女優の広瀬すずが主演を務めたファッションブランド「earth music&ecology」の新テレビCM「エシカルへ」編が21日、公開された。CM監督は、映画『万引き家族』で日本人として21年ぶりに第71回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール賞を受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされている映画監督の是枝裕和氏が務めた。同CMでは、earth music&ecologyの店内で洋服や小物を見て回る広瀬が映し出される。一着の白いワンピースが目に留まり、試着をする広瀬。「顔が見えなくても繋がっている感じや、目に入ったものだけじゃないという意識は、むしろ自分にありたいなと思う」という広瀬の言葉にのせ、カメラはバングラデシュにある工場へ。そこでは広瀬と同年代の女性アイーシャさんが働く。歌番組やインド映画が好きと語るアイーシャさんの瞳は光り輝いている。澄み渡る青空の下、先ほどの白いワンピースを着用し、屋上に一人たたずむ広瀬。お互いを知るはずもない遠い異国の地に住む2人が一着の洋服を通してお互いを想い合うというCMとなっている。是枝監督が広瀬を演出するのは、彼女の本格的な映画女優デビューとなった『海街 diary』(15)、『三度目の殺人』(17)などに続いてこれが5度目。広瀬は「是枝監督の撮影の時はいつも、その場で感情を作るような感覚なので、力を入れすぎることもなく、リラックスできました。ありのままという感じですね」と話し、「屋上のシーンの時に、監督から『音を聞いてみたりして下さい』と言われたんです。その時に『音を聞くかぁ…是枝監督っぽいなぁ…』と思いました」と印象的な撮影シーンを振り返った。また、大活躍の監督との再タッグを「いやー、本当にすごすぎて、またこうしてCMでご一緒できるなんて、なんて贅沢なんだ! と改めて思いました(笑)。異次元の世界にいらっしゃる監督をみると刺激的ですし、カッコいいです!」と喜び、「でも、いつお会いしても初めて会った時から印象が全く変わらないのです。会うだけで何か安心感を得られ、演じるという事をリセットして頂ける気分になるんです。本当に心強いお父さんのような存在です」と興奮気味に語った。監督も「いつもCMの仕事はスケジュールの問題などでなかなかお受けできないのですが、広瀬さんが出演ということで引き受けました。CMで等身大の彼女の二十歳の姿が素直に出ればいいなと思いながら撮影していました」と語り、「CMの趣旨がすごく明快でメッセージがあってすごいいいなと思ったのですが、“エシカル”というメッセージを映像で表現するのにどうしたら良いかと考えました。そこで“この服は一体誰の手で作られているのか?”ということを具体的な画で見せようと思いました」と説明した。
2019年02月21日広瀬すずを起用した「earth music&ecology」の新TVCM「エシカルへ」篇が公開。監督は、『万引き家族』のオスカーノミネートでさらに注目を集め、これまで何度も広瀬さんを演出してきた是枝裕和が務めた。今回の新CMでは、店内を歩きながら洋服や小物を見て回る広瀬さん。白いワンピースを試着し、「顔が見えなくても繋がっている感じや、目に入ったものだけじゃないという意識は、むしろ自分にありたいなと思う」と語ると、バングラデシュの工場へ場面が切り替わる。そこでは、広瀬さんと同年代の女性が働く様子が映し出される。お互いを知るはずもない遠い異国の地に住む2人が、1着の洋服を通してお互いを想い合う、どこか感動的なCMが完成した。『万引き家族』で日本人として21年ぶりに第71回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール賞を受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートと、いま国内外で大注目を集めている是枝監督。広瀬さんを演出するのは、『海街 diary』をはじめ、『三度目の殺人』などに続いてこれが5度目となり、「いつもCMの仕事はスケジュールの問題などでなかなかお受けできないのですが、広瀬さんが出演ということで引き受けました」と明かした。また、今年成人を迎えた広瀬さん。是枝監督は「CMで等身大の彼女の二十歳の姿が素直に出ればいいなと思いながら撮影していました」と語っており、CMには自然な広瀬さんの姿が映し出されている。一方、撮影について広瀬さんは「是枝監督の撮影の時はいつも、その場で感情を作るような感覚なので、力を入れすぎることもなく、リラックスできました。ありのままという感じですね」と、“素”の自分を表現できたそう。また、「屋上のシーンの時に、監督から『音を聞いてみたりして下さい』と言われたんです。その時に『音を聞くかぁ…是枝監督っぽいなぁ…』と思いました」と撮影をふり返っている。そして、いま大注目の監督については「いやー、本当に凄すぎて、またこうしてCMでご一緒できるなんて、なんて贅沢なんだ!と改めて思いました。(笑)」とコメント。さらに、“監督は初めて会った時から印象が全く変わらない”という広瀬さんだが、「会うだけで何か安心感を得られ、演じるという事をリセットして頂ける気分になるんです。本当に心強いお父さんのような存在です」と、とても信頼している様子だ。earth music&ecology新TVCM「エシカルへ」篇は2月27日(水)より全国にて放送開始。(cinemacafe.net)
2019年02月21日アメリカ・ロサンゼルスで開催される世界最高峰の映画の祭典「第91回アカデミー賞授賞式」が、日本時間の2月25日(月)にWOWOWで生中継。昨年に引き続き、女優、モデル、歌手と幅広く活躍するすみれがレッドカーペット・レポーターに就任し、現地入りする。レディー・ガガのコメントは「絶対ゲットします!」「レポーターとして、もっとレベルアップしたいと思っています」と意気込みを語ってくれたすみれさん。昨年は初チャレンジながら、大女優のウーピー・ゴールドバーグへのインタビューに成功するなど、大きな結果を残したが、当の本人は「反省することばかり。事前に準備し過ぎてしまって、いざスターを目の前にすると、パッと頭が真っ白になってしまったことも」とふり返る。そして「レッドカーペットの上は戦場です!」とも。「現地には映画ファン、そして各国から来ているメディアがたくさんいて、一言で表せばカオス(笑)。お目当てのスターに取材をしたくても、担当のパブリシストさんに『あなたは、後で』って怒られてしまったり…。でも、そこで引き下がらず、こちらもアグレッシブに攻めていこうと思います。まずは、私自身がリラックスして、相手に対してオープンに接することができればいいですね」今年、いちばん取材したいのは『アリー/スター誕生』で主演女優賞候補にあがるレディー・ガガ。「絶対ゲットします!」と気合いが入る。日本映画『万引き家族』『未来のミライ』の受賞に期待!今年のアカデミー賞では、日本から是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画部門、細田守監督の『未来のミライ』がアニメ長編映画部門にそれぞれノミネートされ、大きな話題に。すみれさんも「ファッションもそうですけど、いま、日本の文化が本当に海外で人気ですし、いままで以上に、日本映画に注目が集まるとうれしいです。日本映画ではありませんが、(候補にあがる)『犬ヶ島』も日本が舞台のアニメですもんね。すごいことだと思います」と日本勢の飛躍に期待を寄せる。すみれさんが最も注目しているのは、主演男優賞。今年は本命不在、例年以上のデッドヒートが繰り広げられており、特に目が離せない部門だ。20キロ増量し実在の米副大統領を演じたクリスチャン・ベイルについては「予告編で彼の姿を見たんですが、まったく誰だか分からなかった!」と目を白黒。ガガ主演の『アリー/スター誕生』がお気に入りだといい、当然、監督も務めたブラッドリー・クーパーは外せない。「ヴィゴ・モーテンセンは『ロード・オブ・ザ・リング』の頃から大ファン。今回、候補になった『グリーンブック』も難しい役どころを、彼なりにカッコ良く演じているし、日本でも大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』のラミ・マレックさんもすばらしかった…」その悩める気持ち、よーく分かります!女優として「一歩一歩頑張っていきたい」今回はレポーターとして、アカデミー賞のレッドカーペットに立つすみれさんだが、サム・ワーシントンと共演した『アメイジング・ジャーニー神の小屋より』でハリウッド映画デビューを飾るなど、自身も女優として活躍がめざましい。それでも「女優というお仕事は、本当に難しいです」と身を持って経験した苦労をしみじみと語る。「アメリカの大学で演技を学んでいましたし、小さい頃から歌やピアノ、それに歴史の勉強なども重ねてきました。ただ、俳優を目指す人たちは良くも悪くも“オラオラ”って感じでアグレッシブに頑張る人ばかり。ライバルが多すぎますからね(笑)。私自身は日本人ということで、差別を受けることもありました。もちろん、ショックでしたが、それくらい厳しい世界なんだなと。だからこそ、私も女優として経験を積み重ねて、一歩一歩頑張っていきたいです。いつかはレッドカーペットで、取材“される”側になりたいと思っています」。第91回アカデミー賞授賞式は2月25日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催。この模様は、同日8時30分~WOWOWプライムにて生中継(2か国語版・同時通訳)、21時~字幕版がWOWOWプライムにて放送される。(text: Ryo Uchida/photo:You Ishii)
2019年02月20日第92回キネマ旬報ベスト・テン表彰式が10日に都内で行われ、松坂桃李ら受賞者が登場した。『孤狼の血』で助演男優賞を受賞した松坂は、「7年前に新人賞をいただきまして、その時僕以上に喜んでいたのが、僕のマネージャーさん」と明かし、「またマネージャーさんのためにもここにきたいと強く思った」と振り返る。同作については、件のマネージャーから出演の判断を委ねられたそうで、「嬉しいと同時に、この役は誰にも渡したくないなと思ったんです。絶対に、やり遂げてやるというか。ちゃんと作品として参加することもできて、すごいありがたい賞までいただいて、本当に嬉しいです」と喜びを表した。トロフィーの重さに、「勝手ながら、7年分の重さといいますか、しっかりと受けとめて」としみじみ。さらに、夫婦で主演女優賞・主演男優賞を受賞した安藤サクラ・柄本佑について「いやあ〜あの、本当に夫婦っていいなあ」と感想を述べ、「サクラさんも佑さんも心を許せる、勝手ながら友だと思っていて。舞台の本番中なんですけど、(『キネマ旬報』)最新号の(安藤・柄本夫婦で務めた)表紙、楽屋に飾ってます」と、語った。○受賞一覧&登壇者日本映画作品賞:『万引き家族』桑田靖(フジテレビジョン)外国映画作品賞/外国映画監督賞/読者選出外国映画監督賞:『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー監督 代理:平山義成(20世紀フォックス映画)文化映画作品賞:『沖縄スパイ戦史』三上知恵監督、大矢英代監督・個人賞主演女優賞:安藤サクラ主演男優賞:柄本佑助演女優賞:木野花助演男優賞:松坂桃李新人女優賞:木竜麻生新人男優賞:寛 一 郎日本映画監督賞:瀬々敬久 代理:川瀬陽太日本映画脚本賞:相澤虎之助/瀬々敬久 代理:坂口一直(スタンス・カンパニー)読者選出日本映画監督賞:是枝裕和監督 代理:依田巽(ギャガ)キネマ旬報読者賞:立川志らく特別賞:樹木希林 代理:内田也哉子
