六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』が開かれています。展示替えをしながら約480件もの作品を展示する大規模展覧会は超必見。お江戸アートを満喫できるカフェもご紹介!新しい北斎に会える!【女子的アートナビ】vol. 140『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』では、江戸時代後期に活躍した絵師、葛飾北斎(1760-1849)の作品、約480件(会期中展示替えあり)を紹介。20歳から90歳までの約70年におよぶ画業を6章にわけて展示しています。誰もが知る傑作や名品はもちろん、アメリカ・シンシナティ美術館が所蔵する肉筆画や、近年国内で発見された貴重な作品などの初公開作品も登場。新しい北斎に出会える展覧会です。最初はうまくなかった…?世界で最も有名な日本のアーティストのひとりである北斎が浮世絵界にデビューしたのは20歳のとき。はじめは勝川春朗と名乗り、当時人気のあった歌舞伎役者の絵をはじめ、美人画や子どもの絵、名所絵、さらには絵本の挿絵など、さまざまなジャンルの作品を手がけていました。展覧会を監修された浮世絵研究家の根岸美佳さんによると、巨匠北斎でも「デビュー当時は絵が拙い部分もあった」とのこと。そこから努力を重ね、最後には世界的にも有名な富士山や波の絵を生み出せるようになっていったそうです。初公開作品は必見!また、『新・北斎展』というタイトルには、新発見・初公開という意味もこめられているそうで、会場には多くの初公開作品が展示されています。なかでも必見は、全118点もある《津和野藩伝来摺物》。保存状態がよかったため、美しい色彩も楽しむことができます。ちなみに、摺物(すりもの)というのは一般の出版物とは異なり、「お金持ちがお金を出し合って作るプライベートの出版物なので、贅沢な絵の具などを使っている」(根岸さん)とのこと。細密に描かれているため、細かい部分まで見てみるといいそうです。この展覧会は、北斎研究の第一人者である永田生慈さんが企画・監修したもので、展示作品件数の約7割は彼のコレクションからなります。半世紀にわたり北斎の研究や作品の発掘、収集を続け、『新・北斎展』の準備も進めていたそうですが、永田さんは2018年2月に他界されました。これまでに収集された北斎作品は2000件を超え、それらは故郷の島根県に寄贈。今展に出品されたあとは、故人の遺志により、島根県のみで公開されることになっています。カフェでもお江戸気分に♪また、会場の森アーツセンターギャラリーと同フロアにある『Cafe THE SUN』では、期間限定で北斎作品から着想を得たオリジナルメニューを楽しめます。特に北斎の「冨嶽三十六景凱風快晴」をイメージした『赤富士カレー』(税込¥1,566)は写真映えすること間違いなし!ほかにも、「冨嶽三十六景神奈川沖浪裏」をイメージした『浪裏デザートプレート』(税込¥1,706)や、わらび餅、白玉、抹茶ムースなど和スイーツを盛り込んだ『北斎漫画パフェ』(税込¥1,404)などスイーツも充実しています。お得なチケットセットも…また、現在上野の東京都美術館で開催中の『奇想の系譜展江戸絵画ミラクルワールド』と『新・北斎展』を会期中に1回ずつ見られるお得なセット券(税込¥2800)も販売中です。美術史家・辻惟雄氏(1932~)が、1970年に出版した『奇想の系譜』で取り上げた画家たちの名品を紹介するこの展覧会でも、伊藤若冲など江戸時代のアートをたっぷり楽しめます。ぜひ両展あわせて、足を運んでみてくださいね!Information展覧会名:『新・北斎展 HOKUSAI UPDATED』期間:~3月24日(日) ※会期中展示替えあり開館時間:10:00~20:00、火曜日のみ17:00まで(最終入館は閉館の30分前まで)休館日:2月19日(火)、2月20日(水)、3月5日(火)会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)観覧料:一般 ¥1,600/高大生¥1,300/小中学生 600円
2019年02月16日1月下旬に九段ハウスで開催された『森山大道展』のキュレーターを務めた宮津大輔さん。400点にのぼる現代アートのコレクターとしても知られる彼のコレクションと笠間日動美術館所蔵の作品を厳選し、ペアリングして展示するという、新たな視点の試みが、2019年3月23日より『シンクロ ニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術 ‐』と題し、開催されます。アンリ・マティス《窓辺に座る女》1919-20 年Henri Matisse “Woman by the Window”向かい合う岸田劉生の《村娘図》(1919年)と奈良美智の《無題》(1998年)は、一見無邪気であるがゆえに、時に現れる少女の残酷性を見事に表しています。このほか草間弥生の《南瓜》(1981 年)とルネ・マグリットの《ビュー・ニューヨーク》(1946年)、アンリ・マティスの《窓辺にすわる女》(1919-20年頃)とオラファー・エリアソンの光を使ったインスタレーション《大輔のためのウィンドウ・プロジェクション》(2011年) など、35組の様々なペアリングを紹介。これら19世紀から21世紀に創作された多種多様な作品を見比べ、美術の持つ大いなる可能性とコレクションに込められた豊かな思いを堪能できます。さらに、宮津さんが昨年9月、オーストリアのリンツで行われたアートの祭典「アルス・エレクトロニカ2018」で注目した体験型インスタレーション『ComfortZONE』(MiND X)も今回日本で初めて、マックス・エルンストとのペアリングで展示されます。『Comfort ZONE』MiND X2018■ペアリングルネ・マグリット/草間弥生岸田劉生/奈良美智アンリ・マティス/オラファー・エリアソンヴィンセント・ファン・ゴッホ/ライアン・ガンダー ジョルジュ・ブラック/蔡国強北大路魯山人/フィリックス・ゴンザレス=トレズ/ ヤン・ヴォーアントワーヌ・ブールデル/アグス・スワゲ高橋由一/ジョージェ・オズボルトマックス・エルンスト/ MiND Xジョルジュ=ピエール・スーラ/エリザベス・ペイトン ラグーザ玉/森山大道シャイム・スーチン/オラファー・エリアソンオーギュスト・ルノワール/アピチャッポン・ウィーラセタクンパブロ・ピカソ/アリエル・シェルシンガーパブロ・ピカソ/ステファン・バルケンホール マルク・シャガール/リム・ソクチャンリナ ジョアン・ミロ/マリナ・ラインガンツ上記を含む35組70点を予定ポール・セザンヌ《聖アントニウスの誘惑》1874年Paul Cézannzannzannzanne "Temptation of St. Antony"■宮津大輔さんプロフィール1963年東京都出身。アートコレクター、横浜美術大学教授、京都造形芸術大学客員教授。1994年以来、企業に勤めながら収集したコレクションや、アーティストと共同で建設した自宅が国内外で広く紹介される。文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会」委員、「Asian Art Award 2017」審査員等を歴任。著書に『現代アート経済学』(光文社新書)、『現代アートを買おう!』(集英社新書/中国・金城出版/台湾・Uni Books/韓国・Art Books)、『アート×テクノロジーの時代』(光文社新書)などがある。■展覧会概要展覧会名シンクロニシティ‐宮津大輔コレクション×笠間日動美術館 響き合う近・現代美術‐会期2019年3月23 日(土)- 5月19日(日)会場笠間日動美術館 企画展示館 茨城県笠間市笠間978-4開館時間午前9時30 分より午後5時(入館受付は午後4時30分まで) 休館日毎週月曜日 (但し4月29 日、5月6日は開館、5月7日は休館)入 館 料大人 1000 円、65歳以上 800円、大学・高校生 700円、中・小生 500円主催公益財団法人日動美術財団笠間日動美術館特別協賛野村ホールディングス株式会社株式会社DRESSお問合せ先:TEL:0296-72-2160*会期中に作品保存などの理由より、展示替えする場合があります。また、メディア・アートにつきましては、機材や記録媒体などの都合より鑑賞いただけない場合があります。■交通案内[J R 利 用]・常磐線友部駅北口(9:55/10:50/11:50発)より「かさま観光周遊バス」(100円)、または市内循環バスで約15分。「日動美術館入口」下車徒歩1分・水戸線笠間駅より徒歩約25分(日動美術館・春風萬里荘共、但し方向は逆)、「かさま観光周遊バス」またはレンタサイクルの利用が便利です。[自動車利用] ・常磐道友部JCT経由、北関東道友部ICより国道355号線経由約6キロ・東北道栃木都賀JCT経由、北関東道笠間西ICより国道50号線経由約8キロ
2019年02月13日“ネイルアート”を軸に、アート・テキスタイル・イラストレーションから、アートディレクションまで、国内外問わず幅広く活動するアーティストHana4がアート展「NEW me」をルーカ シブヤ ギャラリー(RVCA SHIBUYA GALLERY)にて開催中。会期は2月17日まで。同展では、キャンバス作品や新たな試みとなる壁画制作を展示。ネイルアートを原点に、繊細な技術で人々を魅了する彼女が切り開く新しい芸術の形を垣間見ることが出来る。なお、展示会場となるルーカ シブヤ ギャラリーは、様々なアイディアと思考の交流を行うプラットフォームを提供し、ユニークなプロジェクトやアーティストとのコラボレーションを行うルーカ ストア(RVCA STORE) の2階に併設するギャラリー。入場無料で楽しめるアートやサブカルチャーの発信スペースとなっている。【展覧会情報】Hana4「NEW me」会期:2019年1月23日〜2月17日会場:RVCA SHIBUYA GALLERY住所:東京都渋谷区神宮前5-27-5 TOLDAビル2階時間:11:00〜20:00入場無料
2019年02月09日九段下駅から歩いて程なく見えてきたのは、1927年に建てられた旧山口萬吉邸。2018年に国の有形文化財にも指定されたこの場所は、改築を経て、現在は会員制サロン「九段ハウス」として利用されています。この九段ハウスにて1月24日〜26日の3日間、アートサロン企画第一弾「森山大道展」が開催されました。展示作のキュレーションを担当したのは、アマトリウム株式会社とアート・コレクターの宮津大輔さん。大道さんが50年にわたって撮影された20点あまりの名作を選りすぐり、作品を囲いながらアートについて気軽に話し、学べる場をご用意いただきました。■DRESS部員の皆さんをご招待今回の展示会に特別に招待されたのは、DRESSアンバサダーの神吉さんとDRESS部員の伊原さん、國谷さん。みなさん美術館巡りも好きで、今回の森山大道展もとても楽しみにされていたそう。作品の解説をしてくださるのは、東京藝術大学大学院にて研究助手をしている加藤杏奈さんと、本展示会の企画を担当するアマトリウム株式会社の丹原健翔さんです。参加者に解説をする加藤さん(一番右)今回の展示会では、今までアートに興味があったものの、あまり触れてこなかった方でも気軽に楽しめるような工夫が散りばめられています。例えば美術館でよく見られる、作品前に置いてある立ち入り禁止のロープ。ここにはそのような境界線はありません。また、完全招待制のため人混みで作品が見えない、といったこともなし。作品を間近で鑑賞することができます。作品名の記載がないところも、見ている人の想像力を掻き立てます。シャンパンを片手に、来場者の方は会話を楽しんでいました。■写真に現れる、光と陰の世界今回展示されている作品はすべて白黒写真。写真の現像は大道さん自身でおこなっているのですが、印刷用の特殊な薬品を調合し、色を出すのがとにかく至難の技だそう。大道さんが見せたい色を突き詰めて出した「鮮明な黒」こそが、作品の美しさを形作っています。今回ご紹介したいのは「Osaka, Daido hysteric no. 8」シリーズからの作品。Osaka, Daido hysteric no.8 (1997)© Daido Moriyama Photo FoundationCourtesy of Taka Ishii Galleryどこまでも続くかのような真っ直ぐな線路に、引き込まれそうになります。最近の大阪の駅にも見えるし、どこか懐かしい風景にも見えるこの写真について、加藤さんからは「白黒だからこそ、時を超えることができるのかもしれないですね」との解説が。作品を囲んで、それぞれ感じたことが言葉で溢れます。また、ボケ写真の先駆けとも言われる大道さんの作品の中には、あえてピントを合わせない写真も並びます。DOCUMENTARY 78(’86.4 Setagaya-ku, Tokyo) (1986, printer later)© Daido Moriyama Photo FoundationCourtesy of Taka Ishii Gallery■展示されなかった作品を見せてもらう展示は、どの作品をどこに飾るか、見る人のリズムを考えた上で構成されています。そのため、今回どうしても展示することができなかった作品もあります。解説をする丹原さんその作品の一部を、丹原さんが特別に見せてくださいました。会場には展示できなかった作品がこちら特別な機会に、さらに本来見ることができなかった別の作品まで見ることができ、参加者の皆さんは感動していました。展示されている作品は、購入も可能だそうです。アートのある生活は、心を豊かにしてくれますね。今回の森山大道展を皮切りに、今後も現代アート推進活動の一環として、継続的にアートサロンを開催予定です。開催情報はDRESS読者の皆さんに、いち早くお届けします。アーティスト・プロフィール森山大道1938年大阪府池田市生まれ。デザイナーから転身し、岩宮武二、細江英公の助手を経て、1964年にフリーの写真家として活動を始める。1967年『カメラ毎日』に掲載した「にっぽん劇場」などのシリーズで日本写真批評家協会新人賞を受賞。近年では、サンフランシスコ近代美術館(1999年・メトロポリタン美術館、ジャパンソサイエティー(ニューヨーク)巡回)、国立国際美術館(2011年)、テートモダン(ロンドン)で行われたウィリアム・クラインとの合同展(2012~13年)他、国内外で大規模な展覧会が開催され、国際写真センター(ニューヨーク)Infinity Award功労賞を受賞(2012年)するなど、世界的に高い評価を受けている。写真集『新宿』(2002年、2003年 第44回毎日芸術賞受賞)、『モノクローム』『カラー』(2012年)、『犬と網タイツ』(2015年)等多数。
