子供が成長する過程で、何度か迎えるといわれる『反抗期』。親としては覚悟をしていても、我が子から心ない言動をぶつけられると、やはり傷付くものです。5歳と1歳の兄妹を育てている、のぶえ(sanmanobue)さんは、保育園でよその子供の反抗期を目の当たりにしてしまい…。保育園で見かけた女の子と母親のやりとりを見て、つい我が子の反抗期を想像し不安になった、のぶえさん。家に帰って夫に話したところ、なんと夫は「ママ嫌い」の言葉を「私を抱きしめて」という意味だと解釈したのです…!ポジティブすぎる受け止め方に、のぶえさんは思わずツッコミの声を上げましたが、投稿には多くの称賛が寄せられていました。・案外パパさんの解釈は、外れていないかもですね。・このポジティブさ、ぜひ見習いたい!・最高ですね!反抗期もそんな風に考えられたら乗り越えられそう。反抗期真っただ中の子供と全力で向き合うのは、大変です。だからこそ、ちょっとオーバーなくらいポジティブにとらえて、心に余裕を持つことが大事なのかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2022年09月28日魔の2歳児と呼ばれるイヤイヤ期。わが子も2歳を前に何でもイヤというイヤイヤ期が始まり、3歳まで続きました。私は1年以上の闘いのなかで、子どもも親も心が軽くなる、自分なりのイヤイヤ期の対処法を見つけたのでご紹介します。 ついにイヤイヤ期が始まった!子どもが生まれてから、育児中のママ友やネットの口コミなどで耳にしていたイヤイヤ期という存在。子どもがなんでもイヤと言って理由もなく駄々をこねるという、親にとって大変しんどいと言われる時期です。 わが子は2歳を前にその兆候が現れ始めました。最初はお友だちのまねをして、遊び場から帰るときに「イヤ」と言い始めたわが子。私は「ついにうちにもイヤイヤ期がきた!」と恐ろしく感じました。 2歳でイヤイヤ期のピークに最初はかわいらしいイヤイヤだったので、私にも余裕があり対処できていたのですが、2歳を過ぎたころから本当にすべてのものをイヤイヤと言うようになりました。朝の支度のときなど、私に余裕がないタイミングで始まるイヤイヤは本当に大変。 イヤイヤが始まるともう手が付けられなくなるほど泣くので、私はだんだんと子連れで外出することや人に会うのがおっくうになりました。子どもがイヤイヤを発しないように、わが子の機嫌をいつもうかがいながら育児をするのはしんどかったです。 心をラクにするイヤイヤ期対処法イヤイヤ期の子どもの対応に疲れていたとき、育児の本で「子どもに選択肢を与えてみる」という子育ての方法を知りました。子どもに「どっちにする?」と二択で選ばせるということです。これはイヤイヤ期の子どもにも使えるかな?と思い試してみたところ、いつもはイヤイヤが発動するお出かけ前の支度がスムーズになったのです。 子どもはうれしそうに着る服や靴を選んでくれました。自分で決められたという達成感と肯定感で安心したのでしょうか。私が着せたい物とは違ったけれど、イヤイヤが始まらず私も心がラクでした。 子どもに選択肢を与えて決定を委ねるという方法は、わが子のイヤイヤ期のかんしゃくの頻度を下げてくれました。この方法は、私の育児に対する姿勢を変える気づきにもなりました。子ども自身が自分で決めたことに責任をもつ練習にもなるので、何かをするときに子どもに「どうしたい?」「どっちがいい?」と声かけすることはこれからも続けていきたいと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 監修/助産師REIKOイラストレーター/そら著者:三宅ちよこフリーランスとして働きながら一男一女を子育て中の母。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、株や不動産投資を副業としている。ライターとして主婦のためのお得な情報や子育てに関する体験談を執筆している。
2022年09月05日娘は穏やかな性格で、育てやすいタイプだと思っていました。しかし、中学3年生になって態度が激変。高校1年生までの約2年が反抗期のピークでした。当時は私も更年期が始まり、心身ともに不調を感じていました。娘の思春期と私の更年期が重なり、親子関係は最悪でした。★関連記事:「こんな家族をつくるんじゃなかった…」家庭崩壊の危機!長男の反抗期と重なった最悪のプレ更年期【体験談】母の更年期と娘の思春期が重なり喧嘩ばかり…娘、中3になり部屋から出てこなくなる娘はのんびり屋さんで穏やかな性格。幼いころから、子育てで苦労することはあまりありませんでした。家ではよく会話していて、親子関係は良好でした。そんな娘の態度が激変したのは中3のときです。学校から帰ってきてもあいさつもせず、自分の部屋に直行して出てきません。「どうしたの? なんかあったの?」と聞いても、返ってくるのは「うるさい」という返事。ついにきたか思春期、と思いました。部屋にこもりたいからか、娘はこれまで共用スペースに置いていたタオルや洗面用具などをどんどん自室に持ちこみます。そのせいで、娘の部屋がどんどん汚部屋に……。「片づけたら」と言うと、「うるさいっ部屋を見るな!!」とドアがばたーんと乱暴に閉められました。娘が別人になってしまったようでショックでした。大喧嘩で約1週間無視され続け…私自身も10代のころ親をうざいと思い避けていた時期があったので、娘の態度も仕方ないとは理解していました。しかし、母親にも感情があります。特に私が怒ってしまったのは食事のことでした。ある日、娘が「ごはんいらない」というので、「じゃあおなかがすいたら食べてね」と娘の食事を片づけていました。すると、娘がお菓子を出して食べ始めたのです。ひどい! と思いました。「食べられるならちゃんとごはん食べなさいよ!」とキレ気味でお菓子を取り上げると、「だってごはん食べたくないんだもん」と娘。私は料理は得意ではありませんが、栄養バランスなどを考えて食事を用意しています。せっかく用意した食事を拒否され、傷つきました。怒る私に、「もうごはん作らなくていい、食べたいものだけ食べる」という娘。「そうはいかない、栄養をとらないとダメ」と怒る私。大喧嘩になり、その後1週間ほど無視され続けました。食事のことだけではありません。日常のささいなことですぐに喧嘩になりました。女性ホルモンの乱れのせいでしょうか。お互いすぐに不機嫌になってしまいます。大した理由がなくても毎日のようにぶつかり合う日々が続きました。あいさつしただけなのに文句を言われたり、話しかけても無視されることは日常茶飯事。イラついた娘から、私が畳んだ洗濯物を投げつけられたこともありました。ひとりになって考えたこと中3から高1にかけては、思春期というだけでなく、高校受験や環境の変化など、娘もいろいろ大変だったのだと思います。そう頭ではわかっていても、私も当時45歳で更年期の始まりを自覚しており、心身共に不安定な時期で、過剰に怒ったり落ち込んだりしていました。家にいると娘のことでストレスがたまり、「こんな家にいたくない」と思うときもありました。あるとき、ストレスから家にいるのがつらくなり、夜にひとりで近所のファミレスに逃げました。そこでひとり時間を過ごしながら、「私が時々ひとりになりたいように、娘もひとりになりたいのかな」と考えました。子離れのときなのかもしれません。私は私、娘は娘。「私が娘のことを気にしすぎるからお互いにつらいのかもしれない。少し距離を置いて、娘のことはそっと見守ろう」と思いました。まとめ娘が中3になってからの約2年間は、私の更年期と娘の思春期が重なったこともあり、母娘の喧嘩が絶えずつらい日々でした。私が意識を変え、娘と少し距離を取ることで親子関係に良い変化があったと思います。これからも娘と適度な距離感を保ちつつ、見守る子育てをしていきたいです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。マンガ/あさり著者/もめん(46歳)高校生の娘が1人の働く母。世界中のおいしいものが食べたい。特に甘い物が好き。おいしく食べるために常にダイエット中。食べること以外の趣味は、語学学習、読書、ヨガ、散歩。
2022年08月28日「反抗期になったらどうしよう!」Upload By 丸山さとこ息子コウは小学校の中学年ごろ、しばしば「反抗期になったらどうしよう…」と心配していました。周囲の変化や図鑑などの本の情報から反抗期の存在を知ったそうです。『思春期の身体的な変化は特に抵抗ないものの、ホルモンの精神的な影響により自分は変貌してしまうのでは?と心配になる。親にはいつもお世話になっているのに、酷い態度をとるようになるかもしれない』と不安げな様子です。「お母さんに日ごろよくしてもらっているのに、突然乱暴な態度をとるようになってしまうのでは…?」と言うコウに「親の方も思春期に起こりうる変化は織り込み済みだから大丈夫」と説明すると、「そっか~!気が軽くなったよ!」とコウは安心していました。そんなコウも現在中学生。思春期や反抗期の真っ只中な年齢になった彼に「そろそろ思春期に入り反抗期も起こりがちな年齢ですが、どうでしょう?」と聞いてみると、「なんか、思春期に入って情緒が安定してきた感じがある」とのこと。Upload By 丸山さとこ特に不安定だった小学校中学年から今までの間、彼の中にどういう変化があったのか、改めて過去を振り返りつつ本人に聞いてみました。白黒思考に周囲も自分も振り回されて今よりもずっと何事においても「0か100か」の白黒思考が強かったころのコウ。「絶対!」と言い切る思い込みの強さや融通の利かなさがあり、パニックになることも多くありました。そんなコウの不安定で極端な言動に、周囲の人のみならずコウ本人も振り回されていました。Upload By 丸山さとこ今のコウは、当時の自分を振り返って「今でもそうなんだけど…あのころはもっと、本当に自分絶対主義だった。自分以外の存在がよく分かってなかったと思う」と言います。「今は、『人からどう見られるかな?』とか、『人はどう思うかな?』とか考えるようになってきたし、前より気にするようになったと思う」とうなずくコウは、もう思春期に入っているのだろうと思います。Upload By 丸山さとこまた、コウが自分のことを表現した「自分絶対主義」は、他者が認識の中にいない結果として起こっていることなのかもしれないなと感じます。「見えているのに無視しているのではなく、見えていないから無視していると感じられてしまう状態だったのだろうな」と思いました。コウとしては自然にふるまっているつもりの言動に対して、「自己中だ!」と周りから非難を浴びる状況は、とてもつらかっただろうと思います。周りがよく見えていなかった小学校中学年までのコウは登下校の「いってきます」も「ただいま」も憂うつそうで、よく「家が一番いい」「家にいるのが落ち着くし楽しいしリラックスできる」と言っていました。Upload By 丸山さとこ小学校高学年に入り少しずつ他者の存在に気づき始めたコウ。6年生のころには担任の先生からも「クラスメイトとぶつかることが少なくなりました」と言われ、中学生になった今では「学校は楽しい!」と毎日元気いっぱい登下校しています。中学校では気をつかうことや頑張ることは多いそうで、ほぼ毎日「疲れた~!」と言いながら帰ってきていますが、その声と顔は明るく喜びが感じられます。そのことをうれしく思いつつ、「『相手からどう見られるか・相手がどう思うか』を気にするようになったコウは、以前のように学校生活がつらくなったとしても、それをそのまま家族など周囲にストレートに表現していないだけかもしれないな…」とも思っています。「産まれてからずっと反抗期みたいな状態」と言うコウの今かつては「僕は産まれてからずっと反抗期みたいな状態だよね。反抗的な気持ちはないんだけど、やってることが反抗期」と言っていたコウも、思春期に入り他者が少し見えるようになってきたことで、以前よりも他者の言葉や心情が入りやすくなったなと感じます。Upload By 丸山さとこ毎日明るくニコニコといろいろな話をするコウですが、親に見せない面や言わない話の方がきっとたくさんあるのだろうと思います。そして、そここそが、今の彼の世界の中心なのだろうなと思います。それを無理に探ろうとしないことと同時に、「コウが話しやすい関係を(できる範囲で)つくること」「それとなく調子を見ておくこと」が大切なのだろうなと感じるこのごろです。Upload By 丸山さとこ『突然驚くような話が出てくる覚悟もしつつやっていこう…』と改めて思う、突然驚くような話を聞きがちな私でした。執筆/丸山さとこ(監修:初川先生より)思春期になったら「ホルモンの影響で精神的に大きく変わってしまうのでは」と不安になる。コウくんには申し訳ないですが、とても面白い不安の持ち方だなと感じました。なるほど、そういう不安を感じることもあるのかと勉強になりました。さて、世間一般的には、思春期とは第二次性徴が来て、精神面では反抗期に突入する、そんな風に思われています。実際そうなのですが、脳の発達として、多くの場合だいたい11歳ごろより、客観視できるようになるという面もあります(もちろん個人差あり)。客観視できるようになることで、大人の言うことの理不尽さなどに気がつくことで反抗的な態度になる面もあります。コウくんの場合には、イライラする、反抗的になるという面よりも、客観視できるようになる、もっとざっくばらんに言えば、周りが見えるようになってきた、そういった側面が強く感じられたのかもしれませんね。自分を中心に物事を考えること、それは幼ければ当然の側面ですが、そのことによって、コウくんはイライラさせられていた色合いが強そうなので、視野が広がったり、客観視できるようになったことで、そうしたイライラとは距離ができてきたように感じました。丸山さんも書かれているように、思春期になり、周りがよく見えるようになると、自分の気持ちを語らなくなるお子さんもいます。また、親に言って悲しませることになるなら言わないでおこう、といった考え方をしたり、恥ずかしいから言わないとしたり、思春期になると自分の気持ち・出来事をなんでも語るわけではないフェーズに入ることが多いです。それも成長の一過程ではありますが、とはいえ保護者としては心配になることもあるでしょう。さとこさんが心がけていらっしゃるように、「話したいと思ったときに話せる関係をつくっておく」、「それとなく調子を見ておく」はとても素晴らしい対応です。私も相談場面でそのように助言することが多いです。
