。ただし動物が嫌いというわけではない。「自分が病気になったら面倒を見られなくなるし、相性が悪くても飼い続けなくてはいけないので難しいですよね。それと、知人の犬の世話をした時、聞き分けのない子のはずが諭すように話しかけたら言うことをきいたんです。その時、犬も話せば通じるのに、と思ったことなどから、この話が出来上がっていきました」知能の上がったヒメは、こっそりと家族への復讐を開始。近所の犬とも親しくなるが、なかには飼い主と良好な関係の犬も。「ヒメと飼い主の裏側として、仲良く暮らしていれば本来こうなった、という例も出したかったんです」また、ヒメと親しい近所の猫、スズの冷静さも印象に残る。「人間の場合、罪を犯すまでの過程で、止めようとする人はいると思う。ヒメにとってスズはそういう存在。猫って哲学的なところがあるし、動物も自分の生死について考えるとしたら、人間よりももっと達観しているんじゃないかと思いました」しかしヒメの暴走は止まらない。やがて、動物管理センターで殺処分を担当する小高は、犬たちの異変に気付く…。「ダークヒロインとしてのヒメと、敵対する人として小高を考えました。小高は動物から見ると自分たちを殺す人ですから」犬と人間の対決の行方は?動物好きならなんとも切なくなる展開。「完全な悪者も完全な善人もいない。状況いかんでみんなどちらにでもなる。そう思いながら書きました。どうも、泣かせる展開が好きみたいです(笑)」今作も泣かせるホラーなのである。◇スピッツ犬のヒメは、飼い主家族に虐げられていた。ある流星群の夜、庭に落ちた石を舐めた彼女は、人語を理解できるように。彼女は密かに家族を操り始める。KADOKAWA1500円◇第20回ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞したデビュー作となった『かにみそ』は、本作と同じ世界の話。流星群の夜の後日、青年が浜辺で拾った小さな蟹は人語を理解した。しかも好物は人肉…!KADOKAWA1400円◇くらがり・そう作家。1982年生まれ。国際製果専門学校夜間部卒業。2013年「かにみそ」で第20回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞。青年と人喰い蟹の切ない交流を描いて話題に。※『anan』2015年9月23日号より。写真・岡本あゆみ(倉狩さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2015年09月22日母に疎まれて育った記憶から、いつも母親にどう思われるかが気になる32歳の千遥。母ひとり子ひとりで育ち、相互依存から抜けられない27歳の亜沙子。唯川恵さんの『啼かない鳥は空に溺れる』は、そんな対照的なふたりの女性を通して、現代の母と娘を見つめる長編だ。「ひとりは、母の愛が欲しくてたまらない。もうひとりは、母の愛が重くてたまらない。母と娘の結びつきは千差万別だけれど、煎じ詰めれば、この両極の悩みになるだろうと思ったんです」ここ3~4年で一気に認知度が上がった「毒親」という言葉。社会的風潮に応えるように、母に支配され、生きづらさを抱える女性たちを描いた小説も多数出版されてきた。だが本書では、母との関係をこじらせた千遥や亜沙子の思いだけでなく、不器用にしか子育てできなかった母たちの思いをも掬い取っているところが出色。自分が母親の気持ちがわかる年齢になったからこそ書けた部分もあったと、唯川さんは言う。「娘にキツく当たらざるを得なかった千遥の母親。娘を女手ひとつでがんばって育てたのだから認めてほしいと思う亜沙子の母親。『愛しすぎたのではないか』『愛さなすぎたのではないか』と、思い通りに育たなかったことに葛藤するのもしかたないのかなと。なぜなら、娘を否定することは、自分を否定することと同じ。娘は母を断罪すればいいけど、母は娘を非難できないんですから」母とのこじれた関係は、千遥や亜沙子の結婚にも影を落とす。千遥は、年下のフリーター・功太郎が、母に紹介してもいいと思う仕事を手に入れたことで、彼との結婚に積極的になる。一方、亜沙子は「母が強く薦める相手だし、条件も悪くないし」と、田畑との結婚を自分に納得させていく。ところが、それぞれに思いがけない災難が降りかかり、ヒロインたちは今度こそ、自分らしく、結婚や人生に向き合わなければならなくなるのだ。「特に千遥については、状況の変化やそれに伴う決断など、なかなか答えが出なくて。編集者に相談し、単行本化にあたり書き直しました。もはや、結婚すれば幸せになれるという保証もない時代。ラストには、誰もが自分で納得できる道を選んでほしいという願いを込めています」◇ゆいかわ・けい作家。石川県生まれ。2002年、『肩ごしの恋人』で直木賞を、’08年、『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞。『霧町ロマンティカ』『夜明け前に会いたい』が文庫化。◇母の影響で、生き方も恋のしかたも対照的になったふたりのヒロイン。彼女たちがニアミスすることで浮かび上がってくる現代女性の選択とは。幻冬舎1500円※『anan』2015年9月9日号より。写真・岡本あゆみ(唯川さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年09月08日エイベックス主催の野外音楽フェス「a-nation stadium fes.」が30日、東京・味の素スタジアムで開催され、浜崎あゆみやEXOら人気アーティストが出演、5万人を熱狂させた。EXOの公演チケット情報トップバッターのE-girlsは、フロートに乗って登場。『Follow me』や新曲『Dance Dance Dance』など全10曲を披露、笑顔あふれるキュートなステージを展開し、華やかに宴の幕を開けた。続く、ソナーポケットは、『ソナポケ☆DISCO』などで盛り上げ、Da-iCEは、強まる雨足をものともせず、『エビバディ』でパワフルなパフォーマンスをみせた。そして、ヒット曲『イエス』ほか、『エストエム』で会場中がヘッドバンギングをするなど熱く沸かせたAcid Black Cherryに、『MAX!乙女心』などで会場に笑顔の花を咲かせたSUPER☆GiRLSが会場の熱を上げていく。カラフルな衣装に身を包んだAAAは、『LOVER』や人気曲『恋音と雨空』『さよならの前に』などを披露。