自然科学研究機構(NINS)は3月22日に、東京・千代田区一ツ橋にある学術総合センター(一橋講堂)にて、「第18回 自然科学研究機構シンポジウム」を開催する。今回のシンポジウムのテーマは「生き物たちの驚きの能力に迫る」となっており、生物が備えている驚くべき能力について、研究機関のみならず、その能力をビジネスに活用している企業の研究員などが、それぞれの視点から講演を行う。また、ジャポニカ学習帳の表紙を30年にわたって撮り続けてきた昆虫写真家の山口進氏も、独自の視点で講演を行う予定となっており、生き物の驚きの能力とそれに迫る研究者の姿と、さまざまな立ち位置から生き物に関わる人たちの姿の2つの側面からの話を聞くことができる。同シンポジウムで講演される各タイトルと講演者/所属研究機関は以下のとおり。「環境によって性が決まる! ミジンコの不思議」:井口泰泉 基礎生物学研究所 教授「サンゴと褐虫藻の切ってもきれない関係」:高橋俊一 基礎生物学研究所 准教授「干からびても蘇る! ネムリユスリカの極限乾燥耐性」:黄川田隆洋 農業生物資源研究所 主任研究員「不死の生殖細胞の不思議に迫る」:小林悟 基礎生物学研究所 教授「不思議な蝶の翅をまねた物作り~発展するバイオミメティクスの世界」:広瀬治子 帝人 構造解析センター 形態解析グループリーダー「花と昆虫の共進化を求めて」:山口進 写真家・自然ジャーナリスト「小さな生きものたちの紡ぐ大きな物語 - 普遍と多様をつなぐ」:中村桂子 JT生命誌研究館 館長また、各講演のあとには、モデレータに立花隆氏を迎え、講演者たちを交えたパネルディスカッションも開催される予定。開演時間は朝10時から夕方17時を予定。参加料は無料で、申し込みは、自然科学研究機構のWebサイトにある専用の申込みフォームにて、必要事項を記入する形で行われる。また、興味はあるが、当日の参加が難しい人のために、Ustreamならびにニコニコ生放送によるライブ配信も行われる予定。こちらも自然科学研究機構のWebサイトより見ることができるという。○高校生だけの特典 - 生きているイソギンチャクをその場で観察!?さらに、今回のシンポジウムでは、前回同様の特別企画「高校生記者の募集」も自然科学研究機構のシンポジウムの紹介を行っているWebサイト上にて行われている(3月9日応募締切予定)。前回は講演後に、講演者に個別質問を行えるというものであったが、今回は昼休みを利用して、当日の講演者の1人で、サンゴの白化現象の研究などに取り組んでいる高橋俊一准教授との交流、ならびに高橋准教授の解説付きで、「セイタカイソギンチャク」と「イソギンチャク内に共生する褐虫藻」の顕微鏡観察を体験するというものとなっている。ちなみに観察結果は画像や動画として持ち帰ることも可能だという(4GB程度のUSBメモリを持参する必要有)。なお、同シンポジウムの企画を担当した基礎生物学研究所の山本正幸所長にコメントを求めたところ、「遺伝子解析技術などの革新により、いままで十分に解析出来ずにいた生き物のさまざまな能力について、近年、注目すべき成果が出てきています。不思議な生き物たちの謎解きに挑む研究者の姿を是非見て頂けたら」と、今回のシンポジウムに向けた熱い想いがこもったメッセージをいただいた。生物の驚くべき能力を活用する製品なども登場してくるようになった昨今、そうした生物の持つ特殊能力はどのようにして調べられているのか、興味を持った人は参加してみると良いだろう。
2015年03月05日電気通信大学は3月3日、小脳の運動学習の理論を構築し、運動の記憶がトレーニング後に小脳内でどのように定着するのかを理論的に明らかにしたと発表した。同成果は電気通信大学大学院情報理工学研究科情報・通信工学専攻の山﨑匡 助教、理化学研究所脳科学総合研究センターの永雄総一 博士、University of California, San DiegoのWilliam Lennon氏、電気通信大学脳科学ライフサポート研究センターの田中 繁特任教授らによるもの。3月3日付け(現地時間)の「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。毎日コツコツ勉強して覚えた内容は、一夜漬けで覚えた内容に比べて頭に残りやすくなる。この現象は「分散効果」といい、運動学習においても起こることが発見されている。またトレーニングを終えて休んでいる間も、脳は記憶を定着させるために働き続けていることもわかっている。しかし、記憶の定着過程において脳内で何が起きているかはよくわかっていなかった。今回の研究では、運動の中で最も簡単な神経回路で生じる目の反射運動に着目し、視機性眼球運動(OKR)の適応と呼ばれる運動学習について、小脳の神経回路の数理モデルを構築し、シミュレーションを行った。その結果、トレーニングを行うと、短期記憶に関与する小脳皮質で神経細胞のつなぎ目(シナプス)での信号の伝わり方が変形して形成されたが、トレーニング後はその記憶は自然に消滅した。一方、小脳皮質の出力先であり、長期記憶に関与する小脳核で全く別のシナプスに同様の変化が起き、小脳皮質に形成された記憶が小脳核へ転送されるようにして定着することがわかった。記憶の定着がトレーニング後に起こるということは、全体で1時間トレーニングを行うより、15分のトレーニングを4回行った方が内容が定着することを示唆した。この理論は動物実験と非常に良く一致することも確認されたという。同研究グループはこの成果について「より効果的な学習・記憶法の確立や、生物の運動学習のメカニズムに基づいて動作を自ら獲得する知能ロボットの開発への応用が期待される」としている。
2015年03月04日理化学研究所(理研)は2月19日、ヒトES細胞から毛様体縁を含む立体網膜を作製することに成功したと発表した。同成果は理研多細胞システム形成研究センター器官発生研究チームの桑原篤 客員研究員、立体組織形成研究ユニットの永樂元次 ユニットリーダーらと、住友化学生物環境科学研究所の共同研究グループによるもの。2月19日付けの英科学誌「Nature Communications」に掲載された。同研究グループはこれまで、「SFEBq法」という分化誘導法を開発し、マウスES細胞やヒトES細胞から立体網膜を作製していた。今回の研究では、「SFEBq法」を改良し、胎児型網膜に似た毛様体縁を含む立体網膜の作製に成功した。毛様体縁は、胎児の網膜の端に存在する領域。魚類や鳥類などで幹細胞を維持する働きをしていることが報告されていたが、ヒトではその役割がほとんど分かっていなかった。そこで、作製した立体網膜を解析したところ、ヒト毛様体縁には幹細胞が存在し、この幹細胞が増殖することで試験管内で網膜を成長させることが判明した。今回開発された新しい分化誘導技術は、立体網膜を効率よく安定的に生産できため、同研究グループは同技術を用いて生産した立体網膜を、網膜色素変性を対象とした再生医療に応用するための研究を進めていくとしている。
2015年02月20日理化学研究所(理研)は2月6日、試験管中で原料を混ぜるだけで高分子を精密に合成する方法を開発したと発表した。同成果は、同所 創発物性科学研究センター 創発ソフトマター機能研究グループの宮島大吾基礎科学特別研究員、相田卓三グループディレクター(東京大学大学院 工学系研究科 教授)、東京大学大学院 工学系研究科の姜志亨大学院生、大阪大学大学院 工学研究科の井上佳久教授らによるもの。詳細は、米国の科学雑誌「Science」のオンライン版に掲載された。プラスチックやゴムのような素材は日常生活になくてはならないものである。それらの素材は小さな分子(モノマー)が鎖状につながった高分子(ポリマー)からできており、必要とする機能に合わせて、つなぎ方が精密に制御されている。しかし、ニーズに合わせ多種多様な高分子を作製するには、高度な専門知識と熟練した技術、反応条件を制御できる設備による精密合成が必要である。一方で、1980年代後半に、"温和な条件下で原料を混ぜるだけ"でできる高分子の超分子ポリマーの合成法が報告されているが、この合成法では小分子同士が勝手に連結してしまうため、思い通りの設計が実現できない。そこで、研究グループは、小分子が持つ2つの連結点をあらかじめ分子内で接着することで環状にし、他の分子と勝手に連結できなくした。そこに、連結反応を促す小分子(連結反応開始剤)を混ぜたところ、鎖状の2量体をつくり、さらに3量体、4量体と連結反応を繰り返し、鎖の長いポリマーに成長した。例えば、連結反応開始剤に対して環状の小分子を1000倍加えれば、1000回の連結反応が繰り返されるので、鎖の長さを一義的に決めることができる。なお、この高分子の精密合成法は、誰でも、どこでも高分子の精密合成ができる手法である。自由な設計が可能なため新しい高分子材料の開発につながると同時に、製造プロセスを著しく簡素化し、コストの削減が期待できる。また、分子同士が化学結合していないため、簡単な操作で原料まで分解できることから、完璧なリサイクルを実現し環境に影響を与えないことも大きな特徴となっている。今後は、高分子合成の例をどれだけ増やしていけるかが課題であるとコメントしている。
