2018年12月14日、自民、公明両党は「年度税制改正大綱」を決定しました。これには、2019年10月の消費税増税に備え、住宅購入に伴う減税措置を拡充することが盛り込まれています。増税後に住宅を購入した場合、住宅ローン減税の期間が現行の10年から3年間延長することも決定しました。今回の改正は住宅購入にどう影響するのでしょうか?■ 住宅ローン減税延長の効果が消費税上昇分を相殺する?現在の住宅ローン減税は、年末の住宅ローン残高の1%が10年間所得税や住民税から控除され、その上限は40万円となっています(認定長期優良住宅や低炭素建築物の場合を除く)。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)一方、消費税10%で物件を取得した場合、建物価格の2%か、年末ローン残高の1%のどちらか「小さい方」を11年目から13年目まで控除されることになります(2020年末までに取得・居住した場合、年収が3,000万円以下の場合などの諸要件あり)。例えば、Aさんが建物価格2,500万円土地価格1,500万円35年ローン元利均等返済で金利1.5%夫の年収700万円、妻の年収100万円、子ども1人(扶養人数2人)親からの住宅購入資金の贈与2,000万円という条件だとすると、現行の住宅ローン減税での減税額は以下のようになります。1年目 342,337円2年目 334,559円3年目 326,664円4年目 318,649円5年目 310,513円6年目 302,255円7年目 293,871円8年目 285,361円9年目 276,723円10年目 267,954円つまり、総額で約300万円が所得税や住民税から控除されます(ローン計算 ローンシミュレーションサイト「@ローン計算」にて計算)。CORA / PIXTA(ピクスタ)また消費税10%で取得したときは、現行制度の減税額に加え、3年間で建物価格2,500万×2%=50万円が控除になり、トータルで約400万円お得です。土地には消費税はかかりませんので、Aさんの場合は消費税増額分は相殺されることになります。■ 消費税が10%になると、年収775万円以下の人が最大50万円の「すまい給付金」が!「すまい給付金」の場合は消費税が8%のときは、年収510万円以下の人は最大30万円受け取れましたが、消費税が10%になると、年収775万円以下の人は最大50万円の給付金が受け取れるようになります。Job Design Photography / PIXTA(ピクスタ)Aさんの世帯の場合は、8%では給付金は受け取れませんが、10%だと受け取れることができます。つまり、増税後のほうがお得なのです。すまい給付金をいくら受け取ることができるかは、国土交通省のサイト「すまい給付金」に各世帯がいくら給付を受けられるかを調べるページがあるので、こちらを使って算出することをオススメします。■ 両親から「住宅購入資金」をもらったときの非課税枠が広がる!住宅を購入する際、両親などから資金援助を受ける人は少なくないでしょう。Graphs / PIXTA(ピクスタ)この資金は「贈与」とみなされ、金額により課税されます。2018年に消費税8%の物件を購入した際は、「暦年課税制度」と「住宅取得等資金贈与の非課税制度」を合計した810万円(一定の要件を満たす場合は1,310万円)まで贈与税がかかりません。2019年4月1日に消費税10%で物件を購入すると、2,610万円(一定の要件を満たす場合は3,110万円)まで非課税枠が広がります。Aさんは、2,000万円親からもらっているので、贈与税に関して、8%のときは全額非課税にはなりませんが、10%のときは全額非課税になります。■ まとめshimanto / PIXTA(ピクスタ)上記の条件だけで考えると、Aさんは消費税10%が適用になった後で購入したほうがお得になります。但し、今後のローンの適用金利の上昇や物件価格の上昇なども加味しないと、本当に得をするかどうかは分かりません。住宅関係の税制はいろいろな要素が絡み合っているので、専門家の意見を聞きながら、シミュレーションをし、自分にとっていつのタイミングに購入するのが得なのかをよく吟味することをオススメします。【参考】※住宅ローン控除減税シミュレーション住宅ローン控除計算「@ローン計算」※国土交通省のサイトすまい給付金すまい給付金かんたんシミュレーション
2019年01月19日消費税は、所得に応じて高くなる“累進課税”ではなく、すべての人に同じ税率が適用される税金です。そのため、増税で生活が苦しくなりそう……と感じている人も少なくないでしょう。だからといって、焦ってアクションを起こすのはむしろ危険。そこで今回は、“消費税増税前に早まってやらない方がよいこと”について資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんにご紹介いただきます。文・山田良政■消費税の課税対象でないものを焦って買わない消費税増税前に大きな買い物をする際、注意すべきポイントがあります。それは、買おうとしているものが課税対象かどうかということ。そもそも消費税の課税対象でなければ、焦って購入する必要はありません。例えば、土地などは消費税課税の対象にはなりません。他にも、国債や株券などの有価証券、商品券やプリペイドカード、介護保険サービスや保険料は対象外です。これらのものを焦って手に入れようとすると、あとからお金に困る可能性もあります。くれぐれもご注意を。■軽減税率の対象商品を把握しよう消費税増税後も、“軽減税率”が適用されることで、現行の消費税率の8%のまま据え置かれるケースもあります。例えば生活に必要不可欠な食料品なども軽減税率の対象です。それを知らずに大量に食料品を買い込んでも、全く意味がありません。食べきれずに賞味期限が切れてしまい、かえって損をしてしまう恐れも。食料品は焦って買い込まないようにしましょう。■家電は購入するタイミングが重要家電は、本当に欲しい商品が決まっているのであれば、増税前に買ってもいいでしょう。しかし、何となく「消費税が上がる前に買っておこう」と思っているだけであれば、増税前ではなく、家電そのものの値段が下がるタイミングを狙った方がいいかもしれません。それは、新旧モデルが入れ替わる時期。当然、旧モデルは在庫処分のためお買い得になります。時期は商品によってだいたい決まっているので、自分が欲しいものが決まったら、そのモデルの前回の入れ替わり時期を調べてみましょう。増税前に焦って買うよりもお買い得になる場合も。■家を購入する場合は新築か中古かを確認して家を購入する場合、消費税が関係するのは主に“新築の物件”です。一般個人が売主である、大半の中古物件には消費税はかかりません。それに、住宅の価格は簡単に2~300万円程度上下するもの。焦って買ってしまうと、かえって損するケースも。特に、個人が売主の中古物件を検討するなら、急ぐ必要はありません。ただし、不動産会社が中古住宅の売主となっている場合の売買価格や、不動産仲介業者への仲介手数料には消費税が課されるので要注意。平成30年10月15日時点で、平成29年4月に予定されていた消費税10%への増税を、平成31年10月まで延期することが正式に発表されました。増税の波は刻一刻と私たちの生活に忍び寄っています。ただし、焦り過ぎるのはよくありません。自分の生活水準と課税される対象を見極めたうえで、柔軟に対応していきましょう。-山田良政-株式会社オフィサム代表取締役。FXによる資産運用を自動化させた第一人者。自身が開発したFX自動売買システムが、2013年度に「世界一の評価」を獲得。誰でも気軽に資産が増やせる「自動取引システムによる資産運用」を提案し、その分かりやすい切り口はマネーに関するプロ達だけでなく女性からの支持も多い。「億を稼ぐ」ために必要な思考が綴られたインタビュー本『億トレⅡ』『億トレⅢ』も大好評。『月間BIG tomorrow』でも執筆中。・株式会社オフィサム © PERO studio / shutterstock© fizkes / shutterstock© Andrey_Popov / shutterstock© Monkey Business Images / shutterstock© PR Image Factory / shutterstock
2019年01月19日「“いざなぎ超え”の好景気といわれていますが、生活に還元されているとはいえません。’19年からは、4月の社会保障制度改革と10月の消費税増税により、国民はより負担を強いられます。さらに、4月から施行される『働き方改革関連法』により、大企業に勤める会社員は、軒並み残業代がカット。年収は確実に減少するため、5月以降“生活が苦しい”と感じる世帯は増えるでしょう」そう解説するのは、経済評論家の加谷珪一さん。’19年は、多くの法改正により、家計への負担が大きく変わってくる。「さまざまな負担から家計を守るためには、法改正ごとに、その制度が自分の家族にとって負担を増やすものなのか、それとも賢く利用することで負担を減らすことができるのか、つねに意識することが重要です」さっそく、加谷さん、弁護士の松下真由美さん(レイ法律事務所)とともに、’19年下半期の“お金にまつわる法改正”を見ていこう。【7月】■相続法(民法)改正「長年の見直しの末、’18年7月に相続法(民法)が40年ぶりに改正され、’19年7月(一部は’20年7月)から施行されます。被相続人の妻や相続人の妻に“お得”なケースも増えているので、把握しておきましょう」そう話す松下さんが、改正相続法の重要項目を解説してくれた。《預貯金の仮払い》「夫が急に亡くなり、葬儀費用や当座の生活費が足りないときでも、現状では相続人全員の同意がなければ、夫の預金を引き出せませんでした。しかし今回の改正法では、夫の預金の3分の1の額から、妻の法定相続分の2分の1まで(1金融機関150万円が上限)を妻が単独で引き出せるように改正されました」《相続人でない親族の特別寄与》「同居の義理の父をどれだけ長年にわたって介護してきても、現行法では法定相続人ではないため、相続人の妻は遺産を1円ももらえませんでした。この問題を解消するため、改正法では『義父の財産の維持などに特別な貢献をした』という意味で、相続人以外の親族にも『特別寄与』として請求できる権利が与えられることになります。各相続人に対して、特別寄与の支払いを請求し、協議によって決めるか、家族で決めてもらうというのがおもな請求方法です」【10月】■住宅ローン減税の延長・自動車税減税の見直し住宅ローンの控除期間が、現行の10年間から、13年間に。入居1年目から10年間は、これまでと同様に年50万円を上限にローン残高の1%を控除。さらにローンが残る場合は11年目以降の3年通算で建物購入価格の2%の範囲で減税する方針だ。自動車税減税については、最大で年間4,500円を恒久的に減税するという。「しかし、これらは’19年10月~’20年末の間に新たに契約し引き渡された住宅やマンション、同年10月以降に新車新規登録を受けた自家用乗用車に適用されるもの。すでに住宅ローン減税を受けていたり、自家用車を保有している人にとっては“現状維持”となりそうです」(加谷さん)■消費税増税下半期で家計を直撃するのは、なんといっても8%から10%に引き上げられる今回の消費税増税。小売業に与える影響を加谷さんが解説する。「家電は前回の増税時、駆け込み需要による“バカ売れ”が目立ちました。今回もそれを狙って、8~9月あたりから家電量販店は価格を上げる可能性がありますから、安易な“駆け込み買い”は控えたいところです」さらにこの消費税増税には、もうひとつ“政府の狙い”があるという。「それは決済の“キャッシュレス化”です。銀行ATMは維持費がかかりすぎるため、政府は店舗数を減らしたいのです。今後のために、クレジット決済を中心としたキャッシュレス生活に切り替えることは重要だと思います。政府は消費税増税後、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を使った消費者に対し、購入額の5%分をポイントで還元する施策まで検討しています。還元目的に、むやみに買い物をしては本末転倒ですが……」(加谷さん)「超高齢社会のいま、’20年以降も、現役世代に負担を強いる政策は増える」と加谷さんは語る。自分の消費を見直しつつ、法改正を理解して、賢く’19年を乗り切ろう。
