2019年からスタートした、福祉・介護の魅力を伝えるプロジェクト「介護のしごと魅力発信等事業」の一環として、一昨年から昨年にかけてBSフジで放送された「にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉」。幅広い人に介護や福祉を身近に感じてもらうことを目指したユーザー参加型・体験番組で、俳優・タレントの要潤さん、介護福祉士でモデルの上条百里奈さんがメインパーソナリティを務めています。同テレビ番組は、昨年に引き続き、2021年2月より全3回でのオンエアが決定。これまで番組を通して日本の福祉・介護の“いま”を伝えてきた要さんと上条さんに、介護に対する意識の変化や、介護の現状について伺いました。要さんが語る、介護へのイメージの変化要潤さんは番組を通して、「介護に対して身近に感じることが出来るようになりました」と語り、介護のヒントは日常にあるということを実感したそう。介護福祉士でモデルの上条さんは、「介護施設などを訪問した学生の様子を見て、介護について知ってもらえれば魅力的だと思ってくれるというのを再認識しました」と語りました。「介護について知る」重要性上条さんによると、介護の現場では、認知症患者の徘徊や暴力など、症状が重篤になってはじめて介護の手が入るケースがあるといいます。「もっと早くSOSを出してくれたら、介護職員がここまで重労働にならなかったかもしれない」と、現代における介護の課題感について、介護分野における「情報不足」を挙げました。コロナ禍における介護の現状とは?コロナ禍における介護の現状について、上条さんが挙げた問題は以下2点。・コミュニケーション不足・介護職員の精神的な負担「認知症の方に対しては、表情や目の向け方、瞬きの回数、口の角度といった『非言語コミュニケーション』を多く使います。しかし今はマスクで半分が見えないため、コミュニケーションがうまく取れないこともあります」(上条さん)また「介護職員の精神的な負担」の背景には、クラスターの問題があるのだそう。「介護施設によっては、職員や入居者に感染者が出てクラスターが起きても、受け入れてくれる病院がないという現状があるんです。なかには4人部屋で隔離が難しく、介護職員の精神的負担が大きいことを心配しています」(上条さん)本当に必要な人が医療を受けられるように、それぞれが出来る限りの感染対策を行うのが大事だとコメントしました。「最新の介護・福祉」を知る第一歩に!2月7日より放送中の「にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉」は、まさに今回お二人に伺ったような最新の介護・福祉を知るきっかけとなる番組です。介護や福祉に興味のある方はもちろん、これまで介護に良いイメージがなかったという方も、ぜひ番組を最新の介護・福祉を知るきっかけにしてみてはいかがでしょうか。【参考】※にっぽんの要 わかる・かわる介護・福祉
2021年02月09日「介護は『一人でがんばれば、なんとかなる』ものではありません」そう話すのは約10年にわたって両親を介護したエッセイストの鳥居りんこさん。介護の実体験から『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス刊)を上梓した。「『介護は大変』って言いますよね。私も覚悟はしていました。それでも実際は、想定をはるかに超えてくる。私のメンタルは壊れる寸前でした」介護の初心者は、わからないことだらけ。用語さえ理解できない。「介護の相談窓口である地域包括支援センターを『ホウカツ』と呼ぶのですが、私はなぜか『呆活』と脳内変換してしまい、話が全くかみ合いませんでした」(鳥居さん・以下同)懸命に介護をしていても、心ない言葉を発する人もいる。認知症のために、親から罵声を浴びせられることもあるかもしれない。そんな状況でも、介護する人の心が折れないように守っていこう。経験者の鳥居さんに介護の本音をぶっちゃけてもらった。【金言1】親への恩が怨になっても大丈夫介護生活が長期化すると、介護をする人の心がむしばまれていく。「当時は、ひどい精神状態でした。母の前で『お願いだから、今日死んで』と思ったのは、一度や二度ではありません」親の恩はもちろん感じるが、仕事をセーブして、家庭をかえりみず、体力をすり減らして介護にあたる人は、どんどん追い詰められていく。「恩」が「怨」に変わっても仕方ない。それほど過酷なのだ。「ついぽろっと、禁断の言葉を吐き出してしまったら、『罰当たり』『親不孝』などと非難ごうごう。最終的には『介護って文句は言われても、誰からも感謝されないものだ』とわりきりました」他人がほめてくれないなら、自分で自分をほめてあげよう。怨がこぼれおち、親の死を一瞬願ったとしても、日々必死に介護する人にバチなんて当たるはずがない!【金言2】ゴネた人が得をするたったひとりで、徘徊のひどい親を介護していた男性がいた。親は認知症が進むものの体は丈夫で、要介護度は2。3以上が条件の特別養護老人ホームには入れない。数年に及ぶワンオペ介護の末、親が亡くなった。やっと解放されたとホッとした数カ月後、今度は彼が亡くなった。介護に追われ、自分の病気を放置していたのだ。「ただ黙ってがんばり続けるだけではダメだと思います。つらいときは必死でSOSを叫び続けないと、だれも気付いてくれません」介護は「ゴネた人」が得をする。何度も何度も助けを求め続けた人が救われる。変なプライドを捨てて、大声で助けを呼ぼう。「介護は孤軍奮闘では戦えません。困っていることは、具体的に訴えて。一度でダメなら、何度もかけあってゴネてゴネてアピールしましょう。命あっての物種ですから」【金言】「理想の死」は存在しない介護では、「延命治療をするかどうか」が大きな意味を持つ。「母は日ごろから『延命を望まない』と話していたので迷うことはないはずでした。それなのに、最後の決断はなかなかできませんでした」親は、延命治療の意味をきちんと理解していたのか。本当はもっと生きたかったのではないかと、余命いくばくもない母の姿に気持ちが揺さぶられるという。「介護施設の方から、『最期は、遠い溺死か、近い餓死のどちらか』といわれました。延命治療を行えば、水分が徐々に肺にまわって、おぼれるような感覚で死んでいく。いっぽう、延命治療を行わない場合は、栄養や水分の点滴もやめていき餓死が待っている。どちらを選んでもつらいのですが、どちらかを選ばないといけないのです」どんな死も苦しいのだろう。「理想の死」などないのかもしれない。きれいごとだけでは済まされない、ハードな親の介護。この“介護の金言”を、リアルな問題に立ち向かう心の支えにしよう。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年02月01日「介護は『一人でがんばれば、なんとかなる』ものではありません」そう話すのは約10年にわたって両親を介護したエッセイストの鳥居りんこさん。介護の実体験から『親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと』(学研プラス刊)を上梓した。「『介護は大変』って言いますよね。私も覚悟はしていました。それでも実際は、想定をはるかに超えてくる。私のメンタルは壊れる寸前でした」介護の初心者は、わからないことだらけ。用語さえ理解できない。「介護の相談窓口である地域包括支援センターを『ホウカツ』と呼ぶのですが、私はなぜか『呆活』と脳内変換してしまい、話が全くかみ合いませんでした」(鳥居さん・以下同)懸命に介護をしていても、心ない言葉を発する人もいる。認知症のために、親から罵声を浴びせられることもあるかもしれない。そんな状況でも、介護する人の心が折れないように守っていこう。経験者の鳥居さんに介護の本音をぶっちゃけてもらった。【金言1】介護の沙汰も金次第「介護は先手必勝です。『介護なんてまだまだ先』と笑えるうちに、親も含め介護に関わる全員を集めて親族会議を開くのがベストです」そこでの議題は介護のキーパーソンを決めたり、親がどんな最期を望むかを確認したり。なにより避けて通れないのが、お金の話だ。「介護の世界に、『格安なのに高品質』はありません。使える金額次第で、介護のカタチが決まります」お金持ちなら高級老人ホームも夢ではない。そうでなければ、お金の代わりに介護者の「時間と労力」を使うことになる。介護する人の負担は、『親がいくら持っているか』にかかっているのだ。「ストレートに『貯金っていくらある?』と聞くしかありませんが、集まった全員でエンディングノートを書くのもよい手だと思います」ポイントは、親だけでなく子どももそれぞれ書くこと。預金通帳のありかや暗証番号などを書き出し、親の貯蓄額も聞き出そう。「親が認知症になったら、親名義の財産を簡単に動かすことはできません。早め早めに、親の財産を把握して、現実的な介護方針を決めることが大切です」【金言2】外野は口を出すな金を出せ介護をする人は自分の生活を後回しにして、介護と日常のバランスをとっていることが多く、ギリギリの精神状態ということも。「介護ストレスが最高潮のとき、知人が『せっかくなら、笑顔で介護してあげたら』と。笑顔を出せない自分が悪い。でも、余裕などなくて、これ以上どうすればいいのだろうと、相当落ち込みました」そんなとき注文を付けてくるのは、介護に手を出さない外野だけ。上から目線で意見するのは、介護を経験したことのない人ばかり。「介護の当事者だったころは言えなかった本音を、いまから言います。外野は口を出すな!手を貸さないなら、金を出せ!」きれいごとだけでは済まされない、ハードな親の介護。この“介護の金言”を、リアルな問題に立ち向かう心の支えにしよう。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年02月01日シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のセリフをシャッフルし、ソネット詩なども加えながら大胆に再構成して老夫婦の愛の物語を描く『テンダーシング─ロミオとジュリエットより─』。ナショナル・シアター・ライブの『リーマン・トリロジー』が日本でも評判のベン・パワー脚本による、日本初演の二人芝居である。稽古を重ねる中でどんどん作品の深みにハマっているという土居裕子と大森博史が、その魅力を語った。シェイクスピア作品にはこれまで何度も触れてきた大森がまず面白く思っているのは、やはりセリフをバラして構成されていること。「そもそもシェイクスピア作品は、人間の奥底をつかんでいるような言葉が多いので演じるのも観るのも面白いと思っているんですけど、ロミオとジュリエットという若者の言葉を、違うシチュエーションで老夫婦に語らせることで、同じ言葉が違う意味を持ってさらに奥深くなっているんです」。一方、シェイクスピアの言葉をちゃんと口にするのはこれが初めてという土居。「最初は“なんで引き受けちゃったんだろう”と後悔するくらい(笑)、バラバラになったセリフに苦戦したんですけど、今では、もとの『ロミオとジュリエット』よりももっとピュアなラブ・ストーリーじゃないかなと、大好きになっています」と語る。“老ジュリエット”が語るのはジュリエットのセリフだけではない。「ロミオやマキューシオのセリフも言うことで、あの初々しくて可憐なジュリエットとは違うジュリエットが浮かび上がってくる。ロミオも自ずと違うロミオになります。だから長く一緒にいられる夫婦になったんだろうなとも思うんです」と土居。大森も“老ロミオ”に、「『いつまでもここにいよう。ここ以外に場所があることなど忘れたままで』というようないいセリフがあって愛を感じる」と話し、「観終わったあとに皆さんも、そばにいる人を大事にしようと思ってもらえたら」と付け加える。そもそもは昨年夏に公演日未定として上演が発表され、事前に稽古だけが行われていた今作。通常よりもたっぷりとあった稽古期間で、翻訳監修を担った松岡和子や気鋭の若手演出家・荒井遼と共に、「柔軟にいろいろな探り方をしていけた」と二人は声を揃える。シェイクスピアに詳しいベン・パワーが生み出した異彩を放つ戯曲は、この日本初演で、さらなる深淵を見せつけてくれるだろう。(取材・文:大内弓子)
2021年01月27日「夫がおもむろにテーブルにこれを置いてお茶を淹れに行ったんだけど、間違えてると思う」そんなひと言とともにTwitterに1枚の画像を投稿したのは、パグ老(@pug_senior_kuro)さんです。23万人をクスッとさせたすべての理由を物語る、実際の写真をご覧ください。旦那がおもむろにテーブルにこれ置いてお茶入れに行ったんだけど間違えてると思う。 pic.twitter.com/njyz9ulIsF — パグ老 (@pug_senior_kuro) January 22, 2021 絶対にクッキーだと思っている…!!!投稿者さんいわく、お菓子とクッキングシートは同じ棚にしまっていたのだそうです。そのため夫は、お菓子棚の近くにあったクッキングシートのパッケージのイラストを見て、クッキーだと勘違いしたのでしょう。投稿を見た人々からは、さまざまな声が寄せられています。・ブルボンの『チョコチップクッキー』だと勘違いしてそうですね。私もちゃんと見ていなかったら、間違えて手に取ってしまいそうです!・絶対においしいクッキーが入っていると思うパッケージ。夫、かわいそう…!・飲んでいたお茶を吹いた。イトウ製菓の『チョコチップクッキー』にも似ている!・夫には『プレミアムクッキー』と見えているはず!今年一番笑いました。その後、夫婦で大笑いし、2人でクッキングシートを見ながら紅茶をすすったそうです。夫のおちゃめな勘違いは、たくさんの人をクスッとさせました![文・構成/grape編集部]
2021年01月23日’21年1月、「改正育児・介護休業法」が施行された。コロナ禍であまり注目されないが、育児・介護と仕事の両立には欠かせない法律だ。読者世代に関わりの深い介護を中心に、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。■より利用しやすくなった介護休暇まず基本を確認しましょう。働きながら介護を行う方は、「介護休業」と「介護休暇」という2種類の休日が取得できます。介護休業はまとまった期間の休業です。介護される方1人につき通算93日間を、最大3回に分けて取得できます。たとえば、自宅の改修や介護施設の選定など、まとまった期間が必要なときに利用できます。いっぽう、介護休暇は単発で取得するものです。介護される方1人につき年5日まで、通院の付き添いやケアマネジャーとの打ち合わせなどに利用できます。今回の改正法では、介護休暇について2点が変わりました。1点目は、これまで介護休暇は半日単位でしたが、今後は1時間単位で取得できるようになります。たとえば1日6時間働く方は、1時間の介護休暇なら6回、2時間なら3回とると、1日分とカウントされます。これまでは半日単位だったので、年5日間は回数にすると年10回。毎月通院する付き添いには足りませんでしたが、1時間単位だと、1回を短時間にし回数を増やすこともできるので、使い勝手がよくなったと思います。また、1日の就業時間がまちまちで決まっていない方は、年平均を基準にし、1日の就業時間が7時間30分など1時間未満の端数がある方は切り上げて、8時間で1日分とカウントされます。ただし、勤務時間の途中で職場を離れる「中抜け」は、認められていません。介護休暇は始業時間を遅くするか、終業時間を早くする形で取得するもの。たとえば10~17時まで勤務の方が13~14時といった途中の時間帯では取得できません。なかには、社内規定によって中抜けOKの会社もありますので、ご確認ください。法改正の2点目は、これまで1日の勤務時間が4時間以下の労働者には介護休暇がありませんでしたが、今後はだれでも取得可能になりました。介護休暇は原則として、パートでも介護休業制度のない勤め先でも取得できます。ただ、正社員であっても雇用期間が1年未満の方や週の労働日数が2日以下の方は、労使協定によって対象外となることがあります。最後に、介護休業・介護休暇とも、給料は出ません。有給の介護休業制度がある会社もありますが、有給休暇もあわせて介護休暇の取り方を工夫してください。新型コロナウイルスの感染を恐れて、介護サービスの利用を減らす方もいるようです。ますます介護する家族の負担は重くなりますが、介護休暇・介護休業などを駆使して、なんとか離職しないで済む方法を考えてほしいと思います。「女性自身」2021年2月2日号 掲載
