名産品を貰いつつ高い節税効果を受けられるとして、近年ふるさと納税に注目が集まっています。一方、一定の要件を満たした住宅の購入にあたり、住宅ローンを利用すると適用を受けられる住宅ローン減税も消費税増税と同時に拡充され、さらにお得な内容となりました。これら、ふるさと納税と住宅ローン減税はそれぞれお得な制度なのですが、併用する際には注意しなければならない点もあります。本記事では、ふるさと納税と住宅ローン減税それぞれについてお伝えすると共に、併用する際の注意点などを解説します。所得税と住民税から控除を受けられる住宅ローン減税とはまずは住宅ローン減税の制度について確認していきましょう。住宅ローン減税とは、一定の要件を満たす住宅購入に当たり、住宅ローンを利用すると13年間住宅ローン年末残高の1%分控除を受けられるというものです。なお、住宅ローン減税を受けるための一定の要件には以下のようなものがあります。住宅の延床面積が50㎡以上であること住宅ローンの借入期間が10年以上であること耐震性能を有していること住宅ローン控除の限度額住宅ローン控除の限度額は先述の通り、住宅ローン借入から13年間について、所得税と住民税から住宅ローン年末残高の1%分控除を受けられるというものです。ただし、最大控除額は1年目から10年目については4,000万円(長期優良住宅や低炭素住宅の場合は5,000万円)、11年目から13年目については以下のうちいずれか少ない金額となります。住宅ローン残高又は取得価格(上限4,000万円)のうちいずれか少ない金額の1%建物取得価格(上限4,000万円)の2%÷3例えば、4,000万円の建物の取得にあたり、4,000万円の住宅ローンを借りて、毎年100万円ずつ残高が減っていくと想定すると、それぞれの控除額は以下のようになります。住民税の控除には上限がある住宅ローン減税は所得税・住民税から控除を受けられるという制度のため、そもそも所得税や住民税を納税していなければ控除を受けることができません。例えば、年収400万円の方で所得税を15万円納めている方は、まずこの15万円から控除を受けることになります。上記例で言えば、住宅ローン減税の1年目の残りは残り25万円あることになりますが、この余った分については住民税から控除を受けることができます。ただし、住宅ローン減税では、各年「13.65万円/年」が住民税の控除上限額として設定されています。このため、上記例では1年目に受けられる最大の控除額は15万円+13.65万円=28.65万円ということになります。住宅ローン減税とふるさと納税を併用する住宅ローン減税と同じく、ふるさと納税も所得税・住民税から控除を受けられるものです。住宅ローン減税とふるさと納税は併用することが可能ですが、上記住宅ローン減税の計算の通り、そもそも所得税や住民税を納めていなければ控除を受けることはできません。住宅ローン控除とふるさと控除を併用するのであれば、医療費控除等、他の所得控除・税額控除等と併せて、いくら税金を納めており、その中からいくらまで控除を受けられるのか事前に計算しておくことが大切です。ワンストップ特例制度と確定申告の違い次に、ふるさと納税について見ていきましょう。ふるさと納税は、自治体に寄付し、そのお返しとして名産品を貰え、しかも寄付した額から2,000円差し引いた額について所得税と住民税から控除を受けられるという制度です。ふるさと納税を利用するには、確定申告による方法とワンストップ特例制度による方法とのいずれかを選ぶことができます。[adsense_middle]ワンストップ特例制度とはワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をするにあたり、寄付の都度各自治体に申請書と本人証明書類を提出するだけで控除を受けられるというものです。確定申告による方法でふるさと納税をする場合、源泉徴収票を用意したうえで確定申告申請書に記入し、2月16日~3月15日までの間に税務署に足を運んで提出する必要がありますが、ワンストップ特例制度ではこうした手間を省くことができます。ワンストップ特例制度を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。確定申告の必要がない給与所得者等であること1年間の寄付先が5自治体以内であること申込の度に自治体へ申請書を提出していること逆に言えば、上記条件を満たさない場合は確定申告による方法で申請しなければなりません。なお、確定申告の場合、所得税と住民税から還付を受けられますが、ワンストップ特例制度では住民税からのみ控除を受けることになります。これは住民税が固定資産税等と同様、確定申告することなく納税するものだからといえるでしょう。住宅ローン1年目はワンストップ特例制度が利用できない?上記通り、ふるさと納税のワンストップ特例制度はそもそも確定申告する必要のない人が利用できるものです。一方、住宅ローン減税を受ける場合、住宅ローンを組んだ翌年については確定申告して住宅ローン減税の手続きをする必要があります。このため、住宅ローンを組んだ翌年の確定申告ではワンストップ特例制度を利用できない点に注意が必要です。なお、住宅ローン2年目以降については、源泉徴収を行っている職場にお勤めの場合、職場に控除証明書を提出すれば年末調整で済ませることができるため、ふるさと納税についてもワンストップ特例制度を利用できるようになります。ふるさと納税の控除上限額の計算ふるさと納税は、寄付した額から2,000円を引いた額について所得税や住民税から控除できる旨をお伝えしましたが、必ずしも満額受けられるわけではありません。ふるさと納税の控除上限額は以下の計算式で求めることができます。控除上限額=(住民税の所得割額×20%)÷(100%-10%-所得税率)+2,000円所得割額や所得税率は収入や家族構成により金額が異なるため、目安として以下の総務省のデータを参照するとよいでしょう。給与所得者の場合住宅ローン減税とふるさと納税の効果を実際に計算してみようふるさと納税の控除上限額を計算できるツールをWeb上で見つけることができますが、ほとんどの場合、住宅ローン減税を併用するケースはカバーしていません。住宅ローン減税もふるさと納税も所得税と住民税から還付を受けられるものであり、そもそも納税した額しか控除を受けられないからです。ここでは、いくつかの例を用意して、それぞれ住宅ローン減税とふるさと納税を併用した場合、どのくらいの額の控除を受けられるかシミュレーションしていきたいと思います。前提条件は次の通りです。ふるさと納税額50,000円1年目の控除額を計算ふるさと納税の控除上限額は総務省の目安を参照(夫婦+子1人)[adsense_middle]年収300万円の給与所得者が、2,000万円の住宅ローン減税を利用するケースまずは年収300万円の給与所得者の方が2,000万円の住宅ローン減税を利用し、5万円分ふるさと納税するケースを見てみましょう。ここでは、年収300万円の場合の所得税納税額を5万円、住民税納税額を10万円と想定します。この場合、住宅ローン減税で2,000万円×1%=20万円の控除を受けられるため、ふるさと納税を利用する意味はなくなってしまいます。もちろん、ふるさと納税のお礼として名産品は受け取ることができますが、控除を受けることを目的とするのであれば注意が必要です。年収500万円の給与所得者が、2,500万円の住宅ローン減税を利用するケース次に、年収500万円の給与所得者が2,500万円の住宅ローン減税を利用するケースを見てみたいと思います。ここでは、年収500万円の場合の所得税納税額を12万円、住民税納税額を23万円と想定します。この場合、住宅ローン控除で2,500万円×1%=25万円分の控除を受けた場合、所得税から12万円、住民税から13万円控除を受けることができ、まだ住民税の納税額が残り10万円ある計算です。総務省のサイトで年収500万円、夫婦+子1人のふるさと納税上限額を見てみると4.9万円となっているため、こちらも満額受けられる計算となります。年収400万円の給与所得者が、3,000万円の住宅ローン減税を利用するケース最後に、年収400万円の給与所得者が3,000万円の住宅ローン減税を利用するケースを見てみましょう。ここでは、年収400万円の場合の所得税納税額を8万円、住民税納税額を17万円と想定します。この場合、住宅ローン減税の上限額は3,000万円×1%=30万円ですが、所得税から8万円分控除を受けた残額22万円について、住民税から控除を受けることができます。ただし、住宅ローン減税は住民税の控除額について13.65万円という上限額があります。このため、上記ケースの住宅ローン減税の額は8万円+13.65万円=21.65万円で、控除を受けていない残額は3.35万円です。年収400万円の場合、夫婦+子1人のふるさと納税上限額の目安は3.3万円となっており、満額受けられる計算となります。住宅ローン減税・ふるさと納税の併用に関するまとめ住宅ローン減税とふるさと納税の併用についてお伝えしました。住宅ローン減税とふるさと納税は双方とも高い節税効果を持つ制度ですが、併用する際には事前にどのくらい控除を受けられるかシミュレーションするようにしましょう。本記事の内容を参考に、自分である程度計算できるようにしておくと共に、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
2020年03月10日住宅ローンにもさまざまなものがありますが、どのような点に注意して銀行を選ぶとよいのでしょうか?本記事では、住宅ローンの種類等にも触れながら、銀行の選び方やポイントをFPが分かりやすく解説していきます。住宅ローンの金利タイプ住宅ローンを選ぶ際には、最初にその分類を知ってしまうと比較がしやすくなります。まず、住宅ローンは大きく以下3つの金利タイプに分けることができます。低金利で利用できる変動金利変動金利とはその名の通り借入期間中変動する金利タイプのことで、半年に1回金利が見直されます。金利が変動した場合でも返済額が変わるのは5年に1回(元金と利息の割合が変わる)、返済額が変わる場合でも前回の返済額の125%以上にはならないといったルールが存在します。また、金利が変動するというリスクを負う代わりに、3つの金利タイプの中で一番低い金利で利用できるのが一般的です。変動金利は銀行が最優良企業に貸し出す最優遇貸出金利の内、1年以内の短期の金利のことを指す「短期プライムレート」に連動しますが、実は短期プライムレートは2009年以降変動がありません。変動金利は3つの金利タイプの中で一番金利が低いということもあり、ここ十数年の間変動金利で住宅ローンを借りた人はもっともお得に住宅ローンを利用できていることになります。金利を細かくチェックできる人におすすめ変動金利は半年に1度金利が変動するということもあり、細かく金利の変動をチェックできる人におすすめです。とはいえ、先述の通り変動金利の指標となる短期プライムレートは十数年動いていません。日本の景気がよくなれば金利も高くなるといった経済の原則や、米国の金利が日本の金利に与える影響など、詳しく勉強していくことも求められるでしょう。最後まで返済額が分かって安心の全期間固定金利全期間固定金利とは、借入期間中金利の変動がなく、借り入れた日から最後の返済日まで返済額が分かるため、計画的に返済を進めていくことができます。金利の変動リスクを負う必要がないため、3つの金利タイプの中最も高い金利が設定されるのが一般的です。ただし、ここ数年は低金利化が進み、当初5~10年間の金利引き下げを受けられるフラット35Sでは、変動金利とそう変わらない金利で利用できることもあります。なお、全期間固定金利は「10年国債利回り」に連動します。面倒なことはお断り!といった方におすすめ全期間固定金利は融資を実行した日に、最後の返済日まで返済額が確定するのが特徴です。このため、借入後は金利の変動に一喜一憂する心配はありません。現状で十分に金利は低いため、欲を張らなければ、ここから多少金利が下がっても大きく損をすることはないでしょう。変動金利と全期間固定金利をミックスした固定期間選択型金利固定期間選択型金利は、5年間や10年間など、当初選択した期間だけ金利が固定されるタイプの金利で、変動金利と全期間固定金利をミックスしたものです。当初期間が終了した後は変動金利に移行するか、再度固定期間を選ぶか決めることができます。このことから、変動金利がベースとなっているといってよいでしょう。金利は変動金利より高く、全期間固定金利よりは低く設定されるのが一般的です。ただし、この金利は「借入時の特別キャンペーン」適用後の金利であるのが一般的で、当初固定期間が終了した後、再度固定期間を選択するときはキャンペーン金利の適用を受けられません。例えば、当初10年固定金利を1.10%で借りた場合、10年経過後に金利水準が全く変わっていなかったとしても、キャンペーン金利の適用を受けられないことから、再度10年固定金利を選ぶと金利が2.00%になる可能性があります。この辺りは利用する金融機関によって異なるため、十分確認したうえで金利タイプを決めるようにしましょう。10年以内に完済することを目指す方におすすめ金融機関にもよりますが、固定期間選択型金利をお得に利用しやすいのは「10年固定金利」であることが多いです。ただし、先述の通り固定期間選択型金利は、当初期間終了後の金利の再選択時にキャンペーン金利の適用を受けられなくなってしまいます。このため、固定期間選択型金利は10年以内、もしくは10数年で完済することを目指す方におすすめです。住宅ローンの借り換えについて3つの金利タイプを見てみると、それぞれ以下のような金利情勢のときに利用しやすくなっています。変動金利:金利の下降局面全期間固定金利:金利の上昇局面固定期間選択型金利:金利の上昇局面金利が下がっているときに変動金利で借りれば、借入後、さらに低い金利で利用できますが、逆に金利が上昇してしまうと返済額も高くなってしまいます。一方、全期間固定金利や固定期間選択型金利については、これから金利が上がりそうなときに利用すれば、借入後に金利が上がってもその影響を受けずに済むことができます。一方、金利が下がり続ければ相対的に損をすることになります。ところで、金利情勢が途中で変わってしまったときに、借り換えすることでそれぞれの金利タイプのデメリットを解消できるのでしょうか?実際、ここ数年で金利が下がっていったこともあり、全期間固定金利から変動金利へ、もしくは全期間固定金利からさらに低い金利の全期間固定金利へ借り換えするようなケースが見られました。このように、金利下降局面では借り換えを有効活用しやすいです。一方、金利の上昇局面では変動金利から全期間固定金利へ借り換えしようとしても、変動金利が上がるタイミングでは全期間固定金利の金利はすでに上がっている可能性が高いと言われています。もちろん、できるだけ早く動くことで損害を少なくすることはできますが、金利の上昇が心配なのであれば最初から全期間固定金利を利用しておいたほうがよいといえるでしょう。住宅ローンの種類を比較次に、住宅ローンの種類をご紹介すると共にそれぞれについて比較してみたいと思います。住宅ローンの種類は大きく以下の2つに分けることができます。民間住宅ローンフラット35他に、財形融資などもありますがここでは取り扱いません。[adsense_middle]民間住宅ローン民間住宅ローンとは、メガバンクや各地方銀行など民間の金融機関で利用できる住宅ローンのことを指します。どの金融機関のどの住宅ローンを利用するかによって内容が変わりますが、いずれの場合でも、基本的には先述の3つの金利タイプの中から住宅ローンを選ぶことになります。このため、先に金利タイプを決めておき、例えば「A銀行の変動金利住宅ローンとB銀行の変動金利住宅ローンを比較する」などすると、たくさんあるように見える住宅ローンも絞って比較検討できるようになります。なお、後述のフラット35との違いとしては、以下のようなことが挙げられます。諸経費まで融資してくれる金融機関がある全期間固定金利はフラット35と比べて金利が高め変動金利や固定期間選択型金利が主力であることが多い諸経費まで融資してくれる金融機関がある戸建やマンションを購入するにあたり、建物や土地の価格以外に各種手数料など経費がかかりますが、民間の住宅ローンの場合、この経費まで融資してくれることが多いです。また、民間の住宅ローンには土地・建物の10割融資してくれる商品が多いですが、フラット35は土地・建物の9割分までしか融資を受けられません。つまり、フラット35の場合自己資金として土地・建物の1割+諸経費分を用意する必要があります。全期間固定金利はフラット35と比べて金利が高め民間の金融機関でも全期間固定金利が用意されていることもありますが、一般的にフラット35と比べて金利が高めに設定されています。全期間固定金利を利用するのであれば、基本的にフラット35を利用することをおすすめします。変動金利や固定期間選択型金利が主力であることが多い上記理由により、多くの金融機関で変動金利や固定期間選択型金利が主力となっています。フラット35フラット35とは住宅金融支援機構の取り扱う住宅ローンで、全期間固定金利タイプのローンとなっています。公的な住宅ローンだといえますが、窓口は民間の金融機関であり、金融機関は金利を得られない分、事務手数料を受け取ることになります。このため、民間金融機関の住宅ローンと比べると事務手数料分、初期費用が高くなってしまいます。一方、一定の基準を満たせば当初5~10年間金利優遇を受けられるフラット35Sがあることもあり、全期間固定金利でありながら民間金融機関の変動金利や固定期間選択型金利とそう変わらない金利で融資を受けることができます。その他、民間の金融機関と比べて以下のような違いがあります。団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを利用することもできる借入可能額を大きくしやすい融資実行まで時間がかかる団体信用生命保険に加入せずに住宅ローンを利用することもできるまず、民間の金融機関の場合、健康に問題があるなどして団体信用生命保険に加入できないと住宅ローンの審査承認を得ることができませんが、フラット35の場合、団体信用生命保険に加入せずとも融資を受けることができます。借入可能額を大きくしやすい「年収に対していくらまで融資を受けられるか」の計算をするにあたり、各金融機関独自に設定された「返済負担率」と「審査金利」を用いて計算がなされますが、フラット35の場合、審査金利が低く設定されているため、借入可能額を大きくしやすくなっています。例えば年収400万円の場合、2020年2月時点のフラット35の金利1.28%で計算すると、3,947万円まで借入できる計算となります。融資実行まで時間がかかるフラット35の融資を受けるには建物について第三者機関のチェックを受ける必要があり、民間住宅ローンと比べると融資まで時間がかかってしまいます。新築住宅の場合だとつなぎ融資を利用するのが一般的で、借入期間が長くなればそれだけ利息負担分も大きくなってしまう点に注意が必要です。銀行の選び方のポイントとは?住宅ローンの金利タイプや種類についてご紹介しましたが、実際に銀行を選ぶにあたり、どのような点に注目するとよいのでしょうか?[adsense_middle]住宅ローンの決め方のポイント住宅ローンを決める際には、まずは3つの金利タイプの内どの金利にするのかを決めるとよいでしょう。その上で、A銀行の変動金利とB銀行の変動金利、C銀行の変動金利はどれがお得かといった決め方をするとスムーズです。金利を選ぶ際には冒頭の金利タイプごとの特徴をご参照ください。民間住宅ローンかフラット35のどちらにするかを決めよう次に、金融機関を選ぶ前に民間金融機関にするか、フラット35にするかを決めましょう。民間住宅ローンとフラット35はそれぞれ特徴が異なります。本記事の住宅ローンの種類の内容を参考に、それぞれの特徴を比較検討してどちらにするか選んでください。金融機関の探し方のポイント住宅ローンの金利タイプと種類を決めたら、どの金融機関で住宅ローンを借りるかを比較します。同じ金利タイプの住宅ローンであれば、金融機関が違っても基本的な部分はそう変わりません。ただ、「借入のしやすさ」や「金利の違い」、「借入可能額」、「団体信用生命保険の充実度」などが金融機関ごとに異なるため、それぞれ返済額のシミュレーションなど算出してもらいながら比較検討していくとよいでしょう。なお、住宅ローンを借りた金融機関とは数十年に及ぶ付き合いとなります。単に商品性だけでなく、相談したことへの対応の良さや、ネットで口コミを見てみるなどすることも大切です。住宅ローンの銀行選びに関するまとめ住宅ローンについて、銀行の選び方やポイントをお伝えしました。住宅ローンはいろいろなものがあるように見えますが、金利タイプや住宅ローンの種類で分類してしまうと、比較すべき点を大きく絞り込むことができます。住宅ローンについて銀行を選ぶ際には本記事の内容を参考に比較検討し、自分の要望に合った住宅ローンを選ぶようにしましょう。
2020年03月07日天海祐希、19年ぶりの単独主演映画『老後の資金がありません!』より、天海さん演じる主人公が預金通帳を手に笑い泣く、コミカルなティザービジュアルが到着した。老後の生活への不安を、緻密な取材を基にした具体的な金額と立派な様で実は問題ばかり抱えた親族たちを通して描く26万部突破のベストセラー小説「老後の資金がありません」を、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の前田哲監督が映画化する本作。天海さんが本作で演じているのは、どこにでもいるような普通の主婦・後藤篤子。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったが、娘の派手婚、舅の葬式、夫婦揃って失職など、お金はどんどん出ていくばかり…。そんな老後の資金問題に直面した篤子。到着したティザービジュアルでは、「2000万円なんてとてもじゃない!」とばかりに通帳残高に大ショックを受ける瞬間が切り取られている。そんな今回のビジュアルについて天海さんは「何だか、私の顔面がうるさくてすみません(笑)映画『老後の資金がありません!』のポスターなんですが...この激しいポスターが、全てを表現してくれてます(笑)」とまさにこのビジュアルに集約されていると言い、「このポスターが貼られ出したら街を歩けるのか。楽しみで幸せでありつつも少々の恐怖を感じております。(笑)」と少し複雑な心境も明かしている。また「こんなに切羽詰まった主人公なんです」「次々起こる困難や悩みにどの様に立ち向かうのか。きっと何かしらは、皆様共感して頂けるのではないかと思います」と作品へ自信をのぞかせている。『老後の資金がありません!』は9月18日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:老後の資金がありません! 2020年9月18日より全国にて公開©2020映画『老後の資金がありません!』製作委員会
2020年03月04日住宅ローンの相談が多い田中です。2020年はいよいよ東京オリンピック開催ですね。そして最近はコロナウィルスの話題で持ち切りですが、今後日本はどうなっていくんでしょう?共に景気に影響する事ですね。景気に関連して、今回はローンの中でも「金利」について書こうと思います。理由として同じ質問が結構来るからなんです。質問は「金利って今後どうなると思います?」と聞かれます。景気の良し悪しで金利は決まりますが、将来の金利はハッキリと分かりません。しかし過去から今に至るまでを考えてみると、ある程度動向は見えてくるのではないでしょうか?今回の記事に関しては私の見解が中心になりますが、先々の金利について触れていきたいと思います。住宅ローンの金利タイプをおさらいしておきます始めに住宅ローンの金利タイプについておさらいしておきましょう。住宅を考える際に「金利」が低い所を選びたいところですが、審査や節税などによっては多少高い金利を選択することもあります。まずはどんな金利タイプがあるのか、平均的に今の金利水準がどの程度なのか解説しておきますね。変動金利変動金利は三つある金利タイプの中で最も低い金利水準になっています。主な特徴として、金利が半年ごとに見直されます。借入してから五年後に毎月の返済額が見直しされる事になり、五年以内の返済額は変更ありませんが元金充当額や利息充当額が変更されます。ここ数十年は最も金利が低く、また選択する金利では非常に人気があります。最近の金利は0.45%が最も低く、他行でも0.5%代とほぼ横一線となっており選択肢に戸惑う事もあるかもしれませんね。ここ数年の傾向として0.5%前後で推移しているようです。固定期間選択型五年固定や十年固定といった様に、固定金利の適用期間を限定し選択できるタイプの住宅ローンになります。期間の選択肢が二年、三年、五年、十年、十五年、二十年といったように豊富になってきており、金利も変動金利に近い水準にまで下がってきています(十年固定に関して)。固定期間が終了すると、ローンのタイプを変動金利か固定金利のいずれかで選択しなければなりません。ライフプランに合わせて固定期間を選択する方もいらっしゃいますので、こちらも非常に人気のある商品ですね。十年固定が一般的ですが最近の水準は0.8%位となっているようです。金利が上がるか下がるかで選択が変わる上記2つのタイプはどちらも金利が上がるのか、下がるのかという事が付いて回ります。では金利が下がった場合は今の水準よりも負担が軽くなるので、何も考えずに継続すれば問題はありませんが、仮に上がった場合が困る事になります。変動金利の場合五年毎に返済額が見直されますが、毎月10万円の返済額が見直し後15万円になるような金利であれば、最大でも12万5千円までの支払いで済みます。これは変動金利に関してですが、最大でも125%までしか返済額が上がらない様にストッパーがかかる事になっています。対して固定期間選択型はストッパーが無い為、上限は無い事になります。返済額が急激に上がる事は、折角購入した戸建てやマンションを手放す要因にもなりかねません。これはあくまで金利が劇的に急上昇したケースの話ですが、リスクの一環として憶えておいて頂ければと思います。全期間固定金利(フラット35)一般的な名称としてフラット35と呼ばれる商品です。非常に馴染み深い商品名ですが、特徴は字の通り、借入当初から完済に至るまでの間、ずっと金利が変わる事がありません。という事は毎月の返済額も変わる事が無い為、支払いに関しての計画や見通しが立てやすい点が挙げられます。また三つの金利タイプの中でも最も金利が高く、1.25%が最近の水準になっています。取扱いの金融機関は多く、銀行ごとに適用金利も異なりますのでしっかりと比較はしておきたい所ですね。また連帯債務で組める唯一のローンでもありますので、借入額を大きくしたい方にはオススメな商品と言えるでしょう。住宅ローンの金利はどうやって決まっているの?次に先程の三つの金利タイプの金利はどの様にして決まっているのかを解説しておきます。将来の金利を予想、予測する前に金利がどの様にして決まっているのかを知っておく事で、今後の動向を考察する上で役に立ちます。[adsense_middle]変動金利は政策金利によって決定人気のある変動金利ですが、金利を決定する基準に政策金利という金利を採用しています。厳密に言うと短期プライムレートが金利決定に利用されますが、この短期プライムレートは政策金利に連動しています。ここで政策金利について解説を少し挟んでおきたいと思います。政策金利とは?政策金利は政府によって決定される金利で主に景気をコントロールするために操作されます。不景気であれば金利を低くし、借入をし易くしてお金を沢山借りて貰い、様々な事に使って経済やお金を回す目的があります。逆に景気が良すぎるとインフレとなってしまう為、金利を意図的に上げてお金の循環を抑制しなければなりません。この政策金利を元に日銀は銀行にお金を貸し出しています。銀行は日銀から借りたお金を元に企業や個人へ融資しますが、銀行も自行の経営がありますので、借りた金利にプラスして金利を上乗せし、商品として貸し出す事になります。政策金利の推移グラフこの政策金利の推移を見れば過去の変動金利水準が見えます。そのグラフがこちらです。2008年から2018年までの間の政策金利です。ご覧の様にずっと0.1%の推移となっており、近年では全くと言っていいほど横ばいになっています。この金利が上昇すれば変動金利も上がる事に繋がります。つまり先々の日本の景気に少し敏感になれば予測は可能になると思います。固定期間選択型は円金利スワップレートによって決定次に固定期間選択型ですが、円金利スワップレートと呼ばれるレートによって金利が決定する様になっています。あまり聞かないこのレートですが簡単に解説しておくと、変動金利と固定金利を交換するために設けられたレートの事で、主に企業融資等に用いられる場合が多いです。企業は変動金利でお金を調達します。理由は金利が低いからです。しかし景気に敏感な企業は変動金利の金利が先々上がるのではないかと考えます。何故なら、僅か0.1%でも上がれば企業にとっては大きな利息負担にしかなりません。そこで今のうちに固定金利に変えられないかなと模索している所に、このレートが登場します。この金利レートに基づいてであれば交換しますよという指標ですね。金利の交換を行う事で事業が順調に回る役割を果たしていますが、意外にも住宅ローンで利用されています。金利の推移は十年国債に連動し若干高めに設定されているようです。全期間固定金利は十年国債利回りによって決定最後に全期間固定金利ですが、十年国債利回りで決定しています。こちらのグラフをご覧ください。2008年から2018年までの十年国債の金利推移表です。以前は高い水準でしたが、近年では0.134%になっています。この金利を用いて固定期間の金利を決めています。先程の円スワップレートもこの金利推移に連動する形になっています。最近ではかなり金利が下がってきていて、本来国債の役割は国にお金を貸し、後に利息を付けて返して貰う事にあります。資産運用の役割を担っていますが、かなり低水準ですので少し魅力に欠ける点は否めません。住宅ローン適用の金利水準が1.25%になりますので結構上乗せされている事になりますね。国としても高い金利でお金を借りたいところですが、確実に返還しなければなりませんので、今の日本の状況を考えると、おいそれと簡単に金利を上げる事は難しい局面だと言えそうです。長期的な視野で金利を考える過去のデータを見ても金利の推移は低調です。これが良いのか悪いのかは別として、借りる側からすると、低調な方が金利も低く借りやすい事になります。しかし、裏を返せば景気が思わしくないという事でもあるでしょう。かつてのバブルの頃の様にお金が飛び交うような時代が来るのかは分かりません。将来の金利を考えるなら景気というキーワードは押さえておきたい所ですね。今後の見通しは?情勢から金利の動向を予想する!ではここからは私の見解で執筆していきますので、一案としてご覧頂ければと思います。金利が上がるのか、下がるのかという事について触れたいと思います。2020年オリンピックイヤーで景気は良くなる?今年は日本で二度目のオリンピック開催です。私も生きているうちにオリンピックが日本で開催される日が来るなんて思ってもみませんでしたが、オリンピック特需という言葉がある様に、施設を作ったり、来日客を受け入れたりと、経済効果はかなりのものになると言われています。このオリンピックが起爆剤になり景気が上向く事を期待したいのですが、私個人的には瞬間風速で終わってしまうと思っています。過去にサッカーのW杯やオリンピックを開催してきた国々を見てもお分かりの通り、事が終われば何事も無かったかのように静まりますよね。開催期間だけはいつもよりお金が循環する事になりますが、それでも一瞬でしょう。この事が先々の金利に影響するかと言われると、影響は無いと思っています。何故ならお金が循環するのは一部だけであって、満遍なく日本全体にお金が行き渡って循環しなければ経済の活性には繋がりません。加えて今では預貯金の割合が高い為、循環を阻害するような経済環境であると言えます。お金の使い道は持っている人にしか決める事は出来ません。景気刺激策も色々と対策していますが、長期に渡っての景気向上に向かなければ金利の上昇は考えにくいと思います。また最近ではコロナウイルス対策に追われており、まさかこのタイミングで感染力のあるウイルスが蔓延しだすとは予想も出来ませんし、いつ収束するのかさえ見通しは困難です。観光だけでなく、下手をすれば経済そのものが低迷する恐れさえあります。現在の情勢を考えれば金利の上昇は当分無いように思います。住宅ローン金利の今後に関するまとめ今回は住宅ローンの金利動向について、私なりの考察を述べる記事になりましたが、あくまで私個人の意見です。参考になるかは分かりませんが、こんな考え方で金利動向を見ているFPがいると思ってご覧頂ければ幸いです。
