私には3人の子どもがいます。1番上の長男が赤ちゃんのときは母乳の飲みっぷりがよく、母乳が足りているか心配するほどでした。しかし2番目の長女は長男ほどたくさん飲んでくれず、母乳もよく出たので授乳のたびに母乳の残りを搾り出すほどでした。母乳がよく出るからこそ体験した、授乳にまつわるトラブルの体験をお話しします。 長女は母乳をあまり飲んでくれず…長女は新生児のころから母乳をあまり飲んでくれず、片方飲むと満足していました。授乳の途中で寝てしまうこともしばしば……。私は母乳の出がよく、授乳し始めると飲んでいないほうの胸から母乳が噴水のように飛び出してきていました。長女は片方飲むと満足してしまうため、授乳しながらもう片方の胸にタオルを当てて搾り出していました。 飲みながらむせるときもあり、胸の周りが母乳だらけになることも……。身長や体重は小さめながらも平均グラフの範囲内だったこともあり、もう少し大きくなったら飲む量も増えるかなと思って様子を見ることにしました。 母乳が溢れ、胸の周りが湿疹だらけに!長女が生後6カ月を過ぎ離乳食をスタートさせると、母乳よりごはんが好きなようでごはんをバクバク……。授乳量はさほど増えたように感じないまま、季節が夏になりました。すると新たな問題が発生したのです。 私は小さいころから肌が弱く、溢れた母乳で胸の周りがかぶれ始めてしまいました。夏場の汗も加わり、両方の胸全体が湿疹だらけに……。とにかく痒くてついつい掻いてしまい、いつの間にか湿疹がどんどんおなかのほうへと広がっていきました。そしてついには、湿疹が太ももにまで到達したのです。 皮膚科で塗り薬を処方され…胸の周りがただれ始め太ももにまで湿疹が広がった私は、皮膚科を受診することにしました。男性の医師に胸を見せるのは少し抵抗がありましたが、医師も仕事で見ているのだからと思いきって服を捲り患部をすべて見せました。あまりの湿疹のひどさに医師もびっくり。 授乳中のため飲み薬は服用せず、塗り薬を処方されて帰宅。患部を清潔に保つようアドバイスを受けたので、授乳後や汗をかいたあとには濡れタオルで拭くよう心がけました。治るまでに半年ほどかかりましたが、塗り薬のおかげで痒みも軽くなりとてもラクになりました。 母乳が出るのはいいことだと思っていたので、私にとっては予想外の体験でした。しかし肌トラブルを経験することで子どものあせもにも敏感になり、こまめに汗を拭くなど対処できていると思います。のちに下の子が生まれましたが、今度は母乳かぶれせずに済みました。これからも清潔さを心がけて過ごしていきたいと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。 イラスト制作者:イラストレーター しおみ なおこフリーランスイラストレーター。女性向け媒体をメインに、「大人かわいい」テイストのガールズイラストを描いています。夏とワインが好き。
2021年03月28日第1子を出産したあと、いつ生理が再開するかわからず、また完全母乳で育てていたので、てっきり生理の再開は卒乳後になるんだろうなと思っていました。しかし、子どもが生後6カ月のとき、外出中に生理再開。そのときのことをお話しします。産後、生理再開というのはこれといった兆候もなく、勝手に「産後初めての生理は卒乳してからだろうな」なんて考えていたので、産後6カ月での生理再開にとても驚きました。また、出血量も多かったので後始末が大変でした……。 今回のことで、産後の生理がいつ再開するかは人それぞれなんだなと思いました。まだ生理が再開してなくても、産後に遠出したり仕事に行ったりするときには、大きめのナプキンや着替えを持参したり、念のため小さめのナプキンをつけておいたりするといいということ、そして真っ白のボトムスもなるべく避けたほうが安心だということを身にしみて感じました。 監修/助産師REIKO--------原案/小林 穂乃果さん作画/霜月いく
2021年03月13日私は第2子を出産した際、持病で服薬していたため、子どもに母乳をあげられませんでした。病院の方針など身近なところで完全母乳を推奨する声を耳にするたび、母乳を飲めない子どもがふびんで仕方ありませんでした。 1人目の子育て中にパニック障害を発症私は1人目の子どもが2歳のときに、仕事などのストレスからパニック障害を発症しました。服薬治療をおこなっていたのですが、2人目を考えたときに薬を中止することができず、減薬という方法で妊娠に臨みました。 そして、パニック障害の治療を続けながら不妊治療も並行しておこない、第2子を妊娠することができました。 薬の効果が切れる時間を狙って母乳をあげる産後の母乳については、心療内科の先生と産婦人科の先生の双方に相談をしました。赤ちゃんへの薬の影響を考え、薬の効果が切れる時間帯にだけ母乳をあげるという方針に決めました。 その薬の効果が切れる時間帯は、1日のうちでたった一度のみ。あとの時間はすべて育児用ミルクを与え、母乳は搾って捨てていました。1日に一度きりでしたが、母乳を飲んでいる赤ちゃんの姿が愛おしく、母乳をあげている時間は至福の時でした。 体調が悪化して母乳は完全中止に…産婦人科を退院後、パニック障害の症状が悪化してしまい、薬の量と回数を増やすことになりました。その結果、母乳をあげられる時間帯はなくなり、赤ちゃんが生後1カ月のうちに母乳をやめることになったのです。 当時は母乳をあげられない自分が悔しく、また赤ちゃんに申し訳ない気持ちから、毎日のように泣いていました。母乳をあげられない自分を“ダメな母親”だと責め、産後うつにまで陥りました。一方で、育児用ミルクでの子育ては何の問題もなく、むしろ飲んだ量がわかったり、腹持ちがよかったりといったメリットも多かったです。 育児用ミルクで育てたことに後悔はありませんが、第2子が小学生になった今でも、もっと母乳をあげたかったなぁと、ふと思うことがあります。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/マメ美監修/助産師REIKO 著者:ライター 木村なち三児の母。現在4人目を妊娠中。パニック障害を抱えながらの妊娠・出産・育児の経験に基づき、体験談を中心に執筆している。
2021年03月04日助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんが完全母乳についてお話ししてくれました。完全母乳のメリットとは何か、母乳の理想とは何かをまとめて解説! 母乳が赤ちゃんにとっていいことは多く知られています。ママのなかでは、完全母乳の方、さまざまな理由から育児用ミルクを足しての混合栄養や育児用ミルクのみで育児をされている方がいます。赤ちゃんにとって、完全母乳がベストなのでしょうか? 完全母乳とは?世界保健機関(WHO)では、科学的根拠に基づき、生まれ育つ国や家庭の経済的な環境にかかわらず、生後半年までは母乳だけ、そしてその後は栄養を補完する食べ物をあげながら2歳かそれ以上まで母乳育児を続けることを推奨しています。 “完全母乳”というのは、定義によっても変わりますが、本来の意味は、生まれてから一度も育児用ミルクを与えずに母乳だけで育てるということなります。産院では母乳分泌が増えてくるまで入院中に育児用ミルクを足していることが多いので、本来の意味の完全母乳で育児をされている方は少数であると思います。 完全母乳という言葉に、プレッシャーや焦りを感じてしまうママもいるかもしれませんが、そこだけを目指す必要はないかと思います。育児用ミルクを一切与えない栄養方法が最適ということではなく、ママと赤ちゃんにとって最適な栄養方法をみつけていくことが大切です。 母乳のメリットとは?母乳についてのメリットは多数知られていますが、ここでは母乳自体の成分に着目してみましょう。 産後直後や短期的なメリット初乳は、免疫物質(分泌型免疫グロブリンA)が豊富。最初に初乳を飲むことによって胃の粘膜の表面を覆い、細菌やウィルスの粘着・通過を防ぎ、感染防御機能を持つと言われています。 長期的なメリット・消化が良く、栄養の吸収も速やか。直接母乳であれば適温で飲みやすく、清潔です。搾母乳であっても、母乳中の白血球が雑菌の繁殖を抑えてくれます。 ・児の摂取カロリーの50%を占めるカロリー源として重要な脂肪は、児の脳の発達を促進し、児の成長に必要な脂溶性ビタミンの供給のサポートをしています。母乳の成分のうち、DHAなどの長鎖多価不飽和酸は、視機能が上昇し、認知能力が高くなると言われています。 ・母乳は低タンパクであるのに関わらず、豊富で適切な核酸を含んでいるため体重増加がいいと言われています。 ・母乳中のカルシウム、鉄、亜鉛は吸収率がよく、腸管に負担をかけずに必要量を摂取できます。 母乳自体の成分だけに着目すると、「母乳を飲んでいること」は児にとってメリットがあるのですが、完全母乳でなければいけないということはないと思います。育児用ミルクも母乳成分を研究してさまざまな成分を取り入れています。1番の違いはママの母乳はその赤ちゃんに合わせたオーダーメイドの栄養で、吸収率が高いと言われている点です。 母乳育児は細くても長く続けることが理想母乳だけで赤ちゃんを育てたい、母乳をできるだけ多く飲ませたいと思うママがいます。また、反対に完全母乳にできずに混合栄養になるのであれば、断乳したいという相談を受けることもあります。 1日に飲む母乳量が少なかったとしても、授乳期間が長ければ赤ちゃんが一生に飲む母乳の量が多くなり、母乳の恩恵を受けることができます。続けられる環境やママの心身の状態が整っているのであれば、母乳育児を細くても長く続けられるようにすることが理想です。 母乳育児は、一緒に支えてくれる家族の存在が必要です。相談できる助産師がそばにいればさらに心強いかもしれません。もちろん、母乳育児を続けていくことが困難であれば、今まで母乳育児をすることができたことを誇りに思って、これからの育児の自信へとつなげてほしいと思います。 完全母乳は1つの母乳育児の方法であって、母乳の分泌量、1日の授乳回数、授乳期間が違っても母乳育児に変わりはありません。1回でも母乳をあげれば母乳育児をしたことになります。完全ミルクであっても愛情は変わりませんし、栄養面では問題ありません。また、パパがママ同様に授乳ができるという点でのメリットもあります。赤ちゃんとママにとって、心身共に健康で笑顔で過ごせる最適な栄養方法を探していくことが大切です。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2021年02月14日■前回のあらすじ娘が生まれて3ヶ月たった頃に起きた東日本大震災。ライフラインの途絶えた厳しい状況下での過酷な育児が始まるのでした。■避難生活のストレスでついに…真冬の車中生活。そしてライフラインの復旧がいつになるかわからず不安になる日々。そんなストレス状態のなかでついに母乳が止まる事態に…。■お湯の確保もままならない状況ベッドでゆっくり眠ることもできず、さらにお腹がすいて泣き続けるひよこ。地震から4日経ってもライフラインは復旧しない状況のなか、致し方なく私の実家に頼ることに決めたのでした。次回に続く! 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >> 親子を救う!?ピンクのパンダのオールOK! この連載の全話を見る >>