アッパーチューン『ハリケーン・リリ、ボストン・マリ』では会場中がタオルを振り回し、『PARTY IT UP』では腕を突き上げ一体となって盛り上げた。韓国発の人気グループ、EXO(エクソ)が登場すると、スタジアムは大歓声で沸いた。ずぶぬれになりながらもメンバーは、『Wolf』の圧巻のパフォーマンスで会場の度肝を抜く。同フェス初登場で、ベクヒョンは「『a-nation』のステージを待ってました」とにっこり。スホは「いろんなアーティストの方と同じステージに立ててうれしいです。寒さと雨を忘れるステージをお見せします」と宣言すると、『Growl』や韓国最新曲『Love Me Right』『Overdose』など韓国でミリオンヒットを飛ばした楽曲でハイクウォリティなダンスと彼らの神秘的な世界観を魅せつけた。最後に、11月4日に日本初シングルをリリースすることを発表、スタジアムはさらなる歓声で沸いた。そして、2002年の同フェス開幕から14年連続出演のTRFが、『EZ DO DANCE』や『survival dAnce』などの鉄板ダンス曲でスタジアムをダンスフロアへと変えて揺らすと、大トリの浜崎あゆみが登場した。浜崎は、黒地に金をあしらったボンデージスタイル、白いドレス、浴衣、Tシャツ&ホットパンツなど衣装を替えながら、ダンサーを従えミュージカルのようなストーリー性を感じさせる舞台を展開。『SEASONS』や『Summer diary』などメドレーを含む全10曲を熱唱。『DEPARTURES』『WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーブメント』では、小室哲哉と浦田直也(AAA)も登場し、浜崎のステージに花を添えた。そして、最後に『July 1st』を披露、腕を振り上げて煽って5万人を一体にし、華やかな宴の幕を閉じるとともに、21万人を動員した「a-nation stadium fes.」(8月22日~30日全4公演)の全日程を終了した。
2015年08月31日2番目ではなく、彼の“本命彼女”になるべく、あれこれ努力を重ねている人も多いのでは?もし、あまり成果が上がっていないのなら、その頑張りが“正しい”ものか一度疑ってみる必要がありそうです。武蔵大学社会学部助教で、男性学・キャリア教育論を担当する田中俊之さんに詳しく教えていただきました。「女性は本命彼女になるため、“彼に告白をさせるようにお膳立てをしなきゃ”とかモテるために頑張ってしまいがちなのですが、実は、ここに落とし穴があるんですね。気持ちを惹くために都合のいい女になってしまうと、なめられるだけ。一度、上下関係ができて彼がリードすることが当然になると、女性の意見は通りづらくなる。たとえ付き合えたとしても、ちょっと文句を言えば“面倒くさい”などと別れ話に発展したりと、大切にされない可能性が高くなります。それよりも男性にとって少しくらい都合が悪い女性のほうが、最終的には愛されるんですね。迎合するのではなく、厳しい意見を言ったり自由な振る舞いをして、支配下に入らないことが大事」“セフレになりやすい…”という悩みを抱える女性にも同じことが言える、と田中さん。「彼の機嫌をうかがって、セックスを受け入れてしまうからダメなんです。“思い通りになる女性”として認定され、本命から、どんどん遠ざかりますから。男は努力なく手に入るものを大事にしません。簡単にやらせなければ、男性にとって、最初は下に見ていた女性の格が上がることもありますよ」また、男性=リードすべきという考えが、相手にとって大きなプレッシャーとなってしまっていることもあるという。「以前と比べると不景気のため、男性も給料が減っています。それにもかかわらず彼らの頭の中や社会には、“家庭の経済は男が支えるもの”という考えが根強く残っている。そのせいで、自分の給料では家庭を持つことが難しいと悩んだり、なかなか結婚に踏み切れないという状況があるんですね。だから女性が経済的に自立をしていたり、お金のことを男性任せにせずサポートしてあげるなど理解を示してあげるだけで、男性は相当救われると思います。そういう、意識も経済事情もきちんと自立している女性こそが、現代の男性に求められているのではないでしょうか」◇たなか・としゆき武蔵大学社会学部助教。男性学・キャリア教育論を担当。著書に『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト・プレス)、『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)などがある。※『anan』2015年9月2日号より。写真・岡本あゆみ(人物)Paolo Cipriani(猫)文・重信 綾
2015年08月30日7月5日に神奈川・横浜アリーナで行われた、歌手・浜崎あゆみのアリーナツアー「ayumi hamasaki ARENA TOUR 2015 A Cirque de Minuit ~真夜中のサーカス~」最終日公演の模様が、8月9日(20:00~)にWOWOWで放送される。このツアーは、4月8日に発売したフルアルバム『A ONE』の楽曲を中心に展開。自身が「ちょっと前の浜崎あゆみという感じ」と語るアルバムで、王道のJ-POPに回帰した内容となっている。放送に先駆けて、90秒のダイジェスト映像がYouTubeで公開。新旧の名曲が織り交ぜられた、豪華な演出によるパフォーマンスが、垣間見られる映像となっている。
2015年07月31日結婚、育児、仕事、昇進…のすべてで形作られる完璧な「女の幸せ」は、なぜ遠いのか。その背景を様々な角度から読み解いた書籍が『「居場所」のない男、「時間」がない女』。著者である水無田気流(みなしたきりう)さんに、「普通の幸せ」が遠い理由を聞きました。中高年層で増えている孤独死や孤立化。生涯未婚率の増加や産みたくても産めない社会的不妊。現代の日本社会が抱える問題の根源を、水無田気流さんは<男性の関係貧困>と<女性の時間貧困>にあると指摘。そのリアルな現実を、各種資料から読み解き、自身のワーク・ライフ・バランスな体験を織り交ぜながら綴ったのが、『「居場所」のない男、「時間」がない女』だ。「C.ライト・ミルズという批判理論の社会学者は、身近な事柄を社会的な背景と結びつけて考えることを『社会学的想像力』と呼び、ひとりの人間の生活と大きな歴史(的状況)は切り離せないと唱えました。