いじめ、激太り、セミヌードと、これまで決して平坦ではない道のりを歩んできた元グラドルの筆者・小坂。さまざまな経験を経て、本当にやりたいことは、保育園を作ることだとわかる。そこで、ほかにはない特徴をと考えたのが「地域の人々が気軽に遊びに来て園児と交流できる園」だったが……。文・小阪有花【グラドルから保育園へ】vol. 78多くの人に園へ遊びに来てもらいたい地域型保育園といっても、知らない人がゾロゾロと入ってくる保育園では、安全性に欠けてしまう。近所の方々とコミュニケーションを深めて遊びに来てもらうのが理想だが、開園早々では、それが現実しないことくらい理解している。しかし、他者との交流を楽しめる保育園というコンセプトは、初日からアピールしたかった。なので、少なくとも自分が関わっている間は、自分のまわりにいる人たちを保育園に呼ぶことで、活気あふれる場所であることを印象づけることにした。少し話は飛ぶが、実際私が作った保育園での出来事について話そうと思う。この取り組みを行い思ったことは、ひとりひとりに声をかけ遊びに来てくれるよう呼び込むことは簡単な話ではないということ。しかし、それでもいろんな職種の方が遊びに来てくれて、子どもたちが喜び、来てくれた方々も、「素直さに癒された」と微笑みながら帰っていく姿は、毎回目頭を熱くさせるものがあったことを今でもよく覚えている。地域交流の大切さを実感したできごと保育園の場所は、千葉だったため、都内在住の方などはすぐにパッとこれる場所でもなかったが、みんな気持ちよく遊びに来てくれて、交通費を渡しても受け取る人は誰ひとりいなかった。子どもと遊べて楽しかった!と笑顔で帰っていく姿は、私たちも嬉しい気持ちになった。一番印象的だったのが、精神科医のお医者さんが遊びにきたときに、突然園児が熱性痙攣を起こし、すぐに対処してくれたことだ。私たちも対処はしたが、みな不安と隣り合わせだったに違いなく、たまたまお医者さんがいてくれたおかげで、とても心強かった。救急車が来る間、適切な処理をしてくれて、保護者からも本当に感謝された。さまざまな出来事が、保育園と地域合流は必要なものだということを教えてくれた。この気づきや経験は子どもの仕事をしている以上絶対に忘れてはいけないものになった。いろいろな方々に支えられ作られた保育園。そんな園を私と共に作ってくれたのは、保育とは全く関係のない企業だった。こさかゆか/保育園プロデューサーリバイバルミーティング代表。チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター資格習得。 2004年ミスマガジングランプリを獲得し芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍後、2009年に引退。現在は子どもの心スペシャリストとして活動中。(C)ulkas/Gettyimages
2017年10月26日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「自殺予防週間」です。日本は自殺大国。9 月はとくに注意月間なんです。9月10日は世界自殺予防デー。それにちなんで、日本では9月10日~16日を自殺予防週間に定めています。期や年度の替わる3月と9月は、自殺する人が多いのですが、18歳以下に限ると9月1日が突出して自殺者が多いんです。1972年~2013年に自殺した18歳以下の子どもの数は1万8048人。平均すると1日約50人ですが、9月1日に自殺した数は131人で平均の2.6倍にものぼります。また、9月2日は4番目、8月31日は5番目に多く、夏休み明けのプレッシャーが精神を不安定にさせるようです。いじめ問題もありますが、学校に行かせようとする親の期待に応えられないことから、自分を責め、存在意義を見失い、自殺に至るケースも少なくありません。自殺者数が把握できる世界90か国で、人口10万人あたりの自殺者数を比べてみると、日本はワースト6位。女性に限ればワースト3位に入っています。それほど、日本は自殺大国なんですね。厚生労働省の自殺対策白書によれば、平成10年以降、14年間連続で3万人を超えていた自殺者の数が、平成24年には2万人台にとどまり、日本全体で見れば、減少方向にはあります。しかし、問題は10代後半~30代の若年層の自殺者が増えていること。平成27年の15歳~39歳の死因のトップは「自殺」だったんですね。自殺の原因はいくつもの要因が複雑に絡んでおり、特定はできませんが、遺書などから推測すると、「うつ病などを含む健康不安」「経済、生活面の不安」「家庭問題」「勤務問題」などが上位に挙がっています。政府はこの現状を重く受け止め、平成18年に「自殺対策基本法」を制定し、国を挙げて自殺防止に取り組もうとしています。NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」では、借金やいじめ、人間関係など、トラブル別の電話相談窓口を紹介しています。いつなんどき、あなたやお友達が崖っぷちに追い込まれるかわかりません。ぜひ元気なうちにウェブサイトを覗いてみてください。学校でも会社でも、命を落としてまで、通わなければいけない場所はどこにもありません。無理をせずに逃げてほしいと思います。ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2017年9月13日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2017年09月08日2015年に内閣府が発表した「自殺対策白書」によると、9月1日前後に子どもの自殺率が年間で一番多く、これは「9月1日問題」として社会的に認知されてきている。(参照元:日本経済新聞)9月1日は一般的に2学期目が始まる日。学校に行きたくないがないために自殺する子どもが多いと考えられている。学校にそこまでして行きたくない子どもがいるかと思うと胸が痛む。学校に行くよりも命の方が大切なことはわかりきっているが、そんな単純な話ではないのだろう。
2017年08月31日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。ネットを使う子どもが多いため、親にとって「依存」や「ネットいじめ」がないかと不安になってしまうことがあるでしょう。今回は、“ネットいじめ”にスポットを当てて、 現状や予防対策、いじめ発覚後に子どもをどのようにして守るかなど、さまざまな角度から見ていきたいと思います。●ネットいじめがないか、こまめなチェックが予防策インターネットに接続できるような機器(スマホやタブレット、ゲーム機器など)を使わせる時点で、親は定期的なチェックが必要です。どんなアプリを使っているのか、どんなサイトを閲覧しているのかなどを定期的にチェックすることが、“ネットいじめ”などの危険物に対する早期発見につながります。文部科学省や自治体にある“いじめ問題対策協議会”やNTTなどの企業が冊子を作っていて、学校で定期的に配布を行い、ネットの使い方のルールやいじめなどに関する学習会も頻繁に行っています。それでも、言葉・画像などを使っての“ネットいじめ”は起こっています。中には、匿名という“隠れみの”を着て、凶器となる言葉を放っている場合がかなりあります。また、ふざけ半分、遊びのつもりという気持ちで、人を傷つけてしまっていることがあることに気がついていないことも往々にしてあります。このようにわが子が加害者となっている場合もある のです。そのための家族ルールの設定、チェックなのです。これらは、子どもを被害者にも加害者にもさせない予防策として、ルール決めのときに子どもに話すことをおすすめします。●ネットいじめの被害者となっていたらネットいじめを発見したり、お子さんから訴えがあったりしたら、親はすぐに現状を確認します。親も子もすぐに消したい気持ちになるでしょう。しかし、消してしまう前に証拠を確保します。投稿やメールなどを印刷したり、写真を撮ったりしておきましょう。「いつ」「どこのサイトに」「どのように」がわかるようにしておくことで証拠となります。学校へ相談する場合も証拠があった方が有利 です。ネットいじめのことは、できるだけ早い段階で下記の相談窓口を利用することをおすすめします。【相談窓口】・いじめ問題などの相談窓口(文部科学省/24時間子供SOSダイヤル/子ども・親対象)0120-0-78310・インターネット上の悪口、無断掲載などの相談窓口(法務局・地方法務局)0120-007-110(平日8時30分~17時15分)※法務局では投稿の削除などに力を貸してくれます。・生活の安全や不安に関する相談窓口(最寄りの警察署・警察相談専用電話/子ども・親対象)#9110学校へ相談するという選択肢もありますが、投稿の削除などを求めることや、犯罪に関わることになるかなどを相談するという選択肢もあることを知っておくのは、親として必須です。●傷ついている子どもにできることネットの投稿を見た日から、子どもは傷つき、クラスメイトや友達を信用できなくなってしまうでしょう。恐怖さえ感じている状態かもしれません。そんなときに、親が励まし過ぎると、親自身が冷静さを失っていることを悟られ、思春期の心も相まって反抗したり、部屋にこもって親の言うことに耳を傾けなくなったりすることも考えられます。まず、親が冷静になること が最初です。子どもが傷つけられたら黙っていられないのはわかります。でも、子どもに接するときは、親が冷静さを持っていないと子どもは安心することができなくなってしまいます(子どもも冷静ではないので)。子どもに伝えることはたくさんありますが、大切なのは次の通りです。・親は子どもの味方であること・子どもの人格や個性を認めてあげること・「気持ちが落ち着くまで家でゆっくりしてもいい」など居場所を確保してあげること・愛情を持って接すること(甘やかすのとは違います)子どもが深く傷ついていると、学校へ行けない状況になることも多々あります。そのようなときは、自宅での学習など家でできることを明確にして、自宅でゆっくり心を休めるようにしてあげましょう。●おわりにネットいじめは、言葉や画像を直接目にしますし、拡散して多くの人の目に入るものですから、精神的にまいってしまいます。そこから救ってあげられるのは、親であり情報を持っている大人です。子どもを加害者にも被害者にもしないように、悪いことはしっかりと教え、守ってあげてほしいと思います。【参考リンク】・スマホ時代のキミたちへ(2017年版) | 文部科学省()●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/REIKO(SORAくん、UTAくん)
2017年08月16日「息子は職場の上司に4カ月も無視され、いじめられ、悩みに悩んで自殺しました。それなのに東電は無視があったことを隠そうとしています。誠意の欠片もない態度は許すことができません」 芦澤拓磨さん(当時19歳)の遺影を前に悲痛な面持ちでそう話すのは、父親の明さん(58)。 東京電力山梨支店の社員だった拓磨さんは、2011年6月に自ら命を絶った。 母親のひとみさん(55)も涙ぐみながらこう語る。 「6月に7回忌を終えましたが、いまだに拓磨が死んだことを受け入れられません。そのうち玄関のドアを開けて帰ってくるんじゃないかと……」 高卒後入社2年目で未成年だった拓磨さん。遺書には、自分の教育係だった直属の上司から突然、無視されるようになり、つらい日々が続いたことが綴られている。 《無視されてから本当に辛い日々を送ってきました。無視されたから死ぬなんて馬鹿らしいと思う方もいらっしゃると思います。しかし、私には耐え難い苦痛でした》 拓磨さんは二人にとって自慢の息子。ひとみさんが言う。 「明るくて優しい子でした。いつも冗談を言って家族のみんなを笑わせ、肩が凝りがちの私にはよくマッサージをしてくれました。決して人の悪口を言わないから友達も多く、みんなのなかでリーダーシップを取れる子でした」 中学では生徒会副会長と卓球部の部長。高校ではクラス委員長、情報システム部の部長に。テストの成績は2番。空手は2段の腕前だった。 父の明さんが東電社員だったことから、自分も東電で働くことを夢見て地元の工業高校の電気科を志望。卒業後、念願かなって東電に入社した。 半年間の社内研修の後、9月から山梨支店大月支社の駒橋制御所に配属され、水力発電設備のメンテナンスを担当。拓磨さんの職場では、年代の近い先輩社員が新人の教育係になる。それが11歳年上の男性社員、A氏(36)だった。 「はじめは拓磨にとてもよくしてくれました。誕生日には食事をご馳走してくれ、休日になると一緒にスポーツジムやカーディーラー巡りをする。元日には初日の出を見に、露天風呂に出かけるほどの仲でした」(ひとみさん) ところが、’11年の2月頃になると、拓磨さんはA氏と出かけなくなった。 「週末の半日は必ずと言っていいほど一緒にいたので、おかしいと思って息子に聞くと『先輩の奥さんに赤ちゃんが出来た』と。私はそれを生まれたと勘違いして、忙しくなるのも当然だと思い、納得しました。