2021年01月31日母乳育児中の食事は、昔は甘いものや揚げ物など油っぽいものは避けるようにと言われていました。現在では科学的根拠はなく、制限は特になく栄養のバランスをとって食べるように推奨されています。 しかし、育児中は忙しくて余裕もなく、自分の食事のバランスまで気をつけて生活するのは難しいかと思います。今回、授乳中のママにむけて、気軽にとれるコンビニ食についてお話ししていきます。 主食の炭水化物はお米を選ぼう!手軽にとれるので、麺類・パン類が増えがちです。消化がいい分、食事後にすぐにおなかが空いてしまい、菓子類などをちょこちょことってしまうこともあります。できれば、ボリュームもあり、腹もちのいいお米類を選ぶようにしましょう。 授乳中は、成人女性の必要なカロリーより+350kcalといわれています。 成人女性の1日あたりのエネルギー必要量は、身体活動レベルが普通の人で1900~2000kcal、低い人で1650~1750kcal、高い人で2200~2300kcalです。 おにぎりも、玄米や雑穀米などのものを選ぶとより栄養がプラスされます。玄米は、米ぬかや胚芽は残った状態なので、白米よりも栄養が多く、食物繊維やカルシウムやマグネシウムのミネラル、たんぱく質、ビタミン類も白米より多く含まれています。 雑穀米は、玄米、あわ、キビ、もち麦などを白米に混ぜ込んだもので、食物繊維やミネラル、ビタミン類も含まれています。お米系のお弁当でおすすめなのは、丼ものよりもおかずが何品かあるお弁当系を選ぶとバランスが取れやすいです。 コンビニ弁当にプラスするといいもの炭水化物の次にとりたいのは、タンパク質。母乳を作るに必要な栄養素になります。お弁当やおにぎりに追加して、ゆで卵やサラダチキン、ツナ缶を追加してみましょう。 サラダチキンは、ドレッシングやお醤油、オリーブオイルなどをかけてだけでもおかずの一品になりますし、サラダに追加してもいいでしょう。授乳中はカルシウムも失われがちです。牛乳やチーズ、ヨーグルトの乳製品、ナッツ類も追加するといいでしょう。お菓子やおつまみのコーナーで塩分を使用していないナッツなどを選び、そのまま食べたり、砕いてサラダやヨーグルトにかけたりするのもいいです。 母乳分泌で失った水分を補給!温かい飲み物は、体を温め、体内への水分の取り込みをよくしてくれます。食事のときもスープやお味噌汁など汁物で水分をとっておきましょう。生姜は体をさらに温める効果があります。コンビニのスープやインスタントのスープなどを買って、冷蔵庫にある生姜チューブなどをちょっと足すのもおすすめです。 コンビニ飯は単品だと栄養素が偏りがちになります。プラスαすることによってバランスがいいメニューにすることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2021年01月22日私は娘が生後6カ月になるころまで完全母乳で育てていたのですが、母乳が突然出なくなってしまいました。そのときの、完母で育てたい気持ちがあったつらさと、慣れない育児用ミルクを使った授乳を、どうやって乗り越えたのかを紹介します。 突然母乳が出なくなった!私は、妊娠9カ月ごろから母乳が溢れ出てきてしまうほど母乳が出ていたので、「娘が生まれたら完母で育てる!」と決めていました。しかし、順調に進んでいた完母育児でしたが、娘が生後6カ月になるころいきなり母乳が出なくなってしまったのです。 最初は「一時的なものだろう……」と軽く考えていましたが、いくらおっぱいを吸わせても娘は泣いてしまいます。不思議に思って搾乳器で搾ってみたところ、全然母乳が出ていないことがわかりました。 毎晩泣いてしまった私はずっと決めていた完母で育てられないことがショックでしたが、娘の前で泣くわけにはいかないと思い、母乳が出ないなら仕方ないし育児用ミルク!と切り替えていました。しかし、今まで哺乳瓶をほとんど使ったことのない娘は、哺乳瓶では育児用ミルクをほとんど飲んでくれなかったのです。 そのため、ストローマグを利用して育児用ミルクを飲ませていました。しかし母乳育児に比べるとストローマグによる授乳は、授乳のたびにおこなう調乳やストローマグの消毒などがとても負担になってしまいました。特に夜の授乳は眠たいなか調乳をしなければならず、毎晩泣きながら授乳をしていました。 夫の助けで救われた!夜の調乳は大変でしたが、そのころの娘は夜の睡眠時間が長くなってきて、授乳の回数は多くて3回、少ないときは1回ほどで済んでいました。さらに、夫に母乳が出なくなったことを打ち明けると親身になって話を聞いてくれ、「夜の授乳は手伝うよ」と言ってくれたのです。 今まで夫は夜中に娘がどれだけ泣いても起きませんでしたが、それからは私よりも早く起きて調乳し、飲ませてくれるように……。私が感じていた夜中の調乳作業の負担を軽くしてくれて、とても救われました。 今では娘も1歳を過ぎ卒乳したため、母乳が出なくなり悔しさで毎晩泣いたこともいい思い出の1つです。また、完全母乳だけでなく完全ミルクも経験したことによって、どちらのメリット・デメリットも知る機会があったのはありがたいことだなと今では思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:橋本 楓0歳女児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年01月04日初めての育児で力が入ってしまい、完全母乳育児にこだわりすぎていた私。1カ月健診で娘の体重が増えていないことを指摘され、悲しい気持ちに……。その後、母乳育児相談室で受けた母乳マッサージや助産師さんのアドバイスによって、気持ちが軽くなれた体験をお伝えします。 少し早く生まれた娘出産予定日より2週間早く生まれた娘は、少し小さめで寝てばかりいました。出産した病院では決められた時間に授乳室に集まって授乳するのですが、授乳しようにもすぐ寝てしまい練習ができません。頑張って飲んでいるまわりの赤ちゃんたちを見て焦ってしまい、授乳時間が憂うつでした。 その病院の産婦人科では母乳育児を推奨していて、必要に応じて助産師さんと相談しながら育児用ミルクをあげるのですが、思うように体重が増えず、退院日は退院の許可をもらえるギリギリの体重でなんとか一緒に帰宅することができました。 体重が増えず、1カ月健診で要観察に 退院してからも、授乳時間はいつも闘いのようでした。完全母乳育児を理想としていた私は、育児用ミルクはできるだけ飲ませず、とにかくおっぱいを出るようにしなくては、飲めるようにしなくては、と必死だったように思います。娘の小さい口に合うような二プルを使ってみたり、赤ちゃん用の体重計をレンタルして授乳後毎回体重を量ったり……。 そうして迎えた1カ月健診の日。まず、入院中に仲良くなったママ友に再会して開口一番、「ちっちゃーい!」と言われてしまい、ショックを受けました。そして小児科の健診では、体重は退院後から350gほどしか増えておらず、翌月に再度受診するようにと、母子健康手帳には「要観察」のハンコが。 1カ月間、悩みながら必死に頑張ったつもりでいた私は、娘に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、その後の助産師さんとの面談では大泣きしてしまいました。 母乳育児相談室の門を叩くそこで助産師さんから、桶谷式乳房管理法というものを紹介していただきました。母乳育児相談室という施設があり、そこで母乳育児に関する相談ができるとのことでした。予約を取り緊張しながら行ってみると……そこにいたのは、やさしいベテランの助産師さんたち。 悩みを聞きながら、おっぱいが出やすくなるマッサージをしてくださいました。痛いと聞いていたマッサージでしたが痛みを感じることはなく、終えたあとの授乳では娘が明らかにいつもよりよく飲んだのです! 驚きと喜びで、うれし泣きしてしまったことを覚えています。 生後4カ月で突然、哺乳びん拒否!それから、定期的に母乳育児相談室に通いました。授乳の姿勢や食事のアドバイスを受けたり、育児の悩みを聞いていただけて、とてもありがたかったです。娘はいつの間にか母乳をたくさん飲んでくれるようになり、育児用ミルクを飲ませることも減っていきました。 そして生後4カ月になったころ、娘が突然哺乳びんを拒否するようになったのです! 完全母乳育児を目指していたものの、混合もラクかな?なんて思い始めていた私は驚きましたが、体重も順調に増えていたので、育児用ミルクはそこで卒業となりました。そのあとも、母乳育児相談室には卒乳するまでお世話になりました。 その子に合った授乳の仕方があるということも今は理解できますが、あのころの私は意固地になっていたのだと思います。完全母乳育児にこだわりすぎて、成長させるという育児の基本を後回しにしていました。生まれてすぐの小さい娘に無理をさせてしまって申し訳なかったなという気持ちと、助産師さんからのアドバイスに感謝しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:坂井香子おだやかな娘とわんぱくな息子の母。夫は別居中のため、完全ワンオペ育児奮闘中。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年01月03日母乳育児は体形が戻りやすいと考え、出産後にいつかは体形が戻り、あわよくばやせるだろうと考えていたママさん。しかし、3人の出産で体脂肪は増えるばかり。体形、体重を戻すための産後ケアとして、骨盤ベルトを使用しストレッチ、主食量の見直しなどをおこなったそうです。 私は3歳の長男、2歳の長女、生後1カ月の次男と生活をする33歳の母親です。もともとスポーツが大好きで、学生時代は全力でソフトボールを楽しみました。大学を卒業後、スポーツから縁遠くなってしまい、3人の出産を経て得たのは揺れる肉……。今回は、そんな体形を何とかすべく奮闘している様子をお伝えします。 母乳育児で体重が減る予定が…!?長男を妊娠したとき、私の体形は身長168cm、体重87kgでした。かなり大きめなため、妊娠中は体重を増やさないようにと医師から指導されました。初めての妊娠に気を張った生活をしていたためか、体重をキープしたまま出産することができました。 長男は完全母乳での育児。母乳育児は体形が戻りやすいとの情報から、いつか体形が戻り、あわよくばやせるかも……と考えていましたが、長女と次男の妊娠・出産を経てさらに太っていってしまいました。 産後、筋肉がぜい肉に早変わり3人の出産を終えて気付いたことは、妊娠中に筋肉が落ち、ぜい肉に早変わりしてしまったということでした。スポーツを楽しんでいたときの体脂肪率は、自己ベストで12%。現在は、自分の目を疑うほどの数字が並び、体の約半分が脂肪であるとの結果でした。 一生懸命つけた筋肉は、妊娠・出産を経験した4年間という歳月をかけて脂身へと変わり果てていたのです。もちろん代謝も落ち、さらに体形が戻りにくい体へと変化していました。 本格的に産後のケアを開始!そんな状況に危機感を感じ、動ける体を取り戻すために食事の見直しと骨盤のケア、ストレッチを始めました。次男を妊娠したときに使用した骨盤ベルトを産後も着用し、骨盤をケアしながら、ストレッチを毎日継続しておこないました。 現在は、産後の経過を見ながら体を動かす準備をしています。骨盤ケアの成果が出てきたのか、2週間でヒップのサイズが2cmダウンしました! 食事では、無理のない程度に、主食の量を3分の2に減らすという方法を取り入れ、2週間で2kg減をキープ中です。 産後、思った以上に筋肉が落ちていたようで、ちょっと長めの買い物で足腰が疲れるという現状です。そんな状況を打破するために、有酸素運動を無理なくできるだけ長くおこなうことにしています。体形と体重の変化を楽しみに、産後のぶよぶよ体形とこれからも向き合っていきたいです! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/ニシカタ監修/助産師REIKO著者:簗田智花4歳の長男、2歳の長女、1歳の次男との育児ライフを楽しむ34歳の母。現在は、仕事と家事、育児に奮闘中。ドライブ、スポーツ、スポーツ観戦が趣味のアクティブママ。
