日本が誇る絶景のひとつといえば、瀬戸内海にある自然豊かな島々の景色。そんな美しい眺めを体感できる映画『凪の島』がまもなく公開を迎えます。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。結木滉星さん【映画、ときどき私】 vol. 512東京から瀬戸内の小さな島へ越してきた小学4年生の凪が経験するひと夏を描いた本作で、島に暮らす漁師の青年・守屋浩平を演じた結木滉星さん。スーパー戦隊シリーズ『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で初主演を務めたのをはじめ、映画や舞台、さらにメンズファッション誌『smart』の専属モデルとしても活躍し、注目を集めています。今回は、撮影中の思い出や理想の結婚式、そして意外な素顔などを教えていただきました。―今回は、吃音を持っている漁師の青年という役どころでしたが、役作りをするうえで意識したことはありましたか?結木さん最初は、吃音症についてあまり知らなかったので、本を読んだり、動画を見たりするところから始めました。浩平自身がポジティブに捉えているので、あまり気にすることなく、癖のひとつくらいの感覚で演じています。作品全体を通しても温かくてほっこりしますし、浩平の前向きな感じにも元気をたくさんもらったので、演じるのがすごく楽しみでした。漁師といえばガッチリとして強そうなイメージですが、僕はどちらかというと親しみやすい雰囲気を出せるように意識しています。普段とは違う環境で、自分を見つめ直す時間ができた―漁師として、事前に準備されたこともあったのでしょうか。結木さん実は、これまで釣りをしたことがなければ、海に対してもあまり免疫がありませんでした。なので、まずは釣り好きの友達に連絡をして、釣りに連れて行ってもらうところから始めることに。最初は魚に触れられるどうかも不安なくらいでしたが、撮影前にいろいろと経験していたおかげで、釣りをしているシーンもうまく行ったと思います。あとは、船酔いしてしまうのではないかと心配でしたが、自然のなかにいる気持ちよさのほうが勝っていたのか、それもまったく問題なくできたので、すごく楽しかったです。―山口県にある島での撮影ということで、都会の現場とはかなり違ったのではないかなと。結木さん朝起きて、すぐに海が見えるというのは気持ちよかったですね。普段ではなかなか味わえない環境だったので、自分を見つめ直すような時間にもなりました。ただ、唯一感じた不便といえば、コンビニにすら歩いて行けないような場所にホテルがあったことと、コロナ禍でどこにも行けない状態であったこと。ひたすらホテルにいたので、筋トレしたり、外の空気を吸ったりして過ごすしかなかったのですが、海が見える露天風呂に入れたのはすごくよかったです。また戻ることができたら、次はおいしいものを食べたりしたいですね。―今回、主人公の凪を演じた新津ちせちゃんと共演してみて、いかがでしたか?結木さんちせちゃんは、子どもの部分と大人の部分の両方を持っているのですが、あの年齢でこんなにもちゃんと周りが見えていて、気が遣えるのかと驚きました。その姿を見て、僕もこのままじゃいけないなと(笑)。そのあたりは、ちせちゃんから学びました。いい意味で上下関係のない現場だった―そのほかにも嶋田久作さんや木野花さんなど、実力派の先輩方が多かったと思いますが、現場の様子についても教えてください。結木さん都会にはない時間の流れというか、山口県の空気感のおかげかもしれませんが、大ベテランで大先輩の方々との間にもいい意味で上下関係がない現場でした。僕も緊張することなく、みなさんと打ち解けられたのはよかったなと思っています。―劇中で浩平が想いを寄せるのは、学校の先生として登場する瑞樹。演じていた島崎遥香さんとは、どんなやりとりをしてから撮影に入られましたか?結木さん役に関することは特に話していなくて、ほかのみなさんと同じように仕事と関係ない話ばかりしていた気がします。「東京に戻ったら何食べたい?」とか「いまUber Eatsがあったら何頼む?」とかそんなくだらないことばっかり話していました(笑)。―結木さんから見て、瑞樹みたいな女性はどう見えましたか?結木さん僕は「先生」というだけでも憧れてしまうところがありますが、子ども思いで、他人のことを思いやれるところが素敵だなと感じました。特に、子どもと触れ合っている瞬間は、その人の優しさも出ると思うので。しかも、あんなキレイな先生がいたら、男は惚れちゃいますよね(笑)。結婚式のシーンは、一生できない経験になった―確かに、間違いないです。そして何より、劇中で行われた海の上での結婚式が素敵でした。結木さん僕もあのシーンは、一生できない経験をしたと思っています。今後も、結婚式のシーンは演じる機会があると思いますが、海の上でというのはなかなかできないので、すごく楽しかったです。しかも、僕が和装で相手がドレスといういい意味でのミスマッチ感もよかったなと思います。―もしご自身が思い描く理想の結婚式があれば、教えてください。結木さん結婚願望はありますし、子どももほしいですが、まだまだ先の話のように感じてしまうので、いまは全然想像できないですね。でも、身内だけとか、劇中と同じように仲のいい人だけを呼んでこじんまりした式をするほうがいいのかなとは思いました。―浩平とご自身、似ているところや共感するところはありましたか?結木さん女性に対してシャイになる気持ちは、すごくわかりました。あまり見せないようにしていますが、実は僕もシャイなので……。―そういう性格は、子どもの頃からですか?結木さんいや、子どものときは逆にクラスで一番うるさいくらいで、本当にお調子者でした。ただ、中学校に入って、異性を意識するようになった頃から、急に恥ずかしがり屋になった気がします。相当カッコつけてたので、いま振り返ると嫌いなタイプですね(笑)。ただ、大人になったいまでもカッコよく見られたい気持ちはありますよ。なので、シャイであることに気づかれないために、あえてよくしゃべったりすることも。でも、相変わらず根はシャイなままだと思います。役者としても、人間としても先を考えるようになった―俳優デビューから、今年で10周年となります。改めて振り返ってみていかがですか?結木さんまずは、あっという間だったなと感じています。僕がこの仕事を好きな理由は、つねに新たなことにチャレンジし続けられるところ。その都度乗り越えていくのが楽しいです。―次の10年に関しては、どういったビジョンを持っていますか?結木さん今年で28歳になるので、今後についてはもう少しちゃんと考えないといけないなとは思っています。役者としてどうするかということだけでなく、ひとりの人間としても自分の人生について考えるようにはなりました。―近いところでいうと、30歳という節目もありますが、それまでにしたいことを挙げるとすれば?結木さんそもそも、僕はモテたいと思ってこの仕事を始めたので、もっと多くの作品に出て、30歳の頃には街を歩けないくらいになりたいですね(笑)。まっすぐな2人の恋にも注目してほしい―プロフィールには、「特技:カラオケ」とあります。歌のお仕事も考えているのでしょうか。結木さんただ好きなだけで、うまくはないです。なので、特技とは言えないですね(笑)。現時点では、仕事にできるレベルに達していないですが、もし達することがあればやってみたいなとは思います。―楽しみにしています。ちなみに、得意な曲はありますか?結木さん音楽に関しては、わりとミーハーなので、そのときに流行っている曲を友達と歌うことが多いかなと。ただ、バンド系よりも、シンガーソングライターのバラードみたいなタイプの曲をよく聴いています。―そのほかにも息抜きにしていることがあれば、教えてください。結木さん友達と飲みに行ったり、洋服を買ったり、好きなサッカーを観戦したりすると気持ちが落ち着いてリフレッシュしますね。あとは、YouTuberの平成フラミンゴさんの動画を見ること。すごく元気をもらっています。―それでは最後に、ananweb読者へメッセージをお願いいたします。結木さん今回のインタビューでは、映画の話だけでなく、僕自身についてもいろいろと話をさせていただいたので、まずはこういう人間がいて、役者をやっていることを知ってもらえたらうれしいです。僕個人でも、役を通してでもいいので、ぜひ応援していただけたらと思います。この作品に関しては、見ているこっちか恥ずかしくなるくらい浩平と瑞樹の恋がまっすぐなので、そのあたりも注目していただけたらいいなと。「昔の自分もそうだったなぁ」と思い出しながら楽しんでいただきたいです。インタビューを終えてみて……。凛々しい顔立ちと、さわやかな笑顔が魅力的な結木さん。「モテたくてこの仕事を始めた」というエピソードは意外でしたが、いまでは役者に対する強い思いがひしひしと伝わってきました。劇中では、漁師として光り輝く夏の海に佇む姿も素敵なので、ぜひお見逃しなく!誰にとっても、かけがえのない夏になる!心に傷を負った少女が、豊かな自然と温かい人たちに囲まれるなかで大きく成長していくさまを描いた本作。それぞれの悩みを抱えながらも前向きに生きようとする大人たちの姿に背中を押され、海の美しさにも癒されるのを感じられるはずです。取材、文・志村昌美撮影・宮本剛ヘアメイク・松田陵スタイリスト・伊藤省吾ストーリー両親が離婚したことにより、母の故郷である山口県の瀬戸内にある小さな島に移り住むことになった小学4年生の凪。普段は明るく振る舞う凪だが、母に暴力を振っていたアルコール依存症の父親の姿を思い出すと過呼吸を起こすようになっていた。そんな凪の事情を知った島の人々は、何も言わずに彼女を温かく迎える。そして凪もまた、同級生や担当教師の担任教師の瑞樹、用務員の山村、漁師の浩平をはじめとする島の人たちの悩みを知るようになり、彼らを支えようとするのだった。ところが、平穏な日々を送っていた凪たちのもとに突然父親がやってきて、再び家族に戻りたいと言い始めることに……。手に汗握る予告編はこちら!作品情報『凪の島』8月19日(金) 新宿ピカデリー、MOVIX周南ほか全国順次公開配給:スールキートス© 2022『凪の島』製作委員会
2022年08月17日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。真似したくなる、個性で魅了するお洒落なジュエリースナップをご紹介します。ゴージャスなイヤーカフで魅せる個性!まるでピアスを重ねてつけているような、超個性的なアクセサリー。ここヨーロッパでは最近よく見かけるようになったイヤーカフです。人気ブランドからプチプラブランドまで幅広く販売しています。極太ジュエリーの存在感がすごい!大きく襟が開いたジャケットに迫力ある存在感を見せてくれるネックレスチェーンとピアス。これくらい太いジュエリーなら、どこからもばっちりお洒落に見せてくれるでしょう。小さめパールでカジュアルに日本ではよく見かけるパールネックレスやピアスは、実はヨーロッパではあまり見かけないのです。だからこそ、こちらのパールネックレススタイルが、いつも以上に存在感があって魅力的に見えてしまいます。粒が小さめのパールだと、比較的カジュアルに身につけられるので、ちょっとしたお出かけなどにも使えてとっても便利です。ジュエリー映えする色に合わせて!ゴールドカラーのジュエリーはどんな色のファッションにも合わせやすいので人気ですが、こちらのように明るめピンクなどの個性的な色にもぴったり合うんです。はっきりとした色には、太めゴールドジュエリーがおすすめ!笑顔と一緒に揺れるピアス笑うだけでピアスも揺れて輝くなんて、素敵ですよね!長ければ長いほど揺れやすいですが、重すぎないことが重要。こちらはヨーロッパでは珍しいパールとのコンビネーション。揺れるピアスは世界中で人気アイテムなので、自分好みのデザインを探してみてください。ネームプレートネックレスの重ね付け!今までも華奢ネックレスの重ね付けを何度か取り上げてきましたが、今回はネームプレートの重ね付けスタイルを発見!これは新しいですよね。好きな言葉や人の名前などを胸元に好きなだけ身につけるって、斬新だけど詩的で素敵!番外編:グッチのイヤーカフがやばい!こちらは私が驚いたジュエリーの一つ!このグッチのイヤーカフは、耳の形をしていて耳をすっぽりと覆ってしまう斬新なデザイン。すごい、この発想はすごいです!またこれを身につけてしまうインフルエンサーだってすごいですよね。私はなかなか真似できませんが、自分の好きなスタイルを楽しんでいる姿は、いつも参考になります。いかがでしたか?日本とはジュエリーの好みや身につけ方が多少異なる印象ですが、ヨーロッパではとても参考になる斬新なスタイルが多いのが特徴。夏にTシャツでファッションがシンプルになりやすい時は、ジェエリーでお洒落を楽しんでみてください。写真・平野秀美
2022年08月16日この時期に大活躍しているTシャツ。なかでも体の気になる部分をすっぽり隠すオーバーサイズTシャツは手放せませんよね。ですが、オーバーサイズ Tシャツでも着こなし方によって太って見える可能性はおおいにあります。今回は、油断大敵!オーバーサイズ Tシャツの太見えNGコーデ&改善テクニックをご紹介します。意外にキケン!オーバーサイズ Tシャツ+スキニー定番で見かけるこのスキニーパンツと組み合わせた着こなし。確かにワイドパンツやゆったりしたイージーパンツと合わせるよりは太見えはしません。ですが、元々の骨格が華奢ではない限り、上半身だけがより大きく見えるので注意が必要。とくにバストが大きい方や、肩幅がある方、体に厚みがある方(骨格がしっかりしている方)は上下のコーデバランスが悪くなるので気をつけましょう。この着こなしが失敗する大きな原因は、上半身と下半身のシルエットにメリハリがあり過ぎること。トップスがゆったりしているのに対しパンツのシルエットが細すぎるので、上半身だけが大きく見えるという現象を作ります。コーデにメリハリをつけるというのはスタイルアップテクニックにおいては正解の考え方ですが、それ以上に自分の体に合うバランスを探していくことが大事です。迷ったらハイウエストパンツにシャツイン骨格に厚みがある方も、そうでない方でもすんなりなじむのはオーバーサイズ Tシャツ+ハイウエストパンツを組み合わせたコーデです。もちろん、シャツはオールイン。裾をパンツにしまい込んだら、そのあと服を少しつまんでブラウジング(服にゆとりをもたせる)させます。すると、ウエストがキュッと引き締まったようなスタイルに。ウエスト位置も通常より高いので脚が長く見えます。ボトムスはスキニーよりもやや太めのストレートもしくは人気のフレアパンツを合わせると今っぽくて良いですね。フレアパンツは膝から裾にかけてパンツが広がるスタイル(昔でいうベルボトム)を指します。このフレアパンツは太ももまではピタッとフィットしているのに、ふくらはぎの太い部分はすっぽりカバーしてくれるので脚のラインを美しく見せる効果があるのです。このような美脚パンツと言われているものと合わせることでオーバーサイズTシャツを上手に着こなすことができますよ。小物合わせや色合わせにも工夫をシンプルなTシャツにパンツの組み合わせこそ、小物の組み合わせや色合わせがおしゃれになるかフツーに見えるかの分かれ道です。あえてデニムを選ばずにカラーパンツを取り入れてみる、バッグは小ぶりでおしゃれなものにする、靴とパンツもしくはバッグの色を揃えるなど、少しの工夫が感じられる着こなしは全体で見た時に完成度の高いおしゃれを作るので、ぜひみなさんもできることから取り入れてみてくださいね。イラスト・角 佑宇子
2022年08月15日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日は真夏の日本で必須アイテムになりつつあるショートパンツのスナップ写真をお届けします。大人の休日に真似したいスタイル至ってシンプルなベージュのショートパンツなのに、全体を温かみのある色合いで統一させた、とってもシックで落ち着いた、大人の休日におすすめのスタイル。革素材に見えるベストがポイント!色のチョイスも重要!?短すぎるショートパンツが苦手な方には、ひざ上のショートパンツはいかが?季節を問わず愛用できるショートパンツスタイルの見本のよう!ロングコートにボトムスでポイントカラーを入れるあたりが、ファッション上級者です。ブーツと合わせるとかっこいい!インフルエンサーの中でも、ひときわ目立つ彼女のスタイルは見どころ満載。今回はショートパンツと合わせるウェスタン調のロングブーツがバッチリ決まってます!トップスで決まるショートパンツスタイルショートパンツは、色や長さはあるものの、柄以外ではそれほど大きなデザインの差がないので、全体的にスタイルが似てきてしまうことがあります。このようにトップスを変えることで、雰囲気が抜群に変わるので、ぜひお試しあれ!真夏にピッタリスタイル日本のように蒸し暑い夏にはぴったりの超ミニデニムパンツ。ビーチや普段使いにあったら便利な短さです。夏の紫外線対策には長袖シャツと合わせてシックに決めたこちらのスタイル、モノトーンのショートパンツに似合っている落ち着いたシャツの色がポイント。日焼け止め効果もある長袖は、カジュアルなオフィススタイルやデートなどにもおすすめ。いかがでしたか?いまの季節には欠かせないショートパンツスタイル、上手に着こなして他の人よりもお洒落に着こなしてみてください。写真・平野秀美
2022年08月14日薄着の季節は体型にごまかしがきかない分、アイテム選びは慎重に。とくにTシャツは袖、襟、Tシャツのカッティング(シルエット)によってご自身の体型に合う、合わないが大きく分かれます。そこで今回は、よくある体型のお悩み3タイプ別におすすめのTシャツデザインをご紹介します。【バストのせいで太ってみえる】タックスリーブTシャツバストが大きい方はTシャツを着るとバストのせいで全体が太って見えるのがお悩みではありませんか?そのためTシャツを上手に着こなすには、バストをコンパクトかつスッキリ見せる必要があります。おすすめのアイテムはタックスリーブTシャツ。タックスリーブとは袖まわりにタック(折り込み処理)がほどこされたデザインのTシャツです。タックが入るとバストラインに立体感が生まれるので、肉感を拾わずに上半身をすっきりと見せることができます。横から見てもバージスライン(バストと体の境目)が目立たないため、バストボリュームを感じさせません。【肩幅が広くて、いかつく見える】ドレープTシャツ肩幅が広い方にとって永遠の悩みの種であるTシャツコーデ。やはり、着こなしを工夫する以上にどんなTシャツを選ぶかにかかっています。とはいえ、実は意外と簡単な解決策がありまして。肩幅広めさんは、ボートネック Tシャツを選べばまず失敗をしないでしょう。鎖骨ラインと並行した横長の襟ぐりは肩幅の広ささえ目立たなくさせます。シンプルにボートネックのTシャツでもOKですが、とくにおすすめなのがドレーピングTシャツですね。ドレープは胸元あたりの服地がヒダのように折り重なってたるんでいるデザインを指します。この流れるようなドレーピングがあることで、肩幅はいっそうコンパクトに見えるはず。【上半身のムチっと感をなくしたい】キモノスリーブTシャツ最後にご紹介するのは、上半身全体をしっかりカバーしたい!という方におすすめのキモノスリーブTシャツ。キモノスリーブという言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、袖の縫い目がないデザインTシャツのこと全般を指します。見た目はドルマンスリーブに似ていますね。袖と身頃に縫い目がないデザインというのは、脇の下からバスト・脇肉の境界線を曖昧に見せてくれるのです。そのため、二の腕が太い、脇肉がある、バストラインが気になるといったお悩みをしれっとカバーしてくれます。さらに加えて、ネックラインはスクエアネック(もしくはボートネック・キーネック)など鎖骨をキレイに見せてくれるデザインを選ぶと良いでしょう。Tシャツが似合わないのではなく、似合うTシャツを探すTシャツは本当に奥深く、素材の質感や服の厚み、袖や襟のデザインなどディティールの違いによって印象が180度変わります。前に身につけた Tシャツが似合わなくても、別のTシャツでは驚くほど美しく見える…なんていうケースも少なくありませんので、ぜひこの夏はTシャツ選びにこだわってみてくださいね!イラスト・角 佑宇子