2021年01月22日ディセンシア(DECENCIA)は、新ミスト化粧水「ディセンシア アヤナス モイストバリア ミスト」を2021年1月21日(木)より発売する。ディセンシアの新作は“老け顔”化リスクを抱える、春の肌状態に着目。冬の乾燥ダメージや、紫外線量の増加、さらに花粉やPM2.5などの外的影響を受けやすい春の肌は、肌タイプを問わず1年の中で最もバリア機能が低くなっている状態だ。バリア機能の低下を繰り返し“春の敏感スパイラル”が続くと、肌ダメージが徐々に深刻化して、ハリ・弾力の低下など“老け顔”化リスクを招くことに…。ディセンシアの新作「アヤナス モイストバリア ミスト」は、シュッとスプレーすることで、敏感になりがちな春の肌をガード。肌に悪影響を及ぼす空気中の花粉、黄砂、PM2.5などから肌を守って、ゆらぎにくい肌状態へと整えてくれる。ディセンシア独自の保湿成分セラミドナノスフィア(※1)を配合することで、うるおいを与え、肌のバリア機能もサポート。メイクの上からも使用できるスプレータイプなので、花粉や外気の汚れが気になるときにはいつでも使用可能だ。外出先でのうるおいケアとして取り入れるのもおすすめだ。【詳細】ディセンシア アヤナス モイストバリア ミスト 50mL 2,700円+税発売日:2021年1月21日(木)※1:セラミド2【問い合わせ先】ディセンシアお客さまセンターTEL:0120-714-115(受付時間 月~金 10:00~19:00/土 10:00~17:00)※日、祝日は休み。
2021年01月21日2021年1月13日放送の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)で、同年3月26日をもって、同番組の放送を終了すると発表。視聴者からは番組終了を惜しむ声が上がりました。小倉智昭「私はそろそろいいのかなって」1994年4月から同番組のMCを務めている小倉智昭さんは、22年前の映像を振り返りながらこのように語っています。今日のスポーツ誌で、大変大きく取り上げていただいたんですが、『とくダネ!』が足かけ22年、3月いっぱいで終了することになりました。本当にみなさんには長い間ご覧いただいたんですが。この映像、20年前ってのはね、だぶだぶの服を着るのが流行っていたんですよ。古い感じがするよね。この頃、むしろ大病してるんじゃないかっていうくらい、私は細いんですけども。まあ、次の世代の人にね、ここのキャスターっていうポジションを譲って、新たなる番組がスタートしてくれるといいのかなあと思っているんですが。最近、ちょっと切っ先が弱くなってですね、やや保身に走るきらいがありまして。病気してからネット情報とか見るようになっちゃったんですね。そうするとやっぱりね、「老がいじゃないか」とか「ボケてんじゃないか」という言葉がきついものなんですよ。で、お年寄りの政治家を見ると「あーやっぱり、歳を取るとだめだなあ」なんて、少しずつ思うようになりました。そんなこともあって、私はそろそろいいのかなって。ただ、まだ残りはありますから、騒ぎます!とくダネ!ーより引用長年、朝の顔として視聴者に情報を伝え続けてきた小倉さん。歳を取るにつれて、ネット上での誹謗中傷が目に入り、心を痛めていたことを明かしました。同番組の放送終了のニュースに、多くの人が「ショック」「さびしいな。終わってほしくない」といった声を上げています。・8歳だった僕が30歳に。中学、高校、大学時代は家族と、そして社会人になった今は妻と見ていました。終わるのはさびしいです。・朝の情報番組といえば『とくダネ!』で、小倉さんの「おはようございまーす!」の挨拶。それが聞けなくなるのかと思うと切ない。・終わっちゃうのかー、ショック…。とにかく、お疲れ様です!小倉さんの毒舌、大好きですよ!・小倉さんも、ネットの心ない言葉に傷付いていたのか…。考えさせられるなあ。『とくダネ!』が番組終了するまで「騒ぎます!」と意気込みを表明した小倉さん。長寿番組を長年支え続けた小倉さんの姿を、最後まで見守りたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2021年01月13日元気な南ヨーロッパの老婦人たちを見て、私もこんな老後を過ごしたいと思う今日このごろ。周りの人たちを観察し、なぜ彼女たちはいつまでも元気なのかをいろいろと体験したことを思い出しながら考えてみました。南ヨーロッパの女性たちの元気な老後南ヨーロッパに住んでいると、周りにいる多くの90代の女性の力強さに驚かされます。日本人は40代まではヨーロッパの人に比べはるかに若く見えるのですが、老後の姿はまったく逆のように思います。90歳でパンプスを履いてコツコツと石畳の上に音を立てながら歩いている姿を見ると、私も頑張らねばと思わずにはいられません。南ヨーロッパの人が肉体的に若さを保っていることをしみじみと感じたのは友人との会話から。「Cはお母さんが52歳のときに生まれたんだって! すごいね」すると友人がこう言ったのです。「私もママが52歳のときに生まれたのよ。52歳のときに出産するなんて普通のこと。ただ最近は、大学に行って自立が遅いし教育費も高くなったからあまり産まないようにしているだけよ」と。私自身は41歳で出産していますが、そのときにいろいろとトラブルがありこれ以上は無理だと感じました。この会話から南ヨーロッパの女性が肉体的に強固だと実感しました。周りを気にせず、自分のしたいようにケア私はこちらに住み始めてすぐに妊娠したのですが、婦人科の待合室でよく80歳くらいの女性に出会うことがありました。彼女たちは夫やパートナーとのコミュニケーションをスムーズにするためなど、それぞれの悩みで気軽に診察を受けています。「80歳になってもちゃんとケアして幸せな日々を送るのよ」と言って軽くウインクをしてくれた老婦人の笑顔が今でも忘れられません。妊婦に混じって婦人科に来ることにまったく違和感を持たない老婦人はとてもチャーミングな人でした。婦人科だけではなく、脱毛サロンなどエステサロンにもさまざまな年齢の人がいます。美容マッサージのみの場合もあるでしょうが、60代で脱毛を欠かせないという知人もいます。年齢を気にせず、自分がしたいこと、しなくてはいけないと感じることを優先する姿勢を見習わなければと思いました。男女関係なく好きな人と付き合うこと南ヨーロッパでは、日本に比べ男女関係なく友人になりやすいように感じています。友人の範囲がとても広いことは、気持ちをゆったり持つことの秘訣なのかなと思います。私もここでは70歳に近い詩人や画家の友人もいれば、たまにお茶を飲む20代の友人もいます。女性や男性、トランスジェンダーもいます。キリスト教徒の多い国ですが、違和感もなく生活しています。小学校まではイベントなどで購入しなくてはならない物や学校での問題点などを共有する親のネットワークはありましたが、反対にママ友というものは存在しません。私は、同じような環境の友人だとむしろ嫉妬が生まれることもあるのではないかと思っています。例えば、ママ友なら子どもの成績や夫の収入などを比べてしまい嫉妬することもあると思うのですが、まったく別の世界に住むもの同士なら、この人はこうなんだなと受け入れてしまうように感じています。嫉妬などがあるとストレスになります。趣味が同じで好きなものが同じだと、口論はあっても傷つけ合うような罵倒も皮肉もありません。そのせいか人間関係はストレスフリーです。そうやってお付き合いする姿勢は高齢の方も同様です。私自身も70歳、80歳の友人がいますが、彼らは年齢に関係なく広い友人関係を持っているので若さを保っているのではないかと感じています。まとめ南ヨーロッパに住んでいると、日本人は若いと言われます。先日ドイツのマンガを見たら、日本女性は40代まで20代のころと変わらないけど50代になると突然おばあさんになるということをおもしろおかしく描かれていました。かなりムカつきましたが、自戒を込めて心にとどめています。現在、私は55歳。周りは元気な60代の女性がたくさんいます。少々太り過ぎな方も見受けられますが、皆さんとにかく元気です。私も徐々に老婦人の仲間入りですから、南ヨーロッパの老婦人を見習って、これからも元気に過ごせるようにケアをしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年12月15日「老眼鏡なんてかっこ悪い……」。そんなネガティブな気持ちでいた私。娘の眼科受診への同行がきっかけとなり、老眼鏡を作りました。老眼鏡ユーザーになり、どんな変化があったのかご紹介します。まさか30代で老眼?「あれ? 何かおかしい」と目に異変を感じたのは、38歳のころ。私は2人の娘の出産・育児を経て、パートで仕事を再開していました。パソコン作業をすると、とにかく目が疲れるのです。当時はデータの入力作業が主な仕事だったので「仕方ないのかも」と諦めていて、市販の目薬は手放せませんでした。その一方で、私の中に「老眼?」と疑う気持ちもありました。もともと視力がとてもよかった私は、先輩から「あなたは老眼が早いかもしれない」と言われたことがあったからです。でも「30代で老眼鏡は恥ずかしい」という気持ちがとても強く、そのことは考えないようにしていました。40歳を過ぎると、症状に変化が出てきました。パソコンの画面がぼやけるのは当たり前で、仕事中にとんでもない睡魔に襲われることもしばしば。一番困ったのは、夜の車の運転でした。対向車のライトが今まで以上にまぶしく感じられて……。「もしかしたら、何か目の病気なのかもしれない」。病院嫌いな私が「病院に行かなければ」と思い始めたのはこのころでした。42歳、老眼である自分を認める42歳のとき、当時小学生だった次女が学校健診で視力低下を指摘されました。要検査の通知を見て、ようやく「私も行かなくちゃ」と重い腰を上げることができたのです。眼科でひと通りの検査を終えた私に医師が言った言葉は「あなたの目は老眼以外の何モノでもない。事実をきちんと認めて、眼鏡を作りなさい」という内容でした。実際にはもっときつい調子で言われてしまったためショック大でしたが、安心したというのも事実。「よかった、悪い病気ではなかった!」。すぐに眼科を受診しなかったことをとても反省しました。そのまま眼鏡の処方箋を書いていただき、その日のうちに老眼鏡を作るため眼鏡店に向かいました。選んだのはいわゆるおしゃれ眼鏡。仕事のモチベーションアップにもなりました。老眼鏡ユーザーになってみての感想老眼鏡を使うようになり、目の不調は軽減されました。お気に入りの眼鏡に巡り合えたことで、テンションもアップ。老眼の心強い味方となってくれる相棒だから、納得の1本を持つことができたことに満足しています。つらかった読書も苦でなくなり、おうち時間がますます楽しくなりました。日常生活で気を付けるようになったこともあります。仕事柄、パソコンとスマホは手放せないのですが、できるだけ仕事は昼間だけにするよう心がけています。長時間のスマホいじりは厳禁。しっかり睡眠を取り、疲れた目をしっかり休めてあげることが、オトナ女子世代の私には必要と考えるようになりました。まとめこの体験を通じて私が学んだことは、「不調を感じたら、早めに専門家に相談する」「加齢という事実を受け入れて、対応・対策を考える」、そして「老眼鏡はかっこ悪くない」ということです。オトナ女子世代にとって、加齢による変化はごくごく自然なこと。恥ずかしくなんかありません。「次の自分へのご褒美は、とっておきのグラスコードにしよう」。もっとかっこよく快適な老眼鏡ライフを実現するため、私は心に決めています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年12月14日コロナ禍で、高齢者はデイサービスの利用を控えたり、ヘルパーさんの来訪を断ることを余儀なくされている。そんななか代わって親の介護を担うため、仕事を休んだり差し入れをしたりと金銭的負担が重くなった人も多いはず。また介護にかかる費用は月額7.8万円(「生命保険に関わる全国実態調査・平成30年度調べ」)という試算もあるが、蓄えがなく無年金・低年金の親に代わって子どもが負担するケースも珍しくはない。『届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)などの著書もあるファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんはこう言う。「親の介護で負担が重くなっている人には、国や自治体などからもらえるお金や税控除もいろいろあります。親名義、本人名義で手続きをしますが申請・届け出主義なので教えてはくれません」ということで井戸さんとともに主にどんな制度があるか利用方法や注意点を見てみよう。■高額療養費〈もらえる&得するお金〉医療費が規定額を超えた場合、お金が一部戻ってくる。年収により上限が異なる〈申請者〉親〈届出先〉会社員は会社の健保を通じて、自営業者らは市区町村「1カ月の自己負担が一定額を超えた場合、超えた分の医療費が戻ってきます。意外と制度を知らず、取り戻していない人もいるようです。たとえば入院手術で100万円かかったとすると3割負担の場合約30万円を窓口で払いますが、70歳未満で一般的な年収(370万〜770万円)であれば約9万円が自己負担額の限度額で、30万円から9万円を引いて約21万円が戻ります」(井戸さん・以下同)70歳以上は高齢者医療制度で自己負担の上限はさらに低くなる。高齢になると医療費の過度な心配はいらないということだ。■高額医療・高額介護合算療養費〈もらえる&得するお金〉医療費と介護費が規定額を超えた場合、お金が一部戻ってくる。年収により上限が異なる〈申請者〉親〈届出先〉市区町村「同じ世帯に医療と介護を受ける人がいる場合、年間でこの合計額が一定額を超えた分は戻ってきます。両親2人分を合算できますが、夫婦とも後期高齢者医療制度といったように、同じ制度に加入していることが条件となります」たとえば年収約370万〜770万円未満(年齢70歳以上)の場合、1年間の自己負担限度額は56万円となり、超えた分は戻ってくる。■親を扶養している場合の所得税控除〈もらえる&得するお金〉親を扶養している場合に節税可能。年収により額が異なる〈申請者〉子〈届出先〉税務署「同居で介護をしている人はもちろん、別居でも介護や仕送りをしているなら親を扶養にすることで48万円が税控除に。たとえば年収500万円(所得税率10%なら)の人は、48万円に10%をかけて、4万8,000円戻ってきます」「女性自身」2020年12月15日号 掲載
