京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢 第1部~第3部 総集編 ─江戸から現代へ─」が、当初予定から会期・内容を変更し、2020年10月10日(土)から12月6日(日)まで開催される。江戸から現代にいたる“京都の美術”を総覧日本文化の伝統と創造の中心地である京都。「京都の美術 250年の夢 第1部~第3部 総集編 ─江戸から現代へ─」は、江戸から明治、昭和、そして現代にまでいたる、約250年間の京都の美術を彩った名品を、日本全国から集めて総覧する展覧会だ。京都の美術というと、江戸時代の伊藤若冲をはじめとして日本画が注目されることが多いが、実際には工芸にも優れた作品が数多く存在する。本展では日本画と工芸を中心軸に、明治に登場した洋画や彫刻が日本画・工芸との連関のなかでいかに展開したのか、そして戦後以降の美術がこれらの伝統のもとでいかに新たな創造を行なったのかを、分野を超えて紹介する。京都における江戸美術会場ではまず、近代以降の京都画壇の源流である、京都における江戸美術の精華を紹介。曾我蕭白の《群仙図屏風》(後期 11月10日(火)〜11月15日(日)展示)や伊藤若冲といった奇想の日本画などに始まり、幕末から明治にかけての激動期に起こった美術・工芸の発展を回顧する。近代京都・日本画や書の名作一方、明治後期には竹内栖鳳を中心に京都画壇が形成。大正期には黄金期を迎えるなど、昭和初期までにかけて、新しい日本画を生みだす活発な活動が展開された。続く章では、日本画・工芸との関係を踏まえつつ、土田麦僊《大原女》などの日本画から書にいたる近代京都の名作を展示する。現在、伝統の継承と新たな表現のあいだで敗戦を迎えると、従来の日本画・工芸の伝統は再考を迫られ、1960年代以降には多彩な現在美術の活動が繰り広げられることとなる。本展の最後では、巧みなメイクや衣装により著名な人物に扮する森村泰昌のセルフポートレート作品などを展示。伝統の継承と新たな表現の葛藤から生まれた工芸や洋画など、未来に挑む京都の美術を目にすることができる。展覧会概要京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢 第1部~第3部 総集編 ─江戸から現代へ─」※入場には公式サイトや電話での事前予約(前日まで)が必要。来場前には公式サイトを確認のこと。会期:2020年10月10日(土)〜12月6日(日) ※展示替えあり[前期 2020年10月10日(土)〜11月8日(日) / 後期 11月10日(火)〜12月6日(日)]会場:京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階・本館 北回廊2階住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124開館時間:10:00〜18:00休館日:月曜日(祝日の場合は開館)観覧料:一般 1,600円(1,400円)、大学・高校生 1,200円 (1,000円)、中学生以下 無料※( )内は20名以上の団体料金※障害者手帳等の提示者(介護者1名含む)は無料※京都市内に在住・通学の高校生は無料【問い合わせ先】TEL:075-771-4334
2020年07月04日新型コロナウイルスの感染拡大の影響により開催が中止・延期になった展覧会も多い中、美術ファンの救世主となっているのがアートマーケットプレイス『OIL by 美術手帖』内の展覧会図録・グッズ販売特設サイト「EXHIBITION CATALOGUE & GOODS COLLECTION」。ここでは5月22日現在、延期や中止になった展覧会の図録やグッズを販売。今後も規模を拡大してゆく予定。中止&延期になった展覧会の図録やグッズが手に入る。もともとアート専門ECサイトである『OIL by 美術手帖』。日本を代表する50を超える美術館やギャラリーが作品を出展し、品揃えが豊富。しかも運営は雑誌『美術手帖』なので、紙面と連動してアーティストを掘り下げ、理解を深めながら購入を検討できる点も魅力だ。『美術手帖』総編集長・岩渕貞哉さんに思いを聞いた。「自宅で念願の作品を発掘できたり、見逃した展覧会グッズを購入できたり。新しいアートとの出合いを提案していきたいですね」美術館が再開し特設サイトが役割を終えても、引き続き図録やグッズ、アート作品の他、限定品の制作にも力を入れる予定なので要チェック。「バルセロナ展」で注目された名作が、文房具のセットに。名画《幼少期のマリア》をあしらったクリアファイルは、両面に作品をあしらったもの。A6サイズのミニノートは、中が無地で自由に使える。「バルセロナ展」クリアファイル×ミニノートCのセット¥1,045(税込み)バイオテクノロジーを駆使し制作された楽曲は意外にポップ。微生物「シネココッカス」の塩基配列をイメージして作られたやくしまるえつこの楽曲「わたしは人類」CD。ドローイングや顕微鏡写真がプリントされたシャーレつき。「未来と芸術展」ポーチ入りCD¥3,500(税込み)キュートな阿彌陀佛と仏像のテープ。法隆寺の阿彌陀佛・仏像をユニークなイラストにしたマスキングテープ。幅約2.4cmと使いやすく、カットしてシールとして使っても。「法隆寺金堂壁画と百済観音」マスキングテープ(左・阿彌陀佛、右・仏像) 各¥449(税込み)インテリアとしても素敵!チェコ・デザイン展の図録ミュシャのポスターから、キュビスムの家具や食器、社会主義体制下の日用品に加え、児童向けアート、チェコ・アニメーションなど約250の作品を掲載。「チェコ・デザイン 100年の旅」展覧会公式図録¥2,200(税込み)サステナブルな世界をアートを通して訴える。“エコロジーへの気づきとサステナビリティの実践と提案”がテーマの芸術家オラファー・エリアソン。日本初公開の新作も多数収録。「オラファー・エリアソンときに川は橋となる」公式図録¥3,520(税込み)幻の展覧会の全貌がこの一冊に凝縮!新型コロナウイルスの感染拡大の影響により開催中止となった「芸術と力」展。古今東西の芸術が、昔から担ってきた社会的な役割にフォーカスする。「ボストン美術館展芸術×力」公式図録¥2,500(税込み)伝説の写真家の作品でコーヒーを。“カラー写真のパイオニア”と呼ばれたNYの写真家ソール・ライターの作品が印刷されたオリジナルマグカップ。箱入りでギフトにも。「ソール・ライター展」マグカップ(大)〈無題、撮影年不詳〉¥2,200(税込み)OIL by 美術手帖※掲載商品は売り切れの場合もあり。また価格に加え別途送料がかかります。※『anan』2020年6月17日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2020年06月10日現代アートギャラリーのHARUKAITO by islandが企画を手がける「一枚の絵の力」展が、4月30日からアートECサイト「OIL by 美術手帖」と連動してスタート。作品売上の一部は、東方文化支援財団を通じてアーティストと、新型コロナウイルス感染拡大の影響で不自由な思いをされている方々へ寄付します。5月20日~31日は、PROJECT 501にて実際の展示も公開予定。(予約制)「一枚の絵の力」展は、東日本大震災があった2011年「Art Action 3331」にて生まれた企画。「かわらない一枚の絵の力」をテーマに、会場に設置された募金箱によって集められた募金を、アートNPOエイドにとどけました。その後2012年NADiffにて、2017年にはBLOCK HOUSEにて、さまざまに形を変えて企画・開催されています。今回の「一枚の絵の力」は「OIL by 美術手帖」にて、オンラインで展示を開催。売上の一部は、この状況下でも変わらず表現に真摯に取り組むアーティストと、新型コロナウイルスの影響で不自由な思いをされている方々へ寄付します。取り扱い作品は13万円をベース価格として販売、売上金は作家への還元分とシステム管理費+寄付金に充てられます。ベース価格にプラスして、購入者が自由に設定していただける寄付額の追加も可能となっています。(上限金額の設定なし)寄付は「東方文化支援財団」(*)を通して、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた方々の支援に使用されます。また和佐野有紀氏の協力のもと、5月20日~30日の期間限定で「PROJECT 501」でも展示を実施予定、3D ARCHIVEや映像でも内容をお届けします。()(*)東方文化支援財団:寺田倉庫・前社長の中野善壽氏が「モンブラン国際文化賞」(2018年)受賞をきっかけに設立した財団。東京、アジアの地域や国境を越え、ボーダレスにネットワークをつくり、文化的な支援をしていくことで、争いのない東方文化圏の確立をめざして、活動を続けている。アートのためのICタグ付きブロックチェーン証明書発行サービス「Startbahn Cert.」をサポートしており、今回の展示においても提供を予定している。平田尚也大小島真木BIEN■HARUKAITO by islandディレクター・伊藤悠より思うことは、大恐慌時代も、戦時中も、絵を描いてきた先人はいたということです。いまも黙々と、アトリエで制作しているアーティストのみなさまは、絵と真摯に向きあっていらっしゃると思います。私がこれまでやってきたことは、そうしたアーティストの作品と人を出会わせるということなので、いまもやはりそれが私のできることだと思いました。WEB上でご覧になって気に入っていただいた作品は、しばらくしたらお手元に届きます。絵とともに生きると、あの人のことこの人のことを思い、励まされます。あなたのお家に届くのを楽しみにしています。■参加アーティスト一覧∈Y∋足立喜一朗ARIKAEveryday Holiday Squad大小島真木華雪加茂昂Keeenue玉山拓郎DIEGO永田康祐濱口桜子BIRDMANBIEN平田尚也布施琳太郎■会場名OIL by 美術手帖 (ONLINE) / PROJECT 501■展覧会タイトル一枚の絵の力 Power of a painting■会期2020. 04.30 - 05.31 (ONLINE) / 05.20 – 05.31 (PROJECT 501)■休館・休廊日ONLINEはなし / PROJECT 501はアポイント制■開館時間アポイント制(03-6874-3273まで)■住所〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-33-12 ビラビアンカ501■URL | ■企画HARUKAITO by island■協力東方文化支援財団企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2020年05月01日小動物の写真展&物販展「まるっと小動物展 2020」が、2020年6月5日(金)から6月21日(日)まで東京のトゥデイズ ギャラリー スタジオで、2020年8月22日(土)から9月13日(日)まで名古屋のトゥデイズ ギャラリー スタジオ ナゴヤで、開催される。「まるっと小動物展」は、うさぎや小鳥、ハリネズミ、ハムスター、リス、ペンギンといった小動物の魅力を幅広くまるごと楽しめる展覧会。東京ギャラリーでは1年半ぶりの開催となる。今回の展示作品は、新作をベースに一新。過去最大規模で展示を行う。SNSで人気のハリネズミ「うに&とろ」やリスの「ビッケ&トッド」が登場する他、“ハムソン動画”の火付け役・Erikoの未公開作品も展示。また、可愛い兄弟フェレットの姿を撮影するh.n.b2809による作品や、チンチラで人気のぽこじろうによる、デグーの作品も新たに展示される。