2022年08月13日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第117回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その39をお届けします。1.グチしか言わない男【結婚引き寄せ隊】vol. 117それは30代から40代の男女が集まる婚活パーティに参加したときのこと。アラフォーの男女が多い婚活会場は落ち着いた雰囲気で、自己紹介からパーティはスタートしました。それぞれの参加者との自己紹介タイムはスムーズに進行。なかでも、「仕事ひと筋でプライベートの時間がなく出会いがない」と話していたサラリーマンの男性と意見が合い、その次のフリータイムではふたりで話すことになりました。ただ、仕事ひと筋の男性ということもあって、仕事の話がメインに。その男性はこちらの仕事にはあまり興味がないようで、とにかく“俺の話を聞いてくれ”と言わんばかりの、自分語りが続きます。次第には、「残業が多くて本当はもうやめたいんだよね…」と言い出し、職場のグチが始まりました。早くこの場を抜けて別の人と会話したい! と思いながらも、なかなか立ち去るタイミングを与えてくれません。まさか婚活パーティの場でグチを聞かされることになるとは思わず、意気揚々と出かけてきたテンションはすっかり冷めてしまいました。その後フリータイムが終了したためやっと解放されましたが、初対面の相手にグチをこぼすなんて、だから相手が見つかりにくいのかもと思ったのでした。2.暗がりに行きたがる男それはシングルの30代の男女が集まる飲み会に参加したときのこと。とくに結婚したい人を集めた飲み会ではなかったため、どちらかというと「彼がほしいな」「もしいい人がいれば」「人脈作りのため」など、みんなの参加理由はバラバラです。結婚相談所のお見合いやガチ婚活への参加が続いていた私は、たまにはちょっとカジュアルな場にも出向くことがあり、このときもそんなモードになっていたときでした。参加している男女も、肩に力が入りすぎない感じで、和やかに飲み会は進みます。飲み会の時間も半分が過ぎた頃、ちょっと酔っ払ってきた参加者の声が大きくなったり、それぞれの席から笑い声が聞こえたり、賑やかな時間が続いていました。そんなとき、たまたまずっと同じテーブルについていたひとりの男性から「本当は酒が弱いのに楽しくて飲み過ぎた。一緒に外の風にあたりに行かない?」との誘いが。実際、ちょっと足元がふらついていたので付き添おうと思いついていくと、ドアとは逆に向かうその男性。なぜか店の中で照明が届かない暗い階段の裏へ行きたがります。「どこ行くの?」と聞いてもニヤけるだけの男性にうんざりし、怖くなってすぐに飲み会の席へ戻りました。ちょっと酔いがさめたのかバツの悪そうな顔で、その後席に戻ってきた男性。ドアと間違って暗がりへ行ったのか、何か話そうとして行ったのか、結局会話していないため真相はわかりませんが、へんな絡み方をする男性はないなと思ったのでした。3.趣味にハマりすぎる男それは婚活サイトで出会った男性とふたりで会うことになったときのこと。もともとプロフィールのところに、仕事や趣味などが書かれてあったので、だいたいはどんな人なのかわかっていたつもりでした。ある昼下がりにカフェで待ち合わせ、おたがいにコーヒーを飲みながら、話していると…思っていたよりも、その男性は趣味にかける気持ちが強過ぎることが判明。山登りが趣味だというその男性は、生活費のほとんどを山登りに使っていました。毎週末、「山登りに行く」という男性は、山登り費用はもちろん、山登り用にワゴン車までローン購入。嬉々として山の話をしながら、「結婚相手は山登りに理解のある人がいい」など、毎週末山へ行くことが前提となっている話が繰り広げられ、あぜん。これはまだ落ち着くつもりはないし、結婚しても苦労しそうだなと思い、その後はパッタリと会わなくなったのでした。婚活していると、いろいろなタイプの男性に出会うことがあります。ひとりが合わなくても、次には良い出会いがあることも! みなさんの未来に幸あれ!!文・かわむらあみり©SDI Productions/Getty Images©Sergey Nazarov/Getty Images©Artem Peretiatko/Getty Images
2022年08月12日つねに変化する社会において、日本人としてだけでなく、国際人として活躍することを目指す人も多いと思いますが、そのために必要なものといえば、世界で起きている出来事にも目を向けること。そこで、同じアジアである香港の現状に切り込んだ話題のドキュメンタリーをご紹介します。『時代革命』【映画、ときどき私】 vol. 5112019年、犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案が立法会に提出されたことをきっかけに、香港で民主化を求める大規模デモが起きた。激しく衝突する若者と警察の間には、催涙弾やゴム弾、火炎瓶などが飛び交い、ショッキングな場面も映し出される。自由や民主主義が損なわれる危機に直面するなか、声を上げ続ける若者たち。いつしか、香港の人口の約3割にあたる約200万人もの人たちがデモに参加する事態へと発展する。壮絶な運動を繰り広げた約180日間の最前線で起きていたこととは……。カンヌ国際映画祭でサプライズ上映された際、大きな反響を呼んだ本作。そこで、決死の思いで作品を完成させたこちらの方にお話をうかがってきました。キウィ・チョウ監督これまでに、“香港アカデミー賞”である香港電影金像奨で最優秀映画賞を獲得したのをはじめ、最優秀監督にもノミネートされた経験を持つチョウ監督。今回は、自身初となるドキュメンタリー作品に挑戦した背景や香港の厳しい現状、そして若者たちが政治に関心を持つようになった理由などについて語っていただきました。―この題材でドキュメンタリーを撮るということは、かなりの覚悟がないとできないことだと思いますが、映画を作るきっかけとなった出来事などはありますか?監督理由はいくつかありますが、2019年にデモが起きたとき、香港全土にいるいろんな職業の人たちがデモに参加していることを知りました。その様子を見て、自分も映画監督という立場からできることがあるのではないだろうか、と考えるようになったのです。そして、ある新聞のメディアがスマホでライブ配信していた映像で真実を目の当たりにしたとき、普段手掛けている劇映画ではなく、ドキュメンタリーを撮ることに決めました。とはいえ、そもそも民間人である僕たち一人一人にやるべきことがあると考えていたので、その責任を果たしただけとも言えます。ほかの国の観客にも、何かを思い出すきっかけになる―そんな思いで撮ったにもかかわらず、香港では上映ができない状況が続いているのだとか。監督少し前のことになりますが、あるテレビ局に務めていた方がこの映画のタイトルを言っただけで、クビになってしまったこともありました。それくらい敏感になっているので、香港のための映画を撮ったのに残念ではありますが、香港で上映できる自由はありません。それだけでなく、いまは「香港人」という言葉を使うだけでも危ない状況。先日も参加していたイベントの名前のなかに「香港人」と入っていただけで、圧力をかけられてしまい、中止になりました。そういったなかで、この映画では香港人の作品であることを強調しているので、上映は厳しいと思います。―とはいえ、カンヌ国際映画祭をはじめ、海外では大きな反響を呼んでいるそうですが、それに対してはどのように感じているのかを教えてください。監督いくつかの海外で上映をしましたが、特に印象的だったのは台湾での出来事。なんと、台湾の総統である蔡英文氏がこの作品を観たあと、映画を観るように人々に呼び掛けてくれたのです。国のトップが自分の映画を宣伝してくれるなんてことはいままでなかったので、本当にびっくりしましたし、かなりの反響もありました。「民衆運動について改めて考えさせられた」などいろんな感想が寄せられましたが、ほかの国の方にとっても、何かを思い出すような内容になっているのだと思います。若い世代の行動には、自分も驚かされた―作品を観ていて驚いたことのひとつは、10代や20代の若者たちが政治に強い関心を持ち、信念を掲げて闘っている姿。彼らの自立した精神力や行動力というのは、どのようにして養われているのでしょうか。監督正直に言うと、これに関しては「若い人たちがどうしてここまでするのだろうか」と僕自身も非常に驚きました。ただ、彼らにインタビューしていて気がついたのは、歴史や政治に関して僕たちの世代よりも勉強しているということ。今回のようなデモは2019年よりも前から行われていたので、そういった香港の様子を見ながら成長してきたこともあって、間違いなどにも敏感なのかもしれません。もちろん2019年の出来事をきっかけに目覚めた人も多くいますが、おそらくそれは自分の友人が逮捕されたり、おかしいと感じる経験があったりしたことがきっかけになっているのではないかなと。香港人というのは、もともと反応が早いところがあるので、そういったことから歴史や政治について勉強し始めたのだと思います。―ただ、そんな彼らに立ちはだかるのが警察の存在。民衆を激しく制圧する様子はかなり衝撃的でしたが、デモに参加する若者と警察に所属する若者をわけているものは何だと感じましたか?監督実は、警察に1人だけ知り合いがいるので、電話で話したことがありました。その人を理解するうえで徐々にわかってきたのは、警察のなかでかなり情報を制限しているということ。言い方は悪いですが、“洗脳”されているような印象すら受けました。というのも、誰が見てもわかるような事実をねじ曲げているところがあったからです。たとえば、ある駅でマフィアと警察が手を組んで行動していたという話をしたとき、映像も写真もあるにもかかわらず、その人はまったく信じてくれませんでした。おそらく、警察のなかでは、自分たちの都合のいいように物事を受け止めているのだと思います。映画は世界の共通言語だと日本で実感した―いっぽう、日本では以前から若者の政治に対する関心の低さが問題になっています。国の状況に違いはありますが、どうしたら香港の若者のように政治に参加する意欲を持つようになれると思いますか?監督やはり、一番の気づきになるものは、自分の身に降りかかるかどうか。香港の場合は、自分たちの生活に直接影響を与えていますからね。つまり、彼らにとっては「生活=政治」になっているのです。あとは、教育による部分もあるかとは思いますが、映画もひとつの手段になるのと考えてます。日本において、映画がどのくらい政治に影響を与えられるかはわからないですが、映像で見ることによって理解できることもあると思うので、映画でも変えられることはあるはずです。―ちなみに、日本に対してはどのような印象をお持ちですか?監督これまでに日本の映画祭で何度も僕の映画を上映してもらったことがあるので、仕事で来日したことがありますが、観光で訪れたこともあるくらい日本は大好きな国です。そのなかでも思い出に残っている出来事と言えば、映画祭に参加したときに、ある日本の女性から作品を褒めていただいたときのこと。そのときに映画というのは世界共通の言語なんだなと実感しました。覚悟を決めたいま、恐れはなくなった―そんななか、今後はどのような映画を作りたいとお考えですか?監督実は、今回の作品をきっかけに、撮ろうと考えていた劇映画の出資者が半分になってしまったり、出演する予定だった俳優から辞退したいと言われたりすることがありました。それでも、映画を作るうえでいま意識しているのは、自己検閲をしないことです。なぜなら、この映画を撮ると決めたときから、いつ逮捕されるかわからない覚悟をすでにしているので。一度そういった覚悟と責任を持つと、恐れはなくなるというか、ある意味で自由になれるので、これからもモチベーションを下げることなく映画作りを続けたいと思います。―それでは最後に、日本の観客に向けてメッセージをお願いします。監督この映画を観ていただくことで香港に関心を持っていただきたいですが、それだけでなく、一人一人の心ともっと対話をしてほしいと思っています。そして、本当の善良とは一体どういうことなのか。そういったことを考えながらご覧いただきたいです。民衆の力なしに革命は起こせない!香港の生々しい現実と思わず目を疑うような衝撃の光景から学ぶのは、声を上げて闘うことの意味。現代をともに生きる香港の若者たちと一緒に、自分たちの未来を守るためにいますべきことを考えさせられるはずです。取材、文・志村昌美釘付けになる予告編はこちら!作品情報『時代革命』8月13日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開配給:太秦️© Haven Productions Ltd.
2022年08月09日六本木のサントリー美術館で、『歌枕あなたの知らない心の風景』が開催中です。本展では、日本人が繰り返し詠んできた和歌の「歌枕」にフォーカス。和歌が記された美術作品をはじめ、名所絵や器など日本人が伝えてきた美しい文化に出会える展覧会です。どんな展覧会?「歌枕あなたの知らない心の風景」展示風景 ©田山達之【女子的アートナビ】vol. 254『歌枕あなたの知らない心の風景』では、日本美術のさまざまな作品をとおして歌枕の世界を紹介。平安時代の貴重な古筆や江戸時代の屏風絵、陶磁器や茶道具、工芸品など多彩な美術品を見ることができます。そもそも「歌枕」とは、なんでしょう。あまりなじみのない言葉ですよね。辞書を見ると「和歌に詠み込まれる名所や旧跡」と載っています。古くから、日本人は自然の美しさやさまざまな物事について感動したとき、自らの思いを和歌に詠んで表してきました。とりわけ美しい風景に出会うと和歌に詠まずにはいられなかったようで、繰り返し詠まれた土地には特定のイメージが定着。しだいにその土地は日本の名所として知られるようになり、実際にはその場所に行ったことがなくてもイメージを共有できるようになりました。歌枕には千年以上の歴史があり、おもに平安時代に成立したといわれています。歌枕で共有された土地のイメージは、和歌に詠まれるだけでなく絵画や工芸デザインにもなり、時代を超えて伝わっていきました。歌枕の例として、一番わかりやすいのは「吉野」。今も桜の名所である吉野は、桜のイメージと結びつく歌枕です。では、実際に作品を見ながら歌枕が描かれた世界に入ってみます。美しすぎる…!歌枕の絵画たち《吉野龍田図》(右隻)六曲一双江戸時代17世紀根津美術館展示期間:8/3~8/28第一章「歌枕の世界」では、見ごたえのある大きな屛風絵で歌枕のイメージを体感できます。《吉野龍田図》の右隻には画面いっぱいに桜が描かれ、吉野の春を表現。作品のところどころに短冊の絵が見えますが、そこには吉野を詠んだ和歌が書かれています。《吉野龍田図》(左隻)六曲一双江戸時代17世紀根津美術館展示期間:8/3~8/28いっぽう左隻では、秋の龍田川(=紅葉)を表現。この「龍田川」も歌枕のひとつで、和歌でたびたび詠まれている場所です。有名なのは、百人一首の「ちはやぶる神代もきかず龍田川からくれないに水くぐるとは」(在原業平)。この作品を見るだけで、昔の人は紅葉の名所・龍田川に行った気分になれたようです。ほかにも、歌枕をモチーフにした美術作品が日本にはたくさんあります。例えば、「武蔵野」という歌枕を題材にした作品にはススキが茂る原野に月が沈む様子が描かれ、「宇治」では川にかかる橋や柳・水車など、「住吉」や「因幡山」では松の名所などが描かれます。和歌や歌枕を知っていれば、日本美術をさらに深く楽しむことができそうです。歌枕でバーチャル旅行!?《西行物語絵巻著色本》(部分)三巻のうち中巻室町時代15世紀サントリー美術館全期間展示(ただし場面替えあり)和歌が生活のなかに根づいていた昔の人たちは、実際に旅ができなくても、歌枕によって日本各地の美しい風景を思い浮かべることができました。例えば第四章「旅と歌枕」の展示室にある《西行物語絵巻》では、日本の名所や風景が描かれ、絵巻を見るだけで西行法師の旅を追体験できます。昔の人たちは、歌枕を題材にした名所絵や絵巻で想像をふくらませ、バーチャル旅行を楽しんでいたのかもしれません。おしゃれ!歌枕ファッション「歌枕あなたの知らない心の風景」展示風景©田山達之最後の第五章「暮らしに息づく歌枕」では、歌枕がデザインされた工芸品が勢揃い。家具や調度品、硯箱などの工芸品や、着物、女性の髪を飾る櫛など身につけるものにまで歌枕のモチーフがデザインされています。身の回りに歌枕デザインがある生活、ステキですよね。桜の着物を着て「吉野」を思い浮かべたり、紅葉デザインの皿を使いながら「龍田川」をイメージしたり。昔の人たちは想像力が豊かで、洗練された生活をしていたことがわかります。すごいよ昔の日本人…!《色絵龍田川文向付》尾形乾山六口江戸時代18世紀公益財団法人阪急文化財団逸翁美術館全期間展示「歌枕」のような短い単語だけで美しい景色をイメージできるなんて、考えてみたらすごいこと。「宇治」という言葉だけで「柳や水車」を思い浮かべることができるのですから、歌枕そのものがアートのようです。しかも、平安時代に生まれた歌枕が時代を超えて伝わり、江戸時代の人たちでも歌枕デザインの工芸品を使い、歌枕をモチーフにした浮世絵などを楽しんでいたのです。現代では、和歌や歌枕を身近に感じている人は少なくなり、恥ずかしながら私は「宇治」という文字を見てもカキ氷の宇治金時しかイメージできませんでした……。昔の人たちが残してくれた美しい日本の文化に気づくことができる展覧会、ぜひ夏休みに訪れてみてください。8月28日まで開催しています。Information会期:~8月28日(日)※休館日は火曜日(8月23日は開館)会場:サントリー美術館開館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)※8月10日(水)は20時まで開館※いずれも入館は閉館の30分前まで※開館時間は変更の場合があります※最新情報などの詳細は展覧会HPをご覧ください入館料:一般 ¥1,500、大学・高校生 ¥1,000、中学生以下無料
2022年08月09日夏の風物詩である甲子園ではすでに熱戦が繰り広げられていますが、負けないくらい熱くて激しい青春を体感できると話題の映画『野球部に花束を』もいよいよ開幕。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。醍醐虎汰朗さん【映画、ときどき私】 vol. 510アニメ『天気の子』で主役に抜擢されたのをはじめ、舞台『千と千尋の神隠し』ではハク役を務めるなど、注目を集めている醍醐さん。本作では、青春を謳歌しようと高校に入学したはずが、いつの間にか地獄のような野球部生活を送ることになってしまう主人公の黒田鉄平を演じています。今回は、過酷な撮影現場の裏側や青春の思い出、さらにいま夢中になってることなどについて、語っていただきました。―ご自身にとって本作は実写映画で初主演となりますが、現場に入ったときはどのようなお気持ちでしたか?醍醐さんワクワクする気持ちもありましたが、いろいろ考えすぎてしまった状態だったこともあり、初日はとにかくガチガチ。あまりにも緊張していたので、歩き方がわからなくなるほどでした(笑)。―緊張されていた理由のひとつには、野球が未経験だったこともあるのではないかなと思いますが、事前にかなり練習して挑まれたとか。醍醐さんクランクインの前にコーチの方がついてくださって練習しました。まずはキャッチボールから始めて、そのあとはバットを振ったり、キャッチャーの捕球練習をしたりしました。そのときに驚いたのはボールの硬さ。正直に言うと、いままでは野球の試合でデッドボールに当たって痛そうにしている人のことを「大げさだな」と思っていたんです。でも、痛いどころの騒ぎではないことがわかりました。硬球はもう石ですね……。僕も大きなあざがたくさんできました。―ということは、劇中で痛がっているシーンは実際のリアクションですか?醍醐さんそうですね。撮影中はボールを受ける手がパンパンに腫れました。でも、芝居はしないといけないし、ビビッていると監督から注意されるので、歯を食いしばって続けるしかなかったです。でも、内心では地獄だなと思っていました(笑)。芝居ではなく、本当に部活をしている気分だった―髙嶋政宏さん演じる野球部の監督はスパルタでしたが、本作の飯塚健監督もかなり厳しかったんですね。醍醐さんこれは僕の話ではないですが、本番中に髙嶋さんのアドリブがおもしろくて笑ってしまった人がいて、それがきっかけでカットになってしまったことがあったんです。そしたら飯塚監督がその人のところに近づいていって「ふざけてんのか?」と。もしかしたら、野球部よりも現場の監督のほうが、怖かったかもしれません(笑)。―とはいえ、実際に髙嶋さんの演技はかなりおもしろかったのでは?醍醐さんまだ慣れていないときは、僕も笑っちゃいましたね。ただ、髙嶋さんの演技は慣れてもおもしろいですし、絶対に笑っちゃいけないと思うと余計笑いそうになるので、カメラが違うところを向いているときに笑ったりしながら乗り切りました。―髙嶋さんからは「自分がアドリブを延々とやりすぎてみんなに申し訳なかった」といったコメントが出ているようですが、何があったのでしょうか。醍醐さん劇中で、髙嶋さんに合わせて「野球に狂え!」とみんなで一緒に叫ぶシーンを撮っていたときのこと。テストも本番もまったくカットがかからなくて、延々と叫んでいたら、翌日になって部員の大半の声がカスカスになってしまったんです。