2020年12月05日■親子愛神話にノーを突きつける、『きらいな母を看取れますか?』「そうは言っても、実の親子なんだから」「子どものことを愛していない親なんていないよ」親に対して抱いているマイナスの感情について人に話したとき、相手からしばしば返ってくる言葉。「親なんだから」子どもに愛情を注がないはずはないし、「子どもなんだから」親の気持ちを汲まなければいけない。“親子愛神話”とも呼ぶべきそんな考え方は、私たちの社会のなかにごく自然なものとして浸透し、いまもなお強固な地位を築いています。特に、親の介護と看取りという親子関係の最終章においては、第三者から「親子の絆や愛は絶対だ」という圧力がかけられがちです。中には、親子関係が良好ではないから親の面倒を見たくない、と言う人に、親の最期を見届けるのは子どもの義務であると言わんばかりに「和解しなよ」と説く人もいます。しかし、高齢者介護や医療の分野で取材を重ねてきたフリーライターの寺田和代さんは、それを“無知で傲慢なこと”ときっぱりと言い切ります。“人生の早い時期に親子愛の恩恵をあきらめざるを得なかった人たちに、「親の愛は山より高く海より深い」と説き、親子なのだから今生の別れまでに、赦せ、和解せよ、とたとえ暗黙のうちであったとしても期待するのは、異性愛以外のセクシュアリティの人に「なぜ異性愛になれないの?」と問うのと同じくらい、無知で傲慢なことではないだろうか。(――寺田和代『きらいな母を看取れますか? 関係がわるい母娘の最終章』8頁より)”この言葉にハッとしたり、胸がすくような思いをする方もいるのではないでしょうか。寺田和代さんによる著書、『きらいな母を看取れますか? 関係がわるい母娘の最終章』は、親からの虐待やネグレクト、過干渉などといった問題が原因で良好な関係を結べなかった母と娘が、親子にとっての最後の局面である“介護”とどう向き合うかに焦点を当てた1冊です。■父の不機嫌と母の過干渉に悩まされ続けた、50代女性のケース著者は、現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めている「AC(アダルト・チルドレン)」の当事者。本書には、著者と同じく母娘関係に困難を抱えた当事者である、6名の女性たちの語りが収録されています。たとえば、エリコさん(53歳)という独身女性のケース。会社員の父と専業主婦の母のひとり娘として生まれたエリコさんは、突然押し黙ったり、怒り散らかして家族に暴力をふるったりする父の不機嫌と、欠落した団欒の空洞を埋めるがごとく、エリコさんの人生をすべてひとりでコントロールしたがる母の過干渉に、幼い頃から悩み続けていたと言います。外面はいい両親だったために、その苦しみを大人になるまで誰にも打ち明けることのできなかったエリコさん。短大への進学、就職も母が決めたルート通りにしたものの、自分の人生を一切生きられていないストレスに押しつぶされ、神経症や摂食障害をたびたび発症してしまいます。40代で出会った本をきっかけにカウンセリングや自助グループに通い始め、43歳のときにようやく実家を出ることのできたエリコさんは、父が病気で亡くなったいま、ようやく母と“月に一度くらいは外食や温泉に出かける”関係になったと語ります。エリコさんは、母に過去のおこないを謝ってほしいとは思っていません。謝られても赦せないほどのことをされてきたからこそ、いまの母を特に責めようとは思わない、と考えています。“「赦せない気持ちを抱いたまま、母と向き合いつづけることはできません。お金や公的支援などを使って、(同居は)なにがなんでも避けるでしょう。一対一で本気で向き合ったら、危険な状況になってしまうのは目に見えているから。それを避けるためにもなんとか“本当の気持ち”にはふれないまま関係を終わらせたい。本当のことを口にしないことで、静かな別れを迎えられるかもしれない、と思っているんです」(――同書、36頁より)”現在、高齢者マンションで暮らす母の介護は、マンションに付帯するサービスに任せることが決まっている、とエリコさんは言います。あえて“本当の気持ち”を母に伝えないまま静かに関係を終わらせたいと語る彼女の選択を、間違っていると非難できる人はいないはずです。■「もとはと言えばそれだけのことを母が娘にしてきたからです」その他の5名の女性たちも、両親のアルコール依存症やギャンブル依存症に悩み「家族解散」を決めたというケース、支配的で暴力的な母に悩み、血縁以外の人々に支えられて生き延びる道を選んだというケースなど、立場や状況は違えど、「母を看取ることはできない/看取りたくない」という思いを抱えています。また、母娘関係やアダルトチルドレンなどの問題に取り組んでいるカウンセラー・信田さよ子さんへのインタビュー。そして、弁護士である松本美代子さんに介護や相続、親子関係の法律について聞くQ&Aも、本書の巻末に収録されています。親の介護をどうしても引き受けたくない、看取ることはできない――と考えている方にとって、本書の中で6名の当事者の女性たちがとった(とろうとしている)選択を知ることや、親に対する扶養義務の法律上の範囲について把握しておくことは、「親の老い」という遠くない未来を生きるためのたしかな力になるはずです。本書の中で、カウンセラーの信田さよ子さんは、“──世間は常に親の味方です。老いた母を“捨てる”のか? とヒューマニズムに訴えてきます。多勢に無勢です。押し返す力が娘に持てるでしょうか。”という著者からの質問に、“世間が娘に突きつけるヒューマニズムはいったいだれにとってのヒューマニズムでしょう。「人を殺してはいけない」以外に、万人に共通のヒューマニズムはない、と私は考えています。世間のヒューマニズムは親、しかも年老いた親の味方です。すると、だれかが必ずその犠牲になる。それははたしてヒューマニズムなんでしょうか。私は家族についてそういうシビアな全体観を持っています。自分の人生や子どもたちを守るために、手放さざるを得ないものもあるのではないでしょうか。(――同書、151頁より)”と答えています。さらに、“そんな関係”のまま親に死なれたらあなたが後悔する、と言ってくる人に対しては、“そんな関係になったのも、もとはと言えばそれだけのことを母が娘にしてきたからです。そこまで追い詰められ苦しんでいる娘たちは、なにも自分のわがままや身勝手から訴えているわけではありません。(――同書、152頁より)”とはっきりと言い切っています。親子関係で悩み続けている人にとっていちばんつらいことは、世間や家族からの圧力以上に、「介護をしたくない」「これ以上、親に関わりたくない」という自分の思いに、自分自身が罪悪感を覚えてしまうことかもしれません。しかし、親の介護や看取りにあたってどんな選択肢をとるかは、当然ながら自分自身が決めていいことです。本書は、当事者や専門家による複数の語りを通じて、親ではなく、自分自身の人生を最優先にしていいということを繰り返し説いてくれます。親の介護についてこれから考え始めたい人にはもちろん、「親がきらい」という気持ちにうまく向き合えず、モヤモヤとした思いを抱えている人にもお薦めしたい1冊です。
2020年12月02日人から老けて見られていたら、かなしいですよね。でも、どういう人が老けて見られがちなのでしょうか。「老見え女性」の特徴を知って、対処法を探りましょう!今回は、老けて見えがちな女性の特徴をご紹介していきます。■ 髪の毛がパサパサカラーリングをしすぎて、髪がパサパサな人は老けて見えがちです。そのようなタイプの人は、美容院に相談してシャンプーやトリートメントを変更するのも手ですが、カラーのトーンをちょっと変更するだけでも、髪の毛のパサパサ感が薄らぐこともあります。また、バランスの良い食生活と睡眠を心がけることも大切です。■ 厚化粧の女性シワやシミが気になるからといって、化粧品を塗りまくっていませんか。化粧品を重ね付けしすぎるとシワっぽくなり、老けて見えがちです。それよりも素肌のきれい度をアップさせたほうが、いいかも!そのうえで、メイクはナチュラルに。仕上げに、レフ版代わりになる微粒子のラメ入りお粉をさっとTゾーンや目の周り(マスクから見えるあたり)に入れると、顔が明るくなります。細かいシミやシワを隠すのではなく、光に視線が集中して、シミやシワが目に入りにくくする戦法です。そうすると薄化粧なのに、艶肌っぽい雰囲気が作れますよ。ただラメの粒子が粗いと、逆におばさん顔に見えがちなので、あくまでも「微粒子」なものを選ぶようにしましょう!■ 姿勢が悪いどんなに童顔な人でも、姿勢が悪いと老けて見えがちです。姿勢が悪いと、歩き方もおサルさんのように、膝が曲がったままになっていたり、少し前かがみになっていたり。それではせっかくのお洒落な服も台無し!歩くときは、膝を曲げずになるべく伸ばすようにしましょう。膝を伸すことを意識すると、きれいな歩き方になりやすいです。ぜひ、試してみてくださいね。■ 「富士山」口口角が下がって、富士山のような形の口になっている女性は、疲労感が漂ってみえます。自分が富士山口っぽいなと感じたら、ちょくちょく鏡チェックを心がけ、マッサージをしたり、舌まわしをしたり。口まわりの筋トレをすると、口の見え方も変わってきます。でも毎日やるのは大変!という方は、口紅作戦がおすすめ!普段絶対つけないけれど、憧れる派手な色合いのリップを「わざわざ」購入して、つけてみるのです。できればハイブランドのものがおすすめ。お気に入りのブランドの、お気に入りのカラーの口紅が、きれいに見えたら嬉しいですよね!あえて高級なものを選ぶ理由は、「使わないともったいない」という気持ちが生まれやすいため。続けることで、そのカラーが似合う唇のかたちをキープできるようになってくるはずです。■ なぜかイライラしているイライラした女性は、人から「おばちゃん」と言われがちです。イライラすると眉間にシワが寄りやすいので、そう見えるのかもしれませんね。人の評価を気にしないことは大事かもしれませんが、相手がどう思うかは想像しておきたいところ。普段から相手の気持ちを想像しつつ過ごせたら、イライラおばさんにはならなくて済みそうです!■ 外見だけではない、老け見え女性!老けて見えるのは見た目だけが原因ではありません。生活習慣や食べ物、話し方など、いろいろな理由があります。思い当たる節があったら気を付けて、「老けてるよね」などと人に言われないようにできたらいいですね!(なつくま/ライター)(愛カツ編集部)presented by愛カツ ()
2020年11月24日「田舎に帰ったらお袋にしわしわの手でお金を渡されて、もう帰ってくるなって……」1杯のけんちん汁をすすりながら、涙をこぼす客。うなずき、話を聞くけんちん汁店「大倉屋」の店主・石橋新平さん(84)・ヒロ子さん(83)は、変わりゆく山谷の町を見続け、労働者たちの切ない身の上に耳を傾けてきた。大倉屋のけんちん汁は、もとはヒロ子さんの故郷の味。栄養たっぷりの優しい味だ。帰れないふるさとを思いながら味わう野菜の甘味は、今も、寂しい心を温め続けていた――。「取材?ダメダメ!」大倉屋を取材中、少なくない数の客から、記者は取材を拒否された。なかには、取材協力の依頼を一切無視する人や、一瞥もくれずたった一言、強い調子で「いやだ!」と返す人も。新平さんからも、こんなふうに注意を促された。「この町の人はね、いろいろとワケありだったり、難しい人も多いからね。声かけるのも、写真撮るのも気をつけてやってよね」ヒロ子さんも次のように常連客たちを慮った。「人生のね、裏街道を歩いてきちゃったような、そんな行き場のない人も多い町だからね……」テイクアウト専門とはいえ、店先で立ったまま、あるいは店前の路上にしゃがみ込んで、そのままけんちん汁を食べる者もいる。疲れた表情を浮かべた彼らの顔には、いちように「話を聞いてもらいたいと、書いてあるようなんだ」と、ヒロ子さん。新平さんやヒロ子さんは時間の許す限り、彼らがとつとつと語る身の上話にも付き合う。少し前のこと。しばらく顔を見せなかった常連客が来店した。「どっか行ってたの?」ヒロ子さんが声をかけると、男性は「田舎にね……」と呻くように一言告げると、人目もはばからずに大粒の涙をこぼしたという。「聞けばね、その人は若いころ、うんとおばあちゃんにかわいがってもらったんだって。それで、おばあちゃんに会いたくて田舎に、宮城って言ってたかな、久しぶりに帰ったんだって。本当はいっぱい迷惑かけたから実家には帰れないと思ってたけど、どうしてもおばあちゃんの顔が見たくてって。だけど……」かつて、祖母が暮らしていた家はもう跡形もなく、二度と敷居を跨げないはずの実家に思い切って立ち寄り祖母の近況を尋ねると、もう何年も前に他界したと知らされたという。ヒロ子さんはしみじみと続けた。「その人、涙こぼしながら言ってましたね。仏壇のおばあちゃんに線香あげたけど、火がつけられないぐらい泣けたって。それで『山谷に来て、この町にどっぷりつかってしまうと、年月を忘れてしまう、何が何だかわからなくなっちまう』って」信頼を寄せていた人から、退路を断たれてしまった者もいた。「これは数年前だけどね、その人もやっぱりしばらくぶりに実家に帰ったんだね。田舎、どこだか聞かなかったけど、言葉の感じだとやっぱり東北かな」その常連客がヒロ子さんに語ったのは次のような物語だった。男性が久方ぶりに実家に帰省すると、家を継いでいた兄は早世していた。家に残されたのは年老いた母と、兄嫁。兄嫁は何年も会うことのなかった義弟を、歓待してくれたという。「酒に魚でもてなしてくれたそうですよ。それで気分もよくなったんだろうね、家業に男手も要るだろうと、その人は実家に残ることを真剣に考えたって。ところが、何日かたった朝ね、お母さんが彼を呼んで言ったんだって。『みんな、おめえが急に帰ってきて困惑してる。嫁さんだって本当のところ迷惑してんだ。家のことは心配ねえ。だから、黙ってこのまま帰ってくれ』って」男性は目を泣きはらしながら、ヒロ子さんにこうこぼしたという。「そんでさ、お袋、しわしわの手で俺に金、握らせながら繰り返すんだ。『ここはおめえのいる場所じゃねえ、だから帰れ』って」客との思い出を語るヒロ子さん。その話を黙って聞いていた新平さんがつぶやく。「それでみな、仕方なしに思うんだって。『もう、ヤマに帰ろう』って。ヤマってのは、山谷のことね。そうやってみな、ヤマに、この町にまた戻ってくるんだよ」ヒロ子さんがもう一度、しみじみと言った。「帰る場所がない人たちは、ここをふるさとにしてるのね。それで、こういう食べ物は昔、私はもちろんだけど、私たちの世代はみな、ふるさとで食べたの。だから、けんちん食べるとね、お客さんたちも懐かしく思い出すんじゃないかな、自分のふるさとのこと……」「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月16日家族による介護といえば、40代や50代の世代が自分の親を介護しているというイメージがあるだろう。だが、じつは10代や20代で介護している若者が多くいる。相談する相手もおらず、理解もされない孤独な介護を強いられているーー。「小・中学生や高校生など18歳未満の『ヤングケアラー』や18歳以上の『若者ケアラー』が大勢いることを知ってほしいです。しかも、通学や仕事をしながら家族を介護している、そんな若年介護者は増加しているのです」そう語るのは、16歳から難病の母親の介護した経験から、ヤングケアラーの支援や若者ケアラーの転職支援を行っている「Yancle(ヤンクル)」代表の宮崎成悟さん。総務省の調査によれば、15~29歳で家族を介護している人は’17年で21万100人。その5年前の調査(17万7,600人)から急増している。そのうち10代は全国に3万7,100人いることが、毎日新聞の分析で判明した。「総務省の調査では14歳以下の小・中学生が含まれていないため、本当の実態は把握できていません。ヤングケアラーのなかには、8歳からアルコール依存症の父親の世話をしていた人もいます。家族を介護している子どもたちはもっと多い可能性があります。若年介護者が増加している背景は、少子高齢化社会が進んだうえに、シングル世帯や共働き世帯も増加したこと。家族ケアをする大人の人手が少ないことから、たとえ未成年でも大人が担うような介護をしているのです」(宮崎さん)そんな若年介護者の問題点はどんなことなのだろうか?「家族がケアすることは悪いことではありません。ただ、認知症の祖父や祖母のケア、障害のある兄弟姉妹の介護、病気の親の世話などをするなかで、負担が限界を超えて、学業や就業、若者らしい生活や将来、自由まで犠牲になってしまう。その結果、不登校になったり、中退したり、進学や就職を諦めてしまったりするケースが多いのです」宮崎さんも、高校卒業する直前に母親の容体が悪化。介護に注力するため大学進学を一度は諦めた経験がある。さらに、介護の話をしても周囲が理解してくれない場合も多いという。「介護は中高年層がやるものだという認識が強いため、若くして介護していると『なんであなたが?』と疑問視されることが多い。そのため学校や会社でも事情が伝わらず、1人で抱え込んでしまうケースも少なくないのです。若年介護者の多くは、どんなにつらくても、家族のことだからとSOSの声を出しづらい。まずは実態把握が急務。さらに相談したり、カウンセリングが受けられたりするサポート体制が必要です。そしてなにより大切なことは、私たち大人が、若年介護者がいることに無関心でいないことです」厚生労働省は12月から若年介護者の実態調査を始める。今も多くの若い介護者が苦しんでいることを胸に刻んでおこう。「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月12日引っ越してきて1年、ご近所さんとはあいさつをするだけではなく、世間話も度々しながら仲良くするようにしていました。特にお隣に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんとは、私や夫だけではなく4歳の娘と2歳の息子も仲良くさせてもらっていました。しかし3人目を出産したとき、その方から驚きの出産祝いをいただいたのです。 妊娠中も気づかってくれたご近所さんわが家は1年前に戸建てに引っ越しました。その数カ月後に妊娠がわかったのですが、何かあったときのためにご近所さんには妊娠していることを報告しておきました。また、毎日あいさつするだけではなく、子どもたちもお世話になるだろうと思ってよく話すようにしていました。親切で気づかってくれる方が多く、とても助かります。 私が住んでいる場所はご年配の方が多く、家の前で子どもたちを遊ばせていると、わざわざ外に出て声をかけてくれたりします。面倒見のよいおじいちゃんやおばあちゃんが多く、うれしかったです。 私が臨月のときは「もうすぐ生まれるの?」「頑張ってね!」など声をかけてくれました。上の子どもたちもご近所さんにすぐに懐き、たまにお菓子をもらったりするようないい環境で暮らしています。 産後、帰宅した日にすぐに駆けつけてくれたやがて3人目を出産し退院すると、「赤ちゃんの声が聞こえたから」といってお隣に住んでいるおじいちゃん、おばあちゃんがきてくれました。「これからうるさくなってしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いいたします」と私が言うと、出産祝いをくださったのです。 それはお金だったのですが、なんと中身が1万円! 親族でもないのにこんな金額をもらうとは思っていなかったので驚きました。「お返しはいいからね!」と言われたものの、さすがにそのままにはできないと思って後日菓子折りを持って伺いました。 ちょっと気疲れした「お返し」半返しだと逆に気を使われてしまうかなと思い、3,000円程度のお菓子を渡しました。「お返しはよかったのに!」と言われたものの、近所はご年配の方が多いので、私のことを話題に出されて変なことを言われても困る……という思いもあり、きちんとお返しをしました。 すると数日後、上の子どもたちにわざわざおもちゃを購入して持ってきてくれました。まさかそんな形でさらなるお返しをいただくと思っていなかったので、どうしよう……と対応に困ってしまいました。 さすがに何度もお互いにお返しをし合っているときりがないので、おもちゃをもらったときは「ありがとうございます」と子どもたちとお礼を言いに行って終わりにしました。こんな形で何度もご近所さんからお祝いをいただくとは思っていなかったので驚きました。本当にやさしい方ですしご近所付き合いは大切なので、今後も仲良くさせてもらおうと思っています。 監修/助産師REIKO著者:永田真結4歳の長女、2歳の長男、0歳の次女を持つ母。自身の妊娠、出産、育児に関する体験談を中心に記事を執筆している。