2019年01月07日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「社会のじかん」。今回はイラストレーターの五月女ケイ子さんと共に、消費税について考えます!消費税が10%になる。→堀さんの分析:高い税金、高いキャッシュバックの制度作りに向けた議論が始まりそうです。堀:30年前にスタートした消費税。2019年10月には、8%から10%になります。五月女:最初は3%でしたよね?当時、中学生だったので、すごく痛かったです。堀:少子高齢化の進む日本では稼ぎ手が減るので、税収も減って、将来、国の財源が足りなくなる。そこで始まったのが消費税です。国は将来的には20~30%くらいまで上げたいと思っているんです。五月女:そんなに上がるんですか!?堀:段階的に上げてきましたが、税率が上がるたびに消費が落ち込んで景気が悪くなってしまう。そこで国は、いくつかの増税対策を検討中で、そのうちの一つが、「軽減税率」です。五月女さんは普段、どんなものを買いますか?五月女:なんだろう?食料品とか服とかでしょうか。堀:あまり買わないものは?五月女:宝石とか家とか車とか…飛行機?(笑)堀:軽減税率とは、米やパンなど日常的に必要な食料品は8%の据え置きにして、酒や煙草などの嗜好品や、経済的に余裕のある人しか買わない高価なものは、税率を10%にするという仕組みなんです。正確には据え置きなので、「軽減」ではないのですが。五月女:本当だ!名前がずるい!堀:ものによっては複雑になります。たとえば、スーパーのお惣菜は買って帰れば8%ですが、イートインコーナーで食べると「外食」扱いになり10%になるんです。五月女:えー!それは混乱しそう。堀:増税対策はほかに、一定期間、中小小売店でのキャッシュレスでの支払いにはポイントを還元するとか、低所得者と0~2歳児のいる子育て世帯には、購入額以上の買い物ができる「プレミアム付き商品券」を発行するなど、全部で9項目が予定されてます。五月女:お店のポイントとかも、私は活用するのが苦手で、本当に得になっているのかな?と思ったりします。堀:僕もポイントはあまり活用できていません(笑)。ただ、日本の社会保障をこれからも支えていくには、消費税は上げていかないともたないんですよね。北欧やヨーロッパの一部の国では、消費税が30%台と高い代わりに、学校や病院を無償にしています。五月女:日本はそういうふうにはできないんですか?堀:日本は長らく、政治家たちが人気取りのために選挙のたび「減税」を謳う時期が続いて、消費税の制度設計がうまくいっていませんでした。五月女:何のために増税が必要なのか、わかるように説明してくれれば私たちも納得できるんですけど。堀:高い税を支払う代わりに、子どもの教育費、奨学金、介護や医療費などで高いキャッシュバックが得られる制度作りに向けた義論が、2019年は本格化すると思います。生活の向上につながる還元策になっているか、私たちは見守ることが大事になりますね。堀 潤さん(写真左)ジャーナリスト。「8bitNews」代表。「GARDEN Journalism」主宰。『モーニングCROSS』(TOKYO MX)ほか、レギュラー多数。五月女ケイ子さん(写真右)イラストレーター。ツイッターは@keikosootome。楽しいグッズ満載のオンラインストア「五月女百貨店」は@sootomehyakka。※『anan』2019年1月2・9日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子取材、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2019年01月03日いよいよ来年の2019年10月には消費税が8%から10%に上がります。たった2%とはいえ、住宅においてはその金額の差が大きく表れます。ですから、今のうちに購入しといたほうがいいのか、焦らなくてもいいのか悩む方が多いのではないでしょうか。今回は注文住宅において、消費税増税前に購入すべきか、はたまた増税後でもいいのか、検討していきたいと思います。建てる気がある人は、増税前に建てたほうが良い理由住宅の建てどきは、増税前なのか増税後なのかは正直に言いますとその人の状況によって異なります。ロストコーナー / PIXTA(ピクスタ)まず、増税前に買うべき人はすでに建てる予定がある人です。例えば建築費が3,000万円だとして、8%だと3,240万円ですが、これが10%になると3,300万円となり、60万円の開きがあります。これだけでも差は大きいですが、注文住宅を建てるには建築費以外にもかかる費用がたくさんあります。freeangle / PIXTA(ピクスタ)インフラ関係の工事や仮設工事、また建て替えの場合は解体費用がかかります。消費税はこれらにもかかります。また、インテリア工事費用や諸費用、家具、家電など、どんどん消費税増税分が加算されていきます。これがすべて合わさると数百万という単位になり、8%と10%の差が大きくなります。ですから、もう住宅を建てる予定がある方はすぐに動くことをオススメします。消費税増税にあおられて…という場合は焦る必要なし今建てる予定はなかったけれど、消費税増税にあおられてしまって建てようとしてる方はそんなに焦る必要はありません。Naoaki / PIXTA(ピクスタ)理由は3つあります。1.焦ってしっかりと検討できない可能性もmakaron* / PIXTA(ピクスタ)引き渡し時期や契約時期に縛られてしまい、間取りや内装をじっくりと検討できない、契約前の見積りを細かくチェックできずに契約してしまう、などデメリットが多いです。そのほか全部決めたは良いものの、駆け込みで建築する人が多く、工事がいつもより丁寧でなくなる、または間に合わなくなるなどの恐れもあります。2.増税後にキャンペーンなどの可能性があるizumi / PIXTA(ピクスタ)こちらは断定はできませんが、増税後には着工数は落ちてしまいます。それを防ぐためにも何かしらキャンペーンを検討しているハウスメーカーは多いはずです。3. 国にもさまざまな制度があるJob Design Photography / PIXTA(ピクスタ)例えば、すまい給付金でも今度の増税に伴い、8%のときよりも増える予定です。これまで年収510万円以下の人が受け取れる制度でしたが、今度は775万円までの人が受け取ることができるようになります。そのほか住宅ローン減税もありますし、増えた分を少しでも軽減させる方法はあります。焦ってしまい、不本意な家づくりをするよりも、一生に一度の高いお買い物ですから、じっくりと検討されることをオススメします。数百万円のために後悔してしまうのは、非常にもったいないことです。まとめ消費税増税前がいいのか、それとも増税後に建てるのがいいのか、とても悩みどころですよね。今回ご紹介したように自分たちは今家を建てることが必要なのかどうなのかをよく検討して、動くことが大切です。住宅展示場などを見に行けば、あおられて焦ってしまうこともあるかもしれません。Ushico / PIXTA(ピクスタ)建てるつもりもなかったのに急かされて……というふうになるのは避けたいところ。でも、建てるつもりでいるなら、ぜひ建てるべきです。家は自分が本当に欲しい、必要だと思ったときが一番の建てどきです。【参考】※国土交通省すまい給付金
2018年12月04日皆さんが生活をする上で、何かと出費がかさむのが消費税ですよね。現在は8%の税率がかかってきますが、来年10月にはいよいよ10%になります。そんな増税のタイミングに備えて、私たちは今からどのようなことをしておけばいいのでしょうか。そこで今回は、資産運用・トレーディングのプロである山田良政さんに「消費税が上がる前にしておきたいこと」についてご紹介いただきます。文・山田良政■毎月1万円の貯蓄を意識して消費税が10%に増税されると、22~34歳の単身世帯の場合、毎月9290円、毎年11万1488円の負担増となります(第一生命経済研究所調べ)。消費する金額が少ない場合は負担額も減ってくるので、その分差し引いて考えても良いのですが、見落としがちなのがスマホの通話料。これには消費税がかかっています。増税後、突然負担が増えて支払えない…… なんてことにならないように注意しましょう。これまでよりも月に1万円多く貯蓄するように心がけておけば安心です。■食品・日用品は品薄になる前に確保増税直前には多くの人が買いだめに走り、品薄になることも少なくありません。保存できる食品、日用品などは増税数カ月前から計画的に購入することをお勧めします。ただし、賞味期限などがあり、買い過ぎてムダになるようなものはNG。お酒などの嗜好品は、増税後需要が減っても価格が下がりにくいので、増税前に購入するのがいいかもしれません。注意したいのは土地。土地それ自体は消費税の対象外なんです。たとえば、総額3000万円の物件でも、建物部分の価格が1000万円であれば、課税対象はこの建物部分のみ。消費税が10%でも負担額は100万円なので、8%の現在よりも増えるのは20万円程度しかありません。焦って購入して後悔しないように気を付けましょう。■衣料品はセールを利用して。ブランド品は買い!衣料品のセールでは20%OFFや半額になるのが当たり前ですよね。増税後もセールは変わらず続くと見込んで良いでしょう。半額セールともなれば、増税分の負担はそこまで気にならないはず。ただし、大幅な値引き販売をしない機能性衣料やブランド衣料は価格が一定で、増税後、需要が減ったとしても値引き販売されることはほとんどありません。増税前に購入しておくことをお勧めします。ちなみに、現在の円高の傾向を考えると、ブランド品は海外で購入したほうがお買い得になることも。最新の為替レートを調べても良いかもしれません。■結婚式は増税前に挙げようもし彼との結婚が決まっているなら、増税前に式を挙げても良いのかもしれません。結婚式の会場費は値下げをすることがないので、増税分は負担になってしまうからです。ただし、式場の需要が高まる6月には会場費が高くなるなど、季節によって価格が決まる側面も強いので、増税だけを意識しないようにしましょう。また、新婚旅行の際の航空券やパッケージツアーの価格は、時期によって左右されるので、増税をあまり意識する必要はありません。式は増税前に、旅行は後からでも良いかもしれません。消費税10%は、予定通り平成31年10月に実行されることが正式に発表されました。増税の波は刻一刻と私たちの生活に忍び寄りつつあります。お金を使えば使うほど、消費税はお財布に影響を与えます。税率が上がる前に、なるべく大きな買い物を済ませておいた方がいいかもしれません。(C) Nattakorn_Maneerat / shutterstock(C) Stokkete / shutterstock(C) g-stockstudio / shutterstock(C) Shunevych Serhii / shutterstock
2018年11月17日消費税の税率が来年10月より10%に引き上げられることが先日正式に表明されました。5%から8%に引き上げられたのは2014年4月1日のこと。当時筆者はマンション管理会社でフロント業務に従事していましたが、税率の引き上げが管理組合の一般会計を直撃し、予算を作成するのに大いに苦労したという記憶があります。そこで今回は「マンション管理組合の予算」について書いてみます。■ 管理組合の予算はすごく重要shimanto / PIXTA(ピクスタ)マンションの管理組合は、組合員が納めた管理費や修繕積立金の範囲内でマンションの維持管理や管理組合の運営を実施しますが、限られた範囲の中でやりくりするためにはお金の使い方の管理が大変重要になります。そこで必要となってくるのが予算で、1年間の事業計画を作成して必要となる支出を計算し、収入と突き合わせて予算を作成することにより初めて管理組合を正常に運営することが出来ます。■ 収入はほぼ事前に計算できるtopic-asd / PIXTA(ピクスタ)予算を作成する際はまず収入を計算するところから始まります。管理費収入に加えて駐車場・自転車置き場・ルーフバルコニー・専用庭といった各種の使用料がその柱となりますが、これらはほぼ事前に計算することが可能です。管理費の滞納があればその分だけ収入は減少するはずですが、管理組合会計は「現金主義」と「発生主義」に基づくとされており、滞納の有無にかかわらず所定の額が全額入金されることを前提に計算します。「おかしいのではないか?」という異論が出された場合の話法はひと通りマスターしていましたが、筆者自身も納得していたわけではありません。駐車場の空き区画が増加すればその分だけ収入が減少して一般会計をひっ迫させることになりますが、それに対する対策はまた別の機会に書きたいと思います。■ 「特に変わったこと」がなければ前年並みが基本jyapa / PIXTA(ピクスタ)収入が判明したら次は支出を計算しなければなりません。管理委託費や設備管理業務費は契約に基づくものなので端数に至るまで金額を確定できますが、水道光熱費や諸経費、修繕費(一般会計)に関しては概算で算出するしかありません。大きな工事を実施する場合や何か新しい活動を行う場合はそれに要する費用を予測して予算計上しますが、それ以外で「特に変わったこと」なければ前年並みの金額を記載すれば基本的に問題はありません。■ 組合会計を直撃した消費税引き上げと電気料金の高騰YNS / PIXTA(ピクスタ)「特に変わったこと」として筆者が特に印象深いのが消費税の引き上げと東日本大震災以降に発生した電気料金の高騰です。消費税が引き上げられればその分だけ管理委託費や設備管理業務費が上がります。通常は「毎月の単価×12か月」で計算しますが、消費税が引き上げられればそれ以降の単価が変わるため、引き上げが組合の会計年度の途中になる場合は「旧単価×▲か月+新単価×◆か月」というような計算が必要になります。東日本大震災で発生した原発事故は電気料金の大幅な高騰をもたらしましたが、共用部の電気料金としては年間で数十万円という規模で増加しました。当然ながらこういった事態はマンションの一般会計を直撃します。スイマー / PIXTA(ピクスタ)担当物件が十数棟あれば毎月のように予算の作成業務が発生しますが、筆者の場合は一般会計がひっ迫していた上に繰越金が少なかった組合が多かったため、新たな予算を作成するたびに脂汗を流すことになりました。即効性のある収支改善策を採らなければ理事会に出せるような予算にならないため、自分の方から設備管理業務費の減額提案をせざるを得ず、「俺は一体何をしているのだろう」という気分になったことを記憶しています。消費税の税率引き上げはもともと2015年10月に予定されていたものが度々延期されてきたもので、筆者はその度ごとに大いに安堵したものです。どうやら今回の引き上げは予定通り実施されそうで、これでフロントの頭痛の種がまた一つ増えることになりそうです。