僕は喉が強いほうなので大丈夫でしたが、とはいえ舞台のお仕事以外で龍角散を溶かした水を常備して挑んだ現場は初めてな気がします。―肉体的な疲労もかなりあったと思いますが、きつかったシーンといえば?醍醐さん引退ノックをしている場面では、本当に倒れるまでやり続けたので、あのシーンでは誰も芝居していないですね。みんな本気でしたし、素で限界を迎えて倒れています。翌日もみんな歩けないくらいになっていたので、本当に部活をしている気分でした。サッカー部だった頃を思い出して、懐かしくなった―ご自身は、中学生のときにサッカー部に所属されていたそうですね。劇中の練習風景はいまなら問題になりそうなものばかりでしたが、当時を思い出すこともありましたか?醍醐さん僕がいたサッカー部もいまの時代っぽくないくらい本当に厳しかったので、そういう意味では懐かしい気持ちになりました。あと、劇中で出てくる“野球部あるある”で「怖い指導者ほど一度泳がす」というのはどこも同じなんだなと。いまでもたまに調子に乗ってると、泳がされたうえでスパーンと怒られることがあるので、この言葉は心に刻まれました(笑)。―怖いと言えば、“顔面凶器”と呼ばれる小沢仁志さんが先輩役として登場するシーン。共演されてみていかがでしたか?醍醐さん誰よりも現場に早く入り、座ることなくモニターの前でつねにチェックされていらっしゃるのがすごいなと思いました。ただ、いままで出会ってきた人のなかでも、トップレベルで怖かったです(笑)。といっても、ご本人は本当に優しい方なので、Vシネマのイメージから僕が勝手に怖がっていただけですが……。撮影の合間には、日常的な会話もさせていただいたのに、粗相をしてはいけないという気持ちが強すぎてどんな話をしたのかまったく思い出せません(笑)。―そのお気持ちもわかるほど、画面越しでも伝わる迫力がありました。今回は、中学生以来の坊主にも挑戦されていますが、抵抗はなかったですか?醍醐さんいや、最高でしたね。お風呂なんて、体感2分で終わる感覚です。中学生のときは、髪の毛がなかったら女の子にモテないと思ってショックを受けていましたが、いまはそういうのもなくなりましたし、仕事なので何とも思わなかったです。高校生に戻れたら、映画のような恋愛をしてみたい―ただ、劇中で坊主にするシーンでは、1発で決めないといけないプレッシャーもあったのではないかなと。醍醐さん本来、坊主にする場合は、一旦髪を短くカットしてからしないとバリカンに髪の毛が絡まってしまうんですが、今回は長いままの状態から一気にいったので、けっこう引っかかってしまって……。髪の毛がブチブチ抜けてめちゃくちゃ痛かったです。でも、坊主にされる僕だけでなく、僕を坊主にする人も周りが見えなくなるくらいアドレナリンが出ていたからこそできた気がします。―ちなみに、ご自身にとって青春の思い出といえば何ですか?醍醐さん暇さえあれば友達と遊んでいたので、用もないのに友達の家に泊まりに行ったり、花火をしたり、というのをよくしてましたね。―もし高校生に戻れたらしたいことはありますか?醍醐さん部活には入らなかったので、部活に熱中するのも楽しそうかなと。あと、ほかのことは何も考えずに、映画のような恋愛とかもしてみたいです(笑)。―まさに青春ですね。では、いま一番夢中になっているものがあれば、教えてください。醍醐さんそれは、『バチェロレッテ・ジャパン』です。シーズン2が始まったこともあって、僕の周りもみんな見ています。参加者の気分も楽しみつつ、バチェロレッテの尾崎美紀さんのファンとしても応援しているところです。―ちなみに、醍醐さんが女性に魅力を感じる瞬間といえば?醍醐さんたとえば、人の家に行って、みんながワーッと脱いだ靴を自分のと一緒に何気なく揃えてくれる姿とかはいいですね。あとは、よく笑う人です。求められたことにひとつずつ全力で取り組んでいる―お休みの日は、どのように過ごすことが多いですか?醍醐さん夕方くらいから友達とお酒を飲むか、サウナに行くか、そのどちらかですね。家で飲むときは、つまみとして角煮を作るのが好きなので、長い時間をかけてホロホロの肉を育てています。ただ、飲みながら料理しているので、角煮が出来上がるころにはベロベロになってしまうんですけどね。ポイントとしては、あえて少ししか作らないこと。量が少ないぶん、すぐに食べ終わってしまうのですが、そこで「お肉がもうなーい!」となるのが楽しいです(笑)。―なかなか独特な楽しみ方ですね。まもなく22歳となりますが、お仕事に関しては20代に入ったことで変化を感じることもあるのでしょうか。醍醐さんもっと若いときは遊びの延長みたいなところも少しあったかもしれませんが、最近は僕の周りもちょうど就職活動をしている人が多いので、より仕事としての意識が芽生えたところはあると思います。―現在は、映像作品から舞台、声優と幅広く活躍されていますが、今後やってみたいことは?醍醐さんいまはまだ僕が選ぶ立場にはいないと思っているので、まずはいただいたお仕事をひとつひとつ全力でやっていきたいです。そのなかで、いつか第一線で活躍されている方々と肩を並べられたかなと思えるところまで来たら、そのとき初めて自分がしたいことを考えたいなと。それまでは、求められたものを一生懸命する時期だと思っています。周りを鼓舞できるスーパーポジティブな人になりたい―それでは、男性として目指している理想像などがあれば、お聞かせください。醍醐さん僕は、スーパーポジティブで太陽みたいな人間になりたいです!その場にいるだけで周りを鼓舞できるような存在になりたいので、普段からネガティブな発言はしないように気をつけています。―最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。醍醐さん女性にとっては、「男のノリってこんな感じなのかな?」という教科書みたいなところも楽しんでいただけると思っています。いまはこういうご時世であまりハッピーな雰囲気ではないかもしれないですが、この作品のように「ただおもしろいだけ」という映画はあまりないと思うので、ぜひ笑いに来て明るい気持ちになっていただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて……。とにかく明るくて、太陽のような笑顔が似合う醍醐さん。そのいっぽうで、女性読者へのメッセージをお願いした際には、「女性に向けて言うのはちょっと恥ずかしい」とシャイな一面も覗かせていました。さまざまな顔を持つ醍醐さんだけに、幅広い役どころでこれからも楽しませてくれそうです。思春期あるあるに共感必至!あり得ないほど理不尽な世の中も、メジャーリーグ級の“笑いのホームラン”ですべて吹き飛ばしてくれる青春コメディ。泥まみれになっても何度でも立ち上がる部員たちの姿に愛おしさを覚え、いつの間にか胸が熱くなってしまうはず。汗と涙を流しながら全力で生きる人たちに届けたい最高のエールを受け取ってみては?写真・北尾渉(醍醐虎汰朗)取材、文・志村昌美ストーリー中学時代の野球部生活に別れを告げ、坊主頭から茶髪にイメチェンして高校デビューを目指していた黒田鉄平。夢見たバラ色の高校生活は、同級生と一緒にうっかり野球部の見学に行ったことによって、あっけなくゲームセットとなる。しかも、新入生歓迎の儀式で早々に坊主に逆戻りしてしまうのだった。鬼のように豹変した二年生と三年生、そして昭和スパルタ丸出しの最恐監督のもと、 黒田ら一年生は“ザ・ハラスメント”な世界に翻弄され、憔悴していくことに。しかし、恐れていたはずの“伝統”に、気がつけば自分たちも染まっていくのだった……。衝撃の予告編はこちら!作品情報『野球部に花束を』8月11日(木・祝)全国ロードショー配給:日活️©2022「野球部に花束を」製作委員会
2022年08月08日気になる話題のドラマなど映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第2回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。チ・チャンウク×キム・ジウォン『都会の男女の恋愛法』Netflixシリーズ『都会の男女の恋愛法』独占配信中【テレビっ子の窓】vol. 2今回は、複数の男女の恋愛模様を描くドラマからリアリティーショーまで、話題の韓国作品を3つご紹介。まずはチ・チャンウク×キム・ジウォン主演の『都会の男女の恋愛法』(2020年)からお届けします。Netflixシリーズ『都会の男女の恋愛法』独占配信中32歳の建築家パク・ジェウォン(チ・チャンウク)は、長期休暇中に海のそばで出会った明るいユン・ソナ(キム・ジウォン)にたちまち心を奪われます。どんどん親密になるジェウォンとソナ。ある日、ジェウォンは仕事のため急きょソウルに戻ることになり、その後ソナと連絡が取れなくなり……。Netflixシリーズ『都会の男女の恋愛法』独占配信中ジェウォンとソナほか、都会に住む年齢も職業も異なる6人の男女に恋愛観についてのインタビューをしながら、それぞれの日常や恋愛の行方を描く『都会の男女の恋愛法』。“ロマンス職人”と称されるチ・チャンウクらが見せる恋の喜びやとまどいが見どころです。パク・ソジュン、BTS Vら“リア友”5人組『IN THE SOOP フレンドケーション』『IN THE SOOP フレンドケーション』ディズニープラス スターにて独占配信中©2022 HYBE. All Rights Reserved韓国でもっとも有名な友人5人組といわれる、パク・ソジュン、BTS V、パク・ヒョンシク、Peakboy、チェ・ウシクによるトラベルリアリティーショー。それぞれが持つ公式SNSでは、彼らがプライベートでともに過ごしている様子を写真で投稿したり、おたがいのコメント欄でやりとりしたり、見ているほうもほのぼのします。そんな5人組が忙しい日常を離れて、自然を満喫しながらお気に入りの娯楽に没頭する姿を見ることができます。『IN THE SOOP フレンドケーション』ディズニープラス スターにて独占配信中©2022 HYBE. All Rights Reservedいつもドラマやステージでスポットライトを浴びる5人が、プライベートではどんな顔を見せて、親しい人にはどんなふうに接しているのか?スターの素顔が垣間見えるはず。イ・ミンギ、キム・ジウォン、ソン・ソックら主演『私の解放日誌』Netflixシリーズ『私の解放日誌』独占配信中ソウルから遠く離れたサンポ市に住むヨム家の3きょうだいは、代わり映えしない単調な毎日にうんざりしていました。なんとか今の生活から抜け出すために、それぞれが自由と生きがいを求めてもがくようになり……。Netflixシリーズ『私の解放日誌』独占配信中人生に行き詰まりながらも、試行錯誤して自分の道を切り拓こうと奮闘するヨム家の長男チャンヒ役にイ・ミンギ、末っ子のミジョン役を『都会の男女の恋愛法』でも活躍のキム・ジウォン、長女ギジョン役をイエルが演じています。Netflixシリーズ『私の解放日誌』独占配信中そしてヨム家の家業を手伝う、謎多き男のク氏役にソン・ソック。彼はヨム家にもっとも近い他人として描かれながらも、「ク」と名乗る以外に多くを語らないため、まったく素性がわかりません。3きょうだいやク氏らの心境が変わるにつれて、彼らの未来がどう変化するのかが見どころです。ラブストーリー、ヒューマンストーリーといった韓国ドラマやリアリティーショーなど、多彩な作品が目白押しの韓国作品。話数もあるので時間があるときに少しずつ観たり、夏休みなどで時間があるときにイッキ見したり、みなさんのお好きな方法で楽しんでみてくださいね。文・かわむらあみり
2022年08月05日この夏も思うように旅行を楽しめないと感じている人は多いと思いますが、そんな気分を満たしてくれるものといえば映画。今回オススメするのは、ニューヨークからタイのリゾート地まで、さまざまな景色を楽しめるロードムービーです。『プアン/友だちと呼ばせて』【映画、ときどき私】 vol. 509ニューヨークでバーを経営するボスのもとに、何年も連絡がなかった友達のウードから久しぶりに電話が入る。タイに暮らす彼は、白血病で余命宣告を受けたので、最期の頼みを聞いてほしいという。すぐにバンコクへと駆けつけたボスが頼まれたのは、ウードの元恋人たちを訪ねる旅の運転手だった。目的地へと向かう途中、カーステレオのカセットテープから流れる思い出の曲は、2人がまだ親友だった頃の記憶を呼び覚ます。そして、忘れられなかった恋への心残りに決着をつけたウードは、ボスが作ったオリジナルカクテルでこの旅を仕上げるはずだった。ところが、ボスの過去も未来も書き換える“ある秘密”をウードが打ち明け始めることに……。アジアを代表する名匠ウォン・カーウァイが製作総指揮を務めていることでも話題を呼んでいる本作。サンダンス映画祭で好評を博したのを皮切りに、本国タイでも初登場No.1の大ヒットとなり注目を集めています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。バズ・プーンピリヤ監督2017年に、タイで年間ランキング1位、アジア各国でタイ映画史上歴代興収第1位を記録した『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で世界的な脚光を浴びたプーンピリヤ監督。その類まれな才能に惚れ込んだウォン・カーウァイ監督が自らオファーし、本作でタッグを組んでいます。今回は、巨匠との制作過程で学んだことや作品に込めた自分の経験、そして日本に対する印象などについて語っていただきました。―余命わずかな男が元恋人たちを訪ねていくという設定が非常におもしろかったですが、さまざまな選択肢もあるなかで元カノにしたのはなぜですか?監督ウォン・カーウァイと話していたときに言われたのは、「君の心に近くて、自分が信じられるものを作ればいい」ということでした。そのときに、これまでいろんな恋愛関係を経てきたにもかかわらず、どれもきちんと終わらせていなかったのではないか、と感じたんです。であれば、この映画を作ることがひとつひとつにちゃんと終わりを告げるチャンスになると思って、このような設定にしました。―ちなみに、モデルにした元カノたちからは、作品に対して反響などもあったのでしょうか。監督脚本を書くうえで、彼女たちの許可を取ったほうがいいと思ったので、事前に連絡を取りました。ありがたいことにみんなとても親切で、わざわざ時間を取って会ってくれましたし、承諾もしてくれたので、僕は本当にラッキーだと思います。完成したときには試写にも招待したのですが、作品のなかには付き合っていた当時は明かさなかった思いなども反映していたので、そこからメッセージを受け取ってくれていたらいいですね。自分の心をさらけ出す大切さを学んだ―ウォン・カーウァイ監督といえば、世界的にも活躍されていますが、そういう方と一緒に仕事をしてみて学んだことや刺激を受けたことがあれば、教えてください。監督話したいことはたくさんありますが、取材の時間は足りますか(笑)?本当にそれくらい彼からは多くのインスピレーションをもらいました。僕は10代の頃から彼の映画には影響を受けていたので、今回で夢が叶ったとも言えますね。いろんなことを学びましたが、なかでも印象に残っているのは、「何のために映画を作っているのか」について。いままではまず観客のことを考えて作っていて、もちろん観客を満足させることも必要ですが、まずは「自分が何を伝えたいのか」「自分にとってどういうストーリーが大事なのか」といったことを考える大切さを教わりました。―なるほど。ただ、撮影に入る前には、「ウォン・カーウァイ監督との仕事は大変だから気をつけたほうがいい」など、いろんな噂を耳にしていたとか。実際は、いかがでしたか?監督事前に周りから彼の話はたくさん聞いてはいましたが、「僕の言っていることに従わなくていい。自分の心に従いなさい」と言ってもらえるほど自由を与えていただきました。この作品を観た人がどう思うかよりも、まずは自分の心をさらけ出すことがいかに大事かを学ばせてもらったので、非常に感謝しています。俳優たちも、この作品に人生を捧げてくれた―そうして出来上がった作品は、非常にパーソナルな内容にもかかわらず、上映した各国ではおもしろいフィードバックもあったとか。監督本当に、幅広い感想をたくさんいただきました。特に、この作品は伝統的なストーリーテリングとは違う形で作られているというのもありますが、おもしろかったのは、アメリカやヨーロッパの人たちは前半に反応する方が多く、アジアの国々では後半に反応した方が多かったこと。人によって違う場所に反応しているというのが印象的でした。―興味深いですね。反応するところが違っていたとはいえ、間違いなくすべての観客を魅了していたものといえば、ボスとウードを演じたトー・タナポップさんとアイス・ナッタラットさんの演技。キャスティングのいきさつなどを教えてください。監督今回、僕たちにとって彼らに決めることは楽な作業でした。というのも、オーディションのときからずっと2人のことが頭にありましたし、審査を重ねていくごとにどんどん良くなっていたましたから。ウォン・カーウァイ監督にオーディションテープを見せたときも、すぐにOKが出たほどです。ただ、彼らにとっては、この作品に人生を捧げたといってもいいくらいだったのではないかなと。2人ともタイでは有名な俳優さんですが、いろんなワークショップを受けてもらい、バーテンダーの役になりきるためにバーテンダーの修行までしてもらいました。とてもチャレンジングで大変な役どころでもあったと思うので、2人には心からありがとうと言いたいです。余命宣告を受けた友人がすべてを教えてくれた―そのほかにも、演出面で意識されていたことはありましたか?監督この作品では、即興を積極的に取り入れることにしたので、俳優たちには「セリフはあるけど忘れていい。そのときに自分のなかに出てきた言葉をセリフとして言ってほしい」と伝えました。なので、ほとんどのシーンがアドリブによってできています。俳優にとっては、そのほうが大変ではありますが、非常にうまくやってくれたと思っています。―また、本作にはウードと同じような病を患っていた監督の友人ロイドさんも協力してくださっていたと聞きました。彼の存在も大きかったと思いますが、どのようなアドバイスがあったのでしょうか。監督ウードの見た目や動きだけでなく、話し方や杖の使い方など、すべて彼から教えてもらったので、本当にいろんな面で影響を受けました。彼は余命いくばくもない状況にもかかわらず、残り少ない人生の多くの時間をこの映画に捧げてくれたのです。彼に完成した作品を見せたかっただけに、仕上げが間に合わなかったのは非常に残念なことだと思っています。―また、もうひとつの主役といえば魅力的なカクテルの数々がありますが、お酒を作るシーンでこだわったのはどのようなところですか?監督実は、僕はバンコクでバーを経営しているので、そこも自分の人生の一部が映画になっています。劇中では元カノの名前にちなんだカクテルが出てきますが、それは非常に有名なバーテンダーの方にお願いして作っていただきました。俳優たちにはそれを練習してもらい、撮影でも彼らが実際に作っているのですが、すごくうまくいったと思っています。日本には、いい意味で毎回驚かされている―ちなみに、監督は日本にはいらっしゃったことはありますか?もしあれば、印象に残っているエピソードなどを教えてください。監督日本には10代のころから何度も訪れていますが、タイ人は本当に日本のことが大好きなんですよ。文化や食べ物など、いろんなことに興味がありますが、僕が一番感心しているのは、日本にはいくつもの“層”があるところ。1回行ってわかったつもりになっていても、もう1回行くとまた違う側面が見えてくるので、いい意味で毎回驚かされています。その驚きを味わいたいので、またすぐにでも日本に行きたいです。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。監督この映画は、カクテルみたいな映画だと思っています。いままでの伝統的なフレーバーではないですが、とりあえず何も考えずにバーで飲むような感覚を味わっていただけたらと。そのうえで、ご自身がどう思うのかというのを体験してみてください。人生の“忘れ物”を取りに行く旅に出る!プーンピリヤ監督のセンスを感じさせるスタイリッシュで美しい映像と、まるでカセットテープをひっくり返したように異なる展開で引き込んでいく本作。誰もが味わってきた青春の痛みと、友情や恋愛が放つ輝きを思い出させてくれる珠玉の1本です。取材、文・志村昌美続きが気になる予告編はこちら!作品情報『プアン/友だちと呼ばせて』8月5日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開配給:ギャガ️©2021 Jet Tone Contents Inc. All Rights Reserved.