2019年02月10日映画雑誌「キネマ旬報」が主催する「2018年 第92回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」が2月10日(日)、文京シビックホールにて行われ、受賞した安藤サクラ、柄本佑、木野花、松坂桃李らが登壇した。安藤サクラ、柄本佑との受賞に号泣!安藤さんは読者選出日本映画監督賞も受賞になった、是枝裕和監督の『万引き家族』での主演女優賞を受賞、柄本さんは『きみの鳥はうたえる』、『素敵なダイナマイトスキャンダル』、『ポルトの恋人たち 時の記憶』と3本の主演映画から、堂々の受賞となった。私生活で夫婦であるふたりがそろって主演俳優の賞を受賞するという快挙に、観客も登壇陣も湧きに湧き、司会者の呼び込みでふたりが共に立つと、感激のあまり安藤さんがボロ泣きの展開に。柄本さんが主演男優賞を獲ったときのことを聞かれると、安藤さんは「もう…それがうれし…」と号泣。困惑顔の柄本さんが「夫婦で泣いているの、写真出るぞ!」と制するも、安藤さんは「ちゃんとしていなきゃいけないかなと思っていたんですけど、こんなお祭り騒ぎないからいいかなって」と泣きながら言葉を紡いだ。そのやり取りを何とも温かい表情で眺めていた木野さんは「もらい泣きした」と言い、松坂さんも「夫婦っていいなって思った!サクラさんも佑さんも僕にとって心の許せる友だと勝手ながら思っていて、(「キネマ旬報」の)最新号の表紙、舞台の本番中ですけど楽屋に飾っています(笑)」とふたりへの祝辞に代えていた。さらに、安藤さんの父・奥田瑛二から「夫婦でW受賞おめでとう。とてもとても喜んでいます!」などのサプライズコメントが寄せられると、柄本さんは満面の笑みを見せるも、安藤さんは、「ちょっとここまでくると恥ずかしくなってきた(笑)」ともじもじ。「キネマ旬報が、柄本家、安藤家をあれしているのではなく、賄賂とかを渡していないので(笑)。正式な受賞だと改めて言わせていただきます」と最後は笑いで締め、さらなる拍手喝采を受けていた。「キネマ旬報ベスト・テン」は、アメリカのアカデミー賞よりも長い歴史を持つ映画賞で、その年を代表する作品や映画人を多面的に選び出している特徴を持つ。年齢や所属の幅も広い映画を多く観ている選出者が、当年の映画界の実勢を反映することから、最も中立的で信頼に足る映画賞という評価を業界内外からも受けている。松坂桃李の強い想い「この役は誰にも渡したくない」助演男優賞を受賞したのは、2018年度の賞レースの“常連”といえる松坂桃李さん。白石和彌監督によるやくざ映画『孤狼の血』にて、役所広司演じる大上刑事の相棒となった新人刑事・日岡をエネルギッシュに演じ、観客を魅了した。作品をふり返り、松坂さんは、「白石監督始め、役所広司さんなしでは日岡はできませんでした」と感謝を込める。出演にあたっては、マネージャーから委ねられた部分もあったと話し、「ゆだねてくれることがうれしいと同時に、この役は誰にも渡したくない、と思ったんです。絶対にやり遂げてやるというか、現場に立って、日岡をしっかり演じ切りたいという思いがありました。参加することもできて、ありがたい賞までいただいて、本当にうれしいです」と、時折、声を震わせながら強い想いと感謝を明かしていた。さらに、創刊100周年を迎えた本年より、多くの映画人の業績を讃え、先達への敬意と感謝の意を表すべく特別賞が新設され、2018年9月15日にこの世を去った樹木希林に進呈され、代理で内田也哉子が受け取った。そのほか、表彰式には、新人女優賞の木竜麻生、新人男優賞の寛 一 郎、キネマ旬報読者賞の立川志らくも出席した。(cinamacafe.net)
2019年02月10日4日(現地時間)第91回アカデミー賞にノミネートされている候補者たちのための昼食会が、ロサンゼルスの「ザ・ビバリー・ヒルトン」で開催された。「人気映画部門」の新設の延期、授賞式の放送時間の大幅短縮、歌曲賞のパフォーマンス曲数をめぐる騒動、そしてケヴィン・ハートが司会を辞退してからいまだ新たな司会者が発表されることなく、30年ぶりに「司会者不在」で当日を迎えそうな今年の授賞式。例年に比べて混乱続きではあるが、“良い変化”もあったようだ。映画芸術科学アカデミーの会長ジョン・ベイリーが昼食会で、「今年は女性の候補者数が過去最高」と述べ、今後も人種、民族性、性別などの多様性を受け入れていくと発言した。(とはいえ、「Daily Mail」紙は、「集合写真に写る候補者のほとんどはいまだ白人男性ばかり」と指摘している)。出席者はレディー・ガガ、ブラッドリー・クーパーら俳優や監督、プロデューサー、衣装デザイナーなど24部門の候補者が集結。日本からは外国語映画賞にノミネートされている『万引き家族』の是枝裕和監督、長編アニメ映画賞にノミネートされている『未来のミライ』の細田守監督らが出席。是枝監督は、巨大なオスカー像の前で像と同じポーズを取って記念撮影をするなど、昼食会を楽しんだもよう。細田監督とのツーショット写真も撮影されていた。(Hiromi Kaku)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年02月05日ドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』が、2019年12月上旬シアター・イメージフォーラムほか全国の劇場で順次公開される。是枝裕和の愛弟子・広瀬奈々子よる最新作『つつんで、ひらいて』は、現在75歳の装幀者・菊地信義の仕事を約3年間追いかけたドキュメンタリー映画。2019年1月に柳楽優弥主演の映画『夜明け』が公開された、是枝裕和の愛弟子・広瀬奈々子よる最新作となっており、今回の作品では監督だけでなく、編集、撮影も務める。装幀者・菊地信義の仕事に迫る菊地信義は、広告代理店などを経て、独立から40年、中上健次や古井由吉、俵万智、金原ひとみなど、1万5000冊以上の本の装幀を手がける装幀者。日本のブックデザイン界をリードし続けてきた存在だ。紙と文字を触りながら、あくまで"手作業"で本を1冊ずつデザインしている。『つつんで、ひらいて』は、菊地の指先から、印刷、製本に至るまでの工程を見つめ、ものづくりの原点に迫っていく。インターネットが日常のものとなった今だからこそ、物への愛着、紙の手ざわりに焦点を当てた作品となっている。菊地は、約3年間にわたる撮影を許可した理由について、「紙の本。その装幀という仕事を撮りたいという。言葉を、目から手へ、そして心にとどける仕事。思い掛けない若い監督の、本への思いに絆された。撮られる事で、新たに意識化できることもあるはず。どうあれ、紙の本の魅力を伝えるためにと引き受けた。」と語っている。広瀬奈々子コメント広瀬は、映画の公開にあたり次のようにコメント。「初めて菊地さんとお会いしたのは、銀座の樹の花という喫茶店でした。『僕は映像は好きじゃない』と言われて意気消沈して帰ってきたのを覚えています。言葉のプロで、ある意味演出家でもある相手に毎回何をどう撮りたいのか説明し、説得するのには大変苦労しました。この映画に映るもの全てが菊地さんとの共作です。今もなお菊地さんへの尊敬の念は深まるばかりですが、これは菊地信義を賞賛するための映画ではありません。本とは何か、自問自答するための映画です。言葉と五感に対する欲求は、作り手にとってだけでなく、誰にとっても重大な問題なのだと思います。」【詳細】ドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』公開時期:2019年12月上旬、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開監督・編集・撮影:広瀬奈々子企画制作:分福配給:マジックアワー
2019年02月04日昨年、横浜に開催場所を移し、大好評のうちに幕を閉じた「フランス映画祭」が、今年も6月に横浜にて開催されることになった。昨年は『たかが世界の終わり』にも出演した名女優ナタリー・バイをフランス代表団長として、14作品(+1短編)を上映。フェスティバル・ミューズの常盤貴子、『万引き家族』でカンヌパルム・ドールを受賞した直後の是枝裕和監督もオープニングセレモニーに駆けつけた。マスタークラスの開催やサイン会など多くのフランス映画人もゲストで登壇し、合計来場者も増員され、大いに盛り上がりを見せた。観客の声によって選ばれる「エールフランス観客賞」は、『最強のふたり』のオリヴィエ・ナカシュ&エリック・トレダノ監督コンビによる『セラヴィ!』が受賞した。本年度は、主催であるユニフランスの設立70周年、横浜とリヨン姉妹都市提携60周年など、記念すべき年でもあり、よりフランスらしく、横浜らしく、横浜とフランスの友好関係をさらに深める映画祭を目指していく。上映作品やゲスト情報については随時発表される予定。(text:cinemacafe.net)
2019年02月01日1月22日、第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表された。日本からは外国語映画賞に是枝裕和監督(56)の『万引き家族』と、長編アニメーション映画賞には細田守監督(51)の『未来のミライ』の2作品がノミネートを果たした。長編アニメーション映画賞に日本からスタジオジブリ作品以外がノミネートするのは史上初。さらに『万引き家族』が外国語映画賞を受賞した場合、09年に受賞した滝田洋二郎監督(63)の『おくりびと』以来10年ぶりの快挙となる。早くも日本では2作の結果に大きな期待が高まっている。だが、『万引き家族』の前に立ちはだかる強力なライバルの存在が――。それは現在動画配信サービス・Netflixで配信中の『ROMA/ローマ』。本作は無重力空間を圧倒的な映像美で見せた宇宙映画『ゼロ・グラヴィティ』でアカデミー監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロンが監督を務めるなど、強力な布陣。また同時に作品賞にもノミネートを果たしており、動画配信サービスの映画では史上初の快挙。さらにスペイン語制作の映画として初めて作品賞にノミネートするなど、まさに映画史を更新し続けている作品だ。アカデミー賞の前哨戦ともいわれるゴールデングローブ賞でも外国語映画賞を受賞。同じく同賞にノミネートされていた『万引き家族』を一歩リードした形だ。さらに、ライバルはまだいるという。「今年の外国語映画賞は近年稀に見る激戦です。『ROMA/ローマ』以外にも、昨年のベネチア国際映画祭でも高い評価を受けたドイツの『Never Look Away』が。さらに、昨年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞したポーランドの『COLD WARあの歌、2つの心』も要注意でしょう。ただ、カンヌでパルムドールを受賞した『万引き家族』の前評判はアカデミー会員にも好印象を与えると思います。『万引き家族』が受賞する可能性も決してゼロではないと思います」(映画会社関係者)授賞式は2月24日(現地時間)にロサンゼルスで開催される。栄光は一体誰の手に――。