2015年02月09日東京都医学総合研究所(都医学研)は2月6日、季節性インフルエンザA型およびB型ウイルスを同時かつ簡易に高感度で検出できる2種類のイムノクロマトを開発したと発表した。同成果は同研究所の芝崎太 参事研究員らの研究グループによるもので、2月4日付(現地時間)の米科学誌「PLOS ONE」掲載された。毎年流行するH1N1ウイルスによるA型やB型の季節性インフルエンザのほか、新型インフルエンザとして2009年に世界的な流行を起こしたブタ由来新型H1N1に加え、鳥インフルエンザではH5N1ウイルスおよびH5N2ウイルス、今年中国で発症が確認されたH7N9ウイルスが報告されている。季節性インフルエンザは簡易型のイムノクロマト法により10~15分程度で診断が可能だが、検出感度が余りよくないため、発症直後(1~2日以内)などの早期には陰性になることが多く、24時間以内の早期に治療薬を投与することが難しい。また、H7N9ウイルスは人から人への感染例が報告され、H5N1ウイルスでは全世界で500名以上の感染し、60%近い致死率を示すなどパンデミックが危惧されている。このため、H変異株すべてを検査可能な高感度で簡易な検査法の確立が望まれていた。今回開発されたのは、従来と同じ手順、同じ時間内で100倍以上の高感度で季節性A型およびB型インフルエンザウイルスを検出できる高感度蛍光イムノクロマトとその検出機器。従来の金コロイドを使用する方法に代え、蛍光色素を抗体に結合させた蛍光イムノクロマト法を独自に考案し、この蛍光色素を高感度に測定できる小型検出器を開発した。臨床実験では発症12時間以内に97%の患者で陽性判定をすることができ、中には発症3時間以内の患者でも検出可能だったという。同じく新開発されたカラーイムノクロマトは従来品より10倍の感度でありながら、測定器が不要なため、小さなクリニックでも導入ハードルが低く、生産コストが下がれば将来的にはアジア各国などインフルエンザ発生地区において初期診断に用いることもできる。北海道大学の迫田義博 教授との共同研究で行った検定では、両方のイムノクロマトで2009年の新型を含むH1N1型をはじめとする、H2、H3、H5N1、H7、H9の各亜型株を全て検出することに成功。今後、季節性インフルエンザ以外のインフルエンザウイルスの早期発見および治療・囲い込みにも大きく寄与することが期待される。この2つのイムノクロマトは2014年6月に厚生労働省の認可を得ており、カラーイムノクロマトはすでに2014年12月より販売されている。現在、高感度蛍光イムノクロマトの早期販売に向けた製造が進められている。
2015年02月06日東北大学は1月29日、ビスマス(Bi)金属薄膜の端(エッジ)で、電子の運動方向と連動してスピンの向きが揃うラシュバ効果が起きていることを突き止めたと発表した。同成果は、同大 原子分子材料科学高等研究機構の高山あかり研究員(現 東京大学大学院 理学系研究科 助教)、高橋隆教授、同大大学院 理学研究科の佐藤宇史准教授、大阪大学 産業科学研究所の小口多美夫教授らによるもの。詳細は、米国物理学誌「Physical Review Letters」のオンライン版に掲載された。ラシュバ効果は、磁石の性質を持っていない物質でも、電子のスピンの向きを揃えることができるため、次世代スピントロニクスデバイスの動作メカニズムとして注目されている。これまで、さまざまな物質で薄膜表面のラシュバ効果は観測されており、それを利用した素子の作成も研究されているが、ラシュバ効果が表面や界面などの2次元面で発生する現象であることから、小型化には限界があると考えられていた。研究グループは、スピン分解光電子分光法という手法を用いて、Bi金属薄膜の電子スピン状態の観測を試みた。重い金属であるBiは、その表面において強いラシュバ効果を示すことが知られていたが、今回、Bi原子層薄膜の最表面のエッジ構造に着目して測定を行った。エッジ構造は、試料全体から見るとほんの少ししか存在しないため、これまで観測することが非常に難しいとされていたが、高感度のスピン分解光電子分光装置を用い、試料作成方法を工夫することで、エッジ構造の電子スピン状態の観測に成功した。その結果、エッジに存在する電子がラシュバ効果を示し、さらにその大きさがこれまで観測されていた表面でのラシュバ効果よりも大きいことを発見した。今回の研究で観測されたエッジでのラシュバ効果は、表面でのラシュバ効果よりも少ない電力で特定方向にスピンを揃えることができ、1次元のエッジでスピンの方向が制御できるため素子の小型化が期待できるなど、小型で省エネルギーなスピントロニクス素子の開発に道を拓くものであるとコメントしている。
2015年02月02日英語によるコミュニケーション能力を評価する世界共通の認定試験TOEICを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会は、25歳から39歳のビジネスパーソンを対象に行った「TOEIC テスト受験に関する意識・実態調査」の結果をこのほど公表した。調査は、2014年12月5~11日の間、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県に住む25~39歳の公務員を含む会社員の男女400人を対象に実施。その結果、現在勤めている会社で英語を使用していると答えた人は16.5%。また、これらの人々が英語を使用してできる業務として挙げられたのは「文書・書類の作成」が65.1%で最も多く、次いで「社内でのやりとり(48.8%)、「海外に拠点のある会社とのメール」(43.9%)の順に多かった。一方、「社会人になってからも英語学習を継続しておけば良かったと思うことがある」と回答した人は、「そう思う」「ややそう思う」を合わせて全体の56.3%。しかし、この回答に反して「社会人になってからも英語学習を続けている」と答えた人は全体の19.5%にとどまった。また、回答者のうち30.8%が「TOEICテストを受けたことがある」と回答。このうち61.0%が「社会人になってから英語力が衰えた」と感じるとも回答している。国際ビジネスコミュニケーション協会では、今回の調査結果を就職以降の TOEICの受験経験別に総括。英語力の衰えを感じる割合は、継続して受験していない人では83.7%だが、継続して受験している人では48.8%に留まり、TOEICを継続的に受験している人は英語力に比較的衰えを感じていないという傾向が明らかになった。調査報告書の最後に、人間性脳科学研究所所長、武蔵野学院大学・大学院教授、北海道大学医学研究科元教授などを務める澤口俊之氏は「脳科学的に見て、英語学習の際に重要なことは、日本語を使う脳領域とは別に、英語を使う脳領域を作ることです。 大人になってから英語を学んだ人は、日本語と英語を使う際に、同じ脳領域を使っていることが多く、これが“日本語訛りの英語”の原因となっています。日本語と英語の脳領域を分けて使用することができるようになると、“日本語訛りの英語”ではなく、英語と日本語の使い分けができるようになります。英語学習を継続する中で、TOEICテストを受験して自分の実力を知ることも良いことです。 受験する人の多くがテストを受けるときに、点数の見込みを立てていると思いますが、これが脳科学的に非常に重要です。テストを受けて自分の実力を知り、予想した通りに点数が上がった場合、自分の頑張りを評価することになり、次のステップへと上がることができます」と脳科学から見た英語学習と継続の秘訣を語っている。
2015年01月29日大阪大学(阪大)と島津製作所、神戸大学、宮崎県総合農業試験場は1月27日、超臨界流体技術を用いて、多成分の一斉分析を全自動かつ高速に行う画期的な分析システムを開発したと発表した。同成果は、同大大学院 工学研究科の馬場健史准教授、島津製作所 分析計測事業部の冨田眞巳部長、神戸大学大学院 医学研究科の吉田優准教授、宮崎県 総合農業試験場の安藤孝部長らによるもの。詳細は、3月8日(現地時間)から米国ニューオーリンズで開催される「Pittcon 2015 Conference & Expo」にて発表される。従来、食品や血液などの複雑で多くの成分を含む物質を分析する前には、分離や精製といった熟練を要する前処理を人手で行う必要があったため、人為ミスによる回収率の低下や結果のばらつきが発生していた。また、この前処理工程において、空気に触れることで成分が酸化や分解してしまうこともあり、正確な測定が困難になる場合があった。今回、大阪大学と島津製作所が中心となり、超臨界流体ガスクロマトグラフィ(SFC)装置の開発に取り組み、SFCにおいて重要となる高精度の圧力制御装置を開発した。さらに、並行して、島津製作所、大阪大学、宮崎県が中心となり、超臨界流体抽出(SFE)装置の開発に取り組み、試料の吸着、脱水などのための担体や液体試料の導入技術、多検体に対応したシステム開発を行った。また、SFCとSFEを接続した装置のプロトタイプ機を構築し、大阪大学、宮崎県、神戸大学においてシステムの検証実験を行い、そこで発生した問題の解決に取り組むことで、完成度を高め、装置を製品化した。加えて、装置開発に先行して、大阪大学、神戸大学、宮崎県ではSFC-質量分析(SFC-MS)、およびSFEの技術開発に取り組み、農薬や血液成分のプロファイリングに向けた分析条件や抽出条件、化合物ライブラリを構築した。さらに、最終的にSFEとSFC-MSのオンライン化(自動化)技術に取り組み、標準試料および実試料(農産物・食品・血液)を用いてシステムの検証を実施した。そして、残留農薬分析や臨床検査における実用的な利用を目指して、多検体のハイスループット解析が可能な超臨界流体抽出分離オンラインシステムを構築したという。なお、これら開発した分析システムでは、最大48検体に対し、有機溶媒の使用量を削減するとともに、不安定な試料であっても、熟練の技術を要さずに前処理、分離および検出を高感度・高速かつ自動で行える。例えば、食品中の残留農薬の分析では、従来は攪拌や遠心分離などで約35分かかっていた前処理を5分に短縮できるのに加え、有機溶媒の使用量をおよそ1/10に削減することができ、これまで複数の装置が必要だった分析も、この分析システムだけで約500種類の成分を一斉に測定することができるとしている。研究グループでは、今回の成果が、バイオマーカーの探索による超早期診断やテーラーメイド医療(臨床分野)、薬効分析・毒性評価(創薬分野)、食品中の栄養・機能成分の研究(食品分野)などで活用されるのを期待するとコメントしている。
2015年01月29日理化学研究所(理研)は1月16日、2光子造形法によりガラスマイクロ流体構造内部に精密な3次元構造を有する機能素子を形成する技術を開発したと発表した。同成果は理研光量子工学研究領域 理研-SIOM連携研究ユニットの杉岡幸次 ユニットリーダーらの研究チームによるもので、1月1日に英オンライン科学誌「Light: Science & Applications」に掲載された。高速・高感度で分析できるバイオチップは、医療やバイオ化学、環境などの分野で注目を集めており、マイクロ流体デバイスなど、いくつかの機器は市販されている。同研究チームはこれまで、パルス幅が数十~数百フェムト秒(1フェムト秒は1000兆分の1秒)のフェムト秒レーザーを用い、透明材料であるガラス内部にガラスマイクロ流体構造を作る技術の開発を行ってきた。しかし、従来技術では、ガラスマイクロ流体構造の作製時に、内部にいくつかの機能素子を形成できるものの、加工解像度の制約から、マイクロ/ナノスケールのより複雑な三次元構造を有する機能素子の形成が困難だった。同研究ではまず、作製済みのガラスマイクロ流体構造の中にネガ型レジストと呼ばれるポリマーを流し込んだ。次にフェムト秒レーザーを用いて光の波長の数分の一以下の加工パターンが得られる2光子造形を行い、レーザー光照射領域のポリマー同士だけを連結させ、他の部分を洗い流すことで、ガラスマイクロ流体構造内部に三次元ポリマーマイクロ/ナノ構造体を形成することに成功した。この技術は作製済みのガラスマイクロ流体構造内部に後から三次元ポリマーのマイクロ/ナノ構造体を形成できることから「ボトルシップ型フェムト秒レーザー三次元加工技術」と名付けられた。今回の研究成果は、3次元多層バイオチップの実現につながる可能性があるほか、市販のバイオチップの高機能化への応用も期待できるという。