2022年08月04日2023年夏、現代アートをテーマにした国際アートフェア「Tokyo Gendai」が日本ではじめて開かれます。世界各地から一流のアートが集まる注目のイベントですが、そもそもアートフェアとは何でしょうか。誰でも入れるのでしょうか。「Tokyo Gendai」でフェアディレクターを務めるEri Takaneさんに、お話を聞いてきました!アートのプロ、Eri Takaneさんにインタビュー!Eri Takaneさん @ Yusuke Abe【女子的アートナビ】vol. 253Eri Takaneさんは、「Tokyo Gendai」のフェアディレクター。アメリカに約13年間滞在し、世界的なアーティストやコレクターのアートコンサルタントとして活動しながら、Google Arts & Cultureの日本部門を4年間担当。また、Tokyo FMのラジオ番組で司会をされていたこともあり、幅広い分野で活躍されています。――まず、アートフェアとはどういうものか、教えていただけますか?Takaneさん各ギャラリーが小さい展覧会をブース内で行う、という感じで、展示会のアートバージョンです。ギャラリーが個々にテーマを決め、作品を展示して販売します。いわゆる見本市とは違い、個人のお客さまが作品を買える場所です。――これまでもアートフェアは国内で開かれてきたと思いますが、「Tokyo Gendai」の特徴は何ですか?Takaneさんここ数十年間は、国内的なアートフェアを多く開催してきたと思います。今回は日本で初めて世界規模で行われる世界基準のアートフェアとなります。参加するギャラリーのうち、約80パーセントが海外のギャラリーというのは珍しいと思います。「Tokyo Gendai」の開催期間は4日間で、1日目はVIPのご招待日、2日目から4日目まで一般のお客さまをお迎えします。作品を販売するだけでなく、作品と連動してアーティストやキュレーターの方のトークプログラムがあったり、文化施設を回るツアーがあったりして、大きなアートの祭典となります。――Takaneさんは、ディレクターとして具体的にどんなお仕事をされているのですか。Takaneさんインフラを整えています。アートフェアは、販売なども含め、国として大きなイベントをやるということ。もちろん、海外のギャラリーさんを誘致する仕事は優先すべきことですが、それ以外にもトークプログラムでは誰をお招きするか、VIPツアーはどのようにするか、政府や省庁との関係はどうするか、なども大切なことで、そのようなインフラを整えています。――すごく大変そうなお仕事ですね。Takaneさんもともと、前職ではGoogle Arts & Cultureを担当していましたが、それもインフラの整備でした。こうしたほうがいい、とか、これとこれを合わせるとおもしろい、ということを自分で作り出していく感じです。ある意味、自由度があるのでおもしろいですね。アートフェアって楽しいの…?Taipei Dangdai 2019 Courtsey of The Art Assembly――アートフェアは、富裕層がアートを買う場所というイメージがあるのですが、anan読者のような若い女性が行っても楽しめる場所なのですか?Takaneさん楽しいですよ!行かれたことがないと想像できないと思うのですが、世界のトップレベルのギャラリーが一堂に集まり作品が展示されているので、それを見るだけでも本当に圧倒されます。通路にインスタレーションが配置され、ギャラリーさんがつくる各展示ブースもすばらしく、すごく刺激を受けると思います。きっと、会場に入った瞬間に「オーッ」という感じになると思います(笑)。――見るだけの目的で行っても大丈夫でしょうか。Takaneさん見るだけでも大丈夫です。十年後、二十年後に作品を買いたいと思ってくれればうれしいですね。私自身、20代のときは作品を全然買えませんでしたが、ギャラリーやアートフェアに行くのが大好きで、見るだけでワクワクしました。――では、アートフェアに行って、もしも欲しい作品に出会った場合、初心者はどうすればよいですか?Takaneさん一番いいのはギャラリーの方に話を聞いてみることです。プロなので、アーティストのこともよく知っていますし、説明もしてもらえます。ギャラリーの方は、みなさん気さくに話してくれますので、勇気をもって聞いてみてください。それで、本当に納得されたら、それから買うかどうか決められたらいいと思います。――アートの相場はわかりづらく、失敗するのではないかと心配になります。失敗しない買い方はありますか?Takaneさん例えば今回の「Tokyo Gendai」は、申し込んできたギャラリーすべてが出展できるわけではありません。選考委員会があり、基準を超えた国際レベルのギャラリーしか参加できませんので、安心してご購入いただけます。あとは、自分次第。自分が作品をすごく好きになって買ったのであれば、失敗したと思わなければ失敗しません。値段だけを考えてしまうと、もしかしたら後々下がるということがあるかもしれませんが、自分にとって本当に意味のあるものであれば、その人にとってはずっと価値がありますよね。そこがアートのおもしろいところ。一点しかないものですから。――購入したい作品が自分の予算を超えていた場合、値切ることもできるのでしょうか。Takaneさん値段交渉もできますよ。ギャラリーさんも各国の方々の買い方などに慣れていますから、値切るなど値段についてお話しすることも可能です。衝撃を受けたアートは…Taipei Dangdai 2019 Courtsey of The Art Assembly――なぜTakaneさんはアートのお仕事をされるようになったのですか?Takaneさん私は18歳のときニューヨークに渡ったのですが、そのときは英語を話したいなという気持ちぐらいで、大学でも心理学を学んでいました。それまで、自分で絵を描くのは好きでしたが、ギャラリーや美術館の仕事については全然知らない状態でした。アメリカ、特にニューヨークではギャラリーがあちこちにあり、生活のなかにアートが溶け込んでいる感じなのです。それで、単純にギャラリーやアートフェアに行くのが大好きになりました。アートの仕事をするきっかけとしては、ダイチプロジェクトというギャラリーがあり、そこに見に行ったときに衝撃を受けたのです。ギャラリーは作品を売る場所というイメージでしたが、そこにはトラックがひっくり返った作品があり、これは売り物?とすごく驚きました。エンタメの要素がとても強いのです。そんな世界を知り、大学院でアートビジネスも学び、15年ほどアートの仕事をしています。――ジャンルとしては、現代アートがお好きなのですか?Takaneさん昔の作品もリスペクトしています。でも、私は今一緒に生きている作家さんの作品が好きです。アートを見ると、そのときの社会状況、政情がわかります。特に現代アートは、作品に時代が反映されているので、いろいろ考えさせられます。アートはクエスチョンを投げかけるものですが、その答えはありません。自分のなかでストンと納得できればそれでいいし、わからないと思ったままでもいい。そこがおもしろいところですし、それだから夢中になれるのだと思います。アート中毒!?――Takaneさんにとって、アートとはどんな存在ですか?Takaneさん中毒になるもの(笑)。犬はボールを投げたらボールに向かって走り出しますが、それと同じでアートがあるところに向かってしまうし、行かずにはいられないのです(笑)。中毒性がありますね。――なぜ、そこまで夢中になれるのですか?Takaneさんアートは、わからないから駆り立てられるのです。ゴールがないのです。次から次へと新しいアーティストが出てくるし、次々とおもしろいギャラリーが出てきて、アートを通して出会う人たちもさまざまな方がいらっしゃいます。コレクターさん、アーティストさん、政府や美術館の方々などともお会いでき、とてもおもしろい世界です。――今回お話をうかがい、私もアートフェアに行ってみたくなりました。Takaneさんアートフェアは本当に楽しい場所ですし、「Tokyo Gendai」は世界規模のギャラリーの展示を日本でまとめて見られるまたとない機会です。私が20代のときにアートを見て感じたワクワクを、若い方々にも体験していただきたいですね。――興味深いお話を聞かせていただき、ありがとうございました!インタビューを終えて…10代で単身アメリカに渡り、Googleや国際交流基金でもお仕事をされていたというTakaneさん。すごいご経歴の方ですが、笑顔がとてもステキなフレンドリーな女性で、大好きなアートのお話をされるときは目がキラキラと輝いていました。「Tokyo Gendai」の開催は、約一年後。これから情報がどんどんアップされていくと思いますので、ぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね。Information日時:2023年7月7日(金)~7月9日(日)*7月6日(木)はVIPプレビュー会場:横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)〒220-0012神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1主催:The Art Assembly(ジ・アート・アセンブリー)
2022年08月04日東京から約2時間半、手軽にリフレッシュしたい時におすすめなスポットが静岡県・焼津市です。都内からそこまで遠くないにも関わらず、富士山や海などの絶景スポットもあり、焼津南鮪や新鮮な桜えび、しらすをはじめ、水揚げ金額6年連続日本一の美味しい海の幸も楽しめるんです。そして何と言っても温泉総選挙 3年連続全国第1位の焼津温泉も魅力的。今回はトラベルライターが焼津の絶景スポットとおすすめのスタイリッシュな宿「月と鮪 石上」をご紹介します。至るところにある富士山絶景ポイント写真提供:一般社団法人焼津市観光協会焼津市内には富士山を眺められる絶景ポイントがたくさんあり、小川港や大崩海岸など天気がいい日は富士山と海をセットに写真も撮影できちゃいます。こちらは「浜当目海岸」からの富士山の絶景。駐車場もあるので立ち寄りやすいおすすめの絶景スポットです。筆者が訪れた日のように、天気によっては残念ながら富士山が見えない日もありますが、「浜当目海岸」の大きな岩はちょっぴりベトナムのハロン湾のようで素敵な絶景フォトも撮影できます。芝生と海のコントラストが絶景の「石津海岸公園」「石津海岸公園」では手入れの行き届いた、とってもきれいなグリーンの芝生と海のコントラストを楽しめます。写真提供:一般社団法人焼津市観光協会もちろんお天気が良ければ目の前に富士山が大きく現れるんです。目の前が海なので何の障害物もなく富士山を見渡せるのは贅沢。「月」をイメージした窓から絶景が広がる宿「月と鮪 石上」続いてご紹介するのは焼津の絶景が見渡せる宿「月と鮪 石上」。創業60年余りを機に2022年7月1日に1日5組限定の宿にリニューアルオープンしました。建築家・クリエイターが集まり、宿のロゴやインテリアを一新。建物は昔ながらのよさを活かしてリノベーションされ、多くの人を魅了するスタイリッシュでおしゃれな宿に仕上がっています。新たな宿の顔となる月をモチーフとした「満月のダイニング」からは朝、昼、夜といろいろな表情の駿河湾の絶景が広がります。2階に客室があり、全室から海を見渡せます。客室の名前は月の満ち欠けとなっていて、写真は「弓張月」という半月の名前のお部屋。シンプルなお部屋は、和紙の畳や少し薄いピンクが入った漆喰の壁で柔らかさも表現。シモンズベッドと「削ぎ落とす」ということをテーマに部屋に溶け込むこだわりの家具が設えてあります。お手洗いは共同、お風呂は1階に温泉の大浴場があります。塩分を含む塩化物泉で、肌にやさしい弱アルカリ性の温泉は健康と美容にもいいと言われ、入ると湯冷めしにくくポカポカします。一つ星シェフと共同開発した「極上南鮪のコース」「月と鮪 石上」に宿泊する中での楽しみの一つがお料理。満月ダイニング、もしくは個室でいただけます。ディナーの鮪料理はミシュランガイド東京2020より3年連続で一つ星獲得のレストラン「sio」オーナーシェフ・鳥羽周作さんの協力のもと、焼津の鮪のさまざまな部位を使った「極上南鮪のコース」が提供されます。鮪節の出汁のスープや鮪の赤みの漬けが入った最中、大トロのにぎり、鮪のお造り、中トロの炙り焼き、自家製の秘伝のタレで煮込んだ鮪のカマや血合の煮つけ、鮪の大トロと卵黄の醤油漬けで「月と鮪」という屋号を表現するなど終始、見た目も美しい鮪づくしの美味しい料理を味わえます。朝食はメカジキの幽庵焼きをメインに鮪の中落ちやしらすなど、土鍋ご飯がすすむ和朝食です。海だけでなく緑にも癒される共同スペースとして「山月のラウンジ」もあり、その窓からは一面に緑が広がります。海だけでなく緑生い茂る山々も愛でられる贅沢な空間です。ここにはプロによりセレクトされた本とフリーのコーヒー&ティーがあり、読書をしながら自由に過ごせます。宿でのおすすめのフォトスポット今回、焼津を旅した中で海岸などの富士山との絶景もおすすめですが、この「満月のダイニング」からの景色も写真に収めたくなる美しい絶景です。晴れた日の昼間や朝はキラキラとした海が丸い縁にすっぽり収まります。テーブルは桐ダンスと同じような「浮造り仕上げ」で、細波が海に続くような形になっているなど、空間と景色をトータルで切り取りたい絶景スポットです。夕暮れ時の30分ほどは、このようなインディゴブルーに窓が色づき、まるで青い月のようになります。満月の日にはこの海にムーンロードが走り、時間や時期でさらなる絶景に出会えます。都内からも行きやすい静岡県焼津市には絶景やグルメなどさまざまな魅力がつまっています。ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。雨宮あゆみ世界50か国以上をフリースタイルで巡った後、トラベルライターとしても活動し、世界の旅インフルエンサーが集まる大使館や観光庁主催の会への参加や旅に関する国際会議登壇、ASEAN tourism Awards Japanからは東南アジア諸国への観光促進に尽力したということで感謝状をいただいた経歴も。現在は国内の絶景や思わず写真で切り取りたくなる魅力的な場所を中心に旅をしている。Information浜当目海岸所在地:焼津市浜当目3丁目地先石津海岸公園所在地:静岡県焼津市石津2420地先
2022年08月03日早急に解決すべき世界的な社会問題のひとつといえば、子どもの貧困。そんななかご紹介するのは、本国アメリカで“いまこそ観るべき1本”として取り上げられた話題作です。『きっと地上には満天の星』【映画、ときどき私】 vol. 508ニューヨークの地下鉄のさらに下に広がっていたのは、暗い迷宮のような空間。廃トンネルのなかでは、ギリギリの生活を送っているコミュニティがあり、5歳になる少女のリトルは、母親のニッキーと暮らしていた。ところがある日、不法居住者を排除しようと市の職員たちがやってくる。隠れてやり過ごすことができないと判断したニッキーは、リトルを連れてと逃げ出すことを決意するのだった。夢にまで見た地上で、外の世界を初めて体験するリトル。喧騒の街ニューヨークで追い詰められていく母娘に、希望の光は降り注ぐのか……。ヴェネツィア国際映画祭をはじめ、さまざまな映画祭でも絶賛された本作。この作品で長編デビューを果たし、一躍注目を集めたこちらの方々にお話をうかがってきました。セリーヌ・ヘルド & ローガン・ジョージ監督監督と脚本のみならず、女優として母親のニッキー役も務めているセリーヌさんと、共同で監督と脚本を手掛けたローガンさん。同じ大学で演劇を学んだ友人同士だった2人ですが、現在は公私ともにパートナーとなり、いくつもの作品を一緒に発表して高く評価されています。そこで、本作に込めた思いや撮影現場の裏側、そして日本での忘れられない出来事などについて語っていただきました。―もともとは、セリーヌさんが住居を持たない母子と出会ったことと、地下コミュニティへの潜入記『モグラびとニューヨーク地下生活者たち』を読んだことが始まりとのことですが、映画にすべきと思われたきっかけは何ですか?セリーヌさんその母子と本に出会うまで、子どものホームレスというのがここまで大きな問題であることを認知していませんでした。いまでも、私のようにホームレスには何となく大人のイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。ただ、調べていくとニューヨークでも、何万人もの子どものホームレスがいることがわかりましたし、世界中にもたくさんいることを知りました。さらに、日本の『万引き家族』やレバノンの『存在のない子供たち』といった海外の作品では描かれているにもかかわらず、アメリカの映画ではしっかりと掘り下げていないことにも気づかされたのです。そういったこともあって、この題材に取り組みたいなと。ただ、公共広告的な映画にするのではなく、映画的なストーリー展開でありながらホームレスの子どもたちが抱えている問題を知るきっかけになるようなものにしたいと考えました。まさにいま起きている問題として考えてほしい―制作に取り掛かるうえでは、ホームレスたちが住んでいた本物のトンネルにも行かれて、不法侵入で逮捕されたこともあったとか。実際の場所に足を踏み入れてみて、いかがでしたか?ローガンさんマンハッタンの地下トンネルに初めて行ったのは2012年ですが、そこに人が住んでいたのは1980から90年代頃だったので、すでに誰も住んでおらず、人々が残したものがあるくらいでした。ほかにも、セントラル・パークの下にあるトンネルなどに行きましたが、印象的だったのは壁画が描かれていたこと。それによって、そこにはコミュニティが存在していたことや温かみのようなものを感じたのです。トンネルのなかで起きていたことは昔の話かもしれませんが、この映画では現代の物語として描きました。その理由としては、過去の出来事として片づけるのではなく、まさにいま起きている問題として考えてほしかったからです。―そういった経験をした方々と話をするなかで、印象に残っていることもありましたか?セリーヌさん私は子ども時代にホームレスをしていた女性と話をする機会があったのですが、彼女は自分の母親に置いていかれてしまった方でした。18歳になったとき自分の母親を探し出し、どうして自分を他人に預けたのか聞いたところ、「母親になる心の準備ができていなかったし、そもそも子どもを産みたいと自分で選択したわけではなかったから」と言われたそうです。それを聞いたときに、女性だからといって誰もが母親になりたいという願望を持っているわけではないのだと感じ、とても強烈な言葉だと思いました。人によっては、ある程度年齢を重ねたり、タイミングが訪れたりしたことによってそういう思いが出てくるものなのだと改めて感じた瞬間です。彼女が話してくれた母親の話は、劇中のニッキーのキャラクターに多く反映させてもらいました。誠実な演技と素晴らしい存在感が撮れた―ニッキーを演じる際、セリーヌさんがイヤホンを付けながら演出と演技を同時に行っていたと聞いて非常に驚きました。精神的にもかなりきつい役どころだったと思いますが、どのようにして監督業と女優業を両立させていたのでしょうか。セリーヌさんうまくやるのは難しかったですね。ただ、リトル役のザイラと一緒のシーンだけイヤホンをしていたくらいで、ずっと付けていたわけではありません。特に必要だったシーンとしては、ローガンが彼女に指示を出さなければいけなかったときとか、映像の画角を考慮しなければいけなかったときです。というのも、ザイラにあまりスタッフの姿を見せたくなかったのと、撮影場所が狭かったこともあって、カメラマンと音声と役者だけになることが多かったので。そういったときは、私とローガンが耳でつながることによって、お互いがお互いの目の役割を果たして進めていきました。ローガンさんザイラにとっては初めての演技だったので、作品の世界観のなかに身を置いてもらい、自然と撮り続けるなかで演じてもらうほうがいいと思ってそのようにしました。特に、子どもというのはマジカルなものなので、ときには僕たちが脚本で書くセリフより10倍もいいことを口にしたりすることがありますからね。自由に演技してもらい、自分自身との境界線があいまいになるような感覚になってほしかったので、15分から20分ほどカメラを回し続けたことも。結果的には誠実な演技と素晴らしい存在感が撮れたと思っています。―ザイラちゃんは初めての演技とは思えませんでしたが、出演のきっかけは家族と教会の炊き出しに来ていたときにキャスティングディレクターと出会ったときだとか。彼女が置かれている状況も、リトルに近いものがあったのですか?セリーヌさんザイラが2歳のとき、つまり彼女と出会う3年前のことですが、家族で住んでいた家が火事で全焼してしまったそうです。しかも、当時は仕事をしていたのはお父さんだけでお母さんはまだ大学に通っていたそうなので、仮の住まいしかなく、生活もまだ不安定なときだったと思います。ザイラは5人兄弟の真ん中で、他の兄弟たちは赤い髪色で人目を引く家族だったので、お父さんもいつか家族が撮影されるような機会があればいいなと考えていたのだとか。なかでも、ザイラは演技が好きだったようなので、いい出会いができたと思っています。いまでは、きちんと家もあって安定していますし、私たちとは家族ぐるみの付き合いをしているところです。日本での結婚式は、完璧で美しい一日だった―日本についてもおうかがいしたいのですが、もし日本にまつわるエピソードがあれば教えてください。セリーヌさん実は、私たちは日本にあるインターナショナルスクールで2年間ほど演技や演劇を教えていたことがあるんですよ。なので、日本をとても愛していますし、住んでいた東京を気に入っています。ローガンさんただ、毎日仕事が忙しくて東京以外の場所に行く時間がなかったのは残念だったかなと。ぜひ地方の町も見てみたいので、ちょうどいい季節のときにまた戻りたいなと考えているところです。個人的には、日本の冬の景色に惚れ込んでいて、特別なものを感じています。セリーヌさんそれと、日本での思い出と言えばですが、なんと私たちは日本で結婚をしたんです。というのも、当時はコマーシャルのプロジェクトや短編の制作も日本でしていて、いろいろな手続きの関係上、夫婦になったほうが楽だなと思ったので、勢いで結婚したんですが(笑)。ローガンさんでも、僕たちはもともと小さな結婚式をしたいと思っていたので、僕たちのことを誰も知らない土地で結婚するという意味では完璧な場所でしたね。セリーヌさん式を挙げたホテルからは結婚の証明書もいただいたので、それを壁に飾っているんです。2人きりの結婚式を日本という美しい国ですることができて、とても光栄に思っています。ローガンさんしかも、日本人のみなさんはとても思いやりがあって優しい方々ばかり。おかげで、本当に美しい一日を過ごすことができました。社会で起きている問題を知るところから始める必要がある―素敵な思い出を教えていただき、ありがとうございました。セリーヌさんがこの問題に取り組み始めて、すでに10年が経過していますが、ホームレスの方々が置かれている現状は変わりましたか?もし私たちにでもできることがあれば、教えてください。セリーヌさんアメリカも経済的に不況になってきたので、あまり改善は見られていないように感じています。ローガンさんしかも、コロナ禍になってしまったので、ニューヨークをはじめ、西側のロサンゼルスやカリフォルニアなどではホームレス問題はより深刻になっている印象です。セリーヌさんただ、ワシントン州では住宅を基本的人権のひとつとみなすようになり、すべての人に住宅を与える対策を取ったところ、それがうまく行っているようなので、改善されている州もあります。ローガンさんでも、アメリカでは不平等がどんどん広がっているのではないかなとも思っています。セリーヌさん確かに、アメリカの政策は迷走しているところもあるので、これからどうなるのかはわからないところかなと。だからこそ、この作品を通して「ニッキーのような人が電車で自分の隣に座っているかもしれない」と観客に感じてほしいと思っています。ローガンさんニューヨークでは、ギリギリホームレスではないけれど、明日にでもホームレスになりそうな可能性のある方は増えていますからね。セリーヌさんそのほかに、個人的に人生を変えてくれた出来事といえば、ボランティアに参加したこと。そこで自分の行動が他人の人生を少しでも変えられるかもしれないと感じられた経験は大きかったです。なので、みなさんに言えるとすれば、ボランティアをしてみること、あとはこれらの問題を解決してくれる実行力のある人に投票するといったことでしょうか。ただ、いまは世界的に見ても本当にいろんなことが起きているので、社会で起きている問題について、まずは知るところから始めていく必要がありそうです。暗闇のなかでも、手を伸ばせばきっと希望はある当事者の目線から物事を見ることによって、これまで知ることのなかった世界を知るきっかけを与えてくれる本作。胸が張り裂けるような愛でつながった母と娘の姿に、心が揺さぶられる必見作です。取材、文・志村昌美目が離せない予告編はこちら!作品情報『きっと地上には満天の星』8月5日(金)より シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国公開配給:フルモテルモ、オープンセサミ️©2020Topside Productions, LLC.All Rights Reserved.