2020年11月09日「『不思議、老眼鏡なしで文庫本が読めちゃった!』、『前より周りが見えやすくなった』、『最近、目が疲れていない』。私のところに、いま主婦たちの間で、老眼が改善したという報告が続々と寄せられています」そう話すのは、医学博士で眼科専門医の平松類先生だ。それもレーシック手術を受けたわけでも、視力回復センターに通ったわけでもない。なんと、100円均一ショップで売っている普通の老眼鏡を、1日5分かけるだけで、老眼が回復するのだという。近年「縞模様」を見るだけで視力向上を目指す「ガボール・アイ」という視力回復方法も注目され、視力が平均で0.2度上がる科学的データも示されている。平松先生がこの方法とともに勧めるのが、即効性がある100均老眼鏡を使う改善法だ。ものを見る構造として、目の中には水晶体があり、手元を見るときは水晶体を厚くし、遠くを見るときは薄くし、ピントを調整するしくみだが……。「厚くしたり薄くしたりする筋肉を毛様体筋といい、これはカメラのオートフォーカスのような役割です。レンズの周りに円周状に筋肉がついていますが、体と同様に加齢とともに凝り固まり、ピント調整力が衰えます。これが老眼の原因となるのです」老眼を予防、改善することは、生活の質を保つうえで極めて大切だ。それが100均メガネで改善するのならうれしい限りだが、いったいどのようなメカニズムなのだろう。「この方法は、100均メガネをかけることで、凝り固まっていた毛様体筋をゆるめ、柔軟性をよみがえらせます。それによって、ピント調節がスムーズに行われるようになります。目のピント調節力がよみがえることで、凝り固まりを原因とする老眼や近視も改善します」ここで筋肉をほどよくゆるめることができるのが「2.0度」の老眼鏡なのだということ。「この場合、遠くをぼやっと見せて、目をリラックスさせることがポイントなのです」これは眼科の度数検査などのときに実施される、台に顎をのせ、ぼやっとした気球や家を見る「雲霧法」という検査と同じ原理だ。「雲霧法は、視界をぼやけさせ、目をリラックスさせて視力を測ります。同様に、2.0度のメガネをかけることによって、まったく見えないわけでも、よく見えるわけでもない“ほどよく見えない”状態を作り出すのです。それが、毛様体筋をゆるめるのに効果的なのです」1日5分、「2.0度」の100均メガネをかけて、2〜3メートル先をぼんやり見て、5分待つ。視界がぼやっとするが、目を閉じないこと。ぼんやり見るコツがつかめないときは、2〜3メートル先にポスター等を貼って見るとやりやすい。また、次の目の周りの血流を促す「マッサージ」や「ホットアイ」を併用することで、さらに効果的に視力を回復させることができる。【まぶたを上下にやさしくさする】まぶたの上下に走るマイボーム腺に沿い、両手のひとさし指、中指、薬指の3本の指で上から下、下から上に向けて軽くマッサージする。まぶたの脂を押し出すように優しくさする。この腺から分泌する脂をスムーズに分泌させると、涙の質が改善され、視界がクリアに。各10回。【目頭から目尻に向かってさする】目の周りの骨に沿って、目頭から目尻に向けて軽くマッサージ。老廃物を流すイメージで両手の中指でやさしくさする。眼球を圧迫させず、アイメークをきちんと落として行うこと。各10回。【ホットアイで目の血流を改善】タオルを水でぬらして軽く絞り、形を整えて電子レンジで温める。600ワットで40秒程度、40°C程度が適温。タオルは2本用意し、あおむけになって軽くまぶたを閉じ。ホットタオルをのせて温める。冷めてきたらもう1本と交換し、再度温めることで毛様体筋をゆるめる。タオルが熱すぎるなら適温に冷ましてのせる。この方法で目の周りの血流が改善し、老廃物がきれいに流されることで涙の質も改善し、毛様体筋がゆるみピント調節機能も向上する。仕事の小休止タイムに、入浴後、就寝前などに。1日2回。1回各5分、トータルで10分くらいが目安。「毎日続けた場合、1カ月前後で効果を実感する人が多いです。5分以上行っても効果は変わりません。個人差があるので、なるべく毎日続けることが大切です」「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年11月03日「“人生の下り坂”だなんて、それは大間違い。現代の60代はまだまだ元気だもの。80歳までは“おーい、活動しよう”の老活期です」穏やかな笑顔で語るのは、昭和女子大学理事長の坂東眞理子さん。人生100年時代の新たな生き方を提案する著書『老活のすすめ』(飛鳥新社)が話題となっている。「これまで日本人は、家族のために全力で働いて定年を迎えると、いきなり“老後”へと移行していました。けれど、これからの時代は“老活期”があってしかり。働き方や人との関わり方を少し変えながら、自由にやりたいことをして過ごす時期です。一般的にいわれる『老後のために2,000万円』の貯蓄がなくたって、生活が下流になるわけではありません。体も心もまだ元気ですから、週に20時間でも、年に100万円でも、“ちょい働き”すればいいだけのこと。そして、時間に余裕ができたぶんは、自分の好きなことをして豊かな人生を味わうーーそのためにも、50代のうちから老活期を意識して“さしすせそ”の準備を始めてみましょう」■老活で意識したい「さしすせそ」【さ】さびない心を目指す体だけでなく、感情や感性までさびてしまわないように。新しい環境に身を置き、人と出会い、自分をみがき続けよう。【し】情報リテラシーを持つ情報社会だからこそ、その真偽や要不要を見極めたい。他人の情報に惑わされず、自分たち夫婦の価値観を見直そう。【す】“好き”を増やす年齢とともに心はかたくなり、“好き”や“感動”が減少しがち。意識的に好きなモノ・人を見つけ、機嫌よく暮らそう。【せ】世話をする世話をされるより、する人が幸せになる。子や孫、他人の孫(たまご)をサポートして、必要とされる人になろう。【そ】ソーシャルディスタンスを保つ人間関係は、精神的にも空間的にも適正距離を保つ。べったりでは互いに負担。親子や夫婦間でも伸び縮みさせよう。私たちの心身は加齢とともにさび、どんどん鈍くなってしまう。「だから、意識して新しい出会いを求め、つねに心はプラチナの輝きを持ち続けたいですね(さ=さびない心を目指す)。そして、情報社会においては、取捨選択する冷静さが必要。自分たち夫婦にとって何が大切か、価値観を見つめ直すことも大切(し=情報リテラシーを持つ)。価値観や好みを再確認できたら、その中に身を置いて機嫌よく過ごし(す=“好き”を増やす)、できた時間は身近な人をサポートし(せ=世話をする)、かといってべったりしすぎない(そ=ソーシャルディスタンスを保つ)。そういった意味では“定年帰農”のような暮らしも選択肢のひとつです」「女性自身」2020年11月10日号 掲載
2020年10月30日『わたしを離さないで』などで知られ、2017年に満を持してノーベル文学賞を受賞した日系イギリス人作家、カズオ・イシグロ。その出世作で、1989年に英語圏最高の文学賞とされるブッカー賞に輝いた『日の名残り』が朗読劇として立ち上がる。上演台本と演出を手がけるのは、「KPR/開幕ペナントレース」主宰の村井雄。目黒区職員を経て劇団を旗揚げしたという異色の経歴を持ち、海外公演も積極的に行っている気鋭の脚本・演出家だ。舞台はふたつの世界大戦から戦後にかけてのイギリス、主人公は執事のスティーブンス(眞島秀和)。物語は、1956年の“現在”と、1920年代から30年代にかけての回想シーンを往復しながら進んでいく。“現在”のスティーブンスは、敬愛していた前の主人・ダーリントン卿(マキノノゾミ)の死後、その屋敷を買い取った富豪のアメリカ人・ファラディ氏(ラサール石井/桂やまと※ダブルキャスト)に仕えていた。屋敷が抱える人手不足に悩むスティーブンスは、かつて共に働いていたミセス・ベン(大空ゆうひ/小島聖※ダブルキャスト)の復帰を願い、彼女に会いに行く。旅の道すがら、ダーリントン卿がまだ健在で、ミス・ケントン(ミセス・ベンの旧姓)と屋敷を切り盛りしていた時代を思い出すスティーブンス。ダーリントン卿は、ヨーロッパが第一次大戦のような惨禍を再び見ることがないよう奔走するうちに、ナチス・ドイツによる対イギリス工作に巻き込まれていったのだ。品格ある執事の道を追求し続けたスティーブンスが、老境に差し掛かり、人生を振り返った末に至る境地とはーー。見どころはやはり、可愛いもの好きの“イケオジ”に扮したドラマ、『おじさんはカワイイものがお好き。』が大きな話題を呼んだ眞島秀和の“老執事”役。また、劇作・演出家として名高いマキノノゾミが、珍しく役者として舞台に立つことも見逃せない。なお、マキノは「ダーリントン卿ほか」、ラサール石井と桂やまと(ダブルキャスト)は「ファラディほか十数役」を演じるとのこと。注目の朗読劇『日の名残り』は、本日9月30日(水)に東京・あうるすぽっとで開幕後、兵庫、山形、岩手でも上演される。朗読劇『日の名残り』原作:カズオ・イシグロ訳:土屋政雄上演台本・演出:村井 雄10月4日(日)まで あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)10月6日(火)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール10月9日(金)山形・伝国の杜 置賜文化ホール10月11日(日)岩手・盛岡劇場 メインホール文・町田麻子
2020年09月30日身の回りのことは、全部自分で決めたい。そういえば、趣味が少ないほうかも……。思い当たるフシがある人は要注意!介護によるストレスで、「介護うつ」になってしまうかも。回避のポイントは“頼る”ことだーー。「現在のコロナ禍にあっては、とくに介護うつ発症のリスクが高いといえるでしょう。ただでさえ弱っている高齢の家族に万が一のことがあってはいけないと、外出や友人との食事を控えたりしているうちに、家に閉じこもって介護に向き合う時間が増え、逃げ場がなくなる。こうした傾向は、うつ病の発症につながります」そう話すのは、高齢者の訪問診療に取り組む、つばさクリニック院長の鈴木智広先生だ。介護うつとは、介護や看病からくる精神的な負担から発症するうつ病のこと。介護者の過半数が精神的負担を感じているのが現状だ。高齢化社会といわれて久しい日本において発症する患者はあとを立たず、介護、看病疲れが原因の自殺者は、今や年間200人以上にのぼっている。「症状としては通常のうつ病と同じで、無気力になり、今まで楽しかったことが楽しいと感じられない、自責の念が強くなるなどの傾向が目立ちます。また、よく眠れなくなったり、食欲が落ちたりするケースも。原因は、介護によるストレスです。介護によって仕事を辞めたり、趣味の時間を減らしたりと生活を変えざるをえない方が多いかと思いますが、これは大きなストレスになりえます。また、つきっきりの介護で24時間気が抜けないような緊張状態も大きな負担になりますし、介護に関わる経済的な負担が原因で、気持ちが不安定になることもあるでしょう」しかし、こうした過酷な状況であっても、介護うつを発症しない人がいるのも事実だ。そこにはどんな差があるのだろうか。「生真面目で責任感が強く、すべてを一人で抱え込もうとする人は、追い詰められやすく、介護うつになりやすいといえます。いわゆる“ワンオペ介護”をしている人は、要注意です」’17年に発表された厚生労働省の調査によると、夫婦のみの世帯では、配偶者の要介護度が重症化しても、施設への入所を検討していない割合が高いとの結果が出ている。つまり、妻、もしくは夫ひとりで介護を背負い込んでいる家庭が多いということだ。住み慣れた自宅で夫婦で過ごしたいという思いのいっぽうで、介護する側にかかる負担が大きくなりすぎると、その生活自体が破綻してしまう危険もある。「介護者が疲労から介護うつになり倒れてしまったら、介護をする人がいなくなってしまいます。本末転倒の結果を招かないためには、なにより介護する人自身の健康が重要です。適切な介護サービスを利用して負担を軽くするのもそのためだと考えれば、“甘え”とはならないことがわかるはず」介護うつになりやすい人の特徴をチェックリストにまとめたので、自分が該当するかどうか、確認してみて。【介護うつ危険度チェックリスト】□ 生真面目□ 融通が利かない□ 責任感が強い□ 完璧主義□ 趣味がない□ 自分でなんでも決めたい□ 近親者にうつ病になった人がいる「介護うつにならないためには、誰かに相談すること。相談相手として、いちばん身近なのが高齢者福祉のスペシャリストであるケアマネジャーです。要介護認定を受けると、介護サービス利用のサポートをしてくれますが、実務的なことだけでなく、介護にあたって不安に感じていることを包み隠さず相談してみましょう。訪問診療をしていると、ケアマネジャーから『介護しているご家族が、かなり疲弊されています』と連絡があり、施設への入所やショートステイを案内するケースがあります。自身では判断ができなくても、身近で見ているケアマネジャーが気づいてサポートしてくれるのはよくあること。ふだんから、なんでも相談できる関係を築いておくことが大事です」介護の負担が減ればそのぶん自分のために使える時間が増え、気持ちを休めたり、趣味に時間を費やしたりして、ストレスの解消ができる。それが結果として、介護うつ発症の回避につながるのだ。「介護をひとりで抱え込んでいる方は、まず市区町村の役所の介護担当部署に相談することからスタートを。また、地域の医療や福祉などを支援する『地域包括支援センター』では、介護認定を受けていなくても相談ができます」介護を受ける家族のためにも、助けを求める勇気を持とう。「女性自身」2020年9月22日 掲載
2020年09月20日羽屋きとさんは、ブログに夫との日常や前職での実体験をもとにした漫画を投稿しています。さまざまな人物とのやりとりがゆかいに描かれ、「クスッ」としてしまう作品ばかりです。介護士だった頃の話羽屋さんが介護士として働いていた時のエピソードの中から、選りすぐりの作品をご紹介します!気難しい男性に、とんでもないお願いをした結果…クリスマス会の準備中、サンタさん役を誰にするかという話になり…。いや、めちゃめちゃノリノリやん!!普段の気難しい様子とは反対に、ノリノリでサンタ役をこなすSさんでした。「それ息子だと思ってチョイスした…?」利用者のSさんが、スタッフに向かって怒りをぶつけています。そこに救世主がやってきて…。Sさんは自分の息子が、イケメン俳優に似たリハビリの先生だと思っている様子。最後の羽屋さんの冗談まじりの鋭いツッコミが、冴えていますね!利用者が行方不明になる大ピンチ。実は…。利用者さんが行方不明に…!?羽屋さんが働く施設の利用者であるCさんの姿が、見えなくなった時のこと。慌てて探して回ると…。ずっと部屋にいましたー!Cさんは、なんとベッドと壁の間に挟まっていたのです。無事で本当によかった…。利用者たちの日常を支える介護士。羽屋さんの描いた利用者たちの笑顔は、まぎれもなく介護士の力があってこそのものといえるでしょう![文・構成/grape編集部]