2019年02月08日女子憧れのブランドショップ、シャネル銀座の4階で、幻想的なアートを楽しめる展覧会『「INSULA LUX 光の島」 アントニ タウレ展覧会』がスタート。作家のタウレさんが参加するプレスプレビューでお話を聞いてきました!入場無料!シャネル・ネクサス・ホール【女子的アートナビ】vol. 139展覧会の会場は、シャネル・ネクサス・ホール。こちらで開催されるアートの展覧会は、いつも刺激的でとってもクール。しかも入場無料で鑑賞できる銀座の穴場スポットです。2019年に15年目を迎えたシャネル・ネクサス・ホールでの文化活動は、芸術や文化を愛したブランド創業者、ガブリエル シャネルの精神を受け継いで企画されているとのこと。日本ではなかなか見ることができない個性派アートを紹介してくれる貴重な場所です。現在、このホールで開かれているのは、スペイン・バルセロナ出身のアーティスト、アントニ タウレさんの日本初個展『「INSULA LUX 光の島」 アントニ タウレ展覧会』。1945年生まれのタウレさんは、幼いころから絵を描きはじめ、建築を学びながら画家として活動を開始。1970年にバルセロナで建築家資格を取得し、さらに1975年にはパリで初個展を開催します。その後は、世界各地の美術館やギャラリーで個展やグループ展などに参加し、絵画だけでなく、写真や映像作品も制作。さらに、パリのオペラ座やニューヨークのメトロポリタン歌劇場など世界各地の有名な劇場で舞台芸術も手がけるなど、幅広い分野で活躍されています。光と闇の幻想アート今回、会場では「光の島」をテーマにした作品40点を展示。絵の舞台となっているのは、1970年からタウレさんが暮らし、インスピレーションの源となっているスペインのフォルメンテーラ島です。趣のある建築物や外から差し込む光、そして海岸などの景色がモチーフとなり、どの作品にも建物の内側と外側をつなぐ“開口部”が描かれています。「50年近く絵を描いていますが、常に“開口部”に惹かれて興味を持っています」と語るタウレさん。開口部は、光と暗闇、人間の意識の外側と内側、現実と虚構をつなぐ重要なポイントになっているそうです。また、水平線や境界線も重要なテーマのひとつ。作品の中に繰り返し登場しています。タウレさん水平線は無限につながっています。この無限というのは私たち人間の内側にもあります。また、描いている道は、こちらにも行けてあちらにも行ける、始まりも終わりもない道なのです。絵画だけでなく、自ら撮影した写真の上に油彩で絵を描いた作品も展示されています。これらの作品も、主要モチーフはやはり開口部。タウレさんにとって、絵画と写真は密接に関係しているそうです。パワースポットも出現!?そして、作品と一緒に楽しみたいのが、展示空間。この展覧会の構成は、アートディレクターでグラフィックデザイナーのおおうちおさむさんがタウレ氏と相談しながら手がけたとのこと。特に、一番奥にある展示空間について、タウレさんは次のように語りました。タウレさんこの空間は、まるで寺院の中のような感覚を覚えます。デザイナーのおおうちさんと相談して、スピリットを見つけました。強いパワーのある空間をこちらに実現できたのではないかと思います。特に、この空間の中心に立つと、地球から受ける地の強いパワーを感じます。実際に、筆者もその中心点に立ってみたのですが、両サイドに神殿のような絵が配され、突き当たりの壁には今展覧会のメインヴィジュアルにもなっている美しい絵があり、神秘的なエネルギーが集まっているように感じました。アーティストたちが作り出した美の空間、ぜひ一度足を運んでみては?Information期間:~2月14日(木)(入場無料・会期中無休)開館時間:12:00~19:30
2019年01月25日ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ全米3位の人口を持つ大都市。それがシカゴだとご存知でしたでしょうか? ホリデー時期には近郊の州からシカゴを訪れるほどアメリカ国内では観光都市ともなっています。3日間も続いた大火災により街が焼けてしまったことで、新たに建設された高層ビルが立ち並び『シカゴ派建築』なども登場しました。アメリカ3大美術館もあるためアート好きも魅了する都市です。またあの行列必須のポップコーン『ギャレット』の発祥の地でもあります! そんなシカゴで楽しめる6つのことをご紹介します。写真・Miki Takahira(7,12,13,14,15枚目除く)1. あのインスタグラムで有名な絶景を!まず、ご紹介するのはシカゴを訪れたら絶対に行きたいフォトスポット『スカイデッキ(ウィリス・タワー)』です。雨宮もインスタグラムで写真をよく見かけていて、すごいな~とは思っていたものの、まさかシカゴにあるとは知りませんでした。何がすごいかというと……。息を飲む景色!展望会の103階より、建築が美しいシカゴの街を見渡せ、さらに壁から飛出した透明アクリルの展望スペースもあり、フォトスポットとなっています。足もとも頭上も透明なため、こんな宙に浮いたようなマジカルなショットも撮れちゃうんです。これがインスタグラムなどでも大人気なんですね! そのため比較的混雑がやわらぎそうな平日がおすすめです。2. 高層ビルのラグジュアリーホテルに滞在!建築が魅力的なシカゴ滞在のおすすめはやはり高層ビルのホテル。今回はその中でも高さ415mとシカゴで2番目に高い『トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー』に滞在しました。アクセスもよく、ここから多くの観光スポットに歩いていくことができます。世界の数百件の宿泊施設を巡った経験のある雨宮の目から見たこのホテルのおすすめポイントをあげておきますね。おすすめポイント1. お部屋からの絶景!お部屋に入ると広がるこの景色! この素晴らしい眺望は、カーテンを閉めたくなくなりますよね。さらにベッドも大きくふかふか。落ち着いたインテリアでのんびりリラックスできます。おすすめポイント2. ヨガマットやネック&アイピローがあって旅の疲れを癒せる(写真上)こらはスパフロアにある『スパ グランド デラックス キングルーム』というお部屋。リラックスを追求しており、ヨガマット、ダンベルなど女性にうれしいグッズが揃っています。日頃から、なぜホテルにはヨガマットがないんだ! と思っていた雨宮。満月の夜に月の光を浴びながらこの絶景を見てヨガができるのは何よりのラグジュアリーでした。さらに夜はホットネック&アイピロ―で深い眠りにつけます。おすすめポイント3. スリッパやバスローブが他のホテルに比べてふっかふっか(写真左下)ここのスリッパとバスローブは無駄に使いたくなるほど(笑)極上素材でした! トランプホテルオリジナルのアイテムだそうです。おすすめポイント4. キッチンつきのお部屋(写真右下)『スパ グランド デラックス キングルーム』にはキッチンはついていないのですが、このホテル内にある多くの部屋にキッチンがついているため、小さなお子さんがいるファミリーや外食に疲れてしまう方にもおすすめです。3. アメリカ三大美術館のひとつがある!アート好きにたまらないのが、ここ『シカゴ美術館』です。アメリカ三大美術館のひとつということもあり、とてつもなく大きい! 30万点以上の収蔵品があり、1日ではまわり切れないほどなので観たい作品をピックアップして巡ることをおすすめします。人気の絵画は光の魔術師と呼ばれたレンブラント、ルノワール、カイユボット(写真左上)、ゴッホなどです。スーラの点描だけで描かれた有名絵画『グランド・ジャッド島の日曜日』(写真右上)は寄贈者の遺言によりこの美術館から外に出せないそうで、ここでしか観られない貴重な作品です。パロディ題材によく使われるウッドの『アメリカン・ゴシック』(写真左下)などアメリカ近代美術も要チェックです。また、お土産ショップでザ・アメリカンなカラフルなアイテムなどを購入できるのでぜひチェックしてみて下さいね。雨宮はメタリックカラーやマーブルカラーの色鉛筆などを購入しました。4. シカゴの名物モニュメントが集まる公園も!シカゴ美術館からすぐのところにある巨大な公園『ミレニアム・パーク』ではシカゴを象徴するアート作品『クラウド・ゲート』などがあります。行ってみると……めっちゃ混んでる(笑)!でも、中に入ってみるとその人混みも『クラウド・ゲート』に映り込み、なんとも言えない不思議な世界観がおもしろいです。街中アート、奥深い!また雨宮が感動したのはパークに繋がっているメタリックで蛇のようなこの橋(写真奥に向かってニョロニョロと伸びています)! 日本のような露骨な歩道橋ではなく橋やビルもアートの一部になっていて、さすが、建築の街だな~と次々とおもしろい発見があるのがシカゴの特徴です。5. シカゴ・ジャズに酔いしれる!第一次世界大戦後、ミュージシャンが職を求めてシカゴへ移り住んだのがシカゴ・ジャズの始まりだそうで、この街には上質なジャズクラブがたくさんあります。今回訪れたのは地元の人にも大人気のジャズクラブ『Winter’s Jazz Club』。女性ボーカルと楽器が奏でるメロディに酔いしれる夜となりました。食事を済ませてから向かい、お酒をのんびり飲みながら音に浸りたい素敵な空間です。6. ライブハウスでシカゴ・ブルースも堪能!アフリカ系アメリカ人霊歌や労働歌がブルースのルーツだそうで、これがシカゴでバンド形式に発展しシカゴ・ブルースが確立されたそうです。『House of Bluce』は建物全体がユニークで入るだけでワクワクするライブハウスです。オーナーとここのデザイナーの趣味もあり内装が本当にアート! 雨宮は音楽とカラフルなアートも好きなので、シカゴで一番興奮したスポットです。夜にはバンドがソウルのこもったブルースなど生演奏をしてるのでこちらも食後の一杯におすすめですよ。さらに、お土産屋さんには、BOWIEのオシャレなイラストが描かれた絵本やカセットテープのキーホルダーなどのグッズがあり、とてもかわいかったのでぜひこちらもチェックしてみて下さい。羽田から直行便でシンプルに行けるシカゴに行くのにおすすめなのが、羽田からシカゴへ唯一の直行便、ANAの『羽田―シカゴ便』です。都内に近いからアクセスも便利。毎日1便、シカゴに就航しています。羽田を朝出発してシカゴへは早朝に着くので朝からゆっくりと楽しめます。客室乗務員もとても丁寧で機内食や機内設備、サービスも充実しているためシカゴに行く際はぜひ利用してみて下さいね。このようにシカゴはコンパクトで観光名所も巡りやすく、街歩きには多くの発見があってとっても楽しいですよ。ぜひ、アメリカの文化と共にアートや音楽、建築を楽しんでみてはいかがでしょうか。次回はシカゴの食やオシャレスポットについてご紹介します!Information■トランプ・インターナショナル・ホテル&タワー(1部屋、約35000円~※部屋・時期により変更あり)