2020年03月02日今回は住宅ローンを組む方法の一つである「連帯債務」について解説していきたいと思います。私もクライアントさんを担当していますが、住宅購入に関する相談は多く、どんな組み方が良いのか、どの金利が良いのかといったご質問は多く受け付けています。クライアントさんの中でも既に調べていて、共同で組む事が出来るという事でご存知の方も多い様です。気になる仕組みやメリット、デメリットをお伝えしていきますので、気になる方は是非ご一読下さい。連帯債務の仕組みは?他の方法も合せて解説します最初に仕組みについて、どんな組み方になるのかを解説していきます。また参考までに他の組み方についても解説しておきますので、比較の為にご覧頂ければと思います。連帯債務でローンを組むまず連帯債務ですが、基本的には「一つのローンを二人で契約する」という事になります。住宅ローンは単独で借りる事が多いですが、この方法は二名で組みます。例えば一人だと4,000万円まで借りられるとします。しかし間取りやオプションを拡充させたいなど、予算的に大きくしたい場合に二名で審査をしてもらいます。審査に問題が無ければ二人合計で4,000万円以上借りる事ができます。単独融資に続いて人気があり、ご相談頂くクライアントさんにもおすすめしたりしています。また後述しますが住宅ローン控除の適用もありますので節税を意識している方にはおすすめです。連帯保証人を付けてローンを組む次に連帯保証人を付けてローンを組む場合です。一人では審査に通りそうにない場合、連帯保証人を付けて借入をする事があります。この時「一つのローンを組む」事になりますが、この方法は、借主が支払えなかったら、代わりに支払いをしなければならない義務を負う事になります。他人に頼む場合は敬遠されやすいですが、夫婦でも認められるケースもありますので、共働きであれば審査に出してみるのも一つの手です。また連帯保証人は団信の加入がありません。もし債務を負う事になった場合、団信ではなく民間の保険に加入し死亡リスクに備える必要がありますので憶えておいて下さい。夫婦ペアローンで組むペアローンは夫婦で組むローンの方法で、「夫婦で二つのローンを組む」という事になります。契約が一つではなく二つに分かれ、合算で希望借入額に届かせる方法になります。支払いはそれぞれがバラバラに支払う形になる為、引落日などの管理は少し大変になります。また結婚している夫婦だからこそ組みやすい点はあるでしょう。お互いに連帯保証する事になりますので、どちらかが支払い不能になってしまった際にはどちらかに不能分の支払いの義務が発生する事になりますので注意が必要です。単独でローンを組むこれは借主が「一人で一つのローンを組む」方法で一番メジャーな方法ですね。一人だけの資力で組む事が出来る為、上記3つのローンの様に、配偶者や他の誰かに借入を依頼したり、連帯保証人になってもらう必要はありません。金利タイプの縛りなども無い為、比較的様々なローンを選びやすい点はメリットになるでしょう。ローンプランのまとめここまでに四つの組み方について解説してきました。いずれも特徴があり、一人で借りるのか二人で借りるのかと分かれます。一旦まとめておきますので下図を参考に比較にご利用下さい。連帯債務で契約できる条件は?ではここから連帯債務で契約できる条件について解説していきます。また契約条件や他のローンプランとの比較も行っていきますので、参考にして下さいね。[adsense_middle]気になる条件は?契約をする際に求められる条件は、安定した収入がある事が挙げられます。例えば夫が正社員で、妻も正社員であれば夫婦共に安定した収入があると判断されます。夫婦のいずれかがパートの場合も審査にかけて貰える事もありますが、おおよそ年収が高くなければ難しい事もありますので気を付けておいて下さい。他には同居している家族であれば連帯債務者として審査できますので、何も夫婦に限った契約形態ではありません。事例として、父、息子といった様に契約する事も可能です。そして連帯債務者の所得は全額合算される事はなく二分の一までが対象になります。先程の夫婦で例を挙げると、夫が500万円、妻が300万円の所得だとします。このケースで妻が連帯債務者になる場合は半分の150万円を夫の500万円に合算しますので、合計650万円で審査にかけられる事になります。住宅を検討する際に予算等の打ち合わせになるかと思いますが、折角マイホームを買うならと良いオプションを付けたり、少し間取りや庭など広くしたい思いもあるでしょう。しかし単独での融資だと希望額に届かない場合に二人で合算できれば予算に届く事もありますので、夢に一歩近づけそうですね。ちなみに親子でローンを組む場合は「リレーローン」という商品名になります。金利や返済方法は?次に金利や返済に関してですが、一般的な住宅ローンと何も変わりはありません。しかしローンがフラット35に限られる事になります。フラット35とは全期間固定金利で契約できる住宅ローンの事。変動金利、固定期間選択型(〇年固定)と違って金利が最も高くなる。主な特徴として、借入期間から完済に至るまで金利がずっと固定されており、毎月の支払額が一定の為、返済計画など立てやすい点が挙げられる。様々な金融機関で取り扱われており、団信(団体信用生命保険)も任意加入になる為、健康状態に不安のある方でも審査対象となる。このフラット35は金利が高い反面、他の金利タイプと異なり、融資条件や審査が緩めな点があります。返済方法は毎月返済が一般的で繰上返済も出来るので、他のタイプと比べても遜色はありません。毎月の返済負担や、返済総額が増える点がありますので、連帯債務を検討するなら支払いの面を中心に検討するのが良いでしょう。逆に連帯保証やペアローンに関しては変動金利や固定期間選択型から選ぶ事ができますので、金利負担等を考慮してどの形態が自分たちにとって良いのか比較が大事ですね。手数料や諸費用は?融資に関する手数料や諸費用ですが、単独融資と殆ど差はありません。強いて言うなら金融機関によっての違い位になりますので、借入をしたい金融機関ごとの比較をする事が良いでしょう。また連帯保証・単独融資は契約が1つの為、同じ諸費用になりますが、ペアローンの場合は契約が2つになりますので、諸費用や手数料も2契約分となります。諸費用は現金で納める事が一般的なので、2契約分となると高額な金額を負担しなければならなくなります。この点は今手元にある資金と相談しながら検討すべきでしょう。連帯債務で組むメリット・デメリット・注意点を解説しますではここからメリットやデメリットについて、また注意点に関して解説していきます。早速メリットから見ていきましょう。[adsense_middle]連帯債務のメリットは何?借入希望額を大きく借りる事が可能になる連帯債務で組む場合のメリットですが、1つは収入合算で見てくれますので、借入希望額を大きく借りる事が可能になる点です。単独融資の場合、1人の収入や勤務先、勤続年数等を審査にかける事になります。家族構成や、同居の計画等を考えた時にどうしても高額な物件になりがちな場合、同居の家族の年収を合算で見てくれる点は大きいでしょう。住宅ローン控除がそれぞれに適用される2つ目に住宅ローン控除がそれぞれに適用される事が挙げられます。1人分の節税より2人分の方が効果は大きくなります。また所得によっては住民税まで減税される事になりますので、支払い総額や減税効果等考えると、連帯債務はお得な方法だと言えます。この点に関して言えばペアローンも同様に適用になりますが、単独融資はもちろん、連帯保証人付きの契約はあくまで借主だけが減税対象となりますので憶えておいて下さい。団信が双方に適用される3つ目に団信が双方に適用される事は大きなメリットでしょう。通常団信は借主が亡くなった場合に住宅ローン債務を一括で清算できる生命保険ですが、2人でローンを組んだ連帯債務の場合、「連生団信」というものもあります。これは一方が亡くなった場合、もう一方の債務も含めて清算できる団信の事です。この団信に加入しておく事でしっかりと住宅を遺す事ができますので、一つのメリットと言えるでしょう。連帯債務のデメリットは何?次にデメリットになりますが、もしもどちらかが返済不能に陥った時に、一方に全額返済の義務が発生しますのでこの点はデメリットになるでしょう。先程のメリットで解説しましたが、単独融資での借入額を超えて2人で借りる訳です。つまり金融機関が審査した単独融資額以上の負担を1人が背負う事になりますので、支払いは非常に厳しくなる事になります。この点はペアローンも同様の考え方になります。返済が困難になる理由はいくつかあり、病気になる、転職や休職によって収入が大幅に変わる等があります。連帯債務を考える際には借り入れしてから返済が終わるまで、健康状態や収入が一定である事が一つの要件と考えます。先々転職する、健康状態に若干の不安が有る場合等は無理をしない方が得策になるかもしれません。他のデメリットとして夫婦で組んだ場合には離婚する事がデメリットになります。お互いに住む事で購入した家も離婚する事になれば、話が変わってきます。連帯債務の注意点は?メリット、デメリットと解説しましたが、注意点としては、将来的に今と変わらない収入なのか、夫婦でい続ける事は出来るのかという事です。しかし、先々の話になりますので、どんなに見通しを立てても状況が変わる事は誰にだってあります。この話をしだすと住宅購入など出来なくなってしまいますので、深く考え過ぎない事です。また返済が困難になった場合も結構大変な事になってしまいます。住宅ローンの連帯債務に関するまとめ今回は連帯債務に関して解説を行ってきました。メリット、デメリットと色々ありますが、しっかりと話し合った上で、ご家族が納得できるお買い物になると良いですね。
2020年02月29日住宅を購入したらまず、自分たちが住むという事は普通だと思いますが、何かしらの理由で貸し出しを出来ないものかと考える方もいらっしゃるようです。今回は住宅ローンを返済している最中でも、別の誰かに賃貸物件として貸し出す事ができるのかどうかについて解説をしていきたいと思います。ローン返済中に貸し出すケースは何?始めに、ローン返済中にも関わらず、賃貸に出すケースについて解説しておきたいと思います。一体どんな時なのか、本記事をご覧になっている方も先々同様のケースに当てはまる事になるかもしれませんので、参考までに共有しておきたいと思います。ケース①転勤の辞令が出るよく聞く話かもしれませんが、戸建てや分譲マンションを購入後、転勤の辞令が出やすいという話を聞いた事はありませんか?あくまでも噂でしかありませんが、私が以前に勤務していた金融機関では家を買った先輩が購入後、早速転勤になった事がありました。あくまで憶測でしかありませんが、家を買うとローンを支払う為に会社を辞めにくくなります。その為か、ローン返済を盾に転勤にするという事があると聞いた事がありますが、真偽は定かではありません。しかし、転勤ともなると、単身赴任なのか、家族ごと引越す事になるのかという選択になります。このケースでは家族ごと引越さなければならない事情で、購入した物件に住めない事を指します。ケース②両親の介護が必要になった最近では両親と同居するご家庭は少なくなっていますが、離れて暮らす両親に介護が必要となった場合、呼ぶことも可能かもしれませんが、家族が増える事になりますので急に手狭になる事もあるでしょう。逆に両親の元へ帰り、一緒に暮らすという事になるかもしれません。家族で話し合いの結果、両親の元に帰る事になった場合は住宅ローンが残ったままになってしまいます。ケース③病気により療養しなければならない病気によって、今住んでいる所よりも離れた場所の方が治療に向いている・効果があるなど、場所を変えなければならないパターンです。人混みよりも静かな場所が適している事だってあります。病気を選ぶ事は不可能なので、万が一治療が難しい場合や場所を変えなければならない事になると、家には住めなくなるでしょう。ローン支払い中に賃貸に出すことはできる?ローン支払い中に賃貸で貸す事は出来るのか?上記3つのケース以外にも住宅を手放さなくてはならない事もあるでしょう。うまく売却できれば一番なのかもしれませんが、買い手が直ぐに見つかるのか?ローン残高を上回る金額で売却できるのかは分かりません。賃貸に出すのであれば、必ず銀行へ相談する様にしましょう。「私の持ち物だからどう使おうが勝手でしょ!」と言いたくなるかもしれませんが、銀行に相談しなければ後々大変な事になるかもしれません。金融機関に相談しなければならない理由とは?住宅ローンは金融機関から借りる事になります。その目的は住宅を購入するからだけでなく、細かい部分を見ると、資金の使い道まで決まっているからなんです。住宅ローンを利用する場合の資金使途は「居住用」として購入する場合にお金を貸してくれます。つまり住むこと、住んでいる事が条件であり、必須になる訳です。では住んでもいない・別の誰かに貸すとなると、これは契約違反になりますよね。最初から誰かに貸す為に住宅ローンを利用したとなると住宅ローンでなく、他の商品でローンを組まなければなりません。この様な話が後にバレると場合によってはペナルティを課せられる事にもなりかねません。必ず事前に銀行へ理由を伝え、相談する事は必須事項であると憶えておいて下さい。相談すれば貸出できるの?では銀行に相談したとします。貸し出す事は出来るのかという事についてですが、明確な回答は無く、金融機関によるとしか答えようがありません。通常であれば契約違反に該当しますが、理由がちゃんとしたものであれば貸し出しを認めてくれる金融機関もあるそうです。本来なら賃貸物件用のアパートローンに切り替えなければならず、資金使途が異なる場合はローンを変更する事が一般的な金融機関の対応のようです。絶対に貸出できますという事にはなりませんので、その点は憶えておいて下さいね。住宅ローンとアパートローンの金利は違う少し余談を挟みますが、ローンを切り替える場合、金利が気になりますよね。何故住宅ローンやアパートローンと分けられているのでしょう。資金使途にもよりますが、賃貸物件を購入していわゆる「投資」となると収益性が出てきます。この収益性を見越して、アパートローンの金利は住宅ローンよりも高く設定されています。変動金利でも住宅ローンなら0.45%等が最近の平均ですが、アパートローンの変動金利では約3%前後といったところです。固定金利でも商品はありますが、住宅ローンと比較しても高い金利になりますので、参考までに憶えておいて下さい。賃貸として貸し出し可能な方法と条件先程の解説では賃貸に出す事はほぼ難しいと書きましたが、ここからは、可能になる条件や方法について解説していきたいと思います。[adsense_middle]方法、条件を解説しますまず条件ですが、フラット35で借入をしていれば可能になります。フラット35は住宅金融支援機構が貸出元になり、今では様々な金融機関が取扱いをしています。ご存知の様に、金利の種類で言うと、一番高い金利を適用しています。また返済期間中はずっと金利が変わらない為、支払い総額も最も高額になる住宅ローンになります。しかし、このフラット35だけは返済期間中にも関わらず、購入した物件を賃貸に出す事が出来る、唯一の住宅ローンになります。参考:金利タイプはどんなものがある?ここで参考として他の金利タイプをご紹介しておきますので、住宅ローンをお考えの方は比較に役立てて頂ければと思います。全期間固定金利(フラット35)言わずと知れた住宅ローンの代表格です。先程解説した通り返済期間中はずっと金利が固定されており、毎月の返済額も常に一定である事が特徴です。最近の適用金利は1.25%~1.5%くらいで、取扱い金融機関によっては更に引き下げられたりしている事もあります。また団信は任意加入となりますので、健康状態に不安がある方でも審査に臨む事は可能です。固定金利選択型10年固定金利や5年固定金利といった表示を見る事があると思いますが、固定金利で借りられる期間を選ぶ事の出来るタイプがこの住宅ローンです。最近では2年、3年、5年、10年、15年、20年とバリエーションが豊富になってきています。適用金利も0.8%~0.6%と後述する変動金利に近づいており選択する方も増えているようです。固定期間が終了すると変動金利か固定金利のいずれかを選ばないといけませんので、先々の金利情勢が上がる事や下がる事を想定しておく必要があります。変動金利借入当初から半年毎に金利が見直されるタイプの住宅ローンです。返済額は5年間変わる事はありません。5年後に改めて適用金利が変わる事になるタイプで、3つのタイプの中では最も低い金利を適用しており0.45%~0.6%が平均的な今の水準の様です。5年毎に金利が変わりますので、将来的な金利上昇、下降といった事を考えておく事は必要です。先々転勤の可能性があるのならフラット35を選んでおく参考として他の金利タイプをご紹介しましたが、フラット35は一番金利が高い商品です。しかし、先々転勤の可能性がある場合であれば、賃貸として貸し出す事は可能ですので、家族全員で引越す事を検討している方はフラット35を予め選択しておくのも良いかもしれません。但し、注意があります。それは、最初から賃貸で貸し出す事を前提にフラット35は選べません。結果として家を購入したけど、転勤等の諸事情によって家に住めなくなった場合だけ賃貸可能となりますので、この点は気を付けておきましょう。どんな手続きを取ればいいの?手続きに関してはお金を借りた金融機関に「住所変更届」を提出するだけで可能になります。あくまでも借りた方の所在が変更した事をお知らせする届ですが、この届出を出しておけば返済中でも所在が分かりますので、賃貸に出す事は可能になります。他に必要な書類等も無い為、わりと簡単にいくので、もしフラット35で組んでいる方で賃貸をご検討の方はやってみるのも良いかもしれませんね。賃貸で貸し出しする際の注意点ではここからは注意点について解説しておきたいと思います。[adsense_middle]注意点①もしも帰ってくる事が発生したら例えばですが、無事に他人へ賃貸として貸し出す事が出来たとします。数年後、購入した家へ帰れる日が来るかもしれません。その時、入居者へ直ぐに退去を命じる事が出来ない場合もあります。一般的には入居者を守る為の法律もありますので、もしも人に貸す事があるようでしたら、専門家指導の下に賃貸借契約を結ぶ事をおすすめします。注意点②入居者が賃料を払わないトラブルの原因になりそうですが、もしも賃料を支払って貰えない等、発生したらローン返済は自分に降りかかってきます(元々そういう契約ですが)。賃貸に出すという事は、少なくともローン返済の一部を担ってもらえる位の賃料になるはずです。しかし、生活が2重になっていますので、更に負担が大きくなる事はあり得ます。しっかりと管理できる方やご自身で管理するなど自己防衛策は講じておく事が大事です。注意点③住宅ローン控除が使えない住宅ローン控除は賃貸に出した時点で適用されません。理由は居住している事が条件だからです。通常単身赴任などであれば、ご家族が居住していますので認められる事になりますが、購入した本人やご家族が住んでいなければ適用される事はありませんので、注意しておきましょう。また帰ってきた場合は控除期間の途中でも再適用される事もありますので、税務署などへ問い合わせましょう。住宅ローン返済中の物件を賃貸に出す方法まとめ今回は住宅ローン返済中に貸し出す事について解説してきました。理由は人それぞれですが、なるべくトラブルを回避するなら、住んでおくか、最悪売却を検討し、どれでも難しいようであれば賃貸を検討する事をおすすめします。
2020年02月27日今回は少しネガティブな記事になります。住宅を購入したけれど、支払いが滞ってしまった場合どうなるのかという事について解説していきます。延滞利息を支払えば済むんじゃないの?とお考えの方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、現実はそうではありません。具体的にどんな事が起こるのか、どうして滞ってしまうのか等事例を交え解説しますので、リスク管理の一環としてお読み頂ければと思います。返済が滞ってしまった!その後どうなる?早速ですが、住宅を購入後返済が出来なくなってしまったその後の解説から進めていきます。住宅はご存知の様に人生で一番高額なお買い物であり、長い期間ローンを支払っていく唯一の商品です。人生の3分の1はローン返済する事になりますが、いくら低金利で借りたとしても、1,000万円以上の借入をしている方は多く、物件によっては億を超えるものだってあります。では支払いが困難になったところから時系列で解説しますね。銀行から支払いに関する連絡が来るまず、住宅ローンの引落等が出来なかった場合、借りている方から何の連絡も無ければ、銀行から返済に関する連絡が来ることになります。この場合電話連絡なのか、書面での通知なのか手段は各銀行によって様々ですが、必ず連絡・通知が来ることになります。最初は引落日を失念していたのかな?と考える事もありますので、そこまで強めに言ってくる事はありません。しかし、この連絡や通知にはある理由があります。連絡、通知をする理由とは銀行から支払いに関しての連絡や通知があった場合、ただ支払いを促すだけのものではありません。これには理由があり、記録を残す為でもあります。例えば支払いに関して全く無視をする借主がいたとします(あまり考えられませんが・・・)。引落に関して、聞いていた話と違うとか、連絡を貰ってないなど言い訳を並べるかもしれません。そこで、しっかりと記録を残す事によって、「いついつに誰誰が〇〇様にお電話差し上げました」とか「お申込み頂きました書類に記載のご住所にいついつお支払いに関するお手紙を送っています」と言える訳ですね。さすがに口約束でお金の貸し借りをしている訳ではありません。ちゃんと金銭消費貸借契約という「契約」に基づいてお金の貸し借りをしていますので、まず言い訳は通用しないと思って下さい。何カ月も滞納が続くと・・・返済スタートから最初の月に忘れていましたという事で話は進んでいますが、何カ月も返済が無かったとします。こうなってくると銀行も本腰を入れて債権の回収に動き出しますが、返済が滞って3カ月位で督促状や催告書の通知が届きます。この通知の違いを解説しておきますね。督促状とは、「支払いが出来ていませんので〇月〇日までにお支払い下さい」という内容の通知になります。言い方や文章はややソフトなものです。催告書とは督促状とは異なり、強めな言葉になり、「〇月〇日までにお支払い頂けない場合には法的措置等を検討します」という内容になります。この様な通知が届いたにも関わらず、支払いが出来ない、支払いをしないとします。次に起きるアクションは保証会社になります。保証会社の役割住宅ローンを申し込む際に保証料を取られます。これは住宅ローンの返済が滞った時に、返済を保証会社が行いますという事の料金になります。保証会社があるから安心だ!というのは早計で、返済の義務が無くなる事はありません。というのも、滞った場合の返済は保証会社が一括で銀行に支払いをしますので、対銀行には債務(返済義務)は無くなることになります。しかし、保証会社が代りに支払ってくれていますので、次の支払い先は保証会社へ返済をしなければならなくなります。これを代位弁済と言います。代位弁済とは債務者(借入をしている本人)に代わって保証会社や第三者が支払う事を言います。代位弁済が発生した際には、信用情報に異動事故が残る事もありますので、以後の借入に影響を及ぼす事もあります。代りに支払ってもらった事で、債権が保証会社へ移る事になる訳です。保証会社は言い換えると債権回収のプロです。確かにローン返済が滞った際のセーフティネットではありますが、保証会社に移る事で更に支払いは厳しくなっていく事になります。保証会社に債権が移った際に気を付ける事は?保証会社へ債権が移るという事は、本来借りた銀行への住宅ローンが完済したという事になります。この時に「団信」が消滅する事になります。団信とは、借入期間中に借主が万が一亡くなった場合に、保険金で住宅ローンを一括返済できる住宅ローン専用の生命保険の事です。最近では働けなくなった際に団信が機能するものもあり保証範囲が充実してきています。団信がなくなり、保証会社へ債務が残る事になりますので、タイミング悪く万が一が起きてしまうと、残されたご遺族は大変な目に合う事になります。くれぐれも借入れた時の条件そのままで引き継がれている事はないと憶えておいて下さい。保証会社への支払いはどうなるの?保証会社へ債権が移行した後の支払いに関しては通常の分割返済となりますが、銀行と違って、返済が1日でも遅れる場合は一括返済を求められる事になります。通常金銭消費貸借契約には「期限の利益」というものが存在します。期限の利益とは毎月の支払い日を設定してある契約で「分割で支払えますよ」という、借主側の利益です。しかし、返済が遅れると期限の利益を喪失する事になり、分割で認められていた返済を一括でしなければならなくなります。この期限の利益を喪失する事になる為、一括返済を強いられる事になります。残高が高額であればあるほど、返済は困難を極める事になります。一括返済が出来なければどうなるの?一括で返済が不可能な場合は住宅が「競売」にかけられる事になります。たまに競売物件などで市場に出る物件がそうですね。競売は最低価格で販売される事になり、保証会社としては売ってでも債権を回収したいのです。なので、販売価格と同額で出しても買い手が付く事は少ない為、販売価格の50%から70%くらいの値段で売却されます。こうなると家に住めなくなりますし、ご近所にも知れ渡る事になります。競売される時のデメリット競売に関して、メリットはありません。本来なら住むべき家を強制的に売却される事になりますので。デメリットとしては、競売にかけられ売却できたとしても、ローン残債が残る可能性があります。つまり、家に住めない上にローンが残るといった事が起きてしまいます。滞納回数は関係ない。返済が困難なら相談しようこの様に返済が滞ってしまうと、良い事は一つもありませんし、かなり厳しい状況下に置かれる事になります。もしも返済が遅れたり、困難な場合にはまず銀行に相談するべきでしょう。返済が滞る理由は?ここでは返済が滞ってしまう代表的な理由を解説します。ご覧になっている皆さんも先々でこうなるかもしれません。是非目を通しておいて下さい。収入状況の悪化返済が出来なくなる原因は1つ。収入状況が悪化する事以外にありません。どんな場合に悪化するのかと言いますと、病気になって仕事が出来なくなった場合が挙げられます。病気と言っても、治療が長引くものもあれば、直ぐに社会復帰できる病気もあり、程度や疾患は選ぶ事はできません。気づいた時には進行していた!という事もありますので、健康には十分気を付けたいですね。しかし、加入している団信でがんに罹患したとか脳卒中で倒れた場合に保証されるものもありますので、健康が気になる方は手厚な団信に加入しておきましょう。他に悪化する要因として、転職や親の介護といった環境の変化が挙げられます。ローン返済中に転職した場合、同じ給料で雇用されるかは分かりませんし、会社そのものが続くとも限りません。また親御さんの介護が絡むと金銭的な負担や仕事の時間が削られる事もあるでしょう。この様にご自身をとりまく環境に変化があると、収入が悪化する事だってあり得ます。堅実に貯金や保険でリスクを軽減できる対策を取っておきましょう。[adsense_middle]返済が滞る前の対処は何かある?実際に事が起きてからの対処はあまり選択肢が絞られますので、事が起きる前の対処法として解説しておきます。任意売却を検討する先程の競売と違い、任意で住宅を売却する方法です。競売は売却価格が低くなりますので、ローンが残る事もあります。残る金額を考えるなら、少額が良いに決まっていますよね。そこで、任意に売却し高値で売却できれば残債も少なく済みます。この任意売却は住宅を手放す事になりますので、慎重に検討して下さい。個人再生を行う個人再生とは、法的に借金を減額し再生を図る事を言います。しかしデメリットとして、手続き後数年間(7年以上はかかります)はローンやクレジットカードの作成が出来なくなります。破産宣告と違って住宅ローンを抱えている方はこの個人再生であれば住宅を手放さずに済みます。リースバックという手段と居住できる期間リースバックという言葉を聞いた事はありますか?簡単に解説すると、住んでいる家を売却しますが、代わりに毎月家賃を支払って今の家に住み続ける方法になります。こうする事によって家を手放さず、引っ越しもせず、契約内容にさえ問題がなければずっと住み続ける事は可能になります。また将来的に、買い戻す為の資金が貯まったら、改めて買い戻す事も可能です。但し、売却額と残債の関係で残債が残る場合はリースバック出来ない事が多いので、注意して下さい。住宅ローン支払いの滞納に関するまとめ今回は住宅ローンの支払いが滞った時の解説でした。本来は家族が楽しく笑顔で過ごせる家でありたいのですが、様々な理由で支払いが難しくなる事もあるでしょう。まずは銀行に相談を早い段階で入れる事は必須です。事が大きくなる前に相談しましょう。