2022年08月21日心身共に大きな成長を迎える、思春期。気持ちが不安定になりがちで、イライラして攻撃的な態度を取ってしまうことがあります。反抗期に親とバトルになり、壁に穴をあけてしまったという黒歴史は、『思春期のあるある』かもしれません。母親の『告白』3兄妹を育ててきた、母親の、おのゆき(@snow3999)さん。すでに成人をした長男と次男が思春期の頃は、激しい反抗期があったそうです。おのゆきさんは、そんな修羅場を振り返り、ある告白をTwitterに投稿。内容に、思わず吹き出す人が続出しました。「思春期の時、壁に5つ穴があきました。そのうちの3つは私がやりました。ごめんなさい」正直に言います。私には「男、男、女」3人の子どもがいます。長男と次男は2才はなれており成人しています。思春期のとき壁に5つ穴があきました。そのうちの3つは私がやりました。ごめんなさい。— おのゆき| (@snow3999) August 15, 2022 まさかの5つ中3つの穴が、お母さんによる作品…!反抗期真っ盛りの我が子と、日々向き合い続けるのは、相当大変なこと。壁や物に当たるのはダメだと頭では重々理解していても、親だって人間です。時には行き場のない感情が爆発してしまうこともあるでしょう。ちなみに、一番下の娘さんは1度も穴をあけたことがないそうです。投稿には、ツッコミや共感の声などが相次ぎました。・いや3つは、あなたかい!強すぎで吹いた。・私もサッシを割ってしまい、息子がガムテープを貼ってくれました…。・今日イチ笑いました!親近感がわきます。「あの時は修羅場でしたが、穴を見るたび思い出して少し反省しております」と語っていた、おのゆきさん。壁の穴は全力で子供たちに向き合った、闘いの証でもありますね![文・構成/grape編集部]
2022年08月17日発達障害のある子どもの「思春期・反抗期」エピソード!思春期は周囲の影響を受けながら、子どもから大人への変化を遂げる大切な時期です。見た目の変化に加え、精神面では子どもらしさと大人らしさの両面性を持つようになります。また、周りとの人間関係も複雑になってきて、この時期の仲間関係はその後の人間関係にも大きな影響を及ぼすと言われています。わが家流の思春期の乗り越え方、まだまだ幼いと思っていた娘の成長エピソード、進学による環境の変化からの反抗期、自閉スペクトラム症のある子どもの金銭、友達トラブルなど…今回はそんな「思春期・反抗期」についてのコラムを集めました。小4発達障害娘に反抗期がやってきた!?母のイライラは限界、発達外来で相談してみると…!小学4年生ごろから反抗期が始まった広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のあるあーさん。SAKURAさんは発言と行動の矛盾に困り果てて発達外来を受診することに。医師の言葉をもとに始めた「娘が自分で解決策を出せる」ための関わり方とは…!全3部作でお届けします。反抗期なんだから仕方ない!?理論派な発達障害娘との思春期の乗り越え方とは広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のあるあーさんは、現在小学6年生。現在、思春期・反抗期の真っただ中!理論派のあーさんに思春期・反抗期というものを発達のちゃんとした知識として、教えた方がいいと思ったSAKURAさんでしたが…あーさんの反応は!?「一緒に寝てほしい」まだまだ幼いと思っていた娘の成長を感じて吉田いらこさんの長女・ゆいさんは小学6年生。ASD、軽度知的障害、場面緘黙の診断を受けています。精神面で実年齢より幼いところがあるかな、と感じていた吉田さんでしたが、小学6年生になったある日…!学校からの呼び出し、停学、家庭教師問題…中学生活はトラブル続出!中学受験をし、中堅の私立中学に進学した息子さん。小学生のころは幼く、可愛かったけれど、中学に進学したら環境の変化からか学校からの呼び出し、中1でいきなりの停学とトラブルが続出で…!飛び降り、リスカ未遂、金銭トラブル、友人関係…自閉症娘の思春期はストレスだらけで12歳のころに自閉スペクトラム症の診断を受け、現在21歳の娘さん。自分の気持ちを伝えることが苦手で子どものころはいつもイライラ…そんなある日、娘が祖父から何度もお金をもらっていたことが発覚して…!そのほか人気コラムはこちらから!
2022年08月12日■進級後初めての面談!家では問題児な息子が保育園では…家では連日ケンカや泣き声が絶えない上に、ご飯の内容にまで文句をつけてくるわが息子。一方、園生活においては協調性を発揮し、先生の肩を揉んであげるいたわりの心まで持ち合わせていたとは…!家で見せる態度とは真逆のいい子っぷりに度肝を抜かれました!!■今まで見えていなかった息子の良いところ息子は私が関わると破天荒になりがちなのですが、家の中と外での振る舞いの使い分けがきちんと身についていたことにも驚きました。ハンカチの件に関しても、忘れっぽい私にリマインドしてくれるのは助かるのですが、そんな母を頼らずとも自分でハンカチを用意できるよう、収納場所を変えようと思います〜!
2022年08月03日元気いっぱい、幼くてママ大好きな小学生だった小学生のころは幼く、可愛かった息子。家でも学童でも工作やブロック遊びをしたり、友達と走り回って遊んだり、楽しそうに過ごしていました。そんな息子でしたが、小学4年のころから塾に通うようになり、中学受験をして、中堅の私立中学に進学しました。小学校は小規模校で1クラスしかなく、6年間持ち上がり、クラスメートとも阿吽の呼吸で、思いを伝えなくてもみんな分かってくれる、平和な6年間を過ごしました。ところが、私立中学に入ると、急に同級生が200人近くになり、クラスメートのキャラもよく分からない、友達との距離感のとり方も分からないまま、「悪いことするのも度胸試し」的なところもあったのでしょうか。ある日学校から呼び出しが…!?ある日突然、学校から呼び出しがありました。何事かと思ったら…息子がクラスメートと一緒に、学校のカフェテリアの食券を偽造をしたとのこと。もちろん学校は停学処分に。息子の通っていた学校では、停学を何度か繰り返したら退学になってしまいます。あんなに頑張って勉強して合格した学校なのに、目先の数百円のために退学になるかもしれないことをするなんて…とショックでした。面談に伺うと、担任、学年主任、副校長などの面々がずらり…。息子は、先生方に、社会で同じことをしたら刑事罰を受けるのだと諭されました。Upload By ユーザー体験談突然の停学。母は孤独を抱えて停学は1週間以上、停学期間中はもちろん保護者の見守りが必要でした。停学の間は、夕方、学校からの確認電話に保護者が出て、その日書いた反省文のレポートをファックスで送らなくてはいけません。フルタイムで仕事をしているわが家。1週間も連続して職場を休めず、祖父母にも日中来てもらい、夕方の学校からの電話タイムには間に合うよう早退する日々。入学したばかりで、学校にはママ友もほとんどおらず、ほかにも停学になった生徒はいるのか、停学になったときはどんな風にほかの親御さんは対応しているのかもよく分からないままの、孤独な日々でした。Upload By ユーザー体験談息子のWISCの結果で特性に気づきそのことをきっかけに、精神科にも相談に行きました。息子は検査(WISC)も受け、偏りが大きいことも分かりました。処理速度やワーキングメモリなどはものすごく高かったのですが、少し先の見通しを持つ力がそれにくらべると低いのだといわれました。そのスコアの差は50近くもあり、アンバランスさを指摘されたのです。息子は、「食券偽造する」⇒「ただで食べられる」⇒「得だ」という風に考えがちで「食券偽造する」⇒「ただで食べられる」⇒しかし、規則違反の行為のために「停学、退学になるかもしれない」⇒「数百円の得しても停学になるならやらないほうがいい」とまでは思い至らなかったのではないかというのです。反抗期の息子…家庭教師は辞めていき…反抗期にも突入し、学校の成績は右肩下がりで、その後も学校に呼び出されることも複数回。息子に対し、どう接したらいいのか悩みが深かった時期でした。中学受験で無理させすぎてしまったのかも、とも考えました。いっそ、退学し、転校したほうがいいのか?と思ったほどです。学業で悩んでつけた家庭教師も、あまりにやる気がなく授業態度が悪い息子に愛想をつかし、「息子さんに教えたくない」と複数人が辞めていきました。Upload By ユーザー体験談中学2年になるときに、思い切って学校のPTA活動に参加することにしました。委員会活動で学校に毎月行くようになり、ママ友もできました。学校の様子もよく分かるようになり、子どものことを相談できる仲間もでき、先生方とも話しができる機会が増え、少しずつ肩ひじ張らずに過ごせるようになって心も軽くなっていき、「口うるさくいっても、関係が悪くなるだけ」「どうしてもダメなことは、きちんと伝えよう」と思えるようになりました。結局、息子が落ち着いていったのは、高校生になってからです。それまでは、テスト前になっても置き勉している教科書を学校から持ち帰らないので、教科書や学校で使う問題集はもう1セット購入し、自宅にも置いていたのですが「お金がもったいないからもう買わないでいい」と言われたのです。そして、テスト前には教科書をきちんと持ち帰ってくるようになりました。読めないほど汚い字で書いていたノート(汚すぎて読めないのでテスト勉強にも使えない)も、下手なりに読める字に変化していきました。特に高校3年生になってからの頑張りはすさまじく、自立して勉強に取り組むようになり、成績も急上昇し、学校の先生方に驚かれるほど。中学3年の頃からみてもらっていた家庭教師の先生にも「別人のよう」としみじみと言われました。息子は、精神的な成長が奥手だったのかな?と今なら思えます。おそらく、高校2年生くらいで、一般的な中学3年生くらいの精神年齢だったのかなぁ…と。現在大学生になった息子を見て現在大学生になった息子は、ときどき偉そうな物言いをすることもありますが「いつまで中2病やってるの。そういうの、カッコわるくない?」と軽くいなすと、それもそうだな、と思うようで、最近は大人同士の会話もできるようになってきました。車の免許も取ったので、助手席にのって練習に付き合うこともあります。息子の運転でドライブしていると、なんだか頼もしくて、つい数年前に悩んでいたことが嘘みたいに成長したなぁ、としみじみしてしまいます。Upload By ユーザー体験談エピソード参考/あっきーイラスト/keiko(監修:三木先生より)発達の偏りが大きい子は、見通しや精神面の成長が遅いことが往々にしてあります。そのため、年齢相応をイメージしているとギョッとするような不適切な行動を取ることがあります。周りの大人たちの温かい見守りのおかげでゆっくりと成長ができたようで良かったですね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「反抗期・思春期」「自傷」「学習」「不登校」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「パートナーや両親(義両親)、親族間トラブル」「冠婚葬祭」のお悩みも追加募集!パートナーなどとの意見の相違、冠婚葬祭でのルールが分からない、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年07月20日思春期・反抗期は、成長のプロセス。