ですが実際は、このころからA氏による無視が始まっていたのです」(ひとみさん) 拓磨さんは、自分がA氏から無視されている理由がはっきりわからずに。思い悩んでいた。自身のブログからその様子が浮かび上がる。 《2月23日、良くしてくれた人の態度が180度変わるってのは、本当に辛いね。会社行くのが辛すぎるでしょ??汗、鬱になりそ……》 《4月20日、俺はあの人に芽を摘まれたらしい。2人目なんだってさ。突然シカトじゃ、何が悪いのかわからない。同期の中で劣ってたら摘むのか……。会社を辞めるか・・・人生を辞めるか……》 心配をかけたくなかったのか、無視されていた事実を家族に打ち明けることはなかったが、異変はあったという。 「急に暴飲暴食をしたり、押し入れに頭を突っ込んで寝たりなどの変な行動を始めたのです。いま思えば、そうやってストレスを解消していたとしか思えません。主人に、『自分はこの会社に向いてない』とポロっとこぼしたこともありました」(ひとみさん) A氏による無視は、拓磨さんと会話をしなかったことだけではない。拓磨さんのブログや芦澤さんが入手した東電の内部向けの調査報告書によると、班の人間が現場に出ているのに一人だけ現場作業に連れていかれず、事務所に置いてきぼりにされたりしたことがなんどかあった。 拓磨さんの高校の同級生や同期入社の現役東電社員も、「A氏が話をしてくれない。自分だけがお菓子を配ってもらえなかった 」と聞かされていた。 その後、拓磨さんのブログの内容は深刻さを増していく。 《5月11日、誰が俺を嫌っているのかわからない。何が原因かわからない。以前のような優しく、面白い人に戻ってくれるのなら土下座だってする》 《6月10日、毎日辛い。朝、彼が出勤すると背筋が凍る。隣りに居ると緊張する》 書き込みはこの10日が最後だった。翌日の土曜日、拓磨さんは家族が自宅を留守にしている間に車で出かけ、家へ戻ることはなかった。 「心当たりを探しても見つからず携帯電話も数日間つながらないため、13日の夜に捜索願を出しました。行方不明になってから5日後、連れて行ったことのあるテニスコート へ探しに行くと拓磨の車が停めてあり、裏手の山林で首を吊っている姿が発見されたのです」(明さん) 外傷や服装の乱れもないことから警察は自殺と断定。発見時の拓磨さんの耳には、イヤホンが装着されていた。「ケツメイシの『こだま』という曲を聴いていたんです。『ぼくは笑いたい』というような歌詞で始まるこの曲を、自分に重ね合わせていたのでしょうか。明るくて人に好かれる拓磨が自ら死を選ぶなんて思いもしませんでした。母親として、子供が死ぬほど辛かったことに気づいてあげられなかったことが何より悔やまれて……」(ひとみさん) 19歳の青年を苦しめることになったA氏による無視。厚生労働省によると、無視、隔離、仲間外しなどはパワーハラスメントに当てはまる事例として定義されている。A氏はなぜ拓磨さんにそのような行為を働いたのだろうか。 「拓磨が遺言で推測していることがあります。それはA氏から指示された課題をパソコンソフトで作成したところ、出来栄えがよくなかった。そのため照れ隠しに『計算式をつくり、遊びました』と答えたことが、A氏の逆鱗に触れたのではないかというのです。しかしそれが本当なら、その場で拓磨を叱責すればいいこと。4カ月にわたる無視は尋常ではありません」(明さん) (取材・文・撮影/桐島瞬) 後編へつづく→
2017年08月05日中央がオスカー(写真:Album/アフロ) 『ゴーストバスターズ2』(1989)で、シガニー・ウィーバー演じるデイナの息子オスカー役を務めたヘンリー・“ハンク”・デュッセンドルフが6月14日に自殺していたことがわかった。 「オスカー」にピンと来なくとも、大魔王ヴィーゴを復活させるための依り代として誘拐されてしまう赤ちゃん、と聞けば思い出す人も多いのではないだろうか。劇中では幼児の長時間撮影を避けるため、ヘンリーとウィリアムの双子が交互に登場していた。 28歳で兄弟を失ったウィリアムによると、ヘンリーは2008年から双極性障害と統合失調症を併発した統合失調感情障害を患っていたという。幻覚、抑うつ、躁状態に日々苦しみながらも、双子で格闘技スクールを経営していた。当局は死因を自殺と断定している。
2017年06月22日17日に52歳で死去したクリス・コーネルの死因が自殺であることが明らかになった。ロックバンド・サウンドガーデンやオーディオスレイヴのボーカルとして活躍したクリスが、ミシガン州デトロイトのMGMグランド・ホテルの一室で首を吊って死に至ったと検視局が発表した。ウェイン郡検視局は18日に声明を出し、「死因は縊死自殺であることが判明しました。検視報告はまだ完成していない状況です。現在のところ、これ以上の情報はございません」と発表した。死の数時間前には、クリスはサウンドガーデンのツアーの一環でフォックス・シアターでの満員御礼のコンサートでパフォーマンスを行っており、クリスの死は「突然で予期せぬ」死だったようだ。さらに、クリスはニューアルバムにも取り掛かっていたところだったと、ギターのキム・セイルがクリスの死の直前にビルボードに明かしていたばかりだった。「ここ数年、ちょこちょこ曲作りのセッションをしてたんだ。4人全員がみんな都合のついて集まる時期を調整してさ。お互いそれぞれがやってきたこと、自分で書いたものを見せ合って、このプロセスから何かできるかっていうのをみるためにね」(C)BANG Media International
2017年05月20日子ども同士のケンカの原因はさまざまですが、親のふとした発言がきっかけになることもありえます。子ども同士のけんかに発達したり、さらに意図せずしていじめっこにしないためにも、気をつけたいフレーズを実例とともに紹介します。■教材費タダでうらやましい「子どもとスーパーへ行ったとき、たまたまママ友Cさんに会いました。野菜が高くて大変よね、という話から家計が厳しいなど、よくある世間話に。そのときに『母子家庭は教材費とかタダでうらやましいわ~』なんて不用意な発言をしてしまって…。それを子どもが聞いていて、Cさんの子に『お金がかからなくていいね』と言っちゃったらしいんです。先生から聞いて、相手の家へ謝りに行きました」(31歳・小学1年生のママ)子どもは言葉の意味もわからずに、ただ聞いたことをストレートに伝えてしまうことがあります。しかし、それで誰かを傷つけてしまうのは避けたいですよね。さらにママ自身もその言葉に悪気がなかったとしても、相手を不快にさせ、さらに偏見を持っていると、とらえられるかもしれません。さいわい、このことはいじめには発展しなかったそうです。でも、私の友だちのシングルマザーも同様の経験をしたことがあるそう。そのときは子どもがからかわれてしまい、「つらい思いをさせてしまった」と悲しげに話してくれました。■あのマンション、お金持ちばかりでしょ「近所に大きな新築マンションができたとき、ママ友とも話題になりました。チラシによれば設備も最新で、高収入じゃないと住めないような価格。お茶会でも『あのマンション、かなり高級だからお金持ちばかりでしょ』なんて、うらやましがっていました。それを聞いた息子が、学校で『Aくんはお金持ちなんだよ!』と言いふらしたそうです。そのひと言でクラスの中でちょっとした騒ぎに。息子のクラスに、そのマンションへ引っ越してきた子がいたなんて知りませんでした」(32歳・小学4年生のママ)今回のケースでは、「お金持ちなのに、普通の鉛筆なんか使ってる~」とからかわれたり、「こんな遊びはお金持ちにはつまらないでしょ」と避けられたりしたそうです。テレビや雑誌などで豪邸を見れば「あんな家に住みたい」、セレブの生活を見て「お金があってうらやましい」と思う…。それは不思議なことではないのですが、お金持ちといわれることをよろこばない人もいます。また、子どもにとってはからかうネタにもなりやすいので気をつけましょう。■寂しいだろうから、うちに来るようにいったら?「息子の友だちFくんのママは看護師さん。夜勤のときは、パパが帰るまでひとりで過ごすこともあるそうです。とてもいい子だし、ひとりはかわいそうだと思って、『ママが働いているとFくんは寂しいだろうからうちに来るようにいったら?』といいました。私は専業主婦で家にいるし、息子の遊び相手にもなるからいいかな、と思って。でも、息子はその子のことを『寂しい子=暗い』と勘違いしてしまったんです。しばらくその子がうちに来ないので聞いてみたら、『暗い子と一緒に遊ぶのはつまらない』と言い出して…。余計なことを言わなければよかったと後悔しました」(36歳・小学3年生のママ)小さな子がひとりで留守番していると聞けば、同じママとして「できることをしてあげたい」と思うかもしれません。一見、親切そうにみえるけれど、子どもに変な先入観を植え付けることになりかねません。ましてや相手方にも事情があること。本当に助けになりたいと思うときには、相手から依頼されたときに親同士だけで話し合うほうがいいでしょう。どれも悪気もなく発しられたフレーズかもしれません。でも、子どもには意図しない形で伝わってしまうこともあります。またママの心の中にある、ねたみ、マウンティングといったブラックな感情を子どもが敏感に察することも。親の会話を子どもは意外と聞いているものです。ママ自身が持つ偏見は、子どもに連鎖しているかもしれません。自分の子どもをいじめっこにしないために、子ども同士の友情を壊してしまわないために、十分注意しましょう。そして同時に、自分の心の中にあるブラックな感情の正体をつきとめて、できれば退治してあげてくださいね。
2017年04月19日相変わらず減ることのない学校内での「いじめ」。最近は東日本大震災による原発事故の影響で避難した子どもが、いわれのない誹謗中傷を受ける事案が相次ぎ、社会問題化しています。いじめについては、いじめている子どもの親に責任を問うべきだと言う声があります。実際に自分のかわいい子どもがいじめを受けている場合、相手の親にもそれ相応の責任をとってもらわなければ気が済まないものですから、当然かもしれません。しかし、両者は血のつながりこそあれど、別人であるだけに、問うことは難しいような気もします。「いじめを行う子どもの親」に法的な責任を問うことは、はたして可能なのでしょうか?和田金法律事務所の渡邊寛弁護士に見解を伺いました。Q.息子が学校でいじめられた……いじめた子の親に法的な責任はある?*画像はイメージです:いじめの加害児童・生徒の親は、被害児童・生徒に対して損害賠償責任を負うことがあります。「いじめが不法行為となる場合、原則として加害児童・生徒本人は、被害児童・生徒に対して、不法行為による損害賠償責任を負います。もっとも、自分の行為の責任を理解する知能もないほど幼いときは、未成年者は法的責任を負いません。具体的な年齢が法律で何歳と決められてはいませんので、責任能力の有無は事案毎個別に判断されますが、概ね12歳程度になると法的な責任能力が認められるようになります。加害児童に法的な責任能力がない場合、本人は損害賠償責任を負いませんが、その親が監督義務者として被害者に対して損害賠償責任を負います(民法714条)。親は、監督義務を果たしていたことを立証すれば損害賠償責任を免れますが、監督義務の範囲は生活全般に及ぶ広いものですので、親の免責は簡単には認められません。加害生徒に法的な責任能力が認められる場合、民法714条の適用はありませんが、監督義務者である親は、その監督上の過失に基づき、被害者に対して損害倍責任を負うことがあります。民法714条の適用がある場合と比べると、親の監督上の過失をどちらが証明しなければならないかという立証責任の点と、監督上の過失と損害との因果関係も立証しなければならない点で、請求する側の負担が大きくなります。未成年者の親には子を監護・教育する義務がありますから、このように、いじめの加害児童・生徒の親は、被害児童・生徒に対して損害賠償責任を負うことがあります。ただし、親の責任は結果責任ではありませんので、例えば、親元から通学する中学1年生と全寮制の高校3年生とでは、同じ様な学校内でのいじめでも親の責任の有無の判断が異なることはあり得ます」(渡邊弁護士) いじめが「不法行為」となる場合、親が監督義務者として損害賠償責任を問われることもあるそう。我が子かわいさから、「うちの子に限ってそんなことはしない」と目を背ける親もいるようですが、それは監督義務を問われます。自分の子がいじめをしている可能性があると感じた場合は、直ちにやめさせるようにしてください。 *取材協力弁護士: 渡邊寛 (和田金法律事務所代表。2004年弁護士登録。東京築地を拠点に、M&A等の企業法務のほか、個人一般民事事件、刑事事件も扱う。)*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)【画像】イメージです*Yasu / PIXTA(ピクスタ)