2020年02月26日今回は住宅購入の相談事例の中より、夫婦で住宅ローンを組む場合について問い合わせが多いので、その方法やメリット、デメリットについて解説しようと思います。最近住宅を検討する方が増えてきました。その中で多いご相談は「住宅ローン」です。またご主人や奥様の年収をヒアリングする事が多いですが、どうしてもご主人単独での融資が難しいケースや借入希望額に届かない場合もあります。そんな時、奥様が働いている状況であれば夢のマイホームに一歩近づけます。住宅をお考えの方は是非ご覧頂きたい内容ですので、最後までお付き合い下さいね。単独で借入が出来ない場合はじめに、夫婦でローンを検討する前に単独で融資が通るかどうか仮審査を行います。銀行に借入希望額を伝え審査になりますが、その結果一人では融資が通らない事もあります。ここではどんな場合に審査に通らないのか、またどんな審査をされるのかを解説しておきたいと思います。融資に関する審査内容私もかつては金融機関に勤めていました。その当時は融資業務を担当していまして、ある程度の事を経験してきましたので、経験を踏まえて解説していきます。まず融資する際に、商品は住宅ローンになります。これが自動車なのか、企業向けの融資なのかで審査内容も異なってきます。住宅ローンの場合、融資を受ける方の「属性」を調べていく事になります。属性って何?属性とは金融機関内の用語の事で、氏名、年齢、勤務先、年収、他社借入状況、信用機関での調査、勤続年数、家族構成等をまとめたものを言います。氏名一つにしても、姓が異なっている場合もありますので、後方氏名と生年月日で過去に取引履歴が無いか、過去に貸付やカードローン等の返済状況、借入状況等を調べたりもします。仮に住宅ローンをA銀行で借りるとします。その際、氏名で判明する事は、過去にA銀行でカードローンや自動車ローン等、取引があったとします。その当時の返済状況の履歴が残っていれば遅延があったのか、何日遅延があったのか、最悪な場合裁判沙汰や破産宣告、債務整理等の履歴を調べる事が可能になります。これはあくまで取引のあったA銀行に限ってです。他B銀行やC信金などの状況は分かりません。また姓が何らかの理由で変わった場合も同様に今の姓で調べたり、旧姓で調べたりもします。信用機関での調査は何をするの?銀行で出来る審査は名前から取引履歴を確認する事くらいでしょう。主な審査としては他社借入状況の審査です。これは申込用紙に他社借入の状況を申告する欄がありますが、ここで嘘を書いてはいけません。何故なら、直ぐにバレるからです。審査の状況を良くしようと嘘の申告をする方を何人も見てきましたが、あっさりと正しい借入額は判明します。それは信用機関に他社借入状況を問い合わせする事が審査の中に含まれているからですね。他社借入の状況で他社の返済状況や借入金額が判明しますので、住宅ローンをご検討の方は極力借入を避ける、若しくは借金が無い状態の方が望ましいですね。携帯電話の割賦販売にも注意参考までに、最近スマホを所有している方は多く、新機種などになると高額な機種代金になります。そこで毎月の携帯電話料金と一緒に分割して機種代を支払う方も少なくありません。この時注意しておきたいのは携帯料金をうっかり引き落とし忘れる事です。携帯の機種代を割賦(かっぷ)で分割支払いすると、実際にはローンを組んだことと同じことになります。引き落としされていなければ、万が一信用情報に「遅延」の異動事故が上がる事もあります。たった1日でも可能性は無きにしもあらず。注意しておきましょう。勤続年数は大事なの?おおよその審査の中で勤続年数等は大事な要素になります。何故なら勤務して1年未満などであれば、転職の可能性を否定できません。考え方として、転職回数が多い人なのかと思われます。また初めての転職であったとしても、これから続くのかと懸念されても仕方無い部分はあります。お金を貸す立場に立ってみると腑に落ちやすいと思いますが、長年勤務している方と1年未満の方であれば、社会的な信用も異なりますし、社内的な信用ある方だと評価されます。転職して直ぐに住宅ローンの申し込みは難し場合がありますので注意しておいて下さい。返済比率と年収申告で年収を聞かれる事になりますが、本審査の際には直近の源泉徴収や確定申告3期分等求められる事になります。この時、年収の整合性を確認されますが、年収から判断される返済比率が審査基準に収まっているのか、外れているのかを見られます。返済比率とは返済負担率とも言い、年収の何割までであれば返済可能と判断されるラインになります。各金融機関の貸付規定にもよりますが、ざっくり言うと下記の様になりますので、参考にされて下さい。上記の様にご自身の年収がいくらで、年間の返済がどれくらいになるのかを計算します。この比率以内に住宅ローンの返済額を収める必要があります。とはいえ、年収600万円であれば年間240万円の返済となり、月で計算すると毎月20万円になりますので、よほどの事が無い限り収まりはするでしょう。但し、金融機関によっては他社借入も通算して返済比率の中に収まるかどうかも判断する場合もありますので、審査を無事に通すのであれば余計な借入は避ける事が得策でしょう。審査内容のまとめここまでは審査に関しての情報を解説してきました。審査は非常に厳しいものです。貸し手側としては、貸したものは必ず返して貰わなければなりませんし、返済が無ければ利益が消失してしまうからです。返済出来ない、出来そうに無い人に貸す事は絶対にしません。私がかつて金融機関にいた頃、「会社のお金と思って貸すのではなく、自分のお金を貸すと思ってしっかり裏付け調査をしなさい」と教えられました。融資担当となると人間関係も出来上がり、情も湧きますが、実際に見るのは書類と数字です。住宅購入の前に審査に通るだけの準備も必要ですね。夫婦でローンを組む方法ここからは単独で融資が困難な場合の対処として夫婦でローンを組む方法について解説していきます。最近では住宅メーカーのベテラン営業マンから提案される事もあるようです。彼らはこれまで何件のもお客様の融資を取り次ぐ事もやってきましたので、ある程度は分かる様です。では実際にその方法を見ていきましょう。[adsense_middle]ローンを組む方法は3種類夫婦でローンを通す場合、以下3種類の方法があります。連帯保証人連帯債務ペアローンでは詳しく方法について解説していきますね。連帯保証人基本的には借主はご主人(奥様でも可能です)となり、連帯保証人として奥様(ご主人でも可能です)が付く契約です。ここで連帯保証人に関しての説明をしておきます。連帯保証人とは通常の保証人と異なり、催告や検索の抗弁権がない事を言います。催告とは催促の事で検索は差押えの事を指します。抗弁権とは反論する権利ですが、この反論すらできないのが連帯保証人です。例として、支払いを借主がしなかった際に連帯保証人に支払って下さいという連絡、催促があったとします。この時、借主に言って下さいと反論する権利が無い事です。また返済が全く無いので差押えしますと連帯保証人に言われた場合、借主から差し押さえて下さいと言えない立場にあるという事になります。夫婦関係である以上連帯保証人になる事は、他人に頼むよりも遥かにストレスが掛からないですよね。この点は気が楽だと言えます。この時、夫婦で共働きであるという事が条件になります。ご主人の年収や借入希望額にもよりますが、奥さんがパート等の場合は連帯保証人として通らない可能性もありますので注意しておきましょう。連帯債務連帯債務とは1つのローンを2人で借りる事です。例えば4,000万円のローンを組むとした場合にご主人が2,000万円借りて、奥さんが2,000万円借り、合わせて4,000万円になるという融資形態です。共同で借りて1つのローンを返済するので、分かり易いと思います。このケースでも共働きであるという事が条件になり、夫婦の年収を合算して審査してくれますので、単独よりも大きな金額を借りる事も可能になります。ローン名義や持ち分割合を分ける場合に使われる連帯債務でのローンはそれぞれがローン名義人になります。先程の事例で言えば50%がご主人の名義で持ち分となり、50%が奥様の名義で持ち分となります。この場合それぞれが借りた金額に対して住宅ローン控除も適用されますので、おすすめな方法ではないでしょうか。金利を抑えるならペアローン連帯債務と似ていますが、夫婦が別々の住宅ローンを組む事になりますので、契約が2件になるという事が連帯債務との違いになります。夫婦別々で借りて別々で返済する事になりますので、少し管理が大変になる事もありますが、特徴として、様々な金融機関がペアローンの取扱いを行っています。中でもネット系銀行も取扱いが有る為、金利を抑えたいという事であればペアローンを選択しても良いかもしれませんね。それぞれのメリット・デメリットを解説先程は夫婦でローンを組む方法に関して解説してきましたが、それぞれのメリットとデメリットについて解説しておきます。[adsense_middle]連帯保証のメリット、デメリット連帯保証のメリットとして、単独で融資を受ける事になりますので、返済などの管理はし易いと思います。また誰もが嫌がる連帯保証人ですが、他人に依頼しなくて良い事にもなりますので、気を遣う必要はありません。諸費用は1契約分なので、コスト面は高く付くかもしれませんが、後述するペアローンと違って安く済みます。デメリットですが、離婚した場合が挙げられます。離婚すると連帯保証を外す事になるでしょう。この時に他人がなってくれるかどうかです。簡単には外せませんのでトラブルになる事もあるでしょう。住宅ローン控除は連帯債務と違い一人分しか受ける事が出来ませんので、連帯債務、ペアローンを比較するとデメリットと言えるでしょう。連帯債務のメリット、デメリット次に連帯債務のメリットですが、合算年収で見てくれますので単独融資よりも高額な借入額になる事がメリットです。また住宅ローン控除もそれぞれが適用対象になりますので、税制面では連帯保証よりもお得になります。諸費用も1契約分で済みますのでコスト面でもお得になります。ではデメリットですが、やはり離婚した際です。共同で1つの建物を所有する事になっていましたが、家を半分に切り分ける事はできません。売却する事など考えると、ローン残債が残る事もありあすので、この点は気を付けたいところです。また適用商品がフラット35になりますので、他の金利タイプと異なり金利が高めである点は否めません。ペアローンのメリット、デメリット最後にペアローンですが、連帯債務同様年収を合算して見てくれますので希望額を高めにすることは可能です。連帯債務同様に住宅ローン控除もそれぞれが受ける事は可能ですので、2人分の税制優遇を受けられる点はメリットですね。そして取扱い金融機関も豊富ですので、金利の安いタイプでローンを組める点はメリットです。最後にデメリットですが、ペアローンは2契約となる為、諸費用が2契約分かかります。コスト面で言うと、圧倒的なデメリットになりますので、手持ち資金等に余裕が無い場合はあまりおすすめできません。また全てにおいて言える事ですが、先々離婚した場合もローンがそれぞれ残る事になります。売却出来ないケースや残債が残る場合もありますので、結果論ですが、トラブル回避には単独融資が良いでしょう。夫婦で住宅ローンを組む方法に関するまとめ今回は相談事例でも多い夫婦でローンを組む方法について解説してきました。最近では共働きで働いているご家庭は多く、また仕事も長きに渡って勤める方は多いです。折角住宅を購入するなら希望通りの住まいを買いたいですよね。もしも夫婦で組んだ方が良いなと思ったらこの記事を参考にして頂ければと思います。
2020年02月24日住宅購入を考える上で必ずローンという問題が出てきます。どの金融機関からお金を借りるのか、また住宅ローンの商品はどんなものを選んだら良いのか、どんな商品なら損をしないのか、おすすめの商品は何なのか、等色々と調べる事や考える事は沢山あるでしょう。今回は住宅ローン選びの一つである、10年固定金利の住宅ローンについて解説をしていきたいと思います。3種類あるタイプの中の一つですが、どんな商品なのか、メリットやデメリットも含め解説しますので、ご検討中の方はご一読下さい。仕組みや金利、利率を解説しますはじめに、仕組みや金利がどの様にして決定するのか、最近の利率等を解説しておきたいと思います。またこのタイプの商品は固定期間選択型と呼ばれるタイプです。固定金利で借入したい期間を選ぶ事が出来る商品でもあります。固定期間選択型の仕組みは?住宅ローンは通常最長35年に渡って組む事が出来る商品です。この35年間もの間、金利が高いのか、低いのかという事で支払いの負担が大きく変わってきます。今回解説のテーマである10年固定金利は金利水準で言うと「中」です。最低金利の代表は変動金利で、高い金利は全期間固定金利の商品になります。10年固定という事であれば、借入を起こして10年間は金利がずっと固定されているという事になります。では10年が終了するとどうなるのかと言うと、終了するまでの間に、残り期間を変動金利か固定金利にするのか選択する事になります。この時、重要なのは借入当初の金利と10年後の金利を比較しなければならず、10年後の金利が分かっている事はまずあり得ません。つまり10年後が近づくと嫌でも情報収集しなくてはいけなくなり、その時点で金利がどんな情勢になっているのか把握する必要がありますし、今まで通りの負担で続けられるのか、負担が増えるか減るかという事に備える必要が出てきます。10年固定金利の金利はどうやって決まるの?少し細かい部分に話が及びますが、この商品の金利がどうやって決まっているのかという事について触れておきたいと思います。決定要因は「円金利スワップレート」という指標を元に金利が決まります。ここで解説を挟んでおきます。円金利スワップレートとは円の金利同士を交換する為に使用されるレートの事で、代表的な交換は変動金利と固定金利を交換する事が最も多いです。このレートを参考にして各金融機関が住宅ローンの金利を決めていきます。このレートは主に10年国債の金利に連動する動きを見せている事も参考までに知っておいて下さい。住宅ローンは各金融機関がビジネスとして成立する金利を設定します。各金融機関で金利はバラバラですので、金利を選ぶ際は十分な比較をしておきましょう。10年固定金利の利率は今何%位なの?では今現在の金利情勢について解説します。今の時点で一番低い金利水準はネット銀行のauじぶん銀行で、0.550%でした(固定期間10年)。次に低いのはソニー銀行の0.580%(固定期間10年)です。最近ではネット銀行が台頭しており、その金利の低さには目を見張るものがあります。但し、ネット銀行の場合事務手数料が高額な事が多い為、上記の表面金利に追加して実質金利が上がる傾向もあります。事務手数料や団信等で金利が上乗せされる事も含めて金利選択はしておく事が無難だと言えます。これは固定金利選択型に限った事では無く、他の金利タイプでも同様の事が言えます。しっかりと表面金利だけでない部分も視野に入れておきましょう。10年固定金利のリスクは?ここで10年固定金利のリスクについて解説しておきたいと思います。この住宅ローンのリスクは、期間終了後、変動金利か固定金利のいずれかを選択しますが、その際に金利が急上昇していたと仮定します。その際に上限が無い為、高額な支払いになる事が一つのリスクと言えるでしょう。例えばですが、借入当初毎月10万円のローンを返済していたとします。10年間はこの金額で問題ありませんが、10年後金利が急に上昇。その時支払額が15万円になっている事もあり得るという事です。この点はどの金利タイプも同じでは無く、10年固定金利の特徴になりますので、住宅ローンを選ぶ際はリスクをしっかりと把握した上で判断しておく事が重要ですね。[adsense_middle]変動金利、全期間固定金利のリスクは何?ここで他の金利タイプのリスクを合わせて解説しておきますので、比較の参考にして頂ければと思います。変動金利の場合まず、変動金利ですが、仕組み上5年毎に返済額の見直しが行われます。金利の変動は半年毎ですが、借入から5年以内は返済額に変化は無く、中身の充当額に変化が生じる事になります。つまり、毎月元金が安定して減る訳でもないという点がリスクと言える部分でしょう。また5年後に返済額が変わる点も一つのリスクです。先程の仮定と同じく、金利が急上昇した場合に変動金利の場合は最大125%までしか支払額が上がる事はありません。例えば毎月10万円のローン返済だった場合、15万円になるような金利情勢になったとしても、毎月の返済上限は12万5,000円までとなります。この時不足する25,000円はそのまま過不足金として残りますので、いくら返済上限があっても、気を付けておくべきポイントの一つですね。全期間固定金利の場合全期間固定金利については借り入れ期間中金利が変わる事は無く、安定した返済を可能とするタイプの住宅ローンです。この点は返済のし易さや毎月の金額が変わる事が無い為、安心できる点でしょう。しかし、他の金利タイプと違って、当初の金利が最も高く設定されているため、返済総額の負担は最も高額になります。また、金利情勢が上がったり、下がったりする局面においても、真っ先に変化が現れるのは変動金利になり、最後に全期間固定金利に変化が生じます。金利情勢をこまめにチェックしている方はこの点を一つのリスクと考えておいた方が良いでしょう。金利をチェックしローンの見直しで借り換えも検討しようこの様に、どの住宅ローン商品であってもリスクは必ず潜んでいます。これは借りるだけの事に限った事では無く、投資や保険、預貯金にでさえリスクは付き物です。では住宅ローンの様に高額なお金を借りる時に、極力損失を避けたい場合、どんな手立てがあるのかと言いますと、手っ取り早いのは借り換えを行う事でしょう。例えば先程金利が急上昇する局面が本当に来たとします。この時、何もせず返済額が上がる事を受け入れる方は少ないでしょう。支払いが上がる事は誰もが回避したいですよね。私だって同じく嫌です。この時借り換えという手段を視野に入れておく事も重要です。借り換えは要件さえ満たせば可能です。毎月の返済額がどの様に変わるのか、選択すべき商品は何なのかを検討する日がやって来るかもしれませんので、住宅を購入した方、これから購入する方はほんの少しだけでも良いので、金利に目を向けてみて下さい。但し、こまめに借り換えをやり過ぎてもかかる事務手数料や諸費用がかさみます。損失を出さない様にする事は大切ですので、憶えておいて下さいね。固定期間選択型のメリットとデメリットではここからはメリット、デメリットについて解説していきたいと思います。[adsense_middle]メリットは?先にメリットですが、一つは金利が低い点が挙げられます。先程も解説しましたが、金利水準で言えば「中」に該当しますが、変動金利の表面金利とそこまで変わらない水準まで下がっている点はメリットと言えそうです。住宅ローンは最も高額で、毎月の返済額のウエイトを占める割合は一番高いです。金利は低いに越したことはなく、本来なら利息さえもカットできればなと考えている方は多いと思います。(私もそう思っていますが絶対に無理だという事は分かっています)その中でも金利の水準が低い為、選択される方も多いですね。また他のメリットとして、固定期間を選択できる範囲が広く、2年、3年、5年、10年、20年といったラインナップを取り揃えた金融機関もあり、なるべく返済額を一定に保ちたい、金利は低めに設定したい方には長期に渡っての固定期間は非常にメリットになるのではないでしょうか。メリットになり得る理由住宅購入の動機の一つに子供の成長が挙げられます。お子さんが成長するにつれ、自分の部屋が欲しくなる事、成長に伴い住まいが狭く感じる事もあるでしょう。その時に住宅を購入し広さを求めますが、お子さんが小さい頃に購入する世帯が最も多く、早い段階で住宅を検討・購入しているようです。この時、お子さんの年齢が10歳だとすると、教育に関わる時間は大学まで行ったとするなら23歳です。残り13年間は教育資金の事も考えておかなければなりません。この時、住宅ローンがあるとするなら教育期間中の住宅に関する返済額負担を少しでも軽くしたいのは当然だと言えるでしょう。お子さんの教育期間中に返済額を軽減できる期間を設けておきたいと考えるなら、固定期間選択型で20年若しくは10年固定を選択しておくのも一つのメリットではないでしょうか。デメリットは?次にデメリットについてですが、一番のデメリットは先程解説したリスク部分になるでしょう。この点に関しては上昇する事が絶対という訳ではありませんが、返済額が急に高騰してしまった場合、そして頼みの綱の借り換えが難しい場合はデメリットになってしまいます。借り換えは要件さえ満たせばと解説しましたが、要件の中には健康状態に関する事も含まれます。借り換えに健康状態が関わってくる理由住宅ローンを借りる際に必ず「団信」に加入しなければ融資は受ける事はできません。この団信について解説しておきます。団信とは団体信用生命保険の略で、住宅ローン専用の生命保険になります。借入をした方が返済期間中に万が一お亡くなりになったり、大きな病気で働けない状態に陥ってしまった際に住宅ローンを一括返済してくれる生命保険の事です。団信によっては保証範囲を広くしている金融機関も最近では増え、保証範囲を広くする事で、金利に数%上乗せする事もあります。融資条件としてこの団信に入れる方、つまり健康な方に対して金融機関は融資をします。何故なら、金融機関はボランティアではなく本来はビジネスとして利息を受け取ります。健康で融資した金額をちゃんと返せる方にしか融資はしません。生命保険である以上、健康状態が関わってくるのは当然でしょう。では先程の借り換えの時に健康である絶対の保証はあるでしょうか?明日や明後日、5年後、10年後の事は誰にも分かりません。先々借り換えすれば良いかなと計画していても、健康でなければ借り換える事は難しくなってきます。また加齢と共に健康状態は悪くなる事は周知の通りです。借り換えを計画しているタイミングが何年後なのか、その時何歳なのかを想定しておく事は大事です。この団信に加入できない事によって借り換えが出来なかったクライアントさんもいました。しっかりと健康維持しておく事も一つのリスク回避の手段と言えるでしょう。他のデメリットは?他のデメリットとして繰上返済を行う際に違約金がかかるケースもあります。これは金融機関が資金を調達し、貸し出す際に関わってきますが、通常金融機関は様々な所からお金を預かったり、借りたりして貸し出しをします。この時金融機関は変動金利で借りる事があり、その借りた金利に上乗せし貸出金利を決定する事になります。固定期間選択型の場合、金融機関は変動金利で借りたお金を固定の利息負担で良いですよという事で貸し出しますが、もしも変動金利部分が上昇した場合、金融機関の利益部分が少なくなってしまいます。そこで、金融機関はなるだけ利息を得なければ自分たちの利益を確保できない為に、違約金を取る事を設定する事がある訳です。変動金利で住宅ローンを組んだ方は違約金等取られる事は無いので、固定金利選択型を選ぶ場合は先に繰上返済や、一括返済時の違約金について事前に確認しておく事をおすすめします。10年固定金利の住宅ローンに関するまとめ今回は住宅ローン商品の一つである10年固定金利について解説してきましたが、メリット、デメリットは当然あります。もちろん受け入れられるリスクなのか、そうでないのかという事も重要な要素です。人生で一番高額なお買い物ですので、商品選びは慎重に比較検討しておきましょう。
2020年02月22日最近マイホームを検討する方からのご相談が増えてきました田中です。家を買う事に対して、お金の相談やローンの相談など色んな相談内容に対応していますが、特にローンについてのご相談が圧倒的に多く、初期費用をかけるべきか、抑えるべきか悩んでいる方は多い様です。そこで、今回は私の相談事例から抜粋し、住宅ローンにおける頭金の有無について、またメリット・デメリットや付随する予備知識について解説をしていきますので、最後までお付き合い下さい。住宅購入の相談内容は?はじめに、住宅購入を検討されている方の相談内容について話しておきたいと思います。実際に私が対応出来る事は、ライフプランを作成し、将来のどんなお金が掛かるのか、家を買って維持できるのか、また借入金額はどれくらいだったら妥当なのか、ローンの種類や組み方、返済方法等です。稀に、戸建てが良いのか、マンションが良いのか等も聞かれたりします。ここからは、よくある相談内容について書いておきますので、ご自身に照らし合わせて読み進めてみて下さい。借入に関する相談まず最も多い借り入れについてのご相談です。借入については自動車ローンと違い金額の桁が違いますよね。それこそ、人生で一番大きなお買い物ですので、当然です。そんな高額な借入が出来るのだろうか?返していけるのだろうか?不安が先に立つ方が多く、シミュレーションしたとしても、腰が上がらない方もいる位です。それだけ簡単に決断できるものでは無いという事です。しかし、家を買う理由が明確であれば行動は早く、一歩踏み出せば、流れに乗って行く方も多く見てきました。借入のどんな事についての相談が多いのか順に見ていきましょう。いくらまでだったら借りていいのか?例えばお子さんが3人いたとします。当然無視できないのは教育資金です。お子さんの進路が高校から変わっていくのか、中には小学校から私立一貫の方もいます。大学は県内なのか、県外なのか、3人とも希望の進学先に進んだとして計算しても、数千万円はかかる見通しですよね。そこで、ライフプランシミュレーションを実施する訳ですが、優先順位を付けて叶えたい希望から聞いていきます。教育を優先するのか、住宅を優先するのか人それぞれです。そこで不安になるのは住宅を購入した場合、子供の進学に影響しないかという事です。ざっくりと自分の年収から計算すると、いくらまでなら借りられるといったサイトがある様に、そのままの金額の物件を購入した場合、子供の進学は叶えてあげられるかな?という事ですね。そこでシミュレーションを実施しながら、金額を調整し、この金額までの借入であれば体力的に大丈夫ですよという診断を下す事もあれば、少し頑張る必要があるといったアドバイスもしたりします。気になる様であればまずはシミュレーションを実施しておきましょう。どの金利タイプで借りたら良いのか?同じく多いご相談は金利のタイプですね。この点に関しては後述して詳しくタイプ別に解説しておきますが、クライアントさんの手元にある情報として、35年固定金利か固定金利選択型か変動金利の3つがあるかと思います。クライアントさんの中にはお勤め先の会社から貸付を受ける方もいらっしゃいます。金利タイプに関してはそれぞれ特徴があり、また銀行によって金利が異なりますし、通帳の残高に応じて金利が変わる銀行の商品もあったりします。クライアントさんそれぞれが違った考え方や価値観をお持ちなので、どれがおすすめなのかと良く聞かれますが、個人的には変動金利です。しかし、ご自身の価値観に合った商品で納得していれば一番だと思います。借入に関する諸費用って安くなりますか?諸費用に関する事は結構聞かれる事が多く、安くなる方法を知っていますか?と聞かれますね。諸費用は金融機関によって異なりますが、主に融資に関する手数料や保証料、登記費用等があり、特に保証料は高い場合が多く、その金額の高さから、ローンに組み込んで支払っていく方もいらっしゃいます。一括で支払う事も可能です。一括で支払った方が金額的にはお得になりますので、余裕を持っておいた方が良いでしょう。また登記に関しては通常、司法書士を介して登記して貰う事になりますが、この部分を削る事は可能です。自分で出来る方法もサイトにあったりしますが、時間と根気は必要になってくるでしょう。今までやった事の無い手続きを自力でやる事になりますので、書類の不備等も出てくる可能性は高いでしょう。安くする方法はあるものの、手順に関してはアドバイスできないので、ご了承頂く事が多いですね。新築マンション?新築一戸建て?どっちが良いですか?ご自身が買う物件の事ですのでどっちが良い悪いという事ではなく、購入後の維持に関する費用等、メリットやデメリットに関して聞かれる事があります。維持費という観点からであれば、マンションの方が毎月の修繕積立費や管理費が発生しますのでランニングコストとしてかかります。一戸建ての場合は住宅ローン以外に特にかかる費用はありませんが、先々住宅が傷んだ時のリフォームや交換等の費用が発生します。まずはご家族を含めた住環境になりますので、お子様の教育を考えた校区なのか、毎日の生活を考えた立地を選ぶのか等検討する必要はあるでしょう。ちなみに先程の諸費用に関しては新築か中古かで目安が異なりますので、以下に記しておきますので参考にして下さい。新築物件の諸費用目安:物件価格の3~7%中古物件の諸費用目安:物件価格の6~10%頭金は入れた方が良いですか?今回のテーマである頭金に関する相談も多いです。後程詳しく検証した解説を書いておきますが、頭金含め、諸費用の事も考えておかなければなりません。諸費用は目安で単純計算しても、物件価格が4,000万円であれば新築で280万円(7%の場合)、中古では400万円(10%)と大きな金額がかかります。頭金の作用は借入額を減らす事、言い方を変えれば利息負担を軽減する為とも言えますね。また頭金をどれ位準備しているのか、金額にもよると思います。私の相談事例での平均は約300万円が多い様で、最も大きな金額を準備していた方は2,000万円の方がいらっしゃいました。大きな金額を準備出来ているのであれば、借入額を減らす為に、頭金を入れておいても良いでしょう。また住宅ローン控除との兼ね合いもあるでしょう。この点も後述しておきたいと思いますので、気になる方は先に読み進めて下さいね。相談内容のまとめここまでは私が相談を受けた中でも、多かった内容に関してお話してきました。細かい相談は抜きにしても少なくとも上記の様な心配事は誰でもお持ちのようですね。特にお金に関する事ですので、慎重に事を進めたいお気持ちが伝わってきますし、何か納得できる材料を求めている方は本当に多いと思います。私も様々なクライアントさんを担当していますが、住宅購入は大きな決断が必要です。その背中を押してあげる事が出来れば、本当に嬉しい瞬間ですし、「田中さんのおかげで家を買う事ができました」と言われる事は最高ですね。この解説をご覧の方のお力になれればなと思います。フルローンのメリット・デメリットを解説しますでは頭金に関する話ですが、頭金の無い状態でローンを組む場合のメリットやデメリットについて解説しておきたいと思います。頭金の有無でどう変わってくるのか?無くても問題無いのか等、実際に物件を買うつもりでシミュレーションも添えて検証解説を行っていきます。[adsense_middle]フルローンのメリットは?まずメリットからお話します。メリットの1つとして住宅ローン控除額が違ってくるという事です。一つの事例で検証してみました。下記の条件です。物件価格:4,000万円適用金利:0.7%支払い期間:35年間この条件で頭金500万円を入れた場合(3,500万円の借入)と入れなかった場合の概算控除額の比較がこちらになります。住宅ローン控除はその年の年末におけるローン残高の1%が所得税や住民税から控除される仕組みの減税措置です。ご覧の様に残高が大きければその分控除額も大きくなる為、税金の負担が10年間(購入期間等により13年間)軽くなります。この点は頭金を入れない事がメリットになる点でしょう。他のメリットは?他のメリットに関しては、先程解説しました、諸費用についてです。諸費用は高額になる事がお分かり頂けたかと思いますが、諸費用に関しては住宅を引き渡す日までに、現金で納める必要が多いです。別途頭金を準備するとなると、合算でも大きな金額になります。頭金で準備していた金額を諸費用に回すという事も出来るでしょう。この使い道という点ではメリットにもなりえるでしょう。フルローンのデメリットは?次にフルローンを組んだ場合のデメリットについてです。頭金を入れていない状況でパッと頭に浮かんでくるのは利息負担でしょう。先程のメリット同様の条件で利息負担を比較してみたいと思います。条件は同じで、金利が35年間続くと仮定して試算します。その結果がこちらになります。上記の様に頭金を入れない場合に関しては毎月の返済額も約14,000円開きがあります。また総額でも約600万円違ってきますし、利息負担も約70万円違う事が分かります。これはフルローンの場合のデメリットであり、裏を返せば頭金を入れるメリットと言える事にもなります。先述の住宅ローン控除と合わせて考えてみても、軽減額や負担をトータルで考えると頭金を入れる事の方がメリットが遥かに大きいと言えそうですね。今回試算で適用した金利は0.7%と比較的低水準でしたが、フラット35等の全期間固定金利に関しては1%を超えてくる商品もあります。そうすると上記の試算よりも毎月の返済額、総額、利息負担額は大きく膨らむことに繋がりますので、高い金利を選択するのであれば、極力頭金を検討しておくべきだと言えそうです。金利タイプの違いを解説最後になりますが、先述した金利タイプの詳細を詳しく解説しておきたいと思います。選択する金利によって負担も異なりますので、金利選びは住宅購入する上で重要な要素です。違いをしっかりと知っておきましょう。[adsense_middle]変動金利1つ目のタイプは変動金利です。字の通り、当初借入をした際の適用金利が変動するタイプです。変動こそしますが、ここ10数年位では他の金利タイプよりも最も低い金利となっており、返済額や総支払額等も低くする事が出来る為、人気の金利タイプですね。金利の変更自体は半年毎に行われますが、基本的に借入を起こしてから5年以内は返済額に変化は生じる事はありません。5年後の適用金利が変更になった際に初めて支払額が金利に応じて変更される事になります。個人的にどの金利がおすすめですかと聞かれる事がありますが、私の意見は変動金利が最もおすすめですと答えています。またネット銀行に抵抗が無ければ、住信SBIネット銀行の変動金利がおすすめです。固定金利選択型2つ目のタイプはよく見かける〇年固定といった、固定金利期間を指定できる商品です。変動金利に続いて金利水準は低く、選択する方も比較的多いようです。この商品は固定期間を選択し、期間が終了したら変動金利か、固定金利の選択をしなければなりません。また選択の段階で、金利が急上昇していても支払いの上限が無い為、将来的に金利が上がりそうだと推測するのであれば、選択しない方が無難だと言えそうです。全期間固定金利最後の金利タイプは全期間固定金利という商品です。いわゆるフラット35というネーミングでお馴染みの商品ですね。住宅金融支援機構が提供していますが、各金融機関で申し込む事が可能です。特徴は3つのタイプの中で最も金利が高く、高い代わりに、ずっと金利が固定されているため、支払額の見通しは立て易いです。また比較的審査基準も緩い為、審査に自信が無い方、自営業の方等はこのタイプが多い様です。どの金利タイプが一番自分に合っているのかしっかりと検討を重ねておきましょう。頭金なしの住宅ローンに関するまとめ今回はフルローンに関しての解説でした。私個人的な意見で言うと、頭金は少なくとも入れておく事がベストな判断だと思います。しかし、頭金を準備するにも時間が掛かったり、そうこうしているうちに時間だけが過ぎていき、返済期間や働ける期間が短くなります。住宅をお考えの方はなるべく早めに準備をしておく事が重要ですね。