2019年01月23日第91回アカデミー賞のノミネート作品が1月22日(現地)に発表され、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督の『未来のミライ』が長編アニメーション部門にそれぞれノミネートされた。日本映画のダブルノミネートは、オスカー史上初!日本人にとっては“平成最後”の米アカデミー賞となる今回だが、まず、同じ年に日本映画2作品が、外国語映画賞と長編アニメーション部門の候補にあがるのは、アカデミー賞史上初めてのこと。映画界最大の祭典において、日本映画の躍進を感じさせるノミネーションは、素直に喜ばしい結果だ。どちらの作品も、現代日本が抱える問題を背景に、“家族”のあり方を作家性あふれるアプローチで描き切っており、それが海外で評価を得た点も見逃せない。ちなみに、外国語映画賞が正式に設置された第29回以来、同賞に輝いた日本映画は滝田洋二郎監督の『おくりびと』(第81回)のみ。長編アニメーション部門は2001年の第74回から設置され、翌年の第75回に宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が受賞。以降、5度にわたって、スタジオジブリ作品がノミネートされるも受賞は逃している。外国語映画賞は『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の一騎打ち昨年5月、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞して以来、各国の映画賞で旋風を巻き起こしている『万引き家族』。第76回ゴールデングローブ賞では、惜しくも外国語映画賞を逃したが、その後に発表された第44回LA映画批評家協会では外国語映画賞に輝いており、賞レースでの勢いに衰えは見えない。是枝組の常連であり、本作でも圧倒的な存在感を放った樹木希林さんが昨年この世を去ったのは残念だが、今回の朗報を喜んでいるのは間違いない。きっと天国から強力なエールを送ってくれるはずだ。最大のライバルは、アルフォンソ・キュアロン監督のメキシコ映画『ROMA/ローマ』。こちらはヴェネチア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞し、その後は各映画賞の外国語映画賞を次々と手にしている。ゴールデングローブ賞でもこちらに軍配があがった。なお、『ROMA/ローマ』は作品賞候補にもあがっており、これはNetflix配給の作品としては初の快挙。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、ギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』に続いて、「メキシコ出身のキュアロン監督に作品賞をあげたい!」という思いから、外国語映画賞は『万引き家族』に…という可能性は少なからずあるのではないだろうか。もちろん、これは“棚ぼた”では決してなく、実質的に今年の外国語映画賞は『万引き家族』と『ROMA/ローマ』の一騎打ちなのだ。ジブリ以外の作品が初ノミネート!真価を問われる『未来のミライ』昨年夏に公開され、国内では、批評的にも興行的にも正当な評価を得たとは言い難かった『未来のミライ』。しかし、海外での評判は上々で、第76回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞にノミネートされた。同賞候補に日本の作品が挙がるのは、意外にも初めてのこと。そして、第91回アカデミー賞では、ジブリ作品以外で初めて長編アニメーション部門にノミネートされ、まさに真価を問われることになった。長編アニメーション部門の候補は『未来のミライ』に加えて、『インクレディブル・ファミリー』『犬ヶ島』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』の計5作品。アニメ界のアカデミー賞と言われる第46回アニー賞(2月発表)では、『インクレディブル・ファミリー』『シュガー・ラッシュ:オンライン』がそれぞれ11部門、10部門にノミネートされ、強さを発揮しているが、第76回ゴールデングローブ賞では下馬評を覆し『スパイダーマン:スパイダーバース』が最優秀長編アニメーション映画賞を受賞したばかり(『未来のミライ』も候補だった)。その上で過去6年間、ディズニーアニメーション作品が栄冠に輝き続けた同賞が、そろそろ安定したブランド力から離れ、より革新的でユニークな映像表現にスポットをあてるべき転機を迎えているのは事実。確かに『未来のミライ』は最有力候補ではないが、『犬ヶ島』同様にそのオリジナリティは評価に値するはずである。第91回アカデミー賞授賞式は2月25日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:Ryo Uchida)■関連作品:未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月23日1月22日(日本時間)、第91回アカデミー賞のノミネーションが発表され、外国語映画賞の候補対象作に選出されていた是枝裕和監督の『万引き家族』がノミネートを果たした。細田守監督の『未来のミライ』も長編アニメーション部門にノミネートし、日本からは2作品がアカデミー賞候補入りとなった。昨年12月にアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーは、外国語映画賞の候補対象となる9作を選出。その中にはコロンビアの『Birds of Passage』、デンマークの『THE GUILTY/ギルティ』、ドイツの『Never Look Away』(原題)、カザフスタンの『Ayka』(原題)、レバノンの『Capernaum』、メキシコの『ROMA/ローマ』、ポーランドの『COLD WAR あの歌、2つの心』、韓国の『バーニング 劇場版』が対象作として挙げられていた。『万引き家族は』アカデミー賞前哨戦として注目を集める第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞で外国語映画賞に輝き、1月13日に発表となったパームスプリングス映画祭でも、外国語映画に贈られるFIPRECI賞(国際批評家連盟賞)を受賞している。今回の発表ではレバノンの『Capernaum』、ポーランドの『COLD WAR あの歌、2つの心』、ドイツの『Never Look Away』(原題)、メキシコの『ROMA/ローマ』の5作品がノミネート入りを果たした。さらに長編アニメーション部門には細田守監督『未来のミライ』がノミネート。そのほか『インクレディブル・ファミリー』、『犬ヶ島』『シュガー・ラッシュ:オンライン』『スパイダーマン:スパイダーバース』がノミネートを果たしている。第91回アカデミー賞授賞式は2月25日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月22日是枝裕和監督作『万引き家族』がアメリカで2018年、最も興行収入を上げた外国語映画の1本として記録を伸ばしている。「Variety」誌によれば、『万引き家族』はアメリカ国内で木曜日に興行収入200万ドル(約2.2億円)を突破。アメリカでは昨年11月23日からニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの3都市5館で上映をスタートした『万引き家族』。現在は100館で上映されており、配給会社の「マグノリア・ピクチャーズ」はゆくゆくは150館まで拡大するとみている。それは、来週22日に発表されるアカデミー賞のノミネーションにおいて、外国語映画賞のノミネート作品5本に入るかどうかが大きなポイントとなるようだ。同作は、メキシコの『ROMA/ローマ』(アルフォンソ・キュアロン監督)、韓国の『バーニング 劇場版』(村上春樹原作、イ・チャンドン監督)などとともに、ノミネート作品を選ぶためのショートリストに選出されている。(Hiromi Kaku)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月18日是枝裕和監督の『万引き家族』が、アカデミー賞前哨戦として注目を集める第44回ロサンゼルス映画批評家協会賞にて、日本映画としては33年ぶりとなる外国語映画賞を受賞、是枝監督が現地で行われた表彰式に駆けつけた。ロサンゼルスを拠点に活動する映画批評家で構成された“ロサンゼルス映画批評家協会”のメンバー投票によって決定する同賞。今年は、村上春樹の短編小説「納屋を焼く」をもとにしたイ・チャンドン監督による韓国映画『バーニング 劇場版』も『万引き家族』と並んで外国語映画賞を受賞している。なお、日本映画では黒澤明監督の『乱』以来、33年ぶりの外国語映画賞受賞となる。過去には『君の名は。』(新海誠監督)、『かぐや姫の物語』(高畑勲監督)、『千と千尋の神隠し』(宮崎駿監督)がアニメーション映画賞に輝いており、本年度のキャリア功労賞には宮崎駿監督が選ばれている(日米合作映画としてはクリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』が作品賞を受賞)。表彰式では、割れんばかりのスタンディングオベーションに包まれる中、是枝監督が登場。トロフィーを受けとると、「この賞を頂いたお礼を一言述べたくて、10時間飛行機に乗って、今朝この街に着きました。本当にありがとうございます」と喜びの挨拶。「5月にカンヌの映画祭で賞を頂いたときに、審査委員長のケイト・ブランシェットさんがこの作品のことをインビジブルピープル、目に見えない人たちを目に見える形にしたというところをすごく評価していただきまして、とても嬉しかったんですね。この映画に限らず、いつも映画を作る時には、見えないもの、声にならない声をどういう風に映画にするかという事をいつも考えているのでとても嬉しかったです」と語った。さらに「映画にはある力があると思っています」と続けると、「例えば日本と韓国とか、アメリカとメキシコとか隣り合う国と国、人とひとの間に大きな力が、壁を作りお互いがお互いを見えなくしようとするときに、その壁を取り払ってお互いを見える形にしていく、そういう力が映画にはあると思っています。なのでこの賞を友人でもあり、韓国の最も尊敬する監督でもあるイ・チャンドンさんと同じ賞を受賞できたことが本当に嬉しいです」とスピーチ、大きな喝采を浴びていた。また同日、1月13日に発表となったパームスプリングス映画祭でも、外国語映画に贈られるFIPRECI賞(国際批評家連盟賞)を受賞。こちらにも是枝監督が駆けつけた。本作は、先日発表された英国アカデミー賞やアジアン・フィルム・アワーズなど、現在56の海外映画賞各部門でのノミネート、30の受賞歴を重ねている。第91回米国アカデミー賞の外国語映画賞部門・最終ノミネーション発表前の候補リスト9本にも選ばれており、1月22日(火)に行われるノミネート発表に向けても大きな弾みとなっている。『万引き家族』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.バーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved
2019年01月13日「ドキュメンタリー国際映画祭のために、アムステルダム(オランダ)に1日。その後、ニース(フランス)で『Vision』(日本公開’18年6月)の先行上映があり、パリには4日間の滞在でした」前夜、帰国したばかりというヨーロッパ出張を振り返る河瀬直美監督(49・※瀬は旧字体)。パリのポンピドゥー・センターでは、1月6日まで「河瀬直美監督特集特別展・特集上映」を開催。特別展では「生命」「自然」「世界」「家族」など、河瀬作品に共通するテーマを写真や映像、インスタレーションで紹介。特集上映では、初期の短編から最新作まで、約40作が一挙に上映された。「そのオープニング・イベントで、『Vision』で主演したジュリエット(・ビノシュ=フランス人女優)が挨拶してくれました。彼女はいま、是枝裕和監督の新作に出演中なんですが、その日のテイクを終えたその足で駆けつけてくれて……」河瀬さんは、カンヌに愛された監督だ。’97年、『萌の朱雀』で、カンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)を、史上最年少の27歳で受賞。’07年には『殯の森』でグランプリ(審査員特別大賞)、’09年は、映画祭に貢献した監督に贈られる「黄金の馬車賞」、’17年の『光』は、エキュメニカル審査員賞を受賞している。その河瀬さんが2020年東京五輪公式映画の監督に選ばれた。10月23日の就任記者会見では、こう抱負を述べている。「すでにさまざまなところで、東京五輪に向けたドラマが始まっています。それを見つめることが、この仕事の醍醐味。時間の許す限り、各地に足を運んで撮影したい」とことんリアリティを追求する。それが河瀬さんの作風だ。ドキュメンタリー作品だけでなく、劇映画でもその姿勢は徹底している。河瀬作品『あん』(’15)の原作者でもあり、『朱花の月』(’11年)では主演男優を務めたドリアン助川さん(56)は、撮影時をこう振り返る。「主演女優の大島葉子さんと僕の2人は、1カ月も前から、奈良県の撮影地に一軒家を借りて、現地の方々のなかで役名を名乗って暮らすことを指示された。ご近所から野菜をもらったりしてね(笑)。だから、撮影中は“役になりきる”どころか“役そのもの”として生きていたよね。それほどリアリティに厳しいし、怖い監督なんです」東京五輪を見つめ抜き、切り取った映像で、河瀬さんは何を表現するのだろう。「これまでも、これからも、私は私の目の前のものにまなざしを向け、それを記録してゆく。そこは変わりません。五輪も同じです。私は等身大でしか物事を見つめられない。俯瞰するまなざしと同等に主観やオリジナリティを大事にして、目の前にあるものを見つめ抜く。等身大で見たリアルを真摯に描きたいですね」河瀬さんの目は、大会のバックヤードにも向いていた。「控室、練習、選手はどんなトレーナーに支えられているのか。選手村の食事はどうしているのか。食べることは命ですから」具体的な撮影プランはこれからだ。中高時代はバスケットボールに打ち込み、県代表として国体に出場した河瀬さん。「中高時代に没頭したバスケットボールはもちろん、柔道、体操、卓球、日本人の活躍が目ざましい競技はフォーカスしたいと思います。でも、世界中で分断が進むいま、国を超えて、スポーツで、平和や生きる希望を見いだせるオリンピックの本質をこそ、とらえたい。ルールという枠のなかで、ポテンシャルを最大限、出して競い合えることは、イコール平和への道につながると思います」感動の目玉は、チームワーク。「支え合って生き抜く力」だ。「体力、戦力は劣勢でも、それぞれが自分の役割をまっとうできるチームは強い。勝者がどういう道程をたどって、上りつめたかを描くことで、そこにあるチームワーク=つながりも見えてくる。チームでひとつのものを目指すことで、達成感を共有できる。それで未来を目指していける。映画を見る人には、そこに、生き抜く希望を見いだしてほしいと思っています」
2019年01月10日ハリウッド外国人記者クラブ(HFPA)が、前年に発表された映画・テレビ番組の中から優れた作品を表彰するゴールデン・グローブ賞。第76回を迎える今回、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞にノミネートされていたが惜しくも受賞を逃す結果となった。ハリウッドの外国人映画記者協会(HFPA)によって選ばれるゴールデン・グローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦としても知られる栄誉ある賞。外国語映画賞を受賞したのはアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA』。1970年代のメキシコシティを舞台に、ある中流家庭とそこで住み込みで働く家政婦に焦点を当てた物語。本作は第75回ヴェネチア映画祭でも最高賞の金獅子賞を受賞しており、現在Netflixにて独占配信中だ。今回のゴールデン・グローブ賞では、外国語映画賞に『万引き家族』(是枝裕和監督)、アニメーション映画賞に『未来のミライ』(細田守監督)がノミネートされていた。アニメーション映画賞は『スパイダーマン:スパイダーバース』が獲得した。是枝監督の長編13作目となる『万引き家族』は、様々な“家族のかたち”を描き続けてきた監督が、「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と語る、渾身の一作。『万引き家族』はカンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを獲得しており、前アメリカ大統領バラク・オバマ氏の「Favourite movies of 2018」にもリスト入りを果たしていた。『万引き家族』は今年2月に行われる第91回アカデミー賞外国語映画賞部門のショートリスト(ノミネート前の候補リスト)にも選出されている。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年01月07日第71回カンヌ国際映画祭で最高賞、パルムドールを受賞、第76回ゴールデン・グローブ賞 外国語映画賞ノミネートなど、全世界的に注目が再度集まっている是枝裕和監督の『万引き家族』が、待望のBlu-rayとDVDとなって2019年4月3日(水)に発売決定。是枝監督、安藤サクラのコメントも届いた。今作の主役は、犯罪でしかつながれなかった家族だ。生計を立てるため、家族ぐるみで犯罪を重ねていくうちに、一層強く結ばれていくある一家。だがそれは、許されない絆だった…。人と人との関係が希薄ないまの時代に、真の“つながり”とは何かを問う、衝撃の感動作として大きな話題に。万引きを重ねる父をリリー・フランキー、その妻を安藤サクラ、彼女の妹を松岡茉優、祖母を樹木希林。そして池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人という実力派俳優たちが集まり、濃密なドラマを紡いだ。今回の豪華版にはメイキング映像や特別番組、イベント映像集など特典映像を収録する予定。また、特製のブックレットも付いてくる。その発売決定に際して、是枝裕和監督、安藤サクラが最新のコメントを寄せている。■是枝監督&安藤サクラのコメント是枝裕和監督小さく産んで、細く長く育てていこうという発想で取り組んだ映画が、公開当初から、こんなに多くの方に劇場に足を運んで頂けるなんて、思ってもいませんでした。監督としては望外の喜びです。この度は、Blu-ray、DVD発売とのこと。欲張り!とお叱りを受けそうですが、お手元に置いて頂けたら、嬉しいです。安藤サクラ(柴田信代 役)あの家族がついに、DVDに、、!!きったないおうちだったし、極寒だったけど、あの時間はなんともあたたかかった。ひんまがったかたちだけど愛が詰まってたんだなぁ。あのこたつが懐かしい。あのお鍋が懐かしい。歩くと足の裏真っ黒になる床も、ぬるっとしたお風呂も、とっても愛しい。あの家はぐっちゃぐちゃに物で溢れてたけど、DVDなんて一枚も無かったなー。また、第91回アカデミー賞の外国語映画賞に日本代表として選ばれ、このほど最終候補作リストに名が残ったことでも注目を集めているところだ。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2018年12月21日映画芸術科学アカデミーが、来年のアカデミー賞の対象となる9部門のショートリスト(ノミネート前の候補リスト)を発表した。発表されたショートリストの中で、日本からは是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞にリスト入りを果たした。ノミネーション獲得を競うほかの作品は、コロンビアの『Birds of Passage』、デンマークの『THE GUILTY/ギルティ』、ドイツの『Never Look Away』(原題)、カザフスタンの『Ayka』(原題)、レバノンの『Capernaum』、メキシコの『ROMA/「ローマ』、ポーランドの『Cold War』(原題)、韓国の『バーニング 劇場版』。これら9作品は、全87作品の中から選ばれたという。今後は1月7日から14日まで行われるアカデミー会員による投票で、9作品の中から5作品がノミネート作品に選ばれ、2月24日開催の第91回アカデミー賞授賞式で受賞作品が決定する。『万引き家族』は、放送映画批評家協会賞やゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされている。(Hiromi Kaku)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.THE GUILTY/ギルティ 2019年2月22日より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開© 2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/Sバーニング 劇場版 2019年2月1日よりTOHO シネマズ シャンテほか全国にて公開©2018 PinehouseFilm Co., Ltd. All Rights Reserved
