家族、結婚、女であることのセクシュアリティやコンプレックス。現代女性たちが抱える違和感に光を当て、“常識”を揺さぶる小説を書き続けている村田沙耶香さん。ともすれば、それはディストピアな世界にも通じるが、エッセイでは一転。このたび本にまとまった『きれいなシワの作り方~淑女の思春期病』を読むと、連載時にも感じていたポップな楽しさが蘇ってくる。「よく“お肌の曲がり角”などといいますが、肌に限らず、身体も酒量も、あるいは、結婚や将来に対する願望や悩みなど、30歳を過ぎた頃から曲がってきているなと自覚する出来事がいっぱいあって。そんな“アラサーあるある”が書けたらいいなと思っていました」俎上にのる話題は、美容やファッション、恋愛など女子トークの定番ネタ。どうやら、思春期に卒業したと思っていた煩悩は、アラサーになっても女子を悩ませるらしい。「振り返ってみれば、確かに書くとっかかりは、友達との会話から拾うことが多かったですね。痩せない話、化粧品売り場のカウンターでの話、帰省したときの話など。他愛ないことでも切実なんです」そんな体で書かれたエッセイは、回を重ねるにつれ、「友人からは『最初はあるある話だったけど、だんだんサヤカちゃん特有の世界になってきたね。そこがいいんだけどね』と、とってつけたような褒め言葉をもらうように…」だが、三十路になってから自分の恋愛ブレーキが高性能すぎて恋ができないという悩みや、産むか産まないかにいつまでも揺れていていいのか問題など、女性の共感を誘うテーマもいろいろ。村田さんの素直な心情が綴られているだけに、首をぶんぶんと、ヘッドバンギング並みに振ることになるかもしれない。「実際に、自分が30代の地平に立ってみると、20代に求められるきゃぴきゃぴ感は求められずにすむし、『もう、どう見られてもいいや』と自由になれている面もいろいろある。大人だからこそのチャレンジもできる。少しずつ生きるのがラクになっている気がします。そんな気持ちを包み隠さず書いたので、読んでほっとしてくれればうれしいですね」かつては、憧れの山田詠美さんが書いた小説からだけでなく、エッセイからもさまざまなエールを受け取っていたという村田さん。「私の場合は、そんなステキな姉御感はないのですが…。というか、ついに私の素がバレてしまう日が来たのかと戦々恐々です…(笑)」◇小誌で約1年半にわたり連載されていた好評エッセイ「アラサーからの思春期病」を、書き下ろしも加えて単行本化。共感すること間違いなし!マガジンハウス 1200円◇むらた・さやか 作家。1979年、千葉県生まれ。『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞ほか受賞歴多数。昨年は、『殺人出産』が話題に。※『anan』2015年10月21日号より。写真・内山めぐみ(村田さん)加藤 淳(本) インタビュー、文・三浦天紗子
2015年10月20日ユニット「TrySail」としても活躍中の声優・雨宮天のファースト写真集「雨宮天ファースト写真集ソライロ~青と旅する~」(発行:主婦の友インフォス情報社)。10月2日に発売されて以来、好評な売れ行きの本書だが、TrySailのライブ「The Golden Voyage of TrySail」会場でも「会場限定生写真付き」(2Lサイズ・直筆コメント・サイン入り)で発売されることが決定した。さらに、発売記念イベントが2015年11月29日(日)に都内某所で開催されることもあわせて決定。イベントでは、「未公開の写真やオフショット満載のスライドトーク」「クイズ大会」「Q&Aコーナー」「大抽選会」などが予定されている。イベント応募用紙は、全国のアニメイト、ゲーマーズ(オンラインショップ含む)、TrySailライブ「The Golden Voyage of TrySail」会場にて本書を購入すると配布される。応募締切は2015年11月5日(木 / 当日消印有効)。■店舗別 特典生写真 一覧
2015年10月09日全世界で300万部(2015年3月時点)と超ベストセラーになっている、小説『ワンダー』。作家・R.J. パラシオさんにお話を聞いた。* **生まれつき顔に障がいがある10歳の少年がいじめや差別を乗り越え、彼らしく輝くまでの1年を追った『ワンダー』。いまや国境も言語も年代も超える名著として広まり、驚くべき奇跡=『ワンダー』旋風を巻き起こしている。物語は、オギーことオーガストが学校に初めて通うことになったところから始まる。一種の異端児である彼を取り巻く子どもたちの反応はさまざまだ。最初の構想では、オギーの視点だけで書くつもりだったが、「次第に、なんでも弟第一になってしまう家庭で暮らす姉ヴィアの生き方や、ランチタイムにオギーと一緒に座るサマーの勇気の裏にあるものを知りたくなりました。オギーの完全な物語を補完するために、複数の視点で綴ることにしたのです」それは同時に、オギー以外はみな外見こそ普通だが、実は悩みのない子はいないことを浮き彫りにする。ちなみに、本書で大きな役割を担うのが、オギーが入学する学校のトゥシュマン校長が挙げる格言だ。「校長が引用した<正しくあるより、親切であれ>はアメリカの心理学士、ウェイン・W・ダイアーの言葉で、この物語のテーマにぴったりだと思いました。本の中でもわかりやすいいじめばかりではなかったように、現実においても、いじめと呼べるほどではない“集団での意地悪”をとてもよく見かけます。親たちはなぜか、あの年頃の子どもは意地悪をするものだと訳知り顔で片付けたがるのですが、私には納得できなかったし、とても不満だったんです。『ピーター・パン』の作者ジェームズ・バリーの『小さな白い鳥』の一節<必要だと思うより、少しだけ余分に人に親切にしてみよう>にあるように、みながもうちょっとだけ優しさを選べば、世界はもっといい場所になると信じています」この本にインスピレーションを受けた人たちによって、いじめ反対のキャンペーンが始まったり、親切運動推進団体が組織されたり。そうした社会現象も生まれていることに、パラシオさんは感動しているそうだ。◇R.J.パラシオ作家。夫と2人の息子、2匹の犬とともに、ニューヨーク在住。アートディレクターとして多くの本に関わる。2012年にアメリカで本書が出版され、デビュー。◇『ワンダー』R.J.パラシオ 学校に入ったオギーに起きる、いいことと好ましくないこと。挫けそうになったときに味方になってくれたのは…。感動的な格言が多数織り込まれている。ほるぷ出版1500円※『anan』2015年10月7日号より。写真・加藤 淳インタビュー、文・三浦天紗子
2015年10月06日トリドールは10月2日~11月下旬、「タル鶏天ぶっかけ」(並/税込590円、大/税込690円)を全国の「丸亀製麺」店舗で期間限定販売する。同商品は、揚げたての鶏天4個とタルタルソースをぶっかけうどんにトッピングした一品。昨年に期間限定販売されたメニューで、ゆず風味を増して再登場する。濃厚なタルタルソースは、ボリュームのある鶏天のうまみを引き立てているとのこと。
2015年09月29日性欲や快楽に率直すぎるためにいろんな人と寝てしまう女子高生をヒロインに据え、恋愛における既存の価値観を蹴散らすコミック『あそびあい』。そのエロティックかつ先鋭的な青春を描いて話題沸騰の新田章さんが、このたび『パラダイス』を刊行。家族ドラマあり、恋愛や友情の物語ありと、才能きらめく5つの名作がずらりと揃った。別居中のダメ父への娘の愛憎(「かぎっこ」)、性格も良くて万能な女友達への10代ゆえの嫉妬心(「夏来たりなば」)、田舎の古い風習や濃い家族関係への嫌気(「ランタンパレード」)などは、身近な感情をつつかれたような気持ちに。「読む分には、現実離れしたお話が好きで憧れもあるんですが、自分の作品では、日常と地続きの、自分の中にあるものを軸にする描き方が合っている気がします」職場の元先輩の恋人・南くんに片思いしている主人公の複雑な恋愛心理を描く「しおりちゃんの純愛」は、「初応募作を描き直した作品で、のちに『あそびあい』を描くきっかけになりました。片思いの相手を自分のものにしたいのではなくて、別の女性に恋している彼の一途さにきゅんとなるという心理は面白いですよね。少女マンガをあまり読んだことがないせいか、例えば“手をつなぐだけでドキドキ”というもどかしさを、長くうまく描けないんですよ(笑)。大人の恋愛なら体ごと深くつながるのが自然かなとも思っています」小説家か映画監督になりたいと思ったこともあるという新田さんの、どこか文学的かつ映画的な作風に漂う卓抜したセンス。なかでも、いい映画を観たときのような手応えがある表題作は、熱烈映像化希望だ。ホームレス寸前だった男が支援活動をしている女性に拾われ、空き地監視をするうちに、相部屋の老人や転がり込んできた子どもたちと疑似家族になっていく展開は、ほのぼのだけでは終わらないのがミソ。「誰が見てもいい人、というのはいないと思うし怖くて信用できないです。本人なりの真剣さも正義もあるのに端から見れば滑稽、という人間くさい部分を描きたいし、そういう物語が好きですね」◇家の鍵をなくした女子受験生がしかたなく別居中のダメ父にSOSを出す「かぎっこ」のほか、作品集の中で唯一連作になっている表題作などクリエイティブの守備範囲の広さを証明した5作を収録。