2018年11月03日最近、よく耳にするタワーマンション(以下、タワマン)税についてご存知でしょうか?タワマンでは、上層階ほど価格が高くなるのが一般的です。しかし、今まで固定資産税や相続税は、上下階による違いがないためタワマンの高層階が税金面で優遇されていました。ところが、平成29年度税制改正により固定資産税にメスが入れられることになったのです。そもそも不動産購入は税金面でお得まず、現金を不動産に換えるだけでも節税効果があります。なぜなら、不動産の評価方法は、固定資産税評価額や路線価を使用するからです。固定資産税評価額は、目安として実勢価格の6~7割であり、路線価は7~8割と現金よりも割安になります。一般的に、固定資産税の場合は土地も建物も固定資産税評価額がそのまま使われるのですが、相続税の場合は土地について路線価が使われます。固定資産税相続税土地の評価額固定資産税評価額路線価建物の評価額固定資産税評価額固定資産税評価額たとえば、相続の場合など、現金を相続するよりも不動産を相続するほうが税額は下がります。不動産の場合、特例が適用されると支払う税額が更に下がるので、節税のために不動産を購入するケースが少なくありません。タワマン購入は税金面で更にお得タワマンの場合、土地の評価額が更に下がります。評価額の計算方法は、敷地全体の評価額に各戸の床面積の持分を乗じて計算します。つまり、タワマンのように戸数が多いと各戸の持分が少なくなるため戸別の土地の評価額は下がるのです。建物については、高層階ほどお得といえます。タワマンの場合、高層階は価格が高くなるのはご存知でしょう。しかし、評価額としては、上下階に差がないのです。つまり、高層階の場合、購入価格が高いにもかかわらず税金の評価額は低層階と変わりません。固定資産税も相続税も評価額に一定の税率を乗じて計算するため、タワマンの高層階の住民は税金面でかなり優遇されることになります。タワマンの高層階が手に入るのは、富裕層と言えるため、「金持ち優遇制度」と苦情があがることもありました。今回の税制改正は、金持ち優遇制度の解決策のひとつになると期待されています。タワマン税の仕組みとは?平成29年度税制改正により変更されたタワマン税が、平成30年度から新たに課税されることとなるタワーマンションに適用される予定です。今まで富裕層のみが受けてきた節税効果が薄れることになるのです。具体的には、目安として高さ60m(20階程度)以上のマンションであれば、高層階の固定資産税と相続税が引き上げられることになります。そして、低層階は引き下げられることになるのです。計算方法は中層階の評価額を基準にします。簡単に説明しますと、中層階から1階上るごとに約0.25%評価額が高くなり、1階下がるごとに約0.25%低くなるという仕組みです。そこで、おおよその計算をしてみましょう。なお、相続税については、今のところ固定資産税のような見直しがされていないため影響を受けることはありません。しかし、今後の動向には注意が必要でしょう。たとえば、30階建てのマンションであれば、中層階が15階程度になるので、目安として最上階で3.75%の値上がりになり、1階で3.75%の値下がりになります。この率が固定資産税や相続税に反映するのです。30階建ての場合の計算階数計算式最上階0.25%×15階=3.75% Up1階0.25%×15階=3.75% Down税制改正後のタワマンは?今までのような節税対策としての効果は見込めなくなります。節税の効果が弱まると言うことは、実益的な判断をするしかありません。つまり、高層階と低層階とで、どちらが住みやすいかということになるでしょう。たとえば、防災面から見ると火災が起こった場合、エレベーターが止まったとすると高層階からの脱出は、なかなか手間がかかりそうです。消防のはしご車がとどく高さも10階程度。昨今の防災意識の向上を考えると10階までの低層階が無難なところでしょう。災害大国と言われる日本では、防災意識の高い人が増えてきています。安全面を考慮すると、タワマンの人気は、だんだんと低層階へ流れていくのかもしれません。しかし、相変わらずタワマンのステータスを求める人も少なくないはずです。高層階から見下ろす夜景に自らの成功を実感するのでしょう。今後、タワマンの高層階は税金なんて気にしない本当の富裕層のニーズに支えられるのではないでしょうか?
2018年02月03日いきなりですが、フランスって消費税が20%なんですよ。慣れましたけど、最初は買い物するたびに、なんじゃ〜こりゃ、となっておりました。でも、消費税が高いのには理由があるんです。欧州はどの国もだいたい20%前後。その代わり、たとえばですけど、がんになったら国が負担してくれます。病院への往復タクシー代も請求すれば出してくれます。フランスでは、子供の学費は幼稚園から大学卒業まで無料です。日本は進む少子化のせいもあり年金の将来が危ぶまれて久しいですが、フランスはいまのところ大丈夫。消費税が高くても、将来の不安を先払いしていると考えるならばどうでしょう?逆に日本の場合、欧州に比べ、消費税が驚くほど安いですけど、その分、老後、貯金や保険に頼らないといけないかもしれません。 さらに心配なことに、日本は莫大な国の借金がありますよね?ご存知ですか?IMFの各国総債務残高ランキング、私は先進国借金ランキングと呼んでいますが、なんと日本は世界一。2位のギリシャをぐんと抜いてのダントツ1位!国内総生産の2.37倍の債務があります。数字にすると、1千231兆5千億円というのだから、眩暈がします。とはいっても日本には他国に貸し付けた金があるじゃないか、と言いたい気持ちはわかりますが、それを計算し差し引いても、ギリシャに辛うじて勝って2位なんです。不安要因ばかりは言えませんが、異常事態であることに変わりはないんですよね(日本の債務は国内からの借金がほとんどですけど……)。じゃあ、そのような債務がある日本の未来をどうするか。政治に関心がなくても必ず未来はやってきますものね。 私のように海外で暮らして高い消費税を払っている者からすると、日本がうらやましい一方で、教育や医療や年金という将来の難問に対して備えは大丈夫か、と心配になります。消費税20%はいま、ヨーロッパの常識です。ゆりかごから墓場までを謳う社会福祉国、スウェーデンやノルウェーなどももちろん高いです。消費税に反対をする政党の皆さんは、選挙の時は声を揃えて消費税反対と言いますが、じゃあ、どうやって国民の未来を守ってくださるのでしょう?国民の老後はどうなるんでしょうか?子供たちの未来はどうなるのか、私たちはよく議論し理解しないとならないところにいると思います。 さて、消費税とはぜんぜん関係ない料理をご紹介します。実は毎週、2回、近所に市場が立ちます。パリは鮮魚店が少ないので新鮮な魚は市場(マルシェ)で買います。行きつけの鮮魚店で天然のスズキを見つけました。スズキの刺身を今日は昆布締めにしまして、それを使ったパスタ料理をご紹介しましょう。題して、スズキの昆布締めカッペリーニ。スズキはちょっと高いので、消費税の話のあとだけに、スズキにこだわらなくて大丈夫です。新鮮な白身魚であればなんでもオッケー! 材料2人前:刺身用のスズキ(ほかの白身魚でも可)200g、昆布2枚、カッペリーニ160g、バター15g、生クリーム大さじ2、すりごま20g、昆布茶小さじ2〜3、オリーブオイル大さじ2、ごま油少々、塩・こしょう少々。 まず、前の晩にスズキの両面に昆布を張り付け、ラップをして冷蔵庫で保管しておきます。一晩寝かせるとぷりぷりになります。ボウルにバター、生クリーム、すりごま、昆布茶、オリーブオイル、ごま油、塩・こしょうを入れ、カッペリーニが茹で上がったら混ぜ合わせます。それを皿に盛りつけ、周囲に薄切りにしたスズキを張り付け、全体にオリーブオイルを振りかけたら完成。 お好みで、のりの千切り、大葉の千切り(分量外)などを振りかけて、召し上がれ。白ワインとの相性抜群ですぞ。 ボナペティ! 本誌連載の料理をえりすぐったレシピ本『パリのムスコめし世界一小さな家族のための』も絶賛発売中です!
2018年01月30日消費税とは、消費者が物を買うときに徴収される税金のことで、法人が物を売る際に徴収し、まとめて納税をします。では、マンションを売却するときにも消費税はかかるのでしょうか。物を購入するときに徴収される消費税は、「マンションを売却するときも同じように徴収し、消費者に代わって納税する必要があるではないか?」と疑問を抱いておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、マンションの売却時における消費税の仕組みについて解説します。居住用マンションなら消費税はかからないマンションを売却するとき、消費税がかかる場合とそうでない場合があります。どういう仕組みなのか、順を追って説明していきます。【消費税とは】まず、消費税とは以下のように定義されます。「物の販売やサービスの提供などの取引に対して課される国税・地方税のことである」上記の「取引」とはいわゆる「消費」のことであり、消費する税金だから「消費税」というわけですね。もう少し詳しい定義は下記の通りとされています。「国内において事業者が行った資産の譲渡等には、この法律により、消費税を課する」(※引用消費税法4条(課税の対象))「事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供を言う」(※引用消費税法2条8項(資産の譲渡等の定義))つまり、「資産の譲渡」が行われるものは、消費税が課される取引となります。では、具体的はどのような取引を指すのでしょうか。【消費税が課される取引】・国内における取引である・事業として事業者が行う取引である・対価を得て行われる・資産の譲渡、貸付及びサービスの提供であるこれを不動産に当てはめると、下記の取引が消費税の対象になります。・建物の売買代金・建物の建築工事やリフォーム時の建築請負代金・仲介手数料・住宅ローン事務手数料・司法書士への報酬料・事務所・店舗などの家賃非課税になるのは下記の通りです。・土地の売買代金・住宅ローンの返済利息・保証料・火災保険料・地代・家賃(居住用)・保証金・敷金消費税の場合、「課税の対象として馴染みが薄いもの」「社会政策的配慮によるもの」などの理由で、課税の必要がないと判断された非課税の取引もあります。不動産で言うと上記の取引が該当します。つまり、上記の理由から建物に関する代金は消費税の対象になり、土地代は異なるということになります。ただし例外があって、マンションを売却する人が個人の場合は、建物も非課税となります。消費税が課される取引として「事業として事業者が行うものである」という項目があり、「事業」は不特定多数の人に商売をすることなので、個人が居住用のマンションを売却するのは商売には当たりません。そのため、消費税の対象にはならないのです。マンションの価格を無料査定してみる不動産売却にかかる仲介手数料の相場とは仲介手数料とは、自分の代わりにマンションの買い手を見つけてくれた不動産会社に支払う代金のことです。先にも述べた通り、マンション売却の際、不動産会社への仲介手数料には消費税が発生します。仲介手数料はマンションを売却するときの費用の中でも金額が大きく、売り手の利益にも影響を与えます。一般的には「マンションの売却価格の3%+6万円」程度を支払います。しかし、必要以上に仲介手数料を請求してくる悪徳業者もいるので、注意が必要です。原則、消費者が不必要に仲介手数料を払わなくて済むように、法律で上限が決められています。主な目安は下記の通りです。・売買価格が200万円まで……売却価格の5%+消費税・売買価格が200万円以上400万円まで……売却価格の4%+消費税・売買価格が400万円以上……売却価格の3%+消費税基本的に、不動産会社は上記で挙げた上限額ぎりぎりの仲介手数料を請求してきます。値引き交渉ができるケースもありますが、仲介手数料は不動産会社の収入源です。なかなか難しい面もあるかもしれません。ただし、上限額以上の金額で請求された場合は不当である可能性があるので、注意しましょう。仲介手数料は購入希望者と売買契約が成立したタイミングで全額請求が可能となります。ただし、一括よりも分割で支払うパターンが多いようです。支払い方法や支払い時期については、不動産会社としっかり確認しておきましょう。マンション売却時の消費税における注意点ここまで、マンション売却時における消費税について説明してきましたが、ほかにも注意点が2つあります。【一括繰り上げ返済手数料】マンション購入時に金融機関からお金を借り、返済期間が残っているタイミングで売却した場合、売却代金によって残金を返します。その際、「一括繰り上げ返済手数料」という手数料が発生し、消費税の課税対象にもなります。【司法書士の報酬】住宅ローンを契約するには、不動産を担保にすることで抵当権を得ています。抵当権は、マンションを売却するときに買い手に権利をスムーズに移せるよう、ローン完済のタイミングで「抵当権抹消登記」をしなくてはなりません。この処理を司法書士に依頼すると、報酬を支払わなくてはなりません。報酬金額には消費税がかかります。まとめマンションの売却にも消費税がかかる取引とかからない取引があります。やはり、お金のことは詳しく知っておいた方が、安心ですよね。特に仲介手数料については、少しでも知識を身に付けておくと、後で悲しい思いをせずに済みます。疑問点などは不動産会社や税理士など専門の人に確認しながら、上手にマンションの売却を進めましょう。まずはマンションの価格を無料査定してみる