2018年12月18日米・放送映画批評家協会が主催するクリティック・チョイス・アワードのノミネーションが発表され、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』が作品賞、監督賞、主演女優賞(オリヴィア・コールマン)、助演女優賞(レイチェル・ワイズ、エマ・ストーン)など最多14ノミネートを獲得した。『ブラックパンサー』が12ノミネート、『ファースト・マン』が10ノミネート、『メリー・ポピンズ リターン』、『アリー/スター誕生』、『バイス』の3作品が9ノミネートと続く。日本からは是枝裕和監督の『万引き家族』が、アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA/ローマ』(原題)などとともに外国語映画賞にノミネート。細田守監督の『未来のミライ』もアニメーション映画賞にノミネートされ、『インクレディブル・ファミリー』、『犬ヶ島』、『スパイダーマン:スパイダーバース』などと賞を競う。同アワードの授賞式は1月13日(現地時間)に開催。この日はオスカーのノミネーションの投票が締め切られる前日であるため、受賞者や受賞作品がオスカーに与える影響は大きいといわれている。(Hiromi Kaku)■関連作品:ブラックパンサー 2018年3月1日より全国にて公開© Marvel Studios 2017 MARVEL-JAPAN.JP/blackpanther未来のミライ 2018年7月20日より全国東宝系にて公開ⓒ 2018 スタジオ地図メリー・ポピンズ リターンズ 2019年2月1日より全国にて公開Ⓒ2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.アリー/ スター誕生 2018年12月21日より全国にて公開© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.ファースト・マン 2019年2月8日より全国にて公開女王陛下のお気に入り 2019年2月15日より全国にて公開(C)2018 Twentieth Century Fox
2018年12月12日俳優の竹内涼真が、今年圧倒的に輝いた男性を表彰する「GQ MEN OF THE YEAR 2018」に選出され21日、都内で行われた授賞式・記者発表会に出席した。男性向けファッション・カルチャー誌『GQ JAPAN』が選出する同賞は、生き方、仕事、スタイルにおいて、読者をインスパイアし、各分野において圧倒的な活躍を見せた男性に贈る賞。今年で13回目となる。アクター・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した竹内は「今年はたくさんの経験をさせていただいて、自分が20歳までやっていたサッカーのワールドカップも仕事で行かせていたのですが、自分が真剣にスポーツをやっていたということもあって、今は俳優としてやらせていただいているのでほかの仕事に抵抗があった」と葛藤を告白。その上で、「何事も自分の気持ちで選んで一生懸命やってできるなら、俳優だからとか自分を縛らずに、いろんなことをもっともっとやっていきたいという気持ちになりました」と心境の変化を明かし、「まだこの仕事を始めて5年経って、今6年目なんですが、画面を通してみなさんに楽しんでいただけるように、新しいものを自分で生み出して頑張っていきたいと思いました」と決意を語った。また、来年の目標を聞かれると「ありがたいことに最近お仕事忙しくやらせていただいているんですが、親戚がたくさんいて、だんだん会えなくなってきて、『なんで最近会いに来ないんだ』ってクレームが入る」と打ち明け、「竹内家大家族で旅行に連れていきたい。そろそろみんなでどっかに行きたいです」と、家族思いな目標を設定した。今年は、竹内のほか、俳優の田中圭、ダンスボーカルグループのDA PUMP、お笑いコンビ・千鳥の大悟とノブ、メイクアップアーティストの辻一弘、歌手・俳優・演出家の美輪明宏、俳優のリリー・フランキー、映画監督の是枝裕和、プロ車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾が受賞した。
2018年11月22日俳優の田中圭が、今年圧倒的に輝いた男性を表彰する「GQ MEN OF THE YEAR 2018」に選出され21日、都内で行われた授賞式・記者発表会に出席した。男性向けファッション・カルチャー誌『GQ JAPAN』が選出する同賞は、生き方、仕事、スタイルにおいて、読者をインスパイアし、各分野において圧倒的な活躍を見せた男性に贈る賞。今年で13回目となる。田中は、テレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ』の役が大ヒットし、ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞。「『GQ MEN OF THE YEAR』は、僕が大好きな小栗旬くん、そして吉田鋼太郎さんが過去にとっている賞で、どこか憧れみたいなものがあった」と同賞への憧れを明かし、「まさか平成最後に自分が受賞できると夢にも思っていなかったのでうれしいです」と喜びを語った。そして、「ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー賞ということで、『おっさんずラブ』がたくさんの方々をブレイクスルーさせたので、田中圭個人としてももちろんですが、周りの方々と一緒にブレイクスルーできるような、この賞に恥じない俳優になっていきたいと、今日強く思いました」とさらなる飛躍を誓った。今年は、田中のほか、俳優の竹内涼真、ダンスボーカルグループのDA PUMP、お笑いコンビ・千鳥の大悟とノブ、メイクアップアーティストの辻一弘、歌手・俳優・演出家の美輪明宏、俳優のリリー・フランキー、映画監督の是枝裕和、プロ車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾が受賞した。
2018年11月21日今年、圧倒的に輝いた男性を表彰する「GQ MEN OF THE YEAR 2018」の授賞式・記者発表会が21日、都内で行われ、俳優の竹内涼真、田中圭、ダンスボーカルグループのDA PUMPらが登場した。「GQ MEN OF THE YEAR」は生き方、仕事、スタイルにおいて、男性向けファッション・カルチャー誌『GQ JAPAN』読者をインスパイアし、各分野において圧倒的な活躍を見せた男性に贈る賞。13回目となる今年は、竹内、田中、DA PUMP、お笑いコンビ・千鳥の大悟とノブ、メイクアップアーティストの辻一弘、歌手・俳優・演出家の美輪明宏、俳優のリリー・フランキー、映画監督の是枝裕和、プロ車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾が受賞。さらに、プロフィギュアスケーターの浅田真央がGQ WOMEN OF THE YEARを受賞した。授賞式・記者発表会では、受賞者同士で質問をぶつける場面があり、浅田がDA PUMPに、大ヒット中の楽曲「U.S.A.」のダンスのコツを教えてほしいとお願い。浅田は「今日お会いするということで、実際に聞いてみたいなと思いまして」と目を輝かせた。そして、代表してISSAがサビの部分のダンスについて「(手は)引くのではなく叩きます」「叩くと同時に右足を蹴る」などとコツを伝授。浅田に加え、千鳥も一緒に教わり、すると後ろで見ていた竹内と田中も踊り出し、「U.S.A.」ダンスで盛り上がった。浅田は楽しそうに笑顔をはじけさせ、ISSAも「ヒールなのに飛んでいただいてありがとうございます。竹内さんも田中さんも」と喜んだ。
2018年11月21日俳優の山崎努が17日、東京・パルテノン多摩 大ホールで行われた第10回TAMA映画賞授賞式に登場した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。山崎は特別賞を受賞した、沖田修一監督の『モリのいる場所』の主演として登場した。山崎は「主人公たちは全く変化がありません。実はそういうところに惹かれて出演させてもらったんですが、撮影中にふと、こういう映画でお客さんが来てくれるのかなあと思いました。もちろん監督は自信があったと思いますが、僕はちょっと不安でした」と振り返りつつ、「で、いっぱい入って売れました。そして喜んで楽しんでくれました」と喜ぶ。「その上、こういう立派な賞をいただいて、嬉しく思っています。特に、特別賞は嬉しいです」と感謝したが、「ここに(奥さん役の)樹木希林がいれば、もっと良かったんですが。残念です。まあ仕方ありません」とこぼした。ともに文学座出身で、56年の時を経ての共演となった樹木について、山崎は「プライベートでもそんなに会ったことなかったんですけどね」と語る。「実は撮影に入る前に、彼女は病気でだいぶ体調が悪いと聞いてましたけども、ものすごく元気で、逆に僕が熱中症寸前でダウンしそうになって、彼女に助けてもらいました」と明かした。さらに「沖田監督も途中で捻挫しまして、ギブスで松葉杖で。一番元気だったのが、希林さんだった」と、樹木のことを悼んだ。■最優秀作品賞『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)■最優秀男優賞東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)■最優秀女優賞安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)■最優秀新進監督賞今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)■最優秀新進男優賞吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)■最優秀新進女優賞深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)