私自身が仕事と育児の両立に右往左往している身なので、主観的に気がつくことも多いのですが、それを客観的にどう実証するか、加減に悩みながら書きました。その結果、誰にとっても『笑いながら読んだものの、自分を取り巻く現実と照らし合わせて考えてみたらぞっとする』というような本になったのではないかと」男性にとっても、女性にとっても、“普通の幸せ”が遠いのはなぜか。その背景がひとつひとつつまびらかにされていく。とりわけ第2部で語られる、日本女性の時間的な負担の様相は、過酷の一語。「文科省も経産省も厚労省もいい提言をするのですが、実は彼らのその根っこにあるのは、女性の時間資源を使わせてくれ、ということ。現政権のいう<すべての女性が輝く社会作り>というのは、女性に超人になれと言うようなもので、一種の無理ゲー(設定・条件が過酷すぎてクリアが困難なゲーム)なんですよ」意識の高い高学歴女子学生は『会社四季報』も読みこなし、女性が働きやすい、ファミリーフレンドリーな会社を選んで就職するなど、先を見越して考えているのに対し、「男子学生はまったく当事者感ゼロ。『僕も30を過ぎたら考えなきゃいけないのかなと思います』とか、完全に『ゆるふわ』なんです(笑)。いまの日本社会に必要なのは、男性も含めた労働と家庭生活の総合的な見直しなのですが、それは簡単には実現しないでしょう。とするなら、一生就労することを前提に、けれど超人など目指さず、自分にとっていいバランスでライフコースを決定していくのがおすすめですね」◇結婚、育児、仕事、昇進…のすべてで形作られる完璧な「女の幸せ」は、なぜ遠いのか。男女双方が抱える問題から分析。日本経済新聞出版社1300円。◇みなした・きりう詩人、社会学者。1970年、神奈川県生まれ。詩人として『音速平和』で中原中也賞、『Z境』で晩翠賞を受賞。他に『無頼化する女たち』『シングルマザーの貧困』など著書多数。※『anan』2015年7月29日号より。写真・岡本あゆみ(水無田さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年07月27日今年この時期の刊行のタイミングにいちばん戸惑ったのは著者本人かもしれない。窪美澄さんの『さよなら、ニルヴァーナ』は少年犯罪の加害者、被害者と周囲の人々を追った衝撃作。読めばあの14歳の少年による神戸連続児童殺傷事件が題材であることは明らか。しかし、かなり前から温め、連載してきた作品だ。「2010年に作家デビューした頃、事件記者の経験のある編集者の方と、阪神・淡路大震災やオウムのサリン事件があった‘95年は日本の変わり目だったという話をしたんです。その方は‘97年の少年Aの事件の時に現地取材したそうで、話を聞くうちに静かな町で事件が起きるものを書きたい、と感じました」その後、東日本大震災が起きた。「津波が人や家を呑み込んでいく映像を見ているうちに、阪神・淡路大震災の2年後にあの事件が起きたんだと思って。町がひっくり返る様子を実際に見たことは、少年の心に何かしらの波紋を投げかけたのではないかと思いました。‘90年代から今に至るまでの日本を振り返ってみたい気持ちも強くなっていったんです」主要人物は複数。作家志望の女、幼い愛娘を殺された母親、捕まった少年Aを崇拝する少女、そして今は社会復帰している少年A…。「社会派小説というより、巻き込まれた人たちの感情のうねりと、彼女たちが語る彼を書くことで、少年Aとは何だったのかを浮かび上がらせようと思っていました」本書はそれぞれの家族を書いた物語でもある。なかでも少年Aが母親に連れられてカルト教団にいた過去がある設定にしたのは、「日本の‘90年代は、バブルの余韻に世の中が浮かれる中で、信仰や宗教を持って生きる人たちの気持ちもわかるよね、という風潮がありました。その感覚はカルト教団に入る人たちと表裏一体だったと思う。自分の神様を見つけようという気持ちから、少年の気持ちが転がっていくところは書いてみたかったですね」作家志望の女性だけは当事者たちから遠いところにいる印象だが、後半にその存在の意味が判明する。「少年Aを追ううちに、彼女は書く覚悟を決めていく。小説を書くのは楽しいだけじゃなくて、地獄を見ることもある。彼女のあの覚悟は、私とシンクロするところがあります」◇タイトルにある「ニルヴァーナ」はバンド名で、「涅槃」のほかに「犠牲」という意味も。カバーの人物は女の子にも見えるけれど少年。文藝春秋1500円。◇くぼ・みすみ作家。1965年、東京都生まれ。‘09年「ミクマリ」で女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞してデビュー、同作を巻頭においた『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞受賞。※『anan』2015年7月22日号より。写真・岡本あゆみ(窪さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2015年07月20日私たちの応援欲求を120%満たしてくれること確実な、美しくも才能のある年下の男子たちが、スポーツ、海外、伝統芸能や芸術などの分野にたくさんいました。各分野の目利きに熱烈推薦してもらった折り紙つきの前途有望な男子たち。これからどうぞごひいきに!今回は将来を渇望される15歳のボクサー・松本圭佑選手をご紹介します。***「昨年は15歳以下のボクシング全国大会で5連覇を果たし、今年6月にウズベキスタンで行われたアジア選手権では銅メダルを獲得しています。彼の強みは何ごとにも動じない、丈夫なメンタル。それにすごい選手でありながら謙虚なんです」と、若きアスリートに詳しいテレビ番組プロデューサーの香川かおりさんいちおしの松本圭佑さん。元プロボクシング選手で、現在は有名ジムのトレーナーをつとめる父親のもと、9歳でボクシ ングの道へ。そんな彼に、学校帰りの、練習中のジムで直撃!「最初の試合は、よく覚えてます。相手も同じ9歳で、強いパンチを打ってくる選手で、対抗して無我夢中で打ったから疲れました。殴られることを怖いと感じたことはありません、それが当たり前だから。試合中は集中してるので痛いという感覚もないんです」現在は、高校へ行きながら練習を重ねる日々を送っている。「同じ練習を繰り返していると、どうしても飽きるじゃないですか。そこを乗り越えられると、強くなれるのかなと思います。毎日の練習が生きて、試合で相手のパンチを上手くよけられたり、打ち込めたときがいちばん嬉しい。ボクシングは殴り合うだけの喧嘩のようなスポーツだと思われがちですが、実は繊細なスポーツなんですよ。パンチをよける技術だったり、そのための足の動きだったりと、実は手以外にも見どころがいっぱい。だからこそ、スキルを磨き抜きたいですね。理想は、相手に打たせない選手。でも守っているだけでは、お客さんが面白くない退屈な試合になってしまう。自分から攻めて打ち勝てるような技術と、メンタルの強さの両方を身につけたいですね」◇まつもと・けいすけ1999年7月17日生まれ。インターハイ優勝と東京オリンピック出場を目指す。牛タン好き。◇朝起きて約5km走り、学校帰りにジムで2時間程度トレーニングするのが日課。休日はお父さんとスーパー銭湯へ行くのが楽しみ。※『anan』2015年7月8日号より。写真・岡本あゆみ文・重信 綾