2015年01月16日産業技術総合研究所(産総研)は1月7日、脳損傷で失われた運動機能を肩代わりする脳の変化を解明したと発表した。同成果は、産総研ヒューマンライフテクノロジー研究部門システム脳科学研究グループの村田弓 研究員、肥後範行 主任研究員と理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの林拓也 ユニットリーダー、尾上浩隆 グループディレクターらが、自然科学研究機構生理学研究所の西村幸男 准教授、伊佐正 教授、京都大学霊長類研究所の大石高生 准教授、浜松ホトニクス 中央研究所の塚田秀夫センター長らと協力して得られたもの。1月7日付の米科学誌「Journal of Neuroscience」オンライン版に掲載された。今回、モデル動物の大脳皮質運動野で手の運動機能を担う領域に損傷を作成後、リハビリによる運動機能の回復過程での脳活動の変化を調べた。指先でものをつまむといった動作はヒトと一部の動物のみが持つ高度な運動機能で、手の運動機能を担う領域が損傷すると回復は不可能と考えられていたが、リハビリの結果、約1カ月後に運動機能が回復した。これは、リハビリの回復過程で損傷した領域の機能を補うために脳に何らかの変化が生じたためと考えられた。同研究グループが陽電子放出断層撮影(PET)を用いて、動作が回復した直後の脳の変化を調べたところ、損傷した領域の活動は減少していたが、損傷前よりも活動が上昇した脳領域が複数認められた。また、損傷後数カ月経過した回復の安定期の脳活動を調べたところ、損傷近くの領域で活動の変化が見られた。さらに、この脳の変化が機能回復に貢献しているかどうかを検証するために、回復直後と回復安定期に、変化が認められた領域の活動を薬剤によってブロックした。その結果、手の運動障害が再発したことから、これらの領域の脳活動の変化が、損傷した手の運動機能を担う領域を肩代わりしていることが確認された。同研究グループは「今回の研究成果は、脳機能のメカニズムに基づいた新しいリハビリであるニューロリハビリテーションを構築する上で鍵となる」とコメントしている。
2015年01月08日岡山大学は1月5日、植物のビタミンC輸送体を世界で初めて突き止めたと発表した。同成果は同大学自然生命科学研究支援センターの宮地孝明 准教授、同大学大学院医歯薬学総合研究科の森山芳則 教授、同大学資源植物科学研究所の馬建鋒 教授、理化学研究所環境資源科学研究センターの黒森崇 上級研究員らによるもの。1月5日付(現地時間)の英科学雑誌「Nature Communications」の電子版に掲載された。植物は強い光にさらされるとミトコンドリアでビタミンCを作り、葉緑体へ運ぶことで葉の光障害を防ぐ仕組みを持つことが知られているが、ビタミンC輸送体はこれまで同定されていなかった。同研究グループは、大腸菌に任意の輸送体を大量に発現させ、人工膜小胞に組み込む独自の輸送活性測定法を開発。これにより、AtPHT4;4タンパク質がビタミンCの輸送体であることを明らかにした。同輸送体は葉の表側の葉緑体に多く発現し、葉緑体の入り口にある包膜に局在していた。この遺伝子発現は光ストレス下で大きく上昇し、効率的にビタミンCを葉緑体に運んでいた。ビタミンC輸送体はイネやトウモロコシなどの作物を含む幅広い植物種に存在しているため、今回の研究成果によって、環境ストレス耐性能を備えた植物育種の開発が進めば、食糧問題や緑化対策による地球温暖化の解決などにつながることが期待される。
2015年01月06日理化学研究所(理研)、独キール大学、分子科学研究所(IMS)、高輝度光科学研究センター(JASRI)は12月24日、X線自由電子レーザ(XFEL)施設「SACLA」から得られる硬X線とフェムト秒光学レーザを用いたポンププローブ型の硬X線光電子分光法により、固体試料構成元素の内殻光電子スペクトルの時間分解計測に成功したと発表した。同成果は、理研 放射光科学総合研究センター 軟X線分光利用システム開発ユニットの大浦正樹ユニットリーダー、アシシ・チャイナニ専任研究員、キール大のカイ・ロスナゲル博士、IMSの松波雅治助教、JASRIの富樫格研究員らによるもの。詳細は、「New Journal of Physics」に掲載された。光電子分光法は、測定対象の物質に一定エネルギーの電磁波をあて、光電効果により外に飛び出してきた電子(光電子)の運動エネルギーを測定し、物質の電子状態を調べる手法である。しかし、自由電子レーザ光は、パルス幅が極めて短いうえ強度が大きく、測定対象物質から放出される光電子群が空間電荷効果をもたらし、光電子のスペクトルに悪影響を及ぼす。研究グループは、これまでSACLAからの超短パルス自由電子レーザ光を用いた硬X線光電子分光法を、物質内の過渡的な超高速現象の研究に有効活用するための技術を確立し、硬X線とフェムト秒光学レーザによる空間電荷効果の影響を調べ、それを制御することを目指してきた。そして今回、ポンププローブ型の時間分解硬X線光電子分光法(trHAXPES)を確立し、空間電荷効果の影響が極めて少ない固体試料構成元素の内殻光電子スペクトルを得ることに成功し、それらが大型放射光施設「SPring-8」で得られる光電子スペクトルに比べて同水準であることを確認した。trHAXPESによって、従来困難であった固体の深い層にある構成元素の選択的かつ時分割的調査や、電子状態の過渡的な超高速現象の観察が可能になる。また、trHAXPESによる空間電荷効果の時間分解計測にも成功し、その時間依存性から、ポンプ光とプローブ光の同時照射時刻を高精度で見出せることを突き止めた。同時照射時刻からのスペクトルなどの変化を調べると、測定対象物質の外部刺激に対する応答性などの性質を知ることができるとしている。
2014年12月26日日東薬品工業はこのほど、乳酸菌「Leuconostoc mesenteroides subsp. mesenteroides NTM048株(以下:NTM048株)」とその「菌体外多糖(以下:EPS)」に免疫力を高める効果があることを明らかにした。同研究は、石川県立大学生物資源工学研究所(山本憲二教授、松崎千秋博士)、広島大学大学院生物圏科学研究科(田辺創一教授)との共同研究で、12月13日から実施された「第12回日本機能性食品医用学会総会」のランチョンセミナーにて発表された。近年、乳酸菌には整腸作用などの健康効果があることが報告されており、さらには乳酸菌が産生する物質についても注目が集まっている。同研究では、日東薬品の乳酸菌ライブラリー約170株の中で、エンドウマメから単離した乳酸菌(NTM048株)に免疫力を高める効果があることと、独特なネバネバ物質である菌体外多糖(EPS)を多く産生することを確認した。まずマウスを用いた実験では、NTM048株に、腸管粘膜での抗体「IgA」(※1)分泌量を増加させ、ひ臓の「ヘルパーT細胞」(※2)の機能を調節する働きがあることがわかった。続いて細胞(マウス脾細胞)を用いた実験では、NTM048株のEPSに、免疫疾患の原因となる「炎症性サイトカイン(IL-17)」(※3)産生量を抑制する働きがあることがわかった。同結果から、NTM048株の菌体とそのEPSには、免疫力を高める効果があることが示唆された。また、炎症性サイトカインであるIL-17の産生を抑制することから、アトピー性皮膚炎、乾せんなどのIL-17に関連した免疫疾患の予防や治療に役立つ可能性があると考えられるという。※1 IgA:ヒトの自然抗体である「免疫グロブリンA」のこと。侵入してきた抗原に応答することにより腸管上皮細胞から多量に分泌され、腸管粘膜を保護し、抗原の腸管への侵入を防御する。※2 ヘルパーT細胞:免疫応答に関与するリンパ球の1つ。抗原の情報をB細胞へ伝えて抗体の産生を誘導したり、免疫応答を誘導する液性因子を放出したりすることにより、免疫反応の司令塔として働く。※3 炎症性サイトカイン(IL-17):「血管内皮細胞」「マクロファージ」など種々の細胞に作用して、さまざまな「炎症性メディエーター」の発現を誘導する分子のこと。