2019年01月19日浮世絵と聞いて、何を思い浮かべますか。「美しい」遊女。「格好いい」歌舞伎役者。「風流な」景色。でも、今の私たちの常識や感性だと、「浮世絵」と聞いただけで、難しく思ってしまいがち。では「かわいい」生き物や「おかしな」人々なら?実は、浮世絵には今の私たちが見ても素直に「かわいい!」「おかしい!」と思える作品がたくさん。太田記念美術館の企画展「かわいい浮世絵 おかしな浮世絵」では、4つのテーマに分けて紹介しています。まず、「かわいい生き物・おかしな生き物」。猫や犬、うさぎ、鳥、ユーモラスな狸や狐、架空の生き物などに加え、蛸や蛙や植物の擬人化とバラエティ豊かな作品が並ぶ。次に「かわいい子供たち」。おもちゃで遊んだり、お祭りを楽しんだり、だだをこねる小さい子供たち。遊女の見習いとして幼いころから遊郭で暮らしていた、かわいらしい禿(かむろ)たちの姿を描いた作品も展示予定。また、「おかしな人々」の姿も。ドタバタの喜劇や古典のパロディなど、戯画と呼ばれる面白おかしい題材も、当時の江戸では大人気でした。今の私たちの目から見てもばかばかしく、脱力しそうな作品が目白押し。最後は「かわいい!奇抜?江戸のデザイン」。着物の模様には、動物などのかわいいモチーフがいっぱい。よく見ると、ちょっと驚くようなおかしなモノがモチーフになっていることもあるそう。個性的でかわいいデザインが味わえます。これらの絵を見て理屈抜きで楽しめたとき、私たちは江戸時代の人たちと同じ感覚を共有できるのかも。気楽な心持ちで江戸気分を楽しんで。歌川広重「東海道五十三対 二川」『東海道中膝栗毛』で弥次さん喜多さんが干した襦袢を幽霊と見間違えた有名な場面。でも実はこれ、二川ではなく浜松でのエピソード。そこも含めておかしい。歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」鷲神社の酉の市に行き交う人々の様子を、猫が覗いている。遊女のかんざしが見えることから、吉原からの風景だとされている。歌川国芳「ほふづきづくし 八そふとび」擬人化されたほおずきが生き生きと躍動。国芳はこのモチーフで、多数の作品を残している。太田記念美術館東京都渋谷区神宮前1‐10‐10開催中~1月27日(日)10:30~17:30(入館は17:00まで)1月15・21日休一般700円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2019年1月16日号より。(by anan編集部)
2019年01月12日創業者ウォルト・ディズニーとウォルト・ディズニー・カンパニーに関する史料を収集・保存する「ウォルト・ディズニー・アーカイブス」。米国カリフォルニア州バーバンクにあるこちらは、夢と創造の宝庫だ。ディズニー・カンパニーのスタッフによって生み出された数々の作品に関する貴重な史料と思い出が集約されている。もちろん、ここには限られた人間しか出入りできない。そんな憧れのアーカイブスの中を散策するかのように楽しめるのがこの「ウォルト・ディズニー・アーカイブス展」だ。ファンへの感謝の気持ちを込めて米国ストックルームの秘蔵品を公開。今回展示されるのはアーカイブスに保管された数千点ものコスチュームや小道具、400万点の写真資料など膨大なコレクションから厳選した約420点。ディズニー黎明期の品も多く、例えば1954年の米国TV『ディズニーランド』でウォルトが実際に使用したスクラップブックなど、世界初公開の品も登場する。他にもウォルト・ディズニーが在りし日に使用した仕事場の再現や、ディズニーと日本の深い関わりを示す史料などを、知られざるエピソードとともに紹介。また、ディズニーのクリエイターたちもアイデアのヒントを得るために訪れるという実際のリサーチルームを再現した部屋も登場。ここでは創業からの歴史をたどる資料も展示される。ミッキーマウスから始まったディズニーの歴史を改めて楽しく学べる内容だ。会場となる横浜赤レンガ倉庫は、明治から大正にかけて建設された歴史ある場所。当時の面影を残したクラシックな佇まいはデートにも最適だから、ディズニーが公開した秘蔵のアーカイブスの品々を、年末は大切な人と一緒に楽しんでみて。大ヒット作『美女と野獣』のベルと野獣のダンスシーンで、実際にエマ・ワトソンとダン・スティーヴンスが着用した衣装が豪華!1953年製ミッキーマウスの最初のポートレート。現地アーカイブスにあるショーケースを再現した展示には、時代ごとに生み出されたミッキーマウス関連の貴重なグッズが並ぶ。横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース神奈川県横浜市中区新港1-1開催中~2019年1 月20 日(日)10:00~20:00(入場は19:30まで)一般1500円ほか。アーカイブス展赤レンガ倉庫事務局TEL:03・5777・8600※『anan』2019年1月2・9日号より。文・山田貴美子©Disney(by anan編集部)
2019年01月05日お正月の期間中、上野の東京国立博物館(トーハク)でとっても楽しくハッピーになれるイベント『博物館で初もうで』が開かれます!干支や富士山などのおめでたいアートや、獅子舞、和太鼓など見どころ満載のお正月イベントをご紹介!新年1月2日からスタート【女子的アートナビ】vol. 138『博物館で初もうで』はトーハク恒例のお正月イベント。16年目となる2019年は、干支のイノシシをテーマにした作品のほか、富士山などのめでたいモチーフが登場する絵画、工芸品などを展示。さらに、トーハクが所蔵する人気の国宝や名品の数々も公開され、この時期ならではの吉祥アートを堪能できます。2019年はイノシシ!トーハクの本館特別1室・特別2室で見られるのが、特集『博物館に初もうでイノシシ 勢いのある年に』。この展示室では、干支のイノシシを題材にした作品が紹介されます。《猪図》岸連山筆江戸時代・19世紀ハーディ・ウィルソン氏寄贈東京国立博物館蔵イノシシといえば「猪突猛進」。勢いよく突き進むイメージがあるので、イノシシの絵を見ているとパワーがわいてきます。また多産であるため、子孫繁栄や豊作をもたらす縁起のいい動物として絵画や工芸品などによく使われているようです。《野猪》石川光明作 大正元年(1912) 石川光明氏寄贈東京国立博物館蔵お正月にトーハクを訪れたら、まずはこの特別室で干支作品を鑑賞するのがオススメです。私も毎年『博物館に初もうで』を訪れていますが、干支の展示室はいつも大人気。最近は外国人観光客も増えて、さらににぎわっているので、先にこの部屋をじっくりと見ておいたほうが安心です。人気の国宝や富士山も!また、トーハクが所蔵する人気の国宝や名品の数々も期間限定で公開されます。そのなかで、特に人気が高いのが、長谷川等伯が描いた松林の作品です。《国宝松林図屏風》長谷川等伯筆安土桃山時代・16世紀(本館2室にて1月2日(水)~1月14日(月・祝)まで展示)水墨画の最高傑作ともいわれる美しい作品で、松だけでなく、その周りにある大気や風までも墨の濃淡のみで描きだされています。《冨嶽三十六景・凱風快晴》葛飾北斎筆江戸時代・19世紀ほかにも、お正月らしい富士山を題材にした絵や縁起のいいモチーフを使った作品など、見ているたけでハッピーになれそうな作品が揃っています。2日と3日には獅子舞も!また、1月2日と3日には、博物館本館前で獅子舞や和太鼓のイベントも開催されます!特に本物の獅子舞は、近くで見るとかなりの迫力。ふだん目にする機会が少ない日本の伝統芸能を気軽に楽しめるイベントなので、老若男女国籍を問わず、毎年多くの人たちが見に来ています。さらに、館内随所で池坊・蔵重伸氏による正月飾りのいけばなが1月14日まで展示されるほか、1月2日、3日の2日間限定で、先着3,000名にカレンダー付きのワークシートが配られます。お正月気分をたっぷり味わえるトーハクの吉祥イベント、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!Information期間:2019年1月2日(水)~1月27日(日)開館時間:9:30~17:00※金・土曜日は21:00まで。※入館は閉館の30分前まで。休館日:月曜日、2018年12月26日(水)~2019年1月1日(火・祝)※1月14日(月・祝)は開館、15日(火)は休館。観覧料:一般¥620/大学生¥410※特別展は別料金。※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
2018年12月30日2018年のトレンドを辿りつつ、来る2019年にブームを巻き起こしそうな「人、もの、こと」を徹底リサーチ。ここでは、デジタル界の新しい波に注目します!現実と情報が重なるARがますます進化。ゲームやジムのエクササイズに取り入れられるなど、もはや、当たり前の存在となったVR。「でも、映像クオリティにおいて技術があまり追いついていないなど、デジタル界では“VRはまだ早かった”ともいわれています。その代わりに、今注目されているのが、現実の世界に情報を重ねて映し出すARです。AppleとGoogleが、ほぼ同時期にAR技術を使ったコンテンツ開発に力を入れることを発表したことも話題に。『Pokemon GO』のようなAR技術を使ったゲームや、エンタメコンテンツなども、’19年は豊富に登場しそうです」(「ギズモード・ジャパン」編集長・鈴木康太さん)『Google Arts&Culture』美術作品をスマホで鑑賞できるアプリ。世界中に散らばるフェルメール作品が一度に観られる「Pocket Gallery」機能が’18年に搭載され話題に。写真・Getty Images『ハリー・ポッター:魔法同盟』『ハリー・ポッター』を題材としたARゲーム。現実で呪文を唱えたり謎解きができる。’19年配信。『DAVID BOWIE is』大好評だったデヴィッド・ボウイ大回顧展を、スマホで楽しめるARアプリ。彼の誕生日である’19年1月8日に発売。鈴木康太さん 「ギズモード・ジャパン」編集長。ガジェットやプロダクト、テクノロジーにまつわる最新情報を発信する。※『anan』2019年1月2・9日号より。取材、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年12月26日世界的に浸透しているアートを日常に取り入れた暮らし。日本でも生活の中にアートを取り入れる人が増えているそうです。来年はアートで彩りのある生活を始めてみようかな?でも、アート作品を選ぶのって難しいし、価格も高いイメージだし、ハードルが高め。。なのが本音。ならばぜひとも足を運んでほしいのが、来年京都で開催される「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019」。タイトル「A luminescent box」/和田直祐 「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019」は、アーティスト自らが展示会場に立って作品の説明から販売まで行うというユニークな取り組み。今年の2月に開催されていて話題となり、来年が2回目の開催です。オシャレで素敵な作品を作家本人から買えて、しかも手の届く価格帯の作品も多いのでかなり本気で見ちゃいます。これまでアートに敷居の高かった人にもオススメです。 京都文化博物館別館:「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019」の会場の一つ ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019日 程:2019年3月2日(土)、3日(日) ※1日(金)は特別内覧会を開催会 場:京都府京都文化博物館別館 / 京都新聞ビル印刷工場跡時 間:10時00分~18時00分入場料:1,000円(学生無料 要・学生証) ※京都新聞ビル印刷工場跡は無料[URL] さらに、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019」開催にあたりサテライトイベントとして、京都府内のホテルや飲食店などが展示会場になるイベント「ARTISTS’ FAIR KYOTO2019: BLOWBALL」が開催されます。 ■ 会場のご紹介(一部) 京都、錦市場からほど近い、築約100年の町屋をリノベーション。最先端のクラフトビ ールを生み出す醸造所を併設した、“和クラフト”料理が楽しめるレストラン。 創業安政三年(1856年)。変わるものと変わらないものを見極めながら、京都だけが持 つ独自の文化や美しさを、お料理やおもてなしの心を通じて、世界中に発信している。 「下鴨プレアデス」 下鴨茶寮と若手アーティストがコラボレーション"アート"と"ホステル"を合わせ、展覧会の中に宿泊し、美術を“体験”として深く味わっていただくための宿泊型のアートスペース。 さらに、2019年春にオープン予定の宿泊型ミュージアム「BnA Alter Museum」では、制作中の宿泊アート空間をはじめ施設全体を特別公開する、「ナイトミュージアムツアー」を開催。食事を楽しむ人や宿泊する人も、注目の若手アーティストたちの作品が想像を超える展示空間で楽しめます。 アートに染まる早春の京都。美味しいものを食べてアートを楽しんで、街をめぐる。伝統とモダンが同時に存在する文化の街、京都でしか味わえないアートとの出会いを楽しんでみてはいかがでしょう。さぁ、京都へGo! 「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019: BLOWBALL」※ARTISTS’ FAIR KYOTO 2019のサテライトイベント。日 程:2019年2月初旬~3月下旬 会 場:KYOTO ART HOSTEL kumagusuku、スプリングバレーブルワリー京都、下鴨茶寮、BnA Alter Museum、ワコールスタディホール京都 [URL] ※各会場によって開催時期が異なります。詳細はWEBでチェック!