物販では、愛らしいハリネズミのイラストグッズを手がけるにしかわなみや、ハンドメイドの繊細な動物刺繍作品を制作するmoha._.moha、ガラス作品が人気のRINVERREが初出展。ヤムや灯さかすなど人気クリエイターも集結する。刺繍アクセサリーや羊毛フェルト作品、キーホルダー、雑貨など、手の込んだハンドメイドグッズを多数取り揃える。また、「まるっと小動物展」公認の、作品を収録した新作書籍『「まるっと小動物展」公認!まるっと小動物写真集』も販売。会場限定特典として、購入者にはオリジナルステッカーを数量限定でプレゼントする。【詳細】■東京「まるっと小動物展 2020」開催日時:2020年6月5日(金)~6月21日(日) 11:00~19:00休館日:毎週月曜日会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ(TODAYS GALLERY STUDIO.)住所:東京都台東区浅草橋5-27-6 5F入場料:600円/3歳以下は入場無料出展者:36組■名古屋「まるっと小動物展 2020 in 名古屋」開催日時:2020年8月22日(土)~9月13日(日)※2020年4月18日(土)~5月10日(日)で開催予定だったが延期となった。休館日:毎週月曜・火曜日(但し5月4日、5日の祝日は開館 ※振替なし)会場:トゥデイズ ギャラリー スタジオ ナゴヤ(TODAYS GALLERY STUDIO.NAGOYA)住所:愛知県名古屋市中区新栄1-17-12入場料:600円/3歳以下は入場無料出展者:36組 ※上記は予定のため、内容は変更になる可能性あり。■グッズ例・<moha._.moha> 刺繍ポーチ 3,800〜7,500円+税・<RINVERRE> アクセサリー各種 1,500円〜7,500円+税・<にしかわなみ> ミラー 1,500円+税
2020年03月21日現代アートにおける“若手の登竜門”と言われる美術展『VOCA展2020 現代美術の展望-新しい平面の作家たち-』(The Vision of Contemporary Art)が、東京・上野の森美術館にて3月30日(月)まで開催中だ。【チケット情報はこちら】『VOCA(ヴォーカ)展』は、現代アートにおける「平面」の領域で、国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に、1994年より毎年、開催されている美術展。全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから選出した推薦委員が、それぞれ40歳以下の作家1名(組)を推薦し、推薦された作家全員に出品を依頼している。過去には福田美蘭(1994年VOCA賞)、やなぎみわ(1999年VOCA賞)、蜷川実花(2006年大原美術館賞)、清川あさみ(2010年佳作賞)らも出品している。今年出品したのは、新進気鋭の作家33人(組)。その中から、グランプリとなるVOCA賞には「Nerhol(ネルホル/田中義久・飯田竜太)」の『Remove』、VOCA奨励賞には菅実花の『A Happy Birthday』『#selfiewithme』と李晶玉の『Olympia 2020』、VOCA佳作賞には黒宮菜菜の『Image - 終わりし道の標べに』と宮本華子の『白が消えていく。 - Mein Tagebuch -』、大原美術館賞には浅野友理子の『くちあけ』が選出されている。選出委員長の小勝禮子(美術史・美術批評)は「今回のVOCA 展は、手法は多様でありながら、それぞれ質の高い作品が揃った。その中で受賞作品には写真の技法を使ったものが多く入ったが、単に写真というだけではなく、それに手を加えて加工した、独自の技法を駆使したものであった。デジタルばかりでなく、アナログ的な手法も使い、いかに加工するか、そこに各作家のオリジナリティと創意が込められ、また作品の主張も凝縮されていた。VOCA 賞のNerhol《Remove》、奨励賞の菅実花《A Happy Birthday》《#selfiewithme》、李晶玉《Olympia2020》などである」とコメントを寄せた。展示されている作品は、「平面」と言えど絵画や写真、布や網戸を使ったものまで実に多種多様。作品サイズも巨大なものからiPadまで幅広い。若い世代による「今日の美術」を体験するということに加え、ひとつの展示でさまざまなジャンルの美術を一挙に堪能できる面白さもあるだろう。それぞれの作品には作家を選出した推薦委員が“鑑賞の手引き”を書いており、それらも一つひとつが興味深い。ぜひさまざまな衝撃を受けに、足を運んでほしい。「VOCA展2020」は3月30日(月)まで。入場料は一般600円、大学生500円、高校生以下無料。開館時間は10時から18時(※入場は閉館30分前まで)。取材・文:中川實穂
2020年03月17日東京・京橋のアーティゾン美術館は、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」を2020年6月23日(火)から10月25日(日)まで開催する。“共存”をめぐってヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展は、イタリア・ヴェネチアの各所を会場に、2年に1度開催される現代美術の国際展だ。その2019年における日本館展示「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」では、キュレーターの服部浩之を中心に、美術家、作曲家、人類学者、建築家という4分野のアーティストがコラボレーション。地球において、人がいかに動植物や土地と関わりあい、共存するかをテーマに展示を行った。「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」の帰国展となる本展では、アーティゾン美術館の展示室にあわせて、ヴェネチアでの展示を再構成。映像・音楽・言葉・空間の4つの要素が共存するインスタレーションを中心に、ビエンナーレを一歩外から捉えるドキュメントなどを加えて展示する。“津波石”を軸にインスタレーションを展開展覧会の起点となるのは、美術家・下道基行による“津波石”の映像だ。大津波により海底から陸上に運ばれた巨石である津波石は、災害の痕跡であるとともに、時に信仰の対象となり、また時に渡り鳥のコロニーや昆虫の棲家となってきた。そのように津波石は、文化と自然が混ざり合う「広場」のようなものなのだ。会場では、下道の作品《津波石》を中心に、作曲家の安野太郎、人類学者の石倉敏明、そして建築家の能作文徳とコラボレートしたインスタレーションを展開する。彼らは津波石が「広場」であるというアイディアを膨らませることで、穏やかな映像とともに音楽が響きわたり、言葉が重なる空間を構築。共存をめぐる考察と、多彩な身体経験が織り込まれることとなる。展覧会概要第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」会期:2020年6月23日(火)~10月25日(日)※アーティゾン美術館は臨時休館していたが、2020年6月23日(火)から再開。会場:アーティゾン美術館住所:東京都中央区京橋1-7-2時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで※当面の間、夜間開館は中止休館日:月曜日(祝日にあたる8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日入館料:日時指定予約制 一般ウェブ予約チケット 1,100円、当日チケット(窓口販売) 1,500円、学生 無料(要ウェブ予約)※ウェブ予約チケットは、2020年6月3日(水)~販売開始※ウェブ予約チケットは、公式ウェブサイトにて各入館時間枠の終了10分前まで販売※ウェブ予約チケットが完売していない場合のみ、美術館窓口でも当日チケットを販売※指定した時間枠内であればいつでも入館可能、また入館後は閉館まで時間制限なく鑑賞可能※時間枠 (1)10:00〜11:30 (2)12:00〜13:30 (3)14:00〜15:30 (4)16:00〜17:30※中学生以下はウェブ予約不要※上記料金で同時開催の3つの展覧会(「鴻池朋子 ちゅうがえり」および「新収蔵作品特別展示:パウル・クレー」)すべてを観覧可【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2020年03月12日映画評論ユニット「お杉とB子」が今回おすすめするのは『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』です。家族の絆もかかった人生最後の大勝負!お杉:すごい掘り出し物よ!一枚の絵画をめぐるサスペンスでありつつ、仕事にかまけて生きてきた美術商オラヴィと家族の再生の物語なの。B子:年老いて店じまいを考えつつも、最後の大勝負を狙っている彼は、遺品オークションで、ある肖像画に目を留めるの。お杉:ロシア人画家イリヤ・レーピンの作品とにらむけれど、サインがない。確信がないまま、大枚はたくオークションに臨めるのか?B子:大勝負に打って出るべきか迷う彼のもとに、孫のオットーが職業体験でやってくる。美術に興味はないし、オラヴィと不仲な母の影響で祖父をちょっと馬鹿にしてるわけ。お杉:でも、そんな二人が謎の肖像画の真贋を探る調査を通して、絆を育んでいくんだよね。B子:祖父から孫への美術教育に感動しちゃった。私もああいうおじいさんが欲しかったな。お杉:オットーも意外に商才に恵まれてるから、オラヴィとしてもかわいいはずよ。祖父と孫という以上に、アートを愛する者同士みたいになっていくところがいいよね。B子:でも、ビジネスはお金があってこそ動かせる。オラヴィの前には次々と難題が立ちはだかる。お杉:絵に描いたような悪役のオークションハウスの若社長とかね。「負けるな、オラヴィ」って力入っちゃう。美しいアートとビジネスの駆け引きは相容れない気がするけど、これが現実なのかもね。B子:商品としての芸術品の扱いって難しいよね。オラヴィはあることで、娘を怒らせ、孫を失望させてしまうでしょう。そこからの関係修復がまた物語のスパイスになってる。お杉:アートも家族も難しい。でも、だからこそ価値があるって思わせる。なぜ、肖像画にサインがないのか。その理由とともに最後は感動よ。『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』監督/クラウス・ハロ出演/ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルスほか2月28日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか公開。©Mamocita 2018お杉とB子『シェイクスピアの庭』(3月6日公開)が楽しみ。ケネス・ブラナーがあの天才の知られざる晩年を描くなら、間違いないね。(お杉)悪評高き『キャッツ』主演のフランチェスカ・ヘイワードが本業で主演の『ロミオとジュリエット』(3月6日公開)に期待。(B子)※『anan』2020年3月4日号より。(by anan編集部)