2014年12月24日2015年、みなさんはどんな年にしたいですか?世界各国で活躍する占星学研究家・黒澤美姫先生が、星回りから2015年の運勢を読み解きます。星の動きに上手に乗って、ステキな1年をお過ごしください。■2015年上半期は火のエレメントに星が集中2015年は木星の動きや土星の動きから前半と後半で流れが変わってきます。上半期は、特に火のエレメント(牡羊座、獅子座、射手座)の影響が強くなるときです。木星は獅子座、土星は射手座、天王星も牡羊座に位置しています。自分を打ち出し、何事にも自信を持って臨むのが良いでしょう。恋愛面でも消極性はあまり評価されません。自分の意思をしっかり伝えられる人が評価されます。好きな人がいるなら、堂々とした態度で臨みましょう。火のエレメントの星座である牡羊座、獅子座、射手座の人にとっては自分を冷静に判断することで、大きく飛躍できるときです。追い風に乗って躍進しましょう。また、3月16日にはいよいよ、2012年以来6回に渡って起こり、今回最後を迎える天王星と冥王星のアスペクトが形成されます。古いものを手放し、新しい扉を開くときとなります。これはどの星座の人にも言えること。愛情問題でもいつまでも一人の人に執着せずに、新しい世界に目を向けてみましょう。新しい解決法が見つかるかもしれません。4月4日の月食は願い事にいい日。ぜひ空を見上げて祈ってみてくださいね。■下半期は幸運の星・木星が乙女座に8月11日からは木星が乙女座に。慎重さと謙虚さが大切な時期となります。好きな相手を、そっと助けてあげるのも効果的。縁の下の力持ちの気分で、愛する人を助けてあげましょう。また、新月・満月のリズムを取り入れ、月と共に生き始めると運気もアップして、女性としての魅力が増していきます。毎晩空を見上げるだけでも心身のリズムが整ってきます。2015年も私たちは、社会が大きく変化する中にいます。過去にしがみつくことなく、新しい考え方を、そして習慣を取り入れることが大切です。星の動きに上手に乗って素敵な時をお過ごしください。黒澤美姫東京生まれ。占星学研究家。現在アストロリレーションの代表を務め、様々な場面での人間関係に役立つアストロセミナーを開催している。各種国際占星学学会のメンバーであり、また、米国の心理カウンセリングで最もポピュラーなNLP(神経言語プログラミング)のマスタープラクティショナーでもある。運命をただ告げるだけではなく、前向きにとらえ改善していくための助言を行っており、特に対人関係を中心とした占術で幅広いファンを持つ。【PCサイト】曖昧さ絶無!“一目瞭然の超的中解析”運命を切開く占星学×黒澤美姫西洋占星術×心理学の独自理論で運命を的確に切り開く!世界各国で活躍する占星学研究家、黒澤美姫が提唱する、“アストロ・カウンセリング”は、西洋占星術と心理学の知識を掛け合わせた独自の鑑定法です。“自分自身を深く知る”→“自分を最大限に開花させる”→“人間関係を改善する”→“人生でのタイミングを知る”、という手順で鑑定を行っていき、良い点悪い点を曖昧にせずはっきりとお伝えします。【スマートフォンサイト】「月と太陽」
2014年12月20日恋愛科学研究所所長で医療アナリストの荒牧佳代先生による映画コラム。生物学的観点や、女性ならではのクリエイティブな感性から、作品に込められたメッセージを解説していただきます。セルフマネジメントとは、自分の行動や体調を適切に管理する“自己管理”です。私はよく映画のトークショーなどで、「映画は自分の心を静かに内観できる大切な時を与えてくれる」とお伝えしています。今回の『ベイマックス』は、まさに自分の心のセルフマネジメントをしてくれる素晴らしい作品です。それでは、『ベイマックス』の魅力を順にご紹介していきましょう!◆少年少女の心には小さな傷がいっぱい恋愛に目覚める前の少年少女の頃は、男女性別関係なく、いろんなものに好奇心のアンテナが反応する多感期です。男女の性が活発化する思春期とはまた違う、人間のパワフルさや素晴らしさがその時期にはたくさんあります。ですが、主人公のヒロはそんな多感期に両親を亡くし、ストーリー中でも最愛の兄を事故で亡くしてしまいます。自分を見守ってくれていた家族を失うなんて、これ以上の悲しみはありませんよね。少年少女の頃は毎日が楽しそうに見えても、実は(家族を失ったヒロのように)自分ではどうすることもできない、外部からの理不尽ともいえる出来事に小さく傷ついていたりします。なぜなら、子どもは自立していない分、とても無防備だからです。◆傷ついた心は友達と分かち合うもの?そんな人の心とカラダの傷をケアする“愛”を配ろうと研究し、毎日ベイマックス(ヒロの相棒となるロボット)を改良し続けていたのがヒロの兄タダシ。ベイマックスは、ヒロにこう伝えます。「心とカラダの痛みは分かち合いましょう」。でも「分かち合うって何?いらないよ」とヒロは突っぱねます。男の子だから、自分でなんとかしたいと思うんですね。私も男の子を育ててきたのでわかりますが、基本的に男という性はとにかく何でも自分でしないと気が済まない性(サガ)を持ちます。言い換えると、自分で何でもこなさないと社会で生きていけない性なので、幼い頃からの自立心は、大人に守られていても旺盛です。◆ハイテクは全世界をも支配できる力また、男の性は競争力がものいう性です。前に突き進むため、本能的に勝ちにこだわるケースが多々あります。ヒロも禁止されている、闇の賭けが生じるロボット対戦で勝つことにうつつを抜かして、兄に怒られます。しかし、それでもやめる気がないほど夢中になっています。人間は腕力だけでなく、脳力という高等な賢さを持つ動物。なので、コンピューターやハイテクノロジーを使っての“勝ち”は、一対一での勝ちだけでなく、全世界という集団への支配力へと変えられます。ハイテクに関して天才的な威力を発揮する少年ヒロは、そんな世界をも征することができるかもしれない力の持ち主。実はその莫大な威力を持つ“力“こそ、人間がもっとも求めてやまない“力”なのです。◆社会を救えるのは“力”か“優しさ”か?世界をも征する “力”を得た人の周りには、その“力”を使って金儲けしようと企む、欲望渦巻く人が集まってきます。その反面、“力”を単なる金儲けではなく“愛ある力”に変えて人々を守ろうとする人間も集まってきます。“力”を持つ人間は、正義にも悪にもなる危うさがあります。ヒロの兄タダシは、自分のテクノロジーの力を、人々の心とカラダを守る“愛ある力”へと変えようと努力した研究者です。ヒロに人の愛とは何か?を教えたのもタダシです。ヒロは天才的な才能を持つ少年だからこそ、その将来を案じて自分が得た“力”をどう使えば、人々のためになるのか?を教えたかったのでしょう。生前よりヒロにハイテクの素晴らしさを伝え続け、ヒロの才能をさらに開花させようと頑張っていた兄から託された使命を、ヒロはどう捉え、世界に羽ばたいていくのか?ベイマックスとの触れ合いを通し、ヒロの心は、支配する“力”と大きく包み込む“優しさ”の狭間で葛藤します。その、もがき苦しみながらも仲間と共に前に進もうとする姿は、人間社会で “力”と“優しさ”のバランスの取り方を日々模索し続けている人の心に、多くの共感を呼ぶと思います。心とカラダのセルフマネジメントに関する“力”と“優しさ”のバランスこそ、人間が人間社会でもっとも大切に考えなくてはいけないことかもしれませんからね。天才少年ヒロが“愛ある力”に目覚める瞬間を、ぜひお友達や恋人、ご家族と一緒に劇場の巨大スクリーンでご覧ください。将来、結婚して子育てを経験するかもしれない独身女性や、すでにお子さんを育てている既婚女性にも、大人として子どもに愛や真の正義とは何か?を伝えられる素晴らしい作品です。自分が少年少女の頃に感じていた正義という名の純粋な心にもきっと響くでしょう。【STORY】兄が遺した優しすぎるケア・ロボットに秘められた、驚くべき“使命”とは…?謎の事故で最愛の兄タダシを失った天才少年ヒロ。深く傷ついた彼の心を救ったのは、人々の心とカラダを守るために兄が開発したケア・ロボットのベイマックスだった。兄の死の真相をつかもうとする二人だったが、彼らの前に未知なる強大な敵が立ちはだかる。ケア・ロボットとして人を傷つけることを禁じられているベイマックスに、大切なヒロを守り切ることはできるのだろうか?そして、兄がベイマックスに託した、驚くべき“使命”とは…?【みどころ】ヒロの心の成長を追うストーリーは涙なくして見られないのですが、日本文化への愛がギュッと詰まったノスタルジックな世界観も見逃せません。『ベイマックス』には、アニメーション界の権威であるアニー賞の美術賞を、日本人で初めて受賞した世界的なイラストレーター、上杉忠弘氏がコンセプト・アートとして協力しています。制作前のリサーチで来日したドン・ホール監督とクリエイターメンバーは、それぞれ日本の文化に感銘を受けたそう。特に光は印象的だったと言います。「僕らが見た日本の光はとても美しかったんだ。ネオンの光も含めてね。東京はとてもモダンでクールなテクノロジーがあり、サンフランシスコの特徴的な土地と混ぜ合わせることで、とてもクールで興味深く、新しい独創的な世界が作れると思ったんだ」その言葉通り、今回の夕焼けはまさに日本の光のイメージを反映して描かれ、私たち日本人がノスタルジーを感じるビジュアルとして仕上がっています。監督は「このポスターは、夕焼けの光が二人を照らすことによって、ヒロとベイマックスの絆をより際立たせているんだ。日本に影響を受けた美しい光と、ストーリーに込めた想いを感じて欲しい」と続けています。12月20日(土)全国ロードショー監督:ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ製作:ロイ・コンリ配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン『ベイマックス』 Disney. All Rights Reserved.★オリジナルグッズプレゼント★とってもかわいい『ベイマックス』特製ポーチを3名様にプレゼントします!応募・詳細はこちらから♪※プレゼント応募にはcocoloni PROLOの会員登録が必要です。ご応募期限:2015年1月12日(月)荒牧佳代(あらまき かよ)恋愛科学研究所所長、恋愛科学カウンセラー。脳内ホルモンと個人の性格や行動を関連させたロジックでさまざまなテーマを分析する恋愛科学(行動科学)のプロフェッショナル。2013年、avex(エイベックス)×DocomoのBeeTV「声感☆ラブメッセージ」全12話監修。2014年、Yahoo女子向けニュースアプリ「ポストピ」にて業界通のタレントとして恋愛記事をチョイス!コメント付きでピックアップ中。「Yahoo、ツヴァイ、ブックビヨンド(学研)」3社の新メディアブランドプロジェクト【恋活サプリ】にて毎週金曜日コラム更新、当プロジェクトより電子書籍「モテに興味ある男、モテに興味ないフリする女」も出版。他、テレビ・ラジオ・ネットTVゲスト出演、Webサイトのコラム執筆、雑誌特集企画監修、恋愛&婚活セミナー講師、映画トークショーなど多方面で活躍中。スマートフォンサイト恋愛科学研究所~LoveScience~
