みためはそれほどでもないけれど、内容は充実、いや、濃厚と言ってもいいかもしれない。ショーソンと水野修孝、どちらも交響曲。どういうつながりか、山田和樹さんがどう考えているのかわからない。わたしは、といえば、19世紀と20世紀、それぞれの世紀を俯瞰し総括するような作品がならべられている、とみている。正確には、1890年と2003年の完成だが、100年ほどの差。ショーソンはヴァーグナーに心酔したフランス・ヴァグネリアン。おなじシンフォニストでも、たとえば1824年、1860年の生まれのブルックナー、マーラーと対比すると、ショーソンは1855年生まれ、後者にちかい。強引な言いかたになるが、フランスに翻訳されたヴァーグナーの一例として、ブルックナーやマーラーに親しんでいるひとにこそ、たのしんでいただけるのではないか。ショーソンがドイツ系のシンフォニーをフランスへ翻訳したとすれば、水野修孝は、ヨーロッパ/アメリカ由来のさまざまな音楽を、この列島で消化=昇華した作曲家。無調と調性、ヴァイタリティと叙情、リズムとメロディ、さまざまなコントラストが文字どおり「交響」し、コンサートホールという公共の場にひびく。初演されてからほぼ20年。20世紀の「現代音楽」とはまたべつのフェイズにある《第4番》は、ロゴスとパトス、みごとに釣りあい、綜合され、どこに耳をかたむけたらいいのか迷わせない。第1楽章の緩急のコントラスト、第2楽章の緻密な線のからみ、第3楽章のおもわず口ずさんでしまうようなメロディー、第4楽章のクラブ・ミュージックのような4つ打ち−−−−異なった楽章が、モティーフの共通性から導きだされ、また、シンフォニー=複数の声を綜合する、の理念が、ショーソンと世紀をこえて、つながる。とくに、第3楽章のメロディーの叙情性は特記すべきもの。一度耳にされたら、水野修孝《交響曲第4番》として記憶されよう。第4楽章のグルーヴは、安直なオーケストラ版クラブ・ミュージックをせせら笑う。それに、だ。昨今のオーケストラ曲が、ともすれば、どれも映画やTVの劇伴みたいにひびいてしまうのとは一線を劃した構築性、いや、硬派なものを持っているのはいくら強調してもしすぎることはない。現在、音楽は、サブスクやDLで、気にいったところだけ聴くのがあたりまえになりつつある。好きなように聴けばいい、と聴き手の自由が強調される。まとまって聴く、とか、この順番で、というようなのは押しつけだと言うことさえある。だが、複数の異なったものがひとつになって、語られることがある。順番にたどることで浮かびあがってくるものがある。つくりての身勝手さのおしつけではなく作法がある。シンフォニー=交響曲は作法に則っている。そうしたひとつのながれ、構成によって聴かれて、じぶんのなかにコスモロジーが生まれる。19世紀末と21世紀初頭の2つの「交響曲」は、こうしたことも伝えてくれるはずだ。文:小沼純一
2021年08月12日ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)と川崎市が2005年より毎年開催しているクラシック音楽祭「フェスタサマーミューザ KAWASAKI」は、8月9日(月・振休)の東京交響楽団フィナーレコンサートをもって閉幕した。当初は全座席を使用予定だったが、8月2日の緊急事態宣言以降は、客席の収容人数を50%に制限して開催し、19日間20公演でのべ1万7000人を超えるお客様が来場。また、昨年に引き続きインターネットによる映像配信を実施し、全国の皆様に本音楽祭を届けた。川崎市フランチャイズオーケストラ東京交響楽団をはじめとした首都圏のオーケストラ、さらに地方都市からオーケストラ・アンサンブル金沢(石川県)、京都市交響楽団(京都府)も参加し、連日のオーケストラの競演に大いに沸き立った。このほか市内2つの音楽大学や、多彩なジャンルの公演も華を添えた。最終日の「東京交響楽団フィナーレコンサート」では、川崎市内の特別支援学校の生徒たちと日英の音楽家が協働して作曲した「かわさき組曲」が世界初演され、大きな感動を呼んだ。昨年に引き続き実施したコンサートの映像配信は、会場に行かなければ味わえないものであったコンサートの体験を身近なものにした。今年は全公演のオンライン鑑賞券を有料販売とし、8月9日の音楽祭終了時点で約5800枚が販売された。オンライン鑑賞券は引き続き、8月30日まで販売。8月31日まで鑑賞できる。■フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2021 開催概要・イベント名称:フェスタサマーミューザKAWASAKI2021・会期:2021年7月22日(木・祝)~8月9日(月・振)・会場:ミューザ川崎シンフォニーホール・公演数:全20公演・主催:川崎市、ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市文化財団グループ)・後援:川崎市教育委員会、公益社団法人日本オーケストラ連盟、J-WAVE、OTTAVA・映像・音響制作:YouClassics・協力:株式会社東京 MDE、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社・助成:文化庁文化芸術振興補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会、コンテンツグローバル需要創出促進事業補助金
2021年08月12日「くまのプーさん」原作デビュー95周年を記念して、クラシック・プーにフォーカスしたはちみつカフェ「『Winnie the Pooh』HUNNY’S Tea house」を期間限定オープン。2021年8月3日(火)から10月3日(日)まで東京・新宿で、2021年9月1日(水)から10月17日(日)まで大阪・心斎橋で開催されます。「くまのプーさん」の故郷・英国がテーマはちみつカフェ「『Winnie the Pooh』HUNNY’S Tea house」では、「くまのプーさん」の故郷でもある英国をテーマに、ポピュラーな英国料理と多彩な紅茶を用意。クラシカルな雰囲気とともに、ゆったりとした時間を過ごせます。クラシック・プーを描いたスコーンやサンデー・ローストなど「くまのプーさん」を描いたスペシャルボックスに入れた「スペシャル BOX 入りスコーンセット」は、英国の定番スコーンと付け合わせのセット。スコーンにはクラシック・プーがあしらわれており、付け合わせはフルーツサラダ、ミックスベリーヨーグルト、ハニーナッツヨーグルトの中から好きなものを選ぶことができます。加えて、英国朝食の定番であるイングリッシュマフィンを使用した「キャロットラぺとタンドリーチキンのマフィン」「スモークサーモンとはちみつレモンのマフィン」、日曜日だけに食べると言われている、英国の伝統料理「サンデーロースト」も用意。4種の紅茶やハニーゼリーミルクまた、英国料理と相性抜群のポットティーはアールグレイ、アッサム、セイロン、ダージリンの4種を用意。愛らしいクラシック・プーやクリストファー・ロビンなどを描いたティーソーサーセット付きで注文することもできます。加えて、フルーツを浮かべたアイスティーや「ハニーゼリーミルク」などのコールドドリンクも提供。ドリンクと合わせて購入できるクラシック・プーやピグレットなどを描いた白雲石コースターやアクリルチャーム付きマドラーなども要チェックです。カフェオリジナルグッズさらに、カフェオリジナルグッズも販売されます。クラシック・プーのエコバッグや巾着、ダイカットクッションなどが登場。PVCキーホルダーには、柔らかな色彩でプーやピグレット、ティガー、イーヨーが描かれています。【詳細】「くまのプーさん」原作デビュー95周年記念『Winnie the Pooh』HUNNY’S Tea house■東京・新宿開催期間:2021年8月3日(火)~10月3日(日)場所:ストーリーストーリー住所:東京都新宿区西新宿 1-1-3 小田急百貨店新宿店 本館 10F■大阪・心斎橋開催期間:2021年9月1日(水)~10月17日(日)場所:kawara CAFE&DINING 心斎橋店住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋1-4-3 心斎橋オーパ 9F■メニュー例・スペシャル BOX 入りスコーンセット(フルーツサラダ/ミックスベリーヨーグルト/ハニーナッツヨーグルト) 1,980円 ※ボックスは全2種、柄はランダム。・キャロットラぺとタンドリーチキンのマフィン 1,859円・サンデーロースト 1,969円・ポットティー(アールグレイ・アッサム・セイロン・ダージリン) 各649円※ティーソーサーセット付き 2,585円・白雲石コースター(全4種) 1,320円 ※購入はドリンクメニューを注文した人のみ可能。好きなキャラクター選択可。・アクリルチャーム付きマドラー(ランダム6種) 990円 ※購入はコールドドリンクメニューを注文した人のみ可能。柄は選択不可。■グッズ例・巾着 1,320円・エコバッグ 2,035円・アクリルキーホルダー(ランダム6種) 825円・PVC キーホルダー(全4種)(プー、ピグレット、ティガー、イーヨー)1,320円・ダイカットクッション<プー> 2,090円※事前予約(715円/1名)の上メニューを注文すると「オリジナルランチョンマット(全4種)」をランダムで1枚プレゼント。柄の選択不可。※カフェオリジナルグッズを税込2,200円以上購入すると、「オリジナルブックマーカー(全2種)」をランダムで1枚プレゼント。柄の選択不可。無くなり次第終了。※画像はイメージ。