2017年04月02日「いじめって、なくなるんですか?」私の考えるいじめ解決法出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっており、各地の学校などで講演活動をしています。昨年は、命の犠牲を伴ういじめ問題を耳にすることが多かったように思います。そのニュースに胸を痛め、「我が家の子どもは、大丈夫なのか?」「我が子の通う学校は、大丈夫なのか?」と不安になられた保護者の方もたくさんおられるのではないでしょうか?私は一昨年、『いじめゼロを目指して‐「いじめ防止授業」生徒5000人の現場から』という書籍を出版しました。その際、ある新聞社の記者さんからの取材で、「いじめって、なくなるんですか?」と質問されました。私の答えは、「早期発見・早期解決で、いじめ問題は解決できます」というものです。今回の記事では、保護者のみなさまにぜひ大切にしていただきたいこととして、・早期発見: 子どもの発するSOSサイン・早期解決: 冷静な文書化による学校との連携方法の2点を中心に、具体的なノウハウをお伝えしたいと思います。早期発見のために大切なのは、いじめのサインを見逃さないこと出典 : いじめられている子どもは、いじめられていることを親になかなか言わない・言えないことが多いです。いじめ自殺で子どもが命を落としたその悲しみの中で、親御さんは必ずといっていいほど、「いじめの事実に気がつかなかった…」という、後悔と無念のこもった言葉を語られます。親に心配をかけたくないという気持ち、親や教師に告げると「チクッた」と言われて、“倍返し”のいじめにあうかもしれないという不安が、子どもが親に相談できない大きな要因です。けれども子どもは、自分を助けてくれる大人、信じられる大人を求めて、「助けて!」というサインを必ず出しています。その声にならない助けを私たち大人が発見することが、子どもの命を守る命綱となるのです。もしかしたら、いじめに遭っている…?子どもの発する具体的なサインの例出典 : いじめ相談のお電話を頂くとき、「子どもが、頭が痛いと言って学校に行かなくなりました。もしかしたら、いじめがあるのでしょうか?」とご相談くださる保護者の方が、多くいらっしゃいます。「お腹が痛い」「頭が痛い」「学校に行きたくない」という症状は、実は、かなり深刻です。お子さんがそう言いだす前に、次のような症状が1つでも見られたら、夕食時にさりげなく学校での様子を聞いてあげて下さい。・急に元気がなくなる・帰ってくるとすぐに部屋に閉じこもる・理由のわからない成績の低下・親の前で携帯メールを見なくなる・友達から電話があっても、出たがらない・おねしょをする・妙に明るく装う・教科書に落書きがある・服が破れていたり、汚してくる・物をよく無くす・急にお金を欲しがる・擦り傷や打撲がある・頭痛などを訴え、学校に行きたがらなくなるまた子どもの発するこうしたサインにいち早く気づくためには、学校の保護者同士のネットワ―クを作っていくことも大切です。両親共に仕事を持っていたり、自由選択制で校区を超えた学校に通学したりすると、保護者同士のネットワークがどうしても希薄になりやすいです。保護者同士でお子さんの情報を共有できる機会を少しでも作り、お子さんのサインに気付きやすくなるようなネットワークを作っていきましょう。子どものいじめ、解決を困難にしているものとは出典 : いじめ問題の解決を困難にしているのは、「証拠がない」ことに尽きます。今のいじめで一番多いのは、教師や親など大人の見ていないところでの、言葉の暴力や無視などの精神的ないじめです。暴力を受けたのなら、体に傷が残ります。ノートや文房具など持ち物を壊されても証拠が残ります。けれども、言葉による暴力は証拠がありません。これを解決するためには、冷静な文書化が必要です。「子どもからの聞き取り+証拠集め」を通して、以下のような「事実」を文書にまとめていくのです。・いつ、誰が、どこで、どのようないじめをしたのか・加害者は一人か、複数か。その名前は・それを目撃していた子どもはいるのか。いたら、それは誰か・具体的にどんなことを言われたのか・具体的にどんなことをされたのか・怪我をさせられたことはあるのか・子どもはどう感じているのか・学校や担任の対応はどうだったのか時系列に従い、いつ、誰が、どこで、どのようないじめをしたのか。加害者は1人か複数か、それは誰なのか(実名)、怪我はないか、いじめられてどう感じたか…などを子どもから聞き取り、先ず文書にすることが大切です。そして、いじめを周りで見ていた友達が居ないかどうか子どもに聞き、怪我をしていたら病院で診断書をもらい、物を壊されていたらその証拠写真を撮る等、客観的な証拠を集めることも有効です。そのあとに、いじめ被害の客観的な事実をもとにして担任に連絡をし、担任や校長と話し合います。その際に、可能であればいじめ加害者とその保護者にいじめ事実を認めてもらい、心から反省と謝罪を求めることが、いじめ再発防止には大切です。加害者の心からの謝罪が、被害者の心を復活させる大きなポイントになります。また学校側にも、いじめ再発防止を要望書として提出することをお勧めします。この話し合いで、学校側がこちらの要望に応じない場合には、教育委員会や警察、法務局、議員、マスコミに、いじめ被害事実を訴えることも視野に入れてみましょう。子どもをいじめから守るために一番大切なこと。それは…出典 : ここまでの対応を現実のものとするために、保護者の方の“決意”が求められます。それは、「もし、いじめられていても、いじめられているあなたは決して悪くない」「何があっても、必ず、あなたを命をかけて守る!」というものです。この決意とその後の行動を実は、他でもない、いじめで傷ついた子どもが、じっと見ています。その真剣な決意とその後の学校との交渉の姿で、愛されていることを実感するのは、いじめで傷ついて、自信を失った子供なのです。その愛されているという実感が、いじめで傷ついた心から復活する鍵の一つとなります。ですが、保護者の方も、決して、一人ではありません。一人で、戦わないでください。悩まないでください。そのために、私たち、いじめから子どもを守ろうネットワークは存在しています。一本の電話する勇気を持っていただくだけで、いじめ解決までのすべてのプロセスに、ひとつひとつ、一緒に考え、お子様の心を救い、復活までの時間を共にさせて頂きます。一般財団法人いじめから子どもを守ろうネットワーク
2017年03月02日《担任によって学力、存在価値、生きがい、性格etc.私の人生全てを壊された》 2月6日、愛知県一宮市の中3男子が大阪市内の商業ビルから飛び降り自殺した。生徒が友人に託した携帯ゲーム内のメモ機能には「遺言」と題して冒頭の言葉が。学校側は12日に会合を開き、自殺の原因を「担任によるいじめ」と説明。だが翌13日に一転し「担任によるいじめの有無は不明。遺族の気持ちをくみ取っていじめという言葉を使った」と翻した。 今回、Aくんの母親は女性自身で90分にわたりその胸中を語ってくれた。発端はAくんが中学3年生に進級した昨年春。問題の教師が担任を受け持つことになったという。 「最初に担任から電話があった際、応対した主人に何も名乗らずいきなり『本人(Aくん)かお母さんいますか』と言ったそうです。息子も『先生は生徒を叱るときもすごくヒステリックで。その声が教室中に響き渡るほどだった』と言っていました。先生の癖なのか生徒の背中をすぐ触ってくるそうで、『すごくイヤだ』とも言っていましたね。教科書をうつむいて読んでいて、顔を上げたら間近に先生の顔があったという話も聞きました」 そんななか、Aくんの運命を左右する事件が起きる。昨年9月24日の体育祭で組体操をしていたAくんは激しく転倒。その際、両手親指を骨折してしまったのだ。 「息子は学年主任の先生に指の状態を見せたそうですが、スルーされたそうです。息子が帰ってきた後、私は担任に電話で『指を骨折したようなので、病院に連れて行きます。後ほど診断結果をお電話しましょうか』と伝えました。すると『今日は用事があるので』と断られたんです。耳を疑いました。当然、『連絡ください』と言ってくれると思ったのに」 実はその夜に体育祭の打ち上げがあり、担任は飲み会に参加していたというのだ。骨折の診断がされた後、母親は不信感を抱えて学校へ赴いた。体育祭から2日後のことだった。 「教頭先生がいたので『うちの子が体育祭で指を骨折したのを知っていますか?』と尋ねたところ、『えっ、何のことですか?』という返答が返ってきました。担任は、学校内の誰にも事故を報告していなかったんです。もう、信じられませんでした」 治療を続けていたAくんだが、親指は変形してしまう。その間はペンを持つこともままならず、成績も急降下。工業高等専門学校への進学を望んでいたが、厳しい状況に陥った。しかし母親が問題にしているのは、ケガやその影響による成績不振ではない。 「私たちが何に憤りを感じているか、間違わないでほしい。骨折やペンが持てずに勉強できなかったのは、後から言っても仕方のないこと。担任が打ち上げで飲み会に行ったことも、怒ってはいません。でもケガをした生徒を前に、担任としてすることはいくらでもあったはず。応急処置をするとか、対応した後で飲み会に遅れて参加するとか。でも彼らは何もしてくれなかった。この学校はすべて生徒のことを後回し。それが許せないんです」 今回、本誌は担任の自宅を訪ねた。Aくんの自殺についてどう考えているのかと尋ねたが、彼は玄関越しに「それは第三者委員会で話しますので」と一言。その後も声をかけたが「生活があるので」と言葉を濁すばかりだった。Aくんの母親は、断腸の思いでこう語る。 「今、私は後悔でいっぱいです。息子の命が守られるなら、学校なんか行かせなくてもよかった。むしろ不登校のほうがよかった。そう心から悔やんでいます」
2017年02月23日タレントのウエンツ瑛士(31)が、23日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)で、自殺した女子中学生が写った写真のコンテスト最高賞が一旦は取り消されながら一転して授与された問題についてコメントした。自殺した女子中学生の写真は、遺族の了承を得た上で最高賞となる市長賞に内定していたが、青森県黒石市の高樋憲市長と実行委員会の意向により取り消しに。それを受けて遺族が氏名と写真を公表、批判の声が高まったことで市は取り消しを撤回した。この問題が番組内で取り上げられると、ウエンツは「こんなにも人の気持ちを考えられないのかなと思いました」「素直に衝撃です」と驚きをあらわ。遺族感情を思いやりながら、「なぜ取りやめたのか。保身ばっかりじゃないですか?」と市の対応に疑問を投げかけ、「自分たちが割りを食わないように。それの連続。連続すぎてわけわからない」と不快な思いを表現した。また、「いじめた側も組織も、みんながYESの方に行ったらYESに」と指摘。「いじめた側も主犯に逆らうといじめられるからそちら側にいく」とした上で、「実行委員会で『おかしいよ』という人は出てこないのかな。そこから外れることが自分が被害になっちゃうから」と集団心理の観点からも批判した。
2016年10月24日「いじめとふざけ、何がちがうの?」子どもたちの問いにどう答える?出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっており、各地の学校などで講演活動をしています。「このくらい、ちょっとふざけていただけだよ」「いじめとふざけ、何が違うの?」こんな問いに答えを出すことが、教育の現場では求められます。私が学校でおこなっているいじめ防止授業では、その問いにこう答えます。「ふざけや遊びのつもりでも、いじめられた側がつらい・やめてほしいと思ったら、それはいじめです。」とてもシンプルでありきたりな答えですが、子どもたちにとってもこれは「あたりまえ」のことなのでしょうか。「いじめられる側にも問題がある」という考え方出典 : 私がある中学校でいじめ防止授業を行ったときのお話です。事前アンケートで、500人の生徒にある質問を投げかけました。「あなたは、いじめられる側にも問題があると思いますか?」そのうち、「問題がある」「少しある」と答えた生徒は合計186人に上りました。そして、「いじめられる側にも問題がある」と答えた生徒達は、その理由として、・いじめられている相手も、恨みをかうようなことをしたと思う・性格が悪い・イラつかせる行動をしたなどを挙げたのでした。こうした回答からは、いじめる側の自分たちからの視点を前提としており、いじめられた側がどう思うかという、相手の立場に立つ視点の欠如を感じさせます。「こんなことをすると人が傷つく」「この言葉をなげかけたら人は嫌な気持ちになる」ということが想像できない子どもたちが、いわば無邪気にいじめを行い、その深刻さを認識しないままに他人を追い詰めてしまうのでしょう。ある絵本を題材に、いじめられた側の気持ちを疑似体験出典 : 私は「嫌なところがあることと、いじめは分けて考える」ことと、「いじめは絶対にいけない」という善悪の判断を子どもたちに分かってもらえるよう、いじめ防止の授業をしています。NHKの番組に「いじめをノックアウト」というものがあります。私は許可をいただいてこの番組を題材にしながら、東京の小学校や児童館で多くの子ども達と一緒にいじめについて考えました。その中に、『みずいろのマフラー』(著・くすのきしげのり・絵・松成真理子・童心社)という絵本が題材になっている回があります。絵本の登場人物は、「ぼく」、「ヤンチ」、「ヨースケ」の3人です。