2020年02月20日今回は住宅ローンの名義を変更できるのか?という疑問について解説していきたいと思います。住宅購入は人生で一番高額なお買い物であり、長い年月をかけて支払いを行っていかなくてはなりません。返済中に何らかの事情が発生し、住宅ローンの名義を変えたい場合、そもそもできるのか、できないのか?できるのであれば、どんなことに気を付けなければいけないのか?疑問が次々に湧いてきますよね。事例やポイントを分かりやすく解説していきますので、もし名義変更に直面していらっしゃる方はご一読下さい。名義変更は出来る?出来ない?まず名義変更が出来るのか、出来ないのかという事について解説しておきましょう。結論から言えば「出来るけど、ほぼ無理」という回答になると思います。いきなりで申し訳ないのですが、出来る可能性は極めて低いと言うべきでしょう。もちろん出来るケースも存在しますので、ケース毎の解説を後述する事にします。では何故出来る可能性が低いのか、その点の理由を先に解説します。そもそも銀行の審査は厳しいまず住宅ローンを借りる時を想像してみてください。誰が審査対象になり、誰の名義でローンを組むのか、また物件や土地の価値も調べられます。この時、ローンの名義人の返済能力については、年収や勤務先や勤続年数、個人的な借入、家族構成など細かくヒアリングされます。年収が低ければ、融資額も低くなるか、融資が出来ないか、連帯保証人を付けるかなど条件があり、勤務先や勤続年数等、長期に渡って返済出来るかどうかも裏付け調査として調べられます。この様に「融資対象者」について審査される事になりますので、銀行が「この内容であれば問題無く融資出来る」と判断した方へ、希望額の融資を実行します。つまり「返済能力有り」と判断される事になる訳です。債務者変更はより厳しいでは債務者(住宅ローンを借りている人の事)を変えたいと申し出たとします。事例として、元々は夫でしたが、妻に変更するとしましょう。そして夫サラリーマン、妻パートだとします。これだけの情報であれば誰でも年収の比較はできますよね。では皆さんが大事なお金を人に貸すと思って下さい。夫にお金を貸しました。「これからの返済は妻になりますけど、良いでしょうか?」と聞かれたとき、「OK」を出せそうですか?人間関係があれば「OK」と言えるかもしれませんが、銀行はビジネスでお金を貸していますので、人間関係は全く関係なく、「返済能力」が有るのか無いのかの判断だけに特化します。ここに事情があったとしても、貸したお金を返してくれる根拠が無くなるのであれば名義変更は認められないという事になる訳です。名義変更が出来るケースは?そして方法は?冒頭では変更の可能性が低いと書きましたが、出来るケースと出来る場合の方法について解説します。夫婦間、親子間、兄弟間で出来るの?まず前提条件として、名義変更が認められるとします。すると、変更する際に引き継ぐ人が「その住宅に住む事」を条件に融資が下りる事になります。住宅に住んでいないのに融資はできないという事です。では家族間での名義変更を題材に解説します。ここで想像して頂きたいのは、まず、夫婦間であればお互いに婚姻関係にありますので、同じ住居に住むことが考えられます。次に親子間での名義変更ですが、同じ居住に住む事はあり得るでしょうし、引き継ぐ子供が居住する事、定職に付き返済能力があれば名義変更は可能です。この点に関しては後半の、親子リレーローン(親から子供へローンを引き継ぐ融資形態)のところで解説しますね。最後に兄弟ですが、仲の良い兄弟でずっと同じ家に住み続けるのであれば出来ますが、どちらかが家を出るとか、どちらも出るといった事になるとお金のトラブルになるかもしれません。ここまでは関係性のお話でしたが、次に属性のお話になります。名義変更できる属性とは?金融機関の用語で「属性」という言葉を使う事があります。分かりやすく言うと、その人の年収、勤務先、勤続年数、家族構成、債務額等全てひっくるめたものを指します(私がいた金融機関はこう呼んでました)。この属性が主債務者である方と等しい、若しくはそれ以上であれば名義変更は可能になると思われます。前述した夫サラリーマン、妻パートの場合、どうしても妻の属性が弱くなる為、妻の属性がサラリーマンで夫よりも年収が高く、勤続年数も長いなど、審査に有利な判断材料があればという事です。これは夫婦間、親子間、兄弟間でも同じ事が言えますが、引き継ぐ先の方の審査が待っていますので、同じく壁は高いと判断した方が良いでしょう。どんな手続きが必要なの?注意点は?では手続きと注意点について解説します。先に注意点からお話すると、原則ですが、住宅ローンなどの融資は「金銭消費貸借契約」に該当し、殆どの金融機関は名義変更に関する文言を入れており、「名義変更は認めない」と記載がある事が多い様です。この文言が入っているかいないかで手続き出来る・出来ないが変わってきますので、契約書を確認しておいて下さい。記載が無い場合は上記の解説で属性がクリアでき、かつ単独融資の状況であれば変更は可能になってくるでしょう。単独融資でなく、連帯保証人付き契約や連帯債務者での借入の場合は次の問題点が出てきます。新たな主債務者の連帯保証人になってくれるのか?連帯債務者であれば債務を1本に出来るのか?上記の問題点について少し私なりの見解を挟んでおきます。新たな主債務者の連帯保証人になってくれるのか?非常に稀ではありますが、連帯保証人を変えなければいけないケースもあるでしょう。理由は、これこそ人間関係が絡んできますが、主債務者を信じて連帯保証人になる事になります。しかし、主債務者が変わり、あまり人間関係が無いような関係性であれば引き続き連帯保証人になれるかどうかという点です。連帯保証人を必要としない単独契約に切り替わる事が出来ればそれで問題は解決しますが、この様な事例もある様に思います。連帯債務者であれば債務を1本に出来るのか?そもそもですが、お互いに住宅ローン控除を受ける目的で連帯債務者になっているという事であれば、名義変更する事はあまり無いでしょう。しかし、連帯債務者としての契約で融資が受けられる属性を考えると、恐らく夫婦合算年収などで希望融資額に届くものと考えられます。つまり、属性として弱いけれど、2人なら融資可能という判断だと思います。では属性変更が無いまま、どちらか一方の名義に1本に出来るのかというと、これは難しいでしょう。理由は先程の属性に大きな変化(単独融資が出来る様な年収、勤続年数、信用調査の結果)が必要になってきます。変更が無い状況での名義変更は銀行も認めてはくれないと思いますので、この点は注意しておきたいところです。変更の手続きはどうやる?では変更できるとして、手続きの方法について解説します。手続きは大きく2つあります。ローン名義を変更する物件の所有者名義を変更するこの2つを変更する訳ですが、結構大変な作業になります。まず初めにやる事は銀行へ変更する旨を伝えなければなりません。ここで順序を誤って、先に所有権の変更手続きを行ったとします。この時、銀行に名義変更の事実が判明すると、契約違反になりますので、必ず順序は守る様にしておきましょう。本来は銀行の許可を得て、抵当権の設定をし直す必要があります。抵当権の変更などは抹消したり、新たに登録したりしなければならず、必要書類と司法書士の方がいれば手続きは可能です。但しそれなりにお金もかかりますので、少しお時間は掛かるでしょう。抵当権とは、もしも返済が出来なくなった際に、他の債権者よりも優先して弁済を受ける権利の事を言います。住宅ローンでは抵当権を土地に設定する事が多く、融資条件として借入先の銀行が第1抵当権に入る事などがあります。この抵当権は借り入れを債務者と債権者といった形で登記簿謄本に記載され、融資額、金利等も記載される事になります。物件の所有者が本来融資を受けている方なはずなのに、勝手に名義が変わるという事は、知らない人に貸している事になりますよね。この様な契約のトラブルにならない様にしなければなりませんので、名義変更をお考えの方は、絶対に銀行に1番に相談する様にしましょう。ここまでのまとめここで一旦まとめておきます。まず住宅ローンの名義変更はまず困難であるという事がお分かり頂けたかと思います。審査が通るか通らないか以前に、名義変更できないのが通常の契約形態ですので、まず難しいと考えておきましょう。借り換え時に名義変更は可能?ここから少し違った角度での解説をしていきます。どうしても名義を変更したい時、正攻法でいっても壁が高すぎるので断念するという解説は先程してきました。確かに、かなり難しいのですが、では借り換えだったら変更できるじゃないか!と妙案をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。この借り換えのする際の注意点を解説しておきますので、安易な借り換え案には慎重になって下さい。借り換え時に贈与税がかかるかも!?皆さんは贈与税について耳にしたことはあると思います。簡単に言うと、誰かから、誰かへモノやお金を渡す時にかかる税金の事で、一般的には1年間で110万円までであれば税金は掛かる事が無いようになっています。この贈与税の仕組みと借り換えがどんな関係にあるのか解説しますね。夫から妻へ借り換えで名義変更する場合例えばですが、夫の単独契約、若しくは夫婦の連帯債務者でローンを組んでいたとします。話し合いの結果妻にローン名義人になってもらうとなりました。この時、もしかすると、贈与税がかかるかもしれないんです。どういう事かと言うと、借り換えは、A銀行の債務をB銀行が代りに一括して完済し、B銀行でローン返済が始まるという仕組みですよね。この時ローン名義人である夫が単独契約だった場合、妻が新たに借りたB銀行名義の融資金額で、夫名義のA銀行を全額返済する事になる訳です。この場合、夫が妻から高額な返済資金の提供を受けたと税務署に見なされると贈与税の対象になる訳ですね。では連帯債務者で借入をしていたとします。共に正社員でローン控除の為それぞれが借りたものとしておきますが、この時も同じく、夫の債務分を妻が返済する事になります。つまり妻からの贈与がありましたね?と言われる可能性は否定できないという事です。もしも税金を支払ってまで名義を変えたければ、そうするしか方法は無いのですが、贈与税は110万円を超えると大きな税負担になりますので、あまり得策とは言えないです。原則住宅ローンは借り入れをした本人がしっかりと支払う事が一番良い様に思います。親子で返済!親子リレーローンとは前述の解説で少し触れましたが、親子で返済できる「親子リレーローン」という商品があります。これは先に親が主債務者となって返済を行い、定年等で返済が難しくなってきたら、子供に債務を引き継ぎ、子供による返済がスタートするというローン形態です。この商品は親御さんと同居する事、予定がある方が前提の商品でして、子供による返済が始まったら名義変更が出来る商品です(金融機関によってできない場合もあります)。注意点としては、持ち分の比率等が親50%、子供50%などですと、先に親御さんが亡くなった際に50%分に対する相続税が発生する事になりますので、組み方や持ち分比率には注意しておきましょう。離婚した時の名義変更はどうするの?ご相談が多いのが離婚した時です。離婚すると、どちらかが家を出ていくか、2人とも家を離れるかなど話し合いが行われます。まず離婚した際の名義変更はできませんので、注意しておきましょう。また夫の単独融資または夫婦連帯債務者での契約の場合で、夫が家を出ていく事になったとします。妻は家に残り、ローンの支払い無く住むことが可能ですが、万が一、ローン名義人の夫の支払いが滞ったら、妻は家を競売にかけられる可能性もあります。私個人的な意見ですが、離婚する際は可能な限り売却するのが一番だと思っています。住宅ローンの名義変更に関するまとめ今回は住宅ローンの名義人を変更できるかという事をテーマに解説してきましたが、変更するにはかなりハードルが高く、まず難しいでしょう。言えるのは、借りた本人が最後までしっかり返すという事が重要です。また事情がある場合は一度銀行に相談してみましょう。
2020年02月15日子供が大きくなってきたり、親御さんと住むことを考え出すと、戸建てやマンションを見に行きますよね。住宅展示場など行くと夢が膨らむものです。住宅を購入する時は色々と想像を膨らませながら話を進めますが、その前に、どれ位借りられるのかという事が話の中で出てきます。急に現実に戻りますが、実際に今の年収であれば銀行はどれくらいまで貸してくれるのでしょうか?今まで見た物件を買う事は出来るのか?返済の負担は大丈夫かな?とお金にまつわる心配事が出てきます。そこで今回は住宅ローンの返済比率に関して解説していきたいと思います。おおよそ年収からこれくらいまでは借りられるといった目安になるかと思いますので、購入をお考えの方は是非ご一読下さい。借入額の目安は年収にあり!年間返済負担率を知っておこう!まず返済比率について解説したいのですが、簡単に言うと、年収の何割までだったら返済可能という指標の事を指します。また銀行が設定してある返済比率は規定上バラバラですが、おおよその比率について今回は解説しておきたいと思います。そして借入額のモノサシを持つのであれば、今の年収が分かれば大体の額の目算は立ちますので、合わせて解説しますね。平均的な返済負担割合は?早速ですがこちらの表をご覧ください。これは住宅金融支援機構と銀行の返済比率に関する表です。ご覧頂くと、年収に応じて1年間の返済比率の記載があります。例えばですが、銀行住宅ローンの右端の年収600万円以上の所を見ると、40%以下と書いてあります。計算すると600万円×40%ですので、1年間に240万円以内の返済であれば融資出来ると判断される目安になります。つまり、12カ月で割ると1ヶ月当たり20万円の返済までであれば可能という判断です。但し、返済出来る安心で安全な金額であるという事の証明にはなりませんので、あくまで、ここまでのライン以内の融資額になるという意味でお考え下さい。尚、私が提唱するのは年収の20%で見立てるべきだと思います。理由は一番最後に解説しますね。金利別で計算してみましたここでは返済可能額を元に、金利別の借り入れ上限額を試算してみました。こちらがその結果になります。試算の条件は借り入れ期間35年で金利は0.5%、0.9%、1.25%の3つに分かれています。そしてボーナス返済無しで金利が35年間変動しないものとして計算していますので、目安としてお使い下さい。この表は私がシミュレーションツールを用いて借入可能額からそれぞれの金利を入力し、借入可能額を算出した表になります。先程の返済負担率の表から、ご自身の年収より、おおよその返済比率が分かるかと思います。例えば年収500万円の方であれば住宅金融支援機構、銀行共に返済比率は35%以下になりますので、年間175万円の基準になります。これを12カ月で割ると1ヶ月145,833円になりますので、返済可能額14万円のラインを見て、借入したい金利を照らし合わせると、おおよその借り入れ上限額が算出できます。物件の上限額が分かっても、実際に月145,000円が35年間返済できるかというと、結構しんどいでしょう。返って145,000円以内の90,000円だと今の家賃と変わらないのでしたら、90,000円の借り入れ上限で判断するのが良いでしょう。返済比率はあくまで目安に過ぎない先程の解説で、おおよそのモノサシは持てたと思いますが、この返済比率は残念ながら一つの目安にしか過ぎません。生活の中で、また人生の中で住宅にも、住宅以外にもお金は必要になってきますよね。そのお金のことを計算に入れておかなければ、折角のマイホームも支払い不能に陥って手放さないといけなくなります。どんなお金がかかるのか実際に見てみましょう。[adsense_middle]マンションの場合は修繕積立費や管理費がかかるまずマンションの場合から見ていきましょう。住宅ローン以外にかかる費用として、マンションの修繕積立費や管理費が毎月発生します。この費用はどんなものなのか簡単に解説しておきます。修繕積立費とは、マンション自体の診断や将来的な改修工事に使われる費用を、マンションの住人に少しずつ負担してもらい積み立てておく費用の事を言います。マンションの場合外壁の劣化等が考えられるため、塗装のやり替え等に使われる事が多いようです。管理費とは、マンションには共用部分というスペースがあります。これは誰でも使える廊下部分やエレベーター、エントランス等の事を指し、例えばエレベーターの保守点検や共用部分の清掃、管理人さんがいれば管理人さんの人件費などに充てられます。上記の2つはマンションに居住する方が負担しなければならない費用で、新築のマンションであれば修繕積立費は少なく済みますが、年数が経てば積立費用も徐々に高い金額になっていくようです。そして別途年間に支払う固定資産税もありますので、購入前にどれ位負担しなければならないのかを把握しておく必要はあります。戸建ての場合は?では戸建てであればどうでしょう。戸建てはマンションと違って全てが自分の所有になりますので、修繕積立費や管理費は発生しません。固定資産税くらいでしょう。しかし、戸建てはマンションと異なり、家屋全体が雨風に晒されており、傷む部分も広範囲に及びます。屋根やカーポート、外壁等は常に劣化しています。将来的に塗装やカーポートの屋根などやり替えなければならない事も出てくるでしょう。また2階建て住宅等はトイレが2つあったりします。この時水回りの排水管などが悪くなる事もあったら、同時に2つ交換や修繕をしなければなりません。この様に、住んでいればどこかしら悪くなってくる所も出てきますので、その分自分で別に積立をしておく事が良いと思います。私の実家の話私の実家は1993年に建てた新築戸建てでした。2世帯で済む為に、土地を拡張し大きな戸建てを建てました(建てたのは父ですが)。住み始めは快適で、広い家に住める解放感を実感できた事、庭で遊べた事を思い出します。20年位経った頃でしょうか。洗面台の壁の内側から異音がしていました。最初は気のせいかなと思っていましたが、異音は続き、もしかして水漏れの音かなと思い調べて貰ったら、案の定排水管に亀裂が入っていて水が漏れていたようです。またお風呂の湯張り、追い炊き等するリモコンが壊れたり、トイレも交換したりと随分と修繕でお金が掛かっていたようです。またカーポートの屋根もアクリル素材でしたが、長年の太陽の熱でグニャグニャになっており、これも交換していました。父は金額こそ子供の私には言いませんでしたが、貯蓄から出していたようです。私が見た記憶では戸建ても色んな所が傷んでくるんだなと実感しています。戸建てをお考えの方はしっかりと貯蓄しておきましょうね。家以外にかかる費用も考慮しておくこと先程はマンション、戸建てにかかる費用について私の実家の話も添えて解説しましたが、戸建て以外にかかる費用も見越しておかなければなりません。どんな費用があるのかと言いますと、大きな費用として次に挙げる費用です。教育費耐久財購入費旅費・帰省費この3つは少なくとも10万円以上する費用として見込んでおきますが、毎月かかるものでは教育費くらいでしょうか。お子様の人数や、進学先で金額は大きく異なります。また大学に進学した場合自宅から通うのか、県外へ出るのかでも仕送り等の費用負担は変わります。次に耐久財購入費用ですが、耐久財とは車や家電製品など数年間毎に買い替えるもので、ご家庭によっては車を2台所有している場合もあります。車検、重量税は年間でかかりますし、TVや洗濯機、エアコン等も7~10年スパンで買替が必要になってくるでしょう。そしてご自身の実家への帰省費用や家族旅行の為の旅費等も、毎年のイベントに入れているのなら1回当たり10万円以上はするのではないでしょうか。この様に住宅ローンに目が行きがちですが、掘り下げてみると、色んな出費がある事が分かりますね。もちろんこの記事をご覧頂いている方を脅している訳でもありません。しかし私の仕事上この様な相談が数多く来ますので、必ずお伝えしている事をここにしたためている訳です。将来お金の不安を解消するならライフプランを作成しようこれは私が実際に行っている業務の一つでもありますが、ライフプランシミュレーションを作成する事で、先々のお金の流れやイベントの入力、老後必要資金額まで分かる優れものです。今はハウジングメーカーさんと提携し、住宅を購入する方へ、購入前にライフプランシミュレーションサービスを行っていますが、住宅を購入する前に資金計画を立てる事や、希望借入額でシミュレーションしたり、子供の進学まで計算してみて家が買えるかどうかの判断まで行っています。金銭的に難しい場合は何かを削ったり、物件価格を下げたりとアドバイスする事もできますので、まずはやってみる事をおすすめします。FPなら誰でも出来る訳ではなく、実際にライフプランをやったことがある経験豊かなFPさんに相談するのが一番です。[adsense_middle]夫婦合算での購入の場合、返済比率はどうしたらいいの?最後に夫婦合算で住宅を購入する場合について解説しておきます。夫婦合算の場合でも上記に示した額で見立てを立てますが、今回の解説で使用した目安は銀行等が用いる目安です。私個人的な意見で言うと、年収の20%で見立てを立てるのがベストだと考えています。理由は、上記の目安や、銀行などに言われたままの金額であれば、思い込んでしまうからです。先程の事例で年収500万円の方が月145,000円までなら大丈夫ですと言われたら、中には「結構イケるな!」と思う事も有るでしょう。良い家に住みたいという気持ちは分かりますが、支払いが滞るような事があれば大切な家に住めなくなります。私の性格なのかもしれませんが、堅実に維持できる範囲で回答するなら夫婦合算であれ、単独であれ、年収の20%が維持できるラインだと経験上そう思います。住宅ローンの返済比率に関するまとめ今回は返済比率に関する話でした。関連するその他の支払いについても実話を交え解説しました。銀行やネットの情報では年収の35%だと書いてあることもありますが、現実と照らし合わせると私は20%が最善だと思います。もちろん買う方の考え方が優先されますが、しっかりと維持できる範囲で購入しましょう。
2020年02月13日今回は何歳まで住宅ローンは組めるのか?という事をテーマに解説します。近年晩婚化にある日本ですが、住宅を購入するタイミングとして結婚後、子供が生まれてからが最も多い動機です。その時、何歳になっているのか、何歳までローンは組めるのか、知識として知っておく事は大事です。では早速解説に入っていきますね。住宅ローンの審査条件は?雇用延長制度がある3つ目の理由として、現在高齢化社会の対策として、政府は企業に対し、定年を延長してもらいたい案を出しています。雇用が延長すれば収入はある訳で、仮に70歳まで延長可能であれば返済は出来るものと考えます。しかし、未だ案の域を脱しないので、70歳まで働けるからと確定ではありませんが、視野に入れておく事も良いのではないでしょうか。理想的な年齢まとめ以上3つの理由で、私なりの理想的な年齢を解説しました。高額な買い物である以上、なるべく支払いは早めに済ませたいですし、老後に残したくはありません。もう少し欲を言えば20代後半からでも買っておいてもいい位ですが、収入などの面もあるでしょう。しっかりと計画を立てて返済出来るような年齢で購入が望ましいですね。理想的なローンの組み方は?次に元金均等方式です。ご覧いただくと、毎月の返済額が違う事、返済総額が違う事がお分かり頂けるかと思います。総額の違いで336,058円の差で元金均等方式の方が少ない金額の返済になっています。しかし、1回目の返済額は約1万円の差があり、返済額が逆転するのがおよそ15年後ですね。私がおすすめの返済方法は元利均等方式です。理由は毎月の返済負担を軽減する事が大事であるという理由です。確かに元金均等方式でも良いのかもしれませんが、試算の条件が2,000万円でしたので、この返済額です。高額な物件になればもっと高い返済額になりますので、なるべく毎月のしわ寄せが来ない返済を選択してください。住宅ローンは何歳まで組めるかに関するまとめ今回は住宅ローンの組み方や理想的な年齢に関して解説してきましたが、あくまでも理想的な年齢です。一つの目安にして頂ければ幸いです。また返済も毎月の事になりますので、苦しくない様な返済プランを選びましょう。