2020年12月31日お子さんの離乳食の食べ進みが悪くなり、夜間断乳を決意したママ。日程調整や子どもへの声かけ、環境づくりなど万全で夜間断乳に挑みましたが、DVDに助けられあっけないくらいに目標達成できたそうです。 ありがたいことに私のおっぱいは順調でした。私は母乳育児に強いこだわりをもっていたわけではありません。けれどせっかく出ているし、子どもが欲しがるだけあげられればいいなと思っていました。しかし子どもが生後10カ月になるころ、朝ごはんの食べ進みが悪くなったのです。このことをきっかけに夜間断乳をすることを考え始めました。 夜間断乳へのハードルは高く…朝ごはんを食べ進まないのが気になったのは、子どもが生後10カ月になったころ。そのころの授乳は3食のごはんのあとと寝る前、夜中に1~2回。朝ごはんが食べ進まないのは夜中におっぱいを飲んで、朝はおなかが空いていないせいではないかと私は考えました。しかし当時の私には夜間断乳はとてもハードルが高いものに思えました。 というのも体験談等の情報から、断乳というと全力で泣き続ける子どもを3日間はあやし続けなければいけないというイメージを持っていたのです。ただでさえ寝不足で私は気持ちに余裕が持てないでいるのに、泣き続ける子どもと対峙することはとても大変なことだと感じていました。 準備万端で挑戦断乳実行の日は3連休を選び、夫と2人体制で挑むことに。実施日の3日前からは子どもにも「夜はおっぱいも眠いんだって、寝かせてあげようね」と話しかけました。少しでも子どもの気をそらすことができればと、お気に入りのDVDも準備。 そして夜間断乳当日、いつも通り就寝4時間後に子どもは目を覚まして泣き始めました。「おっぱい欲しいんだよね。でもね、おっぱいもう寝ちゃったんだよ」と声をかけましたが、まったく効果なし。しかしお気に入りのDVDを再生するとテレビに夢中になり、泣き止んだのです。繰り返しそのDVDを見続け1時間後には子どもは寝てしまいました。 2日目以降はあっけなくDVDさえあれば泣かせなくても済むということがわかり、私はとても気がラクになりました。2日目の夜も就寝4時間後に子どもは目を覚まし泣き声をあげました。そこで子どもを寝かせたまま胸をトントンして、「まだ夜だよ、みんな寝ているよ」と声をかけると、子どもはすぐにまた眠っていったのです。 その後も起きることなく朝までぐっすり寝ていました。3日目になると一度も起きることなく朝までしっかり眠り、朝ごはんもパクパクとたくさん食べていました。 どうなることかと心配して、万全の準備で挑んだ夜間断乳は拍子抜けするくらいサラッとできてしまいました。私も子どもも、大きな負担がなくてよかったと感じています。あれこれ考えても結局はやってみなくてはわからないものだと改めて感じました。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小原水月1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。
2020年11月18日出産後に母乳が不足しているのではないかと、心配になっていたママの体験談を紹介しています。医師や看護師さんに何度も相談したようですが、母乳不足感に対する不安な気持ちに寄り添ってもらえず、悲しい思いをしたそうです。 私が現在1歳になる娘をアメリカで出産したときの体験談です。出産したら母乳は出るものと思っていましたが、いくら授乳をしても泣き止まない娘の様子に母乳不足を感じました。医師や看護師さんに繰り返し相談しましたが……。産後の母乳不足感に対する病院スタッフの対応に関して、悲しい思いをした体験談をお伝えします。 産後の母乳不足感。医師に相談するも…第1子出産後の入院中のことです。出産後すぐに授乳が始まりましたが、私には母乳が出ているという感覚がまるで感じられませんでした。試しにおっぱいを搾ってみても、ごく少量の母乳が乳首にうっすらと滲む程度。 母乳が足りていないのではと思った私は、回診にきた医師に相談。医師によると、「出産後すぐの母乳は少ししか出ないけれど、そのごく少量が赤ちゃんに必要な栄養のすべてだから大丈夫」とのことでした。 看護師さんにも繰り返し相談したけれど…医師の説明にひとまず納得した私は授乳を続けていましたが、やがて娘はどれだけ長く授乳を続けても、おっぱいから離すと泣きだすようになりました。やはり母乳が足りずおなかが空いているのではないかと心配になった私は、看護師さんにも何度も相談をしてみました。 しかし、「生後すぐの赤ちゃんの胃の容量はとても小さいので大丈夫」「今はおなかがいっぱいでも泣く時期だから」と言われるだけ。娘はとにかくおっぱいから離したら泣くので、常に抱っこして乳首をくわえさせているような入院生活でした。 病院スタッフに対する不信感がMAXに!アメリカでは通常、出産後2日で退院します。退院前の体重測定で、娘の体重が10%以上と大きく減少していることがわかりました。生後数日は赤ちゃんの体重は減るものの、10%以上の減少は危険な状態。結果、入院が延びることに。ここで初めて、母乳が不足しているから育児用ミルクを足しましょうと言われました。 私は、だから母乳が出ていないと何度も言ったのにどうしてもっと早く対応してくれなかったのかと、とても悲しく悔しい気持ちに。やはりおなかが空いていた娘は育児用ミルクをあげるとたちまち泣きやみ、体重もすぐに回復し、翌日には退院できることになりました。 あとから冷静になって考えてみると…病院スタッフの対応に不満が残っていた私は、あとから知り合いの日本の助産師さんに聞いてみました。すると、むしろ産後すぐに赤ちゃんが満足するほどの母乳が出る人のほうが少なく、病院スタッフの対応も間違ってはいなかったと思うとのこと。 それを聞いて、当時の私は出産直後だったこともあり神経質になり過ぎていたかもしれないと思いました。しかし、あのころは何も知らず、ひたすら心配で仕方ない状態だったので、もう少し精神的な意味で母親に寄り添うケアをしてもらえていたら、こんなに悲しい気持ちにはならなかったのにとも感じました。 母乳不足の悩みに対して、入院中は医師も看護師も大丈夫と言うだけでした。初めての出産に神経質になっていた私には、スタッフの対応が冷たく感じられ、ひたすら悲しく不安になりました。肉体的なケアだけではなく、もう少し産後の不安な気持ちに寄り添った対応をしてくれていたら、こんなに悲しい思いをせずに済んだかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:玉木理恵1歳の女の子の母。アメリカ在住。翻訳家・ライターとして活動中。
2020年11月07日初めての妊娠、出産を経てついに授乳開始! 母乳らしきものが出始めていたので、どんと構えていれば母乳なんてすぐ出るだろうと思っていました。しかし、産後は母乳がほとんど出ていなくて、娘に「ごめんね」と謝る日々……。けれども、あるものによってそれが改善されました。 乳頭マッサージの効果あり!?妊婦健診のとある日、助産師さんからの母乳指導がありました。「初めての妊娠ではなかなか母乳は出ないだろうから、妊娠中はおなかが張らない限りしっかり乳頭マッサージしてくださいね」と言われました。それから少しずつ、入浴時にわが子を思いながらマッサージの日々。すると少しずつ、透明に近い分泌物が出始め、母乳らしいものに変わったので、母乳は出るに違いないと確信していました。 産後の授乳開始…母乳が出なくてごめんね私はバースプランで完全母乳をお願いしていたので、産後の疲労もありましたが、育児用ミルクは一切使わずに授乳を開始しました。 しかし入院中、娘の体重チェックが定期的におこなわれるのですが、2日目にして出生時より体重が激減。「この減り方はまずいね……」と助産師さんに言われ、一気に不安に。助産師さんには、「(娘の吸い方は)とてもじょうずだね」と言われていたので、私の授乳の仕方がいけないのだとひどく落ち込んでしまいました。 搾乳器の存在を知らなくてごめんねすぐに混合栄養に切り替え、育児用ミルクを足しても娘の体重が増えない→落ち込む、その繰り返し。授乳室にいる同期ママの前で体重をチェックされるのも嫌になり、部屋にこもる日々でした。 そんな私を見兼ねた助産師さんが、「授乳室の搾乳器を使ってみて」とすすめてくれました。すると、1回に推定10mlしか出ていなかった私の母乳も、搾乳器を使うと30mlくらい搾乳ができたのです。そのときは本当にすがる思いだったので感動しました。 今まで母乳が足りてなくてごめんね体重チェックもなんとか合格をもらい、無事に退院してからはとにかく搾乳器で搾乳する日々でした。徐々に母乳も増え、1カ月を過ぎたころになると1回に50~80mlを搾乳できるまでになりました。 すると、授乳の時間が楽しくなって気持ちも前向きになり、今までは「母乳が足りてなくてごめんね」と娘にマイナスな気持ちばかり伝えていたのですが、「私を母親にしてくれてありがとう」という気持ちがこみ上げてくるようになりました。 その後、搾乳器を使わなくても娘がごくごくと音を立てて飲めるようになり、「搾乳器を使用したことで母乳の出を促してくれたのかな?」と思っています。現在は「標準より少し大きめだね」と言われるぐらいにまで成長してくれていて安心しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/imasaku監修/助産師REIKO著者:川口さゆり1歳の娘をもつ母。山暮らしを満喫しながら小さなお店を営んでいる。娘のめざましい成長に日々一喜一憂。