2017年11月14日「政府は、『出国税』という新しい税金の導入を検討中です。出国税とは、日本を出て海外に行く際にかかる税金。日本を訪れた外国人や、日本人の海外旅行者なども含めた出国者全員から、1,000円ずつ徴収する案が有力です」 こう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。昨年1年間の訪日外国人は約2,404万人(日本政府観光局調べ)。日本人の出国数、約1,712万人(法務省調べ)と合わせて、4,000万人以上の人から1,000円ずつ徴収すると、400億円を超える新たな税収が生まれる。 「今後、訪日客が増えれば、さらに大きな税収減になると期待する声があります。いっぽうで観光客誘致に水を差すとの反対意見もありますが、政府は来年度の税制改正大綱に盛り込み、’19年度からの実施を目指しています」(荻原さん・以下同) また、先の衆議院議員選挙では、希望の党が大企業の「内部留保に課税」する政策を掲げ、物議を醸した。 「内部留保とは、企業が得た利益のうち、企業外へ分配せずに企業内に留保した分です。政策自体には批判も多く、希望の党も惨敗したので、実現の見込みはほぼないでしょう。しかし、国としての借金が1,000兆円を超え(’17年6月末・財務省)、財政難が叫ばれるなかで、税金を新設するのは、『取りやすいところから取ろう』というもくろみが透けて見えるように思います」 ほかにも、政府は“取りやすいところ”の代表ともいえる「たばこ税」の引き上げを検討している。 「特に、最近人気が高まっている『加熱式たばこ』は、通常の『紙巻きたばこ』より税率が低いため、増税の標的になっています。これも来年度の税制改正大綱に盛り込み、早期に実施したい模様です」 さらに、’20年以降の導入を目指す「森林環境税」の新設も議論されている。 「目的は、地球温暖化対策として森林整備の財源にすることで、年間数百円を住民税に上乗せして徴収するといいます。しかし、すでに自治体独自の税金として、高知県など37府県と横浜市には、同様の税金が導入されています。このままでは二重課税になる恐れがあります。なにより、たとえ少額でも、国民が新税をきちんと理解しないまま、『いつの間にか、よくわからない税金が徴収されている』事態は避けねばなりません。活発な議論を重ね、国民にわかりやすく説明してほしいと思います」 これから年末にかけて、税制改正議論が始まる。 「私たちは、きびしい目で見守り、無茶な増税や突然の新税には、『断固、反対!』の声を上げたいものです」
2017年11月10日・一発でガツンと大きくトクする! 家計を元気にする税金のイロハ ・贈与税の裏事情でトクをする!? 親もママも税金対策できる “住宅購入” のコツ ・住宅ローン控除を利用できる人、利用できない人 ・聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点 の続きです税金制度が、じつはすごい勢いで変化しているということをご存じだろうか? 2015年4月に課税ラインが下がったことで、一部の裕福な人の悩みだった相続税が、多くの人に影響してくる時代となった。こんな時代にパパ、ママの親のお金をうまく生かす方法はないものだろうか。税理士の湊 義和(みなと よしかず)さんに、相続税対策について、そしてパパ、ママの親にとっての「孫への教育資金贈与」についてもお話を伺った。■相続税対策は、大きくわけて2つ2015年4月、相続税の基礎控除額(税金が免除になる境界ライン)が、ほぼ6割に切り下げられた。本格的な相続税対策のすべては説明できないが、方向性として相続税対策は、大きくわけて2つある。対策1:相続税がかかる財産の評価を落とす対策2:生前贈与対策を検討する前回の記事( 聞きづらい財産の話はどう話す? 30代で知らないと損をする「親の相続」問題点 )では、対策1 についてお話をした。今回は、対策2の「生前贈与対策」について説明しよう。■「生前贈与対策」のポイント まずは制度を知ろう親や祖父母などの個人から贈与を受けると「贈与税」がかかる。贈与税には、次の2つの制度がある。将来、相続税がかかる人 ⇒ 暦年課税制度将来、間違いなく相続税がかからない人 ⇒ 相続時精算課税制度相続税の課税ライン引き下げにより、「将来、相続税がかかる人」は増加すると予想される。他人事だと思っていると、もしかしたら損をするかもしれない。なぜ、「将来、間違いなく相続税がかからない人」だけが、「相続時精算課税制度」を使うべきなのだろうか? そもそも「相続時精算課税制度」とは? 次ページから、そのポイントを説明する。 ■そもそも「一度に多額の贈与」は、いったい何が問題なのか?通常、一度に多くの贈与を行うと多額の贈与税がかかってしまうが、「相続時精算課税制度」を利用すると、一度に2,500万円まで贈与しても贈与税がかからない。しかし、この制度は、せっかく生前に贈与しても、相続税の計算のときには贈与した財産の金額が、また相続財産として扱われるので、相続税がかかる人にはメリットがあまりない制度だ。つまり、「相続時精算課税制度」は一度に大きなお金を贈与できるかわりに、実際の相続発生時には、その金額は相続財産として計算される。一方で、「暦年課税制度」は、年間110万円までの贈与なら税金がかからない。子どもに贈与した財産は、相続発生時に「子どもの財産」として計算され、相続財産とはみなされない。●「暦年課税制度」と「相続時精算課税制度」のメリット・デメリット(Woman excite編集部作成)前述の通り、相続税の課税ラインが引き下がったので、「将来、相続税がかかる人」は増加すると予想される。それを考えると、「相続時精算課税制度」を使う人は少なくなっていくだろう。■孫への教育資金の贈与は「コツコツ行う」のがおトクところで孫への贈与というと、「教育資金贈与」が話題となっているが、この制度は、「1,500万円までなら贈与時に贈与税がかからない」というものだ。教育に限ってしか利用できなく、また贈与した孫が30歳になるまでに使い切らなかった場合には、贈与税が課税されてしまう。「将来、相続税がかかる人は、親に『暦年課税制度』を使って、コツコツと時間をかけて相続財産の移行を行うのが得策だと伝えてほしいです」(湊さん)時間をかけて相続財産を移行させることで、パパやママの世代が教育資金など必要なときに役立ってくるのではないだろうか。次回は、「身近な「医療費控除」も新制度がスタート! 家計を元気にする節税のきほん」です。この記事は2017年1月の取材に基づいて書いています。■今回取材にご協力いただいた湊 義和さんの著書『 家計を元気にする 税金活用術 「節税」から「活用」へ 』湊 義和 / 中央経済社 ¥1,600(税別)湊 義和さんプロフィール中小企業を応援する政府系金融機関のサラリーマンから一念発起して税理士になった経歴の持主。とかく難解な税金の世界の水先案内人として、一般の方の税金相談から独立開業、二代目の事業承継などさまざまな相談に乗るのが生きがい。趣味は最近少し人気が回復してきたスキー。
2017年04月14日・一発でガツンと大きくトクする! 家計を元気にする税金のイロハ の続きです。税金の制度が、すごい勢いで変化している中、いちばん大きな変化が起こっているのは、「贈与税」だという。このいちばんホットな「税金のおトク」分野である贈与税について、税理士の湊 義和(みなと よしかず)さんにお話を伺った。親が元気な30代にとって、贈与税はじつはもっとも活用できる税金といえるかもしれない。■贈与税がかからない「仕組み」が増えている「最近は、『教育』『住宅取得』など、はっきりとした目的のある場合は、贈与税をかけない仕組みが増えています」(湊さん)贈与税を緩和することで、世の中に流れていくお金を増やし、社会全体のお金の流れを良くしようというのが狙いだという。今回の取材で、私が「一番面白い!」と感じたのは、この「贈与税が緩和された意図」だ。少しマニアックな話になるかもしれないが、「税金を身近に感じるキッカケになるのではないか?」と思ので、贈与税が緩和された「裏事情」をお話しておこう。■平均寿命が延びたことが、贈与税緩和につながるいままで「贈与税」は、「相続税」に比べると割高な税金だった。なぜなら、国はお金の世代間の移動に課せる税金は、「相続税」で行おうとしていたからだ。簡単に言えば、親が亡くなり相続が起きるときには税金は優遇するが、親が生きているときにお金が世代をまたぐことは(贈与すること)は、あまり良しとしていなかった。けれども平均寿命が延びた昨今。パパママ世代がもっとも大金を必要とする時期(「住宅の頭金準備」や「教育費のピーク」)に、おおかたの親は元気で、相続が起こらない。そうすると、どうなるか? 本来、社会に流れるはずのお金が、高齢者の元に留まってしまうのだ。このあたりのお金の流れをスムーズにするために、贈与税の仕組みが緩和の方向へと向かっているそうだ。それでは贈与税が、どれくらい家計を元気にするのか? 「住宅購入資金の特例」を例にとり、具体的な数字を出して紹介しよう。■住宅購入資金で、親もパパママも税金対策できる父母、祖父母など直系尊属の人が、子どもや孫に住宅取得のための資金として贈与した場合には、購入する住宅の種類や購入契約時期に応じて、最高で3,000万円(消費税が10%に引き上げられるまでは最高1,200万円)までの贈与が非課税となる。Q. 「住宅購入資金の特例」は、どれくらい家計を元気にしますか?A. たとえば1,000万円を住宅資金として贈与された場合、177万円です。「住宅購入資金の特例を使わない場合」と「住宅購入資金の特例を使った場合」を比較してみよう。■特例を使わない場合→住宅資金贈与で「贈与税」がかかってしまう父が息子(パパ)に1000万円の住宅取得資金を贈与した場合、次の計算式により、通常の贈与税が計算される。(1,000万円 − 110万円(基礎控除額)) × 30%(通常税率)− 90万円(直系卑属への贈与に関する速算表計算した数字)=177万円(贈与税)税金で差し引かれてしまう金額は、案外大きいことがおわかりいただけただろうか。せっかく父が1,000万円を息子にあげようとしても、177万円もの税金を支払う必要が出てしまうのだ。結果、息子が実際に手にするお金は823万円になってしまう。父の側からみると、財産が1,000万円減少するので、少なくとも相続税対策にはなっている。だから、贈与をすること自体は、「支払う税金を少なくする」という意味では、悪いことではない。しかし父が贈与してから万が一3年以内に亡くなってしまうと、その贈与がなかったことになってしまうというデメリットがあるので注意が必要だ(※1)。※1 これを「3年以内贈与規制」という。参考サイト:国税庁「 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税) 」■特例を使った場合→住宅資金贈与で、親もパパママも税金対策できる「住宅取得資金の贈与の特例」(※2)を使うと、1,000万円全額が非課税となるので、贈与税を支払う必要がない。つまり、その分の金額177万円で家計が元気になる。もちろんこの場合も、父の財産は1,000万円減少するので、相続税対策になる。さらに、住宅購入資金の特例を使った場合は「3年以内贈与規制」にも引っかからない。つまり、「パパママ側」「親側」両方で、いつでも税金対策を行える心強い仕組みなのだ。※2 正式名称「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」参考サイト:国税庁「 No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税 」次回は、「住宅ローン控除を利用できる人、利用できない人」です。この記事は2017年1月の取材に基づいて書いています。■今回取材にご協力いただいた湊 義和さんの著書『 家計を元気にする 税金活用術 「節税」から「活用」へ 』湊 義和 / 中央経済社 ¥1,600(税別)湊 義和さんプロフィール中小企業を応援する政府系金融機関のサラリーマンから一念発起して税理士になった経歴の持主。とかく難解な税金の世界の水先案内人として、一般の方の税金相談から独立開業、二代目の事業承継などさまざまな相談に乗るのが生きがい。趣味は最近少し人気が回復してきたスキー。