ヨースケは力が弱くて、走るのが遅くて、算数が苦手。ぼくとヤンチが嫌な役を押し付けても、ヨースケは少し困った顔をしながらも言いなりになります。ある日の学校からの帰り道、ぼくとヤンチがいつものようにヨースケが負けるまでジャンケンをし、ヨースケにランドセルを持たせているところをヨースケのお母さんに見つかってしまいました。さあ、もしもあなたが「ぼく」だったら、ヨースケのお母さんになんと言いますか?番組でナビゲーターを務める高橋みなみさんは、「ジャンケンしてただけですよ。って答えますね」と語っています。私が子ども達に問いかけると、「遊んでただけだよ」「ジャンケンしてたんだよ!」「ジャンケンでヨースケが負けたから、ランドセル持ってもらった」と子どもたちは口々に答えます。そこで私が「そうなんだ。じゃあその時のヨースケの気持ちはどうだっただろう?」とさらに尋ねると、子どもたちはこう言います。「悲しかった」「いやだった」「やめてほしいと思った」番組はさらに続き、今度は実在する男の子、いじられキャラの真也君の話になります。ものまねネタや一発芸をして、いつもクラスメートを楽しませる真也君。真也君自身も楽しそうに笑っていたと思ったのに、ある日突然、自ら命を絶ちました。実は、“いじり”がエスカレートして、真也君に馬乗りになったり、ほほを叩いたり、パンツおろしをしたり、…クラスではそんなことが行われていたのです。子ども達も、この真実の話は、さすがに受け止めるのに少し勇気がいるようです。シーンと静まり返りました。私は子ども達に語りかけます。「このくらい、いいんじゃないの?」とか「ちょっとふざけただけ」とか「遊びのつもり」と思っていたことが、実は相手の心の限界を超えて、つらい、やめて、いやだと思っていることがあるんだよ。言葉にできない相手の気持ちを理解する、そんな優しさが大切だね。と。「いじめをノックアウト」出典 : 子どもたちはちゃんとやさしい気持ちを持っている出典 : 番組を見せると、子どもたちはきちんと状況を理解していじめられた側の気持ちを代弁してくれます。ここで、子ども達の授業の感想をご紹介しましょう。今まで、いじめられている人にも問題があると思っていました。しかし、その考えは全く逆で、いじめている人の心に問題があったのだと初めて知りました。個人の持っている個性を一人ひとり分かりあい、認め合うことができたのなら、いじめはなくなるのではないかと思います。(1年C組女子)いじめられている側に問題があると言うのは、間違っている。いじめと、問題があるのは別に考える。いじめられる側には何の問題もない。いじめられたら、なんでいじめられたんだろうって思って不安になってしまうと思うのですが、この言葉でいじめる側が100%悪いとわかってよかったです。(2年B組女子)今日の話で一番心に残ったのは、いじめられている人がいやな原因と、いじめを一緒にしてはいけないと言うこと。今まで、いじめられている人にも原因があると思っていました。その人の言葉や行動をいやだと思っても、それがいじめていい理由にはならないと気がつきました。いじめたら、いつか自分に返ってくる。あとで、自分のしたことに後悔をしたくない。みんながこの気持ちをもって、いじめをなくしたい。(2年B組男子)誰かがいじめられていたら、それは、心の叫びです。なりふり構わず、手をさしのべて助けてあげたいです。(1年C組女子)子ども達には、無限にのびる可能性を秘めた心があると信じます。大人がきちんと善悪を教えれば、それに答える心があります。私たち大人がその努力を止めないことが、子どもをいじめから守る防波堤となることを信じます。
2016年10月17日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(53)が、11日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、過去に自殺を考えたことがあると告白した。「4人に1人が自殺を考え、1年以内の自殺未遂経験者は推計53万人」という日本財団の調査結果が番組内で取り上げられ、司会の東野幸治(49)が「皆さんは自殺考えたことないでしょ?」と振ると、松本は「いや、そんなことないよ。何度かはあるよ」と即答した。東野が「本気でですか?」と驚くと、松本は「どこまでが本気?」と笑い、手首にカミソリを向けるようなことまではしたことないらしいが、「もうええかみたいに思った瞬間は生まれて1回、2回はない?」と周囲に問いかけた。松本にとって、今回の調査結果は「ポジティブ」で、「死のうと思ったけど、今は頑張って生きている人が53万人いるということやからね。現に死んでないわけやから」と説明。「20代の頃とか。30代ぐらいもあったかなぁ」と自身が自殺を考えた頃を思い返し、「すごい悩みがあってというわけではないけど」「ええかなぁって思ったことはあるけどね」と語っていた。
2016年09月12日突然、子どもから「いじめられている」と告白されたら…。親として、子どもにどう対応すべき? 学校への対応はどうしたらいいの? 初期対応が大切な「いじめ」について、エキサイトお悩み相談室の 山口愛乃(やまぐちあいの)先生 に聞いてみました。■子どもへの対応ポイント・子どもに最後まで「自分の言葉」で話をさせる子どもが置かれている状況を把握するために、冷静に最後まで「自分の言葉」で話をさせましょう。助けを求めている子どもにとって、親の存在は頼みの綱です。親は当然、「全力で力になってあげたい!」と思いますが、ここで力むのは禁物です。「なぜ?」「どうして?」「それでどうしたの?」といった言葉で、無理やり聞きださないようにしましょう。話の途中で喜怒哀楽を言動に出したり、話の腰を折ったりせず、お子さんが自分の気持ちを「自分の言葉で」話しおわるまで、耳を傾けてみてください。もちろん、ヒアリングした内容をメモすることも忘れずに。言葉に詰まったら、相づちや復唱、温かい表情でフォローして、胸の内にある言葉を吐きだせるような空気をつくりましょう。ご両親からの愛情と受容の姿勢が伝われば、「具体的にどんないじめを受けてきたのか」を打ちあけてくれる可能性もあります。良好な親子関係は、子どもにとって、家庭・家族が「安心できる場所がある、頼れる人がいる」ことを意味します。お子さんの性格形成にとって、重要な成育環境要素のひとつです。・子どもが発する「キーワード」に注意する子どもの言葉のなかにある、「“いじめのきっかけ”や“ヒントとなるキーワード”」に意識を置いてヒアリングしてみてください。たとえば、「これからどうしたい?」というご両親からの問いに対し、子どもが「いまの状況から抜けだしたい」と回答した場合、今後の課題は関係者全員で「いじめの原因」を究明し、「解決法を模索する」ことになります。焦らずゆっくり、子どもに寄りそいながら、ひとつひとつの言葉に意識を向けていくようにしましょう。■学校への対応ポイントと注意点・伝え方のポイントヒアリング内容を書面で持参し、「事実」のみを伝えて情報を共有しましょう。我が子がつらい思いをしていると思えば、おさえているつもりでも感情的になってしまうものです。しかし、ここでの最重要課題は問題解決です。いじめた側や学校側に怒りをぶつけるなど、「親としての主観」や責任を追及せず、ヒアリングで得た「事実」だけを伝えるようにしましょう。お子さんから聞いた情報をまとめたヒアリングシートがあると、見ながら話ができるので有用です。いじめを受けているお子さんのカウンセリングをし、その後の対応へとステップを移すと、「情報の過不足・精査の必要性」を認識させられるケースが少なくないのも事実です。とくに小学生~中学生くらいのお子さんは、大人の関心を引きたい、自分だけを見て欲しいという思いから、話を大きくしたり関係のない人物の名前をあげて中傷したり、自分に都合の悪いことを隠したり、逆に大事なことを隠していたりする場合があります。情報をより正確に把握し、関係者と円滑に事態の収拾を図るためにも「こういうことを伝えて、相談してくるね」と、伝えてから公にすることをおすすめします。・学校とよりよい協力関係を築くためのポイント責任をすべて押しつけるような言動(脅し、または脅しと受けとられる言動)は控えるようにしましょう。問題解決には、「1:関係者全員の情報共有」「2:問題の明確化」「3:解決のための意識統一・役割分担」「4:検証」が不可欠ですが、同時に関係者、とくに大人同士の信頼関係・協力関係も欠かせません。こびへつらう必要はありませんが、より良い協力関係を築くためにも、高圧的な態度は避けるようにしましょう。子どもと学校への対応ポイントがわかったら、次におさえておきたいのは「その後、どうすればいいのか」ということです。次回は、「その後の子どもへの対応」を山口先生にお聞きしました。・取材協力:エキサイトお悩み相談室 山口愛乃(やまぐちあいの)先生 育児の悩みをプロのカウンセラーに相談してみよう!育児のモヤモヤ、不安な思い、悩みは1人で抱え込まずにプロのカウンセラーに相談してみましょう。電話で相談できるので、24時間365日、いつでもどこでも、名前も顔も知られずに安心して相談できます。 エキサイトお悩み相談室
2016年09月08日こんにちは。接客コンサルタントの樋口智香子です。周囲から愛され信頼される、魅力的なビジネスパーソンを育成する人材教育をしています。いま、職場いじめが深刻な社会問題のひとつとなっていますよね。2015年度に全国の労働局に寄せられた労働相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関するものは6万6,566件もあったと報じられています。なかでも陰湿なのは、先輩から後輩への「無視」。周囲から気づかれにくく、後輩という立場である以上、仕事を教わることができないケースもあるため、実際の業務に大きな支障が出ることになります。無視はとくに、女性同士の職場に多いです。実際、『マイナビウーマン』が後輩社員にやった意地悪をアンケート調査した結果、「無視」「失敗することがわかっていて放置」「冷たい態度」「仕事を押しつけた」の4つが挙げられています。万が一、真面目に仕事をしているにも関わらず、先輩から無視の嫌がらせをされてしまった場合は、いったいどのように対処すればよいのでしょうか。■1:自分から歩み寄って改善の努力をするまずは思いきって、無視をする先輩に理由をきいてみましょう。その理由が「仕事の仕方に問題がある」「きっかけになる出来事があった」など、自分が気づいて正せることなのであれば、お互いにストレスがなくなるからです。先輩としても、一度無視をしてしまった手前、話をするきっかけを失い、決まりの悪い思いをしているかもしれません。こちらから歩み寄って、きっかけをつくりましょう。ポイントは「話をしたい」という意思を礼儀正しく、明確に伝えること。以下の点を意識してください。・ふたりきりになれるタイミングを見計らう・話しかけるときは「○○さん」と名前を呼びかける・相手に聞こえる声で、はっきりと話しかける・「お尋ねしたいことがあります」と、質問をしたい意思をはっきり伝える・本題に入る前に、クッション言葉を添え、語尾は疑問形にする例えば、「申し上げにくいのですが(クッション言葉)私は、○○さんから避けられているのではと感じています。私がなにかご不快な思いをさせてしまっていたら、すぐにあらためますので、理由を教えていただけませんでしょうか(語尾を疑問形に)」と聞くといいでしょう。■2:先輩へのビジネスマナーを見なおす先輩が特定の後輩を嫌う理由のひとつに、「生意気だと感じる」というものがあります。近年、芸能界の先輩に敬語を使わないタレントが人気を博すなど、年長者への礼儀作法が曖昧になってきました。しかしビジネスの世界では、その甘さは通用しません。とくに1970年代以前の世代は、先輩への礼儀作法を厳しくしつけられており、その価値観を大切にしています。もし、先輩から無視されてしまったら、挨拶や言葉遣いなどのビジネスマナーに落ち度がなかったか、もう一度見なおしましょう。会議室の座席の配置ひとつにも、席次のマナーといって、目上の人が座る席、後輩が座る席が決められていることをご存じでしょうか。正しい敬語やビジネスマナーを知らないばかりに、先輩に不快な思いをさせている可能性もあります。社会人としてもう一度、ビジネスマナーをおさらいしておきましょう。■3:理不尽な無視は第三者の力を借りる一方、こちらになんの落ち度もないのに無視をされるケースもあります。「忙しくてイライラしていたから」「昔、嫌いだった人に似ている」「自分より若くてかわいいのが癪にさわる」など、どうしようもない理由で無視する人もいるのが現実です。こうした場合は、上司や他の先輩に相談するなど、第三者の力を借りましょう。ポイントは、「業務にどんな支障があるか」を明確に伝えること。「無視をされた」という感情的な怒りや悲しみを伝えるのではなく、仕事に障りがあることを、事実として伝えます。そのために「いつ」「どこで」「どんなことがあったか」といった、5W2Hをはっきりさせておきましょう。場合によっては、配置転換をしてもらえる可能性もあります。*以上、先輩から無視されたときの対処法でした。いじめにくよくよと悩まず、勇気をもって行動すること。それが、いちばんの突破口です。(文/樋口智香子) 【参考】※樋口智香子(2014)『恋活サプリ「愛されマナー」予習帳 シーン別にわかる! 恋活サプリBOOKS』ブックビヨンド※樋口智香子のきらりと光るオトナ磨き※社員の接客力を高める、ビジネスマナーDVD講座