2020年03月03日今年は、美術展や写真展へ足を運ぼうと思っています。現在開催中のふたつの素敵な美術展をご紹介します。両者に共通するキーワードは「北欧」。北欧というと、夏が短くて、白夜が続き、女性が働きやすい国、そんなイメージがありました。日本で身近に感じる北欧は、IKEAで、あのカラフルな色彩感も北欧のイメージになってきています。また、北欧のライフスタイルを表す言葉として「ヒュッゲ」という言葉も耳にすることがあります。 「ヒュッゲ(HYGGE)」とは、デンマーク語で「あたたかく、快適で、安全と感じる心地よさの品質」を表し、それは、家族と一緒に家で過ごす時間などからくるもの、ということです。(ケンブリッジ・ディクショナリより)IKEAに行って感じる、心地よさ、とわたしは理解しています。そんなイメージを持っている北欧に関連する美術展、デザイナー皆川明さんの展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明つづく」と明るいイメージとは少し違う暗く落ち着いた色調の絵画の展覧会「ハマスホイとデンマーク絵画」を観賞してきました。 ミナ ペルホネン/皆川明つづく 会場に入ると、まず目にしたのがこちら。クッションの壁。どのテキスタイルも個性的で、プリントされているものから刺繍されているものまで様々なスタイルです。テキスタイルデザイナーとしての皆川明さんの魅力を強く感じました。そして、洋服の展示へ続きます。とても可愛くて、どのスタイルも「ちょっと懐かしい」という印象をうけます。同じデザインでも、生地が変わると雰囲気もガラッと変わるので、似合うスタイルに出会ったら、テキスタイルを変えれて何着かもっていると、いろいろな自分の着こなしができそう。この展覧会の「つながる、連なる、循環する」というコンセプトが表現されていると思いました。 特に気に入ったのは、こちら。毛糸がもこもこしていて、フェイクファーのような華やかな印象があるものの、抑えた色味でシックな雰囲気もあり。そして、何色とでも合う、という多様性も魅力的です。このコートは、欲しいなぁ、と一目惚れしました。 他にも、生地の上に型紙を合わせた展示もありました。無駄なく綺麗に1着の洋服をつくる過程をこのように見るのは、はじめてでした。無駄なく、というのも、サステナブルな取り組みのひとつ。出来あがったモノ、の展示だけではなく、皆川明さんの作品の要素を分解して見ることができて、とても充実感のある展覧会でした。 展覧会は、2月16日で終わってしまいましたが、今年は洋服をはじめ、身の回りに置くモノについて、アイデアをもらうことができた素晴らしい展覧会でした。 ミナ ペルホネン/皆川明つづくminä perhonen /minagawa akira TSUZUKUハマスホイとデンマーク絵画春のような暖かい日、ぷらっと上野まで、「ハマスホイとデンマーク絵画」を観賞に行きました。きっかけは、急遽時間ができたこと、ちょっと静かな気分になりたいからと、美術展をブラウジングしていたら、「日本ではじめての本格的な紹介」というデンマーク絵画に興味を持ったからです。デンマークといえば、アンデルセン、ロイヤルコペンハーゲン、LEGOとカラフルだったり明るいイメージを持っていたのですが、美術展の案内を見ると、なかなか暗い。。。落ち着いた、というより、寒そうなイメージの絵画が多く、風景や部屋の絵画が多く、反対に、そこに「なぜ、デンマーク絵画といわれるほど人気があるのだろう?」という確かめたい気持ちが沸いたからです。 展覧会は、4つのパートから構成されています。第1章は「日常礼賛−デンマーク絵画の黄金期」、第2章「スケーイン派と北欧の光」、第3章「19世紀末のデンマーク絵画−国際化と室内画の隆盛」、第4章「ヴィルヘルム・ハマスホイ−首都の静寂のなかで」です。第1章では、日常の風景やポートレートで、デンマークの穏やかな日常生活を紹介しています。人々が毎日を感謝して、大切に生きているという、静かに表現されていて、見ているわたしも穏やかな気持ちになりました。 第2章は、スケーイン派。スケーインとは、ユトランド半島の端にあるバルト海と北海に囲まれた漁師町で、そこを訪れた画家たちをスケーイン派と呼ぶようになりました。ここに展示されている絵画は、第1章とは打って変わって、ビビッドで力強く、自然を相手に生活をする厳しさが描かれているものも多くありました。特に、ミケール・アンガの「ボートを漕ぎ出す漁師たち」(1881年)という作品は、海難救助に向かう漁師たちの緊張感、使命感、切迫感が現れていて、自然を受け入れるという姿を感じました。第3章は、室内の様子が描かれている絵画の展示です。家族団欒や室内に人がいる情景が暖かく描かれていました。そして、第4章は、ハマスホイの作品です。室内を描いた作品は、光と影の描写がとても美しく、「時間が堆積した美しい室内」と説明にあったとおり、歴史のある建物の室内を美しい空間として描かれていました。 美術展の楽しみのひとつは、気に入った絵画のポストカードを買うことにもあります。今回、ハマスホイの作品の「農場の家屋、レスネス」(1900年)は特に気に入って、Tシャツも購入してしまいました。 《農場の家屋、レスネス》1900年 そして、一点、とても目をひいたピンクの部屋。《室内、ラーベクス・アリ》1893年 こちらの展覧会は3月26日まで開催しているので、ゆっくり時間の取れるときに、お花見がてら、観賞にお出かけするのが、これからの季節のおすすめです。 ハマスホイとデンマーク絵画
2020年02月22日美術は鑑賞から体験へ。“Dive in Art”をコンセプトとした没入型の美術館「Immersive Museum」が4月、日本初開催される。【チケット情報はこちら】「Immersive Museum」は最新デジタル技術で名画の世界そのものを空間の中に再現。鑑賞者は空間に足を踏み入れ流れる音楽に身を任せれば、まさに絵画の中に「Immersive=没入」する快感を得られる。ミラノ、フィレンツェ、パリといった芸術都市でも高い支持を受け、世界的なトレンドと言えるまったく新しい美術鑑賞イベントとして、期待を集める。日本開催第1弾に選ばれたテーマは“印象派”IMPRESSIONISM。クロード・モネ、ドガ、ルノワールといった人気の画家8名、約70の作品をデジタルアート化。19世紀のフランスにおいて絵画の世界に大きな革新をもたらした作品群を8つのシーンにわけて構成する。プラグラムは19世紀西洋絵画研究で知られる早稲田大学文学学術院 坂上桂子教授が監修。水面が揺れるモネ「睡蓮」の中にゆっくりと沈んでいくような感覚、また、19世紀当時まさにモネ自身が見たであろうフランスのル・アーブル港と絵画の融合。さらには絵の具を分割しスケールを変えることで制作過程の絵の中に入り込んだような体験…。高さ5.5m、約1400㎡の巨大空間の再現される、まさに印象派の画家たちが見て感じたであろう世界を体感しに出かけたい。「Immersive Museum」は4月17日(金)~8月12日(水)まで東京・天王洲の寺田倉庫G1ビル5Fで開催。■Immersive Museum(イマーシブミュージアム)期間:4月17日(金)~8月12日(水)場所:寺田倉庫G1ビル(東京都品川区東品川2-6-4)入場券:大人 2,500円(税込) / 中学生・高校生 1,500円(税込) / 小学生 800円(税込)※小学生未満は入場料無料。会場にて当日券もお求め頂けます。主管/企画制作:電通、ドリル<展示予定作品>「印象・日の出」、「ラ・ジャポネーズ」、「積みわら」、「ロンドンの国会議事堂」、「ルーアン大聖堂」、「睡蓮」【その他展示】エドガー・ドガ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、カミーユ・ピサロ、ベルト・モリゾ、アルフレッド・シスレー、ギュスターヴ・カイユボット、メアリー・カサット
2020年02月14日秋篠宮家の次女・佳子さまは2月7日、ハンガリー美術の展覧会を鑑賞された。東京都港区の国立新美術館で開催されている企画展「ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年」に足を運ばれた佳子さま。展覧会の目玉となっている絵画「紫のドレスの婦人」をご覧になり、「鮮やかですね」「紫色と黄色の対比がとてもきれいですね」と感想を述べられた。「佳子さまは1月下旬から2月上旬にかけて、実に4回も単独でご公務をなさいました。とりわけ今回のお出ましは、昨年9月に訪問されたハンガリーとの親善をさらに深める“皇室外交”としても重要でした」(皇室担当記者)ハンガリーへの公式訪問で、佳子さまはブダペストの大統領府を訪れ、大統領を表敬訪問。さらに現地では日本とハンガリーの外交関係開設150周年を記念した夕食会に出席し「両国の友好関係が、これからも大切に、末永く引き継がれていきますことを心から願っております」とあいさつされた。佳子さまのご訪問に先立ち、紀子さまは昨年9月に発表された誕生日に際しての文書で《次女にとっては初めての外国への公式訪問であり、本を読み、専門家の話を聞くなどして、熱心に準備を進めているように感じます》と、真面目な姿勢を高く評価されていた。「秋篠宮さまの『立皇嗣の礼』を4月に控えるなか、佳子さまのご公務への取り組み方はさらに積極的になっています。紀子さまは今年7月にオランダ、10月にスペインを訪問される方向で調整が進んでいるそうです。佳子さまが今後、さらなる海外訪問で”皇室外交”に携わられることにも期待が高まります」(前出・皇室担当記者)
2020年02月07日「木梨憲武展 Timing ー瞬間の光りー」が、長崎県美術館で2020年3月7日(土)から4月9日(木)まで開催される。なお、当初の予定を変更し、東京・上野の森美術館では2022年6月ごろの開催、福井市美術館の日程は中止となる。とんねるずだけでなく、アーティストとしても活躍する木梨憲武とんねるずとして活躍する一方、アトリエを持ち画家としても活動している木梨憲武。1994年に「木梨憲太郎」名義で愛知県名古屋市で開催した初個展「太陽ニコニカ展」からはじまり、日本国内では今回をあわせて9度の個展を開催している。また、アメリカ・ニューヨークとイギリス・ロンドンで開催した海外個展でも成功を収めた。現在、各地で開催している「木梨憲武展」は、2018年7月の大阪会場を皮切りにスタートし、国内20会場を巡るもの。自身2度目の全国美術館ツアーとなり、その15ヵ所目の会場として東京・上野の森美術館が選ばれた。新作を中心に約150点以上を展示多忙の中でも作品制作の手をやめることのない木梨は、巡回展中にも新作を追加したり、既存の作品を手直ししたりと、展覧会開催ごとにブラッシュアップに余念がない。本展でも新作を多数お披露目するという。その中には、2015年のニューヨーク個展を契機に制作を始めた「OUCHIシリーズ」と、2018年のロンドン個展で初披露した「REACH OUTシリーズ」の最新作が含まれる。また、2014年6月、上野の森美術館でわずか20日間で約10万人を動員した「木梨憲武展×20years」で人気を博した作品も登場。絵画だけでなく、ドローイング、映像、オブジェなど作品150点以上を展示する。木梨本人が展示するライブ感ある会場“木梨憲武流”の展示方法も「木梨憲武展」が楽しい理由のひとつ。すでに観た人も、初めて観る人も楽しめるよう、ライブ感たっぷりに木梨本人が作品を展示しており、会場ごとに異なる雰囲気を楽しめる。【詳細】木梨憲武展 Timing ー瞬間の光りー■東京会場以下日程での開催は中止。2022年6月頃に再度開催の予定。会期:2020年5月29日(金)~6月21日(日) ※会期中無休会場:上野の森美術館・東京会場 前売券払い戻しに関して東京会場での開催中止にともない、購入済チケットはすべて払い戻し対応となる。詳細は公式HPを参照のこと。払い戻し対応期間:4月17日(金)〜5月28日(木)■その他巡回情報・福岡会場会期:2020年1月26日(日)~3月1日(日)会場:福岡アジア美術館 企画ギャラリーA、B、C住所:福岡県福岡市博多区下川端町3-1リバレインセンタービル7F時間:9:30~18:00(金・土は20:00まで、最終日は17:00まで、入室は閉室時間の30分前まで)休館日:水曜日入場料:一般 1,300円(1,100円)、中・高校生 700円(500円)※小学生以下、入場無料(但し、保護者同伴)※20名以上の団体、満65歳以上(シルバー手帳等の年齢を証明できるものを提示)、外国人(パスポート、在留カードなど国籍の証明できるものを提示)は上記前売割引料金で入場可。※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳(以上の手帳を提示した人の介護者1人を含む)及び特定医療費(指定難病)受給者証、特定疾患医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証を提示の場合は無料。・長崎会場会期:2020年3月7日(土)~4月9日(火)※4月12日(日)までの予定だったが期間短縮。時間:10:00~18:00(金・土は20:00まで、入館は閉館時間の30分前まで)会場:長崎県美術館 県民ギャラリー住所:長崎県長崎市出島町2-1入場料:一般 1,100円(1,000円)、中・高校生 800円(700円)※小学生以下、入場無料(但し、保護者同伴)※15名以上の団体は前売料金で入場可能。※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証、地域相談支援受給者証、特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)医療受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の保持者および介護者1名は5割減額。・福井会場以下日程での開催は中止。詳細は「FBC福井放送ホームページ」にて確認。会期:2020年4月18日(土)~5月17日(日)会場:福井市美術館[アートラボふくい]