2021年08月11日ヨーロッパで大人気のファンタジー、子どものためのオペラ《ゴールド!》~少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり(レオナルド・エヴァース作曲)が8月12日(木)・13日(金)に上演される(東京芸術劇場シアターイースト)。東京都と都響主催のサラダ音楽祭の一環。2012年にオランダで初演された作品で、これが日本初演。貧しいヤーコプが不思議な魚を助けたことから始まるさまざまな奇跡と「幸福」をめぐる家族の物語。原作はグリム童話の『漁師とおかみさん』で、主人公の漁師が男の子に替えられている。演出と日本語訳を手がけるのはドイツを拠点に活躍する演出家・菅尾友。「ドイツでは本当にどこに行っても上演されているという感じで、多くの劇場がそれぞれ独自のプロダクションを作っています。頻繁に取り上げられるだけあって、よくできているんです。オペラの入口として非常にわかりやすいうえに、いろいろ考える契機になる深い作品だと思います」というように、「考える」がポイント。優しくてわかりやすいことはもちろん大事だけれど、必要なのは子どもたちがそこから何を感じるか。「この作品は自分に何を問いかけているのだろう?」と考えるところまで広がってほしいのだと語る。「もっとオペラを見てみたい、また劇場へ行ってみたいと思ってくれるのが、僕としては一番うれしいこと。子どもたちだけでなく、一緒に見る大人も楽しめるように作りたいですね」《ゴールド!》では、客席が参加する場面もあって、会場は一体となって盛り上がる。「会場の子どもたちが波の音を作ることが、楽譜に指定されています。ただ、実際にどんな音をどうやって出すかは上演する側にまかされているので、いろいろ工夫したいと思っています」出演者はソプラノの柳原由香と打楽器の池上英樹の二人だけ。「柳原さんはオペラ歌手なのですが、ドイツでは演劇の公演にも出ているぐらい、演技力も非常に素晴らしい方で、この作品に適役です」オペラはけっして古くないと力を込める。「じつはオペラには新しい作品がどんどん生まれています。新しい、すごく生きた表現が試されているジャンルなんですね。その『いま』の作品に肌で触れていただくチャンス。ぜひご覧ください」夏休みの旅行はまだ計画しづらい状況だけれども、《ゴールド!》は、本当の幸福というものについて、一緒に考える機会を与えてくれる、絶好の家族イベントになりそうだ。(宮本明)■子どものためのオペラ『ゴールド!』~少年ヤーコプとふしぎな魚のものがたり8月12日(木)・13日(金) 東京芸術劇場シアターイースト※チケットは予定枚数終了■音楽祭メインコンサート8月13日(金) 東京芸術劇場コンサートホール子供のためのオペラ『ゴールド!』のチケットは予定枚数終了。音楽祭メインコンサートはチケットぴあにて8月11日(水)18時まで販売中。
2021年08月06日ピアソラ生誕100年記念企画 リシャール・ガリアーノ 日本ツアー2021 東京公演が、11月30日(火)、東京オペラシティコンサートホールにて開催される。クラシックの名門レーベル、ドイツ・グラモフォンと専属契約(これまで4枚のアルバムを発表)を結ぶ唯一のアコーディオン・バンドネオン奏者として、クラシック、ジャズ、タンゴ、シャンソンといったジャンルの枠を超えて活躍し、音楽界から高い評価を集めているリシャール・ガリアーノ。1983年、ガリアーノは「タンゴの革命児」アストル・ピアソラと劇的な出会いをはたし、「私が新しいタンゴを創ったように、君も新しいミュゼットを創るんだ」という彼の言葉に後押しされ、フランスの心とも言われる大衆音楽「ミュゼット」にジャズ、タンゴ、ブラジル音楽、ラテンなどの要素を大胆に取り入れた「ニュー・ミュゼット」の確立に心血を注いだ。その深い親交はピアソラが亡くなる1992年まで続いたという。2021年、アストル・ピアソラが生誕100周年を迎える記念すべき年に、 ガリアーノの3年ぶりの来日が決定。さらにステージには、旧知の仲であるジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子、アコーディオニストのcobaも登場する。ピアソラ・メモリアル・アンサンブルとともに「リベルタンゴ」、「オブリビオン」、「アディオス・ノニーノ」、「ブエノスアイレスの四季」などを演奏する予定だ。一夜限りのスペシャルステージに期待がかかる。チケット先行は9月1日(水) 昼12:00より、チケットぴあにていち早プレリザーブが受付開始。一般発売は9月25日(土)10:00より。
2021年08月06日YouTubeチャンネル『そーはくOfficial』で、歌などの動画を投稿しているそーはくさん。ある日、ほほを叩いて奏でる『ほほ太鼓』を披露しました。ピアノ曲などで知られる『トルコ行進曲』を演奏したところ…。2分間、ほほを叩いて奏でた様子がこちらです。テンポが速いところでも、リズムよくほほを叩き続けています!演奏中は手を止めなかった、そーはくさんですが、曲が終わると「疲れた…」と心の声がもれました。ずっと口を開けてほほを叩くため、あご周りが疲れるのでしょう。ちょっぴりシュールながらも、最後まで『ほほ太鼓』で演奏した姿に、多くの人がクスッとしました。・1人でゲラゲラ笑いました!聴く前から面白いです。・じわじわきます…。右ほほが左より多く叩かれていて、圧倒的なかわいそうさに注目してほしい…。次はどんな『ほほ太鼓』を見せてくれるのか、楽しみにしたいですね![文・構成/grape編集部]
2021年07月28日「くまのプーさん」原作デビュー95周年を記念して、クラシック・プーにフォーカスしたはちみつカフェ「『Winnie the Pooh』HUNNY’S Tea house」を期間限定オープン。2021年8月3日(火)から10月3日(日)まで東京・新宿で、2021年9月1日(水)から10月17日(日)まで大阪・心斎橋で開催される。「くまのプーさん」の故郷・英国がテーマはちみつカフェ「『Winnie the Pooh』HUNNY’S Tea house」では、「くまのプーさん」の故郷でもある英国をテーマに、ポピュラーな英国料理と多彩な紅茶を用意。クラシカルな雰囲気とともに、ゆったりとした時間を過ごせそうだ。クラシック・プーを描いたスコーンやサンデー・ローストなど「くまのプーさん」を描いたスペシャルボックスに入れた「スペシャル BOX 入りスコーンセット」は、英国の定番スコーンと付け合わせのセット。スコーンにはクラシック・プーがあしらわれており、付け合わせはフルーツサラダ、ミックスベリーヨーグルト、ハニーナッツヨーグルトの中から好きなものを選ぶことができる。加えて、英国朝食の定番であるイングリッシュマフィンを使用した「キャロットラぺとタンドリーチキンのマフィン」「スモークサーモンとはちみつレモンのマフィン」、日曜日だけに食べると言われている、英国の伝統料理「サンデーロースト」も用意する。4種の紅茶やハニーゼリーミルクまた、英国料理と相性抜群のポットティーはアールグレイ、アッサム、セイロン、ダージリンの4種を用意。愛らしいクラシック・プーやクリストファー・ロビンなどを描いたティーソーサーセット付きで注文することもできる。加えて、フルーツを浮かべたアイスティーや「ハニーゼリーミルク」などのコールドドリンクも提供。ドリンクと合わせて購入できるクラシック・プーやピグレットなどを描いた白雲石コースターやアクリルチャーム付きマドラーなども要チェックだ。カフェオリジナルグッズさらに、カフェオリジナルグッズも販売される。クラシック・プーのエコバッグや巾着、ダイカットクッションなどが登場。PVCキーホルダーには、柔らかな色彩でプーやピグレット、ティガー、イーヨーが描かれている。【詳細】「くまのプーさん」原作デビュー95周年記念『Winnie the Pooh』HUNNY’S Tea house■東京・新宿開催期間:2021年8月3日(火)~10月3日(日)場所:ストーリーストーリー住所:東京都新宿区西新宿 1-1-3 小田急百貨店新宿店 本館 10F■大阪・心斎橋開催期間:2021年9月1日(水)~10月17日(日)場所:kawara CAFE&DINING 心斎橋店住所:大阪府大阪市中央区西心斎橋1-4-3 心斎橋オーパ 9F■メニュー例・スペシャル BOX 入りスコーンセット(フルーツサラダ/ミックスベリーヨーグルト/ハニーナッツヨーグルト) 1,980円 ※ボックスは全2種、柄はランダム。・キャロットラぺとタンドリーチキンのマフィン 1,859円・サンデーロースト 1,969円・ポットティー(アールグレイ・アッサム・セイロン・ダージリン) 各649円※ティーソーサーセット付き 2,585円・白雲石コースター(全4種) 1,320円 ※購入はドリンクメニューを注文した人のみ可能。好きなキャラクター選択可。・アクリルチャーム付きマドラー(ランダム6種) 990円 ※購入はコールドドリンクメニューを注文した人のみ可能。柄は選択不可。■グッズ例・巾着 1,320円・エコバッグ 2,035円・アクリルキーホルダー(ランダム6種) 825円・PVC キーホルダー(全4種)(プー、ピグレット、ティガー、イーヨー)1,320円・ダイカットクッション<プー> 2,090円※事前予約(715円/1名)の上メニューを注文すると「オリジナルランチョンマット(全4種)」をランダムで1枚プレゼント。柄の選択不可。※カフェオリジナルグッズを税込2,200円以上購入すると、「オリジナルブックマーカー(全2種)」をランダムで1枚プレゼント。柄の選択不可。無くなり次第終了。※画像はイメージ。