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、現在小学6年生。思春期・反抗期の真っただ中です。発達外来の受診で、発達障害児の思春期・反抗期についてや、娘の状態に合わせた療育方法を先生からアドバイスしてもらい、少しずつよくなってきました。しかし、そもそも思春期・反抗期は、正常な発達。娘の自立力を伸ばすことが目的であり、反抗的な態度をゼロにしようとは思っていません。日常生活では、反抗は引き続きあるのが現状です。Upload By SAKURA自分の発達に関して、興味津々。わが家では娘に「発達障害」の告知をしています。そのことも関係しているのか、娘は自分の発達状態にとても興味津々です。自分は何歳で歩いたか、何歳のときにしゃべったか、オムツが外れたのはいつか、小さいときはどんな子だったか…。決して後ろめたいという聞き方ではなく、「私のことを知りたい!」「教えて!」と楽しそうに、何度も聞いてきます。Upload By SAKURA正しい知識を教える。そんな娘には、思春期・反抗期というものを発達のちゃんとした知識として、教えた方がいいと思った私たちは、思春期・反抗期についてよく説明しています。Upload By SAKURA元々、理論的な説明が大好きな娘。自分のイライラや、親に反抗してしまう言動が、発育として説明がつく状態が面白いようです。私ともめたときも…Upload By SAKURA自らの態度の理由を「思春期・反抗期」と言う娘。それを言うことで、娘の反抗が急に可愛く見え、私は笑いをこらえるのに必死になってしまいます。自分の経験も話して聞かせる。元々、あまり他人に興味を示さない娘ですが、思春期・反抗期に関しては自分だけではなく、ほかの人がどうだったかを知りたいようで…Upload By SAKURAUpload By SAKURAこんな会話をしていると、まだまだ娘は、反抗期じゃないような気さえしてきます。話して、向き合って、乗り越える!私たちの場合、思春期・反抗期というものを会話なくただ過ぎるのを待つより、「あなたは今、思春期・反抗期に入っていますね」と、状態を説明してからの方がお互いどこか冷静になれます。この方法が全員に通用するとは思いませんが(たぶん私の場合、そういう言い方されると余計イライラしていたかも…)、思春期・反抗期についてあえて話すというのも、乗り越えるための一つの方法かもしれません。執筆/SAKURA(監修:初川先生より)思春期・反抗期について、説明されたのですね!すてきなエピソードのシェアをありがとうございます。思春期・反抗期は、体感としては、「なぜだかはっきりしないけれど、なんだかイライラする」「今まではイライラしなかった『宿題やったの?』の声掛けになんだか無性に腹が立つ」、そんなイライラ先行かと思いきや、ときには、親に甘えたくなったり、友達と比較して悲しい気持ちになったりと、今までとはなんだか違う…といった感覚にとらわれることが多いです。そうした内発的な変化について、学校の保健で習ったり、言葉として「思春期」「反抗期」と知っていたりはあるにしても、そこと結びつけて「あー、これが噂の思春期か…」と認識できる子は少ないと思います。多くの場合、「なんでそんなに反抗的なのよ!」と親に言われるなどして、気づくことが多いです。自閉スペクトラム症のある方のように、自分の体感をモニタリングしづらかったり、未知のことに出合うことの衝撃を大きく受けたりする場合には、早めに説明するということが安心安全につながることがあります。SAKURAさんのされたように、それは正常な発達なのだということを伝えることがとても大切です。これまでとの違いに違和感やしっくりこない感じ、終わりの見えない感じ、そして、大人になるということへの不安がないまぜになって感じられる場合もありますが、それは正常な発達で、いずれ落ち着くということ、その見通しを伝えることが大切です。SAKURAさんの娘さんの場合には、そのあたり理解され、自分のことを「思春期・反抗期」とカテゴライズして語ることができるようになりました。自分の状態が何であるか知っていること、自分の状態の手綱を握れていること。とても素晴らしいですし、大人への第一歩だなと感じます。
2022年07月06日登場人物■ほにゅ:2018年2月生まれ。泣くのが得意な男の子。薄毛。飽き性。笑顔で母をノックアウトできる。■ねむ:2020年7月生まれ。よく寝る女の子。■つぶみ:ほにゅ&ねむの母。すぐムリって言う。一応一生懸命取り組む。■ぺー:ほにゅ&ねむの父。効率的に動きまくる。優しい。声がでかい。オチツケ、ワタシ…!編集後記イヤイヤ期真っ只中のねむちゃん(1歳11ヶ月)と落ち着いて向き合うために、さまざまな方法を学びながらイライラを回避しようとするつぶみさんでした。子どものイヤイヤ期は成長している証拠だということは理解していても、日常のなかで向き合うのはなかなか根気がいるものです。「なんであんなに怒っちゃったんだろう…」と落ち込む日もあるでしょう。そんな時はつぶみさんのように、あの手この手を試してみてはいかがでしょうか。自分にあった方法が見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。いつも成功するとも限らないですよね。それでも、子どもや自分にきちんと向き合っているだけで、十分に素晴らしいママであることには変わりありません。子どもと一緒に、ママも成長しているということを改めて気づかせてくれる素敵なエピソードをありがとうございました!ままのて編集部子どものイヤイヤ期と、ママのイライラ期。(1)はこちらつぶみさんの二人目妊娠のマンガはこちらままのて公式SNSアカウントままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてください!つぶみさんが描く漫画が動画になりました!ままのてで大人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後もつぶみさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他の育児漫画や育児に関するお役立ち情報、生活の知恵がたくさん配信されていますよ。どの動画にも字幕が付いているので、赤ちゃんや子どもが寝ているときでも音声なしで楽しんでいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。過去のエピソード著者情報
2022年06月29日登場人物■ほにゅ:2018年2月生まれ。泣くのが得意な男の子。薄毛。飽き性。笑顔で母をノックアウトできる。■ねむ:2020年7月生まれ。よく寝る女の子。■つぶみ:ほにゅ&ねむの母。すぐムリって言う。一応一生懸命取り組む。■ぺー:ほにゅ&ねむの父。効率的に動きまくる。優しい。声がでかい。イヤイヤ期とイライラ期編集後記ねむちゃん(1歳11ヶ月)がイヤイヤ期に本格的に突入し、イライラしてしまうことが増えたつぶみさん。頭のなかを整理することで冷静さを取り戻そうと葛藤していると、子どもがイヤイヤ期なのに対して自分はイライラ期だということに気がついたようです。大好きな我が子でも「イヤ!イヤ!」と否定され続けてしまうとイライラしてしまうことがありますよね。怒って反省して…を繰り返すつぶみさんに共感するママも多いのではないでしょうか。つぶみさんは「キレる必要ないのでは?」と自分自身に問いかけながら、ママも人間だからイライラしてしまうのは仕方ないという事実を受け止めています。まずは「ママもイライラ期なんだ」と自分を認めてあげることが大切なのかもしれませんね。落ち着きを取り戻そうとするつぶみさんが、どんな風にねむちゃんと向き合っているのか、次回の配信を楽しみにお待ちください!ままのて編集部つぶみさんの二人目妊娠のマンガはこちらままのて公式SNSアカウントままのてのTwitter・Instagramをフォローすると、最新マンガの更新情報をご確認いただけます。ぜひフォローしてください!つぶみさんが描く漫画が動画になりました!ままのてで大人気の育児漫画が動画でも楽しめるようになりました。今後もつぶみさんの漫画動画を随時更新していく予定です。その他の育児漫画や育児に関するお役立ち情報、生活の知恵がたくさん配信されていますよ。どの動画にも字幕が付いているので、赤ちゃんや子どもが寝ているときでも音声なしで楽しんでいただけます。ぜひチャンネル登録してみてくださいね。過去のエピソード著者情報
2022年06月22日2歳の長男にイヤイヤ期が到来し、子どものわがままな言動にイライラすることが増えていました。子どもへの向き合い方に悩んでいた私が、インターネットでアンガーマネジメントという言葉に出合い、感情をうまくコントロールするコツを身に付けた体験をお伝えします。叱る前に6秒かけて大きく深呼吸インターネットから得た情報によると、人間が怒りのピークを感じるのは6秒と言われています。私は子どもに感情的に怒りをぶつける前に、なんとか6秒耐えようと意識をしました。例えば、子どもが着替えたくないと服を投げたときや、コップに入ったお茶をわざとひっくり返したりしたとき……深呼吸を6秒間するだけでクールダウンし、冷静に物事の良し悪しや、なぜその行為がいけないことかを伝えられるようになりました。 長男の心のサインに気付くことができたわが家には2歳の長男と1歳半離れた次男がいます。長男がわがままを言うタイミングは、決まって次男にパパとママの視線がいっているとき……。アンガーマネジメントを意識する前は、イヤイヤを鎮めることに精一杯で、長男の心に寄り添うことができませんでした。一旦クールダウンすることを意識したことで、「長男はかまってほしいんだな」「私たちに甘えたいんだな」と気持ちを汲んであげられるように。 それからは、長男をできるだけ多く抱きしめてあげたり、叱るだけではなく小さなことでもできたことを褒めるようにしたことで、私自身のストレスも減りました。 家族みんなに笑顔が広がるアンガーマネジメントは子育てだけではなく、夫婦関係にもいい影響をもたらしてくれました。 わが家は子育てを機に、睡眠不足による疲れ、仕事と育児の両立の問題で夫婦喧嘩が多発……。よく考えてみれば一家の大黒柱として働くパパも大変ですし、24時間365日子どものペースでお世話をするママも大変。忙しいのはお互い様です。夫に対してカーッとなっても、「お疲れ様」「〇〇してくれてありがとう」と労りや感謝の言葉をかけることで夫婦円満になり、自然と笑顔も増えました。 私は「子育てをとことん楽しむ」という軸をもっています。アンガーマネジメントを習慣にしたことで、叱ってもいいけれど感情をうまくコントロールし、メリハリをつけた子育てを実践中! 今はイヤイヤ期すらも愛おしく、この時期にこそ感じられる葛藤を楽しんでいきたいと思っています。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:櫻井せりか1歳と0歳、2男の母。長男の育休中に第二子妊娠、育休を延長し事務職を休業中。現在は子育てをしながらライターとして活動している。