2020年02月03日東京国立近代美術館の所蔵品ギャラリーの所蔵作品展 「MOMATコレクション」が、2020年6月4日(木)より日時指定制で再開。会期は10月25日(日)まで延長された。日本の近現代美術をたどる所蔵作品展20世紀初頭から今日にいたる日本の近現代美術の流れを、国際的な関連とともに紹介する「MOMATコレクション」。選りすぐりの名品を一挙に堪能できる「ハイライト」コーナーに始まる展示では、多彩なテーマと切り口のもと、約200点の作品を通して日本の美術の歩みをたどることができる。戦中〜戦後の前衛画家・北脇昇の小企画2階ギャラリー4では、コレクションによる小企画「北脇昇一粒の種に宇宙を視る」を開催。1930年代から40年代にかけて京都で活躍した北脇昇は、身近な植物などを発想源に、幻想的な絵画を手掛けた前衛画家だ。戦中・戦後の激動のさなか、混迷する世界の裏に潜む法則を求めた北脇は、シュルレアリスムに数学やゲーテの自然科学、古代中国の占い“易”などを織り交ぜた作品を生みだした。本小企画では、植物や図式的なモチーフが特徴的な《周易解理図(乾坤)》をはじめ、北脇の作品約40点を紹介する。バウハウス特集また、モダン・デザインの展開を先導したドイツの造形教育学校・バウハウスが、2019年に開校100周年を迎えたことを記念した特集展示も。パウル・クレーやワシリー・カンディンスキーの絵画、マルセル・ブロイヤーの手掛けた椅子《クラブ・チェア B3(ワシリー)》、さらにモホイ=ナジのフォトグラムなどを見ることができる。なお、6月12日(金)からは日時指定制で、企画展「ピーター・ドイグ展」も再開。会期は2020年10月11日(日)まで延長されている。展覧会概要所蔵作品展 「MOMATコレクション」会期:2020年2月11日(火・祝)〜6月14日(日)、6月16日(火)~10月25日(日)〈日時指定制〉※2020年2月29日(土)より臨時休館していたが、6月4日(木)より再開※当初は6月14日(日)までの会期を予定していたが、延長会場:東京国立近代美術館 本館 4〜2階住所:東京都千代田区北の丸公園3-1開館時間:10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)※当面のあいだ、金曜・土曜の夜間開館は実施しない休館日:月曜日(2月24日(月)、8月10日(月)、9月21日(月)は開館)、2月25日(火)、8月11日(火)、9月23日(水)観覧料:一般 500(400)円 大学生 250(200)円※( )内は20名以上の団体料金※高校生以下および18歳未満、65歳以上、「MOMATパスポート」所持者、友の会、賛助会員、 MOMAT支援サークルパートナー企業(同伴者1名まで、シルバー会員は本人のみ)、キャンパスメンバーズ、障害者手帳の所持者とその付添者(1名)は無料※公式サイトより日時指定チケットを購入(6月3日(水)10:00から)※観覧無料対象の場合も、日時の予約が必要※来館に際しての注意事項に関しては、公式サイトを確認のこと※予定は変更となる場合あり■同時開催企画展「ピーター・ドイグ展」会期:2020年2月26日(水)〜10月11日(日)〈日時指定制〉会場:東京国立近代美術館 1F 企画展ギャラリー※2020年2月29日(土)から臨時休館していたが、6月12日(金)より再開【問い合わせ先】050-5541-8600(ハローダイヤル)
2020年01月25日現代美術界で20年以上、さらに演劇界でも10年近くも意欲的に活躍しているやなぎみわ。初期作品から最新作まで俯瞰する展覧会『やなぎみわ展 神話機械』が、静岡県立美術館で12月10日(火)~2020年2月24日(月・振休)まで開催される。約10年ぶりの個展では、やなぎの初期である1990年代からの写真やインスタレーション、近年手掛けている演劇プロジェクトなど、49点の作品が並ぶ。これまでのやなぎみわ作品をあますところなく見ることができる、またとない貴重な展覧会である。やなぎみわは1990年代、写真作品《エレベーター・ガール》シリーズで注目を浴びた。また、公募した女性に「50年後の理想の自分」をイメージした老女像に扮してもらうポートレート作品《マイ・グランドマザーズ》シリーズ、世界各地に伝わる老女と少女の物語を元にした《フェアリー・テール》シリーズなど、やなぎは独特の世界観をもった作品を発表してきた。2010年以降のやなぎは、本格的な演劇プロジェクトをスタートさせる。2016年には、台湾で製造したステージ・トレーラーを母体にした野外劇を日本各地で巡回したり、この展覧会では、日本各地の大学と連携協力して制作した4種のマシンによる演劇「モバイル・シアター・プロジェクト」を行うなど、活躍の幅が広がっている。この展覧会は、20年以上にわたるやなぎみわの多様な活動を紹介するだけに留まらない。古今東西の神話や物語といったモチーフやテーマを通して、やなぎのスペクタクル性とドキュメンタリー性が行き来する世界観、その創造や創作の源を知ることができるだろう。【関連リンク】 静岡県立美術館( )《My Grandmothers: YUKA》2000年 作家蔵《次の階を探してⅠ》(部分)1996年 高松市美術館蔵《グレーテル》2004年 作家蔵《神話機械・タレイア》2019年 作家蔵 撮影:表恒匡《神話機械・ムネーメ―(投擲マシン)》2019年 被災地からの発信・心の復興支援事業実行委員会蔵 撮影:表恒匡
2019年12月10日原美術館では、現代美術家・森村泰昌の展覧会「森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020−さまよえるニッポンの私」展を、2020年1月25⽇から4⽉12⽇まで開催する。映像作品「エゴオブクスクラ」より2020(参考写真)撮影:福永一夫 ©Yasumasa Morimura名画や映画の登場⼈物あるいは歴史上の⼈物に⾃らが扮するセルフポートレイト作品で知られる森村泰昌。巧みなメイクや⾐装で、時代や⼈種、性別を超えて様々な⼈物に⾃らが成り代わり、制作を通して原作やその背景に独⾃の解釈を加えてきた。1985年に「肖像(ゴッホ)」で鮮烈のデビューを果たし、以降、⼀貫して「私」とは 何かという問いに取り組む森村は、さらに⾃らが脚本を⼿がけ⾃演する映像作品や、ライブパフォーマンスへと表現の領域を広げている。2018年には、ニューヨークのジャパンソサエティーで展覧会「Yasumasa Morimura: Ego Obscura」を開催。その凱旋展と位置づけられる、東京2020展⽤に再編集された映像作品「エゴオブスクラ」と、この映像を⽤いて会期中開催される作家⾃⾝によるレクチャーパフォーマンスを通じて、日本近現代史、文化史に言及する。「ポートレイト(女優)/駒場のマリリン」1995‒2008 ©Yasumasa Morimura映像作品「エゴオブスクラ」 には、⽇本⼈の記憶に深く刻まれている昭和天皇とダグラス マッカーサー、あるいはマリリン モンローや三島由紀夫らに扮した森村が登場。1951年、大阪に生まれた森村は、戦前の教えが否定され、日本人に広がった「空虚」が、西洋の価値観で埋められていった時代の日本で教育を受けた。その個人的経験から、やがて「真理や価値や思想というものは(中略)いくらでも自由に着替えることができるのだ。」(映像作品「エゴオブスクラ」より)という発想を導く。「モデルヌ・オランピア2018」2018 ©Yasumasa Morimura30年に渡り⻄洋美術史に侵⼊しながら、森村は何を考えて⼈種や性別を超えてきたのだろうか。⾃らの⾔葉で⾃作が⽣まれた背景、そして、そこに込められた思いを語る「エゴオブスクラ」は、ニューヨークでも⼤きな反響を得た。森村は「エゴオブスクラ(Ego Obscura)」という耳慣れない言葉に「闇に包まれた曖昧な自我」という意味を込め、愛情のみでは⽚付けられない⺟国への複雑な感情をにじませながら、セルフポートレイトという形で、「さまよえるニッポンの私」とは何かという命題に挑む。会期中、作家自身によるレクチャーパフォーマンス「エゴオブスクラ 東京2020バージョン」を実施。スケジュールは、1月25日、26日、2月22日、23日、3月20日、21日、4月11日、12日のいずれも16時から17時まで。事前申し込み制となり、詳細はウェブサイト()にて確認を。戦後⽇本の復興を印象付けた先の東京オリンピックから55年を経た2020年、再び東京でオリンピックが開かれる年に、森村泰昌は「私」とは何かを我々にも問いける。【展覧会情報】森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020−さまよえるニッポンの私会期:2020年1⽉25⽇〜4⽉12日会場:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25時間:11:00〜17:00(⽔曜は20:00まで、⼊館は閉館時刻の30分前まで)休館⽇:⽉曜⽇(祝⽇の場合は翌平⽇)料金:⼀般1,100円、⼤⾼⽣700円、⼩中⽣500円、70歳以上550円※原美術館メンバーは無料