2021年07月23日すべての音をいつくしむように丁寧に繰り出す音に身をゆだねた。若い世代を代表する人気ピアニスト・吉見友貴のリサイタルを聴いた。(7月17日・めぐろパーシモンホール小ホール)。2000年生まれ。高校2年で日本音楽コンクール最年少優勝。今年5月に開催された難関のエリザベート王妃国際音楽コンクールでは見事セミ・ファイナルに進出した。感染防止対策でファイナル進出者が例年の12人から6人に減らされた今年のエリザベート。通常なら堂々ファイナリストだったはず。颯爽とスタージに現れた吉見は、シャツ・ジャケットとテールワイドパンツの黒づくめの衣装。イメージチェンジした新しいアーティスト写真と同じ姿に、客席のほとんどを埋める女性ファンが軽くどよめいた。プログラム前半はウィーン。ハイドンのピアノ・ソナタ第50番とシューベルトのピアノ・ソナタ第7番を、精細な解像度のタッチと慎み深い解釈で描く。ハイドンの第1楽章はしばしばペダルの用法が話題になるが、ノーペダルの粒立ちとペダルを踏むミステリアスな部分のコントラストがじつに鮮明。後半は一転して開放的に、パリに集った作曲家たちを弾く。強奏でも均整の取れた響きををキープした美しいアルベニス《イベリア》第1巻。華麗に飛翔するフォーレ《ヴァルス・カプリス第1番》。清潔で毅然とした前半と躍動する後半を鮮やかに対置したショパン《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》。前半と後半で、そしてそれぞれの曲の中で、「コントラスト」が、コンサートを通じてひとつのテーマになっていたように思う。アンコールにメンデルスゾーンの無言歌とガーシュウィンの《3つの前奏曲第1番》。ていねいに歌う前者と、ややワイルドに、切れ味鋭く弾き切った後者。ここでも「コントラスト」だ。心地よい余韻。リサイタルの様子は7月31日(土)までアーカイブ配信で見ることができる(視聴料1,000円)。また8月7日(土)には浜離宮朝日ホールでのリサイタルも待っている(配信も予定)。大曲リストのピアノ・ソナタをメインにしたプログラムで、こちらも楽しみだ。9月からはボストンのニュー・イングランド音楽院に留学する(すでに昨年から籍を置いているが、1年目はコロナ禍ですべてリモート授業。今秋からようやく対面レッスンが始まる)。東京で渡米前の彼を聴く最後の機会を見逃すな!ライター:宮本明
2021年07月21日「獺祭」は旭酒造株式會社(山口県岩国市)が製造する銘酒。酒米の最高品種である山田錦をぎりぎりまで精米(磨き)して造られる透明な味わいは、多くの愛好家の垂涎の的となっている。この銘酒をテーマに交響曲を作曲、演奏しようという取組みが日本センチュリー交響楽団の「獺祭プロジェクト」だ。その東京公演、交響曲 『獺祭~磨migaki~』五感で味わうコンサートが、8月18日(水)、グランドプリンス新高輪飛天で、ディナー付コンサートとして行われる。日本センチュリー交響楽団 チケット情報日本センチュリー交響楽団は2020年からこのプロジェクトに取り組んできた。作品は純音楽から映画、アニメ音楽までを幅広く手掛け、『犬夜叉』ほか多くの代表作を持つ山口県出身の作曲家、和田薫に委嘱。「獺祭」のイメージを活かした「和」のテイスト溢れる全5楽章の交響曲『獺祭~磨migaki~』が完成した。今年2月にはセンチュリーが拠点を置く大阪府豊中市で世界初演が、山口県周南市で山口初演が行われ、好評のうちに終了。今回は、満を持しての東京初演である。(特設サイトへ )「獺祭プロジェクト」はそれだけに留まらない。音響機器メーカーのONKYOとタイアップし、この交響曲をONKYO技術の「加振器」で樽の中の原材料に聴かせながら発酵・醸造するというユニークな試みも行われている。こうして作られた「獺祭~磨migaki~」は通常のものよりもさらに透明さが増し、かつまろやかでコクのある逸品に仕上がるという。今回はこの交響曲の名に因んだ特別な銘酒「獺祭~磨migaki~」720mlボトルが特典として来場者全員にプレゼントされる。指揮はセンチュリーとともに、数々の名演を打ち立てて来た首席指揮者の飯森範親。関西を代表するオーケストラであるセンチュリーの、ひさびさの東京公演でもある。まさに聴いてよし、飲んでよし、感じてよしの、極上のひとときとなることだろう。チケットは発売中。
2021年07月19日日本を代表するオペラ歌手たちがオペラやクラシックの名曲を届ける配信番組「うたすき! 届けたいうたがある」が、8月13日(金)に配信されることが発表になった。番組に出演するオペラ歌手の嘉目真木子(ソプラノ)、声優で歌手の新田恵海が番組について語った。第1回目となる今回は、“魔法少女はオペラの夢を見る!?”をテーマに選曲されたガラコンサート形式の音楽番組で、普段のコンサートでは叶わない構成とアーティストたちの組み合わせが実現。「魔法少女まどか☆マギカ」や「ファンタジア」にも登場する「アヴェ・マリア」のグノー版とシューベルト版の聞き比べや、モーツァルトの傑作オペラ『魔笛』などをピアノの演奏と歌で聴かせる。歌を披露するのは嘉目をはじめとする、種谷典子(ソプラノ)、市川浩平(テノール)、杉浦隆大(バリトン)の4人のオペラ歌手。嘉目は、「安心して共演できる仲間たち。歌の実力はもちろんですが、オペラに出てくる登場人物を演じ分けられる個性的な方ばかりです」とニッコリ。宮本亞門演出のオペラにも多く出演している嘉目は、今年9月上演予定の『魔笛』でヒロイン、パミーナを再演する。番組でもパミーナ役で「愛を感じる男の人たちには」を披露。すばらしい歌声を先取りで堪能することができる。音楽大学声楽コース出身の新田が、番組MCを務める。一番好きなオペラ作品は『魔笛』で、大学時代は「夜の女王のアリア」を試験で歌ったこともあるそうだ。「このような配信番組でオペラ歌手の方とご一緒するのは初めて。オペラをどんな気持ちで歌われているのか、作品の好きなところとか。オペラを知らない方でも楽しめるようにお話をお聞きできたら」と意気揚々。トークコーナーでは普段聞けない話も飛び出しそうだ。嘉目は『魔笛』の他に、ドヴォルザーク『ルサルカ』の「月に寄せる歌」も披露。「ピアノがすごく流麗で、まるで水のせせらぎのような音階になっているので、そこにも注目していただけたら」と見どころを紹介した。今回ピアノ演奏を担当するのは、キーボーディストの園田涼。「初めてのリハ-サルで、“お、そうくるのかって(笑)”。アプローチの仕方がクラシックと違ってすごく面白かったです」と畑が異なる初共演の化学反応も楽しみだ。嘉目は「クラシックにはお堅いイメージがあると思う。でも意外とそんなこともなくて、日常にあふれている音楽が多かったりするし、気軽に楽しんでいただけるものと伝われば」と番組をアピール。新田は、「コンサートホールで生のクラシックを全身で味わえるその日まで、この番組でクラシックを好きになってもらえたら嬉しいです」と締めくくった。
2021年07月16日大胆な読み替えが大きな話題を呼んでいる。新国立劇場のオペラ2020/2021シーズンを締めくくる新制作のビゼー《カルメン》が幕を開けた(7月3日初日)。斬新な演出でカルメンをロック・シンガーに仕立てたのはスペインのアレックス・オリエ。バルセロナ五輪の開会式も手がけた彼のオペラ演出は、一昨年、新国立劇場と東京文化会館がタッグを組んだプッチーニ《トゥーランドット》のスペクタクルな舞台でも強烈な印象を残した。第1幕はセビリャの衛兵詰所でも女工たちの働く煙草工場でもなく、鉄パイプで組まれた野外ライヴの特設ステージ。ホセたちが所属する日本の警察が配置されている。カリスマ・シンガーのカルメンは、胸元や手足にタトゥーを入れ、60年代風のドット柄の真っ赤なミニのドレス。マイクに向かって〈ハバネラ〉を歌う。さしづめ彼女の最大のヒット曲というところか。オリエによれば舞台の設定は現代の日本。東京で開催されるスペイン・イベントで闘牛のエキシビジョンが行なわれ、スペインからエスカミーリョやカルメンがやってきたのだ。現実の闘牛士もオフはもちろん私服だろう。第2幕の酒場リーリャス・パスティアに強面スーツで現れたエスカミーリョは、客たちに請われて矢沢永吉ばりのマイク・パフォーマンスで〈闘牛士の歌〉を歌う。第3幕はライヴ終演後の舞台裏。ステージ衣裳を着替えたカルメンがギターを爪弾きながら曲作りをする傍らで、ダンカイロたちが機材ケースに大量の白い粉を隠している。麻薬の密輸だ。警察はこれを捜査していたのか!最終場の闘牛イベント。歓呼の合唱に迎えられるのは闘牛士の行進ではなく、レッド・カーペットを歩く招待タレントたち。そして最後にエスカミーリョが、今度こそリアルな闘牛士の衣裳で、カルメンを連れて現れる。背後にホセの姿が不気味に浮かぶ……。奇抜ではあるが奇を衒ったいやらしさはない。なにより、案外わかりやすい。オペラ通も、初めて《カルメン》を見る人も、一級のエンタテインメントとして屈託なく楽しめるはず。題名役はフランス人メゾ・ソプラノのステファニー・ドゥストラック。フランス・オペラ、なかでもカルメンを最も得意とする注目歌手だ。豊かな声と繊細な表現力、そして大胆なコスチュームに負けない均整のとれたスタイルで、聴衆の耳と目を独占する。奔放なカルメンと対照をなす可憐なミカエラを歌った砂川涼子も充実の好演。ドン・ホセに村上敏明、エスカミーリョにフランスのバリトン、アレクサンドル・ドゥハメル。指揮はオペラ芸術監督の大野和士。東京フィルハーモニー交響楽団、新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、TOKYO FM少年合唱団の出演。いわゆるオリジナル版にあたる、セリフを多用したアルコア版(エーザー版)を用いての上演で、さらに歌の部分をセリフに変えるなどの改変を追加しているとのこと。7月19日まで。(宮本明)