2015年07月01日「応募作を書く前に、過去の受賞作をいくつか読んでみたんです。すると意外に、“ごく平凡な専業主婦が主人公”という作品がなかった。現実には、そういう女性が大半だろうと思うのに」「ならばあえて、埋もれてしまいそうな主婦が、地味な日常をどうにかやり過ごす話が新鮮かもしれないと思ったんです」「まばたきがスイッチ」で、見事「R‐18文学賞」の読者賞を射止めた森美樹さん。受賞作を含む連作短編集『主婦病』には、妻に無関心な夫を持つ絶望を、小さな楽しみで紛らす妻が多く登場する。「楽しみというのは、小さなたくらみだったり秘密だったりするのですが、夫や世間や、あるいは女友達に対して、秘めた世界を持つことで女性は強くなれる気がするんです」秘密の中身はいろいろだ。夫に隠れてするアルバイト、心の奥にしまった過去、夫の秘密を実は知っているというほくそ笑み。その中には、いつも同じ時間に洗濯物を干す金髪の青年との一方的な逢瀬もある。各編にちらちらと現れるこの青年が、後半にいくにつれ大きな存在感を放っていく。特に、青年とヒロインとが体温さえ感じるような男女として、切なく熱く、読者を揺さぶる最終話「月影の背中」にはある種のカタルシスがある。「実は私が住んでいるマンションの目の前が男子寮で、洗濯物を干す金髪の青年がいたのも本当のこと。たった一日ですぐいなくなったんですけれど、よけい、この作品集のために出てきてくれたのではと思えて」各編の語り手は主に主婦。だがその娘や、少女時代の本人もいる。「主婦より少女のほうが、よほど目線はドライですよね。2編に登場する絵子は、子どもだけどすでに女でもある。書いてていちばん怖い存在でした。けれど友達に読んでもらったら、『あなたって、こういう子どもだったんじゃない?』と言われてぎくりとしました(笑)」6つの収録作は、“主婦病”という表題でつないだ。「明確な症状があるわけではないのに、周囲はもちろん自分さえ気づかないうちにじわじわとむしばまれ、内面から壊れていくところが病気に近いなと。買い物依存症のようにはっきり見える問題ではないから、よけい根が深く治りも悪そうです」◇もり・みき1970年、埼玉県生まれ。’95年より少女小説家として活動した後、休筆。2013年、5年ぶりに執筆した「朝凪」(「まばたきがスイッチ」と改題)で第12回「R‐18文学賞」読者賞受賞。◇女性性とリンクするいちじくやトマト、煮るとぐずっとなるりんごなど、熟した食べ物がさりげなく配され、モチーフ使いの巧みさに舌を巻く。新潮社1600円※『anan』2015年6月10日号より。写真・岡本あゆみ(森さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年06月09日『源氏物語』の終盤、光源氏が死んだ後を描く宇治十帖は、かねてより紫式部ではない人間の著作では、と噂されてきた。その真相について、『女たち三百人の裏切りの書』で“古川版源氏物語”を生み出した古川日出男さんに話を聞いた。「僕は宇治十帖は紫式部本人が書いたと思う。前半の宮廷の恋愛模様は技術がある人間だったら書ける内容だけど、この後半の部分には紫式部本人でないと書けないと感じる。ジェンダーや文化や宗教の問題で、きつい思いをして生きているという彼女の気持ちが滲み出ているから。式部の語る部分では、『源氏物語』を読んだことのない人にも細部の構図まで伝わるよう配慮しました。彼女が“あなたたちよ”と語りかけ断定口調で話を進めていく部分は自分で書いていても楽しかったですね」舞台はほかにもいくつかある。奥州の武士たち、瀬戸内海の海賊たち、山陰道の沖合の島にいる蝦夷たち…。「『源氏物語』には東北に赴任した人たちがなまっているとか九州の豪族は粗暴だという記述がある。でもそれ以上深くは書かれていないので、そこは自分の出番だということで、彼らの話を足していったんです。僕にできるのは物語を書くことと読むこと。それは無駄なことではなくて、物語が歴史を動かすこともできるんだと証明したかった」そもそも本書のきっかけのひとつは、東日本大震災だったという。「千年に一度の巨大地震があって復興がうまく進まずにいる時、いつからこんな社会は生まれたんだろうと思った。それで作家として千年前の小説にコミットしようと思ったわけです。書いてみたらやっぱり千年前から、社会の構造は変わらないと感じた。だったらやっぱり一人ひとりが自分の持ち場で、世の中が少しでもよくなるよう頑張るしかないと吹っ切れた。僕は僕で、物語で世界を変えられるようにしていきたい」◇ふるかわ・ひでお作家。1966年生まれ。‘98年『13』でデビュー。‘02年『アラビアの夜の種族』で日本推理作家協会賞と日本SF大賞、‘06年『LOVE』で三島由紀夫賞受賞。著書に『聖家族』等。◇女御が物憑きで床に臥せ、女房や愛人の男が見守り僧たちが読経する麗景殿。代理の少女に取り憑いた怨霊は、百年前にこの世を去った紫式部だった。彼女は宇治十帖を語りだす…。2500円新潮社。※『anan』2015年6月3日より。写真・岡本あゆみ(古川さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・瀧井朝世