2019年12月06日歌手でタレントの道重さゆみ(30)が11月22日、愛知県・岡崎市美術博物館で開催される「Roots of Kawaii 内藤ルネ展~夢見ること、それが私の人生~」の内覧会に参加した。本誌のインタビューの際にも愛用のルネグッズを並べ、内藤ルネさん(享年74)の魅力について存分に語ってくれた道重。再び生“Roots of Kawaii”に触れ、感動の様子だ。今月23日から20年1月13日まで開催される同展は、ルネさんの生誕地・岡崎市で初めて行われるというスペシャルなもの。さらに初出展作品含む約400点もの作品が展示される大規模な回顧展でもある。ルネさんの大ファンで、自身のライフプロジェクト「SAYUMINGLANDOLL」でもルネさんとのコラボ作品を制作した道重。ルネさんの魅力について訊ねられると「一言でいうとカワイイにつきます!」と語り、こう続けた。「そのカワイイにも、古風なカワイイやちょっとロリータっぽいカワイイ、かっこよさの中にあるカワイイなど、いろんな種類のカワイイがあって。とっても刺激を受け、勉強になります。何度見ても改めてここもカワイイという新しいカワイイポイントが見つかるところが魅力です」さらに「ルネさんは生前、自分のふるさとで展覧会を開きたいとおっしゃっていたと聞いて、亡くなった後に夢が叶うってすごいことだと感動しながら見ていました」と興奮冷めやらぬ様子。「ルネさんのカワイイは時代を超えても色あせることなく、いつまでもカワイイです。中でも、私はシールが大好きなのでアクセサリーシールがたくさん並べてあるのは夢みたいでした。その前で写真も撮れて幸せです」と語った。たまたま開催されていた内藤ルネ展を観に行ったことがキッカケで、ルネさんのことが大好きになったという道重。「ルネさんの作品はどれもかわいくて、例えば1つ、ピンクを使っているといってもそのピンクの具合がとてもカワイイです。これは言葉では説明できないので、ぜひ実物を目で見て、色使いなど細かいカワイイポイントを楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。「SAYUMINGLANDOLL」の衣装も展示している同展。道重はイベント終了後、Twitterを更新し《展示数がとっても多く、そのどれもが可愛くて、、、わくわくがとまらなかったです》《グッズもいっぱい買っちゃった!》とその喜びをつづっている。
2019年11月23日現代美術家・ピュ~ぴるによる個展「ゴッデス(GODDESS)」が、2019年11月22日(金)から2020年2月13日(木)までディーゼル(DIESEL)が展開するディーゼル アート ギャラリー(DIESEL ART GALLERY)にて開催される。ピュ~ぴるの創作活動は、「生と死」や「男と女」「加害と被害」など、対立する概念を自らの身体と重ね合わせて昇華。作品は、ジェンダーやセクシュアリティの垣根の先にある高次の世界へ誘うものだともいえる。表現方法は多岐にわたり、ポートレイト作品や立体作品を中心に、コスチューム・デザインやキャラクター・デザイン、執筆などを手掛けている。本展は、ピュ~ぴるにとって12年ぶりとなる新作展だ。会場には、2010年より制作を開始した大作ポートレイトシリーズ「女神」の全貌を披露すべく、初公開の新作7点を加えた写真作品を展示。また、大型彫刻作品や未公開の関連作品なども並ぶ。さらに、会場では、展示作品をはじめポストカードなどのアーティスト関連グッズの販売を実施。12月21日(土)には、ピュ~ぴる本人が在廊し、サイン会も開催される予定だ。【詳細】ゴッデス会期:2019年11月22日(金)~2020年2月13日(木)会場:ディーゼル アート ギャラリー(ディーゼル 渋谷内)住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti DIESEL SHIBUYA B1FTEL:03-6427-5955開館時間:11:30~21:00休館日:不定休入場料:無料■サイン会日時:2019年12月21日(土)時間:16:00~18:00場所:ディーゼル アート ギャラリー
2019年11月21日「OIL by 美術手帖」のショップが、渋谷パルコ2Fに2019年11月22日(金)にオープンする。今回オープンする「OIL by 美術手帖」は、『美術手帖』が運営するアートのECサイトのリアルショップ。店内では、「ギャラリー」「カフェ」「シェルフ」といった3つのパートを展開する。「ギャラリー」では、オープニング企画として、12月11日(水)まで玉山拓郎個展「The Sun, Folded.」を開催。鮮やかな色彩の家具や照明、日用品といったオブジェや、映像を用いたインスタレーションを発表してきた玉山拓郎による、「宇宙」をイメージした新作が披露される。広く開かれた空間の中で、鮮やかなアートを楽しめる。GEN GEN ANがディレクションした「カフェ」スぺースでは、今の時代だからできる茶葉の楽しみ方を提案。茶室における掛け軸を楽しむような気持ちで、ティータイムとともにアートに浸ることができる。「緑茶」にフォーカスしたメニューでは、同じ緑色でも色合いやテクスチャーの異なるラインナップを用意。すっきりとした風味の「緑茶ソーダ」は、緑茶がソーダに溶け込んでいく様子が絵の具のように鮮やかなドリンクだ。30秒で抽出する「クイック水出し茶」や、15分間じっくり抽出し茶葉の開く様子などを楽しめる「本格水出し茶」なども揃える。「シェルフ」では、独自にセレクトしたアートプロダクトを展開。門倉太久斗が手がけたブローチやネックレス、吉積彩乃による渋谷の街をモチーフにした作品、グラスなどを販売する。ほかにも、さまざまなアーティストによる新たなアイディアやユニークな感覚にあふれた商品が店頭に並ぶ。【詳細】OIL by 美術手帖住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO 2階定休日:不定休(パルコの休館日に準ずる)営業時間:10:00~21:00■カフェ提供メニュー・本格水出し茶 1,000円(税込)・緑茶 500円(税込)・緑茶ソーダ 650円(税込)・ゆずソーダ 650円(税込)・クイック水出し茶 500円(税込)・緑茶ラテ 650円(税込)・緑茶ハイ 800円(税込)・グラノーラぜんざい 650円(税込)
2019年11月18日スペインのカタルーニャ自治州の州都であるバルセロナの魅力を伝える展覧会『奇蹟の芸術都市バルセロナ展』が、静岡市美術館で11月15日(金)から2020年1月19日(日)まで開催される。新大陸との貿易や産業革命により、18世紀後半以降、経済的に発展した都市バルセロナ。19世紀後半、中世の様式や同時代であるフランスのアール・ヌーヴォーなどの芸術運動と結び付き、「ムダルニズマ」と呼ばれる芸術様式が生まれた。こうした中で、ガウディ、ピカソ、ミロ、ダリといった芸術家たちは、バルセロナで活躍した。今回の展覧会は、日本初公開を含めた約130点の作品で、バルセロナの歴史と文化の発展をたどる。6章から成る展覧会場は、実に多様なジャンルな作品が並んでいる。バルセロナは、19世紀から20世紀初頭にかけて近代化し、さらに国際都市となっていった。その発展を第1章、第2章の会場で展示される絵画、書籍、ブルジョワたちが芸術家に注文した家具や宝飾品から読み取ることできる。続く第3章では、ラモン・カザス、サンティアゴ・ルシニョルに焦点を当てる。パリを行き来した彼らの活動、その後生まれた「ムダルニズマ」と呼ばれる芸術様式を紹介する。さらに第4章で、当時開店したカフェ兼レストラン「四匹の猫」に注目。ここで初個展をしたピカソや、同時代の芸術家の作品が展示される。第5章、第6章では、ミロやダリといった、20世紀にバルセロナで活躍した芸術家や、前衛的な芸術活動を展覧する。こうした近代カタルーニャ美術を紹介する展覧会は、日本では約30年ぶりとなる。この展覧会を通じて、バルセロナの文化だけでなく、街の魅力も感じ取ることができるだろう。フランセスク・マスリエラ《1882年の冬》1882年カタルーニャ美術館 (c)Museu Nacional d’Art de Catalunya, Barcelona (2019)アントニ・ガウディ(デザイン) カザス・イ・バルデス工房《カザ・バッリョーの組椅子》1904-06年頃カタルーニャ美術館(サグラダ・ファミリア建築委員会から寄託) (c)Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Famíliaサンティアゴ・ルシニョル《青い中庭》1892年頃ムンサラット美術館 (c)Museu de Montserratラモン・カザス《影絵芝居のポスター》1897年マルク・マルティ・コレクション (c)Marc Martí Col·leccióシャビエ・ヌゲース、フランセスク・ケー《レストラン「カン・クリャレタス」のタイル壁画(サルダーナ)》1923年バルセロナ・デザイン美術館 (c)Barcelona Design Museum
2019年11月12日「STARS展:現代美術のスターたち──日本から世界へ」が、六本木の森美術館にて、2020年7月31日(金)から2021年1月3日(日)まで、事前予約制で開催される。 なお、当初は2020年4月23日(木)から9月6日(日)までの会期を予定していたが、変更となった。草間彌生や村上隆、奈良美智など6名のスターが集結「STARS展:現代美術のスターたち──日本から世界へ」では、現代美術界において国際的に活躍するアーティスト6名を特集。登場するのは、反復性を特徴にポップな色彩でかぼちゃや草花を表現した作品を手がける草間彌生、生産を否定し、ものや素材そのものを提示する「もの派」の李禹煥(リ・ウファン)、数字が変化するデジタルカウンターのインスタレーションを発表する宮島達男。そして、美術史の文脈を汲みつつサブカルチャーを基盤とする作品制作に臨み、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)などファッションブランドともコラボレーションしている村上隆、子供や動物など権力構造から逃れた存在を描く奈良美智、コンセプチュアルな写真作品をはじめ、建築、伝統美術、古典芸能など幅広く表現活動を行う杉本博司だ。まさに“現代美術のスター”である6名がそれぞれ辿ってきた軌跡を、初期作品と最新作を中心に紹介する。アートファンにも現代美術初心者にもおすすめ超大物アーティストの作品が一堂に会し、大型インスタレーションや迫力の映像など、体感型の作品展示も行われる「STARS展:現代美術のスターたち──日本から世界へ」は、アートファンはもちろんのこと、現代美術初心者にもおすすめ。国際的な評価を受ける、第一線で活動するアーティストの活動歴や作品を、一度に目の当たりにできる。日本の現代美術が海外に受容されるまでさらに、1950年代から今日まで、海外で開催された主要な日本現代美術展に関する資料も展示し、時代ごとの評価軸や系譜を辿る。展示写真や当時の批評などから、日本発信の現代美術が、海外にどのように受け入れられていったのか、見て取ることができる。詳細展覧会「STARS展:現代美術のスターたち──日本から世界へ」会期:2020年7月31日(金)〜2021年1月3日(日)〈事前予約制〉※当初は2020年4月23日(木)~9月6日(日)を予定していたが変更会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53階開館時間:10:00-22:00(火曜日のみ17:00まで、なお9月22日(火・祝)、11月3日(火・祝)は22:00まで)※入館は閉館30分前まで※会期中無休入館料:一般 2,000円、学生(高校・大学生) 1,300円、子供(4歳~中学生) 700円、シニア(65歳以上) 1,700円※料金はいずれも税込※本展チケットで展望台東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)※スカイデッキへは別途料金が必要※来館に際しての注意事項は、美術館ウェブサイトにて確認※入館は事前予約制(詳細は美術館ウェブサイトへ)【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2019年11月03日映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』が、2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて公開される。“運命の絵”に魅せられた老美術商主人公は、年老いた美術商オラヴィ。