2020年02月12日憧れの戸建てやマンションを購入する時にお世話になるのは金融機関です。金融機関はそれぞれが住宅ローンの商品を取り揃えており、金利や団信等豊富なラインナップがあります。いざ返済が始まると中々見直しなどする機会は少ないかもしれません。そこで、今回は住宅購入の入り口である住宅ローン選びのポイントを解説していきます。どの借入先にするかは自分次第ですが、賢い選び方をお伝えしていきますので、参考にしてみて下さいね。住宅ローン選びのポイントは何?住宅ローンを選ぶ時に皆さんなら何を基準に考えますか?金利タイプでしょうか、返済方法でしょうか、審査基準でしょうか?住宅ローンは色々あって何を基準に選んだら良いのか分かりませんよね。まずは選ぶポイントをご紹介していきますので、参考にしてみて下さい。ポイント①金利まず一番大切な部分ですが、金利が重要になります。誰もが低い金利を希望します。しかし、金利タイプには3つの選択肢があり、また各個人の審査状況や年収等によって商品選択が異なってきます。まずはご自身の価値観に合う金利を見つける事が大切です。これから各金利タイプの特徴を解説しますので、どんな金利水準なのか、返済方法等も合せて参考にしてみて下さい。あなたはどのタイプ?固定金利?変動金利?商品の特徴を比較ここからは3つの金利タイプの特徴について解説します。皆さんはどの金利タイプが良いのか考えてみて下さい。変動金利変動金利は金利で言うと一番低い金利タイプになっています。恐らく3つの金利タイプを並べても一番低いでしょう。特徴として、言葉の様に、先々で金利が変動するのが特徴です。先々と言っても、半年ごとに金利の見直しが行われます(主に4月、10月)。この時毎月の返済額が変わる事は無く、返済の充当額に変化が生じます。充当額の変化については後述します。そして5年後に初めて返済額に変化が起きる事になります。この時金利水準が、借入当初とどれ位変化したのかは今の段階では誰も予測は不可能です。しかし、金利水準の決定要因である政策金利は低い水準のままですので、ほぼ横ばいが続く見通しではないでしょうか。また5年後に金利が大幅に上昇してしまった場合の救済措置として、上限125%までの支払いにしかなりません。例えばですが、毎月10万円の支払いだったとします。5年後に金利がどんなに上がっても12万5,000円までしか返済額は上がる事はありません。例えると0.5%の金利で借りていたけれど、5年後に1.9%まで金利が上昇した場合の計算です。ここ数年を見てもこれだけの上昇は見たことがありませんので、個人的には変動金利がオススメだと思っています。変動金利の充当額変化とは例えば3,000万円を変動金利で0.45%の金利で借り入れたとします。支払期間は35年です。すると毎月の返済額は77,214円となります。この時1ヶ月目の返済で支払う金額は77,214円で、内訳として元金に充当される金額が65,964円、利息に充当される金額が11,250円です。そして半年経過後に金利は見直しされていますが、返済額は毎月77,214円のままで、元金と利息の返済割合が変わる仕組みです。結果内訳の部分になりますので、半年毎の通知を確認する様にしておきましょう。固定金利選択型次の金利タイプは〇年固定型の金利タイプです。一般的に10年固定とか、5年固定といった商品が多いですね。借入当初から指定した期間は固定金利を採用し、返済する事が可能な金利タイプです。ライフプランなどを作成し、お子様の教育資金のかかる期間等は〇年固定で負担を軽減したいというニーズにもピッタリだと思います。反面、固定期間が終了すると新たに固定を選択するか、変動を選択しなければなりません。この時の金利はまだ分かりませんので、情勢と返済額を勘案して決定しましょう。注意点としては、〇年後と指定期間が終了した際に金利が上昇していたとします。変動金利と異なり、返済額に上限設定がなされないので、悪い言い方をすれば返済額は青天井という事になります。ストッパーが無い為どれだけ上がるか分かりません。恐らく返済額に見合わない金利であれば借り換えの対象になる事は間違いないでしょう。全期間固定金利一般的な金利で、フラット35等の商品がこれに該当します。この全期間固定金利は借り入れから最後まで金利が全く変わる事が無く(変わる商品もありますが、変動幅は小さいです)、返済額の見通しが一番立てやすいのが特徴です。毎月の返済額さえ分かっていれば計画もしやすいですね。但し、他の金利タイプと異なり、金利水準は最も高く、比較しても支払い総額が一番大きい商品でもあります。一番負担を抑えにくい商品である事は間違いないですので、金利選びは慎重にする事は重要ですね。ポイント②団信で比較する住宅ローンを借りる時に必ず加入を義務付けられるのが団信です(フラット35の場合は任意加入となりますが、入っておく事をお勧めします)。団信の役割は、借主が返済期間中に万が一亡くなった際に残りの住宅ローンを一括返済してくれる、住宅ローン専用の生命保険商品です。もしも残されたご家族が住宅ローンを背負う事になると、生活が非常に大変になりますので、銀行の融資条件として団信加入は必須となります。今ではこの団信も進化し、亡くなった時だけではなく、働けなくなった時にも有効に働いてくれるんです。今の団信はどんな内容があるの?最近の団信はバリエーションが豊富で、代表的なものとして住信SBI銀行の団信は、8大疾病プラス他の疾病や怪我で所定の状態になれば住宅ローンを0円に出来る「全疾病団信」に無料で加入する事ができます。通常団信の内容をグレードアップさせたいのであれば、金利にプラス数%上乗せしなければなりませんが、住信SBIは無料とかなり条件は良いですね。また健康上の理由で一般的な団信に加入できない方向けに、じぶん銀行の「ワイド団信」があります。引き受けの条件が緩くなりますが、金利にプラス0.3%ほど上乗せする事になります。しかし、他社には無い団信ですし、健康上の理由で団信に入れなければそもそも住宅ローンが借りれなくなりますので、非常に心強いですね。そしてフラット35を取り扱う住宅金融支援機構の機構団信には年々保険料が下がっていく特徴があり、残高が減る分、合わせて保険料も減っていくという合理的な仕組みになっています。また、夫婦連生団信もあり、夫婦で連帯債務者として住宅ローンを借りる場合、どちらか一方が亡くなった際に、残された方の住宅ローンまで一括で返済出来るものもあります。借入をする際のタイプに応じて団信を選びたいですが、逆に団信から入って会社を決めるのも良いかもしれませんね。[adsense_middle]ポイント③保証料を確認しておくこの保証料は住宅を購入する際に保証会社を通す事になります。保証会社は連帯保証人の様な役割を果たしますが、細かく言うと、借主が住宅ローンの返済に滞りを生じたとします。この時、保証会社が返済額を負担してくれることになります。これで助かったと思うのはまだ早いです。保証会社が返済を肩代わりしてくれた事に対し有難いですが、返済先が金融機関から債権回収のプロである保証会社に切り替わるだけで、返済額を免れる事にはなりません。少し物騒な話でしたが、金融機関は保証会社の審査が通らなければ連帯保証人を求めたり、融資不可能と判断します。この時、保証会社に支払う保証料という金額が提示されますが。各金融機関によってバラバラです。融資額によって変動はしますが、中には保証料0円の会社もありますので、諸経費を軽くしたい方は保証料の掛からない銀行を選択するのも良いでしょう。但し、一つ注意点があります。保証料0円は審査が厳しく事務手数料が高い!?保証料0円で謳っている銀行は実のところ審査が非常に厳しいようです。本来保証会社に支払うべき金額を無料にする訳ですから、回収できる見込み度の高いお客様に融資しますよね。つまり審査基準が厳しくなる点は否めません。また審査に時間を要する事もありますので、余裕を持って審査に臨みたいですね。そして、保証料を0円にする代わりに、事務手数料が高くなるケースもあります。融資の審査ですので、あまり比較する事は無いかもしれませんが、諸費用を抑えたいのであれば比較する事も大事でしょう。おすすめの金融機関では最後に住宅ローンを選ぶ上で私がおすすめする金融機関をご紹介して終わりたいと思います。これまでのポイントを加味した上での判断であり、もしも私が住宅ローンを選ぶとしたらという目線で選んでいますので、お含みおき下さい。住信SBIネット銀行私が選んだ金融機関はネット系銀行である住信SBIネット銀行です。私の中ではダントツの1番ですね。やはり変動金利の水準が低く、また団信も内容が良く、保険料も0円であることから、この銀行がおすすめです。一番魅力的に感じたのは団信です。金利は他にも同水準があるかもしれませんが、何より、団信の保証範囲の広さは目を見張るものがあります。全疾病ですので、ある程度の重篤な疾患は対象になりますし、万が一働けなくなった際も団信による保証がありますので、ご家族も安心してくれるのではないでしょうか。また保証料も0円、そして繰上返済手数料も0円ですので、かなりスペックは高いと思います。簡単シミュレーションをしたところ、事務手数料がやはり高いと感じましたが、金利が低い分許容範囲で考えられると判断します。またフラット35も取扱いをしており、金利水準もかなり低いですね。ネット銀行に抵抗が無ければ、利用してみて良いと思います。住宅ローンの選び方に関するまとめ今回は住宅ローンを賢く選ぶための3つのポイントをご紹介しました。最後に私がおすすめする金融機関もご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?もちろんご覧になる方の考え方や価値観が最後の決め手になります。高額なお金を借りるので、金融機関選びはじっくりとやっていきましょう。
2020年02月11日今回の解説は住宅ローンですが、もしも離婚した時にどうなるのかという事についてです。現在日本人の2割に当たる方が離婚を経験するそうです。その時に自宅を購入していたらローンはどの様に処理すればいいのか、解決しなければならない事案ですね。様々な契約形態別に解説しますので、もしもの際は本記事を思い出して頂ければと思います。離婚する事になった!支払いは?まずはローン名義の確認をもしも離婚する事になったらどうなるでしょう。同じ家に住み続ける事は、ほぼ難しい状況になるかと思います。また家や土地を切り分けて、こっちは夫、こっちは妻と出来ません。この様に離婚した時に、まず確認しておくのはローン名義が誰になっているのかという事を把握する必要があります。名義は誰?夫?妻?ローン契約のパターンは?離婚してしまうと、それぞれが別の生活を歩むことになりますが、ここで住宅ローンの支払いという壁に当たります。一体誰の名義で借入をしているのか、誰が支払いの義務を負うのかという事を明らかにしておかなければ後々トラブルになりますので、一旦契約名義をしっかりと確認しておきましょう。一般的なパターンは下記の通りになるかと思います。パターン①夫が主債務者、妻は何も無し(保証会社による保証を受けている)パターン②夫が主債務者、妻は連帯保証人パターン③夫婦共に連帯債務者上記のパターン毎に想定されるケースを解説していきましょう。パターン①の場合この契約形態であれば、夫1人のローン名義なので支払いの義務は夫にあります。例えば離婚し、夫がそのまま家に住み続ける場合、ローンを払い続ける方法で問題は解決しますね。この時、気を付けるポイントとしては、離婚協議の上で、妻が家に住む事になった場合です。住宅ローンの名義は夫のままで、妻が家にいる状態ですと、もしも夫が支払いを滞ってしまったら、最悪の場合家が競売にかけられる事になります。妻には支払いの義務が無いので、夫に支払ってくれと言っても、もし支払いが出来ない・しない等に直面したら生活が一変してしまいます。この様な場合は注意が必要になりますので、しっかりと話し合いをしておく事が非常に重要です。ローン名義の変更は出来るの?ここで、住宅ローンの契約名義変更について解説しておきます。住宅ローンの名義変更はほぼ出来ないと言えます。理由は、融資をする際に、本人の資力を審査して貸し付けを行いますが、名義人が変わるということは、名義人の資力が変わるという事になります。サラリーマンだった夫に対して融資はできたけど、パートの妻に同じ金額で融資はできませんよね。但し、妻の年収などが夫と等しい、若しくはそれ以上あるという場合は認められる可能性もあります。金融機関によって出来る、出来ないなどの社内規定が存在しますので、一概に言えませんが、名義変更が出来そうな場合は金融機関に事前に相談しておきましょう。パターン②の場合このケースでは連帯保証人として妻の名前が入っています。ここで、連帯保証人を解説しておきますね。連帯保証人とは借主と同等の債務を負う人の事です。通常は借主に返済の義務が生じますが、もし、借主の返済が滞ったら、連帯保証人が同じ返済金額を支払わなければなりません。この時、借主に請求して下さいという事は通用しないので返済放棄する事もできません。住宅ローンを組む際に、保証会社でなく連帯保証人を求めてくるケースもあります。融資の際は連帯保証人としてサインは出来ますが、実際離婚するとなった場合は連帯保証人を外す事はできません。出来ないというより、別の連帯保証人を付けてくれと、金融機関からは言われる可能性が非常に高いと思われます。理由として、主債務者の返済能力だけでは債権を保全する事が難しい為、もしもの際の連帯保証人という考え方です。金融機関としては必ず返済頂きたいと考えますので、「じゃあ連帯保証人外しましょうかね」とはなりません。どうしても外れたい、外したいのであれば別の方を立てる必要がでてきますので、この点も注意は必要になります。パターン③の場合このケースは先程の連帯保証人と違って、夫婦共に連帯債務者となっています。先に連帯債務者について解説しておきますね。連帯債務者とは、夫婦それぞれが、独立して1つのローンを組む事です。例えば借入額4,000万円を希望した場合、夫が2,500万円、妻が1,500万円でそれぞれ住宅ローンを組み、4,000万円を借りる方法です。尚、それぞれが支払い日に支払う事になり、連帯保証人とは異なる事を憶えておいて下さい。もし連帯債務者で住宅ローンを組み、離婚するとなった場合は、ローン名義はそれぞれにありますので、離婚しても、家に住めなくなってもローンはそのまま残る事になります。このケースは一番問題が多く、例えば妻がそのまま家に住み、夫は離れるとします。ローン名義はそれぞれですので、家に住んでいる妻は当然支払いますが、家にいない夫は支払いの義務だけが残り、別の生活になります。この時パターン①と同様に夫の支払いが滞った場合、どうなるでしょう。金融機関としては夫に対し請求をする事になりますが、ローン名義は夫であっても土地や建物に名義分の担保設定がされていますので、最悪差押え等のケースに発展しかねません。離婚する際に協議等重ねるかと思います。住む事を主張するのも大事ですが、支払いの点は綿密に話し合いをしておいた方が良いでしょう。離婚する際の住宅ローン名義の注意点離婚をする事により、意外な所で問題が発生するのがこの住宅ローンです。先程のパターン別解説にも書きましたが、連帯保証人を外す事は難しいですし、名義変更は原則不可であると考えておいた方が良いですね。そして、他の注意点として、次の様なケースが挙げられます。「養育費を貰わない代わりに家を貰った」という事です。この場合ローンの名義云々以前に養育費という名目で支払いの所在が少しあやふやになります。ローン名義は誰のものになっているのかをしっかり確認する事は大事ですが、ローンの支払いが滞ってしまえば家には住む事は不可能になりますので、この点は注意しておきましょう。また離婚協議した際に公正証書等を作成し、支払いの件や養育費の件を残す事があります。ここからは私の個人的な見解を書いておきますので、参考にして頂ければと思います。[adsense_middle]FP田中の個人的な見解もし離婚し、公正証書に話し合いの結果を残すとします。ローン返済も同じように記録します。しかし、支払いが困難になった時、いくら公正証書があったとしても返済は出来ません。どういう事かと言うと、別れても資力、財力があれば公正証書は有効に使えますが、もし、大病し支払えなくなった、仕事をリストラされた、など考えすぎなのかもしれませんが、その場合、公正証書があっても支払いの義務はありますが、現実に支払えないという事です。実はこの話、過去に一度だけ相談があったクライアントさんの事例なんです。ご相談に来たのは元奥様で、パターン①で養育費の代りに家を貰う約束だったそうです。しかし、元夫は支払いが出来なくなり、どうしたものかという相談でした。この様な結果になってしまった方もいらっしゃいますので、話し合いも慎重に慎重を重ねる事が良いのかもしれませんね。名義に関するまとめここまでは住宅ローン名義のパターン別解説を行ってきました。名義によっては手続き出来る事、出来ない事がある事がお分かり頂けたと思います。また離婚する事によって、全ての事がスムーズにいかない事もあるという過去のお話をさせて頂きました。しっかりリスク想定しておく事が重要ですね。持ち家、マンションを売却する方法ここからの解説は、家を残すのではなく、売却し円満に解決する方法についてです。先程までの解説はローン名義が誰なのか?という点で解説しました。また家をそのまま残す前提の解説になります。ここからは売却し、お金に換えられるのであればという話ですので、最後までお付き合い下さいね。[adsense_middle]財産分与で残りのローンを返済財産分与って皆さんは聞いた事はありますか?何だか、誰か亡くなった時に行うイメージがあるのではないでしょうか?相続みたいなイメージがありそうですが、ここで財産分与について補足しておきたいと思います。財産分与とは財産分与とは、結婚して夫婦で生活している期間に、夫婦で協力して築き上げてきた財産をそれぞれの貢献度によって分けましょうという制度の事を言います。貢献度と言っても、一般的には2分の1ずつに分ける事が多く、分ける事の出来る財産は下記の通りです。預貯金生命保険の解約金車両不動産、家財道具退職金有価証券etc.車両や住宅、預貯金等はどちらか一方の名義ですが、離婚する際は共同で築き上げた事とされる為、しっかりと2分の1になります。また結婚前に保有していたものに関しては財産分与の対象財産から外れますので、管理はしっかりとしておきましょう。財産分与でどうやって返済するの?財産分与で返済する方法、手順を解説します。但し、必ず売却できるものではありませんので、注意点も含め話を進めていきますね。手順①住宅の価格を調査しましょうまず、今住んでいる家の価値を知る事からスタートします。家を売却したら、いくらになるのか査定をしてもらいましょう。この時、所有の名義やローンは誰の名義等分かっておけば、後々の話もしやすくなりますので、合わせて確認しておきましょう。手順②価格が分かったら今の残債と比較先程の手順で価格の査定が終わったら、今の住宅ローン残高と比較してみましょう。借入の金利水準が高いと、残高が減っていない可能性もありますので、ローンの償還表や金融機関に残高照会をかけるのも良いかもしれません。手順③売却価格と比較の結果で取るべき道に進む手順②で比較の結果次の2通りになるかと思います。A:売却価格の方が残高よりも高い(つまり儲かる)B:売却価格よりも残高の方が高い(売ってもローンが残る)参考までに、Aの場合を「アンダーローン」と言い、Bを「オーバーローン」と言います。返済が可能なのはアンダーローンの場合のみ先程の手順で進めた場合、アンダーローンになったとします。この場合は売却しても利益が発生する事になりますので、残った利益を財産分与で2分の1にする事で、高額なローンが残る事もありません。この時注意としては、戸建てかマンションでは売却の価格が異なりますので補足します。通常戸建ては郊外に建つ事が多く、マンションは駅や都心に近い場所に建ちます。売れ筋として高く売れるのはマンションになります(売却のタイミングや居住年数にもよります)。駅の近く、都心ではあらゆるアクセスが簡単で利便性がかなり高い為、高額で売れる事もあります。また買い手も見つかり易い為、将来売却を考えている方はマンションなど一つの選択肢かもしれませんね。戸建ての場合は売却と言っても、ある程度新築であれば買い手も見つかるかもしれませんが、劣化が早い為、住宅そのものが傷みやすい点もありますので気を付けておいて下さい。この様にアンダーローンで売却できれば、住宅ローンの名義が誰であってもお金の心配をする事はなくなりますので、一安心できそうですね。オーバーローンだったらどうするの?もしもオーバーローンであれば売却は難しいでしょう。むしろローンの残高を残したままになりますので、残高次第といったところでしょう。但し、どうしても売却したいという事であれば、この場合専門性のある弁護士に依頼し任意売却という方法で売却する事も可能です。また他の方法として、オーバーローンである事が分かった場合、賃貸物件として貸し出す事も有る様です。この時、借り手がいた場合、賃料が発生しますよね。この賃料を2分の1ずつ双方が受け取るといった事例もありますので、もしもローン名義が双方の場合で残高が少ないなどであれば考慮してみるのも良いでしょう。しかし、借り手がいなくなった時がリスクになりますので、残高の確認は必須です。離婚時の住宅ローンに関するまとめ今回の記事は離婚に直面した場合の住宅ローンについてでした。原因は色々ありますが、お金のトラブルは誰もが極力避けたいところですよね。もしも自分がそうなった時に、自分の身は自分で守るしかありませんので、今回の記事が知識として役立てば幸いです。
2020年02月08日人生で一番高いお買い物である住宅ですが、支払いも長きに渡ります。今では寿命も延びて長生きする時代の中で、支払いは人生の3分の1にも及びますよね。出来れば支払いの負担は軽くしたいとお考えの方は多くいるはずです。今回は住宅ローンの負担を軽くする方法の一つである借り換えについて解説していきます。住宅ローンをご利用中の方は是非ご覧頂ければと思います。住宅ローンの見直し時期っていつ?住宅ローンの借り換え時期、いわゆる見直しのタイミングですが、いつが一番良いのでしょう。借りて直ぐ行った方がいいのか、ある程度返済してからの方が良いのか、タイミングは重要です。ここからの解説は借り換えのタイミングについてお話していきたいと思います。目安は固定金利から変動金利がお得になる一番のポイントでもありますが、通常借り換えのメリットを出すならば、金利差を重要視すると思います。金利2%で借りていたとして、他の銀行が1%で融資していれば、長きに渡っての返済を考えるなら大いにメリットは出せます。また、金利が高い固定金利から金利が一番低い変動金利への借り換えは実感が湧きやすいかと思います。利息負担を軽減出来るだけでなく、毎月の返済額も軽減できますので、分かりやすいでしょう。借り換えの期間はいつが一番いいの?住宅ローンの返済が始まって、どの時期なら借り換えが効果的なのかをシミュレーションツールを使い検証してみたいと思います。借り換え後の金利が上がる事は失敗事例にしかなりませんので、先程の解説の様に固定金利から変動金利に変更してみます。条件は下記の通りで行ってみます。借入額:4,000万円借入当初:全期間固定金利2.0%121回目の返済より変更する変更後金利:変動金利0.5%(尚、変動金利水準は残り期間変更しないものとする)検証①10年後に借り換え上の図の様に、4,000万円を2%で借りた場合10年後の残高が3,118,517円、残り返済期間が25年残っている事が分かります。この3,118万円を金利0.5%に借り換えた場合がこちらの図になります。金利差が1.5%は大きいですよね。この効果として毎月の返済額が約20,000円浮きます。そして将来支払うはずだった利息も約600万円も浮くことになります。かなり効果は絶大だと言えるでしょう。検証②1年後に借り換えでは1年後に早々と借り換えしたらどうでしょうか。結果がこちらの図になります。ご覧の様に返済額は約27,000円浮きました。そして利息軽減効果は約1,100万円もの差が発生しました。1年後に借り換えるという事で極端な事例ではありますが、借り換えを行うのであれば早めに行う方が負担を軽減できる効果が大きいという事が分かりますね。借り換えのメリット・デメリットについて先程の検証を踏まえて、メリット・デメリットについて解説しておきたいと思います。[adsense_middle]借り換える事のメリット先程の検証結果からも分かる様に、メリットは経済的な負担を軽減する事が出来る点です。また当初ローンの返済開始からどれだけ早めに借り換えを実行できるかによって、毎月の返済額や利息負担総額に影響が大きく出ますので、早めに借り換えを実行する事が望ましいと言えます。なるべく今の適用金利よりも低い金利の銀行を探す事は非常に大事ですし、一旦借りたからと言って、そのままにせずに金利等はこまめにチェックしておきましょう。借り換える事のデメリット借り換えのデメリットについては返済期間の融通が利かない点があるでしょう。通常35年で住宅ローンを組んだ場合で説明すると、10年後に借り換えをしたとします。残り期間は25年ですが、この段階で新たに35年に変更する事はできません。可能であれば毎月の返済額を軽減したいところですが、返済期間変更は難しいです。また借り換えの金利差がそこまで開いていない場合は諸費用がかかる為、効果を得にくい点があります。詳しくは後述しますね。注意点は何?ここからは借り換えにおける注意点をいくつか解説していきます。これまで、計算した上での軽減効果等ご覧いただけたかと思いますが、手続き面での注意点は多くありますので、必ずここを押さえておいて下さい。再度審査が発生する銀行への手間がする団信へ再加入しなければならない諸経費が発生する住宅ローン控除は延長されない[adsense_middle]注意点①再度審査が発生します借り換えるという事は、銀行を変更する事になります。取引があってもなくても大きな金額を借りる際は、絶対に審査は必須です。この時に注意して頂きたい点は、借入当初の頃と環境が異なる場合です。環境とは、転職して勤務先が変わる、独立して個人事業主になる等です。融資を行う際、年収は必ず見られます。借入当初よりも年収が大きくダウンしていた場合は、もしかすると審査に通らなくなる可能性はあります。また、勤続年数も短くなりますので、転職をお考えの方は計画を立てておきたいところです。また独立した場合は売り上げの変動が見通せない事になります。返って審査に通りにくくなる可能性もありますし、確定申告の3期分の提出は必須だと思います。少なくとも、独立後すぐの借り換えは難しいとお考え頂ければと思います。注意点②銀行への手間がかかります住宅ローンを借りる場合、銀行へ足を運ぶ、何度かやりとりする、あれこれ必要書類がいる等、結構大変な思いをされる事が多いようです。やっと終わった!と一息ついたその後に借り換えとなると、同じように時間を取られ、書類を準備しなければなりません。気忙しいのがお嫌いな方はストレスがかかってしまいますね。ネット系銀行でも同じように書類は必須ですので、この点はある程度憶えておいて頂ければと思います。注意点③団信へ再加入しなければならないこの団信加入は注意が必要です。何故なら、加入を必須とする銀行が多く、加入出来なければ融資はしてもらえません。ではなぜ注意する必要があるのかと言うと、加入当時の健康状態と借り換え時の健康状態が必ずしも同じである事は無い事もあります。団信は生命保険です。健康状態が良好でなければ、加入は出来ません。返済期間中に大病を患い、治療費にお金が掛かる為、住宅ローンの見直しをするケースも少なからずあるでしょう。しかし、病気の程度によっては借り換え後の団信に入れない等問題が発生する事も無くはないです。加入の審査は保険会社の判断に委ねられますので気を付けておきましょう。保険の引受で憶えておいて頂きたい事団信は生命保険ですと解説しましたが、少し余談を挟みます。病気になった時、病院の先生は「問題ありません」と言っているのに、いざ保険に申し込もうとなったらNGが出た事はありませんか?稀にあるケースですが、病院の先生の見解と保険会社の見解は見事に分かれるんです。風邪など大きな病気でなければ問題ありませんが、例えば「偏頭痛」という症状を病院で見て貰ったら、頭痛薬などの処方してもらいます。これはこれで頭痛が治まれば助かります。しかし保険に加入する際に「偏頭痛」があるといった場合には、最悪引き受けが出来ないなどの事例もあります。これは、偏頭痛の原因が何か判然としない為、その他の疾患が影響しているかもしれない等1つの症状だけを見るのではなく、広く考えるからです。お客さんからすると「何で?病院の先生は問題ないって言ったよ」となります。しかし引き受けの判断は保険会社の為、程度が軽い病気でも楽観視はできない事は憶えておいていただきたいです。注意点④諸経費が発生します先程の借り換えシミュレーションの表に諸経費の項目があったかと思います。借り換えをするという事は、登記を書き換えなければなりません。今借りているローンを一括返済し、新たに借入をし直す為です。登記はその気になれば自分でも出来るようですが、殆どの方は司法書士さんに任せます。この費用が再度発生します。また他の費用としても抵当抹消費用、登録免許税、印紙代、保証取扱い手数料、事務手数料など、諸々掛かります。この諸費用だけでも各銀行によって幅は大きく、上記の表では30万円くらいで入れていますが、場合によっては高額になる事もあります。そして、借り換えの金利差がそこまで無ければ、返って諸費用分高くつく事にもなりかねませんので注意が必要です。借り換えをご検討の場合は細かいシミュレーションをしておく事をおすすめします。注意点⑤住宅ローン控除は延長されません住宅を購入した場合、減税の対象になります。その制度が住宅ローン控除です。購入した期間、入居のタイミング、物件によって減税額や控除対象期間が異なります。例えばですが、5年後に借り換えをした場合、再度10年間の控除が受けられるかというと、違います。残り5年間は控除対象になりますので、憶えておいて下さい。また借り換えの金利差がそこまで無ければ、逆に控除を受け終わってから借り換えする事の方がメリットになる事もあります。大きな差が発生しない様であれば、控除期間が終わるのを待つという事も大事なポイントです。変な話ですが、減税効果が高いのは金利が高い商品住宅ローン控除について、これまた変な話ですが、同じ物件の価格であれば金利が高い方が減税額は高くなります。理由は元金が減らない為、年末のローン残高が多く残るからです。住宅ローン控除は年末のローン残高の1%が控除額になります。上限は40万円若しくは50万円です。金利が低ければ元金の減りも早いですし、毎月の負担も軽いです。しかし減税効果は小さくなりますので、必ずしも金利の高い固定金利にデメリットがあるとも言い切れない部分ではあります。金利の高い低いという事でメリット・デメリットを比較するなら、シミュレーションツールを活用し、減税効果まで見込んで借入先を決定しましょう。住宅ローン借り換えのタイミングに関するまとめ今回は住宅ローンの借り換えについて解説してきました。借り換えと言っても、効果が大きいのか小さいのかという事によって、実行の有無も決まってきます。今、様々なサイトで簡単シミュレーションツールがありますので、比較し易いかと思います。しっかりと計画した上で借り換えしましょう。