2021年07月05日関西を拠点にドイツ・ヨーロッパ公演まで、パイオニア的演奏歴を重ねて存在感を放ってきた大阪コレギウム・ムジクムが7月18日(日)、PIA LIVE STREAMでの配信に対応した〈現代(いま)の音楽 ~Music of Our Time~〉シリーズVol.30 を住友生命いずみホールで開催する。「大阪コレギウム・ムジクム第123回大阪定期公演」チケット情報日本とフランスの作品から構成され、オルガン独奏1曲と合唱曲3曲からなる今回のプログラムの目玉は、プーランクの金字塔的作品にして、20世紀における合唱音楽の最高傑作とも言われるカンタータ『人間の顔』。第二次大戦の最中、ナチス・ドイツ占領下のパリで地下出版されたポール・エリュアールのレジスタンス詩の中から、有名な「自由」など8編をテキストとし、フランス解放直後にイギリスで初演されたという凄絶な背景を持つ。人が人の生死を選別することが大手を振ってまかり通り、密告され捕らえられれば死という状況下で、詩人・音楽家・画家といった芸術家たちが命賭けで表現し生き抜いていた時代に生まれたこの曲は、極限の怒りや悲しみ、そして自由を取り戻した喜びが、美しさと荒々しさの両極の中に、知的で香り豊かに表現されているという。生で聴ける機会の滅多にない名曲を、ぜひじっくりと聴いてみたい。また、首里城の典礼で歌われた「王府オモロ」とその再創造による寺嶋陸也の作品、日本のお馴染みのメロディを西洋音楽へと仕立てた千原英喜のミサ曲は、日本人の深層に流れる旋律を聴きながら、大阪H・シュッツ室内合唱団のサウンドで耳を喜ばせたい逸品。フランスのオルガニスト、ティエリー・エスケシュによる「エヴォカシオン II」では、住友生命いずみホールの大オルガンで、天上の響きから地の底の響きまでを味わうことができるだろう。公演は7月18日(日)15時開演、チケット発売中。PIA LIVE STREAMによる同時ライブ配信は19日(月)までのアーカイブ視聴あり、ライブ配信チケットは19日(月)21時までの発売。
2021年07月05日今をときめくアーティストが日本フィル7月東京定期のステージを彩る。しかも最愛のレパートリーを携えての登場だ。最高のピンチヒッターではないか。すでに多くのオーケストラの指揮台に立ち、ひたむきかつ明晰な音楽観で信頼を得ている沖澤のどか。10代の頃からピアノ、チェロ、オーボエに親しんできた。オーケストラの調べが好きだった。近年の歩みを駆け足で記せば、日仏の国際指揮者コンクール優勝で脚光を浴び、ベルリンに留学。これまでに日本の愛すべきマエストロたち、リッカルド・ムーティから教えを受け、2020/21年のシーズンからベルリン、カラヤン・アカデミーの奨学生としてキリル・ペトレンコのアシスタントを務めつつ、内外の檜舞台に名乗りを上げ始めた俊英──となる。中欧の名門や老舗オーケストラも関心を寄せるライジングスターのひとりだが、彼女にあせり、力みはない。ウィーンのオペレッタは少し真面目過ぎたけれど、調べの移ろいや色あいの変幻に想いを寄せ、オーケストラ、聴き手とコミュニケート出来る若きマエストロだ。しなやかな技と音楽観を体得した上で、これから一歩ずつ歩んでいく。そんな今どきの正統派、沖澤のどかが、メンデルスゾーンの味わい深く、しかも劇的な交響曲第3番「スコットランド」で登場とは、日本フィルにとってもオーケストラ好きにとっても、これは喜ばしい出来事だ。覇気や勢いだけではどうにもならぬメンデルスゾーンの「スコットランド」交響曲や序曲は、奇をてらわない沖澤がここぞというステージで指揮してきた大切なレパートリーなのである。沖澤と世代交代の進む日本フィルの対話、ドイツ・ロマン派の息づかいをサントリーホールで満喫したいものである。英ロイヤル・フィルのアーティスト・イン・レジデンスにも迎えられた人気ヴァイオリニスト三浦文彰が、満を持して弾くアルバン・ベルクの協奏曲も公演の主役を演じる。ウィーンを知る三浦のベルク。際立つのは新ウィーン楽派ならではの精妙な響きか。オーストリア南部ケルンテン(カリンシア)地方の民謡も舞う予感。曲目解説に必ず出てくるバッハのコラールとの相関は?アルマ・マーラーと建築家グロピウスの娘マノンの魂は、さて。世紀転換期の鬼才アルバン・ベルクが曲に織り込んだ、秘密のメッセージ、妖しい、狂おしい楽の音もサントリーホールを満たすことだろう。7月9日、10日が近づいてきた。チケットぴあにて発売中。文・奥田佳道
2021年06月30日5月、難関として知られるエリザベート王妃国際音楽コンクール(ベルギー)でみごと4位入賞を果たしたピアニスト阪田知樹(27)。7月17日(土)には急きょ、入賞記念リサイタルの開催が決まった(ミューザ川崎)。入賞者コンサートまで5週間にもおよぶ長丁場を終えて帰国した直後、14日間の隔離待機中の彼とリモートで話すことができた。「自分の音楽をぶつけて臨んでみたいと思いました」19歳でのヴァン・クライバーン・コンクール最年少入賞や、2016年のフランツ・リスト国際コンクール優勝(ブダペスト)など、国際コンクールの実績も豊富な阪田。今回最もこだわったのは、勝ち負けや順位より「音楽」そのものだったというのだ。「今まで出場したコンクールは、やっぱり勝ちやすい選曲を意識していたところがあります。でも今回はあえてそれを考えず、『自分が音楽家として勉強してきたのはこれだ』という音楽を提示して向かった大会でした」たとえば決勝ラウンドで弾いたブラームスのピアノ協奏曲第2番。「リハーサル時間が限られているので、通すだけで50分かかる曲はリスクがありますし、審査員の好みがすごく出る作品だと思うのですが、そんなことより、自分が一番素直に自分らしく演奏できる曲を選びました。自分はヨーロッパの伝統の中で勉強してきた人間なので」決勝のインターネット生配信。ときおり見せる幸せそうな笑顔がとても印象的だった。「それが一番かなと思います。10年間お世話になったパウル・バドゥラ=スコダ先生が亡くなる3か月前に、ウィーンのご自宅で最後にレッスンしていただいたのがあの曲でした。2日間のレッスンのあと、先生はウォッカを、僕はお水を飲みながら(笑)、先生の師のエトヴィン・フィッシャーがフルトヴェングラーと弾いたCDを一緒に聴いて、その演奏解釈について話し合ったのは忘れられない思い出になりました」そんなさまざまな音楽体験の、現時点での集大成になったという手応えもあるのだろう。コンクールを、「これまでの音楽人生の分岐点だった」と振り返る。7月のリサイタルは、コンクールでも弾いたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第15番《田園》と、リストのピアノ・ソナタ ロ短調を軸にしたプログラム。「《田園》は大好きなソナタで、コンクールでも演奏会でも何度も演奏しているものの、日本の演奏会で全楽章を弾くのはたぶん今度が初めてです。けっして華やかではないのですが、本当に純粋に美しい。ベートーヴェンの、人間的な心の優しさが前面に出ている作品です。リストのソナタは弾くたびに新しい発見があります。コンクールではセミ・ファイナルで弾きましたが、前日の練習ですら、また新しい発見がある。ピアノ音楽全体の中でも最高傑作と言って過言ではないと思います」「分岐点」を経て、新たな歩みを刻み始めるピアニスト。その確かな足取りが、このリサイタルでも聴き取れるはずだ。(宮本明)
2021年06月22日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)は、リーボック(Reebok)とのコラボレーションスニーカー新作「クラシックレザー・タビ・ハイ(Classic Leather Tabi High)」をメゾン マルジェラの直営店舗、一部セレクトショップなどにて2021年6月18日(金)に発売する。新作コラボスニーカー「クラシックレザー・タビ・ハイ」「クラシックレザー・タビ・ハイ」は、リーボックのアイコンスニーカー「クラシックレザー」を、メゾン マルジェラのオートクチュールの言語で再解釈したハイトップスニーカー。トゥには、メゾン マルジェラの「タビ」シューズのスプリットトゥのデザインが採用されている。“グラディエーターサンダル”のようなカットアウトアッパー注目したいのは、メゾン マルジェラのクリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノが提唱する「デコルティケ」によってカットされたことで見えてくる“グラディエーターサンダル”のような佇まい。メゾン マルジェラの「デコルティケ」とは、服やアクセサリーの核となる構造だけを残して解体すること。アイテムそのものの輪郭を強調し、隠されていた内部構造や本質を明らかにするテクニックだ。「デコルティケ」のカットテクニックによって「クラシックレザー・タビ・ハイ」スニーカーのアッパーはパネル状にカットされ、ライニングのファブリックが露出。編み込まれたケージのようなフォルムを形作り、アンクルストラップも相まって“グラディエーターサンダル”を彷彿させる仕上がりとなっている。経年変化を楽しむ“ビアンケット”など全4色カラーは全4色を用意。ブラックレザー、ホワイトレザー、レッドレザーに加えて、ブラックレザーに手作業でホワイトペイントを施したビアンケットが登場。メゾン マルジェラのシグネチャーの1つであるビアンケットは、履き込むほどにペイントがはがれていく経年変化を楽しめる。【詳細】メゾン マルジェラ×リーボック「クラシックレザー・タビ・ハイ」発売日:2021年6月18日(金)展開場所:メゾン マルジェラの直営店舗、一部セレクトショップ、公式オンラインサイト・ブラック / ホワイト / レッド 80,300円・ビアンケット 86,900円【問い合わせ先】マルジェラ ジャパン クライアントサービスTEL:0800-000-0261