2022年08月02日毎年8月は、平和に対する思いがいつも以上に強くなるときですが、そんななかでいま観るべき映画としてご紹介するのは、新たな視点で平和へのメッセージを訴えるドキュメンタリー『長崎の郵便配達』。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。イザベル・タウンゼンドさん【映画、ときどき私】 vol. 507映画『ローマの休日』のモチーフになったと言われている“世紀の悲恋”を繰り広げたタウンゼンド大佐を父に持ち、フランスでは女優として活躍しているイザベルさん。本作では、16歳のときに長崎で被爆した郵便配達員の谷口稜曄(スミテル)さんの記憶をノンフィクション小説として発表した亡き父の思いを探るため、長崎でさまざまな出会いと経験をする姿が映し出されています。そこで、日本に対する印象や改めて感じた平和の価値、そして日本の女性たちに伝えたいメッセージについて語っていただきました。―今回の映画制作に関しては、川瀬美香監督からお話があったことがきっかけだったそうですが、ご自身のなかでも以前から映画にしたいというお考えはあったのでしょうか。イザベルさん実は、川瀬さんから声をかけていただくまで、ドキュメンタリーにしようと考えたことはありませんでした。とはいえ、もともと私がコンタクトを取っていたのは、父の本を再販したいという出版社の方。本についての話をしていくなかで、その方の友人である川瀬監督がドキュメンタリーにしたいと思っていると聞き、絶対に会わなければいけないと思いました。その後、川瀬監督と初めて会ったのは、この本を書いたときの資料がたくさん置かれている父の書斎。とても素晴らしい瞬間でしたし、私たちは2人とも「ここには伝えなければいけない大切なメッセージがある」と直感したので、映画を作ることにしました。日本人は親切で、他人へのリスペクトがある―日本で撮影を行った際、多くの日本人と交流したと思いますが、どのような印象を受けましたか?イザベルさんまず初めに驚いたのは、日本のみなさんが本当に親切で、他人に対するリスペクトを日常生活のなかでも持っていることでした。人と話をするときも、熱心に聞いていらっしゃったので、みなさんのなかには人と共同作業する精神のようなものがあるのではないかと感じたのを覚えています。そのほかに印象的だったのは、東京でも長崎でも、日本には逆説的なところがあること。日本古来の物を大切にしながら、建築やファッションなどにおいて未来的な部分も持ち合わせていると感じました。モダンでありながら伝統をおざなりにすることなく、リスペクトしているということは素晴らしいと思います。―今回の旅行では、娘さんも同行されていましたが、若い世代の方々が歴史を知ることで変化したところもあったのでしょうか。イザベルさん私の2人の娘はとても真剣に観察していたので、1945年8月9日に長崎で何が起こったのかをはっきりと理解したようでした。日本でもヨーロッパでも、若い人たちにとっては当時起こったことを想像するのは非常に難しいことだと思います。でも、この映画を作ったことによって、それらの出来事を考えるための土壌を作り、彼らに“足跡”のようなものを残せたのではないかなと。今回の旅も、娘たちにとっては大切なプレゼントになったと感じるので、私もうれしいです。平和を求める権利は、誰にでもある―ただ、残念なことに現在も世界の平和を脅かすような戦争が起きています。このような状況のなかで、私たちはどのような意識を持って生きていけばいいとお考えですか?イザベルさん普段はあまり意識していないかもしれませんが、まずは“平和の価値”というものを日々考える必要があると思っています。そして、世界で起きている脅威や痛ましい出来事を知り、人間としてそれらを直視するべきではないでしょうか。私は女優という職業をしていることもあり、平和の大切さというのは、映画や演劇、本、造形美術、アートといった文化を通して伝達できるものだと考えています。私たち人間は、地球に生きている以上、平和を求める権利は誰にでもあるのです。実際、私の父は本を書くことで訴え、谷口さんは傷に苦しみながら闘い続けました。そんなふうに、それぞれが違うやり方で平和を希求し、平和がいかに大切であるかを伝える行動を起こしていけたらと。個人レベルでの働きかけというのは、とても大事なことだと思います。―この映画でもいろんな出会いを重ねていくうちに表情が変わっていくイザベルさんの姿が印象的でしたが、長崎での経験でご自身が得たものは何ですか?イザベルさん父が本を出版した当時、リアルタイムで読んだものの、内容について父と話すことはありませんでした。まだ22歳くらいで若かったこともありますが、あまりにひどい暴力性が信じられず、現実として受け止めることも、理解することもできなかったからです。ただ、今回の撮影を通して、父がどうしてあの本を書こうとしたのか、父と谷口さんの間にあった友情、そして何よりも“平和の価値”がどれほどのものかを知ることができたと思います。撮影中も父に見守られているような感覚がありましたが、父が私にバトンを渡してくれたのではないかなと。フランスでもこの経験をほかの人に伝えていきたいという思いが、自分のなかで生き続けているように感じています。女性が勇気を持っている姿は素晴らしいこと―それでは最後に、イザベルさんのように仕事と家庭を両立している女性を目指すananweb読者にメッセージをお願いします。イザベルさんとても大切なことを聞いてくださってありがとうございます。というのも、私自身も若い頃はどうやって仕事と家庭を両立させたらいいのかわからず、そのジレンマに悩まされていたからです。もし読者のなかで、同じ思いをしている方がいれば、仕事はぜひ続けてほしいと思います。なぜなら、情熱を持ってキャリアを追い求めていれば、その母親の姿を見た子どもたちにも人間としていい影響を及ぼすはずですから。とはいえ、仕事と家庭の両立をするうえでバランスをつかむことはとても難しいことであり、長い道のりでもあります。しかも、その大変さを周りに認識してもらえないこともありますよね……。ただ、それらを両立することは楽しいことでもありますし、努力する価値があるものだと考えています。女性ががんばって何かを見つけようとする勇気は素晴らしいことなので、私はみなさんを応援したいです。インタビューを終えてみて……。とても物腰の柔らかい方ですが、平和に対する思いを語る姿は父親譲りの強い意志を感じさせるイザベルさん。いろいろな気づきを与えてもらうとともに、モチベーションも上げていただきました。作品のなかで見せるイザベルさんのさまざまな表情からも、ぜひたくさんのメッセージを感じ取ってください。受け継いでいくべきは、平和への願い戦争が引き起こした悲劇と向き合い続ける意味、そして平和を守り続ける大切さなど、過去の歴史からいま学ぶべきことは何かを教えてくれる本作。言葉を超えて生まれた谷口さんとタウンゼンド氏の友情が、時を超えて私たちを正しい道へと導いてくれるはずです。取材、文・志村昌美ストーリー戦時中、英空軍のパイロットとして英雄となり、退官後はイギリス王室に仕えていたピーター・タウンゼンド氏。エリザベス女王の妹マーガレット王女と恋に落ちるも、周囲の猛反対で破局し、世紀の悲恋は世界中で話題となる。その後、世界を回り、ジャーナリストとなった彼が日本の長崎で出会ったのが、16歳で郵便配達の途中に被爆した谷口稜曄さんだった。タウンゼンド氏は生涯をかけて核廃絶を世界に訴え続ける谷口さんを取材し、1984年にノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を出版する。そして、2018年8月。タウンゼンド氏の娘で女優のイザベル・タウンゼンドさんは、父親の著書を頼りに長崎へと向かい、父と谷口さんの想いをひもといていくことに……。多くの人に届けたい予告編はこちら!作品情報『長崎の郵便配達』8月5日(金)シネスイッチ銀座ほかにて全国公開配給:ロングライド️©The Postman from Nagasaki Film Partners
2022年08月01日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。ファッションウィークで見かけた、いま気になる上下セットスタイルをご紹介。清潔感あるWhiteカラーのセットアップ!特に夏の時期には涼しげに見えて好感度アップする、ホワイトづくめ!清潔感があってさらに上品に見えるので、仕事やパーティなどでも一目置かれるスタイルかも!?ブラックでも重く見えないコツは!?首元までピッタリと閉まったトップスに全体的にブラックなので、重めなスタイルのはずが、全くダークな印象がなく、逆にスッキリしていますよね。ポイントは足首を見せること。また、色違いで明るめのシューズをピックアップすることで、全体の重みを軽減しているようです。シックなスタイルは、同級生が集まるイベントや、重要な打ち合わせなどの時に着用するといいかも!?レザー風素材で上品度アップ!最近ヨーロッパでは、本革を使用するよりもヴィーガンレザーなど本革風の素材を使用することが増えてきています。こちらもまさにレザー風素材!レザーのように暑くもないけど、上品な雰囲気はそのまま!こちらの方のスタイルは、トップス部分を絞っていることで、脚長効果&くびれができ、スッキリした印象になっています。同色の上下セットの場合は、オーバーサイズで見せるならオーバーすぎるくらいに。メリハリをつけたいなら、絞り部分を見せるとスッキリとした印象になりますよ。上下セットのスカートスタイルも素敵!今までご紹介したものはパンツスタイルでしたが、こちらのようにスカートも魅力的!こちらは清楚なホワイトが美しいファッションですが、どこからみても引き立つベルトが印象的!ホワイトは比較的印象操作がしやすいので、これからの季節にはかなりおしゃれを楽しめそうです。イギリスっぽいスーツスタイルもいい!カジュアルなセットアップとは違う、こちらのようなスーツスタイルも素敵。重要なミーティングの時にはスーツスタイルは安定しておすすめ。スーツスタイルでもお洒落に見せたいなら、ちょっとこだわった柄物をチョイスすると良さそう!いかがでしたか?TPOに合わせやすい上下セットアップは、数着あるととっても便利。小物次第で印象が変わるので、ぜひ楽しんで着こなしてみてください。写真・平野秀美
2022年07月31日東京・竹橋にある東京国立近代美術館で『ゲルハルト・リヒター展』が開かれています。ゲルハルト・リヒター(1932~)はドイツ出身のアーティスト。世界で高く評価され、オークションでも作品が高額で取り引きされている現代アートの巨匠です。リヒター作品はなぜ人気があり、何がスゴいのでしょう?プレス内見会で取材してきました。どんな展覧会?© Gerhard Richter 2022 (07062022)【女子的アートナビ】vol. 252『ゲルハルト・リヒター展』では、2022年に90歳を迎えたアーティスト、ゲルハルト・リヒターの初期作から最新のドローイングまでの作品122点を展示。60年にわたる画業のなかで手がけた油彩画や写真、ドローイング、ガラスや鏡などを用いた作品などが一堂に集まっています。本展の注目ポイントは、作家本人にとって大切な作品が揃っている点です。リヒター自身が手放さず、手元に残してきた本人所蔵の作品と、ゲルハルト・リヒター財団コレクションを中心に、かなり見ごたえある作品が展示されています。また、会場構成についても作家本人の希望を反映。リヒターにとって大事な作品を、本人の希望するスタイルで展示した、なんとも贅沢な展覧会です。スゴい経歴リヒターは、ドイツ東部のドレスデン生まれ。芸術系の大学を出たあと壁画制作などを手がけていましたが、1961年、ベルリンの壁ができる直前に西ドイツへ移住。東独でのキャリアを捨て、デュッセルドルフ芸術アカデミーで再び学びはじめます。1964年には初個展を開催。さらに、1971年にはデュッセルドルフ芸術アカデミーの教授に就任し、その後はパリやアメリカなどの名だたる美術館で個展を開催していきます。1997年にはヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞。その後も数々の賞をとり、紹介しきれないほどの実績があります。スゴい値段経歴もスゴいですが、作品のお値段も飛びぬけています。2012年に開かれたオークションでは、存命作家の最高落札額(当時/2132万ポンド=約27億円)を更新。近年でも、さまざまなオークションで30億、40億など高額の落札額が報道され、世界のアート界で常に注目を集めています。スゴい作品――経歴も作品価値もスゴいことがわかりました。でも、リヒターの作品は、抽象的な絵もあれば具象的な絵もあって、作品としてどこがスゴいのか、素人にはわかりづらい作家です。東京国立近代美術館・主任研究員の桝田倫広さんは、リヒター作品について次のように説明しています。桝田さんリヒターはどうスゴいのか、わかりやすく言ってください、という質問を何度かいただきます。いつも、このような問いにどうしようかと困るのです。一言では言い表せない多様な問題を含んでいることこそ、彼の作品の特徴と言えるからです。――実際、リヒターについての本や論文なども数多くあり、本展の図録にもさまざまな解説が載っています。リヒター作品は、“一言で説明できないほどスゴい”ことがわかります。必見!“最後の絵画”では、ここからは作品について見てみます。リヒター作品には、いくつかジャンルがあります。例えば、「フォト・ペインティング」は、新聞や雑誌に載った写真などを正確にうつしとるように描いたシリーズ。「グレイ・ペインティング」は、灰色の絵具でキャンバスを塗り込めるシリーズ。このグレイのシリーズからつながってできたのが「アブストラクト・ペインティング」(抽象絵画)シリーズです。リヒターは、自作の大きなヘラをつかってキャンバス上で絵具を引きずるようにのばしたり削ったりしながら、独自の「アブストラクト・ペインティング」を生み出しました。この抽象絵画シリーズで、今回もっとも注目されているのが、2017年に制作された作品《アブストラクト・ペインティング》。本記事一枚目の画像です。本作は、作家本人が「これを最後にもう絵画は描かない」と宣言したメモリアル的な作品。ぜひ、じっくりご覧になってみてください。ガラス作品はどう見る?――リヒター作品のなかで、「ガラスと鏡」をつかったシリーズがあります。このような作品は、単にガラスを見ればいいのか、ガラスに映っている自分の姿を見るものなのか、ちょっと迷うかもしれません。桝田研究員は、次のように解説しています。桝田さんリヒター作品の根本的な原理は、「見るとはどういうことか。イメージが表れるとはどういうことか。それらの条件自体を問うもの」と言えます。そのことが端的に表れているのが、ガラスや鏡の作品です。この作品の前に立つと、ガラス越しに壁が見え、自分たちの姿も、ガラスそのものも見えます。ガラスに映し出されたものに何を見いだすかは、私たちが“見る”ということの複雑な営み次第。その営みは、私たちの経験や慣習、何を見たいと欲しているか、によって大きく左右されます。――ガラス作品の鑑賞方法、かなり奥が深いですね。ぼんやり見ているとただのガラスですが、「何を見たいと欲しているか」と考えると、とたんにハードルが上がります。ぜひ、ガラスや鏡の作品の前で、いろいろ感じてみてください。アウシュヴィッツの写真をもとに制作…本展で最大の見どころは、2014年に制作された《ビルケナウ》という4点組の絵画です。