KADOKAWA680円◇にった・あきらマンガ家。青森県出身。2008年『マンガ・エロティクス・エフ』にて「くすりをたくさん」でデビュー。初連載作品『あそびあい』(全3巻/講談社)は大きな反響を呼んだ。※『anan』2015年9月30日号より。写真・加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年09月29日フードエッセイストの平野紗季子を始め、様々なアーティストによる“食”をモチーフにした作品やグッズを展開する「平野紗季子の(食べれない)フード天国」が、三越伊勢丹で9月29日より順次開催される。食べものを“食べて楽しむ”だけでなく、むしろ“食べられない”からこそ広がる“新しい食欲”に目を向けた同イベント。会場では、フードエッセイストの平野紗季子を中心に、ファッションデザイナーやアーティスト、ミュージシャン、ジュエリー作家などによる“食”をモチーフにした作品を展開する。期間中は、平野紗季子がこよなく愛する洋菓子店「ローザー洋菓子店」の包み紙をモチーフにしたスカーフやハンカチ、白子や天むすなどをモチーフにしたユニークなフードブローチを制作するブローチ作家・Crepe.、本物のフードを樹脂加工してアクセサリーを作るROTARI PARKER、お菓子の包み紙やおかきなどをジュエリーに昇華させるコンテンポラリーアクセサリーブランドのCHIMASKIらによる“身につけられるフード”が販売される。その他、平野紗季子が愛読する“食”にまつわる個性的な古本を揃えた小さな書店もオープン。平野紗季子の旧友であるモデルの小谷実由とのコラボレーションにより、2人が惚れ込んだ東銀座の喫茶店「喫茶 YOU」の店頭のネオンサインや名物のオムライスをモチーフにしたグッズなども発売する。また、食パンを愛する4人組・チーム未完成も登場する予定だ。同イベントに際し、平野紗季子とDJみそしるとMCごはんが、伊勢丹新宿店本館地下1階の食品フロアをテーマにした新曲とメインPVを制作。伊勢丹マクミラン柄の特製デザイントートをセットにした新曲CDを伊勢丹限定で販売する。なお、開催期間は、伊勢丹新宿本館2階のセンターパーク/TOKYO解放区、及びイセタン羽田ストア(レディス)ターミナル1が、9月29日から10月13日まで、伊勢丹オンラインストアが9月29日から11月3日まで、ジェイアール京都伊勢丹5階の特設会場が10月28日から11月2日まで。なお、会期中10月3日17時半から19時には、平野紗季子とDJみそしるとMCごはんの2人によるトークセッションや、DJみそしるとMCごはんのライブパフォーマンスイベントが伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区で開催される。
2015年09月25日母に疎まれて育った記憶から、いつも母親にどう思われるかが気になる32歳の千遥。母ひとり子ひとりで育ち、相互依存から抜けられない27歳の亜沙子。唯川恵さんの『啼かない鳥は空に溺れる』は、そんな対照的なふたりの女性を通して、現代の母と娘を見つめる長編だ。「ひとりは、母の愛が欲しくてたまらない。もうひとりは、母の愛が重くてたまらない。母と娘の結びつきは千差万別だけれど、煎じ詰めれば、この両極の悩みになるだろうと思ったんです」ここ3~4年で一気に認知度が上がった「毒親」という言葉。社会的風潮に応えるように、母に支配され、生きづらさを抱える女性たちを描いた小説も多数出版されてきた。だが本書では、母との関係をこじらせた千遥や亜沙子の思いだけでなく、不器用にしか子育てできなかった母たちの思いをも掬い取っているところが出色。自分が母親の気持ちがわかる年齢になったからこそ書けた部分もあったと、唯川さんは言う。「娘にキツく当たらざるを得なかった千遥の母親。娘を女手ひとつでがんばって育てたのだから認めてほしいと思う亜沙子の母親。『愛しすぎたのではないか』『愛さなすぎたのではないか』と、思い通りに育たなかったことに葛藤するのもしかたないのかなと。なぜなら、娘を否定することは、自分を否定することと同じ。娘は母を断罪すればいいけど、母は娘を非難できないんですから」母とのこじれた関係は、千遥や亜沙子の結婚にも影を落とす。千遥は、年下のフリーター・功太郎が、母に紹介してもいいと思う仕事を手に入れたことで、彼との結婚に積極的になる。一方、亜沙子は「母が強く薦める相手だし、条件も悪くないし」と、田畑との結婚を自分に納得させていく。ところが、それぞれに思いがけない災難が降りかかり、ヒロインたちは今度こそ、自分らしく、結婚や人生に向き合わなければならなくなるのだ。「特に千遥については、状況の変化やそれに伴う決断など、なかなか答えが出なくて。編集者に相談し、単行本化にあたり書き直しました。もはや、結婚すれば幸せになれるという保証もない時代。ラストには、誰もが自分で納得できる道を選んでほしいという願いを込めています」◇ゆいかわ・けい作家。石川県生まれ。2002年、『肩ごしの恋人』で直木賞を、’08年、『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞。『霧町ロマンティカ』『夜明け前に会いたい』が文庫化。◇母の影響で、生き方も恋のしかたも対照的になったふたりのヒロイン。彼女たちがニアミスすることで浮かび上がってくる現代女性の選択とは。幻冬舎1500円※『anan』2015年9月9日号より。写真・岡本あゆみ(唯川さん)中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年09月08日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使った栄養バランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立はこちら。今日の献立は「揚げ天と白菜のくったり煮」を含めた全4品。作りやすく、また旬の時期だからこそ楽しめるレシピ! ぜひ食卓で季節を感じて下さいね。 >>今日の献立はこちら 揚げ天と白菜のくったり煮揚げ天はお好みの物でどうぞ! 数種類を組み合わせてもいいですね。調理時間:20分カロリー:160Kcal主材料:揚げ天 白菜 ニンジン だし汁 酒 >>「揚げ天と白菜のくったり煮」のレシピを見る トウモロコシの甘辛焼き香ばしい香りが食欲をそそります! 生のトウモロコシが手に入る時はぜひお試しを!調理時間:15分カロリー:115Kcal主材料:トウモロコシ >>「トウモロコシの甘辛焼き」のレシピを見る トマトとキュウリの夏サラダミョウガとスプラウトがアクセント。ゴマ油のコクと風味が広がるサラダです。調理時間:10分カロリー:42Kcal主材料:トマト キュウリ ミョウガ スプラウト >>「トマトとキュウリの夏サラダ」のレシピを見る ナメコとおろし長芋のみそ汁ぬるぬる食材のナメコと長芋が入ったおみそ汁。調理時間:15分カロリー:50Kcal主材料:ナメコ 長芋 ワカメ ネギ だし汁 >>「ナメコとおろし長芋のみそ汁」のレシピを見る
2015年08月17日紗栄子が大胆ショット公開8月7日に発売された雑誌「anan」1966号にて、モデルの紗栄子(28)が同誌で初めてランジェリー姿を披露。特集テーマである「愛とSEX」に合わせ、色気たっぷりのボディと赤裸々な恋愛観を公開している。抜け感バストの秘密は?「好きな人の前でも、ファッションも自然でありたい」と語る紗栄子。自然で美しい「抜け感」のあるバストにセクシーさを感じるのだという。そんな彼女は、8月26日にPEACH JOHNから発売されるニューライン『PJ model’s』のシリーズを着用し、撮影に挑んだ。『PJ model’s』は、透明感のある伸び止め生地をカップに裏打ちし、重ねることでバストトップのひびきを軽減。サイドボーンが安定したフィッティングをかなえるため、ナチュラルなのにセクシーな「抜け感バスト」を作り出すという。未公開ショット、掲載中『PJ model’s』特設サイトでは、「anan」に掲載しきれなかった特別ショットを限定公開。あえて寄せきらないバストの自然な色気や挑戦しやすい「透けにくい下着」など、真似したくなる抜け感セクシーが見られる。なお、紗栄子が着用した『PJ model’s』新シリーズは、公式ホームページや全国のピーチ・ジョン・ザ・ストアにて先行予約を受け付け中。力みすぎない紗栄子風セクシーを手に入れよう。(画像はプレスリリースより)【参考】・PJ model’s特設サイト・株式会社ピーチ・ジョンプレスリリース/ValuePress