2021年06月18日サントリーホー「サントリーホール ARKクラシックス」の公演情報はこちらルとエイベックス・クラシックスが共催する音楽祭「サントリーホール ARKクラシックス」。二人のアーティスティック・リーダー、ヴァイオリニスト三浦文彰とピアニスト辻井伸行らが出席して、今年の開催概要の発表会見が開かれた(6月9日・サントリーホール ブルーローズ)。2018年に新設されたフレッシュな音楽祭は、ARKヒルズと周辺施設で広域に開催される都市型音楽イベント「ARK Hills Music Week」のフィナーレを飾る位置付け。今年は10月8~11日。ソロ、室内楽からオーケストラまでヴァラエティに富んだプログラムが用意された。三浦文彰「若い人たちと経験のある演奏家たちが一緒に音楽を作っていくARKシンフォニエッタは、リハーサルの段階から刺激的で、みんなで新しい発見を感じながら演奏している素晴らしいオーケストラ。音楽祭の軸となっている室内楽も、ラヴェル特集やシューベルト《ます》などもあり楽しいコンサートになると思う。外国人演奏家が少ないのは今はしょうがないが、信頼する同世代の素晴らしいチェリスト、ジョナタン・ローゼマンが『ファミリーとして参加したい』と言って来てくれる」辻井伸行「ARKクラシックスはいろんな仲間たちと演奏できるのが楽しみ。ベートーヴェンの協奏曲第4番や、室内楽の《ます》、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ《春》は新たに取り組む作品。楽しみにしているし、楽しんでいただける音楽祭にしたい」ARKシンフォニエッタは2019年にこの音楽祭のために創設されたレジデント・オーケストラ。辻井のソロ、三浦の指揮によるモーツァルトの交響曲&ベートーヴェンの協奏曲の2プログラムと、小編成の弦楽合奏によるバッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番&ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番に出演。楽器を置いて指揮者としてモーツァルトの第29番と第41番《ジュピター》を振る三浦は、「指揮者としてはまだまだ赤ちゃん。ジュピターは大曲で難しいが、この素晴らしいオーケストラとできるのは非常に勉強になる」と抱負を語った。今年はさらに、レジデント・ブラス・アンサンブルとして「ARK BRASS」が新たに組織された。1970~80年代に大活躍した英国のフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルへのリスペクトを込めて、そのスタイルとレパートリーを、新たなテイストで踏襲していくというコンセプト。会見には主要メンバーのトランペット佐藤友紀とホルン福川伸陽が出席。「金管アンサンブルの熱を再び取り戻したい」(佐藤)、「音楽的会話ができるメンバー。それがお客様にも伝わることを楽しみにしている」(福川)と期待を口にした。会場はサントリーホール大ホールおよびブルーローズ。8つの注目公演がぎゅっと詰め込まれた4日間になるはずだ(プログラム等詳細は「ARKクラシックス2021」で検索)。(宮本明)
2021年06月15日『怖い絵』シリーズの著者、中野京子監修・解説によるコンピレーション・アルバム『怖いクラシック』のコンサート開催が発表された(9月19日:東京文化会館)。その内容は、スクリーンに投影された絵画とフルオーケストラ&オペラ歌手による演奏という豪華なもの。美術と音楽の素敵なマリアージュに興味津々だ。大ベストセラー『怖い絵』シリーズとは、2017年に68万人を動員(上野の森美術館&兵庫県立美術館で開催)して大きな話題となった『怖い絵展』の監修者中野京子(ドイツ文学者、西洋文化史家)が監修・解説を手がけるクラシック・コンピレーション・アルバム『怖いクラシック』と、角川文庫より発売中のコラボレーション書籍「大人のための『怖いクラシック』オペラ篇」の総称だ。アルバム『怖いクラシック』は、絵画とクラシック音楽の裏に隠された「怖さ」を紐解き、制作・作曲背景に怖い逸話が潜んでいるクラシックの名曲を自ら選曲したスグレモノ。CDに封入されたブックレット内には、中野が書き下ろした楽曲の解説が掲載され、楽曲それぞれに関連のある絵画が1枚ずつセレクトされるという懲りようだ。一方、「大人のための『怖いクラシック』オペラ篇」では、オペラ『椿姫』、『ホフマン物語』『カルメン』『蝶々夫人』などの楽しみ方や、原作の裏に秘められ物語や制作秘話などが綴られる。この2つの延長線上にある 『怖いクラシック』コンサートは、音楽ファンのみならず美術ファンにとっても気になるイベントに違いない。9月のコンサートにおいては、楽曲と共に中野がセレクトした絵画がスクリーンに投影され、中野自身がクラシック音楽と絵画に潜む怖さの解説を行う予定だという。フルオーケストラにオペラ歌手4名を迎えた豪華なステージに期待したい。●『怖いクラシック』特設サイト●公演概要『怖いクラシックコンサート』【公演日時】2021年9月19日(日)13:00開場/14:00開演【会場】東京文化会館 大ホール【チケット】S席-9,800円、A席-8,500円、B席-7,200円、C席-5,800円※全席指定・税込み※未就学児入場不可(プレイガイド先行)6 月11 日(金)〜、(一般発売)6 月18 日(金)〜【出演】ソプラノ:砂川涼子/メゾソプラノ:谷口睦美/テノール:笛田博昭/バリトン:与那城敬/指揮:三ツ橋敬子/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団/解説:中野京子/司会:笠井美穂【プログラム】チャイコフスキー:オペラ『エフゲニー・オネーギン』よりポロネーズ /ラヴェル:「亡き王女のためのパヴァーヌ」/プッチーニ:オペラ『ジャンニ・スキッキ』より「私のお父さん」/ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」/ビゼー:オペラ『カルメン』より※演奏曲が変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
2021年06月09日クロックス(crocs)から、新作モデル「クラシック トランスルーセント クロッグ」が登場。“半透明”の新作「クラシック トランスルーセント クロッグ」2021年夏の新作としてラインナップに加わる「クラシック トランスルーセント クロッグ」は、シューズのアッパーにトランスルーセント=半透明の素材を採用したモデル。ソックスを合わせてクロックスを楽しむファンのアイディアをヒントに、そのスタイルと個性をより引き立ててくれるような一足に仕上げた。カラーはホワイト、ブラック、ピンク、ブルーの全4色がラインナップ。イチゴやヒナギクの半透明チャームも本モデルの発売に合わせて、シューズのカスタマイズが楽しめるチャーム「ジビッツ」にも、半透明の素材を使ったイチゴやピーチ、ヒナギクなど夏らしいモチーフが用意されている。また、2021年6月9日(水)から6月20日(日)までの期間、「クラシック トランスルーセント クロッグ」を取り揃える期間限定ストアが、ローズ バッド 新宿店・横浜店の2店舗にオープンする。商品情報クロックス「クラシック トランスルーセント クロッグ」発売日:2021年6月3日(木)※取扱店舗により異なる。オンラインストアでは先行発売済み。価格:6,050円(税込)カラー:ホワイト、ブラック、ピンク、ブルーサイズ:M4W6(22cm)〜M11(29cm)販売店舗:・各クロックス取扱店、クロックス 公式オンラインショップ・ローズ バッド 新宿店・横浜店・アトモス ピンク 公式オンラインストア■ジビッツ チャーム 各495円(税込)、5個セット 1,925円(税込)【問い合わせ先】クロックス カスタマーサポートTEL:0120-55-9694(9:00〜18:00 土日祝日を除く)