一見すると、シンプルな抽象絵画ですが、この絵の下層にはアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で隠し撮りされた4枚の残酷な記録写真(死体などが写っています)のイメージが描かれています。しかも、その写真は絵画のすぐ隣に展示されているのです。鑑賞者は、絵画の下に隠された残酷なイメージを想像しながら、リヒターの作品と向き合うことになります。この作品の前に立つと、桝田研究員が教えてくれた「見るとはどういうことか。自分は何を見たいと欲しているのか」という問いを突き付けられる気がします。二度とないかも!何が描いてあるのかわからない抽象絵画や、ただガラスだけが並んでいるようなリヒターの作品は、ぼんやり見ていると「わからない・つまらない・難しい」と感じてしまうかもしれません。ただ、リヒター本人も、「優れた絵画は理解できない」と述べているので、理解できなくてもいいようです。「見るとはどういうことか」と思いながら作品と向き合ってみる。それだけで、自分のなかに何かが残るような気がします。これほど充実したリヒターの大規模展覧会を日本で見られる機会は、もう二度とないかもしれません。かけがえのない鑑賞体験を、ぜひ美術館で味わってみてください。Information会期:~10月2日(日)※休館日は月曜日(ただし9月19日は開館)、9月20日(火)会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー開館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで※最新情報などの詳細は展覧会特設サイトをご覧ください。お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年07月31日どんなに暑い日でも薄着で出かけるのは危険。外の気温が高くなるほど、室内は冷房が効いてヒエヒエ…。時には冷蔵庫に放り込まれたかと思うほど極冷えの店内施設もありますよね。寒さに弱い女性にとって夏の冷房対策は必須事項!そこで今回は、室内外の気温差が激しい時に取り入れたい、冷房対策コーデをご紹介します。ノースリーブワンピース+リブカーディガン冷えやすい体質の方ほど、必須アイテムとなるカーディガン。できるだけ持ち運びのしやすい薄手タイプが人気です。しかし、シアー素材や透かし編みのカーディガンはあまり冷房対策には向きません。一番使い勝手が良くておすすめなのが定番のリブカーディガンですね。体にピタッとフィットするリブカーディガンは薄手ながらもしっかりと冷えから体を守ってくれます。リブカーディガンはボディラインにフィットするシルエットが特徴的なので、インナーはノースリーブトップスを合わせるほうが服の上からラインが響きません。とくにノースリーブワンピースは合わせやすいアイテムですね。ただし、一点注意したいのはワンピースやスカートは足元がとくに冷えやすいので気をつけて。カーディガンと一緒に足首をしっかり温めるレッグウォーマー、もしくは薄手の腹巻きを持ち歩くと安心かもしれません。ボレロつきアンサンブルトップス昨今、トレンド入りしているボレロカーディガンつきのアンサンブルトップス。昨年の秋冬あたりからアンサンブルニットの人気が続いていましたが、今夏もその勢いは増しているようですね。この、アンサンブルトップスも冷房の効いた室内で過ごすのに最適なアイテムのひとつ。室外ではボレロを脱いでシンプルに着こなす。室内ではボレロを羽織るといったように簡単に着脱できるので非常に便利です。また、アンサンブルは同色・同素材で作られているので、統一感のあるおしゃれな着こなしが実現します。どのトップスに、どのカーディガンを合わせれば良いのかわからない…という着こなしに悩む方は、こうしたアンサンブルトップスを合わせることで失敗なくおしゃれを楽しめるのではないでしょうか。もし、着こなしに飽きたら、ボレロの代わりに薄手のオーバーサイズトップスを上から重ねるとまた雰囲気が変わってコーデのマンネリ化も防げます。持ち歩きできる冷房対策グッズも見逃せない!実は今年になってから、あるパーツに特化した小物アイテムが急増しています。先ほどご紹介したボレロを始め、レッグウォーマー、アームウォーマーといった小物がY2Kブームをキッカケにトレンド入りに。これらのパーツアイテムは冷房対策としても申し分なし!なによりカーディガンやジャケットより持ち運びしやすいのが魅力的ですよね。この他、折りたためる膝かけやパッカブルパーカーなどを持っておくのもおすすめですので、よかったら皆さんも試してみてくださいね。イラスト 角 佑宇子
2022年07月30日1児のママでもあるライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第42回は、ママになって気づいたという“産後あるある”をご紹介します。出産すると、どんなことがよくあるのでしょうか!?1.妊娠前の洋服が着られない【ママライフばんざい!】vol. 42ママになり、初めての子育てに奮闘していると、子どものことでいっぱいになって自分のことにまであまり時間をかけられなかったり、妊娠前とは体型が変化することもあったりします。妊娠する前はスリムだった場合でも、妊娠中はもうひとりぶん(場合によってはもっと)体重が増えますし、出産後もすぐに体型がもとに戻るわけではありません。だから「妊娠前の洋服が着られなくなる」ことは、よくあること。命を守り育てるわけですから、体型変化は、頑張ったママと子どもの証です。とはいえ、すぐに産前の体型に戻るわけではないため、洋服のサイズチェンジはよくあることだといえるでしょう。2.すっぴんがデフォルトとくに子どもが小さいほど、肌に触れるものには、注意が必要になってきます。赤ちゃんのときは、なんでも口にいれたり、なめたりすることもあるため、接する機会のある大人は、身だしなみに気を配るもの。可愛い赤ちゃんのぷくぷくほっぺにママの頬をついくっつけたくなりますが、そういうときのためにも、あえてお化粧はせずに素顔のままでいるママは多いです。育児が多忙になるため、必然的に化粧をすることにまで気がまわらない場合や適当になると言う場合もあるようですが、どちらかといえば我が子のために、すっぴんがデフォルトになるんですね。3.万全の授乳スタンバイ赤ちゃんにママのおっぱいをあげる場合、粉ミルクを哺乳瓶であげる場合、両方を取り入れての混合育児の場合など、いろいろありますよね。おっぱいをあげるママの場合、数時間おきに授乳タイムとなるため、慣れてくると万全の授乳スタンバイでいるというママもいます。昼夜問わず目が離せない赤ちゃんがいると、ママも睡眠不足になってしまうことも。疲れもあっておっぱいを出したまま、ついウトウトしてしまっても、おっぱいにすぐ赤ちゃんがたどりつけるからむしろそのまま片乳を出している、というママもいました。まさに万全の授乳スタンバイといえるかもしれませんね。4.写真を撮りすぎるとにかく我が子が可愛くて、普段はあまり写真を撮らないパパでさえ、スマートフォンの画像フォルダには子どもの写真がいっぱい! ということはよくあることです。ママならなおのこと、人生でそうない出産経験や、子どものちょっとした成長も見逃したくない気持ちから、つい写真を撮りすぎてしまうママが続出。いまはママとパパ、おじいちゃんやおあばあちゃんなど、家族で共有できる写真アプリなどもいろいろとありますから、子どもの写真をたくさん撮って、その成長を家族で見守るのは産後誰もがやってしまうことといえそうですね。お子さんがいると、一気にママは忙しくなることもありますが、それを十分に補えるほどの愛する子どもとのかけがえのない時間が待っています。みなさんもすこやかなママライフを送れますように!文・かわむらあみり©GlobalStock/Getty Images©Galina Zhigalova/Getty Images©LSOphoto/Getty Images©Liderina/Getty Images
2022年07月29日さまざまな家庭の事情を抱える子どもたちを救うため、社会全体としていくつもの課題に取り組んでいくべきですが、そのなかで注目されている制度のひとつが里親。そこで、ある実話をもとに描き、大きな感動と反響を呼んだ話題作をご紹介します。『1640日の家族』【映画、ときどき私】 vol. 506アンナと夫のドリスが、母親を亡くした里子のシモンを受け入れて4年半。18か月だったシモンは長男と次男と兄弟のように成長し、いつだって一緒に遊びまわっていた。5人はにぎやかで楽しい日々が続くと思っていたが、ある日、激震が走る。月に1度の面会交流を続けてきたシモンの実父エディが、息子との暮らしを再開したいと申し出をしてきたのだ。突然訪れた“家族”でいられるタイムリミットが迫るなか、彼らが選んだ未来とは……。人権や児童福祉を重視し、幅広い取り組みをしているフランスの現状を知ることができる本作。今回は、実際に里親制度を経験したこちらの方にお話をうかがってきました。ファビアン・ゴルジュアール監督© Manuel Moutier子ども時代に、両親が迎えた里子と生活をともにした実体験をもとに本作を手掛けたゴルジュアール監督。そこから自身が学んだことや育児をするうえで大切なこと、そして里親制度に必要なものなどについて語っていただきました。―幼少期に味わった里子との出会いとつらい別れは、監督のご家族みんなに影響を与えたそうですが、それによって監督の人生はどのように変わったと思いますか?監督僕にとっては、“映画監督になるための礎”となるような経験でした。というのも、「映画監督になったらこのストーリーを語るんだ」といった強い思いが自分のなかで生まれたからです。その後、22歳くらいのときに里子に関するシナリオを書いてみたもののうまくいかず、まずはほかの作品で経験を積むことに。そこでプロデューサーともいい関係を築けたので、本作を作ることができました。―里子と一緒に過ごした経験を通して、一番描きたいと思ったものは何だったのでしょうか。監督それはいままでにどんな映画を作っていても感じることですが、僕がテーマとして描いているのは、人の感情について。やはりそれは、子どもの頃に感情を揺り動かされるような経験をしたことが大きいのだろうと自覚しています。前作の『ディアーヌならできる』では、代理母の役割を務めた女性のエモーションが溢れ出るところでラストを迎えていますが、本作では最初からエモーションが溢れ出ている女性を描きました。僕にとって映画というのは、人間の感情を描く役割を果たしているのだと思います。里親は距離感を保つのが難しいと感じた―里親制度を目の当たりにしたことで、親子の在り方についても考えたと思いますが、育児をするうえで大切なものは何だと思いますか?監督僕にも5歳半の娘がいるのでよくわかりますが、子どもが生まれたことによって自分の人生は大きく変わりました。そんななかで、愛が不足することなく、溢れるほどの愛があるほうが親子関係においては大切なことだと確信しています。ただ、愛情がたくさんあるからいい親であるとか、正しい判断ができるとは限りませんよね。愛が溢れすぎて過保護になる場合も、子どもが息苦しいと感じてしまう場合もありますから。そういった弊害もありますが、それが愛であると言えるのかもしれません。―里親だった監督のお母さまがソーシャルワーカーから受けた唯一のアドバイスは、「この子を愛しなさい、でも愛し過ぎないように」だったとか。監督確かに、里親の場合は、愛してあげなきゃいけないけど、愛しすぎてはいけないという距離感を保つのは非常に難しいことだと思います。そのときに考えたのは、里親のように感情を職業的にコントロールするのは可能なのだろうか、ということでした。人によってはできるかもしませんが、僕個人としては、難しいと感じています。母親と父親の立場の違いも見せたかった―劇中では、愛情を抑えきれない母親に対して、冷静さを保つ父親も登場します。里子との距離感がそれぞれ違って描かれていますが、それは母性によるものなのか、それとも監督が実際にリサーチや経験から感じたことなのでしょうか。監督いまの質問にもあったように、それは母性でもあり、リサーチの結果でもあり、自分の母親の姿でもあり、それらすべてが含まれています。ただ、今回の作品で言うと、アンナがヒロインなので、彼女の目線で描くことを意識しました。実際、里親を仕事にしているのは女性のほうが圧倒的に多いと言われています。しかし、だからといって父親よりも母親のほうが愛情深いという意味ではありません。本作では、シモンの母親が亡くなっていることもあり、アンナは余計に母親の代わりになろうとしてしまうところがあります。いっぽう、実の父親は存在しているため、アンナの夫であるドリスは自分を父親と同一化することがないのです。それだけでなく、彼は自分の家族に“嵐”が待っていることを予見していることもあって、愛情を溢れさせることなく、自分が家族を守るために距離を保つことを意識しています。そういった立場の違いというのも、本作のなかでは見せたいと思いました。里親の存在は必要だが、改善すべき点が多い―なるほど。まもなく日本では公開を迎えますが、日本に対してはどのような印象をお持ちですか?監督まだ訪れたことはありませんが、日本といえば新婚旅行で行こうかと話が出たこともあったくらい興味がある国のひとつ。実は、この作品と一緒に行けるのではないかと淡い期待を抱いていたのですが、コロナ禍でその夢が破れて残念に感じています。日本に興味を持つようになった出発点はやはり日本映画ですが、なかでも好きなのは成瀬巳喜男監督です。いま一番好きな監督と言えるほど、最近になっていろんな作品を観ているところです。彼の作品に惹かれる理由は、感情を揺さぶるメロドラマの要素があること。いつか映画のなかの場所を体感できるように、スクリーンを通り抜けて日本にたどり着きたいと思っています。―日本では親と暮らせない子どもたちに対して、施設養育から里親養育への転換を進め始めたところと言われていますが、里親制度を広めていくうえで欠かせないことや改善すべき点などがあれば、教えてください。監督里親制度が存在すること自体はいいと思いますが、システムに関してはまだ欠点のほうが多いように感じています。必要としている子どもの数は減っていないにも関わらず、残念ながら里親になろうという人が減っているのが現状。これはフランスに限ったことではなく、世界的に見ても、他者に対する寛容さが失われつつあるので、悲しいことだと思っています。里親制度において問題を挙げるとすれば、まずは財源不足。そして、使命感の欠如です。里親になりたい人を増やすのは大事なことですが、現在はあまり選別することなく誰でもなれる状況なので、お金目当てだけでやっている人がいると言われることも……。そうならないためにも、財源を増やし、里親を養成する期間をしっかりと設ける必要があると思います。新しい家族の在り方を考えさせられる里親という制度を通して、親と子の間における愛の大切さと難しさを突きつける本作。演技初挑戦とは思えない子役が見せる繊細な表情をはじめ、フランスの実力派俳優たちによる見事な演技は、観る者の感情までも溢れさせてしまうはずです。取材、文・志村昌美心が震える予告編はこちら!作品情報『1640日の家族』7月29日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:ロングライド️© 2021 Deuxième Ligne Films - Petit Film All rights reserved.