2015年06月02日歌人、作家として、やわらかな口語と独自の世界観で読者をとりこにしてきた東直子さん。今回は和歌山県が舞台の新刊『晴れ女の耳』について語っていただきました。「人柱や神隠し、カッパ伝説など、民間伝承は日本各地にありますが、高野山や熊野古道を有する和歌山にも残っています。山深い神秘的な空気が日本の聖地みたいなイメージもありますし、カッパにしても“ガイラボーシ”と呼ぶとか、地域独特の感じが面白い。和歌山は亡くなった祖父母が住んでいたので、子どもの頃はよく訪れていました。私にとっては原風景みたいな場所なんです」『晴れ女の耳』は、そんな和歌山に縁故のある東直子さんが、紀州の自然の中で命をつなぐ女たちを軸に描いた怪異譚集。「私にとって“怖い”って何だろうと考えていたときにふと浮かんだのが、あの和歌山の奥深い森や、近しい家族もよく知らない、遠い親戚も入り交じる濃い人間関係だったんです。それを現代と切り結びながら書こうと思ったのがきっかけでした」それぞれのお話は、何かしら東さん自身の経験や見聞きしたことが元になっているそう。たとえば1話めの「イボの神さま」は、<うつるイボ>ができてしまった少女の話。「私も小さい頃にイボができて、祖母にイボ神さまの葉っぱをもらって治した思い出があります。<信じなあかんよ>と言われたのも同じ。その一方で、では信心とは、祈りとはなんだろうと哲学的なテーマにも分け入ることになりました」各話のヒロインたちは何らかの出来事を介して、紀州の血の色濃い、年代の違う女性たちと出会うことになる。袖触れあうことで、女性たちの胸の内に引き出される絶望やかすかな希望。複雑に交差する感情が、読み手にもじわじわ伝播していく。なかでも、ヒロインたちの運命に関わる100歳を越えた長寿のおばあちゃんたちには、共感しきり。愛おしく思えてくる存在だ。「この短編集に限らず、私の他の小説でも小さいおばあちゃんはよく現れます。物語の中のおばあちゃんたちはエネルギッシュでユーモラス。長く生きて、女の人だからこそ消せない業のようなものを、ひとりひとりが濃縮して持っている気がする。そこに心惹かれるんでしょうか」◇ひがし・なおこ1963年、広島県生まれ。歌人、作家。1996年、『草かんむりの訪問者』で歌壇賞受賞。2006年、『長崎くんの指』で小説家デビュー。評論集『短歌の不思議』など著書多数。◇夫殺しの濡れ衣を着せられ村八分になった母娘からの因縁を描く表題作、謎のベールに包まれた女性作家と新人女性編集者が関わる「先生の瞳」など7編。KADOKAWA1500円※『anan』2015年5月27日号より。写真・岡本あゆみ(東さん)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年05月26日日本にやって来る外国人が、カルチャーギャップにとまどったり、面白がったり、不思議な体験を味わうことも多いよう。そんな驚きと爆笑のNIPPONライフを4コママンガにしてしまったのが、オーサ・イェークストロムさん。そのマンガを掲載したブログが人気となり、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』として書籍化が決定。オーサさんは日本のことをどのように見ていたのでしょうか。「日本の生活にも慣れてきて、日本ビギナーの外国人がびっくりするようなことにはだいぶ慣れてしまったんですけれど、逆に驚くポイントがニッチになってきました(笑)」来日後、あぶらとり紙や1人用の魔法瓶など日本のさまざまな便利グッズに魅了されたものの、それらを携帯するうちにカバンは、スウェーデン時代には考えられなかったような地獄の重さに…。そのほか、左に転載したような日本語のニュアンスでの失敗など、日本人でも思わず共感するオチがいろいろだ。「日本ではこれが普通」という、思い込みのないニュートラルな目で観察するから、逆に日本のよさも滑稽さも浮かび上がってくる。実際にマンガにする上で苦労するのは、擬音語だとか。「擬音語ってその国独特のもの。その場面にふさわしい音を当てはめるのが大変!」ちなみに、ネタは全部、自分自身の体験がベース。「話題が細かければ細かいほどマンガにしたとき楽しいですね。日本にはたくさんの独特なルールがありますが、私をはじめ外国人はそれを知るのが大好きですから、ツッコんで教えてもらえるとうれしいです」2011年に来日。東京在住歴も3年半になった。「実は初来日は19歳のとき。何度も来ていて、今回が9回目です。最初はマンガにばかり夢中だったけれど、いまは日本の暮らしや文化のすべてが楽しい。まだまだ追求していきたいです」◇1983年生まれ、スウェーデン出身。マンガ家。本国でイラストレーター、マンガ家として活動後に来日し、このたび日本でもデビュー。ブログ◇日本人の「行けたら行く」はノーなの?イエスなの?日本を愛するスウェーデン人が東京で暮らしながら日々思っていることとは。ブログからのよりぬきと、書き下ろしもついた決定版。KADOKAWA メディアファクトリー1000円※『anan』2015年5月27日号より。写真・岡本あゆみ(オーサさん)加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年05月26日浜崎あゆみが、4月11日、埼玉・さいたまスーパーアリーナより全国アリーナツアーをスタートさせた。【チケット情報はこちら】浜崎にとって16度目となる同ツアー。公演では、『A Song for ××』『Who...』『Duty』などの代表曲や、最新作『A ONE』に収録されている『Last minute』『Movin’ on without you』を披露。くわえて8月5日(水)に発売するミニアルバムから『Step by step』を披露するなど、セットリストは初期の楽曲から最新曲までツアー史上最多の32曲。また、ライブ中には地上12メートルまで吊り上がるフライングパフォーマンスも見せ、楽曲とパフォーマンスの両面で来場者を熱狂させた。ツアーは7月5日(日)の神奈川・横浜アリーナまで、10都市22公演行なわれる。チケットは、5月10日(日)宮城公演までと、23日(土)・24日(日)神戸公演は発売中。5月16日(土)17日(日)愛知公演と、6月6日(土)・7日(日)公演のチケットは4月18日(土)午前10時より。6月6日(土)・7日(日)東京公演のチケットは5月16日(土)午前10時より一般発売開始。