2018年11月18日第10回TAMA映画賞授賞式が、17日に東京・パルテノン多摩 大ホールで行われ、受賞者が登壇した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。最優秀新進女優賞に輝いた深川麻衣は、「まずは今日のこの日を今後の励みにさせていただきながら、『もっともっと頑張れ』というエールをいただいたと思うので、来年も今まで以上に成長できるように頑張っていきます」と宣言した。同じく最優秀新進女優賞に輝いた伊藤沙莉は、壇上に立った瞬間から涙ぐみ「すいません、早いですよね」とセルフツッコミで会場を笑わせる。『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』と、受賞作品に次々登場し、最優秀女優賞の松岡茉優からも「親友の伊藤沙莉」と紹介された伊藤だが、「9歳からお仕事させていただいてるんですけど、今日に至るまで15年間、決して楽しいだけじゃなく、苦しいこと悔しいこともたくさんありましたけれど、こうやって誰かに求めてもらえたりするのは本当に幸せなことだと思っております」「新しいスタートラインだと思って、大好きな芝居を楽しみつつ、これからも精進したい」と涙ながらに語った。また、大きな話題を呼んだ『カメラを止めるな!』は、特別賞に輝いた。市橋浩治プロデューサーは「ご覧いただいた感染者のみなさんのおかげで受賞できたかなと思っております」と感謝。「この映画を作ったENBUゼミナールは、(『パンとバスと2度目のハツコイの)今泉力哉監督もうちのスタッフとして働いていたということで、感慨深いものがあります」と明かし、会場を驚かせた。最優秀作品賞を受賞した『寝ても覚めても』は、カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品され、現地の反応も良かったが、パルムドールは『万引き家族』に。エグゼクティブプロデューサーの福嶋更一郎は「『万引き家族』がいただいたのはすごいことだなと思います」と称賛する。『寝ても覚めても』については、「シナリオの段階でフランスのプロデューサーから『これは絶対いい作品ができる』と言っていただいて、日仏合作になりました」と明かし、監督の独特な演出法についても「間近で見まして、本当にすごいなと思いましたし、編集も緻密ですし、非常に完成度の高い作品を世に出せたなと思います」と自信を見せた。また同じく最優秀作品賞を受賞した『万引き家族』について、松崎薫プロデューサーは「いろんなことがありまして、想定していたより本当に多くの方にご覧いただいています」と感謝。『寝ても覚めても』と同様に「海外に広まっており、今週末はロシア、来週からアメリカと言うように各国で大勢の方に見ていただくことができて、まだ上映していますので、また広まっていっていただけたら」と語った。■最優秀作品賞『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)■最優秀男優賞東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)■最優秀女優賞安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)■最優秀新進監督賞今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)■最優秀新進男優賞吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)■最優秀新進女優賞深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)
2018年11月18日俳優の松坂桃李が17日、東京・パルテノン多摩 大ホールで行われた第10回TAMA映画賞授賞式に登場した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。松坂は東出昌大とともに、最優秀男優賞に輝いた。感慨深げにトロフィーを眺めていた松坂は、「もうちょっと高くしていいですか?」と自分でマイクの位置を調整する気さくな様子を見せる。第10回目という同賞に、10年が経ったという自身の役者人生を重ねた。「初めてドラマが決まった時は、チーフのマネージャーさんに『松坂くんはバーターだから、よろしくね』って」と振り返った松坂。「『バーターというのはですね、事務所の売れている方の力を使って出させていただいていただくというやり方です。現実を受け止めろ』と言われて」と驚きの告白で会場をざわつかせる。「で、『今年ちゃんと結果を出さなければ、あなたは終わりです』と言われたのが2年目。『ここで結果を出さなければ本当におしまいだ』と言われたのが3年目」と明かし、「1年に1回以上は、マネージャーさんに精神的に食らう言葉をかけられ続け、メンタルがちょっと強くなりました」と語った。松坂はさらに「10年の中で、数々の作品と出会って、すごく素敵な時間を過ごさせていただいて、その現場を用意してくれたのが、うちのチーフの方で。本当に感謝しても仕切れないです」と改めてマネージャーへの感謝の言葉を重ねる。「メンタルはボロ雑巾のようにやられるんですけど、『孤狼の血』『娼年』『不能犯』出会わせてくれたのもチーフの方ですし、その現場でいろんな方に出会ってここにいるのだと、つくづく感じます」と明かした。また、各作品の役作りについても語った松坂。『孤狼の血』では役所広司にもらったライターを懐から取り出し、『娼年』では「もう塗れ場はしばらくやらないんじゃないかな? というくらいの経験をさせていただいた」としみじみ。『不能犯』では「ニタア……という笑いを練習した」と、練習風景を再現するサービス精神たっぷりのスピーチを見せた。■最優秀作品賞『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)■最優秀男優賞東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)■最優秀女優賞安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)■最優秀新進監督賞今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)■最優秀新進男優賞吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)■最優秀新進女優賞深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)
2018年11月17日俳優の吉沢亮が17日に東京・パルテノン多摩 大ホールで行われた、第10回TAMA映画賞授賞式に登場した。同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。吉沢は吉村界人とともに、最優秀新進男優賞に輝いた。吉村は「僕みたいなやつがすいません」と謝罪から入り、独特な語り口で会場の爆笑をさらう。「俳優をやらせていただいて、すごい嬉しい感じです」「全部難しくて、『俺、できたじゃん』ということなんかなくて、いつも迷いながら不安で不安で仕方なくて、でもなんか、やってますね」と語ると、さらに笑いが起こっていたため、「ちょっと、笑いすぎですよ」と会場につっこんでいた。また吉沢は「こういった賞をいただくのは今回が初めてなので、映画を愛している皆さんに選んでいただいたことを嬉しく思います。3年前くらいから、映画を中心にやっていきたいという話をして、今年はたくさんの映画が公開しました」と振り返る。2018年は公開作8本と、多くの映画に出演したが、「本当にどの役も全く役柄の違うタイプというか。幅が広い役をたくさんやらせていただいて。すごい楽しい年だった」と語る。「頑張ってよかった。映画の現場がとても好きで、もっともっとやりたい」と意欲を見せた。テレビ東京系ドラマ『GIVER』でも共演していた2人は、隣同士に座る際に熱いハグ。さらに『パンとバスと2度目のハツコイ』で最優秀新進監督賞をとった今泉力哉監督が「東出昌大さん、吉沢亮さんと誕生日が同じ」と明かすと、笑顔に。席についた今泉監督と挨拶しあっていた。■最優秀作品賞『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)■特別賞沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)■最優秀男優賞東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)■最優秀女優賞安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)■最優秀新進監督賞今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)■最優秀新進男優賞吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)■最優秀新進女優賞深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)
2018年11月17日映画ファンの祭典「第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM」内にて「第10回TAMA映画賞授賞式」が11月17日(土)、パルテノン多摩にて行われ、松坂桃李が「本年度最も心に残った男優を表彰」する最優秀男優賞を受賞した。『孤狼の血』、『娼年』、『不能犯』、『彼女がその名を知らない鳥たち』という出演作において「作品ごとにまったく異なる境遇に生きる若者の姿を、ほとばしる情熱で息衝かせた迫真の演技は、観客を魅了した」という理由で受賞にいたった松坂さん。本映画賞の10年にかけて「実は芝居を始めて10年で、このような賞をいただけるのは何かの縁かなって袖で10年をふり返っていました」とスピーチを始めた松坂さんは、「初めて、ドラマが決まったときは、チーフマネージャーさんに“松坂くんはバーターだから。この現実を受け止めろ”と言われていた」とふり返った。「2年目、今年が勝負、結果を出さないと終わりですと言われて。3年目、ここで結果を出さないと終わりだと言われて、4年、5年、6年と…。1年に1回以上は精神的にくらう言葉をかけられ続け、おかげさまでメンタルがちょっと強くなりました」と、自分史をしみじみと語った。「メンタルはぼろ雑巾のようにやられていますけど、数々の作品やいろいろな共演者の方と出会って、すごく素敵な時間を過ごして、感謝してもしきれないです。30(歳)以降からは、たくさん受けた恩を1個、1個、丁寧に向き合って返していきたいと思っております」と感謝の言葉に代えていた。『孤狼の血』では主演の役所広司と拮抗する熱演を見せた松坂さんは、役所さんとの共演について「贅沢な時間でした。言葉で、というより、いてくださるだけでキュッと締まる現場で、あの背中は本当に大きかったと今でもつくづく思います」としながら、「撮影が終わったタイミングで、アップしたときに実はライターをいただいたんです」と、うれしそうに緩み切った表情で、内ポケットから劇中で使用したライターを取り出し、また大事そうにしまっていた。「TAMA映画賞」は映画ファンの立場から、観客に活力を与えてくれるいきのいい作品・監督・俳優をいち早く紹介したいとの思いから立ち上げた賞で、本年で第10回目を迎える。近年では、その年の最も早い映画賞という形でも注目を浴びており、今回も多彩な受賞作品がそろい、受賞者もずらり登壇した。最優秀女優賞は、『勝手にふるえてろ』、『万引き家族』、『ちはやふる -結び-』、『blank13』で熱演を見せた松岡茉優が受賞。輝く笑顔を見せた松岡さんだったが、「おこがましいですけど、完全な2位だと思っています。『万引き家族』、ラストの(安藤)サクラさんのシーンを初号試写で観たリリーさんが“あのラストのシーンだけで8個の賞がとれる”って言っていて、そうだな…って思いました。