2021年06月06日東京芸術劇場、愛知・刈谷総合文化センター、熊本県立劇場が2021年全国共同制作オペラ「團伊玖磨 歌劇『夕鶴』」を新制作、および2021年10月から2022年2月にかけてそれぞれの劇場で上演することが決定した。本作は、木下順二の戯曲『夕鶴』をもとに團伊玖磨が作曲したオペラ。彼のオペラ作品の中で最も上演回数が多く、聴衆から愛され続けているこの作品を團伊没後20年記念として新演出で披露する。今回、この名作を手がけるのはオペラ初演出となる岡田利規。チェルフィッチュを主宰し、現代演劇の旗手としてヨーロッパの劇場から定期的に招聘されるなど、国内外で演劇・芸術・文学と多岐にわたる活動を続ける岡田が、これまでとは全く異なる新しい21世紀の『夕鶴』を創出する。出演は、2009年全国共同制作オペラ「トゥーランドット」(リュー)で頭角を現し、近年も野田秀樹演出の「フィガロの結婚」においてスザ女(スザンナ)役で高い評価を受けた小林沙羅が満を持して“つう”初役として登場。幼少期からバレエ、日舞などを習得してきた彼女の経験が活きた表現に期待が募る。さらに、今回の演出上でキーマンともいえる“与ひょう”には与儀巧が同じく初役として登場。天性の輝かしい声を持つ今が旬の寺田功治が“運ず”役でシリーズ初登場、さらに当シリーズに数多く出演し、歌って演じる歌手・三戸大久が“惣ど”役として脇を固める。指揮は、全国共同制作オペラで長年指揮を務める辻博之が10月の東京公演に登場。1月の愛知公演、2月の熊本公演には、バッハ・コレギウム・ジャパン首席指揮者でオルガン奏者、演出家、作曲家、プロデューサーと各方面で活躍する鈴木優人が参加する。歌劇『夕鶴』は2021年10月30日に東京公演を終えた後、2022年1月30日に愛知公演、2月5日に熊本公演を実施。うち、東京公演のチケットはすでに一般発売が開始されている。演出、出演者ともに最強の布陣で挑む、新演出の『夕鶴』に期待してほしい。團伊玖磨/歌劇『夕鶴』(新演出)10月30日 (土)14:00 開演会場:東京芸術劇場コンサートホール指揮:辻博之演出:岡田利規出演:小林沙羅(ソプラノ)、与儀巧(テノール)、寺田功治(バリトン)、三戸大久(バスバリトン)
2021年06月02日ミュージカル『オペラ座の怪人』でデビュー後、17年にわたり劇団四季のスターとして活躍してきた石丸幹二。退団後は歌手、俳優として活躍の場を広げ、2013年の出演ドラマ『半沢直樹』で人気が拡大。現在、テレビ番組『題名のない音楽会』6代目司会者としても親しまれている。昨年にはデビュー30周年を迎え、記念企画が目白押しだ。『石丸幹二 オーケストラコンサート2021』チケット情報昨年は軌跡をたどる『The Best』とデュエット集『Duets』の2枚のアルバムを発売。過去のアルバムからの選曲で、それぞれ新録音も1曲ずつ収録。『Duets』では石丸の歌声とデュエットできるカラオケ仕様の6曲も追加した。今年は6月2日(水)に劇団四季時代の映像特典付き、初の2枚組映像作品『石丸幹二 ORCHESTRA CONCERT 2016&ONLINE LIVE 2020』の発売が決定。続く4日(金)からスタートするのが、全国5都市を巡るデビュー30周年『石丸幹二 オーケストラコンサート2021』。会場ごとに多彩なゲストを迎え、初日の大阪公演には石丸が「歌声に惚れ込んだ」という演歌歌手の島津亜矢が登場する。コンサートでは「観客の心に寄り添い、心の中で口ずさめるような」選曲にこだわったという石丸。『ふるさと』『あすという日が』といった耳馴染みのある楽曲から、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』より『真っ赤なスカーフ』、劇団四季時代から現在までの出演ミュージカルの代表曲など約17曲を予定。島津とのデュエット曲には『美女と野獣』を選んだ。「演歌ではない歌をオーケストラと共に歌ってもらったらきっと大きな花が咲くだろう」と期待を寄せる。「短いようで長かった」と音楽と共に歩んだ30年を振り返る石丸。ベストアルバムのライナーノーツには楽曲に込めた思いや当時の心境を克明に記した。「一枚の写真と同じですね、まるでアルバムをめくるように一曲ごとにいろんなことが思い出されて。聴いてくださる方もご自身の記憶と重ね合わせて楽しんでいただけたら」。舞台人として鍛錬を積んだ劇団時代を経て、第2章と位置付けるその後の13年でとりわけ磨いてきたのが、歌手としての個性だ。退団直後の休暇中に聴いたアンリ・サルバドールのアルバムがひとつの転機となった。「彼が80歳を過ぎてカムバックして出したアルバムで、囁くような唱法が新鮮でした。一生歌い続けるなら目指すのはこの唱法だなと。今までにないものを取り入れようとスタートしたのが第2章の始まりでした」。そんな“つぶやき唱法”はひとまずアルバム等でご堪能を。大劇場では変わらずオペラティックな歌唱で観客の心を満たし続ける。「総勢80名近いフルオーケストラとの共演はやっぱりゴージャスですよね。今回のツアーでは初めてご一緒する楽団もあり、人や音楽の輪が広がっていくのが楽しい。お客様もきっと会場に身を置くことで、歌声や音に包まれる心地よさを感じられると思います」。公演は6月4日(金)、大阪のザ・シンフォニーホールを皮切りに、東京、愛知、広島、札幌を巡演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年05月28日毎年、サントリーホールを始め、全国でリサイタルを開催している及川浩治は、近年ますます充実した演奏活動を見せています。昨年は、ショパンの「雨だれ」やベートーヴェン交響曲 第5番「 運命 」ピアノ版〈 リスト編 〉などの名曲・大曲を披露し、『指が筆のように音を綴り、 まさにピアノの詩人のショパン節』(「音楽の友」2021年1月号)など絶賛を受けました。その及川浩治が、今年お贈りするのが《 「 ショパンの旅 」1999年 オリジナル版 》です。1999年ショパン没後150年に及川が企画した「ショパンの旅」は、ショパンの儚くも濃密な生涯を【 語り 】 と 【 名曲 】 で 辿 る 【 旅 コンサート 】というコンセプトで大評判となり、全国で3万5千人以上を動員するなど、クラシック・コンサートとしては破格の大規模ツアーを実現しました。及川浩治を不動の人気ピアニストへと押し上げた「ショパンの旅」は、その後2005年、 2010年、2014年と、内容を変えながら続けてきたシリーズです。今回は、その原点である1999年のオリジナル・プログラムを22年ぶりに再現します。「革命」「別れの曲」「華麗なる大円舞曲」「雨だれ」「小犬のワルツ」「英雄ポロネーズ」「舟歌」など名曲中の名曲全17曲で構成されており、ショパンの人生と、その音楽の素晴らしさを余すところなく体感いただけます。また同時に、オリジナル 版と向き合うことで、いまやベテランの域に達した及川が自分自身の原点を再び見つめなおす【 旅 】でもあります。22年前からずっと聴いていただいいる方も、今回初めて体験するという方も、ショパンの、そして及川浩治の魅力を存分に感じていただけるコンサートです。美しくも深遠なショパンの世界を、原点と向き合う及川の真摯な演奏でご堪能ください。「及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版」の公演情報はこちら~及川浩治コメント~1999年は私にとって転機となる特別な年になりました。ショパンの没後150年の年で、2月から始まった「ショパンの旅」ツアーは信じられないほど沢山のお客様に聴いていただけたのです。「ショパンの旅」というタイトルを考え、自分で台本を書き、音楽と朗読でショパンの人生を辿る「旅」というコンセプトで作り上げたコンサートです。これほど時間を費やして企画を考えたのは初めてでした。今年度のリサイタル・ツアーをオール・ショパンで、というお話をいただき、22年前のプログラムと台本を復刻することにしました。ショパンの音楽は素敵ですが、多くの曲は精神的な深みや悲しみに満ちています。このプログラムではショパンの初期から晩年の作品までの有名曲を中心にしていますので、お客様 にも聴きやすい選曲だと思います。ショパンの多彩な音楽からその一面を感じ楽しんで頂けることを願っています。▼及川浩治ピアノ・リサイタル「ショパンの旅」1999年オリジナル版開催日程:2021/9/26(日)サントリーホール 大ホール※チケット発売中
2021年05月24日6月26日(土)ザ・プリンス パークタワー東京にて「ハンサム四兄弟プレミアムディナー&コンサート」が開催される。「ハンサム四兄弟」は日本のオペラ界を代表するバリトンの宮本 益光(長男)、与那城 敬(次男)、近藤 圭(三男)、加耒 徹(四男)の4人で結成されている。今回の公演では「ハンサム四兄弟」として初めてディナー付きのコンサートを開催。当日は「ハンサム四兄弟」のアイデアを反映した本公演限定のスペシャルカクテルも提供される。ホテルならではの料理と飲みものを広々としたコンベンションホールで堪能した後、バカラのシャンデリアが煌めくボールルームへ会場を移し、コンサートを楽しめる構成となっている。新型コロナウイルス感染防止対策としてプリンスホテル独自に衛生・消毒基準を設けた「Prince Safety Commitment(プリンス セーフティー コミットメント)」に則って、観客に安全で清潔な空間で快適に過ごせるように準備されている。ディナー会場、コンサート会場ともに、テーブルや座席はソーシャルディスタンス確保のため、ゆったりと配置されている。公演のチケットと宿泊がセットとなっているプランも販売。ディナーとコンサートを楽しんだ後、歌声の余韻をそのままに宿泊も可能。(翌朝朝食付き)「ハンサム四兄弟」は普段バリトンという同じ声域で活動しているため、4人がそろって行うコンサートは非常に貴重な機会。歌唱のみならず、容姿、キャラクターを活かし、“ハンサムなバリトン4人”として結成された「ハンサム四兄弟」の公演は絶妙なトークにも定評があり、誰もが楽しめるクラシックコンサートではないだろうか。現在、チケット発売中。