2017年04月11日障害がある人の税控除とは?出典 : 障害がある人にはさまざまな税金の優遇措置がとられています。その目的として、国民一人ひとりの税負担をできるだけ平等にしていくことが挙げられます。納税者の年齢や収入、家族構成などによって負担する税金の金額は異なりますが、日本では国民一人ひとりが税金を支払うことを義務づけられています。しかし納税者の置かれている状況によりそれぞれ税負担の感じ方は異なります。そこで税金を負担できる能力の差をふまえた上で、税負担が平等になるように様々な制度が作られているのです。障害がある人の税の優遇措置として代表的な例は障害者控除です。障害者控除とは納税者本人とその家族のうち誰かに障害がある場合、税控除を受けることができる制度です。障害とは身体障害、知的障害、精神障害などすべての障害を対象としており、障害にあたるかどうかの基準は法律によって定められています。障害者控除には主に所得税や住民税、そして相続税の税控除があり、控除される金額は障害の重さや家庭環境の状況によって変わります。また障害がある人に対する税の優遇は障害者控除だけではなく、贈与税の優遇など様々な特例が定められています。所得税・住民税の障害者控除出典 : 所得税・住民税における障害者控除は、所得のうち課税対象となる額を一定額差し引くものです。そのため納税者本人やその家族が障害者である場合、障害者控除を受けることで住民税や所得税の負担金額が少なくなります。障害者控除は所得税法上で定められている障害認定の基準を満たしている必要があります。その一例として以下のものが挙げられます。・精神保健福祉センターなどの公的機関から知的障害があると判断された人・精神障害者保健福祉手帳や身体障害者保健福祉手帳の交付を受けている人・障害者控除対象者認定書が発行されている人障害があると認定された人の中でも、1、2級の精神障害者福祉保健手帳を持っているなど、特に重度の障害があると判断された場合は、特別障害者とみなされて控除される金額ががさらに多くなり、税負担が軽くなります。 障害者控除l 国税庁障害者控除は納税者、控除対象配偶者、もしくは扶養親族が障害がある場合に適応されると国税庁によって定められています。では控除対象配偶者、そして扶養親族とはどのような人のことを指しているのでしょうか。まず、控除対象配偶者とは税を納めている人と、民法上の規定によって婚姻関係にある人をさします。次に扶養親族は、納税者に対して6親等内の血族、3親等内の配偶者側の親族、または里子や市町村長から生活の面倒をまかされた高齢者が対象となります。納税者に対して1親等とは、父母もしくは自身の子どもがあてはまり、2親等は兄弟、おじいちゃんおばあちゃん、孫があてはまります。控除対象配偶者と扶養親族の共通する条件としては、・納税者と生計を一にしていること・1年間の合計所得金額が38万円以下であること・青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払いを受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと以上の3点です。詳しい条件などは国税庁のホームページをご覧ください。 配偶者控除l 国税庁障害者控除とは?16歳未満の扶養親族も対象ですl 税理士法人のインテグリティ障害者控除において控除される金額は障害の程度によって異なり、障害者と特別障害者の2パターンに分けられます。控除される金額は障害者一人につき所得税27万円、住民税26万円であり、特別障害者として申請する場合は所得税40万円、住民税30万円です。また控除対象配偶者、もしくは扶養親族が特別障害者である上に、その人が納税者、納税者の配偶者、もしくは納税者と生計を一にしているその他の親族のいずれかと一緒に住んでいる場合は所得税75万円、住民税53万円の控除があります。Upload By 発達障害のキホン所得税や住民税の障害者控除についてl 福島の進路相続税の障害者控除出典 : 障害者控除には相続税が控除される制度もあります。それは相続人が85歳未満の障害者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引くというものです。相続税には主に相続や遺贈が関わってきます。法定相続人と呼ばれる法律上で決められた相続人に遺産が引き継がれることを相続と言います。一方、遺贈とは遺言により遺産が引き継がれることを言います。平成28年現在、相続税における障害者控除の額は次のようになっています。まず、相続人となる障害者が自身の年齢を85歳から引き、その年数1年につき10万円を足していきます。最終的にでた金額を障害者控除額として、相続税額から差し引きます。相続人が特別障害者のときは10万円ではなく20万円として計算します。■一般障害者....控除額=10万円×(85歳-相続した時の年齢)■特別障害者....控除額=20万円×(85歳-控除した時の年齢)しかし相続した時の年齢が、35歳5ヶ月のように端数が出てしまう場合は5ヶ月などの端数を切り捨てて計算します。障害者控除が受けられるのは以下の3つの条件全てに当てはまる人です。1. 相続や遺贈で財産を取得した時に日本国内に住所がある人2. 相続や遺贈で財産を取得した時に障害者である人3 .相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人であること 障害者の税額控除l 国税庁障害認定基準出典 : 障害者控除の対象となるのは、次の8つの条件のいずれかに当てはまる人です。1. 精神上の障害により、事理を弁識する能力を常に欠く状態にある人2.知的障害:児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人。このうち重度の知的障害者と判定された人は、特別障害者になります。3.精神障害:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳(2級、3級)の交付を受けている人。このうち障害等級が1級と記載されている人は、特別障害者になります。4.身体障害:身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳(3級~6級)に、身体上の障害がある人として記載されている人。このうち障害等級が1級または2級と記載されている人は、特別障害者になります。5.満65歳以上の人:精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が1、2又は4に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人。このうち特別障害者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人は特別障害者になります。6.戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人。このうち障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人は特別障害者となります。7.原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人8.この年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする人 障害者控除l 国税庁障害者控除を申請するうえでの注意点出典 : 障害者手帳の交付を受けている本人が何かしらで収入を得ている場合、通常は確定申告をする必要があります。しかし前年度の所得の総額が125万円までであれば課税対象とはならないので確定申告の必要はありません。もし不安であれば最寄の市町村役場や税務署に問い合わせてみましょう。障害者の非課税についてl東京都新宿区身体障害者手帳の交付を受けていない場合は、身体障害者福祉法上の障害があっても障害者控除を受けることができません。しかし身体障害者手帳の交付を申請中である場合でも、障害者控除を受けることができます。そのときに必要となるものが、身体障害者手帳を交付されるための医師の診断書です。また精神障害者保健福祉手帳は申請中であっても障害者控除を受けることができないため、交付されてから申請する必要があります。周囲の協力がなければ日々の生活を送ることができない「要介護認定」を受けていても障害があるとは判断されないということに注意が必要です。なぜなら要介護認定の基準は介護保険法の規定であり、障害者控除には適応されないからです。しかし、こういったケースにおいても障害者として認定を受けることができる場合があります。それは、年齢が満65歳以上の人で、障害の程度が障害者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長から認められたときです。障害があると認められた時に発行される書類は「障害者控除対象者認定書」と呼ばれます。認定書の発行申請には、たとえば東京都八王子市の場合であれば、•申請書•対象者本人の介護保険被保険者証•医師の意見書•対象者本人の印鑑といったものが必要です。自治体によって必要なものが異なる場合があるので、市役所にお問い合わせすることをおすすめします。要介護等認定高齢者の方に対する税法上の障害者控除についてl 東京都八王子市税についての相談窓口l 国税庁申込方法出典 : 障害者控除を受けるためには会社員であれば会社で行われる年末調整の際に、そして自営業者であれば確定申告で可能となります。年末調整では会社の指示に従い提出書類に必要事項を記入し提出手続きをします。自営業者である場合は年末調整がないため、毎年決められた期間に最寄りの税務署で確定申告を行います。しかし、会社に勤めている人でも年末調整で障害者控除を申請せずに、個人で確定申告を行い、そこで控除を申請することも可能です。申し込みの際に必要書類とされるものはありません。しかし会社によりコピーの添付を求められることもあるため、障害者手帳、障害者控除認定書などの障害控除を受ける権利があることを証明できるものを、いつでも提示できるよう必ず準備しておきましょう。確定申告手続き方法l 国税庁相続税においての障害者控除では相続の開始があったことを知った翌日から10ヶ月以内に、相続税の申告書を税務署に提出し、書類を提出した日と同じ日に相続税を納める必要があります。 相続税の障害者控除l 国税庁その他の障害者本人が受けられる税制上の特例出典 : 障害がある人への税負担の配慮は所得税や住民税、障害者控除だけではありません。他にも障害がある人本人が受けることができる特別な制度が存在します。身体障害、戦傷病、精神障害、そして知的障害がある人のなかで一定の条件を満たしている場合、申請により自動車税・自動車取得税の減免を受けることができます。自動車税・自動車取得税の減免制度l 東京都主税局障害がある人が生活をしていくために財産権の移動があったときは、特別障害者の方については6,000万円まで、障害者の方については3,000万円まで贈与税がかかりません。この非課税の適用を受けるためには、財産権を移転する際に障害者非課税信託申告書を、信託会社を通じて最寄りの税務署に提出しなければなりません。心身障害者扶養共済制度に基づいて支給される給付金については、所得税はかかりません。心身障害者扶養共済制度とは障害がある人の生活の面倒をみている人が、任意で加入する制度です。これは毎月一定額を扶養している人が支払うことにより、万が一のことがあったときに障害がある人に一定の給付金をおくることができる制度です。しかし、制度の利用をやめたときに支払われる脱退一時金には所得税が発生します。身体障害者手帳などの療育手帳の交付を受けている人が銀行などの350万円までの預貯金、貸付信託、公社債、公社債投資信託などで受け取る利子などについては、一定の手続を要件に非課税の適用を受けることができます。これをマル優、特別マル優と呼び、この制度を利用したい場合は、預け入れ等の際に金融機関の窓口などに確認書類として手帳を提示して確認を受ける必要があります。障害者と税l 国税庁障害者に関する税制上の特別措置一覧 平成17年度版l障害者白書まとめ出典 : 所得控除の一つである障害者控除は、様々な人を対象としているため申請条件・方法が複雑に見えてしまうことがあります。また障害と一概に言っても、目に見える障害ではない場合があったり、お金の問題ということもあったり、周囲にはなかなか相談できず障害者控除に対してさまざまな不安を抱えている人も多いです。しかし障害があることを証明するものを既に取得している場合は、申請は年末調整か確定申告の提出書類に必要事項を記入するだけの、比較的かんたんな手続きで控除が受けられます。そのため少しでも気になることがあるときは、国税庁や市区町村の相談窓口に相談することをおすすめします。
2016年09月27日子育てや教育には何かとお金がかかるもの。祖父母から孫へ「援助したい」といってもらえたら、とてもありがたいですよね。でも、このとき気をつけなければいけないのが贈与税です。贈与税がかかる金額や条件など、制度のことを前もってきちんと知っておきましょう。■祖父母からの援助でも贈与税は発生する!?贈与税というのは、個人から財産をもらったときに発生する税金です。ただし、祖父母や親から、生活費や教育費などを必要なときにその都度渡す場合は、贈与税はかかりません。また、それ以外に使うお金であっても、年間で110万円以下であれば、贈与税は発生しません。ただ、ここで気をつけたいのが、「必要なときにその都度」なら非課税、ということ。たとえば「孫の将来の大学入学費用に」「教育費を数年分まとめて」などの理由で、祖父母からまとまった額の援助を受けてしまうと、それは贈与税の対象になってしまいます。 ■1,500万円まで一括贈与が非課税になる「教育資金一括贈与制度」とは実はこのような教育資金の一括贈与について、もらう側1人につき1,500万円までが非課税になる「教育資金一括贈与制度」という制度があります。通常の贈与の場合、非課税になるのは年に110万円までですが、この制度を活用すれば、祖父母が「孫のためにまとまった援助を」と言ってくれても税金がかからずに済みます。ただし、この制度を利用するには、いくつかの条件があります。1つ目は、贈与を受けたお金の使い道は教育資金に限られる、ということ。たとえ子どものためであっても、洋服代やおもちゃ代などには使用できません。対象となるのは入学金や授業料などのほか、通学定期代や給食費なども。塾や習い事の費用は500万円までなら対象になります。2つ目は、制度を利用するためには金融機関に専用口座を開設し、きちんと申請を行わなければいけない、ということ。お金を引き出す場合には、領収書などの提出も必要になります。申請方法はそれぞれの金融機関によって異なるので、一括贈与を考える場合は事前に銀行などで相談するとよいでしょう。■意外なデメリットも!? 「教育資金一括贈与制度」の注意点祖父母が「元気なうちに孫にまとまった援助をしたい」「援助の対象を教育資金に限定したい」などと考える場合はメリットになる、この「教育資金一括贈与制度」。でも、思わぬ落とし穴もあるので注意が必要です。贈与を受けてから「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、デメリットもしっかり知っておきましょう。まず、一括贈与されたお金は、贈与を受けた本人が30歳になるまでに使わなければ非課税の対象になりません。教育資金として使いきれなかった分は贈与税の対象になるため、たとえ範囲内であってももらいすぎには注意しなければいけません。また、たとえ祖父母が援助を申し出てくれたとしても、祖父母自身の老後資金が足りなくなっては本末転倒です。一括贈与をしたあとで「やっぱり返して」というわけにはいかないため、将来を計画的に考えることが必要です。「教育資金一括贈与制度」は、一見すると非課税の範囲が大きくお得なようですが、人によっては毎年110万円までの贈与の方がメリットが大きいこともあります。祖父母が「孫に援助したい」と言ってくれたときには、よく話し合って、子どもにとって有益な方法を選びたいですね。