2016年08月31日日本全国で、今この瞬間も60万件を超えるいじめが存在している出典 : 「いじめから子どもを守ろうネットワーク」東京代表の栗岡まゆみです。私は、いじめで苦しむ子どもたちの心と命と未来を守るために、長らくいじめ問題の解決に関わっています。「昔のいじめと、今のいじめは違います」と大人たちにいじめの実態を語り、「いじめって何?」「将来の夢は何?」と子供たちに問いかける『いじめ防止授業』を行うようになり、8年が過ぎました。その中で、「いじめは本当に解決できるの?」というお声を多くいただきます。私の答えは「必ず、解決できる」。そのためには大人が現代のいじめの実態を知り、身の回りでの早期発見の仕方、いじめの解決方法を学び、予防策を知ることが必要です。今回からシリーズで「いじめ」について皆さまと一緒に学び、予防と解決策を考えていけたらと思います。現代のいじめは、大人が知っているものと違う出典 : 講演では、「今のいじめは、昔のいじめとは全く違う」ということを保護者の方々にお話しています。「え、どんなふうに?」と思われる方も多いのではないでしょうか。例えば、昔よく見ていたテレビ「ドラえもん」に登場するいじめっ子のジャイアンは、力が強くて、体格もいい。のんびり屋ののび太君を、遊び場でからかったり力づくで言う事を聞かせていじめます。けれど話しの終わりには、仲直りをして一緒に野球をする。そんなシーンが印象的ですよね。とても分かりやすい、いじめっ子といじめられっ子の描かれ方です。ですが、現代の子ども達の間で起こるいじめは、こんなシーンとは全く違います。ある日突然、些細な事でいじめが始まり、1対集団で、ターゲットを変えながら、大人の見えないところでの、無視・暴言・ネットいじめ等が繰り広げられます。陰湿で表に現れにくいのが特徴です。いじめ防止推進法が2013年に施行されたが、現状は変わらない出典 : 子ども達に無限に宿る可能性を伸ばすのが、教育の力であり、反対にそれを阻む悪しき果実の1つが、いじめ問題だと考えています。大津のいじめ事件を契機に、2013年に「いじめ防止対策推進法」が制定されました。これは、国をあげていじめ防止の歴史が大きく動いたように見える出来事でした。(いじめの禁止)第四条児童等は、いじめを行ってはならない。けれども、いじめ認知件数は減ることはなく、私が学校で出会ったのは大津事件とさして変わらないような、想像を超える犯罪レベルのいじめに苦しむ子どもたちの姿でした。5000人を超える子ども達への出張授業、必ず聞く2つの質問出典 : 今年も、児童館・学校でのいじめ防止授業を行いました。これまで、約5000人を超える子ども達といじめ防止授業を行ってきました。その授業で、私は必ず次の2つの質問をしています。「いじめって何?」「将来の夢は何?」東京のある学校の小学1年生の女の子が、手を挙げてこう答えてくれました。「はーい。いじめって、汚いゴミ箱に入れること」別の学校の小学5年生の男の子はこう話してくれました。「はい。今僕はいじめられています。死ね。うざい、と毎日言われています。このクラスの皆からです」この発言に生徒たちはシーンと静まり返りました。その様子を担任の先生は驚いて見ているだけでした。ある東京の中学で、1年から3年まで500人に、学校のご協力のもと、事前アンケートを取っていただきました。子ども達の答えをここでご紹介しましょう。「いじめって何?」・命に関わること・心も体もダメージをもたらすもの・学校に一番あってはならないもの・一対多での暴力・暴言・無視・いじめている本人には楽しいゲーム・いじめられている本人には最悪のゲーム・何の価値もない、何も生み出さない、ちっぽけなもの・人の無関心な心が生み出す残酷なもの・人から幸せを奪うもの・嫌がらせ・孤立させる・一人ぼっちでまわりが信じられない・自殺につながる・見ていても何も言わない人も、いじめている人と同じ・弱い人間がする事。最低な行い。人権を侵害する事・集団VS圧倒的少数このリアルな答えに、私は驚きました。これは中学生だからでしょうか?いいえ、そんなことはありません。小学生に聞いても同じような答えが返ってきます。毎年8月に都内の児童館で小学1年~6年まで、いじめ防止学習会を開催していますが、この時も無邪気な表情で話すシビアな現実に驚かされました。「はーい。人の心を傷つけることです」「うざい。キモい。死ね、とか言います」「仲間に入れない事です」文部科学省の調査では、教育委員会から文部科学省に報告があがる、いじめ認知件数は、8万件を超えています。ですが、その水面下で起きている報告にあがらないいじめは、その数十倍、約60万人にものぼるといわれています。まるで、その一端を垣間見るような教室でした。夢を描く力は人間が持つ才能。心を傷つけたら夢は描けなくなる出典 : 子ども達に、「いじめって何?」と聞いた次は「将来の夢は?」と問いかけます。そして十人十色の様々な夢を教えてもらった後に、『13歳からの道徳教科書』(育鵬社)と言う本にある大リーガーのイチロー選手の“子供の頃の夢”の部分を朗読しています。最初はイチローという名前は出さずに「ここで、皆と同じ小学生の時に、ある生徒が描いた作文を読みますね。…さて、誰だかわかるかな?」と問いかけます。「はーい!イチロー!」とすぐに答えが。「えー!イチロー!?」と他のみんなからはどよめきが起こります。そして、私は続けます。「あのね、“夢”を描けるというのは、人間だけが持っている才能なんだよ。夢を描いて、その夢に向かって一生懸命勉強する、努力をする。それは人として一番尊敬される行為なんだよ。夢を諦めないで努力すれば、必ずいつか実現する。今、語った夢を諦めないで。自分の夢だけでなく、お友達の夢も忘れないでね。」「なぜ、夢が描けるかわかるかな?それは、人間に一番大切な“心”があるから。心があるから、夢を描く力や夢に向かう力が生まれるんだよ。」そして、最後にこう伝えるのです。「なぜ、いじめがよくないか、わかるかな?いじめられて心が傷ついたら、夢を描く力がなくなるんだよ。自分の夢が大切なように、お友達の夢も大切。だから、夢を壊すいじめは、絶対にいけないんだよ。わかった?」私は、「教育が人間を創る」という言葉を心から信じています。そして子ども達は本当に、目をこちらに向けて一直線に聞いています。真剣に聞いてくれます。子ども達の夢の向こうには、一人一人の無限の可能性が広がっています。それは一人の夢ではなく、国家の夢であり、世界の夢でもあります。夢に向き合う時は、未来は明るいと確信できる時でもあると考えています。夢を見る力を無限に伸ばすものが教育の力であり、それを阻むものが、いじめ問題であると思います。小学校に入り半年で子ども達はいじめを実感する。大人は何ができるのか出典 : 桜が咲く4月に、幼稚園を卒業したばかりの子ども達が、夢と希望を持って、自分の体より大きなランドセルを背負い、真新しい教科書や文房具を入れて、小学校へ入学します。それからたった半年しか経っていなくても、何かを訴えるような凛とした目で、いじめとは「汚いゴミ箱に入れられること」と答える子どもがいる、それが現在の教育現場の実態です。そんな場面に出会うと、この人生すべてをかけて教育をつくり変えたい!いじめから子どもの心と未来を守りたい!という魂からの疼きがおきるのは、きっと私だけではないはずです。もちろん、その子の保護者も、担任の先生方も、そして、これを今お読みになっている大人の皆さんも同じだと思います。いじめに向き合うことは、“今”という時を生きる大人の“未来”への責任の表れではないでしょうか。出典 :
2016年08月31日お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(52)が、28日に放送されたフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~10:55)で、「いじめ」と「イジり」の違いについて語った。埼玉県の河川敷で16歳の少年が殺害された事件で、16歳の知人をはじめ中学生ら複数の少年が逮捕された。その知人の携帯には、全裸で川を泳ぐよう強制しているような動画が残されていたという。このことが番組内で取り上げられ、ゲストの女優・宮澤エマ(27)は「いじめ」と「イジり」の違いについて、松本らに芸人としての立場からの見解を求めた。松本は「やっぱりそこは笑えるかどうか」と即答し、「でもその笑いって好みで片付けられてしまうことが多いから、すごく悲しい」と肩を落とした。その上で、埼玉の事件は「絶対に面白くないよね、これ。誰が見たって」と断言。自身の番組が「いじめを助長している」と指摘されることがあることを認めながらも、例えば罰ゲームはすべての人間が対象となるなど「平等性」があることを主張する。相方・浜田雅功(53)が「いじめっ子」のイメージがあることに触れ、「だからこそ、逆にあいつがいじめられる回も必ずあって」と説明。毎年年末に『笑ってはいけない』シリーズを放送しているが、「そういうところでバランスはとっているつもりなんですけどね」と語っていた。
2016年08月28日女優の杉本彩(48)が、28日に放送されたテレビ東京系トーク番組『じっくり聞いタロウ』(毎週木曜24:12~)にゲスト出演し、過去に自殺未遂をしていたことを告白した。「芸能界に入るつもりは全然なかった」という杉本。「子どものころ、家が結構複雑になりまして……」と思い返し、「自立して仕事して生きていかないとあかん」と心に決めて15歳のころにモデルの仕事をはじめたという。年齢的にどこも雇ってくれなかったことから、モデルという選択肢しかなかった。杉本の運命を変えた"複雑"な事情とは、「父が友人の借金の保証人になった」こと。結局、父がすべての借金を背負うことになり、自宅まで手放すことに。両親は夫婦喧嘩を毎日繰り返し、金銭的にも苦しい生活が続いた。母は毎晩酒を飲み、悲しみや怒り、愚痴を長女である杉本に吐き続けた。必死に受けとめようとしていたがある日、精神的に追いつめられて限界に。遺書を書き、ついには手首を切ってしまう。かなり深い傷だったが、ちょうど帰宅した母がすぐに病院に連れて行き、なんとか一命を取り留めた。「本当に耐えられなくなっちゃってたんだと思うんです。『死んでしまいたい』となっちゃって」と当時を振り返る杉本。「本当に」と言いながらうつむき、「本当に生きていて良かったと今は思います」と晴れやかな表情を見せる。杉本の"自立"には、そんな背景があった。
2016年07月29日みなさんご存知の通り、日本は自殺大国。平成26年の調査では1年間の自殺者が2万5千人以上にのぼることがわかっており、若年層の自殺は先進国の中でトップクラスです。こんなにも自殺報道が多いと、どうにか自殺者が減らないものかと考えてしまいますよね。しかし、その人がなぜ自殺をしてしまったのかという理由は、潜在的なものも含め、多くの原因が混在しているのでなかなか特定はできません。ただ、自殺する人の多い職業には特徴があるということがわかっています。そこで今回は、アメリカの公衆衛生研究所が発表した「自殺者の割合の多い職業ランキング」をご紹介したいと思います。これは2012年のデータで10万人あたりの自殺率を調査したもので、カッコ内の人数は10万人のうち自殺者が何人いるかを表した数字です。■1位:農場労働者、漁師、および林業や農業従事者(85人)自然を相手にした職業は労働条件が過酷な上、予期せぬ天候不良で育てた作物に被害がでると収入が激減してしまいます。日本でも平成26年の調査によると、自殺者の1.87%が農業・漁業・林業の従事者となっており、最も自殺者の多い職業のひとつといえます。■2位:大工、鉱山労働者、電気技師、建設トレーダー(53人)屋外で働き、危険を伴う作業も多いため心身ともに疲労が蓄積しやすい職業です。日本でも平成26年には土木建設関連の仕事をしていた340人が自殺しています。■3位:機械工および機器の設置、メンテナンス、修繕に携わる仕事(48人)重労働であり、取引先などとのコミュニケーションも必要。トラブルが発生すると駆けつけなくてはいけないので長時間勤務になりがちです。■4位:工場および製造業における労働者(35人)夏場は暑く、冬場は寒い中での作業になりがちです。また夜勤なども多く生活が不規則になるので、うつ病の発症率も上がります。■5位:建築家、技術者(32人)建築家や建築士の仕事は図面の締め切りとの戦いです。特に個人事務所を開業している人にとっては仕事をひとつ失うと大きく収入が減ってしまいます。■6位:警官、消防士、刑務官、その他保安職業に携わる者(31人)子どもにとっては憧れの職業ですが、常に危険と隣り合わせです。事故や事件などショッキングな場面に立ち会うことも多く、厳しい環境の中で働かなくてはいけません。