2022年07月28日この夏もさまざまな話題作が公開されるなか、長年にわたって世界中を魅了している大ヒットシリーズの最新作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』がついに日本にも上陸。そこで、3部作の完結編ともなる本作について、こちらの方にお話をうかがってきました。木村佳乃さん【映画、ときどき私】 vol. 5052015年の『ジュラシック・ワールド』以来、本シリーズのヒロインであるクレアの日本語吹替版を担当している木村さん。今回は、キャラクターに対する思いや自身のターニングポイント、そして失敗との向き合い方などについて語っていただきました。―クレアを演じるのは、前作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』から4年振りとなりましたが、いかがでしたか?木村さんもう4年も経ったのかと驚きましたね。クレアといえば、『ジュラシック・ワールド』の3部作を通して、一番内面が変わったキャラクター。最初はビジネスライクの冷たい話し方の女性でしたが、今回は母性と優しさが出てきたことによってより人間らしくなったように感じました。―母親的な側面も描かれていますが、ご自身も母親として共感しながら演じていらっしゃったのでしょうか。木村さん確かに、そういうところはあったと思います。ただ、そのあたりはクレアを演じているブライス(・ダラス・ハワード)さんがすでに演技として表現してくださっているので、私がしたのはあくまでも彼女に寄せていくという作業。私の考えを入れるのではなく、ブライスさんの表情に合わせて声の強弱を決めていきました。映画を観たときの驚きは、いまでも覚えている―前回のアフレコでは、叫びすぎて声が出なくなってしまったこともあったとか。今回大変だったことはありませんでしたか?木村さん本作では叫ぶシーンがあまりなかったので、それは大丈夫でした。クレアも前より優しくなっていましたからね(笑)。―木村さんと同様に、前作から続投となった主人公オーウェンの声を担当されている玉木宏さんについては、どのような印象ですか?木村さん収録が別々だったので、実は玉木さんとも4年振りに先ほどお会いしたばかりなんです。相変わらずハンサムですし、すごくセクシーな声をされていると思います。―本作は、1993年に世界中で大きな反響を呼んだ『ジュラシック・パーク』から始まっています。その当時のことは覚えていますか?木村さん私は高校生でしたが、映画に恐竜が出てくると話題になっていましたし、監督がスティーヴン・スピルバーグだったので私も映画館に行きました。雨のシーンで恐竜の目がギョロっと動くところが印象的で、すごくびっくりしたのをいまでも覚えています。―ちなみに、高校時代はどんなことに夢中になっていましたか?木村さん私は馬術部だったので、馬や動物が大好きでした。それでも、やっぱり恐竜は怖かったですね(笑)。できないことよりも、できることに目を向ける―このシリーズがスタートして29年となりますが、ご自身の29年を振り返ってみてターニングポイントといえばいつですか?木村さん19歳から仕事を始めたので、まずはこの世界に入ったというのは大きかったですね。あとは、ここ数年で世界も変わってしまったので、改めて驚きを感じています。―それによって、さまざまな影響や変化もあったのではないかと思うのですが。木村さんこのような状況のなかでも、仕事があるというのは本当にありがたいことだと痛感しました。いまの世界では厳しい状況に置かれている方も多いので、いろいろと考えさせられますが、些細なことにも感謝をし、幸せを感じなければいけないなと思っています。―木村さんといえば、いつも明るいイメージがありますが、意識されていることがあれば教えていただきたいです。木村さんあまり深く考えないことです。私は昔から切り替えが早いタイプで、ニワトリみたいにスタジオから一歩出たらすっかり忘れちゃうんですよ(笑)。でも、考えてもしょうがないことは考えないというか、終わったものは終わったもの。できないことを追求するよりも、できることに目を向けるようにしています。今日は今日しかないから、楽しまないともったいない―失敗したことを悩むよりも、いまできることは何かを考えると。木村さんそうですね。というのも、失敗は成功のもとですから。人は悪い時期にこそ学ぶことがあると思っています。人間関係でもいいときは楽しいから何も思わないですけど、うまくいかなくなると「なんでだろう?」と考えるようになり、そこでいろんな発見があるはずです。そうすれば、「前回の失敗を生かして次はこうしよう」となり、学ぶチャンスにもなりますからね。人生というのは、いいときと悪いときが交互に来るものなので、悪いときはつらいかもしれません。でも、私は「これも自分には必要なときなんだ」と考えることで、いつも以上に周りに目を向け、耳を傾けるようにしています。それに、人は誰でも完璧なときばかりではありませんから。うまくいかなくても「今日はこういう日なんだな」でいいと思います。―なるほど。受け止め方ひとつで、だいぶ変わりますね。木村さん私は戦争を経験した明治生まれの祖母と一緒に住んでいたことがあり、おばあちゃん子だったので、その影響かなと。いつも「今日は今日しかないよ」と励まされてきました。もちろん、私にも眠くてどうしようもない日とか、びっくりするほど顔がむくんでひどい日もありますよ(笑)。そんななかでも、「1日しかない今日を楽しまなきゃもったいない」と考えるようにしています。友達の大切さに改めて気づかされた―多忙な日々をお過ごしだと思いますが、仕事と家庭とのバランスで意識されていることはありますか?木村さんどうしても大変なほうに偏ってしまいがちにはなりますが、とにかくそのときできることに集中しています。なので、特に何かを決めているわけではなく、仕事の内容に合わせながら、そのときそのときでバランスを取っている感じです。―では、いま木村さんにとって一番の気分転換といえば?木村さん好きな人に会うことです。というのも、コロナ禍になって、人と自由に会えなくなったときに、おいしいものを食べながら友達とたわいもない話をしている時間がこんなにも大切だったのかと気づかされましたから。いまでもなかなか会えないことが多いですが、元の生活に戻ったら、友達とカラオケをしたいですね。実は、前は全然行ってなかったんですけど、みんなで大きな声で歌えたら楽しいだろうなと最近になって思うようになりました。若いうちに、いろんな経験をたくさんしてほしい―ちなみに、ananwebを読んでいる女性たちに、20代や30代のうちにしたほうがいいとオススメしたいことはありますか?木村さんまずは、いろんな経験をしたほうがいいとは思いますね。若いうちは体力もあって、寝なくても大丈夫ですから(笑)。いまは仕事を終えたらすぐに家族のもとに帰りますが、昔は仕事が終わったあと、その日のうちに飛行機に乗って海外旅行に出たりすることもあったくらい元気でした。まだ難しい時期だとは思いますが、できるようになったら、いろんな場所に旅行をして、いろんな人と出会い、いろんなことに挑戦してほしいですね。―40代になってからの楽しみなどもありますか?木村さん私は年齢を気にしないほうなので、40代だからというのはあまりないかなと。そもそも、この年代だからこうしようみたいなことも考えたことはないですね。―それでは最後に、ananweb読者に向けてアドバイスやメッセージをお願いします。木村さんそんな上からなことは言えないというか、逆に私がみなさんから教えてほしいくらいです。「老いては子に従え」という言葉があるくらいですからね(笑)。それくらい、いまは若い方からいろいろ教わって刺激をもらいたいですし、みなさんから楽しい話を聞かせてほしいと思っています。インタビューを終えてみて……。満面の笑顔で、その場の空気まで一気に明るくしてしまう木村さん。どんな質問に対しても答えに迷いがなく、気持ちがいいほどさっぱりしていらっしゃる姿に、こちらまで前向きになれました。ぜひ、木村さんのような芯が強くて美しい女性を目指したいところです。最終章にふさわしい圧倒的なスケール感!アトラクション顔負けの迫力と臨場感、そして圧巻の映像体験が味わえる本作。閉塞感が漂う日常を忘れて、興奮の渦に巻き込まれる異次元の世界へとトリップしてみては?写真・角戸菜摘(木村佳乃)取材、文・志村昌美ストーリー〈ジュラシック・ワールド〉のあったイスラ・ヌブラル島の壊滅から救出された恐竜たちが、世界中に放たれてから4年。人類は、いまだ恐竜との安全な共生の道を見出せずにいる。そんななか、恐竜の保護活動を続けるオーウェンとクレアは、人里離れた山小屋でクローンの少女メイジーを守りながら暮らしていた。ある日、オーウェンは子どもを連れた恐竜のブルーと再会。ところが、何者かによって、ブルーの子どもが誘拐され、オーウェンたちは救出へ向かうことに。いっぽう、サトラー博士たちは、世界各地から恐竜を集めて研究をしているバイオテクノロジー企業の巨人バイオシンをある目的から追っていた。人類と恐竜の共存の前に立ちはだかるバイオシンの恐るべき計画とは……。手に汗握る予告編はこちら!作品情報『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』7月29日(金)より、全国ロードショー配給:東宝東和© 2021 Universal Studios and Storyteller Distribution LCC. All Rights Reserved.写真・角戸菜摘(木村佳乃)
2022年07月27日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。本日はショーシーズンに出会ったイケメンたちが魅せるお洒落スタイルをご紹介!ファッション界のモテ男! / Marc Goehring毎回ファッションウィークでは、彼らしいラフなスタイルで魅了してくれます。そんな彼は、ファッションディレクター兼スタイリスト、どんなスタイルも自己流!今回は思いっきり目立つ個性的なTシャツが特徴的。ユニークで面白いデザインも、彼が着用すると欲しくなってしまうほどカッコよく着こなしています。Instagram@marcgoehring全てがカッコいい!セクシーに魅せてくれるインナーなしのボディが、素敵すぎる!差し色なんて使わず、全体の色を統一した本気モードのファッションです。クール!どのパーツも超絶個性的!ヘアスタイルからソックス、ファッションまで全てが個性的。なかなか真似はできないけど、ファッションを楽しんでいますよね。でもポイントカラーがあると、やっぱりファッションもメリハリがつきますね!スウェーデンのファッションクイーンブライアン・ボーイ / BryanboyInstagramでは彼のゴージャスな生活ぶりを見ることができます。そんな彼はいつどこで会っても優しくて紳士的。ファッションウィークで彼に会えるのが楽しみなほど、外見も中身もイケメンなんです。色使いがとっても上手です。Instagram@bryanboycomこんなイケメンに出会いたい!膝上のショートパンツで全体をスタイリッシュに。トップスのシャツ以外は至ってシンプルですが、トレーナーの上に半袖シャツっていうスタイル、新しいです!!2度見してしまうイケメン、デビッド・ティーレブール / David Thielebeuleこの人なしではイケメン記事は書けない!モードなスタイルが得意なデビッド。言わずと知れた『WSJ Magazine』のStyle Directorを務める仕事人で、ファッション業界のイケメンの代表的存在です。いつもサングラスをかけているのが特徴的。Instagram@david_boots今回は、ファッションショー期間中に出会ったイケメンや個性的ファッションスナップをご紹介しました。みんなお洒落を楽しんでいるからこそ、自分のスタイルが似合っているんだなと感じます。これからもイケメンスナップ、継続してお届けします。写真・平野秀美
2022年07月24日上野の国立西洋美術館で、リニューアルオープン記念となる展覧会『自然と人のダイアローグフリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』が開催中です。本展では、自然と向き合った芸術家たちのさまざまな作品を展示。プレス内覧会で取材したおもな見どころや展示風景をご紹介します!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 251『自然と人のダイアローグ』では、ドイツ・ルール地方の都市エッセンにあるフォルクヴァング美術館と国立西洋美術館のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸にした作品100点超を展示。ドイツロマン主義の画家フリードリヒをはじめ、モネ、セザンヌ、ゴッホや20世紀絵画、そして現代ドイツを代表する画家リヒターの作品まで見ることができます。二人のコレクターが受けた苦難…フォルクヴァング美術館と国立西洋美術館は、いくつか共通点があります。まずは、設立者の熱い思い。両美術館とも、同時代を生きたコレクターのカール・エルンスト・オストハウス(1874-1921)と松方幸次郎(1866-1950)の個人コレクションをもとに設立されました。オストハウスは、地元の人々に美を提供するため美術館を建設したいと願い、松方も日本の画学生たちに本物の西洋画を見せてあげたいという熱い思いから作品を収集していました。また、第二次世界大戦により苦難を受けた点も似ています。フォルクヴァング美術館は、ナチス政権時代、「退廃芸術キャンペーン」により1,400点以上の近代美術作品が押収されました。いっぽう、松方のコレクションも戦争末期、フランス政府に多くの作品を接収され、1951年にそれらはフランスの国有財産となってしまいました。しかしその後、フランス政府は多くの作品を日本に返還することを決定。寄贈返還された松方コレクションを基礎に誕生したのが、国立西洋美術館です。1959年に完成した国立西洋美術館・本館の建物はル・コルビュジエの設計によるもので、2016年には国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献 ―」が世界文化遺産に登録されました。リヒターとモネ、夢のコラボでは、本展の見どころ作品をいくつかご紹介します。まずは、現代ドイツを代表するアーティスト、ゲルハルト・リヒターの《雲》と、印象派の巨匠クロード・モネ《舟遊び》のコラボ。リヒターの作品は写真をもとに描いたもので、一見するとリアルなのですが、じっと見つめていると写真とは違う独特の空気が漂っているように感じられます。一緒に展示されているモネの絵にも空が描かれていますが、こちらは水面に反射した空と雲です。同じ空でも、画家によって表現の仕方はさまざま。この二人の作品を隣り合わせで見られる機会はほとんどないと思いますので、かなり貴重な鑑賞体験ができます。ゴッホ初来日の代表作も!本展では、ゴッホが最晩年に取り組んだ風景画の代表作、《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》が初来日。こちらは、展覧会のメインビジュアルにもなっている注目作品です。ゴッホは、麦を刈る人物に「死」を、刈り取られる麦のなかに「人間」のイメージを見たといわれています。本作品が描かれたのは、1889年。当時サン=レミの精神療養院に入院していたゴッホは、その翌年の1890年に麦畑で自分の腹をピストルで撃ち、亡くなりました。リニューアルした美術館にも注目!本展で美術館を訪れたら、ぜひリニューアルした国立西洋美術館もご覧ください。同館は1年半の休館中に、創建した当時の姿に近づける工事を行っていました。前庭にある目地や西門の位置、囲障など、デザイン上も大きな意味をもつ部分が変化しています。世界遺産の美術館に足を運んで、ぜひ巨匠たちの名画を楽しんでみてください。Information会期:~9月11日(日)※休館日は毎週月曜日 (ただし、8月15日(月)は開館)会場:国立西洋美術館開館時間:9:30〜17:30毎週金・土曜日:9:30〜20:00※入館は閉館の30分前まで※日時指定制※最新情報などの詳細は展覧会特設サイトをご覧ください。お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年07月24日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。カッコイイ着こなしを学べる、自分らしさを魅せてくれるファッショニスタのスタイルをご紹介します。柄違いを上手にミックス!スタイリッシュに決めたこちらのファッション、トップスもボトムスもジャケットも、見事なまでに柄も色もバラバラなのに、ここまでスタイリッシュに着こなしているコツは、ポイントをボトムスに持っていき、そこを決めるためにシューズをトーンダウンした点。お見事な超上級レベルのスタイル。惚れ惚れしてしまう!惚れてしまうカッコいいスタイル。モノトーンカラーでクールに見せるだけではなく、チョーカーやチラ見せタトゥーがまたカッコいい!厚底アンクルブーツで、よりボーイッシュに見せています。フリンジ付レザージャケットとサングラスが決め手ショーを終えたモデルのスタイル。インナーは至って普通なんですが、ジャケットだけでこんなにも個性的に見えるなんて!フリンジレザージャケットは、なかなか着こなすのは難しいですが、丸型のサングラスで可愛らしさを演出しています。大胆で新しいメンズハイヒール!とても似合ってますよね!全身ブラックでカッコよく決めている中で、いっそう目立つシューズはなんと超ハイヒールのシルバーパンプス。もちろんパンプスは女性だけのものだなんて決まりはないですし、斬新でしかも似合ってる!バランスの取れたカッコ良さこちら、2枚目でご紹介したスタイルの方。ここでは全体のカラーをホワイトにしつつ、ポイントでモノトーンを使って統一。鍛えられた腹筋のチラ見せも素敵!大胆でセクシーな超ロングジャケット!見せるならとことん大胆に!目のやり場に困ってしまいそうな程セクシーなスタイル。ここまで決めていて、スニーカーっていうのが、また最近のトレンドのような気がします。いかがでしたか?なかなか真似するには難しいかもしれませんが、参考になる部分が多いファッショニスタのファッションスタイル。新しいスタイルに挑戦する際は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。写真・文 平野秀美
2022年07月23日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第116回は、婚活中に見聞きした、てっきり恋人だと思っていたら、実は相手には別に本命がいたという“ムダ恋”エピソードをご紹介します。1.秘密の恋のはずがムダ恋【結婚引き寄せ隊】vol. 116出会いを探していると、ときどき妙な人にひっかかることもあったり、人の紹介だから安全だと思っていたら案外そうでもなかったりすることも。今回はそんな思いがけない出会いの中から、「念願の彼女の座のはずがムダ恋」だったという女性のお話から。その女性は、仕事の関係で知り合った同年代の男性と仲良くなり、いつしか仕事の連絡だけではなくプライベートでも会う約束までするようになりました。お互いに一人暮らしをしているということもあって、次第に家を行き来し合い、気づけばすっかり恋人同士になったと思っていました。とはいえ、仕事関係の間柄ということで、彼が「いま抱えている仕事の案件が終わったらちょっとずつまわりにも知らせよう」と彼女に提案し、しばらくふたりの仲は秘密にすることに。彼女としても、仕事でお互いの会社の人に顔を合わせるときに気まずいため、ふたりの関係をしばらく伏せておくことに、なんの疑問も持たなかったそうです。あるとき、彼がいない場で彼の職場の人がなんの気なく「あいつも社内恋愛長いよなあ」と話していたのを彼女が耳にしました。「え? 誰のことですか?」とたずねると、なんと彼氏のはずのその男性は、すでに3年も付き合っている社内恋愛の本命がいると発覚。秘密の恋だと浮かれていたら、なんとも悔しいムダ恋となってしまい、結果別れることに。でも、仕事相手に二股をかける男性なんて最悪。結果的に、縁が切れてよかったはずです。2.結婚話をしていたのにムダ恋続いては、「結婚話が出ていたのにムダ恋」だったという女性のお話です。知り合いの紹介を経て、とんとん拍子に付き合うようになったふたりがいました。彼女のほうは結婚願望が強くて、付き合ってしばらくするとすぐ、「結婚したい」というのが口グセになっていたのだとか。そんな彼女が愛らしく、彼も乗り気だったそうで、結婚情報誌を買ってきてふたりで眺めていることもあったそうです。それですっかり「彼と結婚する」とテンションが上がっていた彼女でしたが、あるとき、急に彼と連絡が取れなくなりました。友達に彼のことを相談したり、どうにか連絡できないか探っていくなかで、なんと衝撃的な事実が発覚。少し前から彼は、「もうアイツとは別れた」とまわりにふたりの関係が終わったことを一方的に話し、すでに新しい彼女ができているというのです。しばらくして、やっとつかまえた彼を彼女が問い詰めると、まだ自分のことで精一杯で「結婚はしたくない」と断言。結婚話がどんどんエスカレートしていく彼女が重くなってきて、会うのがおっくうになっていったそうです。いったい、いつから恋人ではなくなっていたのか…?でもそれなら、正直に話してくれたらよかったのに、チグハグなふたりの思いは彼によって強制終了させられていました。しかも、「なんにも先のことを考えなくてキラク」という、年下の新しい彼女がいるなんて、なんて変わり身の早い最低男。勝手な男性と別れられてむしろよかったはず。もっといい人が彼女には現れるはずだと思いました。3.ただのホラ吹きでムダ恋最後に、相手の男性は「ただのホラ吹きでムダ恋」だったという女性のお話です。合コンで知り合った男性にアプローチされて、そのままスムーズに仲良くなった女性がいました。うまくいっているにもかかわらず、親密になってすぐに、彼女は彼の言動に不信感を持つようになったそうです。なぜなら、彼と話しているうちに、合コンのときに彼から聞いていた職業が聞く度に違っていたり、家族の話もどうやら嘘っぽいように感じたのだとか。同じ合コンに参加していた知り合いに彼のことをあらためて聞いてみたら、彼女が聞いた話とやっぱり違っていたり、親密な関係の女性が他にもいるようで、付き合っていると思っていたのは彼女のほうだけだったようです。彼女は「なんで嘘をつく必要があるの?」と悩み、彼がいろいろな女性と親密になる軽さにも嫌気がさし、見抜けなかった自分も悔しくて、かなり落ち込んでしまいました。もちろん二度と会わないようになったそうですが、そんな嘘つき男性なんて誠実さのカケラもなく、離れられてよかったはず。時間は有限ですから、傷つく恋は切り捨て、次の恋で幸せになってほしいです。出会いを探していると、思いがけないタイプの恋に巡りあうことがあるかもしれません。みなさんにとって最高の恋がつかめますように!文・かわむらあみり©Prostock-Studio/Getty Images©Wavebreakmedia/Getty Images©stock-eye/Getty Images文・かわむらあみり