2014年12月20日東北大学(東北大)と慶應義塾大学はこのほど、便秘症の治療薬として使用される「ルビプロストン」という薬剤に、慢性腎臓病の進行を抑える効果があると発表した。同成果は東北大学大学院医学系研究科および医工学研究科病態液性制御学分野の阿部高明 教授と、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣 特任准教授、同 曽我朋義 教授ら研究グループによるもの。12月18日(現地時間)付の米腎臓学会学術誌「Journal of the American Society of Nephrology」に掲載された。慢性腎臓病は、腎機能が慢性かつ進行性に低下する病態で、最終的には末期腎不全に陥るだけでなく、脳心血管疾患の発症率や死亡率を高めることで知られるが、高血圧や糖尿病に対する治療を行う以外治療法が無い現状がある。これに対し、腎臓が働かないために、体内に溜まってしまった尿毒素による各種腎臓への悪影響を抑えることが腎臓病の進行を抑制する手段として期待されている。また、腎臓病で蓄積するさまざまな尿毒素のうち、最も有害といわれているインドキシル硫酸などの産生には腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:体内の細菌群が作り出す生態系)が関わっていることが知られており、近年、慢性腎臓病では腸内環境全体が悪い方向に変化していること明らかとなっていた。この背景から研究チームは、腸内細菌叢を慢性腎臓病の新しい治療ターゲットとして腸内環境および腸内細菌叢に注目して研究を続けていた。今回の発見では、腸内環境を変化させる薬剤として、一般には便秘症の治療薬として使用されるルビプロストンの効果を検討した。同剤は腸液の分泌を増加させ、腸管内容物の移動を促進させる効果を持つ。研究チームが慢性腎不全状態のマウスに同剤を投与し、腎臓病の進行に対する効果を検証したところ、ルビプロストン投与マウスは投与していないマウスに比べて、腸液の分泌が増えたことにより、腎不全時における腸壁の悪化が改善されていた。さらに、腸内細菌叢を解析したところ、善玉菌の減少も改善していた。また、腎不全時に血液中に蓄積する尿毒素などの代謝物濃度を網羅的に解析した結果、ルビプロストン投与マウスではインドキシル硫酸や馬尿酸などの物質の血中濃度が減少すすることが判明した。これらの結果から、腸管は尿、血液透析とならぶ第3の尿毒症物質排泄経路で、便秘症の治療薬であるルビプロストンが、慢性腎臓病の新しい治療薬として適用できる可能性が示唆された。今後、人への応用に向け、副作用の少ない低容量かつ腸で解ける製剤の開発や、対象となる腎不全患者の選定方法などについて検討を行っていく。
2014年12月19日理化学研究所(理研)は12月19日、7月より行っていたSTAP細胞が存在するかどうかの検証実験の結果を公表した。理研は8月の中間報告でもSTAP細胞を作ることはできなかったと発表していたが、実験には熟練した技術が必要な可能性があるとして、11月末まで小保方晴子氏が参加するかたちで検証が続けられていた。検証は小保方氏による実験と、相澤慎一リーダーと丹羽仁史副チームリーダーらの検証実験チームによるものが行われた。小保方氏による検証では、論文にあったように、脾臓由来のリンパ球からのSTAP現象の検証に集中して実験を行った。一方、丹羽氏らの検証実験チームでは、脾臓以外に肝臓と心臓についても検証を実験したが、どちらもSTAP細胞の存在を確認することができなかった。相澤氏は「これ以上は検証実験の範疇を超えるもの」と語り、当初3月末までを期限としていた同検証を打ち切るとした。なお、検証終了をもって小保方氏は理研に退職願を提出し、承認された。同氏は「予想をはるかに超えた制約の中での作業となり、細かな条件を検討できなかった事などが悔やまれますが、与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、このような結果に留まってしまったことに大変困惑しております。私の未熟さゆえに論文発表・撤回に際し、理化学研究所を始め多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまったことの責任を痛感しておりお詫びの言葉もありません。検証終了を以て退職願を提出させていただきました」とのコメントを発表している。
2014年12月19日岐阜大学はこのほど、同大学大学院医学系研究科小児病態学・同大学院連合創薬医療情報研究科が「インターロイキン18(以下IL-18)」が受容体(レセプター)に結合した複合体の3次元立体構造を解明したことを発表した。同研究は、京都大学大学院理学研究科生物物理学教室構造生理学分科、同大学院工学研究科分子工学専攻生体分子機能化学講座などとの共同研究によるもので、研究成果は12月15日付の「Nature Communications」で公開されている。人の体には、細菌やウイルスなどの病原体が侵入すると、「サイトカイン」(※1)という物質を誘導して感染から体を守る働きがある。サイトカインの1つであるIL-18は、炎症を強く誘導し病原体の排除に働く一方で、IL-18が過剰に産生されることで関節リウマチ(※2)などの免疫・神経難病を含む多くの疾患の発症・増悪が引き起こされるという。IL-18活性化に対する薬剤として、抗体をはじめとする生物製剤がすでに臨床応用されているが、分子量が小さく細胞膜の中から核にまで入り込むことができる低分子薬剤(※3)の開発はまだ十分になされていない。IL-18についても阻害薬剤開発が期待されているが、薬剤開発の重要な基礎となるIL-18とレセプター2種類の3者複合体構造、およびその活性化メカニズムを解明することは技術的に困難であったため、研究の開始からこれまでの約20年間、未解明だったという。同研究グループは、遺伝子組み換え技術を用いてIL-18たんぱくとIL-18レセプターたんぱくを合成し、エックス線結晶構造解析(※4)の技術を用いて、複合体の3次元立体構造を原子解像度(※5)で明らかにした。これによりIL-18(緑色)はIL-18レセプターα(水色)に囲まれるように結合し、IL-18レセプターβ(青)はIL-18レセプターαの側面に並んでIL-18と結合することがわかった。また、IL-18とIL-18レセプターβの相互作用面に位置するアミノ酸の作用を溶液NMR法や表面プラズモン解析、細胞機能実験の手法を用いて測定したところ、IL-18側とIL-18レセプターβ側に位置するそれぞれ数個のアミノ酸が、相互作用に重要な働きを持つことも明らかとなった。これらの結果は、これまで未解明なままであったIL-18のシグナル伝達の詳細を世界で初めて明らかにしたものだという。同研究グループは、「今後、臨床応用が加速すると考えられ、種々の免疫・神経難治疾患などに対する新しい治療法の開発につながると期待される」とコメントしている。※1 サイトカイン:細胞から放出される生理活性たんぱく質で、細胞間情報伝達分子として働く。生理活性たんぱく質とは、生体に作用し、種々の生体反応を制御するタンパク質である。特異的な反応に関与しており、ごく微量で十分な反応がみられる。インターロイキン(IL-18)はサイトカインの一種。特にリンパ球やマクロファージなどの免疫担当細胞が産生する生理活性たんぱく質をいう。※2 関節リウマチ:免疫の異常により関節の腫れや痛み、また変形をきたす疾患。IL-18は症状の増悪因子として知られている。増悪とは症状が悪化することで、もともと悪かった状態がさらに悪くなること。※3 低分子薬剤:分子量が300から500くらいの範囲で小さく、細胞膜の中や核にまで入り込むことができる薬剤のこと。化学合成が可能な場合に大量生産が可能となり、価格を下げることができる。※4 エックス線結晶構造解析:たんぱく質の形(立体構造)を決定する方法の一つ。対象とするたんぱく質の結晶にエックス線を照射し、散乱したエックス線から原子の位置を決定する。立体構造を知ることによって、そのたんぱく質の持つ性質が表れる仕組みを理解することができる。※5 解像度:コンピュータのモニタやデジタルカメラなど画像を扱う装置において、画像を表示したり入力したりできるデータの細やかさを表した数字として使用されるが、記事中の解像度は、観測するものがどこまで細かく観測されているかについて述べている。原子解像度とは原子一つ一つの位置を正確に区別できるほど細かく観測ができるという意味。
2014年12月17日東京大学は12月11日、電子の形の量子揺らぎを媒介とした新しい超伝導を発見したと発表した。同成果は、同大 物性研究所の松本洋介 助教、中辻知 准教授、同大大学院 新領域創成科学研究科博士課程の辻本真規 大学院生、東大物性研究所 新物質科学研究部門の冨田崇弘 特任研究員、アウグスブルグ大学 日本学術振興会海外特別研究員で東大物性研究所 新物質科学研究部門 元博士課程学生の酒井明人氏らによるもの。詳細は、米物理学会学術誌「PhysicalReviewLetters」のオンライン版に掲載される予定。超伝導とは、低温で電子がクーパー対と呼ばれる対を形成することで金属の電気抵抗がゼロになる現象で、工業的な応用の観点からも重要視され、これまで盛んに研究されてきた。この電子同士がクーパー対を形成するためには、電子同士を引きつける力が必要である。この引きつける力の起源として、これまで格子振動が考えられてきた。しかし、近年の研究から、銅酸化物高温超伝導体などではスピンと呼ばれる電子が持つ非常に小さな磁石の揺らぎが、電子同士を引きつける力として重要な役割を果たすことが分かっている。今回、研究グループは、希土類金属間化合物PrV2Al20において、異常な金属状態が実現することを見出した。また、この異常な金属状態は、電子の形を決める電子軌道の量子揺らぎによるものであることが分かった。さらに、この電子の形の揺らぎを媒介とした新しいタイプの超伝導が常圧下(1気圧)ではじめて実現していることを明らかにした。この新たな電子の対形成メカニズムの発見は、超伝導研究の新たなブレークスルーとなる可能性を秘めていると同時に、電子の形(電子軌道)の揺らぎを用いた新たな物質科学研究の方向性を提示する重要な成果であるとコメントしている。