■7位:芸術家、デザイナー、芸人、スポーツ選手、メディア関係者(24人)華々しく活躍しても急に仕事がゼロになることもあるなど、浮き沈みの激しい業界です。また最近ではネットでの中傷なども多く、精神的に追い詰められてしまう場合もあります。■8位:コンピュータープログラマー、数学者、統計学者(23人)常にコンピューターと向き合う仕事のため、心身ともに疲労がたまりやすく、うつ病を発症する人も多くいます。■9位:運輸業従事者(22人)長距離の運転や、深夜の運転などが多いため、家族との過ごす時間があまり取れず、家庭内の不和も起こりやすくなります。日本でも平成26年に運輸従事者の318人が自殺しており、全自殺者の1.25%となっています。■10位:企業の役員や管理職、広告や広報関係者(20人)常に大きな責任を追及される仕事です。日本の調査結果でも部長・課長クラスの自殺者が117人なのに対して、役員は248人と2倍以上の数字になっています。■11位:弁護士と法律制度の労働者(19人)アメリカではロースクールに通っている生徒の4割がうつ病だといわれています。弁護士は紛争の間に入るのが仕事のため、常にピリピリした環境で働かなくてはいけません。■12位:医師、歯科医師および他のヘルスケアの専門家(19人)長時間労働や夜勤など厳しい労働条件で働かなくてはいけないうえに、常に死と向き合う環境のため、うつ病を発症する人が多い職業です。しかし、自分のキャリアに傷がつくことを恐れ、なかなか治療に踏み切れず、手遅れになってしまうこともあります。■13位:科学者や研究室の技術者(17人)新しい論文へのプレッシャーが大きくストレスの原因に。企業で働く研究者も成果を出さなければいけないため、長時間労働になりがちです。■14位:会計士、金融業務(16人)金融関係者の自殺は経済の状況によっても変わるといわれています。他人のお金を預かって運用するなど責任も重く、一夜にして大損害を出すこともあるため常にプレッシャーのかかる職業です。■15位:看護、医療助手、医療支援(15人)医師と同様に労働条件の厳しい職業です。また女性の多い職場のため、人間関係のトラブルが起きることもあります。■16位:聖職者、ソーシャルワーカー、その他の社会サービス従事者(14人)福祉関連の仕事もうつ病を発症する人が多くいます。高齢者のお世話などは肉体的にも精神的にもストレスが溜まりがちですが、真面目な人が多く一人で抱え込んでしまうケースもあります。■17位:不動産エージェント、テレマーケティング、販売(13人)金融業界と同様、不動産はハイリスク・ハイリターンの業界のためストレスが溜まりやすい職業です。また厳しいノルマを課される場合もあります。■18位:ビルの清掃、メンテナンス業(13人)大きなビルの清掃やメンテナンスを任される場合はとても体力のいる仕事です。給与が安い会社も多く、他の仕事と掛け持ちしなくてはならないケースもあります。■19位:シェフ、食品サービス従事者(13人)オーナーシェフになると、料理のことだけではなく店のマネジメントを考えなくてはいけません。評判が下がれば店の存続が難しくなってしまうため、常にライバル店との競争が必要になります。■20位:チャイルドケア・ワーカー、理髪店、動物のトレーナー、パーソナルケアおよびサービス(8人)毎日様々な人と関わる仕事は、人付き合いが苦手な人にとっては大きなストレスに。クレームなどを受けることも多く、精神的なダメージとなる場合もあります。*どんな仕事もストレスを避けるのは難しいことですが、身近に特に厳しい環境で働いている人がいる場合は、ちょっとした変化を見逃さないようにしましょう。(文/平野鞠) 【参考】※These jobs have the highest rate of suicide- CBSNews.com
2016年07月07日いじめによるものから芸能人関連まで、自殺に関する報道は少なくありません。最近では中学生の自殺が話題になったほか、ライターの北条かやさんが自殺騒ぎを起こしてネット上で大きな騒ぎになったりもしました。自殺に関する報道は、私たちにいじめ等の社会問題を提示してくれますが、その半面で「メディアが報道することで自殺が増えるのでは?」という疑問の声が上がっているのも事実です。かといって、それらの報道を一切しないというのも問題でしょう。では、自殺に関する報道はどうあるべきなのでしょうか?■メディアの伝え方で自殺数は激減する報道と自殺の関係を示す例として、オーストリアの地下鉄自殺の話がよく上がります。オーストリアのウィーンでは、マスコミが地下鉄での自殺をセンセーショナルに報道しており、「メディアが自殺を煽っているのでは?」と考えられていました。それを問題視したオーストリア自殺予防学会の訴えによって、報道の仕方が変わることになります。ウィーンのメディアが、自殺者を英雄的に扱うことや、自殺の方法を報道することを止めた結果、地下鉄での自殺や類似の自殺は80%以上減少したのです。また、フィンランドでもマスメディアが「自殺」という単語を使用しない・自殺の経緯を報道しない等の原則を立てたことで、自殺数が減少しているようです。実際、メディアの報道の仕方ひとつで自殺数が変ることがわかりました。ではなぜ、メディアは自殺に関してセンセーショナルな報道をしてはいけないのでしょうか?■気を付けるべきなのはウェルテル効果オーストリアで地下鉄自殺が増加した原因として「ウェルテル効果」という現象が上げられます。自殺に関する報道がされた後、同じような自殺が連鎖的に発生するという現象です。ゲーテの『若きウェルテルの悩み』がベストセラーになった後、若者が主人公の真似をして自殺を図る事件が相次いだことから命名されました。「ウェルテル効果」を発見した社会学者、フィリップスは「自殺率は報道前ではなく、報道前に上がる」「自殺が大きく報道されるほど自殺率が上がる」「自殺の記事が入手しやすい地域ほど自殺率が上がる」ことを実証的に明らかにしました。日本でも、X JAPANのhideさんが急死した際、メディアが自殺だと報道した後、ファンの後追い自殺が急増しました。これもウェルテル効果によるものだと考えられています。オーストリアの鉄道自殺もセンセーショナルに報道した結果、ウェルテル効果を引き起こしてしまいました。では、日本のメディアは自殺件数を減らすためにどのような報道をすればいいのでしょうか?■WHOによる勧告から何を学ぶべきか上記のことを踏まえて、WHOは「自殺予防 メディア関係者のための手引き」を発表しました。2000年に発表されたこの勧告では、メディアが自殺をどう報道する際の注意点がまとめられています。日本のメディアもでもこれを基に報道をしていますが、徹底できているか疑問が残ります。「自殺を問題解決法として扱わない」ことは、いじめ問題の報道の際に気をつけたいことのひとつでしょう。いじめを受けている学生が、「自殺すれば救われる」と考えないようにするのもメディアの役目です。数年前から学生が自殺するニュースが後を絶たないのは、報道の仕方に問題があるからかもしれません。また、日本の報道は遺族に関する配慮も欠けている可能性があります。事実、遺族へのインタビューや、自殺した方の卒業文集を報道することに対する批判をよく耳にします。特に著名人やいじめによる自殺を報道する際には、遺族への配慮はもちろん、見出しのつけ方やセンセーショナルに報道しないことを徹底すべきでしょう。*メディアがどこまで報道していいのかというのは、非常に難しい問題です。しかし、メディアが自殺の背景にあるものを決めつけたり、誇張して報道したりしてはいけないということは間違いありません。(文/堀江くらは) 【参考】※自殺予防 メディア関係者のための手引き-内閣府※報道各社へのお願い-日本小児精神神経学会
2016年04月21日いま、教育の現場で注目度が高まっている“中1ギャップ”。昨今ニュースで見聞きする子どもの自殺やいじめによる傷害、殺人といった深刻な事態も、この中1ギャップが根本の原因のひとつと見る向きも少なくありません。しかし、Benesse教育情報サイトが中学生の子どもを持つ親に行った調査では、「中1ギャップ」という言葉の意味まで知っているという回答は7%。知らないとの回答が47%と、ほぼ半数を占めました。教育学博士の著者による『中1ギャップを乗り越える方法わが子をいじめ・不登校から守る育て方』(渡辺弥生著、宝島社)から、この中1ギャップを引き起こしている子どもの3つの環境の変化を追ってみましょう。■中1ギャップとは「中学校生活にとけ込めない状態」そもそも、中1ギャップとはなんなのでしょう?これは、「子どもの心身の発達時期が現代の小学校や中学校の義務教育の学校区分や学校制度と必ずしも適合していないことから生じる心身のギャップ」のこと。もう少しやわらかいいい方をすれば、「小学校から中学校に入学した1年生が、大きな段差や壁を感じとり、中学校生活にとけ込めない状態」です。実際、たとえば不登校は小学生から中学生に進学した段階で減ることはなく、むしろ統計上は増えています。さらにいじめの認知件数データでも、小学校6年生から中学校1年生で件数が増え、中学校2年生になると若干減少する傾向があるのです。データ上でも、ギャップの存在がはっきりと見て取れます。では、小学校から中学校に上がる段階で、子どもたちのなかではどのような変化が起こっているのでしょうか。■中1ギャップを引き起こしている子どもの3つの変化(1)内面の変化=第二次性徴この年ごろの子どもたちが避けて通れないのが、自分自身の心身の変化です。とくに小学校5年生から中学校1年生ぐらいまでの時期、子どもの身体は人生で初めての大きな変化を経験します。第二次性徴です。男子は声変わりや筋肉質な体格になるなど。女子は乳房が発達したり、初潮を迎えたりします。体つきも丸みを帯び、男子とは違いがはっきりしてきます。こうした変化に戸惑ったり、友だちとの違いに劣等感を感じたりするなど、この時期に感じる不安や緊張が、子どもたちのストレスの一因となり、ギャップの根元になっていることが考えられます。(2)関係性の変化=友だちグループの変容子どもたちにとって大切な人間関係、友だちづきあいにもこの時期には大きな変化が現れると著者は指摘します。“ギャンググループ”から“チャムグループ”への変化がそれ。ギャンググループとは、リーダー格、いわゆるガキ大将を中心とした一体性の高いグループで、つねに遊びを一緒にする「仲間」という意識が強いもの。いっぽうのチャムグループとは、お互いの好みや共通点を確認しあう関係性。中学生に入るころ、こうした関係性に変わっていきます。チャムグループに移行するとき、「共通点を失いたくない」「グループから外れたくない」といった焦りにも似た気持ちを感じたり、本音と建前のある関係性になじめかったりして、戸惑う子どもも少なくないのです。(3)環境の変化=進学小学校から中学校へと進学すること自体も劇的な変化です。ほとんどの教科を担任が教えていた小学校と、教科ごとに担当教師が変わる中学校。中学校では部活動に比重が置かれるようになるなど放課後の過ごし方も変わり、先輩後輩関係も小学校時代よりもはっきりしたものになりますよね。なかでも著者が指摘するのが、小学校と中学校の教師には溝があるのではないか、という点。著者によると、子どもたちができるだけ同じ条件のもとで中学校にとけ込んでいけるよう、小学校側は進んで子どもたちの情報を中学校に渡さない傾向があるといいます。一方で中学校側は、子ども本人や学校生活のことなどの情報をもっと伝えてほしいと考えているというのです。著者は、その“バトンの受け渡し”にギャップが潜んでいるのは、といいます。*本書では、中1ギャップに側面した子どものケアとして、円滑なコミュニケーションを学ぶ「ソーシャル・スキル教育」を提案しています。そして同時に訴えているのが、親にもできることがたくさんあるということ。中1ギャップのメカニズムを理解したうえで、親がまずできることは「わが子をよく見ること」。子どもの心を理解するように務め、子どもの心に寄り添おうとすること。頭ごなしに決めつけたりすぐに誤りを正そうとするのではなく、いったん受け止めてあげること。そして、愛情を伝えて心を安定させてあげること。何気ないことのようですが、それが子どもがギャップを乗り越えるのに大きな後押しになるのです。わが子が壁にぶつからないように、ぶつかった壁を自分の力で乗り越えられるようにするためには、はたしてなにができるのか?そんなことを改めて考えさせられる1冊です。(文/よりみちこ) 【参考】※渡辺弥生(2016)『中1ギャップを乗り越える方法わが子をいじめ・不登校から守る育て方』宝島社