2020年10月27日■前回のあらすじついに義父母との同居生活が終わり、一時的に開放感でいっぱいになったものの、あまりの静けさに少し寂しくなるのでした。■相変わらず心配な母乳不足…なかなか増えない体重に、焦りは募る一方…。母乳育児を頑張りたい一心で、ほぼ一日中授乳に時間をかけていました。■食事に気を遣う私のために…夫の優しさに感謝!良質な母乳を作るために食事にも気を遣わなければならない…私を気遣ってたくさんスープを作り置きしてくれた夫には本当に感動しました!次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月11日「母乳で赤ちゃんを育てていると、生理の再開が遅い」という話をよく聞きます。私も漠然とそう思っていましたが……。二度の出産をし、どちらも完全母乳で育てた私の産後の生理再開と、再開時に困った経験を紹介させていただきます。 「完全母乳だと生理の再開が遅い」そう思っていた私は25歳と28歳のときに出産をしました。1人目は自然分娩で出産し、悪露が完全に終わるまでなんと2カ月以上かかりました。2人目は帝王切開で出産で、悪露は1人目のときに比べて少なく、産後1カ月の健診時点で、ほぼ終わっていました。2人とも、母乳の分泌が軌道に乗るまで、生後2週間程度はミルクを足したりしましたが、その後は完全母乳で育てました。 「母乳で育てていると場合、生理の再開は遅くなりがち」とか「産後1年くらい生理が来ない人もいる」という話をよく聞いていたので、「私も完全母乳だし、自分もすぐには再開しないんだろうな」と漠然と思っていました。 産後3カ月の出血。これ悪露?それとも生理?ところが、1人目の産後も2人目の産後も、出産から約3カ月で生理が再開! 1人目のときに至っては、産後2カ月過ぎまで悪露が続いていたので、「悪露でなくなったな」と思っていたところに出血があったため、「また悪露?」と思ってしまったくらいです。 しかし、ネットで調べたところ、産後3カ月でも生理が再開する可能性があることを知り、「生理かも?」と考えました。すると、経血量は妊娠前よりも少なかったものの、2日目、3日目でわずかに量が増え、5日間くらいで完全に出血がストップ。そして、約1カ月後には妊娠前と同じような「あきらかな生理」が来たので、やはり生理が再開していたのだと確信しました。 私の場合2人ともだいたい3カ月くらいで再開したので、個人差はあるとはいえ、完全母乳でも意外と早く生理が再開することもあるんだなぁと思いました。 長引く悪露&早かった生理再開で困ったのは…生理の再開で少し困ったこともありました。産後すぐは、悪露のため産褥パッドをつけていましたが、産褥パッドを使い切った後は生理用ナプキンに切り替え。しかし、私の場合、1人目の産後は、予想していたよりも悪露が長く続いたため、生理用ナプキンのストックをすぐに使い果たしてしまったのです。 まさか産後の悪露で2カ月間ずっとナプキンを使用するとは思っていなかったため、ストックは生理2回分くらいしか用意しておらず……。結局、夫と義母が買い物に行くときに、ナプキンを買ってきてもらうようにお願いすることになってしまい、少し恥ずかしい思いをしました(しかも学習せず、2人目のときも同様に…)。 さらに、産後2カ月でようやく悪露が落ち着いて安心していたら、その後すぐに生理が再開! またまたストックがなくなっており、慌てて買いに走ることになりました。 産後もしばらく生理が来ないだろうと思って、生理用ナプキンのストックチェックを怠っていると、悪露が長引く、すぐ生理が再開するなんてこともあります。また、災害や感染症の騒動などで、すぐに手に入らない!という状況も考えられます。産後のための生理用品は、妊娠中からきちんと準備しておいた方がいいなと思いました。 普段は衛生面も考えて、2、3時間でナプキンを取り替えていますが、このときはばかりはなかなか取り替えられないという状況でした。でも、ナプキンの技術力の高さのおかげで何とか乗り切ることができ、ナプキンの素晴らしさに感動しました! 監修/助産師REIKO-----文/ほりあいさん
2020年09月10日■前回のあらすじお見舞いに来てくれた夫。差し入れやマッサージに癒され、ようやく我が子と3人の時間を楽しめました。その後、義父母もお見舞いに来てくれましたが、産後の不安定さからか2~3時間でしんどくなってしまいました。■赤ちゃんが黄疸になってしまった黄疸が見られる赤ちゃんは多い、重度でなければ心配ない、と書いてあっても、体重が増えないことも重なり責任を感じずにはいられませんでした…。■授乳を頑張るも、体重が増えない…母乳の出を良くするために出来る限りのことを頑張りましたが、結局赤ちゃんの体重は増えませんでした…。■母親失格…母乳が出ない自分を責めてしまう母乳が出ないことで自分を責め続け、涙が止まりませんでした…。義父母の孫に会いたい想いも受け止めきれず、自分が情けなくなりました。次回に続きます。8月23日公開予定! 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年08月22日■前回のあらすじついに我が子の誕生! 感動で胸がいっぱいになり涙が止まらなくなる…そんな想像をしていたのに…。現実は痛みと疲れでそれどころではありませんでした。■母子同室スタート!しかし新たな不安が…おむつ交換、抱っこ、授乳…とにかく全てが初めてのことで、合っているのかも分からず、不安な気持ちになりました。■母乳が少ない!授乳の不安…母乳量が十分ではなく、ミルクをあげたくなりましたが、授乳をしないと母乳が出なくなってしまうことを知りました。助産師さんのアドバイスやマッサージが有り難かったです。■赤ちゃんの体重が減ってしまった…母乳が足りていないの?周りのお母さんたちはみんな母乳がたくさん出ているのに、自分だけ母乳が少ない…赤ちゃんはちゃんと育っているのか…そんな不安に次々と襲われました。次回に続きます。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年08月14日出産したら誰でも母乳が出るようになると勘違いしていた私。授乳でこんなに苦労するとは思いませんでした。特に「完全母乳」を目指していたわけでもない私が、母乳育児に力を入れている産院に入院したことから、大変な授乳生活がスタートしたのです。 出産後すぐに始まった授乳訓練2日間の徹夜の末、ようやく生まれたわが子。人生最大の大仕事が終わったと思ったのもつかの間、2時間ほど眠ったあとすぐに母乳をあげる練習が始まりました。 出産前に助産婦さんから「乳首を耳たぶくらいまで柔らかくしてね」と言われて毎日マッサージはしていましたが、まだまだ固くて赤ちゃんにじょうずにくわえてもらうことができずにいました。 出産して3日目の朝、お医者さんに「赤ちゃんの体重がちょっと減り過ぎているね」と指摘され、ひどくショックを受けたのを覚えています。母親として初めての「ごめんね」3日目から搾乳もすることになり、一度の授乳に1時間もかかるようになっていました。乳首のマッサージのあと、左右5分ずつの授乳。体重を計り、何g飲めたのかを助産師さんと確認。私は10gも飲ませることができませんでした。そのあとは搾乳です。 後ろから聞こえるわが子の泣き声。早く抱っこしてあげたいのにできない自分が無力でした。授乳室から部屋へ戻る病院の暗い廊下で、思わず涙が。泣いている私をキョトンと見つめる娘。私の顔をじーっと見つめて、「泣かないで」と言っているような、初めて心を通わせた瞬間でした。 足りない分は育児用ミルクで補おう退院してからも授乳と搾乳を繰り返していましたが、乳首はもうヒリヒリと痛く、授乳の時間がとてもつらく感じていました。 そんなとき、親戚の叔母さんに言われた一言で完全母乳をやめる決心をします。私が母乳が思うように出なくて悩んでいると伝えると、「足りない分はミルクを足したらよかたい。子育ては今だけじゃなかとよ。これからずっと続くとけん」と言われ、勝手に思い込んでいた「母乳で育てなくては」という呪縛から解放されて、ようやく肩の荷が下りたのです。 母乳も育児用ミルクもどちらも「授乳」。母乳育児のこだわりを捨てると、子育てがうんとラクになりました。初めての子育ては不安や苦労も多く、楽しむことをつい忘れがちになっていたなと思います。そんなときは、周りの意見に耳を傾けてみることで気持ちがラクになるんだなと実感しました。 原案/吉田はな作画/やましたともこ
2020年08月08日授乳、おむつ替え、抱っこに寝かしつけ……赤ちゃんのお世話はやることがたくさん! 「育児を楽しむ余裕なんてない」「いつもお世話や家事に追われている」と感じたら、頑張りすぎているのかもしれません。毎日の育児を笑顔で楽しく続けられるように、ほんの少し肩の力を抜いて、ラクをしてみませんか? 多くのママたちが大変と感じているお世話のなかで「この育児はしなくて大丈夫」「ここまでならラクをしてOK」というポイントを、小児科医であり、3児の母でもあるさくらんぼこどもクリニックの三日市薫先生が紹介します。第1回目は母乳育児編です! 育児を完璧にこなすことよりママが笑顔でいられることが大事 こんにちは。さくらんぼこどもクリニックの三日市です。「育児でラクをする」というと、抵抗を持たれるお母さんもいるかもしれません。しかし、ママたちに余裕がなくなってイライラすると、赤ちゃんも不安になって泣いたりグズったりと、悪循環になってしまいます。家事や育児を完璧にこなすことよりも、お母さんが常に笑顔でいられるためにはどうすれば良いかを大事にしてください。 とはいえ、赤ちゃんのお世話をする以上、守るべきボーダーラインはあります。 第一は衛生面です。決して神経質になる必要はありませんが、やはり清潔を保つことは大事です。 もう1つは安全面です。赤ちゃんの手の届く範囲に危険な物を置いていないか、足がかりになるようなものを置いていないか、などです。衛生面や安全面に気を配るためにも、適度に息抜きをして疲れすぎないことが大切なのです。 ここが大変①:授乳の回数が多くてつらい! 3カ月以降なら「泣いたら授乳」は見直してみて生後3カ月を過ぎると、一度に飲む量も増えて授乳回数が減ってきます。もし生後3カ月以降で「泣いたらすぐ授乳」を続けているのであれば、そろそろ見直してみましょう。おっぱいを吸って泣き止むのは、おなかが空いている場合のほかに、赤ちゃんの原始反射の1つであり、物が口に入ると吸う「吸啜(きゅうてつ)反射」による場合もあります。 吸っている間は泣き止むので、「おっぱいが欲しかったから泣いていたんだ」とママが錯覚しているのかもしれません。おむつの濡れ具合やお部屋の温度を確認したり、抱っこやおもちゃであやすなどほかの方法を試してみましょう。 5カ月になると間隔が空くから自然とラクに!また、ちょこちょこ飲むというのは、大人にしてみると常に食べているのと同じこと。そうすると空腹感がなくなり、まとまった量を飲めなくなってしまいます。次に飲むまでの時間をきちんと空けてあげることが、赤ちゃんの生活リズムを整えるためにも大切です。生後5カ月以降になり離乳食が始まると間隔も空いてくるはずなので、焦らずに取り組みましょう。 夜は起こしてまで授乳しなくてOK夜の授乳は、赤ちゃんが寝ていたら起こしてまでおこなう必要はありません。寝ている間は、赤ちゃんにとって成長するホルモンが分泌されている大切な時間。体重の増えが悪くてしっかり飲ませてくださいとお医者さんに言われない限りは、ゆっくり寝かせてあげましょう。 ここが大変②:授乳をすると体のあちこちが痛い…たくさん密着すると授乳体勢がラクに授乳の際の抱き方を工夫してみましょう。横抱きやフットボール抱き、添い乳などさまざまな授乳の体勢がありますが、いずれもポイントは、赤ちゃんと体を密着させるように意識することです。授乳の時間は赤ちゃんの様子が気になって体が離れがちになります。皮膚と皮膚が触れ合う面積が増えるほど、赤ちゃんは温もりを感じて安心するし、お母さん自身の体勢も安定してラクになります。 神経質にならず腕全体で赤ちゃんを包み込んでみてまた、特に赤ちゃんの首がすわっていない間は、首を守ろうとしてご自身の腕や手首を痛める方が多いですが、基本的にそこまで神経質になる必要はありません。手首や腕の一部でなんとかしようとせず、腕全体で包み込むようにしましょう。 ここが大変③:母乳のために毎日栄養バランスの良い食事は無理!