2015年08月11日結婚、育児、仕事、昇進…のすべてで形作られる完璧な「女の幸せ」は、なぜ遠いのか。その背景を様々な角度から読み解いた書籍が『「居場所」のない男、「時間」がない女』。著者である水無田気流(みなしたきりう)さんに、「普通の幸せ」が遠い理由を聞きました。中高年層で増えている孤独死や孤立化。生涯未婚率の増加や産みたくても産めない社会的不妊。現代の日本社会が抱える問題の根源を、水無田気流さんは<男性の関係貧困>と<女性の時間貧困>にあると指摘。そのリアルな現実を、各種資料から読み解き、自身のワーク・ライフ・バランスな体験を織り交ぜながら綴ったのが、『「居場所」のない男、「時間」がない女』だ。「C.ライト・ミルズという批判理論の社会学者は、身近な事柄を社会的な背景と結びつけて考えることを『社会学的想像力』と呼び、ひとりの人間の生活と大きな歴史(的状況)は切り離せないと唱えました。私自身が仕事と育児の両立に右往左往している身なので、主観的に気がつくことも多いのですが、それを客観的にどう実証するか、加減に悩みながら書きました。その結果、誰にとっても『笑いながら読んだものの、自分を取り巻く現実と照らし合わせて考えてみたらぞっとする』というような本になったのではないかと」男性にとっても、女性にとっても、“普通の幸せ”が遠いのはなぜか。その背景がひとつひとつつまびらかにされていく。とりわけ第2部で語られる、日本女性の時間的な負担の様相は、過酷の一語。「文科省も経産省も厚労省もいい提言をするのですが、実は彼らのその根っこにあるのは、女性の時間資源を使わせてくれ、ということ。現政権のいう<すべての女性が輝く社会作り>というのは、女性に超人になれと言うようなもので、一種の無理ゲー(設定・条件が過酷すぎてクリアが困難なゲーム)なんですよ」意識の高い高学歴女子学生は『会社四季報』も読みこなし、女性が働きやすい、ファミリーフレンドリーな会社を選んで就職するなど、先を見越して考えているのに対し、「男子学生はまったく当事者感ゼロ。『僕も30を過ぎたら考えなきゃいけないのかなと思います』とか、完全に『ゆるふわ』なんです(笑)。いまの日本社会に必要なのは、男性も含めた労働と家庭生活の総合的な見直しなのですが、それは簡単には実現しないでしょう。とするなら、一生就労することを前提に、けれど超人など目指さず、自分にとっていいバランスでライフコースを決定していくのがおすすめですね」◇結婚、育児、仕事、昇進…のすべてで形作られる完璧な「女の幸せ」は、なぜ遠いのか。男女双方が抱える問題から分析。日本経済新聞出版社1300円。◇みなした・きりう詩人、社会学者。1970年、神奈川県生まれ。詩人として『音速平和』で中原中也賞、『Z境』で晩翠賞を受賞。他に『無頼化する女たち』『シングルマザーの貧困』など著書多数。※『anan』2015年7月29日号より。写真・岡本あゆみ(水無田さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年07月27日大なり小なり、誰もが持つのがフェティシズム。しかしそこに広がる世界は実に複雑だ。「それ、あるある!」と意気投合したのに、実は萌えポイントが微妙にズレていたり、「ないわー」と全否定したものの、その熱意にだけはうっすらと共感できたり。高野雀さんの『低反発リビドー』で描かれるのは、そんな十人十色の倒錯ぶりだ。自分はワキ毛フェチなのに、彼女が永久脱毛していることを知ってしまった青年のショックや、シングルマザーの女友達に「後期高齢者層が超タイプ」と言われ、理解に苦しむ女性の混乱、スーツ姿や長めの髪型など属性で恋に落ちる各人のフェチぶりを肴に盛り上がる女子会ストーリーなど、全30話のオムニバス。「大半は、私が飲み会の席で聞いたちょっとした衝撃告白がもとになっています。私は下戸なので、記憶が鮮明なんですよね。いつかこういうネタを明るく描きたいなと思っていたんです」5階建てのエレベーターなしアパート<コルダーハイツ>を舞台に、各部屋の住人やその友人たちの間で交わされる性癖話が軸になる。「最初は、各話をリンクさせようかというもくろみもあったのですが、そこにこだわりすぎてテーマが重くなると、かえって笑ってすまされなくなるかもと(笑)。どんな性嗜好も、容易には変えられないもの。一刀両断するのではなくて、『しょうがないよね』とライトにさらっと受け入れてもらえるようなテイストを意識しました」書籍化に際しては、ウェブ連載していたものの一部を描き下ろしと差し替え、各話の終わりにはすべて4コママンガを描き加えた。このおまけページと合わせ、どのエピソードも1話で2度のオチが楽しめるという豪華版だ。「描く上で自分なりの挑戦として、いくつかテクニック的な縛りをもうけました。登場人物たちのモノローグは封印し、会話のキャッチボールだけで物語が成立するようにしようとか、コマ割りを固定して、1コマ目はドアの絵から始めようとか」インタビュー時、ネームの準備のための創作ノートを見せてもらったのだが、これが驚異の綿密さ!マンションの各部屋を階層マップにした一覧表を作成。それぞれの部屋で巻き起こる物語のアウトラインが、けし粒のような小さな文字でびっしり書き込まれていた。そうして生まれた本書は、閉塞感や惰性に倦んだ女性たちの、ささやかな決意を描いた鮮烈なデビュー作『さよならガールフレンド』とはまた違った読み心地。高野さんの新たな魅力に、ぜひ触れてみて。◇アパート<コルダーハイツ>に集う人々が語るのは己の熱い性嗜好。ちょっぴりアブノーマルな世界は案外、特殊ではなくて日常と地続きだった!グランドメゾン形式で描かれるユニークなコミック。徳間書店580円。◇『低反発リビドー』(C)高野雀/NSP 2014◇たかの・すずめマンガ家。同人誌即売会「コミティア」用に制作した「さよならガールフレンド」が書籍化されデビュー。※『anan』2015年7月22日号より。写真・加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年07月21日『日の名残り』『わたしを離さないで』など、多くの作品で世界中の読者を魅了してきたカズオ・イシグロさんが、新作を発表。作品が発表されるまでの舞台裏についてお話を伺いました。* **――10年ぶりの長編ですね。イシグロ:よくそう言われるのですが、丸まる10年かかったわけではありませんよ(笑)。ただ、時間をかけることが悪いことだとは思っていません。これまで誰も書いていないような新しいものを生み出すためには、時間をかけて取り組みたいと思っていますから。確か『忘れられた巨人』を書き始めたのは2004年ごろ、『わたしを離さないで』を書き終わった直後でした。私は人に執筆途中の作品を読ませるようなことはあまりないんですが、妻のローナには折にふれ見せています。この作品も40~50ページくらい書いたときに読んでもらったんです。すると「これは全然ダメ。初めからやり直さないと」とけんもほろろに言われました。すぐには取りかかる気になれず、その間に『夜想曲集』を書き、2本の映画にも関わりました。うち1本では脚本も務めています。そののち、妻のアドバイス通り、最初の草稿を全部捨てて書き始めてみると、前とはまったく違うアプローチになったんです。この本に限らず、妻にはいろいろ意見を聞くのですが、本作では特に、妻の影響は大きかったですね。――イシグロさんは常に、その作品にとって最も効果的な舞台を用意し、物語を綴ってきたように思います。とはいえ、本作では、これまでとはまったく違う時代が舞台になっていて驚いたという読者の声もよく聞きました。6世紀、あるいは7世紀のブリテン島(現在のイングランド)、ブリトン人とサクソン人の血なまぐさい戦いの後という設定ですよね。イシグロ:私の中にまず生まれたのは、「いろいろな人々が記憶喪失に直面している」というアイデアでした。次に、どうしたらそうしたシチュエーションを作れるかと考え、古い時代に赴いて、神話的な世界観を作ってしまうのが面白そうだと。私は、ストーリーはつかめていても、物語にとって最適な世界を模索するプロセス―つまり、舞台設定をどうするかに長い時間を使います。作家としては少しめずらしいかもしれません。◇カズオ・イシグロ作家1954年、長崎県生まれ。5歳で渡英。1982年に『遠い山なみの光』でデビューし、1989年に『日の名残り』で英国最高の文学賞「ブッカー賞」に輝く。約5年に1作というペースで作品を発表し続け、ノーベル文学賞に最も近い作家のひとりともいわれる。映像化、舞台化された作品も多数。◇記憶を曖昧にする<奇妙な霧>に覆われた世界で、息子を訪ねる旅に出た老夫婦。勇敢な若い騎士と少年の2人組や、伝説の老騎士と出会い、彼らが挑む雌竜退治に巻き込まれることに。最新刊『忘れられた巨人』は早川書房より発売中。今回、行われたミニ講義の一部が、『カズオ・イシグロ 文学白熱教室』(7月17日、NHK Eテレ23:00~23:54)にて放送予定。※『anan』2015年7月22日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・三浦天紗子