あのシーンを見て悔しいと思いました」と、胸の内をさらけ出した。「2年前、最優秀新進女優賞をいただいてから一番の成長は、悔しいと思えたことです。それまでだったら感動していただけだったと思う。サクラさんに、いつか追いつきたい、追い越したいと思ったのは、ここで俳優として認めていただいたから。今回、自信と温かい気持ちと、心強い後押しで飛躍していくことを誓います。本当にありがとうございます」と深々と頭を下げた松岡さんは、この日一番の長く心のこもった拍手を観客から受けていた。また、最優秀女優賞を受賞した安藤サクラはビデオメッセージを寄せたほか、最優秀男優賞を受賞した東出昌大は11月18日(日)に行われる「東出昌大躍動と温もりと『寝ても覚めても』上映と表彰式&トーク」に出席予定。■受賞者一覧最優秀作品賞『万引き家族』(是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)特別賞沖田修一監督、及び山崎努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同(『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同(『カメラを止めるな!』)最優秀男優賞東出昌大(『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李(『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)最優秀女優賞安藤サクラ(『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優(『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)最優秀新進監督賞今泉力哉監督(『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督(『きみの鳥はうたえる』)最優秀新進男優賞吉村界人(『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮(『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)最優秀新進女優賞深川麻衣(『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉(『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)(cinamacafe.net)
2018年11月17日映画ファンの祭典「第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM」内にて「第10回TAMA映画賞授賞式」が11月17日(土)、パルテノン多摩にて行われ、本年度最も飛躍した男優、顕著な活躍をした新人男優に贈られる最優秀新進男優賞を吉村界人、吉沢亮が、同女優賞の最優秀新人女優賞を深川麻衣、伊藤沙莉が受賞し、喜びのスピーチを行った。「TAMA映画賞」は映画ファンの立場から、観客に活力を与えてくれるいきのいい作品・監督・俳優をいち早く紹介したいとの思いから立ち上げた賞で、本年で第10回目を迎える。近年では、その年の最も早い映画賞という形でも注目を浴びており、今回も多彩な受賞作品がそろい、受賞者もずらり登壇した。「多彩な表情で心の奥に闇を抱えた役から、相手を包み込む優しさをもつ役まで幅広く演じ、その奥深い眼差しは観る者を虜にした」と受賞理由を発表された吉沢さん。その通り、『リバーズ・エッジ』、『猫は抱くもの』、『銀魂2掟は破るためにこそある』、『ママレード・ボーイ』、『悪と仮面のルール』、『レオン』、『斉木楠雄のΨ難』と7作にも出演した。吉沢さんは、「3年前くらいから、マネージャーさんと映画を中心にやっていきたいという話をしていて、今年は映画がたくさん公開されました。ひとつひとつの現場で出会った共演者やスタッフさんとの出会いが、こういう賞をいただける結果を導いてくれたのかなと思います。ありがとうございます」と真摯に言葉を並べた。多彩なラインナップをふり返った吉沢さんは、「幅の広い役をたくさんやっていて、すごく楽しい年だった。ひとつひとつ愛情を込めたものが公開されていくのは寂しさもありつつ、頑張ってよかったなって」と、心を込めた。今後やりたい役を聞かれると「何だろうなあ…いろいろありますよ(笑)。あえて言うなら、超普通な男というか、何の特徴もないような、等身大の普通の男をやってみたいですね」と願望を話した。そして、「“伊藤沙莉”ならではのキャラクター造形で作品に奥行きを与えた」と評され受賞となった伊藤さん。檀上に上がり表彰状などを受け取り、挨拶のためマイクの前に立つと、感極まりウルウル顔に。涙を流すまいと言った様子で「ごめんなさい!(泣くのは)早いですよね!」と手のひらで顔を覆い、笑いに変えた。24歳にして芸歴15年という伊藤さんは、「9歳からこの仕事をやらせていただいているんですけど、15年間は決して楽しいだけでなく、心底悔しいことも、傷つくことも、たくさんありました」と激白。「誰かに認めてもらうことは、本当に幸せなことだと思っています。ここに立てているのは、いろいろな人たちがいてこそ。スタートラインだと思ってこれからも日々精進して、大好きなお芝居を楽しみつつ化学反応を起こしていきたいと思います」と固く決意表明をしていた。■受賞者一覧最優秀作品賞『万引き家族』(是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)特別賞沖田修一監督、及び山崎努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同(『モリのいる場所』)上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同(『カメラを止めるな!』)最優秀男優賞東出昌大(『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)松坂桃李(『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)最優秀女優賞安藤サクラ(『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)松岡茉優(『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)最優秀新進監督賞今泉力哉監督(『パンとバスと2度目のハツコイ』)三宅唱監督(『きみの鳥はうたえる』)最優秀新進男優賞吉村界人(『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)吉沢亮(『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)最優秀新進女優賞深川麻衣(『パンとバスと2度目のハツコイ』)伊藤沙莉(『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)(cinamacafe.net)
2018年11月17日「十年一昔」という言葉があるように、文化や技術も10年をひと区切りに大きく変化してしまうもの。それだけに、アラサー女子たちもこの10年の重みを感じているのでは?そんなananweb読者のみなさんにご紹介したい映画とは、10年後の日本を5人の若手監督がそれぞれの目線で描いた注目作『十年 Ten Years Japan』です。そこで、オムニバス形式で5作品並ぶなかの1作を手掛けたこちらのおふたりにいまの心境などについてお話いただきました。その方々は……。写真・大内香織 (杉咲花・津野愛)杉咲花さん&津野愛監督!【映画、ときどき私】 vol. 195現在、若手女優のなかでも映画やテレビで大活躍中の杉咲さんですが、今回は『DATA』で主演を務め、亡くなった母親のデータが入った「デジタル遺産」をもとに母親の姿を追い求める女子高生の舞花を演じています。いっぽうの津野監督は、本作のエグゼクティブプロデューサーでもある是枝裕和監督のもとで現在活動中。念願の監督デビューを果たしています。そんなおふたりに、作品を通じて感じた思いやこれからのことについて語っていただきました。―この作品で監督がテーマにしたのは、「デジタル遺産」というものでしたが、いまのデジタル文化やSNSの在り方などに疑問を感じられていたのですか?津野監督「SNSやインターネット上にアップしたデータはいつまで残って、誰に見られているんだろう?」みたいな漠然とした怖さみたいなものは以前から感じていました。これから先、どんどん詳細な個人データや情報が増えていくなかで、目に見えるものや形に残るものというのはとても信じやすいですよね。でも、そのいっぽうで目に見えない存在や記憶というものがないがしろになってしまうのではないかなという危機感もあったので、今回の作品ではこういった題材を選びました。デジタルな情報を信じすぎていることに気がついた―杉咲さんは幼い頃からデジタルな環境で育ってきたと思いますが、このテーマを聞いたときはどのような印象を受けましたか?杉咲さん私自身も目に見えるものを信じがちで、そういうものばかりを求めていたところがあったなと自分の経験を通して感じていました。というのも、3年くらい前からその日に起こったことや思ったことを日記にしていましたが、ある日そのデータが全部消えてしまったんです。そのときはこれまで過ごした日々までも消えてしまったような思いに駆られて、ものすごい喪失感に襲われました。結果的にそのデータは残っていたのですが、自分自身の感じたことを何かに残すということで、安心しきっていましたし、それがあるから新しいことが更新されるたびに前のことを忘れてもいいと思うようになっていたところがあったんじゃないかなと思ったんです。「それってどうなんだろう?」と考えたときに、情報を信じすぎている部分や自分のなかにあるものを大切にすることを忘れていた部分があったと気づかされました。―デジタルに頼りすぎているように感じていたんだと思いますが、そこで手書きにしようとはならなかったですか?杉咲さんそれは……書くのが面倒になってしまったからですね(笑)。それまでは、買い物リストとかも手書きでリストアップしていたんですけど、それもいまではスマホのメモを使ったりするようになったので、結局デジタルに頼っています。自分で選択しながらうまく使っていきたい―では、デジタルやSNSが発達したことでよかったと感じることはありますか?杉咲さんたとえば、インスタグラムを始める前までは、ファンのみなさんからのコメントを受け取れる場所がなかったので、そういった声がリアルに感じられるという意味では、うれしいですね。ただ、楽しさだけではなくて、一言一言に責任のあるお仕事でもあると思うので、そのあたりをちゃんと考えてこれからも続けていかないといけないなとは感じています。