2018年12月22日12月20日から文化学園服飾博物館で開催されている「華やぐ着物‐大正、昭和の文様表現‐」をご紹介!ビビッドな原色にモダンな文様。大正から昭和初期にかけて、華やかな着物が一世を風靡した。それまでの自然由来の染料に代わって英国から化学染料が伝わると、革新的なデザインが次々と試みられることに。伝統的なモチーフを大胆にデフォルメしたり、海外の風俗や近代的な題材を取り入れたり。おしゃれに目覚めた都市部の主婦たちが、こぞって身にまとったのだそう。その感性は現在にも通じるものが。自分だったらどれを着たい?想像を膨らませながら巡ってみては。銘仙の着物昭和初期藤の花を大胆に配したデザイン。華やかな「模様銘仙」はおしゃれ着として人気を博した。帯(部分)大正時代~昭和初期なんと油絵の具で直接描かれている。明治以降に広まった油絵は人々の目に新鮮だったに違いない。銘仙の羽織昭和10~15年頃文様としてさかんに用いられたバラ。当時ヨーロッパで流行していたアール・デコ調の意匠に注目。文化学園服飾博物館東京都渋谷区代々木3‐22‐7新宿文化クイントビル1F12月20日(木)~2019年2月16日(土)10時~16時30分(1/25、2/8は~19時。入館は閉館の30分前まで)日・祝日、振替休日、12/29~1/6休入館料500円ほかTEL:03・3299・2387※『anan』2018年12月26日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2018年12月21日イルミ&アートが楽しめるクリスマスデートスポットをご案内する年末企画、最後は青いイルミネーションが美しい渋谷の街にフォーカス! 現在、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムでは『国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア』が開かれています。うっとりするような青イルミとロシアの絵画をご紹介!恋人つなぎで歩きたい♡【女子的アートナビ】vol. 13712月31日までの期間中、渋谷公園通りから代々木公園ケヤキ並木の約800mにわたり、『青の洞窟 SHIBUYA』イルミネーションが開かれています。このイルミの見どころは、ケヤキ並木の部分。公園の中にあるため周囲が暗く、並木の間を歩くと青い光に包まれます。並木道の路面には、光を反射するシートが敷かれているので、地面にもイルミがキラキラ~! まるで宇宙空間にいるような幻想的な雰囲気を味わえます。※イルミネーション点灯時間は17:00-22:00、点灯時間は日によって変更となる場合があります。また、イベント期間中は、いつもの売店が『青の洞窟』オリジナル仕様にチェンジ。青の洞窟ボロネーゼやブルーシャンパンなども用意され、美しいイルミを見ながら食べることもできます。ロマンティックなケヤキ並木は恋人つなぎで歩くのに最適♡二人で写真を撮りながら、ゆっくりお散歩してみてください。アートもロマンティック♡そんな美しい『青の洞窟』イルミから歩いてすぐのBunkamura ザ・ミュージアムで開かれているのが、『国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア』。約20万点もの作品を所蔵するロシア有数の美術館、国立トレチャコフ美術館から珠玉のコレクションが来日。クラムスコイやシーシキンなど19世紀後半から20世紀初頭のロシアを代表する作家たちの作品72点が展示されています。特に人気のある作品は、イワン・クラムスコイ の《忘れえぬ女(ひと)》。19世紀ロシア美術で最も有名な作品のひとつで、日本にも何度か来日しています。この美しい女性、モデルとなったのは、トルストイの小説に出てくる主人公「アンナ・カレーニナ」という説もありますが、特定はされていないとのこと。黒いドレスも美しく、いつまでも眺めていたくなる作品です。また、風景画もみどころのひとつ。ロシアには、日本の国土よりも広い森があります。そんな森の自然を描いた作品が、イワン・シーシキン の《雨の樫林》。雨で湿った森林の空気までも伝わってきそうな絵で、傘を差して歩く人の後ろ姿が印象に残る作品です。あの人気キャラも…ちなみに、ロシアつながりで、チェブラーシカも展覧会とコラボしています。内覧会では、着ぐるみがフォトセッションに登場。頭が大きすぎてふらつきながらも、ポーズをとってくれました。ミュージアムショップには、本展限定のオリジナルグッズもそろっているので、キャラ好きは要チェックです!今の時期限定で楽しめるイルミ&アートなデートコース3選、いかがでしたか?夜景デートはロマンティックな気分になれるので、どんな世代のカップルにも超オススメ。でも、寒い時期なので、しっかり防寒対策をして楽しんでくださいね!・イルミ&アート丸の内編はこちら!・イルミ&アート六本木編はこちら!『国立トレチャコフ美術館所蔵ロマンティック・ロシア』会期:~2019年1月27日(日)※2018/12/18(火)、2019/1/1(火・祝)のみ休館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 ¥1,500/大学生・高校生¥1,000/中学生・小学生 700円※学生券は要学生証提示(小学生は除く)
2018年12月08日廃墟と聞いて、長崎の軍艦島やジブリ映画の風景などを連想する人も多いはず。もはや絶景のひとつとして定番となった廃墟。最近では旅行会社が企画する「廃墟ツアー」も即満席になるなど、トレンドのひとつだと思っている人も多いかも。けれど、実は廃墟マニアって400年以上前から存在したらしい。そんな事実を物語る展覧会『終わりのむこうへ:廃墟の美術史』が始まった。20世紀前半にシュルレアリスム絵画にも廃墟の風景が数多く登場した。榑松正利《夢》1940年 油彩、カンヴァス練馬区立美術館そもそも廃墟ブームの全盛は18~19世紀の西洋。18世紀にはポンペイなど古代遺跡が発掘され、人々が古代への興味を持ち始めたのをきっかけに、学習を兼ねた遺跡観光「グランド・ツアー」が貴族や富裕層の間で大流行するようになった。そこからは“美しい風景のモチーフとして廃墟は欠かせない”といった趣旨の本も次々と出版され、西洋で廃墟はすっかり絵になる風景の定番に。17世紀にはシャルル・コルネリス・ド・ホーホが、18世紀にはユベール・ロベールや版画家ピラネージなど、廃墟を生涯のテーマとした作家も登場し始めた。西洋の「廃墟」は江戸時代に日本にも伝来する。建築様式が違うため、日本では見られないはずのローマの古代遺跡が、江戸後期の浮世絵には珍妙な姿で描かれている。西洋の廃墟画を模写したのだ。本展には17世紀の西洋画家に始まり、版画、近代洋画、明治以降の日本絵画、シュルレアリスム絵画、現代アートまで、約400年間に描かれた廃墟の絵画が集合。加えて、現代の作家が描き出した未来の廃墟も展示し、これを見ればひと通り廃墟の美術史をたどることができる内容になっている。それにしても、なぜ廃墟は洋の東西を問わず人を惹きつけるのだろう。「芭蕉が『夏草や兵どもが夢の跡』と詠んでいるように、廃墟を見て人間の栄枯盛衰を思う感情は、国籍を問わず誰にでもあるのでしょう。人は廃墟を見つつ、いつかは終わりが来る今を愛おしんでいるのではないでしょうか」(渋谷区立松濤美術館 学芸員・平泉千枝さん)。先人たちを魅了した廃墟の風景は、400年の時を経ても変わらずに美しい。渋谷に想像上の廃墟を重ねた元田久治の作品。元田久治《Indication:Shibuya Center Town》2005年 リトグラフオランダの廃墟画家のシャルル・コルネリス・ド・ホーホの作品。シャルル・コルネリス・ド・ホーホ《廃墟の風景と人物》17世紀 油彩、板東京富士美術館©東京富士美術館イメージアーカイブ/DNPartcom「廃墟のロベール」と言われたユベール・ロベールの代表作。ユベール・ロベール《ローマのパンテオンのある建築的奇想画》1763年 ペン・水彩、紙ヤマザキマザック美術館日本画にも廃墟の絵が。澤部清五郎《群羊図(伊太利アッシジ附近)》1931年 コンテ、膠彩、絹布星野画廊『終わりのむこうへ:廃墟の美術史』渋谷区立松濤美術館東京都渋谷区松濤2-14-1412月8日(土)~2019年1月31日(木)10時~18時(金曜は20時まで。入館は閉館の30分前まで)12月10・17・25日、12月29日~1月3日、 1月7・15・21・28日休一般500円ほかTEL:03・3465・9421※『anan』2018年12月12日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2018年12月07日国際的にも注目されるコレクション「バッドアート」が日本で美術展を開催。バッドアート美術館とは、その名の通り「バッドアート」が並ぶ美術館。ことの始まりは、1994年、ボストンの画商スコット・ウィルソンがゴミの中から拾った一枚の絵。額縁だけ売るために拾ったつもりが、中の絵があまりに「バッド」で見逃せず、友人のジェリーが気に入って飾り始めた。この作品が第1号。それ以来、ジェリーのところにじわじわと集まった「バッドアート」が話題となり、国際的にも注目されるコレクションになっていった。この美術館に所蔵されるための選考基準は厳しく、単に下手なだけではだめ。真剣に創作されていること、何かが間違ってしまっていること、疑問は残るが称賛せざるを得ないもの、これらを満たさなければ認められない。今回は、800点を超える収蔵作品から110点が日本にて初公開。スペシャルサポーターは、しりあがり寿さんが務める。「ケンタウロスとバイカー」どこで何を間違えてしまったのか、同時に存在し得ないはずのふたりがなぜか出会ってしまった様子に、空の青さからさえも目が離せない。「チャーリーとシーバ」シマリスのチャーリーとシープドッグのシーバ。見れば見るほどおかしくなってくる、2匹の表情とこの状況。ポップな絆創膏の唐突さとチャーリーの目線がたまらない作品。Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)東京都文京区後楽1-3-61東京ドームシティ クリスタルアベニュー沿い開催中~2019年1月14日(月)10:00~18:00(最終入館は17:30まで)当日券1300円ほか開催期間中無休東京ドームシティわくわくダイヤルTEL:03・5800・9999※『anan』2018年12月5日号より。(by anan編集部)
2018年12月01日イルミ&アートが楽しめるクリスマスデートスポットをご案内する年末企画、2回目は絶景夜景が楽しめる六本木をご紹介。現在、六本木ヒルズ森タワー53階にある森美術館では、『カタストロフと美術のちから展』が開かれています。カタストロフ(大惨事)をテーマにした美術作品ときらびやかな夜景……大人ならではの夜デートをしてみませんか?抱き合いたくなる♡天空のクリスマス【女子的アートナビ】vol. 136クリスマスまでの期間中、六本木ヒルズ展望台 東京シティビューでは『天空のクリスマス2018』が開かれています。オープンエアのスカイデッキは、海抜270メートルに位置し、都内を一望することができる人気のスポット。現在、光のツリーやイルミネーションが飾られ、22時まで美しい夜景を楽しむことができます。また、期間中はクリスマス特別星空観望会などのイベントも開催。天気が良ければ、美しい星空とイルミ、夜景のすべてを見ることができます。(イルミネーション点灯時間は17:00-22:00、雨天等の荒天時はクローズ、最終入場は21:30まで。点灯時間は一部変更となる場合があります)そして何より、冬のスカイデッキは寒い!超高層ビルの屋上はさえぎるものがないため、風が吹き付け体温が奪われるのですが、この寒さが恋人たちにはぴったり♡付き合いたてのカップルでも草食系の男子でも、ここにくればきっと抱き合うことができるはず。夜の密着デートにおすすめです。夜景の前に立ち寄って!そんなロマンティックな夜景を見る前に、ぜひ立ち寄ってほしいのが、六本木ヒルズ森タワー53階で開かれている『カタストロフと美術のちから展』。この展覧会のテーマは、カタストロフ(大惨事)。大震災や戦争、テロ、さらには難民問題や環境破壊など、社会や個人に襲いかかる悲劇について、美術はどう向き合い、アーティストたちはどんな表現をしようとしたのか……そんな深い内容の作品が会場に並んでいます。参加作家は、宮島達男やトーマス・ヒルシュホーンなど現代アート界のベテランから注目の若手作家まで、国内外で活躍する40組のアーティストたち。彼らの作品を見ながら「美術のちから」を感じ、考えることができる展覧会です。惨事をどう描いたの?では、具体的にアーティストたちは大惨事をどう描いたのでしょうか?その表現方法や技法はさまざまで、写真やオブジェ、抽象化したものもあります。例えば、入り口を入ってすぐのところにある巨大な作品は、トーマス・ヒルシュホーンが制作した《崩落》。二階建ての建物の壁が崩れ落ち、内部が見えています。がれきの素材はダンボールなどで作られているので、近寄ってみるとあまりリアリティは感じられませんが、作品全体からかなり重苦しい空気が伝わってきます。また、武田慎平の《痕#7二本松城》は、福島の原発事故による脅威を表現した作品。タイトルを見る前は、美しい星空の写真と思ってしまったのですが、星のように見える白い点は放射性物質の粒子がフィルムに焼き付けた「痕跡」。福島県出身の作家が制作した「痕」シリーズの写真は、見る者にさまざまなことを問いかけてきます。展覧会の最後に登場するのは、オノ・ヨーコの作品《色を加えるペインティング(難民船)》。参加型のインスタレーションで、来館者はクレヨンを使って、壁や床、難民船のような船など好きなところに「平和への願い」を書くことができます。愛と平和について、長年訴え続けている作家ならではの心に残る作品です。社会派の現代アートと天空のロマンティックな夜景…大人ならではのクリスマスデートをぜひ六本木で味わってみて。Information六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展『カタストロフと美術のちから展』会期:~2019年1月20日(日)※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)※ただし2019年1月1日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)時間:10:00~22:00(最終入館21:30)料金:一般¥1,800/大学生・高校生¥1,200/4歳~中学生¥600/シニア¥1,500会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)『東京シティビュー 天空のクリスマス2018』スカイデッキの料金:一般¥2,300ほか※森美術館、東京シティビュー、森アーツセンターギャラリーのいずれかのチケットをお持ちの方は、以下の追加料金でスカイデッキに入れます。一般¥500/大学生・高校生¥500/4歳~中学生¥300/シニア¥300★六本木ヒルズでは、12 月 25 日(火)までクリスマスイベント『Roppongi Hills Christmas 2018』を開催中!開業 15 周年を迎えた『けやき坂イルミネーション』をはじめ、生もみの木を使ったクリスマスツリー(66プラザ)や、巨大なニットをモチーフにした新感覚の触れるツリー(ウェストウォーク)など、施設内にはクリスマス気分を味わえるスポットが点在。また、今年で開催12年目となる恒例の『クリスマスマーケット 2018』もはじまっています。ドイツのクリスマスマーケットを再現した会場では、本場ドイツの家庭料理やホットワインも登場。詳しくは、六本木ヒルズのクリスマス特設サイトをチェック!撮影場所:六本木ヒルズ