2022年05月11日子育てに、悩みはつきものです。子供が成長するにつれ、年齢に応じた悩みが次々にやってきます。中でも、特に多くの親が手を焼くのは、いわゆる『反抗期』と呼ばれる時期ではないでしょうか。『イヤイヤ期』や『思春期』と並んで、ちょうどその間の時期、小学校低学年頃から子供に訪れるといわれる『中間反抗期』という言葉も、最近、よく聞くようになりました。そんな中間反抗期を迎えた長男との、ある日のやりとりをInstagramに投稿していたのはCHIHIROさんです。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 この投稿をInstagramで見る CHIHIRO(ちひろ)(@chihiro21865527)がシェアした投稿 呆然としてしまうような口の悪さを披露したかと思えば、寝る前には「ママ大好き」という母親にとって最上級の言葉。まさに『アメとムチ』のような長男の言葉に、一喜一憂してしまうCHIHIROさんの心の様子が描かれています。この投稿には共感する人も多かったようで、コメントが続々と集まっていました。「うちもまさにこれです!」「うちのことかと思いました」「最後不意打ちで泣いたー」実は、筆者の息子も同じ年頃で、まったく同じような状況です。「これも成長の証」「学校で頑張っているのだから」と理解しようとは思うものの、一人前に口答えをするようになった息子を前に、なかなか穏やかな気持ちではいられません。でも、CHIHIROさんの投稿を見て、時々やってくる『アメ』の瞬間を大切にしながら、なんとか乗り切ろうと思えました。きっと同じように、励まされた人も多かったのではないでしょうか。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2022年05月11日止まらない、娘のおしゃべり。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、小学4年生ごろから反抗的で発言と行動の矛盾が多くなりました。発達検査を前に、久しぶりに発達外来を受診することになったため、私は娘の行動の原因と、その対策を聞いてみることにしました。待ちに待った発達外来の診察日。担当は、今までの先生とは違う方でした。聞きたいことが山ほどある!私は、早く聞きたくてうずうずしていたのですが…Upload By SAKURA先生と娘の話がなかなか終わらない!定期的に受診していた小学2年生のころは、先生に聞かれたことしか答えなかった娘でしたが、小学5年生になり、言葉も成長していた娘のおしゃべりは、なかなか止まりませんでした。いつもと違った診察の方法に動揺!先生と娘だけの話が始まって15分ほど経ったころ、ようやく私に話がふられました。いつもなら最初、先生と娘が話をし、それが終わると、娘の相手をする看護師さんがやってきます。娘の様子や困りごとなどの話をするときは、先生と私だけです。娘が、私たちの話を聞くことはありません。しかし今回は…Upload By SAKURAなぜか先生は、娘の相手をするために来た看護師さんを、退出させました。話を始めようにも、娘がいる…話を聞かれたくない…私が、「できれば娘のいないところで話したいのですが…」と言うと先生は、『話してどうぞ』というジェスチャーをしていました。仕方なく私は、娘がいるため、言葉を選びながら、最近の様子を話しました。Upload By SAKURA最初はなるべく、娘が分かりにくいような言い回しを選んでいたのですが、途中私が気持ちをおさえられなくなってしまい、娘の前で愚痴のような内容になってしまいました。娘は、私に悪口を言われたとショックを受け、隣で泣いてしまいました。久しぶりに近づいた、娘との心の距離。だから聞かれたくなかったのに…私は娘に対して申し訳なく思い、同時に先生に対して、疑問を持ちました。すると、先生は…Upload By SAKURA先生から直接聞いた訳ではないので、ここからは私の予想ですが…先生は話を聞き始めたとき、私と娘の間の不穏な空気を感じ取ったのかもしれません。娘の話からも、矛盾感を感じ取った…。だから、私の話をあえて娘に聞かせるため、同席させたのかもしれません。何ヶ月もピリピリした状態が続いていた私と娘の心の距離が、久しぶりに近づいた気がしました。原因は、「自立心」と「自立力」のバランス?それから先生は、娘の発言と行動の矛盾の原因を話し始めました。Upload By SAKURAこの説明には、目からうろこでした。今まで、矛盾を感じていた娘の行動すべてが、理解できました。今の娘に必要なこと。娘の行動の理由は分かった…しかし、私が知りたいのは、この状態を改善する方法があるかどうかでした。Upload By SAKURAその方法とは、娘に決めさせる…?先生の言った方法は、「あーさんに、選択も結果も全て委ねる」というものでした。Upload By SAKURA次のステップへ。私は、いつも娘がパニックにならないよう、失敗しないよう、いろんなことを先回りして声かけをしていました。「○○しないと、~になっちゃうよ」「先に○○したら?」「忘れ物ない?」など、娘がスムーズに過ごせるように、良かれと思ってしていたことでした。これは私が娘の発達に問題があると分かってから、歩んできた日々の中で、言うなれば自然と身につき、染みついて離れなくなっているような…私のスキルのようなものでした。Upload By SAKURA娘がパニックを起こさないため、私が先回りしての声かけは、今の娘には不必要な支援だったのです。私は、いつまでも娘が幼くて、パニックを起こして泣いていると、思い込んでいたのかもしれません。「次のステップへ」という言葉は私の中で、区切りのように感じたのです。Upload By SAKURA執筆/SAKURA(監修:三木先生より)ご本人を場から外さないことも含めて、ちゃんと「あなたのテーマだからね」ということを明示してくださる先生なんですね。そういうメッセージも「本人のテーマを本人が扱う」ためのステップとして、素晴らしいと思います。
2022年04月27日育児に正解はない。でも、間違いたくない…。これは、すべての親が心に抱える、矛盾した思いではないでしょうか。そのため、親は成長の過程一つひとつに、悩んだり不安になるものです。人気コミックライターの星田つまみさんも、小学校2年生の長男「にぃくん」の変化に「私はどこかで育て方を間違っていないか…」と不安になります。四六時中叱って怒ってイライラして…。そこでたどり着いた“中間反抗期”という言葉。あまり聞き慣れない言葉ですが、こちらのエピソードには共感する読者のコメントがたくさん寄せられました。■今までと違ってきた長男への対応に悩むこんにちは、星田つまみです。小学2年生の長男、にぃくんの“中間反抗期”のお話です。7歳頃から目についてきたにぃくんの変化。にぃくんの様子を見て、私は不安に苛まれてしまったのです…。■中間反抗期って?にぃくんの場合は、話を聞かない、ウソをつく、友達優先で約束を破ったり、だけど外面は良いという、なかなかの手ごわさ。※私が自分で調べた、あくまで一般的情報にすぎないということをご理解ください。■感情のコントロールができなくなった私は……私は自分の感情を抑えられず日に何度もにぃくんを怒鳴りつけるようになってしまいました。しかし、その時にぃくんは、どう感じていたのだろうか…。でも、叱らなくては聞いてくれない。だけど、叱ってばかりではいけないのはわかっている…。一体どうすれば!? ここから、試行錯誤がはじまります…。こちらは2021年12月26日よりウーマンエキサイトで公開されたエピソード漫画です。こちらの漫画に読者から寄せられたコメントの一部をご紹介します。■「うちの子どもも同じです! 」のコメント多数星田さんのように、小学校低学年の子どもの反抗期に苦労している!というエピソードが、多数寄せられました。・小3の息子も同じく、自立と甘えの振り幅が180度変わる時期です。・このマンガを読んで、改めて娘は中間反抗期という大事な時期を歩んでいるんだ、と気づけました。ありがとうございます。・まさに私と同じです。小2の長女の育て方間違ったかなと、将来何か起こしたらどうしようとか、いろいろ考えて悩んでます。毎日イライラして、強く言っては後悔。早く続きが読みたいです。同じく悩んでる方がいると分かっただけで、少し救われました。・ちょうど年末くらいに私も「中間反抗期」という言葉をしり、もしかしてと思っていたところでした。調べていくうちにそこで少し冷静になることができました。・息子が小3になって扱いづらいな…。どうしたらいいんだろうっと思っていました。 基本甘えん坊ですが、約束を守らない、3歳離れた妹に怒る、クラスの子が嫌で学校に行きたくない、などさまざまなことで悩んでいました。 このエピソードを発見して、なるほどなと思いました。 ・子どもへ感情をぶつけてしまう描写も素直に描かれていて、取り繕うことのない内容が読んでいてとても好感を持ちました。 作者さんの最終的に至った結論と自分の考えが一緒で、なんとなく背中を押してもらえた気がして嬉しかったです。子育てに関する悩みも、「成長の証」と捉えられれば、パッと目の前が明るくなりますよね。この漫画が、そんな気づきのきっかけになれば幸いです。▼漫画「中間反抗期という名の成長証明書」
2022年04月21日やってきた、娘の思春期・反抗期。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、4月から小学6年生。小さなころはコミュニケーション部分が苦手で、自己主張も少ないということもあって、私に言われたことを淡々とこなしていく子でした。Upload By SAKURAしかし、それも成長と共に変化し、小学4年生ごろから私に対して反抗することが増えていきました。返事をしなかったり私を睨んだり、娘の発達障害が分かってから大切にしてきた話し合いの時間も拒否し、受け入れてくれなくなりました。Upload By SAKURA当初、私はそんな娘の反抗を嬉しく思っていました。「このくらいの歳の子にはよくあること」「自分だって覚えがある」「正しく成長している証」ここを通って娘は成長していく…そう思っていました。しかし、発達障害のある娘の思春期・反抗期は、とても特殊に感じられたのです。療育グッズ、絵カードを嫌がるように。娘は耳からの情報収集が苦手という特性があります。そのため、私は視覚に訴える療育グッズをこれまでたくさんつくってきました。準備や片づけをサポートするカード、先の見通しを立てるための時間を細かく書いたスケジュール、良いこと、悪いことを絵にし、壁に貼ったりもしていました。Upload By SAKURAそうすれば娘の苦手な部分をフォローすることができましたし、娘に「自分でできる」という自信をつけることができると思ったからでした。しかし、娘は少しずつ、その絵カードなどのサポートグッズを嫌がるようになりました。Upload By SAKURA声かけも嫌がるように。私は、それも娘の大切な主張だと思ったので、絵カードはつくらずに、声かけのサポートだけ続けましたが…Upload By SAKURA絵カードでフォローできない分、声かけをすると、次第にイライラしていく娘。声かけなしでできればいいのですが…娘は声かけをやめてしまうといろんなことが抜けてしまい、パニックを起こすのです。Upload By SAKURA私は、なるべくパニックを起こさないように、スムーズにできるようにという気持ちで声かけをしていたのですが、それを娘は嫌がる…。私は、娘に声かけするたびに、イライラが溜まっていきました。発言と行動の矛盾。そのうちに娘は、いろんなことを「できるようになりたい」と言うようになり、自立の気持ちが目立つようになりました。私は、意欲が出たときがチャンスと思い、いろんな家事を一緒にやろうと誘いましたが…Upload By SAKURA娘はいつも「今はいい、今度ね」と断り、行動に移すことはありませんでした。さらに、自分のことをよく見られたいという気持ちも芽生え、家族以外の人に、自分のことを話すようになったのですが…Upload By SAKURA娘の発言と行動は矛盾していて、家ではやらないことがほとんど。家でやらないことを、いつもやっているという感じで話すので、私には娘の考えていることがよく分かりませんでした。私を拒否しているのに、自分ではやらない。私ともめたときも…Upload By SAKURA私に対して「もういい!」と言うのに、自分で何とかしようという気持ちが一切なく、私を拒否しているのに、私にやらせようとする…。その考え方の矛盾が、私には全く理解できませんでした。Upload By SAKURA発達障害のある娘を、自分の小学生のときと比較してはダメだと分かってはいましたが、常に娘ともめていた私は、正常な思考が保てなくなっていきました。再びやってきた、在籍クラスの選択。私は娘とのやり取りで分からないことがあったとき、半年に一回受けている発達外来の定期健診で先生に相談していました。しかし、それも小学2年生まででした。当時の娘は、とても安定していて、病院からの提案で、定期健診はなくなり、カルテを残し、診断書がほしいときに受診するということになりました。Upload By SAKURA病院が受診できなくなってから私は、娘のことで分からないことがあったときは、本を読んだり、ネットで調べたりしていました。今回の場合も、娘とうまくいかなくなってから、自分で調べて試行錯誤しましたが、関係性は悪くなる一方。ピリピリした空気感は強くなっていき、娘の態度を見るだけでイライラするようになってしまいました。そんなとき、特別支援学級の先生から、中学校からの在籍クラスについて聞かれました。Upload By SAKURAついこの前、在籍に迷い、やっと小学2年生からの在籍クラスを決めたと思っていましたが、あれからもうすぐ5年が経つ…。中学生からの在籍は、6年生の夏までに決めなければなりません。2年生のときに比べたらいろんなことができるようにはなりましたが、まだまだな部分も多くあります。そこで、中学からの在籍クラスを決める参考にするため、病院で発達テストを受けることにしました。久しぶり(4年ぶり)の受診ということで、いきなり発達テストではなく、テストの前に診察を受けることに。私は、その診察のときに、先生に今の娘をどう扱っていいかを相談しようと決めました。これが私と娘の転機になったのです。執筆/SAKURAさん(監修:三木先生より)お子さんの言動に不一致があると、親としてはイライラしてしまいますよね。しかもなかなか「自分で言ったんだから」と突き放し切れなかったりするものです。さて、診察ではどのようなアドバイスがもらえるのでしょう…?