2014年12月15日『セブン』、『ソーシャル・ネットワーク』、『ドラゴン・タトゥーの女』などで世界中の映画ファンを魅了してきた鬼才デヴィッド・フィンチャー監督。その最新作『ゴーン・ガール』が12月12日(金)に公開されます!全米では初日から10週間経ってもTOP10圏内をキープ。先日、ハリウッド賞レースの幕開けとなるハリウッド・フィルム・アワードで[作品賞][脚本賞][音響賞]の3部門を受賞し、アカデミー賞受賞への注目が集まっています。独創的な映像表現と力強いストーリーテリングでアメリカ映画界を牽引してきたフィンチャー監督が、今回選んだテーマは失踪事件を起こした若い夫婦の物語。公開に先立ち、本作を配給する20世紀フォックス映画が国内の配偶者or恋人ありの男女300人(15歳~59歳)を対象に、パートナーにまつわるアンケート調査を実施しました。予告編には失踪事件が起こる前、夫ニックが嘘をついて外出し、妻エイミーに浮気現場を目撃されるシーンが登場。ということで、回答者に「パートナーに嘘をついたことはありますか?」「パートナーに嘘をつかれたことはありますか?」と質問したところ、それぞれ以下のような結果に。==================Q:「パートナーに嘘をついたことはありますか?」男性…81.3%女性…80.0%Q:「パートナーに嘘をつかれたことはありますか?」男性…74.7%女性…76.7%==================男性のほうが嘘をつきやすく、でも女性のほうがその嘘を見抜くのが上手なんですね!?そこで、恋愛科学研究所所長の荒牧佳代先生に「男性がつきやすい嘘」と「嘘の見抜き方」を教えていただきました!≪男性がつきやすい嘘の傾向は?≫「男性は必要に迫られたら嘘をつきますが、実はもともとあまり嘘をつけない性なんです。でも、男性本来の“自由気まま”で“シングル”な生き方を女性から邪魔されたくないと感じると嘘をつきます。例えば浮気のときは、恋人がいたり既婚者だったりするのに女性の存在がないふりをしますね。女性から(承知の上で)束縛されているのに、一切束縛されていない男のように振る舞い、多くの女性と関係を持とうと画策するのです。また、自分へのハッタリ(実力以上の誇示、大げさ)として嘘をつくのも男性ならでは。嘘をつき、カッコつけてモチベーションを上げ、その嘘をついた自分に向かって努力します。そうすることで、本当に力のある男性はリアルな功績として実現させますが、力のない男性は嘘だけで終わってしまいます。自分に負荷をかけて男を上げようと頑張るのが男性なんです。一方、女性の嘘は、自分自身が商品ですから、生まれながらにして自分の身を守るために存在するスキルなんです。例えば、化粧やボディメイキングなどはやりすぎは嘘になります。自分の身体や外見をより美しくみせるよう着飾り、少しでも高値で売ろうとアピールしますから見分けるのが困難。浮気の嘘は、女性のほうが秀逸というかずる賢いです。完全犯罪のように完璧に嘘をつけますから怖いですよ(笑)」≪男性の嘘を見抜く方法≫「女性は本能的に命を産み育てる性なので、性質的に自然と洞察力(人を見抜く力)が備わっています。ですが、相手の男性の魅力にドキドキとときめくと途端に嘘を見抜けなくなります。女性は恋愛に対する感受性が男性より高いので、恋の媚薬ホルモンの脳内麻薬的な威力に、通常の思考回路がイカれて使い物にならなくなっちゃうんです。もっと厳密に言えば、大好きな男性には嘘をつかれてもいい!なんてワケのわからないところまで考えが飛んでしまいます。傍から見たら明らかにだまされているでしょ!ってことも本人にはわからない。わかってても事実を直視しようとしません。いわゆる恋は盲目(Love is blind)の状態ですね。女性はその点だけ気を付けていれば、大抵の男性の嘘は見抜けるでしょう。ただし、的中率は訓練しないと上がりません。結婚して妻という立場になれば、毎日のように夫や子どもの様子を観察しますから、自然と洞察力も磨かれ、相手のちょっとした変な動きにも気付くようになります。女性の洞察力の鋭さは観察の積み重ねですからね。大好きな恋人でもお付き合いが長くなると女性の洞察力は鋭くなります」なお、アンケート調査にはこんな質問もありました。==================Q:「パートナーは、結婚後に印象が変わったと思いますか?」男性…51.7%女性…49.5%==================男女共に、結婚前後で相手に抱く印象が変わる人は約半数いることが判明。この結果に関して荒牧先生は、以下のように解説しています。≪恋愛中は演技で結婚後は素の自分≫「恋のドキドキの興奮はエンターテイナーです。多かれ少なかれ、誰でも現実の自分にちょっと演技を加え、相手がときめく理想の恋人を演じているのです。お互いが惹かれ合うためには、そのくらいのパワーがないと仲も続きませんからね。一方、結婚はふたりで協力し合いながら日常の幸せを築いていく現実的な世界です。結婚して相手の印象が変わったと思うのは、通常の自分に戻っただけで、本当は変わっていません。恋しているときのパートナーや自分が普段と違っていただけで、結婚後のほうがノーマルで素な自分に近いでしょう。ただし、理想を追い求める人は、結婚後も恋しているときのエンターテイナーな華やかさを望むでしょう。私は恋は衝動で非現実、愛(結婚)は理性と定義し、コラムやカウンセリングで提唱し続けています。“恋愛”の恋と愛そのものが相反するもので、矛盾しているんですね。アンビバレンツ(アンビバレンス)な世界なんです。恋愛科学的に解説すれば、男女の恋愛そのものがもともと矛盾したところだらけなので、結婚後に印象が変わるくらいはそう不自然なことでもないと言えるでしょう。とはいえ、愛と憎しみは表裏一体です。特に女性の愛情は深くなるので増悪もそれと同時に深まります。男性のみなさんは注意してくださいね」恋と愛は矛盾していて、男女の恋愛も矛盾している。なんだか悲しくなってきますが…未婚の方はそのあたり、肝に銘じておいたほうが良さそうです。「あなたは、愛する伴侶のことをどれだけ知っていますか?」一番近い人=パートナーこそ、実は最も謎めいた存在であることを、見る者全てに突きつける衝撃作『ゴーン・ガール』。フィンチャー監督ならではのスリリングな映像と鋭く研ぎ澄まされた演出を、ぜひ映画館で目撃してください。【STORY】結婚5周年の記念日。誰もがうらやむような幸せな結婚生活を送っていたニックとエイミーの夫婦の日常が破綻する。エイミーが突然姿を消したのだ。リビングには争った後があり、キッチンからは大量のエイミーの血痕が発見された。警察は他殺と失踪の両方の可能性を探るが、次第にアリバイが不自然な夫ニックへ疑いの目を向けていく。新妻失踪事件によってミズーリ州の田舎町に全米の注目が集まり、暴走するメディアによってカップルの隠された素性が暴かれ、やがて、事件は思いもよらない展開を見せていく。完璧な妻エイミーにいったい何が起きたのか…。12月12日(金)全国ロードショー監督:デヴィッド・フィンチャー原作・脚本:ギリアン・フリン出演:ベン・アフレック/『アルゴ』、ロザムンド・パイク/『アウトロー』、他配給:20世紀フォックス映画『ゴーン・ガール』 (C) 2014 Twentieth Century Fox★オリジナルグッズプレゼント★作品の世界をイメージした、スタイリッシュなノート&ペンのセットを2名様にプレゼントします!応募・詳細はこちらから♪※プレゼント応募にはcocoloni PROLOの会員登録が必要です。ご応募期限:12/25(木)荒牧佳代先生が恋愛・結婚・男ウケにまつわる恋愛科学豆知識を伝授!今日の恋愛科学プチコラム
2014年12月12日大阪大学(阪大)は12月10日、極小なナノドット結晶の結晶方位をそろえて連結した材料を形成する技術を開発したと発表した。同成果は、同大大学院 基礎工学研究科の中村芳明准教授らによるもの。同大大学院 基礎工学研究科の吉川純助教(現物質・材料研究機構 主任研究員)、酒井朗教授、東京大学の塩見淳一郎准教授、アルバック理工の池内賢朗博士と共同で行われた。詳細は、「Nano Energy」のオンライン版に掲載された。廃熱エネルギーを電気エネルギーとして再利用するための熱電変換材料には、従来、レアメタルだったり、毒性を持ったりすることの多い、重い元素を含んだ材料が使われており、より安価で環境に低負荷な材料が求められていた。今回、中村准教授は、ナノドット結晶の結晶方位をそろえて連結することで、高い電気伝導率で低い熱伝導率という熱電変換の高性能化に必要な特性を、レアメタルを使わずに実現した。このようなナノドット構造は、従来法では作製が不可能だったが、独自に開発したナノドット形成技術を応用することで、電気伝導率の悪化を適切に抑え、熱伝導率をバルクシリコンの約1/200まで低減することが可能となった。さらに、同技術では、シリコンの熱伝導率の世界最小値を得ることに成功したという。今回の結果は、地球上にありふれた、環境調和性の高いユビキタス元素であるシリコンを用いた高性能な熱電変換材料を生み出す可能性を示している。優れた電子素子材料であるシリコンが、高い熱電変換機能を持つことができれば、電子素子材料と熱電変換材料を融合した素子が作製でき、パソコンやサーバから排出される廃熱を電気エネルギーとして再利用することができる。これは、将来迎えるといわれるセンサネットワーク社会において、さまざまな場所に配置されるセンサなどに組み込まれる電子素子へのエネルギー供給問題を解決する糸口になることが考えられるとコメントしている。
2014年12月11日お茶の水女子大学は12月14日に同大理学部主催で、「第2回 宇宙講演会 ~子どもから大人まで宇宙に夢中!~」を開催する。2回目となる今回は、アンデスの世界最大の電波望遠鏡「ALMA(アルマ)」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所にて宇宙科学広報・普及主幹として宇宙科学研究に関わる普及・教育・渉外活動などを務め、現在は国立天文台チリ観測所に勤務される阪本成一 教授が語るほか、国際宇宙ステーション(ISS)へ荷物を届ける無人補給機「こうのとり(HTV)」について、「こうのとり」のフライトディレクターであり係留運用ファンクションマネージャなども務めるJAXAの麻生大氏が講演を行う。また、これらの講演のほかに、「私も宇宙へ行く時代を目指して」と題した有人宇宙開発パネルディスカッションも子ども・宇宙・未来の会理事の菊地涼子氏などを交えて行われる予定となっている。なお誰でも自由に参加可能で参加費は無料、事前申し込みも不要(ただし、小学生以下は保護者同伴での参加が必要)。会場は文京区大塚のお茶の水女子大学 微音堂(講堂)で、開場時間は12月14日の14時~17時(受付開始は13時30分開始予定)となっている。また、駐車場はないため、クルマでの来場は控えてもらいたい旨、ならびに南門は閉鎖されているため、正門より来場してもらいたい旨が主催者よりアナウンスされている。