仕事一筋に生きてきた彼のもとに、ある日、音信不通だった娘から、問題児の孫息子・オットーを職業体験のため数⽇預ってほしいという依頼を受けることから物語は始まる。その矢先、オラヴィが出会ったのは、オークションハウスで飾られた1枚の肖像画。署名がないもののその価値を確信したオラヴィは、その絵画を手に入れようと資金集めに走る。そのなかで明らかになる、娘親子の過去──絵画に魅せられ生涯を捧げた男と、その家族が見出す“本当に価値のあるもの”が描きだされる。アラヴィが出会った“幻の名画”物語のキーとなる、オラヴィがオークションハウスで見つけた1枚の肖像画。全てがベールに包まれた作品だったが、孫息子・オットーの協力もあり、近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品という証拠を掴む。イリヤ・レーピンといえば、19世紀に⽂学のトルストイやドストエフスキー、作曲家のチャイコフスキーなどと並び、近代ロシア美術を牽引した国宝級と称される画家のひとり。そんな“幻の名画”が何故ここにあるのかー?名画に込められた真実が明かされる時、すれ違う家族の秘めた想いが絆を紡ぎだす―。監督にクラウス・ハロ監督を務めるのは、クラウス・ハロ。⻑編のデビュー作でベルリン国際映画祭クリスタル・ベア賞を受賞、過去4作品がアカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表に選出され、フィンランドを代表する監督と称される。アカデミー賞のショートリストに選出、ゴールデングローブ賞外国語映画賞にもノミネートされた前作『こころに剣士を』の脚本家と再びタッグを組み、国宝級絵画を多数有するフィンランド国立アテネウム美術館などの全面協力のもと、本作を作り上げた。詳細映画『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』公開日:2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかにて公開原題:ONE LAST DEAL監督:クラウス・ハロ脚本:アナ・ヘイナマー出演:ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルス、ステファン・サウク配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス2018年 / フィンランド / シネマスコープ / 95分 / DCP5.1ch / フィンランド語・スウェーデン語・英語
2019年10月27日東京都庭園美術館では『アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」』が、2020年1月13日(月・祝)まで開催されている。1910年〜60年頃、日本の知識人、美術愛好家、美術作家たちがアジアの古典美術に憧れた時期があった。朝鮮半島や中国では鉄道敷設、革命、発掘調査などによって、大量の古美術品が出土。日本に流入したそれらのアジア古美術を初めて目にした芸術家たちは、その「新しい」古美術の力強さや美しさに魅了されたという。同展は、こうした背景のもとに生み出された工芸品や絵画と、その発想の源となった古美術品など約100点を、3章構成で紹介する。第1章「アジアへの再帰」では、絵画に現れたアジアのイメージに注目。杉山寧による雲岡石窟の優しく微笑む石仏画や、安井曾太郎などによるチャイナドレスをまとった婦人画をはじめ、岸田劉生、前田青邨、バーナード・リーチによる静物画が並ぶ。第2章「古典復興」では、アジア古美術に影響を受けた工芸品を取り上げる。古代中国の青銅器である鳥型祭器からインスパイアされた香取秀眞の《鳩香炉》、李朝の白磁に描かれた即興性ある絵柄に心打たれた河井寛次郎、唐三彩において自然に流れ落ちる釉薬の美しさに魅了された石黒宗麿の陶芸など、古美術がもっている即興性や自然性をあえて意識的につくりだすことで完成させた作品が紹介される。こうしたアジアの憧憬は、1960年代ごろに表舞台からフェードアウトしたというが、今を生きるアーティストたちにアジアはどのように映るのだろうか。展覧会の最後を飾る第3章「幻想のアジア」では、3名の現代作家がアジアのイメージを表現。古代青銅器の地紋から着想を得て伝説上の霊獣を描いた岡村桂三郎の絵画作品、アジアを大きく意識した田中信行による漆芸のオブジェ、70年代の日米繊維交渉をテーマにした山縣良和によるデザインを発表する。作家たちによるアジアへの憧れと尊敬、そして新たな創造力を、多様な作品から感じとってほしい。【開催情報】『アジアのイメージ:日本美術の「東洋憧憬」』2020年1月13日(月・祝)まで東京都庭園美術館にて開催【関連リンク】 東京都庭園美術館()《染付魚藻文壺》 元時代14世紀東京国立博物館所蔵Image:TNM Image Archives《白釉鉄絵束蓮文瓶》 金時代東京国立博物館所蔵Image:TNM Image Archives《鴟鴞尊》 商後期泉屋博古館所蔵※会期後半(12月12日)より展示香取秀眞《鳩香炉》 1949年千葉県立美術館所蔵飯塚琅玕齋《花籃》 1936年頃 斎藤正光氏所蔵 (c)T.MINAMOTO安井曾太郎《金蓉》 1934年 東京国立近代美術館所蔵
2019年10月25日「サラ・ベルナールの世界展」が、2019年11月4日(月・休)まで横須賀美術館にて、2019年12月7日(土)から2020年1月31日(金)まで渋谷区立松濤美術館にて開催される。アール・ヌーヴォーの大女優サラ・ベルナール「サラ・ベルナールの世界展」では、19世紀末から20世紀初頭、新芸術様式「アール・ヌーヴォー」が広まっていく中で、演劇・ 芸術・ファッションで人々を魅了していた大女優サラ・ベルナールに着目。サラ・ベルナールに関する大々的な展覧会が開かれるのは、日本初となる。会場には、女優だけでなくプロデューサーとしても活躍した、大女優サラ・ベルナールの「舞台」を軸に、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックやアルフォンス・ミュシャ、ルネ・ラリックなど、サラと同時代に活躍した芸術家の作品が集結。舞台を華やかに彩った衣裳のドレスややティアラなどの装飾品も展示される。ミュシャやラリックの才能を発掘1894年、当時無名の画家だったミュシャに、サラ主演の劇曲『ジスモンダ』のポスター制作を依頼すると、ミュシャは装飾的で華やかなポスターを制作。そのポスターが人気を呼び、すぐにミュシャは「アール・ヌーヴォー」を代表するアーティストとなった。また、ミュシャと同年に生まれたラリックも、サラ・ベルナールに才能を見出された1人。1894年、サラの舞台装飾をきっかけに、プライベートのアクセサリーも手掛け、ジュエリー作家としての活路を見出す。ラリックは、1900年のパリ万博ではグランプリを受賞し、「アール・ヌーヴォー」を牽引した。【詳細】パリ世紀末 ベル・エポックに咲いた華サラ・ベルナールの世界展■横須賀美術館会期:2019年9月14日(土)~11月4日(月・休)住所:神奈川県横須賀市鴨居4-1観覧料:一般900(720)円、高大・65歳以上 700(560)円、中学生以下無料。※11月3日は無料観覧日※()内は20名以上の団体料金(前売りは9月13日まで)※市内在住または在学の高校生は無料※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳持参者と付添1名は無料※前売り券は美術館受付、横須賀芸術劇場チケットセンター(横須賀芸術劇場1階、横須賀中央駅モアーズシティ1階)で販売。■渋谷区立松濤美術館会期:2019年12月7日(土)~2020年1月31日(金)※会期中展示替えあり。住所:東京都渋谷区松濤2-14-14入館料:一般 500(400)円、大学生 400(320)円、高校生・60歳以上 250(200)円、小中学生 100(80)円※( )内は団体10名以上及び渋谷区民の入館料※土・日曜日、祝休日は小中学生無料※毎週金曜日は渋谷区民無料※障がい者及び付添の方1名は無料休館日:月曜日(ただし、1月13日は開館)、12月29日(日)~1月3日(金)、1月14日(火)
2019年10月20日6月から始まっていた「塩田千春展」、気になっていて、行きたいなと思いつつ、行けていなかったのですが、仕事も早く終わり、お天気も良かったので、意を決して六本木まで行ってまいりました。10月まで開催しているので、まだ、間に合います。 SNSなどで見かける塩田千春展の写真は、人それぞれ、感じ方の違いが見えるのも興味深く、「わたしは、どう感じるのかな?」というわくわくした気持ちで森美術館に向かいました。平日の夜なのに、なんと、20分待ち。外国人の姿も多く、とても賑わっていました。 無事、入場できたのは、19時半近く。美術展は火曜日を除き、22時まで開館しているのですが、夜の森美術館に来たからには、是非に楽しみたいのは、六本木ヒルズ展望台東京シティビューから見る東京の夜景。そして、お天気が良かったら、もちろんスカイデッキにも行きたい。ちょっと駆け足ですが、まず、20時にクローズとなるスカイデッキへ向かいました。 息を飲む美しさ。東京の街は、キラキラしていて、宝石箱のようです。スカイデッキへ行く時は、カメラとスマートフォンのみ携帯を許されるので、荷物はロッカーに預けます。100円が必要なので、小銭の準備もお忘れなく。(100円は後で返ってきます。)スカイデッキを一周して、いざ、塩田千春展へ。 53 階の展示場へ上るエスカレーターの頭上から、すでに展示が始まっています。危険なので、エスカレーターに乗っているときは、写真は撮らないでくださいね。作家名/作品名:塩田千春《どこへ向かって》エスカレーターで上りながら、なんとなく、タイトルにある「魂がふるえる」に影響を受けているのか、わたしは何を感じるのだろう、わたしの気持ちはどこへ向かうのだろう、とぼんやりと考えていて、この作品名となんとなくシンクロしているようでした。 まず、ポスターなどで目にしている、こちらの作品。 作家名/作品名:塩田千春《不確かな旅》 圧倒的な赤い糸の世界。船から赤い糸が発生していて、絡まって、繋がって、見る人を覆っています。赤い糸が毛細血管のように思えて、わたしは体内を旅するような気持ちになりました。 展示は、このようなインスタレーションから絵画、動画、パフォーマンスの映像などもあります。 続いて、こちらは、黒い糸が張り巡らされたインスタレーションです。焼けた椅子、ピアノが黒い糸に絡まっていて、絶望的な中にも、光がある、そんな感じを受けました。写真で見ると、雪が降っているようにも見えます。 作家名/作品名:塩田千春《静けさの中で》 そして、ほっと、心が明るくなった作品がこちらの絵画。ここまで来る途中に、少しショックな作品もあったので、水性クレヨンと水性インクで描かれていてるこの作品に、孤独な中にある、暖かさと優しさを感じました。作家名/作品名:塩田千春左から《赤いドレス》《赤い鏡》《赤いテーブル》《赤い浴槽》 そして、鞄が赤い糸で吊るされているインスタレーション。1枚目が入り口から見たところ、そして、2枚目は出口から見たところです。壁や床に映る影の具合がとても素敵で、出口のところでも、じっくり味わいたい作品でした。入り口から見たところ出口から見たところ作家名/作品名;塩田千春《集積―目的地を求めて》 展示を見終わって、わたしは、暖かい気持ちになったのですが、作品はとても強く、メッセージもあって、1度ではわかならいな、と思い、帰りに年間パスポートを買ってしまいました。しかも、塩田千春展限定デザイン。今回、はじめての夜の森美術館だったのですが、仕事でストレスが溜まってしまったり、気分転換したい、心に栄養が欲しい、という時に、1人で夜の森美術館というのは、いい寄り道になりそうです。20時までなら、スカイデッキから東京の夜景も楽しめるし。 展示を見て、芸術心がちょっと動かされたので、スカイデッキから見た東京タワー、モノクロームで撮ってみました。 塩田千春展:魂がふるえるこの写真/動画は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際」ライセンスでライセンスされています。