■ayumi hamasaki ARENA TOUR 2015 A Cirque de Minuit ~真夜中のサーカス~4月18日(土)サンドーム福井(福井県)4月19日(日)サンドーム福井(福井県)4月25日(土)大阪城ホール(大阪府)4月26日(日)大阪城ホール(大阪府)5月2日(土)マリンメッセ福岡(福岡県)5月3日(日・祝)マリンメッセ福岡(福岡県)5月9日(土)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)(宮城県)5月10日(日)宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)(宮城県)5月16日(土)日本ガイシホール(愛知県)5月17日(日)日本ガイシホール(愛知県)5月23日(土)ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)(兵庫県)5月24日(日)ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)(兵庫県)5月30日(土)静岡エコパアリーナ(静岡県)5月31日(日)静岡エコパアリーナ(静岡県)6月6日(土)国立代々木競技場第一体育館(東京都)6月7日(日)国立代々木競技場第一体育館(東京都)6月27日(土)神戸ワールド記念ホール(兵庫県)6月28日(日)神戸ワールド記念ホール(兵庫県)7月4日(土)横浜アリーナ(神奈川県)7月5日(日)横浜アリーナ(神奈川県)※終了公演は割愛
2015年04月16日東京都・南青山の岡本太郎記念館では、岡本太郎の「生命体」展を開催している。開催期間は6月14日まで(火曜休館、祝日の場合は開館)。開館時間は10:00~18:00(入館は17:30まで)。入場料は一般620円、小学生310円。同展は、一般公開されていない「生命の樹」の模型をはじめ、岡本太郎が手掛けた作品の中でも特に生命のエネルギーにあふれる油彩など約30点を展示し、太郎が表現しつづけた"いのちの強さと尊さ"に迫っている。岡本太郎は、生涯にわたって"いのち"を描きつづけてきたが、その代表的な作品が、太陽の塔の胎内に内臓されている「生命の樹」。太陽の塔を構想したとき、太郎はその胎内に"生命体"を内蔵しようと考え、アメーバから人間にいたるすべての生き物が一体となって組織する一つの"樹"を創り出した。それは動脈となり、リンパの流れとなって太陽の塔に生命を吹きこんでいる。さらに会期半ばより、第17回岡本太郎現代芸術賞で太郎賞を受賞したアートユニット「キュンチョメ」と、敏子賞を受賞した「サエボーグ」による新作の特別展示も行われる。4月1日~20日に開催するキュンチョメの「もう一度太陽の下でうまれたい」展では、太郎作品の中でも太陽をモチーフにしたものをとりあげ、新たな解釈とともに状況に抗おうとする意欲的な展示となる。なお、今年度の受賞作品を紹介している「第18回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」展も、4月12日まで川崎市岡本太郎美術館にて開催されている。
2015年03月20日浜崎あゆみが12月29日(月)・30日(火)・31日(水)に東京・国立代々木競技場第一体育館でライブ「ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2014-2015 A Cirque de Minuit ~真夜中のサーカス~」を開催する。【チケット情報はこちら】2014年は、これまでの全国ツアーの概念を覆し、東京、名古屋、大阪の大きな3会場のみに絞ることで、日本で初となる最先端の機構を取り入れるなど、かねてより温めていた、さらなるエンタテインメントの追求に挑んだ浜崎あゆみ。今年で15回目となるカウントダウンライブは、ツアーとはまた違う、カウントダウンならではの趣向を凝らした演出で行なわれる。2000年から延べ40万人のオーディエンスと迎えてきた新年の幕開けを今年はいったいどんなカタチで迎えるのか期待が高まる。また、浜崎あゆみは12月24日(水)にシングル『Zutto... / Last minute / Walk』をリリース。同作は、多胡邦夫作曲の『Zutto...』、湯汲哲也作曲の『Last minute』、小室哲哉作曲の『Walk』のバラード曲3曲を収録。これらの曲について浜崎は自身のTwitterで「メロ聞いてるだけで泣いちゃう」「早く届けたい」とコメントを寄せている。ニューシングルにカウントダウンライブと、年末に向けて勢いを増す彼女の動向をお見逃しなく。なお、カウントダウンライブは、すでに予定枚数を終了している31日(水)公演以外のチケットが発売中。■浜崎あゆみ「ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2014-2015 A Cirque de Minuit ~真夜中のサーカス~」日時:12月29日(月)開場 17:30 / 開演 18:3012月30日(火)開場 17:00 / 開演 18:0012月31日(水)開場 22:00 / 開演 23:00会場:国立代々木競技場第一体育館 (東京都)料金:全席指定8900円■シングル『Zutto... / Last minute / Walk』【通常盤】AVCD-83126 / 1,296円(税込)【ファンクラブ限定盤】AVC1-83202 / 1,296円(税込)【ミュージックカード】AQZ1-76835 / 800円(税込)【ミュージックカード】AQZ1-76836 / 800円(税込)【ミュージックカード】AQZ1-76837 / 800円(税込)
2014年12月09日11月1日公開の映画『ガンズ&ゴールド』の公開記念イベントが22日、東京・中野のなかのZEROで行われ、タレントの岡本夏生が出席した。450万ドル相当の金塊を巡り、ロシアンマフィア、伝説の強盗犯、チェスの名手による三つ巴の壮絶なサバイバル・ゲームを描いたノンストップクライムアクション『ガンズ&ゴールド』。公開を間近に控えたこの日は、映画のタイトルでもある"ゴールド"にかけて、スペシャルゲストの岡本夏生が顔と身体を金色にして登場し、訪れた一般客を驚かせた。2時間半かけて全身に金粉を施したという岡本は「ハイレグのゾーンにも金粉を塗ったよ。メイクに掛ける予算がないから自分でやったし、全部自前よ」とうそぶき、映画について「ユアン・マクレガーさんが初めて悪役を挑戦しましたが、ストーリーも実話というか嘘っぽくないので、派手さはないけど実話を再現しているようなストーリー展開になっていますよ」と絶賛。主演のユアン・マクレガーのような男性については「基本、もう男性には一切興味がありません。お金にしか興味がないので!」と色恋よりもお金に目が眩んでいる様子だった。本作では欲に溺れて金塊を奪い合うが、岡本は「今こそギャラ交渉の達人になっているけど、その昔は本当にビックリしちゃうほどの安い仕事を受けていたわ。いかに交渉能力が芸能界では必要なのか学びました。交渉のコツは、全額自分から言わないこと。相手に言わせるの。それがすべてだね」と長年芸能界で活動していたこともあり、納得のコメント。また、同イベント翌日に芸能界復帰と言われている矢口真里に「『ミヤネ屋』相当ギャラ払ったね。別に悪いことしてないんだから堂々としていけばいいのよ」とエールを送っていた。映画『ガンズ&ゴールド』は、11月1日よりシネマサンシャイン池袋ほか全国公開。