2015年07月18日「年下男×年上女の小説内カップルは、素直になれないゆえにすれ違うことも。恋愛ベタでままならないからリアルで、身につまされたりします」そう年下男子との恋を描いた小説の魅力を語るのは、多数の女性誌などで文芸関連を手掛けるライター・三浦天紗子さん。女性のジレンマを描くものや切ない想いに涙する名作たちを教えてもらいました。■『シェリ』/コレット著¥660(岩波文庫)24歳差の愛は成就するのか、最後まで目が離せない!公称49歳の元高級娼婦・レアが、25歳の恋人“シェリ”を甘やかしながらも、男ぶりに磨きをかけていく物語は、何と1920年に書かれたもの。「最後は本心をひた隠し、身を切られる思いで“大人の女”としてふるまうレアの気持ちが、果たして25 歳の男にわかるかどうか…!終盤に走る緊迫感は圧巻です」(三浦さん)■『ばかもの』/絲山秋子著¥430(新潮文庫)8歳年上の額子にフラれ、アルコール依存症になったヒデと、ヒデを捨て結婚した額子。紆余曲折を経て再会をした二人の恋を描く。「互いに本心を見せない様子がじれったい。二人にとって『ばかもの』は愛の言葉で、ヒデが最後に言うそれがとてもいい。額子に惚れて成長したんだと、じんときます」(三浦さん)■『よるのふくらみ』/窪 美澄著¥1,400(新潮社)兄と結婚する予定のみひろに、想いを寄せてきた弟の裕太。彼の恋心があるきっかけで爆発し、3人の人生が大きく動き始める。「実は裕太には、みひろとは別に“愛とは”を教えた運命の女性がいます。彼の中に“美しいあの人”として存在するその女性の言葉が彼に愛の本質に気づくきっかけを与えるんです」(三浦さん)※『anan』2015年7月8日号より。写真・加藤 淳
2015年07月03日高校3年生のときに小説の新人賞を受賞した佐原実緒。その後書けなくなってしまったまま6年。<佐原澪>の名前で出した茄子紺色の処女小説は、いまや<目に見えない本>のようだ。かつてのスクールカーストでの苦い記憶や、自分のみじめな現状から、ヒロインは、自分を透明人間のようだと感じている。そんな彼女のささやかだが確かな決意を描いたのが、奥田亜希子さんの『透明人間は204号室の夢を見る』だ。「実緒が書けない作家ということで、私自身ときっと重ねられるだろうな、と思ったりはしましたね(笑)。実際、実緒の面倒なキャラクターは、表情と言葉が一致しないために誤解されやすいなど想像の部分も多いのですが、ファッションの悩みや、おしゃれなお店に気後れする後ろ向きな気持ちは、昔の自分を思い出して投影しました。スクールカーストでいっときでも暗いところにいると、なかなかその呪縛から抜けられないのだということも、書きながら私が強く感じたことです」実緒はあるとき、駅ビル内の大型書店で自分の本に手を伸ばした大学生風の男を見かける。後をつけ、彼のマンションの部屋番号と名前を突き止めると再び物語が書けるようになった実緒。その掌編を彼の住む204号室のポストに届け始めるが…。自分のことを透明人間だ、見えない存在だという思いに駆られている実緒は、家では全裸で過ごし、妄想の中では彼・春臣の住む204号室へ入り込み大胆な行為に及ぶ。思えば、処女作『左目に映る星』も、小学生時代の初恋が忘れられないこじらせ女子の恋愛小説だった。「初恋というより、片思いに思い入れがあるんだと思います。両思いなんて錯覚だし、そんな不確かな関係になりたいと願ってしまう心の動きを不思議なものに感じます。『左目~』は私の実体験がもとになっていて、約15年間、結婚した後もずっと忘れられない人がいたのを、書くことで浄化できたんですよ(笑)」ラスト近くで実緒と春臣の間に起きた出来事により、物語は急展開。「結末に対してはさまざまな反応がありました。それは実緒がポストに掌編を入れ続けていたあの行為への審判ですよね。思いがけず人によって読後感の異なる話になったなと思っています」◇奥田亜希子『透明人間は204号室の夢を見る』実緒は忘れられかけている作家だ。好意を寄せる春臣に掌編小説を送り続けているうちに彼の恋人いづみと出会い、奇妙な三角関係が始まった。集英社1300円◇おくだ・あきこ1983年、愛知県生まれ。愛知大学文学部哲学科卒業。2013年、『左目に映る星』(「アナザープラネット」を改題)で第37回すばる文学賞を受賞。本書が2冊めの単著となる。※『anan』2015年7月8日号より。写真・加藤 淳インタビュー、文・三浦天紗子
2015年07月03日多くの女優やモデル、美容研究家たちとの交流から、大人の美しさについて考察し続けてきた、美容ジャーナリストの松本千登世さん。華のある美女たちが実践している、いわば小さじ1杯分の小さな努力の痕跡を、シャープなまなざしで観察、分析。すぐに取り入れられそうな美のコツとして綴ったのが『ハイヒールは女の筋トレ』だ。のっけから<生まれつきの美人よりも、「美人に見えるひと」のほうが、ずっと魅力的で、価値がある>と断言されてはっとする。美人認定されるために見落としがちなポイントを、名言つきで教えてくれるのだ。「ジェラシーを感じるような美人ってどういう女性だろうと突き詰めてみたら、つくりの良し悪しだけじゃないんだなと気づいたんです」そしてたどり着いたのが、立ち居ふるまいも含めて“美人に見えればいい”というコペルニクス的転回。その一方で、キレイなのに「特に何もしていないの」と言うような人はみな、“努力”というほど意気込んではいないけれど、自分なりのちょっとした心がけを大切にしているのだと気づいたそう。それが、副題に織り込んだ<美の基礎代謝をあげる>という言葉につながっている。「外見だけでなく、心にも基礎代謝ってあるんじゃないかなと思っているんです。心の代謝がいい人は、人や時代の空気とも対話して、同じところにとどまっていない。実際、年齢にかかわらずキレイだなと思うのは、そんなふうに心も体も巡りがよくて、みずみずしい女性。美しく見える人は、美しく生きている人なんですよね」82本の見出しを追っていくと、瞬時に膝を打つものも、とっさには理解できないけれど理由を読んでいくうちに深く考えさせられるものもある。それらはすべて、松本さんが美人に出会うたびに見逃さず、聞き逃さなかった「何か」から生まれた豊かな美の奥義だ。「女優さんやヘアメイクさんなど美のプロだけでなく、友人との会話から見つけた真理もいろいろあります。生活実感から出てくる本音は、真実を突いていることが多いですよね。実は私はメモ魔で、いいヒントだと思うと『ちょっと待って!』とその場で書き留め始めるので、『会話しててもくつろげない』と友人たちから不評を買ってますが(笑)」◇著者が、美人たちから聞いた美に効く「言葉」、美人たちの共通点をまとめた「法則」、美人たちに学んだ「心得」の3部で構成した美の秘密。講談社¥1,200◇まつもと・ちとせ1964年、鳥取県生まれ。美容ジャーナリスト、エディター。女性誌などの連載も好評。他の著書に『美人をつくる逆転の法則大人の美容53』などが。※『anan』2015年7月1日号より。写真・小笠原真紀取材、文・三浦天紗子
2015年06月30日平井理央さんの『楽しく、走る。』は、平井さん初の著書であり、ニューヨークシティマラソンに挑戦するための1年を振り返った体験記だ。実は、局アナ時代に番組内の企画で東京マラソンを経験したことがある平井さん。「そのときは、ちょっといいところも見せたい一心でトレーニングに打ち込み、終わった途端に燃え尽きたようになってしまった。けれど、『走るのは楽しかったな』という記憶だけは残っていました。それなら今度は、“世界一の市民マラソン”と称されるニューヨークシティマラソン(NYCM)を、記録を気にせず、マイペースで楽しく完走することを目標にトライしてみたいな、と思ったんです」市民ランナーなら誰でも憧れると いうNYCM。その理由は、時間制限の足きりがないことや、ニューヨーク市の5区すべてを回る観光的なコース設計になっていること、熱狂的な声援を受けられることなど、アガる要素が山盛りだかららしい。「ランナーも沿道の観客も、それぞれのスタイルで楽しんでいて、みな自分が主役なんですよね。チャレンジすることに意味がある、というラフな関わり方が文化だし、いい意味でゆる~く楽しめる大会なんです」NYCMに挑むに際して平井さんが決めたマイルールというのも「無理しない」「ごほうびを作る」「だれかと走る」とかなり甘い(感じがする)。だが、それが「マラソンなんて自分には無理」という思い込みを払拭してくれる。しかもその3か条は、人生を楽しくサバイブするための知恵ともいえそうだ。本書で多くページが割かれているのは、走ることはもちろん、その周辺についての楽しさだ。旅行や出張ついでの“旅ラン”や、親しい人と会話しながら走る“友ラン”など、むしろマラソンからイメージされるストイックさとは無縁の世界。ラン未経験者であっても思わず始めてみたくなるような、タイトルそのままのハッピーさが伝わってくる。「走るとこんな楽しいことがあるよ、と脳にごほうび感をインプットするのがコツ。いま狙っているのは、ブルゴーニュマラソン。青空の下でワインを楽しみつつ走るなんて最高じゃないですか(笑)」◇ひらい・りお1982年生まれ。2005年にフジテレビ入社。『すぽると!』などスポーツ報道に携わる。2012年9月にフジテレビを退社。2013年1月よりフリーで活動中。◇NYCM参加を目標にした、ゆるゆるトレーニングと大会当日までの記録。最低限の練習のコツや装備の注意点など、実際のランのためのアドバイスもしっかり。新潮社1300円※『anan』2015年6月24日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・カワサキ タカフミ(MILD)ヘア&メイク・吉田智絵インタビュー、文・三浦天紗子