2018年12月01日街のイルミネーションが美しいこの季節、夜デートでイルミと一緒にアートも楽しんでみませんか?そこで、本連載では今回から3回に分けて、イルミ&アートが楽しめる都心スポットをご紹介。まずはシャンパンゴールドのイルミがきらめく丸の内の最新情報をお届けします!優しい輝き♡丸の内イルミネーション【女子的アートナビ】vol. 135丸の内エリアでは、現在「丸の内イルミネーション2018」が開催中。今年で17年目を迎えるこのイベントでは、高級ブランドショップが並ぶ丸の内仲通りに「シャンパンゴールド」のLEDが飾られ、冬の街をロマンティックに彩っています。さらに、2018年は『北欧のクリスマス』をテーマにした装飾や、さまざまなイベントが展開中。例えば、三菱一号館美術館のある丸の内ブリックスクエアでは「Bright Himmeli」を見ることができます。これは、フィンランドの伝統的なモビールで、「幸運のお守り」とも呼ばれるヒンメリ(Himmeli)をモチーフとしたオブジェ。暗くなるとライトアップされ、美しく上品な銀色のきらめきを楽しめます。※点灯時間:17:00~23:00(12月は24:00まで)フィリップス・コレクション展、開催中!そして、現在、三菱一号館美術館では『フィリップス・コレクション展』が開催中です。同展では、アメリカ・ワシントンにある有名な私立美術館、フィリップス・コレクションが所蔵する近代美術作品から秀作75点を紹介。女子の大好きなかわいい洋館の中で、マネやゴーガン、ピカソなど巨匠たちの作品をたっぷり楽しめます。この展覧会でまず注目したいのが、フィリップス・コレクションの創設者、ダンカン・フィリップス(1886-1966)。1912年にはじめて絵画を購入したダンカンは、作品を公開するため、私邸に増築した一室に美術館を設立、1921年に開館しました。彼の審美眼によって選び抜かれた作品は、どれも質の高いものばかり。特に、同時代の芸術に関心を持ち、積極的にアーティストたちを支援しました。会場では、ところどころにダンカンの言葉が書かれたパネルや、アートが飾られた室内の写真パネルも掲示。一流コレクターがどんな思いで作品を収集してきたのか、その熱意の一部を感じ取ることができます。お気に入りはボナールダンカンが支援したアーティストのなかでも、彼のお気に入りだったのがフランスの画家、ピエール・ボナール(1867-1947)。1925年に《犬を抱く女》という作品を見てすっかりボナールを気に入り、彼を全面的に支援、1930年にはアメリカではじめてとなるボナールの個展も開催しました。ダンカンのサポートにより、彼の知名度が広まったといっても過言ではないと思います。ちなみに…現在、六本木の国立新美術館では『ピエール・ボナール展』を開催中です。日本でこれほど多くのボナール作品を見られる機会は今だけかもしれません。『ピエール・ボナール展』の詳細はこちらをどうぞ。ほかにも、アングルやドラクロワなど19世紀の巨匠たちの作品から、クールベ、マネ、ブラック、ピカソ、さらにはクレーやマルクなどドイツ語圏の絵画まで、厚みのある近代芸術の作品群を堪能できます。まずは名画を見てからイルミ散歩をすれば、作品の感想を話したりもできて会話も弾むこと間違いなし。この時期しかできないアート&イルミデート、ぜひ楽しんでみてくださいね!Information会期:~2019年2月11日(月・祝)休館日:月曜日(ただし、祝日・振替休日の場合、会期最終週とトークフリーデーの1/28は開館)、年末年始(12/31、1/1)時間:10:00~18:00(金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで会場:三菱一号館美術館料金:一般 ¥1,700/高校・大学生¥1,000/小・中学生¥500※アフター5女子割:第2水曜日17時以降/当日券一般(女性のみ)¥1000※本記事の写真は、プレス内覧会で主催者の許可を得て撮影しています。
2018年12月01日みんな大好きな『クマのプーさん』の展覧会が2019年2月から開催されます。そのナビゲーターに、女優の葵わかなさんが就任! 音声ガイドのナレーションも担当される葵さんに、意気込みや展覧会の見どころを語っていただきました!ナビゲーター、葵わかなさん!【女子的アートナビ】vol. 134『クマのプーさん展』は2019年2月から東京・渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されます。世界中で愛されているクマの「プーさん」が誕生したのは、1926年。イギリスの作家A.A.ミルンが文を書き、E.H.シェパードがイラストを描いたユーモアあふれるこの物語は、各国で翻訳され、全世界で5000万部以上のシリーズ本が出版されています。この展覧会では、ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)が所蔵する原作の原画や資料、写真などの貴重な作品200点以上を展示。味わいあるオリジナルのプーさんをたっぷり楽しめます。そして、このかわいいプーさんの世界を紹介してくれるナビゲーターに、女優の葵わかなさんが就任!2017年のNHK連続テレビ小説『わろてんか』で主役を演じたほか、話題のドラマや映画でも活躍中の葵さんに、プーさんのお話しを聞いてきました!音声ガイド担当に「やったー!」――まず、ナビゲーターに就任されて、いまの感想を教えていただけますか?葵さん音声ガイドも担当させていただくんですけど、こういう展覧会の音声ガイドをずっとやってみたいなと思っていたので、単純に「やったー!」という感じでうれしかったです。しかも、子どものころからなじみのあるプーさんの展覧会なので、知っている作品でガイドをさせていただくというのもラッキーでうれしいなと思いました。――音声ガイド、どんな心意気でのぞみたいですか?葵さんプーさんはよく知られているストーリーですし、プーさん自体が物語として空気感や世界観ができあがっているので、そういったものを邪魔しないように、プラスにできるようにやっていけたらいいなと思います。原作のプーさんはけっこう辛口!――この展覧会の見どころ、おすすめポイントはどんなところですか?葵さん原作の展覧会、というのがひとつポイントだと思います。私が小さいころから見ていたのはアニメのほうのプーさんだったのですが、原作とは絵のタッチが少し違うんです。原作のストーリーやキャラクターの性格、関係性も、ちょっとアニメとは違います。例えば、原作では(主人公のひとりである)クリストファー・ロビンが「プーさんばかだな」とか普通にいってしまうんですよ(笑)。けっこう辛口というか……(苦笑)。みんなプーさんのことが大好きなんですけど、もうちょっと関係性がリアルなんです。――確かに、物語のプーさんは、ちょっとおバカな感じで描かれていますよね。葵さんそうなんですけど、逆にそれが読んでいるうちに「すごく愛おしい」とか「かわいい」と思うようになるんですよね。原作ならではの良さがあり、絵も原画ならではの良さがあると思うので、その違いを楽しんでいただけるのではないかと思います。また、プーさんは子どものものだと思っていた部分があったのですが、原作の挿絵は大人の方が見てもかわいいなと思ったり、クラシカルでおしゃれだなと思ったりする絵が多いので、大人の女性が気に入ってくださるのではないかなと思います。「それってひどくない?」と思った場面は…――『クマのプーさん』のなかで特に印象に残る場面はありますか?葵さんウサギさんの家で食べすぎたプーさんが、帰るとき玄関におなかがはさまって出られなくなる場面があるんですけど、ここが大好きなんです。玄関にはさまり下半身だけ家の中に取り残された状態のプーさんを「邪魔だな」と思ったウサギさんが、「プーさんの足をタオル掛けに使っていい?」と聞くんです。その部分を読んだとき、「そんなぁ。それってひどくない?」と思ったりして(笑)。実際、物語では本当にウサギさんがプーさんの足をタオル掛けに使ってしまうんです! その様子を描いた挿絵もあるんですけど、その原画とかも見てみたいなと思っています。好きなキャラ、見た目では…――では、『クマのプーさん』に出てくる登場人物・動物では誰が好きですか?葵さん見た目で言うと、コブタです。小さくてかわいいし、プーさんと並んで歩くと身長差があって「かわいい!」って思うんです。性格面でおもしろいなと思うのはフクロです。森一番の物知りで、読み書きができるから頼りにされているんですけど、実際に文を書くと間違えているんです。でも、プーさんもほかの動物たちも文字を正しく読めないから気づかない。読者だけが「フクロは全然違うことを書いている!」とわかって、それでクスッと笑えるんです。間違ってばかりなのに、フクロはとても偉そうにしていて、それもかわいいなと思います。――ちなみに、現実の世界で好きな動物はいますか?葵さん私、猫がすごく好きなんです! 実家で2匹飼ってます。動物は基本的になんでも好きで、動物園も好きですし、犬も好きですけど、猫はとにかく好き。猫を飼い始めたのは私が中学生くらいのときです。最初から飼っている猫はもうおじいちゃんなので、あまり遊んでくれないんですけど、最近きた子猫は遊び盛りで、ねこじゃらしを使うと大興奮して遊んでくれるので、とても楽しいです。偉人伝が大好き!――葵さんは、プーさんも読み込まれていますし、本がとてもお好きなんですね。葵さん小学生のときから本が好きでした。小学校の授業で図書室に行くんですけど、たぶんそのときに好きになって、それから休み時間は毎回図書室に行くようになりました。5年生から委員会活動がはじまるんですけど、図書委員になって、バーコードをピッとやりながら本の貸し出しもしてました。最初は物語ばかり読んでましたが、本好きの父が小説を貸してくれるようになって、それからは父の本棚にある本を読むようになり、今につながっています。――どんなジャンルの本が好きですか?葵さん現実に近い話よりも、ちょっとファンタジックな話が好きだったりします。本の中にしか存在できない設定とかありますよね。そういうのを見つけたときに、本っていいなと思います。――今後ご自身で演じてみたいと思うお気に入りの文学作品はありますか?葵さん歴史が好きなので、歴史上の人物を演じたみたいというのはあります。日本の着物も好きですし、昔の習慣にも興味があります。時代的には、明治時代もいいですし、『はいからさんが通る』の時代も服装がかわいくて、お話もおもしろそうです。小学生のころは漫画の偉人伝を読むのも好きでした。――どんな偉人が好きなのですか?葵さん偉人というか、憧れの女性はダイアナ妃です。ちょうど私が生まれる前に亡くなられたので、同じ時代を生きてはいないのですが、ダイアナさん関連の本もたくさん読んでいるので、知れば知るほど好きになりました。本当に魅力的な方だと思います。――最後に、展覧会についてメッセージをいただけますか。葵さんプーさんはみんなが知っている人気のあるキャラクターだと思いますが、今回のプーさん展は原作のプーさんなので、また違った雰囲気をお伝えできるかなと思います。私自身も原作や原画の雰囲気を崩さないような音声ガイドができればと思っていますので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。インタビューを終えて…テレビや雑誌を通しても、そのかわいらしさは伝わってきますが、実際にお会いした葵さんはまさに“天使”。左右正面どこから見てもキュートでした。そしてかわいいだけじゃなく、知的で礼儀正しい愛されキャラ。プーさんの物語の細かい描写について、目をキラキラさせながら話す姿が印象的でした。ちなみに…猫の話をしているときも、とっても楽しそうでした!そんな葵さんがナビゲーターをつとめる『クマのプーさん展』は2019年2月からスタート。どうぞお楽しみに!Information会期:2019年2月9日(土)~4月14日(日)(2/19.3/12は休館)時間:10:00-18:00(入館は17:30まで) 毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)会場:Bunkamura ザ・ミュージアム料金:一般 ¥1,500/大学生・高校生¥900/中学生・小学生 600円(全て税込の当日券料金。前売券は各200円引き)