2014年12月09日京都大学は12月2日、ある種のウラン化合物超伝導体では、熱磁気効果がこれまでの超伝導体よりも桁違いに大きくなることを発見したと発表した。同成果は、同大 理学研究科の山下卓也博士後期課程学生、住吉浩明博士後期課程学生、松田祐司教授、東京大学 新領域創成科学研究科の芝内孝禎教授(京都大学 理学研究科 客員教授)、大阪大学 基礎工学研究科の藤本聡教授らによるもの。日本原子力研究開発機構 原子力科学研究開発部門 先端基礎研究センターの芳賀芳範研究主幹と共同で行われた。詳細は、英国科学誌「Nature Physics」のオンライン版に掲載された。ある種の物質を冷やしていくと、低温で2つの電子がペア(クーパー対)を組み、抵抗がゼロとなる超伝導状態が実現する。しかし、超伝導転移温度以下でのみこのペアが形成されるわけではなく、転移温度より少し高い温度でも、熱ゆらぎの効果により形成される。この熱ゆらぎによるペアは、泡のように生成・消滅を繰り返し、その結果、超伝導状態の前兆ともいえる超伝導ゆらぎを発現する。この超伝導ゆらぎは、さまざまな物理量に影響を与える。特に、磁場中の熱電変換効果の一種である熱磁気効果(ネルンスト効果)は、超伝導ゆらぎの性質を調べる上で重要な物理量として知られている。ところが、通常の超伝導体では、この熱磁気効果の大きさ自体はあまり大きなものではなく、熱電変換材料としてはあまり注目されていなかった。そこで、今回の研究では、ウラン化合物超伝導体URu2Si2の超純良試料を用い、超伝導ゆらぎに起因した熱磁気効果を精密に測定した。その結果、試料の純良性が増すほど、超伝導ゆらぎの効果は熱磁気効果に顕著にあらわれた。これは、超伝導体においてこれまで観測された実験結果と定性的に異なっている。さらに、熱磁気効果の大きさは、従来の超伝導体を良く説明するゆらぎの理論から予想される値の100万倍に達することもわかった。また、URu2Si2の超伝導では、クーパー対を形成する2つの電子が、互いの周りを右回り、または左回りのどちらか一方向に回転している新奇な超伝導状態が実現していると考えられている。このような超伝導体はカイラル超伝導体と呼ばれており、そのクーパー対は従来の超伝導体にはない新奇な幾何学的構造を持つ。そして、このようなカイラル超伝導体では、超伝導の泡の表面を流れるペア電子によって、伝導電子が散乱される。この散乱過程に基づいた新しい理論によって、今回の実験結果は定量的に説明されることが明らかになったとしている。
2014年12月03日東京大学と東北大学は、鉄系高温超伝導体において、これまで明らかになっていなかった超伝導電子の電子状態を解明したと発表した。同成果は、東京大学大学院 新領域創成科学研究科の水上雄太助教、芝内孝禎教授(京都大学大学院 理学研究科 客員教授兼任)、東北大学 金属材料研究所の橋本顕一郎助教らによるもの。詳細は、英国科学誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載された。2008年に発見された鉄系超伝導体は、その発見以降、短期間で膨大な量の研究がなされたにもかかわらず、その超伝導発現機構と密接に関係する超伝導電子の電子状態が未解明だった。今回、純良単結晶に電子線を照射して、その照射量を増やすに伴い超伝導電子の数が非単調に変化することを初めて観測したことによって、"s±(エスプラスマイナス)"型の対称性であることが明らかとなった。これは磁気揺らぎを主な機構とする超伝導において提案されたものであるという。今後、より高い温度での超伝導の実現を目指し、この機構を用いた超伝導体の設計指針につながることが期待されるとコメントしている。
2014年12月02日ナルコレプシーという睡眠障害があります。これは「居眠り病」などと揶揄されることもあり、日中に突然、抗えないほどの強烈な睡魔に襲われるというもの。今回ご紹介する実験は、この原因不明の病気の解明に一筋の光を差したのかもしれません。睡眠誘導の実験「光スイッチでマウスのノンレム睡眠誘導に成功」――自然科学研究機構 生理学研究所と科学技術振興機構(JST)が数年前に共同発表したプレスリリースの見出しです。このマウスの実験が、人間の睡眠障害であるナルコレプシー(日中に突然、強烈な睡魔に襲われる病気)を引き起こす神経回路の解明につながるのではないかと期待されているのだそうです。一体、どういうことなのか? 少し複雑な内容ですが、できるだけ噛み砕いて解説してみたいと思います。まず、ナルコレプシーは覚醒に関わる「オレキシン神経」と呼ばれる部分が関連して突然の睡眠または脱力発作が起きると考えられています。オレキシン神経とはなにか?ナルコレプシーは、10~30代で1,000人に1人という割合で発症すると言われています。この実験は、簡単に言えばナルコレプシーに深く関わるオレキシン神経の詳細に迫る、というものです。オレキシン神経は、脳の覚醒に関わっているということは判明していましたが、具体的にどのような働きをする神経なのか、その詳細はわかっていなかったのだそうです。そこで行われた実験が「光スイッチ」と呼ばれる、光を使って神経の活動をコントロールする技術を用いてマウスのオレキシン神経を操作するというもの。それによって、オレキシン神経の実態を浮き彫りにしようとしたということです。ナルコレプシーの解明に期待具体的に行われたのは、光スイッチでマウスのオレキシン神経の活動を1分間だけ抑制するというもの。そうしたところ、少しずつマウスの脳波が入眠状態を示し、筋肉の活動が弱まり、ノンレム睡眠(深い睡眠)の状態になったそうです。これは言ってみれば、ナルコレプシーと同様に、突然深い睡眠に入る状態と同じです。しかし実験では、ナルコレプシーではみられる突然の脱力発作やレム睡眠などは出現しなかったそうです。ただ、この違いなどを1つの手がかりにオレキシン神経とナルコレプシーの関係の解明が進むものと期待されているようです。睡眠に関する研究はまさに日進月歩。ナルコレプシーに悩む人のためにも1日も早く解明してほしいものです。Photo by Julie Krawczyk (German)
2014年11月28日岡山大学は、光合成による水分解反応を触媒する光化学系II複合体の構造を1.95Åの分解能で突き止めることに成功したと発表した。同成果は、岡山大学大学院自然科学研究科の沈建仁 教授(同大光合成研究センター長)、菅倫寛 助教、秋田総理 助教、理化学研究所 放射光科学総合研究センター利用システム開発研究部門ビームライン基盤研究部の山本雅貴 部長、同生命系放射光利用システム開発ユニットの吾郷日出夫 専任研究員らによるもの。詳細は11月26日(英国時間)に、英国の科学雑誌「Nature」に掲載された。藻類や植物が行う光合成の酸素発生反応は、葉緑体にある「光化学系II複合体」と呼ばれる19個のタンパク質から構成されるタンパク質複合体によって行われている。これまで研究グループは日本の温泉由来のラン藻の一種から取り出した光化学系II複合体の結晶を作成し、その構造をSPring-8の放射光X線を用いて1.9Åの分解能で解析を行い、その成果を報告していたが、X線結晶構造解析で使用するX線回折写真の撮影に必要な数秒間のX線照射の間に、水分解反応を担う触媒中心の一部がX線による放射線損傷を受け、本来の構造とわずかに異なっている可能性があったという。そこで今回の研究では、X線による放射線損傷の影響のない光化学系IIの本来の構造の解析を目指し、X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」を用いて実験が行われた。XFELは1パルスでX線回折写真を撮影でき、かつ、1パルスの継続時間が10フェムト秒と短いため、X線による放射線損傷で分子の構造変化が起こる前に、X線回折写真を撮影することが可能という特徴がある。具体的にはSACLAで開発した「フェムト秒X線結晶構造解析法」と世界最高品質の光化学系IIの結晶を作成する技術を組み合わせることで、光化学系II複合体の放射線損傷を受けていない本来の構造を、1.95Å分解能で解析することに成功。その結果、これまでSPring-8の放射光を用いて得られた構造よりも原子間の距離が0.1~0.3Å程度短くなっていることが判明したという。光化学系IIの触媒中心である「Mn4CaO5クラスター」は周りのアミノ酸が協調的に構造変化することで、周期的な5つの中間状態を経て高効率の水分解反応が行われるが、その動的メカニズムの詳細は不明となっている。研究グループでは、今回の成果について、光化学系IIの反応周期の第一状態について反応性を維持したままの本来のMn4CaO5クラスターと周辺の構造を明らかにしたものであり、太陽の可視光エネルギーを利用した水分解反応を人工的に実現するための触媒の構造基盤を提供することにつながるとしており、この反応を模倣した「人工光合成」が実現すれば、光エネルギーを高効率で電気エネルギーや化学エネルギーに変換することにつながり、エネルギー問題や環境問題、食糧問題など解決につながることが期待されるとコメントしている。