2020年02月08日今回は住宅ローンに関する解説ですが、特に一括返済についての解説になります。住宅ローンは人生の中でも一番高額な金額になりますが、誰もが早く返済したいですよね。そしてなるべくお得に返済したいという方が多いと思います。お得な方法は何があるのか、メリット・デメリットを解説していきますので、住宅購入している方やこれからローンを組む方は是非ご覧ください。住宅ローンの基礎知識を解説します始めに住宅ローンの基礎知識、仕組みから解説していきたいと思います。住宅ローンという名称は商品名になり、住宅を購入する、リフォームする場合に利用される事が殆どです。例えばお子様の教育資金に利用するとか、車を購入する場合には別商品の教育ローンやマイカーローン等になりますので、目的以外の事には使えない様になっています。基本的な仕組みは?住宅ローンは原則最長35年間まで組む事が可能です。または完済(ローンを返し終える)時の年齢が80歳までとなっています。現在の定年退職を考えると、65歳定年なら30歳の時に35年ローンを組めば定年時には全額返し終える事になりますね。また審査も厳しく、年収や借入、勤続年数等調べられた上で融資可能かどうか判断されます。また、保証会社の保証を受けられるかどうかも重要なポイントです。そして、銀行系の融資の場合、必ず団信に加入しなければ融資はしてくれません。団信とは団体信用生命保険の略で、借入をした方が返済期間中に万が一亡くなった場合やがん、心筋梗塞、脳卒中など働けない状況に陥ってしまった時に、住宅ローンを一括で返済してくれる保険です。住宅ローンを組む際にこの保険に加入しなければなりません(フラット35は必須ではありません)。この時、生命保険ですから、お体の健康状態が必要になり、大きな病気をしたことがある方等は加入できないケースもありますので注意しておきましょう。借入金額、金利によって利息負担は異なる先程までの解説は基本的な部分でした。ここからの流れは、少し金利選びに触れていきます。毎月の返済額が異なる部分でもありますので、お得になる、安くなる等の効果が分かりやすい部分です。本記事を執筆している時点での最安金利を調べてみました。ざっくりですが比較してみます。変動金利0.399%10年固定金利0.570%全期間固定金利1.270%試算の条件として4,000万円を借入(頭金無し)、35年間の返済期間を組んだとします。尚、変動金利、10年固定金利も35年間金利変更が無いという条件で試算してみます。試算の結果下図のようになりました。結果から見ても変動金利の返済額が一番安く、利息負担も低いですね。つまり金利は低いに越したことはありません。変動金利と、全期間固定金利では毎月の差額が約16,000円あり、総額負担で見ると、約670万円も開きがありますね。毎月の負担を軽減するためには低い金利選びは非常に重要です。また金利は借りる時期によって変動しますので、借入が近い方はHP等チェックしておきましょう。住宅ローン控除について住宅ローンを解説するに当たって、欠かせないのが住宅ローン控除です。この控除は非常に大きく、税金が返ってくる実感があるので、必ず利用するようにしましょう。今回のテーマでもありますが、一括返済をしてしまうと、住宅ローン控除が使えなくなる等のデメリットが生じます。詳しくは後述しますが、ここでは住宅ローン控除の仕組みについて簡単に解説していきますね。住宅ローン控除の仕組みは?住宅ローン控除の仕組みですが、年末時点のローン残高の1%が減税の対象になり、10年間適用される制度です。税金と言っても、所得税の減税効果が大きく、場合によって控除しきれない時は、住民税にも効果が及ぶ様になっています。一般的な住宅であれば年間最大40万円、長期優良住宅であれば年間最大50万円の減税となります。消費税増税のタイミングに購入した方は3年間延長昨年に消費税が8%から10%へと増税しました。これにより支払額も大きく異なりましたよね。例えば4,000万円の物件で8%なら320万円の消費税、10%なら400万円の消費税となり、僅か2%の違いでも高額になればなるほど大きな負担になります。この様な計算を見込んで、駆け込み需要もありましたが、タイミングが増税後になれば住宅購入が冷え込む事にも繋がります。そこで、2019年10月1日から2020年12月31日迄の期間中に購入・入居した方は、3年間ほど控除期間が延長される事になりました。本年一杯という事ですね。但し11年目からの減税効果は10年間と違って税額が小さくなります。とはいえ、減税が有るか・無いかで支払う税金が変わりますので、恩恵はしっかりと受けておきたいところですね。一括返済のメリット・デメリットを解説しますさて、ここまでは住宅ローンに関する基礎知識を解説してきました。ここから、テーマに沿って解説していきます。一括返済する事のメリット・デメリット、注意点や方法をお伝えしていきます。[adsense_middle]一括返済のメリットまずはメリットから解説します。一括返済のメリットは何と言っても、利息カットの効果が大きいという点でしょう。今回4,000万円で35年間全期間固定金利の1.270%で計算しました。毎月の返済額は前述した通りです。すると次の図の様な返済計画になります。1年間の返済総額が141万円になる事が分かります。そして、その中の利息負担分をご覧ください。1年目の部分を見ると、利息負担は約50万円になっている事が分かります。翌年の利息負担は49.1万円になっている事がわかります。この様に返済年数を重ねる度に利息負担が減り、逆に元金が減るペースが速くなっていきます。この返済方法は住宅ローンでは一般的な元利均等返済方式と呼ばれ、毎月の負担は変わらずに、元金充当金額と利息充当金額が支払い回数を重ねる毎に利息負担が軽減していく方式です。参考までにこちらの図解をご覧頂ければ分かりやすいかと思います。一括返済は老後の安心材料高額な住宅ローンほど定年後の老後に残したくないですよね。現役の時は収入が見込めますが、定年後の収入は年金のみとなります。一括で全額を返済する事で、毎月の返済額が無くなる為、老後にローンを残さずに済むメリットがあると言えますね。また、早い段階で一括返済をする事が出来れば、将来支払うはずの利息を支払わなくて済むことになります。一括返済や繰上返済の仕組みは?ここで少し返済方式について解説しておきます。毎月の返済は元金と利息それぞれに充当される様になっています。では途中で一部大きな金額を返済する繰上返済や一括返済はどんな仕組みなのか解説しますと、途中で入金等する場合は元金にのみ充当される事になる為、利息を支払わなくて済むといった大きなメリットが生じます。例えばですが、先程の4,000万円の借入をした場合、1年後に全額を返済するとなると、将来の利息を支払わなくて済みますので、計算では約900万円もの利息負担を軽減出来る事になる訳です。900万円あれば車が2台くらいは買えますよね。この効果は非常に大きいので、返済出来るのであればなるべく早めの方が効果的と言えるでしょう。一括返済のデメリットではデメリットはどうでしょうか。デメリットの部分で言うと、先程解説を挟みました住宅ローン控除が使えなくなる点です。これはあくまで、控除対象期間中に一括返済した場合のデメリットを指します。ではどんな違いが生まれるのか、具体的に解説していきます。住宅ローン控除の効果は?こちらの図をご覧ください。先程の4,000万円、全期間固定金利で計算した年末残高、控除額の表になります(10年間で作成しています)。この様に10年間に渡って合計約350万円近くの減税効果が発生している事になります。10年間という所がポイントになりますが、この10年間の間に一括返済を行った場合、減税される事は無く、通常通り税金を納税しないといけなくなります。例えば、1年後に全額を返済すると仮定します。減税の恩恵を受けるのは1年目だけで、残り9年間は住宅ローンの残高そのものが無くなりますので、控除を受けられなくなるという事です。計算では約310万円もの金額の損失が出る事になる訳です。これは勿体ないですよね。せっかく税金を減らせる効果があるのに、一括返済を行うと、効果を放棄する事になります。一括返済を考慮されている方は10年後、若しくは13年後が望ましいと言えそうです。他にデメリットは?また別の角度から見た場合のデメリットを解説すると、一括返済は大きな金額を必要とします。例えばですが、購入後20年後に一括返済出来る資金が貯まったとします。返済実行後、住宅ローンは無くなりましたが、住宅の水回り等、経年劣化して改修工事を必要とする事になった場合、新たにお金を借りるか、用意しなければならなくなります。水回りの工事はトイレ、お風呂、キッチンといった部分で工事代金は高いです。この様にならない為に、先々の事も見据えておく事も必要になってきます。またお子様の進学や車の購入、家電製品などの耐用年数を考慮してある程度のお金を残しておく事も必要だと言えます。特にお子様の教育資金は待ったなしで必要になりますので、貯蓄で準備するのか、学資保険なのか、教育ローンなのかある程度事前に準備しておく事が必要ですし、どれくらいのお金がかかるのか想定しておく事も大切です。対策としてはライフプランシミュレーションをお金の流れを把握するためにうってつけなのが、ライフプランシミュレーションです。これは将来のお金の流れが分かるもので、お子様の教育資金計画、耐久財購入、車両、その他ライフイベントにどの様なお金を必要とするのか計画できます。住宅の事だけに囚われてしまうと、他のライフイベントに支障がでますので、事前にお金の計画を立てておく事も重要だと私は思います。一括返済、繰上返済の注意点ここで、一つ注意点を解説します。先程、一括返済を10年後、13年後に行う事が望ましいと解説しましたが、もっと注意すべきは繰上返済についてです。実は繰上返済を控除期間に行う事が吉なのか凶なのか検証したところ、金利の水準で行う・行わないという事になります。次の様な方は繰上返済をする際は要注意です。借入金利が1%未満の方は控除対象期間後に繰上返済、一括返済がオススメ借入金利が1%以上の方は控除対象期間中に毎年繰上返済をする事がお得過去の記事で比較していますので、そちらも参照して頂ければと思います。税効果や総返済額に違いが生じる事になりますので、まずは借入金利がどの水準なのかを確認し一度シミュレーションしてみるのも良いかもしれません。他に注意点は無いの?他に注意点があるとすれば、途中で大きな金額を入金しようとする場合、手数料を取られる事もありますので、注意が必要です。繰上返済時に手数料がかかる銀行や全くかからない銀行など様々です。借入を比較検討する際にこの手数料の部分に関してはチェックしておいて下さいね。また前述した団信ですが、完済後は団信も消滅します。例えば、フラット35などの任意加入の場合、人によっては民間の生命保険を活用していらっしゃる方もいます。住宅ローンを完済し終えたら、生命保険の見直しを実施する事で、掛け金の負担を軽くする事もできますので、忘れずにやっておきましょう。[adsense_middle]一括返済の方法は?では一括返済の方法に関して説明しておきます。一括返済を行う場合、いつ入金するのかというタイミングによって返済金額が異なるので、まずは融資してもらった金融機関に、いついつ全額返済するので金額を教えて下さいと伝えればそれでOKです。金融機関としては高額な融資金額を早く完済してくれるのであれば問題はありませんので、返済する金額が手元にあればなるべく早めに返済をしておきたいところですね。また毎月の返済は指定口座からの引落ですが、一括返済となると銀行指定の口座に振り込む必要が出てきます。この場合振り込み手数料は自分で負担しなくてはなりませんので、手数料の低い金融機関をチョイスできればベストだと思います。住宅ローンの一括返済に関するまとめ今回は住宅ローンの一括返済に纏わる解説でした。一括返済となるとある程度の高額なお金を要します。そのお金をいきなり使う事よりも、資金計画をしっかり立てて損が無いようにしておきたいですね。その為に事前準備はしっかりとやっておきましょう。
2020年02月05日最近では住宅を購入する方が増えてきました。必ずついて回る相談は「住宅ローン」です。今回は住宅ローンに関するテーマで解説を行っていきます。中でも、「連帯保証人」が必要なケースや、そうでないケースとあり、自分はどっちなんだろうと気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。これから住宅を購入する方は事前に読んで頂きたい解説です。住宅ローンの連帯保証人は必要?不要?保証会社って何?住宅購入する際、現金で一括購入する方はほとんどいません。理由は簡単です。高額な金額になるからです。その時、ローンを組む事になりますが、各金融機関が商品として持っているのが「住宅ローン」です。住宅ローンは家や土地を購入する時に利用します。金額も様々ですが、住宅ローンを組む時に「連帯保証人」が必要だと言われる事もあります。逆に「保証会社」で大丈夫ですよと言われる事もあります。この違いや保証会社に関してこれから解説していきます。一般的には「保証会社」でOK。単独融資で問題無しまず、住宅ローンを組む際に、審査が必ず発生します。収入や借り入れ状況、勤続年数、購入価格等調べられます。特に何も問題無く審査に通れば融資実行となりますが、金融機関としては「融資はできるけど、もしもの事があったら回収できるかな?」と懸念は払拭できません。そこで、「保証会社」での審査も行う事になります。保証会社とは借主が返済出来なくなった場合に、支払いを代行する会社の事を言います。連帯保証人の代りであると考えて下さい。保証会社は賃貸物件やローン保証に利用されますが、支払いを代行してもらっても、返済先が金融機関から保証会社に変わるだけですので、債務が無くなる事ではありませんのでご注意下さい。この保証会社の審査を通過し問題無いと判断された方は、住宅ローンを1人の名義で借りる事(単独融資)が可能になります。以前は連帯保証人等を必要とする事が往々にしてありましたが、時代の変化と共に連帯保証人ではなく、保証会社を通じる事が一般的なスタイルになっています。審査で引っかかった!連帯保証人が必要と言われた!先程の審査でもしも引っかかってしまった場合、連帯保証人が必要になるケースがあります。例として、クレジットカードの債務額が多い場合、本人の収入だけでは借入希望額に到達しえないので、配偶者の収入を合算する場合等です。連帯保証人が必要なケースの詳細は後述していきますが、保証会社を通じても連帯保証人が必要なケースもありますので、参考までに知っておいて下さい。連帯保証人の意味って何?ここで少し予備知識を解説しておきたいと思います。少し混同し易いのが「保証人」と「連帯保証人」という一見すると同じ言葉ですが、実は意味は全く異なりますので補足しておきますね。結論から言うと、「催告と検索の抗弁権」が有るのか、無いのかという違いがあります。イメージし易いように会話形式での解説をしていきます。催告の抗弁権銀行「借主さんが、住宅ローンの支払いをしてくれませんので、代わりに支払ってくれませんか?」保証人「いやいや。ちょっと待って。いきなりそんな事言われてもね。先に借主に言ってくれないかな?」このケースの場合、保証人は支払いをしたくないので借主にもう一度言う様になっていますよね。この催促(督促)に対し抗う(抵抗する)権利があるのが保証人で、連帯保証人はその権利はありません。よって支払いをしなければならない義務を負う事になります。検索の抗弁権銀行「借主が支払いをしてくれないので、保証人さんの財産を差押えますからね!」保証人「いやいや。ちょっと待って。借主をさしおいて、私に来るのはおかしいでしょ!先に借主から差押えして下さいよ!」このケースでは話がこじれて財産差押えと物々しい事になっていますね。当然保証人は差押えられたくないですから、先に借主を差押えてくれと権利を主張する事ができます。連帯保証人の場合はその権利が無い為、差押えられる事になります。今ではどの金融機関も連帯保証人として契約するケースが殆どです。これは住宅ローンに限らず、金銭貸借の保証人、連帯保証人でも同じことです。保証人や連帯保証人を頼まれたら、慎重に判断しましょう。連帯債務者って何?もう一つ予備知識を。連帯保証人と混同しやすい連帯債務者について解説しておきます。これも意味は異なりますので、参考までに憶えておいて下さいね。連帯債務者とは借主と同等の支払い義務を負っている事になりますが、連帯保証人との違いとしては、連帯保証人の場合、借主が支払い出来なくなってから請求が来ます。連帯債務者は通常の支払い義務がありますので、毎月の支払い日に必ず支払わなければなりません。後程解説しますが、夫婦の収入合算の場合、主たる債務者がご主人様、連帯債務者が奥様のケースが多いです。また連帯債務者の場合は住宅ローン控除を適用する事ができますので、この点は連帯保証人にない違いと言えます。連帯保証人が必要な方の条件って何?ではここから、連帯保証人若しくは連帯債務者が必要な方の条件について解説していきます。あくまでも一般的な条件ですので、銀行の審査基準ではないという事だけ念頭に置いておいて下さい。一般的な条件は下記の通りです。自営業者の方夫婦で収入合算する場合借入額と年収が吊り合わない方勤続年数が極端に短い方ペアローンや親子リレーローンを組む方親名義の土地に建てる方土地、建物が共有名義の場合審査基準に満たない方上記は一般的な条件です。では代表的なものをいくつか解説していきますね。[adsense_middle]自営業者の方自営業者の方は、収入こそ青天井ですが、裏を返せば収入がサラリーマンよりも不安定であると言えます。貸す側の銀行の立場に立って言うと、返済を担保できるだけの根拠が乏しくなる事になります。サラリーマンの場合であれば給与を差押える事は可能ですが、自営業になると給料ではなく売上になりますので、押さえるにしても押さえられない事があります。よって連帯保証人を求める事が発生し易いと言えるでしょう。また審査なども確定申告書を過去3期分提出しなければならなかったりと、開業して間もない場合は審査に通らない事も考えられますので、注意が必要です。夫婦で収入合算する場合先程解説しましたが、このケースは銀行の場合だと連帯保証人となり、フラット35の場合だと連帯債務者のパターンです。連帯保証人のパターンであれば夫婦のどちらか名義で1つのローンを組み、もう1人が連帯保証人になります。連帯債務者のパターンについてもう少し具体的に解説すると、借入額を3,000万円希望していたとします。ご主人様の1人の年収では返済が難しそうだなと判断された場合、借入額を減額する等の案が浮上してきますが、減額した場合、希望の間取りや住宅が購入出来なくなります。そこで、奥様がお仕事をされている場合、2人の年収を合算すれば3,000万円の融資は可能と判断された際に2,000万円はご主人様名義のローン、残り1,000万円は奥様名義のローン(連帯債務者)で合わせて3,000万円を融資するという事です。このケースの場合で購入する方も少なくありません。また団信などもそれぞれが加入しなければならないパターンや夫婦連生団信に加入するパターンもあります。ここで団信、連生団信について解説しておきますね。団信とは、団体信用生命保険の略で「だんしん」と読みます。住宅ローンを組んだ場合、必ず加入が義務になります(銀行融資の場合)。これは債務者が、万が一住宅ローンの返済中に亡くなった場合、生命保険の効力で住宅ローンの支払いが無くなるといった効果が発生します。残されたご家族は、住宅ローンの負担が無い状態で家に住み続ける事が可能になります。連生団信とは、連帯債務者での契約の際に加入できる団信で、先程の例で言うと、仮にご主人様が返済期間中に亡くなった場合、奥様分も含めて住宅ローンを一括で返済出来る保険になります。逆のパターンでも同じ効果が発生する事になります。それぞれが別々の団信に加入していた場合は、ご主人様が亡くなった際に、ご主人様分の住宅ローンが無くなり、奥様分の住宅ローンはそのまま残るといった事もありますので、購入の際は比べてみて下さいね。親名義の土地に建てる方親御さんが土地を所有していて、その土地の上に新しく建物を建てる場合、土地の名義人が連帯保証人になる事があります。このケースは条件の中の「土地、建物が共有名義の場合」も当てはまります。何故、この場合連帯保証人が必要になるのかと言いますと、通常土地も建物も1人の所有である事が多いです。しかし、物件によっては名義を共有していたり、土地と建物の名義が異なる事もあります。最悪のケースで、支払いが困難になった際、物件を競売にかける事も想定されます。この時、共有者の承諾を得なければ物件を処分する事が出来ないので、一般的には連帯保証人になってもらう事になる訳です。この様に、貸す側の立場で連帯保証人を必要とする事がありますので、あくまでも債権保全の為であるとお考え頂ければと思います。ペアローンや親子リレーローンを組む方ペアローンはそれぞれが別々の住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人になるという形式の住宅ローンです。親子リレーローンは子供をローン返済の後継者として親が組みますが、このケースでは連帯債務者として契約する事になります。いずれにしても返済に関しての形式が単独融資と異なりますので、連帯保証人、連帯債務者になるという点は十分に考えられるでしょう。連帯保証人の手続きは?連帯保証人になる場合の手続きですが、通常は事前に審査を通過した後に、金銭貸借契約の際に借主と同時に行う事が殆どです。銀行も一発で終わらせたいという事と、何度も足を運ぶ手間を省く為です。必要な書類は沢山ありますが、憧れのマイホームまであと一歩という段階ですね。住宅ローンの連帯保証人にまとめ今回は住宅ローンの連帯保証人について解説してきました。高額なお金を借りる事は非常にシビアに審査される事になります。なるべく単独で借入が出来れば良いのですが、そうできない場合もあります。今回の記事が購入する方にとって参考になれば幸いです。
2020年02月04日連帯保証人になった人が、主債務者や自分の都合によって借金返済が厳しい場合、自己破産をすることができます。この記事では、連帯保証人が借金返済できない場合の対処法について具体的に紹介します。連帯保証人は自己破産で免責を受けられる?連帯保証人は主債務者とほぼ同等の責任があり、借金が焦げ付いた場合には連帯保証人が返済していかなければなりません。しかし連帯保証人側の支払いが厳しい場合にはどうなるのでしょうか?連帯保証人も自己破産できる結論から言いますと、連帯保証人も自己破産は可能です。主権者が破産宣告をし、連帯保証人に借金が降りかかったとした際、払えなければ連鎖して自己破産することが考えられます。自己破産の理由はさまざまですが、連帯保証人になったことが原因で自己破産に追い込まれる典型例を紹介します。会社の代表が自社の連帯保証人になった場合の自己破産会社の代表が自分の会社の連帯保証人になっている場合、会社の借金返済が厳しくなると、自分にのしかかってくることになります。法人の借金を個人で賄うことができず、あえなく自己破産してしまうケースがあります。このケースでは会社関係者全員が自己破産するケースもあります。子供が自己破産して親も自己破産子供の奨学金に対して親が連帯保証人となっている場合に、連鎖的に自己破産となる場合もあります。子供が奨学金を返せなくなり自己破産した結果、親にその債務がのしかかってきます。もしも想定ができていなかった場合、親も返済できないということも珍しくありません。結果的に親子で自己破産となってしまいます。あらかじめ想定しておくか、子供が奨学金を滞納していないか時折確認した方が良いでしょう。主債務者の影響で自己破産連帯保証人になってしまうと、債権者からの請求に抗う権利がありません。たとえば先に主債務者から取り立てて欲しいと主張したり(催告の抗弁権)、主債務者に支払い能力があると主張したり(検索の抗弁権)、ほかの保証人と分割して支払う権利(分別の利益)がないのです。これらの権利があるのは保証人の場合のみなので、連帯保証人は保証人よりも主債務者の影響をダイレクトに受ける形となります。連帯保証人が先に自己破産連帯保証人自体の事情で自己破産することもできます。連帯保証しているという事情とは無関係に、連帯保証人が独自にしている借金返済が苦しくなった場合などです。住宅ローンやカードローン、その他借金によって先に連帯保証人が自己破産するケースもあります。借金請求に耐えられなくなった場合の対処法借金が返せなくなった場合にはうろたえてしまいがちですが、優先順位を付けて今できることから冷静に取り組みましょう。お金の悩みに関する対策はとてもシンプルです。ここでは以下の順番で対処法を解説します。支出を減らす収入を増やすお金を借りる自己破産を含めた債務整理を検討する1.支出を減らすお金が厳しくなった場合には、まず支出を減らすことから始めましょう。そのためには家計簿をつけることをオススメします。家計簿をつけるとこれまで見えなかった浪費が浮き彫りになったり、節約可能な固定費が浮き彫りになるなど、対策が可視化できます。消費支出に予算組をしてその範囲で買い物をしたり、固定費を見直して半自動的に節約するなど、具体的な対策が取れるようになります。2.収入を増やす支出を減らすだけでも赤字になる場合は、収入を増やすことを検討しましょう。残業を増やす、副業をする、夫婦共働きになるなど、さまざまな方法があるはずです。特に最近は副業が認められやすくなっていますし、在宅でできる仕事も増えているため、マイペースに収入を増やしやすい時代となっています。3.お金を借りる緊急性が高い場合や、将来まとまった入金予定がある場合には、借金でその場をしのぐ方法もあります。銀行カードローンや消費者金融キャッシングは、気軽に借金できる方法です。気軽な分だけ年率1%代~20.0%と高金利ですので、返済計画をしっかりと立てることが大切です。ちゃんと返せるという目途が立つ場合にのみ、臨時として活用しましょう。慢性的な借金になると生活苦に陥りますので注意が必要です。4.自己破産を含めた債務整理を検討するそれでも対処が難しい場合は債務整理を検討しましょう。債務整理は借金を軽くしてくれる任意整理、借金を大幅カット(5分の1程度)してくれる個人再生、資産を没収される代わりに借金を帳消しにしてくれる自己破産があります。弁護士や司法書士に相談し、状況に合わせた債務整理の方法を取りましょう。自己破産のリスクや影響自己破産をすると、99万円以上の預貯金や、住宅、車などの資産が没収されます。その代わり借金が帳消しとなる方法であるため、借金が大きい場合や資産を失っても良い場合に選択することとなります。借金苦に陥った連帯保証人にとって、自己破産はとてもありがたい制度ではありますが、一方で大きなリスクもあります。ここでは自己破産のリスクとして以下について紹介します。できない(就けない)職業がある家族に迷惑がかかるクレカやローンを申し込めない[adsense_middle]できない(就けない)職業がある自己破産をしてしまうと、職業に制限が付きます。たとえば警備員や古物商、生命保険募集人や、宅地建物取引士などに就くことができません。ほかにも弁護士や司法書士などの士業や、代理人、後見人など法律行為を行う人にも制限があります。職業は収入の蛇口である上、職業選択の自由が生活のクオリティーを高める役割もあるため、人生における大きな制限と成り得るのです。家族に迷惑がかかる自己破産すると家族に迷惑がかかる可能性があります。たとえば今まで住んでいた住宅を没収されれば、済むところが変わってしまいます。車を没収されれば移動が不便になったり、雨の日のお迎えも来てもらえなくなるでしょう。特に、連帯保証人になって主債務者の借金が焦げ付いた場合、迷惑をかけられた側の生活は悲しいものがあります。自分が作った借金でもないのに、自分の家族が悲しく不便な思いをするのです。連帯保証人になる際には、万一のことを想定した上で引き受けなければなりません。クレカやローンを申し込めない自己破産をすると約10年ほどは金融取引に制限が生じます。具体的には各種ローンが組めなくなったり、クレジットカードが作れなくなります。ローンが組めないということは今後のライフスタイルの質が下がる可能性が出てきます。たとえば住宅購入を諦めざるを得なくなったり、携帯電話の本体を一括で購入しなくてはならないなど、大きなところから小さなところまで影響します。クレジットカードが作れなければ、お得なカードポイントや優待特典が得られませんし、クレカ付帯のETCカードも使えません。金融取引は信用で成り立っており、自己破産はその信用を失墜させる側面もあるのです。連帯保証人の自己破産に関するまとめ連帯保証人も自己破産ができます。しかし、自己破産をする前に、収入を増やすことや支出を減らすこと、借金をするなどの金策を講じましょう。それでもどうしようもなければ自己破産を含めた債務整理を検討しましょう。自己破産は借金が帳消しになる方法ですが、資産を没収されるほか、就けない職業があるなどのリスクがあります。あらかじめリスクを把握した上で検討する必要があります。
2020年01月29日初めてのマイホーム探しでは、何から始めたらいいか戸惑う人も少なくありません。まず最初にやっておかなければならない「資金計画」について、宅地建物取引士の高幡和也さんに解説してもらいましょう。■ 1番初めにやるのは「資金計画」ジャバ / PIXTA(ピクスタ)人生の中でもっとも大きな買い物といえるマイホーム。その購入資金の調達方法や、住宅ローンを利用する場合の返済計画など、住まい探しや家づくりをする際に最初にやっておかなければならないのが「資金計画」です。この資金計画がうまくいかなければ、せっかく自分好みの土地・建物が見つかってもそれを手に入れることができなかったり、頑張って手にしたマイホームを将来的に手放す事態に陥ってしまう可能性もあります。3つのステップに分けて詳しくご説明します。■ ステップ1・返済額から借入額を算出Rina / PIXTA(ピクスタ)資金計画を立てる場合、まずは「住宅ローン」をいくら借りて、どのように返済していくのかを決めましょう。よく耳にするのは、「住宅ローンは年収の○倍にすべき」という言葉ですが、実はこれを目安とするのはお勧めできません。そもそも、その世帯ごとに毎月の住宅費として支出できる金額には違いがあるものです。家族構成、居住エリア、ライフスタイル等によって家計の支出に違いが出るのは当然です。一般的に住宅ローンは30年前後の長期間にわたり返済が続きますので、住宅ローンは「年収の○倍」を目安に組むのではなく、「自分が無理なく返済できる額」を優先しましょう。無理なく返済できる額の目安として、現在支払っている家賃、毎月の収入から生活費を差し引いた余剰金(毎月貯蓄できる額など)等から、自分に合った額を算出してみます。さまざまな金融機関のホームページでは、金利や借入期間などをもとにして毎月の返済額・借入可能額等を自動で計算・シミュレーションするサービスを無料で行っていますので、まずは「返済額から借入額を算出」されてみてはいかがでしょうか?■ ステップ2・自己資金がどれくらい準備できるか確認ABC / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン借入額の目安が算出できれば、次は自己資金がどれくらい準備できるかの確認です。貯蓄のうち、マイホーム購入に充てられる額はいくらか、親などから援助を受けられる資金があるかなどを確認しましょう。マイホーム購入には購入価格の他に諸費用がかかり、その目安は一般的に購入価格の7%~10%(土地付戸建の場合)といわれていますので、その分は自己資金または住宅ローンの借入でまかなわなければなりません。つまり、「自己資金+住宅ローン借入額」から「購入時の諸費用」を差し引いたものが「購入できるマイホーム価格の上限」となります。くれぐれも諸費用の存在をお忘れなく!この計算式が成り立つ価格帯のマイホームを選ぶことはもちろんですが、金融機関によってはマイホーム購入に必要な自己資金の割合(土地建物価格のうち、何割以上の自己資金が必要など)を定めているところもありますので事前に確認しておきましょう。■ ステップ3・将来の資金計画Naoaki / PIXTA(ピクスタ)資金計画のステップ1とステップ2が完了したら、あとは最後のステップ「将来の資金計画」です。返済が長期にわたる住宅ローンを利用する場合、「いま支払える額」とともに「将来にわたって支払える額」についての検討も必要です。家族構成の変化、教育費、老朽化していく建物のメンテナンス費など、家計の支出は時間の経過とともに変化していくことも考慮しながら、最終的な借入額の設定をしましょう。また、勤務先企業の退職金制度(いつ・いくらもらえるか等)なども事前に調べて将来の資金計画に役立てましょう。IYO / PIXTA(ピクスタ)資金計画がある程度まとまったら、次はいよいよ本格的なマイホーム探しです。自分や家族がマイホームに求める希望条件を整理し、「優先順位」を明確にして、後悔のないマイホーム探しを楽しみましょう!【参考】(公財)不動産流通推進センター「不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと」