2022年04月13日みなさんは、お子さまといつまで手をつないで買い物に行きたいと思っていますか?小学校高学年以降、どんな親子関係を望んでいますか?文部科学省が公開している「子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集」(2009)によると、「どういう親でありたいか」という質問に対し、約8割の母親が「なんでも話し合える友だちのような母親」と答え、約6割の父親が「なんでも話し合える友だちのような父親」と答えています。どうやら、「できるだけ子どもの自由を尊重する親でありたい」と考える保護者が増えているようです。もちろん、家族の仲がよいのは決して悪いことではありません。しかし、親と子の距離感を間違えてしまうと、のちのち深刻な問題が生じることも……。今回は「友だち親子」の危険性と、親子の適切な距離感について考えていきます。「友だちのような仲良し親子」がじつは危険!「中学生、高校生になっても親と一緒にお風呂に入る」「毎日の洋服も進路も結婚も、迷ったときは親のアドバイスに従う」など、精神的距離が近すぎる親と子が増えていると、教育評論家の尾木直樹氏は述べています。尾木氏は著書『親子共依存』のなかで、ここ数年「うちの子、反抗期がありません」という保護者の声が増えたことに言及し、次のように指摘します。最初のうちは、このことを不審に思い、心配する親御さんも少なくありませんでしたが、いまや「うちの子は手のかからない、本当にいい子!」「とっても仲良し親子なんです」と誇らしげに言う人のほうが多数派になったようにも思います。(引用元:尾木直樹(2015),『親子共依存』, ポプラ社.)なかには、中学生の息子といつも一緒に買い物に行くことを嬉しそうに話す母親や、思春期の子どもと手をつないで歩く母親もいるそう。こうした現状を、「親子仲がよくてうらやましい」「ほほえましい」と肯定的に評価する風潮に対して、尾木氏は「非常に深刻な問題をはらんでいる」と苦言を呈します。名門校である鷗友学園女子中学高等学校の名誉校長・吉野明氏も、同様の問題を指摘しています。吉野氏によると、多くの女子学生とその母親に接するなかで、近年特に気になるのが「擬似姉妹」のような母娘の関係だそう。娘の側は、「友だちといるよりも母親と遊ぶほうが楽しい」と感じており、母親は「私は娘を一人前と認めている」と思い込んでいる――。一見、いい親子関係のようですが、実際はお互いに依存し合う「共依存関係」にあるのだと言います。そして一度、「友だち親子」のような共依存の関係に陥ってしまうと、子どもが成長するにつれてさまざまな問題が表面化するようになるようです。「友だち親子」の恐ろしい弊害3つ異常なまでに精神的距離が近い「友だち親子」は、子どもにとっても親にとっても、さまざまな弊害をもたらします。なかでも顕著なのは次の3つです。弊害1:「親子共依存」になるわが子にべったり依存してしまう親が増加している背景には、不安定な社会情勢や地域のつながりが希薄になっていることなど、複合的な要因が考えられますが、「子どもにとって “ものわかりのいい親” に見られたい」という親側の願望も見え隠れします。そして “ものわかりのいい親” になるために、親は子どもとの距離を必要以上に縮めようとするのです。すると、子どもは「自分のことを一番理解してくれる親」に対して、安心してすべてを委ねてしまいます。その結果、いざ自立すべき年齢になっても判断力や決断力がないため、親への依存度がさらに増してしまう――。これではいつまでたっても親離れ・子離れができません。「『友だち親子』になると、親子が同質化する傾向が深まる」と、共依存状態にある親子関係を別の角度から分析しているのは、目白大学教授の黒沢幸子氏です。同質化した親子は「境界線がない=ボーダレス」の状態になり、子どもの感情の揺れに対して親も共鳴してしまう「親子共振状態」を招くのだそう。つまり、子どもの感情に寄り添いすぎて、本来ならば大人としての適切な指導やアドバイスをすべき場面でも、子どもと一緒になって教師や友だちを攻撃するモンスターペアレントになりかねないと、黒沢氏は指摘します。また北海道にある篠路光真幼稚園のウェブサイトでは、共依存状態の親について、「子どもの自我を受け止めきれなかったり、ほかの子どもとわが子を比較したりと、親自身が子育てを楽しむことができなくなる」と書かれています。親子共依存は、子どもにとっても親にとっても、まわりが見えなくなる危険な状態と言えるでしょう。弊害2:「反抗期」がないまま成長してしまう「反抗期がない」と聞くと、「いい子に育ってうらやましい!」と思う方もいるかもしれませんが、子どもが大人へと成長する過程において、親に反抗心を抱くことは大事なステップです。ちなみに、親子問題が専門の心理カウンセラー・平岡亜紀氏によると、個人差はあれど「 男の子なら10歳、女の子なら11歳が反抗期スタートの目安」とのこと。また脳科学者の中野信子氏は、「反抗期は脳の発達段階のサイン」だとし、「子どもが外の世界を求め、親の価値観に逆らってみせる反抗期は脳の発達において重要」だと述べています。そして「仲良し親子のように、単調な刺激しかない状態、自分が知っているのと違う世界に触れる機会が少ない環境にいると、知能の発達に必要な知的刺激を十分に受けることができない」と警鐘を鳴らしています。そして、「いい子のまま大人になる若者が増えた背景には、親子の密着がある」と述べるのは、精神科医の大下隆司氏。就職しても実家で暮らしたがる子や、子どもを手元に置いて抱え込んでしまうというパターンが少なくないようです。ですが、あまりにも居心地のいい家庭は、子どもの自立の妨げになることもあるので要注意。大下氏は、「そもそも反抗期は、親の考えや価値観が自分とは違うと気づくことから始まる」と述べます。もちろん親はショックを受けますが、それはわが子が自分の力で人生を切りひらくための第一歩。物理的にも精神的にも離れることができて初めて、子どもは自立するのです。弊害3:「生きづらさ」を抱えるようになる適切な時期に反抗期を迎えなかった子どもは、自立すべき年齢になっても親との共依存から抜け出せず、「生きづらさ」を抱えてしまうことも。たとえば、引きこもりになってしまったり、仕事が長続きせずに転職を繰り返したり、友人関係でトラブルを起こしたりと、さまざまな面で苦労するケースが考えられます。日本メンタルアップ支援機構代表理事を務める大野萌子氏によると、「成長過程で、なんでも親に話すことを良しとされてきた子どもは、(大きくなっても)親に報告しないという選択肢はない」のだそう。その理由として、「親の強い圧力をはねのけることにエネルギーを費やすよりも、迎合して丸く収めることで家庭内での生きやすさを獲得してきた」ことを指摘しています。つまり、自分で考えることを放棄しているのです。親もまた、子どもが大きくなってからも、長年の癖でつい口出ししてしまうと言います。小さい頃から親の意見に従ってばかりいた子どもは、大きくなっても自分で決断することができず、不安を抱えたまま社会生活を送るようになります。その結果、うまく社会に適応できなくなり、「生きづらさ」を強く感じるようになるのです。「友だち親子」にならないための親の心得とはいえ、わが子を愛するがゆえに、つい口を出したり手助けしたりしたくなるのが親心です。「友だち親子」になるのを回避して、つかず離れずの関係を構築するためにはどんなことを心がければいいのか――。3つの「親の心得」をご紹介します。親の心得1:子どもと親は一心同体ではない。自分の人生を楽しもう!前出の吉野氏によると、「擬似姉妹」状態に陥っている親は、娘の友だちを悪く言ったり、娘が買ってきた洋服に「ちょっと派手じゃない?」と言ったりと、自律的に動き出した子を無意識のうちに引き止めようとする傾向があるそうです。それは、子どもと自分を一心同体だと思い込んでいるから。もしくは、子どもを自分の「分身」だと勘違いしているのです。子どもの手が離れていくのは寂しいものですが、子どもと自分の人生は別のもの。親自身もまた自分の人生を楽しむことで、お互いにとって充実した人生を送ることができます。新しい趣味を見つけたり、習い事を始めたりするなど、視野を広げることで自分の新しい可能性に気づくこともありますよ。子どもだけに向けていた目と心を、自分自身に向けてみましょう。親の心得2:悪ノリの友だちトークはNG。親は指導する立場である心理学者の植木理恵氏は、カウンセリングに来る親子の会話が「友だちトーク」になっているケースが多いことに言及しています。たとえば、子どもが「○○ちゃんが一緒のクラスにいるから嫌なんだ」と言ったら、親はまるで友だちのようなノリで「ああ、わかる……。○○ちゃんとは気が合わなそうよね」などと同調する様子をよく目にするそう。植木氏は、「子どもの話に悪ノリするのは、ただの育児放棄」と厳しく指摘しています。親であれば、「そう。だけど○○ちゃんにだっていいところがあるんじゃない?誰とでも仲良くできることも大事だよ」と、あくまでも大人として常識的な対応をするべき。“わが子に嫌われたくない” という気持ちを優先するのではなく、子どもの意見に共感を示しながらも、親は指導する立場であるということを忘れないようにしましょう。親の心得3:友だちではなく「子どもという選手のコーチ」になる友だち親子にならないほうがいい理由として、「相手のよくない点を指摘できなかったり、信頼関係が育めなかったりと、正面から向き合えない関係性になってしまう」ことを挙げているのは、子育てコーチングの専門家でNPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子氏。友だちでいるためには、相手に好かれるような振る舞いをしてしまいがちです。しかし、親が子どもに対して遠慮して、正しい指摘ができなくなると、子どもは親への尊敬や信頼を失ってしまうでしょう。そこで菅原氏は、「子どもという選手のコーチになる」ことを提案しています。「コーチは選手の自由意思や自発性を大事にしながら、どうすれば、より早く走れるか、より高く飛べるかを考えて伝えます。選手に自発的な選択をさせながら能力を引き出すような枠組みを作ります。提案されたことを実行するのは選手自身です。親は、必要なときにさっとコーチの帽子にかぶり変える意識で子どもと向き合うのがお勧めです」(引用元:日経xwoman|反動子育てで友達親子に「誤った自由さ」のリスクとは)スポーツ選手が大きな大会やオリンピックを目指すように、子どもが自分自身で自分の「心」や「行動」をコントロールできるようになることを、子育ての最終目標として設定するといいそうです。わが子の「生きる力」を育むためにも、選手の能力を最大限に伸ばすコーチとしての役割を全うしましょう。***「自分の親が厳しかったから、わが子とは友だちのような関係でいたい」と望む保護者も多いかもしれません。ですが、友だちには友だちの、親には親の役割があります。子どもの精神的な成長のためにも、親自身が共依存に陥らないようにするためにも、そのことを忘れずに子育てをしていきたいですね。(参考)文部科学省|子どもの育ちに関する現状等に関するデータ集尾木直樹(2015),『親子共依存』, ポプラ社.東洋経済オンライン|「姉妹みたいな母娘」が危険である深いワケベネッセ教育総合研究所|2「友だち親子」の光と陰ー危うい「よい子」と「乙Men現象ー集英社 学芸編集部|思春期の頭の中はどうなってる?〈その2〉明治安田生活福祉研究所|親子の関係についての意識と実態ーー親1万人・子ども6千人調査ーー東洋経済オンライン|「子どもを潰してしまう親」には共通点があるあなたは「不幸アピール」をしていませんか?ダイヤモンドオンライン|「友だち親子」になってはいけない日経xwoman|反動子育てで友達親子に「誤った自由さ」のリスクとはお金のキャンパス|脳科学者中野信子が語る!第3回子どもの可能性を育てる脳育を考える(後編)ベネッセ教育情報サイト|反抗期はいつから始まるの?具体的な年齢と親の心構えについて篠路光真幼稚園|入園の時期で迷っている方へ
2022年03月31日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか?大なり小なり義実家トラブルは皆さん経験があるみたいです…。今回は実際に募集した義実家トラブルエピソード「反抗期の子どもへの対応」「子育てに口出しする義母」をご紹介します!「反抗期の子どもへの対応」遠方の義実家には年に数回、近況報告を兼ねて電話しています。子供が小さい頃には電話を途中で変わって、元気な声を聞かせていました。子供の反抗期が始まった頃に「最近反抗期に入ったのか、なかなか言うことを聞かなくて…」と何気なく義母に話したら「それは力の見せ所だわ。口答えなんかしたら、2、3発力いっぱいはたいてやったらいい。最初が肝心だからね」と…。いやいや、それは虐待ですよお義母さん…!反抗期は誰にでもあるのに、それはないんじゃないかと思いました。(50歳/専業主婦)「子育てに口出しする義母」義実家に遊びに行ったときのお話です。義母は色々と子育てに口出しをしてきます。新生児の娘に「お風呂上がりはジュースを飲ませた方がいい」と言って許可なく勝手に飲ませようとして娘はギャン泣き…。また、「抱っこをしすぎ。抱っこ癖がついてしまう」などと色々と口出しをしてきます。口癖は「私たちのときはこうだった」と、いつも自分の意見を押し付けてきます。(29歳/専業主婦)こんな義母と付き合うとなると骨が折れそうですね。せめて旦那さんだけは味方でいて欲しいものです…。以上、義実家トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年03月22日みなさんは義実家の方々とは上手く付き合えているでしょうか?大なり小なり義実家トラブルは皆さん経験があるみたいです…。今回は実際に募集した義実家トラブルエピソード「細身のわが子に」と「反抗期の娘を見て」をご紹介します!「細身のわが子に」子どもたちが、幼稚園から低学年くらいまで続いた義母とのエピソードです。会う度に義母が子どもたちに「細いねー。ちゃんとご飯食べさせてもらってる?」と聞いてきます。子どもたちが「いっぱい食べてるよ」言っているのに、会うたびに聞いてきて…。すかさず私が「いっぱい食べるんですよ。この子たち代謝がいいから太らないんですよね〜」っていう、このやりとり「いつまで続くんよ〜」と思っていましたが、子どもたちが高学年になり体も大きくなり自然に言うことは無くなり…。たくさん食べてもなかなか大きくならない子どもを持つ親としては、微妙に傷つく一言でモヤモヤしました。(46歳/専業主婦)「反抗期の娘を見て」二世帯住宅で同居している義母についてです。私の12歳の長女は口が達者で、反抗期も重なって気が強く生意気な時期です。その話を義母としていたら、「誰に似たのかしらねえ、うちの子(旦那)は穏やかで素直だったけど」と…。まるで私のせいだ、とでも言いたそうな口ぶりに腹が立ちました。ですが、旦那は高校を停学になったこともある少しヤンチャだった子。穏やかで素直な子どもが停学になんかならないと思います…!(40歳/主婦)こんな義母と付き合うとなると骨が折れそうですね。せめて旦那さんだけは味方でいて欲しいものです…。以上、義実家トラブル体験談でした。次回の「トラブル体験談エピソード」もお楽しみに♪※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。"