2014年10月23日ディーゼルは12日より、サウンドプロデューサー、プロダクトデザイナーとしてマルチに活躍するアーティスト・岡本光市を起用したインスタレーション作品「Liquid by Kouichi Okamoto」を公開している。会期は2月17日まで。会場は東京都・伊勢丹新宿店本館2階=センターパーク/ザ・ステージ#2。今回の展示では、海外でも評価を得ている岡本の代表作「《Liquid Tape Cutter Work》」および「《Liquid Lamp》」を用い、印象的な空間を演出。会場では、岡本光市(共栄design)によるデザインプロダクトの販売も実施する。また、期間中、2万1,000円以上商品を購入した人を対象にオリジナルギフト(先着150名限定)を進呈するほか、デニムを購入した際は特別なラッピングを施す。いずれもなくなり次第終了となる。なお、岡本光市は世界的に活動しているサウンドプロデューサー・プロダクトデザイナー。1997年よりオランダのテクノレーベル"X-Trax"より音源をリリースし、2006年には共栄designを設立。2012年5月には、NYのICFFにて開催されたdesignboom martに参加したほか、2012年にはPOLA MUSEUMANNEX(東京)にて個展を開催。共栄designのプロダクトはDroog(オランダ)、Colette(フランス)、アトランタデザインミュージアム(アメリカ)、ロンドンデザインミュージアム(イギリス)、金沢21世紀美術館、森美術館など、世界30カ国以上のデザインショップや美術館で取り扱われている。
2014年02月12日48歳の誕生日を前にみそぎ9月10日放送のTOKYO MXの情報番組「5時に夢中!」でタレントの岡本夏生(47)が、生出演し48歳を迎える自身のみそぎとして、丸刈りになる断髪式を行った。奇抜なキャットウーマン衣装で出演岡本は、死ぬまでにしたいこととして丸刈りになることを希望し、生放送で断髪式を行った。岡本のブログには、「人生においてスキンヘッドになんかなかなか、なるチャンスないよねぇー」 (公式ブログより)と切り出し、「これも立派な終活よ」(公式ブログより)と、人生を終える前にやっておきたいことであることを説明、「また、ひとつ、目標達成だっちゅーの(爆)」(公式ブログより)と充実感を漂わせている。48歳になる今でも抜群のプロポーションでお茶の間を賑わすアイドルがまた一つ生まれ変わった。【参考】▼岡本夏生公式ブログただの除毛とはわけが違う! 毛穴の奥からゴッソリ抜ける本格脱毛剤が新登場!(9月8日)30代女性に向けたブログメディア、「ANGIE」が登場。仕事や恋愛で悩みが多いこの世代に、楽しく生きるためのヒントを提案。(7月29日)元の記事を読む
2013年09月13日世代にとらわれず美を磨くクラブ誕生タレントの岡本夏生やブライダルデザイナー、ファッションデザイナーとして活躍する桂由美、爆笑問題の太田光の妻で芸能事務所タイタン社長の太田光代、料理研究家の藤野真紀子ら7人が、世代にとらわれず、外見も内面もトータルに磨いてゆくライフスタイルを提唱する会として「aroused beauty club」を発足させた。7日には、発起人となった7人が顔をそろえ、東京・ロイヤルパークホテルでアンチエイジングディナーショーを開催、クラブについての記者会見も行った。(画像は岡本夏生オフィシャルブログトップより参考イメージ)本来の女性の楽しみを、社交場を、日本にも7人はいずれも美しくドレスアップしたスタイルで登場。岡本夏生は、桂のデザインしたスレンダーな大人のロングドレス姿を披露した。岡本は、この会の発起人となることを太田社長から持ちかけられたそうで、“日本の女性に勇気と希望と夏生を”と笑いも誘いながらPRした。“美を起こすクラブ”として命名されている会。太田社長によると、この「aroused beauty club」では、日本の女性たちにドレスアップしたり、おしゃれをしたりする本来の楽しみを数多く提供していきたいという。なかなか一般にはドレスを着る機会もない日本だが、そうした社会を変え、社交場をつくってもいきたいそうだ。発起人となった7人には、先のメンバーのほか、漫画家で声楽家の池田理代子、TVプロデューサーで作家の栗原美和子、美容皮膚科・美容内科医の中野あおいが名を連ねている。元の記事を読む
2013年03月08日エイベックスが主催する野外音楽フェス「a-nation stadium fes.」の東京公演が8月25日と26日、味の素スタジアムで開催。東方神起や浜崎あゆみ、BIGBANGら人気アーティストが出演し、2日間で10万8000人を熱狂させた。浜崎あゆみの公演チケット情報初日は、湘南乃風や三代目J Soul Brothersらが登場。韓国出身のSUPER JUNIORも初登場し、華麗なステージで魅了した。この日最高潮の盛り上がりを見せたのは東方神起。昨年に続きトリを飾り、メドレーを含む全9曲で貫禄のステージを展開。客席にテーマカラーの赤いペンライトが激しく揺れる中、ふたりは『B.U.T』のイントロで登場し、『MAXIMUM』『Superstar』の華麗なダンスパフォーマンスで観客を熱狂の渦に巻き込んだ。そして、「みなさん、お待たせしました!今日の雰囲気は相当熱いですね。1年ぶりにこのステージに立ててうれしいですが、一番うれしいのはここにいるみなさんに会えたこと。本当に幸せです!」(ユンホ)と叫ぶと、スタジアムは絶叫に包まれた。『ウィーアー!』『Summer Dream』のメドレーでは、それぞれがトロッコに乗って会場をひとまわりし、サイン入りのフリスビーやカラーボールを客席に投げ入れるサービスも。