2020年09月18日「介護をしている家族は心身の健康を損なったり、仕事を犠牲にしていたりするなど多くの問題を抱えています。ところが、そんな家族に支援の手が及ぶことはありませんでした。この条例が要介護者の影での存在であるケアラー(=家族などの無償の介護者)に光をあてるのです」3月27日、埼玉県議会で成立した「埼玉県ケアラー支援条例」について、こう語るのは日本女子大学名誉教授で日本ケアラー連盟代表理事の堀越栄子さん。全国初となる「埼玉県ケアラー支援条例」は、介護をしている人が個人として尊重され、健康で文化的な生活を営めるように、ケアラーが孤立しないように社会全体で支えることを目標としている。現在、ケアラーについての実態調査が行われており、その後、介護者のための相談窓口の設置や休息施設の整備、経済的支援、就業機会の提供などの支援策が検討されていくという。条例に関する有識者会議のメンバーでもある堀越さんが解説する。「実態調査の結果を受け、計画を練り上げ、来年3月には基本方針と具体的支援策を定めるスケジュールで動いています。介護というと、中高年の女性が行う高齢者介護のイメージがありますが、ケアラーには男性もいるし、18歳未満の“ヤングケアラー”から100歳のケアラーまでいます。また2〜3人と複数の人を介護している人、子育てと親の介護を同時にしている人など多種多様。当初、ケアラーの定義には、介護期間や継続してやっていることなどの要件がありましたが、間口を広げて、誰もが相談できるような体制にしたほうがいいという認識で、その要件は外されました」埼玉県条例が定義するケアラーは、次のとおり。《高齢、身体上又は精神上の障害又は疾病等により援助を必要とする親族、友人その他の身近な人に対して、無償で介護、看護、日常生活上の世話その他の援助を提供する者をいう。》(「埼玉県ケアラー支援条例」第二条一より)厚生労働省の調査によると、介護者の約6割が同居家族だ。日本労働組合総連合会が’14年に行った要介護者を抱える家族に対しての実態調査によると、介護者の35.5%が要介護者に対して憎しみを感じたことがあると回答。認知症の人を介護している人にいたっては7割にのぼった。家族介護に依存しない“介護の社会化”を掲げた介護保険制度がスタートして20年たつが、日本では、家族による介護殺人や心中事件は2週に1件の頻度で起きている。また介護離職者は年間約10万人いるが、その8割弱が女性だ。現在、議論が進んでいる「ケアラー支援条例」では、どのようなサポートが行われるのだろうか。今回の条例の有識者会議のメンバーでもある「認知症の人と家族の会」副代表理事の花俣ふみ代さんが語る。彼女自身も、姑の在宅介護を7年間したあと、実母の遠距離介護を5年間した経験がある。「支援策として、1人で抱え込んでいる介護者にとって駆け込み寺のようなところを設置して、介護者が『がんばらなくてもいい』と言ってもらえる空間をつくることが重要だと考えています」海外では介護者に対する支援を法律で明記している国が少なくない。次にあげた3カ国は、とくにケアラー支援の先進国だ。■日本が見習いたいケアラー先進国の取り組み(※IACO supported by Enbracing Carers TM、「家族介護者支援に関する諸外国の施策と社会全体で要介護者とその家族を支える方策に関する研究事業」より本誌作成)【全人口】イギリス:6,643万5,550人ドイツ:8,291万4,191人オーストラリア:2,499万2,860人【65歳以上人口】イギリス:1,216万5,557人ドイツ:1,779万8,089人オーストラリア:391万4,673人【65歳以上の割合】イギリス:18.3%ドイツ:21.5%オーストラリア:15.7%【ケアラーの数】イギリス:650万人ドイツ:320万人オーストラリア:265万人【ケアラーの定義】イギリス:無償で長期にわたって、身体・精神的な疾病・障害、また高齢にともなうケアの必要によって、家族や友人、その他の人を世話している人ドイツ:介護保険で要介護者と認められた近親者を、通常は週に2日以上、かつ合計10時間以上介護しているオーストラリア:障害のある人、医学的状態、精神疾患、または加齢による身体の衰えのある人々に対し、身の回りのケア、手助けもしくは援助を提供する人々【現金給付】イギリス:日本円で週約9,000円(介護者1人当たり。収入要件あり)ドイツ:在宅ケアの場合、月約4万〜11万円を要介護度に応じて介護を受けている人に支給オーストラリア:介護のため就労できない単身者の場合、約10万円を支給【介護休暇】イギリス:介護のためにフレックスタイム、休暇および休職を要求できるドイツ:最長2年の介護休暇の権利。緊急に介護が必要な場合は最長10日、終末期ケアとして最長3カ月の休暇オーストラリア:年間10日間の有給の介護休暇に加え、無給の「2日間休暇」やケガや病気を負った場合「2日間特別休暇」など【保険・税制】イギリス:現役世代のケアラーでも、基準を満たせば、公的年金を受給できるドイツ:収入減には無利息での貸付け制度。ケアラーには労災、年金、失業、疾病、介護保険が適用オーストラリア:介護者給付、介護者手当は非課税【その他の支援】イギリス:夜間の見守りサービス、教会、病院、美容院、映画などへ行く時間などの休養プログラムドイツ:介護技術を学べる無料講習や介護者同士の交流の機会の提供オーストラリア:カウンセリング、デイサービスや宿泊付きの施設利用などケアラーの負担軽減サービスこれら“先進国”から学ぶことは多いと、花俣さんが語る。「ケアラーが孤立しないように、また苦しくなったり疲労困憊したりしたときに、いつでも休息が取れるなど、さまざまな支援で支えているのが特徴です。各国のような現金支給の導入も議論されていいでしょう。ただ、それだけでは家族介護の固定化につながるので注意が必要です」最後に堀越さんが語る。「ケアラー支援は、よい介護をするための支援ではなく、介護者自身の人生の支援。この埼玉県の動きが国全体にも波及してほしい」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年08月27日介護は子が親にする最後の恩返しといわれますが、実情は甘いものではありません。認知症ともなれば、「手に負えない」ことが多く、困り果ててしまいます。高齢化が進むなかで、介護の必要性は高まっていますが、受け入れる側の体制は整っていないようです。 親の介護を拒否したいHさん介護について悩んでいるのが、50代男性のHさんです。彼の父親は窃盗などで犯罪を重ねており、つねに頭を悩ませられてきた存在。疎遠になりほとんど連絡もとっていませんが、最近病魔に倒れ、親戚から「息子に介護を頼みたい」と話していると伝えられました。様々な場面で「ネック」となってきた父親の介護をすることについて、Hさんは強い抵抗感を持っており、関わりを持ちたくないと考えているそう。しかし周囲には「お前が面倒を見るべきだ」「子供としての義務を果たすべきだ」という声もあり、思い悩んでいます。Hさんは介護しなければならないのでしょうか?あすみ法律事務所の高野倉勇樹弁護士にお聞きしました。 介護しなければいけないのか?高野倉弁護士:「自分で介護する必要はありませんが、経済的援助(扶養)をする必要はあります。まず、子ども自らが父親を介護する必要はありません。これは、父親が犯罪を重ねていてもいなくても同じです。大人になった子どもには親を扶養する義務があります(民法877条1項)。扶養の方法は、金銭的な援助が原則です。同居するなどして子ども自身が世話をする必要まではありません。介護保険を利用して介護サービスを入れる、施設に入所してもらい施設費を援助するといった方法が考えられます」 保護責任者遺棄になる場合も高野倉弁護士:「ただし、既に介護していた父親を何の手当もなく急に放置した場合には、保護責任者遺棄罪(刑法218条)に問われる可能性があります。扶養義務自体はなくならないとしても、親の不行状は扶養の内容に影響する可能性はあります。親子間に「容易に融和できない対立」があり、その原因が親の「やや異常と思える程のかたくなな性格」にあるとしても、扶養義務自体は認められるとした裁判例があります(大阪高等裁判所昭和45年11月26日決定)。このような事情は、扶養として支払う金額を少なく定めるという方向に働きます。なお、介護を受けるような状態にある人が犯罪を重ねるケースの場合、認知症を含む精神障害がないか、その影響で犯罪に及んでいるのではないかと考えてみることが必要です。精神障害が原因であれば、精神科病院や精神保健福祉センターなどでの治療によって状況が改善する場合があります」 遺産相続はどうなる?仮に介護を拒否した場合、遺産相続はどうなるのでしょうか?高野倉弁護士:「親(被相続人)の不行状は、相続に特別の影響はありません。子ども(相続人)は、相続したくなければ「相続放棄」の手続をすればよいということになります。相続放棄は、親(被相続人)の存命中はできません。親(被相続人)が死亡し、相続が開始した後に初めて、家庭裁判所に申立てをすることで相続放棄をすることができます」 子が親を介護は義務?介護は由々しき問題です。Hさん以外にも、放棄したいと考えている人はいることでしょう。子は親を介護しなければいけないものなのでしょうか?高野倉弁護士:「先ほど述べたとおり、子どもが『自ら介護をする義務』はありません。ただし、扶養義務として、経済的な援助をする義務はあります。法的に『親子の縁を切る』ということはできないので、扶養義務はどうしても残ります。介護するかしないかの選択権はありますが、扶養するかしないかの選択権はないといえます」 しっかりと覚えておこう子が親を介護するのは一般的なケースですが、「しなければいけない」という義務はありません。誤った認識を持っている人も多いと聞きますので、しっかりと覚えておきましょう。 *取材協力弁護士:高野倉勇樹(あすみ法律事務所。民事、刑事幅広く取り扱っているが、中でも高齢者・障害者関連、企業法務を得意分野とする)*取材・文:櫻井哲夫(本サイトでは弁護士様の回答をわかりやすく伝えるために日々奮闘し、丁寧な記事執筆を心がけております。仕事依頼も随時受け付けています)犯罪を重ねる親の介護を拒否したい!子は親を「介護しなければ」いけない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。犯罪を重ねる親の介護を拒否したい!子は親を「介護しなければ」いけない?はシェアしたくなる法律相談所で公開された投稿です。
2020年07月31日’00年に介護保険制度がスタートし、認知症などの高齢者の介護は家庭だけでなく、社会全体で取り組むことになった。ところが介護を理由とした家族間での殺人の件数は減らず、厚生労働省の統計によると年間20〜30件起きている。2週間に1件程度の頻度で、介護殺人が起きている計算だ。同調査によると、加害者の3割から4割が女性で、女性が男性を上回ることは一度もなかった。しかし、「異変が起きている」と語るのは、日本福祉大学社会福祉学部教授で『介護殺人の予防』(クレス出版)の著書がある湯原悦子先生だ。「介護殺人の加害者の男女比率は長年この割合で推移してきましたが、今年1月から7月までを調べてみると、女性が加害者である割合が増加しているんです」次の「2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件」を見てほしい。湯原先生が独自に調べた、今年に入ってから7月21日現在までに起きた15件の介護殺人の内容だ。加害者が女性のケースは9件と、男性を上回っている。■2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件(※年齢は逮捕当時。湯原先生の調査を基に本誌が作成。高齢者に対する介護を原因とした死亡事件に限った)【1月2日・神奈川県相模原市】容疑者/加害者:娘(53)1月6日、85歳の母親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の疑いで娘を逮捕した。5日に自ら通報して発覚。娘によると母は2日に亡くなったという。遺体の顔面や上半身に内出血があり、「たたいたことはある」と供述している。【1月7日・静岡県伊豆の国市】容疑者/加害者:息子(54)1月7日、警察が衰弱した母親を自宅で見つけ、病院に搬送されたが、死亡した。81歳の母親は歩行困難だったが、介護をしていた息子は1月5日朝に家出。3月12日に発見され、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。【1月28日・愛知県東海市】容疑者/加害者:夫(79)夫は「妻を刺した」と長男に電話し、長男が通報。駆け付けた警察官が72歳の妻の遺体と意識不明の重体の夫を発見した。夫妻は2人暮らし。夫は周囲に妻の介護に悩んでいると漏らしていたといい、心中を図ったとみられる。【2月3日・宮城県気仙沼市】容疑者/加害者:妻(69)妻が親戚に「夫を殺してしまった」と連絡し、事件が発覚。目が不自由な74歳の夫は日常的に介護が必要だった。妻は「介護に疲れた」と供述し、警察は殺人の容疑で妻を逮捕。近所の人たちの証言によると、2人は仲むつまじい夫婦だったという。【2月4日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:妻(69)、息子(43)2月2日、末期がんで体が不自由な78歳の夫を放置して、妻と長男が外出。3月未明に、妻の通報で救急搬送されたが、4日午前に死亡。妻と長男は保護責任者遺棄容疑で逮捕、送検されたが、3月6日に仙台地検は妻と長男を不起訴とした。【3月2日・兵庫県明石市】容疑者/加害者:息子(41)マンションの一室で72歳の母と息子が倒れていると、親族が通報。母はすでに死亡しており、意識不明だった息子も病院搬送後に死亡が確認された。母は認知症を患い息子が介護していた。無理心中だとみられている。【3月7日・埼玉県羽生市】容疑者/加害者:妻(71)「夫を殺した」と妻が自ら通報。「介護に疲れていた」と供述し、72歳の夫を、首を絞めて殺害した容疑で逮捕された。妻の首や手首には切り傷があり、無理心中を図ったとみられている。【4月7日・東京都杉並区】容疑者/加害者:夫(82)夫は「母さんが死んだ。俺も後を追う」と長女に電話。長女が通報して、事件が発覚した。81歳の妻は要介護3だった。夫は「将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と供述、殺人容疑で逮捕された。【4月18日・大阪府大阪市】容疑者/加害者:息子(57)特別養護老人ホームに入所した91歳の母を毎日のように見舞っていたが、新型コロナの流行で面会が禁じられ、4月17日に自宅に引き取った。翌日の夜、母を殺害し、自身も自殺。「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」という遺書が残されていた。【4月28日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:娘(68)強い足の痛みを抱える94歳の母が「早く逝きたい」と言うように。娘は多量の睡眠薬を混ぜたジュースを飲ませ、座布団で顔を押さえつけて母を窒息死させた。嘱託殺人の罪に問われ、7月15日に検察は懲役3年を求刑。判決は8月19日予定。【5月5日・埼玉県さいたま市】容疑者/加害者:娘(26)60歳の母を殺害し、娘が自ら110番通報した。母と娘の2人暮らしで、「3年ほど前に脳の病気で体が不自由になった母を、自分が介護をしていた」と供述し、「介護に疲れた」と容疑を認めているという。【5月14日・茨城県利根町】容疑者/加害者:妻(73)5月14日、呼び鈴を押しても応答しないことを不審に思ったデイサービス施設の職員が長男を呼び出して確認したところ、死後数日が経過した夫婦の遺体が見つかった。介護が必要だった77歳の夫は首を絞められた痕があり、妻は首をつっていた。