総菜パンやレトルト食品などに頼って自炊にこだわらず、大変なときは惣菜パンやお弁当、レトルト食品に頼りましょう。極端に偏食をする人でなければ、そこまで過敏にならなくても大丈夫です。タンパク質がとれる冷奴や納豆、野菜がとれる具だくさんのスープなど、不足している栄養分を手軽に補える一品を常備・作り置きしておけば献立がラクになります。サプリは過剰摂取による健康被害が出ているケースもあり、医師としては基本的におすすめしません。栄養は食事から補給するようにしましょう。 また、栄養のほかに大切なのは水分です。母乳の約90%は水分でできており、水分が不足すると母乳の量などにも影響します。1日に2L以上を目安に、しっかり飲むように心がけてくださいね。 まとめ月齢が低いころは頻回授乳で大変な日が続きますが、生後5カ月ごろから離乳食が始まるとだんだんと授乳の回数も減り、1歳を過ぎれば卒乳へと向けて負担も減ってきます。特に母乳育児の場合はお母さんの負担が多くなりますが、ほかの家事をお父さんや家族に協力してもらうなど、少しでもラクになる方法を探してみてくださいね。 監修者:医師 さくらんぼこどもクリニック院長 三日市 薫 先生東京女子医科大学卒業、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センター、川崎市の保健所勤務などを経て、東京・府中市にさくらんぼこどもクリニックを開院。3人のお子さんをもつ母親でもあり、地域の方々と一緒に病気を考え、子育てができる環境づくりに励んでいる。著者:ライター 大浦綾子2015年8月生まれの男児の母。出版社勤務を経てフリーの編集・ライターに。「夜の寝かしつけ後に仕事を残さない!」を目標に日々奮闘中。
2020年07月01日こんにちは、助産院ばぶばぶのHISAKOです。1回の授乳で、赤ちゃんが片方しか飲まなかったということはありませんか? たまにならいいのですが、これが毎回続くとよくないこともあります。なぜ危険なのか、片乳授乳のリスクについてお話しします。 母乳が出るしくみとは作られた母乳は少しずつ乳管腔に溜まっていき、授乳間隔が空くと満タンになります。乳腺腔の真ん中には脂肪分以外の母乳成分が溜まり、脂肪分は乳腺胞の壁に付着しています。 赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その刺激で母乳分泌ホルモン(オキシトシン)にスイッチが入ります。するとホルモンの分泌を受けて乳管胞を取り囲む筋肉が収縮し、中に溜まった母乳を排出する「射乳反射」が起きます。 授乳の最初と最後で栄養価が違う射乳によって乳管胞の容積が小さくなるにつれ、徐々に壁からはがれ落ちた脂肪分が乳管へと押し出されていきます。乳頭に向かって、より脂肪含有量の高い母乳が流れ出ていきます。 飲ませ始めの母乳(前乳)より、飲ませ終わりの母乳(後乳)のほうが栄養価が高いので、ぜひ赤ちゃんに後乳を飲ませましょうという片乳授乳推進の意見につながっているのはそのためだと思います。 後乳だけを飲ませるのはあり? なし?低出生体重児や早急に高カロリー食で体重を増やさなければならない赤ちゃんは体力がないので、後乳を飲む前に放心してしまう可能性が。だから前乳は搾って捨てて、後乳を飲ませることを優先する指導が存在します。 でも、前乳に栄養がないわけではなく、健常新生児にわざわざ高カロリーな母乳のみを選んで与える意義は感じません。 また、片側をとことん飲ませる授乳方法では、反対側を同等に飲めるはずがありません。結局片っぽで赤ちゃんは力尽きてしまいます。こうなると反対のおっぱいをくわえさせようとしても無意味です。 アンバランスな授乳は乳腺炎になる可能性も授乳間隔が3時間ごとだと仮定すると、片乳授乳なら飲まなかった側は6時間も授乳間隔が空くことになりますね。そのうち、左右のおっぱいはアンバランスになって心身ともに収拾がつかなくなってしまいます。 片乳授乳を励行することで乳房内に長時間母乳が溜まったままにすると、張ったおっぱいを赤ちゃんがじょうずに飲めず浅吸いになる結果、乳頭亀裂の原因をつくり、乳腺炎になるリスクが上がります。だからこそ、一回の授乳では必ず両乳を飲ませてほしいと思います。 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2020年に12人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2020年06月09日完全母乳で育てた娘は、1歳を機に卒乳しました。母乳育児を終えてみて、振り返るといいこともたくさんありましたが、大変だったこともあります。今回は、子育て中の私が母乳育児で大変だったことを3つ紹介します。 【その1】言いようのない痛み! おっぱいトラブル授乳中のトラブルといえば、最もつらかったのは乳腺炎でした。育児用ミルクは足さずに母乳一本だったので、授乳間隔が空いたり甘いものを食べすぎたりすると乳腺炎になったものです。キャベツ湿布で冷やしながら、とにかく母乳を飲んでもらうのが回復を早める一番の方法でした。 次につらかったのは、歯が生えてきたわが子に乳首を噛まれたときのことです。痛がるとふざけてまた噛んでくるので、鼻をつまんで口を離してもらうようにしていました。私は、乳首の傷を馬油でケアしていました。 【その2】意外に早かった生理再開。その影響で!?私は完全母乳でしたが、比較的早く、出産から半年ぐらいで生理が再開しました。それ以降も月一で生理が来るようになり、生理前になるとなんとなく母乳の味が悪くなるのか、授乳中には娘もさえない反応をしていました。 生理中はさらにおいしくないのか出が悪いのか、不機嫌そうに噛まれることもしばしば。授乳中は生理が来ないとよく聞きますが、個人差があるようです。 【その3】自分が病気になったときの授乳授乳中は体調を崩すことが少なかったのですが、あるとき感染性胃腸炎にかかってしまったことがあります。授乳は続けて大丈夫とのことだったので、普段通りに飲ませていましたが、やはり体がつらかったです。 また、逆流性食道炎にかかり、麻酔なしで胃カメラを飲んだこともありました。授乳中には麻酔がよくないとのことで、麻酔なしでおこないましたが、ちょっとつらい思いをしました。 以上、今思うと「よく頑張った!」と自分をほめてあげたくなった授乳中のエピソードでした。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:ののぱ監修/助産師REIKO著者:山田孝子一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。
2020年05月28日1人目を出産してから産後2カ月まで、母乳は十分に出るのに赤ちゃんがうまく飲めない状態が続き、とても苦労しました。うまく飲ませられるようになるまでの約2カ月、母乳育児に関する悩みをどのように乗り切ったか、当時のエピソードをお話しします。 私だけうまく授乳できない私が出産したクリニックは、母子別室制でした。授乳の時間になると授乳室で一斉に授乳するというスタイルで、同じ時期に出産した方が常時5~6人はいる状態です。出産翌日の授乳から胸が張りカチコチになっているせいか、わが子が乳首をうまくくわえられず、母乳を飲み始められない状態が続きました。 他のママは赤ちゃんにおっぱいを吸わせて泣き止ませることができているのに、私はうまく飲ませられないので、わが子だけが授乳室でずっと泣いています。周りと比べる必要はないとわかっていながらも、どうして私だけできないのだろう⋯⋯ととても落ち込みました。 助産師さんに相談するが……授乳のたび助産師さんに赤ちゃんが吸い付きやすい姿勢を教えてもらったり、授乳の補助をしてもらったりしていたのですが、どうしても母乳を飲み始めるまでに20分ほどかかってしまいます。 私の乳首や赤ちゃんの口の形が特別「授乳しにくい」というような問題もなく、「ママも赤ちゃんもとにかく慣れるしかないかもね」とのことでした。入院中は助産師さんに助けてもらいながらなんとか授乳をしていましたが、結局自分だけでは授乳がうまくできない状態のまま退院の日を迎えました。 不安を抱えたまま退院……退院後は突然スムーズに授乳できるようになるわけもなく、助けてくれる助産師さんもいません。授乳の時間になり、赤ちゃんが乳首を吸い始め母乳を飲み始めるまでに15分~30分ほどかかります。そこから授乳時間が15分程、そして寝かしつけというサイクルであっという間に1、2時間が経ちます。それを昼夜問わずですから、私は精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまいました。 母乳の出が悪いということであれば、すぐにでもミルク育児に切り替えられたのですが、母乳はよく出ているためどうしても完全母乳で育てたい思いがありました。 授乳のプロに相談してみたらその後、ワラにもすがるような思いで母乳マッサージを受けました。母乳の出はまったく問題なかったのですが、授乳に関して相談するためです。「母乳が勢いよく出すぎて赤ちゃんが飲みにくい」「赤ちゃんがおなかを空かせていると、落ち着いて乳首に吸い付けない」という可能性から、「まず搾乳して哺乳瓶で少し飲ませてから、直接授乳する」方法を提案されました。 搾乳の手間はありましたが、この方法だと直接授乳がとてもスムーズで、精神的なストレスが減ったのでした。それから2カ月ほど経つと哺乳瓶で授乳する必要がなくなり、最初から直接授乳できるようになったのです。 産前、私は母乳育児に関するトラブルと言えば「母乳の出が悪い」ということしか知りませんでした。当時、「母乳の出を良くする方法」に関する情報が多くありましたが、乳首をうまくふくませられない場合にどうしたら良いかという情報にはたどり着けず、とても悩みました。私の場合は、母乳育児のプロの方に相談することで私と赤ちゃんに合った方法が見つかり、本当によかったです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:幸村あゆ5歳と2歳の兄妹の母。販売職、事務職を経て現在は子育てをはじめとする様々なジャンルの記事を執筆。子ども服やママファッション、インテリア、整理収納を研究するのが趣味。