2016年09月17日2015年から相続税が増税されました。基礎控除額の切り下げにより、相続税を納めなくてはならない人が増え、最高税率が50%から55%に引き上げられたのです。土地や建物などの資産を保有する富裕層はもとより、これまで「相続税なんて他人事」ですませていた一般市民も、今後は税金対策で頭を悩ませることになります。■相続税の可能性は誰にでもありうること相続税は2014年までは「5,000万円+1,000万円×相続人の数」を下回っていれば、相続税はかからないようになっていました。たとえば、相続人が被相続人(亡くなった人)の奥さんと子ども一人だけなら、「5,000万円+1,000万円×2人=7,000万円」以下なら相続税はかからなかったわけです。7,000万円というと、あとちょっとで「億万長者」のラインを超えるので、かなりの資産額になります。つまり、これまでは対象者が少なかったのです。しかし、2015年からこれが一転し、「3,000万円+600万円×相続人の数」を下回っていないと相続税は納めなればならないことになったのです。先ほどの例で考えてみると、「3,000万円+600万円×2人=4,200万円」。土地と住宅で合わせて3,000万円、そして投資信託や株、預貯金で1,200万円を故人が持っているケースは、団塊世代が相続の対象となる今後は少なくないでしょう。相続税をとられすぎないようにするには、なるべく相続する財産のトータルの金額が「3,000万円+600万円×相続人」となるようにしておくことがポイント。そのためには贈与税の制度を利用し、税金がかからないようにして生前に贈与をしておくべきでしょう。おもな手法は次のとおり。■相続税をとられすぎないようにする方法(1)毎年110万円以内の贈与を子や孫にしておく~暦年贈与課税制度の活用暦年贈与課税制度では、1年間あたりの贈与の金額が110万円以内なら税金がかからないことになっています。そのため、預貯金や有価証券、宝石類などについては、この枠内で毎年少しずつ贈与をしていくとよいでしょう。ただし、注意点が2つあります。一つ目は、きちんと毎年「贈与契約書」を作成し、贈与の事実をきちんとつくっておくこと。贈与は基本的に、贈与する側とされる側の両方が「あげます」「もらいます」とお互いに確認し合っていることが条件となります。そして日本では口約束はほとんど認められず、文書の証拠が圧倒的に効果的。そのため、お金や贈与財産そのものも、子や孫に渡すだけでなく、毎年きちんと正式な贈与契約書を作成しておくことが必要になるのです。なお、「贈与の申告書は契約書の代わりになる」という風説を耳にすることがありますが、あくまでも申告書は税務上のものでしかなく、民法上の契約書の代わりにはならないので注意しましょう。また、「名義預金はバレない」という都市伝説を聞くこともありますが、これはウソ。相続時、不自然なお金の流れがあればすぐに目をつけられます。さらに、2018年からはじまるマイナンバーと銀行口座等の紐づけが本格化すれば、名義預金は一網打尽。バレた場合には、贈与税だけでなく、さらに無申告加算税など重いペナルティが課されることになります。生前贈与の効果を法的に発するためにも、形式的にも実質的にも、きちんと贈与の証拠を残しておきましょう。二つ目は、相続開始時、つまり、贈与者が死亡した場合には、そのときからさかのぼって3年以内に贈与された財産は、税務上、相続財産としてカウントされるということ。民法上は贈与であっても、相続税の計算上の対象となってしまうということです。そのため、贈与は親世代が高齢になってからではなく、なるべく若いうちにはじめておくことが賢明です。(2)トータル2,500万円までは贈与税ゼロ!~相続時精算課税制度の活用相続時精算課税制度は、親や祖父母がその子や孫に対し、生前中に贈与しても総額2,500万円までは非課税となる生前贈与の制度。2,500万円という金額は、暦年贈与課税制度を20回繰り返してもまだ余るくらい大きな額。土地や建物などについては、この制度を利用して贈与するのも対策のひとつとなります。ただし、この制度の活用にも注意点があります。ひとつは、いったんこの制度を選択したら、同じ贈与者・受贈者の間ではもう暦年課税制度は使えなくなってしまうこと。もうひとつは、贈与額が2,500万円を超えたら、一律20%の税率がかかってしまうことです。この二つの制度を上手に活用して、相続税がかからないようにしてみましょう。(3)教育資金や結婚・子育て資金の信託贈与をしておこう~贈与信託の活用相続対策として注目したいのは、教育資金や結婚・子育て資金の非課税贈与制度の利用です。「祖父母や両親から子や孫へ贈与する」という点では通常の贈与と同じなのですが、この制度については直接相手に贈与するのではなく、信託銀行などの金融機関の口座を通すのが特徴。具体的には次のようになっています。<教育資金の一括贈与制度(非課税)>・1,500万円まで非課税で贈与することが可能・1,500万円のうち、500万円までの枠については、学校以外の塾やおけいこごと、資格受験のための通学費用などでも利用可能・受贈者が30歳未満であることが条件<結婚・子育て資金の一括贈与制度(非課税)>・1,000万円までは非課税で贈与することが可能・1,000万円のうち、300万円が結婚資金として利用可能な上限額・受贈者側が20歳以上50歳未満であることが条件現役世代で一番お金がかかり、かつ収入のない時期に親や祖父母から贈与を受けられれば、相続税の節約だけでなく、よい形で子どもの自立や将来を応援することになります。これはぜひとも活用すべき。ただし、いくつか注意点もあります。・受贈者側が条件となる年齢の上限に達してしまった場合や、死亡した場合に口座に未利用の残高があったときは、その残高については通常の贈与税の対象となること・贈与者が死亡した場合に、その時点で口座残高があるときは、その残高は相続税の対象となること・この制度の期限は現時点で平成31年3月31日までとなっていることそのため、それぞれの家庭の事情を鑑みて、ムダなく利用できるかどうかをあわせて考えてながら計画をたてるとよいでしょう。*相続は、財産額が少なければ少ないほど争いになりやすいもの。財産が少ないがゆえに「ウチは関係ない」と思いこんでいるため、生前に対策を立てていないからです。同時に、「相続=死について語るなんて不謹慎」という体裁のブロックが強いため、いい出したくても家族の空気を乱したくなくていい出せないという事情もあります。一方、財産のある富裕層は、相続争いの可能性を理解しているため、あえて空気を乱すリスクを冒してでも、きちんと家族内で話合い、こういった制度を上手に活用しながら生前に対策をたてているのです。残された家族が末永く協力し合い、かつ、しこりを残さないためには、あえて「人間はいずれ必ず死ぬ」という事実と向き合い、冷静にきちんと話し合い、生前に対策をたてておいたほうがよいでしょう。(文/税理士・鈴木まゆ子)
2016年05月31日フルスピードは3月1日、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の社長を対象に実施した「消費税10%増税時の駆け込み需要に関する意識調査」の結果を発表した。○前回増税時の駆け込み需要、7割「恩恵全くなかった」2014年4月の消費税増税の際、個人や家庭で増税を見越して買ったものを尋ねると、「特になかった」が52.2%で最も多く、次いで「大型家電(冷蔵庫、エアコン、洗濯機など)」22.1%、「し好品(お酒、たばこなど)」15.9%となった。また、不動産や自動車などの大きな買い物より、日常的に使用する消耗品や食品・飲料の方が高い割合となった。2017年4月に予定されている消費税10%増税時に、個人や家庭で増税を見越して買う予定のものを聞くと、こちらも「特に考えていない」が54.0%で最多。以下、「自動車・バイク」20.4%、「大型家電(冷蔵庫、エアコン、洗濯機など)」15.9%、「し好品(お酒、たばこなど)」13.3%と続いた。2014年4月の増税時、実際に駆け込み需要があったかどうか問うと、69.0%が「全くなかった」と回答。他方、「想定以上にあった」は4.4%、「想定内」と「想定以下」は計24.8%で、駆け込み需要の恩恵があった割合は合わせて29.2%にとどまった。調査日は2016年2月5日、有効回答は113人。
2016年03月03日パロアルトネットワークスはこのほど、米国で所得税申告を狙った税金申告に関連したフィッシングメールを確認したとセキュリティブログで明かした。フィッシングメールは、マクロを含んだMicrosoft Word文書が添付されており、添付ファイルを開いてWord上でマクロを実行することで「NanoCoreRAT」というマルウェアに感染する。NanoCoreは、.NETフレームワークで開発されたトロイの木馬で、ブラックマーケットなどで売買もされており、比較的入手しやすい。2015年3月ごろから注目を集め出し、エネルギー分野への標的型攻撃でも使われた。また、同4月頃からNanoCoreを用いた活動が増加し、6月以降は税金申告に関連するフィッシング活動が始まっている。同社の脅威インテリジェンスクラウドが収集したデータでは、件名に「レポート (report)」「税 (tax)」「セキュリティ (secure)」「個人識別番号 (pin)」「還付金(return)」と、税金申告に関連したキーワードが使用されていることがわかった。また、サイバー脅威インテリジェンスサービス「AutoFocus」のAPIとPythonを使用し、税金申告に関連したフィッシングメールのサンプルデータを収集し、さらなる分析のためのデータフレームワークを構築した。その結果、2015年9月2日から2016年1月28日の間の2062件の電子メールセッションで70件のユニークなマルウェアサンプルを確認した。それらの多くは、電子メールの送信元アドレスは偽装されていた。メール送信元のIPアドレスは主にmail2worldと呼ばれるフリーメールサービスのものであった。フィッシングメールの添付ファイルの一部はPEファイル(実行ファイル)で、それ以外は悪質なマクロを含んだWord文書であった。サンプルの1つ(119f3dd48e316f77974a7ec84c0fdecd943ceed77c30db9a6df0c1b0615b0ac0) には、マクロの有効化を促す指示が含まれていた。オープンソースのツールを使用すると、難読化されたファイルのダウンロード機能がWordのマクロに取り込まれる。メール添付ファイルに含まれているマルウェアを見てみると、ペイロードの大部分は「NanoCoreRAT」というマルウェアと、同マルウェアのダウンロードと実行を行う汎用のマクロダウンローダーで構成されていることがわかる。これらのフィッシングメールを受信した国は、不正なURLやメールの添付ファイル名に含まれる国コードの痕跡 (Indicator) と見られるものと一致している。これらの悪質なマクロ文書を分析すると、これら税金申告に関連するフィッシング攻撃では、攻撃のふるまいと攻撃インフラに重複する部分が含まれており、ほとんどのサンプルで6つのドメインが頻繁に使用されていた。同社は、NanoCoreRATの感染は今後も増加傾向にあると見ており、ユーザーに対して攻撃の起点となるWordファイルのマクロの危険性を改めて認識するべきと注意喚起している。
2016年02月24日連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。○ジュニアNISAの投資資金は、親や祖父母からの贈与がメイン!前回ご紹介したように、2016年4月からは「ジュニアNISA」制度が始まります。ジュニアNISAの口座名義人は0歳から19歳までの未成年者ですので、多くの場合、親や祖父母が子供や孫に贈与したお金が投資資金になるでしょう。ジュニアNISAの年間の投資額の上限は80万円と決まっているため、毎年80万円までを子供や孫に贈与し、口座の管理は親などの親権者が行うことになります。この贈与は、「暦年贈与」という仕組みの中で行うことになります。○暦年贈与制度では、1年間で110万円を超える贈与を受けたら贈与税がかかる!暦年贈与制度では、1月1日から12月31日までの1年間で110万円を超える財産の贈与を受けた場合、贈与を受けた人に贈与税がかかる仕組みです。ジュニアNISAの投資資金として親から80万円のお金を贈与された未成年の子供は、その年中の贈与がそれだけであれば、非課税枠110万円の範囲なので申告・納税の義務はありません。しかし、同じ年に同じ仕組みで祖父母から教育資金などとして100万円をもらったら、その年に贈与を受けた額が合計180万円になるため、非課税枠110万円を超えてしまい、贈与税の申告・納税をする必要が出てきます。この場合の贈与税額は、下の【贈与税額の計算式】・【<一般>上記以外の贈与税額の速算表】を活用して求めることができます。贈与税額=(180万円-110万円)×10%=7万円その他、同じ年の年始と年末に、ジュニアNISAの投資資金として親から子供にそれぞれ80万円を贈与する場合も、その年の贈与額が合計160万円になるため贈与税がかかります。例えば、2016年4月に当年分の投資資金80万円、2016年12月に翌年分の投資資金80万円を贈与するようなケースが考えられますので注意をするようにしましょう。○執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。新著:『老後に破産する人、しない人』(KADOKAWA中経出版)メルマガ「生活マネー ミニ講座」(平日・毎日)→