最後は、『Somebody To Love』で会場が一体となってタオルを振り回し大盛り上がり。そして、「今日は東方神起だけでなく、素晴らしいアーティストさんと一緒に、みなさんとひとつになって本当に楽しかったです。『a-nation』の主人公はここにいるみなさんです!」(ユンホ)と締めくくると、ファンの大歓声が大空に響き渡った。最終日にはTRFやm-flo、AAAなどが登場し、熱狂のパフォーマンスで沸かせた。中でもひときわ大きな歓声を浴びたのは初出演ながら大トリ前に登場し、全8曲を披露したBIGBANG。メンバーが登場するやいなやスタジアムは巨大なクラブにチェンジ。ステージを自由に動きまわり、ライブ感あふれるパフォーマンスに、観客は一体となって叫ぶ。『FANTASTIC BABY』『ガラガラGO』など大合唱はもちろん、ファンとの掛け合いに歓声が夜空にこだました。「こんな大きな会場でライブをしたことがない!」(V.I)とメンバーみな大興奮の様子で、感想を問われたG-DRAGONは「ファンタスティック ベイビー」と曲名にかけて回答。V.Iが、納得したように「5万人が集まるのはファンタスティックですね!」と広い会場を見渡し目を輝かせた。そして、今年の「a-nation」の大トリを飾ったのは浜崎あゆみだ。昨年は、東方神起にその座を譲ったが、“女王”はその名に相応しい圧巻のステージで魅せた。『BRILLANTE』でオペラさながらのド派手なスタートで観客の目を引くと、浴衣に着替えて恒例のトロッコで会場を周遊。観客に手を振りながら、『BLUE BIRD』や『Greatful days』など夏に似合う楽曲をメドレーで盛り上げ、最後は『July 1st』を熱唱し、5万4000人を魅了した。
2012年08月27日浜崎あゆみ、ツイッターでオリンピックネイル発表ロンドン・オリンピック真っただ中、ファッションリーダーの歌手、浜崎あゆみが自身のツイッターでカラフルで楽しい五輪ネイルを発表している。で、やったよね♪───O(≧∇≦)O────♪ ♡AI&AYU♡(7月27日)浜崎のツイッターのフォロワーは77万人を超え、毎日のツイートにファンは注目、中でもファッション関係には反応が早く、今年1月のハートネイルも話題になっている。さてっ‼ 今日&明日の2日間は静岡店Open‼ 暑さと熱さでこの人に負けないぐらいテンションアゲてこーーーぜいっ♪(7月28日)今回はロンドンオリンピックのイメージネイル手のネイルは大好きなハートもアレンジした水玉や開催地イギリスの国旗も入れた夏らしいブルー基調のネイル。ファンの反応も好評のようだ。新曲「You&Me」も8月8日から発売開始で、この夏もますます輝く浜崎を見ることが出来そうだ。元の記事を読む
2012年08月04日岡本健一が主演を務める舞台『リチャード三世』の制作発表会見が東京・新国立劇場で行われ、岡本と共演の中嶋朋子、浦井健治、演出の鵜山仁らが登壇した。『リチャード三世』チケット情報本作は、2009年秋に同劇場で上演された『ヘンリー六世』三部作という9時間に及ぶ大作の続編にあたる。岡本はその中でも同じリチャード三世を演じた。今回は主人公の立場で、自分の醜い容姿を呪いつつ、王位を手に入れるため様々な姦計をめぐらせ、言葉巧みに身内や家来までをも陥れていく悪に徹したリチャード王をどのように演じるのか、注目が集まる。会見で岡本は「コンプレックスを抱えた人が、なぜそこまで上に登りつめていくのかずっと疑問でしたが、3年前の『ヘンリー六世』の中で彼の生き様を演じると、父親の愛がものすごく強いことを感じました」と話し、「剣を言葉に代えて登りつめていきます。言葉によって人がどれだけ簡単に動かせられるか。けれども、人を騙したり、悪事を働いて上にいったところで、そういう国王は滅びるのも早いです」と役について説明。そのうえで「血筋を全部殺してでも王冠が被りたい」とリチャードの気持ちを代弁。「リチャードは死に向かっていく作品なので、どういう気持ちになるのか。この役を演じられることは光栄で、ワクワクしてます。命をかけて頑張りたい」と意気込みを語った。故ヘンリー六世の王妃・マーガレット役の中嶋は横で話す岡本の姿を見て、「いましゃべっていた健ちゃんはすでにリチャードですね」と楽しそうに話し、「(マーガレットは)歴史を引きずる役です。今回は、私自身も生き証人として舞台を見届けたい。もうちょっと軽やかに巧みに生きてみたい、そういう力をくれる作品にできたらなと思います」と抱負を語った。また、前回タイトルロールを務めた浦井は、リッチモンド伯ヘンリーに扮し、リチャードと一騎打ちの死闘を繰り広げる。浦井は「ヘンリー六世の面影を持った役として取り組みたい」とコメントした。『ヘンリー六世』と同じ劇場、同じスタッフ、そしてほぼ同じキャストで上演される『リチャード三世』。演出の鵜山は「観た事もない舞台を早くお目にかけたい」と意気込んだ。公演は10月3日(水)から21日(日)まで東京・新国立劇場中劇場にて上演。チケットは7月22日(日)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは7月20日(金)までインターネット先着先行(プリセール)を受付中。
2012年07月18日浜崎あゆみ、家庭菜園でゴーヤ栽培、毎晩ゴーヤ料理?歌手、浜崎あゆみが、自身のTwitterで自宅の庭でニョキニョキ実るゴーヤを使ってゴーヤ料理にいそしんでいる様子を数回にわたってツイートしている。写真は浜崎手作りのゴーヤ料理。浜崎のゴーヤ・ツイート「庭でニョキニョキ実ってるゴーヤを使って、ゴーヤサラダ&ゴーヤチャンプル&ゴーヤと野菜たっぷりホワイトシチューでゴーヤ祭りランチ!しゃーわせっ」「今日もゴーヤ祭り」「ゴーヤLOVE(*´艸`*)」などゴーヤにどっぷりはまっている様子が窺える。感心するのはゴーヤ料理写真のクオリティーの高さ。このまま料理本に掲載しても良いような写真に出来あがっている。また、ファンからは、「あゆがゴーヤ好きとは、知らなかった」「庭でゴーヤ!!すごっ!!あゆが自分で作ったの?」などの驚きの声が寄せられている。8月26日にはライブ「a-nation stadium fes. Charge ▶ Go! ウイダーinゼリー」への出演を控えている浜崎だが、夏ばてしないようにゴーヤ料理を沢山食べて歌に踊りに頑張ってくれることだろう。元の記事を読む
2012年06月22日