2021年05月20日人が人に何かを伝えようと思った時、実際に起こった「現実」そのままを伝えるよりも、「寓話」の方が伝わりやすかったりする。その「寓話」に仕掛けがあれば尚更だ。ロームシアター京都が、京都市交響楽団と「異分野のアーティストとのコラボレーションをする」シリーズの最新コンサートが6月20日(日)、ロームシアター京都メインホールにて開催される。京都市交響楽団×藤野可織 オーケストラストーリーコンサート「ねむらないひめたち」チケット情報今回は小説と音楽の持つ「物語性」でのコラボレーション=新作書き下ろし短編小説を朗読、そこに小説のイメージに合うオーケストラ楽曲を組み合わせ演奏する趣向だ。それぞれのパートを担うのは小説=京都在住の芥川賞作家・藤野可織、朗読=映画やドラマ、そして声優としても活躍する川栄李奈、そして京響を指揮するのが「世界が尊敬する日本人100人」(Newsweek Japan)にも選ばれた三ツ橋敬子というそれぞれの分野で活躍する女性たちだ。本公演の中心を担う「物語」は、今よりほんの少し未来の日本が舞台。そこでは、人が眠ってしまうという奇病が蔓延していた。街の高層マンションに住むのは、父、母とも「眠り」についてしまった、幼い姉妹。彼女たちはどうこの世界から生き延びるのか……。そんな「物語」を8つのパートに分け、朗読→演奏の順で音楽の中にある「物語」ともに展開していく。そこでは藤野が「言葉」で紡ぐ不可思議でミステリアスな世界観を川栄の透明感ある「声」で変換し、さらにフランス楽曲が持つ「音」の中を漂うような世界観を三ツ橋が京響とともに奏で、互いを三面鏡にように照らし出していく。「今回中心となる印象派学派と呼ばれるフランスの作曲家の作品には、古典的なものにはない多種多様な表現があります。それを現実とファンタジーの世界を行き来するような藤野さんの作品と結べば、新たアドベンチャーが生まれるはず」と三ツ橋が語れば、「小説を読ませていただいて素晴らしい作品だと思いました。オーケストラの演奏を私も楽しみにしています。色々な方に楽しんでもらえると思います」と川栄。そして藤野は「もちろん、眠ってしまう奇病というのは今の<現実>に影響されています。『眠り姫』を下敷きにはしていますが、この物語を書き進むうちに現実と『眠り姫』の物語がリンクしていきました。私としては、<眠るということは、いつか起きるということ>でもあると思っています」と語る。ロームシアター京都で藤野、川栄、そして三ツ橋と京響が、言葉と声と音楽で紡ぐ2021年6月20日の寓話。この物語にあなたも参加してみませんか。取材・文:安藤善隆
2021年05月19日1940年の初公開から80年の時を経て開催される「ファンタジア・コンサート2021」。4月29日(祝・木)開催の東京公演で指揮を務める栗田博文のインタビューが到着した。1988年の第23回東京国際音楽コンクール指揮部門において第1位優勝を果たし、その翌年に国内主要オーケストラを指揮しデビューした栗田。彼は小学生の頃、1940年に開催された「ファンタジア」を劇場で見たという。当時のことを栗田は「私より上の世代の指揮者や作曲家の方々も影響を受けたと仰っていましたが、それも納得するくらい『映像とクラシック音楽がこれほどマッチするのか!』と思いました」と振り返る。80年前、クラシックとのコラボレーションを思い付いたディズニー。当時、その提案に乗ったのが1965年7月に初めて日本武道館に出演した外国人音楽家のストコフスキーだ。彼が創る音楽について、栗田は非常に個性的と評価し、「映画を通じて、あの、ある種のクセがある音楽を体験してきた人たちをどう飽きさせずに聴かせるかというのは大きなポイントですね」と語る。また、ストコフスキーが来日した際に指揮をした日本フィルハーモニー交響楽団が今回の東京公演で演奏をすることから、「私個人としては歴史的な深い繋がりを感じ興奮しています」と喜びを述べた。最後に、「ファンタジア」のナンバーのひとつ「春の祭典」を作曲したストラヴィンスキーについて挙げ、アニメーションを土台としてクラシック音楽に取り組んだ偉業を称賛。そして、「『ファンタジア』と前後して『白雪姫』『ピノキオ』『ダンボ』『バンビ』と黄金期を迎えつつ、多くの試行錯誤と挑戦があったことが見て取れます。その当時の想いをライブとして届けたいです」と、東京公演に挑む熱意を明かした。ディズニー・ファンタジア・コンサート2021ナビゲーター&ゲストピア二スト 清塚信也(全公演出演)東京公演4月29日(木・祝)12:00開演/17:00開演会場:東京国際フォーラム・ホールA指揮:栗田博文管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団大阪公演7月3日(土)16:30開演会場:大阪国際会議場メインホール指揮:佐々木新平管弦楽:日本センチュリー交響楽団神奈川公演7月14日(水)19:00開演会場:神奈川県民ホール・大ホール指揮:佐々木新平管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団
2021年04月22日今や、発表されている公演の中止やキャスト変更が日常茶飯事のオペラ界だが、新国立劇場で4月18日(日)に初日を迎えるドニゼッティの《ルチア》は、予定されていた主役二人と指揮者の来日が実現した。ルチア役を歌うイリーナ・ルングに、14日間の厳しい待機(隔離)を経てついに翌日からリハーサルというタイミングで話を聞いた。ロシア出身だがイタリアに住み、ヨーロッパの一流歌劇場を中心に活躍しているソプラノだ。「オペラ歌手にとって独りで過ごす時間は珍しくありません。家族から離れ、旅から旅へというのが私たちの生活です。声を節約するために誰とも話さないで何日か過ごすこともあります。しかも私が住んでいるイタリアはロックダウンを繰り返し、何ヶ月もの間ほとんど外出ができない状態でしたから、ここ東京での隔離期間はそれほど苦になりませんでした。普通に聴衆が入っている劇場で最後に歌ったのは去年3月のことです。それ以降は極端な人数制限か、無観客のストリーミングで歌ってきました。観客を前にして再び歌える喜びは大きいです」ベルカント・オペラと呼ばれる、高度な歌唱技術が必要なレパートリーを歌える数少ないプリマ・ドンナの一人である。「ベルカント歌手は舞台の上でまったく動かずに歌だけ歌ったとしてもドラマを表現できねばなりません。コロラトゥーラという装飾歌唱を始めとする多彩なテクニックで、主人公のドラマを歌で表現するのです。《ルチア》はベルカント・オペラの最高峰。特に正気を失ったルチアが歌う〈狂乱の場〉と呼ばれる場面は、歌手にとってはもっとも難易度が高いですが歌い切った時の喜びは格別です。お客さんにとってはロマンチックな場面も多いですし、最高に美しいメロディーにあふれているので、オペラを知らない方にも魅力がよくわかる作品だと思います」無事に初日が開いたら日本の春を楽しみたいそうだ。「それから大好きなラーメンを食べて(笑)、日本の化粧品を買いたいです。ロシア女性は美容にはとても気を使うんですよ」劇場は舞台と客席のエネルギーの交換の場だという。「世界の演劇に改革をもたらしたといわれているロシアの演劇人スタニスラフスキーは『劇場はクロークから始まっている』と言ったそうです。観客は劇場に入る時に、“日常”というコートを脱ぎすてて別世界に入っていくという意味です。ぜひ劇場に来てください。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています」インタビュー/記事井内美香
2021年04月15日コロナ禍で数々の公演が中止となり、半年ぶりの帰国となるドイツ在住のピアニスト、河村尚子。充実した演奏活動を繰り広げ、今や日本を代表する実力と人気を兼ね備えたピアニストだ。待ちに待った日本での公演は、詩的なロマンにあふれた傑作・シューマンのピアノ協奏曲を披露する。14日間の待機の後、音楽の喜びを爆発させてくれるに違いない。指揮は、かつて日本フィルの正指揮者として数々の共演も記憶に残る沼尻竜典。リューベック歌劇場では音楽総監督として、びわ湖ホールでは芸術監督として成功を収めてきたが、2022年度からは神奈川フィルハーモニー管弦楽団音楽監督に就任することが決定している。メインプログラムはショスタコーヴィチの交響曲第5番。20世紀ソヴィエト体制下で抑圧されながらも芸術家として強い信念をもって作品を生み出したショスタコーヴィチ。緊張感と劇的なドラマ性を孕み、今を生きる私たちの魂をも強く揺さぶる作品は必聴だ。先日、久しぶりに指揮した日本フィルは、伝統である元気の良さや、音楽の楽しさをお客様に懸命に伝えようとする姿勢はいまだ健在でした。河村尚子さんと共演できることも、大きな喜びです。<河村尚子>18歳の頃から弾き続けているシューマンの協奏曲、読み返せば読み返すほど味が滲み出てきます。皆様に音楽を聞いて頂くのは半年振りです。精一杯演奏に集中しますので、音楽会をどうぞお楽しみに![公演情報]第366回横浜定期演奏会[ライブ配信あり]2021年4月16日(金)19:00開演 神奈川県民ホール第391回名曲コンサート2021年4月18日(日)18:00開演 サントリーホール指揮:沼尻竜典ピアノ:河村尚子シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 op.54ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 op.47