2020年05月13日私は左胸が扁平乳頭で、妊婦健診のときから母乳を吸いづらいだろうと指摘されていました。産後2日目から溢れるほど出るようになった母乳ですが、赤ちゃんがうまく飲めず乳首は傷だらけに。入院中早々に育児用ミルクを足すよう助産師さんに言われ、混合授乳を目指し頑張りましたが……。私が完ミになるまでの2カ月間にわたる心の葛藤や気持ちの変化についての記録です。 扁平乳頭だから母乳を吸いにくい?里帰り出産が迫り転院先でマッサージの講習を受けるようになったころ、助産師さんから、左胸は扁平乳頭だから母乳を吸いにくいだろうということは何度か言われてきました。そうは言っても、マッサージを続けて母乳が出れば赤ちゃんも吸うだろうと私は気にしていませんでした。 そして出産後、母乳がちっとも出ないまま2日が過ぎ、その後、仮眠から起きるとパジャマがずぶ濡れで、胸の張りも出てきました。あとは赤ちゃんが無事吸ってくれるようになれば……と思った矢先のことです。 母乳をあげたい…授乳室で泣いた夜右胸はまだ吸ってくれる様子だったものの、左胸はそっぽを向いてしまい、なかなか飲んでくれない赤ちゃん。乳頭保護器を使ってもあまり変わりませんでした。退院が近付いてきたある夜、いつものように授乳をしていましたが、やはり左胸からは何分経ってもうまく飲んでくれません。 深夜の授乳だったこと、退院したあとの不安がよぎったことで心が折れてしまい、他のママさんや助産師さんがいたにもかかわらず私は号泣してしまいました。その日はママさん同士でお互いに励まし合いながら授乳を乗り越えました。 実家での生活がスタート退院して実家での生活が始まっても、赤ちゃんはうまく母乳を吸えるようにはなりませんでした。搾乳して哺乳瓶で授乳後、育児用ミルクをあげていましたが、里帰りとはいえ日中はほぼワンオペで気持ちに余裕が持てず、次第に育児用ミルクを頼りに……。 生活に慣れてきたころ電動搾乳器を使い始めましたが、時すでに遅く、そのころには1日で1回分の授乳量に足りるかどうかくらいしか母乳が出なくなっていました。母乳の終わりを実感するにつれ、「どちらでも子は育つ、限界を感じたら卒業しよう」と気持ちが変わっていきました。 そして迎えた完ミの日できる範囲で搾乳をし続けるなか、里帰りを終えるときに搾乳が1日できない日がありました。そこから1週間経たないうちに私は完ミに移行。移行していく過程で2つの思いが私の気持ちに変化をもたらしました。 まずは私自身ほぼ完ミで育ち、そのことをまったく覚えておらず、母乳にしても育児用ミルクにしても心身の成長に違いは出てこないと感じたのです。また育児用ミルクに切り替えていくにつれて時間にゆとりができ、赤ちゃんにも余裕を持って接することができるようになりました。 「母乳で育てる・育てない」は、結局ママ自身の問題であるように個人的には感じます。完ミにしてからも成長や愛情の差があるようには感じられません。短期間ではあっても、悩みながらも2カ月間母乳をあげられたことを誇りに思います。現在、離乳食が始まり、育児用ミルクをあげる機会も限られますが、成長していく姿を愛情たっぷりで見届けたいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 原案/桜場紫作画/やましたともこ
2020年04月21日私は母乳トラブルがひどく、乳腺が詰まってしまうことが多くありました。1人目は断乳までの1年間、なんとか混合で母乳育児を続けましたが、次は絶対に無理と判断。2人目は産院で相談して、薬で母乳を止めて完全ミルクにしてみたのです。さらに夫の育児に対する意識も変化したので合わせてお伝えいたします。 つらかった1人目・娘の母乳育児もともと母乳の出が悪かったのですが、母乳外来に通ってどうにか赤ちゃんが欲しがる量へ追いつくようになりました。ところが、乳首が飲みにくい形なのか、母乳が好きではないのか、娘の母乳哺乳量はあまり増えませんでした。乳腺が詰まるため授乳もしないといけないし、育児用ミルクも毎回足さないといけない状況。これは離乳食が始まってから断乳までずっと続きました。すぐに乳腺が詰まってしまうので食事制限も厳しく、お肉も甘い物も一切食べられず……。 環境が変わると娘は集中して飲んでくれないので、授乳は家でしかできず、夜間も起こして飲ませる毎日でした。いつ乳腺が詰まるかわからないので、旅行・帰省・外食すらできませんでした。 夫の夜間授乳2人目の息子は最初から完ミだったため、夫をはじめいろいろな人に授乳をしてもらいました。上の娘も育児用ミルクを飲んでいましたが、「授乳のすべてが母の仕事」と私も周りも思い込んでおり、夫も調乳すらしたことがありませんでした。でも完ミにしたことで、実家や義実家の家族も、息子の授乳をとても楽しんでくれてよかったです。そして一番助かったのは、夜間の授乳を夫にお願いできたことです。自宅に戻ってから10日間ほど夫が有給を取ってくれ、その間は交代で夜間授乳を担当。そこで夫の育児に対する姿勢がガラッと変わりました。それまでは赤ちゃんが泣いていてもあまり気にならなかったのに、「泣き声を聞いて神経をすり減らすよりは抱っこをしたほうがいい」「育児より仕事のほうがラク」と言うようになったのです。 娘の反応赤ちゃんに興味がなかった娘は、弟をかわいがったりはしませんでしたが、激しい赤ちゃん返りもありませんでした。私以外でも授乳はできたので、なるべく娘優先で過ごすことができました。母乳育児ではなく完ミにすることで「ママを弟に取られた感」は軽く済んだのではと思っています。また、乳腺が詰まる心配をしなくてよかったので、娘とおいしいものを食べて、いろいろなところへ出かけることができました。 細切れ睡眠に対応できない!1人目は混合栄養だったため、調乳の手間や、外出時に哺乳瓶とミルク、お湯の入った水筒を持っていかないといけないことなど、完ミのデメリットはほとんど感じませんでした。唯一感じたデメリットを挙げると、ホルモン剤で母乳を止めたせいか、加齢のせいかわかりませんが、体が夜間授乳の細切れ睡眠に対応できず、1人目の比ではないくらいつらかったことです。寝不足のダルさが1日中続き、その体調不良が精神的な不調につながり、ささいな言葉に傷付いたりイライラしたりしました。そして、1人目では断乳後まで来なかった生理が、2人目では出産後2カ月くらいで再開しました。 1人目の娘の母乳育児は乳腺トラブルもあり、制限が多く不自由だった印象が大きいですが、息子が生まれてからは0歳育児の楽しさを経験し直したように感じています。おかげで赤ちゃん連れの旅行にも行けました。母乳育児は素晴らしいものですが、おっぱいトラブルの多かった私にとっては、あえて最初から完ミを選択することで育児はもっと力を抜いて楽しんでも良いんだと思えました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 著者:ひらたかおる二児の母。趣味はメルカリと写真。自分の備忘録と、いつか誰かの役に立つことを願って妊活中からブログを続けている。2018年から、自身の妊活や子育てでの経験をさらに活かすべくライターとして活動している。
2020年04月02日赤ちゃんに母乳をあげていると、いつ、どのように断乳しようか悩む方もいるのではないでしょうか。私は娘を完全母乳で育て、娘が1歳2カ月のときに断乳しました。今回は私と娘の断乳エピソードについてご紹介します。 もっと授乳をしたかったけれど…生後1カ月ごろから完全母乳で育ち、おっぱいが大好きな娘。娘が3歳になるまでは育休を取得していたので、もういらないと言われるまで授乳は続けるつもりでしたが、復帰前までに2人目の子どもが欲しいとも考えていました。 第一子である娘を不妊治療で授かり、第二子も不妊治療でないと授かることが難しいということはわかっていたので、娘が1歳2カ月になる少し前に治療を始めることを決意。治療が始まり薬を服用することになったため、急きょ断乳することになりました。 「この日におっぱいとさよならしようね」断乳を考えるようになってから実践したのは、娘に対して 「この日になったらおっぱいとさよならしようね」 とカレンダーを指差して言ったことです。まだ1歳ちょっとの娘が数字を読めるわけでもなく、当然カレンダーや日にちがなんなのかよくわかっていなかったのですが、もうすぐおっぱいとさようならするということを意識させていました。 目指していたのは娘が1歳2カ月になる日。それに合わせて、昼間の授乳も少しずつ間隔をあけて回数を減らしました。 ついに来た、さようならの日娘が1歳2カ月になった日。昼間の授乳は減らしていたため、おっぱいを飲まなくても大丈夫になっていました。けれど寝かしつけのときにはおっぱいを欲しがる娘。そこで 「今日でおっぱいとはさよならしようねって言ったよね」 と言ってみることに。 すると、おっぱいが欲しくて私のおなかの上にまたがっていた娘が、大泣きしながらおっぱいにバイバイし始めたのです。この姿を見て私も涙が出そうになりましたが、ぎゅっと抱きしめて子守歌を歌ってあげると、授乳をせずに寝かしつけることができました。 その後数日間、娘は寝かしつけのときにおっぱいが欲しくて泣いていましたが、抱っこしたり歌ったりしているうちに、泣かずに眠れるようになりました。娘に言い聞かせていたせいか、私の胸も張らずに自然としぼんで断乳に。おっぱいの代わりに私の髪の毛を触らないと眠れなくなってしまった娘ですが、それも愛おしく思っています。 先輩ママの体験談、いかがでしたか?「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラスト:ののぱ著者:ライター 吉川麻和一児の母。娘の出産を機に仕事を退職し、現在は子どもの成長に合わせた働き方を模索中。不妊治療の経験や子育て経験に基づき執筆中。
2020年03月27日昔は、脂っこいものや甘いものを食べると母乳がドロドロになり、乳腺をつまらせて乳腺炎になることがあるので控えるように、と指導されていた時代がありました。現在でも、その指導が根強く残っていることもあり、母乳をあげているママが、おっぱいのために揚げ物やケーキなど脂肪分の多い食事を控えているというお話を聞きます。また、その他にもおっぱいのために控えているものもあり、それがストレスに感じているママもいるようです。授乳中の食事制限が本当に必要なのでしょうか? 母乳育児の専門家である国際ラクテーションコンサルタントとしてお答えします。 ママの食事は母乳の成分に影響する?母乳育児には、通常より負荷した栄養が必要です。日本人の食事摂取基準では、プラス350kcalとされています。総摂取カロリーが1500kcal以上であれば、母乳量は減少しません。また、余分に食べても母乳量は増えないとされています。 ママたちが気になっている食事中の脂肪ですが、摂取量によって母乳中の脂肪酸組織が変化します。また、食事による摂取だけでなく、もともとママがもっている体内の脂肪の貯蔵量が多いと、母乳中の脂肪成分が多くなることがあるます。一方、たんぱく質やビタミンB12、ナトリウム、カルシウム、鉄などは、食事やママの体内の貯蔵量に影響されることはなく母乳中の成分は一定であるとされています。 揚げ物や甘いものを食べると乳腺炎になる?先ほどもお話した通り、食事により脂肪の摂取量が増えると母乳中の脂肪成分も増えることがあります。しかし、母乳(成乳)の脂肪球の直径は2.0〜6.0μmと小さく、母乳中において脂肪球同士がくっついてしまうということはありません。 母乳の出口である、乳管は出口に近い部分は2mm程度で脂肪球の直径の300倍以上であり、射乳反射で飛び出す時は約58%拡張します。そのため、母乳中の脂肪成分が増えても、乳管をつまらせるほどの影響はないといわれています。 カフェインの母乳への影響は?カフェインは、母乳中に移行して、移行量が多いと赤ちゃんが眠らなくなったり落ち着かなくなったりするなどの症状がみられることがあります。成人に比べて新生児は半減期(半分に代謝される時間)が長く、とりすぎに注意しましょう。特に生後3週未満の児や早産児はカフェインの代謝が遅いためより少なめにしましょう。それ以降でしたら、1日1〜2杯程度のコーヒーを飲んでも影響は少ないといわれています。 アルコールと食事に含まれるアルコールの母乳への影響は?アルコールは、分子が小さいために母乳中へ移行しやすいのですが、アルコール10g以下(ビール250ml、ワイン100ml、日本酒80ml)であれば問題ないとされています。