【6月5日・神奈川県小田原市】容疑者/加害者:妻(73)83歳の夫と妻、長男次男と4人暮らしだった。5日午前0時ごろ、妻は夫の首を絞めて殺害。妻に起こされて、事情を明かされた長男が通報し、事件が発覚。妻は「夫の介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【6月18日・沖縄県南風原町】容疑者/加害者:妻(72)6月18日夕、同居している家族が帰宅すると、意識不明の76歳の夫と妻を発見。介護が必要な状態だったという夫は搬送先の病院で死亡した。自殺を図ったとみられる妻は、意識が回復後に「介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【7月11日・鹿児島県知名町】容疑者/加害者:息子(70)90歳の母親を複数回殴打した翌日、ぐったりとしているのに気づき、息子自らが通報。息子は寝たきりの母を介護しながら2人暮らしだったが、介護を巡って親子で対立があったと伝えられている。「妻が夫を殺害し、その後、自らも命を絶とうと無理心中を図っても死にきれなかったという事例が増えています。気がかりなのが、加害者となった女性が、一様に『介護に疲れて』と動機を語っていること。これまで『介護に疲れた』という理由で肉親を殺害するケースは比較的男性に多かったのです」(湯原先生)いったいどうすれば、最悪の事態を防ぐことができるのだろうか。「まずは介護する人は、自分も支援される立場だということを認識することが大事です。介護者(ケアラー)支援の先進国であるイギリスやオーストラリアではすでに法整備されていて、介護者に対して休暇取得や現金支給、カウンセリングなどのサービスが提供されています。今年3月には埼玉県で、全国初となる『ケアラー支援条例』が施行。介護事業者や医療機関を通じて介護者が抱える課題を聞き取り、具体的な支援につなげることを法制度化しました。この動きが全国に広がっていくことが求められています」(湯原先生)湯原先生は、こんなアドバイスをしてくれた。「たとえば、要介護者の4分の1を占める認知症の場合、家族である介護者は『戸惑い・否定』『混乱・怒り・拒絶』『割り切り・あきらめ』『人間的・人格的理解』という4段階の心理的ステップを必ずたどります。介護殺人は第2段階にとどまっている人が、1人で苦しんだ末に事件を起こしているケースが少なくありません。とくに親など自分が大切な人が、訳のわからない言動をすることで戸惑い、そして混乱や怒りの感情を抱いて『今が最悪』な状況と思ってしまうのです」早く次の「割り切り・あきらめ」の段階に進むことが重要だという。「この段階になれば、さまざまなサポートを受け入れられるようになり、介護者がイライラせずに、肩の力を抜いて穏やかに暮らすことが可能になります。第2段階から第3段階に進むためには、他人の介護の体験談から学ぶことです。多くの体験を聞くことで、自分の状況を相対的に見ることができたり、心構えができたりするのです」(湯原先生)認知症患者とその家族の交流の場「認知症カフェ」を開催している目白MMクリニックの内田暁彦院長が語る。「認知症の症状を止めるのは困難です。私ができるのは、患者と家族が自分らしい生活を続けられるよう寄り添い続けることです。心身の負担が大きい介護者が語り合い、情報交換をする場は、問題を共有することで介護者の気持ちが少し楽になるという効果も。またデイサービスも、患者さんのためだけではなく、介護者にとって自分の時間を作るためにも活用するようにしてください。介護の苦しみは永遠に続くわけではありません。1人で抱え込まずに、仲間を作ることも大切。公的な介護サービスを利用したりして負担を分散することが重要です」もし、自分や周囲の人が介護によって追い詰められる事態になれば、どうすればいいのか?「病院や医師だけでなく、住んでいるところの地域包括支援センターや役所、地域の家族会など、介護の不満やSOSが言える場所をいくつか確保しておくほうがいい。また、社会としても、困難に陥っている介護者を早く見つけ出して、いかに手を差しのべるかが課題なのです」(内田院長)介護殺人を回避するためには、介護者の心の余裕と社会のサポートが欠かせないようだ。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月30日介護の疲れから、身内の苦痛を見るのがつらくて……親族に手をかけてしまう“介護殺人”は長年の社会問題だ。だが、コロナ禍で起こり方に変化の兆しがあるというーー。’00年に介護保険制度がスタートし、認知症などの高齢者の介護は家庭だけでなく、社会全体で取り組むことになった。ところが介護を理由とした家族間での殺人の件数は減らず、厚生労働省の統計によると年間20〜30件起きている。2週間に1件程度の頻度で、介護殺人が起きている計算だ。同調査によると、加害者の3割から4割が女性で、女性が男性を上回ることは一度もなかった。しかし、「異変が起きている」と語るのは、日本福祉大学社会福祉学部教授で『介護殺人の予防』(クレス出版)の著書がある湯原悦子先生だ。「介護殺人の加害者の男女比率は長年この割合で推移してきましたが、今年1月から7月までを調べてみると、女性が加害者である割合が増加しているんです」次の「2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件」を見てほしい。湯原先生が独自に調べた、今年に入ってから7月21日現在までに起きた15件の介護殺人の内容だ。加害者が女性のケースは9件と、男性を上回っている。■2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件(※年齢は逮捕当時。湯原先生の調査を基に本誌が作成。高齢者に対する介護を原因とした死亡事件に限った)【1月2日・神奈川県相模原市】容疑者/加害者:娘(53)1月6日、85歳の母親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の疑いで娘を逮捕した。5日に自ら通報して発覚。娘によると母は2日に亡くなったという。遺体の顔面や上半身に内出血があり、「たたいたことはある」と供述している。【1月7日・静岡県伊豆の国市】容疑者/加害者:息子(54)1月7日、警察が衰弱した母親を自宅で見つけ、病院に搬送されたが、死亡した。81歳の母親は歩行困難だったが、介護をしていた息子は1月5日朝に家出。3月12日に発見され、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。【1月28日・愛知県東海市】容疑者/加害者:夫(79)夫は「妻を刺した」と長男に電話し、長男が通報。駆け付けた警察官が72歳の妻の遺体と意識不明の重体の夫を発見した。夫妻は2人暮らし。夫は周囲に妻の介護に悩んでいると漏らしていたといい、心中を図ったとみられる。【2月3日・宮城県気仙沼市】容疑者/加害者:妻(69)妻が親戚に「夫を殺してしまった」と連絡し、事件が発覚。目が不自由な74歳の夫は日常的に介護が必要だった。妻は「介護に疲れた」と供述し、警察は殺人の容疑で妻を逮捕。近所の人たちの証言によると、2人は仲むつまじい夫婦だったという。【2月4日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:妻(69)、息子(43)2月2日、末期がんで体が不自由な78歳の夫を放置して、妻と長男が外出。3月未明に、妻の通報で救急搬送されたが、4日午前に死亡。妻と長男は保護責任者遺棄容疑で逮捕、送検されたが、3月6日に仙台地検は妻と長男を不起訴とした。【3月2日・兵庫県明石市】容疑者/加害者:息子(41)マンションの一室で72歳の母と息子が倒れていると、親族が通報。母はすでに死亡しており、意識不明だった息子も病院搬送後に死亡が確認された。母は認知症を患い息子が介護していた。無理心中だとみられている。【3月7日・埼玉県羽生市】容疑者/加害者:妻(71)「夫を殺した」と妻が自ら通報。「介護に疲れていた」と供述し、72歳の夫を、首を絞めて殺害した容疑で逮捕された。妻の首や手首には切り傷があり、無理心中を図ったとみられている。【4月7日・東京都杉並区】容疑者/加害者:夫(82)夫は「母さんが死んだ。俺も後を追う」と長女に電話。長女が通報して、事件が発覚した。81歳の妻は要介護3だった。夫は「将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と供述、殺人容疑で逮捕された。【4月18日・大阪府大阪市】容疑者/加害者:息子(57)特別養護老人ホームに入所した91歳の母を毎日のように見舞っていたが、新型コロナの流行で面会が禁じられ、4月17日に自宅に引き取った。翌日の夜、母を殺害し、自身も自殺。「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」という遺書が残されていた。【4月28日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:娘(68)強い足の痛みを抱える94歳の母が「早く逝きたい」と言うように。娘は多量の睡眠薬を混ぜたジュースを飲ませ、座布団で顔を押さえつけて母を窒息死させた。嘱託殺人の罪に問われ、7月15日に検察は懲役3年を求刑。判決は8月19日予定。【5月5日・埼玉県さいたま市】容疑者/加害者:娘(26)60歳の母を殺害し、娘が自ら110番通報した。母と娘の2人暮らしで、「3年ほど前に脳の病気で体が不自由になった母を、自分が介護をしていた」と供述し、「介護に疲れた」と容疑を認めているという。【5月14日・茨城県利根町】容疑者/加害者:妻(73)5月14日、呼び鈴を押しても応答しないことを不審に思ったデイサービス施設の職員が長男を呼び出して確認したところ、死後数日が経過した夫婦の遺体が見つかった。介護が必要だった77歳の夫は首を絞められた痕があり、妻は首をつっていた。【6月5日・神奈川県小田原市】容疑者/加害者:妻(73)83歳の夫と妻、長男次男と4人暮らしだった。5日午前0時ごろ、妻は夫の首を絞めて殺害。妻に起こされて、事情を明かされた長男が通報し、事件が発覚。妻は「夫の介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【6月18日・沖縄県南風原町】容疑者/加害者:妻(72)6月18日夕、同居している家族が帰宅すると、意識不明の76歳の夫と妻を発見。介護が必要な状態だったという夫は搬送先の病院で死亡した。自殺を図ったとみられる妻は、意識が回復後に「介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【7月11日・鹿児島県知名町】容疑者/加害者:息子(70)90歳の母親を複数回殴打した翌日、ぐったりとしているのに気づき、息子自らが通報。息子は寝たきりの母を介護しながら2人暮らしだったが、介護を巡って親子で対立があったと伝えられている。「妻が夫を殺害し、その後、自らも命を絶とうと無理心中を図っても死にきれなかったという事例が増えています。気がかりなのが、加害者となった女性が、一様に『介護に疲れて』と動機を語っていること。これまで『介護に疲れた』という理由で肉親を殺害するケースは比較的男性に多かったのです。男性は認知症になった妻や親の介護を抱えても、周囲に悩みを打ち明けたり、何かに頼ったりしない傾向があります。思いどおりにいかない介護を1人で背負い、あるとき何かがポキンと折れるように事件を起こしてしまうケースが多いのです」(湯原先生・以下同)一方、女性の場合、介護のことを育児と同じように身近な話題として、友人や知人、職場などで愚痴や悩みを共有しやすいという。「女性に多い動機は、夫や親など、介護している対象の『苦しみを終わらせてあげたい』というものが多かった。しかし、ここにきて、介護疲れを理由とした女性の事件が増えているのです」いったい、何が起こっているのだろうか?「『介護に疲れて』という動機は『将来を悲観して』という動機と表裏一体。この先、よくなるとは思えない暗い将来を憂い、介護を続ける気力を失い、“ならば一緒に死んでしまおう”、という発想になってしまう女性が増えているのかもしれません」昨年は「老後資金2,000万円不足問題」など、老後の不安が拡大する話題が多かった。そして、今年は新型コロナウイルスの感染が拡大。他者との交流がしづらく、悩みを共有する機会を失ったり、将来への不安を深めたりしている人は多い。そんな時代背景が介護している女性を追い込んでいるのかもしれない。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月30日【今週の悩めるマダム】コロナ禍のなか、同居している要介護1〜2の義父母(主人の両親)の介護に明け暮れる日々です。近くに住んでいるのに両親と仲の悪い主人の2人の妹たちは、訪問はおろか電話1本ありません。私の都合の悪いときくらい、手伝ってくれてもいいのにと思ってしまいます。唯一の救いは主人からの感謝の言葉です。(愛知県在住・50代主婦)これは切実な話ですね。奥様の立場になって、いろいろと考えてみました。結論から申し上げますと、奥様はとっても優しい方です。だから、断れないのですね。少しきつい言い方をしますが、お許しください。綺麗事を言っていても解決できません。奥様がこの問題で離婚するとか、不幸になることは絶対にあってはいけませんから、多少は心を鬼にして挑んでもらいたい。奥様も生きているんですよ。ご自身の幸せを大事にしないと生きていることが辛くなりますよね。僕が暮らすフランスでは、子どもたちが親の介護をすることはほとんどありません。親がそれを望まないからです。ましてや嫁がやることではありません。フランスの親は子どもに頼らない。そういう国もあるんだ、と思ってください。これが日本の価値観に当てはまるとは思っていませんが、でも、実際にそういう世界もあるんです。奥様は優しくて、またご主人を愛しているし、ご主人のご両親にも情が湧いているのがよくわかります。しかし、これを続けていくと、奥様ご自身の人生が死んでしまいます。それはダメだ。絶対、ダメです。僕がもし奥様の立場だったら、まず、ご主人とご主人の妹さんたちにはっきりと言います。血の繋がったあなたたちが何もやらないで血の繋がってない自分がすべて引き受けるのは不条理だ、と。ストライキというのは人間の権利です。奴隷じゃないんです。実の娘が2人も近所にいて何もやらないっておかしいです。鬼ですよ。妹さんたちとご両親が仲が悪いということは奥様にはまったく関係ない話です。もし奥様が病気になったら、誰かがこの代わりをすることになるわけです。そういうことは起こりえます。まず、ご主人と妹さんたちと話をし、なんなら妹さんたちのご主人たちも含めてみんなで話し合い、自分にも時間が欲しいと訴えてください。そういう話し合いの場を持つべきでしょう。その上での解決策ですが、デイサービスや介護施設などを利用することに持っていければいいですね。まずは時間の確保が必要です。費用は3家族で割りましょう。そして、その判断をご主人と妹さんたちにやってもらうのがいいでしょう。こうすれば、これまでのようなハードな毎日からは多少解放されるはずです。それをしなければ、奥様はずっと自分を犠牲にして生きていかないとならなくなるのです。奥様にだってご両親がいますね。自分の親の面倒もそのうち看ないとならなくなるでしょう。奥様の優しさはわかりますが、ここはご自身が死なないためにはっきりと訴えましょう。「赤ん坊は泣かないとミルクを与えてもらえない」のです。我慢せず、演技でもいいので、号泣してください。「あなたたちの親でしょ、私にだって親がいるんですから」と主張してください。【JINSEIの格言】僕が暮らすフランスでは、子どもたちが親の介護をすることはほとんどありません。親がそれを望まないからです。ましてや嫁がやることではありません。そういう国もあるんです。この連載では辻さんが恋愛から家事・育児、夫への愚痴まで、みなさんの日ごろの悩みにお答えします!お悩みは、メール(jinseinospice@gmail.com)、Twitter(女性自身連載「JINSEIのスパイス!」お悩み募集係【公式】(@jinseinospice)、またはお便り(〒112-0811 東京都文京区音羽1-16-6「女性自身」編集部宛)にて絶賛募集中。※性別と年齢を明記のうえ、お送りください。以前の連載「ムスコ飯」はこちらで写真付きレシピを毎週火曜日に更新中!