2021年04月08日新国立劇場の新制作公演、ストラヴィンスキー《夜鳴きうぐいす》とチャイコフスキー《イオランタ》のダブルビル(二本立て上演)が4月4日(日)に初日を迎えた。入国規制のため演出のヤニス・コッコスが来日できず、パリからのリモート演出で作り上げた舞台。《夜鳴きうぐいす》はストラヴィンスキーの最初のオペラ。アンデルセンの童話が原作の短編で、人々の心を癒す鳴き声を持つ不思議なうぐいすが、最後にはその歌声で瀕死の王をも救う。その声は「真の芸術」の象徴でもあり、まやかしの芸術を象徴する機械仕掛けのメカうぐいすとの対峙も描かれる。三宅理恵(ソプラノ)のうぐいす役が大正解。いわば「声」そのものが主役という、歌い手の真価が問われそうな難役。透明感のあるやわらかなリリコに巧みなコロラトゥーラも織り交ぜて鮮やかに歌いきり、劇中の神秘の鳥さながらに、聴き手の心を癒してくれた。物語の案内人である漁師役の若いテノール伊藤達人の安定した美声も印象に残った。一方の《イオランタ》はチャイコフスキーの最後のオペラ。生まれながら目の見えないイオランタ姫が、偶然に出会った騎士ヴォデオンによって愛と光の世界を知り、二人は結ばれる。題名役のソプラノ大隅智佳子が終始圧倒的な存在感を示した。しっかりしたボディのある豊潤な声がじつに心地よく響く。父王ルネの妻屋秀和も貫禄の歌唱。ロシア・オペラらしい深いバスの魅力を見せつけてくれた。演出家コッコスは劇場サイトで公開されている「オペラトーク」で、時代も音楽の性格も異なるこの2作品は一見まったく似ていないが、その共通性にすぐに気づいたといい、2つのオペラがひとつの舞台作品となるよう、美術的な観点からも密かな橋渡しを施したと語っている。それを踏まえて舞台装置を眺めれば、両作品に通底する、類似の、あるいは不変のさまざなモチーフが仕掛けられているのに気づくはずだ。ゼロから新たに作り上げる新制作上演だけにリモートでの演出には困難もあったろうが、そんな、ダブルビルの「意味」を滑り込ませた心憎い演出。音楽的にも、知的な音楽作りに定評ある高関健のタクトが鮮やかに織りなすストラヴィンスキーとチャイコフスキーのコントラストが、まるであらかじめひとつの作品として意図されていたかのような錯覚さえ覚える。これもコッコス・マジックゆえかもしれない。2作品ともおとぎ話なので、退廃的な悲恋も愛憎渦巻く殺人も出てこない。表現主義絵画から飛び出してきたような2次元風の舞台美術やカラフルな衣裳も幻想的で、小さな子供でもまったく抵抗なく楽しめそうな、素敵なプロダクションだ。新国立劇場の《夜鳴きうぐいす/イオランタ》はこのあと4月6日(火)、8日(木)、11日(日)。初台の新国立劇場オペラパレスで。(宮本明)
2021年04月05日ららら♪クラシックコンサート第10弾は、2019年秋のVol.6に続く「ミュージカル特集」。日本ミュージカル界を代表する実力派スターたちと読売日本交響楽団(指揮・角田鋼亮)との豪華共演でミュージカルの魅力に迫る。今回は「ミュージカル界の巨匠たち」をテーマに、『ウエスト・サイド・ストーリー』のレナード・バーンスタイン、『キャッツ』『オペラ座の怪人』のアンドリュー・ロイド・ウェバー、『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』のクロード=ミシェル・シェーンベルク、『エリザベート』『モーツァルト!』のM.クンツェ&S.リーヴァイなどによる名作ミュージカルの人気楽曲をお届けする。高橋克典の楽しいトークもお楽しみに。現在完売となっているチケットを、緊急事態宣言解除に伴い、4月1日10時から売り止めていた座席を開放し、追加販売を行う。ぜひお見逃しなく。・出演新妻聖子、中川晃教、ソニン、上原理生、咲妃みゆ管弦楽:読売日本交響楽団指揮:角田鋼亮司会:高橋克典、金子奈緒
2021年03月30日テノールの西村悟が新境地、ドイツ歌曲の世界に臨む。自身初のリート・リサイタル[3月31日(水)Hakuju Hall]でベートーヴェンの歌曲集とシューマン《詩人の恋》を歌う。コロナ禍による活動停止中、自宅でひたすら自分の声と向き合ううち、テクニックの進化に気づいたと語る。「声のコントロールです。若い頃はオケに負けない声の“圧”を出すことが前提でしたが、声を繊細に操るテクニックが身につき始めていることに気づいた。そんな自分の声だけで表現することに魅力を感じて、だったら歌曲を歌ってみようと」学生時代からイタリア・オペラひとすじだった西村。数年前から、宿命が彼をリートの世界に導いていたようだ。まずは2017年にびわ湖ホールの《ラインの黄金》でローゲを歌ったこと。「沼尻竜典さんのご指名。初のドイツ語オペラでした。ローゲはすべて語り口調のような、流暢なドイツ語が必要です。しかもドイツの大御所ミヒャエル・ハンペの演出。1年かけて徹底的に仕込まれ、最終的にはとても好評をいただきました」その翌年には、クラウス・フロリアン・フォークトのリート・リサイタルで衝撃を受けた。「彼はヒロイックな声でわーっと持っていくようなワーグナー歌いではなく、一本のラインの上で声を操るような感覚の現代的な歌い手。オペラ歌手のリートはいいなと、その時に思いました」そして、ドイツ語体験と自らの声の変化が徐々にリンクしてリート挑戦を思い描き始めた頃、ピアニストの仲道郁代から、彼女のリサイタルで《詩人の恋》を歌ってみないかと誘われた。「二つ返事でやらせていただきました。仲道さんの音から、僕が感じていたのと同じ景色が見えて、漠然としていた感覚が確信に変わりました」「僕の表現力はオペラで培ってきたものです。大劇場で歌うオペラは、表現を拡大する世界。一方、歌曲の繊細な世界でも、その表現を凝縮して届けることで、より幅が広がるんじゃないかと思っています」もうひとつ、物語性へのこだわりもオペラと繋がる。「特に《詩人の恋》。物語性がオペラと似ているように感じています。詩の言葉だけでなく、歌の旋律やピアノ伴奏からも物語の背景が見えてくる。僕の感じた背景を知っていただき、同じ目線で物語を見ることで、より面白く感じていただけると思います」いわばオリジナルの「標題」だ。そんな丁寧な姿勢からも、彼の「リート愛」がひしひしと伝わってくるではないか。西村悟の新たな顔、新鮮な《詩人の恋》を目の当たりにできそうだ。(宮本明)
2021年03月26日真夏の川崎に日本のオーケストラが大集合する「フェスタサマーミューザKAWASAKI」。開催概要の記者発表会が開かれた(3月23日・ミューザ川崎シンフォニーホール)。昨年は緊急事態宣言の解除後、世の中のコンサート活動が再開し始めてまもない時期に、感染対策を確立してほぼ全日程を完走。ライヴ配信を併用する興行形態も注目を集めた。この実績に対して、2020年度ミュージック・ペンクラブ音楽賞功労賞が贈られた。この日登壇したミューザ川崎シンフォニーホールのチーフアドバイザー秋山和慶は、こんな言葉で昨年を振り返った。「(長い活動停止のあと)ここでやっと息ができた」音楽ファンも同じ思いだったはず。その息づかいを、この夏もまた共有できる。今年のサマーミューザは7月22日(木祝)~8月9日(火祝)の19日間全20公演。現時点では座席を100%使用する予定で、一方、昨年3万回を超える視聴数を記録したライヴ配信も継続。新百合ヶ丘のテアトロ・ジーリオ・ショウワ(昭和音楽大学)を会場とする「出張サマーミューザ@しんゆり」も復活する。11のプロ・オーケストラが集まるオーケストラの祭典は、ミューザ川崎を本拠とする東響がホスト役としてオープニングとクロージングを飾る。それを含め3公演に登場する東響を指揮するのは、音楽監督J・ノット、桂冠指揮者・秋山和慶、4月から正指揮者に就任する新鋭・原田慶太楼という充実の布陣。詳述する余裕はないが、オケ公演を指揮者との組み合わせで紹介する。4年ぶり出演のアンサンブル金沢は注目のロベルト・ゴンザレス=モンハスがソリスト・指揮者の二刀流で登場。都響はアジアの新星カーチュン・ウォンと、これが初顔合わせ。読響は首席客演指揮者・山田和樹がサマーミューザ初登場。N響は指揮者なしの室内オケ編成で。シティ・フィルは高関健が常任指揮者就任時に振った《わが祖国》で6年間の成果を問う。神奈川フィルは古楽の匠・鈴木秀美とのロマン派プロ。地元の神奈川フィルはもう1公演、渡邊一正とのバレエ音楽も。初登場の京都市響は今年がラストイヤーの常任指揮者・広上淳一が率いる。ニューシティ管は次期音楽監督・飯森範親の就任披露となる。東フィルは首席指揮者バッティストーニがついにサマーミューザ初登場。日本フィルは下野竜也がアイディア豊かな卓抜プロを聴かせる。他に、川崎市内にキャンパスを置く洗足学園と昭和音大の各オケも例年どおり登場。また、ピアニスト小川典子が子供向けコンサートとサックスの須川展也との共演の2本立ての一日や、デビュー50周年の渡辺香津美のジャズ・ナイト、オルガン音楽の原点をとことん味わう恒例の「真夏のバッハ」など、どれも聴き逃せない。でも万が一聴き逃しそうになったら、先述のライヴ配信なら日本全国から視聴可能だ。サマーミューザが新しいコンサート体験を提供してくれる。(宮本明)
2021年03月25日