2022年07月22日自主的に母親のペットとなった30代の息子とその家族を描き、型破りな映画として注目を集めている『猫と塩、または砂糖』。いよいよ公開を迎えるなか、ヒロインに抜擢されたこちらの方にお話をうかがってきました。吉田凜音さん【映画、ときどき私】 vol. 504歌とラップを織り交ぜたポップな楽曲で話題となり、Z世代に人気の吉田さん。歌手、女優、モデルなど幅広い活躍を見せるなか、女性ラッパーたちが競い合う中国の音楽ドキュメンタリー番組に唯一の日本人として出演するなど、現在は国内外で注目度の高い存在でもあります。本作で吉田さんが演じているのは、主人公の一郎を翻弄し、父親のために白くて無垢なアイドルでいようとする謎の美少女・絵美。そこで、役との共通点や現場でのエピソード、そして幸せを感じる瞬間などについて、語っていただきました。―まずは、脚本を読んだときにどのような印象を受けましたか?吉田さんどんな作品になるのか、まったく想像がつかなかったので、「どうなるんだろう?」と頭のなかはハテナマークがたくさんになりました。でも、わからなすぎて、逆に興味が湧いてきたので、現場に入るのは楽しみでしたね。―そんななかで、役作りをするのも大変だったのでは?吉田さん私としては、お父さんのために生きている普通の女の子の役かなと思ったので、まずはその部分を考えるようにしました。ただ、感情を表に出さない子でもあるので、無表情のまま感情を表現するのは難しかったです。とはいえ、一郎の家族と出会うことで絵美にも徐々に感情が表れてくるので、そのあたりは意識して演じています。こんなに役になりきれることはあまりないので、すごく楽しかったです。何にでもなれる白みたいな人になりたい―演じるうえで、共感するところもありましたか?吉田さんそうですね。私もたまに「感情あるの?」と聞かれるタイプなので、そういうところは似ているのかなと(笑)。特に、撮影当時はまだ18歳くらいで、感情をあまり見せないようなところもあったので、絵美の気持ちは理解できました。―監督からは、どういった演出があったのでしょうか。吉田さん私たちキャストが考えていたことと、監督が目指しているところが同じだったこともあり、演技指導のようなことも特にありませんでした。そんななかで、監督が何よりもこだわっていたのは、絵美を真っ白な存在にすること。4人が一緒のシーンでも、一瞬しか映らないようなシーンでも、私だけずっとライティングされていたので、本当に徹底しているなと感じました。おかげで、私はつねに光っています(笑)。―そのかいあって、絵美はまぶしいほどの白さが印象的でしたが、もし自分を色に例えたら何色ですか?吉田さん私は白みたいな人でありたいなとは思いますね。白って、何にでもなれる色ですから。―ちなみに、お好きな色も教えてください。吉田さん好きなのは、逆に黒です。特に、10代の頃の私服は「真っ黒じゃないと嫌」というくらいでしたね。でも、20代に入って心境の変化があったのか、最近は白い服が増えた気がしています。音楽活動と女優業は生きてると感じられる場所―劇中では、一郎を演じる田村健太郎さんをはじめ、宮崎美子さんや池田成志さんといった先輩俳優の方々がそろっています。現場で思い出に残っていることはありますか?吉田さんボクシングのゲームをしているシーンで汗をかいていないといけなかったので、田村さんと一緒に家の周りを走ってみたり、川を見に行ったりしました。宮崎さんは本当のお母さんみたいに優しかったですし、池田さんも本当のお父さんみたいに私を守ろうとしてくれて、うれしかったです。―本作では「幸せとは何か」というのも題材となっていますが、ご自身の“幸せのベクトル”が向かっている先を教えてください。吉田さん私が幸せを感じるのは、やっぱり音楽活動と女優業をしているとき。どちらも、私が生きていると感じられる場所でもあります。曲作りをしていたり、現場に入ったりするたびに、ここに私の幸せがあるんだと実感しているところです。―逆に、落ち込んでしまったときはどのようにして乗り越えていますか?吉田さんどんなに悔しいとか、辛いと感じることがあっても、それ以上に「こんなところで負けていられない!」という思いが自分のなかにあるので、意外とすぐに忘れて前を向いていけるタイプです。そもそも、何があっても寝ればわりとすぐに立ち直るほうですからね(笑)。―では、仕事をするうえでやめたいと思ったこともないと。吉田さんそれに関しては、中国で番組に参加しているときにリタイアしたいと何度も悩んだことはありました。いま振り返っても、あの半年間は21年生きてきたなかで一番大変だったかなと。でも、「中国まで来てこんな経験はいましかできない」と考えたら、最後まで残ることができました。あのときにめちゃめちゃ鍛えられたので、いまでは自分のことを“無敵”だと思っています(笑)。人にパワーを与えられる存在でありたい―いまとなっては、素晴らしい経験になったんですね。また、監督は常識という価値観を押しつけられることが嫌で本作にその思いを込めたそうですが、ご自身も周りに持たれるイメージと素の自分の間にギャップを感じることもありますか?吉田さん私は仕事もプライベートも家族といるときも、全部が素の状態。もちろん、いろんな顔を持ってはいますが、かわいこぶったりもできないのでありのままで生きてきました。ファンの前でも全部を見せているので、おそらくみなさんも知っているのではないかなと思いますが(笑)。―吉田さんは、その飾らないところが魅力だと思います。ご自身が影響を受けている方はいらっしゃいますか?吉田さん子どものころから尊敬しているのは、中川翔子さん。小学2年生のときに見に行ったしょこたんのライブでたまたま舞台に上げていただき、それがきっかけでアーティストを目指すことに決めました。テレビの3分クッキングの音楽にも合わせて踊っていたくらい、小さいときから踊ることが大好きで、最初はダンスを習っていたんですが、しょこたんとの出会いで歌も習うことに。そこからは歌手になることだけを目指してがんばってきました。あとは、東京事変さんとかも好きですが、やっぱり音楽そのものに大きな影響を受けていると思います。特に、ライブで感じる音からはパワーをもらいますが、私も人にパワーを与えられる存在でありたいです。20代は先を見ながら進んでいけるようになった―今後、さらに力を注いでいきたい活動や挑戦してみたいことがあれば、お聞かせください。吉田さんもともと演じることは好きですし、音楽活動と女優業は「表現する」という意味では似ているところも多いので、これからもこの2つはずっと続けていきたいと考えています。女優のお仕事では新たな感情を教えられることがあり、それを音楽に活かすことで歌詞が生まれる場合もあるので、その連携されている感じも好きなところです。いまやってみたい役を挙げるなら、悪役。これまでは活発な子やおとなしい子とか、意外と”普通の子“みたいなキャラクターが続いていましたから。ぜひ、めちゃくちゃ悪い役を演じてみたいです(笑)。―楽しみにしています!現在21歳ですが、20代に入ってから変わったことはありましたか?吉田さん仕事に対する思いは変わっていないですが、目の前のことばかりに立ち向かってきた10代に比べると、20代は先を見ながら進んで行くことができるようになったと感じています。あとは、お酒が飲めるようになったので、いろんな人と出会う機会が広がったのではないかなと。でも、そのくらいですね。かっこいいと思うのは、好きなことをしている人―美容面で続けていることや最近始めたことがあれば、教えてください。吉田さん私は美容がものすごく好きなので、お風呂から出たあとにいろんなケアをしているときが本当に楽しいです。どちらかというと、それによって得られる結果よりも、ケアの工程を楽しんでいるのかもしれません。ちなみに、最近買ったのは、人気のダーマペンのなかでも、ダウンタイムが必要ないとされている光のダーマペン。使い始めたばかりで効果についてはまだわかりませんが、美容の最新情報を追いかけるのが大好きなので、いつも欠かさずチェックしています。―いま目指している理想の女性像などもありますか?吉田さんやっぱり好きなことをしている人が一番かっこいいなと思います。そんなふうに毎日を過ごしている女性は輝いているので、私もそうなりたいです。―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。吉田さんこの映画については、どこがおもしろいとか、何も言えない作品なので、まずはとにかく観てほしいです。人によって感じ方もまったく違うはずなので、幅広い年齢の方に観ていただけたらいいなと思っています。私自身に関しては、これからも好きなようにやっていけたらと考えているので、ぜひ応援していただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて……。驚くほど高い透明感と、目力の強さが印象的な吉田さん。仕事の話をしているときのキラキラした表情からは、いかに充実しているかがうかがえました。今後、歌手としても女優としても、どのような振り幅を見せてくれるのか楽しみです。クセが強くて、目が離せない!多様性が重視される時代になったとされてはいるものの、いまだに仕事や結婚、子育てなど、社会の多数派による“常識”を押しつけられて生きづらさを感じている人も多いはず。そんなときだからこそ、一癖も二癖もある主人公たちが新たな“幸せのベクトル”を見つけようと模索する姿を観察してみては?写真・北尾渉(吉田凜音)取材、文・志村昌美ストーリー舞台は、日本のどこにでもある住宅街に建つ一軒家。社会を拒絶し、自主的に母のペットである“猫”になった息子の一郎は、慎ましい母とアル中の父の3 人で淡々と暮らしていた。そんなある日、母親が元カレと再会。得体の知れない金持ち紳士風の男は、父親のためにアイドルとして生きる娘とともに家にやってくる。そして、いつの間にか5人の奇妙な同居生活が始まることに……。予測不能な予告編はこちら!作品情報『猫と塩、または砂糖』7月23日(土) より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー配給:一般社団法人PFF/マジックアワー️©2020 PFFパートナーズ(ぴあ、ホリプロ、日活)/一般社団法人PFF写真・北尾渉(吉田凜音)
2022年07月20日世界50か国以上を旅して、数々の絶景を見てきた筆者が、この状況で日本を巡る旅にシフトチェンジ。そこで見つけた、「一生に一度は行きたい写真に納めたい日本絶景」を今回は4つご紹介します。トラベルライターおすすめ「一生に一度は行きたい写真に納めたい日本絶景」20代からバックパッカーを始めて、アジア、ヨーロッパ、中南米と世界50か国以上をフリースタイルで巡ってきた筆者。そんな筆者が日本各地を巡り、心揺さぶられた絶景は4つ。北は北海道、南は沖縄まで厳選したものをお伝えします。見られる確率は40%!まるで天国のような美しいトマムの雲海まずご紹介するのは、絶句するほど美しい北海道の星野リゾートトマムの雲海。雲海ゴンドラ山麓駅から雲海ゴンドラ山頂駅に雲海ゴンドラで約13分。頂上にある「雲海テラス」で見渡せる絶景です。この雲海は5月〜10月まで見られる季節限定。しかも見られる確率は例年、40%とも言われています。その時の運次第にもなりますが、ぜひ一生に一度は見てほしい絶景のひとつです。雲海テラスにはこのようなCloud Pool(クラウドプール)もあって空を飛んでいるような気分にもなれます。標高1,088メートルに位置する雲海テラスから見渡す雲海はまさに天国のような絶景。雲海テラスは時期によりますが朝の5時からオープンしているので早起きして雲海ウォッチングにチャレンジしてみては?トマムの雲海にはダイナミックな分厚い雲海の「太平洋産雲海」、写真のような優しいふわふわな雲海の「トマム産雲海」、天気が悪い日だからこそ見られる少し荒々しい「悪天候型雲海」といくつか種類があるんです。同じ景色は二度と見れない雲海ウォッチングは何度もチャレンジしたい絶景です。入浴剤を入れたような色!宝石色の八重干瀬の海続いてご紹介するのは、沖縄県 宮古島の北東部にある池間島から船で約30分のところにある八重干瀬(やびじ)。美しい海とサンゴ礁が魅力的でダイビングやシュノーケリングを楽しめます。ここへはオプショナルツアーなどに参加して向かうことができます。八重干瀬(やびじ)とは100以上のたくさんのサンゴ礁群で、名前の由来は8つの干瀬(ひせ=リーフ)からなるとも、干瀬が幾重にも重なるからともいわれています。潜った時に見られるサンゴ礁、豊かな海の中も美しいのですが、晴れた日の船から見渡す海と空のコントラスト、入浴剤を入れたようなエメラルドグリーンのキラキラした海はまさしく絶景。ここは日本?と思ってしまうほど美しい景色です。太陽の光を浴びて宝石のように揺れる海を堪能できる、一生に一度は行きたい絶景です。神秘的でダイナミックな戸隠神社の杉並木3つ目にご紹介するのは、長野県にある「 戸隠神社奥社参道の杉並木」。ここへは長野駅から車で約40分ほどで到着。長野駅からはバスも走っているの公共交通機関でも行けます。神社参拝でも人気の戸隠神社ですが、奥社参道の杉並木がダイナミックで絶景なんです。樹齢420年を越す杉並木は約500mも続きます。この一本道の参道を歩いていると、どこか異世界に迷い込んだような不思議な感覚になります。少しスパイラルして伸びた太いスギの幹は圧巻です。戸隠神社をめぐる前に「岩戸伝説」という神話を知っておくと面白いかもしれません。太陽の神様でもある天照大御神様が天の岩戸に隠れてしまい世の中は真っ黒に。そこで「天八意思兼命様」が天照大御神様を岩戸から出そうと踊りや歌うことを企画し、「天鈿女命様」が美しく踊り周りを盛り上げ、何事が起きたのかと、天照大御神様がそっと岩戸を開けた時に待ち構えていた「天手力雄命様」が岩戸を開けたそう。それにより世の中はまた明るくなったという神話があり、戸隠神社はその神話にゆかりの神々を中心に祀る神社です。歴史ある絶景も一生に一度は見ておきたいですね。世界遺産や夕陽を一望できる、おりづるタワーからの景色最後にご紹介するのは、都市でも見られる絶景。広島県広島市の中心部に位置する「おりづるタワー」からの景色や夕陽です。広島駅からは広島電鉄に乗車して「原爆ドーム前駅」下車、徒歩すぐのところにあります。屋上展望台「ひろしまの丘」からは広島の町並や山々、そして平和記念公園・原爆ドームと世界遺産を望むこともできるんです。(※季節によって屋上展望台「ひろしまの丘」の装飾は異なります)原爆ドームなど世界遺産を眺めながら沈む夕陽はどこかノスタルジック。ピンク色の夕日や真っ赤な夕日などその日によって異なる空を楽しめる絶景スポットです。昼間もいいですが、せっかくなら夕方がおすすめです。今回は北海道、沖縄、長野、広島と全国各地のいろいろな視点での「一生に一度は行きたい写真に納めたい日本絶景」をご紹介しました。日本もやはり美しい場所がたくさんあります。気になる方はぜひチェックして訪れてみてくださいね。雨宮あゆみ世界50か国以上をフリースタイルで巡った後、トラベルライターとしても活動し、世界の旅インフルエンサーが集まる大使館や観光庁主催の会への参加や旅に関する国際会議登壇、ASEAN tourism Awards Japanからは東南アジア諸国への観光促進に尽力したということで感謝状をいただいた経歴も。
2022年07月20日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。インフルエンサーも愛用しているブランドバッグをピックアップしてみました。今年の最注目、人気のGOYARD(ゴヤール)お洒落な人がよく持っている印象が強いブランド、ゴヤール。女性にも男性にも人気ですよね。ヨーロッパでは比較的男性が持っていることが多いかもしれません。持ちやすいし、量もたっぷり入る安心感があります。GUCCI (グッチ) はやっぱり欲しいブランドの1つやっぱり1つは持っておきたいグッチのショルダーバッグ。TPOを気にせず使用できるので重宝します!可愛い女性が持っている印象があるDior (ディオール)ディオールは女性に絶大な人気。ディオールのバッグは、色、形、素材と種類が多いので、自分好みのバッグを探せそう!個性爆発!Vivienne Westwood (ヴィヴィアン・ウエストウッド)人と違うデザインがお好みの方は、ヴィヴィアン・ウエストウッドのバッグはいかがでしょう?イギリス発らしいチェック柄からヘビ柄、素材も豊富でヴィヴィアン・ウエストウッドらしいカラフルな物が多い印象です。これなら被りは心配なし。Celine (セリーヌ)でシックに!日本でもおなじみのセリーヌ、ヨーロッパの街中でも、普通によく見かけます。働く女性たちにも大人気で、特にA4サイズがすっぽり入る使いやすいバッグが多いのが特徴。大人っぽく上品にパリジェンヌが持ち歩いているのを見ると、惚れ惚れしてしまいます。男女共に絶大な人気のLOEWE (ロエベ)上質なレザーを使用したロエベのバッグは、長く愛用できるシンプルで使い勝手の良いものが多数あります!男性も使えそうなジェンダーレスデザインのバッグも多いので、カップルで使ってもいいかも!?Louis Vuitton (ルイ・ヴィトン)は思いっきり自分好みの物をチョイス日本ではルイ・ヴィトンは定番デザインが人気ですが、インフルエンサーには限定ものが人気のよう。もちろん値は張りますが、やっぱり人と違うものを持つと、気持ちも高まりますよね!今年注目したいTom Brown (トムブラウン)もうなんて可愛いバッグ!トムブラウンらしいデザインとカラー、今年の新作にも期待!注目したいです。サステナビリティの先駆者・Stella McCartney (ステラマッカートニー)世界的にもサステナビリティへの関心がより多くなってきていますが、ファッション界でいち早くサステナビリティを提唱したのが、先駆者とも言えるステラマッカートニー。もちろんデザインや使い勝手も良いので、世界中で多くのファンを魅了しています。あなたはどのブランドがお好みですか?世界には紹介しきれないほどのブランドが存在しますが、その中でも自分好みのブランドやデザインをぜひ探してみてください。写真・平野秀美
2022年07月18日現在ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。最近すっかり浸透しているアイテム、オールインワン。ファッションウイークに集まるおしゃれなひとたちの、気になるオールインワンスタイルをご紹介!LOEWEの柄がお洒落!こちらはロエベ(LOEWE)の柄がとってもお洒落で涼しげな、オーバーサイズのオールインワン。風通しの良い素材は、夏には必須ですよね!素材や色を上手に選べば、シーズン関係なく愛用できるオールインワンはとても重宝します。メリハリつけるためのポイント小物オフィスとプライベートと、どちらでも着用できるこちらのオールインワン。通常腰部分が少し大きかったり緩く見えたりしがちのシルエットも、ベルトやウェストポーチなどを上手に使用し、脚長効果を強調すれば、スタイリッシュに見えますよ。デザイン次第で上品に!袖やウエスト部分にこだわりのあるデザインの場合、カジュアルテイストが強いオールインワンも、一気に上品に見えますよね!さらにカーキーやブラックといった色は、より大人っぽさを強調してくれるようです。デニムで最高カジュアルに!やっぱり定番オールインワンといえば、デニムでしょう!ステラマッカートニー(Stella McCartney)でも数多くのデニムオールインワンのデザインが発売されています。それほど、世界的に人気なんでしょう。エリー・ゴールディング(Ellie Goulding)もオールインワンを愛用!さすがセレブが愛用するオールインワンはこだわり抜かれたデザイン。柄から素材、1つ1つのデザインが魅力的!シューズはスニーカーでも、サンダルでも、その日の気温と気分にあったシューズをチョイスすれば完璧!いかがでしたか?オールインワンは夏は暑そう…着用が面倒くさいなどという印象がありますが、実はこんなにお洒落に、そして大人っぽく着こなせるんですね。これからはオーバーオールやオールインワンにもぜひ挑戦してみてください。写真・平野秀美
2022年07月17日夏は白Tシャツの季節!爽やかにサラッと一枚で着こなしたいところですが、インナーや下着が透けてしまう問題にいつも直面していませんか?そこで今回はどうすれば白Tシャツが透けないか。インナーの色が透けて見える理由と改善策をご紹介します。インナーの色が透けてしまう原因は?白いTシャツは他の色と比べると、もともと透けて見えやすい性質を持っています。Tシャツの薄さにもよりますが、服の上から肌の色がうっすらと感じられることも少なくありませんよね。そのため、肌と大きくかけ離れた明るい色のインナーや下着を着てしまうと、肌色とのコントラストが生まれ、インナー・下着の色だけがTシャツの上から浮き出て見えるという現象を引き起こします。よくある「黒は透けにくいからインナーを黒にする」、「Tシャツが白だから下着も同じ白にすれば良い」といった対策は、身につける人の肌のトーンによっては逆効果となり余計に透けて見えてしまうのです。正しい対策は“肌となじむ色のインナーを選ぶ”ということ。これに尽きます。とくにNGなのは白の下着です。白は肌よりも色のトーンが明るいので、下着と肌の境目がくっきりと浮き出てしまうため気をつけて。黒のインナーはTシャツの素材が薄いほど黒インナーの輪郭がTシャツの上からでもわかってしまうので、こちらも注意が必要です。鉄板の色は「ベージュ」先ほどお伝えしたようにインナーが透けて見えないようにするには、肌なじみの良い色を選ぶこと。つまり、ベージュ色がもっとも透けない色としておすすめします。できれば明るいベージュよりも、サンドベージュ、ヌーディベージュといった、ややくすみのある落ち着いた色のものが肌とインナーの境目を感じにくくさせるので良いですね。他にはなじみの良いカーキ、赤茶、テラコッタ、深みオレンジ、ブラウンといったカラーも透けにくい色として知られています。色選びのポイントは肌よりもトーンが暗く、ナチュラルな色合いを選ぶと心得て。Tシャツの厚みをヘビーウェイトに切り替えるのもあり!透けにくい色のインナーや下着を取り入れるという対策のほかには、透けにくい素材の白Tシャツを選ぶというのもおすすめ。とくに透けにくいのは「コットン素材で服地表面がざらついた風合いのもの」で「ヘビーウェイト」の白 Tシャツです。Tシャツの生地が厚く、表面にざらつきがあると光を透過しづらいので、濃い色のインナーを入れても透けにくくなります。今回ご紹介したポイントを参考に、インナーが透ける問題を解消してくださいね。イラスト・角 佑宇子
2022年07月17日