2018年11月22日今年、デビュー10周年を迎えるマギーさんの、3年ぶりとなる写真集『new Moon』が発売された。「今までは、相手に求められているものや、みんなが思っているマギー像に合わせて仕事をしていました。でも、もちろん、そこには無理をしてしまっている時もあったんです。そこで、今回の写真集は、“ありのままの自分”を見せることを大事にしました。少し大人っぽいベッドでのカットも気張ったりせず、カメラマンさんと2人になって、その場の空気で流れるように撮っています。見返すと、“私ってこういう顔をするんだ”という発見がありました。人に見てもらうものだから体の見え方はずっと意識していたけど、それよりも、あまり作り込まないように意識するほうが難しかったです。タイトルには、私が家族から呼ばれているあだ名である“ムーン”を入れました。“プライベートの自分”“新しいスタートを切る私”という意味が込められています」撮影場所や、カメラマン、スタイリストなどのスタッフは、マギーさん自身が選んだ。「昔ながらの街並みが残る場所で撮りたくてスペインのバルセロナを選びました。パープルのワンピースを着て撮影した修道院は本当に静かで、他の場所とは空気がまったく違い、気持ちよかったです。スタッフさんは、自分がイメージする写真集の雰囲気に合う人たちにお願いしました。一緒にクリエイトする人たちの組み合わせで起こる化学反応が、大事だと思ったんです。実際、撮影はとにかく平和で、楽しかった!みんなで買い物に行って見つけた水着を着ているシーンもあるし、デニムのショートパンツとTシャツを着ているカットは、ロケハン中に撮影したものです。普通、ロケハンはスタッフさんだけでしますが、大好きで離れたくなくてついていきました(笑)」チームワークがよかったからこそ、いい写真集ができたとマギーさん。「下着での撮影の前などは、やっぱりピリピリすることもありました。でも、それをみんなが和ませてくれたし、いい空気を作ってくれて本当に助かりました。みんなプロフェッショナルで、スタッフ全員のフィーリングが一致する奇跡に近い撮影ができたし、だからこそ、いい写真が撮れたと思います。一冊の中に、いろんな私がつまっています。ドキッとしたり、にやっとしたり、癒されたり…と、いろんな気持ちを感じてもらえたら嬉しいです」『new Moon』バルセロナの市街地やビーチ、一軒家などで撮影された現在のマギーさんの姿を、176ページの大ボリュームで収録。女性が憧れる、磨き上げられた体はもちろん、オシャレなファッションも注目のポイント。チャーミングさと美しさを兼ね備えた、大人の女性としての魅力を存分に味わって。宝島社2200円マギー1992年5月14日生まれ。神奈川県出身。モデルやタレントとして活躍する傍ら、アパレルブランド『SURIPSIA』など、さまざまなプロデュースを手がけている。©宝島社/撮影・土山大輔[TRON]※『anan』2018年11月21日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年11月19日11月30日(金)から全国公開されるディズニーの新作映画『くるみ割り人形と秘密の王国』。その主人公たちが着るドレスを「花」と「イラスト」で表現したとってもキュートなフラワードレスアート全3作品が、現在、ディズニーの公式サイトで順次アップされています。今回、ananwebではフラワードレスの作者、葉菜桜花子(はなさくら はなこ)さんにインタビューを実施。さらに、未公開の3作品目を先行独占配信しちゃいます!まもなく公開!『くるみ割り人形と秘密の王国』【女子的アートナビ】vol. 133世界の名作を世に送り出してきたディズニーが、ついに『くるみ割り人形』を映画化。絵本や童話、バレエなどさまざまな形で愛されてきた物語が、プレミアム・ファンタジーとしてスクリーンに登場します!物語の主人公は、愛する母を亡くして心を閉ざした少女クララ。その年のクリスマス・イブ、彼女はふとしたことから不思議な世界へと足を踏み入れてしまいます。そこは、美しく幻想的な“花の国”、“雪の国”、“お菓子の国”、そして荒れ果てた ”第4の国”からなる<秘密の王国>。この王国で唯一のくるみ割り人形だという兵士に導かれ、クララの冒険の旅がはじまります。やがて、彼女は危機に瀕した王国を守るための戦いに巻き込まれていくことに……。葉菜桜花子さんにインタビュー!このファンタジックな映画の主人公たちが着ている美しいドレスを「花」と「イラスト」で表現したのが、フラワードレスアート。本映画のために3作品が制作されました。作者は、葉菜桜花子さん(@hanacotoba_jp)です。(下の画像はご本人が制作された自画像)Processed with VSCO with g3 preset葉菜桜さんは、福岡在住のアーティスト。2017年春よりSNSで、女性のイラストと花びらを組み合わせたフラワードレスアート作品を発表して注目を集め、Twitterのフォロワーは13万人を突破。2018年7月には作品をまとめた書籍も出版されています。――まず、この企画が実現したいきさつについて、教えていただけますか?葉菜桜さん私は毎日お花のドレスをSNSに投稿しています。それを目にした方々がいらっしゃって、この企画をいただきました。素敵な企画だったのですぐにOKしました。――ディズニーからアート制作を依頼されたとき、どんなふうに思われましたか?葉菜桜さん嬉しさとワクワクを同時に感じました。これまでにも『美女と野獣』や『白雪姫』などディズニー映画は好きで観ていました。だから依頼がきたときは、とてもビックリしましたが、それと同時にワクワクしていました。――映画の本編もご覧になったそうですが、いかがでしたか?葉菜桜さんどこを切り取ってもかわいく素晴らしい映画で、映画全体の世界観に圧倒されました。特に印象に残っているのは、主人公クララの美しさです。そして、クララのドレスが変化するところも魅力でした。かわいすぎーっ!フラワードレスアートでは、ここからは、現在ディズニーの公式サイトで順次発表中のアート作品3点を見ながら、葉菜桜さんのコメントをご紹介していきます。まず1作品目のモデルは、主人公クララ。彼女が着ている紫のドレスをイメージした作品は…こちらです!かわいいーっ!――本当に素敵なドレスですね。どんなお花を使って制作されたのですか?葉菜桜さん使用したのは、デルフィニウムとトルコキキョウです。制作期間は、構想や使用花材の選定なども含めると1週間くらい。衣装のイメージを崩さずにお花で再現することを意識したのがポイントです。続いて、2作品目のモデルとなった登場人物は、“お菓子の国”を統治する妖精、シュガー・プラム。彼女のフラワードレスは…こちらです!なんという美しさ!――このドレスの制作ポイントは、どの部分ですか?葉菜桜さんポイントは、フリル感の再現です。とても繊細な作業でした。使用したお花は、バラ、カーネーション、トルコキキョウです。シュガー・プラムのドレスの色味を意識して、バラはテナチュール、カーネーションはアンティグアという品種を使いました。制作には2週間くらいかかりました。ananweb、先行配信作品の発表です!そして、最後の3作品目は、ananwebが先行配信!ディズニーの公式サイトよりも一足お先に公開させていただきます!3作品目のモデルとなった登場人物は、シュガー・プラムがクララをもてなすために催したバレエの舞台に主役として登場するバレリーナ・プリンセスです。彼女のフラワードレスは…こちらです!かれんで美しい~♡――白いドレスも背景も、とても素敵ですね。葉菜桜さんこの背景は、作品の場面写真などを拝見し、水色のイメージがあったことと、衣装として使用した白いお花を目立たせたくて、このような背景になりました。使用したお花は、アナスタシア、カスミソウ、アジサイ(プリザーブド)です。制作期間は2週間くらい。バレリーナ・プリンセスのチュチュにアナスタシアを使用したところがポイントです。また、3作品とも、制作中は、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』第3曲『金平糖の精の踊り』をリピート再生して聞き続けていました。フラワードレスの描き方は?――ところで、フラワードレスアートの制作方法を教えていただけますか?葉菜桜さんまず、お花を画用紙の上に無造作に置きます。それを見たインスピレーションで下書きをします。下書きが終わるとそのまま筆入れします。お花のドレス部分を調整し、風を使って周りに花びらを散らします。――制作で難しい点を教えていただけますか?葉菜桜さん生ものであるお花や葉っぱを使うため、素早く描き上げなければいけないところです。それから、完成した絵を写真に撮るところも難しいです。自然光で撮影しているため、光や天候に作品の出来は左右されてしまいますし、最終的に絵になるかどうかは写真次第なところもあります。――なるほど。写真もかなり重要なのですね。では、最後に、今後の抱負とメッセージをいただけますか?葉菜桜さん私自身がお花の魅力に取り憑かれておりますので、そのような人が増えるように微力ながら絵を描き続けたいと思います。『くるみ割り人形と秘密の王国』は、本当にどこを切り取ってもかわいくて、素晴らしい世界観に浸れる作品です。ぜひ、映画館でご覧になってください。葉菜桜さんのフラワードレスアートを見たら、ますます映画が楽しみになってきましたね。『くるみ割り人形と秘密の王国』は11月30日(金)から全国で公開されます。どうぞお見逃しなく!Information© 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2018年11月19日17世紀ヨーロッパを代表する超有名画家、ルーベンス。彼の過去最大級となる展覧会が現在、上野の国立西洋美術館で開かれています。たくましい男性のヌードや巨大な祭壇画など、見どころをご紹介します!ルーベンス作品が上野に集結!【女子的アートナビ】vol. 132ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は「王の画家にして画家の王」と呼ばれたほどの偉大な画家。しかも、イタリア語やフランス語など5か国語を話し、外交官という顔も持つなどマルチな才能を発揮して大活躍した人です。『ルーベンス展-バロックの誕生』では、そんな多才な画家の作品約40点が集結。なかには3メートル級の大作もあり、まるでヨーロッパの教会や美術館にいるような迫力の展示を楽しめます。ルーベンスはイタリア好き♡この展覧会のテーマは、ルーベンスとイタリアのかかわり。彼はフランドル(現在のベルギー、オランダ、フランスにまたがる地域)のアントウェルペンで育ち、同地で活躍した画家ですが、一時期はイタリアで活動していました。当時のヨーロッパでは、政治も芸術文化もローマが中心。幼いころから古代文化に親しんでいたルーベンスは、1600年に憧れのイタリアに渡り、宮廷画家をしながらローマの古代遺跡や彫刻、イタリア美術などを研究しました。会場では、ヴェネツィア派の画家ティツィアーノの絵画をルーベンスが模写した《毛皮を着た若い女性像》など、イタリアの影響を受けた作品も見ることができます。ルーベンスはヌード好き♡ところで、展示作品を見ていると、ヌードの絵がとても多いことに気づきます。例えば、英雄ヘラクレスや美しいヴィーナスなど、男女を問わず裸体がいっぱい。しかも、どの裸も理想的なプロポーションで、男は筋骨隆々、女は豊満な肉体をさらけ出しています。このような絵を描く際、ルーベンスはローマの古代彫刻を参考にしたとのこと。確かに、描かれている裸体は彫刻のような体つきをしています。会場では、ルーベンスが手本にしたと思われる古代彫刻も一緒に展示。なかには、彫刻とまったく同じポーズの絵もあるので、いろいろ見比べてみるとおもしろいです。ドキッとする乳首の絵も…ヘラクレスやヴィーナスなどのヌードを描いた神話画のほかに、寓意画というジャンルの作品もあります。例えば、《ローマの慈愛(キモンとペロ)》は一見するとかなりドキッとする寓意画。若い女性が自分の乳房をつかみ、男性がその乳首を口にしている絵で、内容を知らずに絵だけ見ると戸惑うかもしれません。この絵は、牢獄で食事も与えられずに死を待つ罪人キモンのもとを訪れた娘ペロが、父に自分の母乳を飲ませて飢えをいやした…という慈愛や親孝行をテーマにした寓意画。ペロは出産直後だったので母乳が出たそうです。当時のヨーロッパではこの種の絵画が人気だったとのこと。ただ、神話の世界や家族愛というのは表向きのテーマで、実際には若い女性の裸を描いてほしい…という注文主の願望もあったようです。ほかにも、ルーベンスが描いた巨大な祭壇画や、彼に影響を受けたイタリアの画家たちの作品なども展示。どれも日本ではなかなか見られないものばかりです。また、長澤まさみさんが語る音声ガイドを利用すれば、作品の背景や神話のストーリーなども紹介してくれるので、より深く絵を理解して楽しむことができます。芸術の秋にぴったりの見ごたえある展覧会、ぜひ一度足を運んでみては。Information会期:~2019年1月20日(日)時間:9:30~17:30毎週金・土曜日:9:30~20:00(ただし11月17日は9:30~17:30まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日(ただし12月24日、1月14日は開館)、2018年12月28日(金)~2019年1月1日(火)、1月15日(火)会場:国立西洋美術館料金:一般¥1,600/大学生¥1,200/高校生¥800/中学生以下無料
2018年11月16日どこか昔を思わせるレトロな雰囲気と、ビビッドな色彩が印象的な五月女ケイ子さんの絵。弊誌の堀潤さんの連載「社会のじかん」の挿絵でもおなじみの五月女さんが、このたび個展を開催することに。「雑誌のイラストだったり、広告に使う絵だったり…。仕事で頼まれて描く絵はあらかじめテーマが決まっているので、それに沿って、さらに相手が何を望んでいるかを考えつつ描くもの。でも個展のために描く絵は、“私が何を言いたいか”が大事になってくる。まずはテーマ、絵を通して発信したいことを決める。そして自分の内面を探り、追求する作業があるところが、仕事で描く絵とのいちばんの違いでしょうか」個展のために自身と向かい合い、考え、ペンを走らせることで、自己に対する新たな発見や驚きと出合える。その時間が楽しいと語ります。「私ってこんなことを考えてたんだ、とか、こんなふうに世間を見て、感じていたんだということが、徐々に見えてくるのがおもしろいですね。絵を通して、世の中と自分を繋げていくような感じ。まさに今、その作業の真っただ中なので、日々自分と向き合ってる感じです」今回のテーマは、日本人にとってとても大きな存在である、富士山。もともと好きで、今までも幾度となく描いてきたモチーフです。「富士山は、私が思う“ザ・昭和”の象徴みたいな存在で、美しく素敵、愛らしさもありますよね。私自身は平成になってから仕事を始めて今に至るのですが、なぜかよく私の画風は、“昭和レトロ”と言われることが多くて(笑)。もうすぐ平成が終わる中で、あえてその“昭和の象徴”的なものを描くことに、なにか意味があるような気がしています」本来は、そんなに主義主張を掲げるようなタイプの作家ではない、と自らを分析する五月女さん。しかし、ここ数年変化があるようで…?「たぶんアンアンで、『社会のじかん』の挿絵を描いてることが、結構大きい気がします。あのコーナーに関わっていることで、いろんなことに興味が出てきて、少しずつ“伝えたいこと”みたいなものも出てきたというか…。一つの時代が終わる今、この先、時代や日本、世の中、そして私自身、どうなっていくのかなと、ふと思うことがよくあって。昭和という過ぎた時代をテーマにしつつ、この先の未来に繋がるような作品を作り出せたらいいですね」あえて最後に無粋な質問を。個展では絵を販売するそうですが、売れたらやりたいことはありますか?「えー!?じゃあ自動運転の車を買うべく、貯金しようかな。なんか明るい未来っぽくないですか?あと私、免許持ってないし(笑)」今回展示する作品は、すべて販売するそう。富士山仕様の角隠しをかぶった淑女の絵が、今回のイメージビジュアル。その他の画像は順に、年賀状に使いたいくらいおめでたい絵、富士山クリスマスツリー仕様…。そおとめ・けいこイラストレーター。タレントやコラムニストとしても活動中。今年は台湾でも大規模な個展を開催し、大好評を得たそう。『五月女ケイ子の富士山展』GALLERY HOUSE MAYA東京都港区北青山2-10-2611月19日(月)~12月1日(土)11:30~19:00(土曜~17:00)日曜休無料TEL:03・3402・9849©keiko sootome※『anan』2018年11月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2018年11月14日作者不詳、いつ、どこで作られたかもおおよそでしかわからない。生活の中で使われてきた素朴な日用品なのに、見る者の心を動かす“何か”がある。1925年、柳宗悦(やなぎむねよし)が“発見”して以来、「民藝」は多くの人をひきつけてきた。国際的に活躍するプロダクトデザイナー、深澤直人氏もその一人。