2015年06月22日『かもめ食堂』『食堂かたつむり』『深夜食堂』など、ヒット作の多い「食堂を舞台にした」小説&コミック。その勢いは止まらず、シリーズ化された人気作品も続々と出版されています。ここでは最新かつ、注目の3作を紹介します。■『最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ』椹野道流(ふしの みちる)角川文庫520円芦屋市にある夜だけ営業の「ばんめし屋」は、日替わり定食のみで勝負する一風変わった食事処。腕は一流だが謎めいた店主・夏神留二や、元イケメン俳優で料理人見習いの五十嵐海里(かいり)、さらにはロイドと呼ばれる眼鏡の付喪神(つくもがみ)などが、やって来る客の悩みを軽くしようと奔走するシリーズの第3弾。なぜか海里の兄・一憲の婚約者が店に頻繁に訪ねてくるのだが、海里は“立派すぎる”兄とそりが合わず、ケンカ別れしたままで…。ホットケーキの思い出は、五十嵐兄弟の確執をほぐすことができるのか。■『東京近江寮食堂』渡辺淳子光文社1600円10年前に出奔した料理人の夫・秀一を捜すため、期限付きで上京してきた妙子。あるきっかけで、滋賀県人が格安で泊まれる宿<東京近江寮>で腕を振るうことに。寮の管理責任者・安江にいろいろ打ち明ける中で、妙子自身も、夫婦のあり方や自らの生き方を見直し始める。妙子や安江、近江寮に集う個性派の人々との触れ合いに、読み手もまた、考えさせられること多し。焼き鯖そうめんや近江牛の味噌漬けなど郷土食についてのうんちくも楽しいが、さりげなく地元の味を織り込んだ寮の定食がこれまた美味しそうだ。■『あさめしまえ4』北 駒生講談社581円13歳のとき、食堂「アサメシマエ」に助けられた日高元は、長じて料理人の道へ。恩義のあるその店を、温もりあふれる朝ごはんの提供場として再開する決意をする。元がお客さんに見せる優しさと料理へのこだわり、食事と人生とが深く関わっているのが魅力だ。さらに元が密かに寄せる、元看板娘・早夜子への思いが成就するのかも気になる。4巻では、早夜子の息子・旭の大好物で、前夫の十八番メニュー<びっくりトースト>の正体に驚かされること必至。各話に登場する、試したくなる料理のレシピはすべて収録。◇『最後の晩ごはん お兄さんとホットケーキ』定食はもちろん、手づくりおやつもイイ!角川文庫520円◇『東京近江寮食堂』そそる食堂メシ&郷土料理。コンビネーションが2重丸!光文社1600円◇『あさめしまえ4』くよくよ気分を元気にする、朝ごはんのレシピがいっぱい。講談社581円※『anan』2015年6月17日号より。写真・加藤 淳文・三浦天紗子
2015年06月16日ミニストップは6月12日、「ちくわ天」シリーズの第3弾として「ちくわ天(カレー)」(税込170円)を全国の「ミニストップ」店舗で順次発売する。6月19日より全店で販売開始。ちくわの中におかずを詰めた同シリーズ。第3弾となる今回は、ちくわ天にカレーを詰めた。子どもから大人まで食べられるようにカレーを少し甘めに仕上げ、福神漬けをアクセントとして中に入れたという。店内で最終加工を行うため、揚げたときのカレーの風味と、さくさくとした衣の食感が楽しめるとのこと。
2015年06月11日「応募作を書く前に、過去の受賞作をいくつか読んでみたんです。すると意外に、“ごく平凡な専業主婦が主人公”という作品がなかった。現実には、そういう女性が大半だろうと思うのに」「ならばあえて、埋もれてしまいそうな主婦が、地味な日常をどうにかやり過ごす話が新鮮かもしれないと思ったんです」「まばたきがスイッチ」で、見事「R‐18文学賞」の読者賞を射止めた森美樹さん。受賞作を含む連作短編集『主婦病』には、妻に無関心な夫を持つ絶望を、小さな楽しみで紛らす妻が多く登場する。「楽しみというのは、小さなたくらみだったり秘密だったりするのですが、夫や世間や、あるいは女友達に対して、秘めた世界を持つことで女性は強くなれる気がするんです」秘密の中身はいろいろだ。夫に隠れてするアルバイト、心の奥にしまった過去、夫の秘密を実は知っているというほくそ笑み。その中には、いつも同じ時間に洗濯物を干す金髪の青年との一方的な逢瀬もある。各編にちらちらと現れるこの青年が、後半にいくにつれ大きな存在感を放っていく。特に、青年とヒロインとが体温さえ感じるような男女として、切なく熱く、読者を揺さぶる最終話「月影の背中」にはある種のカタルシスがある。「実は私が住んでいるマンションの目の前が男子寮で、洗濯物を干す金髪の青年がいたのも本当のこと。たった一日ですぐいなくなったんですけれど、よけい、この作品集のために出てきてくれたのではと思えて」各編の語り手は主に主婦。だがその娘や、少女時代の本人もいる。「主婦より少女のほうが、よほど目線はドライですよね。2編に登場する絵子は、子どもだけどすでに女でもある。書いてていちばん怖い存在でした。けれど友達に読んでもらったら、『あなたって、こういう子どもだったんじゃない?』と言われてぎくりとしました(笑)」6つの収録作は、“主婦病”という表題でつないだ。「明確な症状があるわけではないのに、周囲はもちろん自分さえ気づかないうちにじわじわとむしばまれ、内面から壊れていくところが病気に近いなと。買い物依存症のようにはっきり見える問題ではないから、よけい根が深く治りも悪そうです」◇もり・みき1970年、埼玉県生まれ。’95年より少女小説家として活動した後、休筆。2013年、5年ぶりに執筆した「朝凪」(「まばたきがスイッチ」と改題)で第12回「R‐18文学賞」読者賞受賞。◇女性性とリンクするいちじくやトマト、煮るとぐずっとなるりんごなど、熟した食べ物がさりげなく配され、モチーフ使いの巧みさに舌を巻く。新潮社1600円※『anan』2015年6月10日号より。写真・岡本あゆみ(森さん)加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年06月09日野村宗弘さんの『うきわ』はセリフも切り詰められ、それぞれに抱く思いも先々の展開もマイコや二葉の表情だけに託されているような静かなマンガだ。感涙必至の大人の恋愛コミック『うきわ』について作者の野村宗弘さんに話を聞いた。「艶っぽい物語を描いてほしいと言われ、じゃあ互いになかなか踏み込めない方がしっとりしたムードが出るだろうと思ったんです」夫の浮気疑惑を問いただせずにいた、パートで働く主婦マイコ。あるとき、夫の上司でかすかな好意を寄せていた二葉さんに相談してしまう。実は二葉さんも妻の浮気にひっそりと心を痛めていたことがわかり…。社宅のお隣さん同士でもある、マイコと二葉さん。<非常の際はここを破って隣家へ避難できます>と書かれたベランダの壁をはさんで、ふたりのそれを越えたい激情と、越えまいとする理性とがせめぎ合う。その切なさたるや!「描きながら、『いっとけや、そこは!』って思ったことが何度もありました(笑)。そもそも理性ってウソつきだと思うんです。本能の赴くままにふるまったら、『人を傷つける』とか『人からどう見られるだろう』とか考えて自制するのが他者への配慮ですが、それって結局、自分の本心にはウソついてるわけですから。内にこみ上げてくる欲望が人間を苦しめよるんだと思われているけれど、逆に理性が苦しみの根源かもしれないですよね」いよいよ最終巻となり、ふたりは抑えてきた思いをぶつけることができるのか。この結末があまりに美しく、恋したことがある人なら、涙をこらえるのが難しいほど。「<うわき>されている者同士が、互いに<うきわ>を投げ合って、救い救われるという話でもあるなと。ただ、一見、マイコと二葉さんの恋の障害になっている二葉さんの妻を“救われない人”として切り捨てたくはなかった。なので『自分の妻がもし浮気してたら…』とか『浮気ってそもそも許せるものだろうか…』とか、彼らと一緒に悩み抜きました。人間についてぐちゃぐちゃ考えるのが好きなので、またこういう作品はやってみたいですね」◇1、2巻めのカバー絵では憂いのある表情のマイコ。最終巻で見せた笑顔の意味とは。うきわ/うわきという言葉遊びに端を発した物語にはドーナツ、結婚指輪、荷造りテープなど丸モチーフが効果的に登場。小学館550円。◇のむら・むねひろ1975年生まれ、広島県出身。マンガ家。鉄工所で働いていた経験を生かした『とろける鉄工所』(全10巻)でブレイク。他の著作に『満月エンドロール』(上下巻)など。※『anan』2015年6月3日より。写真・加藤 淳インタビュー、文・三浦天紗子