2016年04月20日エマーソン・レイク・アンド・パーマーの結成メンバーでキーボードのキース・エマーソンの死が、自殺によるものだとロサンゼルスの検死機関が判断した。10日にサンタモニカの自宅で亡くなっているところを発見されていたが、38口径の銃で頭部を撃って自らの命を絶ったと検案書が出された。さらに、同市の福祉保険局の広報担当は、死亡時にキースは心臓病やお酒による気分の落ち込みも患っていたと明かした。長年のパートナーであるカワグチ・マリは以前インタビューの中で、キースは右手の神経にダメージを受けたことでキーボードの演奏に影響が出ており、予定されていたツアーを前に精神的に苦しめられ続けていると話していた。「キースは悪い部分の筋肉を摘出する手術を数年前に受けました。ですが、右手の痛みと神経の問題は悪くなる一方でした。彼はファンをがっかりさせたくなかったのです。完璧主義者でしたし、その完璧に演奏しようとする考えが、彼の気分を落ち込ませ、ナーバスにさせ、不安にさせたのです」カワグチがサンタモニカの自宅マンションに帰宅した際に、キースが死亡しているところを発見。バンドで長きに渡り時を共に過ごしたカール・パーマーがキースの死を公にし、友のために追悼コンサートを開催するつもりだとも発表していた。「キースは今後も唯一無二の存在として君臨するキーボードプレイヤーとして音楽への愛、パフォーマンスへの情熱をもった優しい魂の持ち主です。パイオニアであり革新者であった彼の音楽はロック、クラシック、ジャズの世界で全ての人の心をつかみました」とカールのウェブサイトに声明が出されていた。1970年に結成されたエマーソン・レイク・アンド・パーマーは『カルカス』『恐怖の頭脳改革』などを含むアルバム9枚、ライブアルバム17枚を世に送り出している。2010年にハイ・ボルテージ・フェスティバルでバンド結成40周年を記念してバンドとして最後となるライブを行った。バンド活動をしつつも、キースはソロでも音楽を発表しており、ソロアルバムを出したり、1980年ダリオ・アルジェント監督作『インフェルノ』や1981年シルヴェスター・スタローン主演作『ナイトホークス』で映画音楽も手掛けたりしていた。生涯の伴侶となったカワグチとは、2人の息子をもうけている。(C)BANG Media International
2016年03月17日18年ぶりに、日本の自殺率が25,000人を下回りました。この問題は、海外でも報道されています。では、海外はどのような目で日本の自殺率低下を見ているのでしょうか?■日本の自殺率が高いのは労働時間のせい?海外の掲示板『reddit』では、喜ぶ声がもっとも多く見られました。「安倍総理とオバマ大統領のおかげだ。感謝したほうがいい」「日本の自殺率の高さは世界的に問題になっていたので、これはよいニュースだ」ただ、これまで日本の自殺率の高さは世界的に問題になっていたため、なかには疑問視する声も……。「人数が減ったのは人口が減っているからでは?人口の割合を見なければ意味がない」また、日本の自殺率が高い原因は長時間労働や精神科の治療に問題があるのではないか、と指摘するコメントも複数見られました。「日本の男性は長時間労働を余儀なくされていて、狂気に近い」「日本でも、男性は女性よりも遥かに自殺率が高い」「心理療法が普及しておらず、仮に国民健康保険に加入していたとしても、まだまだ心理療法は恥ずかしいと考えられている」「日本の精神科は10分診察するだけだからなぁ」「日本はさらに、精神科のケアを必要としている人たちを救う必要がある」「日本の精神科は、男性ホルモン療法で男性更年期の治療をしたほうがよい」■自殺率が高いことに対する意外な見方も!他には、高齢化にからめて考える文脈も少なくありませんでした。「高齢者は自殺しやすいので、これも大きな問題だ」年を取ると自分の存在意義を感じられなくなりやすいので、若いときより落ち込みやすい、といわれています。高齢者に対して、さらなるケアが必要でしょう。そして、日本と海外の文化の違いについて触れている意見も……。「日本では銃で撃たれる心配はないんだよな。そのかわり、自殺の心配がある」「日本では女性の一人旅は自殺だと思われるんだってさ。ホテルで止められたことがある」日本は海外にくらべたら、ずっと犯罪が少ないことで有名です。しかし、そのかわり自殺率が高いので、その点を疑問に感じる外国人が大勢いるようです。*自殺をゼロにすることは難しいでしょう。ですが、将来に希望を持ったり、孤独のなかで生きている人に声をかけたりすることで、救われる命があるかもしれません。行政や病院に任せるのではなく、私たちひとりひとりがこの問題と向き合い、命の大切さを再確認することが大切なのではないでしょうか。今年も自殺者がさらに減るように、みんなで考えていきましょう。(文/渡邉ハム太郎)【参考】※No. of suicides in Japan drops below 25,000 for first time in 18 years-reddit
2016年01月29日戦場を渡り歩いたジャーナリストが教師に転向子どものいじめがよくニュースになっていますね。誰にも言えず、自殺するまで追い詰められてしまう気持ちを考えると切ないです。でも学校なんか、生きることよりも優先する場所ではありません。行きたくなければ行かなければいいんです。人生をやり直す機会はいくらでもあります。大学なんかいくつになってから行ったっていいんだし。『アイスエイジ』(もんでんあきこ/集英社 クイーンズコミックスDIGITAL)全10巻 『アイスエイジ』は、金八先生を地で行く熱血教師の物語です。進学校に臨時教師として採用されたエイジが、あれこれ鬱陶しいこといっぱいやって先生や生徒の信頼を得ていきます。まあ、平成少女漫画の金八先生です。そしてエイジが赴任した蓮見高には、問題児がうじゃうじゃいます。エイジをミカに殺させようとした生徒会長のマサキ。マサキの幼なじみで、恋多き母親のおかげで家に帰りづらいミカ。修学旅行中に心中しようとする麻衣と竜などなど。彼らの心の問題に、エイジをはじめ同僚の乾先生らが取り組んでいきます。この作品でいいなと思うのは、エイジが世界中の戦場を駆け巡るジャーナリストだったというところ。いろんな世界を見ていると、日本を俯瞰してみられると思うのです。エイジは、自分の戦場での経験を生徒に話してどよーんと落ち込ませたりしています。いちいち戦場では~、日本は平和だ~って言われるのは面倒くさいけど、平和ボケした人たちばっかりが教師でも困るから、たまにはこういうのがいてもいいのでしょうね。日本の先生たちにもぜひ世界中をブーラブラしていただきたい。日本の常識は世界の常識ではないから、自分の正義がもしかしたら正義じゃないと気付くかもしれません。大人になりきれない大人たちの姿も描く(c)Zephyrance Louティーンエイジャー向けの学園漫画は主人公が生徒なので、先生たちは敵だったり、たまに出てくるサポーター程度の役割だったりしますよね。でもこの作品は、先生と生徒、双方に光を当てています。エイジたち教師もまた、迷いながら生きる大人になりきれない大人たちなのです。生徒と先生の恋愛もあり、生徒にイタズラしちゃう先生あり、教師同士でくっついたり別れたりもして『ビバリーヒルズ青春白書』状態です。めんどうくせえ~!個人的には、生徒会長のマサキに一番共感を覚えます。マサキの親は過保護なくせに肝心なところで放任主義。マサキは自分を理解してもらえるあてがないから、無気力で無感動。勉強は出来るけど想像力が足りない偏った子どもだったマサキですが、次第に生きる気力を持つようになり、活き活きとして卒業していきます。そう、親の過干渉・過保護は子どもの気力を奪うのですよね。自分のことを自分で決められないなら、無気力にもなりますよ。私の親がまさにそうで、本人たちはかわいがっているつもりなんでしょうが、正直、感謝をする気にも、親として尊敬する気にもなりません。自分の足で立って、自分の意志で生活するようになってようやく、少しずつ生きる気力が湧いてきました。大人も子どもも、みんな問題を抱えて生きているんですね。熱血教師ひとりで問題が解決するとは思わないけど、人と向き合って生きたいな、とは思います。Text/和久井香菜子
2015年12月08日毎年、花粉症に悩まされているみなさんに驚きの新事実です。最近の研究で、花粉症患者が極度のうつ病になる割合が、ふつうの人の4倍、自殺率は30%も高いということがわかったのです。辛くて嫌な花粉症が、うつ病や自殺のリスクにまで関係しているとは驚きです。「たかが花粉症……」と侮らずに、きちんと治療をしたほうがいいかもしれませんよ。■くしゃみも長期に渡れば精神病に発展する可能性が花粉に対するアレルギー反応は、体じゅうの血管や組織に炎症反応を引き起こします。これが長い期間続くと、脳にまで悪影響を及ぼすと考えられています。たとえば、よくある「炎症」のひとつである「くしゃみ」は。花粉のようなアレルギーの原因を、体が追い出そうとして起こるものです。たかがくしゃみ、と思われるかもしれませんが、このような低レベルの炎症でも、花粉症のように数ヶ月単位の長期間続く場合は、中年以降に深刻な精神病になる可能性が高まるというデータがあるのです。■花粉症患者はふつうの人の4倍も躁鬱病になりやすい台湾の国立陽明大学の科学者たちは、花粉症を患う約1万人のティーンエイジャーと、花粉症を発症していない約3万人のティーンエイジャーを比較しました。2つのグループを10年近く観察し、躁病期(興奮しすぎて集中力を欠き、不眠に陥っているような時期)を特徴とする躁鬱病と診断された人が何人いるかを記録したのです。「心身症研究誌」に掲載された結果によると、花粉症を患っている青年期の人々は、そうでない人の4倍も躁鬱病と診断されることが多いことがわかったのです。花粉の時期に気分が落ち込むのは、気のせいではなかったのかもしれません。■自殺のリスクもうつ病じゃない人より30%高くなるまた、2010年のデンマークの研究によると、花粉症患者は自殺率も高くなるのだとか。オーフス大学の研究者たちが、自殺した人たちの中で、アレルギー患者とアレルギーの無い人の割合を比べたところ、花粉症のようなアレルギーを持った人は、アレルギーの無い人より、30パーセントも自殺のリスクがあることがわかりました。花粉症の影響、侮れませんね。■長期の炎症による幸せホルモンの低下がうつ病に関連くしゃみや鼻水のような「炎症」が、なぜ精神病と結びつくのでしょうか。明確な答えはまだ出ていませんが、アレルギー反応が出ている間につくられる「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質が関係していると考えられています。サイトカインは、花粉のような外部からの侵入者を追い出す役割をしていますが、脳の中にある幸せホルモン、セロトニンのレベルを下げる可能性もあるというのです。花粉症のように炎症が長期にわたると、どんどんサイトカインが分泌され、セロトニンは減り続けてしまいます。このことが、アレルギーによってうつ状態が引き起こされる原因なのではないか、というのが、いまのところもっとも有力な説だといわれています。現在、研究者たちはイブプロフェンのような炎症を抑える薬が、うつ病の治療に役立つ可能性について調査中。抗うつ薬が効かなかったうつ病の患者たちに、抗炎症薬を投与することでセロトニンのレベルを上げ、病状を改善できるのではないかと考えているのです。つまり、アレルギー症状を抑えたら、うつ病が改善するかもしれないということ。イブプロフェン配合の薬は薬局でも購入できるので、花粉症で気が滅入ってしまう人は試してみてもよいかもしれません。*花粉症や慢性鼻炎で精神病になるなんて、これまでまったく考えられてこなかったことですね。たとえ精神病に結びつかなかったとしても、花粉症や鼻炎で幸せホルモンが減ってしまうことは大問題。「この時期だけだから……」と我慢せずにきちんと花粉症治療をして、快適に過ごせるようにしたいですね。(文/スケルトンワークス)【参考】※Could a runny nose make you depressed? Hay fever sufferers may be four times more likely to develop the mental illness-Daily Mail Online