「民藝MINGEI-Another Kind of Art展」では日本民藝館館長を務める氏がディレクションを担当。同館の所蔵品を中心に焼き物、漆器、仏像など、全国から収集した新旧150点あまりを紹介する。「『民藝』とはカテゴリーではなく、生き方そのものを指すのではないか」と氏。副題の「Another Kind of Art」は96歳の現役染色家・柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)の言葉だという。歴史をたどれば「民藝」は、風土や風習に根ざしたものづくりが、世代を超えて受け継がれる中で、独自性を持つにいたったもの。美術や工芸という枠組みを軽々と飛び越えていく。会場ではそうした自由で無垢な精神を目の当たりにできそうだ。メインの展示に加えて深澤氏の私蔵品にも注目。自身のインスピレーションの源である名品が揃うとのこと。また制作現場やインタビューを撮り下ろしたドキュメンタリー映像など、現代のつくり手に迫る企画も興味深い。日本を代表するデザイナーのナビゲートで、「民藝」を再発見してみてはいかが。火鉢出雲大津(島根県)昭和時代1940年代〈日本民藝館蔵〉羅漢像朝鮮半島朝鮮時代〈日本民藝館蔵〉白磁燭台薩摩 平佐(鹿児島県)江戸時代19世紀〈日本民藝館蔵〉※冒頭の写真朱漆酒器琉球王朝時代19世紀〈日本民藝館蔵〉「民藝」21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2東京都港区赤坂9-7-6東京ミッドタウンミッドタウン・ガーデン内開催中~2019年2月24日(日)10:00~19:00(入場は18:30まで)火曜(12/25は開館)、12/26~1/3休一般1100円ほかTEL03・3475・2121ふかさわ・なおとプロダクトデザイナー、多摩美術大学教授、日本民藝館館長。国内外のメーカーの製品デザインやコンサルティングを手がける。2018年、イサム・ノグチ賞受賞ほか受賞歴多数。(撮影:岡本憲昭)※『anan』2018年11月14日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2018年11月09日上野の東京都美術館で『ムンク展―共鳴する魂の叫び』がはじまりました。開幕に先立ち、お笑いタレントバイきんぐの小峠英二さんが、ムンク代表作《叫び》の登場人物に変身。その強烈な完成写真がプレス向けに披露されました!展示室に小峠さんが登場!【女子的アートナビ】vol. 131写真お披露目会の会場は、美術館内のムンク《叫び》が展示されている部屋。世界的にも超有名な名画の前に、バイきんぐの小峠英二さんが登場です!今回、小峠さんは《叫び》の登場人物になりきり、特殊メイクを施して写真を撮影する…という企画に抜擢されました。起用された理由をたずねられると、「それはハゲているからでしょ」と即答。「自分でも何となく似ているのかなってね。ハゲてるってだけでこうやってお話いただけるなんて、ハゲてみるもんですね」となかなかうれしそうなご様子です。ちなみに、小峠さんが着ているのは展覧会オフィシャルグッズのTシャツ。《叫び》の絵はイラストにしてもインパクトが強いです。《叫び》の感想は?まず、実際に本物の《叫び》を見ての感想を問われると、「この絵は、めちゃくちゃ有名な絵じゃないですか。美術の教科書にも出てくるような絵」と興奮気味。実は、ムンクの《叫び》は今回の展覧会が初来日となっています。小峠さんこの絵はなかなか海外に出ることがないと聞いたので、今回日本に来たのは喜ばしいことなんじゃないですかね。じかに見たかった人がたくさんいらっしゃると思うんでね。絵画好きの人もそうじゃない人もテンション上がっているんじゃないですかね。生ムンクの《叫び》完成写真発表!続いて、いよいよ生ムンクの《叫び》完成写真のお披露目です!上の写真、真ん中の登場人物が小峠さん。まるで絵のような仕上がりです!――はじめて写真をご覧になって、いかがですか?小峠さんいいですね、これは。すごいです!腰のくねっとしたラインとかこだわったんですよ。――胴体の部分も小峠さんなんですか?小峠さんそうですよ!腰のカーブがけっこう角度があってね。「曲げてください」とか「足をつけたままゆるやかに腰を伸ばして」とか、細かく指示があったんです。これなら本物と入れ替えてもばれないんじゃないかな(笑)。――実際にメイクされてみて、いかがでしたか?小峠さんけっこう塗りたくられてね、大変でしたよ。薄い、濃い、やりすぎたなどなかなかの時間を使ってやらせていただいた。特殊メイクみたいな感じでしたね。――絵の登場人物はどんな心境なんでしょうね?小峠さんこの絵は後ろのほうに2人組がいるんですけど、この2人にびびって叫んでいるんじゃないか、という見方もあるそうです。また、追い込まれて橋の上で叫んでいるという説とかもあって、絵一枚でいろいろな想像ができるのはおもしろいですよね。――今後ネタで使えるのでは?小峠さん振りで、誰に似ているんだというときに、ぼくは正岡子規といっていたんですけど、これからはムンクの《叫び》でいけるかも。この写真を撮っているときも、意外とノーメイクでもいけるんじゃないかって(笑)。別に2時間もかけて塗らなくてもよかったんじゃないかって感じだったんで、ムンクは使えるかもしれませんね。――《叫び》にちなんで、いま、愛を叫びたい相手はいますか?小峠さんいま、彼女はいないんですよ。でも気になっているのは、中目黒にある焼肉屋の店員さん。かわいらしい人がいるんですよ。独身っぽい、25~26歳ぐらいでね。気になっている女性はその人ぐらいかな。最後に、小峠さんからメッセージ!小峠さん《叫び》は日本初上陸ということで、もしかしたら今回逃すといつ見られるかわからない。絵の持つエネルギーというかパワーというか、おおざっぱに見えて繊細な部分とか、近くで見るとよりわかる。ぜひご来場いただいて、生で《叫び》を見ていただいたらと思います。『ムンク展―共鳴する魂の叫び』では、オスロ市立ムンク美術館のコレクションを中心に、油彩画や版画など約100点を展示。ムンクの生涯をたどりながら、彼の60年にわたる画業を振り返ることができます。誰もが知る世界的な名画《叫び》は必見中の必見。ぜひお見逃しなく!Information会期:~2019年1月20日(日)会場:東京都美術館企画展示室時間:9:30~17:30※金曜日、11月1日(木)、3日(土・祝)は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)休室日:月曜日、12月25日(火)、31日(月)、1月1日(火・祝)、15日(火)※ただし、11月26日(月)、12月10日(月)、24日(月・休)、1月14日(月・祝)は開室観覧料:一般¥1,600/大学生・専門学校生¥1,300/高校生¥800/65歳以上¥1,000/中学生以下無料※12月は高校生無料※11/21(水)、12/19(水)、1/16(水)はシルバーデーにより65歳以上の方は無料。当日は混雑が予想されます。
2018年10月31日上野の東京国立博物館で『マルセル・デュシャンと日本美術』展が開かれています。便器をアートだといったり、女装して活動したりと異色のアーティストとして知られるマルセル・デュシャン(1887-1968)。20世紀美術に大きな影響を与えた彼の楽しい作品をご紹介します!トーハクにデュシャンが来た!【女子的アートナビ】vol. 130展覧会の会場は、東京国立博物館(トーハク)。日本と東洋美術の名品が並ぶこの場所で、なぜデュシャンの展覧会?と不思議に思いますが、同展の長~い正式タイトルにヒントがありました。東京国立博物館・フィラデルフィア美術館交流企画特別展『マルセル・デュシャンと日本美術』トーハクの解説によると、過去に何度かフィラデルフィア美術館で開かれた日本美術展に協力をしたことがあり、そのご縁で今回の企画が実現したとのこと。アメリカ東海岸にあるフィラデルフィア美術館は、西洋の近代美術やアジア美術、そして20世紀美術など約24万点もの作品を収蔵。なかでもデュシャン・コレクションは世界随一ともいわれ、絵画や版画など200件以上、写真や直筆メモなどの関連資料を42,500件以上も所蔵しています。そして今年2018年は、デュシャン没後50年という節目の年。フィラデルフィア美術館のコレクションをもとに日本と韓国、オーストラリアの3カ国をめぐる国際展覧会を開くこととなり、その会場としてトーハクが選ばれたそうです。デュシャンと日本美術がコラボ3か国を巡回する国際展覧会ですが、トーハクで行われる『マルセル・デュシャンと日本美術』では、デュシャンだけでなく日本美術もあわせて楽しめる2部構成の企画展になっています。第1部では、デュシャンの作品と彼のユニークな人生を紹介。さらに、第2部では江戸時代を中心に、鎌倉から明治までの日本美術を展示しています。デュシャンは画家だったそれでは、会場に入ってみます。まず第1章では「画家としてのデュシャン」と題して、1902年から1912年までの絵画作品が展示されています。フランスで生まれたデュシャンは15歳のときにはじめて油彩画を制作。その後、印象主義や象徴主義、フォービスム、キュビスムなど、当時フランスで起こっていたさまざまな芸術運動から影響を受けた作品を描いています。展示室には貴重な絵画が並んでいますが、特に見逃せないのが《階段を降りる裸体 No. 2》。階段を降りていく人の動きを表現した連続写真のような油彩画です。この作品は、発表当時さまざまな理由で問題作とされていましたが、いまではキュビスムの重要作品として美術史の教科書にも載っています。便器がアートに…!つづく第2章では1912年から1917年までの作品や活動を紹介。ここで、アートの歴史を変えた超有名な便器の作品《泉》を見ることができます!《泉》は、既製品の磁器製男性用小便器にR.Mutt (リチャード・マット)という偽名のサインを入れただけの作品。デュシャンは当時これを芸術作品として展覧会に出そうとしましたが、「不道徳で創意がない」などの理由で拒否されてしまいました。20世紀初頭、日本ではまだ大正時代の1917年に便器をアートだ、としてしまったのですから、かなりセンセーショナルな出来事だったんでしょうね。デュシャンは便器だけでなく、自転車の車輪や雪かきシャベルなども芸術作品として提示。大量生産されている日用品から実用性を取り去ってつくりあげた作品を彼は「レディメイド」(既製品)と名づけ、伝統的な美術の価値観を壊していきました。それにしても、なぜ便器を選んだのか、この便器は使用したものなのか、などいろいろ気になります。展覧会の第1部出版物(上 写真、税込み¥3,000)で調べてみたところ、デュシャンは見た目の美しさや機能などで便器を選んだのではない、とのこと。そもそも、製品を選ぶ行為自体も重要な制作過程の一部なので、その選定方法をひとことでは説明できないようです。ちなみに、展示されている便器はレプリカで、1917年に制作されたオリジナル作品はデュシャンが製造元のショールームで購入したそうです。使用済みのものではありませんでした。1920年代に入ると、デュシャンはいったん芸術家をやめてチェスにのめりこみ、さらに女装をして別人格になりきりダジャレなど言葉の実験を試みるなど、さまざまな活動をします。その後ふたたび芸術活動にかかわり、1968年に81歳で亡くなりました。本会場では、晩年の作品や彼の写真なども含め、約150点もの作品や資料を見ることができます。デュシャンと日本美術を比べてみると…第2部では一転して日本の古美術が並んでいます。例えば、《竹一重切花入》は千利休が作ったといわれる作品をもとに作られたもの。ありふれた竹から美を生み出した利休の考え方は、400年前の「レディメイド」といえるのではないか…ということで展示されています。デュシャンの前衛的な作品を見たあと日本美術を見ると、表現方法の違いや日本人の美意識について気づくことが多々あり、刺激的な鑑賞体験ができます。トーハクでデュシャンと日本美術を同時に見られるのは、かなり貴重な機会です。ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!Information会期:~12月9日(日)時間:9:30~17:00ただし、金・土曜日、10月31日、11月1日は21:00まで(入館は閉館の30分前まで)休館:月曜日会場:東京国立博物館平成館料金:一般¥1,200/大学生¥900/高校生¥700/中学生以下無料
2018年10月24日日本の漫画創世記を生きてきた藤子不二雄A氏。84歳にして、いまだ現役である彼は『忍者ハットリくん』や『怪物くん』『プロゴルファー猿』などの少年向け作品から、『魔太郎がくる!!』『笑ゥせぇるすまん』などといった青年・大人向け作品も数多く生み出してきたレジェンドだ。特に「黒藤子」の異名を持つ藤子不二雄A氏だけに、揺れ動く人間の心の闇を、多彩に描き出した独特の世界観は有名。そこで『藤子不二雄A展-Aの変コレクション-』では、そのブラックな部分にもフォーカス。彼の創作と密接に関わる「変コレクション」と名付けられた秘蔵の品々も紹介する。まず会場エントランスには『笑ゥせぇるすまん』の舞台〈BAR魔の巣〉が登場。館内にはかつて氏が上京して間もない頃の部屋を完全再現。実際にその空間を体験できる設営も。次に進むと『忍者ハットリくん』『怪物くん』『プロゴルファー猿』の作品を、その世界観とともに紹介。さらに奥には『笑ゥせぇるすまん』の貴重な生原稿に加え、『ブラック商会変奇郎』『魔太郎がくる!!』『黒ベエ』のほかに、厳選した約50の短編作品が登場。また館内には短編ミニシアターもあり、A氏作品選りすぐりのブラックな作品を上映する。その後は喪黒福造の不気味な唇の演出が効いた『笑ゥせぇるすまん』コーナーや、A氏が作品の執筆に参考にした数々のアイテムを展示。氏が実際に集めた骨董品、アニメ化された作品のセル画や台本など、A氏の頭の中を覗き込むようなスペースも話題だ。展覧会の締めくくりには、会場に隣接する『THE MOON Lounge』にて展示会オリジナルカクテル「ドーンマティーニ」を用意。バーテンダーが優しくあなたのココロのスキマを埋めてくれる。通常の漫画家展覧会とは一線を画すディープな内容は、大人のあなたにこそぴったり。人を呪いたくなる夜に、フラリと覗いてみては?六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52F)東京都港区六本木6-10-110月19日(金)~2019年1月6日(日)10時~22時(最終入場21時30分まで)一般1800円ほか※展望台、森美術館入館料を含むTEL:03・6406・6652©藤子スタジオ※『anan』2018年10月24日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2018年10月20日六本木ヒルズ展望台東京シティビューで『藤子不二雄A展 -Aの変コレクション-』がはじまりました。そのオープニングセレモニーに藤子不二雄A氏と女優の宮沢りえさんが登場。おふたりの親交や展覧会の見どころについて語ってくれました。