2020年01月26日ふるさと納税をご利用される方の中には、住宅ローン控除をご利用されている方もいらっしゃるかと思います。共に所得控除のある仕組みなので同時に利用できるか、また、利用できるとして何か気をつけるべき点があるか、気にされている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、本日はふるさと納税と住宅ローン控除の併用をお考えの方向けにそれぞれの税制の仕組みと併用する上での注意点について記載してみたいと思います。ふるさと納税の所得減税の仕組みは寄付金控除住宅ローン控除を利用する場合の確定申告の要否(一年目と二年目以降それぞれ)控除を受ける一年目は確定申告が必要です。ただ、サラリーマンの方であれば、二年目以降は年末調整にて税金の申告を行うことが可能です。具体的には、借入金の年末残高等証明書を勤務先に提出して年末調整で控除を受けることができます。ふるさと納税と住宅ローン控除の併用の可否と計算の流れふるさとぷらすふるさと納税が住宅ローン減税額に影響を与える具体例三井不動産リアルティふるさと納税ありの住宅ローン減税額今度は、上記条件に加え4.9万円のふるさと納税も行ったケースで考えてみます。上記の家族のケースですと、上限額は4.9万円分となります。その金額が給与所得控除の金額に追加されるので、その分課税所得も少なくなります。具体的には、以下のように計算します。ふるさと納税実施による所得税と住民税の減額金額の計算方法所得税と住民税は以下の計算式で計算します。所得税(寄付金-2,000円)× 所得税率住民税住民税からの天引き(基本分) = (納税額-2,000円)×10%住民税からの天引き(特例分) = (納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)具体的な計算式所得税からの控除 = (寄付金額-2,000円)× 所得税率(今回は10%)⇒ 4,700円住民税からの控除(基本分) = (寄付金額-2,000円)×10%⇒ 4,700円住民税からの控除(特例分) = (寄付金額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率(今回は10%))⇒ 37,600円住民税からの控除額合計:42,300円ふるさと納税前後の所得税と住民税の減税金額ふるさと納税を行い、所得控除されると課税所得そのものがその分減少して所得税と住民税の金額が減少します。今回のケースでは、実施前であれば、住宅ローン控除金額38万円全額を減税とすることができましたが、実施後は38万円全額の控除ができなくなってしまいます。具体的な減税額住宅ローン控除による減税額は27.5万円です。この金額から所得税の金額を引くと【27.5-13.43】で14.07万円残り、そこから住民税を引きます。ローン減税分の住民税からの差し引く額が13.65万円なので、住宅ローン控除の残額が0.42万円発生します。ふるさと納税と住宅ローンの減税の上限額をフルに活用する方法ふるさとぷらす直接、店舗等で相談する方法もご自身で自分が住宅ローン控除との併用をどのように行ったらよいか、それでも迷うという方や金額の試算のやり方に不安があるという方は、直接、専門家に相談するのも1つの方法です。方法1:税理士に相談税金に関しての一番の専門家は税理士です。他の専門家が具体的な税金額についてお客さまに話すことは法令上できません。突っ込んだ税額や所得控除について確認されたい場合は、税理士の方に相談するようにしましょう。方法2:ふるさとチョイスCaféの利用ふるさと納税の民間業者である「ふるさとチョイス」では、ふるさと納税に関する体験に加えて個人相談ができたりセミナーで学ぶことのできる「ふるさとチョイスCafé」という実施店舗が都内にあります。自分がどのように税金の手続きをしたらいいか、金額の試算をどのように行ったらいいかなど相談することが可能ですので、首都圏近郊の方はご利用されるのも1つの手です。ふるさとチョイス勘違いしやすい点に関するまとめ以上、ふるさと納税と住宅ローン控除について記載してきましたが、特に注意するべき点についていくつか記載します。ふるさと納税と住宅ローン控除は併用できないと思い込むふるさと納税と住宅ローン控除は前述の通り、所得控除になる点は同じでも性質は異なります。2つを合わせて上限金額を決めるわけではありませんし、別々の制度の利用の併用を妨げるルールもありません。ふるさと納税による控除と住宅ローン控除の合計金額が必ず所得控除されると思い込むふるさと納税と住宅ローン控除は併用できると理解していても、無条件に併用できるわけではありません。上記の具体例でも記載しました通り、住宅ローン控除で所得税と住民税がフルに控除できる場合等のケースでふるさと納税を行うことで、トータルの減税額に影響があるケースもあります。併用する場合はトータルの減税額を確認する必要があります。ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合は必ず確定申告が必要と思い込むサラリーマンの方であれば、住宅ローン減税利用2年目以降かつ、ワンストップ特例制度にてふるさと納税を行うことを条件に、確定申告は不要とすることができます。住宅ローン控除は年末調整、ワンストップ特例制度についてはその申請書を年始に手続きすることで確定申告を不要とする余地があります。ふるさと納税と住宅ローン控除の併用に関するまとめふるさと納税と住宅ローン控除は併用できますが、個々のケースによって控除金額の総計や税金の手続き方法が異なります。相互に関係性があるので、併用する場合それぞれどう作用するかおおまかな形を把握しておくとよいです。まずは、ご自身がどのパターンに当たるかを確認し、必要な対応1つ1つ進めていきましょう。
2019年12月18日壁がぐるりと巡る「切妻屋根が好きではないので四角い家がいいと思っていました」。こう話すのはHさん。しかし道路レベルからはH邸の屋根の形を確認することはむずかしい。建物にぐるりと壁が巡っていて屋根の形どころか、そもそも住宅なのかどうかさえもわからないのである。このデザインは住宅密集地ながら三方が道路に開かれた角地にあり、かつ、隣にアパートが立つという敷地条件から導き出されたものだった。道路に面した3面には窓はなく壁が部分的に切り取られたところがある。下はガレージ、上はテラス部分の壁が切り抜かれている。左の壁面の真ん前にはアパートが立っている。「人の目線が気にならないように配慮してこのような形にしていただいた」と話すのはHさんの奥さん。設計を依頼したのは森清敏さんと川村奈津子さんが共同主宰するMDSだ。テレビ番組で見て気に入った住宅がMDSのデザインによるものだったという。周囲を同じく壁で囲んだその神楽坂に立つ住宅は「コーナーの部分が曲線でつくられているのが素敵でした」と奥さん。森さんは「あの家は周りがとても立て込んでいて窓をつくると内部が見えてしまうため3層を壁で囲いました」と話す。さらにこの住宅も「周囲に住宅が立て込んでいるうえに、隣にアパートがあって不特定多数の人が住んでいる。アパートは将来建て替わる可能性もあるし高さもどうなるのかわからない。こうしたことを考えるとある程度閉じていくことを考えざるを得ない状況でした」と説明する。左下の扉を開けると吹き抜けていて玄関ドアが右側にある。この扉はパンチングメタルを組み合わせてつくられたもの。壁を切り取るHさんからも「MDSが設計した神楽坂の家は囲われていていいな」という話を聞いていたというが、しかし、同じようにすべて囲ってしまうのではなくどう開くいてくのかも同時に検討していったという。壁で囲ってしまうと当然ながら採光の問題が出てくる。H邸の外壁を見ると、玄関やガレージの壁が部分的に切り取られているほか上部にも切り取られている部分があるが、そうすることで内部へと光を導き入れまた視線の抜けも確保している。そして内部では、同じく壁を切り取るという操作によって、内外に対して開口をつくり出している。手前が1階リビングで奥がダイニングとキッチン。オープンキッチンにするのは夫妻の強い希望だった。ダイニングの左手を奥に進むと玄関へと至る。この1階スペースにいることが多いという奥さんのお気に入りはキッチンで、パネルの色にこだわりブルーグレーにしたという。ダイニングキッチンからリビングを見る。ダイニングキッチンからも視線が外へと斜めに抜ける。開放感と視線の抜けそれとともに、天井も、これは切り取るのではなく、取り払ってしまうことで、外光をふんだんに内部に採り入れるとともに開放感と空に対しての視線の抜けを確保している。具体的には、リビング上部を吹き抜けにしたり、2階の寝室の隣にテラスをつくったりということだ。奥さんはこのようにデザインされた空間を模型で見て「かっこいいなと思った」とその時の感想を語る。Hさんは「想像していなかったような形が出てきました」。夫妻は内部でもいろいろと要望を伝えた。Hさんは「オープンキッチンや階段についての要望など」を伝えたという。階段は他のMDSの住宅の写真を見て気に入っていたもので「絶対譲れなかった」ものという。左手のキッチンの床は一段低くなっていてダイニングに座った人と目線の高さが近くなるようにしている。キッチン近くから見る。奥に浴室。浴室側からキッチンを見る。キッチンの開口はエントランス部分の吹き抜けに面している。Hさんの希望で浴室の扉と壁をガラスにした。扉と鏡のフレームを木にしたのは奥さんのリクエストだった。見せない収納2階にはテラスの近くに木のボックスがつくられているがこれもリクエストしたもので、実は中に洗濯機が入れられている。「洗面所に洗濯機があると生活感が出てしまう」ためそのようにしてもらったというHさん。「モノを見せない収納にしたかった」と、1階のキッチン部分でも冷蔵庫を収納の中に入れて隠している。これが雑多なデザインが混在しがちな住空間をすっきりとした印象にまとめて落ち着き感をもたらしている。落ち着き感をつくるのに寄与している要素としてその収納家具の色味も挙げるべきだろう。その濃い目の木の仕上げ色は、MDSから提案されたサンプルから選んだものという。森さんはその濃色の部分について「白い壁面以外はすべて家具扱いにしていて、白の部分とはっきりと差をつけるためにこのような色にしました」と説明する。過去のMDSの住宅で気に入った階段と同じものを希望したが、デザインは「微妙に変えて進化させている」(森さん)。天井から吊り下がるシーリングファンは森さんのリコメンドからこの製品に。「これは良かったです」とHさん。2階から1階のリビングとダイニングキッチンを見下ろす。左の木のボックスには洗濯機が入っている。テラスが隣にあるので洗濯したものをすぐ干すことができる。2階和室から見る。すぐ前の壁には間接照明が仕込んであり、下からの反射でほんわりと空間が明るくなるようにしている。日差しの強い時期には右のテラス上部にオーニングを取り付ける。ウォークインクローゼットの扉上部のアールのラインが空間の雰囲気を和らげている。奥は将来の子ども部屋。陰をつくるさらに室内空間の明暗のメリハリも落ち着きをもたらしている。全体を一様に明るくするのではなく陰を意図的につくり出しているのである。「明るいところをつくるということは同時に暗い部分をどうつくるか、陰をどうつくるかという話になる」と話す森さん。その結果生み出された明暗のメリハリが空間の高低のメリハリとあいまって歩くごとに風景が変わっていくような印象を与えることに。天井高がダイニング部分で2.1m、奥のリビングが4.6mと、明暗だけでなく高さのメリハリも効いている。この家に住み始めて2年。Hさんは「とても静かで、かつとても住みやすい」という。プライバシーへの配慮から壁で四囲を包むつくりにしたことで外部からのノイズが大きく取り除かれて都市部では珍しいほどの静けさがもたらされた。そして、この静けさが落ち着きのある家具の色と意図してつくり出された陰をほどよく抱え込んだ室内にマッチして心地良い空間をつくり出している、そのように思われた。H邸設計MDS所在地東京都構造木造規模地上2階延床面積113.83㎡
2019年12月11日奨学金返済中に結婚することは難しいのでしょうか?奨学金を利用して大学に通ったのは良いものの、社会人になった途端に返済していかなければなりません。経済面においては社会人生活がマイナススタートとなってしまいます。その結果、奨学金返済中の結婚を躊躇してしまう人もいるようです。しかし計画的に生活をすればなんとかなるものです。この記事では家庭の負担にならないための対策を解説します。あなただけではない!奨学金の利用実態奨学金の返済は、経済的ハンデとなってしまいがちであるため、なかなか結婚に踏み切れないケースがあります。しかし奨学金利用者は多いため、奨学金の返済を理由に結婚ができないとなると、膨大な数の人たちが伴侶を得られなくなってしまいます。決してあなただけではなく、多くの人が奨学金を利用しているという実態から知っておきましょう。 ここでは奨学金の利用実態について以下内容を紹介します。奨学金利用者割合毎月の平均返済額平均利用期間延滞経験者の割合奨学金利用者割合日本学生支援機構のIR情報(平成31年3月)によると、学生の37.2%(平成29年度)が奨学金を利用していることが分かります。これは2.7人に1人の計算ですので、利用者の多さが見て取れます。結婚は2人でするものですから、カップルのうちいずれかが奨学金利用者である確率はとても高いです。具体的な奨学金の利用者割合は以下のとおりです。毎月の平均返済額奨学金利用者が総額いくら借りて、毎月どれぐらいずつ返しているかを紹介します。「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(2019年3月発表)」によると、奨学金利用者は平均で総額324.3万円借入をしています。毎月の返済額は平均16,880円となっており、毎月コツコツと返していることが伺えます。平均利用期間同じく「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(2019年3月発表)」によると、奨学金の平均利用期間は14.7年となっており、30代の半ば頃まで奨学金の返済が必要であることが分かります。延滞経験者の割合一方で、奨学金利用者の苦しい経済事情を読み取ることもできます。奨学金利用者のうち、延滞経験がある人は15.7%で、延滞理由は「収入が少ない」が42.5%となっています。つまり、奨学金利用者の約6.7%が収入事情での延滞をしたことが分かります。結婚はさまざまな支払いを想定しておくべき奨学金返済中に結婚することはハードルがあるとはいえ、事前に人生で必要な支払いを想定し対策を取っておけば結婚しても問題はありません。結婚の際や結婚後には以下の費用がかかると想定しておきましょう。結婚資金がかかる子どもの教育費がかかる住宅購入費用がかかる老後資金は2000万円必要結婚資金がかかる結婚する際には式場代や披露宴代など、結婚資金が必要です。一般的に結婚資金は約350万円程度必要だと言われていますので、結婚前から早めに貯めておく必要があります。ただし、ご祝儀である程度戻ってくることや、ジミ婚(派手な結婚披露宴を控える)やナシ婚(結婚式や披露宴をしない)、フォトウェディング(記念撮影だけ行う)で費用を浮かせる方法もあります。子どもの教育費がかかる文部科学省の「子供の学習費調査(平成28年度)」や「私立大学入学者に係る初年度学生納付金、国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成29年度)」を要約すると、子供の教育費用は、全て公立か私立かによって大幅に異なり、1人あたり約800万円~3,000万円必要です。結婚後の教育資金を念頭に家族計画を立てる必要があります。教育資金は早く準備するほど有利となりますので、結婚を具体化する時点である程度想定しておきましょう。住宅購入費用がかかる結婚して家族が増えると、住居をどうするかというテーマが出てきます。もし住宅購入をする場合の話しですが、住宅には多くの資金が必要です。「住宅金融支援機構(フラット35利用者調査2017年度)」によると、土地付注文住宅は4,000万円台、建売住宅は3,300万円台、マンションは4,300万円台が相場です。教育資金と同様に、たとえ少額でも早目に頭金の準備を始めた方が有利です。老後資金は2,000万円必要金融庁が2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」では、老後資金は2,000万円必要との試算が出されています。この金額は貯蓄が多い団塊の世代が、ゆとりある生活をしている可能性もあるため、切り詰めた生活をすればこれほど必要とは限りません。とはいえまとまった資金は必要となりますので、結婚の段階から先回りで捻出して行きましょう。奨学金返済中の結婚は難しい?6つのハードル奨学金を返済中の結婚にはさまざまなハードルがあります。ウェブサイトや各種SNSでリサーチをしていると、奨学金返済中に結婚するハードルは主に以下の6つに集約できます。相手に伝えるタイミングが難しい夫婦共働きが前提となりやすい2人とも奨学金返済中なら借金が倍新たなローンが組みにくい預貯金が増えにくい子どもを大学へ行かせるのが不利それぞれの内容を見て行きましょう。[adsense_middle]1.相手に伝えるタイミングが難しい結婚を考えている場合、奨学金の返済中であることはなるべく早く相手に伝えましょう。交際中の何気ない会話の中、早い段階であれば伝えやすいことではありますが、結婚が具体化してからなど、遅くなればなるほど言い出しにくくなります。プロポーズの後に伝えてしまうと、相手に騙されたと思われてしまうかも知れません。2.夫婦共働きが前提となりやすい結婚生活では夫婦共働きか専業主婦かなど、自由に選択ができるはずです。しかし一方に奨学金の返済がある場合、夫婦共働きが前提となりやすいです。最初から生活の形に対して選択肢が少なくなってしまうというハードルがあります。3.2人とも奨学金返済中なら借金が倍万が一、カップルの男性女性ともに奨学金返済中であれば、借金が倍となっていまします(厳密には借入金額などにより異なる)。先述の平均で見れば、15年間近く毎月3万円以上返さなければなりません。社会人生活がスタートして毎月1万6千円、結婚生活がスタートして毎月3万2千円の返済が必要となり、節目ごとにマイナススタートとなってしまいます。4.新たなローンが組みにくい結婚は、後述の結婚資金や子供の教育費など、何かと物入りです。しかし、借金があると新たなローンが組みにくくなります。借入審査の条件面で不利になるほか、万が一借り入れができたとしても返済負担が大きくなるため、ローンの利用によって生活苦に陥る可能性が高くなります。5.預貯金が増えにくい預貯金が増えにくいというハードルもあります。独身の時には自由に使えるお金があったかもしれませんが、結婚後は住居費や保険代、教育費など、独身時代にはかからなかった支出が出てきます。その上、借金の返済まであれば預貯金が増えにくくなってしまいます。6.子どもを大学へ行かせるのが不利奨学金の返済によって経済的に出遅れた結果、子供の教育資金が満足に捻出できない可能性が高くなります。結果的に子供にも奨学金を利用させることになり、同じ問題を引き継いでしまうことも考えられます。先述の「奨学金や教育費負担に関するアンケート調査(2019年3月発表)」でも、親世代が子どもの奨学金返済に不安を持っている人が75.8%と多数いらっしゃいます。奨学金返済中の結婚生活で負担を軽減する対策奨学金返済中に無理のない結婚生活を送るためには、どうすれば良いのでしょうか?ここでは具体的な対策として以下を紹介します。夫婦で財布を1つにする家計簿をつけて節約する繰り上げ返済をするクレジットカードを上手に活用する結婚前にほかの借金を完済する債務整理で借金自体を軽くする[adsense_middle]夫婦で財布を1つにする結婚後は夫婦で財布を一つにすることをおすすめします。夫婦によっては家計をバラバラにしているところや、生活費だけ出し合って貯蓄はバラバラにしているところ、一方が生活費を賄って他方は自由にしているところなどさまざまです。しかし、夫婦の財布がバラバラだと、それぞれが自由にお金を使ってしまいやすくなります。結婚後のライフプランに対して効率良く資金捻出をするのであれば、財布を1つにまとめ、お互いが家計を把握している状態が望ましいでしょう。結果的に浪費を防ぎ、協力しながら各種資金の準備が進められます。家計簿をつけて節約する結婚生活で負担を軽減するためには、家計簿をつけましょう。家計簿はつけるだけで節約ができると言われるほど効果のある方法です。家計簿をつけることによって今まで気づかなかった浪費が浮き彫りになったり、収支の差が分かる事で資金計画が立てやすくなります。また、家計全体の中に占める割合が大きい支出に対して節約を検討するなど、節約のポイントが分かりやすくなるでしょう。固定費の見直しや食費の予算化など、節約の工夫がしやすくなります。繰り上げ返済をするまとまったお金がある場合は、繰り上げ返済を検討しましょう。有利子の奨学金の場合、繰り上げ返済をすれば、今後支払うはずだった利息が浮きます。少しでも早い段階で繰り上げ返済した方が、将来利息の軽減分が増えますので、早ければ早い返済ほどお得です。支払い総額を下げるほか、完済すれば今後の家計が楽になりますので、ぜひ検討すると良いでしょう。繰り上げ返済しない方が良い場合もあるただし、繰り上げ返済しない方が良い場合もあります。それは借入している奨学金の金利よりも利率の良い金融商品を利用する場合です。たとえば、奨学金の金利が年率0.3%だとした時に、もし年率1.0%の金融商品に投資できれば、投資の方が年率0.7%得となります。まとまったお金を返済に充てるよりも、返済を続けながら投資した方が得である可能性もありますので、総合的な判断が大切です。クレジットカードを上手に活用するクレジットカードを上手く活用することも大切です。クレジットカードはショッピング利用分に対してポイントが貯まりますので、ポイント還元率が高いクレジットカードを選ぶと良いでしょう。また、大きな支出がある際には、分割払いやリボ払いを計画的に活用することが有効ですが、2回分割までは手数料がかかりませんので、知っておくとお得です。カードによって、スーパーの割引デー、ガソリン代の値引、交通機関でお得な利用ができるなど、家計負担を軽くしてくれますので、あなたのライフスタイルに合ったカード選びが重要です。結婚前にほかの借金を完済する奨学金以外の借金がある場合には、なるべく結婚前に完済しておきましょう。結婚後にローンを組む際、ほかの借金があるとより一層借入しにくくなります。各種ローンの審査では、たとえば年収の3分の1までが上限などのケースがありますので、借金を減らすほどローン審査で有利となります。債務整理で借金自体を軽くするこのまま結婚すると生活の目途が立たないという場合には、債務整理も検討しましょう。債務整理とは合法的に借金を軽減する方法で、借金の負担軽減する任意整理や借金を5分の1程度に減らす個人再生、資産がなくなる代わりに借金もゼロになる自己破産などがあります。クレジットカード発行やローン利用が不可となるデメリットはありますが、生活再建がしやすくなりますので、状況に合わせて検討しましょう。弁護士や司法書士などが無料相談に応じてくれますので、お近くの専門家事務所に相談すると良いでしょう。奨学金返済中の結婚に関するまとめ奨学金返済中は、結婚式や子供の教育費などのライフプランをしっかりと考えておけば、無理のない結婚生活が送れるでしょう。夫婦共働きが前提となりやすいなど、いくつかのハードルがありますが、結婚できないというわけではありません。奨学金返済中の結婚生活で負担を軽減する方法としては、夫婦で財布を1つにすることや、繰り上げ返済をする、クレジットカードを上手に活用するなどの方法があります。夫婦で話し合いながら、やりくりして行くと良いでしょう。
2019年12月08日奨学金を借りたのは良いものの、年功序列賃金が崩壊している昨今では、返済しながらの社会人生活は大変です。特に生活が苦しい場合には、何とか奨学金返済の負担を軽減したいものですよね。そこでこの記事では、奨学金の返済免除制度について解説します。奨学金返済免除制度とは親の所得が少ないなど、経済的に学費が賄えない場合には奨学金を利用するケースが多いです。ただ、奨学金返済免除制度とひと口に言っても、実はいくつかの種類があります。後述する奨学金返済免除制度を把握しやすくするため、まずは奨学金の種類についておさらいしておきましょう。奨学金の種類奨学金制度には、日本学生支援機構の奨学金や入学時特別増額付与奨学金、地方自治体の奨学金のほか、民間企業の奨学金などさまざまなものがあります。具体的には以下の内容をご確認ください。奨学金返済免除制度の条件・基準奨学金は、学生の時期に借りて、卒業後に返済して行くため、社会人生活がマイナススタートとなります。たとえば公務員などの安定した職業に就ければ計画的に返済していけるでしょうけれど、零細企業や非正規雇用の場合には生活苦に陥る可能性もありますので、返済免除も視野に入れておくことが無難です。ここでは、奨学金返済免除制度の条件・基準として、以下の内容について解説します。本人が死亡した場合精神・身体障害の場合返還特別免除特に優れた学業による返済免除(大学院)本人が死亡した場合本人が死亡した場合には、当然のことながら本人が払えなくなるわけですから、返済免除となります。厳密に言うと借金自体が亡くなる訳ではなく、本人の代わりに他の人や機関が支払うことになります。連帯保証人を付けている場合は連帯保証人が、機関保証を選んでいる場合は保証会社が返済することになります。ただし、連帯保証人が日本学生支援機構に対して申請すれば、連帯保証人による返済は免除されます。万一気付かずに延滞してしまっていた場合にも、過去に遡って免除申請が可能です。精神・身体障害の場合精神・身体障害の場合にも、免除申請が可能です。具体的な基準は公表されていませんので、奨学金返還相談センターに相談しましょう。それぞれのケースごとに奨学金返還相談センターが判断してくれることとなります。ただし、何の条件もなく返済が免除されることはありません。申請書と返済不能の状況を証明する書類、診断書などが求められます。返還特別免除返還特別免除とは、教員や研究職に就くことで返済が免除となる制度です。常勤の先生や、少年院で勉強を教える人、文部科学大臣指定の試験所などで教育や研究を行う人が対象でした。ただし、2004年3月31日より前に、大学院の第一種奨学生となった場合の制度であり、2005年以降は廃止されています。特に優れた学業による返済免除(大学院)大学院で第一種奨学金を受けている場合には、成績優秀者に奨学金免除がなされます。全額免除のケースと半額免除のケースがあり、学内選考によって半額、特に成績優秀な人は全額が免除となります。ただし、単に機械的に成績だけ見られるわけではなく、教授推薦によって免除が受けられるケースもあるようです。奨学金を返済免除するための申請方法と手順奨学金を返済免除してもらうには、具体的にどのような手順を踏めば良いのでしょうか?ここで申請方法と手順として以下の順に紹介します。大学が申請者を決定申請書や推薦状を記載する日本学生支援機構(旧日本育英会)による決定[adsense_middle]大学が申請者を決定大学が申請者を決定します。いきなり自分で奨学金借入元に申請するわけではなく、大学が候補者を決めるのです。大学が学内ポスターなどで募集するため、応募が遅れないようにアンテナを張っておきましょう。成績優秀者は前提となりますが、具体的な選考基準は大学ごとに異なります。募集を見逃し、応募すらできなければ勿体ないので、こまめに大学の掲示版をチェックする必要があります。申請書や推薦状を記載する奨学金免除の申請書には、「大学院における研究課題等」「教育研究活動等の業績」「特に優れた業績の要旨」などの記載が必要です。書き方は書面に例示されていますので、参考にして記載しましょう。推薦状に関しては教授などが書いてくれることもありますが、自分で下書きをして教授に渡す方が良いでしょう。申請書の内容を踏まえて記載し、推薦者(教授など)に捺印をお願いします。日本学生支援機構(旧日本育英会)による決定大学に申請書と教授からの推薦文などを提出すれば、手続きは完了です。結果通知されるまで特にすべきことはありません。免除となる際には大学から連絡が入ります。大学からの推薦を元に日本学生支援機構が返済免除を行いますが、大学の選考をクリアしている場合には、大半の場合が免除してもられます。そのため、免除申請は大学をターゲットとして準備しなければなりません。奨学金返済免除制度に関する豆知識奨学金返済免除を受ける場合には、それにまつわるさまざまな事柄を知っておくと有利です。ここでは、知っておきたい奨学金返済免除制度に関する豆知識として、以下内容を紹介します。いつ申し込めば良いのか免除される人の割合都道府県や市町村の制度もある勤務先が返済してくれる企業返済支援制度いつ申し込めば良いのか奨学金返済免除に関する告知は、各大学ごとに年末から年始の時期に行われます。先述のとおりポスターなどで行われた上、応募方法や締め切り日なども明確にされていますので、しっかりと確認しておきましょう。免除される人の割合奨学金が免除されるのはどれくらいの割合の人なのでしょうか?日本学生支援機構(平成30年度特に優れた業績による大学院第一種奨学生返還免除の認定)によると、平成30年度に大学院第1種奨学金貸与が修了したのは25,107人で、推薦は7,632人だったとのことです。その中から7,568人が全額もしくは半額免除となったとのことですので、貸与修了者のうち3割程度が免除されています。また、推薦者の大半が免除されているという実態も見て取れます。具体的には以下の表をご確認ください。都道府県や市町村の制度もある都道府県や市町村が、奨学金返済に対して支援してくれる制度もあります。以下にて具体例を紹介しますので、お住まいの都道府県の制度を確認してみましょう。勤務先が返済してくれる企業返済支援制度優秀な人材確保や早期離職防止などを目的に、企業が奨学金返済を肩代わりしてくれるケースも増えています。奨学金返済分を給料に上乗せして支給する企業や、規定勤続年数に達した段階で一定金額をまとめて支給するなど、企業ごとにさまざまなケースがあります。これら制度を魅力に感じて就職する人も多く、人手不足が進む日本企業の新たな取り組みとして注目を集めています。奨学金の返済免除のコツ奨学金は数百万円ほど借りるケースが多いため、もし免除されればその後の生活費の負担がとても軽くなります。何とか奨学金の免除を勝ち取りたいものですよね。奨学金の返済を免除してもらうためには、いくつかのコツがあります。知っていると有利になるコツについて以下の内容を紹介します。申請書の内容を充実させる学校以外の実績を作る奨学金が免除されない場合は債務整理もあり[adsense_middle]申請書の内容を充実させる申請書の内容のうち、「大学院における研究課題等」については、修士論文があるためマル印を付けることができますが、「教育研究活動等の業績」「特に優れた業績の要旨」については、なるべく多くのマル印を付けたいところです。「教育研究活動等の業績」について、優(大学によって表記が異なる場合あり)が60%を超えている場合にはマル印を付けることができます。「特に優れた業績の要旨」に関しては、ボランティアや著作物、研究、発明、スポーツ、芸術などで実績があればマル印が付けられます。なるべく多くのマル印を付けることができれば有利となりますので、マル印を付けられる取組を充実化させましょう。学校以外の実績を作る「特に優れた業績の要旨」のマル印を増やすというのは、学校以外の実績作りをするという意味です。奨学金の免除は学校の成績が優秀であることが前提となるので、逆に言うとそれだけでは他者との差別化が図れません。先述のボランティアや著作物、研究、発明、スポーツ、芸術などに取り組んだ実績が分かるものが必要です。たとえばテレビや新聞などのメディアに取り上げられたとか、成果物となる資料があるなど、証拠となる資料があると有利となるでしょう。推薦してくれる人にアピールする奨学金の免除は学内選考がメインターゲットとなりますので、学業に励むことは当然です。とはいえ、学業の成績が芳しくなかったとしても、それだけで諦める必要はありません。教授などから推薦されれば免除となる可能性があるからです。もちろんこれは原則ではありませんので一概に言えない部分もあるのですが、将来社会に貢献するポテンシャルが認められれば、推薦してくれることもあるでしょう。日頃から教授や担任とコミュニケーションを図り、人間関係を作ることも大切です。奨学金が免除されない場合は債務整理もありどうしても奨学金が免除されない場合は、債務整理をして自分で奨学金の負担を軽減する方法もあります。債務整理とは法律に乗っ取って借金の負担を軽くする方法で、債権者との話し合いで借金を軽くする任意整理、簡易裁判所で調停をする特定調停、裁判所に申し立てて借金を軽くする個人再生、借金を帳消しにしてもらう自己破産などがあります。借金の程度によって選択すべき方法は異なりますので、司法書士や弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。ただし、特定調停に関しては自分で手続きするため、素人にはハードルが高いです。ほかの3つのいずれかを選択することとなるでしょう。ただし、借金が軽くなったり借金が帳消しとなるメリットがある反面、10年ほどローンが組めなくなったり、クレジットカードの発行ができなくなるというデメリットがあります。ETCカードやスマホ本体料金の分割払いも行えないため、生活が不便となることも想定しておきましょう。奨学金の返済免除に関するまとめ奨学金は本人死亡や障害、学業が優れている場合など、一定基準を満たせば免除されます。対象者のうち3割が全額か半額免除となっているため、利用しない手はありません。奨学金の申請は大学による推薦・決定のあと、日本学生支援機構で決済がなされます。とはいえ、大学で認められればほぼ免除となりますので、大学での認定がターゲットとなります。奨学金返済免除をするには、学業で成績を伸ばすことだけでなく、ボランティアやスポーツ・芸術活動など、学業以外の実績を作ることも大切です。これら取組で他者との差別化を図りましょう。