2015年05月31日歌人、作家として、やわらかな口語と独自の世界観で読者をとりこにしてきた東直子さん。今回は和歌山県が舞台の新刊『晴れ女の耳』について語っていただきました。「人柱や神隠し、カッパ伝説など、民間伝承は日本各地にありますが、高野山や熊野古道を有する和歌山にも残っています。山深い神秘的な空気が日本の聖地みたいなイメージもありますし、カッパにしても“ガイラボーシ”と呼ぶとか、地域独特の感じが面白い。和歌山は亡くなった祖父母が住んでいたので、子どもの頃はよく訪れていました。私にとっては原風景みたいな場所なんです」『晴れ女の耳』は、そんな和歌山に縁故のある東直子さんが、紀州の自然の中で命をつなぐ女たちを軸に描いた怪異譚集。「私にとって“怖い”って何だろうと考えていたときにふと浮かんだのが、あの和歌山の奥深い森や、近しい家族もよく知らない、遠い親戚も入り交じる濃い人間関係だったんです。それを現代と切り結びながら書こうと思ったのがきっかけでした」それぞれのお話は、何かしら東さん自身の経験や見聞きしたことが元になっているそう。たとえば1話めの「イボの神さま」は、<うつるイボ>ができてしまった少女の話。「私も小さい頃にイボができて、祖母にイボ神さまの葉っぱをもらって治した思い出があります。<信じなあかんよ>と言われたのも同じ。その一方で、では信心とは、祈りとはなんだろうと哲学的なテーマにも分け入ることになりました」各話のヒロインたちは何らかの出来事を介して、紀州の血の色濃い、年代の違う女性たちと出会うことになる。袖触れあうことで、女性たちの胸の内に引き出される絶望やかすかな希望。複雑に交差する感情が、読み手にもじわじわ伝播していく。なかでも、ヒロインたちの運命に関わる100歳を越えた長寿のおばあちゃんたちには、共感しきり。愛おしく思えてくる存在だ。「この短編集に限らず、私の他の小説でも小さいおばあちゃんはよく現れます。物語の中のおばあちゃんたちはエネルギッシュでユーモラス。長く生きて、女の人だからこそ消せない業のようなものを、ひとりひとりが濃縮して持っている気がする。そこに心惹かれるんでしょうか」◇ひがし・なおこ1963年、広島県生まれ。歌人、作家。1996年、『草かんむりの訪問者』で歌壇賞受賞。2006年、『長崎くんの指』で小説家デビュー。評論集『短歌の不思議』など著書多数。◇夫殺しの濡れ衣を着せられ村八分になった母娘からの因縁を描く表題作、謎のベールに包まれた女性作家と新人女性編集者が関わる「先生の瞳」など7編。KADOKAWA1500円※『anan』2015年5月27日号より。写真・岡本あゆみ(東さん)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年05月26日日本にやって来る外国人が、カルチャーギャップにとまどったり、面白がったり、不思議な体験を味わうことも多いよう。そんな驚きと爆笑のNIPPONライフを4コママンガにしてしまったのが、オーサ・イェークストロムさん。そのマンガを掲載したブログが人気となり、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』として書籍化が決定。オーサさんは日本のことをどのように見ていたのでしょうか。「日本の生活にも慣れてきて、日本ビギナーの外国人がびっくりするようなことにはだいぶ慣れてしまったんですけれど、逆に驚くポイントがニッチになってきました(笑)」来日後、あぶらとり紙や1人用の魔法瓶など日本のさまざまな便利グッズに魅了されたものの、それらを携帯するうちにカバンは、スウェーデン時代には考えられなかったような地獄の重さに…。そのほか、左に転載したような日本語のニュアンスでの失敗など、日本人でも思わず共感するオチがいろいろだ。「日本ではこれが普通」という、思い込みのないニュートラルな目で観察するから、逆に日本のよさも滑稽さも浮かび上がってくる。実際にマンガにする上で苦労するのは、擬音語だとか。「擬音語ってその国独特のもの。その場面にふさわしい音を当てはめるのが大変!」ちなみに、ネタは全部、自分自身の体験がベース。「話題が細かければ細かいほどマンガにしたとき楽しいですね。日本にはたくさんの独特なルールがありますが、私をはじめ外国人はそれを知るのが大好きですから、ツッコんで教えてもらえるとうれしいです」2011年に来日。東京在住歴も3年半になった。「実は初来日は19歳のとき。何度も来ていて、今回が9回目です。最初はマンガにばかり夢中だったけれど、いまは日本の暮らしや文化のすべてが楽しい。まだまだ追求していきたいです」◇1983年生まれ、スウェーデン出身。マンガ家。本国でイラストレーター、マンガ家として活動後に来日し、このたび日本でもデビュー。ブログ◇日本人の「行けたら行く」はノーなの?イエスなの?日本を愛するスウェーデン人が東京で暮らしながら日々思っていることとは。ブログからのよりぬきと、書き下ろしもついた決定版。KADOKAWA メディアファクトリー1000円※『anan』2015年5月27日号より。写真・岡本あゆみ(オーサさん)加藤 淳(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2015年05月26日名古屋名物として知られる「天むす」。具にエビのてんぷらを入れたおむすびだ。しかし、実はこの「天むす」、三重県発祥という説が有力なことをご存じだろうか。三重県民はこのことについてどう思っているのか、マイナビニュース会員にきいてみた。○半数以上が「愛知県発祥」と回答まず、全国のマイナビニュース会員400名に「『天むす』はどの都道府県の発祥だと思いますか?」とたずねたところ、結果は以下のようになった。1位 愛知県 59.2%2位 三重県 15.0%3位 大阪府 4.5%4位 その他 21.3%「愛知県発祥」派の意見としては、「名産として新幹線の駅などでも売っているから」(女性 / 30歳 / 金融・証券 / 事務系専門職 / 大阪府出身)、「名古屋のてんむすが有名だから」(女性 / 29歳 / 金融・証券 / 事務系専門職 / 東京都出身)、「愛知県のものだとテレビでやってた気がするから」(男性 / 35歳 / 情報・IT / 技術職 / 東京都出身)などが挙がった。やはり「天むす=名古屋」のイメージが強いようだ。「三重県発祥」派のコメントを見てみよう。「インターネットで調べたから」(男性 / 22歳 / 自動車関連 / 愛知県出身)、「以前、テレビでそう言っていたのを見たことがあるから」(男性 / 27歳 / 情報・IT / 技術職 / 宮城県出身)、「実際に発祥の店に行ったことがあるから」(男性 / 35歳 / 団体・公益法人・官公庁 / 事務系専門職 / 大阪府出身)など、「実際に自分で確かめた」という人が多数見られた。ちなみに、「天むす」発祥の店とされているのは、三重県津市の天むす専門店「千寿」だ。同店によると、「天むす」は昭和30年代の初めに同店で生まれたという。調査時期: 2015年4月17日~2015年4月21日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 400名調査方法: インターネットログイン式アンケート○三重県民は7割以上が"許せる"では、三重県民は「天むす=名古屋名物」とされていることについてどう思っているのだろうか。三重県出身のマイナビニュース会員81名にきいてみたところ、以下のような回答が得られた。Q.「三重県発祥の『天むす』が名古屋名物とされていることについて、許せますか、許せませんか?」1位 許せる 72.8%2位 許せない 27.2%■許せる・「おいしければいい。生み出したところよりも、売り出したところが大事」(男性 / 28歳 /金属・鉄鋼・化学 / 事務系専門職)・「名古屋のほうが有名なので仕方が無いと思います」(女性 / 32歳 / 医療・福祉 / 専門職)・「名古屋の方が知名度が高いから。他にもたくさん名物があるから、別に気にしない」(女性 / 28歳 / 情報・IT / 営業職)・「知らなかったから。名古屋名物だと思ってました……」(女性 / 30歳 / 医療・福祉 / 専門職)・「ただできればもうちょっと津のお店の暖簾分けですということを発信して欲しい」(女性 / 27歳 / 金融・証券 / 事務系専門職)■許せない・「有名になりすぎている」(男性 / 31歳 / 金融・証券 / 事務系専門職)・「たくさん名産があるのにこちらのを横取りするとかひどい」(女性 / 26歳 / ホテル・旅行・アミューズメント / 販売職・サービス系)・「地元が発祥地なのに名古屋名物なのは意味がわからないから」(女性 / 26歳 / 食品・飲料 / 販売職・サービス系)調査時期: 2015年4月17日~2015年4月24日調査対象: マイナビニュース会員 三重県出身者限定調査数: 81名調査方法: インターネットログイン式アンケート○総評400名のうち半数以上が「愛知県発祥」と答えた「天むす」。三重県が発祥と答えた人はわずか15%にとどまる結果となった。やはり"名古屋名物"の印象が強いようだ。そんな現実を受け入れている三重県民も多く、「天むす」が名古屋名物となっていることについて、7割以上が「許せる」と回答。名古屋の「天むす」の知名度の高さは三重県民も認めているようだ。中には「名古屋名物だと思ってました」という人も。一方で、「許せない」という人からは「有名になりすぎている」「横取りするとかひどい」などの声が上がった。名古屋で「天むす」を扱う店は、決して三重県の「天むす」を横取りしたわけではない。しかし中には複雑な心境の三重県民もいるようだ。※画像と本文は関係ありません