2014年11月27日2015年の手帳は準備OKですか?まだという方はもちろん、仕事用とプライベート用、普段用と夢を叶える用など、2冊使いしたい方にもオススメの、手帳の情報をお届けします!ここで一つ質問。みなさんが手帳を選ぶ際の基準や、決め手となるものは何でしょうか?デザイン、色、サイズ、機能…きっといろいろありますよね。でも、スケジュールを書き込んで持ち歩くのに便利なだけでなく、ページを開くたびに気づきがあったり、元気になれたり、自分がどんな行動をしたらいいかわかったり、そんなパワーを持つ手帳だったらもっといいと思いませんか?今回は、2015年のあなたを輝かせ、よりハッピーにしてくれる手帳を4種類ご紹介。プレゼントもありますので、最後までご覧いただければ幸いです。◆星占い好きにおすすめ!星ダイアリー2015月齢や星座別の運気、天体の位置など、運勢を活かすための星占いデータが載った便利なダイアリー!人気ライター石井ゆかりさんの2015年の星占いを、どこよりも早く読むことができます。毎月の星模様(天体予報)の解説や月間12星座占いも。また、月齢のおはなし、「電話しようか、メールにしようか」と迷ったときなどに使える4択おみくじといった、便利なツールも入っています。星ダイアリー2015(石井ゆかり)石井ゆかり(Yukari Ishii)独学で星占いを習得し、2000年よりWEBサイト「筋トレ」を主宰。雑誌や携帯コンテンツなどで占いを執筆するほか、星占い以外の分野でも著作を発表している。☆スマートフォンサイト「星読み」石井ゆかり「12星座別今週の運勢」◆365日、月のリズムに合わせた生活を♪MOON BOOK 2015心理占星学研究家の岡本翔子さんによる、「月の満ち欠け」をテーマにした2015年度版ダイアリー。星の動きに合わせた日々の行動のアドバイスや、満月・新月にすべきことなどが記され、365日、月を意識して過ごすことができます。「幸運を呼ぶレシピ」、「星座にまつわるハーブの話」ほか、読み物コンテンツも充実。月を味方にし、豊かな暮らしを手に入れるヒントが満載の一冊です。MOON BOOK 2015(岡本翔子)岡本翔子(Shoko Okamoto)心理占星学研究家。ロンドンにある英国占星術協会で、心理学をベースにした占星術を学ぶ。雑誌連載『CREA』『美ST』『料理通信』etc.を始め、占星術と料理、コスメ、旅などを組み合わせたコラムを中心に執筆。☆岡本翔子Facebook☆岡本翔子オフィシャルブログ「星の時間 -Stella tempus-」◆ラッキー風水を取り入れ毎日をハッピーに2014ユミリー開運風水ダイアリー風水建築デザイナーとして活躍し、ユミリー風水でおなじみの直居由美里さんによる、風水情報満載のダイアリー。書きやすさを考えた見開き月間スケジュール+見開き週間スケジュールで構成され、六曜、二十四節気、雑節、天中殺(運気が良くないと言われる日)などが載っています。週間のページには、毎日の運気と吉方位がわかる方位盤、日破(よくない方向)、月の満ち欠けも掲載。自分で吉方位を割り出す方法もわかります。「運気の貯金」に役立つ全国神社マップもついています。2015 ユミリー開運 風水ダイアリー(直居由美里)直居由美里(Yumily Naoi)風水建築デザイナー。由美里風水塾塾長。風水を環境学として捉えた学問として、風水・気学・家相学などを30年以上にわたり研究、独自のユミリー風水を確立。芸能人や各界のセレブにもファン多数。☆直居ユミリー恋愛風水◆男性でもOK!運気の流れを読んだ行動を2015年度版 [0学開運手帳]0学十二星座(それぞれの干支が示す各支配星)の運気早見表や、時間の流れによる運気の変化がわかりやすい、運命グラフなどが入った一冊。恋愛・仕事などを頑張るうえでの、運気に合わせた選択肢の提案やアドバイスが盛り込まれ、理想の自分に近づく手助けをしてくれます。月間や年間の運勢のみならず、12年間の運気の中での自分の位置がわかるため、結婚・起業など大きな目標を叶えるのに役立つでしょう。2015年の運勢や吉凶方位も教えてくれます!0学開運手帳2015年版学会本部古今東西の占いの集大成「0学占術」を継承する正式本部。その生涯にわたって運命及び生命に関する膨大な研究論文を書き残した0学開祖御射山宇彦(みさやま うひこ)師により確立された運命分析学である0学を正式継承する学会。☆開祖0学占術<0学占い>運命サイクルで占う!今年の運勢【無料占い】あなたにぴったりな手帳は見つかりましたか?2015年をこれまでに以上にステキな年にするためにも、今の自分に必要な情報が詰まった手帳と巡り会えたらいいですね。なお、このページをご覧いただいたみなさまの中から抽選で各3名に、下記の手帳をプレゼントさせていただきます。ふるってご応募ください!(文=編集J)◆MOON BOOK 2015(岡本翔子)◆2015 ユミリー開運 風水ダイアリー(直居由美里)◆0学開運手帳2015年版★合計9名様に手帳をプレゼント!本ページでご紹介した手帳より3種類を、各3名様にプレゼントいたします。応募・詳細はこちらから。※プレゼント応募にはcocoloni PROLOの会員登録が必要です。ご応募期限:12/14(日)
2014年11月26日東北大学と中央大学、岡山理科大学、名古屋大学は11月24日、有機金属中の電子の動きをレーザ光の照射によって凍結・秩序化することに成功したと発表した。同成果は、東北大学 大学院理学研究科の岩井伸一郎教授、石原純夫教授、中央大学 理工学部の米満賢治教授、岡山理科大学 大学院理学研究科の山本薫准教授、名古屋大学 大学院工学研究科の岸田英夫教授、東北大学 金属材料研究所の佐々木孝彦教授らによるもの。詳細は、英国科学雑誌「Nature Communications」に掲載された。一般に、光の照射は固体物質を加熱する。これは、物質を構成する電子や原子が光から運動エネルギーを得て、動きやすくなるためである。一方、真空中の孤立原子では、レーザ光の照射によって原子が"止まる"という現象(レーザ冷却)が知られている。レーザ冷却は、気相の原子に特有の仕組み(ドップラー冷却)によるものである。このため、光によって固体中の電子の運動を止めるためには全く異なる原理が必要となる。この固体中の電子を"止める"方法は、30年以上前に提案されていた。金属に電場を印加すれば、電子は加速され、電場の向きを反転させれば電子もそれに追随して向きを変える。また、電子が追いつけないほど素早く電場の向きを変え続けると、電子はどちらの方向へ動いたらよいのかわからなくなって、結局止まってしまうと考えられていた。電子の動きが追随できないほど素早く電場の向きを変えるためには、1秒間に百~千兆(1014~1015)回のスイッチングが必要となるが、この周波数はちょうど光の振動数に相当する。つまり、物質に光を照射すれば、電子に高周波数の交流電場をかけることができる。しかし、理論計算によればこうした高周波の電場によって電子を止めるためには、物質の破壊限界をはるかに超える強い光が必要となる。このため、物質を壊さずに電子を止めることは現実的には不可能だった。そこで、研究グループは7フェムト秒(fs)という極めて短いパルス幅の赤外(中心波長1.7μm)レーザ光を開発した。この波長の光において、7fsという時間は電場の振動の1.5周期しか含まない。また、7fsは原子が動く時間スケールよりも短いので、物質が原子の熱振動によって温度が上がったり、原子移動によって物質が壊れる暇もない。この短パルスを用いることによって、試料を壊したり、極端な高温にすることなく10MV/cmの大きな電場を印加することが可能になった。そして、典型的な有機金属の1つであり、BEDT-TTF分子とI3分子が層状に積層した電荷移動錯体である2次元有機金属(α-(BEDT-TTF)2I3)中の電子の動きをこのフェムト秒レーザ光を照射して凍結、秩序化することに成功したという。研究グループでは、より強度が大きく、よりパルス幅の短い光の開発を行っている。この新しい光によって、将来、物質の中の多数の電子を止めるだけでなく、好きな方向に動かしたり、並び方を変えたりすることによって、物質の色、電気抵抗、磁性を瞬時に自在にデザインすることが可能になることが期待できるとコメントしている。
2014年11月26日21年ぶりの改訂版魅力学研究所の代表、加藤久美子は21年前に「あなたも10歳若返る」を出版しベストセラーになった。そのベストセラーの改訂版を「あなたもきっと15歳若返る」として出版する。魅力学研究所血液診断結果から体の状態を知り、適切な栄養をとることの大切さを伝えるために、講演やコンサルティングで全国を飛び回っている加藤久美子は82歳。透明感のある肌やアグレッシブさを見る限りとても82歳とは思えない。そんな加藤久美子も57歳の時に分子栄養学研究所の金子雅俊先生に出会うまでは、体調が悪く肌も乾燥しており、いわゆる「年相応」の状態であった。栄養学のアドバイスを受け、実行することによって現在の若くて美しい加藤久美子ができあがったのである。その後も継続して体と栄養に関して学んでおり、血液検査の結果に基づく栄養指導などを医師と共同で行っている。攻めの栄養学とは健康と美しさの秘訣は細胞の若さを保つこと。同著では、そのために必要なビタミンA、B、C、E、タンパク質などが、身体と肌でどのような働きをするかを専門的に説明している。そのビタミン類をバランスの良い食生活で積極的に摂取し、不足分は、サプリメントで補うことを推奨する。まずは通常で必要とされる何倍かを摂取し、潤いのある肌や髪を取り戻すというわけだ。例えるなら、しおれかけた鉢植えの植物に通常の水やりよりもたくさんの水を与えるようなもの。これを「攻めの栄養学」と表現している。この一冊には加藤久美子の思い「効果があるのかないのかわからないけれど、なんとなく続けているサプリメントや食生活をやめて、本当のアンチエイジングを実現してほしい」が詰め込まれている。(画像はプレスリリースより)【参考】・プレスリリース
2014年11月22日大阪大学(阪大)は11月10日、有機半導体の表面では結晶内部と大きく異なる構造が実現していることを明らかにしたと発表した。同成果は、同大大学院 基礎工学研究科の若林裕助准教授らによるもの。東京大学の竹谷純一教授、堀田知佐准教授、理化学研究所の是常隆上級研究員らと共同で行われた。詳細は、「Nature Communications」に掲載された。有機半導体は安価、軽量なデバイス素材として、有機ELディスプレイなどで、すでに実用化されている。通常のシリコンの代わりに有機半導体を使ってトランジスタを作った場合、有機半導体の表面近傍数ナノメートルを電気が流れるが、このような表面付近の狭い領域で分子がどのように並んでいるかはほとんど知られていなかった。研究グループでは、高エネルギー加速器研究機構(KEK) 放射光科学研究施設 フォトンファクトリー(PF)の放射光を用い、ホログラフィの考え方を応用した特殊な解析法によって、表面付近の分子の並び方が結晶内部と大きく異なる例を発見した。さらに、この変化によって電気伝導性も表面と内部で差が出ることを理論計算によって確認したという。今回発見されたような自発的に生じる表面構造は、自己修復機能を持つ極薄膜が半導体表面に形成されることを示している。このため、利用する分子を選び、分子一層レベルで伝導性を制御することで、精密かつ安定な微細デバイス製造技術に繋がることが期待されるとコメントしている。
2014年11月13日