アルコールは通常2〜2.5時間で血中から消失します。もし飲むのであれば、授乳したあとにほんの少量程度に留めておき、その後の授乳は3時間くらいあけると安心ですね。 しかし、アルコールの代謝は個人差があること、アルコールは母乳分泌抑制作用があるために、慢性的な飲酒は避けましょう。ノンアルコールのビールやカクテルなどもたくさん販売されています。食事やお菓子に含まれるアルコールに関しては、少量であり、加熱していればアルコール成分は飛んでいることもあるため、あまり気にされなくても大丈夫かと思います。 授乳中は、カロリー消費が多く通常よりプラスした栄養が必要です。寝不足や育児ストレスなど蓄積しやすい時期かと思います。食事制限によるストレスなく、美味しい食事やおやつで、毎日頑張っているママへのご褒美として、元気を回復させたいものですね。 <引用・参考文献>日本ラクテーションコンサルタント協会第45回母乳育児支援学習会in東京山本よし子「Q脂肪の多いものを食べると乳管がつまる?(母乳の生化学)」 日本ラクテーションコンサルタント協会第43回母乳育児支援学習会in東京田中奈美「産後の母親の健康薬、食事、不妊治療など」 日本ラクテーションコンサルタント協会第39回母乳育児支援学習会in東京齋藤朋子「母乳と薬剤〜とりあえず母乳はやめましょうと言わない支援者になろう〜」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2020年03月20日昔は、脂っこいものや甘いものを食べると母乳がドロドロになり、乳腺をつまらせて乳腺炎になることがあるので控えるように、と指導されていた時代がありました。現在でも、その指導が根強く残っていることもあり、母乳をあげているママが、おっぱいのために揚げ物やケーキなど脂肪分の多い食事を控えているというお話を聞きます。また、その他にもおっぱいのために控えているものもあり、それがストレスに感じているママもいるようです。授乳中の食事制限が本当に必要なのでしょうか? 母乳育児の専門家である国際ラクテーションコンサルタントとしてお答えします。 ママの食事は母乳の成分に影響する?母乳育児には、通常より負荷した栄養が必要です。日本人の食事摂取基準では、プラス350kcalとされています。総摂取カロリーが1500kcal以上であれば、母乳量は減少しません。また、余分に食べても母乳量は増えないとされています。 ママたちが気になっている食事中の脂肪ですが、摂取量によって母乳中の脂肪酸組織が変化します。また、食事による摂取だけでなく、もともとママがもっている体内の脂肪の貯蔵量が多いと、母乳中の脂肪成分が多くなることがあるます。一方、たんぱく質やビタミンB12、ナトリウム、カルシウム、鉄などは、食事やママの体内の貯蔵量に影響されることはなく母乳中の成分は一定であるとされています。 揚げ物や甘いものを食べると乳腺炎になる?先ほどもお話した通り、食事により脂肪の摂取量が増えると母乳中の脂肪成分も増えることがあります。しかし、母乳(成乳)の脂肪球の直径は2.0〜6.0μmと小さく、母乳中において脂肪球同士がくっついてしまうということはありません。 母乳の出口である、乳管は出口に近い部分は2mm程度で脂肪球の直径の300倍以上であり、射乳反射で飛び出す時は約58%拡張します。そのため、母乳中の脂肪成分が増えても、乳管をつまらせるほどの影響はないといわれています。 カフェインの母乳への影響は?カフェインは、母乳中に移行して、移行量が多いと赤ちゃんが眠らなくなったり落ち着かなくなったりするなどの症状がみられることがあります。成人に比べて新生児は半減期(半分に代謝される時間)が長く、とりすぎに注意しましょう。特に生後3週未満の児や早産児はカフェインの代謝が遅いためより少なめにしましょう。それ以降でしたら、1日1〜2杯程度のコーヒーを飲んでも影響は少ないといわれています。 アルコールと食事に含まれるアルコールの母乳への影響は?アルコールは、分子が小さいために母乳中へ移行しやすいのですが、アルコール10g以下(ビール250ml、ワイン100ml、日本酒80ml)であれば問題ないとされています。アルコールは通常2〜2.5時間で血中から消失します。もし飲むのであれば、授乳したあとにほんの少量程度に留めておき、その後の授乳は3時間くらいあけると安心ですね。 しかし、アルコールの代謝は個人差があること、アルコールは母乳分泌抑制作用があるために、慢性的な飲酒は避けましょう。ノンアルコールのビールやカクテルなどもたくさん販売されています。食事やお菓子に含まれるアルコールに関しては、少量であり、加熱していればアルコール成分は飛んでいることもあるため、あまり気にされなくても大丈夫かと思います。 授乳中は、カロリー消費が多く通常よりプラスした栄養が必要です。寝不足や育児ストレスなど蓄積しやすい時期かと思います。食事制限によるストレスなく、美味しい食事やおやつで、毎日頑張っているママへのご褒美として、元気を回復させたいものですね。 <引用・参考文献>日本ラクテーションコンサルタント協会第45回母乳育児支援学習会in東京山本よし子「Q脂肪の多いものを食べると乳管がつまる?(母乳の生化学)」 日本ラクテーションコンサルタント協会第43回母乳育児支援学習会in東京田中奈美「産後の母親の健康薬、食事、不妊治療など」 日本ラクテーションコンサルタント協会第39回母乳育児支援学習会in東京齋藤朋子「母乳と薬剤〜とりあえず母乳はやめましょうと言わない支援者になろう〜」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2020年03月20日みなさんは母乳育児、ミルク育児、どちらですか? 母乳&ミルクの混合で育てているママさんも多いことでしょう。出産後、産院で「授乳指導」や「調乳指導」を受けると思います。その際に「今後どう育てていきたいのか」を聞かれることでしょう。わたしの場合は、「なるべく母乳で育てていきたい」との思いがありました。人によって、授乳の理想はさまざま。仕事に復帰するつもりだったり、パパと一緒に授乳していきたいからと、混合育児や完ミ育児を望むママも。今回は、これからママになる方や授乳で悩んでいるママさんたちに、気になる完母・混合・完ミの1日と、母乳育児、ミルク育児のメリット・デメリットを聞いてみました。完全母乳ママの1日完全母乳で育てているママは、新生児から数ヶ月間は「2~3時間毎に8~10回/1日」授乳します。なかなか最初は母子ともに授乳に慣れず、赤ちゃんの吸い方にムラがあったり、ママのおっぱいがトラブルを起こしたりと大変な時期も…。しかし、成長と共にこの授乳回数は減っていきます。息子の場合は、生後2ヶ月~6ヶ月くらいまで授乳間隔は3~4時間で、その後、1歳3ヵ月で断乳する頃には感覚もまばらになり、1日数回になりました。また、抱っこしても、オムツを交換しても泣き止まない時は、おっぱいに頼ることが多いです。母乳育児の場合は「何時間経ったら」や「1日何回飲ませる」というよりも、「赤ちゃんが欲しがったら」あげるというスタイルに落ち着くママが多いよう。息子も断乳間際の1歳前後には、お腹が空いていないはずなのにすぐにおっぱいを欲しがる「甘え飲み」が多くなり、どうしたら間隔を開けられるかが悩みの種でした。母乳とミルクの混合ママの1日基本的なスケジュールは完全母乳のお母さんと同じ。わたしは混合育児だったのですが、1日の内にミルクを与える時間を決めていました。混合育児をしているママたちの理由はいろいろですが「最初のうちは母乳が安定しているのか不安だから」、「哺乳瓶に慣れさせたくて」、「夜はしっかり(ママが)眠りたいから」などと言います。わたしは、産院でもらった新生児用の100mlの哺乳瓶に40mlの粉ミルクを作り、毎日のお風呂上がりに与えることに決めていました。その後、成長と共に量を増やし、生後2ヶ月~4ヶ月くらいまでは、100ml。それ以降は、〜200ml与えていました。キューブ状の粉ミルクを使っていたので調乳は楽だったのですが、哺乳瓶の準備が面倒に感じて、完全母乳にしていた日もあります。完全ミルクママの1日わたしの友人の完ミママは、2~3時間毎に7~8回与えているそう。産院で「体重の増加を見ながら、出来るだけ目安の量と授乳間隔を守って」と指導されたそうです。赤ちゃんはそれぞれの性格や体型などは違いますが、だいたいの月齢で「飲める量」や「飲むべき量」が決まっています。ミルクのパッケージなどにも、月齢毎のミルク量が参考に書いてあるので、それを参考に、少しずつ増やしていくといいと思います。授乳の時間になったら、1度沸騰させたお湯で粉ミルクを溶かし、人肌になるまで冷まして授乳します。授乳を終えたら、使い終わった哺乳瓶を洗って、煮沸・消毒までが一連の流れ。次の授乳の時間になったら、また、調乳して、授乳して、消毒して…、私は1日1回しか哺乳瓶を使っていませんでしたが、それでもこの一連の作業が大変だなぁと感じました。少しでもこの負担を軽減させるため、洗った後の哺乳瓶は煮沸ではなく、消毒液に浸けるだけ・電子レンジで消毒にしているママも多いようです。母乳派のメリット・デメリット母乳は赤ちゃんにとって栄養になる大事なもの。特に、出産後にでる濃い黄色の初乳は、赤ちゃんの免疫力を上げるため重要と言われています。また、赤ちゃんとのお出かけは荷物がとても多いものですが、母乳であれば哺乳瓶などの持ち物は要りません。赤ちゃんがぐずった時も、おっぱいがあればその場をしのげる心強さもあります。そして、何より無料です。粉ミルクはお金がかかりますが、母乳はかかりません。ただ、私の場合は、両方のおっぱいから同じように母乳が出ませんでした。そのため息子の好みがはっきり出て、片方しか吸ってくれないことで、片方の乳房が何度も乳腺炎になり、激痛と闘う度に挫けそうに…。助産師さんを呼んで母乳マッサージを受けたり、自分で搾乳して哺乳瓶で飲ませたり...、断乳まで試行錯誤の連続でした。乳腺炎にならなくても、「乳首を噛まれて切れる」、「母乳パットをつけていても母乳が服に染み出る」などのトラブルが母乳育児には付き物です。ミルク派のメリット・デメリットミルクはお父さんでも授乳ができます。その間にお母さんは少しでも休みましょう!おっぱいでの授乳とはまた違う可愛い表情が見られるので、お父さんも楽しめるはず。また、ミルクはいつでも一定でバランスの良い栄養を赤ちゃんに与えることができます。お母さんが風邪をひいたときも、体を休ませて、問題なく薬を飲めます。母乳よりも腹持ちが良いと実感しているママが多く、赤ちゃんの睡眠時間が母乳よりも長くなる傾向があります。赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、少しだけ休める時間が増えるのは良いですよね。ただ、お出かけする時に哺乳瓶などの持ち物が増えることと、場合によっては長時間の外出は難しいところがあります。粉ミルク代金はメーカーによって値段も変わりますが、1缶2000円前後します。赤ちゃんとママがハッピーならどちらでもオッケー♡完全母乳でも、混合でも、ミルクでも、育児は赤ちゃんとお母さんがハッピーならそれで良いんです!母乳じゃなきゃいけないとか、粉ミルクはあまり飲ませたくないとか、そういう価値観でお母さんを縛り付けるのは良くないなぁと思います。もっと自分らしく、育児を楽しんじゃいましょう!