2015年11月30日親であれば1度や2度、悩んだことがあるかもしれない子どものいじめ。文部科学省はこのほど、全国の小中高校、特別支援学校を対象にしたいじめに関する調査の結果を発表し、平成26年度の調査において認知件数が過去最多の18万8,057件にのぼったことが明らかになった。このうち、小学校での件数は初めて12万件を超えたほか、件数としては減少したものの、表面化しづらいネットいじめについても指摘されている。この問題について自治体はどのように捉えているのか聞いてみた。○低年齢化進むいじめ、潜在的なネットいじめも「予断を許さない」今回の調査は、全国の国公立、私立の小中高特別支援学校を対象に行われたもの。平成26年度に認知されたいじめの件数は前年度より2,254件増加し、児童生徒1,000人あたりの認知件数は13.7件となっている。中でも注目すべきは小学校で認知されたいじめの件数だ。前年度は11万8,748件だったものが、12万2,271件と12万件を超え、過去最多の数字となった。一方、「パソコンや携帯電話等で誹謗(ひぼう)中傷や嫌なことをされる」という、いわゆるネットいじめの件数については昨年度から890件減り、7,898件となった。しかし同省の担当者は「SNSなどのクローズな環境でのいじめは把握できていない可能性があるため、予断を許さない」とコメント。さらに小学校で認知された「ネットいじめ」の件数は増加傾向にあるという。○東京都では小学生のネットいじめが3割増 - SNS上のいじめ目立つネットいじめの低年齢化が顕著にみられる結果が出たのが東京都だ。公立の小中高特別支援学校で認知されたいじめの件数は8,397件と前年度より13.0%減と全体では減少に転じたが、小学校でのネットいじめの件数は前年度の1.3倍に増えた。ネットいじめの特徴について東京都に聞いてみると、「SNS上でのいじめが目立つ」と指摘。都が独自に行った調査で、無料アプリを使う上で嫌な思いをしたことなどを聞いてみると、最も多かった回答は「悪口・デマを書かれた、見た」だった。次いで「グループ外しにあった」「全く知らない人からのメール・電話」「写真などの個人情報を載せられた」などが続いている。都では、「ネットに接する前から教育をする必要があるが、啓発が追いついていない」として、今後対策を検討していくという。保護者への要望として、「インターネットに接続する機器を利用する時間や場所のルールを家族で話し合ってほしい」と話した。子どものネットいじめに詳しいITジャーナリストの高橋暁子氏によれば、都の調査と同様に「グループ内で悪口を言う」「SNSのグループから外す」「いじめの対象者の恥ずかしい写真や動画をグループ内で共有する」といったいじめのケースが横行しているという。また被害の特徴として「帰宅しても逃れられず、転校しても転校先の子どもに恥ずかしい写真などが転送される。結果として延々といじめられることになる」と指摘。24時間いつでもつながり、コピーや拡散が容易なインターネットを使ったいじめは、被害のダメージも大きいそうだ。なぜ、ネットいじめの低年齢化が進んでいるのか。そしてどのようにすれば、いじめの予防・早期発見が可能になるのか。後編でご紹介する。※画像と本文は関係ありません。
2015年11月05日アディッシュはこのほど、ネットいじめ対策事業「スクールガーディアン」導入校を対象に、スマホでいじめの匿名通報ができる新サービス「Kids’ Sign(キッズサイン)」の無料提供を開始した。「スクールガーディアン」は、同社が子どもたちをネットトラブルから守るために立ち上げた事業で、総計3,800校が導入(2015年11月現在)。子どもたちのネットへの書き込みを見守り続けることで、子どものネット利用実態を把握し、先生が生活指導上で活用できる情報を提供している。政府の2014年発表統計調査では、小学生~高校生までのスマートフォン所持率は56.8%で、高校生では約8割が所持していることがわかった(※)。あわせてSNSやコミュニケーションアプリの普及が進んでおり、いじめが生じる場面がリアルな場所から、子どもたちが常に所持しているスマホへと変わりつつあるという。特にコミュニケーションアプリで行われるいじめは人目に触れることなく、時間に制限もないため、いじめを受けている生徒は1日中恐怖から逃げることができない。そこで、クローズドな場所で行われるいじめの実態を把握し、解決に導くため、子どもたちがいつでも匿名でいじめを通報できる新サービスをリリースしたとのこと。新サービスでは、子どもたちが「いじめられている」「いじめを見た」といった情報を、いつでも匿名で通報できる。同社スタッフは、生徒の投稿をチェックして学校に報告。これまで学校で定期的に行われる従来の紙アンケートとは異なり、いじめの情報をリアルタイムにキャッチできるため、いじめの早期発見につなげることができるという。書き込まれた情報は、各学校、各教育委員会の個人情報保護の方針にのっとって対処するとのこと。同サービスは、本年度契約740校に無料提供しているが、今後、先行導入校の声をもとにサービスを改善し、2016年4月以降は正式版として有償提供する予定だという。(C)2015adish Co.Ltd.All rights reserved.※「平成25年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」による (2014年2月内閣府発表)
2015年11月04日日本の自殺率の高さについては、メディアでたびたび話題に上がります。WHOの調査によれば、世界的にも40秒に1人が自殺している計算になるそうです。今回は『The Richest』の記事を参考に、世界で最も自殺率の高い国トップ10をまとめました。表面的にはわからない、各国の影の部分が見えてくるかもしれません。■10位:ベラルーシ(10万人あたり20.5人)ベラルーシ国内では、自殺が死亡原因の第2位となるほどの社会問題となっています。ソ連末期の1930年代から上昇し、崩壊後のいまは特に45~64歳の男性の割合が増加しています。過去35年間で自殺率の改善が見られた唯一の時期がノンアルコールキャペーン中だったことをふまえても、労働者層における飲酒と自殺に強い相関関係があることは否めません。■9位:ラトビア(10万人あたり20.8人)1990年代半ばから減少してはいますが、いまだに自殺率は高い状況です。交通事故や殺人よりも割合は高く、主に40~49歳の男性の自殺者が多いそうです。自殺の原因となる要因としては、アルコール、失業や精神的病気など、女性よりも男性の方が影響を受けそうな事項ばかり。失業率とアルコール依存症の割合が高い限り、高い自殺率は維持されることになるでしょう。■8位:スリランカ(10万人あたり21.3人)計算上では1年間に4000人が自殺しており、1日あたり11人にものぼります。貧困や失業、借金などの生活苦が多く、特に割合が高いのは15~44歳の男性。1970年代は10万人に19人、1980年代は33人と上昇していましたが、2000年代に入ると少し落ち着きを見せはじめました。政府としては未だ主要な社会問題として、解決へ尽力しています。■7位:日本(10万人あたり21.4人)日本は、先進国のなかでは稀な自殺率の高い国。約70%の男性に自殺衝動があるといわれているため、潜在的に自殺する可能性がある人はさらに数多くいると考えられています。おもな要因は経済的困窮、社会的圧力やうつ病などの精神疾患です。政府も対策を行ってきましたが、いまだ抜本的な解決には至っていません。■6位:ハンガリー(10万人あたり21.7人)他の国とくらべ、女性の割合が高いのが特徴。ただ、上昇率だけを見ると男性の方が問題を抱えているといえるでしょう。特に、30~60歳で離婚や死別で独りきりになった男性の割合が多くなっています。要因としてはアルコールの過剰摂取や失業、タバコの消費量も関連があると考えられています。現在の政府は対策として、抗うつ病薬の処方など抑止力を強めていますが、今後はより深いメンタルサポートが鍵となりそうです。■5位:スロベニア(10万人あたり21.8人)旧ユーゴスラビアのこの小国は、200万人以上の人口のうち年間400人以上が自殺します。今世紀に入る前は年間600人でしたので、少しは低下が認められます。自殺原因の3分の1はアルコール摂取と関係しており、最大の危険因子です。2003年以降、新アルコール規制法により飲酒開始年齢は18歳と制定され、アルコール消費量は12%減少し、自殺率も30%から今日の数字にまで低下しました。■4位:カザフスタン(10万人あたり25.6人)世界で起こる自殺のうち3%はカザフスタンで発生しています。若者の割合が高いのが問題で、特に14~19歳の若い女性は世界で2番目に高くなっています。今世紀に入り、若者の自殺率は23%も増加しました。インターネットなど新技術の普及によって生活は便利になりましたが、格差は顕著になり、いじめも頻発したからです。■3位:ガイアナ(10万人あたり26.4人)南アメリカに位置するガイアナでは、経済的困窮が原因で、除草剤などの農薬を飲んで中毒自殺をする男性が数多くいます。アルコールに溺れるお金もなく、日々の鬱憤はDVなどで発散してしまっているようです。NPO組織などが問題解決にあたっています。■2位:韓国(10万人あたり28.1人)2012年に10万人あたり28.1%という不名誉な記録を打ち立てましたが、前年比11%は減少しました。主要な要因は、精神的・肉体的苦痛、経済的困難や家族の問題などで、多くが首吊りや中毒死を選んでいます。高齢化社会となっても、伝統的に両親の介護は子どもが自分ですることが多く負担となっています。親世代が子供世代の負担を軽減できるように、対策を考えていかねばなりません。■1位:リトアニア(10万人あたり31人)ソ連崩壊後、大規模な社会の激変もあり、いまだに大きな経済問題を抱えています。1998年のロシア金融危機と世界的な金融危機は、リトアニアの経済に大打撃を与え、特に男性の自殺率に影響しました。35~54歳の貧困男性で家族を扶養しているにも関わらず仕事のない男性もおり、アルコール依存に逃げ、自殺を選ぶ人も多いのです。✳︎悲劇的な10カ国。表面だけを見ていてはわからない問題が、自殺率という1つの数字を取り上げるだけで見えてきます。幸せに生きるために大切なことはなにか、もう1度考えてみませんか?(文(スケルトンワークス)【参考】※10 Countries With the Highest Suicide Rates in the World-The Richest
2015年10月22日近年、日本では学校でのいじめ問題が取り上げられることが多くなりました。子どもがいじめを苦に自殺するケースもあり、学校の対応が問題になることも。しかし、いじめが問題になっているのは日本だけではありません。イギリスの調査では、45%の子どもがいじめ被害にあい、70%はいじめられたあとに自分の見た目を変えようとし、24%は自殺を考えたといいます。『Daily Mail Online』で紹介されている、イギリスのいじめ事情を見てみましょう。■9~17歳の子どもの45%がいじめの被害者今回は「ダイアナ・アワード・チャリティー」が、いじめ対策に取り組んでいる1000以上の学校で、9歳から17歳の子ども、合わせて1,865人に調査を行いました。その結果として判明したのは、45%の子どもたちが日常的ないじめにあっているという事実。しかも24%は、いじめの標的になって自殺を考えたといいます。半数以上の児童がいじめのせいで憂鬱な気持ちになっているようです。■子どもが幸せではない、学校に集まる批判専門家たちは今回の結果を非常に心配し、学校はこの問題に対して十分な対策をしていないと述べています。ダイアナ・アワードのいじめ対策キャンペーンの代表であるアレックス・ホルムズ氏は、幼い子どもたちが11,000時間を教育に費やしていることに触れながら、「今回の調査は学校が子どもたちを安全で幸せな状態にすることができていないことを示しており、子どもが自殺を考えているということは受け入れがたい状況だ」と語っています。■インターネットの匿名性でいじめが深刻化現代のいじめは、自宅すらも安らげる場所でなくしてしまいます。いじめ被害者たちは匿名のソーシャルメディアを通じ、自宅にいながら追い詰められてしまう可能性があるからです。インターネットのせいで、学校の終わりがいじめの終わりではなくなっています。学校が終わっても続くいじめは、インターネット上での匿名性によって深刻化することがわかっています。ホルムズ氏は、「いじめはオンラインで続いていることがわかっています。インターネットは多くの目に触れ、しばしば匿名なので、いじめは増幅していきます」と語っています。学校では直接いじめられ、家に帰ってからはFacebookやTwitterなどのソーシャルメディア上にまで広がったいじめに悩まされている状況に対して、ホルムズ氏は警告を発しているのです。■いじめで自分の見た目を変える子どもたちさらに、いじめの影響は続きます。70%の子どもたちは、いじめられる恐怖から、自分の見た目を変えようと試みているというのです。10代の子どもたちは同級生たちに合わせなければというプレッシャーを感じています。髪を切ったり、ダイエットをしたり、メイクをしたりという涙ぐましい努力をしています。■大人になってからも続く、いじめの悪影響今回の調査では生徒の半数以上が、いじめのせいで落ち込んだ気持ちになったと報告しています。このいじめられたという経験は、被害者の人生につきまといます。いじめられた子どもは自尊心が傷つけられ、人と関係性を築くのが難しくなったり、就職に問題が起きたりすることが報告されています。事実、調査に協力してくれた578人の大人のうち、半数は若いころに悩まされたいじめは、まだ自分の人生に影響を与えていると言っています。*イギリスのいじめ調査では、衝撃的な数字が浮き彫りになりました。オンラインでのいじめが出現したことや、見た目を変えようとする点には日本と共通する点がありますね。子どもたちが学校でも家でも幸せに安心して過ごすためにはどうしたらよいのか、真剣に考える必要がありそうです。(文/スケルトンワークス)【参考】※Nearly half of all school pupils say they get bullied every day and a quarter have felt suicidal because of the way they are treated-Daily Mail Online
2015年09月18日