2022年03月22日こんにちは。助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。人にはほとんどと言っていいほど「反抗期」というものがあります。それは、どの子にも大なり小なり、長かったり短かったり、波のように時期を変え何度も訪れます。今日は子どもの反抗期についてお話しします。 反抗期、実は気を引くため?反抗期は、親も子どもも大変なエネルギーが必要です。子どもはママがしてほしくないことばかりを繰り返してくれるので、ママはイライラしたり、落ち込んだりしてしまいます。 時には感情のコントロールがきかなくなって「何度言ったらわかるの!」と、怒ってしまうことも。でも多くの場合、子どもは大好きなパパやママの「気を引くための行動」をとっているだけなのです。 ほめるのは一瞬、でも叱るのはダラダラしてほしくないことを子どもがしたときは、ママはちゃんと注意したり叱ったりしますが、ビシっと叱っても子どもはパっと切り替えができません。しつこく感情をぶつけてしまいがちです。 なのに、大人から見てできて当たり前のこと……たとえば、遊んだあときちんと後片付けができたときや、全部残さずきれいに食べたときは、ほめたとしてもそれはほんの一瞬だけだったりします。 子どもなりに頑張ったことに対してママの反応が薄いと、大好きなママにかまってもらいたい子どもは、「そうか、いけないことをするとママはこっちを向いてくれるんだ!」と思ってしまうことも。大好きな人がこっちを向いてくれるなら、その相手が嫌がることであっても手段は選びません。それが子どもなのです。 飽きるくらいいっぱいの褒め言葉を子どもは、ただママに褒められたいのです。認められたいのです。愛されたいのです。 それは私たち大人だって同じですよね。 この子どもの健気な行動を止めるには「よかったね」「すごいね」「助かったわ」「頑張ったね」「ありがとう」「大好き」とたくさん伝えてあげましょう。 大人にとって当たり前のことも、子どもにとっては一生懸命だから。しつこいぐらいにたくさんの褒め言葉を投げかけてあげましょう。 そして、いつも信じていること、認めていること、愛していることを態度でいっぱいいっぱい知らせてあげましょう。 何度か訪れる反抗期に、落ち着いてゆとりをもって付き合えることを目指して、ぼちぼちいきましょうね。 イラスト/ごぼふく 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2020年に12人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2022年03月07日多くの母親が経験するであろう息子の反抗期。今では成人してすっかりやさしくなった長男も、思春期は毎日が戦闘モードでした。対する私も、よせばいいのにまさかの臨戦態勢! 更年期VS思春期の親子バトルを繰り広げてしまったのです。仲が良さそうな周りの親子を見るたび、うらやましいやら情けないやら…… 。ホルモンバランスの波にさらされた親子の泥仕合は、約2年間続きました。更年期VS思春期の親子バトルイライラする長男とオロオロする私陽気で愛されキャラだった長男が、ささいなことでイライラするようになったのは、中学2年生のころでした。野球バッグのファスナーを無理やりこじ開けて壊したり、ポロシャツのボタンを外さずに脱いで引きちぎったり。そうかと思えば上機嫌で話しかけてくる日もあります。これがうわさに聞く思春期男子の反抗期なのか!? と、私は実感し始めました。このとき私は46歳。長男が14歳、次男が11歳とまだまだ子育てに忙しく、更年期の不調もそれほど強く感じてはいませんでした。思春期男子の反抗期に漠然とした不安はあったものの、理由もなくイライラするような精神状態ではなかったのです。そんななかで始まった長男の反抗期。最初のころは、何が気に入らないのかまったくわかりませんでした。うっかり地雷を踏んでは怒らせてしまい、オロオロする私。長男のご機嫌を損ねたくなくて、次第に話すのが怖くなっていきました。中学校には休まずに登校するし、野球も頑張っている。そこに悩みがあるのはわかるけれど……。ひたすらイラついている長男に戸惑うばかりでした。更年期のイライラが発動しバトル開戦!ささいなことで怒りを爆発させる長男の様子にショックを受けながらも、引きずられるように私も長男に対してイライラを募らせるようになりました。怒らないで話し合いたいのに、話せば喧嘩になるという悪循環。一度衝突したら、売り言葉に買い言葉の泥仕合が始まります。何がきっかけでこんな大喧嘩になったのだっけ? と、原因すらわからなくなる始末。強い疲労感やめまいなどの更年期症状もイライラに拍車をかけ、コントロール不能な迷走が続きました。その後も長男の荒れっぷりはエスカレート。私と言い争いになった腹いせに、照明のスイッチを力まかせに叩いて壊すわ、部屋にバリケードを築いて立てこもり食事を拒否するわ、まるでドラマのような展開を見せ始めたのです。それでも私に手を上げることは決してありませんでした。物に当たったり、暴言を吐いたりするけれど、必死に自分を抑えてもがいている。部屋の前に置いておいた食事をきれいに平らげ、キッチンに下げてきた長男のばつが悪そうな顔を見て、私はようやく自分の愚かさに気付きました。心配だから、歯がゆいからと、つい口うるさくしてしまったけれど、そんなことは本人が一番よくわかっていたはず。多感なお年ごろの長男にとって、私はさぞかしウザい母親だったことでしょう。夫や次男の協力で事態は好転へ私は深く反省し、ひたすら母としてやるべきことだけをやりました。食事を用意し、弁当を作り、野球のユニフォームを洗濯する。長男の生活に必要なことだけをおこない、必要でないことに口を挟むのをやめたのです。長男の態度はそう簡単には変わりませんでしたが、言い争いは劇的に減っていきました。また高校受験など、これから先に控える長男にまつわるほぼすべてのことを夫に任せ、私はフォローに徹することにしました。私と長男がバトルを繰り広げていたとき、夫は中立の立場を取っていました。私のことを責めないけれど、長男のことも怒らない。そんな態度に不満を感じていましたが、結果的にはそれが正解だったようです。長男は素直に夫の話を聞いて勉強や野球に打ち込むようになり、高校生になるころには反抗期を卒業していきました。わが家のもう一人の男子である次男はどうなったのかというと、彼は大変クールな男性に成長しました。暴れることなく思春期を過ごしたのは、紛れもなく母と兄のバトルを見ていたからでしょう。冷静沈着で母にはとてもやさしいけれど、あっという間に親離れしてしまいそう。なんだか物足りない? いやいや平和で何よりと安心しています。まとめあれから7年。成人した長男とは今、あの嵐のような2年間を笑って振り返ることができます。でも当時の私は、荒れる彼を鎮めるどころか、さらにあおるような言動をしていたのです。更年期のイライラだったのかもしれませんが、親としての器が小さかったと反省しています。親子バトルは長男が高校生になるころには終結。中学時代と同じように悩みはあったはずですが、周囲に当たるようなことはめっきり減りました。私が更年期を自覚し、夫に任せたことで事態は好転していったように思います。次男の反抗期がなかったことも大きな要因。そういえば夫も次男だったな……。私の更年期卒業まであと数年。このまま平和な日々が続きますように!※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。マンガ/しおみなおこ著者/みやび(53歳)大学生と高校生の男子2人の母。夫の自営業を手伝いながらマイペースにライター活動中。息子の野球に全集中した12年間が終わり、燃え尽きたあとにやってきたのは更年期と介護だった……。趣味のヨガで体を整え、すべてを乗り切る所存!
2022年02月27日「できる」「できない」のギャップが気になったら私は、発達が気になる子どもたちの幼児期や学齢期の心理的支援の仕事に長年携わってきています。1992年から在籍した横浜市総合リハビリテーションセンターでは、児童精神科医の佐々木正美先生、発達精神科医の本田秀夫先生とともに20年以上、発達障害のある子どもや大人の支援に取り組みました。その中でたくさんのご本人・ご家族との関わりから教わった、ライフステージを通じて大切にしたいことの中から、今回は幼少期の子どもに対して家庭で取り組みたいことをお伝えします。お子さんが就学を迎える際など、ライフステージの変わり目では特に、お子さんの「できる部分」と「できない部分」のギャップが気になったりしませんか?保護者のみなさんが「できるようになってほしい」「できることを増やしたい」とお感じになるのは当然のことと思います。また「できる」を増やすための働きかけは、お子さんにとってもプラスになります。そこで、働きかけにあたって、ぜひ気をつけてほしいことがあります。それは、お子さんのペースに注目することです。「マイペース」という言葉がありますね。私たちは誰もが「自分に合ったペース」を持っています。そのペースは、人によって違います。テンポよくどんどん取り組みたい人、時間をかけてじっくり取り組みたい人…みなさんも自分にとって心地よい、ゆとりを持って取り組めるペースをお持ちではないでしょうか。そのことは、お子さんも同じです。自分のペースを崩され周りに合わせてばかりの状態が続くと、どうですか?「ゆっくり過ぎて、つまらない」「急かされて、とても焦った」…おそらく、ストレスが溜まることでしょう。マイペースと聞くと、よくないイメージがあるかもしれませんが、マイペースを保障されることは、実は心の健康にとって、とても大切なことなのです。幼少期(幼児期~小学校低学年)のお子さんは、「自分に合ったペース」がどれくらいなのかを、よく分かっていません。自分のペースが乱れたときに、周囲に対して「もっと早くして」または「ちょっと待って」など、大人のようにパッと伝えることもできません。ですから、お子さんが自分のことを分かって伝えることができる年齢(おおむね小学校高学年以降)までは、周りの大人がその子の「マイペース」をよく理解して合わせてあげること、すなわち「保護的な環境」が大切です。保護的な環境の中でこそ、お子さんは安心感を持ってさまざまなことにチャレンジしたいという気持ちになります。苦手なこと、できないことでも「やってみよう!」と思えるようになるのです。幼少期に取り組みたいことUpload By 日戸由刈お子さんの発達が気になるとき、家族は何から取り組んだらよいのでしょう。言葉の発達を伸ばすための声かけ?手先を器用にするための練習?いえいえ、家庭の中でもっと簡単にできる、とても基本的なことがあります。たとえば幼少期では、家族の「ちょっとした」コミュニケーションを心がけてほしいのです。朝、起きたときに「おはよう」という言葉を交わす、物を取ってもらったときに「ありがとう」と返す、うれしいこと・楽しいことがあったときに「よかったね!」「楽しかったね」「うれしいね」と分かち合う。日常場面には、人間関係を良好に保つような「ちょっとした一言」があふれています。これらを丁寧に使ってみてはいかがでしょう。お子さんの中には、繰り返し教えても、こうした一言がパッと出てこない子もいます。教えても身につかない…と否定的に考えるのではなく、「いつか、使えるようになるだろう」という気長な構えで、保護者のみなさんがお手本を示し続けてください。「ちょっとした一言」は、魔法の言葉です。日常場面で、繰り返しこうした言葉に触れることで、お子さんの中に「人間関係って、こういうものなんだな」という土台がつくられていきます。幼少期のお子さんを育てている保護者の方には、まだピンとこないかもしれませんが、実はこの土台こそが、生涯を通じてお子さんに大きな影響を与えます。これは20年余りの現場経験の中で、たくさんの親子を見てきて感じていることです。ちなみに、「ちょっとした一言」は、家族の関係を円満にする効果や、保護者のみなさん自身のイライラした気持ちを切り替える効果もあります。ぜひ試してみてください。幼児期、学齢期、青年期…どのステージでも大切なこととは幼少期から青年期まで、多くのお子さんとその保護者を支援してきた過程の中で学んだ、ご家族とお子さんとの関わりを、このたび書籍にまとめました。新刊『発達が気になる子の子育て10か条ーー生活スキルやコミュニケーションを伸ばすコツ』では、幼少期の関わりの基本を、「ちょっとした一言」についての第1条のほか、第7条までにまとめました。また、第8条から第10条では、小学校高学年から青年期までの子育てで大切にしたいことにも触れています。高学年以降については、別のコラムでそのエッセンスをご紹介したいと思います。幼児期、学齢期、青年期のどのステージにおいても大切なことを、ギュッと詰め込んだ1冊ですので、それぞれのお子さんのペースに合った育て方のヒントとして、ご参考いただければ幸いです。執筆/日戸由刈