2020年07月28日2011年に当時23歳だったタレントの加藤綾菜さんと結婚した、『ザ・ドリフターズ』のメンバーである加藤茶さん。45歳差という『超・歳の差婚』は世間を驚かせました。結婚から9年が経ち、加藤茶さんは77歳に。そんな加藤茶さんを支えていくため、綾菜さんは必死に勉強をして介護試験に合格したといいます。加藤茶「めっちゃ幸せ」加藤綾菜が明かした『介護試験のエピソード』に「尊敬」の声加藤綺菜、介護の知識を深めるため介護施設で働くことを決意同年6月16日、綾菜さんがInstagramを更新。初任者研修の合格では満足せず、介護の知識を深めるために実務者研修の合格を目指すことにした心の内を明かしました。介護の基礎知識を学ぶ初任者研修からステップアップし、より実務的な知識と技術を求められる実務者研修。綾菜さんは「介護の現場に立ちたい」という思いから、介護施設で働くことにしたといいます。撮影が終わり緩和ケアの授業をうけたノートを復習。やっぱり、初任者研修(ヘルパー2級)をとったなら1級(実務者)とって知識を深めたい!自己満のためじゃなく役に立つ自分になりたいと心から思ったよ!介護の現場にも立ちたい。。。学びたい!って事で働かせてもらえる施設を探してまして。。。 見つかりました。働かせて頂ける事になりました‼️感謝です。katoayana0412ーより引用※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る 加藤綾菜(@katoayana0412)がシェアした投稿 - 2020年 6月月16日午前7時48分PDT情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)で初任者研修の合格を明かした際、「介護試験は介護職のためではなく夫のため」といっていた綾菜さん。きっと勉強しているうちに、さらに知識を深めたいという思いや、介護現場で働きたいという気持ちが強くなったのでしょう。加藤茶さんとの結婚が報じられた際は、その年の差から綾菜さんに対して心ない言葉や憶測がネットで飛び交ったこともありました。しかし、綾菜さんの加藤茶さんを想う姿に多くの人が心打たれたようです。・結婚当時は心ない言葉も多かったけど、夫のために頑張っているのが伝わってきます。・純粋にすごいと思う。尊敬するし、頑張ってほしいです。・自分は介護従事者ですが、行動力が素晴らしいと思いました。応援しています!大切な家族のためだからこそ、綾菜さんは「もっと学びたい」「頑張りたい」と思うことができるのでしょう。今後も夫婦で仲よくいてほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年06月17日病気やケガが原因で介護が必要になった場合、真っ先に思い浮かべるのは「介護保険が使えるかどうか」ではないでしょうか。まさしくそのとおりで、「介護状態になったら介護保険」というイメージで合致しています。では、医療保険では全く介護のサポートができないのかというと、そうではありません。今回は、介護保険と医療保険のそれぞれの制度の概要と、どのような場合に、どちらの保険が適用されるのかを詳しく解説していきます。介護保険とは介護保険とは、40歳以上になると加入義務のある制度です。40歳から65歳までの第2号被保険者と、65歳以上の第1号被保険者に分けられます。要支援1または2、要支援1から5までの7段階に区別され、それぞれの支援や介護の度合いによって、被保険者の負担割合が違います。介護保険が適用された場合、認定された区分に応じた介護サービスを受けることができます。要支援・要介護のそれぞれの区分に応じて、支払限度額が設定されており、それを超えた分は全額を自己負担として支払う必要があります。介護保険の被保険者介護保険の被保険者(対象となる人)は2種類に分けられます。65歳以上:第1号被保険者40歳以上65歳未満:第2号被保険者介護保険の適用条件第1号被保険者と第2号被保険者で、介護保険の適用される条件が違います。介護状態になった理由を問わず、介護状態になった場合に適用されるのは、65歳以上の「第1号被保険者」です。一方、40歳から65歳までの第2号被保険者の場合、加齢が原因とされる16種類の特定疾病が原因で介護状態になった場合のみ、介護保険が適用されます。介護保険料の支払い介護保険料は、加入している健康保険に上乗せして納付します。40歳の誕生日を迎えると、当月分から介護保険料が上乗せされた金額を納付することになります。自営業者やアルバイトの方など、国民健康保険に加入している方は、納付書(または自動引き落とし)にて支払います。会社員や公務員など社会保険加入の方は、介護保険料の上乗せされた金額を給与天引きにて支払うので、未納がなく安心です。すでに退職後で年金受給者の方は、受給する年金から、あらかじめ介護保険料を差し引いた金額が2カ月に1度振り込まれます。これを「特別徴収」といいます。申請すると、特別徴収ではなく、それぞれ納付書で介護保険料を納める「普通徴収」に変更することもできますが、万が一の未納などの恐れを考えると、特別徴収のほうが利便性は高いといえます。医療保険とは医療保険(公的健康保険制度)とは、日本国民全員が加入する義務のある制度です。「国民皆保険」という言葉で表されることもあります。医療保険は「病気やケガに対して広く保障する」という役割があります。なお、医療保険はお勤めの形態によって2種類に分けられ、加入要件などが少々違います。医療保険の概要は違いますが、どちらの医療保険に加入していても、一般的には自己負担3割で医療を受けることができます。お子さんを対象として、お住まいの地域ごとに乳幼児助成制度があります。未就学児の医療費は全額無料になる地域もあります。または、1か月の医療費上限が1000円程度で済む制度を取り入れている自治体もあります。該当する子どもの年齢も、就学前までなのか、義務教育期間中なのか、行政によって規定はさまざまです。主に2つの健康保険制度自営業者やアルバイトの方などが加入するのは「国民健康保険」です。会社員や公務員などが加入するのは「社会保険」です。その中には協会けんぽや、企業独自の健康保険組合などがあります。いずれの場合でも、ひとりに1枚「健康保険証」が発行されます。医療機関でこの健康保険証を提示すれば、かかった治療費のうち、自己負担分の3割のみを清算すればよいという決まりになっています。もうひとつの健康保険制度として、後期高齢者医療制度という制度があります。75歳以上になった方は、どなたでもこちらの健康保険制度に移行することになります。75歳以前に加入していた健康保険制度に関わらず、一律「後期高齢者医療制度」の加入者ということになります。一般的な分類でいくと、自己負担割合は1割です。ただし、現役並み所得のある75歳以上の方は、3割負担です。介護保険と医療保険の関係ここまで、介護保険と医療保険のそれぞれの概要についてまとめました。介護と医療は密接な関係にあり、混同してしまいがちですが、相互に作用する部分もあれば、全く違う部分もあります。似通ったイメージのある2つの保険ですが、2つの関係について項目別に解説していきます。[adsense_middle]併用できる?介護保険と医療保険は、基本的には併用できません。どちらかのみを利用する決まりです。何らかの理由から介護状態になった場合、介護や支援の認定が受けられれば「介護保険」の適用となり、認定が受けられない場合は「医療保険」で可能な限り介護のサポートをすることになります。末期がんなどで、医療も介護も手助けが必要であると判断された場合は、一部例外的に2つを併用できる場合もあります。介護保険が優先介護や支援の認定を受けることができ、介護保険も医療保険もどちらでも受けられる状態となった場合、その2つが併用ができないのはおわかりいただけたと思います。この場合、優先されるのは「介護保険」です。介護や支援の認定を受けたということは、その区分に応じたサポートが必要であるということです。介護保険と医療保険のそれぞれの概要でも説明しましたが、医療はケガや病気の治癒と目的としていて、介護だけに特化しているわけではありません。つまり、介護や支援に認定を受けたのであれば、介護保険を使ったほうがよりよいサポートが受けられるということです。適用範囲の違い似ているようで違う部分も持ち合わせている2つの保険ですが、まず全く違うのは「適用範囲」です。根本的に、介護保険が適用されるのは「介護認定を受けてから」です。そもそも40歳以下の場合であるなど、介護認定を受けることができなければ、介護保険を使うことはできません。一方、医療保険は、国民健康保険または社会保険のいずれかの健康保険証を持っていれば、かかる医療機関にその保険証を提示することで、必要な医療を受けることができます。介護認定の有無は関係ありません。介護保険でできること介護保険は、介護だけのために使うことができます。病気やケガによって介護状態になった場合、行政から要支援や要介護の認定を受けます。その認定された区分の範囲内で、介護サービスを受けることができます(介護サービスについてはこの後詳しくまとめます)。ただし【介護保険の適用条件】でも書きましたが、40歳から65歳までの第2号被保険者では、16種類の特定疾病が原因で介護状態になった場合のみ、介護保険の適用を受けることができます。介護保険の第2号被保険者で、この16種類が原因ではなく介護状態になった場合や、脳疾患や交通事故などが原因で、40歳未満で介護状態になった場合は、介護保険の適用がありません。医療保険でできること医療保険は、保険証さえ提示すれば、誰でも医療機関を3割負担で利用することができます(後期高齢者制度や、市町村の乳幼児医療費助成などを除く)。介護保険と違って、何かしらの認定を受けなければ医療保険を使えない、ということもありません。なおかつ、医療保険は国民全員が加入義務のある制度なので、医療機関にかかる理由・原因を問わず、どなたでも必要な医療を全国の医療機関で平等に受けることができます。2つの違い介護保険は「介護認定を受けなければ使えない」医療保険は「保険証を提示すれば誰でも使うことができる」対象となる介護サービスの違い医療保険と介護保険が併用できないことはおわかりいただけたかと思います。では医療保険、介護保険、それぞれで受けられる介護サービスとは何があるのでしょうか。ここからは、医療保険、介護保険それぞれの概要をご紹介します。介護サービスの中でも、今回は主に、在宅のままで受ける訪問サービスについてまとめます。訪問サービスには「訪問看護」と「訪問介護」の2つがあります。これまでに解説したとおり、「看護(医療)」と「介護」は似ていますが実は全く違います。「訪問看護」とは在宅で医療行為を行うことで、「訪問介護」とは介護サービスを行うことです。[adsense_middle]医療保険における訪問サービス医療保険で訪問サービスを受けるには【医師が必要と認めた範囲内】という条件が付きます。医療保険の根本的な考え方は【必要な医療行為を受けること】ですので、それに則って行われることになります。医療保険による介護サービスの場合は、看護師や保健師などの看護に携わる専門職の方が行います。訪問看護の場合では、主に血圧や脈拍など健康状態の把握から始まり、点滴や注射など、医師の指示に基づいた処置が行われます。要支援・要介護認定を判断する役割も看護師や保健師など、看護の専門職の方が訪問看護を行うもう1つの役割は、医療保険ではなく介護保険に切り替えたほうがよいのではないか?という点を判断することです。簡単にいうと、看護職の方の訪問看護を通じて、要支援や要介護の認定をする際の判断基準となるということです。最初は医療保険上の訪問看護のみでよかった方でも、状態によっては後に支援や介護が必要となることも十分ありえます。その判断の1つとして、専門職の方による訪問看護は大切な役割を担っているということです。介護保険の訪問サービス介護保険における訪問サービスは、言語聴覚士や作業療法士、理学療法士などのリハビリを専門に行う専門職の方や、訪問介護専門のヘルパーさんなどが行います。ここで一番の注意点は、【介護では看護はできない】ということです。ヘルパーさんは医療行為はできません。訪問介護での在宅サービスの一例としては、入浴の介助や食事の手伝いなど、主に日常生活のサポートをすることがメインです。介護サービスの一環として、自宅のリフォーム費用も対象となる場合があります。介護のために必要とされるリフォームを実施した場合や、必要な介護用品のレンタルも認められる場合があります。これらのサービスを利用する前に、リフォーム業者や介護用品レンタルショップに、あらかじめ訊ねておくことをおすすめします。いずれも現金の給付はない介護保険と医療保険、どちらのサービスを受けることになっても、現金での給付はありません。介護は長期化する場合がほとんどです。そのリスクに備えて、民間の生命保険会社が販売している介護保険(介護特約)などで費用を準備しておくと安心です。民間の介護保険も、所定の介護認定を受けたら「一時金」として給付を受けられるものから、一定期間あるいは一生涯に渡って「年金形式」で介護年金を給付するものなど、いろいろな商品があります。公的な介護保険と併用することを前提に、介護費用の準備として検討してみるのもおすすめです。判断に迷うときは医療保険と介護保険、どちらをどのように利用したらよいのか、なかなかわかりづらい場合もあるかと思います。特に医療的な判断というのは、医療や介護に携わる方ではない限り判断に迷うのも当然です。適用されるのが医療保険か介護保険か、よくわからない場合には、お住まいの地域の医療や介護に関する相談窓口に尋ねてみましょう。また、かかりつけの医療機関がある場合は、医療機関内に相談窓口が併設されている場合もあります(大きい病院ではほとんどが相談窓口があります)。ご自身やご家族だけで抱え込むのではなく、早めに然るべき相談機関に相談し、先々の対策を取っていくようにすると安心できます。介護保険と医療保険・まとめ介護保険と医療保険は、一見すると似ている制度です。どちらも加入義務がありますが、介護保険は利用するのに一定の条件があり、医療保険は保険証さえあれば誰でも使うことができます。今回はこの2つの違いと、同時に併用できない場合がほとんどであるということを、少しでもご理解いただければ幸いです。似ている制度とはいえ「介護は介護」「医療は医療」それぞれ専門の役割があります。然るべき医療サービス、介護サービスを受けることができるよう、基礎知識だけは覚えておくときっと役に立つでしょう。