2019年09月10日現代美術家6名によるグループ展『話しているのは誰? 現代美術に潜む文学』が国立新美術館で11月11日(月)まで開催されている。同展に参加するのは、北島敬三、小林エリカ、ミヤギフトシ、田村友一郎、豊嶋康子、山城知佳子の6名のアーティストたち。1950年代から1980年代生まれまでと年齢は幅広く、表現方法も映像や写真を用いたインスタレーションをはじめとして多岐にわたる。そんな彼らの共通点は、作品のうちに「文学」の要素が色濃く反映されていることだ。2014年より日本各地を撮影した風景写真シリーズ「UNTITLED RECORDS」の制作を行う北島敬三。目に見えないもの、時間や歴史、家族や記憶をモチーフとして作品を手がける小林エリカ。映像や写真などを用いて、社会政治的事象、とりわけセクシュアリティとマイノリティの問題を取り上げた作品を手がけるミヤギフトシ。既存のイメージやオブジェクトを起点にしたインスタレーションやパフォーマンスを手がける田村友一郎。そろばん、サイコロ、安全ピン、油絵具などの既製品や美術に馴染みのある物質を素材に手を加え、これら事物の中に複数の見え方が表出する作品を制作する豊嶋康子。写真、映像、パフォーマンス、インスタレーションによって沖縄における米軍基地や戦争の問題を掘り下げてきた山城知佳子。さまざまな形式で表現活動を行う彼らの作品の中に「文学」がどのように潜んでいるのか?その多様な現れ方を感じ取ってみたい。【関連リンク】 国立新美術館(https:// www.nact.jp )北島敬三 《ツィルカール村 アルメニア共和国》(「USSR 1991」シリーズより)1991/2019 年 顔料印刷 66.0×93.0cm 作家蔵 ©KITAJIMA KEIZO小林エリカ 《ドル》 2017年 ウランガラス、鏡、紫外線ランプ 61.0×41.0×7.5 φ70cm 個人蔵 協力:妖精の森ガラス美術館 © Erika Kobayashi Courtesy of Yutaka Kikutake Galleryミヤギフトシ 《A Lamp》(「物語るには明るい部屋が必要で」より) 2019 年 デジタルCプリント 作家蔵 ©Futoshi Miyagi田村友一郎 《Sky Eyes》 2019 年 ミクストメディア 作家蔵 ©Yuichiro Tamura豊嶋康子 《ズレ》 2018 年 紙、割りピン、アクリル絵具、ボールペン φ11.5cm 作家蔵 撮影:木奥惠三山城知佳子 《チンビン・ウェスタン『家族の表象』》 2019 年 4KHD ヴィデオ、カラー、サウンド 作家蔵
2019年09月05日《麗子像》などで知られる岸田劉生の没後90年を記念した大回顧展『岸田劉生展』が開幕。10月20日(日)まで東京ステーションギャラリーで開催された後、山口県立美術館(11月2日〜12月22日)、名古屋市美術館(2020年1月8日〜3月1日)に巡回する。日本の近代美術を代表する画家、岸田劉生(1891〜1929)。没後90年を迎えて開催される同展では、初期から最晩年までの厳選された名品が一堂に会する。監修の山田諭氏(京都市美術館学芸員)によると、「日本の近代美術が常にフランスの近代美術を後追いしていた時代に、劉生はただひとり、自己の価値判断によって、自己の歩む道を選択し、自己の絵画を展開していった」と言う。劉生のほとんどの作品は、画面に残されたサインや日記から制作年月日が明らかになっており、同展ではほぼ制作年代順に作品を展示。そうすることで、劉生がどの時期に、どのような刺激を受けて、自身の画風を意識的に変転していったのか、その歩みを理解できるようになっている。第1章では、独学で水彩画を制作していた劉生が、黒田清輝が主催する研究所で本格的に油彩を学び、雑誌『白樺』からゴッホやゴーギャン、マチスら後期印象派の画家たちから衝撃を受けた時代の作品を紹介する。東京ステーションギャラリー()
2019年09月04日2019年11月3日(日)より、横須賀の離島・猿島で「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」が開催されます。歴史残る猿島でしか楽しめないアートを体感してみて。無人島・猿島猿島は東京湾唯一の無人島です。歴史を感じられる砲弾跡や弾薬庫があり、自然と人工的な痕跡が融和した感慨深い無人島です。猿島でしか見られないアートプロジェクト猿島全体を夜間開放して行われる「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」は、猿島の警官を活かしたアートイベントです。国内外のアーティストが展開するアートプロジェクトは島の近くに住む人々から着想を得ています。現代社会に生きる人々へ…現代社会を生きる鑑賞者が「恐らく忘れかけているであろう感覚や感情」を呼び起こしてくれるかのようなアートです。知らずのうちにどこかに置いてきてしまった、感性ともう一度向き合い、自分を見つめなおす機会を創出します。猿島へ行ってみては人口跡地と自然の融和が感じられるアートで自分と向き合い、心躍る無人島を楽しんでみては。「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」は11月3日(日)~12月1日(日)の開催です。イベント情報イベント名:Sense Island催行期間:2019年11月03日 〜 2019年12月01日住所:神奈川県横須賀市猿島1番
2019年08月28日箱根のポーラ美術館では、初となる現代アートの企画展覧会「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展を、8月10日から12月1日まで開催。展覧会にあわせて制作された新作や、本展でしか鑑賞できないインスタレーション作品を公開する。オリヴァー・ビア《悪魔たち》(部分)2017年 16個の器、音響機器フォーリンデン美術館蔵(ワッセナー、オランダ)Image courtesy of the artist and Galerie Thaddaeus Ropac © Oliver Beer Photo: Stephen White「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」は、ポーラ美術館の企画展としては初めての現代美術の作家たちを本格的に紹介する展覧会。展覧会タイトルである「シンコペーション」(切分法)とは、音楽において、軸となる拍の位置を意図的にずらし、リズムを変化させることで楽曲に表情や緊張感をあたえる手法だ。今回の展覧会にあわせ、立地環境を活かしたインスタレーションや、ピカソ、セザンヌなど同館のコレクションにインスピレーションを受けて制作された新作が展示される。空間全体に広がるインスタレーション、音、映像作品、野外展示など、現代の作家たちによる多様な表現は、過去の巨匠たちの作品に今日的な光を当て、感覚を揺さぶるさまざまなリズムをもたらす。セレスト・ブルシエ=ムジュノ 《クリナメン v.7》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art© Céleste Boursier-Mougenot 写真:木奥惠三セレスト・ブルシエ=ムジュノの《クリナメン v.7》は、展示室内の窓から箱根の緑を望む空間に作り出した円形のプールに、大小の白い陶磁器を浮かばせ、偶然の衝突を誘発する作品。印象派のクロード・モネが、画家を志したころから水に注目し、後半生には自宅に睡蓮の浮かぶ池を造成して水面を繰り返し描いたように、水の流れや動きには、古今東西を問わず、思想、文学や美術において、「時のうつろい」の感覚が託されてきた。ここでは、2人の作家がそれぞれの時代に造りあげた環境の中で、久しくとどまることのない水面のうつろいが捉えられている。アブデルカデル・バンシャンマ 《ボディ・オブ・ゴースト》 2019 年 Installation view: Pola Museum of Art写真:木奥惠三ダイナミックな大地のヴィジョンをモノクロームのドローイングで表現するアブデルカデル・バンシャンマ。一方、バンシャンマが敬愛するクールベは、地殻変動の跡があらわな岩山や、起伏のある土地を画題に求めて森を探索した。アブデルカデル・バンシャンマ × ギュスターヴ・クールベの作品では、自然界の持つ底知れぬ生命力に魅せられたアーティストたちが、その魔力を筆にのせて驚くべき風景を描き出す様を感じられる。また、描くことの原点、さらにはリアリティを追究する主題として、画家たちが挑んできた肖像。渡辺豊は、ピカソ、セザンヌ、フジタとそのモデルたちの「名前」をインターネット上に求め、真偽の混じるいくつものイメージを参照しつつ、「キュビスム」を想起させるポートレートを制作。渡辺の探究の成果として、リアルでユーモラスなポートレートの現在形が呈示されている。スーザン・フィリップス《ロング・ゴーン》2006年 2チャンネル・サウンド・インスタレーションInstallation view: Aspen Art Museum, 2008 Photo: Susan Philipsz同美術館の森の遊歩道には、楽器や環境音、自身の歌声などを用いて、空間と物語、音に関する作品を制作するスーザン・フィリップスのインスタレーションが設置される。音楽の印象派とも称される作曲家ラヴェルの歌曲を題材とすることで、同美術館のコレクションの核をなす印象派絵画との共鳴を生みだした。第一線で活躍する12組の現代作家たちと、モネやピカソら近代芸術の巨匠とのセッションにより生み出される、新たな共鳴と響きを堪能してみては。【展覧会情報】「シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート」展会期:8月10日~12月1日会場:ポーラ美術館住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山 1285時間:9:00~17:00(最終入館は16:30まで)※会期中無休