2020年03月13日春からの仕事復帰を予定しているママで、お子さんが保育園に行く場合、母乳を続けるか、断乳するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 今回はそんなママに向けて、仕事復帰後の母乳育児のヒントになることをお話しします。 仕事復帰後の母乳育児をどうするか決めるポイントまずは、母乳育児をどうするか決めるときにポイントとなることを、赤ちゃんの成長や状況、ママの体調や状況に分けていくつか紹介します。 赤ちゃんの成長や状況によるポイント・月齢(年齢)・離乳食の進み具合・食べる量・体重や発達→1歳未満であれば、離乳食が食べられていても栄養の観点から母乳や育児用ミルクの液体栄養は大切です。完母の方は育児用ミルクへ替えていくこともあります。・母乳分泌量・授乳回数(特に日中)→母乳量が多い場合や日中の授乳回数が多い場合は、仕事中に搾乳しないと胸が張ってつらいことがあります。・授乳状況→母乳で寝かしつけをしている場合、他の方法(抱っこやトントンするなど)への移行ができるかという課題もあります。・保育園の搾乳対応の有無→搾母乳に対応していない園もあるようです。その場合は、保育園にいる間は育児用ミルクになることもあります。 ママの体調や状況によるポイント・乳房トラブルの有無→乳腺炎を繰り返している場合、トラブル発生時に体調不良で欠勤することも。・夜間授乳の回数→夜間の睡眠が十分にとれないと、翌日の仕事に影響が出ることがあります。・勤務時間(往復の通勤時間も含めて)→授乳できない時間が長い場合、勤務中の1〜2回の搾乳が必要になることも。・搾乳できる場所や時間が確保できるか→昼休みにトイレや更衣室で搾乳される方が多いようです。・ママの気持ち→これが一番大事です。母乳を続けたいか、やめていきたいか、ママの気持ちもポイントになります。 仕事復帰後も母乳を続けるメリット・デメリット次に母乳を続けるメリットとデメリットについてお伝えします。こちらも赤ちゃんから見たメリット・デメリットと、ママから見たメリット・デメリットに分けてみました。 赤ちゃんから見たメリット・感染症にかかりづらくなり、重症化を予防できる・寝かしつけがしやすい・ママとのスキンシップ、癒しになる 赤ちゃんから見たデメリット・特になし ママから見たメリット・母乳の免疫で、感染症にかかりづらくなったり、重症化を防ぐ・子どもが休むことが少なくなり、ママの欠勤も少なくなる・子どもとのスキンシップ、癒しになる・母乳育児を長期的に継続することにより、乳がん・卵巣がん・子宮体がんの発生を抑える(長期的効果) ママから見たデメリット・乳腺炎になることもあり、体調不良で欠勤する可能性がある・夜間の授乳のために睡眠が不足することもある・休憩時間が搾乳の時間にとられる 仕事復帰後も母乳を続ける場合の準備や心構えは?1歳未満や保育園にいる時間帯に授乳している場合は、日中1〜2回の搾乳が必要になることも。搾乳場所・搾乳を保存するための冷凍庫の確認、搾乳時間の確保をしましょう。【準備するもの】手搾乳(タオル、カップ)、搾乳機(手動・電動)※保存する場合は母乳パック、持ち運び時に溶けないように保冷剤・保冷バック 【スケジュール例】※生後10カ月9:00〜16:00までのお仕事の場合 6:00 ・・・・・・起床/準備 7:00 ・・・・・・朝食/授乳 8:00 ・・・・・・登園/出社 9:00 ・・・・・・就業開始12:00 ・・・・・・昼食/搾乳16:00 ・・・・・・就業終了/退社17:00 ・・・・・・お迎え/帰宅、授乳、夕食、お風呂20:00 ・・・・・・授乳/寝かしつけ、夜間覚醒時授乳仕事復帰に向けて断乳する場合の準備や心構えは?断乳する日を決めて、お子さんに事前にお話をしましょう。断乳ケアは慣らし保育前から余裕をもって始めておきましょう。セルフケアでもできますが、搾乳に自信がない人や不安があれば、お近くの母乳外来を探して、断乳ケアを受けるようにしましょう。春は断乳ケアが集中することがあるので、余裕のあるうちに相談しましょう。 仕事復帰後の母乳育児については、みなさん悩むところです。WHOでは、生後6カ月までは母乳で育てて、その後、補完食(離乳食)を適切にとりながら2歳まで母乳を続けることを推奨しています。また、その後も子どもが欲する期間は母乳をあげることも推奨しています。しかし、ママという立場からひととき離れて仕事に集中したい、体力勝負で睡眠も万全で挑みたいという気持ちもあると思います。それぞれの家族や仕事、ママの想いにも合わせて、家族で話し合って決めていけると良いかと思います。監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2020年02月27日妊娠中からできれば母乳育児をしたいと思っていましたが、母乳のケアについてはあまりよくわかっていませんでした。しかし産後、母乳育児だった私は乳腺炎になりかけてしまったのです。でも、早めに乳房マッサージを受けたことで症状が改善し、無事に双子を母乳で育て、断乳まで至ることができた話をご紹介します。 母乳育児のスタート双子は低体重で生まれたため、1カ月ほど入院していました。お世話になった産院の助産師さんからは、母乳の出し方について丁寧な指導があり、マッサージもしてもらったため、順調な滑り出しで母乳育児をスタートできました。しかし生まれた娘たちは、生後しばらくは哺乳力があまり強くなく、母乳の出る量に対して飲んでくれる量が少なかったように思います。手での搾乳もあまりうまくできませんでしたが、時間をかけて搾り、入院する病院まで届けて哺乳瓶で飲ませる日々でした。 すぐに乳腺炎になりかける娘たちの哺乳量があまり多くなかったためか、だんだんと乳房が張るようになりました。搾乳もしていたのですが、ある日の朝、起きてすぐに、乳房に強い痛みを感じました。友人が同じような症状で母乳育児相談室の助産師さんに相談したと言っていたことを思い出し、紹介を受け、すぐに診てもらうことにしたのです。助産師さんによると、やはり乳腺が詰まっているとのことでマッサージを受け、詰まりをほぐしてもらいました。マッサージ後、乳房が柔らかくなって痛みも取れたので驚きました。 母乳マッサージを継続して無事に断乳までその後、定期的にマッサージに通ううちに乳腺炎のような痛みを感じることはなくなりました。また生後6カ月の離乳食が始まるころには、双子を完全母乳で育てられるほど母乳の出もよくなりました。1歳9カ月ごろの断乳の時期にもその助産師さんにはお世話になり、娘たちのケアや、断乳に伴う母乳の搾乳方法も含めて指導してもらいました。そして、何のトラブルもなく無事に断乳ができました。 産後すぐに母乳マッサージを受けたおかげで、乳腺炎を免れ、双子の娘たちを母乳で育てることができました。さらに継続的に同じ助産師さんに診てもらっていたので、スムーズに断乳することもできたと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:小川かなえ2歳の双子姉妹の母。東京郊外在住。元保育士、不妊治療を経て妊娠出産。子連れハイキングやキャンプなどアウトドアも再開。現在は親子の森のようちえんを運営し、地域や自然とともに子育てをしている。
2020年02月02日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが成長するために必要な母乳や育児用ミルク。たくさん飲んでほしいけど、赤ちゃんが飲んでくれないときがあります。赤ちゃんが飲んでくれない理由はさまざま。今回は、そのチェックポイントとママができる対応を紹介します。 足りているかを確かめるチェックポイント「こんな少ししか飲んでいなくて大丈夫かしら?」ママにとって一番気になることは母乳や育児用ミルクが足りているかどうかだと思います。新米ママの場合特に、足りているのか足りていないのかを判断するのは難しいと思います。気になるときは、以下を参考にしてみましょう。 ・体重の増え方が悪い・授乳の間隔が1~2時間・おっぱいをいつまでもくわえている・おしっこやうんちの回数が少ない・不機嫌 新生児の場合は、生理的体重減少を考慮して、退院したときからどれくらい体重が増えているかをチェックしましょう。心配な場合は、授乳の時間やうんちおしっこの回数などをメモしておき、助産師、医師などに相談します。体重増加はどうか、おっぱいを正しい吸い方をしているかなどからチェックしてもらいましょう。 すぐ寝てしまうときはどうすればいい?低月齢の時期によくある姿です。最初は勢いよくゴクゴク飲んでいるのに、すぐにウトウトと寝始めてしまいます。低月齢のときは、母乳や育児用ミルクを飲むことに体力が必要です。まだまだ体が小さい赤ちゃんですので、疲れて途中で寝てしまうんですね。 ほっぺをツンツンしても起きない。ママとしては、一度にたくさん飲んでから寝てほしいですよね。でも、寝てしまったときに、無理に起こすのはなかなか難しいこと。しばらく寝かせ、起きたらまた飲ませます。月齢が上がるごとに、体力がつき一度に飲めるようになってきます。 遊び飲みをするときはどうすればいい?月齢が上がり、3カ月ごろになると徐々に遊び飲みを始めることがあります。おなかが少し満足し始めると乳首を外して周りをキョロキョロ見たり、ニヤリと笑ったり、「う~」などお話を始めたり。飲むのはやめているのに乳首を加えたままだったり。 このころの赤ちゃんは、大脳が発達してお腹がいっぱいになると自分で飲まなくなるのです。つまり、自分の適量を飲めるようになるということ。遊び飲みや飲みムラが出てくるように思いますが、赤ちゃんの発達ととらえ、何度か乳首をお口に入れて飲まなければ、そこで終了して遊んであげましょう。また、育児用ミルクの場合、温度に厳しい赤ちゃんは少し冷めてしまうと飲まなくなることも。そんな場合は、再度ミルクを温めなおして飲ませてみましょう。 哺乳瓶から飲んでくれないときはどうすればいい?赤ちゃんによっては、哺乳瓶を嫌がって飲まないことがあります。母乳が足りずに育児用ミルクを足す場合は、栄養が足りないのではないか? 4月から保育園を控えている場合は、保育園で大丈夫か? と心配になります。 哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんの場合、私の保育園では以下のようなことを家庭と一緒にチャレンジしています。 ・お気に入りの乳首を探すメーカーにより乳首が違いますので、より母乳に近いものを選んでみます。・育児用ミルクのメーカーを変えてみる育児用ミルクはメーカーにより味が違います。試供品などもらっておいて、各メーカー試してみるのもいいですね。・温かさを確認する腕の内側にミルクを垂らして温度を確認しましょう。40度前後の、やや熱いくらいが適温です。赤ちゃんによって微妙に好みが違うので、あなたの赤ちゃんの好きな温度を探してみましょう。・搾乳した母乳で練習する普段飲みなれた味のママの母乳を搾乳し哺乳瓶で飲んでみることからスタートしてみましょう。 赤ちゃんの食欲には個人差があります。成長曲線に沿って体重が増えていて、おしっこやうんちがよく出ている、機嫌が良いなどの場合は基本的に大丈夫ととらえましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月23日あり子のワーママ奮闘記
PUKUTY(プクティ)只今育児奮闘中!
たんこんちは ボロボロゆかい