2019年12月07日住宅を購入する際、多くの人が利用するのが「住宅ローン」。大金を借り入れる住宅ローンは大きな決断のひとつですから、後悔はしたくないですよね。今回は住宅ローンを借りた経験のある30歳以上の男女360名を対象に実施した「住宅ローン選びの後悔」についてのアンケート結果から浮き彫りになった、住宅ローンで後悔しないコツ3つをご紹介します。■ 2.5人に1人が住宅ローンで後悔! その理由とはUshico / PIXTA(ピクスタ)調査を行ったのは、オンライン住宅ローンサービスを運営するMFSです。調査ではまず「住宅ローン選びで後悔していることはありますか」と尋ねました。すると、「ある」と答えたのは40.8%と約2.5人に1人という結果に。後悔した人を年代別にみると、最も多かったのが「30代」で30.6%。次に「50代」が25.9%、「40代」が23.8%となりました。30代で初めてマイホームを購入または建てたという人が多いのかもしれません。次に、住宅ローンで後悔したことがある人に「住宅ローン選びで後悔していることは何ですか(複数回答可)?」と尋ねると、1位は圧倒的に「もっと金利の低い金融機関を選べば良かった」(31.7%)。次いで「違う金利タイプを選べば良かった」(20.3%)、「不動産会社に言われるがままに選んでしまった」(14.9%)、「返済期間をもっと短くすれば良かった」(10.4%)という結果でした。■ ローンで後悔した人は「不動産会社の紹介」が多いFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)ローンを組んでからもっといい金利の金融会社を見つけて「しまった!」と後悔することは多いようです。事前にしっかり下調べをして、最も良い選択肢をチョイスしたいものですね。さて、ローンを組む際に不動産会社が紹介した金融機関のものをそのまま選んだ人も多いようで、その結果として後悔することになってしまったようです。では、なぜ不動産会社が紹介した金融機関を選んでしまったのでしょうか?後悔している人の場合、最多の回答は圧倒的に「自分の住宅ローン知識に自信がなかったから」(54.1%)。次いで「住宅ローン手続きが面倒だったから」(42.4%)、「不動産会社の紹介先を選ぶのが当然だと思ったから」(24.7%)という結果でした。■ 住宅ローンで後悔しないコツとは?haku / PIXTA(ピクスタ)アンケートの結果から、住宅ローンで後悔しないコツは次のようにまとめることができます。自分で下調べをする不動産会社にローン会社選びを一任した結果、後悔した人が多いようです。面倒でもまず自分で下調べをして、住宅ローンについて学んでおきましょう。複数の選択肢を持つ不動産会社に紹介されたローン会社だけでなく、自分で銀行を回ったり、インターネットで調べるなどして複数の選択肢があると金利などを比較できます。返済条件について学習するアンケートでは金利や返済期間、ボーナス払いなどについて後悔するケースも見られました。各社住宅ローンの返済条件をあらかじめリサーチしておきましょう。これから住宅ローンを借りる予定の方は、すでにローンを借りた人の意見を参考にして、後悔のないようにしてくださいね!【参考】※2.5人に1人は住宅ローン選びで後悔している! 「住宅ローン選びの後悔」に関するアンケート調査結果を発表ーMFS
2019年11月27日女優の天海祐希が、映画『老後の資金がありません!』(2020年9月18日公開)に主演することが27日、明らかになった。同作は垣谷美雨による26万部突破の同名ベストセラー小説の実写映画化作。子育ても落ち着き、老後は安泰のはずだったのに普通の主婦・後藤篤子(天海)だが、娘の派手婚、舅の葬式と資産激減の中、夫婦そろって失職。独りになった姑と一緒に暮らすことになると、高級志向の暮らしの価値観にクラクラするなど、奮闘する篤子の様子を描く。数々の映画に出演する天海だが、単独主演作品は『狗神』以来、19年ぶりに。『こんな夜更けにバナナかよ感動の実話』(18)で、感涙だけではないユーモアを交えた秀逸な演出で観客を魅了した前田晢が監督を務める。6月には金融庁の報告書に年金の他に「老後には夫婦で2,000万円が必要」との内容が記載され大問題ともなった現代、避けては通れない問題をエンターテインメント作品に昇華していく。○天海祐希 コメントこのお話をいただいた後、「老後の資金」が何千万ないといけないなどとニュースになりまして、とてもタイムリーな作品だと思いました。原作も、クスクス笑い、考えさせられながら拝読しました。きっと、どなたでも共感できる作品なのではないでしょうか。誰もが老いていく中、「老後の資金」を切実な問題として抱える主婦とその家族を中心に、とても深刻ではあるけれどちょっと笑える素敵な作品になるのでは?と思います。ぜひ、この作品を観て老後の問題を先に知って頂いて、ご自分の人生を考えつつ、将来に備えて頂けたらいいなぁと。前田監督を始め、素晴らしいスタッフ、キャストと、観てくださる皆様に楽しんでいただける様撮影中です。きっと、クスクス笑いながらも皆様の毎日に役立つ作品になると思っています。ぜひ、楽しみにして頂けたら嬉しいです。○前田哲監督 コメント「映画について」タイトルに惹かれてしょうがない。誰もが気になり、避けては通れない「老後」のこと。そして、強烈なキャラクターが勢ぞろいした濃いキャスト。映画として面白くならないわけがない。だからこそ、悩ましい。もしつまらなければ、監督のせいである。嬉しい悲鳴をあげながら、撮影している。「ああ、映画をどうすればいいのか?」と、同時に、「ああ、老後をどうすればいいのか?」大きな問題が二つも迫っている。その答えは、映画の中にある!?この映画は、人生に明るさと元気と、幸せをもたらす物語であります。「天海祐希さんへのコメント」天海祐希さんはジョーカー!どんな設定であろうが、いかなる状況だろうが、ベストに遂行され、アクシデントさえも取り込んでしまう、その多様性と万能さは、オールマイティなトランプのジョーカー以上の活躍である。
2019年11月27日せっかく手に入れたマイホームでも、住宅ローンの支払いが滞るとどうなると思いますか?そう、任意売却や競売などになり、手放すことになってしまいます。このようなことにならないためにも「もしもの時」にどうなるのかを知っておきたいものです。そのうえで住宅ローン破綻しないためにはどうすればよいのか、ファイナンシャルプランナーで不動産会社に勤務する吉井希宥美さんに聞きました。■ 1.何か月滞納すると競売・差押えになるのか?September / PIXTA(ピクスタ)住宅ローンを滞納し始めると、およそ1か月から3か月の間に、銀行から催告書や督促状が届きます。ローン2~3か月分を支払わないままでいると、督促状の内容が住宅ローンの元金や遅延損害金などを一括返済してほしいという内容となります。そして、銀行や保証会社から直接電話がかかってくるようになります。返済しないと、早ければ6か月程度で競売にかけられてしまいます。1-1催告書と督促状の違い催告書は督促状に比べて厳しいものではなく「○月○日までに遅延返済金と損害金の全額を返済してください」といった内容のとなります。督促状は、何度も届く催告書の指示に従わないときに届きます。銀行だけでなく、保証会社からも連絡がくるようになり、滞納分の一括返済ができれば競売は免れますが、返済できないと競売になりかねません。yamahide / PIXTA(ピクスタ)1-2期限の利益の喪失通知滞納から3~6か月が経過すると、「期限の利益の喪失通知」が届きます。「期限の利益」とは、「毎月分割して住宅ローンを支払ってもいい」という約束を交わすことをいいます。住宅ローンを組むときローン利用者は、銀行とこの「期限の利益」を受けることができる契約をします。支払いを行わないということは、契約を守らないということ。ですから銀行は、分割して支払う権利を無効にします。これが「期限の利益の喪失」です。1-3滞納から半年で競売になる可能性もある住宅ローン借入の際は、同時に、保証会社に加入しているケースがほとんどです。借入れ者が返済を行わないと、保証会社が銀行に返済(代位弁済といいます)するため、今度は保証会社から滞納者へ返済の請求がきます。そのままにしておくと、競売の申し立てが行われます。■ 2.競売ではどんなことがされるのかYNS / PIXTA(ピクスタ)保証会社から競売の申し立てがあると、「競売開始決定通知書」が届きます。これは競売の手続きが開始したこと、不動産を担保として差し押えたことを知らせるための書類です。2-1現況調査競売の手続きが開始すると「現況調査」が行われます。裁判所の執行官と不動産の鑑定士が競売の対象となる不動産のことを調べに来ます。自宅の状況について聞かれるほか、写真撮影、間取りの確認、周辺環境調査などが行われます。裁判所はたとえ留守であっても部屋に入る権利があります。2-2入札の開始滞納から10~12か月頃に「期間入札決定通知書」が届きます。入札の開始日が決まり、その期間、不動産の購入希望者が、裁判所に購入金額を提示して申し込みます。入札期間はおよそ1週間から1か月ほどです。入札はオークション形式で行われます。■ 3.任意売却Mills / PIXTA(ピクスタ)先にお話ししたように、住宅ローンを滞納、延滞すると、債務者がローンを分割で返済する権利が失われて、金融機関は住宅ローンの全額を一括返済するよう求めてきます。残債務(残りのローン)を一括で返済できない場合、自宅を強制的に売却し、その売却代金を借入金の返済にあてる方法として任意売却があります。3-1任意売却の意義任意売却とは住宅ローン等の借入金が返済できなくなった場合、任意売却専門の不動産業者に売却を任せる方法です。売却代金を残債の返済に充て、返済しきれなかったときは、・話し合いにより分割で支払えるようにしてもらう・債務を圧縮してもらう・免除してもらうなどします。任意売却による返済金額は、通常、競売の落札金額よりも高くなるため、銀行や保証会社が任意売却を承認してくれるケースが少なくありません。しかし、ローン返済できなかった事実が信用情報機関に登録されてしいまうというデメリットがあります。3-2任意売却のタイミング任意売却は、理論的には、開札日の前日までであれば可能ですが、ローン不払いから半年以内に任意売却を成立させるのは、時間的にタイトです。基本的にどの不動産会社でも任意売却を行うことは可能ですが、時間が限られているので経験の豊富な不動産会社を選ぶべきでしょう。■ 4. 住宅ローン破綻してしまう理由は?freeangle / PIXTA(ピクスタ)住宅ローン破綻をしてしまった人のなかで、住宅を購入する時すでに「自分が破綻するかもしれない」と思っていた人はいないでしょう。破綻するのは、次のような状況にある人が多いように思います。4-1支払いにおける見通しが甘い「ローン借り入れ当時夫婦で働いていたが、妻が専業主婦になり世帯収入が減ってしまった」「家賃と同じローンの支払額だから返済できるだろうと借入した」など4-2予想外のことが身のまわりで起こった「会社が倒産した」「リストラにあった」など4-3自己資金なしで購入した「低金利の時に変動金利で借入したが、金利が上がった」など■ 5.まとめino masa / PIXTA(ピクスタ)破綻しないためには、目先の金利に惑わされず、適度な自己資金を頭金に充て、適正な期間でローンを組むことが必要です。上記のようなこと頭に入れて、住宅ローン破綻をしないようなローンの組み方をしましょう。宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美
2019年11月20日地震や台風などの自然災害で自宅が全壊したとしても、住宅ローンの債務は残ります。最悪の場合、今まで金融機関から借りていた住宅ローンに加え、自宅の修繕や新たな住宅購入のためにローンを組んで二重に返済することにもなりかねません。今回は、自然災害でローンの返済が難しくなったときにどうすればよいのか、ファイナンシャルプランナーの吉井希宥美さんに対応策を教えてもらいました。■ 1. 行政の救済措置を知っておくartswai / PIXTA(ピクスタ)災害時には、行政などから給付金を受けられることがあります。以下に主なものを紹介します。詳しくは内閣府のホームページをご覧ください。1-1 被災者生活再建支援制度この制度は、災害により住宅が全壊するなどの被害を受けた世帯に対し、最大300万円の支援金が支給されるものです。「基礎支援金」と「加算支援金」の合計額が支給され、「基礎支援金」の支給額は全壊なら100万円、大規模半壊なら50万円。「加算支援金」の支給額は「建築・購入」なら200万円、「補修」は100万円、「公営住宅を除く賃借」は50万円です。1-2住宅の応急修理(災害救助法による)日常生活に必要な個所を応急的に修理した場合に、1世帯当たり57.4万円(平成29年度基準)を限度に補助が受けられるものです。補助を受けるには、以下の要件を満たすことが必要となります。・災害により住宅が半壊または半焼した世帯・応急仮設住宅等に入居していない・自ら修理する資力がない(大規模半壊以上の世帯に関しては資力を問わない)1-3災害復興住宅融資 (住宅金融支援機構による)災害により滅失・損傷した家屋の復旧に対し、低金利で貸し付けを行うものです。申し込み受け付けは被災日から2年間。返済期間は最長35年または年齢に応じた最長返済期間、いずれか短い年数となります。融資額の額は、・建設の場合建設費、購入費などの所要額の合計額または建設資金1,680万円、土地取得資金970万円、聖地資金450万円、特別加算額(建設資金)520万円の合計額のいずれか低い額が限度となります。・購入の場合基本融資額2,650万円(敷地の権利を取得しない場合は1,680万円)、特別加算額520万円が限度になります。■ 2.それでも返済できない場合は債務整理をいがぐり / PIXTA(ピクスタ)東日本大震災がきっかけになり、震災前に借り入れた住宅ローンの返済が困難となった個人を対象に、「個人債務者の私的整理に関するガイドライン」 にのっとった債務の免除が、災害を受けた人に一層広く行われるようになりました。2-1自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインこのガイドラインを利用することで、法的倒産手続による個人信用情報の登録などの不利益を回避できます。国の補助により弁護士費用はかかりません。また、手元に残せる現預金の上限が500万円を目安に拡張されます。そのほかにも被災者にとって有利になることがあるので、詳しい内容は一般社団法人東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関のホームページでご確認ください。ガイドラインによる債務整理の手順は、以下のようになります。・借り入れている金融機関に申し出る・金融機関の同意が得られたら、「自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関 」に登録している弁護士など専門家に支援を依頼債務整理の内容を決める・「調停条項案」という書類を作成してもらい、借入先の金融機関に提出する・金融機関の同意を得たら、簡易裁判所に「特定調停」を申し立てる・調停条項を確定させる(債務整理の完了)しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)もしこの制度を使わないと、一般的にいう「債務整理」を行うことになります。「債務整理」とは法的な手続きにより「返済額を減額してもらう」「免除してもらう」「猶予してもらう」ことを指します。債務整理にはいくつかの種類があり、金融機関にローンの金利を減免してもらったり、返済を分割にしてもらったりする「任意整理」や自己破産や個人(民事)再生があります。これらの法的手続きで債務整理をすると、その情報は信用情報機関の「ブラックリスト」と呼ばれるものに登録され、5年間は保管されます。その間は新たにローンを組んだり、クレジットカードを作ったりできない、携帯電話の契約や機種変更ができないなど、生活に支障が出てしまいます。■ 3.まとめsunrise / PIXTA(ピクスタ)近年は災害が多発し、いつどこで災害が発生してもおかしくない状況です。今年は大きな台風が2度襲来し、多くの人の生活に支障が出ています。住宅ローンの債務は、家がなくなったからといっても免除にはなりません。債務者を助ける制度があるということを他人事だと思わず知っておくことが必要です。宅地建物取引士/ファイナンシャルプランナー(AFP)/家族信託コーディネーター®吉井希宥美【参考】※内閣府「公的支援制度について」※個人債務者の私的整理に関するガイドライン※自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関
2019年11月14日年をとるごとにつのる老後への不安。どうにかしたいという一心で、投資や財テクに手を出そうと検討している人も多いだろう。でも、あなたが選ぼうとしているのは老後破綻の入口かもーー。「老後2,000万円不足問題や、年金受給開始年齢の引き上げ論などがメディアで話題となり、リタイアが見えてきた50代の人たちの多くは“時間がないから、何か手を打たなくては”と焦っていることでしょう。しかし、そんな老後不安を抱える人たちの資産が狙われているんです」こう警鐘を鳴らすのは、「やってはいけない!老後の資産運用」(ビジネス社)の著書もある、ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほさんだ。「老後のため、よかれと思ってやったことが大失敗ーー。そんなことにならないよう、陥りやすい落とし穴を押さえておきましょう」岩城さんが、老後不安につけ込まれて、ついやってしまう「お金のタブー」を解説してくれた。【タブー1】銀行のすすめで、退職金で投資デビュー退職一時金を狙っているのが金融機関。「金融機関によって違いますが、800万円以上のまとまったお金が口座に振り込まれると、“資産運用をしませんか?”と営業電話がかかってくることがよくあります」老後の不安を巧みにあおる営業トークにのってしまうとーー。「金融機関の目的は、商品を売ること。特に売りたいのは、高い手数料が取れるハイリスク商品です。失敗すれば立ち直れないほどのダメージになることも……」実際にメガバンクから「急成長が見込まれる新興国の国債がおすすめです」と勧誘を受け、数年のうちで何十万円もの損失を出してしまった人もいる。「退職金を失ってしまうと、老後の生活設計が一気に狂ってしまう。大手銀行のすすめだから、大丈夫。その安心がいちばん危ないのです」【タブー2】退職金をあてに住宅ローン計画「退職金は、老後に取り崩していく、大事な老後資金の一部です。住宅ローンの一括返済などで使ってしまえば、老後に困窮してしまうことも」’17年の厚生年金受給額の平均は月14万7,000円ほど。貯蓄からの取り崩しなしに生活は成り立たない。「完全リタイアまで10年ほどの50代の人は、今一度、住宅ローンの返済計画を見直しましょう。繰上げ返済で完済時期を前倒しにしたり、高い金利ローンを組んだりした人は、低金利ローンに借り換えましょう。実は住宅ローンに関しては、金融機関は柔軟で、相談しただけですぐに金利を下げてくれるケースもあります」よかれと思ってやったのに、大きく損をしてしまった……。そんなことがないように、「お金のタブー」を頭にたたき込もう!
2019年11月08日アコムと契約している場合、最寄りのコンビニATMでも取引が可能です。借入れ・返済に対応していますので、いつでもどこでもお金のやり取りがしやすいのです。この記事では、コンビニATMでのアコム利用について、手順や注意点を解説します。アコムはコンビニATMにも対応アコムはローンカード1枚あれば、限度額の範囲でいつでも繰り返し取引が可能です。振込キャッシングのほか、無人契約機で引き出しができるため、すぐに現金を入手可能です。そして、アコムの利用をより便利にしてくれるのが、コンビニATM(提携ATM)です。お近くのコンビニや通りすがりのコンビニが利用可能ですので、多忙な人も安心です。まずは、以下の内容について解説します。対応しているコンビニATMローンカードがあればいつでも融資可能借入も返済も可能対応しているコンビニATMアコムの取引は、店頭窓口、無人契約機、インターネット、振込や引き落としなどさまざまですが、コンビニや金融機関などの提携ATMの利用も可能です。特にコンビニは24時間営業である上、全国各地に存在するため、いつでもどこでも取引ができます。利用可能なコンビニATMは、セブン銀行ATM、ローソン銀行ATM、E-net(イーネット)、ZERO BANK(ゼロバンク)です。それぞれの対応コンビニは以下のとおりです。アコムのステッカーで確認アコムが利用可能な提携ATMは、全てのコンビニを網羅しているわけではありません。中にはATMが設置されていない店舗も存在します。アコムが利用可能な提携ATMには、アコムのロゴが入ったステッカーがありますので、ステッカーで見分けることができます。ローンカードがあればいつでも融資可能コンビニATMでアコムを利用する場合、アコムのローンカード1枚あればいつでも利用可能です。また、アコムACマスターカードを持っている場合には、より便利に活用できます。アコムACマスターカードはアコムが発行しているクレジットカードで、ローンカード機能とクレジット機能が一体となっています。そのため、ショッピングとキャッシングの両方ができます。アコムのローン利用とコンビニの商品代の支払いができるため、日常での利用シーンが広がるでしょう。借入も返済も可能アコムの提携ATMは、コンビニに設置されているものと、各銀行に設置されているもの(後述)があります。銀行に設置されているATMの中には、借入れだけに対応していて返済には対応していないものがありますが、コンビニATMは借入も返済も対応しています。そのため、コンビニでアコムと取引をする場合は、どちらに対応しているか迷う必要がありません。アコムで利用可能なコンビニATMの基礎知識アコムとの取引をコンビニで行う際に、知っておいていただきたい以下のことがあります。コンビニATMの営業時間コンビニATMの利用限度額コンビニ以外の提携ATMコンビニATMの手数料アコムATMとの違いせっかくコンビニで便利に取引できるはずが、これらを知らないために逆に不便になる場合がありますので、しっかりと把握しておきましょう。1つずつ解説いたします。コンビニATMの営業時間コンビニATMの営業時間はコンビニの営業時間と同じですので、24時間365日となっています。ただし、システムメンテナンスを行っている時間帯は、アコムの取引ができませんので知っておきましょう。システムメンテナンスの時間はコンビニATMごとに異なりますので、以下の表をご確認ください。コンビニATMの利用限度額アコムは最大800万円まで借入可能で、1人1人の限度額は審査結果によって異なります。ただし、それとは別にコンビニATMで利用可能な金額設定がありますので把握しておきましょう。たとえばセブン銀行の場合、借入は1日50万円、返済は1日200万円までとなっています。ローソン、E-net(イーネット)、ZERO BANK(ゼロバンク)は、借入が20万円まで、返済は1回50万円までとなっています。コンビニ以外の提携ATMコンビニ以外の提携ATMにも触れておきましょう。コンビニ以外の提携ATMは以下の金融機関が利用可能です。三菱UFJイオン銀行北海道銀行北陸銀行東京スター銀行八十二銀行第三銀行広島銀行西日本シティ銀行福岡銀行親和銀行熊本銀行クレディセゾンATM八十二銀行だけは借入のみ対応で返済はできませんが、その他の銀行ATMは借入も返済も可能です。コンビニATMと合わせて、お近くの銀行ATMも活用すると更に便利です。コンビニATMの手数料アコムの提携ATMは利用手数料がかかります。利用手数料はコンビニATMも金融機関の提携ATMも同額となりますので、知っておくと良いでしょう。手数料は取引金額によって異なります。取引金額が1万円以下の場合は借入・返済ともに110円(税込)、1万円を超える場合は借入・返済ともに220円(税込)となっています。アコムATMとの違いアコムには、提携ATMだけでなく、アコムの各店舗に併設されているATMもあります。このアコムATMの営業時間は24時間365日となっており、月曜日の1時00分~5時00分はシステムメンテナンス時間です。提携ATMとの違いは、手数料が無料であることと、1,000円単位での借入ができるところです。提携ATMの場合、セブン銀行ATMは1,000円単位での借入れができますが、それ以外は1万円単位となっています。コンビニATMでの借入れ手順と返済方法コンビニATMを利用してアコムと取引をする場合の手順を紹介します。コンビニATMは画面の指示に従うだけですので、とてもカンタンです。出金(借入)方法と入金(返済)方法の両方を見て行きましょう。[adsense_middle]出金(借入)方法出金(借入)方法についてセブン銀行ATMを例に紹介します。まずローンカードをATMに入れ、「ご出金(借入)」を選択しましょう。そうするとアコムの暗証番号入力画面になりますので、4ケタの番号をタップします。その後、借入したい金額を設定し、確認をタップします。利用明細とローンカードが出てきますので、忘れずに受け取りましょう。その後、借入れ金額分の現金が出てきて取引が完了です。入金(返済)方法入金(返済)方法も、まずローンカードをカードをATMに入れます。表示画面のメニューから「ご入金(返済)」を選び、暗証番号を入力します。そして、入金口座を選択しましょう。もしも、カードローンの返済とショッピング利用分の返済を両方行いたい場合には、それぞれ別に手続きする必要があるので知っておきましょう。返済金額分の現金を入れて確認ボタンを押せば、明細書とローンカードが出て来て手続き完了です。アコムをコンビニATMで利用する場合の注意点アコムをコンビニATMで利用する場合には、以下の注意点があります。契約自体はコンビニATMでできない手数料がかかる取引単位が1万円端数が残る場合があるこれらの内容を踏まえて上手に利用しましょう。契約自体はコンビニATMでできないコンビニATMでアコムを利用する場合、契約自体もできると勘違いしてしまう人がいらっしゃいます。アコムはインターネットや電話のほか、郵送、店頭窓口、無人契約機で契約ができます。多様な契約方法があることや、無人契約機で契約ができることから、ATMでも契約ができると思いがちですが、コンビニATMでは契約できません。借入・返済などの取引ができるという意味と、契約というのは異なります。契約している状態を前提に、コンビニATMで取引ができると知っておきましょう。手数料がかかるコンビニATMは便利である代わりに、利用手数料がかかります。手数料額は先述のとおりですが、たとえ少額であったとしても金利以外に出費が生じるのです。手数料がもったいないと考える場合には、コンビニATMではなくアコムATMを利用しましょう。利便性と手数料額のバランスが必要です。取引単位が1万円上記でも軽く触れましたが、コンビニATMはセブン銀行ATMを除いて、1万円単位での取引となります。数千円だけ借入や返済をしたくても行えませんので注意が必要です。端数が残る場合があるコンビニATMには小銭の投入口がありませんので、完済しようとしても1,000円未満の残高が残る場合があります。このことを端数残高と呼びます。端数残高には金利がかかりませんし、一応の完済とみなされますので、放置しても問題ありません。ただ、1円でも残高があると解約ができないため、注意が必要です。端数残高の返済は、インターネットや店頭窓口、銀行振込で行いましょう。コンビニATMでのアコムの借入・返済に関するまとめアコムはコンビニATMで借入も返済が可能であるため、24時間365日取引ができます。利用限度額はコンビニATMごとに異なりますので、あらかじめ把握しておく必要があります。コンビニATMで借入・返済をする場合、画面操作だけでカンタンに行えますので、気軽に手続きが可能です。ただし、コンビニATMは手数料がかかるなどの注意点がありますので想定しておきましょう。
2019年11月07日