2019年08月21日アートといえば、春と秋のイメージですが、夏も注目の美術展が多数開催されています。東京だけでなく、休日にちょっと足を伸ばして見に行きたい展覧会もご紹介。見逃せない話題のアート展を厳選してお届けします。<東京>閉幕間近!クリスチャン・ボルタンスキーの回顧展《ミステリオス》(展示風景)2017 / ビデオプロジェクション(HD、約12時間)、3面のスクリーン / 作家蔵 © Christian Boltanski / ADAGP, Paris, 2019, Courtesy Power Station of Art, Shanghai, Photo by Jiang Wenyiフランス現代美術を牽引するクリスチャン・ボルタンスキーの回顧展「クリスチャン・ボルタンスキー − Lifetime」が、東京の国立新美術館で9月2日まで開催中。ボルタンスキーは、1960年代後半から短編映画を発表、1980年代に入ると、光を用いたインスタレーションで宗教的なテーマに取り組み、国際的な評価を獲得。その後も歴史や記憶、人間の存在の痕跡といったものをテーマに据え、世界中で作品を発表。今回は、初期作品から最新作までを時代順に紹介するのではなく、個々の作品を組み合わせ、一つの大きなインスタレーションとして構成される。詳しくはこちら。また、東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京でもボルタンスキー個展「アニミタスⅡ」が開催中。六本木と表参道でボルタンスキーの世界を堪能できる。詳しくはこちら。クリスチャン・ボルタンスキー ―Lifetime会期:6月12日~9月2日会場:国立新美術館 企画展示室2ECHRISTIAN BOLTANSKI - ANIMITAS II会期:6月13日〜11月17日会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京巨大インスタレーションが異例の人気!塩田千春展は見逃せない塩田千春 《不確かな旅》 2016年 鉄枠、赤毛糸 展示風景:「不確かな旅」ブレイン|サザン(ベルリン)2016年 撮影: Christian Glaeser国際的な活躍が目覚ましい日本人アーティスト、塩田千春の20年の活動の全容に迫る、最大規模の個展「塩田千春展:魂がふるえる」が、東京・六本木の森美術館にて10月27日まで開催中。会場に糸を張り巡らせるなど、没入型のインスタレーションで知られる塩田千春。大規模なインスタレーション6点を中心に、立体作品、パフォーマンス映像、写真、ドローイング、舞台美術の関連資料などを加え、20年にわたる活動を網羅的に体験できる初めての機会となる。詳しくはこちら。会期:2019年6月20日~10月27日会場:森美術館ジュリアン・オピーの単純化された世界観も必見Julian Opie. Telephone. 2018. Patinated bronze with stone base. Largeイギリスを代表するアーティスト、ジュリアン・オピー(Julian Opie)の日本の美術館では11年ぶりとなる大型個展が、9月23日まで東京オペラシティ アートギャラリーにて開催中。点と線という最小限の視覚言語によって、生き生きとした人物像や風景を表現する作風で知られているジュリアン・オピーは、現代美術を語るうえで欠かせない重要なアーティスト。今回の個展は、自選による絵画、彫刻、映像など、本展で初めて公開される新作を中心に構成。BGMのように聴こえてくる会場内の音楽も、オピーの作品の一部となっている。詳しくはこちら。会期:7月10日〜9月23日会場:東京オペラシティ アートギャラリー佐藤卓ディレクションの「虫展」隈研吾らが参加隈研吾建築都市設計事務所+江尻憲泰 新作イメージ東京・六本木ヒルズにある21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2では、企画展「虫展 −デザインのお手本−」が11月4日まで開催中。知れば知るほど不思議な虫たちを「デザインのお手本」にする試み。展覧会ディレクターにグラフィックデザイナーの佐藤卓、企画監修には虫好きとしても知られる解剖学者の養老孟司。小さな身体を支える骨格を人工物に当てはめてみたり、翅(はね)を上手にしまう仕組みをロボットに応用してみたり。デザイナー、建築家、構造家、アーティストたちが、虫から着想を得たさまざまな作品を展示する。詳しくはこちら。会期:7月19日〜11月4日会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2<神奈川・静岡>彫刻の森美術館のピカソ館がリニューアルオープンピカソ館内観©2019 - Succession Pablo Picasso - BCF(JAPAN)箱根にある彫刻の森美術館が、開館50周年を記念してピカソ館を全面リニューアル。2021年3月頃まで、テーマ展示「ピカソの挑戦〜かたちの変貌〜」を開催している。ピカソ館は、20世紀を代表する芸術家パブロ・ピカソの作品を専門に紹介するために1984年に開館。以来、陶芸を中心とした319点のピカソ・コレクションを順次公開している。開館から35年を経て、初めてのリニューアルとなる今回は内装と設備を一新。内装は床、壁、天井をすべて変え、自然豊かな箱根にあうようにナチュラルで明るいイメージにとなった。箱根観光の新たな見所になりそう。詳しくはこちら。会期:7月27日~2021年3月(予定)会場:彫刻の森美術館 ピカソ館クレマチスの丘でミッフィーに会う2つの美術館でディック・ブルーナの展覧会開催静岡県長泉町のクレマチスの丘では、ディック・ブルーナ(Dick Bruna)の2つの展覧会を9月29日まで開催。ベルナール・ビュフェ美術館では、「美術館に行こう!ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」を、ヴァンジ彫刻庭園美術館では「ミッフィーのたのしいお花畑 ディック・ブルーナが描くお花と絵本の世界展」が行われている。ベルナール・ビュッフェ美術館は、1997年に出版された『うさこちゃん びじゅつかんへいく』の絵本の内容にそって、ミッフィーと一緒にビュフェの作品を見ていく内容の企画展。2つの企画展を合わせて鑑賞することで、ディック・ブルーナの表現をより深く知ることができるとともに、作品や身近な自然を、新たな視点で楽しむことができる。詳しくはこちら。会期:4月20日〜9月29日会場:ベルナール・ビュフェ美術館/ヴァンジ彫刻庭園美術館<京都>ルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソンからユニクロまで京都国立近代美術館でドレス・コードを紐解く展示ジェフ・クーンズ×LOUIS VUITTON 2017年京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影京都国立近代美術館では、「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展が、10月14日まで開催されている。18世紀の男女の宮廷服や20世紀初頭の紳士服など歴史的な衣装類から現代の衣服まで、京都服飾文化研究財団(KCI)が収蔵する衣装コレクションから精選した約90点を中心に紹介。シャネル(CHANEL)、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)、ディオール(DIOR)、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)、イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)など、多数のブランドの作品が一堂に会する貴重な機会。詳しくはこちら。会期:8月9日~10月14日会場:京都国立近代美術館
2019年08月15日展覧会「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」が、2019年8月25日(日)から9月29日(日)まで京都文化博物館にて開催される。「百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展」は、東京都富士美術館が所蔵する日本美術の名品を展示する展覧会。2019年に開催されるICOM(国際博物館会議)京都大会を記念したものだ。会場には、人で人の顔を描いた歌川国芳の《みかけハこハゐがとんだいゝ人だ》といった“キモカワ”な作品をはじめ、“サムライ”“富士山”といった日本美術を特色づけるキーワードごとに作品を展示。絵画や浮世絵版画・刀剣・武具甲冑など、多彩な日本の芸術世界をわかりやすく楽しむことができる。さらに、実際に刀剣を手に持つようなスタイルで鑑賞できる刃文鑑賞特設ケースや、VR技術を元に江戸時代に室内で灯明を当て金屏風を鑑賞した様子のシュミレーション体験など、日本美術の新しい楽しみ方も体験することが出来る。【詳細】ICOM京都大会開催記念 東京富士美術館所蔵 百花繚乱 ニッポン×ビジュツ展会期:2019年8月25日(日)〜9月29日(日)休館日:月曜日(祝日は開館、翌日休館) ※ただし、9月2日は臨時開館開室時間:10:00〜18:00 ※金曜日は〜19:30(入場はそれぞれ30分前まで)会場:京都文化博物館4階特別展示室住所:京都府京都市中京区三条高倉入場料:一般 1,200円(1,000円)、大高生800円(600円)、中小生400円(300円)※( )は前売券及び20名以上の団体料金。※未就学児は無料。(要保護者同伴)※前売券は2019年6月24日(月)から8月24日(土)まで販売。(会期中は当日券のみ)※障害者手帳等持参者と付き添い1名は無料。※学生料金で入場の際には学生証を提示。※上記料金で、2階総合展示と3階フィルムシアターも観覧可能。(催事により有料の場合あり)
2019年08月03日無印良品を展開する株式会社良品計画が、4月に開設された武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスの1階にある共創スタジオに、産学共創店舗「MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス」を7月18日よりオープンする。無印良品が大学キャンパスへ出店するのは今回が初となり、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパスが掲げる、“造形から育まれる「創造的思考力」を実社会の課題解決に応用した新しい価値づくり”という理念に共感し、今回の出店に至った。 「地域の役に立てる店舗」を目指し、厳選した日用品や食品などを販売する物販スペースの他、子供から大人までが創造力を育む場として設けられた「com Studio」や、武蔵野美術大学と自治体や企業、地域との連携で生まれたものを販売するスペースとして誕生する「Open Market」などが設けられている。学生が実際に作った物を売る、食べる、仕組みを運用するなど、授業を通してアイディアを具体化出来る場として、また、その試みを通じて、年齢や文化、地域の違いを超えるコミュニケーションを創出していけるようなコミュニティの場として運営していく。「com Studio」では、廃材や端材を販売。自由に加工できるようなスペースと道具を揃え、創作を通して発見する新しい価値を見出す場所となっている。様々なイベントも予定され、7月21日までは、シルクスクリーンのワークショップが実施される。武蔵野美術大学が運営するスペース「Open Market」では、地域との共創の場として「モノを売る」だけではなく「コミュニケーションをつくる」きっかけの場を目指していく。ここで使用する屋台のデザインを、武蔵野美術大学の学生から募集し、大賞に選ばれたデザインを採用する予定だ。学食として運営されるカフェスペースでは、美味しく安心安全なDELIが楽しめる日替わりセット(800円)や、素材の味を大切にし作られる日替わり弁当(600円)、サンドイッチ(180円・300円)などを提供。学生以外も利用が可能で、平日は7時30分から21時まで営業。食事メニュー以外に、アルコールなども提供され、一日を通して地域の人が一息つける空間を目指して運営していく。また、可変性あるスペースとして、講演やワークショップ、公開授業などの会場としても機能していく予定だ。7月18日から9月30日までは、オープニング企画として、展覧会「ここから始めよう、みんなの新たな学び舎」も開催。武蔵野美術大学や無印良品の関係者、近隣住民などから集めた、「100年後、学びを通してどういう社会を目指し、そのために何をなすべきなのか」に対する考えを展示している。その他、100円コーヒーや、無印良品の視点で集めた様々な本がラインアップする「MUJI BOOKS」、授乳スペースなどのサービスも提供される。
2019年07月17日