2015年04月26日プレナスが展開する定食レストランの「やよい軒」は14日、「とり天と野菜のみぞれ煮定食」を発売する。○揚げたてのとり天と野菜を、あっさりとしたみぞれ煮で味わう同商品は、大根おろしをふんだんに使った定食。揚げたてのとり天と、れんこん、かぼちゃ、なす、パプリカの彩り豊かな野菜を、かつおとこんぶだしのやさしい旨みが染みこんだ、あっさりとしたみぞれ煮で提供する。とろとろになった大根おろしが絡んだとり天と野菜がよく合う味わいになっているという。さらに、みぞれ煮に脂がのったさばの塩焼を組み合わせ、肉と野菜と魚をバランス食べられる定食に仕立てたとのこと。価格は850円(税込)。
2015年04月12日大竹しのぶ、三浦春馬が出演する舞台『地獄のオルフェウス』の製作発表会見が3月25日、都内で行われ、大竹、三浦をはじめ、水川あさみ、三田和代らキャスト陣と、演出のフィリップ・ブリーンが顔を揃えた。舞台『地獄のオルフェウス』チケット情報上演するのはアメリカを代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが1957年に発表した作品。アメリカ南部にある保守的で排他的な町を舞台に、報われない日々を送っていた女レイディ(大竹しのぶ)と野生的な青年ヴァル(三浦春馬)の不倫の恋と破滅を描く。「テネシー・ウィリアムズ作品は『欲望という名の電車』以来久しぶり」と話す大竹。大竹は同作のヒロイン役で紀伊國屋演劇賞に輝いているが、「その時は、やってもやってもやりきれない……。『今日はよし!』という日が来るんだろうかと考える毎日でした」と当時を振り返りながら「それでも今回新たにウィリアムズ作品に挑戦することができてすごくうれしいです。フィリップさんがどういう演出をして、わたしたちをどこへ連れてってくれるのかわかりませんが、絶対に面白くなる予感がします」と舞台に期待を寄せた。三浦は今回がストレートプレイ初挑戦。「諸先輩方とすばらしい戯曲に向き合える機会をいただけてすごくうれしい。こんな機会は僕の一生の中で、あるかないかぐらいのことだと思う。稽古に入って、一瞬一瞬を大切に過ごしていけたら」「昨日初めてフィリップさんとお会いしたのですが、とてもユーモアがあるすばらしい方で、この作品に対する強い思いが感じられました。稽古場でも、いろいろアドバイスいただけることを期待せずにはいられない、そんな演出家だと思いました」とコメント。水川は「私は演劇の経験がまだ浅く、正直不安で怖いです。私の演じるキャロルは露出癖があって、自分を表現しようとすればするほど、世界から孤立してしまうような女性。心が飢えていないとできない役なので、今それを模索中です」、三田は「自分はこのラブストーリーを悲劇に追いやってしまう女という役どころ。自分にわからない感覚は若いフィリップさんに教えていただきながら、躍動的なラブストーリーが作れたら」とそれぞれ話した。公演は5月7日(水)から31日(日)まで東京・シアターコクーン、6月6日(土)から14日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケットの一般発売は東京公演が3月28日(土)午前10時より、大阪公演が4月12日(日)午前10時より。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行先着を実施中、3月27日(金)午後11時59分まで受付。
2015年03月26日ミニストップは2月27日より順次、「ちくわ天」シリーズ第2弾となる「ちくわ天(明太ポテサラ)」を、数量限定で国内のミニストップにて発売する。3月6日より、全店で販売開始となる。○明太味のポテトサラダを詰めたちくわ天「ちくわ天」は、惣菜として親しまれている「ちくわ」に「ポテトサラダ」を詰め合わせたおかずであり、熊本県を中心にポピュラーな惣菜として親しまれている。同社では、2014年10月より、手づくりおにぎりや惣菜を並べている棚にて「ちくわ天(ポテサラ)」の発売を開始し、2015年1月よりレジ横フードとして新たに発売を開始。注文後に最終加工を実施することで、サクサクの衣とふわふわのちくわ、そしてほんのり温かいポテトサラダの味わいがより際立つようになったという。第2弾となる今回は、女性に人気の高い明太味のポテトサラダを詰めたちくわ天を発売。衣に「トマトペースト」を入れ、ほのかな酸味を追加した。注文後、店内の厨房にて最終加工を行うため、明太の風味、ポテトサラダのふわふわとした食感、サクサクとした衣の食感をより感じることができる。ボリュームがありながらも、最後まで楽しめる一品に仕上がっているとのこと。価格は170円(税込)。
2015年02月25日マジシャンのプリンセス天功が10日、都内スタジオで、『引田天功大脱出』シリーズ放送記念のオリジナル番組『プリンセス天功出演特別番組』の収録に参加した。CSチャンネル・ファミリー劇場で3月に放送される『引田天功大脱出』シリーズは、1970年代に放送された初代・引田天功による脱出イリュージョン。大爆破や大流水、油地獄といったイリュージョンが大掛かりなスケールで展開される内容で、テレビ放送は40数年ぶりとなる。また、オリジナル番組として、プリンセス天功が初代について語る『プリンセス天功出演特別番組』も同時放送する。収録を終え、報道陣の取材に応じた天功は、「この"大脱出"は、『こんなことをやっていた人が過去にいたんだ』と楽しんで頂けると思う。テレビの制約がある今ではあり得ない、当時だから出来た貴重映像です」とアピール。また、初代について、「冒険を念頭に置いて、命を懸けてましたね」と振り返った天功は、「初代が好きだった菅原文太さんの『トラック野郎』を一緒に観に行きました。パッと見たらすごい泣いていて(笑)。とにかくお金を使うし、日本全国に彼女がいるような破天荒な方。今の時代にはいない面白い人でした」と懐かしそうに語っていた。そんな破天荒な初代から名前を継ぎ、2代目となった天功だが、「爆破の威力で、鼓膜が4回破れました。水槽で溺れたり、肋骨を折ったり、救急車で運ばれたことも7、8回ある」と命懸けのエピソードを披露しつつ、「引田天功を継いだので、初代を超えなきゃいけないし、私は女性なので負けるわけにはいかない。カルマですね」とキッパリ。神経を使うステージを終えた後は、自身が飼っている犬や猫、フクロウ、ホワイトタイガー、ピューマなどの動物に癒されているそうで、「動物をモフモフすると一瞬でリラックスする。ステージは戦場だけど、家に帰ると頭がフワッと溶けちゃう」と微笑んでいた。
2015年02月11日上海を舞台に、三浦春馬が美しい双子の姉妹に恋をするミステリアスなラブストーリー『真夜中の五分前』。主演の三浦さん、ヒロインを演じた中国の人気女優リウ・シーシー、『GF・BF』など台湾の若手トップスターのチャン・シャオチュアン(ジョセフ・チャン)、行定勲監督、とアジアの才能が集結した本作に込めた想いをたっぷりと語ってもらった。本作で三浦さんが演じるのは、時計修理工の良。ひょんなことからルーメイ(リウ・シーシー)という美しい女性と出会うが、彼女には女優をしているルオラン(リウ・シーシー/1人2役)という一卵性双生児の妹がいた。ルオランには、人気俳優・ティエルン(チャン・シャオチュアン)という婚約者がいる。ルーメイは妹の婚約祝いに、彼女を驚かせる贈り物をしたいと知り合ったばかりの良にプレゼント選びを手伝ってもらうことに。良は美しいルーメイとの出会いに胸を躍らせるが、親しくなるにつれ、良はルーメイが抱える心の闇に気づいていく…。ーーアジアにまたがる映画を作るにあたり感じた期待や不安など、また参加したことで得たものを教えてください。行定:「これは必然だったと思うんです。当初は日本映画として作ろうと思っていたんですが、現在、日本で映画を作る状況というのは閉塞的で、“結末を観客にゆだねる映画”を嫌う傾向にある。そうしたら、上海のプロデューサーがこの企画に賛同してくださって。それで一緒にやろうということになり、シナリオを全部書き換えて、スタートしたんです。だから、この映画はこのメンバーが集まらないと出来上がらなかったんですよ」。三浦:「結末を考えさせるという作品に関われたことは、とても楽しくもあり、僕の役者人生において、チャレンジでしたね。行定監督が『上海でやることに意味がある』と仰っていたのですが、実際、上海に行く前から高揚感があり、上海に降り立って、撮影をしていくうちに、その意味が分かってきたんです。というのは、上海の街並、夜景、そして光の入り方というのがこの作品にとてもマッチしていて。光が、この作品のテーマも訴えかけていますし、登場人物の心情も表現してくれているんじゃないかと思っています。全編に渡って中国語にトライさせていただいたり、僕の人生の中でも、とても刺激的な時間を過ごすことができました」。リウ:「私は初めて国を超えた作品に出演したので、違う国の人たちと協力し合うことで新しいものが得られることへの期待が大きかったです。行定監督はとても優しい方で、プレッシャーをかけられることもありませんでした(笑)。撮影前にカット割りなども教えてくれましたので、心の準備もできました。中国では、カット割りなどを事前に教えてくれる監督はほとんどいないんです。みんな一旦リハーサルをして、そこから段取りを考えるというやり方でしたから。