2015年12月15日広島銀行はこのたび、2016年1月4日に高齢化社会の進展や、相続税制変更により高まる生前贈与ニーズに応えるため、全国の地方銀行で初めてという、信託機能を活用した個人の顧客向け新商品「〈ひろぎん〉想いつづく信託」(暦年贈与信託)の取扱いを開始すると発表した。○「〈ひろぎん〉想いつづく信託」(暦年贈与信託)の特徴贈与手続きの負担軽減:贈与の意思確認や振込等の贈与手続きを広島銀行がサポートする相続人以外にも贈与可能:相続人だけでなく3親等以内の親族へ、最大5名まで贈与が可能毎年の贈与記録が残る:長期にわたり複数の受贈者に贈与する場合でも、贈与取引の記録が残る○商品概要対象となる人:個人の顧客信託金額:500万円以上(1万円単位)追加信託:追加信託可(100万円以上、1万円単位)信託期間:5年以上30年以内(1年刻み)、中途解約は原則不可受贈者:3親等以内の親族残余財産の受取:指定可(推定相続のうち1名のみ)元本補填:あり預金保険:適用信託報酬:管理報酬/信託設定時、追加信託設定時に申込金額の1.62%(消費税込み)、運用報酬/信託期間中に運用報酬(信託金の0.01%程度)
2015年12月08日年末調整の書類提出は、すでに終わっていることでしょう。多くの会社員は、年末調整によって所得税の過不足が調整されるので、確定申告の必要はありません。しかし年末ぎりぎりまでが本来の対象期間。会社への書類提出後に該当する項目が発生した場合は、自分で確定申告しましょう。○年末調整の対象となるもの、ならないもの1年間に源泉徴収した所得税の合計額と、実際の年収から算出する本来の所得税との差を調整するのが、年末調整。会社員であれば、すべての人が年末調整の対象となります。このときに、会社が把握できないものに関しては、書類を提出することで、会社がまとめて所得税の再計算をしてくれるのです。会社が把握できないものには、◎生命保険料控除◎地震保険料控除◎2回目以降の住宅ローン控除が代表的なものです。これらは、必要書類を提出することで、年末調整が受けられます。しかし、書類提出後に、新たに生命保険に加入した、地震保険に加入した、となると会社の年末調整では対応できません。こうした場合は、自身で確定申告をする必要があります。これに加えて、扶養控除の対象となる(専業主婦など)家族が増えた場合も、確定申告をすれば、所得控除が追加され、税の還付が受けられます。もともと年末調整の対象とならないものには、初回の住宅ローン控除、医療費控除、寄付金控除、雑損控除などがあります。最近注目が集まっているふるさと納税も寄付金控除の対象ですが、制度改正によって、年末調整をしている会社員の場合、一定の条件をクリアすれば確定申告は不要になりました。まずは、年末調整で対象となるもの、ならないもの、追加で確定申告しなくてはならないものを、きちんと理解しておくことが重要です。○退職して年末調整を受けられなかった場合も確定申告を年の途中で退職し、再就職した場合は、再就職先の企業で、まとめて年末調整が受けられます。その際、前の勤務先からもらった「源泉徴収票」が必要になりますので、大切に保管しておきましょう。求職中の場合は、年末調整を受けられないので、やはり自分で確定申告をすることになります。源泉徴収票のほか、退職後に納めた国民年金、国民健康保険などの社会保険料も控除の対象となります。これまで会社に提出すればよかった生命保険料控除や住宅ローン控除など、所得控除になるものも、すべて自身で行う必要がありますので、注意してください。○追加で確定申告する場合はどうしたらいい?サラリーマンの確定申告は、非常に簡単なので不安に思うことはありません。基本的には、「申告書A」のみを使用。年末調整を受けている人は、会社からもらった源泉徴収票をもとに、必要箇所にそのまま数字を転記し、漏れや追加があった控除の欄に追加記入。順番に計算して、正しい所得税を算出すればOKです。すでに納めてある源泉徴収税額との差額が、指定の銀行口座に振り込まれます。このほかに、医療費控除や住宅ローン控除などがある場合は、専用の明細書がありますので、税務署の窓口などで控除の内容を伝えれば、必要な書類をもらえます。また、株や投資信託、FXなど投資に関する申告がある場合は、分離課税用の申告書が必要になります。確定申告は所得税だけではなく、翌年の住民税額にも影響しますので、もれなくきちんと申告することが重要です。<著者プロフィール>伊藤加奈子マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。
2015年12月02日死亡保険の保険料を支払う場合は、所得税の「生命保険料控除」が適用となり、所得税が軽減されます。一方、死亡保険金を受け取る場合には、死亡保険金に対して課税されますが、死亡保険の契約形態によっては多額の税金が課税されてしまうケースもあります。契約形態によって、死亡保険金にかかる税額が違いますので注意しましょう。死亡保険金の税金死亡保険金を受け取った場合、死亡保険金に対して課税されますが、死亡保険の契約形態によって課税される税金の種類が異なります。すべての死亡保険金に相続税が課税されるわけではありません。表1で具体的に確認してみましょう。表1で、相続税が課税される契約形態(アの場合)で、死亡保険金を年金形式で受け取る場合は、表1とはやや取り扱いが異なります。その場合ですが、まずは相続税が課税されます。その後、毎年受け取る年金(公的年金等以外の年金)は、1年目については全額非課税です。そして、2年目以降は、年金のうち所定の部分は所得税の雑所得として課税されます。課税部分が階段状に増加していく方法により計算します。また、表1で、所得税が課税される契約形態(イの場合)で死亡保険金を年金形式で受け取る場合は、1年目から所得税の雑所得(公的年金等以外)として課税されます。計算方法ですが、相続税が課税される場合とは違い、毎年同じですので、課税される金額は一定です。死亡保険金を年金形式で受け取る場合の税金のイメージは、図1を参考になさってください。図1 死亡保険金を年金形式で受け取る場合の税金のイメージ【相続税が課税される場合】【所得税が課税される場合】相続税が課税される場合は、非課税枠の適用がある!表1の相続税が課税される契約形態の場合(アの場合)ですが、死亡保険金の受取人が相続人の場合、相続税の非課税枠があります。なお、相続人以外の人が取得した死亡保険金については、非課税枠の適用はありません。死亡保険金の非課税金額500万円×法定相続人の数=非課税限度額(注)(1)法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます(2)法定相続人の中に養子がいる場合、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいる時は1人、実子がいない時は2人までです。詳しくは、表2でご確認ください。表2 死亡保険金の相続税の非課税枠の考え方このように、死亡保険金を受け取る場合、契約形態一つで課税される税金の種類が異なり、納付する税額も違ってきます。また、相続税が課税される契約形態の場合、相続人が死亡保険金を受け取ることで、一定の保険金が非課税となりますので、上手に活用したいところです。死亡保険に加入する時には、契約形態にも注意をしておきましょう。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年10月30日意外と知らない社会的なテーマについて、ジャーナリストの堀潤さんが解説する連載「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは、「消費税」です。***安倍内閣は、消費税10%の増税案を延期していましたが、景気がどんな状況にあろうと、2017年4月には引き上げることが、いまのところ確定しています。消費税の議論が始まったのは、実は1970年代。女性の社会進出、核家族が増えることで、子供の出生率が下がり、人口がやがて減少するだろうと予想されていました。すると、国の財源を確保するために対策を練らないといけない。そこで、「一般間接税」として、消費者から小売店がいったん税金分をもらい、小売店が国に収めるという、消費税の元の形が考えられたんです。ただ、「消費税が始まると物が売れなくなる」と、小売店業界から強い反発があり、なかなか実現しなかったんですね。当時の大蔵省は最初5%にしたかったんですが、「できても1%」と粘った小売店業界の代表者の意見を受け、間をとって3%に。1989年、竹下内閣のときにスタートしました。日本の人口はこの先も減り続けますし、高齢化社会で医療費も1兆円規模で膨らんでいっています。このぶんでいくと、25%まで引き上げないと財源が確保できないと財務省は公言しています。そこまで上がると、ますます物が買えなくなりますよね。ただでさえ、デフレが続いて、賃金が上がらない、物が買えない、物が売れないから賃金がまた下がるという悪循環になっています。ただ、専門家は、「税金を上げた直後は消費が冷え込んでも、数年たてばまた消費されるようになる」と予測しています。消費税増税が嫌ならば、別のどこからお金を捻出したらいいのかを考えなければなりません。◇ほり・じゅんジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN※『anan』2015年10月28日号より。写真・中島慶子文・黒瀬朋子
2015年10月27日今年、相続税の制度変更があり、過去に例を見ないほど、「生前贈与」が話題になっています。従来からあった住宅取得資金贈与のほか、最近では子どもや孫の教育資金や結婚資金、子育て資金の贈与など、非課税で贈与できる制度はありました。しかし、制度を理解していないと、思わぬ落とし穴を見落とすことになりかねません。○まず、どんな非課税制度があるのかチェックもともと税制において、贈与税は税率が高く、非課税の枠を使わないと高額な税金が課せられる仕組みになっています。贈与税は受け取った人が支払うもので、厚意から贈られたはずなのに、多額の税金を支払うことになるのでは、元も子もありません。どんな非課税制度があるのか、まずはチェックしましょう。非課税の暦年贈与対象者(贈与する人、贈与を受ける人)は特に条件はなく、年間110万円までは基礎控除で非課税となります。住宅取得資金贈与親や祖父母が、子どもや孫の住宅取得のための資金を援助する際、1000万円(一定の基準以上の住宅は1500万円)まで非課税となります。相続時精算課税60歳以上の親や祖父母が20歳以上の子どもに贈与する際、2500万円までは非課税。相続が発生した際に、税額を精算します。住宅取得のために資金を使う場合は、親の年齢制限はありません。教育資金贈与信託親や祖父母が子どもや孫に、教育資金として贈与するもので、学校の入学金や授業料など、使用目的は限定され、金融機関と契約して専用口座で管理します。上限は1500万円。結婚・子育て資金親や祖父母が20歳以上50歳未満の子ども、孫に、挙式費用や新居の家賃、出産費用、不妊治療費、子育てにかかる資金を援助するもので、金融機関と契約して専用口座で管理します。上限は1000万円。○落とし穴(その1) - 非課税の特典を受けるには申告が必要非課税の暦年贈与に関しては、申告の必要はありませんが、前述した非課税の特典を受けるためには、実質的に非課税であっても、贈与があったことを申告する必要があります。これを忘れると、「(贈与額―基礎控除110万円)×税率(最低でも10%)-控除額」で計算された税額が課税され、さらに延滞税がかかる場合もあります。非課税だからと言って、申告しないと、のちのち痛い目にあうので、注意してください。特に、利用者が多い、住宅取得資金贈与については、実際に住宅を取得した後、税務署から「お尋ね」が送られてきて、取得に関しての資金の出どころについての確認が行われます。この時に、申告漏れが発覚するケースが非常に多いのです。なお、申告が必要ない暦年贈与に関しては、毎年110万円を10年にわたって贈与する、といった約束をしてしまうと、一括で1100万円贈与したとみなされる可能性があり、通常の贈与税がかかる場合があります。暦年贈与を利用する場合でも、毎年契約をする、通帳などに贈与の事実を残すなど、形を整えておくようにしましょう。あえて120万円など非課税枠を超えた贈与にし、超えた分の贈与税を支払うという方法も有効です。○落とし穴(その2) - 贈与のタイミングと申告期限に注意贈与税の申告は、贈与を受けた翌年の3月15日までと期限が決まっています。ここで問題になるのが、住宅取得資金贈与です。この非課税の適用条件のひとつに、贈与を受けた翌年の3月15日までに住宅を取得、入居することというものがあります。