2020年06月16日今回のテーマは「介護保険」です。介護保険といっても、40歳以上になると加入義務のある、行政が主体の「介護保険」ではなく、生命保険会社が販売している民間の介護保険について、制度の内容から加入要件についてまとめていきます。本記事をご覧になっている方ご自身にすぐに直結する内容ではないかもしれませんが、親御様など身近な方のためにも知っておくと役に立つ内容です。民間介護保険の仕組み民間介護保険の仕組みは、公的介護保険制度とは違って、保険会社が定めた所定の介護状態になった場合に、保険金として現金が給付されます。公的介護保険制度では、現金給付ではなく介護サービスの提供がメインです。その大きな違いを把握しておくと、これから民間の介護保険について解説を進めるにあたって、整理がしやすくなります。参考・公的介護保険制度とは公的介護保険制度とは、40歳になったら必ず加入しなければならない制度です。保険料の徴収方法は、国民健康保険加入の方は、毎月の保険料に上乗せされて納付します。会社員などで社会保険加入の方は、毎月給与天引きで自動的に納付しています。要支援・要介護合わせて7段階に分けられており、それぞれの段階に応じた介護サービスの提供を行政から受けられることになっています。民間の介護保険の内容現在、国内の生命保険会社のほとんどで介護保険を販売しています(介護特約も含む)。昭和の時代ごろまでは、医療保険と死亡保険、せいぜいがん保険が販売されている程度でしたが、平成に入り、平均寿命も毎年伸びていることから「長寿化」へのリスク対策として「介護保険」が注目されるようになりました。もちろん加入している医療保険でも、補うことができる部分もあるでしょう。しかし、介護には介護の、より充実した保障内容があるほうが安心ですよね。現在販売されている商品の主な概要について、これからご紹介します。公的介護保険に連動している介護保険に加入している方が、その保険から給付を受ける場合に、ひとつの目安となるのが「公的介護保険の認定」です。たとえば、保険会社が独自で定めた介護状態にならなければ給付金がもらえないのでは、少々わかりにくさが残ります。一方、近年販売されている介護保険では、給付の対象が「公的介護保険における要介護2以上で給付金をお支払い」など、公的介護保険で一定の基準以上の認定を受ければ、給付金がもらえるというわかりやすい仕組みになっています。給付金が受けられる所定の要支援・要介護状態は、保険会社・保険商品によって基準が違いますので、ご加入の際にはあらかじめ調べておきましょう。要介護・要支援認定だけでなく、公的介護保険の介護サービスを利用したら給付金が支払われるタイプの介護保険もあります。一時金として給付される場合もある保険会社によっては、所定の要介護状態になった後、一生涯に渡って年金形式で一定の金額を支払う商品も販売されています。また、介護保険として別に加入していなくても、ベースは医療保険で、介護に関する特約を付加することで、一時金としてまとまった金額の給付金を受け取ることができる商品もあります。介護保険単体で加入するよりも、特約で付加する場合のほうが保険料が安い場合もあります。ぜひ見積もりを作成してみて、ご自身のニーズにより近いものへの加入を検討しましょう。介護保険の主な種類一般的な民間介護保険の商品の中には、大きく2種類があります。保険期間や保険料に、それぞれ正反対の特徴を持っています。介護に対する考え方や、必要としている保障内容によって使い分けをされるとよいでしょう。貯蓄型(終身)介護保障が一生涯続くタイプの介護保険は、終身型であることがほとんどです。終身型とは、一般的に貯蓄性が高いので、掛け捨ての定期型保険よりも保険料が割高です。しかし、終身型で貯蓄性の高い介護保険に加入するメリットとしては、「保障は一生涯」「保障に代えて年金としても受取可能」などがあります。特に「年金として受取可能」という点は、貯蓄型が人気であるポイントです。介護状態に該当しなくても、まとまった額の死亡保障として遺族へ遺すこともできます。さらに、ご本人の生前に、解約してまとまった資金として使うこともできます。貯蓄性の高い介護保険では、介護状態に該当しない場合の使い道もあり、より自在性に富んでいます。掛け捨て型(定期)一定期間の介護保障を目的とした定期タイプの介護保険は、いわゆる「掛け捨て」ですので保険料が安価で済みます。前述した「終身型」とは正反対の特徴を持つ掛け捨ての介護保険は、貯蓄性がほぼない、または少しだけ解約金が戻る性質を持っています。高い保障が欲しい場合でも、保険料が割安なので、使い方によっては非常に合理的です。預貯金やほかの生命保険商品で十分な備えをお持ちの方は、それらに掛け捨ての介護保障を上乗せをするイメージで加入を検討してもよいでしょう。民間介護保険の加入条件民間の介護保険に関しては、加入条件は特にほかの生命保険と変わりがありません。既往症がなく、加入時にありのままを告知し、保険会社所定の加入条件を満たしていれば、介護保険に加入できます。ただし、すでに介護状態である場合や、認知症であるなど、そもそも加入できない場合もあります。民間介護保険・加入のピーク公益財団法人・生命保険文化センターの取りまとめたデータによると、介護保険(特約も含む)の加入率は50代がピークだということです(平成30年度生命保険に関する全国実態調査・民保の特定の機能を持つ生命保険や特約の加入状況・参照)。50代というと、一般的には子育てがひと段落し、定年を前に、老後ご自身の生活について立ち止まって考える時期でもあります。実際に、親御さんの介護が始まるのも50代くらいが多いと推定されます。そのような環境の変化から、50代が介護保険(特約)の加入のピークであると推測されます。[adsense_middle]比較・検討のポイントこれまで、民間の生命保険会社による介護保険(特約)について、制度の内容や仕組みについてまとめてきました。ここからは、実際に加入しようとする際の目安となるポイントについて、いくつかご紹介します。①受取方法の違いまずポイントとなるのは「介護保険の給付金を、どのような受け取り方でもらいたいか」という点です。受け取り方法は、以下の3パターンがあります。【一時金】所定の介護状態に該当したら「一時金」としてまとまった金額の給付を希望する【年金形式】介護状態になったら、その後の長期間に渡って「年金形式」で年に一度受け取りを希望する【一時金+年金形式】最初は「一時金」として大きな金額を、その後は年金形式で、少しの額でも長期間受け取りたい一時金民間の介護保険に加入した場合、一番シンプルでわかりやすいのは「一時金で受け取る」内容の商品です。保険会社が定めた条件に該当すれば、加入時に設定した金額を「一時金」として一括でまとまって支払われます。デメリットとして考えられるのは、介護が長引いた場合に、最初に一時金で受け取った給付金が足りなくなる場合があるという点です。年金形式年金形式で介護保険を受け取る保険商品は、長引く介護生活の支えになります。ただし、年金形式での受け取りを希望する場合、一時金受取タイプよりも保険料が割高の場合がほとんどです。加入年齢と保険料のバランスを見て検討してもよいですね。一時金+年金形式とても合理的な受け取り方法は「一時金+年金形式」です。介護保険を請求した際に、まずは「一時金」としてある程度まとまった給付金を受け取ります。その後、毎年一定額(加入時に設定した年金額)を生涯に渡って受け取ります。とても理想的で、安心できる受け取り方法ですが、3パターンの中で一番保険料が割高です。例えば独身の方で、万が一老後にご自身の介護のお手伝いをしてくださる方がいらっしゃらない場合などは、このような安心できる保険で備えるとよいでしょう。②加入するタイミング先にも書きましたが、介護保険の加入年齢のピークは50代です。50代になって、ご自身やご家族の介護に触れることでリスクに直面し、介護保険に加入する方が多いようです。公的介護保険制度では、40歳以上になると公的介護保険の第2号被保険者となります。主に加齢が原因の16種類の特定疾病が原因で介護状態になったと認定されれば、公的介護保険制度から介護サービスを受けることができます。ただし、介護状態になるリスクは40歳から突然増えるというわけではなく、例えば脳卒中の後遺症などで40歳以下でも介護状態になるリスクもあります。ご自身の現在の環境などを踏まえ、いつごろから備えたほうがよいか検討してみましょう。介護保険だけでなく、生命保険の保険料は「若ければ若いほど安価で加入できる」システムです。本当に介護のリスクが迫ったときに加入しても、保険料が高くて加入を断念することがないよう、早めに検討することをオススメします。民間介護保険・まとめ公的介護保険制度が適用となるのは、40歳以降です。しかし実際は、40歳から65歳が含まれる第2号被保険者では、16種類の特定疾病に該当しなければ介護保険制度を利用することができません。若年層でも、脳疾患、心疾患の後遺症などで介護状態になるリスクはあります。生命保険の本来の意義どおり「リスクに備える」としたら、より若いうちから、安価な掛け捨て型でもよいので、介護に対する備えはスタートしておいたほうがよいのではないかと考えます。また、民間介護保険を選ぶポイントとして、保険金受取の方法があります。3パターンのうち、ご自身のニーズにより近い方法はどれなのか検討してみるとよいでしょう。
2020年06月15日「公的介護保険は本来、あまねく提供される社会保障として『平等に受けられる』というのが基本的な考えのはずです。医療は、保険証があればだれでも受診できますが、介護保険サービスは、要支援や要介護に認定されなければ利用できません。公的サービスを受けるための大事な“入り口”である介護認定に、大きな地域差が出るのは、望ましいことではないと思います」厚生労働省のデータをもとに編集部が作成した介護認定率の全国ランキング(※)を見て、こう分析するのは、介護施設のコンサルタントを請け負う「スターパートナーズ」代表の齋藤直路さんだ。介護度は、要支援1〜2、要介護1〜5の7段階に分けられており、それぞれ利用できるサービス内容や利用上限額が変わってくる。ランキングは都道府県別に65歳以上の高齢者に占める要支援・要介護者数の割合で介護認定率を算出した。上位3県と下位3県は次のとおり。■上位3県【1位】和歌山県/介護認定率:21.8%【2位】大阪府/介護認定率:21.7%【3位】愛媛県/介護認定率:20.8%■下位3県【45位】山梨県/介護認定率:15.7%【46位】茨城県/介護認定率:15.4%【47位】埼玉県/介護認定率:15.3%その結果、介護認定率がもっとも高い和歌山県と、最も低い埼玉県では6.5%、約1.4倍もの地域差が生じる結果となった。介護保険がスタートして20年。当初、自己負担分も含めた介護にかかる総費用は3.6兆円だったが、高齢化が進んで現在は10兆円以上に。介護財政はひっ迫している。「財務省からは、要支援1〜2は訪問介護や通所介護サービスを保険給付の対象外にする案も出されています。来年の法改正では見送られる公算が大きいですが、全国的に介護の費用を少なくするため、認定の抑制は始まっています」(齋藤さん・以下同)そのきっかけの一つとみられるのが、介護認定率がいちばん低い埼玉県の和光市での取り組みだ。「和光市は高齢化率がまだ高くなかった’03年ごろから介護財源が枯渇する将来を見据え、認知症カフェ等の交流の場や健康促進サービスを整え、介護が必要な高齢者を減らす“和光モデル”を始めました。介護財政の負担を軽くするために、予防に力を入れて認定率を下げるという理想的な試みですが、一方で“認定率を下げれば、財政負担が軽くなる”と、短絡的な捉え方もされるように。中心となった職員が厚労省に出向したこともあり、全国的な“認定抑制”の流れができたと感じています」広がる“認定抑止”の流れ。齋藤さんは、今後もこうした流れは強まると予想する。「’18年度から都道府県や市区町村ごとに、介護予防への取り組みを61の項目から点数評価し、点数が高い地域に交付金が分配されるようになりました。要介護状態の“維持”や“改善”も、評価基準となっています」つまり介護認定率が低く、給付費が少ないほど交付金がもらいやすい仕組みになっているのだ。その効果なのか、制度開始前の4年間はほぼ横ばいだった数字にも変化があらわれており、要支援1で“1年後に介護度が上がった人の割合”は約36%から約24%と、10%以上も低下。要支援2の場合も約25%から約17%と8%ほど下がり、どちらも“介護度が維持される人の割合”は増えている。交付金制度の開始を境に“健康維持”ができている人が増えるという不可解な現象が起きているのだ。「’18年度には、地域支援総合事業といって、より介護予防に力を入れる事業も始まっています。軽症者の介護度が上がるケースがかなり減っているのは、もちろん地域でリハビリ等の取り組みの成果もあるでしょうが、効果が出るまでには時間もかかるため、ほかにも要因がある可能性はあります」交付金の予算は、’20年度には200億円から400億円に倍増されており、“介護度が上がりづらい”傾向は強まる可能性がある。適切な認定を受けるためにはどうしたらいいのか。「審議会の際、大きな影響力を持つのが医師の意見書です。たとえ一次判定が現実の介護の必要度にそぐわなくても、意見書によって個々の事情が反映されます。介護を受ける人の状況をよく知った、信頼できる医師を見つけて、相談してみてください。また認定された介護度が実際と見合わない場合、ケアマネジャーと相談し、ときには地域によって設けられている特例を利用することも、自衛のための重要な要素といえます」※厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)令和2年1月分」をもとに作成。介護認定率は内閣府「要介護(要支援)認定率の地域差要因に関する分析」での計算方法を参考に、要支援1〜2と要介護1〜5の総数を第1次保険者数(65歳以上の人口)で割って算出。「女性自身」2020年5月26日号 掲載
2020年05月21日