でも今回は、最初から決まっていたので、準備をすることが出来て、とてもよかったです」。三浦:「無言のプレッシャーはありましたよね(笑)」。リウ:「でも、楽しかったですよ」。行定:「基本的に僕は役者を信じているので。たまに裏切られる場合もあるんですけど(笑)、彼らは裏切らなかったですね。信じていないと、国を越えて作るのは難しい。中国で撮るということで、彼らの培ってきたもの、アイデンティティを頼りにしているわけですから。いろいろ話もしたし、春馬を含め、3人ともきちんと考えを持っている人たちなので、そこは信頼していました」。チャン:「僕は最初から、国を超えたプロジェクトということで、かなり興奮していましたし、期待していました。違う国の方と協力し合ってどんなものが出来る上がるのか、とても楽しみでした。そして実際にやってみて、もちろん多少の問題はありましたが、やっぱり楽しかったです。国に関係なく、一人一人誰もが仕事のやり方というのは違うと思うんです。ただ行定監督と仕事をしてみて、監督はとても繊細な方ですし、僕たちにも繊細なものを要求する、という部分はあったと思います」。ーー三浦春馬さんと共演した印象を教えてください。リウ:「三浦さんは台詞をすべて中国語で話さないといけないので、撮影の合間もずっと練習していましたね。それを横で聞いていて、たまに『発音がちょっと違う』と指摘すると、それをすごく真面目に受け止めて、すごく感謝してくれて。最後には私は申し訳ない気持ちになってしまいました(笑)」。チャン:「三浦さんは、本当に真面目。すごく芝居に集中していました。僕と三浦さんで階段の踊り場で話しをするシーンがとても印象に残っています。とても気持ちよかったんです。演じながら、2人のヒロインに対する感情がいっぱい出てきて、深いところまで演じることが出来たと思いますね」。ーー劇中、ある事件によってリウ・シーシーさん演じる双子が入れ替わったのでは…?という疑いが生まれますが、どのように演じてみて如何でしたか?三浦:「(演じた主人公の)良について言えば、彼自身、どちらの女性を愛していたのか…そして自分の中の愛とは何なのか?という問題に焦点が当たっている作品なんじゃないかと感じました。でも現実的な問題が後半に出てくる。後半、いろいろなことが起きて、自分の愛と現実の狭間で揺れる感情が面白い。観ている方にも、自分の愛とは何なのか、ということを考えていただけたら嬉しいですね」。リウ:「ルオランとルーメイという双子をはっきり分けて演じようとは思わなかったんです。一卵性なので、あまりに違いを出すと、観客も違和感があるでしょうから。同じようで、違うところを見せ、自分でも曖昧な部分を演じてみたかったんです」。チャン:「愛というものは、何かものを作り上げるパワーであると同時に、壊すパワーもあると思うんです。ティエルンという人物は最初、大人で包容力があるように見えましたが、愛の力によって自分が崩壊してしまう。一方、良は子どもっぽいところはありつつ、愛に対して一直線です。そこが対照的で面白いと思いますね」。ーー愛する人の存在を疑うわけですが、それは自分自身をも疑うことにも繋がるのでは?行定:「誰もが人を愛することはあるけれど、何において愛しているのか。それは不確かだということを、この話は浮き彫りにしているんです。これは、自分は恋人の何に対してを愛を持っていたのかを疑う話なんです。その疑いの目を持ったときに初めて、自分という存在に対しても疑いを持つ。同時に人格についての話でもある。リウ・シーシーさんが素晴らしいのは、2人の演じ分けと、混乱を、自分の中で受け入れている。ある意味、混乱しているんだけれど、それによって3人目の人格を作りあげているんですね。それを2人の男が的確に受け止めている。実は、『どっちがどっちなのかさっぱりわからない』という人もいるんだけど、そういう犯人探しをするような話しではなく、人をどう愛するのか、という話なんですね。“愛する”という行為自体が不確かなんです」。三浦:「上海の街並や、登場人物たちの持つ空気にゆったり包まれながら、自分の愛は打算もあるのか、本当の愛なのか、ということを含めて、愛するとは…ということを考えていただけたら、嬉しいですね」。(photo / text:Ayako Ishizu)
2015年01月05日三浦春馬が中国・上海を舞台に、全編中国語での芝居に臨んだ『真夜中の五分前』が12月27日(土)に公開を迎え、三浦さんと行定勲監督が舞台挨拶に登壇した。原作は人気作家・本多孝好の「真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A/side-B」(新潮文庫刊)。上海で時計の修理工として働く寡黙な青年・良は美しい双子の姉妹と出会い、姉のルオランと恋に落ちるのだが…。ある出来事から過去を生きる男と過去をなくした女のゆくえが静かに描き出される。三浦さんと監督を、映画を見終わったばかりの観客はスタンディングオベーションで迎える。国際映画祭などでは見られる光景だが、国内のイベントで起こるのは異例のこと。三浦さんは、映画を作り上げた行定監督の功績を強調しつつ「その熱意と頑張りがみなさんに届いて拍手をもらえるのが嬉しいです」と笑顔を見せた。行定監督は、中国での現地スタッフと組んでの撮影ということで多くの苦労があったようだが、無事、日本での公開を迎えてホッとした様子。「近い国だけど遠い部分もあって“乗り越える”というのもこの作品のテーマでした。政治問題もあったりして、うちのスタッフと『どうしようか?』と話しているときに『三浦春馬はやる気で、中国語を勉強してます』と聞いて、『やらなきゃ。逃げられない』と思った。背中を押してもらいました。感謝してます」と三浦さんへの感謝と労いを口にした。すでに中国では4,000スクリーンという大規模で公開され、大きな話題を呼んでおり、2人はキャンペーンでも中国各地を回ったが、日本では考えられない様々なハプニングや出来事があったという。行定監督が「向こうではMCが主役なんです(笑)」と言えば、三浦さんは「挨拶の途中で変な効果音が入ってきたりするんです(苦笑)」と中国ならではの演出を困惑気味に明かす。さらに「映画の話は最初の挨拶だけ…」(三浦さん)、「あとはダーツ大会やらされたり。(映画にちなんで)双子が出てきて『どっちが姉でどっちが妹?』とか…。どうでもいいよ!観客を突き放す舞台挨拶でした(笑)」(行定監督)とカルチャーショックを口にし、会場は笑いに包まれた。それでも海外で撮影し、公開されたことに三浦さんは大きな意味・意義を感じているよう。「全てが新鮮で、役者人生だけでなく、ひとりの人間として大きな経験をさせてもらいました」と手応えを口にし、今後についても「オファーがいただけるならぜひやりたいです」とさらなる海外進出への意欲を口にした。『真夜中の五分前』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:真夜中の五分前 2014年12月27日より全国にて公開(C) 2014“Five Minutes to Tomorrow” Film Partners
2014年12月28日9月25日(木)、ニコニコ生放送「アニメぴあちゃんねる」のゲストに、声優の三澤紗千香が出演する。三澤紗千香はテレビアニメ『アルドノア・ゼロ』などで知られる人気声優。「アニメぴあちゃんねる」には3度目の出演だ。番組MCの雨宮天とは同アニメで共演しており、収録現場でのエピソードなどが話される予定。さらに、12月7日のイベント「文化放送A&Gオールスター2014」についてもトークを展開。同イベントで共演が決まっている上坂すみれへの熱い想いを三澤が語る。公私ともに親交が深いだけに、上坂の知られざる一面が三澤の口から聞かれそうだ。またトークのほかにも、三澤が自身の出身地である山梨県の甲州弁を題材としたクイズを出題。前回大好評だった同クイズ、出演者は当てる事ができるのか。番組後半のアニメぴあちゃんねる会員放送「もりもりアニメぴあちゃんねる」では、声優がゲスト出演した際の恒例企画「セリフ読み」を三澤紗千香と、番組レギュラーの雨宮天、アフィリア・サーガのコヒメ、バクステ外神田一丁目の朝倉ゆりが実施。三澤が女子大生ということで、それぞれが女子大生役となり、「学食」「教室」「サークル活動」「部活動」などのシチュエーションで芝居を演じる。また午後8時45分から午後9時まで放送する「もうすぐアニメぴあちゃんねる」では、今回も声優タカオユキが自身の手作り弁当を持参。アバンギャルド過ぎるその弁当は、フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』でも取り上げられ話題となっている。また午後9時55分から午後10時に放送する「もりもりアニメぴあちゃんねる」では、タカオがメガネ姿の写真を披露する。内容盛りだくさんのアニメぴあちゃんねるは9月25日(木)午後8時45分より放送。■アニメぴあちゃんねる日時:9月25日(木)午後8時45分~午後10時00分出演:雨宮天 / 美濃部達宏 / コヒメ(アフィリア・サーガ) / 朝倉ゆり(バクステ外神田一丁目)/ タカオユキゲスト: 三澤紗千香
2014年09月25日