たとえば、2015年に贈与を受けた場合は、2016年3月15日までに取得、入居しなくてはならず、さらに、その日までに贈与の申告を済ませなければなりません。申告には登記に関する書類など多数あり、余裕を持って準備する必要があります。ギリギリの入居では、実際のところ申告に間に合わないということです。住宅に関しては、工期が遅れたり、引き渡しが遅れたりということもあり得ます。贈与のタイミングと住宅の取得、入居のタイミングを考えておかないと、非課税のはずだった贈与が一転、税金が重くのしかかってくることになります。頭金の支払いや工事費の支払いなどに充てるために、事前に贈与を受けたい場合もあるかもしれませんが、引き渡しが遅れそうといったケースでは、年が明けてから贈与を受ければ、申告期限は翌年ですから、余裕を持って準備することができるでしょう。○落とし穴(その3) - 非課税の適用期間に終わりがあるものも教育資金と結婚・子育て資金に関しても落とし穴があります。それは、一括で贈与したらそれで終わりではないという点です。教育資金に関しては、子どもが30歳になった時点で精算します。その時に贈与されたお金が口座に残っていた場合、残った金額に対して贈与税がかかるのです。結婚、子育て資金も同様に、子どもが50歳の時点で精算されます。また、贈与されたお金は、専用口座で管理されますが、使用目的が限定されているため、使った分は領収書などが必要で、契約している金融機関に提出しなければなりません。これが数年~数十年続くわけですから、継続してマメに管理できないと、最終的にはお金が残り、贈与税が課せられることになりかねません。以上のように、贈与にはさまざまな非課税制度が設けられていますが、使い方を間違えると思わぬ税金がかかってきます。子や孫への常識的な範囲での結婚費用の援助や学費などの援助は贈与にあたらないので、その都度必要な資金を受け渡すほうが、面倒な手続きをしなくても済む、という考え方もあり、必ずしも、一括で贈与することが得策ではありません。特に相続税対策として、生前贈与を慌てて実行しても、相続開始3年前までの贈与は、相続税の計算時には、課税財産に組み込まれるので、あまり意味がありません。もし、不安なことがあれば、税務署に相談する、税理士に相談するなど、専門家のアドバイスを受けるようにしてください。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>伊藤加奈子マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。
2015年08月06日四国銀行は8月3日、<四銀>結婚・子育て資金贈与専用口座「家族の未来」の取扱いを開始した。○結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置に対応する商品<四銀>結婚・子育て資金贈与専用口座「家族の未来」は、2015年度税制改正「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」に対応する商品であり、世代間の資産移転の促進を目的としているという。四国銀行は、同商品の取扱いにより大切な"家族"の"未来づくり"を通じて「地方創生」を応援するとともに、今後も贈与・相続関連サービスの充実を図っていくとしている。○「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」のポイント受贈者が贈与者より結婚・子育て資金として贈与された資金を金融機関の専用口座に預け入れた場合、実際に結婚・子育て資金として支払われた資金(最大1,000万円まで)が非課税となる結婚資金のうち一定のものについては、上記1,000万円の範囲内で最大300万円まで非課税となる非課税措置の対象は、贈与により取得した金銭を平成31年3月29日(金)までに預け入れた場合となる(贈与契約後2ヵ月以内に預け入れる必要がある)引き出し時は、結婚・子育て資金に充てたことがわかる領収書等の提出が必要受贈者が20歳から50歳になるまでの結婚・子育て資金が対象特約期間中に贈与者(父母・祖父母など)が死亡した際、死亡時に結婚・子育て資金の支払いに充てられていなかった残額がある場合、当該残高は贈与者から相続または遺贈により取得したものとみなされ、相続税の課税対象となる
2015年08月03日伊予銀行はこのたび、結婚・子育て資金一括贈与預金「いよのめぐみ」の取扱いを開始した。2015年度税制改正により「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が創設されており、一定の条件のもと子どもや孫などの結婚・子育て資金を一括で贈与する場合には、受贈者一人につき1,000万円を限度(結婚資金は上限300万円)として非課税となる。このたび取扱いを開始する「いよのめぐみ」は、同非課税措置に対応した専用の普通預金で、結婚・子育て資金が必要となった際にスムーズに引き出し可能で相続税対策としても活用できる商品だという。 なお、学費や習い事など教育資金の贈与については、2013年6月から取扱いを開始した教育資金一括贈与預金「いよのかけ橋」が利用できるとしている。
2015年06月30日三井住友銀行は16日、祖父母や父母などから孫や子供などへの結婚・子育て資金の贈与を支援する個人向け預金商品「普通預金(結婚子育て資金贈与非課税口))の取扱いを開始した。同商品は、2015年度税制改正で創設された「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」に対応するもの。なお、同制度に対応した預金商品の取扱いは、都市銀行では初の試みとなるという。同商品は、贈与する祖父母や父母などの"想い"である資金を、受贈者である孫や子供など名義の専用の普通預金口座で預かるもの。また、結婚・子育て資金が必要となった際に、全国の三井住友銀行本支店窓口にてスムーズに出金することが可能だという。ただし、同制度の適用を受けるためには、所定の期間内に結婚・子育て資金として使用したことがわかる領収書など、同制度で定められた書類の提出などの手続が必要。なお、同行では、口座開設手数料および管理手数料を無料としている。ただし、結婚・子育て資金を振込みで支払った場合の振込手数料、通帳を再発行する場合や各種証明書の発行にかかる手数料などは同制度の適用対象外となるため、手数料がかかる場合がある。同行では、今後も顧客の多様なニーズに応えることができるよう、より一層商品・サービスの充実に取り組んでいくとしている。
2015年06月16日国税庁はこのほど、2014年分の個人の確定申告状況を発表した。それによると、贈与税の申告納税額は前年比63.1%(1,084億円)増の2,803億円となり、現行の基礎控除額となった2001年以降で最高額を更新した。2015年1月の相続税改正前に駆け込みで贈与する人が増えたためとみられる。贈与税の申告書を提出した人は同5.6%(2万8,000人)増の51万9,000人。このうち、納税額がある人は同11.1%(3万7,000人)増の36万6,000人だった。所得税および復興特別所得税の確定申告書を提出した人は同0.2%(4万3,000人)減の2,139万1,000人とほぼ横ばい。このうち、申告納税額のある人(納税人員)は同1.6%(9万8,000人)減の612万人だった。納税人員の申告状況について2013年分と比較すると、所得金額は同3.6%(1兆3,784億円)減の37兆1,054億円、申告納税額は同0.0%(6億円)減の2兆7,087億円となった。株式等の譲渡所得を申告した人は同14.7%(16万1,000人)減の93万7,000人。このうち、所得金額のある人は同30.3%(20万人)減の46万1,000人、所得金額は同55.0%(2兆6,598億円)減の2兆1,759億円となった。
2015年06月01日○今年1月から相続税が増税に今年1月から相続税が増税となったことは聞いたことがある人も多いでしょう。実際今まで、相続税には、基礎控除というものが、5000万円+(1000万円×法定相続人の数)分だけ認められていました。これが、今年1月から3000万円+(600万円×法定相続人の数)に減額されました。たとえば、妻と子ども2人の家庭なら、今まで5000万円+1000万円×3人で8000万円の基礎控除が認められていました。これが、今年から3000万円+600万円×3人で4800万円まで減ってしまっています。その差、3200万円! 自宅の評価額と証券・預貯金を合計して8000万円程度の人は意外といるものですが、今までなら、相続税がかからなかったものが、今年からそういった人もすべて対象となるわけです。それではたまらないと、今注目されているのが「生前贈与」です。これは、自分が生きているうちに、早めに子や孫に現金などを贈与すれば、相続財産が減らせ、結果的に支払う税金が少なくて済むというもの。もちろん、財産をタダであげれば、贈与税という税金がかかるのですが、ここのところ、政府が目的を絞って贈与の非課税措置を強化しているのです。○生前贈与の非課税制度が次々とスタートこの仕組みでよく知られているのが「住宅取得等資金の贈与」。通常、1人110万円の贈与は非課税と決められていますが、住宅購入時に頭金などに充当するお金として親などから贈与を受けた場合は、1000万円(省エネ住宅等の場合、1500万円)まで非課税となる制度です。こういった多額の資金を必要とするときに、親や祖父母から贈与を受ければ、もらうほうにも、あげるほうにもメリットがあるというわけです。こうした一定の目的のために贈与枠を設けた制度として、今年4月1日からスタートしたのが、「結婚・子育て資金の一括贈与」制度。これは、祖父母や両親が20歳以上50歳未満の子・孫(受贈者)名義の金融機関の口座等に、結婚・子育て資金を一括して入金。この資金を1000万円まで非課税にするといったものです(ただし、結婚資金の上限は300万円)。実際、両親や祖父母が入金した後は、利用する子または孫は、必要に応じて、領収書をその金融機関に提出すると、かかった資金分だけが振り込まれるというもの。使途が決められているので、他のことには使えないので、無駄遣いをするといった心配もありません。○結婚式代をすべて親や祖父母に出してもらえる!?では実際「結婚・子育て資金の一括贈与」は、どんなことにお金を使えるのでしょうか?これは、政府のほうで使途を細く決めており、その一覧が下の表です。まず大きいのが挙式や披露宴費用。挙式代、会場費と決められていますので、たとえば披露宴に関わるものなら、ドレス代も装花代も食事代もすべてOK! ゼクシィトレンド調査(2014年)によると、挙式・披露宴・披露パーティ総額は平均333.7万円。ご祝儀等はあるものの、カップルの自己負担額平均は125万円。結婚式が終わると2人の貯蓄がすっからかんになるというのはよく聞く話。そのために、挙式・披露宴をしないというカップルも増えています。そんなカップルにとっても、この贈与制度は朗報といえるでしょう。しかもこの制度、家賃に関わる費用もOKです。結婚にともなって、家を借りるときの敷金・礼金、仲介手数料、引越代はもちろん、毎月の家賃も対象となっています。これは、かなり助かるカップルが多いのではないでしょうか?ただし、対象外となっているものもあるので、注意が必要です。たとえば、挙式・披露宴関連でいえば、指輪やエステは対象外。新婚旅行代や挙式・披露宴に関わる宿泊費もダメです。家賃関連でも、光熱費や家具・家電の買い物代はNG。家を引っ越すと、カーテンやライトなどは、どうしても購入が必要となってきますが、このあたりは、自費で購入ということになりそうです。○出産代や保育園代。なんと不妊治療費まで!この制度、結婚だけでなく、その後の子育て費用も対象となっています。妊娠中の健診費や分娩代。産後院などの産後ケア費もOKです。その後のベビーの保育園・幼稚園・認定こども園代やベビーシッター代も含まれます。また、不妊治療も対象ですので、かなり幅広い分野が適用となるわけです。結婚や出産の予定のある人は、この際、両親や祖父母におねだりしてみてはどうでしょうか?(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>酒井 富士子経済ジャーナリスト。(株)回遊舎代表取締役。上智大学卒。日経ホーム出版社入社。 『日経ウーマン』『日経マネー』副編集長歴任後、リクルート入社。『あるじゃん』『赤すぐ』(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から経済ジャーナリストとして金融を中心に活動。近著に『0円からはじめるつもり貯金』『20代からはじめるお金をふやす100の常識』『職業訓練校 3倍まる得スキルアップ術』『ハローワーク 3倍まる得活用術』『J-REIT金メダル投資術』(秀和システム)など。
2015年05月14日大垣共立銀行はこのたび、OKB大垣共立銀行のホームページから岐阜県自動車税をクレジットカードなどにより納付できるサービスを開始した。同サービスは自動車税の期限内納付率の向上を目的とする行政支援の一環として2013年から毎年実施しているという。ヤフー運営の「Yahoo!公金支払い」を利用したサービスで、OKB大垣共立銀行と取引のない人でも自宅で24時間いつでも岐阜県自動車税を納付できるという。また、共立カードおよびOKBデビット(JCB)で納付した人の中から抽選で100名にギフトカードをプレゼントする「岐阜県自動車税インターネット納付キャンペーン」も併せて開始した。OKB大垣共立銀行はこれからも、顧客の目線に合わせた利便性の高い商品・サービスを届けていくとしている。
2015年05月13日