津野監督これはポジティブであり、ネガティブでもありますが、たとえばAmazonで本を買うと、「これを選んでいる人はこれも買っています」というオススメが出てきますよね?そこで自分好みの作品に出会えるうれしさがある反面、それはデータに基づいた誘導に乗ってしまっているということ。つまり、本屋さんに行っていたら手に取っていたかもしれない作品と出会えなくなってしまっているということなんですよ。クリックするだけですぐに届いて便利ではありますけど、“寄り道”みたいなことができなくなっていることは寂しいなと思うこともありますね。なので、そのあたりは自分できちんと選択しながら、うまく使っていきたいなと思います。家族だけに残したいものとは?―今後、もし「デジタル遺産」という制度ができたら、そこに残したいものはありますか?杉咲さん家族だけが見られるという条件なら、日記ですね。そのときは、家族に恥ずかしくて普段伝えられないこととかも書いて読んでもらうのもいいかなと思っています。津野監督私も日記を書いているんですけど、全部ノートなんですよね……。だから、残された人は嫌かもしれないので、どうしたらいいんだろうかと悩んでいます。とはいえ、自分で燃やす気にもなれないんですよね(笑)。あと、困っているのは昔の写真とかも処分できないのでどうしようかなと。私はウェブのページでも「いつかなくなっちゃうかも」と思って印刷してしまうほうなので、けっこうアナログな人間かもしれないですね(笑)。杉咲さんの佇まいを見て役の設定を変更した―それでは、作品のことについてもおうかがいしますが、杉咲さんを本作でキャスティングした理由と、実際に現場に入ってからの印象を教えてください。津野監督初めてお話したときに、投げかけた質問に対して答えていただく姿勢を見て、すごく大切に考えて自分の言葉を探し出して話される方だなというのが印象的でした。それがステキだなと思ったので、舞花という役はもともと思ったことを全部口にしてしまう少し幼さが残る中学2年生の設定でしたが、年齢を高校3年生まで引き上げてもう少し自分の内側で考えるシーンを増やしました。それは言葉には出さないけど、杉咲さんの思い悩んでいる表情を撮っていきたいなと思ったからです。津野監督の現場はスタッフの愛情であふれている―監督のおっしゃる通り、舞花と杉咲さんの芯の強さがリンクしていてハマり役だったと思います。杉咲さんは、津野監督の現場を経験されてみていかがでしたか?杉咲さん今回、撮影は3日間だけだったのですが、津野監督と長いお付き合いのある是枝組のスタッフの方々が集まっていたこともあり、現場の空気感がとても心地よくて、初日なのに初日じゃない感じがしました。監督にとっては初めての作品ということもあり、みなさんの監督に対する愛情というのを感じられる現場だったと思います。お互いに補い合って、助け合う気持ちがみなさんにあったので、3日間以上の充実感を感じさせていただけるとてもステキな時間でした。10年前の夢は叶えられたと思う―本作は10年後の日本が舞台ということで、10年がひとつのキーワードですが、ご自身の10年前を振り返ってみて、いまの自分は想像できていましたか?津野監督映画の仕事をしていきたいと思いながら大学にも通っていましたが、不安な気持ちももちろんあったので、それが10年後のいま、杉咲さんに出ていただいただけでなく、劇場で作品が公開されるというのは夢のようですね。まずはひとつめの夢を叶えたというか、やっと土俵に立てたというふうに感じています。杉咲さんまだ11歳だったので、いつか女優のお仕事をして演技をしたいという思いは漠然としていました。でも、夢は叶ったと思っています。これからの10年は幅広い視野を持って作品と向き合いたい―では、次の10年はどのように過ごしていきたいと思っていますか?杉咲さん一緒にお仕事をしてみたい方はたくさんいますし、いっぱい夢はあるのですが、いまはとにかくいろいろな経験をしたいですね。こういうのをやりたいという思いももちろんありますが、それだけではなくて、声をかけてくださったものは全部挑戦していきたいです。あとは、プライベートだと、いつかは結婚して子どもも欲しいですね。それが10年後かはわからないですけど、プライベートも充実しているといいなとは思います。津野監督私は目の前にあるものだけに集中してしまうところがあるので、今後も1つひとつ大切に作り続けていきたいですが、目の前のことだけではなくてほかのことも同時にできるような広い視野を持ちながら精力的に作品を生み出していけたらいいなと思っています。インタビューを終えてみて……。とにかく仲良しな杉咲さんと津野監督からは、現場の和やかな雰囲気が伝わってくるほど。今後の映画界をさらに盛り上げてくれるおふたりだけに、これからの10年でどんな作品を生み出してくれるのか、ますます楽しみなところです。「理想の日本とは何か?」を考える!あらゆる角度から描かれた10年後の日本に、これから自分たちがどんな未来を作っていきたいかを考えさせられる本作。輝く未来にしていくために、いまをどう生きていくべきか、自分ができることをここで一度見直してみては?作品概要香港で社会現象となったオムニバス映画『十年』をもとに、新鋭監督たちが自国の抱える問題点を軸に10年後の社会・人間を描く、日本、タイ、台湾の国際共同プロジェクト「Ten Years International Project 」。日本版では総合監修をつとめた是枝裕和監督が選んだ才能あふれる5人の新鋭監督たちが、いまの日本が抱えている問題を題材に“5つの未来”を描いている。未来を考える予告編はこちら!作品情報『十年 Ten Years Japan』11月3日(土)より、テアトル新宿、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開出演:杉咲花、國村隼、太賀、川口覚、池脇千鶴配給:フリーストーン© 2018 “Ten Years Japan” Film Partners
2018年11月02日ジャンルにとらわれずに多方面で活躍する3人のゲストが、それぞれの立場から自由気ままに語り合う「ボクらの時代」。その10月14日(日)放送回に俳優の井浦新、成田凌、奥田瑛二が登場。20代、40代、60代を代表する3人が語り合う。1998年、是枝裕和監督作『ワンダフルライフ』で役者としてデビュー。その後「HiGH&LOW」シリーズや「アンナチュラル」などの演技で大きな注目を集める井浦さん。モデルとして活躍する傍ら2014年に俳優デビューし、大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や『コード・ブルー』シリーズなどで若手の筆頭株となった成田さん、『64 -ロクヨン-』前後編や「大貧乏」など数々の作品に出演する奥田さん。それぞれ20代、40代、60代の代表的な存在として精力的に活動する3人だが、今年3月に公開された映画『ニワトリ★スター』で共演している。同作は主人公のくたびれた大麻の売人・草太役を井浦さんが演じ、全身タトゥーの赤髪モヒカン色欲狂いの若者・楽人役に成田さん、草太の父親役で奥田さんが出演。井浦さんと成田さんは同作での役作りのために共同生活をした間柄だという。同じ作品でつながり関係性を持った共演者たちが再び集まり語り合う今回の「ボクらの時代」。果たしてどんなトークが展開されるのか、ファンならずとも注目の30分になりそう。井浦さんの映画最新作となる『止められるか、俺たちを』は現在公開中。井浦さんが師匠と仰ぐ故・若松孝二監督率いる“若松プロダクション”を舞台にした物語で、井浦さんが若松監督役で出演。主演には門脇麦を迎える。また成田さんは出演作『ビブリア古書堂の事件手帖』が11月1日(木)より、『スマホを落としただけなのに』が11月2日(金)よりそれぞれ公開となる。『ビブリア古書堂の事件手帖』は過去にはドラマ化もされた人気コミックを原作に、黒木華と野村周平のW主演で映画化。成田さんはマンガ専門のネット販売を行う青年・稲垣を演じる。『スマホを落としただけなのに』は2017年に「このミステリーがすごい!」大賞の“隠し玉”として発売された同名小説をベースに、北川景子主演で身近な落とし穴に潜む現代の新たな恐怖を描くサイバーミステリー。北川さん演じる麻美が頼るセキュリティ会社勤務のSE、浦野善治を成田さんが演じている。また奥田さんは岡田准一と西島秀俊が共演、現在公開中の『散り椿』に出演している。「ボクらの時代」は10月14日(日)午前7時~フジテレビで放送。(笠緒)
2018年10月13日『万引き家族』でカンヌグランプリに輝いた是枝裕和監督が福山雅治主演、役所広司、広瀬すずらを迎え法廷を舞台にした心理サスペンスを描き昨年公開され大ヒットした『三度目の殺人』が、10月13日(土)今夜「土曜プレミアム」枠で地上波初放送される。最新作『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞、第91回米国アカデミー賞外国語映画賞部門にも出品されるなど世界的に高く評価された是枝監督が近年描き続けてきた“ホームドラマ”からは一転、かねてより挑戦したいと考えていたという法廷を舞台にした心理サスペンスとなる本作。裁判に勝つためには“真実は二の次”と割り切る弁護士・重盛役には『るろうに剣心』や是枝監督作『そして父になる』をはじめ『SCOOP!』など数々の映画で活躍する福山さん。殺人の前科があり、解雇された工場の社長を殺し火をつけた容疑で起訴され死刑がほぼ確実とされる三隅に『バベル』や『孤狼の血』など数々の作品で知られる名優・役所さん。三隅が殺害した被害者の娘・咲江には『ちはやふる』や『SUNNY 強い気持ち・強い愛』などの作品をはじめ是枝監督の『海街diary』で日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめとする数々の賞を受賞した広瀬さんを迎えるほか、吉田鋼太郎、斉藤由貴、満島真之介、市川実日子、橋爪功ら実力派キャストが脇をかためている。それは、ありふれた裁判のはずだった。殺人の前科がある三隅が解雇された工場の社長を殺し、火をつけた容疑で起訴された。犯行も自供し、死刑はほぼ確実だった。その弁護を担当することになった重盛。裁判をビジネスと割り切る彼は、どうにか無期懲役に持ちこむために調査を始める。だが、何かが、おかしい。調査を進めるにつれ、重盛の中で違和感が生まれていく。三隅の供述は会うたびに変わる。動機さえも…。弁護に真実は必要ない。そう信じていた弁護士が、初めて心の底から真実を知りたいと願い始める。やがて、三隅と被害者の娘・咲江の接点が明らかになり、新たな事実が浮かび上がる――という物語。今年3月に行われた「第41回日本アカデミー賞」では最優秀作品賞を受賞したほか最優秀監督賞、最優秀脚本賞など計6部門で最優秀賞を受賞、最優秀助演男優賞に役所さんが、最優秀助演女優賞に広瀬すずさんが輝くなど圧倒的強さを見せた本作が早くも本編ノーカットで地上波初登場となる。土曜プレミアム『三度目の殺人』は10月13日(土)21時~フジテレビ系で放送。(笠緒)■関連作品:三度目の殺人 2017年9月9日より全国にて公開© 2017フジテレビジョンアミューズギャガ
2018年10月13日