2022年02月08日なんでこんなにイライラしているのか、自分でもわからない。「誰か、この気持ちわかってよ!」と思うけれど、この家に私の味方は1人もいない。こんな家族をつくるんじゃなかった……。40歳を前に起こった私の体の異変と長男の反抗期についてお話しします。★ウーマンカレンダー更年期のお悩み記事をもっと読む40歳を前にした体の異変と長男の反抗期38歳のころでしょうか、上の子が小6、下の子が小2のときです。ついこの間まで甘えていた上の子が無口になり、早めの反抗期に突入してしまいました。口を開けば「は?」とか「うぜぇ」とか……。上の子の反抗期はいわゆる暴言がメインでした。「そんなの気にしちゃいけない、親はドンと構えて見守ってあげて!」と先輩ママにも言われていましたが、頭ではわかっていても上の子の暴言を聞くたびにイライラして、受け流すことができない。「親に向かってなんてこと言うの!」とか、時には「出て行きなさい!」と正面からぶつかってしまうこともありました。そしてぶつかり合った夜には、「昔はこんなに怒りっぽい人間じゃなかったのに、私どうしちゃったんだろう……」と泣いていました。同じころ、私の体にも異変がありました。毎月のように突然頭痛に見舞われるようになったのです。その頭痛と一緒に胸の張りも出て、症状が治まると生理になったので、これはPMS(月経前症候群)なんだろうと考えていました。そして生理にも異変があり、1週間続かずに2、3日で終了してしまうことが何度かありました。そのころ夫はというと、会社がとにかく忙しくて毎日のように夜遅くまで働く日々が続いていました。誰も助けてくれない……この家には味方が1人もいない。私はそう考えるようになったのです。耐え切れない頭痛…そして泣き叫ぶ次男ある日、パートの最中に頭が痛いなと感じました。いつもなら頭痛薬を飲むのですが、その日はちょうど手持ちを切らしていたのでなんとか我慢してパートをやり切り、家に帰りました。家に着いてすぐに薬を飲みましたが、痛みは治るどころかどんどんひどくなるので、早く帰ってきた次男に看病してもらいながら横になっていました。しかし、静寂はつかの間……反抗期の長男が帰宅するとランドセルを玄関にバンッとぶつけ、階段をドスドス上がり、自室の扉を大げさにバタンッと閉めました。大きな音が出るたび私の頭はズキンと痛み、「お兄ちゃんに静かにしてって言ってきて」と次男にお願いしました。次男が上に行ってしばらくは静かになりましたが、数分後、叫びに近い次男の泣き声と「ぶん殴るぞ!」という暴言が聞こえてきます。私は止めに入ろうと立ち上がりましたが、その瞬間グラッと地面が揺れたのです。強烈な目まいでした。それと同時に頭痛も激しくなり、ものすごい吐き気に襲われました。耐え切れず急いでトイレに駆け込み、何度もゲーゲー吐き、それでも吐き気が止まらず胃液までも吐き出してトイレに突っ伏してしまいました。「ママ死なないで!」。異変を察した次男が駆け寄り、さらに大泣きします。長男は自室に閉じこもりきりで助けてくれません。わが家はカオスでした。夜間救急、泣きながら夫に訴えた夜たまたま早く帰ってきた夫がトイレで突っ伏している私を抱え、夜間救急に連れて行ってくれました。診断は片頭痛で、「原因はストレスによるものじゃないか。頭痛が続くようなら頭痛外来の受診をしてください。ただ、脳神経系の異常も考えられるので、今後脳外科の受診をおすすめします」と言われました。その日の夜、私は泣きながら夫に自分の思いを伝えました。長男のこと、私の体のこと。長男のことはわかってもらいましたが、私の体のことは男性の夫には理解できない様子でした。「病院で診てもらったほうが良い」。それが夫の言える精いっぱいの言葉でした。「なんでもっとわかってくれないの……」とモヤモヤして寝ましたが、次の日に生理が来て気持ちがスッとラクになったのを覚えています。しばらくして婦人科へ行き、今回の症状を医師に伝えると「PMSでしょう」と言われました。その日はPMS改善のためにプラセンタ注射と漢方薬を処方されて帰宅しました。それから、夫から長男にこのことを話してもらいました。まとめこのことで私の症状と長男の反抗期が改善したということはありません。翌月も受診して2カ月同じ治療をしましたが、まだあまり効果は感じていません。ですが、医師に相談したことで気持ちがスッキリし、それにより私なりの考えである解決策を見出しました。それはイライラしても生理が来ればスッキリすると思うこと、長男は私の症状がひどいときはあまり近づかないこと、ひどいときをなんとかやり過ごす、相手の状況の正しい理解と少しの思いやりを持つ。このことを頭に入れると、ちょっとだけ長男との関係が改善し、私たちは家庭崩壊という最悪なシナリオを免れました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/粒来 拓先生(よしかた産婦人科分院綱島女性クリニック院長)【粒来先生からのアドバイス】月経があるどのライフステージでもPMSはみられますが、特に40代前後は多い印象があります。この時期は仕事や家事、育児といった日々の働きに対して、体の無理が効かなくなる時期と考えられます。若いころに比べて、月経周期による女性ホルモンの波がシンプルに体にこたえる世代と思います。漢方療法などでPMSの症状を緩和できる可能性はあります。一方、頻回に嘔吐する頭痛、めまいなど症状が強い場合は、脳血管障害も鑑別にあがりますので、脳外科への受診も検討してください。イラスト/あさり著者/Rin(42歳)高1と小6の男子に包囲されてる女子力低下気味ママ。
2022年02月05日子どものためを思って、ついつい言いすぎてしまう…。子育て渦中のママさんが陥りやすい問題を描いた連載「息子の家出」に、読者から厳しいリアルコメントが届きました。■最近急に息子が反抗的になってしまい…「お母さんはあなたのためを思って…」そんなことを言い続けるうちに、息子が言うことを聞かなくなってしまい…。■反抗的な息子と喧嘩になり…お互いがヒートアップして、つい売り言葉に買い言葉…。ついには…。息子が家出してしまったのです…!こんな親子関係に、読者から厳しい声が届きました。■「自分のため」では息子が家出するのも当然・子どものこと全然信用してないんですね…。それじゃ、家出して帰ってこないと思います。子どものためじゃなくて「子どもをきちんとさせることで安心する自分のため」に思えてしまいます。・自分の正しいと思うことを息子に押しつけているだけで、彼のためではないです。・こういうお母さんがよく間違えているのは、自分のイライラをぶつけたい、子どもを“自分の望むようにしたい”からモラハラパワハラしてるのに、自分は子どものためを思ってるのに反抗されると被害者意識でいっぱいになることです。 自分が反対の立場だったらそんな人がいる家に帰りたくないでしょう?・「自分はどうすれば」「自分のせいなのか」「勉強はどうすれば」で、自分のメンツのことしか考えてなくて、子どものことなんか思ってもいないように見えてしまいます。■子どもにも子どもの意思や意見があるはず・子どもには子どもなりの考えがある。 我が子と云えど一個人。 「あなたのため」と言いつつ、本心は「自分のため」「頑張っている自分を認めて貰いたいため」・・・。子どもってそういうの敏感だと思いますよ。 ただ、何でもかんでも子どものいう通りにするべきとは思っていません。 頭ごなしにいうんじゃ無くて、子どもと顔を向き合わせ目を見て落ち着いて話せば子どもにも伝わりますよ? こんな、家事の片手間で顔も見ずにごちゃごちゃ言われたら誰だって嫌じゃないですか? 私がこの人の子どもだとしても反抗するだろうし、家出もしちゃうかも…、ですね。・親御さんはなんでも子どもを自分の思う通りに動かそうとしがちですが、子どもも一人の人間で、自分の意思や意見が有ります。 親御さんだって、両親の言う通りにばかりその通りに生きて来た訳ではない筈です。・言わなきゃやらないと言うけど、言えばやるの? やらないから怒ってるんだよね? 自分は言われなくてもできたの? できたならなぜ? できなかったらなぜ? イライラするくらいなら、どうしてやらないのか、どうすれば快くできるのかを考えなきゃいけないですよね…。■母親だって休むべきです・母親としては、当たり前の事をしていると思います。ただ、何にも言わないで、子どものしたいようにさせてあげてもいいように思います。こういう事態になってしまったら、まず、お母さんが2~3日どこかに旅行にいって、ゆっくりしたほうがいいと思いますよ。つい口うるさく子どもを叱ってしまう母親に、読者から厳しい意見が届きました。ですが、親としては子どもに“しっかりと自分の人生を歩む力をつけて欲しい”から「あ〜した方がいい」「これはダメかも」という思いが出てきてしまうんですよね…どの家庭にも起こり得る問題に奈美さんファミリーはどう立ち向かったのか…!? 連載「息子の家出」の気になる結末は、ウーマンエキサイトに掲載されています!▼連載「息子の家出」
2022年02月03日偏食はなぜ起こる? 子どもの好き嫌いは「防衛本能」って本当?特定の食品への好き嫌いを極端にはっきり示すことを、一般に「偏食」といいます。偏食のある人の食事風景を目にすると、「わがまま」「親のしつけが悪かったんだろう」「食わず嫌いでは?」などと眉をひそめる人が多いかもしれません。けれど、発達途中の子どもの食に目をうつせば、偏食は決して珍しいことではなく、多くの子どもが通る道です。偏食はなぜ起こるのでしょう?大人にとっては、食事は栄養補給の手段であると同時に楽しみの一つ。「おいしいものを食べるために頑張っている!」という人も多いでしょう。でも、幼い子どもたちにとっては、食べることは不安を伴う行為でもあります。食べるということは、体の中に異物を入れるということ。もし腐っていたり、毒物だったりすれば、命が危険にさらされてしまいます。食べたことのない食材を警戒するのは、「本当に食べていいのか分からない」と本能が危険シグナルを発するから。「青い色は未熟でおいしくない?」「酸味は腐敗のサイン?」「苦味やえぐみは毒の可能性がある?」こうした本能的感覚は、体が未熟で免疫力も低い子どもにとっては、生き抜くために大切なもの。さまざまな味や食感を楽しめるようになるには、経験と学習を積み重ねることが必要です。ぺっと吐き出したり、見るだけで食べなかったりすることも、乳幼児期の子どもにとっては「本当に安全?」と確かめるための大切な経験なのです。好き嫌いをなくそうと「全部残さず食べなさい!」と叱ったり、「どうして食べられないの?」と責めたりするのは、逆効果になることも。怒られながら食べる食事が楽しいはずはありませんね。嫌な記憶と結びついて、ますます偏食が進んでしまう恐れもあります。子どもの偏食が気になるとき、大人はどんなアプローチをするといいのか。発達段階別にポイントを見ていきましょう。離乳食期の偏食克服は、「食べにくさ解消」が最大のカギ「同じものばかり食べたがる」「苦手な食材があるとお皿のはじによけたり、口からペッと出したりする」離乳食が進んで3回食になるころから、こうしたお悩みがよく聞かれるようになります。離乳初期はスムーズに食べていた赤ちゃんでも、成長するにしたがって「緑の野菜が苦手」「お肉を食べたがらない」など、特定の食材への好き嫌いをはっきり示すようになることも少なくありません。乳幼児期は、まだかむ力が弱く、消化機能も未熟です。奥歯まで生えそろっていなければ、繊維質の野菜や肉をすりつぶして食べることはできません。また加熱しすぎてパサパサした魚や肉は飲み込みづらく、口の中にいつまでも残ってしまうことも。離乳食には、発達段階に合わせたかたさ・大きさの目安がありますが、目安どおりに調理しても食べにくそうな場合は、より小さめ、やわらかめを意識するとスムーズに食べられるようになるでしょう。離乳食期をすぎたあとも、食べづらそうにしている食材やメニューがあれば、小さく刻んだり、とろみをつけたり、やわらかく煮込んだりするといいでしょう。食べ慣れていない食材や調理法は、赤ちゃんにとっては未知のもの。信頼する大人が食べている姿を見ることで、「これは食べても安全なんだ!」と確認でき、「食べてみよう」という意欲につながります。3回食になり、食べられる食材が増えてきたら、大人の食事と同じ食材で離乳食をつくり、いっしょに食卓を囲むのもおすすめです。赤ちゃんの偏食は、「見慣れていないから」「食べたことがなくて不安だから」という可能性も高いものです。ペッと出されたり、残されたりするのはがっかりしてしまうものですが、めげずに何度も食卓に登場させてみましょう。たとえ食べられなかったとしても、ほかの人が食べる姿を見るだけでも、赤ちゃんにとっては大きな経験になります。何度も繰り返し目にするうちに、ふとしたタイミングでパクッと食べられるようになることも。ただし、「食べなさい」と無理強いするのはNG。「食べられたらラッキー!」くらいのおおらかな気持ちでトライしてみましょう。幼児期の偏食克服のポイントは?気分を乗せる声かけも大切!離乳食を卒業すると、幼児食へとステップアップします。幼児期も、まだかむ力や味覚は発達途上。いろいろな味や食感を体験しながら、食の世界を広げていく段階にあります。