84歳のマンガ王と宮沢さんが登場!【女子的アートナビ】vol. 129オープニングセレモニーが開かれたのは、夜景の広がる会場エントランス。現在84歳のマンガ王、藤子不二雄A氏と特別ゲストの女優、宮沢りえさんがステージに登場されました!宮沢さんとの関係について、藤子氏は「ふだんは『りえちゃん、(本名の安孫子素雄から)あびちゃん』と呼び合う仲」と明かし、「ぼくはずっと長いことりえちゃんの応援団長をしていて、毎年4月の(宮沢さんの)誕生会になると、ぼくは必ず最初にあいさつをするという非常に光栄な役目をしているんです」と説明。宮沢さんが「今日は『あびちゃん』を封印して『先生』と呼んでいたのですけど…」と照れながらいうと、「先生といわれたのはじめてです」と藤子氏がうれしそうに応じていました。展覧会の感想は?一足先に会場を見た宮沢さんは、「写真スポットがいっぱいあって、今はSNSにのせる写真を撮られる方が多いので、すごく楽しいと思います」とコメント。「いっぱい写真を撮って宣伝してほしいです」とアピールしました。同展には、藤子氏が上京して間もないころに住んだトキワ荘を再現した空間があります。この部屋を見た藤子氏は「えらいスッキリしていて、きれいすぎちゃってびっくりしています」と笑顔で語りながら、当時憧れの漫画家、手塚治虫氏からトキワ荘の部屋やテーブルを引き継いだことなど思い出話を披露。宮沢さんは「トキワ荘のエピソードに触れると、いつもうらやましいなと思います。そこにいた人たちはみな伝説をつくって…育つ場所だったんですね」と感動した様子でした。『笑ゥせぇるすまん』に善悪を教わった…また、会場のなかほどには『笑ゥせぇるすまん』ゾーンもあります。ここでは貴重な生原稿や作品1話を丸ごと楽しめるほか、おなじみの名場面「ドーン」の前で写真を撮ることもできます。この人気漫画について、おふたりは次のようにコメント。藤子不二雄A氏ぼくはブラックユーモアの小説が大好きだったんで、そういうものを書いてみようと思い、『笑ゥせぇるすまん』の前身となる『黒イせぇるすまん』を書いたんです。この方向ならいけるな、と思って(それまでの路線から)ガラッと変わりました。宮沢さん子どものとき、『笑ゥせぇるすまん』に世の中の善と悪を教えてもらったなと思います。ユーモアの中に哲学とか善悪とかいっぱいつまっていて、今読んでもとてもおもしろいし、シュールでくすっと笑ってしまいながらも、次の日になったら、あの『笑ゥせぇるすまん』が出てこないように祈るというか…(笑)。藤子不二雄A氏ぼくは意図したわけではないのだけれど、(主人公)喪黒福造の犠牲になるのは中年のおやじなんです。喪黒にそそのかされて、変なことに手を出したためにとんでもないめにあう。一度も女性を犠牲にしたことはないんです(笑)。あびちゃんの漫画を読んで!最後に、おふたりからのメッセージをご紹介。宮沢さん会場には、若い方にも感じ取っていただけるものがいっぱいあると思います。展覧会をきっかけに、あびちゃんの漫画がたくさんの人に読まれるとうれしいなと思います。いいものは時代を越えても劣化しないし、とってもキラキラしています。それをみなさんに感じてもらいたいです。藤子不二雄(A) 氏みんな手塚治虫先生に憧れて漫画家になった。今の漫画はどんどん進化して、世界でも人気になり、日本が誇るべきものになったと思うんです。若い人たちの新しい作品もライバルではなく憧れて読者として読んでいます。りえさんの応援団から漫画の応援団に変わろうかな(笑)。藤子氏の最後のコメントにすかさず「私の応援もお願いします!」と宮沢さんが応じるなど、おふたりの会話は最後までテンポ良く楽しいものでした。『藤子不二雄A展 -Aの変コレクション-』は多彩な作品群やキャラクターに出会えるほか、藤子氏が所蔵する貴重な資料なども展示。さらに、会場はすべて撮影可能でSNSにアップもできるので、写真をいっぱい撮ってシェアして楽しんでみてくださいね!Information会期:~2019年1月6日(日)時間:10:00~22:00(最終入場21:30)料金:一般¥1,800/大学生・高校生¥1,200/4歳~中学生¥600/シニア¥1,500会場:六本木ヒルズ展望台東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
2018年10月20日人気のエリア清澄白河を、アートとともに満喫できるイベント『MOTサテライト 2018秋うごきだす物語』。江戸風情や水辺の風景など、情緒溢れる清澄白河には、古くは松尾芭蕉も居を構え、最近ではコーヒー・ロースタリーやカフェ、ギャラリーが続々登場中。今も昔もクリエイティブな風が吹くこのエリアで、地域の人とアーティストが関わりながら街&アートを再発見するプロジェクト「MOTサテライト」が始まった。最初にこのイベントが行われたのは2017年春。2019年3月末までの東京都現代美術館(MOT)改修休館中でもその活動を止めることなく、「美術館が地域に出かけていき、新たな対話を始めたい」と始まったこのプロジェクト。「アート初心者にも親しみやすい」「知らなかった地元の歴史を作品で知った」と回を重ねるごとに好評を得ている。3回目となる今回のテーマは“うごきだす物語”。例えばヂョン・ヨンドゥ作《古典と新作》は一人の長老の幼少期の思い出から誕生した作品。現在の子供たちの生き生きとした姿に、時代を経ても変わらないものと、様変わりしたものを映し出し、さらに同じ思い出を基にした落語を地元在住の落語家が演じた映像が交錯する、なんとも下町・清澄白河らしいもの。一人の思い出が2次元、3次元となって動きだす。そんな期待感をどの作品からもきっと感じ取れるはずだ。また今回は地域とも連携を深め、トークショーやワークショップなど関連プログラムも充実。展示会場は工場跡地の他、カフェや商店街などにも点在するから街歩き気分で出かけてみて。【1】宮永愛子《手紙》(部分)2013写真:木奥恵三©MIYANAGA AikoCourtesy Mizuma Art Gallery参考図版宮永愛子の作品はかつて製本工場だった場所の痕跡を象徴する、立体作品&インスタレーション。【2】鈴木のぞみ《Other Days, Other Eyes:柿の木荘2階東の窓》2016‐2017写真:木暮伸也Courtesy rin art association参考図版美術館周辺の被写体に残る記憶の痕跡を、窓などの日常品に落とし込んだ鈴木のぞみの作品。【3】ひがし ちか《ペーパーパレット》2018参考図版本シリーズのメインイメージを描いてきたひがしちかの作品。今回は屋外で街を色鮮やかに描き出す。【4】のらもじ発見プロジェクト2013写真:池田陽美参考図版古い町並みや看板に残る味のある文字「のらもじ」を採集しフォント化するプロジェクトも。【5】鉄割アルバトロスケット写真:沼田学参考図版寸劇、音楽、踊りなどを織り込んだパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」の新作公演も。『MOTサテライト 2018秋うごきだす物語』清澄白河エリアの各所(案内所:東京都江東区三好3‐8‐5深川資料館通り商店街協同組合事務所1F)10月20日(土)~11月18日(日)金・土・日・祝日の11:00~18:00観覧無料TEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2018年10月17日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2018年10月13日今年の春、7年半にもわたる大幅なリニューアルを終えた東京都庭園美術館。修復・復元に加え、新たに新館が併設され、大きな話題となったのでご存じの方も多いはず。アール・デコを読み解くとみえてくるパリに影響をもたらした異国情緒。もとは朝香宮邸として建てられたこちらの雅な洋館、実は日本でも有数の本格アール・デコ建築。そもそも「アール・デコ」とは、1925年、フランスで開催されたパリ万国博覧会の正式名称「現代産業装飾芸術国際博覧会」の「装飾芸術」=「Arts Decoratifs」が由来。世界中から最新のデザインやアートが大集結したこの博覧会を訪れた朝香宮夫妻は、その芸術性や世界観に大きな魅力を感じ、1933年、自邸としてアール・デコの洋館を建てた。そんな歴史ある洋館の中で、アール・デコの世界を存分に味わえるのが、今回の「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」展。壮大なスケールで開催された万国博覧会の華やかな雰囲気のなか、当時のパリの人々は、非ヨーロッパ圏の文化・美術からも多大なる影響を受けた。そのインスピレーションは、絵画、彫刻だけでなく、ファッションの分野にもいち早く伝播。そんな“異境”への眼差しが感じられるフランスの美術館所蔵の作品を、国内初公開のものを中心に約85点展示。この時代の芸術家たちが注目していたのはいったい何なのか、“エグゾティズム”を新たなテーマとして、知られざるアール・デコの世界を読み解いていきます。ヴァン クリーフ&アーペル《中国風の卓上時計》1930年、Van Cleef & Arpels「エキゾティック×モダンアール・デコと異境への眼差し」東京都庭園美術館東京都港区白金台5-21-910月6日(土)~2019年1月14日(月)10時~18時(11/23・24・30、12/1・7・8は~20時、入館は閉館の30分前まで)第2・4水曜、年末年始(12/28~1/4)休一般1200円ほかTEL:03・5777・8600(ハローダイヤル)※『anan』2018年10月10日号より。(byanan編集部)
2018年10月05日東京・六本木の国立新美術館で『オルセー美術館特別企画ピエール・ボナール展』がはじまりました。19世紀末から20世紀前半のフランスで活躍した画家、ピエール・ボナール。日本美術が大好きで、妻と愛人を愛し、犬や猫も好きだった……という彼の作品の楽しみ方について、担当学芸員さんにお話をうかがってきました!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 128『オルセー美術館特別企画ピエール・ボナール展』では、フランス出身の画家、ピエール・ボナール(1867~1947年)の油彩画を中心に、素描や版画、写真など国内外の作品130点超を紹介。特に、オルセー美術館が所蔵するコレクションが一挙に来日している点が特徴で、そのうちの約30点は初来日となっています。ちなみに、2015年にオルセー美術館で開かれたピエール・ボナール展では51万人が来場し、歴代企画展入場者数の第2位を記録。今展は、本国フランスでも大人気のボナール作品を日本でまとめて見られるまたとない機会です。ボナールって…?とはいえ、ピエール・ボナールってどんな画家なのか、あまりなじみのない人も多いはず。ざっくり人生をたどってみます。1867年にパリ郊外で生まれたボナールは画塾で仲間と出会い、芸術家集団「ナビ派」を結成。そして1889年にフランスの権威ある国立美術学校、エコール・デ・ボザールに入学します。この学校で開かれた『日本の版画(日本の巨匠たち)展』で衝撃を受けた彼は、「日本かぶれのナビ」と呼ばれるほど日本美術に傾倒。日本趣味の絵をはじめ、女性の入浴シーンや飼っていたペットの姿など、愛するものをテーマに多くの作品を描き、1947年に79歳で亡くなりました。担当学芸員さんに聞いてみた!今回、プレス内覧会で担当学芸員の米田尚輝さんに直撃取材を実施。会場で、ananweb世代の女子が楽しめる作品を3つ、選んでいただきました。まずひとつ目は、最初の展示室にある《庭の女性たち》。色彩がとても美しい4点組の装飾パネルです。米田さんこちらは、日本美術の影響を受けた縦長の掛け軸風の作品です。本当は屏風形式にする予定だったものが、途中でボナールの気が変わってこのようなスタイルになりました。装飾モティーフも特徴のひとつです。反復模様をつけることによって、何となく日本画のようなフラットな見え方になっていますよね。また、一番左の女性は、浮世絵に出てくる女性の姿勢を思い起こします。ふたつ目は、ヌード♡続いてのオススメ作品は、入浴シーンを描いた《浴盤にしゃがむ裸婦》。米田さんこれは最終的に奥さんになる恋人のマルトをモデルにした、といわれています。ただ、顔をはっきり描いていないので断定はできません。実は、ボナールには何人か愛人がいて……、いろんな女性の体の部分を組み合わせて描いているのかもしれません。マルトは潔癖症といわれるくらい “きれい好き” な人で、ボナールは彼女のために当時はとても高価だった浴槽も買ってあげたんですよ。この作品を描いたころからボナールは光の表現に興味をもちはじめ、光の反射や水の反射などの表現に魅せられるようになっていきます。裸婦を描いてはいるのですが、光や水の反射も描いているんですね。恋人の友人も愛人に…?――ボナールは恋人マルトの友人とも愛人関係になっていたそうですが……?米田さんそうなんです(苦笑)。そのほかにも愛人がいたみたいなんです。ボナールは58歳で正式に結婚したのですが、実はそのころ、彼がひとりの愛人に傾きかけていました。それで嫉妬して怒ったマルトが結婚を迫り、ふたりは結婚することになったのです。でも、愛人の女性のほうは自殺してしまったんです……。3つ目のオススメ作品は?続いて、3つ目のオススメ作品をご紹介いただきます。米田さんこちらは、展覧会のポスターにも使われている《猫と女性 あるいは 餌をねだる猫》という作品です。ボナールのお気に入りのモティーフであるマルト・猫・テーブルの3点セットがそろっています。構図的には、円いテーブルとマルトの丸い肩の曲線が呼応して、お皿の丸と顔の丸みも呼応しています。いっぽう、背景は全部直線で、暖炉も壁の線も直線で構成されています。また、お皿にはたぶんお魚が置いてあって猫がそれを狙っている視線が斜めに入っています。つまり、背景の「垂直」と前・中景の「丸」、そして「斜め」の視線が組み合わさっている点が構図として工夫されています。最後に、おまけの一枚も…最後に、次点となったオススメ作品《セーヌ川に面して開いた窓、ヴェルノンにて》の前で米田さんの写真を撮らせていただきました。ちなみに、この絵の中にはボナールの飼い犬が潜んでいるのですが……見つけられますか?本作品は、室内画と風景画が一緒になったもので、構図は同時代に活躍していた友人の画家、アンリ・マティスの影響を受けているとのこと。実際、ボナールはマティスの作品《開いた窓》を購入して持っていたそうです。こんなふうに専門の方にお話をうかがうと、絵を見るのがさらに楽しくなりますよね。今展の会期中、10月13日(土)と11月25日(日)には米田さんによるレクチャーが館内の講堂で開かれます。観覧券(半券可)があれば無料で聞けますので、興味のある人はぜひ足を運んでみてくださいね。Information会期:~12月17日(月)時間:10:00~18:00毎週金・土曜日は20:00まで。*入場は閉館の30分前まで。休館:火曜日会場:国立新美術館企画展示室 1E料金:一般¥1,600/大学生¥1,200/高校生¥800/中学生以下無料
2018年10月02日