なじみのない食材、はじめて目にするメニューには、警戒心を抱いたり、進んで食べようとしないことも当然あります。また自己主張が強くなり、「これはイヤ!」「○○は食べたくない!」と断固として拒否することもあるでしょう。子どもの食べる様子を観察しながら、食事を楽しみながら好き嫌いを少なくできるよう、工夫してみましょう。「もぐもぐと咀嚼するけれど、飲み込めずに出してしまう」「口に入れるけれど、かみにくそうな表情をしている」。こんなときは、かたさや大きさを見直してみましょう。ほとんどの食材が食べられるようになっていますが、咀嚼力は大人と同等とはいきません。大人と同じメニューでも、子ども用はこまかく刻んでやわらかく火を通す、食べやすくカットするなどの工夫が必要です。苦手な野菜はこまかく刻んでホットケーキやハンバーグにまぜたり、具だくさんのシチューに入れてよく煮込み、素材の味を分かりにくくしたりと、「嫌い!」と意識せずに食べられるように調理すると食べられるようになることも。また、好きなキャラクターのお皿に盛りつけたり、かわいい型で抜いて見た目を楽しく演出するのもよいでしょう。見た目の楽しさが、子どもの「食べてみたい」という気持ちを後押ししてくれます。ひと口でも苦手な食材を食べられたら、「すごい!」「食べられたね」と大げさなくらいほめてあげましょう。ほめられたことが自信となり、「次も食べてみよう」という意欲につながります。また、「お肉、おいしいね」「野菜の色、きれいだね」と好奇心を刺激するような声かけをしていくのもポイントです。偏食が気になると、つい「全部食べられるかどうか」にばかり意識が向いてしまいますが、自分が食べる姿をじーっと見つめられながらの食事は子どもにとっても気詰まりなはずです。「そのうち食べられるようになる」と気楽に考え、会話を楽しみながら食事をしましょう。学童期の偏食克服には「いっしょにつくる」もおすすめ学童期に入ると、かむ力もぐんと発達し、経験の積み重ねで「苦手だった食材が食べられるようになった」ということも出てくるでしょう。その一方で、嫌いな食材については、本人にも苦手意識が強くなり、どんなに調理法に工夫をしても頑として食べようとしない、ということもあるかもしれません。苦手な食材を出すときは、完食しやすいようにあらかじめ量を少なくします。頑張って完食できたら「お皿、ピカピカになったね!」「がんばったね!」とたっぷりほめてあげましょう。もちろんひと口だけでも食べられたら、大きな一歩! 完食することを無理強いせず、食べてみようと思ったことをほめてあげましょう。いっしょに買い物にいったり、調理をしたりするのも、子どもの食の世界を広げる体験です。苦手な食材でも「自分で選んだ」と思うと、どんな味なのかが気になったり、少しでも食べてみようと興味がわくものです。また、調理をいっしょにするのもおすすめ。食材の色の変化を見たり、においをかいだり、グツグツ、ジュージューという音を聞いたりと、調理は五感への刺激にあふれています。できあがった料理には、愛着もひとしお。喜んで食べてくれる家族の顔をみれば、ますます「自分も食べてみよう」という気持ちが動かされるはずです。挑戦する料理は、難しいものである必要はありません。野菜をちぎってサラダにするだけでも十分! 子どもがつくってみたいと思うもの、簡単にできそうなものからトライしてみましょう。苦手なメニューでも、いつもとは違う雰囲気のなかでなら、思わず楽しく食べられることもあります。たとえばお弁当を持って公園でピクニックをしたり、友達を招いてホームパーティをしたりなど、気分が盛り上がるイベントの中のメニューに苦手食材も入れておくのも一案。食べられたら、しっかりほめて達成感を感じられるようにするのもポイントです。発達障害がある子どもには、偏食の悩みが多い?発達障害や感覚過敏がある場合は、新しいものや知らないことに不安や緊張を感じやすく、偏食がひどくなりやすい傾向があります。(ただし、偏食があるからといって必ずしも発達障害があるとは限りません)また、感覚過敏があると、苦みやえぐみ、酸味などを強く感じて、食事がおいしいと感じにくいこともあるほか、食材の色がどぎつく見えたり、食感が気持ち悪いと感じて食べられなくなるケースもあります。たとえばトマトの種のつぶつぶが目に飛び込んできて「こわい」と感じたり、揚げ物の衣が口にささって「痛い」と感じたり、感じ方はさまざまです。食べ物の食感や味わいだけでなく、金属製のスプーンやフォークの冷たさにびっくりしてしまったり、口当たりが気になってしまって、食事に集中できないという子もいます。また、「白いごはんは食べられないけれど、混ぜごはんなら食べられる」「学校では食べられないけれど、家なら食べられる」、反対に「白いごはんしか食べない」「学校以外では食べられない」など、その子なりのこだわりが強いケースもあります。発達障害は外見からは障害の有無が分かりにくいため、なかなか理解が得られにくい障害です。発達障害の特性によって出ている偏食についても、「そんなの嘘だ」「家で食べられるなら、学校でも食べられるはずだ!」と責められてしまうことが懸念されます。学校の給食で毎日「好き嫌いなく食べなさい」という指導を受けつづけた結果、学校に行くこと自体が難しくなってしまうこともあります。ただ、発達障害があるときの偏食は、単なる好き嫌いではなく、「痛み」「恐怖」「堪えがたい不快感」などと結びついていることも少なくありません。無理やり食べさせようとすれば、ますます不安や緊張が強くなり、食べられる食材や量がいっそう狭まったり、食べること自体に嫌悪感を持つようになってしまうことも考えられます。偏食が激しいと、「栄養不足になるのでは」「成長に影響が出てしまう」と心配になるのも当然ですが、焦りは禁物。子どものペースに合わせて、ゆっくり少しずつ食べられるものを増やしていくことが大切です。こだわりや特性に合わせたメニューで「食べられた!」を増やそう発達障害の特性によって偏食が起きている場合は、まずは子どもが安心できることを最優先に考えましょう。偏食があっても食べられるもの、食べられる場所は、その子にとって安心できるもの。経験を重ねることで、安心を増やしていくことが大事です。たとえば、感覚過敏があってかたいものやサクサクしたものが口内に刺さるように感じられる場合も、しっとり煮たり、蒸したりすればおいしく食べられることもあります。「野菜の種や葉脈がこわい」という場合は、ポタージュスープのようにすれば不安がぐっとやわらぐかもしれません。えぐみや苦みを敏感に感じ取ってしまう場合は、葉野菜や肉類は下ゆでしてアクを抜いたり、トマト味やクリーム味など、好きな味に調味して食べやすくするのもいいでしょう。子どもの声を聞きながら、不安を取り除き、不快感なく食べられるメニューにアレンジしていきましょう。どうしても難しく特定の栄養がとりにくい場合には、サプリメントや栄養補助食品やジュースなどで補うなど、取り方を変える方法もあります。買い物に行ったり、調理をしているところを見せたり、お手伝いをしてもらうのもおすすめです。食べることに直結しなくても、食べ物にまつわる経験を重ねることで、食に関する認知力が少しずつ上がり、ふとした瞬間に「食べてみよう」という意欲を持つことにつながります。ベランダ菜園で野菜を育てたり、食べ物が登場する絵本を読んだりするのもいいでしょう。大人数での食事がプラスになるお子さんもいる半面、大人数だと食べられないお子さんもいます。食事をとる環境によって食べられるものや食べられないものが変わってくることもあるので学校や園と情報交換をすることが大事です。文部科学省では、「偏食により食事量が極端に少ない、反対に特定の食品の食べ過ぎにより成長や栄養の摂取状況に問題がある児童生徒」を個別的な指導の対象としています。学級担任や栄養教諭、養護教諭が、子どもの達成感や自信につながるような指導をすることを目指すもので、ほかにも特別支援教育コーディネータ、学校医などが連携することもあります。一方では過度な偏食指導によって園や学校に行くことが苦痛になる子どももいます。園や学校での偏食指導においては先生方と相談・連携することが大切です。極端に全体の食事量が少ない場合の偏食指導は、慎重に進める必要があります。また、地域の児童発達支援センターや子ども発達支援センター、児童相談所、発達障害者支援センターなどの専門機関に相談してみるのもよいでしょう。食事は毎日のこと。親子だけで抱え込むと、日々の食事が大きな負担になってしまうこともあります。専門家からのアドバイスを受けることで、新しいアプローチ法が見つかることもあるはずです。参考:食に関する指導の手引第6章 第6章個別的な相談指導の進め方:文部科学省スモールステップで少しずつアプローチを!偏食が激しい子どもも、食に関する経験を重ねていくことで、だんだんと食べられるものが増え、食の世界を広げていきますし、偏食は時間が経てば解決する場合もあります。偏食のことを考え、工夫してつくった食事を食べてもらえなかったり、早く片づけたいのに食事に時間がかかってしまうなどすると親としてもストレスが溜まりますよね。食事の時間が親も子も苦痛に感じてしまう場合には、一度偏食指導を休憩するのも一つの手です。頭ごなしに「食べなさい!」と怒るばかりでは、食への拒否反応はさらに強まってしまいます。偏食克服にはある程度の時間がかかるものとおおらかに構え、「においをかげただけでもOK!」「ぺろっとなめるだけでも成長!」とスモールステップを大切に、子どもが達成感を得られるようにサポートしていきましょう。
2022年01月22日■前回のあらすじ中間反抗期の長男が求めているものが少しずつわかってきた私。それを踏まえて、反抗期の対応を考えてみるのでした。■これが理想的な構図!■この反抗もいつか必ず終わる正直、まだまだにぃくんの反抗的態度を前に怒り狂って怒鳴ること日常茶飯事レベルですが、前の30から今は10くらいには減ったかな~という感じです。最後に、同じ年頃のお子さんを育てている親御さんへ…。お子様の態度の変化に悩まれてその原因を探る時、「中間反抗期」という理由にたどり着くことが大多数と思いますが、稀にほかの因子がある場合もあります。たとえば、いじめや体調不良など、必ずしも「中間反抗期」と決め込まず、ほかの可能性も念頭に置いていただけると幸いです。きっとあっという間に今の時間は過ぎて、すぐに今度は思春期反抗期で悩むのだろうなと思いつつ…。このお話はここまでとさせていただきます。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2022年01月03日■前回のあらすじ学校と家での態度の違い、その理由を想像してみたら、親には「どんな自分でも嫌われないんだ」という安心を求めているのだと思うのでした。■調べてみたことを実践!■失敗のリカバリーは一緒に考える!今回は、中間反抗期の対応について私なりに調べたり考えたことを描いています。まずは本人に任せる。先回りして口を出さない。失敗もさせてみる。突き放さず、否定より共感。大人の価値観は伝えるだけで強要しない。言葉は「うれしい」「助かる」などのポジティブワードを。失敗のリカバリーは一緒に考える、など。これは私としての「理想」であって、「現実」いつもそうできるかというと、なかなか難しい時もありますけれど…。次回に続く「中間反抗期という名の成長証明書」(全9話)は21時更新!
2022年01月02日■前回のあらすじ2年生になり学校生活で大きな成長を見せた長男。しかし家での態度は悪化…。相反する態度から長男の気持ちを想像すると、寄り添えた気持ちになったのでした。■親がどれだけ自分を許容してくれるか■外でがんばる分、家で安心を求めてるのかも外の世界で必死に張りつめている気持ちを、家では、家族の前では、緩めたい。がんばれない自分も、わがまま言う自分も、どんなにダメな自分も、嫌わず受け入れてくれる場所であってほしい。そういう願いが、にぃくんの反抗にはあるのかもしれないと、少し思えるようになりました。次回に続く「中間反抗期という名の成長証明書」(全9話)は21時更新!
2022年01月01日■前回のあらすじ次男のイヤイヤ期は長男の時の経験があるから気持ちが楽だと感じる一方、第1子の子育てはいつも不安だらけ。“まっとうな人間に育てる責任”が時々重すぎてしまいます。■なんで反抗期ってあるんだろう?※私が自分で調べた、あくまで一般的情報にすぎないということをご理解ください。■反抗期を迎えた息子に親は何をすべき?今回は、一般的な中間反抗期がどうして起こるのか、その原因から理解して、受け入れることに努めようとしました。もともと人見知りの激しいにぃくんが小学校に入ったことで、どれだけのストレスを抱えているのか、私はもっと想像しなければいけなかったと思いました。毎日楽しく過ごしているように見えても、子どもなりの“努力”が必ずそこにあって、“努力”とセットの“ストレス”も必ず抱え込んで家に帰ってくる我が子を、親はもっと“許容”して、甘えさせてあげるべきなのかもしれない…。そんなふうに思ったのでした。次回に続く「中間反抗期という名の成長証明書」(全9話)は21時更新!
2021年12月29日■前回のあらすじ長男の反抗的な態度を前に感情が抑えきれず、日に何度も怒鳴りつけるようになってしまい…。そんな親の言葉や態度に、長男は何を感じていたのでしょうか。■第2子のイヤイヤ期、余裕がある理由は■育児に正解はないとわかっていても…おとくん(第二子)のイヤイヤ期は、にぃくんの時の経験があるから少し余裕を持てるけれど、第一子の子育てはいつも不安だらけで気が張る…。まっとうな人間に育てる責任、重すぎてつぶれそう…。多分どれだけ私がひとりでアタフタしてもカラ回ってるだけなんやろうなーと思うのですが…。次回に続く「中間反抗期という名の成長証明書」(全9話)は21時更新!
2021年12月28日